魔王娘「魔王を倒したのは貴様か?」勇者「人違いです」(132)

魔王娘「だが余の目の前でお父様を倒したのは貴様であろう」

勇者「いや勘弁して下さい本当に俺じゃありません」

勇者「(俺なんだけどね)」

魔王娘「何故そこまで否定する?余は確かに見たぞ。お父様と死闘を繰り広げ、見事打ち倒した貴様の姿。魔王を倒したことは勇者ならば名誉なことだろう?」

勇者「いやそりゃそうですけど…お父さんを倒したんだから俺を敵討ちするパターンですよねコレ?」

魔王娘「何を言っている?逆だ。余を連れていってほしいのだ」

勇者「え?」

魔王娘「何しろ親を殺されたのだからな。城でゆっくり暮らそうにも使用人は全て消えているし生活する為の金も無い」

勇者「(ニート魔王…)」

魔王娘「そういう訳だ。よろしく頼むぞ」

勇者「えー…」

勇者「あなたを仲間にするのは良いんですけど…もう魔王倒したからやることがありませんよ」

魔王娘「何を言っておる。RPGなら裏ボスやら魔王なんてポンポン出るであろう?そいつらを倒すのじゃ」

勇者「そんな簡単に言いますけどね、そう魔王とかが増えてたらとっくにこの世界が魔物に支配されているに決まっt」

ズゴゴゴゴゴ…

勇者「な、なんだっ!?この揺れは…」

魔王娘「ふん、言ってる側から登場じゃな。この気配は新しい魔王に違いないぞ」

勇者「え、えぇ~…」

魔王娘「さぁ、さっそく旅の準備じゃな。余の城を拠点として好きに使うがよいぞ。感謝するのじゃ」

勇者「人が全くいない城って役に立ちますかね…」

魔王娘「雨風凌げるだけ有難いと思うのじゃな。野宿などしたくはないであろう?余は絶対にイヤじゃ」

勇者「…俺は構いませんけどね。慣れてますし」

魔王娘「慣れているとしても不潔じゃな。風呂に入り、バランスの良い食事を食べ、暖かいベッドで寝るのが大事じゃ。勇者なら体調管理くらい当然であろう?」

勇者「あー…この前毒キノコ食べて死にかけたしあんまり気にしてないです」

魔王娘「むぅ…少しは警戒心をじゃな」

勇者「まぁまぁ。それよりお城、有り難く使わせて頂きますね」

魔王娘「ふむ。まずは風呂じゃな…風呂の場所は二階の奥の部屋じゃ。無駄に広いから分かると思うぞ」

勇者「えーっと、二階の奥の部屋…?」

魔王娘「む。そういえばお主はここに来たのは初めてだったな。案内してやるからついて来るのじゃ」

勇者「ど、どうもです…」


魔王娘「ここじゃ」

勇者「おおぉ…かなり広い…」

?「姫様、魔王様を討った敵と一体何をしておられるのですか」

勇者「うわっ、魔物か!?」

魔王娘「貴様は…魔王軍隊長のオークか。生きていて嬉しいぞ」

オーク「人間界を攻めている間に魔王様が倒されたと聞き、急ぎ戻って参りました…おかげで部下もそれほど失わずに帰れたのです。それで、その勇者と一体何を?」

魔王娘「む?こやつは余のパートナーじゃ。お父様を超えた男じゃからな。この城の全ての支配権はこやつにあると思えよ」

オーク「…はっ、御意のままに。それでは姫様、私は城の警備をしていますので身の回りの世話は部下へなんなりと。」サッ

勇者「…今の説明、俺自身ほとんど聞かされてないんだけどなぁ」

魔王娘「こうでも言わないとオークは従ってはくれないじゃろう。仕方ないのじゃ」

魔王娘「それより風呂じゃ」

勇者「…あの、なんで脱衣所までついて来るんです?」

魔王娘「?余も入るからに決まっておるだろう。何を言っておるのだお主は」

勇者「いや、だから俺も風呂に入る訳ですよ。一応俺は男ですしあなたは…女…ですから」

魔王娘「そんなことを考えていたのか?余はその程度のこと、気にはしない。見たいのなら存分に見るがよいぞ、ほれ」パサッ

勇者「なっ…ぁっ…………!」ドパッ

魔王娘「む?どうした、鼻から血が出ておるぞ!?何が起きたのだ、おい起きろ!」パンパン

勇者「う、う~ん…ハッ!ここは?」

魔王娘「ほっ…早く風呂に入るのじゃ」

勇者「何かタオルを巻いてください…は、早く」

魔王娘「むぅ、裸は苦手なのか?珍しいものじゃな…」

勇者「う~…」

魔王娘「鼻血は止まったのか?」

勇者「多分…止まりました」

魔王娘「良かったのぅ。鼻血で風呂が赤く染まっては大変じゃからな。」

勇者「俺の心配じゃないんですね」

魔王娘「毒キノコを食べて死にかけたお主ならば鼻血ごときで死ぬことも無かろう。むしろそれで死んだら勇者の恥じゃ」

勇者「た、確かに…」

魔王娘「まぁこんな話はどうでも良いのじゃ。とにかく風呂に入るぞ」

勇者「は、はぁ…本当に一緒に入るんですね」

魔王娘「そんなに気にしなくても良いと言っておるじゃろう…それとも逆に見たいからワザとそんなことを言っておるのか?」

勇者「見たかったらいちいち鼻血出しませんよ…出血死しちゃうかも」

魔王娘「だがお主のHPは中々高いではないか。鼻血など毒と比べれば軽い軽い」

勇者「本当に毒より軽いんですかね…」

魔王娘「…おっと、お主のせいでまた話が長引いてしもうた。入るぞ」

勇者「俺のせい!?」

カポーン

勇者「うわぁ…すっごい広いなぁ」

魔王娘「オークの部下共が異常に多いからこんなに広いのじゃ。湯はこの城の魔力から作られておるから無限に湧くし魔法で勝手に掃除してくれるから楽チンじゃな」

勇者「…この城便利ですね。」

魔王娘「まぁのう。お陰で使用人の仕事も減って中々良いのじゃ。…その使用人達はお主にやられたがな」

勇者「ぐっ…すみません」

魔王娘「冗談じゃ。使用人くらい何度でも造り直せるから気にするな。でも、オークとかの特別な者は生き返らせるのにも魔力がかなり消費してしまうから辛いがの。」

勇者「そうなんですか…そういえばさっきのオーク、魔王軍隊長って言ってましたけどかなり強いんですか?」

魔王娘「まぁ強いじゃろうな。余と戦って5秒持ちこたえれるからのぅ…」

勇者「…5秒?それ強すぎませんか?」

魔王娘「本当にのぅ。昔は0.4秒だったのが今では…」

勇者「いやあなたがです」

魔王娘「む、何故だ?お主ならもっと早く終わるであろう」

勇者「(スライムでも30秒はかかるんだけどなぁ)」

魔王娘「それにしても良い湯じゃな」

勇者「そうですね…魔物が住む城だってこと忘れそうです」

魔王娘「まぁその魔物が住む城にお主も住むのじゃがな」

勇者「…ここに住むんですね、俺。人間界には戻れないと。」

魔王娘「当然じゃ。余が人間界に行けばたちまち捕まってしまうからの」

勇者「いやでも姫さま強いじゃないですか。捕まらないと思いますよ」

魔王娘「お主よりは弱いと思うんじゃがの?すぐに捕まってしまうぞ……それより、ずっと気になっていたのじゃが」ズイッ

勇者「え?わわっ!!」

魔王娘「お主、いつまで敬語なのじゃ?良い加減いつも通りに喋るべきじゃぞ」

勇者「え、いや、あの…」

魔王娘「なんじゃ、何か不服か?敬語を止めよと言っておるだけじゃぞ。」

勇者「仮にも姫様ですし、敬語を使わねば失礼かと思いまして…」

魔王娘「ふん、気にせんがな」

勇者「…じゃあ敬語を止めるよ」

勇者「そういえば今更だけど、お互いまだ自己紹介してないよね」

魔王娘「む?そうだったかの…じゃあ、一応しておこうか。余は魔王娘。お主が倒した魔王の娘じゃ。好きな食べ物は人間の肉じゃな。特に血が滴るような…」

勇者「人間の肉が好きって、俺逃げた方が良いよね絶対」

魔王娘「冗談じゃ。余はこう見えてスイーツが大好物じゃから人間など食ったりせぬ。」

勇者「そ、そうか…良かったよ本当に。じゃあ次は俺の番だな。俺は勇者。魔王を倒す旅をしている。仲間がいないのは魔王と一対一の勝負がしたかったからだ。」

魔王娘「おぉ、その情報は全て知っていたぞ。一体一がしたいから一人旅なぞバカだと思うておったからお父様は油断して倒された訳じゃな」

勇者「バカだと思われてたのね。ていうか、なんで仲間がいない理由を知ってるんだよ」

魔王娘「ふっ、魔王軍の情報網を侮るでないぞ。調べれることは調べ尽くしておるからな?例えば昨日の勇者の寝言は『はぁ…はぁ…姫様…そこは駄目ですぅっ…!』とk」

勇者「うわあああぁあ何言ってんだ俺ええぇぇっっ!!!?」

魔王娘「まったく。寝言でそういうことを言うとはのぅ…一体どんな夢を見ていたというのじゃ」

勇者「お、覚えてない…変な夢じゃなかったら良いんだが…」

魔王娘「仮にそういう夢を見ていたとしても良いじゃろ。健全な男子である証拠じゃ。」

勇者「…健全な男子はみんなHな夢を見るって言いたいのかよ」

魔王娘「さぁの。それよりもう出るぞ…そろそろのぼせそうじゃ」

勇者「はぁ…」

魔王娘「ふぅ。良い湯だったの」

勇者「忘れてた…着替えるんだから裸になるということを…!」

魔王娘「む?余は後ろ向きじゃから尻しか見えていないと思うが…それでも駄目なのか?」

勇者「駄目です。魔王娘は女の子なんだから男の前で裸になることを少しは恥ずかしいと思った方が良いよ?そもそも部屋を分けようよ」

魔王娘「ふん、一緒に風呂に入るのは良くて着替えるのが駄目な意味が分からんぞ。魔力を無駄に消費したくないから部屋も分けんしな」

勇者「うぬぬ…風呂ならまぁ、湯船に浸かるから見えにくいからまだ…」

魔王娘「じゃあ、サキュバスの様なほぼ全裸に近い魔物はどう倒してきたのじゃ?この城の近くにいたじゃろう」

勇者「…倒してない」

魔王娘「どういうことじゃ?」

勇者「なんか…目の行きどころが無かったから全部逃げてきた」

魔王娘「…お主という奴はまったく」

勇者「し、仕方ないだろ?地味に可愛いし斬ることに対してなんか罪悪感が…」

魔王娘「はぁ。要するに女の子が苦手な訳じゃな」

魔王娘「さて。そろそろ飯じゃな」

勇者「そういやご飯ってどうすんの?俺作れないんだけど」

魔王娘「ふん、料理くらい余はできるぞ。城で色々遊びまくった結果、家事は大体できるようになったのでな」

勇者「(働くニート魔王…)」

魔王娘「そんなことよりあれじゃ。まず材料がいるの」

勇者「あぁ、そうだな…野菜とかって人間界から手に入れてるのか?」

魔王娘「いや、全て魔界製じゃ。人間界のも美味しいが魔界のも美味しいし慣れてるんでな。勇者もきっと気に入るぞ」

勇者「へぇ~…楽しみだな」

魔王娘「まぁ調理方法が面倒なのが欠点かの…素人にはサラダすら作れまい。例えばこのレタス、剥がす葉っぱに順番があって間違えるとレタスが魔物化して見境なく暴れるのじゃ。剥がす順番は1つ1つランダムじゃが色の微妙な違い、匂い等で判別できる。最も、その違いも本当に僅かじゃから人間の目と嗅覚では判別することは不可能に近いがの」

勇者「…レタス怖いな」

魔物娘「こんなの優しい方じゃ。他にも切る位置が決まっていて1cmでもずれたら大爆発を起こすスイカとかあるぞ。下手したらその場で死亡じゃ」

勇者「魔界の食べ物、危なすぎるだろ!?」

魔王娘「その分とても美味しいのじゃ。安心しておけ」

勇者「おう…」

魔王娘「よし、できたぞ」

勇者「早いねぇ。えーっと、ご飯とサラダとハンバーグ?」

魔王娘「勇者の好きな食べ物が分からんのでな。とりあえずハンバーグにしたのじゃ」

勇者「へぇ、嬉しいよ。いただきまーす」

勇者「……!?」

魔王娘「どうじゃ?美味しいじゃろ」ニヤリ

勇者「うまい……こんな味今まで食ったことないぞ…!?」ガツガツ

魔王娘「当然じゃ。余が作ったのじゃからの!ほれ、おかわりもあるぞ」

勇者「あぁ…頼む!」モグモグ

魔王娘「(ふふ…人に褒められたのはいつぶりじゃろうか。素直に嬉しいぞ)」


勇者「うぅっ、お腹痛い…」

魔王娘「まったく、勇者は食べ過ぎじゃ。これを飲め」

勇者「こ、これは?」

魔王娘「お腹が痛いのが治るジュースじゃ。はやく飲め」

勇者「わ…悪いな…」

魔王娘「さて。今までずっと無視してたが新しい魔王が復活した訳じゃ」

勇者「そういえばそうだったな…普通に魔界生活楽しんでたわ」

魔王娘「む?永住決定か?」

勇者「…ちょっと心が揺らいでる」

魔王娘「ふふ、余はいつでも歓迎するぞ。…それでじゃ。先程余のペットに新しい魔王がいるところを調べてもらったのじゃ。」

勇者「ペット?」

魔王娘「うむ。確かドラゴン族の中でも優秀な部類のドラゴンだったかの。確か『バハムート』とか言ってた様な…」

勇者「…敵に回したくはないな」

魔王娘「可愛いヤツなんじゃがなぁ。ちょっとイタズラっ子なのじゃ」

勇者「そ、そうか…それで、魔王の居場所は?」

魔王娘「おぉ、そうだったの。居場所は…人間界らしいのじゃ」

勇者「人間界!?それ人間が危ないんじゃ…」

魔王娘「いや、どうやらどこかの国で王になりすましている様じゃしまだ大丈夫じゃ。それよりどう倒すかが問題なのじゃ。一国の王になっているということは会うことも厳しいかもしれんぞ」

勇者「そうだな…それなら俺に考えがある。」

魔王娘「どんな考えじゃ?」

勇者「ズバリ、正面から強行突破」キリッ

魔王娘「却下じゃ。それでは逃げられるかもしれんしお主がお尋ねものにされるぞ」

勇者「そうか…じゃあ、シンプルに普通の旅人に変装していくか」

魔王娘「そうじゃのぅ…でも、もし会えなかったらどうする?」

勇者「なんとか探してブッ倒す」

魔王娘「じゃろうな。余もその気じゃ」

勇者「とりあえずはその作戦で行こうか。旅人っぽく行こう」

魔王娘「お主は既に旅人じゃがの…」

勇者「あ、そうだったな…それより、そうと決まれば明日は早いしもう寝よう」

魔王娘「そうじゃの。寝室はその部屋じゃ」

勇者「分かった。おやすみ、魔王娘。」

魔王娘「あぁ。おやすみ勇者」

勇者「(このベッド凄く良いな…枕の高さとか丁度良いし布団とか、この柔らかい山も……うん?山??)」モミモミ

勇者「俺一体何を触って……」モミモミ

魔王娘「ゆっ、ゆーしゃ…そんなことをするのはまだ早いんじゃないかのぅ…///」カ~ッ

勇者「…え?うわああああああぁぁぁあ~~っっ!!!」


勇者「…で、なんでベッドに潜んでたのか説明してくれるか?」

魔王娘「だって、一人で寝るのは暇じゃしそもそも寝室は1つしか無いのじゃ。お父様は玉座で寝てるから余の部屋だけでな…」

勇者「この部屋魔王娘の部屋だったのね」

魔王娘「そうじゃ。それで部屋に入っても気づかないからそのままベッドに入ったら勇者が…その…む、胸を凄く揉んできたから……///」

勇者「ああああそこは言わなくて良いから!ごめんって!!」

魔王娘「う、うむ…まぁ別に構わんが………触りたいなら先に言ってほしかったぞ?いきなり触ってきたから変な声が出てしもうたし…。」

勇者「え?」

魔王娘「い、いや。何でも無いのじゃ。それより早う寝るぞ。余はもう眠くて仕方がないのじゃ」

勇者「ん、そうだな…てか魔王娘も一緒に寝るのか」

魔王娘「当たり前じゃ…夜だからってムラムラして襲うんじゃないぞ」

勇者「いや襲わねーから!!」

勇者「うん…?」

勇者「ここはどこだ…辺り一体に霧が出ていて周りが見えにくいな」

?「ここは勇者様の夢の中ですわ」

勇者「うわっ!?びっくりした…キミ、誰?」

?「私ですか?私は魔王娘様にお仕えするただのサキュバスですのよ。魔王娘様に命じられ勇者様に魔界のことについて説明する為に夢を無理矢理見せています」

勇者「サキュバスってそんなこと出来るのか…初めて聞いた」

サキュバス「どうやら勇者様はサキュバス族を一匹も倒さず来たようですし無理もありませんわ。お陰で私の部下は一人も欠けていないので嬉しいのですけど」

勇者「そりゃどーも…ってことは代わりにオークをめちゃくちゃ倒してるから恨まれてるかな俺」

サキュバス「ふふ、オークなんて本能だけで動いている様なバカの集まりですわ。数だけは無駄に多いので気にしなくとも良いですのよ…まぁ、最近は人間の女だけでなく、より強い魔物を襲い孕ませる輩がいるらしく、力をつけているのも事実ですので油断は出来ませんが」

勇者「…オークって好みのタイプとか無いんだな」

サキュバス「恋愛をしてお互い愛し合うのが良いというのにあの連中は本当に呆れますわ。全く、ドラゴン様の様なたくましく、威厳を持って動いてほしいものですわね」

勇者「ドラゴン?もしかして…魔王娘のペットとかいう…」

サキュバス「おや、知ってらしたんですか?恥ずかしながら私、あのお方に一目惚れしてしまいまして…///」

勇者「サキュバスに一目惚れってあるのか?」

サキュバス「失礼ですわね。恋愛感情を抱くことくらいありますの!」

勇者「ご、ごめん。サキュバスって男を襲って色々してるイメージが強くてな…襲えたら何でも良いんじゃないかって思ってるんだ」

サキュバス「まぁ大体その通りですけどね」

勇者「そうなのかっ!?」

サキュバス「えぇ。恋愛感情を抱くのなんて一部ですし…中には女を好んで襲う者もいますわ。でも、みんな一人一人愛を持って行動しているのでオークの様に単細胞じゃありませんのよ。…あぁでも、部下に困ったのが一人いるんですのよね…」

勇者「困ったの?」

サキュバス「えぇ。魔力が凄まじく、戦いの才能は私も認めますが…とても暴れん坊な上したくなったら男でも女でも見境なく襲いますの。今は危険ですから私が城の地下に封印したのですけど、本当に悩みのタネですわ…って、こんな話している場合じゃありませんでしたわね。魔界について説明させていただきますわ」

勇者「あ、あぁ。そうだったな」

勇者「(暴れん坊サキュバスねぇ…)」

サキュバス「気づいていると思いますが、魔界では人間の身体能力がかなり低下します。これは魔界の邪気によって能力が奪われているのです。また魔界は基本的に土地が荒れ、毒の沼などが吹き出ているので魔物も湧きやすく大変危険ですわ。他にも…」

勇者「(…なんとか魔界を住みやすい環境に出来ないものかな…?)」


サキュバス「…以上で終わりですわ。それでは勇者様を夢から覚ましますわね」

勇者「やっとか…夢の中でもまた寝そうだったよ」

サキュバス「ふふ、それはありませんわよ?寝ていたら爪で引っ掻いて起こして差し上げますわ」

勇者「え、遠慮しとくよ…」

勇者「……。」パチッ

勇者「ふあぁ…覚ましてくれるのはありがたいけど時間まだ余ってるな…」

魔王娘「すぅ…すぅ……。」

勇者「(昨日まで敵同士だったってのに…こんな顔を見せちゃってまぁ)」

勇者「…暇だし城の中探索してみるか」モゾモゾ


勇者「はぁ…やっぱりこの城広いな…ん?」

オーク「おや、勇者様。一体何をしているのです?起床にはまだ早いと思われますが」

勇者「いや…ちょっと早く起きてしまったんだ。暇だから城の中を色々見て周りたいんだが駄目か?」

オーク「いえ、構いませんよ。少し暗いので足元にお気をつけて。」

勇者「うん。ありがとう」

オーク「あぁ、それと…地下へ行く場合は注意してください。これといって何もありませんがもしかしたら怪我をするかもしれませんので…では。」

勇者「(暴れん坊サキュバスのことか。…気になるし行ってみるかな)」


勇者「…これが地下への入り口か?よっと」ギィ…

勇者「おぉ…かなり暗いなここ…」

?「うん?…一体ここで何をしているんだいキミは…?」スーッ

勇者「うひぃっ!?」ゾクッ

?「ここに人間が来るなんてね…ま、良いや。歓迎するよ…」フー

勇者「あぐっ…息を耳にかけるな……っ!お前は誰だ?!」

?「ボクかい?ボクはここの見張り役兼暗殺部隊隊長のコウモリさ…ここはボクのお気に入りの場所でね。凄く落ち着くんだ…」

勇者「コウモリ…?コウモリにしては喋ってるし…明らかに手が……」

コウモリ「あぁ、魔力が極端に高い魔物は人型になれるんだよ…それに、人型になれば前の姿よりももっと魔力や能力が増大し、強くなれるのさ。あと、この能力のまま前の姿に戻ることもできるよ。…それとボク、女の子なんだから『お前』はやめてよ」

勇者「ごめん……とりあえずただのコウモリじゃないことは分かった」

コウモリ「うん。まぁ分かってくれたら嬉しいよ。…それよりもキミ、美味しそうな匂いしてるね。キスしても良い?」

勇者「は?キス!?」

コウモリ「…もしかしてファーストキス、まだ済ませてないの?…勇者のクセに?」

勇者「悪かったな…勇者のクセにキスしたことなくて」

コウモリ「うーん困ったなぁ…」

コウモリ「あんまりお客さんを傷つけたくないんだけど…仕方ない。ちょっと首出してくれる?なんなら太ももでも良いよ」

勇者「太ももは嫌だから首で良いや。はい」グイッ

コウモリ「ん。ありがと」

勇者「で、首出したけど何するんだ?」

コウモリ「ちょっとチクッてするけど我慢してね?」プチッ

勇者「いって…ッ!?」

コウモリ「はあぁん…この香り、さすが勇者だよぉ…♪はむっ」パクッ

勇者「うっ!?…なんか…すごく気持ちいぃ……っ」ゾクゾクッ

コウモリ「んっ……ぷは、美味しい…凄く濃くて良い味してるねキミ…暇だったらまた来てよ?」

勇者「はぁ…はぁ……キ、キスって吸血って意味だったのか…」

コウモリ「大丈夫かい?凄く疲れてるけど…そんなに吸ってないハズなんだけどなぁ。ところでキミ、何でここに来たんだい?」

勇者「そ、そうだった。この奥に、何があるか見てみたくて来たんだ。行っても良いか?」

コウモリ「この奥?奥ねぇ…女の子が閉じ込められてるけど、別に面白いことは無いよ?そんなことよりもう少しだけ吸わせて欲しいなぁ…すっごく好きになっちゃったかも、その味。」

勇者「へぇー閉じ込められてるんだ!じゃあ行ってくるよありがとバイバイ!」サッ

コウモリ「…むぅ。ケチだなー…」

勇者「ふぅ。もうちょっとで全身の血を吸われるかと思った…」

勇者「でも吸われてるときなんか気持ちよかったしちょっとだけならまた吸わせてあげようかな…」

勇者「(…ピンクのロングヘアーでかわいかったし)」

勇者「それより、結構奥に来たけどまだ何もないんだな…ってか地下って言うだけあって地面くりぬいて作ってるっぽいしすっごい寒い」

勇者「もう戻ろうかな…ん?あれは鉄のドア?」

勇者「何だろうこれ。ちょっとお邪魔します」

?「…来た…来た…きたきたきたきたきたきた」

勇者「え?なんか声g」

?「火炎魔法」ゴウッ

勇者「なっ……!あっちいいいぃぃっっ!!?」

?「暗黒魔法」ブゥゥン…

勇者「うわっ……っこの、くらえ雷撃!!」ドゴオォォンッ

?「!」

勇者「ハァ…ハァ……姿を見せろ!!」

?「ふ…ふふ…姿?ずっと目の前にいるよ…火炎魔法」ボゥッ

勇者「なっ…!」

?「ほらね?ずっと鎖に繋がれてるんだ…ねぇ、ここから出してよ。アタシを自由にして。もうずっと体が疼いて仕方ないの……」

勇者「鎖に繋がれながら戦ってたのか…?なんて奴…!!」

?「アタシのことはもう知ってるでしょ?『暴れん坊サキュバス』とか言われてるけど…名前無いんだ。名前を付けてくれるだけでも良いからさ、何か助けて」

勇者「な…名前?俺センス無いからなぁ」

?「何でも良いからさ、名前を付けt」

コウモリ「駄目じゃないか、キミ。『名前を付けて』なんて頼んだら。勇者君も、この子に名前を付けたら大変なことになるよ」

勇者「こ、コウモリさん?何でここに」

コウモリ「なんでって…ここはボクのお気に入りの場所だって言ったろう?ボクがいても不思議じゃないと思うけど」

勇者「いや、さっき入り口でのんびりしてたのになんで来たのかって意味なんだけど」

コウモリ「んー、なんか嫌な予感がしたから?ボクの勘、結構当たるんだ」

勇者「あの、コウモリさん」

コウモリ「なんだい…勇者君?」

勇者「あの、体を触るのを…んっ、や、やめてほしい…ぁっ」ビクッ

コウモリ「ごめんね、勇者君…でも、もう少し我慢してて?」ボソッ

勇者「え…なんでっ……ぐぅっ」ビクビク

コウモリ「…そろそろだね。勇者君、その子を見てごらん」

勇者「へ…?」

?「はぁっ…はぁっ…!アタシもしたい……体のっ…火照りが止まんない…!!」ガチャッガチャッ

コウモリ「ほらね?仮にもサキュバスだから、目の前でいやらしいことを見せてたら本能的に体が火照ってくるんだ。本当はみんな、なんとかこれを制御する力を持って魔王軍に入ってくるから普通は有り得ないんだけどこの子は抑制する練習とか全くしてないからこうなってるんだ。」ツー…

勇者「あぐっ!…も、もう良いでしょ?コウモリさん…もう限界です」

コウモリ「あはは、反応が面白いからついやりすぎちゃった。ごめんね勇者君」

勇者「はぁ…なんか疲れた……」

?「ぐぅっ…くそっ!!この鎖を解けええぇぇッッ!!!」

コウモリ「ごめんね…サキュバスさんから許可貰わないと出来ないんだ。それまで待っててくれる?」

?「ッ……上級氷魔法!!」

コウモリ「…はぁ。仕方ないなぁ…超音波」

?「なッ…!?」

バキィィィンンッッ!!

勇者「氷塊を…砕いた?」

コウモリ「ボクの超音波は振動で物体の内部から破壊することができるんだ。氷を砕く程度のことは余裕だよ。…それと、目の前で拷問染みたことをしたお礼に」ソッ

勇者「(…あれは吸血か)」

コウモリ「ちょっとごめんね。はむっ」

?「なっ……ぁっ!?」

コウモリ「ん…ぢゅるっ」ピチャピチャ

?「あっ……やっ、やめ……んあぁっ…!」ビクッビクッ

コウモリ「ぷはぁっ……うーん、サキュバス族の血はやっぱり甘いしなんかエッチな香りがする…オークのは生臭くて苦いのに……やっぱり一番は勇者君の血かなぁ」

?「っ……ぅ」バタッ

勇者「…え?もしかして死んだ?」

コウモリ「あはは、まさか。ボクの吸血は痛みを快感に変換できるんだよ。あの子はもう既にギリギリだったから気持ちよくって失神しただけさ…それより、もうここを出よう?いつその子が起きるか分かんないし。」

勇者「…はぁ。疲れたよ」

コウモリ「まぁ、あんまり行くところじゃないって分かったよね?」

勇者「うん…まぁね。そういえばあの子、サキュバスさん一人で封印したの?」

サキュバス「それは無理ですわ」フワッ

勇者「うわっ!?びっくりした!!」

コウモリ「あ、サキュバスさん。久しぶり~」

サキュバス「コウモリね。貴女があの部屋から出るなんて珍しいですわね」

コウモリ「うん。ちょっとお腹減ったから朝ご飯一緒に食べたくてね…」

勇者「…で。一人じゃ無理ってどういうこと?」

サキュバス「そうでしたわ。私はあくまで封印だけをしましたの。封印できる体力にするまで戦ってくれたのはオーク、ドラゴン様、そしてそちらにいるコウモリの三人ですわ。」

勇者「え?三人がかりでやっとって…どんだけ強いのあの娘」

コウモリ「あ、でもオークはほとんど攻撃外してたし、ほぼ盾代わりになってたよね」

サキュバス「そうでしたわね…ということは二人がかりですわ」

勇者「…どのみち二人とも強いんだね」

コウモリ「まぁ一応暗殺部隊やってるし、そこそこ強いかな。リーダーはボクだけど、ボク的にはドラゴンの方が良いと思うんだよね」

サキュバス「でも、貴女が強いのも事実ですし貴女で良いと思いますわよ?」

コウモリ「うーん…部屋に引きこもりっぱなしのボクよりしっかり城を見張ってるドラゴンの方が優秀だと思うけど。アイツ、真面目すぎるんだよね。『貴様の方が我より優れた力を持っている。我がリーダーになるには未熟すぎるから駄目だ』なんてさ。」

勇者「真面目だねぇ…」

サキュバス「流石ですわ…ぽっ///」

魔王娘「ぬ?お主達、何をしているのじゃ」

勇者「あ、魔王娘…こんなにたくさん、ご飯作って待っててくれたのか?」

魔王娘「まぁのぅ。余にかかれぱこの程度朝飯前じゃ。さ、サキュバス達も含めてはよう朝飯にするぞ」

コウモリ「やった~姫様の手料理♪」

勇者「鮭と味噌汁とご飯か…凄い人間の影響を受けてる様な気がする」

魔王娘「人間共の料理は見た目も味も栄養もバランスが良いのでな。真似しておるのじゃ。ただし、素材は魔界のじゃから人間共のよりもうまいぞ」

サキュバス「ダシの香りが食欲をそそりますわね…いただきましょう」

勇者「よし、いただきます!」

勇者「昨日も思ってたけど、やっぱりうまいね」

コウモリ「もぐもぐ…久しぶりに姫様のご飯食べたよ~」

魔王娘「そもそもお主、まともな飯も食べていないじゃろう?普段何を食べているのじゃ」

コウモリ「ん~………血液?」

サキュバス「それで生きられるのが不思議ですわ……そんなに美味しいんですの?」

コウモリ「サキュバスさんも飲んでみる?ボクの部屋の冷蔵庫にいろんな種類の血液貯めてるよー」

勇者「何も知らない奴がそれ見たら軽くホラーに感じると思うが…」

魔王娘「うむ…余も多分びっくりするぞ」

コウモリ「そうかな…とっても美味しそうに見えるけど。サキュバスさんみたいな初心者には人間の女の血が良いかもね。ちょっとクセがあるからキツいけどオークとかよりはマシだから。ドラゴンの血とかは凄く美味しいけど胸焼けみたいなのがするからオススメはしないかなー。…まぁ、200種類は軽くあるから1つずつ味見して自分に合うのを探してみるのが良いかも。」

勇者「初心者って何なんだ…」

魔王娘「そんなにたくさんの血液をどうやって集めているのじゃ?まさかお主自ら採取して回って…」

コウモリ「あはは、まさか~。通販で買ってるんですよ」

サキュバス「ここ通販とか届くんですの…?」

魔王娘「さて。飯も食べ終わったし新しく現れた魔王について話すのじゃ」

勇者「あぁ、そういえば魔王現れたんだったな…本当に忘れそうだよ」

コウモリ「新魔王さん半泣きなんじゃないのー?」

サキュバス「それより早く話しましょう」

魔王娘「うむ。コウモリに調べてもらった結果、新魔王はどうやら相手の力を吸収し、自らの力へと変換する能力がある様じゃ。そのせいで数で攻めると無駄に相手が強くなる上、長期戦になる程危険じゃ」

勇者「軽くチート能力じゃないかそれ…?」

魔王娘「話だけを聞けばそう思うじゃろう。しかし勇者よ、忘れてはおらんか?」

勇者「ん?」

魔王娘「奴はまだ生まれたばかりだということを。つまり、まだそんなに強く成長していない訳じゃ」

勇者「ってことは今の内に攻めた方が良い訳か。ゆっくりはしてられないな」

コウモリ「恐らく、1年を過ぎたらマズいね。この能力に気付いていない人間達は軍を率いて戦いを挑んでるだろうし今こうしてる内にも成長してると思うよ…」

勇者「マ、マジか…じゃあ急いで行ってくる!」

魔王娘「…勇者よ。どこへ行く?」

勇者 「え?」

勇者「どこへって…そりゃ新魔王がいる城に決まってるだろ」

魔王娘「どこにその城があるのか知らぬだろう?余も共に行くぞ。もう城の生活は退屈なのじゃ」

勇者「なっ…確かに知らないけど大丈夫なのか?いくら魔王の娘でも危険じゃないのか」

コウモリ「いざとなったらボクとサキュバスさんが守るから大丈夫だよー。ね?サキュバスさん」

サキュバス「な、私もですの?!貴女一人でも充分すぎr」

コウモリ「(頑張ったらドラゴン君からご褒美貰えるかもよ…?)」ボソッ

サキュバス「…ふんっ、コウモリ一人では戦力的に頼りありませんわ!私もお供致します!城の守りはオークがいますので安心してください!!」

魔王娘「む、別に余と勇者2人だけでも構わんが…良いのか?」

オーク「…私だけお留守番役ですか。しばらく出番は無さそうですね」ヒソヒソ

コウモリ「…オークさんごめんねいつも。」

オーク「いえ。男ならこの程度のこと当然ですよ。この城は我らオーク達とドラゴン殿で守ります。」

コウモリ「うん。もし人間達が攻めてきたらボクに連絡してね?すぐ駆け付けて戦いに加勢するから」

オーク「はっ。…それよりもどうか、姫様達に貴女の正体を気付かれないようにして下さい。」

コウモリ「大丈夫。絶対にバレないよ……ボクはコウモリ。ただの魔物、でしょ?」

この小説を見て下さっている皆さんに質問をしたいのですがよろしいでしょうか?


1つ目はキャラクター毎(いてもいなくてもどうでも良いようなモブ以外)に名前を付けても良いかということ。
理由は『サキュバス』と『暴れん坊サキュバス』等といった細かいキャラを分かりやすくする為です。
(雰囲気作りというのもありますが…)

2つ目はキャラクターの会話だけでなく、解説みたいなものや、効果音等を所々入れた方が良いか、ということです。

例)今まで通り↓
女「ん~…おはよー」
男「あ、起きたんだ。おはよう!」

解説っぽいものとかを入れた版↓
トントン…
女「ん~…おはよー」
目を眠たそうに擦りながら二階から降りてくる彼女。昨日、あまり眠れなかったらしく少し不機嫌そうにしていた。
男「あ、起きたんだ。おはよう!」

3つ目はエログロシーンを入れても良いか入れない方が良いかです。このことについてはまだ未定な上、そういった展開が来るかは分かりません。

以上の3つの質問について、アンケートを取りたいと思いますので気軽に答えて頂けたら嬉しいです。
それではゆっくり更新ですが続きをお楽しみください。

正直新魔王とかいらなかった
魔王娘と勇者のいちゃいちゃでよかったわ

自分の好きなようにすれば良いと思うよ。

>>39
旅をしながら、だんだんとイチャつく感じにしようかな~と思ってます。
新魔王はその旅をさせる為のキッカケ的な役ですね

>>40
個人的に書きやすいのでキャラに名前を付ける点だけ変更しようと思います。
(小説のタイトルにもなっているので勇者と魔王娘だけは変更しません)
エログロは要望があれば書く様にしますね。


突然アンケートを取ろうとしてすみませんでした。

勇者「1日しか魔界に行ってないのに、人間界に来たのが凄い久しぶりに感じるなぁ…うーん!」

魔王娘「ふむ、ここが人間界か…とても空気が良いの。緑が生い茂り、川も澄んでいて綺麗に見えるのじゃ」

勇者「魔界は人喰い草の森とか、毒沼とか、障気が漂ってたりしてたしね」

魔王娘「…あれは、魔界に住む他の魔王達が荒らしているからじゃ。別に魔界自体が汚れている訳ではないぞ?」

勇者「へぇ、そうなのか。…あれ?コウモリとサキュバスは?」

コウモリ「ボクたちはキミたちのはめてる指輪になってるよ~」

サキュバス「私が姫様、コウモリが勇者様の指輪になっていますわ」

勇者「本当だ…いつの間に。」

サキュバス「人間界へワープした時ですわ。それと、私達が指輪になっている理由は角や尻尾などを隠せないからですの」

コウモリ「姫様は翼と尻尾を上手く消してるんだけどね…牙だけは見えてますよ。」

魔王娘「むぅ…牙は何故か難しいのじゃ。この赤い目も黒く出来ないしの」

勇者「赤い目は似合ってるし無理に隠さなくても良いんじゃないか?」

魔王娘「なら良いが…それより最初の街に向かうぞ、勇者よ。」

勇者「あぁ。まずは魔王について情報集めってとこだな…!」

~最初の街~

魔王娘「ほぅ、ここが人間界の街か?とても賑わっておるな…!」

勇者「まーね。ここは比較的平和な街だからなぁ……っと、まずは酒場で情報収集だな」


店主「へい、お客さん何の用だい?酒はいくらでもあるぜぇ!」

勇者「いや、酒じゃない。…アンタ、最近現れた魔王のことについて何か知ってるか?」

店主「魔王?魔王ねぇ……あぁ、アレか!最近地震が起きて現れた…」

魔王娘「そうじゃ。どこにいるか、とか知らぬか?」

店主「んん?かわいらしいお嬢さんだな…ここで働くかい?給料は弾むぜ」

魔王娘「働く?…絶対に嫌じゃ。」

勇者「おいコラ、話変わってんぞ」

店主「おっとすまねぇ!魔王か。確か東のでっかい街…っていうか国に現れたと聞いたぜ。でもそっから誰も姿を見てないんだとよ」

勇者「そうか…ありがとう。」

店主「良いってことよ!」


勇者「はー、東の国か…結構遠いとこなんだよなぁ」

魔王娘「遠くても良いではないか。場所の手掛かりが掴めたのじゃろう?」

勇者「あ、あぁ…でもなぁ…魔王娘、野宿は平気か?」

魔王娘「の、野宿じゃと?うぅむ…好きでは…ないの…」

勇者「(ですよね)」

コウモリ「あ。姫様姫様。」

魔王娘「なんじゃ、コウモリよ?何か良い案があるのか?」

コウモリ「本当に小さいけど簡易的な家…っていうか部屋なら作れるよ~」

勇者「へぇ…じゃあ丁度良いじゃないか。それ使えば済むよな」

コウモリ「…一人分のベッドと狭い足場くらいしか無いけどね。一人が床で寝るしか無いよ」

魔王娘「雨風凌げるならマシじゃ…ふぅ、助かったぞ」

勇者「まぁ、寝る場所は確保したわけだしとりあえず東の国を目指そう。むちゃくちゃ遠いからそれまでの街を渡りながら行くぞ」

魔王娘「うむ、賛成じゃ」

勇者「東の国まで最悪2週間はかかりそうなんだよなぁ…コウモリ、全然大丈夫なのか?」

コウモリ「うーん…まだまだ大丈夫だね。夜はボクが偵察に行くから魔王の状態は安心してて良いよ」

勇者「そうか…」

魔王娘「む…?勇者よ、魔物じゃ!」

勇者「ん?こいつはプチオークか」

プチオーク「プギーーッ!プギ!」

勇者「強すぎるかもしれないが…くらえっ、雷撃!」バリバリッ

プチオーク「プギイイィーーッ!!?」バタッ

魔王娘「おお、流石じゃの勇者。」

勇者「…いや、まだだ!プチオークは集団で襲ってくる魔物。こんな場所に、しかも一匹でなんておかしいと思わないか?」

サキュバス「…確かにそうですわね。」

コウモリ「もしかして…今のは囮?」

魔王娘「そのようじゃな。勇者、周りを囲まれておるぞ…この気配、恐らく100匹はおるな。」

勇者「やっぱりな…そして、プチオークの集団の中にはそいつらを束ねる親玉がいる。そいつを倒さなきゃいくらでも沸いてくる…!」

勇者「プチオーク共は弱いが…強靭な筋肉はある。油断してたらすぐやられるぞ!」

魔王娘「分かっておる。この程度の魔物、魔法で焼き払ってくれようぞ…火炎魔法!」ゴオォッ

プチオーク「「「プギャアアァッ!!」」」

勇者「おぉ、さすがオークを5秒で倒すだけあるな。俺よりも全然強いんじゃないか?」

魔王娘「暗黒魔法!」ブゥゥン

プチオーク「ギ、ギイイィ!!」

プチオーク「フゴッフゴッ!!」

サキュバス「なんだか…数が増えている気がしますわ」

魔王娘「むぅ…数がさっきの2倍………いや、4倍!?どんどん増えておるぞ!!」

勇者「マズいな…!どこだ、親玉はどこだ!!?」

魔王娘「火炎魔法!!…っはぁ、はぁ……うむむ、そろそろ魔力が危なくなってきたのじゃ」

勇者「ん…………アイツか?あの一回りデカイ…!!」

オーク親玉「ブゴッブゴオオォッ!!」

オーク親玉「ブオオオォッッ!!」ブンッ

ガキィィイイィッン!!

勇者「くっ、なんつー馬鹿力………!!やっぱ慣れねーなコイツは…」

オーク親玉「ガアアァッ!!!」

勇者「貫け、雷槍!!」ズドオッ

オーク親玉「グッ…!?……グオォッ!」ガフッ

コウモリ「中々タフだね…勇者君の攻撃を耐えるなんて凄いや」

魔王姫「ゆ、勇者!倒したか?!」

勇者「いんや、まだだ……!弾けろ、雷光ッ!!」ドバァッ

オーク親玉「ガッ……フ…!!」バタッ

勇者「はぁ…倒したか」

魔王娘「ふー…ふー……プチオークが逃げて行く…」

サキュバス「プチオーク達は臆病な性格の者が多い反面、自らよりも強い者には逆らわない掟がある為に場合によっては気性が荒いともされるのだそうです。」

魔王娘「なるほどの…だから親玉を倒せば良い訳いのか……」

勇者「はぁ…なんかもう、疲れてきたな…1日目からいきなり野宿になるなこれ…」

魔王娘「ふ、ふん…余も疲れておるからの…この際、野宿でも構わんのじゃ」

サキュバス「食料ですわ。姫様、勇者様。」

勇者「…ん?このスープ、どこから出した?」

コウモリ「魔法だよ~。一応、スープとかご飯は魔法で出すことが出来るんだ。豪華なものは作れないけどね…」

魔王娘「充分じゃ。すまぬな、二人共…」

サキュバス「いえいえ。それより、魔法でお風呂も作っときましたわ。食べ終わったら入っちゃって下さいね」

勇者「…もしかしてさっき戦わなかったのってこの為か?」

コウモリ「えへへ…バレた?指輪になってるのは魔力抑制してこういうことをする為の意味もあったんだよ。後で例の簡易ハウス作っとくから許して?」

勇者「…ま、助かるから別に良いや。ありがとな」ナデナデ

コウモリ「わ、指輪になってもくすぐったいや…ふふっ」

魔王娘「勇者よ、スープを飲み終わったならはよう風呂に入るのじゃ。」

勇者「ん、そうだった。ごめんな」

勇者「…つーか、温泉も作れるんだな。魔法で外から見られない様になってるっぽいし良いけど…やっぱり少し狭いな」

コウモリ「こればっかりは仕方ないよ…その土地を魔法でねじ曲げて無理矢理作ってるんだから。ちなみに使い終わった後は元の土地に戻るから安心してね。お湯も魔法で出してるから無限だよ」

勇者「中々エコだし便利だな、魔法って。…良い湯加減だし、疲れが取れるなぁ…ん~」ノビ~

魔王娘「失礼するぞ、勇者」チャポン

勇者「ま、魔王娘!?おまっ……!」

魔王娘「安心するのじゃ。ちゃんとタオルは巻いておる…」

勇者「よ、良かった…」ドキドキ

魔王娘「まったく…驚かなくても良かろう?昨日も一緒に入ったではないか」

サキュバス「そうよ勇者様。もう慣れたんじゃないんですの?」

勇者「ばっ…バカ!慣れるかこんなのっ!相手は女だぞ?……慣れねぇよ」

魔王娘「まぁ、いつか慣れてもらわないと困るがの。いつまでもこんな反応ではな…」

勇者「わ、悪かったな…」

勇者&魔王娘「……。」

コウモリ「…あ。簡易ハウス作らないといけないから失礼するね」ポフン

サキュバス「わ、私もですわ!」ポフン

魔王娘「(むぅ…逃げおったな)」

勇者「…なぁ。」

魔王娘「な、なんじゃ?」

勇者「あのさ、ちょっと離れてくれないかな」

魔王娘「…っ!な、んで…」

勇者「え?いや、なんでって…離れてほしいから」

魔王娘「何故じゃ?余のことがそんなに嫌いになったというのか、勇者!」ギュウッ

勇者「だああぁっ違うわ!さっきから地味~に胸が当たってるから離れろって言ってんの!!」

魔王娘「え?…あ。」ムニュ

勇者「いや…気付いてないのかと…。」

魔王娘「な、なんじゃ…そういうことか……てっきり、物凄く嫌われてしまっているのかと思ったぞ」

勇者「いやそれだったら旅に来る前に追い返してるよ……それと、まだ当たってる」

魔王娘「そうか…それもそうじゃな。わざわざ嫌いな者と旅に出るなどただのバカじゃな」ムニュッ

勇者「ねぇ、聞いてる?当たってるってば」

魔王娘「それにしても、良い湯じゃな。何だかこのまま寝てしまいそうじゃ…」

勇者「だから胸当たってるっつーの!…まったく。また揉んじゃうよ?」

魔王娘「なっ……!?///」カアァァッ

勇者「(あ、言い過ぎた)」

魔王娘「ゆ、ゆーしゃのエッチ!!」ザパァッ

勇者「あちゃー…あんまりシカトするから言い過ぎた……どうしよ」

コウモリ「どうしたの勇者君。姫様、真っ赤な顔して出てきたけど。」

勇者「ん…いや、何でもない。」

コウモリ「そう?まぁ良いや。じゃあボク、偵察行ってくるね~…おやすみ。」

勇者「…はぁ。怒ってるよなぁ……もう上がろ。」ザプン

サキュバス「あら、勇者様。もうお風呂はよろしいんですの?」

勇者「あぁ。良い湯だった。ありがとな」

サキュバス「いえいえ。私は見張りをしておきますのでお休みになってください」

勇者「悪いな…おやすみ」

サキュバス「おやすみなさいですわ」

ギィ…。

勇者「(…やっぱりもうベッドで寝てた。)」

勇者「(元々そのつもりだったしこっちとしては良いんだけど…床で寝るかな)」ゴロリッ

魔王娘「…勇者。」

勇者「…なんだ、起きてたのか。……さっきはその…悪かった。お前があまりに無視するからつい…」

魔王娘「別にそれは良い。余も驚いてしもうたのじゃ…それより、何をしている」

勇者「ん?寝ようとしてるんだけど…」

魔王娘「…ベッドに来い」

勇者「…え?いや、元々俺は床で寝ようと思って…」

魔王娘「命令じゃ。こっちに来い…」

勇者「めいっ………分かった。」モゾモゾ

勇者「…これで良いか?」

魔王娘「駄目じゃ」

勇者「…お前が来いって言ったからベッドに入ったのになんで駄目なんだよ」

魔王娘「お主、今背中合わせになっておろう?…こっちを向いて、余を後ろから抱きしめるのじゃ」

勇者「(な、なんで後ろ向きなのに分かるんだ…?)」

魔王娘「…早く」イラッ

勇者「わ、分かったよ…」ギュッ

勇者「…俺の勘違いなら良いんだが…もしかして今、下着だけの状態…じゃないよな?」ドキドキ

魔王娘「…いつもこの格好で寝ておるが?」

勇者「いや嘘つけ。昨日はドレス姿だったろ」

魔王娘「あれは脱ぎ忘れておっただけじゃ。久々の客人だったのでな…テンションが高かったのじゃ」

勇者「…そ、そっか…」ドキドキ

魔王娘「…勇者。余は寒い。…いつもいつも眠るときは寒い。いくら部屋を暖かくしても、布団を厚くしても寒い」

勇者「そりゃそんな格好してたらな」

魔王娘「…デリカシーの無い奴じゃな。そういう意味で言っている訳では無いぞ」

勇者「ごめん…」

魔王倒した奴がそこらにいるオークに苦戦するってどんだけオーク強いんだよ
魔力も魔法2,3発でキツいって少なすぎじゃない?

魔王娘「昔、余はいつも部屋で1人じゃった。使用人が部屋に料理を運んで来る以外、ずうっと1人。サキュバスや、オークなどが遊びに来てくれることもあったがそれもすぐに終わる。…お父様が許さなかったからの。ドラゴンをペットとして部屋で飼えた時はとても嬉しかった。なんせ初めて一緒に長く遊べる友ができたからの。でも、ドラゴンが育ち、戦いに利用できる様になればまたいなくなる。…それからはずっと、眠る時だけ寒く感じる様になった。心が寂しいからか…それとも」

魔王娘「…いや、やめておこう。こんな話…話したところでお主には関係無いの」

勇者「…。」

魔王娘「勇者。お前が城に来てくれた時は本当に嬉しかった。勿論今もそうじゃ。城を出て旅をすることがこんなに楽しいとは思わなかった。まだまだ始まったばかりじゃがの…これから何が起きるかと思うとワクワクが止まらない…」

魔王娘「でも、夜の寒さだけはやはり止まらない。だから勇者…眠る時は、こうして余を寂しさから暖めてほしいのじゃ」

勇者「…あぁ。これくらい、俺に出来ることならしてやるさ。困っている人を助けるのは勇者として当然だから…」

魔王娘「…ならもう少し、強く抱きしめてくれ………もう少し……だけ…」

勇者「…………。」ギュッ…

>>55
新魔王が現れたことによりザコも強化されたっていう設定で許してください…
魔王倒した勇者がまた旅をしてもザコ戦が本当に意味を成さなくなってしまうのでどうしても相手が強くならないと駄目なんです

そして、ザコ戦は時の流れを省略してるのでボンボン魔法撃ってると思ってほしいです
戦闘の描写手を抜いて本当にすみません

勇者「……ふわぁぁ…。」

勇者「(魔王娘…目が腫れてるな。昨日泣いていたのか……)」

勇者「(魔王娘の為にも、しっかり俺が守らなきゃいけないな)」

勇者「よし、朝になってるし鍛練でも…お?コウモリ、帰ってきて」

コウモリ「ゆ、勇者君~…助けてー」

勇者「ぎゃあああぁコウモリが燃えてるぅううぅ!?」


勇者「…で、どうしたんだ一体」

コウモリ「う~ん、偵察から帰ってきたらさ…着地するときに木に引っ掛かっちゃって降りれなくなってね…ボク、日光に弱いんだ~」

勇者「軽く死にかけてるよね…サキュバスは?」

コウモリ「あの人ならさっき薬草摘みに行ってたよ。新魔王の影響でここらのモンスターも油断できないからって。」

勇者「そ、そうか…お前を助けずに行ったのか」

コウモリ「ホント、酷いよね~。…それで、さ。勇者君、お願いがあるんだけど」

勇者「ん?…まさか」

コウモリ「ご褒美に血をちょうだい?」

勇者「やっぱりな…!」

コウモリ「ね?ね??ちょっとだけ、ちょっとだけだから!」

勇者「くっ…まぁ、この家とか建ててくれたしお礼程度には…でも、そんなにたくさん吸わないでくr」グイッ

コウモリ「はーむっ♪」

勇者「き、聞いてねぇえぇっ!!」

コウモリ「ん…んんっ…ぢゅるぢゅる………ぷはぁっ!」

勇者「っふ……これは多分いつまでたっても慣れないな…しかもめっちゃ吸われたし」ゾク…

魔王娘「…お主ら何をしているんじゃ?」

勇者「あ」ギクッ

魔王娘「…。」ジー

コウモリ「ん~…♪やっぱり美味しいなぁ……あ、起きましたか姫様?」ツヤツヤ

勇者「(マズい…これは終わったかも……絶対誤解される。端から見れば抱きしめられながら首もとにキスされてるんだよ?)」

魔王娘「………あぁ、なるほど。吸血か。てっきり朝からキスかと…zzZ」グー

勇者「なんで今ので分かるの!?…ってまた寝てるし。………はぁ、とにかく助かった…」

勇者「朝っぱらからもう死にそうだよ…」

コウモリ「まぁまぁ、そんなに気を落とさなくても…あ、魔物が出ましたよ」

?「ギシャアアアァッッ!!」

勇者「ん?…リザードマンか。こいつはここら辺じゃあ中々手強い方だっけ。よし、いくぞっ!」


魔王娘「…うにゃ……あふ。」

魔王娘「ゆうしゃ…?どこに行ったのじゃ……」

魔王娘「…朝飯でも作っておくかの」


勇者「ふぅっ、やっぱりこいつ…爪で引っ掻いてくるのが厄介だな」ザッ

コウモリ「勇者君、ワザと手を抜いてるでしょ?いや…正しくはワザと倒さないようにしてる、かな?攻撃は当ててるけど致命傷にはならない感じ。」

勇者「指輪の状態なのにどうやって見てるのか凄く不思議なんだよなぁ…」キィン!

コウモリ「あ、それボクも疑問だったんだ。なんでだろうね」

勇者「いや知らねえよっと!」ズバァッ

リザードマン「グギャアアァ……!」バタリ

勇者「ふぅ…鍛練はこれ位にして戻るか」

勇者「ただいまーって、おぉ!豪華な朝ご飯だねぇ」

魔王娘「どこに言ってたのじゃ、お主ら?早く食べるぞ」

サキュバス「ふふ、コウモリごめんなさいねぇ?」

コウモリ「サキュバスさん…絶対いつか仕返しするからね?」

勇者「まぁまぁ。それより食べようぜ。いただきます!」

魔王娘「あむっ…うむ、我ながら美味しく出来ておるな」モグモグ

サキュバス「最高ですわこのパンの香り……」

魔王娘「一応このパンも手作りじゃ。初めてじゃから上手く出来ておるかは分からんがの」

勇者「え?初めての割に美味しい…凄く上手く出来てる。」

魔王娘「そうか?良かったのじゃ」

プチオーク「プップギ~♪」サクサク

勇者「………ん?」

魔王娘「…………む」

コウモリ&サキュバス「え?」

勇者「うおわあああぁプチオーク!?なんで!!?パン食ってる?パン食ってるううう!!」

プチオーク「プ?」モグモグ

魔王娘「むぅ…昨日のと違ってなんだか可愛く見えるぞ、このプチオーク。毛むくじゃらじゃし」

プチオーク「プ!プップギ~プーンプ~♪」パクパク

サキュバス「な、なんですの?何かを伝えようとしてる??」

コウモリ「ふんふん…へぇ、面白いねキミ。」

勇者「こ、言葉分かるのか…コウモリ、こいつなんて言ってるんだ?」

コウモリ「『やぁ!オイラはプチオーク!さっきリザードマンに襲われて危なかったところを助けてくれてありがとう!お礼に君たちの役に立ちたいんだ。オイラを仲間に入れてくれないかな?』…ってさ。」

勇者「な、仲間に?何が出来るんだこいつ??」

プチオーク(訳:コウモリ)「『オイラは力に自信があるから力仕事は任せてくれよ!』」

魔王娘「力仕事…じゃあ、余の手伝いをしてほしいの。料理運びとか、重い物をどかしたりとかやることはたくさんあるのでな」

プチオーク「プギ!」

コウモリ「『分かった!』…だって。あはは、可愛いねこの子。」

勇者「また変なヤツが仲間になったなぁ…」

魔王娘「おぉ、こやつフワフワで柔らかいの」

サキュバス「まぁ、本当ですわ!なんと可愛らしい…」

勇者「うーん、プチオークねぇ。なんで一匹で襲われてたんだ?」

コウモリ「もしかして…昨日逃げてった内の一匹だったのかな。それでもはぐれるのはおかしいけど」

勇者「…まぁ良いか!助けて悪いことはないだろうし。つーか助けてることにすら気づかなかったけど」

コウモリ「ただの朝練だったしね」

魔王娘「おぉ、そうじゃ勇者よ!次の街を目指して進もうと思うのじゃがサキュバスに良い案があるらしいぞ」

勇者「良い案?」

サキュバス「ええ。私、ちょっと考えまして…この家をこのまま移動式に魔法で改造すれば安全なんじゃないかと思ったんですの。勿論少し広くするつもりですわ」

勇者「移動式か。確かに安全だな…今より広くなるのも嬉しいし」

サキュバス「まぁ私たちが指輪じゃなくなればまた少し狭く感じるかもしれませんが。」

勇者「指輪になればとても広いけどな


コウモリ「指輪になるのも楽じゃないんだよ?」

勇者「そ、そうなのか…」

魔王娘「それと勇者よ。移動中でも魔物は襲ってくるじゃろうし、油断は出来んぞ」

勇者「げ、本当か…それは少しキツいねぇ」

サキュバス「大丈夫ですわ。魔物が襲ってきたときは止まりますので戦闘中、家から置いてけぼりにはなりませんのよ。」

勇者「むしろ逃げ切ってほしいくらいなんだけどね…」

魔王娘「そうも出来んぞ…言ってるそばから魔物達の登場じゃ」

コウモリ「さっそく戦闘開始?今回はボクたちも戦って良いよね~。日傘、用意しなきゃ」

勇者「日傘ってお前…人には見られないだろうし、戦っても良いけどさ」

コウモリ「仮に見られてもコスプレって言えばなんとかなるよ~…多分」

勇者「翼が背中から直接生えてる上、実際に空を飛べるなんて凄すぎるだろそのコスプレ。」

サキュバス「うふふ。コウモリは戦う時、常に空を飛んでいますし言い訳は立ちませんわ」

コウモリ「くっ…確かにずっと飛んでるね、ボク」

魔王娘「…お主たち。魔物の事を忘れておらんか?」

プチオーク「プ!プギ!」

勇者「そうだった…おしゃべりは後回しだ。いくぞっ!!」

魔王娘「おぉ…この数は凄まじいの」

勇者「見渡す限りオーク…か。もしかしてこいつら昨日のプチオークがオークに進化したのか?」

サキュバス「…そのようですね。何者かが彼らに力を与えている、ということですわ…ほぼ確定で新魔王でしょうが、奴は今人間達を相手にしているはず……つまり、新魔王が送り込んだ刺客が代わりにオークを強化させている可能性がありますわね」

コウモリ「よくもまぁオークなんて種族を強くさせようと思ったよね。一般的な魔物よりもっと上級の悪魔でも増やせば良いのに…」

勇者「…いや、その刺客もオークなんだろ、多分。物凄く強い気配を感じたけど…恐らくオークのだ」

魔王娘「とりあえずそのリーダーを早く倒すぞい。この前みたいに延長戦になるのはイヤじゃ」

オーク「ブゴオオオォォッッ!!」

勇者「あっちもやる気だな。一体一体がオークなのはダルいけど…コウモリ、俺がリーダーを倒すから周りのザコを頼むぞ」

コウモリ「全然おっけー。…さて、暇潰し程度にはなるよね、キミたち?」

魔王娘「ふむ。余とサキュバスはザコの数を減らしていくとするかの」

プチオーク「プギ!プップー!」

魔王娘「…む?お主も戦うのか??」

プチオーク「プギィ!」

魔王娘「…ふん、面白い。しっかり余のサポートをするのじゃぞ!」

勇者「うらああぁぁあぁっっ!!」ズバァッ

オーク「ゴフゥッ…!」

コウモリ「勇者くん、中々気合い入ってるねぇ…これだけ敵がいりゃ当然かな?」

オーク「フゴオオオォォ!!」ブンッ

コウモリ「…おっと、危ないなーもぅ。“超音波」ズアッ

オーク「…………!!!!??」ドサッ

コウモリ「はぁ…姫様は大丈夫かな?」


魔王娘「すっかり囲まれてしまったのぅ…」

サキュバス「姫様、絶対手を抜いてますわよね?今結構ピンチですのよ」

魔王娘「いや、手を抜いてなどいないが……火炎魔法!」ゴォッ

サキュバス「一発でそれだけ倒せるんですから手を抜いていない訳がないでしょう…何をしているんです?」

魔王娘「…いや、プチオークの動きが可愛くてな。短い腕を振り回して暴れておるのじゃ」

プチオーク「プッ、プギイィーーッ!!」ブンブン

サキュバス「(確かに癒されますわね)」

?「へぇ…アイツら、中々耐えるねぇ。こりゃあ戦うのが楽しみだ……クク」


勇者「うおおお“雷撃”ぃぃっ!!」バリバリィッ

コウモリ「あ。あのいかにも強そうな奴…リーダーのオークなんじゃないの?」

勇者「ん?……いや、おかしい。今、強かったオークの気配が消えて、代わりに凄まじい別の気配を感じる。このオークは違う…いや、そもそもリーダーはなんで消えた?」

?「俺が吸収してやったからさ」

勇者「…誰だ?」

?「俺か?俺は魔王さまより作られたただの敵さ…勇者!」

勇者「なっ…!?」

勇者「魔王から作られる魔物の中でも言葉を話せるのは限られてる。それは、他の魔物よりも注がれる魔力の量が全く違うからだ。……ってことは、お前はただの敵じゃない。」

?「よくそんなこと知ってるなァ…もしかしてお前…魔王から作られたのか?」

勇者「そんな訳ないだろ。俺は普通の勇者だ」

コウモリ「勇者に普通ってあるのかなー…?」

?「…まぁ良い。それよりも、まずはお前の力を見させて貰うぜ…そこのでかいオークいるだろ?そいつは俺がちょちょいと魔力を注いで強化してやったんだ……戦ってみてくれよ」ニタァ

勇者「オーク?…さっきの強そうな、一回りでかいやt」

オーク「ゴアアアァァッッッ!!!」ズオッッ!!

勇者「………っ!!?」ガキィイィン!

コウモリ「速いね…他のオークよりも明らかに力が違う。これは一体どれだけの量の魔力を注いだんだろ?」

?「コイツには俺の全魔力の10分の1を与えてみたんだ…中々強いんじゃねぇのか?」

勇者「10分の1……っ?じゃぁっ、お前…どれだけ強い………んだっ…ぐぎぎぎ……!!」

オーク「ブァアアァァァツッッッ!!」グググ…

勇者「くっそ…危ねぇっ!!」

?「ハハッ、この程度の奴にも勝てねぇのか?勇者さんよ」

?「俺は最低でもコイツの10倍強いんだ…まだまだ余裕じゃないと駄目だろォ?」

勇者「くっ………“雷撃”ッ!!」バリバリバリィッ!!

オーク「グフッ………ゴアアアァッ!」

勇者「くそ、タフだな……!」

コウモリ「“超音波”」

オーク「!……ガッ…ゲフッ…!??」

?「オイオイ、そこのお嬢さんも手助けするってのか?それはナシで頼むぜ」

コウモリ「少し弱らせただけだよ…それに、もう終わる」

勇者「はぁぁぁっ……雷斬ッ!!」ズバシャアアァッ

オーク「……!!」ドシィン

?「お。もーう終わっちまったってのか…つまんねーの」

勇者「はぁ…はぁ……ありがとう、コウモリ」

コウモリ「別に構わないよ~…お礼はキスね♪」

勇者「…疲れた勇者から血を抜いてどうしたいんだよお前は…」

魔王娘「ふむぅ…大丈夫かの、勇者たちは。さっきから勇者の放つ電撃が凄まじいのじゃが」

サキュバス「大丈夫ですわ、きっと。最悪コウモリもいますし死ぬことはありません」

魔王娘「ならば良いが……氷魔法!!」ピキィィッ

オーク「ガッ……!」


勇者「うおおおおおおっっ!!」ズパンッ

?「ハハッ、危ねぇなァ~…こっちからも行くぜ?おらァッ!!」ゴオオォッ

コウモリ「……あいつ、炎を操るんだ。少し厄介だね」

勇者「く…雷槍!!」ズドッ

?「ぐッ?!……効くなぁ、その技ァ~…俺はもうキレたぜ」ボオォ…

勇者「自分自身が燃えた…?」

フレイム「俺は新魔王軍のフレイムだァッ!!死ぬ迄の数分間、この名前をしっかり覚えておくんだなァーーッ!!」

勇者「くっ……熱い!こいつ、魔物なのに名前があるのか!?」

コウモリ「名前がある魔物…?それは危険だね」

勇者「珍しいとは思ったけど…危険なのか?」

コウモリ「普通、魔物には名前が存在しない。ボク達はサキュバスさんとかオークさんとか…種族名をそのまま名前として呼ぶことはあるけどね。名前を持つ魔物は誰かからその名前を付けられていて、名前を付けられた魔物は『進化する資格』を得ることができるんだ。最初に、名前を付けられた瞬間に一段階進化した後、レベルUPやいろんな特殊条件で進化できる。」

勇者「へぇ…そりゃ初耳だ。」

コウモリ「名前を持つ魔物は進化するんだから、その分能力が異常に高まったり専用の技を使える様になるんだ。でも、名前を付けた側には特にメリットは無い。むしろ、他の魔物を無理矢理進化させる訳だから膨大な魔力を消費するし、もの凄い疲労感が襲ってくるんだ…まぁ、1~2日で治るけど。」

フレイム「ったく、テメーもそんなことよく知ってんなァ?…魔物でもそのことを知ってるのはごく一部だってのによォ!」ボオォ

コウモリ「まぁ、姫さま直属の部下だしね、ボクら。魔王さまから教えてもらったんだよ」

フレイム「姫さま直属ゥ~?…ってことは強い訳だなお前。よし、勇者と一緒にかかってきなッ!」

コウモリ「助かるよ。じゃあ勇者くん、ボクはサポートするね」

勇者「え?あぁ…分かった。しっかり頼むぞ」

フレイム「ククッ、なんだ?俺にビビッてるからサポートなんて言ってんのか?」

コウモリ「いや?君程度のザコは勇者くんが倒した方が良い経験になると思ったからね…その為のサポートだよ♪」

フレイム「んだとォ…?名前も無いただのコウモリ女ごときが俺に勝てると思ってんのかッ!?くらえぇッッ!!」バアアアァッ

勇者「火炎放射!?危ないコウモリ……!!」

コウモリ「…大丈夫だよ、勇者くん」

コウモリ「こんな火遊び、効かないから」バサァッ

フレイム「…な、……に………?」

勇者「……シールドで防いだ?」

フレイム「なんでだ……!俺の炎を全く動かずに防いだ?」

コウモリ「…多分、このことを知ってるのは本当に僅か…数えられる程度の魔物しか知らないと思うけど。さっき言った『進化』にはまだ続きがあるんだ」

フレイム「んだと……?」

コウモリ「限界まで進化した後…その魔物は『覚醒』をすることができるんだ。覚醒できるのは元々の魔物としての素質…能力……あと運が絡んでるかな。」

勇者「覚醒…」

コウモリ「覚醒に失敗したらその魔物は地獄の様な苦しみの後に死ぬ。覚醒が成功する確率はかなり低いけどボクは成功した。…覚醒すると更に能力が上がり、その魔物は特殊能力が身に付くんだ。魔物ごとに決められた固有の能力。ボクの能力は超音波による“拘束”、“探知”、“破壊”。他にもあるけど秘密ね」

フレイム「強すぎる…そんなの絶対勝てねぇよ…」

コウモリ「ボクはサポートって言ったよね?戦うのは勇者くんだ…勝ち目はあるよ」

フレイム「いや、止めておこう。無駄に死ぬだけだ……俺も覚醒とやらをしてまた挑みに来てやる。」

コウモリ「…下手したら死ぬよ?」

フレイム「良いさ。命令されて無駄に死ぬより夢を見て死んだほうがいい…」

コウモリ「……。」

コウモリ「…行っちゃった」

勇者「あぁ…」

コウモリ「……このことは姫さまに内緒にしててくれるかな?」

勇者「あぁ。別に構わないさ…隠し事なんて誰にでもあるからな」

コウモリ「…ありがとう。それと………オークの動きを止めたお礼、していい?」

勇者「今言うかそれをッ!?」

コウモリ「だってお腹減ったんだよ~…お願い、飲ませて?」

勇者「くそっ……俺が早く倒せてたら…」

コウモリ「ん~♪おいしー…ぢゅるっ」

勇者「くっ……慣れない……っ!」


サキュバス「お……終わったんですの?」

魔王「はぁ、はぁ……そのようじゃな…」

~夜~

魔王娘「まったく…今日は疲れたのじゃ」

サキュバス「あの戦闘後、結構道進みましたけど…あともう少しで次の街なんですよね。明日の朝には着くと思いますわ」

勇者「寝てる間も移動してくれるのか?」

サキュバス「ええ、勿論ですわ。ただし、夜は見張り番がいりますの。いつまた魔物が襲うか分かりませんからね」

コウモリ「ボクがしとくから大丈夫だよ~。夜の方が元気出るし」

勇者「あぁ。頼むぞ…ふぁ、眠い…」

魔王娘「じゃあ、みんなもう寝るのじゃ。コウモリは頼んだぞ」

コウモリ「はーい姫さまー。」

勇者「おやすみ~…」

勇者「…そして当然の様にいるんだな。」

魔王娘「ふん…別に良かろう」

勇者「ま、まぁ良いけど…せめて、服着ろよ」

魔王娘「邪魔じゃから脱いでおるのじゃがな…」

勇者「だから脱ぐなっての。」

魔王娘「良いではいか。」

勇者「駄目だ。お前は良くても俺が駄目。今度からはちゃんと服来てこいよ?じゃないと俺、床で寝るから」

魔王娘「むぅ…ケチじゃの、勇者は」

勇者「いや普通だからね!?…そもそもお前がベッド、俺が床で良いって言ってるのにお前が無理矢理一緒に寝ようとしてきてるんだからな?条件くらい付けても良いだろ」

魔王娘「…分かったのじゃ。でも、余はパジャマなど持っておらんぞ。」

勇者「…ドレスで良いじゃん」

魔王娘「駄目じゃ!シワだらけになってしまう!!」

勇者「えぇ~じゃあ結局下着だけじゃん…」

魔王娘「そう落ち込むでない…隠すところは隠してあるのじゃから。それに、余は自分の体に少し自信があってな」ゴソゴソ

勇者「だぁぁあぁベッドから出るな!見せなくても良いから!!つーか風呂入ってる時点で知ってるし!!」

魔王娘「知っておったか。…なんだかんだ言ってやはり興味はあるんじゃな?初日に相手の胸を揉みしだくような奴じゃし、当然かの」

勇者「いや掘り返すなよそのこと…」

魔王娘「ふっ…、余は胸も大きいしの。揉みたくなる気持ちも分かるが」キリッ

勇者「だから言うなって!おやすみっ!!」

魔王娘「むぅ…冗談じゃ勇者~」プニプニ

勇者「ああもう、ほっぺをツンツンするなあああぁっ!!」

~朝~

魔王娘「さて、次の町に着いた様じゃな」

勇者「…本当に寝てる間、移動してたんだな」

サキュバス「家は魔法でしまっておきますわね」

コウモリ「ボクたちは指輪になってるから、お二人とも頼んだよ!」

勇者「あぁ。まずは…城に行くか。王さまに聞いた方が早く情報が集まりそうだ」

魔王娘「そうじゃの。…正体がバレないように気をつけねば」

~城~

王様「おぉ、勇者よ!魔王を倒してきたのか?」

勇者「えぇ。…それより、新しく魔王が生まれたのは知っていますか?」

王様「あ、あぁ…実は、そのことをお主に伝えようと思ってな。魔王は東の国の王に乗り移っておるようじゃ。」

勇者「王様に?それはまた厄介ですね…」

王様「残念ながらワシが知っているのはこれだけじゃ。…ん?そちらのお嬢さんは?」

勇者「あ、あぁ!旅の仲間ですよ」

王様「一人旅を続けていたお前が今更仲間を?珍しいものじゃな…」

~城下町~

勇者「はぁ…やっぱり怪しまれるか」

魔王娘「まぁ、仕方ないの。それより今夜の宿とアイテムを買いに行くのじや」

サキュバス「そういえばアイテム無しで出発したから…色々買わないとマズいですわね」

コウモリ「宿は~…あれが良いんじゃない?」

勇者「…あれラブホじゃん。駄目だね」

コウモリ「ラブホって宿じゃないの?」

魔王娘「『らぶほ』とは何じゃ?聞いたことが無いが…」

勇者「気にしなくて良いっ!それより、一旦アイテム屋に行こう。荷物が重いしいらないものは売るぞ」

魔王娘「魔物の倒しすぎなのじゃ…オークの皮が200枚もあるぞ」

サキュバス「獣臭いんですの……」

コウモリ「買うもの買ってお金余ったら服とか買おうよ、勇者くん」

勇者「そうだな…魔王娘のパジャマとかもいるしな」

魔王娘「むぅ…別にいらないと言っておるのじゃが」

勇者「だーめ。魔王娘は女の子だから寝るときも服を着ないと…アイテム屋!」

アイテム屋「いらっしゃいませ。何をお買いになられますか?」

勇者「薬草はサキュバスのおかげで物凄くあるから…砥石20個と、魔力の水5個と…」

アイテム屋「では、お買い上げのアイテムの合計代金は1000Gとなります。…他にもお買いになりますか?」

勇者「いや、次はアイテムを売りたいんだ。オークの皮200枚と…」

アイテム屋「お売りになられる商品の売却額は28000Gとなります。…ありがとうございました」

勇者「うーん、めちゃくちゃ金が余ったな…服、買いに行くか」

魔王娘「賛成じゃ。常にドレス姿じゃと周りの目が気になって仕方ない…」

コウモリ「ボクたちの服も買ってくれるよね、勇者くん?」

勇者「…魔物ってバレないようにしろよ…。」

サキュバス「コスプレと言い張れば大丈夫ですわよ。」

勇者「不安だなぁ…」

勇者「じゃあ後でまたここに集合な」

サキュバス「ふふ…勇者様は下着コーナーに入れませんからね。一旦別行動で買い物を済ませますわ」

コウモリ「あー、指輪になるのも疲れるなぁ…」

魔王娘「では、買いに行こうかの。勇者からたっぷりお金を貰ったし」

サキュバス「勇者様は10000G、私たちは50000Gもですわ」

コウモリ「こんなに無くても良いのにね~…」


勇者「はぁ…よく考えたら俺、服いらなくないか?仮にも勇者なんだし、鎧だけで良いよね」

女店員「(はっ…イ、イケメン?!///)」

勇者「今着てる服、魔王娘に選んでもらったけど…俺、服のセンス無いし。店員さんに決めてもらおうかな。」ジー

女店員「(こ…こっち見てる…///)」

勇者「よし、決めてもらおう。あの、ちょっと良いですか?」

女店員「は、はひっ!?」ビクッ

勇者「いきなりこんなことを頼んですみませんが…僕に似合いそうな服、選んでいただけませんか?」ニコッ

女店員「あ、あの…えーっと…///」カ~ッ

勇者「(あー、マズい。すっごい引かれてる様な…やっぱり自分で選ぶべきかなぁ)」

女店員「その…こちらへどうぞ…///」

勇者「あ、はい!ありがとうございますっ!!」

勇者「(よ、良かった…選んでくれるっぽいな)」

一方その頃、魔王娘たちは…。

魔王娘「むぅ…なんじゃ、このブラは。サイズが合わんぞ……くっ」

サキュバス「姫様、おっぱいが大きく育ってらっしゃいますからね~…失礼。」ムニュッ

魔王娘「ひゃあっ!?や、やめるのじゃ!触るでないっ」ビクゥッ

サキュバス「この手に吸い付くような柔らかさ…大きさ…形……素晴らしいですわ!羨ましいんですの!!」ムニムニッ

魔王娘「あ…や、やめっ……んうぅッ///」ゾクゾクッ

コウモリ「サキュバスさん、やりすぎ。姫さま感じちゃってるよ」

サキュバス「か、感度もバツグンですわね……!エロさも備わっているなんてさすが姫様!!…正直犯したいですわ」ハァハァ

魔王娘「はぁ…はぁっ……サキュバスは…しばらく余に触れるのは禁止じゃ…っ!」

サキュバス「デ、デスヨネー…。」

やっぱりあまりにも雑魚が強すぎない?
新しい魔王の影響で強くなったにしてもさ…

前魔王の時も魔王の影響で雑魚敵も強くなったんだよね?そうなるとさ古い魔王になるに連れてクソ雑魚魔王って事になるんだよね

最後にはスライムレベルの敵
でさえ化物クラスの強さになっていくんじゃないの。

それよりも新しい魔王が現れた直後(>>12)にスライムにも苦戦すると分かっているのが謎。

>>90
新魔王の能力が『相手の力を吸収して自らの力に変換する』ものなので、人間から吸いとった魔力やらなんやらを少しずつ魔物たちに与えて強化しているという設定です。
なので新魔王はこの能力を利用しているからザコが無駄に強くなっているだけで、他の魔王の影響でザコが強かったり弱かったりすることはありません。時間が立てば、スライムですらバケモノになりうるのは変わりませんけど(笑)

ちなみに、ザコが強いのは新魔王の力のせいだけではなかったり。ここからはネタバレなので言えませんが…

>>91
勇者とはいえ仮にも人間ですし、30秒で倒せるって早くないですか?
個人的にはめっちゃ早く思うんですが…

サキュバス「…さて!おふざけはここまでにして、お披露目タイムですの!!」

コウモリ「なんか、ちょっと恥ずかしいかも…///」

サキュバス「コウモリはフードがついた黒のパーカーですわね!短パンをはいてしっかり美脚を強調しているのが良いですわ!!」

サキュバス「そして姫様!!ミニスカとニーソの絶対領域が最高ですの!正直凄く舐め回したいですわ!」

魔王娘「お主ただの変態じゃないか」

サキュバス「サキュバスなんてそんなものですわ。気にしてはなりませんの」

魔王娘「はぁ…それより、待ち合わせ場所に行くのじゃ」


勇者「う~ん…つい買いすぎちまったな。こんなにあっても戦いに必要ないよなぁ」

魔王娘「勇者よ。お主、中々良い格好をしておるの」

勇者「ま、魔王娘?なんだよその格好は…」

魔王娘「む?これか。店にいた人間に勧められたのじゃ」

勇者「…戦いには向かないと思うが」

サキュバス「街を歩くときだけこの格好をすることにしていますわ。流石に戦闘中は姫様のパンチラ祭りになりますし、勇者様も集中できないでしょう」

勇者「いや、見ないからな!?」

勇者「服もアイテムも買ったし、宿に泊まるか…ここで良いかな?」ガチャッ

宿屋「いらっしゃいませぐへへ。何名様でございますかぐへへ?」

魔王娘「ぐへぐへうるさいのぅ…四人じゃ」

勇者「部屋は2つだ」

宿屋「かしこまりましたぐへへ。それでは良い夜をお楽しみ下さいぐへへ」

コウモリ「サラッと下ネタ言ってるよね…」

勇者「はぁ…疲れたしもう眠りたいな」

魔王娘「勇者よ。何故に部屋が2つなのじゃ?1つで良かろう」

勇者「俺一人と魔王娘たち三人だけど?」

魔王娘「いや余も勇者側じゃろう。」

勇者「や、やっぱり来ると思った…狭いから2部屋にしたんだよ」

魔王娘「余が一緒に寝ない訳があるまい!」

勇者「少しは気にしてほしいけどなぁ~…」

~夜~

勇者「どうだ、魔王娘。ここ気持ち良いか?」グリグリ

魔王娘「んぅっ…そこぉ…気持ち良い…っ」ビクビクッ

勇者「もっと激しく行くぞ?痛かったら言えよ」

魔王娘「ぅあっ…いいっ、ゆうしゃ…もっと、もっとしてぇっ!!」ゾクゾクッ

勇者「……声、なんとかしてくれないか?風呂上がりのマッサージしてるだけなのになんかエロく…」

魔王娘「す、すまぬ。気持ち良くてつい声が…」

勇者「はぁ。なんか誤解されそうだな…」グニグニ

魔王娘「仕方ないのじゃ……はぁんっ」

コウモリ「なになに、二人で何かエロいことしてるの?」

魔王娘「コウモリか。お主も……んっ…どうじゃ?勇者のマッサージ…あぁあっ!」ビクンッ

勇者「だああぁあ声!少し抑えろってば!!」

魔王娘「や…だ、だから無理じゃって…ぁっ」

コウモリ「なーんだ、マッサージね。最近動きっぱなしだったし、お願いしようかな?」

勇者「あ、あぁ…ほら、魔王娘。そこちょっとどいて」

魔王娘「む、体が軽くなった気がするぞ」

コウモリ「じゃあ、お願いするよ」コロンッ

勇者「よいしょっと…じゃあいくぞー」グイッ

コウモリ「ん~…おっ?……勇者くん、手つきが少しエッチだね」

勇者「な、何でだよ!?魔王娘と同じ様にやってるぞ」

コウモリ「あはは。冗談だよ~」

勇者「じ、冗談か…良かった」グリグリ

コウモリ「ん……きもちいー…♪」

勇者「気持ち良いんなら良いけど…痛くないか?」

コウモリ「ぜーんぜん?すっごく気持ち良い…………」

勇者「そうか…なら良かった」

コウモリ「あー気持ち良かった♪勇者くんありがと!」

勇者「…腕がパンパンで痛い…」

魔王娘「疲れも取れたところでもう寝るかの。余はもう眠い…」

コウモリ「そうだね。もう寝ようか」

勇者「………いや部屋に帰れよ」

コウモリ「い・や・だ!部屋に戻ってもボク一人しかいないんだもん。寂しすぎるよ」

魔王娘「サキュバスはどうしたのじゃ?一緒だったはず」

コウモリ「サキュバスさんはお城に戻ってるよ。地下室のあの子の封印が取れかかってきてたから張り直してるんだ」

勇者「なるほど…じゃあ仕方ないな。帰れ」

コウモリ「人の話聞いてた!?ボク一人なんだってば!」

勇者「分かったよ…まーた人が増えちまった」

魔王娘「余とコウモリで勇者を挟む感じじゃな」

勇者「何で俺が真ん中なんだよ~…」

~深夜、ベッドの上~

勇者「(…眠れない)」

勇者「(何でかって?そりゃ分かるだろ…)」

魔王娘「すぅ…すぅ……」

コウモリ「ぅ~…もぅ食べられないよぉ~…」

勇者「(両側で可愛い女の子が寝てたら緊張して眠れないんだよ…しかも二人共に内側向いてるし!!)」

勇者「(心臓がドキドキ鳴ってヤバい…うつ伏せになろう)」モゾ…

魔王娘「…んぅ…?なんじゃ勇者、まだ起きておったのか……?」

勇者「あ…起こしたか?ごめんな」

魔王娘「どうした勇者、顔が赤いが…具合でも悪いのか?」ピトッ

勇者「なっ…なんでもない!///」カアァッ

魔王娘「なんじゃ、そんなに焦って…体温を調べただけじゃろう?」

勇者「べ、別に何もないって言ってるだろ?良いから寝ろって!」

コウモリ「…もー、何の騒ぎ……アレ?勇者くんそれ」

勇者「コウモリも起きたのか…それってなんだよ?」

魔王娘「ゆ…勇者…股間を見るのじゃ……///」

勇者「こかっ…!!?」バッ

魔王娘「……///」ジ~ッ

勇者「い、いや、これは違うっ…あと見るな!///」

コウモリ「……ねぇ、それ…苦しいでしょ?楽にしてあげよっか」ニヤ

勇者「え?」

魔王娘「た…確かにそうじゃな。勇者が眠れんで困るじゃろうし……///」

勇者「な、ちょっと待って…!?」

コウモリ「こんなにおっきくしてさ…寝ずに何を考えてたの?」スリスリ

魔王娘「ズ、ズボンがパンパンじゃな。開けるぞ…」スルリ…

勇者「ま、魔王娘…脱がすなっ…!」

魔王娘「なっ…!?す、凄く大きいのじゃ…っ///」

コウモリ「流石だよ勇者くん…立派なものを持ってるね」

勇者「く…も、もうしまうぞ!!」

コウモリ「(…残念、勇者くん。ボクの能力を忘れたかい?)」

勇者「(体に力が入らない…コウモリの“拘束”か!?)」

魔王娘「熱い…脈打ってるのじゃ……///」

コウモリ「これ、舐め続けたらどうなるかな…姫様、やってみない?」

魔王娘「舐めるのか?コレを!?……仕方ないの…///」ペロッ

勇者「ふぁっ……!や、やめ…っ!!」ビクッ

コウモリ「良い反応だね~…どのくらい持つかな?はむっ」

魔王娘「ん……♪」ペロペロ

勇者「(マズいって…!このままだと本当に………!!)」

コウモリ「勇者くん、もう苦しいよね…?いっぱい射精して良いんだよ……」パクッ

勇者「あ、ぁあ、あああぁああぁっっ!!!!」ビュルッ

魔王娘「ひゃっ!?顔に何か付いたのじゃ……すっごくベトベトするぞ…///」

コウモリ「姫様、それは勇者の精子だね。男の子はこれが出ると気持ちいいんだよ♪」

魔王娘「せ、せーし?これが勇者の……」

勇者「(…やってしまった……魔王娘に思いっきりぶっかかったし……)」

魔王娘「…む?コ、コウモリ!勇者のがまた大きくなっておる……!」

コウモリ「仕方ないね~…もう一回、やろっか?」

勇者「も、もうやめてくれ……いやだ、やめ…!」

コウモリ「もっといっぱい、しよ?」ニヤァ…

勇者「あっ……は、あぁっ!」ビクッ

魔王娘「これで本当に気持ち良いのか?ただ胸で挟んで擦っているだけじゃが…」ユサユサ

コウモリ「気持ち良いよ、きっと。勇者くんもこんな反応取ってるし…そうだ!二人のおっぱいで擦りながら勇者くんの先端舐めようよ?」

魔王娘「むぅ……中々難しいが頑張ってみるかの…はむっ」

勇者「い、ああぁっ……!!」

コウモリ「姫様、上手ですね」

魔王娘「そ、そうかの?…まぁ、勇者の為じゃからな///」レロレロ

勇者「~~~~~~~~ッ!!」ドピュッ

コウモリ「あはは…また射精したね。もう5回目かな?勇者くん、どう?」

勇者「も……やめて…許し………っ」ガクガク

コウモリ「じゃあこれで最後にしよっかな。姫様、勇者くんの上に乗ってくれるかな」

魔王娘「こ、こうか?」

コウモリ「そうそう、勇者くんをまたぐ感じでね。それで…」

コウモリ「姫様の股間で勇者くんのを擦ってみて」

勇者「だめ…っ、本当にこれ以上は…!」

魔王娘「こ、股間でか!?こう…かのっ///」コスコス

勇者「は、あぁっ…ん…」ビクビクッ

コウモリ「あは、まるで勇者くんと姫様がセックスしてるみたい。すっごい面白いなぁ」

魔王娘「んっ……コウ、モリぃ…なんか、余も変な感じになって…きたのじゃ///」ピクピク

コウモリ「そりゃあ姫様も感じるような格好でしてるからね。あ、動きを止めたら駄目だよ」

魔王娘「はっ、あんっ…なにか、なにかがきそう………んっ…!」

勇者「魔王娘っ…はやく、どいてくれ……!また、でるっ」

魔王娘「ゆうしゃ…ゆうしゃぁっ!余もなにか、くるっ……だめ、あ、やぁあぁっ!!」

勇者&魔王娘「「あぁあぁぁああぁっ!!!」」ゾクゾクッ

コウモリ「あらら。二人とも同時にイっちゃった…しかも失神してる?」

コウモリ「後始末しとかなきゃ、怒られるよね…大変だなぁ」ゴシゴシ

~朝~

勇者「…で、なんであんなことをしてくれたんだ」

魔王娘「だ…だって…コウモリが『楽にさせよう』と言うから余も勇者のことを思ってしただけじゃ……///」

コウモリ「ちょ、ボクのせい!?」

勇者「はぁ…二人共、人を助けようとする心は嬉しいけど、もうやめろよ?つーか夜中に襲うな」

コウモリ「昼間とかなら良いの?じゃあ、今からしようよ」キリッ

勇者「違うわ!そういう意味で言ったんじゃねーよ…いきなり襲う様なことをしてほしくないってことだ。正直怖かった」

魔王娘「でも気持ち良かったんじゃろ?」

勇者「いやそうだけど!物事には順序とかあるだろ?…それに、するなら相手が納得した状態でしてほしいし」

魔王娘「余は別に構わんが…勇者は仲間じゃし、襲われても受け入れるぞ」

コウモリ「ボクも!勇者くんがヤりたいならいつでもいーよ♪」

勇者「何この人たち!?」

勇者「(ていうかコウモリはともかくとして、魔王娘は男に対して警戒心が無さすぎる)」

勇者「(今思えば初対面の男といきなり風呂に入るくらいだし、こんなことが起きるとある程度は予想が出来たはず…気を付けてればコウモリの拘束に対応して、なんとかその場を丸く納めれたんじゃないか?)」

勇者「はぁ。結局は油断してた俺が馬鹿だったってことになるな……死にたい」

魔王娘「なっ、勇者よ!?余が悪かったから死ぬのはやめるのじゃ!!」アセアセ

勇者「死なねーよっ!あんなこと起きた後で顔を合わせるのが恥ずかしくなってきただけだ」

コウモリ「ボクは恥ずかしくないけどなぁ」

勇者「つーかそもそもの原因はコウモリだからね?なんでいきなり変なスイッチ入ったんだよ」

コウモリ「ほら、夜ってムラムラするでしょ?目の前にムラムラを解消できる物があったら使うよね」

勇者「も、物って…いやモノだけどさ」

コウモリ「いや~それにしても勇者くんのって凄く濃かったよね。もしかして童貞だったりする?」ニヤニヤ

勇者「…悪かったな」プイッ

コウモリ「…………え?」

魔王娘「………む?」

魔王娘「勇者よ。『どうてい』とは何じゃ?」

勇者「……ほっといとくれ」

コウモリ「あちゃー…ごめんね、勇者くん。本当に当たるとは……」

勇者「…勇者だからってさ……女の子にモテる訳じゃないんだよ…そういう時間も無いし、常に魔王退治に気を配ってるから………余計に」

コウモリ「あー…うん…」

魔王娘「なんじゃ、女の子にモテたいのか?それならモテなくても良かろう」

勇者「もっ…」

コウモリ「…姫様、それ勇者くんの傷口エグってると思うよ~」

魔王娘「何故じゃ?勇者はモテる必要が無いと言っておるだけじゃ。余がおるからの」

勇者「…どういうこと?」

魔王娘「分からんか?余がお主の妻になってやるという意味じゃ。他の女がお主にくっついても邪魔じゃろう?」

コウモリ「…わーお」

勇者「な…は、え?」

魔王娘「なーに、気にするな。余もこのままでは夫が見つからぬまま年老いてしまうからの。勇者は外見も良いし余とお似合いじゃろ」

勇者「つ、妻?魔王娘が…??何でこんなに話が飛躍してるんだ…」

魔王娘「そうじゃ!なんなら今から勇者のことを『あなた』と呼んだ方が良いか?」

勇者「いや、ちょっと待て…」

魔王娘「なんじゃ。『ダーリン』の方が好きなのか?」

勇者「いやちげーよ!そうじゃなくて、そんな簡単に決めて良いのか!?」

コウモリ「呼び名を?」

勇者「妻になるとかそっちだよアホ!俺は仮にも人間だぞ?…魔王の娘と人間が結婚なんてしたら、人間達が認めないんじゃないか」

魔王娘「人目など気にしたら何もできぬぞ?余は他人が認めなくとも一行に構わんし、人間と魔物が結婚した例などいくらでもあるから今更人間が怒ったところでの…」

勇者「そ、そうか…つーか魔王と結婚した人間っていたのか」

コウモリ「で、勇者くんはどうなの?姫様を貰ってくれる?」

勇者「…そりゃまぁ、お嫁さんには来てほしい………………かな」

魔王娘「本当か!?それなら、早く新魔王を倒して城に戻ろうぞ!急いで式の準備じゃっ!!」

勇者「魔王退治はついでかよ!?」

コウモリ「新魔王さん涙目だね♪」

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