【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】 (869)



【艦隊これくしょん】をプレイしてる提督の方々に捧ぐ。

この投稿は、筆者が抱いているシステム周りの単純な妄想や【艦隊これくしょん】で実現したら面白そうなアイデアを、
実装する前の一部の提督たちを選抜してβテストシミュレーションを行うという架空戦記を通した具体例を提示したリプレイ風架空戦記となります。
それ故に、メメタァな発言が頻発しますがご了承くださいませ。
システム周りの設定の妄想を物語風に語っていくので、イチャコラみたいなのを期待している人向けではありません。

なお【友軍艦隊】が「-第2期実装予定-」とあるように大規模なアップデートが予定されていることは間違いありませんが、
現時点での【艦隊これくしょん】の感触から得たアイデアを綴らせていこうかと思います。

物語設定としては、大本営が更なる戦果と技術の向上のためのテストケースとして、
新装備や新たなシステムの導入を艦隊運用の思想がまったく異なる提督たちにモニタリングしてもらうという話である。
提督の名前も性格をなるべくイメージしやすいものにしてあり、艦隊運用の思想を分類化した中で選ばれた1提督と考えてください。
当然ながら、艦娘たちとイメージが被ることがないようなありふれた苗字を選んでいるつもりですが、どうぞよろしくお願いします、

モニターに選ばれた提督たち
                         ドウテイ
清原提督……道徳的な艦隊運用を心掛ける身持ちが堅い洞庭鎮守府の提督。。
                       サイテイ
金本提督……財力に物を言わせる戦いに明け暮れる斎庭鎮守府の提督。
                     タクジ
朗利提督……駆逐艦と潜水艦をこよなく愛する拓自鎮守府の提督。
                        シュリ
石田提督……大型艦を主力にする大艦巨砲主義を貫く趣里鎮守府の提督。


なお、すでに内容は全て書き起こしてあるので提案の是非に関わらず、呼称や設定などの途中変更はありません。
物語風に描いているので、話数を重ねる毎に新装備や新システムの導入の恩恵でモニターの提督たちの鎮守府の戦力がどんどん拡充されていきます。
また、物語の終着点もしっかりと考えてありますので隔週投稿となりますが、失踪はせずにしっかりと完結させますのでよろしくお願いします。



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第1話 ユウジョウカッコカリ


清原「さて、どうして我々が喚ばれたのか……」

金本「さあな。大本営に訊いても知らぬ存ぜぬだ。【書類一式&指輪】を特別にくれるんだったらいいけどな」

朗利「さっさとやることすませて鎮守府に帰りたい。本当なら今日は駆逐艦のみんなと――――――」

石田「それはまったくもって同感ですよ。こんなのは時間の無駄ですよ。今日も【大型艦建造】のために潜水艦隊には――――――」


提督たち「!?」


清原「………………」

金本「………………」


朗利「………………」

石田「………………」




清原「金本提督?」

金本「どうした、清原提督?」

清原「確かあなたは【書類一式&指輪】を欲しがっているようですが……」

金本「そうだぜ?」

清原「怒涛の勢いの豪胆な艦隊運用に定評のある金本提督が【書類一式&指輪】を手に入れるのに手こずっているとは思えないのですが…………」

金本「ああ。敵艦隊を蹴散らすことに関しては抜かりはないさ。この前のAL作戦とMI作戦も余裕で突破よ」

金本「どうだい? 俺のところとまた演習やってみる?」

清原「遠慮しておきます。私はMI島の敵戦力の殲滅で精一杯で、残念ながらすぐに撤退してしまいましたし……」

金本「そりゃ残念だったな。島を守りきれていれば【勲章】ものだったのにな」

清原「…………はい」

清原「で?」

金本「?」

清原「もしやと思いますが、――――――その指輪の数はいったい何ですか?」

金本「え? 決まってるじゃないか!」


金本「愛しの艦娘たちとの誓いの指輪!」ドヤァ


清原「なにっ?!」

清原「しばらく見ない間に、まさか全部――――――?!」

金本「おうとも。結構苦労したぜ。さすがにこの数ともなれば指5本にはに収まらないな」

金本「見栄えも悪いし、いっそ1つのリングにしちゃおうかな?」

清原「あ、あなたという人は…………」プルプル

金本「あぁれぇ? 清原提督の指にはまだ1つも――――――」


清原「そこに直りなさい、不埒者!」


金本「はあ?」


清原「あなたという人は恥ずかしくないのですか!」

清原「イップタサイなどと…………」

清原「しかも、必要以上の奢侈に走った身なりと言い――――――」

金本「そういうあんたこそ、ずいぶんとみそぼらしいこと」

清原「う、うるさい! 大型艦建造の結果が全部 まるゆになるのがいけないんだ! どうしてハズレばかり…………」

金本「それに、俺は心の底から艦娘たちを愛してるが故にこうしてちゃんとメオトノチギリを交わしてやってるんだ」

金本「大本営もジュウコンは黙認しているんだし、これは結婚ではなくてケッコンなんだから肩の力を抜けっての」

金本「そういや清原提督は、男としての魅力なら俺には絶対に敵わないだろうが、」

金本「細やかな気配りや人徳に溢れた およそ軍人らしからぬ大愛に胸を打たれた艦娘がいるんだから、さっさとその娘とケッコンしちまえよ」

金本「ずっと待ってるんじゃねえのか?」

清原「ぬっ…………余計なお世話だ!」

清原「戦争をやってるんだぞ! 結婚だろうがケッコンじゃなかろうがそれに現を抜かすなど――――――」

金本「あーあー、聞っこえっなーい。死んでから後悔できることとそうじゃないことの区別がないお子ちゃまの言葉なんて聞こえない~」

金本「そういうのはただの僻みっていうんだよ~」

金本「ケッコンすれば純粋な戦力増強になるって側面もあるんだし、これはやらないだけ損ってやつなのに馬鹿だね~!」

金本「そんなんだから【勲章】を取り逃してしまうんだよ、童貞くん!」

清原「う、うるさい! この成金!」

金本「貢ぐに値するものに貢いで何がいけない?」

金本「清原提督も、2日だけ昼食を我慢する努力をすれば俺のようになれるぞ? 給料3ヶ月分叩く必要もないんだ!」メメタァ

清原「そういうことじゃあない! 気持ちの問題だっ!」



朗利「ねえねえ 石田提督?」

石田「何ですか、朗利提督?」

朗利「さっき『潜水艦隊を』――――――何だって?」

石田「東部オリョール海に出撃させるんですよ。数十回ほど」

朗利「なんだって? どうしてそんなことさせるのかな~? 明らかに度を過ぎてる気がするけど」

石田「戦いというのは数が全てを支配するものです」

石田「すなわち、鎮守府における『数』というのは『艦隊運用に関わる資源の数』こそが全てとなります。これはあって困ることはありません」

石田「そして、あらゆる敵を吹き飛ばす攻撃力の高さこそが正義なのです。そのために【大型艦建造】に全力を尽くしております」

朗利「それで時間をコツコツ無駄にしてきたわけね。まあレベルは上がるから一概に無駄とは言えないけど」

石田「そういうあなたこそ、よく艦娘たちと遊んでいられますね?」

朗利「俺は提督としてまじめに職務をこなしているだけだよ」


朗利「そう、我が鎮守府を構成する愛する艦娘とのコミュニケーションも提督の大事な務め!」キリッ


石田「フッ、無益なことを」

朗利「はい?」ムッ

石田「調べはついています」

石田「あなたは自分が贔屓する艦娘のために鎮守府を運営し、大本営から与えられた指令の達成には消極的であると」

石田「あなたはいったい何のために提督となったのですか? 組織に所属する人間としてあるまじき実態には反吐が出そうですよ」

朗利「はっ! よくいうぜ!」

朗利「そういうあんたこそ、勝率は俺のところよりも高くないのな」

朗利「しかも、轟沈した艦娘の数が異様に多い」

朗利「どこからどう見ても、世間の人たちが忌み嫌うブラック鎮守府そのものじゃないか!」

朗利「この外道! ひとでなし! 艦娘たちをなんだと思っていやがる!」

石田「おかしなことを言いますね」

朗利「なんだ? あんたも艦娘は人間じゃないから奴隷扱いしているのか?」ジロッ

石田「そうではありません。私は社会的責任能力が認められる友好的な存在を人間として扱うつもりですので」

朗利「本当かな?」ジトー

石田「将棋というのはいかに捨て駒を活用し、相手の陣形を崩し、活路を開いて勝利を得るかとなります」

石田「それと同じように、温存すべき艦娘と切り捨てるべき艦娘の線引があって当然ではないですか?」

朗利「…………!」

石田「ましてや、あなたの言っていることは偽善ですよ」

石田「そういうのは、全ての艦娘の練度を最大値にまであげてから言ってくださいよ」

石田「あなたの鎮守府に所属している重巡洋艦のみなさんが埃をかぶって泣いてますよ?」

朗利「ふん! 人のことを道具としてしか見れない心の冷たい大人にはなりたかぁねえな」

朗利「そういう意味じゃ、次代をつなぐ人材確保に影を落としてるんじゃないの?」

石田「結果が全てなんですよ、結果が。あなたのいう『次代』もそういった結果によってもたらされるもの」

朗利「まあ、あんたみたいな心の冷たいのがいると大本営にも迷惑だろうから、俺のような心の暖かいおにいさんがいていい塩梅だよ」

石田「減らず口を……」

朗利「そういうあんたこそ、【艦隊これくしょん】を始めた動機って何だったのさ? 初志貫徹もできないような情けないやつ!」メメタァ





清原「………………」

金本「………………」


朗利「………………」

石田「………………」


提督たち「ふん!」


スタスタスタ・・・



――――――司令部


司令部「諸君に集まってもらったのは他でもない」

司令部「諸君にはこの【試供品】を試用し、それによる戦果の向上を確認してきて欲しいのだ」

清原「と、言いますと?」

金本「うぅん? どこかで見たことがあるような――――――」

朗利「1人4つあるね」

石田「これを艦娘に与えればよいのですね?」

司令部「うむ」

清原「では、【これ】は何です?」

金本「もしかして――――――」


司令部「その名も、“ユウジョウカッコカリ”だ」


提督たち「ユウジョウカッコカリ?」

朗利「え? “ケッコンカッコカリ”じゃなくて?」

司令部「まだ仮称だ。他の案として『センユウカッコカリ』『アイボウカッコカリ』などがある」

司令部「そして、【これ】はあくまでもユウジョウカッコカリするのに必要なアイテムということだ」

石田「では、詳細な説明を」

司令部「うむ。では、画面を見たまえ」



ユウジョウカッコカリ(仮称)
練度がLv.50からLv.98までの艦娘とユウジョウカッコカリ可能となります。
これには【○○○○鎮守府褒章】(仮称)が必要です。
ユウジョウカッコカリに必要な【○○○○鎮守府褒章】(仮称)は【勲章】3つと交換となります。
ただし、艦隊司令部Levelが50以上から交換できるようになります。

【○○○○鎮守府褒章】(仮称)
○○○○鎮守府が独自に設定した褒章――――――というより、感謝状みたいなもの。
大本営公認(=黙認)であり、功績のあった艦娘にはガンガン与えちゃっていい感じである。
ただし、【勲章】3つとの交換であり、課金すれば手に入る【書類一式&指輪】とは違い、時間さえ掛ければ無限に手に入るがその道は険しい。


ユウジョウカッコカリしたボーナス
・Lv上限がLv120までに引き上げられる
・火力・雷装・対空・装甲の基本ステータスは引き継がれ、上限も変わらない。これまでの近代化改修の効果はリセットされない。
・それまでのレベルアップと同様に、今後のレベルアップでも対潜・索敵・回避が上昇する。
・運が上昇する
・燃料・弾薬共に消費量が減少

・ユウジョウカッコカリ専用演出
・ケッコンカッコカリに上書きされる
-その場合、ケッコンカッコカリの演出が通常時とは異なる
-その場合、ケッコンカッコカリによる運の上昇、燃料・弾薬の消費量の減少がない



――――――洞庭鎮守府


清原「これで、長らく続いてきた悩みが解決するな」

清原「実装された後のことを考えれば、これまで【勲章】をちゃんととってきてよかった…………」

清原「でも、それ以上に嬉しいのは――――――、」

清原「このユウジョウカッコカリのテストに私が選ばれたこと!」

清原「それすなわち、誰よりも先にこの素晴らしいシステムに触れることができるということだ!」メメタァ

清原「ただいま」ガチャ


鳳翔:Lv99「お疲れ様です。お風呂にしますか? ご飯にしますか? それとも・・・ふふっ、冗談ですよ」

金剛:Lv99「HEY! 提督ぅー。レディーをいつまでも待たせちゃNOデース! もっともっと私との時間を大切にするのデース!」


清原「ああ。そうさせてもらうよ」フフッ

鳳翔「あら、なんだかとっても嬉しそうですね、提督?」クスッ

金剛「提督、今日は何かいいことあったデスカ?」

清原「ふふふ、それは近いうちにわかると思うよ」ニコニコ

鳳翔「それでは、お茶をご用意いたしますね」

金剛「待つのデース! 提督にはGreen TeaよりもRed Teaネー!」


タッタッタッタッタ・・・・・・!


清原「相変わらずだな、二人共……」フフッ

清原「………………フゥ」

清原「私はこれまでただ逃げてきた……」

清原「あの二人の気持ちを知っていながらどちらかを選ぶことがずっとできなかった…………」

清原「いや、最初から答えは決まっていた。私は――――――」

清原「けど、彼女にもいろいろと助けられてきた」

清原「それまでの嘘偽りのない感謝と信頼の気持ちをみなの前で示したかった」

清原「悔しいことだが、最近の戦績もケッコンカッコカリしてこなかったつけが大きくなってきている」

清原「単純な戦力増強のためにも、ケッコンカッコカリは戦艦や正規空母に使うべきなのだろう」

清原「けれども、たった1つしか支給されない【指輪】はやっぱり一番だと思う娘に渡したいから――――――」

清原「………………」

清原「どうなっちゃうんだろうな、これから?」ワクワク


――――――斎庭鎮守府


金本「…………【これ】、どうしよう?」

金本「ユウジョウカッコカリ」

金本「はっきり言って、要らね」

金本「Lv50で先にケッコンカッコカリのボーナスをもらえるようだが――――――、」

金本「Lv上限が120っていうのが一番の曲者で、結局 ケッコンカッコカリの下位互換じゃねえか!」

金本「それに、貴重な【勲章】を3つ使う必要があるというのも気に食わん」

金本「【勲章】なんてゲージ破壊するところで月1しか取れないだろうが!」メメタァ

金本「いくら俺がプロデューサーも兼業していた歴戦の課金兵の叩き上げだろうと、ゲージ破壊なんていうのはイベントマップだけで十分だっての!」メメタァ

金本「ケッコンカッコカリなんて、艦娘がLv99になったら【書類一式&指輪】をポチッてすぐにできるってのに……」メメタァ

金本「はあ……、こんなのをありがたがる人間の気がしれないよ」

金本「いや、艦娘の中で序列をつける意味では有効かもしれねえが――――――、」

金本「そんなものは差をつけることでしか人と付き合えない不器用なやつが喜ぶやり方だな」

金本「男なら、愛する全てをものにするもんだろうがよ」

金本「それが甲斐性ってもんだろう? ――――――愛は勝つ!」ガチャ


扶桑:Lv128「あ、提督。おかえりなさい」

山城:Lv148「……なんだ、提督か」

龍驤:Lv98「おお、提督か。なんやそれ? おみやげか?」


金本「いや、ゴミだね」


金本「それよりも、龍驤? 明日辺りに俺と出かけない?」

龍驤「え、それはその…………」モジモジ

扶桑「そっか。龍驤ちゃんももうそんな――――――」

山城「不幸だわ……。またしてもこの男の毒牙に――――――」

金本「ふははははは!」

金本「何? 妬いてくれてるの? 相変わらず自己主張が激しいな~」

山城「…………!」ドキッ

金本「大丈夫、大丈夫! 俺、包容力ってのはあるつもりだからさ」

金本「それに――――――、」

金本「どうだ? 俺の手で身の丈に合わない功績を上げてしまった不幸の味は! 伊勢や日向はおろか、愛しの“姉さま”よりも大活躍してさ!」

金本「愛しの“姉さま”もバッチリ見てきたんだぜ? 震えるだろう? 誰も彼もがお前の功績を見て羨んで嫉妬するんだぜ?」

金本「やーい! 不幸戦艦! 欠陥戦艦! ここまでされたら不幸のあまりに言葉も出ないだろう!」

金本「だから、笑え! 笑っちまえ! ふははははは!」

山城「あは、あはははは……、私って本当に不幸……」

山城「あははははははは……」

山城「……感謝しています、提督」ボソッ

扶桑「山城……」ホッ

金本「そんなわけで、龍驤」

龍驤「あ、はいっ!」ビクッ

金本「お前も明日から俺のわがままに振り回されて不幸になってくれや」ニッコリ

龍驤「…………はい」ポッ

金本「ああ 今日の司令部への召集はつまらなかった……」

金本「扶桑、【これ】、適当に片付けておいてくれ」

金本「その後、しっかりと労ってやるからな」ニヤリ

扶桑「はい、提督」ニッコリ

金本「ようし! 主力艦隊、出撃! 明日は非番にするぞ! 大盤振る舞いだ!」

龍驤「第1艦隊、行ってくるでぇ!」キラキラ



――――――拓自鎮守府


朗利「なるほどね」

朗利「ユウジョウカッコカリ」

朗利「燃費の良い艦娘がますます燃費が良くなるから、鎮守府の運営も楽になるな」

朗利「しかも、Lv50から使えるということはMVPを取りづらい駆逐艦にも優しいナイスな仕様じゃないか!」

朗利「毎日コツコツ近海警備していれば、問題なく辿り着けるな」

朗利「それを4つももらえたということは、艦隊全体の燃費を劇的に改善できるってわけだな」

朗利「ただ、あの娘たちとユウジョウカッコカリってのも何か変な感じだな……」

朗利「センユウカッコカリってのが【これ】の名前の候補にあったわけだから、【これ】を使うと『提督である俺と戦友=対等の関係になる』ってことか」

朗利「………………」

朗利「何か違うな……。まあ……、あんな幼気な艦娘たちに戦わせている時点で倫理もへったくれもないはずなんだけど…………」

朗利「とはいっても、ケッコンカッコカリすら届かないんだけどな~」ガチャ

朗利「ただいま~! ――――――げっ」


長門 :Lv78「遅いぞ、提督。どこで道草を食っていた?」

大鳳 :Lv81「提督、明日の出撃の予定はどうしましょうか?」

五十鈴:Lv88「提督! いいかげん次の海域の攻略にとりかかりましょう!」

天龍 :Lv43「そうだそうだ! いいかげんオレを艦隊決戦のメンツに入れろよ! ビビってんのか、オレの活躍に?」

雷 :Lv92「司令官、偉い人にイジメられなかった? けど、大丈夫。私が居るからね」


朗利「…………一応、これが俺の鎮守府を支えてくれた面々ではあるかな」

朗利「う~ん」

長門「どうした? 珍しく悩み事をしているようだがな」

天龍「どうせいつものくだらないことだろうぜ。オレたちを巻き込んで駆逐艦の連中と遊ぶのはやめろよな」

五十鈴「そうそう。そんなんで山本五十六提督や山口多聞提督たち英霊たちに申し訳ないと思わないの?」


朗利「(くそ~。長門に五十鈴に天龍め~!)」

朗利「(一応こいつらの力があって大本営からの指令はこなせてはいるけど、俺への敬意ってのがなってないんだよな~!)」

朗利「(それに、デカイ口を叩くわりには出撃する度に中破・大破で、コツコツ駆逐艦と潜水艦隊のみんなと集めた資源を無駄遣いさせやがって……!)」

朗利「(あ、天龍は遠征で資源を集めている方だからそれほどでもないか。おかげで練度が上がらなくてユウジョウカッコカリの対象外だけど!)」

朗利「(そんな中、俺にちゃんと接してくれるのは大鳳だけだよ。お前ら、大鳳を見習って提督である俺を敬えっての!)」

朗利「(そして、相変わらず雷ちゃんは俺の心のオアシスである、ホント……)」

朗利「(しかし、悔しいことだが、主力であるこいつらにユウジョウカッコカリをすれば攻略も大いに進むのは事実だろう)」

朗利「(五十鈴は対潜戦闘の要、長門はさすがは連合艦隊旗艦としての貫禄、大鳳は中破しても戦える粘り強さがある)」

朗利「(天龍はどうでもいいけど! どうでもいいけど! お前は俺が居ない時に駆逐艦や潜水艦の面倒を見てりゃいいんじゃ!)」

朗利「(そして、雷は俺の守るべきものであり、――――――俺の母となってくれるやもしれぬ女性!)」

朗利「(俺と一緒にこの鎮守府の日常を生涯支えてくれるのは彼女において他ならない!)」

朗利「(ならば、雷のために姉妹全員にこの【拓自鎮守府褒章】を授与してしまうか?!)」

朗利「(待て待て待て! 【こいつ】を手に入れるのに必要な【勲章】はExtraOperationでしか手に入らないんだぞ! 激戦は必至じゃないか!)」メメタァ

朗利「(それに、別に慌てることはないじゃないか。俺はじっくりゆっくり俺の艦娘たちを愛でていたいんだから)」

朗利「(というか、広く浅く多くの駆逐艦を育てているからユウジョウカッコカリには届かないんだよな、どんなに必死に1日回しても)」

朗利「(だったら、ここで提督の威厳というものをアピールするためにも、大鳳と生意気な艦娘にやっちゃってもいいような気がする!)」

朗利「(俺の使命に今後も付き合わされるんだし、今のうちにLv上限や燃費の向上がするのはいいことだ)」メメタァ


朗利「よし、これでいこう!」

五十鈴「提督!」

朗利「な、何だ?! びっくりさせるな!」
          イチゴーマルマル
天龍「ほら、そろそろ一五○○だろう?」

長門「そ、そうだぞ! みんなが待っている……!」ギュルルル・・・

朗利「あ、そっか。もうすぐ3時か。準備しないとな」

大鳳「提督、本日の厨房の準備はできています」

雷「今日も楽しみにしているんだからね!」

朗利「おお! 俺が愛する駆逐艦や潜水艦のみんなに心を込めて作ります!」


朗利「たくさん食べて元気にな~れ!(でも、大きくなっちゃやぁあ!)」ニコッ


天龍「さすがに気色悪いな……」

長門「だ、だが、やつの菓子職人としての実力は認めざるを得ない……」ゴクリ

五十鈴「さあ、私たちも作るわよ。今度こそ提督より美味しいお菓子を作って唯一の取り柄を粉砕するのよ!」

天龍「ああ。腕が鳴るぜ! いつまでも甘いものだけで人のことをどうにかできると思うなよ?」ジュルリ・・・

長門「うむ。がんばってくれたまえ」

長門「私と雷は駆逐艦たちの様子を――――――」

大鳳「手伝わないのなら、一人で駆逐艦全員分を平らげてしまうあなたにはあげませんよ?」ニコニコー

雷「ふふふ、今日も平和ねー。がんばってー、みんなー!」



――――――趣里鎮守府


石田「ユウジョウカッコカリ」

石田「言うまでもなく【これ】は、長期的な攻略を有利に進められる有益なもの」

石田「しかも、【それ】を4つももらえたことは幸いです」

石田「この4つと、ケッコンカッコカリと事前に確保した【勲章】3つを使えば、燃費が向上した上で限界突破した1艦隊が編成できるようになる」

石田「まあ、まだ実装前のβテストだから【勲章】との交換はまだできないことが現状における最大の問題点なのですが」

石田「しかし、ゲージ破壊による周回攻略を求められる海域においては他を寄せ付けない継戦能力を造り出すだろう」メメタァ

石田「――――――“ユウジョウカッコカリ”か」

石田「またの名を、『センユウカッコカリ』『アイボウカッコカリ』」

石田「およそ私にはふさわしくない関係だな…………」

石田「しかも、【褒章】という形で他の艦娘が見ている前で手渡さなければならない――――――」

石田「署名と指輪の交換だけでいいケッコンカッコカリとはまるで趣が違う……」

石田「有用ではあるが、私にそれを実行するだけの勇気が――――――」

石田「いや、これも攻略を進めるために必要な儀礼だ。気にしては負けだ」ガチャ

石田「む」


飛龍:Lv90「提督!」


石田「飛龍ですか。遠征に出た艦隊はすでに?」

飛龍「はい。獲得した資源は次のようになっています」

石田「ご苦労さまです。下がりなさい」

飛龍「わかりました、提督」

石田「………………」


スタスタスタ・・・


石田「…………我が艦隊で最もケッコンカッコカリに近いのが彼女か」

石田「私が無能だった頃はまるで見向きもしなかった艦娘が今や我が艦隊の主力か……」

石田「彼女は極めて有能だ。この前のMI作戦でも一番の武勲を立ててくれた」

石田「しかし、なぜ彼女は古参でありながら、こんな私に付き従うのか……」


石田「さて、今日こそ陸奥ではない戦艦を――――――」アセタラー


石田「この際、霧島でもいい! いいかげん第4艦隊を編成したのだああああああああ!」ガン!


石田「………………………………1時間」

石田「これも運命か……」ハア

石田「自暴自棄になって、数多くの艦娘を捨て駒にして、大本営の一大作戦への参加資格を剥奪され、」

石田「戦線復帰の資格を取り戻すために捨て駒作戦をやめて今度は牧場経営とクルージングに精を出すか」

石田「懲りないものだな――――――いや、犯した罪は一生消えることはない」

石田「各戦線で戦い続けている同胞の提督たちを2つに大別するのならば、」


――――――沈めた提督と沈めたことがない提督の2つだ。


石田「そして、一度そうなってしまったら二度とそうではない状態には戻れない」

石田「だが、その犠牲に見合った分の結果を私は出している! 確実に全体の勝利に貢献している! 未来に向けて前進している!」

石田「聞けば、たかが1隻沈んだだけで提督としての職務と使命を全うできなくなった軟弱者もいるというが、」

石田「それ故に、私はユウジョウカッコカリのモニターに選ばれた――――――そう考えよう」

石田「さて、飛龍 以外の候補を考えておかなければな……」




――――――こうして1週間が過ぎた。


司令部「さて、まず最初の報告を聞こうか」

司令部「清原提督の洞庭鎮守府に合わせてくれ」

ピッ

――――――
清原「…………あ、すみません」ドヨーン
――――――

司令部「?」

司令部「どうしたのかね? ずいぶんと窶れているようだが……」

――――――
清原「あ、これは失礼致しました……」
――――――

司令部「人道的な艦隊運用で評判のきみがそこまで根を詰めるということは、まさか――――――」

――――――
清原「いえ! 我が艦隊は健在です」
――――――

司令部「…………そうか。それならいいのだが」

司令部「では、ユウジョウカッコカリの感触はどうかね? すでに【褒章】を授与したのかね?」

――――――
清原「その……、なぜなのでしょうか……?」
――――――

司令部「……何がだね?」

――――――
清原「なぜ、なぜ、なぜ――――――!?」


――――――なぜLv99の艦娘とユウジョウカッコカリができないんですか!


清原「うぅ…………」
――――――

司令部「どういうことかね? 詳しく聞かせたまえ」

――――――
清原「ええ。あれは――――――」



――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



清原「さて、ケッコンカッコカリの作法はわかっている」ドキドキ

清原「第一艦隊の旗艦に配置して【改装】で【Lv】のところを選択すればいいんだな」メメタァ

清原「よし。ここにサインをすればいいんだな?」フゥ

清原「それと同じように、Lv50以上の艦娘と旗艦に配置して同じようにすればいいのか(お、確かに【Lv】のところが違った光を放っているな)」メメタァ

清原「よし。榛名でユウジョウカッコカリ可能なのを確認できたぞ」ドクンドクン

清原「それじゃ――――――いや!」

清原「お、落ち着け! 万が一の可能性というのもある。ちゃんと彼女とユウジョウカッコカリになるのかを見るんだ」ドクンドクン

清原「それじゃ、彼女を旗艦にして――――――」

清原「そして、【Lv】のところを選択――――――」メメタァ

清原「なっ!?」

清原「へ? へ? へ?」キョロキョロ

清原「う、嘘だろう? 嘘だよな!? 嘘だと言ってくれえええええええええええええ!」ガタッ

清原「うわああああああああああああああああああああああああああ!!」


ユウジョウカッコカリ(仮称)
練度がLv.50からLv.98までの艦娘とユウジョウカッコカリ可能となります。  ←――――――――――――注目!
これには【○○○○鎮守府褒章】(仮称)が必要です。
ユウジョウカッコカリに必要な【○○○○鎮守府褒章】(仮称)は【勲章】3つと交換となります。
ただし、艦隊司令部Levelが50以上から交換できるようになります。

【○○○○鎮守府褒章】(仮称)
○○○○鎮守府が独自に設定した褒章――――――というより、感謝状みたいなもの。
大本営公認(=黙認)であり、功績のあった艦娘にはガンガン与えちゃっていい感じである。
ただし、【勲章】3つとの交換であり、課金すれば手に入る【書類一式&指輪】とは違い、時間さえ掛ければ無限に手に入るがその道は険しい。


ユウジョウカッコカリしたボーナス
・Lv上限がLv120までに引き上げられる
・火力・雷装・対空・装甲の基本ステータスは引き継がれ、上限も変わらない。これまでの近代化改修の効果はリセットされない。
・それまでのレベルアップと同様に、今後のレベルアップでも対潜・索敵・回避が上昇する。
・運が上昇する
・燃料・弾薬共に消費量が減少

・ユウジョウカッコカリ専用演出
・ケッコンカッコカリに上書きされる ←――――――――――――――――――――――――――――――注目!
-その場合、ケッコンカッコカリの演出が通常時とは異なる
-その場合、ケッコンカッコカリによる運の上昇、燃料・弾薬の消費量の減少がない


―――

――――――

―――――――――

――――――――――――



――――――
清原「どうしてこんな…………」ボロッ

清原「よ、ようやく答えを出せそうだったのに…………」グスン

清原「こんな……、あんまりな…………」グスン
――――――

司令部「……そうか。それは気の毒にな(希望を与えられ それを奪われた時、人が見せる絶望の表情は見ているだけできついものがあるな……)」

司令部「だが、決して早まってはならぬぞ。必ずそのバグを修正するかレベルを下げる新アイテムを実装するからな」メメタァ

司令部「あるいは、インターフェイスそのものに改良を加えるように言っておくからな!」メメタァ

司令部「貴重な意見を感謝するぞ」

司令部「いいか! くれぐれも早まるでないぞ! 可能性が完全に潰えたわけではないのだからな!」

――――――
清原「りょ、了解です……」

清原「申し訳ございません。人前で男子たるものが涙などと……」
――――――

司令部「よい。それが清原提督の良さなのだ」

司令部「どうか、その良さを萎ませないようにな」

司令部「ではな」

――――――
清原「はっ!」ビシッ
――――――

ピッ

司令部「…………なんということだ。新システム実装に伴うインターフェイスの変更に手を抜いた結果、こんな悲劇を呼ぶとは」メメタァ

司令部「だが、これはすぐに改善できるだろう」

司令部「もうしばらく耐え忍んでいてくれ、清原提督……」


司令部「さて、次は金本提督の斎庭鎮守府だな」

ピッ

――――――
金本「あ、定期報告ですか」

金本「そんなもの必要ありませんよ」

金本「ユウジョウカッコカリなんて、ケッコンカッコカリの完全下位互換なんでね」

龍驤「提督~! 褒めて褒めてぇ!」スリスリ

金本「こらこら。今 お仕事中だから後にする~」ナデナデ

龍驤「えへへへ……」ニコニコ
――――――

司令部「率直だな。ある意味、予想通りの回答ではあるが(おお……、今度は龍驤とケッコンしたと見える。巨乳好きではなかったのか……)」

司令部「しかし、課金せずに艦娘の能力を限界突破させることができるのだぞ?」メメタァ

司令部「それもLv50からケッコンカッコカリした時のボーナスを先にもらうことができる」

司令部「そこはどう思っているのだ?」

――――――
金本「たかだか上がるのは【運】だけでしょう?」

金本「それに俺は資源を富士山のように持ってますからね。燃費がどうだとかそんなチンケなことに囚われちゃいませんよ」

金本「そして、俺が求めているのはユウジョウじゃなくて、その先にあるものだから」

金本「ですから、Lv上限が120しか伸びない時点で最初から期待なんかしてませんよ」

金本「無課金プレイで清貧プレイにこだわる童貞くんなんかには好評かもね?」メメタァ

金本「あっほらし」
――――――

司令部「なるほど。言われるまでもなく、確かに貴官ほどの人間ならば、ユウジョウカッコカリなど不必要なものであったな」

司令部「しかし、貴官のような人間が一握りであることを覚えておきたまえ」

司令部「貴官の能力は高く評価されてはいるが、同時に妬まれてもいるのだから」

――――――
金本「望むところですよ」

金本「俺よりも甲斐性のある――――――鎮守府ライフに一生を捧げられる人間がいるのならば見てみたいものですね」

金本「そして、愛した女を喜ばせるだけのモノがあるかについてもね」ニヤリ
――――――

司令部「だいたいわかった」

司令部「では、引き続き モニターになっていてくれ」

司令部「くれぐれも第三者に情報を漏洩させたり、譲渡したりしてはならないぞ。いいな」

――――――
金本「了解です。【あんなの】は倉庫の中に放り込んでありますよ」

金本「では、艦娘たちとの鎮守府ライフを再開しますね」
――――――

ピッ

司令部「相変わらずだな。どこまでも純粋に鎮守府でのひとときにひたむきに生きるか」

司令部「しかし、豪放磊落で奢侈で無駄遣いがすぎるというきらいがあるがな」

司令部「だからこそ、常人には成し得ない偉業を成し遂げられるが、少なくとも手本にはなれんな」


司令部「次は、拓自鎮守府の朗利提督だな」

ピッ

――――――
朗利「おはようございます」ビシッ
――――――

司令部「おお、いつも通りのようだな」

司令部「それで、ユウジョウカッコカリはしたのか?」

――――――
朗利「はい。我が鎮守府の精鋭たちに授与しました」
――――――

司令部「ほう? てっきり第六駆逐隊あたりにみんな与えると思っていたのだがな」

――――――
朗利「俺も最初は4つもらったのでちょうどいいと思っていたのですが、」

朗利「ユウジョウカッコカリに実質的に必要となってくる【勲章】を集めるためにはどうしても大型艦に頼らざるを得ません」

朗利「そうなってくると、今後もユウジョウカッコカリをしていくためには、」

朗利「まずは【勲章】集めに特化した戦力を整えてじっくりとやっていけばいいのではないかと思い、」

朗利「その手始めに我が鎮守府の精鋭4人に授与いたしました」
――――――

司令部「やはり、ただのガチペドロリコンではなかったか。貴重な意見に感謝するぞ」

――――――
朗利「いやぁ、これまでの鎮守府の在り方を見直すいい機会をもらえましたので、こちらこそ感謝いたします」
                                           ・・
朗利「(なにせ、ユウジョウを結んだことによって俺への態度が一様に軟化して、俺への敬意を一応払ってくれるようになったのだからな!)」

朗利「(実際にこれはなかなかいいものだ! あの無駄飯食いの長門の燃費が目に見えて減っているから、こちらの精神衛生上に大変優しいぞ!)」

朗利「(ケッコンカッコカリとはレベル上限以外では全く同じ効果だしな。これは利用しない手はない!)」メメタァ
――――――

司令部「ふむ。【勲章】3つで【褒章】と交換なのは妥当というところかな?」メメタァ

司令部「それでは、引き続き ユウジョウカッコカリのモニターをしていてくれたまえ」

司令部「くれぐれ憲兵の御用になるでないぞ?」

――――――
朗利「わかってますって」

朗利「YESロリ! NOタッチ!」

朗利「紳士は純正天然素材であるものを好みますから」
――――――

ピッ

司令部「………………」

司令部「あれでもまだ健全な方だというのだから、我が陣営の風紀や威厳というものはどこへ行こうと言うのだろうか……」


司令部「さて、最後は趣里鎮守府の石田提督か」

司令部「あまり参考にならない気はするが、これも任務だ」

ピッ

――――――
石田「…………」ビシッ
――――――

司令部「ご苦労。早速だが、ユウジョウカッコカリの試用について報告してくれたまえ」スッ

――――――
石田「ユウジョウカッコカリを実行したのは我が艦隊のトップの飛龍のみであります」
――――――

司令部「……意外だな。すぐに使い切るものだと思っていたのだが」

――――――
石田「これまでの数々の作戦において痛感したのが、やはり攻撃力こそが全てだということであります」
――――――

司令部「うむ。先手必勝で敵が攻撃する前に倒せばこちらへの被害も抑えられて結果的に資源や時間の消費を抑えられるからな」

――――――
石田「しかし、それは敵としても同じであり、昨今の敵陣営の戦力増強には目を張るものがあります」
――――――

司令部「確かに我が海軍が誇る艦娘たちを圧倒的に凌駕する深海棲艦の脅威が増大しつつあるな」

――――――
石田「圧倒的な装甲を誇る戦艦ですら一撃で中破に追い込まれてしまうことが何度もあり、その度に撤退の苦渋の決断をさせられてまいりました」
――――――

司令部「すると、貴官の考えでは『攻撃力だけではダメ』だという結論に至ったと?」

――――――
石田「はい。これから重要になってくるのは、敵の攻撃を受けた時の対応――――――回避力となります」

石田「飛龍は必要である攻撃力に秀でている他、高い回避力によって被弾率を抑えて、高い継戦能力を発揮してくれました」

石田「これが他の空母にはない最大の武器であり、ユウジョウカッコカリに値する戦力と判断いたしました」

石田「もちろん飛龍のような艦娘は稀有な存在であり、やはり艦隊決戦は圧倒的な破壊力を誇る戦艦や夜戦で活躍する重巡の独壇場となりましょう」

石田「残った3つはまだ一般には実装されていない試供品ゆえに、慎重に授与する艦娘を選定しようと思います」
――――――

司令部「なるほど。実に貴官らしいやり方だ。もちろん【褒章】が4つしかない現状でのベストな判断という意味ではね」

司令部「ふと思ったのだが、貴官はすでに【書類一式&指輪】を持っているはずだが、一番の精鋭である飛龍に使う気はなかったのかね?」

司令部「もちろん、練度が最大にまでなるのは辛く長い道程ではあるが、それは他の艦娘にも言える道程だ」

司令部「貴官のことだから、形だけのケッコンも已む無しだと思っていたのだが」

――――――
石田「…………『私の考える最終的な最強戦力が飛龍ではなかった』それだけのことです」
――――――

司令部「ほう? 確かにケッコンカッコカリのLv上限が150で、ユウジョウカッコカリのLv上限は120だな」メメタァ



司令部「だが、これまた貴官らしからぬ戦略ではあるな」

司令部「おそらく誰もが最強と認める大和型の戦艦とケッコンしようと思っているのだろうが、」

司令部「無課金プレイを貫いてきたわけでもない貴官がいつまでも【大型艦建造】のために時間を費やしているのは不合理に思えるがな」メメタァ

司令部「どれだけ粘っても出ないものは出ないし、その間に他の艦娘たちも成長していっているであろう」

司令部「その間、やはり暫定の最強戦力は貴官がユウジョウを結んだ唯一の艦である飛龍であり続けることだろう」

司令部「それを追い越すためにいったいどれだけの月日が必要となるのかね?」

司令部「そういう意味では、性急に軍備を整えて堅実に攻略する貴官のこれまでの艦隊運用の在り方とは掛け離れた選択だと思えるのだが」

――――――
石田「……それは誤りです」

石田「私が新米だった頃はまだ飛龍は二段階目の改装はできなかったことですし、ここまで化けるとは誰も想像できませんでした」

石田「私の場合は『たまたま飛龍がいたから』失った正規空母の代わりに運用していたに過ぎません」

石田「結果的にはユウジョウカッコカリに値する戦力ではありましたが、ケッコンカッコカリに値する戦力とは認識しておりませんでした」

石田「ですから、当初の艦隊の運用構想に狂いはありません」
――――――

司令部「そうか。それもそうだな」

司令部「だがやはり、少しでも【大型艦建造】をするために課金する辺り、やろうと思えばケッコンカッコカリも思いのままだと思うのだが」メメタァ

――――――
石田「ケッコンカッコカリできるだけの練度の艦娘が存在しない以上、そういう話は無駄だと思いますが」
――――――

司令部「……そうだな。少しばかり踏み込み過ぎたな」

司令部「それに、貴官の場合は全体のレベリングと柔軟な艦隊編成を重視するが故に、Lv50・Lv60台の艦娘が過半数を占めるぐらいだからな」メメタァ

司令部「それでは、他に報告すべきことや発見したことはないか?」

――――――
石田「いえ」
――――――

司令部「まあ、始まってから1週間ばかりだ」

司令部「貴官のお眼鏡に適う艦娘の発掘が進むことを祈っているぞ」

ピッ

司令部「…………これで全てか」フゥ

司令部「始まって1週間しか経っていないが、なかなかに濃密な経過報告であったな」









――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「さて、これらの経過報告を踏まえて、この報告を眼にしてきた提督たちの意見を聞かせて欲しい」

司令部「まずは、肯定か反対かを明確にして理由を述べて欲しい」

司令部「改善点や各名称について意見があるのなら遠慮無く聞かせて欲しい。以降の企画についても同様だ」

司令部「また、今回は試供品として彼らに最初に4つ渡したが、実際に実装した場合の導入クエストで獲得できる適切な数についても意見して欲しい」

司令部「それでは、有意義な会議となることを祈るが――――――、」

司令部「これはあくまでも一個人が提出したアイデアに過ぎず、【艦隊これくしょん】に採用されるなど期待していない自己満足なプレゼンである」

司令部「それ故に、ここでの議論や考察など現実の【艦隊これくしょん】には何の役にも立たないことを明言しておく」

司令部「それでもよろしければ、次なるプレゼンにまた参加して欲しい」


――――――――――――第1話 ユウジョウカッコカリ 完 Next:第2話 お守り に続く!




ユウジョウカッコカリ(仮称)
練度がLv.50からLv.98までの艦娘とユウジョウカッコカリ可能となります。  ←――――――――――――注目!
これには【○○○○鎮守府褒章】(仮称)が必要です。
ユウジョウカッコカリに必要な【○○○○鎮守府褒章】(仮称)は【勲章】3つと交換となります。
ただし、艦隊司令部Levelが50以上から交換できるようになります。

【○○○○鎮守府褒章】(仮称)
○○○○鎮守府が独自に設定した褒章――――――というより、感謝状みたいなもの。
大本営公認(=黙認)であり、功績のあった艦娘にはガンガン与えちゃっていい感じである。
ただし、【勲章】3つとの交換であり、課金すれば手に入る【書類一式&指輪】とは違い、時間さえ掛ければ無限に手に入るがその道は険しい。


ユウジョウカッコカリしたボーナス
・Lv上限がLv120までに引き上げられる
・火力・雷装・対空・装甲の基本ステータスは引き継がれ、上限も変わらない。これまでの近代化改修の効果はリセットされない。
・それまでのレベルアップと同様に、今後のレベルアップでも対潜・索敵・回避が上昇する。
・運が上昇する
・燃料・弾薬共に消費量が減少

・ユウジョウカッコカリ専用演出
・ケッコンカッコカリに上書きされる ←――――――――――――――――――――――――――――――注目!
-その場合、ケッコンカッコカリの演出が通常時とは異なる
-その場合、ケッコンカッコカリによる運の上昇、燃料・弾薬の消費量の減少がない





提案内容の背景
ケッコンカッコカリが導入されてから、二次創作においてジュウコンカッコカリによる修羅場な話題がホットだったことから、
艦娘たちに公式に序列をつけるものがあれば惨劇は回避できるだろうという着想からユウジョウカッコカリを提案してみた。
少なくともプレゼンターの筆者としては、ケッコンカッコカリによって嫁が強化されるだけじゃなく、
艦隊の中心となる幹部や顔役を選出するイベントみたいなのが実装されたほうが嬉しかった記憶がある。

このへんは本当に『サクラ大戦』の影響です。ケッコンカッコカリは最後にいきなり告白するので『ときめきメモリアル』のイメージ。

導入するにあたって、インターフェイスの大幅な変更をしないようにシステム面ではケッコンカッコカリのマイナーチェンジとなり、
Lv.50からLv.98までの使用制限を加えてみたがいかがであっただろうか?
また、基本的な内容も――――――、

ケッコンカッコカリ > ユウジョウカッコカリ

という序列をつけて、ケッコンカッコカリするほうが最終的にお得になるように調整したつもりである。
そして、ユウジョウカッコカリ限定の追加ボイスや艦娘の違った側面を入れるためにケッコンカッコカリとは異なるデモを用意して、
ケッコンカッコカリし尽くして【艦これ】に飽きてきたヘビーゲーマーに更に奮起してもらえるようにと――――――。
更には、ケッコンカッコカリ専用追加ボイスもユウジョウカッコカリを経由したかで異なるようにして差別化を図れるよう――――――。

ユウジョウカッコカリ→ケッコンカッコカリのイベント見たさにまた1から艦娘育成が始まるね。やったね、タエちゃん。同じ艦を育てる旅が始まる。

また、Lv50からユウジョウカッコカリできるから条件が緩いように見えて、【勲章】が必要となるので安易にユウジョウカッコカリができない調整も入れた。
それ故に、最低限 ExtraOperationを突破できるだけの歴戦の提督向けの新システムでもある。ただ練度を上げればいいというわけではない。

なお、この物語で最初に4つも景気良く【褒章】が渡されたのは、後々に○○○○鎮守府四天王みたいな編成ができるようにしたかったから。

利点
・Lv50からユウジョウカッコカリができる
・ケッコンカッコカリのボーナスを先にもらえる
・ユウジョウカッコカリに必要な【○○○○鎮守府褒章】は【勲章】3つと交換で事実上 無限に手に入れることができる

欠点
・Lv99の艦娘にはユウジョウカッコカリができない(ケッコンカッコカリが優先されるため)
・最終レベルが120までなのでケッコンカッコカリしたほうが最終的に強くなる
・直接 ケッコンカッコカリした時のイベントデモや追加ボイスが聞けなくなる
・ユウジョウカッコカリに間接的に必要となってくる【勲章】の獲得手段が険しく限られている
・それ故に、相当な時間と労力を掛けないとユウジョウカッコカリを多くの艦にすることは困難(ケッコンカッコカリは資金面で困難が伴う)

補足
・ユウジョウカッコカリした艦娘がLv99からLv100になるのに必要な経験値は0EXP
※Lv99になるために必要な累計経験値は1,000,000EXP
→よって、ユウジョウカッコカリによる最大累計経験値(Lv120)は1,255,000となる。 1.255回 艦娘をLv99にすれば到達。
→ところで、ケッコンカッコカリによる最大累計経験値(Lv150)は4,360,000である。 4.360回 艦娘をLv99にすれば到達。


イベントデモのサンプル(筆者の妄想)
ユウジョウカッコカリを使用することで艦娘とユウジョウを結ぶことができ、友達以上恋人未満の強い信頼に結ばれた戦友となることができる。
そこからケッコンカッコカリをすることができるのだが、基本的にはその艦娘が戦友から伴侶に移り変わるので、
直接ケッコンカッコカリした場合とは反応の差がなだらかになっており、信頼感をより強く感じられるものとなるだろう。
ユウジョウカッコカリを経由してケッコンカッコカリした場合は、直接ケッコンカッコカリした時とは違った一面や正反対な状況を描けるだろう。
また、ユウジョウカッコカリというイベントを踏まえた1つの連続劇にできるので艦娘の成長を感じられる寸劇にもしやすいだろう。

特に、ユウジョウカッコカリに間接的に必要となってくる【勲章】の獲得が厳しいからこそ、ケッコンカッコカリとは違った価値や趣が生まれるはずである。

・ユウジョウカッコカリ
吹雪「私 やりましたよ、司令官! 本当にありがとうございます……。これからも私、頑張りますから見ていてください……!」ウルウル
          
榛名「そんな、榛名にはやっぱりもったいない――――――いえ、提督のお気持ち ちゃんと受け取りました。これからも榛名! 全力で参ります!」

長門「連合艦隊旗艦を務めていたのだからこれぐらいは当然だな。だが、ここまでこれたのはまぎれもなく提督の采配によるものだ。誇ってくれ」フフッ

金剛「提督、ついに私にLove Call――――――え、違う? もう! 時間も場所もタイミングもムードもPerfectだったのにNOデース!」プンスカ


・ユウジョウカッコカリ→ケッコンカッコカリ
吹雪「司令官、これからも私はずっと司令官と共にあります! ――――――い、言えた! 私、ちゃんと言えたよ!」ワーイワーイ!

榛名「提督、榛名は強くなれたでしょうか? これからもずっとお側に居ていいのでしょうか? …………そうですか。榛名、感激です」ホッ

長門「提督、覚えてるか? いつか提督に『誇ってくれ』と言ったことを。実は私は……、あなたのことを誇りに思っているのだぞ?」イジイジ

金剛「提督、ようやく私だけのGentlemanになってくれたデース。もう、この時をどれだけ待っていたかわかってるデスカ?」ウルウル


・ケッコンカッコカリ
――――――比較のためにと思いましたけど、本編のネタバレになるので割愛します。




第2話 お守り

――――――司令部


司令部「さて、さっそくだが新しい任務を受けて欲しい」

清原「今度は何でしょう?」

金本「前回のユウジョウカッコカリとかいう全く無意味な新システムのβテストもやらされてるんだ。やり甲斐があるのがいいな」

司令部「では、ここにおみくじ棒がある。引いてくれたまえ」

朗利「は?」

石田「よくはわかりませんが、私から行きましょう」

一同「どうぞどうぞ」

石田「しかし、久しぶりですね。この手のおみくじなんて」カランカラン

スッ

石田「さて、――――――38番」

司令部「では、この箱を受け取ってくれたまえ」

石田「???」

朗利「おい、冷血漢。後が閊えてるんだ。早くしてくれよ」

石田「……すみません」


司令部「さて、全員 行き渡ったかね?」

清原「何の箱ですか? ずいぶんと軽いようですが」

金本「おみくじ棒と言えば、神社仏閣だろう? そして、この箱の中身の軽さは――――――」

司令部「中身は帰ってからのお楽しみだ」

朗利「それじゃ、これだけは確かめさせてください」

朗利「この箱の中身を艦娘に装備させて、その効果を試してくればいいのですね?」

司令部「そういうことになるな」

司令部「今回のは本当に試作品といったところだから、危ないと感じたらすぐに装備から外すように」

石田「わかりました。では、ありがたく使わせていただきます」

司令部「うむ」


コツコツコツ・・・・・・


清原「箱の中身はどうなっているんだろう……」

金本「…………まあ、そんなには期待するべきものじゃなさそうだな(清原の童貞くん、何か雰囲気 変わったな…………ついにヤッたのか?)」

朗利「あ、そうだ!(これはちょうどいい! あのクソ生意気なドイツ戦艦に持たせて恥をかかせてやろうか)」

石田「さて、今日も【大型艦建造】に勤しみ――――――(大和、武蔵、大鳳 来い! 霧島でもいい! 今日こそ来てくれえええ!)」


――――――洞庭鎮守府


清原「ただいま、みんな」ガチャ


鳳翔:Lv109「おかえりなさい、あなた」

金剛:Lv56「おー、提督ー!」

榛名:Lv85「提督、その箱は何ですか?」


清原「まだわからない。司令部からの新たな任務でこの中に入っている装備のテストをするぞ」

金剛「提督! 提督に貰ったものはずっと大切にするネー!」

榛名「は、榛名もです!」

清原「よしよし。まずはどの艦娘に装備できるものなのかを確認しないとな」

鳳翔「はい、あなた」ニコニコ

清原「ありがとう、鳳翔」

清原「しかし、この程度の箱に収まるものとはいったい――――――?」ザクザク・・・

金剛「OPEN SESAME!」

パカッ、ガサゴソ・・・

榛名「あ」

鳳翔「まあ」

金剛「What's ?」

清原「…………【お守り】?」スッ


――――――【安産祈願】


清原「はうっ!?」カア

鳳翔「ふふっ……」ニッコリ
・・・・
金剛「え? どういうことデスカ、提督? Mrs.鳳翔?」キョロキョロ

榛名「お、お姉さま、そ、それは――――――」ドキドキ

清原「ま、待て! 他にもあるようだぞ……」


――――――【子宝祈願】


清原「」

榛名「」

鳳翔「嬉しいですね。司令部からのお祝いかしら?」テレテレ

金剛「ちょっと私、漢字が読メマセーン! 誰か教えてくださいデース!」


清原「お、落ち着こう。まずは司令部に問い合わせてみないと――――――」アセアセ

鳳翔「あら、ちゃんとご利益が書いてありますよ」

鳳翔「なるほど、これはおもしろそうな装備ですね」

鳳翔「あなた、試しに私を秘書艦にして【開発】をお願いします」メメタァ

清原「となると、艦載機の【開発】になるか。【流星改】が不足していることだし、1つお願いしてみるか」

鳳翔「はい」

金剛「提督! 私も私もー!」

清原「わかった。わかったから」

榛名「………………ムゥ」


【お守り/安産祈願】:秘書艦に装備させた状態で【建造】および【大型艦建造】をすると、秘書艦の開発タイプと同じ艦娘が建造されやすくなる。
運が上昇する

【お守り/子宝祈願】:秘書官に装備させた状態で【開発】をすると、開発された装備が低確率で上位装備に変更される。
運が上昇する



――――――斎庭鎮守府


金本「さて、この怪しい【お守り】を試したいやつはいるか?」


――――――【開運招福】


金本「それと、【これ】」


――――――【開運除災】


山城:Lv150「不幸な私が装備したところで何の意味もない……」

陸奥:Lv110「それじゃ、私が試していいかな? ねえ提督」


金本「ま、妥当なところか。たかだか【運】が10上がる程度だがな」

金本「けど、俺のモットーは『リアルラックとゴリ押しが【運】をも超越する』だ」メメタァ

金本「特に、カネさえ積めば差が付けられる他のオンラインゲームとは違って、【艦隊これくしょん】は完全にリアルラックがモノを言うからな」メメタァ

金本「となれば、こんなものを装備したところで何の気休めにもならない」

金本「が、試験運用しなくちゃならないので、【これ】を装備して出撃するぞ」

金本「安心しろ。同じコースを他の艦と交代制でグルグル回るだけの作業だから」

金本「試しに【お守り】を装備しない状態で5回ほど回ってみて、それから【お守り】を装備してみてみるか」

金本「そこまでご利益を実感するほどのことは無いだろうが、報告書を出すためだ」

金本「よっしゃあ! 沖ノ島海域でクルージングを始めるぞ! せっかくだから狙うは大物だ!」



【お守り/開運招福】:【出撃】においてレアリティ3(銀色背景)未満の艦娘が出撃ドロップしなくなる
運が上昇する

【お守り/開運除災】:【出撃】において遭遇する敵艦隊の合計HPが低いパターンが選ばれやすくなる
運が上昇する



――――――拓自鎮守府


朗利「箱の中身は【無病息災】と【航海安全】のお守りだった…………ただそれだけ」ハア

朗利「これがどう役に立つっていうんだ。オカルトやファンタジーじゃあるまいし……」

朗利「ま、これも任務だ。いやがらせには持ってこいの装備だな」



朗利「さて、ユウジョウカッコカリの指令を受けてから数週間――――――」

朗利「我が拓自鎮守府はある風来坊によって大いに荒れに荒れているのだった」

長門「提督、私はあいつが苦手だ……」ヒソヒソ

朗利「黙らっしゃい!」

長門「!?」ビクッ


ビスマルク:Lv34「提督、貴方の艦隊は少し規律が緩んでいるようね。私が一から教えてあげるわ」パクパク


朗利「うるさいぞ、ビスマルク! これがうちでのやり方だ! 駆逐艦と潜水艦を愛でるのが主な目的なんだから軍規なんてクソ食らえだ!」ギラッ

朗利「ここが嫌なら、とっととよその鎮守府に行ってしまえ!」プルプル

ビスマルク「…………!」ビクッ

ビスマルク「きゅ、急にどうしたっていうのよ? 普段のあなたらしくもない――――――」

朗利「これだから、大食らいの戦艦なんて大嫌いなんだ!」プンプン!

長門「!?」ガビーン!

ビスマルク「ちょ、ちょっと! そこまで怒ることはないんじゃないの? 私も悪かったわ、機嫌を直して。ね?」アセアセ

朗利「だったら、食費分に見合う何かをやってくれよ!」

朗利「言っとくが、愛する駆逐艦と潜水艦のみんなは交代制で毎日コツコツ資源を集めてきてるんだからな!」

朗利「そして、そんな頑張る子供たちのために俺は真心を込めて3時のおやつを毎日 作っているんだぞ…………」プルプル

朗利「それをお前ら大型艦は態度はでかいくせに!」

朗利「開幕中破したり、肝腎な時に駆逐艦ばかり攻撃して戦術的敗北に引き込んだりして資源を無駄にしてぇ!」ゴゴゴゴゴ

長門「そ、それは……、勝敗は兵家の常だぞ、提督…………(確かに、そのことは私としても――――――)」

朗利「あろうことか今日は、遠征に行って帰りが遅い天龍たちの分を横取りしやがって……! 雷の分のバウムクーヘンが……」ビキビキ

長門「て、提督……?」


朗利「これから1週間おやつ抜きだ、お前らぁ!」ギラッ


ビスマルク「そ、そんな!? 取り消しなさい、今すぐ!」

長門「て、提督…………なんということだ」フラッ

朗利「何が軍規だ! 人様のものを盗み食いするような戦艦なんて昼食と夕食の間、空腹にならないように隅っこでジッとしていればいいんだっ!」

朗利「レディーを目指して頑張ってる暁ちゃんのほうがまだ大人だわい!」

朗利「…………くそぅ!」グスン

長門「あ、提督――――――」

朗利「うわああああああああああああああああああああああああああん!」orz

ビスマルク「ちょっとぉ!? 突然怒ったり、泣いたり、何なのよ もう!」


天龍「帰ったぜ、提督」ガチャ

響「今日もがんばった」

電「なのです!」

暁「少し遅れてしまいましたが、ちゃんとおやつは用意してありますわよね?」ワクワク

ビスマルク「あ」

龍田「あら~?」

長門「ち、違うのだ! こ、これは――――――」

雷「司令官? それに、長門にビスマルク――――――」


朗利「うわああああああああああああああああああああああああああ!」orz


電「どうしたのですか、司令官さん!?」

天龍「おいおい、大の大人がみっともねえぞ? いったい何があったんだ?」ヤレヤレ

天龍「まあ 大方、そこの戦艦2人が何かしたんだろう?」

長門「いや、私は何もしていない! したのはビスマルクであって――――――」

朗利「うるさい! お前も同罪だ!」


――――――おやつ1週間抜きだ!


長門「それは横暴だぞ、提督……!」アセアセ

龍田「あー、なるほどねー。今度はビスマルクちゃんが食べちゃったんだー」ニヤリ

暁「へ!? な、何を――――――!?」ビクッ

龍田「『何を』ってそれはもちろん、提督の大切な――――――」

天龍「おい、龍田」ペシッ

龍田「ちょっと痛いなー、天龍ちゃん」

天龍「何を言おうとしていたのかは知らないが、今の提督の前で余計なことを言ったら、龍田。お前も1週間おやつ抜きだぞ」

龍田「大丈夫。その時は天龍ちゃんと仲良くわけあいっこするから」ニッコリ

天龍「オレのところからとるなあ!」

朗利「うう……、ごめんね。きみたちの今日の分は無いんだ……。ドイツからきたあいつが全部 食べちまった…………」グスン

暁「そ、そういうことでしたの! ――――――ああ 悔しい! ――――――じゃなくて!」ボソッ

暁「し、司令官! べ、別に1回ぐらい食べてなくったってそんなのへっちゃらだし!」アセアセ

暁「だから、その――――――」ギュルルル・・・

暁「あ」カア

響「『へっちゃら』じゃない……」ギュルルル・・・

朗利「うわああああああああああああああああああああああああああ!(俺が愛する駆逐艦の健康を損ねてしまったああああああああああ!)」

ビスマルク「て、提督!?(――――――大変! パニックを引き起こしてる!)」ビクッ



雷「まったくもう」ギュッ


朗利「あ」

雷「もう司令官ったら。私たちのことを思ってくれてるのは嬉しいけど、ちょっと根 詰め過ぎよ?」

雷「それで逆に、私たちが悲しむことになるのは、司令官だって望まないはずでしょう?」

雷「だから、私たちは気にしてないから、いつもの司令官に戻って。ね?」

朗利「おお……、雷ぃ……」

雷「おお よしよし」ナデナデ

一同「ホッ」

天龍「やれやれだぜ。さすがは我が拓自鎮守府の支配者様だ。格が違うな」

龍田「ね~。私もあんなふうに天龍ちゃんをもっと好き勝手できるように精進しないと~」

天龍「だから 俺を弄るのは止めろ、龍田ああああああ!」

ワーワー!

長門「よ、よかった…………」ホッ

暁「準備はできましてよ」

電「早速、長門さんとビスマルクさんの分を1週間差し止めるように大鳳さんにお伝えするのです!」

長門「あ」アセタラー

響「信賞必罰は絶対なのさ」

長門「ま、待て! 待ってくれ! 今日の私は何も――――――」

響「『何もしなかったから』なのさ」

電「さあ、長門さんに捕まらないように散開して全速力で行くのです!」

暁「今日も暁が一番よ。これぐらい当然! 今日も見てなさい!」

長門「や、やめろおおおおお!」

ダダダダダ・・・・・・

ビスマルク「………………」

雷「司令官」ナデナデ

朗利「雷ぃ…………」デレデレ

ビスマルク「………………何よ。あんな小さな娘のほうがここにいる誰よりもよっぽど大人じゃない」





――――――それから、


ビスマルク「罰は受けるつもりだったけど――――――、」

ビスマルク「…………どうして私が秘書艦なわけ?」

ビスマルク「それに、【この装備】は何?」

朗利「大本営からの指令で『それを身に着けていることでどんなことが起きるか』を見るよう言われている」

朗利「それは【お守り】だ。いわゆる開運アイテムだ。タリスマンだよ」

朗利「まあ 【運】の数字が大きくなったところでどこまでの影響があるのかわからないけど」メメタァ

朗利「けど、愛する駆逐艦が集めてきてくれた資源をお前たち戦艦を出撃させて一瞬で灰にするわけにはいかないから、」

朗利「軽く【開発】してみて、【開発】に効果があるのか、これから試すつもりだ」

ビスマルク「そんなのでいいの? もっとこう、怒るとかってのはないの?」

朗利「何だ それは? 俺は怒るよりも愛する駆逐艦や潜水艦とのふれあいの中で少しでも長い時の中を笑顔でいたいんだよ」


朗利「だから、お前も笑顔でいてくれ。それでいつものように無邪気に威張っていてくれ。そこで見せる笑顔が何よりだよ」


ビスマルク「えっ」

朗利「子供っていうのは視線に込められた感情に敏感なんだ。目は口ほど物を言うからな」

ビスマルク「…………そう」ムスッ

朗利「それに、あの妖精たちがやることだ。ドイツ艦特有の装備か何かを開発してくれるはず…………!」

朗利「それじゃ、最初はこれぐらいにしてっと」

朗利「さてそれじゃ、これぐらいでお願い」ポチッ

朗利「さて、何ができるかな?」

ビスマルク「そうねぇ…………」



――――――【黒猫の偶像】


朗利「何、これ?」

朗利「おかしいな? 戦艦ビスマルクだからてっきり海外製の主砲か何かができると思ってたんだけど、」

朗利「これって本物の猫ですか? ――――――え? いつもの産廃ペンギンじゃないよね?」

ビスマルク「オスカー! オスカーじゃない!」パァ

朗利「え? 何? ビスマルクの飼い猫だったの? は? なら、どうして開発できた? え? え?」

朗利「まさか、もしや――――――、その猫は艦娘と起源を同じくする“艦猫”という新種族なのかあああああああ!?」

ビスマルク「馬鹿ね。オスカーはオスカーなのよ」

ビスマルク「ね、オスカー」ニコニコ

ニャーォウ!

ビスマルク「さ、アドミラール。オスカーのために何か用意して」

朗利「はあ?(こ、この! さっきまでの従順な態度はどこへ――――――)」

ビスマルク「さあ早く!」ニコニコ

朗利「うぅ今に見てろ……(オニオングラタンスープでもごちそうしてやろうか!?)」


【お守り/無病息災】:装備すると、クリティカルおよび特殊攻撃を受けなくなる
運が上昇する

【お守り/航海安全】:【出撃】において羅針盤の進路決定(=移動条件)を完全にランダムにする
運が上昇する

【お守り/黒猫の偶像】:秘書艦が戦艦ビスマルクの時だけ開発できる【お守り】。
艦隊がクリティカルおよび特殊攻撃を受けた場合、必ず自分の次からの攻撃全てがクリティカルおよび特殊攻撃となる
運が減少する



――――――趣里鎮守府


石田「やれやれ、大本営も【おかしなもの】を贈りつけてくるものだ」


――――――【必勝祈願】


石田「【こんなもの】が深海棲艦を倒すのに役に立つというのでしょう?」


――――――【成功祈願】


石田「違いがよくわかりませんが、これが【艦隊これくしょん】における艦内神社の再現ということなのでしょうかね?」メメタァ

石田「『運が上昇する』としかテキストにありませんが、【運】が上がったところで何になるのでしょうか?」メメタァ

石田「少なくてもクリティカルや特殊攻撃の発生確率に大きな影響を与えることは検証されていますが、」メメタァ

石田「飛龍のように【運】が抜群でも、夜戦で活躍できない艦娘にはあまり関係ない能力に思えますね」

石田「となれば、夜戦に強い重巡あたりに持たせるのが最善でしょう」

石田「そう、昼においては回避に徹して夜戦において存分に火力を振るう艦娘が適している――――――」


川内:Lv53「提督、お疲れ様。これから夜戦しよ?」ガチャ


石田「川内ですか(神通に比べると大きく見劣りしている反面、回避と耐久力が高く運も平均以上のまさに夜戦特化の軽巡――――――)」

石田「なるほど、悪くないかもしれませんね(――――――軽巡! それも悪くない!)」

川内「ホント! それじゃ早速――――――」ウキウキ

石田「では、川内に訊きますが、夜戦において我が鎮守府で一緒に組みたい艦娘を挙げてみてください」

川内「え?」

石田「敵は1人で掛かって来るわけがありません。その時に一緒に居て安心できる艦娘を挙げてください」

川内「なるほど!」

川内「それじゃ、愛宕!」


愛宕:Lv56「ぱんぱかぱーん!」ガチャ


石田「なるほど、愛宕なら川内も安心か」

川内「愛宕、私と夜戦しよ?」

愛宕「ふふふっ」

愛宕「うん。わたしが力になってあげるわ♪」

石田「他には?」

川内「日向!」


日向:Lv55「提督、今夜こそ朝まで飲み明かそう」ガチャ


石田「なるほど、航空戦艦ですか。確かに夜戦を控える昼間の戦闘を凌ぐには頼りになる戦力ですね」

石田「そして、弾着修正射撃と夜間特殊攻撃による昼夜問わずの特殊攻撃が魅力的ですね。川内が頼りにするのも理解できます」メメタァ

日向「そうだろうそうだろう。やっと時代が私に追いついた」

石田「(更に、戦艦の中ではトップクラスの回避と運の高さなのも見逃せない…………戦艦の回避なんて有って無いようなものだが)」メメタァ


石田「…………こうして見ると、最近になって勇躍した面々が多い」

石田「飛龍、川内は改二が実装されて大幅に強化され、重巡も大幅強化が施され、弾着修正射撃の登場で航空戦艦が大活躍か」メメタァ

石田「私が新米だった頃には考えられないような進歩だ……」

石田「しかし、これも私の業なのか、この鎮守府に残り続けるのはああいった変わり種ばかりだ…………」

石田「飛龍と言い、何を考えているかわからない連中で――――――いえ、ブラック鎮守府の提督である私に文句1つ言わない健気な方々です」

石田「貴重な駒として大切にしなければ…………」


川内「提督! さあ、私と夜戦しよ?」

愛宕「提督。夜の戦い、わたしも得意なの♪」

日向「さあ、寝落ちしてはならない果てしない戦いが始まるぞ」

石田「……いいでしょう」

一同「!」

川内「やった! 待ちに待った提督と夜戦だ!」

愛宕「うふふっ♪」

日向「ようやくか。重い腰だったな。これも時代が動いたということか」

石田「そんな大袈裟な――――――」

日向「みんなを集めて飛龍に【褒章】を授与した時から何かが変わり始めていることを予感していたぞ」

川内「うん。そんな気がした!」

愛宕「提督。なんでもな~い」

石田「………………」

石田「(艦娘たちとの交流など何の価値もないはずだ…………)」


――――――提督!


石田「(いえ、これはユウジョウカッコカリに値する戦力かどうかを見極めるためであり――――――)」

石田「それで、夜戦というのは何ですか? 私はあまり酒は飲まない方で――――――おお!?」グイッ

川内「さあさあ!」ニコニコ

愛宕「うふふっ♪」ニコニコ

日向「ほらほら」ニコニコ

石田「……ああ」

石田「………………フフッ」


【お守り/必勝祈願】:艦隊の艦娘の【運】が艦隊全体の【運】の平均値になる


【お守り/成功祈願】:装備すると、艦隊で一番【運】の高い艦と自分の【運】が同値になる




――――――拓自鎮守府


朗利「さて、そろそろキス島沖で戦闘が始まる頃だな」

朗利「例の【お守り】2つを持たせたことだし、あの娘たちなら大丈夫だろう。ついでに【猫】も」

朗利「大丈夫。俺はあのブラック鎮守府お得意の捨て艦戦法なんてしないから」

朗利「雷を信じろ。雷は時すら見えるのだからな。わはははは!」

朗利「さて――――――む?」ピピッ

朗利「こちら、鎮守府。どうした? 作戦が始まったばかりだと思うが」

――――――
雷「司令官……、それが、今までなぜか拾ったことのない【鋼材】を拾っちゃって……」
――――――

朗利「…………【鋼材】? キス島沖でか?」

朗利「(待て。そんな馬鹿な。編成を間違えたのか?)」

朗利「雷。俺が編成した艦隊の艦娘は全員 駆逐艦だよな? それも睦月型の」

――――――
雷「うん。間違いないわよ、司令官」
――――――

朗利「落ち着いて経過を報告してごらん(落ち着け。これはきっと羅針盤が壊れて航路を誤って北にとってしまっただけのこと――――――)」

――――――
雷「作戦開始後に水雷戦隊と交戦したのよ」
――――――

朗利「は?」

朗利「えと、【うずしお】はどうした?(待て待て待て!? いや、そんな馬鹿な!?)」

――――――
雷「ううん。間違いなく水雷戦隊と最初に戦ったわよ。その後に【鋼材】を見つけて――――――」

睦月「敵、空母機動部隊を発見です!」

雷「え!?」
――――――

朗利「な――――――、目の前に敵に集中してくれ! 何としてでも生き残れ!」

――――――
雷「わかったわ、司令官! 大丈夫だから、待っててね!」
――――――

ピッ

朗利「なにぃ!? さっき、『空母機動部隊』だと!? キス島沖に空母ヲ級が現れた!?」アセダラダラ


朗利「待て待て待て! 海図と日誌、それに他の鎮守府からの近況報告だ! 情報を照合しなくては!」アセアセ

五十鈴「提督、そろそろ3時の――――――って、どうしたのよ、提督!?」

朗利「おお、五十鈴ぅ……!」アセダラダラ

朗利「聞いてくれ! キス島沖に展開されている敵戦力に変化があったらしい!」

朗利「空母ヲ級が出た! 今 出している艦隊編成だと対空戦闘なんて想定してないからヤバイ!」アセアセ

五十鈴「ど、どういうことよ、それ!?」

朗利「ととととともかく、雷たちが帰還したらキス島沖の戦力調査に出ないと!」アセダラダラ

五十鈴「わかったわ!」

五十鈴「それよりも提督は落ち着いて! ほら、3時からのおやつの準備だってあるのよ?」アセタラー

朗利「俺は、俺は慢心していた……! まさか、まさかこんなことになるなんて――――――」

朗利「うわああああああああああああああああああああああああああ!」

五十鈴「提督!」

ガチャ

大鳳「提督!?」

ビスマルク「アドミラール!」

五十鈴「提督がまた駆逐艦のことでひきつけを起こしちゃったわ!」アセアセ

朗利「あああああ…………」ガクブル

ビスマルク「だ、大丈夫よ! 【オスカー】がきっと守ってくれるから!」アセアセ



――――――それから、


朗利「良かった……、本当に良かったよ…………」グスン

雷「『大丈夫だから、待ってて』って言ったよね? もう、本当に司令官は心配症なんだから」ナデナデ

朗利「おお…………」ポタポタ・・・

ビスマルク「言ったでしょう? 『【オスカー】が守ってくれる』って」

ビスマルク「よくやったわ、オスカー。今回のMVPはあたなよ」ナデナデ

ニャーゴ

朗利「あ、ああ…………(…………半信半疑だが、そう信じよう)」

長門「しかし、壊滅的な被害とはいえ駆逐艦だけで空母機動隊を全滅させるとはな……」

雷「そうなのよ。私と電は大丈夫だったけど、【お守り】をつけてない子が最初の空爆でクリティカルを受けて半壊でね?」メメタァ

雷「そしたら、電ったら『電の本気を見るのです!』って開幕からクリティカル連発でね――――――」メメタァ

五十鈴「提督。調べてみた限りだとやはり、最近『キス島沖の戦力に変化があった』という類の報告は寄せられてません」

大鳳「確認された敵戦力も既存の構成で、問題の敵空母機動隊も幸いにも戦艦が含まれていないパターンでした」メメタァ

朗利「なに? それはどういうことだ?」

長門「だが、客観的な事実から導き出される答えというのは、この場合――――――」

ビスマルク「何? 提督はどうしてそこまで悩んでいるのよ?」

朗利「そうか。ビスマルクはこの海域を知らないのか」

朗利「いいか? このキス島沖には極めて厳重な警戒網が敷かれていて、駆逐艦による隠密部隊でしかキス島に接近することができず、」

朗利「それ故に、その他の大型艦はその陽動として北の航路から睨みを利かせることになっていた」

ビスマルク「なるほどね……、だから、駆逐艦だけなんていう構成で出撃していたのね。ピクニックじゃなかったんだ」

朗利「けど、どういうわけか今回の場合だと 駆逐艦だけの編成をしてルート固定をしたのに、」メメタァ

朗利「ハズレルートのほうに進軍してしまった――――――、わけなのか」メメタァ

長門「……そうなるな」




朗利「要点をまとめると――――――、」キュッキュッ(海図に書き込みを入れる)

朗利「この海域のボスは南のH点にいる」メメタア

ビスマルク「ふむふむ」

朗利「俺は本気でこの海域を攻略しにきたので、編成は雷と電を筆頭にした睦月型4隻で出撃させた」

朗利「すると、攻略ルートはD:【うずしお】かE:水雷戦隊のどちらかに固定される」メメタア

ビスマルク「【うずしお】は厄介ね……」

朗利「北回りのハズレルートでもあり経験値稼ぎルートでもあるAに行く条件は『駆逐艦のみ』以外の編成をした場合にのみ」メメタア

朗利「しかし、今回の出撃では条件を満たしているのにAへと進行してしまい、そのままハズレルートへと入ってしまったのだな」メメタア

朗利「正規ルートの攻略にも運が絡むのは間違いないが、それがいきなりハズレルートに転進するとはいったい…………」メメタア

朗利「何だこれは? バグなのか? それとも運営のメンテナンスで起きたミスなのか? 条件が変わったのか?」メメタァ

五十鈴「それをこれから確かめに行くんでしょう?」

朗利「ああ……(ユウジョウカッコカリをしたとはいえ、あまりお前たちを出撃させたくはないんだがな……)」


※攻略Wiki参照
http://wikiwiki.jp/kancolle/?%CB%CC%CA%FD%B3%A4%B0%E8



朗利「あーあ! 攻撃力全開装備で挑んでたのにどうしてこうなった!? 対空装備なんてまったくさせてなかったから損害が酷い!」

雷「……司令官? それならどうして、私と電に【お守り】と【オスカー】を持たせたままにしたの?」

雷「てっきり【お守り】の試験運用の続きだと思ってたんだけど」

一同「!」

朗利「あれ? 俺、雷と電の装備を換えてなかったんだっけか(そういえば、確かに俺は――――――)」

雷「そうよ。しっかりしてよねー」


朗利「――――――【お守り】」


朗利「まさか、いや、まさかその――――――」

長門「提督! 私にその【お守り】を持たせてキス島沖に出撃させてくれ。それで答えがわかるはずだ」

五十鈴「睦月たちの仇をとってやるわ!」

大鳳「いつでも出撃の準備はできております!」

ビスマルク「アドミラール!」

朗利「おお!?(何だ? やけに気合充分じゃないか!)」

一同「………………」

朗利「…………わかった。【お守り】の効果を調べるのも任務のうちだ」

朗利「キス島沖に主力艦隊を出動させる!」

一同「はっ!」ビシッ

朗利「だが、いきなり肩透かしを食らうなよ? まだ仮説の段階なんだから」

朗利「(けど、もしこれが【お守り】の効果だと言うのなら、――――――これはかなり使える!)」


【お守り/無病息災】:装備すると、クリティカルおよび特殊攻撃を受けなくなる
           運が上昇する

【お守り/航海安全】:【出撃】において羅針盤の進路決定(=移動条件)を完全にランダムにする
           運が上昇する

【お守り/黒猫の偶像】:秘書艦が戦艦ビスマルクの時だけ開発できる【お守り】

            艦隊がクリティカルおよび特殊攻撃を受けた場合、必ず自分の次からの攻撃全てがクリティカルおよび特殊攻撃となる
            運が減少する




――――――時が過ぎて


司令部「さて、報告を聞くとしようか」

司令部「まずは、洞庭鎮守府からだな」

ピッ

――――――
清原「…………」ビシッ
――――――

司令部「うむ。では、【お守り】のご利益はあったかね?」

――――――
清原「はい。【開発】と【大型艦建造】で大成功いたしました!」

清原「試行回数が圧倒的に不足しているので何とも言えませんが、【お守り】のご利益は得られたのではないかと思われます」

清原「大和型戦艦一番艦:大和に、【流星改】を5機も確保することが出来ました」

清原「大漁です!」
――――――

司令部「それはよかった」

司令部「どうやら、ケッコン祝いの良き贈り物になれたようでこちらとしても嬉しいぞ」

――――――
清原「あ……、ありがとうございます」テレテレ
――――――

司令部「では、返却の必要はないから【お守り】は持っていたまえ」

司令部「次なる試験運用の時が来るだろうから、その時まで壮健であれ」

――――――
清原「はっ!」
――――――

ピッ

司令部「ようやく報われたようだな。――――――結局 早まってしまったようだがな」

司令部「しかし、今回の【お守り】の効果は実際には確率があがる――――――艦種の絞り込みや位上げしか施していないわけであって、」メメタァ

司令部「――――――出ない時はやっぱり出ないがな」

司令部「結局は、当人が持つリアルラックがモノを言う世界なのは変わらん。まだまだ未実装の艦娘がいることだしな」メメタァ

司令部「かつての帝国海軍の艦娘の実装が終われば、今度は海外艦の充実でますます絞り込みが大変になるだろう」メメタァ


司令部「さて、次は斎庭鎮守府だな」

司令部「ある意味において、【艦これ】を極めた金本提督が【あれ】で満足しているとは思えないが…………」

司令部「まあ、前回のように聞いてみて意外な回答が得られたことがあるのだ」

司令部「モニターも4人しかいないのだからしっかりとやらんとな」

ピッ

――――――
金本「定期報告いきます」
――――――

司令部「うむ。【お守り】の良さは実感できたか?」

――――――
金本「はい。まさしく【これ】は神装備ですな!」

金本「【出撃】を1日するだけで必ずお迎えしたい艦娘をドロップできるようになりましたから!」メメタァ

金本「何と言うのか、出てくる艦娘が全部『銀色背景』以上のものしか出てこなくなっていますね、今のところ。ヤバイです」メメタア

金本「そして 【もう1つのお守り】も、感覚的に弱いパターンの敵戦力が選ばれやすくなっている気がします」メメタァ

金本「これは『敵戦力そのものが弱体化する』という攻略するにおいては最も安上がりでデカイ強化でありますから、次の特別作戦も余裕ですな!」

金本「いやぁ~、ゴリ押しする上では最も有意義な新装備ですよ! どうせ何回も同じ所を回らなくちゃならんので」
――――――

司令部「おお。意外に好評なようで何よりだ」

司令部「なるほど、数の暴力を持ち味とする金本提督にはまさしくうってつけの装備だったか」

司令部「【開発】はしても、あまり【建造】せずに周回プレイで一挙に経験値と出撃ドロップを狙う一石二鳥スタイルとは馬が合うか」メメタァ

司令部「しかし、敵の弱体化にも限度というものがあるからな? あまり過信してはならんぞ」

司令部「特に貴官の司令部レベルは高い。敵もそれ相応に強化されておろう」メメタァ

――――――
金本「わかっております」

金本「今後とも、こういったテストにぜひとも協力させてください」

金本「では、これから扶桑姉妹を気持ちよくさせに行きますから。さよなら~」
――――――

ピッ

司令部「なるほどな。ああいった手合には少しでも確率を上げるアイテムを与えるだけでも喜ぶわけか」メメタァ

司令部「実際には1%以下の確率変化だが、数をこなせる人間にとってはそれだけでもありがたいというわけだな」メメタァ

司令部「やはり、人間『好きこそ物の上手なれ』だな。ストレスと思わず ひたむきに打ち込める人間こそが至高――――――!」

司令部「これはたとえ理詰めで攻めていっても超えることができない存在となるだろうな」

司令部「まあ それ故に孤独ともなるだろうが、人間として存在する相手とのふれあいに精を出している以上はそんなふうには思うことはなかろうて」

司令部「今後とも彼には一般人との社交性を失うことなく、その才覚を発揮して職務を全うしてもらいたいものだ」


司令部「さて、今度は拓自鎮守府だったか?」

司令部「あそこも金本提督と同じくらいに艦娘に対する愛情は本物だからな。憲兵の御用にならないことを祈りたい」

ピッ

――――――
朗利「こちら、拓自鎮守府! 応答願います」ビシッ
――――――

司令部「感度は良好だ。早速 報告をしてもらおうか」

――――――
朗利「はい。受け取った【お守り】の効果はすさまじいものでしたよ」

朗利「これはもう実装実現不可能レベルのゲーム崩壊レベルの持つ者と持たざる者の格差が出ることでしょう」メメタァ

朗利「これはもう公式チートですよ、公式チート!」メメタァ

朗利「なにせ、敵のクリティカルや特殊攻撃を発動させなくさせたら、【演習】でも【出撃】でもやりたい放題じゃないですか」メメタァ

朗利「戦艦とか装甲空母に持たせたら、駆逐艦は夜戦に入っても絶望しかないこと間違いなし!」

朗利「そして、【こっちのお守り】はルートのために艦隊編成を厳選する必要が完全になくなっちゃうんですよ!」メメタァ

朗利「もちろんルート固定ができなくなって、毎回 ランダムに羅針盤を回されるようになるので、等しくハズレルートに突入する可能性も増えましたけど、」メメタァ

朗利「数さえこなせば、自由な艦隊編成で絶対にボス戦まで辿り着ける可能性ができたのですから、運営が想定している適性難易度を粉砕ですよ、もう!」メメタァ
――――――

司令部「そ、そこまで凄いのか……」アセタラー

――――――
朗利「ええ。【これ】を持っているかどうかだけで、艦隊編成の条件が厳しい海域なんていろいろ無視してボスのところまで行けるんです」

朗利「面倒な艦隊編成の条件なんか忘れて変わらない艦隊編成で行けるのは最高ですね」

朗利「いやぁ~、攻略はいつものメンツだけで駆逐艦と潜水艦以外の艦は極力排してたから、これは大助かりですわ」

朗利「【これ】は主力に装備するだけの価値は絶対にあります! 特に、余剰火力な大型艦に持たせると安定感が全く違いますよ」

朗利「しかも、【うずしお】の効果まで無効にしてしまうんですから、【無病息災】【航海安全】の名に違いません!」メメタア

朗利「なんて懐にも優しい【お守り】なんだ! できれば【無病息災】だけでもできるかぎり持たせてあげたいですね」

朗利「ホントにいいものをもらえたもんだ~! ユウジョウカッコカリといい、本当に選ばれてよかった~」

朗利「感謝感激です!」
――――――

司令部「そ、そうか。それはよかったな……」

司令部「これでより一層 攻略にもまじめに取り組む気になったようだし、こちらとしては言うことはない」

司令部「引き続き モニターを続けて、更なる戦果を期待するぞ」

――――――
朗利「はっ!」
――――――

ピッ

司令部「…………これは、さすがにやり過ぎではないか?」

司令部「ゲームバランス崩壊どころではない! まじめに艦隊編成で悩んでいる提督たちを尻目に――――――!」メメタァ

司令部「それにしても、本当に運の良いやつだ。技術部の新開発の試供品でことごとく恩恵を受けている……」

司令部「案外、【艦隊これくしょん】のアップデートを重ねていく中で頭角を現していくのかもしれんな。ビスマルクや大鳳を擁しとるし」メメタァ


司令部「最後に、趣里鎮守府だな」

司令部「私個人としては、最も期待している報告だな」

ピッ

――――――
石田「…………」ビシッ
――――――

司令部「では、早速【お守り】を使ってみた感想を述べて欲しい」

――――――
石田「間違いなく【これ】は傑作です」
――――――

司令部「おお。貴官もそう言うのか。ハズレはなかったというわけか」

――――――
石田「ええ。私が考える最強の艦隊を担う上で重要な【運】を操作する装備の存在は非常に心強いです」
――――――

司令部「ほう。あまり【運】にはこだわらない性格だと思っていたが、そこも気が変わったのか?」

――――――
石田「【運】が高いとクリティカルや弾着修正射撃や夜戦特殊攻撃が発動しやすくなり、結果として敵戦力の迅速な殲滅に繋がります」メメタァ

石田「また、夜戦に参加できない飛龍の【運】の高さを利用することができるようになりましたので、この【お守り】は極めて有用です」メメタァ

石田「敵からの不意の一撃をもらわなくなる意味でも、囮の艦にダメージコントロールと一緒に持たせておくだけで艦隊の能力は飛躍的に向上します」
――――――

司令部「おお。石田提督としては確かに嬉しい装備であろうな」

司令部「しかし、やはり石田提督はよく艦娘たちを研究しているな」

司令部「まさか囮の艦にダメージコントロールと一緒に持たせることで、主力の装備を圧迫することなく性能を発揮させるとは」

司令部「貴官が今回の一連の試験運用のモニターに選ばれて本当によかったと思っている」

――――――
石田「こちらこそ、感謝しております」

石田「とにもかくも、艦隊全体の【運】の値を操作できる能力は使えます。反則級です」メメタァ
――――――


司令部「そうかそうか」

司令部「しかし、幸運艦を中心にしたクリティカル重視の艦隊編成をするようになるとは……」メメタァ

司令部「直接の艦娘の能力を重視した大艦巨砲主義らしからぬ発想であるな」

――――――
石田「大艦巨砲主義だから勝つのではありません」

石田「勝つための手段の1つとして大艦巨砲主義がこれまで最有力であっただけで、」

石田「私が求めているのはあくまでも確実な勝利であり、大艦巨砲主義そのものではありません。私は軍事ロマン主義者ではありませんから」

石田「この長きに渡る戦いに終止符を打ち、これまで散っていった戦友たちに報いることを私は求めております」

石田「しかし、以前のAL作戦やMI作戦の二正面作戦のような場合となりますと、現状の艦隊と同レベルの艦隊を別に用意することは困難なので、」

石田「やはり、現在も戦力の中心となるべきは超弩級戦艦や正規空母の大型艦だと心得ております」
――――――

司令部「そうか。今の貴官から確かな手応えを感じていることがよく伝わってくる」

司令部「これからも我が陣営の栄光と勝利のために邁進してくれたまえ」

――――――
石田「はっ!
――――――

ピッ

司令部「ふむ。どうやら石田提督も昔の感覚を取り戻しつつあるようだな」

司令部「今回の試験運用――――――いや、ユウジョウカッコカリも含めて石田提督にはプラスに働いてくれたようだ」

司令部「しかし、それでも牧場経営やクルージングを止める気はないようだがな……」








――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「さて諸君、今回の報告は以上である」

司令部「元々は艦内神社の実装を目指し、様々な効果をもたらすレア装備となることを意図した装備である」

司令部「言うなれば、××モンの突撃チョッキやだっしゅつボタン、赤い糸、せんせいのツメなどの打点強化以外の装備の導入を願ったものである」

司令部「艦内神社を【お守り】という形で表現したのは、艦内神社の神輿を背負っているのはコスチュームとしてはありだろうがそれで戦闘は不似合いで、」

司令部「【お守り】という形ならば身につけるのは無理がなく、【お守り】をネタにした二次創作も捗りやすいと思ったからである」

司令部「現に【お守り】をネタにした一幕を描いてある」

司令部「そして、【お守り】の効果もある程度は史実の艦内神社のご利益を反映したつもりであるが、基本的に普通のお守りと考えてもらっていい」

司令部「それでは今回 登場した【お守り】の一覧は次に投稿するが、ぜひとも諸提督方の意見を聞かせて欲しい」

司令部「さすがにやり過ぎたものもあると筆者自身理解しているものもあるが、」

司令部「これはあくまでも筆者の妄想であり、こうあったらおもしろいだろうという意見をこの場を借りて物語風に提示しているだけにすぎない」

司令部「ここでの議論や考察が実際の【艦隊これくしょん】には何の役にも立たないことを改めて明言しておこう」

司令部「なお、ご意見・感想は過去のプレゼン内容についても言及してもよいので、どしどしコメントしてくれると嬉しい。これ以降についても同様である」

司令部「それでは、次なるプレゼンの機会にまた集まって欲しい」

司令部「付録として、今回の試験運用に選ばれた4人の提督たちについて軽い紹介をしておくぞ」


――――――――――――第2話 お守り 完 Next:第3話 御旗と共に に続く!


【お守り】リスト
実装された時のテキストには『運が上昇する』としか書かれておらず、実際の効果は隠蔽されている。
基本的には戦闘には直接的には役に立たないサポート系能力が多いのだが、中には戦略そのものを根本的に覆すような超絶効果を持つ。
【開発】において、【運】が20以上の秘書艦が装備なしの状態で超低確率でランダムに開発される貴重品である。

【お守り/安産祈願】:秘書艦に装備させた状態で【建造】および【大型艦建造】をすると、秘書艦の開発タイプと同じ艦娘が建造されやすくなる。
運が上昇する

【お守り/子宝祈願】:秘書艦に装備させた状態で【開発】をすると、開発された装備が低確率で上位装備に変更される。
運が上昇する

【お守り/開運招福】:【出撃】においてレアリティ3(銀色背景)未満の艦娘が出撃ドロップしなくなる
運が上昇する

【お守り/開運除災】:【出撃】において遭遇する敵艦隊の合計HPが低いパターンが選ばれやすくなる
運が上昇する

【お守り/無病息災】:装備すると、クリティカルおよび特殊攻撃を受けなくなる
運が上昇する
航行上のハプニングの影響を受けない

【お守り/航海安全】:【出撃】において羅針盤の進路決定(=移動条件)を完全にランダムにする
運が上昇する
航行上のハプニングの影響を受けない

【お守り/必勝祈願】:艦隊の艦娘の【運】が艦隊全体の【運】の平均値になる


【お守り/成功祈願】:装備すると、艦隊で一番【運】の高い艦と自分の【運】が同値になる


【お守り/黒猫の偶像】:ビスマルクのマスコットの黒猫(後に“不沈のサム”)
秘書艦が戦艦ビスマルクの時だけ開発できる【お守り】。
艦隊がクリティカルおよび特殊攻撃を受けた場合、必ず自分の次からの攻撃全てがクリティカルおよび特殊攻撃となる
運が減少する


※投稿している掲示板の字詰めの仕様を把握できていないので、妙な並びになっていることをご了承ください。


提案内容の背景
今回のテーマは『運』であり、それに基づいた新装備や新システムを閃いたので提案させてもらった。
司令部の人間に言わせたことだが、○○モンみたいに直接の戦闘力を強化する以外の戦術・戦略レベルで機能する装備品があったら面白そうだと思っていた。
しかし、【艦これ】は課金する必要性がほとんどない極めて平等な運ゲーであり、物欲センサーに悩まされる提督たちが多数出ていたので、
今作は【お守り】と題しまして、艦内神社の代わりとして主に【運】を操作・修正する登場させることにした。

少しでも提督たちの作業の苦痛を和らげるための計らいと、【運】(=確率)を操作することで不幸艦が活躍しやすい環境にしたかった。
ある例外を除いて、いずれの【お守り】も装備すればたいていは【運】が上昇するようになっている。
やったね、陸奥ちゃん! これで謎の爆発はしなくなるよ! ばごーーーーん!

基本的には史実の艦内神社に基づいた内容にしてみたが、御利益に偏りがあったので(艦内神社だから当たり前!)キャラゲーを彩る意味深なものを加えておきました。



提案内容の考察
【お守り/安産祈願】:秘書艦に装備させた状態で【建造】および【大型艦建造】をすると、秘書艦の開発タイプと同じ艦娘が建造されやすくなる。
【安産祈願】は、秘書艦の開発タイプと同じ艦娘が建造されやすくなるので、
大鳳が欲しければ鳳翔や、瑞鳳、龍鳳を秘書艦にし、大和が欲しければ金剛や長門を秘書艦にすれば【大型艦建造】の成功確率が飛躍的に上昇する。
ただし、それ以外の艦娘が除外されたわけではないので、該当する艦娘の出現確率にちょびっと確率を増やすだけに過ぎない。

【お守り/子宝祈願】:秘書艦に装備させた状態で【開発】をすると、開発された装備が低確率で上位装備に変更される。
【子宝祈願】は、【開発】の結果に対して低確率でリストを参照して上位装備にグレードアップさせるという効果であり、
欲しい装備より1つ下位の装備を引いた場合、ダブルチャンスでお目当ての装備にグレードアップする可能性が出るので、
直接 引き当てる確率ではなく、最終的に入手できる確率を高めていることになる。

上の2つは【建造】および【開発】で力を発揮するタイプであり、安産(意味深)、子宝(意味深)である。
前線では【運】が上がる以外、ご利益なし。


【お守り/開運招福】:【出撃】においてレアリティ3(銀色背景)未満の艦娘が出撃ドロップしなくなる
レアリティ3(銀色背景):通称“レア”以上の艦娘しかドロップできなくなる
→ 大鯨はレアリティ3 → 捕鯨成功確率 急上昇! → これから毎日 捕鯨しまくろうぜ?
なお、レアリティは7まであるので、レアリティ3未満を除いても相当数の艦娘がドロップ候補に残るので、結局はリアルラック頼みである。
形式上 レア艦しか出なくなるわけだが、レアリティ3未満の未だ見ぬ艦娘をお迎えできなくなるという欠点を抱える。
要するに、モノは使いようである。レア艦のドロップ確率が少し上がる一方でそれ未満のコモン艦が一切 ドロップしなくなる点をどう活かすか――――――。

【お守り/開運除災】:【出撃】において遭遇する敵艦隊の合計HPが低いパターンが選ばれやすくなる
基本的に1マスに3パターン用意されている敵艦隊の中で合計HPが低いパターンが選出されやすくなる。
内部データとしてはそのHP最低パターンをもう1つ加えて、4つあるうち2つをHP最低パターンにして確率比率2:1:1にする。
どういう意味かと言えば、単純に言えば『HPが低い』=『戦闘力の低い艦種』となるので、数値の上では戦いはかなり楽になる。
しかし、潜水艦隊で挑むとなると対潜装備を固めた敵の軽巡や軽空母に逆襲される可能性があるので、一概に完全有利となるわけではない。

上の2つは【出撃】において周回プレイする場合に有利な効果であり、捕鯨が非常に捗る素晴らしい装備である。


【お守り/無病息災】:装備すると、クリティカルおよび特殊攻撃を受けなくなる
最強の盾。事故を完全防止する最高級の保険であり、不幸艦に持たせると嘘のように継戦能力が上がる。

【お守り/航海安全】:【出撃】において羅針盤の進路決定(=移動条件)を完全にランダムにする
最強の矛。【艦隊これくしょん】の真のラスボスと言われる【回す羅針盤】といつでもどこでも真っ向勝負に持ち込む装備であり、
進路決定に必要な艦隊編成や装備などの移動条件を無視して完全にランダムで進路決定を行う。
移動条件が厳しいキス島沖やイベントマップなど何も考えずに試行回数さえ重ねれば必ずボスに自由な編成で辿り着けるようになってしまう。

上の2つは、ただでさえ強力な効果に加えて隠し効果『航行上のハプニングの影響を受けない』を持っており、
【うずしお】などの攻略の妨げとなるハプニングを完全に無効化する公式チートである(ただし、装備した艦娘だけ守られるので注意)。


【お守り/必勝祈願】:艦隊の艦娘の【運】が艦隊全体の【運】の平均値になる
幸運艦の中に不幸艦が埋没している時に使われる装備で、【運】を極限まで上げたがあまりその御利益を感じられなくなった時に融通することができる。
また、艦隊全体の【運】の値が修正されるので、主力艦に装備させずに囮に持たせて主力艦の火力を維持する使い方もできる。
当然ながら、艦隊全体の【運】の平均化の処理は各艦娘ごとの【運】の修正が終わった後、最後に行われる。
異能生存体こと雪風あたりが適役だろう。あるいは飛龍に持たせるのも編成次第で悪くはないはず。

【お守り/成功祈願】:装備すると、艦隊で一番【運】の高い艦と自分の【運】が同値になる
幸運艦を随伴させて装備すれば、あらゆる不幸艦も幸運艦に早変わりしてしまう。
ただし、敵からクリティカルや特殊攻撃を受けないようにするためだけならば、完全に【無病息災】の下位互換になるが、
【無病息災】とは違って【運】の値が最高値へと変動するために幸運艦の【運】が極まっていれば攻めにも守りにも効果を発揮してくれる。
伸びしろ最大の幸運艦である長門を随伴させてかつて最大の不幸艦だった陸奥に装備させると【運】最高の長門型戦艦2隻による蹂躙劇が始まる。

上の2つは、珍しく直接『運を上昇させる』効果はないが、幸運艦を随伴させて不幸艦を幸運艦に変える効果を持っており、
僚艦の【運】によって悲しいハプニングを抑えて嬉しいハプニングを引き寄せやすくなる上級者向けの装備である。


【お守り/黒猫の偶像】:艦隊がクリティカルおよび特殊攻撃を受けた場合、必ず自分の次からの攻撃全てがクリティカルおよび特殊攻撃となる。
ビスマルクの猫:オスカー。不沈のサム。ビスマルクが秘書艦の時のみ【開発】可能なナマモノ。
装備すると、効果が活かしやすいように自身の【運】を下げるというハイリスクハイリターンな戦いを強いられるが、
【成功祈願】や【必勝祈願】の効果が後から発動して下がった【運】】を上書きすることができるのでそのリスクを回避することが可能。
ただし、艦隊に【無病息災】を持たせていると効果が発動できなくなる可能性があり、完全にファングッズにしかならなくなる。
また、クリティカルおよび特殊攻撃を受けてからやり返すその性質から、幸運艦隊においてはほとんど無用の装備となる。
しかし、通常プレイにおいては【運】を極めることなど稀なので、万が一の保険として持たせておくと使う機会は多いはずであり、
意図的にクリティカルおよび特殊攻撃を僚艦が受けるように仕向けることができれば、恐るべき破壊力を発揮するだろう。


おまけ -書いていたらこうなった鎮守府模様-
なるべく4人の提督ごとに違った艦娘を使ってもらうように割り振りしているが、さすがに潜水艦や天龍型はどこの鎮守府でも使われている。
また、提督ごとに渡される新装備の内容も彼らの艦隊運用の思想に最も波長が合うものにしている。

清原提督:正統派。一般的にメディア露出も多い【艦これ】を代表するメジャーな艦娘が主力。
金本提督:いろいろアレな強烈な個性が光る艦娘を好んで運用しており、かなり偏った運用をしているがケッコンカッコカリのゴリ押しで押し切る。
朗利提督:言うまでもなくガチペドロリコンなので見た目がアレな駆逐艦と潜水艦でいっぱい。精鋭たちは基本的に面倒見の良い艦娘が多い。
石田提督:2014年現在で新たに強化された燻し銀の精鋭たちと幸運艦を主力とするが、とりあえずできるかぎり多くの艦娘の育成も行っている。

提督歴
石田 >>> 清原・金本 >>> 朗利


清原提督:洞庭鎮守府
正統派な鎮守府。悪く言えば普通。
任務をこなすためにとりあえず選んで活躍してくれた艦娘を贔屓にしてきた愛着型の提督。
悪く言えば、こだわりがなく、ある時はきまぐれで、ある時は攻略の必要性から艦娘を抜擢しており、個性よりも使用感や貢献度で選んでいるとも言える。
ケッコンカッコカリの決行を渋っていたので、限界突破しているのが鳳翔のみ。そしてユウジョウカッコカリした金剛のみ。
攻略のためにいろいろ試行錯誤してきたので、バランスよく艦娘を育成しており、イベントマップの完全攻略もこなすぐらいの精鋭である。
ただし、バランスが良すぎるのでAL作戦・MI作戦の二正面作戦をこなすだけの戦力層の厚みがない。
ユウジョウカッコカリの候補はたくさんいるので、残りを誰にするかでまだ検討中。その中ですぐに選ばれた金剛は特別だったと言える。

主な所属艦娘
鳳翔(ケッコンカッコカリ)
――――――――――――――――――Lv100の壁
金剛(ユウジョウカッコカリ)
比叡(ユウジョウカッコカリ候補)
榛名(ユウジョウカッコカリ候補)
霧島(ユウジョウカッコカリ候補)
高雄(ユウジョウカッコカリ候補)
島風(ユウジョウカッコカリ候補)
赤城(ユウジョウカッコカリ候補)
加賀(ユウジョウカッコカリ候補)
あらゆる艦種の精鋭多数
――――――――――――――――――Lv50の壁



金本提督:斎庭鎮守府
好きな艦娘を育てることを至上とし、そのために全力を尽くす米帝プレイの鎮守府。
基本的に能力よりも見た目や印象だけで育てる艦を選んでおり、これは新規参入した提督像に近いはず。
金遣いが荒いが、そんなのは数々のオンラインゲームやモバイルゲームで調教済み。
煩悩に忠実だが、数々の激戦の中で培った知識や技術と覚悟で男を磨いており、非常にダンディー。
プレイスタイルはレベルと試行回数と揺るがぬ闘志(=投資)によるゴリ押し。
【建造】や【大型艦建造】はあまりしないので出撃ドロップによるナンパを繰り返し、専ら家具や【書類一式&指輪】に課金しまくっている。
登場する艦は一癖も二癖もある個性的な艦娘が多く、どうにも欠点が大きい人間味のある艦娘が金本提督の好みらしい。

主な所属艦娘
山城(ケッコンカッコカリ・レベルカンスト)
扶桑(ケッコンカッコカリ)
陸奥(ケッコンカッコカリ)
龍驤(ケッコンカッコカリ)
ケッコン済み他多数
――――――――――――――――――Lv100の壁
ケッコンカッコカリ予定者多数
――――――――――――――――――Lv50の壁


朗利提督:拓自鎮守府
たくさんの駆逐艦と潜水艦でドッグが埋まり、少数の精鋭たちを中心にのんびり攻略を進めている託児所。ロールプレイング要素の強い提督像を意識している。
ケッコンカッコカリできる艦娘がおらず、ユウジョウカッコカリは全部使用している……らしい。
基本的に朗利提督を支えている精鋭たちからは雷こそが鎮守府の支配者という認識になっている。提督としての威厳はない。
しかし、彼が艦娘たちを虜にする超一流の菓子職人のためにそれ故に何とか統率はとれている。
ガチペドロリコンだが、しっかりと鎮守府の運営と戦略を練っており、その手腕と艦娘たち(駆逐艦と潜水艦 限定)への深い愛情から信頼はされている模様。
基本的に重巡を活用しないので重巡の居場所がなく、自分の趣味と任務を両立させる戦略の工面はできるが戦術面ではかなりいいかげん。
リアルラックは素晴らしく、大鳳やビスマルクなどのレア艦を擁し、一番ヤバイ効果の【お守り】を引き当てるあたり、持っている。
物語風に描いている中で一番に個性が出やすいので提督のキャラや交際を描きやすく書いてて楽しい鎮守府である。
登場する艦娘も他の鎮守府とは違って、生活感が強い印象の娘が多く所属しており、悪く言えば軍人っぽくないドタバタ日常劇を構成するキャラが多い。
というより、駆逐艦は種類が豊富なので差別化のためにいろんなキャラが生まれやすいという理由もある。

主な所属艦娘
――――――――――――――――――Lv100の壁
雷(ケッコンカッコカリの候補)



長門(ユウジョウカッコカリ)
大鳳(ユウジョウカッコカリ)
五十鈴(ユウジョウカッコカリ)
――――――――――――――――――Lv50の壁
天龍(ユウジョウカッコカリ候補)
龍田
ビスマルク
駆逐艦と潜水艦多数


石田提督:趣里鎮守府
能力偏重主義のブラック鎮守府。昔は捨て艦戦法を頻繁に行っていたが勝率が低くなりすぎてイベントマップに参加できなくなったので自重した。
しかし、牧場やクルージングなどは躊躇なく行っており、交代要員も揃えているという徹底振りである。主力装備を2桁近く持っていないと落ち着かない。
性急に軍備を整えて堅実に攻略する――――――多くの犠牲のもとに完璧な勝利を掴み取るプレイスタイルであり、イベントマップは必ず完全攻略である。
そして、イベントマップの攻略情報や先行入手した艦娘を育ててその使用感や能力解析の結果を迅速に報告し、全体の利益にしている公人の鑑という側面がある。
しかし、強い艦娘しか育てたがらないので、育てたとしても自分が理想とする艦娘のために近代化改修の餌や繋ぎとしてのみである。
だが、新たに実装されるだろう改二に備えて、実際にあらゆる艦娘を育てたことがあるスーパートレーナーでもあり、
主力の艦隊編成も彼の経験と考察に基づく“オールスターには一歩及ばない”燻し銀が多い。改二が少ない重巡を他より多く運用している。
そんな冷酷非道な彼の許に残った艦娘は、彼の経歴を気にしない最近のアップデートで地味に大幅強化されたマイペース艦娘で固められつつある。
リアルラックはあの頃に涸れたらしく、【大型艦建造】に精を出していつまで経ってもお目当ての艦にありつけていないが、一方で幸運艦には恵まれることになる。

主な所属艦娘
――――――――――――――――――Lv100の壁
飛龍(ユウジョウカッコカリ)
日向(ユウジョウカッコカリ候補)
愛宕(ユウジョウカッコカリ候補)
川内(ユウジョウカッコカリ候補)
重巡多数(ユウジョウカッコカリ候補)
――――――――――――――――――Lv50
餌多数
牧場
クルージング


第3話 御旗と共に

――――――洞庭鎮守府


清原「…………これで終わり」フゥ

鳳翔「お疲れ様、あなた」

清原「ああ」

清原「…………待たせちゃったな」

鳳翔「そんなことはありません」

清原「ありがとう。それじゃ、私たち二人の店に行こうか。まだまだ小さいけれど」

鳳翔「はい」






――――――居酒屋『鳳翔』


鳳翔「お待たせしました」コトッ

清原「うん」

清原「ごめんな。洞庭鎮守府の新しい憩いの場を設ける計画に便乗して私費を投じて建ててみたけど、もうちょっと大きくて綺麗にしたかったよ」

鳳翔「大丈夫ですよ。――――――私、幸せですから」

鳳翔「提督とケッコンできただけじゃなく、こうして念願の二人の店も造ってもらえたのですから」

清原「ケッコンする前から店は造っていたけど――――――、」

清原「でも、居酒屋なのにこの空間に居るのは私と鳳翔だけか。ガラーンとしているな」

清原「ま、開いたばかりだし、しかたないか」

鳳翔「確かにお客さんがいないのは寂しいですけれど、こうしてあなたと私だけのひとときを味わえるのは格別だと思いますよ」

清原「そうだな。長い間 連れ添ってくれた鳳翔にしてやれることがこんなことだけで申し訳ないぐらいだ」

鳳翔「もう……、そうやってご自分を卑下なさるのは悪い癖ですよ」

清原「すまない」

清原「今はこうして静かに二人だけの時間を過ごしていたい」

清原「そして、いつかは二人で大海原に出て――――――そのことはよそうか」

清原「では、いただきます」

鳳翔「はい。美味しくお召し上がりください、あなた」



――――――斎庭鎮守府


金本「ふふ、ふふふふ、あはははははははは!」

金本「ついに! ついに! ついに完成したああ!」


金本「俺専用の愛の巣だああ!」


金本「鎮守府に隣に私費を投じて俺専用の倉庫 兼 豪邸を建てたのだああああ!」

金本「カネの力は偉大なりぃ!」

金本「カネというものはこうやって使うのだよ、洞庭鎮守府の童貞くん? お前には全財産を投げ打つことなんてこと一生できないだろうけどな!」

金本「さあて! まずは誰をご招待しようかな~?」ウキウキ


山城:Lv150「姉さま――――――あ、なんだ、提督だけか」


金本「よし、お前だあああああああああ!」

山城「ひっ」ビクッ

金本「さあ来るんだ。お前が最初の招待客だ。光栄に思え」ガシッ

山城「え? えと……」

金本「俺が私費を投じてお前たちを可愛がってやる施設を建てたんだ。お前がその記念すべき最初の招待客というわけだ」

山城「不幸だわ…………(姉さまより先でいいのでしょうか……?)」ドキドキ

金本「喜べ! 今までの比じゃないぐらいの最高の不幸を与えてやるから、な?」

山城「………………あ」ポー


――――――やっぱり不幸だわ、私。



――――――金本邸


山城「…………凄い」(タオル1巻)

山城「何というか、楽しそうなお風呂ですわね(鎮守府のお風呂よりもずっと大きい……)」

金本「25mプールに、ウォータースライダー、ジェットバス、水風呂にサウナも完備だぞ。それでいて全部 温水だ」

山城「きゃ、きゃあああああああああああああああ!」ドキッ

金本「どうした? 家主がわざわざ招待客をもてなしに来たんだ。そう驚くことはないだろう?」(半裸海パンの上に白衣)

山城「お、男の人のむ、胸――――――(ああ……、あんなにも逞しい…………)」チラチラ

金本「それとも、さっそくあっちのマットの上でマッサージしようか? 極上の快楽が待っているぞ?」ニヤリ

山城「それは………………」ポー

金本「まあまあ、今日だけ金本邸は山城だけに貸し出しだ。好きにはしゃぎ回れ。俺はここで見てるから」

山城「でも…………」

金本「遊べよ。たまには、重たい艤装なんて外して身も心も裸にしてはしゃぎ回れ」

金本「光栄に思えよ? お前だからこうしてるんだからな」

金本「だから、山城は俺の手で不幸で居続けるべきなんだ」

山城「…………提督」

金本「嫌ならその指輪を外せばいい」

金本「外さないのなら肯定と受け取るぞ?」

山城「………………はい」ポッ(愛おしそうに指輪を見つめる)

山城「やっぱり、私は不幸です。こんなこと 姉さまも味わってこともないはずなのに私が先に――――――」ドクンドクン

金本「そうそう、素直が一番さ。自分の感情に正直にな」フフッ

山城「それじゃ、ちょっと――――――」

金本「待てよ。どこへ行くんだ? お前はこれから金本邸ご自慢の大浴場で遊ぶんだぞ? どうして更衣室に引き返す?」

山城「だ、だって、私、タオル一枚だけで――――――、それにタオルは浴場に沈めちゃいけないものだし――――――」アセアセ

金本「わかった。タオルは俺が預かっておこう。だから遠慮無く泳いでこい」

山城「え」

金本「ほら。俺はここで見てるから」

山城「…………提督!?」

金本「本当なら綺麗なドレスを着せてそれをビリビリに引き裂いてあられもない姿からのぞかせる素晴らしいお尻を堪能しようと思っていたんだぞ?」

金本「どっちがいいか選べ。選べないならその指輪は捨てろ」

山城「うぅ……わかりました(ああ 姉さま――――――、)」バサッ


――――――やっぱり不幸だわ、私。




――――――拓自鎮守府


天龍「そんじゃ、今日の分をいただくとするぜ。今日のやつは何だろな?」ジュルリ

朗利「ああ。ご苦労だった。龍田も休んでいてくれ」

龍田「は~い」ジュルリ(意味深)

ガチャ、バタン

朗利「………………ハア」

ビスマルク「アドミラール?」

ニャーオ?

朗利「何だ、オスカー? 今日も大活躍だったじゃないか、お前」

朗利「またご褒美が欲しいのか? こいつめ」ウリャウリャ

ゴロゴロ・・・

ビスマルク「アドミラール」

朗利「で、何? お前もオスカーと同じく更なるご褒美が欲しいわけ?」

ビスマルク「そうじゃなくて……」

ビスマルク「アドミラールは何を悩んでるのよ?」

朗利「…………具体的には?」

ビスマルク「えと、さっきの天龍って子か、龍田って子のことでしょう?」

朗利「………………!」

朗利「いや、違う」

ビスマルク「何、今の間は?」

朗利「…………違うぞ。俺はいつも通りにこれから愛する駆逐艦と潜水艦たちにもっと喜んでもらえる何かを思案していただけだ」

ビスマルク「だから、天龍や龍田のことで思い悩むわけね」

朗利「なに……?」

ビスマルク「最近、アドミラールは天龍と龍田のことを見てばかりって感じがしたから……」

ビスマルク「さっきの報告だって、食い入るように天龍からの報告を見ていたもの。誰だって気づくわ」

朗利「…………そうか」

朗利「そういえば、ビスマルクの練度は――――――」ジー


ビスマルク:Lv48「ど、どうしたのよ? 私の顔に何か付いてる?」ドキッ


朗利「(残り1つをどうするべきか――――――そうだよ。残り1つしかないんだ。迂闊だったよ……)」ゴソッ

朗利「(でも、一度決めたことを簡単に変えていいのだろうか……)」チラッ

ビスマルク「?」

朗利「………………」



――――――朗利パーク


朗利「………………」ペラペラ


天龍「ようし、今日こそお前らを叩きのめすから覚悟しろよ?」

天龍「フフフ、怖いか?」

睦月「おぉー! 天龍、怖い怖いー!」ニコニコ

電 「なのです!」ニコニコ

暁 「こ、怖くなんてないわよ……! へ、へっちゃらなんだから……!」ブルブル

弥生「う、うぅ…………」オドオド

天龍「お、おい……!」ドキッ

龍田「あらあら、天龍ちゃん? これは園長先生のお叱りが必要かなー?」

天龍「お、オレはまだ何もしてないぞー!」アセアセ


朗利「………………」ペラペラ


雷 「なるほどね~。本当に長門は頼りになる~」

長門「と、当然だろう。連合艦隊旗艦を務めた経歴に偽りはない」テレテレ

長門「よし。今日の戦術指導はこれぐらいでよいだろう」フフン!

雷 「ありがとう、長門さん」

大鳳「今日もお疲れ様。勉強熱心ですね」

雷 「そうよ。司令官は私がいないと本当にダメなんだから」

長門「確かに。提督は基本的に戦闘は私たちに全部 放り投げているからな。その上で、艦隊編成や戦術についてもからっきしだ」

長門「それだけに、雷が駆逐艦隊を率いた時の隊長となるわけだから責任重大だな」

長門「辛くはないか? 本当ならば私か大鳳がついていきたいところだが……」

雷 「大丈夫よ。それに私たちを頼ってくれている司令官を支えていることに私は生き甲斐を感じているんだから」

大鳳「まあ」ニコッ

大鳳「それについては、私も同意です」ニッコリ

長門「…………私も同感だ」

長門「何だかんだ言って、私や大鳳のように燃費が悪い大型艦を運用できるようにしっかりと戦略を練ってくれているし、」

長門「それに、私たちの好きなように戦わせてくれている点も、私としてはとてもありがたく感じている……」

大鳳「そうですね。その上で提督はしっかりと結果を受け止めてくれます」

大鳳「普段は私たちが初戦で大破してしまう醜態を見続けて辟易しても決して見捨てることはありません」

大鳳「その提督の信頼の形が、ユウジョウカッコカリなんですね」

長門「ああ。柄にもなくあの瞬間、提督に対して初めて感謝と敬意の念を露わにしたような気がする……」イジイジ

雷 「うんうん」ニコニコ

雷 「よかった。ちゃんと長門さんも大鳳さんも五十鈴さんも司令官のこと、ちゃんと信頼してくれてるんだ」ホロッ



朗利「………………」ペラペラ


五十鈴「よし! 今日の見回り当番はこれで終わり!」

響 「司令官、最近 元気無いね」

五十鈴「……そうね。あの新入りが秘書艦になってからかしら?」

響 「ビスマルクは違うと思う」

響 「司令官はたぶん信頼していると思う」

五十鈴「そうなんだ……」

響 「ねえ、五十鈴?」

五十鈴「何、響ちゃん?」

響 「五十鈴は司令官のことをどう思っているのさ」

五十鈴「ふぇ!?」

響 「案外、原因は五十鈴にもあるんじゃないかって思ってみた」ジー

五十鈴「そりゃあ、あのガチペドロリコンに生理的拒絶感から来た正当防衛はあったわよ。そのことで恨まれているかもしれない」

五十鈴「それに、何よりも駆逐艦と潜水艦を優先する姿勢には正直 ドン引きよ」

五十鈴「最初に極上スイーツのもてなしを受けたのに、それで私の提督の第一印象はもうどうしようもないところまで落っこちたわ……」

響 「へえ」

響 「でも、五十鈴はここに居続けている」

五十鈴「……そう、そうなのよね」

五十鈴「そういう響ちゃんはどうしてあのガチペドロリコンの側に居続けてるわけ? 気持ち悪くない?」

響 「別に。最初は妙に馴れ馴れしいと思っていたけど、何か慣れた。それに何かされた覚えもない」

五十鈴「そ、そうだったんだ」

響 「それで五十鈴は、いつ司令官のために練習して作ってるタルトを渡すの?」

五十鈴「ふぇ?!」ドキッ



朗利「………………」ペラペラ


朗利「…………ダメだ」パタン

朗利「どうして俺ってやつは中途半端なのかな…………」

朗利「次から作るお菓子に必要な物資の補給路も開拓できた――――――それはめでたいことだ。めでたいことなんだ」

朗利「けど、結局 時期が来るまで渡せず終いの最後の【褒章】がなぜだか気になって――――――」

朗利「俺としては姉妹揃って与えてやりたかったところだけど、【褒章】は残り1つだし、軽巡2人に与えることの意義がな…………」

朗利「きっと妹の方は姉のために辞退することだろう。だから、その場合の【褒章】は1つで十分かもしれない」

朗利「けど、これから新たな精鋭として現れたもう一人の大食らいの存在がな――――――」


朗利「………………楽しいんだよな。何でも美味しそうに食べてくれるから」


朗利「それに、反応が幼くてクルものがあるというか…………あんな感じに初々しさが残ってるのがいいんだよねぇ」ニタニタ

朗利「けど、俺はあの姉妹にも報いたい気持ちが強い。何だかんだ言って俺のパークを最初期から支えてくれているからな……」

朗利「…………どうすればいいんだ」

朗利「あの冷血漢ならとっくの昔に使い切っているのだろうか?」

朗利「それとも、真の精鋭にしか使わないつもりでいるのか? そのほうがあいつらしい気がするな――――――あ」

朗利「ダメダメダメ!」ブンブン

朗利「俺とあいつは違うんだ! あいつが重巡を推すのなら、こっちは駆逐艦だ」

朗利「そうだとも。俺は俺のままに鎮守府を取り仕切るんだ。あいつのような大艦巨砲主義の頭の堅いやつとは違うんだ」

朗利「よし! 司令部からの新たな任務への備えも万端だ。夜回りに行こうか」サッ



――――――趣里鎮守府


石田「………………」カチャカチャ、バン

石田「……これで動くか?」カチッ

ガチャ、ブルルルル・・・・・・

石田「よし。これで私も海に出られるな」スッ

石田「装填よし」ジャキ!


石田「猛獣狩りの季節はもうすぐだ」ニヤリ


石田「しかし、40ノット(=74.1km/h)以上を出せてもそんなのは1時間も保たない。要改良」

石田「そして、艤装や装甲もないわけだから攻撃を受ければ即死だな」

石田「それに、こいつを当てるにはいろいろと不利な条件が一覧のように並んでいる」

石田「だが、これしか艦娘や深海棲艦に対抗する手段はない」

石田「海の上を滑るように移動できるのが艦娘の特徴であるからして――――――」ブツブツ



飛龍「………………提督」




――――――夜戦:川内のお願い

サーチライト
石田「この探照灯を使って索敵すればいいんですね?」

川内「そう。さすがに提督に主砲は積めないし、危ないもんね」

石田「そして、探照灯を3秒以上当て続けられた撃沈判定ですか……」

石田「(訓練用の50×25mのプールを高さ10mのジャンプ台から索敵ですか。これは骨が折れる作業ですね……)」

石田「確認しますが、制限時間5分内に探照灯を使ってプールの中だけ索敵するのが条件ですね? 探照灯を切ってブラインドアタックもよしと?」

川内「何でもいいよー。いくら提督が相手でも簡単には捕まえられないんだから」

川内「それじゃ、私がここから飛び降りて水飛沫がたったら始まりだよ」

川内「準備はいい?」

石田「どうぞ」

川内「それじゃ、川内! 参ります!」ピョイーン!


ヒューーーーーーーン! バッチャーーーーーーン!




石田「さて、作戦開始ですね」パッ

石田「(さすがは川内です。夜戦が得意なだけあってすぐに着水地点から消えてしまった…………泳ぎも得意か)」

石田「(単純に探照灯を振り回すだけでは絶対に捉えられない! ピンポイントでブラインドアタックを当てない限りはとてもじゃありませんが)」

石田「(探照灯は重たいのででたらめに振り回して策敵することも叶わない。最初から機動力の面で不利というわけですか)」

石田「(しかし、夜戦に強いのが川内の長所であるのならば、その長所が逆に弱点となり得るのです)」
ゲーム
石田「(最初にこの夜戦の内容を説明された時に、私はある作戦が思いつきました)」

石田「(必勝法というわけではありませんが、元々 追う側が不利なこの夜戦――――――、だからといって為す術もなく完敗するわけにはいきません)」

石田「(これを使えば、こちらにも勝利の可能性が浮上するわけですが――――――!)」

石田「(頼みます! 川内が意外とその場に固まって息を潜めてしまったらこの作戦は失敗確定――――――)」


川内「きゃあああああああああああああああ!?」


石田「(――――――掛かった!)」

石田「どうしました、そこを動かないで!(はい、これで私の勝利です)」パッ、ゴゴゴゴ・・・

川内「あ、眩しぃ……」チカチカ

石田「どうしました!(1,2,3――――――!)」

川内「あ、足に何か白い何かが絡まって――――――あ」

川内「やだ、これってビニール袋じゃない。誰がプールに捨てたのよ……」

石田「そうですか。大事に至らなくてよかったです(――――――私です!)」

川内「あ、そういえば3秒以上――――――」

川内「あははは、得意の夜戦でこんな失敗をするだなんて何やってるんだろう、私……」

石田「気をつけてください。夜戦はどうあっても昼間よりも視界が悪くなって誰にでも事故が起きやすくなるものですから」

川内「う、うん……、気をつけるよ、提督。慢心してた。提督にカッコ悪いところ見せちゃったな…………」

石田「気にしないでください。あなたは夜戦においては誰よりも経験と実績のある信頼に値する戦力なのですから」

石田「これが実戦でなかったことが何よりも喜ばしいですよ。これを教訓により一層の安定感が得られますから」

川内「ううん。でも、私――――――、違う」

川内「一緒に夜戦してくれてありがとう、提督」ニコッ

石田「………………」



――――――夜戦:愛宕のお願い


石田「…………それで、私に何か言いたいことがあるのですか?」

愛宕「うふふふ♪ 提督はやっぱり不思議♪」

石田「私からすれば、私に積極的に関わろうとするあなたたちの方が不思議に思えますよ」

石田「艦娘は兵器として提督に対して絶対服従の因子が組み込まれているとはいえ、犬猫と同じように喜怒哀楽はありますから」

石田「私が来るだけで、駆逐艦や潜水艦たちは青い顔をして戦々恐々とする始末ですよ」

石田「実際に、海域最初の小手調べのための捨て駒、潜水艦は日課のクルーズをひたすら繰り返すだけの歯車――――――」

石田「嫌われないほうがおかしい。目の前で失禁した娘もいたぐらいですから」

愛宕「でも、どんな娘でもちゃんとLv50以上になるまでは育ててくださるのですね」

石田「あくまでも強い艦娘かどうかを見極めるために慎重なだけです。あるいは使える装備を持ってきてくれるか――――――」

石田「そうでなければ、【近代化改修】のための餌となってもらうだけです。【改造】した後に餌にすれば効率もよくなりますから」

愛宕「うふふふ♪ 確かに私もたくさんの艦娘の命を吸ってるけど、そこまで卑下するようなことはないと思うなー」

石田「…………」

愛宕「だって、提督はどんな娘にもMVPをしっかりと取らせているのよ。それも何百回もね! それって凄いことだと思わない?」

石田「…………そんなのはただの副産物にしか思えませんが」

愛宕「『凄いこと』なの、提督」

愛宕「だから、わたしの中のみんながわたしの力になってくれるの。力を与えてくれるの」

愛宕「――――――『提督のために』ってね」

石田「………………」

愛宕「提督、もっともっと素直になって。そうすれば――――――、うふふふ♪」

石田「そんなことは誰も望んでない…………」

愛宕「もう、意地っ張りなんだから」

愛宕「提督も甘えん坊になってもいいんですよ?」

愛宕「確かに艦娘と人間は違う存在だけど、それだけに人間にはない喜びっていうのもあるってこと、忘れないでね」

愛宕「私、提督とお話しているだけで――――――、うふっ♪」

石田「…………そうですか」



――――――夜戦:日向のお願い


石田「すみません。酒は苦手なものでして、つまみ程度しか用意できませんでした」

日向「別にいい。それよりもこっちに寄れ、もっと近くに」

石田「はあ……」

ゴクゴク・・・

日向「ぷはぁ!」

日向「さあ飲め飲め! 今夜は飲もう」

石田「では――――――」グイッ

ゴクゴク・・・

日向「おお? 意外といい呑みっぷりじゃないか」

石田「…………やはりきついです」ウゲー(酒を飲むふりをして別に用意した器に水を汲んだものにすり替えていた)

日向「……まあ、そうなるな」フフッ

ゴクゴク・・・

日向「ふぅ! 『この1杯のために生きている』って感じがするな!」

石田「………………フゥ」

日向「どうした? つまらないか……?」

石田「いえ。酒は呑めませんが、ただこうやって静かな夜を送るのもいいものだと……」

日向「なるほどな。それはいい傾向だ」

石田「――――――『いい傾向』?」

日向「そうだとも。夜な夜な提督は何か機械いじりに精を出しているようだからな。まあ、心配していたのだ」

石田「…………!」

石田「…………何のことでしょう?」

日向「ごまかそうとしてもごまかしきれないぞ?」

日向「普段はデスクワークしかやっていない提督から微かに重油の臭いがプンプンするからな」

石田「!」

日向「提督が工廠に出入りするのは鎮守府の責任者として自然の振る舞いだが、まあ、提督自ら重労働するようにも思えなくてな」

日向「時折、鎮守府を夜遅くにうろついた艦娘から何か聞きなれない物音がどこからか聞こえてくるという話も聞いている」

日向「だから、噂の物音の正体を探ろうという動きが以前にあってな」

日向「しかし よく考えたら、用心深い提督が鎮守府内のこの怪現象を取り合わないのはおかしいと気づいたのだ……」

石田「…………何がいいたいのです?」


日向「私もそれに混ぜてくれ」


石田「…………『それ』とは?」

日向「だから、提督は夜な夜な私費を投じて装備の開発や研究に取り組んでいるのだろう?」

日向「興味があるのだ。見せてはくれないか? な?」

石田「………………」



――――――司令部


司令部「うむ。いずれも以前にも増して高い戦果を上げてくれていることを嬉しく思うぞ」

清原「こちらこそ、実験に参加させていただき感謝しております」

金本「そうそう。この実験に参加して給料上乗せになったから前々から計画していたことがついに実現できたことだしな」

朗利「そうだな。俺のようなふまじめなやつでもここまで頑張れるようになれたもんな。感謝しないと」

石田「他の提督たちには申し訳がないぐらいに戦力の充実が図れました」

司令部「うむ。これからも頑張ってもらいたい」

司令部「では、今回の新装備はこれだ!」


――――――【御旗】【軍刀】【表彰盾】【宝珠】


提督たち「………………」

司令部「どうしたかね? さあ、好きなものからとっていいのだぞ」

司令部「これは大本営が日頃のきみたちの活躍と貢献を讃えて造られた記念品なのだ」

清原「あの……、これは本当に実戦で役に立つ装備なのでしょうか? やっぱりこれを装備した時の評価を行うのですよね?」

司令部「どういうことかね?」

金本「今の砲撃・雷撃・爆撃が主体の洋上戦で【剣】なんか役に立つのか?」

朗利「【盾】なんかどうやって使えばいいんでしょうか? 重いし、邪魔臭いんですが」

石田「前回の【お守り】のことを考えても、この【珠】ぐらいしか実用性がなさそうですね(朗利提督の功績とはいったい――――――?)」

清原「あ、しかも共通して『旗艦に装備させた時に効果を得る』ものだから、【お守り】の時のように自由に使えないわけですか」メメタァ

金本「旗艦の貴重な装備枠をこんなご利益もわからない【下賜品】を持たせていいものなのかねぇ……」メメタァ

朗利「でも、試すだけ試しましょう。それで給料上乗せになるんですから(今回も楽そうだな。食料開拓の投資が捗るぜ)」

石田「ええ。では、私は【珠】を頂戴しましょうか」

金本「それじゃ、俺は【剣】でももらおうか。執務室の飾りにはなるだろう」

朗利「あ…………(天龍にでも持たせようと思ったけど、出遅れたか…………)」

清原「では、私は【旗】を持ち帰りましょう。波風でダメにならなければ良いのですが」

朗利「余り物には福がある――――――【盾】かよ!」

司令部「さあ、どんな戦果を上げてくれるか、報告を楽しみに待っているぞ」



【御旗】 【旗】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、艦隊全体が敵旗艦を優先的に攻撃をするようになり、敵旗艦を【かばう】ことができなくなる
         
【軍刀】 【剣】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、互いに同じ艦種を優先的に攻撃するようになる


【表彰盾】【盾】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、旗艦が中破・大破した時に限り、僚艦が轟沈しなくなる

【宝珠】 【珠】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、旗艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を僚艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を吸収して上乗せする




――――――洞庭鎮守府


清原「さて、いつも通りに新たな装備を試して欲しいとのことだ。今回はこの【旗】だ」バサッ

鳳翔「あら!」

比叡「ひえー! こ、この【旗】って――――――」ワナワナ

金剛「おお! 知ってるデスカ、比叡」


比叡:Lv80「【錦の御旗】ですよ、お姉さま!」


金剛「おお! 【錦の御旗】デスカ……」←よくわかってない

清原「その通りだ。さすがは御召艦だな」

鳳翔「ということは、提督の働きが――――――」ドキドキ

清原「残念だけど、別段そういうものでもないらしい。現にこれはレプリカであると通達されている」

清原「その証拠に、わざわざ細部を違うものにした『あえて偽物に作ってある』【錦の御旗】なのだ」

比叡「確かにそうですね」

比叡「試作装備とはいえ、実装した際に【錦の御旗】をたくさんの艦娘が装備しているのは不自然ですからね……」

鳳翔「しかし、これは【お守り】とは違ってどれほどの効果があるのでしょうか?」

清原「わからない。一応は【下賜品】として授かったものだけど、大本営は何を期待してこんな装備を――――――」

清原「!」

清原「そうだ! 正午に艦娘たちを全員集合させてくれ、金剛、比叡」

金剛「了解デース、提督!」

比叡「わかりました、提督!」


タッタッタッタッタ・・・


清原「しかし、もし私の推測が正しいとするならば、大本営は深海棲艦について何か――――――」

鳳翔「あなた……」

清原「大丈夫だよ、鳳翔」ギュッ

清原「戦いが終わったとしても――――――いや、戦いが終わってからが本当の人生の幕開けだ」

清原「鳳翔が気にすることじゃない。それは他の艦娘たちについても同じだよ」

鳳翔「はい」

清原「守ってみせる――――――なんていうのは傲慢だな。実際に戦うのは鳳翔たちなんだから」


【御旗】 【旗】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、艦隊全体が敵旗艦を優先的に攻撃をするようになり、敵旗艦を【かばう】ことができなくなる



――――――斎庭鎮守府


金本「【こいつ】を見てくれ。どう思う?」


龍驤:Lv110「…………軍刀? 軍刀術なんてうち学んでないから使えんよ?」

球磨:Lv97「クマー」

多摩:Lv95「にゃにゃ?」

扶桑:Lv135「菊の紋章! けど、猫に小判よねぇ。はぁ…………」


金本「なるほどね。猫に小判か」

金本「よし、わかった。猫に小判なら、熊に軍刀だな」

金本「球磨ちゃん、お前を旗艦に任命する。【これ】を装備してちょっくら敵艦隊を20個ぐらい撃滅してこい」

球磨「クマー!?」

扶桑「あ、そっか。球磨ちゃんと多摩ちゃんの練度は――――――」

金本「そういうことだ。それに【こいつ】の切れ味は棒切れと同じだろうからな」

金本「実戦では役には立たないだろうが、持つだけ持っていろ」

球磨「クマー…………」

金本「安心しろ。やり遂げたら俺の邸宅に招待してあげるから。な? お前のために蜂蜜風呂だって用意してあるから」

球磨「やる気でたクマアアアアアアアアア!」

龍驤「提督! うちもうちも!」

多摩「球磨ばかりずるいにゃ~!」

金本「お前たちも球磨と一緒に出て艦隊を撃滅してこい。働き次第で考えなくもない」

龍驤「提督! ちゃんとうちの活躍見ててね!」

多摩「多摩も多摩もにゃ!」

金本「よし! 艦隊編成が済み次第、すぐに始めてもらうぞ。それまでに準備を済ませておくように」

一同「了解!」


タッタッタッタッタ・・・



扶桑「提督ったら本当に太っ腹ねぇ。本当に」

扶桑「そう、私たちよりもずっと偉丈夫で――――――私は、あ、はぁ…………」

金本「どうした、扶桑?」

扶桑「提督……」

扶桑「その……、妹のことを大事にしていただいて本当にありがとうございます」

金本「どうした? そんなことは初めて言うようなことじゃないだろう? 同じことを何度言い聞かせる気だ?」

扶桑「いえ、この前に提督が鎮守府の隣に建てた御殿に最初に招待されたことを山城は本当に嬉しそうに誇らしく話していましたから」

金本「そう。それは良かったぜ(ガチャに回すカネが【艦これ】では必要ないから貧乏プロダクションを改築するよりも早くデカくなっちまったな)」メメタァ

金本「けど、お前は良くないな」

扶桑「え」

金本「妹と違って、自己主張が少ないんだもん。もっとわがままな娘になれよ。俺は好きでやってるんだからさ?」サワサワ

扶桑「提督……、そこを触られると――――――」ポー

金本「『触られると』何だって? 嫌なら抵抗すればいいじゃないか? 俺が本当に嫌がる女に無理強いしたことなんてあるか?」

扶桑「…………イジワル」

金本「おいおい、そういうところが妹と違うところなんだって。妹の方が反応がはっきりしていて弄ってて楽しいぞ?」

扶桑「そうなのでしょうか……?」

金本「そうなの。お前は慎みが過ぎるぞ」

金本「来る者は拒まず、去る者は追わず」

金本「それが俺のモットーでな。『必要だ』と、『助けてくれ』と言うのならば俺は力にいくらでもなってやるよ」

扶桑「提督の言うそれは、極端なんですよ……アン」

金本「――――――『極端』?」

扶桑「提督に身も心も虜になるか、その前に見放されるかのどちらかしかないじゃないですか」

金本「そうか? これまでの人生、結構フラれてばっかりな感じなんだがな……」

扶桑「嘘です。提督に限ってそんなこと――――――」

金本「…………あ」


――――――やっぱり『カネが無かったから』なのかな?


扶桑「え」

金本「俺、貧乏人の生まれだったから10代の頃は極貧の生活を送っていてな」

金本「やっぱりカネがないと何もできないし、信用もされない――――――ましてや異性の心を射止めることもできないって気づいてな」

金本「だから時々、俺が元の貧乏人に戻ったらお前たちはどこに居るのだろうと思って――――――、こっちとしても必死なんだよ」ブルブル

金本「――――――『カネの切れ目が縁の切れ目』ってな」

扶桑「提督……」

金本「『必要だ』って言ってくれ。『助けてくれ』と言ってくれ。それで不安から『俺を救ってくれ』と言ってみる…………」ブルブル

扶桑「はい……」ギュッ

         
【軍刀】 【剣】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、互いに同じ艦種を優先的に攻撃するようになる




――――――拓自鎮守府


朗利「まいったな…………」

朗利「よりにもよって、【表彰盾】かよ! 【剣】の方がまだそれっぽいのに!」

朗利「【これ】を装備させたらどんな効果になるんだ――――――いや、【こんなの】を手渡したら明らかに特別扱いになるんじゃ?」

朗利「もしかしたらこれでいいのかもしれない……」

朗利「俺が感謝の意を表したいと思っているポンコツ面白姉妹とドイツから来た大食らいのことを考えれば――――――」

朗利「って、ダメじゃん!」

朗利「【こいつ】、『旗艦に装備しないと効果を発揮しない』んじゃんか!」メメタァ

朗利「あの姉妹を旗艦にして活躍できる場所なんてないだろうが! 旧式がぁ…………」

朗利「…………待つしかないか(だけど、そう簡単に【盾】や【褒章】と似たようなものをもらえるかな……)」

朗利「幸い、【お守り】については一番の当たりを引いているらしいし、何よりも【オスカー】がいる」

朗利「【盾】の効果の検証をしないとだけど――――――、」

朗利「大本営もどの程度の効果を発揮するかわかっていないから検証期間が5年なんて馬鹿みたいに長く設定してるんだろうな」

朗利「なら、別にいいか?」

朗利「しっかりしろ! 悩んでるなんて俺らしくない! 今日も精一杯 駆逐艦と潜水艦たちを愛でるのだ!」

朗利「新しい補給路を確保できてから作れるようになった新作をどんどんお披露目しないとな!」

朗利「ああ、そうとも! 悩んでる暇なんてない! ああ忙し忙しー」

朗利「(馬鹿じゃないか、俺? たかだかそんなことを気にしてさ? 俺にとっての一番は愛する駆逐艦と潜水艦たちじゃないか)」

朗利「(でも――――――)」


【表彰盾】【盾】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、旗艦が中破・大破した時に限り、僚艦が轟沈しなくなる



――――――趣里鎮守府


石田「もらった【珠】の効果はおいおい確かめるとして――――――、」

石田「さて、いつも通りに【大型艦建造】をして――――――」

石田「(毎日1回の日課になってからようやく金剛型戦艦が全て揃ったのですが、金剛型戦艦では話にならないです。旧式がぁ……)」

石田「(求めるのは、圧倒的な火力あるいは類稀な回避力を有する――――――)」

石田「さて、今日の結果は――――――、」


石田「――――――8時間」ピタッ


石田「【大型艦建造】で8時間?!」

石田「…………見間違いじゃ、ない!」ゴシゴシ

石田「あ………………」ブルブル


石田「やったあ! ついに大和型戦艦がキタアアアアアアアア!」


石田「大和か武蔵か!? と、とにかく8時間の間に迎え入れる準備を整えねば!」ウキウキ

石田「何から手を付けるべきか――――――」

石田「ん」

バタン!

愛宕:Lv65「ぱんぱかぱーん!」

ワーーーーーーーーーーーーーーー!

石田「何事!?」ビクッ


パチパチパチ・・・

青葉:Lv53「ども、恐縮です、青葉ですぅ! 一言お願いします!」

衣笠:Lv55「おめでとう、提督! 最近は本当に嬉しいことだらけですね。最近になって私も【改造】してもらえましたし」パチパチパチ・・・

妙高:Lv64「大和型戦艦、おめでとうございます! これからも私たちはついていきます。どこまでもずっと」パチパチパチ・・・

那智:Lv63「ほう、これはおもしろいものを見ることができた。ふふっ、そういう意味では確かに吉報であったな。…………これからも頼むぞ、提督」パチパチパチ・・・

足柄:Lv59「大和型戦艦か。でも、これからも提督は私たちを導いてくれる! そう! そうなのよ!」パチパチパチ・・・

羽黒:Lv61「おめでとうございます、司令官さん! あ、あのあの……、これからも頑張ります!」パチパチパチ・・・

パチパチパチ・・・

石田「え? え? え?(何が起こっていると言うのだ……?! いやそれよりもさっきの――――――!)」アセダラダラ

パチパチパチ・・・

長良:Lv57「おめでとうございます、提督! いつもいつも私たちを勝利に導いてくれて、本当にありがとう!」パチパチパチ・・・

ゴーヤA:Lv90「おめでとう! みんなで一生懸命がんばってきたご褒美ですね!」パチパチパチ・・・

ゴーヤB:Lv67「わーいわーい! これで少しはゆっくり――――――何でもないでち」パチパチパチ・・・

清霜:Lv45「ふぅ、間に合った……。司令官、おめでとうございます」パチパチパチ・・・

早霜:Lv48「ずっと見てました。おめでとうございます」パチパチパチ・・・

パチパチパチ・・・

石田「なにっ!?(聞かれてたああああああああうおおおおおおおおおおおおおお!? というか、なぜ冷遇してきた駆逐艦や潜水艦まで?!)」orz

川内:Lv64「提督、おめでとう! あ、どうしたの、そんなに赤くなって?」パチパチパチ・・・

飛龍:Lv95「おめでとう! そうそう、こう歓喜に打ち震える提督の笑顔が久々に見られて嬉しいな」パチパチパチ・・・

愛宕:Lv65「うふふふ♪ 嬉しい」ニコニコ

日向:Lv70「今宵は酒盛りだな」


一同「おおおおおおおおおおおお!」



石田「ちょっと待ってくれ! 何をする気だ!? それにこれはいったい――――――」

日向「まあまあ、そう堅いことは言わずに。な?」

川内「私たち、今日という日のためにずっと準備をしてきていたんです」

石田「どういうことだ? 人から祝われるほど善行を積んできた覚えはない」

石田「恨みなら数えきれないほどの憶えはあるが……」

愛宕「提督ったら、もう♪」

石田「ん? 待て、まだ【建造】を開始してから3分も経ってないぞ……」

石田「何を早とちりしている……?(施しを受けるわけにはいかない。その資格はもうない……)」アセタラー

飛龍「わかるよ、提督のことなら」

石田「飛龍……?(そういえば、飛龍が最古参になっているのか。あの倉庫番がな。思えばいっぱい沈めてきたな、あいつもこいつも………………)」

飛龍「提督も昔はそうやって本当に楽しそうに…………」ウルウル

飛龍「良かった。うん、好きだな、その表情…………また見れてよかった、本当に」

石田「………………ああ」


石田「……そうか。飛龍がいたからか」


一同「テートク! テートク!」

石田「わかりました。案内してください」

川内「やったー! 提督と鎮守府のみんなで宴会だ!」

愛宕「うふふふ♪」

日向「さあさあ! 提督も期待の新人も私たち全員が大満足の歓迎会にするぞ」

一同「ワーーーーーーーーーーーーーーー!」

石田「ありがとう、みんな……」

石田「本当に…………」ウルッ


――――――でも、私はあなたたちの提督であることを近々やめようと思っているのだ。許してくれ。


【宝珠】 【珠】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、旗艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を僚艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を吸収して上乗せする


――――――それから、


司令部「さてさて、近況報告と行こうか。最近の楽しみになりつつあるぞ!」ワクワク

司令部「まずは、かつての勢いを盛り返して絶好調な洞庭鎮守府の清原提督!」

ピッ

――――――
清原「…………」ビシッ
――――――

司令部「うむ。元気そうだな。始めてくれ」

――――――
清原「絶好調でございます。特に【新装備】の威力は絶大です」
――――――

司令部「ほう! 確か貴官は【旗】を持っていったな!」

――――――
清原「ええ。偽物とはいえ、【錦の御旗】の威力は絶大であり、」

清原「深海棲艦の旗艦への攻撃が容易に通るようになりました」

清原「まるで、【錦の御旗】の意味を憶えているかのように隊を率いる旗艦をかばうことがなくなりました」
――――――

司令部「…………!」

司令部「もっと詳しく聞かせたまえ」

――――――
清原「知っていて渡したものではなかったのですか?」
――――――

司令部「いや、詳しくは聞いておらん」

司令部「しかし、――――――そうか。【錦の御旗】を見て途端に敵の戦意が減退したというのだな?」

――――――
清原「はい。おかげで敵旗艦を真っ先に撃沈させることが容易になり、敵艦隊の戦闘力を大きく削ぐことができるようになりました」

清原「これは確かに旗艦に装備させるだけの価値はありますね」

清原「しかし、深海棲艦にこのハッタリが通じたということは――――――、ですよ?」
――――――

司令部「言わんでもいい」

司令部「そもそも艦娘の由来と言い、深海棲艦の存在と言い――――――、」

司令部「両者が本質的に同一の存在であることは理解していたつもりだ」

司令部「だが、それを認めた時に我々は終わりの見えないこの戦いを生き抜くことができるかが試されることになる」


司令部「艦娘は兵器だ」

――――――
清原「はい
――――――

司令部「人の姿形をして人の言葉を話したとしても、人間に服従すべき存在なのだ」

司令部「それこそが、彼女たちが生まれてきた意味なのだからな」

――――――
清原「わかっております」
――――――

司令部「しかし、かつて人類は馬や犬、象などを戦争の道具として利用してきた歴史がある」

司令部「だが、服従させたとしてもそれは決して使い捨ての駒でもなく、人類のパートナーとして、家族として多くの時間を共に歴史も存在するのだ」

司令部「だからこそ、艦娘には愛を注いでやって欲しい」

司令部「艦娘という人間に極めて近い生物と融和を果たせないような人間に、同族との融和を結べるはずがないからな」

――――――
清原「はい」
――――――

司令部「その点、貴官は言うことなしの逸材であったよ」

司令部「これからも深海棲艦との終わりの見えない戦いが続いていくだろうが、貴官の兼愛交利が戦局を変える一筋に光とならんことを」

――――――
清原「微力を尽くします」

清原「それでは、深海棲艦の本格的な調査任務の発令をお待ちしております」

清原「では」ビシッ
――――――

司令部「うむ」

ピッ

司令部「…………そうか。深海棲艦とはつまりそういうことだったのか」

司令部「生まれては玉と砕けて海の藻屑と消える艦娘たち――――――」

司令部「我々はいったい何と戦っていると言うのだろうか?」

司令部「この広い海のどこかに龍宮城やアトランティス大陸があると言われているように、」

司令部「沈んだ艦たちの怨念渦巻く墓場がどこかに存在するのではないだろうか…………」


※新システム【旗艦消失】…………旗艦を失うと残存艦隊の能力が全体的に低下する。実質的に演習や敵専用のバッドステータスである。


司令部「らしくない空想はさておき、今度は斎庭鎮守府だったな」

司令部「確か金本提督は【剣】を持っていったな」

司令部「さてさて、戦果はどういったものとなるか――――――」

ピッ

――――――
金本「定期報告の時間ですね、はい」
――――――

司令部「いつも通り、元気そうだな。何か変わったことはなかったか?」

――――――
金本「聞いてくださいよ!」

金本「――――――あの【剣】! とんでもない戦果をもたらしてくれましたよ、これが!」
――――――

司令部「なに?! 射撃戦闘が一般的な今の御時世で近接戦闘においては役に立たないと思っていたのだが――――――、そうか」

司令部「詳しく聴かせて欲しい」

――――――
金本「結論から申し上げますと、」


――――――『敵さんもこちらもやっぱり人間なんだなぁ』っと思いましたよ。


金本「うん。本当に。マジで!」
――――――

司令部「結論というよりそれは感想だろう! 正確に報告せよ!」

――――――
金本「おお おっかないおっかない!」

金本「では、結論に至る過程から説明いたしますと、」


――――――【剣】を掲げて突っ込んだ艦娘に敵が驚いて混戦になってしまい、最終的に同じ艦種同士の接戦に陥るんですよ。


金本「なぜだか、交戦状態で艦隊決戦の砲撃戦になって突撃する段階になると、」

金本「――――――この【剣】に何か取り憑いているのかわかりませんけど、」

金本「戦艦は戦艦に、巡洋艦は巡洋艦に、駆逐艦は駆逐艦に相手取るようになりまして、はい」

金本「意味がわかりませんよ、まったく」

金本「何故に同じ艦種同士で戦いを始めるのか、理解できませんよ」

金本「しかも、空母や潜水艦まで同じことをしだすのですから、何のための艦隊編成なのかわからなくなるんです」
――――――

司令部「…………は」


――――――
金本「ですから何と言うのか、【剣】を装備すると艦隊全体が同じ艦種に妙な対抗意識を持つようになるらしく、」

金本「敵に対してもそれが伝わっているというか何というか――――――」

金本「俺にだって理解できてないんだから、察してくださいよ! 呪いの村正か何かですか、この【剣】は!?」

金本「そういうわけで、俺が出した結論として『向こうもこちらも人間らしい感情がある』のだと確信しました――――――、以上!」
――――――

司令部「…………なるほどな」

――――――
金本「あれ? どうしました? てっきり怒鳴り散らすものだと思ってましたけど」
――――――

司令部「いや、先程 清原提督から深海棲艦に関することで似たような報告を受けていてな」

司令部「【錦の御旗】を認識して、自分たちが賊軍であることを恐れて旗艦を見捨てるように艦隊の連携が崩壊したという」

司令部「それと同じように、金本提督からの報告で理解不能で無機質な深海棲艦にも我々と共感できる感情を持っているのだとこれで確信したのだ」

司令部「思うに、確かに現代戦では剣だの槍だの近寄られる前に迎撃されて使い物にならないものだと認識しているだろう、誰もが」

――――――
金本「そりゃあもう。【軍刀】って元々そういうものでしょう?」
――――――

司令部「しかしだ。実際に鋭利な刃物を振り回して近寄ってくる相手を目の前にして、貴官は落ち着いて対処できるか?」

――――――
金本「相手や状況に寄りますね。さすがに素手で相手はしたくないですよ。それでも負ける気はしませんが」
――――――

司令部「そうであろうな、貴官ならば」

司令部「しかし、他の者はどうだ? 貴官ほどの胆力を持ち合わせている者は数えきれないほど居るか?」

司令部「おそらく居るまい。それは艦娘としても同じであろう」

――――――
金本「なるほど。そういうわけですか。――――――腑に落ちない点がいくつもありますがね」
――――――


司令部「今はそれでよい。近々 本格的な深海棲艦の調査を行うつもりであるからな」

司令部「今回の報告で得られたのは、深海棲艦も人間や艦娘と変わらない感情を持っているという点だ」

司令部「これは弱点を突く上でも研究する上でも重要な手掛かりだ」

司令部「他に言うべきことはないか? 十分な内容であったぞ」

――――――
金本「そう言ってもらえると助かります」

金本「しかし、この【剣】は本当にヤバイ装備だな」

金本「それぞれが同族に対して数とかいろいろ関係なしに張り合うようになるもんだから艦隊編成が機能しなくなる」

金本「まず、対潜装備や対空装備の意味がなくなる。――――――まあ、必ずしも1対1で殺り合うわけじゃないから無駄にはならないけど」

金本「けど、1対1で勝てるだけの能力差があるのなら安心できる気もするが、実は完全なタイマンにはなりづらく 横槍を入れられる可能性がある」

金本「例えば、同族がいないライバルのいない艦種からの横槍もあるし、同じ艦種による1対2のように数的不利な状況に追い込まれたら助けようがない」

金本「更に、1対1で不利な状況で敵と全く同じ艦隊編成だった場合は助けに回ることもままならない」

金本「大型艦同士が鉢合わせた場合は特に悲惨だ。回避力が低くて火力が高いもんだから、互いに身を削り合う死闘に陥りがちだ」

金本「雷巡同士の対決も相当ヤバイかな? 攻撃力がクソ高いけど紙装甲だから当たったらアレだからさ?」

金本「片刃のサーベルのくせにその実態は諸刃の剣なんだからよ……」

金本「結果として、有利になっているのか不利になっているのかわけがわからん状況だ」
――――――

司令部「そ、そうなのか。そこまで凄絶だったのか……」

――――――
金本「 で も ! 」ニヤリ

金本「俺の艦隊はケッコンカッコカリで限界突破して、一流装備をガン積みしているから1対1なら絶対に負けねえがな!」メメタァ

金本「パワープレイのゴリ押しが得意な俺にとってはプラスな装備でしたよ」メメタァ

金本「それに、攻撃対象を互いに制限されるのは、逆を言えば狙い通りの状況を生み出すことが容易になるということだから、」

金本「出撃する海域の戦力に合わせて、自由行動できる艦種を紛れ込ませておくと潜水艦でもないのに一方的にタコ殴りにできちゃうんですよ、これが」

金本「もちろん、海域に登場する編隊と完全一致する場合なんて極稀なんだが、大物には大物をぶつけて効率良くダメージを稼げるのがいい」

金本「要は、――――――ここ! 頭の使い所がモノを言うわけ! もちろん数と質の暴力もモノを言うけど」

金本「まあ、主力艦隊を使わずに軽い気持ちで検証していたから最初に試した時の予想外の混戦には度肝を抜かれたけど」

金本「いやぁー、あれには久々に肝が冷えたぜ、まったく……。――――――球磨には悪いことしたな」
――――――

ピッ

司令部「な、なるほどな。金本提督ぐらいの剛の者でなければ使いこなせない装備ではあるが、ハイリスクハイリターンで利用価値はあるということか」

司令部「しかし、これまた有益な情報を得ることができた」

司令部「艦娘たちも深海棲艦も同種の艦種に対して対抗意識を持っている娘が多く見られている――――――」

司令部「あの【剣】はきっかけに過ぎず、本当は潜在意識の中にある同族最強への強い闘争心が表層化するからではないだろうか?」

司令部「まあ、これはただの推測ではあるがな?」



司令部「さて、今度は拓自鎮守府の朗利提督を」

ピッ

――――――
朗利「あ…………」ビシッ
――――――

司令部「うむ……?(直感が囁く。様子がおかしい――――――これは何かあったな)」

司令部「では、報告を聞こう。何かあったかね?」

――――――
朗利「申し訳ありません。【盾】の効果が結局わかりませんでした…………」
――――――

司令部「そうか(こんなことで気を落とすような朗利提督ではないな)」

司令部「まあ、気を落とすな。時間はあるのだからな」

――――――
朗利「…………はい」

朗利「他に報告すべきことは特にないです」
――――――

司令部「そうかそうか。そういう時もあるだろう。気にするな」

――――――
朗利「ありがとうございます」


朗利「そういえば、今回の装備の検証に出した艦隊が以前に比べてやけに元気が残った状態で居続けたような――――――」

朗利「単なる偶然? でも、確かにあれだけの数の駆逐艦を出撃させて一様に疲れが出てなかったような――――――」
――――――

司令部「ほう? それは耳寄りな情報だな」

――――――
朗利「へ」
――――――

司令部「艦娘も人間と同じ感情を持つ一個の生命体だ」

司令部「その【盾】も曲がりなりにも下賜された物だ。その意味はわからずとも大切なものであることは理解していたのではないか?」

司令部「要するに、士気が普段よりも高まって緊張状態がいつもより持続していたから、疲労が表に出にくくなったのではないかな?」

――――――
朗利「それはつまり――――――」
――――――

司令部「頭では理解してなくても記憶になくとも、骨の髄や魂の奥底では生粋の兵士であるということだな、艦娘というのは」

――――――
朗利「それは………………」
――――――

司令部「まあ、それもそうだろう」

司令部「艦娘とはそのための存在なのだからな」

――――――
朗利「………………違います、そんなの」ブルブル
――――――

司令部「………………提督」

司令部「確かに艦娘は人間によく似た知的生命体ではあるが、その生まれは兵器なのだ」

司令部「生まれた直後に普通なら数ヶ月の訓練――――――いや、生身で主砲を担いで高い命中精度を誇る射撃戦を展開できるのだ」

司令部「ましてや女の子が、だ」

司令部「そのことを忘れないでくれたまえ。代わりはいくらでも――――――他の鎮守府にもその娘は居るのだからな?」

――――――
朗利「…………うぅ」
――――――


司令部「悩んでいるところから察するに、まだそれほどの事態は起こってはいないようだな。ひとまず安心だ」

司令部「提督、いつまでもそうやって1つの失敗に拘ってお先真っ暗になっていては困るぞ?」

司令部「提督の時計の中には貴官の部下たちの未来がびっしり刻まれているのだからな」

司令部「そうやって誰の得にもならない益体もないことを悩み続けるよりも、潔く咎を詫びて新しい関係に次に進めよ」

司令部「変化を恐れて時間に取り残されるのはひたすら惨めなだけだぞ?」

――――――
朗利「…………わかりました」
――――――

司令部「うむ。よろしい」

司令部「失敗こそが成功の母なのだから恐れることはない」

司令部「ましてや、貴官が居る場所は戦場なのだ。戦場では人生で起こりうる最悪の事態が起こりやすい」

司令部「そのことを肝に銘じて、更なる精進をせよ」

――――――
朗利「はっ!」
――――――

ピッ

司令部「さて、何が起きたのかはっきりとはわからないが、大方 慢心したことで痛い目に遭ったのであろう」

司令部「だが幸運にも、朗利提督の場合は最悪の事態は避けられたようだな。まだ眼は生きていた」

司令部「しかし、士気が上がって緊張状態が続いて疲労になりづらいのならば、他の【下賜品】についても同様のはずだな」



司令部「さて、いつも最後となるが趣里鎮守府の石田提督の様子を見るか」

司令部「回を追う毎に、荒んだ眼差しに光が灯っている感じがしてその変化を追うのが楽しみになりつつある今日此の頃――――――」

ピッ

――――――
石田「…………」ビシッ
――――――

司令部「ほう! ずいぶんと顔つきが変わったな! 昔を思い出したよ!」

――――――
石田「そうでしょうか?」
――――――

司令部「うむ。間違いない」

司令部「声の調子は歴戦の提督としての貫禄がついたが、昔のような明るさがみなぎっているぞ」

司令部「どうやら、これまでの苦労や悩みが報われたようだな!」

――――――
石田「そこまでお見通しですか。相変わらず敵いませんよ」
――――――

司令部「そうかそうか。何があった?」

――――――
石田「【珠】を受け取った後に【大型艦建造】をしましたら、念願の大和型戦艦:武蔵を獲得いたしました」
――――――

司令部「おお! あの武蔵か! それは喜ばしいことだな!」

――――――
石田「8時間の建造時間を見て、柄にもなくはしゃいでしまった直後に、」

石田「部下たちが一堂に揃ってそのことを祝福してくれたのです」

石田「信じられないような光景でした。そこには普段から酷使されて目の敵にしているだろう駆逐艦や潜水艦まで拍手で讃えてくれたのですから」
――――――

司令部「そうか。それはよかったな(本当に良かったな。まるで昔のようだな)」


――――――
石田「すぐには理解できませんでしたが、とりあえず今回の大和型戦艦の着任祝いをかねてから計画してくれたのが飛龍だったことに感激を覚えました」
――――――

司令部「そうだろうな。貴官のところの最古参は今では彼女だからな」

司令部「鎮守府のメンツも死に別れを繰り返して、世代交代をしていくうちに提督を慕う艦娘でいっぱいになっていったというわけか」

司令部「だが、一番の理由は勝率が一定以上じゃないとイベントマップに参加できなくなったせいだがな!」メメタァ

司令部「そういう意味では、大本営の大英断だったと言えよう!」ワハハハハ!

――――――
石田「そうですね。捨て艦戦法を封じてひたすら勝率を回復するための戦いに明け暮れることになりました」

石田「そのための気が遠くなるような戦闘回数をこなす手段として、牧場経営やクルージングを始めたんでしたっけ」メメタァ
――――――

司令部「相変わらずやっているのか、それは…………」

――――――
石田「ええ。最新装備は主力艦隊に持たせるだけ持たせられるようにしないと安心できませんから……」

石田「少しでも任務達成と、大切な艦娘たちが帰ってこられるようにするために必要なことです」
――――――

司令部「だが、それと並行してあらゆる艦娘の練度も上げていっているのだろう?」

司令部「おそらく世界広しとは言え、所属する艦娘全てを合わせた平均レベルの高さはぶっちぎり貴官がナンバーワンであろうな」

――――――
石田「最高レベルは100にも届いていませんがね」ハハッ
――――――

司令部「そうだなそうだな」

司令部「だが、これから実装されるであろう新たな【改造】にすぐに対応できるのは羨ましい限りだろうな」メメタァ

司令部「最近の改二はLv80以上のものも出てきたという話だからな」

――――――
石田「ああ……、榛名ですね。新しく入った武蔵のために全部 後回しになるでしょうね。私、金剛型は好きじゃありませんから」
――――――

司令部「そうだろうな。金剛型のネックは改二になってようやく長門たちに互角であり、ケッコンカッコカリも見えてくるぐらいの練度がいる」


司令部「で、武蔵の練度はもうどれくらいかな? まさかもう【改造】できるところまで――――――」

――――――
石田「Lv48ぐらいです」
――――――

司令部「は」

――――――
石田「Lv48です、武蔵改」
――――――

司令部「ちょ、ちょっと待って欲しい! 確か武蔵が来たのは【宝珠】を受け取ったあの日なのだな?」

――――――
石田「そうですが?」
――――――

司令部「いったいどんな魔法を使ったら、数週間でここまで仕上がるというのだ?!」

――――――
石田「ああ それですか?」

石田「しばらく牧場経営とクルージングを少し控えめにして、ひたすら深海棲艦を狩らせていましたが」
――――――

司令部「あ……」

司令部「な、なるほど。確かに毎日1回の【大型艦建造】のために当てていたクルージングや牧場経営をやめればそこまでの余力が――――――」

司令部「しかし、もう【大型艦建造】はもういいのか?」

――――――
石田「はい。我が艦隊の中心となるべき艦娘は得られましたから」

石田「【大型艦建造】をするためにクルージングをしていたのではありません」

石田「この戦いに勝つために大和型戦艦の圧倒的な火力を求めていたからしていたのであり、【大型艦建造】をすることが目的ではありません」
――――――

司令部「そうか。光は消えてもなお曇りなきその眼があったからこそのこれまでの戦果か」

司令部「もう大丈夫そうだな、貴官は」

――――――
石田「いえ、私は近々 司令官を辞めようと思っております」
――――――

司令部「ど、どういうことだね、それは!?」

司令部「せっかく主力となる武蔵を得て、いよいよという時期に!?」

――――――
石田「いえ、軍人であることを辞めようとは思っておりません」

石田「戦いから逃げ出してしまってはこれまで戦ってくれた戦友たちに申し訳がたちませんし、これまでの全てを否定することになってしまいます」

石田「私が指名する後任の提督と趣里鎮守府に開こうと思う新部署の承認をしていただきたい」
――――――

司令部「一人で決めるわけにもいかない話だが、あえて後任の提督を用意するだけの理由を聞こうか?」

――――――
石田「――――――私と深海棲艦が戦うためです」
――――――

司令部「なっ?!」

――――――
石田「………………」
――――――

司令部「それは、つまり――――――」










――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「さて、今回の報告を聞いて諸君らは何を思ったであろうか?」

司令部「『物語性なんか要らねーんだよ、調子に乗るな、バーカ』とか聞こえてきそうなお粗末なもので申し訳ない」

司令部「筆者の妄想をひとつなぎの物語として描いているだけに、余分な演出が出てしまったことを深くお詫びする」

司令部「だが、すでに内容そのものは書き起こしてあるので、物語の骨子の途中変更は認めらない!」キリッ

司令部「さて、今回 登場した新装備である【下賜品】(仮称)はその原型を菊の紋章と三種の神器に求めている」

司令部「つまり、【旗】は菊の紋章、【剣】は天叢雲、【盾】は八咫の鏡、【珠】は八尺瓊勾玉をイメージしている」

司令部「レベルが高く、提督と特別な関係にある旗艦にしか扱うことができないが、その効果は絶大であろう」

司令部「特に、【盾】を受け取った拓自鎮守府の朗利提督は描写こそないが【盾】の力に救われていてだな――――――」

司令部「だがまあ、彼としては【盾】の力を借りるような心が凍りつくような危機的状況を招いた自責の念で生きた心地がしなかったのだがな」

司令部「何にせよ、強力な装備を持っているからといって『慢心はダメ、絶対』ということだな。常々 細心の注意を払うようにな」

司令部「実は、筆者が提案する新システムとしてさらりと登場していたのが、」


――――――【旗艦消失】


司令部「というバッドステータスであり、『旗艦が沈んだのに統率された戦闘ができるのはおかしい』と思ったので、ぜひとも実装してもらいたい」

司令部「これによって、【下賜品/御旗】が絶大な効果をもたらすことだろう」

司令部「なにせ旗艦を【かばう】というこちらからすれば鬱陶しいことこの上ない行動を封印できるのだから」

司令部「旗艦を真っ先に轟沈させることは実際はかなり難しいことだが、それだけに【旗】の凄さが伝わってくることだろう」

司令部「問題なのは、旗艦にしか持たせられない上に貴重な装備欄を埋めてしまい、攻撃力を相対的に下げてしまうことだが、」

司令部「筆者としては、主力となる戦艦や装備欄が4つの艦を旗艦にするのが正攻法だと思っている」

司令部「今回のところは以上である。今回は【旗艦】の概念にまつわる話であった」

司令部「しかし、そもそもこれは【艦隊これくしょん】とは無関係の筆者の願望を描いた二次創作ゆえに深い考察や議論は無意味である」

司令部「あくまでも、そのことを意識してこれからの【艦これ】ライフを堪能していって欲しい」

司令部「だが、活発なご意見感想や今後実装されるだろうシステムや装備の議論などを期待するものである(スレ違いかもしれないけど)」

司令部「蛇足だが、序文に書いてあるようにイチャコラは書かないつもりだが、」

司令部「現時点では人間模様の落とし所は考えていないので、物語の展望の希望があればどうぞよろしくお願いいたします(露骨なR-18指定の描写は除く)」

司令部「それでは発表は以上である」

司令部「ここまでお付き合いしていただき感謝いたす。またのお越しをお待ちしております」


――――――――――――第3話 御旗と共に 完 Next:第4話 愛の力 に続く!



【下賜品】リスト
共通して『旗艦に装備させた時のみ、効果がある』としかテキストに書かれていないが、
実際には艦隊全体の動きを制御・パターン化する強力な効果を持つ他に【戦意高揚状態】を持続しやすくなる。
ケッコンカッコカリあるいはユウジョウカッコカリした【戦意高揚状態】の艦娘を秘書艦にし、
――――――クエストを1日に数件以上クリアした状態で、――――――あるいは【勲章】が6つ以上所持した状態で、
【開発】することで超低確率でレシピに関係なく開発される。
モデルは、菊の紋章と三種の神器。


【下賜品/御旗】 【旗】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果がある
戦闘時に、艦隊全体が敵旗艦を優先的に攻撃をするようになり、敵旗艦を【かばう】ことができなくなる
艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
艦隊全体の火力が上昇する

         
【下賜品/軍刀】 【剣】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果がある
戦闘時に、互いに同じ艦種を優先的に攻撃するようになる
艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
艦隊全体の装甲が上昇する


【下賜品/表彰盾】【盾】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果がある
戦闘時に、旗艦が中破・大破した時に限り、僚艦が轟沈しなくなる
艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
艦隊全体の回避が上昇する


【下賜品/宝珠】 【珠】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果がある
戦闘時に、旗艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を僚艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を吸収して上乗せする
艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
艦隊全体の運が上昇する


※新システム【旗艦消失】…………旗艦を失うと残存艦隊の能力が全体的に低下する。実質的に【演習】や敵専用のバッドステータスである。



提案内容の背景
今回のテーマは『旗艦』であり、【艦隊これくしょん】において【旗艦】には様々な優遇措置があり、
【かばう】【大破撤退】【旗艦ボーナス経験値】、【開発】【建造】の結果の操作などがあって、これからも重要な概念となってくるはずである。
しかし、【艦隊これくしょん】のシステム上では極めて稀だが、僚艦に守られている【旗艦】が先に撃沈することもあり、
そうなった場合の下方修正が敵側に一切ないのが気になったので(【大破撤退】はプレイヤー側にとってのリスクでもある)、
状態異常【旗艦消失】をまず考えていた。これは【演習】においても猛威を奮うものとなるだろう。

しかし、それ以上に長門が駆逐艦ばかり攻撃して“ながもん”呼ばわりされる現状を鑑みて、攻撃対象を誘導する装備があれば便利だと思い、
【下賜品】という名誉の証の体裁で艦隊行動を操作する効果を付けてみた。
しかし、【下賜品】としても艦娘に持たせる装備としても違和感のないものを探ってみると、ほとんどが【勲章】という形であり、
記念品もバリエーションがないので、しかたがないので菊の紋章と三種の神器をモデルにしてみた。




提案内容の考察
共通して『旗艦に装備させた時のみ、効果がある』効果があり、これによって旗艦の装備が1つ確定してしまい、場合によっては旗艦の選択肢が狭まることになる。
また、全体的な効果も普通にプレイしていれば回避できたり、実現できたりすることなのでわざわざ『しやすくするだけ』の装備を持たせる意味はないと向きもある。
しかも、使いこなすのが難しい効果ばかりで、【お守り】のほうがありがたいという声が届いてきそうである。
しかし、『艦隊全体の疲労がたまりづらくなる』『艦隊全体の能力向上』効果があり、周回プレイでは地味に効果を発揮するのでそこで活躍するかもしれない。
やはり、【下賜品】は本物の戦場に持っていくものではない…………【演習】でも大活躍か。本当に鎮守府の飾りと化す。


【旗】(仮称):戦闘時に、艦隊全体が敵旗艦を優先的に攻撃をするようになり、敵旗艦を【かばう】ことができなくなる
【旗艦消失】の実装がされれば【下賜品】の中ではもっとも使える効果である。
ゲージ破壊において力を発揮し、しかも艦隊全体の火力が上昇するので、
【かばう】を封印した上で敵旗艦に砲火を集中するようになるので【旗艦消失】が狙いやすくなる。
しかし、それは同時に他の敵への砲火を疎かにすることにも繋がり、敵の数を減らすことを優先したい場合では不利となる。
基本的に耐久値が敵艦隊で最大である敵旗艦が囮となって聳え立つことになり、集中砲火して迅速にボスを撃破できない低火力編成はおすすめできない。


【剣】(仮称):戦闘時に、互いに同じ艦種を優先的に攻撃するようになる
わかりやすく言うと、戦闘中終始 同じ艦種カテゴリーの敵にしか互いに攻撃できなくなるという意味であり、
艦隊編成次第で囮戦法で違う艦種で一方的に攻撃したり、数の暴力でタコ殴りにしたりできるが、編成を間違えるとそれを自分に受ける危険性がある。
同じ艦種同士で戦わせるので戦闘力が高い艦種同士が鉢合わせになると、被害が避けられないという欠点もあり、
また、【かばう】は発動するが他の敵を狙い撃って決闘状態を解除することも難しくなり、
鬼や姫のように対応するカテゴリーがない場合は当然ながら狙い撃ちができず、カテゴリーが被った敵僚艦に拘束される可能性が大きいので、
ゲージ破壊マップでも活躍させづらく、しかも旗艦に持たせなければ使えないというデメリットもある。
ただし、艦隊全体の装甲が上昇するので同カテゴリー同士の殴り合いには一応 強くはなっており、【演習】向けの装備なのかもしれない。演習番長御用達?
総じて、限界突破などしてこちら側と敵側の同カテゴリーに能力差がある場合においてのみ有効といえる。相対的に火力重視のゴリ押しが有利になる。


【盾】(仮称):戦闘時に、旗艦が中破・大破した時に限り、僚艦が轟沈しなくなる
保険。旗艦が中破した時と大破した時の2回、僚艦が轟沈しなくなるようになるので、最大2回のゾンビ戦法が使える。
欠点は、そもそも旗艦が装備しているので僚艦に【かばう】を使われてなかなか被弾しづらく、
艦隊全体の回避力までも上がってしまうので、狙ってゾンビ戦法をすることが困難なことである。
しかし、それ以外は実質的に艦隊全体の回避力が上がるだけなのであってこまらないし、余計な艦隊行動の修正も行われないので持たせて損はない。


【珠】(仮称):戦闘時に、旗艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を僚艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を吸収して上乗せする
つまり、幸運艦隊の旗艦の攻撃がほぼ確実にクリティカルおよび特殊攻撃になるという意味であり、
それを後押しするかのように艦隊全体の運を上昇させる効果がついているのでほぼ間違いなく必殺となるだろう。
欠点は、旗艦以外がクリティカルおよび特殊攻撃ができなくなるので、手数と火力が不足する可能性があるということ。
どうあがいても、旗艦にした戦艦単艦でフルメンバーの敵艦隊を撃滅することはできないのでそこが悩みどころとなってくる。
そもそも、旗艦に装備させるものなので、その分だけ確実に装備を無駄にしていることになる。
また、ほどほどに艦隊全体が幸運であればいいので、幸運艦隊でやるとお得意のクリティカル・特殊攻撃が僚艦でできなくなるので大幅な火力ダウンに繋がる。
しかし、当たれば超火力のロマン砲を昼夜問わず常時ぶっ放し放題になれるので、大和型や雷巡に持たせると凄いことになるはず。




                   ――――――次回予告――――――


清原「戦うのはあくまでも彼女たちなんだぞ! それを思い出すんだ!」

金本「ここらで内弁慶じゃないってところも見せてやらないとな!」ガシャコーン! ブゥン!

朗利「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…………」ブツブツ

石田「後のことは任せたぞ、左近提督。――――――猛獣狩りに行ってくる」ジャキ!


天城「ああ……、時が見えるわ、提督」

天城「あの震災と同じように炎に焼かれて灰燼に帰した帝都の街並み……でも、それを乗り越えてもっと弥栄えた未来が待っているから」

天城「だから、泣かないで、提督。身は滅んでもどうか私の祈りが新時代の礎とならんことを」ニコッ………………轟沈


第3話 御旗と共に←今現在
 ↓
第4話 愛の力
 ・
 ・(以降、順不同:要望次第で変わります)
 ・
第?話 深海棲艦捕獲指令
第?話 艦娘、派遣します
第?話 提督、出撃す
第?話 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
 ↓
第?話 大本営の野望      -艦娘 対 超艦娘-
 ・
 ・(以下、内容が追加されるかも)
 ・
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-




基本的に本作は筆者のアイデアの数だけ物語が作られます。
素人の浅知恵でやらせてもらっているので、バランス調整がすっちゃかめっちゃかだったり、自分で考えてみて微妙な内容だったりしますが、
発想は捨てずにとりあえず提案という形で残し、物語の中に組み込んで現実感の演出としてみます。
イチャコラや重厚な物語なんてすでに偉大な先人たちがやってくれているので、筆者としてはそこまでだと思っております。
全部で8つ以上のアイデアは練りましたが、これから増えるかもしれませんし、当初の発想の数だけしかの物語があるだけかもしれません。
『その時』が今作の終了となります。それまで何卒よろしく申し上げます。
しばらく投稿は難しいですが、9月内には必ず投稿させていただきます。その時まで

偉大なる先人たちの作

・××××××提督の人
金剛「テートクのハートを掴むのは、私デース!」瑞鶴「!?」    |3スレに渡る大長編。筆者が【艦隊これくしょん】の二次創作を書こうと思ったきっかけ
金剛「テートクのハートを掴むのは、私デース!」瑞鶴「!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382027738/)   |軍記物に18禁描写にイチャコラを含めたハードな作風が特徴。ZETMANっぽい?
※                                |筆者の【艦これ】に対する考察や設定はだいたいこの作品の影響を受けている

・大井の人シリーズ
大井「ちっ、なんて指揮……」提督「今なんつったオイ」         大傑作。この人の書く夫婦漫才は本当に素晴らしい
大井「ちっ、なんて指揮……」提督「今なんつったオイ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404049548/)
提督「あえて龍田をいじりたい」天龍「えっ」              もしも系。目から鱗が落ちる発想の数々に仰天
提督「あえて龍田をいじりたい」天龍「えっ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405090223/)
川内「昼戦で敵を殲滅しそこねたよー!」提督「と、いうことは」      提督も夜戦バカという実に素晴らしい逸品。提督の可能性を感じた作品。
川内「昼戦で敵を殲滅しそこねたよー!」提督「と、いうことは」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405866119/)
不知火「不知火の司令は顔が怖い」提督「」ガーン             コンマ系。エンジェル伝説。AAキル夫を引用した印象的なドタバタコメディ。
不知火「不知火の司令は顔が怖い」提督「」ガーン - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406808539/)


【艦これ】長門「我々のことをどう思っているんだ?」 提督「えっ?」  ある提督が淡々と所有する艦娘について語っていくもの。
【艦これ】長門「我々のことをどう思っているんだ?」 提督「えっ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402837167/)      駆逐艦は網羅してないので貴重な体験談として重宝した

【艦これ】提督「気がついたら全員レベル99だった件について」      イチャコラ系・安価スレ。
【艦これ】提督「気がついたら全員レベル99だった件について」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402131493/)      たぶん、ユウジョウカッコカリの着想はここにあったと思う。たぶん

【艦これ】出張!DASH村、TOKIOの手、お貸しします【響】       クロスオーバー・ほのぼの系。ジャンル:TOKIO 以上。
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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405511599/)

深海棲艦「アナタハ、ソコニイマスカ?」総士「僕は……」       蒼穹のファフナーとのクロスオーバー
深海棲艦「アナタハ、ソコニイマスカ?」総士「僕は……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1400406720/)     海と馴染みが深い両作品と謎に満ちた敵勢力との親和性が凄い


SS界隈を見るに、重巡と軽巡が主役のものはほとんどない印象。
やはり、メディア露出も多いメジャーなメンツや駆逐艦が中心に起用されている印象である。
あるいは、クレイジーサイコレズや「恐縮です」、兵装マニアなどの強烈な個性を持った娘がよく出てくる感じである。
やっぱり人気なのは、ぶっちぎりで金剛である。SSにおいて出現率は長門、赤城、愛宕の知名度を軽く超えている。





ここまで(第1話から第3話まで)のあらすじ


大本営がこれから実装しようとしている数々の新システムや新装備の試験運用を託された司令部に4人の艦隊運用の思想が異なる提督が選ばれた。

4人はユウジョウカッコカリをはじめとする新システムや新装備の恩恵を以ってこれまで以上の戦果や艦隊の更なる統率や親睦を得ることができた。

しかし、それぞれの提督たちにはそれぞれの過酷な運命が待ち構えており、これからその厄難の日々を迎えるのであった。

続々と始まる未だ見ぬ新システムのβテスト――――――、新たなインターフェイスの導入――――――、

そして、終焉への果てしない戦いの航路は始まりを告げる。


――――――決戦の時は刻一刻と迫る!


第1話 ユウジョウカッコカリ:【ケッコンカッコカリ】の無課金用劣化マイナーチェンジ

第2話 お守り       :【お守り】系装備による内部システムの修正による確率緩和

第3話 御旗と共に     :【旗艦】の概念を基にした新装備とバッドステータス【旗艦消失】の導入
――――――――――――――――――
ここまでは基本システムに軽い修正を加えるマイナーチェンジの提案となりますが、
ここから先の内容は大胆な新システムの導入やインターフェイスの更新を視野に入れたものとなります。

なお、あくまでもここで提示される内容は筆者個人の願望や妄想であり、実際の【艦隊これくしょん】には何の影響力を持ちません。
ここで語られている考察や議論なども実際の【艦これ】には何の足しにもなりませんので、
物語を眺めながらそれとなく筆者からの提案にふれていただけたらと思っております。

活発なご意見や感想、読者自身の有益な提案を勝手に期待するものであります。
――――――――――――――――――
第4話 愛の力

第5話 艦娘、派遣します

第6話〈順不同〉4人の提督それぞれの戦い 




今回は投稿の都合上で、一気に第5話まで投稿させていただきます。

第4話は読み飛ばしてもいいレベルの話なのですが、

最後に第6話について4つのエピソードに分岐しますので、

どのエピソードから読んでみたいのか、順位付けしてコメントしてくださると助かります。

読者層がどういった内容に興味関心を持ってもらったのかを目にしたいので、どうかコメントよろしくお願いします。





第4話 愛の力

――――――某所


ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー


左近提督「さて、今日は久々に飲み明かそうか!」

加賀:Lv99「本当に久々ですね。さすがに気分が高揚します」

蒼龍:Lv99「さあさあ、提督。どうぞどうぞ」

左近「悪いねぇ」グイッ

伊勢:Lv99「はい」

左近「いいねぇ」グイッ

赤城:Lv99「お強いですねぇ」バクバク

漣 :Lv99「ご主人様? いくら久々だからって、そんなに呑んじゃ――――――」

左近「うぅ、はっはっは……」

左近「いいんだよ。こうしてたまにお前たちの顔を見ながら酒を楽しむのが旨いんだから」

漣「ご、ご主人様ったら、もう! 調子に乗ると酒瓶全部ぶっ飛ばしますよ~」テレテレ

伊勢「い、いいんじゃない。素敵よね?」テレテレ

蒼龍「嬉しいなぁ」ニコニコ

赤城「提督は相変わらずですね」フフッ

加賀「………………」ポー

左近「さ、もっともっと呑もうぜ? 今夜は好きに呑んでくれ。あははは――――――」


石田提督「失礼する」ガチャ


艦娘たち「!」

左近「…………やれやれ」


石田「宴の最中ですまないが、力を貸して欲しい」

左近「また『鎮守府に復帰しろ』っていうお催促かい?」

左近「俺はもう めぼしい艦娘をみんなLv99にしたんだ。これ以上やることなんてありませんよ」メメタア

左近「それとも、『アカウントをよこせ』っていう話かな」メメタア

艦娘たち「!?」

左近「あり得ませんな」

石田「いや、その逆だ。『俺のアカウント――――――艦娘たちの管理』をお願いしたい」メメタア

左近「おいおい、石田提督? あんたは確かβテスターじゃないですか。部外者の俺に譲渡だなんて大本営が黙っちゃあいませんよ?」

石田「名乗りもせぬのに詳しいことだな。長らく【艦これ】をやってなくても情報収集は怠っていないか」メメタア

左近「あんたが大事に育ててきた艦娘たちが何処の馬の骨とも知らない輩に黙って従ってくれますかね?」

石田「安心しろ、左近提督。これから【艦これ】はまた新しく変わる。そのパートナーとして俺と一緒にβテストに参加してもらいたいのだ」メメタア

左近「俺はケッコンカッコカリが出る前に辞めちまった身だぜ?」メメタア

左近「それからは、お気に入りの艦娘たちとこうやって酒を酌み交わすぐらいだ」

蒼龍「――――――『ケッコンカッコカリ』?」

漣「ご、ごごごごご主人様!? 結婚するんですか?!」

加賀「………………!」ムスッ

赤城「え? え?」ボリボリ

左近「最近だといろいろと新システムが出ているようだし、俺なんかの腕で大丈夫なんですかね?」メメタア

石田「それでも構わぬ」


石田「俺が左近提督を選んだのは、【艦隊これくしょん】開始当初の時代を共に戦い抜いた偉大な“ジェントルマン”としてだ」


左近「ああ?」

石田「左近提督は現在ほどアップデート修正が行われずにいろいろと不便だった時代に、1隻の犠牲も出さずに2日で【霧の艦隊】を攻略したのだ」メメタア

左近「ああ、あれはコラボの潜水艦が強すぎただけですよ。おかげで、本筋の攻略もずいぶん捗りましたがね」メメタア

石田「それに引き換え、俺は単艦マラソンや捨て艦戦法を敢行してそれでようやく辿り着けたものだ……」

石田「それどころか、勝率が低すぎて完全にイベントマップに出撃できなかった時もあった」メメタア

左近「ま、しかたありませんな」

左近「システムの穴を突いて使えるものは何でも活用して運営に弾圧されるのもオンラインゲームではよくあることですし、」メメタア

左近「それが人間ってもんですよ。規制しなければ付け上がってどこまでも悪用する――――――」

左近「そして、運営は完成度の高いサービスを提供するためにアップデート修正するのですからな」メメタア

石田「………………というわけだ」


石田「俺が欲しいのは、そういう公正中立な視点を持った“ジェントルマン”なのだ」


石田「決して、艦娘たちに色目を使うようなクズ共ではない、――――――“本当の紳士”がな」

左近「………………」

伊勢「…………提督」

漣「ご主人様……」


石田「即答はできかねるか。――――――当然か。しかたあるまい」

石田「それではな。楽しい宴の最中、邪魔をして悪かった――――――」


左近「待った!」


石田「…………む」

艦娘たち「!」

左近「お引き受けしましょう、石田提督」

石田「おお! 同志となってくれるか、左近提督!」

左近「ただし! 条件付きで!」

石田「……いいだろう。そうこなくてはな」


左近「俺は大本営に従うつもりは毛頭ございません。俺は俺で好きにやらせてもらいますよ」


石田「かまわない。いずれは司令部から自由な権限を振るえるようになるからな」

石田「そして、俺は表向きは司令官を辞して左近提督に従うつもりだ」

左近「ほう?」

石田「俺の采配と運では暁の水平線に勝利を刻むことはできそうもないからな」

石田「俺は俺のやり方で全体の勝利に貢献するつもりだ」

石田「そのために俺の趣里鎮守府に独自の部署を設けさせてもらった。俺はそこの責任者として戦いを続けるぞ」

左近「なぁるほど。俺は二足の草鞋を履いて、石田提督の鎮守府を支えてやればいいのですな?」

石田「そういうことになる」

左近「となると、俺が表向きでは趣里鎮守府の司令官だけれども、実質的に趣里鎮守府の支配者は石田提督のままというわけですか」

石田「俺は艦隊指揮も辞めて実績のないただの一部署の責任者になるだけだ」


左近「ならば、――――――“殿”と呼ばせてもらいましょう。そのほうが格好が着くでしょう?」






――――――洞庭鎮守府


清原提督「拓自鎮守府の朗利提督の許を訪ねようと思っている」

鳳翔:Lv111「あら? いったいどうしたというのです?」

金剛:Lv80「HEY、提督ぅ~! 私も連れてってくだサーイ!」

清原「彼のところの非常に優秀な秘書艦がいつまで経っても朗利提督が立ち直ってくれないので、私に助けを呼んだのだ」

清原「つまり、慰問に行くというわけだ」

清原「そんなわけで、私と一緒に拓自鎮守府へ行く慰問団と不在の中 鎮守府を守ってくれる防衛隊を組織しないとならないな」

清原「これが拓自鎮守府の戦力リストだ。どう思う?」パラ・・・

鳳翔「まあ」

金剛「Oh...」

清原「所属している艦娘の大半が駆逐艦と潜水艦を占めるという徹底的なパーク運営となっているな」

清原「凄いのは、大鳳とビスマルク、長門という大型艦を擁してこれまで正面突破で数々の海域を攻略してきたという実績だ」

鳳翔「でも、それを言うなら我が鎮守府もあの大和型を擁してますよ」

清原「まあな。金剛が引き当てたくれたものだ」

金剛「ふふーん!」エッヘン

清原「実質的に例の優秀な秘書艦とこの精鋭たちが拓自鎮守府を支えてきたと言って過言ではないな」

金剛「でも、練度が全体的に結構低いような気がシマース!」

清原「ここはゆっくり着実に攻略するのがモットーのようだな。駆逐艦の全体的なレベリングに力を入れているようだ」

清原「となると、慰問するからには駆逐艦の扱いに慣れている艦娘を連れて行くことになるか」

清原「しかし、この徹底的な艦種の偏り具合が凄いな。重巡は1隻も使っていないようだし、重巡が嫌いなのかな?」

金剛「イメージからするに子供好きそうデスし、確かに重巡のみんなは大人っぽくて違うと思いマース!」

清原「そうか。それじゃ、まずは参加者を募ってみるか。重巡は除外して」

金剛「提督ぅ~! 私もついていくデース!」

清原「わかったわかった」フフッ

清原「鳳翔、久々に私たち二人で拓自鎮守府のみんなに腕を振るおうか」

鳳翔「はい。お準備しますわ、あなた」ニッコリ

清原「うん」ニコッ

金剛「ぶーぶー。こんなところでいちゃつくのはNOデース!」




――――――司令部


司令部「さて、久しぶりだな、諸君」

清原「はい」

金本「よう。元気してたか――――――って、あれ?」

愛月「…………」ドキドキ

石田「何やら見慣れない人が居ますね」

司令部「ああ、彼は朗利提督の代理で、しばらく拓自鎮守府の運営を任されることになった愛月提督だ」

愛月「よ、よろしくお願いします……」

金本「あれ? もしかして、こいつ――――――」クンクン

清原「大丈夫なんですか?」

司令部「彼の実力に関しては問題ないぞ。朗利提督の代理を務められる最適な人物なのは確認済みである」

石田「では、どこの鎮守府から? その時の経歴をお聞かせ願いましょうか?」

愛月「え……」アセタラー

司令部「やめたまえ、石田提督。我々の選考に異論を挟むというのかね」

石田「…………わかりました」

金本「ははーん。なるほどね」

清原「?」

石田「所詮 その程度だったというわけですか、朗利提督」フッ




司令部「さて、今回の試供品は【これ】だ!」


――――――【慰問袋】【千人針】【万国旗】【バッジ】


愛月「え?」

清原「これも、大本営が擁している技術部の匠妖精たちの作なんですよね……?」

石田「こんなもののどこに、ボーキサイトや燃料を使う必要があるというのですか!? 実装した時のレシピはいったい――――――!?」メメタア

金本「…………まあ、実装すれば【お守り】や【下賜品】すら造ってくれる(?)ようになるから、もうツッコミを入れる必要はないだろう」メメタア

清原「妖精たちが資材と引き換えにどこかから持ってきたと考えたほうが妥当かもしれないな……」

金本「そもそも、妖精って何だ?」

愛月「えと…………」

石田「……もうそんなことどうでもいいじゃないですか。彼らの技術力によって我々は敵と戦えるのですから」

金本「司令部も大変ですね。大本営が気まぐれに開発したこんなものの運用データをまじめになって集めなくちゃいけないんだから」

司令部「おお 諸君もそう思うか。私も大本営のお偉方に鎮守府の職場体験をさせる制度を設けて欲しいと思っていてだな――――――」

清原「でも、この【慰問袋】はいいな。今度、鳳翔と一緒に作ってみようかな」

金本「…………【千人針】か。意外といい素材で出来てるな。戦場では役立たずでも高級恋人マフラーとして使えるだろう」

石田「では、【万国旗】をいただきましょうか(これを装備させるとなると、邪魔臭いというかおそらく実戦用の装備ではないはずだが…………)」

愛月「あ……、大量の【バッジ】…………」ジャラジャラ

清原「さて、愛月提督。私は後日、朗利提督の慰問に参りますのでよろしくお願いします」

愛月「は、はい!」ビクッ

清原「…………む(もしかして、この人は――――――)」



【慰労品/慰問袋】
1,艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
2,同型艦全ての燃費と弾薬費が軽減される

【慰労品/千人針】
【旗艦】【ケッコンカッコカリ】【ユウジョウカッコカリ】のいずれかである艦隊が装備している時、
1,同型艦全ての轟沈を無効化する(効果が発動した場合、【千人針】は消滅する)
2,同型艦全ての回避・装甲・運を上昇させる

【慰労品/バッジ】
1,他に【バッジ】を装備した同型艦が戦場に存在する場合、全ステータスが上昇する
2,装備させた状態で秘書艦にして【建造】または【大型艦建造】すると、同型艦が建造されやすくなる

【慰労品/万国旗】
海外艦あるいは同型艦無しの艦娘を秘書艦にして装備させた場合、
1.【遠征】の成功確率が上昇する
2.【建造】または【大型艦建造】すると、海外艦あるいは同型艦無しの艦娘が建造されやすくなる



――――――斎庭鎮守府


金本「さてさて、毎回恒例のお試しタイムだ」

金本「話によれば今回のテーマは『同型艦』とのことだから、とりあえずどれくらい姉妹艦が揃っているか確認してみよう――――――」メメタア


扶桑型戦艦:扶桑、山城

球磨型軽巡:球磨、多摩


金本「うはっ! 俺の鎮守府、姉妹艦が少ねえ!」

金本「球磨型は他に、北上、大井、木曾がいるようだな…………でも、あんまり好きじゃないんだよな、この妹らは」

金本「しかたがないから、金剛型戦艦の4姉妹でも引っ張り出そうかな?」

金本「確認してみたら、榛名が一番 練度が高いな。他はほとんど手付かずだし」

金本「榛名、いいよな。健気だし、『勝手は榛名が許さない』らしいから俺の手であの手この手好き勝手にメッチャクチャにしてあげたいね」(ゲス顔)

金本「そういう意味では、扶桑姉妹とは似たような感覚があるな。――――――性格は正反対だけど」

金本「つまり、本質的に同じような性格ってことなのか? それはちょっと違うか」

金本「しかし、まさか『同型艦』がテーマの装備が開発されるとは…………」メメタア

金本「好きな艦娘を摘み食いする感じにメトッてきたわけだから、統一性がまったくないぜ」

金本「というか、ゲーム的に艦種統一パーティはメリットが少ないから同型艦を揃えるメリットもないわけでして……」メメタァ

金本「今回ばかりはあまりいい仕事にはなりそうにないな…………」

金本「そうだな。久々に【建造】してみて同型艦を揃えてみようかな」

金本「けど、俺好みの艦娘じゃないとやぁる気 起きねえんだがな…………」


【慰労品/千人針】
【旗艦】【ケッコンカッコカリ】【ユウジョウカッコカリ】のいずれかである艦隊が装備している時、
1,同型艦全ての轟沈を無効化する(効果が発動した場合、【千人針】は消滅する)
2,同型艦全ての回避・装甲・運を上昇させる



――――――趣里鎮守府


石田「これは一番のハズレを引いてしまったかもしれない…………くっ、計算外だ」

左近「どうしたんですぅ、殿? 機嫌悪いですよぅ?」

石田「今回 配られた試供品の【万国旗】なのだが、その効果があれでな……」

左近「どれどれ?」

左近「ああ……、確かに殿のところには『海外艦』とやらは所属しておりませんが、」

左近「『同型艦無し』が俺のところと合わせて正規空母が全部揃ってますからね」


同型艦無し:赤城・加賀・蒼龍(左近)&飛龍(石田)


左近「それに、俺は艦載機による先制攻撃が好きだったから軽空母の『同型艦無し』も全部持ってますしね」メメタア

左近「あ……、さすがに龍鳳なる軽空母はなしで」

左近「ところで、殿? この『海外艦』というのはどうなんです?」

石田「ああ。試しにZ1を使ってみたのだが、元が元だけに艦隊決戦では役に立たない弱い艦娘だった」

石田「海外艦の目玉とされるドイツ戦艦:ビスマルクは手に入れてないからどうかはわからないが、」←【建造】運は最低クラス

石田「あの拓自鎮守府の朗利提督のところにはいるらしく、そこの報告を見る限りだと一番にはなれない微妙な艦娘のようだな」

左近「ほう、つまり?」

石田「そうだ、左近提督。海外艦は実装されている数も少ない上にはっきり言って使えない艦娘しかいないぞ」

左近「そうなんですか。俺は何も知らないのでどうとも言えませんが、まあ殿の言うとおりにしておきましょう」

左近「しかし、確かに『海外艦』と『同型艦無し』の艦娘しか対象にならないのは問題ですな」

左近「少なくとも赤城さんは【クエスト】をまじめにこなしていれば最初に手に入る正規空母ですからな。最悪、彼女だけで航空戦力は通用しますぜ」メメタア

石田「ああ……(すまない。俺の赤城、加賀…………俺が不甲斐ないばかりに…………)」

左近「殿。殿の図鑑を見る限りですと、夕張型軽巡や大淀型軽巡なんかは『同型艦無し』ですぜ」

石田「大淀は2014年 夏のイベントマップですでに手に入れて育ててある。軽巡とは思えないような扱いづらさだった」メメタア

左近「ほう、さすがですな。さすがは俺が“殿”と見込んだお方だ」

石田「茶化すな。それに、それを言うなら島風型駆逐艦や潜水艦・その他の艦艇全てが今のところ姉妹艦無しだぞ」

石田「だが、大淀には未成艦ながら2番艦の仁淀がいるにはいるのだ」

石田「この史実における未成艦を除外した場合で姉妹艦無しとすべきかどうか――――――」メメタァ

左近「――――――試してみません?」

左近「特に、この大鯨とかいう『潜水母艦』なんていうのは姉妹艦無しで、まさしく唯一無二の存在ですぜ」

石田「【出撃ドロップ】でしか得られないレア艦だぞ? だから、建造レシピもない。そもそも未実装だったら話にならないぞ、左近提督」メメタア

左近「まあまあ。殿は【大型艦建造】で戦艦レシピはもう試さないのでしょう? ここは俺に任せてください」メメタア

石田「わかった……」

石田「正式な辞令はあと3日だが、この鎮守府で迷子にならないようにな」

左近「その辺は大丈夫です。俺の部下はみんな優秀ですから」

石田「そうか。頼もしいことだな」


【慰労品/万国旗】
海外艦あるいは同型艦無しの艦娘を秘書艦にして装備させた場合、
1.【遠征】の成功確率が上昇する
2.【建造】または【大型艦建造】すると、海外艦あるいは同型艦無しの艦娘が建造されやすくなる



左近「ところで、殿?」

石田「なんだ、左近提督?」

左近「殿は金剛型戦艦では誰がお好きですかな?」

石田「む? あまり使いたくない旧式艦の中でか」

石田「――――――霧島だが」

左近「ほほう。それまたどうして? 金剛さんはもちろん、榛名もかなりの人気ですよぅ?」

石田「霧島改二のスペックを見ろ。最大火力が104までいって、長門改をも上回る超火力だ」メメタア

石田「そして、長門改とは違うのは【高速戦艦】である点だ。進路決定の際に速力で進路が左右される場合もある。これは武蔵にはできないことだ」メメタア

左近「なら、霧島をお引き立てください」

石田「それは俺に対して許可を求めているのか?」

左近「俺にとっての大本営は殿しかおりませんので」

石田「わかった。許可しよう」

左近「ありがとうございます」

左近「しかし、噂通りの御仁だ。殿も重度の大艦巨砲主義でしたか」

石田「確かにそれもあるが、――――――俺は金剛も榛名も嫌いでな」

左近「おや?」

石田「その、なんだ? 彼女たちにはもっと慎みを持ってもらわないと、…………困るのだ」

左近「なるほど。だから、霧島なんですね」

左近「綺麗な顔して結構やりますね」

石田「う、うるさい!」



――――――拓自鎮守府


大鳳「朗利提督、新任の提督をお連れしました」ガチャ

愛月「あ、あの……、本日 着任いたしました愛月と申します。どうかよろしくお願いします」

朗利「ああ……、よろしく頼むよ、お代理さん」ニコー

愛月「えと……、大丈夫ですか?(え!? 何この人!? 何か想像以上に老けて――――――)」

朗利「うん。前線指揮はできなくなったけど、鎮守府の管理は問題なくできてるよ、」

朗利「――――――えと、メスズキさん?」

愛月「“メヅキ”です!」

朗利「ああ……、“メヅキ”“メヅキ”――――――覚えたよ」ニコッ

愛月「あ…………(何だろう、この人? 大本営や司令部で聞かされていたのとまるで違う……)」

愛月「えと、こちらの【バッジ】が今回の試験装備だそうで…………」

朗利「たくさんあるようだね……」ジャラジャラ

朗利「へえ、これはいいものを引き当ててくれたようだね…………よくやった。最初の功績だな」ニコー

愛月「え?! いえ、そんなつもりは――――――」

朗利「大鳳、彼に褒美を取らせてくれ」

大鳳「わかりました。――――――では」スッ


――――――スイーツ券(補給で確保できる範囲で何でもお作りいたします)


愛月「え! ――――――『何でも』!?」ジュルリ

朗利「うん。俺ができることなんてそれぐらいしかないから…………それで士気が上がるのなら嬉しいよ」ニコニコー

愛月「はい! 微力を尽くす所存です」

朗利「うん。けど、無茶は禁物だよ……」


朗利「それできみは――――――、」


――――――俺が指定した通りの『まったくのドシロウト』の提督でいいんだよね?


愛月「は、はい。どうして私のような経験のない者が栄えある拓自鎮守府に着任できたのか、不思議で不思議で――――――」

朗利「簡単なことだよ」

朗利「きみが私を後任を務めるに値する素質を持った人間だと聞き及んだからだ」

愛月「そ、そんな! 歴戦の朗利提督の後任など自分には――――――」

朗利「安心なさい。愛月提督には他の新米提督と同じようにゼロから始めてもらうから」

朗利「ただ違うのは、俺が駆逐艦を豊富に取り揃えていることかな?」

朗利「最初に2隻だけ駆逐艦を自由に選んでいいから、鎮守府海域の哨戒から始めてもらおう。何でも揃ってるぞ、駆逐艦なら」

愛月「あ、ありがとうございます!」

朗利「 た だ し !」クワッ!

愛月「ひゃい!」ビクッ


朗利「第六駆逐隊だけはダメだ! いいな!」ギラッ


愛月「わ、わかりました!」ビシッ

朗利「よろしい」

朗利「では、着任祝いに3時のおやつとしようか……」ニッコリー

大鳳「準備できています、提督」

朗利「それでは、愛月提督に最初の指令だ」

愛月「は、はい!」


――――――これからパートナーとなる駆逐艦2隻をエスコートして一緒におやつを食べなさい。


【慰労品/バッジ】
1,他に【バッジ】を装備した同型艦が戦場に存在する場合、全ステータスが上昇する
2,装備させた状態で秘書艦にして【建造】または【大型艦建造】すると、同型艦が建造されやすくなる



――――――洞庭鎮守府


清原「では、慰問団には鳳翔と金剛姉妹、島風と大和を連れて行く」

清原「そして、鎮守府の留守を赤城と加賀に守ってもらう。指揮権は委ねるぞ」

赤城「おまかせください。一航戦の誇りにかけて!」

加賀「みんな優秀な子ですから、問題はないでしょう」

清原「よし」

清原「高雄、夜戦のほうはお前が頼りだ。一航戦を支えてやってくれ」

高雄「はい。夜の警備はおまかせください、提督」

清原「それじゃ、できるかぎりのごちそうは作り置きしておいたから、3日間 守り通しておくれ」

艦娘たち「了解!」

清原「それじゃ、慰問団のみんなはこの腕章を付けてくれ」

清原’「これで混同されることはなくなるだろう(――――――演出的に)」メメタア

清原’「では、出発だ!」

鳳翔’「はい」

金剛’「イエーイ!」


【慰労品/慰問袋】
1,艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
2,同型艦全ての燃費と弾薬費が軽減される



――――――拓自鎮守府


雷 「遠いところよりわざわざお越しいただいて、誠にありがとうございます」

清原’「いえいえ。皇国の未来を同じく背負っている仲間同士で親睦を深めるいい機会をもらえたことですし、そういうのはなしで」

鳳翔’「あら。あなたが評判の“拓自鎮守府のとても優秀な秘書艦”かしら」

鳳翔’「はじめまして、鳳翔です」ニコッ

雷 「こちらこそはじめまして、鳳翔夫人。特Ⅲ型駆逐艦の雷です」

金剛’「おお! しっかりしてるデスネ!」

雷 「遠いところよりお越しでお疲れのはずですから、すぐにご案内いたしますね」

清原’「うん。頼む」

島風’「…………」ウズウズ

清原’「島風。見たこともない場所だから今すぐに駆け回りたくなるのはわかるけれど、お行儀が悪いですよ?」

島風’「だってだって! もしかしたら島風に追いつける子がいるかもしれないって思うと――――――」ウズウズ

大和’「提督。提督はお気になさらず。大和が見てますから」

清原’「助かるよ、大和」

島風’「うー」



コツコツコツコツ・・・・・・


清原’「変わった鎮守府ですね…………何です、あの施設は?」

鳳翔’「工廠や宿舎とも違ったもののように見えますけど」

雷 「あちらに見えるのが、“朗利パーク”という我が拓自鎮守府独自の娯楽施設なんです」

雷 「最近、提督は艦隊指揮は後任の愛月提督に任せて、あちらの“朗利パーク”で執務を行うようになりました」

清原’「そうだったんですか……(まさか本当に後任の提督に任せるようになったのか。寂しくなるな……)」

清原’「あ」

愛月「あ」

愛月「…………!」ビシッ

Z1「…………」ビシッ

Z3「…………」ビシッ

清原’「…………」ビシッ

艦娘たち’「…………」ビシッ

清原’「愛月提督、この通り 参らせていただきました」

愛月「はい」

清原’「いろいろ大変でしょうが、朗利提督を支えてやってください」

愛月「はい!」ビシッ

清原’「海外艦ですか。珍しいですね」

愛月「はい。私も実物を見るのは初めてでしたけれども、一目見てパートナーに選んじゃいました!」

清原’「そうですか。それは幸運なことですね」

清原’「それでは、朗利提督へのご挨拶があるので、これにて」

愛月「はい。ありがとうございました」

清原’「それじゃ、また案内をお願いします」

雷 「わかりました! こっちですよ!」

清原’「………………」


その後、清原提督は“朗利パーク”の園長になった朗利提督と会見し、迎賓用の宿舎を宛てがわれて2泊3日の慰問が行われるのであった。



愛月「提督!」

朗利「何かな、愛月提督。それに、もう俺は提督は無理そうだから司令官や園長とでも呼んでくれ」

朗利「そして、この鎮守府で艦隊指揮を行えるのは、愛月提督――――――きみだけなのだから」

愛月「それは、そうですけれど…………」

朗利「安心なさい。俺が良いと言うまでは鎮守府海域から出すつもりはないから」

愛月「は、はい……」


愛月「…………凄かったですね」


朗利「……何が?」

愛月「見ましたか、清原提督がお連れになった艦娘たちのあれ――――――!」ドキドキ

朗利「…………『あれ』? 『あれ』とは何だ?」

愛月「我が鎮守府の艦娘たちがみんな食い入る様に見てましたよ、そりゃあもう! 特に大和なんて!」ドキドキ

朗利「…………何の話だ? 『威容』とか『威厳』の話か? それは確かに大和型戦艦は世界最大級の戦艦だものな」

愛月「ち、違いますよ! ああもう どうして伝わらないかな! 提督は男だって言うのに…………」

朗利「報告は正確に行え。指示語は絶対に使うな。これは商売においても絶対だぞ」

愛月「ですから――――――そうだ!」


愛月「『これ』ですよ、『これ』」ボヨーン(胸を寄せて上げる)


朗利「は」

愛月「ですから……」

朗利「あれ? お前、女だっけ? だとするなら、クレイジーサイコレズの類か。それも変態淑女の属性も持った――――――」

愛月「え!?」ビクッ

愛月「ち、違います。こ、こここれは――――――」カア

朗利「まあいいや。クレイジーサイコレズだろうと変態淑女だろうと紳士協定に従ってくれるのならそれでいい」

愛月「え、何もお咎めしないのですか……? 私は――――――」

朗利「貴重なクレイジーサイコレズの変態淑女だからな。俺以上に艦娘たちの悩みを聞いてもらえるだろう」

愛月「あ……」

朗利「だが、この3日間は御客人が来ているんだ。粗相がないように頼む」

愛月「は、はい!」ビシッ


愛月「と、ところで、朗利園長にお聞きしたいのですが……」

朗利「うん?」

愛月「園長がおっぱい星人じゃないことはわかったのですが――――――、」

愛月「なら、どういった基準で精鋭部隊の面々を選んだのでしょうか?」

愛月「長門、ビスマルク、大鳳、五十鈴――――――あとは第六駆逐隊」

朗利「………………そんなこともわからないのか、愛月提督は」ハア

愛月「いっ!?」

朗利「それでは紳士淑女の道は遠いぞ」

朗利「俺が好きなのは“幼女の中の幼女”であって、別に幼女であれば誰でもいいというわけではない」

朗利「わかりやすく言うのであれば――――――、」


――――――もし仮に金剛型から選抜するならば、誰を選ぶと思う?


愛月「こ、金剛型ですか。確か、清原提督が4姉妹全員をお連れになってましたけれど……」

愛月「そうですねぇ……」

愛月「やっぱり、金剛ですか。みんな大好きですからね。私も早くお招きしたいです」

朗利「まるで違う。あれのどこが“幼女の中の幼女”なのだ。良く言えば、“可憐な乙女”だろうが。悪く言えば――――――何でもない」

愛月「え? それじゃ、榛名ですかねぇ?」

朗利「“大和撫子”であって“幼女の中の幼女”ではないな。それにあれは俺とは噛み合わないタイプだな」

愛月「ど、どうしてですか!?」


朗利「俺は守りたいんだよ。愛でたいんだよ。俺に構わず奔放であって欲しいんだよ」


朗利「というわけで、――――――答えは比叡、次点で霧島でした」

愛月「…………すみません。比叡と霧島については全然――――――」

朗利「そうか」

朗利「ま、きみも紳士淑女の道を歩み始めたのだから、いずれはその良さが理解できてくるはずだがな……」

朗利「いい機会だ。せっかく本物がいることだし、しばらく艦隊行動はやめて観察してみたらどうかね」

愛月「園長はどうなさるのですか、この3日間は?」

朗利「さあな? 清原提督と有意義な会談ができればそれでいいと思っているが……」


愛月「園長? 何があなたをそこまで老け込ませたのでしょうか? まだまだお若いのに凄くおじいちゃんっぽいですよ?」

朗利「……なに、簡単な事だよ」

朗利「真の紳士になるために必要なもの――――――いや、要らないものを捨てただけだよ」

愛月「え? 何それ怖いです……」

朗利「怖がることはない。いずれは自然とそうなっていくはずさ……」ニッコリー


――――――
ビスマルク「アドミラール……」

ニャーオ

ビスマルク「ああ オスカー…………」


Z3「…………ビスマルク、あれからずっとあんな感じね」

Z1「あれはしかたのないことだったんだよ…………通信機器の故障で誤って大破進撃をやっちゃったのは」メメタァ

Z1「ビスマルクを改二にしようと【改装設計図】を求めて【勲章】集めに行って、それで――――――」メメタァ

Z3「ビスマルクは何とか生きて帰ってこれたけど、提督はあれから魂が抜けてしまったような感じに…………」

Z3「それでビスマルクもそれを気に病んで、互いに顔を合わせづらい雰囲気になってそれっきりね」

Z1「今日からの慰問で何かが変わればいいんだけどな」

Z3「そうね。博愛主義で評判の清原提督のこの慰問に賭けることしかできない私たちが情けないわ…………
――――――」



――――――夕食の席にて:主賓3人へのごちそう(その他は下で拓自鎮守府の艦娘と交流会を受けている)


清原’「おもてなし、ありがとうございました」

鳳翔’「とても素晴らしいものでした」

朗利「いえいえ……」ニコー

朗利「それでは最後に、清原提督と鳳翔夫人のお二人にお見せしたいものがございます」

清原’「え」

鳳翔’「まあ」

金剛’「What's up ? 何ですか、急に!」ワクワク

朗利「では、記念品をここに――――――!」パンパン


愛月「え、えと……、慎重に慎重に…………」ゴロゴロ・・・

睦月「新しい提督。みんな、待ちくたびれちゃうよ、そんなゆっくりじゃ」

如月「ホント、かわいい新人さんなんだから。早く洞庭鎮守府のみなさんに見てもらわないと」

弥生「愛月司令官は……ええっと、もっと自信を持っていい……と思います」

卯月「さあさあ、みんなにみせてやるんだぴょん!」


金剛’「OH! とってもVery Cuteな子たちデース!」

清原’「そうだな」

鳳翔’「ふふっ」


朗利「さあ、このベールの下にあるのは何かな、みんな?」ニコニコー

清原’「何かな、みんな?」ニコッ

鳳翔’「何かしらねぇ?」ニコニコ

金剛’「さあ、お見せするのデース!」ワクワク

愛月「えと、それじゃ……、いっせいのせいっで――――――!」

睦月型「えい!」バサッ

清原’「おお! でかい!」

鳳翔’「まあ」

金剛’「Wow! これはとってもとっても素晴らしいPresentネー!」

               ヘクセンハウス
――――――全長1m規模の“お菓子の家”!


如月「こっちを見て見て!」

金剛’「What's ?」

卯月「ぷっぷくぷぅ~! 清原提督と鳳翔夫人の蝋人形だぴょん!」

金剛’「とってもよくできてるデース!」

清原’「じゃあ、これって――――――」

弥生「お、お二人のごけけ……ケッコン祝いです!」ドキドキ

睦月「この鎮守府のみんなで一生懸命作りました!」


――――――ケッコンおめでとうございます!


清原’「ははっ、みんな ありがとう」ニッコリ

鳳翔’「あなた、明日はちゃんとお返ししないといけませんね」フフッ

金剛’「ぶぅー! 私も私もぉ! 私を仲間外れにしちゃNOデース!」

Z3「そういうと思いました。提督の予想通りです」

金剛’「お?」

Z1「はい。本当はご夫妻だけにするつもりでしたけれど、これは特別ですよ。お受け取りください」スッ

金剛’「やったー! これで提督とお揃いデース! 見て見てー!」キャッキャッ

清原’「よかったな、金剛」フフッ

朗利「喜んでいただけてよかった」ニコニコー

清原’「…………朗利提督」

清原’「(戦時下においてこれだけのものを 補給路を独自開拓して作り出せる朗利提督の兵站能力は素晴らしいものがあるな)」

清原’「(確かに提督業よりもそういった後方支援に専念させた方がいいのかもしれない)」

清原’「(しかし、拓自鎮守府の艦娘たちは朗利提督の完全復帰を願っている。これは難しいものがあるな……)」

清原’「けどね。諦める必要なんてないさ!」


――――――また帰ってきてくれればいいんだから。




――――――それから時が経って、


司令部「さてさて、最初にあの4人をモニターに選んでから時が経ったものだ」

司令部「人も組織も世界も変わっていくものだな……」

司令部「ただ、それでも戦いは続くが…………」

ピッ

――――――
金本「…………」ビシッ
――――――

司令部「おはよう、今日は貴官から始めさせてもらおう」

――――――
金本「あはは…………」
――――――

司令部「どうしたね? 確か貴官は【千人針】を持っていったはずだが……」

――――――
金本「いや、なかなか使えるものでしたよ。本当に」

金本「ただ、『同型艦にしか効果がない』ということで苦戦させられましてね……」

金本「もちろん、ある程度は姉妹艦は育ててきましたけれども、大型艦は姉妹艦が少ないのでその恩恵を得づらくて得づらくて……」
――――――

司令部「ほう。確かに艦種に拘らない金本提督ならでは悩みでもあるな」

――――――
金本「そうなのよ。これってたぶん駆逐艦への優遇措置として実装しようとしてるものなんでしょうけど、」メメタア

金本「ちょっと俺にはイマイチだったかな……」

金本「同型艦ってことは、だいたい性能が似通っている――――――どころか、役割がまったく同じでしかないから!」

金本「これは完全にお遊びでしょう? 前回の【下賜品/軍刀】と同じように艦隊編成の意味がありませんよ」

金本「こんなのもらって喜ぶのは、姉妹艦が多い駆逐艦を死ぬほど愛している連中ぐらいでしょうね」

金本「ですから、俺には不要の装備でしたね」

金本「いくらゴリ押しのゴリ押しで攻略してきているとはいえ、艦隊編成の戦略や海域に展開している敵戦力の対策と戦術は順守しますから」

金本「ですので、『微妙』という評価です」

金本「ゴリ押しがゴリ押しできなくなったらそれはゴリ押しじゃありませんので」
――――――

司令部「ふむふむ。だいたいわかった」

司令部「そろそろ新装備の運用試験はやめて、新システムや新インタフェースの試験を行うことになると思うが、大丈夫だろうか」メメタア

――――――
金本「ああ そうなんですか」

金本「いいですよ。受けて立ちましょう」

金本「それでは、その時をお待ちしております」
――――――

ピッ

司令部「…………ふむ」

司令部「今回の件で、金本提督にも何やら変化があったようだな」

司令部「それは当然か。同型艦の運用など意識して行ってきたことはないのだからな」

司令部「ただ、同型艦で編成した艦隊で目標の撃破を狙うクエストでは役に立つ装備ではあるのだがな」メメタア

司令部「【クエスト】もあまりやらない金本提督ではその恩恵はあまり得られなかったか」



司令部「さて、次はどうしようかな」

司令部「…………拓自鎮守府にしようか」

司令部「誰が応答してくれるのか」

ピッ

――――――
朗利「…………」ビシッ
――――――

司令部「朗利提督!」

――――――
朗利「お久しぶりです」

朗利「これより、報告をさせていただきます」
――――――

司令部「あ、ああ……」

司令部「もう大丈夫なのかね? これからの運用試験は問題ないか?」

――――――
朗利「大丈夫です」

朗利「愛月提督を立てて、俺も初心に帰ったつもりで艦隊指揮のリハビリをさせてもらってます」

朗利「――――――なんか、いいですね。こうやって新米提督と一緒に攻略をしていくっていうのも」

朗利「新米だった頃の自分と比較しながらやってみると、本当に新鮮で新しい発見が生まれてきます」
――――――

司令部「そうか。それは良かった」

――――――
朗利「しかし、とんでもないものを渡してくれましたね!」
――――――

司令部「何があった? 確か【バッジ】だったな?」

――――――
朗利「あの【バッジ】! とんだ金食い虫でしたよ!」

朗利「同型艦にしか効果がないわけでしたけれど、幸い 駆逐艦を多く擁しているわけでしてね? 実験に協力してくれる子には困りませんでしたわ」

朗利「同型艦みんなに【バッジ】を1個ずつ付けてもらったら、耐久値と運を除く全ステータスがの10も上がるってどういうことですか!?」メメタア

朗利「艦隊全てを睦月型にして【バッジ】を装備させたら、他の同型艦が存在して全ステータスが+2! 5艦居るから+10ですよ!?」メメタア

朗利「何これ、ふざけてるの!? まじめに装備の【開発】に精を出している提督たちに謝れ!」

朗利「というか、俺は【お守り/航海安全】の時からインチキ効果を持った新装備をもらっているけどね!」
――――――

司令部「な、なんと……」

――――――
朗利「そして、【バッジ】を大量に贈ってもらったせいで更に悪用ができましてね!」

朗利「装備欄全てを【バッジ】にしたら、効果が重複してあの睦月型の能力が+30とか!」

朗利「これ、火力と装甲が重巡並みじゃないですか! 対潜は軽巡並みだし、もう攻撃力もおかしいし、回避も装甲もヤバイ!」メメタァ

朗利「更に、『戦場に存在する同型艦』というわけで支援艦隊にも残った睦月型を含めて随伴させたら、」メメタア

朗利「1つの戦場に睦月型が10艦存在するわけで全ステータスが+2×9×3=+54とか頭オカシイ!!」メメタア

朗利「長門並みの火力を持った全能力が最高クラスの化け物駆逐艦隊の誕生!」

朗利「いくら睦月型が弱いからっていくらなんでもこれはやり過ぎ! やり過ぎぃ!」
――――――

司令部「は、はは…………(いつもどおりの朗利提督に戻ってくれたようで何よりだ……)」

――――――
朗利「でも、悲劇はその後に起こりました……」ハア

朗利「耐久値と運 以外の全ステータスが増えた――――――燃料と弾薬の消費もそのまま増えたので燃料庫と弾薬庫が吹っ飛びました」

朗利「艦隊行動ができません…………長門型よりも燃費はいいようですが我が鎮守府は貧乏なので打ち止めです」
――――――

司令部「…………本当に朗利提督は良い物を掴まされてばかりだな」

――――――
朗利「ねえ、これがもし現在 睦月型以上に実装されている艦娘が多く、能力も高い駆逐艦の完成形の陽炎型でやったらどうなっちゃうんですかね?」
――――――

司令部「 こ れ は ひ ど い 」

――――――
朗利「でしょう? これは絶対に調整が必要ですよ」メメタア

朗利「【艦これ】最強の艦隊が全部 陽炎型にして支援艦隊も陽炎型で埋めた完全駆逐隊だなんて、嬉しいけれど歪ですよ!」メメタア
――――――


司令部「ま、まあ! これは朗利提督にとってのご褒美として存分に活用してくれたまえ!」

――――――
朗利「や、やめてぇ! いくら【バッジ】が大量にもらえたからって、【バッジ】ガン積みの艦隊をやったら資源的にもう立ち直れない!」メメタア

朗利「それに、いくら何でもそんなのはナンセンスですから!」

朗利「そういうわけで、俺は愛月提督と一緒に鎮守府の運営の再建をしながら初心に帰っておきます」
――――――

司令部「そうか。こちらとしてもホッとしているよ」

――――――
朗利「ご迷惑をお掛けしました」
――――――

司令部「これからも何でも言ってくれ。我々は特別な関係なのだからな」

――――――
朗利「はい。ありがとうございました」
――――――

ピッ

司令部「そうか。立ち直ってくれたか(まあ、今度は鎮守府の運営で忙しくなっているようだが、一難去ってまた一難だな)」

司令部「だが、いくらステータスだけ完璧になっても、所詮は駆逐艦だからな」メメタア

司令部「戦術的に雷巡や空母の先制攻撃は避けられまい。それにルート決定の条件にも引っかかるから攻略ではなかなか実現しないだろうよ」メメタア

司令部「ま、先の金本提督が言うようにお遊び要素という意味では強烈な装備ではあるな」

司令部「それに、【バッジ】の効果を発揮するにはたくさん必要となるから、その分だけ装備アイテム保有枠を圧迫するので管理も難しいだろう」メメタァ



司令部「さて、今回は順番は1回ずらしてやっているから今度は趣里鎮守府か」

ピッ

――――――
石田「…………」ビシッ
――――――

司令部「ふむ。それでは好きに報告してくれたまえ」

――――――
石田「では、【慰労品/万国旗】ですが――――――、」

石田「これは意外と恐ろしい効果でした。本当に大鯨が建造できるとは思いませんでしたし、海外艦のZ1も手に入れることができました」

石田「しかし、残念なことに私と左近提督の二人を合わせてほとんどの艦娘を確保してあるので、そのありがたみはほとんどありません」

石田「左近提督も私と同じ傾向の艦隊運用なので、主力となる艦娘や役割も同じようなものなので尚更――――――」
――――――

司令部「そうか。それはまあ致し方ないな」

司令部「だが、確かに凄まじい効果ではあるな。無条件で海外艦や同型艦無しの艦娘が造れてしまうのは…………」

――――――
石田「独特の艦娘を狙う上では有意義な装備かもしれませんが、実戦派の我々にはありがたみがないとしか…………」

石田「海外艦の数は少ない上に、唯一の戦艦であるビスマルクは【改装設計図】が無ければ改二になれない性能――――――」

石田「酷いとしかいいようがありません」

石田「逆に、同型艦無しの艦娘は優秀であったり、独特であったりするのは確定なので序・中盤に手に入れることができれば神装備ですがね……」メメタア
――――――

司令部「ふむふむ。確かにそれはいいものであろう」

司令部「大本営の発表によれば、公式アニメが西暦2015年1月に放映されることになったから、」メメタア

司令部「これから【艦隊これくしょん】のユーザーはまだまだ増えていくことだろうよ」メメタア

司令部「そうなれば、今 我々が行っているこの一連の運用試験の成果が必ずや現れ出でくるはずだろうから、無駄にはなるまい」

司令部「我々は知る人ぞ知る影の功労者として語り継がれるだろうよ」


――――――
石田「しかし、まだまだ未実装艦が数知れないというのに、その上で全ての艦娘に改二を実装するという当初の予定まであるのに、」メメタア

石田「こんなにノロノロと実装していて大丈夫なのか、心配でもあります」メメタア

石田「某オンラインゲームの老舗や某狩りゲーや無双ゲーのように圧倒的な人気に支えられたものならば長期的な運営も見通せますが、」メメタア

石田「【艦隊これくしょん】は比較的ライトユーザーにも易しい反面、やりこみ要素や自由度が少ないものですから、」メメタア

石田「本質的に“飽き”が来やすいものだと考えております」

石田「今 現在なら、公式アニメによるメディアミックス戦略で一般への認知が更に高まる時期でもありますから1年前後は大丈夫ですが、」メメタア

石田「左近提督のように“飽き”て前線を退いてしまう提督がおそらく2年後には続出するのではないかと危惧しております」メメタア

石田「それを回避するためには、今の【艦隊これくしょん】には足りてない長続きできるような要素の導入が必要だと思います」メメタア
――――――

司令部「難しい注文だな、それは」

司令部「だが、確かにそれはそうだ。いろいろと課題点が山積みになっていることは否めないだろうな。――――――人の世の常だがな」

司令部「海外艦についても増やしてやらねばならないが、いつまでも【大型艦建造】の枠組みで行うのは限界があるだろう」メメタア

司令部「艦娘が増えすぎると、艦隊編成のクエストが達成しづらくもなってくる。未だに第4艦隊を開放できない提督もいるのにな」メメタア

司令部「また、だいたい旧帝国海軍の艦艇は出揃ってはいるが、特殊な艦艇についても検討しなければならないな」メメタア

司令部「いや待てよ? 重巡や軽巡はそのとおりだが、神風型駆逐艦が1艦も出ていないぞ…………」メメタァ

――――――
石田「はい。少しずつ課題は修正していけば良いでしょうが、それだけではいずれ破綻してしまうでしょう」
――――――

司令部「ああ。大戦で投入された駆逐艦と潜水艦がまだまだ実装されていないというのにな……」メメタァ

――――――
石田「さて、ここから新部署からの報告となりますが――――――」
――――――





司令部「ずいぶん話し込んでしまったが、やはり石田提督の報告は聞いていて得るものがあるな。これからも楽しみだな」

司令部「さてさて、最後に清原提督だな」

ピッ

――――――
清原「…………」ビシッ
――――――

司令部「おはよう、清原提督。早速だが報告を頼む」

――――――
清原「はい。今回の試供品であった【慰問袋】は今までで最も使いやすいものだったと思います」

清原「しかし、純粋な火力には直結しない上に同型艦しか恩恵を受けられないので、攻略には向かない装備なのは明白です」
――――――

司令部「そうか。『可もなく不可もなく』か」

――――――
清原「そうですね。周回用なのは間違いありません」メメタア

清原「さて――――――、」

清原「それよりも、お訊ねしたいことがあります」
――――――

司令部「ほう、何かね?」

――――――
清原「もっともっと他の提督たちと交流を持てるようにはなりませんか?」

清原「要するに、ソーシャルゲームとしての要素をもっと増やして欲しいのです」メメタア

清原「私は拓自鎮守府の朗利提督の慰問に参上したのですが、」

清原「確かに朗利提督は艦隊指揮を執る(=ユーザー)よりも後方支援(=二次創作)のほうがもっと活躍できる人物だと思いました」メメタア

清原「本人もそれを自覚して、後任の提督(=アシスタント)をよこすように司令部に働きかけたことは想像がつきます」メメタア

清原「けれども、絶対服従の因子が組み込まれているとはいえ、拓自鎮守府の艦娘たちにとっての提督はやはり朗利提督しかいないのです」

清原「轟沈した艦娘は二度と帰ってはこれません――――――これはそれを使役する人間だって同じことです」

清原「艦娘は同一個体を複数存在させることも可能な兵器です。この点が人間とは完全に違います」

清原「しかしながら、艦娘にとって最初の提督が唯一の提督であるように、提督が選んだ艦娘もやはりその提督にとって唯一無二の存在だと思います」
――――――

司令部「…………そうだな」

――――――
清原「私は早まってしまいました……」

清原「影姿形声立居振舞が同じであろうと、辛く苦しい戦いを一緒に戦い抜いたあの金剛はもういません…………」

清原「鳳翔は何も言いませんが、私はとんでもない過ちを犯してしまいました……」

清原「悲しいですよね…………海の向こうの国では艦娘とは違ったガイノイドと呼ばれるものが発達しているらしいですけれど、」

清原「ガイノイドと比べれば、艦娘たちの擬人類としての完成度は遥かに上だと聞いております」
――――――

司令部「うむ。資料でしか見たことはないが、ガイノイドと呼ばれるものと比べれば艦娘は実に人間らしく、本当に素晴らしいものだ」


――――――
清原「人は失ってみて本当に大切なモノに気づくと言います」

清原「そして、もう取り返しがつかなくなってそこで止まってしまう人が数多いと聞きます」

清原「ですが、艦娘は兵器です」

清原「そして、その兵器を扱う我々のような人種は他にはない義務と責任というものがあります」

清原「それ故に、その義務と責任に向き合わずに無為に時間を過ごすようなことはあってはならないはずです」

清原「要は、本当に大切なモノを失った時に、提督として皇国の未来を担っている義務と責任があるという自覚を思い出していけるようにしたいのです」

清原「かつて提督に憧れ、提督になりたくてもなれなかったものたちが数多く居た――――――今も居続ける事実を踏まえても」

清原「私は、朗利提督の慰問に参上した時にそう思ったのです」
――――――

司令部「…………そうだな。提督の意見はもっともだ」

司令部「我々は勝たなくてはならないからな」

司令部「しかし、中には艦娘を完全に兵器――――――いや消耗品として使い捨てる者もおる」

司令部「そのことを考えると、ロストした艦娘の補償手当をそう簡単に与えるわけにもいかん」

――――――
清原「ええ。それは本当に忌むべき行為です」

清原「――――――難しいところです。人間として艦娘の喪失にはほどほどに向き合わなければ、大事を成すことはできないのですから」

清原「しかし、他にも拓自鎮守府の慰問で得たものがありまして、」

清原「鎮守府というところは提督一人の采配で雰囲気が大きく変わってしまい、提督の裁量に大きく委ねられているので、一国一城の主となります」

清原「そうなると、徐々に提督一人の色に染め上がってしまい、欠点が欠点として放置され、後に重大な過ちに繋がりかねません」

清原「ですから、他の提督の頑張りの報がダイレクトに届いて、励みや意識改革に繋がるようなシステムやインタフェースの導入を強く希望します」メメタア

清原「結局は、艦娘たちには提督が必要であり、提督が真っ当に働かないことにはどうしようもありません」

清原「それに、数多ある選択肢の中から【艦隊これくしょん】をプレイすることを選んだ偶然・プレイできる奇跡をムダにしないためにも」メメタア

清原「そして、【艦隊これくしょん】をこよなく愛する提督や皆様方のためにも必要なことなのです」メメタア
――――――

司令部「………………」



――――――
清原「すみません。差し出がましいことを口走ってしまいました」
――――――

司令部「いや、清原提督は実に有意義な提案をしてくれたと思っている」

司令部「確かに、【艦隊これくしょん】のような擬人化ゲームはこれを雛形として続々と生まれつつある」メメタア

司令部「もう【艦隊これくしょん】が唯一である時代が終わりを迎えるのが始まったと言ってもいい」メメタア

司令部「その中で、【艦隊これくしょん】が末永くユーザーに支持され、メディアミックス戦略でも成功を遂げ、」メメタア

司令部「既存の艦娘全ての改二が実装され、海外艦が充実し、いずれはギネスブックに乗るほどの大盛況振りにするためにも――――――」メメタア

司令部「それが重要な課題であるな」

司令部「運営開始が2013年4月――――――それからわずか1年半で100万以上のユーザーがプレイするとは誰が想像できただろう」メメタア

司令部「当初の想定では10万人規模を目指していたと言うのだから、いかに大盛況か――――――嬉しい悲鳴が伝わるであろう」メメタア

司令部「そして、ついには招待制度も廃止され、完全に抽選で選ばれた人間しか提督になれないのが現状となった」メメタア

――――――
清原「はい。どうかその貴重な縁を大切にするためにより良くありたいですね」
――――――

司令部「全ては【艦隊これくしょん】に関わる全てに愛をこめて――――――、と言ったところか」フフッ

――――――
清原「所構わず 劣情を催す人間ではありませんが、おそらく自分が申し上げたいことはそういうことだと思います」

清原「祖国の為に命を懸けるのと同じようなものです」

清原「そして、『お前によし、自分によし、皆によし』となるようなそんなふうでありたいものです」
――――――

司令部「ふむ。貴官の意見を聞いていると心が洗われるな」

司令部「最初の時はどうなることか思ったが、今では一番に安心できるのは貴官だな」

司令部「地味だとか普通だとか言われている貴官こそが組織の中核を担うべき要石だな」

司令部「どうかこれからも内外でも貴官の兼愛交利の精神を貫いて欲しい」

――――――
清原「では、報告の他に提案を致します。よろしいでしょうか」
――――――

司令部「うむ。よかろう。なるべく通るように力添えしよう」










――――――ご清聴ありがとうございました


司令部「さて、タイトル詐欺のように感じられる内容だったが、第3話までが導入編と言ったところで、」

司令部「第4話は導入編を踏まえた上での【艦隊これくしょん】が栄光を掴むために必要なことを真剣に考える話であり、」

司令部「タイトルの『愛の力』とはβテスターの提督たちが抱いている根源的な想いから発せられるものだと考えてくれればいい」

司令部「今回 出番があまりなかった金本提督のそれは、もちろん【ケッコンカッコカリ】による迸るキャラ愛のことだろう」

司令部「前回の一件でトラウマを負ってしまった朗利提督は、他の提督の励ましや初心に帰ることで提督に復帰している」

司令部「それもまた、【艦隊これくしょん】への情熱が再び呼び起こされる『愛の力』がなせる業であろう」

司令部「石田提督が実力主義や合理主義に走ったのも、やはり愛ゆえだろう。『愛の力』があってこそ石田提督の今に繋がっているのだ」

司令部「清原提督のそれは、【艦隊これくしょん】に登場する艦娘たちだけじゃなく、現実世界に生きる提督たちや運営にも向けられたものであり、」

司令部「だからこそ、『愛』という言葉一つに様々な意味が含まれていることが伝わってくるだろう」


司令部「そして、すでに提督である諸君らに今一度【艦隊これくしょん】をプレイしている喜びや感動を思い出してもらいたい」


司令部「――――――今回はそういった話である(『人生を捧げろ』とは言わないが、ファンとしては単純に末永い発展を願うものである)」

司令部「あまりにも今回の試作品の【慰労品】が話題にもならなかったが、詳細は後述するので興味があれば見ていてもらいたい」

司令部「……くれぐれも、最初に【艦これ】にふれるきっかけが何だったのか、何を求めて鎮守府にやってきたのかを忘れないで欲しい」

司令部「筆者としては、轟沈覚悟でイベント攻略に執着するまでに精神的に追い込まれてしまっている提督たちが心配なのだ」

司令部「少なくとも手強いシミュレーションを求めて【艦これ】をプレイしていたはずじゃないと思うのだ」

司令部「確かに【艦これ】は完全にリアルラックがモノを言う世界だし、連戦に次ぐ連戦で敵が理不尽なほど強い」

司令部「だからといって、ハゲるような思いをしてまで根詰めてプレイをして苦行をする必要はないと思いたい」


司令部「個人的な感傷でしかないが、戦艦の主砲も次弾装填のために冷却時間が必要なように 慢心せず気を緩めない程度に熱くなり過ぎないようにな」


司令部「今回のプレゼンは以上となるが、次からはプレゼンターが考えるもっと踏み込んだ提案がなされていくことになるだろう」

司令部「繰り返すが、これはあくまでもプレゼンターの妄想や願望を物語風に架空戦記として描いたものであり、」

司令部「現実の【艦隊これくしょん】には何ら影響するものではないことを明言しておく」

司令部「あくまでも、想像して楽しめる者にのみ許された娯楽なので、筆者の文才の無さからも支持者はそう多くないように思える」

司令部「だが、それでもよろしければ、次もまたご覧になって欲しい。ご意見・感想・提案をお待ちしております」

司令部「ちなみに、金剛4姉妹の好みを訊かれて出した答えが提督たちの運用思想を端的に現したものとなる」

司令部「――――――清原提督だけそれに答えていないだって?」

司令部「答えなら最初から出ているではないか。それもずっとはっきりと明らかに特別扱いされている艦娘が――――――」


――――――――――――第4話 愛の力 完       Next:第5話 艦娘、派遣します に続く!



【慰労品】リスト
安価で作れるのがモットーで『同型艦』をテーマにした装備品。初心者救済用の意味合いがある。
【開発】の条件としては、同型艦を所持している状態で疲労状態の艦娘を秘書艦にして【開発】を行う。
割りと高確率でしかも資材に関係なく無条件で入手できるので大量生産が可能なのを売りとする。

【慰労品/慰問袋】
1,艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
2,同型艦全ての燃費と弾薬費が軽減される


【慰労品/千人針】
【旗艦】【ケッコンカッコカリ】【ユウジョウカッコカリ】のいずれかである艦隊が装備している時、
1,同型艦全ての轟沈を無効化する(効果が発動した場合、【千人針】は消滅する)
2,同型艦全ての回避・装甲・運を上昇させる


【慰労品/バッジ】
1,他に【バッジ】を装備した同型艦が戦場に存在する場合、全ステータスが上昇する
2,装備させた状態で秘書艦にして【建造】または【大型艦建造】すると、同型艦が建造されやすくなる


【慰労品/万国旗】
海外艦あるいは同型艦無しの艦娘を秘書艦にして装備させた場合、
1.【遠征】の成功確率が上昇する
2.【建造】または【大型艦建造】すると、海外艦あるいは同型艦無しの艦娘が建造されやすくなる



提案内容の背景
『同型艦』をテーマにした装備品であり、内容としても過去の【お守り】に類似したものがあるがそれとは入手条件が異なる。
艦娘の人間っぽさを演出する小道具を持たせておきたかったところがある。


提案内容の考察
同型艦とは、【慰労品】を装備したその艦娘のことも含んでいるので、『最低限1艦以上は同型艦が存在する』とも表現される。

【慰労品/慰問袋】
2の効果は【ケッコンカッコカリ】のボーナスの1つに相当する効果であり、内部データとしてもそれを適応したものになるので、
【ケッコンカッコカリ】や【ユウジョウカッコカリ】した艦娘には効果が無い。
しかし、1の効果と合わせて極めて強力な効果であり、レベリングする分には非常に有用。


【慰労品/千人針】
超ダメコン。【下賜品】みたいな条件が付いているが、同型艦を組ませての艦隊運用が非常に安心になる。しかも簡単に作れる。
ただし、能力上昇は気休め程度であり、後述の【バッジ】のように数を揃えればそこそこの効果を発揮する。
重要なのは、ダメコンに相当する【これ】を課金無しで簡単に入手できることであり、少々の使用制限も釣り合わせるための処置だと考えても十分お釣りがくる。
とにもかくにも、キス島沖などの移動条件で艦隊編成が厳しい海域で力を発揮するものであり、まさしく初心者救済用である。


【慰労品/バッジ】
2の効果は【建造】においては非常に有用であるが、【同型艦】にはそれを装備した自分自身も含まれているので注意。
しかし、なんといっても1の効果が凄まじく、耐久値と運 以外の全ステータスを【バッジ】を装備した同型艦が2艦以上存在すると、
最低でもその2艦の+4が確定され、しかも複数持たせた場合も重複するので、
1つの艦隊全てを同型艦で統一すれば+10となり、装備欄が3つあれば+30、支援艦隊にも適応されるので最高で+66もされる。
これは睦月型駆逐艦だったとしても艦隊全体が長門型戦艦に匹敵する性能に大化けしており、見敵必殺の恐るべき駆逐艦隊となる。
能力限界まで成長しきってない場合でも問題なく+66されるので、練度が低い場合ほど強みになる。もちろん育ってからも使える。
しかし、その場合は艦隊全体の弾薬と燃費が跳ね上がるので、ロマンを追求したい人間にのみ許される選択肢となる。
最大の欠点は、数を揃えていないと効果を発揮しづらい上に、その分だけ装備アイテム保有枠を圧迫することである。+66を実現するのに36枠も使う。


【慰労品/万国旗】
完全に支援用の【慰労品】であるが、【建造】に関する効果は【バッジ】の正反対とも言えるものとなっており、非常に使える。
特に、【大型艦建造】で特殊な条件がいる海外艦や特殊艦、同型艦無しの強力な艦娘だけに対象が絞られるのはいい。
1の【遠征】の成功確率が上昇するというのは、もちろん絶対条件を外していればどうしようもない。




第5話 艦娘、派遣します

――――――趣里鎮守府


左近「やあやあ、お嬢さん方。今日も元気だね」

雪風「あ、左近のおじちゃんだ! おはようございまーす!」

初風「おつかれさまです、左近のおじさん」

時津風「おじさん! 提督と一緒に真夜中に何やってるの! 私も混ぜてよ!」

天津風「最近、提督が姿を見せなくなりましたけど、大丈夫なのですか? ちゃんと休んでるのかしら?」

左近「大丈夫ですよ、提督は(………………『おじさん』)」

左近「最近になって鎮守府全体の大規模な改修が行われるようになって、提督もその設計に一枚噛んでるんでね」

左近「完成したらきっと前よりも居心地のいい鎮守府になっているはずだから、ちゃんとお礼を言っとくんだぜ?」

艦娘たち「ハーイ!」

左近「…………フゥ」

左近「(やれやれ、殿は大嘘つきでございますな。陽炎型の超レア艦を持っている時点で恵まれているというのに…………)」メメタア

左近「(まあ、殿が目指す最強の艦隊編成に駆逐艦が入っていないから殿にとってはハズレとも言えますがね。――――――恐るべし、物欲センサー!)」メメタア

左近「(しかし、2013年の年末に俺が【艦これ】をやめてからずいぶんと変わったものですな、実際)」メメタア

左近「(新しい艦娘が増えているのは当然として、あの飛龍や川内などの今まで地味だった艦娘が改二が実装されて一線級になっているのですからな)」メメタア

左近「(そういう意味では、俺も確かに殿と同じ驚きと喜びを共有しているかもしれませんな)」

漣「ご主人様!」

左近「おお、漣(けど、俺が一番に驚いたのは何気なく選んだ最初の艦娘である漣が超レアドロップ艦だったという事実――――――!)」メメタア

漣「今日もこの趣里鎮守府の提督をするんでしょう?」

左近「そぉうなんですよ。俺と殿がこの大規模アップデートのαテスターになって調整するわけですから」メメタア

左近「そんなわけで、よろしく頼みますよぅ?」

漣「はい! ご主人様!」ニッコリ

左近「さてさて、――――――作ってみせましょう! 殿が描く天下餅!」


――――――これは遡る話である。



――――――斎庭鎮守府


あきつ丸「て、提督殿……、その、困ります……」

金本「どうして? 陸軍船舶司令部――――――そこが総括している暁部隊と共同開発したい代物があるんだけど?」

金本「これは旧態依然として海上封鎖されて海軍しか出番がなくて、内地で燻っている陸軍にとっても有益な提案なんだけどな」

あきつ丸「そ、それは明らかに管轄を超えた越権行為というものであります……」

あきつ丸「提督殿…! そういうことは、よその子でお願いしたい…!」アセタラー

金本「やだね。俺としては絶対に実現してもらいたいからね」

金本「それに、【艦これ】において揚陸艦――――――引いては船娘の価値を上げてもらいたいだろう?」メメタア

金本「そんなわけで、海の向こうの国で造られたガイノイドを参考に設計された海上陸戦機動歩兵――――――、」

金本「――――――暗号名『○四』を造ってちょうだい」

金本「来てるんだろう?」


――――――船舶司令部からの使いが。


金本「さあ、出ておいで」

あきつ丸「!」


「私ハ船舶司令部ヨリ派遣サレマシタ『銀』デス」

「同ジク『輪』デス」


金本「おわっ! ガイノイドってやつかい! なんてメカメカしい! 艦娘とは大違いだな」

あきつ丸「こ、こんなのが船舶司令部に存在していただなんて…………」


金本「それで、どうするつもりだい? 俺を殺すか、それとも協力するか――――――」

お銀「アナタガ海軍軍令部ノ特別任務ヲ受ケテイルヨウニ陸軍デモ状況ヲ打開スルタメノ秘密部隊ガ組織サレテイルノデス」

お輪「我々ハアナタヲ歓迎シマス」

金本「そうか。そりゃあ良かった」

お銀「シカシ、如何セン我々ニハ海ニ隣接シタ拠点ガアリマセン。ソコガ一番ノ問題デシテ――――――」
          ・・・・・
金本「安心しな。俺はそのためにこの鎮守府の隣に豪邸を建てたんだからな。準備ぐらいしてある」

お輪「アリガタイコトデス。ドウヤラ同志トシテ期待デキソウデス。今後トモヨロシク」スー

あきつ丸「………………」アセタラー

金本「――――――というわけだ」

金本「俺を裏切れば、陸軍と海軍の両方を裏切ったことになるからな?」

金本「けど、これで艦艇を擬人化した艦娘が主役の【艦これ】の世界で肩身狭い思いをしてる船舶が擬人化された船娘にも陽の光が当たるってもんだ」メメタア

金本「どうだ? 俺と一緒に船娘のお前が【艦これ】の世界で名を上げてみないか?」メメタア

金本「去る者追わず、来る者拒まず」

金本「――――――俺は嫌がる女には手は出さねえよ」

あきつ丸「………………」

あきつ丸「わかりました、提督殿」

あきつ丸「これは大変 名誉なことなのであります。かくなる上は最後まで提督殿についていくことを決心したであります」

金本「愛してるぜ。褒美に俺の邸宅に招待してやる」

あきつ丸「ははっ、有難き幸せであります!」


――――――こうして、時が流れた。



――――――司令部


司令部「さて、ついに我々が先駆けて新システムと新インタフェースを導入した大規模アップデートの運用試験を行うことになった」メメタア

司令部「すでに、趣里鎮守府の石田提督と左近提督が試験運用してから改良を加えたものなので大きな問題はないだろうが、」

司令部「それでも不備や不便な点が見つかるかもしれないので、諸君らに試験運用をお願いしたい」

司令部「まだまだ改良点が見つかるかもしれないので、すでに試験を終えた趣里鎮守府以外の鎮守府には増築(=新システム)から始めさせてもらう」メメタア

司令部「質問はないな? 増築が終われば順次 改築(=新インタフェース)を始めさせてもらおう」メメタア

司令部「さて、ここからは諸君らに先駆けて試験運用してもらった石田提督と左近提督に今回の改築について説明してもらおう」

石田「はい」

左近「よし、出番ですな」

石田「順を追って詳細に説明していきますので、注目してもらいたい」

清原「わかりました」

金本「さてさて、何がどうなるやら」

朗利「神アップデートを期待!」メメタア

愛月「もっと海外艦が活躍して欲しいなぁ……」



新インタフェース1:【要請】
【母港】で行える6項目【出撃】【工廠】【編成】【改装】【入渠】【補給】に加わり、
構図としては【出撃】を中心にした【編成】【改装】【工廠】【要請】【入渠】【補給】の六角形を形成する。
【要請】でできることは現在のところ、今回紹介する【艦娘派遣】【友軍艦隊駐留】となる。
そして、10艦だけの特別枠もここで管理することができ、【要請】で駆けつけた戦力の参照や返還なども行える もう1つの【編成】といったところである。

            【編成】
        【補給】    【改装】

            【出撃】

        【入渠】    【工廠】
            【要請】

       図 新しい【母港】インタフェース

なるべく、既存のインタフェースの使用感を崩すことなく、左側が修理・補給、右側が生産・改造にして違和感なく使えるように心掛けた。
元のインタフェースが【編成】を頂点にした五角形だったので、自然と新要素である【要請】が下に収まったわけである。



新システム1:【艦娘派遣】【友軍艦隊駐留】
【演習】で戦える他5人の提督の第一艦隊あるいは新たに増設されたページの公式配信の艦隊の【旗艦】を資材を支払って【派遣】してもらう制度。
【友軍艦隊駐留】は【旗艦】だけではなく、艦隊まるごと【駐留】させることになり、普通に【出撃】【演習】【遠征】に出せる。
しかし、【派遣】と【駐留】では仕様が大きく異なり、運用する上では注意がいる。

基本システム
1,【派遣】【駐留】は独自の所有枠を共有しており、最初は10艦までしか【派遣】【駐留】できない
2,【友軍艦隊】は1艦隊しか【駐留】させることができず、第5艦隊に相当する艦隊枠で管理される
3,【派遣】【駐留】させるためには、派遣元の鎮守府に謝礼として資材を支払う必要がある
4,【派遣】【駐留】した艦娘・艦隊を期限内に返還した場合は、支払った分の謝礼は帰ってこない(日割りではないということ)
5,【派遣】【駐留】の期限はデイリー・ウィークリー・マンスリーの3つがあり、その分だけ謝礼がかさむ
6,【演習】で選ばれている鎮守府から選ぶことになるので、同一の鎮守府と【演習】と【派遣】【駐留】を受けることはできない
7,【派遣】【駐留】した艦娘・艦隊は元の鎮守府から実際に離脱することなく、謝礼だけを受け取ることができる
8,【派遣】【駐留】した艦娘の装備や【駐留】した艦隊の編成を変えることができない
9,【派遣】【駐留】した艦娘・艦隊には経験値は一切はいらない。また【改造】【近代化改修】ができない
10,【派遣】【駐留】した艦娘・艦隊が大破した場合、強制的に撤退となる
11,【派遣】【駐留】した艦娘・艦隊の修理と補給にかかる資材が通常の1割増しになる
12,【派遣】【駐留】した艦娘・艦隊を期限前に返還したい場合は、【要請】で管理されている艦娘と艦隊それぞれを【返還】させることで行われる

つまり、艦娘と艦隊のレンタル制度であり、これによって派遣元は小遣い稼ぎができるようになり、派遣先は強力な助っ人をダイレクトに得ることができる。



――――――1と2について、
例えば先に6隻の【友軍艦隊】を招き入れた場合だと、新たな【友軍艦隊】が【駐留】できなくなり、【派遣】できる艦娘も4人に制限されることになる。
逆に、10人の艦娘を【派遣】してもらったら、【友軍艦隊】の艦隊枠が空いていても原則として【駐留】できなくなる上に、
たった1隻だけの【友軍艦隊】を【駐留】させた場合は、たった1隻でも期限が過ぎるか返還しないと新たに【駐留】させることができない。

――――――3から7まで、
【派遣】【駐留】させるのに必要な資材:謝礼は基本的に戦闘力の高い艦艇と数に相応となる。練度や司令部レベル、艦娘のレアリティには応じない。

必要資材の例:戦艦 >>> 重巡 >> 軽巡 > 駆逐艦…………基本的に艦種ごとの修理にかかる時間や戦闘で消費する資材に比例すると考えて良い

よって、戦艦や正規空母で構成されたガチ構成を【友軍艦隊駐留】させたい場合は相応の額となる。
デイリーの謝礼は【派遣】される艦娘あるいは【駐留】する艦隊に必要な謝礼1日分(=基本料金)となっており、
ウィークリーなら5日分、マンスリーなら25日分となっており、少しばかりお得となっているが、
期日については、【艦これ】で採用されている更新日時で一括で扱うので、デイリーで【派遣】してもらうのなら更新ギリギリの深夜にやると損をする。
つまり、デイリーならば午前5時、ウィークリーなら月曜日の午前5時、マンスリーなら毎月1日の0時で更新となるのでその間際だと必ず損をする。
マンスリーとは『1ヶ月分の貸し切り』という意味ではなく、『今月の間だけ貸し切り』という意味と思え。
内部データ処理に同期した楽なデータ処理にしようとした結果である。

また、【演習】で選ばれる艦隊の中からしか【派遣】【駐留】できないのでランダム要素が強い――――――それっていつもの【艦これ】じゃん!
【演習】の仕様上でリアルタイムで艦隊が変化する面は改良されており、旗艦の情報は必ず表示され、最初から艦隊編成もある程度は表示されるようになった。
そして、【演習】をした後のページ3の履歴のページに艦隊編成が完全公開されるのでそこから【派遣】か【駐留】かを正確に選べるようになる。
更に、【派遣】【駐留】の確認画面で支払う謝礼が算出された時点で内部データではコピーをすでにいただいているので変化を恐れる必要はなくなった。
もちろん、謝礼が支払えなければ意味はないが…………即時一括払いです。クレジットは使えません。
最後に、【派遣】【駐留】された艦娘や艦隊は元の鎮守府から離脱していないのでまったくリスクがない。
謝礼は不特定多数からくるのでいちいち取り合っていたら面倒なので、午前5時の更新に合わせて通知と謝礼がまとめて届く仕組みとなっている。
もちろん、その時にもらえなくてもログイン時にちゃんとまとめてもらえるので、安心して利用していただきたい。

――――――8から11まで、
【派遣】【駐留】で得られた艦娘たちは内部データとしては固定データのコピーでしかないためである。

便利な【派遣】【駐留】に関するリスクであり、他にも【派遣】と【駐留】で異なる制約が課されているので後述を参照。データが固定されているわけである。
艦種によってのみ謝礼が異なるだけで良心的に思えるが、実際に運用してみると艦娘の修理・補給は自分でするので戦力に見合うだけの痛い目は十分に見る。
つまり、序盤でLv99の大和型戦艦を【派遣】してもらって調子に乗っていると、すぐに鎮守府の機能が停止する事態になりかねないわけである。
また、『してもらっている』側としてある程度のおもてなしのために修理・補給の費用が1割増しとなっている。
謝礼として相応の資材を支払い、せっかく【駐留】してもらった艦隊を維持できるだけの計画を立ててないと全てが無駄となるのでご利用は計画的に。

それ故に、提督になりたての序盤は謝礼をせっせと貯めこんで練度がそこそこの艦娘をできればウィークリーで【派遣】してもらって攻略を進めるのがいいはず。
特に、初心者に優しい低燃費の軽巡や軽空母辺りが【派遣】としてはとても喜ばれるはずである。
中盤以降は【友軍艦隊駐留】の見通しが立つようになれば、攻略が難しい海域を【友軍艦隊】にやってもらい、
その先にある稼ぎマップで自軍艦隊の強化を行うのも戦略としては間違いではなく、
【友軍艦隊】は大破撤退が基本なので修理費がかさむが轟沈が絶対にないわけなので安心して攻略に出すことができるという利点がある。





石田「――――――というわけだ」

左近「次は、【派遣】と【駐留】の具体的な違いについて説明して、」

左近「このシステムの根幹となる【演習】関連のインタフェース修正や関連するその他について説明しましょう」メメタア

朗利「あれ? なんか石田提督、口調が変わったような――――――いや、最初の時とは全然 人が違う?」

金本「ははーん。石田提督もそういうお年頃なんでしょう(そういう朗利提督もずいぶん変わったな。それに童貞くんもね。変わってないのは――――――)」

清原「なるほど! これはなかなかいいですね」

清原「【演習】で戦うだけの他の提督たちとこうやって協力し合えるだなんて画期的ですよ!」

石田「そうだな、これまで自分の他の提督など経験値を用意してくれるだけのカモでしかなかったからな」メメタア

左近「ま、そういう石田さんがわざわざ俺に直接 コンタクトをとってくれなかったら【艦これ】に復帰することはなかったんですがね」メメタア

朗利「俺も、清原提督の慰問がなければ、愛月提督に全てを丸投げしていた…………」

愛月「おお…………!」

清原「リアルでの交流も無駄ではなかったということか」メメタア

司令部「素晴らしい。実にいい傾向だ」

金本「で? 次の説明をお願いする」

石田「話を続けよう」

石田「【艦娘派遣】と【友軍艦隊駐留】は基本システムは同じだが既存のインタフェースの流用をしているので仕様がかなり違う」

石田「そこを理解して聞いてもらいたい」

石田「なお、基本システムは説明したので独自のシステムの説明だけを行うので見返しながら聞いてくれ」メメタア


※前回の石田提督と左近提督、清原提督と朗利提督の交流はリアルでの交流を物語風にしたもの
※公式でも【友軍艦隊】が「-第2期実装予定-」とありますが、それとは全く無関係のプレゼンターの妄想であることを明言しておきます


新システム1-1:【艦娘派遣】 以下【派遣】∈【要請】
独自のルール
1,【派遣】された艦娘は【旗艦】にすることができない(つまり、【秘書艦】にすることもできないが、それ以外は自由に編成できる)
2,【派遣】された艦娘を返還したい場合は【工廠】の【解体】でもできるが、その場合は【解体】によって本来得られる資材は獲得されない


新システム1-2:【友軍艦隊駐留】 以下【駐留】∈【要請】
独自のルール
1,【友軍艦隊】は前述の仕様で各種変更ができないが、獲得した経験値は随伴させた【支援艦隊】に全て流れる(MVPや旗艦などの補正はなし)
2,【駐留】した【友軍艦隊】を返還したい場合は【編成】で第5艦隊として扱われている【友軍艦隊】を解散させることでも行われる


【演習】のインタフェース修正
1,ページの追加
ページ1:従来の他の提督5人
ページ2:公式配信の艦隊5つ(初心者用の練習相手だったり、ネタだったり、史実ネタだったり、ガチ編成だったり、先行配信の未実装艦だったり)
ページ3:【演習】【派遣】【駐留】履歴5つ(これで同じ相手と何度も繰り返せる)
ページ4:Extra Operation用

2,【演習】の場合で選択時に確認メッセージが挟まれる
・その時点で選択した艦隊のデータのコピーが生成されている
ページ1:これまではリアルタイムで変動する艦隊編成をここで確定させることができ、安心して陣形選択に入れるように変わった
ページ2:艦隊編成の艦娘は変わらないが、【旗艦】だけは不規則に入れ替わるルーレット状態
ページ3:確認メッセージで「はい」を選択した時に確定した艦隊編成がそのままなのでページ1と2で見られるようなランダム要素はない
ページ4:未詳

・確認メッセージには相手の艦隊編成画面の縮小版が表示。【旗艦】の情報は必ず表示されている。
ページ1:【旗艦】の情報だけは確定しており、僚艦についてはどれだけ表示されるかはランダムであるが、いずれにせよ【演習】の難易度を下げている
ページ2:全ての情報が公開されている(ただし、情報には現れない装備面で公式チートのガチ構成や未配信の新装備を所持している場合がある)
ページ3:全ての情報が公開されている(何を装備しているかだけは【演習】で推測するか、実際に【派遣】【駐留】して確認するしかない)
ページ4:場合によりけり


その他の補足
1,鎮守府で管理できる艦娘の保有数上限が現在の20増加
(その内訳が、鎮守府の使用枠:10 外来用特別枠:10 → よって、実質的に自軍では10人艦娘が増え、それとは別に【派遣】【駐留】できる)

2,【派遣】【駐留】された艦娘でも図鑑は埋まる
(ただし、【ケッコンカッコカリ】済みであってもイベントは登録されない。【それ】は自分でやれ)




左近「ま、ざっとこんなもんです」

清原「基本システムの内容が全てだから、思ったよりも説明が少なかったな」

清原「けど、【演習】のページが増えたってことは単純に考えて、一日にできる【演習】の回数が増えるって意味だから、」メメタァ

清原「やったね、大和! レベリングが捗るよ、演習番長!」メメタア

朗利「うんうん、この【派遣】の仕様は結構嬉しいな」

朗利「だって、編成任務で『○○艦隊を編成せよ』みたいな特定の艦娘が必要になった時、」メメタア

朗利「もし【演習】相手にちょうどよく必要な艦娘がいたら引き抜いて、そのまま任務達成に使えるもんな!」メメタア

石田「そうなのだよ。【旗艦】しか【派遣】されない制限があるが、これで第4艦隊を開放するのが非常に楽になるのだよ」メメタア

左近「【演習】のページ2に追加される公式配信の艦隊は、同じ艦隊編成でも【旗艦】が替わるようにローテーションしているので、」メメタア

左近「毎日【演習】のページとにらめっこしていれば、いつかは必ず公式の方から御所望の艦娘が【派遣】されるようになるでしょうね」メメタア

金本「へえ。それなら場合によっては『史実ネタ』もあるんだから、編成任務の艦隊まるごと配信される可能性もありなのか」メメタア

左近「そうなりますな。そうなったら、その艦隊をまるごと【駐留】してもらえれば編成任務はオーケーですよぅ?」

左近「ただし、【派遣】された艦娘は絶対に【旗艦】になれない――――――そこが【駐留】との最大の違いで、その辺は注意が要りますな」メメタア

清原「そっか。マンスリーやウィークリー契約で必要な艦娘を集めていったとしても、【派遣】の場合は最後は自分で穴埋めしないとか」メメタア

朗利「それはつまり、【派遣】艦6隻による艦隊編成は無理ってことか。ま、それが妥当だよな」

金本「完全にコピーの固定データってわけだから、装備を剥がしたり、好き勝手できたりはないんだな……(半PCのゲストってわけか)」メメタア

金本「よかったな、清原提督? 愛しの鳳翔夫人が【派遣】されたとしても派遣先での貞操は必ず守られるぞ?」ニヤリ

清原「…………冗談でもそういうことは言わないでください」ジロッ

金本「薄い本が厚くなる仕様だと思ったんだがな……(――――――『信じて送り出した秘書艦が(ry』なんてね)」

石田「その辺のことは左近提督や憲兵隊と一緒になって考えてあるから心配するな」

左近「派遣先でのトラブルやパワハラは恐ろしいからね。その辺は抜かりなく」

金本「ちぇっ」


――――――拓自鎮守府


愛月「では、早速 試させてもらいましょう!」

朗利「待て待て、新米。今回は試験運用だから、俺たちの登録はページ2の公式配信になっているぞ」メメタア

朗利「だからしばらくは第1艦隊の艦隊編成を変えられないし、」

朗利「こっちも【派遣】【駐留】してもらうことになってるんだから、他の鎮守府のみんなに恥ずかしくない編成をしないと」

愛月「あ」

朗利「確か、試験開始は明日の午前5時からだから、それまでにご自慢の艦隊編成をしてみてくれ」

愛月「え? いいのですか?」

朗利「何が?」

愛月「わ、私なんかにそんな大事なことまで一任して…………」

朗利「大丈夫だ。仲間内でやってることなんだし、俺のところが少数精鋭とロリロリ軍団しかいないのはわかりきっていることだ」

朗利「誰を送り出したって問題ないさ。あっちに行くのはデータであって、本物はこっちに残り続けるんだからさ」メメタア

朗利「それじゃ、今回ばかりは特別に精鋭たちから演習部隊を選抜してもいいぞ」

愛月「わーい!」

朗利「(ふふふふ! 今回、司令部からの必要経費で前回の【バッジ】で覚醒した超駆逐艦隊の元気玉で失った資源はバッチリ補填された!)」

朗利「(『人生、楽あれば苦あり』だよ、まったく! 『捨てる神あれば拾う神あり』ぃ!)」

愛月「それじゃ、彼女と彼女と彼女でぇ! そして、これで!」ワクワク

朗利「ほう? これは――――――」


戦艦:ビスマルク|装甲空母:大鳳

駆逐艦:Z1  |戦艦:長門

駆逐艦:Z3  |軽巡:五十鈴


朗利「…………ドイツの駆逐艦は完全にお前の趣味だろ」

愛月「ええ?! 園長だって、レーベちゃんとマックスちゃんを雷ちゃんと電ちゃんに換えた艦隊編成にする気じゃないですか!」

朗利「なぜわかったし!」

朗利「それで、――――――ビスマルクが【旗艦】でいいんだな? 今回はページ2でやるけど【旗艦】のローテーションはオフになってるからな」メメタア

愛月「うん! 海外艦にはもっと頑張ってもらいたいから!」

愛月「早く次の海外艦 来ないかな~? シャルンホルストとかプリンツ・オイゲンとかUボートなんていいよね~」

朗利「そうか……(――――――ビスマルク。俺はまだお前に言えそうにない。もう少し待っていてくれ)」



――――――趣里鎮守府


時津風「しれー、午前零時ですよー! あのー……しれー? 何してんのー?」

石田「……何ですか?」

左近「おっと。遅番じゃなかったはずだぜ、お嬢ちゃん?」

左近「これから俺たちは大事な用があるんでね、邪魔にならないように早く帰っておやすみしてくれないですかね?」

時津風「うー! そうやってまた――――――」


時津風「まるひとまるまる。しれー、真夜中に何してんのー? あたしにも見せてよ!」

石田「……またですか」

左近「おっと、いけませんよぅ? こんな遅くまでいつまでも起きてちゃ」

時津風「だって、退屈なんだもん!」

左近「そりゃまあ、今 鎮守府は増築(=新システム)は終わっても改築(=新インタフェース)の点検がまだでね」メメタア

左近「そんなに暇なら、夜間の警備のお仕事を手配してあげますよぅ?」

時津風「あ、ちょっと用事を思い出した――――――」


時津風「まるふたまるまる。しれー、あたしに隠し事とかよくない。よくないなぁ~!」

石田「帰ってください! 普通に邪魔です!」ジロッ

左近「俺を本気で怒らすとは――――――、これはお尻ペンペンだけではすませられないぜ?」ジロッ

時津風「だってだってぇ! いっつも提督は左近のおじさんと二人っきりで楽しそうにやってるんだもん!」

石田「これは遊びではないのだよ。全てはこの戦いに勝つために必要な――――――」

武蔵「そうだぞ、提督よ」ガチャ

石田「む、武蔵――――――、武蔵だと……!?」

左近「これは誤算ですな……」

武蔵「あれだけ私に熱烈に戦わせてくれていたというのに最近はそれがなくて、――――――寂しいぞ?」

石田「くっ、計算外だ。俺にも計算外のことがあるのか!?」

左近「殿……」アセタラー

石田「左近提督…………」アセタラー



時津風「まるさんまるまる。しれーと格闘戦すると疲れるー……。最後まで隠し通すなんて……」

武蔵「まったくだ。あの余所者が連れてきた一航戦の二人と二航戦の片割れ――――――そして、飛龍までも加わるとはな…………」

武蔵「しかし、二人合わせて一航戦(赤城&加賀)、二航戦(蒼龍&飛龍)、四航戦(伊勢&日向)の航空戦隊を持っているか――――――」

武蔵「やはり、時代は大砲ではなく航空機だというのか……」ウルウル

時津風「だ、大丈夫……?」

武蔵「これは単に私のワガママでしかないかもしれないが、提督にもっと私を使ってもらいたい…………」

時津風「寂しいね……」

武蔵「ああ。もうすぐ提督に手が届きそうだと言うのに――――――」


時津風「まるよんまるまる。まぁいいや。後で雪風たちと一緒に、しれーが寝たら探ろーっと」

武蔵「さっきから気になっていたのだが、どうして時報などしているのだ?」

時津風「だって、暇だし。暇な時にできることなんて時計を見ることぐらいだし」

武蔵「しかし、4時か。今日は、提督は寝ずの番なのか? ――――――いや、ここのところずっとだな」

武蔵「思えば私はお前よりも新参者だからまだ提督については無理解だが、なんとなくだが最初に会った時と変わったような気がする…………」

時津風「あ、そういえば!」

武蔵「どうした?」

時津風「最近 提督、左近のおじさんと一緒に私たち駆逐艦にもっとかまってくれるようになってくれた気がする!」

時津風「提督、普段は重巡のおねえさんたちを通してでしか指示 出してくれなかったし」

武蔵「ほう。確かに最初の頃は駆逐艦や潜水艦の出撃には秘書艦の空母や重巡を通してでしか指令を出してなかったような気がするな……」

武蔵「そう考えると、確かにあの余所者が来たおかげで鎮守府全体に活気がみなぎってきたような気もするな」

武蔵「それに提督は、『全体の勝利のために』私たちを使い潰すようなやり方はしない」

武蔵「なら、信じようではないか」


――――――皆が信じる提督が栄光を掴むことを。


武蔵「なあ、時津風」

時津風「何?」

武蔵「暇なのだろう? 今日は私がお前の相手をしてやろう。食事も一緒に摂ろう。それから――――――」

時津風「わーい! 武蔵おねえさんとは遊んだことないから楽しみー!」

武蔵「…………無邪気なものだな、まったく(――――――提督、待っているからな)」フフッ



石田「さて、もう間もなくだな」

左近「そうですな、殿。【演習】の場合の更新は午前・午後の3時ですけど、今日のばかりは特別ですぜ」メメタア

石田「さあ、更新だ!」メメタア


――――――○五○○!


石田「おお! ちゃんとページがめくれるようになっているぞ、左近提督!」メメタア

左近「ここまでは完璧ですな」

石田「そして、ページ2の公式配信枠には我々4人の鎮守府の第一艦隊が表示されているな」メメタア

左近「今回は、俺の艦隊と殿の飛龍を使わせてもらいましたぜ。日向も良かったんですけど、殿のところで一番レベルが高かったのが飛龍でしたんでね」


駆逐艦:漣   | 航空戦艦:伊勢
正規空母:赤城 | 正規空母:加賀
正規空母:蒼龍 | 正規空母:飛龍


石田「これはずいぶんと思い切った編成だな。潜水艦が来たら十中八九完封されてしまうぞ」メメタア

左近「まあ 昔はこれで通用したんですがね。――――――『時が経つ』というのは恐ろしいものですな」

左近「この艦隊の一番の目玉は、初期艦でありながら超レアドロップ艦の漣ですぜ」メメタア

石田「ふふっ、確かにな。図鑑を埋めるのに必死な連中からすればありがたい配慮だな」メメタア

左近「こんな感じに、戦術パズルや図鑑埋めに特化にした公式配信があったらおもしろいですよね」メメタア

石田「そうだな。全部 正規空母:Lv99 【流星改】ガン積みの見掛け倒しの艦隊を公式が用意するのもおもしろそうだな」メメタア

左近「そうそう。それで潜水艦の餌食になってもらいます」

左近「そして、【演習】ページ3の履歴でもう一度戦えて二度美味しいというわけです」メメタア

石田「そう、この新システムと新インタフェースが実装されれば、【建造】や【出撃ドロップ】の労苦を抑えて艦娘を手に入れやすくなり、」メメタア

石田「画一化されて来た【演習】の艦隊編成に様々な艦娘が顔を出すことになり、いろんな艦娘との交流が増えるというわけだな」メメタア

左近「もちろん、おさわり禁止なので【秘書艦】にしてどんな娘なのかを眺める楽しみはお預けですがね」メメタア

石田「純粋に大和やビスマルク、大鳳などの普段では運用できない大型艦にも手軽に触れる機会が増えるのが期待できる点でも一層楽しくなるだろうな」



――――――拓自鎮守府


金本「ほう? 趣里鎮守府のところは漣が旗艦か。それでこの編成――――――」

金本「確か、1つの選択項目に対して【演習】【派遣】【駐留】のどれか1つしか選べないんだったな」メメタァ

金本「(そう、厄介なことに【駐留】するに値しない艦隊だが、そのうち複数の艦娘を【派遣】したい時にはこれが一番のネックになる)」メメタァ

金本「だが! ページ3は履歴となっているので最初の1回は【演習】をやった後に【派遣】してもらうことも可能なのだ!」メメタア

金本「そして、これと思った艦隊と遭遇したら、まずは【演習】で無料で手を付けてみて、5つある履歴に登録したら艦隊編成を確かめるのだ!」メメタァ

金本「もちろん、5つの履歴をうまく繰り越してお気に入りの履歴を残し続けることも可能!」メメタア

金本「後は、めぼしい子がいるのを確認して予算を集めて【派遣】【駐留】するかを決める流れとなるわけだ」メメタア

金本「(ただし、履歴で一度選択した枠は次の定期更新まで選択できなくなる)」メメタァ

金本「(例えば、ページ3の履歴の1番上の艦隊を選択してからページ1で【演習】すると、)」メメタァ

金本「(その直後の履歴では1番上が先ほどのページ1で選んだ【演習】相手が来るのだが、そこを選択できなくなるんだっけな)」メメタァ

金本「(しかし、一番新しく選択した艦隊がリストの一番上に来るという履歴の性質を賢く利用すると――――――?)」ニヤリ

金本「何だこりゃ? 朗利提督のところのビスマルク、これ 改二ができる練度まで上がってるのに――――――あ」

金本「ああ そうか。朗利提督のことだから【勲章】がな――――――」メメタア

金本「しっかし、【演習】できる相手が増えただけでもレベリングが楽になっていいな。童貞くんが先に言ったことだけど」メメタア

金本「そういえば、童貞くんの艦隊編成は――――――っと」

金本「…………まあ、普通かな?(けど、他の鎮守府の連中と同じようにまじめに艦隊編成しているつもりはないらしいな)」

金本「――――――俺は普通じゃないけどな!」ワハハハ!


揚陸艦:あきつ丸 | 戦艦:陸奥
航空戦艦:扶桑  | 航空戦艦:山城
軽空母:龍驤   | 潜水母艦:大鯨

                    ・・・・・・
金本「しかし、あらかじめ説明があったからそういうものだとわかってはいるが、」

金本「【派遣】のシステムが実装された時の一般提督の反応はどうなるのだろうな?」メメタア

金本「運営は最低限の説明しかしないだろうから、本当に向こうの艦娘がこちらに来て派遣されてきたように思うのだろうかな?」メメタア

金本「それでもって、【ケッコンカッコカリ】と同じように薄い本の題材になって――――――」

金本「待てよ? そういう趣旨の薄い本はもうあったような…………」メメタア

金本「しかし、実際はそうじゃないことがわかっているから――――――」

金本「待て待て待て! それじゃ、この複製品はいったい何だ?! こんな精巧な複製品を不特定多数に【派遣】できるとなれば――――――」メメタア

金本「!?」ゾクッ

金本「いや待て。それ以上は言うまい。『世界は自分を中心に回っている』と考えていればいい……」アセタラー

金本「そうだ、触れてはならないんだ、そういうことは。せっかく利用できるものなんだし、プラスの部分だけ絞りとっていればいい…………」ドクンドクン

金本「うん? 俺たちβテスター以外の一般提督の連中でもざっと見たところ良い艦娘を取り揃えているな」

金本「旗艦は榛名か――――――別にいいか(【派遣】された艦娘は【旗艦】にできない――――――つまり【秘書艦】にできないからな)」

金本「ん――――――おお!? 龍鳳じゃねえか! 【派遣】決定! おいでませえええええ!」

金本「あ」

金本「βテストの段階だから、まだページ1の一般連中相手に【派遣】ができねぇ…………早く実装してくれ」orz



――――――洞庭鎮守府


清原「さてさて、今日も鎮守府の一日を始めよう――――――」ガチャ ログイン!

鳳翔「おかえりなさい、あなた」ニコッ

清原「ただいま」

清原「お?」

妖精「――――――」クイクイ

清原「謝礼が入ったぞ、鳳翔(……なるほど。ちゃんと時刻や契約内容も表示されるのか。これはわかりやすい明細書だ)」メメタア

清原「【流星改】ガン積みの【運】も極めた鳳翔を愛月提督はうまく使いこなしてくれるかな?」メメタア

鳳翔「確か【装備の変更】【近代化改修】【改造】ができないのですよね?」メメタア

清原「ああ。完全にロックされた固定データだからね。【近代化改修】の餌にもならない」メメタア

清原「だから、かえって艦隊編成の軸になるかもしれないな」

清原「『この場合の僚艦としてベストなのは【戦闘機】を積んで制空権を握れるスロットの偏った空母だな』ってね」

清原「『与えられたものの中でベストを尽くす』というのは【艦これ】を始めた提督の誰もがやってきたことだから『原点回帰』ってわけだね」メメタア

清原「ただ、この間の慰問で見た限りだと精鋭以外は本当に駆逐艦と潜水艦ばかりだったからなぁ…………」

鳳翔「そうですね。制空権を握れないと【攻撃機】は役に立ちませんから…………」

清原「――――――こんな風に具体的にできることが与えられて選択肢を絞り込むことによって効率的な運用の構想が練り固まっていくのだが、」

清原「私たちは幸運にも【お守り】の力で強力な装備を用意することもできたけれども、他がそうである確証はまったくない」

清原「場合によっては、練度は高くても中途半端な装備の艦娘が【派遣】される可能性も数多あるから注意がいるな」

清原「【艦これ】をやっているユーザーの全てが攻略Wikiやニコニコ大百科を参照しているとは限らないし、プレイスタイルも十人十色なのだから」メメタア

清原「【派遣】された艦娘は内部では固定データだから【装備の変更】もできない。間違えた装備をして送られてきたら腹ただしくもなるだろう」メメタア

清原「様々なメリットがある【派遣】システムだけれど、逆にそういったリスクも抱えていることも忘れてはいけない」メメタア

清原「それに、他力を使ってゲームを楽することが気に入らなければ【派遣】しなければいいことだし、その判断は当人次第」メメタア


清原「このゲームをしているあなたの好きなようにプレイして楽しんでもらいたい。それは許された権利であり、そのことを忘れてはならない」メメタァ


清原「だから、響とヴェールヌイを別々に育てて愛でたり、金剛をドッグいっぱいに集めたり――――――、」メメタァ

清原「ハゲるような思いに駆られるのは忘れて、たまに 自分がどうして【艦これ】を始めたのか その原点を振り返ってみて欲しい」メメタァ

鳳翔「あなた、ところで今回の編成はどういったものなのかしら?」

清原「ああ。とりあえず攻略には役に立たない編成にしてみた」ニッコリ


軽空母:鳳翔  | 戦艦:金剛
駆逐艦:島風  | 重巡:高雄
正規空母:赤城 | 戦艦:大和



――――――再び、拓自鎮守府


愛月「園長! 園長!」

朗利「どうした?」

愛月「あの……、この前 いらしてくださった洞庭鎮守府の鳳翔夫人を【派遣】してもらったんですけど……」

朗利「おお! 軽空母な上に【ケッコンカッコカリ】で燃費が最高で 練度も高いから序盤のお供としては最高じゃないか」

朗利「装備は? ――――――【流星改】ガン積み!? さすがは清原提督だな! 一級品だよ、ホント」

愛月「でも、それなのにあまり強いという感じは――――――」

朗利「どれどれ? いったいどこまで行った?」メメタァ

朗利「ああ……、艦載機を使う上で重要なのは、まず『戦闘機を使って最初に制空権を取る』ことだぞ?」

朗利「そうじゃないと【攻撃機】も【爆撃機】も活かせないからな。この2つは【戦闘機】で制空権をとった時に使うものだからな」

愛月「あ、そうだったんですか。【攻撃機】と【戦闘機】の違いってそうだったんですか」

愛月「けど、【派遣】してもらった艦娘の【装備の変更】はできないんですよね……」メメタア

朗利「そうだな。それを軸にして今後の対策を練っていくほかあるまい」

朗利「――――――昔、俺はどうしたんだっけかな?」

朗利「ああ そうだ! 最初に赤城を手に入れて快進撃を続けたんだけど、あまりに金食い虫だったことについにブチ切れて餌にしちゃったんだ!」メメタア

愛月「ええ!? 確か赤城ってレアリティが――――――」メメタア

朗利「うん。正規空母最強の加賀さんよりもレア」メメタア

朗利「幸い、長門と五十鈴が来てくれたからゴリ押しを貫いて、愛する第六駆逐隊の奮戦もあって航空戦力なしでやってこれたって感じだな」

朗利「そうだな。今だと【弾着観測射撃】が実装されているからゴリ押しもできなくなったんだがな……」メメタァ

朗利「そんなところに現れた俺の救世主:大鳳は、【大型艦建造】を開放する任務のついでにやってみたら2回目で出た」メメタァ

愛月「ええええええええ!? そんな軽い気持ちで?!」


朗利「うん。けど、大鳳にめぐりあえて本当によかったと思ってる」

愛月「どうしてですか?」

朗利「まず、装甲空母だから中破になっても戦えるのが一番大きいかな。――――――赤城とは違って! 赤城とは違って! 赤城とは違って!」メメタア

朗利「そして、強い! 従順! 優しい!」

愛月「はい」


朗利「――――――何よりもイイ身体してるから!」ドキドキ


愛月「おお! それには同意です、園長! いいですよねぇ、あの引き締まった身体つきと言い 脇と言い、――――――舐め回したいですよね!」キラキラ

朗利「ああ! だが、紳士協定には従えよ? 憲兵の御用になりたくなかったら」キリッ

愛月「はい!」

朗利「だが、さすがだな。クレイジーサイコレズにして変態淑女なだけはある。どんどん精進していってくれたまえ」ニヤリ

愛月「はい! 全力で参ります、園長!」ジュルリ

朗利「うむ!(俺は良き同胞を得たものよ!)」

朗利「正規空母にロリ要素を求めることはできなかったが、正規空母に匹敵する性能であの可愛さときたら反則級だ!」ドキドキ

朗利「だが、きみに大型艦はまだ早い!」

朗利「ちゃんと資源確保のやり方を覚えてからじゃないと吹っ飛ぶぞ、資源が!」クワッ

愛月「は、はい!」アセタラー

朗利「しかし、本題は鳳翔夫人を活かせる航空戦力の確保だったな?」

朗利「残念だけど、赤城を獲得できる任務は俺がとうの昔にやっちゃったしなあ…………」メメタア

愛月「そ、それじゃ! 【建造】で空母レシピをやってみて良さそうなのを引いてみせます!」メメタア

愛月「ええ できますとも! 園長が【大型艦建造】2回で大鳳を引いたように私もペロペロしたい艦娘ぐらい数回で引いてみせますよ!」メメタア

朗利「おう そうか。こちらで設定した最低ラインを切らない範囲でなら好きにやってくれ。今の時間はきみが提督だ」

愛月「はい!」

愛月「…………うふふふ(さあ、私の小鳥ちゃんたち、待ってなさいよー!)」ジュルリ






愛月「出ない時は出ないものねぇ……」ハア

朗利「どうだ? 鳳翔夫人のパートナーは引き当てられたか?」

愛月「6回目の【建造】ですけど、駆逐艦ばかりで…………」

朗利「ほうほう。駆逐艦、どれどれ――――――」キラキラ

愛月「…………今日はこれで最後にして明日から【出撃ドロップ】に切り替えよう」メメタア

愛月「さて――――――」チラッ


瑞鳳「瑞鳳です。軽空母ですが、練度があがれば、正規空母並の活躍をおみせできますよ」


愛月「軽空母キタワアアアアア!」

瑞鳳「あの……」キョロ

朗利「お、軽空母:瑞鳳――――――激レアドロップ艦だあああああ!(うわああ! 軽空母のロリ キタワコレエエエエ!)」メメタア

瑞鳳「えと、提督はどちらでしょうか?」オロオロ

朗利「あ、ほら。愛月提督(フィーヒッヒッヒ! でかしたぞ、後でスイーツ券を進呈してやろう)ニッコリ

愛月「あ、はい」

愛月「えと、私があなたの提督の愛月よ。これからよろしくね」ニッコリ

瑞鳳「はい!(何だろう? この人って――――――ううん! そんなことは関係ない! 軽空母でも正規空母のように頑張るんだから!)」

朗利「あれ? きみが持っているのは【艦爆】と【艦攻】か?」

瑞鳳「え? はい、そうですが……」

愛月「あ、瑞鳳。あの人はこの鎮守府の司令官よ。私の上司です」

朗利「朗利です。司令官や園長と呼ばれているので、そのように呼んでくれたまえ」ニッコリ

瑞鳳「わかりました、園長。これからよろしくお願いします」

朗利「そうか。きみは正規空母のように頑張ってくれるんだね? 待っていたよ、きみのような健気な娘を(ええ、いいロリっ娘ですわあ!)」

朗利「愛月提督は新米だが、これでもきみの上司だからちゃんと敬意を払って、部下として支えてやってくれ。期待しているぞ」

瑞鳳「はい!」ビシッ

朗利「いい返事だ(ああ~癒やされるわ~)」

朗利「それじゃ、愛月提督は監督者として責任持って我が鎮守府の案内をなさい。期待の新戦力として仲間入りさせてくれ」

愛月「はい。わかりました、園長」ビシッ

愛月「では、行きますよ、瑞鳳」パシッ

瑞鳳「うん。よろしくね、提督」


スタスタスタ・・・



朗利「…………うふふふ」ジュルリ

朗利「――――――っといけない」ピタッ

朗利「念願のロリっ娘軽空母を手に入れたのに、“お艦”に必要な【戦闘機】を持ってなかったぞ」

朗利「しかたがない。彼女には悪いがスイーツ券進呈の代わりに【戦闘機】を用意してやるか」

朗利「――――――大鳳」パンパン!

大鳳「はい。提督」シュタ

朗利「早速だけど、愛月提督の新入りの娘に【戦闘機】をプレゼントしたい」

朗利「ついでにこの機に【烈風】をもう2つぐらい粘ってみよう」

大鳳「わかりました。すぐに準備しますね」ニコッ

朗利「うん」

コツコツ・・・

朗利「…………イイ」ドキドキ


――――――
ビスマルク「……………」

ニャーオ

ビスマルク「静かにして、オスカー……」
――――――











――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「今回は新インタフェース【要請】とそれに属する新システム【艦娘派遣】と【友軍艦隊駐留】をテーマに語らせていただいた」

司令部「諸君、これがプレゼンター渾身の提案である」

司令部「これからの物語も提案もこの【要請】を根幹に据えた内容となっていくので、どんどん役に立たない提案になっていくことは明言しておく」

司令部「恒例の説明の反復は今回はせず、直接 提案内容の背景と考察は――――――要らないか」

司令部「とにかく、プレゼンターの提案のほとんどは【艦これ】で足りないと思ったものやソーシャル要素の強化が主となってくる」

司令部「また、基本的にストーリー要素も皆無な一人用シミュレーションにやりこみ要素を追加してユーザー離れを低減しようという狙いもある」

司令部「物語としてはいよいよプレゼンターが思い描いていた構想・妄想・幻想が架空戦記として大々的に描かれていくことになる」

司令部「今回、中途半端なところで終わっているのも、次からの話の順番を諸君らの意見をもらって決めたいからなのだ」

司令部「まあ、どの提督&鎮守府が人気なのか――――――あるいはどの提督の在り方が諸君に近いのかを見ておきたいのだ」

司令部「それと、この物語の主役はあくまでも【艦これ】をやっている提督であり、艦娘ではないこと点をよくよく注意してもらいたい」

司令部「言うなれば、この物語風プレゼンの架空戦記は『バクマン。』や『GIANT KILLING』のようなメタフィクション志向の物語である」

司令部「では、次回に向けて4つの鎮守府それぞれの独自の物語の導入をするので、どの物語を先に読みたいかを答えていってもらいたい」

司令部「それでは、ここまで長々と付き合っていただきありがとうございました。もし機会があれば次もお読みになっていって欲しい」

司令部「そして、具体的なコメントを残してくれると大変ありがたいです」


――――――第5話 艦娘、派遣します 完            Next:第6話 ???? に続く!



各話リスト:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】

第1話 ユウジョウカッコカリ
第2話 お守り
第3話 御旗と共に
第4話 愛の力
 ↓
第5話 艦娘、派遣します ←――――――今回
 |
 |(次の4話の話の順番のコメントをお願いします!)
 ↓
第?話 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
第?話 提督、出撃す     -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫-
第?話 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-
第?話 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために-
 ↓
第?話 大本営の野望      -艦娘 対 超艦娘-
 ・
 ・(以下、内容が追加されるかも)
 ・
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-




――――――洞庭鎮守府


清原「またウィークリーの謝礼が――――――(愛月提督にとって鳳翔は救世主だったというわけか……)」ペラ・・・

清原「なるほどね。こうして継続的に謝礼を貰い続けることができるってわけか(軸にした戦術を崩したくないからなかなか契約解消ができないわけか)」

清原「履歴も5つあるからリピーターになるのも余裕ってことか(そりゃそうだよな。燃費いいし限界突破した上で【流星改】ガン積みだもん)」メメタア

榛名「提督、榛名はいつでも準備万端です」

清原「今日も元気だな、榛名(さて、ここ最近 みんな金剛型を使い始めてるんだよな。しかも、あの金本提督が榛名だもんな。ヤな感じだ……)」

榛名「はい」ニッコリ

清原「さて、今日も大和の【演習】に付き合わないとな――――――あれ?」

榛名「どうしたんですか、提督?」

清原「おかしいな? ページ2は公式配信でまだβテストで私たち4人しか参加していないはずなのに、――――――5つ目が存在してる」メメタア

清原「…………顔触れは? そもそもこれは何処の誰の艦隊なんだ?」

清原「何? ――――――旗艦「天城」だと? そんな艦娘なんて居たか? 未実装艦か?(あれ? 何か違和感を覚えるんだが……)」メメタア

清原「なあ、榛名? 「天城」って名前の艦を知っているか?」

榛名「あ、提督。『天城』って言ったら雲龍型空母の2番艦のことですよ」

清原「――――――雲龍型か。その1番艦:雲龍は今年の夏イベントのボーナスだったな、くそぅ」メメタア

榛名「そう……、憶えてます」

榛名「――――――呉軍港空襲」

榛名「……その時に一緒に居ましたから」

清原「…………旧大戦の終戦間際の3度に渡る大空襲か」

榛名「ああ……、鳳翔さんも近くに居たんですね」

清原「何だ? 司令部が気を利かせて新着艦の先行配信サービスでも始めてくれたのか? そういうサービスも有りだとは思うが」メメタア

清原「ともかく、初めての相手だ。新着艦っていうのは新しい装備を持っているのが特徴だからな」メメタア

清原「これはぜひとも【派遣】してもらわないとな――――――いや、待て。まずは【演習】をして他に真新しい戦力が混じっているかをだな」ブツブツ

清原「(けど、なんで私は金本提督の艦隊を【駐留】させているのだろうな? おかげで図鑑は埋まったが…………)」

清原「(そして、改めて金本提督の艦娘への愛というものを強く感じたな。あの時の言葉は決してホラではなかった――――――)」

清原「(――――――あきつ丸と大鯨にガチ装備させているところがな! そして、不幸姉妹のレベルがカンストしているのも!)」メメタア

清原「さあ、大和! 【演習】開始だ――――――って何だこれ!?」ガタッ

榛名「え!? ええ!?」


「天城」「赤城」「加賀」「土佐」「長門」「陸奥」――――――全部【戦艦】だと!?




清原「ちょっと待て待て! 幸い こちらには“イムヤ”が居るから完封だけど、何だこのメンツは?!」

清原「赤城と加賀が【戦艦】!? それだってはわかるんだけど、加賀が若い! サイドテールしてない! 赤城はそっくりそのままなのに?」

清原「げえ!? 長門と陸奥より強いぞ、この未確認戦艦4隻! さすがに大和には及ばないがとんでもない強さだぞ、これ!」

清原「それに雲龍型2番艦って話なのに「天城」が空母じゃない! しかも雲龍と全然似てないし、むしろ赤城と加賀に似てるというか……」

榛名「え? 雲龍型空母じゃない天城って――――――あ!(そう、そうとしか考えられない! この艦隊の面々は――――――!)」

清原「あれ? そういえば、これは【演習】ページ2の公式配信用だから対戦相手の情報は全て開示されている仕様だったはずじゃ――――――」メメタア

榛名「提督。これって、もしかして――――――」


――――――八八艦隊じゃありませんか?


清原「――――――『八八艦隊』だって?」

清原「すまないが榛名、『それ』が何なのかわからない(そんな変な名前の艦隊なんてあったっけ? 人名じゃないとすると何が『八八』なんだ?)」

清原「けど、これは【駐留】させるに限る! ――――――いや、長門と陸奥は要らないか(ダメージからして大した装備を積んでないようだし)」

清原「【演習】結果もさすがに戦艦6隻相手に完全勝利とはならなかったが――――――、ともかく未確認艦4人を【派遣】だ!」メメタア

清原「けど、…………本当に司令部が先行配信したものなのだろうか? ともかく目新しいからには確保だ確保!」メメタア

榛名「これはいったい…………?」



少年「ここが護国の英雄となった父さんと母さんの思い出の場所か。ようやく会えるんだ……」フラッ



しまった。投稿ミスです。

コメントよろしくね?


清原「ちょっと待て待て! 幸い こちらには“イムヤ”が居るから完封だけど、何だこのメンツは?!」

清原「赤城と加賀が【戦艦】!? それだってはわかるんだけど、加賀が若い! サイドテールしてない! 赤城はそっくりそのままなのに?」

清原「げえ!? 長門と陸奥より強いぞ、この未確認戦艦4隻! さすがに大和には及ばないがとんでもない強さだぞ、これ!」

清原「それに雲龍型2番艦って話なのに「天城」が空母じゃない! しかも雲龍と全然似てないし、むしろ赤城と加賀に似てるというか……」

榛名「え? 雲龍型空母じゃない天城って――――――あ!(そう、そうとしか考えられない! この艦隊の面々は――――――!)」

清原「あれ? そういえば、これは【演習】ページ2の公式配信用だから対戦相手の情報は全て開示されている仕様だったはずじゃ――――――」メメタア

榛名「提督。これって、もしかして――――――」


――――――八八艦隊じゃありませんか?


清原「――――――『八八艦隊』だって?」

清原「すまないが榛名、『それ』が何なのかわからない(そんな変な名前の艦隊なんてあったっけ? 人名じゃないとすると何が『八八』なんだ?)」

清原「けど、これは【駐留】させるに限る! ――――――いや、長門と陸奥は要らないか(ダメージからして大した装備を積んでないようだし)」

清原「【演習】結果もさすがに戦艦6隻相手に完全勝利とはならなかったが――――――、ともかく未確認艦4人を【派遣】だ!」メメタア

清原「けど、…………本当に司令部が先行配信したものなのだろうか? ともかく目新しいからには確保だ確保!」メメタア

榛名「これはいったい…………?」



少年「ここが護国の英雄となった父さんと母さんの思い出の場所か。ようやく会えるんだ……」フラッ



Next:第?話 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- に続く!


――――――斎庭鎮守府


金本「ふんっ! ふんっ! ふんっ!」(腕立て、腹筋、砲丸投げ――――――!)


金本「でやっ! ふんっ! うおおおおおお!」(軍刀を片手で振り、バーベルを持ち上げ、錘をつけて生活をし――――――!)


金本「――――――!」(水泳にバイクに走り込み――――――!)




金本「ほらよっと!」ヒョイ

龍驤「ちょっ、提督?!」カア

大鯨「え、えーっと……提督?」カア

金本「どうした? お前たちぐらいなら片手で持てるってことだ」

龍驤「さ、最近のきみぃ、艦娘のウチら以上に頑張ってない? あんま無茶せんといて」

金本「はははは…………ますます可愛く見えるなぁ」ニコッ

大鯨「て、提督! ずっとこのままは――――――」

金本「ふははは、今日の俺は最高にハイってやつだから、たまにはお前たちの世話をしてやろうかと思ってな」

金本「お疲れでしょう? 俺がお二人を好きな場所へと連れていってあげますよ」

金本「ほらよっと!」

龍驤「うわ、ちょちょっ……」

大鯨「あ、ああ……」

金本「どうだい。俺よりも頭が高くなった感想は?」

龍驤「ちょ、ちょっと、本当に恥ずかしいからやめてぇや。ほ、ほらみんな見てるしぃ……」ドクンドクン

大鯨「う、嬉しいかも……」ドキドキ

金本「見せつけてやろうぜ? ――――――出発進行!」

タッタッタッタッタ・・・

山城「ああ 不幸だわ…………(最近、提督がかまってくれない…………)」

扶桑「…………はぁ(それどころか、あまり艦隊行動もしなくなって顔を合わせることも少なくなってきたわ……)」




金本「………………フゥ」

金本「最終的に扶桑と山城を片手で持てるようにならねえとな(――――――もちろん、まずは艤装無しでだが)」

あきつ丸「提督殿。本日もお疲れ様でした」

金本「おう。今日、ようやく龍驤と大鯨を片手で持てるようになったから、今度はお前を片手で持てるようにしてみようかな?」ニヤリ

あきつ丸「て、提督殿はいつもそうやって……」カア

金本「だってよぉ? 2014年夏のAL/MI作戦の北太平洋MI諸島近海ではお前が大活躍だったじゃん?」メメタア

金本「陸軍の意地ってやつを見せてもらったぜ。陸軍式『(ダブル)烈風拳』『(双撃)紫電掌』『牙突零式』とかとか」メメタア

あきつ丸「そ、それは本当に恐悦至極であります」テレテレ

金本「俺は前々から船娘の待遇改善のために案を練ってきたわけよ。それともう1つ――――――まあいいや」

あきつ丸「?」

金本「けど、今の公式の新実装のペースだといつまで経ってもお前の先輩後輩の登場なんて期待できねえじゃんか」メメタア

金本「そこで、俺が考案した新システムで突破口を開くってことよ」メメタア

金本「期待しててくれよ――――――」プルルル・・・

あきつ丸「あ、お電話であります、提督殿」

金本「おう」ガチャ

金本「俺だ。――――――そうか。わかった。すぐにいく」ガチャリ

金本「よし、今日の鎮守府の活動はここまでだ。夜勤に入るぞ。当直を喚べ」

あきつ丸「はい!」ビシッ


――――――斎庭鎮守府 隣:金本邸


剛田「久しぶりだな、金本。海軍のカネを使ってこんな豪邸を建てやがって」

金本「そういうお前こそ、陸軍で期待の星なんだって? その立場を利用してガイノイドをいくつも個人所有してるって話だが?」

あきつ丸「将校殿でありますか? お初にお目にかかります、自分は陸軍所属のあきつ丸と言います」ビシッ

剛田「おっと。やっぱり国産の船娘は最高だな。この肌の質感と言い、人間そのものだな」ナデナデ

あきつ丸「はっ! お褒めいただき光栄であります!」

お銀「………………」ジー

お輪「………………」ムスッ

あきつ丸「あ、お銀殿、お輪殿。またお会いできましたね。これからよろしくお願いするであります」

お銀「負ケナイ」

お輪「ウン。コンナ身体ダケド年季ノ違イッテノヲ見セテアゲル!」

あきつ丸「え? あの…………」

金本「ふ~ん」チラッ

剛田「どうした?」

金本「なあ、剛田。ガイノイドだって人間らしいものはあるようじゃないか。慣れれば割りと可愛いじゃないか」

お輪「…………!」カア

剛田「まあな。こいつらは可愛いよ?」ニヤリ

お銀「将校殿…………」ポッ

金本「うん。言うとおりだな」


剛田「しっかし、海の向こうの国は皇国とは違って現実的過ぎてこんな外見のやつしか造れなかったんだろうな」

剛田「アメコミとMANGAの画風の違いを見れば一目瞭然だろう? あっちは擬人化が下手なケモナーが多いようだしな」メメタア

剛田「やっぱり、西洋は物は物でしかない考え――――――我が国には付喪神や妖怪の伝統があるから物を人間に見ることができるのだろうな」

金本「それで、お銀とお輪は何の擬人化なのだ?」

剛田「ん? ――――――自転車だが。だから見た目に反してかなり軽いぞ?」

金本「へえ、どれどれ」ヒョイ

お銀「ナッ!? 何ヲスル、提督殿!?」ドキッ

お輪「コ、コンナコトサレルノハ将校殿以外ニハサセタコトガナイノニ!」カア

剛田「へえ、金本。お前も鍛えてるんだな」

金本「なるほどね。道理で船娘と比べて幼い印象があると思ってたんだ」

金本「ガイノイドだからメカメカしいところはあるけど、それが違った趣きを出してイイな」

剛田「わかるか、金本! そうなのだよ、世間では艦娘ばかりが持て囃されているがガイノイドも悪くないものだぞ!」

あきつ丸「そ、そうなのでありますか、提督殿?」ハラハラ

金本「ああ。これも立派な人間だよ」

お銀「ソ、ソレガワカッタノナラ早ク下ロシナサイ、提督殿……」フフッ

金本「はいよ」

剛田「ほら、お輪。撫でてやるからこっち来いよ」

お輪「…………ハイ」テレテレ

剛田「金本、少しは見直したぜ」ナデナデ

剛田「今度は俺のところに招待してやるからお気に入りの艦娘を連れて酌させながら語り明かそうぜ。それでガイノイドの良さをもっと知ってもらうぜ?」

金本「ああ いいぜ? 伝統的に仲が悪い陸軍と海軍の歴史的な融和でも果たそうか。――――――『女への情愛が世界を救う』ってな」

男共「わははははは!」

あきつ丸「――――――提督殿? ――――――将校殿?」

お銀「オ二人ガ話サレテイル内容ガ理解デキルカ?」

お輪「全然ダメデアリマス…………(デモ、ナデテモラエルノデ楽シミデアリマス)」ウキウキ




剛田「さて、お前の提案してくれた暗号名:『○四』のことだが、――――――実用化に向けて陸軍の協力が得られたぞ」

金本「そうか!」

剛田「次いでにだ」

金本「ん?」

剛田「陸軍でも独自に暗号名:『○二』の開発を再開したいという申し出があった」

金本「別にいいよ。『○四』が俺の希望通りのものになってくれれば。――――――『○二』に対する予算は出さねえがな」

剛田「そうか。まあ【秘密工廠】と実験部隊をお前個人から提供してもらっていることだし、『○二』の開発ぐらいは責任を持とう」

剛田「しかし、大根まるまる一本を弁当にしていたようなお前が今では資源王として国家の命運を左右する計画の主翼を担うことになるとはな…………」

金本「やっぱり世の中 カネなんだよ、カネ」

金本「そして、そのカネが流れるところを押さえたやつがこの世を制するというわけでして」

金本「歴史を紐解いていけば、海運を司る都市がいつだって栄えてきたんだ。――――――海の男が儲かるのは当然の話だろう?」

剛田「そうだな。今の御時世だと陸軍の仕事は憲兵ぐらいしかないからな」

剛田「しかし、本当に『○四』を使うというのか、――――――お前自身が? ガイノイド技術の導入で製作は不可能ではなくなったが」

金本「ああ。これで人類は深海棲艦に対抗する足掛かりを得たというわけだ」


剛田「おかしなことだな」


金本「……なに?」

剛田「この大地を守るべきはそこに存在する我々人間の義務と責任だからこそ、陸軍は旧態依然の兵器に自ら搭乗して戦っている――――――」

剛田「我々 陸軍船舶司令部が陸軍の代表として海上陸戦機動歩兵『○二』の開発に躍起になっているのも離島などの国土防衛を容易にするためだ」

剛田「しかし 海軍は、人間一人ではとても扱えない軍艦をたった一人の擬人類に集約させた究極の生体兵器を使っているのだぞ?」

剛田「つまりは、戦闘は艦娘に任せて、その指揮官であるお前は戦術や戦略だけやっていればいいはずだ」

剛田「今の海軍には士官と下士官はいても、戦場においては兵卒は要らなくなったということなのだ」

剛田「それなのに、どうしてその指揮官であるお前がわざわざ戦場に出ようとする? みすみす死にに行くようなものだぞ」

剛田「お前が死んだら、このすぐ隣にある鎮守府はどうなるというのだ。それにこの豪邸だって、お前がケッコンしてきた艦娘たちだって――――――」


金本「耐えられなくなっただけだよ」



剛田「は?」

金本「知ってるか? 海の向こうの国ではガイノイドの他にも無人兵器なるものを開発したらしいぞ」

剛田「何だ藪から棒に――――――だが、それは本当か? だとしたら脅威だぞ」

金本「けど、何て言うんだろうな? 資料の文面に載っていたことなんだが――――――、」

金本「無人兵器って書いて字のごとく、人が乗らないから撃墜されたり事故をおこしたりしても操縦員に危険はないことはわかるだろう?」

剛田「ああ。陸軍ご自慢の戦車は一人では動かせないからな。無人機化あるいは擬人化できたらさぞ楽だろうな」

金本「それでな? 向こうにはどうやら超長距離に映像を送受信できる技術まであるらしいから、操縦員は長い期間 戦地に派遣されることもないらしい」

金本「任務を終えればそのまま自宅に帰ることも可能なんだってな」

剛田「なにぃ?! それじゃ、最初に無人機と戦わせて敵軍を消耗させたところに本隊が強襲することも容易ではないか!」ガタッ

剛田「実質的に戦力が無人機の数だけ倍になるのではないのか、それは!? ――――――『一人1台の鉄の守護獣を!』って感じに!」

金本「ああ。最初にそんな技術が海の向こうで実用化されたことを知って心底驚いたよ」

金本「けど、調査報告には続きがあってだな――――――」


――――――しかしながら、使っているうちに操縦員の頭がオカシクなっていくらしいんだよ。


剛田「は」

金本「俺も最初に読んだ時は理解できなかった」

金本「けど、俺が提督になって艦娘たちを戦場に送り出していくうちに段々とわかってきてしまったようなんだ……」

剛田「待て待て待て! いくら【艦これ】が『現代日本風の異世界』の話だからってさ――――――」メメタア

金本「伝わらないか――――――そうだな。確かに無人機と擬人類は自律化させる点で同じでも趣向が違うもんな」

金本「何て言えばいいんだ? ――――――そうだ。あれだ、あれ」

金本「太宰 治の『走れメロス』みたいに、『待つ側と待たされる側』それぞれの苦悩ってやつがあるんだよ」

金本「けれども、『待つ側』と『待たされる側』って普通に考えてどっちが苦しい立場だと思う?」

金本「これを今の戦争に置き換えたら、どうなると思う?」

剛田「それは…………」

金本「俺はただ戦地に艦娘を送り出すだけだ――――――だが、艦娘は戦地に送り出されて生きて帰ってこれる保証はない」

剛田「何を言っている? お前は一度もたりとも誰一人として艦娘を轟沈させたことはないだろう?」

剛田「あ」

金本「………………」

剛田「お前はたった一人で艦娘たち全員のことで――――――そうか。艦娘にとっては自分さえ無事であればそれで済む話だが、」

剛田「艦娘の命を全て預かっているお前としては誰一人として欠けることは――――――」

金本「そうだと思う。たぶん、俺はそんな状態になりつつあるんだと思う」

剛田「………………」

金本「………………」

剛田「……そうか。お前、頭がオカシクなってきたわけか」


剛田「確かに、艦娘は自律兵器だ。そういう意味では無人兵器と全く同じだ。それでいて人間と限りなく近い存在なのだからな」

剛田「――――――お前、案外肝っ玉の小さいやつだったんだな。今までの豪胆さは虚勢だったってわけか」


金本「俺の無茶に中身をくれたのは、他でもない艦娘たちだ。俺に必死に応えようとする俺が愛する家族のみんなだ」


金本「だからこそ、…………怖いんだよ」ブルブル

金本「――――――何もしてない自分が」

金本「正直に言えば、人から外れていることを続けている自分であることが怖い。こんなことをやっていて大丈夫なのかと不安でいっぱいだ」

金本「けど、人と同じことをするのはもっと嫌だ。人と同じことをしたら誰も俺を見てくれはしない……」

剛田「だから、『艦娘たちと同じように自らを死地に置いて安心感を得よう』ってわけか」

剛田「悪い意味で、――――――『常在戦場』だな。または『絶倫』とも言うな」

金本「何とでも言ってくれ。お前ぐらいしかこんな俺に張り合ってくれるやつはいないからな……」

剛田「結局 お前はとんでもない“かまってちゃん”だったわけか」

剛田「それがたまたま提督としての豪胆な作戦指揮として見られてきただけであって、貧乏人根性は抜けきってないわけだ」

金本「………………」


剛田「よし、わかった! この件については俺が責任持ってお前を死地に送り込んでやるよ!」


剛田「元々『○四』はそういうものだったからな」

金本「…………すまない」


剛田「けどよ? お前のわがままで困るのは海軍だけじゃねえんだからな?」ジロッ

剛田「そこのところを弁えてねえのなら、俺が国家反逆罪でお前を突き出して国に裁かせるからな」ジー

剛田「『○四』が実用化されれば、日本男子の誰もが国民の憧れである艦娘と同等の戦士になれる誇りと喜びに打ち震えることだろうよ」

剛田「確かにお前のおかげで我が陸軍にも光が差すようにはなるが、それはつまりは戦火が拡大して必然的に戦死者も増えるってことだ」

剛田「死ぬのが怖いわけじゃない。お前が言う『待つ側』の苦しみが一層重たくなることを危惧してのことだ」

剛田「それに、人間が自ら洋上で戦うことを選び出したら、『何のために艦娘なのか』艦娘の存在意義が失われるのだ」

剛田「結果としては、お前が可愛がってる鎮守府の艦娘どもの居場所を奪う結果にもなりかねない」


剛田「そこをわかっているのか、金本! お前がこれからやろうとしていることの意味が!」


金本「……わかってるよ」

金本「それに、『○四』単独では艦隊決戦に参加することもできない。結局は艦隊の援護しかできないはずだ」

金本「そして、『○四』は戦艦にも空母にも巡洋艦にも駆逐艦にも潜水艦にもなれない性能だ」

金本「精々【支援艦隊】での援護にしか使えないはずだ。揚陸艦と同じく」

剛田「お前が我々陸軍の船娘:あきつ丸を大切に扱ってくれていることには感謝している。そのために『○四』を提案してくれたのも」

剛田「――――――死ぬなよ? 今度は俺や艦娘たちが『待つ側』になるんだからな」

剛田「これに満足したら、しばらくは艦隊指揮で満足しろ。いいな?」

金本「ああ。そうするよ」

剛田「よし。今から試作した『○四』を起動させてみよう。全てはそこからだ」

金本「よっしゃあ! 待ちに待ったこの時が来たぜ!」

剛田「相変わらず切り替えの早いやつだ」ヤレヤレ

金本「ウジウジしたところを見せないのがいい男の条件よ?」


金本「ここらで内弁慶じゃないってところも見せてやらないとな!」ガシャコーン! ブゥン!


Next:第?話 提督、出撃す     -船娘の意地・陸軍の意地・男の浪漫- に続く!


――――――拓自鎮守府


比叡「19時。できたー! 自慢のレシピ、比叡カレーだよ! さあ、食べて!」

愛月「わーい!(清原提督が慰問してくれた時に食べた比叡カレーは本当に美味しかったから、また食べられて感激!)」パクッ

愛月「…………アレ?」ピタッ

比叡「どうですか?」ドキドキ

愛月「……ウ」アセダラダラ

比叡「あれ? 提督? 提督ー?」オロオロ

愛月「」バタン

比叡「ひえええええええええ!?」

愛月「」ピクピク


――――――ああ 可愛い。比叡 可愛いよ。思わず抱きしめたくなるぐらいに…………グハッ




朗利「ふむふむ。あれから着実に愛月提督は戦力を増強していったな(もちろん、俺好みの“幼女の中の幼女”の資質を備えた艦娘がな)」

鳳翔’「はい。どうぞ、朗利提督」コトッ

朗利「毎週毎週【派遣】してもらって悪いね」

鳳翔’「いえ。今の私はコピーに過ぎませんが、朗利提督からあれだけ盛大にケッコン祝いをしてもらったのです」メメタァ

鳳翔’「これぐらいのお返しはさせてくださいね」ニッコリ

鳳翔’「それと、今度 洞庭鎮守府にお越しになったら私の店を訪ねてくださいね。主人と一緒にうんとおもてなししますから」

朗利「そうさせてもらうよ、鳳翔夫人。楽しみにさせてもらう(やれやれ、鳳翔夫人はウィークリー契約の【派遣】艦娘なのにねぇ……)」

朗利「(それがすっかり愛月提督の戦力の中核――――――不動の地位にいるよ。飯も旨いし、拓自鎮守府の新しい顔役にすらなっている)」

朗利「(まあ、能力ほぼカンストで【流星改】ガン積みの低燃費の優良軽空母だから、その完成形を労せず【派遣】で使えるんだから、当然か)」メメタア
                                    ・・・・・
朗利「(これが【派遣】の怖いところでもあり、魅力でもあるんだよな。けど、装備は固定――――――ここが絶妙だな)」メメタァ

朗利「しかし、清原提督が洋食、鳳翔夫人が和食、大和が高級料理で、美食家が唸るような豪華な布陣でございますな、洞庭鎮守府は」

朗利「他の鎮守府で不味いと評判の比叡カレーも清原提督の手にかかれば天下一品の御召艦カレーに早変わりですからね」

鳳翔’「もったいないお言葉です」

鳳翔’「あの比叡カレーは主人が厳しく指導したものでして――――――、」

              ・・
――――――ここにある食材でこれと同じものを作れるようになるまで人には絶対に振る舞うな!


鳳翔’「主人は最初に振る舞われた比叡カレーを全て食べきった上でそのまま厨房に立って腕を振るって手本を示したのです」

鳳翔’「それで比叡は一生懸命に主人の味に近づけようと努力したのです」

朗利「ああ。本当に美味かったよ、あなたのところの比叡カレー。清原提督が銀座の洋食屋の息子だというのも頷けるものでした」

朗利「――――――って! 悪飯艦カレーを平然と平らげた上でそのまま御召艦カレーを作ったんですか、清原提督は!?」

鳳翔’「なんでも、名のある洋食屋の息子として『自分で作った料理は責任持って処理する』ように躾けられてきたそうなんです」

朗利「…………はあ、敵わないな。自分の部下の作ったものまで責任持って食べきるなんて(それに、それが事実ならとんでもない胃袋だよ!)」

鳳翔’「そういう朗利提督も、菓子職人としては大変なお手前で、主人も大変褒めておりましたよ」

朗利「ははは……、俺にできることなんてそれぐらいしかなかったから、ね?」

朗利「だから戦闘は艦娘に全部任せて、俺はその代わりと言っては難だけど、資源確保と三時のお菓子のおもてなししかできなかったわけでして」

鳳翔’「自分にできることを精一杯にしてきたんです。立派ですよ、それは」

鳳翔’「もしそれが間違っていたのなら、実力派揃いの精鋭のみなさんがあなたにここまで信頼を寄せるということなんてありませんから」

鳳翔’「もっと自信を持って。主人――――――いえ、清原提督もあなたのことをうんと評価しているのですから」

朗利「ああ、マジ“お艦”だわ……(瑞鳳が“幼妻”で、俺の雷が“ロリお艦”でイイ味出しているけど、“お艦”は包容力が半端じゃない!)」

朗利「俺も頑張らないとな、紳士として(しかも、実際にケッコンカッコカリした人妻だからこその貫禄が、もうね!)」

鳳翔’「ふふふ」ニコニコ


鳳翔’「そういえば、朗利提督?」

朗利「はい?」

鳳翔’「今日は何の資料を読んでおられたのですか?」

朗利「ああ。俺たちがやってるβテストとは関係ないことなんだけど、――――――未実装艦が残りどれくらいなのかを調べていてね」メメタア

朗利「俺は今までイベントなんてものは先人たちの阿鼻叫喚を見て、やるだけ時間と労力の無駄だと思ってやってこなかったけど、」メメタア

朗利「紳士の俺としては駆逐艦はぜひともオールコンプリートしたいので、そろそろやってみようかと思いまして」メメタア

朗利「早く時津風たちをお迎えしたいのはやまやまなんですが、今までの傾向からしてイベントが始まる毎に駆逐艦の実装は確実なんで、」メメタア

朗利「それでこれからどんな娘が実装される可能性があるのか 旧帝国海軍の軍事資料を読み漁っていたんですよ」

鳳翔’「朗利提督らしい」クスッ

朗利「調べてみると、――――――鳳翔夫人。あなたは古参中の古参でありながらあの大戦を最後まで生き残ったんですね」

朗利「幸運艦と呼ばれている榛名ですらこの呉軍港空襲で大破着底しているのに、鳳翔夫人は損害警備だったとか」

鳳翔’「…………呉軍港空襲ですか。確かにそうでしたね」

朗利「【艦これ】において【運】の値は基本的に大破着底でもいいから終戦まで処分されなかったかで判断されているようでして、」メメタア

朗利「この呉軍港空襲での被害艦のほとんどが幸運艦になりそうだなぁーと」

鳳翔’「そうですね。三度に渡る空襲の中で生き延びることができたのは間違いなく運に恵まれていたからだと思います」

朗利「でも、この時のリストに名のある駆逐艦では梨ちゃんだけが沈没してるんだよな…………かわいそうに」

朗利「それで、この時の旧帝国軍の指揮官が金沢正夫中将で――――――」

鳳翔’「この鎮守府で言えば、比叡さんの副砲長をして天龍さんの艦長を歴任なさった御方ですね」

朗利「おお! やはり物知りですね」

鳳翔’「他の方より歳ばかり多いことが数少ない自慢ですから」

朗利「いえいえ! そんなことを言ったら、艦隊指揮がまともにできない俺なんて――――――」

鳳翔’「いえいえ! 主人が言っておりましたけれど、朗利提督は――――――」





朗利「ごちそうさまでした」

鳳翔’「ふふ、お粗末さまでした」ニッコリ

朗利「しかし、これから毎週金曜の比叡カレーを何とかしないと愛月提督が愛ゆえに死んでしまうな(俺の部下はクレイジーサイコレズだからな……)」

朗利「どうするべきかな? 俺は菓子作りには自信はあるけど、天下一品の御召艦カレーを作るほどの料理の腕前というわけじゃないからな……」

鳳翔’「あら、主人が言ってましたよ」


――――――『朗利提督には独自の補給路という武器があるのだからもっともっと料理や菓子作りに挑戦して祖国に広めて貢献するべき』だと。


朗利「あ」

朗利「そうだった。自慢じゃないけど今のこのご時世でどこの鎮守府よりも豪勢な菓子作りができているのはここぐらいだろうからな」

鳳翔’「凄い手腕だと思いますが、どうやって補給路の開拓を次々と成功させていったのですか?」

朗利「ああ。簡単簡単」

朗利「まずはめぼしい所でやってる生産者さんに私費で大量に投資をして気を良くしてもらうでしょ。俺、提督だからカネならたくさんもらってるし」

鳳翔’「はい」

朗利「そしてトドメに、鎮守府ご自慢の駆逐艦をたくさん連れて行っておねだりすればいちころよ」

鳳翔’「ああ…………」

朗利「趣味と実益を兼ね備えた完全交渉というわけだぁ!」ドヤァ

朗利「けど、比叡カレーなぁ………………御召艦のくせに味覚が狂ってるのかと思うぐらいの暗黒物質に作り変えちゃうんだもんな」

朗利「あれは清原提督がやったような有無言わさぬ何かが無いと絶対に改善されないだろうよ。そこが当面の問題かな……」

鳳翔’「そうでしたね……」

鳳翔’「あ!」

鳳翔’「1つ思いついたのですけれど、良いでしょうか?」

朗利「え、何です、鳳翔夫人?」

鳳翔’「慰問した時に、それは立派な“お菓子の家”を作ってもらいましたよね?」

朗利「ええ。基本的な作り方の指導や焼くのは俺がしましたけど、下準備から組み立て・飾り付けまで駆逐艦のみんながやってくれました」

鳳翔’「それよ! 比叡カレーをみんなのカレーに作り直しちゃえばいいんですよ!」

朗利「!」

朗利「なるほど! 確かに比叡一人に作らせるのが災いのもとなら、みんなで自慢のカレーを作るように試行錯誤させれば必ず変われる!」

朗利「ありがとうございます、鳳翔夫人! 慰問の時から清原提督共々 頭が上がりません」

鳳翔’「いえいえ、こんな私でもお役に立てたようで何よりですわ」ニコニコ

朗利「よし! そうと決まったら実行あるのみだ。クレイジーサイコレズの変態淑女の愛月提督も立派な部下だからな、助けてやらんと」

鳳翔’「平和ね。いいことだわ(そう。私はコピーだけれども、戦いが終わったら主人と一緒に――――――)」ニコニコ








長門「いったいどうしたというのだ、提督?」

五十鈴「そうよ。久々に呼び出したと思ったら、また何か良からぬことを企んでいるじゃないでしょうね?」

天龍「なんか久々だな。このメンツがこうやって揃うってのはよ?」

龍田「うんうん。天龍ちゃん、最近 提督が提督じゃなくなっちゃうんじゃないかってずっと心配してたからね。嬉しいんだよね?」ニヤニヤ

天龍「な、何を言ってるんだよ、龍田のやつ!」アセアセ

大鳳「みなさん、集まってくれたようですね」

朗利「集まってくれたのはこれだけか…………まあ、最近は愛月提督が代行しているから俺のことは忘れられているか」

長門「な、何を言っているのだ、提督!」

五十鈴「そ、そうよ! 今の鎮守府があるのはみんな提督のおかげなのよ?」

朗利「俺のことなんて精々“三時のおやつをくれるハンサムなおにいさん”というぐらいにしか思ってないんだろうな、新入りのほとんどは」

天龍「自分でそれを言うか、普通?」ヤレヤレ

龍田「呆れたように見えて、天龍ちゃんったら内心ではビクビクしてるんだから。かわいい」ニヤニヤ

天龍「だから、龍田! お前なぁ――――――」

大鳳「………………」


朗利「それでもやっぱりお前たちは来てくれた。感謝してるよ」


艦娘たち「!」

大鳳「…………」ニコニコ

朗利「何だったかな? ここにいるのは俺が司令部から試験的にもらった【褒章】を授与してやった昔馴染みばかりだな」

長門「そうだな。あれからずいぶんと経ったものだ」

朗利「最近は鎮守府の増築だの改築だので忙しくなって、愛月提督の育成のために大型艦の出撃も控えさせていたから暇だったろう?」

朗利「俺も雷たちとまともに会話できない日々が続いたから辛かった」

天龍「………………提督」

龍田「私たちもいるのよ、提督?」

朗利「ああ。わかってるさ。今も昔も遠征はお前たちが切り盛りしてるんだ。忘れるはずがないよ」

朗利「だから、こうやっておにいさんおねえさんが集まって鎮守府のこれからについて真剣に悩んだり 話しあったりすることがなくなって寂しかったよ」

朗利「そのくせ、俺は全てを愛月提督に放り投げて園長として安穏とした余生を送ることを考えてさえいたのだからな」

朗利「――――――すまないと思っている」

艦娘たち「!」

五十鈴「あ、あれは……、――――――そう、不幸な事故だったのよ! 誰も悪くない!」

長門「ああ! 誰もビスマルクのことを悪くなど思っていない! 勝敗は兵家の常――――――最悪の事態だって覚悟して戦場の立ってきたのだからな」

天龍「お、オレも――――――いや、オレの方こそ悪かったと思ってる。普段からあんな大口を叩いてどれだけ心配させていたのかも知らず…………」

龍田「うん。私もちょ~っと無理をしてきたことがあるから、これは反省」

朗利「………………そうか」

大鳳「………………」

艦娘たち「………………」


朗利「辛気臭くしてすまなかった。本題はそれじゃないんだ」パンパン!

大鳳「出番ですよ、みなさん」


比叡「ひ、ひええ……、き、緊張します……」ドキドキ

Z1「まあまあ。みんなで頑張って作ったんだし、愛月提督も美味しいって言ってくれたんだから自信持って、比叡」

Z3「そうよ。最初のあれと比べたらずいぶんマシになったんだから自信を持ちなさい」

瑞鳳「おかげで、千切りキャベツと豚カツをいやというほど作ることになりましたが、お弁当のおかずが増えて良かったです」

阿武隈「これでどこかの夜戦馬鹿には負けないところができたんだから! みんなもそうなのよ?ゴロゴロ・・・(サービスワゴンを押す)


龍田「あらあら~、ずいぶんと可愛らしい娘たちが来たね~」

天龍「愛月提督のところの艦娘か(やっぱり提督が後任に選んだだけあって幼い印象の艦娘が多いな、ほんと……)」

長門「何だ、それは? カレーのようだが――――――」

五十鈴「千キャベツにカツ、ソーセージ……? それにいつもの皿じゃない?」

朗利「これは金沢カレーだよ」

天龍「か、金沢……?」

朗利「そう。これから新作メニューとして取り扱うことにしたいからぜひとも試食をしてもらいたくてな」

天龍「なんだ。そういうことだったのかよ、驚かせやがって」ホッ

長門「これは間宮の新作なのか? それとも――――――」ギュルルルル・・・

比叡「えと、――――――はい」スッ

五十鈴「え……」

天龍「ま、マジかよ!? 確か愛月提督を一口で轟沈させたって話じゃないか! 清原提督のところの――――――いや 何でもない」
                   ・・・・・・・・
朗利「何を勘違いしている? 作ったのはそこにいるみんなだぞ」

比叡「あはは……」

龍田「ああ なるほどね~。『そこにいる比叡ちゃん』じゃなくて『そこにいるみんな』なんだ~」

比叡「は、はい…………お恥ずかしながら」

阿武隈「さあ食べて食べて。提督と園長と……あともう一人の人しかまだ味わってない特別なランチだよ」

大鳳「さあ、みんなでいただきましょう」ニコニコ

長門「お、おう! 腹が減っては戦はできぬからな!」ジュルリ

五十鈴「そんなこと言って、あんた ずっと非番だったでしょ……」


艦娘たち「いただきます!」




天龍「へえ、フォークなんだ。確かにカツやソーセージにはこれが一番だな」

Z1「みんなで試行錯誤して美味しいって言ってもらったものだから味の保証はしてあるよ」

Z3「そのソーセージはレーベが作った手作りよ。今日のは特別にできたてだから格別の味のはずよ」

龍田「カレーにソーセージ――――――」

朗利「お前たちは知らないだろうが、日本にソーセージをもたらしてくれたのは何を隠そうドイツなのだ」

朗利「旧大戦よりも以前の第一次世界大戦において旧帝国軍の捕虜となったドイツ人が広めてくれたものでな」

朗利「ドイツにはカレー風味のソーセージ:カリーブルストなるものがあるから、カレーとの相性はバッチリ確認済みだぜ」

朗利「まあ、これはカリーブルストそのものじゃなくてレーベちゃんがこのカレーに合うように作ってくれた特別品だ」

朗利「美味しくないはずがないぞ。ちゃんと味わってくれたまえ」

長門「ほう、そうなのか。これはいいものだ」

朗利「今でこそカレーは日本人好みに改良されたものだが、そのルーツはイギリスからだな」

朗利「そう考えると、比叡カレーのあれはイギリス由来だったのかな?(――――――メシマズ王国のあれ!)」

比叡「は、ははは…………」アセタラー

瑞鳳「ど、どうですか?」ドキドキ

龍田「うん。美味しい。特にこの小さな豚カツとドロっとしたカレーの組み合わせが妙にくせになるって感じ」

瑞鳳「ありがとうございます!」パァ

朗利「それで、食べてみた感想はどうだい? ――――――採用?」ニコニコ

長門「ああ! 今まで食べたカレーの中で3番目ぐらいの美味さだったぞ!」キラキラ

五十鈴「どうしてそんなふうに言っちゃうのかしら――――――うん、美味しかったわ。採用よ」

天龍「美味かったぜ、新入り共。味はもちろんだけど、オレはフォークを使って食べるところが特に気に入ったぜ」

龍田「うんうん。妙にくせになるよね~これ~」

大鳳「大好評のようですね」ニコッ

比叡「や、やった! やりました、みなさん!」

阿武隈「こんなあたしたちでもやればできる! みんな、ホントにありがとう!」

瑞鳳「はい! みなさんの力を合わせることで本当にいいものができました」

Z1「良かった。本当に」

Z3「そうね。最初はどうなるかと思ったけれど、なんとかなるものね」フフッ

朗利「おめでとう、みんな」パチパチパチ・・・

比叡「あ、ありがとうございます、園長! 私、やりました。頑張った甲斐がありました!」

朗利「うん。約束通り、金剛を愛月提督の配下に加えることを認めてやろう(――――――俺は金剛 あんまり好きじゃないからね)」

朗利「それで、再会したら驚かせてやれ。うんと褒めちぎられろ。――――――自慢の妹だって」

比叡「はい!」

比叡「みんな、本当にありがとう!」

朗利「そして、試作品の“みんなのカレー”の数々を全て食べきって天に召された愛月提督に冥福を――――――」ナーム


愛月「――――――死んでませんから、私ぃ!」バンッ!




比叡「あ、提督ぅー!」ギュッ!

愛月「遅くなってごめんなさい……!」ゼエゼエ

愛月「けど、――――――よくやった! よくやったよ、みんなぁ!」ギュッ!

愛月「よかった、よかった……」グスン

朗利「当然とはいえ、自分のところの艦娘たちを取りまとめてこの任務をよくぞ成功に導いてくれたな、愛月提督」

朗利「そろそろ、次の段階へと移っていこうか」

愛月「はい、園長……」

長門「……少しは認めてやらねばな」

五十鈴「そうね。いつまでも新米ってわけじゃないってことね」

天龍「おいおい? そうなったら愛月提督は俺らの提督とは違って実戦指揮もやってるからますます立場がなくなるんじゃねえか?」

龍田「あら~? そうなったら天龍ちゃんも愛月提督のところに行くのかしら~?」

天龍「ば、馬鹿! オレがそう簡単に“戦友”を見捨てるわけねえだろう!」

朗利「…………!」ピクッ

天龍「誰が何と言おうとオレたちの提督はどうしようもないようなロリコン野郎であって、そんなんでもオレは最後まで付いて行くぜ」

天龍「なあ、お前ら?」

長門「その通りだとも。むしろ、この鎮守府を支えてきた古参として提督の今までの成果と信頼をこれからも守っていかねばな」ビシッ

五十鈴「そうね。英霊たちのそれに比べたらずっとずっとちっぽけな功績だけれど、それが私たちの誇りでもあるから!」ドン!

大鳳「はい。これからも提督とともに在り続けましょう」ニコッ

龍田「私も」ニッコリ

天龍「というわけだぜ!」ドヤァ

朗利「…………ははっ」


――――――ありがとう、天龍。









ザーザー

朗利「――――――海だな」

朗利「…………考えてみると今日の金沢カレーは国際色豊かなものだったな」

朗利「本によるとカレーというのはインド亜大陸の香辛料を使った家庭料理を参考に創られたものらしい」

朗利「そこからイギリス経由で日本に伝わって日本の海軍カレーになったというらしい」

朗利「この海の向こうにはそんな見たこともない国や風土が広がっているのだな」

朗利「考えてみれば、【艦これ】に登場する戦艦っていうのは全部 超弩級戦艦の分類で、」メメタア

朗利「日本最初の超弩級戦艦:金剛はイギリス生まれだったな(――――――それを真似て比叡が悪飯艦になったのかはわからないけど)」

朗利「そして、世界は1つの海で繋がっているという」

朗利「海を渡れる船さえあればどこへだって行ける――――――見たこともないような新世界へと行くことができる」

朗利「けど、いつの頃からか深海棲艦によって海上封鎖されて久しくなった」

朗利「いったい海の向こうには人は居るのだろうか? そして、どんなふうに大人と子供が暮らしているのか――――――」

朗利「それは海上封鎖以前の豊かな時代だった頃の文献でしか偲ぶことができない」

朗利「我が鎮守府も北へ南へ東へと西へと艦隊を出撃させてきたが、祖国の防衛の任務を超えてその先の海域へと進出したことはない」

朗利「行ってみようかな、その先へ」

朗利「誰も見たことがない海の向こうにあるものを求めて――――――」


朗利「そうは思わないか、――――――ビスマルク」


ビスマルク「あ」

ニャーオ


朗利「ほらほらオスカー。おっと、今日はカレー臭いぞ。お前、苦手だろう?」

ニャーオ

朗利「まったく」フフッ

ビスマルク「アドミラール」

朗利「大好評だったよ、“みんなのカレー”」

ビスマルク「そ、そう! それは良かったわね……! この私が評価したのだから、と、当然よ……!」

朗利「ごめんな、俺がダメ提督で。通信機器の故障だったとはいえ、お前を轟沈させそうになった」

ビスマルク「い、いいのよ、そんなこと。あれは私の慢心が招いたことだったんだから……」

朗利「せっかく改二ができるところまでいったのに【勲章】があと1つ足りないな……」メメタア

ビスマルク「もういいのよ、そんなのは…………」

ビスマルク「私はただアドミラールがいつもどおりに笑ってさえいてくれれば、それで十分よ……」


朗利「らしくないな」ププッ


ビスマルク「!?」

ビスマルク「な、なによ! 人がせっかく心配してやってるのに!」

朗利「お前が俺に笑っていて欲しいのなら、お前も俺に構わずいつもどおりに振る舞って笑っていてくれよ」

朗利「そう言ったはずだよな?」

ビスマルク「あ」


朗利『何だ それは? 俺は怒るよりも愛する駆逐艦や潜水艦とのふれあいの中で少しでも長い時の中を笑顔でいたいんだよ』

朗利『だから、お前も笑顔でいてくれ。それでいつものように無邪気に威張っていてくれ。そこで見せる笑顔が何よりだよ』

朗利『子供っていうのは視線に込められた感情に敏感なんだ。目は口ほど物を言うからな』


ビスマルク「あ、あれってそういう意味――――――」

朗利「『安心させたい側と安心させる側』――――――その両方が笑顔にならないと誰も笑顔になれないってことさ」

朗利「『敏感ってことがわかる』ってことは『それがわかるほうも敏感』ってことでね」

朗利「みんな、お前のことを心配していたぞ?」

朗利「同郷のレーベやマックスが俺の後任の愛月提督の最初のパートナーに選ばれて、」

朗利「トドメに愛月提督の指揮で演習艦隊の旗艦に抜擢されてしまい、」

朗利「もう俺の許には完全に居場所がなくなったように思っていたようだが――――――、」


朗利「お前の提督はこの俺だ、ずっと。お前の居場所はこの拓自鎮守府の俺の許だ。だから、どこへも行くな」


ビスマルク「あ、アドミラール……」ドクン

朗利「ごめんな、こんな当たり前のことを言う勇気が今までなかったヘナチョコで…………こだわり過ぎたよ」

ビスマルク「………………」


朗利「ビスマルク?」

ビスマルク「………………」ポタポタ・・・

朗利「あ、えと、す、すまない…………はい、ハンカチ」

ビスマルク「あ、ありがとう……」グスン

朗利「………………」

ビスマルク「………………ねえ?」

朗利「何だ?」

ビスマルク「あなた、いつもいつも駆逐艦の話ばかりでよくわかんないことでキレて勝手に泣いてよくも散々振り回してくれたわよね?」

朗利「ああ。だがそれが俺のアイデンティティだ。諦めてくれ」

朗利「(最近は愛月提督の育成で上官になったせいか、その在り方がずいぶん変わってしまったけれど…………)」

ビスマルク「けど、駆逐艦しか興味が無い――――――いえ、私のこと嫌っていると思っていたあなたが私のためにあそこまで泣いてくれて…………」

ビスマルク「私、ずっとアドミラールのことを誤解してた……」

ビスマルク「それに、アドミラールのところの艦娘たちもこんな私を気遣ってくれて…………」

朗利「なら――――――」

ビスマルク「でもそれは『私の勘違いかもしれない』って思うと、アドミラールに会うのが急に怖くなって…………」ブルブル

朗利「ビスマルク……?」

ビスマルク「私、アドミラールが居なかったらずっと独りだったかもしれないって言うのに、私は今までアドミラールに…………!」グスン

ビスマルク「レーベやマックスとは違って、ずっと生意気ばかり言って困らせて、ほんとにごめんなさい……」ポタポタ・・・

朗利「…………そっか。その辺は普段の俺の態度にも問題があったのか」

朗利「ほら、泣くな」ナデナデ

ビスマルク「あ」

朗利「………………」スゥーハァーー

朗利「わかったよ。言うよ。どうせこれから長い付き合いになっていくんだしさ。正直に言います」

ビスマルク「へ」




朗利「俺はビスマルクのような娘が大好きです!」





ビスマルク「ふぇ!?」

朗利「生意気言って困らされるのも大人ぶって背伸びしているところを見ているのも俺は大大大好きです!」

朗利「いやあ、さすがは“でかい暁”というだけあって愛くるしいものがあるじゃないか!」ニコニコ

朗利「それに、口は悪いけど俺の作ってくれたものを美味しく食べてくれるし、そのギャップがたまらなくイイというか!」グッ

朗利「要はね! ビスマルクはね! 物凄く俺好みの艦娘なんですわ、はい!」(紳士が愛でる対象として)

ビスマルク「え、ええええ!?」カア

ビスマルク「駆逐艦が好きというわけじゃなかったの!?」ドクンドクン

朗利「違います。俺は見た目がロリだから愛でるのではなく、幼女が幼女足らんとしているところから愛でているのだ!」キリッ

朗利「つまり、見た目よりも心――――――お前の愛らしさに触れて今までムカつくことはあってもずっと艦隊に置いていたのだ!」

ビスマルク「あ…………」ポー


朗利「いつかこの海上封鎖を抜けてお前の祖国に行ってみないか?」


ビスマルク「え」ドキッ

朗利「俺、ちょっと海の向こうの世界に思いを馳せてみて漠然とそう思うようになったんだ」

朗利「そんなわけで、どうせ海の向こうに行くんだったらさ? ビスマルクの故郷を最初に訪れてみたいなって」

朗利「そして、そこにいる子供たちと戯れようぜ。それでいっぱい笑顔の元気をもらうんだ」

朗利「お前、祖国だと人気者なんだろう? いっぱい子供が寄ってくるぜ、笑顔で迎えてくれるぜ」

朗利「こんな素敵なことはないだろう? な?」ニッコリ

ビスマルク「あ、アドミラール…………」プシュー



ビスマルク「(ど、どどどどどういうこと!? こ、ここここれってもしかして、その『もしかして』なの!?)」ドクンドクン

ビスマルク「(お、落ち着きなさい、私……! 状況を一度 整理するのよ! そう!)」スゥーハァーー

朗利「…………あれ? ビスマルク? おーい」

ビスマルク「(あ、アドミラールはわ、私のことが、好きだったからずっと気にかけて――――――特別扱いしてくれていたのよね!?)」ドキドキ

ビスマルク「(そ、そう! 私はアドミラールのお気に入り――――――!)」ニヤニヤ

ビスマルク「(あれ? となると、雷はどういうことなのかしら? アドミラールは私と雷のどっちが好きなの――――――?)」

朗利「ビスマルク……」

ビスマルク「ハッ」

朗利「…………どうなんだ? 返事を聞かせてくれないか?」オドオド

ビスマルク「あ……」


――――――切なそうな目。不安に彩られて振り払ったらすぐに涙が溢れてきそうな縋るような眼差し。


ビスマルク「(馬鹿ね、私。ちょっとしたことですぐ癇癪を起こすようなアドミラールに楽劇に出てくる英雄像を求めてどうするのよ?)」クスッ

ビスマルク「(それにアドミラールはずっと私のこと――――――)」

ビスマルク「そ、そう。そこまで言うのなら、一緒に行ってやってもいいわよ」モジモジ

朗利「そ、そうか!」パァ

ビスマルク「や、約束よ! 絶対にこの私と一緒に私の祖国の土を踏みに行くのよ、約束したんだからね!」ドキドキ

ビスマルク「お、覚えてなさいよ!」バッ


ビスマルク「Danke」ニッコリ


タッタッタッタッタ・・・

朗利「あ」

朗利「あはは…………行っちまった。相変わらずそそっかしいやつだな――――――そこがイイんだけど」フフッ

朗利「けど、――――――やった。やったよ、俺」ホッ

朗利「これで止まっていた頃とおさらばだ。俺たちは次へと進むよ」

朗利「それからだよ、本当の戦いは――――――」グッ

朗利「けど、さっきのビスマルクの表情――――――最高だったなぁ! 背伸びして威張ってるやつの恥じらいの表情が最高にイイ!」

朗利「それもいいんだけど、――――――やっぱり笑顔だよね。笑顔が一番さ!」

朗利「やっぱりね、人間ってのは純粋な心こそが一番の宝物なんだよ!」

朗利「よし、やるぞー! そのためにやり残したことを今こそ終わらせる!」








――――――戦艦ビスマルクを旗艦とした精鋭たちよ、いざ水平線の彼方へ進め!







朗利「――――――ついに【勲章】が4つ揃い、その時が来たんだな」

長門「ここまで長かったな。元々 我らの実力ならばどうということはなかったのだがな」

五十鈴「けど、過去を精算するためには過去と向き合わないといけないから――――――」

大鳳「あれから私たちも成長しましたし、何よりも心強い助っ人が駆けつけてくれましたから」

電「これで提督の悪夢は終わったということなのです」

雷「後は、ビスマルクの【改造】が終われば――――――」メメタア

コンコン、ガチャ

愛月「園長、ビスマルクの準備ができました」

艦娘たち「!」

愛月「さ、入ってきて」

朗利「――――――おめでとう、ビスマルク」


ビスマルク改二「Danke」テレテレ


Z1「良かったね。ビスマルク」

Z3「これでようやく私たちドイツ艦の【改造】が全て終わったのね」

朗利「それで終わりじゃないぞ」

朗利「これより、戦艦ビスマルクに【拓自鎮守府褒章】を授与する」ビシッ


ビスマルク「あ、ありがたく頂戴するわ、アドミラール。これからも頼りにしなさいよ。そして、私の活躍を目に焼き付けなさい!」(ユウジョウカッコカリ)


朗利「それでいい。それで」フフッ

ビスマルク「……うん」

「ワーーーーーーーーーーーーー!」パチパチパチ・・・

鳳翔’「よかったですね、朗利提督」(洞庭鎮守府より派遣)

龍驤’「ウチなんかが提督の代理人としてやってきてよかったのかなぁ…………でも、シャンとしてないとな」(斎庭鎮守府より派遣)

愛宕’「うふふっ♪」(趣里鎮守府より派遣)

朗利「ご助力感謝いたします、【派遣】組の方々」

鳳翔’「いえいえ。皇国の将来を担う同胞である以上、できるかぎりのことはいたします。これからも」

龍驤’「ちょっと自信無かったけど、いい経験させてもらったわ。ホンマありがとな。お菓子 ホンマに美味しかったで」

愛宕’「いいなー。私もケッコンカッコカリやユウジョウカッコカリをしてもらいたいなー」



・・・・・・バン!


朗利「!?」

艦娘たち「!」

愛月「な、何……?」

天龍「て、提督!」ゼエゼエ(大破)

朗利「どうした、天龍!」

天龍「遠征してすぐに見たこともないような深海棲艦と遭遇して、そいつが明らかにヤバイやつだったからすぐに撤退してきたんだ!」

天龍「そしたら、その深海棲艦が追ってきやがった! 動きがトロいくせに振りきれなくてこのザマだ。すぐに追っ払ってくれ!」

愛月「なんですって?! ――――――敵が!?」

艦娘たち「!」

ビスマルク「アドミラール」

朗利「まず、数は?」

天龍「数は1だ。けど、恐ろしく強くて――――――」

朗利「よし、まずは敵を捕捉する! すみませんが、――――――『【遠征】組! 緊急出撃!』お願いします」

鳳翔’「わかりました。艦載機による先制攻撃を仕掛けます」

龍驤’「任せときや! ウチらだけで終わらせておくから安心してや」

愛宕’「それじゃ、行っきま~す。うふっ♪」

タッタッタッタッタ・・・

朗利「次に、艦種は? ――――――戦艦か? 空母か? 雷巡か?」

天龍「それが、――――――全部だ。大口径主砲も艦載機も魚雷も全部だ!」

長門「な、なにぃ!?」

大鳳「まさか、報告にあった――――――」

朗利「【鬼】【姫】か!(果ての西方海域でその存在が確認され、その戦闘力は通常の深海棲艦の何倍もの現状での最大の難敵!)」

朗利「(その戦闘力は万能戦艦とも言えるほどであり、また驚異的な継戦能力によって数多の艦隊を1艦で撃滅してきた――――――、)」

朗利「(太平洋にもその姿を見せ始めたことにより、海軍の総力を上げて大規模作戦はその脅威を取り除くために行われるぐらいの――――――!)」

朗利「だが、それがどうしてこんな近海に!? なぜ今まで報告が上がらなかった!? まさか近隣で展開している味方艦隊が全滅したというのか!?」

朗利「これは総力戦だ――――――あ」ピタッ

愛月「司令官……?」


――――――俺の艦隊には戦艦:2、装甲空母:1しか大型艦がいない。



朗利「真正面から戦う必要があるというのに、残りが駆逐艦と潜水艦しかいないぞ!? しかも全体的な練度は低い!」

朗利「これでは出すだけ死屍累々だ!」

愛月「ま、待ってください! 私のところには巡洋戦艦:比叡と最近になって入った金剛が――――――」

朗利「ユウジョウカッコカリできるレベルにすらなってないのに【鬼】や【姫】に渡り合えると思うな!」メメタア

愛月「は、はい……!」

ビスマルク「アドミラール……」

長門「提督……」

雷「司令……」

朗利「――――――総員退避だ」

愛月「え」


――――――鎮守府を放棄する。


艦娘たち「?!」

ビスマルク「そ、そんな……!?」

五十鈴「何 言ってるのよ! 戦わずに逃げるっていうの?!」

朗利「そうだ、逃げる! ――――――総員退避だ。退路は陸路からで、砲撃の届かない奥地にまで逃げ込む」

朗利「資料によれば、やつは4度は殺さないと沈まないらしい。それでいて戦艦並みの戦闘力に艦載機と雷装まで備えているんだ」

朗利「真正面から精鋭のお前たちがぶつかればギリギリで1度や2度は倒せるだろうが、3度目になれば必ずお前らの中の誰かが沈む!」

朗利「そうなればどのみち潰走してこの鎮守府はたった1艦のあの深海棲艦によって壊滅だ」

朗利「なら、無駄に戦力を消耗する前に敵前逃亡をするまでだ」

五十鈴「そ、そんな! 待ちなさい――――――」

朗利「大鳳! 総員退避の通達を早く出せ!」

朗利「雷と電。パークのみんなを迅速に避難させてくれ」

朗利「指揮権は全て愛月提督に委ねる! 少しでも多くの人員を【鬼】の手が届かぬ場所へ!」


――――――ここは俺が何とかする!


一同「…………!」

大鳳「…………了解」

雷「…………わかったわ。また会いましょう、司令官」

愛月「わかりました、司令官! レーベ、マックス、ついてきて!」

長門「くぅ……、これも提督の命令ならば従う他あるまい」

ビスマルク「………………」


タッタッタッタッタ・・・



朗利「お前たちも早く行け。勝ち目のない無謀な戦いに突っ込んで死ににいく必要はない。そんなのは無駄死というものだ」

長門「ならどうして提督は退避なさらない!」

天龍「そうだぜ! 提督の艦娘であるオレたちが提督を置いて逃げるわけないだろう!」

朗利「俺は【派遣】組を誤って先行させてしまった。それぞれの鎮守府へ無事に責任持って帰さなければならない義務がある」

五十鈴「それなら、尚更 助けに行かなくちゃじゃない! それに夜になれば私の必殺の雷撃で――――――」

朗利「――――――!」ピピッ

朗利「ダメだ。そこまで待てない! 敵はそこまで来ているんだ!」

朗利「やつが上陸すれば動きが鈍くなった上に雷装も無力化するから、そこを【攻撃機】でじわじわと削っていくしかない。そこしかつけいる隙はない!」

朗利「だからこそ、【派遣】組には戻ってきてもらわないといけないんだ! 特に【流星改】ガン積みの鳳翔夫人が無事でないと!」

五十鈴「ただ陸地へ逃げ出すってわけじゃなかったんだ…………」

天龍「提督……、やればできるんじゃねえかよ……。そういうのをずっと待ってたんだぜ、オレたちは……」

長門「確かにそれなら、何とかなる可能性は感じられるが、しかし――――――!」

ビスマルク「アドミラール……」

朗利「だが…………(まさか、こんな事態がやってくるなんて…………)」アセタラー


――――――どこか遠い世界のことのように思っていた。こんな災厄が海の向こうからやってくるだなんて。


朗利「(けど、俺にもようやく目標らしい目標ができたんだ。やろうと思えるようになったんだ。必死になって足掻くだけ足掻くさ!)」

朗利「ビスマルク」

ビスマルク「…………!」

朗利「約束は守るからな、絶対に! いや、守らせるからな!」

ビスマルク「と、当然よ! 私のことをここまで本気にさせておいて責任を取らないまま逝くだなんて許さないんだから!」

朗利「お前たちもだ! 俺は意地でもお前たちの提督で在り続けるぞ! 頼まれなくたって生きてやる!」

天龍「その息だぜ、提督!」

提督「あ、お前は大破してるからさっさと退避してくれ。戦いに集中できない」

天龍「…………そうかよ。ならさ?」フフッ


――――――待ってるぜ。暁の水平線に勝利を刻む提督の晴れ姿をな。


提督「ああ。【派遣】組を回収したら俺も一直線で逃げ出すから鎮守府を空にしてくれよ」

天龍「わかったよ、園長先生。武運を祈ってるぜ」フフッ


タッタッタッタッタ・・・




提督「で、残ったのがお前たちか」

五十鈴「当然よ。私と長門でこの鎮守府で一番の功績艦なんだから。私たちがいなかったら始まらないんじゃないの?」

長門「そうだとも。提督の戦闘指揮はからっきしだからな。私が居なければこれから始める生き残るための戦いもままならんだろう?」

ビスマルク「私もあなたに約束を守らせるわよ、アドミラール!」

提督「…………俺は果報者だな」

五十鈴「けど、もっと人を集めたほうがいいんじゃないの? 私たち3人しか――――――」

提督「大丈夫だ。“盾”と“矛”が十分に揃ってるから」

提督「俺が考えついた作戦はあくまで足止めと【派遣】組の救出だ。まずは撤退戦をどうにかしないと始まらない」

提督「あくまでも基本的な方針は【派遣】組の航空戦力で陸に誘い込んだ【鬼】だか【姫】だかの撃破だ」

提督「そして、この鎮守府は破棄したものとして残されたものは有効に使わせてもらう!」

ビスマルク「何をする気なの?」

提督「なに、簡単なことだ」


――――――鎮守府一帯を火の海にするだけだから。


Next:第?話 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-


――――――趣里鎮守府


カチャカチャバン! ブゥウウウウウン!

石田「よし。これでいいな」

左近「本当にやるんですかい、殿?」

石田「ああ。俺はそのために提督を辞めるんだ。そのためにこの部署を立ち上げたのだ」


――――――全ては俺自身の手で深海棲艦を倒すためだ。


左近「それで誰が喜ぶというんです? これから殿がやろうとしていることを知れば艦娘たちは一斉に止めに入るでしょうな」

石田「違うぞ、左近提督」

石田「これは全体の勝利のため――――――引いては俺自身の目標でもあるのだ」


石田「これは俺がやりたいことなのだよ。俺がやらなければ意味が無い――――――艦娘たちの気持ちなど考慮に入れていない俺のワガママというものだ」


左近「――――――違います」

石田「なに……?」

左近「殿は『艦娘たちの気持ちなど関係ない』と言いましたが、それなら殿は殿がこれからなさろうとすることを艦娘に任せればよいのです」

左近「『これが全体の勝利のため』――――――そう常々 殿が言っていたことを実現できると聞かされれば、」

左近「その命令に殿の艦娘たちは喜んでその命を受けることでしょうよ」


左近「明らかに無謀としか思えないような生身の人間による深海棲艦への特攻――――――」


左近「殿は司令官としてはあるまじき死にたがり屋ですよ。一種の軍務放棄ですよぅ、これは」

左近「結局、殿がやろうとしていることは過去の贖罪から来ているのでしょう?」

左近「――――――殿が敵を強く憎んで自己の安全よりも敵への損害を優先させようと突き動かされるのも」

左近「それは、殿の中にある 海の藻屑となって散っていった艦娘たちの気持ちを汲み取っているからこその結果じゃないんですか?」

石田「何を、馬鹿なことを…………」

左近「………………」

石田「くっ……」


石田「………………左近提督、俺は勝ちたいのだ」


石田「俺に力がないばかりに――――――、安全な場所に居るだけで何の苦しみも辛さも感じられず――――――」

石田「本来、平和とは自分たちの手で掴み取るものなのだ」

石田「それを我々人類は戦うことを放棄して人間ではない生まれながらの奴隷を生み出してそれを背負わせたのだ」

左近「しかたがないですな。艦娘というのは自律兵器として自己管理をしてくれて従来の何万倍もコストパフォーマンスに優れてますからな」

石田「だが、彼女たちは兵器として優れていても、どこまで行っても人間としては優れることはできはしないのだ」

石田「どういうことかわかるか、左近提督?」

左近「それが殿がやろうとなさっていることに繋がっているのでしょう?」

左近「例えば――――――、」


――――――深海棲艦の【捕獲】をした後のこととか。




石田「そうだ。無尽蔵に湧く深海棲艦の脅威から我々が真に救われるためにはその根源を叩かなければならない」

石田「しかし、艦娘にそこまでできるとは思っていない。彼女たちには戦うことに必要なことしか知らないのだから」

左近「………………」

石田「頼む、左近提督……」

左近「では、お供の艦隊を付けさせてください、殿」

石田「!」

石田「左近提督……?」

左近「この日のために殿の描く天下餅を作るのに使えそうな高速艦隊を用意しておきました」

左近「ただし、あくまでも殿は【支援艦隊】として本隊が撃ち漏らした深海棲艦を捕獲してくださいよ?」

石田「感謝するぞ、左近提督」

     マリンジェット
艦載艇:特殊小型船舶|正規空母:蒼龍

駆逐艦:天津風   |軽巡:大淀        
駆逐艦:時津風   |軽巡:長良        


石田「ところで、この人選は?」

左近「蒼龍は【昼戦突撃】した際の増援の航空戦力、他は高い装甲と高速艦であることのみです(――――――時津風は完全に場違いですけれどもね)」

左近「この場合の【旗艦】である殿をお守りする盾となってもらうための布陣です」

石田「!?」

左近「そんなに驚かないでくださいよ。別に【姫】や【鬼】を捕ろうってわけじゃないんでしょう?」

左近「それに殿の目指す最強艦隊の構成員には含まれていない面々ですし、これぐらいがちょうどいいと思いますよぅ?」

石田「…………そうだ。俺がやろうとしていることは、――――――そういうことなんだな」

左近「そういうことなんです」

石田「すまない、左近提督」

左近「いえいえ。俺も現在の膠着状態の戦況をどうにかしたいと思っているところがありましてね」

左近「悔しいですが、個人の軍略だけじゃどうにもならないのは確かです」

左近「ですから、俺も殿の賭けに乗ってみようと思いましてね。これでも博打は得意ですから」

石田「左近提督が言うとそれらしく聞こえてくるから恐ろしいな」フフッ

左近「殿。短い付き合いでしたが、また【艦これ】の世界に連れ戻してくれたことを感謝してます」メメタア

石田「俺もだ、左近提督。左近提督が居たからこそ ここまでこれたのだ」

石田「だが、まだ暁の水平線に勝利を刻むための始まりに至ったに過ぎないのだ」

石田「頼むぞ。俺を勝たせてくれ、左近提督」

左近「合点承知でさあ。そして殿に 天下餅を美味しく召し上がってもらいましょう」


石田「後のことは任せたぞ、左近提督。――――――猛獣狩りに行ってくる」ジャキ!


Next:第?話 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- に続く!



各話リスト:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】

第1話 ユウジョウカッコカリ
第2話 お守り
第3話 御旗と共に
第4話 愛の力
 ↓
第5話 艦娘、派遣します ←――――――今回
 |
 |(次の4話の話の順番のコメントをお願いします!)
 ↓
第?話 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
第?話 提督、出撃す     -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫-
第?話 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-
第?話 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために-
 ↓
第?話 大本営の野望      -艦娘 対 超艦娘-
 ・
 ・(以下、内容が追加されるかも)
 ・
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-


注意:ここからは今回 提案した新インターフェース:【要請】を基礎にした提案内容が主となります。
オリジナル艦娘も登場し、新要素や艦種の性能の見直しなども提案させていただきますので、現状の【艦隊これくしょん】とはどんどん掛け離れていきます。
つまり、ますます実際には役に立たない物語風プレゼンの架空戦記の様相を呈していきます。
筆者の予想では、あと来年の今頃にもならないと大規模なアップデートは行われず、海外艦もあまり増えていないものだと思っております。
それ故に、少なくとも2年後までは実装されないような独創的なアイデアを提案するものとなるはずです。
また、オリジナル艦娘の人選は5年ぐらい経っても実装されるのが望み薄な艦娘にしております。だから八八艦隊を起用しているのであり――――――。
なので、アメリカの空母エンタープライズやドイツの戦艦シャルンホルストみたいな有名所は出しません。それぐらいは公式で出してくれるはず。
そもそも、公式としては連合国側の艦娘をどういう位置付けにするつもりでいるのかがまだわからないので迂闊な人選ができないわけなのです。

とにもかくも新インターフェイス:【要請】がプレゼンターの最大の提案であり、これさえ導入していれば将来的な問題は全て解決するものだと思っております。

あとは、第5話の【要請】に関連した内容で第6話を彩った後に挿話を入れてほのぼのとした後、-艦娘 対 超艦娘-の話に入っていき、
最終話を投稿する前に何か新しいアイデアが生まれれば挿入しようかと思います。

ちなみに、これから天城型巡洋戦艦「天城」といろいろマニアックな海外艦推しが始まることを明言しておきます。キャラ的に美味しい背景の持ち主なので。
劇中にも出ていたように一般的に【艦これ】ユーザーが認知している天城というのは雲龍型航空母艦2番艦:三代目天城のことなのだが、
あれが幸運艦として扱われるのか、不幸艦として扱われるのかは筆者のちょっとした興味となっている。次のイベント辺りに実装されるのだろうか?


具体的なコメントを残していただけると幸いです。


それでは、今日も張り切って【艦これ】ライフをお楽しみくださいませ。

慢心ゼッタイ、ダメ。自分を苦しめてまで求めたら負け、何事もなく一日 楽しめたらあなたの勝利です。

アニメの声優はどうなることやら…………




これにて、今回の投稿は終了とさせていただきます。
最後に筆者が最近おもしろいと思ったSSの紹介をさせてお開きとさせていただきます。

ご精読ありがとうございました。

くれぐれも、見ていただいた方には第6話の4つのエピソードの発表順番をコメントしてくれると幸いです。
くどくなりますが、どういった提案が喜ばれるのかを目にしたいので、どうかコメントよろしくお願いします。
そして、架空戦記として提案内容よりも読み物としての内容が深まっていくので、
エピソード4つそれぞれの提案が終わるまではしばらくは新しい提案はいたしません。

それでは、ありがとうございました。

今日はも張り切って鎮守府での一日をお楽しみくださいませ。 大切なことなので2度言いました。


最近のおすすめ【艦隊これくしょん】二次創作SS

八幡「艦娘?」 叢雲「うるさいわね」
八幡「艦娘?」 叢雲「うるさいわね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408617983/)
ジャンル:クロスオーバー(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。)
俺ガイルの現実的世界観に合わせた内容で、艦娘の解釈が【艦隊これくしょん】とは違う点で注意をまずしておくが、
艦娘を(深海棲艦と戦えるだけの特殊能力を持っている以外は)同じ人間としてより身近な存在に描いているのが魅力的。
そもそも制服を着ている艦娘や今どきっぽい感性の艦娘が多いのだから学園モノとクロスさせても違和感がないわけで。
死人は出ないが2つの世界を行き来する苦悩を背負う主人公像からマブラブオルタネイティブ(ベリーイージーモード)という印象である。

こういう世界観の解釈や提督像も二次創作としてはありなのではないかと、現に様々な提督像を出している筆者はそう思うのだ。


【艦これ】提督「頼む、婚約者になってくれ!」
【艦これ】提督「頼む、婚約者になってくれ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407328098/)
ジャンル:マルチシチュエーション
あらすじ:故郷に帰ることになった提督たちが見栄で秘書艦を婚約者と偽って連れ立って久方振りの故郷を訪れる――――――そんな話。
魅力的なのは、提督たちのそれぞれ異なった人間性とドラマ性であり、それぞれの物語が間接的に繋がっているところが筆者としては好ましい。
筆者はどうにも画一的な提督像に飽いているようなので、こういった1つのお題でそれぞれ違った演出がなされているのを強く求めているようで、
これからの展開を非常に楽しみに待っている作品の1つです。

どうか、マルチ系の二次創作が増えていきますように…………


提督「鎮守府のアイテム屋が色々と手遅れだった件について」
提督「鎮守府のアイテム屋が色々と手遅れだった件について」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408975679/)
ジャンル:ギャグ(ケッコンカッコガチ)
別におすすめするほど感心したわけではありませんが、途中に貼ってあった【提督 大破】に大笑いして、禁断の発想を得てしまった…………!
たぶん、これから提案しようとする新システムの源泉は何気なく見た【提督 大破】なんだろうなぁ~


【ザ!鉄腕!DASH!!】DASH鎮守府~TOKIOは海の平和を守れるか~【艦これ】
【ザ!鉄腕!DASH!!】DASH鎮守府~TOKIOは海の平和を守れるか~【艦これ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409752282/)
ジャンル:TOKIO
前回紹介したTOKIOのやつとは別物で、あちらは職場見学であったのに対して、こちらはタイトルのとおりにTOKIOがちゃんと提督しているものである。
相も変わらず、TOKIOがやるとなるとコメントが賑わうので見ていて非常に楽しい作品です。
筆者がやろうとしている群像劇にも相当するので本当に楽しませてもらってます。



乙!


今更ながら4人の提督および鎮守府のコンセプトは――――――、

清原提督:否定 ←ジュウコンカッコカリおよび課金プレイ→ 肯定:金本提督

朗利提督:否定 ←能力偏重・効率重視・合理主義プレイ→ 肯定:石田提督

清原提督と金本提督の対立は倫理的な問題として現実的に面倒な事案なので省略。
朗利提督がキャラゲーとして楽しもうとしているのに対して、石田提督は手強いシミュレーションRPGとしての攻略に精を出している。
喩えるならば、ファイアーエムブレムやスーパーロボット大戦に対するアプローチの違いであり、
FE聖戦の系譜でレヴィンの嫁をフュリーにするかティルテュにするか、シルヴィアだけカップルを成立させないか否か、
スパロボの早解きのために主役軍団で普通に殴りこむよりも脇役のレベルを修理指導して上げまくるのに精を出すか、
そんなふうな違いであり、もちろん自分がやりたいようにプレイすればいいだけの話なのだがそれを他人に押し付けるのがよくない。

よって、冒頭の4人の提督の出会いのシーンでの対立にあったように、清原提督と金本提督、朗利提督と石田提督とで互いにライバル視しているのである。
これだけは許せないという強いこだわりがそれぞれにあるわけであり、こればかりはいかんともしがたいものである。
ただ、それでいて自分とは正反対のやりかたでよくやってこられているものだと感心しているところはあり、自分にはない強さを見ている。
一方で、清原提督が朗利提督と石田提督の発言に噛み付かなかったように基本的に反対者以外には中立的な考えを貫いているのも事実である。
清原提督はジュウコンカッコカリや課金プレイを許さない一方で、そこそこにキャラ愛を注ぎ、効率的なプレイを模索しているので中立的であろう。
金本提督もケッコンカッコカリ乱発するだけのキャラ愛に満ちている一方で、戦術と戦略を堅実にしているのでやはり中立的である。
朗利提督はとりあえず資源を貯めて好きなキャラだけで無理に攻略しようとしているので石田提督からすれば無謀にしか見えない。
石田提督は勝つために数値を見て使うキャラを選んでそぐわなければ使い捨てるので、朗利提督からすればとんでもなく冷酷なやつにしか見えない。

そんな感じに四者四様の艦隊運用の違いが現れている。
そして、それ故にテキストの文量が提督によってずいぶん差が出てくるのでありまして…………
書いていても読んでいても楽しいのはたぶん朗利提督のような剽軽者だと思われる。三国志演義も弱い劉備が主役だからこそ映えるものだし。
逆に、あまり書くことも少なくあっさりしているのが金本提督であり、三国志演義の赤壁直前の絶頂の曹操のような感じである。

実際的な【艦これ】提督としての力量
金本提督 >>> 石田提督 > 清原提督 >>> 朗利提督

架空戦記の中での戦略意識の高さ
朗利提督 > 石田提督 >> 清原提督 >>> 金本提督

精神安定
清原提督 > 石田提督 > 朗利提督 > 金本提督


各話リスト:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】

第1話 ユウジョウカッコカリ
第2話 お守り
第3話 御旗と共に
第4話 愛の力
 ↓
第5話 艦娘、派遣します
 ↓
第6話X 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
第6話Y 提督、出撃す      -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫-

第6話Z 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-
第6話W 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために-
 |

 |
 ↓
第?話 大本営の野望      -艦娘 対 超艦娘-
 ・
 ・(以下、内容が追加されるかも)
 ・
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-

今回から、交流の場においてはそれぞれの鎮守府の所属毎に艦娘たちに番号を割り振りします。
なにせ、それぞれの鎮守府2人の提督が二人三脚でそれぞれ独自の道を進んでいくので艦娘が被ることもあるのです。
そこで、X,Y,Z,Wを主人公の提督の所属、x,y,z,wを副主人公の提督の所属の艦娘として区別させてもらいます。
金剛型戦艦なんてどこの鎮守府でも必需品だから被りまくりというわけだから、所属を区別するために番号を導入します。
ただし、艦娘が1つの鎮守府に2人いる提督のどちらの指示に主に従っているかが最低限の意味であり、完全に指揮権が違うかは事情によります。

基本的に提督には使いませんし、交流の場においてのみ出張してきた艦娘に添えております。


・洞庭鎮守府:艦娘の指揮権は、清原提督 > ????
X:清原提督
x:????

・斎庭鎮守府:艦娘の指揮権は、金本提督 > 剛田将校
Y:金本提督
y:剛田将校

・拓自鎮守府:艦娘の指揮権は、朗利提督 ∋ 愛月提督
Z:朗利提督
z:愛月提督

・趣里鎮守府:艦娘の指揮権は、石田提督 ∈ 左近提督
W:石田提督
w:左近提督




余談1  ある日の司令部の集い -βテスター親睦会-

――――――司令部


清原「今日は集まっていただいて感謝します」

清原「これより、βテスターの親睦会を始めさせてもらいます!」

「ワーーーーーーーーーーーー!」パチパチパチ・・・

金本「はいはい」ヤレヤレ

朗利「いえーーい!」パチパチパチ・・・

愛月「わあーーーい!」パチパチパチ・・・

石田「まあ、こういうのもたまには必要だろう」パチパチパチ・・・

左近「大盤振る舞いですな、この司令部は」パチパチパチ・・・


司令部「よく集まってくれた諸君。最初に諸君を喚んであれから状況も大きく変わったことを報告するためでもあるぞ」


司令部「まずは――――――、」

司令部「ついに北方海域にもExtra Operationが追加されたことを報告しよう」メメタァ ←いったいいつの話じゃ:【勲章】にまつわることなので言及

金本「へえ。となると、これで4つの海域で毎月【勲章】がとれるようになったわけなんだ」メメタァ

清原「残るは、西方海域のExtra Operationマップですね」メメタァ

朗利「西方海域か……(いずれ攻略しなければならないな……)」

金本「さて、待望の新マップだ! 腕がなるぜ! ま、全ての海域を制覇してきた俺には物足りない相手かもしれないがな」メメタァ

司令部「詳しい内容は配布資料にすでに記されているから各自読んで欲しい。それで挑むかどうかは任せよう」

清原「――――――作戦領域:北方AL海域」ペラッ

清原「…………『AL海域』か」

愛月「では、先遣部隊によるドロップ情報は――――――」メメタァ

石田「ほう。春イベントの突破報酬だった明石がついに…………」メメタァ

左近「石田提督は明石もすでに擁しておりますからな。特に気に留めることもありませんか」




ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー!


司令部「では、そろそろ本題に移るとしようか」ニコッ

司令部「それぞれの鎮守府のカレーの試食会といこう!」

「ワーーーーーーーーーーーー!」パチパチパチ・・・

司令部「では、最初は! 銀座の洋食屋の息子:清原提督の洞庭鎮守府ぅーー!」

清原「比叡、出番です」

X:比叡「はい!」ガチャ

愛月「あ、お久しぶり~!(きゃー! さっすが清原提督のところだけあって全然気品が違う!)」

X:比叡「はい。またお会いしましたね、愛月提督」ニコッ

X:比叡「では、お召し上がりください、みなさん!」ビシッ

石田「なんと……(本当に、あの比叡なのか!? 提督次第であんなにも凛々しくなるものなのか!)」

左近「ほう! なかなかやりますね(俺のところは飲んだくればっかりで困っちゃいますよね~)」


金本「へえ、これが噂の御召艦カレーってやつ! さすがは童貞くんだわぁ! このカレーには魔法がかかっているな!」


清原「…………褒め言葉として受け取ろう」

司令部「うむ。さすがは正統派なだけあって、非常にまろやかで親しみやすい味わいだ。まさしく御召艦カレーと呼ぶにふさわしい!」

金本「たまにはこういう余興もいいな」モグモグ

朗利「やっぱ、これは旨えわ(長門が一番だってイチオシするカレーだもんな――――――いや、慰問の時からみんなこのカレーの味に憧れたんだ)」

愛月「ああ……、もう無くなった…………(試食会だから半人前分しかないからすぐに無くなっちゃう……)」

石田「清原提督。認めよう、このカレーはまさしく御召艦カレーであると」

左近「最初にこんなものを出すだなんてお人が悪いね、清原提督も。後の人がカレーを出すのが申し訳なくなるじゃありませんか」

清原「お褒めいただき、ありがとうございます」

清原「けれども、カレーは生き物ですから作る人によって千差万別――――――その違いを味わうのも一興ですよ?」

金本「けっ、お前、提督じゃなくて洋食屋の息子らしくしていたほうが魅力的なんじゃねえの?」


清原「実は金本提督の作るカレーというのが楽しみでしてね」

金本「ほう?」

清原「金本提督ならば何か破天荒なものを出してくるんじゃないかと、悪い意味でも期待しているんですよ」

金本「ははん。よくわかってるじゃねえの、清原提督」

金本「当然だろう、俺がふつうのもので満足できるはずがない」

金本「さて、次は俺の番だ。斎庭鎮守府の金曜日のカレーをごちそうしてやるぜ!」

金本「大鯨! 出番だぞ」

Y:大鯨「はーい!」トコトコ・・・

司令部「おお…………(なんと! さすがは金本提督といいたいところだが、今度は大鯨!? ――――――守備範囲が広いということか)」

愛月「あ、可愛い……! 初めて見たけどホントに可愛い!」ウズウズ

朗利「確かにな(けど、幼女というほど幼女かな、これは?)」ジー

愛月「園長! 大鯨を捕まえましょう! 捕鯨ですよ、捕鯨!」ハアハア・・・

朗利「…………止めておくんだ、新米よ(それに今 目の前にいる実物を捕鯨しようとする勢いだぞ、今のお前)」

Y:大鯨「それではみなさん! これが斎庭鎮守府ご自慢のカレーです!」

清原「なに?! これは――――――」

金本「お前が銀座の洋食屋ならば、俺は銀座の惣菜パンだね」

清原「銀座の惣菜パンと言ったらあんパンだろう。わざと言っているな」

石田「これは計算外だ!」

左近「ほう、やってくれますねぇ」


司令部「カレーパンとな……」


金本「そうなんだぜ! 高級植物性サラダ油で揚げているからベタベタ油っぽさがないのが自慢だぜ!」

金本「それにカレーライスとは違って、小さくて何個でもいつでもどこでも手軽に食べられるから俺のところの憲兵共にも喜ばれている」

清原「あ、これは確かにカレーパンとして美味いな(この味、――――――江東区の元祖カレーパンだな。たぶん、それを目指しているな)」モグモグ

金本「戦場では十分な加熱器具は使えまい。冷えていても旨いのを目指しているからな」

朗利「へえ、冷えていても旨いカレーパンか(いいな、その発想! 今度、俺も何かに使ってみよう!)」

愛月「ホントだ。本当に油っぽくない! 何個でも食べられそう!」

司令部「はははは、やはり金本提督はこうでないとな」

石田「ふむ。携帯食料の開発にもっと力を入れてもいいのではないか?」

左近「いいですよぅ? 徹夜続きの石田提督の健康のためにもぜひとも開発いたしましょう(夜のおつまみにするのはちょっと無理があるか?)」

金本「俺は常識を超越する!」ドドン!


朗利「さて、今度は俺たち拓自鎮守府のカレーだな」

愛月「ううん……、カレーライスとしては清原提督の御召艦カレーに勝てないし、油っぽさじゃ金本提督のカレーパンには全然敵わないよ……」ドウシヨー

朗利「いいんだよ、そんなの。これから改良していけばいいんだから」

司令部「では、――――――拓自鎮守府、どうぞ」

愛月「そ、それじゃ、出番よ、レーベ、マックス」

z:Z1「はい、提督」

z:Z3「ほう、これが園長たちの――――――(清原提督は慰問の時に会っているが、他もなかなかにやりての提督と見える)」

清原「久しぶり、二人共」

z:Z1「はい。これは比叡とみんなで試行錯誤して一緒に作った“みんなのカレー”なんです」

z:Z3「以前に振る舞ってくださったあの味には到底及びませんが、どうか召し上がってください」

清原「なるほどね。よく頑張ったよ。一目見ただけでその努力がわかるよ」ニコッ

司令部「これは!」


金本「金沢カレーだな!」


金本「でも、ソーセージまで付いているのか。貧乏で喘いでいる割にはずいぶん贅沢してるんじゃないの?」

朗利「最近は違いますよ。少なくとも余裕はできてきましたから」

石田「――――――“みんなのカレー”か」

愛月「えと、比叡カレーをまともな味にしようってことで私のところの艦娘一同で隊を作ってその改良に取り組ませたんです」

石田「なるほど。それでこういった形のカレーになったわけだ」

石田「無難にまとまっているわけではなく、みんなの作ったものを掛けあわせて――――――」ブツブツ

左近「…………提督?」

石田「いや、何でもない」

石田「欠点や改善すべき点は見えているのだな?」ニコッ

z;Z1「はい」

z;Z3「本来の使命を怠ることなく、みんなで改良を進めていきます」

石田「そうか」フフッ

朗利「何だ、石田提督のやつ……?」


左近「それじゃ、最後は石田提督の趣里鎮守府ということですな」

司令部「実は昔から気になっていた 石田提督のカレーを見ることができるわけか!」

石田「あまり過度な期待はしないでもらいたい」

石田「これは、だな……、時津風や武蔵のやつにせがまれて作ってやったものでな……」

石田「それがなぜか鎮守府で人気を博してしまったのだ……」

朗利「へえ、石田提督でも艦娘のために料理するんだ。これは意外」

石田「私も艦娘にせがまれたぐらいで作るはずがなかったのだがな……」

左近「いやいや、質素倹約と称して具材を少なめにしたものでもあれはあれで立派なカレーでしたよぅ?」

司令部「ほう」

金本「御託はいいから早くくれよ」

石田「では、運んできてくれ」

左近「出番ですぜ、お嬢さん」

W:時津風「はーい! しれー!」

愛月「あ、時津風だ!」ガタッ

朗利「おお!(ああ ちくしょう! 駆逐艦は対象外じゃなかったのかよ、石田提督のやつ……!)」ギリギリ・・・

金本「おや……!?」

司令部「これが、カレー?」

金本「洋食屋の息子さん、これはカレーなんですかね?」

清原「ああ、これはあれだね」


清原「ドライカレーだね。少量の水で煮込んで水気を落としてカレー風味がついた野菜のみじんぎりや挽き肉の舌触りを味わうものだよ」


清原「懐かしいな。挽き肉は使わなかったけどまかない飯としてカレー粉や野菜の余りを使って作ったもんだ」パクッ

清原「ああ なるほど。これは良い食感と風味だよ」

W:時津風「提督さん? 満足満足~?」

清原「うん、これは美味しいよ」

清原「欲を言えば、これはたぶん本当にまかない飯としてのそれをレシピ化したものだろうから、改善の余地はたくさんあるってことかな」

清原「もう少し野菜の切り方を丁寧にして舌触りを整えて、ソースとライスの相性の研究をしてみるともっともっと美味しくなるよ」

清原「これだけだと、本当に厨房の余った具材を軽く炒めて作ったというまかない飯って感じだね」

清原「けれども、これをレシピ化した石田提督もなかなかの舌の持ち主のようで、これはこれで美味しいですよ」ニコッ

W:時津風「やったー!」

石田「フッ…………」テレテレ

左近「良かったですな、石田提督。食費を安くするためのまかないカレーが料理として認められましたよぅ?」

朗利「なにぃ?!(こんな手抜きが清原提督に褒められるほど旨いだと?!)」

愛月「あ、これは確かに独特の味わいで美味しいかも!」

朗利「た、確かに、カレーパンと似た方向性で意外性はあるかもしれないな……(こんな手抜きみたいなカレーでも旨いもんなんだな……)」

金本「へえ、こういう形のカレーってのもあるんだな(確かに舌触りが独特でこれはこれでおもしろいな)」

司令部「うむうむ」ニコニコ


司令部「しかしこうして見ると、カレーだけでもずいぶんと諸君ら一人一人の為人がわかるような気がするな」


洞庭鎮守府:清原提督 御召艦カレー ………高水準に無難にまとまっている正統派

斎庭鎮守府:金本提督 カレーパン …………カレーライスではなくカレーパンを出すという枠にはまらない奇抜で型破り

拓自鎮守府:朗利提督 金沢カレー …………みんなで作ってそれぞれの良さを活かそうとする

趣里鎮守府:石田提督 ドライカレー  ………手抜きのように見えて1つの料理としてできあがっている


司令部「そう考えると、見事に艦隊運用の思想と重なっているものだな、これは」

司令部「そういえば、以前に金剛型戦艦の優先順位についても4者4様の似たような違いがあったな」


洞庭鎮守府:清原提督 金剛…………最初の戦艦が金剛だったから(苦楽を共にしてきた艦娘との絆)

斎庭鎮守府:金本提督 榛名…………男の欲望を刺激する献身的で純粋な性格の娘を何としても手元においておきたい(男の浪漫)

拓自鎮守府:朗利提督 比叡…………おっちょこちょいで元気ハツラツとした無邪気な性格だから(純真さを愛でる紳士)

趣里鎮守府:石田提督 霧島…………最高火力が金剛型戦艦トップで長門をも超越しているから(大艦巨砲主義・能力偏重主義)


司令部「うむうむ。よいではないか~よいではないか~」

金本「何一人納得したような表情でいるんですかねぇ?」サッ

司令部「次だ!」ワクワク

石田「どうしたのですか? 今日はやけに張り切っているですが……」

司令部「ふふふふ、そりゃあ楽しくもなろう?」

司令部「こうやって我が帝国海軍が誇る精鋭たちが親睦を深めて、明日への活力と団結をみなぎらせているのだからな」

司令部「それに、お節介かもしれないが、」


――――――私はこうやって団欒とした光景の中にいられることが何よりも嬉しい。


石田「…………」

左近「そうですよねぇ。確かに一人には一人の時の楽しみはありますが、それとは別に大勢の時には大勢の時の楽しみってもんがありますからねぇ」

司令部「はははは、左近提督。さすがは年長なだけあって気が合うのう?」

左近「残念ながら、俺とあなたとでは1回りも2回りも歳の差がありますけどな」

左近「さて、石田提督? 次はアレですよぅ? 行くのならお早めに――――――」

石田「うっ……」

石田「わ、私にアレをやれというのか、本当に!」

左近「大丈夫ですよ、アレぐらいできるのが帝国軍人のたしなみってもんですから」

左近「ほら! 他の提督さんたちはもう行ってますぜ?」

石田「この企画を考えた清原提督が鬱陶しく思えてきた…………」

左近「ダメですよぅ? そんなこと言っちゃ」

左近「さあさあ」

石田「…………わかった」

スタスタ・・・・・・

司令部「楽しみだな」ニヤニヤ

左近「ええ。石田提督にもたまには少年心を取り戻してもらいませんとな」ニヤニヤ

愛月「はあ……(私は艦娘とアレしたいな…………帰ったら頼んでみようかしら?)」


左近「ではでは、司会の清原提督に代わりまして俺がここからは司会を務めましょう」

左近「石田提督の準備も終わったようなので、さっそく始めさせてもらいましょう」

左近「それでは、親睦会 最後の催し!」


――――――舞踏会の始まりです!


「ワーーーーーーーーーーーー!」

司令部「いええええええい!」パチパチパチ・・・

愛月「わああああああああい!」パチパチパチ・・・

左近「では、最初は洞庭鎮守府の清原提督から、どうぞ!」

パンパカパーン!


清原「お待たせしました」(ホワイトタイの燕尾服)

X:金剛「私たちの華麗なるDanceから目を離さないでいてくださいネー!」(真っ赤なイブニングドレス)


「オオオ!」

愛月「きゃー! 金剛さん、似合ってますよー! 清原提督もステキー!」

左近「さすがは清原提督だ。役者が違いますな」

司令部「うむうむ。さすがは格式高い家庭で育っただけあって、威風堂々としているな」


左近「続きまして、斎庭鎮守府の金本提督!」

パンパカパーン!


金本「はっはっはっはっは! 俺はこの時を待っていた!」ドヤァ(金ピカ)

Y:扶桑「…………はあ」ドキドキ(金色ドレス)

Y:山城「ぶ、舞踏会なのに、どうして姉さまと二人一緒なのかしら……」オドオド(銀色ドレス)


「エエエエエエエエ!?」

清原「もはや何も言うまい……」

X:金剛「す、凄いですネー…………」

愛月「な、何からツッコめばいいのかしら…………」

左近「相変わらずの捻くれ者だ」ヤレヤレ

司令部「ははははは、金本提督らしい!」ワハハハハ

左近「金本提督」

金本「おう!」

左近「お連れがお二人いるようにお見受けしますが、お二人の相手が同時に務まるというわけなんですか、それは?」

金本「当然だ!」

左近「さすがは金本提督ですな。『役不足』という言葉が非常に似合いますぜ」


左近「ではお次は、拓自鎮守府の朗利提督です!」

パンパカパーン!


朗利「まいったな……、ほとんど覚えてないよ。社交ダンスなんて(というか、軍用礼服でやらせてくれよ……)」(タキシード)

Z:ビスマルク「ほ、本当にどうしようもない人よね……。わ、私がエスコートしてあげるんだから感謝なさい」ドキドキ(真っ黒のイブニングドレス)


「ヒュー!」

愛月「園長! ビスマルクぅ! 似合ってますよー!」

朗利「あ、ああ……、ありがとう」ニコー

Z:ビスマルク「しゃ、しゃんとしなさいよ! 恥ずかしい! 清原提督や金本提督のようにもっと堂々として!」ドキドキ

朗利「社交ダンスだなんて、一生のうちに披露する機会が訪れるなんて思わなかったな…………」

朗利「ああ 良かった。――――――ビスマルクが居て」

Z:ビスマルク「な、何を言ってるのよ、アドミラール!?」カア

司令部「ふふふふ……」ニタニタ

左近「ちょっと、年甲斐も無くニヤついているのはやめてもらえませんかね」

司令部「!」ドキッ

司令部「な、何でもないぞ、左近提督」キリッ

左近「まあ、わからなくもないですがね」フフッ

X:金剛「提督ぅ、 もしかしてあの娘って朗利提督のこと――――――」

清原「言わない言わない」シー

Y:山城「いいなぁ……、私もあんな感じにグイグイ前に出られたら…………」

Y:扶桑「そうねぇ。それでいてもう少し殿方に堪え性があってくれたら…………」

金本「どうした? 見せびらかしてやろうぜ? 今日の主役は俺たちだ!」

Y:扶桑「…………はあ(提督だって本当は私たちと同じはずなんです。けれど、それを抑えて必死に――――――)」

Y:山城「…………不幸だわ(私も姉さまもそこまで目立ちたいわけじゃないけれど、そんな提督だからこそ私たちが――――――)」


左近「さてさて、最後となります。趣里鎮守府の石田提督の登場です!」

パンパカパーン!


石田「くっ、どうしてこんな…………(なぜだ!? なぜ燕尾服の代わりにこんなものが――――――!)」アセアセ(クラバット + 赤タキシード)

W:武蔵「提督よ……、今日はよろしく頼む……(本当に、私のような浅黒肌の無骨者がこの場に来てよかったのだろうか……)」モジモジ(白ドレス)


「Oh......」

司令部「な、なんと!?」

愛月「い、意外な服装に人選…………!(てっきり“あたごん”や飛龍あたりだと思ってたんだけど……)」

朗利「…………くくく」プルプル

Z:ビスマルク「アドミラール?」

朗利「いや、何でもない。何でも……(いやぁー、さすがは石田提督だなー。憧れちゃうなー、そのファッションセンス!)」プルプル

清原「石田提督、よく似合ってますよ……(あの石田提督が燕尾服を用意できないはずがない。これはきっとユーモアか何かなのだろう……)」ニコー

金本「なんかいろいろ掻っ攫ってくれたな、おい!(これは負けた!『あの石田提督がヒラヒラをつけている』時点で破壊力抜群だ……!)」ジトー

左近「…………くくく」プルプル

石田「左近提督っ! ――――――謀ったな!?」カッ

左近「すみません、石田提督。手違いがあったようです。今日はそれで我慢してください」ニコニコ

司令部「や、やはり、石田提督はハラハラさせてくれるなー」ハハハ・・・


左近「で、では! 主役は揃いましたので、踊っていただきましょう!」

「イエエエエエエエエイ!」

パチパチパチ・・・

清原「さて、企画者として申し分のないものを見せないとな」

X:金剛「Sure! みんな、提督との情熱的なDancingをとくとご覧になってネー!」

司令部「はははは……(ああ、素晴らしいよ。今日は本当に素晴らしい催しだよ、本当に…………)」


こうして社交ダンスの披露と指導が行われ、結果は次のようになった。

清原提督 & 金剛    :企画者としての貫禄ですばらしい社交ダンスを披露し、丁寧に指導まで行った

金本提督 & 扶桑姉妹 :ギラギラする服装に二人の淑女を同時に相手にするという変則的なものだったが、流れるような所作で捌き切る

朗利提督 & ビスマルク :先述の二人に比べると見劣りするが、初々しさと未熟さからくる微笑ましい練習風景がその場の人間を和ませる

石田提督 & 武蔵    :いろいろアレな外見の不器用者二人――――――会場は大爆笑





――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「さて、本筋とはまったく関係ない話で申し訳ない」

司令部「ただ、メタフィクションが織り交ざる物語風プレゼンであると同時に架空戦記でもある今作品のこれからの方向性を確認するために挿話させてもらった」

司令部「時期としては、前回の次回予告で朗利提督とビスマルクの絆が深まった後の話だと思われる」

司令部「なので、ちゃんと【中部海域】の解禁もご承知なのでご容赦ください」

司令部「以前に、清原提督が提案していた内容とはこういうった親睦会のことである」

司令部「各鎮守府の提督たちの為人や所属艦娘の区別の仕方はこれでわかってくれたことだと思う」

司令部「そして、とても大事なことなのだが――――――、」

司令部「本編を再開する前に先立って、新たなインターフェイスの追加をしておいた」

司令部「物語の中ではあまり登場しないだろうが、実装されたら非常に便利そうなものとして提案させてもらう」

司令部「そして、以前に提案させてもらった新インターフェイス:【要請】がいよいよ大活用されていくのでそのつもりで見ていってもらいたい」


司令部「なお本作は、PC上で最大画面で掲示板の枠いっぱいに使うことを前提にした書体なので、スマートフォンから見ている人には不便をかける」

司令部「専用ブラウザのプレビューを使うことにしたので、なるべくルビや傍点がPC上では正しく振られるようになったはずである」

司令部「スマートフォン上ではルビと傍点は変な字詰めがなく正しく機能していたのだが、これからはPC版に合わせておきますのでご容赦ください」


司令部「それでは、新インターフェイス:【提督】の解説の後に、本編:第6話をどうぞ」




新インターフェイス2:【提督】
提督にもステータスが追加されるようになり、【提督(=自分)】として戦績画面で確認できるようになった。
【提督】のステータスはあくまでも本人の能力ではなく、能力修正として考えるべし。
1,【提督】のレベルは司令部レベルと同じである(ただし、ステータスはそれに比例しない)
2,【提督】のステータスは“任務:【提督】のステータス導入”における質問の結果で決定される
3,【要請】∋【戦術指南】においてステータスの数値が特に影響を及ぼす
4,【提督】のステータスを伸ばす方法は今のところ限られている


新システム2:【戦術指南】以下【指南】∈【要請】
【演習】で選ばれる各鎮守府の提督たちから【指南】を受けることができる。
選択した提督のステータスを参照して謝礼を支払って効果を選択して【演習】が更新されるまで効果が持続する(最大で半日の間だけ)。
ちなみに、【自分】で自分の鎮守府を【指南】するには司令部レベルがLv100以上必要である。

1,【演習】で選ばれる各鎮守府の提督たちから【指南】を受けることができる
→ 効果の持続時間は【演習】が更新される午前・午後の3時まで
→ ただし、1人ずつしか【指南】は受けられず、もし新たに【指南】した場合は前回の内容はその時点で破棄されて効果が更新される
→ また、【演習】のページを利用しているので【指南】した場合はその提督とは【演習】及びそれを利用したことができなくなる
2,『相手の司令部レベル』×『相手の保有艦数』×『相手の勝率』=『指南してもらうのに必要な謝礼(小数以下切り捨て)』となる
→ 実際の効果で適応されるステータスに関係なく、相手が偉いかどうか凄いかどうかだけで謝礼が決定される
→ また、履歴に登録されるのは選択時の状態なので支払う謝礼は変わらない
3,【自分】で自分の鎮守府を【指南】するには司令部レベルがLv100以上必要となり、謝礼は必要ない

選択できる効果
【指南】した時の第1艦隊の艦娘全員にいずれかの効果を選択して適応する。
1,【指南する提督】のステータス分の能力修正が能力上限に関係なく常に掛かる
→ ただし、【運】だけは反映されない
2,【近代化改修】【改造】をした時に【指南した提督】のステータス分の能力修正が同じ艦娘に対して1回だけ掛かる
3,轟沈を1回だけ無効にする(要 【運】50以上)
4,【指南する提督】が保有する中で最もレベルが高い艦娘と同じ艦種が【建造】【大型艦建造】【出撃ドロップ】で出やすくなる
→ Lvが同じ艦娘が存在する場合は、図鑑リストの早い順で決定
→ 最初からは存在しない航空戦艦や雷巡などがレベルトップだと無意味になる
5,【指南する提督】が保有する中で最もレベルが高い艦娘によって【自分】のステータス【火力】【装甲】【雷装】【対空】を修正する
→ 【自分】に対して【近代化改修】する感じだが、艦娘とは違って餌は不要で上昇しない部分は上昇値の最大値と同じ比率だけ下がるので注意が要る
例:長門だった時、【火力:5】【装甲:4】【雷装:0】【対空:1】なので、【自分】の【火力:+0.5】【装甲+0.4】【雷装:-0.5】【対空:0.1】となる
→ あくまで『よそでおすすめの艦娘を推されてそうなんじゃないか』という気になっている感じである
→ よって、これに関しては【自分】で【自分】に対して【指導】はできない
→ また、実際の様々な計算では小数点以下切り下げなので高い効果を得るには気が遠くなるような積み重ねが必要となる

だいたいのことは前回の新インターフェース:【要請】の基本システムに則り、謝礼は相手にちゃんと更新時やログイン時にまとめて支払われる。
【指南】を求められた側は特に何かする必要もなく、勝手に臨時収入を得られるだけの素晴らしいシステム。
そして、【指南】を求めた側は【演習】の更新が行われるまでの間だけ選択した効果を得られ、艦娘育成が捗るWin-Winなシステムなのだ。
もっとも、【自分自身】のステータスが高ければ謝礼を支払わずにすむので、ステータスが高いことに越したことはない。

現在のところ修正可能なステータス(艦娘のそれに影響を与える)
【火力】【装甲】【雷装】【対空】 

現在のところ修正不可能なステータス(艦娘が成長すれば伸びていくもの)
【耐久】【回避】【索敵】【対潜】  

【提督】のステータスでどうこうして艦娘に影響を与えられるはずがないステータス
【搭載】【速力】【射程】【運】【燃料】【弾薬】



陣営紹介0:司令部
“司令部”
一連の運用試験の発起人であり、4人の艦隊運用の思想が全く異なる提督を選抜してβテストをやらせている。
ただし、大本営の新開発した装備に4提督同様に頭を抱えているところもあり、非常に4提督とは親しい立場にある。
趣里鎮守府の石田提督とは顔馴染みであるらしく、その成長を見守り続けてきていたようである。
また、βテスト中に大きな障害に直面して苦悩する提督たちを諭していっている面からも厳しくも優しく度量のある人物と見える。

個人としては“司令部”と表記され、組織としては『司令部』、そのどちらも指している場合や区別の意思がない場合は括弧なしの表記で区別される。

ちなみに、【艦これ】に登場する『司令部』と海軍軍令部および大本営は別の組織というのが筆者の認識である。
戦時中の陸海空の最高統帥機関:最高司令部なのが大本営であり、海軍で軍令を司ったのが海軍軍令部、陸軍で軍令を司ったのが陸軍参謀本部である。
後述の陸軍将校の剛田が所属している陸軍船舶司令部が陸軍の一部隊に過ぎないのと同じように、この『司令部』も海軍の一部隊に過ぎない。
それ故に、位置付けとしては陸軍船舶司令部の暁部隊と同じく、日常業務をこなしながら極秘任務を内職で就いている大本営に近い海軍の秘密試験部隊と思われる。
それだけに独自の権限も与えられており、少なくともこの『司令部』に所属している4人の提督の扱いは他とは別格となってきている。。
言うなれば、他の連中が次々と最前線へと送られる一方で、『司令部』に所属する4提督は試験運用が優先されて最前線送りの催促がされないといった具合。
なんだかんだ言って、4提督は4提督でそれぞれ光る個性があるので、“司令部”の慧眼によって抜擢された皇国の未来を担う人材として大切にされている。




さて、これより始まる第6話ですが、第5話から続く新インターフェイス:【要請】に対する追加要素の導入を基にした架空戦記が描かれます。
しかし、提案内容の解説が面倒で被るところがあったので、第7話でそれぞれの提案内容のまとめを行います。
なので、第7話も連続した関連のある内容となり、いよいよ実際の【艦これ】とは懸け離れた内容へと発展していきます。


――――――これからの注意! 

その1:オリジナル艦娘やオリジナル敵艦船、いろいろアレな戦闘要素がテンコ盛りになるので批判大いに結構
→こちらとしても、【甲標的 甲】の仕様に関して思うところや二次創作において見られる提督のイケナイ願望を形にしてみようと思ったところがあったので

その2:第6話はストーリー性を重視してこれからの各鎮守府毎の方向性を描いていくので前後編にわかれるぐらい長い章がある
→申し訳ありません。それでもお付き合いしていただければ幸いです

その3:筆者独自の提案内容と【艦これ】の解釈に基づいたオリジナルストーリーになるのでますます実際の【艦これ】から懸け離れる
→実際の【艦これ】に実装してもらいたい提案内容はきっちりページを割いて『提督のあるある』と合わせて説明いたします
→よって、メタフィクション志向が若干薄くなった架空戦記とお読みなっていただけると幸いです


各話リスト:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】

第1話 ユウジョウカッコカリ
第2話 お守り
第3話 御旗と共に
第4話 愛の力
 ↓
第5話 艦娘、派遣します
 ↓
第6話X 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
第6話Y 提督、出撃す      -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫-

第6話Z 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-
第6話W 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために-
 |

 | 
 ↓
第7話XZ
第7話YW
 ↓
第?話 大本営の野望      -艦娘 対 超艦娘-
 ・
 ・(以下、内容が追加されるかも)
 ・
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-


※章分岐の投稿順に具体的なリクエストがなかったのでコンマで自動決定させてもらいます。

洞庭鎮守府X:01-25
斎庭鎮守府Y:26-50
拓自鎮守府Z:51-75
趣里鎮守府W:76-00

今回は>>180ということで趣里鎮守府からスタート。
本当はコメントの先着順から候補を選出していって、残ったもので逐次当選範囲を等分拡大していって順番を決めようと思い、
コメント3つあればそれで上々だと思ってましたが、投稿時間と内容からして集まらないのでしかたありません。

W→Z→Y→X

わかりやすく、下から順に始めさせてもらいます。

では、お待たせしました。本編:第6話の始まりです。


第6話W 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- からどうぞ。




第6話W-1 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- 導入編

――――――趣里鎮守府

――――――新部署:新戦略研究局


小西提督「ほう、偉くなったものだな、石田提督も」

加藤提督「『司令部』のβテストのモニターに抜擢されてその功績が認められて、ついには鎮守府に独自の部署を設置するほどになったか」

福島提督「うっしゃー! 同期として鼻が高いぜ、なあ加藤提督!」

加藤「馬鹿。結局はあいつの唱えた大艦巨砲主義と能力偏重主義が俺たちの誰よりも功績を上げたということなんだぞ」

福島「げぇー! あの頭でっかちが一番ってガチでヤバくねー? 捨て艦だってやってきたんだろう!?」

小西「まあ、石田提督は運用管理に関しては我々の誰よりも優れていたからな。出世頭になるのも頷ける」

加藤「ところで、この小西提督は俺の先輩提督で付き添いなんだが、福島提督もどうしてあいつの下に来ることにしたんだ?」

福島「そりゃもーあれだぜ! 深海棲艦やっつけて皇国や故郷のみんなを守るためだろうがよー!」

小西「大方、懐かしい名前からのお呼び出しがかかったから、ホイホイやってきただけなんだろうな」

福島「ギクッ」

加藤「まったくこの馬鹿が。よくそれで艦娘たちに“無能”と侮られずにすんだな」

福島「そ、そんなことねーし!」

小西「護衛で秘書艦と以下数名を連れてきているのだろう? 見せてもらいたいな」

福島「おう、いいぜ! これ見てビビンじゃねえぞ!」


福島艦隊
重巡:足柄 | 戦艦:武蔵
重巡:摩耶 | 正規空母:瑞鶴
軽巡:川内 | 駆逐艦:曙


小西「見事なまでの脳筋艦隊だな、ぐはははははは! 勤務態度最悪のガラの悪いやつばっかで笑える!」ゲラゲラ

小西「しかも、よりにもよって……、秘書艦が“飢えた狼”足柄とか……!」ゲラゲラ

福島「ば、馬鹿にすんじゃねえ! 足柄はなぁ! マジ強えんだぞー!」

加藤「だが、武蔵と瑞鶴か。なかなか優秀な艦娘を取り揃えているじゃないか」

福島「だろっ! イカスだろ?」

小西「しかし、今日が顔見世とはいえ、この昼戦火力と夜戦火力のアンバランスな艦隊編成は笑えますねぇ!」ゲラゲラ

加藤「そこまで悪いか? 俺としては瑞鶴に何を積んでいるかで評価が変わるように思うが」

小西「では、お聞きしましょう。瑞鶴に積んでいるのは何ですか? どうせ【艦爆】や【艦攻】しか積んでないんでしょう?」ニヤリ

福島「1スロと2スロに【流星改】で3スロに【烈風改】に4スロ【熟練艦載機整備員】だぜ」メメタァ

小西「…………なるほど。さすがに大規模作戦をほどほどに攻略してきただけのことはあるか」

加藤「だが、もうちょっとスロットに偏りのある正規空母なら4スロ目の2桁の艦載機も無駄にならなかったのだがな」メメタァ

福島「そうなんだよなー! そこがもったいね-とこなんだけど、【火力】が上がるのはイケてるよなー! ガチで!」


福島「んで? さんざん人の艦隊をコケにしてくれた小西先輩提督はどうなんだよ?」ジロッ

小西「フッ、俺の艦隊はこうだ!」


小西艦隊

重巡:羽黒  |駆逐艦:綾波
軽巡:神通  |駆逐艦:潮
軽空母:龍驤|駆逐艦:夕立



福島「おい!」

小西「何だね?」

福島「てめーも妙高型を秘書艦にしてるじゃねえかよー!」

小西「この芸術的なまでのメンツを見て何も感じないのなら、幼年学校からやり直すべきだな! ぐはははははは!」

福島「て、てめー!」

加藤「よせ、馬鹿が」

福島「で、でもよぉ! こいつは公然と馬鹿にしやがったんだぞ、俺のガチ艦隊をよー!」

加藤「だとしてもだ! 帝国海軍の軍人に求められるユーモアだ。短気は損気だぞ」

福島「ちぇっ」

加藤「次いでに言えば、小西提督の艦隊は武勲艦で埋められているのだ」

小西「そう、その通りなのだよ」

小西「最強メンバーというわけではないが、俺はこのメンバーの夜戦攻撃で数々の難所を突破してきたのだ」

小西「さすがは戦史に名を残す名鑑たちよ」

小西「さて、加藤提督はどんな艦娘を引き連れてきたのかな?」

加藤「一応、顔馴染みの石田提督の部下になっちまうんだ。そこそこのメンツを用意してなめられないようにしておいたぜ」


加藤艦隊
重巡:那智    | 戦艦:長門
正規空母:加賀 | 駆逐艦:ヴェールヌイ
正規空母:雲龍 | 駆逐艦:不知火


福島「って、加藤提督も妙高型かよ!?」

福島「これで頭でっかちが妙高を秘書艦にしていたら笑えるな! ガチで!」

小西「なるほど、物静かで凛とした艦娘による艦隊編成だな。お前そっくりだな。それでいてほどよくまとまっている」

加藤「まあな。少なくとも雲龍を持っているのを見せておけば、屈指の攻略勢のあいつでも認めてはくれるだろうよ」

加藤「それに、やつは駆逐艦をあまり使わず、重巡ばかり使っているからある程度 やつの思考に合わせて那智を旗艦にしているのだ」

福島「なるほど! さすがは加藤提督だぜ!」

加藤「お前は何も考えていないくせに重巡を入れているからその時点で少なくとも合格だよ」ヤレヤレ

小西「雲龍か。大した武勲も上げられなかった艦娘だが、使用感はどんな感じで?」

加藤「この雲龍なんだが、中型空母ということで正規空母の扱いを受けてはいるんだが、明らかにこれは軽空母程度の性能だな」

加藤「だが、それも最強の軽空母と見て使ったほうがいい。隼鷹と飛鷹と燃費が10しか違わないし、火力も高めだ」

加藤「スロットもいい具合に偏っているから思い切った装備もしやすいからなかなかにおすすめだぞ」

小西「なるほど。それはいいことを聞いた」



加藤「さて、そろそろ時間だな」

加藤「『新戦略研究局』なんて大層なものの局長になったあいつが何をしようとしているのか楽しみだよ」

小西「まあまあ、俺としては石田提督に期待しているけどな」

福島「何だっていいけどよー、俺たちだけでやるようなことなんだから大したことじゃねえんじゃねえの?」

加藤「まあ、規模としては提督があいつを含めて4人だけだからな。これで『新戦略』とやらを実践できるのか甚だ疑問だが……」

ガララ・・・

小西「お」

妙高「失礼します」

福島「あ、妙高じゃねえかよ! ガチで俺の言った通り――――――?!」

小西「これは、たまげた偶然だな……」

加藤「ま、これで少しは期待できるかもしれないな……」

小西「しかし、艤装を装着しているのはどういうわけかな? まさかそれで私たちを撃ち殺すつもりじゃないだろうな?」ジロッ

妙高「すみません。これからみなさんにお見せするものは細心の注意が要りますので、どうしても外せないのです」

加藤「ほう」

福島「何だって来やがれ! 頭でっかちが俺たちを驚かそうとしてるんだろう? どんと来いやー!」

加藤「なるほど、俺たちを試そうってわけか。いいだろう、心の準備はできた」

小西「では、始めるのなら早くお願いしますよ。今日も予定があるのですから」

妙高「わかりました」

妙高「司令! みなさんの心の準備はできたそうです」



石田「久しぶりだな、馬鹿共が」ガララ・・・


福島「いきなり『馬鹿』だとぉー!?」

石田「お前たちの脳天気な会話が部屋の外まで響き渡って迷惑だったぞ。他人の鎮守府で粗相を働くとは『馬鹿』以外の何だというのだ?」

福島「んの野郎ぉー!」カッ

加藤「やめろ、馬鹿。いちいち突っかかっていたら話が進まない」

加藤「だが、つまらない話だったら遠慮することはない。一発、殴ってやれ」

福島「わ、わかったよ……」

小西「やれやれ、どうして軍政部はこんな仲の悪い人間たちを組ませてしまったのか」

妙高「……司令」

石田「わかっている。俺は軽く礼儀というものを教えてやっただけだ」

石田「それじゃ、――――――おいで」


――――――ヲ。


福島「は」

小西「なに?」

加藤「――――――こいつは!」ガタッ


正規空母:ヲ級「…………ヲヲ」オドオド


石田「怯える必要はない。何かあれば妙高が取り押さえてくれるから安心しろ」

ヲ級「ヲヲ!」キャキャ!

福島「――――――深海棲艦!?」ガタッ

小西「空母:ヲ級ですね。それに黄色いオーラからして……」アセタラー

加藤「どういうことだ、これは?」アセタラー

妙高「…………」

石田「ご覧の通りだが?」


福島「だ、大丈夫なのか、頭でっかち? もしかして『新戦略』っていうのは深海棲艦に擬態させて敵を油断させようってことなのか?」アセアセ

石田「いや、違う」

小西「まさか、本物の深海棲艦なのか……?」ゴクリ

石田「その通りだ。俺がこの手で【捕獲】してきたのだ」

加藤「……それで? まさかこの深海棲艦の利用方法について検討したいがために新部署を発足したというのか?」

石田「その通りだ」

一同「!」

妙高「…………」

石田「詳しいことは日を追って説明していくとして、まずお前たちに訊きたいことがある」


――――――深海棲艦を軍事利用すべきか否かを。


福島「え!?」

加藤「そんなの知るか」

小西「………………少し考えさせてください」

石田「ああ。今日はそのことだけを考えてもらうために喚んだのだ。――――――“司令部”がどういう基準で選考をしたかはわからないが」

石田「それじゃ、まずはついてこい。【捕獲】した深海棲艦が使い物になるかどうかを見てもらわないと判断することができないだろう」

加藤「まあ、そうだな」

福島「え、ええ…………」

小西「これは、確かに『新戦略』だな……」

ヲ級「ヲヲ、ヲヲヲ! ヲー!」スリスリ

石田「緊張することはない。お前は俺が言ったとおりにしていれば、何も怖い事は起こらない。いいな?」ナデナデ

ヲ級「ヲ!」

妙高「提督――――――いえ、司令」




――――――鎮守府海域


妙高「深海棲艦の水雷隊と遭遇しました」

――――――
石田「よし、ヲ級:『ヲシドリ』、目の前の標的全てを撃破しろ」
――――――

ヲ級「ヲ!」


ヒューーーン! ズドンズドンズドーン!


妙高「敵水雷隊の撃破を確認」

ヲ級「ヲ!」

――――――
加藤「ほう」

福島「や、やるじゃねえか……」

小西「なるほど、これは確かに使えるな」

石田「調子はどうだ? 気持ち悪くないか、『ヲシドリ』?」
――――――

ヲ級「ヲヲ! ヲヲヲ! ヲッ!」エッヘン!

――――――
石田「よし、妙高。索敵を続けてくれ」
――――――

妙高「了解しました」

ヲ級「ヲヲ! ヲー! ヲヲッ!」



――――――
石田「どうだ。1ヶ月近く飼い慣らしてはみたが、なかなかの戦力に仕上がっているだろう」

加藤「まあな。確かに敵である深海棲艦をこちらに引き込むことが可能となれば、極論 敵兵力を半分にすることだって可能って意味だからな」

福島「…………でもよ、石田提督よぉ?」

石田「何だ、福島提督?」

福島「俺は何ていうか、そういうのは嫌なんだよなー。たとえ深海棲艦が相手でもよぉー」

小西「嫌なら降りればいい。お前の代わりなんていくらでもいるからな」

福島「…………そうかよ」

石田「言いたいことはそれだけか?」

加藤「それじゃ、次は俺からだ、石田提督」

石田「今度は加藤提督か。何だ?」

加藤「お前は、深海棲艦を利用することを『新戦略』だと言うつもりなんだな?」

石田「その通りだ。敵を知らなければ戦いには勝てない――――――当たり前のことだ」

石田「旧大戦でも我が国の戦術的敗北の全ては、戦術的勝利に酔いしれた我々の戦術を敵が研究して我が軍と同じ土俵に立ったからなのだ」

加藤「だが、それは敵としても同じのような気がするんだがな」

石田「……どういう意味だ、加藤提督?」

加藤「俺は皇国のためなら何だってやるつもりだ」

加藤「――――――それが誇り高き帝国軍人の誇りだからだ」

加藤「だが、深海棲艦との戦いが始まって四半世紀にもならないが、お前が初めて深海棲艦の【捕獲】を試みたわけじゃないだろう?」

加藤「俺としては深海棲艦の【捕獲】はお前以前の誰かが成功に導いていたと考える」

加藤「別におかしい話じゃない。深海棲艦が登場した後に【捕獲】しようという動きが過去に二度は公的記録に残されているからな」

加藤「そして、それによる成果が表沙汰になっていないことを踏まえると、やはりどこかで失敗したんじゃないかと考える」

加藤「それに、敵としても刻一刻と進化していっている。あの戦艦:レ級といった圧倒的脅威だってそこに控えているぐらいだ」

加藤「そして、やつらはどんどん地の利を理解してこちらを迎え撃つ戦略性まで長けるようになってきた。中部海域なんて過酷なんてものじゃないぞ」

加藤「つまり、俺たちの戦術に対抗する手段をやつらが理解し始めているようでもある」

福島「そ、そうだぜ、頭でっかち……」

加藤「お前が捕まえたサンプルのデータの解析が終わった頃には『型落ちして役に立ちませんでしたー』なんてことにならない保証はどこにある?」

加藤「お前がその先人たちと同じ失敗を繰り返さない保証はどこにある?」


石田「さあな。その時はその時だ。一度や二度 失敗した程度で諦めるぐらいなら俺はこんなことはしない」


加藤「………………」

石田「それに、偉そうなことを言っているが、これもまた【艦これ】では誰もがやっている運ゲーのゴリ押しだ」メメタァ

石田「そのことを思えば、そのゴリ押しを少しでも楽にするための外野の努力もそう悪くないと思うがな」

加藤「……まあな」



小西「なるほどな」フフッ

小西「よし、わかった、石田提督」バッ

福島「……!」


小西「おもしろい。俺をこの天下分け目の計画に参加させてくれ」


石田「感謝するぞ、小西提督。――――――だが、今の俺は艦隊の指揮権を持たないただの司令だ。間違えないで欲しい」

福島「?」

福島「おい、頭でっかち。それじゃこの鎮守府の司令官はてめえじゃねえのかよ?」

石田「いや、提督じゃないだけでこの鎮守府は俺の管轄だ。それと平行して新部署の局長なんかもやっているというだけのことだ」

小西「なるほど。そのための左近提督というわけか」

加藤「どうやら本気のようだな」

石田「当然だ」


加藤「よし、わかった! お前一人にやらせるのは不安だ。俺が視ていてやるよ」


石田「そうか」

加藤「お前のような融通のきかないやつに鉄の意志を持って突っ走られたら皇国の未来が脅かされん」

加藤「ただ、それが本当に皇国の栄光のためになるっていうのなら俺は否定はしない。喜んで協力しよう」

石田「フッ、皮肉屋のお前らしい発想だな」

小西「さて、残ったのは福島提督 一人だが、さてどうする?」

福島「えと、俺は――――――」


福島「俺にはこれが本当に国のためになるかはわかんねえよ! けど、俺だって国を想う気持ちは同じなんだ! てめえらに負けられっかよ!」


福島「というわけで、俺にもやらせろ、石田提督――――――違った、石田司令さんよぉ!」

石田「意気込みは認めてはやるが、空回りして足を引っ張らないようにしてもらいたいものだな」

福島「んだとぉー!」

加藤「馬鹿。お前も乗りかかった船に居るなら、今はこいつが俺たちの船頭なんだ。立場を弁えろ。それができないなら船を降りろ」

福島「……わ、わかったよ、加藤提督」


福島「けど、俺個人としてはよ? これまで多くの同胞を殺ってきた憎き敵を前にして艦娘たちがうまくやっていけるか不安でよぉー」

加藤「確かに。俺の艦隊としても度重なる戦いの中で脱落者が出ていることだし、俺自身もその恨みを忘れたつもりはない」

加藤「軋轢は避けられないだろうな……」

石田「そこは俺も苦心しているところだ」

小西「だが、単純な戦力としては艦娘よりも深海棲艦のほうが秀でているのが現状での事実――――――」

小西「俺なら、良い比較対象として部下たちを奮起させるために焚きつけるがな」

小西「むしろ、利用しない手はない。個艦の能力が圧倒的に劣っているからこそこういった研究による進歩向上は必要なのだ」

小西「試験装備の実戦投入によるデータ収集も確実な手段だが、敵性技術の吸収も重要事項だと俺は考える」

小西「それは石田司令が言っていたことだ」

加藤「だが、今のところまだ1匹しか【捕獲】できていないということはいろいろな問題が山積みということなんだな?」

石田「その通りだ。そこで【開発投資】の協力を頼みたい」

加藤「…………まあ いいだろう。無闇に戦いに出て資源を消耗するよりはよほどいい」

小西「そうだな。前線で意気揚々と突撃する輩は我々を除いてもゴマンといる。前線は我が皇国軍が数多の犠牲の下にまた押し拓かれていくだろう」

福島「…………他の連中には申し訳ねえけど、今はこの頭でっかちに従う。必ずみんなの助けになるようにするから待っていてくれよ」

石田「よし! 妙高と『ヲシドリ』が帰還したぞ」

石田「これからどういったふうに【深海棲艦】を管理されていくのかを目に焼き付けておいてくれたまえ」

提督たち「おおおお!」




――――――同じ頃、


左近「――――――で? お話って何です、みなさん?」

武蔵「今すぐ石田提督を止めさせろ!」

川内「うん! いくら提督も夜戦好きだからってやっぱり危ないよ!」

愛宕「ちょっと、やりすぎじゃないかしら?」

左近「そうは言われましても、これは“司令部”から正式な辞令なんですよねぇ。もちろんそう掛け合ったのは他ならぬ殿ですが」

武蔵「このままではいつか本当に死んでしまう! 言うことを聞かないと言うのなら力尽くでも――――――!」


左近「おっと、止めてもらおうか」ポチッ


武蔵「…………!」ピタッ

武蔵「ハッ」

パカッ

川内「え」フワッ

愛宕「あら~?」グラッ

――――――
武蔵「――――――落ちる? 落ちているのかあああああ!?」グラッ

川内「きゃあああああああああ!」

愛宕「あ~れ~」


ヒューーーーーーン! ボヨーン!


川内「きゃっ!?」グイッ

愛宕「ちょっと~!」ギュウギュウ!

武蔵「うわっ、まさかボッシュートされて捕縛ネットにかかるとは――――――くっ、これでは身動きがとれん!」ギュウギュウ!

川内「うわっ、ギュウギュウしてる~!」ジタバタ

愛宕「あ~ん! ジタバタしないで~!」バタバタ
――――――

左近「すみませんね、これも殿の堅い意思によるものなんです」

――――――
武蔵「ふ、ふざけるな、余所者が! お前がたぶらかしたのだろう、私たちの提督を!」ギリッ
――――――

左近「そうかもしれませんな。なんてったって俺がやってこなければ殿の野望の第一歩は始まらなかったのですからな」

左近「しかし、やはり艦娘とはかくあるものか――――――所詮は“使われるだけ”の兵器ということですか」ブツブツ・・・

――――――
武蔵「な、何を言っている!」
――――――


左近「殿がどうして御自ら出撃するようになったのか、考えたことあります?」

――――――
武蔵「な、なにぃ?」
――――――

左近「殿が最強戦力としてこの鎮守府の最古参の飛龍さんよりも御執心になられた天下無双の武蔵さんなら理解できますよね?」

――――――
武蔵「…………!」

川内「…………飛龍」

愛宕「提督……」
――――――

左近「それと、確か次の出撃で――――――うん、間違いないな」

左近「武蔵さん、次の出撃で練度が最大になりますよぅ?」


――――――おめでとうございます。


――――――
艦娘たち「!」ピタッ
――――――

左近「それじゃ、俺は殿にこのことを報告しますんで、武蔵さんたちは降ろしますんで牢屋から出てどうぞ」

左近「ほら、牢屋の鍵ですよっと」ポイッ

――――――
武蔵「………………」

愛宕「………………」

川内「あ、動かないで、そのままそのまま――――――よっと!」パシッ

グィイイイイイイイン!

川内「あ、動いた」ホッ

武蔵「………………」

愛宕「その……、おめでとう♪」ニコッ

武蔵「あ、ああ。すまない……」

武蔵「…………提督よ」
――――――



飛龍「………………」

蒼龍「飛龍? その、大丈夫だからね?」

蒼龍「――――――石田提督は必ず守るから」

飛龍「……うん」

日向「おお、そこにいたか、飛龍。心配したぞ」

飛龍「あ」

日向「いよいよ、提督 秘中の策の深海棲艦捕獲作戦が次の段階へと進んでいくな」

日向「大丈夫だ。もう提督は誰一人として犠牲にはしなくなったのだ。そのことを信じようではないか」

飛龍「う、うん。私は提督のこと、信じてるよ」


飛龍「けど、どこか――――――提督がどこからか深い海の底に呼ばれているような気がして…………」ブルブル


蒼龍「………………飛龍」ガシッ

日向「……そうだな。初めて提督の策を聞いた時は自殺志願してるのかと正気を疑ったぐらいだ」

日向「だが、提督の言い分もわかる」


日向「――――――現状の敵戦力の漸減邀撃の方針ではいずれは質と量ともに勝る深海棲艦に呑まれてしまう」


飛龍「でも、だからって提督自身がやる必要なんてどこにも――――――」

日向「これは深海棲艦の習性を十二分に突いた見事な作戦だよ」

日向「深海棲艦は近くの人間よりも遠くの艦娘を優先的に襲うという噂――――――それを実証してしまった」

日向「もちろん、これはただの確率論でしかない。近くの標的が人間しかいないと認識されればそれはもう――――――」

日向「だから、深海棲艦の射程ギリギリで陽動して【捕獲】できる確率を高くしなければならない」

日向「――――――非常に高度な作戦だ。生半可な覚悟や力量、そして信頼と連携では到底実現不可能なことだ」

蒼龍「うん。いくら40ノット以上出せる高速艇に乗っていても人間と艦娘じゃやっぱり違い過ぎるよ!」

蒼龍「よく艦載機が飛び交う中、砲雷撃戦を潜り抜けて二度も三度も【肉薄】できたと思うよ」

蒼龍「まあ、【捕獲】できたのはあのヲ級だけなんだけどね、今のところは」

飛龍「でも、深海棲艦だって必死に抵抗するでしょう? マルカジリされないか心配で心配で…………」

日向「確かに、【捕獲】する上で最も難しいのは敵を生け捕りにするわけだからそこをどうするか――――――」

日向「だが、提督の武術はなかなかに卓越したものがある」

日向「――――――『近づくことさえできれば五分の勝負に持ち込める』と豪語するぐらいに」

飛龍「そ、それってやっぱり半分の確率で負けるってことじゃ――――――」

日向「でも、今のところは全ての勝負に勝ってきている。そして、記念すべき最初の深海棲艦を【捕獲】して帰ってきた…………」

飛龍「けど…………」

日向「信じよう。もう賽は投げられた」


日向「なぁに、【捕獲】はまず主力艦隊で敵艦隊を叩いて寡兵となった残存戦力に対して行うものだから、」

日向「私たちがきっちりと敵を全滅させるか、提督の高速艇が【突撃】して【肉薄】する前に撃沈してしまえるように敵を追い詰めれておけば問題ない」

蒼龍「そ、そうだよ、飛龍! 捕獲班の私たちが仕事できないように頑張って!」

飛龍「う、うん! 頑張る! 提督の明日の命のためにも!」ニッコリ

日向「それでいい。いつもの笑顔に戻ったな」ホッ

飛龍「あ、ありがとうございます、日向さん!」


伊勢「た、大変だよ、みんな!」ドン!


蒼龍「あ、伊勢さん?」

伊勢「深海棲艦の艦隊がこの鎮守府に攻めてきた! 急いで出撃の準備を!」ゼエゼエ

艦隊たち「!?」

飛龍「ハッ」

飛龍「――――――提督!」バッ

蒼龍「あ、飛龍!」

日向「飛龍――――――むっ! 確かにその可能性もあるか!」バッ

日向「もしやとは思うが、その可能性を捨てきれないぞ――――――!」

蒼龍「え」


日向「蒼龍! 捕獲班は石田提督を何としても止めろ! この機に乗じて深海棲艦を【捕獲】しようと企んでいるやもしれん!」


蒼龍「!」

日向「急げ! 捕獲班のお前は今は左近提督の管轄外だ。石田提督からまだ出撃の命令が出ていないのなら手分けして探しだして拘束してくれ!」

蒼龍「わ、わかりました!」ビシッ

タッタッタッタッタ・・・

日向「行くぞ、伊勢! 今日は石田提督のところに艦隊を引き連れたお客人が来ている! 見苦しいところは見せられないぞ!」

伊勢「日向 遅い! 最初からそのつもり! 置いていくよ!」




石田「まさか、敵の方から来てくれるとは、つくづく――――――」ニヤリ

ヲ級「ヲヲヲ! ヲヲヲ!」アセアセ

石田「大丈夫だ。お前に仲間を作ってあげるだけだから」ナデナデ

妙高「…………司令。まさかこの状況で【捕獲】を敢行する気なんですか?」

石田「当たり前だ。標本は多いほうがいい。そのためにドッグも増築したのだからな」

妙高「無礼ながら、申し上げます」

石田「?」


妙高「提督、あなたは海の亡霊に取り憑かれているのです! 正気に戻ってください! どうか、どうか…………」ポタポタ・・・


石田「………………妙高」

ヲ級「ヲ…………」

――――――
左近「殿! 敵戦力が判明しました」

左近「あれは、間違いなく空母棲鬼と空母棲姫の2個艦隊ですぜ! 殿が夏の大規模作戦で戦ったあのボス級深海棲艦です!」メメタァ

左近「さすがにこの陣容で敵さんを【捕獲】するだなんて言わないでくださいよぅ?」
――――――

石田「…………わかった」

――――――
左近「……殿?」
――――――


石田「それで 迎撃態勢はどうなっている?」

――――――
左近「今日は友軍艦隊が3艦隊も駐留していて、全員が防衛戦に参加する意思を見せてくれましたので、」

左近「我が鎮守府の艦隊と合わせた4個艦隊からなる連合艦隊で敵を迎え撃つことにします」

左近「本作戦の総司令官は俺が務めさせてもらいます」
――――――

石田「よし、わかった。我が鎮守府の威容を示してこい」

――――――
左近「合点承知。殿は大人しくしていてくださいね」
――――――

ピッ

妙高「さあ、司令。安全な場所に――――――」

石田「いや、もしものことがある。俺の管轄の艦娘を集合させておいてくれ」

妙高「…………信じていいんですよね?」

石田「ああ」

妙高「では、司令の命じるままに」

タッタッタッタッタ・・・

石田「…………すまない」

ヲ級「ヲヲヲ!」ギュッ

石田「それでも 俺は行かなければならない」


――――――全ては暁の水平線に勝利を刻むために!


――――――第6話W-1 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- 導入編 完

      Next:第6話W-2 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- 実践編 に続く!



陣営紹介W:新戦略研究局 ∈ 趣里鎮守府
石田司令/石田元提督
提督ではなくなり、実績のない新部署の局長であり、一応は趣里鎮守府の艦娘の指揮権を一部持つ司令である。

司令:駆逐隊や潜水隊などの最高指揮官。軍艦に分類されない区分の小さな艦船の隊を率いる ← 石田司令
司令官:軍艦や数個の駆逐隊や潜水隊などからなる戦隊を率いる
司令長官:複数の戦隊からなる艦隊や連合艦隊を率いる ←【艦これ】における提督はだいたいはこれ

“司令部”の下位組織である“新戦略研究局”という独自の部署を立ち上げ、画期的な戦略や戦術の導入を審議・研究しており、
そもそも“司令部”そのものが大本営の海軍実験部隊なのだが、ここは石田司令をトップに様々な企画を行って効率良く成果を出す意図がある。

しかし、その実態は深海棲艦を捕獲してその生態を調査し、根本的な戦略の見直しを求める急進的な勢力である。

ちなみに、捕獲班の司令としての彼が率いている艦娘は基本的に深海棲艦の捕獲や運用に適した戦力と人格で選りすぐっており、
その時点で武蔵・川内・愛宕らは不適切と見なされており、武蔵の扱いが極めて微妙なものとなり、後に問題の種となった。


正規空母:ヲ級『ヲシドリ』
“敵艦隊のアイドル”とまで称されるヲ級のとある一個体。
石田司令が命懸けで【捕獲】に成功し、【調教】によって実際に艦隊運用できるようになった史上初の【調教済み深海棲艦】であり、
すでにflagship級に【改造】済みなので夜戦でも艦載機を飛ばせるという艦娘のそれにはない別次元の強さを誇る。
ただし、【射程:超短】なので最も後れて攻撃することになり、他にも【深海棲艦】特有の利点と欠点があるので運用が難しい。

一応、二次創作における深海棲艦の言語能力はボス級以外は皆無としており(戦艦:レ級はほとんどボス級と同格の扱いで言語能力がある場合が多々)、
発話内容も『ヲ』しか言えないし、他の深海棲艦の鳴き声も○○モンと同じように名称と同じものとさせてもらいます。
そして、公式では艦娘の正体も深海棲艦の正体も明言されていないので、『艦娘を解体すれば普通の女の子になる』だなんて説は無視します。
あくまでも艦娘は妖精が何らかの手段で量産させている人造人間の兵器であり、深海棲艦は艦娘と起源を同じくするだろう何かという解釈です。



加藤提督
石田提督とは同期で、福島提督とも同期の実力派提督。皮肉屋ながら友情に厚く、石田提督と福島提督の仲を取り持ってきた苦労人。
石田提督が『知略』、福島提督が『気合』ならば、彼の場合は『冷静』であり、どんな状況でも落ち着いて対処できることをモットーにしているので、
重用している艦娘も彼に似て、騒がしくはないものの凛として存在感のある実力派の艦娘が多く集まっている。

寮母さんのような存在に極めて弱く、間宮さんや伊良湖さんの前になると普段の彼からは想像できないほどにデレデレする。
しかしそれは、上司がそうであるように部下の艦娘たちも同様な一面が見られ、『ムッツリ艦隊』と言われているとか言われてないとか…………

w1:加藤艦隊
重巡:那智    | 戦艦:長門
正規空母:加賀 | 駆逐艦:ヴェールヌイ(以下、『響』表記)
正規空母:雲龍 | 駆逐艦:不知火


w2:福島提督
石田提督・加藤提督らの同期で、気合と勢いを頼みとする提督。しかし、一念通天か、突撃馬鹿のように見えて戦果は加藤提督以上である。
とにかく『喧嘩上等!』な連中ばかりを集めており、非常に勤務態度が悪くガラも悪いので『ヤンキー艦隊』と仇名されている。
しかし、突撃馬鹿として男気あふれるところからなのか気が合うのか、艦隊の結束は非常に堅く、勢いに乗れば真似できない戦果を上げるので黙認されている。
また、無闇矢鱈に戦いをしているように見えてしっかりと戦術を練っているので、ゴリ押しのゴリ押しを戦訓とする金本提督に通じるところがある。

恋愛よりも戦いに勝つことばかり考えているので色気がないが、割りと気軽に飲み会を開いている『呑んだくれ共』でもあり、
もはや無礼講の間柄なのである意味においてはケッコンカッコカリにまつわる諸問題とは無縁でお気楽な艦隊。何気に武蔵と瑞鶴を持っている。
控えに、隼鷹、飛鷹、霧島(艦隊の良心、時折 堪忍袋の緒が切れる)などがおり、毎日毎日が非常に賑やか。お酒が飲めない駆逐艦に出番はほとんどない。
こうして見ると、大型艦の多用やメンツが被っているところから本質的に石田提督の艦隊編成と思想が共通するところが大いにあるようだ。

福島艦隊
重巡:足柄 | 戦艦:武蔵
重巡:摩耶 | 正規空母:瑞鶴
軽巡:川内 | 駆逐艦:曙


w3:小西提督
加藤提督が配属された鎮守府での先輩で、キザで嫌味な性格をしているがれっきとした実力派提督。彼を一言で表すならば『功名』である
目に見える戦果や評判を非常に気にしており、設計図上の能力よりも実際に活躍した経歴のある艦娘を重用する傾向がある。
それ故に、基本的に武勲艦ばかりのレア物狙いの提督となっており、結果として石田提督と似たような能力偏重主義に傾倒している。
しかし、石田提督とは違って武蔵や陸奥、大鳳のような強力な艦であっても大した活躍がない艦娘は絶対に使わないというかなり冷徹な一面がある。
後輩の加藤提督のことはあまりよくは思っていないが、大した失敗もせず、順調に戦果を上げているところに焦りを感じている。

小西艦隊

重巡:羽黒  |駆逐艦:綾波
軽巡:神通  |駆逐艦:潮
軽空母:龍驤|駆逐艦:夕立




第6話W-2 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- 実践編 


――――――
左近「ようこそ、司令室へ」

左近「早速ですが、皆さん方の艦隊編成と敵が空母機動部隊の2個艦隊であることを踏まえて、こちらの戦力を調整させてもらいますね」

福島「いつでもいいぜ! 俺の艦隊はガチで最強だから! 深海棲艦なんて一捻りだぜ」

加藤「相手が空母棲鬼と空母棲姫ならば、まずは制空権を取るために俺と福島提督の艦隊が先発となるのか?」

左近「ま、そうなりますな」

小西「妥当だな。俺の艦隊は夜戦向けだから夜戦突入か支援攻撃のどちらかだろう」

左近「小西提督は後方待機で艦隊の撤退を援護してください。少なくとも敵さんの艦載機もズタボロになっているはずですから簡単でしょう?」

小西「よし。そうさせてもらおう」

左近「では、こちらも【46cm砲】を装備させた超長距離攻撃艦隊を編成して援護いたしましょう」

福島「っしゃー! 見せてやんぜ、俺の艦隊がガチ最強ってことをよぉー!」

加藤「馬鹿。張り切りすぎるな。それに複数の艦隊を同時に指揮するんだ。お前の大声で聞き漏らしがあったらどうしてくれる」

左近「まあまあ」

小西「そういえば、石田司令はどうした?」

左近「石田司令なら待機という名の監禁ですぜ。さすがにこの非常時に司令の安全までは目を向けられませんので」

小西「…………そうか」

加藤「先陣は俺と福島提督だ! 右翼が俺の艦隊で、左翼が福島提督だ。突出している艦隊を先に十字砲火するぞ!」

福島「見せてやるぜ! 一度の会戦で殲滅させてやっからな!」

加藤「馬鹿。もう少し声を落とせ。聞こえているぞ」

福島「お、おう。すまねえ……」

左近「では、敵さんをきりきりまいさせてやりましょうかね!」

小西「作戦開始だな!」
――――――



――――――鎮守府海域


ヒノ……カタマリトナッテ…シズンデシマエ……!

空母棲姫「………………」ゴゴゴゴゴ

w1:那智「姫のほうが先だったか。これは少してこずりそうだな」

w1:長門「後続の艦隊に合流される前に手早く片付けるぞ!」

w1:加賀「五航戦の子なんかに遅れは取らないわ」

――――――
加藤「いいか! 敵は空母機動部隊だ。しかし、数の上では福島提督の艦隊の分もあってこちらが圧倒的に有利だ」

加藤「出来る限り 福島提督の艦隊とは距離と角度を置いて回りこんで十字砲火を行う」

加藤「決して突出するなよ! 足並みが揃わなければそいつから各個撃破されるからな!」
――――――

w1:響「わかっているさ」

w1:不知火「これまで不知火たちに落ち度でもありましたか?」

w1:雲龍「よし、第一次攻撃隊、発艦始め」

――――――
小西「ほう。見ない間にこれほどまでになっていたとはな……」

左近「お見事ですな。順調に福島艦隊の前に敵さんが脇腹を見せ始めましたぜ」

加藤「ここはお前に譲ってやるよ。とっとと沈めろ。――――――ま、できたらの話だがな」

福島「俺様の出番がキタアアアア! かっとばすぜー!」

加藤「馬鹿。だから『声を小さくしろ』と言っているだろうが!」

小西「まったく、どうしてこんな陸軍がお似合いの人間が戦績上位者に入っているのか…………」

左近「ま、これが決まれば、敵さんは壊滅ですがな」
――――――


w2:足柄「くっ、もっと近づけないの? これじゃMVPが取れないじゃないの」

w2:瑞鶴「アウトレンジで…決めたいわね!」

w2:武蔵「よし! さあ、行くぞ! 撃ち方…始めっ!」

――――――
福島「行っけええええ! 敵陣に突っ込んでおいて足を止めたマヌケを袋叩きだああ!」

加藤「いちいち叫ばないと作戦ができんのか、この馬鹿」

左近「敵さん、完全に混乱してますぜ。ボス級深海棲艦の艦隊でも高度な作戦には対応できないようで」

小西「深海棲艦の基本的戦術は人海戦術だからな。とにかく要所を押さえたところを大量の防衛部隊を配置して我々を深みに誘い込むだけだ」

小西「やつらは侵攻戦はあまり得意ではないようだな」

左近「それでも、この大戦が始まった当初はその圧倒的な展開力で我々の海を奪っていきましたからねぇ」

左近「かれこれ四半世紀近くになりますが、人類はようやく艦娘を御しえて対等の戦いができるようになったんだ」

左近「そう考えると、やつらの進化はどちらかというと制海権を得ることだけに特化していたのかもしれないね」

左近「もっとも、敵さんとしても一度は得た制海権を奪い返すために、今度は根本的なところを押さえることを思いついたようですがな」

小西「…………厄介だな。こんなことは初めてのことじゃないのか?」

左近「さあね。ただの偶然かもしれませんし、もしこれが偶然じゃないとするなら近いうちに他の場所でも――――――」
――――――

w2:曙「あのクソ提督!」

w2:摩耶「まあいいさ。のこのこと駆けつけてきた鬼を殺れればチャラにしてやるよ」

w2:川内「…………夜戦」イジイジ


――――――
左近「【偵察機】から敵の先陣の殲滅が確認されましたよぅ」

加藤「フッ、地の利を捨てて敵陣に1個艦隊だけで攻めることを強いられているのがいかに苦しいか思い知ったか!」メメタァ

福島「っしゃー! 瑞鶴のやつが姫とったぜぇ!」

左近「いやはや、みなさん優秀で助かりますよ、ホント」

小西「しかし、ボス級深海棲艦の生命力は凄まじい。復活を警戒しなければ」

左近「さて、どうします? 鬼さんの方は動きを止めたようですけど」

加藤「どうする、福島提督? 敵は恐れをなして進軍を止めたらしいぞ」

福島「んなもん決まってるだろー! 突撃だ、突撃! 人ん家の庭の中に不審者がいたら追い出すだろ?」

加藤「聞くまでもなかったか」フフッ

加藤「左近提督、ここは突撃する! 後詰を頼む!」

左近「承知した。小西提督の艦隊も姫の捜索のために動いてもらいましょうか」

小西「フッ、このまま見ているだけだと思っていたが、ちゃんと出番があってよかった」

小西「――――――出番だぞ。姫の捜索を行うが見つけたところで大した脅威ではないだろう、お前たちならば」
――――――

w3:羽黒「あなたたちの背中は、私が守ります!」

w3:神通「索敵 急いで! 見つけたら魚雷攻撃で徹底的に追い詰めます!」

w3:龍驤「一航戦も五航戦もいるのに、どうもウチら地味な仕事ばかりやなー……」

w3:綾波「まあまあ。索敵も本当に大切な仕事だから、これが終われば提督も褒めてくれますよ」

w3:夕立「ソロモンの悪夢、見せてあげる!」(ドS)

w3:潮「できれば、離脱してください!」(迫真)

――――――
小西「よかったな、俺が主力艦隊を引き連れてこなくて」

小西「そうでなかったら先陣争いで、こうして上手い具合に役割分担もできなかったろうに」

加藤「……小西提督?」

左近「ま、その時はその時ですけどな」

小西「それもそうか」

加藤「よし! さっきと同じだ。まず俺が鬼の艦隊に仕掛けて注意を削ぐ」

福島「そこを俺んところの武蔵と瑞鶴で狙い撃つ――――――ガチでやべえぜ、この戦法!」

小西「確実なだけにおもしろみもない戦いだな」

加藤「こんなところで艦娘を大破なんてさせてみろ。あいつに何を言われるかわかったもんじゃない」

加藤「それに、あまり人の鎮守府に世話を掛けたくないからな。謝礼はちゃんと支払いつもりだが、まあ あまりいいものじゃない」

小西「それもそうだな」

福島「っしゃー! 勝ちパターン入ったぜー!」

左近「こちらにしても敵さんにしても『個艦の能力がどれだけ優れていようとも分厚い数の壁の前にはどうしようもありません』ということですかな」

左近「今回のことで得られたことは『戦術は戦略には勝てない』ということ。そう――――――、」


――――――だからこそ、殿がなさろうとしていることがこれから必要となってくるわけだ。




――――――それから、夕方


左近「…………わかりませんな」

左近「深海棲艦も『侵攻に失敗したら撤退する』という知恵を身につけたんでしょうかね?」

小西「そんなことは我々がよくやっていることだ。学習していてもおかしくはないな」

加藤「しかし、気味が悪いな。やはり深海棲艦の生態を調べなければ気が気でなくてたまらんな」

福島「結局、何だって?」

左近「姫も鬼も海の藻屑となったのか、それとも尻尾を巻いて逃げ出したのか――――――」

福島「ああ なるほど……」

左近「潜水艦隊で海中をくまなく探しまわってはいるんですがね……」

小西「そうそう。俺の艦隊も最初から捜索をしていたわけだが、轟沈した姫の反応はなかった」

加藤「どういうことなんだ? てっきりボス級深海棲艦というのは艦娘を遥かに凌駕した生命力があるんじゃなかったのか?」

福島「だよなぁー。復活しないなんてちょっと調子狂うっていうか、なぁー?」


石田「そのことについては俺から仮説を提唱しよう」


左近「おお、ちゃんと大人しくしてくれてましたか、石田司令」

福島「本当だぜ! ちゃんと見ていてくれたか、俺の艦隊の活躍ぅ~」

石田「俺の考える最強艦隊の理論に近い艦隊編成をしているのだ。それに友軍艦隊との連携があったのだ。勝てて当然だ」

福島「お、マジかよ! やっぱり俺の艦隊、ガチ最強ぉー!」

小西「馬鹿なやつだな。別に褒められてもいないってのに……」

加藤「ま、ここでいちいち突っかかれてまた喧嘩腰になられても困るからな。今はそれでいいじゃないか」

加藤「で? ――――――『仮説』ってのは何だ?」



石田「我々が優先して叩くべきなのは、ボス級深海棲艦よりも輸送ワ級ということだ」


加藤「ほう? もっと詳しく聞かせてくれないか?」

加藤「要するに、『輸送ワ級がいないとボス級深海棲艦でも復活できない』ということなんだろう?」

石田「そういうことになるな、今の段階ではな」

小西「確かに、ボス級深海棲艦以外で【ゲージ破壊】の対象となっているのは輸送ワ級が主だったな」メメタァ

福島「前々から思ってたんだけどさ? 輸送ワ級って何を輸送してんだ、あれ?」

加藤「!」

左近「つまり、輸送ワ級にこそ深海棲艦の秘密が隠されているというわけなんですかぁ?」

石田「俺はそう睨んでいる」

石田「これまでの作戦において輸送ワ級と【戦力ゲージ】の存在の有無を検証すると、両者はほぼ同時に存在していることがわかった」メメタァ

石田「攻略Wikiに寄せられた情報を丹念に見ていけばわかることだが、――――――EOマップは例外だからこの場合は無視する」メメタァ

石田「さて、福島提督の疑問ももっともだ。輸送ワ級が何を輸送し、それで何が補給されているのかはまったくもって不明だ」メメタァ

石田「よって、“新戦略研究局”の最初の方針を伝える」


――――――輸送ワ級の【捕獲】及び殲滅が当面の第一目標となる。


一同「!」

小西「しかし、それは非常に困難な作戦だと思うのだが」

加藤「輸送ワ級の登場は早くても南西諸島海域のバシー島沖が最初だ。少なくとも戦艦や重巡が相手となるだろうし、」メメタァ

加藤「そもそもこちらの艦隊の練度がありすぎて、【捕獲】する前に開幕攻撃で全滅させる恐れすらあるぞ」メメタァ

福島「でもよぅ? かと言って、そこしか簡単なところがねえだろう?」

福島「確か輸送ワ級の出現海域は他にも北方海域のキス島沖とかもあっけど、ボス艦隊と一緒だからマジヤベーぞ」メメタァ

小西「それに、西方海域の多くで敵補給船団と交戦することができるが例外なく最深部だ。キス島沖よりも遥かに難しいぞ」メメタァ

左近「なるほど、そう考えるとますます輸送ワ級が意外な難敵だということが浮き彫りになってきましたな」

小西「そうだとも。flagship級で重巡並みの火力を持っているから実に侮れん敵だ」

石田「そう! 兵站は戦争の基本だ。その大本を絶たねば我々は勝てるはずがないのだ!」

石田「それだけに、やつらにとっても輸送ワ級は生命線になっているはずなのだ」

石田「特に、深海棲艦の活動が活発な海域ほど多く確認されているということは輸送ワ級が何かしらの戦略的要素を担っていることに他ならない」

加藤「そうだな。何とかして輸送ワ級を集中的に叩ける手段の模索をしなければだな」


福島「けどよぉ、まだ肝腎の【捕獲】の方法がわかってないんだけど大丈夫なのかよ、簡単に【捕獲】なんて言っちゃってよぉー?」


左近「…………石田司令」

石田「安心しろ。あくまでも輸送ワ級の【捕獲】は第一目標なのであって、生き急いで南方海域に【突撃】する愚行はせんよ」

加藤「それはわかったが、俺たちはこれから具体的にはどうすればいい? 輸送ワ級の優先的な撃破は了解したが」

石田「実は、【捕獲】に必要な装備の補充ができていない」

石田「だから今日は、顔見世と実際の深海棲艦の運用の見学だけにしたかったのだ」

石田「今日は災難だったな」


加藤「そういうことならしかたないな」

小西「だが、この戦いの勝利のために現状で必要な疑問点が得られたのは大きな収穫だったな」

福島「ああ。とりあえず、輸送ワ級を徹底的に潰しゃあいいってわけなんだな! な!」

石田「そう考えてもらっていい」

左近「しかし、輸送船撃破なんて多くの提督たちがすでにクエストでやっていることなんですがねぇ……」メメタァ

石田「ならば、1ヶ月あたりの補給船団の撃破数を並みの10倍やればいい」

小西「簡単に言ってくれるな」

加藤「だが、それぐらいやりきる覚悟がなければ、現在の戦局に影響を与えることなど到底不可能だろう」

福島「っしゃー! わかったぜ、石田提督! ――――――輸送ワ級! 狩って狩って狩りまくるから見ていてくれよな!」

石田「功を焦って無駄死だけはさせるなよ」

福島「!」

福島「わ、わ-ってるよ、頭でっかち。俺はお前とは違って捨て艦なんかしねえからよ」

石田「ならいいが」

小西「ほう……」

加藤「確かに変わったな、石田提督のやつ…………これなら信用してもいいかもな」

左近「………………」




――――――その夜:警戒態勢解除、諸提督らは修理・補給を済ませて帰還


カチャカチャバン! ブゥウウウウウン!

石田「さて、点検はこれでいいだろう」(最新の防水防弾服)

ヲ級「ヲ…………」

石田「心配するな」

石田「それよりも――――――」

ヲ級「……ヲ」スッ


――――――【お供え物:献花】


石田「うん。いつ見ても華やかでいつ嗅いでも心が安らぐ」クンクン

石田「そう、まずは【お供え】をしなければ始まらない」

石田「公式は深海棲艦の正体については『ユーザーの想像におまかせします』と言い張っている以上、」メメタァ

石田「――――――俺も独自に深海棲艦というものを追究してきたのだ」

石田「昔、深海棲艦のある習性の存在に俺は気づき、深海棲艦捕獲作戦を実行する前に頻繁に海に出たものだ」




石田「一説によれば、深海棲艦とは『過去に沈んでいった艦船の怨念が実体化したもの』と言われている」


石田「そのことは後に、人の言葉を話す――――――というより呟き続けるボス級深海棲艦の登場と発言内容の解析で明らかになった」

石田「――――――いや、『そうではないか』という仮説が半ば事実として広く受け容れられているというだけのことだ」

石田「しかし、艦娘に対する高い攻撃性は我々軍人や科学者がオカルトと軽視している幽霊というものの中の地縛霊や怨霊の性質によく似ている」


艦娘が先か――――――、深海棲艦が先か――――――。


石田「この大戦が始まってから四半世紀にもならないが、同一の艦娘や深海棲艦が不特定多数 同時に存在できていることを踏まえれば、」

石田「艦娘も深海棲艦も元は同一のものを起源にして生まれた本質的に同じ存在だと言われているのも頷ける」

石田「艦娘と深海棲艦が本質的に同じ存在だとするならば――――――、」


――――――どうして両者の間に違いが生まれるのか?


石田「それが大きな謎となるわけだ」

ヲ級「ヲ?」

石田「艦娘は兵器だから戦略や政治ができない――――――戦うことしか知らないという認識が学の深い人間の共通認識だ」

石田「しかし、それは深海棲艦にも言えたことであり、やつらもまた戦略や政治ができていないのだ」

石田「すると、艦娘と深海棲艦の違いを徹底的に集約させていくと、」

石田「――――――艦娘は人間だから、泣いたり笑ったりふざけたりおどけたりでき、」

石田「――――――深海棲艦は亡霊だから、死ぬ間際の想念がそのまま残留し続け、戦略もなくただ戦い続ける他ない」

石田「こう考えると、深海棲艦を根本的に無力化する方法はいくつかはただの提督の俺でも思いつくわけだ」


石田「1つは、海に沈んでいる艦船を跡形もなく破壊する――――――撤去することだ」

石田「しかし、解体されてすでに亡骸が存在しない艦船には対応しきれないという欠点に思い当たることになる」

石田「そもそも、艦娘の正体も深海棲艦の正体も判然としない中での禅問答みたいな科学的根拠に基づかないくだらない推論でしかない」

石田「しかしながら、この広い海にはいくつもの船が沈み、今もその船乗りたちはその海を彷徨い続けているという伝説が数多あるように、」

石田「彼女たちの骸、あるいは搭乗員たちの霊たちを手厚く葬っておくことが今でも大事ではないかと思い――――――、」

石田「俺は藁にもすがるような思いで とてつもなく馬鹿げた行為に走ったというわけなんだ」

ヲ級「ヲ?」

石田「ある時、制圧が完了した海域で【献花】したわけだ。海一面に花畑が咲いたかと思うぐらいに盛大にな」

石田「…………あの時の俺は捨て艦戦法で海域を強引に押し進み、せめてもの罪滅ぼしと戦勝報告もかねて弔意を表そうとしていた」

ヲ級「ヲ…………」

石田「そうだ。あの頃の俺は艦娘たちからひどく恐れられていたから――――――実際に艦娘に多大な犠牲を強いた罪悪感から、」

石田「制圧が完了したばかりの海域で『深海棲艦に遭遇して殺されるのも乙』だと浮ついた考えを持っていた」

石田「無謀にも護衛を付けずにただ一人で長い間 俺は艦艇に揺られながら弔っていたのだ」

石田「するとだ」

石田「俺は海面に巨大な魚の頭――――――いや、深海棲艦の空母:ヲ級が海面下から顔を覗かせてこちらを見ていたのだ」

ヲ級「ヲ?!」

石田「さあな? 俺に【捕獲】されて『ヲシドリ』と名付けられたお前だったかどうかはわからん。時期から考えても十中八九 別人だろう」

石田「俺は死を覚悟した」

石田「深海棲艦は艦娘に対して強い攻撃性を示す一方で、生前の意識からか艦娘ではない方の軍艦や民間の船舶にも攻撃性を示し、」

石田「更には、艦船の搭乗員も攻撃――――――捕食することも確認されている」

石田「しかし、圧倒的に優先順位が 艦娘 > 実際の艦船 > 人間 となっており、」

石田「おそらくこれも、生前の軍艦や艦艇に与えられた任務が直接的な人員の抹殺ではなく、戦力の撃破にあったからなのだと俺は思う」

石田「だから、もしかしたら艦娘が【ドロップ】して矛先がそれる可能性が万が一にはあったのだ」メメタァ

石田「だが、あの時の俺は若かった」

石田「すぐに動転して腰が抜けてしまったのだ」

石田「そして すぐに、艦艇を沈められるものだと身構えていた。非武装艇でかつ俺一人で来ていたからすぐに出すことも叶わないのだからな」

ヲ級「ヲヲヲ!」アセアセ
                     フネ
石田「だが、しばらく無様にも一人 艇の上で縮まっていると次第に『何も起きない』ことを認識し始めた」

石田「恐る恐る、深海棲艦相手には文字通り豆鉄砲な拳銃の安全装置を外しながら、あのヲ級がいたところを覗き込んだ」

石田「するとだ」

石田「ヲ級は海一面に浮かぶ【献花】を手にとって興味深そうに眺めていたのだ」

石田「いや それだけじゃなく、口に中に入れてみたり、嗅いでみたり、それが何なのかを楽しそうに一生懸命に調べていたのだ」

石田「俺はその隙に艇を発進させて、命からがら鎮守府に帰り着いたというわけなのだ」

石田「そして、俺が鎮守府に帰り着いた時に俺を出迎えたのは――――――、」

石田「一人で護衛もなしにどこへ行っていたのかを咎めることもなく、俺の帰還を見て 談笑や笑顔が消えていく艦娘たち――――――」

ヲ級「ヲ……」

石田「だから 俺は、趣里鎮守府というブラック鎮守府に配属されてお先真っ暗の艦娘たちとは対照的に、」

石田「敵であるはずなのに俺のことなど気にも留めず、無垢な表情を浮かべて楽しそうにしていたあの時のヲ級のことを忘れることができず、」

石田「こうして鮮明にその時のことをありありとお前に聴かせることができているのだ」


ヲ級「ヲヲ!」

石田「そう。ふとその時のことを思い出して冷静になって分析してみて、俺は花屋を鎮守府に置くことにしたのだ」

石田「もちろん、【献花】するため――――――実験のために必要な花を自然な形で大量に鎮守府に仕入れて管理させるためにだ」

石田「艦娘たちからは『弔花を自前で用意させるために置かれたもの』だと恐れられていたがな」

石田「…………どれくらいその花屋は鎮守府にあったのだろう?」

石田「俺は花屋に自然と通い詰め、そこで売り子をやっていた娘と仲良くなっていた。おかげで花の名前や花言葉も人並み以上に言えるようになった」

石田「…………懐かしいな」フフッ

ヲ級「ヲ……?」

石田「だが、噂が噂を呼び――――――、ブラック鎮守府を取り締まるために大本営が数々の規制を実装していった中で、」メメタァ

石田「俺の鎮守府の花屋はその象徴として営業停止となって、――――――売り子の娘にはもう長いこと会ってないな」

石田「俺としては、花の仕入れに関するノウハウをすでに教わっていたから用済みではあったんだがな……」

石田「――――――だが、今でも感謝はしている」

ヲ級「…………ヲヲ」スリスリ

石田「違うぞ、『ヲシドリ』。俺は別に寂しいなどとは思ってなどいない……」ギュッ

石田「人生というものは出会いと別れを繰り返しだ」

石田「そんなことは散々 同じ艦娘を【建造】しては捨て艦にして轟沈させてきたから慣れていることだ」

石田「そう、あの時の俺にとっては駆逐艦はどれも同じにしか見えなかった――――――」


――――――それこそ個性や私というものがない一様でしかない深海棲艦と同じような存在にしか見えなかった。



石田「――――――だがな?」

石田「そう、だからこそだ。だからこそなのだ」

石田「だからこそ、俺は深海棲艦を【捕獲】してから戦力に加えるのに必要な【調教】が何なのか気づいたのだ」

ヲ級「ヲ?」

石田「簡単なことだ。実に簡単なことだ、そんなのは」


――――――たとえば俺と話をしたり、たとえば寝食を共にしたり、たとえば艦娘と同じことをさせればよいのだ。


ヲ級「ヲ…………」

石田「考えてもみろ。――――――艦娘が艦娘たる所以を。深海棲艦とのわずかな違いを」

石田「それを思えば、彼女たちの自我が非常に幼いことも生まれた時に深海棲艦にならないために必死の思いで実らせた人としての証なのかもしれないな」

石田「人間は生まれる時に必ず最初に出産に伴う苦しみを受け、それを糧に生への執着心を得て一個の生命体としてこの世の息吹を授かる――――――」

石田「あるいは 軍艦という兵器そのものが人間の血生臭さや冷徹さの象徴であるからこそ、そんなこととはまるで無縁のその自我の幼さが、」

石田「本質的に冷徹非道に相手を虐げるためだけに生まれた血も涙もない兵器たちが深海棲艦にならないために生み出した知恵なのかもしれないな」

石田「特に駆逐艦など、俺からすれば数だけが取り柄で個々の違いなど戦力的に大差がない同一の存在にしか見えなかったからな」

石田「そう考えると、深海棲艦という存在が非常に身近な存在に思えてくるのだ」

石田「なぜなら、人間とて同じことだからな」

石田「1つの生き方しか知らない人間がいかにクズであるのかを俺は知っている」

石田「帝国海軍の存在意義は海上防衛であり、洋上の敵を倒すだけの仕事だけだが、」

石田「それならばイギリス海軍を手本にしたユーモアを大切にする気風など必要なかろう」

ヲ級「ヲヲヲ!」

石田「そうか、お前もそう思ってくれるか」フフッ

石田「だからこそ、俺はお前のことを我が子のように接する努力をしているのだ」ナデナデ

ヲ級「ヲヲヲヲ……」ニコニコ





石田「さて、今日は強力な艦隊が向こうから攻めてきてくれた」

石田「そして、“新戦略研究局”始動初日というわけで司令部が選抜した精鋭たちが艦隊を連れてきていたので労せずに撃破された」

石田「これで次の実験に移ることができるわけだ」

石田「俺は艦隊指揮権のない無力な新部署の局長としてこの状況をただ眺めていたわけではないのだよ」

石田「ボス級深海棲艦の復活を警戒するために鎮守府の艦娘が交代制で捜索と哨戒に出ることを見越して、」

石田「この【人形】と同じものを持たせて何も知らない時津風に海に投げ入れるように命じていたのだ!」

石田「あの時ばかりは我々 捕獲班の戦力も索敵に駆り出さないといけなかったからな」

石田「すでに仕込みは十分だ。潜水艦はいなかったから【捕獲】用装備もこれでいいだろう」ジャキ

石田「後は、【調教済み深海棲艦】単独で深海棲艦が接触した場合の反応を見る」

石田「頼むぞ、『ヲシドリ』」

ヲ級「ヲ!」

石田「よし、出撃するぞ」


ブゥウウウウウウウウウウウン! ザァアアアアアアアアアアア!

      マリンジェット
艦載艇:特殊小型船舶| 空母:ヲ級『ヲシドリ』
              |
              |


――――――鎮守府海域


石田「さて、まずは索敵をしなければな。【電探】の類を載せる余裕など【特殊小型船舶】にあるわけがない」

石田「頼むぞ、『ヲシドリ』」

ヲ級「ヲ!」 ――――――艦載機 発進!

石田「やはり、夜間でも艦載機を発進させられるflagship級は優秀だな」メメタァ

ヲ級「ヲヲヲ!」ビシッビシッ

石田「ああ。あっちの方向にいるのだな? それで距離は――――――なるほどな(なかなかに意思伝達も苦にならなくなってきたな)」


ブゥウウウウウウウウウウウン!


石田「…………月明かりの下、ここからでもはっきり見える洋上の異様な物体! ――――――大型の艤装だな!」

ヲ級「ヲ!?」

石田「これはとんだ大物と遭遇したな……」スチャ(ナイトビジョンスコープ)

石田「しかし、俺の仮説では復活しないはずだが…………生き返ってる!?」


空母棲姫「………………カワイイナァ」ウリャウリャ (月明かりの下で【人形】を愛おしそうにイジっている)


石田「さて、今のところ 最高峰の性能を誇る【震電】で取り押さえられるか――――――」ジャキ ――――――【捕獲用装備/電撃銃・震電】!

ヲ級「ヲ…………」

石田「よし、敵からの攻撃を警戒しながら接近してみろ。敵意があるかどうかを見てこい」

石田「無いのならば、お前に持たせた【人形】で興味を引いてこちらに誘い出せ」

ヲ級「ヲ!」ビシッ




サァアアアアア・・・・・・


ヲ級「…………ヲヲ!」

空母棲姫「――――――?」


石田「どうやら空母棲姫ですら『ヲシドリ』の接近に疑問を持たないようだな……」

石田「――――――【人形】に気を取られているからなのか? ――――――【調教済み深海棲艦】単艦では敵だと認識しないのか?」

石田「ともかく、これで【調教済み深海棲艦】で容易に敵の懐に飛び込むことができる可能性ができたぞ」


ヲ級「ヲヲヲ! ヲヲヲ!」

空母棲姫「………………」ジー

ヒノ…カタマリトナッテ…シズンデシマエ……!

空母棲姫「………………!」ゴゴゴゴゴ

ヲ級「ヲヲヲヲヲヲヲ!?」ジタバタ


石田「!」アセタラー

石田「くっ、失敗したか!(やはり深海棲艦は亡霊のような存在だから心が芽生えているかどうかで艦娘かを判断しているわけなのか?)」

石田「手筈通りに退却だ、『ヲシドリ』!(だとするなれば、艦娘の定義というのはやつらからすると――――――、だ!)」


ヲ級「ヲヲヲヲヲヲヲ!」ザァアアアアアアアアアアア!

空母棲姫「…………オチロ!」

ヲ級「ヲーーーー?!」ドゴーン! ――――――中破!


石田「――――――『ヲシドリ』ィイイイイ!」ブゥウウウウウウウウウウウン!

石田「くっ! 計算外だ……!」ギリッ

石田「夜戦で戦えるとはいえ、やはり空母の回避力や装甲ではボス級に対峙させるには分が悪すぎたか!」

石田「しかも、中破か! これでは『ヲシドリ』は“七面鳥”ではないか!(昔だったら、大破しても戦えたのだがな……)」メメタァ

石田「(いや、相手が姫とわかっていて最善の策を選ばなかった俺の失策だな……)」

石田「やらせはしない! やらせるものかああああああ!」


ブゥウウウウウウウウウウウン!



空母棲姫「……ナンダ?」

空母棲姫「…………ハヤイ、ダト?! キョダイナギョライ?!」

ヲ級「ヲヲヲーーーーーー!」ウルウル

石田「目障りなのだよ、深海棲艦!」ジャキ ――――――【肉薄】状態!

石田「人類最高科学の粋を結集した最強の【電撃銃】を受けるがいい!」バン!

空母棲姫「!!!!!!!!??」バチバチバチィ・・・!

空母棲姫「ウアアア…………」ビリビリビリ! ドッゴーン!

石田「――――――っと、誘爆したか(しかし、さすがにこの至近距離では波の揺れや水飛沫がキツイか)」ドンブラコドンブラコ

石田「だが、ボス級であろうと1対1ならこの電撃で確実に殺れる!」ギロッ

石田「そのまま墜ちるがいい!」ブゥウウウウウウウウウウウン!

空母棲姫「ソンナ…………カ、カラダガウマクウゴカセナイ…………」ビリビリ

石田「隙だらけだな!(――――――背後、もらったぞ!)」バァン!

空母棲姫「アアアアア……!」バチバチバチィ・・・!

石田「二撃目入った!(さすがは海上で最高の機動力を誇る【特殊小型船舶】だ)」ブゥウウウウウウウウウウウン!

石田「次でとどめを刺してやる!(ボス級の巨大な艤装など1対1の接近戦においてはまったく無用の長物だな!)」ブゥウウウウウウウウウウウン!

空母棲姫「ウウ…………」バタッ

石田「…………!」キキィ

石田「――――――やったのか? 俺が、あのボス級を? 人間が造った武器で?」ドクンドクン

石田「………………」ゴクン

石田「――――――『ヲシドリ』! 【捕獲】しろ!」

ヲ級「ヲ!」ザァアアアアアアアアアアア!

ヲ級「ヲヲ…………!」グググググ・・・

石田「さすがにボス級深海棲艦を曳航していくにはヲ級だけでは力不足か……」

石田「明らかに出力が足りてないが、この艇も曳航に使わざるを得ないな」

石田「よし、『ヲシドリ』! 【捕獲】用のロープだ。俺が教えたとおりにそいつに巻きつけるんだ」ポイッ

ヲ級「ヲヲヲヲ♪」

空母棲姫「」



ブゥウウウウウウウウウウウン・・・!


石田「やはり【特殊小型船舶】では力不足だが、『ヲシドリ』が頑張ってくれているおかげで辛うじて進めてはいるか…………」

石田「もう少しだ。鎮守府の灯台の明かりが見えてきたぞ」

ヲ級「ヲヲ!」

石田「いい娘だ。これが終わったらうんと褒めてやるからな」

ヲ級「ヲヲ♪」ニッコリ

石田「さて、まさかボス級深海棲艦の【捕獲】に成功するとはな」

石田「こいつを無事に【調教】することに成功すれば、全体の勝利に大きく貢献することになるだろう」

石田「(そして、人語を発する深海棲艦と艦娘を結ぶ貴重な存在として研究にも大いに役立つことだろう)」

石田「(本来ならば輸送ワ級を【捕獲】したいところだが、これはそれ以上の戦果だな)」

石田「戦いの勝利などに俺の答えはない!」ドヤア

空母棲姫「――――――」ゴポ・・・

ヲ級「!」ビクッ

ヲ級「ヲヲヲヲ! ヲヲヲヲ!」バチャバチャ

石田「なにっ!?」ビクッ

空母棲姫「…………!」ボゴン! 

石田「――――――がっ!?」ガコン! ――――――空母棲姫を牽引していた【特殊小型船舶】は勢い良く海面を舞う!

石田「うあああああああああああああああ!?」 ――――――その勢いで空中に投げ出されてしまう石田提督!

ヲ級「ヲヲヲーーーー!」

空母棲姫「…………ア」

ヒュウウウウウウウウウウン! ザバァアアアン!

石田「うおっ!?(――――――何だ? 海面に直接叩きつけられずにすんだが、この背中から覆い込むような寒気は?!)」


空母棲姫「………………テイトク?」


石田「へ」ビクッ

石田「うっ、しまった! やはり迂闊だった――――――っああああああ!?」ギギギギギ・・・

空母棲姫「テイトク、テイトク、テイトク、テイトクダ…………」ギュゥウウウ

石田「あっ! うぅう! うああああ!(なんて力だっ! このままでは身体を真っ二つにされてしまう!)」ギギギギギ・・・

ヲ級「ヲ! ヲヲヲーーーー!」

石田「【電撃銃】を渡せ、『ヲシドリ』ぃいいい!」

ヲ級「ヲ、ヲヲ!?」キョロキョロ

石田「あ、ああああああああああ!(――――――ダメだ、『ヲシドリ』が落とした【震電】を見つける頃には死ぬぅう!』)」ミシ・・・

空母棲姫「テイトクダ……テイトク…………」

石田「あああああああああああああああ!」ミシミシミシ!



石田「手を放せ、この! この! このぉおおお!」ジタバタ

空母棲姫「ア……」パッ

石田「おわっ!?」ザパーン!

空母棲姫「ア、テイトク……!」サッ

石田「ガハッ、ゴホゴホォ・・・」ビチャビチャ

ヲ級「ヲヲーーー!」ザァアアアアアアアアアアア! ――――――【電撃銃・震電】!

石田「!」スッ ――――――懐から防水加工された特別な扇子を取り出す!


石田「――――――“勅命”!」バッ \勅命/


ヒューーーーーン! バババババ・・・! ――――――どこからともなく【艦攻】が月下の空母棲姫を襲う!

空母棲姫「ア!? クッ、テイトク…………」

艦攻妖精「直撃確認! 規定通り、司令の安全のために近くの鎮守府に救援要請を行います!」

ヒューーーーーン! パァアアン!  ――――――照明弾が月夜の海を照らす!

石田「――――――!」ジャバジャバ!  ――――――敵が怯んだ隙にヲ級『ヲシドリ』のほうへ死力を尽くして泳ぐ!

ヲ級「ヲヲヲヲ!」ギュッ ――――――そして、『ヲシドリ』は身を沈めて迅速に石田提督をでっかい魚の頭に乗せるのであった

石田「…………!」ゼエゼエ


――――――
左近「掛かれええええええええ!」
――――――


石田「!」

武蔵「撃ち方…始めえええ!」ゴゴゴゴゴ

川内「さあ、私と夜戦しよ?」ゴゴゴゴゴ

愛宕「主砲、撃てええええええい!」ゴゴゴゴゴ

バン! バン! バン! チュドーン! チュドーン!

空母棲姫「アアアアアア!」

石田「……ま、待ってくれ! やつは絶対に【捕獲】しなくてはならないんだ!」ゼエゼエ

石田「聞こえてるか、左近提督! やつは――――――」ゼエゼエ

石田「やめてくれええええ!」ゼエゼエ

日向「諦めろ、提督」ガシッ

石田「なっ!?」

飛龍「帰ろう、提督? 提督の帰る場所は海の底じゃなくて鎮守府だよ……」ガシッ

石田「いやまだ間に合う! 攻撃を止めさせてくれ! あれは、あれは――――――!」

飛龍「わかってます」

石田「なにっ?!」

飛龍「覚えてますよ、この前の大規模作戦の1つ:【MI作戦】でも戦いましたからね」メメタァ

石田「――――――!」

石田「なら、今すぐに止めさせてくれ、飛龍! 頼む、後生だ……!」

飛龍「イヤです」

石田「なぜだ……、なぜだ、飛龍ぅ…………」

飛龍「これで提督に嫌われたっていいです……」


飛龍「けど、――――――提督のこと、これからをずっと見ていたいから」ポタポタ・・・


飛龍「覚えてますか、提督? ――――――赤城さんに加賀さんもいたあの頃のことを」

石田「忘れるわけがないだろう……」

飛龍「よかった……」ホッ

石田「?」

飛龍「それじゃ、夜戦のできない空母:二航戦の飛龍、鎮守府に帰還します」

日向「確か『ヲシドリ』と言ったか? 行くぞ」

ヲ級「ヲ?」

飛龍「うん、行こう」

石田「よせええええええええええええ!」


ザァアアアアアアアアアアア!



武蔵「これでとどめだ、化け物!」バン!

空母棲姫「――――――!」チュドーン!


空母棲姫「………………テイとく」フフッ ――――――轟沈!


川内「やった! 姫を倒したよ、左近提督!」

――――――
左近「お疲れ様でした」

左近「殿もヲ級もちゃんと鎮守府に護送中ですよぅ」

左近「それじゃ、殿が使っていた【艦載艇】はちゃんと回収してくださいよ。あれ、意外と馬鹿にならないぐらい資材が投入されてますから」
――――――

愛宕「あ、あれかしら♪」

――――――
左近「そう、それですよ、それ。いやぁ、艦砲射撃に巻き込まれて海の鉄屑にならずにすんでよかったです」

左近「では、これ以上はみなさんの健康にも良くないので速やかに撤収してくださいね」

左近「ったく、まったく恐ろしい方ですよね~、殿も」
――――――




――――――翌日


左近「――――――殿? 殿」

石田「……何だ、左近提督?」

左近「『ボス級深海棲艦の【捕獲】は不可能』ということで問題ありませんよね?」

左近「殿でさえ失敗したんですから、他の提督さん方にできるわけありませんから」

石田「…………わかった。そういうことにしておいてやる」ムスッ

左近「どうしたんです、殿? 機嫌悪いですよぅ?」

石田「そう思うのなら、俺の機嫌を直させてみせたらどうだ?」プイッ


左近「まだ殿の戦いは始まったばかりじゃありませんか」


左近「確かにボス級の【捕獲】に成功したらそれこそ 戦局が本当に大きく覆るかもしれませんが、」

左近「――――――あれは本当に殿が知っている艦娘とは違うんですよ?」

石田「そんなことはわかっている」



左近「深海棲艦の生態について、ある海洋学者から次のような説が提唱されてますな」


――――――深海棲艦に味方の観念はなく ただ倒すべき敵を共通としているから一緒にいるだけに過ぎないのだと。


左近「だから 敵さんは、生前 自分に与えられた役割を今でも続けようとして一見すると自然と戦術はとれてはいるものの、」

左近「だからこそ、その戦略は人海戦術の域を出ないともね」

左近「ただただ敵を倒すというそのためだけに求められて生まれてきた兵器たちに心は要りません」

左近「現在 人類はその兵器の究極とも言える存在と対峙して滅亡の危機の一歩手前ぐらいまで来ているわけですな」

左近「なにせ、ただひたすら敵を倒すというそのためだけに存在して、倒しても倒してもまたこの広い海のどこかで復活しているわけですからね」

石田「――――――深海棲艦が『兵器の究極』か。確かにそうかもな」

左近「ま、こんなのは人類の自業自得でしかないのかもしれませんがね」


左近「俺も 殿がやっている【献花】はいいことだと思ってますよ」


石田「…………なぜそれを!?(――――――馬鹿な! 【献花】は左近提督を迎える遥か以前にすでにやめているのだぞ)」

左近「まあ、【献花】っていえば聞こえはいいが、あれは実質的に海の上に生ゴミを投棄しているようなものですから、」

左近「環境面を配慮して別なものでやって欲しいところなんですがね。生花というのもなかなか高く付くものですしね」

石田「………………」

左近「しかし、環境破壊だ何だの騒がれる以前から、旧大戦では大量の重油だの弾薬だの何だの――――――、」

左近「およそ海に垂れ流すにはおぞましいものをずっと流し続けてきたんですがね。――――――誰も彼もが『正義や大義の為』と言ってね」

左近「そして、それが昔 沈んでいった艦船たちの怨念となって深海棲艦となっているのに、」

左近「それを『人類の危機』と称して怨み辛みをなすりつけ合って歴史は繰り返す――――――」

石田「あくまでも深海棲艦の正体など科学的に解明はされてはいない。そのオカルトの正体を白日の下に晒そうと言うのに何を言っている?」

左近「この戦争も神が人類が犯してきた業を払うために遣わした救い――――――いわば天罰なんじゃないかと思いますね」

石田「――――――『救い』でありながら『天罰』だと?」

左近「殿? なぜ罪を犯したら罰をお与えになるのですか、人は? そして、罰を与えられた人はその罪に対してどうなるものですか?」

石田「…………なるほどな」


左近「俺は一度たりともも艦娘を沈めたことはございませんが、俺のようにはいかなかった無念な提督さんのほうがずっと多かったです」

左近「俺はその怨嗟の声や阿鼻叫喚というものをよく耳にします」


左近「けれども、どうもそうした怒りや悲しみがみんな空回りしているように思えたんですよ」


石田「なぜだ?」

左近「まず第一として、――――――『この戦争の真の終着点が見えない』ってことですよ」

左近「旧大戦だって、海軍の対米方針は漸減邀撃――――――つまり行き当たりばったりなんですよねぇ」

左近「真珠湾攻撃で開戦した後、いったいどこで戦争を終わらせるつもりでしたんでしょうね?」

左近「戦争っていうのは必ず相手国と停戦協定なり終戦協定の締結で初めて終わるもんなんです」

左近「いつの段階で『講和を結ぶ』というのかがまるで見えてきませんね、あの戦争は」

左近「それで、海軍力を維持するためにズルズルと戦線を拡大していって最終的には守るべき船団の護衛を放棄するという有り様で本末転倒ですよ」

左近「それと同じように、今の艦娘を擁する世界に冠たる我が皇国も『ただ目の前の敵を倒す』という漸減邀撃の基本的方針が変わってません」

左近「そもそも『漸減邀撃』って言ってますけど、正しい意味での漸減邀撃じゃないですよ、今も昔も」

左近「怒りに任せて敵さんを手当たり次第 蹴散らそうとする――――――それはつまり相手を全滅させることが終着点というわけなんでしょうかね?」

石田「確かに。我々人類は深海棲艦の戦略に何ら打撃を与えることができていない。海上封鎖を一時的に打破しているに過ぎない」


左近「だとすれば、戦争の勝敗は兵力――――――つまりは数の理ですから、圧倒的に我が兵力を上回る深海棲艦の物量に負けますな、必ず」


左近「勝ち目なんてありませんね。現に現状維持で精一杯なんですから、――――――今の平和の実態というものは」

石田「………………」


左近「しかし、深海棲艦がまったく人の言葉を解さない化け物であることから『講和を結ぶ』なんてことはどだい無理な話でもありますな」

左近「主戦派の主張に立っても逆にこちらが先に全滅し、和平派の主張はそもそも講話が結べないわけですから、」

左近「どちらの立場であろうともお世辞にも現実的な判断ができているとは口が裂けても言えないですね、こんなんじゃ」

石田「なら、左近提督はどう考えているのだ?」

左近「――――――俺ですか? 簡単なことですよ」


左近「最も現実的な判断に基づく第3の主張をしている方のお味方をしますな」


左近「例えば、――――――殿のような方にね」フフッ

石田「!」


左近「ですから、俺はこれからも殿がやろうとしていることの全てを全力で支えてみせましょう」


左近「――――――殿には成すべきことが見えてらっしゃる」

左近「それは艦娘や艦娘の気持ちを汲むばかりの凡庸な提督には到底できない優れた戦略家としての目ですな」

左近「俺が鎮守府に復帰することを決めたのも、石田提督――――――あなたが他とは明らかに違った戦略を確立して戦っていたからなんですよ」

石田「………………」

左近「しかし、まだまだ殿はお若いです。自分が立てた戦略による理想やその手段に不安を抱くことも多いことでしょう」

左近「ですから、この左近めは頑迷で狭量な一戦略家として殿が俺に再び灯してくれた情熱の炎をいつまでも焼べてさしあげましょう」

左近「殿は何も迷うことはありませんよ」

左近「そして、深海棲艦捕獲作戦以外の新戦略が浮かびましたら、どうぞ それも実行なさってください」

左近「おそらく、殿のように現状維持の現在の仮初の平和に疑問を持つ提督は数多いことでしょう。俺もその一人です」

左近「しかし、殿のように具体的な新戦略を打ち立てて、それを実践できている提督は他にございません」

左近「なので、殿は昨日の失敗を糧にして何としてでも生き延びて試行錯誤を繰り返し、自ら打ち立てた新戦略を見事 完遂に導いてくださいませ」

左近「それしか皇国に迫る存亡の危機を救える手立てはないと左近めは信奉しております」


左近「殿、大道成就を果たされてください」


左近「これが石田提督の副官たる左近めの慰めと励ましの言葉でございます」

石田「…………そうか。お前が同志になったことをこれほどまでに嬉しく思ったことはない」

石田「――――――俺に過ぎたるものだな」

左近「しっかし、確かにボス級の【捕獲】に成功でもしていたら――――――と思うと惜しかったですね、ホント」

石田「そう思うのなら――――――いや、野暮だったな」

左近「そうですよぅ? ――――――『野暮』ですよ、『野暮』」

左近「それで死んだら元も子もないじゃありませんか」

左近「せめて死ぬのなら、99%以上は深海棲艦の生態の解明がすんでからじゃないと後に続きませんから」

石田「……言ってくれるな」フフッ

左近「今度から、殿が勝手に一人で出撃できないように【特殊小型船舶】などの【艦載艇】にロックしておきましたから」

石田「……いいだろう。約束通り、しばらくはおとなしくしておいてやる」

左近「はい、殿」フフッ

石田「フッ」フフッ



――――――鎮守府の改築ついでに私費で建設された花屋敷:艦娘たちの新たな憩いの場


ヲ級「ヲヲ!」クンクン ――――――【調教】中!

石田「その花が気に入ったか」

ヲ級「ヲヲ」ウットリ

石田「そうだ。よく鑑賞しろ。五感で味わえ。それで心を豊かにしていくのだぞ」フフッ

石田「さて、新しく取り寄せたバラの様子はどうなっていたかな?」


飛龍「あ」

石田「…………む」


飛龍「あ、こんにちは……司令」

石田「ああ、飛龍ですか。どうですか、私が私費で立てた花屋敷は? 新たな憩いの場として機能していますか?」

飛龍「う、うん。みんな、物珍しがって大盛況だよ、――――――ほら、向こうの自由鑑賞できる場所でもたくさん」

石田「そうですか」スタスタ・・・

飛龍「あ…………」

石田「――――――今度のバラはイエローか」

石田「レッドとブルーのバラも美しいが、イエローのバラは気分が和むな」

石田「しかし、オレンジと呼ばれているバラというものはオレンジと言うよりはトマトの色に似ている気がするが――――――」ブツブツ・・・


飛龍「…………司令?」

石田「何ですか?」

飛龍「その、近々ごケッコンなさるおつもりなんですよね、武蔵さんと……」

石田「ああ。武蔵こそ私が考える最高戦力だからな」

石田「まったく誤差の範疇だが、武蔵の耐久力は大和よりも高い」メメタァ

石田「私は戦艦に回避を求めてはいないから、同じ火力で守備力が高い武蔵のほうが強いと考えた」

石田「それに、大和は【改造】に必要な練度がLv60なのに対して武蔵はLv40だからな。【近代化改修】がその分 無駄にならない」メメタァ

石田「それはつまり、それだけ早く能力を上限までに伸ばしやすく、結果として効率よく練度を上げやすいということに繋がる」メメタァ

石田「特に、最高の火力を誇る大和型にはできるだけMVPをとらせてあげたいからな。そうすれば無駄が少なくていい」

石田「もちろん、誤差の範疇のことです。大和が来ればそれはそれで万々歳ですがね」

飛龍「………………」

飛龍「あ、あの!」

石田「何ですか?」

飛龍「て、提督は武蔵さんに何と言って【指輪】を渡すつもりなんですか?」モジモジ

石田「は?」

石田「特に何も――――――さっさと渡して【近代化改修】を積ませるだけですが?」

飛龍「もう! 提督ったら、そんなんじゃ武蔵さんがかわいそうですよ!」

石田「何がです? ――――――それに『提督』じゃなくて今の私は“司令”です。あるいは局長とでも」

飛龍「あ、ごめんなさい、司令……」

飛龍「で、でも、司令! せっかくこんなにも綺麗な花をたくさん取り扱ってるんですから1つぐらいやったっていいじゃないですか」

飛龍「武蔵さんも、こういうものにグッとくると思いますよ?」

石田「……あの武蔵が、か?」

飛龍「いけません?」

飛龍「だって、司令はこういうのに詳しいんですから、心を込めて選んでくれれば武蔵さんは――――――」

石田「いえ、『武蔵が』というよりは、艦娘にこんなものをやったところで――――――」


飛龍「 私 は 嬉 し い で す !」カッ


石田「何?」

飛龍「あ……」カア

石田「何だ、欲しいのですか?」

飛龍「う、うん……」モジモジ


石田「なら、やめておくことです」

飛龍「え」

石田「こういった花卉の世話というのは艦娘のように自分で律してくれないので苦労続きですよ」

石田「部屋に欲しいのなら観葉植物にしておきなさい。あれなら適度な日射しと水だけで素人でもそこそこ保ちますから」

石田「それにこの花屋敷の花卉は、深海棲艦の生態を調査するために必要なものが大半ですから、あまり個人所有はさせたくないですね」

飛龍「そういうことじゃないんだけどなぁ……」ハア

飛龍「あ、なら! 武蔵さんとケッコンしたら海に出てブーケトスすればいいかも!」

石田「…………なるほど、ブーケの形にするのも悪くないか」ブツブツ

石田「わかりました。その案を受けましょう。提案に感謝します」

飛龍「あ、よかった……」ホッ

石田「………………」

ヲ級「ヲヲ!」トコトコ・・・

石田「お、どうした、『ヲシドリ』? ――――――そうかそうか」フフッ

ヲ級「ヲヲヲ!」ニコニコ

飛龍「あ…………」

飛龍「………………」

飛龍「それじゃ、司令? 私はこれで――――――」


石田「待ってください。まだお礼をしていないです」


飛龍「え」

石田「よし、『このイエロー』でいいだろう」ガシッ


――――――ゴールドに近いイエローのバラ。


石田「これを」スッ

飛龍「え?」

飛龍「えええええええええ!?」ドキッ

石田「どうした? 『嬉しい』んじゃなかったのですか?」

飛龍「あ、――――――嬉しい! 嬉しいです、司令! すっごく綺麗です(それに何だか私の着物にそっくりかも!)」ニコッ

飛龍「で、でも、急にまたどうしてかな?」ドキドキ

石田「いえ、あっちの『濃紅色のバラ』や『青いバラ』でもよかったのですが――――――、」

飛龍「………… 一航戦の色」ボソッ

石田「今の私の飛龍に対する気持ちを表すとしたらこれかと思い、このイエローを選んでみました」

飛龍「そうなんですか(――――――『提督の私に対する気持ち』か)」ウットリ


飛龍「あ、それじゃ武蔵さんだったらどれを選ぶつもりなんですか?」

石田「そうか、武蔵にやるとしたら…………」キョロキョロ

石田「あ、――――――あれだ」コツコツコツ・・・

飛龍「――――――『白』?」

石田「これですね。この『一重咲きの白』です」

飛龍「どういう基準で選んでるのかな、司令?」

石田「…………答える義務はありません。それに選んでる基準も他所では違ってる場合があるので」

飛龍「……そう(でも――――――、)」クンクン

飛龍「ああ……、何というか引き込まれるような魅力がありますね」ニッコリ

石田「そうですか。喜んでもらえたようで何より」フフッ

飛龍「あ」

飛龍「…………よかった」ニッコリ


――――――
左近「石田司令、石田司令。新戦略研究局の石田司令――――――、」

左近「予定通りに、バシー島沖に【献花】してきましたよぅ」

左近「それじゃ、出番ですぜ。輸送ワ級の捕獲作戦を――――――」
――――――


飛龍「あ……、また始まっちゃう」

石田「さて、行くか」

ヲ級「ヲヲ!」ビシッ

石田「『ヲシドリ』、頼りにしている」

飛龍「あ、あの……!」モジモジ

石田「ん?」


飛龍「必ず帰ってきてください。絶対に! 待ってますから!」


石田「そんなことですか」

石田「当然です。戦いの勝利などに答えはない――――――答えはここで見つけ出すつもりです」フフッ

石田「帰ってくるさ。心配することはありません」

石田「(飛龍、お前はそうやってただ微笑んでいてくれ。今も昔も変わらず――――――、)」


――――――思わず目が眩むような『眩しい黄金色の希望』で俺の行く末を照らしていてくれ。


――――――第6話W-2 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- 実践編 完

      Next:第7話W 鎮守府の守護神   -侵食される鎮守府- に続く!



陣営紹介w:趣里鎮守府
左近提督
石田提督によって【艦これ】に本格復帰した紳士的ユーザー。
2013年の年末にやめてしまったが、時折ログインしてみてはお気に入りのレベル99の艦娘を眺めるのを娯楽としていた。
それ故に、最近の【艦これ】に関しては情報では知っているが実態は知らない有り様なのだが、
石田提督が左近提督に求めていたのは、現在ほど整った環境ではなかった頃に横行したインモラルプレイを一切行わずに艦娘をただ一人も轟沈させることなく、
イベントマップをトントン拍子で攻略していったという実力と人柄であり、それができずにインモラルプレイに走っていた石田提督にとっては強い憧れであった。

得意の艦隊運用は潜水艦が本格的に参戦する以前なので正規空母を主体にした先制攻撃による絨毯爆撃である。とにかく先制攻撃で被弾を減らす。
それ故に、ほぼ初心者同然の状況の中でレベル99の強力な正規空母を手土産に、現状で初心者なりの視点からの素朴な疑問などで石田提督の天下餅をこねる。
この熟練者でありながら初心者の視点で意見してくれる相談役の立ち位置が石田提督の最大の支えとなっている。

石田提督と左近提督のプレイ状況を言い表すと、『それぞれのプレイデータを持ち寄りながらコミュニケーションを取りながら共同でテストプレイ』しているのだ。
ただし、もうこの段階だと左近提督の艦娘と石田提督の艦娘の区別はほとんどなくなっており、表記からも区別が消えつつある。
実はこの二人は、最初から新システムを導入して常に互いのデータを一体化した鎮守府経営を行っているので、
『1つのアカウントを共有して共同プレイ』している拓自鎮守府とは根本的に形態が異なっているのだ。


石田提督 → 石田司令
趣里鎮守府における主人公なのだが、所属が変わって左近提督に艦隊司令官の地位を譲ったので立場が非常にややこしい。提督ではなくなり、司令になった。
しかし、自分で司令だと言いはっているが、結局は提督の呼称がところどころで継続されることになる。

司令:駆逐隊や潜水隊などの最高指揮官。軍艦に分類されない区分の小さな艦船の隊を率いる ← 石田司令
司令官:軍艦や数個の駆逐隊や潜水隊などからなる戦隊を率いる
司令長官:複数の戦隊からなる艦隊や連合艦隊を率いる ←【艦これ】における提督はだいたいはこれ

大艦巨砲主義の能力偏重主義の冷徹非道のブラック鎮守府の提督――――――だったが、現在は規制をきっかけに更生して人が変わった。
というよりは、状況や環境が変わり、あくまでもそうすることが効率的なのでやらなくなっただけともいえる合理主義者。
一方で、大艦巨砲主義だったのも能力偏重主義だったのも冷徹非道だったのも全ては勝つためであり、
それが根ざしているところは己のふがいなさが原因で散っていった戦友たちへの弔いのためであった。
1日1回の日課であった【大型艦建造】も大和型戦艦:武蔵を迎えたことによりやめており、
左近提督という同志を得て【艦これ】の改革に積極的に乗り出し、勝利するための新たな戦いを展開している。

いわゆる“攻略勢”であり、イベントマップや新システム、新実装艦の解析を率先して行い、攻略Wikiに報告することを役目としている。
それ故に、あらゆる状況に対応するために艦娘をできるだけ満遍なく育てており、能力偏重主義でも駆逐艦もしっかり育てている。
その中でも昼戦でも夜戦でも安定して使える重巡や航空戦艦を推しており、【艦これ】というゲームの理解に関しては4人の中では一番深い。
当然ながらイベントマップはだいたいは完全制覇しており、制覇した後でも時間が許す限り、調査を繰り返している。
調査・研究・育成・試験運用と目まぐるしい仕事量をこなしているために、左近提督という密接なパートナーを迎え入れて最近は仕事を分担している。

ある意味において、司令部に集められた提督たちの中では最も真理に近づいているだろう提督であり、今後の働きが期待される。


正規空母:飛龍
石田提督が唯一【ユウジョウカッコカリ】している正規空母にして、現在の趣里鎮守府の最古参にして唯一の生き残り。
数多くの艦娘と死に別れを繰り返し経験しているのだが、そうさせた石田提督には一切非難することなく、
轟沈した赤城や間違えて餌にしてしまった加賀の代わりに投入されてから改二が実装されたことで偶然にも一線級の戦力になったので、
今では無くてはならない戦力として石田提督から珍しく重用されており、鎮守府の艦娘たちからも一目置かれている。


戦艦:武蔵
石田提督が【ケッコンカッコカリ】しようと考えている最大戦力:誉れ高き大和型戦艦。
そのために一時期はずっと【旗艦】にして短期間で一気に【改造】まで持ち込んでいるのだが、今現在は別のことに石田提督が熱を入れ始めているので、
今までと打って変わって放置され始めている武蔵は当初の熱烈な応対を忘れられず、石田提督に寂しさを募らせている。
ある意味において、大艦巨砲主義の頂点に立つ存在であるが戦時中と同じように時代に取り残された存在となりつつある。


ご精読ありがとうございました。

第6話はこんな感じにまったくシステム解説のないストーリー性重視の内容となっており、
司令部とは別に鎮守府独自の戦いと新システムの導入が語られることになります。
第6話の全ての章が終わり次第、詳しい解説が中心となる第7話に入ります。


次回は、Z:拓自鎮守府の章

第6話Z 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-

より始めさせていただきますので機会があればよろしくお願いいたします。



第6話Z-1 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている- 遭遇編

――――――拓自鎮守府


装甲空母姫「――――――」

X:鳳翔’「くっ」ゼエゼエ

Y:龍驤’「さすがに3対1でも2度殺すのがやっとやなぁ…………」ゼエゼエ

z:愛宕’「いやーん!」ゼエゼエ

――――――
朗利「聞こえるか、【派遣】組! もう十分だ。撤退してくれ」
――――――

X:鳳翔’「――――――『撤退』!?」

――――――
朗利「鳳翔夫人! 艦載機は消耗してないな! 陸に上がってやつを誘い込む。そこを【攻撃機】で叩いて欲しいから無事 戻ってきてくれ!」
――――――

X:鳳翔’「了解しました!」

長門「撃てえええええええええ!」バン!

ビスマルク「腕が鳴るわね! ――――――さあ撤退して!」バン!

装甲空母姫「――――――!」ドゴーン! ――――――中破!

Y:龍驤’「これはありがたい。ほな、遠慮なく退かせてもらいますわ!」

Z:愛宕’「ごめんね」

装甲空母姫「――――――!」バン!

ビスマルク「っつう!」ドゴーン!

長門「大丈夫か!?」

ビスマルク「まだよ! こんなのかすり傷にもならないわ!」


――――――
朗利「よし。【派遣】組は戦艦二人と合流できたか」

朗利「それに、あの鬼だか姫だかどっちかわかんないけど、中破に追い込めたようだ。これで撤退がしやすくなる。これは嬉しい誤算だ!」

朗利「五十鈴! 弾頭の詰替えは終わったか? 魚雷をありったけ撃ちこめ! 当たらなくたっていい! 撃ちまくれ!」
――――――

五十鈴「了解! 魚雷、一斉射!(でも、本当に3人の艦娘だけ撤退戦なんてできるのかしら?)」バババッ!

五十鈴「行ったわよ、長門、ビスマルク!」

装甲空母姫「――――――!」

ビスマルク「来た!」

長門「よし、やつが警戒した隙になるべく足止めしながら迅速に後退するぞ!」バン!

五十鈴「そして、――――――炸裂!」

ドッシャーン!

装甲空母姫「――――――?」


――――――
朗利「よし、どんどん退け! 撤退は順調だ!」

X:鳳翔’「朗利提督、あなたも早く!」

朗利「いや、ダメだ。今度は3人の帰りを待たないと」

朗利「それよりも、これがこの鎮守府一帯の地図と待ち伏せ地点です」

朗利「退避作戦の指揮を執っている愛月提督と合流して艦載機と空爆要員を補充して待機していて欲しい」

X:鳳翔’「…………わかりました」

Y:龍驤’「きみ、無理せんといてな。死んだらあかんよ」

z:愛宕’「悔しいけど、ここからは航空戦力の出番ね……」

タッタッタッタッタ・・・

五十鈴「提督!」

長門「遅れてすまない!」

ビスマルク「アドミラール!」

朗利「おう! 無事でよかった」

五十鈴「言われたとおりにしたけれど、――――――本当に良かったの?」

朗利「ああ。鎮守府が無くなったとしてもお前たちさえ無事ならば施設や資源がどれだけ失われようと問題ない。大本営がただで補充してくれるからな」

朗利「――――――使える燃料はありったけ海に撒いたな?」

五十鈴「う、うん……」

朗利「鬼か姫かはわからないが、この戦いは俺たちの完全勝利だ」


――――――まずは鎮守府海域を火の海にしてやる!


朗利「いかに深海棲艦とはいえ、奴らもこっちと同じ弾薬を使ってるんだ。その証拠にやつらは海の住人でありながら、海面から出て戦っている!」

朗利「となれば、周りで火の手が上がればいったいどうなるかな?」

朗利「今も昔も火器は火気厳禁ってな!」

長門「…………」ゴクリ

朗利「係留施設を利用できないようにしたのは確認済みだし、炎の海で踊れ! 上陸してきたら地雷と空襲の更なる地獄が待ってるぞ!」

ビスマルク「本当に迅速な行動よね。あらかじめ鎮守府放棄の手引書を作成していただけのことはあるわ…………ここまで鮮やかな総員退避は初めて見たわ」

五十鈴「そうね。こんなことされたらいくら私たちでも丸焦げになっちゃうわ…………たった1体相手にここまでする必要があるかは疑問だけど」


朗利「行けええええ、【艦爆】部隊! 汚物は消毒だああああああああ!」



――――――
艦爆妖精「焼夷弾を投下しまーす!」

ヒューーーーン! ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

装甲空母姫「!!!!!!??」

艦爆妖精「着火確認!」

装甲空母姫「!!!!!!!!」ドゴンドゴンドゴンドゴーン!

装甲空母姫「!!!!!!!!!!!!」ドッゴーン!

艦爆妖精「敵深海棲艦の装備の誘爆を確認!」
――――――

朗利「よし! 後は【偵察機】に任せて総員退避だ!」

艦娘たち「了解!」

朗利「これでまた、明日から鎮守府のはまた貧乏経営だな。――――――『明日があれば』の話だが」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

長門「――――――燃える。海が燃えている」

五十鈴「この分だと明日を迎えても燃え続けているでしょうね」

ビスマルク「…………これがアドミラールと一緒に眺めていたのと同じ海なの?」


――――――海は夜を越えても朝を迎えても燃え続けた。

何万ガロンもの――――――いや、とにかくありったけの燃料が撒かれた海はこの世に現れた焦熱地獄として深海棲艦を業火に包んだ。

それはもはや、4度殺さねば死なない程度の生命力など意味を成さないものであり、

燃え盛る炎によって深海棲艦の視界は遮られ、息が詰まり、終いには装備が誘爆する――――――。

たった1体の深海棲艦を始末するのにはやり過ぎるぐらいの酷い仕打ちであった。

しかし、朗利提督はそれを躊躇いなく行った。鎮守府そのものを巨大な焼夷爆弾に仕立て上げることも辞さない覚悟で臨んでいたのだ。

その覚悟と比べれば、たかが1体の鬼や姫を狩るなど取るに足りない問題だったのである。



――――――数日後


朗利「どうだ? 近辺に装甲空母姫の反応はなかったか?」

愛月「見つかりませんでした、司令官」

愛月「1日目から3日目まで炎の海となって、そこから連日連夜 大雨が続いたんです」

愛月「それに、退避作戦で係留施設を破壊して、撃退のために燃料を使ったので出撃がままならない状態が続きましたから」

朗利「…………不幸中の幸いとして、鎮守府の施設そのものは無事だったのがせめてもの慰めか」

愛月「利根たち索敵班からの報告は以上です」

朗利「すまない。俺が未熟なばかりに…………」

朗利「また、貧乏鎮守府に逆戻りしちまったな……」

愛月「そんなことはありませんって、司令官!」

愛月「司令官は3つの鎮守府を壊滅に追い込んだボス級深海棲艦の一角を犠牲なしで撃退したんですよ! これは凄いことじゃないですか!」

朗利「だが、仕留め損なった可能性が大きいと見るのが普通だ」

朗利「あくまでもあれは時間稼ぎに使ったものであって、確実に敵を葬るための手段としてはいくらでも欠点を指摘できる」

朗利「…………正面対決に使える戦力が足りなすぎた」

朗利「今回のように鎮守府に強力な深海棲艦に吶喊でもされたらひとたまりもないことがよくわかった……!」

朗利「それに、今回の場合は敵が単艦突撃――――――いや、英霊たちがあらかじめ敵を消耗させていたから何とかできたようなものだ」

朗利「やはり、戦艦と正規空母を揃えないといけないのか……」

愛月「以前に比べて艦娘も揃って来たんですがね……」


朗利「俺は、間違っていたのか? 石田提督のように強いだけの艦娘を育てていかないと守ることすらできないのか…………」


朗利「イベントマップに特攻して果てていった先人たちの愚挙を顧みて危うきに近寄らなかったのに、危うきから近寄ってきた…………」メメタァ

愛月「司令官……」

朗利「俺が【艦これ】を始めたきっかけは駆逐艦がロリータでとんでもない数の個性豊かなロリっ娘がたくさんいることに狂喜したからだ」メメタァ

朗利「考えてもみろ! 【艦これ】ほどロリロリに満ちたゲーム 他にあるか! まさしくロリコンのためにあるようなゲームじゃないか」メメタァ

朗利「けれども、やはりそんなのは攻略に結びつかないという愕然とした事実を突きつけられる――――――!」

朗利「辛うじて、愛月提督のために許容範囲を拡げて筑摩や金剛は認めて戦力の水増しが図られているが……」

朗利「頼むから、ロリ戦艦とか実装されないかな…………あるいは幼女としての資質を備えた娘でもいい! 陸奥より長門みたいなのがいい!」メメタァ

朗利「そうじゃないと俺は、俺は、俺は…………」

愛月「………………」

朗利「俺たちもレベリングのためにオリョールやキス島とかを回らないといけないのかな……」メメタァ


大鳳「た、大変です、提督!」バン!


朗利「どうした! やはり装甲空母姫が潜んでいたのか!」ガタッ

大鳳「そ、それが――――――」




ルイージ・トレッリ「初めまして。イタリア:BETASOMのルイージ・トレッリです。日本名は伊504。西は大西洋、東は極東まで頑張りました」



朗利「ふおおおおおおおお!?」ガタッ

愛月「ラテン系白スク水のロリ天使キタアアアアアアアアアアア!」

朗利「は、はいぃいいい!? ――――――【海外艦】? しかもイタリアだって? それがなんでここに!?」

大鳳「ふ、普通に愛月提督が行った【建造】からです……」メメタァ

朗利「え?」

愛月「ま、まさか、新しく実装された艦娘!?」メメタァ

朗利「でも、【イタリア艦】って――――――」

ルイージ「私は地中海や大西洋で通商破壊に従事した後、遣日潜水艦作戦でアジアにまで派遣されて、」

ルイージ「最終的には日本帝国海軍に接収されて、戦後に紀伊水道で海没処分されました」

ルイージ「ですから、最終的な所属は日本だったので、その縁でこうして艦娘として生まれ変われたのではないでしょうか?」

愛月「ハア……、幼い外見して物凄く理路整然と――――――しっかりものなのね」

朗利「ロリ天使なだけあって理知的だな~(幼女としての素質は微妙なところだけど、西洋のエンジェルってやつのイメージそのままだな、こりゃあ!)」

ルイージ「それは……、他の娘たちが何もしなかったせいです」ボソッ

朗利「でも、いくら日本で沈んだからってイタリア生まれの潜水艦が【建造】されるものかな――――――」メメタァ

愛月「あ!」

朗利「どうした?」

愛月「私のところの金剛もイギリス生まれの帰国子女ですよ! 彼女がありならルイージちゃんだってありじゃないですか!」

朗利「ああ なるほど! 明らかに経緯は違うけど、曲がりなりにも日本海軍所属の艦として日本で沈んだんだもんな、それぐらい いいだろうってことか!」

ルイージ「はい。きっとそうなんですよ」


ルイージ「日本っていいところですよね」ニッコリ

朗利「ふぁ!?(――――――ラテン系ロリ天使が唐突に我が祖国を褒めてくれたぞ、おい!?)」ドキッ

ルイージ「ロマンを感じません? 昔、西はローマから東は日本まで続く交易路があったって話じゃないですか」

朗利「シルクロードだな。正倉院や宗像大社にはその交易品が今でも保管されているぞ」

ルイージ「そうです。私はそのシルクロードを通って極東の海までやってきたのです」

朗利「そうか。きみも遠い海の向こうからやってきたんだな……」

大鳳「司令官?」


朗利「なあ? 俺もいつかシルクロードを通って海の向こうへと行ってみたいから力を貸してはくれないか?」


ルイージ「はい! 生前も日本の方をお連れしたことがありますので、どうかまたよろしくお願いします!」

朗利「ああ いい娘だぁ! まさしく天使! 感激のあまりに涙が出てきそうだぁ……」

大鳳「この1週間、ずっと予断を許さない緊迫した雰囲気が漂っていましたからね」

朗利「ああ…………大鳳、この天使にスイーツ券を2枚進呈」

大鳳「はい」ニコッ

愛月「ドイツ艦に続く新しい【海外艦】のルイージ・トレッリちゃん! これからよろしくね!」

ルイージ「はい」ニッコリ


――――――ビスマルク、夢に向かって一歩前進したぞ!


GET! 潜水艦:ルイージ・トレッリ(優良潜水艦・航海要員)


潜水艦:ルイージ・トレッリ(イタリア)1940/05/25-1946/04/16
グリエルモ・マルコーニ級潜水艦4番艦
属性:【海外艦】【イタリア艦】 +改一:【ドイツ艦】 +改二:【伊号潜水艦】
改造:潜水艦:ルイージ・トレッリ → 潜水艦:UIT25 → 潜水艦:伊504

驚異の【海外艦】属性を持ちながら無条件で【建造】できる艦娘であり(要 司令部レベル50以上 あるいは【潜水艦派遣による海外艦との接触作戦】達成)、
このルイージを引き当てることによってZ1をロストした状態でも【海外艦】が【建造】できるようになるという特徴を持つ。
更に、【改造】を重ねる毎に国籍と名称が変遷するという変わった特徴があり、艦種が潜水艦のままで運用できるので凄まじく強い潜水艦となる。
イタリア艦では珍しく通商破壊で多大な戦果を上げた1隻であり、また遣日潜水艦作戦などの数々の作戦にも従事して終戦まで生き残っているので、
同じように戦後まで生き延びた伊58のような派手な功績はないが、幸運艦であることは疑いようのないとんでもない助っ人。
【耐久】【雷装】こそ伊58にも及ばないが、【装甲】の伸びしろが高く、高い【運】と合わせて他より1発多く耐えてくれる。
燃費も最高クラスでかつ戦闘能力も高くずっと【潜水艦】というハイスペックにまとまった【海外艦】に仕上がっている。

イメージとしては、【潜水艦】が水着ロリ指定なのでイタリア人が思わず海に飛び込みたくなるラテン系純白ロリ天使。
天使のイメージが主体なので、イタリア系にしては極めてまじめで古代のロマンを追い求める理知的な娘としてみた。



朗利「結局、装甲空母姫は2週間経っても発見されなかった」

朗利「拓自鎮守府はこれをもって警戒態勢を解き、本来の運営状態に戻すことになったが、大型艦の必要性を痛感して運営方針に変化が生じていた」

朗利「まずは、攻略を進めるための精鋭部隊の強化――――――つまりは愛月提督の艦娘たちの練度を上げることに重点を置くことになった」メメタァ

朗利「愛月提督の大型艦は金剛と比叡しかいないが、それでも駆逐艦と比べれば圧倒的な戦力なのでこれをまず集中的に育成することにした」

朗利「愛月提督の艦隊は、俺の純粋なロリ軍団とは違ってある程度 許容範囲を拡げているのでこれによって戦力の拡大を図ったのである」

朗利「また、【派遣】組に関しては規制を緩和して、憎き赤城と加賀の正規空母二人を常駐させる準備も始めることにした」

朗利「とにかく、個艦の能力が圧倒的に劣っているのが我が鎮守府の欠点なので、それを外来艦に補わせるというのも戦略的に間違ってないはずである」

朗利「もちろん、非常事態の備えであるためにあの二人を出撃させるつもりは毛頭ない。万年倉庫番――――――にするのはやめておこう」ゾゾゾ

朗利「一方で、以前に【建造】で獲得した【海外艦】ルイージ・トレッリはまさしく天使であり、戦場でも鎮守府でも神々しかった」メメタァ

朗利「旧大戦におけるヨーロッパ戦線と太平洋戦線では、基本的に艦艇に求められる前提能力が異なるために、」

朗利「敵国が非常に近いヨーロッパ生まれの艦艇は航続距離(=巡洋能力)を重視する必要がないために、燃費が日本の巡洋潜水艦より良いのだ」

朗利「それでいて、最高級の【運】と高水準の戦闘力を兼ね備えているので自然とルイージの出撃回数が多くなっていく」

朗利「疲労回復のために休ませていると、ルイージは寸暇を惜しんでせっせっせっせと文献を読み焦るのだ」

朗利「ルイージは好奇心旺盛――――――特に古代のロマンを追求するので自然と学術的なおしゃべりとなるので新鮮だった」

朗利「俺も愛月提督もそこまで歴史に詳しいわけではないことを知ってもがっかりせず、それどころか、」

朗利「積極的に交流を持とうと日本の様式に深い関心を示し、他の艦娘にも礼儀正しく分け隔てなく接するので大人気である」

朗利「俺と愛月提督はもちろん、むっつりスケベの長門も夢中なようで、あれこそまさしく子供のあるべき姿の1つなのだとしみじみ思うのであった」

朗利「ルイージちゃんマジ天使!」

朗利「まさしく、俺が考える“幼女の中の幼女”の究極の1つを体現したような突然の来訪者だったのである!」


金剛「園長ぉー!」

朗利「げ……」

金剛「どうしていっつも避けるんですか! 園長もGentlemanならLadyに優しくしないとNOデース!」

朗利「きみは愛月提督の艦娘だろう? どうして俺にかまうんだ?」

金剛「もちろん! 園長が素敵なGentlemanだからデース!」

朗利「そうか……」


朗利「すまないが、“恋する乙女”は俺の管轄外なんだ。比叡と霧島だったらOKなんだけど」


金剛「What's !?」ガーン!

朗利「そういうわけで、甘えるのならば愛月提督にして欲しい。俺にとってきみは“よその艦娘”だし、“比叡の姉”でしかないから」

金剛「Oh, MY GOD!」ガビーン!

朗利「俺に愛でられる資格があるのは“幼女の中の幼女”としての純真さを備える娘だけだからね。つまり“良い子”ってやつ」

朗利「というか、愛月提督だって立派な紳士淑女じゃないか。愛月提督のどこに不満があるっていうんだ?」

金剛「だ、だってぇ……、愛月提督は比叡の味方ばかりするのデース…………」

金剛「いえ、別に私は比叡のこと嫌いなわけじゃないデスヨ? 大切な大切な私の自慢のSisterデース」

金剛「でも、いっつもいっつも比叡に追い掛け回されるのも疲れるのデース! 愛月提督に言っても何にもならなかったデース」

朗利「Oh...」

朗利「(愛月提督のやつ、金剛×比叡の[ピーー!]な妄想に夢中になっているようだな。さすがは俺が見込んだ変態淑女だ。それでよい!)」

朗利「(しかし、こうやって俺のところに逃げ込まれるのは問題外だぞ。ある程度は苦言を呈さないといけないな、これは…………)」

金剛「そ、それに――――――」

朗利「ん」


金剛「愛月提督って、どことなく何か違うような気がするんデース」


朗利「…………具体的には?」

金剛「そ、その……、“男らしさ”というかどこか女の人って感じがして…………」

朗利「…………愛月提督が男じゃなくて女だったらどうだっていうんだ?」

朗利「きみはそれで愛月提督を見限る気なのか?」

金剛「!」

金剛「ち、違うんデス! 確かに愛月提督も素敵なGentlemanデース!」

金剛「でも、朗利提督と見比べるとあまりにも綺麗すぎて女性のようにしか思えないんデース」

金剛「もし仮に、本当に愛月提督が女性だったら私はイケナイFall in Loveしているんじゃないかって不安になる時があるんデス……」

朗利「なんだ、そんなことか」


朗利「別にいいじゃない! 愛した人がたまたま同性であっても!」


金剛「…………園長!?」


朗利「俺は雷とケッコンカッコカリをするつもりでいる」

金剛「Oh...」

朗利「雷は俺の母となってくれる女性だ!」

朗利「見た目が何だ! 歳の差が何だ! 性別が何だ!」

朗利「俺という人間が雷に惹かれたのは、嘘偽りなく小さいながらも精一杯 俺を受け止めようとしてくれる健気さと純真さだ!」

朗利「別にチョメチョメしたいというわけじゃない。俺は紳士協定を順守する本物の紳士だからな」

朗利「ただ、はっきりとした正式な形で艦娘である彼女を繋ぎ止めておきたいからケッコンカッコカリをするのだ!」

朗利「きみはこれから拓自鎮守府の一翼を担う高速戦艦なのだから、ここの司令官としては戦略的な意味でも頑張ってもらいたいところだが、」

朗利「迷いを抱えたまま戦場に出られて不運を引き寄せる結果にはしたくないから、はっきり言わせてもらった!」

金剛「!」

朗利「迷うぐらいなら思いっきりぶつかってはっきりさせてみろ! ――――――犯罪にならない程度に」

朗利「それぐらいの度胸もなくウジウジと時間を無駄にするぐらいならば、もう恋なんてするんじゃあない!」

朗利「そして、傷心に苛まれるようならばいつでも園長である俺の許を訪ねなさい。 ――――――その時は紳士としてお応えしよう」

金剛「園長……」

朗利「あ、勘違いされても困るからいうけれど、俺は“恋する乙女”なんていうメンドクサイ生き物は嫌いだから。だから、榛名も苦手かな」

朗利「俺はね、愛されるよりも愛でていたいという人間だから、恋愛はお断りします」

朗利「Do you understand ?」

金剛「Yes、My Principal !」ニッコリ

朗利「うん。良い笑顔だ。“恋する乙女”じゃなければ愛でてたんだがな…………」

金剛「フフフ、提督へのBurning Loveはもう誰にも止められませんからネー!」

金剛「Thank you very much, My Principal !」

朗利「You're Welcome. Goodbye, See you again, Lady in Love」



朗利「…………金剛型って何ていうかさ、“おばあちゃん”って感じがするんだよな。孫にダダ甘な」カキカキ

愛月「え」

朗利「だから俺はなんとなく嫌いなんだ。幼女とは正反対に位置する存在だから」

愛月「確かに【艦これ】で登場する艦娘の中で一番艦歴が高いのは何を隠そう金剛と比叡ですからねぇ」メメタァ

朗利「あれさ、60歳の還暦を迎えた姿を想像しても性格や格好は絶対に変わらない感じがして怖いよな。実に完成されたデザインだよなー」メメタァ

愛月「や、やめてくださいよ! 女性に老ける想像をするだなんて侮辱ですよ」

朗利「ん? 愛月提督って“女”だったっけ?」

愛月「…………“クレイジーサイコレズの変態淑女”です」

朗利「だよな。金剛×比叡の同人誌を描くの忙しい立派な変態淑女だよな」

愛月「ど、どうしてそれを!?」ビクッ

朗利「変態淑女のきみの考えていることぐらいわかるさ。俺は紳士協定を結んでいる本物の紳士だから」

朗利「しかし、いくら比叡が可愛いからと言って金剛×比叡の絡みを黙認しすぎていると金剛から信頼を失うぞ」

朗利「あいつ、俺のところに逃げ込んできたからな」

愛月「あ……、すみません。園長のお力添えがあったおかげで最近また明るく振る舞ってくれるようになったのですね……」

朗利「まあ 気をつけることだな。愛月提督は金剛と筑摩という例外を抱えているんだから、同じように扱ってちゃ愛想尽かされるぞ」

愛月「筑摩ですか……、気をつけます」

朗利「利根は可愛いよな。妹にやたら対抗意識を燃やしていて一途に頑張っているものな。それに物知りなようで無知なところもイイ!」ドキドキ

愛月「はい! のじょロリ ごっつぁんです!」キラキラ

朗利「けど、筑摩はヤバイ。あれこそクレイジーサイコレズだわな。俺は大井さん以上にそっちの素質があるように思える」

朗利「妄想の世界に浸りまくって姉と常にじゃれあっていると思い込んでいる姿なんて見ていて虚しいものだ」

朗利「利根は対抗意識は燃やしてはいるが、あまりそういったところの意識はしてないんだもんな。あの姉妹、スキンシップしているのだろうか?」

愛月「そう考えると、ケッコンオコトワリ勢の比叡や噂の大井さん以上に何か恐ろしいものを感じますね…………」メメタァ

朗利「そうだとも。某所ではペルソナ使いと呼ばれているぐらいだからな(――――――お面をかぶっているんじゃないかってことで)」メメタァ


朗利「さて、そろそろ西方海域の完全攻略にとりかからないといけないな」

愛月「残すは、カレー洋のカスガダマ島を陣取っているという装甲空母鬼――――――!」

朗利「最初に確認された鬼ということでこれまで攻略せずにいたが、」

朗利「装甲空母姫のほうに鎮守府を襲撃された以上はやはり倒せるだけの実力を擁さないとな」

朗利「当面の攻略の目標は、このカスガダマ島の装甲空母鬼を倒せる編成を2陣用意することになるな」

愛月「あ、装甲空母鬼を倒すと最終形態として装甲空母姫に入れ替わるようです」メメタァ

朗利「そうか。あの日、鳳翔夫人たちが2度沈めて変態したというのはそういうことか。壊滅した味方がそれ以前に1度は沈めてくれていたのか……」

朗利「そんなのを丸焼きにしてやったのか、俺は…………」

愛月「先人たちの情報によると、この最終形態の攻略が最も困難だと書いてあります」メメタァ

愛月「駆逐艦の火力では突破することは困難であり、大型艦などの超火力を駆使しないとまず突破は無理だという話です」

朗利「潜水艦ヨ級flagshipがとてつもなく堅いし、当然ながらボスの装甲空母鬼も姫も手強い」

朗利「少なくとも俺の艦隊から出せるのは、長門とビスマルク、五十鈴と大鳳は確定だ。ここからは本当に個艦の能力が戦局を左右する」

愛月「最短ルートに入るために必要な重巡と攻撃要員の正規空母が足りてません!」メメタァ

朗利「そこは【派遣】で間に合わせよう。以前だって愛宕を【派遣】してもらったし、コネなら今もある」

朗利「とにかく、前哨戦は問題ない。俺の第六駆逐隊で何とか倒せるはずだ」

朗利「それに、司令部からもらった数々の試験装備があることだし、それを駆使すれば先人たちよりも楽に攻略は進むはずなんだ」

朗利「ただ、俺のところの精鋭と第六駆逐隊だけでは兵力的にどうしようもないことはわかっている」

朗利「練成を頑張ろう、今日も明日も」

愛月「はい!」

朗利「それじゃ、今日の3時のおやつは――――――」


大鳳「た、大変です!」


朗利「どうした!? やはり装甲空母姫が――――――」

大鳳「そ、それが今度は――――――」



ドレッドノート「ほう、ここがわらわの新たな城ということか。ずいぶんとせせこましく風情がないが実に機能美に溢れているな」



朗利「は」

愛月「え」



ドレッドノート「おお、そなたがここの司令官か? わらわは戦艦:ドレッドノート。では、良きにはからえ」ドヤア


朗利「は? 『ドレッドノート』と言いましたか、女王陛下?」

朗利「(どう見てもイギリス絶対王政全盛期のビクトリア女王の肖像画そのものの風貌なんですけど!)」

ドレッドノート「その通り。わらわこそドレッドノート。新時代を開拓するロイヤルネイビーの誉れなり」

愛月「――――――圧倒的【旧式艦】ですよね?」ヒソヒソ

朗利「あ、ああ……、果たして戦力になるのか怪しいぐらいなのだが…………重巡にすら劣るんじゃないのか、あれ?」ヒソヒソ

ドレッドノート「そなたら、何をコソコソと話している? わらわにも聞こえるように話さんか」

大鳳「あ、あははは……」

ドレッドノート「そなたも何が可笑しくて薄気味悪い笑みなんぞ浮かべておるのだ? わらわに申してみよ。力になってやろう」

朗利「えと、女王陛下? ――――――ご足労おかけしました。突然の来訪で私たち一同 何をしてやればよいのか頭が回らず、」

朗利「誠に申し訳ございませんが、ここで立ち話もなんですし、ただいまお席を用意いたしますので、」

朗利「そこでこちらにお越しになられた経緯をお話していただけると助かります。どうかよろしくお願いします、女王陛下」

ドレッドノート「ほう。見たところ、わらわを喚んだのはそなたのようだが、見事な紳士ぶり――――――褒めて遣わす」

朗利「は、ははぁ! ありがたく存じます」

朗利「では、どうしましょう? 急なもんですから部屋の予約は今 取れるかな?」

愛月「部屋の準備などは私と金剛でやっておきますので、しばらく鎮守府の案内をしてみてはいかがでしょうか?」アセアセ

ドレッドノート「よし。そうしよう。では、案内せい」

朗利「は、ははっ!(――――――って、あれ? 艦娘ってこんなに偉そうに振る舞うもんだっけ?)」

大鳳「わ、私もお供いたします、提督!」




コツコツコツ・・・・・・


ドレッドノート「ほう、故郷の軍港とはずいぶんと違った景色が見えるな。これはこれでおもしろいものだな」

朗利「はい。今は21世紀ですから。ドレッドノート様がお生まれになった時代からおよそ1世紀は経っていますよ」

大鳳「………………」ハラハラ

ドレッドノート「なんと! これが21世紀の未来というものなのか! 道理でな」

朗利「(ちくしょう! 何がどうなってBBAの接待をしなければならんというのだ! やっぱり金剛と同じ臭いがしやがる!)」ピクピク

大鳳「(あ、園長が金剛さんとお話している時と同じように眉間に皺が――――――!)」ハラハラ

ドレッドノート「…………そなた?」ピタッ

朗利「はい、何でございましょう?」

ドレッドノート「何か失礼なことを考えてはおらんだろうな?」ニヤリ

朗利「…………どういったことでしょうか?(――――――くっ、老獪なBBAめ! とっとと海に帰れ!)」

ドレッドノート「わらわの甘く見るでないぞ? わらわの登場で先人たち全てが時代遅れの烙印を押されたのだからな」

ドレッドノート「それ故に、多くの同胞から恨みを買っていたのでな?」

ドレッドノート「今、そなたらがどういった感情でわらわに目で訴えかけているのかはすぐにわかる!」


ドレッドノート「そなた、ズバリ嫉妬しておるな!」


朗利「え」

大鳳「……え」

ドレッドノート「ふふふ、図星だな。そなたは司令官としての威厳が足りないことを後ろめたく思っているな?」

朗利「…………っ!(な、なんだと!? そこまでわかってしまうのか、年寄りというものは――――――!?)」

ドレッドノート「まあ、それは無理もあるまい」

ドレッドノート「なんといっても、このわらわを前にしているのだからな! わらわの威光の前に恐縮してしまうのも無理はない!」


朗利「は、ハア……(あれ? 思ったよりも全然――――――)」

ドレッドノート「そして、そなた! 名は何と言ったかの?」

大鳳「た、大鳳です!」

ドレッドノート「そなたも、駆逐艦であることを気にすることなく堂々とするがよい」

大鳳「え…………」

朗利「おい…………(こんのBBA! 言いたい放題 言ってくれじゃねえかよ!)」

ドレッドノート「駆逐艦には駆逐艦にしかできぬことがある。古代の騎士たちとて、武器の持ち替えのために従者を必ず連れていたのだ」

ドレッドノート「よって、大物相手にはわらわが先陣に立って華麗に敵を討ち果たそうぞ!」

ドレッドノート「だから、そなた! わらわの決闘に横槍が入らないように小物を打ち払い、しっかりわらわを守ってくれたもれ」

ドレッドノート「それこそがそなたの誉れよ! わらわはちゃんと見ているからな! 期待しているぞ!」

ドレッドノート「では、参るぞ」

朗利「あ、いや、この娘は旧帝国海軍空母の完成形の1つ――――――」

大鳳「…………提督、いいんです。私、気にしてませんから」ヒソヒソ

朗利「いいのかよ! 思いっきり声が小さくなってるじゃないか!」ヒソヒソ

大鳳「そ、それに、私たちは半世紀ほど前の存在ですけれど、あの方は1世紀も前の人ですから、航空母艦のことを説明してもわからないと思います」ヒソヒソ

朗利「いや、俺の記憶が正しければ第一次世界大戦の後に解体されたから少しぐらい向こうも知っているだろう」ヒソヒソ

大鳳「いいんです。そんなことは重要じゃありません」ヒソヒソ

大鳳「さあ、提督。1つの時代を切り拓いた偉人を精一杯おもてなしをしましょう」ニコッ

朗利「あ、ああ…………」

ドレッドノート「ん? どうした、お二人。案内人の二人がわらわよりも遅れるとは何事か」

朗利「申し訳ありません(――――――こんのぉBBA! 地球の裏側で人気の激アマスイーツをごちそうして糖尿病にしてやろうか?)」




コツコツコツ・・・・・・


ドレッドノート「ん? 何だ、あの建物は? ずいぶんと大きいが、別な工廠か?」

大鳳「あ、いえ、あれは“朗利パーク”と呼ばれるこの拓自鎮守府の宿舎兼娯楽施設なんです」

大鳳「最近はそうでもないですけれど、拓自鎮守府の最高司令官の朗利提督は普段はあそこで執務をしております」

ドレッドノート「ほほう? どれ、行ってみるか」

朗利「あ、あの……、そろそろ部屋の準備もできましたし、一旦 引き返して――――――」

ドレッドノート「わらわが行くといったのだ。付いて参れ」

朗利「ああ……」

大鳳「て、提督……」

朗利「しかたがない。大鳳、愛月提督に部屋を移すように言っておいてくれ」

朗利「こうなったら、“俺のパーク”で午後のティータイムを楽しむとしよう」

大鳳「わかりました……」

朗利「まったく何なんだ、この【旧式艦】がぁ…………(天龍型のポンコツよりもポンコツのくせにその上を行く尊大さをどうにかしやがれ!)」

ドレッドノート「どうした! 早くせぬか! わらわをあまり待たすでない!」

朗利「お待たせしました! 段取りの確認をしておりまして――――――(…………このばあさん、ホント天龍と同じ臭いがする)」




――――――朗利パーク

――――――階下を見下ろせる渡り廊下


ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー

ドレッドノート「ほう、駆逐艦がいっぱいだのう」

ドレッドノート「よくもまあこれだけの駆逐艦を集めることができたものよ」

朗利「ええ。そのために大型艦寮は取り潰してその分を新しい宿舎と娯楽施設に充てましたから」

ドレッドノート「む? そこな娘よ、ずいぶんと肌を見せているが大丈夫か? 靴も履いていないとはなんと哀れな……」ナデナデ

ハチ「え!? ハッちゃんは大丈夫ですからお気になさらず、ご婦人!」アセアセ

朗利「あ、その娘は潜水艦ですからそういう格好なんです。虐待なんかじゃありませんから」

ドレッドノート「む? もしやU-ボートのことか?」

朗利「はい。そうですよ。正確には日本のそれは技術者を招いて生まれた分家筋ですけど」

ドレッドノート「あのU-ボートがこんな身形に………………いくら敗戦国の生まれとはいえ これは人道に悖るものではなかろうか」ブツブツ・・・

ドレッドノート「そういえばあの大戦の後、ドイツではハイパーインフレで大変なことになっていたと聞く」ブツブツ・・・

ドレッドノート「戦後賠償とは言え、あまりにもこれは酷過ぎるのではないだろうか……」ブツブツ・・・

朗利「おーい、女王陛下?」ナデナデ

ハチ「て、提督、もっとぉ…………」テレテレ

ドレッドノート「ハッ」

ドレッドノート「むぅ。そなたはわらわに撫でられるよりもこの男の手のほうが嬉しそうにするのだな?」プクゥ

ハチ「え?! いや、そういうことでは――――――」アセアセ

朗利「ハッちゃん、もういいから行きなさい」

ハチ「あ、でも――――――」

朗利「いいから、ね?」ニコッ

ハチ「う、うん……」

タッタッタッタッタ・・・

ドレッドノート「ん? なぜあの娘は勝手にわらわの面前から去ったのだ? 挨拶もなしとは無礼であろう」

朗利「大目に見てやってください。あの娘はまだ新入りで私以外に懐いていないのでどうか――――――」

ドレッドノート「どれ、ならばそなた! 今度はわらわの頭を撫でてみせよ。それでわらわを満足させられたら不敬を許そう」

朗利「はあ!?」

朗利「――――――『不敬』って何ですか、『不敬』って!」


ドレッドノート「わらわはドレッドノート! わらわの前に人はなく、わらわの後に人が居るのじゃ!」

朗利「そんな無茶苦茶な! 見知らぬ人にいきなり撫でられたら誰だって反応に困りますって!」

ドレッドノート「それがわらわに対する『不敬』と言うのだ、無礼者め!」

ドレッドノート「末端の者がわらわを知らぬとは、これは末端の者を預かり持つ司令官の不徳といたすところぞ!」ジャキ

朗利「ぎゃっ!? ――――――クロスボウ?!」ゾクッ

ドレッドノート「安心するがよい。わらわは狩りは得意でな、こうやって狙った獲物は絶対に外さない自信があるぞよ?」ジロッ

朗利「き、貴族様の高尚な趣味にはついていけません…………(アクティブすぎる! や、やめろ! この馬鹿! 俺を殺すのならここはダメだ!)」ギラッ

ドレッドノート「ほう……」

朗利「…………?」アセタラー

ドレッドノート「そなた、いい目をしているな。瞬き1つせずに――――――このボウガンが怖くないのか?」

朗利「そりゃ怖いさ! けど、殺すのならここだけは止めてくれ! ここからでも見えてるんだぞ! 幼気な娘に悪い影響を与えすぎる!」ジロッ

ドレッドノート「………………ほう?」

ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー

ドレッドノート「………………!」ジャキ

朗利「………………!」ジロッ

ドレッドノート「………………」

朗利「………………」ジー


ドレッドノート「フッ、運がいいな」スッ


朗利「…………ホッ」アセタラー

ドレッドノート「ジョークじゃ、ジョーク。今のはジョークじゃ」ハッハッハッハッハ・・・

朗利「お、お戯れを……(こんなブリティッシュジョークがあってたまるかよ、まったく! 鉞 持ったジョージ・ワシントンくんじゃあるめえし)」

ドレッドノート「極東には変わった人間が多くいると聞いたことがあるが、そなたも“傾奇者”とやらの一人なのだろうな」

朗利「え?」

ドレッドノート「ほれ、さっさとわらわの頭を撫でんか」

朗利「ああ……、結局 やるんだ、それ」ヤレヤレ

ドレッドノート「光栄に思え。このドレッドノートに触れることを特別に許すのだからな」ドキドキ

朗利「…………何を期待してるんですか?」

ドレッドノート「そなたから伝わる“ノーブル・オブリゲーション”の精神よ」

朗利「…………何を言っているのかはわかりませんけど、それでは失礼します」ナデナデ

ドレッドノート「おお…………」


朗利「(何を考えてやがるんだ、このBBA? ボウガンで俺を殺しに掛かったと思えば、今度はこうやって触るのを許すだなんて…………)」ナデナデ

ドレッドノート「(なるほど、わらわに対する警戒心があるものの、相当な場数を踏んで洗練された実に心地よい撫で具合よのぅ)」

ドレッドノート「(それだけ戦場では見向きもされないような雑兵である駆逐艦たちに愛と真心の精神を持って接しているのが伝わるな)」

ドレッドノート「(それは上に立つ者として当然のこと。いつだって真っ先に犠牲になるのは末端の者だ。だからこそ上に立つ者を恨み妬む)」

ドレッドノート「(しかし、こやつは最も現実的な勇気を求められる末端の兵たちに愛と真心をもって接しているからあれだけ慕われているのだな)」

ドレッドノート「(こやつが高所から姿を見せただけで、遊んでいる艦娘たちが一同に笑顔や手振で迎えくれているのが何よりの証!)」

ドレッドノート「(だが、同時に恐怖も抱いているようでもあるな。所々で念が乱れているようにも感じるぞ)」

ドレッドノート「(どうやらこやつは辛い現実を目の当たりにして、今 行おうとしていることに自信を持てずにいるのではないか?)」

ドレッドノート「(しかし、『強きを挫き 弱きを助ける』その精神はまさしく本物! こやつには自分の命よりも本当に大切なものがある!)」

ドレッドノート「(そう、わらわは幸運よ。これほどおもしろき男と極東の地で最初に逢うことができたのだからな)」

朗利「………………」ナデナデ

ドレッドノート「もうよい。十分に堪能したぞ」フフッ

朗利「……そうですか」


ドレッドノート「で、そなた、わらわの騎士にならぬか?」


朗利「は?」

ドレッドノート「騎士の位を授ける。今後、わらわに尽くしてくれたもれ」

朗利「何 言っちゃってくれてるんですか、この女王陛下はああああああああ!?」

ドレッドノート「ん、何か不満か? それとも騎士の位では役不足か?」

朗利「いやいやいや! どうして艦娘であるあなたにそんな権限があるんですか! 絶対服従の因子でそんなこと言えるはずないでしょう!」

ドレッドノート「『絶対服従の因子』――――――なるほど、この感覚はそういうことか」

朗利「は」

ドレッドノート「残念だが、司令官よ。どうやら『絶対服従の因子』とやらはあくまでも主従の関係を結ぶことであって、」

ドレッドノート「そのどちらが主となり従となるかは決められていないものらしい」

廊下「何それ?! 衝撃の事実ぅ! これは報告しておかないとマズイ――――――ガウッ」グイッ

ドレッドノート「つまり、そなたがわらわの騎士となってわらわに忠誠を誓うことには何の問題もない」ガシッ



ドレッドノート「わらわはそなたが欲しい。わらわのものになれ!」


朗利「うっそおおおおおおおおおおおん!?(BBAに関係を求められるってどういうことなのおおおおおお!?)」ゾゾゾ・・・

朗利「お、お戯れを! 俺は確かに愛月提督に仕事の7割はやらせてますけど、俺が受け持つ残り3割はとても重要なことなので、」ジタバタ

朗利「あなただけの騎士でいられるわけじゃありませんから!」ジタバタ

ドレッドノート「ふふふ、そなたをわらわの配下に置くことができたらさぞ大英帝国は繁栄するであろうな」

朗利「いえ、私は大日本帝国――――――つまりは皇国に忠誠を誓っている身ですから! それには従えません!」ジタバタ

ドレッドノート「だからこそだ! そなたのような気骨ある人間をわらわは欲している! だから わらわのものになれ!」

朗利「ちょっと待って! 一度折れたら、その気骨というものはあんたが求めていた時の輝きを失っているんじゃないの!?」アセアセ

ドレッドノート「安心せい。折れたら繋ぎ直して元の栄光でまた輝かせるぞ」

ドレッドノート「わかっておる。そなたは日本人、わらわはイギリス人じゃ。異なる風土で生を受けて育ったのだから相容れぬものがあるだろう」

ドレッドノート「だが、はっきり言おう」


ドレッドノート「実はわらわは、そなたがわらわの威光の前に屈服していくさまを所望している」


朗利「いやあああああああああああ!(とんでもないSの女王だったあああああああああああ!)」アセダラダラ

ザワザワ・・・ザワザワ・・・・・・!

朗利「み、見てます! 見てますぅー! 下の娘たちがメッチャこっち見てます!(いやぁー見ないでー! サドマゾプレイなんて流行らないで~!)」

ドレッドノート「ふふふふ、ならば見せつけてやろうではないか」ニヤリ

ドレッドノート「――――――そなたがわらわに屈服して忠誠を誓う様をな」ドン! ――――――鋭い蹴り回し!

朗利「あいだっ?!(足腰に強烈に痛みが――――――! 身体が傾く――――――!)」ドサッ


ドレッドノート「さあ、わらわの前に跪いてわらわの靴に口づけをせよ」グリ、グリグリグリ・・・

朗利「ちょ、ちょっとぉ! いくら女王陛下でも人の頭を踏んづけているのは傍から見てハシタナイですよ!」グリグリグリ・・・

朗利「というか、痛い痛い痛い痛い……!(覗こうと思えば見えるけど、BBAのスカートの中なんか見えても嬉しくねぇ!)」

ドレッドノート「それだけわらわは本気ということだ」

ドレッドノート「なに、ちょっと力を振り絞ってわらわの靴に口付けをすればそれで終わる――――――」

ドレッドノート「そう、それでその苦痛は終わるぞよ?」

朗利「あ、悪女だ、悪女がおる……(くっそ、【旧式艦】とは言え、蹴りの威力が半端じゃなかった…………足腰が立たねぇ! 逃げられない!)」

ドレッドノート「褒め言葉として受け取ろう」フフッ

ドレッドノート「本物の王というものは、国のために必要と思ったものはどんな手を使ってしてでも手に入れるものさね!」

ドレッドノート「そう、これだけ暴行を加えられたのに口からは決してわらわへの暴言が出ない見上げた騎士道精神よ! ますます欲しい!」

朗利「う、うるさい! さすがに怒るぞ……!」

ドレッドノート「では、切り口を変えるか――――――」グイッ

朗利「あああああああああああああ!(今度は俺の手をハイヒールで踏みつけてえええええ!?)」ベキベキベキ・・・

ドレッドノート「いいかげん諦めたらどうだ? そなたの悲鳴がわらわには心地よい嬌声にしか聞こえぬぞ?」ヒソヒソ

ドレッドノート「衆目もあることだし、ここらで切り上げねば本当にそなたは変態マゾヒストの烙印を押されてしまう――――――」ヒソヒソ

ドレッドノート「それだけは避けたいであろう?」ヒソヒソ

ドレッドノート「なあ? 口付けは一瞬だが恥は一生ものだぞ? そなたとしては仮初めの仮面を被るだけで良いのだぞ?」ヒソヒソ

朗利「う、うぅ…………『仮初め』――――――?」

ドレッドノート「そうだとも。『絶対服従の因子』で結ばれるのは忠誠であって、別に人間であるそなたにそれが備わっているわけではあるまい?」ヒソヒソ

ドレッドノート「ならば、さっさと口付けをしてわらわを納得させて、それで知らんぷりを決め込めばいいではないか?」ヒソヒソ

ドレッドノート「そなたはあまりにも素直過ぎるぞ? まあ、そんなところもわらわはとても気に入っているのだがな」ヒソヒソ

朗利「あ、ああ………………」

ドレッドノート「そう、そうするのだ。それで痛みはなくなり、痛みから解放される――――――」

ドレッドノート「さあ、『仮初め』の口付けをこの靴にするのだ」ニヤリ

朗利「あ、うああ………………」


「だ、ダメええええええええ!」


ドレッドノート「!」

朗利「…………?」ピタッ



ビスマルク「アドミラールは! 私と! 一緒に! ドイツに行くんだから! イギリスの女王なんかに! 渡さない!」ダッダッダッダッダッダ!


ドレッドノート「おっと」ヒョイ

朗利「あ、いってぇ…………」ゼエゼエ

ビスマルク「だ、大丈夫、アドミラール?」

朗利「…………ビスマルクか?」ゼエゼエ

ビスマルク「大丈夫そうね。安心して、アドミラール。今、無礼千万な客人を追い出してあげるから!」

ドレッドノート「あら? ドイツの小娘が恐れ多くもこのドレッドノートに戦いを挑もうと言うのかしら?」

ビスマルク「ど、『ドレッドノート』って――――――、いや、そんなバカな…………」

ドレッドノート「フフッ、わらわの威光の前に声も出ないようね?」

ビスマルク「あは、あはははははは!」

ドレッドノート「むっ、なぜそこで笑うのかしらね?」

ビスマルク「え? 私はてっきり【イギリス艦】と聞いてプリンス・オブ・ウェールズやフッドが相手だと思っていたのに、」

ビスマルク「よりにもよって、相手がドレッドノートなんていう【旧式艦】だものねぇ!」

ドレッドノート「!」

ビスマルク「おもしろい。世代差というものを教えてやるわ」

ビスマルク「あなたは知らないだろうけど、私は第二次世界大戦でヨーロッパ最強の戦艦と言われた、いわばあなたの超強化版よ」

ビスマルク「旧世代の主砲なんかで私が倒せるかしらね? 逆にひとひねりよ」

ドレッドノート「…………客人は丁重にもてなすのが礼儀というものじゃないかしらね?」

ビスマルク「黙りなさい! いったいどこの世界に出会って初日の相手を小間使いにする傲慢な艦娘がいるというのかしら!」

朗利「…………お前も最初は似たようなもんだったろう」ボソッ

ビスマルク「アドミラール?」チラッ

朗利「はい……」

ビスマルク「べ、別にアドミラールであるあなたの命を助けるのは艦娘として当然の義務だけれど、」モジモジ

ビスマルク「こう、お礼みたいなのがあってもいいのよ?」ドキドキ

朗利「そらきた……」スッ(――――――左手で人差し指を立てる)

ビスマルク「ふーん」ジトー

朗利「…………わかった」スッ(――――――今度は2本の指を立てる)

ビスマルク「よし!」グッ

朗利「…………ハア(これだから戦艦というやつは――――――)」


ビスマルク「さあ、覚悟なさい! アドミラールは私が守る! そして、ドイツに連れて行ってあげるんだから!」ゴゴゴゴゴ

ドレッドノート「やはり、彼ほどの人材はどこでも欲しがるか…………けど、諦めないよ!」ゴゴゴゴゴ


金剛「HEY, YOU, STOP ! Freeze ! HOLD UPネー!」


ビスマルク「!」

ドレッドノート「…………!」

X:赤城’「こういう時でしかお役に立てませんからね!(ここで何としてでも功績を立てて朗利提督からスイーツ券を――――――!)」

X:加賀’「それ以上はやらせません!」

大鳳「………………」ジャキ

ドレッドノート「あらあら、どんどん強そうなのがやってきてまあ…………」

長門「ここまでだな」ジャキ

五十鈴「いくらなんでもやりすぎよ!」ジャキ

ドレッドノート「ほう、確かにわらわの主砲なんかよりもずっとずっと大きい主砲よのう」

ドレッドノート「そうか、本当にわらわはここでは【旧式艦】――――――思えばわらわの時代は短かったな」

金剛「では、Lady ! Come Here ! 私がお招きしてしまったようですから、悪いようにはいたしませんカラ」

金剛「当初の予定通りに、これから TEA TIME とイタシマショー」

ドレッドノート「フフッ、なるほど。どこかで見覚えがあると思ったら、そなたは――――――」

金剛「金剛デース! 遠路遥々お越しいただきアリガトウゴザイマシター! でも、お戯れが過ぎますヨー、ドレッドノート様」


ドレッドノート「なぁに、ただ単にわらわはあの男が欲しくなっただけよ」ニヤリ


金剛「What's !?」ドキッ

大鳳「………………!」ドキッ

長門「な、何を言っているのだ、あ、あなたは…………」ドキッ

五十鈴「いいいい、いったいこんなガチペドロリコンのどこが気に入ったって言うのよ! 見る目ないわね、あなた!」ドキッ

X:加賀’「さすがは朗利提督の艦隊です。よくまとまっています」

X:赤城’「いいですよね~。提督の洋食も美味しいですけれど、朗利提督のスイーツもぜひともいただきたいものです」ジュルリ

ビスマルク「あ、あなた! まだ減らず口を…………大丈夫、アドミラール?」ガシッ

朗利「…………まだこちらの要件は何一つ果たしてもらってない。ティータイムに入ろう」ヨロヨロ

大鳳「あ、わかりました……」

ドレッドノート「そういうところさ」フフッ

五十鈴「ふぇ!?」カア

ドレッドノート「それじゃ、待っているぞ、司令官。わらわをあまり待たすでないぞ」

ビスマルク「…………!」カッ


ビスマルク「とっとと行きなさい! アドミラールは誰にも渡さないんだから!」ムギュウウ!


朗利「おお?!」ドキッ

ビスマルク「あ」カア

艦娘たち「………………」ジー


金剛「WOW! 大胆ですネー!」ドキドキ

X:赤城’「ふふふ、提督と鳳翔夫人の関係とはいきませんが甘酸っぱくて微笑ましいですね」ニコニコ

X:加賀’「………………さすがに気分が高揚します」ドキドキ

ビスマルク「あ、いや、その……、今のは弾みというか何というか…………」アセアセ

長門「提督、肩を貸そう」ガシッ

朗利「すまない…………足腰を強く打ったからうまく立てないんだ」ヨロヨロ

ビスマルク「あ、ちょっと、長門!」

ドレッドノート「あはははは! 若い若い!」ニヤニヤ

ビスマルク「よ、よくもぉ…………」カアアア!

金剛「おっと、そこまでデース! では、ドレッドノート様、席はこちらですヨー! Please Follow me !」

ドレッドノート「うんうん。それじゃあまたね、司令官」ニコッ

コツコツコツ・・・・・・

ビスマルク「………………!」プルプル

ビスマルク「――――――帰る!」バッ

朗利「うわっ……」ガクン

五十鈴「ちょっと! 急に放したら危ないじゃないのよ!」ガシッ

長門「おい、ビスマルク!」

ビスマルク「ふん!」プイッ

タッタッタッタッタ・・・

X:赤城’「行ってしまいましたね……」

X:加賀’「………………」ドキドキ

朗利「まったくビスマルクめ」フフッ


五十鈴「大丈夫?」

長門「大丈夫か、提督?」

朗利「このままはさすがに辛い。早く席に連れてってくれ」

長門「わかった」

ズリズリ・・・・・・

朗利「ははっ、しかし とんだ海外の大物がまた流れ着いたものだな…………」

朗利「しかし、どうしてまた【海外艦】が…………まさか金剛が連れてきたというのか?」

大鳳「はい、実はそうなんです、提督」

朗利「なに?」

大鳳「原因はわかりません。ルイージ・トレッリの時と同じく【建造】で現れたそうです」メメタァ

朗利「何がどうなっているんだ? 建造リストが更新されたのか?」メメタァ

朗利「だが、戦力が増えるというのであれば一旦は置いてみよう。話はそれからだ」

大鳳「はい」


――――――なんかわからんが、この調子で戦力の充実を図るぞ!


GET! 戦艦:ドレッドノート(レア装備要員・周回要員)


戦艦:ドレッドノート(イギリス)1905/10/02 - 1923
ドレッドノート級戦艦
属性:【旧式艦】【海外艦】【イギリス艦】
改造:戦艦:ドレッドノート → 戦艦:ドレッドノート改 → 戦艦:ドレッドノート改二

実際の性能は言うまでもないが、第一次世界大戦よりも遥か前の超【旧式艦】なのでマジで弱い! どれくらいポンコツかは性能比較参照。

【秘書艦】を金剛(新たに【イギリス艦】属性追加)にして【建造】すれば、早々お招きできるだろう【海外艦】。
ルイージ・トレッリとは条件が異なり、金剛を【秘書艦】にしていれば無条件で【建造】の候補に入るのが特徴。
場合によっては、最初の【海外艦】が史実では駆逐艦よりも弱いと思われる旧式戦艦の女王陛下になるやもしれない。

とにかく弱い。超弩級戦艦が主力の大艦巨砲主義の時代の雛形にはなったものの女王陛下はただの弩級戦艦なので完全に行き遅れてしまっている。
ルイージ・トレッリとは違って、艦娘としての能力に期待するべきところはない。
その代わり、【弾薬】と【燃料】が極端に少なく 燃費が最高クラスなので艦種:戦艦であることに注意をすれば周回要員には使えるか?
一応、艦種:戦艦なので実際には搭載不可能な【46cm砲】のガン積みで手軽に【火力】を上げられるので装備次第では大きく化けられる。

それ以上に、ドレッドノートは彼女限定のレア装備を持っているのでそれが狙い目である。

イメージとしては、建造された当時は海洋帝国である大英帝国の凋落も始まっていない古き良き海軍時代であり、
その古臭さと時代遅れな印象からイギリス絶対王政の全盛期を収めたビクトリア女王の肖像画が意識している。
ただし、性格は自分以前の最新鋭艦を技術水準ではなくし、新しい概念で旧式艦と一蹴した経歴から傲岸不遜。どこかの世界水準と似たような感覚である。
相対的にその時代では大型艦だったことには違いないので、超弩級戦艦に比べてチビということにしてはならない!(提案)
しかし、ビクトリア女王をモデルにしているので母性の力強さと慈悲深さとユーモアのある古き良き時代の強い女性をイメージしている。
【クロスボウ】を持っているのはダジャレではあるが、実は艦娘:ドレッドノートの最強兵装であり、これがドレッドノートを育てる最大のメリット。
なお、この【クロスボウ】を装備すると長門が更に“ながもん”化する模様。


性能比較
さあ、どれだけドレッドノートが【旧式艦】のポンコツなのかを見てみよう! 
わかりやすく3つだけ比較。装甲や対空砲なんぞ時代に依存する要素なのだからこの際 無視。

敷島型戦艦:三笠 1899/01/24 - 1923/09/20:除籍 戦後、三笠公園となる
全長:131.7m|速力:18kt|主砲:30.5cm連装砲|
                    
ドレッドノート級:ドレッドノート 1905/10/02 - 1923:解体処分
全長:160.6m|速力:21.0kt|主砲:30.5cm連装砲|

金剛型巡洋戦艦:金剛 1911/01/17 - 1944/11/21:戦没
全長:219.4m|速力:30.3kt|主砲:35.6cm連装砲|

扶桑型戦艦:扶桑 1912/03/11 - 1944/10/25:戦没
全長:205.13m|速力:22.5kt|主砲:35.6cm連装砲|

天龍型軽巡:天龍 1917/05/17 - 1943/02/01:戦没
全長:142.65m|速力:33kt|主砲:14cm速射砲|

鳳翔型航空母艦:鳳翔 1919/12/16 - 1947:解体処分
全長:179.5m|速力:25.0kt||

高雄型重巡:高雄 1927/04/28 - 1048/10/29:海没処分
全長:203.76m|速力:34kt|主砲:20.3cm連装砲|

ビスマルク級:ビスマルク 1935/11/16 - 1941/05/27:戦没
全長:241.55m|速力:30.8kt|主砲:38.1cm連装砲|

大和型戦艦:大和 1937/11/04 - 1945/04/07:戦没
全長:263.0m|速力:27.46kt|主砲:46cm3連装砲|

島風型駆逐艦:島風 1941/08/08 - 1944/11/11:戦没
全長:129.5m|速力:40.37kt|主砲:12.7cm連装砲|


見て分かる通り、ドレッドノート以降の艦船が大艦巨砲主義まっしぐらなのがわかることだろう。三笠を追い越すでかさの駆逐艦…………
主砲こそはまだ重巡より大きく、弩級戦艦という概念そのものは革新的だったが、個艦としての性能はかなり微妙である。
というか、【艦これ】に出てくる主砲にはみんなサイズが合っていないのでマイナス修正待ったなし! 魚雷も戦艦の動きがトロいのでまるで中らない。
【艦これ】に実装されることは万に一つないだろうが、【旧式艦】としては頭一つ抜けた知名度なので選出してみた。




朗利「さて、戦力もそろそろ充実してきたんじゃないか? 主力の練度も【ユウジョウカッコカリ】で夢の三桁台に届くところまで来たぞ」

雷「司令官、私がいるじゃない! 私をもーっと頼っていいのよ?」ウルウル

朗利「ごめんな、雷。俺が不甲斐ないばかりに寂しい思いをさせてさ」ギュッ

雷「う、ううん! わかってる、司令官にとって今が一番大切な時なんだって」ギュッ

雷「でも、やっぱり寂しい……」

朗利「……俺もだよ」

朗利「今度の戦いは第六駆逐隊が先発することにしたから」

雷「そうなの! 久々の実戦ね! 司令官のために出撃しちゃうね!」

朗利「ああ。いよいよ【南方海域】にまで行こうかと思う」

朗利「だから、その前に西方海域の装甲空母姫を倒さないと」

雷「前に鎮守府を襲ってきたっていうあいつ?」

朗利「ああ。今度はこちらが攻めに行く番さ。第六駆逐隊には前哨戦で頑張ってもらうのさ」

雷「うん! 頑張る! もっともーっと頼って、ね?」

朗利「いい子だ。死ぬなよ」

雷「まかせなさい! 司令官のためにも必ずみんなで帰ってくるからね」

朗利「本当に頼んだぞ?」

雷「ホント、司令官ったら心配症なんだから」ナデナデ

朗利「ああ…………」


ドレッドノート「さて、司令官? 一緒に午後の紅茶でもどうかしら?」

朗利「そう言って、勝手に茶を飲んでいるのはどこのどなたですか?」

ドレッドノート「このわらわだが?」

朗利「………………」

ドレッドノート「昔と比べてホント今は便利になったもんだ。まっこと良きかな良きかな」

ドレッドノート「けれど、この世界は1つの大洋で繋がっている」

ドレッドノート「それ故に、人間以外の存在が海の支配者となった時、人間は死に絶える他ないのだな」

朗利「そんなことはさせませんよ」

ドレッドノート「なあ? 逆に海を捨てて生きていくということはできぬものか?」

ドレッドノート「『欲しいものがある』という思いから人は苦しむのだ」

ドレッドノート「ならば、その欲を捨てればみな助かるのではないか? 実に簡単な論理だと思うのだが」

朗利「それはできませんよ! そういうあなただって海の向こうからの資源の輸入で生き永らえているというのに」

朗利「それに、大陸の内陸国はわかりませんが、深海棲艦は沿岸部の攻撃だってしているんです。国土防衛のために戦わざるを得ません」

朗利「日本はイギリスと違って国土の大半が山岳地帯で、列島に限られた海に近い平野の中に人が集まっているのですから逃げようがありません」

朗利「だから、戦うしかないんです!」

ドレッドノート「…………なるほど」

ドレッドノート「しかし、やはり艦娘はそのための人柱ということなのだろうな」

朗利「!」

朗利「そんなこと、そんなことは――――――」

ドレッドノート「わかっておる。わらわも何となくだが自分の存在意義を掴みつつある」

ドレッドノート「だが、まさか半世紀足らずで時代の先駆けとなったわらわが今の駆逐艦にすら劣るとは思わなんだ」

ドレッドノート「はっは、まさしく潜水艦の的でしかなかったな、戦場のわらわは」

朗利「………………」

ドレッドノート「わらわも、艦娘として辛い現実に直面しておる……」

ドレッドノート「艦娘としてのわらわは大して使いものにならない――――――が、人間ならば身分を捨てていかようにも自分を変えられる」


ドレッドノート「わらわは初めて人間が羨ましいと思ったぞよ」


朗利「え」

ドレッドノート「わかるか、朗利よ?」


ドレッドノート「艦娘は兵器だ。それ以上でもそれ以下でもない。つまりはそれ以外のことができないのだ」

朗利「何を言って――――――だって、料理だってするし、音楽を嗜んだり、アニメだって見たりして本当に人間そのものですよ」

ドレッドノート「そんなものは士気を維持するためのもの――――――戦うために必要な手段だからこそ身につけていただけに過ぎぬ」

ドレッドノート「そうではない、そうでは! 本質的に艦娘は戦いに秀でてはいるが、人間そのものにはなれんのだ」

朗利「???」

ドレッドノート「例えば、艦娘は人型だが戦い方はまさしく艦艇だった時そのままの戦い方をしておろう」

朗利「ええ まあ……」

ドレッドノート「馬鹿な! 人間の姿形じゃないからこそ軍艦独自の戦い方が発達したというのに、」

ドレッドノート「それを引き摺るとは、いつの世も人というのものはライミーなのだな……」

朗利「ら、『ライミー』?」

ドレッドノート「まあ 無論、それに気づかない艦隊司令官もたいがいだが、それを不便にも思わない艦娘たちにも欠陥があるということだ」

朗利「そんなこと言わないでください!」


ドレッドノート「この大うつけが!」バン!


朗利「!」ビクッ

ドレッドノート「そなた、やはりまだまだ青い! 『“優しさ”は優しさの中にしか無い』という思い込みからいつになったら覚めるというのだ!」

ドレッドノート「そなたにとっての艦娘にしてあげられる最大限にして最低限の努力とは何だ?」

朗利「――――――沈ませないことです」

ドレッドノート「よろしい、正解じゃ。よほど追い詰められてない限りはその場の勝利に固執することはない。戦略的に勝っていればよいのだ」

ドレッドノート「わかっておるな?」

朗利「はい」


ドレッドノート「なら、そなたも目覚めよ。今のままでは『心は純真だが空回りしてばかりの優しいばかりの無力な優男』でしかないぞ?」

朗利「なら、どうすればよいのですか?」

ドレッドノート「簡単なことだ、朗利よ」


――――――本当の親になりきれ。子の健やかな成長のために何だってする覚悟を持て。真の優しさはそこにのみある!


朗利「………………!」

ドレッドノート「わらわが艦娘の部分を除いて残ったものがこの母性だけじゃ」

ドレッドノート「母性といえば、巣立つのを見守るものだと想像するかもしれぬが、旅立てるように厳しく躾けるのも母性ぞ」

ドレッドノート「ただ優しい眼差しを向けるだけじゃなく、子がまっとうな道を進めるように手取り足取り教えてやることも親の務めよ」

ドレッドノート「そなたがやっていることはただ単にその日その日の機嫌取りをしているだけ――――――」

ドレッドノート「艦娘は成長しないからそれで通用しているが、人間の子相手にはおそらくは通用すまい」

ドレッドノート「人間の子はたちまち そなたの愛情を愛情とは知らずに食い物にして肥えた豚にしかならんだろう」

朗利「…………え」

ドレッドノート「そなたが人間として歳を重ねて変わっていこうとも艦娘たちは【旧式艦】になろうがずっとそのまま――――――」

ドレッドノート「そうなったら、そなたという一人の人間の成長などどうして見込めようか?」

ドレッドノート「そして、そなたが去った後に鎮守府に残されるのは、そなたを抜きにしたら戦うこと以外 何もできぬ人形の群れよ」

朗利「…………『自分はそうではない』とでも言うのですか?」ギリッ

ドレッドノート「わらわは、そなたにはより高みに至り より多くを救って欲しいから、こう言うのだ」


ドレッドノート「そなたはいつまでも艦娘たちの提督ではいられんのだぞ? そのことを自覚しておくべきなのだ」


朗利「…………!」

ドレッドノート「親はいつまでも子を養っていてはいかんのだ。それでは子はいつまで経っても親離れできん」

ドレッドノート「そなたは艦娘を人間として扱っているのならば、人間らしく子の成長を促さずして何が『人間』か!」ガン!

ドレッドノート「それとも、そなたは艦娘が成長しない都合の良い永遠の童女とでも思っておるのか? それこそ『人形』ではないのか?」ジロッ

朗利「!」

朗利「ああ………、実にその通りでしたね」ガクッ

ドレッドノート「わかってくれたようで何よりだよ」

ドレッドノート「やはり、艦娘は深海棲艦と戦うことはできても戦略はできぬ。多くを救うのはやはり人間である提督たちの采配ぞ」

朗利「さすがは女王陛下…………」

                                                                                サダメ
ドレッドノート「そう、それが誉れ高きドレッドノート――――――1つの時代を切り拓いてひっそりと歴史の表舞台から消えたわらわの運命」


ドレッドノート「それが人間によく似た器を持って生まれ直しても、結局は次代に思いを馳せるのが仕事の老いた母親のようなものか」

朗利「………………」

ドレッドノート「忘れるなよ? そなたは優しいが、優しいが故に大局を見誤ることがあったはずだろう?」

朗利「うっ…………(――――――ビスマルクの時だ)」

ドレッドノート「そう、だからこそだ。だからこそ――――――、」


ドレッドノート「――――――わらわのものになれ!」


朗利「――――――断る!」


ドレッドノート「即答か。つれないな」フフッ

朗利「確かにあなたは優れた知見の持ち主です。気に入りました。特別に鎮守府に置いといてあげましょう」

朗利「妖怪:紅茶おいてけ の相手もできることですし、本物のレディの修養なんかも受け持っていただければなおいいですよ」

朗利「けれど――――――、やっぱり諦めてなかったんですね! 困りますよ、それ!」

ドレッドノート「何を言うか! わらわの騎士になれば、わらわが手取り足取り身も心も立派なわらわの騎士に生まれ変わらせる自信がある!」

朗利「いや、いいですって! 何か危ない雰囲気を感じるので!」

ドレッドノート「まあ、そう遠慮することはない。近う寄れ」

朗利「いやです!」

ドレッドノート「ならば こうしよう」

ドレッドノート「わらわの手並みに不安を持っているのだろうから、わらわが直々に艦娘を立派な淑女に仕立ててやろう」

ドレッドノート「どうだ? その成果を見れば、疑念も晴れることだろう」

朗利「そ、外堀を埋める作戦ですか、それは……?!」

ドレッドノート「そなたの了解など要らぬぞ。優しいだけのそなたは愛する艦娘たちの頼み事を断ることはできまい?」ニヤリ

朗利「や、やめろおおおおおおおお!」

ドレッドノート「ふふふ、どちらに転ぼうがそなたは真の優しさを持つ紳士となるか、わらわの騎士となるか――――――、」

ドレッドノート「まさしく『二つに一つ』というものじゃな?」

朗利「なっ…‥!?(さ、さすがは二枚舌外交のエゲレス! 汚い! さすが汚い! 世界史の教科書で最も吐き気を催す邪悪!)」

朗利「(だ、だが、提督の俺が艦娘よりも格下に見られるのは癪だが、――――――そうだよな。艦娘には提督が必要だ)」

朗利「(けれど、逆を言えば『艦娘は艦娘だけでは生きられないようにできている』ってことなんだよな、それはつまりは)」

朗利「(――――――兵器だもんな。人間よりも遥かに強い兵器が自由意志をもって暴れだしたら人間としては為す術がない)」

朗利「(認める他ないか。確かに女王陛下は俺を真に想って自らの存在意義に戸惑いながらも忠告をしてくれた。なら――――――!)」

朗利「いいですよ! やれるもんならやってみてくださいよ!」

朗利「ただし、艦娘たちは私が日頃 誠心誠意を込めて接してきましたから、簡単にはあなたには靡かないでしょうがね!」

ドレッドノート「ふふふ、良くぞ言ってくれた、司令官よ」

ドレッドノート「平和が一番ではあるが、やはり競争相手がいなければ衰えるというものよ」

ドレッドノート「後で驚くが良い。わらわの教鞭の冴えを!」

朗利「どうぞどうぞ! その間に私は【カスガダマ沖】の制圧をしておきますんであまり邪魔しないでくださいね」サッ

ドレッドノート「ああ。行ってくるが良い。そして、必ずや――――――、」フフッ


――――――暁の水平線に勝利を刻んでくるのだ!



朗利「さて、Extra Operation以外では初めての【ゲージ破壊】だな(現在は利根たちのために【勲章】集めにまた行って手慣れたものだ)」メメタァ

朗利「まさか、いよいよ西方海域の最深部まで来ることになるとはな…………」

朗利「だが、これを制して初めて俺たちは更なる高みに進める!(ま、司令部のみんなからすれば今更な通過点だけどさ)」

朗利「けど、司令部はそんな俺をモニターに選んでくれたんだ。俺は俺として今まで通りの考えとやり方でやらせてもらうよ」

朗利「よし! 愛月提督! 準備はいいか! キラ付は終わったか? 【バケツ】や資源の備蓄は十分か?」メメタァ

愛月「はい! 前哨戦:第一艦隊 第1陣、出撃です!」

朗利「さあ、行って来い! まずは前哨戦を夜戦で制す!」

ビスマルク「あ、始まったのね、ついに」

朗利「ああ。まずは前哨戦:装甲空母鬼を三度潰す!」

朗利「すぐに終わるとは思えない。長期戦は必至だ。長い一日になるだろうから覚悟はしておいてくれよ?」

ビスマルク「当然よ。それぐらいの心の準備はしてきてあるわ」

朗利「さすがだな」

ビスマルク「私はビスマルクよ。泣く子も黙るあの鉄血宰相の名を戴く誉れ高き最強戦艦!」

ビスマルク「私がしっかりしないとアドミラールは何もできないんだから、むしろ私の士気が保つようにしっかりともてなしなさい」

朗利「…………台無しだ」

愛月「さあ、会敵しました! 陣形は――――――ん、司令官?」

朗利「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…………」ブツブツ

朗利「(本当ならこんなところにまで艦娘を送り込んでいることに罪悪感を覚えないわけじゃない……)」

朗利「(怖い思いなんかさせたくないんなら、こんなところに出撃させずにずっと近海で資源回収さえしていればいいんだ)」

朗利「(それに、他の鎮守府の連中がすでに何万回も制圧した海域なんだ。俺がやらなくても他がまたやってくれるのはわかっている)」

朗利「(けれど、それじゃダメなんだ! 戦うのは艦娘で傷つくのも艦娘だけど、その責任を最後まで提督である俺は背負わなければならない!)」

朗利「(俺はその責任から一度は逃げ出そうと思ったぐらいだ。――――――そして、残されるのは自分たちだけでは何も変われない艦娘だけ)」

朗利「(けど、今度は違う! 戦う準備も覚悟も決めてきたんだ)」

朗利「(なら、ここで俺たちの力を証明して海の向こうへ渡る権利をいただくまでだ!)」

朗利「戦闘指揮は任せる。いいかげん俺も戦術の勉強をしておかないとな。参考にさせてもらうぞ」

愛月「あ、はい!」ビシッ

愛月「では、陣形は――――――」

朗利「(新米だった愛月提督もすっかりと戦闘だけはベテランの仲間入りか。俺も負けてられないな)」

朗利「………………………………ビスマルク」チラッ

ビスマルク「?」


――――――これが俺たちの夢を叶える第一歩だ!


――――――第6話Z-1 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている- 遭遇編 完

      Next:第6話Z-2 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている- 攻略編 に続く!




陣営紹介Z:拓自鎮守府
朗利提督/朗利園長
駆逐艦や潜水艦をこよなく愛するアレな趣味を持つ提督であるが、紳士なので愛でること・見守ること・支えることに終始している。
一応は正真正銘のガチペドロリコンなのだが、自分の劣情を擦り付けるよりもふれあう中で得られる温もりのほうが上に来る こども好きである。
とにかくロリっ娘の確保が最優先なのでドックは駆逐艦や潜水艦で埋まっており、攻略は少数精鋭の固定メンバーで行われている。
それ故に、攻略進度は4人の提督の中では最も遅く、未だに【南方海域】に進出していないし、イベントマップに参加すらしたことがない。
自らが犯した過ちによって、最悪の事態にまでは至らずともトラウマになって後任の提督を喚んで全てを放り投げようとしていたが、
清原提督の慰問によって【艦これ】への情熱を取り戻し、後任として喚んだ愛月提督と一緒になって再び楽しくプレイしている。

自分の趣味と鎮守府の経営の両立に精を出して、独自の補給路を確保して得意の菓子作りで人々を魅了する。
明らかに艦隊指揮よりも兵站管理などの後方支援に向いている人物なのだが、艦娘に慕われる前提条件である提督を辞めるわけにはいかない。
朗利パークという大型艦寮を取り潰して駆逐艦・潜水艦寮を拡大併合した娯楽施設を建てており、そこの園長を務めている。
聞いて分かる通り、重巡のお姉さんたちが嫌いで、ついでに赤城と加賀に対しては資源を喰われまくった恨みから顔も見たくないようである。
しかし、必ずしも駆逐艦だから愛でるのではなく、わかりやすく言えばガキっぽい幼稚さが残る娘が好みであり、それを眺めているのが好きであり、
その性質は娘の成長を暖かく見守っている父親のそれであり、もちろんロリ体型の娘も好きだが一番大切にしているのは心――――――純真さである。
しかしなのか、当然なのか、そういうわけで艦娘を本質的に子供扱いしているので恋愛感情には疎く、性愛ではなく家族愛と受け取っている朴念仁である。
本人は第六駆逐隊の雷と【ケッコンカッコカリ】したがっているのだが…………
【大型艦建造】限定のビスマルクと大鳳がいて、これまで大鳳だけで航空戦を凌いできた点から見ても、相当な幸運の持ち主である。


戦艦:ビスマルク
朗利提督と最後の【ユウジョウカッコカリ】を結んだドイツの【海外艦】であり、朗利提督の“嫁”とも言える立ち位置である。
朗利提督にとっては貴重な【高速戦艦】であるだけじゃなく、凄まじく好みの娘(愛でる対象として)なので打算的な意味合いもあって特別視してきた。
しかし、実際には精鋭たちと比べると戦力として当てにはしても“手の掛かるからこそ愛おしい娘”という認識が朗利提督から抜けておらず、
一人の女性としては別に愛されてはいない――――――が、二人で交わした約束によって精鋭たちとも違った特別な関係になろうとしている。

作品上の役割は朗利提督に海外への興味を持たせるための存在であり、何よりも朗利提督のもろ好みの艦娘なのでご贔屓にさせていただきました。
趣里鎮守府の石田提督からはレーベとマックス共々評価は低いが、そんなの関係ない! 結局は心の美しさで朗利提督は愛でているのだから!
しかし、艦娘で最初の改三かつ【雷装】が実装された誉れ高い艦娘でもあり、今後の活躍に期待が高まる。


長門、大鳳、五十鈴、天龍、龍田
朗利提督をこれまで支えてきた精鋭たちであり、なんだかんだいって朗利提督に絶対の信頼を寄せている。
天龍と龍田は前線ではなく、遠征部隊として資源確保に日々 貢献しており、補給を第一に考えている朗利提督からは大切にされており、
実は二人に振舞っている三時のおやつは同僚の五十鈴の分より割増となっている。
みんながみんな 面倒見がよい性格であり、これまでの苦境も共に乗り切った仲なので、
彼女たち精鋭に限って言えば朗利提督は“同格の存在”と見ている(パークを一緒に支えてくれる“おねえさんたち”という認識だが)。


駆逐艦:雷
拓自鎮守府の真の支配者。“ロリお艦”として圧倒的な包容力を持っている朗利提督の力の源である。
しかし、朗利提督の自信喪失から始まった愛月提督への交代劇によって出撃がめっきり減って、
朗利提督も部下を持ってあれからずっと忙しくなっているのでかまってもらえない。


z:愛月提督
自信喪失していた朗利提督が後任として司令部に用意させた新米提督である。
しかし、その実態は『胸を寄せてあげられる』ぐらいのクレイジーサイコレズの変態淑女であり、紳士協定によって押さえられているが、
朗利提督の後任として選抜されるだけのことはあり、その内面は非常に気持ち悪いもので満たされている。ガチペドロリコンではないのが大きな違い。
ただ、先輩紳士である朗利提督がまじめに仕事をやっているのでそれに倣い、生来は控えめな性格なのでよほどのことが無い限りは紳士淑女として振る舞う。
愛月提督は朗利提督とは違って自分で戦闘指揮をとっており、その点ですでに朗利提督よりも戦闘指揮官としては優れている。
初期艦に【海外艦】のZ1とZ3を選んで、朗利提督の指導の下で新人教育を受けており、着々と実績を重ねていっている。
朗利提督の後任なだけあり、激レアドロップ艦である瑞鳳や阿武隈を引き当てるだけの幸運の持ち主である。

ちなみに、朗利提督と愛月提督のリアルのプレイ状況を言い表すと、『1つのアカウントでベテランとビギナーが2人で仲良く分担プレイ』である。


z:戦艦:金剛
洞庭鎮守府の金剛とは違い、愛月提督が妹の比叡の味方ばかりして追い掛け回されているので辟易してあまりBURNING LOVEできないでいる。
紳士淑女の集いである拓自鎮守府なのでやっぱりその手の話題に敏感な彼女の存在は非常に扱いやすく、出番が多い。

【イギリス艦】の属性が新たに追加されて、【秘書艦】にした時に【イギリス艦】を【建造】できるようになっている。
その中の候補として戦艦:ドレッドノートがおり、彼女が居るか居ないかで【海外艦】の獲得に大きな差が出るのでますます需要増加!
【海外艦】属性がないのがミソであり、【イギリス艦】だけを狙って【建造】する場合は非常に重宝する。



第6話Z-2 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている- 攻略編

――――――カスガダマ沖


装甲空母鬼「――――――!」ゴゴゴゴゴ

長門「これは多くの同胞たちの分! これで終わりだ!」ドーン!

装甲空母鬼「!!!?」チュドーン! ――――――轟沈!

長門「…………やったな」

w:愛宕’「うふふっ」

X:赤城’「まずは1勝ですね」

大鳳「まだまだ先は長いですね」

雷「そのまま制圧できればいいんだけれどね……」

電「けど、勝つことができたのです! この調子でどんどん行くのです!」

――――――
朗利「………………撃沈したか。通算5回目の出撃でいったか」メメタァ

X:加賀’「快調ですね。当然です、みんな優秀ですから」モグモグ

ビスマルク「そうよ。今の私たちに敵はないわよ!」モグモグ

ドレッドノート「ええ。司令官なら必ず勝てるわ。――――――あ、金剛さん? そろそろスコーンが無くなるのだけれど」ゴクゴク

金剛「はい、ドレッドノート様。さあ、比叡! どんどん持ってくるのデース!」ゴクゴク

比叡「ひ、ひえええええええ!」ドタバタ

朗利「そうだな。さすがは司令部の精鋭たちが擁する艦娘たちだ。練度も高いし、装備も一級品だからホント助かる」

朗利「(だが、どうしてこいつらは司令室で呑気にティータイムなんてしているのだろう?)」

愛月「ですが、【派遣】された艦娘は1割ぐらい修理・補給の費用が掛かるのが難点ですよね」メメタァ

朗利「それに、【出撃】を繰り返せば疲労もたまってキラ付作業をしなくちゃならなくなるし、【派遣】には経験値が入らないから旨味がない」メメタァ

朗利「だから、高い謝礼を払って赤城と加賀の二人揃えたのは疲労を抑えて少しでも回復させて安定させるためなんだが――――――、」メメタァ

朗利「ビスマルクに、加賀さん? そろそろ第一陣の疲労度を回復させるために交代してもらいたいんだけど大丈夫かな?」メメタァ

X:加賀’「いよいよ出番ですか。見ていてください、朗利提督。菓子の御恩は必ずお返しいたしましょう」

朗利「いや、艦隊指揮は愛月提督がやってるから今の俺は園長か司令官と呼んでもらいたいのだが」

ビスマルク「そう、ようやくね。見てなさい、アドミラール! このビスマルクが華麗に決めてあげるわ!」

朗利「おう、気をつけるんだぞ」

朗利「――――――死ぬなよ」

ビスマルク「……当然よ!」

愛月「………………いいな」

ドレッドノート「ほう……」

金剛「ステキな二人の距離感ですネー」ドキドキ

朗利「よし、暁と響! 交代だ。帰還した雷と電から装備を交換したら出撃だ!」ガチャ
――――――


――――――そして、通算19回目


ビスマルク「落ちなさい! Feuer !」ドーン!

装甲空母鬼「!!!???」チュドーン!  ――――――轟沈!

鳳翔「やりました! 三度目の撃破を確認!」

ビスマルク「あたりまえじゃない。良いのよ? もっと褒めても。なんてったって私はビスマルクなんだから」

響「勝利か。いい響きだな。けれど、私たち第六駆逐隊の役割はここまでさ」

暁「ええー!? 暁の出番が結局 無かったじゃない! 今日の大破担当だなんてイヤぁ!」

X:加賀’「お疲れ様です。見事な作戦指揮でした。さすがは拓自鎮守府です」

w:愛宕’「装甲空母鬼に襲撃されたあの日から本当に強くなりましたね」ニッコリ

――――――
朗利「よし!(比較的少ない回数で行けたんじゃないか? それでも19で前哨戦が終了か……)」グッ

愛月「ついにここまで来ました!」

愛月「全艦 帰投してください!」

艦娘たち「おお!」

X:赤城’「スイーツ美味しいです! 感動です!」バクバク

ドレッドノート「で? どうやら深海棲艦の親玉が変態したようだけどどうなるんだい?」

朗利「これを見てくれ」


敵東方中枢艦隊(輪形陣)

装甲空母姫  |浮遊要塞B
浮遊要塞C   |駆逐二級elite
駆逐二級elite |潜水ヨ級flagship



長門「ガラリと布陣が変わったな」

朗利「相手は持久戦の構えだ。装甲空母姫さえ撃破できれば我々の勝利だが、それぞれ違った面で耐久力の高いクセモノ揃いだ」

朗利「特に、潜水ヨ級flagshipという攻撃しづらい上にとてつもない装甲強度を誇るこいつの存在が難関だ」

朗利「この海域は艦隊編成の指定が厳しいわけだから、最短ルートのAFGを突き進める駆逐艦:2と重巡:1の編成を変えるわけにはいかない」メメタァ

朗利「となれば、残った3隻の編成だけが自由になるわけだが、G地点の敵空母機動部隊のことを考えると正規空母は不可欠だ」



朗利「だが、残り1回で相手を倒すだけならば、実は俺たちには海域突破の最強の切り札があるわけだ」

愛月「え? そんなものがあるんですか?」

長門「おお! まさか【あれ】か!」

朗利「さすがは我が鎮守府の精鋭:ビッグ7だな。よく覚えていてくれた」

金剛「――――――【あれ】?」

比叡「【あれ】って何でしょうね、お姉さま?」

ドレッドノート「さてさて?」

朗利「そう、今回のように距離が短い上に火力重視の編成を一度だけ叩き込めばいいところまで来ているのだから【あれ】を使っても罰は当たらない!」


――――――【お守り/航海安全】


長門「出た! これなら艦隊編成なんて関係なく海域を突き進めるようになるぞ!」

愛月「え、ええええええ!?」

金剛「My Principal ! そんな便利なものがあるんだったらどうして最初から使わなかったのですカー?!」

朗利「さっき言っただろう」

ドレッドノート「まあまあ 司令官や。深海棲艦の【戦力ゲージ】とやらは自然回復しないことだし、ここは余裕を持って対処せよ」メメタァ

朗利「女王陛下がそういうのでしたら…………」


朗利「まあ、要するにだ」

朗利「我々がこうして現在、西方海域を制圧しようとしているのは大本営からの指令でもあったことだ」

朗利「けれど、以前に鎮守府に装甲空母姫が襲撃してきた時はこうして立ち向かえるだけの戦力を擁していなかった――――――」

朗利「だから、戦略レベルで燃料を投下してボス級深海棲艦を焦熱地獄に叩きこむしか手段がなかったのだが、」

朗利「たかが1隻の敵相手に戦略レベルでしか対処できない我が鎮守府の脆弱さを反省して、それからは戦力増強に励むようになった」

朗利「言わば、今回の戦いは我々の艦隊がどこまで通用するかを見るための試験であり、前哨戦は正規の手段で挑ませてもらった」

朗利「そして、前哨戦に我々は勝った。我々の実力は十分に通用するところまで至ったという結論が得られた」

朗利「最後に、このゲーム屈指の難敵とされる深海棲艦が相手でもすでにこちらとしては目的を達成しているので、」メメタァ

朗利「まじめに戦って戦略レベルで資源と時間を浪費する必要もないので、今度は全力でサクッとクリアしようというわけである」メメタァ

朗利「理解出来ましたか?」

比叡「な、なるほど……」

金剛「Oh! 実に果断なJudgeデース!」

ドレッドノート「うむ。勝利することだけを求められているのならば、不必要な犠牲や苦労・手間暇をかけずにさっさと陥落させるのが賢いやり方さね」

X:赤城’「まさか、あの時の【お守り】の他にそんな効果のものがあっただなんて驚きです」バクバク

朗利「というわけで完全な羅針盤ルーレットになるが、自由な編成で装甲空母姫を討ち取りに行くかを愛月提督が決めてくれ」メメタァ

愛月「わ、私ですか!?」

朗利「そうだとも。他に誰が艦隊の指揮権を持っているというのだ? 今の俺は参謀だぞ?」

愛月「えと…………」

ドレッドノート「なあに、試行回数さえ重ねればいずれは辿り着くという話なのだろう? だったら 迷うことはないじゃないか」

ドレッドノート「そのための備えだって十分にしてきたのだろう?」

愛月「そ、それもそうですね」

愛月「わかりました。鎮守府司令官の提案を採用します」

朗利「そうか」

ドレッドノート「よしよし」


朗利「――――――女王陛下?」

ドレッドノート「何かな、わらわが愛する騎士よ」

朗利「いえ、女王陛下の騎士になった憶えはありませんが、一言 言わせてください」

朗利「確かに女王陛下の指摘はもっともです。その慧眼には感心するばかりでありますが――――――、」


朗利「司令室に勝手に乗り込んできて優雅にティータイムを長時間満喫して高みを見物をしておられる女王陛下が言うことじゃないと思いますが」


ドレッドノート「何を言うか。光栄に思うがよい。わらわがここまで付き合っていることはそなたにとっての誉れなるぞ」

朗利「いいえ、気が散るのでやめてください。今回ばかりは普通に邪魔です。さすがに司令室から出てってください」

朗利「戦場に送り出した艦娘たちの安否で心穏やかじゃないのに、呑気に紅茶を飲んで楽しんでいるところを見せつけられると無性に腹が立ちます」

朗利「というか、洞庭鎮守府の赤城さん 赤城さん? あなたもずいぶんと遠慮を知らないとんだ大食いですね。腹が立ってきたぞー?」ニコニコー

朗利「いや、そういえば加賀さんも大して変わらない勢いだったような…………(やっぱり正規空母なんてやつは大食らいの害悪だよ!)」イライラ

ドレッドノート「心に余裕を持て、朗利よ」

朗利「いや、時と場合によるでしょうが!」

ドレッドノート「部下のことを我が事のように思っているのは感心だが、司令官と提督は交代しているわけじゃないのだから休憩を入れるべきだね」

ドレッドノート「相手が自然回復しないことはわかってるんだし、一旦は緊張を解して改めて気を引き締めて臨んだほうが断然 良い結果になると思うが?」

朗利「…………!」

愛月「そ、そうですね。艦隊編成や消費した資源や【バケツ】の確認もしておきたいですし」

愛月「それに、【出撃ドロップ】した艦娘にも挨拶をしておきたいので」メメタァ

愛月「では、秘書艦:比叡」

比叡「はい!」

愛月「私はしばらくこの場を離れますが、何か動きがあったら知らせてください」

比叡「わかりました、提督!(提督と司令と司令官ってどう違うんだか、よくわからないけど区別されているんだからそう呼ぼう)」

金剛「お疲れ様デシタ、提督ぅー! それに園長!」

朗利「まだ戦いが終わったわけじゃない。気を緩めすぎない程度に休んでから作戦を再開するぞ」

艦娘たち「了解!」


スタスタスタ・・・・・・



ドレッドノート「そう、それでいい。急いだところで何かが変わるわけじゃないからね、この戦いは」ゴク

朗利「女王陛下、艦娘でありながらこれほどの心配りができるとは恐れ入ります」

ドレッドノート「艦娘として何もかもが終わっている【旧式艦】であることを自覚するようになったら自然と見方が変わっただけさ」

ドレッドノート「元々の教養や考察があったからかもしれないのだろうけれど、とにかく他にできることを模索した結果だろうね」

ドレッドノート「少なくとも今のわらわは人間の盾となるべき兵器から逸脱した存在のように振舞っているのかもしれぬ」

ドレッドノート「無自覚ながら、今のわらわは本当に艦娘なのか疑わしい境地に入っているようだ」

朗利「これからもどうかお力をお貸しください」

ドレッドノート「いいよ。わらわが予期したとおりにそなたは自分からわらわの許に来るようになることはわかっていたから」

ドレッドノート「どうじゃ? 今度こそわらわのものにならぬか?」

朗利「それだけはお断ります」

ドレッドノート「相変わらず頑固な男よな」

朗利「そういう女王陛下こそ、いまだに私のことを見限ろうとはなさらないのですね」

ドレッドノート「当たり前だ、大うつけ」

ドレッドノート「そう簡単に切り捨てられるほど安い人材に現抜かすほどこの目は腐ってはおらんぞ」

朗利「…………そうですか。少しばかり嬉しいものがありますね」

ドレッドノート「いや、歓喜が足りぬぞ。このわらわがそなたのことを褒めそやしているのだ。並大抵のことではないということを自覚するがよい」

朗利「実感が湧きませんがね(やっぱり、老いていようが戦艦は戦艦だった。相変わらず態度がでかいな、おい!)」


ドレッドノート「そうだ、朗利よ。【これ】を託そう」ボン!

朗利「――――――愛用の【ボウガン】ですか? いいのですか?」

ドレッドノート「そう。どうも潜水艦1隻に恐れをなしているようだから、この【ボウガン】を戦艦の誰かに持たせてやるといい」

ドレッドノート「いや、戦艦じゃなくとも潜水艦よりも大きい艦なら誰でもいいのだがな」

朗利「魚雷や爆雷でもないのに、こんなんで潜水艦が倒せるんですかね? しかも相手はflagship級なのに?」

ドレッドノート「関係ない。当たって砕けるだけのことよ」

朗利「え……?」

ドレッドノート「まあ、艦娘ならば触れた瞬間にどう使うべきものなのかはすぐにわかると思うんだけどね」

ドレッドノート「そして、【旧式艦】のわらわよりも今の艦娘のほうが上手く扱いこなせよう」

朗利「…………大鳳のクロスボウとはずいぶん仕様が異なるようだけど、【ボウガン】なんかで何かが変わるのだろうか?」

ドレッドノート「わらわの【ボウガン】はちょっとばかり特別製でな? 今はなき【旧式艦】ならではの戦いができるようになるぞよ」

朗利「は、はあ…………(何だろう? その『【旧式艦】ならではの戦い』って…………)」

ドレッドノート「さあ、行くがよい。わらわはここで紅茶を飲みながらゆったりと見張っているから」

朗利「わかりました。女王陛下も十分に息抜きをなさってください(うわっ重てぇー! やっぱり鉄の塊なだけあるな…………)」

ドレッドノート「うん」

スタスタスタ・・・・・・

ドレッドノート「………………」ゴクリ

ドレッドノート「ねえ、比叡さん?」

比叡「あ、はい!」ビシッ

ドレッドノート「そなたは【ラムアタック】というのをご存知かしらね?」

比叡「え? 何ですか、それは?」

ドレッドノート「ふふ、それはだね――――――?」
――――――



――――――戦闘再開:通算28回目 -ボス最終形態-


装甲空母姫「――――――!」

長門「ま、まさしくギャンブルであった…………」ゼエゼエ

ビスマルク「で、でも、ハズレを引いた時は即時撤退なんだから消耗が最低限なのはいいことよ……」メメタァ

w:愛宕’「いやーん!」アセタラー

大鳳「ここからが正念場です! みなさん、気を引き締めて!」ビシッ

X:加賀’「これでこの戦いを終わりにしましょう(ここでMVPをとって朗利提督からスイーツ券を更にいただく!)」ビシッ

比叡「ひええええええ! いくらお姉さまより先に改二になったからっていきなり前線送りだなんてぇ……!」アセアセ

――――――
金剛「これで確か28回目の出撃デシタネ……」

X:赤城’「こうしてまたカスガダマの装甲空母姫と戦うことになるとは思いませんでしたよ……」バクバク

ドレッドノート「ようやく辿り着いたようだね」

愛月「は、はい……、い、行けるもんなんですね。恐るべし、【お守り】の効果…………」

朗利「しかし、問題はここからだな。どれだけ装甲空母姫に攻撃が通るかだが……」

朗利「(ここまで来たのなら艦載機の消耗を考えると際どいが、何とかやってもらうしか他ない)」

朗利「(とりあえず、女王陛下のお墨付きの【ボウガン】をカットイン狙いの長門に持たせてみたが、特に何も起こらない)」メメタァ

朗利「(まあけど、ファングッズ補正なのか、いろいろと高い修正値が入っているから結構優秀な装備なのが憎いところだな)」メメタァ

朗利「女王陛下? 【あれ】は本当に役に立っているのでしょうか?」

ドレッドノート「ふふふふ、まあ見ていなさい」

朗利「………………」

朗利「(比叡は素の火力が高い戦艦で改二にまでなっていたから、急遽 愛月提督が投入を決断して旗艦として飛び入り参加だ)」メメタァ

朗利「(しかし、練度が他と比べて明らかに落ちるので火力は期待せずに、もっぱら支援要員として組み込まれている)」メメタァ


旗艦:比叡改二の装備
1,【大型電探/21号対空電探】
2,【お守り/航海安全】
3,【下賜品/表彰盾】
4,【大型電探/32号対水上電探】


朗利「いつ【32号対水上電探】なんていう超高級品の【開発】に成功していたんだ……(戦力増強期間に得られたものだし、別にいいけど)」

朗利「(それに、俺の艦隊の主力は【派遣】組が多いわけだから、【派遣】された艦娘は装備の変更ができない都合上、)」メメタァ

朗利「(なるべく汎用性が高く軸にしやすい攻撃特化の艦娘が【派遣】されやすいわけだから、支援要員はこちらで用意する必要がある)」メメタァ

朗利「(――――――別にいいだろう? 外来艦が主力であってもさ! フランスとかいう国では伝統的に外人部隊とかいうのが主力らしいし)」

朗利「(それに【友軍艦隊駐留】なんてしているわけじゃないし、こっちもきっちりそれ相応の準備はしてあるんだ)」

朗利「(使えるものは何でも使う――――――戦時中にイギリスがよくやった三枚舌外交なんてあるんだしさ)」

朗利「(弱いやつは弱いやつなりに知恵や技術を磨いて戦力差を埋める努力をしなくちゃいけないんだ! 皇国に必要なものとはまさにそれのはず!)」

愛月「では、艦載機の発進どうぞ――――――!」

朗利「……勝ってくれ!」
――――――


装甲空母姫「――――――!」

大鳳「くっ、さすがの耐久力です。辛うじて制空権を得ただけで敵艦隊への打撃は微々たるものです」

X:加賀’「さすがに手強いですね。もう二度と戦いたくないと思ってましたけど致し方がありません」ギリッ

長門「だが、そんなのはわかりきっていたことだ! これより砲撃戦だ! 全艦、この長門に続けぇ!」

ビスマルク「ちょっと! 私が一番なんだから私が言うべきところよ、今のは! 全艦、Feuer !」

比叡「旗艦は私で! 頑張るから! 見捨てないでぇー!」

w:愛宕’「主砲、撃てぇーいっ♪」

――――――
朗利「…………やはりあの“タコヤキ”、邪魔だな」ギリッ

愛月「くっ、このままでは攻め切れない…………最強の攻撃布陣を選択したのに?」

朗利「こうも【かばう】が発動するとな…………攻略してきた提督たちの苦労が偲ばれる」メメタァ

愛月「けれども、昼戦火力が安定している布陣ですので一撃で小破には追い込んではいます」

朗利「しかし、砲撃戦2巡目に入るのに撃破できているのが駆逐艦:2だなんてどうしようもない……」メメタァ

愛月「――――――撤退すべきでしょうか?」


ドレッドノート「いや、ここは自軍艦隊の被害状況からして大破した艦がいないんだ。恐れず戦闘続行だね。諦めちゃいけない」


金剛「What's !?」

X:赤城’「へ」

愛月「え」

朗利「…………提督、どうする?」

愛月「それは――――――」

ドレッドノート「まあ見てなさい。状況が混戦になった時にあの【ボウガン】が勝利をもたらすからさ」

朗利「え」
――――――


――――――我、夜戦に突入す!


長門「何とか浮遊要塞の1つは落とせたが、大鳳と加賀は置物と化し、旗艦:比叡は大破か…………」

長門「(どうする? 幸い、戦艦の私は小破ですんでいるし、ビスマルクも愛宕も中破だがまだ戦える)」

長門「(問題は、夜戦ではリストの上から順に交互に攻撃が行われるわけだから、【射程】の概念が意味を成さなくなる)」メメタァ


カスガダマ最終攻略艦隊の状況
戦艦:比叡 (軽微)    |戦艦:長門(小破)
戦艦:ビスマルク (中破) |重巡:愛宕(中破)
正規空母:加賀(無力化)|装甲空母:大鳳(無力化)


比叡「私! 頑張るから! 見捨てないでぇー!」

長門「(すると、夜戦では戦えない大鳳と加賀は5番と6番でいいが、2番手の私がここでカットインを決めないとマズイ!)」メメタァ

長門「(しかも、今回はあの潜水ヨ級flagshipを無視してボスの撃破を主眼においているからヨ級flagshipが完全に野放し――――――!)」メメタァ

長門「(な、何としてでも会心の一撃を装甲空母姫に直撃させてやる!)」←混戦中もあり、敵のリスト順なんて完全に忘れている

長門「…………ん?(何だあの海面から突き出ているものは――――――もしや!)」

長門「(そうだ! 今の私には何故か【対潜】が高い【ボウガン】が――――――!)」メメタァ

長門「よし! 行くぞ!」ザァアアアア!

ビスマルク「ちょっと長門?!」

大鳳「長門さん!? 単艦突撃するだなんて何を――――――!?」

長門「確か、あれはあの辺から――――――!」ジャキ! バァーン!

ヒュウウウウウウウウウウン! ポチャ!

長門「…………!」グイッ

長門「なるほど、ワイヤー付きとはありがたい! ビッグ7の底力を見せてやる!」

長門「うおおおおおおお!」グググググ!

長門「でやあああああ!(見ていてくれ、龍翔ショタ提督! 私はもっと強くなって必ず【破滅の未来】に希望をもたらしてみせるぞ!)」

ザバァアアアアアアアアアアアン!

ヨ級「!!!?」


長門「ビッグ7パァアアアアアアアンチ!」ドーン! ――――――【ラムアタック】渾身の右ストレート!


ヨ級「!!!!!?!?!?」ゴォオオオン! ――――――轟沈!

長門「っつう! さすがに装甲を砕くとなるとこちらもただではすまないか…………」ズキズキ

比叡「ひえええええ!?」

大鳳「今です、みなさん!」

X:加賀’「驚いている暇はありません! 砲撃を連続させてください!」

ビスマルク「これで残ったのは敵:2! しかも浮遊要塞も小破している今なら――――――!」

w:愛宕’「喰らいなさい!」



ドゴーンドゴーンドゴーン!


装甲空母姫「!!!???」 ――――――轟沈!

大鳳「やりました! 撃破目標、完全に沈黙です!」

ビスマルク「ちぃ、よそものに盗られちゃったわねぇ……」

w:愛宕’「うふふっ」

浮遊要塞「――――――!」

比叡「ひえええええ!」

X:加賀’「まだです! 敵残り1です!」

長門「まかせろ!」ジャキ!  ※夜戦に2巡目はありません

ビスマルク「あ……!」

長門「ふふふ! 今日の私は絶・好・調であーる!」シャッシャッシャッドーン! ――――――夜戦カットイン!

浮遊要塞「――――――!」チュドーンチュドーン!! ――――――轟沈!


長門「勝った! 西方海域 完!」ビシッ


ビスマルク「わ、私の見せ場がぁ…………(ちょっと何なのよ、最近の長門! みなぎり過ぎじゃないの!?)」ガクッ

大鳳「ビスマルクさん? 前哨戦の第2陣で大いに活躍してくれたじゃないですか? そこまで悔しがることは――――――」

ビスマルク「そんなの戦果のうちに入らないわよ!」

ビスマルク「飛び入り参加の比叡は支援要員として地味に活躍してくれたし、」

ビスマルク「【派遣】組なんて、いてくれなかったら作戦遂行自体が不可能だったんだし、」

ビスマルク「だいたいにして、あなた? あなたなんて第1陣も第2陣も全部出ていたじゃない! 大丈夫なの……?」

大鳳「大丈夫ですよ。――――――慣れてますから」ニッコリ

ビスマルク「んもー! 私だけじゃない! この決戦で何も倒してないの!」ムー!

ビスマルク「よりにもよって長門は、戦艦なのに潜水艦を釣り上げて倒しちゃったし、最後の最後でもう1体追加で倒しちゃったし!」

長門「まあまあ。勝敗は兵家の常なのだから、また今度 戦功を上げる機会を得ればいいさ」ドヤァ

ビスマルク「何その、勝者の余裕って感じの態度!」グッ

長門「ははははは、そういえば暁と似たような振る舞いをしていることに今更ながら気づいたな」

長門「“でかい暁”と言われているだけあって、なかなかどうして可愛らしいものじゃないか? なあ、みんな?」ニヤリ

ビスマルク「く、屈辱だわ……」

X:加賀’「まあ、ともかく西方海域の完全制覇――――――、おめでとうございます」

w:愛宕’「おめでとう♪ うふふっ」

長門「ああ! 我々の勝利だ! 勝鬨を上げろおおおお!」キラキラ

艦娘たち「おおおおお!」

比叡「旗艦は私なのにぃ……(提督、司令官……、私のこと見捨てないでぇー!)」イジイジ




――――――
愛月「カスガダマ島の装甲空母姫の撃破と敵艦隊の殲滅を確認…………」

朗利「やった、のか……?(う、嘘だろう?! 対潜装備無しでカスガダマ島の艦隊を殲滅――――――!?)」

ドレッドノート「任務完了おめでとう」パチパチパチ・・・

愛月「司令官!」

朗利「ああ! この戦い、俺たちの勝利だ!」


「おおおおおおおお!」パチパチパチパチ・・・・・・


X:赤城’「おめでとうございます、朗利提督に愛月提督!」パチパチパチ・・・

金剛「比叡もよくがんばりマシター! Sisterとして誇らしい気持ちデース!」パチパチパチ・・・

朗利「提督! 帰還報告を受けるまでが作戦だ! 次の指令を出せ!」

愛月「あ、はい!」

愛月「全艦、状況を報告――――――後に、鎮守府に帰還せよ!」

愛月「それじゃ、金剛。鎮守府にみんなにこの勝利を知らせてきて! 追って、迎えの艦隊を出すから出撃準備もさせておいて」

金剛「わかりマシタ! Wait a minute !」


タッタッタッタッタ・・・


ドレッドノート「どうだい? 役に立っただろう、私の【ボウガン】?」

朗利「何だったんですか、【あれ】は?」


ドレッドノート「【あれ】はね、【ラムアタック】だよ」


朗利「――――――【ラムアタック】?」

ドレッドノート「わらわが生まれる以前の前弩級戦艦と呼ばれる更に旧い艦には【衝角】というものが標準装備されていてな?」

ドレッドノート「さっきみたいに体当りして、それで浸水させたり、至近弾を食らわせたりと、海上でも白兵戦をやっていたわけさね」

ドレッドノート「そうでもしなければ、大砲を当てることすら難しくてな、大昔は」

ドレッドノート「そなたも拳銃ぐらい握ったことはあろう? それで10歩離れた相手の眉間に10発全て弾を中てることはできるかい?」

朗利「…………いえ」

ドレッドノート「わらわが革新的と言われたのは、斉射によって近づくことなく高い命中率で一方的に敵を攻撃できた点にあるのだ」

ドレッドノート「しかしながら、わらわは世界初の弩級戦艦ということでまだノウハウも培われていないからなかなか理論通りにいかずな……」

ドレッドノート「理論上は遠距離からの砲撃戦で敵を沈めるのだから、接近戦をしないわけだから【衝角】は取り払ったんだけれども、」

                     グレートウォー
ドレッドノート「皮肉なことにも、第一次世界大戦で【衝角】無しでわらわはな? ドイツのU-ボートを【ラムアタック】で沈めてな」


朗利「は、はあああああ?!」

ドレッドノート「おそらく わらわぐらいだろうな。この世で潜水艦を撃破した戦艦というのは。それがちょっとした自慢さね」フフッ

ドレッドノート「つまり、あの【ボウガン】はそんなわらわの戦歴を再現した装備というわけなんだろう」メメタァ

朗利「だ、だから、潜水艦よりも大きな艦ならば一撃で倒せたというわけですか(そりゃボクシングのヘビー級とフライ級以上の差だもんな)」

ドレッドノート「ま、それ以外には、記念すべき世界初の弩級戦艦だというのに大した戦績はないのだがな……」

ドレッドノート「それと実に下らぬ与太話にわらわが付き合わされたということぐらいか? わらわの持ち話は」

ドレッドノート「特にこれと言った活躍もないまま、戦後は民間に売り払われ、そこで解体――――――」


ドレッドノート「しかし、それで良かったのかもしれぬ。わらわが生まれておよそ10年はそれでも穏やかな時であった」

ドレッドノート「そして、グレートウォーも何だかんだ言って無事に生き延びて満足に退役したのだ」

ドレッドノート「――――――贅沢ものよな」

朗利「…………だから、寂しいんですか?」

ドレッドノート「まあね。わらわとしては、そなたの国で今も愛されている三笠が羨ましく思っておる」

ドレッドノート「三笠もイギリス生まれで、日英同盟時代に大英帝国から大日本帝国に下賜された艦であるからな」

朗利「そうだったんですか」

ドレッドノート「正直に言って、わらわは三笠が羨ましい」

ドレッドノート「前弩級戦艦でありながら、わらわよりも遥かに大切にされて今もその亡骸は残っているのであろう?」

朗利「はい。一度、見に行きますか?」

ドレッドノート「ああ。楽しみにしているよ」

ドレッドノート「それにそういう意味では、三笠と同じぐらいに同じイギリス生まれの金剛が羨ましい」

ドレッドノート「日本最初の超弩級戦艦でありながら、第二次世界大戦まで30年余りを主力として戦い抜いたのだ」

ドレッドノート「三笠ほどではないにせよ、日本人は本当にモノを大切にしてくれるな。――――――誇るがよい」

朗利「いえ、当時の事情としてはワシントン海軍軍縮条約で10年間は新造艦が造れないからそうせざるを得なかっただけで…………」

ドレッドノート「それでも! わらわよりも遥かに名誉ある軍艦としての生き様を華々しく貫けたのであろう?」

朗利「……はい」

ドレッドノート「どんな事情であれ、結果として未来に残されたものの価値は尊い。それが文化や伝統として国の誇りとなっていくのだ」

ドレッドノート「どうやらこれで祖国への道が開けたようだな」

朗利「確かに。これで喜望峰を回ることなく、運河ルートでイタリアに行けますね」

ドレッドノート「そこはわらわの祖国を言って欲しかったものだな、この大うつけめが」

ドレッドノート「それに喜望峰から回らねば、あんな狭い運河を進めるものか――――――あ、母艦と補給艦だけで十分だったか。艦娘だから」

朗利「え? 女王陛下も祖国へ行きたいのですか?」

ドレッドノート「当たり前じゃ。極東の地で肉体を持ったとしても、わらわの起源である祖国への望郷の念は捨てられん」

ドレッドノート「あれから1世紀もたったのだ。祖国があれからどうなったのか、気になるだろう?」

朗利「そうですか。女王陛下も遣欧使節作戦に参加――――――っと」カキカキ



ルイージ「おめでとう、提督。カスガダマ沖を制圧できましたね。これで喜望峰を通って大西洋沿岸の国々へと道が開けましたね」ニコニコ


朗利「おお、ルイージ! そうなんだよ!(――――――天使降臨!)」

朗利「けれども、運河や海峡を通れるかどうかは微妙なところなんだよな」

朗利「イギリス・フランス・ドイツにはこれで行けるようにはなったけれどもイタリアばかりはわからない」

ルイージ「そうですか。でも、大丈夫です。いつかは行けますから」ニコニコ

朗利「すまないな、いつもいつも(これは絶対に、――――――ローマ 行こ)」

ドレッドノート「なるほど。その娘がねぇ。可愛らしいこと」

ルイージ「初めまして、ルイージ・トレッリです。日本名は伊504です」

ドレッドノート「『日本名』――――――、そなたは日本と縁があるものなのか」

朗利「この娘は戦時中に遣日潜水艦作戦で日本まで来て最終的にイタリア・ドイツが降伏したので日本軍に接収されて、」

朗利「戦後、日本の紀伊水道で沈められた経歴があるんです」

朗利「彼女がもたらしてくれた技術で高度2万mのB-25を撃墜した超高角砲が完成したらしいですよ」

ルイージ「何だかロマンを感じません? こうやって海の向こうからもたらされたもので国が栄えていくのって」

ドレッドノート「わかるよ。わらわの大英帝国も海の向こうの新大陸やインド亜大陸との交易でパックス・ブリタニカを実現したのだから」

ドレッドノート「それに、この国では海の向こうからきたものを崇敬する精神文化が根付いていて、な?」

朗利「いつお暇をいただけるかはわかりませんが、12月23日には司令部に招集されるのでその時に参りましょう」

ルイージ「何の話ですか?」

朗利「三笠公園に行くって話だよ、ルイージ」

ルイージ「何です、それ? 私も連れてってください、提督!」キラキラ

朗利「うん。あそこには100年以上も前に造られた戦艦が今も残されているんだ。きっと何か得るものがあるんじゃないかな?」

ルイージ「凄いです! 日本の正倉院や宗像大社も凄いですし、京都や奈良もホントに凄いんです!」

ルイージ「でも、大昔の戦艦が残ってるだなんて驚きました!」

朗利「ああ。女王陛下の国から下賜された三笠っていう大変旧い戦艦なんだけど、」

朗利「女王陛下がイギリス軍艦の代名詞ならば、三笠は当時の日本軍艦の代名詞で、日露戦争でバルチック艦隊を打ち破った東郷平八郎の乗艦だったんだぜ」

ルイージ「それは凄いですね! 『日露戦争』っていうのが何なのかはわかりませんけど調べておかないと!」キラキラ

朗利「いやぁー、いい娘だなー! 勉強熱心で感心だぞ、お兄さん!」

ドレッドノート「第二次世界大戦のことはわからぬが、それ以前の第一次世界大戦や日露戦争あたりのことならわらわに聞くといい」

ドレッドノート「次いでに、三笠がどういった軍艦だったのかも教えてやろう。光栄に思うがいい」

ルイージ「ありがとうございます! 楽しみだな~」ニッコリ

ドレッドノート「素直でよろしい」フフッ

愛月「司令官。後のことは私がやっておきますので、お疲れ様でした!」

朗利「わかった。帰還したみんなを逸早く出迎える準備をしておくよ」

愛月「はい」

朗利「それでは、私は出撃した艦隊の出迎えと慰労と祝勝会の準備をいたしますので、失礼します」

ドレッドノート「わかったよ。特等席は当然用意してもらうよ?」

朗利「……わかりました、女王陛下」フフッ

ドレッドノート「それじゃ、ルイージとか言ったかな? まず、日露戦争がどういったものかを聞かせてやろう」

ルイージ「はい!」ワクワク


朗利「さて、護衛艦隊を出したのは本隊を護衛して、なおかつ鎮守府海域の敵の哨戒の意味もあるのだが、」

朗利「一番の意味は、【出撃ドロップ】した艦娘を護衛するのが護衛艦隊の大きな仕事だ」

朗利「なにせ、【出撃ドロップ】した艦娘は練度がどういうわけか最低で、今までよく深海棲艦に沈められずにいられたものだと思うばかり」メメタァ

朗利「…………だからこそ、艦娘と深海棲艦の類似性が当初から指摘されてきたわけだ」

朗利「――――――あれ?」


駆逐艦?「うぅ…………」シクシク


朗利「おい。どうしたんだよ? どうしてこんなところで泣いているんだ?(あれ? なんか見ない娘だな? 今回のドロップ艦に居たのか?)」

駆逐艦?「放っといてください……どうせ私なんか…………」シクシク

朗利「ダメだよ。これから祝勝会なんだから。新入りのきみでもちゃんと席は用意しておくから安心してくれ」

朗利「ほら、レモン風味ののど飴だぞ。まずはこれでも舐めて心を落ち着けて、ね」ニコッ

駆逐艦?「あ…………」

朗利「こんなところに一人で居ちゃいけない」

朗利「居場所がまだ見つからないんだったら、お兄さんと一緒に祝勝会の手伝いをしてくれないか?」ニコッ

駆逐艦?「いいの……?」

朗利「きみは艦娘だろう? 俺がこの鎮守府の司令官だ。きみの身柄については俺が責任を持っている。だから放っとけないのさ」

朗利「それに、今日は度重なる出撃で新しく入った娘が多いから安心して。今日の祝勝会で一人も漏らさずに紹介してあげるから」

駆逐艦?「…………ありがとう」

朗利「それじゃ行こう。一応、この鎮守府は2人の提督で運営されているから、俺の姓の朗利や園長とか司令官って呼んでくれ」

駆逐艦?「…………司令官」

朗利「そう、俺はきみの司令官だ」

朗利「で、きみは何ていう名前かな?」


――――――クレマンソー。


朗利「…………『クレマンソー』?」

朗利「――――――【海外艦】?!」

クレマンソー「はい。元フランスのクレマンソーです」

朗利「ふ、フランスの…………これは驚いたな。これからよろしくな」

クレマンソー「うん。司令官」


朗利「(どういうことだ? なぜ【フランス艦】が突如として現れた? 【出撃ドロップ】で得られた艦娘ではないな、確実に)」メメタァ

朗利「(いや、これは今までの例から言っておそらく、――――――【建造】で生み出されたに違いない)」

朗利「(そうだ! 今日の必勝祈願にビスマルクを【秘書艦】にしてシャルンホルストを狙って【大型艦建造】を愛月提督がやってた気がする!)」メメタァ

朗利「(すると、愛月提督が忘れていたのか! それは僻むわな! ――――――許せん! スイーツ券没収だ!)」

朗利「(しかし、何だこのボロ切れをまとった見るも哀れな痩せ細った身体は…………所々に痣の痕も見える)」

朗利「(――――――相当悲しい生前だったのだろうな)」

クレマンソー「………………」ギュッ

朗利「クレマンソー? そういえば、まだ艦種を聞いてなかったな? 何だ、装甲空母か何かか?」

クレマンソー「うっ…………」グスン

朗利「あ、嫌なら言わなくていいぞ! お兄さん、クレマンソーの笑顔が見たいからな、な!」アセアセ

クレマンソー「あ…………」ホッ

朗利「今日は自己紹介しなくてもいいさ。自分を表現するのが苦手な娘なんてたくさんいることだし、」

朗利「だから、特別じゃないよ。少しずつ慣れていけばいい」ニコッ

朗利「怖い思いはさせない。お兄さんが守ってあげる」ナデナデ

クレマンソー「司令官……」ギュッ

朗利「(さて、どういうわけか【海外艦】ラッシュが止まりません! どうなってるの、俺んちの建造ドックは?!)」

朗利「(まさか欧州4強の艦娘を我が鎮守府に迎えることができたとはな…………)」

朗利「(しかし、クレマンソーか。いったいどんな艦だったんだろう? 【大型艦建造】で駆逐艦が出るとは思い難いし…………)」

朗利「(それに、物凄く孤独感と痛々しさが伝わってくる。人の温もりを強く求めている娘だな)」

朗利「(今日はいろいろと記念すべき日となったが、どうやら明日は祝勝会の二次会や余韻に浸っている暇はなさそうだな)」

朗利「(何にせよ、西方海域は完全制覇された。欧州への航路が拓かれたんだ!)」


――――――夢は着実に現実のものへとなろうとしている。この調子で南方海域も次いでに攻略して遣欧使節作戦を実行に移すぞ!


GET! 戦艦:クレマンソー(レア装備要員・大器晩成型最強戦艦)


戦艦:クレマンソー(フランス)1937/01/17-1944/08/27空襲撃沈
リシュリュー級戦艦3番艦
属性:【海外艦】【フランス艦】【ドイツ艦】
改造:戦艦:クレマンソー(浮き砲台) → 戦艦:クレマンソー(砲艦) → 戦艦:クレマンソー(改良3番艦)


――――――第6話Z-2 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている- 攻略編 完

      Next:第7話Z 到来 -アドベント- に続く!




陣営紹介Z+:【海外艦】勢
潜水艦:ルイージ・トレッリ
今作における新たな【海外艦】導入の水先案内人となるイタリアの潜水艦。開放後に無条件に【建造】で得られる【海外艦】である。
【改造】する度に国籍と名称が変遷していく変わった経歴の艦であり、実に数奇な運命を辿っている。

いいかげんな性格のラテン気質のイタリア軍に反して戦功を上げている潜水艦であり、イタリア人というよりはルネサンス時代の偶像をモチーフにしている。
その一方で、ユーモアと社交性を持ちあわせ、礼節を弁えているので非常に親しみやすい。ほどほどにまじめでほどほどにフランクのいいとこどりした性格。
日本に対して並々ならぬ関心を寄せているらしく、提督に対して極めて友好的。


戦艦:ドレッドノート
超弩級の“弩”とはドレッドノートに由来するものであり、艦隊巨砲主義の火付け役となった画期的な戦艦であった。
しかし、【艦これ】に参戦している最古参の艦娘である金剛ですら超弩級戦艦なので、この時点でいかに【旧式艦】であることかが伝わるはずである。
もちろん、能力は低速戦艦の扶桑にすら全面的に劣るものだが(腐っても超弩級戦艦なのでドレッドノートより強いのは当たり前!)、
今回の【海外艦】はそれぞれに確保するだけの利点が備わっており、第一次世界大戦以前の日英同盟時代の艦隊決戦のノウハウを伝授してくれる。
選出の理由は、ドレッドノートの歴史的意義とその戦績によるものであり、“恐れ知らず”なだけあり、割りとユニークな戦果を上げている。

ドレッドノートの登場によって、ドレッドノート以前の全ての味方艦が旧式艦の烙印を押されて前弩級戦艦に分類させられたために、
性格は極めて横暴であるが、逆にそれ以降の超弩級戦艦の基準にもなっていることから1つの時代の生みの親とも言えるので、
女王の国:イギリスに相応しい古き良き時代の女王様をイメージしている。【ボウガン(=弩)】を持っているのは彼女の高尚な趣味であり、ダジャレである。
そして、その【ボウガン】が実はドレッドノートの真の武器であり、ドレッドノートがゲーム的にただの【旧式艦】ではない存在感を発揮させている。

【海外艦】を多く擁し、イギリスの帰国子女:金剛や紳士淑女の提督2人が務める拓自鎮守府に降り立ったのはまさしく天啓であり、
横暴ではあるものの優雅な物腰や慈愛に満ちた強い母性と培われた知恵が朗利提督には感銘を覚えるものがあり、
日英同盟時代の軍艦だったためか態度はでかいが、皇国の軍人である朗利提督の人柄に惚れ込み、朗利パークを支える一員として収まっている。


戦艦:クレマンソー
フランス リシュリュー級戦艦3番艦:クレマンソーであり、
リシュリュー級は日本ではあまり馴染みがないがダンケルク級戦艦の次級として設計された傑作戦艦であり、それぞれ個性的なエピソードがある。
とりわけ、3番艦であるクレマンソーは艦名の由来となった人物からその運用や経歴までが異色に彩られており、キャラ的に非常に美味しいわけである。
ダンケルクとリシュリューの公式での実装は任せますので、クレマンソーだけは使わせていただきます。

性格は一言で言うなら、『家族に置いて行かれて“みなしご”になって継母にいやいや働かされて歪んでしまった陰気な艦娘』であり、
置いて行った姉であるリシュリューやジャン・バールには薄暗い眼光を向けている。【運】が低い不幸艦なのは間違いない。
リシュリュー級はゲーム的には凄まじい強さを誇っており、フランスの最新鋭戦艦なので強いのは当然!
大和型戦艦でしか耐えられない超威力の主砲を備え、連合国側では数少ない高速戦艦であり、対ビスマルクを想定した手堅い防御設計である。
なので、性能は大和型戦艦に次ぐ勢いの高速戦艦である。それ故に【改造】してから本来の性能を発揮するという珍しい強化のされ方をしている。
しかし、クレマンソーはそうでありながら初期状態では冗談みたいな弱さであり 【対空】以外は突出したものがない。戦艦らしい能力がいっさいない。
だが、なぜそんなクレマンソーが採用されたのかといえば、それ相応にとんでもない装備を持参してくるからであり、
もちろん改二になれば改良リシュリュー級戦艦として生まれ直し、フランス最強戦艦の圧倒的な性能を見せつけてくれる。
【改造】を重ねる毎に痩せ細った身体が健全になって【運】や表情が良くなっていく様はシンデレラストーリーのお姫様である。要【改装設計図】。


次回は、斎庭鎮守府より、

第6話Y-1 提督、出撃す     -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫- 考察編

お楽しみください。




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着任当初に最初に建造できた艦娘がレ級だったというお話。
建造運が突き抜けている幸運の女神に愛されている提督と深海棲艦を交えた艦娘たちの真面目な交流・攻略談話をどうぞご鑑賞ください。
レ級が仲間になったらそりゃヤバイわな……

なお、プレゼンターが提案する深海棲艦運用システムとは何の関係もありませんので、お気軽に楽しんでくださいませ。
二次創作で原作スタッフもご自由に想像するように言われているのでどうか気にせずお読みになってくださいませ。


提督「駆逐艦って軍艦じゃないのな」
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陸軍から派遣された大尉殿が戦後に深海棲艦が現れた歴史を持つ現代日本で奮闘する物語であります。
作者の豊富な陸軍知識と海軍との思想の違いが巧みに演出されており、当時の陸軍がどういった考えで太平洋戦争を戦ったのかがわかるであります。
また、筆者の懇切丁寧な解説と質疑応答がなされているので、まとめサイトよりもここに張ってある原典を見るのが一番だと思うであります。

なお、プレゼンターとしてはさっさと神州丸などの他の揚陸艦をさっさと実装しろと主張しているわけでして…………
それと主人公格が一気に4人に増えるので判別のために個人名を付けて欲しかったけど当初の予定になかったレギュラー化なのでしかたない。






第6話Y-1 提督、出撃す     -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫- 考察編

――――――斎庭鎮守府


金本提督「ふははははは!」

剛田将校「ふふふははははは!」

金本「ぐふふふふふふふふ!」

剛田「あはははははははは!」

金本「こいつはやっべええええええええ!」

剛田「これはいいぞおおおお!」

金本「雑魚メカだと思ってたけど強くなり過ぎぃいいい!」

剛田「ボス級深海棲艦が一撃で墜ちるとかあり得ねええええ!」

金本「北方AL海域――――――今からもう1周しね?」

剛田「おう! ほっぽちゃんをもう1回泣かせてやろうぜ!」

金本「【男のロマン】最高!」

剛田「陸軍 最高! 海軍も最高!」


男共「わっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!」


あきつ丸「提督殿……? 将校殿……?」

お銀「壊レタ……」

お輪「提督殿! 将校殿! 正気ニ戻ッテェ……」


――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



――――――これは遡る話


金本「さて、また行ってみようか、――――――北方AL海域」

剛田「ほう、北方海域のExtra Operationマップか」メメタァ

剛田「この追加で単純計算 月に【勲章】を4つは定期的に得られるようになった――――――【改装設計図】分だな」メメタァ

金本「まあな」

金本「けど今のところ、【勲章】の使い道がちゃちな資源セットだったり、【改装設計図】だったりしてありがたみがないけどな」メメタァ

剛田「そうだな。陸軍参謀本部の情報網によれば、必要以上の資源を浪費してやっとイベントマップやEOマップを突破するものらしいな」メメタァ

剛田「海軍士官共の阿鼻叫喚の声がこれでもかと聞こえてきそうだ」

金本「【艦これ】というゲームは、10%に戦術、20%に情報、30%に資源、40%にリアルラックだからな」メメタァ

金本「つまり、たいていの提督は7割を占める資源とリアルラックをおざなりにしているから泣きを見るんだよ」メメタァ

金本「この2つさえ押さえていれば、ゴリ押しのゴリ押しをゴリ押しするだけでたいていはどうにでもなるゲームだってのにな」メメタァ

剛田「『4割のリアルラック』――――――運に左右されちゃどうしようもないだろうが」メメタァ

金本「逆だ、逆」


――――――『この世の中はその4割のリアルラックを持っている人間とそうでない人間にわかれている』ということだ。


金本「つまり、運勢が無いやつは【艦これ】は永遠にクリアできないだろうし、」メメタァ

金本「逆にカネも無いようなやつは【艦これ】以外の課金が当たり前のようなブラウザゲームは上位ランクになることも不可能」メメタァ

金本「つまり、運勢もカネもある俺が最強ってことだ」ニヤリ

金本「――――――いや、運勢があるからカネがあり、カネがあるから運勢も付いて回ると言うもんさ」

剛田「そうだな。大本営にも影響力を持つ資源王だからな、お前は」

金本「そして、運もない・カネもないような素寒貧は本当のゴミクズというわけだ!」グッ

金本「だが、俺はどちらもない状態からここまで這い上がって来たんだから、そこらのおぼっちゃんなんかより格段に上だがな!」

金本「俺は資源王にすらなったのだからな!」ドヤァ



――――――斎庭鎮守府 隣:金本邸 地下【秘密工廠】


金本「さて、今日も【海上陸戦機動歩兵】の【開発】と研究をしよう」

剛田「あれから【海上陸戦機動歩兵】の改良を重ねてはきたが――――――、」

剛田「【○二】も【○四】も未だに駆逐艦にすら及ばない機動力なのはまずいだろう」

剛田「とりあえず、【○二】は揚陸艦:あきつ丸の援護を受けられるから【肉薄】しやすいのはいいが、」

剛田「陸軍式の武器では深海棲艦にダメージを与えることはかなり難しいな……」

剛田「かと言って、おいそれと海軍の武器を採用しては陸軍代表の俺のクビが飛ぶ」

剛田「逆に【○四】はさすが深海棲艦の研究をしているだけあってうまくいけば深海棲艦を一撃で沈めてくれるが、」

剛田「専用の支援艦がないからな……」

剛田「…………一長一短な戦果だぜ」

金本「まあ、しかたねえな。元から『人間の手で深海棲艦を倒す』っていう無理難題やってるわけだし」


剛田「なんだよ、あの海軍陸戦隊の【特型内火艇】って! 陸軍技術部協力の水陸両用戦車! 艦船名簿にも数えられている【艦載艇】!」


剛田「潜水艦による輸送を考慮して、プロペラスクリューに水密化した溶接構造で水上航走できる揚陸艇!」

剛田「【こいつ】を魔改造したほうが安上がりなんじゃねえか! 【こいつ】を【開発】するぞ、何としてでも!」

金本「そもそも、陸軍の【大発】を“特型運貨船”と称して配備している陸戦隊もあったからな……」

金本「揚陸作戦に関しては、ホント海軍も陸軍もねえな……」

剛田「まあ、海軍様が陸軍の展開し辛い太平洋の果ての果てまでどんどん進軍してくれたおかげでもあるのだがね、そこは!」

剛田「漸減邀撃作戦はどこ行った!?」


剛田「支援艦だ、支援艦! 支援艦の艦娘と船娘の充実を陸軍としては要求する!」

剛田「本当なら艇娘とか舶娘が実装して欲しかったけど、存在できるのが艦娘と船娘ぐらいの大きいやつだけだからな。しかたない!」

金本「そうだな。確かに【特務艦】のカテゴリーが少ないのはどうかと思う」メメタァ

金本「現時点で実装されている【特務艦】は――――――、」メメタァ


――――――潜水母艦:大鯨、――――――工作艦:明石、――――――揚陸艦:あきつ丸


金本「――――――の3人だけだな」

剛田「何とかならないのか? 強襲揚陸艦:神州丸を船娘として召喚してはくれないか?」

金本「そうだな……、話に聞いたところによると、鎮守府ごとに建造妖精の好みも違うわけだから【建造】される艦娘もそれで出現率に偏りがあるそうだな」

金本「もしかしたら、【特務艦】に特化した建造妖精を集めることができれば、あるいは――――――」


――――――【特務艦に特化した建造妖精】


剛田「【特務建造妖精】とでも呼べる技術者を探してくればいいんだな?」

金本「?」

金本「ああ。それに特化した建造妖精を集中的に招くことができれば、【特務艦】も出やすくなるはずだという理論だが…………」

剛田「お安い御用だ! どこの鎮守府にも陸軍の憲兵が控えている。そいつらとの陸軍情報網を使って探し出してみせよう」

金本「なるほどな。それはいい考えだ」

剛田「謝礼、はずめよ? いくら共同開発でも陸軍としては零細部署なんだからよ」

金本「実際に特殊艦娘を大量に【建造】できたらな?」

あきつ丸「提督殿、将校殿。カレーパンであります」

金本「おう」ハムッ

剛田「これは美味い」モグモグ



――――――数週間後、


剛田「何やら近頃、鎮守府をボス級深海棲艦が襲ってくるだなんてことが起きているようだが、大丈夫か?」

金本「ああ? そういえば、『司令部』の面々でも石田提督と朗利提督のとこも襲われたって話だな」

金本「石田提督は相変わらず難なく撃退して、朗利提督のところは戦わずに海に燃料 撒きまくって焼き殺したらしいがな」

剛田「なんだと……『焼き殺した』だと?!」

金本「あ? 待てよ……、この前のあれはそうだったのか?」

剛田「どうした?」

金本「あ、いや……、たぶん鎮守府近海に来る前にボス級深海棲艦の艦隊をぶっ潰していたかもしれない」

金本「久々にレベルカンストの扶桑姉妹でも使ってみようと中部海域に行かせてみたら、なんか戦艦棲姫の艦隊とやりあって勝ったらしい」

金本「他にも、装甲空母姫とか空母棲姫なんかも他の海域にまで出張っていたらしいけど見敵必殺で殲滅してきたそうだ」

剛田「ええええええええええ!?」

金本「嘘かホントかは知らん」


金本「少なくとも俺の鎮守府にやってきたら俺 直々に殺り返すまでだがな? そのための【○四】だからな」ニヤリ


剛田「フッ、さすがは『司令部』に選ばれただけの精鋭たちだな」

剛田「だがやはり、その中でも一番の武功を誇るのが臆病者のお前か」

金本「……わからないもんだよな、人生ってやつはよ」

あきつ丸「提督殿、将校殿! 今度はウインナーロールであります」

剛田「へえ。どうしんたんだ、最近? このところ、新商品の開発に精を出しているようで」

金本「そりゃあ、お前よ? 糧食は選べたら最高だろ?」

剛田「そうだな。陸軍としては缶詰やレトルトの冷えた飯を汚え寒空の下で食わなきゃならんから、片手で食えるこういうのはありがたいな」

金本「ふふふふ、洋食屋の童貞くんには料理人としては負けるが、お前もパンについては素人も同然だからな! こっちでは俺の勝ちだ!」ワハハハ!

剛田「…………『洋食屋の童貞くん』?」

剛田「まあ、金本パン屋が陸軍御用達の栄誉ある惣菜屋になることはいいことだ」ハムッ

剛田「あ、そっか(【○四】を着込んで海上陸戦やるようになったから――――――)」



――――――建造ドック


金本「お前たち、『【特務艦】を専門的に造りたい』と日頃から言っていたようだな?」

金本「どうだ? 全国各地から【特務艦】を造りたいという同志をこれだけ集めたんだ」

金本「――――――やれないことはないな?」

特務妖精「おまかせください! あなたは話がわかる良いお方! 謝礼もはずんでもらってるので力を尽くしましょう!」

金本「では、今日1日はお前たちに建造ドックをまかせる。デイリー契約だ」

金本「とりあえずはこれぐらいの資源を投入する。さっさと造れ、とりかかれ」

特務妖精「はっ!」

バタバタバタ・・・・・・

金本「見事なものだな。建造ドックを動かせるだけの人数をよく探してこれたもんだ」

剛田「時間と懸賞金さえかければ、探しだすことなど実にたやすい」

剛田「これで新たな【特務艦】が集中的に【建造】されていけばありがたいがな」

金本「では、結果を待とうではないか」

剛田「ああ。ボインちゃんたちのチチでももいで待ってるか」

金本「フッ、俺なら脇をペロペロしてるがね」

剛田「ああ? だったら俺は、うなじや耳を甘咬みするね」

金本「甘いな。豊胸マッサージだってしてやるんだぜ、俺は?」

剛田「ああ?」ジロッ

金本「ああん?」ジトー


男共「――――――!」バチバチバチ・・・



金本「あ」プルルル・・・

金本「悪ぃ」ピッ

剛田「ああ」

金本「なんだ?」

――――――
扶桑「はあ……、ようやく繋がった……」
――――――

金本「扶桑か。どうした? ちゃんと今日の予定の通りに鎮守府は運営されているんだろうな?」

――――――
扶桑「はい。仰せのままに」

扶桑「しかし、最近の提督はどうしたのですか?」
――――――

金本「『どうした』とはどうした?」

――――――
扶桑「だって、最近の提督はほとんど鎮守府に姿をお見せになりませんから………………あれだけ私たちのことを追いかけ回していたのに」

扶桑「何だか他のことに夢中になっているようで、その…………、」


扶桑「みんな 寂しがってますよ?」


扶桑「ですから、早く戻ってきてください」

扶桑「そして、その…………、」

扶桑「私たちをあなたの手でまた不幸にしてください」ポッ
――――――

金本「…………ふふん」

金本「待て待て、趣向を変えてそうやって焦らしてやってるんだから焦るなって」ニヤリ

金本「それに、現在 手が離せないのは事実だし、ちゃんと仕事をこなしていたらちゃんとご褒美をくれてやるよ」

金本「だから今はおとなしく待ってろ」

金本「不幸がお望みなら、俺がまたこの手でお前のことをメッチャクチャにやるから安心しろ」ドヤァ

――――――
扶桑「ああ……、それを聞けて良かったです……」ポー

扶桑「今日も頑張ってください、提督」

扶桑「その……、待ってますから」ドクンドクン
――――――

金本「ああ。俺も待っているからな」ピッ

金本「………………」


剛田「なあ、金本。ふと思ったんだが――――――」

金本「何だ?」


――――――艦娘って妊娠するのか?


金本「…………しねえよ」

金本「戦うことが存在意義の兵器が、妊娠なんてして満足に戦えなくなったら本末転倒だろうが」

金本「あいつらがいくら人間に似てようとも、その本質は破壊だ。殺戮だ。生殖による生産なんてことはできっこない」

金本「まあ、妖精たちが何を思ってそう造っているかわからない以上はそういうもんだと俺は思っているがな」

金本「それに、妊娠しないほうがそういうの気にしなくていいからヤりたい放題だろう、お互いにさ?」

金本「童貞くんも割り切ったほうがいいのによ……」


剛田「――――――『童貞くん』? ああ お前がいつも羨ましそうに言ってる洞庭鎮守府の清原提督のことか」


金本「!?」

金本「俺がいつ『羨ましい』だなんて言った!」ムッ

剛田「だったらなんで、そうムキになってるんだ? ホントはああいうのに憧れてたりしてるんじゃないのか?」

剛田「清原提督の兼愛交利の精神は陸軍でも――――――というよりは帝国軍人の1つの規範とも言えるほどに評判なんだしさ」

金本「………………」

剛田「とことん僻みっぽいんだな、お前の貧乏人根性というか野心というか……」

金本「ふん! あいつ、ケッコンカッコカリしている相手がいるのに未だに同じ床では寝てないんだとよ」

金本「キスぐらいはしてるんだろうが、おそらくあれじゃ男と女の関係にもなってねえな」

金本「もし一緒に“愛しの良妻軽母”と一夜を共にすることがあったらお赤飯ものだな」

金本「まあ、どう頑張っても童貞卒業は戦争が終わるまでお預けで、同じお布団で寝るだけで精一杯だろうがな!」フン!

剛田「お前とは正反対だな。気に入った艦娘とはヤりたい放題――――――ピンク鎮守府の筆頭格だな」

金本「それが男の甲斐性ってやつだろうが。向こうだって俺がそういうやつだってわかって受け容れてるんだからな」

剛田「卑しい貧乏人根性を満たすために艦娘の身体を貪り、今度はその顕示欲や征服欲を外に向けだしたわけか」

金本「………………」

剛田「ま、いいさ。俺だってお付のガイノイドとそういうことを多かれ少なかれヤってるわけだし」

剛田「肝腎なのは、お前が大本営に物申すことができる資源王であり、陸軍にとっても大変 利用価値のある存在――――――」

剛田「俺はお前をうまく利用して陸軍の現在の立場を改善して、お前はお前で俺という同調者に支えられながら己の欲を満たす――――――」

剛田「さて、どこまでやってくれるのか楽しみにさせてもらうぜ」

金本「けっ、――――――『他力本願』宣言かよ。大本営も海軍も陸軍も大したことねえな」

剛田「…………戦争はあくまでも政治や経済のためにあるものだ。資源王の機嫌を損ねて生命線を断たれるわけにはいかないから必死なんだよ」

金本「さて、そろそろか? 最初の【建造】結果を見に行くとするか」

剛田「ああ。やたら短かった気がするが、軍艦じゃないしこんなもんだろう」

金本「何が出るかな~♪ 何が出るかな~♪」

剛田「神様の言う通り~」



――――――【応援要請】:【特務建造妖精】による【建造】結果


大泊「砕氷艦:大泊だ。氷海に赴くのなら必ず連れて行ってくれ。氷獄などこの手で打ち砕く。そのために私は生まれてきたのだからな」グッ

大浜「標的艦:大浜です。大丈夫です、大往生しますからぁ~」オドオド

ミロク「潜輸:伊369です。どうかあのような兵器が二度と生まれてこぬよう太平へとお導きください」

速吸「給油艦:速吸です。給油艦ですけれど流星艦上攻撃機を扱えるんですよ。凄いでしょ?」

朝日「工作艦:朝日です。はあ……、戦艦だったあの頃が懐かしいねぇ……今じゃ駆逐艦のほうが大きいからねぇ」

吉備津丸「揚陸艦:吉備津丸であります。あきつ丸先輩殿のように艦載機は扱えなかったでありますが、最後まで役目を果たしたであります」


特務妖精「ああ いい仕事をしたぜ! どうだい、提督?」

金本「…………わかってはいたが、これは戦力としてはどうなんだ?」アセタラー

剛田「こうして見ると、本当に駆逐艦ってあれでも頑丈に造られているのだと実感させられるな……」

金本「もっとこう、揚陸艦のような実戦的な艦船が欲しかった…………こいつらのほとんどが史実だと駆逐艦よりも小っせえじゃねえか!」

剛田「揚陸艦:あきつ丸って本当に優秀だったんだな……」


金本「だいたいにして! 陸軍と海軍の足並みが揃わないままアメリカとか言う国力数十倍の国と殺りあおうとか馬鹿じゃないの?」

剛田「まったくだ。藩閥だか何だか知らないが、統帥権をお題目にしてるんだったら勤皇しろ! 尊皇だけして私心を捨てやがれってんだ!」

剛田「陸軍と海軍が相争っている中でその余力でアメリカと戦ったところで勝てるわけないだろうが! それで挙国一致だなんて笑わせる!」

剛田「戦国時代の大名のように死に対して真摯であって欲しいものだ。――――――実に哀れだぜ、靖国の英霊やお国のために尽くした臣民なんてやつは」

金本「知ってるか? 四半世紀も経たずに海上封鎖されて海外交流が廃れて今では細々と国際交流がなされていてだな」

金本「そうした中で必死に情報交流をしたとある軍学者があの戦争における各国の軍政についてこう結論づけた」


フランスの兵器「何がしたかったのかはわかるが、やりたかったことというのはその程度なのか?」

イタリアの兵器「どうしてそうなるのかはわかるが、そうするしかないものなのだろうか?」

イギリスの兵器「何がしたかったのかはわかるが、どうしてこうなったのかはわからない」

ソ連の兵器「どうしてこうなったのかはわかるが、何がしたかったのかはわからない」

ドイツの兵器「こうするしかなかったのはわかるが、そこまでしてやる理由がわからない」

日本の兵器「こうするしかなかったのはわかるが、まさか本当にやるとは思わなかった」

アメリカの兵器「必要なのはわかるが、そこまでたくさん造る理由がわからない」


剛田「日本とアメリカは別格の扱いだな、こりゃ」

金本「そうだろう? 今でもアメリカはあれで日本はこれがあるからな。アメリカが兵力で第1位ならば、日本は戦力で第2位の軍事国家だわい」

金本「幕末で黒船来航による国難を乗り切るために岩倉具視らが推進した公武合体のようなものをやらねばならんな、これは」

剛田「そうだな。陸海空で、陸海空で合体だ――――――へいへいって、それ“大本営”のことじゃん!」

金本「ああ ダメだ! そもそも【○二】と【○四】も用途がほとんど同じでありながら陸軍と海軍で競争して別々に造ってるんだもんな……」

金本「くそっ! 妖精科学で魔改造すればきっと使えるものがあるはずだ!」

剛田「もういい! ともかく見慣れない艦種が勢揃いだ。何ができるのかを見てみようではないか」メメタァ



――――――砕氷艦:大泊について、


金本「ほう、【砕氷艦】か。主砲を持っていない以上は大した戦力にはならないだろうが、【艦これ】における利点があるなら言ってみろ」メメタァ

剛田「(何だ? 【砕氷艦】だからなのか 厚手の防寒マントの雪国美人と言った感じだが、内なる闘志か――――――力強い眼差しをしているな)」

大泊「基本的にオレは司令官が言うようにまともな戦闘じゃ役に立たない」

剛田「(――――――“オレっ娘”だとぉお?!)」

大泊「【砕氷艦】としてのオレの能力としては――――――、」メメタァ


1,【砕氷艦】∈【測量艦】としての能力で【出撃】時にオレが小破以下なら羅針盤を回す前に進めるマスが表示されるぞ

2,【砕氷艦】∈【測量艦】としての能力で【うずしお】などの【ハプニング】を全て無効にする程度の能力があるぞ

3,【ラムアタック】が標準装備だが、オレは潜水艦よりも小さいから大したダメージにならないが稀に【一撃必殺の氷山】をぶつけることがある


金本「」

剛田「」

大泊「この程度のことでしか役に立たないが、今後共よろしく頼む」

金本「いや、メッチャクチャ使えるんですけど! それに俺好みのロマン性能もあるじゃねえか!」

金本「まず、最初の能力で『今の編成が海域の攻略に正しい艦隊編成かどうかがわかる』ってことだろう?」メメタァ

金本「そして、【ハプニングマス】を無効にできて、なおかつ大泊は超低ステータス相応の超低燃費艦だから周回要員として安定している」メメタァ

剛田「そうだな……、【測量艦】としての能力に加えて【ラムアタック】まで標準装備とは恐れ入る……」メメタァ

剛田「(次いでに言えば、こいつは戦後も運用され続けた長寿艦――――――いわゆる【幸運艦】だ。【ラムアタック】も発動しまくるだろう)」メメタァ

金本「というか、どこから【氷山】なんて――――――んなもん ぶつけられたら戦艦:大和ですら一撃じゃ!」

金本「ハッ」

金本「これがホントの『氷山の一角』ってやつなのか! これが【砕氷艦】の実力?!」

大泊「フッ、そこまでオレのことを買ってもらえるとはな。――――――ありがとな」ニコッ

大泊「オレのこの白の手が真赤に染まる時、愛と怒りと哀しみの拳が振り下ろされることだろう」

大泊「オレは血は見たくない。ただ穢れ無き白の中でありたいと思っている。提督もそう思うだろう?」

金本「…………そうだな(確か日本初の砕氷艦:大泊が生まれたきっかけって“尼港事件”――――――)」アセタラー

剛田「そうだとも、大泊よ! 白地に赤は日章旗だけでよい!」グッ

大泊「ああ!」グッ

金本「なんか【○二】を使えばお前でも勝ててしまえそうなぐらいの酷い能力値の娘だけど――――――、」メメタァ

剛田「ああ。その爆発力は火傷だけじゃ済まされないだろうから手を出すのは止めておこうか…………」アセタラー

大泊「見よ、東方は赤く燃えている! 皇国の神よ、血に染まりし凍てつく白き大地を遍く照らせ!」



――――――標的艦:大浜について、


金本「帝国海軍に最初から【標的艦】目的の軍艦なんてあったんだな……」

剛田「これは駆逐艦型の【標的艦】といったところだな、このロリっ娘は……(え、これを標的にするの? 犯罪じゃね!?)」アセタラー

大浜「あははは…………」ニコニコー

金本「…………33ノットか。まあ【艦これ】では【速力:高速】扱いだし気にすることでもないか」メメタァ

剛田「他に【標的艦】は誰が居る?」

大浜「えと、軽空母なのかな――――――波勝さん、弩級戦艦:摂津さんと駆逐艦:矢風さんです……」ニコニコー

剛田「……お前、無理してないか?」

大浜「大丈夫ですって! ホントに大大大大丈夫ですぅ!」ニコー

金本「…………引きずった笑顔だな。後でパンをあげよう」

剛田「……大丈夫なら【標的艦】の説明をしてくれないか?」ハラハラ

大浜「あ、はい……! 大丈夫です、説明もちゃんとできますからぁ」オドオド

剛田「うっ……(どうしてこんな娘が【標的艦】なんかに……!?)」ホロリ・・・


1,【標的艦】を【秘書艦】にして【開発】すると、現在の装備品よりランクの高いものが【開発】されやすくなる

2,【標的艦】を【旗艦】にしてその艦隊で【演習】すると、艦隊が得られる経験値がより多くもらえるようになる

3,戦闘時は敵から優先的に攻撃されやすい

4,スロットが最初から4つ開放されており、【装甲】の伸びしろは共通して99まで伸びる


金本「メッチャクチャ強えええええ!」(驚愕)

剛田「ええ?! 何なの このクソ能力は?!」(歓喜)

大浜「え、ええ?!」

金本「駆逐艦でスロット4で【装甲】限界が99とかアホかああああああ!?」メメタァ

剛田「明らかに支援能力最高の【特務艦】――――――いや、艦種じゃありませんかああああ!」メメタァ

金本「これは使える」ニヤリ

剛田「ああ。どう考えてもこれは使える」ニヤリ

男共「ふふ、ぐふふふふふ……」

大浜「だ、だだだだだ大丈夫、問題ない……問題ない……問題ない…………」ブツブツ・・・



――――――潜輸:伊369について、


金本「369――――――ミロクか」

金本「ほう、語呂がいい感じだな」

金本「お前、ずばり【幸運艦】だろう。終戦まで生き延びた――――――」

ミロク「はい。横須賀で終戦を迎えて、アメリカ軍に接収されました」

剛田「ああああああ!? これって【特型内火艇】じゃねえか!?」

ミロク「はい。【特四式内火艇 カツ】にございます」

剛田「なあなあなあなあ? この【特型内火艇】をちょこっと改造して【ある兵器】の支援兵器にしてもいいか?」

ミロク「わかりました。私の提督はあなた方です。仰せのままに」

剛田「やったな! 陸軍の【大発動艇】に対する海軍の【特型内火艇】を手に入れたぞ」

金本「マジかよ……、ホントにできるのか?」

剛田「やってみなくちゃわからん。今日一日は【特務建造妖精】が【応援】でいるのだからな」

剛田「よし、ちょっと行ってくる」

タッタッタッタッタ・・・

金本「【○二】の支援兵器が【大発動艇】で、【○四】の支援兵器が【特型内火艇】になるとはな……」

ミロク「あまり無理をなさらないでください」

金本「は?」


ミロク「あなたのことを待っている人がたくさんいます――――――あなたは死んではならないお方です」


金本「…………忠告、感謝するよ」

金本「しかし、――――――潜行輸送艇だったっけか、まるゆの艦型って」

金本「輸送艦らしく、【潜水艦】に比べて戦闘能力は凄まじく低いな。まあ、魚雷が使えるようだからちゃんと役割は持てるけどさ」メメタァ

ミロク「その代わり、世界初のステルス性を持った級ですから【回避】の伸びしろは他よりずっと高いですよ」メメタァ

金本「なるほど、それはいいことを聞いたな」

金本「して、【潜水空母】になれたりはするのか?」

ミロク「伊四○○型は当時 世界最大の潜水艦です。【晴嵐】を3機も搭載できるような――――――ですから 無理です」

金本「なるほどな」

ミロク「あと すみませんが――――――、」

ミロク「――――――【潜輸】とはありますが、」


1,【特型内火艇】を装備できること ――――――【水上機母艦】も可

2,【潜水艦】としての特性

3,戦闘能力が【潜水艦】より軒並み低い代わりに、スロットが1つ多い かつ超低燃費

※単体ではボーナスとかはありませんのでご注意を

【特型内火艇】=海軍版【大発動艇】――――――スロットいっぱいに装備させれば遠征報酬がその分 増える


ミロク「ぜひ、【潜輸】をご活用してくださいませ」

金本「それだけじゃなくなるんだがな」ニヤリ

ミロク「はい。微力ながらお力添えさせていただきます、提督」



――――――給油艦:速吸について、


金本「――――――【給油艦】だとぉ? それが【艦載機】を扱えるだとぉ!?」

剛田「うわっ、持参品の中に【流星】が入ってるよ!(ガソリンスタンドの店員のような、ファストフード店の店員のような格好だな)」

速吸「はい。【流星】の他にも【水上機】なども扱えますよ。搭載機は予備機を含めて8つとなります」

金本「これ、丙型の【揚陸艦】兼 護衛空母のあきつ丸と同じじゃね?」

剛田「そう考えると、戦略資源を輸送しつつ空母化している速吸はあきつ丸の同業者みたいなもんか」

剛田「あきつ丸のやつは、新造時に艦載機を13機だったな」

金本「【艦これ】だと3スロット全てに8機ずつの計24機だったけどな」メメタァ

速吸「【改造】してくれれば、計画中止で実現しなかった倍の数の【艦載機】が扱えるようになりますよ」メメタァ

金本「へえ でも、油の他に食糧も取り扱っていたから給糧艦としての一面もあるわけだから料理もできるんだろう?」

速吸「油料理が得意ですね」

剛田「――――――『給油艦』だけに?」

速吸「はい」ニッコリ

速吸「さて、【給油艦】の特性としましては――――――、」メメタァ


1,【出撃】時に【燃料】【弾薬】をドロップした時に必ず最大幅いっぱいまで資源を獲得できます

2,【出撃】あるいは【支援艦隊】に参加していると、戦闘終了後に高確率で主力艦隊の【燃料】【弾薬】【疲労度】の回復を行います

3,【旗艦】にしてますと、所属している艦隊の艦娘全員の【疲労度】の自然回復が早くなります


金本「お、なかなかに使える能力じゃないか。これで周回の資源回収のランダム値にイライラさせられなくなるな」メメタァ

剛田「それに、あきつ丸並みの【艦載機】による自衛力があるし、軽空母よりも更に安く運用できるのが嬉しいところだな」メメタァ

金本「しかも、【支援艦隊】として同行させていれば【出撃】している艦隊の補給が文字通りされるのか!」メメタァ

金本「活躍を期待する。南西諸島沖で【弾薬】を、製油所地帯沿岸で【燃料】を回収し続けるのがお前の主な任務となるだろう」

速吸「承知いたしました。実際には【艦載機】を飛ばすことなく【給油艦】として果てましたが、」

速吸「護衛できる護衛艦として頑張りたいと思います!」ビシッ

剛田「なあ?」ヒソヒソ

金本「なんだ?」ヒソヒソ

剛田「お前って資源王なのに資源回収クルージングなんてするのか?」ヒソヒソ

金本「いや、別に必要ないけど、ただのレベリング作業に付加価値をつけただけだ」ヒソヒソ



――――――工作艦:朝日について、


金本「【工作艦】ならすでに明石がいるぞ」

剛田「なら、要らないのか?」

金本「いや、【工作艦】は【泊地修理】という特殊能力があって、艦隊の【旗艦】にすることで『小破以下の随伴艦』を自動修理してくれるぞ」メメタァ

剛田「使えるのか?」

金本「ああ。地味に使える。高レベル帯にもなるとカスダメの修理にアホみたいな時間がかかるから【バケツ】を使うのもどうかと思う時に使うな」メメタァ

剛田「――――――『地味』だな」 ※2014年10月のメンテナンス2回目:【改修工廠】実装前のお話です

朝日「でも 私は、日露戦争以前からのお世話になってましたから、全力で12ノットで明石さんの14ノットにはとてもとても…………」

剛田「――――――『12ノット』か。それは確かに一般的な潜水艦や艦載艇にすら劣るか」

朝日「はい。長生きしすぎて生き恥を晒してしまいました……」

金本「ご婦人、そう悲観なさらず。明石以外の数少ない【工作艦】として海軍を長年支えてきたのだからもっと誇りを持て」

朝日「あ、ありがとうございます」

朝日「あ、そうでした。持参してきたものがございました」

金本「お?」


朝日「この【試製呉式一号射出機】で【航空母艦】の【ドロップ】【建造】率をあげたり、」メメタァ

朝日「こっちの【潜水艦救難設備】で【潜水艦】の【ドロップ】【建造】率をあげたりできますので、」メメタァ


朝日「どうぞご活用してくださいませ」

剛田「おお! 立派なレアアイテム要員じゃないか」メメタァ

金本「ありがたく使わせてもらおう、工作艦:朝日」

金本「それじゃ、もっとレアアイテムを持ってないか確認しに行こうか」メメタァ

剛田「そうだな。試しに鎮守府海域に連れて行ってみるか」ニヤリ

朝日「え、あの……?! 私には旧式の対空砲しかありませんって!」アセアセ

金本「まあ 安心してくれ。囮にはまるゆ、攻撃手に大泊を入れておくから」

剛田「それで倒せなかったら、俺たちが狩っておくから安心してくれ」

朝日「え? 提督と将校 御自ら?!」

金本「ああ。万が一のことがあったら、ご婦人が俺たちの修理(意味深)をしてくれよ?」ニッコリ

剛田「ああ」ニッコリ

朝日「は、はい……」ニコー



――――――揚陸艦:吉備津丸について、


剛田「おお、お前のことなら知っているぞ、吉備津丸よ」

吉備津丸「あ、将校殿でありますか! どうかよろしくお願いするであります!」ビシッ

吉備津丸「ところで、なにゆえ海軍士官の方と一緒にいるのでありましょうか?」

剛田「気にするな。陸海合作といったところだ。あきつ丸もいるぞ」

剛田「聞け。こっちの金本提督と船舶司令部の俺は国運を左右する重大な作戦に就いているから力を貸せ」

吉備津丸「了解であります、将校殿!」ビシッ

金本「ところで、お前があきつ丸よりも優れているところはあるのか?」

吉備津丸「自分は甲型特殊船でありまして、航空母艦型の丙型のあきつ丸殿とは違って【艦載機】は扱えないであります」

吉備津丸「しかし、自分は対空兵装や対潜兵装を完備し、護衛艦としては優秀であったと自負しております」

剛田「ま、海軍提供の装備がほとんどなんだけどな」

剛田「けどな? こいつは、あきつ丸や神州丸と言った名立たる揚陸艦が轟沈していく中をただ一人生き延びて瀬戸内海で擱座したんだ。撃沈じゃない」

剛田「こいつはとびっきりの【運】の持ち主だ。装備を整えてやればカットイン攻撃も十分に狙えるぜ」メメタァ

剛田「ただ、やっぱり持参品が迎撃兵装が主だし、どこまでいっても護衛艦という程度だから火力のほうはそう期待しないほうがいいがな」

金本「いや、あきつ丸だって艦載機が載せられるとはいっても【戦闘機】だけなんだ。敵艦に直接攻撃できているわけじゃない」

金本「だが、陸軍式『ダブル烈風拳』をかましてくれたんだ。制空権を得るだけでも大きな助けとなる」メメタァ

金本「それに、火力は低すぎるほうが割合ダメージになってボスキラーになりえるからな」メメタァ

金本「そういう意味では、あきつ丸がやってくれた功績というものは非常に大きい」

金本「お前にはその対空・対潜装備で艦隊の損害を減らす有用な護衛艦として活躍することを期待する」

金本「艦隊決戦のための【揚陸艦】じゃないことは百も承知だが、陸海合作のために力を貸せ」

吉備津丸「了解であります、提督殿! 共に皇国の栄光と勝利のために力を尽くすであります!」ビシッ




―――

――――――

―――――――――

――――――――――――!


――――――そして、時は現在に戻り、


金本提督「ふははははは!」

剛田将校「ふふふははははは!」

金本「ぐふふふふふふふふ!」

剛田「あはははははははは!」

金本「こいつはやっべええええええええ!」

剛田「これはいいぞおおおお!」

金本「雑魚メカだと思ってたけど強くなり過ぎぃいいい!」

剛田「ボス級深海棲艦が一撃で墜ちるとかあり得ねええええ!」

金本「北方AL海域――――――今からもう1周しね?」

剛田「おう! ほっぽちゃんをもう1回泣かせてやろうぜ!」

金本「【男のロマン】最高!」

剛田「陸軍 最高! 海軍も最高!」


男共「わっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!」


あきつ丸「提督殿……? 将校殿……?」

お銀「壊レタ……」

お輪「提督殿! 将校殿! 正気ニ戻ッテェ……」

金本「今回の【建造】は大成功だったな……! あはははははははは!」

剛田「ああ! あれだけ優秀な【特務艦】が揃えばもはや殺りたい放題よ!」

剛田「ほっぽちゃんの目の前で艦載機を1つ1つを目の前で【展開型成形炸薬弾鎚】で木端微塵にするのがなぁ――――――!」ククク!

金本「ホント ホント! 陸軍、強くなり過ぎぃ! これはもう揚陸作戦は全力でおまかせしますわ!」

金本「いやぁ、ホントにあの時のお前の英断が功を奏したぜ! 感謝するぜ、陸軍 期待の星!」

剛田「ああ。――――――陸海合作 最高!」

剛田「あ、将棋やろうぜ、将棋!」

金本「いいぜ? やってみろ!」

剛田「あ、お前たち? 今から1対1の真剣勝負だから席を外せ」

金本「よっしゃ、やるぜ。うはははははは」




金本「――――――王手」パチッ

剛田「あ!」ビクッ

金本「どうした? やはり陸軍将校殿はこういった戦術展開は不得手か? 『待った!』はもう無しだぜ?」ニヤリ

剛田「く、くそう。完全に詰んだな、これは……」

剛田「ちくしょう! まいったまいった! 実戦経験豊富で日々 艦隊運用して しかも現職最上級の提督さんの戦術に敵うわけがなかったよ!」

金本「それじゃ、負けた者は勝った者に何か貢いでもらおうか?」

剛田「よしよし、まあ この【缶コーヒー】でも飲め」スッ

金本「おう――――――ん? 見ない缶コーヒーだな。まさかこれが勝者への貢物とでも言うつもりじゃ――――――」


剛田「ああ。それ、【魔界】から持ち帰った【缶コーヒー】だぜ」


金本「は」

剛田「あ、知らない? 大本営にも影響力を持つ資源王のお前でも知らないんだ」

金本「――――――【魔界】だって?」

剛田「いや、大変なのよ、陸軍もよ。暇だから」

剛田「【魔塔建築士】――――――通称:【オヤカタ】として【魔界】に行って現地の【王国】の発展に協力する代わりに、」

剛田「そこを生産基地にして『皇国に必要な物資を供給する』っていう重大な使命を帯びてるんだからな」

剛田「【食料】【魔力】【貴金属】【宝石】【燃料】――――――陸軍で暇な連中はみんな【魔界】で【オヤカタ】やって、」

剛田「【この世界】でお前たち海軍を陸から支えてやってるんだぜ? 感謝しろよな」

金本「し、知らんぞ、そんなこと…………」

剛田「ああ。【魔界】に転移した同胞が最近になって【こちらの世界】との接点を結んで皇国と国交を結んだばかりだからな。俺もつい最近 知った」

剛田「だが、久々に陸軍にも回ってきた仕事だから、そこに出没する魔物相手に嬉々として突撃かまして良い戦闘訓練になってるがな」

金本「何て言ったっけ? 1つ、聞きなれない物資があったような気がするが…………」

剛田「ああ 【魔力】な、【魔力】」

剛田「あれは【こっちの世界】の【妖精】の妖精科学の代替エネルギーになっているようだから海軍にはやっぱり必需品なんだぜ」

金本「なんだと!?」

剛田「いやぁー、さすがに妖精科学で【異世界】の門を開いちまうとは思わなんだよ」

剛田「ただ、【あっち】だと【妖精】じゃなくて【精霊】らしいから微妙に違うっぽいけどな」

剛田「こう考えると、案外 他にも【異世界】と皇国を結ぶ門がすでにどっかで結ばれてたりしてな」

金本「…………どうだか」


※【艦隊これくしょん】は開発:角川ゲームス、【俺タワー】は開発:マーベラスです。両作品間にはまったく何の繋がりもございません。



剛田「しかしまあ、旧大戦とまったく同じ関係になったな、陸軍と海軍は」

剛田「海軍力を維持するために物資を求めて東南アジアに陸軍を侵攻させたのとまったく同じ展開だな」

剛田「ま、もっとも今回のは大東亜共栄圏とはいかないが、確かな共栄を誓える関係にはなってはいるから遥かに気分はいいがな」ゴクッ

剛田「やっぱ旨いぜ、この【缶コーヒー】! 一般で流通している国産コーヒーなんかとは比較にならん旨さだな」

剛田「コーヒーノキを栽培するのにはやっぱり日本だと緯度が高過ぎるからなー。そこはしかたないけど」

金本「おお! これは確かに旨いぜ。これで美味いパンと一緒にコーヒーブレイクできたら最高だぜ」ゴクゴク

剛田「というわけで、これでちゃんと貢いだからな」

金本「ふん。どうせお前が勝ったところで俺の豪邸で遊ぶだけだろうが」

剛田「うるせえな。人様に見せられないような秘密を見せやがれってんだ。おちょくってやるよ」

金本「ま、無理だろうけどな」

剛田「言ってろ。俺も何となくだが掴んできたような気がするぞ」

金本「俺が勝ったら、もっと【魔界】のことについて聴かせろ」


金本「――――――いるんだろ、【魔界】固有の美少女ってやつがよ?」ニヤリ


剛田「ああ。【建姫】っていう工具を擬人化した、【艦娘】やガイノイドとも違ったピンからキリまでの趣の美女たちがよ?」ニヤリ

金本「どうだ? 何とかして連れてくることはできないのか?」

剛田「無理無理。【王国】の存在は最重要機密でこれからの皇国を支える一大生産拠点として栄えるんだからよ」

剛田「深海棲艦との戦争が終わった後の、海の向こうの国々との来るべき戦争に備えて極力秘密にするべきだな」

金本「それは残念だ」

剛田「ああ。俺としてもな」

剛田「性能を見る限りだと【艦娘】には戦闘力では及ばないが、【建姫】は拠点設営で力を振るってくれるし、白兵戦でも相当な戦力になる」

剛田「あれを強襲揚陸艦の後続部隊に入れて上陸時に瞬時に仮拠点を築いてくれたら、陸軍としては大助かりなんだがな……」


剛田「――――――陸軍の戦力単位はいつの世も一人の歩兵からよ」


剛田「わかるか?」

金本「なんだ藪から坊に……」

剛田「だからこそ海上陸戦機動歩兵【○二】は離島防衛のためにも必要とされてくるわけだが、」


剛田「――――――海軍の戦力単位はたった一人の人間ではあるまい?」


金本「………………」ゴクゴク


剛田「俺としては海上陸戦機動歩兵の開発はもう俺たち陸軍に任せて、お前は元の提督業に戻ってくれると助かるわけなんだよ」

剛田「いくら艦娘の登場で今の海軍の戦力単位が海上歩兵になりつつあっても、やはりお前がどれだけ努力しても艦娘には敵わんよ」

剛田「俺がお前やその同類をいけ好かなく思っているのは――――――、」


剛田「艦娘という人間そっくりな兵器が人間の代わりに戦っているからって『自分たちにもそれがやれる』と思い込んでいるところだ」


剛田「――――――『思い上がるな』ってんだ。艦娘がいくら年頃の生娘に見えるからって中身はやっぱり軍艦なんだからさ」

剛田「海上陸戦機動歩兵はあくまで【艇】でしかない。【艦】である艦娘に真正面から戦って勝てるわけがない」

剛田「やはり、【○二】はこれからも強襲揚陸に欠かせない陸軍の新装備として開発の継続は必要だが、」

剛田「海軍の【○四】はやっぱ要らねえよ」

剛田「陸軍の【○二】は【艇】と割りきって使ってるのに、海軍のお前が【艇】ごときで【艦】に立ち向かうだなんて馬鹿じゃねえの?」

剛田「どっちにも乗って実戦に出てみてはっきりわかったよ」

剛田「お前、やっぱ馬鹿だよ。本質的に大局を任せられるような人間じゃねえ。良くて攻撃的戦術家や督戦だよ」

金本「……んなことはよくわーってるよ」

剛田「男のロマンを追求するのはいいが、今の【○四】じゃ駆逐艦狩りしかできねえし、『深海棲艦相手に互角の戦いをする』っていう希望は捨てろ」

剛田「旧大戦における旧帝国海軍の対アメリカの基本方針の漸減邀撃作戦とまったく同じじゃねえか」

剛田「前提からして間違ったやり方をゴリ押しするのは海軍の悪い癖だぜ。そもそも海軍内でも指摘されてたじゃねえか、そんなこと」


剛田「ま、これは海軍きっての有力提督をくだらない趣味で命を落としてもらいたくないという皇国の将来を案じた愛国者の一意見だがな」


金本「…………へいへい」

剛田「ま、指揮権は結局はお前の手の内にあるんだ。お前の好きなようにやってくれ、提督」

剛田「今のところは上手く行ってるんだ。この調子でどこまでも突き進んでくれよ」

剛田「ただ、お前を喪えばこの陸海合作も男のロマンも友情もそこで終了・解散・御破算となるわけだからそれをよく自覚しておいてくれよ」

金本「ああ」フフッ

剛田「さて、こいつは【魔界】で評判の【CUPエーテル】とかいう酒らしいのだが――――――」

金本「ほう、銘酒か。俺の部下にも味わわせてやろうかな? 酒好きなら心当たりがあるからな」

剛田「ああ、それがいい。こっちも他のガイノイドを招いておくか」


カツーン!


――――――皇国の栄光に向けて、乾杯!


――――――第6話Y-1 提督、出撃す     -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫- 考察編 完

     NEXT:第6話Y-2 提督、出撃す     -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫- 激闘編 に続く!



陣営紹介Y:斎庭鎮守府
金本提督
「レベルを上げて物理で殴ればいい」「揺るがぬ闘志(=投資)」によるゴリ押し戦法を基本とする一方で、
第一印象や評判で気に入った艦娘には愛を注いできっちり育て上げ、ジュウコンカッコカリも厭わない豪傑。
基本的に大胆な艦隊運用をするが、その実 しっかりとした戦略と戦術によって成り立つものであり、ただの成金・脳筋・色狂いというわけではない。
その証拠にイベントマップを毎回 完全攻略しており、それを支えるのが「揺るがぬ闘志」で資源もダメコンも補充しているので実力も財力もあってやりたい放題。
割りと移り気なので目ぼしい艦娘は一気にLv50程度までに揃えているので層は厚く、石田提督ほどではないにせよ、戦力がかなり充実している。

10代の頃までは極貧の生活を送っていたらしいが、あることがきっかけでこれまでの生活を抜けだして軍人になった経緯があり、
そこで課金兵としての必要な軍資金を富士山のように持つことになったらしい。
その財力を背景にして独断で陸軍船舶司令部と接触しており、そこで秘密兵器の開発に着手することになる。

豪胆で人にはできないことを平然とやってのけているように見える彼だが、実のところは性根は貧乏人根性で満たされることがないための虚勢でもあり、
その虚勢を成果に変えるだけの努力をしてきているので一概にハッタリだけの男というわけでもない。
しかしながら、貧乏人から這い上がろうという強い向上心が食っても食い足りない野心にまで肥大化して自分自身を操っており、
他人とは違うことをしている孤独感と他人とは違うことをしていないといけない強迫観念を抱えながら半ば自分自身では止められない精神状態に陥っている。


揚陸艦:あきつ丸
陸軍所属の船娘。金本提督にとってのキーパーソンであり、彼女の存在が陸軍との接点となった。
【艦これ】では相手の装甲よりこちらの火力が極端に低い場合は割合ダメージに変化するので、
中途半端に火力を備えている艦娘よりもボス級深海棲艦相手には多大なダメージを与えることができるのが最大の強み。

この二次創作の中では【揚陸艦】である彼女の存在価値は極めて高くなっており、対【陸上型ボス級深海棲艦】の担い手となる。


潜輸:伊369“ミロク”
丁型潜水艦:伊361型潜水艦であり、潜輸大型とも呼ばれていた12隻建造されたうちの1つ。
7隻が改装を受けて『例のアレ』の輸送に利用されているが、ミロクはそれには選ばれずに輸送任務に従事して終戦を迎えている。
選出の理由は、他に生き残ったのが366と367だったので語呂が良かった369が選ばれた。実際に運勢が良さそうな番号をしていることだしね。

あきつ丸の半分程度の大きさであり、上陸用舟艇は艦内後部と艦の外に1つずつ搭載する。
魚雷発射管が2つしかないので攻撃力は潜水艦としては極めて低いが、従来は魚雷発射管すらないことが定説とされてきたので戦えるだけよしとすべし。
潜水艦に大別される系統の艦娘なのでLv10になれば、ちゃんと開幕魚雷攻撃もできるので役割が持てる。
また、潜輸なのでスロットが1つ多く持てるのが大きな武器であり、支援艦として割り切って使えばかなりの安定性を誇る。、


航空戦艦:扶桑・山城
金本提督の大のお気に入り。ケッコンカッコカリが終わってLv150で共にレベルカンストしている。
最近は金本提督が陸軍とのお付き合いで鎮守府に顔を出さなくなりつつあるので、不幸である。


                                       ―――――― 注意 ――――――

公式において「特攻兵器の実装は絶対にしない」という旨が出されているので、それを元にするこれは間違いなく廃案なのでズラズラと書いてあるが読み飛ばして構わない
言い訳するつもりはないが、『戦いを艦娘だけに任せてはいけない』という艦娘を使う側に一部に存在する提督たちのエゴを形にしてみたものである
一度は思いついたので提案として残しておきますが、実際の【艦これ】には一切関係ない二次創作の架空戦記の産物とだけ認識しておいてくださると幸いである
ただし、【甲標的 甲】の装備によって開幕雷撃で大暴れしている雷巡:北上は実際は特攻兵器を積んでいた経緯があり、それが装備可能の元ネタなのではないかと言われる
そのことを踏まえると、それをハイパーズというロマンに変えて実装させたのなら、いくぶんか余地があるように思ってもいる



第6話Y-2 提督、出撃す     -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫- 激闘編

――――――遡ること、北方AL海域:移動母艦にて

――――――将校、出撃す


金本「さて、陸軍将校がようやく初実戦となるのか」

剛田「ああ。フロートの調整に手間取ってな。ホバークラフトも付けたかったがしかたがない」

剛田「結局、【○四】と似たような仕上がりになった」

剛田「陸軍の海上陸戦機動歩兵【○二】は上陸作戦だけじゃなく、これからの陸軍歩兵装備の新機軸となるべく設計されたものだ」

剛田「今はとりあえず、離島防衛のために揚陸艦との連携と海岸線の敵陣地の制圧に使えるものにまとめてみた」

金本「にしては、装備が少ないな」

剛田「当たり前だろう。今の御時世、深海棲艦以外の敵戦力なんていうのはいないんだからさ?」

剛田「――――――『今の御時世』な?」

金本「?」

剛田「やつらは海上封鎖することしか能がない。必要なのは牽制・対空用の機銃と本命の――――――、」


剛田「この【展開型成形炸薬弾鎚】だけだ! 英語名:ブレイクハンマー! 壊し屋御用達のあれだぜ!」


金本「なるほど。こっちの【射突型成形炸薬弾鎗】:パイルバンカーとは違うのか」

剛田「ああ。攻撃対象は【陸上型深海棲艦】に絞っている。上陸戦における最大の脅威だからな」

剛田「まずは、こいつを真っ先に叩いて敵を混乱させて一挙に敵を潰走させる!」

剛田「お前の【○四】の【パイルバンカー】は勢いのままに敵艦にぶつかればいい【ラムアタック】と似たようなものでいいだろうが、」

剛田「こっちは敵陣地の破壊も求められてるわけだから質量兵器がどうしても必要なんだ」

剛田「こいつを見てくれ、どう思う?」

金本「凄く…大きいです……(いくらパワードスーツ込みだとしても振り回せるのか、こんなもの)」

剛田「これで離島棲姫だろうが飛行場姫なんかもイチコロだぜ?」

金本「本当に上手くいくのか? お前の初実戦の相手はボス級だぞ」

剛田「なるようになるさ」

剛田「むしろ 狙いを絞っているだけ、手当たり次第【肉薄】しようとする道楽者よりかは遥かに安全だと思うけどな」ボソッ

剛田「しか~し! スイッチ1つでこの通り――――――!」ポチッ

金本「お! 通常のスレッジハンマー程度にまでコンパクトになったな」

剛田「これが【展開型】って意味よ。妖精科学と人類科学の融合――――――ついに人類は格納庫(意味深)を得たわけだ!」

剛田「で、振り下ろす時だけ展開して――――――、あとはパイルバンカーと同じく的に中てるだけよ」

剛田「対戦車ミサイルとしてのそれを白兵戦用に転用したいろいろ無茶のある構造だが、」

剛田「そこはまあ? 日本が世界に誇る小型化技術と妖精科学の融合でついに完成だぜ」

金本「ほう、艦娘の艤装と同じことか――――――人類はそれに至る足掛かりを得たわけだ」

剛田「…………人間が艦娘に並ぶ日は一生来ないだろうがな」ボソッ



吉備津丸「提督殿、将校殿!」

ミロク「提督、将校」

剛田「さて、今回からの俺たちのパートナーの登場だな」

金本「今回からよろしく頼むぜ、ミロク」

ミロク「はい。提督も無茶をなさらず、残敵掃討もほどほどになさってください」

金本「わかってる。健康な身体と精神こそが最高の財産だからな」

吉備津丸「しかし、まさか船娘である自分がボス級深海棲艦と戦う日が来るとは思いもしなかったであります」

剛田「とはいっても、開幕航空戦や魚雷戦に【○二】や【○四】が無力であるから、【突撃】するのは主力艦隊と入れ替わりになるがな」メメタァ

剛田「それに、金本提督の艦隊は基本的にパワーレベリングで装備も僚艦も充実して練度も極まっているから、」メメタァ

剛田「俺たちが残敵掃討――――――【突撃】する前に敵艦隊を全滅させている可能性だってある」

剛田「だからこそ、ダメ押しにしかならないことが目に見えている…………」

剛田「だが! 陸軍としてはここで【○二】で【陸上型深海棲艦】を倒して上陸戦を制したという武勲をあげなければ制式採用など夢のまた夢……!」

あきつ丸「提督殿、将校殿! 主力艦隊の旗艦:榛名殿からF地点:北方AL泊地に攻撃を仕掛けるとの報が!」メメタァ ――――――攻略Wiki参照!

金本「ここまでは予定通りだな」

剛田「ただ攻略するのであれば、駆逐艦を揃えて南沿いに進んでいけば楽なんだろうがな」メメタァ

金本「そうしたら、開放された海域で唯一戦える【陸上型深海棲艦】の北方棲姫と戦えないだろうが」メメタァ

金本「一応、あのマスの北方棲姫をSランクで倒せば、レアドロップが見込める仕様だから戦って損はないわけだが」メメタァ

ミロク「榛名さんたち、今回の【出撃】を訝しんでましたね」

剛田「そうだな。このピンクゴールド野郎は【勲章】なんて余らせまくっているのに、」

剛田「急にまた、攻略したばかりの最新のEOマップに来たんだからな」メメタァ  ※主力の航空戦艦:扶桑姉妹の改二 実装前です

剛田「明石だって元々持っているんだから、北方棲姫の艦隊を殲滅してのレアドロップ狙いでもないことは明らかだろうし」メメタァ

吉備津丸「【工作艦】ならば、すでに新たに朝日が加入したこともあり、ますます怪しむわけでありますな」

剛田「どうだ? こうやってコソコソと自分が手を付けた艦娘たちの後をつけてる感想は?」

剛田「しかも、愛した艦娘の尻じゃなくてその艦娘たちが痛めつけた後の息も絶え絶えの敵さん目掛けてぶっといのを挿入するわけなんだからな?」ニヤリ

金本「まあな。手塩にかけて育てた俺の艦娘たちの強さを実感すると共に戦場に取り残された弱った敵を食えるという二度美味しい作戦というわけだぁ」ニヤリ

剛田「くぁー! いつもいつも海軍はいいよな! 泥臭くなくて飯も美味くて予算もいっぱいもらえて!」

金本「ふはははは! 同郷の大貧民と地方議員の息子――――――いったいどこが差がついたのでしょうね?」

剛田「けっ!」

剛田「よし、編成を確認するぞ」

金本「どうぞー」


艦載艇:○四 |潜輸:伊369
艦載艇:○二 |揚陸艦:吉備津丸
標的艦:大浜 |揚陸艦:あきつ丸



剛田「今回の陸海合作の目的は、“陸軍 期待の新星”こと、この俺と陸軍船舶司令部の新兵器:【○二】の初陣だ」

吉備津丸「将校殿、『合作』という表現はマズイのでは…………」

剛田「『連合作戦』の略なんだからいいだろう? それに、戦時中の陸軍と海軍のそれなんて見るに堪えないものだぞ」

あきつ丸「ならば、『共同作戦』を縮めて『共作』とするべきであります。普通は『陸海共同作戦』と言うものだと思うであります」

剛田「やめろ! その音だと『競作』や『凶作』に捉えられてすぐにお前の言う『陸海共同作戦』が破綻するだろうが!」

あきつ丸「そ、そうでありますか…………?」

剛田「バカタレ! 字面や語呂ってのはいつだって目くじらを立てられるものなんだぞ!」

剛田「たとえば簡単な例で言えば、大阪は昔『大坂』と書かれていたのを『不吉』という理由で今の字に変えられているし、」

剛田「近畿地方のKINKIを英語で言ったらkinky――――――『スケベ野郎』の意味にとられて、その連想から文化遺産の宝庫に変な先入観をもたれかねん」

ミロク「それは嫌ですね……」

剛田「それに、――――――カルピスを知ってるか、お前ら? 前に奢ってやってるけど」

あきつ丸「もちろんであります!」キラキラ

吉備津丸「軍用カルピスとして陸軍兵士の健康飲料として愛飲されていたのでありますから、当然!」キラキラ

剛田「あれ、英語圏だとCow Piss――――――『牛のおしっこ』に聞こえるらしいぞ」

あきつ丸「!!!??!」

吉備津丸「くぁwせdrftgyふじこlp」

金本「それに、今 近くの北の真っ赤な国とは現在は対深海棲艦で同盟国の関係だが、ラッパのマークの『正露丸』は昔は『征露丸』だったからな」

ミロク「そうですね。日露戦争時代のものですから――――――」

剛田「…………そうか、今 あの国の近くなんだな」チッ

金本「うん?」

剛田「ともかくだ。『合作』でいくぞ、――――――『陸海合作』その1! 話は逸れたがまだ時間に余裕はあるな? 本題に入るぞ」


剛田「今回は、【揚陸艦】2隻から支援艇【大発動艇】を発進させて、あらかじめ弱らせた北方棲姫を俺が【打ち壊しハンマー】でぶっ叩くのがお仕事だ」

剛田「【陸上型深海棲艦】の特徴は足元に大地のごとき堅固な防御壁が展開されていることだな。これは水面下からの雷撃を岩盤のごとく遮断する」

金本「一応、初の【陸上型深海棲艦】の【飛行場姫】が確認された時は【航空戦艦】に分類されてたがな」メメタァ

剛田「が、逆にその防御壁はやつらの生体エネルギーで生理的に形成されているらしく、」パラパラ

剛田「【三式弾】のような対地榴散弾攻撃が非常に有効であることが確認されている」

剛田「それ故に現在では、【陸上型深海棲艦】に対して海軍は海上歩兵:艦娘の【三式弾】による艦砲射撃による攻撃が主流となっている」

剛田「しかし、ある深海棲艦についての研究報告によれば――――――、」

剛田「その防御壁は水面下の衝撃を一切 遮断する性質があるのは確かだが、逆に水上からの衝撃を全て本体が受け止めてしまう弊害があるそうだ」

剛田「どういった原理かは知らないが、空襲に対しては地下の避難壕は有効だが地上の部分はそのまま丸焦げにされるのと同じことなのだろう」

剛田「つまりは、水面下の衝撃を全て遮断するということは、逆に『水面上の衝撃は水面下に逃せず本体に全て衝撃がいく』ということかもな」

剛田「この論に従っていけば、地面を貫通するほどの質量兵器で防御壁を穿てば【陸上型深海棲艦】の本体に大ダメージを与えられる――――――」

剛田「それを実証することができれば『実は【陸上型深海棲艦】ほど倒しやすい敵はいないだろう』という結論になった」

金本「俺としては、ミロクが積んでいる【特型内火艇】による支援効果を期待したい」

金本「それと、標的艦:大浜が本当に囮として役に立つのかを見るわけだ」

吉備津丸「元々【標的艦】とは敵の的になるための艦船ではないのでありますがねぇ…………鎮守府のみなさんも眉を顰めていたのであります」

金本「いや、魚雷発射管はない代わりに爆雷投射機があるから対潜装備で自衛力は十分だぞ」

金本「そして、何よりもね?」

金本「【装甲】の限界値が99とかいう【標的艦】としての特性から、駆逐艦を超えた駆逐艦になっているんだぜ、これ?」メメタァ

金本「駆逐艦としては33ノットでウスノロだけど、【装甲】は並みの戦艦以上のクソ補正のおかげで耐久力最強の駆逐艦なんだぜ?」メメタァ

金本「これでデコイもこなせたら雪風も島風も要らねえ! 俺たちにとっての勝利の女神だぜ!」

ミロク「そして、小型艦からの攻撃は潜水艦の私が引き受けます」

金本「つまり、後学のために今回の海上陸戦機動歩兵の運用法をまとめるとこうなる」メメタァ



【海上陸戦機動歩兵】運用・突撃支援艦隊の役割

艦載艇:○四  海軍:金本提督 機
メインアタッカー。【肉薄】して【艦船型深海棲艦】を【パイルバンカー】で一撃必殺を狙う
ただし、【射程:超短】なので【昼戦突撃】では空母ヲ級と並んで最後尾となるのでそれまで鈍足・低耐久のこの機体を守らないといけない。
その代わり、【艦船型深海棲艦】に対しては段階を重ねる毎に一撃必殺レベルのダメージを叩き込めるようになり、
現在のところは重巡程度なら一撃で沈められるぐらいの強力な【パイルバンカー】の【開発】に成功している。


潜輸:伊369  愛称:ミロク
艦載艇:○四の専属アシスト。【特型内火艇】によって【昼戦突撃】における【○四】の攻撃順をミロクの直後に割り込ませることが可能。
ただし、【大発動艇】と同じ用途なので今回は意図に反して【陸上型深海棲艦】に攻撃が誘導されるという根本的なミスをやらかす。
【潜輸】は潜水艦系統なので大型艦からは攻撃されず、小型艦からの攻撃を吸収するのでデコイの役割となる。
なお、【潜輸】は他の潜水艦系統と異なって、スロットが1つ多いので【ダメコン】を載せる余裕が十分にあるのでデコイとして優秀。


艦載艇:○二  陸軍:剛田将校 機
メインアタッカー。【肉薄】して【陸上型深海棲艦】を【ブレイクハンマー】で一撃必殺を狙う。
海軍の【○四】と同じ役割であることからそのボスキラーな性質も致命的な欠点もほとんど同じであるが、得意とする敵の違いで運用が大きく異なる。
海上戦では海軍の【○四】同様に全体的に駆逐艦にすら劣る能力であり、【○四】と違って【艦船型深海棲艦】を一撃必殺できないので、
運用は専ら【陸上型深海棲艦】の一撃必殺――――――と、状況が非常に限定されており、
肝腎の【陸上型深海棲艦】が確認されているのがボス級だけで通常1体ずつしか艦隊にいないので一撃必殺した後で役割を失うのもいただけない。

ただし、後に登場する【防衛】においては抜群の支援能力を発揮するので陸軍への【開発投資】や【開発】はしておいて損はない。


揚陸艦:吉備津丸 & あきつ丸
艦載艇:○二の専属アシスト。【大発動艇】によって【昼戦突撃】における【○二】の攻撃順を先攻した二人のどちらかの直後に割り込ませる。
上陸作戦用の装備であることから【大発動艇】に【陸上型深海棲艦】を優先攻撃対象に選ぶ効果が追加され、更には【肉薄】するのでますます強くなる。
今回は【○二】の初実戦のために、念の為に【揚陸艦】の二人に【大発動艇】を持たせて攻撃順を早める工夫がなされている。
二人の【揚陸艦】の違いとしては、制空権のあきつ丸と対空・対潜の吉備津丸と考えればよい。
どちらも火力が低いので割合ダメージによるボスキラーになり得るが、今回の場合はあらかじめ敵が弱っているところを襲うので出番がないかもしれない。


標的艦:大浜
超万能メイン盾。【艦これ】史上最強の防御力を誇るメイン盾。

1,【標的艦】の特性として――――――、
1-1:敵から狙われやすいこと、
1-2:【装甲】の能力限界が99まであること、
1-3:スロットが最初から4つ開放されていること、

2,【駆逐艦】型として――――――、
2-1:高い回避力を持つこと、
2-2:運用コストが非常に安い・修理時間も短いこと
2-3:爆雷攻撃による対潜攻撃が可能(魚雷は使えない)

以上の2項を踏まえれば、明らかにおかしい性能なのはわかるだろう。



大浜「司令官~! 榛名さんたちは大大大丈夫でしたよ~!」ニコニコー

金本「切り抜けたか。――――――当然と言えば当然だな」

剛田「獲物はちゃんと残ってるんだろうな?」ニヤリ

大浜「はいぃ! 北方棲姫と護衛要塞に重巡リ級flagshipが残ってますぅ…………だ、大丈夫ですよね?」オドオド

金本「どれどれ――――――、おお、北方棲姫は小破か。これでその【ブレイクハンマー】の威力試験ができるわけだな」

金本「それじゃ、俺は重巡リ級に【パイルバンカー】をお見舞いしてやろう」ニヤリ

ミロク「いよいよですね」

金本「この残敵で気をつけるべきは“タコヤキ”か――――――浮いてるのになんで魚雷攻撃が効くんだろうな、あれ?」メメタァ

ミロク「さあ?」

剛田「何をやっている? 早く装着しろ! こっちは武者震いが止まらん!」ガシャコン! ガコォオオン! ――――――海上陸戦機動歩兵【○二】起動!

金本「焦んなよ(――――――焦んなよ?)」ガシャコン! ガコォオオン! ――――――海上陸戦機動歩兵【○四】起動!

金本「母艦妖精! 艦はこの位置で待機だ! 榛名たちは大破者がいなければ進軍させろ」ピピッ

大浜「うぅ…………」ニコニコー

吉備津丸「もっと堂々とするのであります! 【ダメージコントロール】も持っているのでありますから何があっても無事でありますから」ビシッ

大浜「そ、そんなこと言っても…………」オドオド

あきつ丸「まあまあであります、吉備津丸殿。普通ならば自分たちも対峙することもなかった相手に緊張するのはしかたがないであります」

剛田「よし、行くぞ! 戦場の脇役以下の【特務艦】たちよ! 【艦これ】での存在意義を賭けて【突撃】だああああ!」メメタァ

金本「すっぞおぉら! 殺っぞっおぉらああああああああ! 出撃ィイいいいいいいいい!」

艦娘たち「おおおおおおおおお!」


――――――【昼戦突撃】! 我、突撃を敢行す!



――――――F地点:北方AL泊地


コナイデ…ッテ…イッテル…ノ……。


北方棲姫「ウウ…………」 ――――――小破!

金本【○四】「さあ、あれがお前の獲物だぞ」

剛田【○二】「何だ? あいつ、大浜と似たような空気を感じるんだけど…………(これが戦場の空気か。資料で見るボス級もなんだか違って見えるな)」

剛田「だが、敵ならば容赦しなくていいんだよね?」ニヤリ

金本「もったいないけど、手に負えない以上は殺るしかないよね?」ニヤリ

あきつ丸「では、――――――【烈風改】発艦!」

吉備津丸「すでに消耗した敵――――――、対空迎撃は任せておくであります、みなさん!」

北方棲姫「ウウウ!」

護衛要塞「――――――!」


――――――制空優勢!


北方棲姫「アレ……レップウ…………? ホシイ………」

あきつ丸「やったであります!」

金本「やるじゃん!」

吉備津丸「みなさん、無事でありますか!」

ミロク「大丈夫ですよ、みなさん」

ミロク「では、微力ながら伊369! 開幕雷撃と参ります!」

リ級「!!」 ――――――大破!

ミロク「くっ、さすがに堅い…………ここまでが限界のようです。後はおまかせします!」

金本「さあ、砲撃戦だ! 本番だ!」

剛田「武者震いが止まらんな! ついにこの時が来たぜ!」

剛田「よっしゃ! 行くぜええええ!」



――――――ここでかいつまんで解説しよう。


【昼戦(突撃)】の【砲撃戦】において攻撃順を決める要素は【射程】であり、【射程】が同じ味方がいる場合はランダムに順番が決められる。

それを自軍1→敵軍1→自軍2→敵軍2→…………と交互に撃ちあうわけなのだが――――――、


自戦力
短:ミロク、あきつ丸、吉備津丸、大浜
超短:【○二】、【○四】

敵戦力
中:重巡リ級flagship、護衛要塞、北方棲姫


このような場合だと――――――、

自軍:短1→敵軍:中1→自軍:短2→敵軍:中2→自軍:短3→敵軍:中3→自軍:超短1→自軍:超短2→ 砲撃戦 終了→ 雷撃戦

となり、メインアタッカーの【○二】と【○四】が最後になってしまう。駆逐艦のような回避力もなく 紙装甲なのだから、さあ大変だ!

しかしながら――――――!


ミロク「先手! もらいました! ――――――これで沈んでください!」

リ級「!!!!」 ――――――轟沈!

ミロク「よし! 今です、――――――【特型内火艇】発進です!」

金本「早速か! お先にぃ! 行っくぜええええええええええ!」

剛田「ああ。見ててやるよ、先輩」


ザアアアアアアアアアアアアアアアアア!


大浜「ねえ、あれ――――――」

剛田「…………あれ?」

ミロク「!?」

あきつ丸「提督殿! そっちは――――――!」

北方棲姫「…………ク…クルナ」

金本「そっちじゃねえええええええええええ!」

金本「うおわっ!?(――――――【陸上型】が海面に展開しているという防御壁か!? それに躓いたあああああ!)」ガクン!

剛田「俺の獲物だろ――――――あれ? もしかして【特型内火艇】って上陸用だから【陸上型深海棲艦】に向いちゃうのか?」アセタラー

北方棲姫「ア、アア…………」ガタガタ

陸軍妖精「行くぞおおおおおお!」 ――――――【肉薄】状態! 能力低下!

北方棲姫「キャッ!?」

金本「うぐっ、ちくしょう!(ほっぽちゃんに俺の【ぶっといの】を挿入してやりたかったけど――――――、)」ヨロヨロ・・・

金本「こうなったら、――――――喰らえ!(俺の【ぶっといの】は勢いに乗ってぶつからないとダメなんでね!)」ガシッ

北方棲姫「ハ…ハナセ…………!」ジタバタ

金本「おっほう! こいつはイイ~!」モミモミ ――――――【肉薄】状態! 更に能力低下!

北方棲姫「!!!!」カア

陸軍妖精「やれ~!」ボカスカ

剛田「うおっ! 陸軍としては直ちに引き渡しを要求する! ――――――俺も混ぜろ!」


北方棲姫「ハナレロォ……!」バン! バン!

大浜「流れ弾がこっちへ来たぁ……」ビクッ ――――――miss !

剛田「かわいいな~」

吉備津丸「次鋒! もらったであります!」

北方棲姫「ミンナ……イジメル…………」

吉備津丸「今であります! 【大発動艇】突撃であります!」

剛田「でかしたぞ、吉備津丸!」

剛田「さあ、誇りある陸軍妖精たちよ! 俺たちも突撃だああああ!」

陸軍妖精「おおおおお!」


ザアアアアアアアアアアアアアアアアア!


剛田「こんにちは、ほっぽちゃん」ニコニコー

北方棲姫「!?」ビクッ

金本「お、来たか! 早いとこ終わらせてくれ、飽きたよ もう(お、躓くことなく上陸しやがった)」モミモミ ――――――【肉薄】中!

剛田「――――――捕まえたっ♪」ガシッ ――――――更に【肉薄】!

北方棲姫「キャッ!?」 

剛田「ごめんね? 痛いの痛いの――――――、飛んでけえええええええええええ!」ブン! ――――――【展開型成形炸薬弾鎚】!

北方棲姫「キャアアアアアアアアアアアアアア!」ドーーーーーン! ――――――轟沈!

金本「マジで一撃だわ…………」

吉備津丸「殺ったであります!」グッ

大浜「う、嘘ぉ…………まだ小破でしかもあれだけの耐久値があったボス級が一撃で…………!?」メメタァ

護衛要塞「――――――!」

金本「!」サッ

金本「油断するな、剛田ああ!」

剛田「――――――っ!」ビクッ

護衛要塞「――――――!」バーン!

吉備津丸「将校殿!」

剛田「――――――あっぶね! リ級からの攻撃だったら確実に中っていた!」ヒュン! ――――――miss !

剛田「ん、――――――しまった、そうか! 俺は【旗艦】じゃないから【かばって】もらえないんだった!」メメタァ

剛田「海上陸戦機動歩兵の同時運用は避けたほうが良さそうだな…………」アセタラー

金本「まったくだぜ、ヒヤヒヤさせやがって……」フゥ

あきつ丸「それは提督殿も同じであります…………(今頃、増援部隊の軽巡ツ級と戦っている榛名殿たちがこれを知ったら――――――)」



金本「残りは死にかけの護衛要塞だけだ! 頼むぞ、あきつ丸! 大浜!」

大浜「あ、それじゃ私が――――――!」

大浜「今日ばかりはあなたが標的艦ですぅうううううううう!」バーン!

護衛要塞「!!!!」 ――――――轟沈!

あきつ丸「やったであります! 北方AL泊地の敵戦力を撃滅したであります!」

金本「作戦完了だ! 勝鬨をあげろおおおおお!」


「おおおおおおおお!」


剛田「しかしホント、同時運用は考え物だな……」ドクンドクン

金本「ああ。反省点も幾つも出た――――――が、とりあえずはこれで陸軍のご要望は叶ったんだ」

金本「次も頼むぜ」

剛田「ああ。その前に【特型内火艇】に代わるものを用意しないといけないな…………」


――――――ランクS:大勝利!



この戦いにおける砲撃戦における攻撃順

本来の順番
自軍:短1→敵軍:中1→自軍:短2→敵軍:中2→自軍:短3→敵軍:中3→自軍:超短1→自軍:超短2→砲撃戦 終了→雷撃戦

今回の順番
自軍:ミロク(短1)→自軍:【○四】(超短1)→敵軍:北方棲姫(中1)
 →自軍:吉備津丸(短2)→自軍:【○二】(超短2)→護衛要塞(中2)→大浜(短3)→大勝利!

備考:ミロクが重巡リ級を最初に撃沈している

このように、【射程:超短】で攻撃順が最後になるはずの海上陸戦機動歩兵による男のロマンを叩き込むことができるようになるのだ。
ただし、同じ敵に2人も使う計算になるので『2人1組で敵1人を確実に殺るための手段』という認識でいないと手数が半減することになるので注意。
また、あくまでも順番処理上では本来の順番から【○二】と【○四】が割り込んでいる形なので、
本来の順番までにすでに【○二】と【○四】が行動していた場合は当然ながらそこは省いて次の攻撃が始まる。
更に、海上陸戦機動歩兵の同時運用は【かばって】もらえない都合上、普通に一撃死もあり得るので敵共に互いにサドンデス状態に陥っている。


陸軍【大発動艇】と海軍【特型内火艇】の効果

【大発動艇】陸軍装備
搭載艦が【陸上型ボス級深海棲艦】を優先的に攻撃するようになる。
【○二】がそれに呼応して、連続して攻撃を仕掛けるようになる。

【特型内火艇】海軍装備
搭載艦が【陸上型ボス級深海棲艦】を優先的に攻撃するようになる。
【○四】がそれに呼応して、連続して攻撃を仕掛けるようになる。
完全にハズレ――――――【これ】を装備できる【潜輸】の魚雷攻撃はそもそも【陸上型深海棲艦】には効かないのでまさしくハズレ。
ただし、【大発動艇】と同じく、遠征報酬を上乗せするボーナスがついているので遠征用装備とするべし。


今回の反省を踏まえて対【艦船型深海棲艦】用に造られた装備

【カロ艇】陸軍装備
搭載艦が【艦船型ボス級深海棲艦】を優先的に攻撃するようになる。
【○二】がそれに呼応して、連続して攻撃を仕掛けるようになる。
が、上陸作戦用の【○二】に【艦船型ボス級深海棲艦】の相手なんてやらせても無駄なので実戦では役に立たない。
ただし、【大発動艇】のような遠征報酬を上乗せするボーナスはちゃんとあるので無駄ではない。

【隼艇】海軍装備
搭載艦が【艦船型ボス級深海棲艦】を優先的に攻撃するようになる。
【○四】がそれに呼応して、連続して攻撃を仕掛けるようになる。
実際は【潜輸】に運用能力などないが、これも【艦これ】補正ということで……


いずれも【水上機母艦】なら全て扱えるので、最強の軽空母:千歳 & 千代田 以外の【水上機母艦】を早く出して! お願いします!



――――――それから、

――――――2回目


あきつ丸「今です、将校殿! ――――――【大発動艇】発進するであります!」

剛田「よっしゃあ! 今度は俺からだぜ!」

ザアアアアアアアアアアアアアアアアア!

北方棲姫「ヒッ」ビクッ

剛田「また来ちゃった♪」モミモミ ――――――【肉薄】状態!

北方棲姫「!!!!!!!」カア

剛田「う~ん! 未発達ながらいい揉み心地ではないか――――――、はい、さようなら」ブン! ――――――【ブレイクハンマー】!

北方棲姫「キャアアアアアアアアアアアアアア!」ドーーーーーン! ――――――轟沈!

剛田「悲しいけどこれも戦争なんでね」ギラッ

リ級「!!」ビクッ

大浜「きゃっ――――――なんだ、こ、この程度なら私 へっちゃら!」ニコニコー

大浜「今度はあなたが標的艦になる番ですぅううううううう!」バーン!

リ級「!!!!」ドッゴーン! ――――――轟沈!

吉備津丸「自信がついてきたでありますな」

金本「ちくしょう! 狩れなかった!」

ミロク「しかたありません。今回も無事だったことを喜びましょう」



――――――3回目


ミロク「今です、――――――【隼艇】発進してください!」

金本「おっしゃあ! 今度こそ――――――!」

ザアアアアアアアアアアアアアアアアア!

金本「うらあああああああああ!」ドスッ! ――――――【射突型成形炸薬弾鎗】!

リ級「!!!!!!!!」ドーーーーーン! ――――――轟沈!

金本「一丁上がりだぜ! 重巡でもこんなものよ!」

北方棲姫「…………コナイデ」バーン!

剛田「金本ぉおおお!」ガタッ

金本「――――――っ!!」ビクッ

あきつ丸「――――――『提督殿はやらせない!』であります!」バッ ――――――【かばう】!

あきつ丸「くっ、この程度なら……」ドゴン! ――――――小破!

金本「世話をかける……(【旗艦】でなければやられていたな…………つくづくリスキーな世界だぜ、ここは)」アセタラー

あきつ丸「今度は、陸軍式『ダブル烈風拳』と恐れられた自分の攻撃を受けるであります!」

北方棲姫「ン?」

剛田「(【烈風】は【戦闘機】だから砲撃戦でのダメージに影響は無いんだよな…………【対潜哨戒機】で対潜攻撃ができるだけに残念だ)」メメタァ


北方棲姫「ア…マタアイツガヤッテクル…………」ガタガタガタ

あきつ丸「――――――【大発動艇】! ――――――将校殿!」

剛田「さてさて、慣れてきたことだし、最後の1体だし? ぐふふふふ」ニッコリ

ザアアアアアアアアアアアアアアアアア!

剛田「上陸完了。やっちまいな!」

陸軍妖精「うおおおおおおおおおお!」ドドドドド!

北方棲姫「イヤイヤイヤアアア!」ジタバタ

剛田「どこへ行くんだい? ここがお前のシマなんだろう?」ガシッ ――――――【肉薄】状態!

北方棲姫「イヤ! イヤ! イヤ! イジメナイデ!」ジタバタ

剛田「だったら、いつまでもここにいなければいいじゃないか?」

剛田「お兄さんたちはここに用があるの。イジメられたくなければ、ここじゃないどこへとでも行けばいいよ、ほら」パッ

北方棲姫「ダ、ダメ……ソレハダメ…………」

剛田「しかたがないな~」パチン!

陸軍妖精「!」ニヤリ

北方棲姫「!?」ゾクッ

陸軍妖精「“タコヤキ”を撃ち落とせええええ!」バン! バン!

艦載要塞「――――――!」

剛田「おらぁ! 【艦載機】を全て出せぃ! その“小さなタコヤキ”もだ!」ユサユサユサ

北方棲姫「ヤ、ヤメテ……オネエチャンカラモラッタタイセツナ…タイセツナ…………!」ジタバタ

剛田「結構消耗してんのに、まだこんなに持っていたか」

剛田「それじゃ、この【おっきいハンマー】で1つ1つ粉々に砕いてあげましょう!」バリン! ――――――スレッジハンマー形態で艦載機を砕いていく!

北方棲姫「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

北方棲姫「コレハワタシノ、ワタシノ…………」バッ ――――――思わず身を乗り出して艦載機を守ろうとするが、

剛田「あ、ごめん!」カチッ、ブン!  ――――――【ブレイクハンマー】起動!

北方棲姫「キャアアアアアアアアアアアアアア!」ドーーーーーン! ――――――轟沈!

剛田「ふははははは! まさに『陸に上った軍艦』だな! 人それを座礁という!」

剛田「地上は万物の霊長たる俺たち人間のものだ! この大地から出て行けっ、化け物!」

金本「…………遊びすぎるなよ」ヤレヤレ

剛田「悪い悪い。次で最後だな!」キリッ

大浜「だ、大丈夫ですか、あ、あの人ぉ……」ブルブル

ミロク「陸軍を背負って立っている内に秘めた気概と深海棲艦への恨み辛みが強烈に現れ出ていますね」

吉備津丸「将校殿……」アセタラー

あきつ丸「我が陸軍は深海棲艦が登場して以来は不当に海軍と比べられて蔑まされてきたのであります」

あきつ丸「ですから、お気持ちはわからなくもないでありますが、今のはあまりにも…………」アセアセ


剛田「化け物に同情するなんてそれでも泣く子も黙る帝国軍人か、貴様ら!」


艦娘たち「!」

金本「…………やれやれ」


剛田「いいか! 外見だけで判断を見誤るなんて最低のクズのやることだぞ! 見た目がいくらロリータでも化け物は化け物なのだ!」ブルブル

剛田「それとよく聞け! 我が帝国陸軍の仮想敵は常にここから見えるあの北の大国なのだ!」

剛田「なぜかつての帝国があの国とあれだけの犠牲を払ってまで是が非でも勝たなければならなかったのか――――――!」

剛田「あの国に占領されたらそれこそ地獄なのだぞ! あれは人の皮を被った悪魔だ、化け物を超えた存在だ!」

剛田「そんなのが我が国と北方で隣接しているのに、今ここでこんなにもわかりやすい化け物相手に情けをかけてどうする!?」

剛田「それに講和が結べる相手ならとっくの昔にやって、俺と金本がここまで出張ることはなかったんだ!」ブルブル

艦娘たち「………………」

剛田「目を覚ませ! そんなのと比べたら、深海棲艦の脅威なんて言うのはまだまだ生温いものだ!」

剛田「さっきの北方棲姫のように、やつらは占領はしてもそれ以上のことは何もできないのだからな!」

剛田「厄介なのは近くを通る艦船を無差別に攻撃して事実上の海上封鎖をしてくることのみ!」

剛田「だが、高高度を飛べる航空機が発達すればやつらなどただの海面を這う有象無象に過ぎない!」

剛田「忘れるな! 砕氷艦:大泊が生まれてきたことの意味を!」

剛田「我々にとっての真の敵は化け物ではなく、陸の上の悪魔どもなんだからな!」

艦娘たち「………………」


金本「いや、さっきのはいくら何でも遊びすぎだから」ポンッ


剛田「!」

金本「相手が化け物であったとしても、こっちまで心を悪魔のようにする必要はないだろうが」

金本「情けとして一瞬で楽にしてやればそれでいいだろ? ――――――非効率だな」

剛田「…………!」

金本「熱くなりすぎるなよ。今じゃお前のほうが危なっかしい」


――――――頭は冷えてるか、新兵?


金本「いつまで震えてんだ、お前? それは武者震いか? 機体もだいぶ温まってきたことだし もう寒くはないはずなんだがな?」

剛田「あ」

金本「陸軍船舶司令部の将校殿はずいぶんと寒がりですな?」

剛田「………………俺は」

剛田「……すまない。英霊たちが俺の身体に憑ってその力に酔い痴れていたようだ」ハア

金本「帰艦するぞ。榛名たちも今頃 増援部隊を撃滅しているだろうしな」

剛田「ああ……」

あきつ丸「将校殿……、そして提督殿……、その通りでありましたね。少し気が緩んでいたであります」

大浜「う、うん。でも、一緒に戦ってくれることが少し嬉しい――――――って何を言ってるんだろう、私?」

吉備津丸「常識が麻痺して疑問にも思わなかったでありますが、本来なら士官や将校といった者が前線に出るなど…………」

ミロク「陸海合作――――――、どうやらこれで良かったようですね」フフッ



――――――4回目、言わずもがな


イツカ…タノシイウミデ……イツカ……


北方棲姫「アア…………」 ――――――轟沈!

剛田「敵将、討ち取ったり!」ドクンドクン

あきつ丸「これでやったであります!」

吉備津丸「大丈夫でありますか、将校殿?」

剛田「…………こんなのは慣れだ。経験を重ねていけば問題ない…はず」ドクンドクン

金本「よし、帰還だ! ご苦労だった。パンを奢ってやろう」

剛田「ああ。アツアツホヤホヤのできたてのパンがいいな」

剛田「そうだ――――――、」


剛田「酒で身体を火照らせる必要があるような連中とは殺りあうことが今後とも無いことを祈らないとな」 ――――――西方に見える大陸を睨んで!


剛田「こんな戦いをしてるんだ。人類同士のくだらない争いなんてもう二度と起きないでくれよ」

ミロク「まったくその通りです」

大浜「みんな、早く帰ろう」

吉備津丸「そうであります。こんなところはすぐに放棄して帰還するであります」

金本「…………せっかく奪還したのに、戦略的価値は深海棲艦がすぐにあちこちで出没してキリがないわけだから皆無だしな」


剛田「………………ハァ」

金本「どうした、バテたか?」


「耐えられなくなっただけだよ」


金本「………………?」

剛田「最初にお前と再会してこの計画を推進する際に動機を訊いた時――――――、お前はこう答えたな」

剛田「お前が言っていたことが実感としてわかってきた気がする………………もちろん最前線における命のやりとりの感触も最悪だけど」

剛田「誰が好き好んで幼気な幼女の姿して悲鳴だって上げる存在を虐げられる? ――――――化け物だってわかってはいてもだ!」

艦娘たち「………………」

剛田「それに、おそらく俺が陸軍で最初に深海棲艦を倒した人間としてこれから名を残すことにはなるだろうが、」

剛田「よく考えなくても、俺もとんでもないことを平気で推進しているってことに気付かされたよ」


剛田「――――――平和ボケってやつかな? そして、その反動ってやつかな? 俺はようやくその2つの酔いから目が覚めた気分だ」


剛田「旧大戦後の皇国は公的な派兵や武力衝突は長らく無く、我々 皇国の民は冷戦と呼ばれる静かな大戦の中で繁栄と平和を謳歌してきた」

剛田「それ故に、現在も艦娘を擁して戦い続けている海軍だろうが、憲兵や土木ぐらいしか能が無くなった陸軍でも、」

剛田「あの戦争の敗戦後、こうやって軍人が直接手を下すことは今までなかったのだ。これまで誰も一人の軍人として敵を殺めることはなかったのだ!」

剛田「それを、俺とお前とで打ち破ってしまった…………敵の命を奪うという業を積み始めたんだ」ブルブル

ミロク「将校殿、それは――――――」


剛田「わかっている。――――――わかってなかったのは俺の方だ」


あきつ丸「…………将校殿?」

剛田「俺の方こそ、敵の姿に惑わされてこうやって罪の意識や嫌悪感を抱き始めていたっ!」

剛田「すぐに慣れるものだと思っていたが、現実は思っていた以上に非情で残酷だ!」

剛田「現実が非情なはずなのに俺自身が非情になりきれていないっ!」ポタポタ・・・

吉備津丸「………………将校殿」

ミロク「…………これが人間と艦娘との決定的な違いですね(そう、艦娘は戦うために生まれた――――――)」


一同「………………」

金本「やめるか? 降りるんなら命があるうちにな」

大浜「そ、そうですよ! 【標的艦】の大浜と違って将校さんは大往生する場所は海の上じゃないはずですぅ!」

剛田「悲しいことを言うなよ、大浜」

剛田「でも、――――――ありがとな、ちょっと元気が出てきたよ」ニコッ

金本「そうか。離脱するなら早めに言ってくれよな」

剛田「まあ、聞け。どうせ母艦に帰艦するまで時間はあることだし」

金本「わかった。――――――帰艦するぞ!」

艦娘たち「了解!」

吉備津丸「では、将校殿。警戒はあきつ丸殿が担当し、自分が護衛になるのであります」

剛田「ありがとな、吉備津丸」

大浜「あ、あの……、将校さん?」オドオド

剛田「お前は立派だよ。こんなにも頼りない身体をしているのに、心は陸軍将校の俺よりもずっとずっと立派だ」

剛田「陸軍将校の俺からの褒賞だ」ナデナデ

大浜「あ、ありがとうございます……! 頑張って【標的艦】やってきたかいがありました!」テレテレ

剛田「ああ! お前は立派な皇国の戦士だ! 尊敬するよ」

剛田「これからもよろしく頼むぞ、大浜」


―――――― 一緒に戦って一緒に勝って一緒に帰ろうぜ、こうやってな。


大浜「え、えへへ……」

金本「………………フッ」

あきつ丸「将校殿……、思っていたよりもずっと明るかったのでホッとしたであります」

ミロク「そうですね(けれど、これからしようとしていることの罪の意識からは逃げられない――――――)」

剛田「そう、これだよ。これがあるから俺も戦場に誘われる(金本もこれが欲しくて後方でジッとしていられなくなったんだろうな…………)」


――――――戦いが終わった時に『ふと振り返ってみて仲間がいる』って最高だろ? “命の一体感”というか癖になるようなこの臨場感が!





ザアアアアアアアアアア!


剛田「今にして思えば、あの日露戦争がポーツマス条約で終わったのが一番だったな」

金本「そうだな。ロシアからすればあくまでも局地的な敗北に過ぎなかったからな」

金本「だからこそ 賠償金は得られなかった」

金本「それによって、歴史的には日本がロシアに勝ったという偉大な功績にはなったが、日比谷焼打事件のような暴動に繋がってしまった」

剛田「だが、あの戦争は第零次世界大戦とも呼べるような総力戦でもあったのだし、勝ったことで世界情勢に多大な影響を与えたのも事実だ」

剛田「日本としては人的資源が枯渇して如何ともし難いところだった」
                           ・ ・
剛田「あの時は本当に悪魔の手から皇国が鬼畜米英に救われたもんだよ」
           ・ ・ ・ ・ ・
金本「お前はまだそんな言葉を使うのか」

剛田「本当のことを言ったまでのことだ」

剛田「あっちは“尼港事件”のようなことを平気でするような残忍で狡猾な連中だ。まさしく“悪魔”と呼ぶに相応しい」

剛田「一方で我らが西側諸国の盟主様なんて“鬼畜”そのものだろうが」

剛田「“鬼畜”ってどういう意味か知ってるか? 『餓鬼畜生』の略だ」

剛田「『餓鬼』っていうのは――――――、」

ミロク「――――――生前に強欲で嫉妬深く、物惜しく、常に貪りの心や行為をした人間が生まれ変わるという仏教における死後の世界の1つですね」

金本「お」

剛田「なら、『畜生』っていうのは――――――、」

ミロク「――――――これもまた仏教における、生前に愚痴不平多くして感謝報謝なく、動物的な感情に染まりきった人間が堕ちる死後の世界の1つですね」

剛田「つまり、そういうことだ」

大浜「え、どういうこと?」

剛田「西側のイデオロギーとは、まさしく資本家が『餓鬼』であり、労働者が『畜生』であり、その集合体であるから餓鬼畜生と俺は呼ぶ」

金本「はー、なるほどね」

金本「けど、国粋主義者なら国家神道に根ざした宗教観じゃなくていいのか?」

剛田「あほか! 神仏習合の伝統を無視して何が日本文化か! 俺は1万円札は福沢諭吉よりも聖徳太子派だ」

剛田「新渡戸稲造や内村鑑三だってキリスト教徒だったし、極端な国粋主義による反自由主義:ファシズムなんてのは旧大戦からだろうが」

剛田「だいたいにして、ファシズムの台頭を許したのは他でもない世界恐慌における英仏のブロック経済のせいだしな」

剛田「平和共存の道を選べなかった独り善がりな国策だったからこそ、それぞれの国がきっちりとしっぺ返しを受けることになったんだよ」

剛田「ハードルは高すぎるほどにくぐりやすくなるというが、枢軸国のやり口ってのはまさにそれだ!」

剛田「歴史を紐解けば、高利貸しへの返せない借金を踏み倒すために徳政令を求めて各地で起こった土一揆とまったく構造が同じじゃねえか」

剛田「それを大東亜共栄圏だとかナチズムとかファシズムのお題目を徳政令代わりにしてたってだけよ。借金の踏み倒しの正当化をするためにな」

剛田「お前、読んだか? ヒトラーの『わが闘争』とかの枢軸国のくだらない思想書の数々を」

金本「いや。そんなものは海軍としては禁止だな」

剛田「かぁー、『臭いものには蓋』かよ。なぜ危険なのかを知って活かさなくちゃあの戦争の意味がないじゃないか」

金本「とは言われても、深海棲艦との戦争に入って四半世紀足らずして21世紀に突入した現代なんだけど?」

剛田「【艦これ】が『現代日本風の異世界』であることは今は忘れろ!」メメタァ

吉備津丸「将校殿っ! それ以上はいけないでありますっ!」アセアセ



――――――鎮守府


榛名「提督! 榛名、力の限りを尽くしました!」ニッコリ

金本「ああ。良くやったよ……」フゥ

榛名「…………提督? 何だかお疲れのようですが大丈夫ですか? 榛名に何でも言ってください。提督のお役に立ちたいです!」

金本「連続出撃で疲労もたまってるだろうによく頑張るな。可愛いぞ、榛名」ナデナデ

榛名「そ、そんな……『可愛い』だなんて、榛名にはもったいないお言葉…………」テレテレ

金本「それは嫌味か? 俺が『可愛い』って言っているのに素直に受け取れないのか?」

榛名「あ、そんな! 榛名はそんな――――――!」アセアセ

金本「バカタレが」デコピン!

榛名「あうっ」

金本「そういうところもまたお前の美徳なんだろうが、相手を見極めて言うのだな」

金本「お前のその献身的な性格とそれに恥じない美貌には惹かれるが、俺のようなひねくれ者としては素直すぎるのが困るんだよなー」モミモミ

榛名「え、そんな……榛名は…………」ドキドキ

金本「ほれ見ろ! 俺が公然とチチを揉み解しているのに、お前はそれを素直に受け容れている! 嫌がらない!」

金本「俺は嫌がる娘や素直じゃない娘を弄くって屈服させるのが大好きでね? 最初から従順な娘は面白味に欠けるんだよな~。攻略のしがいがねえ」

金本「それでも、お前はいい娘だからいいんだけどさ? どうもそれ以上の感情が湧かねえな、思ったより」

榛名「そんな! 榛名はいったいどうすれば…………」オロオロ

金本「榛名、『勝手は榛名が許さない』っていつものアレ、言ってみ?」

榛名「え」

金本「言ってみ」

榛名「えと……」


榛名「勝手は! 榛名が! 許しません!」ビシッ


金本「!」ドキッ

金本「ぐへへへへへ」ニタニタ

榛名「え、提督……?」

金本「――――――ああ スッキリした」フゥ

榛名「え」

金本「ああ悪い悪い。さっきのセリフでスッキリしました。耳が幸せです」ニッコリ

榛名「え? あの、何かするとかそういうのでは……?」オロオロ

金本「榛名って完璧超人の大和撫子だからさ? これといった劣等感がないようで俺が手を出す面白味がない」

金本「最初は金剛型戦艦の中ではお前が一番の好みのように思えたから抜擢したわけだが…………、」

金本「おっぱいもあるし、いい臭いするし、万人受けの美貌があるし、愛想もいいし、能力に優れる幸運艦だし、ちょいと恵まれ過ぎだね」

金本「けれども、さっきのセリフを聞いて妄想の中で俺が身持ちが堅い榛名を征服するのを見られたから、その言葉だけで満足かな」

榛名「そ、それなら、榛名! いつでも準備できてます!」ドキドキ

金本「そこがダメなんだよ。オープンな娘はそれはそれで魅力的なんだろうけどやっぱり面白くないな~」


金本「まいったな~、童貞くんなら何も気にせず普通に愛しちゃうんだろうけど、そんなののどこが面白いんだか……」

金本「夕張や龍驤なら豊胸マッサージで悦ばせてあげられるし、不幸姉妹は口とは裏腹に悦ばせるのが凄く楽しい」

金本「球磨と多摩、卯月は動物のようにじゃれついてくれるのがカワイらしいし、陸奥は火遊びが うん! 最高だね」

金本「蒼龍は艦爆を食み出させたり、生足を堪能できたりして実にイイ! 翔鶴と隼鷹の衣服をビリビリに引き裂くのも乙だな」

金本「どうしてなんだろうな~? 榛名はイイ女だが実際 側女にしてみて面白くない。扶桑と比べてずっと優秀なんだけど面白くない……」

榛名「は、榛名は、要らない子、なんですか……」ウルウル

金本「『要らない』なんて言ってないし、ケッコンカッコカリだってしてお前の処女はいただくつもりだ」

金本「――――――たっぷり悦ばせてあげるさ、その時はね?」ニヤリ

榛名「て、提督……」ドキドキ

金本「けど、何というか完璧すぎてかえって魅力を感じないというのか――――――あ」ピコーン!

榛名「て、提督……?」

金本「わかった。発想の転換だ」


金本「お前は周囲から羨望を浴びせられる完璧超人になれ。俺ですら扱いに困ってるんだからな」


榛名「そ、それってどういう…………?」

金本「つまり、俺に変わって鎮守府の悩める乙女たちの悩みを解決する提督代行をしろ」

榛名「え、ええええええええ!?」

金本「そうしているうちに、いつかは完璧超人のお前でも躓く時があるだろうから、そこを俺がつけこんで俺の女にしてやる!」

金本「どうだ? その完璧超人ぶりを持て余しているのならとことん完璧になってみせろ」

金本「俺の鎮守府には他の鎮守府だとあまり起用されないような連中がゴロゴロいるらしいからな。一癖も二癖もあるぞ?」

金本「お前は俺が目をつけている女共の相手ができるようになれ。きっと今まで感じたことがないような嫉妬の炎に炙られるぞ?」

金本「そしたら、俺としても榛名のことを愛する糸口が見つかるわけだからこれからよろしく頼む」

榛名「わ、わかりました、提督! 榛名、全力で参ります!」ビシッ

金本「うん」ニッコリ


金本「(正直に言えば、榛名だけじゃなく鎮守府での艦娘たちとの日々よりも深海棲艦とのナマの戦いの日々に魅力を感じつつあった…………)」


―――

――――――

―――――――――

――――――――――――



――――――それから数週間が経ち、


金本「よう、今日も早くからやってるな」

剛田「ああ。直接 身体を使わなければならないわけだから日々の鍛錬は欠かせない」ハアハア・・・

大泊「さすがに強い…………パワードスーツ込みでもすでに軽巡以上にまでなったのでは?」ハアハア・・・

剛田「当たり前だ……! 俺は初陣での心の弱さを克服して【○二】の存在価値を示し続ける必要があるんだ……」スゥーハァーー


剛田「俺は現代の乃木希典になるつもりだ」


剛田「つまりはお前の共犯者だ、金本」

大泊「――――――『共犯者』?」

金本「…………そうだな」フッ

剛田「それで、“海上陸戦の父”にでもなって、更には俺とお前とで“現代の乃木希典と東郷平八郎”を目指そうぜ?」

金本「それはおもしろい話だな」

剛田「あれから船舶司令部も本格的に動き出してくれたぞ。これも【○二】で【陸上型深海棲艦】を倒せたからだな」

剛田「ここまでくれば、後は揚陸作戦での役割を【○二】にどれだけ詰め込めるかだな」

金本「いよいよ、俺の欲望とお前の悲願が合わさり、地獄の蓋が開くわけだな」

剛田「ああ、陸軍船舶司令部から近々 同じ【○二】乗りになるための部隊が寄越されるんだ」

剛田「俺はその教官を務めることになったんだ。いつまでも研究三昧とはいかなくなるな……」


金本「つまりは、強襲揚陸――――――本格的な領土奪回作戦を行う予定なのか、陸軍としては?」

大泊「…………奪回した後でそれを維持できるのか?」

剛田「そうだ。そこが問題だ」

剛田「幸い、深海棲艦は旧施設の破壊までは行わず、離島に住んでいる人間も四半世紀近くになるが無事であることが確認されている」

剛田「つまり、やつらは軍艦らしく海上封鎖しかできない能無し――――――だから、陸軍はいつの世も必要なわけよ」

剛田「だが、【陸上型ボス級深海棲艦】ばかりはそうはいかないらしい……」

金本「やつらが【陸上型ボス級】を中心に旧施設の港を占拠していることが段々とわかってきたな」

剛田「だが一方で、やつらが施設を利用した具体的な形跡なんてほとんどなかった」

剛田「やつらは戦略こそできないが、本能的に軍事物を手当たり次第 攻撃する衝動と圧倒的な兵力があるからこそ、」

剛田「これまで制圧した諸島は防衛リスクを鑑みてすぐに放棄されてきたわけだ…………『奪回するだけの価値がない』と」

金本「実際に国際紛争になってないのも、深海棲艦による海上封鎖があるおかげでもあるからな」

金本「旧大戦での海軍の手に余りすぎる防衛圏を鑑みれば、むしろ交易路の要諦だけ抑えてその他は取り戻さないほうが経済的ですらある」

剛田「そうだ。少なくとも北方AL諸島を取り戻すのは非常に無駄だが、東南の交易路を確保すること自体は有意義だ」

金本「陸軍の常駐を許すかな?」

剛田「さあな? 艦娘とかいう超兵器を連れ回している海軍を歓待している連中からすればあまりおもしろくないだろうな」

剛田「とにもかくもだ。実際に鎮守府がボス級の編隊に襲われるようになったんだ。防衛設備の拡張が必要だろう?」

剛田「陸軍としては、どこかの離島に上陸してそこに要塞を築くという大規模演習を計画中ではある」

剛田「いや これは、――――――『大本営としては』か」

大泊「!」

大泊「離島に艦隊を集結させてそこで深海棲艦の大群を引き寄せて迎え撃つ――――――!」

金本「これまでの大規模作戦は敵陣深くに突っ込ませる千里行――――――今度は逆にそれを深海棲艦に強いる一大反攻作戦ということか」

剛田「そうだ。そのための【陸上機】や【対空砲】なんかも着々と準備されつつある」

剛田「この前の各地の強豪鎮守府が侵攻してきた深海棲艦の艦隊を迎撃した内容や作戦を踏まえて行われるぞ」


剛田「おそらくは、資源王のお前がこの戦いの鍵を握るやもしれんな」


金本「……ほう?」

剛田「他にはない【特務艦】や圧倒的練度の精鋭艦隊をいくつも擁している」

剛田「『司令部』が擁している精鋭提督の中ではあの石田提督をも凌ぐ圧倒的な戦闘実績のお前がこの作戦の総司令官に選ばれるのではないかと思う」

大泊「…………司令官」


金本「それで? 資源王の俺から大切な資源を徴収して何もないわけ?」

剛田「大本営も『それ相応の位を与える』と言っているようだな。――――――まあ『船舶司令部からの情報によると』だが」

金本「俺はね? もう好き勝手にやるのには十分な地位も名誉も財産もあるの。そんな俺をどうやって満足させるつもりなんだ?」

金本「俺とお前とで“現代の東郷平八郎と乃木希典”と並び称されるようになるんなら大歓迎なんだがな」

剛田「知るかよ。それに至るには戦後になってからの評価に従うしかない」

剛田「とにかく、お前は総司令官として防衛部隊の総指揮の訓練をしておけ」

剛田「厳しい戦いになるはずだ。装備や練度、資源の向上を今から始めておけ」

金本「わかったぜ」

金本「ちなみに防衛期間はどれくらいになる予定なんだ? まさか『鎮守府には一生帰るな』ってわけじゃないだろうな?」

剛田「さあな? 防衛拠点となる離島付近の深海棲艦を一掃した後に陸軍が仮拠点を築いて一通りの設備と迎撃態勢を整えるんだ」

剛田「かなり試験的なものだ。1つ1つの離島をいつでも軍事拠点に変えられるようにする土台作りも含まれているからな」

剛田「本格的に防衛拠点として機能したのを確認した後は、そのノウハウを吸収して拠点放棄まで実践するつもりだから、家には帰れるから安心しろ」

金本「大変有意義な陸軍の大規模演習だこと……」

剛田「まあ、少なくとも陸軍の威信が掛かった一大反攻作戦だ。計画立案は慎重に進められてるよ」

剛田「特に、大本営にも影響力がある資源王のお前を総司令官に指名するつもりらしいんだからな」

剛田「これが成功すれば、陸軍船舶司令部の【○二】は晴れて制式採用となるわけだ」

剛田「お前の【○四】はせいぜい緊急脱出用パワードスーツとして母艦の倉庫でホコリを被せておけばいい」

金本「ちぇっ」プルルル・・・

金本「ん?」ガチャ


――――――
榛名「提督! おはようございます! 榛名です」
――――――

金本「ああ。おはよう。まだ勤務時間じゃないはずだが」

――――――
榛名「提督は今、隣の御殿ですか?」
――――――

金本「ああ。今、非常に高度で重要な任務に就くかもしれないという情報を得た」

金本「榛名、これからしばらくは鎮守府で艦隊の増強に精を出さなければならないらしい」

金本「今日はその節でこれから顔馴染みになるだろう陸軍将校をお招きする」

金本「歓待と俺の朝食の準備をしてくれ」

剛田「お! いいのか?」

――――――
榛名「わかりました、提督! 榛名、お待ちしています!」
――――――

金本「ああ。それじゃ行こうか」ピッ

金本「速吸の飯にも飽きただろう? たまには海軍食堂の間宮の飯もいいもんだぜ(速吸の仕事はもっぱらカレーパンを作ることとなりつつあったな)」

剛田「ではでは、ごちそうになりますか(そんなもんだから、速吸もそれに嫌気が差して違うパンを作るようになったんだっけな)」

剛田「お前の艦隊が主力になるんだろうからここで陸軍との信頼関係を築いておかないとな」

金本「そうだな。――――――大泊も来い。それで金本邸の全員を鎮守府にお招きしろ」

大泊「わかったぞ、司令官!」ビシッ

金本「さて、陸軍・海軍の連合作戦――――――」

剛田「――――――陸海合作は果たしてどこまでの成果を出してくれるのやら」

金本「勝ちに行くぞ!」

剛田「ああ!」


――――――全ては皇国の明日のために!


――――――第6話Y-2 提督、出撃す     -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫- 激闘編 完

     NEXT:第7話Y 一大反攻作戦第一号・序章    -離島要塞化計画-  に続く!



陣営紹介y:船舶司令部
剛田将校
金本提督とは同郷であり、陸軍において海軍の金本提督と似たような状況に置かれており、秘密任務に就いてその都合でガイノイドを侍らせている。
陸軍の代表として、これまで何もできずに憲兵としてしか役目がない現状を打開すべく、
金本提督の野心と提案に乗っかり、その財力と人脈を利用して陸軍の活躍の場を拡げようと画策している。
しかし、金本提督が相手だったからなのか、それとも同郷のよしみからなのか、
極めて冷静にこれから開発運用しようとしているものの影響力を金本提督に鋭く指摘しており、
また、仲が悪い陸軍と海軍の垣根を超えた信愛の精神を見せており、金本提督のブレーキ役・相談役として陸軍とを繋ぐ役に落ち着く。

さすがは金本提督とタメを張れる男であり、やはり例によって女好きであり、深海棲艦に対しても臆することなく猥褻行為するだけの度胸と実力を持つ。
しかし、それでも深海棲艦を徹底的に化け物として容赦なく鉄槌を下す非情さがあり、将来起こるであろう陸の上の悪魔たちとの戦いを見据えている。
金本提督が戦術家として1つ完成しているのに対し、陸軍は長年 軍事力を失って実働経験に乏しい上に船舶司令部は特に窓際部署だったのだが、
それだけ落ち着いて研究に取り組む時間がとれていたので、彼の場合は戦略・戦史家として優れており、一応は海軍の提督の代行ができるぐらいの知識がある。
ただし、実戦経験が乏しい上に世界初のことに挑まされている若き将校なので、気負って戦闘・戦術面ではやはり先走ったやり方が出てしまう。
それ故に、実戦慣れや戦争行為への嫌悪感や忌避感を克服するために実は性能比較用に別に造った海軍の【○四】を使って平時の出撃を重ねており、
だからこそ、【○二】の必要性と【○四】の不自然さに気づき、金本提督には提督業に専念するように忠告している。
あくまでも倒しやすい【陸上型深海棲艦】だけを標的にし、揚陸作戦の補助戦力として海上陸戦機動歩兵を運用するべきというのが彼の結論。
それ故に、戦略面では思慮深い剛田が金本を諌め、戦術面では場馴れしている金本が剛田を諌めるという釣り合いがとれた関係となっている。

物語の演出上わかりづらいが、システム上では彼も実際に陸軍から【派遣】されている扱いであり、NPCのような存在である。
また、自分好みで使う艦娘を厳選している金本提督とは対照的に、金本提督があまり重用しない艦娘への心配りを行う受け皿のような存在となっており、
不思議なことに陸軍船舶司令部の彼が金本提督の軍団を縁の下からまとめることになり、提督代行や現場指揮官も普通に任せられるぐらいに信頼されている。


砕氷艦:大泊
剛田の発案で結果的に招かれた【特務建造妖精】の手によって【建造】された【特務艦】の1人。
好きな色は白、嫌いな色は赤。彼女の白手袋が真っ赤に染まる時、愛と怒りと哀しみの鉄拳が下される。
極寒の海で活動するので身体を温める必要があるのでロシア人のように酒には滅法強く、身体を常にポカポカさせることに余念がない。

陸軍の剛田とは非常に気が合う関係であり、普段は鎮守府ではなく金本邸【秘密工廠】で【○二】の改良・運用の訓練相手を務めている。

戦闘力は明石にすら劣るのだが、【ラムアタック】による固定ダメージと【一撃必殺の氷山】をぶつけられるという超ロマンキャラとなっている。
また、サポート面も【測量艦】の能力があるので非常に優秀で、燃費も最高なので周回要員としても使える。


標的艦:大浜
砕氷艦:大泊と同じく【特務建造妖精】の手によって【建造】された【特務艦】の1人。
【標的艦】と【駆逐艦】の特性を併せ持った最強クラスの防御性能を誇る艦娘であり、砕氷艦:大泊とは盾と矛のような能力評価がなされる。
元々が【標的艦】なので自分の運命を受け容れて自己主張が弱いところがあるが、逆に自分への執着心がないので他者に対しては極めて献身的。
その出自ゆえに、たいていの艦娘たちからは哀れみの目で見られている。

陸軍の剛田は【標的艦】としての生まれを受け容れてなお自分にできることをしている彼女の心意気に心を打たれ、
同じ皇国の戦士として同じ戦場に立つ同胞として心から敬意を持ち、対等の存在とみなしている。
実際には艦娘である大浜のほうが人間である彼よりもずっと強いのだが、彼女としても前線に出る必要がないはずの剛田のことを特に気に掛けている。


お銀とお輪
自転車をモチーフにしたガイノイドの双子。その脚力は水上を走れるトカゲのようにして俊敏だが、艦娘と比べると圧倒的に弱い。
それでも通常の陸戦装備をしながら自転車と同じ速さで行動できるので、普通に人間よりは遥かに強い。
しかし、ガイノイドとしての補正はあるものの、その分だけ息切れも早く、小回りや身軽さを活かした護衛や電撃作戦に向いている。

ガイノイドはいかにも人間の姿をしていても造られた感・メカメカしさが残っており、艦娘は完全に人間と同一の存在と言われるほどの違いがある。
しかし、【艦これ】に実際に登場させる意図はない。あくまでも海上陸戦機動歩兵の実在性に説得力を持たせるだけのバックグラウンドの存在である。
また、日本特有の擬人化文化と西洋の物質文明の対比を象徴させた存在であり、筆者としては西洋人に【艦これ】のような作品は作れないと思っている。


母艦妖精
【艦載艇】を運用するのに必要な母艦であり、十分な【開発投資】をして初めて開放される設備であり、残念ながら戦力には数えられない。
通常の母艦とは艦娘たちを輸送するための母艦であり、艦娘たちが出撃・回収・迎撃しやすいように強襲揚陸艦(ウェルドックと開放感のある甲板)となっている。
また、【出撃ドロップ】した、まるで【建造】したての艦娘を護送するための重要な拠点となっている。



次回、洞庭鎮守府より、

第6話X 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-

を投稿いたします。

これにより、第6話の全章の投稿が終わり、導入編が終わり、解説編へと移ります。
ここからどんどんオリジナル要素が目白押しとなっていきますので、一応 注意ください。


各話リスト:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】

第1話 ユウジョウカッコカリ
第2話 お守り
第3話 御旗と共に
第4話 愛の力
 ↓
第5話 艦娘、派遣します
 ↓
第6話X 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- ←次回の投稿

第6話Y 提督、出撃す      -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫- 
第6話Z 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-
第6話W 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために-
 |

 | 
 ↓
第7話 各章
 ↓
第8話:12月23日 -三笠公園にて-
 ↓
第?話 大本営の野望      -艦娘 対 超艦娘-
 ・
 ・(以下、内容が追加されるかも)
 ・
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-



第6話X-1 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- 邂逅編

――――――洞庭鎮守府


清原「【八八艦隊】――――――ともかくその旗艦となっている「天城」から【派遣】してもらうか」

清原「しかし、これはいったい――――――それにしても体感的に僚艦だった長門と陸奥がかなり弱かった印象があるな」

清原「榛名、【八八艦隊】の資料を探しておいてくれ。これは何かありそうだ」

榛名「わかりました、提督!」

清原「さて、まずは「天城」だけを【派遣】してもらって確認次第、順々に【派遣】してもらおう」

清原「――――――戦艦だけの艦隊を【駐留】させても物の役に立たないからな」メメタァ




x:天城’:Lv120「天城型巡洋戦艦1番艦:天城です。妹の赤城と加賀がお世話になっております。あ、そうなのですか、【この世界】の『私』は――――――」




清原「…………ああ」ジー

清原「(その出で立ちは、赤城と加賀を足して2で割ったようなものだった――――――いや、そうでもないか)」

清原「(赤城と対になるような加賀のとそっくりな青袴をしており、それ以外は本当に赤城と似通った姿である。濡れ烏の美しい長髪に白ニーソであった)」

清原「(この「天城」の特徴といえば、古代日本の巫女を想起させるような宝冠とどこか浮世離れしたような不思議な雰囲気に凛とした佇まいだろう)」

清原「(和装した戦艦というと巫女服風の金剛型であり、そういう意味ではよく似ている)」

清原「(――――――実際に天城型巡洋戦艦は金剛型巡洋戦艦の次級の扱いと資料にはある)」

清原「(ただ、金剛型の身形は巫女服風のハイカラなものであって【実際】の艦齢に反する若々しさに満ちていた)」

清原「(一方、「天城」は純然とした巫女服:千早といった印象で肌の露出もなく、無地でより落ち着きのある印象があった。ミニスカニーソだが)」

清原「(ただ、私の知る赤城と加賀とは違ってこちらの「天城」は戦艦なので弓道着ではなく、長門型を超える艤装を背負っている点で面食らった)」

清原「(それと、ケッコン指輪をしていないことから、【ユウジョウカッコカリ】のレベル上限に達しているようでもあった)」メメタァ


x:天城’「この度は【派遣】していただきありがとうございました。いろいろと混乱しているでしょうからじっくりとお話させていただきたいです」

清原「それではまずお訊ねします」

清原「あなたは大本営が新たに実装した新着艦なのでしょうか?」メメタァ

清原「確かワシントン海軍軍縮条約と関東大震災によって天城型巡洋戦艦は消滅したはずです」

清原「しかし、公式の発言で『超大和型戦艦の実装も考えている』とのことで【八八艦隊】の復活もあながちあり得なくない話だと思います」メメタァ

清原「そこのところはどうなんですか?」
                  ・ ・
x:天城’「よかった、あなたが提督で――――――」ホッ

清原「え」

x:天城’「いえ、私は大本営が新たに実装した――――――むぅ、何というのでしょうか? 『そう』といえばそうですし、『違う』といえば違うんです」

清原「簡潔かつ明瞭にお答えください」

x:天城’「わかりました」


x:天城’「私たちは大本営の密命を受けて、清原提督――――――あなたに接触しに来たのです」


清原「――――――『大本営の密命』?」ゴクリ

x:天城’「はい。ですから、私が【派遣】されたことにより、」

x:天城’「すでに目的は一応 達成されましたので、すでに【派遣】のリストから艦隊は消えているはずです」メメタァ

清原「え、ちょっと確認させてください」カタカタカタ・・・

清原「あ、本当だ……(ページ2にもページ3にも【八八艦隊】の存在が無くなってる……)」メメタァ

清原「わかりました。それで『密命』というのは?」


x:天城’「ある人に会ってもらいます」


清原「わかりました。その人から『密命』の内容を聞けばよいのですね?」

x:天城’「はい」

清原「では、いつ頃いらっしゃるのでしょうか? こちらとしても準備の必要があります」

x:天城’「お待ちください、提督」 ――――――目を瞑る。

x:天城’「………………」

清原「えと……?(何だ? 神に祈りを捧げるかのように唐突に手を組んで目を瞑ったぞ…………見た目通りの巫女だと言うのか?)」

x:天城’「!」ビクッ

x:天城’「あの子ったら、どうしてもう鎮守府の中に――――――!?」

清原「え」

x:天城’「本当にすみません、提督――――――あ、提督にお会いしていただきたかった方はすでに鎮守府内をブラブラしています!」

清原「そ、そうですか……(何だこれは? 本当に『大本営の密命』で来ているのか? ――――――もう少し様子を見るか)」

x:天城’「本当にすみません! あの子ったら、赤城と加賀と土佐の3名を連れて勝手に鎮守府を見物しています!」

清原「そう、『赤城と加賀と土佐の3名を連れて』――――――(あ、私が「天城」に続いて【派遣】してもらおうと思った艦娘だな)」


清原「大丈夫なんですか? 『大本営の密命』なんですよね? 鎮守府の観光に来たわけじゃ――――――」

清原「それとも、新着艦のお披露目と我が鎮守府の視察も兼ねているというわけですか?」

x:天城’「…………概ね合っています。“あの子”は提督と鳳翔夫人に会いに来たのですから」

清原「え? 提督の私だけじゃなく妻にもですか?(んん? ちょっと待てよ? さっきから『天城』は『あの子』『あの子』と――――――)」

x:天城’「はい」

清原「あの……、いろいろとお訊きしたいのはやまやまなのですが、」

清原「引き会わせたいというのはあなたのところの提督なのですよね? ――――――艦娘を引き連れているということは」

清原「その提督の所属と階級と年齢を訊かせてもらえませんか?」


x:天城’「横須賀鎮守府所属、階級は少将、年齢は16になります」


清原「ああ?」ジー

x:天城’「どうなさいました――――――あ! そうだった! もうあの子ったら!」

清原「いったいどこのドラ息子なんだ、それは!」

清原「確かに【艦隊これくしょん】は開発の角川ゲームスがメディアミックス戦略で売り込んでいて、」メメタァ

清原「来年にはアニメも放映されて一般への認知が更に拡がりますけど、」メメタァ

清原「【艦隊これくしょん】はDMM.comオンラインゲーム規約で『18歳未満不可』でしょうがあああああああ!」メメタァ

清原「そんな中学を卒業して高校に入ったばかりのような子が提督になれただと!? 仕事しろ、規制しろっ!」メメタァ

清原「そして、そんなあなたのところの提督はいきなり少将というわけですから、余程 海軍に影響力を持ったどなたかの御曹司のようですな?」ジロッ

x:天城’「………………はい」

清原「――――――『それが私と鳳翔に会いに来た』だと? きっとろくでもない理由に違いないな」

清原「ハッ」

清原「『大本営の密命』――――――そうか。大本営に顔を出せるような誰かの差金だな。私にドラ息子の養育を任せる気か?」

x:天城’「それは、その――――――(言っていることは全てその通りでもあり、そうでもないのです、提督)」アセタラー

x:天城’「落ち着いてよく聞いてください!(これはもう逸早く引き会わせて納得していただかないとどんどん悪い方向に流れる……!)」


x:天城’「これは国家の一大事なのです!」ガンッ! 


清原「…………!」ビクッ

x:天城’「聴いていただけますか?(――――――いくら【ここ】に来れたのが本当に嬉しいからって、それはあまりにも幼すぎます!)」ググッ

清原「…………わかった。話を聞こうじゃないか(何だこの迫力は!? 艦娘が提督に向かって恐喝まがいなことまで――――――)」アセタラー


x:天城’「それと提督、今日1日は臨戦態勢を整えておいてください。出来る限り多くの艦娘に実戦装備をさせておいてください」

清原「…………なに?(何だこいつは? 艦娘の立場で越権行為までするのか……!?)」

x:天城’「大本営からの密命の1つです。すぐに部隊を出撃できるようにしておいてください」

清原「待て、それはできかねる。本当にそれが『大本営からの密命』なのか疑わしい」

x:天城’「結論から申し上げますと、近くの鎮守府を壊滅させてきたボス級深海棲艦率いる空母機動部隊の2個艦隊が接近中です」

清原「なに!?(まさか、趣里鎮守府が最初で、その後はあちこちの鎮守府が襲われ――――――、)」アセタラー

清原「(他には同じ『司令部』の拓自鎮守府でもあったという深海棲艦の鎮守府襲撃のことか!?)」

x:天城’「ですから、迅速な対応をお願いします」

清原「…………なるほど(どこまで真実かはわからないが警戒しておくに越したことはないだろう)」ガチャ

清原「――――――榛名(そうだ。その時のための手引書を朗利提督からいただいていたんだ。どこにしまってたかな……)」

清原「――――――周辺の鎮守府と連絡をとってくれないか? 深海棲艦に動きがないかをな」

清原「――――――頼む。情報によれば空母機動部隊の2個艦隊だそうだ。それに備えた装備換装と編成を指示して回ってくれ」

清原「――――――ああ。私もおかしいと思っているが前例がある以上は警戒してし過ぎることはない」

清原「――――――ではな」ガチャリ

x:天城’「提督、総員第1種戦闘配置にしないと鎮守府が壊滅的な被害を受けますよ」

清原「すまないが、信用できない。いろいろおかしな点がありすぎてな」

清原「目的がわからないし、状況も掴めない」

清原「いったい何をしに来たというのだ、あなたは……」

清原「それに、艦娘としてもあなたはあまりにも異質すぎる。どこか艦娘としておかしい」

清原「本当は艦娘を騙っている大本営からの人間スパイかなんじゃないのか? はっきりとはわからないけど」

清原「そう――――――、」


――――――あまりにも人間的すぎる!


x:天城’「そうでしょうか? 艦娘でも仕込み次第で密命を帯びてこうして接触して鎮守府の司令官に命令することなど可能のように思えますが」

清原「なら、横須賀鎮守府所属の16歳の少将というのは何者なんだ?」

x:天城’「それは…………」

清原「そこだ。そこだよ!」ビシッ!

清原「どうしてそこで言葉に詰まるんだ? 自分の提督について、絶対服従の因子が組み込まれた艦娘ならすらすら答えられるはずだ」

清原「それに、あなたは自分の提督のことを『あの子』『あの子』と呼んで、まるで本当の――――――」

x:天城’「…………わかりました」

x:天城’「時間が圧しています。なるべく手短に話しますが、これから話すことは全て事実です」

x:天城’「まずはその証をご覧に入れましょう、提督」

清原「いいだろう……(そして、私のことを『提督』と呼んで毅然としているはずの目の前の女性の目はどこか――――――、)」


――――――どこか愛しい人を見つめる妻のものと重なって見えた。











x:天城’「提督? 昨日か一昨日、原因不明の停電があったはずです。それによって鎮守府の機能が麻痺したのではありませんか?」

清原「…………!」

清原「どうしてそれを知っている‥…?」

x:天城’「それと、落雷のような衝撃が鎮守府かその近辺にあったはずです――――――」


――――――『天城』が【派遣】された頃、


ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー!

少年「へえ、【昔】はこんなにも個性豊かな艦娘が居たんだ」キョロキョロ

x:赤城「そうですね。さすがは“護国の英雄”清原提督の鎮守府です。見たこともない艦娘がたくさんいます」

x:加賀「もう間もなくその“英雄”との邂逅なんですね。さすがに気分が高揚します」

x:土佐「そういえば、天城さんはもう清原提督と会ってるんだよね?」

少年「そうそう。天城がうまく引き合わせてくれるはずだよ」


――――――楽しみだな。


少年「でも、何か違うんだよな…………」

x:赤城「……やはり、提督もそう感じておられましたか」

少年「うん。何か【昔】のほうが発達している気がするんだよね…………おかしいな。どうして【昔】の鎮守府のほうがいいところのように思えるんだ?」

少年「いや、それはまあいいんだ」

少年「けど、土佐に向かって『加賀さん』って言い間違える娘がやたら多くないか?」

x:土佐「そうだねー。加賀姉さんと間違えられるのは悪い気はしないけど、どうしてなんだろうね?」

少年「【この時代の艦これ】と【オレの時代の艦これ】の間でデザインの差し替えとかあったのかな?」メメタァ

x:加賀「考えたくないですが、【私たちの時代】に移るまでに何らかの不祥事が起きて差し替えが已む無しになったとか?」メメタァ

少年「それも可能性としてはあるのか? 全てが全て“災害”のせいだとは言い切れないからな」

x:土佐「ええー!? それじゃ、ここにいる加賀姉さんのデザインはオリジナルじゃないってことぉ!?」メメタァ

x:加賀「大丈夫よ、土佐。【昔】がどうであろうと私の提督は提督だけですし、私の妹は土佐だけ。赤城さんともずっと一緒です」

x:土佐「加賀姉さん、ありがとう!」ウルウル

x:赤城「となると、一番早い解決策は【この時代】の私たちと会ってみることでしょうか?」

少年「そうなるか。とりあえず、あそこの艦娘に訊いてみるか」

少年「すみません!」


翔鶴「え? あ、提督――――――あれ? あれれ?(提督が小さくなっちゃった!? しかも、――――――可愛い)」キュン


少年「あの……、天城型巡洋戦艦と加賀型戦艦の人って普段はどこに居るんでしょうか?」キラキラ(少年の純情あふれるつぶらな瞳!)

翔鶴「え? ――――――『天城型巡洋戦艦』と『加賀型戦艦』ですか?(え、初めて聞いた艦型だけれど、『加賀型』ってことは加賀さんのこと?)」

翔鶴「すみません。加賀さんは今 入渠中なんです」

少年「そうなんですか。それじゃ、土佐さんは知りませんか?」

翔鶴「――――――『土佐』さんですか? すみません、この鎮守府には在籍してません」

少年「………………あぁ」

翔鶴「えと、…………清原提督ですよね?」ドクンドクン
                     ・ ・
少年「ああ はい。――――――旧姓ですけどね」

翔鶴「え?(あ、……驚いた。そう、そうよね。背丈も違うし、提督に似ているだけの――――――え)」ドクンドクン



翔鶴「えと……、あなたは清原提督のご家族や親戚の方なんでしょうか?」ドクンドクン

少年「はい。その通りです」ニッコリ

翔鶴「あ、そうだったんですか! ようこそ、おいでくださいました!(ど、どうしよう? 何だかドキドキしてきたんだけど……)」ドキドキ

少年「はい。ご丁寧にありがとうございます(さすがだな、やっぱり。しっかりと礼儀がなってるよ)」ニコニコ

少年「それで、あなたの名前は――――――あ」

少年「私は旧姓は『清原』ですけれど、今は『龍翔』という苗字です。横須賀鎮守府から来ました。お邪魔します」キラキラ

翔鶴「はい。龍翔提督ですね。何だか空母みたいな苗字ですね」ニッコリ

少年「そりゃあもう母さんは――――――」

翔鶴「私は翔鶴と言います。よろしくお願いします」


少年/龍翔「え、『翔鶴』だって!?」


翔鶴「え、ええ? どうしたんですか、龍翔提督?」ハラハラ

龍翔「えと、――――――お、落ち着け。落ち着くんだ、オレ」ブツブツ
          ・ ・ ・ ・ ・ ・
龍翔「(そうか。翔鶴おばさんも【昔】はこんな姿だったのか。本当に女の子らしい姿だったんだ。そう思うとどことなく雰囲気が似てるな)」

龍翔「ふぅん」

翔鶴「えと……、あ、そろそろ時間が――――――行っていいでしょうか? 艦載機の訓練をしないといけませんので」

龍翔「あ、ちょっと」

翔鶴「?」

龍翔「訓練風景を見せてもらえないかな?(――――――何ていうか、若いころのおばさんと出会うっていうのも因果だなぁ)」モジモジ

翔鶴「あ、――――――はい!(――――――可愛い)」ニッコリ



翔鶴「♪」

瑞鶴「翔鶴姉? 何か張り切ってるね」

翔鶴「そう?」キラキラ

瑞鶴「あれ? 今日は珍しく見物人が集まってるのね」

瑞鶴「ん」

――――――
龍翔「――――――」

x:赤城「――――――」

x:加賀「――――――」

x:土佐「――――――」
――――――

瑞鶴「どういうことかしら? わざわざ一航戦の連中が私たちの訓練を見に来るだなんて――――――嫌味かしら?」

瑞鶴「でも、提督といい、一航戦も何か違和感が――――――」

翔鶴「瑞鶴。私たちの全力をおもいっきり見せつけてやりましょう」ニッコリ

瑞鶴「う、うん(あれ? 本当にどうしたんだろう、翔鶴姉? 物凄く良い笑顔なんだけど)」

瑞鶴「でも、翔鶴姉の言う通りだ! そろそろ一航戦の連中に見せてやるわ! 私たちの本気ってやつを!」

――――――
龍翔「でかくね? あの飛行甲板でかくね? 偵察や対潜にしか使わないような航空機をあんなに積んで何をする気なんだろう?」

x:赤城「本当ですね。あれだけの数の航空機を何に使うんでしょうか? 潜水艦を撃沈するにはずいぶんと数が多いですね」

x:加賀「何が始まるのか楽しみです」ドキドキ

x:土佐「【昔】の翔鶴さんってもしかして相当強かったんじゃ……」


龍翔「お、始まったようだぞ――――――って、やっぱ数が多い!(10,20,30,40…………)」カチカチカチカチ・・・・・・

x:赤城「こ、これは凄い数ですね……」

x:加賀「そういえば、土佐のことを翔鶴さんと一緒の子が睨んでいたような…………」

x:土佐「あ、明らかに【昔】の方が強いですよ、翔鶴さん!」


龍翔「おお! かっこいい! え、何々?! 水上の標的に対してあんな正確に大量の爆撃が行えるものなのか!?」ドキドキ

x:赤城「凄い……、さすがは“護国の英雄”が擁している艦娘! 航空機を大量導入して標的を瞬く間に制圧するなんて」

x:加賀「…………確かに凄いけれど腑に落ちないことがありますね」

x:土佐「どうして清原提督の戦術が広まらなかったんだろう? それに、そんな戦術をしただなんて話 聞いたことないし……」

龍翔「そんなことどうでもいいじゃないか! なら、オレたちが広めればいいんだよ!」

龍翔「そうか。艦載機をたくさん積んで――――――織田信長がやった長篠の戦いと同じやり方だな!」

龍翔「それに、翔鶴おばさんの若い頃の全力ってやつは目に焼き付けた! 帰ったらビシバシ指導してもらおう!」

龍翔「さ、終わったようだし、拍手拍手! やっぱり“護国の英雄”は格が違った!」キラキラ

パチパチパチ・・・
――――――

瑞鶴「え、え? え?」

瑞鶴「は、拍手? ―――――― あの一航戦の赤城と加賀が? ――――――認めてくれたってことなの?」ドキドキ

翔鶴「やりましたよ、みなさん」ニコニコ

瑞鶴「やったー!」ニッコリ



龍翔「いやぁ、本当に凄かった! さすがは清原提督の艦娘だよ! かっこよかった!」キラキラ

翔鶴「ありがとうございます、龍翔提督」ニッコリ

瑞鶴「えと、こちらの方は? あ、もしかしてよその鎮守府の方たちだったんですか?(…………なんだガッカリ)」

翔鶴「そうよ、瑞鶴。こちらの方は龍翔提督で提督の親戚の方だそうです」

龍翔「横須賀鎮守府付きの龍翔です。今日は凄いものを見せてもらいました」ニッコリ

瑞鶴「あ、これはこれは――――――、初めまして、瑞鶴といいます!(え、何だろう?! 本当に提督が幼くなった感じで――――――)」ドキッ

龍翔「――――――『瑞鶴』?(え? ああ そっか。翔鶴おばさんがこれだけ強いんだもんな、そりゃあそれに肖った名付けにもなるのか?)」

瑞鶴「あ、はい。翔鶴姉の妹で五航戦です」ドキドキ

龍翔「――――――ご、『五航戦』? それは凄いですねえ!」ゴクリ
                        ・ ・ ・ ・ ・
龍翔「(まさか航空戦力主体の艦隊を鎮守府独自に5つ以上も設けていただなんて…………恐るべし、“護国の英雄”!)」

瑞鶴「い、いえ、それほどでも…………(こ、こんなに感激してもらえただなんて初めて…………なんか照れくさいな)」テレテレ

x:赤城「本当に凄いですねぇ。尊敬します」

x:加賀「さすがに気分が高揚しました」

x:土佐「本当ですよ! かっこよかったです!」

瑞鶴「え? ――――――加賀…さん?(あれ? こんな人たちだったっけ……? なんかこの鎮守府の一航戦のキャラがわからなくなってきた……)」

x:土佐「あの……、加賀姉さんはこっちですよ? 私は妹の土佐です」(右サイドテール)

x:加賀「また間違えられました……」ズーン(ポニーテール)

瑞鶴「え? あぁれ? ええと、――――――なんかごめんなさい!」

x:赤城「なぜだか【ここ】では加賀さんは妹の土佐さんに間違えられるんですよ。【ここ】の加賀さんってどんな人なんでしょうね?」

x:土佐「さあ? もしかして私と同じようにサイドテールしてるとかじゃないの?」

x:加賀「え? どうして私がサイドテールなんか…………」

x:土佐「あ、今『サイドテールがダサい』って思ったでしょう、加賀姉さん!」ムスー


x:艦娘たち「――――――!」ギャーギャーワーワーガヤガヤ





瑞鶴「…………どういうことなの、翔鶴姉? 何かずいぶん龍翔提督のところの一航戦は優しいというか、何か違うよね」ヒソヒソ

瑞鶴「だって、赤城はまあ胸当てとかしてないだけなんだけど、」ヒソヒソ

瑞鶴「加賀なんて土佐って子のほうが私たちの知ってる加賀に近い感じじゃない、見た目だけなら」ヒソヒソ

瑞鶴「(でも、よく見れば土佐は【こっち】の加賀とは違ってサイドテールを右にしてるし、鮮やかな赤の加賀友禅を着込んで根も明るい感じ)」

瑞鶴「(一方で、確かにこの加賀は着ている淡い青の加賀友禅のように土佐と比べると印象が薄い感じがするけれど『やっぱり加賀だな』って思えた)」

翔鶴「さあ? そのことはよくわからないけれど、そんなこといいじゃない」ヒソヒソ


翔鶴「――――――『素敵な出会い』ってことで」ニッコリ


瑞鶴「あ、うん」ニッコリ

龍翔「いやぁ、本当に良かったよ! 来てよかった。良い土産話になるよ」ニコニコ

翔鶴「ありがとうございます、龍翔提督」ポッ

瑞鶴「何ていうか、【こっち】の赤城や加賀もあなたたちのようにもっと気さくな人たちだったら良かった……」

x:赤城「え? 違うんですか、そんなに?」

瑞鶴「うん。赤城さんはあんまり変わってないけど、加賀なんて五航戦のことを自分たち一航戦より格下だと完全に思ってるんだよね」

瑞鶴「だから、目を合わせるだけで互いに気を悪くするのよ……」ハア

x:土佐「え? あんなにも凄い空中芸なのに更にその上をいってるんですか!?」

x:加賀「なんかごめんなさい…………同じ加賀として申し訳なく思います」ズーン

瑞鶴「あ、いやいや! それはこちらの事情であって……」

瑞鶴「あのっ――――――ごめんなさい! 悪気は無かったんです(…………なんかやりづらい! やっぱり私って加賀と相性 悪いのかな?)」

瑞鶴「そ、それに、一航戦は確かに力量としては後れて出来た五航戦よりも素晴らしい戦果を上げてましたし、今でもこの鎮守府の要なんです」

瑞鶴「だから、格下だと思われるのは私自身もしかたないなーって思うところもありましてね?」アセアセ

x:加賀「……そうだったんですか。だから あんなにも喜んでいたんですね」

x:加賀「ごめんなさい。私たちにはあなたたちがしたようなことは一切できないの」

x:加賀「なんだか糠喜びさせてしまったみたいで本当にごめんなさい」ズーン

瑞鶴「そ、そんなことないですよ! あんなにも感激してもらえたのは本当に…………確かにちょっとガッカリしたところはあってもだよ!」アセアセ

x:土佐「まあまあ、加賀姉さん。そういうのはここまでにして、ね?」

x:土佐「ごめんね。加賀姉さんは本当に思いやりのある人なんだけど、一度思いつめたらずっと引きずっちゃうから許してあげて」ニコッ

瑞鶴「あ、はい(どうしよう、何か完全に【こっち】の加賀のことなんて記憶から追放したい勢いなんだけど……)」アハハ・・・


龍翔「これから時間あるかな? 今、私のところの艦娘が清原提督に会ってる頃だから迎えが来るまで暇なんだ」

龍翔「どうかな? 無理ならば時間を潰せそうなところを教えてくれると助かるんだけど」

翔鶴「わかりました。ぜひとも案内させてください」ニッコリ

龍翔「そうか。助かるよ、翔鶴おば――――――翔鶴おねえさん(あ、危ない危ない! 危うく言いかけてしまった! 気をつけないとな)」ニッコリ

翔鶴「あ」ポッ

翔鶴「も、もう一度 言ってくれませんか――――――」モジモジ

龍翔「え? どうしたんですか、翔鶴 お ねえさん?(癖は癖だからなぁ。それに無意識に重ねちゃうようになったから余計に気をつけないと!)」

翔鶴「私が提督のおねえさん――――――、ふふふ」ニコニコ

瑞鶴「…………龍翔提督か」

瑞鶴「(提督をそのまま歳相応に幼くしたって感じだけど、それ以上に凄く感じのいい人じゃない!)」ドキドキ

瑞鶴「(それに、龍翔提督のところの一航戦の人たちとは本当に仲良くやれそうだな――――――よし!)」ワクワク

瑞鶴「あ、待ってよ! 私も一緒に案内してあげるんだからー!」タッタッタッタッタ・・・・・・



――――――1,大和:世界最大級の戦艦に挨拶


大和「あら、一航戦の方と五航戦の方が一緒だなんて珍しい……」

翔鶴「こんにちは。今日は横須賀鎮守府からのお客さんを案内しているところなんです」

瑞鶴「こちらの方は、我が鎮守府が誇る決戦兵器:大和型戦艦1番艦の大和さんです!」

龍翔「あ、清原提督との【演習】で旗艦を務めてた人だ!」

龍翔「初めまして、横須賀鎮守府付きの龍翔です!」キラキラ

大和「あ」キュン

龍翔「覚えてませんか? 今日の【演習】で対戦させていただいた艦隊の者です」

x:赤城「驚きました。まさか十三号巡洋戦艦の発展型まで擁しているだなんて……。私は赤城です。どうかよろしくお願いします」

x:加賀「加賀です。どうかこれからも【演習】でご教授していただけると助かります」

x:土佐「加賀姉さんの妹の土佐でーす! 本当に大きいですねぇ! 艤装も胸も…………」ジー

大和「…………あ、あなたたちだったんですか」

大和「そうですか。大本営付きの新着艦だったんですね」

大和「そ、それで、――――――龍翔提督でしたか? この大和に何かお訊ねしたいことはありませんか? 何でもいいですよ」モジモジ

瑞鶴「あれ、何だろう? 何だか様子が変な気が……」

翔鶴「………………」ニコニコー

龍翔「う~ん、私も来たばかりで不勉強だったり不案内だったりでわからないことだらけで何から質問すれば良いのかわかってないのですが、」

龍翔「これから何度も顔を合わせることになると思いますので、今日は挨拶回りと言うことで今後ともよろしくお願いします!」キラキラ

大和「は、はぅうう…………」モジモジ

瑞鶴「えと、大和さん?」

翔鶴「どうなさいました?」ニコニコー

大和「ハッ」

大和「い、いえ! 大和は大丈夫です。それでは龍翔提督のことをよろしくお願いします」

瑞鶴「任せてください」

翔鶴「それでは、私たちはこれで」

スタスタ・・・・・・

大和「やっぱり見間違えじゃなかった…………」

大和「それにもしかして、龍翔提督は私たちの提督の、――――――弟? それとも甥っ子さんなのでしょうか?」

大和「ともかく、本当に眼がキラキラしてました(――――――思わず、見惚れてしまう程の)」ドキドキ

大和「いいなぁ――――――そうだ、今夜はこの大和ホテルの逸品料理にてもてなすことにいたしましょう!」ワクワク



――――――2,長門’:ビッグ7に挨拶


Z:長門’「む、新顔か? 私の代わりに新たに【派遣】されてきた艦娘か?」

x:土佐「あ、長門だ。おーい」

Z:長門’「何だ、この加賀の馴れ馴れしい反応は――――――おっ!?」ガタッ

瑞鶴「こちらの長門さんは拓自鎮守府の朗利提督のところから【派遣】されてます」

翔鶴「ウィークリー契約でしたから、もう間もなくお帰りになられますね」

龍翔「え、――――――『朗利提督』!? 朗利提督だって!?」

x:赤城「そ、それはまた偉大な方のところの艦娘とお会いできましたね……」

x:加賀「さすがは清原提督です」

龍翔「あれ? どうしました?」

Z:長門’「………………」ジー

瑞鶴「長門さん?(あれ? 何かデジャヴが――――――)」

Z:長門’「ゴホン」

Z:長門’「き、きみ! な、名前は何と言うのだね?」ドキドキ

龍翔「横須賀鎮守府付きの龍翔提督です」キラキラ

翔鶴「この方は清原提督の親戚縁者だそうですよ」

Z:長門’「そ、そうか。道理でよく似ている――――――が」ジュルリ

龍翔「なんかかっこいい! 自信に満ち溢れていてそれでいてとっても強そうだし!」キラキラ

Z:長門’「お、おお! わ、わかるのか、龍翔提督よ!」ドキドキ
          ・ ・ ・ ・
龍翔「凄い! あの長門でも提督次第でここまで凛々しくなるものなんだ! さすがは朗利提督だ!」

Z:長門’「と、当然だ! 私はビッグ7の一人なのだからな!(――――――『あの長門』だと!? まさか私の守備範囲がバレているのか!?)」アセタラー

x:赤城「本当ですよねぇ(――――――『ビッグ7』? 意味合いからして『7人の――――――何かしら? うっ、頭が…………)」

x:土佐「――――――『やつは我ら四天王の中でも最弱』って感じだったもんね」

Z:長門’「……え?」

龍翔「な、なんでもございません! それより長門さん――――――!」アセアセ

Z:長門’「な、何だ? 訊きたいことがあるのなら遠慮無く言ってみるといい!」ドキドキ

x:加賀「ちょっと土佐? よその鎮守府まで来て長門の悪口はダメですよ」ジトー

x:土佐「ご、ごめんなふぁい……」モガモガ

Z:長門’「(ああ なんということだ! 清原提督にはこんなにも可愛らしい弟君がいたのか! これは何としてでも契約延長を――――――)」ハアハア・・・

Z:長門’「(別にかまわんだろう? 私のオリジナルはちゃんと私の提督のところで駆逐艦たちを愛でているのだからな)」メメタァ

Z:長門’「(だが、――――――『あの長門』か。な、何にせよ、これからはちゃんと仕事しているところを見せておかないとな!)」

Z:長門’「うん? そういえば、加賀とその隣の――――――」

x:土佐「だから、私は加賀姉さんじゃありません! 土佐です!」

Z:長門’「そ、そうなのか。それはすまない(――――――『土佐』だと? いやまさかそんな馬鹿な)」


Z:長門’「気になっていたのだが、それが改二というやつなのか? 青袴じゃない加賀というのもずいぶんと久しい気がするのだが」

x:加賀「そうですか、長門さん? 私はずっと長門さんと同じ衣装にこの特注の淡い青の加賀友禅を羽織ってますよ」

Z:長門’「え」

x:加賀「ほら」ヌギッ

瑞鶴「ええ!? あの加賀さんがこんな露出度の高いへそ出しルックに脇出し!?(ど、どういうことなの、これぇ!?)」ドキッ

x:土佐「土佐もだよ! 加賀姉さんとお揃いの鮮やかな赤の加賀友禅を脱ぐと、ほら」ヌギッ

瑞鶴「えええ!?」ドクンドクン

翔鶴「ず、ずいぶんと私たちの知る加賀さんとは違いますねぇ……(あの加賀さんは絶対にこんなの着てくれないだろうなぁ……)」ドキドキ

龍翔「………………」

赤城「………………」


龍翔「なんか、ずいぶんとオレたちの知る世界とは掛け離れているような気がするんだが、赤城」ヒソヒソ

x:赤城「そうですねぇ。これこそ“失われた10年”の混乱のうちに技術の大半が失われてしまった弊害では?」ヒソヒソ

龍翔「!」

龍翔「そうか。やっぱり“失われた10年”で失われたものはあまりにも大きすぎたんだ…………」ヒソヒソ
                     ・ ・ ・ ・
龍翔「それが本当なら、ますますこの作戦を成功させないといけないな」ヒソヒソ

x:赤城「はい」ヒソヒソ

x:赤城「ところで、『ビッグ7』って何なんでしょうね?」ヒソヒソ

龍翔「さあ? それも【失われた当時】の標語か何かだったんじゃないかな? “護国の英雄”を筆頭とする海軍最大の司令官7人のこととか?」ヒソヒソ

x:赤城「なるほど! それなら確かに合点がいきます(しかし、なぜでしょう? なぜか物悲しい響きが『ビッグ7』に…………)」ヒソヒソ


x:加賀「もういいですか?」

翔鶴「ぬ、脱ぐと凄かったんですね、加賀さんって……(私もあれぐらい引き締まった身体になるよう精進しないと!)」ドキドキ

瑞鶴「さ、さすがは一航戦ね!(な、何だろう、この気持ち……? 脇とか臍とか見ていたらドキドキしてきちゃったんだけど……)」ドクンドクン

Z:長門’「………………まさかな」



――――――3,高雄:条約型巡洋艦に挨拶


高雄「こんにちは。高雄です。あなたが噂の龍翔提督ですか」

翔鶴「あ、こんにちは、高雄さん」

龍翔「…………」ジー

x:艦娘たち「…………」ジー

瑞鶴「あれ、どうしたのよ、龍翔提督? それに加賀さんたちも」

龍翔「ちょっとすみません。予定を確認したいので『ちょっと!』だけ待ってもらえませんか?」

翔鶴「あ、そうですね。それに立ち話もなんですし、落ち着ける場所にご案内しますね」

翔鶴「高雄さんもかまいませんよね?」

龍翔「いいんですか? ありがとうございます」

龍翔「それじゃ、高雄さんもご一緒してください。あなたのことも聞いてみたいので」

高雄「はい。かまいませんよ、龍翔提督」ニッコリ


龍翔「あれれ~? オレたちの知ってる高雄じゃなーい」ヒソヒソ

x:赤城「なんか小さくなりましたよね? その代わり、胸のところが強調されて――――――トランジスタグラマーですね」ヒソヒソ

x:加賀「赤城さんの妹で土佐と同じ場所で生まれたのにどうしてこんなにも違うんでしょうか?」ヒソヒソ

x:土佐「きっとあれだよ! “愛鷹さん”じゃない、名前がたまたま同じ高雄の人なんだよ、きっと!」ヒソヒソ

龍翔「それが一番妥当かな? とにもかくも、【この時代】についてわからないことが多すぎる」ヒソヒソ

龍翔「――――――“失われた10年間”で本当に文明が断絶したんだなって実感させられた」ヒソヒソ

龍翔「いやぁ、本当に図鑑に載ってない艦娘ばっかりで驚いたなぁ…………」ヒソヒソ

x:赤城「天城姉さんはまだなのでしょうか?」ヒソヒソ

x:加賀「何でも卒なくこなせる天城さんがここまで手間取るとは思えませんが……」ヒソヒソ
                                  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
x:土佐「じっと待っていたってしかたがないよ。これからここでお世話になるんだし、挨拶回りを早く終わらせようよ」ヒソヒソ

龍翔「そうだよね。そうしよう」ヒソヒソ




龍翔「お待たせしました。高雄さんのことについていろいろ教えてください」キラキラ

高雄「はい」ニッコリ

x:土佐「何だろう? やっぱり私、ちゃんと洞庭鎮守府に辿り着けたのかどうか不安になってきたんだけど……」ヒソヒソ

x:加賀「【ここ】が『そう』でないというのなら、【ここ】は何だと言うのですか?」ヒソヒソ

x:土佐「それはそうなんだけど、違和感がもう――――――(だって、明らかに高雄さんの表情がアレだよ……!)」ヒソヒソ

x:土佐「それに――――――(そう、翔鶴と瑞鶴といい、大和といい、反応がおかしかった! 物珍しそうに提督を見て――――――)」

x:赤城「お静かに」シー


龍翔「(――――――『高雄型4姉妹』だと!? いつの間に高雄がネームシップになって妹までできたのだ!?)」

x:赤城「(――――――『ジュウジュン』って何でしょうか? ――――――『従順』?)」

x:加賀「(――――――何やら艤装に機銃がたくさんついていますが、防空巡洋艦なのでしょうか? それにしては中途半端な主砲もついてますね)」

x:土佐「(何か違うよ、やっぱり! 【ここ】、本当に洞庭鎮守府なの? まるで【異世界】に迷い込んだかのような感じ――――――)」

高雄「どうしました?」ナデナデ

龍翔「い、いえ……(あれ? オレ、どうして撫でられているんだろう……)」テレテレ

高雄「カワイイ提督さんです。よしよし……」ニコニコ

x:土佐「やっぱりこんなのおかしいよ(おねショタ――――――というか、【ここ】の鎮守府は何か全体的に男に飢えてない!?)」

x:加賀「あの、人の提督に何をしているのですか?」イラッ

高雄「あ、すみません! つい…………」テレテレ

x:加賀「提督も他所の艦娘相手にデレデレしないでください。撫でるのなら私がやってあげますから、ほら」ナデナデ

龍翔「別に撫でてもらいたいわけじゃ……」プイッ

x:加賀「ふふふ」ニコニコ

龍翔「あ…………」テレテレ

高雄「…………驚きました。あの加賀さんがここまで積極的で表情豊かだなんて」

高雄「それに、妹がいたなんて初耳です」

x:土佐「私のほうが『初耳』なんですけど……(愛宕はいいとして、“摩耶”と“鳥海”って誰ぇ!? やっぱり他人だ、この人ー!)」



――――――4,とある二人:ツートップに挨拶


龍翔「最初から部屋で待ちながら、相手の方から挨拶に来させるのが一番だったな……」ゼエゼエ

x:赤城「そ、そうですね。挨拶回りするのはいいのですが、さすがに歩き疲れましたし」ニコニコー

x:赤城「(しかし、まさか鎮守府に所属するほとんどの艦娘が押しかけてくるだなんて思いませんでした……)」グデー

x:加賀「ようやく顔馴染みの天龍型の2人と会えた時は本当に安心できました」ニコニコー

x:加賀「(けれど、やっぱり妹と間違われてばかりです。本当に【ここ】の私はいったい――――――?)」アセタラー

x:土佐「さて、いよいよだね、提督。ほら、息を整えて」ニコニコー

x:土佐「(でも、やっぱり【ここ】の艦娘たちの大半が何かおかしいよ! 明らかに色目を使ってたよね!?)」ハラハラ

龍翔「う、うん……」ドクンドクン

龍翔「そう、ようやく会えるんだ、ようやく――――――」

龍翔「ここがそうなんだ」


――――――居酒屋『鳳翔』


x:赤城「…………『準備中』ですね」

x:加賀「しかたありません。出直しますか?」

x:土佐「いやいや! ちょっとばかり挨拶に来ただけだから問題ないって!」

x:土佐「ようやく願いが叶うんだよ? 本当は真っ先にここに来たかったんでしょう、提督?」

龍翔「う、うん」ドクンドクン

龍翔「それじゃ、覚悟を決めるよ。どう思われてもいいから――――――」

ガララ・・・

龍翔「!」ビクッ

x:艦娘たち「!?」


金剛「HEY, 提督ぅー ――――――って、おお! ホントに提督そっくりデース!」


龍翔「若っ!?」ガタッ

x:艦娘たち「(――――――金剛先輩が『若い』、だと!?)」

金剛「What's ?」

       ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
龍翔「え、金剛おばあちゃん? ずいぶんとお若いですねぇ……(――――――若くても雰囲気から何やら全然変わってない!?)」

龍翔「ハッ」アセタラー

金剛「Ladyに対してOLDだなんて大変失礼な子ですネェ……」ニコニコー

龍翔「ご、ごめんなさい! 悪いことしませんから許してください、金剛お…ねえちゃん」ビクビク

金剛「?」

金剛「まあ いいデース。今後はしっかりと注意するのですヨー」

龍翔「は、はい!」ビシッ

金剛「よろしい!」

金剛「それで、あなたたちが五航戦が連絡してくれたお客さんですネー?」

龍翔「あ、はい。オレ、ぜひとも清原提督と鳳翔夫人に会いたくて……」

金剛「わかりマシタ。それじゃ、お席にご案内イタシマース!」

x:赤城「え、いいのですか? 『準備中』と――――――」

金剛「No Problem !」

金剛「さあさあ!」

龍翔「はあ…………」

x:加賀「何というか、金剛さんは本当に【昔】から変わってないのですね……」

x:土佐「そ、そうかな……?(高雄をはじめとして【ここ】の艦娘と顔合わせしてみて『【ここ】は『そう』じゃない』って確信してるんだけど……)」




――――――お座敷


龍翔「何だろう、初めて来たのに自宅のような安心感があるんだけど……(いろいろ写真が飾ってあるな――――――)」スッ

龍翔「これと同じのはあるかな?」キョロキョロ

――――――1枚の写真。

x:赤城「そうですねぇ、同じものは無さそうですね」キョロキョロ
                   ・ ・
x:加賀「そもそも、清原提督は結婚されているのでしょうか?」

龍翔「あ」

x:土佐「あちゃー。どうして肝腎なことを忘れていたんだろうね……」

龍翔「『大本営からの密命』は、【失われた10年以前】の技術とノウハウの回収とそれから――――――」

龍翔「まあ、【失われた10年以前】なんていう大雑把な指標しかなかったんだから仕方ないよね」

龍翔「タイムマシンの原理なんてよくわかんないけど、【この時代】の【演習】システムに介入して――――――天城が全部何とかしてくれたからさ?」メメタァ

龍翔「時代設定も本当に天城まかせなんだよな……。偶然なのか、それとも思うところがあっての【この時期】なのか…………」

x:赤城「そうですね……。姉さんのやることは本当に凄いんですけど、時折 本当に自分の姉であるのか疑問に思うことがあります……」

x:加賀「どちらにしろ、天城さんがいなければタイムマシンは完成しなかったことだし、深く追求する必要はないと思います」

x:土佐「そうだよ! 天城さんは私たち艦娘ができないことを平然とやってのける超艦娘なんだから!」

x:土佐「今日もまた、超艦娘必殺百面相が炸裂するッ!」

龍翔「うん。――――――『天城だから』の一言でみんな解決するぐらい天城は凄いよな」

龍翔「最初のドロップ艦があの天城:Lv120なんだもんな。いったいどこの鎮守府からの流れ者なんだろう……」メメタァ

x:赤城「あ、そうだったんですか。それならある意味 納得です」

x:赤城「おそらく退役して予備役になっていたのでしょうが――――――、」

x:赤城「ユウジョウを結んだ相手はすでになく、それから新たな深海棲艦との大戦の火蓋が切られ、」

x:赤城「艦娘としての使命を果たすために、どこの鎮守府でもいいから祖国の危機に駆けつけた――――――」

x:赤城「と、いった感じなんじゃありませんか?」

x:加賀「Lv120で止まっているということは、【ユウジョウカッコカリ】を受けていたということでしょうからね」メメタァ

x:土佐「でも、それなら他の鎮守府の「天城」とそう変わらないはずだって! 他の「天城」に百面相なんてできる?」

x:土佐「手芸も料理も掃除も洗濯も医療も開発も提督代行も作戦立案も天城級接近格闘術もタイムマシン製作もできる?」

龍翔「絶対無理!」

x:土佐「でしょ! 私たちの天城さんは超艦娘なんだから、何かあれば天城さんが全部何とかしてくれるって!」

x:土佐「だから、ちょっと不安なことがあったとしても今は天城さんを信じて待ってようよ! ね!」


一同「………………」

龍翔「でも、そこまで待ってられないんだよな。少しでも時間が惜しい……」

x:土佐「う、うん。滞在が長引けば長引くほど帰還成功率が落ちるって話だからね」

x:赤城「ですから、一刻も早く清原提督からの信頼を得て、【この時代】の失われた技術やノウハウを持ち帰らないといけません」

龍翔「…………まあ、そうでもあるんだけど」

x:加賀「?」

トントン、スッ・・・


鳳翔「失礼します。お食事をご用意しました。どうかお召し上がりください」


龍翔「あ」

x:赤城「…………突然お邪魔したのにごちそうまでしていただけて、ありがとうございます」スッ(1枚の写真を自然な流れで懐に収める)

鳳翔「いえいえ」

鳳翔「お初にお目にかかります。軽空母:鳳翔です」

鳳翔「あなたが龍翔提督ですね。本当に主人とそっくりなんですね」ニッコリ

龍翔「………………」

鳳翔「どうしました、龍翔提督?(あら、この感じ――――――)」

龍翔「………………ぁさん」ポタポタ・・・

鳳翔「あら……、ど、どうしたのかしら、突然……」アセアセ

x:土佐「だ、大丈夫です! 提督ったら現在 注目の“未来の英雄の若奥さま”を目の前にして感動のあまりに――――――、ね?」

x:土佐「ずっと憧れだったんですよ、【ここ】に来るのが! そして、若輩ながらも仲良くできたらなぁーって……」ニコニコー

x:土佐「(う、嘘は言ってないよ! だって、【私たちの時代】では“護国の英雄”として本当に語り継がれる存在になってるんだから!)」


x:加賀「提督……」

龍翔「ハッ」

龍翔「な、泣いてなんかないもん! 男は人前で泣かないんだぞ!」ゴシゴシ

龍翔「こ、これは目にゴミが入っただけで――――――、本当なんだからね!」イジイジ

鳳翔「まあ」


鳳翔「本当に主人と似ていますのね、そういうところも」クスッ


龍翔「え」

鳳翔「あ、どうぞ 温かいうちに召し上がってください」

x:赤城「あ、鳳翔夫人、私たちがお持ちいたしますから」

x:加賀「提督の分は私がお運びします」

鳳翔「ありがとう、赤城さん、加賀さんに――――――」

x:土佐「ああ よかった! 今度こそ加賀姉さんと間違えられなかったよ! やっぱり鳳翔さんは鳳翔さんだった!」キラキラ

鳳翔「え? もしかして、土佐さんですか?」

x:土佐「そうです! 土佐です! いやぁ、鳳翔さんはいつ見てもお若いですねぇ!」ニコニコ

鳳翔「そ、そうですか……(え、確かに新着艦だとは聞いておりましたけれど、私の知っている土佐さんはこんな元気ハツラツじゃ…………)」

金剛「Mrs.鳳翔、Kitchenのお片づけが終わりましたヨー! さあ、初めての団体様とTogetherネー!」

鳳翔「え、ええ……」

x:赤城「よかったです。鳳翔夫人と金剛先輩とこうやってお食事がまたできて」ニコニコ

x:加賀「はい。懐かしいですね」ニコニコ

金剛「おお、提督3人前でしたケド、足りてますカー?(――――――あれ? 『金剛先輩』? ずいぶん久々に聞いたような言葉デスネ)」

x:赤城「大丈夫ですよ。他所の鎮守府を食い潰すようなことはいたしませんから」バクバク

金剛「ハア……、うちの鎮守府の一航戦の二人に聞かせてあげたいお言葉デース(でも、食べっぷりはそのままデース…………)」

x:赤城「え……」ピタッ

x:加賀「【ここ】の赤城さんと私はいったい…………?」ズーン


龍翔「………………」

鳳翔「大丈夫ですか、龍翔提督? 何かお気に召さないことでもありましたか?」

龍翔「あ、いえ……! 少しでも長く清原提督と鳳翔夫人のお二人と一緒に居られたら――――――なんて思いましてね」ハハッ・・・

鳳翔「…………あ」

龍翔「あ、ごめんなさい! 今日会ったばかりの他人なのに馴れ馴れしくて…………迷惑ですよね」モジモジ

鳳翔「別にかまいませんよ」フフッ

鳳翔「失礼ながら私も龍翔提督のことを一目見た時に、どこか自分の子のように思ってしまいまして――――――、ね?」テレテレ

龍翔「え」

鳳翔「おかしなことですよね?」


――――――艦娘には人間の子を成す能力はないと言うのに。


鳳翔「それとも、『できないからこそ』そういう目で見てしまうのでしょうか?」

鳳翔「とにかく、お互い様です。むしろ、その――――――何でしょう? 不思議な気分になってます」テレテレ

龍翔「………………」

龍翔「(だ、ダメだ。泣くんじゃない! 男だろう? 男が泣いていいのはトイレやお風呂の中だけなんだから…………!)」ドクンドクン

龍翔「(お、落ち着け、オレ! 冷静になるんだ、冷静に…………もしかしたら“違う人”かもしれないじゃないか。――――――艦娘なんだから)」

龍翔「(でも、何だろう? それならオレはどうして一目見てこう涙が――――――?)」

龍翔「あ、丹精込めて作ってもらったんだから、ちゃんと食べないとな」アハハ・・・

鳳翔「どうぞ 召し上がれ」ニコニコ

龍翔「美味しい……美味しいですよ、鳳翔……さん」

鳳翔「そうですか」ニッコリ

金剛「むむ?」

金剛「(何でしょう? あの龍翔提督といい、この赤城サンと加賀サンといい…………)」

金剛「(それに、『おばあちゃん』といい、『先輩』といい――――――)」

金剛「(まるで最初から私たちのことをよく知っているかのような感じで接してきている気がシマース)」

金剛「(ホントに不思議なお客さんデスネ……)」



ブウウウウウウン! ブウウウウウウン! ブウウウウウウン!


一同「!?」ピタッ

龍翔「これは――――――!」

x:赤城「提督! 気をつけて!」バッ


――――――
清原「総員! 第1種戦闘配置! 鎮守府海域にボス級深海棲艦の2個艦隊が接近中!」

清原「繰り返す、第1種戦闘配置! 鎮守府にボス級深海棲艦の2個艦隊が接近中!」

清原「急いでくれ! 迎撃が間に合わない場合は鎮守府を放棄することもやむを得ない!」
――――――


龍翔「この声――――――」

鳳翔「――――――提督!」

龍翔「そうか。これが――――――」

金剛「こうしちゃいられマセーン! 早く龍翔提督たちは避難シテクダサーイ!」

龍翔「わかりました!」

龍翔「――――――」チラッ

x:艦娘たち「――――――」コクリ

鳳翔「あ」

龍翔「――――――赤城、加賀、土佐! 避難するぞ」ビシッ

x:艦娘たち「了解!」ビシッ

金剛「それじゃ、Follow me !」

タッタッタッタッタ・・・・・・

鳳翔「あの子、もしかして…………」ガチャ

鳳翔「もしもし提督ですか? 今日お越しになられた龍翔提督が――――――」





金剛「Stay Here, 龍翔提督!」

龍翔「…………ここにいれば安全なんですね?」

金剛「Yes! ちょっとだけ待っててくださいネー! すぐに終わらせてきますカラー!」

x:加賀「――――――」ジー

龍翔「……わかりました」コクリ

金剛「それじゃ、ホントにここでじっと待ってて――――――」

x:加賀「当て身」ベシッ

金剛「ハワッ」

金剛「」ガクッ

x:赤城「すみません、金剛先輩。これも必要なことなんです」ガシッ

龍翔「本当にごめんね、金剛おばあちゃん」

龍翔「『オレたちの任務』のためにはどうしても【この時代】の提督の協力が必要なんだ」

龍翔「――――――危機を迎えた今こそ、それを得る絶好の好機!」

龍翔「行くぞ、みんな! もう隠す必要なんてない! “護国の英雄”をお助けするぞー!」

x:艦娘たち「了解!」


タッタッタッタッタ・・・・・・




――――――鎮守府埠頭


ブウウウウウウン! ブウウウウウウン! ブウウウウウウン!

バタバタ・・・

龍翔「やっぱり、【この時代】はいろいろと不便そうだな…………最初はずっとハイテクに思えてたけど所々で物凄く時代遅れなんだな」

x:土佐「実際、【20年近く前の時代】だもん。“平和で豊かな時代”よりも前なんだし、しかたないよ」

x:赤城「見たところ、艤装の運搬や燃料・弾薬の準備の面でいろいろと出遅れているようですね……」

龍翔「そっか。まだ転送技術が未発達なのか。それでみんな慌ててしまうわけか」

x:赤城「でも、一番の理由はここのみなさんが提督見たさに一斉に押しかけたことが原因のような…………」アセタラー

x:加賀「提督、赤城さん。無駄話はそこまでにして、艤装の使用許可を!」

龍翔「わかった」


龍翔「――――――『敵は2個艦隊』と言った! 足止めに徹して鎮守府への被害を可能な限り抑えて本隊が来る時間稼ぎを行う!」


龍翔「気をつけてくれ。薄々気づいているかもしれないが、【この時代】は我々が知るものよりも高度なものがいくつも存在している」

龍翔「もしかしたら予想もつかない搦手を使われて窮地に陥る可能性があるから慎重にな。 ――――――不名誉の戦死は許さない」

x:艦娘たち「了解!」

x:赤城「あ、提督。その前にこれを――――――大事なものです」スッ

――――――1枚の写真。

龍翔「あ、ああ……すまない」サッ

龍翔「それじゃ、行くぞ!」



――――――いで軍艦に乗組みて!


龍翔「――――――安全装置解除!」

左手の腕時計に声を吹き込む龍翔提督。


――――――われは守らん海の国!


龍翔「――――――艤装展開!」

x:赤城「了解!」
x:加賀「……行きます!」
x:土佐「さて、【この時代】最初の艦隊決戦! どうなることやら」

x:艦娘たち(完全武装)「――――――!」ビシッ

更に続いて、腕時計に声を吹き込むと虚空より長門型をも超える戦艦艤装や戦闘具が赤城たちに装着されるのである。

燃料も弾薬も装填済みであり、ものの数秒――――――否、1秒足らずで戦闘準備が完了したのである!


――――――暁の水平線に勝利を刻め!


龍翔「――――――艦隊出撃!」ビシッ

x:赤城「では、巡洋戦艦:赤城! 参ります!」


ザアアアアアアアアアアア!


龍翔「――――――【偵察機】!」

x:偵察妖精「仕事ですか」(虚空より出現!)

龍翔「先行して敵戦力を確認してきてくれ」

龍翔「気をつけろ。【ここ】の艦娘の装備を見る限りだと対空機関砲が多いのが普通のようだから、敵もそれを真似ているかもしれない」

龍翔「対空砲火がいつもより激しい可能性が高い。撃墜されないように注意してくれ」

龍翔「もちろん、戦艦殺しの潜水艦の有無もな。対潜哨戒機の準備をしておくぞ」

x:偵察妖精「了解しました、提督!」


ヒュウウウウウウウウウン!


龍翔「さて、戦艦と潜水艦と空母とが3すくみする世界で発達した戦術が【この時代】でも通用すればいいのだが……」

龍翔「…………天城、まだなのか? それとも清原提督が激務の真最中だったのかな?」

龍翔「ま、何にせよ、翔鶴おばさんが使ったような航空機の大量展開戦術を敵に使われない限り、」

龍翔「――――――【昔】の深海棲艦なんかに負けるわけがないけどな!」

龍翔「時間稼ぎどころか、1個艦隊ぐらい撃滅して褒めてもらうんだ!」ワクワク

朗利「そう、【この時代】の深海棲艦なんて――――――」

朗利「ハッ」ゾクッ


龍翔「………………違う、逃げてなんかないぞ、オレは」アセタラー



龍翔「さて、そろそろ偵察機からの通信が入る頃だ」

龍翔「通信妖精、赤城たちからのも含めて映像受信に入ってくれ」

x:通信妖精「了解」ピッピッ(虚空より出現!)

龍翔「――――――あ、良かった。2個艦隊の足並みは揃ってないらしい。戦況は『まずよし』だな。各個撃破だ」

龍翔「――――――!」

龍翔「あれって――――――」
――――――


ナンドデモ…ナンドデモ……シズンデイケ……!


空母棲鬼「………………」ゴゴゴゴゴ

x:加賀「こ、これが【この時代】のボス級――――――!」アセタラー

空母棲鬼「ハッ」

x:土佐「?」

x:赤城「…………え」

空母棲鬼「オ、オオ……」プルプル

――――――
龍翔「何だあれ? 何か見覚えがあるような気がするけれど…………」
――――――

x:土佐「さあ? でも、攻撃してこないのなら、とりあえず先制攻撃いっちゃう?」

x:加賀「そうしましょう。深海棲艦ならば容赦しません」

x:赤城「本当は装備なんてできないけれど、この【48cm三連装砲】の連撃を受けなさい!」メメタァ

空母棲鬼「マッテ…モウスコシダケ……モウスコシダケ…………」ドゴンドゴーン! ――――――轟沈!


――――――【旗艦消失】! 敵艦隊の能力が全体的に低下!


x:赤城「え」

x:土佐「あれ」

x:加賀「当たりどころが悪かったのかしら? あっさり沈んだわね」

x:加賀「それとも、【昔】の深海棲艦なんていうのはこの程度ということかしら?」

――――――
龍翔「旗艦が轟沈して、敵艦隊はいきなり潰走だな――――――残敵を掃討せよ」

龍翔「何だったんだろう、あれは? 拍子抜けというよりは、明らかに無防備だったぞ……」

龍翔「それに、【この時代】固有の深海棲艦なのはわかるけれど、現存する【失われた10年以前】の資料には載ってなかったぞ、あんなの……」

龍翔「やっぱり、何かおかしいぞ? まだ断定できないけれど…………」アセタラー

龍翔「…………どうしよう? ――――――嫌な予感がする」
――――――


x:赤城「敵艦隊を殲滅しました」

x:加賀「鎧袖一触よ。あっけないものね」

x:土佐「これなら私たちだけで侵攻部隊を完全に撃退できるかもよ、提督!」

x:偵察妖精「どうしますか? 進軍しますか? 敵はこちらの戦力に驚いて進軍を止めたようですが」

――――――
龍翔「まあ、最初に旗艦が轟沈して【旗艦消失】状態に陥ったのだから、こちらとしては僥倖だな」メメタァ

龍翔「被害も軽微だし、――――――さすがは【48cm砲】だ! 【50cm砲】や【51cm砲】には及ばないけど今の赤城でも十分に戦えるぞ!」

龍翔「無駄弾なし! 補給の必要もなし!」

龍翔「このまま進軍だ! 天城がいなくたって大丈夫だ! 戦艦殺しの潜水艦もいないようだしな(――――――ああ そうだとも!)」
――――――

x:土佐「ああ でも、言っといてなんだけど、……やっぱりここは攻めこむ必要はないんじゃないかなー?」アセタラー

x:土佐「目的はこれで達成したようなもんだし、ここは安全に清原提督の艦隊と合流してさ? 万全の状態で迎え撃つべきだと思うなー、私は」

x:土佐「なんか嫌な予感がするのよねー…………」

x:赤城「何を言っているんですか、土佐さん。行きますよ(何でしょう? 頭の中で何かが囁いたような――――――)」

x:加賀「潜水艦がいないのであれば恐るるに足りません(そう、【この時代】には旧式の深海棲艦しかいないのだから――――――)」

x:偵察妖精「はい。確かに潜水艦はいないようです。居るのであれば【対潜浮標】に反応があります」

x:土佐「うん。それはそうなんだけどさ……」

x:土佐「(提督もみんなも気づいているはずなんだけど…………清原提督の前だし功を焦ってるのかな? それとも簡単に倒せたから慢心したのかな?)」

x:土佐「(さっきのは鎮守府の臨戦態勢が整っていなかったから私たちが出る必要があったけれど、)」

x:土佐「(迅速に敵艦隊を撃滅できたおかげで敵の進軍も止まったんだから、私たちがこれ以上前に出る必要はないのに…………)」

x:土佐「ハッ」

x:土佐「(これってもしかして、思わぬ反撃を受けるパターン!? 目的を達成したのに図に乗って痛い目に遭う流れ――――――!?)」アセタラー

x:土佐「(これは少し覚悟しておかないとかなぁ…………)」トホホ・・・




ヒノ…カタマリトナッテ…シズンデシマエ……!


空母棲姫「………………」ゴゴゴゴゴ・・・

x:赤城「さっきのボス級よりも強そうなのが出てきましたね……」

x:加賀「艤装は先程の深海棲艦のものと同じですから、さっきのが鬼で、こちらが姫というわけね……」

x:土佐「後から出てくるボスほど強いってわけ……」メメタァ

x:土佐「――――――あれ?」

x:土佐「(よく見たらあのボス級深海棲艦――――――サイドテールにストレートの器用な髪型してるよね?)」

x:土佐「(まるで別々な2つの髪型を足し合わせたかのように不自然な髪型――――――)」

x:土佐「(それに、まったく同じ顔だと思ったのにどうしてかまったく違う人に見えた……)」

x:土佐「(そう思うと、何かあの深海棲艦――――――どこかで見たことがあるような、それもすっごく身近な人の顔によく似ている気がする?)」

x:赤城「敵の姿は確認できました! 確実に当たる距離まで詰めて先制攻撃を仕掛けます!」

x:加賀「火の塊となって沈むのはそっちよ」

空母棲姫「フフフ、ジダイオクレノタイカンキョホウシュギナド…………」

空母棲姫「ゼンキ、ハッカンセヨ……」

――――――
龍翔「あ」ゾクッ
――――――

x:赤城「え」アセタラー

x:加賀「まさか、こんな――――――!」ゾクッ

x:土佐「やっぱりね…………余力があるからって調子に乗ってるからこうなるんだよね。物語的に」メメタァ

x:偵察妖精「ええい、冗談ではない……」ギリッ

――――――
x:通信妖精「航空機、総数100を軽く超えてます!」

龍翔「な、何だこの光景は!?」


――――――航空機で空が覆われる!?


龍翔「た、確か翔鶴おば…ねえさんと瑞鶴おねえさんは84ずつ航空機を扱ってたから、戦場で100以上の航空機が普通に飛ぶ計算だ…………」

龍翔「え、相手には航空母艦が3隻もいるから、オレたちが訓練で見た以上の航空機が――――――!?」

龍翔「あり得ない! こんなこと――――――(だって、基となる【史実】にだってこんな戦術はなかったんだぞ!)」アセダラダラ

龍翔「待ってればよかった! 防空巡洋艦や防空駆逐艦も連れてくればよかった!(けど、倉庫番のあいつらじゃ対応しきれないかも!)」

龍翔「くそっ」ギリッ

龍翔「――――――撤退だ!」

龍翔「航空機の爆弾1つなんて戦艦なら大したことはないが100以上も一度に落ちてきたら――――――!」アセビッショリ!

龍翔「まさか、【この時代】ですら3すくみが存在しないってことなのか!?」

龍翔「もっとも、こんな常識外れの航空機の大部隊相手じゃ3すくみも用をなさないけど!(そうだとも、だからオレたちは――――――)」

龍翔「――――――退け、退くんだ!(救いを求めて――――――、)」


――――――救いを求めて【この時代】に逃げ込んできたんだ。


――――――



ヒューーーーーーーーーン!! ドゴンドゴーン!

x:加賀「きゃああああ!」ボガーン!

x:赤城「加賀さん!?」

x:土佐「加賀姉さん!?」

x:加賀「――――――っ! 頭にきました!」バン! バン!

x:土佐「だ、ダメだよ、加賀姉さん! こんなにも海面が揺らいだ中で当てることなんていくらなんでも無理だってば!」

x:赤城「加賀さん! 悔しいですが退くしかありません! ここは退いてください!」ガシッ

x:加賀「ここは譲れません! 放してください、赤城さん! 撃てません!」

x:偵察妖精「こっちは逃げるのだけで精一杯だああああ!」ピィピィピィ

x:偵察妖精「!」

x:偵察妖精「――――――後方に巨大な反応! こんな激しい中で反応! 潜水艦じゃないです!」


マッテ…モウスコシダケ……モウスコシダケ…………


空母棲鬼「マッテ……」ザバァーン!

x:赤城「なっ!?」ビクッ

x:土佐「――――――旗艦はやらせない!」ガバッ

x:土佐「きゃあ!? こいつは――――――!?」

x:赤城「と、土佐さん!?」

空母棲鬼「アア……ツカマエタ…………コンドハズットイッショダヨ…………」ギュゥウウウウウウウ!

x:土佐「艦隊決戦で……、こんな熱い抱擁を受けるだなんて…………」ギリギリギリ・・・

x:土佐「(なんて力なの?! まるで酔った加賀姉さんに絡まれた時と――――――え?)」

x:加賀「土佐――――――うぅ、また……!?」チュドーン!


――――――
龍翔「――――――違う! こんなふうに戦いたかったわけじゃない!」

龍翔「ただ、知らなかっただけなんだ……!」

龍翔「今まで3すくみを意識して、特に潜水艦にさえ気をつけてさえいれば、全部うまくやれたんだ!」

龍翔「どうすればいい!? どうすれば――――――」


――――――まったくもってこのドラ息子が!


龍翔「?!」ビクッ

龍翔「え……」オソルオソル

龍翔「あ」


清原「功を焦って皇国より預かりし艦隊をこんなことで死地に送り出すとは何事か!」


清原「そんなんで、よく少将の位に就けたものだな!」

龍翔「ご、ごめんなさい……」グスン

清原「………………むぅ」

清原「だが、時間を稼いで鎮守府を守ってくれたことは感謝する」ゴホン

清原「(――――――複雑な気分だ、今の状況も今 目の前にいるこの子についても)」ゴホン

x:天城’「提督!」タッタッタッタッタ!

龍翔「あ、天城ぃ……」グスン
     
x:天城’「どうしてここまで勝手にやってしまったんですか!」
      ・ ・ ・ ・ ・ ・
x:天城’「私の言いつけを守っていればこんなことにはならなかったのに…………!」

龍翔「…………うぅ」

清原「…………やはり(――――――『天城』は普通の艦娘ではないな。明らかに提督との主従関係を侵しているぞ)」

清原「さて――――――(それに、艦娘に戦術を実践できても戦略や政治のことはわからないはずだ。必要ないから。なぜできる!?)」チラッ

x:通信妖精「えと…………初めまして、清原提督?」オロオロ

清原「なるほど、戦況はここにいながらでもはっきりわかるようになっているのか、【未来】では……」

清原「なら よく見ていろ、――――――龍翔提督!」


――――――これが【ここ】での戦い方だ!


――――――


空母棲鬼「アア……サガシテイタモノハココニ…………」ギュゥウウウウウウウ!

x:土佐「痛い痛い痛い痛い…………放してよー!」ガンガンガン!

空母棲鬼「カワイイナア……コレカラハズットズット…………」ギュゥウウウウウウウ!

x:赤城「土佐さんを放しなさい!」

空母棲姫「オチロ……」バン!

x:加賀「危ない、赤城さん!」

x:加賀「きゃああああ!」ボゴン!

x:赤城「か、加賀さん!?(――――――すでに状況は最悪)」

x:赤城「(【ここ】でも今まで通りに戦っていればそれでよいと思っていた……)」

x:赤城「(たとえすでに【ここ】が【私たちの世界】とは懸け離れた現実だったことを暗に理解していても…………)」
       ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
x:赤城「(『それだけは認めちゃいけない』と思って戦場までやってきて…………)」

x:赤城「(ごめんなさい、提督。私たちはどうやらここまで――――――)」

空母棲姫「コレデオワリ…………ジョウジョウネ」


ヒュウウウウウウウウウン!


x:赤城「あ……」

x:赤城「(これで終わるのね――――――私が大破はしてなくても加賀さんはもう保たないし、土佐さんは深海棲艦に捕まっている)」


――――――諦めないで!


x:赤城「ハッ」

空母棲姫「――――――!」

翔鶴「今、助けます!」

瑞鶴「五航戦の実力! 今こそ見せる時よ! ――――――入渠中の一航戦なんかよりもよっぽど役に立つってことを見せてあげる!」

x:赤城「おお!(あっという間に空を覆うような航空機が――――――!)」

ヒューーーーーーーーーン! ドガンドゴーン! ドーンドーン!

x:赤城「それでも、これだけの数相手だと突破されるのもしかたない……」

x:加賀「くぅ…………さすがに限界(――――――土佐だけは何としてでも助ける!)」ゼエゼエ

Z:長門’「――――――『ここまで3人だけでよくやった』と褒めてやる!」

x;加賀「!」

Z:長門’「さあ! 対空砲火、始め!(べ、別にお前らのためじゃないぞ! 龍翔ショタ提督の笑顔のためなんだからな!)」ババババ・・・!

榛名「勝手は! 榛名が! 許しませーん!」ババババ・・・!

チュドンチュドンチュドンチュドンチュドンチュドーン!

x:赤城「凄い! あれだけの数の航空機をいとも簡単に――――――!(【対空カットイン】無しであそこまで――――――!?)」メメタア

比叡「さあ、今のうちに――――――!」ババババ・・・!

霧島「対空迎撃ならばもう問題ないわ!」ババババ・・・!

高雄「加賀さんはもう無理しないで!」ギュッ

x:加賀「で、でも、土佐を――――――私の大切な妹を苦しめているあの深海棲艦を叩きのめすまでは!」ギリッ

高雄「大丈夫です! そこは我が陣営最強の――――――」



x:土佐「もうちょっと優しくしてくれると――――――ああ! ホントにそれ以上は骨、骨が、骨が折れるぅうううう!」ジタバタ

空母棲鬼「モウハナサナイ……ズットズットイッショ…………」ギュゥウウウウウウウ!

大和「それ以上はやらせません!」ガシッ

空母棲鬼「――――――ツゥ!?」パッ

x:土佐「あ――――――えい!」ガシーン!

空母棲鬼「マッテ……ズットイッショ…………」グラッ

大和「今のうちに――――――!」ググッ

x:土佐「た、助かったぁ…………」ゼエゼエ

大和「これが大和の全力です!」グググググッ!

空母棲鬼「――――――!」

大和「うぅうううううううん――――――やあっ!」バーン! ――――――渾身の力でぶん投げる!

空母棲鬼「ア――――――」 ――――――空中に身体が投げ出される!

大和「距離はとった――――――この距離なら外さない!」ジャコン!

バーン! ・・・・・・チュドーン!


デモ、ヨカッタ……マタアエテ…………こんなかたちでもそんざいしつづけたかいが…………



空母棲姫「――――――トッパサレタダト!?」

島風「おっそーい!」

イムヤ「ここは海のスナイパー:イムヤにおまかせ! 正規空母だってこの通り!」

ボッゴーン! ボッゴーン!

空母棲姫「ミカタガツギツギト――――――」

空母棲姫「コレモ…サイゴノサイゴニナッテ……、」

空母棲姫「サクテキヲオロソカニスルカラダ…」


瑞鶴「戦況はこちらが優勢! 大逆転ね、翔鶴姉!」

翔鶴「ええ! このまま一気にトドメを!」

空母棲姫「クッ…………」

瑞鶴「攻め切れない!?(――――――そりゃあ援護のために【戦闘機】ばっかり積んでたら攻めの手が足りなくなって当然か)」

翔鶴「誰か! 最後の一撃をお願いします!」


x:赤城「それは巡洋戦艦:赤城がやります!」


x:赤城「距離よし! 波浪よし!」

x:赤城「てーーーーーーー!」バン!

空母棲姫「――――――!」ビクッ

チュドーン!

x:赤城「………………」

空母棲姫「………………」

x:加賀「や、やったの?」ボロボロ

高雄「わかりません……」

x:土佐「た、立っているだけでも辛いです……」ゼエゼエ

大和「………………」ゴクリ

Z:長門’「終わったはずだ、あれならば…………」

x:赤城「………………」

空母棲姫「………………」グラッ

x:赤城「――――――!」バーン!

空母棲姫「ソウ、ソレデイイ……」

チュドーン!


シンデモシンデモクヤミキレナイマンシンヲ……いま、わたしはのりこえた――――――



イムヤ「――――――轟沈を確認」

島風「もうこの海域には私たち以外誰もいなくなったよー」

x:赤城「…………フゥ」


大和「まだですよ! ――――――勝って兜の緒を締めよ!」


x:赤城「ハッ」

x:赤城「…………」ビシッ

大和「ボス級深海棲艦の復活に備えて現場の指揮はこの大和が務めます!」

大和「索敵を! これより鎮守府海域は厳戒態勢に入ります!」

艦娘たち「了解!」

偵察妖精A「もうちょっと重巡や軽空母を増やすべきなんじゃないかなー」

偵察妖精B「しかたないだろう。この鎮守府はそういうところなんだからー」

偵察妖精A「あ、お疲れ様です」

x:偵察妖精「死ぬほどクタクタです、もう……」

Z:長門’「さあ、後のことは私たちに任せて傷を癒してこい。お前たちの頑張りがあっての勝利だ。誇ってくれ」

x:土佐「長門…………ビッグ7だか何だか知らないけどかっこよくなっちゃってまあ」ヨロヨロ・・・

x:加賀「さあ、土佐。行きましょう。――――――赤城さんも」ヨロヨロ・・・

x:赤城「はい……」ホッ




翔鶴「ありがとうございました、赤城さん」

x:赤城「え? いえ、こちらこそ…………また こうやって鎮守府を案内されるわけなんですね」ヨロヨロ・・・

瑞鶴「これが五航戦の本気よ。それに、この瑞鶴には幸運の女神がついていてくれるんだから!」ニッコリ

x:赤城「そうかもしれませんね……」フフッ

瑞鶴「これで一航戦の二人にギャフンと言わせることができるわ! 良い気分!」ドヤァ

瑞鶴「何か今日はこんなことになっちゃったけど、本当に龍翔提督が来てくれてよかった!」ニッコリ

x:赤城「それはよかったです。こちらとしても得るものはありました」ニコッ

瑞鶴「ねえ、赤城さん! 今日来ていきなり中破までになったから入渠することになるけど、」

瑞鶴「何にもわかんないだろうから、私が施設内部の案内をしてあげる!」

x:赤城「ありがとうございます。今日の慢心のことをそうやって励ましてくれてるんですね」

x:赤城「でも、この痛みなんてのは過ぎ去れば大丈夫なんです」

x:赤城「今一番怖いのは天城姉さんのお説教ぐらいでしてね……」アハハ・・・

x:加賀「ひっ」ガクブル

x:土佐「ああ 天城さんの説教か…………これは泣きっ面に蜂ねぇ」アハハ・・・

瑞鶴「か、加賀さん……?(な、何 今の反応――――――!? 何これ、あの加賀だと思うと――――――)」プルプル

翔鶴「か、加賀さんがそんなに怖がるだなんて、ど、どんな人なんでしょうか?」アセタラー


――――――こんな人ですよ。


翔鶴「あ」

x:天城’「………………」ムスッ

瑞鶴「わあ 赤城さんそっくり!(あれ? 見た目は赤城さんに似ていても【こっち】の加賀の不機嫌そうな態度に似ているような…………)」

x:加賀「あ、天城さん……」ブルブル

x:天城’「どうしてあなたたちはこうも私の言うことを聞いてくれないのかしら?」ゴゴゴゴゴ

x:天城’「それとも、それが“運命”だとでも言うのかしらね……」ジトー

x:赤城「ごめんなさい、天城姉さん!」

x:赤城「提督は悪くないんです! 旗艦を務めた私の判断が最終的な決定に繋がっていたので――――――」

x:天城’「もう提督への説教は終わりました」ハア

x:天城’「『今度はあなたたちの番!』と言いたいところですが――――――、」

x:天城’「【ここ】は人様のお宅なのでこれ以上お見苦しいところをお見せするわけにはまいりません」

x:天城’「今日はじっくりと清原提督の鎮守府で存分に反省してくださいね」


――――――わかりましたか?


x:赤城「……はい」

x:加賀「……ごめんなさい」ブルブル

x:土佐「そして私はいつもどおり連帯責任を負わされるのであった……」トホホ・・・


翔鶴「………………ええと」アセタラー

瑞鶴「これは確かに怖いわ……(訂正! 赤城さんと加賀さんが戦々恐々とするほどの威圧感なのよ! 並み大抵じゃないわ!)」アセタラー


x:天城’「さて、今日は本当にお世話になりました、お二方」ニッコリ


翔鶴「え!? あ、はい……!(――――――び、びっくりした! 逆の意味で驚いちゃった!)」ビクッ

瑞鶴「えと、そ、それほどでも……(え、さっきまであの加賀の数倍恐ろしい威圧感を放ってたのに、一瞬で満面の笑みが――――――!)」ドキッ

x:天城’「確か、“翔鶴おねえさん”と“瑞鶴おねえさん”だったかしら? そう 私たちの提督が呼んでましたっけ」

瑞鶴「え? 私も“おねえさん”なんですか? 何か慣れない感じで照れくさいな……」テレテレ

翔鶴「――――――“翔鶴おねえさん”、ふふふ」ニコッ

x:天城’「今日は本当に助かりました。こんな馬鹿な妹たちと提督の面倒を進んで引き受けてくれたことに感謝の言葉が尽きません」

翔鶴「あ、良いんです。私たちが好きでやってることですから……」

瑞鶴「そ、そうよ! それにその……、――――――『素敵な妹たちと提督』だと思いますよ?」モジモジ

x:天城’「そう。そう言ってもらえて嬉しいわ」

x:天城’「そうなのよ、こんな『馬鹿な妹たちと提督』でも私の大切な宝物なの」ヒソヒソ

x:天城’「――――――守ってくれてありがとう」ヒソヒソ

翔鶴「そ、それはお互い様ですよ。赤城さんたちが前に出てくれたからこうやって鎮守府は無事だったんですし」ヒソヒソ

瑞鶴「どうして、それを私たちだけにしか聞こえないように言うんですか?」

x:天城’「だって……」モジモジ


――――――こんなこと思っているだなんて知られたら恥ずかしいじゃない!


x:天城’「無事で本当によかった……」テレテレ

瑞鶴「あ、えと……、はい。そうですね――――――」ニコー

翔鶴「あは、あはは、あはははは!」

瑞鶴「ちょっ、翔鶴姉!?」ビクッ

x:天城’「ふふ、うふふふふふ!」

瑞鶴「え、天城さんまで!?」ドキッ

x:赤城「えと、天城姉さん? どうしたのですか? そ、それに翔鶴さんも……」オドオド

x:加賀「き、きっと何か恥ずかしい話を暴露されたに違いない…………もうオワリだ~」ズーン

x:土佐「うん、もうオワリだ~大変だな~これからどうしよ~(どうして姉さんたちはこんなにも鈍感なんだろうね~)」(棒読み)



――――――そして、入渠ドックにて


x:赤城「え」

赤城「ん?」バクバクバクバク・・・

x:赤城「あの……、ここは修理用の資材庫だと思うんですけど…………」

赤城「あ、私の新入りさんですか? それとも【派遣】さんですか? 一緒に食べます?」メメタァ

x:赤城「いえ、あの……(――――――何を食べてるんだろう、【ここ】の私は?)」ドンビキー

瑞鶴「あ、そこにいたんですか、赤城さ――――――」

赤城「あ」ビクッ

x:赤城「!」チラッ

瑞鶴「何をしてるんですか――――――!」

赤城「!」バッ

x:赤城「…………!」ガシッ

赤城「――――――きゃっ!」グイッ

赤城「は、放してください!」ジタバタ

x:赤城「すみません、先輩。先輩が何をやっているのか聞かせてください」ニコニコー

瑞鶴「あ、私も私も。五航戦としてもぜひ栄えある一航戦の赤城先輩が何をやっているのか、ご教授してくださると大変嬉しいです」ニコニコー

赤城「赤城であるあなたが、同じ赤城である私を裏切るというのですかああ!?」ジタバタ

x:赤城「すみません。同じ赤城としてちょっと自分に失望しました」グギギギ・・・

赤城「あ、痛い痛い! せっかく入渠して治ったばかりなのにまた傷が――――――」バキバキバキ・・・

瑞鶴「はい、先輩。あーん」

赤城「え、…………瑞鶴さん?」アセダラダラ

瑞鶴「大好きなボーキサイトですよー。さあ、たくさん食べてー」ニコニコー(棒読み)

x:赤城「た~んと食べて立派な軍艦になるんですよ~」ニコニコー(棒読み)

赤城「ひ、ひぃいい……、」メリメリメリメリ・・・


「ひえええええええええええええええええ!」ボキッ!


それ以来、洞庭鎮守府の正規空母:赤城はボーキサイトの盗み食いをしなくなったという。



――――――入渠ドックの別な場所で


加賀「あら?」(サイドテール)

x:加賀「あ」(ポニーテール)

加賀「…………どうして私が?」アセダラダラ(青袴の弓道スタイル+黒ニーソ)

x:加賀「本当だ。本当に【ここ】の私は土佐に似ている……」ジー(淡い青の加賀友禅を羽織った長門スタイル+黒ニーソ)

x:加賀「けど、その青袴は天城さんのものじゃ――――――」

加賀「!」ビクッ

加賀「だ、だから、……何だって言うの?」

x:加賀「見た目は土佐で、身形は天城さん譲り――――――その不機嫌そうな態度も、か」

x:加賀「でも、そんな私が【ここ】では一航戦なんだ」

加賀「………………」

x:加賀「頑張ったんだ。――――――土佐や天城さんの分まで赤城さんと一緒に」

加賀「…………うん」

x:加賀「土佐と天城さんも来ているから気が向いたら会いに行ってね」

加賀「…………はい」ポタポタ・・・

x:加賀「不思議な気分ね。自分で自分を慰められるなんて」

x:加賀「でも、私たちが【ここ】に来たのは任務なの」

x:加賀「ねえ、【ここ】がどこなのか私もようやく理解できたけど、――――――【ここ】での私のこと、教えてくれる?」

x:加賀「一航戦として土佐や天城さんの分まで戦い抜いた私の戦いが、今度は生ける土佐と天城さんを救うことになるから」

加賀「そう。なら、今度こそ――――――」

x:加賀「うん」ニッコリ



翔鶴「あ、……加賀さん」

加賀「そう畏まらなくていいわ」

翔鶴「え」

加賀「私は一航戦として五航戦に負けるつもりはないわ」

翔鶴「……はい」

加賀「私は先輩として後輩に負けない――――――先輩として後輩に恥ずかしくないように在り続けるわ」

翔鶴「!」

翔鶴「か、加賀さん!」パァ

加賀「その代わり、後輩として先輩の顔に泥を塗るようなことは絶対に許さない」

翔鶴「精進します!」

加賀「そう」ニコッ

翔鶴「あ」ホッ



x:加賀「……よかった、土佐や天城さんに会わせる前に恩返しできて」ニコニコ

x:加賀「自分が自分に本来得るはずだった幸せとそれを引き換えに得た武勲を融通しあうことができるだなんて素敵な出会いね」

x:加賀「けれど、艦娘と人間は似て非なるもの――――――提督」






金剛「提督ぅー! どこですカー!? Where are you ? やっぱりあの子は提督の――――――」タッタッタッタッタ・・・・・・

――――――
「うぅ…………」グスングスン
――――――

鳳翔「…………あなた」

――――――
「くぅ…………」ポタポタ・・・
――――――



――――――第6話X-1 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- 邂逅編 完!

     Next:第6話X-2 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- 解明編 に続く!



【異界艦】について
【実際】には存在しなかったが、構想段階の記録には計画には残っている未成艦であったり、改装される前の姿であったり、
『それらが【この世界】とは異なる数々の【異界】においては活躍していたら』という場合のIFの姿を取り扱った艦娘である。
【艦これ】で実装されている独自の改造艦はこれには該当しないので注意。
役割や性格があまり変わっていない艦娘も混じっているが、それがどうしてそうなるのかは架空戦記の采配次第である。
扱いが【海外艦】と似ており、【異界艦】を【建造】したい場合は【秘書艦】を【異界艦】にする必要がある。
しかし、後述の【応援要請】∈【要請】が充実している場合は【異界建造妖精】を招けば建造リストが一時的に一新されて【異界艦】の建造が容易になる。
【海外艦】導入の水先案内人がZ1だったように、【異界艦】導入の水先案内人は二代目天城こと巡洋戦艦「天城」である。

1,基本的に未成艦などが主であり、初期値は既存の艦娘より高い傾向にある
2,しかし、実戦経験がないために【史実】での戦績が反映された【改造ボーナス】が小さい傾向にあり、歴戦の殊勲艦に追い抜かれる傾向にある
3,ところが、【提督】のステータスと【改造】時の装備によって能力修正を受けることができ、伸び悩む基礎能力を上乗せすることが可能
→ 【改造】時に装備していたものは【装備ボーナス】として吸収されるので装備はしっかりと選別してから行うべし
→ これによって、【異界艦】は【改造】によって自由に能力を伸ばせるという利点があり、能力修正次第でとんでもないスペックの艦娘が誕生する
4,【異界艦】と同一の存在にあたる艦娘同士は同じ艦隊に編成することはできない
5,数々の【異界】における【異界艦】が【この世界】に召喚された形なので基本的に【この世界】の認識と齟齬があり、違う【異界】から来た者もいる
→ 例えば、天城型巡洋戦艦1番艦:天城と大淀型軽巡洋艦2番艦:仁淀はどちらも【史実】では未成艦であり、同時に存在するはずがない組み合わせである
6,【異界艦】を【秘書艦】にした状態で【建造】及び【開発】することで【異界艦】および【異界装備】を入手することが可能となる


登場する【異界艦】【異界装備】
加賀型戦艦:加賀、土佐    ←長門型戦艦の上位互換
天城型巡洋戦艦:天城、赤城 ←金剛型戦艦の上位互換

【41cm三連装砲】:【試製41cm三連装砲】や【41cm連装砲】とは別物の完成品。
【48cm三連装砲】:“大和砲”こと【46cm三連装砲】をも超える超大口径主砲。
【50cm三連装砲】:もはや比べることすらできない大艦巨砲主義の極み。だが、これを上回る巨砲は実は他国にも試作されている。
【51cm三連装砲】:【異界装備】最強の大口径主砲であり、ゲーム的には地球防衛軍4のAR-99とAR-100ぐらいの違いがある。

いずれも長門型戦艦と金剛型戦艦の完全上位互換であり、長門型では力不足で大和型では重すぎる場合に大活躍する性能である。
ただし、【異界艦】故に【史実(=この世界)】における武勲がないために【改造】をすると長門や金剛の【改造ボーナス】によって差を付けられてしまう。
また、【対空】が凄まじく低いために対空防御が極めて不得手である。代わりに【雷装】が初期から備わっているので砲雷撃戦では無類の強さを誇る。
燃費の悪さは長門型戦艦を上回るのだが割増し程度なのでさすがに大和型戦艦よりも安く運用でき、
また、天城型巡洋戦艦は長門型以上の戦闘力を持つ【巡洋戦艦】なので大和型戦艦を凌駕する圧倒的な使い勝手の良さを発揮する。
ただし、【巡洋戦艦】なので【回避】は高くても【装甲】が伸び悩むのが難点か。それを除けば、トップクラスの性能を持つのは疑いない。


※公式が【八八艦隊】を本当に実装しても、こちらは【異界艦(=【別世界の艦これ】における艦娘)】なので設定的に外見・性格・性能が異なっていても何の問題もございません。


注意:フィクションとメタフィクションが入り混じった本作ですが、基本的に本作の【異界】の設定は実際の【艦隊これくしょん】とは無関係の二次創作です。
→ 架空戦記としての内容を詰めるための龍翔提督という新キャラの登場であり、別にいてもいなくてもプレゼンはできます
→ しかし、プレゼンとは別にそれを使ったリプレイ風架空戦記としての説得力を出すために本来はモブでしかなかった4提督に中身を詰めてきました
→ ここからは純然たる架空戦記としての性格が強くなるので、実際の【艦隊これくしょん】へ提案する内容はより明確にして区別させるつもりです


コラム:【八八艦隊】とは? 【巡洋戦艦】とは?


x:天城’「提督、【八八艦隊】について少し整理しませんか?」

清原「というと?」

x:天城’「まず【八八艦隊】というのは、第一次世界大戦の大戦景気を背景に計画された艦隊整備計画および建造計画のことです」

清原「えと、『艦齢8年未満の戦艦8隻と巡洋戦艦8隻を根幹とする』――――――」パラパラ・・・

x:天城’「では、計画当初の軍艦の建造数をご覧になってください」

清原「えと、長門型戦艦:2、加賀型戦艦:2、天城型巡洋戦艦:4、紀伊型戦艦:4、十三号型巡洋戦艦:4」

x:天城’「ほら、ちゃんと戦艦:8,巡洋戦艦:8になってますよね?」


戦艦(8):長門型(2)+加賀型(2)+紀伊型(4)

巡洋戦艦(8):天城型(4)+十三号型(4)


x:天城’「ですから【八八艦隊】というわけなんです。洒落てますよね」

清原「なるほどな…………実現しないわけだ」

x:天城’「まったくもってその通りですね、――――――それが神の思し召しなのでしょう」

清原「ところで、『天城』?」


――――――【巡洋戦艦】って何なんだ?


清原「巡洋艦の1種か? かつて金剛型も【これ】に分類されていたが今では【戦艦】に分類されているぞ」

清原「帝国海軍では他に存在しなかったから、いまいち【戦艦】との違いがわからない」

x:天城’「【巡洋戦艦】というのは確かに“戦艦”と名が付いていますが、英語に直すとはっきりと違いがわかりますよ」


【戦艦】:Battle Ship

【巡洋戦艦】:Battle Cruiser

【重巡洋艦】:Heavy Cruiser

【軽巡洋艦】:Light Cruiser


清原「なるほどな、直訳してもそのまま【戦艦】と【巡洋艦】の中間に当たる役割を持たされていることがうかがえるな」

x:天城’「そうです。元々は艦隊決戦の要である【戦艦】に随伴するのにふさわしい性能の偵察兵力として生まれたものです」

x:天城’「そこから、直訳して【戦闘巡洋艦】にふさわしい攻撃力と元々の汎用性を両立させて発達してきたのです」

x:天城’「ですから、艦隊決戦仕様に特化して攻撃力と防御力を高めていけば、それはもう【戦艦】と相違ない戦力となるわけです」

清原「ほうほう」


x:天城’「つまり、【巡洋戦艦】と名がついてはおりますが、その実態は【巡洋艦】から発達したものであり、」


【木造巡洋艦】→【防護巡洋艦】→【装甲巡洋艦】→ ・ →【巡洋戦艦】≒【高速戦艦】…………歴史の表舞台から消滅

                               ↓
                                →【軽装甲巡洋艦】→【条約型巡洋艦】=【軽巡洋艦】or【重巡洋艦】


x:天城’「【巡洋艦】の変遷を見るとこのように2つの系統に分かれるわけです」

清原「そうか。そう考えると【巡洋戦艦】は確かに【戦艦】の扱いを受けてもおかしくないか」

x:天城’「【この世界】では金剛型巡洋戦艦に続く【巡洋戦艦】が存在しなかったために【演習】で【巡洋戦艦】の表示ができなかったようですね」メメタァ

清原「そうかもな。金剛型も【戦艦】に再分類されても【高速戦艦】という固有の存在感を放っていたことだしな」

清原「ん?(――――――今 何て言った?)」

x:天城’「【巡洋戦艦】の特徴はまさしく【戦艦】と同等の火力を得ると同時に【巡洋艦】の高速性を実現したところですが、」

x:天城’「後にビスマルク級やダンケルク級のように、【戦艦】でありながら【巡洋戦艦】の機動力とそれ以上の防御力が実現したことにより、」

x:天城’「【巡洋戦艦】の存在価値はなくなっていきます」

x:天城’「しかしながら、ミサイル兵器の発達と航空母艦の台頭によって戦後は【戦艦】も【巡洋戦艦】も揃って旧世代兵器として淘汰されたのです」

x:天城’「結局、国家間戦争が小規模になった際に必要となってきたのは【軽装甲巡洋艦】から発達した安価で専門性特化した系統であり、」

x:天城’「大型艦として存在しているのは正規空母ぐらいとなりました」

x:天城’「しかし、――――――そもそもですね?」

x:天城’「【巡洋戦艦】だけじゃなく【戦艦】もユトランド沖海戦において費用対効果の悪い兵器としての事実が発覚していたのですよ?」

x:天城’「ですから、戦後になってからようやくユトランド沖海戦の教訓が活かされるようになった――――――何ともマヌケな話ですよね」

x:天城’「皮肉にも、それを世界の常識に定着させたのが他ならぬ我が皇国だったのですから、手の込んだ自殺とも言えますね」

清原「………………」

x:天城’「どうしました?」

清原「いや、『艦娘なのにやけに詳しいな』と思ってな」

清原「深海棲艦との戦いが始まって現代艦船が無力化されて久しいのにそこまで詳しいのには感心だ」

x:天城’「勉強しましたから。『艦隊指揮や作戦立案をやれ』と言われれば誠心誠意やらせていただきますよ?」

x:天城’「それに、その【巡洋戦艦】ですから、この『天城』は」

清原「………………」










清原「ともかく、【艦これ】で【巡洋戦艦】が独立した艦種として登場するかはまだ未明だが、」

清原「【戦艦】と【巡洋戦艦】は全く違う艦種であることをこの説明で把握していただければ幸いである」

清原「もっとも、【戦艦】と同等の砲塔を搭載できるので【巡洋戦艦】は確かに【戦艦】の1種であると断言できる」

清原「実際に、金剛型戦艦の区分は【装甲巡洋艦】→【巡洋戦艦】→【戦艦】と変遷している」

清原「そして、日本の【巡洋戦艦】はワシントン海軍軍縮条約によって消滅はしたが、」

清原「【海外艦】では戦艦:ビスマルクと関わりが深いイギリス艦:フッドやドイツ艦:シャルンホルストという有名所がいるので、」

清原「【艦これ】に実装された際に艦種が【巡洋戦艦】になるのか【戦艦】になるのか、今後に注目だ」

清原「アイコンは略して【巡戦】といったところだろう」

清原「ただ、【戦艦】との違いを重視するなら【戦闘巡洋艦】名義で【戦巡】だとか【闘巡】にしたほうが正しく理解されるはずである」

清原「それと【巡戦】だと、【巡潜】と音が被るからでもある」

清原「言うまでもないが、【巡潜】とは【巡洋潜水艦】の略で“巡洋能力に優れた潜水艦”のことであり、」

清原「【巡戦】は“巡洋能力に優れた戦艦”という意味ではなく、“戦艦並みの戦闘能力を持った巡洋艦”なので思い違いをしないように」

清原「しかしながら、当時の帝国海軍が【戦艦】と同等の防御装甲を【巡戦】に使用していることから、」

清原「【巡洋戦艦】という呼称も実態からすれば適切な表現であるという別の見方もあるので注意だ」

清原「結局、Battle Cruiserの通りに【戦艦】ともとれるし、【巡洋艦】ともとれる中間的な立ち位置なのが【巡戦】というわけである」

清原「最後に、【巡戦】は絶対的に【戦艦】より速いが打たれ弱いのが特徴なのだが――――――、」

清原「【艦これ】的には旧式【巡洋戦艦】から【高速戦艦】になった金剛型戦艦と【重巡】との間の【装甲】に20の差がついているので、」

清原「【巡戦】の打たれ弱さは【艦これ】では全体からすれば逆に打たれ強い程度に調整されるのではないだろうか?」


陣営紹介X:洞庭鎮守府
清原提督
常識的かつ良識あるプレイを心掛ける提督。任務遂行のために試行錯誤して広く艦娘を育てており、バランスが良い編成を心掛けている。
良く言えば 基本に忠実で安定感がある、悪く言えば 普通であり地味であり薄く広くなので継続力・突破力・爆発力に欠けるために、
2014年夏イベントにおいては【二正面作戦】【連合艦隊】という人員を多く割く作戦で力尽きていた。
しかし、そういった特殊作戦以外では極めて安定した戦果を上げており、そのイベントマップ以外では順調に完全制覇している精鋭である。
また、4人の提督の中で極めて普通で基本に忠実だからこそ調整役や規範としてまとめ役になれる。

艦娘への感情は、とりあえず使ってみた時の使用感と攻略の貢献度で愛を注ぐ愛着型であり、【ケッコンカッコカリ】は一人にしかやらない主義。
ただし、艦娘を兵器だとしっかり割り切っており、だから【ケッコンカッコカリ】ができたのではないかという噂も……
出自は銀座の洋食屋の息子で、比叡カレーを御召艦カレーにしてしまうほどの料理の腕前と抜群の指導力を持つ。

基本的に公私混同しない清廉潔白で合理的かつ必要に応じて深謀遠慮ができる要領の良い性格で公人としてなら文句なしの逸材だが、
身内のことになると途端にヘタれるので私人としては精神的に大きな弱点を抱えており、基本的に己を前面に出して人と付き合うのが苦手。
不器用と言えば不器用だが、オンオフの使い分けが苦手という意味であり、私情が絡まない限りは極めて万事をまっとうにこなせる秀才である。


軽空母:鳳翔
清原提督と唯一【ケッコンカッコカリ】している軽空母。
序盤からずっと主力にしてきて労苦を分かち合っており、愛着型の清原提督としては趣味にしても性格にしても相性バッチリである。
【ケッコンカッコカリ】して限界突破し、レベルカンストには至らないが能力がほぼ上限まですでに【近代化改修】されている超強い“お艦”である。
それ故に、拓自鎮守府で着任したばかりの新米の愛月提督からはずっと【派遣】されてそのまま戦力の中核に組み込まれている。
また、同鎮守府の朗利提督の相談役や料理番もやっており、どこへ【派遣】されても“お艦”としての極めて高い女子力を発揮する。
鎮守府に清原提督の私費で建てられた小さな居酒屋『鳳翔』を夫と共に私営している。

今作においては、旧帝国海軍の軍艦の古参組として【異界艦】についての理解と支援に努めることになる。
鳳翔と金剛がこの架空戦記において重用されているのは、両者が旧式艦であることに加えて愛嬌のある人気のある性格であること――――――、
ニコニコ静画の鳳翔と金剛が提督に茶を同時に出す一枚の絵から着想を得た。
清原提督にふさわしい組み合わせとしてパッと思いついた二人だったが、結果として美味しい役割に落ち着いて個人的にこの選出に満足である。


戦艦:金剛
清原提督が唯一【ユウジョウカッコカリ】した帰国子女の【戦艦】。元々は【巡洋戦艦】なのだが【艦これ】では最初から【戦艦】である。
提督LOVE勢の筆頭として若さあふれる印象だが、史実からすれば【艦これ】に登場する艦娘の中では最も艦齢が高い最古参である。
清原提督が序盤の【建造】で引き当てた最初の戦艦であり、鳳翔とツートップで洞庭鎮守府の勝利に貢献してきた。
そして、鳳翔とは恋のライバルとして清原提督のハートを先に射止めることにも情熱を燃やしていた。
しかし、第1話において【ユウジョウカッコカリ】の不具合で早まる結果になってしまい――――――。

今作においては、鳳翔 同様に旧帝国海軍の古参組として【異界艦】についての理解と支援に努めることになる。
女子力では完全に鳳翔に負けており、しばらくは存在感が薄かったがここから巻き返すことになる。
洞庭鎮守府に所属する金剛型戦艦では一時は最高の練度だったのに、今では最低となっている――――――。

語尾が非常に面倒なキャラで、原作テキストは極力 尊重してはいますが、
正直に言って、似非外国訛りのキャラの口調は二次創作ではいろいろ表記が揺れていて非常に面倒である。
「デスカ」と「ですカー」の使い分けのように、語尾を伸ばす場合は語尾だけをカタカナにしてみた。
「シマース」「クダサーイ」のようなのは伸ばしても伸ばさなくてもカタカナ表記です。面倒極まりない。


戦艦:大和
洞庭鎮守府最大戦力の戦艦:大和。
大和ホテルとも呼ばれ、演習番長とも言われているが、【異界艦】がやってきても世界最強の戦艦である事実は揺るぎない。
洞庭鎮守府の司令官である清原提督が洋食、その妻の鳳翔が和食、大和がコース料理を司っているために料理練度が抜群である。

今作においては、彼女を超える強大な敵との戦いが描かれていくので“世界最強の戦艦”であることの挟持と苦悩が描かれることになる。
ワシントン海軍軍縮条約以降の旧帝国海軍の軍艦の代表格として高雄と島風と一緒に登場することが多い。
※公式において超大和型戦艦を出すつもりらしいことが確認されている


第6話X-2 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- 解明編 

――――――鎮守府防衛戦のその夜


龍翔「………………」

清原「………………」

鳳翔「………………」

金剛「………………空気が重たいデス」

x:天城’「………………」

清原「まあ、こうなってしまったからには放置するわけにはいかなくなった」

龍翔「はい……」

清原「だいたいのことは貴官に代わって「天城」から聞いた」

清原「にわかには信じがたいことだが――――――、」


――――――貴官が【未来】から来たことは認めよう。


清原「『天城』に【50cm三連装砲】なんてものを見せられたら否が応でもそうだと頷かざるを得なかった」

清原「そして、『その使命』についても理解はしたつもりだ」

龍翔「そ、それじゃ――――――!」

清原「だが、『それ』を聞いた上で私はこう言う」


――――――【元の時代】へ帰れ。


龍翔「?!」

x:天城’「………………」


清原「当然だろう? 【未来】の海軍士官だとしても、【今の時代】に“龍翔提督”は存在しない」

清原「つまり、民間人でありながら国家の所有物であるはずの艦娘を個人的に違法所持している危険分子に他ならない」

清原「今回の一件で鎮守府の防衛に協力してくれたことは感謝するが、間もなく大本営からの調査部隊も派遣される」

清原「ここ最近の深海棲艦の鎮守府襲撃の対策が必要となってきているからな」

清原「その時、お前のようなドラ息子が我が鎮守府を屯しているのを見られたらどうなる?」

龍翔「あ…………」

清原「私はケッコンカッコカリこそしているが、人間の妻と子はいないのだ。もちろん親戚縁者にお前のような子もいない」

清原「すると、周囲の人間は私そっくりなお前を見てどう思う? 少なくとも私の評判がそれで上がるということはないだろうな」

清原「そうなれば、要らぬ疑惑でこれまで築かれてきた軍からの信頼も損なわれて、結果として大きな災禍を招きかねない」

龍翔「そんな! そんなこと――――――!」

清原「【未来】の人間のお前がどう思うかじゃない。【この時代】の人間がどう思うかだ」

清原「それに、国家の最重要機密である艦娘やそれの運用に関する情報についても民間人に明け渡すわけにはいかないんだ」

清原「情報漏洩は死罪に値する」

龍翔「うぅ…………」

清原「わかったか。帰るんだ、自分の家族の許へ……」

清原「このままだと誰も得はしないし、お前が頼ろうとしていた人物をお前自身が苦しめることになるぞ」

清原「お前の艦娘たちの修理・補給が終わったらすぐに【ここ】から立ち去れ。対価は必要ないから」

龍翔「お、オレは………………」

清原「家族のところに帰れ、いいな? これが最大限の返礼だ」

金剛「て、提督…………」

鳳翔「………………」

龍翔「――――――『家族』」ピタッ

龍翔「あ、天城」

x;天城’「はい、提督」

龍翔「オレと清原提督のことについてはもう喋ったのか?」

x:天城’「はい。『私たちの使命』について、どうして【ここ】を選んだのかも、――――――全て」

龍翔「だったら……、だったら――――――!」メメタァ


龍翔「父さん! ならば、せめて父さんの子であるオレに何か、何かをください!」


清原「………………」アセタラー

金剛「え!?」

鳳翔「やっぱり……、でも…………」

x:天城’「………………」


龍翔「話は全部 聞いてるんでしょう?!」

龍翔「だったら、“護国の英雄”として何か、【破滅の未来】を迎えようとしている子孫のために何かを――――――!」

龍翔「負けるとわかっても誇りある皇国の軍人として戦いに身を投じるオレに勇気をください…………うぅ」ヒッグ

清原「………………」

金剛「えと……、な、泣かないでくださいヨー」オロオロ

龍翔「泣いてない! 泣いてなんかないよ、おばあちゃん!」ヒッグ

清原「…………泣き落としなんかして見苦しいぞ」アセタラー

鳳翔「あ、あなた……!」

龍翔「違うんです!」

龍翔「オレは父さんと母さんに会えてそれで満足できればよかった…………それで死ぬ決心がつくつもりだったんです」ポタポタ・・・

龍翔「けど、怖いです………………助けてもらったけれども、これまでの戦い方が全然通用しなくなって――――――、」

龍翔「オレにはもうどうすればいいかわからないんです」

龍翔「【オレの時代】では戦艦と潜水艦と空母が3すくみになっていたのに――――――、」

龍翔「この3すくみが崩壊し始めてまともな艦隊決戦じゃ人類は勝てなくなって…………」

龍翔「そして、超大型弩級深海棲艦の艦砲射撃による鉄の雨によって人類の故郷である大地を蹂躙されてしまって…………」

龍翔「オレはどこか逃げていたのかもしれません。【昔】に逃げ込んでその時代の深海棲艦を蹂躙する憂さ晴らしがしたくなって――――――」

龍翔「けれど、それがあんな無残な結果になるだなんて…………」

清原「………………」

龍翔「オレは“護国の英雄の息子”として皇国の同胞の命を抱えています!」

龍翔「けれども、こんなんじゃ艦隊司令官としての前に立つことなんてできません!」

龍翔「そして、清原提督の言うことももっともです。突然 お邪魔して申し訳ありませんでした……」

龍翔「けど、せめて、せめて! 栄えある皇国の軍人としての誇りを胸に再び死地へと旅立つ勇気をください!」


龍翔「…………父さん!」グスン


金剛「」

鳳翔「」

x:天城’「………………」


清原「…………そんなこと私にはできない」


龍翔「あぁ」フラッ

龍翔「うわあああああああああああああああああああああああああああ!」バッ


ダッダッダッダッダ・・・


金剛「あ、Wait !」

鳳翔「あ、あなた……」

清原「………………」ギリッ


x:天城’「ありがとうございました、提督」

清原「…………全てを話したのではなかったのか?」ジロッ

x:天城’「今のは『私たちの使命』とはまったく関係のない一個人の感傷ですので……」

金剛「HEY! 今のは本当の話なんデスカ!? あまりにも残酷で狂ったDestinyデース!」

x:天城’「【今】の話ではないのですから、もう忘れてください」

清原「…………くっ」

x:天城’「それに、今回のボス級深海棲艦による鎮守府襲撃の一件について、私が先立って提督に警告したのですが、」

x:天城’「あの子が勝手に鎮守府の見物に洒落こんで騒ぎを呼んだせいで、臨戦態勢の命令伝達が滞ってしまったんです」

x:天城’「本当に何とお詫びすればよいか…………お恥ずかしい限りです」

金剛「え」

清原「何も言わないでください。『私と顔が似ている』というだけで勝手に持ち場を離れていった部下たちの方にも問題があります」

清原「戦艦組がちゃんとしていてくれたからこそ間一髪のところであなたのところの艦娘を救えましたが、」

清原「平時における我が鎮守府の危機意識と対応力の甘さが露呈しました。これは今後の大きな課題です」

清原「そして、あなたからの警告もなく、龍翔提督の加勢もなければ――――――、」

清原「なすすべもなく奇襲攻撃を受けてしまい、他の鎮守府と同じように壊滅していたかもしれません」

清原「何とも言えない経緯でしたが、結果オーライということでお互いに水に流しましょう、ここは」

清原「幸い、損害は龍翔提督の3隻だけで誰一人として失われなかったのです。そういう意味では感謝してもしきれません」

x:天城’「はい、提督。私としても妹たちを救っていただき感謝してもしきれません」

清原「はい」

清原「(やはりこの『天城』、私のことを『提督』と呼んで、自分の提督を『あの子』呼ばわりだな…………何だこの感じは?)」

金剛「そ、そんな危機的状況だったんデスカ……(んん? あの天城サンって人は何か怪しいデース)」アセタラー

鳳翔「ごめんなさい、本当に。そんなことになっていたことも知らずに…………(どうしてかしら? なぜだか天城さんのことが――――――)」グスン

清原「いや、非番だった者を責めるつもりはない」

清原「今回の一件は龍翔提督のことで騒ぎにならなければここまで状況は混乱しなかったのだ」

清原「よって、龍翔提督と以下3名を私に無断で通した者に全ての責任がある」

清原「後は、非番じゃなかったのに一斉に持ち場を離れて鎮守府の機能を麻痺させた連中にも相応の罰を与えねばな」

x:天城’「それが妥当なところでしょうか。本当に申し訳ありません」

清原「まあ、気持ちはわからんでもない……」ボソッ

x;天城’「そうですか……」


金剛「――――――って! 提督ぅー!」

金剛「いつまで提督はそんな話をしてるのですカー!」

清原「………………」

x:天城’「提督、【高速修復剤】をわけてもらえませんか?」

清原「――――――!」

金剛「NO! 提督、NOデース! このまま送り返しちゃったら提督はYour Sonを――――――!」


清原「艦娘との間に生まれた子などどうして信じられる!」


金剛「!」

鳳翔「!」

清原「………………」

x:天城’「それでいいのです」

x:天城’「無責任ながら、“護国の英雄”にすがるあまりに自分を英雄の子だと思い込んで自身を奮い立ててきた――――――ということで」

金剛「提督! それ、本気で言ってるんデスカ!?」

清原「それが【今】の事実なんだ……」

金剛「Mrs.鳳翔も言ってやってクダサーイ! このままだと私たちの【未来】が、LOVEの結晶が――――――!」

鳳翔「………………」

金剛「…………!」


一同「………………」


金剛「信じられないデース! 提督は本当にそれで満足なんですカー!? Mrs.鳳翔も!」

金剛「私は絶対に、絶対にあの子を見捨てないですからネー!」

タッタッタッタッタ・・・・・・

清原「………………」

x:天城’「では、【高速修復剤】の使用許可を――――――(本当に金剛先輩は【今】も【昔】も変わってないんですね……)」


清原「今日は疲れた。明日にしてくれないか」


x:天城’「!」

x:天城’「わかりました、提督」
                       ・ ・ ・ ・ ・ ・                 
x:天城’「では、おやすみなさいませ。心安らかな夜をお過ごしなさいますよう――――――」

清原「ああ…………」

スタスタスタ・・・・・・



清原「………………」

鳳翔「あなた……」

清原「すまないが、一人にしてくれないか」

鳳翔「はい……」

鳳翔「あの……、私もついていますからね?」

清原「ああ……」


コツコツコツ・・・バタン!


清原「さて……」ガチャ

清原「――――――すまない。部屋を開けてくれないか」

清原「――――――ああ。助かる」ガチャリ

清原「………………」

清原「――――――最低だな、私は」ブルブル

清原「………………」バサッ


――――――執務室の机の上に提督の服一式がきれいに畳んで置かれた。



金剛「HEY! 龍翔提督ぅー! どこですカー!」ドタバタ!

x:天城'「真夜中に大声を出して走り回るのは周りに迷惑ですよ、金剛先輩」

金剛「ど、どうして天城サンが私よりも先にここに――――――」ドキッ

x:天城’「あの子、泣いてましたよね?」

金剛「はい、泣いてマシタ! あんな幼気な子を一人にするだなんて私には耐えられマセーン!」

金剛「それに、提督の【未来】の子というのなら尚更デース!」

x:天城’「あの子は人前では決して泣きません。それが祖母からの教えなのです」

金剛「提督のお母様の――――――?」

x:天城’「今の時間帯ですぐに行ける範囲で一人になれそうな場所はどこか思い当たりませんか?」

金剛「おお!」

金剛「情報感謝デース! 確かにまだそう遠くに行ってないはずデース!」

金剛「天城サン! 私は絶対に龍翔提督の明日を救ってみせますからネー!」

金剛「待っててくださいネー! だから、諦めちゃNO! なんだからネー!」


タッタッタッタッタ・・・・・・


x:天城’「相変わらずですね、金剛先輩は」クスッ

x:天城’「さすがは【私たちの世界の艦これ】で『ババア結婚してくれ』と言われるだけの長寿艦なだけはあります」メメタァ

x:天城’「本当にいくつになっても素敵な先輩です」フフッ

x:天城’「そして、【私が存在しないこの世界】において鳳翔と――――――」

x:天城’「ごめんなさいね」

x:天城’「【本来】ならば、このまま進んでいって提督を先に見つけることになったんだけど、」
                       ・
x;天城’「――――――あなたにとっても残酷なものを延々と見せつけられるわけだから」

x:天城’「それに、金剛先輩には【ここ】でもあの子の面倒を見てもらったほうが結果としてあの子も先輩も満たされることになるだろうから……」
                        サダメ 
x:天城’「うまくできているものね。これも運命か……」

x:天城’「――――――!」ドクン!

x:天城’「っう!」ズキズキ


x:天城’「――――――未来が変わった」


x:天城’「そう、そうなのね。そうなるのね」

x:天城’「父と子の問題も少しずつ解決していくようです。そして、いつか父と子が揃って――――――!」

x:天城’「けれども、結果はわかってもその過程は険しい――――――そのための努力は欠かせません」

x:天城’「そして、提督――――――あなたもあの子の【未来】の父親として大いに悩んでいることでしょう」

x:天城’「今、あなたもあの子と同じようにあの場所で一人――――――いえ、その隣に常にふさわしい人がついているから」フフッ

x:天城’「そして今宵は、記念すべき二人の夜――――――」スタスタ・・・


――――――ああ 提督、月が綺麗ですね。




――――――????

――――――
「うぅ…………」グスングスン
――――――

金剛「そうデース! 執務室からすぐ近くでGentlemanが落ち着けるのはここしかアリマセン!」

金剛「龍翔提督、いますカー?」ドンドン!

――――――
「!」ビクッ
――――――

金剛「いますカー! 誰もいないのですカー!」ドンドン!

――――――
「だ、誰もいませんよー!」
――――――

金剛「Oh,NO! それならしかたがありませんネー」

金剛「むむむ、いったいどこへ行ってシマッタカ、困りましたネー」

金剛「もしかしたら――――――」ニヤリ

タッタッタッタッタ・・・・・・

――――――
「………………ホッ」
――――――

金剛「Fire!」 ――――――【14cm単装砲】!

チュドーン!

龍翔「なっ――――――うわあああああ!」

龍翔「な、何が…………」ゲホゲホ・・・

金剛「あ、やっぱりそこにいましたカー」

龍翔「お、おばあちゃん!? どうしてオレがここにいることが――――――!」ガタガタ

金剛「むぅ」ムスッ

金剛「いくら提督の子だからって、【今】の私は『おばあちゃん』じゃないデース! 訂正を要求シマース!」ジャキ!

龍翔「わ、わかりました! 金剛お…ねえさん!」

金剛「よろしい!」

金剛「さあ、龍翔提督! いつまでもトイレに閉じこもってないで一緒にくるのデース!」

龍翔「ヤダ! オレは泣きたいんだよ! 泣きたい気分なんだよ!」

龍翔「男が泣いていいのはトイレとお風呂の中だけなんだぞ!」

龍翔「ほっといてくれぇ!」

金剛「ハア……、やっぱりそういう――――――昔気質というのですカー? 堅苦しいところは本当に提督にそっくりデース」

金剛「いいからくるのデース! 一人でウジウジしていたらますますHappinessを逃しますヨー!」

龍翔「い、いやだ! 助けて、天城ぃいい!」

金剛「ナルホド、こんな時に咄嗟に助けを呼ぶのはやっぱり天城サンなんですネー」

金剛「本当に天城サンは龍翔提督のことを――――――」クスッ

龍翔「いやああああああああ!」ズルズル・・・

金剛「龍翔提督も一人のSumuraiなら潔くするのデース! ホラ!」

龍翔「うぅ、もうどうにでもなれぇ……!」ギュッ

金剛「そうデース、手を放さないでネー(あ、これはホントにカワイイですネー。提督にそっくりですし、これは少し――――――)」ドキドキ


――――――待機室


龍翔「うぅ…………」オドオド

金剛「さあ、これを飲んで身も心も温まるのデース!」ニコニコ

龍翔「あ、ありがとうございます……」オソルオソル

Z:長門’「まさか最終日を迎える深夜にこのような幸運が舞い込むとはな」キラキラ

金剛「何か言いましたカー?」

Z:長門’「いや、何も言ってないぞ(やったー! 龍翔ショタ提督が来てくれたぞー! ふおおおおおお!)」ジュルリ

金剛「海域の方はもう大丈夫なんですカー?」

Z:長門’「いや、今も厳戒態勢は継続だ。私は【派遣】だから大事を取ってこうして鎮守府の夜の警備に回されたのだ」

龍翔「………………」

Z:長門’「さて、龍翔提督。きみのことについていろいろと聴かせてくれないか?(――――――そう、『いろいろ』とな!)」ドキドキ

龍翔「えと…………」

金剛「そうですヨー! このままだと本当に何も得られないまま死地へと行かされちゃいマース! そんなの 絶対にNOデース!」

金剛「それに、提督はこちら側の情報を差し出すのが嫌なだけで、別に龍翔提督の身の上話なら私が代わりにいくらでも聞いてあげますカラ!」

金剛「絶対に私は龍翔提督に生きる希望を持って帰ってもらいたいデース!」

龍翔「金剛お…ねえさん」

金剛「YES, I am ! この金剛を存分に頼るのデース!」

Z:長門’「わ、私もだぞ、龍翔提督よ!(いいなー、私も“長門おねえさん”と呼ばれたい……)」ドキドキ

Z:長門’「どうせ私は明日には【返還】されることだし、これは雑談だ。必要外な会話内容は報告しないぞ(くぅううう! 契約延長を……!)」

龍翔「………………」

Z:長門’「さあ、この戦艦:長門に思う存分 胸にしまっていたもの曝け出すのだ」

金剛「そうデース! 全部 私たちが受け止めマース!」

龍翔「………………うん」



「少なくともオレが生まれたのは父さんが30の時だった」

「その頃には深海棲艦の脅威が無くなって、父さんは“護国の英雄”として語り継がれる存在となっていた」

「けれども、それから数年経って“失われた10年”――――――世界規模の未曾有の大災害が起こり、」

「人類は深海棲艦によらずに再び滅びの道へと歩んでいった」

「そして、そこに追い打ちを掛けるかのように10数年の沈黙を破り、更なる進化を遂げた深海棲艦との新たな戦いが始まった――――――」



龍翔「…………これが父さんと母さんが結婚した時のやつです」スッ

――――――1枚の写真。

金剛「そうですカー、これが…………(結局、提督は一人しか選んでくれなかったんですネ……、わかっていたことですケド少し…………)」

Z:長門’「ほう……」

龍翔「これともう1枚の写真とで、断絶された【失われた10年以前】の時期の特定に使おうと思いまして」

龍翔「この写真は本当に“平和で豊かだった時代”の遺産なんだ……」スッ

金剛「おお!」

Z:長門’「な、なんと!」

――――――もう1枚の写真。

金剛「WOW! これが龍翔提督ですカー! カワイイですネー!」キラキラ

Z:長門’「おお……、清原提督と鳳翔夫人も貫禄があるな……(――――――しかと心に焼き付けたぞ、この写真は!)」キラキラ

金剛「あ、でも……、艦娘と人間の間に子供は生まれないはずデス――――――(そう、提督もそのことで――――――)」

龍翔「それは戦いが終わったことで事情が変わったんです」

龍翔「まず、深海棲艦との戦いが終わってから艦娘は不要な存在になって、」

龍翔「艦齢が5歳以上の艦娘は予備役となって退役することになり、人間と同等の人権が与えられることになったのです」

金剛「艦齢が5歳以上で終戦を迎えたら、退役して人間と同等の人権が――――――」

Z:長門’「非常に魅力的な将来図だが、戦うために生まれた艦娘としては少し寂しいものがあるな……」

Z:長門’「(む? いったい何の話をしているのだ? 龍翔提督は清原提督の弟君ではなかったのか? まあいいか)」

金剛「(そういえば、長門サンには何も説明してませんでしたケド、さすがは“ビッグ7”デース。度量が大きいデース)」

龍翔「それで、艦娘も人間と同じ権利が認められることになったので、【ケッコンカッコカリ】が本当の結婚として認められることになったんです」

龍翔「話によると、父さんと母さんはそのテストケースとして法律として認められる以前から結婚していたらしいです」

龍翔「そして、オレが生まれた」

Z:長門’「…………ほう」ワクワク

龍翔「オレ、父さんの遺伝子を100%受け継いで母さんのお腹から生まれた子なんです」

龍翔「だから、遺伝子的には“父さんの分身”とも言えるそうなんです」

金剛「Really !?」

龍翔「やり方としては父さんの身体からとったデオキシリボ核酸からX染色体とY染色体を取り出して、それを精子と卵子に成長させて受精させてから、」

龍翔「母さんのお腹の中に入れたとか何とか――――――よくわかりません」

金剛「???」

Z:長門’「す、すまない。私もよくわからん……」ウーム

龍翔「と、ともかく、オレは間違いなく人間である父さんの子なんです」

龍翔「そして、艦娘である母さんのお腹の中で育ってこの世に生を受けた最初の子らしいんです」

龍翔「だから、オレは終戦まで戦い抜いた提督と艦娘の夫婦(仮)にとって希望だったらしく、とにかくたくさんの人に可愛がられた記憶があります」

Z:長門’「それは当然だろうな(――――――こんなにもカワイイのだからな!)」ウンウン

龍翔「けれども、この戦後処置によって人間たちの何かが失われたらしく、“平和と豊かさ”の中で人々は退廃していって…………」

金剛「…………!」ゴクリ


龍翔「【今】と【オレにとっての今】はたった20年ぐらいしか違わないのに未曾有の大災害で世界人口の大半が失われたんです……」

龍翔「地震、津波、火山爆発、疫病の流行、異常気象――――――西洋の終末論に見えるような世界の終わりがやってきたんです」

Z:長門’「なんだそれは…………」アセタラー

金剛「そ、それで……?」アセタラー


龍翔「父さんと母さんは最後の最後まで“護国の英雄”として海の向こうで救助活動に従事してついに帰ることがなかった……」


龍翔「物心付く前の話です」

金剛「WHAT'S !?」ガタッ

Z:長門’「そんな……!? 英雄になっても災害には勝てないというのか…………」アセビッショリ!

Z:長門’「(嫌なことを思い出したな。「天城」や多くの同胞を喪ったあの震災――――――)」ギリッ

Z:長門’「(何かの冗談だと思って聴いていたが、さすがにこの真に迫る語りからこれはただならぬことだと理解できてきたぞ……!)」

龍翔「それから大災害が終わったと思ったら、再び現れた深海棲艦による新たな脅威にさらされ、」

龍翔「かつての英雄たちのほとんどが大災害に消えた中、人類は平和に溺れて戦うことを忘れ去ろうとした報いを受けることになったんです」


龍翔「――――――オレは護国の英雄の子」


龍翔「加えて、艦娘との間に生まれた最初の子として親戚一同からも大災害を生き延びた父さんの戦友たちからも“英雄の二代目”として期待されました」

龍翔「だから、オレは深海棲艦と戦うための教育をずっと受けてきて、16で准将の待遇でこうして提督として戦場に立つことになったんです」

金剛「え」

Z:長門’「なんだと!? 本当に16歳なのか、きみは!?(――――――『准将』って何だ? 末吉みたいな感じの将官の末席で臨時の階級か?)」

龍翔「そんなに変ですか――――――あ、そっか。そういう認識の違いも【失われた10年以前】だからか」

龍翔「オレだけじゃないですよ、16歳で提督をしている子なんて。大人がいないもんで他にもたくさんいます」

Z:長門’「18歳になって飲酒もできないような若者が、か!?」

龍翔「はい。そもそもお酒も16で飲めるようになってます」

金剛「あ、やっぱり長門サンにはまだ何も話してませんでしたネ……」

Z:長門’「そんな……、そんな馬鹿な現実があってたまるか!」


龍翔「その現実がオレなんです」


Z:長門’「うっ…………」


龍翔「――――――戦況はもう最悪です」

龍翔「オレ以外にまともに艦隊運用ができる提督がいない――――――新米ばかりで ベテランのほとんどは大災害に散って…………」

龍翔「艦娘も最低限は国防のために建造は続けられていたのですが、深海棲艦が10数年現れなかったせいで練度や開発がまるで追いついてません」

龍翔「それでもオレたちは局地的な勝利を何度も何度も重ねてきました。――――――天城が居てくれたからこれまでやってこれたんです」

金剛「天城サン……」

Z:長門’「――――――『局地的な勝利』か。嫌な言葉だ(――――――ん? 今度は『天城』だと? どういうことなんだ?!)」

龍翔「オレはみんなの希望を背負って必死にあっちこっちで深海棲艦を倒してきました」

龍翔「それなのに、深海棲艦は進化し続けていて超大型弩級深海棲艦の登場で完全に戦いの主導権を奪われてしまったんです」

金剛「――――――『超大型弩級深海棲艦』デスカ?」

Z:長門’「…………確かに聞いただけで身震いがするような相手かもしれないが、どう脅威なのだ?」

龍翔「簡単ですよ。――――――深海棲艦による対地攻撃が平然と行われるようになったんです」

金剛「!?」

Z:長門’「そんな馬鹿な!? 深海棲艦は人間よりも我々 艦娘を優先的に狙う――――――」

龍翔「そこなんですよ、最悪だったのは」

Z:長門’「え……」

龍翔「……敵がどういった経緯で進化したのかはわかりません」

龍翔「けれども、深海棲艦との戦いが終わってから『艦齢5歳以上の艦娘は退役して人間として暮らすようになっていた』んです」

Z:長門’「あ…………」アセタラー

金剛「まさか――――――」アセダラダラ

龍翔「それに、“平和で豊かな時代”に艦娘は不要な存在でしたから、あれから艦娘の生産数もずいぶん減っています」

龍翔「人口分布ならぬ艦娘分布を探り当てる技術を深海棲艦が得て、そこから海から程遠い陸に艦娘が集中していることを知り、」

龍翔「効率よく陸の艦娘を殲滅するために何が必要なのかわかったから対地攻撃するようになったのではないかと言われます」

龍翔「法的には人間になれた艦娘でも、深海棲艦の理からすればそんなのは関係ありませんからね」

龍翔「ただ それを認めた時、艦娘に対する風当たりを気にして、大本営はそれをよしとせず、黙殺しています」


龍翔「――――――『深海棲艦は戦略を理解するようになった』と敵を過大評価するようになって誰もが怖気づいてしまった」


龍翔「もう、提督も艦娘も軍人も政治家も国民もダメな空気に染まってしまった…………」

龍翔「こんなんでオレ一人頑張ったってどうすればいいんだよ…………!」

金剛「私たち艦娘が結局は守るべき人たちを犠牲にしてしまう…………」

Z:長門’「何ということだ!(大人は滅びの空気に酔いしれて、まともなのは龍翔提督だけだったというのか?! あまりにも重すぎる…………!)」


Z:長門’「だが、どうしてそこまで冷静でいられた?(そう、周りと同じように滅びの空気に染まっていればこうも苦しむこともなかったろうに)」

龍翔「オレだって逃げ出したかったさ! でも、周囲の目もあるし、何よりも――――――、」


――――――天城がいたから。


金剛「………………」

Z:長門’「……そうなのか」

龍翔「だって! オレが挫けそうになったらとんでもない悪口や暴力を浴びせて無理やりオレのやる気を叩き起こすんだよ?」

龍翔「きっと、オレの魂が肉体から飛び出ても天城なら無理やり元の肉体に連れ戻して現世の仕事の続きをやらせようとするだろうな、きっと…………」アセタラー

金剛「え……、だ、大丈夫なんデスカ!?」

龍翔「ああ 大丈夫。悪口や暴力と言ってもなぜだかそれでやる気が湧くんだ。特に恨みに思うこともなくて逆にスッキリするんだよ」

龍翔「それに天城は、深海棲艦との戦いに備えて英才教育を施されたオレよりも遥かに頭がいいし、」

龍翔「実際にオレに手本を見せる名目で、敵の戦略拠点を叩くために資源の管理だとか戦力配置や作戦内容も全部一人で考えて成功させているし」

Z:長門'「は」

龍翔「正直に言って、オレなんか要らないぐらいに提督業をこなしているんだけどさ?」


龍翔「――――――『それでも提督はオレなんだ』って言ってくれるんだ。いつもは厳しいのにあんな時ばかりスッゴクいい笑顔で言うんだよ」


金剛「………………」

Z:長門’「わかる。わかるぞ、その気持ち!(私も自分の提督に対して呆れつつも結局は自分の提督こそが一番だと思っているからな)」ウンウン

龍翔「天城がいてくれなかったら、こうしてオレは【ここ】には来れなかった……」

龍翔「…………本当に感謝している」

Z:長門’「そうか。天城が希望を繋いできたということなのだな……(そうだ、今度は託されたその希望を【ここ】で現実のものにするんだ!)」

金剛「長門サン……」


龍翔「オレは少しでもこの状況を打開するための策を得るために【この時代】にやってきたんです」

龍翔「【オレたちの未来】が救われるのであれば何だってよかった」

龍翔「使える提督がいなければ【この時代】のベテラン提督たちを連れてくるとか、何なりすればいいと思って…………」

金剛「そうだったんデスカ……」

龍翔「でも、浅はかでした」

Z:長門’「――――――『浅はか』だと?」

龍翔「【この時代】でも未来の英雄たちが命懸けで戦っているのに、それに水を差すわけにもいきません」

金剛「ああ…………」

Z:長門’「すまない。私も『浅はか』だったようだ……」

龍翔「そして、オレはこの通り 何をすればいいのかわからない有り様です」


龍翔「でも、冥土の土産に父さんと母さんに会えてよかったです」ニコッ


龍翔「物心ついた時にはもういなくなっていたから」

龍翔「ただ周りのみんなが口を揃えて父さんと母さんのことを褒め称えていて、」

龍翔「死ぬ前に機会があるのならば絶対に会っておきたいと思っていて、俺はこの『大本営の極秘作戦』に志願したんです」

Z:長門’「なら、帰る必要なんてないぞ! きみは十分に頑張った! もういいんだぞ!」

Z:長門’「ずっとここに居ろ! 【未来】なんて【ここ】で変えればいい! 清原提督が無理なら朗利提督なら必ずきみを――――――」

龍翔「残念だけど、大本営は【この時代】に貴重な戦力を連れて逃げこまれることを阻止するために家族や親戚一同を人質にした上に、」

龍翔「オレの首筋には小型の時限爆弾を埋め込んでいるんです。――――――期限は1年ということで」

龍翔「確か首筋のこの辺に微かにピカピカしているものが見えません? これがその時限爆弾です」

Z:長門’「なっ」

金剛「………………」アセダラダラ

龍翔「【今の時代】の技術では到底取り出すことは無理でしょう。期限を過ぎれば首の中の骨、血管、神経が瞬時に切断されて即死です」

Z:長門’「待ってくれ! 待ってくれ……!」

Z:長門’「きみの艦娘や妖精たちはみんなそのことを知っているのか……?」

龍翔「いえ。知っているのはオレと天城だけです」

龍翔「状況がどれだけ最悪なのかも厳重な緘口令と虚偽の大本営発表で伏せられています」

龍翔「その代わりに、オレの活躍ばかりが大々的に報じられていて――――――確かに局地的な勝利は重ねてはいるんです」

龍翔「一度は、天城の奇策で超大型弩級深海棲艦の砲撃を阻止したこともあります」

龍翔「でも、超大型弩級深海棲艦は1隻だけじゃないんです! 総力戦を仕掛けてやっとなのにどうすればいいんですか!?」

龍翔「もう安否確認なんてものはするまでもなく、超大型弩級深海棲艦の遥か海の彼方からの艦砲射撃で町や村ごと消し飛びますから、」

龍翔「軍人も民間人もお偉方も、表層的には大本営発表に安堵してはいますけれど、誰もが明日なき命とみな覚悟しているぐらいです」

Z:長門’「それで、それで満足なのか、龍翔提督よ!」バン!

龍翔「同じ死ぬでも、オレのことを育ててくれた親戚のみんなや父さんが残してくれた艦娘たちの盾となって死ぬのも悪くない――――――」


龍翔「周りが腰抜けやヘナチョコだけになっても『オレだけは立派に戦い抜いた』っていう誇りが与えられるから……」


Z:長門’「なんだと? 今、何と言った――――――?(何だ今のは? どこか遠くの記憶の彼方で聞いたことがあるような――――――)」ピクッ


龍翔「…………フゥ」

龍翔「なんかスッキリしました」

龍翔「話しているうちに頭の中が整理できたようです。自分が何をすべきか見えてきました」

龍翔「聞いてくれてありがとうございました。協力は得られませんでしたが、【ここ】に来た甲斐はありました」ニコッ

Z:長門’「やめろ! そんなことで笑顔なんて見せるんじゃない!」

Z:長門’「勝敗は兵家の常だが、死ぬとわかって――――――いや、戦略的に何の意味もない死に様に何の意味がある!」

Z:長門’「皇国の民の盾となるのが、それこそ艦娘の使命――――――」

龍翔「それがそうでもないんですよ」

Z:長門’「なに?」

龍翔「艦娘に人間と同じ人権を認めることが広まってから、人間と艦娘の境界線が曖昧になっていって、」

龍翔「駆逐艦や潜水艦のような幼い子も戦っているのだから若い男女も同じように戦場で戦うべきだという論調が広まりまして――――――」

金剛「!?」ゾクッ

龍翔「一部の過激分子がオレと同じぐらいの女子志願兵を艦娘に擬態させて囮にさせたなんていう話を聞いたことがあります」

Z:長門’「なんだそれは!? それでは何のための艦娘だと言うのだ! 何のための、何のための――――――」

龍翔「けど、そうでもしないと勝てないんですよ、現実に!」

龍翔「“失われた10年”でかつての英雄はみなことごとくこの世を去り、残されたのは“平和と豊かさ”に溺れた惰弱な世界だけ…………」

龍翔「滅びて当然なのかもしれない……」

龍翔「【ここ】に来て一番最初に驚いたことが、戦時中とはいえ 鎮守府に艦娘がたくさんいて士気がみなぎっていたことですからね」

龍翔「もうね? 戦うために生まれた艦娘でも士気はだだ下がりで提督と一緒に逃げ出すぐらいに威厳なんてものはないんです」


龍翔「ですから、本当によかったです。――――――最期に栄光に満ちた【ここ】に来ることができて」ニッコリ


金剛「」

Z:長門’「」

龍翔「聴いてくれてありがとうございました、本当に……」ウルウル

金剛「提督ぅーーーーーー!」ガバッ

タッタッタッタッタ・・・・・・

Z:長門’「この馬鹿者があああああああ!」ムギュッ!

龍翔「…………!」ドクン


Z:長門’「――――――【八八艦隊】」

Z:長門’「かつてワシントン海軍軍縮条約で妹の陸奥がこの世に生まれこぬまま逝ってしまう現実がそこにあった」

Z:長門’「けれども、必死の努力によって陸奥はこの世に生を受けることができたのだ!」

Z:長門’「だが、助かったのは陸奥だけで、陸奥に続く私の妹・後輩たちは生まれることはできなかった……」

Z:長門’「私は嬉しかったぞ! 後輩の赤城と加賀の戦艦姿を見ることができて! もちろん標的艦として散った土佐の晴れ姿もな!」

Z:長門’「それに、天城も来てるんだろう? また会って言葉を交わしておきたいんだ」

Z:長門’「だから、【八八艦隊】の同胞たちを引き連れて現れた龍翔提督は私には天の使いに見えた!」

Z:長門’「今度は私がきみを助ける番だ! 妹の陸奥がこの世に生を受けることができたようにどんな手を使ってでも!」

Z:長門’「だから、きみのような子がそんな悲しさや虚しさを湛えた空っぽな笑顔なんかしないでくれぇ……」グスン

Z:長門’「(提督、何となくだが提督がビスマルクや比叡を特別 愛でていた理由がわかってきたような気がします……)」

Z:長門’「(こういう――――――『守らなくてはいけない大切な何かがある』というわけなんですね)」

龍翔「………………」

龍翔「…………」

龍翔「……」

龍翔「」

Z:長門’「あ」

龍翔「スヤー」

Z:長門’「疲れて眠ってしまったのか、よしよし」フフッ

Z:長門’「そうだ。ビッグ7の私の胸に抱かれながら良い夢を見るんだぞ、ぼうや」フフッ

Z:長門’「(だが、夢から醒めればまた辛い【現実】へと向き合わなければならない)」

Z:長門’「(この子に必要なのは【現実】への希望と言ったところだろう。それを見せなければいけない!)」

Z:長門’「(そう、【未来】の『天城』が希望を繋いだのなら、今は亡き「天城」から授けられたビッグ7の誇りで――――――!)」グッ



金剛「提督ぅー! どこですカー!? Where are you ? やっぱりあの子は提督の――――――」タッタッタッタッタ・・・・・・





――――――????


鳳翔「…………あなた」

――――――
「くぅ…………」ポタポタ・・・
――――――

鳳翔「………………」

――――――
「くぅ………………」ゴクゴク・・・

「うおおおおおおおおお!」ガンガン!

「くそっ! くそっ! くそっ! くそっ! くそっ! くそおおおおおおおおおおお!」ガラガラガッシャーン!

「っいた! くぅううう…………」ポタポタ・・・
――――――

鳳翔「あ、あなた!」

――――――
「!?」

「…………鳳翔か。よくここがわかったな」

「やはり、私にはもったいないぐらいだ…………」
――――――

鳳翔「わかります」

鳳翔「以前にユウジョウカッコカリの一件で、あの金剛さんの願いを聞き入れた時もこうやって一人涙に暮れてましたよね?」

鳳翔「こちらに手を伸ばしてください。手当をいたしますから」

――――――
「…………すまない、頼む」ポタポタ・・・
――――――

鳳翔「はい」ニコッ

鳳翔「ですけど、いくら鎮守府の司令官とはいえ、」


鳳翔「牢屋で反省がてら自棄酒を飲むのは感心しませんよ」


鳳翔「それに、そんなボロを身にまとって身も心も窶すなんてのも」

鳳翔「金剛さん――――――いえ、その他のみんなが見たらどう思うか考えたことはありますか?」

――――――
「そうでもしないと、泣くに泣けないのだ……」

「私は兼く愛せても、深くは愛せないようだな……」


「あのドラ息子は――――――」
――――――

鳳翔「はい。間違いなくあなたの息子です」

鳳翔「見た目はもちろん、仕草や立居振舞もあなたそっくりです」

鳳翔「たぶん、あの子も今、泣いているのではないでしょうか?」

鳳翔「――――――トイレか、お風呂で」

鳳翔「――――――『男は人前では涙を流さない』と言い張ってましたから」

――――――
「……それは私の母の教えだ」

「不思議だな。――――――親子というのは」

「実感や客観的事実はなくても、そうだという何かは不自然ながら自然と伝わってくるのだ」
――――――

鳳翔「はい。私も艦娘でありながら、目に見えない何かであの子を自分の子のように感じてました」

鳳翔「ですから、あなたが今 どれくらい辛いのかもわかります」

――――――
「やはり、私にはもったいないな…………」
――――――




鳳翔「はい」トクトク・・・

清原「ああ」ゴク・・・

清原「何か久しぶりだな、こうやって酒を飲むなんて」(利き手は包帯で巻かれている)

鳳翔「そうですね。祭典儀式などの特別な場合以外では鎮守府内での飲酒は全面的に禁止していますからね」

清原「鳳翔、こんな不潔で臭いところにいつまでもいなくていいんだぞ?」

鳳翔「いいえ。私はあなたを一人にはさせません」

鳳翔「それに、こうしていられる時間をとれて私は贅沢者です」

清原「牢屋の中で通風口から差し込むかすかな月の光を楽しみながら酒を飲むというのも酔狂なものだな」

清原「かたや美人の女将で、かたやボロに身を窶す牢屋の囚人か――――――」

鳳翔「身分に囚われない儚くも麗しい愛がそこにはあるのではないのでしょうか」トクトク・・・

清原「………………」ゴク・・・

清原「なあ」

鳳翔「はい」


――――――やっぱり子供 欲しいか?


鳳翔「…………はい」ポッ

清原「やはり、人間の年頃の女性と同じ形をしているとそういうのに自然と憧れの念を抱くものなのか」ゴク・・・

清原「『天城』の話によると、【今】からそう遠くない未来に戦いは終わって、」

清原「艦齢が5歳以上の艦娘は軍縮のために名誉退役させられて、人間としての権利が認められて、」

清原「ケッコンカッコカリから正式な婚姻を結べるようになるらしい」

清原「その第一号が、私とお前だそうだ」フフッ

鳳翔「なんだか誇らしい気もしますし、恥ずかしくもありますね」テレテレ

清原「そして、私の子種を受けて鳳翔が私の子を生むんだ」

清原「それがあのドラ息子というわけなんだ。これも艦娘から生まれた子としては初めての存在として世間の耳目を集めるらしい」

清原「私の子は『天城』が思わず熱を入れて語りだすほどにたくさんの人からの祝福を受けて育っていったらしいんだ」

鳳翔「はい。本当に立派な子に育ってますね」ニッコリ

清原「けれど、理性的にあの子のことを思うと『どう考えても自分の子ではない』という結論が渦巻いてだな……」

鳳翔「………………」

清原「だって そうだろう? いきなり現れて未婚の私を『父さん』と呼び慕って擦り寄ってくるんだぞ? 気味が悪い」

清原「『天城』からの説明や実際に会って直感的にそうだとわかっても、やはり【今という現実】に視点に合わせるとあの子を遠ざけることしかできない」

清原「だからこうやって、洞庭鎮守府の司令官という肩書の自分を脱ぎ捨てて、ただの牢人としてありのままの自分に帰っているわけなんだよ」

清原「やはり、権力や肩書というものは服を着ていないと意味が無いものなんだ」

鳳翔「そういうものなんですか?」

清原「――――――鎮守府を褌一丁や裸で歩き回る提督に威厳なんてあると思うか?」

鳳翔「いいえ」クスッ

清原「身形っていうのもそれになりきるために必要なものだから――――――、」

清原「提督としての衣をまとった私ではやっぱりあの子を助けることができないんだ……」

鳳翔「…………そうなんですか」ジー


清原「どうすればいいのだろう……」

清原「提督としての肩書を捨てて、立場に縛られないいろいろな考えがめぐるようになったけれども、どれも根本的な問題を解決できていない」

清原「一番の問題は、あの子が【今の時代】の軍属じゃないことが最大の問題だ」

清原「私が不審人物を鎮守府に無断で置いていることが知られれば、これまで培ってきた信頼や権限を一挙に失ってしまうだろう」

清原「そう、要はあの子を正式な軍属に捩じ込むことさえできれば、後はいろいろと理由をつけて援助することはできるんだ」

清原「ただ、それをどういった名目で捩じ込むかが最大の難関なのだ」

鳳翔「そうですか……」ジー

鳳翔「ねえ、あなた? こうやって悩んでいられる時間はあとどれだけ残っているの?」

清原「うん? 早くて2日目には調査部隊が来るだろうな。明日――――――今日は調査部隊を迎え入れる準備がある」

鳳翔「なら、まだ時間はありますね」

清原「え」

鳳翔「――――――あなた」

清原「あ」


チュッ


清原「………………」ポー

鳳翔「………………」ポー

鳳翔「今夜のあなたは提督じゃないただの男の人――――――」

鳳翔「そして、ここにいるのは艦娘としての使命を忘れたただの女です」

鳳翔「一緒に考えましょう、ここで これからのことを」

清原「あ、ああ……」ポー

鳳翔「さあ」ドン

清原「うわっ」ドタッ


――――――愛してます、あなた。












金剛「まさかと思いましたケド、さすがにPrisonは違いましたカー」

老いた牢番「ああ。ここには誰も来ていないよ」

牢番「(危ない危ない。ちょっと用を足しに行っている間に来られたらひとたまりもなかったよ……)」

金剛「…………提督はどこへ行ってしまったのデショー?」

金剛「執務室には提督の服が畳んであっただけデシタシ……(本当はお触りしたかったのデスガ、さすがに今は自重シマシタ……)」

牢番「まあ、あの若者のことだ。どういった件で今 金剛ちゃんが駆け回っているかはわからないが、」

牢番「――――――大丈夫。ちゃんとそのことに向き合っているはずさ」
        ・
牢番「そう、前の金剛ちゃんのことでもね」

金剛「ん?」

牢番「今日はもう休みなさい。私からも言っておくから」

金剛「ワカリマシタ……」

金剛「Thanks, Elderly Gentleman」

タッタッタッタッタ・・・・・・

牢番「すまないねぇ。二人の時間を邪魔するわけにはいかなかったのだ」チラッ

牢番「やれやれ、――――――ようやくか。お赤飯でも置いといてやろうかねぇ、」

牢番「――――――ヘタレめが」

牢番「斎庭鎮守府の金本提督の10分の1ぐらい男の欲求をぶつけてみろ。甲斐性無しがぁ……」

牢番「だが、いつになっても恋愛というものはいいものだなぁ……」ニヤニヤ

――――――――――――

――――――
清原「zzz」
鳳翔「…………あたたかい」フフッ
――――――




――――――新しい1日が始まって


清原「出来る限り 手は尽くそう」


x:天城’「ありがとうございます、提督」

金剛「ホントですカー! イエーイ、大好きデース、提督ぅー!」ムギュー!

清原「おいおい。まだ解決したわけじゃないんだ。喜ぶのはまだ早いぞ」

金剛「はーい!(ん? 何か今日の提督は嗅ぎ慣れない臭いがいっぱい染み付いていて何とも言えない感じデース……)」クンクン

金剛「(でも、きっと提督もこんなふうに複雑な臭いをまとう程に悩み、悩み抜いたのですネー。そう思うと悪くないデース!)」ドキドキ

x:天城’「………………」

清原「さすがにどうするべきかな……」(珍しく着崩している――――――とはいっても、胸元を少し開けているだけだが)

清原「(昨夜、金剛が聴取したあの子の発言内容を見ていると本当にこれは…………ゾッとするような【未来】だな)」パラパラ・・・

金剛「提督、なんだか今日の提督はスッゴクSexyな感じデース!」ドキドキ

x:天城’「そうですね(さて、そろそろ動くとしますか――――――)」

x:天城’「提督」

清原「何だろう、『天城』?(――――――やはり私のことを『天城』は『提督』とある感情を込めて呼ぶ)」

x:天城’「――――――今日の【大型艦建造】の結果を当ててみせましょうか?」

清原「……なに?」

x:天城’「……そう、私たちが【この時代】に来ることができた“特異点”です」

x:天城’「私を含めた“3つの特異点”の1人がやってきます」

x:天城’「【ここ】にはすでに“特異点”の2つが揃っていて、新着の彼女を含めて全員揃うことになります」

清原「???」

清原「(どういうことだ? 【未来】からきたからその結果がわかっているということか?)」

清原「(あれ、ちょっと待てよ? いくら【未来】から来たといっても、なぜタイムマシンで来れた!? あれの原理からすれば――――――)」




陸奥「長門型戦艦二番艦の陸奥よ。よろしくね。あまり火遊びはしないでね。お願いよ?」


清原「よろしく頼む」

陸奥「あら? あらあら?」

Z:長門’「そうか。陸奥も洞庭鎮守府に着任となったか」

Z:長門’「私は拓自鎮守府から【派遣】されて今日には帰る」

Z:長門’「私に代わって、清原提督を助けてやってくれ」

陸奥「長門に――――――、」

x:天城’「久しぶりね」

陸奥「――――――天城さん」

清原「それで、長門に陸奥に天城――――――これが“3つの特異点”なんだな?(いったい何の話をしているのかさっぱりわからないぞ……)」

x:天城’「はい。洞庭鎮守府に“特異点”が3つ揃うのは今日しかないんです」

Z:長門’「なんだと、それは困る!(――――――何をするのか知らないが、あの子のためならば!)」ガタッ

x:天城’「あ、大丈夫です。これは『永遠の別れ』という意味ではなく、『3人が同時に顔を合わせること』が今日しかあり得ないということで」

清原「???」

陸奥「それも何だか不吉な言い回しね……」

x:天城’「言い換えると、『明日を控える今日というこの日に3人が同時に集まった』ということです」

x:天城’「それでは、少しだけ目を瞑って明日のことについてお祈りください」

清原「ここにいる全員でか?」

x:天城’「はい。『世界が幸福に満たされて一番の心配事も解決されますように』とでも祈ってくだされればいいです」

清原「わかった」


x:天城’「では、目を瞑って明日のことについてお祈りください」パン、パン


清原「………………」

Z:長門’「………………」

陸奥「よくわかんないけど、せっかくだし 私も祈ってみるわね」

Z:長門’「………………」

Z:長門’「(頼む! 私は龍翔提督を守ってあげたいのだ! あの子の渇いた笑顔を潤してあげたいのだ!)」

Z:長門’「(【今】も救って【未来】も救ってくれ、――――――皇国の神々よ!)」

Z:長門’「(――――――!)」

Z:長門’「(そうか! 「天城」が言い残していた通りだ! ――――――『未来を救う』とはこのことだったのか!)」

清原「………………」

清原「(私自身、まだ状況を把握しきれたわけじゃない。単純に【未来】からやってきたとも思えないような違和感があって――――――)」

清原「(そう、一概には言えない複雑な情報が一挙に押し寄せてきたのだ。1日でこれを整理しきれるほど私もできてはいない……)」

清原「(だが、私は公人として国家に忠誠を誓う者だ。こういった時 どうするべきかはわかっているはずだ)」

清原「(――――――待てよ? 私は何を恐れているのだ? 別に【未来】から来たことを明かしたとしても何の問題はないのではないか?)」

清原「(それに、話から察するに、積極的な協力を取り付けることさえできれば、別に【未来】の技術を開示することも否定的ではなかった?)」

清原「(そうだ、私は大本営が新開発した試作品の数々の試験運用を担当する『司令部』の人間ではないか!)」

清原「(もしかしたら“司令部”に頼み込めば実は何とかなるのではないか? 【48cm砲】を手土産にすれば、あるいは――――――)」



x:天城’「目を開けてください」パン、パン


清原「ハッ」

x:天城’「何か妙案が思いついたようですね」ニコニコ

Z:長門’「ほ、本当か、清原提督!」

清原「あ、ああ……」

清原「それに賭けてみようと思うんだ(――――――何だろう? 不思議と成功する気がしてならない。不安など微塵も感じられない)」

陸奥「え、何々? 私の不幸が治る方法でもあった?」

清原「え、『不幸』――――――それならあるぞ(そう、『司令部』ではそういった――――――)」

陸奥「え、本当?」パァ

清原「だが、その前に――――――」


清原「大至急“司令部”に直談判してくる」


長門型「!」

x:天城’「なるほど」

清原「確認するが、『天城』たちとしては自分たちの存在が世間に知られても問題ないのだな?」

x:天城’「はい。むしろ協力の約束を取り付けてもらい、私たちの身分と行動の自由の保証をしてくだされば喜んで技術提供をいたしましょう」

清原「…………最初からそう言ってくれればよかったものを」

x:天城’「それはしかたありません」

x:天城’「私が提督とこうやって話をつけてくる算段だったのに、あの子ったら勝手なことをして事態を混乱させてしまいましたから」

x:天城’「こちらとしてはまず、私を窓口として提督からの信頼を得てからあの子と引き合わせるつもりだったんです」

x:天城’「そうしないと、昨晩のように互いにとって良くない結果に陥ることはわかっていましたから」

x:天城’「今回は不運にもボス級深海棲艦の襲撃が重なってしまい――――――」

x:天城’「(たぶん、土佐あたりが何気なく急かしたから言いつけを破って【派遣】初日で押しかけたのかもしれない)」

x:天城’「(けれども、それによって結果として――――――本当に『禍福は糾える縄の如し』ね)」

清原「…………そうか」


x:天城’「ですが、これで大丈夫ですね。――――――『終わり良ければ全て良し』ということでよろしいですか?」

清原「まだまだわからないことがいっぱいあるのだが、――――――今はそれでいい」

清原「ダメなんだ。私は生粋の堅物らしくて。この服を身にまとっているとあの子を出来の悪いどこかのドラ息子のように思えてしまう」

x:天城’「それでかまいません。仕事場に私情を挟むことが本来は禁忌なのですから」

x:天城’「ですが、今回ばかりはそのコネを頼らせていただきました。申し訳ありません」

清原「いや、それを抜きにして最も信頼に足る人物として白羽の矢が立ったようだし、そういう意味では悪い気はしてないのだがな……」

清原「早速で悪いが、陸奥。『天城』から譲ってもらった【48cm三連装砲】を装備して一緒に来てもらうぞ」

陸奥「ええ!? 【48cm】だなんて、あの大和の主砲よりも大きいじゃない!? 存在してたの!?」

清原「次に長門。最後の仕事だ。龍翔提督を牢屋に監禁しろ。部外者に存在を知られるわけにはいかない。牢番には先に私から話を通しておく」

Z:長門’「な、何とも言えないが、――――――必ずや龍翔提督を守るのだぞ、清原提督!」

清原「そして、『天城』も陸奥と一緒に司令部に来てくれ。赤城のフリをして乗り込み、窓口となってくれ」

x:天城’「わかりました、提督。今は【派遣】された身です、提督のご命令なら何なりと従いましょう」ニコッ

清原「あ」

清原「よし! すぐに行動開始だ! 今日は並行して調査部隊の迎え入れの準備や周辺海域の警戒も行われているから使える人員は少ない」

清原「急ぐぞ!」

一同「了解!」ビシッ

Z:長門’「(良かった――――――何だ? 安心したら急に情感が溢れて、ぐふ、ぐふふふふ…………)」

清原「(さっきの『天城』、私に命令されることに大きな喜びを感じていたようだった……? 何なのだ、この『天城』という艦娘は…………)」

x:天城「心地良いものね、やっぱり」フフッ





――――――司令部


司令部「何事かと思ったぞ、清原提督」

司令部「幸いにも今日、予定がキャンセルされたからこうやって会えたわけで」

清原「申し訳ありません。しかし、これは風雲急を告げる事案でしたので」

清原「大本営に報告するにはあまりにも過激であり、しかし報告せざるを得ないものでありましたので、」

清原「“司令部”にご裁量を賜りたいと思った次第です」

司令部「そうか。貴官がそう言うのであればよほど深刻な内容なのだろうな」

司令部「わかった。できる限り 貴官の判断を尊重しよう。安心して報告してくれたまえ」

清原「では――――――、入ってきてくれ」


赤城?「失礼します」

陸奥「えと、失礼します……」


司令部「赤城と陸奥だな。それがどうしたのだ?」

清原「では、頼む」

赤城?「はい」ピッ

陸奥「!?」

司令部「!」

陸奥「おおっとっと! こんなにも重いんだ……」(虚空より戦艦艤装が展開!)

司令部「何もないところから艤装が――――――!?」

司令部「うん!? それに、その主砲の口径が異様に大きく見えるのは気のせいだろうか……」

清原「巻き尺を持参しましたので、どうかご自身で測ってみてください」

司令部「う、うむ……」

司令部「では、ちょっと失礼するよ。大丈夫、火遊びはせんから」

陸奥「あ、はい……(こんなのガン積みなんてされたら間違いなく艦体が傾いちゃう……!)」メメタァ


司令部「………………」

司令部「まさか、大和砲を超えているのか、これは……」

司令部「しかも、見た目だけのハリボテではあるまい。本当にこれを?」

赤城?「はい。では、私も――――――」ピッ

赤城?「………………」(虚空より戦艦艤装が展開!)

司令部「は」

赤城?「大本営指定の制服でないことをお詫びいたします」


赤城?/x:天城’「私は天城型巡洋戦艦1番艦の天城と申します」(入渠が延びた【ここ】の赤城の赤袴を借りている)


司令部「「天城」だと――――――雲龍型航空母艦ではない?」

x:天城’「どうやら「天城」の名をいただいた艦は次の時代の礎を作る役目を背負わされているようです」

x:天城’「私は関東大震災で竜骨を破損して加賀に航空母艦になるその役目を譲った者です。“赤城の姉”と言った方がわかるかもしれませんね」

司令部「馬鹿な……、存在しないはずの艦が目の前にいるだと……!?」

司令部「それに、その主砲は明らかに【48cm三連装砲】よりも更に大口径――――――!」

x:天城’「これでわかりましたか? 極めて重要な案件です」

司令部「………………」


清原「何というのでしょうか? ――――――この『天城』は【未来】からやってきた艦娘なんです」

清原「その【未来】では、【今】における深海棲艦との戦いに人類は勝利したものの、【その十数年後】に再び現れて苦境に立たされているというのです」

清原「目的は、深海棲艦との最終決戦の後の“平和で豊かな時代”において軍縮を余儀なくされて失われた運用ノウハウの再吸収とのこと」

清原「しかし、彼女たちはどこにも登録されていない未確認艦でして迂闊な行動がとれません」

清原「また、同じく【未来】からやってきた彼女たちを従える提督も不自由しているのです」

清原「ですから、『司令部』のこれまでの実験部隊の性格と照らしあわせて、」

清原「【未来】から私を頼ってやってきた彼女たちの援助と技術交流を認めて欲しいのです」

清原「責任は全て私が負います!」

清原「【今】も厳しい状況が続いていますが、【未来】の技術を導入して戦局打開の一歩となれましたらと思い、やってきた次第です」

清原「どうか【今】も【未来】も救うために協力してください!」

司令部「………………」

x:天城’「…………フフッ」


司令部「わかった。貴官の好きなようにしたまえ。私はこれから貴官がやろうとしていることを全面的に支持するだろう」


清原「ありがとうございます!」

陸奥「あ、意外と早く決めちゃったわね…………拍子抜けね」

司令部「まあ あれだ」

司令部「おそらく貴官も混乱しているだろうが、私のほうがもっと混乱している」

司令部「しかし、清原提督だから言うが――――――、」

司令部「実を言うとな、今の貴官のようにもはや私はおろか大本営の判断では裁ききれないことをすでに他3人がやってくれていてだな……」

清原「え」

                        ・
司令部「手始めに、趣里鎮守府の石田元提督は【深海棲艦の捕獲】に成功して、現在その生態の調査と研究を行っているし、」

司令部「次に、拓自鎮守府の朗利提督は多数の【海外艦】の【建造】しており、その縁からいずれは大遠征すると意気込んで計画書を提出してきた」

司令部「最後に、斎庭鎮守府の金本提督は何やら陸軍と【新兵器】の共同開発を行っているらしいのだ」

司令部「そこに、洞庭鎮守府の清原提督が貴官を頼って【未来】からやってきた艦娘の保護を求めてきた」


司令部「――――――『もうどうにでもなれ』だな」

司令部「大本営の陸軍派も海軍派も、『我々』の行動をほぼ黙認していることだし、」

司令部「今更、【未来】から艦娘が来たくらいどうってことはない」

司令部「だから、この問題児4人の面倒は今後もこの私が引き受けるから、心置きなく役目を果たされよ」

清原「!」

清原「ありがとうございます!」


司令部「ところで、「天城」といったかな? ――――――【未来】からきた」

x:天城’「はい」

司令部「こんな状況になるものだとわかっていたというのかな?」

x:天城’「ある程度なら予測できます」

x:天城’「しかし、この世はどれだけの人間が物事に誠意を持って打ち込んだかの結果でなりたっている現し世でもあります」

x:天城’「たとえ【未来】の技術がもたらされたとしても、それで必ず勝つわけではありませんし、逆に慢心の素になるかもしれません」

――――――わかっていたから対処できたのか、

――――――わかってなくても対処できたのか、

――――――わかっていたから逆に慢心したのか、

――――――わかっていてもやはり無理なのか。

x:天城’「それを事細かに分析することは【未来】を生きた私でもわかりません」

司令部「ふむ。もっともだな」

司令部「よかった。【未来】から来たことを悪用して皇国の栄光を貶めようという気概は微塵も持っていないようだな」

司令部「私はあまり【未来】の予言に頼るつもりはないが、具体的な科学的根拠に基づいた発言なら取り合おうと思う」

司令部「同じ皇国の同胞の1人として、我が皇国に栄光をもたらしてくれ」

x:天城’「はっ」ビシッ

清原「……よかった」ホッ

司令部「?」

司令部「あれ、清原提督? 少し見ない間にずいぶんと余裕のある表情が出てきたな」

司令部「ほう。これは『ついに』かな?」

清原「何がです?」


司令部「ついに鳳翔夫人と初夜を共にしたということかな?」ニヤニヤ


清原「…………!?」カア

陸奥「へえ、うちの提督ってそういう人…………」ワクワク

x:天城’「そこのところはどうなんですか、提督?」ニコニコ

清原「わかってて言ってるだろう、『天城』……」アセタラー

x:天城’「何のことかしら? いくら私でも何でもお見通しってわけじゃないのよ?」フフッ


――――――たとえば、本当に鳳翔夫人と交わりを持っていたのかさえもね?


司令部「え」

清原「え?」

陸奥「あら。あらあら」ドキドキ

清原「おい、それはどういうことだ、『天城』!?」

司令部「ま、まさか、清原提督はまだヤってないのか!? 何という――――――いつまで待たせるつもりなんだね、きみぃ!」

清原「ちょ、ちょっと待ってください! 物事には順序というものがありまして――――――」

陸奥「何だかよくわからないけど、今 私の提督は素敵な愛の営みの真最中ってことかしら? これは何だか楽しめそうね」ドキドキ

x:天城’「ふふふふ」ニコニコ




――――――同じ頃、


Z:長門’「…………どう転ぶかな?」

老いた牢番「さあね。世の中 良かれと思ってやったことが必ずしも吉ともならないが、凶ともならんこともあるからな」

牢番「しかし、あの子も変わった子だな」


牢番「『提督が普段から精神統一のために使っている』牢屋だと言ったら、喜んで檻の中に入っていくのだからな」


Z:長門’「ま、まあそうだな……(言えない。『私のところの提督と副提督も似たようなところがある』だなんて言えない……)」ゴホン

Z:長門’「(わかってはいるのだ。あの子がどれだけ両親の愛情に飢えているのか、両親の遺影にすがってどれだけの苦難を耐えてきたのか……)」

Z:長門’「(だからこそ、私は守ってやるのだ。どんな手を使っても……!)」

Z:長門’「(そう、本当なら一緒に入って側に居てあげるのだが――――――、ぐふふふふ……)」

牢番「しかし、――――――ふふふふ」ニヤニヤ

Z:長門’「どうしたのだ、ご老体?(くそっ、この牢番がいるせいで私が龍翔ショタ提督を慰める時間がとれないではないか! 忌々しい)」

牢番「いや、実はだな? これは内緒にしてくれると助かるのだが――――――、」ニヤニヤ


牢番「実は提督は昨晩、あの牢屋の中で鳳翔夫人と愛しあったばかりなのだよ」ニヤニヤ


Z:長門’「なにぃ!?」ガタッ

牢番「提督を探しにきた金剛ちゃんを他所に、二人は牢屋の中で互いの体温と汗と息と眼差しを感じながら愛を確かめあっていてな?」ニヤニヤ

Z:長門’「あ、ああ…………(な、なんだと!? それじゃ、あの子は自分が生まれた瞬間の場所に帰ったというのかああああ?!)」ドキドキ

牢番「良い所だったから金剛ちゃんには悪いけど帰ってもらったがね」

牢番「ふふふふ、牢番の私がいることすら忘れての情事は実に初々しくて情熱的で素晴らしいものだったよ」

牢番「どこの子だか知らないが、あの子は今 そんな部屋に自ら進んで入っていったわけだね」ニヤニヤ

Z:長門’「はぁ…………」プシュー

牢番「だがなぁ……、」ハア

牢番「――――――あのヘタレめが」

牢番「押し倒されてなすがままだったではないか。その上、あの有り様とは…………あ、何か言い出したらまたむかついてきた」イラッ

牢番「男ならこう甲斐性を持ってだな――――――いつまで引っ張るつもりなのだ! こっちはずっとその瞬間を待っているというのに!」

牢番「というか、そういうこの老いぼれも何をいい話だったみたいに思っているんだ! こんちくしょう!」プンプン

Z:長門’「………………だ、大胆なのだな、鳳翔夫人も」ドクンドクン

Z:長門’「す、すまないが、小腹が空いたので少し離れるぞ……」

牢番「あいよ。ああもう! そんなんだから金本提督に――――――私が若い頃はもっとこう――――――」プンプン



スタスタスタ・・・


Z:長門’「(ど、どうしよう。とんでもない妄想が駆け巡って今 とてつもなく情けない表情を浮かべているのではないか、私?!)」ドクンドクン

Z:長門’「(お、落ち着け! 人間と艦娘との間に子は生まれない! そんなのは常識ではないか!)」

Z:長門’「(いや! あの子は確かに“戦後”それも可能になったと言ったぞ!)」

Z:長門’「(そして、私はいつの間にかそれを真に受けて清原提督と鳳翔夫人との情事を想像してあの子が生まれる過程をありありと…………)」

Z:長門’「(妄想が捗るのはいいが、今回ばかりは本当に身体が火照ってきてしまったぞ…………)」アセダラダラ

Z:長門’「(私はいったいどうしてしまったというのだ? ビッグ7として誇り高き自分はいったいどこへ置いてきてしまったのだ……)」

Z:長門’「(これでは盛りのついた猫のようではないか! ――――――我ながらずいぶんと感化されたものだな、提督に)」

Z:長門’「(拓自鎮守府着任当初、提督に勧められて駆逐艦とスキンシップしたのがやみつきになってから、)」

Z:長門’「(私は駆逐艦とのふれあいを誰よりも大事にするになり、さまざまな妄想に想いを馳せたのものだ……)」

Z:長門’「(しかし、今回のは現実感がありすぎて、新たな扉を開いてしまったようだ、私は…………!)」

Z:長門’「(うぅ、昨晩は思いっきりあの子を抱きしめて安らかな眠りに就いたあの寝顔や抱き心地だけでも変になりそうなのに、)」

Z:長門’「(き、清原提督と鳳翔夫人が牢屋の中で、鳳翔夫人の方から押し倒して、あ、愛しあった後の部屋に、)」

Z:長門’「(そのご子息である龍翔提督がその中で眠っていると考えると――――――、)」

Z:長門’「(こ、これは新しい世界が見えたあああああああああ!)」

Z:長門’「ふふ、ふふふふふふ……」ニタニタ

高雄「………………」

大和「………………」

島風「どうしたの、あの長門…………顔を真赤にして息も荒くして何か凄く変!」

高雄「さ、さあ?(でも、重巡が嫌いって評判のあの拓自鎮守府の朗利提督の精鋭だし…………)」

大和「とても邪な考えを持っているようにこの大和に見えます……(龍翔提督はいったいどこにいるのでしょうか? せっかく休憩に入ったのに……)」


――――――――――――

――――――
龍翔「父さん……母さん…………」ムニャムニャ・・・
――――――




――――――それから、


大和「おかえりなさいませ、提督。海域の最終的な――――――あ」

Z:長門’「お待ちしてました、清原提督」ビシッ

清原「…………長門?」


Z:長門’「清原提督――――――いえ、お義父さん! あなたの息子を私にください!」


清原「え」

大和「!?」

陸奥「……長門? あなた、何を言ってるの?」

x:天城’「ふふ、ふふふふふ…………さすがは“特異点”の一人だわー」プルプル・・・

清原「…………陸奥、大和。この長門は拓自鎮守府が相当恋しいらしい。暖かく見送ってきてくれ」ヤレヤレ

陸奥「わ、わかったわ……」

大和「わかりました、提督! ここは大和におまかせを!」ガシッ

Z:長門’「ま、待ってくれ! 清原提督! 私は、あなたのご子息を心から――――――」ズルズル・・・

Z:長門’「は、放してくれ、陸奥ぅううう! 大和ぉおおおおおお!」

清原「私は既婚者(仮)だぞ?」

清原「あ、いけないいけない。これを朗利提督にな(――――――とは言っても、妖精が渡すんだがな)」

大和「はい。わかりました」

大和「では、報告書はすでに提出してありますので、よろしくお願いします!」ニッコリ


バタン!



清原「何だったんだ、今のは……? 何かの罰ゲームか?」

清原「まあ、契約延長はしないからあの長門は消滅するがな、ゲーム的に」メメタァ

x:天城’「ふふっ」

清原「あ、――――――となると今 目の前にいるこの『天城』も消滅するのか」メメタァ

x:天城’「はい。今度は本物の私とお会いしてください」

清原「ウィークリー契約だけど、なんか2日だけで【返還】するのも名残惜しいな(けど、ウィークリー契約ってそういうもんだしな)」メメタァ

x:天城’「この身体は仮初めのもの――――――だからこそ、“特異点”として【ここ】にくることができました」

x:天城’「本来の予定では、【派遣】を繰り返して清原提督の信頼を得てあの子を招き入れるところまでがこの似姿の役割だったのです」

x:天城’「それをあの子たちが好き勝手やってくれて、結果的にあらゆる過程を飛ばしてこの似姿の役割が早くに終わったというだけのことです」

x:天城’「逆にその分だけ、あの子に残された時間も多くなりました。――――――『虎穴に入って虎児を得た』結果ですね」

x:天城’「それでは、これが【今】と【未来】を繋ぐ装置です。これを回路に組み込めば建造ドックがタイムトンネルに早変わりです」

清原「やり方は聞いたことだし、龍翔提督もいることだし、これで呼び出しに関しては問題はないな」

清原「(ただ、使うと鎮守府全体が停電して一時的に全体が機能しなくなるがな。一昨日の原因不明の停電はこれが原因だったのか)」

清原「(あまりの衝撃に建造ドックが消失寸前までいっていたようだから、タイムマシンはあまり使わせたくないな…………)」

清原「さて、どうやらボス級深海棲艦は完全に消滅したようだな。これで少しは安心だな……」パラパラ・・・

清原「後は、壊滅した近場の鎮守府の調査部隊の護衛と生存者の捜索と救助活動だな。明日も大変だ」


x:天城’「提督、この赤袴を返しに行く次いでにお時間をいただけませんか?」(まだ【ここ】の赤城の赤袴を借りている)


清原「まあ、状況が状況だ。鎮守府の様子を一度 この目で確かめておく必要もあるし、いいだろう」

x:天城’「では、5分だけお時間をください」ニッコリ

清原「わかった(やっぱりこの『天城』は艦娘を超えた何かを感じる……)」




――――――お待たせしました。


清原「よし、それでは行こうか――――――」」

清原「え」


あまぎ「どうですか、提督? 似合ってますか?」テレテレ


清原「………………ああ」

清原「(そこにいたのは、髪を束ねてしっかりと身形を整えた一人の女性下士官の姿であった。目印として宝冠は首に巻いてはいたが……)」

清原「――――――『天城』なのか? 見違えたよ」ドクンドクン

あまぎ「そうでしょう? 私はあの子にとって誰が何と言おうと2番艦ですから、何だってできるんですよ」ニコニコ

清原「え、――――――『2番艦』? 1番じゃなくて?」

あまぎ「はい。『2番』なんです」
                   ・
あまぎ「今日だけ提督の秘書官を務めさせていただきます」

清原「ま、まあ、いいだろう……」

清原「鳳翔も金剛も、榛名も高雄も大和も、みんな明日の準備で忙しいからな」

清原「それに、今日【返還】する他所の艦娘に手伝わせるわけにもいかないからな」

あまぎ「ですから、今の私は艦娘ではなく、一人の人間として振舞っているのですよ?」

清原「なんだって?」

清原「あ」


――――――終戦後、艦齢5歳以上の艦娘は名誉退役して人間としての権利を与えられた。


清原「………………」

あまぎ「今の私は“あまぎ”という一人の人間です。どうか秘書官に任命してお手伝いさせてください」

清原「わかったわかった。もう『天城』なら何だってやれる気がするから期待するよ(――――――報告書を見てもそんな感じだったもんな)」

あまぎ「はい。人間:あまぎにおまかせください!」ニッコリ

清原「――――――『人間:あまぎ』か」ハハハ・・・

清原「(『天城』が明らかにあの子のためだけとは思えないような私的な感情で動いていることはわかっていた)」

清原「(だが、どうして『天城』が私にここまでしようとしているのか、それは時が経つに連れ――――――、)」

清原「(そして、私自身が『天城』のことを知っていくうちに漠然とした中で ある一筋の大きな確信に繋がっていくことになった)」


――――――やはり、『天城』の私を見る目は愛しい人のあの眼差しと同じものを帯びていた。




――――――1,【八八艦隊】の様子を見る

――――――入渠ドック


清原「入渠中のみんなは大丈夫かな?」

x:加賀「あ、清原提督……」ビシッ

x:土佐「お世話になっています」ビシッ

x:赤城「お情けを掛けていただき誠にありがとうございました」ビシッ

清原「ああ。あの子については何とかするからしっかり療養していてくれ」

x:艦娘たち「はっ!」ビシッ

清原「さすがに士気が違うな」

あまぎ「それはもう、頭では理解できてなくとも直感的に状況が追い込まれていることを自覚していますから」ヒソヒソ

清原「…………『気が緩んでいる』と言いたいのか、それは?」ヒソヒソ

あまぎ「別に『悪い』とは言ってませんよ? 妹たちはそれだけ気が抜けない状況に追い込まれて潜在的に『余裕がない』ってことですから」ヒソヒソ

清原「――――――『妹たちは』か」ヒソヒソ

赤城「あ、提督ぅううう…………」ビクビク

清原「ん? そういえば、入渠期間はもう終わっているはずなのになぜ一航戦の赤城がここにいる?」

清原「それに、あまり食が進んでいないように見えるが……」

あまぎ「怪我をしたからに決まってるじゃないですか、提督」クスッ

あまぎ「はい、一航戦の赤城さん。服をお返ししますよ」

赤城「へ? えと、提督? こちらの方は――――――」

あまぎ「一航戦:赤城、お腹の辺りがずいぶんと弛んでましたよ? たまには戦艦艤装でも背負って鍛え直しなさい」

あまぎ「さもなければ――――――!」ギラッ

赤城「は、はいぃいいいいいいい!」ガタガタ

赤城「ごめんなさい、天城姉さん! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…………慢心してました! 許してください!」ガタガタ

x:赤城「あ、天城姉さんだったんだ!?」

x:加賀「き、気が付きませんでした……」

x:土佐「出た! 天城さん超艦娘必殺百面相の1つ『変装術』と恐怖の『天城型近接格闘術』だああああ!」

清原「…………追い剥ぎしたのか? あの図太い赤城がここまで怯えるだなんてよっぽどだぞ?」

清原「まあ、【史実】としては死に別れたから死んだ姉が化けて出た感じで怖いのかもしれないな……」


あまぎ「一航戦として勇名を馳せた【ここ】の赤城がどういうものなのかを確かめてみただけです」

あまぎ「さすがは一航戦の誇りを持って戦っただけあってその自信と自覚でずっと強くなってました」

あまぎ「しかし、気の弛みが慢心を呼び、慢心が食事量を増やしたのです」

あまぎ「この駄肉がっ!」グイッグイッ

赤城「ああああ! お腹のあたりはやめてくださあああああああい!」

あまぎ「そのボーキサイトにどれだけの命が吸われているのかをもっと自覚させないと」

あまぎ「一航戦としての地位に安住させることなくもっと忙しくさせなさい」

清原「…………艦娘が提督に命令するとは恐れ入る」

あまぎ「今の私は人間:あまぎ ですから。そして、1日限りの提督の秘書官でもあります」

あまぎ「それに、あの子の補佐をするために勉強だってたくさんしてきたんですよ?」

あまぎ「戦いが終わって“平和と豊かさ”を享受できるようになって艦娘が不要になっても、その時代ごとの精進努力は忘れてはいけないのです」

清原「………………」

あまぎ「それと提督、前回の大規模作戦は完全制覇できなかったようですね?」メメタァ

あまぎ「――――――妹たちの仇を取れなかったようで」

清原「…………すまない。仕様を知らずに無駄に艦隊編成を試行錯誤したせいで使える艦娘が尽きたんだ」メメタァ

あまぎ「これからは大丈夫ですね?」

清原「ああ。今回のような襲撃事件もあったことだし、これからは戦力増強に努めるよ」


あまぎ「提督にとって昨日は記念日になっていたはずなんですから、――――――とても残念な記念日に」


清原「…………そうなのか」ゾクッ

あまぎ「ええ。本当に誰も失わなくてよかったです、本当に……」ホッ

清原「ああ。そうだな……」アセタラー

あまぎ「でも、もう1つの意味で昨日は――――――」ボソッ

清原「…………?」

あまぎ「いえ、『いずれは大和型戦艦とも取っ組み合いをしてみたいですね』と思っただけです。空母棲鬼を投げ飛ばしたというあの豪腕と」

清原「世界最強の戦艦だぞ? お前よりも一回りも二回りも大きい――――――」

清原「あ、【50cm砲】なんてのを軽々使いこなすお前相手じゃ勝負はわからんな」クスッ

あまぎ「ふふふふ、精進努力を怠らなければいずれはできるようになるのですよ」

あまぎ「――――――この世に不可能なんてことは何1つないのです」

清原「……お前のような艦娘がいるか!」


あまぎ「いますよ、ここに。だから、私とあなたは出会えた」


清原「………………そうか」


赤城「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」ガタガタ

加賀「ど、どうしたのですか、赤城さん!?(――――――赤城さんが土下座して泣きじゃくって提督の隣の女性に?)」

清原「あ」

あまぎ「あ、ようやく会えた。にしても様になってるわねー」

加賀「あ、赤城さんに何をしたのですか、あなたは! さすがに頭にきました!」ゴゴゴゴゴ

清原「あ、よせ、加賀! こいつは――――――」

あまぎ「――――――」シュッ

加賀「?!」ビクッ

あまぎ「――――――私?」フフッ

加賀「………………速い」アセタラー

清原「――――――あの身のこなし、忍者か!」ビクッ

x:土佐「で、出たー! 天城さんの超艦娘必殺百面相の1つ『陸上型高速戦艦』だあああ!」

x:加賀「さすがですね、天城さん」

x:赤城「さあさあ、一航戦:赤城さん。天城姉さんも許してくれたから一緒に食べましょう」

赤城「は、はい……」グスン

加賀「え?! ――――――天城さん…なんですか!?」

あまぎ「うんうん。私の青袴が似合うようになったわね。まあ、何度も何度もボロにして私があげたのじゃないんだろうけど」

加賀「そ、そんなことありません! ボロボロになっても大切に保管してあります!」

あまぎ「嬉しい」ニコッ

加賀「…………うぅ、天城さん」グスン

あまぎ「そう、ちゃんと『誠を捧げて』頑張ったんだ」

あまぎ「言ったでしょう? ――――――『生まれ変わってまた会いましょう』って」

あまぎ「約束は果たされた」ナデナデ

加賀「天城さん、天城さん、天城さん……」ポタポタ・・・

x:加賀「よかったですね、一航戦の加賀さん」

x:土佐「ホントだよ。ただでさえ加賀姉さんは損しやすい性格なのに、天城さんの真似なんてしてたらますます損だよね」

x:加賀「……ちょっと土佐?」ジロッ

x:土佐「わ、私はホントのことを言っただけだもん! 天城さんの真似をするなら笑顔の方を真似してよね!」

清原「………………」

瑞鶴「え!? あの一航戦の加賀が人の胸で泣いている!? あの人はいったい――――――!?」

翔鶴「えと、提督の、人間の秘書官さんなのでしょうか?」

清原「おお、五航戦か。【八八艦隊】の面々のお世話をしてくれてありがとな」

清原「そして、あれは1日だけ秘書官を務めることになった『人間:あまぎ』だ」クスッ



「あ、天城ぃいいいい! しっかりするんだ!」

「天城さん!」

「天城姉さん!」

「よかった……。炎に焼かれて灰燼に帰した帝都の街並みも私の命と引き換えにまたすぐに再建されるわ……」

「馬鹿なことを言うな! お前がいなくなったら赤城は一人になる!」

「だ、大丈夫……。私の代わりにこれからは加賀が務めを果たすわ……」

「え、標的艦の私が?」

「ごめんなさい。あなたの妹まではこの身を捧げても救えなかった……」

「けれども、私も土佐も次の時代の礎として皇国の未来を明るく照らすから…………」

「託しましたよ。私と自分の妹の分まで皇国のために尽くしなさい……」

「…………わかりました、天城さん」

「そう。良かった…………」

「長門、あなたもまた誇りと共に生きなさい。陸奥と共にこの国の誇りになりなさい!」

「わかった。【八八艦隊】の栄えある第一号艦として務めを果たそう」

「ハッ」

「そう、そうなの。結局はそういうこと――――――」

「ね、姉さん? どうしたの、天城姉さん?」


――――――ここに全員が更なる未来の為の礎となる運命なのね。


「皮肉なことね。守るべき人間の未来ある若者を次々と犠牲にしていって、それでも皇国の明日を支えるのが旧式艦たちだなんてね……」

「けれども、また生まれ変わって歩き出す――――――そういう意味では誰も無駄死することはないのね」

「ど、どういうこと、姉さん?」

「同じ死ぬのならば、――――――誇り高く役目を果たして死になさい」

「それが未来を救うわ」

「…………わかりました、姉さん」

「死は別れじゃないわ。皇国のために誠を捧げて生まれ変わってまた会いましょう…………それがどんな形であろうとも」

「――――――時が見えたの。だから、もう大丈夫だから」

「あ、ああ! もう大丈夫だから、気をしっかり持つんだ!」

「天城さん!」

「姉さん!」

「………………」

「…………」

「……」

「」

「……天城? おい、天城? 天城ぃいいいいい!」

――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



あまぎ「………………」

清原「どうしたんだ、『天城』?」

あまぎ「いえ、【この世界】の「天城」は嘘を吐いたようですね」

清原「?」

あまぎ「こういう形で生まれ変わってまた会わせるだなんてズルい」

あまぎ「――――――自分でやりなさいよ、そんなことは」

あまぎ「それに、提督? 今の私は人間:あまぎ ですから」

あまぎ「五航戦の娘たちに言った時のような言葉の響きでもう一度!」

あまぎ「さっきの私の名前を呼ぶ響きには、艦娘:天城としての私が含まれてましたよ?」

清原「…………難しいことを言ってくれるな」

清原「――――――あれ?」

あまぎ「どうしました、提督?」


清原「『天城』は、今 何歳なんだ?」


あまぎ「………………」

清原「確か、『艦齢5歳以上の艦娘は退役して人間扱いされるようになる』と言ったな?」

あまぎ「はい」

清原「もしかして、『天城』は――――――」

あまぎ「………………」

清原「いや、何でもない」

あまぎ「言えばいいじゃないですか」フフッ

清原「…………言わない」


あまぎ「やっぱり提督は聡くてズルいお方ですね」


あまぎ「私が誰だかももうおわかりになっているのに」

清原「…………だとしてもだ」

清原「【未来】のことがわかったとしても、それに繋がる【現在】が確立されなければそんなのはまやかしだ」

清原「現に、私と鳳翔がいくら愛し合ったとしても物理的に龍翔提督という若者が生まれるわけがないのだからな」

清原「それと同じように、私が『天城』に対して思っていることを口にした時――――――、」
                                             ・ ・
清原「私はそこから出される現実を受け止める自信なんてない。あなたは金剛ではないし、会ったばかりの他人でしかないのだから」

清原「そんなのは想像で終わらせておけばいい。あるいは勘違いだと思って今なすべきことに集中するべきだ」

あまぎ「そうですか」ニコニコ

清原「え」

あまぎ「どうしました、提督? 今なすべきことを果たしましょう」

清原「あ、ああ……(――――――わからない。私は混乱している。私にはこの『天城』という人間の考えていることがわからない)」


――――――求めるつもりがないのなら、龍翔提督の補佐のためだけにいるのなら、なぜ私にこうまで擦り寄ってくるというのだろう?




――――――2,金剛型戦艦の様子を見る

――――――宿舎


清原「みんな、ご苦労」

比叡「あ、司令!」

榛名「明日の準備はだいたい終わりました」

霧島「後は、その時を待つだけです」

清原「うん」

あまぎ「本当にお若いですねぇ、金剛型の皆様方は」ニコニコ

比叡「ひ、ひええええええ!?」

清原「どうした、比叡?」

比叡「だ、誰なんですか、隣の方はああああああ!?」アセアセ

榛名「えと、て、提督の、提督の…………」ブルブル

霧島「もしかして大本営から逸早く派遣されたお目付け役なんでしょうか?」

清原「何を勘違いしているんだ――――――あ、そっか。まだ知らないのか」

清原「(『天城』の存在とあの子の正体を知るのは極わずかだからな……)」

あまぎ「はい。大本営から今回の事件に関する現場の調査とついでに鎮守府の視察に参りました」ニッコリ

清原「…………楽しんでるな、『天城』?」ボソッ

比叡「ど、どうしましょう!? 何かおもてなしをしないと!?」アセアセ

榛名「比叡姉さま! 提督直伝のカレーができていたはずです、それをごちそうしましょう!」アセアセ

比叡「お、おお! そうですね、ちょっと待っててください!」タッタッタッタッタ・・・・・・

霧島「ちょっと! そんなに急ぐ必要はないですよ、比叡姉さん! また怪我しますよ!」タッタッタッタッタ・・・・・・

清原「あららら…………」

榛名「あ、えと……、榛名です」モジモジ

あまぎ「うん。よく知っているわ。本当に可愛らしいわね」

榛名「そんな……、榛名にはもったいないお言葉です……」テレテレ


清原「やっぱり、【そっち】の金剛型巡洋戦艦はみんな――――――?」ヒソヒソ

あまぎ「はい。『ババア結婚してくれ』と求められるほどに老いても素敵な先輩方です。あの子のお世話もずっとしてくれました」ヒソヒソ

清原「ああ……、確かに老けたとしても性格が丸くなった姿は想像できないな」ヒソヒソ

あまぎ「もっとも、艦娘は鋼材の補給さえちゃんとしていれば人間とは違って老化しないんですけどね」ヒソヒソ

清原「………………艦娘と妖精たちとの交流が始まって四半世紀にも満たないし、そこまで生きた艦娘の報告がなかったからそれは初耳だ」ヒソヒソ

あまぎ「艦娘は兵器ですから。戦うために必要な能力や知識はあっても一定の品質が保たれなければ兵器としての価値などありません」ヒソヒソ

あまぎ「艦隊運用をする上で同型艦を用意しなければならない都合から『欠陥戦艦』とわかっていながら建造された山城さんのようにね」ヒソヒソ

清原「…………そうだな。兵器である以上はそうでなければ何の価値もないな」ヒソヒソ

あまぎ「ただ、この世に存在する森羅万象の1つですから滅び――――――経年劣化は避けられません」ヒソヒソ

あまぎ「艦娘の維持は大変ですよ、本当に」ヒソヒソ

清原「ああ。艦娘は人間の姿はしていても体内構造はまさしくエンジンだからな。臓器器官が機関だから燃料を飲ませたほうが元気だからな」ヒソヒソ

あまぎ「でも、人間にとってもっとも扱いやすい自律兵器の究極系として人間と極めて近い生態をしていますから、」ヒソヒソ

あまぎ「人間らしい感性も生理現象までも再現されて、非常に人間らしいものに仕上がっていますよね」ヒソヒソ

あまぎ「――――――素晴らしいことだと思いません?」ヒソヒソ

清原「そう思ったことがないから何とも言えない」ヒソヒソ

あまぎ「そう、天地をお創りになられた大神たちの子孫が人間なのですから、それに似せて創られた私たちも素晴らしいもののはずなのです」ヒソヒソ

あまぎ「そうでなければ、私たちは提督とこうしてお会いすることをお許しになってくださらなかったのですから」ヒソヒソ

清原「…………確かにな(――――――そういえばそうだったな。そういう神話を継承しているのが日本民族の我々だったな)」ヒソヒソ

清原「――――――何の話をしているんだったっけ?」ヒソヒソ

あまぎ「わかりません」ヒソヒソ

清原「おいおい……」ヒソヒソ


「19時。できたー! 自慢のレシピ、比叡カレーだよ! さあ、食べて!」

「ほう、今日は『自慢のレシピ』とな?」

「ひ、比叡、どうしてこれを出す気になったのですカー!? ちょっとお話があるのデース!」ガシッ

「え、お姉さま!? どうしてそんな怖い顔を――――――ひええええええええ!」ズルズル・・・

「ん? 金剛と比叡はどうしたんだ? 冷めてしまうぞ?」

「しかたありません。先にいただきましょうか、提督。比叡さんも美味しく召し上がっていただくことを望んでいるはずですから」

「それもそうだな。このカレーは何を伝えてくれるのか、楽しみだな」

「て、提督! 無理をなさらずに! 代わりに榛名が責任持って美味しくいただきますから!」アセアセ

「エチケット袋ならもう用意してあるわ、姉さん」

「いただきます」パクッ

「あ…………」

「ん? これは…………」ジー

「あ、司令の表情が険しく――――――」アセタラー

「大丈夫ですか、提督? お水をご用意しますね」

「ありがとう、鳳翔」ゴクッ

「提督! 無理なさらずに!」

「味わって食べているのだから静かに頼むぞ、榛名」モグモグ

「あ、はい……」

「す、凄い…………最初に表情が険しくなっただけでそれからは本当に美味しそうに食べていらっしゃる」

「も、もしかしたら、比叡姉さまのカレーも違和感を少し感じるだけで割りと普通の味にまで成長しているのでは?」

「そ、それもそうね。きっとそうなのよ。それじゃ、私たちもいただきましょうか」

「ごちそうさまでした」スッ

「は、早い……!?」

「あ、提督? どちらへ――――――あ」

「………………」

コツコツコツ・・・


「20時。どうでしたぁ? 比叡カレーの感想は…? 感想…感想聞かせてよー!」

「21時ですっ…。司令が逃げ回って1時間…。なぜ比叡から逃げるのですかぁ!?」

「22時になりました…。ショボーン…。司令は逃げ切ったようです…」


「23時…。仕方ない…お姉さまの所行こう…。おね…し、司令!?なんでここに!?」

「待っていたよ、比叡――――――いや、逆か? 待たせてごめんな」

「あ! そ、それじゃ――――――!」

「だが、その前にこれを食べて欲しい。夜食にいかが」

「あ、この臭い――――――カレーですか?」

「ああ。私が作ったカレーだ。今よそうから少し待っていてくれ」

「え!? 司令自ら作ったのですか、カレーを!? ――――――だから司令は忙しそうにしていたのですか」

「さあ どうぞ。冷めないように熱した鍋ごと持ってくるのは大変だったけど、できたてを食べてもらうのが一番だからね」ニコッ

「あ、ありがとうございます! いただきます、司令!」パクッ

「どうぞ召し上がれ」ニコッ

「!」ピタッ

「どうかな?」

「お、美味しいです! それ以外に言葉が見つからないほどに…………」ドキドキ

「そうか、それはよかった。どんどん食べてくれ」

「はい!」モグモグ



「ご、ごちそうさまでした…………今まで食べたカレーの中でダントツで一番でした」ウットリ

「ちょっとこっち向いてくれる?」

「え」

「はい、あーん」

「!?」ドキッ

「あーん」

「あ、あーん……」ドキドキ

「はい」ニヤリ

「?!」ビタッ

「どんな味でしたか?」

「…………ま、不味いです」ウエー

「こっちはどうかな? はい、あーん」

「えと……」

「口を開けろ!」ギラッ

「ひ、ひええええええ!」ビクッ

「心配するなって。大丈夫だから、ほら」ニコッ

「あ」パクッ

「言っただろう?」ニコッ

「ああ 美味しいです…………提督の作ったカレーです」ウットリ

「で、さっきのカレーは――――――」

「も、もういいです! お腹いっぱいですから! ご、ごちそうさまですぅ!」アセアセ

「そう。お粗末さまでした」

「………………フゥ」


「ところで、こっちのカレーは誰が作ったものなんだろうね?」

「え」

「こっちのは厨房にあったカレーなんだけど、あまりにも大衆向けの味付けじゃないから頭にきたよ」ムスッ

「えと、ま、まさか――――――」アセタラー

「頭に来たから、思わず自分好みのカレーを作っちゃったなー」ニコッ

「ひっ」ビクッ

「はい、これ」ペラッ

「え、えと、何ですか、これ? ――――――食材のリストですか?」

「うん。そうだよ」

                     ・ ・
――――――ここにある食材でこれと同じものを作れるようになるまで人には絶対に振る舞うな!


「ひ、ひええええええ!」

「命令だ! 嫌だというのなら、私と一緒にお前の作ったゲテモノカレーを全部平らげる作業をやらせるぞ!」ゴゴゴゴゴ

「ご、ごめんなさああああああい!(お、お姉さまがお慕いしている提督から睨まれてしまってはもう生きていけませーん!)」ガタガタ

「ま、一生懸命なのはわかってるから。その頑張りが正しい方向に発揮されるようにこれから精進していってくれ」ナデナデ

「し、司令ぇ……比叡、頑張ります!」

「お前が作ったカレーは私が責任持って全部食べてあげるから、それに恩義を感じるのなら今度は旨いのを頼む」

「はい!(お姉さまが提督のカレーが大好きだと言ってましたけど、それをモノにすることができれば――――――!)」ビシッ

「やれやれ(実際は私が手を加えて超ゲテモノ味に仕立てあげたんだがな。――――――やっぱり味見をしてなかったな)」

――――――――――――

―――――――――

――――――

―――




あまぎ「ふふ、ふふふふ……」プルプル

比叡「ど、どうですか、比叡カレーは? これでも美味しいと評判なんです……」ブルブル

あまぎ「美味しかったわ。さすがは大本営でも評判の御召艦カレーだわ。ぜひともそのレシピを教えて欲しいものね」

清原「この鎮守府の最重要機密です。これは大本営にも教えてはならないことです」

あまぎ「そう、残念」ニコッ

比叡「よ、よかったぁ……」ホッ

榛名「さすがは比叡姉さまです!」ニコニコ

霧島「本当ですよね。比叡姉さんをここまでお導きになった――――――、さすがは私たちの司令です。海軍一の料理人です!」

あまぎ「ああ 美味しかった……」ニッコリ

清原「……そうか」

あまぎ「あら、どうしたのかしら、提督?」

清原「いや、何やら笑いを必死にこらえていたようだが……」

あまぎ「ああ……、【ここ】での御召艦カレーの成り立ちがこれまたドタバタ青春劇で微笑ましくってね……」プルプル

あまぎ「比叡先輩は本当におっちょこちょいで素直で愛嬌のある方なんですよねぇ……」プルプル

清原「………………そうか、ずいぶん懐かしい思い出を垣間見たのだな(…………懐かしいな、あれは最後の金剛型戦艦の比叡が入ったばかりか)」ヤレヤレ

あまぎ「ええ。金剛姉妹の皆様方は本当に老いても魅力的な淑女の皆様方です」ニッコリ
                                ・ ・
清原「そうだな。本当に……(――――――そこには金剛がいた)」フフッ




――――――3,【この世界】の艦娘の様子を見る

――――――埠頭


清原「みんな、今日はご苦労だった」

あまぎ「お疲れ様です」

高雄「提督! お疲れ様です!」

大和「あら、隣の方はどちらさまで…………」

清原「今日1日限りだが、大本営より先駆けて派遣されてきた担当調査官だ」

清原「現在 私は、担当調査官に鎮守府の案内をしながら、こうやってお前たちの様子を見て回っている」

清原「どうだ? 疲れたとか怖いとか不満な点はないか? 明日は調査部隊と一緒に調査と救助活動だからな。今の内にそういったことは解消したい」

高雄「大丈夫です! 準備万端です」

大和「鎮守府の警備はこの大和におまかせください」

清原「よし」

島風「ねえねえ提督! いっしょにかけっこ! かけっこしよ~!」

清原「ごめんね、それはできない――――――」

あまぎ「――――――のなら、提督の代わりに私がお相手しますよ」ニッコリ

島風「え、ホント!」ワクワク

清原「お、おい! どこまで知っているか知らないが、『駆逐艦の姿をした大和』と呼ばれるほどの旧帝国海軍の駆逐艦の最高傑作だぞ!」ヒソヒソ

あまぎ「知ってます。夜通しで資料を読み漁りましたから」シレッ

清原「え」

あまぎ「40ノットですか。ですが、ここは海上ではなく陸上です。陸上には陸上の走り方というものがあるのです」キリッ

清原「ああ……(そういえば、入渠ドックで『陸上型高速戦艦』なんてのをやってたな……)」

島風「それじゃ、いくよ~。この金貨が落ちたら『始め!』だよ。――――――提督、お願い」

あまぎ「はい。わかりました」

清原「よし、行くぞ」ピン!


クルクルクル・・・・・・チャリーン!


あまぎ「――――――!」バッ(クラウチングスタート)

島風「…………っ!?」バッ(スタンディングスタート)

大和「あ、完全に島風ちゃんが出遅れました!」

高雄「あっという間にあの島風ちゃんを突き放してしまいましたよ……」

清原「驚いたな……」


あまぎ「…………フゥ」

島風「は、はっやーい! もう一度! もう一度! 今度は島風が勝つんだからー!」ウーウー!

清原「大したものだな」パチパチパチ・・・

大和「よく頑張りましたよ、島風ちゃんも」ナデナデ

島風「今度は負けない!」ウーウー!

あまぎ「言ったでしょう? ――――――陸上には陸上の走り方というものがあるのです」

あまぎ「こういった徒競走ではスタートダッシュの仕方だけで大差がつくんです」

あまぎ「それに、いくら私が30ノットの巡洋戦艦でも、さすがに40ノットもある相手に真向勝負じゃ勝てませんから……」

あまぎ「本当に素晴らしい娘ですね。思わず死力を尽くしてしまいました……」ニコッ

清原「でも、結果としてそれに勝利を収めた巡洋戦艦:天城の実力は大したものだよ。賞賛に値する」

清原「基本能力だけではどうにもならないものを知恵を振り絞って勝とうとするところに人は魅力を感じるものだ」

あまぎ「はい。時間なんてたっぷりありましたし、【巡洋戦艦】を超えた境地の万能さを目指して修行したものです」

清原「結局は、基本性能に驕らずにそれをどう活かすかの研鑽努力の結晶が百面相の『天城』なのだな」

あまぎ「はい。やればできるんです。続けていれば下手でもそれなり以上にできるようになるんです」

あまぎ「私たちはただの兵器じゃありません。人間とまったく同じといえるぐらいの似姿の【艦娘】なのですから」

清原「…………ますます艦娘とは懸け離れた 並みの人間すら超えてる人間性だな」

あまぎ「はい。それが『人間:あまぎ』ですから」


大和「そういえば、提督」

大和「龍翔提督とはいったい何者だったのですか? 提督の――――――」

清原「そういえば、何も言ってなかったか」

清原「あの子はこれから赴任してくる技術士官の助手であり養子だよ。何でも私にそっくりな孤児だったから思わず引き取ってしまったらしい」

清原「それで昨日は、その赴任してくる技術士官の代理人として艦娘を引き連れて私に挨拶しに来たんだ」

清原「言うならば、――――――ただの他人だ」チラッ

あまぎ「………………」コクリ

高雄「そ、そうだったんですか。だから、提督としても気難しそうにしていらっしゃったのですね……」

清原「まあ そういうことだ。私自身も『私に似ているから』引き取られた子に対してどう接すればいいのかわからない」

清原「そもそも、あの子はその繋がりで大本営が私の影武者になるよう抜擢された子らしいんだ」

清原「そういうわけで、なるべくその存在を外には漏らさないようにしてもらいたい」

清原「無論、あの子が連れている艦娘は『司令部』から先行配信された新着艦だ。丁重に扱ってくれ」メメタァ

高雄「本当に複雑な間柄なんですね…………親戚縁者というのもあながち嘘でもなかったわけですか」

清原「ああ。私の知らないところで影武者が養育されていただなんて驚きだ」

島風「???」

大和「えと、すると、それはつまり――――――、」ドキドキ

                 ・ ・
大和「あの子は提督の許で提督になるための教育を受けることになっているんですね!」


清原「そういうことだな。不本意ながら」

清原「私は忙しいからあまり構ってやれないし、義理はない」

清原「大和、余裕があるのなら養育係を頼む」

大和「は、はい! 大和、喜んで龍翔提督のお世話係を務めさせていただきます!」キラキラ

高雄「むぅ」

あまぎ「………………」ジトー

清原「ん?」

あまぎ「………………」プイッ

清原「何か言いたいことがあるのなら、言ってくれ」

あまぎ「親としての実感がないとはいえ、ずいぶんと簡単に我が子を他人に預けてしまうんですね。それにあの言い方も」ムスッ

清原「何を怒っているんだ? 確かに言ってみて『あっ』と思ったところはあった。――――――反省する」

清原「けれど、これでも適材適所だと思っているんだが」

清原「悔しいことだが、1日足らずで我が洞庭鎮守府の艦娘たちを動かし鎮守府の機能を麻痺させるほどの求心力を持っているんだ」

清原「あの子を悪く思っている艦娘は居たとしても極小数だろうし、大丈夫だろう」

清原「それに大和は【演習】以外では非番が多いし、博識で親切で子守上手だからちょうどいいと思ったのだが」

あまぎ「そういうことではないんですけどね……」ハア

あまぎ「まったく、提督ってば…………」フフッ

清原「………………?」



――――――4,二人の様子を見る

――――――厨房


清原「やあ、二人共。――――――間宮さんと伊良湖さんはいないのか」

鳳翔「あ、あなた。お疲れさまです」ニッコリ

金剛「あ、提督ぅ~!」ダキッ

清原「どうした、金剛?」

金剛「提督! それでどうだったデスカ?」

清原「ああ。――――――あの子たちのことか」

清原「大丈夫だったよ。司令部から『好きなようにやっていい』という保証をいただいた」ニコッ

清原「ま、そのことは今日と明日が終わってからの話だ」

鳳翔「本当によかったです……」ホッ

あまぎ「はい。本当に……」

金剛「あれ? ど、どちらさまデショー、隣のとってもステキなLadyは!?」

あまぎ「さて、誰でしょうか?」ニコニコ

鳳翔「え、もしかして天城さん……ですか?」

金剛「え、ええええええ!?」

清原「さすがだな、鳳翔」

あまぎ「はい、正解です。今の私は人間:あまぎ です」

鳳翔「――――――『人間:あまぎ』」

金剛「Oh, 龍翔提督が真っ先に頼る艦娘なだけあってトンデモナイ実力の持ち主デース」

あまぎ「いいかげん、あの子も事ある毎に私を頼ることをやめて欲しいんですけど、」

あまぎ「齢16の子にそれを強いるのはそれが【当時】の世相とは言え残酷なことですから、それを強く言えないのがちょっとした悩みです」

あまぎ「それでもあの子はよくやってます。――――――提督と鳳翔…夫人の子として誇り高く」

鳳翔「……そうですか」

清原「…………『【当時】の世相とは言え』、ね」ボソッ


あまぎ「何かお手伝いできることはありませんか?」

あまぎ「私、これでも“百面相”と言われるぐらいには多方面で研鑽努力を重ねてきたんですよ?」

清原「そうだな。私も手伝おう。食堂ならば鎮守府に所属する職員たちが幅広く訪れるから全体の様子を見るのに適しているしな」

清原「それに、私が料理を出すことを報じれば憲兵たちも駆け足でやってくる。今 利用しない手はない」

金剛「WOW! 今日は提督のDinnerが出るんですネー! とっても楽しみデース!」ワクワク

鳳翔「助かります、あなた」ニコッ ――――――薬指にはケッコン指輪が光を放っている

あまぎ「………………」ジー

鳳翔「?」

あまぎ「さて、明日の分の仕込みもあって厨房は戦場よ! 百面相の1つ『料理人:あまぎさん』の出番ね!」

清原「それじゃ、エプロンと三角巾にマスクだな。はい」

あまぎ「あ、これって――――――」

清原「『天城』は赤城の姉だものな。鳳翔や金剛のものじゃ小さいだろうから、私の予備だ」

あまぎ「ありがとうございます」ニッコリ

鳳翔「…………あまぎさん、か」

金剛「むむむ、何デショー? 何だか昨日会ったばかりとは思えないような距離感デース」




――――――
「うぅ…………」グスングスン
――――――

「提督ぅー、Don't WORRY ! Be happy ! 笑顔 笑顔デース!」

――――――
「すまない……、お前のことを裏切ってしまった…………」グスン
――――――

「……提督が私よりも鳳翔を選ぶことはわかってマシタ」

――――――
「私はどう償えばわからない……」

――――――ユウジョウカッコカリ

「どうしてLv99の艦娘には使えないんだ……!」ポロポロ・・・
――――――

「………………」

――――――
「わ、私は! それではっきりさせるつもりだったのだ」

「金剛にもずっと助けられてきた! お前は私にとってかけがえのない存在だ!」

「けれども、私にとっては鳳翔こそが1番だ! そのことを表明するためにケッコンカッコカリは一人にしかしないつもりだった!」

「でも、それじゃお前に形式上でも報いる術がなくて、お前のことを蔑ろにしているような気がして…………」
――――――

「わかりマシタ」

――――――
「え」
――――――

「提督の私へのLOVEは十分に伝わりマシタ! 私はそれでHAPPYデース!」ニコー

「だからこそ、提督? 私のお願いごとを聞いてくれますカー?」

――――――
「な、なんだ? それでその涙の償いとなるのならば――――――」
――――――


「私のこと、忘れてくださいネー」ポロポロ・・・



――――――
「!?」

「何を言って――――――」
――――――

「提督……、私を【解体】するか【近代化改修】の素材にしてクダサーイ」

「私がいなくなれば、それでこの問題は解決デース……」

――――――
「主力がお前がいなくなったら、鎮守府のこれからは――――――!」
――――――!

「大丈夫デース! 私の妹たちだって立派に改二になったことデスシ、もうあの頃とは違って鎮守府も本当に立派になったのデース!」

「だから、私一人が抜けてもこれからも立派にやってイケマース……!」

「提督? 私の一番嫌なことは『提督が悲しむこと』デース! だから、その原因を取り除けば提督はまたSmileを取り戻してくれマース!」

――――――
「い、行くな! どこにも――――――!」

「わ、私が悪かった! 意固地になっていた私が悪かった――――――!」
――――――

「私はそういう提督が大好きだったんデス。だから、これからも提督は提督でいてクダサーイ」

「あ、そうだ! なら、こうすればイイと思いマース!」

「最近【ドロップ】した新しい金剛の中へ私を入れて欲しいデース!」

「それから改めて生まれ直した私とユウジョウカッコカリを結んでくださいネー!」

「ほら、これで何も失ってマセーン! いつまでも私は提督のお側にいることになりマース」

――――――
「お前は、本当にそれでいいのか? 恨んではいないのか……」
――――――

「確かに提督のHeartを射止められなかったのは残念でしたケド、提督からは本当にスバラシイPRESENTSをたくさんもらってきましたカラ」

「泣いたり笑ったり、辛かったり楽しかったり、今となっては本当にイイPrecious Memoryデース」

「けれども、これからのMemoryの中の提督が苦しみや悲しみの色に染まっているのだけは見たくないカラ――――――」

「私のことを大切に想ってくれていることは胸がいっぱいになるほど伝わったデース」

「だから、今度は私が提督のこれからのHappyな時間のためにお返しをする番デース」

「私をこれからも大切に想うのなら、次の金剛のことをよろしくお願いシマース……!」ジワ・・・

「今まで本当にたくさんのしあわせをありがとうございました……」ポタポタ・・・


――――――愛しています、提督。


――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



あまぎ「…………そうだったんですか」

清原「?」

あまぎ「提督はすでに大切な艦娘を犠牲にしていたからこそ、昨日は記念日にならなかった――――――」

清原「!」ビクッ

あまぎ「世界の調和とはかくあるものなんですね」

清原「…………もしかして本当に?」アセタラー

あまぎ「はい。妹の赤城にもその力はあると思うのですが、私ほどはっきりとしたものではないでしょう」

清原「……現在も過去も未来もわかるのなら思いのままだな」

あまぎ「提督、――――――それは違います。提督自身がおっしゃったことですよ」

あまぎ「たとえ【未来】が見えても、それを【現実】にする努力をしなければそれは幻に過ぎないのです」

あまぎ「だから、神様は先のことを見通せる力はお与えにはならなかったのです」

あまぎ「もし未来がこうなるということを全て知っていたら人は努力しなくなります。そうなった時 人は“未来の奴隷”になってしまうのです」

あまぎ「そして、過去は未来へ向かう努力と試行錯誤と反省の積み重ねでしかありません」

あまぎ「【過去】に求めるべきものは、あの子が【この時代】に来れたように【未来】に活かされるものだけで十分です」

あまぎ「それに、実際に過去に行って悔いが残った結果を修正したとしても、悔いを残した当人にとっての記憶や事実は絶対に残るのです」

あまぎ「わかりますか? 誰にとっても記憶の中のその瞬間という現在は永遠なのです」

清原「…………わかってる。二人目の金剛と接するうちに最初の金剛との違和感をひたすら感じ続けたわけだから」

あまぎ「けれども、未来は必ず変えられます。あくまでも見えてくる未来というのは予想図であり、確定図ではありません」

あまぎ「一人一人の誠意と努力によって築かれる未来こそが尊いものなのです。古聖の教えにも『国の宝とは人間』とあります」

あまぎ「全ては今を生きる人間一人一人の血と汗と涙のそれぞれの物語こそが歴史となるのですから」

清原「わかった。――――――今の言葉、胸に刻もう」

清原「けれども、必要な犠牲や必ず受けなくてはならない厄難というのはあるのだろう? ――――――『代替できた』ということは」

あまぎ「はい。それが先祖代々受け継いできた積もり積もった業というものですから。業はいずれ払わなければならないのが天地の理です」

清原「なら、答えを教えてくれないか? どうやって戦いは終わるんだ?」

清原「もし私がそれに備えて努力を重ねればそれだけ多くの人の未来を救えることにはならないか? どうなんだ、そのへんは?」

あまぎ「…………残念ながら、提督一個人の命や艦隊の犠牲だけでどうにかできる話ではありません」

清原「……それもそうか。未来を知ったとしても一人の力でその全てを造り上げるわけじゃない」

あまぎ「はい。全ては今を生きる人たちの努力が積み重なって足並みが揃った時に初めて1つの仕組となり、事態が移り変わっていくのです」

あまぎ「これを『天の時』といいます。一人の力だけではどうしようもないことも、大勢の人の意思が1つにまとまった時に解決への道が拓かれるのです」

清原「待つしかないのか、『その時』が来るのを」

あまぎ「しかし、それに備えた努力は決して無駄にはなりません。大同小異の結果でも似て非なる過程でも確かな違いは存在するのです」

あまぎ「そして、その小さな違いを積み重ねていけば、いずれは大きな成果へと変じていくはずです」

清原「!」

清原「わかった。それを踏まえた上でこの戦争の終着点を教えてくれ」

あまぎ「わかりました。しかし、決して口外してはいけません。そこに挑もうなどとも思ってはなりません」

あまぎ「理由はご説明しますが、その第一として『そこに到達すること自体が現時点では不可能な領域だから』なのです」

清原「…………わかった。本当にわかった」

あまぎ「はい」



――――――執務室


x:天城’「今日は本当に楽しかったです」ニッコリ

清原「……そうか」

x:天城’「私の役割はこれで終わりました」

x:天城’「くどくなりますが、似姿の私はこれで消滅します。本物の私、巡洋戦艦:天城とお会いになってください」

清原「ああ」

x;天城’「では最後に、これまでのことから提督に伝えておきたいことがあります」

清原「なんだ?」


x:天城’「心配なことが3つあります」


x:天城’「1つ目は、清原提督は服を脱がないと龍翔提督を受け入れられない点です」

清原「…………まあ、そうだろうな」

x:天城’「やはりこればかりは人間と艦娘の間にある生き物としての差です」

x:天城’「艦娘は『人間の子を生めないからこそ』因果的に他人であるはずのあの子を提督の子としてすんなり受け入れることができました」

x:天城’「この辺りは本当に『そうであったらいいという願望』がある一方で、『実際のそういう感覚』が元々欠落しているからとも言えます」

x:天城’「しかし、提督としては身に覚えがない子であるのは間違いなく、それでいて生真面目すぎます」

x:天城’「できるかぎり裸の付き合いでもいいですから“家族の時間”を設けて少しずつ打ち解けていってくださると互いに助かります」

清原「わかった。難しい話だが善処しよう。最悪、師弟の関係ぐらいには密な関係でありたいか」


x:天城’「2つ目は、【私たちの世界】と【この世界】は“3つの特異点”から分かれた似て非なる世界だということです」

清原「……やっぱりか。正確なところは把握していないがそんな感じじゃないかって薄々思っていた」

x:天城’「“失われた10年”における大災害によらずとも、元からワシントン海軍軍縮条約で世界は3つに分岐していたのです」

x:天城’「その証拠に、【私たちの世界】には【八八艦隊】は存在しても【条約型巡洋艦】は存在しません」

x:天城’「私たちは【ワシントン海軍軍縮条約がなかった世界】から【ワシントン・ロンドン海軍軍縮会議があった世界】に来たようなのです」

清原「…………なるほど。確かにワシントン海軍軍縮条約がなければ大艦巨砲主義が跋扈する世界になっていたのは頷ける」

清原「その象徴が、【未来】における超大型弩級深海棲艦ということか……」

x:天城’「近いうちに【ワシントン海軍軍縮条約があってロンドン海軍軍縮会議がない世界】からの艦娘が現れます」

x:天城’「これが“3つの特異点”である所以です」

清原「…………それはどういった世界になるのだ?」

x:天城’「ちょっとまってください……」


――――――日本が第二次世界大戦に勝利して大東亜共栄圏を築き、ドイツ・アメリカ・ロシアの4超大国の一角として覇を競っているようです。


清原「何だそりゃ! 驚いたぞ、これぇ……」

x:天城’「おそらく、その当時の日本とドイツは我々の知るそれの数十倍の国家戦略と多方面に渡る叡智を持った英霊たちを輩出したのでしょう」

x:天城’「そうでなければ、あの当時の情勢で大東亜共栄圏を実現するなどとても…………」

x:天城’「【私たちの世界】だとスペイン風邪やその他の疫病が世界的に大流行して軍拡や戦争どころじゃなくなり、」

x:天城’「帝国主義の時代がずっと穏やかに続いて やがては戦艦と潜水艦と空母の小規模な紛争が連綿と続いて、」

x:天城’「最終的に広島と長崎に原爆が落とされてもアメリカは内乱で瓦解寸前までいって――――――、」

x:天城’「結局は痛み分けに終わって【この世界】と似たような世界に収束します」

x:天城’「ですから、気をつけてください。【その世界】からやってきた艦娘は世界最強の実力と自負を持って現れるはずです」

清原「…………わかった。扱いには気をつけよう」


x:天城’「3つ目は、――――――提督、あなたはあまりにも一人の女性を深く愛しすぎて周りが恋に焦がれてますよ」

清原「は」

x:天城’「ですから、提督と鳳翔夫人の関係に憧れて提督の忘れ形見のあの子が【ここ】の艦娘に色目を使われてますよ」

清原「ちょっと待て。それはどういうことだ?」

清原「その口振りからすると、私の部下たちが私に好意を寄せていたように聞こえるのだが」

x:天城’「本当に生真面目というか不器用な方なんですね、あの子と同じで。――――――わかってましたけど」ハア

清原「はあ…………」

x:天城’「まあ【未来】ではそういった意識を持つ子はほとんどいないんですけどね。だから、あの子にも責任があるといえばあります」

清原「どうして?」

x:天城’「艦齢5歳以上になったら退役して人間としての権利を認められ、恋愛や結婚が自由になるからです」

清原「ああ……、そうだったな」

x:天城’「それと、“失われた10年”で失われた人口を回復させるために重婚も公然と認められるようになりまして、」

x:天城’「艦娘でも体外受精で妊娠させることが可能になりましたから、本当に人間らしい人生を送れるようになったのです」

x:天城’「ですから、【未来】の艦娘は生み出されてから艦齢が5歳を迎えるのが1つの大目標になっているんです」

清原「…………ホント、金本提督が大喜びしそうな世界だな」

清原「しかし、何だ? 私の代わりに息子を代替品として私と鳳翔の関係を真似ようとしているのか、我が艦隊の艦娘たちは?」ヤレヤレ

x:天城’「はい。この鎮守府の艦娘に関して言えばだいたいはそうなります」

清原「由々しき事態だな――――――あ!? まさか大和のやつは!? いや、大和に限ってそんなことは…………」アセタラー

x:天城’「それと、あの子はたくさんの人からの愛情を受けて育ってきましたから、愛されオーラが凄まじいんです」

清原「わかるような気がする。いくら私の子で私のことを部下たちが憎からず思っていたとしても、」

清原「それだけで1日足らずで我が鎮守府の艦娘の大半から可愛がられるわけがないからな」

x:天城’「はい。世界中の人間から“護国の英雄の子”として、あるいは“世界初の艦娘との間の子”としての祝福を受けてきましたから、」

x:天城’「その祝福の想念があの子の器にたっぷり注がれてそれが大いに滲み出ているんです。最近は内側から荒んで翳りが見えますけど……」


x:天城’「――――――以上の3点に気をつけてこれからの方針を立ててください」

清原「ご助言、感謝いたします」

x:天城’「言うべきことはこれで言いました。明日から本物の私をよろしくお願いします」

清原「ああ」

x:天城’「では、私はこれにて――――――」

清原「待ってくれ――――――あっ」ピタッ

x:天城’「何ですか?」

清原「そ、その……、やっぱり……、いや、その…………」ウジウジ

x:天城’「本当に不器用な方ですね。それでは内柔外剛ではなく、内脆外弁慶じゃないですか」クスッ

清原「あ、何を――――――!?」ドキッ

x:天城’「ふふふ」パッパッパッ(制服のボタンを慣れた手つきで外していく)

清原「ずいぶん手馴れているじゃないか…………あの子で慣れているのか?」ドクンドクン

x:天城’「はい。たった今、提督は“提督”じゃなくなりましたよ? 着崩しているだなんて“提督”じゃありません」ニヤリ

x:天城’「でも、これで提督は素直になれますよね?」ニッコリ

清原「くっ…………」カア

清原「………………!」オドオド

清原「………………」スゥーハァーー

清原「なあ、ところで『天城』? 消える前に最後に訊いてもいいかな?」キリッ

x:天城’「何ですか?」


清原「やっぱり『天城』もあの子のことを――――――龍翔提督のことを女性として愛しているのか?」


x:天城’「………………」

清原「『天城』は艦齢5歳は優に超えている――――――いや、それどころじゃない。それは間違いないよな」


x:天城’「……どうしてそう思われるのですか?」

清原「まるで、あの子が生まれた時の様子のことをこれまでずっと立ち会っていたかのような口振りがそう思わせるんだ」

清原「そして、『“3人の特異点”が一堂に会するのは今日だけ』だとも言っていたな」

清原「わからないのは『そもそも【こちらの世界】には存在しない「天城」がどうして存在できたか』ってことなんだ」

清原「けど、あの子が【ここ】を『そのままの過去』だと思ってしまうぐらいに似て非なる世界だったってことだから、」

清原「何となくだが、【異世界】の『私』がやっていることも実はそう変わらないんじゃないかって思ってな」

清原「そして、金剛があの子の身の上話で聞いたことを聞いてそこから少しずつわかりかけてきたんだ」

清原「似て非なる世界だからこそ、そこで起きたことの大筋はだいたい同じなんだろうから――――――、」


清原「『私』がケッコンカッコカリで思い悩んだ相手も実は【あっち】でも鳳翔ともう一人いたんじゃないかと」


x:天城’「………………」
                                      ・ ・
清原「わかりやすく言えば、『私』と鳳翔とで三角関係を結んだ金剛とまったく同じ立場につけた艦娘だったから接点が生まれたのではないかって」

清原「でも、似て非なる【異世界】の金剛は“おばあちゃん”なんだってな」

清原「そして、『艦娘は老けない』――――――“おばあちゃん”はないと思うんだ、いくら評判の相手でも」

清原「少なくとも私はそう思うし、【異世界】の『私』もそう思っているはずだ」アハハ・・・

x:天城’「まあ、それはそうですね……」ハハハ・・・

清原「となれば、金剛の立ち位置を代われるような確かな存在感を持った、できるだけ艦種も同じであろうそんな若い艦娘が居たってことだ」

x:天城’「…………なるほど。それで?」

清原「もちろん【失われた10年以前】のことなんて【その世界】の住人ですら大して憶えてないんだから当てずっぽうだけど」

清原「――――――結論を言うよ」


――――――あなたが【向こうの世界】の『私』が愛したもう一人の艦娘であり、その息子のこともずっと見守ってきたんじゃないのか?


x:天城’「………………」

清原「全部 何となくだ。けど、何か直感のようなものがそうなんじゃないかと閃かせたんだ」

清原「タイムマシンの原理も『秘書艦システムを利用してその艦娘と馴染み深い過去まで遡れるもの』だとあった」メメタァ

清原「ボス級深海棲艦の2個艦隊による鎮守府襲撃の日に現れたのもそういうことなんだろう?」

x:天城’「………………」

清原「どうなんだ?」


x:天城’「知ってますか、昨日が何の日か?」

清原「さあ? ――――――少なくとも私が初めて艦娘を轟沈させた日ではないな」


x:天城’「昨日は、牢屋で清原提督と鳳翔が初めて愛し合った記念すべき夜なんです」


清原「…………!?」

x:天城’「ちょうどよく、あの牢番が用を足しに行った間に私は見てしまったんですよ」

x:天城’「よく憶えてます。あの時 目にした光景と衝撃は」シュッ

清原「――――――っ!?(――――――速い!? 完全に対応しきれなかった!?)」

x:天城’「隠しきれない移り香がいつしかあなたに浸みついた――――――」クンクン


――――――誰かに盗られるくらいならあなたを殺していいですか?


x:天城’「そう思ったぐらい、鳳翔を憎むよりもただ提督のお側にいたかったです」ニッコリ

清原「………………」アセタラー

x:天城’「【ここ】と同じようにボス級深海棲艦の襲撃がその日にあって――――――、」

x:天城’「残念ながらその時に提督が保持し続けていた不沈記録はあっけなく破られたのです。提督は大いに悲しみにくれました」

x:天城’「その時に犠牲になったのが加賀と土佐と長門で――――――因果なものよね。その翌日に陸奥がやってきたわけ」

清原「…………それで“3つの特異点”か(ん? なぜ長門と陸奥が“特異点”なんだ? そもそも“特異点”とはいったい――――――?)」

x:天城’「傷心に苛まれた提督を癒やそうとして――――――、私は完全に出遅れた」

x:天城’「人って、驚きを通り越すと身体が言うことを聞かなくなって、」

x:天城’「見たくないのに見続けて、叫びたいのに叫ぶことすらできなくなるものなんですね」

x:天城’「私は戻ってきた牢番によって金縛りが解かれると、牢番に静かに促されて一人 自室に戻って泣き濡れました」

x:天城’「元々 提督の心は鳳翔に向いていたのですから、もうどうしようもないってことはわかってました」

x:天城’「それでも、それでも私はずっと提督のお側に在り続けた――――――」

x;天城’「私はどんな形であろうと、提督の悲しみに歪んだ表情だけは見たくなかったから…………」
                           ・ ・
清原「…………まるで同じだ(――――――金剛)」グッ

清原「ハッ」

清原「そうか。そういう接点もあったのか……(天城型巡洋戦艦は金剛型巡洋戦艦の次級だったな……)」

x:天城’「そして、戦いは激しさを増し、多くの犠牲が出続けた。その度に提督は陰で涙を流し、鳳翔はそっと寄り添う…………」

x:天城’「一方 私は、『もしかしたら提督の隣が空くかもしれない』という浅ましい期待を捨てきれずにいた」

x:天城’「けれど、結局 二人は幾多の犠牲を踏み越えて戦い抜き、“護国の英雄”となって世界で最初の艦娘との間の子を生んだ――――――」

x:天城’「私の邪な願いはこうして果たされずにすんだのです」

x:天城’「それから、私は提督に誘われて退役してからも提督のお側に居続けて、世界初の艦娘の出産にも立ち会った――――――」

x:天城’「それからはずっと、あの子を愛しいあの人の子として我が子のように愛し続けたの」ウットリ

清原「そうだったのか。だから“あの子”なのか」

x:天城’「そんな私を二人はどこまでも信じてくれて、後れて行われた新婚旅行の時は私が家に残ってあの子を預かるになってね?」フフッ

x:天城’「――――――『こういう形の幸せもあるんだ』ってしみじみ思ったわ。ああ 愛しい子」クスッ

清原「そうか」フフッ



――――――けれども、幸せな時間はそう長くは続かなかった。


x:天城’「戦後数年で“失われた10年”の大災害が始まって――――――、」

x:天城’「あの二人は私にあの子を託してより多くの家族や同胞を救うために海の向こうへと出て、そのまま帰ってくることはなかった……」

x:天城’「そして、周囲が歴戦の艦娘の再結集を呼びかけても私は頑なに無視し続け、」

x:天城’「あの子の健やかなる成長だけを願って艦娘:天城であることを隠して人間:あまぎとして生き続けたの」

x:天城’「それから、あの子が期待の星として来る深海棲艦との決戦に向けて祭り上げられるようになってから、私はあの子の許を去った」


x:天城’「全ては、提督からの最期の指令を全うするために」


清原「…………そうか」

x:天城’「私は『天の時』を待っていたの。あの人の忘れ形見であるあの子と一緒に戦えるその日を――――――!」

x:天城’「その間、人間として生きた数年間のなまりを解消するために猛特訓を始めていたわけ」

x:天城’「そして、あの子が提督となった最初の日に私は駆けつけた――――――」

x:天城’「だから、今の私はあの子の艦娘である巡洋戦艦:天城なのよ」

清原「そうか。だから、戦うことに必要なことしか知らないはずの艦娘であれだけの能力や迫力があるのか」

x:天城’「そうよ。私は最初に艦娘として生を受けてから、人間として幸せな時間を過ごし、再び艦娘として生まれ直した戦士なの」

x:天城’「でも、でもね……?」グスン



x:天城’「でも、やっぱりどんな形であってもいいから、あなたにまた会いたかった…………」ポタポタ・・・


x:天城’「恋人の口付けが欲しいわけじゃありません……、夫婦の交わりが欲しかったわけじゃありません…………」ポタポタ・・・

x:天城’「私はずっとずっと、どんな形であってもいいから、ただ『私の提督のお側に居続けたかった』それだけ…………」ポタポタ・・・

x:天城’「あなたは最期に約束したの。――――――『どんな形であってもまた私とあの子を家族として抱きしめる』って」

清原「――――――『家族として』(――――――それが『私』が苦悩の末に出した答えというわけなんだな)」

x:天城’「ズルいですよ、提督は。『こんな形で』その約束を果たそうだなんて……」

清原「…………そう言われても困る(――――――とことん罪作りな男だな、『私』というやつは)」

x:天城’「【ここ】に来れたのはやっぱり『あなたと鳳翔の初夜を邪魔したかったから』――――――もあるかもしれませんね」フフッ

清原「すればよかったじゃないか……」

x:天城’「できるわけがない。一番に浮かぶのがやっぱりあなたの悲しむ姿――――――誰があなたのことを鳳翔以上に癒してあげられるの?」

x:天城’「それに、あなたのもう一人の隣がうら若き金剛先輩だから。【異界】の他人とはいえ、先輩にはあの子のお世話をし続けてくれた多大な恩があるの」

清原「なら、『【異界】の他人なら』――――――」

x:天城’「わかってます。――――――提督が私が愛し続けた『提督』とは違うことも」


x:天城’「【ここ】の鳳翔はすでに指輪を嵌めてましたから」


x:天城’「それでもっ!」

x:天城’「恨んでも恨んでもからだ うらはら――――――心はずっと同じ答えを叫び続けている」

x:天城’「――――――提督の栄光と勝利と、笑顔を」

清原「…………そこまで思われるなんて幸せ者だな」ドクンドクン

x:天城’「ねえ、『昨日』はあんなことになっちゃったけど――――――、一度は『あなた』と永遠の別れをしたのだから、」

x:天城’「『提督』に一度も私の気持ちを伝えなかったことを後悔したくない! ずっと黙りこんでいた自分とはこれで本当に“さようなら”です」


――――――愛しています、『提督』。生まれ変わってもどんな形であってもずっとお慕いしています。



清原「…………ありがとう」ドクンドクン

x:天城’「最期ぐらい抱きしめてもらえませんか? ずっとずっと待たされ続けていた約束です。約束は果たしてもらいますよ?」

清原「……それが最期の願いなら」ドクンドクン

x:天城’「はい。これで最期です」ポロ・・・

x:天城’「提督が私を抱きしめて愛おしさを感じた次の瞬間には消えてなくなっていることでしょう」

x:天城’「でも、いいんです。本物の私は龍翔提督の艦娘であり、【ここ】にいるのは私の青春の残滓なのですから」キラキラ

清原「それでいいのか?」ギュッ

x:天城’「嘘でも抱かれりゃあたたかいんです」ギュッ

x:天城’「ああ……、あたたかくておおきくてやさしくて…………」ドクンドクン

x:天城’「そう、私はずっとこの瞬間を待ち続けていた――――――やっとその想いが叶ったのですね」

清原「…………『天城』」

x:天城’「提督? 『天城』からの最期のお願いですよ?」

x:天城’「今度はそのあたたかくておおきくてやさしいその手で、我が子を力強く抱きしめてあげてくださいね」

x:天城’「これが私も愛してくださった『提督』へのせめてもの恩返しです。どうか【向こうの世界】で果たせなかった親子団欒の時を楽しんで…………」

清原「…………『天城』!」ウルッ

x:天城’「戻れなくてももういいの」クスッ

x:天城’「もっと、つよくだきしめて――――――」

清原「ああ。こうか――――――」ギュッ

清原「ハッ」




清原「………………」




清原「………………フゥ」

清原「さようなら、『天城』」フフッ

清原「こんな『私』をどこまでも…………素敵な贈り物をありがとう…………」

清原「何だ、雨漏りか……? いや、施設の老朽化で部屋の真上で水漏れが起きてるのか……?」ポタポタ・・・

清原「これはすぐに修理してもらわないとダメだな……」ポタポタ・・・(軍帽で顔を覆う)
    ・ ・ ・
清原「わたしは…………」ポタポタ・・・


くらくら燃える火をくぐり 今度はみんなと越えたい 天城越え


――――――第6話X-2 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- 解明編 完

     NEXT:第7話X  孤高のビッグ3 -もう1つの“もう1つの世界”- に続く!


陣営紹介x:【異界艦】
龍翔提督 愛称:りう
【異界】からやってきたという自称:清原提督と鳳翔の子。実の父である清原提督と苗字が違うのは結婚を機に改姓したからだという。
齢は16を数えるが階級が将官クラスというとんでもない設定の子であり、清原提督そっくりだが歳相応のあどけない見た目をしている英才。
提督としての実力はさすが未来の海軍将校なので清原提督よりも博識で利口なところがあるが、青二才で経験が浅いので浅慮で未熟な面が見られる。
彼に自分の父だと迫られた当の清原提督としては、いろいろツッコミたいところだが、その年齢で艦隊指揮を任せられる【異界】の事情に震撼することになる。

【異界】から【この世界】にやってきた理由は、【破滅の未来】を救うため――――――国民的英雄にまでなった生前の父と母に会いたかったから。

清原提督からは認知されず、――――――当然と言えば当然だが、軍属でもない子を置いておくわけにもいかないので【異界】に帰還するように命令される。
しかし、結局は見捨てることができずに『天城』の策謀もあって、無事に両親が健在の【この世界】に置いてもらえることになった。
それからはその正体は多くの人間には秘匿され、鎮守府の艦娘たちには大本営が用意した清原提督の影武者として紹介されており、
一般に対しては技術士官:あまぎの才覚豊かな連れ子として認知されていくことになる。

両親に似ず、料理の腕は壊滅的。【異界】においては両親が物心付く前に他界し、英雄の子であったがゆえのおぼっちゃん育ちだったようである。
しかし、世界一たくさんの人間から祝福を受けた子であるために愛されオーラが凄まじく、穢れを知らない無垢な笑顔に誰もが心を癒されることになる。
別にショタというほどティーンエイジャーではなく、れっきとした思春期男子であり、これから男性らしい身体つきになっていくわけだが、
父親の純正クローンなので清原提督そっくりの顔つきなのだが、立派な大人の男性としての清原提督がいるので相対的に余計にショタに見える。
若干16歳ながら『天城』の教育方針で幅広い技術を習得しており、顔や雰囲気に反して実際はかなり逞しい少年である。

『龍翔』という両親が結婚を機に改姓した姓の由来は、鳳翔の予定名だった『竜飛』に由来する。
一応、苗字の下のれっきとした名があるわけなのだが、名で呼ばれるよりも姓で呼ばれるほうが圧倒的に多かったせいで本人も半分忘れている。
何よりも艦娘に囲まれて暮らしてきたことが大きく、自身の姓も軍艦に由来するものなのでそんな感じの名称で呼び合うことが普通だと思っている。
名(=パーソナルネーム)というのは副次的なものに捉えており、この辺の感覚の違いが艦娘との共存による弊害とも言える。
また、普通に生活する上では『龍翔』という姓は筆記する際には手間が掛かるので、“りう”という略字からその通称が半ば黙認されて使われている。

【艦これ】の二次創作で取り上げられる『艦娘との間の愛の結晶』や『戦後処理』をプレゼンターなりに考えた結果のキャラであり、
プレゼンの内容とはまったく関係ない二次創作における【艦これ】世界の考察に由来するキャラなので、本筋からすれば別にいなくてもいい存在。
しかし、クソ真面目で内のことでは相当ヘタレな清原提督が【異界艦】に対して協力的になってもらうために、
瑞鶴が主人公の小説版を参考にハードな設定を盛っていった結果、某シミュレーションRPGに登場する“異界のマルス”っぽいキャラに仕上がった。
しかし、清原提督とこの龍翔提督の間柄は非常に複雑怪奇であり、それが清原提督が感じる『実感のまったく湧かない親子関係』を助長させている。

第6話全体の中で艦娘にまつわる数々の話題は、実は全て龍翔提督という未知なる存在の登場のための伏線であり、
それなりに物語としての一貫性とおもしろさ、独自設定の説得力は持たせられたのではないかと思う。
もちろん、批判は大いにけっこうです。これは架空戦記であると同時にプレゼンテーションでもあり、感想やご意見を望んでいるのですから。


『天城』 人間名:あまぎ
艦娘:天城としての解説は下に譲るが、【異界】からやってきた龍翔提督に従った“特異点”の一人であり、完全なる本作オリジナルキャラである。
プレゼンターが意図している巡洋戦艦:天城を超越した存在であり、【ユウジョウカッコカリ】で練度は上限のLv120で止まっているが、
実際は艦娘としての器を限界突破してLv255ぐらいはあるであろう、驚異的な戦闘能力と叡智と人生経験を持つ万能の天才。

艦娘から法的に人間となってから様々な経験を重ねたことで艦娘としての限界を突破して、超艦娘必殺百面相なるものを使いこなし、
実質的に龍翔提督の副官としての地位を不動のものとしており、『艦娘でありながら提督業もできる』という元々の威厳がもっともっと深まっている。
【この世界】の洞庭鎮守府においては身分を隠しながら外部からやってきた天才技術士官:あまぎとして働くことになり、
【異界】の技術や艦娘の開発を指導して、洞庭鎮守府の戦力増強に貢献することになる。
現在過去未来のことがわかる力がある他に、実際に【異界】における大戦を生き延びたので戦いの行く末を知っているのだが、
彼女の人生経験から『天の時』を得るまでは極力は【この世界】には干渉せずに、独自に龍翔提督の艦隊の戦力増強に終始している。

基本的に『天城』や“あまぎ”と書かれたらこの人のことであり、普通の「巡洋戦艦:天城」とはまったく別の存在となった艦娘を超えた艦娘である。



3つの特異点
次回に詳しく解説する【異界艦】にまつわる重大な要素であり、【八八艦隊】の中でこの3人がなぜそう呼ばれているかは史実を追えばわかるはず。

第1の特異点 長門型戦艦:長門
そもそも【異界艦】の分岐点となるワシントン海軍軍縮条約の発生には少なからず当時の最強戦艦の3本の指に入る長門の存在が大きかったため。
長門が存在しなければ日本が最も不利な条約内容を結ばされたことは想像に難くなく、“国の誇り”に恥じない抑止力を担っていた。
ただ、当時の抑止力の指標が超弩級戦艦(今で言えば核兵器に相当)であるために、今回の軍縮がきっかけでますます大艦巨砲主義を大事にするようになり、
【八八艦隊】の第一番艦であり日本軍艦の象徴である長門への過保護さが結果として大日本帝国海軍の戦略的敗北の遠因となってしまっている。


第2の特異点 長門型戦艦:陸奥
あまり知られていないが、当初はワシントン海軍軍縮条約の始まりの段階では未成艦廃棄が決定されており、
会議当時に未成艦だった陸奥を無理やり完成艦だと認めさせたことから“ビッグ7”が誕生することになった。
結果として、陸奥1隻のために敵戦力の更なる充実を認めさせることになり、明らかな外交的失敗を招くことになった。
もちろん国力の象徴として超弩級戦艦が何よりも尊ばれたのはわかるが、この辺が列強:日本の限界だったのかもしれない。
この長期的戦略性の無さが後に太平洋戦争という形で表面化し、結果として守るべき同胞に多大な犠牲を強いる時限爆弾となった。


第3の特異点 天城型巡洋戦艦:天城
関東大震災で航空母艦に造り替えている最中に艦船の背骨である竜骨が破損し、再起不能になったために代理艦として標的艦だった加賀が航空母艦になる。
つまり、このアクシデントがなければ、史実に名を残す最強の一航戦こと正規空母:加賀と赤城のタッグが生まれることがなかったのだ。
もしも関東大震災が起こらなければ――――――、あるいは起きても竜骨が破損しなければ――――――、
加賀はそのまま未成艦として何の活躍の場も与えられないまま妹共々海の藻屑になっていたのである。
それ故に、加賀からすれば天城の存在は何よりも大きいはずなのだが、【艦これ】においては妹の赤城からも言及されていない忘れ去られた存在である。



巡洋戦艦:天城
存在しないはずの天城型巡洋戦艦1番艦のネームシップであり、【異界艦】の代表格として意図された艦娘である。
作中、『天城』と「天城」は別の存在なので注意の必要がある。
→『天城』……【異界】の大戦を戦い抜いて人間としても生き抜いた超艦娘のほう。 
→「天城」……艦娘としての一般的な天城:赤城の姉、長門が【八八艦隊】の“象徴”なら、こちらは実働部隊のリーダー的存在。

その2番艦である妹:赤城の赤袴に対比するような青袴をしており、古代日本の巫女を想起させるような濡れ烏の長髪に宝冠をしている。
彼女曰く「時折、現在過去未来のことがあらゆることが見える」らしく、【この世界】における「天城」自身と感応するためなのか、
時報の度に不吉なことを騒ぎ立てるが、極めて誠実で毅然として女性としての物腰の柔らかさと包容力を持つ。
【異界】においては長門型のレアリティがワンランク下げられており、彼女がスーパーホロであるぐらいにダントツの性能と人気を誇る。

基本的に【艦これ】でも現実でも後から出てきた艦は前級より強いのが当たり前なので、
初期値においては前級:金剛型戦艦よりも軒並み能力が高い(というか金剛型が古すぎるだけだが)。
彼女の存在によって金剛型が銀レア、長門型ですらレアリティが金レアに格下げになるほどの圧倒的な性能を誇る。
ただし、【巡洋戦艦】なので【戦艦】よりやや打たれ弱いのが難点か? その代わりに極めて高い【回避】が大きな武器となっている。
しかし、【異界艦】の特徴として、【歴史】に存在しないので戦績が反映される【改造ボーナス】が低く、能力が大いに伸び悩む傾向にある。
そこで、【異界艦としての特別な改造】を施すことによって、【この世界】の艦娘を圧倒するだけの性能を得ることができる。
これが【異界艦】であり、詳細は次回を待て!


オリジナル艦娘「巡洋戦艦:天城」の構想
・金剛型巡洋戦艦の次級が天城型巡洋戦艦
→ 日本初の純国産の純粋な【巡洋戦艦】なので金剛型よりもしっかりとした肌の露出が少ない正統派神職キャラという位置付け
→ 【八八艦隊】の1番艦である長門よりも格上の扱いなのは、長門以上のスペックの戦闘力で完全に天城が戦力として上だから。
→ 【史実】においても【巡洋戦艦】としての高速性で縦横無尽に駆け回った金剛型を例にすれば機動力と火力を両立している彼女の存在の大きさも妥当。

・正規空母:赤城の姉
→ 赤城と同じ濡れ烏の長髪に白ニーソ。
→ 赤城が生前の記憶を微かに引き継いでいるのでこっちは未来予知できるレベルにグレードアップ
→ 妹との外見の区別をつけるために、古代のシャーマンにしてそれっぽい宝冠と儚さをつけさせる

・関東大震災で再起不能になって加賀が代わりに正規空母になる
→ 加賀の青袴は天城の遺品という設定にして、天城が元々 青袴だったということにする
→ 加賀は公式発言で表には出ないが激情家であることに注目して、天城が怒った時のおっかない態度を継承した設定

・立ち位置は○○ァ・スン、性格は赤城よりもっと誠実で、長門のように誇り高く潔くも、女性としての包容力も完備する貫禄ある完璧超人のお姉さま
→ だから、献身的でかつ責任感が強く早死する設定であり、悲劇性や儚さをより一層引き立てる。
→ ついでに、ケッコンに関して厳格なので『天城越え』の一節のような怖いセリフも言ってくるので、色んな意味でおっかない。



巡洋戦艦:赤城 & 戦艦:加賀・土佐
【異界】で生を受けた戦艦:加賀と巡洋戦艦:赤城であり、空母だと似たような二人に思えるが、
加賀は長門型戦艦の後継、赤城は金剛型巡洋戦艦の後継なので本質的に全く異なる二人である。
そういうわけで、加賀と赤城が長門よりも偉そうなのも二人が元は長門型を超える戦力だったことによるものであり、
ワシントン海軍軍縮条約が調印されなかった大艦巨砲主義が蔓延る【異界の艦これ】においてもレアリティは変わらない。(赤城:ホロ 加賀:金レア)

巡洋戦艦:赤城の外見と性格は正規空母のものとあまり変わらず、天城の青袴に対する赤袴に戦艦艤装を担いでいる姿である。
一方で、戦艦:加賀はサイドテールをしておらず、先輩である長門と同じ露出の多い和服ベースの着衣の上に淡い青の加賀友禅の上着を羽織っている。
妹の土佐についても同様であり、青に対比した鮮やかな赤の加賀友禅の上着を羽織っている。
この辺は懇意だった天城と赤城の二人に倣ったようだ(姉が青色、妹が赤色)。
しかし、サイドテールをしているのが土佐という違いがあり、【この世界】の加賀は天城と土佐のデザインを足して割ったようなものと言える。
正規空母のクールな印象と打って変わって比較的活発な印象となっており、喜怒哀楽もはっきりしており、どこか微笑ましい。
二次創作で見られるような赤城と比肩するギャグ要員としてのそれが顕著に現れている寡黙系天然ボケキャラ。“クールビューティー”に非ず。

土佐に関して言えば、いわゆる不幸艦(【史実】の土佐よりは遥かにマシ)であり、直感が冴えていて『嫌な予感がする』が口癖となっている。
そういう意味では、加賀と赤城は直感力の面から言えば鈍感極まりない。 直感力:天城 >>> 土佐 >> 赤城 > 加賀
それでも、姉の加賀に対比して妹っぽさが出て不幸艦だけれども明るく活発で、【艦これ】には今までなかったタイプの明るめな妹像をイメージした。
姉の加賀は別に不幸艦というわけではないが感情表現がヘタクソで気難しさがあり、土佐が彼女を代弁することが多い。
姉がボケ役で妹がツッコミ役というポジションは、阿賀野型軽巡の阿賀野と能代の姉妹のやりとりに似ているかもしれない。
加賀さんは公式4コマでもムッツリポンコツ扱いであるからこれぐらいの扱いでちょうどいいだろう。


※オリジナル艦娘については基本的には今後2年以内に実装されそうもない非常にマイナーな艦娘を選出させております。
※また、今回の場合は【異界艦】でありまして、【異界の艦これ】における存在なので公式で本当に実装されましても何の問題もございません。
※公式よ、さっさと神風型・松型駆逐艦や“出落ち”装甲空母:信濃、もっと豊富に【海外艦】と潜水艦を出してください、お願いします。


これにて、長かった第6話のそれぞれの鎮守府に独自実装された(という物語独自の設定の)新システム4シリーズの導入編は終了です。
本当ならもっと早くに投稿したかったのですが、一身上の都合で遅れてしまって申し訳ありません。
続く第7話は、第6話から続く新システム4の解説編となりますので次回予告の通りに4章編成となります。
が、これまた次の投稿まで間が大きく開きそうなので、年内中に新システム4とこれからの4提督たちの方向性のまとめみたいな回をあらかじめ投稿しようかと思います。
第7話以降は来年ということでよろしくお願いします。

いいかげん潜水艦隊をメンバー自由に組めるようにしてもらいたいものだなー。ゴーヤがまた酷使されとる。駆逐艦は出撃させてもらえない娘がいるぐらい余っているってのに…………
さっさとU-ボートなり、M級潜水艦なり、BETASOMなり実装して、国内の潜水艦が頼りないなら海外から引っ張ってくりゃあいいのに…………

最後に、オリジナル艦娘に関して提督や候補生の方々はどう思っているかお聞かせしてくださると助かります。
プレゼンターとしては積極的に出して、公式で出されれば先行配信版=β版として処理するだけでいいと思っているので、
これからどんどん登場させる予定ではありますが、とある理由で紀伊型戦艦の1番2番は登場させませんのでご了承ください。


――――――洞庭鎮守府:牢屋にて


――――――――――――

――――――
龍翔「うっ、うぅん…………」


龍翔「――――――天城!?」ガバッ


龍翔「………………あ」キョロキョロ

龍翔「…………ここは『父さんが精神統一に使っていた牢屋』だったっけ」フゥ

龍翔「…………」スッ


――――――3枚目の写真。


龍翔「そういえば、提督を志す前までオレのことを厳しく育ててくれた“あの人”――――――、今 どうしてるんだろう?」

龍翔「あの人、父さんと母さんの何だったんだろう? ――――――艦娘ってわけじゃなかったろうし、軍関係者でもなかったのかな?」

龍翔「今更だけど、天城ってあの人に似てるよな…………」ブツブツ


――――――それは、提督となって初めての出撃の後に【ドロップ】したばかりの巡洋戦艦:天城を交えての記念写真。


――――――

ガラガラガラ・・・、コツコツコツ・・・

――――――
龍翔「!」
――――――

鳳翔「あ、大丈夫ですか、…………龍翔提督? お食事ですよ?」ドキドキ

――――――
龍翔「あ、あの……、その…………」モジモジ
――――――

鳳翔「今晩のお食事は清原提督が直々にお作りになった特別メニューです」ニコー

鳳翔「――――――ご一緒してもいいですか?」ドクンドクン

――――――
龍翔「え」

龍翔「あ」ドキドキ


ガラガラガラ・・・

鳳翔「失礼します……(1日も経たずにまたここに来るのってこんなにも緊張するのですね……)」ドクンドクン

龍翔「…………えと、鳳翔夫人?」

鳳翔「その、名は何というのですか?(それに、初めて主人とご一緒した場所で【未来】の――――――)」ドクンドクン

龍翔「え? ――――――『龍翔』ですが?」ドキドキ

鳳翔「それは姓ですよね? ファミリーネームですよね? 名は――――――、パーソナルネームは何と?」ドクンドクン

龍翔「………………あれ? 何だっけ?」

鳳翔「え?」

龍翔「みんな、オレのことを“龍翔”だとか“英雄:清原提督の息子”だとか“Our Son”って言ってくるし、」

龍翔「一度も名で呼ばれたことなんて――――――あ、“あの人”ぐらいだったような気がする」

龍翔「それに、“龍翔”って艦娘っぽいっていうか実際に航空母艦:鳳翔の別名:竜飛から来たものだって――――――」

鳳翔「ああ…………(だから――――――)」

龍勝「あ、つまりは、その――――――オレの両親は結婚した時に英雄に相応しい姓に改姓したってわけでして」シドロモドロ・・・

鳳翔「――――――!」バッ! ギュッ!

龍翔「!?」ドクン

龍翔「え、何……?(――――――え、オレ? オレ、今 母さんの胸の中に? ああ 何か良い臭いだ。これが“母さん”ってやつなのか?)」ドクンドクン

鳳翔「…………辛かったですよね? 寂しかったですよね? ごめんね、ごめんなさい」ポタポタ・・・

龍翔「え……」

鳳翔「いいんですよ? ――――――“母さん”って呼んでも」

龍翔「え、でも――――――」

鳳翔「早く」

龍翔「か、母さん……、母さん」ホッ

龍翔「――――――母さん!」グスン

鳳翔「うん」ヨシヨシ

龍翔「う、うぅ――――――あ、いけない、泣いてなんかないから! 母さんは何も見てない! いいね?」キリッ

鳳翔「プッ」クスッ

龍翔「え」

鳳翔「お、おかしい…………それでいて素直でなんて可愛らしい子なのかしらね」ニコッ

龍翔「あ……」

鳳翔「あ、ほら。あなたの父さんがあなたのために作った特別メニューですから」

龍翔「え、本当!」キラキラ

鳳翔「本当に素直で可愛らしい子ですね」ニッコリ

龍翔「えと、それじゃ、――――――いただきます!」ハムッ

鳳翔「美味しく召し上がれ」


――――――第6話X-2 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- 解明編 完

     NEXT:第7話X  孤高のビッグ3 -もう1つの“もう1つの世界”- に今度こそ続く!



余談2 4提督のそれぞれの戦いの形

――――――12月23日:報告会


司令部「さてさて、見せてもらおうではないか」

司令部「諸君らがそれぞれの戦いの中で得たものというものを」


X:清原提督「わかりました」

Y:金本提督「ま、俺は別にいいんだけどさ」

Z:朗利提督「はあ……、どうしてこうなった」

w:石田司令「理解が得られると幸いです」


x:あまぎ技術士官「なるほど、こちらの方たちが未来の――――――」

y:剛田陸軍将校「これからは陸軍船舶司令部との連携を密にしてもらわねばな」

z:愛月提督「司令官、見せてやりましょう! 拓自鎮守府にしかない世界で唯一の多国籍艦隊!」

W:左近提督「石田司令、準備はできてますよぅ」


清原「では、【演習】という形でお見せしたいのですが――――――」

金本「奇遇だな。俺も【演習】で見せたほうが手っ取り早いと思っていたから、いっちょやるか?」

朗利「俺もその方がいいです。――――――けど、いろいろと姦しい連中が勢揃いだから手加減してやってくださいね」

石田「【演習】には賛成ですが、安全のために私の判断で即座に中断できるようにしていただきたい」

金本「ああ? 『石田司令』って言ったか? そんな権限を要求するほどの何をやっているのかねぇ?」

石田「すぐにわかります」

朗利「俺はそれでいいですよ。成果の確認のために本気でボカスカ撃ちあって傷つけあうのは嫌ですし、その後で艦娘たちの機嫌を取るのが大変ですから」

金本「俺も。今日はお前らの艦隊を叩きのめすのが目的じゃないんだし、終わったらデートが数多く待ってるんだからさ」

清原「では、石田…司令に【演習】の審判をお願いします」

石田「感謝いたします」

石田「では、組み合わせは“司令部”の判断に委ねます」

司令部「む、そうか。なら――――――」



――――――【演習】第1回戦 - X:洞庭鎮守府 VS.Z:拓自鎮守府 -


石田「では、両提督。艦隊を出撃させてください」

清原「わかりました」

朗利「よし。勝っても負けてもへそを曲げるなよ、お前たち……」

司令部「さて、確かあの二人の提督が9月以来取り組んでいることと言えば――――――」

あまぎ「拓自鎮守府――――――世界戦略を打ち立てて名を馳せることになる朗利提督の艦隊ですか」ブツブツ

愛月「ところで、清原提督と同伴のあの綺麗な技術士官はどういった方なんでしょう?(まさか、いやまさか――――――)」チラッチラッ

金本「さてさて、俺が陸軍と和気藹々やってる間、兼愛交利の童貞くんは『司令部』に働きかけて何をしていたのか――――――」

剛田「なるほど、あれが清原提督か。直に会うのは初めてだが見るからに正統派の好青年だな。金本が嫌うわけだ」

左近「どうやら、両提督の艦隊が現れたようですよっ――――――ああ?」

司令部「おお! これは――――――!」


X:洞庭鎮守府                    VS.    Z:拓自鎮守府

戦艦:長門β          |戦艦:陸奥         戦艦:長門    |戦艦:ビスマルク   
正規空母:天城β(二代目)|巡洋戦艦:赤城α      戦艦:モンタナ  |巡洋戦艦:インコンパラブル       
標的艦:加賀β        |砕氷艦:恵山β      標的艦:インペロ|戦艦:クレマンソー


金本「何だこりゃああああああ!?」ガタッ

剛田「何だ? どちらも大型艦――――――いや6番艦はどちらも小型艦だな」 ※6番艦: 砕氷艦:恵山βと戦艦:クレマンソー

石田「待て! 『一目見ればわかる』とは言うが、あまりにも凄すぎて理解の範疇を超えている!」

愛月「え!? あれって赤城が、――――――二人? それに加賀もコスチュームチェンジしているなんて、レア仕様なの!?」

左近「いやいや、朗利提督の艦隊もとんでもないのが揃ってるじゃないですか。――――――モンタナですよ、モンタナ!」

あまぎ「インコンパラブル――――――まさか【この世界】で完成していたの!?」

司令部「旗艦はどちらも長門なのだな……(清原提督のところの長門は第1種軍装の貫禄――――――【異界艦】というやつか)」

――――――
X:長門β「おお、お前が【この世界】の長門というやつか」

X:長門β「なるほど、確かに強そうだな」

Z:長門「ど、どういうことだ、これは……」

Z:長門「あれが私の改二形態だと言うのか!?」メメタァ

X:長門β「拓自鎮守府の“ビッグ7”よ、お前のことは“あの子”から聞いている」

Z:長門「な、なに!」

X:長門β「私と『私』は異なる存在だが、【“あの子”の未来】を“希望の光”で明るく照らすために力を尽くそう!」

Z:長門「!」

Z:長門「ああ!」

X:陸奥「あら、あらあら。やっぱり長門は“長門”なんだから」クスッ

Z:長門「そっちの陸奥も久しいな。ちゃんと私の代わりに清原提督を支えてくれていたか?」

X:陸奥「もちろんよ。そっちこそ、何だかすごい連中に囲まれてるけど大丈夫?」

Z:長門「そんなのは洞庭鎮守府にふいに【八八艦隊】の面々が現れた時に慣れているさ!」
――――――

清原「驚いたよ、朗利提督! こんな虎の子艦隊を隠し持っていたなんてな」

朗利「そっちこそ、何だかマイナーチェンジの艦娘をいっぱい取り揃えてるじゃありませんか」

清原「モンタナって何だあれは!? 大和型戦艦を超えてるんじゃないのか!?」

朗利「赤城が二人いるってどういうこと!?」

清原「いや、巡洋戦艦:インコンパラブルも十分にオカシイ! モンタナ以上って、何だあの大きさは!?」

朗利「あれ、――――――「天城」? 赤城じゃなくて「天城」? 雲龍型空母の2番艦じゃなくて?」

清原「しかし、多国籍艦隊か。名前の付け方からして、日本、ドイツ、アメリカ、イギリス、イタリア、フランスだな、これは」

朗利「お、その通りですよ、清原提督」

朗利「で、そっちの艦隊は何ですか? 【砕氷艦】はまあ おまけみたいなものなんでしょうけど」

清原「――――――【八八艦隊】って知ってるかな、朗利提督?」

朗利「――――――【八八艦隊】?」

朗利「…………あ、長門の自己紹介でそんなような単語があった気がする」メメタァ

清原「それだ」

朗利「え?」

石田「と、ともかくだ。両者ともに準備はできているでしょうか?」

清原「こちらの準備はできています」

朗利「こっちもだ。いつでも【演習】開始の宣言を出してください、冷血漢」

石田「よし、では時間合わせをする」チッチッチッ・・・

石田「艦娘一同、――――――用意!」

――――――
Z:長門「さて、おしゃべりはここまでだ!」

X:長門β「ああ! 1は2を生み、2は3を生み、3は万物を生み出す“ビッグ3”長門! 推して参る!」

Z:長門「艦隊! “ビッグ7”の長門に続け!」


――――――【演習】開始!


――――――












司令部「いやぁ……、大変見応えのある【演習】であった…………実に手に汗握るものだった」アセビッショリ

金本「やっべえ……、どっちも最高クラスの主砲を持った主力艦だらけだから一撃辺りの衝撃がハンパねえ!」ドクンドクン

剛田「だが、最後の最後にあの砕氷艦:恵山が極めてくれたな。――――――【一撃必殺の氷山】でモンタナが撃沈判定だぞ」ドクンドクン

愛月「ロードローラーじゃないのに、いったいどこからあの氷山が…………」アセダラダラ

あまぎ「…………まさに死闘でしたね(世界線が違うとはいえ、私たちが介入したことでここまで変化が生じたのかしら……?)」アセタラー

左近「これは双方ともに、実に高度な研究と戦力増強をしているようで」アセタラー

石田「そ、そうだな。これだけの戦力が整った鎮守府が現れたのなら少しは安心だな……」アセタラー


――――――【演習】第2回戦 - Y:斎庭鎮守府 VS.W:趣里鎮守府 -


司令部「さ、さて……、次は斎庭鎮守府と趣里鎮守府の番だったな……」

左近「さ、石田司令? 行きますよ」

石田「よ、よし! 準備はできてるか――――――?」

剛田「出番だぜ、金本提督」

金本「ああ。報告書だけじゃ伝わらないし、第一 華がないからやる余興だが、これはおもしろくなりそうだぜ」

清原「さて、次か」

朗利「金本提督と石田提督――――――、いつも通りのアレな鎮守府運営しかやってないような印象だけど何か進展があったのかな?」

あまぎ「お疲れ様です」

清原「ああ」

愛月「司令官、次の【演習】がもうそろそろ始まります」

朗利「よし。どんなもんだか――――――あああああああ!?」ガタッ

剛田「どういうことだ、これは!? ――――――陸軍としては甚だ不快である!」ジー


Y:斎庭鎮守府              VS.  W:趣里鎮守府
航空戦艦:扶桑 |航空戦艦:山城     重巡:妙高   |正規空母:ヲ級『ヲシドリ』
揚陸艦:あきつ丸|潜輸:伊369       航空戦艦:日向|戦艦:レ級『レイ』
標的艦:大浜   |砕氷艦:大泊       軽巡:長良    |潜水艦:ヨ級『ヨウスイ』


――――――
Y:扶桑「し、深海棲艦?!」

W:妙高「ご安心ください。【調教】は完璧ですので」

Y:あきつ丸「そ、それならすぐ近くで待機している別の艦隊は何でありますか!?」

W:妙高「万全の備えです。不安に思うのならば今すぐに引き上げさせます」

Y:大浜「だだだだだ大丈夫です! 問題ありません! 【標的艦】として生まれた大浜はここここの程度のことではへこたれませんから!」ニコニコー

Y:山城「…………不幸だわ」ハア

W:日向「まあ、そうなるな」

W:長良「みんな、いい子たちだからそんなに怯えないで欲しいな……。でも、戦うからには勝利! 勝利! 大勝利を目指します!」
――――――



金本「とんでもねえもん出しやがったな、この野郎!」ガンッ!

剛田「おい、金本! あの深海棲艦3隻って海軍でも要注意と言われてるやつじゃないのか!?」

金本「ああ。ヲ級は敵航空戦力の基本単位でよくお目にかかる難敵だし、ヨ級はカスガダマで大変お世話になったよ」

金本「だが何よりも、――――――レ級だと?! 冗談じゃねえ! 何だこのクソゲー!」メメタァ

剛田「陸軍としては甚だ不快である!」ギリッ

金本「まあ待て。よく考えたらあの石田提督ならやりかねないことだったな、そりゃなあ」

剛田「どういうことだ?」

金本「簡単な事だ。敵戦力の分析と利用の可能性を模索して、どういう手を使ったかは知らないが深海棲艦を【捕獲】したんだろう」

剛田「…………確かに戦局を変えるのは敵戦力の鹵獲とその分析、それによる弱点をついた新兵器の投入だったな」

剛田「……だが、やはり言わせてもらう。大事なことなので」

剛田「――――――陸軍としては甚だ不快である!」ギリッ

石田「………………」

左近「さすがにあちらさんも驚きと怒りを隠せませんな」

石田「当たり前だ。こちらにはレ級がいて、開幕爆撃・昼戦砲撃・雷撃戦の基本的な戦闘フェイズに全部参加するのだからな」メメタァ

石田「そして、航空戦ではヲ級が、開幕雷撃ではヨ級が先制攻撃を食らわせる布陣なのだから悪夢以外の何物でもない」メメタァ

左近「しかし、陸軍船舶司令部の剛田さんと一緒ってことは――――――、やはり二人で【例の兵器】の【開発】三昧ってところなんでしょうね」

石田「そうだな。どういうわけか深海棲艦に対して対極的な攻略法を思いついた二人がこうして一堂に会してしまったわけだ」

石田「さて、――――――準備はよろしいか、金本提督」

金本「ああ。勝敗は嫌でも見えてる。さっさと始めろい」

石田「では、――――――始め!」














司令部「これまた、意外な結果になったな……」

清原「ええ。剛田提督のゴリ押しによるゴリ押しのゴリ押しが圧倒的な戦力差を埋めました……」

あまぎ「やはり、どれだけ強力な深海棲艦でも常勝不敗というわけにはいかない――――――『必ずやりようはある』ということの証明になりましたね」

朗利「…………石田提督のやつ、これからどこへ行こうっていうんだよ」アセタラー

愛月「凄かったぁ…………」ドクンドクン

金本「何だかんだ言って、『レベルを上げて物理で殴れ』は不変の真理だな」ドヤァ

剛田「最初はどうなるかと思ったが、あちらの練度が極端に低かったのか、割りと戦えてたな」

金本「そして、我が方の【特務艦】たちの活躍よ!」

金本「特に、標的艦:大浜の最強の囮能力が輝いてたな」

剛田「おうとも! 更には、砕氷艦:大泊による【一撃必殺の氷山】が決まって深海棲艦も一瞬で海の藻屑だ」

剛田「【特務艦】も捨てたもんじゃねえな。ジャイアントキリングだぜ、これは!」

金本「当ったり前よ! RPGだと支援キャラは戦略的に貴重で必要不可欠な能力を持つのが伝統なんだしよ」メメタァ

石田「…………なるほどな。これは良いデータになった」

石田「やはり深海棲艦は個艦の能力において圧倒的でも、それ相応に育てづらく練度を迅速に鍛え上げられないことが意外なまでに響いたな……」

石田「しかし、さすがは金本提督だな。まさかここまでやってくれるとは思わなかったぞ」

左近「そうですな。あちらさんはパワーレベリングにケッコンカッコカリを全ての艦娘に施してますから生半可な戦力じゃ太刀打ちできませんな」メメタァ

左近「そして、扶桑型改二の【航空戦艦】らしからぬ打点の高さは噂以上ですな」

石田「ああ。これは戦力として一考の価値はあるか。伊勢型とはずいぶん違った形で強みが出てきたものだな」

石田「――――――大丈夫か、『ヲシドリ』『レイ』『ヨウスイ』? よく頑張ったな」



司令部「ふむふむ。見せてもらったぞ、諸君らのこれまでの成果というものを」

司令部「では、これから大本営に諸君らの研究の経過を報告しなければならないので、わかっていることを次々教えてもらおう」

司令部「諸君らがやっていることは人跡未踏の領域であるがゆえに、実に過酷なものであったことだろう」

司令部「だがこれからは、この『司令部』やその下に集った提督たちとの協力も視野に入れていって欲しい。発展性を見せてくれ」

司令部「今日はそういった席であり、今日見せ合った成果からこれからの戦略について必ず報告書を書き上げていって欲しい」

司令部「では、まずは事前に諸君らが書き上げた報告書のコピーを配る」

司令部「これは言わば、門外不出の極秘資料となる。今日見たことは頭の中に入れてのみ持ち帰るように」

司令部「それから2時間、昼食と報告書を読んで意見交流に備える時間とする」

司令部「今日までご苦労であった!」

司令部「しかし、次の2時間からは新たな戦略の下により良い行動を選択していくことを期待するものである」

司令部「では、昼食のために、――――――解散!」






第6話と第7話の各章の“物語開始時”の時系列はUターン構造(物語の途中経過で話数に関わらず時期が交錯している描写がある)。

第6話W → Z ――――――→ Y → X →   9~10月
                          ↓
第7話W ← Z ← 秋イベント ← Y ← X ←  10~12月
 ↓
12月23日
余談2:4提督のそれぞれの戦いの形 ← 今回の第6話・第7話の結論。それから第7話へと遡り、4提督による秋イベント戦記を間に挟んだ後、第8話へと続いていく。
第8話:12月23日 -三笠公園にて-




4提督のこれからの方向性

Q.これからの敵戦力の強大化に対してあなたならどのような対策を練りますか?

A.【異界】の艦娘や装備を調達してその時代の特産物を取り入れて全体の戦力アップに繋げる ← もっともあり得ない戦力増強策

A.【海上陸戦機動歩兵】【特務艦】【陸軍】を活用してボス級深海棲艦や敵軍団を効率よく倒す ← もっとも艦娘に入れ込んでしまったユーザーが熱望している戦力増強策

A.【海外】の優秀な艦娘や装備を調達して全体の戦力アップに繋げる ← もっとも現実的な戦力増強策

A.【深海棲艦】を自軍戦力化して敵戦力の漸減と自軍戦力の増強を一度に行う ← もっとも深海棲艦に魅せられてしまったユーザーが待望している戦力増強策


4提督の艦娘に対する感情

X:人間とは全く異なる存在として一線を引いている

Y:互いの欲望を満たし合うための関係

Z:人間と変わらない愛すべき我が子のような存在

W:人格を持った存在として尊重すべき存在


架空戦記の要素の濃さ(原点である【艦隊これくしょん】にはない艦娘や要素の多さ)
X:【異界艦】 > Y:【特務艦】 > Z:【海外艦】 > W:【深海棲艦】

【深海棲艦】を自軍利用するなんて発想は【艦これ】の二次創作で最も見られることであり、
一方で、オリジナル艦娘を登場させて活躍させているところなんてのは筆者は見たことがない。
仮に公式で実装されようが、“先行配信版のβ版”と言い切ってキャラの幅を増やしてしまえばいい――――――プレゼンターはそう思うがどうだろうか?
提督自身が戦場に出るパターンはオリジナル艦娘が出てくるのよりはいくつか見た覚えがある。
【海外艦】は有名所がスローペースで投入されることは予想できるのでグレーゾーン。












――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「さて、だいたいこの物語風プレゼン 兼 架空戦記の方向性が理解できてきたのではないかと思う」

司令部「物語風プレゼンでの提案として登場するオリジナル艦娘――――――」

司令部「架空戦記としてプレゼンターが考える世界観を彩るオリジナルキャラクターたち――――――」

司令部「こう言えば、どうして2種類のオリジナル要素が出てきたのかは理解できるかと思う」

司令部「筆者としてはただのプレゼンで終わらせるのは味気ないし、オリジナル艦娘にもある程度のキャラクター性を二次創作の中で表現したかったのだ」

司令部「そして、この【艦隊これくしょん】の数ある二次創作の中で取り上げられる世界観に対する筆者なりの考えを提示しようとも思ったからである」

司令部「原則として、オリジナル艦娘が公式の実装で被ることを避けるために2016年までに実装しそうもないマイナーな人選をしているが、」

司令部「万が一本当に実装しても問題がないようにちゃんと言い訳は考えついているのでそういった心配は無用である」

司令部「また 筆者としては、艦娘について第6話で4提督がそれぞれ別の切り口で言っているように、」

司令部「――――――あくまでも生産性のない人型自律兵器という位置付けを一貫するつもりである」

司令部「つまりは、ドラえもんや鉄腕アトムのような扱いである」= 子供が生めないだけで人間と極めて近しい存在

司令部「そういうわけで、恐れずプレゼンターはこれからも物語風プレゼンと架空戦記していくので、」

司令部「これを読んでくれている提督や候補生の方も一緒に楽しんでいけたら幸いである」

司令部「もちろん、これは繰り返しとなるが――――――、」


これは【艦隊これくしょん】の数ある二次創作の1つであり、実際の【艦隊これくしょん】とはまったく関係がありません。
ここで提案されている内容についても素人が言っているだけのことであり、あくまでも【艦これ】における不満点や改善点を個人的に述べているだけに過ぎない。
なので、あくまでも『こうあったらいいな』というプレゼンターの思いをずらずら書いたものをおもしろ半分に眺める程度にお読みください。


司令部「しかし、プレゼンター自身 ここまで長期化するとは思いもせず、いつになったら【超艦娘】を提案できるか心配ではある」

司令部「一方、プレゼンターがどうして――――――、」


――――――新インターフェース1:【要請】を実装すれば将来的に起きるシステム拡張に全て対応できる


司令部「と、主張するのかがわかっていくはずである」

司令部「さてさて、今年も終わりに近づいていき、公式アニメも放送間近であることだし、実に楽しみであるな」

司令部「来年もまた【艦隊これくしょん】をよろしく! 良い鎮守府ライフを送れることを!」

司令部「それでは、新インターフェース1:【要請】新要素の簡単な解説の後に、本編:第7話各章を乞うご期待!」

司令部「なお、あくまでもシステムの枠組みとサンプルを提示するだけなので、具体例が少ないことはご了承ください」



新システム3:【応援要請】【秘密工廠】【開発投資】∈【要請】
新インターフェイス1:【要請】に属する新システムであり、これまでになかった真新しい戦力の生産などができるようになる。
【応援要請】が鎮守府の一時的な機能拡張が主であり、【秘密工廠】が通常では獲得できない秘密の要素の利用が可能となる。
これに伴い、艦娘の保有枠の中の【特別枠】の重要性が増し、【開発投資】を行うことによって2枠ずつ増えて最大20まで増やすことが可能となった。


新システム3-1:【応援要請】 以下【応援】∈【要請】
1,デイリー・ウィークリー・マンスリーの期間に分けて鎮守府の機能を一定期間だけ拡張する
2,ただし、謝礼として支払う資材が必要となり、機能拡張の期間に応じて謝礼は高くなる
3,効果は様々であり、機能拡張の効果が競合するような場合を除いて何人でも【応援要請】が可能となる
4,競合する場合は、すでにいる【応援】の契約を破棄して新しく来た【応援】と契約を結ぶかの選択を迫られる
5,【応援】の種類は一定の条件を満たすと順次増えていき、【応援要請】の項で参照することができる(=最初は利用できない)


具体例
・建造妖精:【応援】すると、【建造】【大型艦建造】の内容がそれぞれに特化したリストに置き換わり、中でも海外妖精や異界妖精が一番の目玉。
なお、複数招くと機能拡張の内容で競合を起こすので1人しか【応援】してもらえないのでデイリー契約がおすすめ。

1,海外建造妖精
【海外艦】が数多く建造されるリストに修正してくれる。金剛のような外国生まれや響などの賠償艦で外国に譲渡された艦娘も含まれている

2,異界建造妖精
【異界艦】が数多く建造されるリストに修正してくれる。八八艦隊などが主な対象であり、また【艦これ】独自の改造艦になれる艦娘も対象

3,大型建造妖精
【大型艦建造】限定の艦娘を【建造】でも建造できるリストに修正してくれる。ただし、謝礼が凄まじく高い。

・入渠妖精:艦娘の修理コストを軽減させ、時間を短縮してくれる
・陛下行幸:一定の条件を満たし続けていないと【応援】してもらうことも叶わないが、【応援】が実現すれば艦娘が凄まじくパワーアップする
・陸軍共闘:【演習】のページ4に陸軍の艦隊(というより船舶部隊)を追加する
・教育部隊:【提督】のステータスの修正を微量だが行える


新システム3-2:【秘密工廠】 以下【密造】∈【要請】
一般には知られてはいけないようなものを取り扱う部署を開設する。
劇中においては金本提督の陸軍との非公式の接触や石田提督の新部署開設がそれに該当する。あるいは【異界艦の改造】にも関係してくる。

0,【開発投資】による投資クエストでまず【秘密工廠】を開放しないと利用できない
1,一定の条件を満たすとできることが増えていき、その条件には【秘書艦】が関わることが多い
2,資材を消費して【投資】を行うことによって【密造】の成功確率の上昇やコストの低減などが実現する

そこで開発されるものは――――――、
・艦娘とは全く異なるが艦隊枠に入れることができる【艦載艇】や【その専用装備】を【開発】できる
・通常では扱うことができない【特殊な艦娘】の管理が行えるようになる
・最初から【改造済みの艦娘】を【建造】することができる
・【提督】のステータスの強化
【応援要請】は正規の方法で外部からの応援を喚んで機能を一時的に拡張するのに対して、
こちらは非公式で、期間を設ける必要がない代わりに、秘書艦によって実行できる内容に違いがあり、全体的に消費する資材が多いことも特徴である。


新システム3-3:【開発投資】以下【投資】∈【要請】
独自の【投資クエスト】をこなすことによって【要請】の機能が拡張していく。
通常のクエストとは異なり、受注直後に資源や要求されたアイテムの消費が必要となり、具体的な物資に還元されないのが挙げられる。
つまり、通常のクエストが『行動』によって『物資』に還元されるのに対して、こちらは『物資』を支払うことで『行動』が起きるという逆転が見られる。
今回の新システム3の機能の大半に関わってくる非常に重要な要素であり、通常のクエストとは正反対のやりたい人のためのやりこみクエストである。
【秘密工廠】を利用したい場合には絶対に避けては通れないものである。

通常クエスト:【任務受注】――――――→【行動を起こして任務達成する】→【物資を報酬として獲得】
投資クエスト:【任務受注】→【物資を支払う】→【独自要素の開放が行われる=物資を対価に行動が起こる】


【投資】による機能拡張の具体例
・【艦隊特別枠】が2つずつ増えていき、最大10増えて【特別枠】は20まで拡張される。
→ これによって、【友軍艦隊駐留】で6枠使っても十分な余裕が生まれてくる(最大拡張して残り14枠もあれば十分だろう)。
・【艦載艇】および【その専用装備】の【開発】が解禁される
・【深海棲艦】を運用するために必要な設備が順々に解禁される
・【応援】による機能拡張の種類が増えていく



新システム2のまとめ ∈ 新インターフェース1:【要請】の新要素のまとめ

新インターフェース1:【要請】 >>128参照
 |
 |―新システム1 >>129 及び >>130
 |【艦娘派遣】   以下【派遣】
 |【友軍艦隊駐留】以下【駐留】
 |
 |―新システム2 >>195
 |【戦術指南】   以下【指南】
 |
 |―新システム3 ← 今回
 |【応援要請】   以下【応援】
 |【秘密工廠】   以下【密造】
 |【開発投資】   以下【投資】
 |


新インターフェース2:【提督】 >>195参照
新インターフェース1:【要請】で追加される新要素に多かれ少なかれ影響を与えることになり、
特に【異界艦の改造】、【艦載艇】の運用(間接的に【深海棲艦】の運用)、【指南】において利用されることになるので極めて重要な要素となってくる。


総じて、新インターフェース1:【要請】によって――――――、
【艦これ】では薄かったやりこみ要素の追加とユーザー毎のプレイスタイルの差別化が可能となり、
この新インターフェースは別に利用しなくても通常のプレイには支障がない形で構想してあり、
より【艦隊これくしょん】の世界を楽しみたいヘビーユーザーや攻略が苦手なライトユーザーの両方の救済を兼ねたものとなることを意図している。

また、今回の新システム3によって、おそらくユーザーが期待している要素の多くを網羅できることになるはずなので、
おそらくプレゼンターからの【母港】におけるインターフェースやシステム面における提案はこれで終わりとなると思われる。
無理に全体のインターフェースを変える必要はこれでなくなり、後は【要請】の新要素として続々と機能拡張していけば問題無いと思われる。



来年も、アニメ共々【艦隊これくしょん】をよろしく!(ただし、18歳以上に限る)




















                                   ―――――― 注意 ――――――

公式において「特攻兵器の実装は絶対にしない」という旨が出されているので、それを元にするこれは間違いなく廃案なのでズラズラと書いてあるが読み飛ばして構わない
言い訳するつもりはないが、『戦いを艦娘だけに任せてはいけない』という艦娘を使う側に一部に存在する提督たちのエゴを形にしてみたものである
一端は思いついたので提案として残しておきますが、実際の【艦これ】には一切関係ない二次創作の架空戦記の産物とだけ認識しておいてくださると幸いである
ただし、【甲標的 甲】の装備によって開幕雷撃で大暴れしている雷巡:北上は実際は特攻兵器を積んでいた経緯があり、それが元ネタなのではないかと言われる
そのことを踏まえると、それをハイパーズというロマンに変えて実装させたのなら、いくぶんか余地があるように思ってもいる


新システム4YW:提督出撃システム -基本編-
【突撃部隊】限定であるが、提督も【艦載艇】に搭乗することで戦線に参加することが可能となり、非常に高度な作戦において活躍することになる。
これに伴い、【提督】にもステータスの概念が導入されるが、当然ながら艦娘のように強靭さなんてものは備えてはいない。
実際に提督自身が【艦載艇】の能力を微妙に上げる装備の扱いとなっている(しかしながら、【提督】の使い道は他にもあるのでそこはお好みで)。

ちなみにこのシステムについては、後述の-男の浪漫編-と-深海棲艦捕獲編-とで共通する内容なので、
まずは一般的な提督出撃システムの内容を解説し、それからそれぞれの章で解説して違いや詳細を述べることにする。


・提督出撃――――――【突撃部隊】編成までの流れ -基本編-

0,【開発投資】∈【要請】で投資クエストで【秘密工廠】を開放する

1,【投資】の投資クエストをクリアして【突撃部隊】用の移動母艦を開放する
→【秘密工廠】で【艦載艇】が【開発】できるようになる
→ しかし、この時点で【開発】できる内容に【ある装備群】はリストに存在しない

2,【開発】した【艦載艇】を艦隊に編成すると【突撃部隊】に変更され、強制的に旗艦に設定される
→【艦載艇】の仕様によって【艦載艇】を複数運用したいのなら、【派遣】で得た【艦載艇】を組み込むしかない

3,【出撃】において戦闘を行い、【突撃部隊】が戦闘可能な場合、【夜戦】の他に【昼戦突撃】【夜戦突撃】が追加される――――――提督出撃!
→【突撃部隊】の詳細は後述だが、【出撃】ができない代わりに【昼戦突撃】【夜戦突撃】で一度の【出撃】に1回だけ行えるので大変便利

※【提督】導入のクエストをやっておかないと、【艦載艇】【艦載艇:海上陸戦機動歩兵】に能力修正が一切入らないので絶対に質問は受けておくこと


・【艦載艇】の特徴
1,【秘密工廠】でのみ【開発】でき【艦隊特別枠】で管理される(=【開発】されたものだが【派遣】【駐留】されている艦娘と同等の扱い)
2, 唯一 深海棲艦を【捕獲】できる艦種(?)であり、【捕獲】属性の専用装備で実行可能となる(後述の深海棲艦運用システムを参照)
3, 総合的な戦闘力は駆逐艦にすら劣る。それなのに【射程:超短】が基本なので順番が回ってくるのが遅い
4,【肉薄】状態に持ち込むことができ、攻撃さえ通れば生存力が飛躍的に上がり、敵艦隊を撹乱させることができる
5,【突撃部隊】でのみ戦闘に参加することができ、【旗艦】にしか配置できない(編成すると自動的に【突撃部隊】が編成される)
6,【旗艦】や【派遣】されたものであっても轟沈する(【艦載艇】は轟沈してもロストにはならないが必ずペナルティが課せられる)
7,【艦載艇】に搭乗できるのは自軍では【提督】唯一人であり、他の【艦載艇】を同時運用したい場合は【派遣】してもらうしかない
8,【突撃部隊】が編成されている場合、【夜戦】の他に【昼戦突撃】【夜戦突撃】が選択肢に追加される
9,【艦載艇】の【運】の値は【提督】のそれと同値であり、また【艦載艇】の最終ステータスには【提督】のステータスが直接上乗せされる
10,【艦載艇】にも練度が設定されており、【艦隊編成】で参照されるのも【艦載艇】の練度となる(【提督】のレベルではない)
11,【艦載艇】にも練度が設定されており、練度が上がることで能力が上がる他に【改造】でも強化される(艦娘とは異なり【近代化改修】ができない)
12, 【艦載艇】の最終的な【弾薬】【燃料】は【艦載艇装備】に設定されている【弾薬】【燃料】を足したものになる


・【突撃部隊】の特徴   【突撃】については後述
1,【艦載艇】を艦隊に編成すると自動的に旗艦に設定されて【突撃部隊】に変更され、【出撃】できなくなる
→ 【突撃部隊】は1つしか編成できず、自軍ですでに【突撃部隊】を編成していた場合はよその【突撃部隊】を【駐留】できない。逆もまた然り
2,【出撃】できない代わりに、通常の【昼戦】終了時に【夜戦】の他に【昼戦突撃】【夜戦突撃】が追加される
3,【突撃】は一度の【出撃】につき1回だけ実行可能で、その時になって初めて【突撃部隊】が投入される
→【連合艦隊】制のマップでは使用不可能。【支援艦隊】は併用可能。
→ また、【突撃部隊】に大破している【艦載艇】が含まれている場合は実行不可能(ある意味における【艦載艇】の大破ストッパー:安全第一・人命優先)
4,【突撃】時に【艦載艇】が轟沈した場合、戦闘結果に関わらず作戦失敗となる
→ 【艦載艇】の特徴でもあるように大破ストッパーがないサドンデス仕様なので、【ダメコン】の搭載は必須といえる
5,【突撃部隊】は【演習】することができない
→【突撃部隊】はどの艦隊で編成するかは自由であり、第1艦隊に編成しておけば【派遣】【駐留】の対象になるので、複数の【艦載艇】を運用させたい場合に
→ その間の【秘書艦】は設定されておらず、ランダムで自軍に所属している艦娘のボイスが流れる
6,【突撃部隊】は【艦載艇】とは異なる艦種を1隻以上組み込まないと【突撃】できない = 艦娘を随伴させないと【突撃】できない
→【突撃部隊】を解散させると、最初に全ての【艦載艇】が艦隊から抜けてからリストが繰り上がって艦娘が旗艦の通常の艦隊に戻る
→ 第1艦隊の場合は抜けてから必ず【秘書艦】がいないといけないので、艦娘が【突撃部隊】にいない時に解散させた時はランダムで自軍所属の艦娘が組み込まれる



・【艦載艇】轟沈のペナルティ
【提督】なのか【派遣】【駐留】なのかで扱いが大きく異なる。【艦載艇】そのものはロストしないのだが――――――
【提督】= ユーザー自身(=鎮守府司令官)、【派遣】および【駐留】= ユーザーの手駒 と考えれば状況の違いがよく理解できるだろう。
鎮守府司令官を兼ねる提督が戦場で轟沈するということは――――――

【提督】が轟沈した場合――――――、
轟沈した【艦載艇】を通常の修理・補給を行い、強制的に資材が支払わされる。
資材が足りなかった場合はそれで問題なく決済が完了した扱いとなる。

ただし、【艦隊これくしょん】の機能に著しく制限がかかり、【高速修復剤】が使用できず修理が完了するまでリアルタイムで時間経過を待たされる。
0,轟沈した【艦載艇】の修理時間が経過するまで【艦これ】の機能が制限される ← 最大のリスク
1,インターフェース【出撃】が利用できなくなる
2,インターフェース【要請】が利用できなくなる
3,インターフェース【工廠】が利用できなくなる


【派遣】【駐留】の場合――――――、
轟沈した【艦載艇】を通常の修理・補給(1割増し)を行うだけでペナルティらしいものはないが、強制的に資材が支払わされる。
資材が足りなかった場合はそれで問題なく決済が完了した扱いとなる。

――――――ただ、それだけである。


・【艦載艇】の通常の役割
【艦載艇】の使用は【連合艦隊】制ではない作戦において、→【連合艦隊】が必要なマップでは【突撃部隊】は使用できない。【支援艦隊】はどちらも可能
主力艦隊を先行させて後詰や特殊作戦を行う場合に現場で【突撃】のタイミングを直接図るために提督自ら出撃しているという状況である。

それ故に【突撃】の号令をした後は、【艦載艇装備】である【緊急離脱装置】で戦闘前に戦線離脱させる(=当然ながら戦力が1つ減る)のが普通である。
なにせ、【艦】に対する【艇】なのだから戦力差が歴然としているのである。
それ故に、【緊急離脱装置】の他に余ったスロットに【突撃部隊】や主力艦隊向けの支援装備を持たせて後方支援に徹するのが一番である。
しかしながら、【緊急離脱装置】をつけていない場合は悲惨であり、戦線に取り残されて大破ストッパーがないので一撃死も普通に起こり得るのだ。
また、艦娘とは違って火力も貧弱であり、奇跡的に【肉薄】に成功してもそれを活かせないまま、生にしがみつくので精一杯になりがち。

だが、【突撃部隊】の通常の役割は主力艦隊への最前線の補給と足止めであり、装備が整っていれば十分に前線補給部隊として活躍できる可能性がある。



――――――なんだって? 命懸けの補給で勝利に貢献するのも悪くないが、もっとカッコイイことがしたいだと?



それを望む者はぜひとも-男の浪漫編-と-深海棲艦捕獲編-へと読み進めてください。
今は-基本編-として提督出撃システムの基本・共通となる解説を行いますので次回を待て!


新システム4YW-1:【肉薄】状態
1,【艦載艇】の攻撃が直撃した敵艦が射程:長・中あるいは【正規空母】【装甲空母】の場合、【肉薄】状態となる
2,【肉薄】状態になると、【肉薄した艦載艇】は【肉薄されている敵艦】にまとわりつき、敵艦の全体的な能力を下げてしまう
→【肉薄】状態は1つの敵に対して重複可能であり、2艦以上に【肉薄】された場合は凄まじいステータス降下となり得る
3,【肉薄】状態になると、【肉薄した艦載艇】は【肉薄されている敵艦】から攻撃を受けなくなる
→ 逆に【肉薄】状態になると【艦載艇】が攻撃対象を変えることができなくなるというリスクも抱えている
4,【肉薄】状態でそれ以外の敵に攻撃された際に【肉薄されている敵艦】で【自分をかばわせる】ことができ、これによって被弾を著しく抑えることが可能
→【味方からかばわれる】ことがなくなり、【肉薄されている敵艦】を轟沈させるまで盾にし続けるので、まさにやりたい放題である
→ また【肉薄されている敵艦】は【僚艦をかばう】ことができなくなる
5,ただし、【敵艦が肉薄されている敵艦をかばう】【肉薄されている敵艦が轟沈】した場合、【肉薄】状態が解除される
→【艦載艇】を運用する時に一番危険なのは【肉薄されている敵艦が轟沈した直後】の無防備状態である
6,例外的に【肉薄】できる装備を艦娘が装備していれば、対応した艦種に【肉薄】することが可能である

1より、【艦載艇】が攻撃したのが射程:長・中の敵艦あるいは【正規空母】【装甲空母】であった場合に【肉薄】状態となるので、射程:短の敵艦には発動しない
→ 射程:短の深海棲艦は【駆逐艦】【軽空母】【正規空母】【潜水艦】だが、【正規空母】は除外されるので実質的に雑魚しか残らない
→ よって、ゲーム後半のボス戦においては【艦載艇】の攻撃が通りさえすれば確実に【肉薄】状態となるので砲撃戦の1巡目まで凌げばやりたい放題である


新システム4YW-2:【昼戦突撃】【夜間突撃】
【突撃部隊】が編成されている場合、一度の【出撃】につき1回だけ【夜戦】に入る代わりに主力艦隊と交代して敵艦隊に【突撃】を仕掛けることができる

参照:【艦隊これくしょん】での戦闘の流れ
1.索敵
2.航空戦(制空権の決定を含む)
3.(支援艦隊攻撃)
4.開幕雷撃
5.交戦形態の決定
6.砲撃戦→(砲撃戦2巡目)
7.雷撃戦
8.夜戦――――――――――――→ ここで【突撃部隊】を編成していれば【昼戦突撃】【夜戦突撃】が選べるようになる


・【昼戦突撃】の流れ
0,主力艦隊による【昼戦】終了
1,航空戦
2,(主力艦隊による支援攻撃)
3,開幕雷撃
4,砲撃戦→(砲撃戦2巡目)
5,雷撃戦
6,戦闘終了 最終戦闘結果の表示

【昼戦突撃】は、通常の【夜戦】のように状況が混戦した中で、主力艦隊と入れ替わりに【突撃】を敢行している設定なので、
【昼戦】における1,索敵と5,交戦形態の決定が存在しない。また、陣形の選択も起こらない。
後は、【昼戦】と変わらない流れで戦闘が続行するのだが、基本的に戦況としては圧倒的有利な中での戦力投入なので普通に戦えば大勝利が狙える。

だが、この時 最も足を引っ張るのが他でもない【突撃部隊】の指揮官である【艦載艇】であり、普通の【艦載艇】は砲撃戦でようやく行動開始できるのでかなり厳しい。

敵戦力が圧倒的に消耗していることを前提に【突撃】しているのに、航空戦や開幕雷撃、果ては砲撃戦で【艦載艇】が真っ先に墜とされてはお話にならない。
おとなしく【緊急離脱装置】で戦闘前に戦線離脱しておきたい。
しかし、空母などを使って敵を追撃したい場合においては極めて有効であり、消耗した敵艦隊に対して航空戦でかなり優位に立つことができるだろう。
2、主力艦隊による支援攻撃が一定確率で起きるので更なる追加ダメージを期待できる…………のか?
この支援攻撃は、主力艦隊の消耗率で発動率が激減し、編成によっては資源が一気に吹っ飛ぶし、まず中らないのでなかなか…………。

開幕先制攻撃を再度行えるのが【昼戦突撃】の魅力であり、控えの艦隊で相手を本気で叩き潰したい時に役に立つ『真打ち登場!』というわけである。
つまり、【昼戦突撃】による猛追撃で相手を殲滅して確実な勝利を得ることが容易となるわけである。

――――――敵がかわいそうだって? 

よく考えろ。むしろ今まで連戦に次ぐ連戦を突破することを強いられてきたのはこっちなのだと。同じになっただけだと。
何としてでも工夫を重ねて【艦載艇】を生存させて、徹底的な追撃と殲滅を目的とするのならば【昼戦突撃】は強力無比。
しかし、【艦載艇】の命綱とも言える【緊急離脱装置】が超レア装備なのでそれが手に入るまで戦場に投入しないのが賢明だが、
【艦載艇】が弱くても是が非でもやりたいなら【ダメコン】をガン積みして一度の【突撃】で5回死んでも僚艦が敵を撃滅させる究極カミカゼ戦法でもしよう。

※【艦載艇】には大破ストッパーがありませんので全回復した状態で一撃死は普通に起こります。そして、鎮守府の機能が一時的に停止するというデスコンボ。


・【夜戦突撃】について
【夜戦突撃】は通常の【夜戦】に開幕に2、主力艦隊による支援攻撃が挟まれる可能性があるだけで、通常の【夜戦】と違いがない。

【夜戦】の特徴として、【射程】が無視され、艦隊リストの上から順番に敵味方交互に攻撃できるようになるので、
【突撃部隊】の旗艦は【艦載艇】なので、当然 開幕から【肉薄】状態に容易にもつれこませることができる。
この点で【艦載艇】をメインに【突撃】を敢行する場合は【夜戦突撃】が極めて有利だと言えるが、
双方 能力向上しているので紙装甲の【艦載艇】が更に一撃死しやすくなっているので【肉薄】できる敵艦が居ることを確認しないと作戦失敗 一直線である。
また、【昼戦突撃】とは違い、砲撃戦2巡目がないので最初に得た【肉薄】を僚艦のためにより多く活かせるかも怪しい。



・【突撃】による最終戦闘評価
主力艦隊による【昼戦】の結果に関わらず、追い打ちを掛けられた敵艦隊の損害と【突撃部隊】の損害を比較して最終戦闘評価がくだされる。
つまり、主力艦隊がボス級深海棲艦との戦いでボロボロになろうが、【突撃部隊】が無傷のうちにあらかじめ弱らせたボス艦隊を殲滅すれば余裕の完全勝利となる。
これによって、ボスドロップ率も高くなるので、【突撃】をうまく利用できればボス戦が本当に楽になる。
ただし、【突撃部隊】に組み込まれている【艦載艇】には大破ストッパーがないので【旗艦】であろうが【派遣】であろうが容赦なく轟沈し、
それによって強制敗北になってしまうので【艦載艇】は【緊急離脱装置】で後方で【前線補給】が望ましい。
一方で、【ゲージ破壊】が完了した後に【艦載艇】が轟沈した場合は、最終戦闘評価は強制的に敗北となって【艦載艇】轟沈のペナルティーは受けるものの、
海域クリアの扱いにはなっており、ボス級深海棲艦に【突撃】して玉砕して刺し違えるという展開もあり得る(で、提督は重傷になりながらも生還と)。


・【突撃】による【燃料】【弾薬】の消費
【昼戦突撃】なら【燃料】10%【弾薬】15%(通常の【昼戦】なら、【燃料】20%【弾薬】20%)
【夜戦突撃】なら【燃料】10%【弾薬】10%(通常の【昼戦】からの【夜戦】なら、【燃料】20%【弾薬】30%)


・総論:2つの【突撃】について
つまり、【昼戦突撃】【夜戦突撃】の違いは【昼戦】と【夜戦】――――――性質の異なる2つの状況のどちらで【突撃】を敢行するかの選択であり、
敵を殲滅したいのなら【昼戦突撃】、開始直後の【肉薄】狙いや【前線補給】のために戦闘を手短に終わらせたいなら【夜戦突撃】にすべし。
それぞれの利点を活かして【艦載艇】をわざわざ組み込んで【突撃部隊】を送り出そうとする目的の達成のために有利な状況で挑むべし!


――――――なんだって? 別に【艦載艇】が【突撃】する必要はないんじゃないかって? 【連合艦隊】で十分だろうって? 聞こえません。


元々は、艦隊司令官の陣頭指揮の拡大解釈で現場への特殊任務への【突撃】のタイミングを図るために最前線に出ている設定であり、
ハイリスクハイリターンの簡易【連合艦隊】として手軽に運用できるのを売りとし、それ故に【提督】の能力と【艦載艇】の弱さに左右されて極めて不安定。
あくまでも、【艦載艇】は前線(に無理やり乗り込んできた)司令官の蛮勇の象徴として用心に用心を重ねて用いるべし。
それ故に、【艦載艇】および【突撃】の基本は【夜戦突撃】で【緊急離脱装置】による最前線での安全な補給活動である。というか、それしか使えない。
また、【連合艦隊】は陽動作戦や電撃戦で使われるものなので、総合的な戦況判断するために提督には司令室に残ってもらう必要がある。



――――――そのことに大いに不満がある人間は次回を待て! 例外についてはすでに第6話で二人の提督がやってくれているので読み返してみよう。



・【艦載艇】リストおよび【艦載艇装備】
人間が直接搭乗・装備するものなので、【艦これ】の現代風の世界観にそって最上位装備に現代装備が据えられている。
燃費は極めて良好であるが、武装するとその装備に設定された【弾薬】【燃料】が追加されて燃費が悪くなっていく。
雑魚の深海棲艦すら倒すのが難しいレベルなので【肉薄】することなど考えずに非武装を貫いて燃費を【艦載艇】分だけに抑えるのがベストだろう。
ちなみに、【艦載艇】における練度とは熟練度みたいなものであり、【艦娘】のそれと同じ成長方式の解釈としている。
つまり、【火力】【装甲】【雷装】【対空】は【改造】でのみ上がり、【耐久】【雷装】【対潜】【回避】は練度が上がることでのみ上昇。
それでも成長率は極めて悪く、装備による強化と【提督】のステータスの高さで補わないと【駆逐艦】未満の鉄屑でしかない。
しかし、【突撃】だけが狙いの運用ならば、【緊急離脱装置】さえあればどんな性能であろうと関係ないので、全ては【突撃部隊】の運用方針次第である。

とりあえず、――――――妖精科学バンザイだあああ! 妖精科学 万能説!

イ、【艦載艇】について

【艦載艇】の大まか系統
1,小型艦載艇:燃費に優れ、代わりにスロット数が犠牲になっているので単純に【突撃】したい場合に適する
2,大型艦載艇:リアル艦艇。全体的な性能やスロット数で他の【艦載艇】より優れるが、【駆逐艦】未満の性能で何をしようと言うのか……【前線補給】向け
3,?????:1の系統から派生するものだが、明らかに従来の【艦載艇】とは異なる性能を持つ

【内火艇】
石油機関を搭載した小型艇で、日本海軍は内燃機関のことを内火と呼んでいた事が由来する。
それ故に、小型艦載艇の基本となる【艦載艇】であり、当然ながら性能は限りなく低く、前線に出ようものなら大破ストッパーが働かずに真っ先に轟沈である。

【内火ランチ】
石油機関を搭載した小型艇で、兵員や物資の輸送に使われた。
それ故にスロット数が小型艦載艇としては多いので、燃費と前線補給を両立しやすいのが特徴。

【特殊小型船舶】:マリンジェット。水上オートバイ。
1人乗り艦載艇の究極とも言えるマシーン。
【回避】がずば抜けて高く、【速力:高速】でかつ燃費は最高クラス。紙装甲で【対空】【対潜】【艦載機】は一切無いが【艦載艇】ではそれが当たり前。
その代償に、スロットが2つしかないために【艦載艇】の基本運用である前線補給にも戦闘にも向かない機体だが、
初期値で【回避】が駆逐艦:島風のそれを超えており、成長率も艦娘と同レベルなので【提督】のステータス次第で【回避】が100を超えることも容易。


【千鳥型水雷艇】
リアル水雷艇でかつミニ駆逐艦(82.00m)。実は当時最新鋭の吹雪型駆逐艦よりも武器搭載比率が10%も高い。
ただし、海軍を震撼させた友鶴事件を起こした3番艦:友鶴の艦型がこれであり、安定性が最悪である。
また、【艦載艇】(?)としては最初から武装しているので燃費が悪く、【緊急離脱装置】を使ってすぐに戦線離脱するのなら他の【艦載艇】のほうが安く済む。
しかしながら、【駆逐艦】の装備すら装備できない貧弱な火力だが、それだけに割合ダメージを容易に叩き出しやすく、魚雷や爆雷投射機も使えるので雷撃戦も可能。
更に、どの艦種の装備も取り扱えないからこそ、最初から開放されている4スロットを【前線補給】のためにフルに活かせるので、
リアル水雷艇として、旧帝国海軍の軍艦たちが擬人化した艦娘に幅広く対応できるという利点がある。
だが、当然ながらこんなのは原点に過ぎず、最上位の水雷艇から見れば博物館の模型レベルの粗悪品。

もうこれ、【艦載艇】じゃなーい!
うるさい! 【艦載艇】の移動母艦はウェルドック揚陸艦という設定なんだから問題なし!(暴論・ムチャぶり・力説)
そして、【艦載艇】という概念そのものが【艦これ】に対するメタ的要素なので、水雷艇ごときで補給艦の真似事が少しできても何もおかしくないのだ!
搭乗員は提督と妖精たち。


【鴻型水雷艇】
リアル水雷艇第2弾。友鶴事件を起こした【千鳥型水雷艇】の反省を踏まえた新たな水雷艇であるが、同時に帝国海軍の水雷艇としては最後の艦型。
しかし、性能としてはミニ駆逐艦としてよくまとまっていたとされており、
開発が続けられていれば、戦争末期の松型駆逐艦の大量生産型駆逐艦のプロトタイプになり得たのではないかという声がある。
松型駆逐艦:100m、鴻型水雷艇:88.50m


【初加勢】
リアル レジャーボート(31.32m)。
とあるイベントを起こすことで下賜していただける【艦載艇】。
【突撃】させて【緊急離脱装置】を使うと装備なしで特殊な【前線補給】効果が発動し、主力部隊の【疲労度】が一定確率で全快する。



ロ、【艦載艇装備】について
実は、艦娘と共用可能な専用装備が存在する。しかし、それは【突撃】を前提にした装備なのでどちらにしろ【艦載艇装備】の【開発】でしか生産不可。

【緊急離脱装置】
【突撃】前に戦線離脱することで生存率が100%になる【艦載艇】の命綱となる装備。普通の【突撃】ではこれに頼らざるを得ない必需品。
ただし、超レア装備なので手に入りづらいのが最大の難点であり、
これが【開発】できるかできないかで、この【提督出撃システム】がクソゲー扱いされるかされないかの分かれ目となってくる。
しかし、これを前提としない【突撃部隊】の別な運用法が実は存在する…………次回を待て!

【艦載艇】専用と思われがちだが、実は艦娘にも装備でき、【特務艦】の随伴艦として効果を発揮する艦種が安心して力を振るえることになる。
――――――が、【緊急離脱装置】を使うことによって内部処理では事前に【轟沈】したのと同じ扱いを受けるので、
【突撃】をしておきながら、もし【突撃部隊】全員が【緊急離脱装置】をつけて戦場に突撃しない場合は強制的にE完全敗北になってしまい、【前線補給】にも必ず失敗する。
もちろん、【突撃部隊】の戦闘要員をケチって戦術的敗北すれば最終戦闘評価も落ちるので、一度の【出撃】につき1回きりの【突撃】の性質と合わせてよく考えよう。

【補給装置】
【特務艦】の1種である【給油艦】と同じ能力を【艦載艇】【護衛空母】【軽空母】【特務艦】に持たせることができる。
つまり、【前線補給】をするには最低限これが必要。
唯一の給油艦:速吸が【改造】でちゃっかり持ってきてくれる超重要装備であり、これがないと【突撃】の裏で主力艦隊への【前線補給】がまずできないので、
【緊急離脱装置】と合わせて【突撃部隊】の存在意義として必ず【開発】あるいは補給艦:速吸から大量に追い剥ぎしなければならない。
これによって、【潜水母艦】とかいう特殊能力が一切ない【特務艦】にも役割が持てるようになるが、【補給装置】にもいろいろな種類があり、
大まかにわけて艦娘ごとの開発タイプにあった【補給装置】が存在し、対応していれば普段以上の補給効果が見込める。


ハ、【前線補給】について、
【突撃】による最終戦闘評価と、【突撃部隊】に属する【補給装置】を装備している艦娘の消耗状態によって補給効果が変化する。
基本的な【補給装置】の補給効果は以下の通り。

・装備している艦娘の残存【弾薬】【燃料】を1つの【補給装置】で約20%を主力艦隊のリストの上から順に融通する
→ 4つ装備させれば補給担当艦の【弾薬】【燃料】80%を主力艦隊に【前線補給】可能となる
→ 原理的に自分が持っている【弾薬】【燃料】を融通しているので【前線補給】による資源の消費はない
→ その代わり、補給担当艦が【補給装置】の数に見合った分の【弾薬】【燃料】が足りない場合は完全に搾り取られる
→ このように、【突撃部隊】の【補給装置】を持った艦娘が最終戦闘評価までに【弾薬】【燃料】をどれだけ保持していられるかで補給効果にも差が出る

・最終戦闘評価によって【前線補給】の成功率が上がる
→ A勝利によって100%成功し、B戦術的勝利で80%成功し、C戦術的敗北で50%、D敗北25% E大敗北で0%
→ S大勝利で【疲労回復】効果もつくので、【突撃部隊】で完全に敵を殲滅できるのであれば【夜戦突撃】で安く済ませよう

・【緊急離脱装置】無しで普通に戦っても【補給装置】を装備していれば【前線補給】可能
→ ただし、後述の理由で装備した方が効率が良くなる

・装備している艦娘の損傷によってその艦娘による補給効果に制限がかかる
→ 小破以上なら25%、中破以上なら50%、大破以上なら75%も補給効果が落ちるのでできるだけ戦わせないのが吉
→ そもそも【前線補給】できる艦娘は基本的に耐久値が低い弱い艦ばかりなのだから

例)【補給装置】の具体的な例
【補給装置・空母】
通常の補給効果に付け加えて、スロットの【艦載機】の合計数をそのまま種類問わずに【空母】系統に【前線補給】できる。
これによって、連戦による【艦載機】の消耗を【突撃】の仕様上1度だけ回復させることができるが、
問題なのは【前線補給】できるのが【正規空母】以下の小型艦なので【艦載機】の補給が追いつくかどうか。

【補給装置・潜水艦】
通常の補給効果に付け加えて、【潜水艦】系統限定で【疲労回復】効果がついてくる。【潜水母艦】が装備していれば更に効果が増大!
いえーい、オリョクルが捗るね! やったね、でち公!







投稿は以上となりますので、よい年末年始となりますようお祈り申し上げます。



-このSSを読むにあたっての改めて諸注意!-

0,このSSは素人が【艦隊これくしょん】に対する提案をずらずらと書いたものであり、公式とは何の関係がございません。
→ 批判・ご意見・感想 大いに結構。どしどし寄せてくれたほうが嬉しい

1,基本的にPC上での視聴を念頭に置いた文体なのでスマートフォンではかなり傍点・ふりがな・図がずれるので注意してください。
→ スマートフォンの方はご容赦ください

2,PC上で見ている場合も最大化して拡大サイズを75%に変更すると折り返しがなくなり きれいに文章全体がおさまるので推奨です。
→ その代わり、字が小さくなって読めないかもしれませんが、その時とはその時で適宜調節してください

3,オリジナル要素がテンコ盛りですでに現実の【艦隊これくしょん】とは違った異様さに包まれてますが、これはそういうものに挑戦しているSSです。
→ あくまでも架空戦記風プレゼンなので実際の過程よりも結果や内容、動機や背景ばかりが重点的に描写に費やされています

4,キャラ名に記号がついている場合があり、それはどこの鎮守府の所属であり、何に由来する存在なのかなどを一目でわかるようにした文章上のアイデアです。
例)
鳳翔「――――――」 ← 普通はこの表示であり、これは「視点人物(=その鎮守府の主人公)の麾下の艦娘」という暗黙の了解とも説明できる
鳳翔’「――――――」← 「’」は「他所の鎮守府にいる」ことを表現しており、転じて【派遣】【駐留】している艦娘を判別するための記号となっている

X:赤城「――――――」←「X:」は「Xという鎮守府の主人公の艦隊の所属」という意味
x:赤城「――――――」←「x:」は「Xという鎮守府の副主人公の艦隊の所属」という意味。小文字は大文字に従属している
M:榛名「――――――」←「M:」は「Mobキャラの艦隊の所属」という意味
N:三笠「――――――」←「N:」は「NPC:ノンプレイアブルキャラ」という意味

加賀α「――――――」←「α」についてはとりあえず「普通とは仕様が違う艦娘」という意味でどうぞ
加賀β「――――――」←「β」についても「αとも違った仕様が異なる艦娘」と今は説明しておく
加賀γ「――――――」←「γ」は「通常版」という意味で使われているので省略でき、加賀=加賀γという図式が成り立つが忘れてもいい


上記の記号は艦娘に使うのが一般的であり、提督や人間に使うことはほとんどないが「艦娘がどこの所属か」を示すために一度だけつける場合がある。


以上を改めて読む上での諸注意として、第6話の新システムの導入編を踏まえた上での新システムの解説編となる第7話各章をどうぞ。


――――――――――――


第7話X  孤高のビッグ3 -もう1つの“もう1つの世界”-


あまぎ「はじめまして。『司令部』付きの技術士官として参りました、“あまぎ”です」ビシッ

りう「“あまぎ”技術士官の助手の“りう”です」キラキラ

清原「私が洞庭鎮守府の司令官であり、艦隊司令官の清原です。遠いところよりお越しいただきありがとうございます」

清原「新技術の開発と実用化が捗りますよう全力で支援いたします」

清原「願わくば、我が皇国の栄光と勝利に帰するものとなるよう期待しております」

あまぎ「ありがとうございます」ビシッ

りう「……ありがとうございます」ビシッ


清原「さて、型通りの挨拶は終わりだな」キリッ


清原「“司令部”のお力添えで何とか1日で形ばかりだが二人を正式な軍属にすることができたぞ。感謝しないとな」

清原「(話によれば、石田提督と金本提督の影響もあって『司令部』は大本営でもかなり自由に動ける立場にいるらしいが…………)」

あまぎ/『天城』「はい。タイムマシン付きの【秘密工廠】を造っていただいたのでそこを拠点に独自に艦隊運営をいたします」

りう/龍翔提督「…………本当に大丈夫なのか、“あまぎ”?」

あまぎ「私は清原提督に【私たちの世界】の技術を提供して、双方の戦力増強のために【秘密工廠】の運営を受け持ちます」

あまぎ「“りう”、あなたは【この世界】を象徴する戦艦:大和から教えを受けて戦い方を学びなさい」

あまぎ「艦娘たちには『大本営が用意した清原提督の影武者』ということで通っているので、極力目立たないように振る舞いなさい」

あまぎ「あなたは官吏ではないけれども、技術士官:あまぎの養子として機械整備士や傭人としての技能は与えられているのでこれをうまく活用しなさい」

りう「わかったよ、“あまぎ”」

あまぎ「提督、少なくとも今の戦いは1年で終わることはありません。一方で【異界】から来た我々に残された期間は1年もありませんので、」

あまぎ「短いお付き合いとなりますが、よしなに」

清原「ああ。何としてでも【未来】も救ってみせる!」

りう「…………父さん」ニコッ

清原「………………う」

りう「あ、あれ……?」

あまぎ「“りう”、制服を着ている時の清原提督はまさしく皇国の軍人として現実的な判断を下さなければならない人間なのです」

あまぎ「お仕事している時は一人の公人として接しなさい。でなければ、また拗れますよ」

りう「は、はい! これからよろしくお願いします、清原提督」ビシッ

清原「あ、ああ……」

清原「よく勉強をして経験を積み、己の使命を全うせよ」

りう「はい!」ビシッ

清原「……よろしい」プイッ

あまぎ「本当に不器用なお人です」フフッ


清原「では、最初に戦艦:大和を旗艦にした艦隊で【演習】を一通り行う」

清原「“りう”はそれを観戦して、【この世界】で運用されている艦種や艦型、戦術などを見て学び取った後に、」

清原「大和の許で講義を受けてきなさい」

りう「わかりました、提督!」ニッコリ

清原「…………これでいいか」ホッ

清原「よし、比叡はいるか!」

比叡「はい! ただいま」ガチャ

清原「この子を観戦席に連れて行ってやってくれ」

比叡「はい! おまかせください!」

りう「あの……、よろしくね? 比叡おば……おねえちゃん」キラキラ

比叡「!?」ズキューン!

比叡「さ、さあ! 行きましょう、行きましょう!」キラキラ

タッタッタッタッタ・・・バタン!

清原「…………金剛一筋のあの比叡が一瞬で心奪われたぞ」アセタラー

あまぎ「そうでしょうか? 比叡先輩は金剛先輩への憧れが強いだけで提督への尊敬の念はちゃんと持ち合わせていますよ?」アハハ・・・

あまぎ「しかし、【ここ】では若いだけあって、【私たちの世界】の金剛姉妹の中で一番印象が違ってますね」

あまぎ「なるほど、比叡先輩の若い頃はあんな感じに金剛先輩を立てているのですね」

あまぎ「【こっち】の“比叡おばあちゃん”は確かに老いても変わらぬハツラツとしている金剛先輩のことをよく気にかけてますけど、」

あまぎ「孫にはとことん甘い金剛先輩に比べるとしっかりと提督のことを諌めてますから姉妹の誰よりもしっかりしてますね」

清原「あの比叡が“一番のしっかりもの”になるのか、【異界】では。興味深いものだな(だが、御召艦としての経歴を考えればそれも納得か)」


あまぎ「では、契約内容を確認します」

あまぎ「基本的に龍翔提督と清原提督の艦隊は管轄を別にしますが、有事においては清原提督の指揮下に龍翔提督は入ります」

清原「ああ」

あまぎ「そして、私からの技術提供でございますが――――――、」

あまぎ「こちらとしましても【元の世界】に帰るまでに戦力増強をしなければならないために、」

あまぎ「【異界艦】や【異界装備】の生産に関しては、【応援要請】で正式な謝礼をいただいてドックを提供してもらいます」メメタァ

あまぎ「その謝礼を元手に【この世界】での活動をさせていただきますので、ご了承ください」

清原「かまわないぞ。資源なら司令部から割増でもらっていることだしな」

あまぎ「ありがとうございます」

清原「しかし、“あまぎ”? “あまぎ”の目から見て【この世界】で使えそうなものはあるのか?(これは“あまぎ”の正体に気づいてから気になっていたこと)」

清原「あるいは、【この世界】の大戦の終焉のためにいずれ必要となる艦娘なんてのはいるのか?(【この世界】と【あちら側】では根本的に――――――)」

清原「(そう、似て非なる世界だからこそ大まかな流れは共通ではあるものの、その中の細かな流れについては――――――、)」

清原「(つまり、互いの史実における旧帝国海軍の戦術論が根本的に異なっているのだ。その違いの差を現実的にどう修正していくのか――――――)」

あまぎ「まず、こちら側としましては、単純な戦力増強と練成の時間が欲しいのです」

あまぎ「また、【こちら】では3すくみに特化した艦しかいません。そうでなければ能力の乏しい旧式艦ばかりなんです」

あまぎ「新たな深海棲艦はまさしく大艦巨砲主義の申し子なので、生半可な火力では僚艦すら倒すのに一苦労なのです」

あまぎ「ですので、【条約型巡洋艦】のような砲火力のある燃費の良い艦もなるべく欲しいのです」

あまぎ「そして、そちら側としましては【砕氷艦】がこれから絶対に必要になります」

清原「――――――【砕氷艦】だって?」

清原「まさか、氷海に進出しなければならないわけなのか?(…………北極に行くなんてことにはならないだろうな?)」

あまぎ「はい。少なくとも【こちらの世界】では軍艦ではない【砕氷艦】が戦局を変える1つの大きな担い手となりました」


あまぎ「それと、これからの海域では十三号型巡洋戦艦の発展形――――――大和型戦艦並みの火力と装甲が必要となってくるでしょう」

清原「…………それは確かに。【史実】と同じように火力インフレを起こして長門でも一撃で中破に追い込まれてきたからな」メメタァ

清原「しかし、それはどうなんだ? 毎回毎回 大和型戦艦に匹敵する大型艦隊を繰り出していたらあっという間に資源がなくなってしまうぞ?」

あまぎ「その辺は大丈夫です。資源問題に関しては深海棲艦の補給船団から物資を略奪することで解決されますから」

清原「え」

あまぎ「それに、陸軍も頑張って資源をどこからか調達してくれるようになりますので、」


あまぎ「両方合わせて以前の10倍は資源回復するようになりますね」


清原「な、なにぃ!?」ガタッ

あまぎ「ただし、どちらも【開発投資】によって得られた成果である上に、【勲章】を一定以上持っている提督だけの特典ですけどね」メメタァ

清原「…………!」

あまぎ「言いましたよ、私は。できるだけ【開発投資】をした上で【勲章】も使いきらないようにしてくださいね」ニヤリ

清原「難しい注文だな……」

あまぎ「はい。そうですよ」

あまぎ「【あちら】の大戦が長引いて犠牲が増え続けた原因として、この2つに対する成果が遅くに活かされるようになったからなのです」

あまぎ「陸軍や研究班への【開発投資】が進んでいれば、資源も以前の10倍になって強力な艦隊を多く出撃させることができ、」

あまぎ「その分だけ確実に敵に損害を与え、こちらの被害を抑える結果に繋がったはずなのですから」

清原「…………わかった。いろいろと試したいことは山ほどあるが、知り合いの提督たちにも【開発投資】の協力を仰ごう」


あまぎ「おそらくですけど――――――、」

清原「?」

あまぎ「すでにそのどちらもあなたがよく知る方たちが実行なさっているようですよ」

清原「なにぃ!?」

あまぎ「しかし、個人の余力で行っている草の根活動の域を出ませんので、その成果が実っていくのはやはり数年後――――――」

清原「教えてくれ! それはどこの誰なんだ!(あれ? もしかして――――――)」

あまぎ「…………はっきりとはわかりません。知っていてもおいそれと教えるわけには参りません」

清原「………………」

あまぎ「しかし、どうやら年内には必ず顔を合わせることになっているようですので、」

あまぎ「兼愛交利の人徳溢れる清原提督が【開発投資】を多くの方に協力させることができれば、」

あまぎ「おそらくは、【私たちの世界】よりもずっと早くに戦争は終わると思います」

清原「!」

あまぎ「ですが、無理は禁物です」

あまぎ「未来の結果がわかったとしても、その結果を急ぎすぎて『天の時』を掴めなかったら何の意味もございません」

あまぎ「提督がすべきことは、日常業務に支障が出ない程度にこれから毎日いつもより誠を捧げることです」

あまぎ「こればかりはただ一人の人間がどれだけ頑張っても一朝一夕で達成されるものでは決してございません」

あまぎ「しかし、一人で無理ならばより多くの人を動かして1つの大きな流れを作ればよいのです」

あまぎ「提督には元々 兼愛交利の実践によって、皇国軍人の1つの規範として遍く人から信頼を――――――“未来の英雄”たる素質がございます」


あまぎ「――――――『天の時』を待つことです。太平の世を築くにはそれだけの忍耐と陰の努力が必要なのですから」


清原「…………よくわかったぞ、“あまぎ”」

清原「そうだな。戦国時代の覇者となったのは忍耐強い徳川家康だった。苛烈だった織田信長でもなく、絢爛だった豊臣秀吉でもなく」


――――――そのことを思えば私にもこれから成すべきことが何なのか見えてきたぞ。



――――――戦艦:大和先生の勉強会『大和大学校』

――――――第0回:海軍史と艦隊運用の潮流


りう「凄かったです……(――――――やっぱり一航戦と五航戦は凄かった。『時代は航空機』なのはどこも変わらないのか)」

比叡「ではでは、この会議室ですね。大和さんは【演習】の疲れをとってから来ますので」

りう「わかりました、比叡おねえさん(ホントにキャピキャピって感じで若いなー、比叡おばあ……おねえさん)」キラキラ

比叡「…………ぅうう!」カア

比叡「わ、私にはお姉さまがいるお姉さまがいるお姉さまがいるお姉さまがいるお姉さまがいる…………」ブツブツ・・・

りう「これが【ここ】の艦娘図鑑と【史実】の資料か……」パラパラ・・・

りう「あれ、――――――そうだ」ジー

比叡「どうしましたか?」

りう「あの、質問……、いいですか? …………先生じゃないけど」

比叡「まっかせてー! それじゃ何かな?」


――――――【重巡】って何ですか?


りう「(そういえば、“愛鷹”じゃない高雄は【重巡】だって名乗っていたし、天龍は【軽巡】って言っていたぞ)」

りう「(なんだ? 重装甲巡洋艦の略なのか? 軽巡って軽装甲巡洋艦の略だからそうだよね? つまり囮か? それって役に立つのかな?)」

比叡「え――――――ああ、そうかそうか。まだそういった知識はない子なんですね、わかりました」

比叡「それはロンドン海軍軍縮会議によって定められた巡洋艦の区別の仕方なんですよ」

りう「え、――――――『ロンドン海軍軍縮会議』?(――――――知らない。やっぱり【この世界】は根本的に違うんだ)」

比叡「それじゃ、大和さんには悪いですけど、僭越ながらこの比叡がご説明しましょう!」ニッコリ

りう「お願いします、おねえちゃん」ニッコリ

比叡「はぅうう……」ドキッ




りう「………………そっか、『ワシントン海軍軍縮会議』の時点で違っていたのか(――――――“あまぎ”が教えてくれた通りだ)」

比叡「わかりましたか?」ニッコリ

りう「はい。比叡おねえちゃんのおかげで【この世界】の歴史の流れがよっくわかりました。ありがとうございました」キラキラ

比叡「ど、どういたしまして……(金剛お姉さま! 比叡は、比叡は、比叡はあああああああ!)」ニコー

りう「――――――【この世界】だと敗けていたのか。情けない」ボソッ

比叡「ん?」

りう「…………あれ? それじゃワシントン海軍軍縮会議で長門型以外の超弩級戦艦が造れなくなったのなら、」

りう「どうやっても戦艦はこの『太平洋戦争』ってやつには旧式艦ばかりしか残らないんじゃ――――――」

比叡「そうなんです! そこで、比叡たち金剛型戦艦を大規模な近代化改修を施して縦横無尽に活躍したというわけなのです!」エッヘン!

りう「えええええええええ!?」

比叡「ひええええ!?(そこまで驚くようなことでしたかあああああ?!)」ビクッ

りう「だ、だから若い――――――比叡おねえちゃんや金剛おねえちゃんたちはずっと綺麗なんですね……」アセタラー

比叡「え……今 何て?」ドクン!

りう「え!? あの、その……、比叡おねえちゃんはとっても『綺麗』ですよー」ニコー

比叡「ひええ…………」プシュー

比叡「お姉さまぁ…………比叡は壊れてしまいましたぁ…………」バタン!

りう「あ、比叡おねえちゃん!? おねえちゃん! おねえちゃあああああああああん!」ガタッ


――――――『大和大学校』開講

――――――第1回:【こちら側】と【あちら側】の巡洋艦の違い


大和「えと、先程は大変失礼いたしました、――――――えと、“龍翔提督”?」

りう「ああ……、ごめんなさい、私は本当は提督じゃありません(――――――『【この世界】の』、ね)」

りう「大本営が用意した清原提督の影武者の候補でして、技術士官:あまぎの養子の機械整備士の卵なんです」

りう「以前に連れていた艦娘たちは実装前の調整で私がお世話をしていたので、渾名が“提督”ってことになったんです」

りう「(うん。確か“あまぎ”が用意してくれた台本だとこんな感じだったよね、うん。何も言い間違ってないぞ、完璧だ)」

りう「今の私はただの技術士官:あまぎのお手伝いさんでして軍事に関する知識なんて全然……(――――――もちろん『【この世界】の』)」

大和「……そうだったんですか(――――――ですが、あの時の艦隊行動はどう考えても龍翔提督が指揮していたように思えましたが)」

りう「騙して、ごめんなさい……」

大和「あ、いいんですよ。提督が認めてくださったのなら部下である私が異論を挟むつもりはございませんから」

大和「(いえ、艦娘と関わりが深い技術士官の助手ならば、ある程度は艦隊運用の何たるかをそれとなく知っていた――――――?)」

りう「あ、よかった。ありがとうございます」キラキラ

大和「くうぅうう……!(そ、そう! 大和はこの笑顔が欲しかったのです!)」ドクンドクン!

りう「えと、比叡おねえちゃんからは軽く海軍史を学んで、どういった経緯で軍艦が造られてきたのかも教わりました」

大和「そうですか(なら、提督の影武者――――――代役を務めるのならば実戦知識を最初に量ったほうがいいかもしれないか)」

大和「では、今日の【演習】を見て何か思ったことはありませんか?」

りう「あ、はい。それじゃ――――――、」


――――――防空巡洋艦はどうして使わないんですか?


大和「え? ――――――『防空巡洋艦』?」

りう「はい。3回目の【正規空母】っていうあのおっきな航空母艦を主体にした空母機動部隊と戦った時、物凄く苦戦していたじゃありませんか」

りう「駆逐艦の役割って戦艦が苦手とする潜水艦対策だと思うんですけど、」

りう「巡洋艦って対空砲を優先的に装備して主力の戦艦を航空機から守るのが役割なんじゃないんですか?」

りう「てっきり軽巡が駆逐艦の軍艦版だから対潜用、重巡が対空用じゃないかと思ってたんですけど違うんですか?」

りう「だから、どうして艦隊の対空防御の要である防空巡洋艦が【演習】の時に使われてなかったのかなって……」

大和「…………ああ」

りう「(あれ、ちょっと待てよ? オレ、つい【こっち】の感覚で言っちゃったけど、【ここ】には3すくみが存在しなかった――――――)」

りう「(しかも、【ここ】だと【正規空母】と【軽空母】という区分があるぐらいに超巨大な航空母艦が存在しているから、空母1強――――――)」


りう「いえ、防空巡洋艦が無ければ防空駆逐艦でもいいんですけど、航空母艦があれだけデカイと防空駆逐艦の2,3隻じゃ対処しきれませんよね?」

大和「…………なるほど、さすがは技術士官の助手さんですね。まったくもってその通りだと思います」

りう「え」

大和「私、大和も艦隊決戦の切り札として皇国の命運を背負っていたのですが、すでに時は流れて大艦巨砲主義の時代は終わっていて、」

大和「対空強化の近代化改修をしたかいもなく、『日本戦艦中、唯一航空攻撃で撃沈した唯一の艦型』になってしまいました」

大和「そして、それ以前に潜水艦対策も遅れていて、数多くの艦船が為す術もなく沈められていったのです」

りう「は」

大和「ですから、龍翔代理提督がお指摘した通り――――――、」

大和「対空・対潜がしっかりした艦隊運用がされていれば皇国も惨敗することはなかったと思います……」

りう「…………そりゃあ負けるわけだ(やっぱり3すくみはある程度は健在だったんだ。それが【この世界】では空母1強になっただけで)」

大和「本当に凄いですね、龍翔代理提督。この大和、感服いたしました」

りう「あ、『代理提督』も無しでお願いします。ただの軍属の私には“りう”とだけ呼んでくだされば」

りう「“りう”っていうのは『龍翔』を崩して書いた時にそう見えることから通称として使っています」サラサラ

大和「わかりました、“若様”」ニッコリ

りう「え、――――――『若様』? “りう”じゃなくて?」

大和「はい。大和には才覚ある龍翔代理提督を呼び捨てにすることなど到底できません。感服しております」

大和「しかし、民間人で官吏でもない龍翔代理提督を“りう”と呼ぶにはあまりにも不敬です」

大和「ですので、提督の代行をお勤めになるので“若様”です」

りう「…………わかりました。そう呼びたいのであれば、どうぞ」

りう「(――――――“若様”か。結局、【向こう】でも【ここ】でも名前を呼びたがらない艦娘らしくそれに落ち着いたか)」

りう「(けど、これってちょっとまずくないかな?)」

りう「(【この世界】で学ぶべきものなんて本当にあるのか? 明らかに技術的にも軍略的にも劣っている世界じゃないか!)」

りう「(いや、【この世界】で戦力を増強して練度を鍛えてオレは【オレの世界】を救いに帰らなくちゃいけないんだ)」

りう「(この際 贅沢なんて言ってられないんだ! ――――――“あまぎ”を、父さんと母さんを信じるんだ、今は!)」

りう「それじゃ、【史実】で対潜艦と防空艦として活躍した艦娘はどれですか?」

大和「はい。それは――――――」




りう「…………純粋な対潜巡洋艦も防空巡洋艦も無いなんてオワッテル」アゼーン

大和「わ、“若様”?」

りう「あ、いえ! 何でもありません!」

大和「それでは、こちらが能力限界値の一覧ですよ」メメタァ

りう「あ、はい(――――――どれどれ?)」パラ・・・

りう「(へえ、さすがは【この世界】を象徴する大和だな。総合能力は文句無しでナンバーワンだ!)」メメタァ

りう「(ん? 【ここ】の【対潜】値 おかしくないか? 対潜艦と呼べるのって近代化改修を受けた五十鈴ってやつだけなんだろう?)」

りう「(なぜにこの阿賀野型や球磨型とかいうやつは唯一の対潜艦の五十鈴の【対潜】とそう変わらないんだ?)」メメタァ

りう「(そして、重巡とかいうやつは想像以上に【対空】がメチャクチャ低い! 何のために存在してるんだ、この艦種は?)」メメタァ

りう「(【こっち】だと巡洋艦には対潜艦・防空艦・戦闘艦・航空艦の4系統があるから――――――、)」

りう「(【ここ】だと戦闘艦だけが栄えたってことなのか? いや航空艦と折衷したようなパラメータだな、これ)」メメタァ

りう「(なんか変なところで大艦巨砲主義かぶれなことになってるな、【この世界】…………そんなにポケット戦艦が造りたかったのか?)」

りう「(あれ? でも、全体的に見て長門型以前の戦艦の能力があり得ないぐらい高いぞ!? 何これ? 【この世界】独自の補正か!?)」メメタァ

りう「ん、何だろ これ?」

大和「あ、気になるものがありましたか?」

りう「何だこの【雷装】の高さ!?」メメタァ

大和「ああ 球磨型の【重雷装艦】――――――つまり【雷巡】ですね」

りう「――――――ら、【雷巡】?(何それぇ?! 聞いたことない艦種なんだけど! でも、【対潜】は並みか)」メメタァ

りう「(北上と大井は【運】以外は全て同じで【雷装】が突出しているけど、【雷装】以外の能力が木曾に全面的に劣っているな)」メメタァ

りう「(しかも、【対空】は明らかな差がついているな。これは木曾ってやつのほうが使い勝手が良さそうだな)」メメタァ

りう「…………『木曽』」カキカキ

大和「?」

りう「あ、間違えた…………『木曽』じゃなかった。もう『キソ』でいいやキソー」カキカキ


――――――第2回:【この世界】の航空母艦の覇道について


りう「何ですか、この【航空戦艦】って?(【この世界】の戦艦はいろいろオカシイ! なんで長門以前の主力艦がこんなにも目新しいわけ!?)」

大和「……えとそれは“事故の産物”です」

りう「え」

大和「本当でしたら、戦艦としては旧式化していた伊勢型戦艦を航空母艦に改装したかったのですが、」

りう「ああ……、軍縮会議の影響がこう出たんだ……」

大和「すでに太平洋戦争真っ只中で時間も国力もなかったのです」

大和「そして、艦載機の配備も間に合わず、航空甲板を使った輸送戦艦として重宝したという経緯があります……」

大和「それが【航空戦艦】の起こりです」

りう「これって【艦これ】的にどうなんですか? どう考えても戦艦と空母の互いの長所を殺しているようにしか見えないんですけど」メメタァ

大和「あ、【史実】では意図していた【航空戦艦】としては活躍はできませんでしたが、改装そのものは失敗ではなかったと言われます」

大和「また、【艦これ】においては【弾着観測射撃】も狙いやすいので実戦的な能力はちゃんと備えていますよ」メメタァ

りう「……なるほど、【艦これ】補正は偉大だなー」メメタァ

大和「次いでに【航空巡洋艦】というものもありまして、【航空戦艦】とは違ってれっきとした有用性から造られたものなんです」

大和「元々 巡洋艦は航空母艦に比べて速力が高いので哨戒や偵察に運用するのにも適していて【水上偵察機】とは相性が良かったのです」

大和「ですから、【航空巡洋艦】は集中的に航空機を運用する空母よりも手軽でかつ艦隊の目として重宝したわけなんです」

りう「そうなんですか。違いがよくわかりました(――――――【航空巡洋艦】は【こっちの世界】でも常識だからよくわかってるけど、)」

りう「(なるほど、【航空戦艦】なんてものもあったんだ…………軍縮会議の影響力ってホントに凄いなー)」

りう「…………【ここ】の【航空巡洋艦】も狙っておこうかな」カキカキ

りう「いや、【戦闘巡洋艦(=巡洋戦艦)】なのかもよくわからない中型戦艦もどきの【重巡洋艦】も試料として1隻ぐらいはいいかなー?」カキカキ

りう「(よく考えたら、ドイッチュラント級装甲艦っていう敗戦国ドイツを代表するポケット戦艦があったっけ。【重巡】ってそれかもしれないな)」

大和「………………」ジー

大和「(やはり、並みの新人提督よりもよく把握している感じがする…………いったいどの程度まで?)」

大和「(足りてないのは実際の艦隊運用の面かしら? あの時の無謀もそのため――――――?)」

大和「(あるいは、拓自鎮守府の長門が去り際に必死に訴え続けていたことを考えると――――――)」


Z:長門’『ま、待ってくれ! 清原提督! 私は、あなたのご子息を心から――――――』ズルズル・・・


大和「それでは次は、航空母艦について五航戦の方に説明してもらいましょう」

りう「――――――五航戦!(確か、翔鶴おば……おねえさんと瑞鶴おねえさんだ!)」パァ

ガララ・・・

翔鶴「こんにちは、龍翔提督……」ニコニコ

瑞鶴「よかった。また会えた!」ニッコリ

りう「おねえさんたち!」キラキラ

大和「あ、いいな…………大和もそう呼んでもらいたい」ボソッ

大和「あ、その前に五航戦の二人、ちょっと――――――」




翔鶴「それじゃ、えと……“若様”、講義を始めますよ」ドキドキ

りう「はい、翔鶴おねえさん」キラキラ

翔鶴「…………!」ドクン!

翔鶴「そう、これが欲しかったの……」ブルブル・・・

大和「どうしました、五航戦の方?」ニコニコー

瑞鶴「おーい、翔鶴姉ぇ……、大和さんが見てるから! 見てるから!」アセアセ

翔鶴「ハッ」

翔鶴「…………いけない いけない」

翔鶴「それじゃ、ある程度は基本的な艦載機の種類や航空母艦の存在意義はわかってるってことでいいのよね?」

りう「はい、とりあえずは(【この世界】に来て初めて違いを実感したのはまさしく航空機の大規模運用だった――――――)」

りう「(けど、【ここ】では防空巡洋艦を帝国海軍が採用していない――――――五十鈴しかいなかったという有り様だもんなー)」

りう「(となれば、航空母艦の有用性を理解してなかったのになぜか航空機の集中運用をしていたってことなのか?)」

りう「(【こっちの世界】は軍艦の相性は3すくみで基本的に戦艦1強――――――航空機の役割は戦艦の天敵:潜水艦 対策だった)」

りう「(だから、防空巡洋艦は存在しても【この世界】特有の【正規空母】の艦載数に対応できるほどの対空火力は実はない)」

りう「(けど、戦いは数の理で進められるから防空艦が戦艦をグルっと囲んで戦艦も対空兵装をある程度積んでいるから航空機は十中八九生きて帰れない)」

りう「(だから、航空機の高性能化と高威力化によって均衡が破られるまではずっと3すくみだった)」

りう「(いわゆる、『戦艦は空母に勝ち、空母は潜水艦に勝ち、潜水艦は戦艦に勝ち』というようなものだった)」

りう「(オレが初日に赤城たちを窮地に追い込む愚行をやらかしたのも、【この世界】での常識を知らなかったのが大きかったけど、)」

りう「(【オレの時代】にはすでに破綻していた軍艦3すくみにオレが縛られ続けて、相手が空母だから余裕だと思っていたばかりに――――――)」

りう「(――――――けれども、たった3隻で補助艦無しで多数の敵に立ち向かわせたのはやっぱりオレの慢心からの初歩的なミスであって)」

りう「(とにかく、オレが【似て非なる異界の未来】からやってきたせいなのか 何か釈然としないものがあるな…………もっと勉強しないと)」

りう「それじゃ質問です、先生」

翔鶴「はい」


――――――どうして航空機の集中運用なんてことができたんですか?


翔鶴「え」

瑞鶴「ど、どういうこと?」

大和「………………」

りう「確か防空巡洋艦が無いんですよね? それってつまりは航空機の脅威をそこまで当時の海軍が認識していなかったということですよね?」

りう「それなのに、どうして『太平洋戦争』で真珠湾攻撃やマレー沖海戦の航空機主体の同時作戦なんてのができたんですか?」

大和「…………むぅ」

瑞鶴「えと、それは……、その…………」

翔鶴「…………“若様”?」

りう「あれ? 何かおかしいことを言ったかなー、私?」


りう「(――――――わけがわからないよ、【この世界】で起きた『太平洋戦争』ってやつは)」

りう「(【こっちの世界】だと数度に渡るパンデミックで列強の植民地経済が崩壊して、)」

りう「(列強同士が混乱に乗じて植民地の奪い合いをするっていう最大の愚を犯して国盗り合戦:第二次世界大戦だもんな)」

りう「(一説によればロシアかドイツのスパイが扇動したものだっても言われてるけど、)」

りう「(国際連盟ができたばかりでいきなりの戦勝国同士の内輪揉めで国際連盟は事実上 瓦解して――――――、)」

りう「(それで、日本とアメリカとロシアとドイツはパンデミック景気で国力を充実させていったわけだけど、)」

りう「(それが【この世界】ではパンデミックが連続しなかった代わりに日本が戦争に負けてる…………塞翁が馬だなぁ)」

りう「だって、第一次世界大戦の頃から航空母艦ってのが発達してきて、」

りう「第一次世界大戦終結後のワシントン海軍軍縮会議の影響で各国で積極的に航空母艦の開発に取り掛かったんでしょう?」

りう「となれば、どこの国も航空母艦を持っていて、真珠湾攻撃とマレー沖海戦の結果を踏まえて航空機の有用性を見直すはずですよね?」

りう「――――――『やり返される』とは思わなかったのかなって」パラパラ・・・


――――――防空巡洋艦がないってことは。


大和「………………」

瑞鶴「………………」

翔鶴「………………」

りう「あれ? そもそも伊勢型戦艦を航空母艦に転用して【航空戦艦】なんてのが生まれるぐらいに切羽詰まっていたってことなんですか?」

大和「…………そうですね。実際にそうだったと思います」

瑞鶴「大和さん……」

大和「そもそも我が国で最初の【正規空母】の赤城と加賀がワシントン海軍軍縮会議によって【戦艦】から転用させられたことはわかりますよね」

りう「はい(そのことは最初に聞いたことだ。身近な二人の赤城と加賀が【この世界】では航空母艦になっていたのだ)」

大和「これは先ほどの講義でも“若様”との質疑応答でお答えした通りなのですが、」

大和「付け加えますと、マレー沖海戦で航空母艦:インドミタブルが随伴していたら結果は大きく変わっていたはずです」

翔鶴「そうですね。実際にニューギニア沖海戦では空母:レキシントンを狙った第二十四航空戦隊が完敗してますからね」

瑞鶴「本当に幸運に恵まれていた歴史的・劇的勝利と言えたものよねぇ……」

大和「そう考えると、あの戦争の始まりから今現在に至るまでがまるで今の深海棲艦との戦いと似たようなものを感じますね」

大和「(――――――そう、ドツボにはまってジリ貧に陥っている今の仮初めの平和のように)」

りう「………………?」

大和「いえ、何でもありません」


りう「つまり、『高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に対処できる』とでも本気で思っていたのかな?」

大和「残念ながら実にその通りな展開でした」

りう「ええ…………(これ、本当に学ぶべきところなんてあるのかな、【この世界】? およそ正気の沙汰じゃないよ!)」

瑞鶴「?」

瑞鶴「ねえ、翔鶴姉?」ヒソヒソ

翔鶴「何、瑞鶴?」ヒソヒソ

瑞鶴「…………何だろう? 確かに“若様”の言ってることはこちらとしては本当に痛いところを的確に突く正論ばかりなんだけどさ?」ヒソヒソ

瑞鶴「あの戦争からまだ百年も経っていないはずなのに、何て言ったらいいのか…………そう――――――、」

瑞鶴「どうしてか“若様”の質疑応答って『知ってることの答え合わせ』をしてる感じがして、それが妙に引っかかって…………」ヒソヒソ

翔鶴「?」

瑞鶴「つまりさ? 最初から答えを知っていて――――――というか、自分が知っているものと見比べている感じがするっていうか」ヒソヒソ

翔鶴「どういうことか、よくわからないんだけれど」ヒソヒソ

瑞鶴「……そう! 普通は知らないから質疑応答ってするもんじゃない?」ヒソヒソ

瑞鶴「“若様”のはあらかじめ知っていることの確認をしている――――――それも造詣や理解がかなり深い感じだよ」ヒソヒソ

ガララ・・・

一同「!」


あまぎ「すみません、講義の最中に。ちょっといいですか、“りう”?」


りう「あ、“あまぎ”……?」

大和「あ、あまぎ技術士官ですか。どうぞ」




スタスタスタ・・・・・


りう「どうしたんだよ、“あまぎ”? オレはちゃんと講義を受けてたぞ? 訊きたいことも選別してちゃんと得るものを得ようと――――――」

あまぎ「なら、もっと有益な質問をしてください」

りう「え!? まさか見てたの!?」

あまぎ「いえ――――――まあ そうです」

あまぎ「“りう”? 【史実】の確認なんてして何の意味があるのですか?」

あまぎ「私たちに残された時間なんてものは過ぎてしまえばあっという間になくなるものなのです」

あまぎ「【この世界】の成り立ちについてのくだらない談義なんてせずに、【艦これ】における実践面での講義を受けなさい」メメタァ

りう「!」

りう「ごめんよ、“あまぎ”。オレが間違ってた……」

あまぎ「それと、【この時代】の艦娘には戦略や政治に関することは質問しないこと。訊かれても答えられないから、絶対に」

りう「?」

りう「!」

りう「あ、そっか! まだ名誉退役の概念がない頃か!」※【あちら側】では艦齢5歳以上の艦娘は名誉退役することで人間と同等の扱いが得られる

あまぎ「幸い、戦艦:大和ほどの艦娘ならば訊いてもある程度は答えられるでしょうが、彼女だけが唯一の例外だと思って質問の内容は絞りなさい」

りう「わかったよ。【史実】がどうのじゃなくて、【現在】がどうなのかを中心に学び取ってくる」

あまぎ「そうしてください」

あまぎ「それと、清原提督からの御餞別――――――【この世界】で最初の艦娘がすでに【建造】できたので講義が終わったら迎えてください」

りう「うん、わかった」

りう「そうだ。まだまだ講義は続きそうだし、【この世界】の【重巡洋艦】と【重雷装巡洋艦】が欲しいからまた何回かお願い」

あまぎ「わかりました」

あまぎ「では、目標の艦娘は何ですか?」

りう「とりあえず、【重雷装巡洋艦】の木曾。後は【航空巡洋艦】になれるのとなれない【重巡洋艦】が1人ずつ」

あまぎ「わかりました。できるだけ最善の結果になりますようにいたします」

りう「うん。まかせたよ、“あまぎ”」

あまぎ「はい。いってらっしゃい」ニコッ


タッタッタッタッタ・・・


清原「“あまぎ”、ここにいたのか」

あまぎ「あ、提督。何でしょうか?」

清原「最初に“あまぎ”に言われた通りに陸奥を【秘書艦】にして【建造】をしてみたら――――――、」

清原「長門が出たんだが、どうも様子がおかしい」

清原「一緒に来て確認してくれないか?」

あまぎ「わかりました」

あまぎ「――――――警告はしておきましたからね?」

清原「……わかってる」

清原「けれど、少しでも可能性は拾い集めたい」

あまぎ「はい」



                 ・ ・ ・ ・
長門?「私が世界に冠たるビッグ3の戦艦:長門だ。誇りある勝利と栄光と共にあることを貴官に期待する」



清原「この鎮守府の司令官の清原です」ビシッ

あまぎ「技術士官の“あまぎ”です」ビシッ

清原「(確かにこの長門は何かが違う――――――も何も、外見からして長門型戦艦スタイルと呼ばれるセクシーな薄着姿ではなかった)」

清原「(ミニスカニーソスタイルは変わらないが、第1種軍装を想起させる紺色基調の軍帽やマントのように長い軍衣が目を引く)」

清原「(そして、階級襟章は彼女の威厳と気風を象徴するかのように大きな菊の御紋が1つと豪華な拵えの軍刀も見える)」

清原「(――――――例えるならば、【“あの子”の世界】の加賀友禅を羽織っている加賀型戦艦の姉妹よりも豪華で威厳がある上着を羽織っている感じだ)」

清原「(あるいは、もっと近いのは木曾改二を紺色にしたものだろう。軍帽にマントと見紛うような軍衣と毅然とした態度からそれを思い起こされる)」
                                                ・          ・ ・
長門?「さて、では司令官よ。この長門の任務は何だ? 艦隊決戦か、それとも囮か? あるいは輸送任務か? 何なりと言ってくれ」

清原「なに!?」

あまぎ「この程度で驚かないでください、提督。この長門は【大東亜共栄圏】から来た長門なのですから」

清原「あ、ああ……(いや、戦艦が自分から囮や輸送を買って出るだなんて絶対にあり得ないようなことで言葉に詰まった……)」

清原「すまないが、戦艦:長門。落ち着いて聴いて欲しい」

長門?「何だ、司令官?」


清原「【この世界】はワシントン海軍軍縮会議で陸奥を生かしてビッグ7となって、最終的にアメリカに皇国が敗けた世界なのだ」


長門?「!?」

長門?「こ、【この世界】だと? それに『ビッグ7』?! いったい何の冗談のつもりだ、司令官よ……」スッ

長門?「つまらぬ冗談を言い続けるのであれば、そのつまらぬ口を引き裂いてくれようか?」ギロッ

清原「――――――この凄み!」アセタラー

あまぎ「さすがは【大東亜共栄圏】を象徴する二代目三笠と称された“ビッグ3”長門です……」

清原「ここでは何の資料もない。ついて来てくれ。証拠を見せる」

長門?「…………いいだろう」ジロッ

あまぎ「――――――できもしないくせに軍刀に手を掛けるのは悪い癖ですよ、長門」ボソッ

長門?「!?」ビクッ

あまぎ「どうしました?」

長門?「お、お前、まさか「天城」なのか!?」

あまぎ「『技術士官:あまぎ』ですが何か?」

長門?「………………」

清原「うん? どうした、二人共?」

長門?「いや、なんでもない」キリッ

あまぎ「…………提督。この“あまぎ”がいる限り 粗相は働かせませんからご安心を」





清原「この部屋だ。中に入って見てくれ。懐かしい顔がたくさんいるはずだ」

長門?「――――――『懐かしい顔』だと?」

長門?「いいだろう。見せてもらおうか」

ガチャ

長門?「!」


陸奥「あら。あらあら? 新入りっていうのは長門のことなの?」

赤城「ということは、ついに長門型が全て揃ったということですね」バクバク

加賀「金剛型と大和型という両極端な艦型しかいませんでしたから、これでだいぶ戦力も安定してきますね」ムシャムシャ

x:赤城「それにしては、ずいぶんと威厳がありますねぇ」

x:加賀「そうね。見違えたわ。これが戦艦:長門改二なのかしら?」メメタァ

x:土佐「そうだね。八八艦隊の第一号艦――――――つまりはあの一番弱い長門がね」


長門?「あ、ああ…………」ブルブル・・・

清原「これでどういうことなのかはわかっただろう?」

長門?「ど、どういうことだ、これは……?」

長門?「まず、陸奥と加賀・土佐の姉妹がいることが驚きだ!」

長門?「しかし、どうして赤城と加賀は戦艦スタイルのやつと空母スタイルのやつが一人ずつ存在しているのだ!?」

長門?「む? 存在しないはずの空母:加賀の飛行甲板が『カ』だと!? それは赤城の――――――じゃあそっちの空母の赤城の文字は何だ?」

陸奥「どうしたのよ、長門? そんな幽霊でも見たような顔なんかして」

長門?「い、いや……、その……、――――――元気だったか?」オソルオソル

陸奥「うん、私は元気よ。この【お守り】のおかげで謎の爆発も起きなくなったからね」


――――――【お守り/子宝祈願】と【お守り/安産祈願】=【運】が20上昇!


長門?「!?」ドキッ

あまぎ「まあ 落ち着いて、“ビッグ3”長門。あなたにだけは【この世界】の秘密について話しておきたいから場所を移してもいいかしら?」ポンッ

長門?「あ、ああ。説明してくれ、「天城」…………頭が破裂しそうだ」




あまぎ「さて、ここなら貸し切りにしてあるから人には聞かれないわね」

清原「今のところ、【異界艦】の存在や全容について知っているのはこれで――――――、」

清原「鳳翔と金剛と陸奥、提督である私と“司令部”。それと拓自鎮守府の長門だな」

あまぎ「そして、私と新たに“ビッグ3”長門となりますね(でも、八八艦隊の面々は言わなくても自然と理解してるんだけどね、当事者だから)」

長門?「私はどうすればよいのだ、司令官よ?」

あまぎ「まあ、まずは落ち着いて状況を整理しましょうか」

あまぎ「向こうの大和大学校で“りう”が【この世界】について勉強しているように、“ビッグ3”長門も【この世界】の勉強をしましょうか」

あまぎ「提督もどうぞお掛けになってください」

清原「わかった」

あまぎ「まずは簡単に結論を表で見せればすぐにどういうことかわかると思います」



表 3つの世界における【八八艦隊】の存在の有無

  |  長門型  |  加賀型  |     天城型       |      紀伊型       |
艦|長門|陸奥|加賀|土佐|天城|赤城|高雄|愛宕|紀伊|尾張|駿河|近江|

α| ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |

β| ○ | × | × | × | ○ | ○ | × | × | × | × | × | × |

γ| ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | × | × | × | × | × | × |


α世界線:ワシントン海軍軍縮条約もロンドン海軍軍縮会議もない世界線
→ “りう”と“あまぎ”たちの世界

β世界線:ワシントン海軍軍縮条約があってロンドン海軍軍縮会議がない世界線
→“ビッグ3”長門たちの世界

γ世界線:ワシントン海軍軍縮条約があってロンドン海軍軍縮会議もある世界線
→ 【史実】の世界

⊿世界:γ世界の直系。α世界やβ世界が交じり合った本来 あり得ない世界 ※『世界線』と『世界』は全く意味が異なる。⊿世界 ∈ γ世界線
→ 本作の世界。基準となっているのがγ世界線



あまぎ「これが【この世界】の真実です、簡単にまとめると」

あまぎ「私は【α世界線】から、“ビッグ3”長門は【β世界線】から、【γ世界線】の清原提督の許にやってきたわけなのです」

あまぎα「試しに文章中で区別するとこんな感じです」メメタァ

長門β「まだ完全に納得したわけじゃないが、「天城」が言っていると思うと全てそうなのだと思えてしまう自分が恐ろしい」

清原γ「なるほどな……。おかげですっきりわかったよ」

清原「ところで、その【⊿世界】ってどういうことなんだ?」

あまぎ「本来は出会うこともなかった“りう”や“ビッグ3”を迎え入れたことで、」

あまぎ「それ以前の提督ならばあり得ないような行動をこれから採り続けるわけですよね?」

あまぎ「そういうわけで、一応は【γ世界線】上にある【本来の歴史とは異なった別の可能性の世界】――――――【⊿世界】に入っていると明言しておきます」

清原「…………それは良いことなのか?」

あまぎ「良いも悪いも当人たちの努力次第です」

清原「それを聞いて安心した」


長門β「………………」ジー・・・

清原「戦艦:長門、言いたいことがあるのなら言ってみろ」


長門β「なぜ私が喚ばれた?」


清原「それは…………(特に明確な目的があったわけじゃなかった。【異界艦】の可能性について調べるためにとりあえず【建造】してみただけで)」

あまぎ「“ビッグ3”として、そして世界に冠たる大東亜共栄圏の象徴であるあなたの力が必要だったからです」キリッ

清原「……ああ。どの程度の戦力になってくれるかはわからないが、大東亜共栄圏に至る過程や心構えを教えてもらいたいと思う」

長門β「………………」

清原「それにだ」

清原「逆に訊こう」


――――――ならお前はどうして【建造】された?


長門β「それは…………」

清原「未練があったからじゃないのか?(――――――そう、艦娘と深海棲艦の発生の原因を鑑みれば この質問には何らかの効力が宿るはず!)」

長門β「そんなつもりは…………」

あまぎ「嘘は良くないわ、長門」ジロッ

長門β「?!」

長門β「「天城」――――――って冷静に考えてみたら、なら別世界の住人であるお前に私の何がわかる! わかるはずがない! そうだろう!」

あまぎ「あら? 皇国の大神たちにお願いすればあなたのことなんて居ながらにしてわかるわよ」

清原「え」

長門β「なにぃ?!」

あまぎ「例えば、あなたは【α世界線】や【γ世界線】で歴史遺産となって現存する戦艦:三笠の代わりに【β世界線】では長門公園で永久保存されてるのね」

長門β「なっ、…………事実だ」

清原「それは凄いな。前弩級戦艦の三笠が100m台なのに対して長門は200m台だから威容が段違いだろうな」

あまぎ「それに、【β世界線】の大日本帝国は大東亜共栄圏のために自由主義・共産主義に続く第3のイデオロギーを発足して、」

あまぎ「軍事力よりも政治力や外交力、人類科学や世界経済、人権運動の発展に力を尽くして大東亜共栄圏を樹立したようね」

清原「え? 詳しくはわからないんじゃなかったのか?(しかも、第3のイデオロギーって…………)」

あまぎ「今 わかったの」

清原「?!」

長門β「…………ま、まさしくその通りだ」

長門β「だから、艦隊決戦なんていうのもほとんどなく、潜水艦ばかりが活躍していたな」

長門β「私は“ビッグ3”であることから温存されるよりもむしろその知名度を利用して積極的に、」

長門β「――――――囮や輸送に従事して潜水艦隊に敵を仕留めさせる作戦ばかりだった」

あまぎ「なるほど、【α世界線】が戦艦1強で、【β世界線】は潜水艦1強、【γ世界線】は航空母艦1強体制だったわけなんですね」

清原「“りう”が口癖のように言っていた軍艦3すくみと綺麗に重なったな」


清原「いや、それよりも貴重な“ビッグ3”を囮や輸送に使って敵を誘き出すだなんて凄まじい戦略・戦術と胆力を持った大本営だな……」

清原「むしろ、【ここ】だと出し惜しみして旧式艦の金剛型戦艦が縦横無尽に活躍する結果になったけど」

あまぎ「【近代化改修】って若返りエステだったんでしょうかね?」

清原「はははは、艦娘が老けないことを考えるとそうかもしれないな」

長門β「?」

清原「あ、そうだ、“ビッグ3”。この写真を見てくれ」スッ

長門β「?」

長門β「!」

長門β「若っ! 金剛型の姉妹、みんな若っ!?」

清原「あ、やっぱり【この世界】だけなんだ、金剛型が若いってのは」

長門β「いや、貴重な【巡洋戦艦】だから近代化改修は施されてはいたが、ここまで若返っているのは――――――」

清原「(なるほど、【β世界線】では金剛型は元の【巡洋戦艦】の分類のままということか。竣工時に27.5ktだからちょっと速力を上げれば十分通用するな)」


長門β「…………そうか。だいたい掴めてきたぞ」

長門β「確か、清原司令官はここの提督だったか?」

清原「そうだ。洞庭鎮守府の司令官であり、同鎮守府が擁する艦隊の司令官でもある」

長門β「…………私が喚ばれたということは、私が持つ知識やノウハウだけじゃなく戦艦:長門としての戦力も当てにしていたというわけなんだな?」

清原「その通りだ(まあ 長門が出てくるかまではわからなかったけど。“あまぎ”に言われるがままに半信半疑にやっただけで)」

長門β「なら、「天城」? この“ビッグ3”にも華々しい武勲を重ねられる機会が天に与えられたということでいいのか?」

あまぎ「はい。ご褒美です」

長門β「………………私のような旧世代の遺物の役割などそんなものか」フフッ

長門β「わかった。まだまだ不明な点があることだが――――――、」


長門β「この“ビッグ3”戦艦:長門! 勝利と栄光のために提督に力を尽くそう!」ビシッ


清原「…………ホッ」

あまぎ「提督、気をつけてください」ヒソヒソ

清原「?」

あまぎ「一応 理解をして納得はしてくれましたが、【戦争に勝った世界】から【戦争に敗けた世界】に来たのです」ヒソヒソ

あまぎ「それに関するカルチャーショックは避けられず、未だかつてない怒りや哀しみ、虚しさが彼女を曇らせることでしょう」ヒソヒソ

あまぎ「まさか【異界艦】であることをいちいち説明するわけにも参りませんし、気を遣われることを恥ともしていますから、」ヒソヒソ

あまぎ「私も私で“ビッグ3”を慰めますから、提督も提督で提督として艦娘を労ってください、兼愛交利の清原提督?」ヒソヒソ

清原「わかった。【同じ世界線】の仲間を優先的に【建造】するようにしよう」ヒソヒソ

清原「それまでは八八艦隊の面々と一緒にしておこう。陸奥も事情は教えているからきっと支えになってくれるはずだ」ヒソヒソ

あまぎ「はい」ヒソヒソ




コツコツコツ・・・・・・


長門β「すまない、提督」

清原「どうした?」

長門β「ライスカレーが食べたい」グルルル・・・

清原「……それは私の鎮守府の程度を量ろうとしているのか?」

長門β「さあな? ともかくライスカレー――――――海軍カレーが食べたい」キリッ

清原「わかった。今晩は私が作ろう(――――――堂々とはしているが、やっぱり長門は“長門”だった)」フフッ

長門β「む? 提督自らが?」

清原「嫌なら料理当番に作らせるが?」

長門β「いや、提督の作るカレーがいい」

清原「そうか」

清原「ところで、これからしばらくはお前の姉妹たち:八八艦隊の面々と一緒になってもらうが、大丈夫か?」

長門β「…………大丈夫だ。そこまでヤワな神経では無い。そうでなければ囮も輸送もする連合艦隊旗艦など務まらん」

清原「無理しなくていいんだぞ? どんな強力な軍艦でも単艦ではものの役に立たないからな」

清原「今すぐに【“ビッグ3”の世界】から同僚を【建造】してもいいのだぞ?」

長門β「……それは提督の采配に任せる」

清原「思い切ったことを言うな」

長門β「何か思い違いをしているな、提督よ」

清原「?」


長門β「この長門! べ、別に姉妹全員がこの世に生まれ出づることなく一人道化として戦場を跳梁して、」」

長門β「その果てに大東亜共栄圏で平和で豊かな時代になってかつての僚艦たちが次々と廃艦になっていく中――――――、」

長門β「たった一人 自分だけ公園のモニュメントになって永遠の時を過ごしていたことに思うところがあったわけでは無いんだからな!」


清原「誰もそこまで訊いてないぞ(――――――寂しかったんだ、ずっと)」

長門β「とにかく! 今日だけでもいいから、我が八八艦隊の姉妹たちとのひとときに水を差さないでくれ、頼むから!」

清原「最初からそう言えばいいだろう」ヤレヤレ

長門β「…………すまない。どうも来たばかりで混乱しているようだ」

長門β「見苦しいところをお見せして本当に申し訳ない」

清原「いや、あの“あまぎ”が来たのはつい2,3日前だから副官のように自然と隣にいることにハッと驚く」

清原「同じなんだ、私も」

長門β「…………提督もか」ホッ


清原「それに長門よ」

長門β「?」


清原「こっちは『【未来】から『私』の息子が私に会いに来てる』という事態に直面していて私の方がどうすればいいのか全然わからないのだあああああ!」


長門β「!!??」

清原「“あまぎ”が【いつの時代のα世界線】から【こっちのγ世界線】に来たかなんて明言してないだろう!」

清原「“あまぎ”たちはよりにもよって【未来】からやってきたんだよ、【そこ】で“護国の英雄”と呼ばれてるらしい私を頼って」

長門β「じ、事実か、これも……」

清原「だから、私も同じだ」

清原「困ったことがあれば“あまぎ”や私を頼れ。頼りないかもしれないが精一杯 お前の孤独を埋めてやるから」

長門β「…………!」


長門β「…………提督は実に大東亜共栄圏の立役者である英雄にそっくりですな」フフッ


清原「え」

長門β「なるほど、これも素晴らしき縁か」

長門β「提督! この長門、提督の栄光と勝利のためにより一層の信頼を得られるよう精進いたします!」ビシッ

長門β「そして、必ずや【この世界】においても世界に冠たる弥栄える皇国の未来を築きあげましょう!」

清原「ああ! よろしく頼む、“ビッグ3”!」


GET! 戦艦:長門β(能力限界値が異様に高い【β世界線】最強の戦艦)




りう「今日はありがとうございました!」

大和「はい。こちらとしても良い勉強になりました」

瑞鶴「“若様”は本当に賢いですね(戦術については最初は黙って聴いていただけに思えたけど呑み込みが物凄く早かった……)」

翔鶴「それじゃ、“若様”? これから一緒にお食事と参りませんか?」

りう「ああ……、まあいっか(“あまぎ”がうまくやるって言ったんだから、【この世界】で初めての艦娘たちもいいのが揃ってるだろう)」

りう「はい。お願いします、翔鶴おねえさん」キラキラ

翔鶴「おお…………!」ドクンドクン!

大和「あ、それでしたら! 今晩はこの大和におまかせを!」

瑞鶴「あ、私も!」

りう「ありがとうございます」

ガララ・・・

大和「あ」

高雄「あ、こちらにいましたか、龍翔提督!」

りう「あ、確か【重巡洋艦】の高雄だったっけ?(――――――そう、ポケット戦艦もどきの)」

高雄「どうですか、これから一緒にお食事でも」

りう「ああ…………(どうしよう? いまいち【重巡洋艦】の良さがわからないから、本人から説明を受けようかな?)」

大和「だ、ダメです! 今晩は大和の手料理を食べていただくのですから!」

高雄「むっ」

りう「え、ダメなんですか、先生?」

高雄「!」パァ

大和「そ、そういうわけじゃ…………」

りう「私は【重巡洋艦】の良さが掴めなかったので直接 高雄さんに訊こうと思ってたんですけどダメですか?」

瑞鶴「へえ、勉強熱心ね。課外講義をお望みなんて」

大和「むぅう…………」イジイジ

りう「それじゃそういうことでお願いします、高雄さん」

高雄「はい、おまかせください」ニッコリ

瑞鶴「あ、そうだ、高雄さん。この子のことはこれからは――――――」




長門β「戦艦:長門だ。改めてよろしく頼む」

赤城「はい。これからよろしくお願いします」

加賀「八八艦隊がこうも集まるだなんて、わからないものね」

陸奥「今度は紀伊型戦艦も来たりしてね」

長門β「まあ、その可能性もあるだろうな」チラッ

x:赤城α「もしかして、あの長門さんも私たちと同じ?」

x:加賀α「そうかもしれませんね」

x:土佐α「ねえねえ、長門 長門!」

長門β「何だ……、お前は土佐だな?(――――――【標的艦】じゃなかったらお前はこんなにも華やかな姿なのか)」

x:土佐α「そう、土佐だよ!」

x:土佐α「ねえねえ! 長門の主砲って何だっけ 何だっけ?」(すっとぼけ)


長門β「ああ、私のは最新鋭の【41cm四連装砲】だ」


一同「!?」

赤城「――――――【41cm四連装砲】ですって!?」

x:赤城α「なるほど、【この世界】では【試製三連装砲】でしたし、少なくとも【彼女の世界】は【ここ】よりも優れていると」ボソッ

x:土佐α「へ~、“ながもん”じゃないんだ、この長門は」

長門β「何の話だ、みんな?」

加賀「明らかにあの長門とは別人…………大本営はどうして同じ長門を? 【改装設計図】の新たな効果かしら?」メメタァ

x:加賀α「やりそうね、この長門は」

長門β「そして、加賀の二人か」

長門β「何だ? こっちのお前は【戦艦】で――――――、何だお前は? どうして「天城」の青袴を履いているのだ?」

長門β「そもそも、どうしてお前はポニーテールで、こっちはサイドテールなのだ?」

加賀「それは…………」(サイドテール)

x:加賀α「【こっち】の私は、あの震災で天城さんが倒れて、その代役として【正規空母】になったのです」(ポニーテール)

x:加賀α「言わば、この青袴とサイドテールは天城さんと土佐の形見なんです」

加賀「…………はい」グスン

x:土佐α「……ありがとう、【こっち】の加賀姉さん」

長門β「そうだったのか(…………なんだと?! あの震災で「天城」が斃れただと!? それは戦争に負けてもしかたがないな)」

加賀「けど、こうして本来は会うこともできなかった八八艦隊のみなさんと会えたのですから、感無量です」

長門β「…………そうだな」チラッ

長門β「――――――陸奥」

陸奥「あら、何かしら、長門?」

長門β「なんでもない」フフッ

陸奥「あらあら? 気になるじゃない、ねえ長門」

長門β「それよりもだ、みなのもの」

長門β「八八艦隊の武勇伝を聞かせてはくれないか、我が同胞たちよ」



――――――翌朝


りう「あわわわ…………」ビクビク

清原「で、“あまぎ”? このドラ息子が何をしたって?」ジロッ

あまぎ「はい。それが――――――、」


――――――この子は生まれた時からずっと艦娘に囲まれて甘やかされて暮らしてきたので貞操観念が著しく欠落しているのです。


清原「つまり、あれか? 『艦娘はみんな家族だから誘われればどこへでもついていく』わけか?」

清原「それで昨夜は、お前が迂闊にも色ボケした艦娘の誘いに『うん』と答えて初夜権を巡って鎮守府で抗争が起きたというわけか……」

清原「当然、お前の部下たちは提督の貞操の危機を黙って見過ごすわけがないから騒ぎが大きくなったと……」

りう「ご、ごめんなさい……」

清原「まったく近所迷惑な! いや、それどころではない!(美男美女を巡って血みどろの争いが起きることは数多の歴史が証明している!)」

清原「(いや別に、自分と同じ顔だからって自分が美男だなんては思ってはいないが、)」

清原「(あの子の場合は顔以上に、世界中の人間からの祝福と艦娘と共に生きてきた包容力があるから妙な引力があるのだろうな……)」

清原「しかし、これはひどい……」

清原「“あまぎ”、厳しく育てたんじゃなかったのか!?」ヒソヒソ

あまぎ「残念ながら――――――、あの子が提督になるために海軍学校に通うことになったのはわかりますよね? その時に私はお暇をいただいて」ヒソヒソ

清原「まあそうだろうな(いったいどれだけの飛び級を重ねたら16歳で准将待遇なのか)」ヒソヒソ

あまぎ「“戦後”にできた艦娘学校での寮生活で“護国の英雄の子”としてVIP待遇されていたらしく、」ヒソヒソ

あまぎ「そして、“戦後”生まれの存在意義があやふやな艦娘たちが側女となって甘やかしていたようです」ヒソヒソ

清原「…………え? いろいろツッコミたいところだが、艦娘と言えどもどうして新兵にそんなことをやらせるんだ?」ヒソヒソ

あまぎ「――――――退役した艦娘を宛てがうのは非常に危険だったからです」ヒソヒソ

あまぎ「すでにその頃には退役した艦娘は人間として結婚ができ、人間としての知識や狡猾さも身につけるようになっていたので、」ヒソヒソ

あまぎ「将来 有望な海軍士官の卵たちを何も知らないことをいいことに筆下ろしをして手篭めにしたという事件もありまして…………」ヒソヒソ

あまぎ「ですから、建造されたばかりの艦娘は自分が戦うのに必要なことしか知りませんから、」ヒソヒソ

あまぎ「側女に選ばれるのはそういった訓練を最初に半年以上積んだ艦娘であり、彼女たちは一般的にエリートという認識で通っています」ヒソヒソ

あまぎ「なぜなら、その時に側女に選ばれた艦娘が士官候補生が提督になれた時の最初の秘書艦になり得るわけなんです」ヒソヒソ

あまぎ「つまり、艦娘たちからすれば自分が仕える提督を選べるわけですし、艦齢5歳を迎えればそのまま提督と結婚もできるわけですから」ヒソヒソ

清原「…………“平和で豊かな時代”が“戦間期”と皮肉られる理由がよくわかった気がする」ヒソヒソ

あまぎ「けれど 提督もご存知なように、提督と交わりを持って淫蕩三昧のピンク鎮守府など戦時中からいくつも存在しています」ヒソヒソ

清原「ああ。私もよく知ってる――――――が、あの男はちゃんと成果をあげている以上は私から何かを言うつもりはもうないが」ヒソヒソ

清原「だが、これが我が息子だというのなら死んでも死にきれん未来像だぞ!」ヒソヒソ

あまぎ「ですから、――――――父親として、――――――兼愛交利の体現者として、――――――未来の英雄として、」ヒソヒソ

あまぎ「そして、この鎮守府の司令官として厳しく躾けてください。提督が躾けたほうがあの子にとっては良い薬です」ヒソヒソ

清原「かぁ…………しかたあるまい。艦娘が“あまぎ”と同レベルの人間性を標準装備だったらどれだけ良かったことか」ヒソヒソ

あまぎ「兼く人を愛する提督にとっては受け入れ難いものがありますが、これも1つの未来の予行演習と思って頑張ってください」ヒソヒソ

清原「…………簡単に言ってくれる」ヒソヒソ


りう「ああ…………」オドオド

清原「まったく、部下たちにも困ったもんだよ」

清原「戦うことが存在意義の艦娘が男を捕まえて何やってるのさ!」

清原「で、“若様”? 側女が居ないと生活できないのであれば、せめて自分の秘書艦を連れてきて欲しいものだな」

清原「他人の戦力を巻き込まないでくれ。情で動くことばかりに慣れてしまったら艦隊行動に支障をきたす」

りう「は、はい!」オドオド

清原「相当 甘やかされて育ってきたらしいな……」

清原「確か、両親は物心つく前に生死不明となり、祖父母に預けられていたんじゃないのか?」

りう「は、はい……」

清原「それがどうしてこんな子に育ってしまうのだ? やはり歳を重ねたせいで甘くなったのか、『我』が父よ……」

清原「(いや待てよ? 父は堅物だが実は母にバレバレだったけど娼館に通ってた時期があったらしいから、)」

清原「(『私』が残した艦娘たちと同居あるいは近所に住み込んだことで骨抜きされたのか?!)」

清原「(――――――嫌な想像が尽きない! 嫌になる! 悪いことしか見えてこない!)」

清原「(これじゃ私は【未来】を守りたくなくなっちゃうよ!)」ギリッ

清原「………………ハア」

りう「ああ…………」オドオド

清原「疲れた。ただでさえこっちも忙しいんだ」

清原「1から全てを指導してやる余裕なんてない」

清原「ただ、一度 注意されたことは二度繰り返すな」

りう「は、はい!」

清原「そして、反省と再発防止の証としてこれからどうするのかを事細かくその日の内に必ず私に報告しろ」

清原「そうすることが互いを理解する上では都合が良いと思うが、どう思う?」

りう「え、えと…………」ビクビク

清原「…………怖いのか、私が?」

りう「そ、そうじゃないんです! むしろ覇気があって頼りがいがあるとかカッコイイとか思ったんですけど、」

りう「いざ言葉を口に出そうとするとなぜか重たくなって…………」

清原「?」

清原「ちゃんと答えているではないか? 何を躊躇っている?」

りう「えと、その…………」アセアセ

清原「わかった。互いに時間が惜しいからな。――――――やれ、そうしろ」

りう「はい!」ビシッ

清原「………………」


清原「ちゃんと腹の中では答えを出しているのに、どうしてあの子の口が重たくなってしまったんだ?」

清原「“あまぎ”は多くは教えてはくれないし、あの子を甘やかさない艦娘のほうが珍しいから私一人で考察しなければならないか」パラパラ・・・

清原「金剛がとった聴取記録を見返せば、あの子の生い立ちや悲壮感は伝わってくるが、父親である私に対するあの態度が何なのかがわからない」

清原「やはり、想い焦がれていた相手にいざ会ってみてどこか失望したところがあるからなのだろうか?」

清原「何にせよ、あの子に残された時間は1年もないんだ」

清原「得るものを得て帰還できなければ、『私』の両親や親戚一同が処刑され、あの子も即死――――――人類は滅亡するわけだ」

清原「だが、“あまぎ”としてもどうするつもりなんだ? 不特定多数の超大型弩級戦艦をどう攻略する気なのだ?」

清原「いや、そもそも“あまぎ”は【あちらの世界】での大戦を生き延びているからその終着点がどこにあるのかを完全に知っている」

清原「となれば、深海棲艦との新たな大戦を制する要素もある程度は目星がついているということなのだろうか?」

清原「――――――ダメだ、考えていてもしかたがない、これ以上は」

清原「料理を作っている合間に考えて思いつかないのであればそれ以上考えているのは休むのと同じだ」

清原「とにかく戦力増強と練成だ! 前回の【AL/MI作戦】の雪辱戦を果たすぞ!(秋イベントも【連合艦隊】が必要になりそうだしな)」メメタァ

清原「さて、“ビッグ3”にも頑張ってもらわないとな」

清原「さあ、【出撃】だ! 同じく【建造】したての陸奥と一緒に仲良くな!」



りう「――――――なるほど、航空主兵論はちゃんとあったのか」フムフム

りう「けど、悲しいことに【ここ】だと30年代に列強同士の戦争が無かったせいで航空機がさほど重要視されなかったわけか」

りう「やっぱり戦争は遠くから眺めて反面教師にしているのが一番ってわけだね」

x:矢矧「提督、これからどういった戦略で行くの?」

りう「えと、【軽装甲巡洋艦】じゃないほうの軽巡:矢矧さん」

x:矢矧「相変わらず珍妙な呼び方をするのね、提督は。嫌いじゃないわ」クスッ

りう「『珍妙』――――――それじゃ【この世界】で初めての艦娘さん」

x:矢矧「ははは、提督はホントに面白い」

りう「とりあえず、戦艦:大和さんの講義を受けた後は【この世界】のことについて勉強を進めていこうと思って」

りう「だから今のところは、【出撃】は1週間だけ待って欲しいんだ。それまでにこの鎮守府に慣れておくから」

x:矢矧「そう。なら、私も同じね。手伝うわ」

りう「ありがとう」キラキラ

x:矢矧「いい笑顔……」ウットリ

りう「さて、どうしようかな? この鎮守府の経営を見る限りだと簡単には戦艦と巡洋戦艦の主力艦隊を【出撃】させられないぞ?」メメタァ

りう「だから、駆逐艦や軽巡、潜水艦や軽空母の【出撃】や【遠征】が多いわけか」メメタァ

りう「どうしよう? これじゃ経験値を簡単には稼げないぞ。【八八艦隊】が置物同然じゃないか」メメタァ

りう「いや、とにかく【こっち】では発達しなかった【正規空母】を迎え入れたいな」ブツブツ・・・

りう「【正規空母】による空母機動部隊による大先制攻撃が決まれば、超大型弩級戦艦との戦いも楽になるはずだ」ブツブツ・・・

りう「【未来】とは違って【ここ】は戦況が膠着して比較的平和な状態に落ち着いているから、こうやって落ち着いて考えられる時間はある」ブツブツ・・・

りう「そうだ、資源回収技術も発達していないから、鎮守府で使う資源はこれから自分で稼いでいかないといけないな……」ブツブツ・・・

りう「そっか。まともな戦力がオレしかいなかったからこそ資源を自由に使えたってのがあったのかな?」ブツブツ・・・

りう「――――――初めて気づいた資源の大切さ」

りう「どうしよう? 資源の消費を極力抑えないとだから、駆逐艦を喚んでおくかな?」ブツブツ・・・

りう「でも、【この世界】だと駆逐艦にも主砲 載っけてるんだよな。なんで護衛駆逐艦が発達しなかったんだろう、【ここ】は?」ブツブツ・・・

りう「だから、【この世界】の深海棲艦は【駆逐艦】であろうと大艦巨砲主義かぶれで砲撃戦の火力が異常に高いんだよな……」ブツブツ・・・

りう「となると、護衛駆逐艦の中でも対潜駆逐艦ならまだしも、防空駆逐艦では艦隊全体の火力と手数が足りなくなるか?」ブツブツ・・・

りう「どうしようかな? 『郷に入れば郷に従え』ってのがあることだし、【この世界】でのやり方に従ったほうが堅実かな?」ブツブツ・・・

りう「防空巡洋艦は空母1強の【この世界】では絶対に必要だから喚ぶとして、駆逐艦や軽巡は現地調達かな?」ブツブツ・・・

りう「戦艦と巡洋戦艦は加賀型と天城型で十分だし――――――いや、【この世界】で誕生した大和型戦艦もどうにかして持ち帰ろう」ブツブツ・・・

りう「後は、【重雷装巡洋艦】と【重巡洋艦】、【航空巡洋艦】などの【この世界】特有の巡洋艦の能力評価だな」ブツブツ・・・

りう「はあ……、こんなことなら清風ぐらい連れてくればよかったな」

りう「しかたない、【建造】しよう。矢矧は【軽巡】としては燃費が悪いようだし、【駆逐艦】を狙おう。3隻あれば十分だろう」メメタァ

りう「矢矧、矢矧。【駆逐艦】が3隻欲しいなー」トントン




x:初風「初風です、よろしく。提督さんにとって私は何人目の私かしら?」

x:白露「白露型の1番艦、白露です。はい、1番艦です!」

x:漣「綾波型駆逐艦:漣です、ご主人さま。こう書いて『さざなみ』と読みます」



りう「へえ、これが【この世界】の【駆逐艦】か(全部 見慣れないからワシントン海軍軍縮条約 由来の特型駆逐艦ってやつなんだろうな)」

りう「みんな、よろしくね」キラキラ

x:艦娘たち「!!」ズキューン!

りう「?」

x:白露「ね、ねえねえ、提督? あたしは提督の一番だよね? ねぇ?」

りう「うん? ああ、確かにオレにとって初めての【駆逐艦】だよ」

x:白露「やったー!」

x:初風「へえ、もしかして新任の提督? ずいぶん若いとは思ってたけど」

りう「えと、初風か。清風と名前が似ていて紛らわしいな……(しかも、あれだよね? 初風って言ったら皇室ヨットの――――――)」

x:漣「え、ご主人さま?」

x:白露「うん?」

りう「あ」

りう「いや、顔馴染みに清風がいてね? ――――――大丈夫、オレの“初めての【駆逐艦】”はみんなだからさ!」アセアセ

x:白露「ああ……、良かった……。やっぱりあたしは提督の一番だった」ホッ

x:白露「それじゃ提督! このあたし、白露を秘書艦に任命してね!」

x:漣「ちょっと? あまり漣のご主人さまにベタベタしないでくれる?」

x:初風「そうよ! 提督にとっての初めての艦娘は私であり、最初の秘書艦は私!」

りう「え? 秘書艦は軽巡:矢矧ってのがやってるから無理しなくていいよ」

x:艦娘たち「え?」


x:白露「ど、どういうこと?! 新任の提督がどうして最初に軽巡を……?」

x:漣「漣は栄えある初期艦の1人なのに選ばれなかった……!?」メメタァ

x:初風「もしかして鎮守府の司令官じゃない提督ってことなのかしら?」

りう「うん。そもそも【ここ】だと大型艦だけじゃ立ちいかなくなるってことだから【駆逐艦】が欲しいと思ったんだけど、」

りう「…………ダメだった?」シュン

x:艦娘たち「………………」

x:初風「ま、まあ! 司令官のご厚意で初期艦を軽巡にしてもらえるなんてあり得ないわけじゃないんだし、私は気にしてないわよ!」

りう「ありがとう」

りう「それでなんだけど、とりあえず3人には明日には軽く【出撃】してもらおうかと思う」

x:漣「キタコレ! ここで漣の本気を見せるのです!」

x:初風「よし、腕がなるわ! 言っとくけど、足手まといは置いてくわよ!」

x:白露「ふふーん! 白露が『いっちばーん!』だから、当然ここはあたしが旗艦だよね?」

x:艦娘たち「……うん?」ジロッ

x:艦娘たち「………………」バチバチバチ・・・

りう「うん。頼りにしてるよ。それとできるだけ怪我しないようにね」キラキラ

x:艦娘たち「!」

x:艦娘たち「了解!」ビシッ



x:木曾「ほう、ようやく【駆逐艦】を揃えたのか。遅いぞ」


りう「木曾!」

x:木曾「とりあえず、この新兵共を寝床に案内しておくぜ」

りう「うん、頼むよ」

x:木曾「それじゃ、俺を早く戦場に出してくれよな」

x:木曾「よし、【駆逐艦】の3人。今のところ 寝床は増築中だからルームシェアだ。我慢しろよな」

x:艦娘たち「えええ!?」

x:木曾「ほら、行くぞ。嫌ならハンモック 持ってその辺の木にでも寝っ転がってろ」


スタスタスタ・・・・・・


りう「カッコイイな、木曾のやつ!(でも、今はまだ【軽巡】だから大した強さじゃないのが何とも…………)」

りう「それじゃ、明日には改めて【この時代】の深海棲艦の程度を見に【出撃】させたいから許可を申し出ないとな」

x:古鷹「提督、そろそろ大和さんの講義ですよ」

りう「ああ……、そんな時間か。清原提督に叱られて予定が変わっちゃったのは申し訳なかったな」

x:古鷹「提督、あわてないで。大丈夫です」

りう「うん」

タッタッタッタッタ・・・ゴツーン!

りう「あいたっ!?」

x:古鷹「だ、大丈夫ですか、提督!?」

x:最上「いったた…今度こそ衝突しないと思ったのに……」

x:最上「あ、提督! ごめんなさい! ボク、気をつけてたのにまた――――――」

りう「だ、大丈夫だから……」ヨロヨロ・・・

りう「いやぁ、【この時代】の艦娘は本当に前向きで元気があっていいなー」キラキラ

りう「(そう、【この時代】では誰もが真摯に命と向き合っているからこそ、こうやってそれぞれの個性が光ってるんだ)」

りう「(【未来】だと、もう恐怖一色に染め上げられてみんながみんな同じような似たような表情しかしないんだ)」

りう「(だから、『本当にみんなイキイキしてるな』ってオレは改めて認識したんだ、今日此の頃)」



りう/龍翔提督の艦娘一覧

【α世界線】の戦力(自前の戦力)
戦艦:加賀 Lv70以上
戦艦:土佐 Lv70以上
巡洋戦艦:天城 【ユウジョウカッコカリ】済みでレベルカンスト Lv120
巡洋戦艦:赤城 Lv80以上

【γ世界線】の戦力(現地調達)
軽巡:矢矧 ← 最初に清原提督に【大型艦建造】してもらった記念すべき龍翔提督の【この世界】での【初期艦】
軽巡:木曾 ←“あまぎ”が1発で引き当てる。【重雷装巡洋艦】研究用
重巡:古鷹 ←“あまぎ”が1発で引き当てる。【重巡洋艦】研究用
重巡:最上 ←“あまぎ”が1発で引き当てる。【航空巡洋艦】研究用

駆逐艦:初風 ←――レアリティ詐欺

駆逐艦:白露 ←――レアリティ詐欺  
駆逐艦:漣   ←――レアリティ詐欺

※なぜか建造リストに乗ってないような艦娘が【建造】されているのも“あまぎ”ってやつのせいなんだ。


これからの所属予定
【γ世界線】:現地調達
正規空母:翔鶴、瑞鶴 ← 帝国海軍の【正規空母】の決定版
戦艦:大和、武蔵    ←【この世界】最大の【戦艦】なので(【β世界線】にも存在するが人気が圧倒的に長門βが上)
重巡:摩耶        ←【対空】が高いから
軽巡:五十鈴       ←【対空】が高いから

【α世界線】:タイムトンネルでお取り寄せ
防空巡洋艦:多数(ただし、イージスシステムを積んでいるわけじゃないんだから【γ世界線】では言うほど防空しないし、対艦能力が不足しがち)

※防空巡洋艦は完全に資料に存在しないオリジナル艦娘を超えたオリジナルキャラになるのでなるべくなら出したくはない。




――――――数日後


ザーザー

長門β「………………」

清原「どうしたんだ、“ビッグ3”? こんなところで黄昏れてさ」

清原「今日も大活躍だったじゃないか。そんな憂い顔をしてどうしたんだ?」

長門β「……提督か」

長門β「いや、思ったよりもままならないものだな」

清原「?」

長門β「…………前にも言ったはずだが、私はあの帝国主義の時代、列強との国力差を埋めるために何だってした」

長門β「だから、囮や輸送が主な任務だった」

清原「ああ。伊勢型航空戦艦 以上に輸送戦艦らしいことをしているようだな」

長門β「だから、実戦はそこまでしたことがないのだ」

長門β「私の代わりに【巡洋艦】や【潜水艦】が大東亜共栄圏 樹立の人柱となっていったのだ」

清原「そうかな? 【こっち】の長門もずっと温存されてようやく出撃できても大した戦果を挙げられず、その後は置物だったぞ?」アセタラー

長門β「そして、世界に冠たる大日本帝国は武力によらずに世界の第3主義:共栄圏主義によって各国を心服させ、」

長門β「――――――それこそ古書に見える王道の在り方をそのまま体現したような王道楽土が実現されたのだ」

長門β「平たく言えば、『ペンは剣よりも強し』を世界最強で行った結果が大東亜共栄圏なのだ」

長門β「だから、私が“象徴”であるだけで事足りたというわけなのだ」

清原「…………つまり?(とんでもないぞ、それぇ! ルーズベルトがまじめに日本を占領しようと画策していた時代に!?)」


長門β「私は見てくれは立派だが、【この世界】の陸奥に完全に劣っているのだああああ!」メメタァ


清原「ああ……、それは確かに居づらいな(どういうことだ? 確か初期値は【運】がずば抜けて高い他は同じだったはずだが)」メメタァ

長門β「見ろ、立派な装飾が施されたこの軍刀を!」

長門β「しっかりと結んであって抜けないようになっているのだ!」

清原「そうだな……」

長門β「そして 私は、その解き方も結び方もわからないし、軍刀術の心得もないから見掛け倒しだ!」キリッ

清原「そ、それでも、伊勢型より実戦ではずっと強いじゃないか! 気にするなよ、そんなこと!」アセアセ

清原「(な、なるほど、――――――『見掛け倒し』か。彼女の生涯を考えれば確かにその“象徴”かもしれないが、それは違うんじゃないのか?)」


長門β「一応は近代化改修を受けて速力はあのビスマルクを超えてはいるのだ。ビスマルクが30.8ノットで私が32ノットだからな」

清原「え、何その魔改造っぷりは……?!(うっは! 金剛型戦艦よりも速いじゃないか、それ! 強すぎっ!? こんなのを囮に使うのか!?)」

長門β「しかし、代わりに完全に囮役や輸送艦扱いのために主砲も減らされて大量に対空砲を増やしたせいで、対艦能力はガタ落ちだ!」

長門β「完全に水雷戦隊や空母機動部隊、潜水艦隊の引き立て役としての通信機能の強化ばかりがなされて、」

長門β「国内外から大いに批判酷評だ! 『長門は日本の恥』! ――――――それでも勝ったからには今では掌返しで褒め倒されているがな」

清原「そっか。それでも【八八艦隊】の唯一の生き残りとしてあらゆる苦難や屈辱にも耐えてきたのだな」

長門β「まあな。それに『唯一』とは言っても天城と赤城もちゃんといたからな。加賀と土佐の姉妹は標的艦として沈んでいったが……」

長門β「あの二人も私ほどではないが、実戦力 兼 囮役として皇国の勝利に貢献してくれた」

清原「まあ そうなるだろうな(元々 関東大震災で「天城」が斃れなければ、彼女が一航戦として妹の赤城と並び立っていたはずなのだから)」

長門β「…………提督よ、私は【この世界】なら私は大いに艦隊決戦で活躍できるものだと期待していた」

長門β「事実、私は提督の見事な指揮によってMVPもいくつもとり、効率的なレベル上げでもうそろそろ【改造】できるくらいだ」メメタァ

長門β「だが、しかし!」カッ

長門β「【この世界】の『私』と陸奥は【運】以外は完全に同じステータスだったのだろう?」メメタァ

清原「そうだ」

長門β「…………提督は現在の私のステータスと陸奥のステータスを見比べてくれたか?」メメタァ

清原「いや、まだだが……」

長門β「なら、度々見比べていって欲しい!」クワッ


長門β「妹の陸奥に徐々に徐々に同じ艦型なのにステータス差を付けられていくさまを!」メメタァ


清原「いやいやいや! 【運】の初期値は“異能生存体”と同値で特殊攻撃やクリティカルを連発するからそこまで気にならなかったぞ!」メメタァ

長門β「…………気休めは結構だ、提督よ」

清原「…………!」


長門β「ふははは! 生まれてからも死んでからもただ“象徴”として在り続けるこの私にふさわしい役割が見つからないな……」グスン


長門β「私は【戦艦】だ! “ビッグ3”どころじゃない世界最強の【戦艦】だったのだ! 私は決して輸送艦や囮などでは…………」ポタポタ・・・

長門β「【この世界】でかつては果たせなかったその挟持を取り戻せると思ったのに、――――――それなのに何たる体たらく!」ポタポタ・・・

清原「…………泣くな(何か似ているな――――――、)」スッ ――――――ハンカチ

長門β「うぅ…………」


――――――“あの子”と。



――――――【秘密工廠】


あまぎ「提督ですか」

清原「やあ、“あまぎ”。訊きたいことがあるんだけど」

あまぎ「何でしょう? 龍翔提督の艦隊の戦力も運営も順調ですよ」

清原「扶桑改二の情報を見たか? 【航空戦艦】になった際に【火力】がガタ落ちしたのに今度は【火力】が長門型と同値だぞ」メメタァ

あまぎ「それで?」

清原「いやさ? 単純に『【異界艦の改造】ってどういう結果になるんだろう』って」

清原「未成艦であろうとも設計図や計画の概要は残っているわけだから ある程度の外見や性能は想像はつくが、」

清原「実際に戦ってないんだから、【史実】の武勲を反映した細かい強化はできないはずだろう?」メメタァ

あまぎ「…………そこはまだわかりません」

あまぎ「そもそも、妖精の手によってこの世に生を受けると思われがちな艦娘ですが、それなら深海棲艦の正体についてはご存知ですか?」

清原「旧大戦を代表とする近代戦争で沈んだ艦船あるいは乗員たちの怨念が物質化したものだと囁かれているが……」

あまぎ「なら、艦娘はどういう存在なのですか?」

清原「…………そこはわからないな」

清原「ただ、深海棲艦が蠢く海域でまるで【建造】したてのLv1の艦娘が不意に現れる――――――【ドロップ】することを考えると、」メメタァ

清原「やはり、艦娘も深海棲艦も本質的に同一のものを起源として自然発生する存在なのではないかと私はそう感じている」

あまぎ「なら、【この世界】に存在しない艦娘に対しては妖精は手の施しようがないことは理解できますよね?」

清原「待て、それはどういうことだ? 【異界艦】の【建造】に成功しているのに、まるで【改造】に関しては無理なように聞こえたが」

あまぎ「私は一人の技術者として、人間として、艦娘としてそう考えています」

清原「説明してくれ」

あまぎ「おそらく、妖精たちは世界中の海の底に眠れる思念の中から深海棲艦にならないように艦娘になるための成分だけを抽出して、」

あまぎ「それを【建造】と称しているのではないでしょうか?」

あまぎ「【建造】に使う資源はあくまでもその思念の呼びこむための依代でしかなく、だから【建造】結果が不安定なのでしょう」メメタア

清原「…………なるほど、オカルトチックな話だが、妙に納得させられるものがあるな」

清原「霊的存在が妖精科学の秘術で物質に憑依して一時的な肉体を得たものだと考えるなら、」

清原「力尽きて【轟沈】した艦娘が跡形も無く海中に消えることにも納得がいくな」

清原「(それに、“あまぎ”の第一印象は古代日本のシャーマンって感じだし、実際に過去未来現在を見通せるエスパーだもんな)」

清原「ただ――――――はたして、現実的判断を求められる軍人が肯定していいものかどうかは悩むところだが」


あまぎ「これは、【ここ】に連れてきた【建造妖精】たちの調子がおかしいことからそう仮説を立ててみました」

あまぎ「私はちゃんと【α世界線】の妖精たちから【改造】を受けているのに、【α世界線】からこの【γ世界線】に連れてきた途端に、」

あまぎ「私に施された【改造】内容を理解できずに、明らかに妖精たちが不安がって【改造】結果が一定しない様子だったので気づきました」

清原「なるほどな」

あまぎ「ですから、妖精はあくまでも【この世界】に漂う艦娘の元となる気だとか霊魂だけを呼び寄せて物質に定着させる技術があるだけで、」

あまぎ「【異界】から来た艦娘に対してはその元となるものが【この世界】に当然ながら元々存在しないために、」

あまぎ「世界の壁を超えて【異界艦】を【建造】できても現状の妖精科学ではそれが限界なのだと思います」

あまぎ「ただでさえ、【異界】から来た存在とそれに触れた存在の互いの認識の融和・共有には一苦労でしたよね?」

清原「ああ。言葉だけじゃ絶対に納得できなかった。言葉以上の何かでわからせないと」

あまぎ「そう考えると、【建造】結果も安定しないぐらいの技術力や認識力の妖精に【異界艦】本来の【改造】なんてはできないと思います」

あまぎ「彼らはあくまでもゼロから艦娘を造り上げている神なる存在などではなく、艦娘となる何かを物質に呼び込ませているだけですから」

清原「なるほどな。――――――さっきからそれしか言えないな」

あまぎ「この仮説が正しければ、【異界艦の改造】結果はこちらで内容の指定をしなければ妖精たちは何もできないでしょう」

清原「………………」

あまぎ「しかし、逆転の発想をすると――――――、」


――――――こちらの指示次第でいかようにも無茶な【改造】ができるようになるとは思いませんか?


清原「なに?」

あまぎ「まだ仮説の段階ですが、やってみる価値はあるんじゃないでしょうか?」

あまぎ「幸い、提督のところに【改造】間近の【異界艦】が一人居ることですしね」

清原「…………“ビッグ3”だな」

あまぎ「彼女は護衛戦艦や輸送戦艦という補助艦の扱いに嫌気がさしているのに、彼女自身の記憶からその域を抜け出せていないようですね」

あまぎ「どうします、提督? 彼女の機動力と対空・索敵性能は【α世界線】【γ世界線】――――――どの世界の【戦艦】よりも遥かに優れていますよ」

あまぎ「このまま育てていけば、彼女は空母1強の【γ世界線】――――――つまりは【この世界】では抜群の支援戦力を発揮してくれることでしょう」

あまぎ「逆に、【α世界線:私たちの世界】では【戦艦】としては火力不足で二軍落ちです」

あまぎ「その長所を伸ばすか、彼女が切望する対艦能力を伸ばしてあげるか――――――」

あまぎ「それは彼女の提督である兼愛交利の清原提督の判断におまかせしましょう」

清原「…………!」



――――――後日


りう「艦隊も大分充実してきたね」

x:木曾「ああ」

りう「とは言っても、木曾が本領発揮するのはまだ遠い道程だから、これからも優先的に育てていくぞ」

x:木曾「まかせておけ。【重雷装巡洋艦】改二になった暁にはお前に最高の勝利を与えてやる」

x:五十鈴「それまではこの防空巡洋艦:五十鈴の雷撃が勝利に導くわ!」

x:摩耶「おいおい、あたしを仲間外れにしないでくれる?」

りう「うんうん。みんな、やる気に燃えてるな」

x:赤城α「小さいながらも、実に頼もしい艦娘が集まりましたね、提督」フフッ

りう「とはいっても、あまり艦隊を充実させすぎると【ここ】の大本営に目をつけられてしまうから……」

りう「それに、【この世界】で求められているのが【対空】であって、オレたちが欲しがっている【破滅の未来】への解決手段とは程遠い…………」

りう「大艦巨砲主義の歯止めが効かず パンデミックによって収まった帝国主義の遺産――――――」

りう「戦艦1強の【オレたちの世界】で限りなく進化した深海棲艦を倒すにはどうすればいいのだろう?」

りう「超大型弩級戦艦は倒せることには倒せるが、1体にいつまでも手間取っている間に皇国は荒廃する…………」

りう「ホントにどうすればいいんだろう? ――――――大艦巨砲主義や軍備拡張競争の業があの超大型弩級戦艦だと言うのなら」

x:赤城α「………………」

りう「あれ?」


長門β「………………」


りう「確か、カッコイイ方の長門だ!」キラキラ

長門β「ん? 確か“若様”だったか? こうして面と向かって話すのは初めてだったな」

長門β「それで、えと……、提督の…ご子息?(――――――む? 何だ、この少年は? 何かを感じた?)」

x:赤城α「違います(そうなんだけど違うんです)」

x:木曾「ま、最初は誰でもそう思うだろうな」

x:摩耶「こいつは“ここの司令官の影武者”なんだってよ」

x:五十鈴「確かに鎮守府司令官をそのまま幼くしたような外見だからそう思うのも自然よね」

りう「オレは別に“あまぎ”の助手だから、ただの軍属や傭人であって“りう”って呼んで欲しいんだけどな…………」

長門β「………………似た何かを感じた?」ボソッ


りう「それで、長門は何やってるの?」

長門β「私か? 私は自主的に走り込み がてら歩哨をやっているだけだ」

長門β「何をするのにも肉体が頑健でなければ務まらないからな」

りう「へえ、さすがはカッコイイ方の長門だなー」

長門β「な、何だその、『カッコイイ方』とは……?」

長門β「まるで私の他の『長門』がなさけないみたいじゃないか(まさか! 『長門』はどこの世界でも損な役割なのか!? そんなー!)」

りう「う~ん、『なさけない』ってわけじゃないんだけどさ?」

りう「今 目の前にいるの長門は木曾や摩耶のようにすんなり頼れるっていうか……ホントにカッコイイんだ!」キラキラ

りう「(だって、【こっちの世界】の長門はやたら第一号艦であることを強調してボコれられる…………何だろう? ――――――ツンデレ王子?)」

長門β「そ、そうか……(い、言えない。私が【この世界】の同型艦にすら劣る見掛け倒しの雑用戦艦だっただなんて言えないな……)」

りう「そうだ! 長門も一緒にオレたちの艦隊本部の整理整頓を手伝ってくれない?」

x:五十鈴「え!? あの“ビッグ7”にそんなことをやらせる気なの?! しかも鎮守府司令官の艦娘でしょう!」

りう「え? だって、一人で暇してるんでしょう? だったら、みんなで1つのことをやらせたほうが仲良くなれて一石二鳥じゃない」

りう「それに、終わったらちゃんと労ってあげるから」

x:五十鈴「…………ちょっと、表現が直接的過ぎるんじゃないの?」

長門β「――――――別にいいぞ、私は」

x:五十鈴「え、…………長門?」

長門β「………………」

x:赤城α「…………長門さん(やっぱり自分だけが“象徴”として扱われてきたことに負い目を感じて――――――)」

長門β「(そう、別に他にやることがあるわけじゃない。ただ誘われただけなんだ、――――――“あの子”に)」



x:五十鈴「提督自らこんなことをする必要なんてないじゃない」パタパタ・・・

りう「五十鈴、オレは正式には“提督”じゃないんだぞ? 大本営の極秘任務で“未来の英雄”になる鎮守府司令官の影武者をやってるんだから、」ゴシゴシ・・・

りう「あまり『提督』って呼ばないで欲しいな」

りう「それに、オレは技術士官:あまぎ の助手なんだから傭人として鎮守府のお手伝いをするつもりだったから、こんなのどうってことない」

りう「そして 傭人ってやつは、艦船時代の軍艦の中じゃ運用科に属する立派な構成員なんだから」

りう「五十鈴! はたきはそうやって使うもんじゃないよ! 自分に埃がついてる!」

x:摩耶「ええい! あたしの戦場はここじゃないんだぞ、クソが!」タッタッタッタッタ・・・

x:木曾「軍刀の代わりに箒を握る時間のほうが多くなりそうだな、これは」サッサッサッサ・・・

りう「さて――――――、お」


長門β「………………」テキパキ


x:最上「おお! あの長門さん、物凄く手際よく掃除してるよ、提督!」

りう「ホントだ! 掃除している姿でさえもカッコイイ! あの長門!」キラキラ

長門β「…………お」ピクッ

長門β「………………フフッ」テキパキ

x:古鷹「お疲れ様です、長門さん。お茶の1杯いかがですか?」

長門β「お、助かる」ゴクゴク

長門β「ありがとう、古鷹」コトッ

x:矢矧「提督、増築中の兵舎は来月の始めには完成するそうよ」

りう「あいわかった!」

x:漣「ご主人さま! 漣がお掃除は一番でしたよ!」キラキラ

x:白露「あたしが一番じゃない……?」アゼーン

x:初風「ど、どうしてあんなに早いのにちゃんと綺麗になってるわけ!?」

x:初風「こ、こんなこと! 実戦じゃ何の役にも立たないわよ!」ギリッ


――――――家事ができない人間なんて犬畜生にも劣る!


x:初風「?!」ビクッ

りう「――――――ってお祖母ちゃんが言ってた」

x:初風「い、いや、その……、――――――って、私は艦娘なんだからどうだっていいじゃない!」

りう「何ふざけたこと言ってるんだろう、この生き物は?」ジトー

x:初風「え」


――――――人間じゃないのなら、動物以下なんだから服なんて着るなよ。


x:初風「!?」ゾクッ

りう「――――――って、お祖父ちゃんがよく言ってた」

x:初風「…………ホッ」アセタラー

x:初風「わ、わかったわよ! 誠心誠意を込めてやってあげるわ!」フン!

りう「うん。そうして」ニッコリ

長門β「…………“りう”」



りう「…………綺麗になったね」フゥ

x:初風「そ、そうね!」プイッ

りう「それじゃ、明日の【出撃】や【遠征】について夕飯を食べながら考えようか」

x:五十鈴「提督、マッサージが抜けてる」

りう「あ、そっか。長門に『やる】って言ってたんだからやってあげないとな」

長門β「いや、私は別に……、暇だったから手伝っただけだ」


長門β「これからも何かあれば声をかけてくれ。こういうことしか能がないからな、私は」


りう「え」

x:艦娘たち「え!?」

長門β「え?」

x:摩耶「それ、本気で言ってるのか、“ビッグ7”?」

長門β「いや、私は“ビッグ――――――」

x:木曾「そうだぜ。あそこまで見事な手際で掃除を進めていたのに『それしか能がない』とはどういうことなんだ、それこそ?」

長門β「…………私は大和型戦艦のような強さもないし、空母や潜水艦のように活躍の場に恵まれたわけでもないのだぞ」

長門β「――――――ただの“象徴”だ」

りう「…………『ただの“象徴”』(そうだったんだ。何か似ていると思っていたらオレも“象徴”だったから――――――)」

長門β「だから――――――」

x:最上「そんなの関係あるかな? 大和型にだって、空母や潜水艦にだって欠点はあるし、要は、馬鹿と【航空巡洋艦】は使いようじゃん?」

x:漣「そうですよ、長門さん! 駆逐艦の漣はお掃除できるとかそういうところで使ってもらえるよう頑張っていたのに完敗ですよ」

x:漣「むしろ、戦艦でありながら率先してお掃除もやっちゃうそんな長門さんのそこにシビれる! あこがれるゥ!」

長門β「そ、そうか……?」テレ

x:初風「そうなの! 私や妙高姉さんがどれだけ近代化改修したって戦艦にはなれっこないのに、なんて贅沢な悩み!」

x:白露「この鎮守府で一番の掃除上手だなんて、うらやまし~!」

長門β「…………そうか」フフッ


りう「それじゃ、どこでやる?」ニッコリ

長門β「え? “若様”が私にしてくれると言うのか?」

りう「あ、疑ってる? オレ、こう見えても幼い頃から機械いじりをやらされて機械整備士でもあるんだよ」

りう「それに、艦娘とは生まれた時からの付き合いで、――――――特に【八八艦隊】のみんなのことなら結構わかってるつもり」

長門β「そうか。それは赤城たちが羨ましいな……」フフッ

りう「ほらほら、来て! マッサージだってお手の物なんだから! 肩叩きでもいいよ」キラキラ

長門β「あ、ああ……(――――――なんて眩しい眼差しなんだ)」

長門β「ハッ」


――――――ならお前はどうして【建造】された?


長門β「(私が耐え難きを耐え 忍び難きを忍んで守ろうとしていたのは“これ”だったのではないのか?)」

長門β「(『皇国の栄光と勝利』とは言うが、その具体的な中身とは――――――身近なもので表すとしたら“これ”なのではないのか?)」

長門β「(私は“これ”からずっと目を逸らし続けて来たのではないのだろうか?)」

長門β「(私は確かに“ビッグ3”だ。国の象徴であり 国の誇りだ。世界最強の【戦艦】だ。皇国の栄光と勝利を義務付けられた存在――――――)」

長門β「(だが、そもそもなぜ栄光と勝利を皇国にもたらさなければならなかったのか――――――)」

長門β「(結局は、“平和で豊かな時代”のためではなかったのだろうか?)」

長門β「(“こうやって戦争のことを忘れられる憩いの時間”が末永く続くように私は存在していたのではないのだろうか?)」

長門β「(どうなんだ? ――――――私は必要とされているのか? ――――――存在していていいのか?)」

長門β「…………少しは【この世界】での生き甲斐というものを見つけられたかもしれないな」フフッ



清原「…………成長パターンを見る限りだと、あの長門は間違いなく【索敵】【対空】【回避】【運】が凄まじいことになるな」メメタァ

清原「ただ、確かにこの時点で本来 同型艦の陸奥との間に【火力】に差が開きつつあるな(【近代化改修】を偏らせたつもりはないんだが……)」メメタア

清原「だが、腐っても【戦艦】という艦種補正で旧式艦の扶桑型と伊勢型の【航空戦艦】でも最終的な【火力】は80近く――――――」メメタァ

清原「つまりは【重巡】以上の【火力】は保証されているわけだ。そして、長門型なら砲門を減らされても最終的に10も減らないだろう」メメタァ

清原「そして、その航空戦艦:扶桑改二は【火力】が99――――――つまり“ビッグ7”の限界値と並んでいる」メメタァ

清原「だったら、そこまで悲観することはないとは思うんだけどな…………お前は【艦娘】なのだから」

清原「ただ、魔改造のツケで扶桑改二の燃費はあの大和型戦艦の半分に達しているから低燃費戦艦という地位から落とされている」メメタァ

清原「“ビッグ3”の言を受け取ると、この扶桑改二以上の性能と引き換えに燃費が大和型戦艦の半分以上になる可能性が…………」

清原「どちらにしろ、“ビッグ3”の心配は自分が艦娘である自覚がほとんどないことによる杞憂だと思うんだけどな……」

清原「そもそも、【向こうの世界】に【艦隊これくしょん】は存在するのだろうか?」メメタァ

清原「明らかに艦船時代そのままの記憶が直接的に現れすぎている気がするな…………」

清原「大丈夫だ、人の似姿である【艦娘】だからこそ【史実のそれ】を超えることだってできるのだからな」

清原「――――――いや、彼女の場合は“生きたまま”召喚されていることになるのか?」

清原「だって、【あっち】だと三笠公園の代わりに長門公園になって永遠の時を刻んでいるのだろう?」

清原「となると――――――そんなことはどうだっていいか」

清原「【火力】は陸奥に劣る程度ってだけで、雪風並みの【運】に、軽巡並みの【回避】、利根型並みの【索敵】とかアホじゃないの!?」メメタア


トントントン・・・ガチャ


鳳翔「あなた」

清原「ああ、鳳翔」

鳳翔「どんな感じとなりますか?」

清原「…………2つの【異なる世界】からのご客人のことで頭がこんがらがりそうだ」

清原「ただ、“ビッグ3”に関しては――――――、【あちら】は一足早くに王道楽土を築き上げているらしいし、」

清原「“深海棲艦が存在しない世界”から来た可能性があるから、おそらくは徐々に艦娘としての自分を定着させていけば大丈夫だと思う」

鳳翔「そうですか」ホッ

鳳翔「でも、『深海棲艦が存在しない世界』――――――いったいどんな世界になるのでしょうね」

清原「…………考えてもしかたがない」

清原「【あの世界】は覇道ではなく王道を極めた皇国が大東亜共栄圏の盟主としてアメリカ・ロシア・ドイツと並び立っているらしいからな」

清原「おそらくは深海棲艦が存在できないぐらいに怨念も業も小さな世界なんじゃないかと思う。――――――軍人の私が言うのも変だが)」

清原「だが、【この世界】にしても深海棲艦の登場で軍事力がさっきの4地域に集約されるようになったんだ」

鳳翔「そうなのですか?」

清原「ああ。海の向こうについての情報なんて閉塞感に満ちた今の皇国だとほとんどないように感じられるけれども、」

清原「通信技術だって発達してきているし、近年の深海棲艦への反撃で海上封鎖の打破に成功して正式な海外交流も再開されつつある」

清原「その中で得られた情報によれば――――――、だ」

清原「世界は国際協調――――――グローバリズムの流れに入っていっている」

清原「世界がやがて1つになっていく流れはどこの世界も変わらないものらしい」



清原「――――――問題はやはり“あの子”だ」


清原「さすがは提督歴があるだけに、新任提督の数十倍の成長速度で【この世界の艦これ】の特性を掴んだようだが、」メメタァ

清原「逆に、それだけ『【この世界】で得られるものはほとんどない』と結論づけてもいるようだ」

清原「『安全な時間と場所で確実に戦力の増強と練成ができるだけマシ』といったところだな」

鳳翔「…………何とかならないのですか?」

清原「難しいな」

清原「提督としても一人の人間としてもまだまだ未熟だが、あの子は【未来】で成熟した教育や恵まれた環境で英才教育を受けてきているから、」

清原「艦娘の扱いについては私などより遥かに優れている。気性の荒い問題児や緊張感に欠ける娘であろうとも抜群の包容力で見事1つにまとめている」

清原「そして、あの歳で提督をやれるだけあって同年代の子より遥かに頭がいいし、肝も据わっている」

清原「――――――見事なものだよ。死地に赴くことも辞さないのだから覚悟が違う」

鳳翔「はい。大変立派な我が子です」ニコッ

清原「………………」ムッ

鳳翔「あ……、失礼しました」

清原「ハッ」

清原「いや、こちらこそすまない。やはりこの服を着ていると反射的に拒絶してしまうな……」ハア

鳳翔「少しずつ慣れていきましょう、一緒に。ね?」ニコッ

清原「あ、ああ…………(――――――『一緒に』か)」

清原「あ」

――――――――――――

―――――――――

――――――

―――


鳳翔「ねえ、あなた? こうやって悩んでいられる時間はあとどれだけ残っているの?」

清原「うん? 早くて2日目には調査部隊が来るだろうな。明日――――――今日は調査部隊を迎え入れる準備がある」

鳳翔「なら、まだ時間はありますね」

清原「え」

鳳翔「――――――あなた」

清原「あ」


チュッ


清原「………………」ポー

鳳翔「………………」ポー

鳳翔「今夜のあなたは提督じゃないただの男の人――――――」

鳳翔「そして、ここにいるのは艦娘としての使命を忘れたただの女です」

鳳翔「一緒に考えましょう、ここで これからのことを」

清原「あ、ああ……」ポー

鳳翔「さあ」ドン

清原「うわっ」ドタッ


――――――愛してます、あなた。


―――

――――――

―――――――――

――――――――――――



清原「………………!」ドクンドクン

鳳翔「――――――あなた? どうしました?」

清原「ハッ」

清原「うぉわあああああ!?」ビクッ

鳳翔「あ、ごめんなさい!」ガタッ

清原「い、いや、私の方こそ――――――あ」ジー

鳳翔「?」

清原「(なぜか私は愛しい人の唇に視線が吸い寄せられるのであった)」

清原「(そうだ、愛しい人に初めて唇を奪われた瞬間に伝わった熱と高鳴る鼓動がたまらなく心地よくて――――――)」

清原「(そして、初めて愛しい人と夜を共にしたあの時の温もりの柔らかさが無性に恋しくなっていたことを認識するようになっていた)」

清原「(しかしながら、そこは公人としての自覚と誇りと理性を司る制服が抑えつけ、徐々に元の平静を取り戻すことに成功した)」

清原「………………フゥ」

鳳翔「あなた?」

清原「何でもない(――――――そう、何でもない。それが帝国軍人としてのあるべき態度なのだから)」フフッ

清原「さて、小腹も空いてきたことだし――――――(けれども――――――)」

清原「あ」


x:天城’『できるかぎり裸の付き合いでもいいですから“家族の時間”を設けて少しずつ打ち解けていってくださると互いに助かります』


清原「そうだった……」

清原「(そういえば、俺は『天城』からのお願い まだやってなかったな…………)」


――――――父と子の時間 その初め


清原「…………えと、息子よ?」(私服)

りう「あ、はい……」ニコー(私服)

――――――
鳳翔「頑張ってください、あなた……!」グッ

金剛「提督ぅー、もっとにこやかにCommunicationデース!」ニコニコ

長門β「なるほど、あの二人はやはりそういう関係か。ようやく把握できた(すでに“あまぎ”から教えられていたことだが、実に微笑ましいものだな)」フフッ

あまぎ「ふふふふ……(わかってはいたけれども、これは“2番艦”冥利に尽きるわねぇ……)」クスクス
――――――

清原「………………」

りう「………………」

清原「(な、何を言えばいいんだ?! この年頃の子とはどう接すれば――――――!?)」アセアセ

清原「(いや、そもそも! “この子”は私に父親であることを求めているはずだ!)」

清原「(――――――『父親らしいこと』とは何だ? 思いだせ、私が私の父を見てそう思えるものをやればいいはずだ! いいはずなんだ!)」アセアセ

りう「(やっぱり、こうして見るとお祖父ちゃんにところどころ似てるんだな、お父さんって)」ドキドキ

りう「(いや、オレは“父さんの分身”らしいからまったく同じ顔のはずなんだけれど『なぜか改めてそう思った』っていうか……)」

りう「(そう思うと、オレとは違って本当に父さんは“護国の英雄”なんだな……)」フフッ

清原「………………」

りう「………………」

清原「お、お前の……、」

りう「!」

清原「お前の祖父母は健在か?」

りう「あ、はい。お祖母ちゃんもお祖父ちゃんも元気ですよ」キラキラ

清原「そ、そうか」ホッ


――――――
金剛「おお! 始まりましたヨー!」ワクワク

鳳翔「よかった……」ホッ

長門β「………………」ジー

あまぎ「………………」ゴクリ
――――――

清原「そういえば、書類上では傭人としてこの鎮守府にいるのだが、具体的に何ができるんだ?」

清原「(我ながらうまい質問をした気がする! ひとまずは艦娘と同じように個性を把握しておかないとな)」

清原「(そういえば、【派遣】されていたZ:長門に持たせた朗利提督への嘆願書は聞き届けられたのだろうか?)」ウーム

清原「(こういうことに関しては朗利提督は詳しそうだからぜひともノウハウを伝授して貰いたいのだが…………)」

りう「はい、提督!」

清原「あ、ちょっと待て」

りう「?」

清原「えっと、だな? 私が制服を脱いだ状態でかつ盗聴の危険性がない状況なら、」


――――――“父”と呼んでもいいのだぞ?


りう「!」パァ

清原「………………」カア

りう「はい、“父さん”……」キラキラ

清原「ああ…………」


――――――その時、自分と同じ顔をした、私と妻(仮)の子だと自称する少年との距離が少しばかり縮まるのを妙な照れ臭さと共に強く感じるのであった。



――――――
鳳翔「よく頑張りました、あなた」ニコニコ

金剛「イエーイ! 提督と“りう”のHappy Family Lifeはこうやって始まっていくというわけデース!」ニコニコ

長門β「――――――単純でいいじゃないか。そう、単純で」

あまぎ「………………」ポタポタ・・・

長門β「…………「天城」」

あまぎ「………………『提督』、『鳳翔』」ポタポタ・・・

金剛「あ」
――――――

清原「…………なんだと?」ジロッ

りう「え」

清原「お前が傭人として様々な技能を擁していることはよくわかった。立派だよ。私よりも凄いよ」

りう「へへ」

清原「しかし、なぜ挙げなかったのだ?」


――――――“料理”という技能を。


りう「――――――『それはオレには必要ない』ってみんなに言われたからですけど?」

清原「………………」

りう「え、えと、あれ……?」ハラハラ


清原「作ってみろ」


りう「え」

清原「今すぐ、どの程度 料理が作れるかを見せてみろ」ゴゴゴゴゴ

りう「おお!?」ビクッ

清原「行くぞ」スッ

りう「え!? どこへ!?」

清原「決まっている。――――――『厨房へ』だ」

りう「オレ、本当に料理なんてしたことないですから!」アセアセ


清原「――――――『やれ』と言っている」ギロッ


りう「…………!」アセタラー

りう「あ、それならちょっと待ってください!」アセアセ

清原「ん?」

りう「ちょっと“あまぎ”――――――トイレに行ってから厨房に参りますから……」アハハ・・・

清原「……わかった(また『あまぎ』か。独り立ちはまだまだ遠くなりそうだな、“あまぎ”)」

清原「それと、厨房という公共の場に出かける以上は公人として振る舞う必要があるから、私も着替えてくる」

清原「そして、いちいち親子関係への切り替えに説明を要するのは非効率だから、合言葉を使って気分の切り替えを瞬時に行おう」

りう「あ、はい!」ビシッ


――――――
金剛「WOW! こうやって家族のPrecious Memoryが生まれていくのですネー!」ワクワク

鳳翔「救急箱をお持ちしないと」ニコニコ

長門β「提督にもわかりやすい欠点があるわけなんだな……」フフッ

金剛「さあさ! Paparazziはここで退散ネー!」

鳳翔「では、“あの子”は“あまぎ”さんに御用があるようなので、私たちはお先に厨房で待機してますね」

金剛「イイAdviceとYELLをGIVE HIM !」

あまぎ「はい」ニッコリ


タッタッタッタッタ・・・


長門β「意外だな。料理もできるものだと思っていたのだが」

あまぎ「私の詰めが甘かったのです。料理ばかりは一流洋食屋の祖父が教えてくれるものだと思っていたのですが、」

あまぎ「『提督』が残していった艦娘たちが厳格な祖父を籠絡して料理当番ばかりは譲らず、ズルズルと料理を練習する機会が奪われていったのです」

あまぎ「そして、海軍学校に入ってからは『あまりにも“りう”が他人よりも働き過ぎて食事を作る暇もない』と周囲に思われたせいか、」

あまぎ「『料理だけでも作ってあげて支えてやろう』というありがた迷惑なことになっていたようです」

あまぎ「そもそも、秘書艦候補生が側女としてついていましたから、尚更 自分から料理をする機会が奪われていったのです」

長門β「なるほどな。一所懸命に働いて時間を忘れている彼の者に周囲の人間がしてやれることはそういった差し入れぐらいというわけか」

あまぎ「ええ。傍迷惑な話ですよ」


あまぎ「私が“あの子”の許に帰ってきた時に手料理を振る舞われることがどれだけ楽しみだったことか!」ググッ


長門β「…………お互いに子煩悩なようだな、「天城」?」フフッ

あまぎ「今の私は艦娘:天城ではありませんし、【この世界】における「天城」と言ったら一般的には雲龍型航空母艦の2番艦なので」

あまぎ「――――――『人間:あまぎ』ですから、どうかそのように認識してください」

長門β「…………戦わないのか?」

あまぎ「今はまだ私が動くべき時ではありません」

あまぎ「陰 極まって陽となってからが艦娘:天城としての私が動くべき時なのです」

あまぎ「たとえ“あの子”の艦隊が全滅したとしても、“あの子”の最終的な生存と勝利と栄光のために私は生き続けましょう」

あまぎ「それが『提督』からの最期の指令ですから」

長門β「…………強いのだな」

あまぎ「あなたも同じでしょう?」

長門β「……そうだな。――――――“似た者同士”というわけか」



りう「あ、“あまぎ”ぃいいい!」タッタッタッタッタ・・・


あまぎ「どうしました、“りう”?」

りう「た、助けてくれ! 父さ――――――清原提督がオレに突然『料理を作れ』と言ってきたんだよー!」アセアセ

長門β「そうか、それは大変だな(父親が父親なら、息子も息子か。ここまで外と内とで差があるのは眺めていて楽しいな)」フフッ

あまぎ「落ち着きなさい、“りう”」

あまぎ「まず、相手がどの程度の料理を期待しているのかを冷静に分析しなさい」

りう「え、えと……」ウーン

あまぎ「よく考えなさい。1分間 考えて思いつかないのならそれでいい。虚勢を張って顰蹙を買うよりは正直なほうがずっと好ましいわ」

りう「そうだね、“あまぎ”!」

りう「う~んと、えと……」ウーム

あまぎ「そう、それでいい」フフッ

長門β「………………」

長門β「――――――“あまぎ”よ」

あまぎ「何かしら、“ビッグ3”?」

長門β「お前が完璧すぎるのは良くないと思うんだが、どうだろう?」

あまぎ「?」

長門β「『“あまぎ”に頼れば何とかなる』という期待感と全能感は大したものだが、逆を言えばそれに身を預けっぱなしで非常に危うい気がする」

あまぎ「…………!」

長門β「私としては、『“あまぎ”が“あの子”の足りないところを直させる』のではなく――――――、」

長門β「――――――『“あまぎ”を通して“あの子”が自分で直す』ように持っていくべきだと思ったが」

長門β「『陰 極まって陽となる』のなら、完璧過ぎるのも良くないと思う」

長門β「言うだろう? ――――――『過ぎたるは及ばざるが如し』って」

あまぎ「あ」

あまぎ「………………」

あまぎ「……そうね。私も『自分が』『自分が』って我が強すぎたかもしれない」

あまぎ「それなら、“ビッグ3”はどうするべきだと思う、この場合?」

長門β「そうだな」

長門β「――――――私と“この子”はよく似ている」

長門β「なら、最初に作るべきなのは大味でいいから目的の味がしっかりしているものがいいだろう」

長門β「そう、たとえば――――――」





コトッ


りう「で、できました……」ブルブル

清原「…………そうか」

金剛「WOW! とっても美味しそうデスネ!」

鳳翔「まあ」

清原「……これは“あまぎ”の入れ知恵か?(しかし、あの“あまぎ”がこういった料理を作るように言うとは考えられないな)」


――――――フレンチトースト


りう「ど、どうぞ……」ドクンドクン

清原「……まあ、初めての料理にしてはよく出来てるほうじゃないのか?(…………落ち着け! 緊張を解してやるんだ)」

清原「それで、お前としてはこれは美味しいのか?」← 無意識に威圧する発言

りう「!?」ビクッ

りう「は、はい! 美味しいと思いますっ!」アセダラダラ

清原「あ、いや、そこまで緊張することは――――――」アセアセ

金剛「提督ぅー! さっきの人を試すような物言いは完全にOUTデース!」

清原「え」

鳳翔「あなた……、略服とは言え、今のあなたは公人としての覇気を自然と放ってますから。どうか、基地開放で来た親子連れに接する感じで」

清原「…………!」

清原「我ながらおっかない軍人になってしまったものだ……」

金剛「提督はちょっと力み過ぎなのデース! 緊張してNERVOUSなのは提督の方なんじゃないですカー?」

りう「え」

清原「あ」カア


清原「………………」

りう「………………」

清原「と、ともかくいただこうか。盛り付けや見栄えは初心者だからしかたないとして、味のセンスはどんなものかな?」

金剛「では、“りう”? いただきマース!」ワクワク

鳳翔「私も。いただきます」ニッコリ

りう「は、はい。どうぞ……」

パクッ

清原「!」ピクッ

りう「…………!」ゴクリ

清原「………………」

清原「………………」パクッ

りう「…………ホッ」

金剛「おお! これ、Deliciousですヨー、提督!」キラキラ

鳳翔「美味しいですよ、“りう”」ニッコリ

清原「…………驚いたな」

清原「食感としては水浸しにしてふやけた感じでイマイチだが、それにしてはほんのり甘くまろやかで、ベタベタしないあっさり感がいい味を出している」

清原「何を使った、この甘さは? 砂糖は使ってないだろう」

りう「あ、はい。マンゴーをすり潰して少しずつ加えた溶き卵に浸してフライパンで焼きました」

清原「――――――『マンゴー』!?」

金剛「Oh...」

鳳翔「は、初めてでマンゴー風味のフレンチトーストを作ったのですか。それは大胆ですね」

清原「いや、自分で『美味しい』と言ったからにはちゃんと味見をして納得のいくソースに仕上がっているのだろうが、」

清原「いったい何がどうなってマンゴー風味のフレンチトーストを作ろうだなんてなったのだ?」

りう「えと、カッコイイ方の長門さんから『フレンチトーストにしろ』って言われて、それから『砂糖は使うな』って言われて」

清原「…………!」

金剛「え、『長門さんが』デスカ?」

鳳翔「そういえば、『家事全般が得意』だと言ってましたね、あの長門さんは」

清原「………………“ビッグ3”が“りう”に?」

清原「そっか。作らずとも、舌は十分に肥えていたか」フフッ

清原「どうやら、時空を超えた異なる世界の交流も思ったより良い結果へと進んでいるのだな」ニコッ

清原「ほら、一緒に食べよう」ニッコリ

りう「!」パァ

りう「はい!」ニッコリ




あまぎ「行かなくてよかったの、“ビッグ3”?」

長門β「そっちこそ、愛しの“あの子”の手料理を食べたかったんじゃなかったのか?」

あまぎ「私はいいのです、後からでも。――――――やっと“あの子”の願いが叶ったのだから」

あまぎ「この幸せな一時を“2番艦”が邪魔するわけにまいりません」

長門β「そうか。それもそうだな」

長門β「(そして、将来的に“あの子”の実の母親や養親になるだろう鳳翔と金剛に影響を与えないようにあまり関わりを持たないようにもしているしな)」

あまぎ「しかし、こういった出会いが私にも用意されているだなんてね」

長門β「どうした、巡洋戦艦:天城? 私以上の砲門数から繰り出すその脚の速さで私のことなど置き去りにできるだろうに」

あまぎ「そういうあなたは、どこの“32ノット・バーク”なのよ? 26.5ノットからの魔改造の結果、30ノットの私よりも速いじゃない」

長門β「こんなのは囮や輸送の雑用で身についた逃げ足の速さだ。誇るようなものじゃない」

あまぎ「でも、あなたは他の娘たちにはない偉大な陰の煌きが見える」

あまぎ「他の娘は陽の輝きで照らされているのに対して、あなただけは他にはない陰の煌きが滲み出ている」


あまぎ「こんなにも素晴らしい艦娘に出会えるだなんて思わなかった」


あまぎ「あなたは三笠や金剛、大和をも超える世界に冠たる存在として、永遠の存在となる名誉が与えられたわけなのね」

長門β「…………大げさだな」

長門β「それに、【この世界】の“ビッグ7”や【そっちの世界】の“第一号艦”が大したことないように聞こえるからやめておけ」

あまぎ「そういう謙虚なところが特に、“ビッグ3”がナンバーワンであることの証なのね」

長門β「…………まあ、私も『人間:あまぎ』という存在に触れて、“象徴”でしかなかったこれまでの人生に少しは誇りが持てるようになったよ」


長門β「ありがとう、この出会いを用意してくれて」


あまぎ「それはこちらとしても同じ」

あまぎ「――――――ありがとう、長門」

あまぎ「いつどこの世界でも皇国の誇りとして象徴として気高く在り続けて」

長門β「そういうお前も赤城もどこの世界でも活躍のようだがな」

長門β「――――――これからの秋の中規模作戦」メメタァ

長門β「互いの提督の勝利と栄光のために【勲章】を掴み取ろう!」

あまぎ「ええ」



――――――それから、【秘密工廠】


清原「よし、“ビッグ3”」

清原「――――――【(異界艦)改造】案が完成したぞ」

長門β「ほう?」

あまぎ「世界初の試みですからうまくいくかはわかりませんが、これをご覧になってください」

清原「“ビッグ3”の切なる願いに応えて、【火力】が加賀型戦艦ぐらいまでなるよう頑張ってみたぞ」

清原「けど、金剛型と比べると全体的な能力は長門型が圧勝だし、金剛型が勝る点があっても10も差がつくところは実は無い」メメタァ

清原「だから、“ビッグ3”は陸奥に対してそこまで劣等感は抱く必要は無かったんだぞ(むしろ、大和を超越する総合能力ってどういうことよ!?)」

長門β「……すまない。私が狭量だったばかりに提督を困らせてしまったな」

清原「いや、別にいいんだ。――――――埋め合わせならこの【改造】がうまくいくか いかないかの実験台になってもらうだけでいいから」

長門β「何だって来い。私は雑用戦艦だ。何だってやれるさ」フフッ

あまぎ「その意気よ、長門」フフッ

清原「しかし、なかなか能力が向上する【改造】パターンを割り出すのに苦労だったな」

あまぎ「それは当然のことです」

あまぎ「【改造】だって妖精がゼロから造り上げているのではなく、【この世界】に満ちている因子を物質に宿らせているだけに過ぎませんから」

あまぎ「この【改造】――――――【異界艦改造】はいわば、妖精科学を超越するという初の試みでもあります」

長門β「またまた、私は伝説を築きあげるわけだな」ニヤリ

清原「そうなるな」

清原「とりあえず、【火力】は加賀型戦艦に匹敵するぐらいまでにはしてみたけど、どうだ?」

長門β「それはただ単に、砲門数を増やした加賀型戦艦に私がなるだけのことじゃないのか?」

あまぎ「正確には、加賀型戦艦は長門型の集中防御方式を更に強化した上で砲門数を増加して同速の26.5ノットを実現しているので違います」

長門β「…………加賀と土佐がいたら、私は変われたのだろうか?」

あまぎ「いえ、【艦これ】的には加賀型戦艦は長門型の完全上位ですけれど、水中防御は劣っているので水中弾や魚雷攻撃には弱くなっています」メメタァ

あまぎ「幸い、大艦巨砲主義が跋扈して軍艦3すくみができあがったおかげで、護衛艦群が発達して弱点が補強されてましたが」

清原「とにかく、同型艦の陸奥に劣る【火力】はこの【改造】によって加賀型戦艦と同等になるはずなんだ」メメタァ

清原「そうなれば、【装甲】は加賀型に劣るだけの超長門型戦艦になるわけだから期待していてくれ」

長門β「ああ」


長門β「それと、提督」

清原「なんだ?」

長門β「これが終わったら、――――――軍刀の使い方を教えてくれ」

清原「プッ」

あまぎ「あは、あははははは!」

長門β「笑うなよ。こちらは大真面目なんだぞ。艤装が使えない時の警護のために覚えておきたいんだ」

清原「すまない」

清原「そうか、自分が【建造】されたことの意味を自分なりに見つけられたんだ」

長門β「ああ」

長門β「いろいろと大変だろうが、これからは私と“あまぎ”で提督と“あの子”を支えるから期待していてくれ」

長門β「では、行ってくる」


――――――第7話X  孤高のビッグ3 -もう1つの“もう1つの世界”- 完

       Next:第8話  12月23日 -三笠公園にて- に続く!



新システム4X:【異界艦】運用システム

・【異界艦】について  架空戦記の権化
【実際】には存在しなかったが、構想段階の記録には計画には残っている未成艦であったり、改装される前の姿であったり、
『それらが【この世界】とは異なる数々の【異界】においては活躍していたら』という場合のIFの姿を取り扱った艦娘である。
【艦これ】で実装されている独自の改造艦はこの定義に当てはまらないので注意。
もちろん、役割や性格が変わっていない艦娘も混じっているが、それがどうしてそうなるのかは架空戦記の采配次第である。
今回 登場する【異界艦】は非常にわかりやすいIFの可能性を感じられる存在だけに絞っており、妙な説得力と親近感が湧くのではないかと思う。
扱いが【海外艦】と似ており、【異界艦】を【建造】したい場合は【秘書艦】を【異界艦】にする必要がある。
しかし、【応援要請】∈【要請】が充実している場合は【異界建造妖精】を招けば建造リストが一時的に一新されて【異界艦】の建造が容易になる。
【海外艦】導入の水先案内人がZ1だったように、【異界艦】導入の水先案内人は二代目天城こと巡洋戦艦「天城」である。

1,基本的に未成艦などが主であり、初期値は既存の艦娘より高い傾向にある
2,しかし、【史実】での戦績が反映された【改造ボーナス】が小さい傾向にあり、歴戦の殊勲艦に追い抜かれる傾向にある
3,ところが、【提督】のステータスと【改造】時の装備によって【提督ボーナス】【装備ボーナス】を受けることができ、能力を上乗せ・補強することが可能
→ 【改造】時に装備していたものは【装備ボーナス】として吸収されるので装備はしっかりと選別してから行うべし
 → これによって、【異界艦】は【改造】によって自由に能力を伸ばせるという利点があり、能力修正次第でとんでもないスペックの艦娘が誕生する
4,【異界艦】と同一の存在にあたる艦娘同士は同じ艦隊に編成することはできない
5,数々の【異界】における【異界艦】が【この世界】に召喚された形なので基本的に【この世界】の認識と齟齬があり、違う【異界】から来た者もいる
→ 例えば、天城型巡洋戦艦1番艦:天城と大淀型軽巡洋艦2番艦:仁淀はどちらも【史実】では未成艦であり、同時に存在するはずがない組み合わせである
6,【異界艦】を【秘書艦】にした状態で【建造】及び【開発】することで【異界艦】および【異界装備】を入手することが可能となる


1について――――――、
実際に加賀型戦艦は長門型戦艦と比べれば高性能なのは理解できるだろう。天城型巡洋戦艦なんて出たら金剛型巡洋戦艦の立場がなくなる。
しかし、能力と燃費は反比例するのが【艦これ】の基本法則なので、能力に差があることは戦術の幅が拡がるので一概に劣っているという評価はよくない。
あくまでも、どういう目的で艦隊編成するかで評価が大きく変わることを忘れないで欲しい。

2について――――――、
【この世界:γ世界線】における武勲がないので、完全に想像の上で【改造ボーナス】を設定するのはあまりに味気ないと思ったので。
ここが【異界艦】の大きな弱点とも言えるところであり、事実上のオリジナル艦を扱う苦労をユーザーに強いるのである。

3について――――――、
【提督ボーナス】は以前に提案した新インターフェース:【提督】のステータスがそのままボーナス値となる(【提督】の各ステータスは【運】以外20が上限)。
それに加えて【装備ボーナス】も加わるのだが、こちらはそれぞれの修正値を装備のレアリティ(星)の分までしか吸収できないので効率が悪いが安定している。
また、【異界艦改造】は要求される設備(=【秘密工廠)】と改造資材を支払えば何度でも【改造】し直せる。
→ その度に、【近代化改修】【提督ボーナス】【装備ボーナス】がリセットになるので【改造】は計画的に
 → 代わりに、【提督ボーナス】と【装備ボーナス】を工面できるのであれば、1艦で様々な用途にカスタマイズできることになる
  → そのために【提督ボーナス】のために【提督】のステータスを理想状態にするために必死に調整する廃人がゴロゴロと出てくることでしょう!

4について――――――、
軽空母:龍鳳と潜水空母:大鯨が同一の艦隊に編成できないのと同じ理由です。
それと、同名の艦娘を同一の艦隊に組み込むこともできない。例)天城型巡洋戦艦:高雄と高雄型重巡洋艦:高雄 は同一の艦隊に組み込むことができない

5について――――――、
今回 お見せしたように、【α世界線】と【β世界線】という2つの【異世界】が登場している。簡単に特徴を述べると――――――、
【α世界線】:ワシントン海軍軍縮会議前後の未成艦が登場する。
【β世界線】:ロンドン海軍軍縮会議以後の未成艦などが扱える。

6について――――――、
この辺は【秘書艦】システムでわかりきっていること。



・【異界艦】をお迎えするためには?

0,【異界艦】を【秘書艦】にして【建造】する。
基本的なやり方だが、その元となる【異界艦】を最初から持っていないと話にならない。

1,【異界艦】の導き手である巡洋戦艦:天城αをクエストをこなして手に入れる。
【海外艦】の導き手である駆逐艦:Z1と同じ役割を与えられている巡洋戦艦:天城αをクエストで手に入れて、
彼女を元に0番のやり方で【異界艦】を順次【建造】を繰り出す戦艦:ビスマルク狙いの【大型艦建造】と同じやり方である。

しかし、獲得に至るまでのクエストが実に鬼畜であり、ワシントン海軍軍縮会議 およびロンドン海軍軍縮会議の非情さを味わうことになる。

イ、編成:「金剛」型による高速戦艦部隊を編成せよ! を達成 ← まずここで躓く提督が多いだろうが、そこは【派遣】や【駐留】で埋め合わせをすれば楽に終わる
→ 金剛、比叡、榛名、霧島を同じ艦隊に組み込む

ロ、工廠:ロンドン海軍軍縮条約 対応! を達成          ← 鬼畜クエストその1。貴重な【正規空母】を2隻も生贄に捧げないといけない
→ 【正規空母】2隻を【解体】する

ハ、工廠:ワシントン海軍軍縮条約 対応! を達成       ← 鬼畜クエストその2。犠牲になるのが戦艦:陸奥と指定されている
→ 戦艦:陸奥を【解体】する

ニ、工廠:“守銭奴の無駄ながらくた”を鉄屑にせよ! を達成 ← 鬼畜クエストその3。犠牲になるのが今度は扶桑型戦艦姉妹
→ 戦艦:扶桑 および戦艦:山城を【解体】する

ホ、遠征:未知なる過去との遭遇 を達成              ← ようやく巡洋戦艦:天城α獲得であるが、犠牲にしてきた艦に見合うだけの活躍をさせられるか
→ 正規空母:赤城と正規空母:加賀を入れた艦隊で【遠征】する(どの【遠征】に行かせても必ずこのクエストは成功の扱いとなる)


2,【異界建造妖精】を【応援】で呼んでから【建造】
【異界艦】が数多く建造されるリストに修正してくれるのでこれを利用するのが一番確実である。

開放条件:いずれかの条件を満たすと開放
イ,戦艦:長門、戦艦:陸奥、正規空母:赤城、正規空母:加賀が所属
ロ,【重雷装巡洋艦】【航空戦艦】【航空巡洋艦】8隻が所属
ハ,司令部Lv100以上でかつ巡洋戦艦:天城αが所属

順調に図鑑を埋めている提督なら割と達成できる条件だが、序盤でそれを達成するのは至難の業。
また、【異界】の種類によって主力艦と補助艦の【艦これ】での適性が大きく異なり、同じような感覚で使っていると簡単に損害が出ることも多々。
異界妖精を開放するのは序盤では極めて困難であるが、鬼畜クエストをこなしていけば【異界艦】の導き手である巡洋戦艦:天城αが手に入るので、
無理をせずに彼女を【秘書艦】にして忍耐強く【建造】をし続けていけば、いずれは【異界艦】が必ず手に入るので無理はしないように。
実はロの条件で狙うのが一番早く、条件は『8種類』ではなく『8隻が所属』なので序盤で手に入りやすい【航空戦艦】を8隻用意するだけで開放可能。


なに? 1と2の条件が厳しいというか、1の条件でやるなら2の条件を達成したほうが楽だと?
大丈夫です。2の開放条件は一切 ゲーム中では表示されないので何も知らない提督たちは素直に鬼畜クエストをこなしてしまうことでしょう。
だが、実は裏道が存在しており、“最大の特異点”である彼女がいれば実は楽に手に入る。



3,戦艦:陸奥改を【秘書艦】にして【建造】する
戦艦:陸奥改に密かに【異界艦(=特異点)】属性が新たに付与されるので彼女を【秘書艦】にして【建造】を粘れば、何かしら【異界艦】は必ず手に入る。

【異界艦】属性は【改造ボーナス】が低く、【秘密工廠】で【異界艦改造】しないと【提督ボーナス】【装備ボーナス】が入らないのだが、
例外的に戦艦:陸奥改の【異界艦(=特異点)】属性は、【異界艦】でありながら【改造ボーナス】が大きい代わりに【提督ボーナス】【装備ボーナス】がない。
つまり、従来通りに何の変哲もない艦娘ということであり、【秘書艦】にすると【異界艦】が建造リストに追加されるという、まさに“特異点”なのである。

このプレゼンで以前に提案した【イギリス艦】属性を新たに持つことになった戦艦:金剛と同じ役割を担っており、
今回、【異界艦】を従来艦の中で無条件に【建造】できる艦娘として選ばれたのが戦艦:陸奥改なのである。
姉妹艦である長門よりは手に入りやすく、某所で“ラバウルの女神”と崇められている彼女の面目躍如といったところか。
しかし、【イギリス艦】が無条件に建造リストに入る金剛の場合とは違い、【異界艦】が無条件に建造リストに入るのが陸奥改という大きな違いがあるので、
最速で【異界艦】を手に入れようとしても、まず戦艦:陸奥を獲得して多大な燃費を気にしながら育て上げて、更に【改造】までする必要があるので、
どうやっても金剛を使って【海外艦】を得る場合よりも遥かに手間暇が掛かることになる。
付け加えて、最初の【異界艦】である巡洋戦艦:天城αの正規の獲得手段である一連の鬼畜クエストの中で戦艦:陸奥を【解体】する必要すらあるのだ。

それ故に、どれだけの無念さが海軍軍縮条約に込められていたかがユーザーにも伝わると思う(【史実】では加賀型戦艦が犠牲になったのだが)。
陸奥ではなく陸奥改が選出の理由も、ワシントン海軍軍縮会議の様子を見れば納得がいくことだろう。

本編ではこの条件とは異なって陸奥で長門βが出ているように見えるが、まだ互いに試行錯誤の段階であり、正確な条件を模索中であったことによる誤認である。
実際は、【秘密工廠】にいる【異界建造妖精】の手を借りて【建造】されていたので、別に陸奥が【秘書艦】だったから長門βが出てきたわけではない。
陸奥を【秘書艦】にして【建造】を始めた時の乱数で長門βが出るという未来を“あまぎ”が見たから清原提督がそれに従っただけである。


4,標的艦:土佐βを【建造】する
実は、1の条件をクリアして正式に【異界艦】の導き手である巡洋戦艦:天城αを獲得した後は、標的艦:土佐βが建造リストに無条件で追加される。
これによって、巡洋戦艦:天城αをロストしても標的艦:土佐βが【建造】できれば【異界艦】の【建造】を再開することができるようになる。

【海外艦】属性でありながら一定条件を満たせば以後は建造リストに追加される潜水艦:ルイージ・トレッリと同じ役割を担うのが彼女というわけだが、
【海外艦】を開発運用する場合よりも【異界艦】の開発運用することのほうが全体的に難易度が高く設定されており、
潜水艦:ルイージ・トレッリが戦力として非常に充実しているのに対して、標的艦:土佐βは【標的艦】の特性で優先的に狙われるので育成が難しい。
一応は【標的艦】なので、装備品のアップグレードを【開発】しやすくなるなどのサポート面に秀でているが、元が【戦艦】なので実戦での運用が難しい。
また【標的艦】の特性である【装甲】限界:99が逆に加賀型戦艦の【装甲】限界を逆に落としたので旨味なし。
【標的艦】としてはいかに駆逐艦型標的艦:大浜が規格外の性能を持っているかよくわかるであろう?

選出の理由は、もちろん【史実】において犠牲になったのが天城と土佐だからであり、天城が【異界艦】の導き手ならば、土佐は【異界艦】の守り手となる。


・【異界艦改造】について ――――――要【秘密工廠】【提督】
実は、こうして苦労して手に入れた【異界艦】は通常の【改造】を施しても【改造ボーナス】が極めて小さく、
しかも【改造】を何度もやり直せてしまうので、高い初期値を活かせるのは実は中盤程度が限界となってしまう。原理的に改二も存在しない。
そもそも、【異界艦】は【史実】における戦績がないのでそれに基づいた強化のしようがなく、実質的に【改造】不可の艦娘と言っても差支えがない。

そこで、【異界艦】の能力を高めてこれからも使っていきたい場合は、【秘密工廠】∈【要請】で【異界艦改造】を【開発投資】で開設しないといけないのだ。

【異界艦】の中でも猛者とされている艦娘は【改造ボーナス】が比較的高く設定されていたり、         ――――――→ 巡洋戦艦:天城α等
【改造ボーナス】が低くても能力限界値がべらぼうに高かったりする【異界艦】も極稀に存在するので、   ――――――→ 戦艦:長門β等
通常の【改造】だけでも中盤以降も問題なく最後まで使っていける場合があり、【改造】の手間暇を省ける意味では懐にも優しい頼れる戦力となる。


・【異界艦改造】開放の流れ

1、【開発投資】で事前に【秘密工廠】を開放しておく(投資クエストなので大量の資材を一括払い!)

2、【改造】可能な練度の【異界艦】を【秘書艦】にする 

3、その状態で【開発投資】に追加されている【異界艦改造】開放の投資クエストをこなす(投資クエストなので大量の資材を一括払い!)

4、【異界艦改造】が開放されると、【秘密工廠】に【異界艦改造】が追加されて、晴れて利用可能となる


・【異界艦改造】の仕組み
通常の【改造】と同じく、【改造】には資材が投入されるのだが、【異界艦改造】においては3つのボーナスが与えられて【異界艦】が強くも弱くもなる。
厳密にはマイナス補正がかかることはないし、少なからず【改造ボーナス】が入るので数値の上では必ず強くなるが、通常の【改造】のようには伸びない。
【異界艦改造】の意義は本編中に“あまぎ”が清原提督に示唆した内容に基づいており、架空戦記ならではの魔改造を楽しむことができる。

1,【改造ボーナス】…… 通常の【改造】で得られる能力値上昇であり、投入資材によるドーピングとも考えることができる

2,【装備ボーナス】……【異界艦改造】時の装備品を吸収してレアリティの2倍分まで能力値を上昇させる

3,【提督ボーナス】……【提督】のステータスがそのまま【異界艦】の能力に付け加えられるので大変重要!

見て分かる通り――――――、
1が期待できないからこそ行う【異界艦改造】であるが、
2は装備品の星の数の2倍の値までしか能力が伸びないので効率が悪い上に素材としてその装備品をロストしてしまうのでますます効率が悪い。
よって、3の【提督ボーナス】が最も鍵を握ることになり、【提督】のステータスがへっぽこだと通常の【改造】と五十歩百歩な結果になってしまう。
この手間暇のめんどくささを持って【異界艦】の利用者を篩にかけようというのがプレゼンターの目論見であり、
架空戦記という名の自分だけの世界観を創造しようという気概を持ったやりこみユーザーにだけ許された追加要素と言える。


・【異界艦改造】のまとめ

1,【異界艦】のみ利用可能
→【異界艦(=特異点)】属性の陸奥改は対象に入らない

2,【異界艦改造】は何度でもやり直しできる
→【改造】し直す度に【近代化改修】【改造ボーナス】【装備ボーナス】【提督ボーナス】がリセットされるので注意!
→ また、通常の【改造】では【装備ボーナス】【提督ボーナス】が乗らないので間違えないように!
→ 【ケッコンカッコカリ】【ユウジョウカッコカリ】【運】はリセットされない。当然!

3,【提督】のステータスが【異界艦改造】の全てを決める
→【提督】のステータスは【指南】や【応援】で地道に上げていくしかない(上限は【運】を除いて全て20)
→【提督】のステータスがオール20ならば【近代化改修】できる4能力は全て【史実】の艦娘を上回れる調整となっている
→【近代化改修】で上がらない能力は【装備ボーナス】でどうにかしろ! 【異界艦】だって技術レベルが元々同じところから生まれてるんだから!
→ それでも、【提督】オール20ならば【耐久】【回避】【対潜】【索敵】の全てに+20なのでとんでもない性能の艦娘が誕生してしまえる

4,能力値が元々0のステータスにはボーナスが掛からない
→【戦艦】の【雷装】【対潜】などが該当するが、例えばビスマルク改三のように【雷装】が解禁された場合は【改造】をやり直せばボーナスの対象に入る

5,【運】だけは【提督】の【運】や【装備ボーナス】を反映

6,【燃料】【弾薬】は8つの項目のボーナスの合計値で決定!
【改造後の燃料】=【元々の燃料】+(【装甲】+【耐久】+【回避】+【索敵】)のボーナス値
【改造後の弾薬】=【元々の弾薬】+(【火力】+【雷装】+【対空】+【対潜】)のボーナス値
→【異界艦改造】における最大の罠であり、能力と燃費が反比例する【艦これ】では避けては通れない問題
→ これによって、最強戦艦を創ろうとやり過ぎれば大和型戦艦以上の置物と化すので、特に【異界艦】の目玉である【八八艦隊】の面々だと――――――
→ 浪漫を追求するか、落とすところは落として燃費を重視するか、あるいはレベルが上がりきったら最強戦艦に【改造】し直すか
→ それらはユーザーの判断に委ねるが、いずれにせよ【提督】のステータス調整に掛ける手間暇を考えるとなかなか踏ん切りが付かないだろう
→ しかし、【改造】に必要な資材が【改造ボーナス】の分だけで追加徴収されないだけマシである

7,【改造】後に持参してくる装備はステータスが規定値を超えた上で高いものから順に決定される
→ つまり、【改造】してステータスが足りてないと装備が1つもない状態で手に入ることもあり、装備目当てでならば完全にハズレとなる
 → しかし、それはつまりステータス調整で狙いの装備を短期間に【改造】をやり直して量産することも容易ということになるのでものは使いよう
→ また、スロット数以上に装備を獲得できていた場合は規定値より大きいものが順に装備される
 → この規定値が食わせ物であり、通常の【異界艦】の追加装備はスロット数しかないのだが、中にはそれ以上の装備を持っているやつがいる
  → 例)紀伊型戦艦:駿河、近江……主砲、副砲、魚雷、機関部強化、追加装甲などなどお前はどんな戦艦だったんじゃ?!




今作に登場した2つの【異界】と【この世界】の繋がり

第一次世界大戦 → ・ → ワシントン海軍軍縮会議 → ・ → ロンドン海軍軍縮会議 → 第二次世界大戦 → 日本国敗戦 → γ:現在 → ・ → γ世界線:【実際】の【艦隊これくしょん】

              |                    |                                               ↓
             |                    ↓                                    ⊿:【異界艦】が介入した今作の世界観
             ↓         β:“ビッグ3”の世界 大東亜共栄圏を達成した世界
       α:大艦巨砲主義の世界



表 3つの世界における【八八艦隊】の存在の有無

  |  長門型  |  加賀型  |     天城型       |      紀伊型       |
艦|長門|陸奥|加賀|土佐|天城|赤城|高雄|愛宕|紀伊|尾張|駿河|近江|

α| ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |

β| ○ | × | × | × | ○ | ○ | × | × | × | × | × | × |

γ| ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | × | × | × | × | × | × |


α世界線:ワシントン海軍軍縮条約もロンドン海軍軍縮会議もない世界線
→“りう”と“あまぎ”たちの世界

β世界線:ワシントン海軍軍縮条約があってロンドン海軍軍縮会議がない世界線
→“ビッグ3”長門たちの世界

γ世界線:ワシントン海軍軍縮条約があってロンドン海軍軍縮会議もある世界線
→【史実】の世界。実際の【艦これ】の世界線。

⊿世界:γ世界線の中でα世界線やβ世界線の干渉を受けた世界
→ 今作の世界観であり、【γ世界線】本来の結末はあまり変わらないが過程や手段がとてつもない変化を遂げている
→ 基本的に今作においては【γ世界線】と【⊿世界】は区別なく使われているので、基本的に【γ世界線】であることを認識していればよい




α世界線の特徴(γ世界線から見た場合)
・大艦巨砲主義まっしぐらの世界であり、各国の懐事情などおかまいなく破産寸前にまで軍拡競争が行われた
・その結果、役割の特化と分担の概念が発達して、軍艦3すくみが発達(戦艦は空母に勝ち、空母は潜水艦に勝ち、潜水艦は戦艦に勝つ)
・マレー沖海戦に相当する最新鋭戦艦を航空機が落としたという事例がなく、ユトランド沖海戦の教訓もやはり活かされなかった
・戦艦1強(軍艦3すくみによって絶対の強者ではないものの、戦艦の脅威ありきで潜水艦戦術が発達。潜水艦の脅威から対潜空母が発達)
・【現実】に先駆けて防空巡洋艦や対潜巡洋艦などの役割特化の護衛艦群が発達

メリット
・【八八艦隊】のファンにはたまらない日本が誇る戦艦群が大活躍(ただし、十三号型巡洋戦艦は完成ならず)
・大艦巨砲主義の最たる【46cm三連装砲】を超える超大型主砲がゴロゴロ手に入る
・【異界艦】の扱いになるので、【異界艦改造】時に【提督ボーナス】で好きなようにステータスを修正することができる
・ワシントン海軍軍縮会議あたりの未成艦に集中している

デメリット
・【γ世界線:この世界】においては、【α世界線】の補助艦が護衛能力に特化しすぎて対艦能力不足となっており、砲撃戦で簡単に撃ち負ける
・防空巡洋艦は言うほど防空しない(それでも【γ世界線】の艦娘に比べたら【対空】が割高で【対空カットイン】も標準仕様)
・専門性に特化しすぎて主力艦の【対空】が低い(補助艦との連携が前提なので))
・【異界艦】の扱いになるので、素の【改造ボーナス】が極めて小さい(要 【提督ボーナス】【装備ボーナス】)
・ワシントン海軍軍縮会議に参加していないので【条約型巡洋艦】が存在しない → 巡洋艦の性能はそこそこだが燃費が圧倒的に悪い
・ロンドン海軍軍縮会議が存在しないので【重巡】【軽巡】の区分が存在しない →【γ世界線】では無理やりこの区分に当てはめられて弱体化する可能性 大!


β世界線の特徴(γ世界線から見た場合)
・ワシントン海軍軍縮会議で陸奥を廃艦にして“ビッグ3”が誕生した世界
・“ビッグ3”長門βが臥薪嘗胆で日本の象徴として何でもやって八面六臂の活躍をした雑用戦艦:長門β1強
・潜水艦1強
・沈没艦がずっと少ないぐらいで、ほとんどが幸運艦の扱い
・【艦これ】が存在しないので、【艦娘】としての自覚がかなり薄い

メリット
・戦艦:長門βがメチャクチャ強い(γ世界線の同型艦と比べると【火力】が低いだけで総合能力が戦艦:大和を軽く超す万能さ)
・潜水艦がメチャクチャ強い
・【γ世界線】よりも余裕があるために技術力や性能が高め
・【異界艦】の扱いになるので、【異界艦改造】時に【提督ボーナス】で好きなようにステータスを修正することができる
・ロンドン海軍軍縮会議から太平洋戦争開戦前に提案されていた未成艦などが本来の姿で扱える
・ロンドン海軍軍縮会議に参加していないので【重巡】【軽巡】の区分が存在しない → ただし、【条約型巡洋艦】は存在するので【γ世界線】での弱体化はない

デメリット
・著名な軍艦が極端に少ない(ワシントン海軍軍縮会議で10年間は新造戦艦が造れなかっただけなので大和型戦艦は存在する)
・軍事によらない戦略――――――王道で大東亜共栄圏を樹立したので激戦もほとんどなく、それだけ艦それぞれのエピソードや武勲がない
・戦艦:長門βが全てを持っていった ← これ
・【異界艦】の扱いになるので、素の【改造ボーナス】が極めて小さい(要 【提督ボーナス】【装備ボーナス】)


γ世界線の特徴
・言うまでもなく、【艦隊これくしょん】のモデルとなる【史実】の世界
・空母1強
・敗戦間際の大戦末期のトンデモ兵器が勢揃い(唯一敗戦している世界線でもある)
・中途半端な大艦巨砲主義により、駆逐艦の火力が他の世界と比べて凄まじく高い

メリット
・艦隊型駆逐艦の概念によって駆逐艦同士の殴り合いにはかなり有利(α世界線の駆逐艦や巡洋艦は対艦能力がほとんどないので砲撃戦は極めて不利)
・安定した【改造ボーナス】を受けることができる
・基本的に他の世界線の艦娘は高性能だが燃費が悪い傾向にあるので、こちらのほうが安く扱える
・【重雷装巡洋艦】や【航空戦艦】などの独特な艦種が存在する

デメリット
・【異界艦改造】の理論値には決して及ばないステータス
・空母1強の世界観なのに【対空】が全体的に低い傾向にある



登場する【異界艦】あるいは世界線独自の主な艦娘

α世界線
・加賀型戦艦:加賀、土佐
・天城型巡洋戦艦:天城、赤城、高雄(愛鷹)、愛宕
・紀伊型戦艦:紀伊、尾張、駿河、近江
・翔鶴型航空母艦:翔鶴

紀伊型戦艦:駿河、近江
【八八艦隊】最後の【戦艦】の艦型として建造予定だった、当時の帝国海軍【戦艦】の決定版。
それが後代になって大和型が帝国海軍【戦艦】の決定版となるわけなのだが、この紀伊型は未成艦なので正確な特徴は不明である。
ドイツのビスマルク級に準じる29.75ktの改天城型戦艦とでも呼べる高速戦艦であり、ギリギリ【速力:高速】に入る高性能艦。
初期性能だと改天城型戦艦として【41cm連装砲】×5による天城型巡洋戦艦と互角の【火力】と【速力】を誇り、加賀型戦艦を上回る【装甲】を持つ。
それでいて、紀伊型戦艦の3番艦:駿河と4番艦:近江については、新型の大型主砲の搭載だの大型化:5万トンだの改良案が残されており、
実現していた場合は、新紀伊型戦艦あるいは前大和型戦艦とも言えるような戦艦となっていたようである。
――――――

β世界線
・長門型戦艦:長門
・天城型航空母艦:天城、赤城
・蒼龍型航空母艦:蒼龍、飛龍
・標的艦:陸奥、加賀、土佐
・大淀型軽巡洋艦:大淀、仁淀

長門型戦艦:長門β
【八八艦隊】の面々がワシントン海軍軍縮会議で自分を除いて全滅したことを踏まえて(【巡洋戦艦】の天城と赤城は【正規空母】に転用なので一応 健在)、
臥薪嘗胆を誓った結果の“ビッグ3”であり、吹っ切れた帝国海軍がその後は“象徴”としての運用を考えつき、列強の掲げる大艦巨砲主義を逸早く脱して、
戦艦だったはずなのに“戦艦の姿をした大淀”と評されるような電子支援艦に生まれ変わっている。(もしかして戦艦:ヴァンガード?)

この戦艦:長門βは最初からその魔改造状態で召喚されており、そのために初期値こそ通常の長門と同じだが大器晩成型で成長率や限界値が尋常ではないので、
限界突破した後なら無改造で【索敵】が利根型並み、【回避】が軽巡並みになるので、総合能力が長門改や大和を完全に追い越してしまえる。

後は、本編で彼女が言っているとおりに、当時の常識を超越した雑用戦艦としてのパフォーマンスで敵国首脳陣や現場を大いに混乱させ、
その隙に潜水艦隊や空母機動部隊で各地を制圧して、矢継ぎ早に卓越した外交手腕や調略で以って王道楽土である大東亜共栄圏を築き上げた伝説の軍艦。
彼女が凄いというよりは、戦国時代や明治維新からやってきたような英傑たちによる団結力と外交政策の勝利であった。
――――――

γ世界線
・加賀型航空母艦:加賀
・蒼龍型航空母艦:蒼龍
・飛龍型航空母艦:飛龍
・金剛型戦艦:金剛、比叡、榛名、霧島
・扶桑型航空戦艦:扶桑、山城
・伊勢型航空戦艦:伊勢、日向
・最上型航空巡洋艦:最上、三隈、鈴谷、熊野
・球磨型重雷装巡洋艦:北上、大井、木曾
・標的艦:大浜
・潜水艦:まるゆ


※公式の発言で超大和型戦艦を出すつもりらしいことが確認されている
※本当に何の根拠に拠らない架空艦船を出すわけにはいかないので、基本的には【この世界】で認知されている未成艦しか出てきません。
→ ただ唯一の例外となるのが“ビッグ3”長門βと各種巡洋艦αであり、その世界線の特徴と言えるものなので不満ならばオリキャラとして処理してください。


コラム:幻の紀伊型戦艦


りう「ん?」パラパラ ――――――【この世界】の軍事雑誌の文献調査

x:矢矧「どうしたのかしら、提督?」

りう「…………何これ。ずいぶんといいかげんなことを書いてるな、この雑誌」

りう「ねえねえ 矢矧 矢矧。大和型戦艦の基準排水量っていくら?」

x:矢矧「え? 確か6万4000トンよ」

りう「ならさ? どうして紀伊型戦艦ごときが超大和型戦艦って言われてるわけ? 【ここ】の人たちは頭が悪いのかな?」

x:矢矧「え」

りう「ほら見てよ、この記事! 紀伊型戦艦の4万2600トンがどうやって大和型戦艦を超越するっていうんだい」

りう「紀伊型戦艦の改良3・4番艦の駿河や近江ですら精々5万トンなのにどこが超大和型戦艦なんだ」

x:矢矧「え? えええええ!?(提督が何を言っているのか全然わからない!?)」アセアセ



――――――助けて、大和大先生!



大和「え、『紀伊型戦艦について』ですか?」

りう「変ですよね? 紀伊型戦艦が大和型戦艦よりも大きいわけないですよね?」

x:矢矧「教えてください、大和大先生!」アセアセ

大和「…………わかりました。お答えしましょう」コホン

大和「結論から言いますと――――――、」


――――――紀伊型戦艦が超大和型戦艦というのは非公式の俗説です。


りう「???」


大和「まず、旧帝国海軍艦艇の命名規則を振り返りましょうか?」カキカキ


旧帝国海軍艦船の命名規則

戦艦…………旧国名

巡洋戦艦……山 ← 重巡洋艦と同じく“山”が由来な点を見ても巡洋艦の分類なのが伺える

航空母艦……空を飛ぶ生き物(架空を含む)

重巡洋艦……山

軽巡洋艦……川

駆逐艦………種類が豊富な固有名詞

潜水艦………伊呂波歌+番号


りう「基本だよね」

x:矢矧「中にはこの命名規則を逆手に取って重巡を軽巡に偽装させた例もありますね」

りう「――――――最上かな?」

大和「皇国の戦艦はこの通り江戸時代までの旧国名から命名されてきました」

りう「アメリカも戦艦は州名からつけてたね」

大和「そして、超弩級戦艦からそれ以前の命名をリセットして新たに扶桑――――――つまり日本国そのものを意味する我が国初の国産超弩級戦艦を世に送り出し、」

大和「山城、伊勢、日向、長門、陸奥、加賀、土佐と来まして――――――」

りう「紀伊、尾張、駿河、近江――――――」

大和「え」

りう「え?」

一同「………………」


大和「あ、そうでした! 我が国初の国産超弩級戦艦は扶桑型戦艦であり、最初は4艦の予定でしたが、ご存知の通り 設計段階からの欠陥が明らかとなり、」

大和「扶桑型戦艦の3・4番艦の伊勢と日向が改扶桑型戦艦である伊勢型戦艦に改良されたわけなのです」

大和「そして、第一次世界大戦の大戦景気を背景とした八八艦隊計画が始動し、当時 世界最強である長門型戦艦:長門が完成したのです」

りう「うん。よく知ってる」

大和「しかしながら、旧来の戦争とは異なる総力戦と呼ばれる国力の全てを投じて戦うかつてない消耗戦を経験して疲弊した列強各国は、」

大和「ワシントン海軍軍縮条約によって互いの海軍力の抑制に動き、その間に国力の回復に専念することを取り決めます」

大和「その時の条約の決定によって、今後10年間の新造艦の建造は禁止され、紀伊型戦艦以降の戦艦の建造は中止となったのです」

大和「――――――つまり、紀伊型戦艦は未起工だったんです」

りう「へえ……」

大和「一方で、当時 加賀型戦艦であった加賀もまた妹の土佐と一緒に建造途中の未成艦として廃棄される予定でしたが、」

大和「関東大震災によって本来 一航戦:赤城と一緒に航空母艦になる予定だった「天城」が竜骨を破損して解体されることになります」

大和「この悲劇によって、「天城」の代わりとして加賀が航空母艦に生まれ変わることになります」

x:矢矧「なるほど」

りう「………………そうなんだ」

大和「つまり、紀伊型戦艦は計画書だけの存在でしかなく、『まだその名前は使われていない』という扱いになりました」

大和「それからワシントン海軍軍縮条約の新造戦艦の建造禁止の10年の制約が解かれ、ロンドン海軍軍縮条約からの脱退も受けて軍縮時代は終わりを告げ、」

大和「この私、大和型戦艦が建造されることになりました」

大和「資料を見れば、ちゃんと私の前級が長門型戦艦となっていることが確認できると思います」

大和「ですから、――――――使われてないんです、紀伊以降の旧国名はまだ」


りう「そういえば、日本を意味する扶桑の時に命名がリセットされたみたいだけど、」

りう「日本の代名詞になってる大和っていうのはつまり『また新たな皇国戦艦の始まり』って意味なんですか?」

大和「はい。そういうことです」

大和「私もまた長門型戦艦と同じく、それ以降の戦艦の雛形となることを期待されていたわけなんです」←扶桑型戦艦が欠陥だったので雛形としては長門型戦艦

大和「それに、前級の長門型戦艦を建造してからおよそ20年の歳月が経っていますからね」

x:矢矧「はあ……、世界最大級の戦艦がこれからの帝国海軍の戦艦の雛形だったんですか……」

x:矢矧「――――――あれ?」

大和「そして、この大和型戦艦の次級として計画されていたのが改大和型戦艦および超大和型戦艦というわけなんです」

x:矢矧「大和大先生、先生の妹の110号艦である信濃と111号艦であるもう一人については?」

りう「え? 大和型戦艦って2隻だけじゃなかったの? それに『もう一人』って誰?」

大和「実は、“若様”? 一般的には私の末妹である111号艦が紀伊だった可能性があるという話なんですよ」

りう「はあ? それじゃ大和型戦艦であっても超大和型戦艦じゃない――――――」

大和「ですから、私の末妹の名が紀伊となる可能性は極めて低いと思います」

x:矢矧「ああ……、そっか。3番艦に信濃という名がついている時点で紀伊という名を継承する可能性は低いか」

りう「3番艦が信濃ってことだから、隣国の甲斐とかになりそうな気がするしね」

大和「では、改大和型戦艦について簡単に――――――」

大和「改大和型戦艦は大和型戦艦改良3番艦:110号艦こと信濃を基本設計とし、開戦後の航空機の有用性から副砲を高角砲に全て換装したものなんです」

りう「え、防空戦艦ですか?(――――――今更!? 航空戦艦並みに迷走してる!? マレー沖海戦を自分たちで仕掛けておいて馬鹿じゃないの!?)」

大和「はい。これが実現していれば――――――いえ、何でもありません」

x:矢矧「?」

大和「(今の“若様”の反応からしてきっと改大和型戦艦も無用の長物なのでしょうね)」

大和「さて、改大和型戦艦は1隻、超大和型戦艦は2隻の計3隻 建造されるのがマル5計画でしたが――――――、」

りう「――――――『1隻』? 改大和型戦艦がたった1隻?(だって、扶桑型戦艦だって欠陥だとわかっていながら2番艦が造られたのに?)」

x:矢矧「確かに艦隊編成の基本は同型艦を2隻――――――いえ、偶数揃えて陣形と足並みを揃えやすくすることよね?」

大和「実は、改大和型戦艦というのは信濃の妹の111号艦の代わりに、信濃との連携を考慮されていたのではないかと言われます」

大和「大和型戦艦3番艦:信濃は戦況の悪化と空母の台頭によって航空母艦に改装されたのですが、一方で111号艦の完成度はたったの20%だったと言われます」

りう「…………開戦直後のマレー沖海戦の劇的勝利が結局 自国を苦しめることになったんですね」

大和「……はい。艦隊決戦型艦艇は完全に置物となりました」

りう「改大和型戦艦についてはわかりました」

りう「最後に、超大和型戦艦っていうのはどういうものなんですか?」

大和「その名の通り、大和型戦艦を超える――――――46cm砲を超える51cm砲の搭載を前提としたものです」

大和「ただ、前提となる搭載砲塔の設計は終わっていたのですが、それを載せる艦体の設計が終わっていなかったので、」

大和「完成予想図は何も残されていません。なので、いろいろな説が飛び交っています。基準排水量は間違いなく8万トンを超えるのではないかという話です」

りう「…………8万トン超か」

りう「(【こっち】の超大和型戦艦に相当するものは無事に完成はしていたけれど、あれはもう艦隊決戦用じゃなくて移動砲台だったから…………)」


大和「さて、これでようやく超大和型戦艦というのがわかってきましたね?」

大和「整理すると――――――、」


“超大和型戦艦”紀伊型戦艦の真相

・八八艦隊で配備される予定だった紀伊型戦艦が未起工だったので紀伊型戦艦の名前はまだ公式には使われていなかった

・大和型戦艦は戦艦の建造が約20年振りだったので新たな戦艦の雛形として大和型戦艦という命名がされた

・次級である改大和型戦艦が大和型戦艦4番艦に近い扱いを受けていた

・超大和型戦艦からが実質的な新型戦艦となる予定だった(この場合は、大和型戦艦が扶桑型戦艦、超大和型戦艦が長門型戦艦の立ち位置である)

・伊藤正徳が“超大和型戦艦”紀伊型戦艦の提唱者とされる


大和「よって、ここで紀伊型戦艦からの命名を受け継ぐことになったのではないかというのが“超大和型戦艦”紀伊型戦艦の真相というわけなのです」

大和「なので、“俗説”というわけなのです」

りう「ああ……、あの伊藤正徳氏が提唱したっていうのならば説得力があるかも」

x:矢矧「誰ですか? その伊藤氏というのは?」

大和「山本五十六とも非常に懇意だった“大海軍記者”とまで言われた軍事評論家です」

りう「【ここ】でも良い仕事してたんだ……」

りう「そうかそうか。そういうことだったんだ」

りう「よくわかりました。ありがとうございました」キラキラ

大和「どういたしまして。何か疑問に思ったことがまたありましたらいつでもどうぞおいでください」ニッコリ

大和「(やっぱり この子は何か違う。本職の艦隊司令官のような気風と視野があって、とてもじゃありませんが技術士官の養子とは…………)」

大和「(いえ、大本営が提督の影武者として養成しているという話ですから、これぐらい凄くてもおかしくはないとも考えられますが…………)」

大和「(いずれにせよ、――――――興味がつきませんね。かわいい“若様”)」ドキドキ


結論:【α世界線】にとっての紀伊型戦艦(八八艦隊)と、【γ世界線】にとっての紀伊型戦艦(超大和型戦艦)はまったくの別物
→ 似たような例として【α世界線】にとっての天城(天城型巡洋戦艦)と【γ世界線】にとっての天城(雲龍型航空母艦)はまったくの別物



陣営紹介X&x:洞庭鎮守府+異界艦勢
【戦艦】【巡洋戦艦】【正規空母】のほとんどが【八八艦隊】の面々で固められており、3つの世界線の艦娘の特徴を引き出して様々な状況に対応する。
もちろん、単純に【八八艦隊】の面々が多く加わったことで戦力の層が分厚くなり、これまで洞庭鎮守府に足りなかった押しの強さを得るに至った。
そして、清原提督の【提督】ステータスが軒並み高水準で【火力】や【対空】に多く振っているので【異界艦改造】の成果も上々である。

X:清原提督
軽空母:鳳翔
戦艦:金剛
戦艦:大和

戦艦:長門β
【β世界線】における【異界艦】の中ではオリジナルキャラと言わんばかりのキャラ付けであり、同時に【異界艦】としても最強クラスの性能を誇り、
架空戦記これに極まり――――――果たしてこのオリジナル艦娘が受け容れるとはプレゼンターはこれっぽっちも思っていないが、
【β世界線】という【史実】から分岐した1つの世界線の架空戦記を創るとしたら絶対に言及される存在なので“特異点”として選出した。
それと、【艦隊これくしょん】記念すべき図鑑№1なので、“ながもん”とは違った英雄の素質を演出してみたかった。
物語としても【β世界線】の導き手として、同じく【α世界線】の導き手である『天城』と同格の存在が必要だったのでこれから活躍してもらうことになる。

【この世界(=γ世界線)】の長門γが誇り高き“ビッグ7”である一方で二次創作のほとんどでポンコツ“ながもん”扱いされているのに対して、
この長門βは世界最強の“ビッグ3”でありながら大規模改修を受けて“雑用艦”扱いであり、まさに屈辱にまみれた臥薪嘗胆を強いられる前途であったが、
最終的にその役割が皇国の勝利に一番貢献したことが認められて大東亜共栄圏の象徴として公園のモニュメントにまでなったという経歴。
長門γ(=【この世界】の長門)とは正反対の扱いや性格にしてあり、孤高の英雄だけれども雑用戦艦としての経緯から非常に慎み深く硬派な人格となっている。
同時に、陸奥廃艦の哀しみを背負って生きているので、長門γとは違って気高さの性質が異なり、こども好きな点は変わらないが動機が違ってきている。

このように“象徴”として在り続けた長門βは、このプレゼンの趣旨から言えば“りう”と同じくまったく解説に貢献しない要らない存在ではあるが、
こういった『“もしも”こういう展開だったらこうなるだろう』という架空戦記の可能性を提示したキャラとして物語の厚みや拡がりを加えるつもりで創作した。
コンセプトは女王も下女もこなせるヴァンガード級戦艦。


x:龍翔提督“りう”
【異界】からの来訪者ゆえに、【この世界】における歴史の流れの分岐によって根源的な背景が異なるために認識の齟齬がたびたび見られ。
【現実】の【艦隊これくしょん】とは似て非なる類似品をプレイしてきた提督とも言える(実際にゲームシステムもいろいろと違っている)。
それと同時に“戦後”という【未来】の人間でもあるために、いろいろと進んだ社会の中で生まれ育っているので、
歴史的背景の違いがすりあわせができる程度の齟齬であるのに対して、人間性や危機意識には大きな隔たりがある(深海棲艦に人類が勝つことを知っている)。
元々が特別な出生なので一括りに説明することはできないが、【現在】の人間の価値基準からすれば【未来】の人間としてはこれでもまだまともな方である。
その人格形成の中心になったのが、大戦を生き延びた歴戦の艦娘でかつ“護国の英雄”の直属の部下だった『天城』だったことから、
“失われた10年”で断絶されたはずの【未来】と【現在】を唯一結ぶ強い因果へと結実することになった。

【この世界】においての初期艦が軽巡:矢矧なのは、彼女の経歴が“りう”の人生にそっくりだったので皮肉の意味も込めて――――――。

“護国の英雄”である親の七光りで若干16歳で少将をやっているが、“りう”より遥かに有能でかつ忠臣の『天城』の力添えもあって何とかやってこれた。
少なくとも“りう”の提督としての目立った才覚が発揮されてこなかったことは事実であり、そもそもが人生経験の浅い若造でしかないのでいたしかたなし。
しかしながら、艦娘を掌握する能力に関しては天下一品であり、実際的な司令官としてよりも“象徴”としての唯一無二の天分に恵まれている。
また、【現在】の比較的平和に安住している人間たちが味わっていない敗戦間際の絶望を【破滅の未来】で嫌というほど味わってきているので、
絶望的状況における切り返しや決断の早さに関しては非凡なものがあり、『天城』仕込みの肝っ玉と“英雄の子”としての強い自覚によって強い精神力を持つ。
しかしながら、戦略的な精神力が非凡でも、戦術的な精神力は“りう”自身の若さゆえの稚拙さや未熟さによって取り乱すことが多く、
戦略的な覚悟ができてしまえるぐらい肝が据わっているのに対して、戦術的な判断に関しては圧倒的な経験不足によってド下手である。

今のところ、非凡な戦略家あるいは“象徴”にしか向かない人材であるが、【破滅の未来】を救う使命のために1年の猶予をもって特訓に励んでいる。


技術士官:あまぎ/巡洋戦艦:天城α【ユウジョウカッコカリ】済み
この物語におけるキーパーソンであり、【異界艦】の導き手。ついで、このプレゼンと並行して進行している架空戦記要素の解説役も担っている便利キャラ。
打ち明けて言うと、プレゼンの役割上“りう”は彼女のオマケでしかないのだが、“りう”が存在しなければ“あまぎ”と清原提督との繋がりができないので、
どちらもプレゼン内容をわかりやすくイメージしやすくするための架空戦記という小芝居に必要な存在であり、陰陽の切っても切れない関係である。

艦娘としての活動は停止して、自身が持ち得る叡智を以って【現在(=γ世界線)】と【未来(=α世界線)】の両方が救われるように技術開発に勤しむ。
困ったことがあれば“あまぎ”に頼れば万事うまくいくぐらいの戦略上における最大のチートキャラであり、
清原提督は彼女に導かれて、自身の不器用さに苦悩しながらも【現在】と【未来】の両方を救うための壮大な戦いに立ち向かっていくことになる。

練度は【ユウジョウカッコカリ】でLv120止まりだが、艦娘の限界を遥かに超えているので肉弾戦で深海棲艦を始末できるぐらいおっかない。
その強さをステータス表示するとしたら、【提督ボーナス】:オール20の【異界艦改造】の理論値に到達しているとでもしておこう。



Q&A -もっと詳しく【異界】について知る-

注意:本来のプレゼンとはまったく無関係の今作独自の【艦隊これくしょん】に対する筆者の中の見解をズラズラと質問形式でまとめたものです。
→ よって、プレゼンの提案内容や本文にのみ関心がある方には蛇足でしかないので読み飛ばしてもらってかまわない。
→ あくまでも、詳細な設定が公式でぼかされている【艦隊これくしょん】の世界観に対する素人による一意見でしかない。
→ また、『解体すれば普通の女の子になる』という説には筆者は真っ向から反対しているので“艦娘∈人間”の考え方をしている方には目の毒な内容です



架空戦記の無粋な独自設定やその講釈が苦手な方はスクロールバーを使って欲しい。
質疑応答は次のレスからスタートし 終わったら直後に白紙を挟んでおくので白紙を目印にスクロールして欲しい。








































【α世界線】について――――――、

Q1.【α世界線】の艦種はどれくらいあるの?

A1.【戦艦】【巡洋戦艦】【巡洋艦】【航空母艦】【駆逐艦】【潜水艦】【特務艦】
【巡洋艦】【航空母艦】【潜水艦】が細分化されていないのが大きな特徴であり、くくりが大きいだけに艦種内での各艦の能力差が非常に大きい。
【巡洋戦艦】は厳密に言えば【巡洋艦】の1種なのだが、【戦艦】と【巡洋艦】の両方の性質を持つ独自の艦種であることから別枠になっている。
基本的に軍艦3すくみによって、【戦艦】は【潜水艦】に弱く、【潜水艦】は【航空母艦】に弱く、【航空母艦】は【戦艦】に弱いので、
【戦艦】【潜水艦】【航空母艦】の3つを軸に据えてその他の艦種で弱点補強をする艦隊編成が基本となってくる。
それ故に、ゲームシステム自体も【γ世界線】のものとはだいぶ異なっており、主力艦と補助艦とで役割ごとにそれぞれMVPが貰えるようになっている。
それでも、戦艦一強がゲームバランスの前提となっており、また正規空母に相当する大型空母が【あちら】では遅くに本格的に登場したために、
【潜水艦】さえいなければ【戦艦】はまさしく最強の戦力として戦場を支配するに足る性能であった。


Q2.“りう”の提督としての素質が疑わしい

A2. 実際その通りなのだが、【破滅の未来】のモデルが【史実】の戦争末期の大本営がアレな状態なのでお察しください。
ただし、【α世界線】では軍艦3すくみが軸になっていたのでまさかそれが通用しない【異世界】にやってきてしまったなんて予想がつかないので、
“りう”には情状酌量の余地がわずかながらあるのだが、さすがに緊急事態だったとはいえ初戦で足止めの役割を果たした後は本隊の到着を待つべきだった。
それでも、それとなく【異世界】だということはうすうす気づいてはいたので弁解の余地はこれ以上はない。
しかしながら、結果として万事がうまく収まったのだから塞翁が馬である(――――――『物語の進行の都合上』と言えばそれまでだが)。


Q3.【α世界線】の【未来】と【昔】で違いはあるの?

A3. 深海棲艦の進化がパワーインフレを引き起こし、戦艦レ級の数倍の強さの超大型弩級戦艦によって軍艦3すくみが崩壊した
力には力を――――――その結果、深海棲艦のパワーインフレに真っ向から対抗できる戦力が出揃わなくなり、
深海棲艦による一方的な人類殺戮ショーとなってしまった(それと同時に【未来】では軍縮と艦娘の人間化の影響で戦力増強がおざなりになっていた)。
また、ユーザーが戦っている時代から十数年の年月が経ったという架空戦記の独自の領域なので、
ゲーム的な視点で言えば、メタ的な要素(=そこそこのリアリティを追求した二次創作)の考察の導入で、絶望感や悲壮感が漂う“戦後”が描かれることになった。
この【未来】の絶望感こそが現在の【艦これ】における深海棲艦の理不尽な強さからの恐怖が元ネタであり、
戦艦レ級のまだ見ぬflagship級の登場に対する提督たちの怯え、イベントマップでの理不尽難易度がトラウマになっている提督たちの嘆き、
中部海域の最奥に進むことを余儀なくされている提督たちのハゲるような呻きが今日もどこからか響いてくる…………。



Q4. いまだに清原提督と“りう”の関係が掴めない

A4. 清原提督の視点で言えば、似て非なる平行世界の未来の自分が為した子なので生物学的には実の息子だが因果的には全く無関係の赤の他人
つまり清原提督は、全く見知らぬ子が自分のことを父親だと言い張って認知するように迫ってきたので御落胤騒ぎに繋がらないかと肝を冷やしているのだ。
しかしながら、公人としての顔ではそういった不祥事を避けるために拒絶反応を示しているが、心の奥底では自分と顔がまったく同じこともあり、
自分の子であることは“あまぎ”からの説得も受けて漠然と理解させられており、そういう意味ではちゃんと認知して何とかしようとは思っている。
しかしながら、基本的に自分の職域を食み出さず己の職務を全うすることこそが忠義であるとしているので、事実関係の明確化に対しては断固拒否している。
要するに『自分がやったこと以外には絶対責任なんか持たない』という理性的な判断と頑なさから物凄くぎこちない『実感の湧かない親子関係』になっている。
よって、清原提督の狭量さというか常識的な判断、最後まで責任を持てない己の領分を超えた事柄への対応がそうさせているのであって、
一方的に押しかけられたとはいえ、この辺が清原提督の男としての甲斐性の無さ――――――私人としてのヘタレっぷりである。

一方で、“りう”は清原提督のDNA100%の純正クローンであり、生物学的には完璧に清原提督の実子となる。
問題なのは、“りう”を清原提督の実子と認めるとしたら時系列的に清原提督が精通する前には生まれていることになるのでパラドックスに陥る。
よって、客観的な判断を下せば、“りう”は息子と言うよりは弟や甥と考えたほうが自然となるので“りう”に会った艦娘たちは自然とそう解釈していた。


図解:“りう”のタイムトラベルの軌跡

α世界線:現在 ←…/… ・―――― 未来 =“りう”にとっての現在であり、生まれ故郷
               |
            ・ ― ・
            |
γ世界線:現在 ← ・………/……… 未来

        ↓
  ⊿世界:【γ世界線】内に派生した新しい世界が生まれる
※本来の【γ世界線】の大まかな流れは変わらないが、細部で大きな変化が生じることになった



Q5.【異界艦】の存在を秘密にしておくべきなのに何かポロポロ口にしている気が……

A5.人間である我々ですら【異界】への理解が難しいのに、戦うことしか知らない兵器の艦娘にその重大さが理解できるわけがない
読者は神の視点に立って重要な事柄の情報を総合的に得られているが、基本的に読者が得ている情報の全てを物語の登場人物が共有することはまずない。
よって、艦娘であろうが人間であろうが、“りう”が口癖のように言う【この世界】だとか『軍艦3すくみ』なんかは大抵 聞き流すか すぐに忘れる。
そもそも“りう”は技術士官:あまぎの養子であることが告知されているので、認識の齟齬がある程度あるだろうことは暗黙の了解となっていた。
そして、『清原提督の影武者として教育を受けている』とも言われているので、尚更 話題にしないように鎮守府の職員も艦娘も努めている。

ちなみに、【異界艦】の存在について知っているのは物語中でも語られているごくわずかなメンバーだけではあるが、
【八八艦隊】のように【史実】で完成が果たせなかった姉妹艦や旧友たちとの出会いを通じて自然と理解されていくケースも有る。
それでも、【異界艦】を獲得するに至った経緯と使命について知っているのは物語中に語られたメンバーのみであり、
【建造】したての【異界艦】ですら、自分がどうして【ここ】にいるのか説明してもらわないとはっきりと理解できないので、
【異界艦】を放っておいても自ずから真相に辿り着くことはなく、【この世界】の艦娘も【異界艦】を新装艦と認識するだけで特に変だと思うことはない。

※明らかに最初に全てを悟っているかのような【異界艦】がただ一人だけ存在しているのは、彼女が【異界艦】の導き手だからです。




Q6.“戦後”に実装された名誉退役で艦娘から法的に人間になった艦娘は“りう”のようなクローン人間しか生めないの?

A6. 厳密には違います。基本的に艦娘の妊娠というのは受精卵入りの使い捨ての人工子宮を体内に埋め込んで実現されますので、受精卵次第です
ただし、艦娘には元々 生殖機能はなくても男の浪漫である夜戦(意味深)機能はちゃんとある模様。
しかしながら、艦娘の子供が欲しい場合は――――――『艦娘と同じ外見をした人間の子が欲しい』という飽くなき欲求から、
艦娘そっくりの外見の遺伝子情報をもったデザインベイビーの卵子が開発され、これによって人工的とはいえ艦娘との愛の結晶が誕生できるようにまでなった。
はたして、清原提督と鳳翔との間の子である“りう”を雛形とする艦娘とのハーフ(厳密にはハーフではないが)に遺伝子的欠陥があるのかはまだ明らかではないが、

――――――人間と艦娘との境界線が曖昧になったことから始まる悲劇はここから始まるのであった。

ちなみに、人工子宮を艦娘に取り付けることができたのだから、今度は授乳機能までも実装してしまうのが神国:日本なのでした。
これによって、擬人技術が飛躍的に進歩することになり、世俗のライフスタイルに大きな影響を与えることになったのは言うまでもない。


Q7.“あまぎ”って長生きしすぎじゃね?

A7. そもそも艦娘の最期というのはたいていが戦場での轟沈なので、経年劣化で廃艦(人間で云うところの老化と老衰)になった例が確認されていない
なので、艦娘という知的生命体の寿命や生態についてはまだまだ神秘のベールに包まれているのである。
それ故に、“戦後”の名誉退役や艦娘の妊娠出産が社会にどのような影響を与えるかまでははっきりとはわかっておらず、
“護国の英雄”たる海軍士官らの強い後押しによって無理やり実現されており、――――――それが“りう”が嘆く【破滅の未来】に繋がったようでもある。
ここでも海軍は大艦巨砲主義に走って人間的な大きな間違いを犯してしまったようである。


Q8.【この世界(=γ世界線】と【あちらの世界(=α世界線)】の目立った違いは? どうして似て非なる世界でも過程が違ってくるのか。

A8. 端的に言えば、清原提督を慕っていた金剛γと天城αの提督LOVEの性質がまったく違っていたから
一般的に“提督LOVE勢”と呼ばれている艦娘たちの筆頭として金剛が挙げられるのだが、LOVEを“恋愛”以外に解釈した場合に、
pixiv百科事典に拠れば、“恋愛”“親愛”“敬愛”の3つの系統に再分類されており、
金剛γは言うまでもなく“恋愛”系統 屈指の提督LOVE勢なのは疑う余地はない(直接的かつ熱烈なLOVE CALLにおいて彼女に敵う者はいない)。
では、天城αはどうなのかと言えば、どう考えても“敬愛(=忠誠)”の塊のようなやつです。

よって、鳳翔を交えたそれぞれの世界線での三角関係の模様も結果は同じでも過程という名の日々の色合いもずいぶん変わってくるはずである。

その証拠に、金剛がいた場合だと鳳翔とのケッコンカッコカリする時期がα世界線に比べてかなり早くなっているらしく、
やはり色恋に積極的な美少女がいるとそういったことに対してヘタレな清原提督にも響くものがあるということらしい。
そもそもこの男がケッコンカッコカリした理由は『好きだからケッコンした』というよりも『今までの感謝と地位の明確化』であり、何か普通とは趣きが違う。

一方で、天城がいた場合だと清廉潔白で貞淑をモットーとする男1人と女2人の理想的で健全な職場環境に仕上がったので仕事は進むが恋愛は進まない。
さすがに“恋愛”系統の鳳翔でも堅物の清原提督としては天城γの方が好ましく思えるタイプなので、もしかしたら天城γに傾く未来があったのかもしれないが、
そこは傷心に苛まれた清原提督を鳳翔が襲ってくれたので堅物の清原提督は彼女を伴侶に選ぶ(=選ばざるを得ない)結果になった。
そして、天城αこと『天城』は出し抜かれて一線を越えられてしまったので『浅ましい思い』を抱き続けることになった(鳳翔に対する非難もあったに違いない)。

天城αはα世界線における提督LOVE勢の筆頭である金剛γに相当する立ち位置であり(だって、天城型巡洋戦艦が4隻も完成していたら旧型は予備役だろう?)、
鳳翔とは違った意味で“妻”と呼ぶのにふさわしい凛とした態度が魅力の正統派和風キャラ故に、
他とは一線を画す 超然とした人格設定も相まって、金剛γのような華やかさこそ欠けるが屈指の人気艦という設定である。
しかし、その性質が“敬愛”を超えない・超えさせないようにしているために、その点で似たような潔癖性ともとれるヘタレな清原提督とは相性が抜群だが、
互いに性的な考えを巡らせるようなことはしないようにしているので、どちらにしろ鳳翔と清原提督が結ばれるのは必定だったと思われる。
何よりも互いの考えが似ているだけあって思考の違いから触発される新たな発見というものが生まれ難く、
清原提督の意思や方向性を確認する点においては天城αが適役だが、清原提督を慰める点においては完全に鳳翔の方が適役。

別に、ケッコンカッコカリについてはその有効性について知らないわけでもなく、おっかないケッコンカッコカリボイスをいうものの、
ケッコンに関しては未来のことがわかるのでその代償を共にする意味で彼女としても命懸けであり(戦後まで生き延びた後のことを考えると)、
かつケッコンカッコカリを無駄にしないために釘を刺す意図で脅かしを入れており、理解できない人間からは恐妻のように恐れられることになる。
しかしながら、心の底から提督と皇国のことを思っていることがよりにもよってユウジョウカッコカリ経由のケッコンカッコカリと轟沈でしか通常では聞けないのが最もにくいところである。わかるわけないだろー!
雰囲気ぶち壊しの今までになかった趣きの内容ばかりなので、初めて聞いたらびっくりして一番印象に残ってしまう艦娘に仕上がることだろう。
元々 天城αの立ち位置は○○ァ・スンなので、プレゼンターの中では関東大震災で廃艦になるという運命が別な形で振り返られているのかもしれない。

・ケッコンカッコカリ
天城α「隠しきれない移り香がいつしかあなたに浸みついた――――――誰かに盗られるくらいならあなたを殺していいですか?」ニッコリ
天城α「大丈夫です。提督がお求めになった私が今日まで大事にとっておいたものを満たし続けていれば、何人 夫婦の契りを交わしても気にしませんから」フフッ

・ユウジョウカッコカリ
天城α「提督、先はまだ長いですが皇国の栄光は必ずやってきます。ですから、提督もその日が来るまで生き延びて見届けてください。どんな形であっても」

・ユウジョウカッコカリ→ケッコンカッコカリ
天城α「提督。ひとつだけ、今日 最愛の人と交わす最初で最後の約束――――――」
天城α「私がいなくなっても私より長生きして……。そして、護ってあげて、新時代の主役となる子供たちのことを…………」プルプル・・・
天城α「言わなくてはならないことだけれども、だけれども……、どうしてこんな、こんな………………うぅ 提督ぅ」ヒッグググ・・・

・轟沈
天城α「ああ……、時が見えるわ、提督」
天城α「あの震災と同じように炎に焼かれて灰燼に帰した帝都の街並み……でも、それを乗り越えてもっと弥栄えた未来が待っているから」
天城α「だから、泣かないで、提督。身は滅んでもどうか私の祈りが新時代の礎とならんことを」ニコッ


ところで、『天城』を見るに“敬愛”よりも“恋愛”に大きく傾いていることにこれを読んで首を傾げている者がいるだろうが、
『天城』がただの天城αを超越した存在だからであり、鳳翔に抜け駆けされたことや戦後の名誉退役による新たな生活の中での新たな関係性を求めた結果、

愚直なまでに清原提督の遺志を守り通すぐらいのその意識の源は何なのか――――――きっと“愛”なのだろう。それが一種の悟りの境地に導く。

“恋愛”“親愛”“敬愛”その他諸々の自身が持ち得る“愛”の全てなので、彼女の言う『愛しています』はやはり普通一般の言う『それ』とは趣きが違う。
この何とも言えないへそ曲がりのような一筋縄ではない思考から見ても、清原提督と一番 相性がいいのは天城αなのがうかがえるのではないだろうか。
最後に、あの時 傷心の清原提督を慰めるために許された手段に含まれていれば、自らの身体を差し出すことも厭わなかったのが天城αであり、
清原提督の考えに合致する所があるために実現はしなかったが(言い換えれば、『だから しない』という程度の話であり、有効ならばやっていたかもしれない)、
それ故に、字の通りの献身さは艦娘どころか並の人間ですらできないようなレベルである。率先して私を犠牲にして他を活かすやり口を徹底している無私の怪物。



【β世界線】について――――――、

Q1.【β世界線】の艦種はどれくらいあるの?

A1.【戦艦】【巡洋戦艦】【巡洋艦】【正規空母】【軽空母】【護衛空母】【駆逐艦】【潜水艦】【潜水空母】【特務艦】
ロンドン海軍軍縮会議に参加していないので【巡洋艦】に制限がないことから【軽巡】と【重巡】の区別がない。
しかしながら、ロンドン海軍軍縮会議の【巡洋艦】の制限の標的となった古鷹や夕張なども属しているので出てくる艦娘に大きな違いはなく、
むしろ【γ世界線】の方で太平洋戦争の経過によって建造計画を変更させられた艦娘の本来の姿のままで扱えるのが多い。

しかしながら、前提としてワシントン海軍軍縮条約で陸奥が廃艦となっているので、その当時の主力艦で最新鋭なのは長門しかおらず、
帝国海軍は制限がない新戦力である航空母艦や潜水艦を主力に運用することに目をつけて、あっさり長門を支援艦に大規模改修することを決断した。
それによって、世界最強の空母機動部隊と潜水艦隊が編成され、一方 “ビッグ3”長門は41cm四連装砲塔を載せて世界を驚愕させるなどの奇行に走った。


Q2. もしかして【β世界線】には【艦これ】はないの?

A2. そういう設定です。激戦といえるほどの激戦はなく、たいていは帝国海軍の鮮やかな快勝なので沈没艦のほうが少ないので深海棲艦もいません。
なぜなら、大東亜共栄圏という地上の楽園を実現したので、戦争という愚かな歴史の記憶は完全に忘れ去られたのだから…………
ちなみに、長門は長門公園のモニュメントとして永久保存となり、【γ世界線】には生きながらにして召喚されているような状態である。
もし、この長門が沈めば元の【β世界線】のモニュメントにも何らかの影響があるのではないかと思われる。
(三笠はすでに旧式艦として使命も寿命も使いきって骸となっているが、三笠よりずっと若く長門は技術も進歩した中での永久保存なのでまだ死んでないらしい)


Q3. 大和型戦艦はいるようだけど……

A3. 存在はするが、長門という魔改造戦艦がいたし、すでに大艦巨砲主義の遺産なんて戦略的に不必要という扱いに
その予算があるのなら空母や潜水艦を造って長門が釣りだした敵を一挙に撃滅すべしというのが【β世界線】の帝国海軍の戦略。
あとは、武力に拠らずに各地の民族運動を裏で支援して植民地支配を打倒して、アメリカの人種差別問題を刺激して第二次南北戦争一歩手前まで追い詰めた。
【この世界線】の皇国は世界恐慌の解決策に大東亜共栄圏を構想したのではなく、最初から大東亜共栄圏を作って欧米を追い出すという壮大な国家戦略の元に、
ワシントン海軍軍縮条約における陸奥 廃艦を“第2の三国干渉”として、臥薪嘗胆――――――“第2の日露戦争”の勝利のために取り組んでいた模様。
陸奥廃艦の怨みから米英に愛想を尽かして、脱亜入欧から逆に入亜脱欧に切り替えた結果が大東亜共栄圏 樹立に繋がったようである。

しかしながら、ゲーム的には大和β・武蔵βとして【異界艦】版が扱えるようになるので存在しているだけ恩恵があるというわけでして。


Q4. 結局、あの戦争で足りなかったものって何だったのか? というか、どうやって勝ったんだ、そのβ世界線は?

A4. 外交力、陸海の団結力、和の心を持った指導者
帝国主義の時代で何を言っているのか思うだろうが、どう考えても【史実】においては外交上の下策をとりまくったのが大きく記録に残されている。
ワシントン海軍軍縮条約とか大角人事とか昭和維新とか韓国併合とか満州事変とかとか…………
そして、兵の質=マンパワーは間違いなく世界一の日本ではあるものの、それを活かせるだけの戦略家が表舞台で活躍できなかったのが大きな痛手。

太平洋戦争を回避するという意味で最も有効な政策? 

――――――アメリカを味方にすることだろう? それ以外に何がある? これに尽きる。

何? ABCD包囲網やハルノートの最後通牒で戦わざるを得なかったのにそんなことができるのかだって?

――――――何のために赤い国が近くにあると思っているのだ?

シベリア出兵の時でも何でもいいからもう一度 列強にアカの脅威を訴えて日本が満州を得ることの重要性を再認識させればいいのだ。
これは戦後の日本占領政策と朝鮮戦争の指揮を執ったダグラス・マッカーサーが認めたこと(1951年5月 アメリカ上院 軍事外交合同委員会)であり、
「あれは日本の戦争は防衛戦争であり、アメリカが太平洋で犯した最大の下策は共産主義者が支那において勢力を拡大するのを黙過したこと」
なので、満州事変が起こる前までに日本は列強に対共産包囲網を働きかけて日本国の存在価値を認めさせれば太平洋戦争そのものは絶対に起きない。
最初にロシアの南下政策の脅威ありきで征韓論や日露戦争が勃発したという歴史的な背景を無視してはならぬ。そして、それは今も変わらないのだから。

β世界線における第二次世界大戦は太平洋戦争に相当する凄惨な総力戦が存在しなかったのでアメリカと事構えることになってもすぐに停戦した。
満州における対共産主義の防衛の重要性を国際的に認めさせておけば蒋介石の中華民国との戦争も起こらない。張作霖の影響力も封じるためにあれこれ。
一方で、ヨーロッパ戦線は【史実】に近い流れではあったものの、ダイナモ作戦が失敗しているので“ダンケルク・スピリット”という標語が生まれず。
というか、ダイナモ作戦は元々 チャーチルが大失敗を覚悟して実行しているものなのでそこまで影響はないかと思われるだろうが、
逆に大失敗が大成功になったという奇跡が起きたことで士気が奮い立ったのでダイナモ作戦が成功するか否かでイギリスの戦意は激変する。

問題は、このままいくと中国の共産化のめどがたたなくなるし、かといって宗主国からの離脱を図りたい東南アジアの独立運動の中心となるものがなくなる。
そこで日本から登場した第3のイデオロギーが独立運動の柱として入り込んでくる余地が生まれてくるというわけなのだ。


長門β「…………提督は実に大東亜共栄圏の立役者である英雄にそっくりですな」フフッ


Q5. プレゼンターとしてはあの戦争はどう捉えているのか

A5. 決して無駄ではなかった歴史的意義のある戦争だった
結果が全てだと言うのなら、結果的に欧米の帝国主義に終止符を打ち、結果として東南アジア諸国の独立を促した功績は戦争に負けた以上に大きいことである。
ある意味において大東亜共栄圏の主目的であった植民地解放が果たされたことにより、今の時代に繋がっているのだから負けばかりに目を向けるのもよくない。

関係ないことだが、日本の平和憲法についてはアメリカが押し付けたものであり、憲法第9条によって平和を保たれてきた――――――。

という理論は私は正しいと思う。ただし、戦後の復興に専念したい日本にとって正しいだけであり、いつまでもその時の国際理論が正しいと思ったら大間違いだ!
アメリカは朝鮮戦争が勃発したことで心底この第9条の存在を呪ったことだろう。日本は事実的な庇護国の扱いで戦火に巻き込まれることはなかったのだから。
悪の軍国主義を完全につぶした結果、湾岸戦争の時まで延々と“軍隊を持っていない”で協力を拒否され続けられることになり、
そういう意味では平和憲法はあの時の日本にとって“自国のために他国の軍隊に血を流させる原爆以上に頼もしくて恐ろしい武器”であったと言える。
そうなんです。戦後のあの時代において平和憲法は空前絶後のチート武器だったわけなんです。
皇国の大神が天の岩屋に隠れて世界を混乱に陥れいれたのと同じぐらいの衝撃的で革新的な武器なのです。

そして、『その武器に頼る必要がなくなった=そんな武器に頼るのはチートだ!』というフェアプレーの精神がようやく国内に満ちてきたようです。



・ここからはくだらない独白だが、スキップ推奨しているのでここまで目を通してくれた好き者を止める気はないので綴らせていただく。


21世紀――――――世界は確かに変わった。戦争が変わった。高度な情報社会が発達した。外の世界について知ることができるようになった。

そんな中で2013年にとあるソーシャルゲームがDMM.comより提供されるにいたった。
「へえ、軍艦を女体化したゲームか。大丈夫なのかな?」初めてそれに触れた時に不安があった。
何かと言えば、旧大戦に関することを言えば軍国主義というレッテル貼りが盛んに行われていた記憶が鮮明であり、
「まあ、18歳未満プレイ禁止だし、そこまで取り沙汰にもならないだろう」と思ってあんまり注目していなかった。

しかしながら、しばらく立たないうちにソーシャルゲームではあるまじきサーバ増設と新規アカウント取得者に溢れ、驚くべき大盛況を博していた。
10万程度の規模を公式が予想していたのに1年も立たないうちに100万人のユーザーを獲得するというとんでもない盛況っぷりである。
何がこんなにも人をここまで惹きつけたのか? ソーシャルゲームだってモバゲーだとかパズドラだとかいっぱいあるじゃないか。
そのゲームが特別に秀でているポイントがあるに違いない。画期的な点が何だったのかを自分なりに研究してみることにしてみた。

最初に思いついたのが、女体化したゲームだということだ。
能楽でも非生物を主役にしたものだってあるし、獣姦だって悲しいけど春絵に残されているぐらい昔からある発想なんだから日本人に来るものがあったのだろう。

次に思いついたのが、ソーシャルゲームでありがちな課金要素を極力排除している点だ。
「課金しなければレアガチャが揃わない=ランク上位者は金持ち」という法則を見事に打ち破って、極めて平等な真の運ゲーを実現しているところだろう。

更に思いついたのが、ソーシャルゲームの戦略ゲームとしての低クオリティさが逆にとっつきやすいのかも。
昔からウォーシミュレーションゲームはKOTYノミネートが出るぐらいに作る側からしても遊ぶ側からしても複雑怪奇だからライトゲーマーには向かない。
よって、ソーシャルゲーム程度でできるウォーゲームなんていうのはおせじにも完成度は高いとは言えないが雛形を創り上げた功績は大きい。

後れて思いついたのが、軍艦という擬人化しやすい個性的なエピソードや特徴をもった題材だから親近感が湧いたのかも!
確かに、このゲームを雛形にして生まれたゲームを見るとこのゲームほどのモデルと実態のシンクロ率があんまりない。
悪く言えば、うえきの法則や断罪のクライムエッジのような印象があって、何か題材が調理しきれていないような気がしていた。
おそらく戦車を擬人化したゲームを出したとしてもこんなような違和感が拭えないだろう。やはり固有名があって個性的なエピソードと特徴は偉大なのだ。

あれこれ考えて思いついたのが、やっぱり今はアニオタとか萌え豚とかが堂々と生きていられる時代だから中破で一部 装甲がはだける演出がうまかったのだと。
うん。煩悩には勝てないよね。おかたい先生もお偉方も美少女が一生懸命戦って、その果てに傷ついて帰ってきたら保護欲そそられて――――――


そんなこんなでいろいろ考えて来たのだが、やっぱり何かこうもっとこのゲームがポケモンのような爆発的ヒットを遂げた核心的な何かには思い至らなかった。
もちろん、このゲームの優れているところはメタ的な視点における昭和時代の堅苦しさを排した現代の気風に合わせたライトな雰囲気に加え、
従来の数々のソーシャルゲームの流れを踏まえた上での画期的なシステムや演出の工夫が光っているところであり、
これから完成度が増してラグナロクオンラインに並ぶ定番オンラインコンテンツとして長生きできるか非常に楽しみである。
今でこそ擬人化ゲームはこれを雛形にして数多 世に産声を上げているが、基本的に元祖の威光というのか「元祖は長生きする」のがこの世の法則のように思える。
何かあるんだろうなー。元祖として雛形を創り出してきた人間の発想の源泉には――――――。


だが、ある時 自分が納得できるような答えを得るに至った。


――――――“大楠公”楠木正成のことである。


伝統的な価値観を否定して西洋化を導くためとはいえ、福沢諭吉から“ただの歴史の敗者”と切り捨てられている彼ではあるが、
それまでの時代、おそらくの今の時代で彼の者を“朝敵”だとか“天下に仇なす不届き者”だとか罵るものはおそらくおるまい。
言わんとしたいことのもっと身近な例で言えば、


――――――新撰組なんかも現在ではたくさんの乙女ゲーの題材になるほどの庶民的ヒーローになっているではないか。


明治維新の頃は完全に“朝敵”“賊軍”の扱いだったというのに、そんなことは現代ではすでに忘れられており、
明治維新の立役者である志士たちを弾圧してきた忌むべき歴史の敗者たちであるというのにこれはいったいどうしたわけだと言うのだろう?
だって、仮に新撰組が活躍しすぎて京都に潜伏中の桂小五郎(=木戸孝允)が討ち取られていたら確実に歴史が変わっていたのだぞ?
そう考えると、一種の平将門 怨霊信仰のようなものを感じざるを得ない。あるいはソ連の力の象徴としてのヨシフおじさんの信仰とも重なる。

つまり、事の善悪の超越してその人たちが発揮した事跡に人々の心が惹かれていることに他ならないだろうか?

そして、彼の者が生きていた時代では名が売れてなかったものが後代になって評価されて名誉が回復するなんてことも芸術の世界でも耳にしたことがある。
また、ジャンヌ・ダルクとかもそうだし、全体的に今の時代は絶対的な勧善懲悪が存在しない代わりによく勉強して再評価がなされる時代になっていたのだ。
スパロボを見たって、ウィンキー時代のクリスチーナ・マッケンジーの弱さも資料調査が行き渡って今ではオールドタイプ トップクラスの能力だし。
ということは、――――――あれだ。


――――――このゲームがここまで大ヒットした一番の原因は戦後レジームの精神が終わりを告げたからなんだ!


今まで忌むべきものだった“軍国主義”の象徴である軍艦が女体化されたとはいえ広く世間に受け容れられるようになったということは!
もう戦後日本という経済感覚1流だけど政治は3流のエコノミックアニマルの殻を破って日本独自なもので世界の頂点を真に目指せる精神が固まったんだあああ!
“軍国主義”のレッテル貼りで不当に貶められてきたものや自国が真に世界に誇れる文化がきちんと内外で評価される時代がやってきたんだあああ!

と、内心 納得しいたく感激したもののである。
これから戦後レジームの暗いトンネルを抜けてトンネルの向こうの輝かしい新天地が待っているのではないかという希望がふつふつと湧いてくるのだ。
社会現象になったゲームをサブカルチャーと侮るなかれ。すでにサブカルチャーじゃなくてメインカルチャーにまで地位が押し上げられているのだから。
むしろ、サブカルチャーになりつつあるのが音楽業界であり、私が見るに驕れる旧帝国軍のようにとどめの一撃が入るのは近いのではないかと思う。


――――――時代を感じろ! 日本にとっても世界にとっても歴史にとっても大転換になるはずである。


古きものに縋り続ける者は滅び消え、新たなる時代の雛形はすでに生を受けてその瞬間の時を待ちわびている!




…………ま、という感じでまったく関係ないプレゼンでも架空戦記でもないまったくの駄文を長々とお読みいただきましてありがとうございました。
完全に“私”としての拙いエッセイでかつ『やり過ぎた』とは思ってはいるので批判は大いに結構です。
ただ、言わんとしたいことは理解していただけるものだと思っております。「新しい時代は来ているぞー!」って声が。
バイオレンス・エロティック(≠エロ)マンガの先駆者である永井豪のような新時代を担う天才が現れたのだと確信している次第である。


それでは事前告知の通り、これでQ&Aは終わりですので次のレスは白紙で出します。その後にお口直しをお1つどうぞ。



















































































おまけ:【α世界線】の「巡洋戦艦:天城」とは本来どういった艦娘なのか


清原「やあ、“あまぎ”」

あまぎ「はい、提督」

清原「【異界建造妖精】に早速【建造】をさせてみたのだけれど「お前」が出たぞ」

あまぎ「あら」



天城α「天城型巡洋戦艦1番艦:天城です。妹の赤城と加賀がお世話になっております。あ、そうなのですか、【この世界】の『私』は――――――」



清原「よろしくな。私はこの鎮守府司令官の清原だ」ビシッ

あまぎ「技術士官の“あまぎ”と言います」ビシッ

天城α「はい!」ビシッ

天城α「…………え?」ジー

あまぎ「何かしら?」

天城α「あなたはもしかして――――――いえ、何でもありません」

清原「なるほど、国産初の純粋【巡洋戦艦】なだけあって金剛型よりも遥かに優れた能力だな」

あまぎ「でも、ユトランド沖海戦のことを踏まえれば紀伊型戦艦よりも信頼性はずっと落ちるのですけどね」

清原「それでも、速力の高さはそのまま使いやすさに直結する」

清原「【艦これ】的には一発当たったらそれで中破・大破が当たり前なんだから、『回避こそが最大の防御』って感じだからいいじゃないか」メメタァ

あまぎ「ハア……、まさか【巡洋戦艦】の生みの親のジャッキー・フィッシャー提督の理論が有用とされるだなんてわからないものね」

清原「さて、さっそくだが「天城」、いいか?」

天城α「はい」

清原「ここでは来たばかりの新人の為人を見るために、1日目は【秘書艦】見習い、翌日には【秘書艦】に任命する」

清原「よって、自室に案内した後はすぐに【秘書艦】として働いてもらうが、大丈夫か?」

天城α「わかりました」

あまぎ「…………提督?」ヒソヒソ

清原「何だ?」ヒソヒソ

あまぎ「この「天城」は未熟者なので、いろいろと気をつけてくださいね」ヒソヒソ

清原「…………?」

清原「ああ、わかった……」



――――――巡洋戦艦:天城αとの一日


天城α「○五○○。さて、これから今日の準備を始めるといたしましょうか。今日の書類はこれぐらいですからすぐに終わりますね」

天城α「○六○○。おはようございます、提督。今日も得るものがある一日といたしましょう」

天城α「○七○○。どうでしたか、朝食のお味は? では、こちらの書類についてはこちらでやっておきましたので確認をお願い致します」

天城α「○八○○。今日の鎮守府の運営はこのようになっております。艦隊出撃や物資の搬入も滞り無く進んでおります」

天城α「○九○○。提督、艦娘にも自分にも度の過ぎた無茶はなさらないようにしてください。どちらも提督にとって一番の財産なのですから」


天城α「一○○○。そろそろ休憩にいたしましょう。お茶とお菓子をお持ちいたしますね」

清原「ああ。助かる」

スタスタスタ・・・バタン

清原「一日だけ研修させただけなのに、いつもの3倍以上の速さで仕事が片付いてくぞ……」

清原「それに、適度なタイミングで休憩を挟んでくれるし、凄くやりやすい。大したものじゃないか」

清原「“あまぎ”のやつ、何を『いろいろと気をつけろ』だって?」

清原「さて、【異界艦】の【建造】をしてみるか」ピッ


――――――だが、事態は次から急転していくことになる!


天城α「一一○○。――――――赤。赤。赤。赤に染まる帝都。この赤は浄めの赤?」

清原「へ」

天城α「ハッ」

清原「何か言ったか?」

天城α「…………すみません。ちょっとボーっとしていました」

清原「そうか? それなら「天城」はもう十分に事務処理をしてくれたから、ゆっくり休んでいてくれ。もう大丈夫だから」

清原「一昨日 入ってきたばかりなんだし、【異界艦】特有のストレスでも感じてるんじゃないのか? 楽にしていいぞ」

天城α「ありがとうございます」

清原「………………」

清原「(確かに『人間:あまぎ』と比べれば、【建造】したてなだけあって及ばない面が目立つが、極めて優秀で気配り上手で人柄もいい完璧超人)」

清原「(しかし、それだけに何かとてつもない危うさのようなものを感じてしまうのは気のせいだろうか?)」


――――――その悪い予感は的中することになる。



天城α「一二○○――――――っ! 提督! 気をつけてください! 急いで火を消して、机の下に隠れてください!」ガタッ

清原「急に何を言って――――――」ビクッ

天城α「急いで」ガバッ

清原「うおっ!?」ドサッ ――――――天城αに覆い被さられる!

天城α「この身に代えても提督は――――――!」アセダラダラ

清原「何がどうしたんだ、「天城」!?」

ガチャ

鳳翔「あなた、そろそろお昼――――――え」

清原「何にも起こってないから! いいかげんに離れろ!」ジタバタ

天城α「提督だけでもお守りいたします――――――」ギュゥウウ!

鳳翔「…………え、「天城」さん?」

あまぎ「あーあ、やっぱりこうなっちゃうのねぇ……」

鳳翔「あれ、“あまぎ”さん? それでは、あちらは――――――」

あまぎ「…………」スタスタスタ・・・

あまぎ「ねえ」 ――――――左手で「天城』の頬をつねり、こちらに向かせる

天城α「?」

バチィン!

天城α「…………!?」ヒリヒリ

清原「あ、“あまぎ”……」

あまぎ「よく周りを確かめなさい! 自分の目で、耳で、肌で現在を確かめなさいよ!」ジロッ

天城α「あ」

天城α「………………」キョロキョロ

天城α「…………地震は?」

清原「何を言ってるんだ? 地震なんてなかったぞ、人騒がせな」ヤレヤレ

天城α「………………」


天城α「一三○○。先程は申し訳ありませんでした。帝都を大地震が襲って地獄の業火に焼かれて、『私』はそこで…………」

清原「…………うん? もしかして、大正大震災の大火災のことを言っているのか?」

あまぎ「はい。その時に【この世界】の『私』は加賀に後を託して息絶えたのです」

清原「………………」

あまぎ「あの大火災の原因となったのは、ちょうど正午前の昼食を作るために火を扱っていたために燃え広がったとされています」

清原「…………大丈夫なのか、本当に?」

あまぎ「――――――【異界艦】である「天城」には嫌でも視えてしまうだけに苦しいでしょうね」

清原「せっかく【異界艦】の目玉だっていうのに、時報ボイスで敬遠されちゃうじゃないか、これじゃ」メメタァ


天城α「一四○○。そう、長門も頑張ったのね。そして、『私』や土佐の代わりに、赤城も加賀も一航戦として精一杯戦い抜いたのね」

あまぎ「提督、新たな【異界艦】が誕生しました」

清原「そうか。連れてきてくれ」


赤城α「天城型巡洋戦艦2番艦の赤城です。姉の天城と一緒に【八八艦隊】の実働部隊の中核を担いました」


清原「おお」

天城α「あら、赤城じゃない。あなたも【ここ】に喚ばれたわけね」

赤城α「あ、天城姉さん」

清原「天城型巡洋戦艦がこれで揃ったわけだな(そうそう、赤城はほとんどそのままなんだよな。加賀が物凄く違っていてさ)」

天城α「いえ、まだ高雄と愛宕がおります」

清原「う~ん、そうか。高雄と愛宕がいるんだったか(これはまたややこしいことになるな……)」

あまぎ「もう一人、お連れいたしました」


加賀β「【標的艦】の加賀です……。どうかこの身を存分に皇国のためにお使いになってください……」ズーン


一同「!?」ゾクッ

加賀β「……どうしました?」←左前の白装束におろした長髪

清原「(――――――言葉を失わざるを得なかった)」

清原「(【この世界】の加賀のような気難しいが一航戦の誇りと自信に満ち、【あちら】の加賀のように妹もいて何か抜けてるけど優しいお姉さんであったが、)」

清原「(この加賀については、まず目につくのが血色が悪く死んだような目とおろされた長髪であった)」

清原「(なるほど、加賀という艦娘は生来 顔つきは暗めというのが決まりらしいのだが、これに関しては輪をかけて悪い方向に進んでいた……)」

あまぎ「勘違いしないでくださいね。この加賀は【β世界線】の加賀であって、あなたたちのよく知る加賀ではありませんので」

天城α「そ、そうだったの……」アセタラー

赤城α「ハア……、なんだかうっすらとそういう感じはしますが、よくわかりませんね」

清原「そっか。【ここ】でも妹の土佐が【標的艦】として沈んでいったように――――――、」アセタラー

清原「加賀も陸奥もそうなる可能性があったんだよな……(――――――それが【β世界線】の“ビッグ3”なんだ)」ドクンドクン


天城α「一五○○。――――――っ、長門!? ダメっ! あれは光らせてはいけない! あれは、憎しみの光――――――光が拡がっていく」

清原「!?」ビクッ

清原「おい、しっかりしろ!」ガタッ

天城α「あ、ああ…………」アセダラダラ

清原「だ、大丈夫なのか、本当に!?」

天城α「何もかもが消えていく……、人はいつになったら戦争を忘れられるの?」ガタガタ

天城α「ああ…………」ガクッ

天城α「」

清原「…………「天城」(――――――そうか、『未熟』というのはこういうことなのか)」ギュッ


天城α「あ、今……ちょうど一六○○? すみません、提督。もう少しだけその温かな手を寄せてくださりませんか?」

清原「ああ……」

天城α「…………ありがとうございます」

清原「……辛いか?」

天城α「はい。とっても」

天城α「――――――視えてしまうんです、【この世界】で起きたあらゆることが」

清原「…………知ってる(――――――『天城』自身が明かしてくれたことだから)」


天城α「一七○○。提督、今日のお勤めはこれで終わりですよ。後は「天城」にまかせてゆっくりお休みになってください」

清原「大丈夫なのか? 仕事は速いしそつがなく気配りも上手で非常に優秀だが、逆に何だか一人にはしておけないんだが」

天城α「いいんです。これは私の問題ですから」

天城α「『視えてしまうものは視えてしまう』のですから、私自身がそれに耐えられるようにして周囲の人に迷惑を掛けないよう努力いたします」

清原「…………心配だな」


天城α「一八○○。提督? もう大丈夫ですよ。ゆっくりと夕食や入浴をお楽しみになってください」

清原「そうさせてもらったよ」

コトッ

清原「さ、食べてくれ、「天城」。食べながら一緒に話しあおう」

天城α「あ、ありがとうございます」ニコッ


天城α「一九○○。提督、大変美味でございました。話も盛り上がって非常に華やかなごちそうとなりました。では、仕事の続きを――――――」

清原「ああ。お粗末さま――――――って、待て。あれだけの速さで事務処理できるお前にどうして仕事があるんだ?」

清原「何をやっているのか見せてくれ」


天城α「二○○○。これは私が勝手にやらせていただいていることです。ですから、提督はお気になさらず好きな娘と一緒に今日をお楽しみください」

清原「やめろ やめろ。これ以上は働き過ぎた」

天城α「いえ、これぐらいのことは大したことではございませんよ?」

天城α「むしろ、余った時間を有効活用しないといけませんから」

清原「だからといって、その余った時間も仕事に費やす必要なんてどこにある?」

天城α「提督は奥方様との時間をもっと大切になさるべきです」

清原「………………ムゥ」


天城α「二一○○。では提督、執務室のお掃除をさせていただきます。今のうちに見られて困るものは片付けておいてください」

清原「そんなものはないし、張り切っているところ悪いけれど、部屋の掃除なんてはちゃんとやっているから改めてする必要なんてない」

天城α「ご立派ですね。ですが、掃除の他にも整理整頓として備品の確認など探せばやれることはたくさんありますよ」

清原「…………楽しいか?」ヤレヤレ

天城α「はい」ニッコリ


天城α「二二○○。備品の補充に来てみたら、――――――ハエがわいてますね、ここは。ねえ、航空戦隊所属のあなた? 掃除しません?」

天城α「二三○○。皇国の大神たち。今日も一日 ご守護してくださり、ありがとうございました。どうか皇国と提督の栄光と勝利を…………」ブツブツ

天城α「○○○○。今日も一日が終わって――――――提督? お身体に障りますからどうかおやすみなさいませ」


天城α「○一○○。提督も物好きですね、こんな私に付き添っていただけるなんて。ありがとうございます、提督。本当に……」

清原「一緒に仕事の続きをやらせてくれないか?」

天城α「え」

清原「どうやら「天城」には学ぶところがあるようだし、まだ会ってから3日しか経ってないんだ」

清原「お前のことをよく知っておきたい。これから何かあった時のためにも」

天城α「……ありがとうございます」


天城α「○二○○。――――――陸奥!? ああ どうしてそんなことに…………どうして二人に立派な死場所を与えてくださらなかったのですか?!」

清原「…………大丈夫か?」ギュッ

天城α「はい。今度は大丈夫です……」ブルブル

清原「……今度は陸奥爆沈の光景でも視えたのだろうか?」


天城α「○三○○。提督、寝てください。これ以上は本当にお身体に障ります。寝坊しても私が仕事をしておきますのでお身体を大事になさってください」

清原「お前も寝ろ」

天城α「私は艦娘です。少し寝れば大丈夫ですから、お気になさらず」

清原「なら、今すぐ仮眠をとれ。私も帰って寝る」

天城α「わかりました」











天城α「○四○○。『私』があの震災の時に身を捧げたように、今度は私が皇国と提督の栄光と勝利のために身を捧げる番が来る…………」






























天城α「どうか、皇国の大神たち。皇国と提督の将来をお導きください。足りなければ、私の命を捧げます……」


――――――第7話X  孤高のビッグ3 -もう1つの“もう1つの世界”- 完

       Next:第8話  12月23日 -三笠公園にて- に今度こそ続く!


更新お疲れ様です

大更新だ読み込まないと・・・


第7話Y 一大反攻作戦第一号・序章    -離島要塞化計画-  

――――――斎庭鎮守府 隣:金本邸


剛田「さて、秋イベントが近いな」メメタア

金本「そうだな。いよいよ【海上陸戦機動歩兵】が真価を発揮する時が来たな」

剛田「【渾作戦】か…………陸軍の【○二】の出番は無さそうだな」

剛田「だが、だからといって、お前を出撃させるわけにはいかない」
       ヒトサマ
金本「また、海軍の【○四】で行くのか?」

剛田「しかたないだろう。自分で行きたいんだったら代わりの者を司令室に置いておけ」

金本「嫌だね。俺以外の人間に俺の椅子に尻を置かせると、不思議なことに俺の財産が少しずつ失われていくんだよ~?」

剛田「なら、俺が行くしかないだろう」
                          ・
剛田「それに、俺たちが目指している先は【褌作戦】なんかじゃなく、“一大反攻作戦第一号”なんだからな」

剛田「つまり、“陸海合作第一号”となる離島要塞化計画を成功に導かなければならないんだ」

金本「わかってる わかってる。そのために必要な戦力を整えつつあるんだから」ブルルル・・・

金本「さて?」ガチャ

――――――
明石「改装が終わって、みんな勢揃いですよ!」
――――――

金本「あい、わかった」ガチャ

金本「さて、それじゃ時間かな?」

剛田「お前が貯めこんだ【勲章】に手を付けたのも初めてじゃないか?」

金本「そうだな。まさかあの娘が改二に選ばれるなんてな」メメタア

剛田「確か姉妹艦の誕生日に当たる日は【渾作戦】中にあるから、以前のようなサプライズ実装で姉妹仲良く改二デビューしたりしてな」メメタア

金本「どうだか? まあ、【勲章】は余るほどあるんだ。もしそうなっても大丈夫なんだけどねー」

金本「――――――さすがは俺!」ドヤァ






扶桑改二「改装された、扶桑型の力……お見せします!」

瑞穂「水上機母艦:瑞穂です……。軽空母:祥鳳さんとは、うん 仲良しなんですよ」

鹿島「練習巡洋艦:鹿島です。最後の海軍大将:井上成美先生の開戦当初の座乗艦として名を残し、終戦後は復員輸送艦として務めを果たし、解体されました」




――――――航空戦艦:扶桑改二について


金本「なんだとおおおおおおおおお?!」

剛田「どうした?!」

金本「今 扶桑改二の【近代化改修】をしているのだが、――――――【火力】の上限がクソ高い! 90を超えてもMAXにならねえ!?」メメタア

剛田「ちょっと待ってくれ! 何だそりゃ!? 【航空戦艦】なのに【戦艦】並みの【火力】ってどういうことだよ?!」メメタア

金本「…………おそらく金剛型よりはさすがに低いはずだが、何なんだこの【火力】の伸びは?!」メメタア

山城「ああ 扶桑姉さま、凛々しい……」ウットリ


――――――主砲の火力だけは自慢


金本「そう言えば、そんなこと言ってたっけか」

金本「山城……、お前もああなる可能性があるというわけだが――――――」

剛田「【艦これ】式パワーインフレだな、まさしく」メメタア

剛田「そして、艦載機:40で、4スロ目が23という凄まじい偏り具合――――――!」メメタア

剛田「そして、燃費もあの大和型の半分を超えるという魔改造っぷり! 反面、【装甲】【回避】はあまり伸びない!」メメタア

剛田「だが、これは凄い! 史実では事故の産物の【航空戦艦】がこんなにも頼りになるなんてな! 違法建築も捨てたもんじゃねえな」

金本「ああ。まさか俺の第一嫁がこんなにも強くなるとは思わなかった………」


金本「……………素直に嬉しいな」フフッ


山城「…………提督」フフッ

剛田「良かったじゃないか。ますます死ねなくなったな。俺としても安心だから、身を固めてのんびりと後方指揮を頼むぜ?」ニヤニヤ

金本「!」ムッ

金本「…………余計なお世話だ、喪男!」

剛田「ああ……、俺もお付のガイノイドと【ケッコンカッコカリ】してえなー」ニヤニヤ

金本「ちっ」

山城「提督……、何だか前よりも――――――」ホッ

剛田「マジになってるあたり本当に…………(――――――やっぱ『男にとって最初の女は特別』ってわけか)」フフッ



――――――水上機母艦:瑞穂について、


金本「ふむ。水上機を24機、補用に8機も搭載できるのが史実でのお前だな」ペラペラ

瑞穂「はい。千歳型の準同型艦として建造されましたし、その千歳さんとは仲良くやらせていただいておりました」

金本「なるほどな……、【特務建造妖精】たちが【建造】する艦娘の中身がだいたいわかってきたぞ」

金本「お前のような【水上機母艦】でも、給油艦などの【特務艦】を経験したことがある艦娘もその対象に入っているようだな」メメタア

金本「となれば、同じ水上機母艦の“ちとちよ”も出てくる可能性が大きいというわけだな(あるいは輸送戦艦なんかもな)」メメタア

剛田「ところで、『軽空母:祥鳳とは仲良し』だって? 何の繋がりもないように思えるのだが……」

剛田「確か、軽空母:祥鳳といえば、潜水空母:剣崎を改装したやつだったっけ? 高速給油艦から軽空母にまでなったやつ」ペラペラ

金本「付け加えて言うなら、太平洋戦争の珊瑚海海戦において戦闘で最初に失われた帝国海軍の空母であり、」

金本「その戦果は連合国にとっては帝国海軍主力艦艇の初の撃沈であることから戦意高揚に使われ、そのことが世界的に有名になっているな」

金本「ん?」ペラ

瑞穂「あ…………」


――――――帝国海軍“軍艦”戦没第1号


金本「…………そうか。それは辛いな」

瑞穂「……はい」

剛田「?」


剛田「ちょっと待ってくれよ。帝国海軍で最初に沈んだのは神風型駆逐艦7番艦:疾風だろう? よく覚えてるぜ、その名の通り――――――」

金本「ああ? 船舶司令部の人間ともあろう者が海軍の“軍艦”の定義を弁えていないとはな」ヤレヤレ

剛田「なに?」

金本「いいか? 帝国海軍が定義するところの、――――――つまり狭義の“軍艦”っていうのはな?」

金本「旧帝国海軍の艦船令(昭和19年10月1日施工)に基づいて分類されていて、その第一条にこう分類されている」


軍艦、駆逐艦、潜水艦、砲艦、海防艦、輸送艦、水雷艇、掃海艇、駆潜艇、敷設艇、哨戒艇、特務艦、特務艇、雑役船


剛田「ええ!? 駆逐艦と潜水艦って旧帝国海軍じゃ軍艦の扱いじゃないんだ……」

金本「特務艦と特務艇を合わせて“特務艦艇”と分類されている」

金本「そして、一般的に“艦艇”と呼ばれているのが“特務艦艇”と雑役船を除いた“艦”“艇”が付いてる艦船であり、」

金本「雑役船は雑役船なんじゃ」

金本「戦後の海洋法における“軍艦”の定義だと、1つの国の軍隊に属して身元保証が完全に果たされている船舶全般のことだからな」

金本「ま、深海棲艦が登場する以前までは艦隊を出動させるような事態も稀にしか起こらなくなって、」

金本「駆逐艦が現実の主力となりつつあるから確かに現代の軍艦に駆逐艦も含まれていると思われるだろうが、」

金本「――――――よそはよそ! うちはうち!」メメタァ

金本「で、駆逐艦っていうのは歴史的に見ても新しい艦種であり、元々の正式名称は“水雷駆逐艦”と呼ぶ」

金本「その名の通り“水雷艇を駆逐する”ためにできた艦艇だから立ち位置的に“軍艦”には含まれなかったんだな」

剛田「確かに。“軍艦”って言ったら、大砲でばかすか撃ち合う印象だもんな」

剛田「魚雷を主力にしている駆逐艦はそう意味では“軍艦”のイメージとは程遠いか」

金本「だから、水雷駆逐艦である以上は元々は“軍艦”への攻撃力は期待されていなかったものの、」

金本「ワシントン海軍軍縮条約によって制限された戦力の向上を図るために帝国海軍は特型駆逐艦という当時 画期的な駆逐艦を生み出すに至ったわけだ」

金本「つまり、艦隊決戦に耐えうる攻撃力を条約下で無制限の駆逐艦に持たせて“軍艦”の代用をするという考えだ」

金本「そういうわけで、駆逐艦が艦隊決戦の戦力に数えられているのにも関わらず“軍艦”ではなかったのは元々の用途が異なっていたためなのさ」

金本「有り体に言えば、旧帝国海軍を代表する特型駆逐艦の運用法こそが世界の常識から外れたものだったんだな」

金本「それはドイツの駆逐艦であるレーベやマックスの弱さから見ても、特型駆逐艦は世界的に見ておかしな性能だったわけだ」

金本「つまり、日本の駆逐艦の攻撃力はぶっちぎりで世界一であり、諸外国からすればとてつもない脅威になったわけだ」


剛田「なるほどねぇ…………“軍艦”とはそういう意味であり、そして『祥鳳と仲が良い』ってそういうこと」

瑞穂「……はい」

剛田「駆逐艦は狭義の“軍艦”じゃないから言い訳はできるけれども、お前はそれができないから――――――」

剛田「で? 艦歴は――――――え、『艦載機の【零式水上観測機】が味方の輸送機を誤射して撃墜』!? 乗員全員が戦死!?」アセタラー

瑞穂「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…………」ガタガタ・・・

剛田「しかも、千歳型と違って機銃の代わりに高角砲を増備して【対空】は上がってはいるが、」

剛田「主機をディーゼルのみにしたことで故障が多く、たびたび戦線離脱――――――」

瑞穂「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…………役立たずでごめんなさい」グスン

金本「…………泣くな」ギュッ

瑞穂「ごめんなさい、出会って早々こんなんでぇ…………」グスン

金本「おいおい 泣くなよ。今度 1杯おごってやるから。――――――酒は好きか?」

瑞穂「はい。大好きです……」ポタポタ・・・

金本「(あ、これは酒 飲ませたら泣き上戸なんだろうなー。そして、酔い潰れて――――――、それをお持ち帰りぃいいいい!)」


金本「(なんて俺好みの艦娘なんだ! しかも隠れ巨乳だな、この感触! ――――――ソソる!)」← 女の弱みにつけこんで手篭めにするのが特技のワル


剛田「…………【艦これ】としては、たいていの【水上機母艦】が【特務艦】だった経歴は反映されないか」メメタア

剛田「そういう意味では、給油艦:速吸はとてつもなく特別な存在だったわけなんだな……」メメタア

剛田「ただ、これはどうなんだ? 千歳型は【軽空母】に艦種が変更されたが、この瑞穂が改装したという記述は一切ないな」

剛田「でもどうやら、千歳型と同じく【甲標的母艦】になる予定ではあったようだ………………ディーゼルエンジンの不調でメンテナンスばっかだな、ホント」

金本「つまり、なんだ?」

金本「瑞穂、お前はずっと【水上機母艦】のままってことなのか?(――――――【不幸艦】なのは経歴を見ても明らかだが)」

瑞穂「は、はい……。たぶん、千歳さんと同じく【軽空母】までなるかはわかりませんが、【甲標的母艦】にまではなれると思います……」メメタア

剛田「経歴はともかく、――――――こいつは使えるぞ、金本!」

剛田「【水上機母艦】なら【海上陸戦機動歩兵】の支援艇の【大発】と【隼艇】を同時に使えるし、【偵察機】も使えるぞ!」メメタア

金本「まあな。手数の多さでは実は【艦これ】においては【水上機母艦】が最多なんだけど、肝腎のステータスが低くてあまり活かせないんだ」メメタア

瑞穂「ごめんなさい……」

金本「ふへへへ、――――――安心しな、瑞穂」ナデナデ


――――――惚れたよ、お前の涙に。


瑞穂「え……?」ポー

金本「たっぷり可愛がってやるから。今はお前の提督である俺の言うことだけ聞いていればいい。それで全てうまくいく」ニヤリ

瑞穂「ああ……、提督…………」ドクンドクン

剛田「…………堕ちたな」(確信)



――――――練習巡洋艦:鹿島について、


剛田「え? 【練習巡洋艦】――――――ああ【訓練艦】のことね」

金本「そんなものまであったのか」

鹿島「はい」

金本「だが、【練習艦】なだけあって大した性能じゃねえのな」

金本「一応、【水上偵察機】も魚雷発射管も爆雷もあるのはいいんだけど、全長:133.50mに対してたったの18ktの超低速艦だしな」

剛田「ちょっと待てよ、主砲の口径が50口径14cmってことはやっぱり【軽巡】だよな? たった18ktって第一次世界大戦の戦艦レベルじゃないか!」

金本「しかし 見てくれは、さすがは【練習艦】なだけあって手取り足取り指導してくれそうな先生じゃないですかー!」ジロジロ

鹿島「この香取型練習巡洋艦の要求性能は、通常乗員の他にそれと同じぐらいの少尉候補生が居住でき、」

鹿島「航海に不慣れな候補生のために速力よりも外洋での航海性能と安定した船体形状を採用していますから、元より戦闘艦ではありませんから」

剛田「でも、【巡洋艦】である以上は海軍が定義するところの“軍艦”ってところがね?」

鹿島「武装面に関しては、あえて最新型ではなく当時 艦隊で装備されていた兵器を幅広く搭載しております」

剛田「あ、何か【艦これ】における【水上機母艦】っぽいことになってるけど?」メメタア

金本「そうは言うが、【水上機母艦】は曲がりなりにも正真正銘の戦闘艦だぞ? 【練習艦】なんかよりも格は上だ」

鹿島「そして、練習航海において海外からの目がありますので、外観も内装も立派なものにしてあります」

金本「そういうわけで、べっぴんさんの大人の先生ってわけなんですかー?」ホホー

剛田「なるほどねぇ。これは確かに戦争では使えない軍艦だな。コストダウンのために商船構造なんだもんなー」

剛田「まさか、あの“世界水準”をも下回る軽巡が旧大戦間近で建造されてるとは思いもしなかったよ」

剛田「しかも、こんなのが第4艦隊の独立旗艦とはねぇ…………その“世界水準”さんが部下にいるじゃありませんかー!」パラパラ・・・

鹿島「性能はともかく、居住性は士気に大きく関わりますから」

金本「そうだな。大淀や島風なんかはワンオフでいろいろ残念だったが、通信機能に優れていたから旗艦に選ばれたことがあるからな」

剛田「なるほどね。居住性や通信性能は確かに大切だな」


剛田「これでだいたい艦船時代のお前についてはよくわかった(攻撃力だけは【軽巡】としては合格ラインだが、たった18ktじゃねぇ……)」

剛田「それじゃ、【練習艦】のお前が【艦これ】でどれだけの役割が持てるのか教えてくれないか?(あんまり期待はしてないがな……)」メメタア

鹿島「わかりました。ご説明いたしましょう」


【練習巡洋艦】の能力

1,【旗艦】にすると艦隊に所属する、その【練習艦】よりも練度が低い艦娘に毎分その【練習艦】のLv分ずつ経験値が入っていく(母港画面のみ)

2,【秘書艦】にしていると、【戦術指南】∈【要請】における、ステータス修正全般におけるマイナス修正を全て0に変更する

3,【秘書艦】時にクリックすると【提督】のステータスをリセットするか、1回だけ応対が起こる(【提督】実装クエストにおける質問の受け直しができる)

4,【秘書艦】にしている間は【大型艦建造】が1日1回しかできなくなる ← 公式からのおせっかいです(んなことするより、レベルを上げて物理で殴れ!)


剛田「あぁれ?!(普通にメチャクチャ使えるんですけど!)」

金本「はあ!?(このプレゼンで【指南】が初めて具体的に活用されるんじゃないか?!)」メメタア

鹿島「わかりましたか? だてに井上成美先生の座乗艦を務めてはいないのですよ?」

金本「惚れ直した――――――どうだい、先生? 今晩、俺とご一緒しない?」ウキウキ

鹿島「謹んでお断り申し上げます。帝国海軍軍人に無礼講などありませんから」ニコッ

剛田「ずいぶんとお固い印象だが、それだけ辣腕だってことか」

鹿島「当然です。これも井上成美先生のご指導の賜物です」

鹿島「どうもこの提督と…協力者を見る限り、この鎮守府の規律が大変緩んでいるようですね」ジロジロ

鹿島「どうでしょうか? 井上先生直伝の教育を施してあげましょうか?」

金本「ぜひぜひお願いします、先生! ――――――保健体育(意味深)、お願いしゃーす!」ニヤニヤ

鹿島「保健体育ですか? いいですよ、元気な子は大歓迎ですよ」ニコッ

金本「お、言ってみるもんだねぇ(ぐへへへへ、今日の【特務艦】2人は当たりだあああああ! これは堕としがいがありそうだな~)」ジュルリ

剛田「美人教師とマンツーマンで指導をいただけるのか……(【艦これ】に足りなかった萌え成分がまた補完されてしまったな~!)」メメタア


※こんなんでも性質上、実際に【海上陸戦機動歩兵】を使うユーザーと相性がいいのが【練習巡洋艦】です。



陣営紹介Y&y:斎庭鎮守府+陸軍船舶司令部
ゴリ押しのゴリ押しをゴリ押しすることで抜群の戦果を上げてきたという課金兵上がりの敏腕提督。
気に入った艦娘には必ず一流装備とケッコンカッコカリによるパワーレベリングを施す『レベルを上げて物理で殴れ』を地で行き、
【ダメコン】の投入にも躊躇いがないために大破進撃も恐れずにガンガン突き進み、轟沈なしでこれまでのイベントを制覇してきた真の強者。
そうした課金兵特有のキャラ愛のゴリ押しによるパワープレイが高じて、陸海合作を興し、普通の提督ではできそうもない領域へ全速前進している。
また、自身が活躍するための引き立て役とはいえ、他にはない【特務艦】によるサポートを全面的に利用しているのが特徴であり、
ただの野心旺盛な猪武者ではないことがうかがえ、実は金遣いが荒いだけでかなり堅実なプレイングをしていることがわかる。
遊戯王で言えば、パワーデッキとおジャマデッキの使い手の万丈目サンダーのようなやつと言えばわかるだろうか。
それでも、やっていること自体が普通ではないのは確かだが…………。何せ湯水のように資源や資金を使い込んでるわけだし…………。


金本提督
【海上陸戦機動歩兵】で直接 深海棲艦と戦うために【提督】ステータスは鍛えてあり、全能力が凄まじく高い。
ゲームシステム的に、この【提督】ステータスで【異界艦改造】を行えば凄いことになるのだが、
【異界艦】の入手法が面倒極まりない上に、自分と艦娘のどちらを強化して真打ちとして登場させたいのかという選択を迫られた時、
金本提督は自分が戦場に出て活躍する前者の方を望んだために【異界艦】とは縁がない。
【海上陸戦機動歩兵】とは、こういった死にたがり・目立ちたがり・男の浪漫を求める人間のためのシステムなのでしかたないね。
どちらを極めるにしても資源がべらぼうに必要になる点では変わりがなく、人間の手で敵を倒すことに興奮と喜びを覚える人間がいるのだからしかたない。

航空戦艦:扶桑&山城

揚陸艦:あきつ丸
今回の陸海合作の橋渡しを行った偉大な船娘。
現実の【艦これ】においても2014年夏イベントから連合艦隊においてルート固定要員として謎の優遇を受けており、
更に【護衛空母】以下の貧弱な火力(【艦上戦闘機】しか扱えないのがあきつ丸である)が裏返って割合ダメージに化けて善戦し、
これが後に陸軍式ダブル烈風拳など呼ばれるようになり、【艦これ】的にただの雑兵船娘だった彼女の存在価値が急浮上した瞬間であった。
今作においても、あきつ丸が担う役割は非常に大きく、“世界で唯一 陸軍が建造した空母”の面目躍如といったところだろうか。

潜輸:伊369
標的艦:大浜
砕氷艦:大泊
練習巡洋艦:鹿島
給油艦:速吸


剛田将校
今回の陸海合作の結果、船娘が大幅に増加したことで暁部隊の次期 司令官候補に選ばれることになった“陸軍の期待の星”。
“提督”に対して“将校”と呼ばれているのは他でもない陸軍の揚陸艦:あきつ丸からの呼称に合わせたものである。

つまり、彼もまた“提督”と同じく、顔のない“将校”としての存在に物語の演出のために人格を付与した誰でもない存在に由来している。

しかし、一貫して【投資クエスト:陸軍】をこなしていくと凄まじく強力な部隊を編成して【駐留】までさせてくれる超有能な将校であり、
もしかしたら並みの提督より遥かに艦隊行動に精通している可能性があり、しかも提督の采配に従い続けるという何とも扱いやすい味方。
更に、最強の【陸上型ボス級深海棲艦】討伐部隊を選択すると、よりにもよってあの戦艦:大和まで加えた討伐部隊を用意してくれるので恐るべし。
もちろん、大和は海軍所属なので【派遣】を組み込んでいるわけだが、船舶司令部という零細部署に大和の【派遣】を取り付ける根回しの良さ…………。



――――――陸軍船舶司令部:広島市 宇品


N:宇品丸「ようこそ おいでになったであります、金本提督殿!」ビシッ

金本「陸海合作第一号――――――、よろしくな」ビシッ

剛田「しばらくぶりだな、宇品丸。早速、例のブツを見せてもらおうか?」ビシッ

N:宇品丸「わかったであります」チラッ

お銀「……………」ビシッ
お輪「……………」

N:宇品丸「…………」ビシッ

金本「?」

金本「なあ、剛田? お前の連れてるガイノイドって――――――」

剛田「ああ。――――――“秘密”だ」

金本「なるほどな」

金本「それで? 俺の部下はどの辺に居るわけ?」

剛田「あそこだ、あそこ」

剛田「あきつ丸と吉備津丸がお前の身の安全を保障して武装解除を促しているところだから」

金本「同じ皇国の同胞のはずなのにね~」

剛田「武器の携帯が認められたのは重巡だけのようだな。戦艦や空母は艤装が邪魔だし、軽巡以下は魚雷という不発弾を抱え込んでるからな」

金本「いざとなったら、お前を俺の盾にしてくれるから心配はしてねえよ」

剛田「今 日本語が怪しかったが、言わんとしたいことはわかってるから俺を信頼しろ」

金本「お前も。そこは『信用しろ』って言うところだろうに」




コツコツコツ・・・


剛田「戦時中の広島といえば――――――、わかるよな?」

金本「わかるよ。昭和20年8月6日――――――広島には原爆ドームという観光名所の1つが生まれたな」

剛田「そうだ。この宇品に最初の船舶司令部が置かれて以来 運輸部と連携して業務を担当してきたわけだが、」

剛田「その日、その爆心地からは4kmも離れている宇品は“クソガキ”による直接の被害はなかったものの、」

剛田「翌7日以降、混乱する広島一帯の広島警備本部として県庁・県防空本部を指揮下に入れて麾下の暁部隊が警備や救助に赴いたのだが――――――」

金本「――――――二次被曝だな」

剛田「ああ」

剛田「やはり戦争というものは嫌になるな。日露戦争の爆弾三勇士のこととか戦時中の飢餓作戦とか…………」

金本「………………」

剛田「だが、戦わなければならない時に戦わないのは人間として最大の怠りだ。生存権は自分で認めさせるものだ。それが権利の行使というものだ」

剛田「しかし――――――、」

剛田「それでいながら、俺とお前とでこれから数多の軍神を靖国に送り出すことになるのだがな…………」

金本「知ったことじゃねえな。――――――『皇国のため』とは言ってもね」

金本「志願制にしてるんだろう? わかってて死にに行くんだから責任なんて負う必要なんてねえじゃねえか」

金本「こんなの恋愛と同じよ、同じ。自分を相手に委ねる選択の責任と損得の勘定ができてないクルクルパーが損をするってだけの話だろう?」

金本「人生ってのは駆け引きの連続なんだから。まかせるところはまかせて、やるべきところは自分でやれないようなやつが生き残れる道理なんてない」

剛田「それは、そうだが…………」

金本「俺はこんなんでも『皇国のため』には一応はやるさ。それぐらいの礼儀は弁えてるつもりだ」

金本「なんせ、大本営にも口を出せる資源王にもなれたことだし、」

金本「それに、夜の相手は艦娘で選り取り見取りの大天国だからよ。現状維持しないやつがあるか?」ニヤリ

剛田「まあ、取り繕う必要もないな、そういうところは。――――――皇国だからこそ実現しているところもあるからな」

金本「ああ。――――――皇国 最高! 皇国 万歳! 皇国 不滅!」



N:宇品丸「お待たせしたであります。それではご案内するであります!」

剛田「陸海合作のために船舶司令部が率先して妖精の確保と兵器廠の充実に協力してくれてな。その経過報告をお前に見せてやろう」

N:宇品丸「期待しててくださいであります」

金本「ふ~ん」

金本「さて、どんなもんかねー」





1,陸軍装備【要塞砲】


剛田「さ、まず見てもらいたいのは【要塞砲】からだ」

金本「まあ、深海棲艦と戦うからには軍艦と同等の大砲は必要だからな」

N:宇品丸「『おいで~』であります!」パンパン!


ピョンピョンピョンピョン


金本「!?」

剛田「驚いたか?」

金本「え、ちょっとあれって――――――」


砲塔式45口径40cm加農砲ちゃん「――――――?」


金本「は」

剛田「おお よしよし! 元気してたか?」ナデナデ

砲塔式45口径40cm加農砲ちゃん「――――――!」スリスリ

金本「何あれ?! でかああああああ!?(世界で一番大きいウサギ:ダライアスくんを思い出したー!)」

N:宇品丸「これが【砲塔式45口径40cm加農砲ちゃん】であります。略して【40cm加農砲ちゃん】であります」

金本「は? 島風や天津風のあれ――――――?」

剛田「ああ。前にお前のところから【41cm連装砲】を【投資】してもらったろう? それが陸軍装備化したものがこれだ」メメタア

金本「うん? ちょっと待て! さっき【40cm】って言わなかったか、宇品丸?」

N:宇品丸「はい。元々は【八八艦隊】で建造が予定されていた軍艦が多く廃艦になった時に主砲の管理に困った海軍が陸軍に売却したものであります」

剛田「実際は、海軍がタダで弾薬も改修費も提供して厄介払いしたんだけどなっ!」

N:宇品丸「ちなみに、その時に旧陸軍が購入したのは土佐の1番2番と赤城の1番4番だそうであります」

金本「へ~(ああ これはアレだな。姑息な口径詐欺だな。【八八艦隊】の主砲といえば【41cm砲】だもんな)」

金本「で、――――――【これ】、そのまま使うの?(あれ? でも、【41cm砲】の正式名称って確か――――――)」

剛田「【こいつ】は妖精たちに造らせた機械で【○二】の指揮下に置いて【要塞砲】として活躍してもらう。つまり【装備】の扱いだ」メメタア

N:宇品丸「他にも、型は旧いでありますが皇国唯一の弩級戦艦:摂津の【30.5cm連装砲】を【要塞砲】にした【砲塔50口径30cm加農砲】も居るであります」

金本「――――――『弩級戦艦:摂津』? そんなのもいたんだな(あれ、『摂津』? どこかで聞いたような艦名だな。何だったっけ?)」

剛田「今のところは【こいつ】が【要塞砲】としては最高峰だな」

剛田「そんなわけで――――――、」

剛田「ねえ、今度【46cm砲】を恵んでくんない? そうすれば【○二】が【射程:超長】になって抜群の援護火力を引き出してみせるからさー」キラキラ

金本「余裕があったらな――――――って、止めんか、この!」

砲塔式45口径40cm加農砲ちゃん「――――――!」スリスリ

剛田「慣れとけよ。これも立派な装備なんだからさ」フフッ

金本「面倒だが、しかたがないな…………こうか?」ナデナデ

砲塔式45口径40cm加農砲ちゃん「――――――!」ニコニコ



2,陸軍装備【陸軍航空機】および艦娘専用装備【トーチカ】


剛田「ついに登場だぜ! 【二式単座戦闘機:鍾馗】だああああ!」ドドーン!

金本「ふ~ん。どれくらい凄いんだ? あきつ丸、教えてくれ」

あきつ丸「わかったであります!」

あきつ丸「まず、【鍾馗】というのは中国の民間伝承に伝わる道教系の神でありまして、」

あきつ丸「我が国においては、疱瘡除けや学業成就の効能があるとされ、端午の節句に絵や人形を奉納されているであります」

金本「知らないな」

剛田「まあ、端午の節句なんて日本式でやってるもんだから道教の神なんざマイナーだわな。天神様や観音様、七福神のほうが馴染みが深い」

剛田「で、連合国からのコードネームは“Tojo"だ」

金本「なに?! “Tojo"っていうとあの“東條英機”か?!」
                             インターセプター
剛田「ああ。それぐらい恐れられた最高クラスの迎撃戦闘機として最高の評価が与えられているんだぜ、こいつは」

剛田「当時の帝国陸軍の主流に反する重戦闘機で非常に扱いづらい点を除けば、旧帝国軍どころか当時の各国の主力戦闘機を圧倒する性能だ!」

剛田「これが【拠点防衛】で迎撃に出てくれるとしたらもう制空権はいただいたも同然さ!」

剛田「これまでの多大な【開発投資】――――――、ごちそうさまです! 資源王 万歳!」イヤッホーイ!

金本「マジか! そんなに強い【戦闘機】なのか!(――――――“迎撃戦闘機”ということは【艦上機】とは違うのか)」

剛田「ああ。ただ、当時のベテランパイロットからすればあまりにも革新的で勝手が違いすぎて敬遠されたんだがな」

剛田「【局地戦闘機】っていう航続距離が短いやつなんだよ。それでいて従来の比ではない上昇力や加速性で離着陸が難しくてな」

金本「ああ……、それなら【艦載機】には向かないわな」

剛田「はっ! けど、その航続距離を活かしたアウトレンジ戦法で連合国の七面鳥狩りに遭った海軍様の考えることはまったく違うけどね」

剛田「それに『航続距離が短い』って散々言われてはいるけれど、世界的に見れば局地戦闘機としては列強随一の航続距離なんだからな!」

金本「それで? この【陸上戦闘機】はどうやって【装備】するんだ? 【空母】には【装備】できないんじゃないのか?」メメタア

剛田「ああ。それは簡単だ」

剛田「陸戦型【○二】は最初から【陸上航空機】に限って【装備】できるようにしてあるから。これが最も力を入れた部分でね」メメタア

金本「なんだと!? 陸軍は格納庫(意味深)のノウハウを完全に修得したというのか?!」

あきつ丸「これで陸軍の将来の安定でありますな」エッヘン

剛田「ふはははは! 世界で唯一 空母や潜水艦を建造している帝国陸軍に栄光あれえええ!」

金本「まあ、そうなったのも陸軍と海軍の不仲が最もの原因なんだがな」

剛田「…………ああ」


剛田「ところで、――――――疑問に思わないことはないか? ここまでの話の中で」

金本「何がだ?」

あきつ丸「?」

剛田「…………あきつ丸、お前ぇ」

あきつ丸「え」

金本「答えを教えてくれよ」

剛田「わかったよ。これは愚痴だが言わなくちゃならないことなんでね」

金本「?」


剛田「なんで【陸軍艦上機】が【オートジャイロ/カ号観測機】と【対潜哨戒機/三式指揮連絡機(対潜)】しか無いんだ?」メメタァ


あきつ丸「あ」

剛田「『あ』じゃないよ、あきつ丸」

剛田「前回の夏イベント【AL/MI作戦】でお前は大活躍してくれたことは陸軍としては大変 鼻が高いが、」メメタァ

剛田「それでも、陸軍のお前が【海軍航空機】を使って陸軍式“ダブル烈風拳”とかやってもらっても心中 複雑なわけなんだが……」

あきつ丸「そ、それは、その…………」

金本「確かに。思えば、あきつ丸は【艦上戦闘機】が扱えるのに【陸軍戦闘機】がないのは確かに変だったな」メメタァ

金本「けど、実際に【艦上航空機】がなかったんだろう? 【艦上航空機】が扱える空母なんていうのは陸軍じゃあきつ丸ぐらいだったんだしさ」

金本「というか、【正規空母】持ってないんだから【艦上機】無いなんてそれが普通だろう? 現代の強襲揚陸艦だってヘリコプター艦なんだしさ」

剛田「……確かにそうだ。実際に旧帝国陸軍で【艦上航空機】として有名なのはその2つだけだ」

剛田「だが しかし――――――!」


剛田「おのれ、公式めえええええええ! なぜ【九七式戦闘機】を実装しなかったあああああああ!」メメタァ


剛田「一応、【艦上戦闘機】に転用して運用する計画があったんだからさああああああああ!」ギラッ!

剛田「何かこう、草薙流古武術の技を使えるようにしてくれてもよかったんじゃないのー?」

あきつ丸「で、ですが、【艦上戦闘機】としてはいささか【九七式戦闘機】では荷が重すぎるのでは――――――?」アセアセ

剛田「うるさい! 旧帝国海軍の花形たちが現代に人の形を持って蘇ってちやほやされているのに、陸軍ご自慢の戦車たちはそうじゃないんだぞ!」

剛田「となれば、船娘として現代に蘇ったお前に少しでも頑張ってもらわなくちゃ陸軍はますます海軍よりカッコワルイ扱いだ!」

剛田「わかるだろう、あきつ丸! “世界で唯一 陸軍が建造した空母”としてのお前の重要性が!」クワッ!

剛田「お前の活躍次第でこれからの陸軍の明暗を分けるのだぞ! そのことを理解しているのかあああああああああ!」クワワッ!

あきつ丸「りょ、了解したでありますっ!」ビシッ

金本「おいおい? ――――――いやさ? 【揚陸艦】だから厳密には違うのはわかるんだけどさ?」

金本「【護衛空母】以下の航空戦力で【正規空母】に匹敵する活躍をさせること自体が夢物語なんだから、――――――少し頭を冷やせ」

剛田「………………それもそうだな。無茶ぶりが過ぎたな、すまなかった」

あきつ丸「い、いえ! 自分は大丈夫であります……!」アセタラー


金本「そうだ、この陸戦用の【○二】以外じゃやっぱり陸軍ご自慢の【陸上航空機】は使えないのか?」

剛田「ふふふふ、実はこれからの陸軍ご自慢はそれだけじゃあないんだぜ? 我が帝国陸軍の格納庫(意味深)技術の冴えを見るがいい!」

剛田「あきつ丸! お前にあらかじめ見せておいた【あれ】を準備しろ!」パチン!

あきつ丸「了解であります、将校殿!」

金本「…………ほう」

剛田「まずは簡単な概要から説明しよう」コホン


剛田「陸軍が艦娘用に新開発した【トーチカ】を装備することによって海軍の艦娘にも【陸上機】を手軽に扱えるようになった!」ドヤァ


金本「【トーチカ】――――――って、あれか? 陸軍ご自慢のチハタンを地面に埋めたっていう?」

剛田「あれだ」キリッ

金本「――――――艦娘に泥化粧させるつもりか?」ジロッ

剛田「ああ……、そういうイメージか。そう思うのもしかたないか」

あきつ丸「モニターの準備はできたであります」

剛田「安心しろ。地面に埋めたりはしない。新しい形の“トーチカ”を意味してるものだからな」ピッ ――――――モニターに映し出される【トーチカ】

金本「おお――――――なるほど。【海上陸戦機動歩兵】の艦娘版ってことか」

あきつ丸「それにしては、軍装とは思えないような流麗なものであります」ウットリ

金本「……そうだな。ま、艦娘だってあの身形で戦艦の主砲や航空機の爆撃に耐えるんだから、これぐらい薄着の追加装備もおかしくないか」メメタァ

剛田「こっちだって陸軍のためにやってはいるが、あくまでも海軍様のご威光を借りて陸海合作やろうとしてるんだ」

剛田「だからこそ、こうやって艦娘が気にいるようなデザインにしてやってるんだ。――――――オーダーメイドだぞ? 高く付くぞ?」

金本「なら、いいんだが。いくらでも出してやるよ、そういうことなら」フッ


剛田「ただ、こちら側の注文とすれば――――――、」


剛田「今回の陸海合作が【拠点防衛】とは言っても、【最終防衛部隊】は沿岸沿いに展開して敵の上陸および軍事施設への攻撃を阻止することが最優先だ」


剛田「できるだけ防衛線を抜かれないようにはしてもらいたいが、深海棲艦との兵力差を考えれば抜かれるだろうことは想定しておいて――――――、」

剛田「【トーチカ】を装備した艦娘はいわゆる【陸上型艦娘】に早変わりすることになるが、」

剛田「その特性は文字通り【陸上型深海棲艦】と同じものになる。雷撃を完全に遮断できるようになる代わりに対地攻撃には弱くなるだろう」

金本「ふむふむ」

剛田「【トーチカ】はいわば艦娘における【海上陸戦機動歩兵】に相当するものだ」

金本「つまり、【トーチカ】の能力に【装備】する艦娘の能力が直接 反映されるのだな?」メメタア

剛田「そういうことだ。【トーチカ】にも能力があり、艦娘用のパワードスーツってわけだから【○二】とは比べ物にならない性能だ」

あきつ丸「まさしく今回の陸海合作を象徴する我が軍の切り札でありますな。それを自分が着れないのが残念でありますが」キラキラ

剛田「まあしかたねえな。――――――勝つためだ」

剛田「それ故に【拠点防衛】の要ではあるが、【トーチカ】は今のところ替えが利かねえんだ。破壊されたら【防衛作戦】は失敗だ」

剛田「【トーチカ】が突破されるような事態になったらすでに戦術的大敗を喫していることに他ならないからな」

剛田「出来る限り攻撃性能に優れる艦娘に【トーチカ】を装備させることをおすすめする」

金本「となれば、【航空戦艦】あたりがいいだろう。最初に確認された【陸上型深海棲艦】も【航空戦艦】の扱いだったからな」

剛田「ああ。それがいいと思う」

剛田「【艦載機?】もそのまま増えるから航空戦術も有効だけど、何よりも前線を突破するような強敵には砲火力で確実を仕留めたほうがいい」

剛田「今回はその【トーチカ】の試作品をいろいろ試してもらおうと思って、できるだけ幅広い艦種の艦娘にお招きしてもらったというわけだ」

金本「………………?」

剛田「どうした?」

金本「どうやってその試作品を作ることができたんだ? 船娘に試着してもらってそれを参考したのか?」

あきつ丸「いえ、それは――――――どうなのでありますか? 自分は長らく帰ってないのでわからないのであります」

剛田「何 言ってんだよ! 使うのは海軍の艦娘なんだから実際に【派遣】してもらって採寸したに決まってるだろう!」

金本「なんだと?! よく俺以外の人間で陸軍の零細部署のなけなしの予算で引き受けたもんだな」

剛田「いや、今はまだ陸軍の零細部署が執り行っているこんなしょうもないプロジェクトでしかないだろうが、」

剛田「探せば、はした謝礼で喜んで艦娘を【派遣】してくれるような貧乏鎮守府の司令官様はいっぱいいたぞ?」

剛田「おかげで、――――――さすがに大和型戦艦のような大物とは巡り合わなかったが、」

剛田「数多くの艦娘のスリーサイズのデータを公然と入手できたわけで、低予算で一石二鳥だったぜ!」ニタニタ

金本「そいつをこっちにわたせ!」ガタッ

剛田「はなせ!」ググッ

あきつ丸「ちょっと、提督殿、将校殿! ここで暴れないで――――――!」アセアセ



3,陸軍装備【高射砲】


剛田「こいつを見てくれ、凄いだろう」ジャキ

金本「今度は何だ何だ? 次世代兵器の展覧会に来ている気分だな」

剛田「陸戦型【○二】用の【高射砲/5式15cm高射砲】だ。ドイツ製のウルツブルグ・レーダーとの連動でB-29の撃墜を目的とした最高の逸品だ」

金本「で、実際に撃墜したのか?」

剛田「さあ? 広く流布されている戦果としては――――――、」

剛田「昭和20年8月1日のB-29の編隊に向けて井の頭線 久我山の高射砲陣地のそれが発砲して1発で2機を撃墜したとか何とか……」

金本「嘘くせぇ。しかも終戦間際の話でそれかよ。実績なんて無いに等しいじゃねえか」

剛田「いや、アメリカの公的記録にもそれらしいことはちゃんと残ってる。撃墜じゃなかったけれども」

金本「そうかい」

金本「で、妖精科学で【○二】が持てるレベルにまで小型化されたわけだが、――――――どうなんだ?」

剛田「ちょっと困ったことがある」


剛田「まずウルツブルグ・レーダーを設置する必要があるから気軽に試験運用できない……」


金本「……わかった。ちゃんと連れてってやるから」

剛田「よくはわからないが、このウルツブルグ・レーダーは遣日潜水艦作戦を潜り抜けたイタリア艦によってもたらされたらしいぞ」

金本「はあ? ドイツ製なのにどうしてイタリアがそれを持って来るんだよ?」

剛田「さあな? 俺も枢軸国の遣日潜水艦作戦についてはよくわかってないんだ。――――――なにせ辿り着けたやつのほうが珍しいから」




――――――総評


金本「なあ?」

剛田「なんだ?」


金本「普通に考えて、陸軍は人間用の最新式の装備を当たり前のように使えばいいんじゃねえの? 艦娘とは違うんだからさ」


剛田「打ち明けて言えば、――――――実際 その通りなんだが、」

剛田「陸軍の勢力拡大を軍国主義の復活と宣う連中がいるから表立った戦力増強ができねえのよ」

剛田「それに、今の御時世だと海軍を最優先に予算や資源が回されているから、――――――なかなかね」

金本「へー」

剛田「でも、こちらとしても国防のためにちゃんと人間が使う兵器に関しては研究開発が今も進められている」

剛田「一方で、この船舶司令部ってのは深海棲艦が世に登場して以来、存在意義を失っている窓際部署であることから予算が無えんだよ」

剛田「だから、妖精科学で造られた明らかな旧式兵器に頼るしかなくなってるんだ」

剛田「だが、妖精科学で造られた旧式兵器っていうのは皇国が世界に誇る小型化技術の結晶とでも言えるもので、」

剛田「見た目は実物より遥かに小さいが、破壊力そのものは実物と同じだろう? それでいて大量生産できるから弾幕形成にはうってつけだ」

剛田「そういう意味では【○二】の成功によってこれまでGOサインが出なかった別分野の開発も進んでいるらしいから、」

剛田「もしかしたら世界が仰天するようなビックリドッキリメカがこれをきっかけに完成するかもな」ニヤリ

金本「そいつは楽しみだな。いったいどんなトンデモ兵器がよこされるのやら」

剛田「ま、それは来てからのお楽しみだな。俺たちは今ある装備でやるべきことを果たすだけだ」

剛田「今度の陸海合作第一号の主力はあくまで海軍の艦娘だ。陸軍は精々 防衛拠点の円滑な防御と情報収集がお役目となるだろう」

金本「ああ」

剛田「頼んだぜ。お前ら海軍の背中は俺が護ってやるから――――――まあ提督であり総司令官のお前が最後方なんだけど」

剛田「いや、場合によっては俺がお前に代わって【○四】に乗る可能性もあるか?」

金本「やめてくれよなー。資源王の機嫌を損ねるぞー」

剛田「ははっ! なら、【○二】でもある程度【艦船型】を墜とせるようにしてやるか? 【○四】の立場が完全になくなるけどな!」


※基本的にこのプレゼンで登場する新装備の数々は最高クラスのものを実戦投入しているので、本実装では地道な【投資】【開発】を要求されます。




――――――広場のベンチにて


金本「ふぅ、元々はガイノイド技術で造られたものだったが、【海上陸戦機動歩兵】もずいぶんと発達したものだな」ゴクゴク  ←【魔界の缶コーヒー】

剛田「それもこれも、資源王様の温かい【開発投資】のおかげでして」カチャ ←【魔界の缶コーヒー】

剛田「今では艦娘用のパワードスーツとも呼べる【トーチカ】の開発にも成功して【拠点防衛】の準備も着々と進んでおります」ニコニコ

剛田「これで“陸軍の期待の星”どころか皇国の新たな象徴としての“暁部隊”となることだろう」ゴクゴク

金本「だが、陸軍の前線兵力が貧弱なのはいただけないな」

剛田「そうは言われても――――――、」

剛田「陸軍の戦力の基本単位は一人の歩兵からであり、海軍の戦力の基本単位は船長と船員たちによる1艘の船だろう」

剛田「違って当然だ」

剛田「だが、これまでの俺たちが集めてきた【○二】と【○四】の運用データや実戦ノウハウで陸軍でも組織的な運用がやれるようになったんだ」

剛田「劣化艦娘と言われようが結構! あくまでも指を咥えて見ているしかない状況から人類は抜け出しつつあるんだ」

剛田「人類の平和は人類自らの手で為さなければ平和と豊かさの中で堕落して人間としての尊厳を失うことになろう」

剛田「お前だって、【海上陸戦機動歩兵】を造ろうと思ったのはそこからなんだろう?」

金本「……まあな」


「耐えられなくなっただけだよ」


剛田「至言だな」

金本「ああ。命を懸けて戦っている連中にはホント頭が上がらないよ」

金本「――――――わかってはいるんだがな」


金本「艦娘なんていうのは所詮は大量生産が可能な兵器であり、俺たち人間のために喜んで死ぬべき存在であるということなんて」


剛田「けれども、それがお前が聞いたところの海の向こうで造られた無人兵器にしても結果は同じことなんだな」

金本「そうなんだよ。己の力で資源王にまで這い上がった俺からすると、艦娘を前線に送ってそこで敵を倒させて得る【勲章】には違和感があってな」

金本「どうやら俺は自分の力で得た【勲章】じゃないと我慢できないものらしい」
                 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
金本「――――――たとえ俺のものである艦娘たちが得たものであったとしてもだ」

剛田「やっぱりそういうことなんだろうな」

剛田「俺たち軍人が血と汗と涙を流したわけでもなく得たものに何か違和感を覚えるんだよな」

剛田「もちろん、直接 敵を殺めることなんてできれば体験したくもなかったが……、」グッ

剛田「逆に、敵を殺めさせてそれで得た戦果を平然と喜ぶことができる底意地の悪さはどうやら俺もお前も持ち合わせていなかったようだ」

金本「だな。どう頑張ってもヤクザのドンにはなれそうにねえな、俺たちは」


――――――自分に正直すぎて!




剛田「まあ、艦娘の色香に惑わされた愚か者と罵られるのかもしれないが――――――、」

金本「たとえ万物の霊長たる人間より格下の存在であったとしても、あんな表情やこんな表情をするあいつらを戦場に送り出して労りもしないのはな?」

剛田「俺たち、本当の馬鹿だよな」


剛田「どうせ種を撒いても実らない愛なんだ」


剛田「そんな連中と真面目に向き合うだなんてやっぱり俺たちは最高の馬鹿だよな。さっさと人間相手にこさえちまえばいいのにな」

金本「戦後になったらあいつらのことをどうするつもりなんだろうな、大本営は?」

剛田「あくまでも艦娘も国のものだからな。戦後になったら返還せざるを得ないし、軍縮もいずれは必要になるだろう……」

金本「そうなった時の居場所はどこになると思う?」

剛田「――――――愛玩用ならガイノイドで間に合ってるんだがな」

金本「だが、戦うことしか知らない彼女たちは一見すれば本当に人間だぞ?」

剛田「いや、関係ねえか。不要になった艦娘は民間に売り払われることも普通にあるかもしれない」

剛田「それに、お前らがしているジュウコンカッコカリの問題についても審議されてるからな」

金本「………………選ぶつもりなんてねえよ。――――――男だろう?」

剛田「言うと思った」

剛田「なら、ますます死ねないな? ――――――生きろ」

金本「言ってろ」フッ


――――――頼まれなくたって生きてやるよ。


――――――第7話Y 一大反攻作戦第一号・序章    -離島要塞化計画- 完

       Next:第8話  12月23日 -三笠公園にて- に続く!









































                                   ―――――― 注意 ――――――

公式において「特攻兵器の実装は絶対にしない」という旨が出されているので、それを元にするこれは間違いなく廃案なのでズラズラと書いてあるが読み飛ばして構わない
言い訳するつもりはないが、『戦いを艦娘だけに任せてはいけない』という艦娘を使う側に一部に存在する提督たちのエゴを形にしてみたものである
一端は思いついたので提案として残しておきますが、実際の【艦これ】には一切関係ない二次創作の架空戦記の産物とだけ認識しておいてくださると幸いである
ただし、【甲標的 甲】の装備によって開幕雷撃で大暴れしている雷巡:北上は実際は特攻兵器を積んでいた経緯があり、それが元ネタなのではないかと言われる
そのことを踏まえると、それをハイパーズというロマンに変えて実装させたのなら、いくぶんか余地があるように思ってもいる

――――――この注意書き、くどいとか思われても悪く思わないでくださいね? 一応のただしがきをしておかないと誤解を招くことがあるので。



新システム4Y:提督出撃システム -男の浪漫編-
-基本編-を履修した者の中で『己の力で深海棲艦を狩りたい』『艦娘と一緒に戦いたい』という欲深き者への救済のつもりで提案いたします。
提督出撃に必要な艦種が【艦載艇】なのはわかっただろうが、とてもじゃないが深海棲艦に一太刀浴びせることすら敵わない!

だが、―――――― 一太刀浴びせることさえできれば?

それで満足できる人間のために、あくまでも『一太刀浴びせるのが限界』に設定調整したプレゼンターの中でも最も禁忌の提案内容をお送りします。
【艦載艇】【突撃部隊】【肉薄】【突撃】の概念をよく理解していない人は門前払いです。
これはあくまでも、【艦隊これくしょん】をやりこんだ人のための道楽であり、そもそも【秘密工廠】というやりこみの宝庫の内容の1つなのです。


・提督出撃――――――【突撃部隊】編成までの流れ -男の浪漫編-

0,【開発投資】∈【要請】で投資クエストで【秘密工廠】を開放する

1,【投資】の投資クエストをクリアして【突撃部隊】用の移動母艦を開放する
→【秘密工廠】で【艦載艇】が【開発】できるようになる
→ しかし、この時点で【開発】できる内容に【艦載艇:海上陸戦機動歩兵】はリストに存在しない ←ここまでが-基本編-である

2,【秘書艦】に揚陸艦:あきつ丸を選択する

3,【応援要請】に【陸軍共闘】が追加され、まずはそれを実行してから、更に【友軍艦隊駐留】して鎮守府に陸軍をお招きする
→【陸軍共闘】そのものは【派遣】【駐留】の候補に追加されるという内容であり、【陸軍】独自の船娘の図鑑埋めに最適だが戦力としては期待してはならない
→ また、あきつ丸 限定でかつ【駐留】までさせないといけないので序盤では実現不可能

4,【投資】に【陸軍】関係の投資クエストが開放されるので、こなしていけば【艦載艇:海上陸戦機動歩兵】の【開発】が解禁される
→ 一度でも【陸軍】を【駐留】させれば【陸軍】関係の投資クエストが開放されるので、そこから地道に【投資】を頑張ろう
→ 基本的に【陸軍】への【投資】で得られるのは陸軍装備や一時的な資源回復率上昇がメインであり、直接的な艦隊の強化に結びつかない地味な領域である

5,【秘書艦】を【揚陸艦】【潜輸】【水上機母艦】にして【秘密工廠】で【開発】をすると【艦載艇:海上陸戦機動歩兵】が生産されるようになる
→【揚陸艦】【潜輸】【水上機母艦】なのは【海上陸戦機動歩兵】の支援艇が扱えるから。最初からセットでの運用が想定されている
→【建造】ではなく【開発】なので当然ながら【開発資材】がなければ生産できず【艦隊特別枠(10~20枠)】で管理されるので注意が要る

6,【開発】した【艦載艇:海上陸戦機動歩兵】を艦隊に編成すると【突撃部隊】に変更され、強制的に旗艦に設定される
→【艦載艇】の仕様によって【艦載艇】を複数運用したいのなら、【派遣】で得た【艦載艇】を組み込むしかない

7,【出撃】において戦闘を行い、【突撃部隊】が戦闘可能な場合、【夜戦】の他に【昼戦突撃】【夜戦突撃】が追加される――――――提督出撃!
→【突撃部隊】の詳細はすでに述べたが、【出撃】ができない代わりに【昼戦突撃】【夜戦突撃】で一度の【出撃】に1回だけ行えるので大変便利

※【提督】導入のクエストをやっておかないと、【艦載艇】に能力修正が一切入らないので絶対に質問は受けておくこと



【艦載艇:海上陸戦機動歩兵】シリーズ
フルスキンパワードスーツ。ただし、性能は艦娘に全般的に劣っており、初期型の機体はまさしくゴミクズである。艦娘がいかに強いかがよくわかる。
扱いが【艦】ではなく【艇】であるので、その戦闘力が艦娘に完全に劣っているのは当然である。
しかし、艦娘と同じように水上移動できるようになったという人類の科学力の進歩があるのだが、戦力に繋がっていないのでここでは完全に余談でしかない。
プレゼンターの提案の中で最も蛇足な提案となるが――――――、


――――――人類手ずから人類の敵を討ち取りたくなる衝動に駆り立てられないだろうか? それを実現する装備なのだ。


ただし、普通に考えて【艦】が【艇】に負けることなどまずあり得ないし、提督が御自ら最前線に出てドンパチするなどとんでもない話だし、
【開発投資】で【秘密工廠】の機能を拡張してからでないとまず取り扱えないし、できても能力が極めて低い上に【射程:超短】が基本なので撃破されやすい。
そのことはこの物語風プレゼンの中で明言されているが、それでも男の浪漫を追求したい人のために提案させていただきます。
フルスキンなのは、提督=ユーザーという万人の顔を持つがゆえに顔のない存在なので、【提督】という存在に固定のイメージを付けさせないため。


陸軍の【○二】と海軍の【○四】の2種類の機体があり、どちらも艦娘を参考にして開発が進められているが発生や用途が全く異なる。


・陸海の【海上陸戦機動歩兵】の比較
【○二】:陸軍内の窓際部署の船舶司令部が提案する離島防衛用の新世代の揚陸作戦用装備。
【○仁】に改名予定であり、さすがに陸軍の主力である戦車部隊に取って替われるほど圧倒的ではないが、
戦車を展開できない状況における陸上での展開力も視野に入れており、海軍の類似品とは違って非常に有用な装備としてまじめに検討されている。
最終的には戦艦レ級の砲撃に一撃耐えられるぐらいの強度にまでなるので、これを内地で使ったらどれだけ心強いことか。

用途としては、海軍との連合作戦における揚陸作戦での運用に絞って【陸上型ボス級深海棲艦】に特化しており、【展開型成形炸薬弾鎚】が主力武器となる。
そして、内地での運用あるいは基地防衛に特化した陸戦型が存在し、どちらのタイプとしても深海棲艦と真正面から戦うための戦力としては考慮されていない。
よって、揚陸作戦用と本土防衛用の2種類に系統が大別されるが、さすがに対艦能力が一切ないのはマズイので、装備の中には爆雷投射機を備えたものも存在する。


【○四】:海軍内の海上護衛総司令部が艦娘による船団護衛が不可能となった時に備えて艦娘を基に開発研究を進めていた艦娘なりきり装備。
【○余】に改名予定。あくまでも陸軍の類似品とは違い、予備戦力として開発研究がなされていた趣味の機体であり、
『余分』や『余計』などの『余』と『四』を掛けた機体名であり、実際に艦娘に取って代わることなどできないような劣化品なので海軍としては不要である。

用途としては、【射突型成形炸薬弾鎗】を抱えて敵艦に突撃して一撃の下に沈めるカミカゼ戦法。
陸軍の類似品とは異なり、【艦船型ボス級深海棲艦】に特効があり、通常の深海棲艦にも広く通じる破壊力が特徴。
しかし、陸軍の【○二】とは異なり、まともな戦力になることが当初から期待されなかったように、海上戦力としては艦娘がすでにいるので存在意義がない。


・【艦載艇:海上陸戦機動歩兵】の特徴 (【艦載艇】なので説明がだいぶ重なり、それを踏まえているので原則は>>474参照)
0,【陸軍】が開発を進めている【○二】に【開発投資】していく関係で【○四】の開発資料を得て【開発】が解禁されるという背景である
→ あくまでも【陸軍】に技術協力している傍らで提督自らが出撃しようという変な気を起こした結果ということになる

1,【開発】解禁後は【秘書艦】を【揚陸艦】【潜輸】【水上機母艦】にして【秘密工廠】で最初のモデルが【開発】できるようになる
→【陸軍】属性の船娘を【秘書艦】にしている断然【○二】が【開発】されやすい
→ 逆に、通常の艦娘を【秘書艦】にしていれば【○四】が【開発】されやすい
→ ただし、あくまでも【開発】されるのは【海上陸戦機動歩兵】の最初のモデルと支援装備がメインであり、上位モデルの【開発】は後述

2,【海上陸戦機動歩兵】の練度が一定以上で【秘書艦】=第1艦隊を【突撃部隊】にしていると上位機種が【開発】できるようになる
→【海上陸戦機動歩兵】は【艦載艇】の1種なので強化方法が【改造】とレベルアップしかないが能力限界が低く、【近代化改修】ができない
→ よって、基本的に他の【艦載艇】と同じように練度を上げて上位機種を【開発】してそれに乗り換えていくしかない
→ つまり、最初の雑魚メカから地道に経験値を稼いでその度に上位機種を【開発】して乗り換えていくという手間暇が存在する

3,2に付け加えて上位機種が【開発】可能な練度は共通しており、初期機体でも練度をカンストさせれば低確率で最上位機種の【開発】は可能
→ 上位機種へのランクアップの利点は下位機種が【開発】されなくなるので、純粋な上位機種が【開発】されやすくなるということ
→【海上陸戦機動歩兵】∈【艦載艇】なので【艦娘】と同等の扱いを受けており、【装備】ではないので【装備改修】【装備更新】の対象ではない
→ ただし、専用装備はもちろん【装備】なので【装備改修】【装備更新】の対象なので活用すべし

4,【海上陸戦機動歩兵】はたいていの汎用装備を共用できるが、【○二】と【○四】それぞれの系統や派生で専用装備が大きく分かれている
→ ただし、史実を見ればわかるが戦況が追い詰められてくると軍の垣根を超えた運用なんて普通に行われていた

5,スロットが最初から4つ開放されており、【改造】すれば5つも持てる!
→ 駆逐艦以下の性能で何をほざくか…………【ダメコン】を積んで生存能力を上げるためか?




図 【艦載艇】の上位機種の【開発】条件

例1、とある【艦載艇】系統の初期機体の上位機種の【開発】条件
 +0        +1       +2       +3        +4        +5       +6        +7       +8        +9
Lv1―――――11―――――21―――――31―――――41―――――51―――――61―――――71―――――81―――――91―――――Lv99:

例2,+4の機体を作った場合の上位機種の【開発】条件
                                    +0        +1       +2       +3        +4        +5       
Lv1―――――――――――――――――――――――41―――――51―――――61―――――71―――――81―――――91―――――Lv99:

例3、+9の機体を作った場合の上位機種の【開発】条件
                                                                                +0         +1
Lv1―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――91―――――Lv99:

上の例は単純に10種類の機体が存在する場合の上位機種の【開発】条件であり、練度が一定を超えると上位機種の【開発】が開放されることを示している。
つまり、初期機体でも頑張ってLv91以上にまで上げれば最終モデルの【開発】が可能になるということを意味している。
しかしながら、例1の初期機体で仮にLv91以上にできても【開発】される機体の候補が自機を含む10種類全てになり、
基本的に上位の機体ほど入手確率が低く設定されているので、苦労して練度を上げきっても肝腎の【開発】で引き当てられなければ意味が無い。

そのため、上位機種を【開発】して乗り換えていくこと(=ランクアップ)の利点を述べると、
例2のように下位機種が【開発】の候補に入っていないことでゆっくりだが着実に上位機種を確保していける点である。
この場合から言えば、いわゆるハズレが+4の自機と全く同じもの1つに抑えられていることがわかるはずである。
逆を言えば、Lv1からLv40までは+4の機体しか【開発】されないという意味であり、これを利用して同じ機体を確実に量産するということも一応できる。
欠点は、初期機体でも練度を上げきれば最終モデルの【開発】は可能であるという事実を踏まえつつ、
いちいち上位機種に乗り換えたてまた練度を上げ直す手間暇が掛かるということである。
高性能な機体を獲得できたらそこから最後まで練度を上げて最終モデルの【開発】を狙うのが賢いやり方だろう。――――――初期機体は本当に鉄屑なので。

例3は特殊な例であり、特定のモデルから派生するモデルが存在するということであり、
この場合は例1や例2に存在しなかったLv99の時に【開発】できる最終モデル限定のランクアップが存在していることを示唆している。


※ただでさえ艦娘が多いのに自軍では1人しか扱えない【艦載艇】ごときにここまで機体を充実させるつもりはないので、あくまで極端な例で説明いたしました。ご了承ください。




【海上陸戦機動歩兵】の系譜

|―陸軍【○二】
|   |
|   |【展開型成形炸薬弾鎚(ブレイクハンマー)】
|   |【○二】の基本となる装備であり、これがないと【○二】が存在する意味が無い。
|   |【陸上】属性の深海棲艦に対して特効があり、海軍の【○四】の【射突型成形炸薬弾鎗(パイルバンカー)】と対になる装備である。
|   |【パイルバンカー】と違って対象となる敵があまりにも少ないために使う機会が限定される一方で、
|   |【ブレイクハンマー】の場合は【パイルバンカー】よりも性能が初期型でこれでもかというぐらい高いので高難易度でもこれで十分通用するぐらい。
|   |
|   |【展開型成形炸薬弾鎚・虎】
|   |最強の【ブレイクハンマー】。【陸上型ボス級深海棲艦】であろうと普通に4桁台のオーバーキルを叩き出してしまえるほど。
|   |それ故に、最大の弱点は目標となる【陸上型ボス型深海棲艦】への必殺の一撃が敵僚艦に【かばわれる】ことであり、
|   |いかに敵僚艦をあらかじめ損傷に追い込んでおけるかでその持ち味が活かせるかどうかが決まってくる。
|   |しかしながら、ここまでくると【弾薬】の消費量が凄まじいレベルであり、まさに最終兵器としての浪漫性能を光らせている。
|   |
|   |―【○二 甲一型】
|   |   |【○二】のコンセプトである揚陸作戦を念頭に置いた機体だが、初期の段階では弱い弱すぎる……出た瞬間に返り討ちに遭って轟沈する可能性が大なのでダメコンは必須。
|   |   |速力:低速、紙装甲、攻撃力皆無、対空能力無し、艦載機無しという装備で補わねばまるで使えない機体である。
|   |   |しかしながら、【陸軍】はユーザーによる【開発投資】をねだって【開発】を進めてくるものの、こんなゴミクズみたいな機体をまじめに運用して、
|   |   |最終的には上位機種を【開発】していき、【陸上型深海棲艦】抹殺部隊を編成するようになるので鳳雛だったということなのだろう。
|   |   |
|   |   |この機体から派生して3つの系統の【○二】が誕生していくことになる。
|   |   |
|   |   |―【○二 甲二型】
|   |   |   |白兵戦能力を強化した改良型。揚陸作戦機から白兵戦機というツッコミどころ満載だが、そもそも【海上陸戦機動歩兵】のコンセプト自体がアレである。
|   |   |   |本来の【ブレイクハンマー】による大物狙いの運用ではなく、【駆逐艦】【軽巡】などの通常では【肉薄】できない小型の水上艦を倒すことを念頭に置いている。
|   |   |   |しかしながら、そのコンセプトでありながら初期の機体は【甲一型】との差がない雑魚メカである。
|   |   |   |【開発】を重ねていくことで最終的に【軽巡】ぐらいの戦闘力は得られる(最終モデルはいずれも戦艦レ級の砲撃を1撃耐えられる調整)。
|   |   |   |揚陸作戦用のコンセプトはどこへ行ったのか…………海防艦のような近海防衛用と護衛艦のような船団防衛用とのこと。要するに【○四】のパクリ。
|   |   |   |
|   |   |   |【三式軍刀・改】
|   |   |   |深海棲艦に対して抜刀突撃をするというアレなもの。だったら【ブレイクハンマー】で対応できるだろうと思うだろうが、あれは小回りが利かないようだ
|   |   |   |しかしながら、これまで【肉薄】できなかった小型艦を対象にとれるようになって生存力が飛躍的に上がるので、ダメージの低さに目をつぶれば使えないことはない。
|   |   |
|   |   |―【○二 甲三型】
|   |   |   |対潜能力を重視したタイプ。【甲二型】が最終的に【軽巡】のような性能になるのならば、【甲三型】は対潜駆逐艦のような機動力重視の性能となり、
|   |   |   |【展開型爆雷投射弾鎚】の潜水艦への一撃必殺と【ソナー】によるサポートが得意で、【突撃部隊】の仕様上 【昼戦】で仕留め損なった潜水艦の掃討に向いている。
|   |   |   |【開発】を重ねていくことで前述通りに対潜駆逐艦のような性能に発展する(最終モデルはいずれも戦艦レ級の砲撃を一撃耐えられるが、最も危ういことになる)。
|   |   |   |
|   |   |   |【展開型爆雷投射弾鎚・鯱】
|   |   |   |爆雷投射機型のマイナーチェンジ版【ブレイクハンマー】の最終モデル。【潜水艦】系統に特効があり、逆に【陸上型深海棲艦】には効果が無い。
|   |   |   |【艦載艇】では通常は【肉薄】できない【潜水艦】に対して【肉薄】できるようになる【甲三型】の重要装備であり、【対潜ソナー】と合わせて敵潜水艦を海の藻屑にする。

|   |   |   
|   |   |―【○二 甲四型】
|   |   |   |陸戦型。【陸上】属性となり、雷撃が完全に無効になる代わりに陸上にしか展開できないので【拠点防衛】限定の戦力となる。
|   |   |   |しかしながら、『陸のことは陸軍』ということを見せつけてくれるほどの凄まじい支援能力を持っており、これまでの【○二】シリーズでは一線を画す能力を持つ。
|   |   |   |というより、妖精科学と現代科学の融合で戦時中ではできなかったトンデモ兵器が入っているので、【○二】使いの究極はここであると断言できる。
|   |   |   |
|   |   |   |1,【陸上】属性(雷撃無効の代わりに陸上にしか展開できないので【拠点防衛】において沿岸マス限定戦力となる)
|   |   |   |
|   |   |   |2,【陸上航空機】を装備できる(スロット毎の艦載機(?)数は上位機種になればなるほど増えてくるが、段階ごとにスロットの偏りが出てくるので要 相談)
|   |   |   |
|   |   |   |3,【甲四型】独自の装備が豊富に用意されており、【拠点防衛】の要となる超兵器を主に取り扱えるのが最大の強み
|   |   |   |
|   |   |   |4,【陸上型艦娘】が存在する場合は旗艦じゃなくても【かばってもらう】ことができ、その他 生存力を上げる装備が用意されている
|   |   |   |
|   |   |   |5,ただし、そういった装備の中には【肉薄】ができなくなる装備があるので要注意(砲撃戦における攻撃手段が通常のものとは異なる場合に発生)
|   |   |   |
|   |   |   |
|   |   |   |【要塞砲/砲塔式45口径40cm加農砲】→上位装備:【要塞砲/砲塔式45口径40cm加農砲×2】【要塞砲/と号電磁投擲砲・改】
|   |   |   |【甲四型】の主力であり、砲撃戦において【射程:長】の主砲攻撃に変更され、【肉薄】できなくなる(=【ブレイクハンマー】等を装備させても使わなくなる)。
|   |   |   |【肉薄】できなくなることで単体での生存能力が激減するものの、【トーチカ】との連携を活かすことで遥かに生存力が増すことになる。
|   |   |   |当然ながら、長門型戦艦と同じ主砲なので【弾薬】の消耗が凄いことになるのだが、一撃必殺しか能がなかった【○二】の変貌ぶりに狂喜することだろう。
|   |   |   |一方で、異彩を放つのが【と号電磁投擲砲・改】だが、これは携行型対戦車レールガンを対深海棲艦用に転用したものである。
|   |   |   |
|   |   |   |
|   |   |   |【陸上戦闘機/鍾馗】【陸上攻撃機/一式陸上攻撃機】【空対艦ミサイル/イ号一型乙無線誘導弾(エロ爆弾)】
|   |   |   |ちゃっかり海軍の【陸上航空機】も使えるが、一方で【艦上航空機】は扱えない。また、陸軍機には雷撃機=攻撃機がないので魚雷攻撃ができない。
|   |   |   |しかしながら、【陸上機】や陸軍機 全体で見れば対艦戦でも極めて有用な【偵察機】や【戦闘機】を取り揃えており、更には【空対艦ミサイル】まで扱えるので、
|   |   |   |陸軍ご自慢の【鍾馗】で制空権を取った後に必殺の【エロ爆弾】を色気漂う深海棲艦 目掛けて一発ぶち込んでしまえ!
|   |   |   |【空対艦ミサイル】は航空機から誘導されるため、【昼戦】の航空戦でのみ発射され、少なくとも航空優勢以上でなければ簡単に撃墜されるが、
|   |   |   |制空権さえ得てしまえば最低ダメージが損傷1段階という、耐久力の高いボス級深海棲艦にすら固定ダメージを与えられる破格の性能!
|   |   |   |しかしながら、当然【弾薬】【燃料】【ボーキサイト】が多量に必要になってくるので、ミサイル中毒に注意!
|   |   |   |
|   |   |   |
|   |   |   |【高射砲/5式15cm高射砲】【高射砲/く号怪力線・改】
|   |   |   |最強クラスの【高射砲】(海軍では【高角砲】)であり、ドイツ製のウルツブルグ・レーダーとの連動でこれさえあれば敵航空機を全滅させられるほどであり、
|   |   |   |この性能で【要塞砲】や【陸上航空機】とは別枠なので一人でも装備していれば沿岸部隊の対空能力はこれで安心といえるレベルである。
|   |   |   |一方で、【く号兵器】は完全なギャンブル装備であり、超低確率で落雷を浴びて低空で接近してくる航空機を全滅させるという浪漫装備。


【海上陸戦機動歩兵】の系譜

|―海軍【○四】
|   |
|   |【射突型成形炸薬弾鎗(パイルバンカー)】
|   |【○四】の基本となる装備であり、陸軍の【○二】が使う【展開型成形炸薬弾鎚(ブレイクハンマー)】とは対になる装備である。
|   |しかしながら、【ブレイクハンマー】とは異なり、初期型同士で比較するとかなり能力が低く、初期型では平均的な駆逐艦を一撃必殺できる程度しかない。
|   |つまり、【○二】が標的が少ないことで真価を発揮しづらいのに対して、【○四】は武器ですら性能不十分なところから始まるというハンデがあるのだ。
|   |上位装備は【装備改修】込みで、駆逐艦確殺→軽巡確殺→重巡確殺→戦艦半壊→戦艦ル級確殺といった具合に上がっていき、【装備更新】にも対応している。
|   |
|   |【射突型成形炸薬弾鎗・龍】
|   |最強の【パイルバンカー】。【艦船型ボス級深海棲艦】に対して特効があり、直撃すれば【鬼】だろうが【姫】だろうが一撃で沈む破壊力を誇る。
|   |また、素の攻撃力で戦艦タ級確殺なので、【開発】することに成功したらこれ一本でやっていける性能であり、残念ながら【装備更新】に含まれていない。
|   |しかし、これによって【艦船型ボス級深海棲艦】ですら一撃で屠れるのに、あの戦艦レ級に対しては特効が働かないので最大の天敵とも言える存在になっている。
|   |それでも、【突撃部隊】の仕様上【昼戦】であらかじめ追い詰めることができていれば、確殺の範囲内に入れることができるのでこの装備の優位性は揺るがない。
|   |
|   |―【○四 一型艇】
|   |艦娘に比べることすらできないほど弱い初期型だが、すでに改良型の【五型艇】が【開発】できるのではっきり言えばハズレ枠である。マゾプレイヤー向けか?
|   |
|   |―【○四 五型艇】
|   |   |【○四】の基本型となる機体であり、低速戦艦と同等の【回避】を持っており、【一型艇】と比べれば遥かに性能が良い。
|   |   |だが、所詮はその程度であり、駆逐艦にすら及ばない総合能力と大破ストッパーが無いことによる一撃死のリスクが常に付いて回る。
|   |   |【海上陸戦機動歩兵】の最終モデルはいずれも戦艦レ級の砲撃を一撃耐えられるように調整されているが、その道は長く険しい…………。
|   |   |
|   |   |この機体を基本型として派生する系統が3つ存在するが、陸軍の【○二】のように系統ごとに別な役割に特化した支援能力はなく、
|   |   |馬鹿正直に【パイルバンカー】で突撃することだけを念頭に置いているので戦術的有用性は遥かに劣る。
|   |   |
|   |   |―【○四 六型艇】
|   |   |   |機動力を強化したタイプであり、唯一【速力:高速】を実現しているが、代わりに【装甲】が犠牲になっている。
|   |   |   |しかし、もとから一撃死を覚悟しなければならない機体なので大した違いはないので気にする必要はないだろう。
|   |   |   |最終モデルになると、戦艦レ級の一撃に耐える上でずば抜けた【回避】を実現するようになる。
|   |   |
|   |   |―【○四 七型艇】
|   |   |   |防御力を強化したタイプであり、【回避】を犠牲に【装甲】を高めた機体である。
|   |   |   |しかしながら、初期の機体ではやはり一撃死を免れない程度なので最も敬遠されるかもしれない系統。
|   |   |   |最終モデルになると、戦艦レ級の一撃を2度耐える堅牢さを誇ることになり、実は雑魚狩りに最も適した性能に発展していく。
|   |   |
|   |   |―【○四 八型艇】
|   |   |   |魚雷を搭載して対潜攻撃能力を得たタイプであり、開幕雷撃や雷撃戦に参加できるという点で【昼戦突撃】に大きく貢献できているタイプである。
|   |   |   |また、このタイプ限定で僚艦の【甲標的 甲】で【昼戦突撃】において砲撃戦で自分の番になるまで【潜水艦】と同じ扱いになって生存力が上昇する。
|   |   |   |それ故に、尖った能力こそないものの【昼戦突撃】で最大限【○四】を活躍させやすく、後詰の戦力としては最も安定することになるだろう。


※画面拡大率75%で収まることを全体にしているので、すっきりとした表示がみたいのなら推奨です。


【トーチカ】
陸軍が【海上陸戦機動歩兵】のノウハウを利用して【拠点防衛】において長時間の戦闘に耐え得るように新開発した艦娘用パワードスーツであり、
【海上陸戦機動歩兵】とは違ってポンチョやドレスを羽織る感じでイメージされており、それで追加装甲や陸上航空機運用能力が得られてしまう。
装備できる艦種は大型艦に限定されており、まさか潜水艦や駆逐艦などのひ弱な艦種が務まるとは思うまい。
装備すると、【ボス級深海棲艦】とほぼ互角の性能にまでパワーアップするが、【拠点防衛】においては交代や修理・補給ができなくなるので、
その圧倒的な性能に反して実際はできるかぎり交戦させないように立ち回らないとあっという間に【弾薬】不足のジリ貧に追い込まれてしまう。
というか、そもそも【艦これ】の戦闘では3~5回の連戦が限度なのを考えればそうなってしまうのも理解できるであろう?


今回の話の中で繰り返し登場している【拠点防衛】については――――――、次回を待て!


・提督出撃――――――【トーチカ】獲得までの流れ -男の浪漫編・極-

0,【開発投資】∈【要請】で投資クエストで【秘密工廠】を開放する

1,【投資】の投資クエストをクリアして【突撃部隊】用の移動母艦を開放する

2,【秘書艦】に揚陸艦:あきつ丸を選択する

3,【応援要請】に【陸軍共闘】が追加され、まずはそれを実行してから、更に【友軍艦隊駐留】して鎮守府に陸軍をお招きする

4,【投資】に【陸軍】関係の投資クエストが開放されるので、こなしていけば【艦載艇:海上陸戦機動歩兵】の【開発】が解禁される

5,【秘書艦】を【揚陸艦】【潜輸】【水上機母艦】にして【秘密工廠】で【開発】をすると【艦載艇:海上陸戦機動歩兵】が生産されるようになる

6,【開発】した【艦載艇:海上陸戦機動歩兵】を艦隊に編成すると【突撃部隊】に変更され、強制的に旗艦に設定される

7,【出撃】において戦闘を行い、【突撃部隊】が戦闘可能な場合、【夜戦】の他に【昼戦突撃】【夜戦突撃】が追加される――――――提督出撃!

8,【陸軍】の投資クエストを累計50以上こなすと、【トーチカ】の【開発】にまつわる投資クエストが開放される
→ 内容は【陸軍】への【艦娘の派遣】であり、【投資クエスト】の体裁をとった【遠征】であり、成功すると【トーチカ】を持って帰ってくる
→ 花嫁修業みたいな扱いなので当然 投資として大量の資源を支払う必要があり、しかも即 結果が出るわけではなく失敗する可能性すらある
→ この方法でしか【トーチカ】は通常では手に入らない! ――――――【トーチカ】が陸軍謹製なので!


【陸軍】への【開発投資】の最終到達点というのが艦娘用パワードスーツ【トーチカ】の【開発】であることがうかがい知れることだろう。



・【トーチカ】まとめ

0,【海上陸戦機動歩兵】が【艦隊特別枠】で管理されるのに対して、【トーチカ】は【艦娘の装備】の扱いである
→ よって、装備保有枠での管理となるので少しややこしいかもしれない

1,第1艦隊の旗艦のみ装備可能 =【拠点防衛】における【最終防衛部隊】の旗艦のみ装備可能
→【拠点防衛】だけじゃなく通常の【出撃】でも利用可能であり、使用条件は第1艦隊の旗艦であることのみ

2,装備できる艦種は大型艦のみ:【戦艦】【航空戦艦】【巡洋戦艦】【重巡】【航空巡洋艦】【正規空母】【装甲空母】
→ 装備すると【トーチカ】が装備欄の一番下の第6の装備に設定され、元の装備欄に空きが出るのでそのまま装備を付け加えてよし

3,装備した艦娘は【陸上】属性が追加され、【陸上装備(全体で見れば一部)】が装備可能となり、雷撃が効かなくなる代わりに対地攻撃に弱くなる
→ 【水上機】【艦上機】も元々使えるならばこれまで通り問題なく運用でき、ここが【陸上機】しか使えない【○二 甲四型】との大きな違いとなってくる
→ 【○二 甲四型】の主力となる【要塞砲(一部を除く)】【高角砲】などは装備できず、装備可能になるのが【陸上機】だけなのが【トーチカ】である
→ 【○二 甲四型】の特性で【トーチカ】を装備した【陸上型艦娘】は旗艦だけど【○二 甲四型】を【かばう】ことができる(逆も【かばう】の仕様で起こる)

4,装備した艦娘の能力値および艦載機がそのまま【トーチカ】に付け加えられ、性能は【ボス級深海棲艦】に匹敵する
→ というより、【陸上型深海棲艦】と同じ扱いになっているので計算式や損傷表現も特殊になっている
→【トーチカ】にも装備可能な【要塞砲(一部の例外)】を装備することによって砲撃戦での攻撃が【正規空母】【装甲空母】も砲撃に変化する
→ しかし、【要塞砲】を【正規空母】【装甲空母】が装備しない場合はそのまま航空機による攻撃で計算式にも変化がない
→ 注意すべきは艦船型の“中破”に相当するのが“損害”であり、【要塞砲】【主砲】を装備していない【正規空母】だけは“損害”で攻撃不能になる

5,【トーチカ】が“破壊”(=艦船型における“轟沈”)された場合は【防衛】失敗となる = 【戦力ゲージ】100%の損失
→ ロストするのは【トーチカ】だけであり、元々 装備できるのが旗艦なのでそこは安心できるところである

6,【トーチカ】を装備した状態だと【防衛】中は交代ができず、修理・補給もできなくなる
→ ただし、【突撃部隊】による【前線補給】は可能なので【補給装置】による補給、【応急修理資材】による修理で何とかするしかない。

7,【トーチカ】の【開発】が解禁されることで【工作艦】無しで使える【改修工廠(【秘密工廠】版)】が追加される
→【秘密工廠】版は、【工作艦】がいなくても、あるいは【工作艦】を【秘書艦】にして2番艦を置く艦隊編成をする必要がなくなる
→【トーチカ】も【艦娘の装備】なので【改修工廠】で強化を行うことができる
→【トーチカ】も【艦娘の装備】なので【装備改修】のために複数必要になると思われるが、【トーチカ】の場合は同名装備の消費の必要がない

【防衛】に関する特殊ルールが随所に設けられているが、実は【拠点防衛】において必ずしも装備しなくてもいい。
装備して旗艦に据えた場合はそこから交代ができなくなるのだが、装備しなければ【拠点防衛】においては途中で艦隊を交代・修理・補給できるので、
実は使わないほうが【拠点防衛】の安定感が増すのだが、

――――――【拠点防衛】の苛烈さを凌ぐためについ使いたくなることだろう。

もちろん、【トーチカ】を装備した艦娘は強力無比なので交戦回数を抑えられるのならばそれで問題ない。
【トーチカ】は強力だが同時に敗北条件にも直結しているが、逆に言えば修理・補給ができないので【戦力ゲージ】に影響を与えない最終兵器でもある。

要するに、【拠点防衛】の要である【トーチカ】をどの段階で投入するかが【拠点防衛】を成功に導く鍵となっているのである(【拠点防衛】の詳細は次回を待て)。

基本的に【トーチカ】の性質はテキストのとおりであるが、
【トーチカ】にも種類によって良し悪しがあり、【海上陸戦機動歩兵】とは違って大型艦限定とはいえ自由に装備できるので戦略性が増している。
なお、性能の高い【トーチカ】を究極の性能の【異界艦】が装備できれば、侵攻してくる敵艦隊を片っ端から排除する無双っぷりが楽しめる。
そして、【ボス級深海棲艦】と互角の性能となっているので、1対1の殴り合いも理論上は可能となるので男の浪漫がここでも花開くことになる。


※実は特定の艦娘を【改造】すると苦労の末に得られるはずの【トーチカ】を持ってくることがある(該当の艦娘の【改造】費用はそれ相応であるが!)
その場合は第1艦隊の旗艦じゃない限りは【改造】直後に自動的に外されて装備保有枠に格納されているので知らぬ間に持っていることが起こり得る。
それによって、【投資クエスト:陸軍】の最終到達点である【トーチカ】の【開発】までするのが馬鹿らしく思えてしまうだろうが、
決して損ではなく、ここまでやり遂げたユーザーに対するご褒美として数々の特典が待っており、本格的な【トーチカ】の運用が可能になるのはここだけである。

正規の手段で得ることの何がメリットなのかと言えば――――――、

1,【改造】限定で得られる【トーチカ】がある一方で、正規の手段:【陸軍】による【投資】でしか得られない【トーチカ】の方が多い
→【トーチカ】は【艦娘の装備】なので【装備改修】に対応している
→【トーチカ】の元となった【海上陸戦機動歩兵】と同じように【装備更新(=ランクアップ)】可能
→【改造】で得られる【トーチカ】のほとんどが【装備更新】に対応していないワンオフが多い=上位装備に発展できない

2,【トーチカ】の持ち味である【陸上装備】を用意できる=自由に【開発】できる
→【改造】だけで【トーチカ】を得た場合は、せっかく装備できるようになった【陸上航空機】が確保できない
→【トーチカ】による追加装備は【陸上航空機】だけだが、【空対艦ミサイル】を一度の会戦に100発以上も飛ばす浪漫を追求できてしまえる

3,そもそも【改造】で【トーチカ】を持ってきてくれる艦娘はそれだけに激レア艦の扱い
→ なので、そもそも入手確率が極小であり、大和型戦艦や“ツチノコ”を入手する以上の極悪難易度を誇る
→“課金”<<<“リアルラック”がモノを言うのが【艦隊これくしょん】なので悪しからず
→ そして、そうとは知らずに【トーチカ】を持ってくる艦娘を引けたとしても【改造】に掛かるとんでもない資材量を前にして目を丸くすることになる…………



・【トーチカ】の種類

通常系統:【装備更新】に対応している系統

【トーチカ/シタデル】
最初に【開発】できる【トーチカ】であり、基本モデルである。世界最大の戦艦:大和型戦艦 以外では【耐久】100を超せないが、
初期型の【シタデル】だけで【耐久】+20されるので【戦艦】クラスならもれなく3桁台に乗せられ、一種の感動のようなものを覚えるだろう。

しかし、正規の手段で【トーチカ】の【開発】までやり遂げているのなら大和型以上の戦力をすでに持っていると思われるので、この程度では満足できないはず。

それでも、――――――そもそも、新インターフェース1:【要請】でできることの全てが【艦隊これくしょん】の公式配布パワーアップキットみたいなもので、
別になくても本編をプレイするのになんら影響がないものであり、初心者救済とやりこみゲーマーを満足させるためのアイデア(=チートとも言う)なので、
【トーチカ/シタデル】を獲得できただけでも通常プレイの効率が圧倒的に良くなる(装備できるのは第1艦隊の旗艦の大型艦だけだが)。

なにせ、大和型戦艦じゃなくても【戦艦】ならば大和型に匹敵する数値の防御力を獲得し、更には雷撃を全て無効化できるのでそれだけでも大きい。
また、【艦載機(?)】も増えるので【正規空母】の攻撃力も底上げできるし、【装甲空母】なら圧倒的な防御力でまさに“不沈空母”を体現できる。
【重巡】でも【要塞砲(例外的に装備できるもの)】で【戦艦】並みの攻守に加えた持ち前の汎用性と【射程:長】が実現できてしまえる。

それ故に、普通に使う分には【シタデル】程度でも十分すぎるというわけである。そして、【装備更新】に対応しているので最後まで使っていける。


【トーチカ/絶対国防圏】―――SS――→【トーチカ/黄金郷】―――SS――→【トーチカ/神州不滅】
クソみたいな性能の【トーチカ】。最初に【開発】できる【シタデル】よりも脆弱という名前負けの【トーチカ】。
ただし、【装備更新】を重ねていくことで性能が跳ね上がっていく浪漫仕様であり、最終モデルは【シタデル】のそれを圧倒的に凌駕することになる。
【装備更新】をやれるだけの資源さえあれば、【海上陸戦機動歩兵】のように練度を上げてそれから上位機種の【開発】を繰り返す手間暇なしに、
確実にランクアップしていけるという点で非常に安定しており、最終モデル【神州不滅】の性能は戦艦レ級を一蹴できる性能である。
ただし、性能と燃費が相反するのが【艦隊これくしょん】の基本法則なので、戦闘に出すだけで凄まじい出費を強いられる超ロマン性能の塊である。


【トーチカ/メガフロート】
【艦載機】を重視した【トーチカ】ではあるが、反面 防御性能が全体的に低く、攻撃力もあまり上がらないのが難点。
【正規空母】ではなく、【装甲空母】が適役か? こういった点で通常攻略において【装甲空母】に勝る【正規空母】との差別化が見られる。
【要塞砲】を欲張って装備させるのもいいだろうが、その場合は計算式の変化に注意!


ユニーク系統:【装備更新】では手に入らない限定品

【トーチカ/大西洋の壁】
【耐久】+500の未だかつてない性能であり、おそらく永久に更新されることのない最高クラスの【トーチカ】。
ただし、特筆すべき点はそれぐらいであり、それ以外の性能では見劣りする点が多い。
しかしながら、単純に【耐久】+500ということはそれだけ損傷しづらく、戦闘力の維持がしやすいので、
【トーチカ】の役割を艦娘の追加装甲という認識でいるのなら、大和型戦艦などの元から攻撃力の高い艦娘にはちょうどいいのかも。


【トーチカ/ダウディングシステム】
おそらく【艦隊これくしょん】で永久に更新されることのない最強の【対空】と【艦載機】の値を誇る【トーチカ】。
しかしながら、【対空】に振りすぎている上に僚機に入れるだろう【○二 甲四型】の【高射砲】だけでも並みの敵航空機を七面鳥狩りにできるので、
そもそも【トーチカ】は【拠点防衛】において、第1艦隊:【最終防衛部隊】の旗艦にしか装備できない仕様上、
はたして通常の【拠点防衛】のプレイにおいて前線突破してきた敵艦隊にそこまで艦載機が残されているようには思えないが…………
あるいは、史実通りに前線部隊を展開する余裕もなく、敵航空部隊を本土で迎え撃つようなやり方でいくつもりなら理にかなった【トーチカ】である。


【トーチカ/山汐岸壁】




おまけ 【護衛空母】と【軽空母】ってどう違うの?   -憲兵さん、あの憲兵です-


金本「さてと。行くか」

剛田「そうだな」

幼女「ああ!」

金本「うん?」

剛田「地元の子供か? 親はどこだ?」

幼女「うわーーーーーい!」タッタッタッタッタ、ムギュゥウ!

剛田「!?」

金本「剛田……、お前に隅に置けないもんだなぁー?」ニヤニヤ

剛田「いや違う! 俺にガキなんかいない! 俺の女に人間はいないんだぞ!」アセアセ

幼女「えへへへ」

憲兵A「御用だ!」スッ

金本「あらあら。相変わらず憲兵は仕事が早いことで」

剛田「冗談 言っとる場合か」

剛田「おい、俺はそこの船舶司令部の人間だ。この娘はどうも人違いをしているようなんだ。すぐにこの娘を引き取ってくれ」

憲兵A「あ、これは失礼しました」

剛田「いいかげん離れろ! 誰と勘違いしているんだ」

幼女「ちがわない」

剛田「まだ言うか。俺は船舶司令部の将校なんだ。偉いんだぞ、きみが知っている人よりは」

幼女「うん、知ってるであります。だって、自分は船娘だから」

一同「!?」


山汐丸「将校さん、自分は山汐丸であります。これからよろしくおねがいしますでありまぁす」ニコニコ


金本「うおっ!? 船娘のロリっ娘じゃないか!」

憲兵A「なんとっ! 船舶司令部はついにロリ船娘を! これは海軍だけじゃなく、船舶司令部にも目を光らせておかねば…………」

剛田「…………見ない顔だな」


金本「何だ? 陸軍はまるゆに続くあれまでこさえちまったのかい?」

剛田「いや、見たことがないし、聞いたこともないな」

剛田「…………山汐丸と言ったか? お前は船舶司令部の――――――いや それにしては艤装がずいぶんとまぁ」ジロジロ

憲兵A「待たれよ。将校と言えども狩る時は狩る」ジロッ

剛田「わかったわかった。まだ所属がはっきりしない以上はお前が保護しろ。あとはまかせた」

山汐丸「え」

憲兵A「…………!」

剛田「『できない』とは言わせないからな? 俺たちは帰るから」ニヤリ

憲兵A「ま、まて――――――」

金本「おもしれぇ。天下の憲兵がロリっ娘をどう扱うのは俺も気になるところだ」

金本「陸軍の船娘に手を出して初めてしょっ引かれる憲兵になるか見物だな」ニヤリ

憲兵A「なんだと!?」

剛田「はーはっはっはっはっは! ダァッシュ!」バッ

金本「逃げろ逃げろー! 憲兵を困らせてやれー! あぁばよー!」ドド!

ダダダダダダダ・・・!

憲兵A「なんて逃げ足の早い……!」

山汐丸「うぇえええんうぇええええん!」ワーンワーン!

憲兵A「あぁ……うぅ…………」オロオロ

憲兵B「御用だ!」




――――――船舶司令部


剛田「宇品丸はいるか?」

あきつ丸「あ、提督殿、将校殿。おかえりなさいであります」

金本「ああ」

あきつ丸「それで、宇品丸殿は何やら急用ができたようでそちらの方に行ったであります」

剛田「そうか」

剛田「金本、俺はさっきの山汐丸とかいう幼女について船舶司令部の上層部に訊いてくるから、まあテキトーにしていてくれ」

剛田「それじゃ しばし」

タッタッタッタッタ・・・

金本「そう言えば、あきつ丸って“世界で唯一陸軍が造った空母”とは言ってもせいぜい【護衛空母】だったな」

あきつ丸「提督殿、陸軍の自分には【軽空母】と【護衛空母】の違いがいまいちわからないのであります」

あきつ丸「【正規空母】が大きな空母で、【軽空母】はそれより軽く、【護衛空母】は……何なのでありますか?」

金本「なるほどね。確かに艦載機や艦体のでかさにおいては【軽空母】と【護衛空母】はどっこいどっこいかもしれないな」

金本「だが、【軽空母】と【護衛空母】とでは明確な違いが存在している」

金本「それは、――――――【速力】だ」

あきつ丸「?」


金本「例えば、【護衛空母】兼用の【揚陸艦】のお前は21ktだったな」

金本「だが、千歳や祥鳳などの【軽空母】はだいたい【速力:高速(=28kt以上)】なのが特徴といえるだろう」

金本「この速力の違いが何を意味するのかと言えば、――――――艦隊決戦戦力か、船団護衛戦力かにわかれることになるんだ」

あきつ丸「そうなのでありますか?」

金本「ああ。艦隊決戦においては速力が極めて重要だ。兵は神速を貴ぶわけだからな」

金本「艦体の構造も安定性を犠牲にして速力が出やすいものが採用されている」

金本「一方で、普通の船舶っていうのは難破することなく物を向こう岸に無事に送り届けることが第一だから安定性のある船体構造が選ばれる」

金本「速力と安定性は相反するものであり、練習巡洋艦:鹿島のように外洋での安定性を選んだ結果、18ktのウスノロ軽巡が仕上がっているからな」


金本「つまり、【軽空母】が艦隊決戦戦力としての小型空母、【護衛空母】が船団護衛戦力としての小型空母と分類することができるだろう」


あきつ丸「なるほど」

金本「正確には、『――――――としての役割を担うことを目的に造られた』小型空母の分類と言ったほうがいいか」

金本「普通にクエストでタンカー護送任務があるように、別に【護衛空母】じゃなければ船団護衛が特別できないわけじゃないからな」メメタァ

あきつ丸「それは確かにであります」

金本「だが、戦局が追い詰められてくると『艦隊決戦用に建造された駆逐艦だから』船団護衛の回されなくなってきた」

金本「何がマズイかと言えば、当時 猛威を振るった潜水艦による輸送船団の襲撃への対策を蔑ろにした結果 補給が絶たれてますますジリ貧――――――」

金本「かくしてあのガダルカナル島は“餓島”となったわけだ」

あきつ丸「うぅ…………」

金本「じゃあ最初から護衛駆逐艦や護衛空母が建造されていれば何とかなったのかといえば、――――――何とかならないのが当時の旧帝国軍だ」

金本「せっかく軍縮条約から抜けだして無制限に艦艇を造られるようになっても、結局は長年培われてきた艦隊決戦主義に囚われ続けて、」

金本「その当時 最も必要だった対潜艦と防空艦の開発が完全に遅れて、その間に次々と日本艦船が潜水艦と航空機の餌食になっていったわけだ」

金本「いや、そもそもアメリカと戦おうと息巻いていた旧海軍軍令部――――――すなわち艦隊派の専横を許した時点で、」

金本「海軍も昭和維新を断行しようとした陸軍とさして変わらぬ外交や戦略を持たない猪武者が日本国の棟梁になっちまってなぁ……」

金本「いくら局地的な戦術的なベストを重ねても、根本的な戦略からして間違っていては意味がないことをよく教えてくれてるよ、あの戦争は」

あきつ丸「………………」


金本「さて、船団護衛戦力というやつはその作戦目的の性質から艦隊決戦戦力に比べていろいろコストダウンして量産するには向いており、」

金本「アメリカやイギリスだけでも護衛駆逐艦や護衛空母が夥しい数が量産されていたようだ。それはもう星の数に匹敵するかもな」

金本「一方で、日本における護衛空母は数えるぐらいしか存在しない」

あきつ丸「そ、そうなのでありますか?」

金本「ああ。あきつ丸、お前もその貴重な1人だし、給油艦:速吸も正確には違うが広義の上で立派な護衛空母だ」

金本「まあ、厳密には『航空機で武装した』【特務艦】だから、さっき定義した【護衛空母】とは全然 違うんだけどな」

金本「というか、そんな船団護衛用だとか艦隊決戦用だとかみみっちいことに拘泥するぐらいに、」

金本「明らかに国力と、それ以上に将官の頭のデキに差がありすぎてねー」

金本「船団護衛に回す余裕がなくなるぐらい艦隊決戦戦力を使い潰して補給線をズタズタにしてくれる無能が多くて困っちゃ~う」

金本「俺、資源王だからそういうところ すっごく気に入らないなー」

あきつ丸「そ、そうでありますな」

金本「そんなわけで、さっき山汐丸とかいうロリ船娘に会ったんだが、【護衛空母】か何かだったのかな?」

あきつ丸「え、山汐丸でありますか?」

金本「ああ。広場で剛田のやつと一緒にいたら すりよってきてな」

金本「面倒だから憲兵におしつけて俺たちは逃げてきたんだ」ニッコリ

金本「今頃、あの憲兵はどうなったんだろうねー」ニヤニヤ

あきつ丸「――――――山汐丸!?」

あきつ丸「あ、そうだったのでありますか。あの子は提督殿と将校殿を探しに行って…………」

あきつ丸「自分は提督殿と将校殿がおでかけしている間に同じ【護衛空母】の先輩として面倒を見るように宇品丸殿に頼まれまして」

あきつ丸「しかしながら、肝腎の山汐丸は一向に現れず……」

金本「そういうことだったのか」

あきつ丸「はい。かわいい後輩なのであります」

金本「ふぅん。陸軍がロリっ娘を擁するようになるとはねぇ…………しかも【護衛空母】」

金本「ま、いいんじゃない? 提督である俺のようなはみ出し者が勢揃いの斎庭鎮守府にふさわしい仲間がまた増えるんだからさ」

金本「にしても、船舶司令部の活動も盛んになったことで自然と陸軍の船娘も増えてきたな」


金本「どうだ、あきつ丸? 俺と一緒に船娘のお前が【艦これ】の世界で名を上げてみないか?」メメタア


あきつ丸「懐かしいお言葉でありますね。その言葉から陸海合作が始まったのでありますね」

あきつ丸「では――――――、」


あきつ丸「そして、これは大変 名誉なことなのであります。かくなる上は最後まで提督殿についていくことを決心したであります」


金本「確かお前はそう言って返したよな」ハハッ

あきつ丸「提督殿、巡り会えない艦娘、船娘などいない。こうして自分も出会えたわけだし……」

金本「愛してるぜ。褒美に心の底から悦ばせてやるよ」

あきつ丸「ははっ、有難き幸せであります!」


――――――第7話Y 一大反攻作戦第一号・序章    -離島要塞化計画- 完

       Next:第8話  12月23日 -三笠公園にて- に今度こそ続く!





訂正の談 【局地戦闘機】と【艦上戦闘機】

――――――斎庭鎮守府


金本提督「おい、速吸」

給油艦:速吸「はい、提督。新作のメンチカツサンドはいかがですか?」

金本「おう。美味そうだな。そいつは後で試食するから――――――、」

金本「そんなことより、>>311 でお前はこう言ったよな?」


速吸『【改造】してくれれば、計画中止で実現しなかった倍の数の【艦載機】が扱えるようになりますよ』メメタァ


速吸「はい。言いましたよ」

金本「これ、後で調べたらお前のことじゃなくて、お前の後継艦の鷹野型給油艦での話じゃないか!」

速吸「ああ……、そのことですか……」

速吸「別にいいじゃありませんか、そんな細かいことなんて」

速吸「書類上の存在となってしまった私の後輩たちの遺志を継いだ【改造】だと思えば、悪い気はしないはずですよ?」

金本「いや、俺も迂闊だったが、何も知らない人間に誤解を与えて苦情が出たら俺が『司令部』からお咎めを受けることになるんだぞ」

速吸「だったら、間違いを認めて早く謝りましょう、提督。傷口が広がらないうちに」

金本「…………なかなかの強かさだな?」

速吸「そうは言いましても、【艦これ】補正で“欠陥戦艦”の【艦載機】が【軽空母】並みになってしまうぐらいですよ?」メメタァ

速吸「それに、私と似たような【護衛空母】もどきの船娘の揚陸艦:あきつ丸が、」

速吸「史実で【艦上戦闘機】を運用したことがないのに、海軍の【艦上戦闘機:烈風】を平然と使っていることの方が不自然に見えますけどね」メメタァ

速吸「あの陸軍将校さんも複雑な心境だったんじゃないんですか?」

金本「……言うじゃないの(まあ、確かにあきつ丸用の【陸軍航空機】の搭載は計画段階で終わった話だからな)」

速吸「しかし、いよいよ本職の【護衛空母】が登場してしまいましたか……」

速吸「一応、私も広義の【護衛空母】に含まれてはいますけれど、私は本来“守る側”ではなく“守られる側”ですから、それはしかたがないとはいえ、」

速吸「お株がとられたみたいでちょっと残念な気持ちがあります」

金本「いやいや、【護衛空母】ははっきり言って劣化【軽空母】だから艦隊決戦戦力としてはいまいちだし、」

金本「【特務艦】じゃないから何かしら特殊能力があるわけじゃないという空母系の【駆逐艦】ポジションだから相当 愛が必要だぞ、これ」メメタァ

金本「まあ、その分【軽空母】よりも遥かに安く運用できることが特長と言えばそうだが…………、」

金本「これ、【突撃部隊】の【前線補給】要員に使うぐらいしか能がないぞ……」メメタァ

速吸「本来の用途からすれば、それが正しい運用法ですからいいじゃありませんか」

速吸「私だって【給油艦】ですから本来“守られる側”の艦娘ですし」

速吸「どうですか? 【補給装置】の需要はありますか?」メメタァ

金本「俺は【前線補給】じゃなくて【海上陸戦機動歩兵】で戦場を駆って大物を狙いたいから、そんなものに頼る余裕はねえよ」

速吸「…………残念です。仕える主が裕福なのはいいことなのですが、驚くほど仕事がなくて時間を持て余してしまいます」

金本「悪いな。俺、資源王だから」ドヤァ

金本「けど、日頃の厨房での働きは認めてやる。これからも頑張ってくれよ」

金本「さ、新作のメンチカツサンドをくれよ。楽しみにしてたんだからさ、お前の作る油物」

速吸「……はい。わかりました」

速吸「オーダー入ります!」




剛田「ちょっと恥ずかしい間違いを犯してしまったな」

あきつ丸「どうしたのでありますか、将校殿?」

剛田「まあ、ちょっとした間違いなんだが、>>583 で俺はな――――――?」


剛田『【局地戦闘機】っていう航続距離が短いやつなんだよ。それでいて従来の比ではない上昇力や加速性で離着陸が難しくてな』


剛田「これさ、そもそも【局地戦闘機】っていうのが【陸上航空機】って意味だから別に『だから航続距離が短い』とかじゃないんだよな」

剛田「慣れない単語は使うもんじゃないぜ……」

剛田「【鍾馗】の航続距離が短いってのは、あれが帝国軍でも数少ない【重戦闘機】だったから機体が重いからなんだよな……」

剛田「【鍾馗】の兄弟の【隼】は増槽ありで3000kmなのに、【鍾馗】は増槽ありでも1600kmだし、差は歴然だわなぁ……」

剛田「しかも、性能は外人からすればまさしくトンデモ性能だったけれども、」

剛田「【軽戦闘機】による格闘戦の虜となった当時の陸軍ではあまりにも革新的すぎて逆に扱いこなせいという環境――――――!」

剛田「やっちまったなー。【局地戦闘機】の対義語が【艦上戦闘機】なんだからさー」
                                 フネ
あきつ丸「あ、そうだったのでありますか? てっきり【お艦の上の戦闘機】の反対語は【地面の上の戦闘機】だと思っていたのでありますが……」

剛田「そもそも陸軍と海軍じゃ航空機の開発事情が違うから、陸軍には【艦上機】と【陸上機】なんていう区別はないから!」

剛田「そう! 陸軍は空母の集中運用なんてしてないから【艦上戦闘機】なんて概念はない!」

剛田「陸軍のは全部【陸上航空機】――――――海軍で言うところの【局地】なんだよ!」

剛田「そして、【海軍戦闘機】は太平洋戦争勃発後の様々な現場の要求から【甲 戦闘機】【乙 戦闘機】【丙 戦闘機】という作戦分類になったから、」

剛田「太平洋戦争以後は単純に【局地戦闘機】か【艦上戦闘機】かの区別もつけづらいから困ったもんだ」

剛田「ちくしょう! 確かに管轄が別とはいえ、ちょっとした間違いだけれども指摘されると少し悔しいやら恥ずかしいやら……」

剛田「くそっ、あきつ丸に我が陸軍の【九七式戦闘機】の搭載が実現されていれば…………」

あきつ丸「それは前にも宇品で言われたことでもあります……」

剛田「…………すまない。本当にすまない」


そんなこんなで補足・訂正でございました。これは本来 予定にない話でしたが、
筆者もただの軍事の素人なので他にも探せば知識的な間違いはいくらでも見つかると思いますが、なにとぞご容赦ください。
あくまでもこの物語風プレゼンは新システムや新インターフェースなどの大枠について主に提案しているものであることをご理解していただけますように。
それと、内容の精査はしているのですが、投稿した後に見直して初めて気づくという誤字・誤植にも悩まされています。
また、Jane Styleのプレビュー機能で調整したものを投稿しているのですが、>>594 を見る限りだと完璧ではないようですねぇ。ズレてますねぇ……まいった。
最初の頃のような半角スペースが全て無効化されて行頭にルビが来てしまう酷さではないにしろ、これはちょっとショックであります。
ではでは雑談はここまでにしまして――――――、


この次は、2014年秋イベント・第7話Zを一挙にお届けいたします。


関係ない話ですが、>>570の人ってもしかして下記URLのまとめサイトの方だったのでしょうか? だとしたら、いつもいつもありがとうございます。
いえ、そうじゃなくてもご愛読ありがとうございます。
http://ssmatomesokuho.com/


ああ……、世間ではすでに【-艦これ-】や冬イベントのことで盛り上がっているのに、こっちは未だに2014年12月23日に辿り着けない…………
時事ネタをできるだけ乗り遅れないうちに言及したかったけれど、これが物語風プレゼンである以上は雑談のために順番変更できないので悪しからず。
おそらくこれからも度々 乗り遅れた時事ネタが作中で出てくるかもしれませんが、それはご容赦ください。


今回の投稿状況

第6話W → Z ――――――→ Y → X →   9~10月
                          ↓
第7話W ← Z ← 秋イベント ← Y ← X ←  10~12月

 |      ↑    ↑
 |  今回:その2&その1
 ↓

12月23日
余談2:4提督のそれぞれの戦いの形 >>462-479
第8話:12月23日 -三笠公園にて-




2014年 秋イベント:【発動! 渾作戦】戦記

――――――2014年11月14 【発動! 渾作戦】展開!

――――――洞庭鎮守府


清原「さて、前回の夏イベント【AL/MI作戦】の大規模作戦の反省を踏まえていこうか」メメタア

清原「主力艦は十分に揃った。後は練度の問題だがこれぐらいの練度ならば問題あるまい」

清原「初戦はおそらくは水雷戦隊を主力とした艦隊が必要となるだろう」

清原「では、見せてもらおうか?」


――――――【未来】の海軍士官の実力とやらを。


りう/龍翔提督「はい! おまかせください!」

あまぎ「【史実】における渾作戦の研究もばっちりです。やれるでしょう?」

あまぎ「清原提督は一切 助けてはくれませんから、まずはここであなたの実力を見せつけなさい」

りう「はい! 見ていてください!」

りう「では、――――――艦隊、【出撃】ぃ!」





――――――斎庭鎮守府


金本「さぁてさてさて、いったいどんな可愛い子ちゃんが待ってるのかなー?」ウキウキ

剛田「【海外艦】の重巡が追加されることは確認済みだが、【特務艦】や【潜水艦】の公式実装はまだ増えないのか?」メメタア

金本「さあな? それは蓋を開けてみない限りはわからないな」

剛田「少なくとも日本の重巡は出尽くしているから、【海外艦】の重巡が今回 追加されるのは妥当だろうな」メメタァ

剛田「しかし、【潜水艦】編成のバリエーションがいまだに乏しいのはどうかと思うな」メメタァ

剛田「これまでの傾向から言っても【駆逐艦】ばかりが増えるのだろう?」メメタァ

剛田「何だ? 【潜水艦】には固有名が無いから番号で呼ぶのが機械的だから受け付けないのか?」

金本「さあな?」

金本「さて、今回 気をつけないといけないのは――――――、」


金本「――――――【連合艦隊】での【出撃】においては【突撃】ができないことだな」


剛田「そうだな。あれだけの艦隊戦力が狭い戦場で大暴れするんだ。俺たちが【突撃】する前に敵が全滅するか大混戦になるかの二つに一つだ」

剛田「ところで、この【水上打撃型連合艦隊】っていうのはどういうものなんだ?」

金本「どうやら前回のやつとは違って、第1艦隊と第2艦隊を水雷戦隊の規模に抑えたものらしいな」

剛田「そうか。前回とは違って抑えめになっているのか」

剛田「前回の【MI作戦】ではとんでもないことになってたからな。我が陸軍にも諸提督たちの悲鳴が響き渡ってたよ」

金本「俺はゴリ押しによるゴリ押しのゴリ押しで余裕で突破したがな」

金本「けど、一番困ったのは使いたい艦娘が作戦によって区切られて足りなくなるってことか?」

金本「困るんだよね~。作戦を分けて行うんならさ? 事前にそれぞれの作戦内容と必要な艦種のアナウンスがないとさ?」ゴゴゴゴゴ

金本「だから、今回はどの程度の人員が必要になりそうなのかを慎重に見ておく必要があるな――――――」

金本「どこからどこまでが同一作戦として戦力の区分がされるのか前もって教えろ、へぼ大本営! 戦略なんてあったもんじゃない!」ガンッ!

剛田「今回ばかりは揚陸作戦ではないから、陸軍の出番は無さそうだな」

剛田「だが、また我が陸軍が誇る揚陸艦:あきつ丸が嫌な意味で大活躍しそうな感じはするがな……(また【海軍戦闘機】で褒めそやされるのか……)」



――――――拓自鎮守府


朗利「みんな、やるぞおおおお! 拓自鎮守府最初のイベントマップだぞおおおおお!」メメタア

「おおおおおおお!」

朗利「何としてでもプリンツ・オイゲンをはじめとする新着艦を迎えするぞあああ! 【勲章】もだあああ! イベント堀り 頑張るぞー!」メメタア

「おおおおおおお!」

長門「では提督! 先陣は私が――――――!」

ビスマルク「何言ってるのよ、長門! 一番は当然この私――――――!」


朗利「というわけで、攻略Wikiに情報が出揃うまで待機だ!」メメタア


長門「なっ!?」

ビスマルク「ええ?!」

ドレッドノート「まあ、大規模作戦ではなく中規模作戦と呼ばれているぐらいなんだから、それぐらいの余裕はあるだろうから焦らず焦らず」

ドレッドノート「それに、【連合艦隊】や【多正面作戦】があるようだから慎重に出撃させる艦娘を選ばないと手数が足りなくなるようだからねぇ」メメタア

ドレッドノート「問題はこの2週間の間にどれだけの攻略情報という名の歓声と悲鳴が寄せられるかということ――――――」メメタア



――――――趣里鎮守府


左近「いよいよ始まりましたねぇ、【渾作戦】」

石田「秋イベント――――――去年の【鉄底海峡】はまさしく地獄だった」メメタア

左近「そうですな。まさに史実と違わぬ地獄でしたな」

石田「確か左近提督にとっては、【アルペジオ コラボ】を年内に攻略して一度は前線を退いて夏イベントの後から復帰したから――――――」メメタア

左近「ええ。俺にとっては別な意味で初めてのイベントマップということですな。リハビリを兼ねた処女航海というわけですな」メメタア

石田「では、左近提督。手筈通りに――――――」

左近「わかってますよぅ、殿」


左近「二人で艦隊編成を調整して攻略ルートの同時開拓をしていきましょう」メメタア


左近「これが一番速いと思います」キリッ

石田「攻略Wikiはリアルタイムで更新されるようにしてっと」カタカタ

石田「――――――【出撃】だ! 暁の水平線に勝利を刻め!」

左近「さぁて、敵さんをきりきりまいさせてやりましょうか!」


――――――そして、翌日:11月15日

――――――趣里鎮守府


石田「…………終わった? ――――――勝ったのか、こんなあっさりと?」

左近「やりましたな、殿」

石田「何だこの手応えの無さは!?」

左近「そうですな。前回の夏イベントや去年の秋イベントと比べて出撃海域も少ない上に理不尽な強さの敵がいませんでしたからね」メメタア

左近「慣れって怖いですな、殿」ニコッ

石田「…………イベント掘りに入るぞ。おそらくは他の強豪たちも我々と同じく1日で攻略しきっているだろう」メメタア

左近「はい」

左近「しかし、今回のExtra Operationは楽しめましたな」メメタア

石田「そうだな。【連合艦隊】を水上打撃部隊にするか空母機動部隊にするかで戦略が大きく変わったな」

左近「しかし、【連合艦隊】制がE-2以外は強制ですから【捕獲】はあまり奨励できませんな」メメタア

石田「そうだな。『新戦略研究局』としては実に得るもののない戦いだったな」

石田「あるとすれば、新要素【対空カットイン】、イベントレベリングの探求、それと今回の目玉であるプリンツ・オイゲンの研究だな」メメタア

左近「そうですな。久々の【海外艦】ですよね、こいつは?」

石田「そうだ。果たしてこいつが【改装設計図】を使うに値するだけの戦力となるかは不明だが、絶対数の少ない重巡としては貴重だ」メメタァ

石田「にしては、重巡らしからぬ性格だがな…………(そう、――――――拓自鎮守府の似非紳士が喜びそうな艦娘だ)」


――――――拓自鎮守府


朗利「やった! E-1【第一次渾作戦】突破! これがEOマップ以外での初めての【勲章】!」メメタア

愛月「こんなにも簡単に攻略できるとは思いもしませんでした……」

朗利「すっげー、攻略Wikiや攻略掲示板にはもうイベントマップを制覇した強者が続出じゃないか!」メメタア

朗利「おお! たった4面しかない! しかも次のE-2【第二次渾作戦】は水雷戦隊でいけるじゃん!」メメタア

朗利「それじゃ、次の戦いは俺の艦隊で行かせてもらうぞ!」

愛月「はい! バトンタッチですね!」

朗利「よっしゃあ! 五十鈴、出番だぞ!」

愛月「それでは、こちらはE-3【第三次渾作戦】以降の攻略の考察に入りますね」

朗利「頼む!」

朗利「いけるぞ、これは!」

朗利「(しかし、【勲章】の数が足りるかな…………利根型航空巡洋艦にビスマルク改三だもんな)」

朗利「(確か10月の時点でビスマルクに【改装設計図】のために【勲章】4個使って、それで手元に2個残って――――――)」

朗利「(11月に入ってすぐにEOマップを攻略したからそれで5個になっただろう?)」← 南方海域は完全攻略していない

朗利「(そして、このイベントを完全制覇すれば【勲章】が4つ手に入ることになり、9個は確保できるわけだ)」

朗利「(12月になれば更に3個は確保できるから12個――――――年内に全員分に届く!)」

朗利「(――――――完璧だ! これは何が何でも攻略せねば!)」

朗利「何だいけるじゃん!」

朗利「もし艦娘が足りなくなっても【派遣】してもらえればすぐに補えるし、この戦い もらったも同然だな!」メメタァ


――――――斎庭鎮守府


――――――
ミロク「――――――艦載艇、どうぞっ!」

剛田【○四】「行っくぜえええええ!」

ザアアアアアアアアアアアアア!

駆逐棲姫「――――――!」

剛田「これで墜ちろおおおおおおおおお!」ズサッ! ドッゴーン! ――――――【射突型成形炸薬弾鎗・龍】!

駆逐棲姫「アググゥ…………」モガモガ・・・


ツキガ…月が、きれい……


剛田「敵将、討ち取ったり!」
――――――

金本「ご苦労さん」パチパチパチ・・・

金本「これで何度目の撃破だったかな?」 ――――――ソファに寝っ転がりながら指揮を執っている。

大泊「5回目だ、司令官」

金本「いや~、E-2【第二次渾作戦】が【連合艦隊】制じゃなくて助かったわ~」メメタア

金本「しかも、そこのボスの駆逐棲姫の【装甲】が115もあって新型【パイルバンカー】の実戦テストが捗る捗る」メメタア

金本「【射突型成形炸薬弾鎗・龍】で駆逐棲姫が一撃ってことは戦艦ル級改も一撃で墜ちるって意味だしな」

金本「ようやく【○四】も1つの完成形に至ったのだな」

金本「あとは、戦艦レ級以上の大物を一撃で墜とすだけの攻撃力の追求だな。――――――【装備改修】のためにもっと必要になるだろうけど」メメタァ

大泊「しかし、司令官? あれほどの性能を得たのならば、今こそ艦娘の装備に応用すべきでは?」

金本「無理だな。艦娘は艤装を背負う形で艦船時代の能力を発揮するが、【パイルバンカー】を持つだけの能力はない」

金本「素手で砲弾を投げ飛ばすぐらいの勢いで突っ込まないと【○四】の【パイルバンカー】は起動しない。それぐらいの技量が必要なんだ」

金本「それに、直線的な加速で突進する以上は回避は望めないが、深海棲艦の優先順位が人間よりも艦娘だからこそ成功しやすい」

大泊「わかった、司令官。だが、無理は禁物だからな」

大泊「けれども、またまた あきつ丸のやつが大活躍だったな」

金本「だな………………運営がなぜそんなにあきつ丸を変な意味で優遇するのか俺には理解できない」メメタア

金本「あきつ丸だけじゃなく他の【揚陸艦】や【特務艦】を公式でとっとと出せと言いたいところだな」メメタア

金本「今年の秋イベントはあんまり楽しめなかったな。すぐに終わっちまったし、肩慣らしにもならねえ」メメタア


――――――洞庭鎮守府


りう「やりましたよ、清原提督!」パァ

金剛「やりましたネー!」

清原「ああ」

清原「今回は前回の教訓を踏まえた下準備や全体的な難易度調整のおかげで中規模作戦にしてはあっさり終わったな」メメタア

りう「――――――【勲章】です。4つ」スッ

清原「………………」ジー

りう「?」

金剛「提督ぅー?」

清原「ハッ」

清原「……それはお前が得た戦果だ。それで【改装設計図】に引き換えるなり、【改修資材】や資源に取り替えるなり好きに使ってくれ」

りう「はい!」キラキラ

清原「うん。では、私もイベントマップに艦隊を出撃させてみようと思う」

清原「ご苦労だった。鳳翔が戦勝祝いのごちそうを用意してくれている。行ってくるといい」ニコッ

りう「ホントですか!」キラキラ

りう「それじゃ、行ってきます!」


タッタッタッタッタ・・・


清原「………………」

金剛「HEY, 提督ぅー? どうして“りう”のことをあんな目で見てたんですカー?」


清原「…………あの歳で少将をやっているだけはことはある」


清原「それを今更ながら強く感じたというか、そうならざるを得なかった【未来】の悲惨さがありありと伝わってきたというか…………」

金剛「What's ?」


あまぎ「そうですよ。あの子は【未来】では立派な少将なんですよ?」

金剛「Oh, どんな感じに? Tell me !」

あまぎ「例えば、【未来】で活躍しているのは自分ぐらいだから物資も優先的に回されている上に【勲章】なんていっぱいもらってますから、」

あまぎ「【勲章】の『一応もらって嬉しいけれど使い道がなければただの安資材引換券でしかないこの微妙さ』とか、」メメタァ

あまぎ「『【勲章】なんて見飽きるぐらいもらい続けても戦況が一向に良くならない虚しさ』とかとか――――――」

金剛「Oh...」

清原「…………大した集中力だ。あれだけ【出撃】を短時間に行ったのに集中力が途切れることがなかった」

あまぎ「当たり前です。あの子は【破滅の未来】の絶望的な作戦の数々を経験して意地でも成功に導いてきましたから、鍛えられてますよ」

あまぎ「緊張状態や極限状態における集中力に関しては【この時代】の有力提督たちにすでに並ぶものがあります」

あまぎ「それに、そもそも敵が圧倒的に弱いですから。【未来】の深海棲艦の恐ろしさを知っていればその程度の敵なんです、本当に」

清原「なるほど……」

金剛「それで、“あまぎ”サン? どうなんですカー? 解決の糸口は見つかったデスカ?」

あまぎ「いえ、この程度の戦果では【破滅の未来】においては大敗北は免れませんね」

あまぎ「私たちがやっていることを戦術的次元から戦略的次元にまで高められなければ、とてもじゃありませんが【未来】は救えません」

清原「………………」

金剛「…………“りう”」

清原「本当に【破滅の未来】を救える可能性はあるのか?」


あまぎ「信じています。そして、それを託された以上『できないことを信じる』ことは許されません」


清原「…………そうだな」

清原「そういえば――――――、各方面への【開発投資】を呼びかけてはいるが、思ったよりも芳しくない」

あまぎ「しかたありませんね。先見性のある人間というものは大抵は気が狂っているように思われるものですから」

清原「そうだな。お前たち【異界艦】と【破滅の未来】からやってきた『自分』の息子のことを信じるような人間に落ちぶれたからな、私は」

あまぎ「努力や誠意は決して裏切りません。人が見ていなくても皇国の大神たちはよく存じておりますから」

あまぎ「幕末の志士たちの若さと情熱を思い出してください。大楠公や諸葛孔明、聖徳太子の忠義を今一度 思い出してみてください」

清原「――――――“あまぎ”に対しては本当に『そうだな』としか言えないよ。口癖になりそうだな」フフッ



結果として、『司令部』に所属する4提督たちはそれぞれの強みを活かして余裕で秋イベントの攻略に成功するのであった。

今回のイベントが『司令部』結成以来 初めてのイベント攻略となったのだが、全員が特に障害を感じることなく攻略に成功したのであった。

以下は、秋イベントの攻略が終わってからの各鎮守府における今回の感想を踏まえた短編集となる。


1,重巡:プリンツ・オイゲン

――――――拓自鎮守府


オイゲン「ビスマルク姉さま~!」スリスリ

ビスマルク「何、オイゲン?」ニコニコ

朗利「プリンツ・オイゲン、カワイイヤッター!(ロリ戦艦:クレマンソーに引き続き、ロリ重巡とは公式もやるじゃないかあああ!)」メメタア

愛月「ロリ重巡 最高ー! プリケツ・オイゲンたん、萌えー!(これはビスマルク×オイゲンが捗りますわー!)」ブヒィイイ!

長門「いいなー」

ビスマルク「あら、長門じゃない。どうしたの、そんな羨ましそうな目で見て?」ニヤリ

オイゲン「姉さま~」スリスリ

長門「くそっ!(私だってあんな風に慕ってくれるカワイイ後輩が欲しいぃ!)」ウルウル

ビスマルク「あっはっはっはっは! 何か良い気分ね~! 『あの長門に勝てた』って思うと!」ニヤニヤ

オイゲン「あれ? 確かあの人は長門さん…だったっけ? それにそう言えば、あのカワイイ軽巡もどこかで会ったような…………」




ガチャ・・・、ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー!


酒匂「あれれ~? 酒匂、変なところに来ちゃった~?」

ドレッドノート「おや? 今日もまた私のところで淑女の嗜みを学ぼうと新しい艦娘がやってきたようだねぇ」

ルイージ「そうですね」ニコニコ

ドレッドノート「それじゃ、金剛さん?」

酒匂「わ~、外人さんがいっぱ~い!」

金剛「Oh, 酒匂ちゃんネー! さあさあ Please Sit HERE」(ウェイター姿) ――――――イスを引いて手招きする。

酒匂「あ、はい!」

金剛「それでは、Lady ? ドレッドノート様や比叡を手本にして楽しくTea Break していってネー!」ニッコリ

酒匂「わかりました~(何かよくわからないけど、みんなでお茶してお菓子 食べてるようだし、酒匂もいただいちゃお~!)」

ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー!

酒匂「…………えと、周りの人と同じようにすればいいのかな?」キョロキョロ

酒匂「よ~し」ジー

比叡「…………あれ、どうしてあの娘は私のことばかりを見てるのかな~?(ひ、ひえええええええ!)」アセアセ

暁「これが正しい紅茶の飲み方ってやつね」ドヤア

響「それ、たぶん微妙に間違ってないかな? さっき入ってきた娘が間違って覚えるかもしれないからちゃんと確かめておこう」

Z1「美味しいね、マックス」

Z3「そうね。これならイギリス人がヒステリックに紅茶を求めるのもわかるような気がするわ」

ドレッドノート「それで、ルイージさん。どこまで話したかしら? ああ 昔の戦艦は【衝角】をつけてそこからの接近戦や白兵戦で――――――」

ルイージ「はい!」キラキラ

酒匂「…………誰もお菓子を食べてないの(とりあえず、紅茶が美味しいです。でも、どうやってお菓子を食べれば――――――あ)」


クレマンソー「………………」パクパク 物静かに目の前にあるお菓子をゆっくり少しずつ食べている


酒匂「…………こう食べればいいのかな?」パクッ

酒匂「!」

酒匂「ぴゃあああ美味しい!」キラキラ

金剛「酒匂ちゃん、Be Quiet. Ladyは貞淑にして周りの方たちがSurpriseしない程度の声の大きさでお願いシマース」シー

酒匂「あ、ごめんなさい……」シュン

酒匂「………………」チラッ

クレマンソー「…………お腹いっぱいです。もう許してください、比叡お姉さま」ウッ ← あまりにも制服が粗末すぎたので他の艦娘の私服のお下がりを着ている

比叡「あ、ダメですよ、クレマンソーちゃん。ちゃんと食べて 食べて。まだ1人前の半分も食べ切ってないよ?」

クレマンソー「清霜ちゃんや時津風ちゃん、X:赤城さんにあげちゃダメですか?」

比叡「ダメです! 清霜ちゃんたちはいいとして、【派遣】の方には園長が直接 差し入れをしているので――――――」アセアセ

酒匂「…………『クレマンソー』って言うんだ~、あのカワイイ子(何だろう? 初めて会った気がしないっていうのかな~? 何だろう、この気持ち?)」



――――――趣里鎮守府


オイゲン「ビスマルク姉さま~」トボトボ・・・

石田「いませんよ」(真顔) ←【建造】運が最低クラスの人

オイゲン「そ、そんな~!?」ガビーン

石田「ま、まあ……、ビスマルクは【艦これ】で初めての改三であると同時に【戦艦】で【雷装】を得た貴重な存在だ」メメタア

石田「私としても戦艦:ビスマルクを得ることを急務と考えている」

石田「――――――そう言えば、こういう時に使えそうな装備があったな」

オイゲン「え」

石田「ちょっと待っててください。渡したいものがあるのでそれを持って左近提督のところに行ってください」

オイゲン「あ、はい」

石田「(ビスマルクは出づらい上に今まで【改装設計図】を使うのに見合わない性能だったから敬遠していたが、)」メメタア

石田「(一方で、この重巡:プリンツ・オイゲンはこれまでの【海外艦】と打って変わって優秀な部類に入る艦娘だ)」メメタア

石田「(なら、新たに戦力の底上げがなされたビスマルクと一緒に運用してやるのも悪くない、か)」

石田「(それにしても【FuMOS25レーダー】――――――なんて代物なんだ!)」

石田「(しかし、レーダー技術で言えば当時 イギリスが最も優れており、その恩恵でバトル・オブ・ブリテンやU-ボートの掃討で優位に立ったのだ)」

石田「(これを上回るレーダーは必ずや追加される! その先のバランス調整はどうなるというのだ?)」メメタア


【慰労品/万国旗】  ――――――第4話より久々に登場!
【海外艦】あるいは【同型艦無し】の艦娘を【秘書艦】にして装備させた場合、
1.【遠征】の成功確率が上昇する
2.【建造】または【大型艦建造】すると、【海外艦】あるいは【同型艦無し】の艦娘が【建造】されやすくなる



2,駆逐艦:秋月

――――――斎庭鎮守府


剛田「なんだと!? こいつも――――――」

金本「…………仲間が増えたか」

秋月「長10cm砲ちゃん、あんまり暴れないでぇ!」

金本「ほれほれ」ウリャウリャ

長10cm砲ちゃん「――――――!」キラキラ

金本「あまりご主人様を困らせるもんじゃないよ、バニー?」

秋月「あ、ありがとうございます、提督」

長10cm砲ちゃん「――――――」スリスリ

金本「どうもこういったのに好かれやすいようだな、俺は」ヤレヤレ

剛田「そうだな」ナデナデ

秋月「お二方、手慣れてますね」

剛田「そりゃあ、なあ?」チラッ

金本「ああ。こいつの何倍も大きいやつの扱いに慣れてたらな?」

秋月「?」




剛田「で、――――――どう評価する?」

金本「【突撃部隊】に入れても悪くない支援能力だな。防空駆逐艦の名の通りの抜群の【対空】だ」メメタア

金本「ただ【雷装】がぶっちぎりで低いから、こいつはもう武装艦である意味すらないんだがな。しかも33ktのウスノロ艦だし」メメタア

剛田「まあ、手軽に艦船を撃沈できる魚雷が発達したからこその【駆逐艦】なのに、【雷装】が低かったらもう【駆逐艦】ではなくなるわな」

金本「言うなれば『中途半端』って意味だ。一応【駆逐艦】だから雷撃戦には参加できるが、それだけだな」メメタア

剛田「そうだな。建造の経緯を見ても、本来なら純粋な防空艦になる予定が軍令部が駄々をこねて魚雷をつけちゃったからなぁ……」

剛田「中途半端な大艦巨砲主義および艦隊決戦主義が蔓延していた結果がこれだよ」

金本「その点、【特務艦】だったら、【駆逐艦】以下の性能でありながら数々のサポート能力で大活躍なのによ」メメタア

金本「意味がわからねえよな! ハワイやマレー沖での大胆な航空機戦術を採用したくせにな」

剛田「そういえば、“最後の海軍大将”井上成美は最初から太平洋戦争での展開を予見してほとんど的中させていたらしいな」

剛田「戦艦は全て捨てて航空機および潜水艦を重点的に配置するようにして、更にはドイツ・イタリア 枢軸国との同盟にも断固反対で、」

剛田「そもそも、アメリカとは終始 不戦論で、終戦にも尽力していたってな」

金本「そして、自分が戦術家ではなく戦略家や軍政家であることを弁えて、教育や軍政に力を注いでいたわけだな」

剛田「しかし、何かと井上成美と縁がある艦娘が入ってきたもんだな。座乗艦の練習艦:鹿島といい」

剛田「結局、海軍左派の米内、井上、山本五十六の3人が冷静に分析したとおりに皇国は敗戦したわけだ」

剛田「“海軍の東と名のつく男”は確かに英雄ではあったが、井上さんのように潔く身を引いて欲しかったかな、――――――晩節を汚した老害め」

剛田「そして、“陸軍の東と名のつく男”は、――――――本当に最悪だよ! 万死に値する! 徹底抗戦して陛下をどうするつもりだった?」ギリッ

金本「ま、結果はどうであれ、良くも悪くも今に繋がる皇国を生み出してくれたお偉方なんだし、あの世できっちり裁かれているはずさ」

剛田「俺もお前もそんな“東と名のつく男”たちのようにはならないように己の天分を弁えて生きていこうぜ」

金本「…………そうだな」


剛田「言ったからな? 井上先生の教え子である鹿島先生にみっちり再教育を施してもらって退き際を弁えられるようになれよ」


剛田「そんで、陸海合作第一号を成功させて、そこからは流れに乗ってまかせていけばいいんだ」

剛田「これ以上 お前は何を求める? 資源王にもなって男の甲斐性で数多くの艦娘を満足させて、更には深海棲艦を狩るようにもなって――――――」

金本「………………」

剛田「お前の飽くなき野心はそろそろここいらできっちりと打ち止めにさせてもらうぜ」

金本「お前もな。戦場から身を引くのなら命があるうちにな」

男共「フッ」


――――――洞庭鎮守府


りう「これが【この世界】の防空駆逐艦か」

りう「…………強い、のか?」

りう「いやいや、こんなにも中途半端なものはない!」

りう「ミッドウェー敗戦後に【航空戦艦】ができちゃうような切羽詰まった状況の中での防空艦だったんだろうけど、」

りう「やっぱりアホだろう。井上成美とかの海軍大将だって航空機の時代の到来を戦前あれだけ警告していたってのに…………」

りう「なんで前もって防空巡洋艦を造らなかったんだ? 防空駆逐艦 程度であんな数の航空機を捌ききれるわけがない」

りう「まあ 言っててもしかたがない。オレに今 大切なのは【現在】の【艦これ】の戦力の増強であり、練成なんだから」メメタア

りう「とりあえず、この性能で【この世界】随一の対空性能らしいから、軽巡:五十鈴、重巡:摩耶あたりと組ませておくか」

りう「でも、性能はともかく、――――――いい子だなぁ。『大丈夫』って言葉の調べが好きだなぁ」ニコニコ


りう「こう言ってくれる子がたくさんいてくれたら【未来】はずっと明るかったんだろうなぁ…………一緒に来てくれるだろうか?」


りう「それにしても、この秋イベントになってようやく【対空カットイン】が実装されたんだ」メメタア

りう「【オレが提督になった頃】には軍艦3すくみがまともに機能しなくなっていた頃だけど、」

りう「【対空カットイン】は制空権確保が難しい場合で最も重要な要素だから、艦隊を空母から守る時には必須の戦術だった」メメタア

りう「なんか【この時代】っていうか、この【γ世界線】の人たちって、やたら制空権を気にするよね」メメタア

りう「やっぱり、防空艦が発達しなかったせいで『空中戦で殺られる前に殺れ』みたいなのがあったのかな?」

りう「【艦これ】的に言えば、確かに制空権の確保ができなければ【昼戦特殊攻撃】が発動できない点で打撃力が減るけれど――――――ああ?!」メメタア


りう「やっぱり根本的な考え方が違うんだ!」


りう「【オレたちの世界】だと――――――、」

りう「まず主力艦と補助艦に役割をわけて、補助艦で全体が受けるダメージを減らして主力艦は一撃あたりの与えるダメージを増やす編成が普通……」メメタア

りう「けど【ここ】だと、まるで1つの軍艦にあらゆる機能の搭載を目指している感じがする! 器用貧乏を地で行く発想じゃないか!」

りう「そう、特に顕著なのは空母だけで航空機による被害を減らそうという運用! 艦隊全体の対空能力が高ければ別にどうってことはないのに」

りう「だから、空母の規模が膨れ上がって空母1強の世界観になるのか」

りう「…………敗けるわけだ、くぅ」

りう「(戦争の有利は常に兵力の差で現れるものだから、より小型で強力な兵器を大量投入できるほうが圧勝するのが道理)」

りう「(そして、対空能力さえ上がれば対処できる空母よりも、水面下からの雷撃を防ぐ手立てがないからこそ潜水艦が一番怖いんだよなぁ……)」

りう「(潜水艦を安全に対処するには航空機からの一方的な雷撃じゃないと被害が出続けるわけだから、軍艦3すくみができあがったわけなんだけど)」

りう「(――――――ホント、【この世界】での戦争末期の凄惨さと大本営のクズっぷりには反吐が出そう。同じ皇国とは思えない差だよ)」

りう「(けれど、今度は【オレの時代】でそれが再現されようとしている。どうすればいいんだ……?)」

りう「…………ああ 皇国の大神たちよ。守りたまえ 幸はえたまえ、我が行く末を照らしたまえ」ブルブル



3,11月20日

――――――斎庭鎮守府


剛田「まさか、本当にその通りになるとは思わなんだ…………」

金本「ああ……今日が誕生日か。粋な計らいだな」

扶桑「おめでとう、山城」


山城改二「はい! ありがとうございます、姉さま、みなさん。改二になったからにはもう欠陥戦艦なんて言わせない」ビシッ


剛田「おそろいだな」

金本「さて、【近代化改修】の餌をとってこようか」

剛田「そうだな。たぶん、扶桑改二の【火力】が長門型に匹敵するんだからそれぐらいまで伸びるはずだ」メメタア

剛田「あ、そうだ。山城が持ってきた【41cm砲】――――――、また【陸軍】に【投資】してくれると嬉しいな~」チラッチラッ

金本「わかったわかった。ちゃんと【投資】するから焦んなよ」

剛田「しかし、これで【トーチカ】を着るのに相応しい攻撃型の【航空戦艦】改二が2隻になったな」

剛田「【トーチカ】は【最終防衛部隊】の要だ。押し寄せる敵を確実に撃破するための【火力】が大前提だ」

剛田「伊勢型航空戦艦は生存力で上回るが、抜かれたら最後の【最終防衛部隊】には相応しくない性能なのは否定できない」

剛田「であるからして、【トーチカ】には生存力よりも高い迎撃力による積極的な排除による安全確保のほうが向いている」

剛田「それに、【トーチカ】の防御性能は並みの攻撃では小破に追い込むことすら難しいものだしな。なにせ魚雷が効かないから」

剛田「そんなわけだから、回避力なんてどの艦娘が着ても誤差の範囲内だ」

剛田「問題なのはどのタイミングに投入するかだ。【トーチカ】の修理・補給は【前線補給】の応急処置でしかできないからな……」

金本「装備の充実はいいが、戦術・戦略の方は大丈夫なのか?」

剛田「……難しいかな」

剛田「離島の防衛と言ったら、あらゆる方面からくる無数の深海棲艦の群れをひたすら倒し続けないといけないものだから」

剛田「シミュレーションだと、やはり各方面への戦力の分散で【最終防衛部隊】が敗走してしまう……」

剛田「有限の我が軍と無限に等しい敵軍との差が激しい。効率的に敵を誘い込んで各個撃破できる方策がまだ見つからないんだ」

金本「大量の機雷を敷設するにしてもそれは一度切りだし、割に合わないしな」

金本「何か敵勢をせめて2方向ぐらいに絞りこませることができないものか……」

剛田「あるいは、他の艦隊に応援を頼むかだな。その場合はその分だけ基地の維持費や指揮系統の乱れが生じる。『船頭 多くして、船 山に登る』だ」

剛田「まあ、焦らずにやろう。まだ誰もやったことがないんだから、それだけしっかりと考えられる時間が与えられてもいるんだ」

金本「そうだな。課題となる問題点が見つかってそれを克服するために戦時中はあれだけの発明が生まれてきたんだ」

金本「戦争の功罪のうちの光明面だけを活かし抜いて俺たちは海へ出よう」

剛田「ああ。――――――勝利をこの手に!」



4,駆逐艦たち

――――――拓自鎮守府


朗利「掘れ掘れぇ~!」ウハウハ

愛月「今日も元気に駆逐艦を掘りましょうね~」ニコニコ

長門「むぅっはははははは!」ドヤア


変態共「まったく、駆逐艦は最高だぜ!!」


朗利「天国じゃ天国じゃ~!」アヒャヒャヒャヒャ

愛月「“ツチノコ”ゲットぉー! 朝雲も天津風もみぃんなみんなゲットぉー!」ジュルリ

長門「提督! ドックが足りない! これ以上は駆逐艦たちが入りきらないぞ!」

朗利「わかったー!(あ、財布の中にお札が1枚しかない――――――)」


朗利「さらば 諭吉ぃいいい!」 ――――――【母港拡張】×10が施されました。


長門「さすがだ、提督!」

朗利「…………フゥ」

朗利「さてさて、これで思い残すことはないのかもしれないな」スッ

長門「……提督?」

愛月「お、いよいよですか、司令官!」

朗利「うん。決めた」


――――――それじゃ俺もそろそろケッコンしよっか~、雷と。


長門「…………!」

愛月「おめでとうございます、司令官! 祝宴はいつにします? ――――――あ、クリスマスや年末なんかどうです?」

朗利「ああ 悪いけど、愛月提督もケッコンするんだったら自費でまかなってね」メメタァ ← 1つのアカウントで2人で仲良くプレイしているので

愛月「はい! それぐらい自分で用意いたします! すでに【書類一式&指輪】の準備はできています!」

朗利「さすがだな」

愛月「いやぁー、それほどでもー」テレテレ

長門「ははは……(そうか。ついに我らが提督もケッコンなさるのか。わかってはいたことだが、少し――――――)」

長門「いや――――――(いいんだ。提督とはこうしてユウジョウで繋がっているのだから)」フフッ

長門「そう言えば……(龍翔ショタ提督は元気にやっているのだろうか? お義父さんとうまくやれているのだろうか? それが気掛かりだな)」



――――――洞庭鎮守府


長門β「しかし、登場する艦娘は増えていくばかりだが――――――」

清原「そうだな。攻略要員、遠征要員、周回要員――――――それから【近代化改修】の餌も必要となってくるからな」メメタア

清原「だが、どんなに艦娘が増えても自然と取捨選択されていって普通にやっていれば100隻もドックは埋まらないはずなんだが……」メメタア

あまぎ「たいていの二次創作の中で登場する鎮守府司令官は大層 熱心なコレクターであることが普通ですから」メメタア

清原「ん、そうなのか?」← 無課金プレイヤー

あまぎ「そうなんですよ」

清原「――――――『コレクター』か」

清原「身近なコレクターとして有名なのは朗利提督だが、あれは駆逐艦に絞っているから【母校拡張】するほど切羽詰まるようには思えないが……」

あまぎ「そうでもないみたいですよ。どうも拓自鎮守府には見慣れない艦娘がたくさんいることでそこの憲兵たちが噂してますから」

清原「…………そうなのか」

長門β「――――――『見慣れない艦娘』か」

清原「あとは、石田…元提督もあらゆる艦娘を一通りは育てていたな。あれはもう【母校拡張】してないと運営が成り立たない規模で壮観だったな」

清原「そう言えば――――――、だ」

清原「最近“りう”のやつは新着艦の秋月に対して他の娘には向けないような感情があったように見えたな」メメタァ

清原「何だろう? 秋月のことを気に入ってはいるようなんだが、哀れみや寂しさみたいなものもあるというか、――――――あの眼差しは」

あまぎ「当然ですよ。【こちらの世界】では対空艦の活用は当たり前で、性能も秋月と比べたら断然いいですから」

あまぎ「でも、そういうことじゃないっていうのは鈍感な提督でもよく理解できているようで」クスッ

清原「…………やっぱり【限りなく近くて遠い故郷】のことを思い出してしまうところがあるのか? 秋月を見ていると?」

あまぎ「はい。秋月が口癖のように言い続ける、艦娘からの『大丈夫』の言葉が【ここ】に来る以前の“あの子”が一番欲しがっていた言葉でしたから」

長門β「……そうか。“あの子”もまた“象徴”として私と同じ宿業を背負わされているのだな」


一同「………………」


清原「【β世界線】の駆逐艦ってどんな感じなんだ?」

長門β「む? ああ それは――――――、」

長門β「基本的にはロンドン海軍軍縮条約に参加しなかっただけで西暦1920年代の艦船のものなら違いはあまりないな」

長門β「ただ、ワシントン海軍軍縮条約による海軍の休日で、私以外の八八艦隊が廃艦あるいは航空母艦への転用によって存在しなくなったことから、」

長門β「規制対象ではなかった航空母艦や潜水艦への本格運用に目が向くようにはなったな。――――――そこが大きな違いか」

あまぎ「過程は違えども、どの世界でも航空機や潜水艦の発達によって大艦巨砲主義と艦隊決戦主義が廃れていったわけですね」

清原「なるほどな」

長門β「最終的に大東亜戦争に勝利した時だと潜水艦と空母が主力であり、私をはじめとする大艦巨砲主義時代の遺物は全部 囮部隊だったな」

長門β「その中で駆逐艦の役割とは、撃沈した敵艦の乗員の抹殺および捕縛に当てられていたから違う意味でDestroyerだった」

長門β「よって、性能はともかく練度や士気においては【この世界:γ世界線】の駆逐艦たちには格段に劣るだろうな」

長門β「そういうわけで、【駆逐艦】の強さで言ったら【この世界】が最強なんだと思っている。驚くほど駆逐艦の士気が高くて驚いたぐらいだ」

清原「嬉しいような、嬉しくないような…………(ドイツの列車砲の開発と同じぐらい艦隊型駆逐艦の運用が皮肉られてる結果だよな)」

あまぎ「けれども、【破滅の未来】においては同じ駆逐艦同士の戦いならば圧倒的優位に戦いを進められるので、ぜひとも持ち帰りたいですね」

清原「…………何が長所で何が短所になるかわからないものだな」


――――――これが『結果は同じでも過程におけるわずかな違いが結実した差』というやつか。


5,秋イベント終了:12月1日

――――――洞庭鎮守府


x:古鷹改二「やったね! 念願の改二です!」


りう「おめでとう!」パチパチパチ・・・

清原「強くなったもんだな、重巡も。“軽巡以下”とされていた頃が懐かしいな」メメタア

清原「(基本的に“りう”の艦隊運用はさすが【未来】から来ただけあって極めて合理的でかつ洗練された役割分担が徹底してあり、)」

清原「(【この世界】の燃費の良い艦娘で迅速に資源を貯めた後は、連れてきたご自慢の【異界艦】の圧倒的な性能で蹴散らす豪快な戦いっぷりである)」

清原「(あれで自重した戦果だと言うのだから、いかに【破滅の未来】がパワーインフレしているかが窺い知れる……)」

清原「(また、【破滅の未来】から来た“りう”からすれば【この時代】の艦娘はみんなイキイキしていてどれも魅力的に感じるらしく、)」

清原「(どんなに口が悪く ガラの悪い 勤務態度も不まじめな艦娘が相手でも抜群の包容力と人懐っこさで会った瞬間に信頼関係を結べてしまえるのだ)」

清原「(――――――『『我』が息子ながら末恐ろしい』と感嘆と賞賛の声が漏れてしまいそうである)」

清原「(あくまでも『私』の子でしかないのだが、私としてもこんな素敵な子が自分の息子になるのなら少しばかり嬉しいものがある……)」

清原「(何と言うのか、制服を脱いで一時的に提督じゃなくなった時にはっきりわかったことなのだが――――――、)」

清原「(親と同じ道を歩み始めた我が子が自分以上の才覚を発揮していることが言いようもなく嬉しいというか、喜ばしいというか――――――)」

清原「(けれど、『自分と同じ軍人の道には進んでは欲しくなかった』と思うところもある。“平和で豊かな時代”の中で一生を終えて欲しかった……)」

清原「(そのために、軍人は平和を求めて戦い続けているのだから…………)」

清原「(しかし、やはり『私』と私が似て非なる存在である以上は、客観的に見て やはり他人でしかなく、従ってあの子も結局は他人の子でしかない)」

清原「(――――――これは実に単純なこと)」

清原「(たとえば、我が鎮守府では金剛姉妹を主力にして使っているが――――――、)」

清原「(斎庭鎮守府の榛名と我が鎮守府の榛名は全く違った個性や顔を覗かせるようになっており、同一の存在が全く違う別の個体のように適応している)」

清原「(また、拓自鎮守府の比叡は我が鎮守府の比叡が作るカレーは作れない代わりに、“みんなのカレー”を作ることができている)」

清原「(更に、趣里鎮守府の霧島は単純に【火力】が長門以上という理由で石田提督に抜擢されており、姉妹艦だから使っていただけの我が鎮守府とは違う)」

清原「(そして 何よりも、――――――“今の金剛”と“前の金剛”とでは何もかもが違い過ぎる)」

清原「(あなたは果たして、他人が育てたあなたのお気に入りの艦娘と同じ艦娘を譲り受けた時に同じ扱いができるだろうか?)」

清原「(私はデータだけの存在じゃない人間だからこそ、自分が得たものを大切にしたいと思っているが、あなたはそれについてどう思うだろう?)」

清原「(確かに“あの子”との距離感は少しばかり縮まってはいるが、“実の息子”というよりは“甥っ子”の面倒を見ているような感じで何かが違うのだ)」

清原「(たぶん、今 私が感じていることは“戦後”になってから誰もが体験することになると思う)」

清原「(だから、【ここ】とは似て非なる【異界】からの来訪者たちだけではなく――――――、)」

清原「(同じ姿で、同じ声で、同じ立居振舞をするのが不特定多数 同時に存在しうる【艦娘】という人に極めて近い存在――――――)」

清原「(そんな、時代が生んだ、生まれながらにしての生ける兵器たちとの真の共存関係の模索はまだまだ始まったばかりなのだ……)」




【この世界:γ世界線】――――――公式で実装してもらいたい艦娘リスト

河内型戦艦:河内、摂津
峯風型駆逐艦6番艦:矢風
神風型駆逐艦:神風
松型駆逐艦:松
雲龍型航空母艦:天城、葛城
大和型戦艦3番艦:信濃(→ 航空母艦:信濃“出落ち”)
迅鯨型潜水母艦:迅鯨、長鯨
陸軍特殊船:神州丸、摂津丸、熊野丸

潜水艦、潜水艦、潜水艦、潜水艦、潜水艦、潜水艦:駆逐艦が観賞用になるぐらい余るのに潜水艦隊が固定メンバーで酷使される状況をどうにかして!


――――――というか、駆逐艦と潜水艦が当然のように多いので全てを実装するのは不可能だろうということはよく理解しているつもりではある。
しかし、それでも実装すべき優先順位というものがあるような気がしないでもない。
【海外艦】は毎回 小型艦を1,2隻ずつコンスタントに出して、ある時に大物をバァーと出すやり方でいってほしいものである。


※公式の発言で超大和型戦艦を出すつもりらしいことが確認されている



余談 プレゼンターが考える艦娘の登場範囲

0,前提としてはワシントン海軍軍縮条約前後から健在のものから登場
→ つまり、第一次世界大戦以前の艦船は登場させないほうが無難ということ(艦種の識別が面倒であるし、第一 戦力としてあてにならない)
→ それでも登場させたいのならNPCとして戦闘面以外で存在感を出すように工夫すればいい
例)PC:ドレッドノート、グラーフ・ツェッペリン、摂津、神風 NPC:三笠、イクティオネ

1,【戦艦】は弩級戦艦以降のものから登場
それ以前のものを前弩級戦艦というのだが、斉射の概念がなく衝角による接近戦で敵艦と肉薄する戦いしかできないので弩級戦艦からすれば格好の的である。
日本で大変人気の戦艦:三笠もまた当時は最新鋭艦だったが所詮は前弩級戦艦なので戦力にしようがなく、あくまでNPCで象徴として登場させるのがベストだろう。
別に三笠は戦力にならないだけで、艦娘化させることにプレゼンターは反対という意味ではないので、キャラゲーであることを活かして非戦闘キャラに据えるべし。

2,【巡洋艦】は【条約型巡洋艦】と【巡洋戦艦】だけに限定
元々【巡洋艦】と言えば第一次世界大戦までは【軽装甲巡洋艦】と【巡洋戦艦】の2系統に分かれていたのだが、
【軽装甲巡洋艦】が発展していって【条約型巡洋艦】を経て【軽巡洋艦】と【重巡洋艦】に分岐していった経緯があり、
はっきり言って【軽装甲巡洋艦】と【軽巡洋艦】が同じ【軽巡】として紛らわしいし、性能も【軽巡洋艦】の方が上なのであえて登場させる意味はないだろう。

3,戦後の艦船はご自由に(ゲームバランスが崩壊してもいいから浪漫性能を求めたい方の匙加減次第)
ただし、大艦巨砲主義や艦隊決戦の火薬臭い興奮が味わえないし、時代のニーズが全く違うので逆にその高性能ぶりを活かせなくなる場合がある。
なぜに【艦隊これくしょん】がここまで人気――――――その元となる軍艦が人気だったのかを考えると、スペックや見てくれも当然の要素だが、
その艦歴に感情移入できるだけのドラマがあったからであり、戦争での華々しい活躍も悲劇的な最期もまた人々の心を惹きつけるものがあったからなのだから。
ただ、戦争という舞台の中でしか注目されない・ドラマ性のない・歴史性のない存在であることの裏返しとも言えるので――――――、

そのことだけをちょっとだけ心に留めて欲しいというのがプレゼンターからの本文を読んでくださっている読者へのお願いである。



第7話Z 到来 -アドベント-

――――――11月の末頃


ここ 拓自鎮守府では今回になって初めて参加したイベントマップ:2014年 秋【発動! 渾作戦】を大成功に収め、

イベント掘りによって愛すべき駆逐艦たちが大量に参入したのでまさに有頂天であったのだが、

その一方でこれまでにない充実感をよそに、艦隊司令官としてとある大きな問題に直面し、その対処に苦慮しているのだった。


朗利「よし、プレゼントも鍵も錠も揃ってるな?」

ビスマルク「ええ」

長門「何を作っているのだ、二人して?(初めて参加した秋イベントも大成功に終わってあらかた駆逐艦も集まって私の天国も拡がっていく……)」


ビスマルク「アドベントカレンダーよ」


長門「?」

朗利「なんでも、ドイツでは12月25日のクリスマスを迎えるのにこうやって24のポケットがあるツリー型のチェストにちょっとしたものを入れて、」

朗利「1日毎にそのポケットの中身を1つずつ子供にあげるって習慣があるらしいぜ?」

朗利「中身はお菓子だったり、イラストだったりとか、――――――ほんとにちょっとしたぁいろいろな?」

長門「ほう……」

朗利「12月1日の朝にその前日の11月31日の俺的MVPの娘にポケットの中身を進呈していくって感じに、」

朗利「12月になったら1日から24日まで毎日1人ずつちょっとしたご褒美をやることにしたから」

朗利「それで 師走に向けて用意してるってわけ。あとは、今日中にプレゼントを全部入れて鍵を掛けるだけだ」

長門「具体的には、どんな中身が入っているのだ?」

朗利「俺のところのスイーツ券だとか間宮の食券だとかね――――――あ、他にもいろいろあるけどこれ以上は言えません」

朗利「もしかしたらお前がMVPになるかもしれないし、そうなったら贈呈品の中身を見る楽しみがなくなるからな。期待しとけよ」

長門「それはいいなぁ……」ゴクリ

ビスマルク「…………アドミラール? 私をMVPに選んでも別にいいのよ?」モジモジ

朗利「う~ん、ビスマルクはこの企画を提案してくれたし、こうやってアドベントカレンダーを作るのも手伝ってくれたしなぁ……」

朗利「――――――考えとく」

ビスマルク「そ、そう。――――――いいのよ、毎日MVPに選んでくれても」チラッ


朗利「そうそう、アドベントカレンダーが終わった翌日――――――、」

ビスマルク「………………ムゥ」

朗利「つまり、12月25日のクリスマスこそが本命で、スーパーでビッグなプレゼントをみんなに用意しているからな」

朗利「アドベントカレンダーと違うのは、アドベントカレンダーの中身がちょっと高級感やお得感があるって感じなんだけど、」

朗利「この鎮守府のみんなのために準備しているクリスマスプレゼントはとにかく、――――――すごいんだ!」

ビスマルク「へえ、それは楽しみね」ワクワク

長門「ほほう……!」ドキドキ

朗利「どういうわけか、俺のところには【海外艦】がいっぱい集まってることだし、今年はクリスマスパーティでも盛大にやろうと思ってな」

長門「これが、クリスマスか。ふうん……そうか」ドキドキ

長門「クリスマス、クリスマスか。うん!」ウキウキ


クレマンソー「今、何て…………『クレマンソー』『クルシミマス』?」ドヨーン


長門「!?」ゾクッ

朗利「クレマンソー! なんてことを言うんだ!?」

クレマンソー「クリスマスなんて嫌い。今年も寒空の下でサンタクロースの代わりに爆撃機が死というプレゼントを贈ってくるんだ……」ブルブル

クレマンソー「いやぁ……! 私は捨てられた子だからサンタクロースは来ないんだ、きっと……」グスン

ビスマルク「だ、大丈夫よ。ここは日本なのよ? それにあなたを苦しめるものは何もないから……」アセアセ

朗利「そ、そうだぞ、クレマンソー! クリスマスの日になったらプレゼントの他に温かいごちそうをたくさん用意してやるからな?」ウルウル

長門「そうなのか。それは楽しみだな」ジュルリ・・・

朗利「――――――空気読め、この“ながもん”! お前、1週間おやつ抜きな!」イラッ

長門「なっ!?」ガビーン!

クレマンソー「いいんです、提督。私なんかにはパン1切れとスープ1杯で十分ですから……」ポタポタ・・・

朗利「そんなこと言うなよ! これからたくさん食べて立派な戦艦になるんだよぉ……!」

ビスマルク「そうよ! 私たちがついてるから! 私も航空機は苦手よ……。そう、あの忌々しい複葉機めぇ…………」

長門「え、えと……、わ、私もだ! 私も航空機からの爆弾は苦手でな……?」アセアセ

クレマンソー「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」シクシク・・・

朗利「いいんだよ、クレマンソー……!」ナデナデ

朗利「(うん。フランスが誇るリシュリュー級戦艦なのに、その実態が駆逐艦以下の戦闘力で雷装もない有り様……!)」

朗利「(本当にパン1切れとスープ1杯で腹が満たされてしまうぐらいのか細い身体…………!)」

朗利「(最初は【艦これ】初のロリ戦艦だと狂喜乱舞したのに、あまりにもかわいそうな娘でぇ…………)」メメタァ


ルイージ「提督!」

ドレッドノート「おや、またクレマンソーが泣いてるのかい?」

朗利「あ、女王陛下にルイージ……」

ルイージ「う~ん、これは【改装設計図】を使って早めにリシュリュー級改良3番艦にしてあげないとね」メメタァ

朗利「それはそうなんだが…………」チラッ

ビスマルク「……アドミラール?」


――――――現在、我が鎮守府は慢性的な【改装設計図】の供給不足に悩まされている!


朗利「(【改装設計図】を使いたい艦娘は、利根改、筑摩改、ビスマルク改二、クレマンソー!)」メメタァ

朗利「(そして、4つで【改装設計図】1枚の引換券である【勲章】は月に3つしか手に入らない!)」メメタァ

朗利「(鎮守府海域、南西諸島海域、北方海域のEOマップは攻略して【勲章】を定期的に得るようになったが、)」メメタァ

朗利「(まだ俺の鎮守府は最後の南方海域の攻略が進んでいない――――――というか、ほとんどが【ゲージ破壊】って、おい!)」メメタァ

朗利「(せっかく秋イベントを完全制覇して【改装設計図】分の【勲章】と12月の3つでちゃんと3人分が間に合う計算でいたのに、)」メメタァ

朗利「(未確認の【海外艦】なんて想定の範囲外だったから、計算が合わなくなって――――――なんてこった!)」メメタア

朗利「(まず、利根と筑摩なら利根のやつに渡すのがいいだろうな。それでビスマルクかクレマンソーに…………いや こうじゃない!)」

朗利「…………これまでの怠惰な運営のツケが出てきたな」ウーム

ビスマルク「あ」

ビスマルク「き、気にしなくていいのよ、アドミラール…………私は最後でいいから」

朗利「……すまない」

一同「………………」


ドレッドノート「直接、その【改装設計図】とやらを得ることはできないのかい?」

朗利「無理ですね。運営が何を考えて利根型航空巡洋艦だけ【改装設計図】を必要とする【改造】にしたのか…………」メメタァ

朗利「この件に関しては前々からわかっていたことなんだ。年末までに利根型の二人のための【勲章】が集まる算段だったのに、」

朗利「―――――― 一番の想定外はあれだ!」


朗利「まさか【改装設計図】をもう1枚要求する【改造】だなんて誰が予想できた!」メメタァ


ビスマルク「………………」

朗利「そりゃまあ、記念すべき初の改三にビスマルクが選ばれたのは俺としても大変嬉しい」メメタァ

朗利「けれど、性能としては改二で長門とすでに並んでいるし、現状でもうまくやれているのに燃費をわざわざ悪化させるわけにもいかない」メメタァ

朗利「だけど、せっかく【海外艦】がこんなにも集まったんだから、パーッと改三にしてあげて『司令部』の連中に自慢もしたい!」

ドレッドノート「しかたないねぇ……」

朗利「…………こまった」ハァ

クレマンソー「いいんです、提督。私は提督と会えただけでも幸せです…………それ以上は何も望みませんから」

朗利「いや、久々のクリスマスなんだぜ!? 軽空母:龍驤とは違って正真正銘の戦艦なんだぜ!」

ドレッドノート「だったら、ドイツの小娘が『最後でいい』と言ってるんだからさっさとやればよかろう。それで終わりだろう?」

朗利「…………それは確かにそうだが」ウジウジ

ドレッドノート「はっきりしないねぇ…………それでウジウジとね!」ジロッ

朗利「…………!?」ビクッ


ドレッドノート「誰に対しても優しくすることしかできないのはただの能無しだよ! やるんならスパッと決めな、この大うつけが!」


朗利「ううっ」ズキーン!

ドレッドノート「結果として そなたの愚痴や癇癪に付き合わされてみんなが不快な気分にさせられるんだよ」

ドレッドノート「まだまだ人を導くには未熟な紳士よな?」

ドレッドノート「やはりそなた、わらわのものに――――――」

ビスマルク「――――――ダメっ!」ビシッ

ドレッドノート「……そなたもそなたで、男を立てるのが下手と見える」ジロッ

ドレッドノート「わらわと同じように、ボウガンを持っているあの駆逐艦の秘書艦をよく見習うことだな」

朗利「だから、大鳳は【駆逐艦】じゃなくて【装甲空母】っていう立派な大型艦――――――」

ドレッドノート「とにもかくも! そなた、これ以上 同じことでグチグチ言うのであれば、その股座の肝っ玉をわらわに差し出せ」ジャキ

朗利「はあ?!(ひぃいいいいいいいい! 俺の股座の象さんをハンティングする気ですか、女王陛下はああああ!?)」ゾゾゾ・・・

長門「お、おい!?」ガタッ

ビスマルク「ちょ、ちょっとっ!?」カア

ルイージ「ドレッドノート様っ!」

ドレッドノート「選ぶことができない小心者には必要なかろう。優しいだけで人の心を乱すだけの男に誰が任せられようか」ジロッ

朗利「……くっ」

ドレッドノート「さて、わらわは疲れた。クレマンソー、わらわに付いて参れ。貞淑なレディの作法の稽古じゃ」スタスタスタ・・・

クレマンソー「う、うん……」

クレマンソー「ごめんなさい、提督…………いつもいつも」トコトコトコ・・・


朗利「………………」

ルイージ「…………提督? 私たち【海外艦】は国籍が違えども提督の指揮には絶対に従います」

ルイージ「ですから、どんな判断を下そうとも文句は言いません。提督は肩の力を抜いてくださいね」ニコッ

朗利「おお……、ルイージ・トレッリは天使である」(真理)

長門「わ、私もだぞ、提督! 私も提督の采配を信じているのだからな!」

長門「……ほ、誇りに思うがいい!」イジイジ

朗利「わかってる、長門。お前がこの鎮守府のナンバーワンだ」

長門「あっ」ホッ

朗利「それで、――――――ビスマルク?」

ビスマルク「な、何……?」

朗利「さ、アドベントカレンダーを完成させようか」ニコッ

ビスマルク「あ」

ビスマルク「え、ええ! それでみんなに褒めてもらうのよ、提督も私と一緒にね」ニコッ

朗利「そうそう」ニコッ

長門「手伝えることはないか?」

ルイージ「私も」

朗利「そうだな――――――」


大鳳「た、大変です、提督――――――!」タッタッタッタッタ・・・


朗利「………………似たような展開が記憶に新しいが?」

ビスマルク「確か今回の【建造】を担当した【秘書艦】はルイージよね?」

ルイージ「はい」

長門「まさかとは思うが、――――――【イタリア艦】か?」






インペロ「ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦3番艦:インペロよ! あなたが私の提督ね! 早く服を着せてくれないかしら?」(全裸に近い露出!)



朗利「…………は」

ルイージ「祖国:イタリアの超弩級戦艦ですよ、提督!」

長門「待て、いろいろとツッコミたいところがある……」

ビスマルク「ちょっとあなた! なんでそんな薄着なのよ! というか全裸じゃない!?」

インペロ「う、うるさいわね、冷血ドイツの戦艦!」

インペロ「私は船体や機関がほとんど完成していたのに艤装が半分もできてないところを、」

インペロ「祖国が連合国に休戦した後にトリエステに居合わせたドイツ軍に接収されて艤装を剥がされて爆薬試験に使われた挙句に、」

インペロ「アメリカ軍の空爆で大破して、更には撤収するドイツ軍に爆破着底という扱いなのよ!」

朗利「そうか。クレマンソーと同じ――――――いや、それ以下の扱いを受けてきたのか、哀れな」

ビスマルク「け、けれども! クレマンソーとはまるっきり正反対じゃないの!(――――――主に身体の発育具合が)」チラッ

長門「そ、そうだな(“戦艦ロリっ娘”クレマンソーとは違ってこっちは私やビスマルク以上の豊満な肉付きをして…………)」チラッ

ルイージ「提督」

朗利「そうだな。ともかくこれを着ろ」 バサッ

インペロ「あ」 ――――――朗利提督の上着をもらう。

ビスマルク「――――――!」

朗利「ひとまず落ち着ける場所に移ろうか、インペロ」

インペロ「あ……、はい(――――――提督の上着、暖かい)」

朗利「部屋を用意してくれ。温かい紅茶とお菓子もな」

ルイージ「うん。先に行って待ってますから」タッタッタッタッタ・・・

インペロ「あ、ありがとう……」ドクンドクン

ビスマルク「あ、待って――――――」

朗利「よし、それじゃ――――――」

スタスタスタ・・・・・・

ビスマルク「………………」

長門「…………ビスマルクよ」

ビスマルク「何かしら、長門?」ムスッ

長門「あのインペロとかいうやつがほぼ全裸で現れたことに面食らったが、提督は眉一つ――――――」

ビスマルク「――――――言わないで」

長門「………………」

ビスマルク「なによ、私よりもナイスバディな身体を全裸で見ていながら全然――――――」プルプル・・・

ビスマルク「――――――帰る!」ズカズカ

長門「待て、ビスマルク!」パシッ

ビスマルク「放して!」

長門「短気は損気だ! 少しは心をゆとりを持て!」

ビスマルク「………………ムゥ」




インペロ「あ、美味しい……」ハムハム、ゴクゴク・・・ ――――――とりあえず胸がでかくて着れるものが少ないのでジャージなどの緩い服を着せた。

朗利「どう? 落ち着いた?」ニコッ

インペロ「う、うん」

朗利「そういえば、自己紹介がまだだったな」

朗利「俺はこの鎮守府の司令官の朗利だ。これからよろしく頼むぞ、インペロ」

インペロ「――――――『ローリ』。そう、よろしく」

インペロ「…………朗利か」ポッ

ビスマルク「………………!」イラッ

長門「…………抑えろ」

朗利「あれ? そういえば、『戦艦:インペロ』じゃなくて『標的艦:インペロ』なんだな、お前は?」

インペロ「そうなの。艤装すらないのよ、私って」

朗利「大鳳、【標的艦】ってどういう動きをする艦種なんだ?」

大鳳「確か、斎庭鎮守府の金本提督が艦娘初となる標的艦:大浜の発見と運用データの報告をあげています」

ビスマルク「…………確かにいつもよくやってるわね、大鳳」ジー


大鳳「報告によると――――――これをご覧ください」ピピッピピッ

朗利「ほうほう。これは名に反して強力な――――――じゃねええええええ!」ガビーン!

ルイージ「…………提督?」ビクッ

朗利「戦艦が囮になっても修理費とそもそもの運用コストがバカにならないだろうがああああ!」メメタア

朗利「おい! お前もまさか【改造】に【改装設計図】を必要としているのか!?」メメタア

インペロ「そうよ? だから、提督に早く私専用の服と艤装を仕立ててもらいたいんだけど、――――――ダメ?」モジモジ ――――――女神の上目遣い!

ビスマルク「――――――上目遣い(もう一度 海に沈めてあげようかしら?)」ボソッ

長門「…………ビスマルク!(我慢だ。忍耐こそ美徳だぞ? 私も提督を受け入れるまでかなり苦労したんだ)」


朗利「ああああああああああああ!」orz


インペロ「!?」ビクッ

ビスマルク「アドミラール!(大変! 久々にひきつけを起こしちゃったあああ!)」アセアセ

長門「て、提督!(くそっ、ビスマルクといい、インペロといい、一番可哀想なクレマンソーのほうがマシとはどういうことだ!?)」アセアセ

ルイージ「提督! こう言うのは難だと思いますけど、――――――まともにとりあわないほうがいいと思います!」アセアセ


――――――ビスマルク、【改装設計図】稼ぎがしたいです。


GET! 標的艦:インペロ(存在自体がハニートラップ・大器晩成型最強戦艦)


標的艦(戦艦):インペロ(イタリア)1938/05/14-1945/02/20爆破着底
ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦3番艦
属性:【海外艦】【イタリア艦】  -改一:【標的艦】 -改二:【ドイツ艦】
改造:標的艦:インペロ → 戦艦:インペロ(ドイツ艦) → 戦艦:インペロ(改良3番艦)

ついに登場! 本作において枢軸国で最後の国籍であるイタリア戦艦となるわけだが、艦種が【標的艦】という大きな地雷である。
同じく未成艦でドイツに接収されたフランス戦艦:クレマンソーとは異なり、船体はほぼ完成しきった巨大な戦艦のボディなので修理費がかさみ、
【標的艦】の特性で優先的に狙われてしまう上に【火力】が【戦艦】の最低ラインを下回るのでMVPにするのも一苦労の凄まじい重荷である。
【標的艦】として造られた大浜がいかにインチキな性能に仕上がっているかがよくわかることだろう。
しかし、【改装設計図】でドイツ艦装備を確保できるので改二になるまで戦艦ですらないクレマンソーよりは幾分かはマシ。

インペロとはイタリア語で英語の“Empire"に相当――――――つまり“帝国”という意味であるが、
【標的艦】としての雑な扱いと豊満美人なイタリアの綺麗なお姉さんという性格設定に、
見てくれはボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』のヴィーナスをイメージしている(さすがに全裸ではないがビキニぐらいしかない! 服をよこせ!)。
ただし、ヴィットリオ・ヴェネト級そのものが全体的にザンネンなので、口を開けばいかにもザンネンな美人姉妹として描かれる。
彼女の姉妹も何かもういろいろザンネンであり、生き残っても同じく賠償艦として引き渡された旧型弩級戦艦より先に廃艦になる始末である。
ヨーロッパ戦線において、ビスマルク級やリシュリュー級に並ぶ名鑑になるはずだったのに、もういろいろザンネンなイタリア戦艦である。

ちなみに、戦艦:クレマンソーとはいろんな意味で対になる存在として設定してあり、モデルを比較するといろいろ共通項が見出だせる。





朗利「かつての枢軸国ご自慢の超弩級戦艦がことごとく揃ってしまったが、――――――ビスマルク?」

ビスマルク「何?」プイッ

朗利「イギリスのプリンス・オブ・ウェールズやアメリカのノースカロライナまで来たらどうするよ?」

ビスマルク「…………何となくだけど、ヤ」ツン

朗利「まあ そうだろうな。日英同盟時代の女王陛下はまだしも、どっちも確実に皇国に敵意を抱いてるだろうからな…………」

ビスマルク「そうじゃないわよ」ハア

朗利「?」

ビスマルク「あのインペロっていう未成艦、アドミラールのこと――――――ふん!」

朗利「何だよ、ビスマルク? はっきりしないな」

ビスマルク「はっきりしないのはアドミラールじゃない」ボソッ

朗利「は?」


ビスマルク「…………アドミラールにとって私って何なのよ?」


朗利「そりゃ、俺にとって凄く好みな可愛い艦娘だよ?」

ビスマルク「…………やっぱり長門と同じ眼をしてるんだ(微妙にちょっとは違うところはようだけれども)」

朗利「あ?」

ビスマルク「アドミラール」

朗利「はい」

ビスマルク「あなたは誰と【ケッコンカッコカリ】するの? 私? それとも――――――」


朗利「――――――雷」(即答)


ビスマルク「…………わからない。わからないわ、アドミラール」ズーン

朗利「何が不満なんだ? やっぱり【改装設計図】が――――――」

ビスマルク「それが欲しいわけじゃないわよ…………もう! わかりなさいよ、この鈍感!」

朗利「?」


大鳳「大変です! 提督――――――」


朗利「………………」

ビスマルク「………………」

大鳳「提督! 大変です!」

朗利「俺、疲れてるのかな? 大鳳が『大変』に改名して猛烈に自己紹介してきているのかと思うぐらい見慣れてきたんだけど」

ビスマルク「…………きっとまた【海外艦】ね」

ビスマルク「行きましょう、アドミラール」

朗利「ああ。今度は大丈夫だろう。さすがに枢軸国最高の戦艦が揃ってるんだから、ティルピッツやローマが出たってもう驚きは――――――」






モンタナ「おお、お前が私の提督か! 艦隊決戦したくてウズウズしていたんだ。よろしく頼むぜ」

インコンパラブル「ちょっと狭くて歩くのに難儀してますが、インコンパラブルです。ジャッキー・フィッシャー第一海軍卿 渾身の力作です」



朗利「」

ビスマルク「な、何これ……? ふざけてるの……?(――――――なんてデカさに威容!)」アセタラー

朗利「【戦艦】はもう要らねえんだよ! 出てくるんなら、エンタープライズやグラーフ・ツェッペリンを寄越せ!」

朗利「というか、――――――あんたら、誰ぇ?! 当たり前のように【海外艦】だけど、大和よりもでかい気がするんですけど!」

インコンパラブル「そうなんですか? まあ、【50.8cm砲】なんていう当時としては破格のものを装備して35ノットも出す無茶な設計でしたからね」

朗利「って、――――――英語の艦名!?(待て、それはどういうことだ? 縁のあるのは――――――)」アセダラダラ

朗利「これはさすがに何かがオカシイ!」ガタガタ・・・

朗利「ちょっと建造ドック 見てくりゅうううう!」タッタッタッタッタ・・・

ビスマルク「あ、アドミラール!」



――――――建造ドック


朗利「おい! 愛月提督! なんかさっき大和よりヤバイ デカイ艦娘がやってきたんだけど!」ゼエゼエ・・・

愛月「あ、そ、それがそのぉ…………」アハハ・・・


海外建造妖精「いつもいつも、【海外艦】をご贔屓にしてもらえて感謝しております、ボス」

世界建造妖精「おう、おめえがこの鎮守府のボスか? どうだい、気に入ってくれたか、オレっちが世界を渡って仕入れてきた【伝承艦】はよ?」


朗利「なに? 建造妖精が今まで――――――何したって?(何か聞き慣れない単語が聞こえた気がするが……)」

世界妖精「だからよ? おめえ、いつもいつもビスマルクやレーベを【秘書艦】にして【建造】やってくれたろ?」

朗利「いや、そこまで意識したことはないんだが…………むしろ、それはこちらの愛月提督が主にやっていたことであってだな?」

海外妖精「大将! その他にも金剛も【秘書艦】にして重点的に【建造】してくれたろう?」

朗利「いや、俺はまだ将官じゃないんだが……(落ち着け! 言うべきことを言え、朗利よ!)」

朗利「あれ、なんだって? もしかして金剛がドレッドノートを引き当てた時にでも来ていたのか?」

海外妖精「ええ。ドレッドノート様と一緒にやって参りました。いつもいつも大変美味な菓子の数々をごちそうさまです」

海外妖精「それで、どこよりも【海外艦】をご所望のご様子でしたので、――――――伝説の世界建造妖精さんをお連れしてきた次第です」

世界妖精「オレっちの手にかかれば、世界中の未成艦だってこの通りよ!」

朗利「あ、ああ…………?」キョロキョロ

朗利「誰がそんなことをしていいと言ったんだ? 俺は何も知らなかったぞ?」

愛月「す、すみません。戦力拡大のために思い切って戦艦:大和を狙うつもりでやったら――――――」

朗利「明らかに大和すら超えているスンゴイ超大型弩級戦艦ができちゃってるんですけどおおおおお!」

愛月「そ、それに! この世界妖精さんはめったに力を振るってくれないらしいとのことで、思い切ってあらん限りの資源を――――――」

朗利「…………何かどんどん拓自鎮守府が拓自鎮守府じゃなくなっていく感覚がして、何かを見失いつつあるんだけど」

世界妖精「どうだい? 極東を代表する艦娘だって取り扱っているぜぃ」

朗利「もうこうなったら――――――、」

朗利「愛月提督! 【戦艦】はもう要らないから! 次やるんだったら【潜水艦】か【正規空母】をお願い!」

愛月「あ、はい! わかりました!」

朗利「って、もう資源が1万 切ってるじゃないかああああああ!」ウワアアアアアア! ――――――グロ画像!

朗利「あ、あんたはいつまでここにいるつもりなんだ?(イギリスやアメリカが超大和型を造っていたとは今まで知らなんだ……)」

世界妖精「オレっちは死ぬほど忙しいからな! 日日日水日日日じゃないとやってられねえのさ」ワハハハハ!

世界妖精「だから 運が良かったな、ボス! オレっちが力を振るうなんてめったにねえんだからよ!」ニカッ

朗利「は、はあ…………(ちくしょう! どうせなら【海外艦】の駆逐艦や潜水艦を狙いたいところだが、資源がカツカツじゃないか!)」






ハバクク「装甲空母:ハバククです。ちょっと寒いですね……」ブルブル



愛月「北欧神話に出てくる霜の巨人か何かですか?」

朗利「おい! これは本当に【装甲空母】なのか!? 俺の知ってる【装甲空母】とは何か違うんだが!」

世界妖精「いやぁー、オレっちってばホント天才!」

海外妖精「素晴らしいです、お師匠!」

世界妖精「それじゃ、資源もカツカツのようだし、オレっちはもう行くから。そんじゃ」

愛月「あ、ありがとうございました!」

海外妖精「それじゃ、ボス。今回ばかりは紹介料は要りませんから。いつもいつも美味なお菓子をどうも」

朗利「ああ……、しばらくもう来なくていいからねー(また貧乏経営に逆戻りだわー。秋イベントクリア後でホントよかったー)」アゼーン

海外妖精「あ、そうでしたそうでした。これをどうぞ」ペラッ

海外妖精「この鎮守府の【海外艦】の属性リストです。これを参考にまた喚んでくださいねー」

朗利「あ、ああ…………」


――――――あれれ? おかしいなー? 駆逐艦と潜水艦を愛でる鎮守府のはずなのにどうして【海外艦】専門の鎮守府になりつつあるんだろー?


現時点での拓自鎮守府の【海外艦】在籍リスト
※属性で分類しているので、重複する艦娘が存在する

【ドイツ艦】
戦艦:ビスマルク、駆逐艦:Z1、駆逐艦:Z3、重巡:プリンツ・オイゲン、戦艦:クレマンソー、標的艦:インペロ

【イタリア艦】
潜水艦:ルイージ・トレッリ、標的艦:インペロ

【アメリカ艦】
戦艦:モンタナ

【イギリス艦】
戦艦:金剛、戦艦:ドレッドノート、巡洋戦艦:インコンパラブル、装甲空母:ハバクク

【フランス艦】
戦艦:クレマンソー

【ロシア艦】
駆逐艦:響(=ヴェールヌイ)


――――――迎賓館:食堂


朗利「…………ハア」フラフラ

X:鳳翔’「あ、朗利提督。お疲れ様です」

Y:龍驤’「なんや、元気 無さそうやなぁ、きみぃ…………大丈夫?」

w:愛宕’「うふふっ♪」

X:赤城’「朗利提督、今日の3時のおやつは何ですか!?」キラキラ

X:加賀’「(その……、大丈夫かしら?)味が落ちなければいいのだけれど」

朗利「【派遣】組のみなさん、そろそろ11月末というわけでマンスリー契約も切れるわけなので、」

朗利「最後にそれぞれの鎮守府に【返還】される前に次回からの契約の方針についてご報告させていただきます……」アハハ・・・

艦娘たち’「…………!」

朗利「まず、一航戦の二人――――――、」

X:赤城’「神様、皇国の神様……!」グッ

X:加賀’「大丈夫、これまでの働きから言って契約続行は不可避――――――!」ドヤァ


朗利「今までありがとうございました」ニッコリ


X:赤城’「」

X:加賀’「」

朗利「新たに【装甲空母】を迎えることができたので、【正規空母】の【派遣】はもう十分と判断いたしました(ついにこの日が――――――)」

朗利「カスガダマ島の攻略など、今まで本当にありがとうございました(あぁー、せいせいする。これで少しは気が晴れたぜ)」

朗利「つきましては、この感謝状と謹製のおみやげをどうぞお受け取りください(ははは、ざまあみろ、悪食一航戦め!)」パチィン!

大鳳「先輩、今まで本当にありがとうございました」

長門「清原提督によろしく伝えておいてくれ。『次もまたこの長門を【派遣】してくれ』とな」

X:赤城’「そんな! これはあまりにも残酷です……」ガビーン!

X:加賀’「こ、ここは譲れません……!」アセダラダラ

朗利「勘弁してください。愛月提督が【大型艦建造】しまくったせいであなたたちを雇う謝礼が払えそうにないのです」

朗利「(そうだ、出てけぇー! 【応援】してもらっておいてなんだけど二度と来るなぁー!)」


Y:龍驤’「あ、ほんまやなぁ…………でも、新しい【装甲空母】が来たんかぁ。大鳳みたいなやつか、朗利提督?」

w:愛宕’「もしかして、信濃とか?」

朗利「…………大鳳?」チラッ

大鳳「はい。では、装甲空母:ハバククさん。来てください」

ハバクク「はい」ズシンズシン!

Y:龍驤’「は」

X:赤城’「え」

X:加賀’「おかしいです。私の体温が下がったのは冷や汗のせいではなく、何か物理的な要因が働いたように思えますが……」ゾクッ

ハバクク「私がイギリスの氷山空母:ハバククです。今後ともヨロシク」

大鳳「………………ちょっと冷えますね」フゥー

朗利「ハバクク。艦載機と機銃座の数を言ってみろ(うわあ、近くにいるだけで白い吐息になるよぉー。どうなってんだ、コイツの身体?)」フゥー

ハバクク「艦載機は150以上の爆撃機と戦闘機、対空砲40基はあります」

一同「!?」

朗利「マジで有り得ねえ……」

X:加賀’「そんな…………【艦これ】最大の艦載機量を誇るこの私が敗けた…………?」メメタァ

ハバクク「それよりも提督……、寒いです……、何かお腹が温まるものをください……」ガタガタ

朗利「ああ……、鳳翔夫人、鍋焼きうどん とか おでん ありません?」

X:鳳翔’「あ、今すぐに!」

Y:龍驤’「これはエライ化け物艦娘が出てきたもんやなぁ…………張り合うことすらバカバカしく思えてまう」

長門「もう、アメリカ版大和のモンタナとか来ている時点で混沌だな……」

朗利「あ、いいかな? ハバククはそこの席で温まってて」

ハバクク「あ、ありがとうございます――――――ハックション!」ドゴーン!

長門「くしゃみも世界一だな……」

X:加賀’「一航戦の誇りが完全にへし折られたような気がします、赤城さん……」orz

X:赤城’「しっかりしてください、加賀さん! 最後の最後で天城姉さんに叱られることがないように胸を張って帰りましょう!」アセアセ

朗利「えと、――――――というわけで、一航戦 以外は来月もマンスリー契約で頼みます」

w:愛宕’「あら、てっきりプリンツ・オイゲンちゃんが来たからもういいのかと思ってたけど、よかった♪」ニッコリ

朗利「見ての通り、資源がもう無いので! また資源集めにご協力ください…………なぜか低燃費艦が全然出ないので」

Y:龍驤’「あはは……、またよろしゅうな、朗利提督」ニコッ

w:愛宕’「朗利提督……、甘えてもいいのよ?」チラッチラッ

X:鳳翔’「はい。お口にあうかわかりませんが、温まりますよ、ハバククさん」コトッ

ハバクク「あ、良い臭い…………い、いただきます!」パクッ

X:鳳翔’「さ、朗利提督もどうぞお食べください」ニコッ

朗利「ありがとうございます……」


朗利「けど、見てくださいよ、ここ最近の【建造】結果――――――!」バンッ!

X:鳳翔’「まあ、海外の戦艦が目白押しですねぇ……」

X:赤城’「これまた凄い面々――――――知らない子ばかりですねぇ」

w:愛宕’「でも、いずれも超弩級戦艦ってことだから、拓自鎮守府の気風に合わないかも」

朗利「そうなんだよっ! 【戦艦】はもういいから…………愛月提督めぇ、何を血迷って【大型艦建造】をしまくったぁ」オヨヨヨ・・・

朗利「それに、――――――【戦艦】よりも【改装設計図】をくれぇ! その海外戦艦のほとんどがそれを必要としているからホントに頼むっ!」

X:加賀’「確かに、【改装設計図】を必要とする艦娘が多いのは辛いところですね」

大鳳「はい。ですから、新たに参戦してくれた海外の超弩級戦艦たちを運用することは今はせずに、」

大鳳「これから資源集めをして来月分のEOマップの攻略にとりかからないといけません」メメタァ

大鳳「幸い、ドレッドノートさんやルイージさんのように低燃費で優秀な【海外艦】はちゃんとおりますので、」

大鳳「【派遣】組の方たちと今後も協力していただきたいと思います」

朗利「一航戦は直に帰るんだから、俺が――――――というよりは愛月提督が引き当てた【海外艦】のことをよく観察して、」

朗利「清原提督に報告してくれないか?」

X:加賀’「はい。そのつもりでいます」

X:赤城’「弩級戦艦:ドレッドノートに【48cm三連装砲】を持たせるのは物凄く無理がある絵面でしたけど……」

朗利「…………残念だけど、せっかくいただいた【それ】も換えることになった。効率重視で」

X:赤城’「え」

朗利「このインコンパラブルってやつ――――――、【50.8cm連装砲】持ちなんだ」

X:赤城’「ええええええええ!?」

長門「なんだとおおおおおおおおお!?(ただの巨人ではないとは思ってはいたが…………!)」

X:加賀’「そ、そんな……、天城さんの【50cm三連装砲】が敗けた…………!?」

朗利「何かそっちでもとんでもないものが聞こえたような気がするけど、」

朗利「インコンパラブルやハバククってやつは未成艦らしくて、【世界建造妖精】っていう伝説の巨匠がその未成艦を造り出したんだよ」

朗利「どう思う? この大艦巨砲主義なんて目じゃない大きさの艦娘たちやかつての連合国側の艦娘たちをどう思う?」

朗利「その辺の判断を清原提督に仰ぎたいのだ……」ボロッ

X:赤城’「…………わかりました。必ずこのことはご報告して参ります」

朗利「ああ。頼む。金剛が連れてきたらしい【海外建造妖精】が連れてきたらしい【世界建造妖精】の存在を必ず伝えておいてくれ」

X:一航戦’「はっ!」ビシッ

大鳳「では、提督」

朗利「ああ、うん……」

大鳳「では、失礼します」

スタスタスタ・・・・・・


朗利「…………さて、これからどうしようねー」

X:鳳翔’「どうしました、朗利提督?」

朗利「何か一気に最強戦力を手に入れてしまったようだけど、――――――よりによって【戦艦】だからな!」ギロッ

長門「!?」ビクッ

朗利「【戦艦】ってやつはどいつもこいつもワガママ放題だからな! しかも牛飲馬食で経費がかさむし!」

朗利「その点、女王陛下は貞淑な【旧式艦】でその分 安く使えて【戦艦】の主砲を何でも載せられる【艦これ】補正で意外な強キャラだった!」メメタァ

朗利「冗談じゃねえよ! 日本、ドイツ、イタリア、フランス、アメリカ、イギリスの超弩級戦艦の面倒を見ろというのか、俺が!?」

朗利「助けてください、鳳翔夫人……。俺は駆逐艦を愛しているはずなのにこんな仕打ちはあんまりだぁ……」オヨヨヨ・・・

X:鳳翔’「確かにこれは困りましたねぇ…………まさしく火の車ですね」ムムム・・・

ハバクク「身に染みるぅううう犯罪的な美味さだぁああああ」ハフハフ・・・

朗利「お前も難儀な身体してるな…………英国面の極致だぜ」パクッ

朗利「うぅううう……、ちくしょう! つくづく俺は提督に向いてないのかな? ――――――あ、美味しいです、鳳翔夫人」ズズズ・・・

長門「……突然 何を言ってるのだ、提督?」

【派遣】組’「………………」

朗利「長門、お前だってわかってるだろう!」

朗利「俺のような小物好きな小物なんかの下で働いて不満はないのかよ?」

朗利「俺は俺自身に不満だらけだよ! 正直に言って、こんな状況になって嫌というほど己の器量の小ささに辟易させられる!」

長門「…………そんなことはない!」

ハバクク「おかわりを……」ブルブル

X:鳳翔’「あ、はい。どうぞ」ニッコリ

長門「どうしたというのだ、提督よ!?」

w:愛宕’「ちょっと待って、長門」

長門「…………?」

w:愛宕’「最後まで言わせてあげて♪」

Y:龍驤’「せやな。ここは胸の奥にあるもん最後まで言わせたれや」

長門「…………!」


朗利「おかしいだろう!? いろいろとさぁ!」

朗利「そりゃ確かに大本営からの指令もこなさなくちゃならない立場だし、皇国のみんなを守る義務を託されていることぐらい理解してる!」

朗利「でも 俺は、人間の代わりにあんな幼気な幼女たちが恐ろしい海の化物たちに戦って傷ついているってのに――――――、」

朗利「それがもう間もなく四半世紀にもなろうとしているのに、まるで奴隷のように扱うような連中がいることを知って――――――、」

朗利「だから、わるいやつらから駆逐艦のみんなを守るついでに皇国のために力を尽くせる提督になってみようかって思って――――――」ポタポタ・・・

長門「…………提督」

朗利「おかわり」

X:鳳翔’「はい。どうぞ」ニコッ

朗利「……美味い。今日は自棄食いだ、ちくしょう」ズズズ・・・

X:鳳翔’「まだまだおかわりはありますからね」ニッコリ

朗利「ありがとうございます。でも、現実はそううまくいかなくて――――――、」

朗利「俺は結局 自分の軍事的才能の無さをごまかすためにお菓子作りに精を出して、広報や親睦と称して農場や牧場のおっちゃんたちを謀って、」

朗利「軍人の本分から逃げ続けて、こうして『司令部』に選ばれた偶然によりかかって何の成長もないんだ……」

長門「………………」

朗利「俺は自分じゃない誰かの、あるいは偶然の成果に乗っかる形でこれまでやり過ごしてきただけの青二才なんだよぉ…………」ポタポタ・・・

朗利「おかわり」スッ

ハバクク「私も……、すみません」スッ

X:鳳翔’「はい。たんとお食べになってくださいね」

朗利「ちくしょう! ちくしょう! ちくしょうおおお!」

朗利「艦娘にとっての一番の幸せから一番遠い人間じゃないか、俺なんかぁあああ!」ズズズ・・・

X:加賀’「朗利提督……」

X:赤城’「どうして朗利提督は【派遣】組の私たちに言うのでしょうか?」

長門「――――――『艦娘にとっての一番の幸せ』?」


――――――沈ませないこと。目先の勝利に囚われて犠牲を強いることをしないことだよ、それは。


一同「!?」

ドレッドノート「ふん」

朗利「…………女王陛下」ズズズ・・・

ハバクク「?」ズズズ・・・


ドレッドノート「やれやれ、同郷の艦娘が来たということで見に来てみれば、――――――紳士があられもなく自棄食いねぇ」

ドレッドノート「まあ、こうやって自分の気持ちを素直に伝えられる相手がいるだけ悶々とし続けて心の毒にするよりはずっと賢明だね、」

ドレッドノート「――――――朗利よ」

朗利「………………」ズズズ・・・

X:鳳翔’「あ、どうぞ、こちらのお席へ」

ドレッドノート「ありがとう」ニコッ

ドレッドノート「さて、――――――なるほどねぇ」

ドレッドノート「気になってたんだよ。【派遣】組の面々に対してこうやって泣き言を言える理由はここにあったんだねぇ」ジー

長門「え」

ドレッドノート「ほら、朗利は駆逐艦たちを愛するが故にみっともない姿を見せられないから」

長門「あ」

ドレッドノート「だからといって、身内である精鋭たちに泣きつくのも格好がつかないし、」

ドレッドノート「何よりも、そうしたら提督としての最低限の威厳さえも失ってしまうように思えたからこそ、ずっと内に秘めてきたんだろう?」

長門「え、そんな……、何を言って…………(私との――――――、いや私たち戦友とのユウジョウとはそんな程度のものだったのか?)」

朗利「………………」

Y:龍驤’「そっか。やっぱり無理してたんやな。それもそうやな」

長門「え」

w:愛宕’「うん。朗利提督はこうして【派遣】組を頼っていることをいつも申し訳なさそうにしてたから」

Y:龍驤’「うちら、別に朗利提督に頼りにされていることに悪い気はせえへんのにな。むしろ、うちらのほうが恐縮なんやで?」

X:赤城’「そうですね。他では味わうことができない極上のお菓子をたくさんいただいていますし、『いつもより気合を入れて戦わないと!』といつも思います」

X:加賀’「はい。いつもいつも朗利提督がお作りになる甘物を前にすると気分が高揚します」

長門「………………」

X:鳳翔’「どうか勘違いなさらないでください、長門さん。朗利提督は一生懸命に自分の在り方というものを常に見つめ続けてきていたんです」

X:鳳翔’「私たちは自分たちの提督とどう違うのかを参考に公平な第三者として意見を出し合っていたんです」

長門「!」

ドレッドノート「ほら、部下にもなかなか相談しづらいことだろう? 提督の良し悪しなんて自分たちの提督以外にあまり知る機会なんてないんだし」

X:赤城’「そういえば、鳳翔夫人によく相談しているのは知ってましたけど――――――、」

X:加賀’「みなさんも相談を受けていたんですね……」アセタラー

Y:龍驤’「知らんのも無理ない。食ってばかりのきみらのこと、朗利提督 嫌ってるようだし、相談を持ち掛けられるはずがないやろう?」

X:一航戦’「!!!!!!??」ガビーン!

w:愛宕’「うふふっ♪ これに懲りたらもうちょっと節度と慎みを持ちましょうね~」


長門「…………そうか。そういうことだったのか(さすがは『司令部』が誇る偉大な精鋭たちだ。――――――ありがとう)」


ドレッドノート「そういうことさね。ま、『幸いなるかな、艦娘派遣システム』と言うことだね」メメタァ

朗利「…………女王陛下には何でもお見通しというわけですか」


ドレッドノート「今にして思えば、このドレッドノートの生みの親であるアーバスノットの知性が受け継がれているせいもあって、」

ドレッドノート「並大抵より遥かに頭がいいし、人間関係の機微にも聡く、要領がすこぶるよいと自負しているぞよ?」フフッ

朗利「…………助けてください」

朗利「運や他力だけでこれまでやってきたのだけれど、そろそろ精神的にヤバイです……」

朗利「自分の能力以上のものに頼り続けている現状に、俺自身が我慢ならないんです…………」

ドレッドノート「ほう? 今まで本当に『運や他力だけでやってきた』というのなら、轟沈艦を今までに何隻も出してきていると思うんだけどね」

ドレッドノート「本当にそなた、――――――自分を無能だと思っているのか?」

朗利「…………わかりません。能力が劣っていることは認めますが、無能であることを認めたくもないです」

ドレッドノート「ふむ。なら、逆にこう考えたらどうだい?」

ドレッドノート「――――――『今まで偶然や他人からの力添えをものにできて数々の苦難を乗り越えてこられた』と」


――――――『それだけ確かな実力はあった』とな。


朗利「へ」

長門「そうだぞ、提督! 私と提督が最初に会った頃は私と五十鈴と第六駆逐隊だけでこれまでの海域を強行突破してきたのだぞ!」

長門「今だったら、――――――そう、敵戦力の増強によってもうそんな無茶は通らないが、」

長門「クリアはクリアだ。私たちはやってこれたんだよ! 超えてきたんだよ、あの海域の数々を! 1隻の犠牲も出さずに!」

長門「そして、提督は赤城 以外の大型空母を求めて【大型艦建造】をやってすぐに大鳳を引いて、そこからは快進撃だったじゃないか!」メメタァ

朗利「…………長門?」


長門「いいか、提督は確かに運に恵まれている! 大鳳が来るまで空母なしで行けるところまで行っていたんだから!」

長門「けれども、提督は運だけに頼る能無しなんかじゃない!」

長門「本当にそうだったならば、連合艦隊旗艦だった私がそんな安っぽいやつなんかに忠誠は誓っても敬意を払うことなど決してしないのだからな!」

長門「もう一度 言ってやる!」


長門「ここまでこれたのはまぎれもなく提督の采配によるものだ。誇ってくれ」ニコッ


朗利「あ……(――――――何か懐かしいセリフを聞いたな。『誇ってくれ』か)」

X:鳳翔’「そうですよ、この【艦隊これくしょん】では結果が全てであり、結果を導き出すリアルラックも実力のうちなんです」メメタァ

X:鳳翔’「そうやって使えるものは何でも使って、ついには南方海域までやってこれたじゃありませんか。結果を出せたじゃありませんか」

Y:龍驤’「そうやで。ちょっち きみぃ、理想が高過ぎるように思う。朗利提督はうちのとこの提督のような破天荒にならなくてええんやで?」

Y:龍驤’「『結果が全て』とは言うても、人間は能力だけで人を見るわけじゃないんやし。それは朗利提督が駆逐艦を贔屓にしているのと同じことやで」

w:愛宕’「そうそう♪ 朗利提督の良さは私たちの提督もよく理解しているから。もっと自信 持って♪」ニッコリ

w:愛宕’「私の提督にだって良い所だって悪い所だってあるし、朗利提督にだって朗利提督の良い所と悪い所があるんだから♪」

朗利「………………ありがとう」ドクンドクン

ドレッドノート「…………大したものだねぇ(戦うことが全ての艦娘でありながらここまでの見識と言葉を持っているとは、相当な地位にあったと見える)」

X:鳳翔’「さあさあ、みなさんもおつまみを召し上がってください」←― 元祖一航戦・元祖航空母艦・最初から最後まで生き延びて行く末を見届けた生存艦

Y:龍驤’「せやな。これからも長い付き合いなんやし」←―「赤鬼、青鬼でさえその名を聞いただけで後退り」・元祖軽空母・歴戦の殊勲艦

w:愛宕’「今日はとことん付き合ってあげるからね♪」←― 第二艦隊旗艦・歴戦の戦闘艦・イージス艦そっくりな完成された傑作艦

長門「まあ、相談しづらいことがこれまでいっぱいあっただろうが、これからは私も仲間に入れてくれ、提督」←― 連合艦隊旗艦・ビッグ7・日本の誇り

ドレッドノート「これが大日本帝国海軍というやつかい(壊滅したとはいえ、凋落の一途をたどった我が大英帝国海軍とは大違いよな……)」

ドレッドノート「ホント、21世紀は便利な世の中になったもんだねぇ……」

ハバクク「おかわり……これ以上はダメでしょうか? ……ダメですよね」

ドレッドノート「そして、――――――何だコイツは?(次代を切り拓く誉れ高き 我がロイヤル・ネイビーは時折 変なやつを産み落としよるな……)」


X:赤城’「…………加賀さん」

X:加賀’「はい、赤城さん」

X:赤城’「私たちは私たちの――――――あ」グゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!

X:加賀’「………………」カアアアアアアアアアア

一同「あ」

X:赤城’「すみません、私たちにもください……」

X:加賀’「さすがに隣であれだけで食べている艦がいるとどうしてもお腹が空いて……」チラッ

ハバクク「?」

ドレッドノート「うぬのことじゃ、うつけが。その下品な食いっぷり――――――、それでもロイヤルネイビーか!」

ハバクク「あ、すみません!」

ドレッドノート「まったく。どうもこうも紳士淑女も度が過ぎるとヘンタイになるようでいかんのう。そうは思わんか?」

朗利「えと、それは…………」

ドレッドノート「だが それがいい」ニンマリ(メチャクチャ悪い顔)

朗利「ぷっ?!」

朗利「あ、あははあはは…………(そんな顔芸 反則だあああああ!)」プルプル・・・

長門「おお! 提督が笑った」ホッ

w:愛宕’「よかった♪」

ドレッドノート「フッ」

ドレッドノート「よし、ならば みなのもの! ここは1つ、1人ずつ自虐ジョークを披露しあおうではないか」

Y:龍驤’「は? 何やそりゃ?(――――――『自虐ジョーク』やて?)」アセタラー


ドレッドノート「では、そこの駆逐艦から自虐ジョークを言ってみよ」

Y:龍驤’「誰が駆逐艦やねん!!」ガンッ!

朗利「くくく、くくくく…………(すでにそれが自虐ジョークではないかぁああ!)」プルプル・・・

ドレッドノート「よし、次」

Y:龍驤’「え、あ、ちょっと……、えええ 何やそれぇ……」

X:鳳翔’「あ、えと、では、おひとつ――――――」コホン

X:鳳翔’「私、お母さんみたいだって生まれた時からずっと言われてきました」モジモジ

X:鳳翔’「ですから、将来の夢は『少しだけ子供扱いされてみたいな』って……」モジモジ

X:赤城’「あは、あはははははは! ほ、鳳翔夫人っ……!?」プルプル・・・

朗利「こ、これはっ…………!(それが艦娘なんだってわかっているけれど、本人の口から自虐ジョークとして言われたら――――――!)」プルプル・・・

ドレッドノート「次」

w:愛宕’「私って高雄型重巡洋艦の2番艦なんだけど、就役したのが早かったから愛宕型重巡って呼ばれることもあるんだけどね?」

w:愛宕’「高雄型重巡洋艦はぁ、これまで居住性を犠牲にしてきた従来の軍艦の乗り心地を改善するためのたくさんの工夫が凝らされてきたの」

w:愛宕’「そしたら、いろんなものが大きくなってちょっと肩が凝るようになっちゃって、いわゆる幸せ太りになっちゃった♪」テヘッ

Y:龍驤’「ンギィイイイイイイイイ!」

X:鳳翔’「…………ちょっとそれは意味が違う気がするのですけれど(――――――『幸せ太り』か。それができない身としては少し憧れがあるかも)」ドキドキ

朗利「くははははは……(うん、前級の妙高型のスレンダーさに比べたら確かに――――――どこがとは言わないけど)」プルプル・・・

ドレッドノート「わらわはドレッドノート! イギリス海軍卿:ジョン・アーバスノット・フィッシャーによって、」

ドレッドノート「斉射による『長距離砲戦に圧倒的に有利な』戦艦として世界に君臨する近代戦艦の祖なり!」

ドレッドノート「そんなわらわの輝かしい武功は『体当たりでドイツのU-ボートを1隻沈めた』という世界で初めて潜水艦を倒した戦艦ということよ!」ドヤァ

長門「なにぃいいいいいい!?(だから、あの【ボウガン】は………………空母水鬼を殴り倒すのにも役に立ってくれたがそういう由来が?!)」

X:加賀’「え、あれ? え、え…………?」

朗利「うんうん…………(やっぱり女王陛下の持ちネタはそれかぁー。いつ聞いても軍事関係者の俺の腹筋がヤバイ!)」プルプル・・・


――――――ありがとう、みんな。




――――――12月1日


朗利「さあ、みんな! あつまれ~!」ニコニコ

朗利「昨日1番の良い娘にこのアドベントカレンダーを開ける鍵を1つ渡そう!」

朗利「ちょっとしたプレゼントが24日分 用意されているから、これから12月24日までいい娘いい娘してた娘にあげるからねー!」

朗利「さあ、1番の最初の鍵を受け取ることができるのは、11月31日を特にがんばった娘だぞー!」

朗利「と言うわけで、――――――清霜ちゃん! 昨日の園長先生的MVPはきみだ! 昨日はたくさん戦功をとったからな」ニッコリ

清霜「え? え? え? 私?」キョトーン

「おおおおおお!」パチパチパチ・・・

朗利「はい。これ、1番の鍵だから1番の錠しか開かないからね」

清霜「あ、ありがとうございます、司令官!」キラキラ

金剛「My Principal ! Present for me !」ニコニコ

ビスマルク「アドミラール! これから毎日 私を見てなさいよ!」ドキドキ

長門「もっと頼ってくれてもいいんだぞ、提督?」フフッ

朗利「みんな! がんばっている娘なら、――――――ホントは嫌だけど、戦艦や正規空母のみんなにもあげるからねー!」ニッコリ

「おおおおおおおお!」ワーワー!

クレマンソー「………………」

酒匂「いいな~。私も欲しいな~」

朗利「大型艦のみんなにもチャンスがあるからこれから毎日がんばっていこー!(でも、クレマンソーは別だ。あの娘の心を慰めないと)」

清霜「な、何だろ何だろ~! 戦艦になれるセットとかかな~?」ワクワク

ガチャリ

清霜「…………袋? 中身は何だろう?」

朗利「はい、鍵と錠はこっちに」

清霜「ねえ、司令官。開けていい?」ドキドキ

朗利「ここでみんなの前で開けてもいいし、持って帰って自分だけの秘密にしていいからね」ニッコリ

朗利「プレゼントの中身は毎日 別なものが入っているから見せ合いっこするのもいいかもしれないよ」

清霜「ふぅん。それじゃ、清霜! 開けちゃいまーす!」キラキラ

朗利「そうか………………1番って何だったかな?」

清霜「じゃじゃーん! ――――――って、何これ?」ペラペラ

朗利「お、これは間宮さんのところに持って行って引き換えてきてね」

朗利「今日のプレゼントは『大人の雪見だいふくミニサイズ9個入 3種類セット 引き換え券』でしたー」パチパチパチ・・・

「おおおおおおおおおおおお!」パチパチパチ・・・・・・!

清霜「わーい! これで清霜も戦艦になれるかも!」キラキラ

暁「――――――『大人の』!?」ガタッ

響「なるほど、こういう一風変わったのがもらえるのなら毎日が楽しみかも」ドキドキ

清霜「でも、甘いものはちゃんとご飯を食べてからにしてね? そうじゃないと身体に力が入らなくなって活躍できなくなるからね」

清霜「園長先生と約束だぞ。朝ごはんや昼ごはんはちゃんと食べること、いいね? こういったお菓子はご飯の代わりにならないからね」

清霜「はーい! 清霜はちゃんとご飯 食べて戦艦になりたいから司令官との約束はちゃんと守るから安心して」ニコニコ

朗利「うん。いい娘だ」ナデナデ

清霜「えへへへ」




愛月「大好評でしたね、司令官」

ドレッドノート「まったくだね。うまい捌き方じゃないかい」

朗利「ありがとうございます」

愛月「ところで、どういった基準で選んでいるのですか? 全員の行動を全部 見て回る余裕はないですよね?」

朗利「基本的にはポイント制だ。ポイントが一定以上 溜まったらこちらの判断で1日1人だけプレゼントの鍵と交換するってやり方」

朗利「だから、昨日もらえなくてもこれまでがんばってきた娘は選ばれるまでずっと候補に入り続けてるわけ」

朗利「『昨日今日のMVPにあげる』とは謳ってはいるけれども現実的にそれは不可能だからね。だから、基本的に日々 積み重ねている娘を優先的に」

愛月「なるほど。参考になります」

朗利「でも、できるだけ駆逐艦にもらって欲しいからねぇ、修理係数で艦種ごとに差をつけてもいるんだけど」

ドレッドノート「具体的には?」

朗利「だから、戦艦は駆逐艦の6倍以上の働きをしないともらえないようにしてある」ニヤリ

ドレッドノート「へえ、それじゃこの誉れ高い弩級戦艦たる わらわがもらうことは難しいようね」

朗利「あなたには相談役を引き受けてもらっている代わりに、毎日の高級茶と茶菓子と場所を提供して最高級の待遇をしてあげてるでしょう!」

ドレッドノート「はっはっは、冗談よ、冗談。こういうのは高き者が低き者を励ますために行うものだからね」

ドレッドノート「つまり、これは上の者の慈悲で行われていることであり、」

ドレッドノート「その心遣いに異を唱え、我を張ってねだるのは卑しい者のすることさね」

朗利「さいでございますか(うわっ、女王陛下はビスマルクのことを完全に『卑しい者』だと断じてるな……)」

ドレッドノート「だから、日頃から主の施しを受けていることに恩を感じてる者であるのならば、もらえなくて悔しがるなんてことがあるはずがない」

ドレッドノート「あの大鳳って娘はよくそれを弁えている本当に良い娘ね。――――――大切にするんだよ」ニコッ

朗利「それには同感です。――――――あの無駄飯食らいの正規空母とは大違いです」フフッ


ドレッドノート「それで、これからどうするんだい?」

朗利「12月はEOマップ3つの攻略に専念します。それで【勲章】を12個にして【改装設計図】を3つ手に入れます」

朗利「ですが、攻略に必要な資源がまず足りませんので10日に1つのEOマップを攻略するような段取りにしようかと」

愛月「す、すみません、本当に……」

ドレッドノート「そうかい」

朗利「おそらくはこれまで同様、難なく【勲章】3つを手に入れることができるでしょう」

朗利「その【勲章】の使い道である【改装設計図】を誰に使うかについても、――――――もう決めました」

ドレッドノート「そうかい」フフッ

ドレッドノート「いい顔つきになってきたじゃないか、朗利」

朗利「ありがとうございます。これからも真の紳士を目指して努めていこうかと思います」

ドレッドノート「良い。そなたはそう在り続けろ。それがわらわと出会った運命の決定なのだから」

朗利「そうかもしれませんね」

朗利「では、愛月提督。朝はこれくらいにして今日の業務を始めようか」

愛月「はい」


それから俺たちはできる限りのことを精一杯こなしていくのであった。



――――――それから、数日が経って、


朗利「よし、順調だな」

愛月「はい。EOマップの攻略もこれまで通りに順調に進み、【勲章】もしっかりと確保できております」

朗利「いいぞ いいぞ。これなら順調に今月分の【改装設計図】の全てが手に入りそうだ」

愛月「それに、アドベントカレンダーのおかげでみんながやる気を出して奮起してくれてますので、いつも以上の成果が続々とあげられていますよ」

朗利「大成功じゃないか」

朗利「で、プリンツ・オイゲンの練度は今いくつだ?」

愛月「Lv40ぐらいです」

朗利「あともう少しだな。俺の鎮守府では利根型以外で唯一の重巡ってわけだから、これからの戦力の中心になってもらわないとな」

愛月「そして、【改造】後に持ってくる【あのレーダー】は――――――」

朗利「うん。まさしく『全ての電探が過去のものになった』だな」

朗利「早く欲しいなぁ。【あのレーダー】があれば何をするにしてもホント楽になるだろうからさ」

朗利「よしよし、今日も張り切っていきますか――――――」


闇魔改造妖精「よう、旦那。いろいろと捗ってるようですなー」


朗利「誰だね、きみは!?」ガタッ

愛月「いつの間に――――――!?」ドキッ

闇魔妖精「俺かい? 俺は世界一の【改造】技術を持っている改造妖精さ」

闇魔妖精「どうだい? 聞くところによれば、あの【世界建造妖精】が手掛けた【伝承艦】がここにいるって話じゃないか」

闇魔妖精「俺に【改造】をやらせてくれないかい?」

朗利「…………何が狙いだ!?」パチン!

大鳳「――――――!」サッ

闇魔妖精「おっと、俺は普段なら世界一の技術力 相応の謝礼をもらって【改造】を引き受けてはいるがよ、」

闇魔妖精「今日だけは特別大サービスなんだぜ? ――――――タダで【改造】を引き受けてやるよ、1回だけ」

愛月「どういうことかしら?」

闇魔妖精「俺も技術者の端くれでな、【世界建造妖精】にしか【建造】できないという【伝承艦】というやつに興味があってな」

闇魔妖精「俺の世界一の【改造】技術力を証明するために、【伝承艦】の【改造】をこの手でしたいと思ってはいたんだが…………、」

闇魔妖精「せっかく手に入れた【伝承艦】にはまだ手を付けてはいないんだろう?」

愛月「そ、それは…………」

闇魔妖精「――――――図星だろう?」

朗利「…………それで?」

闇魔妖精「これは取引だよ」


闇魔妖精「俺は【伝承艦】をこの眼で確かめたい。その拝観料に1隻だけ俺の世界一の【改造】技術力をもってして【改造】してあげようじゃないか」


朗利「なに?」

闇魔妖精「いい取引だと思わないか? ま、【改造】にかかる資材はそっちが持ってくれよな。俺は技術力しか提供できないからな」

愛月「どどどどどどうしますか、司令官?」ヒソヒソ

朗利「待て、慌てるな。こういうのは互いの意思疎通を深めてからだ」ヒソヒソ

大鳳「はい。ここは慎重に……」ヒソヒソ


朗利「そこまで自信があるのならば、どれだけお前の【改造】技術力が凄いのかわかりやすく言ってみろ!」

闇魔妖精「お、食いついたか。んじゃ、聞いて驚くなよ?」


【応援/闇魔改造妖精】による【改造】追加効果

・ 効果は次の【改造】にのみ適応される(つまり、一度の【応援】につき一度きり)

・ 練度がLv5足りなくても【改造】できる(ただし、足りなかった分だけ【運】が下がる:最低値までは下回らないのでご安心を)

・【近代化改修】がリセットされない

・【改装設計図】が無くても【改造】が可能(向こうがあらゆる【改造】の仕方を心得ているために)


※通常の【応援】で呼ぼうとすると法外な謝礼を求められるが、条件を満たすと自分から【応援】に来てタダで働いてくれることがある


朗利「なんだと!? ――――――【改装設計図】が要らないのか?!」メメタァ

闇魔妖精「俺は『世界一の【改造】技術を持っている』と言ったはずだ」

闇魔妖精「世界中の艦艇の造船技術を心得ているからそれぐらいのことは実に容易い」

朗利「だ、だが、どうして【伝承艦】の拝見だけでほとんどタダ同然で【改造】を引き受けてくれるのだ?」

闇魔妖精「何 寝言を言っている、貴様?」

朗利「?」

闇魔妖精「【伝承艦】――――――いや、あの【世界建造妖精】が【建造】したのだぞ!? 貴様は、その価値を全然 理解してないな?!」

愛月「そ、そんなに凄い妖精さんだったんですか?(【海外建造妖精】が“師匠”と呼んでいるぐらいだったけれど、そんなに――――――?)」

闇魔妖精「馬鹿野郎! 【世界建造妖精】って言ったら妖精界における伝説の巨匠、生ける神なんだぞ!」

闇魔妖精「俺たち妖精がどれだけ自分たちの手で最強の艦娘を創り出そうとしても、あの【世界建造妖精】が常にその上を行く【建造】をするんだ」

闇魔妖精「だから、妖精たちの間では【世界建造妖精】の技術にどれだけ近づけるか、あるいは技術を盗めるかで躍起になってるんだ」

闇魔妖精「旦那も【伝承艦】を持っているのならば、【世界建造妖精】の【建造】した艦娘の異様さを一目見ただけですぐに理解できただろう!」

闇魔妖精「それとも、それはただの風のうわさでしかなかったというわけなのかい?」

朗利「…………!」

朗利「た、確かにモンタナやインコンパラブル、ハバククは明らかにこの世のものとは思えない艦娘ではあったな……」

大鳳「…………どうします?」

朗利「艦隊のリストを持ってきてくれ」

大鳳「わかりました」

愛月「ど、どうしましょう、司令官! これは誰を【改造】させてあげるべきか――――――」

朗利「いや、そんなのは決まっている」

愛月「え、本当ですか?」

朗利「俺が【改造】に指名するのは――――――!(そう、この胡散臭い【改造】の安全性を確かなものにするためには――――――!)」






利根改二「吾輩が利根改二である! ふふふ、礼を言おう。これで筑摩のやつよりまた強くなってしまったな」ドヤァ



筑摩「姉さん、似合ってますよー」ニコニコ

闇魔妖精「どういうことだ? どうして俺がこんなショボイやつの【改造】を引き受けねばならなかったのだ……」

筑摩「ああ 良かった。姉さんに何かあったらどうしてやろうかと思ってましたから」ゴゴゴゴゴゴ・・・

闇魔妖精「…………なるほど。俺への監視を込めてこの人選か」

闇魔妖精「ま、やることやってちゃんと拝観料 払ってやったんだから、約束通り【伝承艦】見せてくれよな」

朗利「わかってる。それじゃ行くぞ(これは嬉しい誤算だったな。【改装設計図】が1つ必要なくなった!)」

朗利「それじゃ愛月提督、筑摩のやつにも【改造】を頼む」スッ ――――――【勲章】×4 =【改装設計図】1枚分

愛月「わかりました。間違いなくやっておきますね」

朗利「うん」ニッコリ

朗利「それじゃ、大鳳も来てくれ」

大鳳「はい」ニッコリ

朗利「どうした、大鳳?」

大鳳「いえ、今日は本当に嬉しそうな笑顔を見せてくれましたから、つい……」

朗利「そうか。――――――いつもありがとう、大鳳」

大鳳「その……どういたしまして」ポッ

朗利「よし、行こうか」

闇魔妖精「へへ、また機会があれば、――――――これからも旦那? 俺のこと、ご贔屓にお願いしますよ?」ニヤリ





――――――12月20日


朗利「うふふふふ、――――――悲しい」ズーン

Y:龍驤’「せやな」

朗利「クリスマス仕様の艦娘が一人もいない…………時雨改二なんてまだ持ってないよ~」メメタァ

朗利「ちくしょう――――――漣って誰それ? “ツチノコ”狩りがまるで成功しない! クリスマス期間終了まであとわずかなのに!」メメタァ

朗利「そして、このY:龍驤は【派遣】艦だから【秘書艦】にできないからクリスマス仕様を堪能することもできない!」メメタァ

朗利「そのついでのはずの【プレゼント箱】ドロップだが、――――――こんなに【プレゼント箱】なんていらないよ、もう!」メメタァ

朗利「何これ、ボスドロップでこんなにも簡単に手に入っちゃうものなの!?メメタァ

朗利「もう10個以上あるけど、実質的にこれ、――――――劣化【勲章】じゃないか!」メメタァ

朗利「俺はボスドロップでレア艦狙いだってのに、全然このクリスマスキャンペーンが嬉しくなかった……」メメタァ

朗利「むしろ、誰に対する【プレゼント箱】なんだよー、これぇ!」

朗利「かぁー! 恵まれない!」

Y:龍驤’「まあまあ、きみぃ。今日で予定通り3個目の【勲章】を手に入れることに成功したんやし、今日はノルマ達成を祝お?」

X:鳳翔’「今月もお疲れ様でした」

w:愛宕’「うふふふ♪」

朗利「ぬぅ……、いつもいつもありがとうございます」


朗利「【勲章】は残り8つ――――――、残ったのはビスマルク改二、クレマンソー、インペロか」

朗利「ビスマルクはともかく、クレマンソーとインペロ――――――、練度が足りてないんだよなー」

朗利「使いづらい! ひたすらに! どっちも!」

朗利「クレマンソーは【戦艦】なのに駆逐艦以下の性能とスロットしかないから女王陛下のように主砲ガン積みで火力を補うことも難しいし、」メメタァ

朗利「インペロは【標的艦】だから集中攻撃を受けやすいのに、修理コストも出撃コストも重いから経験値を与えるだけでも一苦労だよ!」メメタァ

朗利「どっちも本格的な【戦艦】としては未成艦のまま世に生まれ出てしまった経緯があるからしかたがないんだけれども…………」

朗利「前にやってきた【闇魔改造妖精】の世界一のあの【改造】技術力をもってしても、こう練度が足りなくちゃあなぁ………」メメタァ

Y:龍驤’「うちらとしてもどうにかしてあげたいんやけどなぁ……」

朗利「【出撃】が難しいならひたすら【演習】で頑張らせるしかないんだろうけど、この調子じゃあと何ヶ月掛かることやら……」メメタァ

朗利「あるいは、鎮守府海域を潜水艦と同伴で回らせるか――――――」

w:愛宕’「う~ん、どうしようねー」

朗利「別に、無理して戦場で活躍させる必要なんてないんだ」

朗利「ドックを開放してこの鎮守府も格段に広くなったことだし、無理に戦場に出なくたって置いとける場所ならちゃんとあるんだ」メメタァ

朗利「それに、【戦艦】なら元から長門とビスマルクがいることだし、愛月提督の配下には比叡と金剛の姉妹がいる」

朗利「女王陛下は装備次第で低燃費で超火力を叩き出せるという鳳翔夫人と肩を並べる燻し銀で周回要員として安定してるし、」

朗利「――――――これ以上、【戦艦】なんて育てる必要なんてないんだよな」

朗利「それよりも、艦隊決戦戦力としての【正規空母】や【潜水艦】の方が欲しいぐらいだ」

X:鳳翔’「そうですね。【戦艦】はコストが重い上に【正規空母】や【潜水艦】のような先制攻撃ができませんからMVPもとりづらい……」メメタァ

朗利「俺は少数精鋭プレイしつつも、できるだけ【駆逐艦】のみんなにも活躍の場を与えるようにはしてきたんだ」メメタァ

朗利「そこに大なり小なりの贔屓があったとしてもだよ?」

X:鳳翔’「わかってます」

X:鳳翔’「それよりも、12月23日までにノルマが達成できてよかったです。年末年始も忙しいことですし」

朗利「あ、そっか。あと3日で『司令部』で報告会だったな…………報告書の整理をしておかないとな」

ピンポンパンポーン!

w:愛宕’「あら?」

Y:龍驤’「お、珍しい」

――――――
愛月「司令官! 至急 司令室に来てください! 西方海域から謎の救難信号を傍受いたしました!」
――――――

朗利「なに?(――――――【西方海域】か。欧州へ至るには避けては通れない大洋)」チラッ

【派遣】組’「…………」コクリ

朗利「それじゃ!」


タッタッタッタッタ・・・



――――――司令室


愛月「司令官」

朗利「で、……何が『謎』なのだ?」

愛月「それが――――――」

ドレッドノート「【カスガダマ沖】から2つの救難信号が確認されてはいるんだけど、どちらも【スペイン籍】なんだよ」

朗利「――――――『スペイン』?」

朗利「スペインって言うと、ヨーロッパ大陸の西端のイベリア半島のデカイ方の国だったよな? 小さい方がポルトガルって国で」

ドレッドノート「そう。かつて我が大英帝国は大航海時代で新大陸の開拓で勢力を誇っていたスペインの無敵艦隊を破ったことで、」

ドレッドノート「海洋国家としての覇権を得ることができ、世界に冠たる国の栄光を掴むことができたんだよ」

朗利「それで、救難信号なんだろう? 近くに展開している友軍艦隊に連絡を入れて救助に向かわせよう――――――それだけの話だろう?」

愛月「それが、【西方海域】全体に展開している我が皇国の艦隊の半数以上が本国に帰還しておりまして――――――」

朗利「――――――クリスマス休業かよ!?」

ドレッドノート「まあ、第一次世界大戦でもクリスマス休戦があったからしかたないね」

朗利「(でも、確かに【西方海域】は今のところEOマップがないし、一度行ったらクエストでもない限りそれっきりの提督は多いからな……)」メメタァ

朗利「(それに、あの【カスガダマ島】の装甲空母鬼の存在を踏まえると、『二度と来たくない』と思っている提督も少なからず いて当然…………)」

朗利「(現在の防衛圏においても最果ての海だから、元々ここまで足繁く艦隊を展開させている鎮守府も少なくて、半数以上が――――――)」


朗利「わかった。すぐにでも我が鎮守府の艦隊を出撃させよう」

朗利「座標は特定できているのか?」

ドレッドノート「それが妙なんだよねぇ」

朗利「――――――『妙』だって? それが最初に言っていた『謎』ってことですか?」

ドレッドノート「そう。同じ【スペイン籍】でありながら航路が同じじゃないんだよねぇ」

愛月「座標に表すと、【カスガダマ島】に隣接している大陸のE地点と【カスガダマ沖】のJ地点からなんです」※攻略Wiki参照

朗利「――――――単純に船団からはぐれたんじゃないのか?」

愛月「司令官、最初にこの不可解な救難信号の傍受の報告を受けて、たまたま近くにいらっしゃった女王陛下と一緒に確認していたのですが……」

ドレッドノート「わらわは仏語・独語・西語にも堪能ぞ。故に、すぐに【スペイン籍】なのはわかった」

ドレッドノート「だがどうも、仲間割れを起こしているのか、片方がもう片方の救助をしないように名指しで明確に訴えてきてねぇ」

朗利「???」

ドレッドノート「どうも高度に政治的な事情が介在しているらしい」

朗利「…………?」

ドレッドノート「つまり、こういうことさね、司令官よ」


――――――助けるか? それとも、我 関せずで見殺しにするか?


朗利「そんなの知ったことか!」

朗利「国際法に基づいた救難信号を出しているのなら、海洋国家の船乗りの倫理に則って誰であろうと助ける!」

朗利「どういった理由で同じ国籍同士で争っているのかなんていうのは二の次だ」

朗利「現代の世界中の航海の安全の一切を担っている海洋警察の一角である我が皇国海軍の責務を果たすだけ!」

ドレッドノート「そうかい」フッ

朗利「一刻を争う! E地点とJ地点それぞれに艦隊を派遣するぞ!」

朗利「作戦指揮はこの際、俺と愛月提督で分担して行う。E地点の救助には愛月提督が担当してもらう!」

愛月「わかりました! すぐに艦隊を編成して出撃させます!」

タッタッタッタッタ・・・


ドレッドノート「最初に【カスガダマ】を攻略した頃に比べて、ずいぶんと貫禄が出るようになってきたじゃないか」

朗利「変わり続けることを教えたのは他ならない女王陛下でしょう?」

ドレッドノート「それもそうさね」

ドレッドノート「でも、わらわは見守る者として子の成長を見届ける義務があり、その成長を喜ぶことも義務付けられてもいるのだぞ?」

朗利「…………女王陛下」

ドレッドノート「それに、だ」フフッ

朗利「?」


ドレッドノート「こうやって自分好みに男子が育っていくさまを眺めるのは次代に思いを馳せる者として最高の贅沢だよ」ニヤリ


朗利「…………そ、そうでございますか(どちらの意味にもとれる――――――じゃない。どちらの意味も含めてるんだ、これ)」アセタラー

朗利「あ、そういえば――――――(これがウィットに富んだ表現が得意なブリティッシュならではの言い回しってことか)」

ドレッドノート「どうしたんだい?」

朗利「要救助者について何も聞いておりませんでした。呼びかけをするために要救助者名を教えてください」

ドレッドノート「そうだったねぇ……」

ドレッドノート「確か、こっちの大陸の方からのは“バレアレス”、沖の方のやつは“リベルタード”って言ってたかな」

朗利「――――――およそ人名とは思えない響きだな」

ドレッドノート「だろうねぇ」

朗利「え」

ドレッドノート「“バレアレス”はスペイン領の西地中海の群島であるバレアレス諸島のことだし、」

ドレッドノート「“リベルタード”はスペイン語で『自由』を意味する言葉だからね」

ドレッドノート「それでいて、自身がまるでそれであるかのような若い女性の口の利き方――――――」

朗利「――――――【スペイン艦】!?」

ドレッドノート「そういうことだろうねぇ」

ドレッドノート「それじゃ、迎えに行ってきてあげな」

ドレッドノート「わざわざ欧州から来訪してきた珍しい御客人なのだから」

朗利「わかりました! 俺も艦隊編成を急がないと!」

タッタッタッタッタ・・・

ドレッドノート「さて、【スペイン艦】ねぇ」

ドレッドノート「無敵艦隊を破られて覇権国家の座を我が大英帝国に明け渡した後の凋落ぶりからして、」

ドレッドノート「純国産の弩級戦艦すらないような時代遅れの気がするけれど、」

ドレッドノート「今の拓自鎮守府には十分すぎるほど【戦艦】がいることだし、ちょうどいいのかもしれないねぇ」

ドレッドノート「ふふふ、ここで迎えるクリスマスは実に楽しいものになりそうだよ」


――――――第7話Z 到来  -アドベント- 完

       Next:第8話  12月23日 -三笠公園にて- に続く!




・【伝承艦】について、
【伝承艦】とは、世界的に有名な歴史的意義のある艦船や伝説的な未成艦のカテゴリーであり、
【海外艦】の有名所や未成艦のみならず、戦艦:大和や軽巡:夕張、重巡:古鷹のような史実に名を残すような国産艦も含まれている。
つまり、八八艦隊や改大和型戦艦も公式で実装された場合はこの【伝承艦】に分類される可能性が非常に大きい。

【異界艦】とは異なり、日本を中心とした架空戦記のために存在するのが【異界艦】のために、まず【海外艦】が【異界艦】として召喚されることはない。
そのために、【異界艦改造】には対応しておらず、【改造ボーナス】もそこそこのものが与えられているのが特徴。
大和型戦艦に匹敵するようないろんな意味であれな強者揃いなのでその分だけ運用コストに頭を悩まされるものが数多いが、
それだけに初期能力だけでも旧来の深海棲艦と互角・圧倒できるだけのふざけた戦闘能力を最初から備えている。
【異界艦】の理論値と互角あるいはそれ以上の存在がいるので、実質的に最強の艦娘を国籍関係なく取り扱えるのが【伝承艦】の魅力である。

【レア応援】である【世界建造妖精】が来た時にしか【建造】できないので入手自体が極めて困難となっている。

あくまでも【艦これ】というゲームで最強なのは戦艦:大和というスタンスを崩したくないがための【伝承艦】であり、
【異界艦】や【海外艦】とは異なり、確実な入手手段などない超隠しキャラたちなので手に入れることができたら超ラッキーである。
古今東西の超強力な艦娘を国籍・未成問わずに扱えるのが【伝承艦】であり、重要なのは海外の大和超えの未成艦が扱えるという点である。


・【伝承艦】についてのまとめ
0,【異界艦】は日本を中心にした架空戦記【異界】の中における存在であり、【伝承艦】は歴史資料に基づいて現代に復活した超常存在という扱い
→ 実際に建造されたのか 実際に運用できたのかという問題をすっ飛ばして登場しているので素敵性能・浪漫性能・ぶっ壊れ性能のオンパレードである
1,【レア応援/世界建造妖精】が来た時にしか建造できない
→ 超運ゲーである【艦これ】の極み。手に入れることができる提督は果たして何人いるのか?
2,大和型戦艦に匹敵するオーバースペックの艦娘が勢揃い
→ 国内外の実在艦や未成艦を問わず含んだカオスな内容であり、自国艦である赤城や大和がハズレ扱いされるとんでもないラインナップ
3,持ってくる装備もいろいろとオカシイ
→【伝承艦】限定の装備を持ってくるのがほとんどなのでそういった意味でも大変レアである


【レア応援/世界建造妖精】が来た時にしか【建造】不可! 繰り返す、【世界建造妖精】が【応援】に来た時にしか【建造】できない!


本編においては、ここで拓自鎮守府の抜群の運の良さが発揮され、雲の上の存在とも言える【伝承艦】限定艦娘を確保することに成功している。
しかしながら、圧倒的な性能と引き換えのそれ相応のとてつもない運用のしづらさに振り回されることになり、
【海外艦】の主力艦のほとんどが【改装設計図】を要求し、【伝承艦】のほとんどがケタ違いの膨大な運用資源を要求するという、
とてつもない二重苦が発生し、戦力が不揃いながらもそれでも何とかやってこれた朗利提督がひきつけを起こすのも当然のことである。



・【海外艦】について
この物語風プレゼンに登場するのはいずれは公式で実装されるであろう各国の代表的な艦船は避けて2016年までには実装されないような人選となった。
そして、今作における【海外艦】の新たな導入の水先案内人が新たに【建造】できるルイージ・トレッリとなる。
また、属性タグによって各国の属性が付与されることになり、国産艦でもその国と縁がある艦娘を起点に【海外艦】を【建造】しやすくなった。

・属性の解説および国ごとの特色(プレゼンターの予想)

1,【海外艦】
【海外艦】共通の属性。当たり前のように思えるが、金剛のような海外産やヴェールヌイのような賠償艦には存在しない。

2,【ドイツ艦】
質実剛健なドイツ艦の属性。世界一ィイイイイなドイツ軍の艦娘なので圧倒的な存在感を放つ艦娘か実直な性格の艦娘のどちらか両極端に分かれる。
あまり華やかな軍服ではないのも特色だろう。同じ枢軸国としてそれなりに当てにされていたために親日的で友好的な艦娘が多数。

最初の【海外艦】であり、その導き手となったZ1や目玉となったビスマルクの実装などで日本としては非常に馴染み深い。

3,【イタリア艦】
ヘタリア。イタリア海軍はいろいろアカン。全体的にラテン系の楽天的なノリの華やかな美貌が特徴的だが、どこかザンネンな雰囲気が漂う。
大型艦ほどそれが顕著であり、小型艦ほど結構真面目という傾向がある。史実を見ればわかるがそれが大戦時のイタリア海軍の実態である。
更に言えば、イタリア唯一の超弩級戦艦:ヴィットリオ・ヴェネト級は戦闘力はフランス最新鋭のリシュリュー級に並ぶものがあるが、
実は地中海で戦うことしか念頭に置いてないので巡洋性が圧倒的に低いという列強の軍艦にあるまじき行動範囲の無さが光っている。
ただ、その航続力の無さは【燃料】の良さに繋がっており、【艦これ】的にはリシュリュー級に匹敵する砲火力を持ちながら【燃料】が安いという利点に繋がる。

また、潜水艦:ルイージ・トレッリが条件を満たせば通常の【建造】で手に入るようになるので、【海外艦】の守り手としてお世話になることだろう。

4,【フランス艦】
あまり知られていないが、イギリスを中心とする連合国の艦隊と枢軸国認定で交戦経験があり、ダンケルク級戦艦の戦いはそこで描かれている。
これはフランスがドイツの電撃作戦によってあっという間に陥落したせいであり、史実では艦隊決戦こそは実現しなかったが、
連合国側と枢軸国側に分かれたフランス艦が存在しており、基本的に枢軸国側に接収されたフランス艦には【ドイツ艦】属性がついている。
それ故に、フランス艦は全体的に複雑な感情が入り混じっており、また未成艦のまま戦場に出されて戦ったという異色の経歴の艦も存在するので、
実は【海外艦】の中では【艦これ】的に最も異色な要素が存在するのがフランス艦である。

性能自体はさすがは列強の一角を占めるフランスの堅実な設計なだけあり 実に申し分がないが、
皮肉なことに、枢軸国側に接収されて【ドイツ艦】属性がついたフランス艦を起点に【建造】されていく可能性が非常に高い。

5,【イギリス艦】
かつてスペインの無敵艦隊を破り、世界一の海洋国家になった伝統あるロイヤルネイビーなだけあり、信頼と実績のある艦娘が多数存在。
有名所なのであえて語るべきところはないが、実は【海外艦】の中では【艦これ】開始直後のたった2回の【建造】で手に入る可能性がある

戦艦:金剛が【イギリス艦】属性なので、彼女を引き当てて【秘書艦】にして【建造】すれば【イギリス艦】が手に入る可能性が出てくるからだ。

イギリス連邦のシーレーン防衛のために居住性(意味深)を重視しているのが有名であり、それ故に服装や胸部が豊満豪華なのが特徴的。
また、イギリスという実に属性豊富なお国柄なので、紳士(意味深)であったり伝統に意固地だったり皮肉屋だったり個性豊かなキャラ付けができる。

6,【アメリカ艦】
【艦これ】的に深海棲艦のモデルなのだが、いずれは登場するだろうということで1つ予想してみた。
デカさこそ正義――――――パワーこそ正義なお国柄なので、全体的に筋肉美やヒーロー性、あるいは軍人としての威厳が光る艦娘像が想像できる。
もしかしたら、一番のイロモノ【海外艦】になるやもしれない。

7,【ロシア艦】
実は第二次世界大戦当時ですら国産超弩級戦艦なんてものは存在しない、艦隊決戦マニアからすればかなりつまらない海軍である。
なにせロシアというよりソ連は当時できたばかりだし、伝統的な内陸国で陸軍の方が重要だったので。
しかし、沿岸海軍の戦力として潜水艦の活用が活発であり、それゆえに世界最大の潜水艦隊を保有していた。
なお、当時のソ連としても水上艦隊戦力の創設も列強としてやっておきたかったが、
共産主義国として世界から孤立していたのでなんとイタリアとドイツに技術提供を受けて主力艦を造ろうとしていた。そして、結局 未成艦である。
戦後になってから、現代でも知られるような原子力艦でひしめく大艦隊が編成されることになる。

8,【スペイン艦】
実は出すべきかどうか悩んだが、第二次世界大戦でのイデオロギー対決を語る上で欠かせないスペイン内戦からご登場してもらった。
ただし、海軍力は列強に及ばないレベルであるし、大戦時は中立を保っていた上にファシスト政権だったので戦後も孤立無援で装備も旧式のままである。
また、戦艦や正規空母すらないレベルなので、かつての無敵艦隊の威容はすでにない。そもそも軍縮条約にすら入っていない蚊帳の外状態である。



・【海外艦】の入手方法《改定》

0,【海外艦】である艦娘を【秘書艦】にして【建造】する
基本的なやり方。ただし、当然ながら元となる【海外艦】がいなければ実現できないので、まずはその【海外艦】を得るところから始まる。


1,【海外艦】の導き手である駆逐艦:Z1を獲得する
公式でのやり方なので省略するが、最低でも潜水艦隊を編成できるレベルである必要がある上に一度しか実行できないので、
かつてはZ1をロストしたらそれでビスマルクとZ3を獲得する道が絶たれることになった。


2,【海外建造妖精】を【応援妖精】で招いて【建造】
【海外艦】が数多く建造されるリストに修正してくれる。金剛のような外国生まれや響などの賠償艦で外国に譲渡された艦娘も含まれている
必ずしも最初から【海外艦】属性を持っている艦娘だけが造られるわけではないので、少し注意が必要。

開放条件:いずれかの条件を満たすと開放
1,戦艦:金剛とそれ以外の【イギリス艦】1隻が所属
2,駆逐艦:Z1とそれ以外の【ドイツ艦】3隻が所属
3,潜水艦:ルイージ・トレッリとそれ以外の【海外艦】3隻が所属

極めて緩い条件で開放される建造妖精であるが、それだけ謝礼も割高。
しかも、【海外艦】の主力艦のほとんどが【改装設計図】を必要としてくるので、提督になりたてのユーザーにとっては巨大な地雷である。
ただし、戦艦:ドレッドノートや潜水艦:ルイージ・トレッリのように低燃費で有用な艦も入っているので中盤以降から安定してくることだろう。
序盤で戦艦:金剛を手に入れて金剛を【秘書艦】にして【イギリス艦】を引き当てるだけで最短2回の【建造】で開放条件が達成できる。


3,戦艦:金剛を【秘書艦】にして【イギリス艦】を【建造】する
新たに戦艦:金剛に【イギリス艦】属性が付与されているので、彼女を【秘書艦】にして【建造】すればいずれは【イギリス艦】が獲得できる。
何度も書いているが、最短2回の【建造】で【海外艦】(【イギリス艦】限定)の入手が実現できるので序盤で狙ってみるのも乙か。


4,潜水艦:ルイージ・トレッリを【建造】する
条件が極めて緩く、どちらかの条件を満たすと建造リストに追加される優秀な【海外艦】。
このルイージを引き当てることによってZ1をロストした状態でも【海外艦】が【建造】できるようになるという特徴を持つ。

開放条件
1,司令部レベル50以上
2,【潜水艦派遣による海外艦との接触作戦】達成 = 駆逐艦:Z1獲得


――――――【異界艦】>>538-541)と比べると【海外艦】に関することは本当に条件が緩いでしょう?



陣営紹介Z&z 拓自鎮守府+海外勢
本来ならば駆逐艦全てを愛でる少数精鋭プレイの鎮守府だったのだが、どういったわけかリアルラックに恵まれすぎて、
【海外艦】が続々と【建造】されていくことになり、果ては【伝承艦】というトンデモ軍艦を大した苦労もせずに獲得してしまっている。
当初の鎮守府の運営方針に反する明らかにやりすぎな望まない戦力増強に頭を悩ませながらも、かつてのロリコン提督は真の紳士へとなることができるのか?

もう1つの特色として、外部戦力(=【派遣】【海外艦】)をふんだんに取り入れているところも目立った点であり、
縛りプレイの反動とはいえ、他の優秀な鎮守府の艦娘による力添えを受けて戦力の安定化を図ることに躊躇いがないのも大きな長所といえる。
また、彼のリアルラックが成せる業で、徐々に鎮守府の主力艦が【海外艦】で順調に埋まっていくことになり、
かくして、拓自鎮守府の戦力は図らずも主力が世界に類を見ない多国籍艦隊へと変貌していくのであった…………

ちなみに、鎮守府主人公である朗利提督と副主人公である愛月提督の所属艦娘は元々が1つのアカウントで分担プレイしている背景もあり、
あまり区別する意味もないぐらいに仲良く協力しあえており、片方が原作をプレイしている一方で もう片方が二次創作に精を出しているようである。


朗利提督/朗利園長
4提督の中では一番の凡才であるが、それ故に物語開始時と比べるとかなり性格や精神性の変化が見て取れる人物である。
うっかり大破進撃させてビスマルクを轟沈させかけるという失態、ボス級深海棲艦による鎮守府急襲、戦艦:ドレッドノートとの出会いを経て、
良い意味で紳士的な人柄に成長していき、当初のガチペドロリコンっぷりは鳴りを潜めてしまっている。
元々 提督になった一番の理由も、艦娘の純真無垢な一面に惹かれていたからであり、ロリっ娘が好きなのはその副産物でしかない。
それ故に、傾向からして歳を食ってませた艦娘に対しては否定的な感情が強い。それでも、人間にはない純粋なところはちゃんと見ている。

4提督の中では軍人としての威厳に乏しく 最も軟弱ではあるものの、女性の心を鷲掴みにできるお菓子作りという特技に加えて、
基本的に柔和で艦娘に対して尊敬と引け目を感じていることによる謙虚さから、実は【海外艦】を取りまとめるにはずば抜けた武器となっており、
世界共通言語である甘菓子による制圧力と謙虚さからくる誠意を込めた対応による懐柔策が無意識ながら自然にできているのだ。
また、戦術指揮は不得意であるので最初から戦闘は艦娘たちに一任して、自分は全力で戦えるように心を砕いていることから、
最初はかつての精鋭たち実力派の艦娘から軽く見られるものの、月日を重ねるに連れて次第に居心地の良さを覚えるようになり、
いつの間にか彼の作る毎日の3時のおやつが楽しみになり、悪態はつくものの何だかんだ言って満足に戦えるように手配してくれる彼の手腕に惚れ惚れし、
自分の実力に自信を持っている艦娘ほど朗利提督の小さな艦隊司令官の在り方に納得していくようになるのだ。
また、ガチペドロリコンの気から、年頃の女性の裸を見ても下心がいっさい湧かず、冷静に紳士的に対処できてしまえるので第一印象は凄まじく良く、
標的艦:インペロをはじめとして、その下心のない誠実な対応と絶妙な味わいのお菓子と茶でもてなされてすぐに心が傾くことになった。

何だかんだ言って、特技のお菓子作りと提督だからと言って無闇矢鱈出しゃばらずに自分に精一杯 出来るだけのことをする誠実な対応こそが、
実力派の艦娘たちすらも感服するほどの居心地の良さを醸しだしており、普通の軍人然とした提督にはない“柔”の魅力を放っている。
そういう意味では、天性の才能を持つ“りう”には及ばないものの、それに近い普遍的な人心掌握術を備えており、
彼自身が自覚している未熟さからくる誠心誠意と己の分をわきまえた開き直った立居振舞が逆に彼の魅力に繋がっていることになる。

ちなみに、リアルラックが4提督の中ではずば抜けて高いことが特徴であり、本編中でもそのことを示唆する内容がいくつも登場している。
それが最大の長所であり、裏を返せば 能力不相応の戦力を手に入れてしまったことへの周囲の羨望の眼に対する怯えにも繋がっており、
良くも悪くも、朗利提督は常に自分の弱さと向き合い続けることになり、それが不断の謙虚さの誠心誠意に繋がり、彼の魅力の源泉ともなっている。



駆逐艦:雷
戦力の中心が他の鎮守府同様に強力な大型艦に移り変わっていくに連れて、これまでの主力であった雷の出番もなくなっていき、
朗利提督の【ケッコンカッコカリ】も辞さない一番のお気に入りの艦娘の割には影がすこぶる薄い。
ただし、依然として朗利パークの支配者としての存在感に陰りはなく、攻略メンバーから外れただけで拓自鎮守府の大多数は雷の影響下にある。


装甲空母:大鳳
朗利提督の大のお気に入りであり、秘書艦を務めているのが彼女であることが多い。
慎み深く、提督への敬愛と配慮を絶やさない健気な性格はまさしく部下の鑑であり、慢心が目立つどこかの正規空母とは大違いである。
物語開始以前の少数精鋭プレイで長門、五十鈴の後に【大型艦建造】の2回目で引き当てたことから貴重な航空戦力として長らく艦隊を支えてきており、
もし、出会う順番が違っていたのなら【ケッコンカッコカリ】もあり得たかもしれないぐらい朗利提督から信頼されている。


戦艦:長門
拓自鎮守府を長らく支えてきた精鋭であり、最初の頃はガチペドロリコンの朗利提督のことを軽く見ていた。
しかしながら、これまでメンバー固定の対空能力不足の少数精鋭プレイで数多くの海域を突破してきたという実績とその強運さ、
朗利提督が苦肉の策として行い続けてきた日々のおもてなしによって、徐々に彼の下にいる居心地の良さを強く感じていくことになり、
ついには朗利提督の趣味に染まってしまい、完全に“ながもん”と化して朗利提督への忠誠を固く誓うことになった。

第6話Xにおいて登場していた長門がこの拓自鎮守府の長門であり、“りう”とかつて生き別れた【八八艦隊】の面々との時空を超えた遭遇を経て、
ガチペドロリコンの朗利提督と同類の“ながもん”から徐々に本来の連合艦隊旗艦らしい威厳と落ち着きのある性格になりつつある。

何だかんだ言って、大和よりも長生きしている長門にはそれだけの歴史性とドラマと逸話があることから今回のような話が拡がり、
また、“ながもん”とネタキャラにもなっている艦娘図鑑№1の長門の存在感の大きさは大和の存在よりもひらすら偉大であることが思い出させた。
オスカー・ワイルド「話の種になるよりも悪いことが1つだけある。話の種にもされないことだ」

ちなみに、あれ以来【衝角/ドレッドノートのボウガン】で深海棲艦を一撃で殴り倒すグラップラーとなっており、秋イベント攻略の要となっていた。


戦艦:ビスマルク
ヨーロッパ最強の軍艦であり、ヨーロッパ戦線で最も有名なドイツ艦でもある。
キャラ人気はプリンツ・オイゲンという強烈な妹分の登場で、株のほとんどがオイゲンに移ってしまった感が否めないが、
戦術的にもコレクション的にも現在 唯一の改三にして【戦艦】の【雷装】持ちなので、手に入れたらもれなくレギュラー確定の強キャラである。
しかしながら、ネックなのが【改装設計図】が累計2枚も必要になってくる点であり、いろんな意味で印象づけに余念がない仕様である。
この物語風プレゼンではビスマルクのこのゲーム上の特徴だけでさまざまな話の種になっており、
さすがは公式が最初に実装した【海外艦】なだけあり、立ち位置が艦娘№1の長門とそっくりであり、話題性にもよく長けているものだと感心する。

本作においては、まさしく拓自鎮守府のメインヒロイン的立ち位置であり、基本的に拓自鎮守府のストーリーのほとんどが彼女が起点になっている。


戦艦:ドレッドノート
拓自鎮守府の戦力増強に伴い、雷の影響力が弱まってきたのを境に現れた、大艦巨砲主義の先駆者である世界で最初の弩級戦艦である女王陛下。
この物語においては、まだ見ぬ戦いに挑もうとする提督たちを導く解説役の一人であり、それ故に物知りおばあさんのような立ち位置を獲得している。
弱いけれども態度がでかいのはどこかの“世界水準”に通じるものがあるが、こちらは生みの親 譲りの知識やノウハウがあるので思慮深い。
さすがに第二次世界大戦当時の最新鋭艦についてはさっぱりわからないが、並みの艦娘を超えた考察力と統率力で多くの艦娘たちから慕われている。

性能のイメージは、大艦巨砲主義の先駆者として、同じく航空母艦の母とも言える鳳翔に近いものにしてあり、
基本性能は間違いなく劣るものの、燃費は極めて良好でスロットも4つあるので装備次第で十分戦っていけるぐらいの意外な強キャラであり、
【火力】に秀でている【大口径主砲】を装備できる【戦艦】という艦種の強みをコンパクトにおさえた性能となっている。
超高性能 対潜・対艦装備【衝角/ドレッドノートのボウガン】を持ってくるのでレア装備要員としても育てる価値は十分にあり、
【衝角】系装備で発動する【ラムアタック】のダメージは修理係数を参照にした反動付き固定ダメージなので、
艦種の差でボス級深海棲艦であろうがなんだろうが一撃必殺できる場合があり、それができなくても敵艦に確実な損傷を与えられる点で非常に優秀。


戦艦:クレマンソー
標的艦:インペロ
戦艦:モンタナ
巡洋戦艦:インコンパラブル
装甲空母:ハバクク

X:軽空母:鳳翔’
Y:軽空母:龍驤’
w:重巡:愛宕’


愛月提督
拓自鎮守府の副主人公であり、普段は愛月提督が主として艦隊の運営をしているが、1つのアカウントで2人が分担プレイしているので、
鎮守府の運営に関する場面においては、必然的に艦娘との掛け合いよりも朗利提督とのやりとりが多く描かれることになる。

最近は朗利提督が紳士的になってきたので後任の愛月提督もあまり変態っぷりを見せることはないが――――――。

登場当初はまったくのド素人であったが、朗利提督と一緒にそれぞれの能力を伸ばしていくことに成功し、
先輩である朗利提督を含めて4提督にはまだまだ及ばないものの、現在では十分な実績と能力のある提督になっている。

そんな愛月提督とケッコンカッコカリする相手は誰なのか――――――。



新システム3-1:【応援要請】 以下【応援】∈【要請】 ……………………《追加修正版》 旧版>>472
1,デイリー・ウィークリー・マンスリーの期間に分けて鎮守府の機能を一定期間だけ拡張する
2,ただし、謝礼として支払う資材が必要となり、機能拡大の期間に応じて謝礼は高くなる
3,効果は様々であり、機能拡張の効果が競合するような場合を除いて何人でも【応援要請】が可能となる
4,競合する場合は、すでにいる【応援】の契約を破棄して新しく来た【応援】と契約を結ぶかの選択を迫られる
5,【応援】の種類は一定の条件を満たすと順次増えていき、【応援要請】の項で参照することができる(=最初は利用できない)
6,一定の条件を満たしていると、相手の方からタダで【応援】を申し出ることある
7,また、自発的な【応援】限定で受けられる【レア応援】が存在する

具体例
【通常応援】
・建造妖精:【応援】すると、【建造】【大型艦建造】の内容がそれぞれに特化したリストに置き換わり、中でも【海外妖精】や【異界妖精】が一番の目玉。
なお、複数招くと機能拡張の内容で競合を起こすので1人しか【応援】してもらえないのでデイリー契約がおすすめ。
また、このシステムを導入すれば、今後 艦娘が増えることによるリストの圧迫と当選確率の是正が行えるようになる。
しかし、あくまでも建造リストを一新するのがこの場合の【応援】の効果であり、
【秘書艦】にして【建造】すればリストに追加されるような艦を1艦だけ狙う場合なら、大抵の場合は謝礼を大損するので使い分けをしよう。

1,海外建造妖精
【海外艦】が数多く建造されるリストに修正してくれる。金剛のような外国生まれや響などの賠償艦で外国に譲渡された艦娘も含まれている
必ずしも最初から【海外艦】属性を持っている艦娘だけが造られるわけではないので、少し注意が必要。

開放条件:いずれかの条件を満たすと開放
1,戦艦:金剛とそれ以外の【イギリス艦】1隻が所属
2,駆逐艦:Z1とそれ以外の【ドイツ艦】3隻が所属
3,潜水艦:ルイージ・トレッリとそれ以外の【海外艦】3隻が所属

極めて緩い条件で開放される建造妖精であるが、それだけ謝礼も割高。
しかも、【海外艦】の主力艦のほとんどが【改装設計図】を必要としてくるので、提督になりたてのユーザーにとっては巨大な地雷である。
ただし、戦艦:ドレッドノートや潜水艦:ルイージ・トレッリのように低燃費で有用な艦も入っているので中盤以降から安定してくることだろう。
序盤で戦艦:金剛を手に入れて金剛を【秘書艦】にして【イギリス艦】を引き当てるだけで最短2回の【建造】で開放条件が達成できる。


2,異界建造妖精
【異界艦】が数多く建造されるリストに修正してくれる。【八八艦隊】などが主な対象であり、また【艦これ】独自の改造艦になれる艦娘も対象
どういう基準で【異界艦】の扱いなのかは第7話Xの最後を参照

開放条件:いずれかの条件を満たすと開放
1,戦艦:長門、戦艦:陸奥、正規空母:赤城、正規空母:加賀が所属
2,【重雷装巡洋艦】【航空戦艦】【航空巡洋艦】8隻が所属
3,司令部Lv100以上でかつ巡洋戦艦:天城αが所属

順調に図鑑を埋めている提督なら割と達成できる条件だが、序盤でそれを達成するのは至難の業。
また、【異界】の種類によって主力艦と補助艦の【艦これ】での適性が大きく異なり、同じような感覚で使っていると簡単に損害が出ることも多々。
異界妖精を開放するのは極めて困難ではあるものの、クエストをこなしていけば【異界艦】の導き手である巡洋戦艦:天城αが手に入るので、
無理をせずに彼女を【秘書艦】にして忍耐強く【建造】をし続けていけば、いずれは【異界艦】が必ず手に入るので無理はしないように。



3,大型建造妖精
【大型艦建造】限定の艦娘を【建造】でも建造できるリストに修正してくれる。ただし、謝礼が凄まじく高い。

開放条件:いずれかの条件を満たすと開放
1,【大型艦建造】で資源全てを最大値まで投入する
2,司令部Lv100以上でかつ戦艦:大和あるいは戦艦:武蔵が所属
3,艦娘保有数150隻以上 ← 課金コース

極めて費用対効果の悪い【応援】内容だが、候補が絞られているので確かに狙いの【大型艦建造】限定の艦娘が出やすくはなっている。
しかし、出ない時は出ないので諦めろ。


4,特務建造妖精
【特務艦】に分類される艦娘を専門に【建造】できるリストに修正してくれる。謝礼が極めて安い。

開放条件:全ての条件を満たすと開放
1,【特務艦】3隻が所属   
2,【開発投資】で【陸軍】【海護】【技術班】【研究班】のいずれかを【信頼度:協賛】にする
3,西方海域が開放されている

3つの条件を満たすことがまず一苦労であるが、その代わりに謝礼が極めて安いのが特徴であり、
強力な効果を持った【特務艦】を造る権利を安く得られるのが利点。


5,雑兵建造妖精
レア度が2以下(銀レア未満)の艦娘を専門に【建造】できるリストに修正してくれる。恐ろしく謝礼が安い。
遊戯王でいうところのバニラカード専門であり、投入する資源によって細かく【建造】される艦型が限定されるので図鑑埋めに最適。

開放条件:いずれかの条件を満たすと開放
1,鎮守府海域を制覇する
2,レア度が3以上(銀レア以上)の艦娘が所属
3,Lv10以上の艦娘が所属

普通にやっていれば最初に開放されるであろう建造妖精であり、戦艦レシピをやっても絶対にレア度2以下の艦娘しか出てこないので、
【艦これ】を始めて間もない何も知らない提督から資源を奪い去るのが狙いの仕掛け人。
しかし、レア度の低い艦娘の中でも特に好みの娘を狙って【建造】する分にはかなり使えるし、
軽巡以上のレア度2以下の艦娘には鳳翔や天龍などの周回・遠征要員、五十鈴や羽黒などの成長株が存在するので、
大型艦やレア艦が一切出ないことを除けばピンポイントで欲しい艦娘を狙えるので序盤でもかなり使い道があるので侮る無かれ。


・入渠妖精:艦娘の修理コストを軽減させ、時間を短縮してくれる
・教育部隊:【提督】のステータスを伸ばす
・闇魔改造妖精:1回だけ法外な謝礼で【改装設計図】無しで、練度が5まで足りない状態でも【改造】を施すことができる

・陸軍共闘:【演習】のページ4に陸軍の艦隊(というより船舶部隊)を追加する
要 【秘書艦】揚陸艦:あきつ丸
最初は揚陸艦:あきつ丸や潜水艦:まるゆぐらいしかいないので図鑑埋めのためのNPC部隊といった印象しかないが、
【陸軍】への【開発投資】が進んでいくと、【艦載艇:○二】を旗艦にした【突撃部隊】が登場するようになる。
【陸上型ボス級深海棲艦】の攻略に手こずっているようなら、もっとも頼りになるのが実はこいつらであり、
【陸上型ボス級深海棲艦】の完全撃破を念頭に置いたガチ装備の編成(一部 海軍の艦娘も【派遣】で混じっている)であり、
自軍で【○二】を運用する場合の手本や理想とも言える編成なので、用途を間違わなければ陸上型ボス級キラーとして大活躍する。
また、【拠点防衛】においても頼りになる部隊であり、陸のことに関してならまさにエキスパートとして海軍を支えてくれる。

謝礼によって、用意される部隊の種類が変わってくるので陸上型ボス級キラー部隊を喚ぶのか、陸上防衛部隊を喚ぶのかで使い分けをしよう。




【レア応援】
・陛下行幸
一定の条件を満たし続けていないと【応援】してもらうことも叶わないが、【応援】が実現すれば艦娘が凄まじくパワーアップする。

・世界建造妖精
【伝承艦】を取り扱う究極の建造妖精の1人。歴史の教科書の残るような著名な艦船や世界の未成艦を【建造】できる。
ただし、1回【建造】する毎に、次の【建造】もしてくれるかの判定の確率が半分になっていくので、無限ではなく有限。
なので、最悪1回しか【建造】できず、赤城や大和を引いてさよならされる可能性もあるので、来ても油断せずに神に祈るべし。

・造船の神様
究極の建造妖精の1人。建造リストも彼が手掛けた艦船限定でかつ投入した資源の半分が返ってくるボーナスがついてくる。

・天才改造妖精
一度だけ【改造】に必要なものが規定の練度と資材だけになり、更に【近代化改修】がそのまま引き継がれる。
つまり、天才改造妖精が執り行う【改造】は【改装設計図】が全く要らなくなるというありがたいボーナスが付いているのだ。
また、【近代化改修】が無駄にならない上に【闇魔改造妖精】とは違って謝礼が要らない善意によるものなので【応援】に来てくれたらラッキーである。
更には、『一度だけ』とは言っているが、次の【改造】も50%、次の次の【改造】も25%、次の次の次の【改造】も12.5%…………で引き受けてくれる。
ただし、【異界艦改造】にはさすがに対応していないので間違って【異界艦】を【改造】に出さないように。



おまけ 超豪華! 多国籍艦隊を結成せよ! -鎮守府の家計 防衛戦-


朗利「艦娘ってさ、兵器だからさ、実はさ、――――――重油を飲んだ方がすっごくイキイキするのん」

朗利「だってさ、艦娘って軍艦が擬人化したものだからさ、元々の鋼鉄の巨体を動かすには莫大なエネルギーが必要ってわけだからさ、」

朗利「当然さ、そんな重油をたらふく飲んで動くようなのが人間の姿で艦船時代の性能そのままに行動するんだからさ、」

朗利「それ相応にさ、カロリー補給っていうのが必要になるってことじゃん」

朗利「だからさ、一番効率がいいのはさ、当然さ、【燃料】を飲ませ続けることなんだけどさ、」

朗利「それをやるにはさ、【燃料】だって毎日の営みの中で使える量も限られてるんだから毎日たくさん出すわけにもいかないじゃん」

朗利「そんなわけでさ、貧乏な鎮守府はさ、出撃前や帰投後ぐらいにしかさ、【燃料】を飲ませないようにしてるのん」

朗利「するとさ、 他の手段でさ、【燃料】の代わりとなるものでさ、カロリーを補給しないといけないってことになるじゃん」

朗利「だからさ、艦娘の食事ってさ、足りないカロリーをさ、補うためにさ、見掛けよりもたくさん食べるってことになっちゃうのん」

朗利「でもさ、【燃料】の代わりとは言ってもさ、カロリー効率がすこぶる悪いもんだからさ、たまに【燃料】を飲ませとかないと力が抜けちゃうのん」

朗利「別にさ、それでさ、『あれだけ食っといて死ぬんかい』と思うんだけどさ、どうも違うらしくてさ、――――――もちろん死にはしないけど」

朗利「艦娘ってやつはさ、【燃料】を消化・分解してさ、それをエネルギーに還元できているらしいからさ、」

朗利「普段からさ、カロリー効率のずば抜けたさ、【燃料】にさ、飲み慣れているとさ、食事から得られるカロリーはそれに比べて微々たるものだからさ、」

朗利「人間よりもさ、普段から得られるさ、カロリー摂取量の最大幅がさ、桁違いだからさ、」

朗利「力がみなぎっている時とさ、エネルギーが空になった時のさ、ギャップが激しいからさ、」

朗利「物凄い虚脱感や空腹感、疲労感っていうのをさ、艦娘は敏感に感じやすいのん」

朗利「俺たち人間だってさ、低カロリーでヘルシーなおからとかヨーグルトとかきのこをさ、」

朗利「米やパンの代わりに食っていたらさ、いつもより力が全然出ないのと同じことだと思うのん」

朗利「たとえば人間が1~100までの力を出せるとしたらさ、艦娘は1~1000000ぐらいの出力が出るわけだからさ、」

朗利「そんなわけで艦娘たちからすればさ、【燃料】以外の食事っていうのはさ、超ヘルシーで低カロリーなんだけどさ、それだけじゃ生きていけないのん」

朗利「だから、艦娘って大食いになっちゃうのん。食事以外の方法で【燃料】を飲むってことの代わりができない身体だからしかたないのん」

朗利「それにさ、食糧はさ、【燃料】と比べてさ、ずっと安いからさ、嫌でも大食いを黙認せざるを得なくてさ、」

朗利「つまりさ、――――――何が言いたいかって言えばさ、」


朗利「くっそぉおおお! よりにもよって【戦艦】がこんなにも増えたから食費が馬鹿にならねえ!」ウガーーーーーッ!


朗利「艦娘にとっての食事っていうのが【補給】で貰えるあのドロドロの【燃料】を飲み干すことであり、」

朗利「人間にとっての1日3食の食事が艦娘にとっての間食――――――おやつの扱いなんだよぉおおお!」

朗利「長年の謎だった『サイヤ人はあれだけ大食いなのに太らないのはなぜか?』という疑問の答えが解けたのはいい! 別に解けてもちっとも嬉しくない」


朗利「艦娘は激しい運動――――――つまり艦隊行動させなければ【燃料】を適量飲むだけで人間よりずっと長く飲まず食わずでも生きていけるらしいけど、」

朗利「それでも、人間に極めて近い身体をしているからか、趣味嗜好や食欲から毎日 飲まず食わずには要られない!」

朗利「それは別にいい。戦場においては食事が唯一の楽しみであるというのを昔 本で読んだことがあるから。腹を満たす以外に味を楽しむのもいい」

朗利「けれど、それにしたって平時の大型艦の間食の多さは異常だろう! お前ら、普段の新陳代謝でどれくらいカロリー放出してんのぉ!?」


――――――味はいいが量が足らないねえ。


朗利「――――――なんて時間を掛けて丹精込めた作った菓子を味わいもせずに一瞬で食われたら大型艦が嫌いになるわい!」

朗利「いえ、すみません。こうなったのも全部“一航戦の誇り”とかいう盗み食い野郎のせいです。あの食っちゃ寝空母が全て悪いんです」

朗利「証拠に、長門やビスマルクのような大型艦を迎えるようになっても、あのツマミ食いの常習犯ほど食事のことで腹を立てたことがありませんので」

朗利「しかし、――――――状況は一転するッ!」

朗利「お国柄の特色なのか、アメリカ版大和のモンタナは図体がデカイからそれ相応に喰うのは納得だが、それ以上に大食いの気が強い!」

朗利「また、世にも奇妙な氷山空母:ハバククは食費がというより、仕様で冷え続ける身体を温める暖の工面で今までになかった形の苦労を強いる!」

朗利「これ、クリスマスパーティのごちそう……、足りるのかな? ――――――足りねえよな」アセダラダラ


朗利「これさ、戦争が終わったらホントに艦娘たちはどうなっちまうんだろうな? ――――――こんな大飯食らいをいつまでも国が養えるのだろうか?」

朗利「でも、1つの実験として、【燃料】を飲ませずに食事だけでカロリー補給させ続けていたら慣れてくれるのだろうか?」

朗利「そしたら、艤装や艦娘としての能力にも何かしらの影響が出るのだろうか?」

朗利「もし日常生活を普通に送れる程度までのリスクで済むんだったら、戦後の艦娘たちの居場所も生まれるんだけどな……」

朗利「でも、そう考えると【ケッコンカッコカリ】【ユウジョウカッコカリ】で燃費が安くなるのはどういうことなんだ?」

朗利「あの【指輪】や【褒章】をつけることで、よくあるゲルマニウムみたいな艦娘に優しいパワーが流れて燃費が安くなるということなのか?」

朗利「けど、それで【燃料】の消費が減るにしても、【弾薬】の消費まで減るのが理解できない」メメタァ

朗利「あ、いや、――――――違うか! これってまさかそういうこと?」


朗利「もしかして【ケッコンカッコカリ】や【ユウジョウカッコカリ】の燃費が安くなるのは艦娘たちの戦後の食費を考えての新発明だったのかな?」


朗利「あり得る! 【弾薬】は艤装に装填されるだけのものだから日常生活ではまったく使う必要がないからいいけど――――――、」

朗利「あれ? でも、ゲルマニウムパワーみたいなのが本当に存在するのならば――――――、」

朗利「【弾薬】を削減しても同等の威力が出せるような見えざるパワーか何かが付与されているとも考えられるのか?」

朗利「となれば、【指輪】や【褒章】には何か国家機密レベルの繊細な霊妙なる秘術が込められていて、」

朗利「そのパワーは艦娘にのみ作用して1度きりのものという推測が某所で議論されているのも頷けるのか……」


朗利「――――――これはつい最近 鎮守府の広報活動で懇意になっていた軍関係者が噂話として話してくれたことだが、」


朗利「あるドケチの提督が燃費をとにかく安くしようと考えて、【ケッコン指輪】を大型艦の間で使い回すことによって資源の節約を図ったという」

朗利「しかしながら、その目論見は失敗に終わった」

朗利「最初に【ケッコンカッコカリ】をした艦娘に燃費向上の効果がいつまでも残り続け、」

朗利「他に【指輪】を試した艦娘にはまったく何の効果が見られなかったという」

朗利「ドケチな提督は激昂して【指輪】を徹底分析してその過程で【指輪】を解体してしまった後、まったく同じものを造り上げたというが、」

朗利「そのハンドメイドの複製品を艦娘に試しても望んだ通りの結果は得られなかったという」

朗利「そして、【指輪】を失って久しいものの、依然として最初に【ケッコンカッコカリ】をした艦娘の燃費は良いままという結果に――――――」

朗利「きまりが悪いので、そのケッコン相手には取り上げた【指輪】の代わりに自分が作ったオリジナルそっくりの複製品を渡して丸く収まったとか」


朗利「――――――これは単なる噂話として言われていることらしいのだが、これを聞いた時 俺は『確かに変だな』という疑問を抱くことになった」

朗利「そもそも、なぜ【ケッコンカッコカリ】という体裁をとる必要があったのか――――――、」

朗利「燃費を安くする技術があるのならば、なぜそれをもっと広めようとしないのか――――――、」

朗利「そうした疑問を踏まえて、最後にその軍関係者はこう推論を出して話を切り上げた――――――」


朗利「つまり、【ケッコンカッコカリ】というのは全くの方便であり、実際は艦娘の燃費改良技術の実験台として利用しているものなのだと」


朗利「その時、俺にはその事の意味が理解できなかったが、――――――今はどうだろう? 少しは見えてきた気がする」

朗利「おそらく、戦後の肥大化した軍組織を軍縮するにあたって最も削減されるであろう艦娘の将来を見越して、」

朗利「艦娘の将来的な保護という目的に合致する方便として【ケッコンカッコカリ】という形をとって大々的な運用試験を諸提督にやらせている――――――」

朗利「実際に軍縮が実行されても、人間と極めて近い存在である艦娘たちを【解体】するのはさまざまな方面からの反対の声が上がるだろうから、」

朗利「そのために民間に売り払ってでも一時は矛先を交わしたとしても、」

朗利「一般人に艦娘を維持するのに必要な【燃料】や【鋼材】などの負担ができるわけがなく、」

朗利「結局、艦娘たちを【解体】せざるを得なくなる戦後処理を見越して――――――なのか?」

朗利「となれば、俺たち『司令部』の面々に渡された【ユウジョウカッコカリ】もその技術を広めるための新たな名目として用意されたもの――――――」

朗利「そう考えを推し進めると、【ケッコンカッコカリ】の実装は現在の実用面においても、将来的な問題の解決のためにも役に立っているのかも…………」


朗利「考えれば考えるほど不思議だなぁ、艦娘の生態って」

朗利「今の大戦が始まって四半世紀ぐらいにもなるけど、そういったことの解明が全然進んでないよなぁ…………どうなってるんだろう?」

朗利「でも、この理論を突き進めていけば、最終的には【燃料】【弾薬】をゼロに近づけることも可能ってところかな?」

朗利「どこまで行くかな? 安くなればもしかして間食をつい食いたくなるような空腹感も和らいだりするのかな?」


清霜「ねぇ司令官? 何、何してんの? ねぇ何してんの? 何、何、何、ねぇ?」


朗利「おや、清霜ちゃんか」

朗利「ちょっとね? 『戦艦がいっぱい居すぎてどうすべきかな』って考えてたの。その、食費が――――――」

清霜「司令官! この鎮守府は戦艦がいっぱいいてすっごくいい!」キラキラ

朗利「おお そうかそうか! 戦艦っていいよな。カッコイイし、男のロマンさ!」パァ ――――――熱い掌返し!

清霜「それでね、司令官? 何かいろんな戦艦がいて清霜はどういうのに憧れればいいのかなって……」

朗利「なるほどね。清霜ちゃんにぴったりなタイプの戦艦のお姉さんを紹介すればいいんだね」

朗利「よーし! お兄さんも最近は鎮守府の運営の立て直しをがんばっていたからあんまり新入りの戦艦と話す機会がなかったからね」

朗利「それじゃ、これから一緒にお兄さんと聞きに行こうか? 清霜ちゃんが来なくてもお兄さんは行くけど」

清霜「うん、行く行く! 戦艦になるための秘訣を教わるんだ」ニッコリ

朗利「そうかそうか(可哀想だけど、成長の概念がない艦娘がそれ以上の何かに変われるってことなんかないんだけどな)」ニコニコ



見よ! これが拓自鎮守府が誇る世界に類を見ない多国籍艦隊なり!


1,所属している主力艦たち

 国籍 |    艦名    |         艦型        | 

 日本 |    長門    |      長門型戦艦1番艦   |

ドイツ  |  ビスマルク  |   ビスマルク級戦艦1番艦   |【海外艦】

アメリカ |   モンタナ  |    モンタナ級戦艦1番艦    |【伝承艦】

イギリス|インコンパラブル|    (ワンオフ巡洋戦艦)    |【伝承艦】

イタリア|   インペロ   |ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦3番艦|【海外艦】

フランス|  クレマンソー |   リシュリュー級戦艦3番艦  |【海外艦】


2,所属している主力艦たちの艦型の基本能力

長門型戦艦  ………………… 1920年、32,720トン:  41cm連装砲4基、26.5ノット

ビスマルク級戦艦 …………… 1940年、41,700トン: 38.1cm連装砲4基、30.8ノット

モンタナ級戦艦 ………………未成艦、60,500トン: 40.6cm砲連装4基、28ノット

インコンパラブル …………… 未成艦、46,000トン: 50.8cm連装砲3基、35ノット ← 計画における能力なのでどうとでも

ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦 … 1940年、41,000トン: 38.1cm3連装砲3基、31.50ノット

リシュリュー級戦艦 ………… 1940年、35,000トン:  38cm4連装砲2基、32ノット

※参考

大和型戦艦 ………………… 1941年、63,980トン:   46cm3連装砲3基、27ノット
ヴァンガード ……・………… 1946年、44,500トン:  38.1cm連装砲4基、31.57ノット
アイオワ級 ………………… 1943年、45,000トン: 40.6cm3連装砲3基、33ノット



※資料によって基準排水量の揺れはありますが、絶対的な大小の差がついているのでとりあえず規模の大小に関しては間違いはありません。




――――――長門とビスマルク:実装艦について、

――――――外部から取り寄せた世界中の軍艦の資料を読み漁りながら、


朗利「長門とビスマルクについてなら清霜もよく知っているだろう」

清霜「うん。どっちもカッコイイよね!」キラキラ

朗利「しかし、こうして見ると長門とビスマルクの性能は大したことがないんだな――――――」

朗利「いや、この性能でありながら型落ちの長門は長寿艦として最後まで生き残ったし、ビスマルクは欧州最強の戦艦って評価だもんな……」

朗利「モンタナやインコンパラブルのように、性能は確かだったけれど世に生まれ出なかった艦の評価なんて歴史家や一般人には関係ないもんな」

朗利「それに、史実通りに長門とビスマルクは歴戦の武勲艦としてこの鎮守府を引っ張っていってくれているし、」

朗利「何だかんだ言って、――――――性格はともかく、根は純真な娘たちだからどうしても甘やかしたくなるんだよねぇ……」

朗利「それに、やる時はやって 決める時は決めて 戦場では気高く 国の象徴として威風堂々たる佇まいがあって頼りがいがある」

清霜「うんうん」

――――――
「………………!?」ドキッ

「――――――!」ドクン
――――――


朗利「やっぱり、起工すらしていない書類上の存在ってだけの【伝承艦】とは違って、この世に生を受けたことの充実感があるって感じだ」

清霜「でも、インコンパラブルさんの次に長門先輩の砲塔はおっきいよ?」

朗利「あ、ホントだ。インコンパラブルは実際に存在しなかった【伝承艦】だからこれは無しってことで除けば、」

朗利「当時 最新鋭のリシュリュー級やヴィットリオ・ヴェネト級のやつよりも遥かに大きいじゃないか」

朗利「これより大きいのは次級の大和型戦艦――――――史上最大の戦艦ってことになるから砲火力に関しては旧式ながら長門もやるもんじゃないか」

清霜「ビスマルク先輩には? ねえねえ、何かないの~?」

朗利「うん? ビスマルクか、そうだな……、」

朗利「ビスマルクもビスマルクで、【艦これ】初の改三実装艦だし、【改装設計図】を2枚を要求するというワガママっぷりには困っちゃうな~」メメタァ

朗利「今でこそ【改装設計図】の問題はどこからかやって来た【闇魔改造妖精】の気まぐれや他の候補の育てづらさで解決したんだけれど、」ハハハハ・・・

朗利「最初に出会った時からビスマルクにはホントもう手を焼かされてきたもんだよ」フフッ

朗利「実力は確かなんだけど、あのワガママ娘っぷりにはもう、ね?」

朗利「…………なんか、長門とビスマルクにはそれぞれ違った思い入れと思い出がいっぱいあるな」

清霜「司令官は長門先輩もビスマルク先輩のこと、どっちも大好きなんだね!」

朗利「うん。でも、『もうちょっと慎みを持って欲しかった』というのが俺の日頃の感想でね」

朗利「まあ、言うつもりはないんだけどね、もう慣れたことだし」


――――――それにそれが二人の良さなんだし、俺はそこが大好きなんだ。


清霜「ふぅん」

清霜「なら、清霜も! 司令官から『大好き』って言われるような戦艦になるから見てて!」キラキラ

朗利「はははは、嬉しいことを言ってくれるじゃないか、清霜。このこの」ナデナデ

清霜「えへへへ」テレテレ


ガタッ

朗利「ん?」

清霜「あ」


長門「ほ、ほう…………、て、てて提督。ぐ、偶然だな…………」テレテレ

ビスマルク「…………アドミラール」ドキドキ


朗利「噂をすれば何とやら――――――」

清霜「ねえねえ、先輩 先輩!」ニコニコ

長門「お、おお、清霜。な、何だ……?」ニコニコー


清霜「清霜も先輩たちに負けないくらい司令官から『大好き』って言ってもらえる戦艦になるから!」


長門「…………!?」アセタラー

ビスマルク「…………そ、そう。が、頑張りなさいよ」アセタラー

清霜「うん!」ニッコリ

朗利「清霜は良い娘だなぁ~」ニコニコ

長門「そ、そうだなー。こ、これは将来 有望そうじゃないか……」アセタラー

ビスマルク「…………アドミラール」モジモジ

朗利「そういえば、最近 二人で一緒にいるところをよく見るような気がするけど――――――」

ビスマルク「あ、それは――――――」

清霜「あ、いいなぁ! いつか清霜も立派な戦艦になったら混ぜてね」

長門「ああ。待っているからな」ニッコリ

ビスマルク「……そうね。あなたとはまだ一緒に組んだことはないけれども、」

ビスマルク「このビスマルクと一緒に戦場を駆けると言うのなら、――――――覚悟してなさい! 私は長門ほど優しくはないから!」

ビスマルク「やるなら絶対にみんなで勝利を掴んで生きてアドミラールに報告するのよ! 戦場の中で命を散らすような未熟者だったら承知しないわよ!」

清霜「あ、――――――はい! 清霜、頑張ります!」ビシッ

朗利「…………ビスマルク」ニコッ

長門「ビスマルクも言うようになったじゃないか」フフッ

ビスマルク「さあ、アドミラール。せっかく私が来てあげたんだから何かちょうだい」チラッチラッ

朗利「………………感動を返せ、こいつぅ!(ま、そういうところを含めて俺は大好きなんだけどね)」

ビスマルク「Danke, アドミラール(――――――『大好き』、――――――『大好き』か)」ニコニコ


――――――今度は面と向かって その言葉と笑顔をください。



――――――モンタナとインコンパラブル:【伝承艦】について、


朗利「【伝承艦】について調べてみたけれど――――――、」

清霜「うん」

朗利「――――――大和って本当に凄かったんだな」ホッ

朗利「太平洋戦争開戦によってすでに大艦巨砲主義は時代遅れになってしまったけれども、」

朗利「それでも、未だに大和型戦艦を超える規模の戦艦はついに登場することはなかった――――――」

朗利「これによって、皇国の海軍力の高さは永遠の記録として歴史に残されていくんだなぁ……」

朗利「見なよ、清霜」

朗利「列強海軍 最後の戦艦の大きさなんていうのは、みんな大和型に並ぶものは一切 出てこなかったんだぜ」

朗利「もちろん、モンタナ級の性能は大和型には厳密には劣るけど、これぐらいの差ならほぼ匹敵すると言ってもいいぐらいの性能だ」

朗利「むしろ、艦体のでかさで言えば大和型より20mは大きい――――――」

朗利「その同型艦を5隻も造る工業力がアメリカにはあったから、もしこれが実現していたら大和型戦艦はそこまで評価はされなかったんだろうな……」

朗利「大和型戦艦が史上最大の戦艦である名誉を守った――――――というか、モンタナ級戦艦が建造中止になった理由ってのが、」

朗利「この資料によれば、航空母艦と潜水艦が跋扈する戦場に護衛艦の大量建造を優先したっていう戦略的な判断でね」

朗利「戦艦1つよりも数を優先する時代に移り変わっていったせいなんだ」

清霜「ふぅん」

朗利「だからなのか、――――――かつての敵国の生まれ…なのか? いや、生まれてなかったせいか、」

朗利「あのモンタナってやつは、けっこう気さくに接してきてくれるんだよねぇ……」

朗利「何と言うか、あの気質は戦艦:大和と武蔵に通じる何かがある気がしたんだよなぁ……」

朗利「(大和になら清原提督が慰問に来てくれた時に会っているし、武蔵なら『司令部』で開催された舞踏会であの石田提督の相手を――――――プッ)」

朗利「何だろう? 大食いなのはネックだが、あれだけの大きさの戦艦ともなると自分の燃費の悪さを弁えて節度を持つようになっているからなのかな?」

清霜「うぅん……、よくわかんない」

朗利「あ、ごめんごめん」

朗利「それじゃ、勉強はこの辺にして会いに行ってみようか」

清霜「うん」




モンタナ「おお、提督! そろそろ私を使ってくれる気になったかい?」

清霜「わあ……、やっぱりおっきい……」ジー

朗利「それを言うなら、燃費の悪さを気にしてくれよ。お前の他にだって戦艦がいっぱいいるんだからさ」

朗利「それこそ、インコンパラブルのような【火力】全振りの超速【巡洋戦艦】だっているんだし」

朗利「俺の鎮守府には戦艦がいっぱいいすぎて【演習】だけでも資源がヤバイってのに、実戦投入なんてできそうもないって」

モンタナ「そうだったなぁ、私は大和型戦艦よりは背は高いけれど、主砲の大きさまでは勝てなかったってのに、」

モンタナ「まさか、私以上の背丈で、大和型以上の主砲を持っている【巡洋戦艦】がいただなんてよぉ……」


日米英 最大の主力艦の比較
大和型戦艦:263.0m、63,980トン、46cm3連装砲3基、27ノット
モンタナ級戦艦:280.9m、60,500トン、40.6cm砲連装4基、28ノット
インコンパラブル:304.8m、46,000トン、50.8cm連装砲3基、35ノット


朗利「まったくだよ。いくら【伝承艦】が計画書に存在が確認されていたからって計画段階の能力そのままに【建造】されるとかさ、」メメタァ

朗利「――――――こんな無茶な設計 残したもん勝ちじゃないか!」

モンタナ「そうだな、提督。いったい誰なんだ、こんな頭がオカシイ性能の【巡洋戦艦】のデータを残したやつはよぉ!」

朗利「そう考えると、本当に【世界建造妖精】って“妖精界の生ける神”って崇められているのも頷けるな……」


ドレッドノート「それもわらわだが?」


清霜「あ、ドレッドノート様だぁ」

モンタナ「は」

朗利「え?! ――――――って、女王陛下!? ええええええ!?」

ドレッドノート「正確には、わらわの生みの親であるジョン・アーバスノット・フィッシャー第一海軍卿が計画したのだがな」

ドレッドノート「入っておいで、インコンパラブル」

インコンパラブル「は、はい……」

清霜「うわぁ、モンタナさんよりももっとおっきい…………」

モンタナ「何か悔しい……、大和よりも大きいのはこのモンタナ級戦艦以外存在しないはずなのにぃ……」


朗利「そう言えば、最初にインコンパラブル自身が言っていたような気がするけど、気が動転していて聞き流していたか……」

朗利「で、またその名を聞きましたね、――――――『フィッシャー第一海軍卿』」

ドレッドノート「まあな。通称“ジャッキー・フィッシャー”の第一海軍卿――――――つまり、日本で言うところの海軍軍令部長になったのは、」

ドレッドノート「1905年からであり、わらわの起工が始まったのも就任と同じ年なのだからな」

朗利「そ、それは凄いことですね……(それが本当ならとんでもない辣腕だな――――――1つの時代を生み出した天才とはこのことか)」

ドレッドノート「わらわは“ジャッキー・フィッシャー”などと呼ばれるのはあまり好かんから、“アーバスノット”と呼ぶが、」


ドレッドノート「つまり、わらわは“アーバスノットの化身”とも言える存在なのだ」


ドレッドノート「そして、アーバスノットの第一海軍卿時代は1915年の第一次世界大戦におけるガリポリ上陸戦における責任問題を巡って、」

ドレッドノート「時の海軍大臣:ウィンストン・チャーチルとの間で苦々しい論争を繰り広げた末に辞任して終わりを告げた」

朗利「――――――『チャーチル』!?(第一次世界大戦当時から海軍大臣だったんだ……)」

ドレッドノート「そして、アーバスノットは次なる軍拡の時代を前にして1920年に癌でなくなり、わらわも後を追うようにスクラップ処分となった」

朗利「………………」

ドレッドノート「さて、そのアーバスノットが生み出したこやつだが――――――、言っておくがハバククは違うからな? 勘違いするでないぞ?」

朗利「いや、どっちにしろ、イギリスって国はインコンパラブルにしろハバククにしろぶっ飛んだものが稀によく出てきますね」

モンタナ「ホントだよ! ――――――勝負しろ、インコンパラブル! 『比類なきもの』の名の通りかどうか試させてもらおう!」

インコンパラブル「や、やめてください……、実戦なんて無理ですから…………」

モンタナ「何だ何だ? 私よりもでかいくせに気が小さいようだな」

ドレッドノート「まあ 落ち着け、アメリカの田舎娘」

モンタナ「ん? 今 何て言ったかな、おばあちゃん?」ジロッ

ドレッドノート「何て言ったかな? こういうやつを『大男 総身に知恵が回りかね』って言うんじゃなかったっけ、朗利?」

朗利「まあまあまあ! 子供が見てますから! 子供の憧れの【戦艦】同士で喧嘩しないで!」

モンタナ「あ」

清霜「………………」オドオド

モンタナ「大丈夫。大丈夫だからそんな泣きそうな顔をしないで、ほら」ニコッ

清霜「うん」ニコッ


朗利「でも、普通に考えて主砲の大きさに合わせてから艦体を造るもんですよね?」

朗利「確かに、インコンパラブルは【50.8cm砲】を扱えるように300mを超えた巨体にはなってますけど、」

朗利「基準排水量が4万トン超程度じゃ安定性に不備があるように思えますけどねぇ……(だって、大和型は6万4000トンなんだからさ?)」

モンタナ「なんだって? それじゃまともに砲撃なんてできるわけないない。過ぎたる武器を背負わされてかわいそうだこと」

朗利「“オーバードウェポン”と呼ぶべき浪漫兵器となっているなぁ……(これもまた世に出ていたら大和型戦艦の人気が落ちていたろうな……)」

インコンパラブル「…………うぅ」

清霜「???」

ドレッドノート「まあ、そういうことさね。アーバスノットが自ら提唱した【弩級戦艦】の他にも提唱した【巡洋戦艦】の究極みたいな艦娘よなぁ」

朗利「――――――【巡洋戦艦】ねぇ(【巡洋戦艦】ってそもそも何だ? 【戦艦】の1種なのかな?)」

清霜「…………【巡洋戦艦】って何?」←【巡洋戦艦】を知らない世代


ドレッドノート「自分が搭載している砲塔の直撃に耐えられるのが【戦艦】、耐えられないのが【巡洋戦艦】とでも考えておけばいいさ」


清霜「へえ。そうなんだ。何か弱そう」

インコンパラブル「つまり、防御力=回避力として速力を追求しつつ、【戦艦】並みの【火力】を持たせたのが【巡洋戦艦】なんです」

モンタナ「なんだそりゃ? 私は28ノットだけど、アイオワ級戦艦なら30ノット超えているのにそんなひ弱でいいのかい?」

ドレッドノート「そこは時代の流れ、技術の進歩向上だろうねぇ、――――――小娘?」

モンタナ「…………ん」ピクッ

朗利「な、なるほど、【巡洋戦艦】ってそういうものだったんだ……(なんで女王陛下はモンタナのことが気に食わないんだろう……)」アセアセ

ドレッドノート「まあ、アーバスノットが失脚する原因にガリポリの戦いでの失敗もあったけれども、」

ドレッドノート「ユトランド沖海戦を想定してきたアーバスノットの【巡洋戦艦】の理論が机上の空論であったことが証明されてしまったからねぇ」

インコンパラブル「………………」


朗利「でも、当たればデカイんだろう?」

インコンパラブル「え、ええ。そりゃあ まあ……」

朗利「なら、これからよろしく頼むよ、インコンパラブル」

朗利「近日23日、新入りのお前たちで“多国籍艦隊”を組んでみんなにお披露目するつもりだから、堂々としていてくれよ」

インコンパラブル「え、え、ええ……?」

朗利「心配するなって。世の中には『火力だけが自慢の旧式戦艦』だって頑張ってるんだからさ」

朗利「1発 撃って敵一人を大破に追い込んでくれればそれでいいから」

朗利「先制攻撃の1発を確実に中てるのがお前のこれからの仕事だからな。これぐらいなら頑張れるだろう?」

朗利「インコンパラブルは無理に頑張る必要はないからな(――――――さもなければ、俺の鎮守府経営がヤバイ!)」

インコンパラブル「……ありがとうございます、提督」ホッ

ドレッドノート「フッ」

モンタナ「なあ、提督。さっきの話、本当か? お披露目ってことは、――――――戦わせてくれるんだよな、晴れ舞台で?」ワクワク

朗利「ああ。【演習】を頼もうと思ってる。好きに暴れていいぞ(――――――経費は全部『司令部』が持ってくれるから!)」

モンタナ「やった! 楽しみだぜ! 待ちに待った艦隊決戦! 長門型だろうが大和型だろうが何が来たって勝ってみせるさ!」

朗利「…………その、仲良くな? 競うのはいいけれど【演習】だからな?」

モンタナ「わかってるって、提督。強いやつと戦って勝つっていう栄光も強いやつがいてこそだもんな!」

朗利「は、はははは…………(これまた変わった娘が入ってきたもんだなぁ…………でも、悪い娘じゃないのはよく伝わるからきっと大丈夫だろう)」

清霜「なるほど~」

ドレッドノート「あれからずいぶんと変わった娘たちが入ってきたもんだねぇ。これも時代ってこと…………すまないねぇ、朗利にはいつも苦労を掛けさせる」




――――――インペロとクレマンソー:未成艦について、


朗利「今のところ、育成に関して一番の問題を抱えているのはこの娘たちなんだよなぁ……」

清霜「あ、クレマンソーちゃん!」

クレマンソー「あ、司令官に清霜ちゃん……」 ← あまりにも制服が粗末すぎたので他の艦娘の私服のお下がりを着ている

酒匂「あ、司令!」パァ

インペロ「あ、提督…………」ドクンドクン ← 制服がビキニだけのトンデモ仕様だったのでジャージを着せている

朗利「おお、酒匂もいたのか。インペロもちょうどよく近くにいたか」

朗利「どうだ? 一緒に外に出てみない? 冬まっただ中だし、けっこう寒いけど見せたいものがあるんだ」

クレマンソー「…………わかりました、司令官。司令官がそう言うのなら」

酒匂「わ~い! 司令、大好き~!」

インペロ「そ、そうなの。なら、満足させてよね。この私がついていってあげるんだから、ね?」チラッ

朗利「よし。艤装は外して温かい服装で俺の部屋に集合!」

朗利「あ、これ。ここにいるみんなだけの秘密だから、くれぐれも他のみんなには内緒だぞ?」ニコッ

清霜「もう、司令官ったら! ……うん、お姉様たちにも内緒よ? みんなもいい?」

クレマンソー「う、うん……」

インペロ「あら、困ったわ~! こんな時に外出するのに着ていく服がないじゃない」チラッチラッ

朗利「ああ。さすがにジャージ姿で外出させるのはどうかと思うし、1着しかないけど何とか使えそうなのをレンタルしてきたからそれで我慢してくれ」

インペロ「?」

清霜「え、何、何? 司令官、何、何、何、ねぇ?」



――――――市街


朗利「よし、着いたぞ」 ← トヨタ・エスティマ(乗車定員:8人)を私用に使っている

朗利「清霜、みんなを降ろしてやってくれ。他のみんなは初めてなんだから」

清霜「うん」

インペロ「現代のクルマってこんなにも乗り心地がいいものなのね……」(トヨタ・エスティマのスーパーリラックスモードを堪能)

酒匂「お外ってこんな感じなんだー」

クレマンソー「………………」

清霜「大丈夫、クレマンソーちゃん? 車酔いとかしなかった?」

クレマンソー「あ、大丈夫。何ともないから」

清霜「それじゃ、降りてねー」

クレマンソー「わかった……」

朗利「…………クルマの運転なんてここしばらくやってなかったな」

朗利「(『司令部』に入る前は頻繁に艦娘を連れて農家や牧場のおっちゃんたちに広報活動と称して買い付けに来ていたんだけどな)」

朗利「(ま、クルマの運転技術が錆びついてなくてよかったよ)」

朗利「(やっぱりエスティマはいいな。こうやって艦娘たちと買い出しに行く分には車載がピッタリなんだもん)」

朗利「さて、――――――降りましょうか、インペロ?」スッ ――――――手を差し出す。

インペロ「え、ええ……」 ――――――その手を掴み、おそるおそるクルマから降りる。

朗利「うん。不慣れだろうけれど、今は勘弁してくれよな。インペロと同じサイズの娘がいなくて格安でレンタルしたものだけど」


インペロ「へ、変なところはないわよね?」ドキドキ(それはヴィーナスの肌の艶のような淡い色の着物)


朗利「変なところはないない。――――――あるとすれば、クリスマスを前にしたこの時期に着物ってところだけだよ」

朗利「綺麗だよ。自分でもそう思わなかった?」

インペロ「そ、そうね。私の美的センスに狂いは無いんだもの。誰が見ても綺麗なはずよね……」ホッ

清霜「いいなー! 清霜も戦艦になれたらインペロさんのように着物を着こなせるようになれるかな?」キラキラ

朗利「うん、なれるさ」


酒匂「………………」キョロキョロ

クレマンソー「………………」

朗利「――――――酒匂? ――――――クレマンソー? ――――――二人共?」

酒匂「ぴゃあっ!?」ビクッ

クレマンソー「…………司令官」

朗利「こうやって人がたくさんいるところへの外出は初めてだろう? はぐれないように気をつけてくれよ?」

酒匂「うん、わかったよ~」

クレマンソー「うん。気をつける」

朗利「よし」

朗利「でも、やっぱり二人共いつになく楽しそうだな。落ち着きが無いように見えるぞ」

酒匂「うん。生まれるのが遅すぎたかな、あまりお外にはいけなかったから」

クレマンソー「…………私はずっと同じ空を見上げることしかできなかったから」

インペロ「あなたたちもそうだったの…………」

朗利「……そうか」

朗利「それじゃ、これからみんなに見せようと思っているものはこの世の中で最も綺羅びやかで綺麗なものだからね」ニコッ

クレマンソー「?」

清霜「え? 何々?」

酒匂「ぴゃん♪」

インペロ「――――――私よりも?」ボソッ

朗利「それは比べられないなー。料理を楽しむのとおやつが大好きなのと同じぐらい甲乙つけがたい問題だし」

インペロ「そ、そう。なら、少しは期待してもいいのよね?」ドキドキ

朗利「ああ。それじゃ、くれぐれもはぐれないようにね?」

清霜「楽しみだな~。何を見せてくれるのかな~?」

朗利「それはね――――――?」




――――――クリスマスシーズンの光のページェント


酒匂「わ~!」ドキドキ

クレマンソー「………………!」ドキドキ

清霜「すご~い!」ドキドキ

インペロ「これはなんていう――――――」ドキドキ

朗利「どうだい? 初めて見るだろう? この冬枯れした並木道にかけられたイルミネーションが織りなす幻想的な光景は」

クレマンソー「…………うん」ドキドキ

インペロ「ちょっと冷えるけれども、異国の地でこういった景色が見られたのは本当に宝のようなものね」ドキドキ

インペロ「…………ありがとう、提督」

酒匂「お外ってすご~い!」

清霜「うん! すご~い!」

朗利「ひぃやっぱり冷え込むな~。それに久々の人混みに威圧されてる俺がいる……」ハハハ・・・

朗利「それじゃ、みんな? まずはクレマンソーとインペロの服を買おう。それからあちこちの店を見て回ろう」

艦娘たち「ワーイ!」

朗利「よし、それじゃ行こうか」

朗利「(カネそのものは食費以外 予算が有り余ってるから、こうやって艦娘たちのために注ぎ込む余裕があるのが幸いだな)」

朗利「(資源ばかりはカネがあってもどうしようもないものだからね。こればかりは日々の【遠征】でコツコツと稼いでいくしかない)」

朗利「(それに、『司令部』からの多額の追加報酬も出ていることだし、こういう時に使って罰は当たらないだろう)」




朗利「じゃあ、支払いは拓自鎮守府宛てにお願いしますねー」

インペロ「…………」ドキドキ ← 服を買ってもらえたけど、やっぱりレンタルの着物のままにしておいた

クレマンソー「…………これが私の服」ニコッ ← 服を買ってもらえた

酒匂「酒匂も買ってもらった! ぴゅう」

清霜「インペロさんのと同じのが良かったなぁ……」


ザワザワ、ジロジロ、ヒソヒソ・・・


クレマンソー「………………」ギュッ

朗利「……クレマンソー?」

クレマンソー「何かあっちの人たち……、怖い」

朗利「…………大丈夫だぞ」

クレマンソー「………………」

清霜「ねえねえ、司令官 司令官! これからどのお店から行くの?」

酒匂「酒匂、すごく楽しみ~!」

朗利「そうかそうか」

朗利「で、インペロ? 本当に着物のままでいいのか?」

インペロ「いいわよ。――――――今日の記念に、ね? KIMONOって意外と悪くないものね」

朗利「そうか。それはよかった」

朗利「………………」

朗利「…………やっぱり視線が痛いかな」ドクンドクン

                           シセン      ヨワ
――――――思わず逃げ帰りたくなる、外の空気と俺の小心さ。




朗利「(街に出かける際は暇な陸軍が憲兵を増員してとにかく目を光らせているために――――――、)」

朗利「(あるいは、現在の皇国を支えている艦娘が人間そっくりな存在であることから事案に発展しやすいというその取扱には数々の問題を抱えていた)」

朗利「(それらを回避するために、あえて制服のままで街中を出歩かせるか、俺がやっているように腕章をつけて所属を明らかにするぐらいしかなかった)」

朗利「(しかしながら、そうしたとしても周囲一般からすれば提督である俺はうら若き童女をたくさん侍らせているようにしか見えないために、)」

朗利「(提督という海軍の花形である職業には憧れと同時にそれ以上の羨望や嫉妬が向けられることも多々あった)」

朗利「(中には、艦娘に対して平然と猥褻行為や暴言暴力を行う命知らずが出たために、艦娘が市街に出かけることはかなりリスクが伴う行為であった)」

朗利「(一応、そういったことに即座に対応する取り組みとして、市街に出る提督にはものさし棒のように伸びるフラッシュライトが渡されており、)」

朗利「(何か人混みの中で問題があった際にはこれを伸ばしてフラッシュを焚くことで憲兵が即座に駆けつけられるようになっており、)」

朗利「(この陸海合同の取り組みによって、艦娘への犯罪の減少やそれ以外の全体的な街の治安維持に大きく貢献することになった)」

朗利「(そんなわけで、昔ほど艦娘を街に連れ歩くリスクはなくなったものの――――――、)」


――――――それでもなくならないのが提督である俺への羨望や嫉妬の眼差しであった。


朗利「(正直に言えば、俺は街に出ることに一種のトラウマを抱えていた)」

朗利「(俺は弱い。頭もいいわけでもない――――――国民の憧れである提督に奇跡的になれたからといって正の側面を享受できるわけではなかったのだ)」

朗利「(清原提督のように皇国軍人の規範と内外から高い評価を受けるような高尚さを俺は持ち合わせてないし、)」

朗利「(金本提督のような資金力や圧倒的な戦績があるわけじゃない。俺は本当に世間一般からすれば人から羨まれるほどのものを何も持っていなかった……)」

朗利「(そして、艦娘に“弔花”を自前で用意させるほどのブラック冷血漢ほどに俺はいつも優柔不断であった……)」

朗利「(外に出れば、同期たちの活躍の報とそれを迎える街の聴衆たちの歓声があがるのに、俺に向けられるのは――――――)」


『元気ないわねー、そんなんじゃ駄目よぉ! 司令官、私がいるじゃない!』



朗利「(一般的に、鎮守府と俗世間の交流は隔絶されていることが多く、基地開放日のイベントぐらいでしか艦娘と接点がないのが普通であった)」

朗利「(艦娘などの国家機密を取り扱っている以上 一般との接点が限られているのは当然といえば当然だが、)」

朗利「(艦娘も年頃の女の子の姿をしているだけに狭い鎮守府に閉じ込めておくのも多大なストレスとなるために街への外出を認めざるを得なかった)」

朗利「(その時、顔を隠せない有名人のように街中を歩いている時に艦娘の機嫌が良ければ初めて遭遇できる存在でもあった)」

朗利「(探せば割りと居る存在なので、国の宝である美姫が勢揃いの艦娘に対して何らかのアクションを実行に移す人間が出ることは当然であった)」

朗利「(仮に街で見かけたとしても、下手すればすぐに憲兵の御用になりかねないので、それ故に触れないのが暗黙の了解となっていたのだが、)」

朗利「(世の中が便利になってくるとインターネットの匿名サイトを利用した晒し上げなどが横行するようになり、)」

朗利「(俺たち提督はあの視線の中に混じっているだろう盗撮に最も用心しなければならなくなったのである)」

朗利「(そういった理由もあって、戦術指揮がド下手な俺が取れる貴重な点数稼ぎと実益を兼ねた広報活動にこれまで力を入れてきたわけなのだが、)」

朗利「(その行き先は全て、街から遠く離れた人気があまりないような秘境にある農家や零細牧場が主だった)」

朗利「(当然ながら、そういった問題が顕著となってくれば厳罰化せざるを得なくなり、盗撮に対する密告制度の是非も真剣に議論されるようになっている)」

朗利「(おそらく、インペロの存在は今回の買い出しを機に世に多く広まったことだろう)」

朗利「(なにせ、クリスマス前に着物姿で出歩いているだけでも人目を引くのに、ビスマルクとも違った未確認の海外艦であることも明白だったからだ)」

朗利「(となれば、次に来るのは俺に対する各鎮守府からの羨望と嫉妬だろう……。今度は仲間内でもそんなふうになってくるのだ)」

朗利「(ただでさえ俺はビスマルクを擁しているだけで妬まれているのに、更に油に火を注ぐ結果になるのは時間の問題となってしまったか……)」

朗利「(だからこそ、こうしてインペロやクレマンソーを連れて街に出ることには実は大きな覚悟が必要だったんだ……)」

朗利「(怖い……。どうして守るべき存在に怯えなくちゃいけないの? 俺だって好きで『司令部』に選ばれたわけじゃないのに…………)」

朗利「(『運だけの男』だとか言われるのは別にいい! けれど、俺だって一生懸命やっていた時期だってあるのに――――――!)」


『司令官、貴方は大丈夫。だって、私が傍にいるんだから!』



――――――それから、


朗利「さ、今日は特別 食べ放題だぞ。たくさん食べていいぞ(バイキングって安上がりでホントいいわぁ!)」← 感覚麻痺

清霜「いいの!? やったー! いっぱい食べて戦艦になるね!」

酒匂「ヒュゥ! やったぁ♪」

クレマンソー「…………こんなにもたくさん ごちそうが並んでる」ドキドキ ← お下がりではない自分用の私服を買ってもらえた

インペロ「これ、全部 食べていいの?」ゴクリ・・・ ← あまりにもナイスバディなので合うトップスがなかなか見つからなかったが何とか確保できた

朗利「…………艦娘としての節度を持てよ? あっちの家族連れの目の前でバカ食いしたらみっともないからな?」

インペロ「わ、わかってるわよ! 馬鹿にしないで! ふん!」ワクワク

朗利「……何だあれ? ビスマルクのやつとは違った華やかな雰囲気の持ち主だけれど根はそっくりだな」

朗利「ま、そうもなるのかな……(だって、ホントにザンネンな扱いで爆破着底の後の解体に至るまでの過程すらもアレなんだもんな……)」

朗利「でも、成長株としては期待できるかな? 五十鈴のような青背景のコモン艦が最高の対潜能力を得ることだってあるんだし」メメタァ

朗利「あ」

朗利「…………愛月提督はうまくやってくれているだろうか?」

朗利「鎮守府に帰ってきた時にあのじゃじゃ馬娘たちに睨まれないことを祈りたい……(まあ 比較的 俺も広報活動してきたからそれなりに有名人だけどさ)」

朗利「――――――いや、何を恥ずべきことがある!(今日は『インペロとクレマンソーの服を買いに来た』という大切な目的があるじゃないか!)」

朗利「さて、俺も久々の食べ放題で腹を満たすとするか(いやぁ安い安い! 1日の食費と比べたらなんて良心的なんだぁあああ!!)」


けれど、外で食べる料理はいつもより美味しくは感じられなかった…………。



「――――――ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦3番艦:インペロ」

「ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦の基本性能は先に調べあげたように、ヘタリアの印象に反してかなり高く、リシュリュー級と同等の性能である」

「主砲は38.1cmと控えめだが50口径、高初速とし、威力は【40.6cm砲(=16inch砲)】に劣らなかったという」

「更には速力:30ノットを超える数少ない高速戦艦に数えられており、基本性能を見ればイタリアの工業力の高さは十分に高いことはわかるはず」

「だから、このヴィットリオ・ヴェネト級がヨーロッパ戦線における名艦となることは誰が見てもそう見えたはずなのだが――――――、」

「ここで発揮されるのがあの伝説的なまでのヘタリアっぷりであり、」

「燃料不足や上層部の戦意不足により消極的な運用に終始した結果、さしたる活躍もせずに例外なく全艦が軍艦としてはアレすぎる最期を遂げたのだ」

「他にも列強戦艦と比べてヘタリアっぷりを発揮している軟弱設計のおかげで、もう説明するのが面倒なくらい欠点がいっぱい挙がるのだが、」

「しかしながら、唯一【艦これ】においては欠点が長所になった最大の特徴があった」メメタァ

「それは、活動範囲が地中海方面限定にしたことに由来する4000海里以下の他の列強戦艦ではぶっちぎりの最下位の航続距離である」

「航続距離というのは低速であるほど伸びるものであり、一般的に公開されている航続距離は運用するにあたって基準となる速度のものが示されている」

「ヴィットリオ・ヴェネト級の3,920海里/20ノットは仮想敵のリシュリュー級の7,750海里/20ノットの半分程度しかないのだから本当にどうしようもない」

「実際に、イタリア降伏後に連合国からはその高速性を活かそうとしたものの、航続距離の無さからくる外洋性の無さによって、」

「まさかの旧式:カイオ・ドゥイリオ級弩級戦艦よりも先に廃艦となり、あるいは賠償艦として連合国に引き渡されてしまったぐらいなのだ」

「しかし、ヴィットリオ・ヴェネト級の性能は設計段階で燃料タンク自体の大きさを小さくして浮いた重量を武装や防御に回した結果であることから、」

「なんとヴィットリオ・ヴェネト級の【燃料】は数ある【戦艦】の中では断トツで安く、しかも性能はリシュリュー級並みなので戦闘は普通に強い!」

「なので、【艦これ】的には【燃料】が凄まじく安い 経済的な【戦艦】であるという『弱点が長所に置き換わった』独特な強みを見せつけるのだ」メメタァ

「酷い表現をすれば、――――――“世界一豪華な海防艦”とみなせば割りと使えるのだ、このイタリア戦艦」

「かつて燃料不足で活躍の場がなかったのに、一般的に欠点とされる航続距離の無さからくる【燃料】の安さが売りの【戦艦】になるとは皮肉である」メメタァ


「――――――リシュリュー級戦艦3番艦:クレマンソー」

「イタリアのヴィットリオ・ヴェネト級と同じくらいに数奇な運命をたどっている艦型であり、」

「それもこれも、ヒトラーの仕掛けた電撃戦によるパリ陥落によるナチスドイツの傀儡政権であるヴィシー政権の成立が全ての始まりである」

「電撃戦によってあっという間に首都機能を奪われたフランスではあったものの、その支配がフランス全土に浸透するにはまだ時間があった」

「このままナチスドイツの手先となってしまうのか、それとも傀儡政権に対して反旗を翻すかで統制がとれない地方のフランス軍ではあったものの、」

「メルセルケビール海戦による連合国の早まったフランス軍戦力の撃滅作戦が行われ、一時期 フランス全体の連合国への不信を高めることになった」

「なお、イタリアも連合国に降伏した際にヴィットリオ・ヴェネト級が引き渡されるのを阻止すべくドイツ軍による空襲を見舞われて轟沈させられている」

「さて、有力な指導者がいなければフランスはヴィシー政権のヴィシーフランスの下に併呑される運命にあったが、」

「そこに登場したのがシャルル・ド・ゴール率いる自由フランス軍であり、現在のフランスはこの自由フランス政府が旧フランスを継承した形となる」

「そんなこんなで一口に【フランス艦】とは言っても、枢軸国戦力と認定されてイギリス艦隊やアメリカ艦隊と交戦を繰り返すことになり、」

「まともな艦隊決戦の結果、フランスが誇る戦艦であるダンケルク級もリシュリュー級も全ての艦が大きな痛手を負うことになり、」

「イタリアのヴィットリオ・ヴェネト級と同様に、状況に翻弄され続けてまともな戦果を上げることなくそのまま歴史の表舞台から降りている」

「性能そのものは堅実で高水準なだけに、まともな活躍の場が与えられなかったのは非常に残念なことである」

「そのことを考えると、日本の戦艦たちはあれだけ悲惨な戦況の中の非業の死の連続であったが、ずっと1つの信念のもとに忠義を貫けただけ本望である」


「こうしてインペロとクレマンソーについて性能や背景を調べあげて比較してみるといろいろと共通項があることがわかるのではないだろうか」

「まず、どちらも改良3番艦を目指された末の未成艦であり、本来の役割を果たせないままに海に沈んでいった点」

「つまりは、潜在能力は凄まじく高いのだが、不幸艦であることが避けられないザンネンで残念な生い立ち――――――」

「そして、どちらも国のトップが安定せず、まともな戦果を姉妹艦の誰一人として残すことができずに終えた点」

「一応 連合国の認識のフランスと一応 枢軸国の認識のイタリアという第二次世界大戦において影の薄い国らしいひっそりとした最期とも言える」

「両者の性能も【艦これ】的にほぼ互角と言っていいほどの性能であり、運用面においては【燃料】が驚異的に安いインペロが扱いやすいが、」メメタァ

「負け戦ばかりだがその1つ1つの戦いの中で設計の手堅さを見せてきたフランス戦艦としての補正でクレマンソーの方が全体的に能力が少し高い」メメタァ

「また、ドイツ軍に接収されているので【ドイツ艦】でもあり、【ドイツ艦】から【建造】される可能性があり、」メメタァ

「あまり国情を考えれば褒められたものではないものの、【ドイツ艦】経由で比較的入手しやすいのも大きな特徴だろう」メメタァ

「しかしながら、状態に関しては正反対と言わざるを得ず、インペロに関してはほとんど完成していたにも関わらず【標的艦】となり、」

「クレマンソーの場合はほとんど完成していなかったが、ドックを空けるために浮き砲台にされる始末(適当な艦種がないので分類は【戦艦】のまま)」メメタァ

「それが反映されて、インペロは成熟した身体でありながらほぼ全裸の姿であり、クレマンソーはみすぼらしい駆逐艦のような姿となっている」

「この状態から改善するためには【改装設計図】は不可欠となっており、もはや海外戦艦の【改造】には【改装設計図】が必需品となりつつある」メメタァ

「強さで言えば、大和 ≧ モンタナ >> クレマンソー ≧ インペロ ≧ ビスマルク なのだが、いかんせん未成艦なので【改造ボーナス】が比較的小さく、」メメタァ

「最初から【戦艦】として完成されていた姉妹艦たちと比べると初期値は【標的艦】と【戦艦(浮き砲台)】なので圧倒的なまでの性能差があるものの、」メメタァ

「改良3番艦にまで【改造】が進むと最終ステータスが姉たちを完全に上回るものにまで上がるようなので最後まで愛情を注いでやろう」メメタァ


――――――展望台から見渡す街の夜景


酒匂「ぴゃあああ! 何これぇ!」

インペロ「………………綺麗、とっても」

クレマンソー「…………夜ってただ真っ暗で怖いだけじゃなかったんだ」

朗利「ここからだと拓自鎮守府はあっちの方面だったかな?(懐かしいな、この夜景も。たった1年前の話なのに、何だか遠い昔のように感じられる)」

清霜「ねえねえ、司令官 司令官! この夜景のこと、みんなには内緒なんだよね! そうなんだよね!」

朗利「ああ。――――――みんなには内緒さ(そう、この夜景を誰と一緒に眺めているのか、来年 誰と見ているのかの差でそう感じるんだ)」ニコッ

朗利「(1年前 新米だった俺には見えなかったものや感じられなかったものがいくつもこの夜景の中で見えてくる…………)」

朗利「(――――――『成長できた』ってことでいいんだよな? 俺はこの夜景の中にいくつも守るべきものが浮かんでくる)」

朗利「(1年前のあの頃はまだ、あの妖怪:食っちゃ寝と一緒に初期艦:電と頑張っていた頃だったかな?)」

朗利「(それが今では、“一航戦の誇り(笑)”よりも凄まじい食いっぷりの【海外艦】たちを擁してこの場に立っているのだから)」

朗利「(さて、どうしたものかな? 他にはないこれだけ恵まれた【海外艦】たちを駆使したいところだけれど、燃費がなぁ――――――)」

朗利「(そうだ……、もし燃費改良技術が進んでいったらそこからは大型艦の独壇場になるんじゃないのか? そうなれば――――――)」


――――――待てよ? はたしてそれは本当に歓迎すべきことなのか?


朗利「(もし戦艦クラスが駆逐艦と同程度の燃費にまでなったら、駆逐艦のみんなは――――――いや、他の艦種のほとんどが不要になるのでは?)」

朗利「(だからこそ、性能が劣ってはいても低燃費であることから鎮守府の運営を支える縁の下の力持ちという地位を得た艦娘だっているのに…………)」

朗利「(これじゃ天龍や龍田たちの居場所が――――――もしかして、低燃費化が進んだ先にあるのってやっぱり力こそが全てになっちゃうの?)」

朗利「(…………どうなるの、戦後の未来は?)」

朗利「(燃費改良技術が進まなければ、――――――戦後の軍縮であらゆる艦娘の解体ラッシュ!)」

朗利「(かといって、燃費改良技術が進んでいけば――――――!)」

朗利「(この二つに一つでしかない俺たち人間と艦娘との未来は――――――?)」


――――――いや、その時が来た時に俺はあの娘たちを最後まで守れるのか?



朗利「………………」

インペロ「どうしたの、提督?」

朗利「あ」

清霜「司令官?」

酒匂「…………司令?」

朗利「…………みんな、どうした? そろそろ見飽きたか?」

清霜「ううん、そうじゃないけど…………」

酒匂「司令が凄く悲しそうな顔してたから……」

朗利「え」

インペロ「自覚がなかったの?」

クレマンソー「………………」ジー

朗利「………………」

朗利「…………なあ? 訊いていいかな?」


――――――俺なんかがみんなの提督で良かったのかな? 


艦娘たち「………………」

朗利「1年前 この場所で駆け出しだった頃の俺と一緒に夜景を見ていたのは別な娘だったんだ」

朗利「だから、たった1年であれからずいぶんと変わってしまったことに、何と言うか“怖さ”ってやつを感じて…………」

朗利「1年先のことですら見通せないのに『こんな俺に命を預けてもらって大丈夫なのか』って不安になってさ……」


朗利「――――――未来を、みんなと一緒にいられる明るい未来をこのままずっと想像していられるのかなって」




清霜「できるよー! ねー?」

朗利「え」

酒匂「うんうん。酒匂、司令と一緒! ずっと!」ニコニコ

朗利「え、ええ……?」

クレマンソー「………………」ギュゥウ!

朗利「……クレマンソー?」
               ・ ・ ・ ・ ・ ・
クレマンソー「……やだ。そうじゃない未来なんて想像したくない」ブルブル・・・

クレマンソー「やっと得られた……、大好きなみんなとの日々が続いていく夢だけを見続けていたい……」

クレマンソー「今年のクリスマスはサンタさんから今度こそ“幸せ”っていうプレゼントをもらうって決めていたんだから……」グスン

朗利「……ごめんな! 変な質問なんかして(――――――何やってるんだ、俺は? この娘たちの前でこんな弱音を吐くだなんてさ)」アセアセ

インペロ「そうよ、あなたには私と一緒の日々をずっと続けていく義務があるんだからね!」

朗利「い、インペロ……」

インペロ「私に初めて服を着せてくれたのは他でもないあなたなのよ!」

インペロ「上品な衣装じゃなかったのが残念だったけど、あなたの上着に包まれた時 本当に暖かったんだから……」モジモジ

インペロ「だから、私と一緒に作っていきましょうよ、」


――――――明るい未来ってやつを!


インペロ「そう! 『最大の喜びはいつも私が----する人とわかちあうこと』なんだからぁ!」ドックンドックン

朗利「はは……、ありがとう(何て言ったんだ? 『何する人とわかちあう』だって? まあ、信頼されてるようだし悪い意味じゃないだろう)」ニコッ

清霜「清霜を仲間外れにしないでー、インペロさん!」

酒匂「酒匂も司令のことが大好きだから、一緒 一緒ぉ~!」

インペロ「そ、そうね……、そうだった」


インペロ「――――――『みんなと』ね」フフッ



クレマンソー「………………」オドオド

クレマンソー「………………」ウズウズ

朗利「どうしたの、クレマンソー?」

クレマンソー「…………司令官」モジモジ

朗利「うん。言ってごらん」

クレマンソー「司令官。お願い、だから――――――、」グスン


――――――私たちを見捨てないで。


朗利「!!」

朗利「………………」

艦娘たち「………………」

朗利「……………………」

朗利「(そう、これは女王陛下との問答の中でも言われたこと)」

朗利「(人間が艦娘を求める以上に艦娘は提督である人間を強く求めている――――――)」

朗利「(なら、そんな艦娘たちに俺がすべきこと・貫くべきことが何なのか――――――)」

朗利「――――――」ニコッ

艦娘たち「――――――!」パァ

朗利「――――――、」


――――――帰ろう、みんなのところへ。


拓自鎮守府が擁する多国籍艦隊 一人ひとりの強み(最終的な戦闘力について)

長門 ………………新戦艦からすれば旧式“ビッグ7”でありながら【戦艦】屈指の【運】による特殊攻撃発生率を誇る

ビスマルク ………唯一の艦娘改三にして【戦艦】初実装の【雷装】による屈指の夜戦火力

モンタナ …………アメリカ版大和としての安定した能力が売り。大和に比べると【火力】は劣るが耐久性に優れる

インコンパラブル…ハイパー【巡洋戦艦】。【装甲】は薄いものの300m超えのデカさによる【耐久】と一撃必殺レベルの【火力】

インペロ …………新戦艦の中では世界一安い【燃料】でかつリシュリュー級と同等の戦闘力を持つエコノミー【戦艦】

クレマンソー ……ビスマルク以上 大和以下の性能の使い勝手のいい【高速戦艦】でかつ【対空】の高さが光る


――――――第7話Z 到来  -アドベント- 完

       Next:第8話  12月23日 -三笠公園にて- に今度こそ続く!




第7話W 鎮守府の守護神   -侵食される鎮守府- 

――――――12月某日


――――――
ブクブクブク・・・・・・
――――――

石田「…………ついにできたぞ、左近提督」

左近「……こいつはとんでもないですよ、殿」アセタラー

石田「そうだとも。こいつが活躍しない道理はない」

左近「そうは言いますがねぇ……」

左近「問題は、その力をこちらに完全に益するように制御しなけりゃならんってことですよ?」

左近「殿自身が運用を誤ればすぐにダメになりますし、部下たちとの連携もうまくいかないと成り立ちませんね」

左近「そして、何よりも部外者である他所の提督や艦娘、ひいてはお偉方を味方につける努力をしないと全ては画餅ですな」

石田「わかっている、そんなことは」

石田「そのために数々の鎮守府に協力を仰いで用心に用心を重ねてここまでこぎつけたのだ」

左近「…………その全てがブラック鎮守府であり、例外なく鎮守府司令官が名誉の戦死を遂げておられますな」

石田「知ったことではない、そんなクズ共のことなど」

石田「俺はちゃんと深海棲艦を御し得たのだのに、やつらはできなかった――――――ただそれだけのことだ」

左近「…………“司令部”も大変ですな」

左近「(まあ、大本営がブラック鎮守府の再度の取り締まりを計画していたこともあって、殿はその計画に便乗したわけなんですがね……)」


――――――――――――

―――――――――

――――――

―――


これから語られる話の数々は、12月某日までに趣里鎮守府司令官:石田元提督の暗躍および暗闘の記録である。




――――――とあるブラック鎮守府にて


石田司令「どうだろう? 貴官の更なる栄達のために深海棲艦の力を利用したくはありませんか?」

赤座提督「ほう?」

石田「この計画は大本営からも認められているのですが――――――、」

石田「まだ具体的な活動をしているのが私しかおらず、深海棲艦の利用や生態の研究は遅々として進みません」

石田「そこで、深海棲艦の運用データをとってくれる協力者を探していたわけなんです」

石田「まだまだノウハウは不十分かもしれませんが、現在のところはちゃんと反抗されずに戦力として活躍してくれています」

石田「詳しいことはこちらの資料に全て書いてあります」

石田「少なくともこの通りに処置を施していれば、深海棲艦を掌握することが可能だということが証明されています」

石田「しかし、絶対数が少ないために信憑性が薄く、こうして信頼できる一人一人に協力をお願いしている次第なのです」

石田「謝礼も『新戦略研究局』から出しますので、どうか協力してはいただけませんか?」

赤座「御託はいい。それよりもヲ級とレ級はいるのか?」

石田「はい」

赤座「……そうか」ニヤリ

石田「しかし、赤座提督? 深海棲艦を運用するのには細心の注意が要ります」

石田「まずは、どちらか片方を運用してノウハウを掴んでから、それから追加したほうが安全だと思いますが」

赤座「うるさい。協力してやるんだからさっさと連れて来い!」

石田「それでは、明後日に深海棲艦を【調教】するのに必要な設備をお持ちしますので、それまで私が作った手引書と契約書の確認をしてください」

赤座「ちっ、ほらよ。――――――明後日だな? 必ず連れて来いよ」カキカキ

石田「…………こういうのも難ですが、もう後戻りはできませんよ?」

赤座「ああ? この俺を誰だと思ってるんだ? 泣く子も黙る赤座提督だぞ」

石田「そうですね。赤座提督の勇名は海軍随一です」

赤座「そうだろそうだろう! ふっはっはっはっはっは!」

石田「………………クズが(――――――この程度で誇れるやつの気がしれんな)」ボソッ


――――――明後日


石田「では再度――――――、しっかりと契約書の内容をお読みになってくれましたか?」

赤座「ああ」

石田「それでは、設備もちゃんと動いたのを確認したので深海棲艦の空母ヲ級と戦艦レ級を引き渡します」

赤座「おお!」

ヲ級「………………」

レ級「………………」

石田「安全のために必ず艦娘の監視をおつけになってください」

石田「それと、深海棲艦は艦娘とは根本的に違いますので、運用方法もずいぶんと違います」

石田「何か新しい発見や疑問に思うことがありましたら、ぜひ新戦略研究局にご連絡ください」

石田「それでは、何か他に質問はございませんか?」

赤座「ないない。とっとと失せろ」

石田「…………そうですか」

石田「くれぐれも細心の注意を払ってください」

石田「その深海棲艦はあくまでもあなたの部下として扱われるので、何かしら問題が起きた時はあなたの管理能力が問われてきますから」

赤座「おうおう。失せろ失せろ」

石田「では」


ガチャ、バタン


石田「…………死ぬな、あのクズは」ボソッ


M:榛名「あ、あの……」オドオド

石田「確か、赤座提督のお気に入りの――――――」

M:榛名「は、榛名です……」オドオド

石田「どうした?(怯えきった目。落ち着かない視線。動悸が収まらない身体――――――懐かしいな、この感じ)」

M:榛名「い、今、提督の部屋に入っていったのは……、は、榛名の見間違いでなければ――――――」ゴクリ

M:榛名「……空母ヲ級と戦艦レ級だったのでは?」アセタラー

石田「その通りだ」

M:榛名「ええ!?」ビクッ

石田「心配するな。別に赤座提督が初めて深海棲艦の管理運用をするわけじゃない。私が得たノウハウとエッセンスを伝授しておいた」

石田「私がやったその通りに扱っていれば、深海棲艦と言えども【調教】されて戦力に組み込むことが可能となった」

M:榛名「………………」

石田「――――――『信じられない』という表情だな」

M:榛名「あ、いえ! は、榛名はだ、大丈夫です……」ビクッ

石田「…………では、これだけは言っておこう」

石田「あの提督はあまり私の言ったことを聞いてないようだから、秘書艦である榛名が代わりに私が作成した書類を読んでおくのだ」

M:榛名「え」

石田「自分たちの提督が何をしているのかを把握しておくのも部下であるあなたたちの勤めだろう」

M:榛名「は、はい……」

石田「でなければ――――――」


――――――死ぬぞ、あなたたちの提督は。


M:榛名「え…………」

石田「あんな提督でも忠誠心が欠片ほどでもあるのなら――――――、生きていてもらいたいのなら――――――、」

石田「今 言ったことを自分たちの提督に成り代わり『自分が守ってやるのだ』と思って実行してくれ」

石田「ではな」

M:榛名「………………!」

M:榛名「は、榛名は…………」アセダラダラ

M:榛名「それでも、榛名は…………」











――――――その1週間後、赤座提督は名誉の戦死を遂げた。



死因は、最近になって頻発している深海棲艦による鎮守府の強襲と思われる。

鎮守府は壊滅し、赤座提督が防衛戦の最中に名誉の戦死を遂げたことによって指揮系統に乱れが生じ、

司令官である提督を喪い、何をすべきか右も左も分からない艦娘たちは深海棲艦の強襲部隊によって次々と轟沈させられていったようである。

所属していた艦娘の正確な数は鎮守府への攻撃によって記録が消失し、戦線離脱あるいは轟沈したかの消息調査は今後も継続される予定。

そして、大本営が派遣した“とある新設の専門調査機関”の調査報告によれば、強襲部隊の主戦力が戦艦レ級であることが判明する。

これにより、戦艦レ級の進出に多くの軍関係者が震撼することになり、より一層の鎮守府防衛の議論が盛んになるのであった。

赤座提督が名誉の戦死を遂げた後に残された艦娘たちは【解体】か【転属】を迫られ、残った全員が競って【転属】を選んだという。

否、仕えるべき提督の後追いを選んで【解体】を自ら志願した艦娘がただ一人いたことも報告されている。



カーンカーンカーン


石田「…………愚かだな」

解体妖精「――――――【解体】が完了しました」
           ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
石田「……これが榛名だったものか」

石田「――――――人間と同じだな。死ねば誰もが灰となって、粉となって、塵となって消えいく」

石田「だが これは、身を粉にして尽くすこととはまた違った話だ」

石田「全体の勝利に貢献しないクズ提督に尽くしたお前もまた ただ愚かなだけの存在なのだ」

石田「俺は違う。こんなクズとは。俺は…………」ブルブル・・・
              ・ ・ ・ ・ ・ ・
解体妖精「石田司令、獲得した資材はどちらへ運べば?」

石田「これは『新戦略研究局』の資料として持ち帰る。趣里鎮守府宛てに送っておいてくれ」

解体妖精「わかりました」ゴロゴロ・・・
           ・ ・ ・ ・ ・
石田「…………こんなものを集めて俺は何をしようとしているのだ?」
  
             ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
石田「――――――艦娘だったもので何を期待している?」バッ  ――――――扇を取り出す


石田「……………」\勅命/


M:扶桑「あ」

石田「む」スッ ――――――素早く扇をしまう

M:扶桑「あ、あの……」
                             ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
石田「どうしました? 赤座提督の後追いをした榛名だったものでも見に来たんですか?(――――――改二でもないただの【航空戦艦】)」

石田「残念ながらすでに資材として有効活用するために配送されましたよ(練度はそこそこだが、すでに艦娘としての尊厳もない故障品か)」ジー

M:扶桑「え」

石田「それとも、あなたも赤座提督の後追いをしたいと?」

M:扶桑「そんなことは…………」

石田「相変わらず、ブラック鎮守府にはよくお似合いの艦娘が揃っているものだな……」ボソッ

M:扶桑「………………」

石田「それで、どうしたんですか? 用がないのならば新たな配属先が決まるまでおとなしく待っていてください」

石田「私もここでの用事はすみました。それでは」

コツコツコツ・・・・・・

M:扶桑「…………待ってください」

石田「………………」コツコツコツ・・・・・・


M:扶桑「――――――趣里鎮守府の石田提督ですよね?」


石田「………………」ピタッ

石田「そうですが? 用があるのなら簡潔かつ明瞭にお願いします」

M:扶桑「…………榛名から全て聞きました」

石田「………………」



M:扶桑「石田提督、あなたが私たちの鎮守府をメチャクチャにしたんですよね?」ブルブル・・・


石田「……それは筋違いですね」

石田「鎮守府が壊滅したのは全て赤座提督の能力の無さが招いたことです」

M:扶桑「本気で言って――――――」ジロッ

石田「それに、私が直々に調査に来てみれば、――――――何たる怠慢か」

石田「気に入った艦娘を監禁して艦娘の尊厳を踏み躙るような行為を行い続け、更には敷地内で違法大麻の栽培にも手を出していた――――――」

M:扶桑「――――――っ!?」ピタッ

石田「外部の人間との交流が極端に少ない鎮守府で違法大麻の栽培とはよく思いついたものだ」

石田「だが逆に、その外部の人間との交流が極端に増えていたからこそ、何かしらの違法行為の目星はついていたのだ」

石田「彼も最初こそはまっとうな提督業に励んではいたようですが、最初の轟沈を経験して以来 戦績は悪化の一途を辿って行き、」

石田「自暴自棄になっていたところに暴力団との繋がりを持ってしまったようですね」

石田「更に調査を進めていった結果、違法大麻の濫用を艦娘たちにも行っていたことが明らかになりましたよ、」


石田「――――――扶桑型戦艦だったもの」ジロッ


M:扶桑「………………!」ビクッ

石田「あなたもまた麻薬常用者として本来ならば国の名誉のために【解体】を命じたいところでしたが、」

石田「大本営は国の宝である艦娘には絶対の正義の味方であって欲しいから、適当な名目をつけて処分できるまでは放置する腹づもりのようですよ」

M:扶桑「そ、そんな…………」

M:扶桑「ハッ」

M:扶桑「違います! 私はそんなんじゃ――――――」

石田「クズに飼われた艦娘もまたクズに成り下がるわけか。人間とまったく変わらない」

石田「だが、だからこそ この非人道的な実験の貴重なデータを残してくれた功績を評して、赤座提督を称えなければなりませんね」

石田「本当に国のために尽くしてくれましたよ、あなたたちのクズ提督は」フッ

M:扶桑「………………へっ!?」ゾクッ


石田「艦娘にも違法麻薬の効果が十分にあるようですね」

石田「人間と比べてどれだけ反応の差があるのかはまだわかりませんが、これからの進捗が楽しみです」

石田「一時の多幸感のために、人間としての尊厳を投げ捨てるものに同じく手を出した艦娘がどうなるのか――――――」

石田「特に、禁断症状が出た時に艦娘がどんなふうにのた打ち回るのか、その報告が上がるのが今からとても楽しみですよ」

M:扶桑「…………!」ゾゾゾ・・・

M:扶桑「た、助けてください……」

M:扶桑「あれは私じゃないんです。提督が無理やり――――――」

石田「記録によれば、あなたは赤座提督の所属艦としてはずいぶん長生きしている2代目扶桑のようですね」

石田「3代目や4代目は捨て艦されたことが数々の記録や証言からうかがえますが、」

石田「つい生前の赤座提督のお気に入りではなく、戦力としても完全に忘れ去られ、長らく放置されてきていたようですね」

M:扶桑「…………!」

石田「それなのに、麻薬常用者でありながら今日まで禁断症状に苦しめられずにいられたわけは――――――」シュッ

M:扶桑「あ――――――」

ガシッ、ユサユサ、ポロッ

石田「――――――やはり隠し持っていましたか」ジトー

M:扶桑「ち、違う、違うんです、これは…………」アセアセ

石田「そう言えば――――――、」


石田「重度の禁断症状に苦しめられて放置されていた艦娘は『鎮守府が壊滅した時に轟沈した』という扱いになってあります」


M:扶桑「や、やっぱり……、山城や最上たちがいなくなっていたのは――――――!」ジロッ

石田「『今まで禁断症状に苦しめられていたみんなのことをこれまで一生懸命 介護してきたのに!』とでも言いたげだな、クズが」ジロッ

M:扶桑「…………『クズ』ですって!?」ギリッ

石田「そうだ。自分の保身のためにしか生きてこなかった艦娘のクズめ! 国賊め! 仲間を売った悪魔め!」

M:扶桑「――――――あ、『悪魔』? 私が?」

石田「ずる賢い貴様は榛名だったものから今回の鎮守府襲撃事件の真相をそれとなく知って、」

石田「あんな提督やこんな仲間たちの仇として俺のことを糾弾しようと思っていたようだが、」

石田「俺としても禁断症状が軽ければ手を下すつもりはなかったんだ!」

石田「なのに、貴様だけはのうのうと麻薬を盗んできては健常者の扶桑を装って麻薬中毒者たちの介護のフリをして!」

M:扶桑「……!?」ゾクッ

M:扶桑「違う、違うんです! 私は本当に――――――」ポタポタ・・・

石田「麻薬中毒で苦しんでいる仲間たちを救う名目で堂々と麻薬を盗んではそのほとんどを自分の懐に納めといて、」

石田「そうして残り少ない麻薬をみんなに渡して恩を着せて一人 救世主として崇められる自分に悦に入っていた!」

石田「みんなのために一生懸命に悪の提督から大麻を盗んで介護に勤しむ地獄の中で唯一の善人を演出してきたのが貴様なのだ!」

石田「麻薬が足りなくてのた打ち回るみんなを横目に自分だけは満足いく量の麻薬を吸って知らん顔することを幾度となく繰り返してきただろう!」

石田「これを偽善と言わずに何という! 天使の顔をした悪魔と言わずして何という!」


石田「まず 貴様がすべきだったのは、現状を外部に報告して然るべき審判が赤座提督に下るようにするべきではなかったのか!」

石田「麻薬の誘惑に負けて、みんなをダシに使って一番 甘い汁を吸ってきたのがクズの貴様であり、」

石田「そして、お前が救った気でいたみんなは少量でも長い間 麻薬を服用させられ続けて苦汁をなめさせられることになったのだ!」

M:扶桑「違う、違うんです! 私は、私は、私は…………」ポタポタ・・・

石田「違わない! 少なくとも軍規に定められている違法大麻の存在について理解していたはずなのだからな」ビシッ

石田「貴様だけが知らないなんて言い訳は通用しないぞ。生き残ったほとんどが違法大麻の存在を証言しているのだからな」

M:扶桑「う、うぅうう…………」

石田「ふん、これは没収だ。これまで相当量の違法大麻を濫用してきているのだから、禁断症状が出た時どれだけのた打ち回るか見物だな」

M:扶桑「い、いやあああああああああ! か、返してえええええ!」バッ


――――――扶桑だったものが違法大麻を取り上げられるのを阻止しようと飛びかかった瞬間!


石田「鬱陶しいな!」\勅命/

M:扶桑「!?」


――――――石田元提督は\勅命/の文字が入った扇を素早く振りぬく!


カチッ

M:扶桑「あ……(――――――何か踏んだ)」

石田「終わりだ」

バチバチバチィイイイイイイ!

M:扶桑「きゃああああああああああああああ!?」バチバチバチ・・・ ――――――大破!

石田「――――――電光地雷」

石田「踏んだ瞬間に処刑用の電気椅子と同じだけ――――――それ以上の電圧が瞬時に流れる」

石田「人間とは内部の構造が異なる艦娘と言えども、それでも人間と極めて近い身体である以上 この電光地雷には抗えん」

石田「所詮、陸に上がった艦など座礁しているも同然なのだ」

M:扶桑「あああ………………」プスプス・・・

M:扶桑「私は…………    」ガクッ

石田「………………」ギュッ

M:扶桑「」


石田「…………………すまない」



パチパチパチ・・・

石田「…………!」

中将「すばらしいものを見せてもらった」

石田「――――――黒田中将」


黒田中将「やはり卿にはこれからの栄光ある皇国海軍の運営を取り仕切るにふさわしい才覚がある」


黒田「これからも皇国のために存分に力を尽くしてくれ」

石田「黒田中将、『新戦略研究局』としてはこれ以上のことはできません」

石田「(現在の大本営の暗部を司る重鎮であり、徹底したマキャベリズムと数々の権謀術数の手腕から“鬼の手”と恐れられている皇国の闇軍師……)」

石田「私が新設を具申した『新戦略研究局』はあくまでも深海棲艦との大戦を勝利するための戦略の研究を行うための新部署であり、」

石田「電光地雷などといった妖精科学を応用した新兵器の開発や、ブラック鎮守府の艦娘の更生保護などといったことは本来 管轄外のことです」

黒田「わかっている。後のことは私に任せておくといい」

黒田「だが、これからの卿は『新戦略研究局』という実績のない新部署の長に収まらないことだろう」

黒田「いずれ、今の仮初めの平和は破られ、戦局が悪化するに連れて卿が取り組んでいる研究が認められていくことだろう」

黒田「その時、卿は“護国の英雄”として返り咲くやもしれん」

石田「名誉などどうでもいいですが、そうであって欲しいと願うばかりです」

黒田「安心せよ。そうなるまで、卿が率いる『新戦略研究局』はもちろん、『司令部』の行動の自由は保障されよう」

石田「………………」


黒田「『司令部』のβテスターたちは【艦これ】ユーザーたちの典型的なタイプ分けからその代表として選出されているわけだが、」メメタァ

黒田「実は、もう1つ条件があったのだ」

黒田「それは――――――、」


黒田「共通して非凡なリアルラックを持っていること。それが認められたからこそ卿を含めて彼らは『司令部』に喚ばれたのだ」メメタァ


黒田「リアルラックこそ【艦これ】を制するのに必要不可欠なものであることが歴然としている以上、」メメタァ

黒田「我々はそれを備えた提督たちをあらゆる方法や手段によって統計を集め調べあげた」

黒田「今年の夏イベントである【AL/MI作戦】の過酷な進軍命令はその統計調査の一環で行われたものだ」メメタァ

黒田「そうした結果を踏まえて、まるで勝利の女神に愛されているかのごとき、絶倫の実現成就力を持った提督たちを見出すに至った」メメタァ

黒田「つまり、『司令部』とはそう言った 極めて恵まれたリアルラックを持った提督たちを集め、競わせ、優劣を付けさせることを目的としていたのだ」メメタァ

黒田「だからこそ、最初のテストケースとなる4人には互いの信条が相反するものを選び出して競争させていたのだ」

黒田「最終的には、そうして真に勝利の女神に愛された提督たちを重要ポストに据えていくことによって、」


黒田「――――――絶対の豪運を活かした史上最強の実現成就力を持った組織を築き上げるのが我らが大計なり」


黒田「そして、我々が求めている天運の持ち主たちを“アンガウル”という暗号名で呼び習わしている」

石田「迂遠なものですね。4人ずつ面倒を見るのが決まりならば、複数の『司令部』を設ければより多くのデータが早く集まったでしょうに」

黒田「だが、実際に【艦隊これくしょん】というソーシャルゲームは課金要素を極力排したことにより、」メメタァ

黒田「ユーザーのリアルラックがモノを言う極めて平等な運ゲーとなり、どれだけの実現成就力を内に秘めているかの能力勝負となっている」メメタァ

黒田「そして、卿たち『司令部』に最初に選ばれた4提督は、それぞれ独自の画期的な新戦略を考案し、それを実行に移そうとしている」

黒田「結果こそまだ出てはいないが、まさしく“アンガウル”の由来となった舩坂 弘のような創造性と発展性に先見の明を見せているではないか」

黒田「これだけでも『司令部』を設立したことの成果があったと言える」

黒田「それ故に、我々は卿ら“アンガウル候補生”のこれからの活躍に期待しているのだ」

石田「…………わかりました。微力を尽くします」

石田「それと、この扶桑だったものについてなんですが――――――」

黒田「わかっている。更生保護に関しては卿が求めている深海棲艦との比較研究のデータがとりやすい環境を設けて人道的に行うことにしている」

黒田「それに、卿が【開発】した【対深海棲艦用捕獲装備】があるのだからな。万一、暴動を起こしても安全に鎮圧できるようになった」

石田「…………では、お願いします」

黒田「うむ」

M:扶桑「」




――――――趣里鎮守府

――――――新戦略研究局


加藤提督「………………」

小西提督「どうしました、加藤提督? 【渾作戦】が終わって以来 そんな感じだったように思えますけど」

福島提督「そうだぜ、加藤提督? 【渾作戦】は俺らの完全勝利だったんだし、言うことなしじゃん!」

福島「最高の気分で年を越せそうだぜ! なぁ?」

加藤「うるさい、馬鹿」ジロッ

福島「あ、ああ…………?」

加藤「………………」

小西「これは珍しい。そこまで加藤提督が思いつめることがあるとは」

加藤「…………当然だろう」

加藤「お前たちは聞いたことがないのか?」


――――――鎮守府内部に出没する深海棲艦による襲撃のことを。


福島「そいつは…………」

加藤「【渾作戦】の成功の裏には、俺たちが最初にここで遭遇したあの深海棲艦の鎮守府襲撃が起き続け、いくつもの鎮守府が壊滅してきているんだ」

加藤「しかしどうも、名誉の戦死を遂げた鎮守府司令官たちはいずれもブラックと評判の連中ばかりであり――――――」

小西「――――――『それは噂でしかない』と大本営からも報じられているし、」

小西「対応が遅い大本営にしては割と早くに専門の調査機関を設置したじゃありませんか」

小西「そう、例えるならば、この『新戦略研究局』のような――――――」

加藤「…………やはりそうなんだろうな」

小西「?」

福島「おい? 本当にどうしちまったんだよ、加藤提督よぉ?」

加藤「気にするな。すぐに俺の疑問に答えてくれる人間が現れる」

福島「え、まさか、頭でっかちが――――――?」


ガララ・・・

加藤「…………!」


石田「それで? 俺に訊きたいこととは何だ、加藤提督?」


小西「久しぶりだな、石田司令――――――いや、提督業に復帰したから“石田提督”でもいいかな」

石田「ああ。よく来てくれた。――――――もうどっちでもかまわない」

福島「頭でっかち……」

加藤「よし、なら石田提督、ズバリ訊こう」


――――――近頃 取り沙汰となっている深海棲艦の襲撃による数々の鎮守府壊滅にお前が一枚噛んでるんじゃないのか?


福島「え!?」

小西「何を言って――――――」

加藤「どうなんだ?」ジー

加藤「俺は別にお前が敵である深海棲艦の連中と通じているとはこれっぽっちも思わないが、」

加藤「以前のような深海棲艦による鎮守府襲撃が起きるようになった今の状況を利用して、」

加藤「お前が『新戦略』と称して推進する【深海棲艦の自軍戦力化】の実験台にしてきたんじゃないかって疑っている」

加藤「…………どうなんだ?」

福島「はぁ? そりゃどういうことなんだよー!? わかりやすく説明してくれぇ!」

小西「つまり、加藤提督の疑念というのは――――――、」

小西「我々が遭遇した深海棲艦の鎮守府襲撃の事例に見せかけて、【深海棲艦の利用】の失敗を隠蔽してきたものがあったのではないかという――――――」

福島「んだとぉー!? おい、頭でっかち! お前、人としてやっちゃいけないことをぉおお!」ガタッ

加藤「静かにしていろ、この馬鹿!」ギロッ

福島「うっ」

福島「で、でもよぉ、もしそれが事実だったとしたら――――――」

加藤「…………それを今 確かめようとしているんだ」

加藤「で、どうなんだ? ……答えてくれ」

福島「…………加藤提督」

小西「さて…………」チラッ



石田「厳密には違うな」


加藤「!?」

福島「はぁ?! 何だよ、『厳密には違う』って!? マジわかんねーよ! Yesか Noか で答えやがれ、頭でっかち! カッコつけやがって!」

小西「なるほど。それもそうか」

福島「おい! 小西提督は頭でっかちの言ってることがわかるってのか?」

小西「察しが悪いもんだな。そんなお前のためにわかりやすく言ってやろう」

小西「要するにだ――――――」


小西「大本営がこれから公式アニメを放映する前段階として皇国のイメージアップとして計画していたブラック鎮守府の草刈りに便乗したのだろう」


石田「そのとおりだ」

加藤「…………!」

福島「え、ええ!?」

福島「つ、つまり、大本営によって味方の鎮守府が壊滅に追いやられて、それで――――――」

石田「これがお望みの今回の草刈りリストだ」バサッ

加藤「こ、これは…………」

石田「【艦これ】を運営するためのサーバも有限なのだ」メメタァ

石田「それでいて、来年からは一般向けの公式アニメも放映されてより一層 鎮守府への着任を希望する人間が多く集まることだろう」メメタァ

石田「サーバの増設はこれからも行われていくが、限りあるサーバのリソースを今以上に有効利用しなければならん時期に入っているのだ」メメタァ

石田「故に、全体の勝利に貢献しない、それどころか栄光ある我が皇国軍人の評判を落とすようなクズ共を付加価値をつけて粛清させてもらった」

加藤「やはり、お前は――――――」アセタラー

小西「そして どうやら、素晴らしい研究結果が手に入ったようで」

石田「ああ。『おかげで充実した粛清であった』と大本営からお褒めの言葉をいただいた」

福島「うえぇ!? ま、マジで味方を――――――!?」ゾクッ

石田「では、問おう」

石田「今回の粛清に選ばれたクズ共を見て、その専横を看過しているのが正義だとでも言うつもりなのか?」

福島「え、それは――――――わかんねえよ! てめえの価値基準だけで草刈りされちまった連中のことなんかよぉ!」


加藤「………………」ジー

小西「どれどれ」パッ

加藤「む」

小西「ほう、これはこれは――――――、前回の取り締まりの後で天下に悪名を轟かせてきた名立たるブラック鎮守府の連中が揃いも揃って…………」

小西「確かにこんな連中を生かしておくだけでも、皇国に仇なしていることに変わりないな」

小西「凄いな。今の御時世で捨て艦戦法をここまでやるような鎮守府が未だにあるとはね」

福島「いぃ!?」

小西「いいことじゃないか。こんなのは軍隊だけに限った話じゃない」

小西「企業にしたって、企業のポリシーや生存、利益に反する存在を駆逐して組織の健全さを保とうとするのは当然の働き」

小西「ましてや、我々が属しているのは他ならない皇国という1つの世界企業なのだよ?」

加藤「だが、それでも、他にやりかたはあっただろうに……」

小西「ふははは、言うに事欠いてそんなことしか言えないんだな、加藤提督?」

加藤「!」

小西「そんな無責任な――――――自分の手を汚したくないから周りで起こっている罪科を見逃そうって言うんだろう?」

加藤「そんなわけあるか!」ガタッ

小西「建設的意見なんてこれっぽっちも思いつかない分際で、文句ばかりはいっちょまえだよな、お前? それでいつも偉そうにしてさ?」

小西「生意気なんだよ! “愛しの間宮さん”とずっと一緒に補給部隊にいりゃいいんだよ、マザコンが! キモいんだよ!」

加藤「!!」プッツン

加藤「小西提督……! 先輩と言えどもこれ以上は――――――!」ググッ

福島「ちょ、ちょっと待ってくれよ、二人共! どうして二人が喧嘩してんだよ!?」オロオロ

石田「まったくだな。喧嘩なら他所でやって欲しいものだな」

福島「って、この頭でっかち! 元はと言えば、てめえが――――――」ギリリッ



黒田中将「静まれぃ」バァアアアアアン!


一同「!」

加藤「く、黒田中将――――――(――――――皇国の闇軍師?!)」

福島「え、ええええええ!?」

小西「な、なるほど。全てはそういうわけか……」

石田「……どうしてこちらに?」

黒田「卿らのことが心配でな」

黒田「それで、心配になって来てみれば、――――――案の定、卿らはかつての井上と南雲の論争のごとく相争うことになったな」

加藤「………………」

石田「………………」

黒田「卿らは【艦これ】のサービスが始まって間もなくからの歴戦の強者であり 能力も申し分ないが、」メメタァ

黒田「所詮、能力があるだけの愚か者の集まりにしか過ぎなかったというわけだったな」

黒田「かつて、尊皇攘夷を盛り上げて世界に冠たる明治維新を遂行してきた志士たちも、新政府での立場や方針を巡ってやがては相争うことになる」

黒田「卿らのような能力があるだけの存在こそが天下を乱す火種であると知れ」

福島「………………」

小西「………………」

黒田「卿らは『皇国のために』と念仏のように唱えてはいるものの、結局は皇国よりも自分の感情や都合を優先しているだけに過ぎん」

黒田「卿らの正しさなど、上っ面のものでしかないのだ」

加藤「違います! 俺たちは――――――」

黒田「なぜ違う? 何が違う?」

黒田「卿らは夫婦仲が悪いことは良くないとは思わぬのか? 子が親のことを憎むのは別にかまわないと思うのか?」

福島「そ、それは普通はダメだけど…………」

黒田「なら、仲良くされよ」

黒田「組織の人間同士が信頼を欠いた状態であることを見せつけること自体が敵につけいる隙を晒しているとは思わぬのか?」

黒田「自分が仲良くないのは正当な理由があるから自分だけは許されるとでも思っているのか、卿らは?」

小西「………………」

加藤「ですが――――――!」

黒田「では、問おう」


――――――人の心とは何だ?


福島「え」

加藤「…………?」

黒田「人間同士の下らぬ情こそが、――――――家を、――――――国を、――――――天下を乱す」

黒田「今の卿らの下らぬ啀み合いがいい例だろう」


黒田「加藤提督、卿は石田司令のように必死に知恵を絞り出して現状を打破しようと強く思ったことがあるのか?」

黒田「常に自分の価値観や倫理観を基準においた その批判的な態度が先程のような小西提督からの反感を招いていた」

黒田「それを直そうともせず、組織内の不和を助長させたことこそ私は火種を生み出す大きな罪のように思っているが?」

加藤「くっ」

黒田「次に、小西提督。卿は怜悧で飄々とはしてはいるものの実に嫉妬深く、後輩である加藤提督の成功を妬み続けていたな」

黒田「だからこそ、今のような啀み合いへと発展する温床になったのだ。私が止めなければ卿は加藤提督に対して何をしていたのだろうな?」

黒田「なぜ素直に味方の成功を称えられぬ? 皇国全体にとっての利益を素直に喜べぬ輩は最も信用できぬ」

小西「………………わかってますよ、そんなことは自分でもね」

黒田「福島提督、卿もまた、義侠心が先立つのは美徳ではあるが、あまりにも直情的すぎて物事の本質を見失うきらいがある」

黒田「卿は実に獣である。人間以下の獣だ――――――否、艦娘以下の存在だ。獣は己の感情の赴くままに何かを為すことしか知らぬ」

黒田「そんなんでは、これから激しさを増していく深海棲艦との戦いにおいて真っ先に脱落するであろうな」

福島「うぅ……、反省します」

黒田「そして、石田司令。卿の才覚は間違いなくここにいる者たちの中で随一ではあるが、」

黒田「卿は他者への配慮を知らなすぎる。まるで自分を中心に世界が回っているかのような傲慢な態度は国をも傾かせる恐れがある」

黒田「これから卿は、卿自身が捕獲した深海棲艦にしてあげているように他者を慈しむ対応の仕方を学ぶことが急務である」

石田「…………わかりました、黒田中将」


提督たち「………………」

黒田「最後に、これから卿らが己の主義主張で道を違わぬように明確な真理を告げておこう」

加藤「?」

黒田「今回の粛清の対象となったブラック鎮守府への裁量の基準だが、卿らはどういった基準で我々が裁いたかわかるか?」

福島「えと、あれですよね? ――――――『国家の帰属物である艦娘を粗末に扱った』とか?」

加藤「…………『皇国のためではなく、艦娘を私物化した』こと?」

黒田「確かにそうでもあるが、浅いな」

黒田「相変わらず馬鹿の1つ覚えのように『皇国のため』とは言うが、具体的にどういったことが『皇国のため』なのかが見えてこないな」

石田「私が答えます」

黒田「石田司令はいい。この中では卿が最も『皇国のため』に尽くしているからな。卿は今は、外に対して無愛想な態度を直すことを考えよ」

石田「……わかりました」

黒田「小西提督はわかったか?」

小西「簡単ですよ。――――――『艦娘を十二分に使って国威を示す』ことです」

黒田「違うな。そんなことではない。これは至極 簡単な答えだ」

小西「え」

黒田「どうやら卿らはとんでもない思い違いをしていることがこれではっきりとしたな」

福島「ええ……?」

加藤「では、石田司令にできて俺たちにできていないこととはいったい――――――?」



黒田「――――――『結果を出し続ける』それだけの話だ」


福島「え」

黒田「わからんか? たとえ捨て艦戦法を使ってどれだけの艦娘の犠牲が出し続けても『結果を出し続ける』こと、ただそれだけが評価されるのだ」

黒田「石田司令はそれを見事にやり続けているから一番高く評価しているのだ」

加藤「!」

小西「確かに……、石田元提督はかつてはブラック鎮守府に名を連ねるほどの非人道的な戦法を厭わなかったが、それでも結果を出し続けていた……」

石田「………………」

加藤「黒田中将! では あなたは、大本営はインモラルプレイを推奨していると言うのですか!?」メメタァ

黒田「ふふふ、実に浅はかな物の見方だな。それで『皇国のため』と言いふらしているとは恐れ入る」

加藤「…………?」

黒田「私は、『結果を出し続ける』ことが評価に値するといったのであって、」

黒田「たとえ捨て艦戦法を使ってその時 勝利に貢献したとしても、」

黒田「次の戦い、そのまた次の戦い、それ以降の戦いでも勝利に貢献できなければ意味がなかろうて」

黒田「はたして、捨て艦戦法に頼り続ける輩がこれからも戦力を維持し続けてこれからも勝利し続けるということが卿には可能だと思えるか?」

黒田「【MI/AL作戦】以来、必要とされる艦娘や戦術が多様化していく中で、」メメタァ

黒田「捨て艦戦法しかできないような無能がこれからのイベント海域を攻略していけると思うのか?」メメタァ

加藤「あ」

黒田「勝敗は兵家の常――――――、だが、たとえ緒戦で勝利し続けたとしても一度の敗北で盤面がひっくり返されることすらある」


黒田「しかし、現在 我々が深海棲艦に対して退くことが許されぬ以上、常に勝ち続けなければならないのだ。『結果を出し続ける』義務があるのだ!」ドン!


提督たち「…………!」

黒田「勝つべき時に勝たずして皇国が滅亡する――――――それを前提に考えれば、艦娘の犠牲など大した問題ではない」

福島「ぬぁ!?」

小西「え…………」

黒田「やはり大きな思い違いをしていたな、この者たちは。なあ、石田司令よ?」

石田「…………はい」


黒田「よいか? 艦娘は兵器である。兵器である以上は人間に使われて人類の勝利のためにあらゆる任務をこなす義務があるのだ」

黒田「卿らとて、艦娘たちと同様に『皇国のため』なら手と足となり 命を賭する覚悟があるのではなかったのかね?」

黒田「それとも、やはり口だけの中身の無い言葉だったのかね?」

加藤「そ、それは…………」

小西「つまり、艦娘の人格などあってないようなものだと言うんですか……?」

黒田「そうだ」

小西「そ、そんな馬鹿な…………」

黒田「だが、そもそも――――――、」

小西「?」


黒田「卿ら提督は艦娘たちを一定の能力を持った駒とみなしてこれまで作戦を立てて来たのではないのかね?」


黒田「駆逐艦でありながら非常にやる気に満ちた艦娘もいることだが、それを主力にして戦艦や空母に真正面から立ち向かわせようとは思うまい?」

小西「あ…………確かにそうでした。全ては能力に見合った作戦行動でした」

福島「た、確かにそれはそうなんだけどよぉ……」

黒田「となれば、『艦娘に心があるのかどうか』『人間として扱うべきかどうか』といった下らぬ議論はもうこれで必要あるまい」


黒田「むしろ、艦娘 以上に己を殺して それこそ兵器のごとく『皇国のため』に働かなければならないのは卿ら提督たちの方なのだぞ?」


提督たち「…………!」

石田「………………」

黒田「みなが下らぬ情を持たずにただ黙々と『皇国のため』に尽くす兵器のような心でなければ、国はまとまらぬ。泰平はいつまでも続かぬ」

黒田「特に、艦娘たちは絶対服従の因子によって提督の命令にはまず逆らえぬ。これほど理想的な兵士は存在しない」

黒田「だが、それを使う提督が不心得で力不足であるからこそ、結果を出し続けられぬし、自暴自棄やインモラルプレイにも走ることになる」

加藤「た、確かにそうかもしれない……」


黒田「よって、大本営が卿ら提督たちに求めているのは『結果を出し続ける』ことであり、」

黒田「その責務を果たし続けるためにはまず『己を律し、己を殺し、己を磨く』姿勢が何よりも大切であり、」

黒田「今回の粛清は『己を律し、己を殺し、己を磨く』姿勢の欠けた取るに足りない火種を消し止めただけに過ぎん」

黒田「こう言えば、卿らもこの粛清に異論を挟むことはできまい?」

黒田「ましてや、石田司令の頑張りにケチをつけることもできんだろう」

加藤「………………」

福島「………………」

小西「………………」

黒田「――――――『臣下の臣下は臣下にあらず』」

黒田「では、『君主から見た臣下の臣下』とはいかなる存在か――――――」


黒田「それは、『臣下の刀であり、勲章であり、衣服であり、手足』――――――『君主からの命を果たすために存在する装備』でしかない」


黒田「卿らが部下をどう扱おうと――――――装備として所有している兵器をどう使って命を果たすかは我々にとっては取るに足りない問題なのだ」

黒田「ましてや、末端の兵の一人一人について考慮する余裕も義務もない。そんなのは非効率なだけでそれぞれの部隊長の管理の問題だ」

黒田「そして、戦いの最中に装備が消耗するのはごく当たり前のこと。そんなのは確率的に必然の道理であり、戦いに犠牲はつきもの――――――」

黒田「それ故に、艦娘が轟沈したことに関して特に責めるつもりは毛頭ない」

黒田「それで勝利したのなら、我々は卿らに与えた任務の成功を称えて褒美と賞賛を与え、お望みならば 犠牲者の葬儀も国費で盛大に行ってやろう」

黒田「だが、国より命じられたなすべきことを果たせなければ、――――――その時は覚悟してもらおう」

提督たち「………………」

黒田「全てはそういうことだ。極めてシンプルな答えであろう?」

黒田「だが、石田司令を含めて卿らにはそれぞれ克服すべき課題がある」

黒田「しかし同時に、卿らの能力は我々は高く評価している」

黒田「『結果を出し続ける』ために『己を律し、己を殺し、己を磨く』ことを欠かさなければ更なる栄達が望めよう」

黒田「――――――長話が過ぎたが、言うべきことはこれで以上だ。私はこれで帰るとしよう」

石田「…………」スッ

加藤「…………」

福島「…………」

小西「…………」


提督たち「………………」ビシッ


黒田「今後も『結果を出し続ける』ことを楽しみにしているぞ」ビシッ

黒田「ではな。くれぐれも『皇国のため』にあってくれ」


スタスタスタ・・・・・・



石田「…………フゥ」

加藤「………………」

福島「疲れたー」

小西「そうだな」

加藤「――――――『結果を出し続ける』ことができるのは『己を律し、己を殺し、己を磨く』ことができる人間だから、か」

加藤「石田司令」

石田「む」

加藤「すぐにでも今日の報告を見せてくれないか」

石田「ああ。わかった。これが今回の調査結果だ」スッ

加藤「よし。――――――ほら」スッ

福島「あ、おお。ありがとな」

小西「これはどうも……」

石田「………………」

石田「少し疲れただろう」

石田「待っていろ、今 茶を用意させる」ピピッ

石田「――――――石田司令だ。今 休憩に入る。茶と茶菓子を用意してやってくれ」


一同「……………………」


石田「まあ、その、……何だ?」

石田「黒田中将が直々に訓示をくださったのだ」

石田「俺としても、その、やはり一緒にやっていくのなら同志として苦楽を共にしていきたい」

石田「改めて、この『新戦略研究局』の一員として、これからよろしく頼む……」

加藤「あ、ああ……、俺の方こそよろしく頼む……」

福島「お、おう……。こ、これでみんな『ダチになった』ってことでいいんだよな? な?」

小西「そういうことにしておきましょう……。でなければ、あの闇軍師の粛清に遭うことも考えられますから…………」

石田「…………ホッ」

加藤「………………丸め込まれた感じがしないわけではないが、これが現状におけるベストな判断なのだろう」







石田「――――――というわけだ。説明は以上だ」

加藤「なるほど。【調教済み深海棲艦】とは言え、【調教】も完璧ではなく、時間が経つに連れて効果がなくなるのか」

福島「そんで逃げられる(=ロスト)だって? それってガチでヤベぇことじゃん! せっかく【捕獲】したのに逃げられちまったらさぁ!」メメタァ

小西「まあ、【入渠】という体裁で提督自身が【深海棲艦の調教】を執り行うものなのだから、日課として欠かさなければ問題ないだろう」メメタァ

小西「俺としては、周囲の艦娘に与える影響の方がネックだと思う」

加藤「そうだな。この統計データによって、【調教済み】であろうとやはり敵だったものが近くにいるだけで艦娘たちにストレスになって、」

加藤「【艦娘たちの疲労】がどっと増えることが判明している以上、通常の運用は厳しいものがあるな」メメタァ

福島「でも、深海棲艦が喋れない以上は少なくとも旗艦にはできないからさぁ、いやでも艦娘と一緒に運用しないとダメじゃん」メメタァ

小西「まあ、ピンポイントに運用する分には問題ないって感じなのかな? 深海棲艦は自然回復するようだしな」メメタァ

石田「だが、こちらからの修理・補給を受け付けないが故に、レベリングが一向に進まん」メメタァ

加藤「なるほどな。そういった苦労もあるのか」

加藤「となれば、できるだけ強力な深海棲艦を【捕獲】して運用した方が効率がいいように思えるな」

小西「そうなるな。戦艦レ級を大量に【捕獲】してそれを特攻させれば敵の戦力をごっそり奪った上でこちらの損害は一切ないからな」

福島「でも、それだけ強力なやつを【捕獲】しようとすれば、その過程で数えきれない犠牲が出るかもしんねえぞ?」

小西「それは本気で轟沈させるつもりでたまたま生き残った死に損ないを【捕獲】するのがちょうどいいんじゃないか?」

小西「レ級クラスなら、本気で殺っても生き残る可能性も高いからな」

福島「ええ……? それでもし大破状態に追い込んだにしてもかなり危ないんじゃねえのか?」

石田「さっきから福島提督は不安ばかり口にしているな」

福島「わ、悪いかよ、頭でっかち! 俺はマジで心配して言ってやってるってのによぉ」

石田「いや、こちらとしても深海棲艦の自軍運用に関して素人目線からのそういった不安の声を払拭させる必要があるから、」

石田「そういった声には誠実に対応しようと思っている」

福島「お、そうなのか? だったら、これから遠慮無く言わせてもらうからな」

福島「間違ってもビビってるわけじゃねえから、そこんとこ よろしく!」

小西「……相変わらず能天気なやつだな」

加藤「…………まあな。だが、それだけに直球だ」


小西「しかし、思ったよりも使いづらくて困ったものだな」

小西「【調教】に関しては元々 敵である存在をこちらに引き込むために必要な過程として納得できるが、」

小西「なぜにこちらの修理・補給に対応していないのか――――――自然回復ができるのはいいが、かなり時間が掛かるようでもあるぞ」

加藤「落ち着いて考えてみると、――――――それで良かったんじゃないのか?」

小西「どうして? 修理・補給がすぐに終わらないということは容易に練度を上げられず、数に劣る我々が不利になるんだぞ」

加藤「いや そもそも、この『新戦略』というのは強い深海棲艦を【捕獲】して自軍戦力化すると同時に敵戦力の削減が狙いだ」

加藤「そう簡単に敵の練度が上がるようなら、逆に我々が練度を上げて圧倒する戦法が使えなくなって歯が立たなくなるぞ」

小西「…………!」アセタラー

加藤「それに、修理・補給の問題にしても――――――そもそも艦娘の管理全般を行っているのはあくまでも妖精たちだ」

加藤「となれば、妖精たちが深海棲艦を御し得ない以上は手の施しようがないことになる」


加藤「むしろ、妖精科学でもどうしようもできなかった深海棲艦を人類科学で克服できる足がかりをつかめただけこれは大躍進じゃないか」


小西「な、なるほど……、そう言われてみればそうだな」

石田「そう言われると、……助かる」

加藤「……まあ、これも『皇国のため』だ」


福島「じゃあ、深海棲艦はいったいどこからどうやって砲弾やら艦載機やらを作って補給してるんだよ?」

加藤「それは…………」

石田「いや、それは至極簡単な答えだ」


――――――深海棲艦は無から生まれているのだから。


福島「はぁ? んなわけあるか! パスツールの実験ってやつを知らないのかよ、頭でっかち!」

石田「そういう福島提督こそ、深海棲艦がこの世の法則に則った存在だと未だに思っているのか?」

福島「え? それは……、わからねえよ…………」

加藤「そうだな。深海棲艦をこの世の存在だと位置づけるには我々はあまりにも超常を見過ぎている」

小西「まあ、その証明をするとなれば――――――、」

小西「これまであれだけ撃滅してきた深海棲艦だが、一向に減るどころか数を増しつつあるからな」

小西「どう考えても、あの無尽蔵にも思える、いくら倒しても切りがない手応えの無さは異常だ」

福島「そりゃそうだけど…………」

加藤「だが、それを認めてしまったら、――――――俺たちの戦いは何だったんだ? ただの無駄骨、負けを認めるしかないというのか?」

石田「いや、実はそうでもない」

加藤「なに?」


石田「俺は以前に輸送ワ級の【捕獲】に成功し、ついにその分析結果がようやく出たのだ」


福島「おお!」

小西「それは本当か!」

加藤「で、どうだったんだ?」

石田「だが その前に――――――、」スッ



――――――【深海棲艦のサンプル】


福島「な、何だよ、これぇ?」ゾゾゾ・・・

加藤「この禍々しさは――――――」アセタラー

石田「…………【深海棲艦のサンプル】だ」

小西「馬鹿な! 深海棲艦は倒した途端に人魚姫のように海に溶けて消えてしまうのに――――――」

石田「それが現にこうして物体として形を残している――――――ということは だ」

福島「――――――ということは、その【サンプル】ってやつで研究が進んだってことなんだな!」

石田「そういうことだ」

石田「すでに大本営にはこの【サンプル】の存在を報告して、【深海棲艦研究班】に大半を研究素材として送りつけてある」

石田「これによって、これまで実現しなかった深海棲艦の多角的な研究ができるようになり、その研究報告がすでにここに届いている」

福島「なんだよ、もったいぶって! 早く言ってくれればいいのによ! な、加藤提督!」

加藤「……まあ、順を追って説明を受ける必要があったことだし、これはこれでよかったんじゃないか?」

小西「それで、何がわかったんだ?」

石田「それはだな――――――」


―――

――――――

―――――――――

――――――――――――



――――――時は12月某日に戻り、


W:妙高「ふぅ」

足柄「妙高姉さん。今日もお疲れ」

W:妙高「ありがとう、足柄」

那智「いよいよ、23日は【深海棲艦】のお披露目となるわけだが…………」

羽黒「だ、大丈夫でしょうか? や、やっぱり、少し不安です……」

W:妙高「大丈夫よ、みんな。何があっても大丈夫なようにするのが私の任務だから」


W:妙高「私たちの提督と提督の理想は何があっても守り通してみせるから」


足柄「ま、妙高姉さんがこう言ってるんだし、当日は報告会の成功を願ってカツサンドを作っとくからね」

那智「そうだな。どうやら戦いは我々がどれだけ知恵を絞ったところで辿り着けないような次元に移っているようだしな」

那智「前回の秋イベントではあまり活躍の場もなかったし、中部海域も攻略した後では時間を持て余し気味だ」メメタァ

那智「しかしながら、久々に秋イベントで艦隊司令官として指揮を執ってくれたわけだが、」

那智「相変わらず私たちの提督の戦術行動、戦術判断は惚れ惚れするような采配であったな」

足柄「そうよね! 左近提督の“前進制圧”と比べると“約束された勝利”って感じで素敵よね!」

羽黒「でも、昔に比べると優しくなったって感じが強くなったよね」

那智「そうだな。そのことに私も違和感を覚えたが、戦いに支障がなかったのだからいいではないか」

足柄「う~ん、私は昔の方が『何が何でも完璧に勝利してやる!』って気迫が感じられたから前の方が良かったかも」

W:妙高「そうね。昔ほど檄を飛ばすことがなくなったのは確かね」

W:妙高「これもやはり、『ヲシドリ』たちのお世話――――――いえ、【調教】を司令自らが行うようになったからかしらね?」


那智「…………足柄としてはどう思っているのだ?」

足柄「え、何が?」

那智「――――――【調教済み深海棲艦】についてだ」

足柄「ああ それねぇ……」

足柄「私は特に何か言うつもりはないわよ」

足柄「だって、私たちの提督の奥底にある勝利へのこだわりは私たちがよくわかってるじゃない」

足柄「そして、その提督の側には妙高姉さんがいるんだもん」

足柄「これで敗北なんて絶対ありえないわよ! 100% 完璧勝利 間違いなしよ!」

W:妙高「身内とはいえ、そこまで断言されると照れくさいものがあるわね……」フフッ

那智「それもそうだったな。私たちの提督はただの前線指揮官に収まるような人物じゃない!」

羽黒「な、なんだか私たちの司令官さんが遠くへ行った感じがしていたけれど、これで安心……かな?」



武蔵「本当に23日の報告会は大丈夫なんだろな?」

W:長良「大丈夫ですよ、武蔵さん。心配しすぎですって」

武蔵「しかし、23日の報告会で行う【演習】ではお前と妙高と日向の3人で行うのだろう?」

武蔵「お前の実力は私たちの提督が認めたのだから侮っているつもりはないが、それでも――――――!」

W:長良「落ち着いて、武蔵さん」

W:長良「私も、相手は深海棲艦だし あっちも嫌そうな顔してたから、最初は仲良くするだなんてできそうもないって思っていたんですけど、」

W:長良「司令官が私と一緒に走りこみしてくれたおかげで、あの子たちも物凄く足が遅かったけど一緒に走ってくれたんです」

W:長良「そこで気づいたんですけど、深海棲艦も陸の上で走れば息が上がっちゃったり、足が笑っちゃったりするんだって初めて知りました」

W:長良「それでね? 司令官が言うんだけど、『艦娘も深海棲艦も違いなんて大した違いなんてない』んだって」

武蔵「なんだと? 我々があのおぞましい化け物たちと変わらないだと?」

W:長良「私も司令官が何を言ってるのか全然わかんなかったんだけど、司令官が率先して深海棲艦とたわむれてるところを見ていく中で、」

W:長良「司令官の前でいろんな表情を浮かべて いろんなことに初挑戦して頑張る姿にちょっと感動したっていうか、」


W:長良「――――――変ですよね? 敵なのに、化け物なのに、その頑張ってる姿を見て感動しちゃうだなんて」


武蔵「………………」

W:長良「でも、どうしてそう思ってしまったのか、私にはそれを表現する言葉なんてなくて……」

W:長良「だから、司令官が言ったことは本当なんじゃないかって思うしかなかった」

W:長良「でも、やっぱり納得できなくて――――――」

W:長良「だから、こうなったらもう! 凄く勇気を出して空母ヲ級――――――『ヲシドリ』ちゃんと一緒になってみたんです」

武蔵「…………!」

W:長良「そしたら、『ヲシドリ』ちゃんは喋ることはできないんだけど、ちゃんとこっちの言ってることを理解して反応を返してくれるんですよ!」

W:長良「司令官と一緒にトランプしたり、かけっこしたり、部屋の掃除をしたり――――――」

W:長良「司令官の【調教】の成果なんだろうけれども、喋れないけどちゃんと文字に表して受け答えして、ハンドサインで簡単な意思表示だってできるんです!」

W:長良「もう『これは信じるしかない』って実感したから、私は【深海棲艦】と一緒にいるのは怖くないんですよ」


武蔵「だが、いつ裏切るとも知れない存在に背中を預けることに怖さを感じないのか?」

W:長良「…………確かに、怖いです」

W:長良「でも、やっぱり今まで私たちを勝利に導いてくれた司令官のやることを嫌がったら何かがダメになっちゃう気がするんです」

武蔵「?」

W:長良「私たちの司令官は本当に非の打ち所がない優秀な指揮官でしたけれど、あまり私たちとのふれあいを持とうとはしてくれませんでした」

W:長良「大規模作戦の成功や勝利に湧き起こる私たちからはいつもいつも距離を置いて一人だったんです、司令官」

武蔵「…………!」

W:長良「だから、今回の【深海棲艦の調教】に関してあそこまで司令官が一生懸命に深海棲艦を理解しようとしていて、」

W:長良「そのために、今まで関わろうとしてこなかった私たちと一緒の時間を過ごしてくれるようになったことが凄く嬉しかったです」

W:長良「昔より司令官は本当に笑うようになってくれましたし、本当に楽しそうにしているんです」

W:長良「だから、そんな 今まで私たちの勝利のために頑張ってくれた司令官に何かお返しがしたくて――――――」

武蔵「……もういい。お前の気持ちはわかったから」

W:長良「武蔵さん?」

武蔵「まかせるぞ」

W:長良「はい!」ニッコリ


スタスタスタ・・・・・・


武蔵「…………くっ」

武蔵「………………提督よ」


飛龍「………………ハア」

W:日向「また、私たちの提督のことか?」ニュッ

飛龍「きゃあ?!」ビクッ

W:日向「っと、すまない。そこまで驚かせるつもりはなかったんだが……」

飛龍「あ、大丈夫です……」

W:日向「…………寂しいか?」

飛龍「え」

W:日向「悩みを言い当ててやろうか?」


W:日向「23日の『司令部』における報告会で行われる予定の【演習】や日頃の【捕獲】のメンバーにどうして自分が選ばれないのか――――――」


飛龍「…………!」

W:日向「……まあ、そうなるな」

W:日向「――――――理由は明白だろう」


W:日向「飛龍、きみがまぎれもない趣里鎮守府の主戦力だからだ。提督が認める優秀な戦力だからだ」


W:日向「あくまで私たちの提督がしている【深海棲艦の捕獲】なんていうのは、私のような予備戦力で行われていることだ」

W:日向「それに生け捕りにした方が確実だからこそ、なるべく【火力】が低めの編成で出撃してもいる」

W:日向「そして、日常業務を滞らせないために左近提督を招いて【海軍総隊】を結成しているわけだ」


飛龍「提督のやることの全てが皇国の勝利を願ったものだっていうのはよくわかってるよ」

飛龍「でも、いったい何度【捕獲】を敢行して死にかけたことか――――――」

飛龍「そう、この前の夜間出撃の時だって、海面に現れた“不気味な穴”に吸い込まれて――――――あれ?」

W:日向「……何の話だ、飛龍? この前の無断出撃のことか?」

飛龍「あ……、うん」

W:日向「そうか。あの時は大荒れして提督だけじゃなく飛龍と霧島もあやうく転覆しかけたから、」

W:日向「どうやらその辺の記憶が曖昧になっているようだな……」

飛龍「………………」

W:日向「あれは実に貴重な経験になったな。もしかしたら第四艦隊事件の再来になっていたやもしれない」

飛龍「あ、うん……」

W:日向「まあ、心配するな。私もこの【深海棲艦運用システム】に早い段階から関わっていたことだし、」

W:日向「今も忌避感が少しあるが、『レイ』や『ヨウスイ』たちの管理は行き届いている」

W:日向「おかげで、実際の敵の行動パターンや性質がわかってきたから、戦闘にも少しずつだがその成果が反映されてきている」

飛龍「………………………………」

W:日向「?」

W:日向「さっきから元気がないというよりは、白昼夢でも見ているかのようだな。夕食前だが今日は早めに寝ておいた方がいいんじゃないか?」

飛龍「あ、ごめん。最近ちょっと不思議な夢を見てそのことが頭が離れなくて……」

W:日向「――――――『夢』?」

飛龍「うん」


飛龍「私と提督が一緒に逃げ切るために提督の…大切な人が亡くなっちゃって、それでも提督は涙を流さなかった――――――」


飛龍「――――――っていう悲しい夢」

W:日向「………………」

飛龍「ごめんね。わざわざ日向が声を掛けてきてくれるぐらい今日の私 どうかしてたってことなんだよね?」

W:日向「まあ、そうなるな」

W:日向「だが――――――」フフッ

飛龍「?」

W:日向「いや、何でもない」

飛龍「それじゃ、提督のこと 呼んでくるね」

W:日向「うん」


スタスタスタ・・・


W:日向「――――――『夢の中でも提督と一緒』ってところがいじらしいな」フフッ




コツコツコツ・・・

W:日向「ん」

伊勢「よっ、日向。今日もお疲れさん」

蒼龍「【深海棲艦】たちとはうまくやれてる?」

W:日向「ああ。問題ない。少なくともいい子にしてくれているぞ」

W:日向「それよりも問題があるとしたら――――――いや、何でもない」

伊勢「まぁた日向のところの提督が無断出撃しないかって話でしょう?」

W:日向「さすがにバレたか」フフッ

W:日向「けど、23日の報告会に向けてこれ以上の無理はできないだろう」

W:日向「それに、何やらあの無断出撃の後はあれで懲りたのか、おとなしく研究に没頭しているようだしな」

蒼龍「それならいいんだけどなぁ」

蒼龍「あの提督、少しは飛龍の気持ちを考えてくれると嬉しいなぁ」

伊勢「でも、見てくれも根っからの仕事人間って感じだし、軍人よりも役人の方が似合ってるって感じじゃん」

伊勢「ここまでこの鎮守府が発展してきたのも恋愛事に脇目も振らずに遮二無二にやってきたからなのがありありと感じられるよねぇ」

W:日向「まあ、【深海棲艦】とのコミュニケーション――――――【調教】する過程で私たち艦娘とのコミュニケーションもだいぶ増えてきたことだし、」

W:日向「そこは今後の提督の成長に期待しようではないか」

W:日向「(しかし、――――――偶然だろうか?)」

W:日向「(確かにあの無断出撃の後、提督の態度が急に変わったような印象が拭えない。明らかに人が変わったかのような――――――)」


――――――――――――

―――――――――

――――――

―――


――――――深夜


石田「――――――よし、出るぞ」(最新の防水防弾服)

ヲ級「ヲヲヲ!」


ブゥウウウウウウウウウウウン! ザァアアアアアアアアアアア!


――――――
左近「やれやれ、相変わらず殿にも困ったもんですなぁ……」

左近「まさか同じ【艦載艇】を俺に黙って【開発】していただなんて……」

左近「いくら鎮守府近海とはいえ、今夜は海が荒れそうだってのに…………無許可の夜間狩猟なんてお戯れが過ぎますぜ?」

左近「すみませんが、川内さん、長良さん、――――――他に起きているのはっと、霧島さん、飛龍さん、殿の護衛についてください」

左近「潜水艦で尾行させるのがベストなんでしょうけど、本当に時化てきた時に殿を助けるには力不足ですからな」

左近「海が荒れる前に夜間偵察機で安全確認してくださいよ? 移動母艦も無しじゃホントに危険ですから」
――――――


石田「………………見つからないか?」

ヲ級「ヲヲ…………」

石田「そうか。そんな日もあるだろう」

石田「しかし、これからの研究で少しでも【深海棲艦のサンプル】が必要となってきた以上は、」

石田「駆逐イ級でもいいからそれを【捕獲】して次から次へと【解体】しないと研究が進まない」

石田「――――――俺の研究にしても、大本営の【研究班】にしてもだ」

ヲ級「ヲヲ………………」

石田「大丈夫だ。お前はいい子だから【解体】なんてしないぞ」ニコッ

ヲ級「ヲヲ」スリスリ

石田「…………フッ」

石田「あ」

石田「しまった。駆逐イ級なら水雷系なのに、空母系【捕獲装備】の【電撃銃】を持ってきてしまった…………俺としたことが」

石田「(あれから更に改良が加わったこいつを試し撃ちしたいが、なかなか機会がな……)」ジャキ ――――――【電撃銃・紫電】!

石田「――――――っと」ヨロッ

石田「さすがに荒れてきたか」

石田「よし、撤収しようか」

ヲ級「ヲヲ!」 ――――――ハンドサイン「後方に味方6人!」

石田「…………やはり左近提督の目をごまかすことはできないか」

石田「よし、鎮守府に帰投する!」グルン



ブゥウウウウウウウウウウウン! ザァアアアアアアアアアアア!



石田「………………?」

石田「何だ? 前に進んでいない?(それどころか、こちらに向けている【探照灯】の光から逆に遠ざかっている!?)」

石田「ハッ」

石田「――――――『ヲシドリ』!?」クルッ

ヲ級「ヲヲヲォオオオオオオオ!」

石田「!?」


石田司令の目の前に見えたのは、夜の暗闇にぽっかりと空いた“不気味な穴”であった! 目を疑った!

“不気味な穴”は海面のうずしおのようではあったのだが、これはうずしお以上に吸引力が強力であり、

それが何もないところに設置されたバキュームのように辺りに存在する全てを吸い込もうとしていたのである!


石田「な、何なのだ、あの“穴”は…………!?」

石田「ありえない、なんなのだ、これは!?」

石田「ぐぅうう、こちらも吸い込まれ――――――(いや、今からフルスロットルで行けば脱出できる可能性がある!)」

ヲ級「ヲヲヲォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」

石田「『ヲシドリ』ィイイ!(ダメだ! 失ってなるものか、『ヲシドリ』を!)」

石田「なら、これに賭けるしかない!(――――――今日 初めて使う新品のマリンジェットだが、フルスロットルで行く!)」グルン1


ザァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!


石田「『ヲシドリ』、捕まれええええええええ!」

ヲ級「ヲヲヲヲォオオ!」

石田「――――――っ!」パシッ


この時、石田司令が咄嗟に思いついたのは、“穴”の吸引力と【特殊小型船舶】の高速性を合わせた離脱であった。

“穴”に向かって突撃することによって、“穴”の吸引力を受けて【特殊小型船舶】本来の出力を超えたスピードで『ヲシドリ』を救助した後、

そのままの勢いで急転回して“穴”の脇に逸れてギリギリで通り越そうと目論んだのであった…………。





川内「あれ? 提督、どうして引き返したの? ねえ、どうなってるの?」

――――――
夜偵妖精「ここからではよくわかりません。だいぶ風も吹いてきたので近づくのはこれ以上は――――――」
――――――

川内「えー?」

霧島「機械の故障でしょうか?」

W:長良「そんなわけないじゃありませんか、霧島さん! 故障していたのなら、牽引できるような設計に――――――あ」

W:長良「『ヲシドリ』ちゃんは? こういう時、索敵範囲が広くて夜間戦闘もできる『ヲシドリ』ちゃんを連れていかないはずがないよ!」

飛龍「――――――!」ザァアアアアアア!

川内「あ、飛龍さん!」

霧島「危険です! 臨時とはいえ、夜間戦闘に対応していない【正規空母】では万が一があった時にただの的ですよ!」ザァアアアアアア!

――――――
夜偵妖精「ん? あれ、どういうことだ? どこに行った――――――?」キョロキョロ
――――――

川内「どうしたの?」

――――――
夜偵妖精「き、消えた? いや、そんなわけが――――――わっ」ビュウウウウウウウウ!

夜偵妖精「も、もうこれ以上は限界です! 早めに撤収してください!」

夜偵妖精「うわわわ……」
――――――

川内「大変! 早く提督を連れ戻さないと!」

W:長良「『ヲシドリ』ちゃんはどこ?」

霧島「二人はここで待機していてください!」

川内「え」

霧島「重量の軽い【軽巡】では荒波に呑み込まれてしまうわ!」

川内「で、でも――――――」

霧島「【照明弾】をありったけ! お願い! それから応援を!」

川内「わ、わかった!」

W:長良「…………それじゃ、頼みます!」

霧島「今こそ、【高速戦艦】の本領発揮よ!」ザァアアアアアア!


飛龍「提督、提督ぅ…………!」ザァアアアアアア!


――――――
左近「!」ピィイイイイイイイ!

左近「発信機の反応が――――――」

左近「……殿?」

左近「返事をしてくださいよ、ねえ殿?」

左近「殿……、殿おおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
――――――











ピュウウウウウウウウ! ザァー、ザァー、ザァー! ゴロゴロ・・・ピカーーーーーン!






飛龍「あれ? ――――――真っ暗!?」

霧島「い、いきなり嵐!?」

ヲ級「ヲヲ…………」ポロポロ・・・

石田「俺は、俺は、俺はあああ!」グスン

石田「うわあああああああああああああああああああああああああああ!」



――――――2日後、

――――――病棟


左近「殿? さすがに今回のことで俺も――――――」

石田「わかっている」


石田「すまなかった。もう二度と無断出撃はしない」


左近「…………!」

左近「そ、そうですかい、殿。それなら俺も安心です(――――――ちゃんと目を見て 言ってくれた)」

石田「今までさんざん苦労をかけたな」

左近「いえいえ、全てはこの瞬間のためにあったのですから」

石田「俺には過ぎたるものだな、本当に」

左近「ど、どうしたんですぅ? まるで人が変わったように見えますよぅ?」


石田「…………そうか。【こちら】ではたった一晩の出来事になっているのか」ボソッ


石田「いや、大事を取って1日 入院させられて いろいろなことを考えているうちにな?」

石田「――――――『俺と同じ“氏”で有名な男』のことをふと思い出していてな」

左近「――――――『同じ“氏”』?」

左近「……ああ 確かに『あの御仁』は殿に似ているのかもしれませんね」

石田「俺は昔から『そいつに似ている』とよく言われてきた」

左近「…………殿」

石田「だが、やつはただの歴史の敗者だ。俺はそんなやつのようにはならない、そいつ以上にうまくやれると思っていたのだが、」

石田「どうやら俺とやつは時代が違うだけで、もし俺がやつの時代に、やつが俺の時代に生まれていたのなら互いに同じ道を選んでいただろう」

左近「そ、それは……、何と言うか、凄いことですな……」

石田「すまない。突然の変節のようで戸惑うだろうが、」

石田「俺はもっと内を省みてこの鎮守府のみなのことを大切にすべきと思っただけだ」

石田「だからこそ、我が身をもっと大切にしておくべきなのだと、――――――そう思っただけだ」

左近「……そうですか。俺は嬉しいですよ、殿」

左近「1つ言わせてもらえば――――――、」


左近「俺はたとえ殿が『あの御仁』とどれだけ似ていようとも、今の殿なら『あの御仁』を超えていると確信していますよ」


石田「そうか。…………嬉しいものだな」テレテレ

左近「俺も嬉しいですよ、殿」ニッコリ


左近「ところで、殿?」

石田「なんだ?」


左近「どうして、殿は扇の製作なんてしているんですか? それもたくさん――――――」


石田「ああ これか」

石田「――――――俺の趣味だ」サラサラ

                                       \        大         /
左近「お、これは――――――――――――“大一大万大吉”」  \       一       /
                                          \     大 大     /
石田「よし!」コトッ                                 \   万 吉   /


左近「殿。確かこれって、殿が嫌っている『あの御仁』の――――――」

石田「時同じくしていた薩摩の島津義久が自室に極悪人たちの人物画を飾って寝ていたのと同じことだ」

石田「これをみなに配ろうと思う。――――――もちろん自費で勝手にやっていることだ。配るだけ配ったら後は知らん」

左近「そうですか、それだけの意気込みでやっていたのですか!」

左近「殿、あらためてこの左近めは感服いたしました!」

石田「大袈裟だな。反面教師にしているだけだろうに」

左近「いえいえ、殿は無自覚かもしれませんが、」

左近「これは自分が嫌っているものを受け入れ、それを乗り越えようと努力しようとしていることの現れ!」

左近「なかなかできることじゃありませんよ、これは!」

左近「そして、歴史の敗者の旗印でしかなかった“大一大万大吉”を殿の手で新たな意味に塗り替えられるよう、一層 励んでいただきましょう」

石田「………………」

石田「そうか、俺は“お前”のおかげで変われたのか――――――、」


―――

――――――

―――――――――

――――――――――――



――――――そして、今に至る


――――――
ブクブクブク・・・・・・
――――――

石田「…………わかるか? 俺が」

ヲ級「ヲヲヲ!」

石田「――――――そうだ。ここが【俺の居るべき世界】なんだ」

石田「お前が最期に作ってくれた、この“神遊扇”に全ての答えが込められていたな」

石田「もうすぐだな。もうすぐお前の身体が【この世界】に定着してまた一緒に居られるようになるぞ、」


――――――『No.58』。


――――――
ブクブクブク・・・・・・  ――――――石田司令と深海棲艦が見つめ続ける培養槽は絶え間なく泡を出し続けている。
――――――


飛龍「提督――――――あ」

石田「………………飛龍、か」

――――――
ブクブクブク・・・・・・
――――――

飛龍「――――――やっぱり、夢じゃなかったんですね」

石田「ああ。あれは決しては夢などではなかった…………」

飛龍「あ……」

石田「?」

飛龍「い、いえ……、何でも…………(――――――提督の私に対する口調が変わってる。夢だけど夢じゃなかった。夢は続いていた!)」


石田「………………」

ヲ級「………………」

飛龍「………………」

飛龍「…………提督。そろそろお夕飯ですよ?」

石田「ああ。わかってる」


飛龍「…………好きだったんですか? あの人のことが」


石田「……それはどういう意味だ?」

飛龍「あ……、ごめんなさい……」

石田「質問に答えるのならば、――――――そういうわけじゃない」


――――――ただ約束しただけ。


飛龍「――――――『約束』」

石田「そうだ。余計なことをしてくれたお返しをするためだ」フフッ

飛龍「――――――『お返し』」ホッ

石田「では、これぐらいにしておくか」

石田「行こうか、――――――『ヲシドリ』、――――――飛龍」クルッ

ヲ級「ヲヲヲ!」

飛龍「はい!」


スタスタスタ・・・・・・


――――――

ブクブクブクブク・・・・・・


????「――――――」ブクブク・・・!

????「――………………」パチッ

????「………………!」ジー

――――――


石田「――――――」

ヲ級「――――――」

飛龍「――――――」


――――――
????「マタ……アエタ…………提督…………」ニコッ
――――――



――――――それは“鎮守府の守護神”が目を覚ました瞬間であった。



――――――第7話W 鎮守府の守護神   -侵食される鎮守府- 完

       Next:第8話  12月23日 -三笠公園にて- に続く!



新システム4W:深海棲艦運用システム
空母ヲ級・戦艦レ級・戦艦タ級ファンのみなさま、お待たせしました。
公式が実装するかは不明ですが、勝手に提案させてもらいます。

深海棲艦運用システムの構成は2部構成となり、この2つの段階を踏む必要があります。

大前提:【秘密工廠】の開放
第1部:提督出撃システム -深海棲艦捕獲編-
第2部:深海棲艦運用システム -基本編-


大まかな流れ
【捕獲装備】と【深海棲艦運用システム】の実装のための【開発投資】を行う ……大前提(更に言えば、【秘密工廠】を【投資】で開放する!)
→【捕獲装備】付きの【突撃部隊】を編成する → 【深海棲艦を捕獲】する  ………第1部
→【深海棲艦を調教】する → 【調教済み深海棲艦】を【艦隊編成】する → 戦闘 →【調教】→ 戦闘 →(ry ……第2部


某手強いシミュレーションのように『話す』だけで味方に引き込むことができるような敵ではないことから、
それ相応の難易度のシステム内容としておりますので、どうか悪しからず。


プレゼンターにおける深海棲艦の認識
1,基本的に喋ることができない
→ ボス級深海棲艦の登場に衝撃が走ったのはこれまで喋ると思われなかった深海棲艦が喋ったという認識から。
2,知能は動物並みで闘争本能が強い
→ どう見ても小型深海棲艦に人間並みの知能が発達しているようには見えないし、人間としての形を保ってないのがほとんど。
→ そして、本能的に同族に対して競争意識が働いていると解釈すれば、艦娘に対する敵対心についても説明ができると思われる。
→ ただし、人型に近づくほど知能は発達していくことだろう。
3,仲間意識というものはないが、何らかの共通した目的意識がある
→ 一見すると戦術行動ができているように見えるが、それができるのならば戦略行動もできるはずなので、たまたまそうなっているだけ。
→ 群れていると言ってもただ単にその場に居合わせているだけだが、自分の役割をこなしているからこそ たまたま戦略行動になっているとも。
4,修理・補給を受けているわけではない
→ 野生化した艦船と考えれば、何らかの器官が発達して戦闘力の自動回復が行われているのではないかと。
→ そして、輸送ワ級が多く確認される海域ではその自然回復が強まるのではないかと推測。
5,後期型などはおそらくは遺伝学的突然変異で生まれたもの
→ 環境に応じて進化・適応していくのは軍事兵器も同じこと




第1部:提督出撃システム -深海棲艦捕獲編-
新システム:深海棲艦運用システムの全体の半分は前述の新システム4YWが基本なので基本的な説明は簡略化させていただきます。
まずは、提督出撃システム-基本編-を理解してから-深海棲艦捕獲編- >>474 へと入るべし。
-男の浪漫編-と比べればイメージしやすいので。それ相応のリスクがあることも重々承知なはずなので手順の煩雑さも気にならないだろう。


・提督出撃――――――【突撃部隊】編成までの流れ -深海棲艦捕獲編-

0,【開発投資】∈【要請】で投資クエストで【秘密工廠】を開放する

1,【投資】の投資クエストをクリアして【突撃部隊】用の移動母艦を開放する
→【秘密工廠】で【艦載艇】が【開発】できるようになる
→ しかし、この時点で【開発】できる内容に【捕獲装備】はリストに存在しない

2A,【投資】で【(深海棲艦)研究班】関係の投資クエストをこなしていく
→ こなしていくと、投資クエスト【深海棲艦捕獲指令】が追加され、【捕獲装備】や【深海棲艦運用システム】への新たな【投資】が始まる
→【捕獲装備】の投資クエストをこなしていくことで【深海棲艦の捕獲】ができる【艦載艇の装備】が【開発】できるようになる
→【深海棲艦運用システム】の投資クエストが完了すると【捕獲】した深海棲艦の【調教】ができるようになる

2B,【捕獲装備】を装備した【艦載艇】を組み込んで【突撃部隊】を編成して【突撃】して【捕獲】する
→【捕獲】については後述。条件が厳しいのは当然だが、【緊急離脱装置】を外しておかないと【突撃】に参加できないので注意!
→ それ故に、【艦載艇】の轟沈が起こり得るので【ダメコン】を持たせておくと安心(それでも極端な話、一度の戦いで4度死ぬこともあるので絶対ではない)

3,【捕獲】した深海棲艦を【調教】して、【調教済み深海棲艦】にできれば晴れて、深海棲艦を戦力として取り扱うことができるようになる
→【深海棲艦運用システム】への【投資】が完了していないとせっかく【捕獲】できても【調教】できないので運用できないので注意!
→【深海棲艦運用システム】と【調教】については後述を参照。


※【提督】導入のクエストをやっておかないと、【艦載艇】に能力修正が一切入らないので絶対に質問は受けておくこと


・【捕獲】の流れ
0,【捕獲】したい海域で【お供え物】を装備した艦隊がその海域のボスを撃破する(撃破すると該当の装備が1つ消費される)
→ 午前5時で更新されるまでの1日の間に再びその海域で【出撃】して戦闘を行う
→ これを満たしてないと【捕獲】が成功確率が0倍なので注意が要る
1,【捕獲装備】の【艦載艇】を組み込んで【突撃部隊】を編成して【突撃】させる
2,【突撃】した時に【艦載艇】の【捕獲装備】が艦種と対応していれば攻撃が通り、【肉薄】状態となる
3,【捕獲装備】によって【肉薄している深海棲艦】が轟沈した時、【肉薄した艦載艇】の【運】と基本成功確率を参照して【捕獲】が成功したかを判定する
→ ダブルチャンスで、【肉薄】状態で対応した深海棲艦の耐久値が減っていると基本計算式に修正を加えて【捕獲】の成功判定を再度行う
→ むしろ、大破状態の時が一番【捕獲】の成功確率が高くなり、大破>轟沈(【捕獲装備】による)>>>中破>小破>軽微>無傷の順に成功確率が高くなる
4,戦闘終了時に【捕獲】に成功した【艦載艇】が無事だった場合、【捕獲した深海棲艦】が能力そのままに【出撃ドロップ】される
→ 一度の会戦で何体でも【捕獲】することができるが、欲張りすぎて【艦載艇】が轟沈したら問答無用で作戦失敗なので注意!
→【深海棲艦】は【艦隊特別枠】で管理されるので基本的な枠が少ないので注意! 空いてないと【捕獲】成功確率が0倍となってしまう
→ また、アイテムや艦娘の【ドロップ】がなくなる

※【ボス級深海棲艦】は【捕獲】できない。――――――【ボス級深海棲艦】は【捕獲】できない。



・【お供え物】リスト
【秘密工廠】における【投資クエスト】を行っているとランダムで得られる報酬の装備である。
テキストは共通して『迷える魂を鎮めるためにお供えに行きましょう』としか書かれていない。
出現率は【献花】が90%、【人形】が9%、【帽子】が0.999%といったところであり、【帽子】の効果が【艦これ】史上最大の掟破りである。

【深海棲艦捕獲】に必要な装備であり、一度クリアしている海域のボスを撃破した時に消費され、
午前5時で更新されるまでの間、その海域で【捕獲】が実行できる――――――その海域における【深海棲艦捕獲】の基本成功確率が決定される。
効果が発動している間はその海域にボスが登場しなくなり、そのマスに到達する度に【深海棲艦のサンプル】が獲得でき、
【お供え物】をまた持っていた場合はそれを消費するか問われ、その度に基本成功確率を変動させることができる。
【捕獲】を確実にこなしたいのなら【献花】で十分という声もある。
なお、複数が【お供え物】を装備していた場合は、【献花】>【人形】>【帽子】の優先順位に1つずつ消費され、
同時に複数 艦隊が所持していた場合は、【出撃】している艦隊のリストの上から順に1つだけ消費される。


【お供え物/献花】:海に散っていった戦友たちを弔うための花束
装備している艦の疲労度がたまりづらくなる
海域のボスを撃破した時に消費され、その海域で【捕獲】できるようにする


【お供え物/人形】:暗くて深い海の底でも寂しくないように
実質:ダメコン(効果が発動した場合、消滅する)
海域のボスを撃破した時に消費され、その海域で【捕獲】できるようにする


【お供え物/帽子】:あいつが大好きだった帽子。裏にはあの写真が括りつけられている
1日の【出撃】のうちで轟沈した艦娘1人を戦闘終了後に必ず轟沈直前のステータスで【ドロップ】する(効果が発動した場合、消滅する)
海域のボスを撃破した時に消費され、その海域で【捕獲】できるようにする

→ 内部処理としては、更新されるまで一時的に轟沈艦のデータが記録保存されていることになる(某ゲームからのアイデア)


【アイテム/深海棲艦のサンプル】
海域のボスが撃破されたところへの【お供え物】によって、次周からボスマスで必ず回収、あるいは道中でドロップできるようになる物資。
基本的に難易度が低いマップほど一度に得られる【サンプル】は少なく、難易度が鬼畜なほど一度に得られる【サンプル】量が多くなる。
具体的な数は海域に設定されている難易度の星の数が参照されている。
【(深海棲艦)研究班】への【投資】で求められることがあり、これは【開発資材】【改修資材】と同じく消費アイテムの類であり、
【秘密工廠】で利用できる【調教済み深海棲艦】に関することでも要求されてくる。


・【捕獲装備】リスト
【投資クエスト:(深海棲艦)研究班】をこなしていくと【投資クエスト/深海棲艦捕獲指令】が追加され、
この時に【捕獲装備】解禁の投資クエストをこなしていくことで【深海棲艦の捕獲】ができる【艦載艇の装備】が【開発】できるようになる。
【艦載艇の装備】には【燃料】【弾薬】が設定されており、高性能な武器ほど運用コストが高くなっていく。
しかしながら、【捕獲】するための条件は――――――、

1,【捕獲】したい深海棲艦に対応した【捕獲装備】を装備すること
→ これによって、対応した深海棲艦に優先的に【艦載艇】が攻撃するようになる=【肉薄】状態となる
2,【肉薄している深海棲艦】の損傷具合で成功確率が高くなり、大破>轟沈(【捕獲装備】による)>>>中破>小破>軽微>無傷の順に成功確率が高くなる
→ 無理に轟沈は狙わずにHP25%以下になるように調整した方が【捕獲】が成功しやすいことになる

基本的にはこの2つを念頭においておけばいいので、深海棲艦の削りに関しては【突撃部隊】のお供の僚艦にまかせて、
とりあえず狙いの深海棲艦に対する【肉薄】と自身の【艦載艇】の生存だけを考えて編成するのが吉。【捕獲装備】の質はあまり関係ない。
このことを踏まえると、逆に倒すのが困難な戦艦レ級のような頑丈な艦ほど割りと轟沈できずに大破まで追い込んだ結果 1回で【捕獲】しやすい。
逆に駆逐イ級のような貧弱な艦ほど轟沈させやすいものの、よく出現して自然と交戦回数を稼ぐので数をこなせば轟沈させても捕まえられるだろう。


イ、【捕獲装備】の【開発】について
【捕獲装備】は艦娘の開発タイプに由来する従来の3系統(砲戦系・水雷系・空母系)と新たに追加された特務系を加えた4系統に大別され、
そこから具体的な艦種を優先的に攻撃する(=【肉薄】する)ようになる【捕獲装備】が【開発】されていく。【装備改修】【装備更新】にも対応。
【捕獲装備】の【開発】については、解禁後に初期型装備が無条件で【秘密工廠】で【開発】できるようになり、 …………要 第1艦隊=【突撃部隊】
【それ】を【開発】して装備した【艦載艇】の練度を参照して高ランクの装備が【開発】可能となっていく。
具体的に言うと、【捕獲装備】を装備していると【開発】リストが4系統に沿った【開発】リストに変更されるので、
【艦載艇】やそれ以外の系統の【捕獲装備】が【開発】されるという事故がなくなるので安心して【開発】に取り組むことができるようになる。
また、【装備改修】において複数の同一装備が必要となってくるといったことはなく、それ1つだけで【装備更新】まで最後まで持っていける。


ロ、『【捕獲】したい深海棲艦に対応した』【捕獲装備】とは具体的にはどういうことか
結論から言えば、艦娘の開発タイプに由来する4系統に大別され、基本的にはその系統に属する艦種全般が【捕獲】できるようになる。
すなわち――――――、

・砲戦系……【戦艦】【巡洋戦艦】【重巡】【砲撃潜水艦】

・水雷系……【駆逐艦】【軽巡】【雷巡】【潜水艦】

・空母系……【正規空母】【装甲空母】【軽空母】【護衛空母】【水上機母艦】【航空戦艦】【航空巡洋艦】【潜水空母】

・特務系……【特務艦】

※潜水系……【潜水艦】【潜水空母】【砲撃潜水艦】【潜輸(∈特務艦)】


よって、砲戦系【捕獲装備】を持っていっても水雷系・空母系・特務系の深海棲艦全般の【捕獲】は実行できない(【肉薄】は【艦載艇】なのでできる)。
一方で、【戦艦】に特化した【捕獲装備】を使っても【巡洋戦艦】【重巡】【砲撃潜水艦】である深海棲艦の【捕獲】は可能となっている。
ここでいう『特化』とは、該当する艦種に対する捕獲成功率にプラスのボーナスがつくという意味である。
ただし、注意が必要なのは潜水系であり、先述のように【戦艦】に特化した【捕獲装備】を使えば原則として【砲撃潜水艦】も【捕獲】できるのだが、
潜水しているのでそもそも攻撃が通らないので【肉薄】できず、これらに対してはそれに特化した潜水系【捕獲装備】が必要となってくる。
それによって、実際には5系統の【捕獲装備】が存在しているとも言える(しかも、潜水系かつ系統に対応していないと【捕獲】できない)。
いかに潜水艦というやつが捕捉しづらい難敵かがわかるだろう(それに深海棲艦の【潜水艦】はメチャクチャ硬くて優秀だし、これぐらいは、ね?)。

ちなみに、【開発】時にどの艦種に特化しているのかが決定されており、潜水系は実質的に系統で決定されている。
同じ【捕獲装備】でも特化している艦種が違ったら【開発】し直しというのも結構起こる話なので割りとシビアな【開発】風景となる。

例)【開発】開始 →【捕獲装備】かどうか → どの系統の【捕獲装備】か → どの艦種に特化しているか →【開始】終了

――――――→ できあがるのは、【捕獲装備/△△△△・××(○○)】となる。

△=【捕獲装備】の基本名(=対応している系統)、×=追加名(=ランクの高さ)、○=特化している艦種名 




ハ、【捕獲装備】のリスト
全て【射程:超短】なので【昼戦突撃】では【肉薄】する前に轟沈させられる可能性が大きいので【夜戦突撃】がおすすめ。

【投擲銃】……砲戦系【捕獲装備】の基本装備
【弾薬】と【燃料】がそこそこに掛かる、様々な機能を持った枷を嵌めて相手の行動を制限するオリジナル装備。
言うなれば、銃を使った投げ縄であり、想定外の荷重をかけることで砲撃を狂わせたり、直接 本体の行動の自由を奪ったりする。
ランクが上がることによって旧帝国海軍の陸上攻撃機に因んだ命名が行われる。
【無印】→【深山】→【泰山】→【連山】→【富嶽】


【麻酔銃】……水雷系【捕獲装備】の基本装備
【燃料】はかからないが【弾薬】が割高なのが特徴。対深海棲艦用の麻酔弾とはいったい……? しかも、それで轟沈させてしまえる……。
ランクが上がることによって旧帝国海軍の夜間戦闘機に因んだ命名が行われる。
【無印】→【月光】→【白光】→【極光】→【電光】


【電撃銃】……空母系【捕獲装備】の基本装備
【弾薬】はかからないが【燃料】が割高であり、ダメージもかなり高めになっている。
ランクが上がることによって旧帝国海軍の陸上戦闘機に因んだ命名が行われる。
【無印】→【雷電】→【閃電】→【天雷】→【震電】→【紫電】→【紫電改】


【粘着銃】……特務系【捕獲装備】の基本装備
【弾薬】と【燃料】がそこそこ掛かる、粘着弾で行動を制限するのが狙いのオリジナル装備。
特務系というより【特務艦】という広い艦種群に対する装備なので当たり障りのない汎用装備として考案される。
ランクが上がることによって旧帝国海軍の陸上爆撃機:銀河に因んだ命名が行われる。
【無印】→【銀河】→【桜花】→【極光】→【暁雲】→【天河】


【投網銃】……潜水系【捕獲装備】の基本装備
【弾薬】も【燃料】もいっさい掛からないが、4系統に対応したものを選ばないと潜水艦に【肉薄】できても【捕獲】ができない。
特に、潜水系は4系統に数えられているわけでもなく、【開発】はどの系統からも可能ではあるもののかなり低確率のレア装備となっている。
ただし、系統それぞれに1種類ずつしか潜水系はいないので(砲戦系:砲撃潜水艦、水雷系:潜水艦、空母系:潜水空母、特務系:潜輸)、
それ故に、手に入りさえすれば特化する艦種の選別の必要がないので、後は安心して【装備更新】を重ねて強化し続けられる。
ランクが上がることによって旧帝国海軍の陸上哨戒機に因んだ命名が行われる。
【無印】→【試製東海】→【東海】→【大洋】→【南海】



第2部:深海棲艦運用システム -基本編-

・深海棲艦の取り扱い
0,【捕獲】に成功した【(調教済み)深海棲艦】は【艦隊特別枠(10~20枠)】で管理される
→【派遣】【駐留】【艦載艇】と同じ枠なのでユーザーのプレイスタイル次第ですぐに埋まってしまうので注意
→ どれかを極めるつもりならばどれかの要素を切り捨てなければならない。これがプレゼンターが提供するやりこみと差別化の要素である。
1,【深海棲艦運用システム】の【投資】が完了しないと【調教】できない
→【捕獲装備】の【投資】によって【開発】ができても、こちらの【投資】も終わらなければ【深海棲艦】の運用ができないので注意!
2,【深海棲艦】には【捕獲】した海域の情報が記録される
3,【深海棲艦】は【入渠】させて【調教】させないと、【出撃】【突撃】【支援艦隊】時に戦闘終了後に一定確率で逃走(=ロスト)してしまう
→ 入渠ドックと共用しているので注意! ただし、いつでもドックから出すことができる。
4,【深海棲艦】には【疲労度】の概念がなく、その代わりに【調教度】が導入されており、様々な行動や時間経過で減っていくので【調教】はこまめに
→ それ故に、【アイテム/給糧艦】などの疲労回復効果の対象外となっている
5,【深海棲艦】には修理・補給を施すことができず、時間経過で回復する(割合ではなく1回復するのに数分掛かる仕様である)
→【工作艦】【訓練艦】など【特務艦】の【旗艦効果】の対象外となる
6,【深海棲艦】の装備の変更はできない
7,【秘密工廠】で【(深海棲艦)改造】することで【無印】→【elite】→【flagship】にランクアップする(【後期型】や【改】についてはそれぞれ違った扱い)
→ 通常の【工廠】では【改造】【近代化改修】【解体】ができない
→【改造】に必要なレベルが存在しない代わりに【改造】に必要な資材が不明であり、理論値のレシピに近づけないと確率で【改造】が成功しない
8,【秘密工廠】で【深海棲艦】を【解体】すると【深海棲艦のサンプル】と何かしら【艦種ごとの装備】が手に入る
9,艦娘と同じく練度があり、経験値を積んで成長するが、【ケッコンカッコカリ】【ユウジョウカッコカリ】は結べない
10, 【深海棲艦】は【旗艦】にできず、また【遠征】にも参加できない
→ 唯一の例外が存在するが、それは後ほど-発展編-にて説明する
11, 【深海棲艦】と一緒に【出撃】【突撃】した艦娘の【疲労度】がものすごい勢いで溜まっていく
12, 【深海棲艦】にはニックネームを付けることができる(ただし、カタカナでしか名付けられない)
→ 例:空母ヲ級『ヲシドリ』、戦艦レ級『レイ』、潜水ヨ級『ヨウスイ』――――――別に頭文字を揃える必要はない。自由に名づけてよし。
→ 唯一の例外が存在する
13, 【深海棲艦】を【編成】するには必ず1隻以上 その【深海棲艦】の練度以上の【深海棲艦】ではない艦艇を入れないと編成できない
→ 『艦艇』と書いているので艦娘だけじゃなく、【艦載艇】も練度が高ければ【深海棲艦】込みの【突撃部隊】編成の条件を満たせる

※自軍で運用できる深海棲艦は【調教済み深海棲艦】が正式名称であり、文字通りに【調教】しないと反抗はされないが逃げ出されてロストする。


3について、【調教】にかかる時間は数時間単位であり、もちろん【高速修復剤】が使え――――――る! 使えちゃうのだ。
また、【捕獲】直後の深海棲艦を【出撃】【突撃】【支援艦隊】させると100%逃げ出されるのでしっかりと注意して必ず【調教】を施しておくこと。
しかし、逆の見方をすれば、【捕獲】すれば最低1回は戦力として機能するので【捕獲】直後の深海棲艦を【支援艦隊】に組み込んで使い捨てるのもありか。
4について、艦娘の【疲労度】の代わりに深海棲艦には【調教度】が導入されており、キラ付けされた状態が安全圏であり 逃走がまず起きない。
キラ付けが剥がれた時から逃げ出す可能性が1%以上は発生することになるのだが、【出撃】【突撃】【支援艦隊】させない限りは逃げ出さないので焦らない。
5について、深海棲艦には修理・補給ができず、時間経過で回復する仕様なので非常にエコでもあるのだが、短時間に戦闘を繰り返す場合では不利となる。
9について、――――――残念でした。さすがに深海棲艦とケッコンなんてできません。理解できていないと思われるので。
11について、これが【深海棲艦】を運用する上での最大の障害であり、【深海棲艦】を主体にした艦隊運用が長続きしない原因となる



・【深海棲艦】-基本編- 運用のまとめ

1,メリット
【深海棲艦】は【捕獲】した時の能力そのままで手に入るので、命懸けで戦艦レ級などを捕まえられればもはや勝利は約束されたも同然である。
→ これが最大の報酬であり、まるで【建造】したてで【出撃ドロップ】されてくる艦娘とはまったく違う存在であることの証である。
【深海棲艦】の性能は練度が高くなる毎に大きく伸び始め、装備変更や燃費を気にする必要がないので単純戦力として艦娘より遥かに優れている。
→ 最終的な性能は【ケッコンカッコカリ】した艦娘ですら一撃で中破・大破させるレベルであり、これがレベルカンストまでいったら………………
→【異界艦】の理論値や【トーチカ】装備でもいずれは成長を遂げた深海棲艦に完全に圧倒されるようになるわけである。
【調教】が十分なら大破ストッパーが作動し、一撃死を免れるようになり、逃亡によるロストの心配もなくなり、【高速修復剤】で全回復可能。


――――――人類の敗北は約束されていた。


2,デメリット
【深海棲艦】を運用するには、まず【深海棲艦運用システム】の【投資】を終わらせる必要がある。それ以前にいろんな手間暇が掛かっている。
【深海棲艦】は【調教】によって【調教度】を常に高く維持する必要があり、【調教度】が低いと轟沈以外に戦闘終了後に逃走されてロストする可能性がある。
【深海棲艦】は修理・補給が受けられず、自然回復を待つ必要があり、結果として練度を上げるのが非常に難しい。
【深海棲艦】と一緒に艦隊に組んでいる艦娘の【疲労度】が爆発的に増えるので、【深海棲艦】主体の艦隊運用は絶対に長続きしない。
【深海棲艦】の種類に対して【艦隊特別枠】が少ないので管理のやりくりが大変。

とにかくメンドクサイ…………究極のやりこみゲーマーあるいはマゾヒスト向けの超やりこみ要素であり、
第1部と第2部という別の要素の積み重ねがあって初めて運用できるようになるわけだが、運用できるようになってもいろいろな制約が課せられており、
ちょっと気を抜くと【調教度】が切れて、せっかく苦労して【捕獲】したのに逃走されてロストし、全てが水の泡になる危険性と常に隣り合わせであり、
艦娘と深海棲艦の絶対的な違いをプレゼンターが出来る限り意地悪たっぷりに表現したものである。

ただし、【艦載艇】に関しては【疲労度】の概念が同じく存在しないので、連続運用する際の最大のデメリットである僚艦の【疲労】増加を無効にできるので、
十分に練度が高いのならば【突撃部隊】要員として【調教済み深海棲艦】を起用するのも悪くない。そこまでが大変ではあるが…………



【悲報】これでまだ深海棲艦運用システム-基本編-です【吉報】


3,運用論
ピンポイントに投入してその圧倒的な性能で敵を蹂躙する最終戦力として扱うべし。
装備変更ができない=しなくていい・それを前提にした編成を組みやすい
修理・補給が受けられない=ピン差しだが時間さえおけばタダで戦力が完全回復する予備戦力
また、【調教度】は【高速修復剤】ですぐに回復できるし、実は修理・補給が受けられない欠点はあることを使えばすぐに解決される。


――――――【演習】を活用せよ!


【演習】を行えば仕様上 完全な修理と補給が行われ、元々エコな【深海棲艦】なのでタダで完全回復できるので【演習】=“癒やし”である。
また、経験値もロストの危険性がない【演習】でガンガン稼げ! 初期値でも十分に戦える【深海棲艦】が多数存在するので根気よく鍛えていこう。
そうして鍛えたご自慢の【調教済み深海棲艦】で野生の深海棲艦を蹂躙するのはなかなかに壮観である。

完全に【艦隊これくしょん】のシステム理解が深い人が最大限 得する仕様となっており、まさに石田司令レベルのヘビーユーザー向けである。

しかし、【演習】を多用するとそのシステムを共用している【派遣】【駐留】【指南】を利用しづらくなるので、まさに究極の選択である!
石田司令はあらゆる艦娘を一通り育てているので【派遣】【駐留】に頼るほど戦力にも困っているわけでもなく、
もうすでに【捕獲】を成功に導けるほどに【提督】【艦載艇】【捕獲装備】が充実しているので【指南】の必要すらなく、鎮守府運営が完成している。

そもそも一連の新システム4はやる気と余力があるやりこみユーザーのための要素なので【艦これ】になれてない素人が手を出すべきではない。

この深海棲艦運用システムの最大のメリットは【捕獲】に【提督】の【運】と【捕獲装備】が最低限必要なこと以外は【捕獲】を実行できる点であり、
【提督】の【運】と【お供え物】をした時に決定される基本成功率が高ければ、楽に【深海棲艦の捕獲】が連続して成功しやすく、
極論、【艦載艇】がいくら弱かろうがそんなのは【突撃部隊】の編成と【突撃】した際の敵艦隊の被害状況――――――戦術でいくらでも補えるので、
敵として脅威だった深海棲艦を【昼戦】で瀕死に追い込んでそこから何とか【捕獲】できれば、そのままの能力で鎮守府の即戦力・最終戦力に組み込める。
【捕獲】の苦労がそのままダイレクトに戦力に反映される=育てる必要がほとんどない という意味では、一発狙ってみるのも悪くないことだろう。
そこまでの準備が面倒であり、逆にそれに見合うだけの戦果があるとも言え、どう受け止めるかはあなた次第――――――。


新システム4YW:提督出撃システム -一部の例外編- に関する補足事項と全体の総評

さて、-基本編-からかなり逸脱している-男の浪漫編-と-深海棲艦捕獲編-に関して言えば――――――、
プレゼンターが想定している使い分けだと――――――、

【昼戦突撃】には【艦載艇:海上陸戦機動歩兵】が適しており、専用の支援艦と装備の充実で攻撃順の調整がしやすく、
更に、元々の目的にしても【昼戦突撃】が性質として敵戦力の殲滅に向いているので用途と目的が合致している。
また、敵を殲滅しやすいということは、余力があれば【前線補給】する余裕も生まれるので、ゴリ押しによるゴリ押しが他にも活きやすい。

【夜戦突撃】には【深海棲艦の捕獲】が向いており、【捕獲】は大破状態が最も成功しやすいので、
手数が少ないことと【夜戦】の能力向上と攻撃順を鑑み、【突撃部隊】の人員を少数に絞っておけば戦艦クラスをギリギリ大破に追い込む調整がしやすく、
また、【捕獲】を担当する【艦載艇】は大破ストッパーがないので囮を入れて【僚艦にかばわせる】ことで安心して【捕獲】しやすくなるだろう。

実際にこの利用法は、この物語風プレゼンの中で二人の提督が実践しているので読み返してみるとよくわかると思う。

一方で、-基本編-としての【艦載艇】ひいては【突撃部隊】の基本的な運用法として推奨されている【前線補給】も悪くなく、
提督である自分が無理を押してでも最前線で活躍したいとねだる人間の願望を形にしたのが【海上陸戦機動歩兵】であるが、
【海上陸戦機動歩兵】は【ボス級深海棲艦】に特効がある最終兵器になり得るが、通常戦力に対して滅法弱いので扱いには細心の注意が要る。
理由はどうあれ、【深海棲艦】を手に入れたいと考える人間たちにリスク&リターンを形にして提案するのが【深海棲艦捕獲】であり、
こちらは大前提として『一度クリアしている海域で【捕獲】を行っている』ので、戦略的に言えば数多くの寄り道をしていることになる。
そして、【艦載艇】や【深海棲艦】を主力に運用しようとしても、なかなか練度が上げづらい調整になっているために、
そんなものに手間暇かける余裕がないのなら、素直に主力艦隊の戦闘力を回復させる【前線補給】を行って堅実な攻略を行うのが無難である。
もちろん、その【前線補給】をするために必要な装備を【開発】する手間暇もあるのだが、それぐらいもできない提督らは門前払いである。




総論:【艦載艇】および【突撃部隊】
あまりにも能力が低すぎる【艦載艇】を何とか順番が回るまで守り抜くことができれば、敵主力に対して【肉薄】状態に持ち込んで敵艦隊を撹乱でき、
艦娘に完全に劣る能力でありながらかえって強力な艦種で編成された敵艦隊に滅法強いのが特徴のジャイアントキラーである。
逆に、専用装備がなければ【肉薄】することができない、一般的に弱いとされる小型艦種にこそ弱いという奇妙な3すくみが出来上がっている。
むしろ、駆逐艦などの小型艦の役割を考えれば【艦載艇】の天敵になるのは当然の結果といえる。文字通り【艇を駆逐する艦】なのだから。
一番の注意点は、【艦載艇】には大破ストッパーがないので轟沈の発生が艦娘に比べて極めてシビアであり、
【旗艦】であろうと【派遣】であろうと一撃で轟沈してしまう可能性が極めて高い点で常に細心の注意が要る。

だが、それ以上に戦術的には平時で扱える簡易【連合艦隊】とも言える【突撃部隊】による、
【昼戦突撃】と【夜戦突撃】という新たな選択肢の追加によって攻略が非常に楽になり、かなり重要な能力を持っている。
そして、普通に考えて【提督】は前線では役に立たない司令塔という評価を覆すための高度に戦略的な行為の選択肢を3つ以上追加したので、
これで、いつもの艦娘たちの艦隊行動に飽きてもう少しスリリングに、あるいは攻略を楽にしたいという人たちの願望にも応えられたのではないかと思う。
『戦術は戦略に従う』ことから、この戦略的作戦行動のリスクは大きいもののそれに見合ったリターンが期待できるのではないかと思うのだ。



陣営紹介W&w 新戦略研究局+趣里鎮守府

極めて合理的で能力主義・成果主義の鎮守府――――――だったのは、すでに昔の話となっており、
現在はそうして積み上げた実績やノウハウを活かして、全体の勝利のために新たなる戦略の在り方を模索している。

筆者自身もところどころで混乱して所属を間違えているのだが、

W:新戦略研究局(=深海棲艦捕獲・研究班)
w:趣里鎮守府

となっており、これまで大文字が鎮守府だったのに小文字になっている稀有な例となっている。
つまりこれは、趣里鎮守府の主人公:石田司令の物語の方向性が他とは違うということを決定づけたものであり、
左近提督に鎮守府運営の大半をまかせているところからもそれがうかがえるだろう。


石田司令/石田提督
“司令”と呼んでもらいたいけど、周りからは次第に昔のように“提督”と呼ばれつつあり、もうどっちでも良くなってきた。
秋イベントにおいてついに自分で効率良く攻略を進めるために艦隊指揮をとってしまったので、実質的に“提督”を廃業したわけではなくなった。

無愛想で敵を作りやすい性格だが、不器用なだけで根はまじめで極めて誠実であり、
口が悪くなるのも彼が清廉潔白だからこそ周りの非常識や怠慢さに我慢ならないからであり、
『正しいことは正しくやらねばならない』というしっかりとした観念に囚われすぎて、逆に周囲の和を乱してしまっている。
それに加え、彼自身が才覚豊かだったからこそ周囲からの嫉妬を向けられてきたので、ますます一本気な気質になってしまっている。
客観的に1つ1つ見れば彼のほうが間違いなく正しいのだが、残念なことに正しさ以上に和を尊ばねばならないことを彼は知らなかった……

――――――大道 廃れて、仁義 在り。

何だかんだで艦娘たちからはこれまでの実績と自分のためではなく皇国のために全体の勝利を追求する姿勢から信頼されており、
むしろ、使う時は酷使とも言えるレベルなのだが、艦娘たちのオフに関しては特に干渉することもなく、快適な鎮守府生活なので、
朗利提督の拓自鎮守府と逆方向に『仕事は厳しいけどやりがいや成果を実感できる』居心地の良さを感じられるようになっている。
かつて、“弔花”を自前で用意させるほどのブラック鎮守府の代表格だった事実は飛龍とごく一部を除いて今はもう誰も知らない。

実は、艦娘や深海棲艦に関する研究や考察に熱心に見えるが、それ以上に妖精科学の研究にも力を入れてきており、
作中でもたびたび出てくる\勅命/の扇を護身具として自作しており、そこから放たれる電光地雷などの超常兵器の実用化もしている真性の天才である。
ちなみに、陰陽師タイプの軽空母は“勅令”の文字を浮かべて艦載機を発進させるが、こちらは“勅命”となっている。

\勅命/の性能を【艦これ】風に表すと――――――、、

1,艦上攻撃機/流星改×4

2,対人兵器/電光地雷×4

3,照明弾/照明弾×4

4,応急修理要員/応急修理女神 → 使用後、\勅命/の扇は破損する。


空母ヲ級『ヲシドリ』
石田司令が最初に【捕獲】して【調教】に成功した 初の【調教済み深海棲艦】であり、元 敵艦隊のアイドル。
敵キャラとしてはデザインが人気のキャラなだけじゃなく、石田司令も満足するレベルの高い戦闘力を誇る 味方になっても頼れる新戦力である。
最初の【調教済み深海棲艦】としての思い入れがあるだけじゃなく、石田司令の深海棲艦の探究ひいては【捕獲】の原点になった艦種なので、
明らかにどの艦娘よりも(そうでもしないと【調教】にならないからしているわけだが)密接にコミュニケーションをとっており、
【調教】の結果、艦娘に対する距離感は依然としてあるものの、喋れないだけで十分なコミュニケーション能力を得るに至っている。

筆者としては、【ボス級深海棲艦】がこれまでの深海棲艦とは違ってここまで注目される1つの要因として、
『敵で初めて喋った』というその衝撃と第一印象から特別に思っているので、ザコの深海棲艦は一様に喋れない認識でいます。
もし【ボス級深海棲艦】ですらもセリフ無しの存在であったならば、二次創作としては『ヲシドリ』にも言語能力があったのですが…………。


左近提督
石田司令の保護者にして忠臣。石田司令が抱く戦略の革新性と将来性に惹かれて彼を“殿”と呼び、彼の掲げる新戦略を支えることを使命とする。
対等の存在である同志として石田司令の良き理解者ではあるものの、あまりにも行動的で天才ゆえの突飛な発想からの独断専行に振り回されるので、
そろそろまじめに石田司令を叱ろうとしているので、決して盲信しているだけのイエスマンではないことが理解できるはずである。
石田司令自身が左近提督を“真のジェントルマン”と評しており、落ち着きのある思慮深さと的確な判断力が実際に石田司令を支えてくるわけである。

戦術思考は“前進制圧”であり、先制攻撃で敵の数を減らす戦い方を得意としており、その後に強力な砲撃艦で勝負を決める堅実さが光る。
先制攻撃用の【正規空母】【雷巡】【潜水艦】などがお気に入りであり、砲撃艦では【戦艦】よりも【重巡】を好んで使っている。


正規空母:飛龍
趣里鎮守府におけるメインヒロイン枠。拓自鎮守府のメインヒロイン枠のビスマルクとは対照的な関係性を築いている。
しかし、関係は徐々に縮まっており、明らかに唯一のユウジョウ相手が唯一のケッコン相手の武蔵よりも親密な間柄を築くことになっている。
やはり、鎮守府の最古参として石田司令にずっとついてきたことに、彼も何も思わないわけではなく、彼にしても特別に思うところがあるようだ。


戦艦:武蔵
石田司令が結んだ唯一のケッコン相手だが、あまり報われていない。
それどころか、石田司令が次々と強力な深海棲艦を自軍戦力化して、あの戦艦レ級まで来てしまったので、
自身の居場所に不安を持つようになり、段々と迷走していくようになる。




ここから先は物語風プレゼントはまるで関係ない超番外編となります!

注意:本来のプレゼンとはまったく無関係のこの二次創作独自の世界観と筆者の趣味で交じり合った独自展開となります。
→ よって、プレゼンの提案内容や本文にのみ関心がある方には蛇足でしかないので読み飛ばしてもらってかまわない。
→ あくまでも、詳細な設定が公式でぼかされている【艦隊これくしょん】の世界観に対する素人による一意見でしかない。
→ また、『解体すれば普通の女の子になる』という説には筆者は真っ向から反対しているので“艦娘∈人間”の考え方をしている方には目の毒な内容です


超番外編はその名の通り“超番外編”であり、【艦これ】の二次創作であるこの物語風プレゼンの趣旨に反する、
この世界観独自の拡がりを描いた三次創作に近いものとなっております(二次創作の中で自ら二次創作している扱いである)。
これまでの物語風プレゼンに期待している方々は >>551 同様にスクロールバーを使って飛ばしていってください。

超番外編は次のレスからスタートし 終わったら直後に白紙を挟み、ほぼ恒例となったあれを入れておくので白紙を目印にスクロールをして、どうぞ。































※ゲームに詳しい読者ならば趣里鎮守府の関係者のモデルはすでにご存知ではないかと思う。
→ 他の提督たちは名前や字面だけで性格や役割を決めているが、ここだけはモデルがあってそれに似せているのですでにクロスオーバーしてるとも言える。



超番外編1 浪速のことは 夢のまた夢  -この命 果てても私が御守りします!- 序章

――――――12月某日より遡ること数日

――――――深夜


石田「――――――よし、出るぞ」(最新の防水防弾服)

ヲ級「ヲヲヲ!」


ブゥウウウウウウウウウウウン! ザァアアアアアアアアアアア!


――――――
左近「やれやれ、相変わらず殿にも困ったもんですなぁ……」

左近「まさか同じ【艦載艇】を俺に黙って【開発】していただなんて……」

左近「いくら鎮守府近海とはいえ、今夜は海が荒れそうだってのに…………無許可の夜間狩猟なんてお戯れが過ぎますぜ?」

左近「すみませんが、川内さん、長良さん、――――――他に起きているのはっと、霧島さん、飛龍さん、殿の護衛についてください」

左近「潜水艦で尾行させるのがベストなんでしょうけど、本当に時化てきた時に殿を助けるには力不足ですからな」

左近「海が荒れる前に夜間偵察機で安全確認してくださいよ? 移動母艦も無しじゃホントに危険ですから」
――――――


石田「………………見つからないか?」

ヲ級「ヲヲ…………」

石田「そうか。そんな日もあるだろう」

石田「しかし、これからの研究で少しでも【深海棲艦のサンプル】が必要となってきた以上は、」

石田「駆逐イ級でもいいからそれを【捕獲】して次から次へと【解体】しないと研究が進まない」

石田「――――――俺の研究にしても、大本営の【研究班】にしてもだ」

ヲ級「ヲヲ………………」

石田「大丈夫だ。お前はいい子だから【解体】なんてしないぞ」ニコッ

ヲ級「ヲヲ」スリスリ

石田「…………フッ」

石田「あ」

石田「しまった。駆逐イ級なら水雷系なのに、空母系【捕獲装備】の【電撃銃】を持ってきてしまった…………俺としたことが」

石田「(あれから更に改良が加わったこいつを試し撃ちしたいが、なかなか機会がな……)」ジャキ ――――――【電撃銃・紫電】!

石田「――――――っと」ヨロッ

石田「さすがに荒れてきたか」

石田「よし、撤収しようか」

ヲ級「ヲヲ!」 ――――――ハンドサイン「後方に味方6人!」

石田「…………やはり左近提督の目をごまかすことはできないか」

石田「よし、鎮守府に帰投する!」グルン



ブゥウウウウウウウウウウウン! ザァアアアアアアアアアアア!



石田「………………?」

石田「何だ? 前に進んでいない?(それどころか、こちらに向けている【探照灯】の光から逆に遠ざかっている!?)」

石田「ハッ」

石田「――――――『ヲシドリ』!?」クルッ

ヲ級「ヲヲヲォオオオオオオオ!」

石田「!?」


石田司令の目の前に見えたのは、夜の暗闇にぽっかりと空いた“不気味な穴”であった! 目を疑った!

“不気味な穴”は海面のうずしおのようではあったのだが、これはうずしお以上に吸引力が強力であり、

それが何もないところに設置されたバキュームのように辺りに存在する全てを吸い込もうとしていたのである!



石田「な、何なのだ、あの“穴”は…………!?」

石田「ありえない、なんなのだ、これは!?」

石田「ぐぅうう、こちらも吸い込まれ――――――(いや、今からフルスロットルで行けば脱出できる可能性がある!)」

ヲ級「ヲヲヲォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」

石田「『ヲシドリ』ィイイ!(ダメだ! 失ってなるものか、『ヲシドリ』を!)」

石田「なら、これに賭けるしかない!(――――――今日 初めて使う新品のマリンジェットだが、フルスロットルで行く!)」グルン1


ザァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!


石田「『ヲシドリ』、捕まれええええええええ!」

ヲ級「ヲヲヲヲォオオ!」

石田「――――――っ!」パシッ


この時、石田司令が咄嗟に思いついたのは、“穴”の吸引力と【特殊小型船舶】の高速性を合わせた離脱であった。

“穴”に向かって突撃することによって、“穴”の吸引力を受けて【特殊小型船舶】本来の出力を超えたスピードで『ヲシドリ』を救助した後、

そのままの勢いで急転回して“穴”の脇に逸れてギリギリで通り越そうと目論んだのであった…………。



――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



ザー、ザー、ザー・・・


石田”「………………う、ぅうん」(最新の防水防弾服)

石田”「お、俺は――――――」ヨロヨロ

石田”「は、浜辺か……」パラパラパラ・・・

石田”「…………くぅうううう」キョロキョロ

石田”「何が、いったい、どうなったのだ……? くっ、頭が回らない…………」ズキズキ・・・

石田”「近くの島に漂着したのか? 趣里鎮守府近辺にこんな風景の浜辺はなかったはずだが…………」キョロキョロ

女性「あ」

石田”「…………どうやら無人島ではないらしい」ヨロヨロ

女性「大丈夫ですか? 難破船の水夫でしょうか?」

石田”「――――――『難破船』」

石田”「……ああ。似たようなものだ(マリンジェットは【艦載艇:特殊小型船舶】だから立派な船だからな)」

石田”「しかし――――――」ジー


女性「このままでは風邪を引きます。家まで来てください。温まりますよ」


石田”「(この女性――――――、ずいぶんと古臭い木綿の服なんて着ているのだな)」

石田”「(時代劇の庶民が着ているような、なんてみすぼらしい服だ)」

石田”「(…………ということは、大河ドラマの撮影が近くで行われているのか、テーマパークが近くにあるのか?)」

石田”「(ともかく、これで一安心といったところか)」



スタスタスタ・・・


石田”「世話を掛けるな。名は何というのだ? 鎮守府に無事 戻れた時に礼がしたい」

女性「え!? ――――――『鎮守府』ですか?!」

石田”「ああ そうだ(お、どうやらちゃんと俺が海軍の人間であることを認識してくれたようだな)」

女性「………………奥州から来たのでしょうか?」ボソッ

石田”「それで、名は何と? そうだ、私の名前は石田だ」

女性「………………」

石田”「…………どうした? いや、答えたくないのなら別にかまわないが」

女性「いえ、私は――――――」ビシッ











――――――ナゴヤジョウです。










石田”「は?」

女性「ですから、ナゴヤジョウです」

石田”「………………」

石田”「(これはどういう意味だ? 俺は名を尋ねたのにどうして地名が出てくるのだ? 匿名希望ということか?)」

石田”「(しかし、今の言葉からすると、――――――“名古屋城”在住ってことになるのか?)」

石田”「(まさかここが名古屋なわけがない。事実だとするなら伊勢湾まで流されてきたことになるのだぞ)」

石田”「(あるいは、ここが愛知県の片田舎であり、近くの日本3大都市の名を挙げることで大まかな地理感を与えようとしていたのか……)」

石田”「(まあいい。少し落ち着いてから状況の整理を行うとするか)」

石田”「(――――――【電撃銃・紫電】もちゃんと動くな?)」

石田”「(しかし、【マリンジェット】はまた造ればいいが、『ヲシドリ』や飛龍たちはどうなったのだ?)」

石田”「(早く趣里鎮守府と連絡をとらなければ…………)」

女性「………………やっぱり信じてはもらえませんよね。それもよし」ボソッ



――――――女性の屋敷


パチパチ・・・コトコトコト・・・


石田”「失礼する」← ダイバースーツみたいな防弾防水服を脱いでアンダーを露わにする

女性「はい(うん。確かこんな味付けで良かったはず)」ゴクッ 

石田”「…………ずいぶん年季の入った古屋だな(今時 囲炉裏を囲んで食事なんてしているところが皇国にはあったのか)」

女性「はい。どうぞ」 ――――――女性が事前に下ごしらえしていたアツアツの雑炊

石田”「感謝する」

石田”「ん」ゴクッ

石田”「(この風味は関西風とも名古屋風とも違う気がするな。何と言うか関東風とはまた違った味の濃さがある気がするな)」

女性「どうでしたか?(確かこの人は奥州からわざわざ南までやってきていた人だから味付けはこれでよかったはず)」

石田”「悪くないな。美味しくいただかせてもらう」

女性「そうですか」ホッ

女性「………………」チラッ

女性「………………」ジー

石田”「――――――さすがに気になるか?」

女性「あ、すみません」

女性「あまりにも見慣れないものでして……、変わった鉄砲に、変わった衣服をまとってますよね?」

石田”「まあ、そうだろうな。これはまだ試験段階の装備で、世間には知られていないものだ」

女性「………………」


石田”「ごちそうになった。感謝する」コトッ

女性「お粗末さまです」ニコッ

石田”「さて、電話はないか? 公衆電話は近くにないか?」

女性「え? ――――――『でんわ』ですか?」キョトーン

石田”「そうだ。私は一刻も早く鎮守府に戻らねばならない」

石田”「だがその前に、鎮守府と直接 連絡をとってみなを安心させておきたいのだ」

女性「そうですか。鎮守府に連絡をいれるのでしたら、街までいくしかありませんね」

石田”「何? ここは未だに電話が通じてない地域なのか?(いや、よく見たら電灯すらないぞ? まさか本当に――――――?)」

女性「それに、石田様は一国の大命を帯びておられるのですよね?」

石田”「ああ。そうだ。私には背負うものがある(皇国の勝利のためにこんなところでのんびりしている暇はないのだ!)」

女性「わかりました。舞鶴まで行きましょう。そこを治めておられる方に援助を頼んでみます」

石田”「――――――『舞鶴』!?」

女性「はい。舞鶴ですよ。私は今はこんな身形なんですけど、そこを治めている方から日頃からよくしてもらっているんです」

石田”「…………いや、そうではない、そうでは」

石田”「(確かに、この匿名希望のみすぼらしい生活をしている女性が舞鶴鎮守府の司令官か何かに口が利けるだけの何かだったことに驚いたが、)」

石田”「(同じ街に行くにしても、――――――普通に名古屋まで行けば話だろう? 公衆電話に使うための小銭ならちゃんとあるのに……)」

石田”「(舞鶴は京都府だから日本海側――――――ここは太平洋側の名古屋近辺の田舎のはずだが、どういうことなのだ?)」

石田”「(……まあ好意的な解釈をすれば、この女性は自分が持てる全てを持って俺を助けようとしてくれているのだろうな。それは伝わってくる)」

石田”「(しかし、舞鶴の関係者と繋がりがある女性がどうしてこんなところで生活をしているのか――――――?)」

石田”「(いや、考えていてもしかたがない。早く連絡をとって『ヲシドリ』の安否を確認しなければ!)」

石田”「(友軍から誤射されて轟沈なんてしていなければいいのだが……)」

女性「…………そういえば『石田様』? どこかで聞いたことがあるような懐かしい名前?」





ザーザーザーザー、ピュウウウウウウウウウウウウ! ゴロゴロ・・・ピカーーーン!


石田”「遅れてやってきた大嵐か、これは…………(『ヲシドリ』、無事でいてくれ…………)」

石田”「なんてことだ。ここはバスすらも近くを通っていないのか…………明日は久々の遠足だな。いつ以来だろうな」

石田”「しかし、とんだ好き者だな、あの女性は………………ここまで質素な生活を送っているだなんて」

石田”「しかも電灯すらなく、夜の明かりが行灯なのだからな(久々だな、こんな風に畳の上で布団を敷いて寝るだなんて)」

石田”「(しかし、ところどころ質素ではあるものの、純和風の高級日用品が揃っていることだし、この布団にしても――――――)」

石田”「(何なのだ? 都市生活に疲れた愛娘の心を癒やすために田舎暮らしを支援させているって感じなのか?)」

石田”「(それとも、御落胤か何か、ここに隠れてないといけない事情を背負っているから、匿名希望だったのか――――――)」

石田”「(考えていてもしかたがないか。今回 お世話になるのは舞鶴鎮守府の関係者の誰かということになるから――――――)」

スッ・・・

石田”「…………ん?(――――――人の気配)」ギュッ ――――――護身用の扇を固く握りしめる。

女性「………………」ワクワク ――――――何食わぬ顔で石田司令の隣に布団を敷く。

石田”「……何をしているのだ、あなたは?」ヤレヤレ

女性「きゃっ」

女性「お、起きてましたかぁ……」テレテレ

石田”「年頃の女性が妄りに男の寝床に入ってくるもんじゃない」

女性「でも、私はここでいつも寝ていますけど……」

石田”「…………くっ、わかった。囲炉裏の側で寝かせてもらおう」ガバッ

女性「え、なんでですか? 一緒に寝ましょうよ」

石田”「………………!」イラッ

石田”「(本当に何なのだ、これはぁ!? さっきからおかしいと思っていたが、この世間知らずっぷりは…………)」

女性「――――――!」ギュッ

石田”「鬱陶しいのだよ」

女性「お願い、今日だけでも、一緒に…………」ブルブル

石田”「………………」ピタッ


女性「こんなところにずっと暮らしてなきゃいけなかったから、初めて他の人と居られるのが嬉しくて嬉しくて…………」


女性「だから、明日にはもう舞鶴まで連れて行かなくちゃいけないから、今日だけ、今日だけでも――――――」

石田”「…………鬱陶しいのだよ」


――――――なぜこうなった? 俺にも計算外のことがあるのか!?



――――――翌朝、


女性「おはようございます、石田様」

石田”「………………これだからガキの相手は嫌だというのだ」プイッ

石田”「――――――って!」

女性「あ、これって……」ヒョイ ――――――石田司令の扇を開こうとする。

石田”「返せっ」バッ

女性「あ……」

石田”「あ、…………すまない」

女性「いえ、私の方こそはしゃぎ過ぎちゃいました……」

石田”「ま、まあ、昨日今日 助けていただいた御恩がある以上は、もう責めんよ」ニコッ

女性「ありがとうございます!」ニコッ

女性「それでは、朝食の支度を致しますね」

石田”「…………ああ」

タッタッタッタッタ・・・・・・

石田”「………………」\勅命/

石田”「あ」

石田”「俺としたことが……」

石田”「最初から【機】を飛ばせばすぐに救援を呼べたろうに…………」

石田”「いや、あの女性のことを秘密にしておかなければならない以上は、街に出るまでは使わないのがベストか」




ザッザッザッザッザ・・・・・・


石田”「どれくらいの頻度で街まで行っているのだ?」

女性「そうですねぇ。自給自足が基本ですけど、米ばかりは作れませんので米を買い足す時や舞鶴のお殿様に呼ばれた時には街まで参りますね」

石田”「………………『お殿様』?(いや、俺も一応“殿”と左近提督から呼ばれていることだしな)」

女性「あの、大丈夫ですか? 昨日は大雨でしたから道が泥濘んでますよ」

石田”「これぐらい余裕だ。私は軍人だからな。基礎体力はこれぐらいあって当然だ」

女性「そうですよね。奥州からわざわざ九州まで来るぐらいなんですから……(奥州と行ったら伊達政宗――――――)」ボソッ

女性「しかし、本当に見たこともないような履物ですね」

石田”「これは特注の防水ブーツだからな。こういった不整地を踏破するためにさまざまな工夫が凝らされているが、特に滑り止めに力を入れている」

女性「それに、こっちの鉄砲も私が知っているものとは全然 違います」

石田”「これは軍事機密だから口外はできない」 ――――――【電撃銃・紫電】!

女性「あ、ごめんなさい」

石田”「いや、いい。本来 予定になかった手間暇をかけさせたのだ。申し訳ないのはこちらの方だ」

石田”「それに…何だ? このまま黙々と歩き続けるのは互いにとって気を遣わせるだけだから、好きに話してくれていいぞ」

女性「本当ですか! それじゃ、石田様の鎮守府について教えてくれませんか?」

石田”「……まあいいだろう」



そうして、石田司令は久々となる遠足をこの女性と楽しむことになったのだが――――――、


石田”「ずいぶんと歩くものだな。女性ながらタフなものだな」

女性「でも、基本的には沿岸沿いに進んでいるだけですから」

石田”「そうか」

女性「それよりも、太陽が南中していますからそろそろお昼時ですね。この辺りで休憩にしましょう」

石田”「そうだな。そうさせてもらおう」

女性「どうぞ。おにぎりです」スッ

石田”「うむ」

石田”「(――――――おかしい!)」

石田”「(確かに沿岸沿いには進んではいるのだろうが、それにしては海が静かすぎる!)」

石田”「(四半世紀前から始まった深海棲艦との大戦に伴い、これまでの海上戦力を凝縮した艦娘の登場によって、)」

石田”「(旧来の鎮守府以外の学校施設程度の小規模の海軍基地が沿岸沿いにたくさん造られているはずなのだ)」

石田”「(そのうちのいくつかが深海棲艦の襲撃で壊滅したようだが、少なくとも本州における被害は少なかったはずだが…………)」

石田”「(それに、俺が目の前にしているのは太平洋のはずだ。もっと言えば、名古屋近辺なのだから伊勢湾のはずだが――――――、)」

石田”「(太陽の向きがまずおかしい! あれが太平洋ならばなぜ反対方向に太陽が昇っているのだ?)」

石田”「(――――――名古屋だろう? 俺たちが目指しているのは名古屋だろう? ここが名古屋近辺のはずなのだから!)」

石田”「(まさか、いつの間にか舞鶴まで来ていたのか?! しかし、名古屋から舞鶴を目指すにしろ、なぜこうも海が広がる!?)」


女性「ハッ」ピクッ

女性「石田様! 静かに!」シー

石田”「…………?」

石田”「…………わかった(突然 何だというのだ? しかし、ここは従っておくのが吉か?)」

女性「………………」ジー

石田”「(海の方を睨んでいるな。何があるというのだ?)」ヒョイ

石田”「――――――!?」


――――――石田司令は目を疑った!

石田司令と女性が見据えると、海一面を怒涛の勢いで巨大な何かが水平線と見まごう長蛇の列となって通りすぎようとしていたのだ!

目を凝らしてみると、それは巨大な海老であり、蟹のようなメカメカしい鋼鉄の何かだったのである!


石田”「何だあの大きさの【鎧の化け物】は!? ――――――50m…とまではいかないがそれでも圧倒的な存在感!」

石田”「まさか、――――――新種の深海棲艦か!?」アセタラー

女性「また【兜】の群れが舞鶴を襲いに来たのですね」

女性「石田様。おそらくあの【兜】の群れはこれから先に向かう舞鶴を襲いに行っていると思いますが、どうしますか?」

石田”「――――――か、【兜】?」

女性「もしかしたら、明日には【兜】の討伐が完了しているものだと思いますけれど、」

女性「今日、無理をおして舞鶴に行こうとすれば、【兜】の残党が辺りの村を襲っているところに出食わしてしまうかもしれません」

石田”「………………どういう意味だ? まるで意味がわからんぞ」

女性「え?」

石田”「む?」

石田”「……少し落ち着いて話をする時間はとれるか?」

女性「はい。急いで舞鶴に行こうとしなければ安全だと思います」

石田”「よし わかった。ここは互いの意思疎通を図ろうではないか」



石田”「あれは新種の深海棲艦ではないのか?」


女性「――――――『しんかいせいかん』? って何ですか?」

石田”「知らないのか?! 知らないはずがないだろう、舞鶴の関係者ならば!」ザァザァ ――――――地面に『深海棲艦』と書く。

女性「ごめんなさい。奥州の方ではそういった新種の【兜】が見つかっていたのかもしれませんけれど、なにぶん世事に疎いものでして」

石田”「――――――『奥州』? なぜそこで奥州なのだ?(しかも、そんな古風な言い方――――――)」

女性「え? 石田様は鎮守府よりお越しになったと――――――陸奥の国よりお越しになったのですよね?」

石田”「……なんだと?」アセタラー

女性「え? あの……」

石田”「………………………………なんてことだ」

女性「石田様?」


石田”「…………お前が言う『舞鶴』というのは、京都の舞鶴鎮守府のことではないのか?」


女性「――――――京都に鎮守府!? 京都所司代の間違いでは?!」

石田”「」

女性「あ、石田様!?」

石田”「くっ、――――――計算外だ! こんなこと想定できるか!」

石田”「ハッ」

石田”「……では、ここはどこの国なのだ? 舞鶴というのは地名か? それとも通称か?」

女性「あ、それなら――――――」


女性「ここは肥前国、寺沢志摩守の所領とする唐津の辺りです。その居城を舞鶴城と呼んでおります」


石田”「あぁやはり――――――いや、肥前国!? 九州だと!?」

石田”「ということは、佐賀県の辺りなのか、ここは?!」

石田”「なら、佐世保の方が近い――――――って何を言っているのだ、俺はっ!」ペタァン

石田”「くぅううう…………何かの冗談であってくれぇ」orz



石田”「…………なら、ならば“名古屋”というのは何だったのだ?」


女性「……石田様?」オロオロ

石田”「すまないが、『名古屋』といったか? 少しその辺に俺がやったようにその名を書いてみてくれないか? もしかしたら――――――」

女性「わ、わかりました。では――――――」ザァザァ

石田”「!?」

石田”「………………」

石田”「………………これが『ナゴヤ』だったのか!?」


――――――『名護屋』


女性「はい。そうです、これが私の――――――」

石田”「――――――俺は壮絶なる勘違いをしていたのか」orz

石田”「だが、だが……、だとしたら俺はこれから先 いったいどうすれば………………」ガタガタ

女性「………………」

女性「石田様? 今日は帰りましょうか? 石田様もあの【兜】の群れをご覧になったでしょう?」

女性「今日 舞鶴に参るのは非常に危険ですから――――――」

石田”「……いや、一刻も惜しい!」ギラッ

石田”「舞鶴城にまで案内してくれ」

女性「ですが――――――」

石田”「いいから!」

女性「…………わかりました。万が一のことがあれば私が石田様を【兜】からお守りいたします」

石田”「ふざけたことを言うな!」

石田”「相手は海の彼方でもはっきり見えるぐらい巨大なんだぞ!」

石田”「艦娘の攻撃なら何とかなるだろうが、あの巨体から繰り出される勢いと数の前では斉射でも隙が大きすぎる! 呑み込まれる!」


女性「石田様、信じてください!」


石田”「何をだ?!」

女性「石田様と一泊できた御恩は必ずこの身を以ってお返しいたします!」

女性「ですから、石田様を必ずや鎮守府に送り届けるように力を尽くしますので、どうか私を信じてください!」

石田”「世間知らずの生娘に俺の何がわかる!」

女性「 わ か り ま す !」

石田”「…………!」


女性「私は昔、石田様のように誰よりも誠実で それでいて本当に不器用で それでも気高き人のことを覚えてますから」

女性「石田様はその方にそっくりなんです。それどころか“氏”まで同じなんですから何か数奇なものを感じざるを得ませんでした」

石田”「――――――『“氏”まで同じ』だと?」

石田”「(俺が一番嫌いな敗者のことだな。俺はそいつよりうまくやれるつもりでいたが…………そんなのと一緒にされたくはない)」ヤレヤレ

石田”「だが、メタ的な要素だが、よくもまあこんなめぐりあわせがあったものだ(そうか、やっぱりそうなんだな…………)」メメタァ

女性「…………石田様」

石田”「わかった…………確認するが、今の年号は何なのだ? 『慶長』ではあるまい?」

女性「――――――『寛永』です」ザァザァ

石田”「……『寛永』か。【島原の乱】が起きていた頃か」

石田”「わかった。やれるだけのことはしておこう」

石田”「舞鶴城まで連れて行ってくれ」

女性「はい」ニッコリ




――――――陽が傾きかけた頃、


石田”「…………やはり江戸時代にタイムスリップしたというわけか、俺は」

石田”「あの【不気味な穴】――――――あれが全ての原因か」

女性「……そうですか。石田様は今から400年も後の未来からいらっしゃったのですね」

石田”「今の時代よりも遥かに進んだ良い時代だ。多くのことは語れないがこうやって出会ったのも何かの縁なのだろうな」

石田”「そして――――――、」


石田”「――――――豊臣秀吉の朝鮮出兵の折、前線基地として栄えてきたのが“名護屋城”か」


石田”「どのような城だったのだろうな(そして、なぜそんな跡地近くでひっそりと暮らしているのか――――――)」

女性「築城は天正19年に行われ、それから天下人:豊臣秀吉が没する慶長3年に廃城になるまで人口10万人以上の城下町が築かれたんです」

女性「あの頃は本当に華やかで素晴らしいものでした。あの天下に名立たる大坂城に次ぐ規模にまで発展したんです」

女性「全国の大名が一堂に会して世界を制する大いなる戦いへと赴くのを見送るのが本当に好きでした」

石田”「…………鎖国以来 あくまで防衛戦争に徹してきた皇国軍人としては朝鮮出兵のことは思い出したくはないのだがな」

女性「けれど――――――、」


女性「――――――『浪速のことも夢のまた夢』でした。その栄華も天下人の死と共に移ろいでいったのです」


石田”「…………『浪速』か(大阪の古地名のことではあるが、40kt以上で浪をきる海軍軍人としては響くものがあるな)」

石田”「そうだな。天正19年は確か1591年で、慶長3年は1598年のことだからな(そう、深海棲艦との戦いに勝ったとして艦娘たちは――――――)」

石田”「わずか10年にもならない時の中であの天下の名城:大坂城に次ぐ規模か。想像もできない――――――」


石田”「ん?」

女性「どうしましたか、石田様?」

石田”「…………気のせいか?」

石田”「まるで、お前自身が“名護屋城”であるかのような――――――」


女性「石田様!!」バッ


石田”「がっ!?」ドサッ

ヒューーン! ストッ!

石田”「うわっ――――――弓矢!?(『今よりも昔の時代の方が良かった』という愚かな声はよく聞くが――――――、)」

女性「…………迂闊!」アセタラー


野盗A「ふへへへへ」

野盗B「やっと見つけたぁ」

野盗C「何だアイツぁ? 何か珍しい身形をしているぞ?!」

野盗D「野郎は身包み剥いでぶっ殺して金品をカネにしてやろうぜぇ!?」

野盗E「ひぃへへへへ」


石田”「…………野盗か!(――――――こんな野盗どもがのさばっている【乱世】を生きてみたいと思うのか!)」アセタラー

石田”「くっ」ググッ ――――――扇を構える!

野盗A「おう? あの綺麗な顔してるあんちゃん、扇なんて取り出して何をするのかねぇ?」

野盗B「こっちは弓矢だってあるってのになぁ?」

石田”「ちぃ……(相手は5人か。いくら俺でも3人までが限度だ…………どうする? すでに【電撃銃】を構える余裕はない!)」アセタラー

石田”「(電光地雷を使うか? それとも【流星改】を出して蜂の巣にするか? しかし、弓矢を咄嗟に躱すのは――――――)」

女性「くっ、この人たち――――――、この気配は操られている!」

女性「(ということは、私を探しに来たという【兜の大将】が近くにいるってことなの?)」

女性「(となれば、ここを凌いだとしても舞鶴まで参るのにはもう時間がないのかもしれません)」

女性「(――――――とあれば、私は石田様を何が何でもお守りいたすことを誓いました!)」

女性「(ごめんなさい、志摩様。今まで本当にありがとうございました。戒めを解かせてもらいます――――――)」


女性「石田様! どうか私の手を握ってください!」

石田”「なに?! くっ、――――――頼んだぞ!(――――――『逃げる』というのか? 弓矢を背にして逃げ切れればいいが!)」ギュッ

女性「――――――!」ググッ

女性「へぇんし――――――」


バララララララ・・・!


一同「!!??」

野盗C「な、何の音――――――!」

女性「え、何――――――あ」グイッ

石田”「走れ!」バッ

女性「はい!」バッダッダッダッダッダ・・・!

野盗B「あ、逃げやがった!」

野盗C「おい、それよりも何か空から――――――」

ヒューーーーーーーーーン! チュドオオオオオオオオオン!

野盗D「ぎゃああああああああああああ!」

野盗E「天罰かああああああ!?」


チュドンチュドーーーン!






野盗A「う、うぅ…………お、おい? 生きてるかぁ?」

スッ

野盗A「あ? 何だ、お前は――――――?」

「ヲ!」”ペチン!

野盗A「がぁ……  」ガクッ

「よくやったよ、『ヲシドリ』」”ニッコリ

「ヲヲヲ!」”ニッコリ

「おお! それも修業の賜物なんだよね? 破魔矢を鋼鉄の鳥に変化させて更に火の糞まで落とさせるなんてすごーい! どこの山で修行してきたの?」

「ごめん、そんなことよりも今は――――――!」”バッ

「ヲヲヲ!」”ダッダッダッダッダ・・・!

「そうだったね。今は二人の人探しが最優先だもんね! 行っくよー!」

「あ、その前にこんなものは、――――――えーい!!」”バキッボキッ

「おお! 弓矢や刀がまるで棒切れのように――――――」

「ヲヲヲ!」”

「あ、ごめんごめん! 今 行くからー!」”













石田”「…………何とか撒けたのか?」ゼエゼエ

女性「……そのようです」ゼエゼエ

石田”「思わず駆け出してしまったが、ここはどこなんだ? 舞鶴城まで今日中に辿り着けるのだろうか?」ゼエゼエ

女性「ちょっと、難しいかもしれませんねぇ……」ゼエゼエ

石田”「すまない。おとなしく今日は帰っていればよかったな……」ゼエゼエ

女性「いいえ、こちらこそありがとうございました……」ゼエゼエ

石田”「それで、何だが…………」ゼエゼエ

女性「?」

石田”「いつまで手を握っているのだ…………汗ばんできて鬱陶しいのだよ」ゼエゼエ

女性「あ、ごめんなさい……」ゼエゼエ



石田”「………………ハア」

女性「………………フゥ」



石田”「さて、そろそろ行くか?」

女性「はい。野盗たちがいたことも気にかかりますが、ここはこのまま一気に――――――」


ドスン・・・ドスン・・・ドスン・・・ドスン・・・!


石田”「何だ、この地響きは!?」ドクンドクン

女性「…………何てこと!? どうしてこうも不運が重なるの!?」



金箔押熨斗烏帽子形兜「――――――!」


石田”「馬鹿な?! 何だあの巨人は――――――!? デイダラボッチとかいうやつか?!」

石田”「最初に見た【蟹】や【海老】どころではない! 本当に50m近くはあるんじゃないのか、これは!?」アセダラダラ

女性「石田様!」

石田”「見たところ、鎧に覆われているようだが、深海棲艦と同じく組成は極めて有機的な実体を持っているんじゃないのか!?」

石田”「なら、ここは電光地雷で少しでも足を止める――――――!」\勅命/

女性「――――――『勅命』」

石田”「よし、逃げるぞ!」

女性「はい!」

ドスン・・・ドスン・・・ドスン・・・ドスン・・・! プチッ、ビビビ・・・・・・・ドスン! ドスンドスンドスンドスン!

石田”「…………逆効果だったか!」

女性「石田様、お逃げください! ここは私が何とかしますから!」

石田”「何を言っている!」

女性「あの【兜】の狙いは私なんです! 私が宝の在り処について知っているから、私はずっとあそこで一人で――――――」

石田”「たとえそうだとしても、ここで道案内を投げ出されて一人 路頭に迷って惨めにくたばるぐらいなら――――――!」

石田”「俺は皇国の軍人として最期ぐらい徒花を咲かせるぐらいの大望と覇気で挑んでやる!」ジャキ ――――――【電撃銃・紫電】!

女性「石田様! いけません! 相手は万夫不当の【大将兜】なんですよ!?」

石田”「だったら! 何とか知恵を絞って俺を約束通り 舞鶴城まで連れて行ける算段を考えろ!」

女性「…………!」

女性「はい!」

石田”「(覚悟を決めろ! どうせ帰れるかどうかなんてわからなかったんだ!)」

石田”「(だったら、最期に俺は俺が思ったようにやってやる! ――――――死ぬ気はさらさらないがな)」

石田”「(だが、どうする? デカブツの武器は手に持つ巨大な長柄武器―――――― 一見すると動きがぎこちなく見えるが、)」

石田”「(そんなのはスケールを見失った人間の錯覚だ! 速いぞ、かなりあの動きは――――――!)」


女性「石田様! さっき扇から出したものはまだありますか!?」

石田”「電光地雷なら、あと3つは…………」

女性「あっちの方に昨日の大雨で泥濘んだ窪地がありますよね?」

石田”「!」

石田”「なるほど! それなら時間稼ぎになるかもしれない!」


ドスン・・・ドスン・・・ドスン・・・! ダッダッダッダッダ・・・!


石田”「くっ、デカブツめ! 総身に知恵が回りかね――――――夕暮れになったのもあるが背が高すぎて森の中の我々をすぐに見失ったな!」

女性「ですが、今日の敵はそれでもしつこく追い回してきます!」

石田”「そのようだな!」

石田”「よし!」\勅命/

女性「石田様! 早くこちらへ――――――」

ドスンドスンドスン・・・!

石田”「くっ、船酔いこそは慣れたものだが、この地響きには耐えられんな……!」

ダッダッダッダッダ・・・!

石田”「これでいけるのか?」

女性「大丈夫です。いざとなったら入れ違いに舞鶴城まで一気に駆け抜けますから」

石田”「なに?」

石田”「(そういえば、この時代の住人――――――いや、明らかに過去とは思えないような世界観だが、)」

石田”「(最初に見かけた【海老】や【蟹】はまだ深海棲艦の原型か何か――――――、)」

石田”「(中世の絵巻に描かれていた大地震を起こす大ナマズに通じる何かだと信じていたかったが、)」

石田”「(あんな【鎧の巨人のようなの】が跋扈する世界でどうやってここまで時代が発展してきたんだ?)」

石田”「(それとも、ああいった存在は最近に出没した――――――にしては、1日で殲滅できて、日常茶飯事のようにも感じられた)」

石田”「(そして、彼女の何とかなるという絶対の自信――――――)」

石田”「(いったいどういうことなのだ? まだ俺には見えていないものがある――――――)」

ドスンドスンドスンドスン・・・!

石田”「うまくいけっ!」

女性「うまくいきます!」



ドスンドスン! ヌルッ・・・

金箔押熨斗烏帽子形兜「――――――!!?!」グラッ

ビビビ・・・、バキバキバキ、ドッシャーーーーーーン! ゴゴゴゴゴゴ!


石田”「うまくいった!(しかし、あれだけの巨体が倒れこむだけで、この大地の振動と、これだけの怖気が走るものなのだな…………)」ドクンドクン

女性「これであの【兜】は泥濘に嵌って起き上がるまで時間が更に掛かるようになりました!」

女性「ですが、私の存在が知られた以上は後に退くことはできません」

女性「なので、あとは、これで――――――」

石田”「『これで』どうするつもりなのだ?」

女性「私があの【兜】にとどめを刺してきます。少し揺れますからジッとしていてください」

石田”「…………わかった」

石田”(なんとなくだが、かつて【戦艦】が現代の核兵器に相当する時代があったように、城もまたそうであったことをふと思い出していた)」


女性「戒めを解きます! ――――――名護屋城、変身!」ピカァーーーーン!


石田"「…………!?」

石田”「ま、眩しぃ…………あ!」パチパチ・・・

石田”「――――――光の柱」


一瞬 目が眩むかと思った強烈な光はすぐに和らいでいくのが感じられた。

そして、瞬きしながら何が起きたのかを確かめようとすると、夕暮れの赤く照らされた薄暗い森に一筋の柔らかな光の柱が立っていたのが理解できた。

その光の柱の高さは目測50m以上――――――できるだけわかりやすいイメージを示すのであれば、

アメリカ合衆国の象徴である自由の女神像そのものが46.05mであり(台座を含めてだと93m)、

その自由の女神像に匹敵する光の柱が夕闇の森を貫き、辺りを優しく照らすと、光の柱は炎のように天へと光の粉を散らばせて消えていく。

そして、光の柱から50m以上の巨体に絢爛豪華の威風堂々たる戦装束をまとった戦乙女の背姿を見上げることになったのである。



名護屋城「…………参ります」ジャキ ――――――抜刀!



石田”「これは驚いたな……、ある程度は予想がついてはいたことだが…………」

石田”「どうやら【俺の知る世界】とは根本的に違うようだが、1つの抑止力として健全に機能している」

石田”「【俺たちの世界】で超常への抑止力を【艦娘】と言い習わすなら、」

石田”「【この世界】における【兜】とか言う超常に対する抑止力を【城娘】と呼べばいいのだろうな」


※【御城プロジェクト】は開発:DMMゲームです。【艦隊これくしょん】開発:角川ゲームスとはまったく関係ありません。
→ ただし、【艦これ】を雛形にして生まれたのは疑いようがないので二次創作としては楽しく使わせてもらいます。



名護屋城「せめて、この一太刀で夢から覚ましてあげましょう」ブン!

金箔押熨斗烏帽子形兜「――――――!?」ズバーーーン!

名護屋城「………………」


石田”「やったか?」


名護屋城「はい、石田様」クルッ

名護屋城「石田様、この大きさのまま一気に舞鶴まで参ります!」

名護屋城「お手に掴まりください」ソー・・・ ――――――50m以上もある巨体が膝を折って慎重に手を伸ばす。

石田”「お、おお…………(これは別な意味で緊張するな…………釈迦の掌の孫悟空になった気分だな)」オソルオソル

石田”「よ、よし! どこをどうすればいいかわからないがちゃんと乗ったぞ?」

名護屋城「あ、ちょっとくすぐったいかもしれませんね……」テレテレ

石田”「…………フゥ」

石田”「ハッ」


バキバキバキ・・・ゴオオオオオオオオ!


金箔押熨斗烏帽子形兜「――――――!」ゴゴゴゴゴゴ!

名護屋城「!」

石田”「後ろだ! まだやつは生きているぞ!」ビクッ

名護屋城「――――――しまった!?(ダメ! 今、利き手には石田様が――――――)」ゾクッ

金箔押熨斗烏帽子形兜「――――――!!」


――――――【大将兜】が手にした大身鎗を鋭く突き出そうとする! 次の瞬間には巨大な名護屋城の心臓が貫かれると思いきや!


「変化! 巨大化! 錫杖は当たると結構痛いよ?」ブン!

金箔押熨斗烏帽子形兜「――――――!?!?」ボガーーン!

石田”「!」

名護屋城「………………!」

石田”「――――――まさか別の【城娘】が駆けつけてきてくれた?」


間一髪で【大将兜】に向けて真横から全力で鈍器で突き飛ばして、もう一人の【城娘】がこの窮状を救ってくれたのだ。



名護屋城「あ、あなたは――――――?」

大宝寺城「私は大宝寺城。本当は出羽三山で験力を得るため、毎日 山の奥で修験道に励んでいたんだけど、」

大宝寺城「これも験力が出たおかげか、こんなところに飛ばされちゃってね?」

大宝寺城「けど、自己紹介はこの辺にしよ? 今はあの【大将兜】を打ち破らないと!」

名護屋城「はい!」

名護屋城「では、すみませんが、石田様――――――」

石田”「わかっている。思いっきりやってこい」

名護屋城「はい!」

石田”「っと」 ――――――名護屋城の手から降りる。

ズンズンズンズン・・・・・・

石田”「――――――そういえば、あれだけの巨体から声を発しているというのに、なぜかちょうどいい声の大きさだったな」

石田”「鼓膜が破れそうになるほどの振動は【兜】が立てる地響きや巨大な武器を振り回した時の衝撃ぐらい――――――」

石田”「やはり、【城娘】というのも【艦娘】と同じく霊的な――――――」


「提督ぅうううう!」”

「ヲヲヲーー!」”


石田”「ハッ」

飛龍”「提督ぅううううう、良かった! 無事だった!」ポロポロ・・・

ヲ級”「ヲヲヲヲ!」

石田”「飛龍! 『ヲシドリ』! どうしてここに!?」

飛龍”「だって、提督がまた『ヲシドリ』を連れて無断出撃した際に、左近提督が心配だから他に4人ぐらい護衛を出撃させて――――――」ポロポロ・・・

石田”「もういい。無理して喋る必要はない(そうか。『ヲシドリ』だけじゃなくお前まで巻き込んでしまったのか……)」

石田”「…………すまなかった。俺の思い上がりでお前たちをこんなことに巻き込んでしまったな」ギュッ

飛龍”「いいんです! 提督が無事ならそれで…………よかった、本当に良かった」ポロポロ・・・

ヲ級”「ヲヲヲヲ!」

石田”「お前もよく頑張ったな。ここまで歩いてくるのは大変だったろう? よく頑張ったな」ナデナデ

ヲ級”「ヲヲ……」スリスリ

石田”「これで少しは生きる希望が湧いてきたかもしれないな……」


大宝寺城「出羽の悟り!」 ――――――【出羽の悟り】発動!(攻撃力を超アップ/範囲:遠)

金箔押熨斗烏帽子形兜「――――――!」ガキーン1

大宝寺城「やっぱり強い……。山よ、力を貸して!」ビリビリ・・・

名護屋城「てええええええええええい!」ブン!

金箔押熨斗烏帽子形兜「――――――!」ズバン!

名護屋城「一度 急所を入れて、これでも倒れないの……?(違う、私が実戦慣れしていないだけ! よく見れば、相手も相当息が上がっている!)」


ガキンガキーン! ドスンドスン! バキバキバキ・・・


石田”「どうやら【城娘】と言えども、【ボス級深海棲艦】に相当する【大将兜】相手に少数では太刀打ちできないか」

石田”「なら、ここは【支援攻撃】しなければな!」

石田”「――――――『ヲシドリ』! あの【鎧の化け物】の砕けた鎧の中身に思い切り艦載機で機銃掃射しろ!」

ヲ級”「ヲヲヲ!」 ――――――艦載機 発進!

飛龍”「提督、ここは私も――――――」

石田”「ここに来るまで【艦載機】を何度 発艦させた?」

飛龍”「…………!」

石田”「【この世界】で補給は望み薄だぞ。そのことを踏まえて、ここは自然回復ができる『ヲシドリ』に任せろ」

飛龍”「うん。わかった、提督」


ヒュウウウウウウン! ズババババババ!


金箔押熨斗烏帽子形兜「――――――!!!!」ズキズキ・・・

名護屋城「え、何、これ……? ――――――石田様?」

大宝寺城「やった! またあの鋼鉄の鳥だ! これは心強いよ!」

名護屋城「けど、これなら! ――――――いきます」ブン!

大宝寺城「えええええええい!!」ブン!

金箔押熨斗烏帽子形兜「――――――!!?!?!」

ズバズババーーーーーーン!

金箔押熨斗烏帽子形兜「!!!!…………    」バタァン・・・



石田”「き、消えた……」

飛龍”「深海棲艦と同じように力尽きて――――――?」

飛龍”「けど、何か違うような気が――――――」

ヲ級”「…………ヲ」

石田”「どうした?」

ヲ級”「ヲヲヲヲヲヲ、ヲヲヲヲヲ!」ブンブン! ――――――身振り手振りで何かを伝えようとしている。

石田”「何? ――――――『鎧の下には【城娘】と似て非なる何かを持った身体が入っていた』だと?」

ヲ級”「ヲヲ!」

飛龍”「…………提督とのコミュニケーションがここまで進んでいたんだ」

石田”「まさか、さっきの【大将兜】とかいうのも【城娘】に類する何かだったのか?」

石田”「だが今は――――――」


大宝寺城「ありがとー、飛龍ちゃん! 『ヲシドリ』ちゃん!」

名護屋城「本当にありがとうございました、石田様」


石田”「これから始まっていくことになるのだ」

石田”「江戸時代――――――俺たちが知るそれとは似て非なる寛永において、帰れるかどうかもわからない、」


――――――【城娘】と【兜】の戦いに明け暮れる【乱世】での日々が。




というわけで、まさかの【御城プロジェクト】とのクロスオーバーです。

※【御城プロジェクト】は開発:DMMゲームです。【艦隊これくしょん】開発:角川ゲームスとはまったく関係ありません。
→ ただし、【艦これ】を雛形にして生まれたのは疑いようがないので二次創作としては楽しく使わせてもらいます。

そして、なんでこんな三次創作をわざわざ無駄なレスを増やしてまで組み入れているのかと言えば、
本編の物語風プレゼンの二次創作のストーリーに還元させるための処置であり、本編中に別作品のキャラを明確に含ませないためである。
モデルが存在するキャラならば物語風プレゼンに公然と登場してはいるものの、直接 別作品のキャラを物語中に存在させるのは憚りがあったからである。
なので、わざわざ但し書きをしてこうやって三次創作をしていることを宣言しているわけなのです。

次いでに、プレゼンターとしても【御城プロジェクト】にちょっとばかり提案したいものがあったので、関係をこじつけて物語風プレゼンさせてもらいます。
また、プレゼンターなりの【城娘】と【兜】に関する考察、【城プロ】がどういった世界構造なのかについても描いてみようと思っているので、
飽きたらスクロールして飛ばして、それでも構わない人はこのままどうぞお読みになってくださいませ。

プレゼンターからすると、【城プロ】は元々がタワーディフェンスゲームという【艦これ】とは別ジャンルのものなので、
あまりゲームシステムにいじれるところがないように思っているので、ここはキャラゲーとして順調に【城娘】と【兜】を増やしていって欲しいので、
今回のこの【城プロ】に対する提案はおそらく禁断のオリジナル城娘の提案ぐらいとなります。



超番外編1 浪速のことは 夢のまた夢  -この命 果てても私が御守りします!- 第1章

――――――時は【城娘】と【兜】が争う【乱世】

――――――寛永時代

――――――肥前国 唐津藩、舞鶴城(唐津城)


名護屋城「出迎え、ご苦労でした」

志摩守「おお、何事かと思いましたぞ、姫様。どうしてこちらに? 今日も【兜】たちが来襲したばかりなのですぞ」

名護屋城「この者たちを【城主】様とお引き会わせください」

志摩守「…………!」


石田”「………………」

飛龍”「………………」

ヲ級”「………………」

大宝寺城「………………」


志摩守「――――――唐津城!」

唐津城「ここに」スッ

石田”「(『唐津城』――――――あれも【城娘】なのか)」

志摩守「この者たちをどう思う?」

唐津城「…………大丈夫です。姫姉様がお導きになった渡来人ですから」

唐津城「そして、そちらの男性は【城主】様と似たような空気を感じます」

志摩守「なるほど。そうか」

志摩守「では、面を上げられよ」

石田”「…………………」

志摩守「!」

志摩守「――――――あなたは治部か!?」ガタッ

志摩守「馬鹿な、生きているはずがない! まさか化けて出てきた――――――」ガタガタ

飛龍”「え?」

大宝寺城「あれ、どうしたんだろう?」

ヲ級「ヲ……?」

唐津城「落ち着いてください、志摩様」

名護屋城「そうです。石田様は治部ではありません」

志摩守「――――――『石田』!? 氏まで同じとは何という……」ギョッ

石田”「………………」


名護屋城「申し訳ありません、石田様」

石田”「いや、実害がないなら どう思われようが一向にかまわん」

志摩守「喋り方までそっくり!?」ハラハラ

石田”「………………」

唐津城「志摩様、これ以上の粗相は渡来人の方々だけじゃなく、【城主】様からも顰蹙を買うことになります」

志摩守「あ、ああ……、取り乱してしまってすまなかった」

志摩守「冷静に考えれば、石田治部が仮に生きていたとしても、儂と石田治部は歳の差3つだからジジイの形よ」

志摩守「しかし、本当に若い時の治部にそっくりであるな……」

志摩守「そして、その者を姫様が連れてきたというのであれば――――――」

志摩守「ご客人として丁重にもてなさければな」

石田”「感謝申し上げます」

志摩守「うん。やはり【城主】様と似た口調であるな。それに見たこともないような身形に鉄砲といい――――――」

名護屋城「あの、志摩様……」

志摩守「どうなされた、姫様」


名護屋城「戒めを解いてしまったことをお詫び申し上げます」


志摩守「!」

志摩守「――――――見たのか、そなたたちは!」

石田”「おそらくは(――――――『名護屋城が【城娘】であるということ』をだろう)」

志摩守「………………」

唐津城「志摩様、他でもないこの唐津に【兜】が多く押し寄せてきている以上、」

唐津城「姫姉様の所在が敵に見つかるのは時間の問題――――――そう、ご理解していたではありませんか」

唐津城「むしろ、無事に舞鶴城までやってこれただけ幸いだったと思います」

志摩守「…………それもそうだな」

志摩守「わかった。後は儂にまかせるといい」

志摩守「ご客人の方々。今日はもう遅いので、【城主】様には明日お引き合わせいたします」

志摩守「どうか、今日のところはお休みになってくださいませ」

石田”「ありがとうございます」



――――――就寝


名護屋城「本当にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

石田”「なぜ、お前が謝る必要がある?」

名護屋城「だって、私がもっとうまく戦っていれば、石田様を危険な目に遭わせることはなかったのです……」

石田”「安心しろ。俺も【深海棲艦の捕獲】なんかやって死ぬような思いは散々経験しているから慣れている」

名護屋城「でも――――――」

石田”「今日はもう遅い。いつまでもここにいたら お前の貞操が疑われる。――――――そういう時代なんだろう?」

名護屋城「………………」

石田”「ではな」

名護屋城「……はい」

スッ、パタン

名護屋城「………………」

スッ

名護屋城「!」

石田”「あ」

名護屋城「…………石田様?」

石田”「…………その、何だ?」

石田”「お前が、俺のために精一杯 力を尽くしてくれていることには……、感謝している。しかも1日会っただけの間柄で、だ」

石田”「十分な謝礼ができるかどうかはわからないが、せめて言葉だけでも伝えようと思ってな……」

名護屋城「……石田様」

石田”「……そういうわけだ。お前は“姫様”らしく、とっとと帰って寝ろ。――――――以上だ」

パタン

名護屋城「はい、石田様」フフッ



唐津城「…………姫姉様。やはりあの男に情を持っていましたか。これはどうするべきか」



――――――翌日、

――――――舞鶴城の城下:松浦川河口部


コツコツコツ・・・・・・

志摩守「【城主】様はあちらにお住まいとなります。どうかついてきてください」

大宝寺城「綺麗な海だね!」ウキウキ

飛龍”「うん。本当だね」ワイワイ

ヲ級”「ヲヲ!」キャッキャッ

石田”「…………あの3人、ずいぶんと仲が良いな(確か、昨日は一緒の寝床だったか?)」

唐津城「あれは姉妹じゃないんですか?」

名護屋城「私もそうじゃないかと思っていたんですけど、飛龍さんは【城娘】ではないんですよね?」

石田”「ああ、特に繋がりはない」

石田”「ただ、大宝寺城と飛龍はイメージカラーが眩しい黄色だから遠目に見ればそう見えなくもないか」フフッ

名護屋城「やっぱりそうですよね。こうして見ると仲の良い姉妹のように見えちゃいます」フフッ

石田”「冗談はよせ。飛龍に妹がいたらうるさくてかなわん。うるさいのが増えるとこっちの苦労も増える」ヤレヤレ

名護屋城「それじゃ、あっちの黒い娘は…………南蛮人から買い取った娘ですか?」

石田”「…………!」ムッ

名護屋城「あ」

石田”「いや、違う。『ヲシドリ』は奴隷なんかじゃない」

石田”「あれは――――――、あれは、あれは………………」

名護屋城「つまり、――――――私と同じ?」

石田”「……そうかもしれないな。その通りだ」フフッ

名護屋城「そうなんですか。何だか親近感が湧きます」ニッコリ

唐津城「………………」


志摩守「さて、【城主】様には我が所領における新田開発の一環として行われた防風・防砂林の天領に居を構えるようにしていただきました」

志摩守「どうですか? この美しい海を前にして広がる白砂青松は?」

石田”「おお! これは見事なものだ」

唐津城「世間では“二里松原”として評判となっております」

石田”「――――――『二里松原』か(ちょっと待て? 佐賀県の辺りでこれほどまでに見事な松原のことを聞いたことがあるな)」


石田”「そうか、これが日本三大松原『虹の松原』か!」


名護屋城「え? そうなんですか?」

志摩守「ほう、もうそんな名声が得られていたとはこれは少し驚きですな」

石田”「はい。私も見るのは初めてですが、本当に見事な名勝ですね」

志摩守「はっはっはっ、【城主】様にも褒められ、すないスケ様にもお褒めいただけるとは恐悦至極ですな」

飛龍”「――――――『すないスケ』?」

唐津城「正五位:近衛少将のことです」

名護屋城「『スケ』というのは大将の次官である中将のことで、それに対して“少ないスケ”ということなんです」

飛龍”「へえ、そうなんだ」

志摩守「同じ面で同じ氏でも、石田治部が従五位下なのに比べて、すないスケ様は立派でございますな」

石田”「いや、確かに私は少将だがこれは官位のことではないのだがな…………」


志摩守「さて、そろそろ見えてきますよ」

唐津城「さすがは神より遣われし【城主】様の居城なだけあり、それはそれは摩訶不思議で壮観なものですよ」

石田”「ほう……」

飛龍”「そういえば、【城主】様ってどういった方なんですか?」

大宝寺城「そうだったね。これから私の殿になる人かもしれないし、それはちょっと気になる」

志摩守「そうでしたねぇ……」

唐津城「大変お若い方です。すないスケ様よりもお若いですね。儂のせがれと同じくらい、いや それ以上かな?」

大宝寺城「へぇ」

ヲ級「ヲ……」ゼエゼエ

石田”「さすがに疲れたか、『ヲシドリ』? あともうちょっとだからな」

名護屋城「変身すればすぐに着くんですがね……」

石田”「いや、乗り心地が最悪だったから緊急時以外はご遠慮願おう……」

名護屋城「本当にごめんなさい……」

名護屋城「あ、見えてきましたよ、――――――ほら、あそこ!」

石田”「――――――ん?」

飛龍”「ええ?!」

ヲ級”「ヲヲ」

大宝寺城「これが【城主】様の居城――――――」

志摩守「いつ見ても、神の御業としか思えない建築っぷりですなぁ……」

唐津城「到着です」


唐津藩の天領である虹の松原に建築された【城主】様の居城とは――――――!?



石田”「マンションじゃないか! ペントハウス付きの! まるっきり現代建築!(申し訳程度にペントハウスが天守なのだな)」

飛龍”「し、しかも、何やら隣の方ではブルーシートで建築中…………」

唐津城「…………『まんしょん』? 『ぺんとはうす』?」

志摩守「おお、やはりおわかりですか、あれがどういったものなのか」

石田”「――――――間違いない。俺と同じく平成時代から来た人間だ」

名護屋城「よかったですね。もしかしたら力になってくれるかもしれませんよ」

石田”「そうだな」

ヲ級”「ヲヲ!」ビシッ ――――――ペントハウスを指さす!

――――――
青年「――――――」
――――――

石田”「む、ペントハウスから誰かがこちらを見下ろしている」

唐津城「あ、あれが【城主】様ですよ」

名護屋城「初めてお目にしました」

志摩守「ふむ、本当なら【城主】様にも姫様の存在は隠し通して、この唐津を襲う【兜】たちの討伐を遂行してもらいたかったが…………やむを得ん」



――――――【城主】様の居城:ペントハウス付きマンション(隣で【城娘】絶賛築城中)


城主「いったいこれはどうしたんですか、志摩様?」

城主「あ、こっちの人たちは――――――」

志摩守「頼みたいことがあるのだ。こちらの数名を引き取ってもらいたい」

城主「え」

城主「……まあ、いいですけど。部屋も十分に空いてることですし」

志摩守「そうか。よろしく頼むぞ」

城主「ああ…………」チラッ


石田”「よろしく頼む。石田海軍少将だ。――――――平成時代のな」


城主「!」

城主「本当ですか、それ!」

石田”「ああ。俺もどうしたわけかこんな時代に飛ばされてな」

城主「そ、そうだったんですか……」


城主/金木「あ、俺、――――――金木です。ただの貧乏苦学生で今はこんなところに」


石田”「…………ん?」ジー

金木「…………?」

石田”「…………いや、何でもない」

金木「は、はあ……」

金木「まあ、立ち話もなんですし、客間に案内します」

志摩守「うん」

金木「こっちです」

スタスタスタ・・・・・・

石田”「………………」

ヲ級”「ヲヲ」

石田”「あ、『ヲシドリ』か」

石田”「いや、あの金木とかいう男、誰かに似ていると思ったのだが、…………気のせいか?」



――――――客間


金木「――――――そうですか」

金木「それじゃ、大宝寺城だったな? お前は俺の許に来て戦ってくれるのか?」

大宝寺城「うん。まだそんなに力は強くないけど、いつか殿もびっくりするような力を身につけるから、楽しみにしていてね」

金木「そうか。確か、刀(対空)だったからこいつは助かる!」メメタァ

金木「で、こっちの――――――」

名護屋城「あ」

唐津城「――――――姫様は“姫様”だ。くれぐれも粗相がないように頼むぞ、【城主】様?」ジロッ

志摩守「すないスケ様と同じく、遇してもらいたい」ジロッ

金木「わ、わかりましたよ(まあ、わかってたよ。きっとこの人も【城娘】なんだろうけど、)」アセタラー

金木「(【稲生】の那古野城と同じく、仲間になってくれないやつなんだな。唐津城も来てくれなさそうだし、わかってた)」メメタァ

金木「(でも、せめてレシピぐらい教えてくれたっていいんじゃない?)」メメタァ

金木「えと、そして、こっちは――――――」

飛龍”「……私?」

ヲ級”「ヲ?」

石田”「その二人は私の部下だ」

金木「ああ そうなんですか(ふぅん。二人共 見ない顔だし、明らかに人間って感じじゃない。あとで築城レシピ教えてもらおう)」メメタァ

金木「じゃあ、これで全員のことを訊きましよね?」

金木「それじゃ、さっそく部屋の準備をするので、適当にくつろいでいてください」

志摩守「そうか。それじゃ、儂らはこのへんにして帰らせてもらうぞ」

唐津城「くれぐれも姫様には粗相がないように。部屋も当然 一番良いものを」

唐津城「それから、姫様のために食糧や調度品などをこれから運び入れるようにするから、くれぐれも――――――!」ギロッ

金木「わ、わかってるって! もうちょっと信用してくれたっていいんじゃないですか?」

唐津城「確かに【城主】様は我が唐津の防衛に協力し、数々の勲功はありますが、こと姫様に関しては別問題です」

金木「…………わかりました。肝に銘じておきます」

名護屋城「そこまでいう必要は――――――」

唐津城「姫様。姫様も会って間もない人物に全幅の信頼を置くのはいけません」

名護屋城「!」

石田”「………………」

飛龍”「?」

唐津城「本当ならば舞鶴城に居てもらいたいのですが、【兜】の襲撃のことを考えるとここに置いておいたほうが安全ということでしかたなくです」

唐津城「近々、お世話人を姫様のところに遣わしますので、どうか貞淑であってください」

唐津城「では、舞鶴城に戻ります。また【兜】の動きがあればその時はまたお願いします」

金木「ああ。任せてくれ!」


スタスタスタ・・・・・・



金木「…………フゥ」

金木「あ」

金木「――――――千狐、やくも! 誰か居ないか!」

やくも「殿さん、【築城】終わったから、早く新しい娘を迎えてあげて」

金木「おお、そうか」

金木「それよりも、新しい【城娘】とお客人がこれだけ入ったから部屋を用意してくれ」

石田”「――――――【妖精】か?」

金木「いや、――――――【神娘】っていう、こんなんでも神様のご眷属らしいよ」

石田”「なるほど……(――――――『神から遣わされた』というのはそういうことか。確かにどことなくそういった雰囲気があるな)」

金木「…………あんまり驚かないんですね」

石田”「こういった手合には俺も慣れてるからな」

金木「!」

金木「石田少将! 少々お待ちになっていてください! 【築城】したばかりの新しい娘を連れてきますから!」ビシッ

金木「それから、じっくりとお話しましょう!」

石田”「ああ。――――――1つ言っておくが、それは陸軍の敬礼だ。手の平は見せるな。肘を前に出して手の甲を向けろ」スッ

金木「はい!」ビシッ


タッタッタッタッタ・・・


やくも「えっと、この【城娘】さんにはこの部屋が――――――っと」

やくも「それで、殿さん以外で初めての男の人の入居者――――――どうしよ?」ウーム

石田”「…………フゥ」

飛龍”「これで少し安心できましたね、提督」ニコッ

石田”「そうだな。話が通じる相手でよかった……」

名護屋城「………………」ドキドキ

石田”「どうした、姫様?」

名護屋城「なんだか夢みたいです」

名護屋城「一昨日まで城跡で一人暮らしをしていたのに、それが【城主】様のところで石田様とも一緒に暮らせるようになるなんて」

石田”「…………そうだな」フフッ

飛龍”「………………」


――――――それから、唐津藩 虹の松原における神の使いとされる【城主】と【城娘】たちとのマンション生活が始まるのであった。



――――――個室


石田”「さすがに外見は現代建築でも、内装までは再現できていないか」

石田”「フローリングは塗装してないせいで、人の往来で細かい木片が散らばっているな、この辺は」

金木「できるだけ、今はもう遠い【現代】のことを想って、床面を教室のあれみたいにもしてみたんですけどね……」

金木「塗装って言ったら漆が思いついたから、それを少しずつ買ってきて塗ってはいるんですけどねぇ……」

金木「部屋はこんな感じです」ガチャ

石田”「おお」

金木「二里松原から見える唐津湾の景勝がよく見えるようにしてみたんです」

石田”「まるでリゾートホテルだな。家具も畳や竹細工がハワイアンな雰囲気と和のテイストを演出している」

金木「これでもこの【乱世】に流れ着いて、早数ヶ月――――――ケータイを見る限りだとそれぐらい経っていて、」

石田”「(ずいぶんと古臭いガラケーだな。スマートフォンは使ってないのか――――――ああ 貧乏苦学生と言っていたか)」

金木「こうやって衣食住は【城主】様と崇められることで恵んでもらえてるから、生きてく分には困りはしなかったけど、」

金木「――――――【現代】の刺激が足りなくてっさ?」

金木「まさか電子辞書が暇潰しの必携アイテムになるとは思いもしませんでしたよ!」

金木「もう娯楽に飢えて飢えて死にそうになったところで、こういうコーディネートに手を付けてみる気になったんです」

石田”「そうか。よくぞ、今日まで生き抜いてきたものだな」

金木「石田海軍少将は【ここ】に来て何日です?」

石田”「今日で3日目だ。漂着していたところを姫様に助けてもらえたのが幸いだった」

金木「そうだったんですか。俺はいくつかの時代を巡ってきて この【寛永】の唐津に流れ着いたんですけどね」

石田”「なに?」

金木「それはもう大変でしたよ。起きたことをケータイ日記に記録することを覚えてから振り返るだけであの時の苦労がありありと…………」

金木「ホント、ソーラーチャージャー充電器には助けられてきた。ケータイが死んだら俺、ホントに死んでたかもしれない!」

石田”「そうだな(俺の装備も【この時代】で補給など望めない以上は使い所を見極めなければならないな……)」

金木「はあ……、やっと奨学金を得て大学まで進学できたってのに、なんでこんなことになっちまったんだよぉ……」

金木「おかげで、持ってこれたものなんてこれぐらいしかなくって、――――――あとは自分で作る他なくってさ」

石田”「よくわかるぞ、その気持ち。俺も自分で物事を組み立てねばならない人間だったから」

金木「ははは、石田少将が良い人でよかった……」ポロ・・・

石田”「泣くな。――――――世界に冠たる皇国男子だろう?」

金木「はい!」ビシッ

石田”「うん。海軍式はそういうやり方だ」



――――――天守:ペントハウス


金木「それじゃ、ここが屋上の天守です」

石田”「このとってつけたような天守建築はいったい何なのだ?」

金木「一応、――――――雰囲気? TPOってやつ?」

金木「こんなふうな飾りを一応はつけておかないと侮られるんですよ。だから 不格好だけれどもつけていて」

石田”「わかったわかった。苦労したのだな」

金木「で、俺はここで唐津を守るために見張りをやって、ここから地図を見ながら【城娘】たちが戦いやすいように配置するんですよ」

石田”「どういうことだ? 確かに見晴らしはいいだろうが、それでも見える範囲には限界があるだろう」

金木「それがそうでもないんですよ」

金木「これ、作戦の時に使う唐津周辺の地図なんですけど――――――、」

金木「ここに【城娘】一人一人の人形があるじゃないですか」

石田”「ああ(ずいぶんとデフォルメされた人形だが、――――――なるほど、ここに所属する【城娘】にはこういうのがいるのか)」

金木「そうだな、非番の娘――――――そうだ、早速だから大宝寺城に行ってもらおうか」

石田”「?」

金木「いいですか? この大宝寺城の人形を――――――、石田少将、ここに置いてくれません?」

石田”「……こうか?」コトッ

金木「………………」

石田”「………………」

金木「………………」

石田”「何も起きないようだが」

金木「ああ やっぱり…………俺じゃないとダメなんだ」

金木「じゃあ、今度は同じことを俺がしますね。大宝寺城の人形をここに置くとペントハウスの目の前に――――――」


大宝寺城「ふぇぇん」


石田”「なに!?」ビクッ

金木「こうなるんだよね」

金木「それで、地図から人形を離せば――――――」


大宝寺城「」パッ


石田”「おお…………」

金木「どうです? こんな感じでこのペントハウスに居ながら戦力の配置や確認ができるんですよ?」

金木「他にも、損傷を受ければ人形が同じように傷つきますし、戦意がみなぎっていたり、疲労していたりなんかも人形からわかるんですよ」

石田”「便利なものだな。【現代】の司令室よりも直接的な命令や管理ができる点では圧倒的に優れているな」


石田”「では、戦場で力尽きた時は――――――?」

金木「死ぬってわけじゃないらしくて、人形が地図の上から黒ひげ危機一発みたいに吹き飛ぶんですよ! あれは最初に見た時 驚いたぁ!」

金木「それで、その【城娘】は負傷した状態で元いた場所にうずくまっているから、急いで【修繕】させることになるんです」

金木「だから、【合戦】の時はできるだけ出陣させる【城娘】たちを近くにおいてすぐに【修繕】に運べるようにしておく工夫が必要で」

石田”「なに、ロストしないのか!?」

金木「『ロスト』――――――今のところはないですね。致命傷を負う前に自動的に人形が盤面から緊急離脱するので」

金木「けれど、敗戦した時は【しんがり】を選んで【撤退戦】をするんですけど、その時 敵に捕縛されてしまった時があって――――――」

石田”「!」

石田”「……どうなったのだ!?」

金木「その時は、何とか【身代金】を支払って解放してもらえましたけど…………約束の刻限を過ぎていたらどうなってたんだろう?」

石田”「…………乱暴とかはされてないよな?」アセタラー

金木「わからない。聞きたくもないし、知りたくもありませんよ、そんなこと」

金木「ただ、俺の采配ミスで辱めを受けて、それでも俺を【殿】と呼び慕ってくれる彼女たちの健気さを踏み躙ることはできない…………」

石田”「――――――『殿』か(――――――それは【提督】と呼ばれている俺にしても同じことか)」


金木「……と、すみません。こんな話なんてして」

石田”「いや、俺としてはこれから宿主である【城主】を支えてその日の糧を得たいから、そういった情報はできるだけ共有したい」

金木「おお! 作戦指揮とかできるんですか?」

石田”「俺は艦隊司令官の提督だ。陸の戦いについては専門ではないが、役に立つものがあるはずだ」

金木「ありがとうございます! これで少しは楽になっかな――――――ん、『提督』?」

石田”「どうしたのだ?」


金木「…………もしかして、金本提督って人を知ってますか?」


石田”「!?」

石田”「どの金本提督かは知らないが、俺は斎庭鎮守府の金本提督ならよく知っている」

金木「『斎庭鎮守府』の人かはわかんないけど、何か偉く貫禄があってさ、俺とは違って腕っ節が強くて成金って感じで、」

金木「【城娘】でもないのに【兜】を生身で担いた大砲で撃ち倒す幸薄そうな怪力女性を連れていましたよ」

石田”「それはもしや――――――」

金木「そうそう! 今 思い出したんだけど、ケータイで写真 撮ってある! これこれ!」

石田”「!」


――――――そこに写っていたのは石田司令がよく知る資源王と欠陥戦艦の姉妹の姿であった。ついでにもう一人の男性の姿もわずかばかり見える。


石田”「どういうことだ、これは……?!」

石田”「(金木提督も俺と同じようにタイムスリップしていたというのか?!)」

石田”「(となれば、帰れる方法があったということか!)」

石田”「(しかし、金本提督と山城が装着しているのは何だ? パワードスーツと見たこともないドレスのようなものだな……)」

石田”「これはいつ撮った写真なのだ?」

金木「えっと、ケータイの日付はあてになんないから、ケータイ日記をちょっと遡らせてもらいます」

石田”「ああ……」

金木「………………」ピピッピピッピピッ

金木「あ、これは――――――」ピタッ

石田”「どうなのだ?」

金木「そうだ。これ、【関ヶ原】――――――最初にタイムスリップした先でのことだ!」

石田”「――――――『関ヶ原』!? 天下分け目の戦いに介入したというのか!?」

金木「いや、別に東軍と西軍が激突した時期じゃなくて、どうもそれよりずっと前の時代っぽかったけど……」

金木「ホント、関ヶ原の古戦場なんて見たことなかったけど『ずいぶんと手狭なところだったんだぁー』っていうのが感想かな?」

石田”「それで……?」


金木「まあ、わけもわからず【現代】で歴史的価値ある宝蔵品を夜な夜な盗んでいく【兜】を追撃するように千狐とやくもに言われて、」

金木「流されるままに、がむしゃらに【兜】の化物たちを【城娘】を差し向けて戦わせていたんだけど…………」

金木「でも、突然【現代】から中世のその――――――俗に【乱世】っていう時代に飛ばされて右も左も分からず…………」

金木「だから、その頃の俺は【殿】としての自覚もなくて、千狐ややくも、【城娘】に対してはひどくあたっていて……」

金木「そんな時に、どこからか4人の男女が現れて、その出会いを通じて俺は今日まで生きてこれたんだ」

石田”「――――――『4人の男女』か」

金木「その時に、俺はその金本提督っていう俺の苗字にそっくりで 俺が欲しいって思っていたものを全部持っていたような成金に、」

金木「この【結婚指輪】と【軍刀】をもらったんです」

石田”「こ、これは――――――!?」


――――――金木青年が金本提督からもらったという品はまぎれもなく【ケッコン指輪】と【下賜品/軍刀】であった。


金木「…………やっぱり知り合いってことで?」

石田”「ああ。間違いない。これは間違いなく金本提督だな(まず、これらを他人に気前よく渡す度量は資源王以外あり得ない!)」

石田”「しかし、金本提督が帰れたのにお前は帰れてないのだな」

金木「…………それでもいいです。『住めば都』っていうし、俺は今の生活に充実感を持つようになってきたから」

金木「どうせ俺は元々 素寒貧の貧乏苦学生で、好きだった女の子の心もカネが無くて射止められなかったわけだし、」


金木「何よりも! 【城娘】という美女に囲まれて、【城主】様と崇められて日々の生活にも困らないのだ!」フゥハハハハ!


金木「【現代】への執着をなくして、【城娘】たちと【兜】の討伐に人生を懸ければ、ずっといい暮らしができて男として最高だね!」

石田”「まさかとは思うが…………いや そうだとしたらタイムパラドックスが起きるはずだが」ブツブツ・・・

金木「ま、そんなわけで俺としてはもうこの宿命を受け入れました」

金木「でも、石田少将には【現代】でやるべきことがあるんですよね?」

石田”「ああ。深海棲艦との戦いがある。俺はその戦いに終止符を打つために新たなる戦略を打ち立てようとしていた時だったのだ」

金木「――――――『しんかいせいかん』?」

金木「ま、まあ。少将にもなれば責任重大だし、俺のような しがない一大学生よりも待ってくれてる人はいっぱいいるだろうからさ?」

金木「石田少将が【現代】に帰れる方法がないか、俺の方で【神娘】たちに訊いてみるから」

金木「だから、それまでよろしくお願いします」

石田”「ああ。こちらこそ、よろしく頼むぞ」






石田”「それから、俺は金木青年を通じて【城娘】と【兜型生命体】との戦いの日々というものを学んでいくことになった」

石田”「生活自体は確かに生命活動を維持するための衣食住は足りていたが、【現代】の便利な生活に慣れていると物足りなく感じるところが多く、」

石田”「金木青年が俺という同じ時代の二十代の男性との同居を大いに喜んだ情緒が今ならよくわかる」

石田”「確かに【城娘】や【神娘】、【その時代を生きる人たち】との交流は盛んだったが、」

石田”「望郷の念をわかちあえる相手が誰もいない――――――本当の意味での話し相手がおらず、真に孤独であったということがうかがえる」

石田”「俺としてもそれは同じであり、金木青年が俺の顔見知りによく似ていることもあって自然と優しく接することが多かった」

石田”「しかしながら、俺は今まで【城娘】と【兜】の戦いというのは【艦娘】と【深海棲艦】の戦いの構図に当てはめて考えていたのだが、」

石田”「実はこの両者の戦いは本質的にまったく異なるものだということに気づく」


石田”「まず、【艦娘】と【深海棲艦】の戦いには交渉の余地が無い完全なる全面戦争ということだ」


石田”「【深海棲艦】が旧大戦を主とする海に沈んでいった船員たち、あるいは艦艇自体に宿った恨み辛みが実体化したという説をとるならば、」

石田”「相手はすでに失うものなどなく、『ただ恨みを晴らす』その一念だけで襲いかかってくるので和平など結びようがない」

石田”「しかし一方で、この【兜型生命体】という謎の存在について言うのならば、」


石田”「――――――【捕虜の返還】などを持ちかけてくる辺り、【深海棲艦】とはまるで違う存在である」


石田”「ただ わからないのは、なぜ怨敵あるいは天敵であるはずの【城娘】を捕虜にしておきながら【捕虜の返還】に応じるのか――――――」

石田”「普通に考えれば、兵力も完全に【兜】が上回っているのだから【城娘】という天敵はすぐに始末するべきであろう」

石田”「しかしながら、敵はそれをしない――――――それどころか、拍子抜けするぐらい安い身代金で解放することもあるという」

石田”「となれば、考えられることは2つある」


1つは【城娘】の中でも優先順位というものがあり、それが低い【城娘】に関しては取るに足りない存在として放逐するのか――――――。

もう1つは【兜】の主な活動が宝蔵品の略奪であることから、少しでも金品を巻き上げようとして【捕虜の返還】を持ち掛けてくるのか――――――。


石田”「これが【深海棲艦】とはまるで違う点であり――――――、」

石田”「【深海棲艦】との戦いにおいては“生還”か“名誉の戦死”かの実にシンプルな両極端な結果しか残らないのに対し、」

石田”「こと【兜】たちとの戦いにおいては“生還”か“捕虜となって敵にその身を委ねてしまう”という非常に高度な判断が必要な場面が入ってくる」

石田”「【捕虜の返還】に関しては完全に【兜】の側が主導権を握っているようでもあり、」

石田”「この点から見ても、【兜】がただの怨霊や遠方から現れる巨大な害獣ではないことは明白である」

石田”「俺の見立てでは、これだけの戦略を徹底させることができる そこそこの力量と知性を併せ持った親玉が指揮を執っているに違いなかった」

石田”「一方で、【兜】の唐津襲撃も、名護屋城がこちらに移ってきてから激化してきたようだが、」

石田”「戦略はできても学ばない馬鹿のようなので、着実に戦力の増強と練成を積んだ【城娘】軍団の敵ではなかった」

石田”「しかし、状況はその【捕虜の返還】が求められるようになって初めて動き出すのであった」




――――――数日が経って、


石田”「ワックス塗りはこれぐらいでいいだろう」フゥ (この時代の衣服を支給してもらって着替えている)

金木「ホント助かりましたよ。ワックス――――――つまり蝋になるものって意外と近くにあったんですね」アセフキフキ

石田”「ああ。島原にな(そう、――――――島原に)」

金木「いやあ、島原が伝統的なJapan Waxの名産地だったなんて知らなかったな。漆ってこのJapan Waxの元となる櫨の近縁種だったんだ」

石田”「その果実の果肉や種子に含まれている融点の高い脂肪分を圧搾したものが木蝋だからな」

石田”「他にもサトウキビやクジラ油もワックスだから、九州ならばこの時代ではどこも専売制で割高だが入手経路は豊富だ」

石田”「そういう意味では、化学工業が発達していなくても手に入る点で実に有意義だったな」

金木「さすがにマンション全体を塗布する分を確保できなくても、エントランスやリビング、メイン階段までは塗れましたからね!」

金木「いやあ、ホント綺麗だな~。徹底的に掃除して、床板を張り替えたかいがあったぜ!」

金木「いまだかつてないってほど感激! 小学校以来だぜ、ワックスを塗るなんて! 貧乏苦学生の俺じゃ縁がないと思ってたけど!」

金木「いやはや、このモップもどうやって作ったんです? ホント、石田少将は手先が器用ですね」

石田”「ところで、金木」

金木「何です?」

石田”「――――――【寛永時代】に何があったか知っているか?」

金木「え? …………『寛永』? ああ 確か今の年号でしたよね」

金木「…………わからないです」


――――――【島原・天草一揆】があった頃だ。


金木「!?」

石田”「安心しろ。まだ一揆は起こらない」

石田”「だが、この唐津も実はその【島原・天草一揆】――――――【島原の乱】とは無関係ではなくてな」

金木「え」

石田”「実は、ここの領主:寺沢志摩守は唐津だけじゃなく、飛び地としてその天草も領有しているのだ」

金木「!!」

石田”「関ヶ原の役において九州で加藤清正と対決した小西行長の旧領を受け取って得た飛び地が天草なのだ」

石田”「もちろん、この唐津城こと舞鶴城の他に、天草に富岡城 別名:臥龍城を建ててそこに城代を派遣して治めさせているのだがな」

石田”「確か【島原の乱】は1637年だったか。起こるとしたら10年以内だ」

金木「………………」

石田”「――――――どうする?」

金木「『どうする』って……?」

石田”「このまま行けば、寺沢家は【乱】の勃発の責任を取らされて改易させられるぞ」

金木「ええ!?」


金木「…………で、でもさ? 歴史って変えていいものなのかな?」

金木「だって、こういうタイムスリップものだと定番じゃん? タイムパラドックスとの葛藤ってやつがさ」


石田”「帰れる見込みもないのにそんなのを気にしてどうする? 未来が変わったことなんて誰がわかるんだ?」


金木「え?」

石田”「俺たちにとって今現在は命など軽い夢幻なのか? それとも、正しい歴史とやらのためにひっそりと死にゆく覚悟があるのか?」

金木「…………!」

石田”「俺はこんなところで死ぬつもりはない。いつだって俺が生まれ育った時代の皇国への帰還を願っている」

石田”「俺にとって真に帰るべき場所であり安息というのはただそれだけだ」

金木「………………」

石田”「お前はどうなのだ?」

石田”「本来 存在しないはずの平成時代の人間がこうして江戸時代に存在して、【城主】様として唐津の藩政に深く関わっているではないか」

石田”「今 このマンションが立っている場所は虹の松原の天領なのだぞ」

金木「あ」

石田”「これだけでも十分に唐津の歴史に干渉しているのではないのか?」

石田”「そもそも、他の時代も遍歴してきたのだろう? 否が応でも与えてきてしまった影響のことについて考えたことはないのか?」

金木「………………!」


石田”「………………」ジー

金木「…………【乱】の原因は何なんです?」

金木「やっぱりキリスト教の弾圧が原因――――――?」

石田”「いや、キリスト教は豊臣時代から禁止されているものだ。それでいて、徳川時代に再び禁止になったのをあえて禁を破った輩は裁かれて当然だ」

金木「……ずいぶんと厳しいんですね」

石田”「俺は大航海時代にキリスト教が奴隷貿易を推進してきた原動力になっていることを知っているからな」

金木「………………」

石田”「さて、【乱】の原因だが――――――、」

石田”「簡単な話だ。島原でも天草でも重税を課したから百姓一揆が起こった――――――ただそれだけの話だ」

石田”「『百姓一揆』だからな? 士農工商の全部が苛政に耐えかねて起こした一揆だ。キリスト教徒なんていうのはその一部に過ぎない」

金木「…………!」

石田”「余談だが、天草といえば小西行長の旧領ではあるが、その【乱】の指導者となった天草四郎はその家臣の子孫だと言われているな」

石田”「さて、なぜ島原と天草で百姓一揆が起きたのか、【乱】が勃発するほどの重税を課したのかといえば――――――、」

石田”「島原藩主:松倉重政が島原城の建築における労働力や出費を補おうとして苛政を敷いた結果が【島原の乱】だ」

石田”「その後、藩主になった嫡男:勝家はその後の仕置で斬首を言い渡されているようだ。これは大罪人の扱いとして処刑されたことを意味する」

石田”「この松倉勝家は島原城建築による苛政の非を認めたくがないために、島原が伝統的にキリスト教圏だったことに目をつけて、」

石田”「【島原・天草一揆】を“キリスト教徒による反乱”と仕立てあげたらしい。まあ、斬首されたところをみれば嘘だと見破られていたようだが」

金木「………………」

石田”「幕府としても鎖国政策を進めるプロパガンダとして【島原・天草一揆】を利用した結果、単なる百姓一揆が歴史にそう記録されたという話だ」

石田”「一方で、【天草一揆】の原因となる重税の原因は、あの志摩守が天草の石高を過大算定したことが大元の原因らしい」

金木「え!?」

石田”「詳しいことはわからないが、実際に天草でとれた石高の2倍近くの年貢になっていたらしく、根本的な税制が誤っていたことになる」

石田”「それは【乱】の後に天草の代官となった鈴木重成によって明らかになっている」

金木「…………!」


石田”「どうする、【城主】様? 救える命は間違いなくここにあるぞ?」


金木「……俺に『それを選択しろ』って言うんですか?」

石田”「ああ。俺では志摩守を説得できそうもないからな。警戒されている」

石田”「それに、確か志摩守は【乱】の前に病死して、俺たちと同年代の嫡男が仕切ることになる」

石田”「そうなってしまっては、藩政の改革は到底 間に合わない」

石田”「志摩守はもう70なのだぞ。人間五十年の時代に徳川家康ですら70ぐらいで亡くなっているのだからな」

金木「…………そうか。やっぱりそうするしかないんだよな」

石田”「ただ、訴状を出すにはまだ証拠不十分だ。検地をやり直す他ないのだが…………」

金木「だったら、さっさと検地をやればいいじゃないか!」

石田”「この時代は『綸言 汗の如し』だ。君主が一度 公言したことは訂正や取り消しが効きにくい面目の時代だ」

石田”「だからこそ、我が国は伝統を守り抜いて鎖国に成功したのだ」

石田”「早々に変えることができないのはわかっている。その伝統精神のせいで大東亜戦争に敗北してしまったのだからな……」

金木「え?!」

石田”「うん?」


金木「は? 今 何て言いました?」

石田”「『綸言 汗の如し』だから、志摩守を動かすにはそれ相応の準備が必要――――――」

金木「違いますよ! 今、本職の軍人なのにとんでもない言い間違えをしましたよね!?」


――――――『大東亜戦争に敗北した』って。


石田”「…………何を言っている?」

金木「いやいや、勝ったじゃないですか! それで、欧米の帝国主義の植民地支配を打倒して大東亜共栄圏を実現したじゃないですか!」

金木「あれ? もしかして――――――、石田少将って本当に平成の人間なんですか? ホントは戦時中の人間じゃ?」ジトー

石田”「なんだと? なら――――――、くっ、身分証明となるものがない! そっちの身分証明をしてもらおうか!」

金木「いいですよ! ほら、こっちは学生証だって何だってありますよーだ!」

石田”「ほう、どれどれ(待て。落ち着いて考えてみたら、こんな証明書を見ただけで何かわかるわけが――――――)」

石田”「――――――!」

金木「どうですか? 俺はれっきとした平成の人間だってことがわかりましたか?」

石田”「………………………………」

金木「あ、あれ? 石田少将? ねえ、ねえねえ?」

石田”「――――――!」ジロッ

金木「……びっくりした!」ドキッ


石田”「金木、平成元年って西暦に直すといくつだ?」


金木「はあ? そんなの常識――――――じゃないからそんなこと訊くんだぁ?」

金木「ちょっと待っててください。電子辞書にちゃんと載ってますから」ピピッ

金木「ほら。平成元年は、――――――19XX年ですよ」パッ

石田”「………………」ジー

金木「……大丈夫ですか、頭の方? 時間感覚 狂ってません?」

金木「まあ、今日のワックスがけでも力になってくれたことだし、そんなんで石田少将のことを軽く見るつもりは――――――」


石田”「――――――1989年だ」


金木「え?」

石田”「俺の知っている平成元年は1989年だ」

金木「は…………」

石田”「もう一度言う。俺の知る平成元年は1989年からだった」

金木「…………冗談、だよね? そんな三文の得にもならないような嘘なんて吐いて何になるのさ?」

石田”「いや、【俺の世界】では日本は広島と長崎に原爆を落とされて戦争に負けている」

金木「は!? そんな馬鹿な話が――――――」

石田”「やはりな。そこからして違っているのか」

金木「え?」

石田”「これでわかったことがいくつかある」


――――――タイムパラドックスなんて存在しないということだ。



金木「えと……、じゃあ、別々のパラレルワールドからこの【乱世】に来たってことになるんですか、俺たちは?」

石田”「そうとしか考えられない(そして、この青年が金本提督と雰囲気そっくりな理由も何となくわかってきたぞ)」

金木「はぁ…………」ペターン

石田”「む?」

金木「いや、冷静に考えて一応『同じ平成時代から来た』っていう事実には慰められているんだけれど、」

金木「結局、別世界の住人だったってことなのか……」

金木「ううん、こんなのは大した問題じゃないっていうのに…………どうして厳密には違うってわかっただけでこんなにも力が抜けたんだろう?」

石田”「…………金木?」

金木「……ごめん、石田少将」

金木「俺、ちょっと一人になりたい。思ったよりも 俺、打たれ弱かったんだな…………」

石田”「………………わかった」


スタスタスタ・・・・・・スッ、パタン

――――――

石田”「………………」

――――――
「うぅわああああああああああああああ!」
――――――

石田”「!」

石田”「………………」

石田”「…………そんなつもりはなかったのだがな」

石田”「俺はただ、現状の事実を伝えただけなのだが…………」

石田”「くっ、なぜなのだ? こうやって俺の言うことが受け容れられなかった時なんてゴマンとあるじゃないか」ブルブル

石田”「それなのに、――――――なぜ俺まで泣きそうになっているのだ?」グスン


――――――怖いのか? 独りだという事実が!? 大志を果たせずにかがり火と共に消え逝くような我が身が!!



大宝寺城「ねえねえ、飛龍ちゃん! 飛龍ちゃんは誰にその験を鍛えてもらったの? そろそろ教えてよぉー」

飛龍”「え? そう言われても、大宝寺城ちゃんは絶対に知らない人だと思うんだけどなぁ(だって、――――――時代が違うもんね?)」アハハ・・・

大宝寺城「いいから いいから! もしかしたら知っているかもしれないよ?」

飛龍”「う、うん……、それじゃ」

飛龍”「私を鍛えてくれた人は多聞丸って言って――――――」

大宝寺城「――――――た、『多聞丸』!?」ガタッ

飛龍”「え?」

大宝寺城「そ、それは、まあ、凄い……」

飛龍”「え?」

大宝寺城「そうか、それなら納得かも!」

大宝寺城「もしかして、飛龍ちゃんって楠一族の関係者なのかな?」

飛龍”「え、え? く、『楠一族』?」

大宝寺城「またまた惚けちゃって!」


大宝寺城「『多聞丸』って言ったら、“大楠公”楠木正成のことじゃない!」


大宝寺城「そんな立派な人から教えを受けていたんだぁ」

大宝寺城「確かに考えてみれば、飛龍ちゃんが【城娘】じゃないとしたら【神娘】の一人と考えたほうが合点がいくもんね」

大宝寺城「なんてったって、名前もそう、“飛龍”なんだもんね!」キラキラ

飛龍”「え、ええ…………(何だか物凄い勘違いをされてるぅ……)」



石田”「………………ハア」トボトボ


飛龍”「あ、提督――――――?」

大宝寺城「あ、すないスケ様だ!」

石田”「ん? ああ 飛龍に大宝寺城ですか……」

大宝寺城「ねえねえ、すないスケ様も飛龍ちゃんみたいに験が使えるって聞いたんだけど本当?」

石田”「――――――『験』? 修験道などやっていないが」

大宝寺城「ええ? でも、それらしいものを感じるよ?」

大宝寺城「ほら!」スッ

石田”「!」ビクッ

飛龍”「あ!」

大宝寺城「うん? ――――――扇? 力を感じるのはこれからだよね?」

石田”「か、返せえええええ!」

飛龍”「大宝寺城ちゃん、止めて――――――!」

大宝寺城「えい!」\勅命/


ピカァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!


石田”「うああああああああああああああああああ!」

飛龍”「きゃあああああああああああああああああああ!?」

大宝寺城「な、何これぇ!? 目っ! 目がっ! 目がああああああああああああ!」


大宝寺城が石田司令の扇を不用意に扱った瞬間、夕暮れに染まった虹の松原の天領は朝の太陽に照らされたかのごとく強烈に輝いていたという。



唐津城「さ、先程、天領に不可解な輝きがあったと報告を受けて参上しました!」ダダッ!

唐津城「いったい何があったというのですか?!」

大宝寺城「うぅ…………」バタンキュー

飛龍”「多聞丸、光の闇に包まれて何も見えないよぉ……」フラフラ

石田”「うぅ…………貴重な【照明弾】が1つ無駄になってしまったぁ」ギリギリ・・・

唐津城「大丈夫ですか、すないスケ様?!」

石田”「だ、大丈夫だ。実害はない。ただしばらく目がぼやけて見えない…………失明は回避できたか」

石田”「それよりも、そこにある扇を取り返してくれ。あれは私のだ」

唐津城「は、はあ…………」

唐津城「――――――!」

        \勅命/

唐津城「――――――『勅命』」

石田”「早く……」

唐津城「…………はい」スッ

石田”「……まったくこれだから好奇心旺盛の娘は困る。少しは慎みと落ち着きを持ちたまえ」スッ ――――――懐に扇を収める。

大宝寺城「ご、ごめんなさい……」

飛龍”「今度こんなことをしたら『めっ』だからね」

大宝寺城「はぁい……」

石田”「まったく……」ヤレヤレ


金木「だ、大丈夫か!? 何か外の方で騒がしくなっていたみたいだけど!」ダッダッダッダ!

石田”「…………何ともない」

金木「で、でも!」

石田”「大宝寺城のやつが貴重な【照明弾】を無駄撃ちしたせいでここを中心に太陽がもう一度 昇ったかのような光が溢れたそうだ……」

金木「そ、そうですか……(――――――照明弾なんてどこに持っていたんだ!?)」

名護屋城「何事ですか?」

石田”「…………また説明するのは面倒だ」

石田”「唐津城、今 話した内容を書面にまとめて写してくれ。そのうちの1枚をここの連中の説明に使う」

唐津城「わかりました、すないスケ様。こういったことは憶測が広まる前に早急に手を打つに限りますね」

名護屋城「大丈夫ですか、石田様」

石田”「……大丈夫だ。しばらく目がぼやけているだけで時間をおけば元通りになる」

唐津城「姫様っ!」

名護屋城「!」

唐津城「姫様ともあろうものが、妄りに他人と接してはなりません!」

名護屋城「…………!」イラッ

名護屋城「だったら、言葉じゃなくて力尽くでやってみせたらどう?」ジロッ

唐津城「ひ、姫様……?」


名護屋城「だって、つまらないんだもの! あんなところに一人にさせておいて、今度はみんなと一緒に楽しく暮らせると思っていたのに!」


名護屋城「そんなに私の面倒を見るのがいやなら、さっさと江戸城の前に突き出せばいいじゃない!」

唐津城「な、なりません、姫様!」

名護屋城「あなただって、私の何万分の1の力を受け継いでいるのですし、私がいなくてもやっていけますでしょう」

唐津城「…………これは志摩様のご意思なのです」

名護屋城「なら、いつまでこんな生活をさせ続けるつもりなの、志摩様は?」ギロッ

名護屋城「あれから30年も経って、志摩様も大変老いてしまわれました」

名護屋城「なら、志摩様が亡くなった後は好きにしてもよろしいですね?」

名護屋城「志摩様のお若い嫡子様にはまだ嗣子がありませんし、志摩様がお亡くなりになった暁には江戸へ参らないといけませんし、」

名護屋城「そうなれば、あなたも一度は江戸に参らねばなりませんから、唐津の金銀財宝をどこに隠すのかを今からでも考えたほうがいいのでは?」

唐津城「そ、それは…………」

石田”「………………」チラッ

金木「…………!?」

飛龍”「あ………………」

大宝寺城「何か気まずいって感じだね……」

一同「………………」



金木「っと、こういう時はみんなで話し合ぁう!」ビシッ


一同「!」

金木「さっきから黙って聴いていりゃ、――――――人様のところで喧嘩はやめてもらおうか!」

金木「さもなければ、出てけ! それが嫌なら、ここは俺が仲裁人として取り持ってやるから互いの事情に包み隠さず話すこと! それで 仲直りするぅ!」

金木「ここは妥協点を見つけて合意しておかないと、いつか本当に志摩様が亡くなった時に全てが綻びますよ!」

唐津城「し、しかし――――――」

金木「うるさい! お前、さっきから志摩様と姫様のどっちが大切なんだ!」

唐津城「うっ」

金木「そんなわけで、明日ここに志摩様をお呼びしろ! そして、姫様に関する全てを話せ! でなければ、俺たちはこの天領から引き払うからな!」

唐津城「な、何ですって!?」

金木「俺は神の使いである天下の【城主】様だからな! どこに城を構えようが幕府や朝廷だって認めてくれる!」

金木「困るのは、そっちじゃないのか? 【兜】の大軍に狙われるほどの何かを隠し持っているわけだしさ」

金木「俺たち抜きでちゃんとお宝を守りきれるか風のうわさを楽しみにしているぜ」

唐津城「…………わかりました。確かに志摩様のお子は【城主】様よりもずっと世事に疎いので将来が心配です」

唐津城「そろそろ、決断の時なのかもしれません」

唐津城「では、また明日……」


スタスタスタ・・・・・・


金木「………………ホッ」

名護屋城「あ、ありがとうございました」

金木「……別に姫様のためにやったわけじゃないんです。礼なんて言わないでください」

石田”「大したものだな。その歳であれだけ強気な交渉と仲裁を買って出る姿勢には才能を感じる」

金木「…………これぐらい強気で頼りがいがあるように見せないと、志摩様の考えを改めさせるなんてどだい不可能な話でしょう?」

石田”「ということは?」フッ

金木「俺、何のために【この時代】に喚ばれたのか、少しわかったような気がする」


金木「俺、島原と天草の人たちを救うよ。そして、【乱】に巻き込まれることになる幕府の人たちもみんな」


金木「戦いさえ起きなければ、きっとこれからも生きていけるだろうからさ」

石田”「それでも、いずれはキリシタンの弾圧も限界を迎えるかもしれないがな」

金木「いいさ。どうせ島原も天草も隠れキリシタンの古巣だし、取り締まってもそれしか救いがないと思う人たちの心まで縛ることはできないよ」

金木「武力で訴えてくるっていうんだったら、こっちには【城娘】だっているし、菊の御紋の入った【軍刀】まであるんだ」

金木「【稲生】でも兄弟喧嘩の仲裁をやらされたんだから、ここでその経験を存分に活かしても罰は当たらないよな?」

石田”「思ったよりも経験と度胸があったものだな」

金木「だって、他にやることなんてないんだし、俺にしかやれないことを極めていくのも楽しいかなって」

石田”「そうか。なら、力を貸そう。帰れるかどうかもわからない以上は俺自身の良心に従って忠義が曇らないようにして生きていくだけだ」

金木「改めて、これからよろしく頼みます、石田海軍少将」

石田”「ああ。奇妙な共闘関係だが、今は存分に頼らせてもらうぞ」


――――――証の握手。


飛龍”「あ、提督…………(自分からあんなふうに歩み寄るなんて――――――)」

名護屋城「………………」

大宝寺城「よ、よくわからないけど、これで一段落ってことでいいんだよね?」

金木「まあ、いいんじゃないか? 明日の会見に備えてやっておかないといけないことができたけどさ」

名護屋城「やるべきことですか?」

石田”「そうだ。全てを話すんだ。それで今までのしがらみの全てから解放されるぞ」

名護屋城「!」

名護屋城「い、いいんですか? 全部 話しちゃっても?」

石田”「大切なのは志摩守が何を願ってお前をこういうふうにしていたかだ」

石田”「だが、その真意をお前はきっと知らない。だから、こんなふうに吐き出すものがあったのだろう?」

名護屋城「…………はい」

金木「そ、そうそう、そういうこと! 俺としてもこの数日間どう接すればいいかわからなかったことだし、」

金木「これからこのマンションで共同生活していく上で助け合いは必要だし、【城娘】なら戦力に数えたいからな」

金木「そんなわけで、まずはコミュニケーションの一環として質問したいことがあれば何でも訊いてくれ」

金木「俺なんて数多いる【城娘】たちとの付き合いも長いことだし、経験豊富よ?」

金木「だから、これから少しずつ姫様が俺たちの仲間になれるようにしておきたい」

名護屋城「…………う、うん」

名護屋城「じゃ、それじゃ――――――」

金木「何かな?」


名護屋城「――――――『提督』って何ですか?」


金木「え?」

飛龍”「あ」

金木「『提督』って言ったら、あれだ! 三国志でいう水軍都督のことだ。これならわかるだろう!」

名護屋城「つまり、水軍の司令官といったところでしょうか?」

石田”「それでかまわない」

石田”「元々は清王朝における緑営という漢民族で構成された部隊の水軍司令官の『水師提督』に由来している」

石田”「そして、初めて使われたのが黒船来航――――――マシュー・ペリーが浦賀に来た時に初めて使われた用語だ」

石田”「記録にも『水師提督マツテウセベルリ』とあって、これが略されて艦隊司令官のことを『提督』となったようだ」

金木「え、そうなんだ! さっすが海軍将校! そういったところの知識は完璧だ!」

大宝寺城「――――――『清王朝』? そんな王朝あったっけ?」

名護屋城「………………」

石田”「そういえば、清王朝の成立は1636年だったな。大陸統一はしていないが独立を宣言したのはその年だったな」

金木「!」

金木「割りとすぐじゃないか!(へえ、【寛永】って清王朝が樹立した時代なんだ)」

大宝寺城「???」

大宝寺城「うぅ、さすがは多聞丸様から験を教わっているだけあって、話についていけないよぉ~」

飛龍”「大丈夫。私もあまりわかってないから」

名護屋城「…………何だろう? 楽しいな」ニコッ


陣営紹介:萬紫苑城(=マンション城)  紫苑の花言葉:「きみのことを忘れない」「遠方にある人を想う」

金木青年/城主
【城プロ】の主人公である【青年】であり、将棋に少しばかり嗜みのあった貧乏苦学生の大学生。
本来ならば、ユーザーの分身であることから顔の存在しない【城主】の一人でしかないが、物語風プレゼンのために設定が特別につけられた。

性格は貧乏くさいところが滲み出ているものの、それだけに資源1つ1つの大切さが身に沁みており、
【城娘】たちを指揮する【城主】としては堅実な戦い方ができており、歴戦の【城主】として安定した戦いぶりを見せている。
貧乏性から貯金や収集が趣味なところがあり、【城娘】を運用するための資源を潤沢に集める小遣い稼ぎが得意技。
しかしながら、貧乏であったことを理由に好きだった女の子に手ひどくふられて失恋したことがあり、
その気まずく苦い経験から、人並みに欲求はあるものの、【城娘】に対しては生き死にを共にした仲間として手を出さないようにしている。
あくまでも自分で稼いだカネにしか人がついてこない(=悪銭 身につかず)と考えており、
【城主】様として崇められることで貰える黄金などには手を付けないようにし、あくまでも自分の身の丈にあった幸せを追求している。
そういった意味では、その若さで貧乏人でかつ欲求も旺盛な歳ながら、しっかりとした精神性を持っていると言える。

今回、石田司令と出会う以前に、最初の【関ヶ原】において金本提督らと会って【乱世】で生き抜く決意を固めることとなり、
その証として金本提督から【ケッコン指輪】と【下賜品/軍刀】を受け取り、初心を忘れないように大切に保管している。
しかしながら、金本提督に対する印象そのものは最悪であり、『自分が欲しいと思うものを全部持っている』ように見えたという。

この物語風プレゼンの中での二次創作――――――三次創作の中だけの存在だが、実はとある人物と多くの共通点が見られる。


【神娘】千狐&やくも

出羽:大宝寺城
ゲーム的には【ドロップ】したばかりの【城娘】だが、かなり高いレベルで加入しており、近々【近代改築】に手が届くぐらい。
『“多聞丸”から修験道を教わった』と勘違いして以来、いろんな意味で石田司令と飛龍とは絡むことになる。
性格は山ガールの元気っ娘でイメージカラーが黄色でまぶしく愛らしく、どこか二航戦と似たような雰囲気があるように思ったのは筆者だけだろうか?
また、九州で【ドロップ】した理由を『修験道の成果』とできた意味でも、シナリオ構成する上では選出に困らなかった逸材であった。

尾張:那古野城
【稲生】で遭遇した【城娘】。一度は別れたものの、【島原】において割と早く合流している。早く名古屋城にしたい。

近江:佐和山城
越前:福居城
山城:二条城

※名が上がっている【城娘】は全て含みをもたせた人選となっています。



この【城プロ】の二次創作においては――――――

基本的に【城プロ】にはシナリオというものが存在しており、筆者はその流れに忠実に従って二次創作をしているつもりである。
つまり、書かれていない部分に関しては好きに書くし、あくまで“流れ”に忠実なのであって厳密にテキストまで再現するつもりはない。
【不気味な穴】によって各時代へと一方的に飛ばされているために、【元いた時代(=一度クリアしたステージ)】には戻れない仕様となっており、
物語風プレゼンなのにメタ的な描写がなかなかに取り入れられない、一度のミスも許されない深刻な雰囲気が漂い続けることになった。

また、【城プロ】には【艦これ】における【演習】に相当する要素がなく、他の【城主】とのやりとりすら感じられないために、
プロローグでいきなり二日前に現れたという【兜】との戦いに巻き込まれて有無いわさず異なる時代に飛ばされて、
常に未来人としての孤独と向き合わなければならない【城主】の厳しい現実が映し出されてしまった(筆者にはそういう風にしか描けなかった)。

【城娘】は不特定多数 同時に存在することができるのは【艦娘】と同様の認識である。
【城娘】は「武装化」と「巨大化」の2つの変身を使い分けることができる設定であり、
プリキュアみたいに別に「巨大化」しなくても「武装化」だけで人並み外れた白兵戦能力を発揮できるが、
「巨大化」して【兜型生命体】を蹴散らすように戦っているために戦術や立ち回りに関しては大味なところがある。
【城娘】は実際に存在する城の付喪神に近い扱いで信仰を受けており、現存する状態で【城娘】が生まれた場合は城主にとって一種のステータスとなる。
一方で、廃城になっても人々の記憶から消えない限りはどこかしらで存在し続け、立地に縛られず彷徨いだす。これと遭遇して【ドロップ】になる。
しかしながら、時代に先んじて【近代改築】したり、依代を用意してその場に召喚させる【築城】、【城娘】の遠隔展開などができたりするのは、
【神娘】に見出された【城主】だけであり、そのために【兜】に対抗するために【城主】を歓待する風潮が根付くことになった。
しかしながら、【城娘】との日常にはとある仕掛けが施されており、それに関してはとあるソーシャルゲームと似通ったものとなっている。



超番外編1 浪速のことは 夢のまた夢  -この命 果てても私が御守りします!- 第2章


名護屋城「――――――これで、一通り話したと思います」

金木「……そうか。姫様も“ナゴヤ城”だったのか」

石田”「ああ。そればかりか唐津城が“舞鶴城”と呼ばれていたばかりに、俺はここを愛知県の名古屋近辺だと勘違いしてな」

金木「いや、誰だって『ナゴヤ』って言われたら金鯱の方を思い浮かべますって!」

佐和山城「愚かな。“舞鶴城”など雅称に過ぎないのだから、他にもたくさん“舞鶴城”と呼ばれている城はあるぞ」

石田”「そうなのか(妙に引っかかる言い方をする――――――それ以上の何かを感じたような気がするがどうでもいいか)」ムッ

金木「うう~ん、でもなぁ~、同じ『ナゴヤ』かー」チラッ


尾張:那古野城「?」 ← 傾奇者スタイルの超薄着のまな板

肥前:名護屋城「あの……」 ←みすぼらしい木綿の服だが胸の膨らみが見て取れる


金木「うん、あれから全然育ってないな」ニッコリ

那古野城「――――――!」ジャキ!

金木「うわっと!?」ゾクッ

那古野城「何やらわたしのことを嘲笑ううつけがいたようだが、その減らず口から舌を今から圧し切ってやろうか?」ジロッ

金木「悪かった悪かった! 今度、コンペイトウ 買ってあげるから! カステラでもいいぞ!」アセアセ

金木「和やかに和やかにな!(――――――“ナゴヤ”だけに、なんちゃって)」ヘヘ・・・

那古野城「うん。それならよし!」キラキラ

石田”「そっちの那古野城は特徴的な金鯱はつけてないのだな。それに、思ったよりも小さい」

那古野城「…………さっきから圧し切ってもらいたい?」イラッ

那古野城「わたしだって、もっともっと大きくなりたいんだぞ!」プンプン!

金木「ああ それは歴史的に言えば、関ヶ原の戦いの後の天下普請ってやつの後らしいから。実物にはもう付いてるんだけどねぇ…………」

金木「北ノ庄城も天下普請によって福居城に【近代改築】できたんだけどなぁ…………レベルがまだまだ足りないようだなぁ」メメタァ

福居城「うむ。天下普請で皆に協力してもらってとてもすばらしい御城となったのだ」

飛龍”「す、凄い艤装ですね……」

ヲ級”「ヲヲヲヲ!」キラキラ

福居城「――――――『ギソウ』? ああ、これのことか」

金木「幽波紋だよ、幽波紋! こいつの城主だった結城秀康の魂が乗っているんだよ!」

金木「北ノ庄城だった時は柴田勝家の幽波紋だったし」

石田”「そうなのか」

石田”「では【城娘】とは、城主の性格や戦績によってその能力が左右されてくるとみて間違いないか?」メメタァ

金木「ああ。名将の城や実績のある城っていうのはたいてい強い」

金木「たぶん、その城を“その城”ならしめた要因が凝縮されているのが【城娘】なんだろうな」

石田”「やはりか」

石田”「(となると、その理論が正しければ【艦娘】ほどダイレクトに実物の能力を反映しているわけでもないのか)」

石田”「(そうだな。弓矢による自動機銃がついているわけでもないし、得物は思い思いの武器を1種類ずつしか持てない時代遅れな弱さがある)」

石田”「(おそらく、【兜】同様に【艦娘】でも立ち回り次第で巨大化した【城娘】相手に十分なダメージを与えられるはずだ)」

石田”「(いくら巨体とはいえ、所詮は近代工業が発達する以前の木造建築――――――容易く打ち破れるだろう)」

石田”「(だが、あの【兜】たちの群れを捌き切る巨体とは思えない身のこなしが最も脅威的だといえるだろう)」


金木「しかも、――――――見てよ、この得物! 名刀:石田正宗にっ!」

石田”「…………『石田正宗』?」ピクッ

金木「天下三名槍の1つ、――――――御手杵だよ? 数多の【城娘】たちが小さく見えるほどのビッグスピア!」キラキラ

福居城「…………あまりそういうことは言わないでくれ。少しばかり恥ずかしいだろう?」テレテレ

福居城「それに、これは結城城に貰ったもので、こちらの石田正宗も佐和山城から貰った家宝だ。絶対に触れるなよ」

佐和山城「……ふん」

石田”「…………佐和山城(そうか、あれが――――――)」チラッ

金木「まあまあ、【稲生】であの馬鹿兄弟の仲裁をした頃からの付き合いなんだし、少しぐらい――――――」

福居城「殿、死にたいのならかかってこい!」ジャキ

金木「ちくしょう……」ズーン

佐和山城「そもそも殿には【あの変な拵えの名刀】があるだろう?」

金木「【あれ】は実戦向きじゃないんだよ! それに『変な』言うな! 菊の御紋入りなんだぞ!」

石田”「そうだな。儀礼用だからな。帝国海軍の儀礼刀は元々は海外の儀礼杖を日本風に取り入れたものだからな」

金木「へえ。そういう意味があったんだ。じゃあ、実戦向けじゃなくて当然だな」ドヤァ

佐和山城「威張るところでもないだろうに――――――うん?」チラッ

石田”「……何ですか?」ムッ

佐和山城「もしや、石田治部――――――」


石田”「人違いです。二度とそのような馬鹿なことを言わないようにこの場でしっかりと目に焼き付けていただこう」


佐和山城「なに?」カチン

佐和山城「少しは言い方というものがあるのではないか、ご客人?」

佐和山城「そもそも、人が話している時はちゃんと眼を見るようにしたらどうだ? この礼儀知らずめ」

石田”「元から聞く耳など持たぬから従う道理などないな」

石田”「それよりも、話の続きを――――――」

佐和山城「ふざけるな!」バン!

一同「…………!」


石田”「ふん」

金木「ちょ、ちょっと石田少将? どうして佐和山城にそう冷たくするのかな?」

石田”「どうしても何も――――――なら、ズバリ言おう」


石田”「俺は“大一大万大吉”を掲げて関ヶ原の戦いで見事に敗死した負け犬が嫌いだ」


佐和山城「!?」

石田”「俺はそいつとは同じ氏だが、肝腎の大坂城からも見捨てられているような中身の無い愚か者と一緒にされたくはない」

一同「!?」

佐和山城「…………!」ドクンッ!

ヲ級”「ヲヲ? ヲヲヲ」

飛龍”「ごめん。私も大昔の戦いのことは…………」

金木「え、それってマジなのかよ?!」

石田”「ああ。関ヶ原の戦いの後の仕置で、淀殿は徳川家康のことを“忠義者”と褒め称えたのだからな」

石田”「この様子だと、石田治部とやらの忠義も当の大坂城からは迷惑極まりないものだったのだろうな」

石田”「元々、石田治部の挙兵に対しては西軍の総大将であった毛利輝元に『石田治部の謀反を止めさせるように』と大坂城からの文も届いてもいた」

石田”「いい厄介払いができたと思っていたことだろうな、大坂城としても」

佐和山城「………………」ジワッ

バッ

佐和山城「――――――!」

ダッダッダッダッダッダ!

金木「あ」

福居城「――――――佐和山城!」

那古野城「何様のつもりだ、この大うつけ!」ジャキ

飛龍”「提督! ここは謝っておこうよ!」アセアセ

石田”「関係ない話をし始めたあの【城娘】が悪い」プイッ

ヲ級”「…………」オロオロ

名護屋城「石田様」

石田”「何ですか?」ムスッ


名護屋城「ごめんなさい」


石田”「?!」

金木「え? ええ? どうしてここであなたが謝るのが――――――?」

一同「!!??」

名護屋城「私が悪いんです、全部……」

名護屋城「私が居たから佐和山城も石田治部も、その忠義が報われないまま果てていくことに――――――」

一同「………………」


金木「確か、あなたは朝鮮出兵の時に生まれた城って言いましたっけ」

名護屋城「はい。あの頃はまだ天下も人臣も1つにまとまっておりました」

名護屋城「しかしながら、天下泰平を迎えるに連れて武断派と文治派の対立はいよいよ深刻化してきたのです」

名護屋城「中央集権化による官僚制度の発達によって、主君との垣根は官僚機構によって阻まれ、」

名護屋城「これまで主君の命のために奉公していた者たちがバラバラに切り離され、その間を取り持つ人間こそが力を持つようになりました」

名護屋城「――――――『中 満つる』わけです」

名護屋城「しかしながら、それでも私が生まれ落ちるまでの8ヶ月――――――、」

名護屋城「武断派の筆頭である加藤肥後守の優れた築城術と文治派の筆頭の石田治部の優れた後方支援の抜群の連携で事は成ったのです」

名護屋城「それでも武断派と文治派の対立は子飼いの彼らの協調によって保たれてきたのですが――――――」

金木「そこからは言わなくたっていい」

金木「――――――戦線拡大か和平かで見事に意見が割れたんだろう?」

名護屋城「はい」

名護屋城「でも、石田治部のいうことは常に正しかったのです」

名護屋城「石田治部が戦下手と罵られることになった忍城攻めの時だって、石田治部はあの作戦には反対していたのですから」

名護屋城「石田治部の才覚は無双であると専らの評判でしたのに…………」

一同「………………」



石田”「そんなことはどうでもよいではないか」


飛龍”「提督!」

石田”「やつは敗けた――――――誰からもその死を惜しまれることなく、ただ歴史の敗者として名を残しただけの佞臣にすぎない」

金木「い、いくら何でもそれを姫様の前でいうもんじゃ――――――」

石田”「…………不愉快なのだよ」


石田”「たまたま同じ氏で、たまたま顔が似ているだけで、そんなやつに常に比べられる惨めさが貴様らにわかるか!」スッ


金木「…………石田少将」

那古野城「席を立つつもりか?」

石田”「ああ。必要な情報は共有できた。もうこれ以上は時間の無駄だ」

石田”「明日は志摩守との会談もある。そこで【城主】様にはやってもらわなければならないことがある」

金木「あ」

石田”「忘れたとは言わさんぞ。絶対にやってもらう」

石田”「乱が起これば、大勢の人が死ぬ。【ここ】での生活も間違いなく脅かされることになる」

石田”「今日このマンションに塗りたくった木蝋は島原のものだ。その島原で乱が起きれば木蝋が手に入るのはもうこれっきりかもしれんぞ」

石田”「俺のことを恨んでもかまわないが、これから起こる大乱を未然に防ぐ好機をみすみす逃すような間抜けならば俺はここを去る」

石田”「その後で、夜討ちでも何でもすればいい。そうすれば、気兼ねなく事を運べるだろう」

一同「………………」

飛龍”「提督! どうしてわざわざそんなことを――――――」

ヲ級”「ヲヲヲ!」

石田”「失礼する」


スタスタスタ・・・・・・




――――――街外れ


佐和山城「…………ぅう」グスン

佐和山城「皆の為、規則に従い 判断を下すのみ―――――― 一人は皆の為、皆は一人の為に」

佐和山城「しかし、私は皆に好かれてはいなかった……」

佐和山城「そして、まさか大坂城殿からもそのように思われていた、だなんて…………」ヒッグヒッグ

佐和山城「だ、だが……、自分を曲げてまで誤った行為を看過することなんてできるはずがない…………」



石田”「――――――【城娘】の巨大化には限界というものがある」

石田”「まず、巨大化するためには膨大なエネルギーが必要となり、それ故に出陣する度に資源の消費を強いられる」

石田”「そして、巨大化を解除した後にまた巨大化するには時間を置く必要があり、少なくともその時の合戦への再出撃はできなくなる」

石田”「つまり、【艦娘】とは違って【城娘】は巨大化を支えるためにはその時間の分だけ平時の能力は抑えられており、」

石田”「普段から巨大化している【城娘】が存在しないことを鑑みても、巨大化していられる時間にも制限がある」

石田”「それ故に、巨大化するタイミングを常に計らないといけないリスクが【城娘】には課せられている」

石田”「ちょうど今の俺のように、この時代ではオーパーツとなる武器弾薬をいつ どこで どのように使えばいいのかで悩むのと同じこと」

石田”「だが、それだけに生身の状態ならば波状攻撃には弱いということだ」


佐和山城「――――――!」

野盗P「おお!? こんなところにお嬢さんが一人で何をしているのかな~?」ニタニタ

野盗Q「ここは危ないから俺たちのところに来なよ~」ニタニタ

野盗R「うへへへ……」

佐和山城「この唐津近辺にこのような賊が潜んでいただと? ――――――許せん!」

                                   ・
石田”「さて、お手並み拝見だ。――――――かわいいお城さん?」












佐和山城「でやあああああああ!」ブン!(武装状態)

野盗「ぐわあああああああああああ」

バタバタッバタッ・・・

佐和山城「…………これで40人ぐらいか。これだけの規模、いったいどこに潜んでいた?」ゼエゼエ

佐和山城「たかが人間相手とはいえ、波状攻撃とは姑息な…………」ゼエゼエ

佐和山城「もう、これでいいだろう。夜が更ける前に戻って志摩守に取り締まりの強化をお願いしなければ…………」ゼエゼエ

石田”「――――――」シュッ

佐和山城「…………!(――――――背後に感!?)」ビクッ

石田”「――――――!」ググッ

佐和山城「あ…!?(く、首が――――――)」

石田”「………………」ギュウウウウウウウ! ――――――絞め落とし!

佐和山城「あぅううううぅううぅう…………    」バタバタ・・・、ガクッ

佐和山城「」

石田”「やはり【城娘】と言えども、巨大化しなければ単独での戦闘力もこの程度だな。――――――頼れる味方がいてこその実力か」 

石田”「むしろ、巨大化して【兜】と戦うことに慣れすぎて、こういった状況で人間と戦う方法についての理解が浅かったな」

石田”「確か、あと10人は野盗が控えていたはずだ」チラッ

若い野盗「」

石田”「それまでに――――――」ガサゴソ




―――――― 一方、その頃、


飛龍”「提督ー! 佐和山城さーん!」

ヲ級”「ヲヲヲヲー!」

大宝寺城「まだ見つからない?」

ヲ級”「ヲヲ…………」

飛龍”「いくら夜間で艦載機が発進できる『ヲシドリ』でも、ここは何もない海のどまんなかってわけじゃないから、」

飛龍”「こう木々が生い茂っているような中で探し出すのはいくら技術が進歩しても難しいことなんだよ……」

大宝寺城「くぅー、私の験の力がもっとあれば…………」

名護屋城「…………石田様もどちらへ行ってしまったのでしょう?」

飛龍”「うん」

飛龍”「それに、どうしてわざわざあんなことを…………」

ヲ級”「ヲ…………」


名護屋城「……何かお考えがあってのことだと思います」


飛龍”「え」

大宝寺城「そうなの?」

名護屋城「はい。――――――みなさんは石田様まで城を出たことに疑問を感じませんか?」

大宝寺城「あ、確かにそうかも」

飛龍”「え、佐和山城さんに謝りに行ったんじゃ――――――?」

名護屋城「そんな無駄なことをするぐらいなら、最初から相手にせず無視し続けるように私は思います、石田様なら」

名護屋城「でも、飛龍さんの言うように『謝りにいくついで』としてかもしれません」

名護屋城「だって、――――――石田様はお優しい方ですから」ニッコリ

飛龍”「…………うん。きっとそうだよね」



――――――天守:ペントハウス


やくも「お殿さん……!」

金木「…………ダメだ、人形を使って召喚したところで意味が無い。解除した途端に元の場所に戻される!」

金木「それに、根城が捕まった時のように人形に触れても温かみが感じられない…………唐津近辺にはもういないのか!?」

金木「――――――まさか、あれで出奔してしまったと言うのか?!」

千狐「殿、元気 出してなの! きっと佐和山城ちゃんは帰ってくるの!」

二条城「そうよ、あなた」

二条城「明日は志摩守との大事な会見なのでしょう?」

二条城「ここは私たちにまかせて、殿はもうおやすみなさい」

金木「…………二条城」

二条城「はい」ニッコリ


金木「なら、なんでこの天守に 何この……ダブルサイズの高級布団なんて出しているんですか?」アセタラー


二条城「布団、温めておきましたから」ポッ

金木「ひぃいいいいいいい!」

千狐「殿、ダメなの ダメなの!」

やくも「ちょっと二条城さん、あからさますぎ!」

二条城「さあさあ、心置きなくとおやすみなさいませ」ニコニコ

金木「安心して眠れるものか! 逆に興奮して寝るに寝られなくなるだろうが!」ドクンドクン

二条城「あら、それじゃ今夜は寝かせて――――――」

金木「お前、本当に協力する気があるのか!?」


金木「ええい! 【探索】に出た部隊からは何か連絡はないか?」

やくも「今のところは何も……」

金木「あれから4時間――――――時刻は丑三つ時を回る頃か」

金木「この時代だと明かりが貴重だから、朝日が昇るのと同時に目覚めて夕日が沈むのと同時に眠るのが当たり前――――――」

金木「バッテリーの充電も慎重に行わないといけないからな……(日当たりのいい天守のおかげで充電は安心して行えるのはいいんだけど)」

キィーーーーーーーン!

金木「ハウリング!」

やくも「お、お殿さん、こ、これは――――――!」

二条城「あら、天の声――――――」

金木「…………嫌な天の声だぜ。心臓に悪い」

千狐「殿! 殿! これって――――――」

――――――
佐和山城「殿を裏切るくらいなら、私はここで果てる」
――――――

二条城「………………!」

金木「嘘だろう……。たった4時間の間に捕まるだなんて…………」アセダラダラ

やくも「石田さんは? 石田さんについては?」

金木「くそっ、これは一方通行でしかないからな! 指定された場所に赴いて身代金を出すしかないのか?」

千狐「殿、どうしようなの!?」

二条城「殿、猶予時間があります。佐和山城の所在が明らかになったことを安心なさって、これからの志摩守との会見に臨むべきかと」ビシッ

金木「んなことできるか! 気が気でなくなるんだから、――――――すぐにでも解放だ!」

金木「くそっ、石田少将め! こんな時にどこへ行っちゃったんだよ! ――――――責任とれ!」


――――――
ドンガラガッシャーン!

佐和山城「きゃっ?! な、――――――何の光!?」

ドタバタガタガタワーワー!
――――――

金木「な、何だ、様子がおかしいぞ」

伊賀上野城「殿」シュッ

金木「――――――伊賀忍?(うわっ、おっぱいが現れた!?)」

伊賀上野城「たった今、物見をしましたところ、おそらく神集島の方向で何やら怪しげな光が確認されました」

金木「――――――『怪しげな光』だって?」

伊賀上野城「はい。遠いので微かにしか見えませんでしたが、まるで小さな太陽が低き空に現れたかのごとく」

金木「!」

金木「まさか――――――」

金木「ハッ」

金木「待てよ、神集島と行ったらこの唐津から北にあるそこそこ遠い離島だったな――――――」

千狐「これは、もしかしてなの!」

やくも「今まで【兜】は北からやってきた!」


金木「――――――遠征だ! 皆の者、出陣の用意だ!」


二条城「殿、それでは志摩守との会見の時間に間に合わない可能性が――――――」

金木「何を言っている! これまで唐津を襲ってきた敵の本拠地を叩けるのだぞ! ここで叩いておけば志摩様にも良い顔ができる!」

金木「今までは本拠地を探しに出て【海老】の別働隊に唐津を襲われて守りに徹していたけど、そろそろこっちが攻める番だ! 鬱憤を晴らす!」

金木「二条城、城の守りは頼むぞ! 志摩様が来ても何とかしてくれ!」

二条城「御意」



――――――神集島:鬼塚古墳群


野盗「火だ、火だああああああああああああ!」

野盗「裏切り者がいるぞおおおおおおおおお!」

野盗「助けてくれええええええええええええ!」


石田”「…………やってみるとなかなかうまくいくものだな。学のないクズ共を寄せ集めたところで所詮はこの程度ということだな」

佐和山城「ど、どうして貴様がここに――――――もしや賊と通じていたか!」ギリッ

石田”「――――――『敵を欺くなら 先ず味方から』『虎穴に入らずんば虎児を得ず』というのを知らないのか」ジョキジョキ

佐和山城「…………!」パッ

石田”「よし、後は頼む。ここで【兜】たちに暴れられる前に仕留めておいてくれ」ポイッ

佐和山城「………………」パシッ ――――――得物の鎗を受け取る。

佐和山城「…………あれは全て演技だったというのか」

石田”「違うな。半分正解で半分ハズレだ」

石田”「俺は志摩守を説得するのに必要な交渉材料として、唐津を襲う【兜】共を根絶する機会をうかがっていたのだ」

石田”「これで恩を売ると同時に、心置きなく唐津から離れることができるようにもしたかったのでな」

石田”「そしたら、偶然にも俺が嫌いな【城娘】がいたから、恨みもこめて思わず逃げ出すぐらいの悪口を言ってやったのだ」

佐和山城「………………」

石田”「――――――全てはそういうことだ。それがたまたま今夜になっただけのこと」

石田”「許せとはいわん。お前一人の命で大勢の命が助かると見込んだから迷わず利用したというだけのことだ」

佐和山城「…………やはり似ているな」クスッ

石田”「…………やはり不愉快だな。助けられる命とはいえな」ムッ

佐和山城「では、せいぜい巻き込まれないことだな、――――――石田少将?」


――――――近江の山城、変身する!


石田”「――――――!」

石田”「…………光の柱(だが、名護屋城のものと比べたらずっと小さいし、本当にただ眩しいだけのものだった)」




ドスンドスン! ガラガラドゴーン!


石田”「さて、表で佐和山城が暴れている隙に俺は――――――」タッタッタッタッタ!

??「待てよ!」バッ

石田”「…………貴様は?」


大将「やっぱりな。この状況、どうにもできすぎていると思っていたら――――――」


石田”「貴様が主犯格か(何だコイツは? 明らかに不潔臭漂う野盗の棟梁という風格ではないな。もっとこう――――――)」

大将「――――――『主犯格』とは言いがかりだな」

石田”「貴様らの狙いは何だ? 盗んだ宝蔵品をカネに替えて、そのカネで野盗共を配下に加えて情報収集を行っていたようだが」

大将「あちゃー! そうか、どうしてここまでやられることになったのかと思ったら、逆に買収されていたからか!」

石田”「おとなしく捕まるか、ここで死ぬか――――――、どちらか選ばせてやる!」ジャキ ――――――奪いとった打刀を向ける!

大将「あんた、確か奇妙な武器をどこからともなく取り出して“又左”を追い詰めたって話だったよね?」

大将「やらせはしないよ! 俺だって背負っているものがあるんだよ」

石田”「その使命のために各時代で宝蔵品を略奪するというのであれば、――――――俺は迷わず貴様を討つ」

大将「けっ、ふざけたことを抜かすなよ!」

大将「誰のせいで宝蔵品を奪わなけりゃならなくなったと思っていやがるんだ」

石田”「そうか。それならこれ以上 話をする必要はない」

石田”「貴様を始末してこの馬鹿げた代理戦争を終わらせるだけだ」

大将「――――――俺は死ぬわけはいかねえ! ここまで追い詰められたのは初めてだがよぉ!」ザッ

石田”「…………!」

大将「――――――“又左”!」



又左「御意」シュッ


石田”「女。そして この鎗――――――やはりそういうことか!」アセタラー

又左「あなたを殺すなんて槍の一突きで一瞬ですみますよ?」

石田”「……それはどうかな? 俺を殺しても表で暴れている【城娘】に負ければ同じことだと思うが」アセタラー

又左「その心配はご無用。すでに新たな【大将兜】が生まれ、【城娘】の一人や二人 赤子の手を捻るよりも容易い」

又左「そして、人間相手ならばそれよりもっと簡単――――――!」グッ

大将「待て、“又左”! やつを見くびるな! 忘れたのか!」

又左「…………あのカミナリ雲のような撒菱かっ!」アセタラー

大将「ここは逃げるんだよー! あの光る狼煙のせいで場所が割れた可能性があるからには!」

又左「し、しかし、それではあの【城娘】を捕らえるために耐え忍んできたここでの日々の全てが――――――!」

大将「うるせえ! ここで負けても次があればいいんだよ! 俺たちの戦いは次を繋ぎ続けるものなんだぞ! 忘れたか!」

又左「あ」

石田”「――――――!」バッ

大将「けど、来るなら来てみろ。“又左”の槍を抜けられるのならな! 俺は逃げるがね! ――――――カネを持って!」

又左「…………!」ジャキ

石田”「ちぃっ」

又左「今度会ったら主君のために必ず貴様の首を獲る! 首を洗って待っていろ!」


タッタッタッタッタ・・・!


石田”「さすがに白兵戦に特化している【兜】に挑むのは無謀すぎるか」アセダラダラ

石田”「【城娘】とはまた違った存在だが、――――――あれが【大将兜】ということか」

ドスンドスン! メラメラメラ・・・

石田”「そろそろ、ここも危ないか。火の手も上がってきている」

石田”「だが、外ではいったいどうなっている? 【照明弾】に気づいてくれていればいいのだが……」









佐和山城「…………次、かかってこい!」ゼエゼエ ――――――【大一大万大吉】発動中(攻撃力を中アップ/範囲:近)

佐和山城「(最初の混乱のうちに【兜】共をある程度は先制攻撃で仕留められたが、)」

佐和山城「(さすがに敵の本拠地なだけあって、元より数に勝る敵勢に圧されつつあるか……)」

佐和山城「(幸いなのはいつもの防衛戦とは違って田畑を荒らし、家を踏みつぶす心配がない――――――)」

佐和山城「(こちらは心置きなく思い思いに立ち回れるの対し、相手は自分たちの土地を自分たちで荒らす心配でうまく立ち回れなくなっている!)」

佐和山城「(寡兵でここまでやれたのは私としても初めてのことだ)」

佐和山城「(普段から土地の荒廃を気にして、できるだけその場で迎え撃つやり方を徹底していたが、自由に戦えればここまでやれるものなのか!)」

大将兜「――――――!」ブン!

佐和山城「――――――!」

ガキーン!

佐和山城「うっあぁ……(手が、手が痺れる…………)」ビリビリ

佐和山城「あ、新しい【大将兜】――――――!?」

大将兜「――――――」

佐和山城「…………!」ゾクッ

佐和山城「(明かりとなるのは天からの星の光と地を焼く炎しかなく、昼間のようにはその姿を見ることは叶わなかったが、)」

佐和山城「(――――――あれを目にした時、瞬間的に手が痺れた以上に身体が痺れて汗が吹き出すのが感じられた)」


――――――あれは赤鬼!?


2本角の赤鬼大将兜「――――――!」ブン!

佐和山城「くっ……」

大将兜「――――――!」ブンブン!

佐和山城「……つ、強い!」

佐和山城「けど、負けられない! 敗けたとしても諦めない!」

佐和山城「(そう、石田少将が殿のためにここまでしてくださった――――――その主役をまかせられたのは武人の誇り!)」

佐和山城「(ここで果てるとも、できるだけ多くを道連れをして――――――!)」


―――――― 一人は皆の為、皆は一人の為!


佐和山城「えええい!」ブン!

大将兜「――――――!」スカッ

佐和山城「あ」

大将兜「――――――!」ブン!

佐和山城「あ――――――(殿、それと大坂城殿、今までありがとう――――――)」


――――――錫杖は当たると結構痛いよ?


大将兜「――――――!?」ボガーン!

佐和山城「あ…………」ドクンドクン


大宝寺城「なんとか間に合ったね!」

名護屋城「ここは私たちにまかせてください!」

佐和山城「確か、新入りの大宝寺城と、姫様――――――?」

佐和山城「ど、どうしてここに? 唐津から離れて――――――え?」

名護屋城「そんなことはどうでもいいじゃありませんか」

大宝寺城「そうそう。ここは私たちが何とかするから佐和山城さんは退いて」

佐和山城「し、しかし――――――」

大将兜「――――――!」ヨロヨロ・・・

大宝寺城「早く!」

名護屋城「…………しかたありません」


――――――夏草や兵どもが夢の跡


名護屋城「人生 夢の如し」 ――――――【人生如夢】発動!(5秒間 必殺技が発動しやすくなる/範囲:全)

佐和山城「え、何……?」

大宝寺城「悟ったぁあああ!」ブンブン! ――――――【出羽の悟り】発動!(攻撃力を超アップ/範囲:遠)

大将兜「――――――!?」ジリジリ・・・

名護屋城「はあああああああ!」ブンブン!  ――――――2回攻撃!

大将兜「――――――!!」ガキンガキーン!

佐和山城「これはいったい――――――?(何だろう? この感覚は――――――)」

名護屋城「そして――――――、」


――――――手にむすぶ水に宿れる月影のあるかなきかの世にこそありけれ


名護屋城「諸行無常」 ――――――【人生如夢】発動!(耐久を小回復/範囲:全)

佐和山城「何だろう? まだやれる気がしてきた……」


佐和山城「えええええええい!」ブン!

大将兜「――――――!?」

ザシュ!

佐和山城「………………くっ、これでもまだ倒れないか!」

大将兜「――――――!」ジタバタ

佐和山城「くっ、こ、この……!」


――――――順逆二門無し。大道心源に徹す。


名護屋城「身をも惜しまじ名をも惜しまじ」 ――――――【人生如夢】発動!(耐久を小回復/範囲:全)

名護屋城「5秒…………これで私の奥の手は終わりです」

佐和山城「まだやれる!」

大将兜「――――――!」ジリジリ・・・・・・

名護屋城「夢が覚めても、また夢を見続けることを諦めない」

名護屋城「――――――ただそれだけの差です」ブン!

スパァアアアアアアアアン!

大将兜「!!!!…………    」バタァン・・・

名護屋城「………………」

佐和山城「…………消えた」ゼエゼエ

大宝寺城「……やったんだよね?」

名護屋城「はい。やりましたよ」

名護屋城「それでは、すぐに石田様と合流いたしましょう」

佐和山城「あ」

佐和山城「うん…………」



――――――それから数時間後、


金木「えええええええええ!?」

石田”「どうした? 鳩が豆鉄砲を食らったような顔して」

金木「だって、こっちは急いでやってきたっていうのに――――――、」

金木「こんなあっさりと【兜】共の本拠地を制圧しちゃうだなんて……」

石田”「まあ 本当ならば、佐和山城一人で何とかしなければならない非常に苦しい状況だったところに、」

石田”「逸早くなごや……姫様と大宝寺城、それに私の部下が駆けつけてきたからな」

石田”「それで、佐和山城と大宝寺城と姫様の三人掛かりで【大将兜】を圧倒できたからな。ずいぶんと優秀な【城娘】たちだ」

金木「は? ちょっと待ってよ。それでなんで我が軍最速の水賊【城娘】よりも速くつけるわけ?」

金木「いくら行動が早くても、気づいたのは同じくあの【照明弾】なんでしょう?」

石田”「まあ、最大速力:34.5ノット――――――つまり時速63.9kmの飛龍だからな」

石田”「それでなくても、7680海里/18ノットもするからな。唐津から――――――ここがどこだか知らんが、近場の島にすぐに着くなど当然だ」

金木「え? え? ええ?」

石田”「海里は地球上の緯度1分に相当する長さで、1海里=1.8520kmだから、時速2kmと覚えておけばおおむね認識が追いつくんじゃないか?」

石田”「どうやら敵は、日頃の戦力の逐次投入の愚と、未だ経験したことのない防衛戦で戦力を無駄に消耗した」

石田”「おかげで、佐和山城の粘りも効いてたった3人の【城娘】だけで制圧できたわけだ」

石田”「さて、この戦いのMVPは誰になるのだろうな?」

石田”「それと、とっとと ここの番を務めるものを選んで、志摩守との会見に備えたほうがいいのではないか?」

金木「あ、そうだったよ! 志摩守を連れてくるように俺が言ったことだし………………けど 面倒だなぁ」ハァ

金木「せっかく島の奥深くまで来て すぐに引き返すのか…………まあ これで唐津を襲う【兜】共がいなくなれば万々歳だけれども」

金木「それじゃ、ここの【探索】を頼んでおこうか。誰にしておくかな、帰りのことも考えて――――――」ウーム

石田”「…………フゥ」



佐和山城「…………フゥ」

名護屋城「よくお休みになられましたか?」

佐和山城「…………たった数時間前の話だというのに、【兜】共の居城が壊滅するとは自分がやったとはいえ今でも信じられん」

佐和山城「あの石田少将に罵られ、一人 外に飛び出したところを野盗共に襲われて、それで不覚にも敵の虜になったかと思えば、」

佐和山城「謎の光の後にどこからともなく石田少将が現れて【兜】の基地を混乱に陥れて、それで私を助けだして、」

佐和山城「そこから私はひたすら汚名返上に【兜】を倒し続けて、ついに【大将兜】との一騎討ちになって、最期を迎えるのかと思いきや、」

佐和山城「姫様たちに助けられ、こうして朝日を拝むことができたのだからな」

飛龍”「あ、あの……、先日は本当に提督があのようなことを言って申し訳ありませんでした……」

ヲ級”「ヲ」

佐和山城「そうだな。まんまと一杯食わされたぞ、私も皆も(…………この『ヲシドリ』とか言うのはいったい何なのだろうな?)」

佐和山城「だが、不思議と悪い気はしなかった」

佐和山城「堪え切れずに無断で外に出たのは私だし、賊に後れを取ったのも私の責任だ」

佐和山城「そこを石田少将が便乗したとはいえ、これまで唐津を襲い続けてきた【兜】共の本拠を壊滅させることができたのだ」

佐和山城「もう、怒りや恨みを通り越して惚れ惚れする他なかったな」


―――――― 一人でここまで事を運んでしまったのだからな。


飛龍”「………………」

名護屋城「どうしました、飛龍さん?」

飛龍”「また提督は一人で無茶をやって………………いつもいつも提督は一人になろうとする」

ヲ級”「ヲヲ」

佐和山城「…………そういうことか」

名護屋城「確かに、石田様は人と群れることには苦手なようにお見受けします」

名護屋城「ですが、それは『他人よりもできることが多い』がゆえの孤立のように思えます」

名護屋城「石田様は、その、石田治部と比べられることが本当にお嫌いなので、比べて評するのは気が引けますが、」

名護屋城「石田治部と並ぶ“無双の才覚”の持ち主たったからこそ――――――、」

名護屋城「しかしながら、石田治部とは違って仕えるべき主君の違いによって、」

名護屋城「他人からの理解を求めることを諦め、孤独を愛するようになったように思います」

飛龍”「え……」


佐和山城「――――――『仕えるべき主君の違い』?」

名護屋城「はい。石田治部は人に――――――豊臣秀吉公に全てを捧げました」

名護屋城「一方で、石田様は国に――――――皇国の繁栄に全てを捧げているように思います」

佐和山城「…………『国』? 了見が狭いようにしか見えないが」

佐和山城「天下人たる秀吉公に全てを捧げずして、1国の都合だけで動く者の方がよっぽど――――――」

名護屋城「違いますよ」

佐和山城「…………!」

名護屋城「石田様にとっての国とは『日ノ本』のことですから。豊臣だけじゃなく日ノ本の全ての人たちのためを思って動いておられるのです」

佐和山城「それこそみなが豊臣のために尽くしていれば――――――」

名護屋城「天下人となった後の秀吉公が行った数々の蛮行についてはどう思っているのですか?」

名護屋城「それで、本当にこれからの天下は収まっていくと思っているのですか? これからの日ノ本のことを本当に託せるとお思いですか?」

名護屋城「だからこそ、豊臣政権において次席の徳川家康の謀反に多くの大名が同調したのではありませんか?」

佐和山城「………………」


名護屋城「豊臣秀吉公の最大の過ちの象徴である私が言うのです」


名護屋城「佐和山城? 私のことをただ“姫様”としか認識していなかったようですよね?」スッ

佐和山城「?」

ヲ級”「ヲ?」

飛龍”「あ、髪を――――――」

佐和山城「あ……、ああ!? そのお顔は――――――もしや、あなたは大坂城殿の!?」

佐和山城「なぜ私はそのことにすぐに気づかなかったのだ。どうして何とも思わずにいたのか…………」ポタポタ・・・

名護屋城「私がきっと大坂城の負の部分だからなのでしょう」

名護屋城「だからこそ、私はあの場所で一人ひっそりと暮らし続けることになった。誰からも惜しまれることなく――――――」

名護屋城「あ、そうでした。だから 私は石田様に………………」

飛龍”「…………姫様」



石田”「ここにいたのか、みんな」


名護屋城「あ、石田様……」

飛龍”「て、提督……!」

ヲ級”「ヲヲヲー」スリスリ

佐和山城「…………石田少将」

石田”「今回のことは【城主】様も大変褒めておいでだ」

石田”「だが、すぐに志摩守との会見がある。――――――唐津に急いで戻るぞ」

石田”「佐和山城は特に【修繕】の必要があることだしな」

佐和山城「我ながら今回はよく頑張ったほうだと思ってはいたが、【修繕】が必要となる程とはやはり――――――、」

佐和山城「ここまでの手傷を負うとは不甲斐なく思う」

石田”「大宝寺城はどうした?」

飛龍”「彼女ならあそこで寝ているよ」

大宝寺城「スヤスヤー」

石田”「そうか。『急いで戻る』とは言っても、【城娘】が牽引する船に乗るだけだから楽にしろ」




スタスタスタ・・・・・・


大宝寺城「スヤスヤー」

石田”「さすがに人一人の重さの方が武装より重いか……」(寝こけている大宝寺城をおんぶしている)

佐和山城「石田少将、ところでだ」

石田”「どうした?」

佐和山城「どうやってここまで来れたのだ、あの短時間で」

飛龍”「確かに。私たちは私と『ヲシドリ』でなご…姫様と大宝寺城を背負って全速力で来ましたけど」

名護屋城「そうですね! 馬よりもずっと速くて感動でした!」

佐和山城「なに? 普通、逆ではないのか? 二人は【城娘】ではないのだろう?」

飛龍”「え? 私たちは――――――」チラッ

ヲ級”「ヲヲ」

飛龍”「――――――【艦娘】ですけど?(うん、そうなんだよ、きっと)」

佐和山城「え?」


石田”「これは今回わかったことなのだが、――――――【蟹】や【海老】に乗って海上を移動することになった」

一同「え」 ――――――【海老】や【蟹】の上に乗る石田司令の姿を思い浮かべる。

石田”「どうやら、そういうことらしい」

石田”「情報収集や我々の監視はもちろん、はぐれ【城娘】の拿捕にも積極的だったようだ」

佐和山城「そうか! だから、あれだけの賊が唐津近郊に潜んでいたわけなのか!」

佐和山城「敵は【兜】だけではないのは重々承知ではあったが、――――――そうか、その手先となる人間にも気をつけねばな」

石田”「貴様が捕まったおかげで敵の手の内を多く知ることができた」

石田”「これは勲章ものだな。【城主】様もきっとお喜びになることだろう」

佐和山城「………………」

飛龍”「て、提督……」

石田”「ん? どうしたのだ、飛龍?」

佐和山城「…………そうか。私はこういう感じなのか、石田少将」

石田”「やけに物静かだな? 事実を述べただけなのだから、もっと喜んだらどうだ?」

佐和山城「一応、感謝するぞ、――――――石田治部の影法師」ニヤリ

石田”「くっ、気に食わんな」ムスッ

名護屋城「あははは……」

飛龍”「あ、あははは……」

石田”「…………二人にまで笑われるとはな」ヤレヤレ

ヲ級”「ヲヲ」

石田”「おっと。そうだったな。寝ている娘を担いでいるのだ。少しは静かにせねばな」

大宝寺城「スヤスヤー」

石田”「よし、そろそろ浜に到着だ――――――」

名護屋城「石田様……(石田様も影なんですね。やっぱり何だか似ていますよね、私たちって)」ニコッ

飛龍”「提督……(あんなにも表情豊かに話しているところなんて久しぶりです。それに何だか微笑ましくて……)」



はたして、帰れるかどうかもわからない。

だが、俺がなすべきことは今も変わらない。どこであろうと、いつであろうとも。

全ては全体の勝利のために――――――ただそれだけのために力を尽くしていくだけだ。


――――――超番外編1 浪速のことは 夢のまた夢  -この命 果てても私が御守りします!- 続く

      Next:第7話W 鎮守府の守護神   -侵食される鎮守府- に続く!




名護屋城 出身:肥前(佐賀県) 武器:刀(対空) 城属性:平山/水

コンセプト:黒歴史として封印されし禁断の日ノ本最強の城娘 -これぞ天下人の軍勢-

必殺技:人生如夢(5秒間 必殺技が発動しやすくなり、その間は自身の必殺技が耐久を小回復させるものに変更となる/範囲:全)
具体的にはゲージ速度が空の状態から満タンになるまで、

・蓄積が速い……初期値ならば144秒、最大値で120秒のものが、1秒で溜まるゲージ速度に変更される

・蓄積が遅い……初期値ならば222秒、最大値で181秒のものが、2秒で溜まるゲージ速度に変更される

しかも、あくまでもゲージ速度が上がるだけなので、1回【必殺技】を使ったら1,2秒後にまたすぐに使用可能!
最速ならば速い方ならば5連発でき、遅い方なら2連発できる。これだけで破格の性能である。

その間の名護屋城の動きは、【必殺技:人生如夢】が発動した2秒後に全体を小回復できる【必殺技】が使えるというこれまたトンデモ仕様なので、
発動時間の5秒間に最速でも2回は全体小回復を放つことができ、それで戦力の全体の立て直しができてしまえる。
ただし、発動中にゲージが溜まった場合は全体小回復 固定であり、発動時間が過ぎた後に使っても【人生如夢】にはならない。それでも桁違いの【必殺技】だが。

そのために、ダメージ系【必殺技】の【城娘】を多く配置させておくのが最も効率がよく(クリックが忙しくなるが凄まじいダメージ効率!)、
単純に名護屋城による全体小回復の【必殺技】が2回連続で使えるという意味でも極めて強力な【必殺技】であり、
それ以外にも溜まった必殺技ゲージは【人生如夢】が途切れても【必殺技】を使わない限りは維持されるので味方のゲージ溜めにも使える万能【必殺技】。

ステータス:戦闘能力最強クラス コストも過去最大級(いや、おそらく永久に更新されることのないレベル))

【耐久】……… ぶっちぎりの1位。首位独走。
【攻撃】……… トップレベル。
【対空】……… トップレベル。
【速度】……… 致命的なまでに遅いわけではないが低い方。だが、【技能】がトップレベルなので刀の2回攻撃が決まりやすい。
【範囲】……… トップレベル。【城属性:平山/水】なので安定した攻撃範囲を持っている。
【防御】……… やや高め。
【会心】……… やや高め。
【後詰】……… ぶっちぎりの1位。首位独走。
【しんがり】… まさかの0であり、自身は完全に前進制圧専門となっている。
【運】………… 下から数えた方が早いレベル。
【技能】……… トップレベル。
【属性】………【人知】系のみの対応だが、これまた凄まじい値となっている。

どうしてここまで強い設定なのかは動員兵力数や城の縄張りの規模を見るだけで頷く他ないだろう。
しかも、他の【城娘】とは違って対外戦争に動員されたほぼ唯一の【城娘】なので、日本の全てが結集した英傑たちの城でもあるのだ。
能力は朝鮮出兵の日本軍の戦績が大きく反映されているが、実質的に“豊臣時代の日本全土そのもの”が【城娘】化したような存在なので、
江戸城でも大坂城でも絶対に実現不可能な圧倒的なマンパワーによる戦闘能力を発揮することができている。
なにせ、味方がいなくても【大将兜】相手に互角以上に戦えてしまえるのぐらいである。コストも絶大であるが、凄まじい戦闘力である。

しかし、天下人の天下統一から他界までのたった10年足らずで8ヶ月で築城されて繁栄して廃城なので、これほどまでに諸行無常を体現した存在もいない。
ある意味において、天下人:豊臣秀吉の化身とも言えなくもない存在であり、
変身状態の戦闘衣装がまさしく豪華絢爛の勇壮たるものである一方で、私服姿は驚くほどみすぼらしいものを着ており、
性格も非常に儚げであり、戦闘時も非常に淡々と敵を屠っている様子がうかがえる。

ちなみに、大坂城と同じ顔をしているが、人格の影響から髪型や顔つき、雰囲気からそうだとわからないぐらい人相が違ってきている。


名護屋城「そう、全ては朝露のように生まれ落ちては消えていく――――――」

名護屋城「でも、楽しかったな……」

名護屋城「夢のまた夢――――――これはいい夢でした」


ただし、大人の事情を考慮すると、【艦これ】における【例のアレ】並みにブラックゾーンの存在なので提案しておいてなんですが忘れてください。




今後、実装するだろう【城娘】
・万里の長城
・紫禁城
・ロンドン塔
・ノイシュヴァンシュタイン城
・アテナイのアクロポリス
・テオドシウスの城壁
・サクサイワマン
・アラモ砦

・江戸城
・彦根城
・五稜郭
・伏見城
・出島
・聚楽第
・大垣城

・柳川城
・大津城
・安土城
・長篠城
・清州城
・岐阜城(←稲葉山城)
・姫路城………日本三大名城
・熊本城………日本三大名城
・上田城………真田昌幸の居城
・沼田城………真田信之の居城
・躑躅ヶ崎館…武田信玄の本拠
・伊作城………島津4兄弟生誕
・大宰府
・多賀城=鎮守府
・大倉御所

割と早くに海外城娘:フランケンシュタイン城が出てきたわけだが、城娘が一体全体どの程度の歴史的範囲を網羅するのかがわからない。
艦娘が近代海軍でかつ第1次世界大戦以後の第二次世界大戦までの艦艇という極めて狭い歴史的範囲のために提案は簡単なのだが、
一般的には、【乱世】と呼ばれた戦国時代の城が多いことだろうが、それ以上のことははっきりとはわからない。


というわけで、超番外編はひとまずここでおしまい。白紙を挟んで第7話恒例のおまけをどうぞ。




















































おまけ 真に優れたものとは? -艦娘と深海棲艦の優劣-

――――――趣里鎮守府

――――――新戦略研究局


福島「…………事後承諾みたいであんまりいい気分じゃねえけどよ」

加藤「……そうだな」


福島「てめえ自身が出撃して深海棲艦を捕まえてくるってのはどうなんだよ!」


福島「おい、頭でっかち! てめえ、大将としての自覚がねえのかよ! それで死んじまったら――――――」

小西「――――――理に適ったやり方だと思うが?」

福島「…………!」

小西「深海棲艦が艦娘を優先的に攻撃する習性があるのならば、艦娘ではない何かで捕まえれば確実性は上がるという単純な話だろう」

加藤「だが それはつまりは、名誉の戦死を遂げた瞬間に『新戦略』が破綻することを意味するんだぞ、石田司令」

石田「安心しろ。それについて【捕獲した深海棲艦】を利用して様々な訓練や実験を行っている」

石田「確かに、俺が死ねばそれで終わってしまう話だが、」

石田「俺はきちんと行った訓練や実験のデータを全て残して統計分析しているから、俺が死んだとしてもその資料から後継者が生まれるはずだ」


石田「全てはそれでいい。全ては自分のためにやっていることじゃない。皇国のためにやっていることなのだからな」


石田「むしろ、艦娘を盾にして血と汗を流さなくなった代償としてはあまりにも軽すぎるとは思わないか?」

福島「あ、頭でっかち……、お前……、そこまでの覚悟で…………」

加藤「……そうか。あまり声高には言えないが、確かに軍が再編されても平和ボケが抜け切らない現状を思えばゲームみたいな戦争だよな」メメタァ

小西「…………そこまでいけたらまさしく本物だな」

石田「それに、すでに【捕獲】は十分に行き届いて、お前たちが心配するような命の駆け引きをする段階はもう終わっている」

石田「では、【捕獲】すべき深海棲艦の選定について議論しようか」

福島「お、おう……」

加藤「…………そうだな」

小西「さて――――――」




石田「よし、議論の結果をひとまずまとめるとこうなるか?」カキカキ

――――――――――――

【捕獲】が推奨される深海棲艦の一覧

戦艦レ級……もはや言うまでもない提督たちの共通の畏怖の象徴である超万能戦艦。elite級から開幕先制雷撃までしてくる。
空母ヲ級……flagship級以上で夜戦で航空攻撃ができる【正規空母】。弱点は【射程:超短】ということ。

潜水カ級…
潜水ヨ級……艦娘以上の【雷装】と頑丈さを誇る【潜水艦】であり、明らかに艦娘より強い。弱点はelite級以上から開幕先制雷撃ができる点。
潜水ソ級…

――――――――――――

石田「やはりこんなところか。――――――艦娘より強い深海棲艦が狙い目だな」

加藤「だな。前提として【調教済み深海棲艦】にはこちらからの修理・補給ができず、自然回復を待つしかない以上はこうなる他ない」

小西「そして、実質的に【深海棲艦】の運用コストがタダである以上は、戦艦タ級やル級よりも手数の多いレ級を使った方が断然 効率がいいからな」

福島「そんで、大破した時が一番【捕獲】しやすいってんだから、手加減なしで轟沈しないぐらいの大物の方がかえって狙い目ってことなんだよな?」

石田「ああ。そういうことになるな」

小西「しかし、こうやって【捕獲】すべき深海棲艦の選別をしていると――――――」


加藤「ああ。いかに深海棲艦が我が軍の急所を狙える戦力を整えているかがよくわかるな」


福島「ガチでヤベぇよ、これぇ! 【戦艦】はレ級に真向勝負できるやつがいないし、【空母】も【潜水艦】も完全に負けてんじゃねえかよぉ!」

加藤「【重巡】や【軽巡】、【駆逐艦】などの性能ならば我が軍が優勢なんだがな……」


石田「まるで旧大戦における両軍の戦力配分をそのまま反映させたかのような感じだな」メメタァ


小西「ほう、やはりそう思いましたか、石田司令も」

小西「そう、中途半端な艦隊決戦主義を突き進んだ結果、【重巡】や【駆逐艦】の性能は連合国よりも優れてはいましたが、」

小西「逆にこれからの主力とすべき【空母】や【潜水艦】の配備や対応が完全に出遅れていたのですからね」

加藤「……そう言われてみれば、確かにそうかもしれない」

加藤「となると、このままの状態だと、戦略的に最も重要な【戦艦】【空母】【潜水艦】の全てが敵に劣っているわけだから、」

加藤「正面対決の総力戦を挑んだら間違いなく我が軍の敗北は必至だ…………だから ジリ貧に陥っているわけなんだ」

福島「ま、マジかよ、それぇ!」


石田「まあ、だからこそ、戦術でその戦力的不利を覆す他ないのだがな」

福島「おっと! それはそうだったぜ! なんだ、心配して損したぜ!」

小西「こいつはどこまで能天気なんだ…………さすがに心配になってきたぞ」

加藤「ああ。戦略の段階で戦術の基礎となる艦隊戦力の質と量に差が出ているからどうしようもないって話なのにな……」

加藤「だが、今のジリ貧でしかない現状を打ち破って、真に勝利を望める新たな戦略を打ち立てようとしているのが『ここ』だ」

加藤「そして、その『新戦略』というのが【深海棲艦の捕獲】だと言うのなら、【それ】をやるしかないな」

小西「しかし、だからといって【ボス級深海棲艦】の存在も忘れてはならないな」

加藤「そうだな。【ボス級深海棲艦】はあの戦艦レ級ですら単体では太刀打ちできないぐらいに戦闘力に差が付いている」

小西「すると、連続的な出撃を重ねて戦術的に短期的に追い詰めなくてはならなくなるわけだが、」

小西「修理・補給が受けられない【深海棲艦】では【ボス級深海棲艦】には絶対に対抗できないということになるのか……」

小西「だからこそ、深海棲艦を束ねる風格があるというわけか…………」

加藤「しかし、それを打ち破ってきているのが過去の我々同胞たちなのだからな――――――お!」


加藤「そうか! 艦娘の真の強みというのはこの粘り強さと戦術にあったのか! そうとしか言えない!」


加藤「そして、深海棲艦の真の弱点というのは、数で補わないと戦線を維持できず、群れているのに修理・補給が望めない孤立状態であるということ!」

小西「…………その弱点は単体で見た場合の話だろう?」

小西「結局、損傷を与えた深海棲艦の代わりに無傷の深海棲艦が投入されてまた我々の前に立ちはだかるのだから、そんなのは弱点とは言えない」

小西「それに、その『粘り強さと戦術』というのは つまるところ、それぞれの鎮守府司令官・提督の手腕に依存するところが大きい」

小西「となれば、――――――それを徹底させるための教育指導が必要になってくるな」

加藤「そうだな。ぜひともこの強みが活かせるように周りを啓蒙しなくてはならないかもしれんな」

加藤「お、――――――これも『新戦略』になっているのかも!」

小西「そうか、軍政としてドクトリンを改めるのも『新戦略』のうちかもな」

加藤「よし、――――――聞いてくれ、石田司令!(提督だったり、司令だったりまどろっこしいな……)」

小西「…………なかなかいいところまで行けそうな気がしてきたな」フッ


小西「しかし――――――、」


黒田『――――――『臣下の臣下は臣下にあらず』』

黒田『では、『君主から見た臣下の臣下』とはいかなる存在か――――――』

黒田『それは、『臣下の刀であり、勲章であり、衣服であり、手足』――――――『君主からの命を果たすために存在する装備』でしかない』

黒田『卿らが部下をどう扱おうと――――――装備として所有している兵器をどう使って命を果たすかは我々にとっては取るに足りない問題なのだ』

黒田『ましてや、末端の兵の一人一人について考慮する余裕も義務もない。そんなのは非効率なだけでそれぞれの部隊長の管理の問題だ』


小西「…………ぐうの音も出ない」ハア

小西「そして、兵器である艦娘に対して兵器としての任を全うさせる以上に――――――、」


黒田『むしろ、艦娘 以上に己を殺して それこそ兵器のごとく『皇国のため』に働かなければならないのは卿ら提督たちの方なのだぞ?』

黒田『みなが下らぬ情を持たずにただ黙々と『皇国のため』に尽くす兵器のような心でなければ、国はまとまらぬ。泰平はいつまでも続かぬ』

黒田『特に、艦娘たちは絶対服従の因子によって提督の命令にはまず逆らえぬ。これほど理想的な兵士は存在しない』

黒田『だが、それを使う提督が不心得で力不足であるからこそ、結果を出し続けられぬし、自暴自棄やインモラルプレイにも走ることになる』


小西「――――――『兵器であるべきは上の人間』というわけか」

小西「そう、艦娘は提督には絶対に逆らえない存在なのだから、――――――全ては提督の力量次第」

小西「あれから有志による轟沈条件の解明や、“軽巡以下”の重巡の大幅強化、弾着観測射撃や潜水艦の実装だので、」メメタァ

小西「サービス開始当初に比べたらずっとバランスがとれていて、先人たちのノウハウもこれでもかというぐらいに集積されてきているんだ」メメタァ

小西「――――――『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』」

小西「結局は、そういうことか」

小西「どれだけハイテク化されて便利になっても、学ばない馬鹿や上っ面のことしか教えられないクズがのさばるんだから――――――」

小西「――――――『学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆し』」

小西「どうしてこんな簡単なことに気づけないんだろう……」




小西「俺は確かに功名心が過ぎるところがあった」

小西「そのために武勲艦である艦娘ばかりを使い込んで、実際のステータスよりも経歴を重視するプレイスタイルになっていたのは事実だった」メメタァ

小西「けど、史実で活躍した艦は間違いなく性能面でも優遇されているし、使っていても気分がいい」メメタァ

小西「そうは思わないか? 俺は艦娘への研究としてどういう経歴でそういった性格付けなのかを調べているわけだが、」

小西「その中には当然ながら、名誉がある艦が存在するのだから、武勲に恵まれなかった不名誉な艦という線引が確実に存在している」

小西「だが、旧大戦において本当の意味で敗北の責任を負うべき艦は確かに存在する一方で、責任のなすりつけの被害に遭った艦も存在する」

小西「そういった不名誉の烙印を押された経緯を知るだけで、当時の帝国海軍の腐れ具合に反吐が出そうになるし、哀れみの目しか向けられないだろう?」

小西「武勲艦として栄達していった潮と、敗北の責任を唯一の生存艦だから押し付けられた曙のことを思い出してみろ!」

小西「間抜けにも敵に対して自身の存在を明らかにしたり、索敵に失敗して主力部隊を壊滅させたりしたようなやつらとはわけが違う!」

小西「俺は曙のようなやつを見ていると怒りやら恥ずかしさやらで胸がいっぱいになる!」

小西「だからこそ、俺は【深海棲艦】を歓迎してしまうところがあったのかもしれない」

小西「冷静に考えたら、これまで交渉の余地なしの完全な敵と思われていたのだから即刻排斥すべきはずなのに、」

小西「巷で囁かれている『深海棲艦 怨霊説』に共感し、石田提督がやろうとしている盛大な供養の必要性をどこかしらで求めていた」

小西「馬鹿げだ話だと思うだろう? そんなことやって何の効果が見込める? ――――――これが企画書なら即ゴミ箱行きだな」

小西「だが、目に見える効果を期待するのであれば先祖供養なんていう生活費を圧迫するだけの無駄なものなどやるべきではないだろう?」

小西「けど、人々は科学的な根拠もないのに“ただ何となくやらないといけない気がするから”やっている」

小西「それと同じで、少しでもやらないといけないような気がするから――――――今の状況を少しでも変えたいがために、」

小西「俺は石田提督のこの『新戦略』に真っ先に協力を表明することになった」


小西「けれども、こうして考えてみると――――――、」

小西「やはり艦娘にしろ、深海棲艦にしろ、どちらにも運用する上でそれぞれの長所と短所があるということが明らかになってきた」

小西「もちろん、戦力的には圧倒的な兵力差と能力差で深海棲艦側が有利ではあるものの、」

小西「やつらは基本的に統率された行動がとれない ただ群れているだけで戦力配置にムラがあるということが何よりの勝機だと気づけた」

小西「――――――『勝負は時の運』とは言うが、まさしくそのとおりだと思う」

小西「織田信長の桶狭間の奇襲戦の奇跡的勝利もそうだろうし、」

小西「別な例を挙げれば、元寇や日露戦争だって軍事的要素以外のものによって最終的な勝利に至っていた」

小西「そう考えれば、その勝機を掴める者こそが本当に優れた資質を持った存在なのではないだろうか?」

小西「だが、その前提には大きな誤解がある――――――そこがクズと凡才と天才の違いのように思える」

小西「言葉が悪いか。では、――――――三流と二流と一流の違いだと思える」

小西「三流と言うのは、――――――勝てる戦にも勝てない不勉強の怠慢者のことだ」

小西「二流と言うのは、――――――実力はあるが、ここ一番で実力以上の結果を出せない“もたざる”者のこと」

小西「そして、一流というのが、――――――ここ一番で実力以上の大勝利を掴み取れる存在のことだと俺は考える」

小西「俺たちの戦いは常に実力以上の要素――――――リアルラックに左右されている。しかも、そこで戦っているのは俺たちじゃなくて艦娘だ」メメタァ

小西「となれば、俺たちが考えるべきなのは、三流の人間が二流になれるような教育と啓蒙をいかに広めるかに尽きると思う」

小西「二流の人間は多いに越したことはないし、そのレベルも高ければ一流の人間が必要になるような危機的状況も避けられるだろうからだ」

小西「しかしながら、やはりどうあがいても勝ち目がほとんどないような戦いに挑まざるを得ない者たちを先導できる一流の人間が必要になる――――――!」





石田「なるほどな。教育もまた重要な要素だったな」

加藤「ああ。“最後の海軍大将”井上成美もそのことをよく理解していた」

福島「当然じゃん、そんなことよぉ?」

石田「だが、教育もまた経験と実践の積み重ねで体系化されてきたものである以上、実験や試行錯誤は避けては通れない道だ」

石田「だからこそ、俺は深海棲艦の研究に力を入れているわけだ」

福島「けど、死に急ぐのはよくないぜ?」

加藤「ああ」

石田「これは誰かがやらなければならないことだ。どんなことにも『初めて』がある以上はな」

小西「なら、石田提督」スッ

石田「どうした?」


小西「俺に【深海棲艦の捕獲】をやらせてくれ」


加藤「!?」

福島「うえっ!?」

石田「…………小西提督?」

小西「俺が【捕獲】を担当して石田提督が【調教】や研究に没頭することができれば、この『新戦略』は大きくて進展するはずだ」

小西「この『新戦略』の発案者であり、責任者である石田提督には永く生き延びてもらったほうが、『皇国のため』になると思ってな」

石田「――――――死ぬぞ?」

小西「死なないね。石田提督にやれたんだから俺にだってできるはずだ。――――――それが『新戦略』の前提だろう?」

小西「ただ俺は、石田提督ほど艦娘たちを悲しませるつもりはないから、ずっと慎重に行うけどな」

小西「どうだ? これで少しは楽になるだろう? 【捕獲】の一切は俺が引き受けてやる」

小西「石田提督は、俺にできて俺にできないことをやって皇国の足りない部分を補った方がいいんじゃないのか?」

石田「…………小西提督」

加藤「………………」

福島「えぇ…………」

小西「(そう、真に優れたものというのはこういうことなんじゃないのか?)」

小西「(全てに優れる必要はない。オールマイティーなのは別に構わないが、一度の場面にその全てを発揮できるとは夢にも思わない)」

小西「(これは艦娘の運用だって同じだ。オールマイティーだけを求めるのなら【水上機母艦】だが能力不足も甚だしいだろう)」メメタァ

小西「(【戦艦】にしろ【正規空母】にしろ、それだけじゃ戦略も戦術も成り立たないからこそ艦隊編成で頭を悩ませることも必要になっているのだから)」

小西「(そう、真に優れたものというのは――――――、)」

             ヲ
――――――1+1=10にする役割分担とチームワークができることじゃないのか?


小西「(だからこそ、石田提督の『新戦略』に加担している一人として、石田提督をこういった形で支えていくべきではないのかと――――――)」

小西「(使える駒が不足しているのならば、それを補って敵に勝つ最善の方法を新たに導き出すことこそが――――――、)」


――――――これこそが真に『皇国のため』ということではないだろうか?


――――――第7話W 鎮守府の守護神   -侵食される鎮守府- 完

       Next:第8話  12月23日 -三笠公園にて- に今度こそ続く!





ようやく、第6話と第7話が完結しました。もう世間では2月でいろいろ始まっていたというのに、2014年12月23日にこちらはようやく到着する頃です。


第6話と第7話の各章の“物語開始時”の時系列はUターン構造(物語の途中経過で話数に関わらず時期が交錯している描写がある)。

第6話W → Z ――――――→ Y → X →   9~10月
                          ↓
第7話W ← Z ← 秋イベント ← Y ← X ←  10~12月
 ↓
12月23日
余談2:4提督のそれぞれの戦いの形 >>462-479
第8話:12月23日 -三笠公園にて- ←次回


そして、第8話が重大な転機を迎えますので新年度が始まる前に2,3週間程度をめどに投稿し切ろうと思いますので、今後ともヨロシク。
いろいろとプレゼンターとして言いたいことや筆者として言わねばならないこともありますゆえ。
しかし、一方で基本的なインターフェースやシステム面における提案がこれで終わったのも事実です。創作していくうちにずいぶんと増えたものだなぁ…………
基本的には一連の新システム4が新要素追加の1つの参考となればと思っております。
また、新インターフェース:【要請】に任意のパワーアップキット要素をぶちこめば万事OKというのがプレゼンターの目論見なのでオススメです。
ライトユーザーにとっつきやすいシンプルなゲームデザインを崩さずに、もっと奥深さを求める人間のために実装していけばいいのではないかと思います。
ライトユーザーとヘビーユーザーのすみわけができるとしたら、このやりかたが一番だと思ってますゆえ。


各話リスト:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】

第1話 ユウジョウカッコカリ
第2話 お守り
第3話 御旗と共に
第4話 愛の力
 ↓
第5話 艦娘、派遣します
 ↓
第6話X 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
第6話Y 提督、出撃す      -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫-

第6話Z 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-
第6話W 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために-
 ↓

第7話X 孤高のビッグ3         -もう1つの“もう1つの世界”-
第7話Y 一大反攻作戦第一号・序章 -離島要塞化計画-  
第7話Z 到来               -アドベント-
第7話W 鎮守府の守護神        -侵食される鎮守府-
 |
 ↓
第8話 12月23日    -三笠公園にて- ← 次回
 |
 ↓
第?話 大本営の野望  -艦娘 対 超艦娘-
 ・
 ・(以下、内容が追加されるかも)
 ・
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-






第6話・第7話各章の提案内容のまとめ+α

項|  キーワード | 重要な【要請】追加要素 | 最強戦力 |   【提督】要素  | 【裏海域】 |  【艦隊特別枠】  |
  
X| 【異界艦】 |    【異界艦改造】    | 【異界艦】 |  【異界艦改造】  |【未来戦線】|    【超艦娘】    |

Y| 【特務艦】 | 【海上陸戦機動歩兵】  | 【トーチカ】 |  【突撃部隊】  |【拠点防衛】|【海上陸戦機動歩兵】|

Z| 【海外艦】 |     【レア応援】     | 【伝承艦】 |  (リアルラック)  |【海外派遣】|   【艦娘派遣】   |

W|【深海棲艦】 |【深海棲艦運用システム】|【海堡棲艦】|【深海棲艦の捕獲】|【海軍総隊】|【調教済み深海棲艦】|




物語風プレゼンの構造

4提督の特徴として、ある1つの事柄に対して意見が『全員一致』か『半分に割れる』かのどちらかしかないように描いております。
つまり、『3:1=多数派:少数派 にわかれる』ようなことは一切なく、『全員一致=4:0』か『半分に割れる=2:2』に必ずなっています。
また、『全員一致』や『半分に割れる』ことになっても厳密にはまったく考えを同じくしているわけではないところが4提督の4者4様の所以である。

例)艦娘に対する考え方の線引について――――――、
A,艦娘はあくまでも兵器であり、人間ではない
清原提督:Y “あまぎ”が来るまで艦娘への愛情は確かにあるが明らかな線引があることがこれまでの話の中で何度も表れている
金本提督:Y 戦うための兵器であり、子供を生めないことが何よりの証(でも、愛するかどうかは別の問題)
朗利提督:N 戦艦:ドレッドノートに注意をされてからも引き続き、もっと真摯に人間として接し続けている
石田提督:N 艦娘や深海棲艦に霊的な要素を認めている(清原提督はあくまでも常識的に軍人としてそういったものに懐疑的な姿勢を崩さない)

B,ジュウコンカッコカリについてはどうか
清原提督:N 典型的なモラルプレイ(ただし、それを結婚と認識しているかは不明。あくまでも常識的かつ理性的な判断を絶対とする)
金本提督:Y 艦娘からも愛されて、能力も強化されて、課金兵である彼からすればやらない道理はない
朗利提督:Y 1つのアカウントで愛月提督と一緒にプレイしている都合上、仕様上 ジュウコンカッコカリにならざるを得ない
石田提督:N 絶対的な勝利を求める合理主義の彼らしからぬ反応に見えるが、あくまでも戦略的に勝てばいいという発想(=ジュウコンは絶対ではない)

C,キャラクター性よりも性能だ
清原提督:Y そこまでこだわりがあるわけじゃない。ただなんとなく使ってなんとなく陣容を整えていった結果が今の鎮守府
金本提督:N レベルを上げて物理で殴れ! 更に、課金兵である彼に手当たり次第のジュウコンカッコカリなどわけないものであった
朗利提督:N まったく、駆逐艦は最高だぜ!!
石田提督:Y 能力至上主義


例)プレゼン面での配役
A,今回の新システム4の提案内容の自由要素
清原提督:Y 【異界艦改造】に【提督】のステータスが大いに関わってくるので実用性と浪漫性能の間で調整が揺れ動く
金本提督:Y 男の浪漫の追求に果てなどない
朗利提督:N 現在の【艦これ】に毛が生えた程度の内容
石田提督:N 手順や運用が面倒なだけで【捕獲した深海棲艦】をそのまま扱えるのでは実はあまりない

B.【艦載艇】の活用
清原提督:N あくまでも戦うのは艦娘
金本提督:Y 男の浪漫・男の甲斐性・男の意地
朗利提督:N そんなものを使う余力なんてない
石田提督:Y あくまでも【捕獲】に適しているのが人間だったから自ら赴いただけ

C.新たな海域への進出
清原提督:N 【異界艦】の研究や“りう”の教育がある!
金本提督:Y 【拠点防衛】のために離島を舞台に激戦を繰り広げる予定
朗利提督:Y 【海外派遣】のために準備中
石田提督:N 【深海棲艦】の研究のために鎮守府を離れるつもりはない



・それぞれの鎮守府ごとの主人公と副主人公の関係

洞庭鎮守府:艦娘の指揮権は、清原提督 > 龍翔提督“りう”
X:清原提督
x:龍翔提督“りう”
独自戦力:【異界艦】

リアルのプレイ状況:1つの鎮守府にいるけれど互いに独立して、居ても居なくても戦力に影響ない関係
“りう”は【異界艦】のテーマである架空戦記という名のオリジナルストーリーの主人公キャラ故に【艦これ】にはどう足掻いても存在しない存在。

良識的・規範的・理性的 ←――――――→ 頑なで事務的・常識に囚われている・柔軟性に欠ける
清原提督は良くも悪くも公人の鑑であり、自分の職務を全うすることに全力を注ぐ代わりに職域を超えるようなことには絶対に手を出さない。
よって、新システム4の導入については“りう”という存在で訴えかけなければ命令でもない限り 自発的に新システムの開発になんかに乗り出すはずがなかった。
だからこそ、普通の軍人である清原提督が架空戦記の主人公として4提督の中では最も深く苦悩して話を盛り上げてくれるので地味に見えて重要な立ち位置になる。

物欲センサー:そこそこだが、“あまぎ”の登場でピンポイントで必要な艦娘が出揃う(そもそも大和も翔鶴・瑞鶴もいる時点で欲しいのがもういない)


斎庭鎮守府:艦娘の指揮権は、金本提督 > 剛田将校
Y:金本提督
y:剛田将校
独自戦力:【陸軍】【海上陸戦機動歩兵】【トーチカ】

リアルのプレイ状況:剛田将校は【陸軍】から【派遣】されているNPC
わかりやすく【陸軍】NPCにキャラクター性を与えたのが剛田将校であり、金本提督の指針に従うのは仕様的にもそのためである。

行動的・野心的・独創的 ←――――――→ 独善的・飽くなき野心・周囲の理解が追いつかない
清原提督とは真っ向から反目する性格だが、結局 現在の性格は『清原提督のように規範的になれないなら徹底的にグレてやる』の行き着いた先である。
それ故に、独断横行を平気でする顕示欲の塊のように見えて、その実は弱い自分を隠そうと飾ろうとしている小物である。世が世ならそれで独裁者になれた。
しかしながら、金本提督の周りにいたのが政略や権謀術数とは無縁の艦娘だったのが幸いして、国盗りまで野心が発展しなかった模様。

物欲センサー:屈服しました。資源王の富士山のような課金攻勢の前に必要な艦娘は全て揃ってしまう。


拓自鎮守府:艦娘の指揮権は、朗利提督 ∋ 愛月提督
Z:朗利提督
z:愛月提督
独自戦力:【海外艦】【伝承艦】

リアルのプレイ状況:1つのアカウント(朗利提督)で先輩と後輩が仲良くプレイ
よくあるシェアプレイの1つだが、それ故に1人でプレイするよりはジュウコンカッコカリなどの課金要素への抵抗が少ない。

保守的・趣味に生きる・家族愛 ←――――――→ 感傷的・能力不足・非情になりきれない甘さ
4提督の中では最も提督としての資質に劣るのが朗利提督であるが、持ち前の強運で難所を乗り切るので意外としぶとく侮れない。
ちゃっかりこれまでの話の中で【伝承艦】や超強力な【新装備】を獲得しており、全体の練度や提督の資質はともかく新戦力の質では最も充実しており、
『司令部』が【艦これ】ユーザーを4つに大別した中である1系統の代表として選ばれた以上の功績を上げつつある。

物欲センサー:絶賛発動中。しかし、朗利提督がアブノーマルなので『みんなが欲しがる激レア大型艦が出て 逆に悔しがる』という意味で。


趣里鎮守府:艦娘の指揮権は、石田提督 ∈ 左近提督
W:石田提督
w:左近提督
独自戦力:【(調教済み)深海棲艦】

リアルのプレイ状況:【海軍総隊】で石田提督がホストになって左近提督と共有プレイ
ソーシャル要素を強化した試験的なサーバで最初から同期プレイしていた。インターフェースについてはいずれ解説するが、
【艦これ】というソーシャルゲームに足りない最後の要素を上げるとしたら【演習】や【ランキング】以上にユーザー同士のふれあいだと思っていた。

能率的・一本気・極めて平等 ←――――――→ 冷酷非情・頑迷・かえって不平等
潔い性格なのでここで改めて補足するようなことはないぐらい長所と短所がはっきりしている。
全体の勝利のためならば身を粉にして尽くす一方で、そのためならばどれだけ犠牲が出ようが涙を呑む結果になろうがやり通す信念を持っているので、
たとえば死神のノートを拾ったばかりに新世界の神になろうとした正義漢のように、あることがきっかけで道を踏み外したら最も脅威ともなる。

物欲センサー:絶賛発動中。攻略自体は問題ないが、ビスマルクがいつまで経っても建造できない。ビスマルク姉さま マダー?




ああ……、筆者です。
ようやくここまで漕ぎ着けたのはいいのですが、大問題発生です。

次回の投稿で一区切りとなるわけなのですが、レスが足りなくなる可能性が濃厚となってきました。

しかし、あくまでもこの二次創作の目的は物語風プレゼンなので、次のスレでこのスレを見返すことも考慮するならば、
今回出してきた内容を最後にまとめておくことが絶対条件となるのでプレゼンの方はこのスレで完結させて収まるようにします。
一方で、架空戦記の部分や短編集などは別になくても問題ないので、別のスレに載せるつもりで構成いたしますので、
一応 その部分だけ次のスレに続くだろう事は前もって宣言しておきます。

それでは、ご精読ありがとうございました。
二代目天城は一応 不幸扱いではなかったね。中破絵がすごいけど…………
そして、練習巡洋艦の旗艦効果が、もう、あれだね。




各話リスト:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】

第1話 ユウジョウカッコカリ
第2話 お守り
第3話 御旗と共に
第4話 愛の力
 ↓
第5話 艦娘、派遣します
 ↓
第6話X 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
第6話Y 提督、出撃す      -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫-

第6話Z 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-
第6話W 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために-
 ↓

第7話X 孤高のビッグ3         -もう1つの“もう1つの世界”-
第7話Y 一大反攻作戦第一号・序章 -離島要塞化計画-  
第7話Z 到来               -アドベント-
第7話W 鎮守府の守護神        -侵食される鎮守府-
 |
 ↓
第8話 12月23日    -三笠公園にて- ← 今回
 |
 ↓
第?話 大本営の野望  -艦娘 対 超艦娘-
 ・
 ・(以下、内容が追加されるかも)
 ・
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-


第6話と第7話の各章の“物語開始時”の時系列はUターン構造(物語の途中経過で話数に関わらず時期が交錯している描写がある)。

第6話W → Z ――――――→ Y → X →   9~10月
                          ↓
第7話W ← Z ← 秋イベント ← Y ← X ←  10~12月
 ↓
12月23日
余談2:4提督のそれぞれの戦いの形 >>462-479
第8話 12月23日 -三笠公園にて- ← 今回




第8話 12月23日 -三笠公園にて-

――――――神奈川県横須賀市稲岡町82


清原「さ、着いたぞ。見えるだろう、あの軍艦の姿が」

X:長門β「おお! これが三笠公園か!」

X:長門β「――――――確かに小さい!」

あまぎ「確かにそうなるわね。三笠は131.7mで、あなたは224.94mですものね」

清原「そうだな、100mもの差だもんな。その偉容の差は大きいだろうな」

清原「ところで、じゃあ【β世界線】の三笠はどこへ行ったんだ?」

X:長門β「普通に解体だが? 一部が日露戦争記念館や帝国海軍軍艦ミュージアムの展示品として残されているな」

清原「そうなるか、やっぱり」

あまぎ「………………」

清原「どうした、“あまぎ”?」

あまぎ「あら? そう、【この世界】の『私』もこの近くにいるのね。『あなた』も三笠と同じく――――――」

清原「え」

X:長門β「提督、横須賀基地の見学はダメか?」

清原「ああ、司令部から見学の許可証を受け取っているし、見に行くか?」

あまぎ「ええ。お願いします」



金本「懐かしい場所だな。海軍の人間なら誰もが足を運ぶ場所――――――」

剛田「ここが今の皇国にとっての靖国神社とも言える神聖不可侵の聖域なのだ」

剛田「宇品の陸軍船舶司令部とは違って、ちゃんと小奇麗に整理されて練度の高い艦娘があちこちを警備していやがる」

剛田「しかも、ここばかりは憲兵の所轄じゃなくて、海軍の管轄で珍しく海軍の人間がうようよしていやがる」

剛田「おかげで、陸軍の俺は浮きまくりだぜ!」←カーキ色の陸軍制服(夏服だけどイメージ重視)

金本「着替えればいいじゃないか、将校さんよ」← 白色の海軍制服(夏服だけどイメージ重視)

剛田「いや、俺は“陸軍の期待の星”だ。陸海合作の指導者として堂々としなければ」

剛田「で、これが東郷平八郎元帥の像か」

金本「ああ」


男共「………………」


剛田「俺とお前で“日露戦争の再現”といこうぜ、共犯者?」

金本「ああ。この手で栄光を掴まないと気が済まないからな」

剛田「――――――互いに引き際を弁えてな?」

剛田「さもなければ、このじいさんのように晩節を汚すことになるからな」

金本「そういう陸軍のお前らも、海に出ちまったら もう歩いて祖国に帰ることはできないんだからな?」

金本「――――――“死”か、それとも“栄光”か、だ」

剛田「ハッ、【魔界】での合同軍事演習の後に【乱世】で一緒に大暴れしてきたんだぜ?」

剛田「ここまで来たら一緒に生き残ろうぜ、戦友!」



Z:ルイージ「凄いです! 本物の軍艦ですよ!」キラキラ

Z:ドレッドノート「…………これがあの三笠かい」ジー

Z:クレマンソー「………………昔の戦艦」

朗利「どうだ、乗ってみるか? 司令部から許可証をもらってるぞ」

Z:ルイージ「お願いします!」キラキラ

Z:ドレッドノート「お願いね」

Z:クレマンソー「…………」ドクンドクン

朗利「クレマンソーもこんなふうに大きくて立派な感じになるはずだったんだけどな……」

Z:クレマンソー「…………私、頑張ったら三笠のようになれるかな?」

朗利「なれるさ! 少なくとも俺はクレマンソーのことをちゃんと見てるからな」ナデナデ


――――――見捨てないからな、絶対に。


Z:クレマンソー「……司令官」ニコッ

Z:ドレッドノート「おお、懐かしいぞぉ、この前弩級戦艦:マジェスティック級の艦体――――――!」

Z:ドレッドノート「まったく、わらわという者がありながら――――――、」

Z:ドレッドノート「我がロイヤルネイビーはマジェスティック級からロード・ネルソン級に至るまでの守銭奴の無駄ながらくたの買いだめをまあ…………」

Z:ドレッドノート「ま、わらわもそのがらくた共と一緒に第一次世界大戦の終了と共に除籍されたわけなのだがな」

Z:ドレッドノート「しかし、いやはや、懐かしいもんだねぇ…………そう、【戦艦】っていうのは大昔はこうだったんだよねぇ」

Z:ルイージ「おっきぃ~! でも、そういうのも何だか不思議な感じですね」

朗利「そうだな。元がこんな大っきなものだっただなんて艦娘を見ているとつい忘れてしまうよ」フフッ



石田「古臭いだけの遺跡だと思っていたが、今だと何だか違って見えるな」

W:ヲ級「ヲヲヲ!」

W:レ級「!」

W:ヨ級「…………!」

石田「思い出すものがあるんじゃないか?」

W:レ級「!!」

石田「そうだな。お前たちもこうなりたかったんだよな――――――海の藻屑になってずっと冷たい海の底に取り残されて誰からも忘れ去られることなく」

石田「確かにお前たちはそのために生まれてきたんだ」

石田「けれども、最後に求めてきたものとは“これ”なんだ。それを夢見て勇ましく荒海へと漕ぎ出し――――――」

石田「よくやったな、お前たち。よく頑張ったな」

W:ヲ級「ヲヲヲ!」ニッコリ

W:レ級「!」テレテレ

W:ヨ級「…………!」モジモジ

石田「よしよし、いい子だ」


ポツポツ・・・・・・


石田「ん? ――――――雨か」

石田「そうだったな。今日は積乱雲が発達していて雷が落ちてくる」

石田「明日は晴れるようだが、今夜は激しくなりそうだ」

石田「よし、早めに帰るとしようか」

W:ヲ級「ヲヲ!」

石田「ああ」ニッコリ


                    ポンツーン
――――――とある航空母艦の浮き桟橋にて、


清原「わざわざ出迎えていただき、ありがとうございました」

士官「いえいえ、こちらこそ兼愛交利の清原提督にお越しいただけて光栄です」

清原「出撃することはほとんど叶わないでしょうが、人間を救うのはやはり人間しかいないです」

清原「どうかこれからも務めを果たして行って欲しい」

士官「ありがたきお言葉!」

清原「さて、――――――満足したか?」

X:長門β「ああ。戦後の軍艦とはこのようなものなのだな。人の身体を得てこうして直に見て回ることができて良かったぞ」

あまぎ「でも、なかなかに面白いものよね、――――――この航空母艦の名前」

X:長門β「そうだな。まさか彼女が選ばれるとはな」

清原「“事故の産物”――――――いや、元々 改装計画はあったんだ。おかしくはないだろう」

あまぎ「ところで、提督、長門?」

清原「ん? どうした?」

あまぎ「私たちが今 立っている場所が何なのかわかりますか?」

X:長門β「何だ藪から棒に?」

清原「――――――浮き桟橋だろう?」


あまぎ「正解は、――――――『私』です」


あまぎ「驚きました?」ニコッ

清原「え」

X:長門β「なにっ!?」

あまぎ「【この世界】の『私』はあの大震災の時に身を捧げました」

あまぎ「皇国の神は『私』の献身をお認めになって、100分の1にもなりませんが『私』を存在させてくださったのです」

清原「妙に大きい浮き桟橋だと思っていたが、――――――これが?」

X:長門β「こういう形でしぶとく現代まで生き続けているというのか。――――――つくづく食えないやつだよ、お前は」

X:長門β「やはり、どこの世界でもただでは死なないのだな」フフッ

あまぎ「さながら、星座になった気分ですね」ニッコリ


清原「…………『星座』か」

清原「確かに星座というのはギリシャ神話において神々の王に認められた存在が天に召された結果だったな」

清原「その多くが己の忠を尽くして壮絶な最期を遂げたものであり、しっかりとした講話にできれば美談として十分に語り継がれるものだな」

あまぎ「そうです。いつの世も人間として大切なものは不変不滅であり、永遠に語り継がれるものなのです」

あまぎ「なぜなら、人間はその神々の系譜を受け継ぐ唯一の子孫なのですから」

あまぎ「艦娘も同じです。人間と同じ姿をしているということは神様がお認めになったことなのです」

あまぎ「その証拠に、私は大神たちのご意思に感応して【この世界】に来ることができたのですから」

清原「………………そ、そうか」

X:長門β「昔から「天城」が言うことはどこまで信じていいのかわからないことだらけだったが、いつも妙な説得力が在り続ける」

あまぎ「あ、――――――今、聞こえました。『私』から私へ?」

清原「?」


あまぎ「――――――提督、来年は必ず荒れます」


清原「…………!」

あまぎ「それと同時に、大躍進の時でもあるようです」

あまぎ「来年が正念場です。【艦隊これくしょん】がアニメ化やゲーム化によって一気に世間の認知度やプレイ人口が増えますが、」メメタア

あまぎ「それで1つのピークを迎えてしまう可能性が大きいです」

あまぎ「果たして、【艦隊これくしょん】が大和改二を実装して5スロット目の開放するまで存続できるか――――――、」メメタア

あまぎ「数々の長寿オンラインゲームと肩を並べてこれからもやっていけるか――――――、」メメタア

あまぎ「あるいは【艦隊これくしょん】を原点とする新たに生まれ来る数々の擬人化ゲームに追い越されずにいられるか――――――、」メメタア

あまぎ「少なくともメディアミックス戦略で2年は大丈夫のようですが、閉塞感に満ちていくに連れて提督離れは進んでいくことでしょう」メメタア

あまぎ「これを回避するためには――――――」


清原「発展性と拡がりを見せ続けなければダメというわけだな。――――――『精進努力を絶やさず』だな」


あまぎ「はい。この世は弱肉強食であり、諸行無常でもあります。すぐに移ろいゆくものなのです」

あまぎ「それが神様がお定めになった大自然の厳しい掟でもあり、望みでもありますから、――――――留まることは許されません」

あまぎ「いえ、もし人間が天意に背いて留まることができたのなら、現在のような高度な文明が築かれることは決してなかったのです」

あまぎ「創意工夫と発展の努力による文化の足跡こそが人が人たる所以――――――神様の叡智を受け継ぐ天孫の証なのです」

清原「…………出来る限りのことを尽くそう」

あまぎ「はい。そうしてください。皇国の大神は見ておられます」

X:長門β「…………“あまぎ”」

X:長門β「そうだな。それが私が【この世界】で人間の身体を与えられた意味なのだからな」


清原「よし、では行くぞ! これからが厳しい戦いとなってくるぞ!」

清原「我々は【未来】も救わなくてはならないし、当然【この世界】のことも救わなくてはならない」

清原「だが、そのために必要なことは何一つ見えてこない――――――それでも勝利を信じて進むしかないんだ!」

X:長門β「たとえそうだとしても――――――、」

X:長門β「皇国のため、平和のため、みなのために戦う使命を持って生まれた我々は恐れず提督と共に戦おう!」

あまぎ「皇国の神はいつも我々のことをご覧になっております」

あまぎ「神々の叡智を受け継ぐ万物の霊長としての誇りを胸に!」

清原「いで軍艦に乗組みて 我は護らん 海の国」



――――――我々の戦いは始まったばかりなんだ!



――――――第8話 12月23日 -三笠公園にて- 完  

      Next:番外編 2014年から2015年へ に続く!





各話リスト:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】

第1話 ユウジョウカッコカリ
第2話 お守り
第3話 御旗と共に
第4話 愛の力
 ↓
第5話 艦娘、派遣します
 ↓
第6話X 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
第6話Y 提督、出撃す      -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫-

第6話Z 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-
第6話W 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために-
 ↓

第7話X 孤高のビッグ3         -もう1つの“もう1つの世界”-
第7話Y 一大反攻作戦第一号・序章 -離島要塞化計画-  
第7話Z 到来               -アドベント-
第7話W 鎮守府の守護神        -侵食される鎮守府-
 |
 ↓
第8話 12月23日    -三笠公園にて- ← 今回
 |
 ↓
第9話 海軍総隊を結成せよ! ← 次回
 :
 :
 ↓
第?話 大本営の野望  -艦娘 対 超艦娘-
 :
 :
 ↓
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-




――――――そして、もう1つ!


ザーザー! ザーザー! ザーザー!

ピュゥウウウウウウウウウウ! ピュゥウウウウウウウウウウ!

ゴロゴロ・・・、ピカァーーーーーン!



????「――――――グハッ!」ドタッ

????「………………ウウゥ」ヨロヨロ

????「………………こ、ここは? 甲板?」キョロキョロ

????「…………この感じ、そうか、ついに!」

????「ふ、ふふふふははははは!」

????「そうか、俺はついに【ここ】に――――――!」


――――――待たせたな、三笠。


????「駆逐してやる! この世から完全に! やつらを! 存在の欠片1つ残らないほどに!」

????「ふははははははは! やってやる、やってやるぞ! 俺はぁあああ!」



????「……クシュン」



????「うっうぅ」ブルッ

????「さ、さすがに雨に打たれ続けているのも身体に良くないか……」ブルブル

????「そもそもいつなんだ? まだ深海棲艦との大戦が終わってない頃なのは確かなはずだが……」

????「と、とりあえず、ここが三笠の上ってことで横須賀なんだから深夜でも営業しているところがあるはず…………そこで温まろう」

????「く、くっそぉ、こんなしょうもないところでへこたれてなるものか!」

????「ぶっ殺すんだ! 【俺たちの世界】を奪った連中を! のうのうと陸の上を我が物顔で生きやがった豚共を!」

????「お前らの行き着く先は暗い海の底なんて生温い! 血の池地獄に沈んでしまえ! はぁーはっはっはっはっは!」


ザーザーザー! タッタッタッタッタッタ・・・、ゴロゴロ・・・、バシャバシャバシャ・・・・・・ピカァーーーーーン!


――――――【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】 完

      Next:【艦これ】提督たち「海軍総隊を結成せよ!」【物語風プレゼンPart2】 に続く!













――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「突然の最終話宣言で驚かせて申し訳ない。しかも、あっさりと終わったな」

司令部「これは筆者の都合で投稿ペースが安定しない=長期間 投稿できない可能性が大=スレ落ちする可能性が大きくなったことと、」

司令部「それと、次の提案内容についてプレゼンターがまとめきれていないのが原因で、コンスタントでリアルタイムな投稿が難しくなったのだ」

司令部「なにせ次の提案内容はゲームシステムの根底を創りかえるレベルの規模なので、どうしても構想が巨大化して、どうまとめたものか――――――」

司令部「更に、物語上 4提督それぞれの物語を同時並行に描いているせいで、いよいよ現実時間と投稿内容の時差が膨らみすぎてきた」

司令部「話の流れも、2014年から2015年に向けた――――――新たな【艦これ】への展望と期待を膨らませた区切りのいい場面を迎えており、」

司令部「――――――そして、何より残りレスが >>845 で言った通りに後わずかなので! 無理に架空戦記を入れると内容が溢れちゃうので!」

司令部「なので、この第8話を持ちまして、この物語風プレゼンの第1期は終了となります!」


司令部「これまでご愛読していただき、まことにありがとうございました」


司令部「2015年も【艦これ】をよろしく!(とっくに、【公式アニメ】が半分終わってる頃なんだけど!)」

司令部「もちろん、定番オンラインゲームになるぐらいまでファンで居続けていいんですよ?(それに至るにはまだまだ足りないとは思っているが)」

司令部「だが、一番なのは『楽しくプレイすること』だから、――――――『初心 忘れるべからず』、これが末永い鎮守府ライフの秘訣なり」


司令部「ここからは残ったレスで、これまでのプレゼンターからの【艦これ】に対する提案内容のまとめと整理をさせていただきます」

司令部「レスアンカーを最大限に利用したまとめレスを作成して、次回作を投稿した時の内容の確認をスムーズにできるようにしてみますので、」

司令部「次回作が投稿された際はこのスレの最後を見れば、すぐに復習ができるようになっていることかと思います」



司令部「さて、次回作となる――――――、」

【艦これ】提督たち「海軍総隊を結成せよ!」【物語風プレゼンPart2】

司令部「これの中心となってくる内容についてなのだが――――――、」


    【未来戦線】【拠点防衛】【海外派遣】【海軍総隊】


司令部「察しの良い読者ならば、この4つが主軸となっていくことが想像できることだろう(なお、いずれも仮称ですので好きに改称してどうぞ)」

司令部「そして、次回作のタイトルに【海軍総隊】と言う用語が――――――」

司令部「更に、過去に何度もプレゼンの中で『今の【艦これ】に足りない要素』を挙げているのを振り返れば、」

司令部「それぞれがどういう内容になってくるのかは見えてくるものだと確信している」

司令部「伏線とすべきものを筆者は物語の中に全て配置できた(ただし、後述の第8話から続く別スレの番外編にもそれを入れているので注意)」

司令部「あとは、プレゼンターが提案内容を吟味して、物語風プレゼンとして矛盾がなく 恥ずかしくない 堂々としたものにするだけである」

司令部「まとめるのに何ヶ月掛かるのか――――――あるいは『投稿する前に公式で実装されてしまうのか』などいろいろと心配事はありますが、」

司令部「今は期間を設けて【艦これ】の動静を見守りつつ、2015年の【艦これ】でも足りないと思ったものを提案するのみである」

司令部「果たして、どれだけの要素が被ってしまうのか、それを確かめるのもまあちょっとした楽しみでもある」

司令部「特に、オリジナル艦娘は2016年までに出ないような人選にしているので、被ったら、被らなかったら……ちょっと嬉しい?」

司令部「なお、物語の時系列的に第8話の次にくる番外編は残りレスが絶対的に足りない都合から、別スレを設けてそこに投稿します」




ここから先の投稿内容の案内

スレ続行:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】で提案した内容のまとめ
→ 物語風プレゼンPart1の総まとめとなる提案内容の一覧となり、次回作である【物語風プレゼンPart2】での復習をスムーズにさせる構成にしておきます。
→ 物語は一切ありません。ただの投稿内容のまとめとなりますので、すでに内容が頭に入っている人はここで切り上げても結構です。


別スレ:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼンPart1.5】にて本スレで載せきれなかった内容を掲載
URL:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼンPart1.5】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424821231/)
→ 架空戦記としての内容を――――――つまりは、二次創作の読み物としての内容を追っていきたい人はどうぞお読みください。
→ 1つの二次創作として次回に向けた最後の伏線を張ったものがありますが、特に【艦これ】に対する提案は無いので興味がなければ無視して結構です。


・4提督に対する記述
その1 >>53-54   第2話 お守り より
その2 >>181    第5話 艦娘、派遣します より
その3 >>188    余談1 ある日の司令部の集い -βテスター親睦会- より
その4 >>470    余談2 4提督のそれぞれの戦いの形 より
その5 >>842-844 第7話終了時 より


第6話・第7話各章の提案内容のまとめ+α

項|  キーワード | 重要な【要請】追加要素 | 最強戦力 |   【提督】要素  | 【裏海域】 |  【艦隊特別枠】  |
  
X| 【異界艦】 |    【異界艦改造】    | 【異界艦】 |  【異界艦改造】  |【未来戦線】|    【超艦娘】    |

Y| 【特務艦】 | 【海上陸戦機動歩兵】  | 【トーチカ】 |  【突撃部隊】  |【拠点防衛】|【海上陸戦機動歩兵】|

Z| 【海外艦】 |     【レア応援】     | 【伝承艦】 |  (リアルラック)  |【海外派遣】|   【艦娘派遣】   |

W|【深海棲艦】 |【深海棲艦運用システム】|【海堡棲艦】|【深海棲艦の捕獲】|【海軍総隊】|【調教済み深海棲艦】|






1,順から見る【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】の提案内容
ただ単にズラズラと説明の部分だけをレスアンカーをつけただけ。提案の順番を確認するのに使うのに最適。
なお、登場人物などが述べている感想などが見たければ本文を読むのが早いと思います。

第1話 ユウジョウカッコカリ >>24-26
第2話 お守り >>50-52
第3話 御旗と共に >>87-88
第4話 愛の力 >>123
 ↓
第5話 艦娘、派遣します >>128-130 >>132
 ↓
余談1 ある日の司令部の集い -βテスター親睦会-
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第6話X 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
第6話Y 提督、出撃す      -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫-
第6話Z 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-
第6話W 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために-
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余談2 4提督のそれぞれの戦いの形 >>472-479
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第7話X 孤高のビッグ3         -もう1つの“もう1つの世界”- >>538-544
第7話Y 一大反攻作戦第一号・序章 -離島要塞化計画- >>592-601
第7話Z 到来               -アドベント- >>665-667 >>670-672
第7話W 鎮守府の守護神        -侵食される鎮守府- >>743-750
2014年 秋イベント:【発動! 渾作戦】戦記
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第8話 12月23日 -三笠公園にて- ← 今回:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】 完
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番外編:2014年から2015年へ ← 番外編:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼンPart1.5】 別スレにて投稿(提案内容は無し)
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第9話 海軍総隊を結成せよ! ← 次回:【艦これ】提督たち「海軍総隊を結成せよ!」【物語風プレゼンPart2】 に続く!

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第?話 大本営の野望  -艦娘 対 超艦娘-
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最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-




2,種類別に見る【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】の提案内容

・艦娘
今のところ、2016年まで出ないような人選をしているために投稿当時は全員未登場である。

【国産艦】
砕氷艦:大泊 >>308
標的艦:大浜 >>309
潜輸:伊319 >>310
給油艦:速吸 >>311 >>608
工作艦:朝日 >>312
揚陸艦:吉備津丸 >>313 >>323
水上機母艦:瑞穂 >>574-576
練習巡洋艦:鹿島 >>577-578  ←公式で練習巡洋艦:香取が登場。【練習巡洋艦】という艦種が公式とかぶった。
護衛空母:山汐丸 >>602-606
N:宇品丸
N:三笠

【海外艦】>>666-667
潜水艦:ルイージ・トレッリ >>252
戦艦:ドレッドノート >>270-271
戦艦:クレマンソー >>294
戦艦:インペロ >>639 >>673-700
重巡:バレアレス
軽巡:リベルタード

【異界艦】>>538-544
巡洋戦艦:天城α >>456 >>561-569
巡洋戦艦:赤城α >>457
戦艦:加賀α >>457
戦艦:土佐α >>457
戦艦:長門β >>544
正規空母:天城β
正規空母:赤城β
標的艦:加賀β → 正規空母:加賀β
標的艦:土佐β → 正規空母:土佐β
砕氷艦:恵山β

【伝承艦】>>665
戦艦:モンタナ
巡洋戦艦:インコパラブル >>673-700
装甲空母:ハバクク

【調教済み深海棲艦】>>743 >>748-749 >>835-841


※参戦してもらたい艦娘リスト >>630-631…………三代目天城は出た。そして、中破絵に仰天した。

【軍艦】と【駆逐艦】に関しては順々に出ているのだが、いつまで経ってもその他の2番艦が追加されない傾向にある。
葛城と信濃は登場確定だろうが、なぜに【潜水艦】の実装をここまで渋るのかが筆者には理解できない。でち公を使い倒すのがそんなに好きかあああああ!
それと【練習巡洋艦】の旗艦効果もイマイチなのに【潜水母艦】が能力無しとはこれいかに? 【潜水母艦】とはただのレアキャラなのでしょうか?




・装備品
【お守り】>>50-52
【下賜品】>>87-88
【慰労品】>>123

【異界装備】>>387

【艦載艇装備】>>479
 |
 |――【海上陸戦機動歩兵用装備】>>595-598
 |   -【海上陸戦機動歩兵 支援艇】>>329
  ――【深海棲艦捕獲装備】>>746-747
      -【お供え物】>>745

【トーチカ】>>599-601



・インターフェース
イ、新インターフェース1:【要請】>>128
 |
 |―【演習システム】と共用しているもの
 |      |      
 |      |――【演習】……修正について >>132 (インターフェース:【出撃】からも選択可能)
 |      |
 |      |――【艦娘派遣】>>129-130 >>132
 |      |
 |      |――【友軍艦隊駐留】>>129-130 >>132
 |      |
 |      |――【戦術指南】>>195
 |
 |
 |―【開発投資/投資クエスト】>>472 (インターフェース:【任務/クエスト】とは全く異なる)
 |    | 以下は、【開発投資】して解禁される要素
 |    |
 |    |――【秘密工廠】>>472 (インターフェース:【工廠】とは全く異なる)
 |    |      |
 |    |      |――【提督出撃システム】 -基本編- >>474-479
 |    |      |
 |    |      |――【提督出撃システム】 -男の浪漫編- >>592-601
 |    |      |
 |    |      |――【提督出撃システム】 -深海棲艦捕獲編- >>744-747
 |    |      |
 |    |      |――【深海棲艦運用システム】 -基本編- >>743-750
 |    |      |
 |    |      |――【異界艦改造】∈【異界艦運用システム】>>538-544
 |
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 |―【編成】……【艦隊特別枠】を共用しているもの(インターフェース:【編成】とは全く異なる)
 |   |
 |   |――【艦娘派遣】>>129-130 >>132
 |   |
 |   |――【友軍艦隊駐留】>>129-130 >>132
 |   |
 |   |――【提督出撃システム】……【艦載艇】全般>>474-479 >>592-601 >>744-747
 |   |
 |   |――【深海棲艦運用システム】 -基本編- ……【調教済み深海棲艦】>>743 >>748-750
 |  
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 |―【応援要請】>>472 >>670-672


ロ、新インターフェース2:【提督】>>195
以下は、【提督】のステータスを利用するもの
【戦術指南】>>195
【提督出撃システム】 -基本編- >>474-479
【提督出撃システム】 -男の浪漫編- >>592-601
【提督出撃システム】 -深海棲艦捕獲編- >>744-747
【異界艦改造】∈【異界艦運用システム】>>538-544





・新システム
【ユウジョウカッコカリ】>>24-26
【海外艦】>>666-667
【伝承艦】>>665
【異界艦】>>538-540 >>542-544

【トーチカ】装備>>599-601
【旗艦消失】状態>>76 >>96
【肉薄】状態>>476 >>744

【艦娘派遣】>>129-130 >>132
【友軍艦隊駐留】>>129-130 >>132
【戦術指南】>>195
【応援要請】>>472 >>670-672
【開発投資】>>472
【秘密工廠】>>472
-【提督出撃システム】 -基本編- >>474-479
-【提督出撃システム】 -男の浪漫編- >>592-601
-【提督出撃システム】 -深海棲艦捕獲編- >>744-747
-【深海棲艦運用システム】 -基本編- >>743 >>748-750
-【異界艦運用システム】>>538-544




A,提案内容をわかりやすくまとめるとこうなる -特に難解であろうものをピックアップ-

イ、【異界艦運用システム】>>538-544

【異界艦】の背景:>>538 >>542 3つの特異点>>455 >>543 >>544
【異界艦】の入手:>>539-540
【異界艦改造】:>>541


ロ、【提督出撃システム】>>474-479 >>592-601 >>744-747

【提督出撃】の基本 >>474-475
【提督出撃】の戦闘 >>476-477
-基本編-――――→【前線補給】>>479
-男の浪漫編-――→【海上陸戦機動歩兵】>>593 【支援艇】>>329
-深海棲艦捕獲編-→【深海棲艦捕獲】>>744

【艦載艇】の基本>>474-475
【艦載艇】のランクアップ>>594
1と2の普通の【艦載艇】>>478
3の普通じゃない【艦載艇】と【艦載艇装備】>>595-598
3とも異なる普通じゃない【艦載艇装備】>>746-747

【提督出撃システム】 -男の浪漫編- を極める→【トーチカ】獲得への【投資クエスト】が始まる>>599-601

【提督出撃システム】の総評>>750




B,現状で公式とかぶった要素

・【練習巡洋艦】という艦種  >>577-578
艦娘に関しては、公式が1番艦である香取を実装したのに対し、こちらは2番艦の井上成美の座乗艦であった鹿島を登場させた。
【特務艦】としての旗艦効果も見事に違っており、公式におけるそれにおいては【練習巡洋艦】が【演習】の場面でのみ艦娘を教育するという解釈であり、
こちらは【練習巡洋艦】が【母校】で艦娘を教育しつつ、【提督】の教育も担当するという設定で提案させてもらっている。
つまり、【提督】という概念がない公式とは見事に違ってくるのも当然のことであった。

・【試製51cm連装砲】>>387
いやいや、>>387で提案したのは【51cm三連装砲】だから厳密には被ってはいないのだが、
ネックになったのは装備可能艦の緩いんだかいいかげんなんだか今更のような指定条件である。

八八艦隊の戦艦(41cm砲装備艦)は改造すれば装備可能、大和型なら最初から装備可能、それ以外の戦艦は装備不可能という制約が実装されていたのだ。

【高速戦艦】は全てダメ、八八艦隊以前の【戦艦】の類もダメと言っている。
これは公式とプレゼンターとの間の解釈の差ではあるのだが、更にその上をいく【大口径主砲】を実装したらどうしたものかと考えてしまい、
面倒なのでここは、【異界艦】の【戦艦】【巡洋戦艦】は【改造】すればあらゆる【大口径主砲】の適性が得るとでもしよう。














――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「さて、これが今期 最後のプレゼン内容――――――というより、今期のプレゼン内容のまとめとなったことだろう」

司令部「確か、最初の投稿が8月だった(2014年 夏イベントの後)のを考えると、およそ半年に渡るプレゼンであったか」

司令部「本当は5話ぐらいで終わる予定が、実質的に2クール分にも話数に膨らんだものである。4提督にもずいぶんとキャラ付けがなされたものだなぁ」

司令部「そして、まさかレス数が足りなくなるぐらいまで投稿することになるとは筆者自身も思わなんだ」


司令部「いかがだっただろうか? 素人の浅知恵ながらこういった新しい遊び方や将来性に関する提案・意見を述べさせてもらった」

司令部「今の【艦これ】には『こういう要素が足りない』とか『あったらおもしろいだろう』といったプレゼンターの考えを物語風に仕立ててみた」

司令部「こういった手法は下村湖人の『論語物語』でもあることだし、」

司令部「ただ黙々と100レスにもならない提案を上げ連ねるのはこの二次創作掲示板ですることではないし、第一 おもしろくない」

司令部「あくまでも、これを見てくださっている読者が楽しく読めて、プレゼンター自身も筆者自身も楽しめる内容になるように努めてみた次第である」

司令部「【艦これ】のSSは本当に本サービスが始まって以来 爆発的な勢いでSS界隈を席巻し、題材もはっきりしていて非常に扱いやすい素材であった」

司令部「敵である深海棲艦も人気だし、ほとんどセリフだけで特に細かいプロフィールもないのに少ない素材から一般化した二次設定もわんさか!」

司令部「キャラそのものも、敵ですらも、二次設定もこれだけ人気になるとは、M78星雲からやってくる正義のヒーローと似たものを感じずにはいられない」

司令部「作り手である開発:角川ゲームスも本当に楽しんでやっているのがヒシヒシと伝わる未だかつてない魅惑のオンラインコンテンツである」

司令部「そんなわけで、そんな【艦これ】のいろんなSSをプレゼンター自身もたくさん見て回り、いろんな感想を持つにいたったのだが、」


司令部「なぜか『オリジナル艦娘が活躍する』とか『こういった設定を導入したらもっと楽しくなるだろう』といったものがなかったことが気になった」


司令部「言うなれば、現実の【艦これ】に還元できるような内容のSSがなく、二次創作のための二次創作しかないような印象であったのだ」

司令部「もちろん、二次創作なんだから何を書いたって別にいいし、かといって原作の世界観を自分の色で染め上げて破壊するのもよくないが、」

司令部「二次創作なんだからもっと楽しく自由に『こうなったらいいなぁ』という夢を語り合ってもいいんじゃないかと常々 思っていた」

司令部「最初に思ったのはそういうことであり、だからこそ最初に考えついた提案というのが【ユウジョウカッコカリ】であったのだ」

司令部「いいかげん、ジュウコンカッコカリの問題でいざこざが起こってシュラバヤ海域 突撃なんていうのもSSでは見飽きた展開である」

司令部「逆を言えば、それを題材にするほど誰もが良い意味でも悪い意味でも強い関心を持っていることに他ならず、」

司令部「健全で何の問題のないシステムであったのなら、ここまでジュウコンカッコカリの問題をメインに据えたSSなんて生まれるはずがない」

司令部「つまり、ジュウコンカッコカリの恩恵を享受している人間はもちろんいるが、」

司令部「一般的にはジュウコンカッコカリを問題として捉えている人間が数多く存在していることの裏返しとも見れたのだ」

司令部「だから、そのアンチテーゼ――――――あるいは解決策として【ユウジョウカッコカリ】を提案したのである」


司令部「もちろん、プレゼンターはゲーム開発とは縁のない素人ではあるが、」

司令部「それでも、一人のユーザーやシステム周りに関心がある人間として、」

司令部「出来る限り 現実の【艦これ】に密着した具体的な設定を考えて青写真にして夢を語ったつもりである」

司令部「もしも、プレゼンターの提案よりももっともっと素晴らしい提案や構想を練っている人がいるのであれば、」

司令部「それはぜひとも何らかの形でよりよく表現して語っていって欲しいものである」

司令部「筆者は自分も楽しめてわかりやすい提案の形を求めて物語風プレゼンという体裁をとったに過ぎない」

司令部「これは筆者自身の挑戦でもあり、『こういう形のSSもやろうと思えばできるんじゃないか』ということを実践してみた雛形作りでもある」

司令部「こういった“現実のコンテンツ”に即した提案内容を物語形式にして著すというやり方ができるのは二次創作の世界だけであるはず――――――」

司令部「わざわざ素人の提案内容を本にして出すのも大仰で馬鹿馬鹿しいし、提案内容に好きに付加価値をつけて不特定多数に見てもらえるのも、」

司令部「やはり、SSという形式だからこそ気兼ねなくできることだと筆者は確信しているのだ。恐れず挑戦していって欲しい」

司令部「そんなわけで、半年前に始めてみた【物語風プレゼン】の第1弾はこれにて完結とさせていただきます」



――――――重ね重ね、ご清聴ありがとうございました。ご意見・感想ありましたら気兼ねなくどうぞお願いいたします。



司令部「くれぐれも、どうして自分が【艦これ】というものにふれることになったのかを忘れずに」

司令部「筆者もプレゼンターも『楽しいから』こういった二次創作をしているのだから、ハゲる思いをしてまでわざわざプレイする必要もないはずである」

司令部「楽しみ方は人それぞれではあるが、それだけに楽しめなくするやり方を知らず知らずのうちにしてしまうのは一番の災難であると思う」

司令部「もし【艦これ】をやっていて嫌なことがあって立ち行かなくなった時は、どうか、せめて――――――、」

司令部「鎮守府に着任した時の興奮や期待、最初に【戦艦】を手に入れた時の感動や【正規空母】に資源を貪り尽くされた驚愕など思い出してみてください」

司令部「過去は現在に至るための積み重ねと結果でしかないものの、その根源にある原点を見失った者は何をやってもどこかズレているはずである」

司令部「――――――『初心忘れるべからず』」

司令部「偉そうに言わせてもらえば、この警句さえ覚えていてさえくださればこちらとしては幸いです」

司令部「それでは、またこうして(一方的だろうけど)語らえる日がありますよう――――――それまで息災でありますように」



――――――【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】 完

      Next:【艦これ】提督たち「海軍総隊を結成せよ!」【物語風プレゼンPart2】 に続く!


  ※物語風プレゼンとは関係ないけどもうちょっとだけ物語の続きが見たいという人へ

    別スレ:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼンPart1.5】
    URL:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼンPart1.5】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424821231/)





おまけ1 2014年【艦これ】のメンテナンスの沿革 -システム面-  …………この物語風プレゼンの提案の背景として参考までに


01/08:「大型艦建造」からの直接アイテム屋さん導線の排除

01/15:「重巡洋艦」「航空巡洋艦」の火力上方微修正

01/29:【伊8】が建造可能に

02/14:【ケッコンカッコカリ】システム実装
・【艦娘からのチョコ】お贈りします。

02/26:最新海域【#5-4】実装!

03/14:海外艦【新艦娘】実装!
・Extra Operation実装 1-5 & 5-5
・期間限定購入アイテム【艦娘へのクッキー】

03/28:【資材】の「蓄積限界値」について
→【資源】の最大蓄積限界値が【300,000】に設定
→【特殊資材】の最大蓄積上限値は【3,000】に設定

04/09:一部深海棲艦への【偵察機】配備
→ 戦艦ル級(Flag) / 戦艦タ級(Flag):副砲除去 → 偵察機配備
→ 戦艦タ級 / 重巡リ級(Elite) / 重巡リ級(Flag):偵察機配備

04/23:搭載索敵機による【弾着修正射撃】の実装
・「旗艦」大破してもダメコンでカバーの追加実装
・新艦種:工作艦「明石」の特殊機能「泊地修理」について
・海域攻略における【勲章】授与について
・艦隊の【索敵兵装】について
・索敵機による【触接】について

05/23:【新海域(拡張作戦)】の実装 2-5

06/06:UIの強化【遠征帰還(中止)命令】機能の実装
・潜水母艦「大鯨」が実装


07/04:大和型戦艦二番艦【武蔵】が建造可能に
・【夜間触接】の実装

07/18:【友達招待】機能の廃止
・「母港」画面上部に、現在の【艦娘保有数】及び【高速修復材保有数】を表示する仕様を追加実装

07/28:【戦艦主砲】の装備補正の付加 ……フィット補正

08/08:新システム【連合艦隊】【護衛退避】【多方面作戦】の実装
・?大淀型軽巡洋艦「大淀」実装

09/12:北方方面【新海域】の実装

09/26:新海域【中部海域】の実装
・「伊401」建造可能に
・新給糧艦「伊良湖」システムの実装
・「Bismarck」のさらなる改装実装 ……改三

10/10:【装備ロック機能】の新実装

10/24:新システム「改修工廠」の追加実装

11/14:【対空カットイン】実装

12/12:Xmas期間限定!「プレゼント箱」をゲット可能に! ……アイテムの出撃ドロップの実装


おまけ2 2014年【艦これ】のメンテナンスの沿革 -キャラクター面-


01/15:「艦これ」カラオケ楽曲配信開始を記念して、軽巡「那珂」のさらなる【改装】が可能に!

01/29:睦月型駆逐艦【弥生】及び【卯月】が新たに実装

02/26:軽巡【神通】のさらなる【改装】が実装

03/14:海外艦【新艦娘】実装! 独駆逐艦Z1:レーベレヒト・マース、独駆逐艦Z3:マックス・シュルツ、独ビスマルク級戦艦一番艦:ビスマルクの実装

03/28:陽炎型駆逐艦13番艦「浜風」が実装
・戦艦「霧島」、独Z型駆逐艦「Z1」及び「Z3」のさらなる【改装】の実装

04/23:駆逐艦「天津風」、駆逐艦「谷風」、工作艦「明石」、軽巡洋艦「酒匂」の実装
・新改装艦】として航空巡洋艦「利根改二」、航空巡洋艦「筑摩改二」、戦艦「Bismarck zwei」が新規実装

05/23:【新艦娘】駆逐艦「浦風」
・重巡「羽黒」及び軽空母「龍驤」のさらなる【改装】の実装

06/06:潜水母艦「大鯨」が実装
・正規空母「飛龍」のさらなる【改装】の実装

06/20:軽巡洋艦「川内」、特型駆逐艦「綾波」のさらなる【改装】の実装


07/04:重巡洋艦「妙高」の【改装】実装

07/18:正規空母「蒼龍」の【改装】実装

07/28:高速戦艦「榛名」のさらなる【改装】の実装

08/08:白露型駆逐艦「春雨」、大淀型軽巡洋艦「大淀」、陽炎型駆逐艦「時津風」、夕雲型駆逐艦「早霜」「清霜」、雲龍型航空母艦「雲龍」、陽炎型駆逐艦「磯風」が実装

08/29:軽空母「隼鷹」のさらなる改装の実装

09/26:「Bismarck」のさらなる改装実装
・新給糧艦「伊良湖」システムの実装

10/10:駆逐艦「初春」改二改装の実装

10/24:戦艦「扶桑」改二改装の実装
・工作艦「明石」をお持ちでない提督の皆さんへ →今秋期間限定ドロップキャンペーン

11/14:防空駆逐艦「秋月」、重巡洋艦「Prinz Eugen」、駆逐艦「朝雲」、駆逐艦「野分」が新実装
・駆逐艦「潮」改二改装の実装
・給糧艦「間宮」「伊良湖」ボイス実装

11/20:扶桑型戦艦二番艦「山城」のさらなる改装(改二改装)

12/01:重巡洋艦「古鷹」改二改装の実装

12/12:Xmas限定「那珂」「那珂改二」「龍驤」「龍驤改二」「時雨改二」「漣」グラフィックの実装
・Xmas艤装の給糧艦「間宮」「伊良湖」が期間限定で実装
・北方海域深部に棲息する「北方棲姫」のXmas限定バージョンが実装

12/26:年末年始限定「曙」グラフィック実装
・【新艦娘】朝潮型駆逐艦「山雲」が新規実装
・重巡洋艦「足柄」改二改装の実装




まさしく、【艦これ】のサービスが開始されて2年目となる2014年は大躍進であった。
【重巡】もかつての汚名を雪いで一級戦力として定着し、全体的に見ると初期の頃では劣化や下位互換と言われた艦娘の改二の実装が優先されているようだ。
戦闘システムも【昼戦特殊攻撃】や【対空カットイン】のおかげで難易度が下がった上に役割が増え、今まで使われてこなかった艦娘の出番も増えてきた。
また、他の擬人化ゲームの影響か、イベント限定ボイスやグラフィックも大幅に増えていっており、ますますキャラゲーとして磨きがかかっている。
もっとも、イベント限定グラフィックをUIではなくキャラに用意しているのは【艦これ】ぐらいなものであり、なかなかに良い仕事してくれますねぇ。

しかしながら、相変わらず【新規獲得自動ロック】機能がないために、せっかく手に入れた新入りをエサにしてしまう自業自得というかうっかり被害が未だに健在。
また、【潜水艦】が史実に反して圧倒的に少ないし、未だに建造落ちしていないイベント限定艦娘も多いために、
公式がこれから増えていく艦娘たちをどう捌いていくのか、おっかなびっくりでお待ちしましょう――――――。


――――――第2次【アルペジオコラボ】となるのか? ………………無理か。もう映画の公開期間も終わりだし。


引用元:艦隊これくしょん -艦これ- 攻略 Wiki
http://wikiwiki.jp/kancolle/?%BE%F0%CA%F3%C1%D2%B8%CB

事前登録特典……軽巡:大井

ってところまで、しっかりと記録されているので昔を思い出すのならメンテナンスの沿革を振り返ると楽しいかも。



このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月22日 (月) 16:57:57   ID: T0QzcUIP

オリジナル要素とキャラが多すぎて稀に見るつまらなさ

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