総合P「過労死しそうにない」 (1000)
約一週間ぶり
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1409832838
初代 総合P「過労死必死」
総合P「過労死必死」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi?bbs=news4ssnip&key=1404295615&ls=50)
二代目 総合P「マスターズプロダクションのPです」
総合P「マスターズプロダクションのPです」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi?bbs=news4ssnip&key=1404997034&ls=50)
三代目 総合P「色々と終わる気配がない」
総合P「色々と終わる気配がない」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi?bbs=news4ssnip&key=1406163386&ls=50)
このスレッドは765+876+モバ+グリという
化物事務所の日常やら恋愛模様やら真面目な話やらを徒然なるままに書いていくスレです
ネタを落としてくれれば適当に拾っていきます
あ、約二週間ぶりだった
体調に関しては二週間も間が空いたところから察してください
【ラジトル】
春香「Pinky4のラジオトルネード!」
卯月「早くない!?」
春香「え?」
卯月「……いえ、だからタイトルコール早くないですか?」
未来「オープニングトークなし?」
愛「じゃあ未来ちゃんどうぞ」
未来「なにもないですけど」
春香「ほら、誰かある? オープニングで話したいこと、夢の話とかする?」
未来「え、それ前回の私ディスですか?」
卯月「んー……」
愛「あっそういえばありますあります!!」
春香「はいどうぞ」
愛「いつだったか忘れましたけど、焼売食べたことないって話あったじゃないですか」
未来「あー卯月さんが実はお嬢様っていう」
卯月「そんな話はしてないです」
春香「えー、でも焼売食べたことないってかなりの不思議だよ?」
卯月「崎陽軒の焼売を食べたことがないって言ったんです!」
愛「で」
未来「はい」
愛「崎陽軒さんから焼売が番組宛に届いたそうです」
春香「おー、言ってみるもんだね」
卯月「すごいすごい!」
愛「それが……あっ、来ました」
未来「食べていいの? いいの? やったー」
春香「はい卯月ちゃん。これが焼売だよ?」
卯月「だから焼売は知ってますよ!」
愛「凄い湯気ですね!」
卯月「もぐもぐ……」
春香「どう?」
卯月「美味しいです!」
未来「はー……、なんかスタジオ内凄い焼売の匂い」
愛「ご飯が食べたい」
春香「しかしたまにあるよね? こういう、番組中にぽっと言ったら後日届いたりすること」
未来「この間ガリガリ君の梨味が山ほど届きましたよ」
卯月「あ、冷凍庫占領してたの未来ちゃんのだったの?」
未来「いくら夏でもあの量は消費しきれないですよ!」
春香「ライラちゃんが立て続けに食べて怒られてたねー……あー」
愛「どしました?」
春香「そういえば私パティスリーμμのフルーツタルト食べてみたいなー」
卯月「この流れでそんな事をいいますか」
春香「たべたーい」
未来「フルーツタルトって送れますかね?」
愛「μμってあれですよね、最近大井町のだかにできた」
春香「そうそう。女子校の近くの所」
卯月「あー、じゃあ行き辛いですね」
春香「そうなの。いっつも女子高生が集まってるからね」
未来「この仕事始めると、どうしても有名なお店とか行き辛いですよね」
卯月「そういえば変装とかどうしてます?」
春香「キャスケットと眼鏡かな」
愛「髪長い人は髪型変えたりとか色々できていいなーって思います!」
卯月「えっと、でもこの間髪型変えて外にでてみたんですけど」
未来「ツインテール可愛かったよ!」
春香「ツインテールかぁ、私達には無理だね」
愛「ですねー」
卯月「即バレましたしね」
愛「あ、バレたの?」
卯月「あっという間に」
春香「もしかして髪型変えただけ? その他は?」
卯月「そのほか?」
春香「あ、アホの子だ」
未来「髪型だけじゃダメですか!?」
春香「ダメだよ~流石にちょ……ちゃんと変装しないと。噛んだけど」
愛「噛みましたね」
未来「珍しい」
春香「ほら、あれ。焼売の所為で」
卯月「うわぁ」
春香「いいじゃん噛んだってー……、はぁそろそろタイトルコール行く?」
愛「あ、じゃあお願いします」
春香「Pi――
未来「Pinky4の……って」
春香「なんで被せてくるかなー!」
卯月「始まりまーす」
なんかそんな感じでいままでと同じ時間帯に更新していきます
『Pinky4のラジオトルネード!!』
卯月「普通のお便り。略してフツおたのコーナー!」
春香「改めましてこんばんわ。今日も元気だリボンが凛々しい! 天海春香です」
愛「桃色ハートは愛あるしるし! ……ひ、日高愛です」
卯月「どうもー、フツおたが私のコーナーみたいに扱われてるのが納得いかない島村卯月でーす」
未来「この間先生に『お前、このままの成績だと未来ないぞ?』と言われた名前負けの春日未来です!」
春香「そんな事言われたの? ……というか、照れるならなんで言ったの愛ちゃん」
愛「あ、あはは……つい」
卯月「そんなに成績悪かったの?」
未来「いやぁ、夏休みの宿題を手伝って貰った感バリバリで持っていったら、ね」
春香「ね、じゃないよ。赤ペン先生、その未来ちゃんの成績表って写しとかない?」
愛(赤ペン先生?)
卯月(ほら、作家ペンの事だと。赤いから)
愛「なるほど!」
春香「来た来た」
未来「え、なんであるの!」
<ウサちゃんロボがコピーしてくれました
未来「凄い! けどなんてことを!」
春香「うわぁ凄い」
卯月「意欲態度は高いのがまた……」
未来「ちょ、ちょっと勘弁してください! お便りはっ!?」
愛「五十代以上に一通来てますよー! あと、十代の所になんか茶封筒が混ざってますね!」
春香「じゃあ茶封筒以外の十代で」
卯月「なんでですか?」
春香「えー、だってなんか嫌な予感するんだもん。なんかPNカルピスソーダの予感するんだもん」
愛「あー」
未来「もしくはテールランプですか?」
春香「絶対そうだって……だから嫌」
卯月「じゃああえて茶封筒で」
春香「話聞いてた?」
卯月「えーっと……あははは! 神奈川県在住の十七歳」
未来「あはは!」
春香「もー! ほらー!」
愛「春香さんがフラグ立てるからですよー!」
卯月「PNカルピスソーダさんからのお便りでーす」
『皆さんこんばんわ。いつも楽しくラジオ拝聴させていただいてます。
私は通学に電車を利用するのですが、最近よく車内でイヤホンをしてる男性と
同じ車両になります。大きな音で聞いているようで音が漏れていて、
迷惑だなぁと思っていると不意に聞き覚えのある歌が。
そう、それはこの季節にもピッタリな「太陽のジェラシー」だったのです!
途端にその人に親近感が沸き、一緒になってリズムをとっていたらテンションが上がってしまい、
つい車内で「私マーメイ!」と叫んでしまいました。慌てて周りを見渡すと乗客全員が私を見ていて
とても恥ずかしい思いをしました。皆さんはこんな恥ずかしい思いをしたことはありませんか?』
春香「ありません」 ポイッ
卯月「あー! 投げちゃダメですよ!」
春香「もー、カルピスソーダとテールランプには専用のコーナーあげればいいんじゃない?
普通のお便りとして読むのしんどいんだけど」
愛「でも今回は割かしまともじゃないですか?」
未来「前の「お弁当箱におはぎを大量に詰めて、指に絆創膏はいて照れながら先輩にあげました」よりはずっと」
春香「それはテールランプでしょ? カルピスの一番酷いのは側転体当たり」
卯月「んふっ」
春香「もうこの二人の葉書はここに入れなくていいですよ作家さん」
未来「ここまでぞんざいに扱われるリスナー私始めてみました」
【日常】
このみ「あのさー」
杏「……」
このみ「……」
杏「……?」
このみ「無視?」
杏「あ、杏に話しかけてたの?」
このみ「そうだよーそうだよー」
杏「ごめんごめん、ぼーっとしてた。……で、なに?」
このみ「そのTシャツなんだけどね」
杏「あ、これ? いいでしょ、働いたら負けT」
このみ「杏ちゃんも働いてるけど」
杏「杏、敗北主義者なんだー」
このみ「……へー」
杏「……嘘ついた」
このみ「知ってる。……で、そういうのどこで買ってくるの? 悪即斬とか」
杏「……え、そんなのもってないけど。……あぁ、必要悪かな?」
このみ「そうそれそれ」
杏「ににゅー……、売ってるって言うかー作ってるー」
このみ「プリントスクリーンとかで?」
杏「そそー。簡単だよ? 数千円でキット売ってるしね」
このみ「作ってもらってもいいかな?」
杏「いいけど、どんなん?」
このみ「……大吟醸とか?」
杏「……ありだね」
このみ「でしょ?」
【なんか】
ちひろ「顔色よくなりましたねー」
P「……ん? あぁ、ごめんなんて?」
ちひろ「顔色ですよ」
小鳥「土気色ですよねって言ってた」
P「まーじでー」
ちひろ「言ってない言ってない。むしろよくなったって言ったの」
P「……どっちが本当か俺には判断しかねるなぁ」
小鳥「死に体とも言ってた」
P「なんと」
ちひろ「それはまったく言ってない!」
小鳥「あと紅葉見に行きたい」
ちひろ「あ、完全に自分の関係ない意見いいだした」
P「紅葉か……紅葉? 黄葉?」
小鳥「え。なによくわからない」
ちひろ「多分もみじかいちょうかって所でしょ」
小鳥「あー、色か」
P「花見もできなかったし、見に行きたいは行きたいな。……ちっひは?」
ちひろ「まぁ、いきたいですね」
小鳥「じゃあ行きましょう」
P「おー……暇ができたらな」
乃々(変な会話)
輝子(秋はキノコ狩りが捗る……よ?)
乃々「それはいいです」
立てたはいいけど書くことなーい
いっそのこと振り切って最初みたいなシリアス書こうや(提案)
かつて人形だった岡崎先輩が感情を取り戻すまでや、最上君の父親の話とか、千早の家族関係とか
皆さんどうも!今回紹介するオススメのSSはこちらです!!
闇条さんとフレンダさん☆3巻再構成
闇条さんとフレンダさん☆3巻再構成 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409244833/)
文句がありましたら上記のスレの>>1へどうぞ!!
皆さんのこと、お待ちしております!!
闇条「待ってるぜ!」
フレンダ「待ってるって訳よ!」
それではまた会いましょう!
今日十五夜らしいのでお月見しているアイドル下さいミミミン
>>36
シリアスでもいいんですか!?やったー!
ってやろうとしたら誤爆したー!
【いつぞやの誕生日】
小鳥「……」
P「これでお前も30代か」
ちひろ「いえーい」
小鳥「はぁ、凹むなぁ……」
P「19から20になった時よりずっと重たいだろ?」
小鳥「きっつぅ……。ちっひも早くなりなさいよ」
ちひろ「二ヶ月半後によろしくお願いします」
P「誕生日プレゼントなにがいい? インドメタシン?」
小鳥「いらない」
ちひろ「大丈夫、今時30は全然全盛だから」
小鳥「まだ少し余裕あるからって調子乗って……すぐになるんだからね!」
ちひろ「あー怖い怖い更年期かしら?」
P「ふはっ!」
小鳥「舞さんにも同じこと言ってみなさい」
ちひろ「むぅーりぃー」
P「まぁなんにせよ、おめでとうピヨっち」
小鳥「はぁ……、ありがとうございます。今夜はごちそうになります」
ちひろ「はいはい、好きなだけ飲んで好きなだけ食べてください」
P「場所はどうする?」
ちひろ「ちょっといいとこ」
小鳥「この間のお高いところがいいー」
P「りょーかい」
【泰葉13歳】
当時の私を思い出すのは、芋蔓式に嫌な出来事の想起に繋がるので
正直あまり能動的にやりたい作業じゃありません。
嫌なこと、嫌な事、嫌な子と……。なにより自分が嫌な子でした。
拗ねて、捻くれて、大人ぶって、悟った振りして、諦めた振りして。
そのくせ、何一つ納得してなんてなかった。
ただ、嫌と口にして私の事を嫌われるのが怖くて。
そんな昔、昔の私。
―――
『芸能界は煌びやか。だからこそ、影は濃く深く』
私がこの世界に足を踏み入れたのは、まだまだ幼い頃。
小学校も卒業してない、お子様の頃。
なりたいなんて、思ってなかった。やりたいなんて、思ってなかった。
望まれたから、そうあっただけ。
親が全ての子供時分に抗うことなんてできなかった。
やれば喜んでくれる、やらなければ怒られる。
なら、子供が選べる選択肢なんてないに等しかった。
>>80
幼いながらに汚いものを見てきた。
嫌なものを見てきた。自分も汚れた気がして、とても嫌だった。
悲しくて、辛くて、誰も取り合ってはくれなくて。
そんな日々が続いてしばらく。
「……キミ、ウチに来ないか?」
声をかけてくれた人が居ました。
やっぱりここは、王道を征く、お風呂の話を
多分女子寮には個別のシャワールームとかはなくて大浴場があると思う(1スレ目のオフレコドッキリで亜美真美が涼ちんの部屋のシャワーをみて指摘してたから)
同じ16歳なのに雫や可憐のおっぱいがお湯に浮くのを見て血涙を流す千早藍子珠ちゃんとか、毎回おっぱいを揉もうとして色々な人から折檻される愛海とか、下の毛が濃いのをいじられる神谷の奈緒が見たいんです!
【そして】
P「今日からウチの所属になる、岡崎泰葉だ。みんな仲良くしてやってくれ」
泰葉(13)「……よろしく、お願いします」
春香(15)「あはは、なんだか転校生の紹介みたいですね!」
P「はっは、移籍だから似たような物かも知れないな」
愛(11)「あ、わたし愛って言います! 泰葉ちゃんよろしくね!」
泰葉「……ちゃん?」
愛「?」
泰葉「私のほうが……年上です」
愛「でもわたしの方が先輩ですよ!」
泰葉「……」 ムー
あずさ(18)「よろしくね泰葉ちゃん」
泰葉「……はい」
あずさ「……プロデューサーさん?」
P「あー、まぁ、色々あってな。頼むなあずさ」
あずさ「わかりました~」
泰葉「……」ムスー
【あ】
愛「秋ももうすぐですね~」
歩「あー、最近夜も冷えてきたよな~」
愛「そうですよ! 収録がおしたりするともう肌寒いですよね」
歩「秋物のモデルとかのしごとも多くなってきたし、一年も早いよね」
愛「あたしもあとちょっとで受験生ですよ!」
歩「あっ、そっか。……ん~」
愛「?」
歩「いや、たまに思うんだよね。アタシもあと一・二年遅く生まれてればさって」
愛「よく大人組の人とかも似たような事言ってますよ!」
歩「あはは! なー、いいなーって思うよ。事務所のみんなが同じクラスとか凄い楽しそうじゃん」
愛「楽しいですよ!」
歩「羨ましいなー……あ、あずささん!」
あずさ「あら? 愛ちゃんに歩ちゃん、おはよう」
歩「おはようございます」
愛「おはようございます!」
あずさ「どうしたの?」
歩「あずささんが学生の頃ってもう事務所の学生とかってみんなあそこだったのかな?」
あずさ「そうね~、そもそも当時はあんまり同年代が居なかったから私は違ったけど、
当時中学生だった子はみんな一緒だったわね」
愛「あたしは小学生でした!」
歩「いいな~」
【い】
伊織「なにしてんの?」
泉「人工知能プログラムのアップデートかな」
伊織「それって事務のパソコンの?」
泉「ううん、擬似人格を使ったのじゃなくてオリジナル」
伊織「はぁー……、よくもまぁそんなことできるわね」
泉「好きだから、こういうの」
伊織「ふぅん……よくわかんないわね」
泉「そう? 伊織先輩はこういうのやりだしたらハマリそうな気がするけど」
伊織「それで、その横にある装置はなに?」
泉「これ?」
伊織「そうそう」
泉「……以前擬似人格をインプットするのに使った装置なんだけど、
いま事務室のPCに入ってる三人のって、みんな素直ないい子でしょ?」
伊織「えっと春香と愛と卯月……だったかしら?」
泉「そう。オリジナルを作るのに参考にしようと思ったんだけど、
もう少しパターンが欲しくて、悪い子とか我侭な子とかのデータが」
伊織「……なんでそこで私を見るのよ」
泉「ちょっと被って欲しいんだけど」
伊織「嫌よ! そんな事言われた後に良いって言うと思った!?」
泉「大丈夫! ちょっと、ちょっとだけだから!」
伊織「絶対イヤ!」
【う】
卯月「ほ、……ほわぁっ!?」
(卯月がすっころぶ音)
海美「あっははは! なにやってんのー?」
卯月「いったた……んー、やっぱり私には海美ちゃんみたいなポーズ無理みたい……」
海美「あー……これ?」 びしっ
卯月「そーそれそれ!」
海美「これはコツ掴めばすぐできるって! こう……右足をさ、45度位に曲げて」
ウサちゃんロボ「うさっ!」びしー
海美「ほら! ウサちゃんロボもできてる!」
卯月「えーっ!?」
【え】
笑美「なぁなぁ、エミリーはんはPはんを仕掛け人様って呼ぶやろ?」
エミリー「え? えぇ、はい。私は大和撫子を目指してますから」
笑美「へぇ~、なるほどなるほど……ってなんでやねん!」
エミリー「?」
笑美「え、素?」
エミリー「私、いまなにか突っ込まれるような事を言ったでしょうか?」
笑美「……あー、なんやごめんなぁ」
エミリー「そうですか?」
笑美「……そーいえば、女子寮のアレなんとかならへんのかなー?」
エミリー「あれですか?」
笑美「そそ、アレやアレ。えっと名前がでてきぃひんなぁ……ほらエスカレーターやなくて」
エミリー「あぁ箱型昇降機ですか?」
笑美「は、箱型!?」
【お】
乙倉悠貴「なんか、新鮮です」
音無小鳥「んー?」
悠貴「音無さんに付き添って貰うの」
小鳥「プロデューサーじゃなくて残念?」
悠貴「い、いえ! そっそんなことは!」
小鳥「ふふっ……。えっと、今日のお仕事はPR広告の撮影をして、サンモールで営業ね」
悠貴「はいっ!」
小鳥「どう? アイドルの仕事は楽しい?」
悠貴「はい、先輩達にもよくしてもらってとても楽しくできてます」
小鳥「それはよかった」
悠貴「……あの、音無さんも昔アイドルやってたって聞いたんですけど」
小鳥「……それプロデューサーから聞いたの?」
悠貴「え? はいそうです」
小鳥「もー、あの男は本当に口が……ペラペラと」
悠貴「あははっ。音無さんとプロデューサーさんって本当に仲がいいですよね」
おう殺すなや
「か(かなの場合)」
今井加奈「ただいまー」 ガラガラ
矢吹可奈「あ、おかえ……うわぁ」
加奈「? あ、これ? プロデューサーに頼まれちゃって」
可奈「パシ……おつかい?」
加奈「パシリじゃないよ!」
可奈「う、うん。そうだよね、ごめんね……なんか辛い事あったら言ってね?」
加奈「ないよ! もー!」
可奈「あはは……。で、なにを買ってきたの?」
加奈「え? あぁ、うん。醤油とかお米とか」
可奈「……大丈夫? いじめられてない?」
加奈「もー!!」
とりあえず合間はネタでも書いておいてください
そしたらなんかティンときて早く投下できるかも
生存報告
まともに書けてたのは>>112が最後だから……
まじかもう丸一ヶ月休みねぇのかはっはー!
【き】
桐生つかさ「うっす社長」
P「よう社長」
つかさ「どう調子は? ちなみにアタシはまずまずね」
P「調子なぁ……調子は俺が決める事じゃない気がしてきたよ最近」
つかさ「は? 意味わかんねー」
P「いやだから……さっ!?」
(衝撃音)
きらり「Pちゃんはぴはぴー!!」
P「……おう、今日も元気そうだなきらりぃっ!?」
(背中を思い切りはられる音)
菊池真「おはようございますプロデューサー! 今日もばしっと行きましょう!」
P「ごほっ……うん。そうだな、張り切って行こうな」
つかさ「あー……アンタだいじょぶ? すげー音してたっぽいけど」
P「……けほっ……。うん、まぁつまり。こういうのがあると調子は悪いと言っていいな」
つかさ「がんば」
P「おう」
【日常】
談話室
泉「あれ、誰かもってっちゃったのかな」
春香「? なにを?」
泉「え、あ、えっと……新聞です。今朝の東京新聞が読みたかったんだけど」
このみ「ん? あぁ、こっちにあるわよ」
泉「このみさんが読んでたんですか?」
このみ「うん。でも、もう一通り目は通したから、はい」
泉「どうも」
春香「ふぅん、みんな読んでるんだ新聞」
このみ「春香ちゃんは読まないの?」
春香「時間があまりないですし、種類も多いからちょっと……」
泉「特に事務所には沢山ありますよね」
このみ「そうね。三大紙だけじゃなくて東京・産経・日経」
春香「スポーツ紙も色々ありますよね」
泉「薄いよくわからない専門の新聞もあるし」
P「ま、知識はあって困るものじゃないからな。特に時事は」
春香「あ、お疲れ様です!」
このみ「聞いてたの?」
P「お疲れ……聞こえたんだよ」
このみ「で、こんなに取る必要ある? サービス品目当てって訳でもないでしょうに」
P「どうしてもアイドルには学生が多いからな……っと、ほらこんなのもある」
春香「中高生新聞……?」
泉「あ、これならさくらでも読めそう」
P「いつフリートークで振られるかもわからないしな、知ってて損はないだろ?
でもどこか一紙だとどうしても偏るからな内容が。報道が平等公正じゃないのは、
お前達も十二分に承知だとは思うけど」
このみ「ま、ね」
春香「で、こんなにいっぱいと」
P「そういう事。一面だけでも見れば大事な情報はわかるし」
春香「読み方がちょっと……、たまに飛ぶじゃないですか記事」
泉「プロデューサーはこれ全部目を通してるの?」
P「一応な、MJとか結構面白いぞ」
春香「いつ読んでるんですか……」
P「暇な時にまとめてな」
春香(その暇なときがいつあるのって話なんだけどなぁ……)
あの、いいかな
頼みがあるんだけれども
やっぱなんでもねーや
とりあえずラブライブのSSを完結させた方が……
>>186
そうですねごめんなさい
まぁ、あれです
そろそろ前のペースに戻せそうという報告を
【はろはろ】
未来「うわぁぁっ! か、かわいいぃぃ!」
仁奈「当然でごぜーます!」
未来「う、うわぁ……! もこもこのもふもふだぁ……」
仁奈「ふふ~ん、存分に愛でてくだせー」
未来「は、はわわ……」
(着ぐるみをもふる音)
愛「初めてみる着ぐるみですね」
仁奈「卸したててでごぜーますよ」
未来「もふもふもふ」
仁奈「あう、くすぐってーですよ未来おねーさん」
未来「ご、ごめんね!」
愛「それってかぼちゃ?」
仁奈「ハロウィン仕様でごぜーます」
未来「やわらかぼちゃ……」
仁奈「とりっくおあとりーと!」
愛「……お菓子もってないよ!!」
仁奈「……では悪戯でごぜーますね?」
愛「……」じり
仁奈「……」じり
愛「! と、トリックオアトリート!」
仁奈「!? ……に、仁奈もお菓子はもってねーです」
愛「つまり……?」
仁奈「お相子って事でおじゃんでごぜーますか?」
未来「あ、私春香さんから貰ったかぼちゃプリン持ってるよ」
仁奈「わーい!」
愛「わーい!」
未来「一個しかないよ!?」
【はろはろはろ】
P「などとアイドル達は仲睦まじくやっているようだが」
小鳥「ぐぬぬ……」
ちひろ「……ふぅ」
P「ま、事務室は変わらないなぁ……」
小鳥「いいから手を動かしてよ!」
ちひろ「イベント月の月末はまいどデスマーチですねぇ……」
小鳥「ちっひも! なにお茶飲んでるの!?」
P「俺は自分の分終わらせたし、あとはピヨが上げてきたのに目を通して判子おすだけだ」
ちひろ「こっちも決算終わったんで、あとはピヨちゃんが精査してくれれば大丈夫だもん」
小鳥「……くたばれ!」
P「なんと剣呑な……、まぁ実質中継ぎだからな。忙しいのは仕方ないね」
ウサちゃんロボ「うさうさ」
(暖かいお茶を渡すウサちゃんロボ)
小鳥「うぅ……ウサちゃんロボだけよ。私の味方は」
ちひろ「ちょっと手伝ってあげようかと思ったけどやーめた」
小鳥「うそうそ! お願いします!」
【飴】
可奈「おいふぃ……」
凛「なに食べてるの?」
可奈「飴れふ……涼はんがもごもご」
凛「え、ごめん。なに言ってるかイマイチわかんないんだけど」
可奈「……もごもご」
凛(伝えるの諦めた……)
秋月涼「あ、凛ちゃん」
凛「うわっと……、涼さんおはようございます」
涼「うんおはよう。凛ちゃんも飴食べる?」
凛「飴……あぁ、可奈が食べてるのも?」
涼「そう、ほらハロウィンで作った飴がちょっと余ってて」
凛「飴って作れるんですか?」
涼「材料があれば作れるよ?」
可奈「おいふぃれふ!」
凛「リスみたいになってるよ可奈」
可奈「もごもご……」
涼「はいどうぞ」
凛「ありがとうございます。……なんか涼さんってほんと女子力高いですよね」
涼「そ、そう? あはは……ありがとう」
凛「? ……あ、美味しい」
【他所からの】
凛「なんていうか、ウチっていい事務所だよね」
P「あ? なんだその唐突なよいしょは」
凛「よいしょって……別にそんなんじゃないけどさ」
昴「今日他所のアイドルと少し休憩中に話しててさ」
凛「寮の話とかしてたらすっごい羨ましがられた」
P「寮の話?」
昴「家賃も光熱費も全部事務所持ちだろ?」
P「あー……、まぁ確かに他にはないだろうな」
凛「実質寮生活してれば出費は食費だけだもんね」
昴「太っ腹だよな」
P「アイドルに限らず芸能界は収入のトップとボトムの差が激しいからなぁ……、
地方からわざわざ出てきてもらった子の事とか考えるとそれくらいはな」
凛「でも、新人とかはともかく私達は別にもう大丈夫だし、ね?」
昴「あぁ。別にいつまでも全部負担してもらわなくていいんだぜ?」
P「確かに今のお前らは光熱費程度払っても痛くも痒くもないだろうけどな……こっちが」
凛「どういう事?」
P「現時点で電気・ガス・水道等が月間どれくらいの金額になってると思う?」
昴「……わかんないけど」
P「寮の電気代だけで150万以上だな平均して、夏場とかだと更に跳ね上がる」
凛「電気代で150万!?」
昴「うおっ、すげぇ行ってるな」
P「まぁ人数も人数だし、廊下や大広間の照明や空調もあるからな」
凛「なら余計に私達が自分の分持ったほうがいいんじゃないの?」
P「そうでもない。毎月電気だけでそれだけあった出費だぞ?
さらにガスや水道やら諸々に家賃とかをお前達に払って貰ったら、
そのマイナスが綺麗になくなるんだ。めんどくさいぞ? 書類とか決算とか、色々突っ込まれるしな」
昴「え? そういう?」
P「でなくても、ウチは今十分に儲かってるのでわざわざお前達からとろうとは思わないよ」
凛「ふぅん……、ホント優良事務所だねウチは」
昴「事務室勤務の人間を除けばな」
凛「あ、そっか」
P「はっはっは。……言うな」
おっすおっす
初めて読むが765+876+CG+ミリオンで315or961はないのか
とりあえず全部で250人近くのアイドルがいるって感じでいいの?
【豆タンク】
7F 会議室
P「……」
(ブラインドを指で広げ外を眺めるP)
亜季「……」
P「……大和」
亜季「はっ!」
P「なぜ呼ばれたかわかるか?」
亜季「……いえ! 正直検討がつきません!」
P「そうか……」
亜季「……」
P「……全長3.17m」
亜季「……?」
P「全幅1.42m全高1.30m重量3.15t。速度は42km毎時。8mm重機関銃を二門装備した装甲戦闘車両」
亜季「……っ!」
P「お前ならわかるだろ?」
亜季「カルロベローチェ33年型、L3/33……でありますか?」
P「そう……C.V.33だ」
亜季「な、何故いまそれを?」
P「まだ白を切るか?」
亜季「なにをおっしゃっているのかわかりません!」
P「……駐車場」
亜季「は?」
P「マスターズプロダクション関係者用駐車場に今朝未明から置かれているんだ」
亜季「……ま、まさかっ!?」
P「そう……そのC.V.33が、だ」
亜季「し、しかしそれと私との関連性が!」
P「お前しか居ないだろ!あんなもん買って、勝手に駐車場に置く馬鹿は!」
亜季「ほ、本当に知らないです! と言いますか、本当にあるんですかベローチェが!?」
P「嘘だったら……よかったんだけどな」
亜季「こ、……こうしてはおれません!」
(亜季が部屋から飛び出す音)
P「あっ! おいこら!」
>>201
はいその認識で大丈夫です
315と961は別途存在してる感じかな
駐車場
亜季「うおぉぉぉ! ほ、本当に本物!?」
P「……はぁ……はぁ。こ、こういう時のお前は恐ろしく早いな……ふぅ」
亜季「な、何故駐車場にカルロベローチェが……?」
P「それはこっちが聞きたい。てっきりお前が勢いで買ったんだと思ってたんだが」
亜季「流石にC.V.をポンと買えるほどのお金は持ってないでありますよ」
P「そうか……じゃあ誰だ?」
亜季「いくらしたのかは知りませんが、しかし豆とは言え戦車を買えるのはやはりウチでも限られてくるのでは?」
P「……伊織とか?」
亜季「萩原殿も結構怪しいであります」
P「……そっちの線はあまり考えたくないな。巴も含め」
亜季「で、ありますね」
P「しっかしそれはそうと、状態いいなこれ」
亜季「しかも機関銃が埋まってないですよ。8mm弾さえあれば撃てるんじゃないでしょうか」
P「……は? マジで?」
亜季「はい。大抵こういうのは銃口が埋められるものですが、これは多分製造時のままです」
P「あぶねぇな……弾とか中にないだろうな」
愛「なかったですよ!」
P「うわぁっ!?」
亜季「っ!?」
愛「うわわ!? ど、どうしたんですか!!?」
P「お前いつからベローチェの中に居たのか!?」
亜季「P殿! 日本語が少々行方不明です!」
愛「えっと、朝八時位ですかね? やっと届いたから中を見てたらウトウトしちゃって」
P「……ん? やっと届いた?」
亜季「もしや愛殿がこれの購入者だったのですか!?」
愛「そうですよ! あたし、アイドルになってからたまに豆タンクって
あだ名で呼ばれてるんですけど豆タンクってよくわからなくて!!!」
P「それでC.V.を?」
愛「はい!!」
亜季「で、実物を見た感想はいかほどで?」
愛「ちっちゃくて可愛いです! あたしももっともっと頑張ろう! って思いました!!!」
亜季「なるほど! ……ところで少し触っても?」
愛「どうぞ!」
亜季「ほ、ほわぁ……!」
P「……愛」
亜季「はっ!」
愛「? はい! なんですかプロデューサーさん!」
P「ちょっと来なさい」
この後めちゃくちゃ怒られたよ!
日高舞「娘に負けてられない!」
翌日、そこにはタイガー戦車を乗り回す舞さんの姿が!
【その後】
伊織「へぇこれが噂の軽戦車?」
愛「軽戦車じゃなくて豆戦車です!!」
美世「二人乗りなんだっけ?」
愛「はい! えっと、中のペダルがですね……」
P「愛」
愛「……はい」
伊織(躾けられてるわね……)
美世「これって普通免許で運転できるかな?」
このみ「どうみても普通車じゃないから無理でしょ」
美世「でもクラッチとかギアとかは大体同じでしょ?」
伊織「完全に同じじゃない時点でダメよ」
P「そもそも履帯にゴムつけてないから舗装路は走れないぞ」
美世「えー……」
伊織「というかエンジンかかるの?」
愛「はい、それはもう元気でした!」
P「……試したのか?」
愛「え? ……えっと」
P「お前いくつだっけ?」
愛「……もうすぐ15になります」
P「……ちょっと来なさい」
愛「あー……うー……」とぼとぼ
伊織(なんか面白いわねー)
美世「……あっ! 閃いた!」
このみ「なに?」
美世「ほら、私有地なら! 私有地なら免許も路面も気にしなくていいよね!」
伊織「もしかしてあの島の事言ってるの?」
このみ「あそこなら確かに問題ないだろうけど……どうやってもってくの?」
美世「……伊織ちゃん先輩!」
伊織「えっ、私頼み?」
>>207
【翌日】
舞「……」カタカタ
P「あ、居た」
舞「ん? あら、もしかして私を探してた?」
P「おう、愛の事でな」
舞「愛の? ……あぁ、駐車場のアレ?」
P「他にあるか? お前から言っといてくれ、流石にアレは看過できないぞ。
ただでさえ島買ったり長者番付上位を独占したりで最近色々言われてるんだから」
舞「別にいいじゃない言われたってほっとけば」
P「ほっとけるレベルか? アレは」
舞「そうね、まぁ私からも一応言うつもりだったけど」
P「そうか、ならよか――
舞「買うにしても豆戦車はないわよね? どうせ買うんだったら大きいのでしょ?
砲塔がない戦車なんて買ってもつまらないものね」
P「……おい?」
舞「ま、その辺はね。下手に言うより実際に見せたほうが早いと思って……コレ!」
P「……同じイタリアでP40じゃないんだな」
舞「あれって生産数少ないし出回ってないのよ。不良品だし」
P「だからヤークトティーガーか?」
舞「えぇ、だってほら! 128mm砲よ!?」
P「……えぇっと」
舞「もっと欲を言えばマウスが欲しかったんだけどねぇ」
P「舞」
舞「なに?」
P「……はぁ。……ちょっとこっち来い」
この後めちゃくちゃ怒られたよ!
【日常風景】
律子「プロデューサー」
P「おう律子、どした?」
律子「NJの看板あるじゃないですか」
P「あぁ、新しく上がってきた奴な。あれも打ち合わせしないといけないんだけど」
律子「こっちでやっとます? 大体目を通しましたけど、プロデューサーが出なくても大丈夫だと思います」
P「そうか? なら頼む」
律子「はい。……ただ、初めての看板ですからちょっと緊張してますし、声かけくらいは」
P「わかってる。さんきゅな」
律子「いいえ、他になにかあったら言ってください」
P「いまは大丈夫かな」
留美「プロデューサー、こっちの書類まとめ終わったけど」
P「おう、こっち持ってきてくれ」
留美「はいはい」
このみ「くっ……届かない」
P「あー無理しなくていいから」
留美「私が取るわね」
このみ「うぅ、ありがとう……」
P「そういえば棚の整理もしとかないとなぁ……」
律子「この間新旧日付順に直しておきましたよ」
P「マジでか、助かる」
ウサちゃんロボ「うさうさ」
P「おっ、ナイスタイミングだロボ」
律子「はぁ、しかし終わりませんね」
P「ま、もう年末だからな」
ちひろ「それでも皆さんが手伝ってくれるので助かりますよ」
小鳥「合間合間に休憩するくらいはなんとかね」
留美「もっと色々こっちが手伝えればいいんだけれど」
P「十分助かってるよ……あれ、あのデータは……愛」
AI愛『はーい!! 検索しますねー!!』
このみ「っ」びくっ
P「声落とすこといい加減覚えような」
AI愛『はい! すみません!』
【ポカン】
談話室
未来「もー! んもぉぉー!」
笑美「なに? どしたんアレ」
美希「わかんないの。なんかやってくるやいなや突然発症したの」
笑美「怖いわー……、なんかやってるんとちゃう?」
美希「未来の事だから落ちたもの食べたとかだと思うな」
未来「そんなことしませんよ!!」
美希「あ、聞こえてたの」
笑美「まともな判断力は残っとるみたいやな」
未来「もー! 二人ともなんなんですかー!!」
笑美「それはこっちの台詞やで」
未来「いやね、あれなんですよ。ラジオ、やってるじゃないですか私」
美希「あぁ、うん。春香に弄られてるのをよく聞くの」
笑美「あれな。あれはおもろいと思うわ。普段からあんなんやったらもっとなかようなれる気ぃするわ」
未来「なれませんよ! もー! あのラジオやるようになって、最近事務所でも扱いが雑な気がします!」
美希「おいしくていいと思うな。美希は絶対ヤだけど」
笑美「みんなに親しまれてるっちゅう事でな、一つ」
未来「うぅ……アレの所為でどんどん私がお馬鹿キャラになってるんですよ」
美希「え? キャラ?」
笑美「化けの皮剥がれただけちゃうんか?」
未来「うーがぁー! 忘れろー!」
笑美「えっ!? なにを忘れさせる気なん!?」
美希「……1・2の……ポカン!」
笑美「あ、なんか忘れたで?」
未来「え!?」
美希「かえんほうしゃ をわすれた!」
笑美「あ、アカン! それは忘れたらあかん技や!」
美希「かわりに みき は だいもんじ を おぼえたの!」
未来「あぁ! 威力しか見えてない選択だ!」
笑美「はかいこうせんとか、ふぶき・だいもんじ・かみなりが最強と思ってる小学生の発想や!」
未来「タイプ一致とかも気にしないでカビゴンに全部覚えさせる小学生だ!」
美希「……」
笑美「……」
未来「……」
美希「……1・2の……ポカン!」
未来「こ、今度はなにを!?」
美希「みらい は うたう を わすれた!」
笑美「アイドルとして大事な要素忘れてもうた!」
未来「そもそもなんで私!?」
美希「かわりに みらい は どわすれ を おぼえたの!」
未来「しかも実質なにも覚えてない!」
笑美「他の技構成が気になるわー」
美希「(プロデューサーに)しっぽをふる・(プロデューサーに)あまえる・(本番中に)ねむる・どわすれなの」
笑美「なんか……えげつなぁ」
未来「私べつに尻尾振ったりしてないもん!」
P「お前ら頭悪い会話してるなぁ……」
笑美「おっ、まいどおおきに! 笑美ちゃんや!」
P「おぅ……なんだその挨拶」
未来「プロデューサーさん! この二人が酷いです!」
P「いや、聞いてたけどさ」
美希「ハニーはどう思う?」
P「ん? ……個人的にどわすれは最初から覚えてるだろと思った」
笑美「あー」
未来「酷い!?」
【名刺】
P「そろそろまた印刷しとかないとな」
加蓮「なにを?」
P「これだよこれ」
加蓮「名刺入れ?」
P「の、中身だな。初めて会った人には必ず渡す物だし、ある程度常に持っておかないとな」
加蓮「あー、そういえば私も昔貰ったね。……その時は違う名刺入れだった気がするけど」
P「そうだな、これは……そこでうどんすすってる奴に貰ったものだな」
静香「?」
加蓮「名刺入れの話」
静香「んぐ……えぇ、そういえばそうですね。誕生日のときにプレゼントしました」
P「丈夫で助かってるよ」
静香「そういうの選びましたから。……ずっと、使ってもらえるように」
加蓮(わお)
P「おう、ありがとな」
静香「けど、あれですよね」
P「ん?」
静香「今の名刺、随分デザイン変わりましたよね」
加蓮「あ、確かに。やっぱり偉くなったから?」
P「その言い方はなんか嫌だが……、まぁ役職が変われば会う人間も、その対応も変わってくるしな。
どうしても一々名刺を書き換える必要があるし、……そもそもウチは社名も一度変わってるからな」
加蓮「そっか、元は765だもんね」
静香「でも大変じゃないんですか?」
P「ま、そりゃな。今回は特に社長になっちゃったから、改めて色んな人に渡したり面倒もあるけど
社会人としては個人個人の看板みたいな物だからな。キチンとしないとな」
絵里「昔のプロデューサーの名刺はプレミアついてるみたい?」
加蓮「うわっ、い、居たんだ」
絵里「ん」
静香「プレミアってどういう事ですか?」
絵里「紙が変わったり電話番号が増えたり、社名肩書き等々で何回も変わった
プロデューサーの名刺を集めてるコレクターがいる……んだって?」
P「いや、俺に振るなよ。知らなかったよそんな事。どこで調べたんだ?」
絵里「ヤフオクにも出品があるみたい?」
加蓮「世の中なんにでもマニアはいるんだねぇ」
P「そんなもの流せるのは業界関係者だけだろ……」
静香「ちなみに絵里さんのは?」
絵里「当時貰ったのはまだ765の頃の最初期名刺? ヤフオク相場だと2万円ちょっと」
P「えっ高っ」
今日はお休みです
ごぬんれ
リクエストはスレがある限り受け付けてますよー
【怒ったら】
神谷奈緒「誰が一番怖い?」
琴葉「どうでしょう? 普段怒らない人かなとは思いますけど」
奈緒「やっぱプロデューサーかなぁ、あの人マジで怒らないしな」
杏「……え?」
奈緒「あ、そっちはもう別区域で」
杏「なんだそりゃ」
琴葉「怒るって言っても叱るとか、そういう窘めるのとは別方向で怒った時ですよね?」
奈緒「そうそう。杏・乃々のやる気無い組とか、環とか麗奈達みたいな悪戯組相手とは別にで」
琴葉「でもやっぱり事務室のお三方が本当に怒ってるのって見たことないですよね」
杏「ね。基本そういうのは先輩の大人組が担当してる節あるし」
奈緒「プロデューサーはフォローに回ることが多いもんな」
美希「……いまはそうでも昔はそうでもなかったの」
杏「おっ」
奈緒「昔を知る人が現れた! ……で、具体的には?」
美希「昔はよく怒られたの。人も少なかったし、ハニーも仕事先とか契約先とか、電話口でよく怒ってたの」
琴葉「想像つきませんね」
美希「そういうの表にださないようにしてたけど。美希、よくソファで寝てて気付かれてないことあったから」
杏「あー、今の杏にちょっと近いかもね」
奈緒「杏はあるのか? そういう、こっそり見てしまった的なの」
杏「少しね。口調が荒い位だけど」
美希「でも、美希的には一番怖いのはハニーじゃないって思うな」
琴葉「というと? 律子さんとかですか?」
美希「ううん、怒ったとき一番怖いのは――
あずさ「あ、美希ちゃん居た」
美希「っ!?」
あずさ「“さっき“の事の続き、お話しましょう?」
美希「あ、あぅ……はい、なの」
あずさ「ごめんなさい。ちょっと美希ちゃん借りるわね?」
奈緒「うっす! ど、どうぞ!」
杏(あー、笑顔が怖い人ってパターンか……)
【温泉 その1】
比奈「う~……あ~……」
あずさ「あらあら、比奈ちゃん顔が顔が」
比奈「いいじゃないッスかぁ~……こんな所でくらい~……あ~」
このみ「いやぁ、しかし大きい温泉よね。これが貸切どころか事務所の物って言うんだから頭が下がるわ」
比奈「あ~……」
このみ「聞いて」
比奈「真冬の温泉は生き返るッス~」
あずさ「日本酒持って来ちゃった」
このみ「あっ、いいわね。頂きましょ」
比奈「逆上せますよ?」
あずさ「ちょっとだけ、……ね?」
比奈「んもー……」
このみ「……空も綺麗ねー」
比奈「孤島ッスからね」
あずさ「空気も澄んでて……んっ、美味しい」
このみ「……はぁ」
比奈「おや? なんで急に落ち込んで?」
このみ「なんかねぇ、ずるいと思わない?」
あずさ「?」
比奈「え? ……あー、あずささんめちゃくちゃ色っぽいッスよね」
あずさ「え? そ、そうかしら?」
このみ「……はぁ~、そりゃこういう仕事沢山くるわ」
比奈「同姓から見ても魅力的ですからね、そりゃあもう」
あずさ「ちょ、ちょっと……もう!」
このみ「いいなー、私ももう少し……少し? ……結構……かなり」
比奈「ままま、さ、飲んで」
このみ「んぐんぐ……あー! 胸が欲しい!」
比奈「心の叫びッスねー」
あずさ「は、恥ずかしいから!」
【こんなこともありました】
小梅「……と、いうわけ……です」
P「なるほど……この部屋にねぇ?」
小梅「ちょっと……性質の、悪い……悪霊、だから」
楓「悪い霊が悪霊なら善良な霊は善霊……なんて」
小梅「……」
P「……小梅続けて」
小梅「……はい。えっと……心の狭い霊みたい……で、みんなに悪さするかもって……あの子が」
楓「心の狭い霊……狭霊?」
P「……小梅」
小梅「えっと……だから除霊をしないと……」
P「だからこの部屋をしばらく空けて欲しいと?」
小梅「……はい」
楓「ここにワインが! これがホントのボ除霊!」
P「……」
(懐から笛を出す音)
小梅(笛に耳がついてる……)
P「すぅ……」
楓「えいっ!」
(笛が飛んでいく音)
P「なにをする」
楓「ホイッスルをポイッする」
P「……」
(笛を出す音)
小梅(二つ目……)
(笛が鳴る音)
ウサちゃんロボ「うさうさ?」
P「つまみ出せ」
楓「お酒を飲むからつまみだぁぁ……ふがんぐっ!」
(ウサちゃんロボが楓を押し出す音)
P「……はぁ、まぁとにかくわかった。どれくらいかかりそうだ?」
小梅「た、多分……今日明日には……」
P「わかっ――?」
(ウサちゃんロボが再びやってくる音)
(ウサちゃんロボが見えない何かを掴んででていく音)
小梅「……ぇー」
P「なんだったんだ?」
小梅「……あ、悪霊……つまみだしちゃった……」
P「えー」
こうしてウサちゃんロボに見えないモノ対策係ができましたが、
彼らが頑張って毎日働いているとアイドルが不安になるので直ぐ解体されました。
【温泉 その2】
友紀「よっし一番!」
莉緒「にーばん!」
(二人が走る音)
舞「はいストッープ!」
(舞の両腕が二人の首を捉える音)
友紀「うげっ!?」
莉緒「うわぁっ!」
(倒れる音)
舞「湯船に入るなら身体と頭洗ってかけ湯してから入りなさい!」
律子(口頭で言えばよかったんじゃ……?)
友紀「うぐぐ……すみません」
莉緒「うにー……」
―――
舞「ねぇ」
友紀「はい?」
舞「ちょっといい? あ、動かないでそのまま」
友紀「あ、はい」
舞「ほら、この辺とか洗えてないわよ?」
友紀「え、あ……すみません」
舞「……いや、さっきはやりすぎたけど。そこまで怯えないでよ」
律子(いきなりダブルラリアットされたら怯えますって……)わしゃわしゃ
友紀「あははー……」
舞「ふぅ……、ほら頭貸して」
(舞が友紀の髪を丁寧に洗う)
舞「折角長くて細い良い髪してるんだから、キチンと手入れはしないとだめよ?」
友紀「はーい」
莉緒「あはは」
友紀「……誰かに頭洗って貰うなんて久しぶりだなぁ……」
舞「ふふっ、たまには悪くないでしょ?」
律子(お母さんしてるなぁ……流石ね)
莉緒「ユッキいつもより子供みたい」
舞「あ、次は莉緒ちゃんだからね」
莉緒「え、私も!?」
舞「うなじの所とこめかみが全然洗えてないじゃない」
莉緒「うそー」
友紀「お母さん!」
舞「こんな大きな子供産んだ覚えはないわね」
【対象】
春香「おはようございまーす」
まゆ「おはようございます。……表のアレみました?」
春香「あの記者さん達?」
まゆ「はい、なんかずっと張ってるみたいですよぉ」
翼「だれ目的なんだろうね~。アイドルが通っても挨拶しても撮影はしないんだよ?」
春香「へぇー……不思議だねぇ」
春香(あれ? でも、前にもこんなことなかったっけ……?)
「きたぞ!」
(ざわつく外)
まゆ「あら?」
翼「おっ、目当ての人が帰ってきたのかなっ? ってあれは」
「今回の総選挙で出馬依頼が各党からあったと聞きましたが!」
「出るとしたらどこからですか!?」
「以前総理と会食を行ったと報じられてましたがその時に―――」
P「あぁもう邪魔だなあんたら! 選挙なんてしてる暇があるか!」
春香(やっぱり……)
―――
まゆ「という事がありまして」
舞「へー……んふっ」
まゆ「?」
舞「Pが政治家とか……絶対無理なのに、んふふふ」
まゆ「そうですか? 仕事はできるし知識もあるし、できそうですけど」
舞「無理よ無理。政治家って隠して騙してズルしてって奴等でしょ?
若い政治家は頭の固い年寄りに気を遣わなくちゃいけないし、絶対向かないわよ」
まゆ「た、確かにそうかもしれませんけど! そういう形だってPさんなら――
舞「無理よ。結構短気なところもあるし、どうせやるならトコトン喧嘩するタイプだもの。
すぐ追い出されるわよ」
まゆ「そんなこと!」
P「お? 珍しい二人だな、何の話だ?」
まゆ「あ、その……」
舞「あなた、自分が政治家になってやっていけると思う?」
P「無理無理。絶対向かないって俺あぁ言うの嫌いだし、喧嘩売って直ぐ干されそう」
舞「そうよね。私もそう思うわ」 ちら
まゆ「……」
舞「……」にへら
まゆ「」イラッ
以前のスレで島内全員追いかけっこやったじゃないですか
後半の方実は「これは流石にやり過ぎだろ」と思ってカットした部分投下していい?
ただの能力物になってるけど
わかった
おやすみ
また明日
【カットされた追いかけっこ】
有香は一心不乱に走っていた。
自分を追う鬼を撒くため、あわよくば待ち伏せし撃退するため。
鬱蒼と生い茂る人の手が余り入っていない森の中を、
極力気配を消し、足跡を残さないように、全力で。
『一時間経過、現時点で78名が捕まったぞー
まだ3分の1以下だ。……なので、鬼側”本気”で捕まえるように
逃げる側も”本気”で逃げろよー』
あと僅か、僅か数十メートルで森を抜けようかというタイミング。
島中に響いた“それ“が耳朶を叩いた直後、戦慄する。
はるか後方にいた筈の『鬼』。木場真奈美の気配が後頭部を焦がす。
「っ!?」
長い間磨いた感覚、経験。
そんな技術的な素晴らしい研鑽の結果ではなく、生存本能。
生物として、動物として生まれて落ちた全ての物が持つソレが、
咄嗟に彼女を地に伏せさせた。
転ぶように、転がるように、額を地面にぶつけ一張羅が破ける事も厭わず、
たった一点の為に命を賭け、全力でホームに飛び込む高校球児の様に。
瞬間。轟音が頭上を通り抜けた。
速度300kmを突破した新幹線が通り過ぎたのかと錯覚する、轟音と突風。
地に伏せたまま、微かに耳鳴りの残る頭を前方に向ければ。
「……き、木が……!」
目前。自分の前方にあった樹齢三桁にも及ぼうかという太く逞しい、
生命力に溢れた木々が『それ』が通り抜けたであろう場所だけぽっかりと抉り取られていた。
「……よかった、避けてくれると信じていたよ」
その光景に息を呑んでいると、悠然とした声が聞こえる。
自分を追いかける、自分が必死で逃げていた『鬼』の物である事に気づくのは一瞬で、
けれどそれと目の前の光景がどうにもつなげられなかった。
「ま、真奈美さん……!」
「どうした、有香君? 随分いい格好だが、逃げなくていいのかい?」
肩を竦め、首を傾げながら余裕綽々。
というに相応しいニヒルな笑みを浮かべてみせる。
「……っ!」
まるで年下に対する年上の対応。
言い換えれば、弱者に対する強者の対応。
それが、有香の呆然とする心のどこかを強く引っかいた。
彼女の、プライドを傷つけた。
「限定解除されたのは、真奈美さんだけではありませんよ……!」
冷静に考えれば明らかな挑発。
それは有香もわかっていた、わかっていたけれど。
この道を進んでそれなりに長い彼女は引けなかった。
まして、これだけの兵に出会って、戦わずに引くなど選択肢に無かった。
「来たまえ――
満足気に笑う真奈美がその台詞を言うが早いか、
有香は目を瞑り、トントンと二度地面を確かめるように踏む。
「っつ!」
その次の瞬間には、真奈美の眼前。
拳を振りかぶり今にも振るおうとしていた。
(武術における伝統的歩法……活歩という奴か!)
咄嗟に屈み打ち上げ気味の拳を避けるも、
間髪入れずに中腰の体制に叩き込まれる左膝。
(これは……回避できないっ!)
右腕を畳む様にしわき腹を守る。
その上から叩きつけられる鞭の様にしなる左足に、
体制の崩れた真奈美はたまらずそのまま吹き飛び、先刻の攻撃の被害を避けた大木に衝突する。
ぱらぱらと。衝撃で木々から葉が落ち、宙を舞う。
ぶつかったまま動かない真奈美を睨みながら、
荒く有香は息を吐く。
上手く動けた、一撃を入れられた。
けれど安堵よりも、驚きの方が勝っている。
「……はははは」
攻めるべきか、動かないことをいいことにまた逃げるか。
悩みは一瞬。しかし答えを出す前に笑い声が。
「悩んではいけない。攻めるなら攻め続けなければ、その迷いは致命的だ」
大木に手をつき、もう片腕で前髪をかき上げ不適に振り向く真奈美の顔に
ダメージは見受けられなかった。
「しかし驚いた。『入りを』と『技へ』が完璧だった、あの活歩には不意を突かれたよ。
あれは私にはできない芸当だ。素晴らしい」
拳に力をいれ、腰を落とし。今にも飛び掛ろうとする有香に対して、
真奈美は今にも両の手で拍手でも打ちかねない様子で「けれど」と続ける。
「あのような縮地法には及ばないが……」
どんと、地面が爆ぜ。その余裕のある姿が有香の視界から消える。
「荒い瞬動術なら私にもできる」
そして言葉の続きが聞こえたのは、有香の背後から。
―――中野有香 OUT
―――
「はぁっ……! はぁっ……!」
島の中でも比較的舗装された道。
地面や砂浜よりも走りやすく、体力的にもやや楽。
そう思っていたのも束の間。律子は早くもピンチに追い詰められていた。
「……」
タッタッタと、息切れもせず歩調も乱れずピッタリと後方を
約十メートル程の距離を維持して黙々と追いかけてくる忍。
浜口あやめによって。
「さ、さすがに速い……」
ぼそりと愚痴らずにはおられず、
しかしその一言の所為でまた酸素を余計に消費する。
額には汗が雫になって流れ、体力の差を思い知らされる。
アイドルとして身体を動かし鍛えても、その道の専門家には適わないという事実が浮き彫りになる。
「……?」
しかし同時に律子の頭に疑問が沸く。
このゲームは捕まえれば、更に言えば触れれば鬼の勝ちになる。
わざわざ体力が尽きるのを待つ理由があるだろうか? と。
全力であやめが捕まえようとすれば一瞬で決着がつくだろうに、
なぜ自分自身の体力も無駄に消耗するような追いかけ方をするのだろうかと。
(……どうせ開放されてるんだし、一つ試してみましょうか)
意識的に走るテンポを落とす。
後方の足音もそれに呼応するかのようにテンポを遅らせ距離を保つ。
(やっぱり……もしかして)
律子は不自然にならないように走りながら眼鏡を指先で下ろし、
眼鏡の上から裸眼で後方のあやめを見つめる。
『照合…………0%』
ほんの数秒。そのいつの間にか鮮明に見えなくなった代わりに
見えるようになった世界を見つめ、理解する。
(これは分身体……つまり、本体の所に誘導されてる)
繰り返すがあやめは忍である。
分身程度はお手の物、ならば分身に追わせ本体は離れた所で悠々と待つ。
一気に攻めてこないのは分身体で触れても『タッチ』した事にならないからだ。
(そうとわかれば……!)
ぐっ、と足に力を入れ前に向かっていた自分の身体にブレーキをかけて
そのまま反転。突然の行動に反応しきれていないで、こちらにまだ向かってきている
あやめに向き直り、全力で接近し。
「私の間違いだったらごめんね!」
身体を捻り、渾身の肘鉄をその頬に叩き込む。
すると、一瞬肘に柔らかい肉が触れた感触があった後、
するっと。空を切り、自分を追っていたあやめの姿が掻き消える。
残ったのは一枚の紙型。
「分身と言うより古いタイプの式神……? まぁ、いいわ今のうちに離れなくちゃ!」
そうして道に残ったのは律子一人。
激しい行動で乱れた呼吸と心臓を整えきる間もなく、反対の方向に向かって走り出す。
(大通りはまずいかしら? ……でも土地勘もないここで変に入り組んだところ入ってもそれこそ……)
一方的に逃げ惑っていたときには見落としていた、
いくつかのルート。そのどれに向かえば生存率が上がるか考えて……。
(やめましょ、こんなの時間の無駄)
考えを早々に諦めて、再び眼鏡を下ろし裸眼で周囲を見渡す。
『……5%・27%・48%』
目から取り入れる情報は考えるのではなく感覚的な物として
律子の脳に叩きつけられる。
「あのルートが一番高いわね」
下げた眼鏡をかけなおし、決めた道へ走っていく。
「……まさかあそこに逃げるとは思いませんでしたな」
その直後。律子が危険と判断した道から人影が走ってくる。
黒を基調とした衣装に身を包んだ、あやめの分身体。
それらが複数人、顔を合わし頷いて律子が入っていった道を追いかけていく。
『15%・36%』
『12%・21%・7%』
『9%・14%』
入り組んだ道。捨てられた木箱。
朽ちた井戸。廃材、塗炭、煉瓦の山。
目を頼りに少しでも可能性が高いほうへ逃げていくものの、
やがてその目に映る数字はドンドンと小さく変わっていく。
(数も個人のスペックも劣る私が無事逃げ切るにはどうすれば……)
耳に自分以外の足音は聞こえず
目に自分以外の人影は見えず。
普通に逃げているだけなら自分が追われている、
追い詰められているとは露にも思わないであろう状況。
しかし律子の目は確かに現状が危険であると知らしている。
それがまた、焦燥感を煽る。
そして、……その時はやってくる。
『0%』
足を止めて、縋るように振り返り今来た道を見る。
『0%』
前も後ろも、見えるのは同じ数字。
ゆっくりと目を閉じて、空を仰ぐ。
レンズを通さずに仰ぎ見た空は滲んでいて、雲の形もはっきりとわからなかった。
――ただ、数字が浮かんでいないことだけは確かだった。
「……まさかこれほど粘られるとは正直思ってなかったです」
いつからそこにいたのか、あるいは最初から居たのか。
目の前一メートルの位置から声をかけられても律子は驚きはしなかった。
「……ふぅ。私の能力がもう少し攻撃的だったらよかったんだけどね」
などと自嘲気味に空に向かって笑い。
律子は目の前にいるあやめの方へ手を伸ばした。
――― 秋月律子 OUT
あとは
雪歩VS真・愛海
志希・アーニャVS貴音・野々原茜
だよ。でも300行ったし後は明日にするよ!
じゃあの
―――
一ノ瀬志希が自分を追い続けていた『鬼』と対面したのは
直径およそ100メートル程の池には大きく湖には少々小さい
そんな貯水池を越えたタイミングだった。
「……やはり一ノ瀬志希でしたか」
空を映す大きな水溜り。それを挟んで向かい合う二人。
ぼそりと呟いた四条貴音の言葉は風と葉鳴り、水のさざめきに流れて消えた。
「ふむ、回り込んでいては姿を見失ってしまいますね」
風上から風下へ、匂いを頼りに一定以内に鬼を寄せつけずに居た
志希をここで捕らえたい。
「にゃふふー、さぁってどうするつもりかな~?」
それを対面で見守る志希は腕を組み正面から貴音を見つめる。
相手がどうでるか楽しみで仕方ない、未知が見たい。
というその気ままな性格はいつひょいと飽きてどこぞに行くかもわからない。
一分程の、距離の離れた対峙を動かしたのは。
もう第三者だった。
「ん?」
貴音と同方向。つまりは風上側から近づいてくる誰かに先に気がついたのは、
距離が近い貴音ではなく、やはり志希だった。
「おや?」
次いで、僅かな駆動音。
コンピューターのファンを少しだけ大きくしたような、
機械仕掛けの音が聞こえ、そこで貴音も乱入者の存在に気がつく。
「呼ばれてないけど、茜ちゃん登場ー!」
如何を問う前にでかい声で自己紹介をしながら現れたのは野々原茜。
スケートボードのタイヤを取った様な宙に浮く機械に乗って、
貴音の横に滑るように並ぶ。
「やっほ貴音ちゃん! そして向こうには、むむむ……志希ちゃん! やっほー!」
「やっほー茜ちゃん!」
追う側と追われる側気さくに挨拶を交わした後、
同じ役割である貴音に改めて向き直る。
「もしかして、コレ渡るのに悩んでた感じ?」
「えぇ、手段はあるのですが。使うかどうかを少々悩んでいました」
「ふぅん? じゃあ私が行っていい?」
「どうぞ」
短いやり取りを行い、貴音が一歩下がり代わりに茜が一歩前進する。
「よっと」
宙を浮くボードを踏み背中に背負い、
代わりに懐から一足のローラースケートを取り出し装着する。
「やっぱこれっしょ!」
こちらも同じくいくつか金属製のパーツがついてはいるがローラーは無く。
パッと見ではごついだけの靴にしか見えない。
が、それも茜が側部のボタンを押すと先ほどまでボードが発していた物と同じ
小さな駆動音をさせて履いた茜ごと宙へ浮く。
「おぉーすっごいにゃー。……で、こっちに来るの?」
「いくよー!」
身体を左右に揺らし、普通のローラースケートと同様に
ゆっくりと加速しながら茜の身体は水面へと躍り出る。
「どうだー!」
得意満面とも言える満開の笑顔に対し、
しかし志希は自身の優位を疑わなかった。
徐々にこちらに近づいてくる茜の距離を確認し、
彼女がやがて自分から約50メートルの位置。
つまりは池の中央部に到達した時になって、やっと志希は動く。
「これでもくらえー! 試作7F号!」
もはや普段着の白衣から取り出したのは二つの試験管。
その栓を外し叫びながらそれを力強く投げる。
「?」
「え、なに?」
空中で二つの液体が混ざりながら
やがて重力に従い池にポチャンと軽い音を立てて落ちる。
何が起こるのか、何がしたいのか。
傍から見ていた貴音にも動きを止めてしまった茜にもわからなかった。
五秒。経つまでは。
「うわわわぁぁ!?」
中身を失いぷかぷかと浮かんでいた試験管付近の水が、
ゆっくりと持ち上がり、一つの形を形成する。
スライム。RPGなどで登場する定番のモンスターが茜の目の前に姿を見せた。
次いで、後方にも一体。左右にも一体ずつ。
都合四体の巨大なスライムが茜を取り囲む。
「……こ、これは茜ちゃん大ピンーチ!」
適度に服だけを溶かすスライムかな
「いっけぇー!」
普段出す機会がない研究成果を出せたのが嬉しいのか、
やたら高いテンションで佇むスライムに指示を出す。
「……ふぅ、仕方ありませんね」
山のような粘体の塊が指示を受けて蠢き、
茜に圧し掛かろうとする刹那。
それを見ていた貴音が嘆息を吐いて小さく呟き、
池に足を踏み入れる。
パキン。と何かが割れた様な音。
そして続くパキパキという、小気味良い音。
「え?」
志希と茜の声が重なった。
視線の先には池の水面を悠々と歩く貴音の姿。
――否、水面ではなく。氷面。
いつの間にか池は凍て付き固まり、
水のみならず、スライムまで完全に凍り付いていた。
「嫌いなのです」
こつこつと、表面に霜を張り付かせた氷面を歩く貴音は呟く。
「……氷の女王等という渾名は」
言って足元を見ていた視線をあげ、志希を見つめる。
「――っ!?」
ここで始めて、志希は戦慄を。
全身に立つ、寒さからではない鳥肌を感じ。
恐怖した。白衣から今度はフラスコを取り出し、近場の木々に栓も取らずに投げつける。
叩きつけられ割れたフラスコからまたも
極彩色の液体が撒き散らされ、木々の根に振る。
「い、いけっ!」
どもる舌。鳥肌が立つにも関わらず額を落ちる汗。
初めて感じた「焦り」に突き動かされるように指示をだすと、
液体を浴びた木々が動物のようにゆっくりと根を足に、枝を腕にして歩き出す。
「……」
一瞥。志希から目を逸らしそちらを見て、僅かに腕を振る。
すればたちまち木々もまた、凍りつき瞬く間にその動きを止める。
「すっごー……」
凍りついた四つの山から抜け出し、ただ唖然とする茜。
この状況をどうするか必死で考える志希。
その両名を視界におさめ、勝者の面持ちで歩む貴音。
誰がその場を支配しているか。
一目瞭然だった。
>>307-308
おう、ねぇよ
ただーいま
―――
同刻。一つの終焉を迎えようとする戦場を見つめる瞳があった。
人の胴回り程の太い枝に腰掛け、離れた位置から
細く長い狙撃銃のスコープを覗きタイミングを見定める蒼い瞳。
「ОДин」
ドラグノフ。SVDとも呼ばれるセミオートマチックライフル。
「Два」
その引き金に添える白い指先に、そろりと力が入る。
「……Три」
息を多めに吸い。その瞬間の為に呼吸を止め意識をスコープの先。
数ミリにしか見えない見知った顔の頭部にクロスを合わせる。
―――そして。
―――
金属同士がぶつかる音が、響いた。
「こ、今度はなに!?」
二人が音の発生源を見ると、いつ手にしたのかわからぬ
氷の細剣を携えた貴音が明後日の方向を睨み硬直していた。
「……狙撃のようです。茜、捉えられますか?」
「えっと、方向がわかれば多分!」
ガチャガチャと服の中をあさりスコープの様なものを取り出す。
「伏せなさい!」
取り出した物を装着しようとしたところで、貴音が跳ねる。
茜の頭を強引に押さえつけ、その身体に触れるギリギリの位置で剣を振るう。
「うわぁっ!?」
金属音。
「え? いま違う方向からこなかった?」
少し離れた位置からそれを見る志希が少し緊張感に欠ける声色で言う。
「これは……跳弾?」
銀髪を揺らして周囲に目を巡らす。
(……今のうちに逃げられないかなー)
などと志希が考えていると見透かされたように睨まれた。
そんな微妙に硬直した三人の上空から一つの黒い機械が落ちてくる。
ガツンとそれなりの、音を立てて氷の上に着地した機械は、
どうやら無線機のようで、ノイズをしばし流した後。
『……ザー……Привет』
あんな勢いで落ちて来て、壊れてしまったんじゃないだろうかと
お門違いな心配も他所に無事喋りだした。
「今の狙撃はアナスタシア嬢でしたか」
『Да.……その通り、です。……アー……志希さん』
「んえ? あ、うんなにかな?」
『поддержать.……支援、します』
三度目の金属音。一度目、二度目とも違う角度・方向から
言い終えたと同時に弾丸が飛び込み、対して貴音は踊るように弾丸を断ち切る。
急性腎不全の末期
嘔吐・吐血・食欲減退・下痢
腎機能がほぼなくなってるため尿とともに出る毒素が溜まって尿毒症
とても危険な状態で、腎臓は一度昨日を失ったら再起不能
入院したもダメかもしれないので医者として勧める事もできない
原因は不明、白血球が極端に増加し血中カリウムやらが測定できない位増えている
だって
年収5億稼いでるから治療余裕だろ
そうだと言ってくれ
まず仕事をやめよう
いのちだいじに
生体間移植?は日本だと基本家族からだった記憶(技術じゃなくて倫理的に)
病院行って可能だったらドナー登録してこよっと
>>324
―――
それを外から眺める人間が居ないのが惜しまれる。
島中に設置された監視カメラで戦いを眺めていたPはそう思った。
なにせ最新鋭の秒間32コマを誇るカメラですらその戦いは残像やブレで
まともに認識できない事になっているのだ。
ただ漠然と理解できるのは、両の手に氷のレイピアを携えた貴音が踊り、
四方八方360℃全方位から向かってくる7.62mm弾を切り刻んでいるんだろうという程度。
さらに見所はそれだけじゃない。
おもむろに茜が嵌めているこれまた機械のパーツがごてごてとついたグローブ
のスイッチを押すと、巨大なガントレットへとグローブは姿を変えて。
今度は地面に撒かれた事によって現れたゴーレムが志希の指示のもと
その茜に向かい。金属と鉱石のゼロ距離での殴り合いが行われている。
「……特撮映画だな」
腕を組み、珍しく煙草の一つでもふかしながら発した台詞。
「本当にね」
それにちひろが首を大げさに振って肯定し。
「なにをいまさら」
隣で別のモニターを眺めていた小鳥が呆れたように呟く。
残り時間は、もう少ない。
―――
(8・5・9・11・8・7・10・8・4……)
もう幾度金属音が鳴ったのかもわからない。
まるでアサルトライフルのフルオートの様な連射速度。
一体どのようなやりかたをすれば狙撃銃でそんな真似ができるのか
貴音には皆目検討もつかない。
(12・6・9・8・7・11・5・10・9・7……)
ただ自分に迫る弾丸を剣で払い分析する。
速度・威力・回転・気配。弾丸からわかる全てを確認する。
(11・7・6・8・11・7・4・9……15!)
そして見つける。どこにも触れず、
雨の様に大量に打ち込まれる弾丸に混ざった直接一直線の弾丸を。
ぶっちゃけたかがSSのために命削って死ぬとか馬鹿だと思う
このSS自体は大好きだけど
>>357
SSが原因ではないと思う
というかSS書いてて腎不全って因果関係がわからなすぎワロタ
まぁでもぼうっとしてると変なこと考えるから
ここ居るほうが精神的には気楽ではある
じゃあ生存報告がてら
何日かに一回投下する位にしばらく頻度を落とすわ
ありがとうみんな
生存報告
一応尿を作る機能は最低限残ってるようで
制吐薬とか利尿薬とか点滴でしこたまぶっこまれて
回数出して体内の毒素を薄めてどうこうとか言われた
高頻度で通院して金銭的にマッハだけどだいぶ元気です
お金の為に働かなくてはいけない事態に陥ってるのはどうかと思うけど
申し訳ない
俺の私情というか私生活を勝手に書いた所為で荒れてしまって
そろそろまた再開しようと思うのでここまでの事はなかった事にしよう
うわキt……ん? なんだこんな時間に面会時間は当に過ぎて――
【ある日】
杏「あー……疲れた」
美希「お疲れさまー。……年末のライブリハだっけ?」
杏「あぁ、美希先輩。うん、きっついよね。何がキツイってこの時期に北海道だよ?
生まれを呪うよね」
美希「やっぱり寒いの? 場所は?」
杏「札幌のドームだって。前撮りは終わったからリハ一本だけど……よいしょっと」
美希「別に寝たままでもいいよ?」
杏「いやー……流石にそれは……美希先輩は前撮りとかは?」
美希「美希は28日まであるよ」
杏「え? リハは?」
美希「撮った後になるってハニーは言ってた」
杏「凄いなぁ……はぁ、憂鬱だな」
美希「そんなに?」
杏「だって、衣装みた?」
美希「見るには見たの。デザインとかアクセは各地で多少違うみたいだけど」
杏「ひらっひらじゃん。絶対寒いよ、札幌とか-10℃とか余裕だし。
ましてや杏はみんなより筋肉も脂肪もないからさ、事前に身体動かそうにも
あんまやったら多分ライブ持たないしさ……」
美希「……別にいいと思うな。美希はそれでも」
杏「え?」
美希「杏が全力で歌って、届けたいって気持ちがあれば途中でへばったって大丈夫なの。
大事なのは体力じゃなくて気持ちなの」
杏「……」
美希「それに、今回のライブは一人じゃなくって他にも助けてくれるメンバーが居るの」
杏「そうかも、知れないけどさ」
美希「北海道は貴音がサポートだっけ?」
杏「ん」
美希「美希が代わりに行こうかな?」
杏「え、それは……ありがたいけど多分無理だと思う」
美希「どうして?」
杏「美味しいラーメン食べ歩くって張り切ってたから」
美希「あー……そういえば北海道といえばラーメンだったの……貴音が張り切る訳なの」
杏「でも、うん。ありがとうミキミキ先輩。なんとか頑張ってみるよ」
美希「どーいたしましてなの。……でも、そういうのはいい兆候だと思うな」
杏「どういうこと?」
美希「前だったら杏って絶対人が居るところだったらへらへら笑って
そんな愚痴みたいなこと言わなかったの」
杏「えー、愚痴はよく言ってた気がするけど。当初から」
美希「そういうんじゃないの。休みたいとかってのは美希の『おにぎり食べたい』とか
『いちごババロア食べたい』みたいな駄々なの」
杏(駄々って自覚はあるんだ)
美希「でも、今みたいな弱音? 本音? みたいなのは絶対に前の杏だったら言わなかったの」
杏「……それは……そうかな。……まぁ、最近ちょっとしたパラダイムシフトがね」
美希「ふぅ、うん?」
杏「ままま」
美希「ま、いいの。とにかくそういうのは口にしていったほうがいいの。
ずっとだと、周りの空気悪くするけど、たまにはしたほうがいいの」
杏「ん、そうする」
美希「じゃ、美希次あるから」
杏「ありがとうございましたー」
美希「ばいばーい」
―――
杏「と、言うやりとりがさっきあってね」
このみ「ふぅん」
杏「もうちょっと、頑張ろうかなーって」
このみ「そっか、……でも頑張り過ぎないようにね?
私がいうのもなんだけど、さ」
杏「はいはい、ウチで一番ランドセルが似合うこのみさんに言われたら仕方ないね」
このみ「……あのねぇ。でも、本当美希ちゃんって実はよく周りの人みてるわよね」
杏「うん」
このみ「流石杏ちゃんの大好きな先輩だ」
杏「ちょ、だ、誰がっ!?」
このみ「あれ、違った? ……ウチって先輩後輩割と緩いし、
天使組の皆も気にしないでくれてるけど……杏ちゃん、
美希ちゃん相手にだけは絶対に先輩つけるじゃない」
杏「……マジで?」
このみ「うん。いま説明してくれたときもずっと」
杏「まーじかー、気にしたこと無かったなぁ……」
このみ「聞いていい?」
杏「……別にいいけどさ。ま、杏って見ての通りの身体な訳で、
しかも引きこもってたからさ、体力ないし根性もないんだ」
このみ「まぁ、私も同年代に比べたら体力も筋力もない自覚はあるわね」
杏「でしょ? でさ、正直スカウトされてからも色々あったんだ、
周りが普通にこなしてるレッスンはとんでもなくキツイし
そもそもなりたかったわけでもないし、本気で辞めようってなんども思った」
このみ「うん」
杏「その時にさ、見たんだ。VTRを、ライブの映像を」
このみ「美希ちゃんの?」
杏「うん。デビューして間もない頃の、今の杏と変わらない身体でさ。
10歳とかそこら? なのに、ステージの上で歌って踊って飛び跳ねて。
全力で暴れて楽しんでる姿見てさ、輝いてる姿見てさ」
このみ「憧れちゃったのか」
杏「そんな感じ。体型なんか関係ないんだなって」
このみ「うんうん」
杏「って言っても、年が違うからさ。やる気に多少なっても、
身体がいくら11~2歳のでも、本当にそのくらいの年の頃みたいにがむしゃらになれないんだよね」
このみ「……そうね。年を重ねるほどに『できる』って気持ちと『無理だろう』って気持ちの天秤が逆を向くのよね」
杏「でもさ、そう思うたんびにさ。ひょこって声をかけてくれるんだ。
で、もうちょっと頑張ろうって思って。……今があって、凄い美希先輩には感謝してるし」
このみ「そっか」
Angelsですけどなにか
ネタくれ
スレを見直して使えそうなのピックアップしてるけど
間が空いたからちょっとキーボードを叩く手が鈍くて
Pに届いたアイドル達からのお歳暮について
外国出身組で日本の良いところを言うとか
Pと戯れる愛に嫉妬する舞さん
生存ほうk
【ちゃ】
雪歩「エミリーちゃんって抹茶が好きなんだよね?」
エミリー「はい! あの香りも色味も苦味も、日本! って感じで大好きです。
抹茶味の牛乳とか氷菓とかお菓子などもみんな好きですよ」
雪歩「あっ、抹茶オレとか美味しいよね。……茜ちゃんも確か」
茜「はいっ!! お茶は大好きですっ!!」
エミリー「なんのお茶がお好きなんですか?」
茜「なんの? ……日本茶ならなんでも好きですよ! 最近は玄米茶にハマってますっ!!」
雪歩「香ばしい匂いがいいよね」
エミリー「なんだかこんなお話をしてたらお茶が飲みたくなってきました」
雪歩「あっ、じゃあこの間頂いたお茶を淹れようか。玄米茶じゃないけど」
茜「いえっ! さっきは玄米茶っていいましたけど、本当に一番好きなのは雪歩さんの淹れてくれたお茶です!!」
雪歩「そんな事言われたら張り切って美味しいお茶を淹れちゃいますよ~!」
エミリー「では、私は和菓子を持ってきますね」
茜「じゃ、じゃあ私はっ! ……なにをすればっ!?」
雪歩「ちょっと待っててー」
茜「はいわかりましたっ!!!」
>>417
【日本】
会議室
エミリー「日本をどう思うか、ですか?」
P「あぁ、海外組のアイドルを集めて日本について語ってもらうっていう企画でな」
アーニャ「а-……なるほど、です」
ヘレン「だから私達が呼ばれたのね」
P「そういう事だ。ま、いきなり聞かれてってのもあれだし、ちょっと流れの確認じゃないけど。
適当に答えてもらえるかな?」
エミリー「はい。構いませんよ」
ヘレン「そうね。……海外からの観光客で、日本のどこがいいと思うか。というアンケートの一位を知ってる?」
P「ん、悪いな不勉強で知らないな」
エミリー「日本人。ですよ」
ヘレン「そう日本のどこが良いと思ったか、という問いで最も多い答えは日本人という答えなの」
P「……そうなのか?」
アーニャ「да。えと……日本の人は、とても丁寧、です。あとулыбка……笑顔です」
ヘレン「わかりやすいのが店員の対応ね。日本人は海外観光客にも笑顔で挨拶するでしょ?」
エミリー「いらっしゃいませ。ありがとうございましたって」
P「あー……確かに、俺も海外に行くことは多々あるが場所によっては、な」
アーニャ「えと、ロシアはとてもそうです。日本人がシャイって言われますけど、
ロシアも外の人にとてもрадушие……」
P「この場合……愛想、か?」
アーニャ「です。愛想が、よくないです」
ヘレン「昔言ったけれど、目も合わせてくれず無言で終える事も合ったわね」
アーニャ「а……Извините」
ヘレン「貴女が謝る必要はないわ」
エミリー「あと、勤勉なのも素敵だと言われます」
P「そこは、ちょっとわかる気もするけど。観光客がそう思うのか?」
ヘレン「スペインなんかだとシエスタがあって土産物屋やレストランも昼に閉まったり、
アラブ系だと休息日なんかに当たったら飛行機の中で何時間も待たされたり、
文化の違いと言えど困ることは度々あるけれど。日本でそういう目に合う事はほぼないわね」
P「それは勤勉とは、違うんじゃないか?」
アーニャ「でも、良いと思われる理由ではあります」
エミリー「他ですと島国ですし。大陸とは違う独特の文化にやっぱり心惹かれる物は多いですね」
ヘレン「ねぇ、あなたは道を聞かれて紙とペンを渡されたらどうする?」
P「俺か? ……いや、そりゃ目印とかわかりやすく略図を描くだろ」
アーニャ「Нет, それ、日本だけです」
P「え、そうなのか?」
エミリー「はい。場所を教えるのに地図を書くのは日本の方だけですね」
ヘレン「大抵の国で同じ聞き方をしたら道順を文章で書かれるわ」
P「へぇ、それは知らなかったな」
エミリー「他にも女々しいと男らしいの使い方とか」
ヘレン「日本では例えば恋愛だけど、男性が振られた時どういう対応するのが女々しい、男らしいって表現する?」
P「ん、潔いのが男らしい。縋りつくのが女々しいってイメージだが。海外じゃ違うのか?」
アーニャ「да.海外、主に大陸では大抵が逆です。
振られても好きだと押すのが男性らしいと言われます」
エミリー「あっさり引き下がるのは女々しいですね」
P「正反対じゃないか」
ヘレン「えぇ、しつこいくらいが男らしいと言われるわね」
P「……なるほど」
アーニャ「……悪い顔、してますよ?」
P「ん? いや、だったら海外行った時スカウトでもっと攻めていいなとか思ってないよ?」
ヘレン「やめなさい。赤の他人がやったら日本と同様にサイレン鳴るから」
エミリー「むしろ日本以上に速いタイミングで来ますよ。大勢」
P「……おう」
>>447
いやわかるだろ茜だぞ?
気がついたら大晦日でした
よいお年を
【なんか】
芳乃「……はらたまーきよたまー」 ぶんぶん
伊織「なにそれ、ハタキ?」
芳乃「これは大麻でしてー」
伊織「おおぬさ?」
芳乃「修祓の道具でしてー、神道三具の一つなれば祓たまえー」
伊織「……はぁ。ちょっとよくわからないけど、お正月だからね」
芳乃「今年一年、事務所の皆の安全無事を祈ればこそー」
伊織「ん、そうね。忙しくて初詣もまともに行けてないし。
そういうのは大事よね。会社によっては社内に神棚とかもあるっていうし」
芳乃「はらたまーきよたまー」
伊織「……でも、なんでこんな地下室に向かう階段の所でやってるの?
もう少し広いところでやればいいじゃない」
芳乃「互いに干渉せぬようにする為には距離をとらざるを得ないのでしてー」
伊織「干渉? ……どういう事?」
芳乃「はらたまーきよたまー」
伊織「……答える気はないのね」
―――
屋上
クラリス「Sanctus, Sanctus, Sanctus, Dominus Deus Sabaoth.
Pleni sunt caeli et terra majestatis gloriae tuae.」
可奈「素敵な歌ですね! なんの歌ですか?」
クラリス「テ・デウムという聖歌ですよ」
【その頃】
輝子「……うぅ、な、なんだか事務所がい、居辛い……」
まつり「……ほー……」
輝子「ま、まつりさんも……なんかおかしいし……」
prrr prrr
輝子「……ふ、ふひ? こ、小梅から……」
『事務所においで』
輝子「……」
まーちがーえたー
お前らみんな>>457がみえなくなーる
いいですね? ほ?(威圧)
ごっつずれてるやん……
【改めてその頃】
女子寮
小梅「ふわぁ……はふ……ん」
春香「うわ、おっきいあくびだね」
貴音「あ、あの……」
小梅「き、昨日は、事務所から感じる……オーラの所為で……その」
春香「あんまり寝れなかったの?」
貴音「す、すみません」
小梅「……うん」
prrr prrr
春香「私……じゃないね。小梅ちゃんかな?」
小梅「そ、そうみたい……です」
春香「えっと……輝子ちゃんからだね。あはは、輝子ちゃん事務所に行っちゃったんだ」
小梅「居心地悪いって言ってるから……」
春香「うんうん。こっち呼ぼうか」
貴音「あのっ!」
春香「さっきからなに? 貴音ちゃん」
貴音「わかってたなら直ぐ返事してください!」
春香「あははー。で、なに?」
貴音「こ、この部屋の四隅になんで蝋燭が立っているんでしょうか?」
小梅「け、結界……」
貴音「結界?」
小梅「事務所の方でクラリスさんと芳乃さんが……儀式中で……気分悪くなっちゃうから」
貴音「……で、では先ほどから部屋の中でふわふわしてるのは……」
春香「え? なにかいる? 私にはなにも見えないけどー」
小梅「と、友達……とか」
貴音「ひぃっ」
―――
輝子「ふひ……こっちいい感じ」
春香「でしょー」
(扉の開く音)
響「あのさー」
春香「あ、響ちゃん」
響「さっき貴音が泣きながら走っていったんだけどなにか知らない?」
小梅「……し、知らない」
響「あれ、こっちなんか居心地いいな」
春香「いらっしゃーい」
【】
拓海「あー……まじかー」
夏樹「どうした?」
拓海「なんかガスの減りが早いと思ったらキャブがオーバーフローしてるっぽい」
夏樹「漏れてるって事か? 危ないなぁ」
拓海「今見たらしたに染みができてるからさー……」
夏樹「あー、オイルかガスかだもんな。ついでにキャブ交換したら?
マフラーもスパトラ入れるとか言ってたしどうせセッティングだし必要だろ?」
拓海「まぁな。メインジェットも変えようかと思ってたしそうするかな……」
(バイクの音)
夏樹「あれ? これなんの音だ? 50っぽいけど」
このみ「あっ、おはよー」
拓海「ぶふっ! ……こ、このみさんそれ」
夏樹「うわぁモトコンポだ」
このみ「あ、これ? いいでしょ、どっちかといえば早苗さんが乗ったほうがいいかなと思ったけど」
拓海「え、なんで?」
夏樹「ほら、あれ。……なんだっけ?」
このみ「逮捕しちゃうぞ」
夏樹「あーそれそれ。な?」
拓海「まったくわかんねーよ」
このみ「いやぁ、パッと見で可愛いなって思ってさ」
夏樹「なるほど……で、改造して欲しいと」
このみ「え?」
美世「とりあえずパッパーにボアアップしましょうか!」
このみ「待って待って。私普通免許しか持ってないから二輪は50しか乗れないんだけど」
夏樹「大丈夫書類デチューンすれば」
このみ「なにそれ、犯罪の匂いがするんだけど。っていうか美世ちゃんいつからいた?」
美世「改造するなら私の出番かなと」
拓海「さっすが」
このみ「で、書類デチューンって……」
夏樹「エンジンを大きくしてナンバー原付のまんまで乗る事、かな」
拓海「ピンクナンバーにして捕まると無免許だけど、
原付ナンバーに88とか積んでて捕まったら公文書偽造だから免取りにはならない」
このみ「いやいやいや、アイドルって事忘れてない?」
美世「でなくても、普通にやっぱり犯罪だからね」
拓海「だめかー」
このみ「そんなので捕まりたくないわよ」
美世「いやぁ、でもモトコンポとか渋いですねー」
夏樹「っていうかいま生産されてるのか?」
美世「ううん、85年に終了してるよ。だから、こんな綺麗なのあんまり見ないよね」
このみ「でっしょー? いやぁ、いい買い物したわ」
拓海「いいなー、なんか新しいバイク買おうかな」
夏樹「おっゼッツー?」
拓海「たかっ! それは手ぇでねぇよ。ただでさえ忙しい上に寮と事務所が隣で乗る機会ないのに」
このみ「私もちょっと周りぐるってしてきただけだしねー」
美世「でもそんなこと言ったらアレは……」
夏樹「アレ? ……あー」
(駐車場に鎮座する二台の戦車)
拓海「あれスゲーよな。戦車だぞ戦車」
このみ「買えるのも凄いし、本当に買っちゃうのも凄いわよね」
舞「あら、ありがと。まぁ、Pにめちゃくちゃ怒られたけどね」
拓海「うおっ!? ま、舞さん……おはようございます」
舞「おはよう」
美世(舞さんを正面から怒れるのプロデューサーだけだろうなぁ……)
舞「で、これなんの集まりなの?」
拓海「このみさんのモトコンポを改造しようの会」
このみ「え? それ生きてるの?」
美世「ないない」
舞「モトコンポってこれ? ちっちゃくて可愛らしいわね」
夏樹「舞さんはどうしてここに?」
舞「ん、ちょっとそこの二両の洗車を」
このみ「……」
美世「いま面白くない駄洒落考えましたよね?」
このみ「え!? な、なんの事かな?」
拓海「っていうか自分で洗車してるんですか?」
舞「ん、一応。Pに自分でちゃんと管理しろって言われたから。いいつけは守らないと」
夏樹(Pさんスゲーなぁ)
いいつけって...すげぇよPさん
あとサブタイトル【】の中身は?
>>469
駐車場での話し
>>415
【お歳暮】
P「律子ー」
律子「はい?」
P「年明け早々のタイミングで、しかも時期外れで申し訳ないんだが」
律子「……あー。またぞろバーベキュー大会ですか?」
P「おう今年もやるから。参加者を募っといてくれ」
律子「いいですけど……会場はどうするんですか? 人数が人数ですし、器具もかなり数が必要でしょう?」
P「場所は家の庭。多分入るから、器具も俺が用意する」
律子「……そこまでしますか」
P「そうでもしないと処理しきれないからなぁ……野菜とかもあるしできるだけ早く頼むわ」
律子「はいはい。わかりましたよ」
―――
二日後
P「よしお前ら。今日はたらふく食って飲んで行ってくれ!」
友紀「わーい! このビール好きなだけ飲んでいいの!?」
P「おう飲め飲め」
志乃「こっちにはロゼがあるわね。ロマネにペトリュス、……あらシャンベルタンまで」
莉緒「日本酒も凄い。十四代・獺祭・久保田、焼酎は魔王に森伊蔵になかむら、兼八も」
P「好きなの飲んで良いぞ。なんだったら持って帰っても構わん」
可奈「プロデューサーさん! このお肉なんですか!?」
P「ラム」
可奈「らむ?」
P「……えーっと、未来」
未来「はい?」
P「可奈にラムがなんの肉なのかおしえてやってくれ」
未来「……虎?」
P「だそうだ」
可奈「えー!? 虎の肉なんですか!?」
P「な、響」
響「え? ……そうだぞ! ちなみにこっちのヒージャーは象だぞ!」
可奈「えぇぇぇぇ!?」
春香(何回も騙されてるのに信じるちゃうんだなぁ可奈ちゃん)
日野茜「ファイヤー!!」
麗花「はい! すぅぅぅ」
律子「ちょっとストップストップ! またボヤ起こすつもり!?」
野々原茜「まずお肉焼いてー、次にお肉やいてー、最後にお肉を焼きます!」
亜美「お→! それはパーペキなプランだね茜ちん!」
真美「では余った野菜は……向こうの方にプレゼント!」
亜美「これぞWIN-WIN!」
輝子「ふひ……な、なんかこのテーブル野菜……お、多い……?」
みちる「パンがない……」
美奈子「ご飯ならありますよ! はい、どうぞ!」
輝子「……こんなにた、食べきれない」
美奈子「食べないと大きくなれませんよ! 縦にも横にも!」
みちる「パン……」
P「よし、このペースなら大丈夫そうだな」
舞「なにが?」
P「……居たのか」
舞「悪いかしら?」
P「べつに」
舞「で、なにが大丈夫そうなの?」
P「ほら、お歳暮」
舞「……なるほど。送られた大量の食材を使うためにバーベキュー?」
P「おう、毎年しこたま送られてくるからさ。しかも年々増えていくしこうやって新年会兼ねてみんなで
飲み食いするのが一番だろ?」
舞「なぁんだ、全部実費かと思って見直したのに」
P「馬鹿、お前こっちからだってこの量と同じくらい各所に送ってんだぞ。事実上実費だ」
舞「あ、そかそか」
P「お前は昔からこういうのに雑というか気を遣わない奴だよな……。
しかし中元とか歳暮とか本当にいらない習慣だと思うんだけどな」
舞「まぁいいじゃない。おかげでみんな楽しそうにしてるんだから、……はい」
P「ん?」
舞「Pも少しは飲んだら? ほらほら」
P「はいはい。後片付けもあるからちょっとだけな」
舞「かんぱーい」
P「乾杯」
Pの家を家宅捜索する舞さんとかアイドルの話とか見てみたい
>>484
―――
友紀「……」じー
莉緒「なに見てるの?」
友紀「いやぁ、改めてPさんの家でっかいなぁと思って」
莉緒「これだけの人数を平気で呼んじゃう位だからね」
友紀「……」
莉緒「?」
友紀「よし! 潜入しよう!」
莉緒「……よしきた!」
友紀「どっか窓とか開いてないかなぁ」
莉緒「裏側とかは?」
凛「……」 じー
昴「美味いなこの肉。普通に厚切りにしてステーキにしてら100g数千円するんじゃないか?」
凛「……」
昴「ん? なにみてんだ凛」
凛「……あそこで酔っ払った大人がなんかやってるからさ」
昴「あそこ? ……あぁ友紀さんと莉緒さんか……」
凛「……窓から入ろうとしてるよね?」
昴「……不法侵入じゃん!」
凛「よし、私達も行こう」
昴「え!?」
凛「アルコールに頼らなくてもテンション高い若さを見せてあげるよ!」
(走っていく凛)
昴「ちょっ! 待て凛! お前そんなキャラじゃ……あぁっ! 肉落とした! 勿体無い!」
久々にここの凛が動いてるの見た
ヘレン「ここがあの男のハウスね」
莉緒「え、いまさら?」
友紀「というかヘレンさんが乗ってくるとは思ってなかった」
ヘレン「世界レベルの男の家はどう世界レベルなのか知る義務が私にはあるわ」
莉緒(なにを言ってるんだろう)
友紀「Pさん世界レベル認定されたんだ」
ヘレン「えぇ、私が私以外を世界レベルと認めた唯一の例ね」
莉緒「へぇ……」
友紀「で、どう? 散策してみて」
ヘレン「そうね。一言で言わせてもらうなら」
莉緒「うん」
ヘレン「ここはどこかしら?」
友紀「見事に迷ったよねぇ」
莉緒「一人暮らしなのに無駄に部屋多いよ……Pさん」
凛「……おかしいね」
昴「いや、窓から侵入の時点でおかしいぞ? しかも家主に招待受けた筈の身で」
愛「この扉は……あ、また書斎ですよ!!」
あずさ「これでいくつ目かしら?」
愛「わっかんないです!」
凛「うん、やっぱりおかしいよこの家」
昴「人数も増えてるしな」
愛「なんか面白そうだったので!」
あずさ「愛ちゃんを止めようと思って追いかけてたら迷っちゃったわ」
凛「うんあずささん良い事言った。……確実に私達迷ってるよね、コレ」
昴「おう」
凛「で、なにがおかしいって明らかに外から見た時より広いよね?」
愛「結構歩きましたもんね!」
あずさ「同じところをぐるぐる回ってるんじゃないでしょうか?」
昴「えー? でも全然曲がってないし……って、あれ?」
凛「どうしたの?」
昴「そこの扉半開きになってるけど……あ、やっぱりさっき開けた部屋っぽい」
あずさ「やっぱりぐるぐる回ってるみたいね」
凛「なにこの家、ワープ床でも設置されてるの?」
愛「RPGみたいですね!! ウィザードリィ的な!」
昴「……そんな馬鹿な」
―――
P「……あー、しまった……昼間っから飲む酒は効くなぁ……」
舞「あははははは!」
P「テンションたっけぇ……」
晶葉「おい助手」
P「どうした晶葉、やけに深刻な顔だが食いすぎか? トイレなら……」
晶葉「バカ、そうじゃない。いまさっき事務所地下のコンピューターから緊急通報が入ってな」
P「……どういう事だ?」
晶葉「君も知っての通り事務所や寮に侵入者が居た場合、こっちに即座に連絡が行くようになってるんだが。
実は君の自宅も対象に含まれていてだな……あー、簡潔に言うと」
P「……いや、大体わかった。誰だ勝手に入ったあげく侵入者用トラップに引っかかったウチのアイドルは」
晶葉「いまのところ確認が取れたのがこのメンバーだな」
P「……はぁ。なにやってるんだかな、入るのはいいけど普通に玄関から入れっての」
舞「わかったー」
P「……ん?」
舞「おじゃましまーす」
(酔った舞がてこてこと玄関に向かいそのまま中に入っていく音)
P「……おいおい」
晶葉「……あ、また増えたぞ」
P「……晶葉」
晶葉「なんだ助手」
P「ラムを持ってきてくれ。虎じゃないほうな」
晶葉「は? 虎?」
【おまけ】
P「そういえばさ、侵入者用のトラップってどんな奴なんだ?
万が一にもアイドル達に危険はないよな?」
晶葉「あぁ、それは問題ない。君も大概有名人だしな、
侵入者とはいえあまりやりすぎると問題になるかもしれないからな、
主に精神関与に重きを置いた仕様になっている」
P「……聞き捨てならない単語が聞こえた気がするんだが……」
晶葉「ちょっと言い方が悪かったか?
まぁ、君も住んでいて廊下とかの作りに疑問を覚えた事もあっただろう?」
P「あぁ、ちょっと不思議な作りだとはよく思った」
晶葉「どこから侵入しても最終的にはその廊下に向かうように構造で誘導し、
構造認識や方向感覚を鈍らせ同じ所を回らせる。まぁ、そういうトラップだ」
P「よくもまぁそんな……というかつまり、建築当初の設計段階で組み込まれていたのか……」
晶葉「黙っていたのは申し訳ないと思う。が、君はアイドルにはとても気を遣うくせに
自分自身にはさっぱりだからな。勝手にやらせてもらった」
P「そうかい……しかし、つまりはいま勝手に侵入した連中は言ってしまえばぐるぐる彷徨ってるだけか」
晶葉「あぁ、アルコールも相まって出てくるにはしばらく時間が――
(玄関の開く音)
あずさ「あ、でれたわ」
凛「ほんとだ」
友紀「いやぁ、あずささんが居てよかったー!」
P「……でてきたな」
晶葉「そ、そんな馬鹿な!?」
>>419
【大人気ない】
舞「ねぇP、ちょっといい? ……ってなにしてるの?」
P「ん?見てわからないか? 愛と遊んでるんだ」
愛「いたたた! これのどこが遊びですか!? 頭離してください!」
P「なにぃ? 構ってくれって言うから構ってやってるんじゃないか」
愛「痛い痛い! 頭割れちゃいます!」
P「大丈夫だ。俺の握力は50も無いから人の頭は割れない」
愛「そういう問題じゃないです!! あだだだ!」
P「と、言うわけで今俺は忙しいんだ。あとにしてくれ」
舞「……むー」
―――
舞(そろそろいいかしら……?)
(事務室の扉を開ける音)
P「ほらどうした、早くしろ」
愛「うわわ! ゆ、揺らさないでくださいよプロデューサーさん!」
P「なんだよ、高くて届かないって言うから人がわざわざやってやったのに」
愛「プロデューサーさんが取ってくれればいいじゃないですか! なんで肩車なんですか!?」
P「いてて! 髪を掴むな!」
愛「だから揺らさないでくださぁぁい!!」
舞(……出直しましょ)
―――
舞「……あら、この手帳……」
(落ちてた手帳を広い中身を確認する)
舞「やっぱりあいつのね。大事なもの落っことして……」
舞(しかし相変わらずトンでもないスケジュールね。ピーク時の私より酷い)
舞「……たまには労ってあげた方がいいかしらね」
―――
6階 給湯室(キッチン)
舞「よしっ! そうと決まれば美味しいものでも作ってあげましょうか
これでも一児の母だもの。料理には自信はあるもの」
(冷蔵庫を開ける音)
舞「……しかし本当にどんな食材でもあるわねここ。
なにを作るか逆に迷うわね……本人に聞いてみましょうか」
(扉の開く音)
舞「ん? 誰か来た……?」
P「お、珍しいなお前がこんなとこに居るなんて」
舞「丁度良いところに来たわね。ちょっと――
愛「あっ! ママ!? なんでココに!?」
舞「そういう愛こそ」
P「いや、実はさ」
愛「今日は寮の当番が私だからついでにプロデューサーさんのお昼も作ってきたんだよ!!」
P「実はこれで愛の料理は結構美味いんだよ」
舞「……」
愛「ママも食べる? ……ママ?」
舞「愛」
愛「なに?」
舞「私とライブで勝負しなさい!」
愛「え……えぇぇぇぇっ!?」
舞「毎回毎回いい加減にしなさい!」
愛「な、なんのことを言ってるのかさっぱりわからないよー!」
P「あ、俺の手帳……なんでこんなところに?」
これはキュートな舞さん
うっかり事務所のどこかにタイムトンネルができたせいで過去の人間が迷い込んできて
天海春香(10)とか
岡崎泰葉(13)とか
総合P(22)の
目撃情報が......とかどうでしょう
BL?(難聴)
今日はおやすみー
【メガネをどうにかかけさせたかった人】
春菜「はいどうぞ」
ちひろ「ありがと春菜ちゃん」
春菜「Pさんも」
P「おうさんきゅ。……ふぅ、……うん美味い」
春菜「そうですか? 普段雪歩さんが淹れてるんでちょっと不安だったんですけど」
P「いやいや、美味いよ」
ちひろ「実は春菜ちゃんもお茶淹れるの上手よね」
春菜「あはは、ありがとうございます。
……ところでプロデューサー、ちょっといいですか?」
P「眼鏡以外の事なら付き合ってやるぞ」
春菜「んう゛~! なんでですか眼鏡かけてみましょうよ!」
P「俺、目悪くないからいらね」
春菜「伊達眼鏡と言う物がこの世にはあります!」
P「もっと嫌だ」
春菜「なぜっ!?」
P「伊達眼鏡って、ほら。お洒落なアイテムだろ? ファッション感覚な」
春菜「まぁ、そうですね。必要ないのにかけてるわけですから」
P「裏方の俺が人の目を気にしてる様に思われそうで絶対嫌だ」
春菜「でもいつもは……」
P「スーツとかは身嗜み。お洒落とは違うだろ? そういうのはお前達アイドルの仕事だ」
春菜「ぐぬぬ」
P「もしくはそこで素知らぬ顔をしてる元眼鏡現コンタクトの千川ちひろ事務員に言え」
ちひろ「あー! それなんでここで言うの!?」
春菜「えぇっ!? ちひろさん元眼鏡っ娘だったんですか!?」
ちひろ「……うん、まぁ」
春菜「なんでコンタクトなんですか!? この裏切り者!」
ちひろ「裏切り!? 私そんな悪いことした?」
P「でも実際なんでコンタクトなんだ? 長時間事務仕事するには眼鏡の方が楽じゃないのか?」
春菜「そうですよ。ドライアイとか怖くないんですか?」
ちひろ「いえ、その。しょうもない理由なんですけどね。
高校当時に眼鏡をずっとかけてると顔の形が変わるって言う話を聞いて怖くなってそれ以来……」
P「あーそういうのあったあった。ピアスの穴から糸が出てそれを抜くと失明するとかな」
春菜「思いっきりデマじゃないですか」
ちひろ「あはは……そうなんだけどね。当時の恐怖感が未だに根深く」
春菜「じゃあほら、これを期に眼鏡どうぞ」
ちひろ「……」すい
春菜「なんで自然に隅に追いやるんですか!?」
ちひろ「ほら、こういうのはね、無理に薦めるものじゃないじゃない?」
春菜「ぐぬぬ……」
ちひろ「し、しかしあれですね。プロデューサーさんは、普段あれだけ書類に画面に睨めっこしてるのに
不思議と視力はいいんですね」
P「昔からね。今はずいぶん下がったけど、それでも1.2は維持してるな」
春菜「はぁ、それはそれでちょっと羨ましいですね」
ちひろ「完全に老眼でガクンと行くパターンね」
P「そうなんだよなー……」
春菜「……あっ! じゃあ、伊達眼鏡じゃなくて老眼鏡を選んであげますよ!」
P「え、気が早くない?」
春菜「流石に老眼鏡はストックに無いので早速良さそうなのを探してきますね!
デザイン性機能性に優れたプロデューサーに合う最高の一品を!」
P「おい、だから気が……」
(扉の閉まる音)
P「……行っちまった」
ちひろ「よかったわね。もういつ老眼になっても平気じゃないの」
P「……いや、度は?」
インフルエンザなう
元々喘息と気管支炎を常備してるから余計に悪化したわ
とりあえずは大丈夫だー
※ここからしばらく765面子ばかりになります
【業務日記】
地下資料室
小鳥「えぇっと……これとこれと……」
小鳥「……あら?」
小鳥「……あらあらあら?」
――― 事務室
(扉が勢いよく開く音)
律子「うわっ!?」
小鳥「なっつかしいものみつけたー!」
律子「……はあ」
小鳥「……あれ、……りっちゃんだけ?」
律子「えぇ、ちょっとトイレってプロデューサーが。ちひろさんも席を外してて……私が電話番を……」
小鳥「……うっわ、恥かいた……」
律子「というか、電話対応してるかもしれないんですからそんなテンションで来ないでくださいよ」
小鳥「あ、あはは……」
律子「で、なにを見つけたんですか?」
小鳥「えっと……これ」
律子「うっわ、なっつかしい! 昔の業務日誌とは名ばかりのみんなの日記帳じゃないですか!」
小鳥「ねっ? ねっ? 懐かしいでしょ!?」
律子「どこにあったんですか?」
小鳥「地下資料室にまとめて置いてあったから、多分どっかで混ざったんでしょうね」
(扉の開く音)
P「ただいま、律子ありがとさん」
律子「あぁ、お帰りなさい。特に何もありませんでした」
P「そか。……で、なにしてるんだ?」
小鳥「見てくださいよこれ!」
P「うわっ! また懐かしいものを……」
律子「設立当時から一昨年くらいまでの全部ありますよ」
小鳥「最近は忙しくて、ある日突然なくなっちゃったのよね……」
P「まぁ、業務日誌とは名ばかりの交換日記みたいなものだったからな」
律子「ちょっと見てみましょうよ」
P「ちょっとだけな?」
――― 96/02/15
記入者 高木順一郎
今日この日、みんなと無事に765プロの事務所を開くことができて嬉しく思う。
プロデューサー一名、事務員一名、アイドル一名、そして私。
今はまだたった四人ではあるがいずれ我が765プロから多くの
アイドルが世界に羽ばたいていく事になるだろうと私は信じている。
これから苦楽を共にしていく我々は言わば家族だ。
力を合わせ、支えあい歩んで行こうではないか!
↑ これからよろしくお願いします by音無
やるからには全力で頑張ります P
おう、日付ミスったんじゃ
96年って20年前じゃねぇかクソが
忘れろ忘れろ忘れろビーム
――― 06/03/08
記入者 プロデューサー ← 名前じゃないですよ 音無
↑ わかるからいいじゃないですか
今日はあずさちゃんの初TV出演の日でした。
流石にここに来る前にも養成所でレッスンはしていただけあって、
まだまだこの業界で素人である自分の目にも
今回オーディションに参加したメンバーの中では頭一つ抜けていたと思う。
いずれは、こんなローカル番組のコーナー枠ではなく。
彼女の実力に見合った仕事を持ってこれたらと思いました。
↑ 初めてのTV、緊張しました。 あずさ
↑ 録画してあるから今度見ましょうね by音無
――― 06/08/18
記入者 音無小鳥
律子ちゃんはどうやらプロデューサーさんに随分と懐いているみたいです。
今日も基礎レッスンから帰って来るなりプロデューサーさんの下に向かって、
あれやこれやと質問責めにしていました。
律子ちゃんが入ってから律子ちゃんに付きっ切りになったのが
あずさちゃんも気になっているのか、プロデューサーさんに何度も声をかけてましたし。
ウチのプロデューサーさんはアイドルに人気みたいですね♪
追伸 プロデューサーさんへ、善澤さんが取材の件で連絡をくださいと言ってましたよ。
うまく行くといいですね。
↑ 本文と追伸がおかしくないですか? 日記じゃないんですから
>>546(ふりじゃダメです)
――― 07/04/25
記入者 プロデューサー
今日は散々な一日だった。
ウチに来た当初からの予想通りというかなんというか、
むしろここまで良くギリギリの所で至らずに済んだ物だというか。
まぁわかりやすく言ってしまうと美希と千早が大喧嘩をした。
仕事に対して非常にストイックでクールな千早と基本的にルーズな美希。
方向性は全く正反対な上にお互いマイペースというか他人に歩調を合わせ様としないからなぁ。
おかげ様で事務所の雰囲気がよくないし、雪歩なんかは怯えてずっと隅っこで震えてる始末。
できるだけ早く解決してやりたいけれど、あまり大人が入って仲直りさせても
根本的な解決にはならないし、長い目で見てあげるしかないのだろうか?
色々ミスったぞー
社長だけじゃなくて一連の流れを忘れろビーム
キチンと年表書いてからこういうのは書こうと思った(粉みかん)
【>>488って言われたからもっと動かしてみた】
凛「う~……さむさむ……」
昴「……どこ行ったー」
凛「あれ、昴……なに探してるの?」
昴「凛か……いや、ほら。……両手の感覚をどこかに落としたみたいで」
凛「……は?」
昴「だから、感覚が無くなっちゃってさ」
凛「……だから探してたの?」
昴「うん。見なかった?」
凛「……いやぁ、見てないかな」
昴「そっか……」
凛「……」
昴「……」
凛「……えっと、寒さでおかしくなった?」
昴「くしゃみした時にネジが飛んだみたいだ」
凛「んふっ、ドラえもんじゃん」
昴「あべこべクリームが欲しい。割とマジで」
凛「うん、……で、どうしてロビーで感覚を探すとか言う訳わからないことしてたの? そんなボケキャラだっけ?」
昴「んー。別にボケキャラじゃないけどさ。
ほら、趣味の所為か知らんけど成人してるとは思えない人とよく一緒に居るだろ?」
凛「あぁ、精神的にも見た目的にもな友紀さん?」
昴「そそそ。その所為で突っ込みにまわる事が多いから、反動?」
凛「いや、反動かどうかは知らないけど。だからって誰も居ないロビーでわかりづらいボケする?」
昴「……寒い時に半端に身体動かすとさ。偏頭痛しねぇ?」
凛「は? ……あぁ、まぁなるかもね」
昴「多分その所為だな」
凛「雑だなぁ」
昴「……はぁ。……とりあえず上行こうか」
凛「はいはい」
―――
昴「でさー」
凛「ん?」
昴「さっきでた友紀さんだけどさ」
凛「うん」
昴「ウチの大人って極端な人多いよな」
凛「それは確かにそうだね。このみさんとか見た目はロリだけど中身はすっごい大人のお姉さんだし」
昴「かと思えば楓さんとか黙ってたらすっげぇ綺麗な女性って感じなのに中身は……ほら、な?」
凛「うん、まぁ明言は避けるけどアレだよね」
昴「……ハハハ」
凛「アハハ」
昴「ふぅ……で、友紀さんなんだけどさ」
凛「あ、うん。続けるの?」
昴「この間ガチ泣きしてるのを見てって言うか……現場に居てっていうか」
凛「え、でもあの人ってお酒飲むとたまに泣く時あるけど」
昴「いやそうじゃなくてさ。いや、まぁアレはオレも悪いんだけどさ。
屋上でキャッチボールしててさ」
凛「それ聞いた聞いた。窓叩き割ったんでしょ?」
昴「そうそう。シュートボールを投げるっつってさ。見事にすっぽ抜けて窓にナイスシュートかましてさ」
凛「いや、でも路上に落ちなくてよかったよね。下手したら洒落にならない事になってたよ」
昴「まーな」
凛「で、この流れって事は怒られてって事?」
昴「そう。いおりん先輩と肇に怒られてガチ泣きしててさ」
凛「え、肇も?」
昴「うん。窓から飛び込んだそのボールがさ、
肇が持ってたプロデューサーの新しい湯呑みにさ」
凛「うわぁ……そりゃ怒るよ」
昴「もう激オコとかプンプンとかそんな悠長な事言ってるレベルじゃなかったな。ただただマジ切れ」
凛「んー、私だったら鉢植えとかかな……。いや、それは流石にね」
昴「オレも悪いんだけどさ。言えずに逃げたよ」
凛「それは、仕方ない……かな? んー……」
季節は冬なんだし響は編み物得意だからそれを活かしてほしいな
>>566
昴「いや、でもその次の日さ。流石に人身御供にしたのは悪いと思って謝りにいったんだ」
凛「どっちに?」
昴「ユッキに。したらさ、ちょっと感動するぜ? 『えーなんの話ー? それより遊ぼうぜ!』って」
凛「……感動する?」
昴「やっぱ大人なところもあるんだなぁって思ってさ」
凛「単に思い出したくなかった的なアレじゃないの?」
昴「……どうだろ?」
(扉の開く音)
友紀「おはよー! で、なんの話だっけ? ケーニヒスベルクの橋問題だっけ?」
凛「そんな話はしてないけどおはよう」
昴「なんでそんな自信満々の顔なんだよ……」
凛「しかし噂をすれば影が差すとはこのことだね」
友紀「おっ、なんか私の話をしてたのかい? 聞かせてぷりーず」
昴「えっと、ほら。この間のユッキが『ごべんなざいぃぃ、うわーん』ってなった時の話」
友紀「えっあの時凛ちゃんも見てたの?」
凛「ううん。居なかったし知らなかったよ。なのに急に昴が『聞いてくれよ凛、面白い話があるんだ』
っていうアメリカンジョークにでてくる外人並の強引さで勝手に話し始めたんだ」
昴「おいおい」
友紀「マジでっ!? 昴ってば酷い! ……けど、まぁいいや! それよりダンスレッスン付き合えよー」
昴「ダンスレッスン? 珍しい」
友紀「プロデューサーがさ。その溢れるパッションを持て余すならダンスに昇華させてみろって」
凛「へぇ」
友紀「だからいまダンス強化月間なんだー。ってことで上行こうぜー! 凛ちゃんもどう?」
凛「ううん、私あと一時間くらいでMBSだからやめとく」
友紀「ありゃりゃ。そっかー残念」
昴「げ、一人で相手するのか……どこでやるんだ?」
友紀「上」
昴「使用許可とったのか?」
友紀「まーだー」
凛「まだ早いし今からでも大丈夫じゃない?」
昴「そうかな? はぁ、じゃあそういうことでオレは行くからじゃあな凛」
凛「ん」
友紀「じゃあねー! っと、先に行くなよー」
昴「うぐっ、ばっか首しまるだろ!」
友紀「よいではないかー」
凛(仲いいなぁ……)
―――
凛「……さて、話し相手もやることもなくなっちゃったな」
凛「一時間か……なにするにも半端だなぁ。寒いから屋上に行く気にもなんないし」
(談話室内をきょろきょろする凛)
凛「……よし、甘い物でも食べよ。大体いつもそこの棚の三段目奥に……ない。
あっれ、いつも春香さんがここに何かしら甘い物隠してるのにな……」
(顎に手を当てて悩んだ後、冷蔵庫に向かう凛)
凛「となると冷蔵庫最下層奥かな……っと」
(冷蔵庫に腕を突っ込む音)
凛「あった! 春香さんってばいっつも場所変えないからね。
箱物……ケーキ、かな? なんだろ楽しみだなぁ」
春香「それは北海道のルタオってお店のドゥーブルフロマージュって言うんだよ」
凛「……」
春香「……」にこにこ
凛「……さて、と。仕舞うかなー」
春香「食べないの?」
凛「……い、いつから見てました?」
春香「冷蔵庫に頭を突っ込んで物色しながら私ピンポイント狙いで甘い物探ししてるところからかな」
凛「えっと……あっ! 私そろそろ仕事に行かなくちゃ」
春香「まぁまぁまぁ、そう焦らずに……ね?」
凛「あっはい」
凛「……えっと」
春香「なにかな?」
凛「……ごべんなざいぃぃ、うわーん」
春香「えっ!? なにそれ! ちょっと面白いけど、なにそれ!」
凛「あれ、知りません? 友紀さんネタなんですけど」
春香「……あっ! あーあー! アレね、んふふ。あれは凄かったね」
凛「あ、通じた」
春香「いやぁ私もあの場に居たからね。あの場にっていうか、近くに。凛ちゃんも居たの?」
凛「いえ、さっき昴が『ちょっとしたこぼれ話なんだけど聞いてってくれよ』って」
春香「こぼれ話って久々に聞いたな~」
凛「ていうか春香さん現場に居合わせてたんですね」
春香「うん。プロデューサーさんに構って構ってしてたらさ」
凛(構って構って……?)
春香「パリーンガシャーンって、二つ続けて割れる音がしてね。
見たらガラスと陶器の破片が散らばってる廊下にテンテンと跳ねるボール」
凛「危ない危ない」
春香「で、プロデューサーさんが危ないから俺がやるって破片片付けて捨てに行ったタイミングで友紀さんが降りてきて」
凛「あー……、最悪のタイミングだったんですね」
春香「そそ。仲介役が居なくてね。いやぁ、あのときの肇ちゃんの顔は凄かったよ。
ビーフジャーキーの天狗みたいな顔でクァーなってたからね」
凛「ちょっと例えがわからないです」
春香「そして炸裂する伊織の幻の左」
凛「えっ? 幻の左でたんですか?」
春香「でたでた。すっごいのでたよ」
凛「あの時子さんがその威力を一目見て膝を付いたという」
春香「んふふ、それは知らないけど。っと、はいお茶」
凛「あ、すいません。やらせちゃって」
春香「いいのいいの、たまにあるじゃない。お母さんの味じゃないけどさ、自分で淹れたお茶が飲みたい日」
凛「ちょっとわかる気がします」
春香「っと、はいどうぞ。あまいのん」
凛「んふっ……、いいんですか?」
春香「いいの私がここに来たのもこれ食べるためだし。一人で食べるの寂しいからね」
凛「ありがとうございます」
春香「ちなみに隠してる訳じゃなくて、上段手前はみなさん勝手に食べてどうぞのエリアで
下段とかは自分が食べたいから買ってきた物を入れるエリアだから。
場所変えないもなにも基本的に勝手に食べられる事がないんだよね」
凛「……」
春香「基本的に」
凛「……いや、すみません。寒くて」
春香「理由になってないけどー。まぁいいやお食べ。おたべお食べ」
凛「おたべはいらないですけど……で、話戻しますけど」
春香「えっと……どこまで?」
凛「幻の左。あれ、私も食らったことあるんですよね。一回」
春香「えっ、うっそ!? そうだったっけ?」
凛「はい。割と初期に。それはもう意識を刈り取られそうなレベルのを」
春香「うっそ、知らない知らない! いつ? いつ?」
凛「ほら、あの……アイドル舐めんな事件」
春香「あーあー……。あの時貰ってたんだ」
凛「はい。強烈なのを」
春香「そっかそっかー……あ、食べていいんだよ?」
凛「いただきます……いやしかし……うわっ!? え、なにこれめちゃ美味しい!」
春香「でしょ? 北海道からお取り寄せしてるんだからね」
凛「うわ、うわー! なにこれなにこれ! 一口食べたら……花畑浮かんだよ!」
春香「あっはっは! わかるわかる、初めて食べたらそうなるよねー」
凛「びっくりした! ただのチーズケーキだと思って舐めてた……」
春香「うんうん。いいリアクションありがとう、お茶もどうぞ? チーズがかなり濃厚だから酸味の効かせたローズヒップだよ」
凛「あ、もう食べきってしまいました」
春香「もう一個いる?」
凛「是非に」
―――
凛「……はぁー」
春香「いやぁ、がっつり食べたね」
凛「大変美味しかったです」
春香「でしょでしょ? これで1575円プラス送料が……500円位だったかな」
凛「え、安」
春香「毎回10個くらい頼んでるんだー、また来週くらいに届くからそしたら声かけるね」
凛「よろしくお願いします!」
春香「……で、なにか言おうとしてなかった? 食べる前」
凛「え? ……なんだっけ」
春香「えっと、友紀さんの話で……幻の左になって」
凛「あ、舐めんな事件」
春香「そうそれそれ」
凛「いや、あれなんですよ。ViDaVo組とCuCoPa組で温度差というかなんかありますよねって話をしたくて」
春香「温度差?」
凛「あれ? 感じてるの私だけかな……? ほら、養成所出身組とスカウト組って言うんですかね?
なんか、あの事件もその辺があった気がするんですけど」
春香「その辺はね。確かに多少思うところがある子も居るみたいだけど。
前ほどじゃないと思うよ? いまは、それなりにみんな仲良くやってるし。
そりゃ特に仲いい子でグループ作ったら別れそうな所ありそうでもあるけどさ」
凛「ですよねー……ってあれ、今……えっ!?」
春香「どしたの?」
凛「じゅ、十一時半……!?」
春香「……やばいの?」
凛「事務所出る時間過ぎてる! 今日MBSなのに!」
春香「うっわー新幹線じゃん……タクシータクシー! 最悪伊織!」
凛「いや、ちょっ! とりあえず行ってきます!」
春香「はいはい、プロデューサーには伝えとくから後で凛ちゃんからもちゃんと連絡取ってね!」
凛「はいすみません!」
(どたばたと部屋をでていく音)
ぶっちゃけちっひ小鳥舞さんには勝てないからね、仕方ないね。
というよりこのSS自体が普通のアイマスSSではよく出てくるプロデューサー大好き系アイドルの影が薄いのが……(美希しぶりんままゆetc)
>>578
―――
楽屋
凛「……ふぅ。間に合ってよかったぁ~」
凛「あっ、一応春香さんにもメール送っとこ」
(携帯を弄る音)
凛「送信っと……ふぅ、まだちょっとカメリハまで時間あるしトイレに行っておこうかな」
(扉を開ける音)
玲音「っと」
凛「あ、すみませ――えっ」
玲音「あれ、キミは彼の所の」
凛「えっちょっと待ってなんで玲音さんが居るのもしかして私また嵌められたの
またプロデューサーの姦計に思うがまま嵌ったの嘘でしょ今度はソロで勝負って
ユニットでも相手にならなかったのにソロとか時期尚早甚だしいじゃない? っていうか……」
玲音「えっと、……大丈夫?」
凛「ハッ! ……ちょっと取り乱しました」
玲音「ちょっとだったかな今のは……えっと、一応言っておくと今日あったのは偶然だよ?
アタシもここで仕事があっただけで」
凛(よかった……)
凛「えっと、そうなんですか? ……でも、玲音さんが普通のスタジオで収録ってちょっとイメージ沸かないですね」
玲音「そうかい? アタシだってステージの上で歌って踊って以外にも仕事はするさ。
要望があれば各地の局にも余興にもね」
凛(この人が着たらそれは余興じゃないよねもはや)
玲音「しかし丁度よかった。聞きたい事があったんだ」
凛「聞きたいこと、ですか?」
玲音「うん。えっと……ちょっと耳いい?」
凛「? 聞かれたら不味い話ですか」
玲音「そういうわけじゃないけど……ま、いいか。彼の事なんだけど」
凛「彼って……プロデューサーのことですよね?」
玲音「そう。おたくの若き敏腕社長兼プロデューサーの彼。
最近さ、えっと……ううん。ほら、アタシの事なにか言ってなかった?」
凛(ん?)
玲音「些細な事でも良いんだ。彼がアタシについて口にしていたら教えて欲しいんだよ」
凛(んん?)
玲音「どうかな? なにか思い出したりしない? ボソッと呟いてるのを聞いてしまったとかさ」
凛「……えと、ちょっと咄嗟には」
玲音「……そ、そっか」
凛(あからさまにテンション下がった!)
凛「いや、え、ちょっと待ってください……そういえば」
玲音「なにか言ってた!?」
凛「……愚痴というかなんというかなんですけど」
P『玲音の奴、また急に言い出しやがってこっちのことも考えろよ……』
凛「みたいな事を頭を抱えてカタカタしながら言ってましたねこの間」
玲音「なるほど……なるほど、そうかそうか。ありがとうえっと……池袋じゃない目黒……でもない」
凛(東京の地名的に覚えられてる……)
玲音「高田馬場さん」
凛「そこ!? 絶対人名としてないじゃないですか! 渋谷です!」
玲音「冗談だよ渋谷凛ちゃん」
凛「えー……」
玲音「ふふっ、彼には一度ヘボンとか呼ばれたからね。キミに意趣返ししてみた」
凛「すっごいとばっちりですね」
玲音「あはは、でもありがとう。いい事を聞いたよ。じゃあ、アタシはそろそろ行くから」
凛「あ、はい。お疲れ様です」
玲音「ん、お疲れ様。っと、それと偶然じゃなく局でもなく、
ステージの上でキチンとキミとまた会うのを楽しみにしてるよ。じゃあね」
(去っていく音)
凛(……いつになるかなぁ。っていうかなんかすっごいまずい事を知った気がするなぁ……)
その後、もやもやしながらもしっかり仕事はこなした凛でした。
と言う訳で結構日を跨いでしまいましたが
凛ちゃんのある一日を書いてみました
>>448これでいっすか
【尚】
P「ん~……」
小鳥「アントニオ猪木とジャイアント馬場って」
ちひろ「……はい?」
小鳥「実際には直接対決しなかったけど、もししてたらこれ位大騒ぎだったのかしら」
ちひろ「さぁ……ただ、プロレスに詳しくない人間でもみんな知ってますからねその二人は」
P「スターだからな。当時の」
小鳥「じゃあもっと?」
P「わからん。直接対決しなかったからこそってのもあったしな」
ちひろ「……それはそうと。やっぱり二つに分けるべきだと思うんですよね。今回の件」
小鳥「またその話? それは決着ついたじゃない」
ちひろ「でも日高舞VS日高愛も日高舞VS玲音もどっちも単品で武道館満席にできるレベルなのに
それを1つにまとめるなんてとんでもない!」
小鳥「でも後者の方が一ヵ月後と決まっちゃった以上それにあわせてスケジューリングしないとダメでしょ。
言い方は悪いけど愛ちゃんを後に持ってくるのも違うし」
ちひろ「だからって一回にまとめるのはどうかと思うの! 動員数的にも見れない人が多発するし」
小鳥「じゃあこの短期間にそんな大規模なイベント二発もやってどうするの!
ただでさえスタッフに広告にチケットに対応が間に合わないのに二倍になるのよ?
ましてレッスン、リハ、曲セット・衣装セット。普通に考えて無理じゃない」
ちひろ「でもただのステージじゃなくてフェスなんでしょう!? だったら舞さんが続投するのはどうなんですか
一曲で終わる訳じゃない。何曲も踊る以上体力的にもキツイし、一戦目を勝つにしろ負けるにしろ
二戦目にムードを引きずるのは目に見えてますよ!」
小鳥「じゃあ仮に二つに分けたとしてどうするのよ! スタッフを集めて音響から演出から舞台セットから
あの劇場を仕上げるには二日三日でどうにかなるレベルじゃないのよ?
それこそ一月・二月かけてやるのを一ヶ月に二つなんて現実的じゃないじゃない」
ちひろ「……社長!」
小鳥「社長!」
P「……まぁ二人の意見はわかった。ので、こうしよう。
まず、一日にやる。これはもう仕方ない。広告を打てる期間やチケット販売の問題もある、
二つに分けるのはもう無理だとしか言いようがない。だから、午前と午後の部に分けて
客を入れ替えて4時間位インターバルを入れてどうにか回そう。
スタッフに関しては足らないから、以前の子会社に連絡をとって人を回してもらう」
ちひろ「そんな直ぐ話通りますか?」
P「見返りとして向こうの所属アイドルを前座としてだが、何人か引っ張ってこよう。
もちろんギャラも出す。悪い話じゃない筈だ。それでも足りない分はちょっと俺に心当たりがあるから声をかけてみる」
小鳥「しかし午前と午後で二部構成ですか」
P「一月後だからマーケティングに使えるのは最長でも二週間がいい所だな、
金は多少かかってもいいからあらゆる方向に声をかけてくれ」
ちひろ「了解。……問題は大道具とかですね」
小鳥「あとはリハとかを考えて出演者のスケジュールも変更しないと」
P「……はぁ、本来この規模なら遅くても半年は前に準備し始めたいのに……玲音の奴……」
ちひろ「舞さんもノリノリでしたからね……」
小鳥「愛ちゃんも大変ね」
凛(……そういう事か! もやもやして損した!)
>>581
【みきまゆ】
美希「ハニー」
P「おーう」
美希「ハニーハニー」
P「はいはい」
美希「……」
P「えっと、こっちは……」
美希「ハニハニハニハ……ニハー!」
P「んくっ……」
美希「あ、笑ったの」
P「いや、満面の笑みで『ニハー』って言われたらそら笑うだろ……」
美希「ハニーハニー。次のお仕事まで暇なのー」
P「おう、俺は暇じゃないからあっち行っててくれ。いまここ数年でも稀の飛びっきりの忙しさなんだ」
美希「ぶー……!」
P「ほら、飴やるから」
美希「美希は杏じゃないの! ……けど、一応貰うの」
P「はい。イチゴ味な。じゃあマジで忙しいから、な」
美希「はーい……」
―――
談話室
美希「もうっ! 最近ハニーってば美希の事ほったらかしすぎるの!」
美希「こうなったら甘い物でもヤケ食いしなくちゃ気が治まらないの!」
美希「と、言う訳で冷蔵庫にイチゴババロアを入れてたと……」
まゆ「……」ハァ
美希「どしたの? そんな部屋の角で体育座りなんて」
まゆ「……あ、美希さん。おはようございます」
美希「ん、おはようなの。で、なに?」
まゆ「まゆもなんです」
美希「なにが?」
まゆ「まゆもさっきPさんの所に行ったらすげなくされてしまって……くすん」
美希「ふぅん、……じゃあまゆもイチゴババロア食べる?」
まゆ「……いただきます」
―――
美希「はいどーぞ」
まゆ「……いえ、こんなにいらないんですけど」
美希「そう? 美希なら三つくらいペロリなの」
まゆ「……」
美希「で、まゆはハニーの所になにしに行って追い返されたの?
ちなみに美希は構ってもらいに行ったら飴もらったの」
まゆ「えっと……その前に一つ聞いても?」
美希「ん?」
まゆ「なんで美希さんはPさんの事をハニーって呼ぶんですか?」
美希「んー……ほら、海外では言うでしょ? マイスィートハニーって」
まゆ「でもそれって旦那さんが奥さんにいいますよね?」
美希「そうだけど、ハニーって蜂蜜でしょ?」
まゆ「そうですね」
美希「つまりあれなの、自分にとって一番甘い時間を過ごせる相手に『ハニー』って言うの。
美希にとってそれはハニーだから使い方として間違ってるとは思わないの」
まゆ「なるほど……あ、ババロアごちそうさまでした」
美希「も一個いる?」
まゆ「あ、いえ大丈夫です」
美希「……」
まゆ「……?」
美希「……」
まゆ「……あ、まゆがなにしにPさんの所に行ったかでしたっけ?」
美希「なの」
まゆ「えっと、新曲のダンスについて聞きに行ったんですけど」
P『悪いな。頼れる先輩に聞いてくれ』
まゆ「って……いつもだったらその場で色々教えてくれるんですけど」
美希「ふぅん……」
まゆ「はぁ……」
美希「でもまゆは運がよかったの」
まゆ「……え?」
美希「ここにイチゴババロアをくれる良い先輩がいるの!」
まゆ「……えぇっとぉ……『頼れる』先輩って言われたのでぇ」
美希「……凄い侮辱を受けたの……、ちょっとこっちくるの!」
まゆ「え、わっ」
美希「早く早く!」
まゆ「ちょ、ちょっとどこへ連れて行くんですか!」
美希「ダンスレッスン室なの。さっさとするの」
まゆ(……後輩として年上として付き合いますか)
まゆ「わかりましたから引っ張らないでくださいー」
あーそういえば節分ネタやってないや……また後日
>>593
【その後】
まゆ「……はぁ」
美希「よいしょっと、うん。それで、どこがわからないの?」
まゆ「えっと……永遠恋のBメロから繋ぐところなんですけど。……今ちょっと振り付け表を出しますね」
美希「ううん要らないの。繋ぎの所って事はボックス踏んでからターンしてVステからのジャンプでしょ?」
まゆ「えっ? ……えと、はいそうです。その後のギャロップからの動きが少し」
美希「じゃあやってみて、どこで引っかかるのか見ないとわからないの」
まゆ「あ、はい」
(美希の前でまゆが踊る)
美希「はい、ストップ。ちょっと腰と肩に力入ってるの、トレーナーさんに言われなかった?」
まゆ「あっ、確かに少し言われました」
美希「あと、これは個人的になんだけど。振り付けまゆにあってない気がするの。
美希的にはどうせ今までと違ってダンスイメージ強めの曲ならダイナミックにしたほうがいいと思うの」
まゆ「そうなんですか?」
美希「まゆは身体が小柄だからあんまりステップとか意識するより
大きく身体を動かした方がステージ映えするの、曲調が若干アップテンポなんだし」
まゆ「えっと、そのさっきも思ったんですけど」
美希「なに?」
まゆ「まゆの新曲の振り付けとか歌詞とか覚えてるんですかぁ?」
美希「うん、当然なの」
……当然? それは違和感のある言い方でした。
これはまゆの新曲で『The world is all one』のような事務所の共有曲でもなければ
ユニット曲でもない。美希さんが覚える必要も理由もない筈なのに、と。
「……でもどうして」
「ほら、他にわからないところある? 確かステージの演出でタップが入るって聞いてたけど」
聞こうと思って口を開いたとほぼ同時に美希さんは手を軽く叩いて
当然の様に私も先月聞いたばかりのステージ演出について当然の指摘しました。
まゆから言った覚えはありませんし、これもやっぱり不可解で。
「えぇっと、そうですね。確かにタップは難しくてそれも聞きたかったんですけど」
けれど正面からこちらをみる美希さんの目がいつになく真剣で、
肯定の言葉しか口にできなくて。
「やっぱり」
笑みを浮かべて頷いて、「じゃあ教えてあげるの」と簡単に言う美希さん。
「できるんですか?」
いくら記憶を手繰ってもタップを踏む美希さんがステージの上に立っていた事はなかったと思う。
「本を読んで勉強したの」
また、軽く言う。
本を読んでって……そんな簡単にできる物じゃない。
話には聞いてたけど、本当に天才というかなんというか、覚えの早い人なんだなと。
そして同時に多少の羨ましさを覚える。ずるいな、なんて。
けど、それは直ぐに間違いだと。気付いた。
「ちょっと待ってて」
そう言って美希さんがレッスンルームのロッカーから取り出したのは二足の靴。
タップ用のシューズ。それもボロボロの。
「ごめんね、まともに使えるのこれしか残ってないの」
私がそれをじっと見ているのをどう思ったのか、
美希さんは少し申し訳なさそうにそう言った。
「これって、美希さんのですか?」
「うん。全部で四足買ったんだけど、後の二足はダメになっちゃって」
「……いつ買ったんですか?」
「ん、まゆのステージでタップをやるって聞いてからだから三週間位前なの」
たった三週間。たった三週間でこんなにも?
鳥肌が立った。
「なんで……ですか?」
聞いてみたかった。美希さんには関係のない筈のステージ。
「なんで美希さんがタップの練習を?」
「だって、それが美希の役割だと、美希は思ってるから」
用意していた答えを言うようにさらっと。
「美希は、正直カメラの前向きのアイドルじゃないの。
みんなみたいに司会進行とか、撮れ高とか数字とかカメラワークとか
そういうカメラの前での流れってのがいまいちピンとこないから。
その代わり、美希はステージの上で頑張るの、
これはハ……プロデューサーにも言ってあるけど。
どこかに穴が空いたら美希に一番に言ってって、伝えてある。
だから誰の曲のどのパートのどの位置に入っても、完璧に合わせられる様に、
一度のリハーサルで溶け込めるように全部片っ端から練習してるの」
全曲の振り付け、歌詞を全部?
振り付けだってユニットだったら色々ある、センター・サイド・バック・レフトライトのフロント・サイド・バック。
それを全部?
「さ、始めよっか」
にこりと笑って靴を履き替える美希さん。
私は勘違いしていた。きっとこの人は努力をしてないんだろうって。
ううん、してない事はないのだろうけれどきっと私達のソレよりも少ない。
あるいは同じだけしてもより先に進めるんだろうと思ってた。
・ ・
「……はい。美希先輩」
けど違った。この人はそれ以上に努力をしているんだ。
それを決して見せないだけで、白鳥なんて足元にも及ばないほどに努力している。
やっとわかった。この人の背中が近く見えるわけが。
ずっと、手を伸ばせば届くところまで自分が着たんだろうと錯覚していた。
もうすぐ……もうすぐ……そう思ってた。
けど、本当はずっと遠くに居て。そしてとっても大きい。
距離感を失うほどに大きかったんだ。
「ご指導ご鞭撻の程。よろしくお願いします」
「あはっ! 任せるの! ……ねぇ、まゆ」
「はい?」
「美希、『頼れる』先輩でしょ?」
「……はい。とっても」
その日から、ダンスレッスン室で並んで踊る二人の姿がよく見かけられるようになりました。
なんでこうなったんだろうか
寝る
他に出して欲しいキャラ居る?
言ってって欲しい
幸子
どこに潜伏してたんですかねぇ……
武内P(無茶振り)
アイドルなめんな事件と凛ちゃんの「ふーんアンタがあたしのプロデューサー?」発言の後を読みたいです!
ひびきんをたのんます
【寒い日】
まゆ「美希さん、美希さん起きてくださぁい」
美希「……やーなの。昨日も遅かったからもう少し寝かして欲しいの」
まゆ「今日はクロスVステップ教えてくれるって言ってたじゃないですかぁ」
美希「ん~……しんどいの……」
まゆ「……えいえいえい」
美希「うぐぅ……揺れるの……酔うの……」
まゆ「えぇーいっ」
(45kg程の物が落ちる音)
美希「ぐへっ……まぁ~ゆぅ~」
まゆ「うふっ、目が覚めましたかぁ?」
美希「ちょっと表でるのっ!」
まゆ「嫌ですぅー」
(駆け足音)
響「……」 あみあみ
幸子「……最近あの二人仲良いですね」
響「ん? うん、そうだな。よく一緒にレッスンしてるみたいだし、
美希にしては珍しく色々指導したりしてるみたいだぞ」 あみあみ
幸子「はぁ……っと、ここはどうやるんですか?」
響「左の人差し指を……こう、下の糸をくぐらして上の糸を引き込んで……」
幸子「あぁ、なるほど」
響「しかしまゆも美希に目を付けるとは見る目あるよなー」
幸子「そうなんですか? ダンスとかに関して聞くなら響さんか真さんだと思ってましたけど」
響「ん~、そうだな。確かに事をダンスに絞れば美希に負けるつもりは全然ないぞ。
なんと言っても自分は完璧だからな! ふふーん」
幸子「はぁ……、あ、絡ま、あぁっ」
響「んもー。ここはこうだって! なんで同じところで失敗するかな」
幸子「だって難しいですよ指編みって……なんで鈎針を使わないんですか?」
響「えーだって、耳掻きとなんか、間違えない?」
幸子「普通は間違えません!」
響「まぁいいじゃないかー。出来上がるものは同じだぞ、だったら指編み覚えたほうがいいって」
幸子「……そろそろ指攣りそうなんですけど」
響「んー、じゃあちょっと休憩する?」
幸子「お、お願いします……」
響「わかったじゃあちょっと待って、そのまま指外したら崩れ――
幸子「え?」 ふぁさ
響「……よし、最初からだ」
幸子「えぇぇぇ!?」
響「なんで自分に聞かないでやっちゃうかなー」
幸子「いや、でもほら。ここから指を通して拾い上げれば……」
響「うん、見事にバラけたぞ」
幸子「そんな! 今までのボクの努力はどこに行くんですか!?」
響「バイバイ哀愁でいと」
幸子「田原俊彦!?」
―――
幸子「……あぁー」
響「どう? さんぴん茶は」
幸子「美味しいです。……けど、これって結局茉莉花茶ですよね」
響「やいびーん」
幸子「はい?」
響「肯定だぞ」
幸子「否定はどう言うんですか?」
響「あいびらん」
幸子「難しいですね」
響「あいびらん」
―――
響「で、さっきの話だけど」
幸子「はい?」
響「ほら、ダンスとか美希とまゆの話だぞ」
幸子「そんな話しましたっけー」
響「したぞ! というか幸子から振ってきたんだろ!?」
幸子「覚えてませんね」 ずずっ
響「……もういいっ」
幸子「あはは、冗談ですよ。もーすぐ拗ねるんですから」
響「自分拗ねてなんか居ないぞ!」
幸子「はいはい。そうですね、……で、なんですか?」
響「むー……まっいっか。で、ダンスとかステップなんだけど。
繰り返すけど自分や真の方が上手い事教えられると思うぞ」
幸子「でしょうね」
響「あくまで、自画自賛じゃなくて客観的に見て。だからな? 美希がどうこうって訳じゃないんだけど」
幸子「はいはい。わかってますよ」
響「ただ、あれなんだよなー。ほら、自分達ってアイドルだろ?」
幸子「え、そりゃそうですよ。じゃなかったらなんなんですか」
響「いや、もちろんそこはそうなんだけどさ。肩書きと職業の違いっていうか……ゲーム的に言うとさ。
まぁ例を挙げると、自分とか真はダンサーだと思うさー」
幸子「はい? ……はい、まぁ確かに」
響「亜美真美とか春香は、エンターテイナーかな? あずさや千早は同じ系統で言うならシンガー……かな?」
幸子「なるほど」
響「で、その流れで言うとさ美希はパフォーマーなんだと思うんだ。
ダンスに限れば自分だと思うけど、ステージ上での演出とかを込みで考えると美希の方が
まゆに教えるのには向いてると思うんだよねーって話」
幸子「パフォーマー……不思議と納得できますね」
響「でしょー?」
>>622は多分書くよ
今日は寝るよ
幸子「……ちなみに、他の人はどうなんですか?」
響「なにが?」
幸子「ですから、他のAngel´sの人達の肩書きというかですよ」
響「んーそうだな。まず貴音はオールラウンダーって感じだな。
ダンスも歌も高いレベルで持ってて、スタイルも良いしあの髪も目を引く。
ステージ映えもするしキャラも立ってるからバラエティでもクイズ番組でもニュースでも埋もれない」
幸子「それでいて親しみやすさもありますしね」
響「最近はそういう面を推し過ぎだとも思うけどなー。
……で、律子はプロモーター……かな」
幸子「プロモーターって実業家って意味じゃなかったでしたっけ?」
響「うん。基本的にはやっぱりプロデューサーがやるけど、
Angel´s内での立ち位置で言ったらそんな所かな」
幸子「へぇ」
響「で、やよいと雪歩はサポーター。……あ、サッカー的な感じのアレとは違うぞ?」
幸子「いや、わかってますよ。続けてください」
響「……なぁんか冷たいよなぁ……。まぁアレだぞ、
二人はあまり前に前にって感じじゃなくて特にみんなとの輪を重要視して、支えてくれるって感じかな」
幸子「ふむふむ……で、最後に伊織さんですね」
響「えっと……伊織は、そうだなぁ……少し方向性が変わるけどリピューターだな」
幸子「リピューター?」
響「機械の名前なんだけど……この場合火付け役って思ってくれていいぞ」
幸子「火付け役ですか? ……どちらかというと目付け役ってイメージですけど」
響「あっはっは! うん、それも間違ってないなー!」
幸子「ふぅん……しかし、ダンサー・シンガー・エンターテイナー・パフォーマー
オールラウンダーにプロモーター・サポーター・リピューター……」
響「一人一つにするなら春香はリーダーで雪歩は……ヒーラーとか?」
幸子「ヒーラーはともかく、リーダーはそのまんまじゃないですか」
響「あはは……。ま、役割がなんにせよ自分達はみんな『スター』なんだけどな!」
幸子「……」
響「ふふーん」 どやぁ
幸子「うわぁ……」
響「な、なんだよ! その反応は!? 幸子だって似たような事言ってるじゃないか!」
幸子「いえ、なんか人が言ってるのを見るとちょっと引きますね……あとドヤ顔やめましょうか」
響「もー!」
幸子「ふむ、しょうがないですね。ではボクがお手本を見せてあげますよ」
響「なんの?」
幸子「見ててください。いいですか? ……フフーン!」どやぁ
響「うわぁ、にっくたらしいぞ」
幸子「憎たらしい? 愛くるしいの間違いでしょう? さぁ存分に愛でていいんですよ!」
響「……じゃあ目を瞑って欲しいさー」
幸子「シーサー? いくら沖縄出身でも脈絡なさすぎません?」
響「……」いらっ
幸子「それに目を瞑って欲しいって……いくらボクが可愛くてもキスするのはやめてくださいね!
ボクはそんな趣味ないので!」
響「自分だってそんな趣味はないさー! こうしようとしたんだよ!」
幸子「あいたたた! 目が! 目がっ! 押すのやめてください! 眼球がつぶれちゃいます!」
響「このっ! このっ!」
歩「おーっす……なにやってんの?」
幸子「あいたた……編み物ですけど……」
響「うん、編み物」
歩「……なにを言ってるんだこの二人」
幸子「あーもう……また最初からになったじゃないですか……」
響「それは幸子がまた毛糸を手放すからだぞ」
幸子「あんなことされたら手放すに決まってるじゃないですか!」
歩「あー……え、本当に編み物してたの?」
響「それ以外になにに見えるんだよー」
歩「そりゃあ……後輩いじめ?」
幸子「まさにそれです」
響「うがぁー!」
幸子「あいたた! いたいいたい!」
歩「えっと……どうしよう……え? どうしたらいい?」
幸子「助けてくださいよ!」
歩「あ、うん。ほら、びっきーストップストップ」
響「しょうがないなぁ」
幸子「うぅ、目がチカチカしますよ。これはしばらく続く奴ですよ」
響「はぁ、どっちにしろまた最初からだしお茶入れて休憩しよっか」
幸子「そうですね」
歩「しかし編み物かぁ……リリアンくらいしかしたことないな」
響「うわっ! リリアン懐かしい!」
幸子「まぁ本来僕らが懐かしいと言うのもおかしいんですけどね。親世代じゃないんですか?」
歩「今でもやってるよ。ブームがあったのは確かに昔だけど」
響「はいお茶っと、歩もやる? 教えるけど」
歩「いいけど。道具は? 針とか使うんじゃないの?」
幸子「指編みですから、指と毛糸だけです」
歩「指で編めるの?」
響「編めるさー。こう、両手の指に毛糸を絡めて……人差し指、中指、小指で引っ掛けて中指で通して人差し指」
歩「ごめんちょっと全くわからない」
幸子「ですよね」
歩「ちなみになに作ってるの?」
響「靴下だぞ。幸子が作りたいって」
幸子「アイドルですからね。ごつい防寒靴とかはちょっと嫌なので、せめてと思いまして」
歩「あーなるほどね」
幸子「まぁまさか指編みで来るとは思ってなかったので難航しまくってますけど」
歩「それこそリリアンみたいな簡単のでよかったんじゃ?」
響「うるさいなーもー。指編みできればセーターだってなんだって編めるんだぞー」
歩「いやでも初心者にはハードルが高いって」
幸子「あっ、そういえば関係ないんですけど響さん」
響「なんだいさっちん」
幸子「……えっとびっきーに聞きたいんですけど」
歩「なにその呼び方! 仲良さそう!」
響「舞浜さんもそう思う?」
幸子「やっぱりそう思いますよね舞浜さん」
歩「すごい疎外感! ちょっと、なにこれやっぱり後輩いじめ!?」
響「んくふふっ……で、なにかな?」
幸子「あーはい。さっきはAngel´sだけで話してましたけどそういえば歩さんもダンサーですよね?
どうなんですかその辺」
歩「おっ? おっ? なんの話?」
響「んー、技術は自分から見ても高いと思うけど……ほら、中身がね」
歩「え、侮辱された?」
幸子「あー……」
歩「納得された!? 本当なに? なんの話!?」
響「そういえば最近お腹が痛いんだよねー、どうすればいいかな歩」
歩「え? そりゃダンスでしょ! 身体を動かして腸を活発にすれば元気になるよ!」
幸子「しかし最近寒いですよねぇ、雪も降りそうですし。積もったらどうします歩さん」
歩「そりゃダンスでしょ! ダンスは全身運動だから身体も暖まるし風邪だって引かないよ!
乾布摩擦ってあるだろ? アタシは毎朝部屋の窓を開けて寒い中全裸でダンスを――
響「あっ馬鹿だぞ」
幸子「それは流石にやめましょうよ!」
歩「えー……でも、ほら。やっぱりダンスは万能だからさ! 二人もそう思うよね?」
響「……あいびやん」
幸子「はい、あいびやんです」
歩「なにそれっ!?」
おわり
気付いたら弄られキャラ三人の漫談みたいになってました
その言葉を最期に、彼が目覚めることはなかった
>>651
おうやめーや
今はすっかり元気だよ馬鹿
【節分】
P「節分かぁ」
ちひろ「はい。比較的関係ないイベントだから穏やかなものですけどね」
P「まぁな、2月はバレンタインがメインだからなぁ」
小鳥「でもみんなは一応豆まきするみたい。厄払いにーって」
P「ふぅん。……豆か。あれって年齢分食べるだろ?」
小鳥「あ、ストップ。わかったから言わなくていいから」
P「もう年齢分の豆を食べるのもしんどくなってきたな」
小鳥「言わなくていいって言ったでしょ!?」
ちひろ「そういってやめた事ないじゃない」
P「そうそう」
小鳥「もー! P君あっち行って!」
P「ふはっ! お、お前……自分のデスクで仕事してる人間にあっち行けって……すげぇ事言うな」
ちひろ「あはは、まぁ休憩してくれば?」
P「んーじゃあそうすっかなぁ。豆まきしてるみんなの様子でもみてくるよ」
小鳥「はいはい、さよならさよなら」
P「おう」
―――
P「って言ってもな、去年も別段なにがあったわけじゃないからなぁ……」
P「精々寮と事務所内で軽く撒いて掃除して、恵方巻食べたくらいで……っと?」
仁奈「文香おねーさん! なんで豆で鬼を追い払えるんでごぜーますか?」
文香「えっ……それはちょっとお話があるんですけど」
環「どんな? 聞かせてっ」
文香「じゃあ……談話室に……えと、杏さん」
杏「あいよー。じゃあ用意してくるよ」
P「よぉ」
文香「あっ、Pさん……」
環「おやぶん! おはよう!」
P「おうおはよう環、元気だな」
仁奈「仁奈も元気でごぜーます!」
P「よしよし、仁奈も元気一杯だな! ……で、なんだ。また読み聞かせ会か?」
文香「読み聞かせ、とはちょっと違います……。手元に本があるわけじゃないので……」
P「ふぅん。鬼が豆をどうして嫌がるか、だっけ?」
文香「はい」
仁奈「文香おねーさんのお話は楽しくて好きでごぜーますよ」
環「たまに怖いのもあるけど!」
P「そっかそっか……なぁ文香」
文香「ダメです」
P「……」
文香「……ダメ、です」
P「どうしてもか?」
文香「はい。……恥ずかしい、ので」
P「そっかー……」
杏「よいしょただいまっと、あれ、プロデューサー?」
P「おう杏。……なんだその袋」
杏「いやぁ、あれでしょ。必須アイテムでしょ?」
P「わからん」
―――
談話室
(カランカランとベルの音)
杏「ほーら、文香のお話はっじまるよー」 カランカラン
育「わーい」
杏「飴欲しい子はこっちおいでー」
仁奈「飴くだせー!」
杏「はいはい、水飴だよー。よく練って食べなよー」
P「……紙芝居屋かよっ!」
杏「紙芝居じゃなくて語り聞かせだし、そもそもお金とって無いけどねー……水あめ居る?」
P「いややめとく。子供の頃はよかったけど今はその甘さはダメだ。一口で十分」
文香「というかなんでいるんですか……、でてってください……!」 ぐいぐい
P「あいてて、えー、本当にダメかふみふみ?」
文香「ダメ、です! ……あと、ふみふみは恥ずかしいです」
(扉の閉まる音)
P「……本当に追い出されてしまった」
ありす「……なにやってるんですか?」
P「おや、ありす。見ての通り、締め出しをくらったんだよ。文香は本当に恥ずかしがり屋だな」
ありす「あぁ、語り聞かせですか」
P「ありすもよく参加してるのか?」
ありす「えぇまぁ。文香さんがしてくれるお話はわかりやすくてためになるので」
P「へぇ……どんな感じなんだ?」
ありす「どんな感じ……、みんな大人しく聞いてて普通ですよ?
お仕事でやってた朗読会と対して変わりません」
P「じゃあなぜ俺は追い出されるんだ……」
ありす「さぁ? とりあえずそこどいて貰っていいですか? 入れないんで」
P「あぁうん、ごめんな」
ありす「いえ。……あ、それと」
P「ん?」
ありす「亜美さんと真美さんが、悪い顔して地下の方に向かってましたから、気をつけてください」
P「……それは、わかった。気をつけるよ。かなり」
ありす「では」
―――
談話室扉直ぐ廊下
P「さて……どうしたものか。文香の年少組相手の語り聞かせもこっそり聞きたいが
ありすの言っていた亜美真美の事も気になる――」
ざわ……
P「……とか言ってるうちに談話室の中が随分静かになったな。そろそろ始まるのかな?
んー、まぁとりあえずはここに居るか。……階段も近いしあの二人が暴れるつもりなら直ぐ気がつけるだろ」
文香『昔、悪い鬼が居ました』
P「っと、始まった」
文香『鬼は大きく、力強く。そして人に迷惑をかける悪い鬼で、
近くの村にふらりと足を運んでは暴れたり食べ物を奪ったりしていました』
文香『村の住人はとても困っていましたが、けれどどんなに大勢でかかっても
鬼には勝てないので、鬼が来て暴れてもどうする事もできませんでした』
P(まぁよく聞くタイプの鬼だな……)
文香『しかしある日鬼はいつもの様に村に足を運び食べ物を奪おうとして、
偶然見つけた若い娘に一目惚れしてしまいます』
文香『その娘は髪は長く美しく瞳は黒曜石のように輝き。
肌は陶器のように白く透き通ったそれは美しい娘で、鬼はすぐさま彼女に告白します』
ありす『そんなの断るに決まってるんじゃ……』
文香『そう。女の人は鬼に嫌だって言いました。けど、鬼は諦めませんでした。
「もう乱暴はしない。食べ物も奪ったりしない。村の人に謝ります」って』
杏『すげー素直』
文香『お願いしますお願いします。鬼は幾度娘に断られても、諦めませんでした。
貴女が好きだ、愛しているんだ。って毎日の様に娘の家に向かい頭を下げたんです』
文香『娘が鬼に求婚されている。それを知った娘の祖母がある日鬼にこう言います。
「なら鬼よ。お前が本当に改心したか試させてもらう。今から渡すこの豆を
家に帰り蒔いて、見事に芽を出させてみろ。
毎日水をやり、大事に世話をして芽吹かせる事ができたら認める。
ただしそれまでもうこの村にはくるな」』
文香『鬼は二つ返事でそれを受け取り。家に帰って近くの日当たりのいい場所に蒔きました。
毎日水をやって、丁寧に丁寧に面倒を見ました。けれど豆は一向に芽吹きません』
文香『やがて季節が変わって一年経ち。約束の季節になりました。
鬼は娘の家に行き。もう一度チャンスをくださいと頭をさげました。
祖母はそれを聞いてまた新しく豆を渡しました』
文香『鬼はまたそれを近くに蒔いて、水をあげて世話をします。けれどいつまで経っても芽吹きません』
文香『二年。三年、その季節が来るたびに鬼は祖母に豆を貰いに行きます。
決して諦める事はしませんでした。……やがて豆を渡すのが祖母から母に代わり、
娘が少女から大人になっても。決して諦めず、毎年豆を受け取っては今度こそと世話をします』
文香『そして……結局鬼が豆を芽吹かせることができないまま。娘は流行り病でこの世を去ってしまいました』
仁奈『なんで豆は芽を出さなかったでごぜーますか?』
文香『……それは、祖母と母が渡した豆は実は炒り豆だったんです。
だから絶対に、どれだけ熱心に世話をしても豆は芽をださないんです。
娘を鬼に渡したくないし、毎日家に来られても迷惑だと思った祖母と母が鬼を遠ざけるためについた
嘘の約束だったんです。それを知った鬼はどうしたと思う?』
ありす『……怒った、んですかね?』
文香『いいえ、鬼は悲しみました。そして悔いました。自分が過去に村の人にした事はとっても悪くて、
何年経っても、どれだけ自分が必死に豆を芽吹かそうとしても、
それでも信用されないくらい悪いことだったんだって』
文香『鬼にとって。豆はそれを思い出させるんです。だから、豆を見ると逃げてしまうんです』
P(……へこむ話だ)
文香『余談ですけど……娘はもうとっくに嫁いで居る年齢だったそうですけど、
言い寄る男性は居たにも関わらず結局流行り病にかかり命を落とす時まで一人身だったそうです。
祖母と、母が渡した豆が炒り豆であることも、知らなかったみたいです』
P(……さらにへこむ話だ)
P「……なんだろうな。昔話って結構エグいのとか、切ないのって多いよなぁ」
P「教訓的って言うか寓話的なものというか、……あまり年少組に聞かせる話じゃないんじゃないだろうか」
P「文香に今度それとなく……いや、それだと盗み聞きしてるのがバレる……」
(破裂音)
P「んぅっ!? いてぇっ! なんだっ!?」
亜美「よし、命中!」
真美「次は真美のショットガンタイプで!」
(破裂音)
P「うおっ!? なんだこれ!? ……豆かっ!」
真美「外した!」
亜美「集弾率悪すぎっしょ→!」
P「お前ら! なんだその豆鉄砲は!?」
亜美「あっ! やばやば! 逃げろー!」
真美「その前に足止め豆!」
(弾倉を抜いて入っていた大量の豆をばら撒く音)
P「しまっ!」
(豆を踏んでこける音)
P「いったっ! 豆がっ! 背中に豆がっ……!」
亜美「ずらかれずらかれー」
真美「兄(C)バイバーイ!」
(駆け足の音)
P「……くそ、文香の方に意識を持っていかれすぎて気付くのが遅れた……」
P「二人は……流石に逃げ足が速いな……」
智絵里「あ、あの……」
P「ん? 智絵里か、どうした?」
智絵里「え、えと……大丈夫……ですか?」
P「おう、大丈夫だ。背中が痛いけどな」
智絵里「そう、……ですか。なら、……よかったです」
P「ありがとな、心配してくれて」
智絵里「い、いえ! ……その、むしろ……ごめんなさい」
P「え?」
智絵里「え、えぇいっ!」
パチコーン(投げられた豆が顔にぶつかって床に散らばる音)
P「うがっ!?」
智絵里「ご、ごめんなさい!」
(走り去る音)
P「……」
(扉の開く音)
ありす「ふぅ……って、うわっ! ……プロデューサーが豆の海に沈んでる……」
P「……」
ありす「どうしたんですか? というか、なにがあってこの惨状になったんですか?」
P「……鳩に豆鉄砲を食らった気分だ」
ありす「は? 鳩が、じゃなくてですか?」
P「鳩に」
ありす「……はぁ」
―――
ありす「で、なにがあったんですか?」
P「お前がさっき言ってた悪戯好きの双子悪魔に襲撃を受けてな」
ありす「あぁ……やっぱり悪巧みをしていたんですね」
P「馬鹿威力の豆鉄砲で撃たれた……気をつけろ。奴等はまだ事務所に潜んでるからな」
ありす(プレデターみたいな扱い)
ありす「で、でもそれだけならまだ……いえだけって事もないですけどこの惨状だと
けどそこまで凹む程の事でもないですよね?」
P「そうだな。俺に致命傷を与えたのは智絵里だからな」
ありす「え?」
P「……智絵里に豆をぶつけられた。顔面に」
ありす「……それは……へこみますね。色々と」
P「と、言う訳で亜美と真美は地下四階に連れて行きます」
―――
別所
智絵里「ほ、本当に大丈夫なんですか。こ、こんなことして……」
亜美「大丈夫大丈夫! 今日は節分だし、ちえりんだって兄(C)に厄が付いたら嫌でしょ?」
智絵里「で、でも……」
真美「これは真美達の感謝の表れなのだよ! いつも世話になってる人に福が来ますよーにって。ね、亜美」
亜美「そーいう事なのだ! だから気に病む必要はないのだよ!」
智絵里「じゃ、じゃあ……えい!」
(豆が散る音)
真美「ぶあっ!?」
亜美「のあっ!」
智絵里「や、厄が来ませんように!」
真美「……うぅん、こうくるか」
亜美「純粋すぎて心配になるね」
智絵里「?」
真美「……ま、いいっしょ! よし、次は小梅ちんゴー!」
小梅「……え?」
亜美「ほらほら、とりあえず一升分あれば足りるっしょ! 多分まだ同じところに居るから兄(C)にアタックだ!」
小梅「で、……でもプロデューサーには色々憑いてるけど……わ、悪いのは……多分居ないよ?」
真美「……」
亜美「……」
小梅「あ、新しく憑く余裕も……な、ないから……大丈夫だと……」
真美「……えーっと」
亜美「小梅ちん。そういうガチで怖い話はノーで、二度と亜美達の前でしないよーに」
智絵里「ち、ちなみにどんなのが憑いてるんですか?」
真美「あれ、ちえりん真美達の話聞いてないぞ」
亜美「やめろー! き、聞くんじゃない! 間に合わなくなっても知らんぞー!」
小梅「……詳しくは、わ、わからないけど……天魔における……神仏、の類だと……」
智絵里「ふわぁ……す、凄いです……」
亜美「もうやだ……この人達……」
真美「扱いづらいよー!」
―――
ありす「ち、地下四階!? じ、実在したんですね……噂だけだと思ってましたけど」
P「実は、実在したんだ」
ありず「ディズニーランドでミッキーに暴力を振るったり等、夢を壊した人が連れて行かれる
ディズニーマジックルームと同等の危険度と噂のあの部屋が……」
P「……それは尾鰭が付き過ぎてる気がする……どっちにも」
ありす「まぁ、それは冗談として。いくらなんでもそこまでしますか? 普段の悪戯とかを考えても……」
P「いや、あいつら俺を襲撃するときにスキル使ったからな。許可なしに悪戯の為にそれはちょっと」
ありす「スキル……そういえばあの二人のスキルってどんなのなんですか?」
P「二人ともカテゴリは運命干渉系だな」
ありす「運命干渉系……あずささんの『迷えば迷うほどその後選んだ道が自分にとって
良い結果になる』みたいなのですか?」
P「あれは運命干渉系の中でもハイエンド級だ。そこまでのじゃないよ性格がよくでてるというか……。
真美は『その場に最も適した罠を即座に思いつく』ってのと『その罠に必要なアイテムが都合よく手元に集まる』っての」
ありす「なんというか、悪戯特化ですね」
P「使い方によってはかなり性質が悪いけどな。で、亜美が『真美がセットした罠に対象を最良の形で引っ掛ける』って奴」
ありす「……二人揃ったら手が付けられないじゃないですか!」
P「逆に言えば分断すればなんとかな――
小梅「……あ、あの」
ありす「あっ……」
ありす(なんか後ろでに隠してる……)
P「おっ、小梅どうした? なんか用か?」
小梅「えと……ち、ちょっと……しゃがんで……」
P「おう、いいぞ」
ありす「……」
小梅「え、……えいっ」
ざー
ありす(……豆のシャワー浴びてるみたいです)
P「……えっと、小梅。……これは?」
小梅「や、厄が……祓われて、ふ、福が来ますように……って」
ありす「亜美さんと真美さんですか?」
小梅「う、うん……」
P「そっか、うん。ありがとう小梅。ところでその二人はどこだ?」
小梅「……?」
P「ほら、俺もみんなの厄を祓わないといけないからな。とりあえずあの二人に豆ぶつけてくる」
エイリアン(アイドル)の苗床……閃いた
―――
ありす「……大丈夫ですか? ってもう何回か既に聞いてる気がしますけど」
P「おう、服の仲に入った豆も全部だしたし。……掃除手伝ってくれてありがとな」
ありす「いえ、それくらいはべつに……というか、なんで回避しなかったんですか?
今のは流石に事前にわかってたでしょうに」
P「ん、小梅の事か?」
ありす「はい。警戒されない人を使うってのもある意味では罠ですし、その辺気がつかない人じゃないですよね?」
P「……けど、仮に違ったらどうする? もし、俺が無意味に小梅や智絵里から距離とって傷ついたら?
だったら俺はわかってても食らうよ。うん」
ありす「そうですか」
ありす(そう考える事も含めての人選というか罠、なんでしょうね……手ごわい)
P「さて、とにかくこっちも豆鉄砲をとって手に入れないとな。
……なんか節分というよりただのサバゲーみたいになってるけど」
ありす「はぁ、わかりました。では私もプロデューサーにつきますよ、一人では難しいでしょう?」
P「いいのか?」
ありす「はい。それに私も普段からあの二人には悪戯されてそこそこ腹に据えかねていたので、
こういうゲームでなら先輩とか関係なくやり返せそうです」
P「そうか、なら助かるじゃあ早速―――
麗奈「ここでレイナ様参上!」
P「なっ! 麗奈!?」
麗奈「食らいなさい、新作バズーカよ!」
(爆発音)
P「うわっ! ……網?」
ありす「うわわ、バラエティとかででてくるネットバズーカですよこれ。動けないです!」
P「くそ、また撃たれ、る……?」
麗奈「よし! 今度は成功したわ! ざまーみなさい!」
(去っていく音)
P「……豆関係ねぇ!」
なんでこんなにも節分関係ない話になったのだろうか
悪乗り慢心環境の違い
>>691
―――
P「……」
ありす「……」
P「びびったー……」
ありす「流石に網に囚われた状態で遭遇する財前さんは洒落になってないですね」
P「まぁとにかく。とにかく! 色々あったが脱出はできた。あとは三人をお仕置きするだけだ」
ありす(三人? ……あぁ小関さんもですか、ははっ)
P「しかしこうも上手く人を使われると二人だとキツイな」
光「なら、アタシが助太刀に入ろう!」
P「おぉっ、光じゃないか」
ありす(……)
光「さっき色々企んでる麗奈を捕まえて一通り話は聞いたよ。アタシにも手伝わせてくれ!」
P「流石だヒーロー。だが、既に麗奈には一発お見舞いされた後なんだ」
光「なに? ……くっ、なら一緒に連れてくるべきだったな。アタシとしたことが
『まだなにもしてない』という言葉にすっかり騙されてしまった」
P「いや、お前はそのままでいてくれ」
光「とにかく、はいコレ」
P「これは……亜美真美が持ってた豆鉄砲と同じ奴か?」
光「これは麗奈が持ってたんだ。とりあえず取り上げといたんだけど……っていうかさ」
P「?」
光「……いや、本当に話は聞いて疑われるのもわかるんだけどアタシは別に先輩達の手先じゃないからさ、
その物騒な物をおろしてくれないかな?」
ありす「……そうですね。ここまでの発言に嘘も矛盾も誤魔化しも一切ないようでしたしね」 チャキ
P(この豆鉄砲……こうして手に取るとわかるが、とんでもなく手の込んだ代物だな)
光「あー、怖かった。……それがありすのスキル?」
P(軽くて取り回しが良いし、形の不揃いな豆を弾丸としてジャムらせずに連射する技術)
ありす「えぇ、具現操作系の一種です。……ね?」
P(そしてなにより、この製作時、まだパーツ段階でしか打ち込めないだろう位置に刻印されたLoveの文字……)
ありす「……プロデューサー?」
光「どうしたんだ相棒? 精神攻撃か!? スタンドか!?」
P「ま、やっぱり黒幕はその辺だよな……って」
【節分はとりあえず置いておいて】
P「……だからさー」
小鳥「……うわぁ匂いがすでに」
ちひろ「胸焼けしそう」
P「なんでうちには女のアイドルしか居ないのにこんなにチョコが大変な事になるのかなー……」
小鳥「真ちゃんを筆頭に女性に人気の子ややよいちゃんみたいに満遍なく愛されてる子やら」
ちひろ「最近は逆チョコとかも流行ってますしね……」
P「これをまたファンレターと同じくこれから分配していくのかと思うと……」
小鳥「手作りは処分しないといけないし……」
ちひろ「高校時代不二家のチョコ工場でバイトしてた時を思い出すなぁ……」
P「さっさとやってさっさと終わらせよう……の、前にコーヒーをブラックで頂きたいな」
小鳥「キムチが食べたいです」
ちひろ「じゃあ私はカレーで」
P「はい、昼に勝手に食ってくれ。全身から甘い匂い発しながらな」
―――
響「うぅーがぁー! いぬ美ー! なんで今日はそんなにも逃げようとするんだよー!
自分がなにをしたっていうんだー!」
優「アッキーってば! じっと、じっとして! もーっ!」
翼「うわー、なにこの動物大暴走……いたっ! あ、ペロだ」
雪美「ペロ……今日、落ち着かないみたい……」
翼「あーまぁ、犬猫にとってチョコ。……ってかカカオかな? は猛毒だもんね」
響「うわぁぁ……」ずるずる
翼「こんだけ匂いしてたら身の危険を感じずにはいられないのかな~」
優「あーっ! 窓、窓からっ!」
翼「うわわ、ま、窓、落ちっ……ふぅ、あっぶな~い」
優「あ、ありがとう翼ちゃん」
響「わぅぅぅ……」ずるずる
翼「ううん、大丈夫大丈夫! でもあれだよね、甘いの好きでもこの匂いはキツイもんね~」
雪美「あまい……」
優「鼻が人よりずっと利くんだからね。やっぱり寮に置いてきた方がよかったかな」
翼「……ところであれ、どうにかした方がいいのかなっ?」
響「……」ずるずる
雪美「……楽しそう」
翼「……雪美ちゃんは可愛いねっ!」
―――
里美「ほわぁ~……甘いいい匂いがしますぅ~」 ふらふら
未来「だからそっちは事務所の方向です! 何回目ですか!?」 ぐいっ
あずさ「そうよ~、今日の現場は……確かこっち……」 ふらふら
未来「違います! そっちは逆……あぁ里美さんだからチョコの匂いに誘われないで!」 ぐいぐい
里美「あまぁ~い」
未来「どこで買ったんですかそのクレープ!」
あずさ「あら、美味しいわね」
未来「こっちも!?」
里美「あちこちから甘い匂いがします~」 ふらふら
あずさ「あら、あれはなにかしら~」
未来(春日未来14歳! この二人を無事に現場まで連れていける気がしません!)
里美「ほわぁ……ほっとちょこれーと、おいしいです~」
あずさ「ほら~、二人ともこっちよ~」
未来「……誰か助けて」
―――
まゆ「うふ、うふふふ……」
春香「どうしたのまゆちゃん、機嫌よさそ……うじゃないね。声だけで顔が怖いよまゆちゃんどしたの?」
まゆ「あら、春香さんおはようございます」
春香「あぁ、うん。おはよう。……で、なにしてるの?」
まゆ「チョコの仕分けですよぉ。一杯あって……ホントにイッパイあって……」
春香「……えっと、一杯あるのはいいことじゃないかな? 私より多いんじゃない? そのチョコの山」
まゆ「うふふ……これ、まゆ宛のじゃないんですよぉ?」
春香「え? そうなの? ……じゃあ誰の」
まゆ「Pさん宛、です」
春香「えっ、嘘だよ。去年まではほとんど……」
まゆ「毎年まゆのファンだって言う局員さんに頼んで局留めにしてもらってたんですけどぉ……」
『今年はちょっと多すぎてこっちで預かりきれませんごめんなさい』
まゆ「って言われちゃったのでぇ……」
春香「へ、へぇ……。ちなみにいくつあるの?」
まゆ「1769個、だそうですよぉ。身の程知らずが多いですねぇ……」
春香(……言い方が)
まゆ「仕方が無いのでまゆのを安全確認してくれてるPさんにお返しとしてまゆがPさんのを検品してるんです」
春香「そっかー、まゆちゃんはえらいなー」
まゆ「……で」
春香「ん?」
まゆ「……1770個目をお持ちですか?」
春香「……ううん? ないよ?」
まゆ「……」
春香「……」
まゆ「……ですよねー。この環境下に長時間身を置いてるPさんに
わざわざチョコを渡す人は事務所内には居ませんよねぇ?」
春香「そうそう。あげるなら日を置いてか、あえて塩気のあるものかなって思っ……て」
まゆ「……」じー
春香「……」
まゆ「やっぱり……あるんですねぇ」
春香「……うん。チョコではないけど1770個目」
まゆ「……うふっ」
春香「っ」びくっ
まゆ「……じゃあこっちの箱にどうぞぉ」
春香「箱?」
まゆ「誰かが抜け駆けとか、お仕事の関係とかで直接だったり間接だったりするのはアレなので。
アイドルからはまとめてPさんの机近辺に置いておきますからぁ。
……あ、ちゃんとまゆのも同じ扱いですのでご心配なく」
春香「あ、はい」
春香(基本的にはいい子なんだけどなぁ……)
まゆ「うふっ」
春香「っ」びくっ
―――
P「終わった……」
小鳥「ウサちゃんロボに手伝って貰わなければ即死でした」
ちひろ「テッペン超えると思ってたましたけどなんとか22時ですね」
小鳥「しばらくチョコはみたくない。というか包装された小箱がみたくない」
P「いや、本当に……つーか腰いってぇ……」
ちひろ「あと、匂いの所為か頭も痛い」
P「来年も再来年もコレがあるのか……」
小鳥「……そんなこと言ってると鬼が笑うわよ?」
P「この間二人程小鬼を退治したから大丈夫だ」
ちひろ「……そんなあなたに朗報。そちらの壁際をどうぞ」
P「ん? ……おぉうなんだこれは」
小鳥「『プロデューサーへ。アイドル一同より』だ、そうです」
P「……」
ちひろ「ふー! 愛されてるー!」
小鳥「どう? 見たくない?」
P「……いや、これは別腹だろ」
Pの目標。ホワイトデーまでに食べきる。
最近長くなりがちだから短めにしてみました
【懐かれた】
朋花「……」 てくてく
蘭子「……」 てくてく
朋花「…………」 てくてくてく
蘭子「…………嘘を愛してもらいたい」 てくてくてく
朋花「……」 くる
蘭子「?」 にこ
朋花「……」 てくてく
蘭子「……嘘を見抜いて貰いたい」
朋花「……」 くる
蘭子「……信じないで!」
朋花「やめてください」
蘭子「汝が生み出すは天上の魅惑!」
朋花「やーめーてーくーだーさーいー」 ぐいぐい
蘭子「更なる高みへ。次なる調べは我と共に行かん!」 がくがく
莉緒「あれ、なに?」
愛「ひよこみたいですね!」
莉緒「いや……んー、なんで?」
愛「なんか、蘭子さんが『maria trap』に感銘を受けたとかなんとか」
莉緒「あー」
【いくさ】
「うわー! きらりに勝てる奴いんのー?」
「真まで沈むとは……次は誰が行くの?」
「立候補する人ー?」
「いるわけないじゃーん」
「にょわー、誰の挑戦でも受けるにぃ」
凛(……盛り上がってるなぁ)
(扉を開ける音)
凛「お疲れさまでーす」
真「……うぅ、ボクは無力だ……」
有香「もっと精進しないと……」
凛「え、なにこの死屍累々。こわっ」
春香「じゃあよし、次は杏ちゃんが行こう!」
杏「勘弁して! マジで勘弁して!」
凛「……えー。誰か、誰か状況を説明して」
このみ「あ、おはよう凛ちゃん。いつの間に?」
凛「たった今、思いっきりお疲れ様って行って入ってきたんですけど。……盛り上がってますね」
春香「ほら杏ちゃん!」
杏「いやだいやだ! あんな音と反応見せられていけるか!」
春香「でも杏ちゃんはきらりちゃんのパートナーなんだから! いける!」
<いける! やれるよ!
<頑張れ杏ー
杏「無理だって! ……ってかさっきから杏にやらせようとしてる奴はなに? 杏が死ぬところを見たいの?」
幸子「いま、きらりさんにみんなで挑戦してたんですよ」
凛「挑戦? 腕相撲とか?」
このみ「まま、見てればわかるわよ」
杏「本当に! 本当にやめてくださいお願いします春香大先輩!」
春香「……きらりちゃん、ごめんね。杏ちゃん嫌だって」
きらり「……きらり達、パートナーじゃなかったにぃ?」
杏「……パートナーだよ! そんな顔すんなよきらり!」
春香「はい杏ちゃん参戦でーす」
杏「くっそー!」
凛「なにあの小芝居」
このみ「いやぁみんなノリノリよねぇ」
幸子「あ、始まるみたいですよ?」
凛「握手? え、握力勝負って事?」
このみ「惜しいわね」
杏「待って! 最後に1つお願い!」
春香「なぁに?」
杏「なにその優しい声。怖い……じゃなくて、せめて次の挑戦者を指名制にさせて!
杏がやられたら次の挑戦者を杏に決めさせて!」
春香「おっけー。じゃあ始め!」
きらり「にょわー!」
杏「……ふぅ」
きらり「せーんそー!」
杏「せーんーそー」
きらり「軍艦軍艦朝鮮」
凛「あ、勝負ってコレ? 懐かしい」
このみ「うん、最初は私も単にそう思った」
杏「ハワイハワイ軍艦」
凛「最初は?」
幸子「すぐにわかりますよ」
きらり「一本とーって!」
―――
杏「ぉぉぅ……」
凛「……これ、私の知ってる遊びと違う」
このみ「でしょ?」
幸子「見事なワンショットキルでしたね」
春香「きらりちゃんの勝ちー」
きらり「にょわー! 次の挑戦者を待つにぃ!」
春香「じゃあ杏ちゃん、次は誰にやらせる?」
杏「……こ、このみさんで」
凛「あ」
幸子「行ってらっしゃい」
このみ「なんでっ!?」
杏「仲間、ほら仲間だから」
このみ「それ、同類って事でしょ!? 同じ結果になるに決まってるじゃない!」
凛「さっきまでの余裕の観戦ぶりが嘘のよう」
幸子「……これ、ボク達にも回ってこないですよね?」
凛「……逃げよっか」
美希「逃がさないの」
幸子「美希さん!?」
美希「美希の手の甲も大変な目にあったの。逃げるとか許されないの」
凛「そんな馬鹿な……」
きらり「せーんそー!」
このみ「……せーんそーう」
―――
このみ「大丈夫? 私の左手、ちゃんとある? 手首から先なくなってない?」
凛「大丈夫。ちゃんとありますよ」
このみ「よかった……じゃあ、次幸子ちゃんお願いね」
幸子「えっ!? なんでボクなんですか! そこは流れ的に早苗さんとかじゃないんですか!?」
早苗「私もうやったし」
幸子「じゃあ心さんとか! まだ居るじゃないですかそういう近い人!」
このみ「さっき逃げようとしてたから」
凛(私が選ばれなくてよかった……)
春香「じゃ、幸子ちゃんね」
幸子「ちょ、ちょっと待ってください。というか春香さんはやらないんですか!?」
春香「私ももうやったもん。しばらくお菓子作れない身体になったかと思ったよ」
きらり「手加減はしたにぃ」
春香「……うん! というわけで幸子ちゃんも行こう!」
幸子「いや、いやです! ボクはそんなキャラじゃないですから!」
杏「いや、むしろ幸子の領分でしょこういうの」
幸子「そういうのは望んでな――あぁっ! 引っ張らないでください! せめて、せめて心の準備を!」
―――
凛「偉い」
杏「よく頑張った」
このみ「凄い」
春香「幸子ちゃんってなんだかんだ頑張り屋さんだよね」
美希「それがいい結果に繋がるとは限らないけどね」
幸子「……いたぃ……」
春香「まさか三発耐えるとは思って無かったよ」
きらり「二回叩かれちゃったにぃ」
美希「手加減してたの?」
このみ「音的にそれはないと思うわよ」
幸子「痛すぎると気絶できないって話。本当だったんですね」
杏「いくら痛くても手の甲で気絶はできないと思う」
凛「けどきらりに勝てる人居るのかな」
貴音「では、次はわたくしが参りましょう」
のあ「この勝負、なんとしても勝つわ」
杏「で、でた! 事務所でなんでもできそうな人ツートップが!」
凛「か、勝てる! この二人ならきっときらりを!」
―――
のあ「なるほど、これが絶望なのね……」
このみ「なんか今までで一番凄い落としたけど……大丈夫?」
貴音「あぁ、星がこんなにも近く……」
凛「落ち着いてください。ここ室内ですから」
杏「……ダメか。……ってかあの二人運ないなー」
春香「一回も自分側に回ってきてなかったもんね」
美希「結局ジャンケンで勝たないとあいこになっても叩けないの」
貴音「いたい……」
のあ「えぇ、いたいわね」
凛(叩かれた瞬間の顔面白かったなぁ……というかこのままの流れで私はやらないまま済んだり……)
春香「じゃあ次は……まだやってない凛ちゃんかな」
凛「ですよねー」
「ちょっと待った!」
このみ「こ、この声は!」
舞「私にやらせてもらえないかしら」
杏「事務所最強。否、芸能界最強の登場だ!」
凛(よし、うやむやになりそう)
舞「きらりちゃん、私が相手でいいかしら?」
きらり「全然大丈夫だにぃー!」
―――
杏「惜しい人を亡くした」
凛「きらり誰が相手でも容赦ないなー……」
舞「……帰る」
春香「あ、起きた。……だいじょぶですか?」
舞「帰って慰めてもらう。Pに」
春香「ちょっと待って、そんなの許される訳ないじゃないですか」
舞「だって! だって本当に一切の容赦なかったわよ!? いったー! なんなの!?」
杏「まいさん は こんらん している ! ▼」
舞「これが噂のスキルって奴なの!? 最近のアイドル怖い!」
美希「違うの、あれはきらりの素ステなの」
(扉の開く音)
桃子「そろそろ仕事行けってお兄ちゃんが言ってたよー。あと、騒ぎすぎって」
凛「あ、もうそんな時間? ……ってそうだ。桃子先輩」
桃子「え、なに?」
杏(悪い顔してる)
―――
きらり「あー負けちゃったにぃ」
桃子「ふふん、桃子の勝ちー。ってもしかしてみんなこんな遊びではしゃいでたの?」
このみ「あははー……つい熱くなってね」
凛(よし。大人に容赦ないっていうより、むしろ手を抜かないで挑むって
感じなのかなと思って桃子ちゃん先輩をぶつけてみたけど……上手くいってよかった!)
杏「上手くいかなかったら大変な事になってたけどね。
……まぁきらりも子供好きだし流石に合わせるだろうと思ってたけどさ」
春香「いやぁ意外な結果になったね」
桃子「? ……あっ、そんなことより早くお仕事! お遊びはもう終わり!」
このみ「はーい」
春香「そうだね。そろそろ……っと、その前に」
凛「さぁ次の仕事は……」
春香「凛ちゃんってまだしばらく時間に余裕あるよね」がし
凛「え」
春香「一人だけやらないのも、ね? わかるでしょなにを言いたいか」
凛「……あ、やっぱりダメですか」
―――
『あぁぁぁぁぁっ』
P「……あいつらマジで今日うるせぇ」
たぶん茄子さんなら負けなかったと思うの。
>>739
茄子さんの幸運の結果『そもそも現場に遭遇しない』という形に収まりました
>>620
【筒がなく 恙無く】
私(渋谷凛)が最初に違和感を覚えたのは一月の上旬だったと思う。
寮で目が覚めて数秒、ここがどこだかわからなかった。
時折ある『あれ?』っていうレベルじゃない、焦燥感と困惑、そして少しの恐怖。
しばらくして、なにをやってるんだろう私は。
と、ひとり苦笑いと共にあっという間に忘れた。
寝ぼけてた所為だろうなんて適当に結論付けて。
それが、数日続いた。
年末年始を大忙しで駆け抜けて、
その疲れの所為もあるのかもなんて思いながらも。
こうも続くとなにかあるんじゃないかって気持ちも擡げ始める。
一月も下旬になる頃には、寝起きだけじゃなくて
さっきまで平然とそこに居たくせに自分の環境、状況、
周りに居る他のアイドル。様々なものに変な感覚を覚えるようになった。
「あれ……事務所ってこんなに大きかったっけ?」
なんて我ながらなにを言ってるんだというレベルで、だ。
しかも入るときならまだしも(どちらにせよどうかと思うけど)談話室で会話してる時に不意にとか、
つい思ってしまって、みんなに変な目で見られたり。
日に日に、その違和感は大きくなっていった。
なんだろう、なんだろう、なんだろう。
まるで私の身体に別の誰かが入っているかのような、記憶と感覚のズレとも言うなにか。
「デジャヴュと言う事場は知っているか?」
「知ってるよ。それ位、既視感って奴でしょ?」
私が仕事場の場所を咄嗟に思い出せなくなった時、
本格的に私はソレに恐怖して同じ事務所の天才科学者アイドル(改めて表記するとやっぱり変)に
相談をしてみたところ、そんな感じに切り出された。
「うむ。……では、未視感。ジャメヴュという言葉には?」
「……知らない」
「だろうな。こちらはデジャヴュという言葉に対して認知度が低いからな。
まぁ簡単に説明するとデジャヴュの逆。慣れ親しんだ筈のものが未知に感じる、
初めての様に興奮し、戸惑い困惑し対応に窮する。そういう、まさに今の凛が頻繁に覚えている感覚だな」
「ふぅん……じゃあ私のコレって割とよくある事なの?」
「あぁ、現象自体はさして問題視することじゃない。問題は頻度だが、
既視感にせよ未視感にせよ精神的な物だからな、理由がどうとは一概には言えない」
結論。これはジャメヴュなる現象です。しかし理由はわかりません。
との事。でもまぁ、少なくとも脳に異常があるかもとか言われなくてよかった。
とか思いつつ「一応脳波だけとらせてくれ」という晶葉にはいはいと承諾して、その日は終了。
……本当に大丈夫だよね?
―――
その日私(島村卯月)はレッスンをしていました。
NJがメインを張るライブが近々あるんですが、
そこでお披露目する新曲の振り付けがイマイチ私だけできてない気がして
事務所にあるレッスン場で一人自主練に励んでいたんです。
「よっ……ほっ! ……あっ、あわわ!」
右に左にホップステップジャンプ。
この場に居るのは私だけですけど、
凛ちゃんと未央ちゃんが居るのを想像して踊って、……転びました。
「いったー……」
「危なっかしいなぁ……」
「えっ? あっ!?」
お尻を床にどんとぶつけて、顔を顰めていたら
後ろから呆れた様なプロデューサーさんの声。
「い、いつから見てたんですか!?」
「転ぶ寸前。いやぁ、いいタイミングだった」
「むしろ最悪のタイミングですよっ。うわー、もー」
みっともないところを見られて熱くなる顔を両手で覆って隠す。
「ははは。まぁまぁ、頑張ってる卯月にほれ」
穏やかな笑い声と近づいてくる足音。
首に触れる冷たい金属の触感。
「あっ、ありがとうございま……す?」
「おう……ん、どうした?」
差し入れを受け取るためにおろしていた顔を上げて、
缶を受け取って……不思議な感覚が私を包みました。
なんとも言えない、表現のし辛い。不思議な……。
「あれ? プロデューサーさんって、もっと大きくなかったですか?」
>>748
「……いや、俺はずっとこのサイズだったと思うけどな」
ぽかんとしたあと、顎に手を当ててわざとらしく考えてからの言葉。
「生まれてからずっとこのサイズだぞ?」
「プロデューサーさんのご両親ってウルトラマンかなにかですか?」
「あぁ、光には内緒な?」
なんて軽口を叩きながら、すっかりとさっきの違和感が消えている事に気づいて。
なんだったんだろう? って思いながら、でも大して気にも留めずお話を続けていました。
気にも、留めずに。期を、止め損なって。
―――
私(池袋晶葉)はアイドルであると同時に科学者である。
などと言う口火の切り方をするとまるで光の好きな特撮物の様な雰囲気を感じてしまうのは
まぁ致し方ないことかもしれない。
「やっぱりおかしいよ……」
致し方ない。そう、致し方ない事だろう。
科学者であり、自他共に認める天才である私の所に同じアイドルがこうして
自分では解決できない事態に直面した場合に私の所へ相談に来るのも。
「まるで私が私じゃなくなっちゃいそうで……」
それに対しキチンとした答えを返すことができずしょうもない事を
脳内で考え現実逃避紛いの事をしてしまうのも。
「……確かに、先に言ったジャメヴュでは説明ができないな。頻度といい、内容といい」
嘆息。それは何に対する嘆きなのか、その答えもわからない。
わからないが、しかし目の前に座り顔を暗くする年上のアイドルに対し
できるかぎり真摯に向かおうと口を開く。
「ジャメヴュというのは前回も説明した様に、状況や雰囲気等に対して漠然と覚える感覚だ。
だが、凛が感じるそれはもっと明確に特定の人物や場所に対して覚えるのだろう?」
「うん、漠然とおかしいと感じるだけじゃなくてさ。なんていうのかな……、
『違う』って思うんだ。忘れたっていうかさ、別の記憶があって、重なってるような……」
俯きがちに喋る彼女。――渋谷凛は普段の冷静で落ち着いた雰囲気を
一体全体どこに落っことして来たのかというくらいに不安げでそわついている。
小さく、呟く様な言葉をぽつりぽつりと口にする彼女の言葉を
注意深く聞き取りながら原因を探ろうと思うものの、
はやり私の知識をいくら検索しても理由は判然としない。
「記憶が重なる? ……どういう事だ?」
「……ねぇ晶葉。私がどこでどうスカウトされたか知ってる?」
質問に質問で返されてしまった。
これは答えたくない、という訳ではなく前振りという事だろうか?
「伝聞ではあるが、まぁ事務所に来て早々の騒動も込みで一応聞いている」
「うん、騒動の……というか私の第一声については記憶から消して貰うとして」
少しでも場を和らげ様かと思ってちょっと余計な事を言ったら睨まれてしまった。
うむ、まだそれくらいの元気があるようでなによりだ。うん。
「で、晶葉の知ってる経緯を話してみて?」
ため息をついてから改めてそう言われ、
私はふむとわざとらしく思案顔を作ってから先輩方に聞いた話を口にする。
「私の知っている範囲だと、助手……プロデューサーと天海春香の両名が
君の実家である花屋に来店し、談笑の後スカウトされたと言った所だな」
本人のエピソードを目の前でするというのも中々奇妙な気分で。
簡潔に纏めてさっさと終わらせ内容の如何を問おうかと向き直ってみると。
「……どうした? なにか間違いでも?」
眉間に皺を寄せて下唇を噛んだ笑顔を常とするアイドルにあるまじき顔をした凛の姿。
・ ・
「ううん、間違ってない。確かにそれで正しいって思う自分が居る……けど」
「けど?」
「……それとは別の記憶も、あるんだ。道端を歩いてて、突然声をかけられて……これはなんなの?」
別の記憶。本人が経験したスカウトは間違いなく私が口頭でたったいま言った物の筈だ。
ではもう1つの記憶と言うソレはなんなのか。もう1つの、記憶?
「……凛、今一度検査をさせて欲しい。今度は脳波だけじゃなく、別の視点から」
背筋がざわつく。私の灰色脳細胞がもしかしてと1つの可能性を導き出す。
まさかと思う、そんな筈はと。
「なにかわかったの?」
そんなにも深刻な顔をしていたのだろうか。
凛はここまでで一番不安そうな顔で私の顔を覗き込む。
「それを確認するために検査をするんだ」
肩を竦め軽く笑って対応する。
億が一、否、兆が一の可能性が脳裏をじりじりと焦がすものの、
それを気取られてはいけない。もしこの仮説が正しければ、大変な事になる。
……私が同内容の相談を受けているのは凛一人ではないのだから。
「……わかった」
「ちなみに」
「なに?」
「……凛。君のもう1つの記憶に私はいるか? 私が誰だかわからない瞬間はあるか?」
私の質問に対する彼女の答えは、是だった。
(以前のシリアスパートみたいに間に色々挟んだ方がいいのかしら)
挟まれたら忘れるかもしれないけど挟むならしのさんください
>>758
(しのさんのどこになにを挟むんですかねぇ……)
>>759
そりゃナニでしょう
>>760-761
つまりしのさんに千早(72)を挟む? ……いじめじゃないか!
―――
――
私(池袋晶葉)はアイドルであると同時に科学者である。
日々新たな研究に手を出し最新鋭の機械を操り、
新たな発明を作り上げる。
この部屋に敷き詰められた電気で動き
微かに駆動音を鳴らす多くの機械は私の手によって生み出された物で。
当然私が向かい合う目の前の機械も同様だ。
私にとって自らの発明品は時間と手間と試行錯誤、金銭に時には血と汗も混じった
いわば我が子も同然の存在であり、その機能性に一ミリの疑いも持っては居ない。
「……なんてことだ」
けれど、自他共に認める天才である私が始めて思う。
私よ、凡愚であれ。目の前の機械が映し出している結果が偽りであれ。
そう、願わずには居られなかった。
「……最悪だ」
多くの計器が表す数字。針が示す色、グラフ。
全てが最悪の結果を映し出す。
科学者たるもの、結果を厳粛に受け止め対応しなければならない。
わかっている。わかってはいるんだ。あぁ、そんな目で私を見るな。
いいじゃないか、こんな事になっているなど誰が想像できるか。
眼鏡越しに仰ぎ見た天井は、計器の光で輪郭がぼんやりとして、
いまにも落ちてきそうに思えた。
―――
「プロデューサーさん! 凛ちゃんが!」
俺が違和感にはっきり気付いたのは、かなり遅かった。
「うわ、星井美希だ!」と、未央が直前まで話をしていた筈の美希に向かって言った時も、
なんだそりゃ。とは思ったもののまたなにかの冗談かなにかだと思っていた。
本格的に異常に気がついたのは、
凛が顔を顰めて不安そうにしていた時。
そして呼応するかの様に複数人のアイドルが
ともすれば記憶障害とも思えるような発言をするようになってからだった。
「どうした!? なにがあったんだ!?」
「急に高熱をだして倒れて、今レッスン室で、凄い、それに杏ちゃんも!」
曰く、別の人間が『プロデューサー』である気がする。
曰く、先輩アイドルや小鳥が他人に思える。
曰く、自分はデビューして間もない気がする、エトセトラエトセトラ。
個人差はあれど、概ねして発言の内容は上記の様なものだ。
他にはスカウトの記憶が二つある、ここがどこだかわからない。
などといったケースもあり、本格的に原因を探らないといけないと思った矢先。
「なんだって!?」
「いま清良さんが診てくれて、大事はないって事らしいですけど。お仕事は……って」
「……わかった、キャンセルしておく。すぐに顔を見に行く」
「はい」
完全に遅きに失した。悔やんでも悔やみきれない。
兆候はあった、なのにと。
しかし、事態は矢継ぎ早に進んでいく。後悔の念を募らせる間も与えてはくれない。
「……メールか? ……晶葉」
震える携帯電話。スマートフォンが主流になった今も使い続けている
二つ折りの携帯は静かにバイブレーションで所属アイドルの池袋晶葉からの着信を知らせる。
『大事な話がある。地下室に来たれり 池袋晶葉』
メールである以上差出人が誰であるかなど記名せずとも一目瞭然なのだが、
律儀にも本文に自身の名を書いて送られた簡潔な文章。
俺は仕事と体調不良のアイドル達と、このメールとを天秤にかけて。
即座に事務所地下に存在する晶葉の研究所に向かった。
計ったかのようなタイミングで晶葉からの着信で鳴る携帯。
きっと晶葉はその自慢の頭脳でこの状況を解明し、それを知らせようとしているのだろう。
『個性判別循環呼応機構機事件』の時も『3兆円騒動』の時もそうだった。
そしてその内容は、いつだって俺の想像を遙かに超えて最悪なんだ。
―――
「遅い。遅すぎるぞ助手よ。まったく、余りにも遅いから弁明を三度も読み返してしまったよ。
この非常事態にどこで道草を食っていたんだ? いや、言わなくてもいい。
哲学書を私が読むことが意外なんだろう? そうだろうともそうだろうともさ、
しかし私は思うのだ。よく科学者はリアリストだのなんだのと表現され揶揄され比喩されるが、
実のところとてもロマンチストだと思うのだ。でなければ海へ潜ろうと思い、
空を飛びたいと思い、宇宙へ行きたいと思い、実現させようとなど思うまい。
ん、なに? 本題に入れと? まったく君はせっかちだな、現代人の象徴とも言える。
時間に常に急かされ追われている一介の社会人の体現だ。
そう焦る事はない、実のところ哲学というのもこの際僅かながらではあるが
今回の事態に関係してない訳じゃない。環境学、認識論と言った面ではね。
無論少々君に対して嫌味交じりの枕詞として言った言葉であることにも間違いはないのだが……。
さて、では君の望み通り本題に本題に入るであれば先んじて君に問わなくてはならないことがある。
「平行世界」と言う単語は聞いたことがあるだろう? あるいは「パラレルワールド」でもいい。
……よろしい。そうだろう、流石にこの単語を聞いたことのない人間は
情報過多な現代社会に置いて居ないだろう。むしろ避けて通ろうとしても知らずに居れない単語だ。
どこかの書店にふらりと足を運んで適当に十冊の本をピックアップしてみれば、
ほぼ確実にその中に含まれているだろう言葉だと言っても過言ではない。
勿論手に取った本が全て料理のレシピ本だった場合はその限りではないが、
兎角それ位世間的に深く浸透した言葉であるという事が伝わればいい。
では、「六軸移動論」と「一元世界論」「多元世界論」についてはどの程度知識があるかな助手君。
む? なんだその顔は。いけない、いけないなぁ。この池袋晶葉の助手ならもう少し勤勉であるべきだよ。
仕方ない、ならばそこの説明から入るとしよう。
「六軸移動とは、つまり言い換えれば六次元間での移動だ。
我々人類は一般的に三次元上の存在であると言われている。
高さ・幅・奥行き。この三つからなるのが三次元。――という訳ではなく、
三つの次元的概念が重なって居るのが三次元――という訳でもないが。
まぁその辺は割愛しよう。とにかく我々の存在は三次元である、
その構成は高さ・幅・奥行きであるということだけ理解してくれ。
そして、そこに時間を加えて四次元。可能性を重ねて五次元。
さらにエーテルを足して六次元。ん? エーテルとはなにか、か。
そうだな勿論それはRPGにおけるマジックポイント回復アイテムではなく、
有機化合物R-O-R´でもなく、天体を構成する第五元素でもない。
所謂エーテル体。言い換えれば精神体、魂とでも呼ぶべきものかな。
私は当初、今回の原因をそこにあると見た。
他所からの六軸的干渉。つまり魂への干渉だ。
現実に存在する人間の肉体は繰り返すが三次元上にある、
が、だからと言って人間を構成する、人間のフィールドが三次元であって
それが全てと言う訳ではない。認識できず、感知できないだけで
時間・可能性・エーテル。そして未発見のそれ以上の次元軸に対しても干渉、存在している。
そこに対して他所からのアクセスがあった場合どうなると思う?
……そこで即答はいけない。考えて見せろ助手、その答えの正誤は問題ではない。
いやはやまったく、わかったわかった。いいだろう簡単に言ってしまうと、
コンピューターのハッキングと同様だ。データを食い荒らされ、操作をされれば
箱こそ変わりないが中身のデータに問題が生じる。
意図的にしろあるいは偶発的にしろ、なんらかの原因で事務所所属のアイドルに
六軸的干渉があれば今回のような形で影響がでてもおかしくはない。
と、思っていた。現に今回の被害者……という表現を用いてはてさて正しいのかどうかは置いといて、
数名のアイドルを検査した結果確かに彼女達のエーテル体に異変があった。
だから私は中々気付かなかったのだ、それが間違いであることに。
「さて、ここでようやく次の説明に入ろう、『一元世界論』と『多元世界論』だ。
これは今回の事件にとても大きく関わってくる。というより、もはやそのものといってもいい。
まず『多元世界論』だが、これは簡単だ。名称こそ知られずとも、
概要は誰でも説明すればわかる。君は先ほど『パラレルワールド』『平行世界』という単語を聞いて
どういったものを浮かべた? 恐らく僅かに違う可能性、違う選択をした
この世界に似通った別の世界。「もしも」「あぁしてれば」「こうだったなら」、
鼠算の様に増え続ける数多あるフローチャートの如く並ぶ似通った世界。
そういうものを脳裏に描いただろう? そう、それが実在するのが『多元世界論』だ。
同じ過去から派生する現在。同じ現在から派生する未来。
どこかに私が科学者でない世界がある、という考え方だな。
過去に向かうことはできるが未来に行くことはできない、
仮にできてもそれは一つの可能性であって確定ではない。
対して『一元世界論』というのは世界は過去から未来に続くたった一つ、
唯一無二の筒の様なものだという考え方が『一元世界論』だ。
常に上書きされ、選ばれなかった選択。起きなかった可能性は完全に掻き消える。
いわばVHSのようなものだ。仮に過去に戻り別の選択をした場合、全て上書きされ
元のデータは完全に消え、閲覧することは不可能になる。そして未来に行くことも可能だな。
さて、大事なのはここからだ。
この『一元世界論』にも『平行世界』と言うものは存在する。
例えばゲームの様な、魔法があり剣で戦い竜が空を舞いケンタウロスが地を駆ける世界。
これは『多元世界論』での『平行世界』では存在し得ないだろう?
どのようにこの世界で選択を変えても、行動を変えても、その様な世界になど分岐しようがない。
けれどそういった世界は存在する。一般的には『異世界』などと呼ばれることの方が多いだろうが、
これも間違いなく『平行世界』なんだ。
「『多元世界』が根本を同じくする僅かな差異の集合体なら、
『一元世界』は根本が異なる世界の流れの個体なんだ。
さぁさぁお立会い。では君はその一元世界、本来根本が全く異なる
その多くの『異世界』の中に、とても似た世界があったらどうなると思う?
まったく別の可能性のレベルではない違いがありつつも、
しかし数多くの共通点もあったらどうなると思う?
……具体的には、『一元的並行世界』に同一人物が存在していたら?
同姓同名どころの話じゃない。姿かたちも、遺伝子レベルで同じ人間が
偶然にも奇跡が如く『一元的並行世界』に存在していたら。
――そう、それが渋谷凛であり本田未央であり島村卯月であり
双葉杏であり諸星きらりであり高垣楓であり前川みくであり
赤木みりあでありアナスタシアであり緒方智絵里であり
城ヶ崎莉嘉であり城ヶ崎美嘉であり新田美波であり
三村かな子であり佐久間まゆであり川島瑞樹であり
十時愛梨であり小日向美穂であり日野茜であり
輿水幸子であり安部菜々であり白坂小梅であり
小早川紗枝であり佐々木千枝であり上条春菜であり
堀裕子であり及川雫であり片桐早苗であり大和亜季であり
高森藍子であり千川ちひろである訳だ。
ありえない。あぁその通りだ、ありえない。
天文学的数字を天文学的数字で乗した数字分の一と言ってもまだ足りない。
が、しかしそれでもそうとしか考えられず、そうであれば説明がつくんだ。
結論を言おう、この世界とこの世界に近い『異世界』は統合されようとしている。
それは世界の並ぶ高次元の世界による超自然的現象なのか、
あるいは神とも呼べる何者かの自由意志なのかは定かではない。
けれど、我々が居る世界とその世界はいま1つになろうとしている。
彼女達の異変、つまり複数の記憶が混在している状況はその前兆に過ぎないんだ。
向こうの世界とこちらの世界が彼女達を中心に合併しようとしていて、
今彼女達の中にこちらの記憶と向こうの記憶が同時に流れている。
それが今回の騒動の原因であり、そしていまだ仮定なのだ。
「いわばいまの状態は二つの円を重ねたベン図の様な物だ。
その重なりあう共通部分に渋谷凛達が居ると思えば概ね正しい。
このまま順調に行けば……そうだな世界が情報の流れるパイプ、
筒と表現される事を加味して少し言葉遊び風に言うなら恙無くだな。
恙無く進めば世界の筒が一つ無くなる。
勿論私達の世界も向こうの彼女達の世界も消えてなくなるだろう、
二つの世界がくっ付いても筒の中を流れる情報量の制約は二倍にはならない。
二つのコップに入った赤い液体と青い液体を同容量のコップに同時に流し込むように、
私達の世界から50、向こうの世界から50。情報が排他され、
あたかも最初からそうであったかのように全く別の紫色の液体が流れる筒ができあがるという寸法だ。
その際、恐らくは現時点で未だ影響にない君の様な、こちらにしか存在しない存在、
向こうにしか存在しない存在がかき消される事になるのだろう。
あぁ、わかっている。その通りだ、原因がわかっても対処法がわからなければ意味がない。
どうすればいいかなど私だってこの答えが見えたと同時に考えたさ。
……が、どうすればいいのかはわかっても具体案をイマイチだせない私をどうか許してくれ。
この対処法は極めて簡単で、そして同時に難題だ。
例えば、もっともわかりやすいのは殺すことだ。
今回こちらの世界とむこうの世界の接点でありきっかけとなり、影響を受けている人間を皆殺しにすれば
恐らく世界の統合は収まるだろう。あるいは核爆弾でも落とすか。
……そんな怖い顔をしないでくれ、これは極端な一例であって
無論実現不可能であることはわかっている。だが、これ位事は単純で、そして不可能であるが故に
君の求める『どうすればいいか』という質問に具体案を出せないと言っているんだ。
「とにかく、私が言える現時点でのこの現象に対する抵抗方法は端的に一つ。
『パラダイムシフト』だ。『歴史的転換』を起こす他ない、この世界と向こうの世界を
決定的に別の物にして『一元世界上に現れたイレギュラー世界』というステートを捨て去るんだ。
……さて、ここまでで何か質問は?
おや、気付いていたのか。なるほど『私』はいい助手を持っている。
その通りだ、私は君の知っている池袋晶葉じゃない。
いや、更に正鵠を得ようとするならば君の知っている池袋晶葉であることに間違いはないが、
しかし同時に君の知らない池袋晶葉でもある。と言ったところか、まるでトートロジーだな。
さっきの説明を引き合いに出して言わせてもらうと、第三のコップに注がれた液体は未だ少量で、
どちらのコップからもまだ溢れたりはしていない。
ただ、同時ではあるがどちらかが色濃く出るタイミングがある。
それが今、君にとっての向こうの世界が色濃く出ている状態なんだ。
今まで君に説明していた内容はこのコンピューターに『こちらの私』が文章として
まとめてあったのをそのまま君に伝えただけだ。
――しかし、驚いた。この設備、発明品。皆々素晴らしい、
よほどこの世界の私はアイドルという物からいい体験、いい経験をしたらしい。
……あるいは、君のおかげか。……っと、話が逸れたな。
なんにせよ、どちらにせよ。『私』にとってもこのまま事態が進行するのは最悪だ。
そろそろ時間もない。影響が遅れてきたようだが、しかし私もまた共通項に存在する人間であったようだしな、
他のアイドルがそうであるように私もいつ倒れるかわからない。
一つの身体に世界二つ分の情報が流れればそりゃオーバーヒートもする。
恐らく、早い段階で兆候が見えていた子達は既に熱を出して倒れているのではないかな?
……はやりか、うん。だろうと思ったよ。
さて、伝えるべき事は伝えた。この後君が取る行動のサポートをしてやれないのは残念だが。
『私』からも頼むこの事態の収束を、可能な限り行ってくれ。
少なくともこっちの『私』は君ならばやりおおせると信頼している様だ。
全く羨ましい、『私』の世界に君が居ないのが残念だ。
まぁいいさ、言っても仕様のないことだ。
繰り返すぞ、今回のコレは神の地均しだ。偶然できたこの重なりを均そうとする神の足を、吹き飛ばしてやれ」
今日はここまで目が疲れた
年末辺りにサボりすぎたからね、ちかたないね
できるだけ最初の頃の毎日更新を取り戻そうと頑張ってます
ただ量が少ないのが申し訳なくて、仕事が忙しいんですよ
―――
「……考えろ考えろ考えろ」
晶葉の研究所からでてきた俺は一人会議室に篭って
脳を過去に無いほどに回転させ思考の海に沈む。
『歴史的転換』を起こせと晶葉は言った。
どうやって、どんな風に。俺にできることは?
どう動けば決定的に世界を違える事になるのかがわからない。
俺には向こうの世界を観測する手段がないのだから。
「……いや、まて」
そうだ、俺自身が向こうの世界を観測することはできないが。
過去の発言を思い出してみろ、なにかヒントがあるはず。
……まず、向こうの世界に俺は居ない。
少なくとも凛達の周囲には居ない、プロデューサーとして活動していない。
そして未央の美希に対する発言、あれが向こうの未央の発言だとするなら。
未央は美希を見たことがなかった? ……つまりマスターズプロダクションも存在しない、のか?
だが、美希自体は知っている。ということは765プロのまま存在するのか?
じゃあ876は? 961プロはどうなってる? 凛達が所属してるプロダクションは一体どこだ?
「くそ、情報が足りない……」
花粉酷くないすか?
鼻も目もやられて肉体稼働率が著しく下がってる希ガス
ありが豚
早速買ってきたわ
>>788
背中に時限爆弾を背負ってる気分だ。
しかもそれは世界巻き込むレベルの爆弾で、
いつその瞬間が来るかもわからない。
ただただ焦燥感だけがチリチリと肌を焦がす。
ガタン。と音がした。
発生源に目を向けると会議室の入り口、
鍵をかける事も忘れた扉の隙間から不安そうな目が見つめていた。
――落ちつけ、落ち着け。俺がみんなを不安がらせてどうする。
「……どうした?」
「いま、大丈夫ですか?」
扉を開いて入ってきたのは二人。
安斎都と今井加奈。おずおずと部屋に入ってくる。
「えっと……現状を打開する方法を探ってみようかと
色々皆さんから聞き込みをしてみまして……特に様子のおかしかった方達から。
それで重要そうな事とかをとりあえず――」
「私が要約して箇条書きにまとめてメモして置きました!」
こんなことしかできないですけど、と。
差し出されたメモ帳には細かい丁寧な字がびっしりと書き込まれている。
・346プロダクション。 →ほぼ全員の口から 事務所を認識できない時などに発言
・プロデューサー
・別人を見てる可能性 大柄? 無口?
・先輩方を他人と認識してる可能性大
・765プロ 876プロ 961プロの単語が出てくる場合も有り
・315プロ 東郷寺プロなどは確認できず → 同様に玲音さん、舞さんも確認できず
・日付はキチンと認識してる
・異常が見られたアイドル同士はお互いをキチンと認識してる模様
「……これは。なるほど、ははっ。こんなことなんてとんでもない!
二人とも助かった! おかげで見えてきた!」
「ひゃぁ!?」
「きゃあ!?」
一通り目を通して思わず二人を抱きしめた。
立場がなければ頬にキスしてやってもいいくらいだ。
これだけわかれば、これさえわかれば十分だ。
「二人に頼みがある。いま無事なアイドル、全員を集めてくれ。
これから緊急ミーティングだ」
デレアニのジュピターって315仕様じゃなかったっけ……?
「は、はい!」
どたどたとでていく二人。
「……さて、みんなが集まるまでの間に」
胸ポケットから取り出したるは携帯電話。
前述の通りさして説明する必要のない極普通の携帯だが、
中身は違う。俺がこの業界で培ってきた数多くの人脈への直通電話だ。
「……頼む、みんな誰一人欠ける事無くでてくれよ」
握って少し意気込む。
向こうの世界のプロデューサーには決して真似できない、
いや向こうだろうがこっちだろうが俺にしか、俺にしか集められない人が居る。
「顔の広さだったらサラリーマン金太郎にだって負けやしねぇ!」
>>797
まーじでー
……知るかー!
―――
『もしもーし、菊池真! ただいまニューヨークの地に降り立ちましたよー!』
『四条貴音です。ただいまモスクワに着きました、アナスタシア嬢の先導の元目的地に向かっております』
『秋月涼です! いまブラジリアに……ちょっとあずささん、勝手に……えっと、とりあえず着きました!』
『真美だよ~ん、今北京にとうちゃーく! 今から真美達のソウルを響かせて……え? ソウルは不味い? なんで?』
次々と報告が上がってくるここは東京、
我らがマスターズプロダクション所有の劇場ドームの裏だ。
「曲セット合わせ早く! 照明と音響の演出もあわせてチェック!」
「モニターチェック! 大丈夫? 繋がってる? タイムラグ考えろよ!」
数多くの人の怒号がまるで雑踏の様に。
「プロデューサーさん! 伊織達がニューデリーについたそうですよ!」
「あとブエノスアイレス組とウィーン組も到着連絡きました!」
「カイロの雪歩さんチームも到着です。パリは……あと15分位だそうです!!!」
「わかった。……そろそろだな、お前らも準備に入れ! あと愛うるせぇ!」
―――
頭がぼーっとしてる。ここはどこだろう。
見たことあるような、ないような。
不思議な感覚のまま天上を見上げる私。
「……渋谷さん、目が覚めましたか?」
低く男前な声がして、咄嗟に起き上がろうとして
身体が動かず断念。しかたなく顔だけをそちらに向ける。
「……えっと、プロデューサー。だよね?」
「はい」
眉に皺寄せて見下ろされてる。
けど、心配されてるんだなぁというのがなんとなく伝わってくる。
「えぇっと……なんだっけ、四階のレッスン室で、倒れたんだっけ……?」
「? いえ、送迎中ですが」
「あれ? そうだっけ……?」
頭がふらつく。まだ万全とは言えない、かな。
「身体の方は異常ないと言っていました」
「ん? あぁ、清良さんか」
「はい?」
「え? ……あれ、清良、さん?」
あれ? 今口からでたのって……誰?
いや、いやいやいや。誰ってそりゃ、プロデューサーがスカウトしてきて
ナースからアイドルになったという過程においても対愛海においても
早苗さんなみの……。
「ん? んんん?」
「大丈夫ですか渋谷さん。やはり一度キチンと……」
「いや、大丈夫大丈夫」
整理ができてきた。できてきた。
そっか、もしかしてここは。というかこっちは……私のもう一つの記憶が正しい世界?
―――
オーストラリア。ウィーン。
日本で有名なのは少年合唱団とかかな?
「んー、ここがウィーン国立歌劇場かー。まさかこんな所でいきなりステージする事になるとは思わなかったさー」
世界で最も有名な劇場とも言われるウィーン国立歌劇場。
自分達はいま日本を含めて13カ国同時ステージという
なんかもう馬鹿げてるとしか言いようのない事の為の準備を進めている。
舞台の方はてんやわんやで、ここまで喧騒が届いてくる。
――薄く白い手袋を肘までつける。
「思ってたより暖かくないんだね。南だからもっと暖かいと思ってた」
そう言ったのは芽衣子で「オーストラリアの気候は割りと日本に近いみたいですよ。冬は雪が降って
夏は最高気温30度を超える時もあるそうです」とこんな時でもタブレットを手放さないありすが続く。
――普段履かないヒールの靴を履いて、つま先で床を鳴らす。
「今日はみんなと一緒だから、そんなに露出度が高くないみたい……」
「あ、風花さんはこっちの衣装?」
「え、えぇぇぇっ! こんな時でも!?」
「がんばって?」
――ピンマイクを通して、マイクチェック。ワントゥー・ワントゥー
「30分後に開幕みたいだぞ。みんな準備はいいか!?」
プロデューサーの代わりに自分が声をかける。
一瞬でみんなの顔つきが変わる。スイッチが入る。
自分たちはこれから、世界を変えるステージを始める。
「神様がもし居るんなら、神様だって魅了する。いくぞっ!」
全員の掛け声が、重なる。
―――
こっちの世界? 向こうの世界?
あれ、おかしいな、なにを言ってるんだ私は。
そりゃプロデューサーだって病院に行くかと明に暗に言ってくる。
「他のみんなは?」
「本田さん、島村さんを始め皆さんも今は横になってます。
一度に運べる人数でもないので、お医者さんに来ていただいて」
なるほど、さっきの医者ってのはそういう事か。
見渡せば確かにソファなりベッドなり適当にみんな転がっている。
杏に至ってはきらりの上で寝てる。なんか親亀こけたら皆こけた、って感じ。
「……あれ?」
ふと、辺りを見渡す。
自分とプロデューサー以外誰も起きていない。
「いま呼んだ?」
「? ……いえ」
「あれ?」
また、なにか聞こえた。
「呼んでる」
と、誰かの声。私じゃない。
私も言おうとしたけど、私じゃない。
呟いたのは……未央?
「誰かが呼んでる」
また、誰かの声。今度は卯月?
そしてぽつりぽつりと、みんなが呟く。
私も、口にする。
「……行かなきゃ」
―――
『一人ではできない事』
歓声が、洪水のみたい。
――もっと盛り上がれ。
『仲間とならできること』
汗がフェイスラインに沿って流れて、雫になって落ちる。
――もっともっと盛り上がれ!
『乗り越えられるのは Unity is strength』
腕を挙げる、足をあげる。声を張り上げる。
――もっと私達に注目して!
『空見上げ 手を繋ごう』
私達にできること、それは。
――もっともっと私達に夢中になれ!
『この空は輝いてる 世界中の手をとり』
最後まで、アイドルで居ること。
――私達の世界よ。一つになれ!
『The world is all one! The world is all one! unitymind.』
―――
「おはよう凛ちゃん。私が誰かわかる?」
目を瞑って、意識が遠のくと同時に
目を開いて、覚醒した。
私を覗き込む顔も、変わっていて。
「……春香さん」
私はそうスムーズに答えることができた。
「はい正解。もー、遅いよ。私も愛ちゃんも未来ちゃんも待ちくたびれたよ」
起き上がる。驚く程簡単に起きれた。
部屋の入り口には愛ちゃん先輩と未来。
部屋の中には同じく起き上がった皆。
「みーんな世界中で暴れてるのに、私達三人だけ凛ちゃん達が起きるの待ちだったんだから。
……大丈夫? 状況飲み込めてる?」
「……よくわからないですけど。……とりあえず今は、とにかく歌って踊りたいです」
春香さんは、満面の笑顔で私の手を引いた。
卯月「あの、私は……?」
>>808
卯月は一緒に倒れてる組だからね、
凛ちゃんを主人公ぽく書いちゃったからね
以上二つの理由であまり出番ないね ちかたないね
―――
「よっ、みんな大丈夫なのか?」
速攻で着替えて、走った。
劇場の舞台袖に息を切らしてつくとプロデューサーが笑って迎えてくれた。
――私の、『私』の知ってるプロデューサーが。
「あいつらが場を暖めておいてくれたぞ、行って来い」
「あいつら?」
「……あぁ、俺の頼みを聞いて駆けつけてくれた気のいい連中が」
ステージを見る。立っている人たちを見る。
ジュピター。玲音さん。夢子ちゃん。東郷寺麗華さん。
普段ライバルとしてぶつかる人たちが、
よりにもよってウチの劇場で、踊ってる。
笑顔で、手をとって、ここに私達が来るのを待っていた。
「ほら、行って来い。見せて来い、お前達にしかできない、お前達だけの最高のステージをファンと
この世界と向こうの世界を一緒くたに考える馬鹿な神様に」
「うん。……行ってきます」
―――
Thank you for...
つくろう 数えきれないステージ
この場所から
手を振って、袖から飛び出す。
ステージに立ってた彼らも、急な呼びかけに集まってくれた観客もこっちを向く。
Morning!
ぱっと飛び起きて「おはよう」
ほら見て ステキな出会いの予感の青い空
ここ数日まともにレッスンもしてなかった身体は、
けれど嘘の様に軽くて、手も足も、全身が羽根みたい。
Calling!
メッセージ メンバーから「頑張ろう!」
ドキわく 鳴り出す はじまりのベル
そして客席の裏、大きなモニターが幾つも光ってる。
みんなでつくったの 遅くまで残って
手作りの「ぶどーかん」 看板は虹色
呼ぶよ みんなを さあ おいでよ Let's sing together!
そこには、この場に居ない私の知ってる沢山のアイドル達の姿が映ってる。
Thank you for... ようこそ 私たちのステージ
この情熱 とめられない! コール 響け
小さくても 愛と工夫でジョーデキ! 汗が弾け 笑顔咲かそう
きらめく出会いをありがとう
輝いてる。みんな輝いてるよ。私も、私達も、輝いてる?
Growing! きっと 叶えたい この夢
今日は ちょっと近づいた 小さなキセキの日曜日
初めてこの劇場に入ったとき、なんて大きいんだろうって思ったよ。
Showing! もっと「らしさ」をアピール
衣装 いいっしょ? お揃いでも個性バッチリ
でも、いまはこんなにも狭く感じる。不思議。
舞台の裏側で 熱気を感じたら
マイクを握りしめ 目と目で合図した
名前 呼ばれ 今 飛び出す Dance with delight!
感じる。モニターなんてなくても、みんな一緒になってる。心が繋がってるよ。
Thank you for... つくろう 忘れられないステージ
この衝動 とめられない! クラップ 鳴らせ
ねぇ。
後ろまでも ちゃんと見えているからね こぶし上げて 声を張って
ときめく舞台をありがとう
ねぇ、神様見てる?
大好きだ 忘れない いつまでも この瞬間 この胸の アルバムに残そう
歌おう 踊ろう はしゃごう もっと ずっと!
向こうの私見てる? その道を進んでいればこんなに景色が見れるんだよ?
胸の奥に響く みんなの呼ぶ声に
もう一度 飛び出そう All right! Let's sing together!
私が、私達が歩んできた道。
Thank you for... 届け ありったけのステージ
この感動 とめられない! ジャンプ 高く
貴女が、貴女達がこれから歩む道。
虹色の光が つないでくれた 涙ふいて 笑顔咲かそう
輝く時間をありがとう
お願い神様、私達の歩んできた道を無かったことにしないで。
Thank you for my dears!
お願い神様、『私』達がこれから歩む道を奪わないで。
汗が弾け 笑顔咲かそう
きらめく出会いを……
『せーのっ!』
――お願いします。
『ありがとう!』
―――
「いやぁ、たまげたぜ。いきなりおっさんに呼ばれたと思ったら何も聞かず
早急にあのへっぽこの所に行って来いだもんな」
「あはは、でも冬馬君ってばなんだかんだいの一番に向かって『なんかあったのかっ!?』って優しいよねぇ」
「うっせぇぞ翔太! あいつには色々借りがあるからな……」
「ふふっ、しかし実際アタシもこんなメンバーでステージに立つとは思って無かったよ。
彼の顔の広さというか、彼の人望というかを見せられた。ね、東郷寺さん」
「はぁ? アタシはジュピターや玲音と違ってビジネスで来ただけ。あんな奴しらねっつの」
「よく言うわよ。事務所前でタクシーから降りてる時はそんな風には見えなかったけど」
「あん? 適当な事言ってんなよ夢子。潰すぞ」
「そういうのやめたんじゃなかったの?」
ステージが終わり、幕が降りた。
控え室には普段の仕事ならまず見ることはない面々が一様に顔を合わせて談笑をしている。
「……くく、助手よ。君はやはり面白い」
段々と険悪になっているのか、はたまた喧嘩するほどなのか。
仲裁に入るか否か悩んでいるとスポーツドリンクを片手に晶葉が笑いながらよって来た。
「まさかこんな手段を取るとはね、いや、逆に君らしいのか。
世界が一つにまとめられない為の手段に世界を一つにまとめようとは、ね」
夢子と麗華が額を突き合わせにらみ合ってるのを横目に俺は笑って返す。
「核よりもでかい、俺に用意できる最大の爆弾だ。大成功だったろ?」
あれ、本当だ。ラが入ってた
―――
目が覚めた。……うん、私はこの短時間で何度この表現を使ったんだろう?
そろそろこの入り方は飽きたとか言われそうだけど、
ま、これが多分最後だから許してよ。
「……おはよ」
見ればどうやら私が最後だったみたい。
さっきまで寝転んでいたみんなもとっくに三々五々起き上がって、
好き勝手なことをしてる。ううん、よく聞いてみればみんな同じだった。
同じ、あのステージの事を話してる。
「おはようしぶりん」
「凛ちゃん、おはよう」
「おはよう。未央、卯月」
寝たり起きたりを繰り返してるからか、二人とも髪がぼさぼさ。
多分私も似たようなものだろう。鏡を見るのが怖いけど、
いまは二人の姿をみてくすりと笑みがこぼれる。
「あっ!? 笑ったなー! しぶりんだって大爆発の癖に!」
「やっぱり? あはは、参っちゃうね」
けらけらと三人して笑っていると、
神妙な面持ちでプロデューサーがやってくる。
「やっほ、プロデューサー。どしたの? 浮かない顔して」
「いえ……」
そっか、プロデューサーだけが何が起きたのかわかってないのか。
「心配しないでいいよプロデューサー」
「うんうん! 私達みーんな、夢を見てただけだからさ!」
「はい、みんなで同じ夢を見てただけです」
「夢……ですか?」
示し合わせたかのように、三人で返すとプロデューサーは不思議そうな顔をする。
そんな顔もできるんだ、なんて。
「待っててね、いつか必ず。あれ以上のステージを魅せてあげるから」
とかなんとか、ミスを重ねながら長い時間をかけて尻つぼみに終わり
本当はもっと色々脳内にはあったんだけど俺に画力があればと思わずにはいられない
絵に、絵にできればもっと伝えられるのに……
ま、そんな感じで構想30分実作業時間数日の長編が終わったのでまた普通に台本に戻るよー
今月中にこのスレを終わらせようという俺の目標は達成できそうにないけどな!
【あれから】
泉「あれから今日で何日?」
翼「ん? えっと、主語がないから何のことだかわっかんない」
泉「えっと、ひいふう……十日ちょいかな」
翼「あ、勝手に完結された……十日? ……あー……あーあー」
泉「わかった?」
翼「うん、あれでしょ? バレンタインデーからって事でしょ?」
泉「そうそう。で、あれから十日、正確には当日含め十三日間だね」 ピピッ
翼「プロデューサーさんの身体の話でしょ?」
泉「うん、……ところでさ。あずささんってさ、魅力的だと思わない?」ピピッ
翼「え、なにそのものすごいハンドリング。……ん~、まぁ魅力的だと思うよ? 優しくて落ち着いてて素敵だよね」
泉「ふむふむ」 ピー
翼「……ねぇ、さっきから鳴ってるその電子音なに? 気のせいかと思ったけど……なんかやってる?」
泉「うん。さっきの翼の台詞を録音して弄ったのがこれです」
『プロデューサーさんの身体、魅力的だと思う。素敵だよね』
翼「えっ!? な、なにやってんの!?」
泉「悪戯?」
翼「首傾げる仕草可愛い~……じゃ、なくて! 消して消して! あんぽんたん!」
泉「あははは……で、話を戻すけど」
翼「戻す前に消してよ~」
泉「うんうん、消す消す。で、プロデューサーがあの日から若干、ね? 誰とは言わないけど
ウチ所属のご飯食べさせるの大好き系アイドル好みになってるかなぁと思って」
翼「まぁね~、プロデューサーさんホワイトデーまでに食べきるって言ってたしね」
泉「しかもここぞとばかりに栄養バランスは良いけど量のバランスが狂った料理を美奈子が食べさせまくってるし」
翼「プロデューサーさんも『甘い物ばかり毎日食べてるからこういうのは嬉しいなぁ』とか言ってるよね」
泉「多分朝と夜は主に家でおそらくチョコを処理してるから、まともな食事が嬉しいのはわかるけど。
チョコのカロリーって凄いからね。朝だけでも夜だけでも、そして美奈子の食事だけでも
成人男性一日分のカロリーに十分達してると思うんだ」
翼「つまり今のプロデューサーさんは毎日必要カロリーの三倍?」
泉「……」
翼「……」
泉「……死ぬ?」
翼「うわっ! そ、そんなのダメだよ~!」
泉「と、とりあえずプロデューサーの所に行って直接話を!」
翼「うん!」
―――
やよい「ちゃんと自分の身体を考えた食生活をしましょー! めっ! ……美奈子さんもですよ!」
P「……はいごめんなさいお姉ちゃん」
美奈子「ごめんなさいやよいお姉ちゃん」
翼「……お姉ちゃんが全部やってくれたよ!」
泉「……あれー?」
【偽りなし】
美希「……ん~」
まゆ「?」
美希「ん? ……ん~……あぁ」
まゆ「なにしてるんですかぁ?」
美希「勉強なの」
まゆ「受験ですか?」
美希「違うの、ほら」
まゆ「……中学二年生、数学」
美希「未来に勉強を教えてほしいって言われたの。でも、教えるには倍理解してないといけないって言うから一から勉強」
まゆ「わざわざそんな事まで……?」
美希「ん、美希を頼ってきたって事は。美希ならできると思って頼んできてる筈なの、
ダンスの件もそうだけど。美希は後輩に聞かれて『わからない』とか絶対に言いたくないの」
まゆ「……」
美希「まゆみたいに最初は妥協とか、仕方なく聞いただけかも知れないけど。
美希はできる限り自分に誇れる先輩であろうと思うの」
まゆ「素敵ですね。まゆもお手伝いします」
美希「ありがと。でも、内容的には解くだけなら問題ない範囲だから大丈夫なの」
まゆ「じゃあお茶でも淹れてきますねぇ」
美希「ん」
―――
未来「……えっと、模擬試験できました」
美希「はい、じゃあ採点するの」
未来「はい!」
美希「……」
未来「……」
美希「……まゆ」
まゆ「?」
美希「美希にもできない事はあったの、でも……頼れる先輩であろうという気持ちに偽りは……」
未来「えぇぇ!? そ、そんなに出来悪かったですか!?」
美希「正直どうやって教えたらわかるのかがわからないの」
未来「うそぉー!?」
【怖かった】
亜季「晶葉殿」
晶葉「うん? なんだ、珍しいなここに来るなんて」
亜季「是非晶葉殿に作っていただきたい物がありまして」
晶葉「……なんだ?」
亜季「メタルギアって作れたり……」
晶葉「無理だ。絶対無理だ」
亜季「はぁ、やっぱり無理でありますか……」
晶葉「……勘違いしないで欲しいんだが、技術的には不可能ではない」
亜季「ではなぜ?」
晶葉「Pの許可が絶対にでない」
亜季「……こっそり、とかではダメでありますか? 絶対口外しませんし」
晶葉「むーりーだー。それでバレたらどうするつもりだ!? また私に節分の時の様に地下四階行きになれと!?」
亜季「実在したんでありますか!? というか、結局バレたのですね、なぜ?」
晶葉「部品の一部に刻印した『LOVE』の文字でバレた」
亜季「LOVE?」
晶葉「あぁ、つい自らが発明したと言う気持ちが前にでてな」
亜季「それでなぜバレたんですか?」
晶葉「LOVEを日本語に直すとなんだ?」
亜季「愛、でありますな」
晶葉「では愛をローマ字にすると?」
亜季「AIでありますね」
晶葉「そう、AKIHA・IKEBUKURO. 私のイニシャルになるんだ」
亜季「なるほど。それで」
P『お前のその回りくどい自己主張は嫌いじゃない、むしろ個人的には好ましく思う、が。
今回はそれが裏目にでたな晶葉。……さて、お前には選ぶ権利がある。
ここ、――地下四階で受けるお前の罰だ。なにがいい? 鞭か? 蝋か?
木綿針や手錠、生竹や重石もあるし電極もある。目隠しやお湯に氷水、
羽箒や筆なんかの変り種もあるぞ?』
晶葉「……等といわれてみろ。二度と、に・ど・と! するまいと思うぞ」
亜季「……ぉぉぅ」
P「……そこまで言った覚えはない」
晶葉「っ!」 びくっ
亜季「おやP殿」
P「おう、珍しいな亜季」
亜季「はい、……えぇっと」
P「メタルギア作るのは諦めてくれ」
亜季「アッハイ」
P「で、晶葉」
晶葉「……はい」
P「お前俺をなんだと思ってんだよ。っていうかどんなイメージを植え付けたいんだ?」
晶葉「いやっ! ほら、亜季に諦めて貰うためにこれ位怖い思いをしたんだと伝えるために
やや誇張気味の表現をしたかもしれないがだからといって君のイメージダウンを隠れて行おうとしたわけではなく」
P「わかったわかった……で、晶葉に頼みがあるんだが」
晶葉「なんだ?」
P「無垢なる刃って作れるか?」
亜季「なぜデモンベインは許されてメタルギアは!?」
もっとネタ書いていいんやで?
山と海とか二択でどっちが好きかとか
そして唯一空を選ばされる幸子
>>841
【山派? 海派? ……それとも】
春香「山と海ですか? 急になんで」
――同時に大きな仕事の話が来ててその希望調査だと思ってください
春香「なぜ敬語? ……べつにいいですけど……んーやっぱり海ですかね」
――理由は?
春香「ほら、私マーメイドですから! わっほい!」
――わかりました、ではその様に。
春香「え、ちょ。もうちょっと突っ込んでくださいよ! なんか冷たい!
―――
千早「山と海ですか? やっぱり山がいいですね」
――理由は?
千早「やはり山の方が落ち着くといいますか……、それに海だと水着ですから……。
どことはいいませんがやはり自信が…・・・」
――十分素敵なスタイルですよ
千早「ありがとうございます。……けど、これは私自身の問題ですから……あと、なんですかその喋り方は?」
――なにか?
千早「いえ、少し距離感があると言うか……」
――んー、やめた方が?
千早「はい、どちらかと言えば。いつも通りで」
――併せて了解
―――
――あなたは山派? 海派?
やよい「山がいいと思います!」
――理由は?
やよい「山菜とかきのことか沢山あるんですよー! 海は色々と勝手に取ったりしたらダメですから……」
――今の時期はなにが採れる?
やよい「もう少ししたらふきのとうとかですかね?」
―――
――あなたは山派? 海派?
未来「やっぱり山がいいですね!」
――理由は?
未来「んー、プライベートでなら海はよく行きますけど山ってちゃんと登ったことないかなって!」
――ちなみに富士山だけど
未来「いいですね! 一回は登ってみたかったんです!」
――わかったじゃあ山派だな
―――
――あなたは山派? 海派?
雪歩「山がいいですぅ……」
――理由は?
雪歩「わたしみたいなひんそーな女の子、水着になっても誰も喜ばないですし。
それに山の方がいざって時に穴が掘れるじゃないですか」
――勝手に穴を掘るのはお願いだからやめてな
雪歩「えぇぇぇ! わ、わたしから穴掘りを取ったらなにも残らないですよぅ!」
――そんなことはないと思うんだけどなぁ
―――
――あなたは山派? 海派?
凛「海派だね」
――理由は?
凛「蒼い空、蒼い海。……どう考えても海しかないでしょ?」
――ぶれねぇな
凛「褒め言葉として受け取っておくね」
――凛は海派……と
―――
――あなたは山派? 海派?
卯月「んー、どちらかと言えば山が良いです」
――理由は?
卯月「山登りのお仕事ってした事ないですから!」
――はい、わかった
卯月「え、もう終わりですか? え、えぇー!?」
―――
――あなたは山派? 海派?
未央「海!」
――理由は?
未央「いやぁやっぱり未央ちゃんといえば海でしょ!
この人気の第一歩となった仕事も海! これは外せない!」
――あれはよかったな
未央「だよねだよね! やっぱり爽やかなみおちゃんには海が一番似合う! よっ、海の女!」
――海女さんの仕事取ってくるな
未央「勘弁してください」
―――
――あなたは山派? 海派?
風花「山がいいです。絶対に」
――理由は?
風花「山は、ほら。ちゃんと長袖長ズボンを着用しないとダメじゃないですか。
海だとまた恥ずかしい格好させられそうで」
――わかった海な
風花「山でお願いします! 山で、山でお願いします!」
――風花は海と
風花「なんでですかぁ!」
―――
――あなたは山派? 海派?
美希「海なの!」
――理由は?
美希「セクシーな水着でハニーを悩殺しちゃうの!」
――……どっちに俺が付き添うかまだ決まってないけどな
美希「えー! 海海海! 絶対海なの! じゃなきゃヤ!」
――考えておく
―――
――あなたは山派? 海派?
杏「……えー楽な方」
――ぶれねぇな。質問が一つ減ったじゃないか
杏「知らないよ。というかわざわざそれ聞く為だけに呼ばれたの? オフなのに?」
――そうだ
杏「くたばれ!」
―――
――あなたは山派? 海派?
真「山ですかね~」
――理由は?
真「そりゃ、やっぱり足腰鍛えられますし! 山頂での景色は最高じゃないですか!」
――過去に経験が?
真「と言える程のものじゃないですけどね。普通に歩いていける程度の。
一度で良いからロッククライミングとかしてみたいですね」
――そういう仕事ももってくるよ
真「お願いします!」
―――
――あなたは山派? う
麗花「山派です。当然じゃないですか!」
――わかってた。初めての子も沢山いるからよろしくたのむな
麗花「はい! みんなの引率は私に任せてくださいね♪」
――おう、頼もしいな。……ただ、たまには海ではしゃぐ麗花もみたいな
麗花「……そ、それは……えと、プライベートでなら」
――機会があればな
―――
――あなたは山派? 海派?
幸子「どちらでもいいです」
――理由は?
幸子「なにをしてもボクは可愛いですかね! ふふーん!」
――じゃあ間を取って空な
そら「呼んだ!?」
――呼んでない
幸子「ちょ、ちょっと待ってください間が空の意味がわからないんですけど」
――レッツゴースカイダイビング
幸子「えぇ!? ま、またですか!?」
――スカイダイビングだけだと他に比べて尺が短くなるから無重力体験もついてくる
幸子「無重力体験?」
――広い空間がある飛行機でまっすぐ下に降下すると無重力体験できるんだ
幸子「へー……それは面白そうですね」
――じゃあ決定と
幸子「あ、いや、待ってくださいプロデューサーさん!」
―――
――あなたは山派? 海派?
秋月涼「……山、ですね」
――理由は?
涼「あ、あはは……海で水着となるとやっぱり色々まずいかなって……」
――ま、そりゃそうか
涼「それに体力には多少自信がありますし、山登りの方が」
――了解
―――
――あなたは山派? 海派?
加蓮「海」
――理由は?
加蓮「体力的に山登りはついていけそうにないからねー……」
――最近は随分スタミナついてると思うけど
加蓮「んー、でもみんなのペースについていけるかなって思うと、ね。
それに山登りって山頂にアタックするタイムリミットとかあるんでしょ?
しかも富士山とか……向いてないよ」
――そのうち簡単な山からチャレンジしてみような
加蓮「ん、その時はよろしくね」
―――
―――
――あなたは山派? 海派?
奈緒「凛と加蓮は海だっけ? ……じゃあ海」
――理由は? 一人山だと寂しいから?
奈緒「さ、寂しいとかそういうじゃないって! ただ、ほら合わせた方がいいかなって……」
――別にみんなで参加するから気にせず山でもいいんだぞ?
奈緒「いや、まぁ……そうかもしれないけど」
――じゃあ山にするか?
奈緒「……やっぱ海がいい」
――はい、寂しいから海と
奈緒「だから寂しいとかじゃ……聞けよ!」
―――
――あなたは山派? 海派?
昴「山かな」
――理由は?
昴「やっぱ水着とか恥ずかしいっていうかさ、照れる」
――照れること無いのにな
昴「んーでもなぁ」
――今回は山と
昴「うん、それで」
―――
――あなたは山派? 海派?
みく「海にゃ、みくは水を恐れぬ猫にゃ」
――山?
みく「海にゃ!」
――エベレスト登るの?
みく「海だって言ってるにゃ! Pちゃん耳遠くなった?」
――なんでわざわざエベレスト登るの?
みく「うーみー! 誰が好き好んでエベレストに登るのにゃ!」
――じゃあチョモランマ?
みく「……一緒やないか!」
―――
―――
――あなたは山派? 海派?
愛海「うみうみうーみーがーいーいー!」
――理由は?
愛海「そりゃやっぱり水着の女の子達が居るからだよ! そこには当然お山もあるし!
ほら、一石二鳥! ね?」
――じゃあ間をとって空な
愛海「なんで!? 話聞いてた!?」
――聞いてたから空なんだ
そら「呼んだ?」
――お前も空な
そら「うん! そらだよ!」
愛海「いや、そういう事じゃないと思う!」
――そら、愛海を幸子と同じところに連れてってやってくれ。そしてお前もそこで待機な
そら「わかったよー♪ るったらー」
愛海「ちょま! う、うそマジで!?」
―――
――あなたは山派? 海派?
愛「山がいいです!」
――理由は?
愛「思いっきり大声だしても怒られないですよ!!」
――変な理由
愛「だってプロデューサーさんいっつもうるさいって怒るじゃないですか!!!」
――うるさい
愛「いたいいたい! もー!」
――でも山はキツイぞ?
愛「大丈夫です! あたし根性だけはありますから!」
――わかった、無理をしないように
愛「はい!」
―――
――あなたは山派? 海派?
芳乃「山が良いのでしてー」
――理由は?
芳乃「霊験灼然なる山脈を登り神格を高めればこそ魂は磨かれるのでしてー修験の極みなればこそー」
――なるほど、よくわからん
芳乃「滝行など山は精神と魂の修行の場ですゆえー」
――そうか、なら山で決まりか?
芳乃「……」
――? 芳乃?
芳乃「けれどそなたがどうしてもと望むのであれば此度はあえて海で水着というのも捨てがたくー」
――芳乃が山がいいなら山でいいぞ? あくまで芳乃の希望を聞いてるんだから
芳乃「……むー」
――うわ、おい押すな。落ちる落ちる! う、海な? 芳乃の水着みたいなー!
芳乃「そなたが望むのならそうしましょー」
―――
――あなたは山派? 海派?
美奈子「プロデューサーさんは山の幸と海の幸どちらが好きですか?」
――なぜ? ……どちらかといえば海の幸かな?
美奈子「じゃあ海で! よぉーし、腕を振るいますよー!」
――目的が違うぞ
美奈子「大丈夫ですよ! 仕事終わってから作ります!」
――ではなくて、だ。……せめてこの間やよいに怒られたんだから量は普通にしてな?
美奈子「えー……」
―――
――あなたは山派? 海派?
律子「んー、今のメンバー的に私は山に行った方がいいですかね?」
――理由は?
律子「やっぱり山はなにがあるかわかりませんから。
海もそうですけど、山は山頂に登るまでがありますからね。
やっぱり、しっかりと見る人間がいないと」
――頼もしいな。一応麗花もいるけど
律子「登山に関しては確かに凄いですけど、ね。ほら、ね?」
――ノーコメントで
律子「あはは……。ま、プロデューサーの負担が少しでも減るよう頑張りますよ!」
――任せた
―――
――あなたは山派? 海派?
絵理「ん……海?」
――理由は?
絵理「あまり、体力に自信ない?」
――つまり身体には自信ありと
絵理「そ、そんなことは言ってない……よ?」
――ま、なんにせよ海と
―――
――あなたは山派? 海派?
拓海「山だな」
――理由は?
拓海「あんたがまた変な格好させようってのが目に見えてるからだよ!」
――そんなことしないよ?
拓海「じゃあこっち向けよ」
――にこっ
拓海「ぜってぇ山だ。ってかなんでその二択なんだよ……」
――空もあるよ
拓海「そら?」
――無重力体験+スカイダイビング
拓海「おっ、それいいじゃん! それにしようかな」
――まじか
拓海「よくテレビで見てさ羨ましかったんだよ。色んな体験できていーなーってさ!
折角アイドルになったんだしよ、色々経験しとくべきだろ!」
――じゃあ空で
拓海「楽しみだなー!」
―――
――あなたは山派? 海派?
楓「じゃあ……間を取って空、なんちゃって」
――あるよ
楓「えー……そらーないよー。なんて」
――だから空あるよって
楓「……ふふ、プロデューサーさんは中々のボケ殺しですね」
――毎度律儀に付き合ってられないからな
楓「そらーないよー」
――わかった空な、決定
楓「あ、ちょっと待って。海で、海でお願いします」
―――
――あなたは山派? 海派?
美羽「間を取って空!」
――わかった
美羽「えっ」
―――
――あなたは山派? 海派?
杏奈「……じゃあ海」
――理由は?
杏奈「……パラソルの下、で、……ゲームできるから」
――させないけどな
杏奈「……じゃあ、杏奈、……ここにいるよ?」
――無理にでも連れて行くよ?
杏奈「むぅーりぃー……」
――とってやるなよ
―――
――あなたは山派? 海派?
あずさ「海ですかね」
――理由は?
あずさ「山だと迷っちゃいそうで~、海なら大丈夫ですよね?」
――それはこっちが聞きたい。……大丈夫だよな?
あずさ「た、多分……」
――まぁ海で迷うなんてことは早々……あれ、どこ行った!?
―――
――あなたは山派? 海派?
可奈「山です!」
――理由は?
可奈「なんか山って歌を歌いたくなりませんか? なんか、こう……すっすめーすっすめーみたいな」
――マーチが合うのはよくわかる
可奈「ですよね! なんか幼稚園の時の遠足を思い出します!」
――まぁ遠足程楽な物じゃないけどな
可奈「大丈夫ですよ。歌を歌って楽しく登ってれば気がつけばてっぺんです! アイドルと一緒です!」
――おっ、今のは上手い事言ったな。その通りだ
可奈「えっへへ~」
―――
――あなたは山派? 海派?
輝子「や、……山」
――理由は?
輝子「……ふひ、そ、そりゃ……マイベストフレェンズが居るからに決まってんだろ!? ヒャハーッ!」
――落ち着け
輝子「う、……うん」
――しかし輝子は本当にキノコが好きだな
輝子「ふひ……と、当然……そ、それに海に行かなくても……山にもくらげは……いるよ?」
――それくらげはくらげでもきくらげだろ
輝子「……そ、それに天狗もいるし……」
――毒キノコじゃねぇか
輝子「ふひひ……た、楽しみ……」
――楽しみにしてくれるのはありがたいんだがなぁ……
―――
――あなたは山派? 海派?
伊織「律子は山を選んだんだっけ? なら海ね」
――理由は?
伊織「ま、お目付け役の先輩が一人は必要でしょ? にひひ、伊織ちゃんに感謝しなさいよ?」
――いつも助かってるよ。特に年少組は海になると思うからよろしく頼む
伊織「はいはい。ついでにあずさも見ておくわ」
――そこはマジで頼んだ
―――
――あなたは山派? 海派?
小梅「山なら函館山とか……、恐山とか……オススメ。
う、海は……浜宿か、海岸……とか東尋坊とか……いい」
――心霊スポットには行きません
小梅「……えー」
――えーじゃない
小梅「た、楽しい……よ?」
――小梅はそうだろうよ
小梅「……むー」
――睨んでもダ……いてぇ、いたたたたっ!? なんだ!?
小梅「あ、……あの子、が……ウメボシ、……してる」
――霊なのに物理!? っていうか理不尽!
―――
――あなたは山派? 海派?
海美「海かなぁ」
――理由は?
海美「先に言っておくけど名前が理由じゃないよ?
でもさ、やっぱりアイドルやってるからにはさ水着の仕事でしょ!」
――山を選んでるアイドルも一杯居るけど?
海美「うっ……べつにそういうつもりじゃないけどさ。ほら、女子力的には水と戯れてる方が上がりそうじゃない?」
――さぁ? 俺としては楽しんでくれてるならいいんだけどさ
海美「なら大丈夫! 海に入る前のストレッチは私にお任せ!」
――はいはい
―――
――あなたは山派? 海派?
日野茜「山です! 全力で最速で最短で一直線に登りきってみせます!!」
――趣旨違う
茜「一番に頂上に着いてみせますから応援してくださいね!!」
――だから違うって……聞けよ
茜「うー! いまから身体が熱くなってきました! ちょっと走ってきます!!」
――おい、待て! ……はえぇ
―――
――あなたは山派? 海派?
泉「山」
晶葉「同じく」
――理由は?
泉「精密機械に潮風は天敵だもん」
晶葉「そういう訳で我々は山にさせてもらう」
――正直体力面で不安があるんじゃ?
泉「それはそうかも……知れないけどさ」
晶葉「問題ない。以前君にちゃんと『許可』を貰って製作したパワードスーツの試作型ができたからな。
これの試運転も兼ねてすいすいと登ってみせるさ」
――画的に映えないからそれは別の機会にやってくれ
晶葉「な、なぜだ!? 老人や子供でもこれをきれば熊だってなぎ倒せるぞ!?」
泉「またそういう余計な事を……」
――晶葉、それ開発中止な
晶葉「なぜだぁぁ!?」
泉(兵器利用される未来しか見えないからだと思う)
やべぇこんな時間だ寝る
【featuring. Miku】
どうも皆さんこんにちは。マスターズプロダクション所属、
チームCuteの前川みくです。
「むかつくむかつく! む~か~つ~く~!!」
現在事務所の6階。主に仕事がまだ残ってる人がたむろしている談話室その1、
ではなくその2の方。昼間予定が空いてる人が食事を取る時や
3時のおやつ時とかに使われるキッチン付きのもはや食堂と
言い換えてもいいんじゃないかという談話室その2。
「なぁにが『ふふっ、今日はなんとかアタシの勝ちみたいだね。楽しかったよ、
またステージの上でキミに会えるのを楽しみにしてるよ』よっ!」
ちなみに、さっきのもこの台詞も言ったのは私じゃなく。
同じ事務所の先輩アイドル水瀬伊織さんの発言である。
聞くところによるとオールスターやユニットではなく、
完全にソロ対ソロのフェスで玲音さんに挑みそして惜敗したらしい。
「今日はかんっぜんに勝ったと思ったのに!」
「ま、まぁまぁ……落ち着くにゃ」
「うっさい!」
なお、現在事務所にはプロデューサーを筆頭とした
いおりん先輩を宥められる人が居ない。小鳥さんもちひろさんも
今月は年度末ということで声をかけるのもはばかられるほど忙しそうだし。
他の天使組の人達も仕事中で居ない。ぎりぎり頼めそうな星組の人達すら居ないので
どうにも対応に困ってしまう。下手に私が「次頑張ればいいにゃ!」みたいに気安く言って
鞭打の如き一撃を頂戴する事態になるのは避けたい。
「あぁー! もうっ腹立つ! みくっ!」
「は、はいにゃ!」
こっちをカッと見て名前を呼ばれ、
咄嗟に背筋が伸びてびしっと気をつけの姿勢になる。
猫だから、逆らってはいけないものに敏感。にゃ。
尻尾はピンと立って、耳はぺたんと後ろに倒れてるあの感じ。にゃ。
「レッスン行くから、付き合いなさい」
「えっ、たった今帰って来たばっかりなのに大丈夫なのかにゃ?」
「いいのっ! ……間違いなく今回私は完璧なパフォーマンスをしたわ。
調子が悪いとか、あそこをミスしたとか言い訳なんかしないし、できない。
それで負けたんだから休んでる暇なんかないのよ!
まだ感覚が残ってるうちに少しでもやるの! そんで次は私が圧勝してやるんだから!」
この辺の切り替えは凄いと思う。
なんだかんだで今回の負けにぷんすかしてたのに使ってた時間は15分位。
もう次を考えてレッスンに励もうとは。
「わかったにゃ! お付き合いさせてもらうにゃ」
玲音さんもそうだけど。私にとってはいおりん先輩も超えるべき壁。
なら追いかける側が『私は遠慮しておきます』なんて、そんな事いえない。
少しでも差を縮めるなら、二人きりでレッスンできるチャンスはできるだけ掴んでおきたい。
「じゃあ行くわよ。確か今ならマストレッスン受けれるから」
「え」
「負け越しなんて伊織ちゃんのプライドが許さないんだから! 行くわよ!」
選択肢ミスったかも知れない。にゃ。
―――
マストレッスンとは、言うまでもなくマストレさんのレッスンを意味してる。
マストレレッスンを半端に略したネーミングセンスの塊、楓さんが考案した。
マスと、レッスンとも取れるし、ついでもmost(最上級)レッスンともとれる
トリプルミーニングだと言ってたけど単純にレッスン直後しんどくて一文字でも略そうとした結果
そういうとり方もできるなという後付だと思う。モストやし。
「あ゛~……、こりゃあかんにゃ」
まぁなんにせよ、いおりん先輩とマストレさんと私の三人で
レッスンしたよって事が伝わればよかろうなのだけど。
次の仕事まで四時間あるし、いおりん先輩がフェス直後だから大丈夫だろうと
高を括っていたのが間違いだった。まさか3時間以上ぶっ通しでやる羽目になるとは
皆目思っていなかった。……結局、レッスンを終えてシャワーを浴びて、
即タクシーを呼んで砧スタジオに向かい一仕事終えて今に至る。
「しんどいにゃーしんどいにゃー」
こういう時ばかりはテンション高めの今のキャラが鬱陶しくなる。
TVの仕事。視聴者、製作側が求めている『前川みく』のキャラをどれだけしんどかろうが
演じなくてはいけない。笑顔でテンション高く場を盛り上げて勢いよく。
秋山涼さんがそれとなく察してフォローしてくれなかったらやばかったかも知れない。
結果今回の放送ではそこまで目立ててないかもしれないけど、仕方ない。
「だぁれか開けてけれー……」
そんな訳で場所は再び談話室その2。
ぐったりにゃんこと化してた私の耳に談話室の閉じられた扉の向こうから声が。
「はいはいにゃー。ちょっと待つにゃ」
のそりと起き上がって扉を開ける。
はてさて誰だったのかなと扉の向こうを見てみればダンボールしか見えない。
うぅ~む、これは開けてと頼むわけだと思いながら角度を変えて再度確認。
「あれー、これはみくさん。あんがとなぁ」
「別にいいにゃ。それより大丈夫かにゃ? みくも手伝うかにゃ?」
ダンボールの向こうに居たのはひなたちゃんだった。
と、すると持ってるダンボールの中身は送られてきた野菜だろうか?
「んだ。ばあちゃんがみんなでたべぇってまぁたいっぺぇ送ってきてな」
手伝おうか? という私の発言は「だいじょぶだぁ」の一言で処理され、
ひょいひょいと言いながら冷蔵庫の前にダンボールを運んでいく。
元々農園で畑仕事をしていただけあって流石に力強い。
雫ちゃんもあれで中々力があるし、やっぱり農家って大変なんだなぁと
他人事に思う。
「これ、ダンボールから出して閉まった方がいいべかな?」
「それは間違いないにゃ。そのままでも入ると思うけど、
そしたらみんなそっちから使うから古いのが使われないにゃ」
みんなひなたちゃんとこの野菜大好きだから。
そう付け加えるととっても嬉しそうに笑った。素朴可愛い。
「ばあちゃんも喜ぶべぇ」
にこにこと笑顔で箱から冷蔵庫に閉まっていく。
まぁ、こうやって混ぜても食べたらやっぱりわかるし、
誰かが気付けばみんな群がってくるのであんまり意味無いかもしれないけど。
……そのまま食べても甘くてドレッシングなしでもサラダとして成立するからにゃあ。
そのまましばらくぼうっとひなたちゃんを眺めてみる。
冷蔵庫にせっせせっせと野菜をしまう姿は小動物ちっくで可愛らしい。
「すいませーん!」
穏やかな空間で和んでいたらそんな声に呼び戻された。
「貴音さん見てませんか」
開いた扉から顔をひょっこりとだし、
部屋の中を見回しながらそう聞いてきたのは島村さんちの卯月ちゃん。
貴音さんになんの用があるのかはわからないけど、
少なくとも自分は見かけていないなぁ。
「貴音さんならぁ、さっき下の階みたっけなぁ。まだ居るかわかんねけども」
見てない事を伝えようとしたらそれより早くひなたちゃんがそう言った。
「本当? ありがとっひなたちゃん!」
それを聞くや否やすぐ引き返して走り去って行った。
……なんだったのかな? 聞く暇もなかった。
「いやぁ、嵐みてぇだべ」
「にゃ」
―――
それからしばらくひなたちゃんと二人でお茶を飲みながらのんびりして。
「あっ、凛ちゃんにこの間借りたグラディエーター返さないと」
今は寮の自分の部屋でごろごろしながら本を読んでたら
棚に入れっぱなしになっていたDVDのパッケージを見て、
すでに一週間以上借りっぱなしだった事を思い出した。
同じ階の近い部屋なのになんだかずるずると返してない。
そういう事って誰にでもあるよね? うん、あるある。
「よいしょっと、……他になにかあったかな?」
あぁ、そういえば。代わりにオススメを貸すみたいな約束もした覚えがある。
んー、どうしよう。ジュマンジでも貸そうかな。見たことあるかな?
「ま、いっか」
少しの間悩んで。とりあえず借りたのだけ手にとって部屋を出る。
みくは猫だから、一つの事に長い時間悩んだりしないのにゃ。
なんて、Pちゃんが聞いてたらデコピンされそう。
「凛ちゃんいるかにゃー……なにやってんの?」
ノックもせずに鍵の掛かってない扉を開いたら後半素になった。
「……み、みく?」
クールなイメージが売りの渋谷凛(15)。
部屋に入ったら四つん這いになってこちらにお尻を突き出していた。
少々気の抜けた薄い部屋着がなんか扇情的。
ほんまになにしてんのこの人。
「ち、ちがっ。聞いてみく」
「聞くにゃ」
「ほら、えっと……猫。うん、猫の気持ちになろうと思って、女豹的な、大人の魅力的な!」
すっごいテンパってる。なにこれ面白い。
けど、顔には出さず出来る限り真顔で凛ちゃんを見つめてみる。
「いや、本当、ホントにっ! 他意はないからっ!」
「ぶはっ!」
我慢できませんでした。
「うははははっ……ひ、……必死、すぎ……! あははは!」
イメージカラーと正反対の真赤に染まった顔が
同い年の私が言うのもなんだけど年相応で可愛らしくてはなまる。
―――
「落ち着いた?」
「うん、まぁね」
凛ちゃんの部屋の中。
花瓶が置いてあったり、小さな花の絵が飾ってあったり。
言ってしまえば『らしい』部屋だった。
「で、なんの用?」
「これ、返すつもりだったにゃ」
やっとこ本題に入ってDVDを渡すと「あぁそういえば」と得心が言ったとばかりに頷く。
「内容が過激だったりで心折れそうになったけどいい作品だったにゃ」と言ったら
「最後まで見れたんだ、凄いね」と言う返事が返ってきたので蹴りを入れてみた。
さっきまで凛ちゃんがしていた体勢に逆戻りしていた。
「……にゃん」
なんとなくその横に並んで同じポーズをとってみる。
別に猫キャラは渡さないと言う強いなにかに目覚めた訳じゃないと思う。
「え、なに? 突然どうしたの?」
当たり前だけど困惑された。……ううむ。
冷静に聞かれるとどう説明したものかなぁなんて思っていたら。
バタン。
「そういえば凛ちゃんさっきの……」
「あっ」「あっ」
藍子ちゃん登場。
首からぶら下げてるカメラがデンジャーデンジャー。
今すぐ起き上がりませという脳の命令に従う間もなく。
「えいっ」
パシャリパシャリ。ついでにパシャリ。
三枚写真を撮られた。
「……じゃあ私はこれで」
パタンと閉じる扉。
今気がついたけど内側に葉っぱとか蔓で輪っかになった……リース? みたいのがぶら下がってる。
クリスマスだけの限定アイテムじゃないんだなぁ……。
「って、待つにゃ!」
「藍子、それ、写真消して!」
凛ちゃんと二人で遅ればせながら慌てて立ち上がり扉を開いて飛び出せば、
既に遠い藍子ちゃんの後姿。
―――その後、藍子ちゃんを捕まえる為に走り回って。
途中で卯月ちゃんと貴音さんも合流して、他にも色々あって。
総合計するととっても疲れた一日でした。にゃ。
001.【featuring. Miku】 fin
next. 002.【featuring. Uzuki】
003.【featuring. Rin】
004.【featuring. Aiko】
【featuring. Uzuki】
島村卯月です! 島村卯月です!
ニュージェネレーションの最年長島村卯月です!
「卯月ちゃんの普通脱却!」
「はい?」
ただいま私は寮の一階ロビーで春香さんと二人っきり。
お仕事まで時間がまだ多少あるのでお茶を飲みながらぼんやりしていたら、
おもむろに春香さんは立ち上がってそういいました。
「どういう事ですか?」
思い切り立ち上がった所為か置いてあったカップが揺れ、
元気に飛び跳ねたお茶をふき取りながら聞いてみる。
あとでダスターを洗わないと、新しいのどこにあったかな?
「卯月ちゃん、身長体重スリーサイズ趣味。順番に言ってみて」
「えぇっ!? な、なんでですかっ!?」
「いいから! ハリーハリー!」
「うぅ……159cmの45kg。83-59-87、趣味は長電話です」
事務所HP上にも書かれているさして特徴のない自分のプロフィールを口にする。
びっくりするほど普通です。通信簿の担任教諭からのコメント欄には
『優しい良い子です』みたいな当たり障りのない事を書かれるくらいに普通です。
「私が前回計ったときは158の46、83-56-82でした」
へこむ私を無視して春香さんは続けます。
今度は自分のプロフィール。……あれ?
「ちなみに趣味には長電話も含まれてます」
「……似てますね! 私達!」
「はいその通り!」
我が意を得たりとばかりに人差し指をピンと立ててびしっと言う
擬音が強調線と共に描かれてそうな勢いで私を指差す。
「行儀悪いですよ?」
「そんな普通のコメントはいりません」
ガーン。
「大事なのはその後です。卯月ちゃん、貴女がそのキャラクターに対して
よく言われる事はなんですか? はいどうぞ」
今度はゆるく拳を握ってこちらに差し出してきました。
多分マイクを握ってるイメージなんだろうなと思いながらこほんと咳払いして。
「えっと……普通、ですか?」
あまり言いたくないけど恐らく春香さんが求めているであろう、
私自身自覚症状が多々ある自分のイメージを口にすると。
「そのとーり!」
いい笑顔で首肯されてしまいました。
わかっていてもへこみます。
普通ってなに? 裏切らないことさ。
「で、さっきの話に戻ります。……私と卯月ちゃんは数字的にも似てるし、
ラジオを筆頭によく一緒にお仕事するけど……私も普通って事!?」
なんか勝手にヒートアップし始めました。怖い。
「最近だと普通の先輩普通の後輩とか言われてるんだよ!?
なにそれ!? 普通って、これでも人気アイドルなんだけど!」
バンと叩かれた机。こぼれるお茶。
慌てて拭いても間に合わず床にこぼれてしまいました。
モップを持ってこないと、床をダスターで拭くわけには。
「ねぇ聞いて。私一人だけ寒いから」
「冬ですし」
「違う、そうじゃないの」
こほん。と、今度は春香さんが軽く咳払いをして。
「とにかくね、私と卯月ちゃんは数字的に似てるし。
世間的にも類似アイドルみたいに扱われてるの」
「類似アイドル?」
「CMで、私が無理だったら卯月ちゃん、卯月ちゃんがダメだったら私。みたいな」
そういうの昔雑誌とかで色々流行りましたね。
浜田さんと泉谷さんとか。
「具体例は出さなくていいです」
「はい」
「なんにせよ、一緒くたに扱われるのはよくないと思うの!」
力説とはこの事なんでしょうか?
なんか嫌な事でもあったんでしょうか、と思うくらいに強く言われてしまいましたけど。
……んー。
「私は、……春香さんと一緒って、結構嬉しいですけど」
「ふわぁっ!?」
思ったことを率直に言ってみたら春香さんはぴょんと飛び上がって、
なんか面白い顔をしてこっちを見てました。
目が若干いつもより大きく開いて口もぽかんとして、
蓋を開けたまま放置したコーラよりも気が抜けた姿になってます。
ファンには見せられませんね。
「ど、どうしたんですか?」
「……危ない危ない。今の台詞はダメだよ卯月ちゃん、私が男の人だったらキュン死してたよ」
ふぅと息を吐いて額を腕でぬぐう仕草。
そんな変な事を言ったかなぁと思い返してみるも特に思い当たる節はなくて。
「と、言う訳で卯月ちゃん普通脱却計画始動! ゴー!」
考えてるうちに勢いでもっていかれそうになってます。
「脱却って……具体的にどうすればいいんですか?」
「さぁ? ほら、卯月ちゃんってお尻大きいし、そこをもっとアピールしていけばいいんじゃないかな?」
「適当っ!」
まさかの具体案なし。
世界新記録がでそうな位の超投槍です。
遠投遠投、着地点は見えず右往左往してしまいます。
「じゃあほら、あれだよ。Angel´sのミステリアスキュート四条貴音女史に聞いてみたら?」
「聞いてみたらって……、あれ? 春香さんは?」
「私はもうそろそろラジ関行ってモモノキの収録しないとだから……じゃ! 頑張ってね!」
そういい残して春香さんは行ってしまいました。
えっと……どうしよう。
>>881
―――
空は青、雲ひとつないとまではいかなくても十分晴天のようです。
自然と気分が盛り上がりますよね。まだまだ寒いからか
みんなは割りと寮と事務所を繋ぐ通路を使って移動してるみたいですけど、
私はこの時期の気持ちが引き締まるような感じも嫌いじゃないです。
「よーし! ……貴音さんさがそっ」
春香さんの言い付けを守ろう。というわけじゃないですけど、
まぁ私自身普通すぎる自分にもう少しなにかアクセントをと思っていたのは事実ですし。
それでなくても頼れる先輩からなにか今後の活動に繋がるアドバイスを頂けたらと
とりあえずは言われたとおり貴音さん探しを始めます。
「どこに居るのかな……って、お仕事かも知れないんだよね」
いちにいさん。大股開きでてっくてっくと歩いて隣立つ事務所に向かって歩きながら
ふと貴音さんが暇してるとは限らない事に思い至り、
とりあえずは貴音さんのスケジュールを確認してみようと二階に目的地を設定。
テンポアップでワンツースリーと自動ドアを超えて。
「おはようございまーす」
ほとんど人の居ない一階受付に向かって挨拶。
掃除中のウサちゃんロボが振り向いて手を振ってくれた、可愛いです。
一体だけでいいから私にくださいと晶葉ちゃんにお願いしたら
法外な金額を代金として請求されそうになったんだよね。
うぅん、湯水の如く。
今日の夜ー
階段を登って二階。事務室に向かって廊下を歩きます。
各部屋はともかく廊下はやっぱり僅かに肌寒い、
暖かい空気は上に逃げるって効いた事があるので最上階辺りは
廊下も多少暖かいんでしょうか? あぁ、でも屋上も結構人の出入りあるし
逆に寒いのかな? とかなんとか。つらつら考えていると。
「ありがとっすプロデューサー! 行こっロコ」
「はい! ロコのアーティスティックなソウルが火を吹きますよ!」
ガラガラと言う(扉? に、してはやたらと大きい)音と共に、
上記の様な元気の良い声が事務室の方から飛んできました。
「あっ、おはよっす」
「おはようございます卯月さん!」
少し足を速めて向かってみるとベージュともクリーム色ともとれる
色合いのパーカーにパステルカラーのバブルスカートを履いたロコちゃんと
端所端所にカラフルな染みができた太目の、
鳶職の方とかがはいてる様なズボンに同じく染みのできた
トレーナーを着込んだ沙紀ちゃんが台車(これがガラガラの音源だったようです)を
押して丁度事務室からでてきました。
「おはようございますっ! どうしたんですかそれ?」
挨拶をしながら駆け寄って台車に詰まれた大きないくつもの缶を見る。
中身が入ってるみたいなのでカンポックリを大量生産しようって訳ではなさそうです。
「ペンキっすよ。プロデューサーからやっと許可がでて、今からロコと二人でペイントアートタイム」
「ちなみにロコはペンキじゃなくてこっちですけどね」
ロコちゃんが突き出した手には台車に乗っているのとは違う、
細長い缶。この流れだと恐らくカラースプレーの缶。よく見てみれば
パーカーのポケットからも蓋がいくつか見えてるし、
フードにもいくつか突っ込まれているみたいです。
「寮と事務所の壁あるじゃん? 向かい合ってる部分」
ほほうほうとさっきの私と春香さんのトークじゃないですけど
二人の趣味がそういえば似通ってるんだなぁと感心してると
沙紀ちゃんが楽しそうに語りだしました。
「前々から気になってたんだ。あそこって日も当たらないし
人通りもないから使ってもいいかなってさ」
「それで今日はお互いオフだったのでプロデューサーにダイレクトアタックしたんです!」
ダイレクトアタック? 直接攻撃?
プロデューサーは大丈夫でしょうか。
「と言う訳で今から事務所と寮のウォールはロコ達のスケッチブックなのです!」
腰に手を当てて胸を張るロコちゃん。
純粋に楽しそうで、少しだけ羨ましいと思ってしまいます。
「二人とも頑張ってください! ただ、外は寒いので長時間作業するなら気をつけてくださいね」
「ん、気をつけるっす。ありがと」
―――
「おはようございまーす!」
場所は変わって事務室内。
ガラガラガラと音を立てながらエレベーターに向かった二人と別れ、
暖房の効いた事務所で最も忙しい部屋に入室。
プロデューサーさんとちひろさんと小鳥さん。
三人と挨拶を軽く交わして向かうのは隅に最近設置された新しいコンピューター。
「えっと、ICカード……」
お財布から取り出したるはこのコンピューターが設置されたと同時に
配布された個人認証機能のついた一枚のカード。
クレジットカードとかと同様のサイズのこれをコンピューター横のリーダーに読ませて、
さらにモニター横の指紋認証に軽くタッチ。
『ようこそ島村卯月さん』
ぽわわんと軽い音がしてタッチ操作可のモニターに文字が浮かびます。
あまり使う機会はないから未だに凄いなぁって感動してしまいます。
「スケジュールスケジュール……」
いくつか浮かぶアイコンを指先でスクロールしてスケジュール画面を開く。
一番にでてくるのは当然私のスケジュール。
「えぇっと、表示アイドルの変更……No.13四条貴音さん……と」
上部設置のタブを押してでてくる沢山のアイドル名から目的の人物を発見。
パッと入れ替わるスケジュールから今日の分を確認すると、
――残念ながら現在は赤坂でお仕事中との事。
あぁ、でも仮に今居てもさっきでた私の分のスケジュールと画面左上にでる時計を合わせて
考えてみると次のお仕事まであまり時間はないんですよね。
なんだかんだで結構時間を使ってしまったようで。
けどするすると下に画面を移動していくと、どうやら終わる時間が被りそうで。
仕事を終えてからお話すればいいかなと結論。
「よしっ、とりあえずはお仕事です! 頑張ります!」
今日は休むけど明日は仕事が休みなんだぜ
頑張ろうと思うんだぜ。できれば1000行きたいんだぜ
―――
KA・TSU・A・I。感じに直すと割愛。
初めてのプレスコ形式とか凛ちゃんと未央ちゃんと同じ楽屋だったとか、
何度か行ったことあるレコスタなのに若干道があやふやだったとか。
そんなあれやこれやは割愛します。えぇ、それはもう。
アドリブばしばし入れられて大変な事になった私とかは一切合財省略です。
なので時間は移ろえど場所は変わらず事務所なのです。
色々間に挟んだけれど、本日の目的というかなんというか。
まま言いようはあるでしょうけれど当座のやるべき事として残っている
貴音さん探しに戻ろうと思います。戻りますとも。
「上がりが同じ時間だから運がよければばったりここで出くわすかと思ったんですけど……」
ひんやりとした一階ロビーの皮製ソファに腰掛けて出入り口を見つめること十五分。
そろそろ暖かい物の一つでも口にしたい気分になってきました。
コーンスープとか飲みたい。この際自販機で売ってる缶の奴でいいです。
あっ、ただ飲み口はキャップタイプのがいいですね。コーンが残るので。
一回上に行ってなんか飲んでこようかな、もしかしたら貴音さんも……。
「……あっ」
そこまで思考が到達してようやく貴音さんが私より先に事務所に
帰ってきてるパターンを考えてなかったことに気がつきました。
先に帰って来てたらここでいくら張っていても帰って来る貴音さんに会う事は絶対ないです。
次の仕事に行く貴音さんには会えるかもしれませんがその場合はわざわざ色んな質問をしたりする
時間的余裕はないですし。
「私ってお間抜けさん」
「え、なにやってるの?」
見られてました。自分で自分の頭をこつんと叩いて
あざとく舌をだして変な台詞を言ってるところを凛ちゃんに見られました。
「へぁあっ」
「なにその死に損ないのウルトラマンもどきみたいな声」
遅れて飛び上がるとそんな心無い言葉をかけられました。
死に損ないの上にもどきとは、もう一体なんなのかわかりません。
「いいいい……いつななな」
「いやいまさっきだけど……今日はもうあがりだから寮に帰ろうかなって」
我ながらなにを言ってるかわからないのに
ちゃんと理解してくれた。凛ちゃん凄い。
「そ、……そそそ」
「とりあえず落ち着いたら?」
言われてすぅはぁ……深呼吸。
「そういえば貴音さん見てない?」
「え? ……さっきは三階に居たけど、わかんない」
やっぱり先に帰ってたみたいです。
「ありがとう凛ちゃん。じゃっ! ……さっきのは忘れてね!」
「はいはい、拡散しておくね」
「なんで!?」
ちんちくりんのアイドルって聞いて誰が思い浮かぶ?
やっぱりその辺だよな
あとはこのみ姉さんとか珠ちゃんとかか
雪歩は盲点だったけど
あ、生きてました
まとまった時間がなく
年度末などで忙しくて書けてないけど
生きてるよ
>>905
とってもいい笑顔で死刑宣告されました。
凛ちゃんの手には大きな鎌が握られているように見えます。
魔人刈りとか言い出しそうな感じです。
「冗談冗談。ま、なんの用かは知らないけど貴音さん探してるなら急いだら?
新しい家系ラーメンが近くにできたとか言ってたから下手すると居なくなっちゃうよ?」
「うそっ!?」
さっきから感嘆符と疑問符を使いすぎとの噂。
「ホントホント」
「わかった、ありがと凛ちゃん!」
ダッシュで階段に向かいます。
凛ちゃんに言われたとおり急がなくちゃという気持ちが半分。
掻いた恥から逃げ出したい気持ちが半分。
……嘘です。六・四……七・三かな?
しばらく書いてなかったから書けないぜ
ちょっちリハビリになんか立ててくるなり
>>920で聞いたちんちくりんなアイドルとかで立ててくる
または艦これかラブライブかごちうさかビビオペか
あ、次スレ以降は立てるけど1000まで使う感じじゃなくて
ネタが浮かんだらそのネタとかあるいは特定のアイドルfeaturingで100とか200とかやって
終わったら依頼する感じにしようかなと思う
このスレは……とりあえずいま書いてる地の文のは終わらせたいけどかなり時間がかかりそうだから
仕切りなおそうかな 台本はともかく真面目なのはいま書ける気がしない
【あいうえお順(苗字ではなく名前)】
杏奈「……もうダメなんだね」
P「落ち着け」
亜美「ひどいよひどいよ→! 亜美達完全に後半だと思ってたのに不意打ちだー! しかも亜美だけ!」
P「大丈夫だ、真美に関しては例外で同日にやる」
真美「えっ、そんなの聞いてない」
愛「間違いなく私が一番目なんですけど! 少し、少しでいいので片付ける時間を!」
P「ダメだ、それをさせないためにこんなギリギリで告知してるんだからな、抜き打ちの意味がない」
晶葉「見られてまずいもの……いや、大体のモノは研究室に隠して……」
P「あ、晶葉は研究室も見るからな」
晶葉「馬鹿なっ!」
伊織「普段から片付けてないあんた達が悪いんでしょう?」
歩「いや、それを言われたらそれまでなんだけどさ……」
エレナ「それでプロデューサー! 今日はどの位まで回れるのかナ? ワタシの所まで来る?」
P「んー……今日は難しいかな。多分『う』までが精一杯だと思う」
杏「う? ……あぁ」
(扉の開く音)
卯月「おはようございまーす! ってあれ? 皆さん集まってどうしたんですか?」
亜美「あれあれ」
卯月「掲示板がなにか……抜き打ち、お部屋チェックぅぅっ!?」
P「お前のところまではなにがなんでも今日中に行くからな?」
卯月「え、でも名前順って……」
愛「はい、苗字じゃなくて名前順です」
卯月「……言われて見ればここにいるみんなあ行だ」
P「と、言う訳だ」
卯月「ちょ、ちょっと本当に!?」
伊織「諦めなさい、もう決まっちゃったんだから」
卯月「そんなっ!? 伊織さん手伝ってください!」
伊織「……いたた、急にお腹が」
卯月「そんな小学生並の誤魔化しやめてください!」
P「じゃあ、始めるぞー」
―――
P「……なんというか」
卯月「……」
P「足の踏み場もないというのは嘘だな」
卯月「で、ですよね! そこまでじゃ」
P「あぁ、それどころじゃないな。もうここまでいくと全部が足の踏み場なんだな」
卯月「あう……」
P「お前実家に暮らしてた頃もこんなだったのか?」
卯月「前は出かけて帰って来ると勝手に片付いてたので綺麗でした!」
P「……そうか。とりあえず帰ったらお母さんにちゃんとお礼を言っておけ、母の日近いしな」
卯月「はい」
P「……じゃあ行くぞー」
卯月「あ、ちょっと待ってください。本当に踏んでいくんですか!?」
P「じゃないとどうしようもないだろ、なんだこれは」
卯月「いえ、というより単純にあぶな――」
P「いたっ!? なんか刺さった!」
卯月「あっ、その辺りだと多分ホチキスです!」
P「……なぜホッチキスが開いた状態で尚且つ上向きに落ちてる」
卯月「あはは」
>>1だが
インターネットが先月末から止まってしまって書き込めないのだ
働けど働けど生活楽にならざりじっと手を見る
おらーやっと書き込めるようになったぜー
>>963は間違いなく俺だぜー仕事場のwifiからPadで書き込んでたぜー
【予告編】
曰く魑魅魍魎の類が活性化する時間帯。
霊や御魂や物怪粧が跳梁跋扈する時節。
丑三つ時。況や深夜である。
私――アイドルであり科学者であるところの池袋晶葉――は
唯一の光源であるモニターに向かいキーボードを叩く。
助手は私に対し、常日頃から徹夜を始めとした不摂生を行うなと言っていた。
勿論私も彼の発言は最大限尊重し努めて従ってきた。……が。
「"コレ〟の完成を目前にして、作業を辞められる奴が居たらそいつは科学者ではない!」
会社の地下、私が根城にしている研究室は時間帯によって使用を制限される為。
現在地は会議室。普段使われていないのをいい事に持ち込んだコンピューターの前で、
私は誰にともなく言葉をつむぐ。それはあと一歩で完成という目の前の事実がもたらす高揚感。
―――そして、私は見落とした。
『違う……違う……私はこんなものを作りたかった訳じゃない!』
――科学者はリアリストではない。むしろロマンチストだ。
『いいでしょう。菜々さん……貴女のその言霊、撃ち抜かせてもらいます』
――やりたい、知りたい、見てみたい。だからやる。子供さながらの行動基準。
『これがまゆの得た力です。……さぁ、あなたを繭にしてあげますねぇ』
――そして到達する。人を作りたいと。
『光ちゃん。教えてください、軍人はヒーローの引き立て役にしかなれないんですか?
彼らだって守りたい物があるんですよ。答えてくださいよ! ヒーロー!』
――禁忌に触れたつもりはなかった。ただ知りたかったそのロジックが。
『ここでさよならでごぜーます。美玲おねーさん』
――彼女達のずば抜けた個性を理解すれば、近づけると思った。人に限りなく近い、ヒトに。
『わかる? ギャンブルっていうゲームに、私は勝ったのよ紗南ちゃん』
――こんな筈じゃ……なかったんだ。
『シンデレラガールズ バトルオーケストラ』
【予告編 2】
魔王と、呼ばれた。感情の無いマシーンだ、とも悪魔だとも。
怖がられた。避けられた。仕舞いには泣かれた。
私はどうすればよかったんだろう?
勝つ、ということは負けた人がいるって言う事。
わかってる。わかってるよ、そんなこと。
麻雀がそういう物だって言うのは、だから勝つために全力で戦ったんだよ。
なのに、どうして?
手元にあるのは部長から渡された携帯。
適当に押していたら飛んだ麻雀情報サイトが映る画面。
謂われない、心無い言葉が並ぶ画面。
消し方すら、わからずただただ何度も眺めることしかできず、
ただただ、トイレの中で反芻する。なんで、どうして、と。
「なぁ照。清澄の大将の事だが」
そうしていると、いつから居たのか誰かの声。
そして呼ばれる、聞き覚えのある名前。
「くどい」
答える、聞き覚えのある。恋焦がれた声。
「私には妹なんていない」
全てを終わらせる、声。
咲じゃねーか!
『私に、姉なんて居ません』
姉なんて居ない。妹じゃない。じゃあ私はなに?
『ツモ。 三暗刻・三槓子・三色同刻・混老頭・対々・ダブ東・嶺上開花。48000です』
魔王、魔王、魔王。……魔王か。
『始めまして宮永照さん。よろしくお願いします』
目の前の敵を倒すんだ。それだけだったんだ。
『みんなが魔王と呼ぶのなら、私は魔王になります』
咲さんが魔王になったようです
【予告編3】
「自体は極めて深刻よ」
窓からアドリア海が一望できる作戦会議室にミーナの声が静かに響いた。
部屋の中心に置かれた大きな机の上を占領する地図、
それを囲むようにして立っているのは
第501統合戦闘航空団体長である彼女の他に三名。
坂本美緒、ゲルトルート・バルクホルン、エーリカ・ハルトマン。
その誰もが僅かな疲労を顔に滲ませ深刻に地図を見下ろす。
「新型ネウロイの存在によって
国境警備・哨戒線が今となっては無意味
いつ、どこから、どれだけの規模のネウロイが来るかわからん」
「それもそうだけど、やっぱり補給だよ。
弾も尽きかけ、ユニットのパーツはない、食べ物も薬もない」
「人員の問題もあるわ。整備班医療班ともに現在はないのと同じ、
現状宮藤さんとシャーリーさんに負担が偏りすぎてる」
「サーニャもだ。連日の夜間哨戒・交戦。
このままの頻度でネウロイが出没し続ければ、近いうちにココも落ちる」
三々五々、状況を言い合ってはお互いの顔を見渡してため息をつく。
ここ数日幾度となく繰り返されたこの部屋での作戦会議はまたも同じ所に着地した。
―――
過去の功績から伝説と化していた第501統合戦闘航空団の二度目となる再結成
その501功績の立役者とも言える宮藤芳佳少尉の復帰。
この二つの吉報に、ウィッチ隊に限らず各国軍は大いに沸いた。
しかしそれも束の間の歓喜であったことを人類は知る。
それは地中を移動し、川を湖を苦もなく移動する新型ネウロイに寄るものが大きい。
彼らネウロイは奮起する人類を嘲笑うように突然現れ、
その猛威を大いに奮っていった。それも過去とは比較にならない頻度で。
501が再結成されてから二ヶ月という短い期間に出撃したは三十を超える。
二日に一度以上の頻度である。これは以前までの三倍以上になる。
哨戒線が実質役に立たず、24時間体制で複数のウィッチを哨戒に出さねばない上
固体自体も強力になり、多くの補給経路が潰されてしまったこの時。
人類の劣勢は誰の目にも明らかだったと言わざるを得ない。
――― ウィッチとネウロイ。戦いの歴史
>>983
近々書こうと思ってる奴をとりあえず全部
【予告編4】
「なんじゃこら」
出勤して早々デスクの上に置かれた身に覚えの無いチラシを見つけぼやく。
空調を入れたばかりの事務所は閑散とした雰囲気を相まって少し肌寒く感じる中、
『ちんちくりんガールズによるちんち☆Clean』と書かれたやたら派手な彩色のチラシは際立って浮いて見えた。
「ご用命の際はこちらまで……ねぇ」
ご丁寧に電話番号が書いてある。
携帯を取り出し打ち込んで検索してみるとなるほどウチの事務所に所属しているアイドルの携帯だった。
「なにやってんだあいつら……」
こんな手の込んだチラシを作って。間違いなく忘れたとかではなく意図的に俺の机に置いたのだろうが。
ご用命もクソもそもそもなにをしてくれるのか内容とかが一切書かれていない。
「サプライズってことか?」
裏面を見てみると書かれていた携帯番号の行き先であるアイドルの名前を筆頭に
何名かのアイドルの名前が顔写真と共に並んでいた。ご指名どうぞってアホか。
「……はぁ、試しにかけて見てやるか。まったく」
一体何が目的なのかは三度チラシを読み直してもついぞわからずじまいではあったが。
こういう遊びに付き合ってやるのもプロデューサーの務めというものだろう。
片桐早苗。馬場このみ。双葉杏。萩原雪歩。脇山珠美。
以上五名。とりあえず誰に電話をするかと悩んで……。
「とりあえず話を聞くためにも早苗かな……」
筆頭であり最年長である元警察アイドルに電話をかけてみる。
――これが間違いだった。あるいは、間違いを犯す一歩手前か。
『ちんち☆Cleanって書いてあるでしょ?』
『☆って画太郎的なアレじゃなくて伏字的な奴かよ!』
『さぁちんちくりんと散々馬鹿にしてきたお姉さん達が一杯お・か・え・し、してあげる♪』
――ちんちくりんなアイドルによるちんちんClean(健全)
と言う訳で、他にもタイバニとかギアスとか艦これとかとあるとかビビッドとかシンフォギアとかごちうさとか
シリアス・コメディ・エロとか色々入り混じりながら書いていきます
えっ、まだ書くよ
間が空いたから、ネタはちょこちょこ溜まったしね。
ただこのスレで書くのも残り少ないなと思ったし、ちょっと他のも書きたいってなもんでして
ちなみにこのスレで一番書いてて楽しかったのは>>772-780までの晶葉の語り
このSSまとめへのコメント
ミサワ忙しさ自慢はいらない。
お前これが自慢に見えるって仕事につけなくてコンプレックス感じてるニートかな?
芸能人のブログじゃあるまいしss作者出てくんなよ萎えるから