【艦これ】提督「頼む、婚約者になってくれ!」 (714)
妖精さん「提督さーん」
提督「うん?」
妖精さん「提督さんに命令書が届いてるのぜ」
―― 貴官ラハ大規模作戦デノ功績少ナカラズ。 ――
―― ツイテハ貴官ニ一週間ノ休暇ト帰省用ノ車券(往復券二枚)ヲ与エル。 ――
―― 二枚ハ貴官ノ家カラノ要請デアル。同行者一名アリトノ旨。 ――
―― 尚コノ休暇ハ貴官ノ家ニモ通達済ミデアル。存分ニ休養サレタシ。 ――
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407328098
※艦これ
※艦娘名安価あり
※各安価別鎮守府と解釈したい
※安価スレは初めてにつきゆっくりお付き合いたく候
※もうすぐイベントだけど、時間軸的にはそのあとくらいの方向
■ひとりめ
提督「ああ、ありがとう。しかし、大規模作戦が終わった直後にか? 参謀部も忙しいな……」
妖精さん「大事なことのぜ」
提督「ああ、読む読む。……うん……えっ……はぁッ!?」
妖精さん「すたこらさっさのぜ」
提督(……不味いことになった)
妖精さん「魚雷作ったのぜ」
提督(大規模作戦は激戦だった。だが、働きすぎといわれるほど働いた結果、なんとか無事に乗り切れた。それはいい)
妖精さん「主砲作ったのぜ」
提督(とはいえ損耗激しく、艦娘たちの艤装も相当疲弊している。暫く実戦は難しい。まあ、仕方ない)
妖精さん「失敗したのぜ」
提督(そこで参謀部は、恐らく慰労のつもりだろう、俺に一週間の強制休暇を与えてきた)
妖精さん「那珂ちゃん……解体するのぜ?」
提督(しかもご丁寧に帰省用の汽車の券までつけて、だ。しかも、家にはもう知らせてあるらしい)
提督「しない」
提督(となれば、帰らないわけには行かない……んだが、問題は)
妖精さん「おう」
提督「どうせ暫く帰らないからって、今度帰る時は婚約者を連れてくってちょっと前の手紙に書いちゃったんだよなぁ~ッ!!」
妖精さん「のぜっ!?」
提督「もちろん俺には婚約者どころか恋人もいない。……いて欲しかった……」
妖精さん「言えばいつでもなってくれそうな娘はたくさんいるのぜ」
提督「うん? 何か言ったか?」
妖精さん「気のせいのぜ」
提督「ん、そうか。まあ相手の都合が悪かった、で乗り切れる気もするんだが、次の休暇なんていつかわからんしなぁ」
妖精さん「大変のぜ?」
提督「ああ、両親も安心させたいしな。……仕方ない。こうなったら方法はひとつしかない、か」
妖精さん「独り言が多い提督さんのぜ」
提督「日がな一日執務室にいればそうもなる」
妖精さん「そういうもんのぜ。それで、方法のぜ?」
提督「……ああ。どうせ俺がいない間は鎮守府も動かないんだ、艦娘に恋人役を頼もう……」
妖精さん「……お奨めははしない、のぜ」
提督「まあなあ、彼女らも俺なんかの恋人役は気がすすまんだろうが……」
妖精さん(鈍感のぜ……)
提督「上官命令ということで諦めてもらおう。擬装用にケッコンカッコカリ指輪も用意しておかないとな」
妖精さん(嵐の予感のぜ!)
提督「問題は誰に頼むか、だけどなあ……」
妖精さん「本気のぜ?」
提督「ああ。こんなこと秘書艦くらいにしか頼めないな、と思ってさっき呼び出しといた」
妖精さん「どうなっても知らんのぜ……」
コン、コン
提督「おっと、言ってる傍から来たか。わざわざすまんな、入ってくれ」
誰かいますかね?
今夜か明日には投下したいところ
偽装恋人艦娘安価
>>+2
Wktk
安価なら曙ちゃん
1です。
曙ちゃん了解なので暫しお待ちくだされ……!
導入部分だけ投下。あとは明日以降でオナシャス!
曙「来たわよ、クソ提督! 何? 何か用?」
提督「あー……そうだ、俺の秘書艦って曙だったんだよな……」
妖精さん「いろんな意味で拙いのぜ」
提督「俺もそんな気がしてきた」
曙「ちょっと、呼び出しといてなんなのよ!」
提督「が、この際だ……っよし、覚悟完了! というわけで、だ、曙」
曙「な、なによ……」
提督「頼む。俺の、婚約者になってくれないか」
妖精さん「どうしてそこで決め顔なのぜ」
曙「!? バッ、バッカじゃないの!? クソなの!? 死ぬの!?」
提督「おう、新しい罵倒だなそれ……クソなの、って確認されてもそう呼んでんのはお前だけだよ」
妖精さん「ちゃんと説明した方がいいと思うのぜ」
提督「……おう、そうだったわ」
...
......
.........
提督「と、言うわけなんだが」
曙「はあ? あたしをそんな茶番に付き合わせようっての? クソ提督の面目躍如ね!」
妖精さん「褒めてるようで褒めてないのぜ」
提督「だよな、曙ならそう言うと思ったよ。すまんな、別の相手に頼んでみる」
妖精さん(なんでそこでもうひと押ししないのぜ!)
曙「……待ちなさいよ」
提督「おう」
曙「……よ」
提督「おう?」
曙「どうしてあたしなのよ」
提督「そりゃ決まってるだろ。曙が一番信用できるからだよ。責任感強いし、一度決めたらやってくれるからな」
曙「……ッ! い、一番、ね……あたしが……そう……」
提督「とは言え、流石に無理強いはできないしな。曙がダメとなると、天龍あたりに……」
曙「し、仕方ないわね」
提督「……うん? どうした?」
曙「やってあげてもいいって言ってるのよ、このクソ提督!」
提督「どういう心境の変化だ……いや、曙にやってもらえるならそれ以上のことはないが」
曙「いいから! で、出発はいつなわけ?」
提督「ああ、明日の朝一の汽車だな。すまんが、よろしく頼む……ところで」
曙「何よ」
提督「クソ提督、はなんとかしてくれないか。仮にも婚約者の呼び方じゃないだろ」
曙「……そ、そうね」
提督「艦娘であることは言うつもりだから、提督、とかでいいんだが……」
曙「御両親の前で言わなければいいんでしょ。考えておくわよ」
提督「ん、頼む。悪いな。帰ってきたら間宮のアイスでも御馳走する」
曙「ふんっ。別に、お礼が欲しくてやるんじゃないわ。こう言うのも秘書艦の仕事だからよ」
提督「……いや、別に仕事では」
曙「し・ご・と・だ・か・ら・よ」
提督「……お、おう、よろしく頼む……」
...
......
.........
曙「……しっかし、なんにもないところね」
提督「まあ、な。とは言えこっちは深海棲艦も出ないからな。時間と平穏だけはたっぷりある」
曙「そんなとこで育ったあんたみたいのが、なんでまた軍に入ったわけ?」
提督「なんでだろうな。俺も不思議なんだが……まあ、でも後悔はしてないよ」
曙「……いつ死ぬかもわかんないじゃない」
提督「それもなんでだろうなあ。でも、曙たちがいるからな」
曙「何よそれ」
提督「さあなあ。それなりに幸せ、ってことかもな……お、見えたぞ、あれが家だ」
曙「……玄関の前に、やたら人がいるんだけど……」
提督「……。出迎え、かな」
曙「だとしたら暇人だらけね。流石クソ提督のご家族だわ」
提督「田舎は娯楽も少ないからな」
曙「はあ? 娯楽扱いとか冗談じゃないわ」
提督「そう言わずに付き合ってくれ……数日だけだから、な」
曙「仕方ないわね。あたしに十分感謝しなさいよ」
提督「そりゃもう、な……たっだいまー!!」
曙「い、いきなり大声出さないでよ……!」
明日へ続く、だけでもなんなので提督の実家でなんかイベント。
>>+2
混浴
投下します。
...
......
.........
おう、よー帰ったな!
坊主が少将かー、出世したもんだのー。
そっちがええなづけって子かの?
爺さん、許婚だよ。
まーたちっこい子を連れてきたもんだな!
少将さまともなると嫁もちっこくてもええんだなー。
まだ嫁じゃねーべよ。
ほれほれ皆の衆。父さんと母さんが待ってるでよ、はよ家に入れてやらんかよ。
それもそっだな。
んだな。
暫くいるんだべ? また来るでな。
ええなづけさんにウチの野菜食わせてやっぺよ。
爺さん、許婚だよ。
.........
......
...
曙「……すごい、歓迎ぶり、だったわね、クソ、提督……」
提督「……だな。なんでだ……?」
父「ふ。この村で将官は初めてだからな。みな嬉しいのだろう。己も鼻が高い」
曙「ッ!?」
提督「……そ、か。ただいま、親父。外出てたのか?」
父「ああ、買い物に行っていた。よく帰ったな。……そちらが?」
提督「あ、うん。婚約者の……」
曙「曙です。よろしくおねがいします、お義父様」
提督「ッ!?」
父「……ふ。馬鹿息子には勿体無い娘さんを見つけたようだな」
提督「え、いや、曙?」
曙「……どうかした、あなた?」
提督「いや、だってお前……って足、足踏んでッ……!?」
曙「ど・う・か・し・た?」
提督「い、いや、なんでもない」
父「どうした。母さんが待っている。入れ」
提督「あ、うん」
提督「ただいま、母さん」
母「おかえり。お父さんもお帰りなさい」
父「ああ、帰った」
母「その子が彼女さん?」
提督「ああ、「曙です。よろしくおねがいします、お義母様」……うん」
母「礼儀正しいいい子ねえ。少し……その、歳は離れてるみたいだけど」
提督「あー、曙は艦娘でさ。駆逐艦だから小さくは見えるけど……」
父「成程な。曙さん、こいつが上司で苦労されているだろうが、何卒よろしく頼む」
母「あら、艦娘さんじゃ仕方ないわね。そうすると、孫は戦いが終わるまでお預けかしら」
曙「ま、孫ッ!? あたしが、クソ提と……むぐっ!?」
父「……む」
提督「か、母さん、気が早い!」
曙「むぐむぐー!(口押さえんな、クソ提督!)」
母「あらあら、仲がいいのね。でも孫の話は早かったかしら?」
父「……いや、今でいい」
提督「え?」
曙「む?(え?)」
父「孫は戦いが終わってからでいいが、今その話をすることに意味はある」
提督「父さん?」
曙「むぐーむぐ?(お義父様?)」
父「戦いが終わってから、ということは、必ずそれまでは生き残る、と言うことだ」
提督「……あ」
父「それはお前だけではない。曙さんも必ず生き残らせる、と言うことだな」
提督「……ああ」
父「駆逐艦娘さんということは、護衛艦、被害担当艦ということになろう」
曙「ぷはっ! ……そ、そうなるわ……なり、ますね」
父「……。ならば、曙さんに戦いが終わるまで生き残ってもらうということは。お前がそれだけの指揮をする覚悟をすることだ」
提督「……ああ」
曙「……」
父「曙さん」
曙「は、はい」
父「不肖の息子ではあるが、よろしく頼む」
母「よろしくね?」
曙「……はい」
父「……おっと、済まんな。もういい時間だ。母さん、昼にしよう。素麺がいい」
母「はいはい。ふたりともそれでいい?」
提督「ああ」
曙「は、はい!」
>>44
...
......
.........
母「お風呂沸いたから入っちゃいなさい」
提督「ああ、曙を先に」
母「曙さんならもう入ったわよ?」
提督「うん? ならいいか……」
...
......
.........
提督「風呂、風呂っと。鎮守府の風呂もいいが、家の風呂も……」
ガラガラッ
曙「……ひゃうっ!?」
提督「……」
曙「……」
提督「……」
曙「……クソ提督、何か言い遺すことはある?」
提督「……やっぱ小さいな……じゃなくて、す、すまん! すぐ出て……って外から鍵閉まってる!?」
母『先に入ったとは言ったけど出たとは言ってないわよ~』
提督「母さんの仕業か! なんでこんなことを!」
母『婚約者なんだもの、ふたり水入らずの時間も必要よね~』
提督「だからって風呂場かよ!」
母『一時間後くらいにまた来るわ~♪』
提督「……」
曙「……」
提督「……すまんな。1時間は出られないらしい。俺は端にでも」
曙「……ぃぃゎょ」
提督「うん?」
曙「いいわよ。入んなさいよ。……その方が見えないだろうし」
提督「いい、のか?」
曙「裸で外にいて風邪なんかひかれたらたまんないわよ! 背中合わせならギリギリいけるでしょ!」
提督「……ああ」
ちゃぽーん
曙「……」
提督「……」
曙「……ねえ」
提督「うん?」
曙「こんなときしか聞けないと思うから、聞くけど。昼のあれ……本気、なの」
提督「昼の?」
曙「あんたのお父さんと話してたやつ。覚悟、って」
提督「ああ、あれか。本気だぞ。曙だけじゃない。俺は誰も沈めない……そのつもりだ」
曙「……だったら」
提督「……」
曙「だったら、あたしを外しなさいよ」
提督「……厭だ、って言ったら?」
曙「……ッ! あたし“曙”なのよ! 知ってるでしょ! 護れなかったの!」
提督「……」
曙「秘書艦も! 潮にでも任せたらいいじゃない! なのに!」
提督「だから、だよ」
曙「……何なのよ」
提督「お前が“曙”だから。だから、今度は護れるようにしよう、って頑張ってくれてる」
曙「……何、それ」
提督「俺をクソ提督なんて呼ぶのも、そうして自分が憎まれとけば、何かあったら自分のせいにできるから、って思ってるから」
曙「……ッ! そ、そんなんじゃないわ!」
提督「そんな頑張ってる子は、報われなきゃダメだ。だからさ、みんなを護って、曙も生きて、……俺も、生きて」
曙「……生きて?」
提督「そうしたら、お前が言うだろ。私に十分感謝しなさい、このクソ提督! って」
曙「……言う、かもしれない」
提督「俺だけじゃない、今度はきっと……みんなが、お前に感謝する。俺は、そんな日を目指してる」
曙「……」
提督「ま、そういうわけで、だ。いやでも付き合ってもらうからな」
曙「……この、クソ提督」
提督「おーう。クソ提督の下についたと思って諦めてくれ」
曙「……ブクブク(この、バカ)」
提督「って、何で沈んでるんだ!?」
曙「ブクブクブク!(あんたが恥ずかしいこと言うからよ、クソ提督!)」
曙「……ねえ」
提督「うん?」
曙「あんたは、戦いが終わったらどうするの」
提督「そうだな。こっち戻ってきて……学校の先生でもやるかなー」
曙「……その時、あたしはどうすればいいと思う?」
提督「好きにすればいいんじゃないか?」
曙「何それ」
提督「俺なんかの下につかなくてよくなるし、艦娘が急に不必要になるわけじゃなし。続けるなり、止めるなり」
曙「……バーカ。バーカバーカ!」
提督「え、今俺いいこと言わなかったか? バカって」
曙「クソ提督はクソ提督だったってことよ!」
提督「お、おう……」
母『そろそろ鍵開けとくわね~』
提督「……出るか」
曙「……そうね。あ、クソ提督はあたしがいいって言うまで目ぇ閉じてなさいよ!」
提督「はいはい」
...
......
.........
ガトンゴトン ガトンゴトン
曙「なんか、一週間あっという間だったわね」
提督「だなあ。……しかし、一週間ですっかり曙は俺の嫁になっちゃったなあ」
曙「はあっ!?」
提督「いや、そうじゃなくて! 家の連中がそう思ってる、って意味でな?」
曙「……ああ、そういうこと」
提督「戦い終わったら、曙連れて帰らないと親父に殺されそうだわ……ははは」
曙「別に、それなら大丈夫……やっぱり、大丈夫じゃないわ」
提督「じゃないのかよ」
曙「し、仕方ないわね! その時はまた一緒に行ってあげるわよ! 秘書艦の仕事だもの!」
提督「いや戦い終わったら秘書艦じゃないだろ」
曙「し・ご・と・だ・も・の!」
提督「……お、おう」
曙(あんたがいない時に教えてもらったけど、あんたの小細工なんて最初からバレてたのよ)
提督「さて、また忙しくなるな……」
曙(でも、ついてきたあたしを見て安心したって言ってた。あんたの本気も聞けた)
提督「……あ、忘れてた」
曙(だから、あたしもずっとあんたについてってあげる。十分感謝しなさい、クソ提督!)
提督「なあ、曙」
曙「何よ」
提督「ケッコンカッコカリ一式、お前に渡そうと思って持ってきてたんだ。どうせなら親の前で渡せばよかったな」
曙「……そ、そういうことは早く思い出しなさいよ!」
提督「ははは、悪い悪い。……受け取ってくれるか?」
曙「仕方ないわね。……ほら」
提督「うん? どうしたよ手なんか出して」
曙「~~っ! 気づきなさいよ! あんたがあたしの指に嵌めるのよ!」
提督「あ、そうか。えーと……これで、よし、と」
曙「ふんっ。受け取ってあげるわ。……ご両親に挨拶までしたんだから」
提督「ああ、悪かったな」
曙「仕方ないじゃない。だから、これからも。ずーっと、ずーっと」
――戦いが終わったその先も、よろしくね、クソ提督!
(ひとりめ 曙編 おしまい)
あっさりめですが何人か書きたいのでひとりひとりの分量はこのくらいでご勘弁ください。
>>9 さんのご希望の物が書けたかはわかりませんが。
ふたりめ相手艦娘、安価置いときますね。
>>+3
乙です
安価は白露で
駆逐艦、続くな……w
とりあえずまた導入部だけ投下して明日以降、ということでお願いいたします。
■ふたりめ
提督「おう。憲兵に見つからないようにな。ああ、ああ……おう、またな!」
妖精さん「どうした提督、電話なんぞして」
提督「うん? いや、ダチがケッコンカッコカリしたらしくてな。なんか帰省が縁、だとか」
妖精さん「ははあ」
提督「相手が駆逐艦ってのが……まあ付き合いは長くなりがちだしな、わからんじゃないが」
妖精さん「これのせいだろうな」
提督「うん? 命令書か?」
妖精さん「読むかよ」
提督「命令書なら読まないわけにいかんだろ。……げ、マジかよ……」
妖精さん「曹操の話をすると曹操が来る」
提督「俺んトコにも帰省命令書来てるし……俺も今度の休みには婚約者連れてくって手紙に書いてたわ……」
妖精さん「で、いるのか」
提督「……いねえ」
妖精さん「どうする」
提督「まあ、先達に倣うかよ。そうなあ、今日最初に俺んとこ来たヤツに頼むか。秘書艦だし、赤城あたりが来るだろ」
妖精さん「慢心、環境の違い」
バーン!
白露「ていとくぅー! 今日も白露がいっちばーんに来たよぉー!」
提督「……」
妖精さん「……」
白露「……あれ? どーしたの?」
提督「おい、大丈夫だと思うか?」
妖精さん「男に二言はない」
提督「……仕っ方ねぇなあ! おい、白露」
白露「なになにー? 白露とお話したいの?」
提督「お前、今から俺の婚約者な」
白露「ふえっ!? え、え? 」
妖精さん「説明しろと言うのに」
提督「仕っ方ねぇなあ……」
...
......
.........
提督「てなワケでな、一度田舎に帰らなきゃならんのだが、婚約者を連れてくことになってんだ」
白露「なるほどぉー。でも、あたしでいいの?」
提督「白露が一番に来たからな。ま、一番バカが貧乏くじ引いたと思え」
白露「えへっ、そうは思えないかなー♪」
提督「うん? ……ま、いいけどな。出発は明日の朝だ。準備だけしとけよ」
妖精さん「幼女趣味と言われるぞ」
提督「こいつもこないだ改になったし、まあ女学生くらいには見えんだろ。俺も仲間内じゃ若い方だしな」
妖精さん「おまえがそう言うならそうなんだろう。おまえの中ではな」
提督「随分引っかかるな言い方だなオイ」
白露「えっへへー、いっちばーん♪」
提督「……ま、大丈夫だろ」
今日はここまでで願います。
前回と同じく、提督の故郷で起きるイベント安価置いてきますね。
>>+3 無茶なら安価下
イチローと会う
投下しますね。
メンテ終了までの時間つぶしにどうぞ。
...
......
.........
ガタンゴトン ガタンゴトン
白露「なんにもなくなってきたね?」
提督「ま、な。だが今日日、基地がないトコなんてそんなモンだ」
白露「鎮守府の周りはいつも人がいっぱいいるから、なんか変な感じ」
提督「今はな、どこも一番って訳には行かねえよ」
白露「ねー、ていとくぅ」
提督「ん?」
白露「それなら、深海棲艦との戦いが終わったら、どの街も一番に出来るかなぁ」
提督「……一番は一番なんだから、ひとつしかねぇだろ」
白露「そんなことないよ。例えば、白露は白露型の中で一番だけど、睦月ちゃんは睦月型で一番でしょ? 島風ちゃんは一番速いでしょ?」
提督「……まあ、そうか」
白露「そうそう。あたし、平和になったら、一番をたっくさん見たいんだー」
提督「……平和になったら、か。ま、頑張ろうぜ」
白露「うんっ!」
...
......
.........
提督「くぁ~、着いた着いた。久しぶりだな、ここも」
白露「ここが提督の故郷なの?」
提督「ああ、まあ……俺が一番好きな土地、だな」
白露「鎮守府より?」
提督「鎮守府はま、職場だからな。嫌いじゃないが、好きな土地、ってぇと違うな」
白露「そっか……じゃないよ、ダメだよ!」
提督「なにがよ」
白露「提督はみんなの一番なんだから、みんながいる場所も提督の一番じゃないとダメだよ!」
提督「……あん?」
白露「ダメだよぉ!」
提督「あー、なんだかわからんがわかったわかった。鎮守府も一番好きでいい」
白露「うん、よくできました!」
提督「おまえの一番はよくわからんわ……」
白露「そういえば、提督のおうちの人はお迎えに来ないの?」
提督「ちょっとな。ま、歩いても一時間もかかるわけじゃない。悪いが付き合ってくれ」
白露「はぁーい! それなら、提督のおうちまで駆けっこする?」
提督「島風じゃねぇんだから。それに、艦娘と俺じゃ勝負になんねぇよ」
白露「それもそっか」
提督「ッたく、見た目は変わっても中身は変わんねぇな、お前は」
白露「なにしろ一番だからね! 一番です!」
提督「いや、意味わかんねぇし……一番と言えばよ」
白露「え?」
提督「お前、よく俺んトコ一番狙いで来るだろ。あれ、なんなんだ」
白露「それはねー、ふっふー、ひみつ!」
提督「……なんなん?」
...
......
.........
提督「ここだ」
白露「わあ、大きい……」
提督「古いだけだ。ちょっと待て、鍵出すからよ……」
ガラガラッ
祖父「お? おう。帰ったか」
提督「……ああ、いたのか爺ちゃん。ただいま」
祖父「おう、おかえり。そらな。去年仕事もやめたし、やる事もなくてなあ」
提督「なら暇つぶしくらいにはなるだろうよ。参謀部から来てたと思うが、暫く泊まってくぜ。で、こっちが」
祖父「その前に、両親に挨拶して来い。……紹介もな。ワシはちょいとタバコ買ってくる」
提督「……ああ、っつかまだ吸ってたのかよ。老い先短ぇんだからそろそろタバコやめろよジジイ」
祖父「ケッ、バカ孫に心配される程老いとらんわ。ほれ、はよ行ってこい」
提督「ったく。ほれ、行くぞ白露」
白露「はぁーい? お、お邪魔しまーす!」
提督「……」
白露「ねーねー、提督のご両親はどこにいるの?」
提督「ああ、ちょっと待ってろ。もうすぐ……ほれ、ここだ」
白露「……? 誰もいないよ?」
提督「あんだろうが、仏壇。線香……あるな、マッチも……ある」
白露「えっ」
提督「ほら、白露。お前も婚約者なんだから、線香あげてくれ」
白露「あ、えっと」
提督「ああ、言ってなかったか。俺がガキの頃、深海棲艦にな。ほれ、線香」
白露「……うん」
リーーーン......
提督「……ただいま、ふたりとも」
白露「……」
提督「俺は無事でやってる。それと、コイツが婚約者の白露」
白露「……お邪魔して、ます」
提督「ッし、終わり! なんか飲もうぜ」
白露「……ね、提督」
提督「おう?」
白露「提督が海軍に入ったのって、ご両親が、その……」
提督「……ふん」
白露「あう。て、提督?」
提督「昔のことだ。ほれ、行くぞ」
白露「あ、頭、撫でないでよぉー!」
...
......
.........
祖父「それじゃ、暫くいるのか」
提督「一週間は休まされることになっててな。車券が指定だから戻るに戻れん」
祖父「バカ孫はいいが、白露さんが暇そうだなあ」
白露「あ、大丈夫です! あたし、なんでも一番楽しめちゃいますから!」
提督「……お前の一番はホントわかんねぇな……?」
祖父「クックック、ちと若いが、バカ孫にはもったいない娘さんじゃないかよ」
提督「うっせ」
白露「えへへ」
祖父「白露さん、ジュースでいいかね」
白露「ジュース! 大好きです!」
提督「爺ちゃん、俺のチューハイは?」
祖父「買ってきとるわ。今飲むか?」
提督「や、もう少ししてからでいいわ」
白露「いっただっきまーす♪」
...
......
.........
白露「それでですね、あたしが一番なのに、時雨がどーんって!」
祖父「クックック、愉快な鎮守府みたいだな、おい」
提督「ま、退屈はしねぇよ」
プシュッ
提督「……うん?」
祖父「どうした?」
白露「ていとくぅー、聞いてるのー?」
提督「聞いてるよ! いや、なんか……味が……って、爺ちゃん」
祖父「あん?」
白露「ひくっ」
提督「これ、ジュースだぞ」
祖父「……あ? ワシは確かにジュースとチューハイを……あ」
白露「ていとくってばぁー!」
提督「なんだよさっきから。で、どうした爺ちゃん」
祖父「……てへっ。ワシ、白露さんにチューハイ渡しちゃった☆」
提督「……ジジイ……!」
白露「あ! ていとくきいてない! ていとくぅー、しらつゆとおはなししようよぉ!」
提督「あーあー、もう出来上がってんじゃねえかおい」
祖父「すまんすまん。ちと布団しいてくる」
白露「きいてよぉ! あのね、あたしがていとくのおへやにいちばんにいくのはね、ちゃんとりゆうがあるの!」
提督「くっつくな暑い! はいはい、なんだよ理由って」
白露「えへへぇ……なーんでしょー?」
提督「クッ、酔っ払いうぜぇ……なんだよ、なんか賭けでもしてんのか?」
白露「ぶっぶー、ちがいまーす」
提督「赤城と競争してるとか?」
白露「ちがいまぁーす! せいかいはぁー、しらつゆがぁー、ていとくのこと、いっちばんすきだから!」
提督「……おう?」
白露「だから、まいあさあたしがさいしょにていとくのかおをみるの! きまってるの! すきだから!」
提督「……まあ、おう」
白露「きいてますかぁー? ほらー、ちゅぅー」
提督「聞いてる聞いてる。聞いてるからホラ! やめ! やめ!」
祖父「おい、布団しけたぞ……って、どしたお前」
提督「いや、ちょっとな、告白された」
祖父「はあ?」
提督「いや、まあ……寝かせてくるわ」
祖父「おう」
>>89
...
......
.........
白露「いちばー……ん?」
リー リー リー
白露「あれ? 夜? 提督? おじいさん?」
白露「……寝てるのかな」
白露「……喉、渇いちゃった」
白露「台所、こっちだよね……うん?」
グビッ グビッ プハァッ
白露「だーれ? お酒飲んでるの?」
妖精さん「お? お嬢さんこそ誰だ?」
白露「あたし? 白露だよ! 白露型の一番艦!」
妖精さん「てことは……ほお、艦娘か。ワタシは横山。見てのとおりの妖精さんだ」
白露「妖精さんがこんなところに? 妖精さんは鎮守府にいるんじゃないの?」
妖精さん→横山さん「昔、この家のお父さんと一緒に働いててな。連れて来てもらって、後はずっとここさ」
白露「提督は横山さんのこと知ってるの?」
横山さん「うん? 提督?」
白露「そうそう、この家で一番若い人!」
横山さん「ああ、坊やか。昔はよく遊んだもんだ」
白露「へぇー!」
横山さん「提督ってことは、坊やは海軍に入ったのか」
白露「えへへ、あたしたちの一番の提督だよ」
横山さん「そう、か。なあ、白露ちゃん」
白露「なになに?」
横山さん「戦うのは、怖くないかい?」
白露「うーん、怖いこともあるけど」
横山さん「けど?」
白露「大丈夫! だって、提督があたしたちを一番にしてくれるから!」
横山さん「……うん、そうか」
白露「うん!」
横山さん「なら、いいんだ。そこまで信じられるなら、一番近くにいておあげ」
白露「もっちろん! あたしが一番! だよ!」
横山さん「ふふふ。ところで、艦娘なら知ってるかな。球磨は元気かい?」
白露「球磨さん? あたしの鎮守府にもいて、いつもクマーって言ってるよ?」
横山さん「ああ、元気そうだね。ワタシはね、球磨の艦長だったこともあるんだ」
白露「へえー! 今度球磨さんに会ったら、横山さんのこと聞いてみるね!」
横山さん「覚えてるかなあ。“あの戦争”のことだからなあ……」
白露「きっと覚えてるよ。球磨さん、みんなのこと一番見てるから」
横山さん「そうだね、そうだといいな。……なあ、白露ちゃん」
白露「はいはーい?」
横山さん「ワタシたちが戦った相手は、話が出来る人たちだった。悲しい戦いだったけれど、その前にも後にも、話が出来る人たちはいた」
白露「……うん」
横山さん「戦うことは、流れの中で仕方ないときもある。でも、話ができそうな相手がいたら、話をしてみるんだ」
白露「うん。あたしもそう思うよ」
横山さん「それならいいんだ。……深海棲艦相手だとどこまで話が出来るかもわからないけれどね」
白露「うん……あ、忘れてた。横山さん、台所、どっち?」
横山さん「あっちだ。もう遅いし、何か飲んだら寝るといい。グッナイ、白露ちゃん」
白露「はぁーい。おやすみ、横山さん!」
...
......
.........
提督「じゃあな、爺ちゃん」
祖父「おう、元気でな。白露さんもな、バカ孫をよろしく頼むぞ」
白露「はいはぁーい!」
提督「ふん、俺には若さがあるからな。ジジイこそ勝手に死ぬなよ」
祖父「ハッ、今回の帰省でな、ワシはひ孫の顔を見るまで死なんと決めたわ」
提督「バッ、ジジイ……!」
白露「ほえー、提督、子供作るの? お嫁さんは?」
祖父「クックック、バカ孫、白露さんは面白いなぁオイ」
白露「?」
提督「~っ。あのなあ白露。このジジイが言ってる嫁はな、お前だ」
白露「……へ? あ、ええと、ひゃわっ」
祖父「ハッハッハ!」
白露「えーと、あたしにはまだ早いっていうか、でもその……」
提督「……あのな、爺ちゃん、実はコイツは」
祖父「さーて、汽車に遅れるといかんな!」
提督「あ? いや、おい、ちょっと」
祖父「いいからいいから。ほれ、そろそろ行かんか」
提督「……ああ。また来る。長生きしろよ」
祖父「約束は出来んな」
提督「ったく、素直じゃねえジジイだ。ほれ、行くぞ白露」
白露「んもぉー! 提督のばか! ばかていとくぅー!」
祖父「……さて、長生きせんとなあ」
白露「あ、そういえばね、提督」
提督「あん?」
白露「提督のおうちで、横山さんって妖精さんに会ったよ」
提督「あー、おまえイチローに会ったのか。俺は結局話せなかったな……」
白露「イチロー?」
提督「横山さんだろ。イチローって名前なんだってよ」
白露「へぇー、妖精さんって、結構普通の名前なんだね」
提督「ああ、“あの戦争”のことを話す妖精さんは大体そうだが……ま、そういうもんなんだろ」
白露「そういうもんかなー」
白露「あのね、それで、横山さんに言われたんだけど」
提督「おう」
白露「あたしもそう思うから、大丈夫だよ!」
提督「……おう」
白露「……えへ」
提督「……いや、何がだよ」
白露「……えへへ、秘密!」
提督「なんだそりゃ……」
――提督のいっちばん近くで、一番目指して、とことん付き合っちゃうからね?
白露「さぁー、はりきっていきましょー!」
提督「……ま、いいか」
(ふたりめ 白露編 おしまい)
白露難しい!
以上、白露編、おしまいです。
>>67 さんのご期待に添えていればよいのですが。
安価はまた今日中にでも。それでは。
イベントはじまりましたね!
そして艦これイベントとは全然関係なく、リアルイベントで次の投下は月曜以降となりそうです。
とりあえず、次の話の艦娘安価とイベント安価落しておきます。
>>+3 婚約者艦娘
>>+5 故郷で起きるイベント
ではまた。
こんばんは。1です。
みなさまイベントの進みはいかがでしょうか。我が鎮守府はリアルイベントの関係で触れてもおりません。
それでは、投下を開始いたします。
■さんにんめ
提督「む……そうか。何事も経験だな。ああ。貴様も健勝にな。今日は助かった。ではな……ふむ」
妖精さん「どうされた」
提督「む、友人がな。面白い経験をしたようだ」
妖精さん「と、申されると」
提督「休暇にな。艦娘を伴って帰省したらしい」
妖精さん「ほほう」
提督「赴任先が地元でもない限り、中々ない経験ではあるだろうな」
妖精さん「そう云えば今朝本部より封書が」
提督「む。私にか」
妖精さん「休暇命令のようでござる」
提督「……む。……ふむ」
妖精さん「どうされた」
提督「む。どうやら、私も“面白い経験”をすることになったようだ」
妖精さん「艦娘を連れて帰省でござるか?」
提督「む。家からの要望とある」
妖精さん「はて。心当たりは」
提督「ないな。……いや、もしやあれか」
妖精さん「お聞かせ願う」
提督「先日家の妹より電話があったが、確か、どうせ私の事だから傍に女性などいないのだろう、と言われてな」
妖精さん「これはしたり」
提督「意外かもしれんが、今の私の傍には常に女性がいるのだ、と応えた」
妖精さん「間違ってはござらんな」
提督「鎮守府とはそういうものだからな。続けて、どれくらいの付き合いなのだ、と聞かれたか」
妖精さん「続けられよ」
提督「む。確か、長い付き合いになるだろう、と応えたな」
妖精さん「……それは確実に婚約者と間違われてござろうな」
提督「……む。……そういう、ことか」
妖精さん「どうされる」
提督「……あの妹に勝ち誇った顔をされるのも癪だ。どうせ今度行けばしばらくは帰らん」
妖精さん「誰かに婚約者のフリを頼むと申すか」
提督「仕方あるまいな。だが無理にとは言えん。丁度旗艦・足柄がそろそろ演習から戻るはずだ、その報告の折に頼んでみよう」
妖精さん「然り。それがよいでござろう」
コンコン
提督「む、戻ったか。入ってよし」
足柄「失礼します。提督、艦隊が帰投したわ」
提督「む、ご苦労。結果は」
足柄「大勝利よ。私がいるんだもの、当然の結果よね!」
提督「端的で結構だ。詳細を聞こう」
足柄「はい! 敵艦隊、旗艦白露以下六隻轟沈判定! 我が艦隊は足柄が中破、ほか五隻損害なし!」
提督「……了解した。ご苦労。……ところで旗艦・足柄」
足柄「なにかしら?」
提督「以前、旗艦中破以上の場合は報告は入渠後で構わんと申し伝えたはずだが」
足柄「んにゃっ!? し、勝利の報告を早くしたくて……」
提督「艦娘とはいえ女性だ。嫁入り前の娘が、上官とはいえ男の前に肌を晒すものではない……む」
足柄「……提督?」
提督「言い忘れていたことがあった。旗艦・足柄」
足柄「はいっ」
提督「我が鎮守府は明日より一週間の休暇に入る。貴様には私の帰省に婚約者として同道してもらいたい」
足柄「はいっ……え? 提督? 今なんと?」
提督「……む。貴様には、私の帰省に婚約者として同道してもらいたい」
足柄「んにゃ!? んにゃー!!」
提督「……奇声を上げるほど厭か」
足柄「いえっ! いえいえ! 提督……コホン、あ、あなた……さえよろしければ! 足柄、是非、是非行かせて頂きます!」
提督「む。出発は明日マルナナサンマルの汽車となる。引継ぎ書類は私が作成しておく。以上だ、下がってよし」
足柄「はいっ! 失礼します!」
妖精さん「……提督」
提督「む?」
妖精さん「……偽装という説明を忘れてござらんか」
提督「……む」
足柄『よしっ! みなぎってきたわーっ!!』
提督「……む……明日、車内でしよう」
...
......
.........
ガタンゴトン ガタンゴトン
提督「と、言うわけなのだが」
足柄「……」
提督「む。その、なんだ」
足柄「……」
提督「すまん」
足柄「……」
提督「確りした貴様のことだ、制服で来るかと思っていたのだが……」
足柄「……大丈夫、大丈夫よ私……」
提督「まさか私服とはな。私には婦人服はよくわからんが、それは随分と……旗艦・足柄?」
足柄「……そうよ足柄。提督はそういう人ってわかってたわ……」
提督「どうした、旗艦・足柄」
足柄「よっし! さて、提督?」
提督「む、戻ったか。どうした、旗艦・足柄」
足柄「仮にも、って実際仮ですけど、婚約者なんですから、その旗艦・足柄というのはやめてね。足柄、もしくは、お、おまえ、って呼んで欲しいわ」
提督「む、それはそうだな。足柄、おまえには世話になる」
足柄「はぁんッ」
提督「どうした、旗艦……。どうした、足柄」
足柄「い、いえ、なんでも! 私も提督のことはあなた、と呼ぶわね」
提督「少し、距離を詰めすぎではないか」
足柄「疑われたら失敗なんだから、少し近すぎるくらいでいいと思います!」
提督「む、成程。考えてくれているな。助かる、足柄」
足柄「はぁんッ」
提督「……大丈夫、か?」
...
......
.........
提督「む、着いたか」
足柄「ここが提と……あなたの故郷なの?」
提督「そうだ。森と海しかない土地だがな、人はいい」
足柄「ふふっ」
提督「む、どうした」
足柄「提、んっ、あなたもこの土地の生まれなら、自分でいい人って言っているようなものよ、それ」
提督「……それもそうか。しかし、無理に呼び方を変えずとも」
足柄「ダメですっ! もう、誰に聞かれてるかもわからないんだから」
提督「む、了解した、婚約者殿」
足柄「……ッ」
提督「……?」
足柄「な、なんでも! 私、チョロすぎるかしら……」
...
......
.........
妹「遅いわよ、兄さん!」
提督「む、待たせた」
妹「待たせたじゃないわよ! 大体兄さんはいつも……」
足柄「あの、あなた、こちらの方は……」
妹「ひゃわっ!?」
提督「む、すまんな足柄。妹だ」
妹「あ、兄がいつもお世話になっております! ちょっと兄さん、もしかして、こんな美人さんが……」
足柄「あら嬉しい。足柄よ。ふふ、よろしくね」
提督「む。すまんな、足柄。不肖の義妹だが、よくしてやってくれ」
足柄「あら、そんなことないわよあなた。可愛らしいじゃない」
妹「……むむむ、あの兄さんが、こんないい人と……」
提督「ところで、親父とお袋は」
妹「っとと、忘れてた! 主役が遅いんだもの! ふたりとも待ちくたびれてもう神社に行ってるわよ」
足柄「……神社?」
提督「いや、知らんが」
妹「大体、第一報が軍部から入るってどういうことなのよ。家族なんだから先に知らせなさいよ」
提督「む?」
足柄「んにゃ?」
妹「急な話だから準備するのも大変だったし、お客さんにだって用意があるんだから」
提督「いや、今回の帰省は命令なのだが、なんの話をしている?」
妹「なんの、じゃないわよ! 兄さんと足柄さんの結婚式でしょ!」
提督「……む。……む?」
足柄「んにゃ?! んにゃー!!??」
...
......
.........
媒酌人「それでは、本日の目出度い日を慶しまして……」
足柄(……あの、その、提督?)
提督(む。どうした、旗艦・足柄)
足柄(流れできちゃったけど、婚約は偽装作戦だったはず……よね?)
提督(む。そうなのだがな、ここまで準備されてしまうとな)
足柄(提督は、その、ええと)
提督(む。すまんな。此処は付き合ってくれ)
足柄(え、いや、私としてはむしろ大勝利で)
提督(貴様はもう此処へ来ることもあるまいから、適当に私が愛想を尽かされたことにでも……む? 何か言ったか)
媒酌人「……三々九度の杯を……」
巫女「まずは新郎様から、どうぞ」
提督「む。旗……足柄?」
足柄「ふふっ。あとで言うわ」
提督「む。では、……頂こう」
...
......
.........
足柄「そう、そうよね。式をしたら、その夜は初夜になるのよね……」
提督「む。……む。……む」
足柄「何度数えてもお布団はひとつよ!」
提督「……すまん、旗艦・足柄。私が迂闊だった。だが、嫁入り前の娘を男と同衾させるわけにはいかん。私は廊下で……」
足柄「待って、提督……じゃない。……あなた」
提督「む、どうした旗艦・足柄」
足柄「もう。朝に言ったわよ。旗艦はやめて、って」
提督「いや、しかしだな、それは」
足柄「もう式まであげたんだもの、偽装じゃないわよ! ……その。あなたが、厭でなければ、だけど」
提督「……む」
足柄「もうっ。女に言わせるつもりですか」
提督「……む。そうだな。旗艦・足柄……いや、足柄」
足柄「……なにかしら?」
提督「式を挙げたあとで言うのもなんだが、これを受け取ってはくれないか」
足柄「え? ねえ、これって!」
提督「ケッコン指輪だ」
足柄「……んにゃあ」
提督「改二が来てから、と思っていたのだがな」
足柄「ふふ、ふふふっ。ねえ提督、……ううんっ、あなた! これってケッコンカッコカリなのかしら? それともカッコガチ?」
提督「……両方、だな」
足柄「んふふっ! あーなたー!」
提督「む、何を……」
足柄「第一戦速、砲雷撃、用意! 撃ぇー♪」
提督「……む。迎え撃とう……!」
...
......
.........
妹「ゆうべ は おたのしみ でしたね」
提督「……む」
足柄「ふふ、うふふふ」
妹「兄さん、足柄さんが美人がしちゃいけない顔してるんだけど……」
提督「……親父とお袋は」
妹「昨夜はしこたま飲んでたからね。まだ寝てるわ」
提督「……そうか。少し出てくる」
妹「どこ行くの?」
提督「散歩だ。足柄、行くか?」
足柄「んふふっ。はぁーい、あなた!」
妹「……はあ、あの兄さんにね……」
提督「……足柄」
足柄「なにかしら?」
提督「よかったのか」
足柄「……ねえ、あなた。昨日までの私は、勝利だけが誇りだったの」
提督「む」
足柄「でも、今日からの私にはもうひとつ誇れるものがあるわ。素敵な旦那様!」
提督「……む」
足柄「偽装って聞いたときにはがっかりしたけど。瓢箪から駒ってやつよね」
提督「……ああ。よろしく、頼む」
足柄「もちろん、末永く、ね。だって――」
――好きな人と結ばれて、よくなかったなんて。そんなことあるわけ……ナイじゃない!
(さんにんめ 足柄編 おしまい)
おかしい。
ニセ婚約者がテーマのSSだったはずなのにどうしてこんなことに。
足柄さん可愛いですよね。
安価はまた、暫く後にでもお付き合い願います。
では。
1です。
提督のキャラも安価で決めたら面白いかもしれないですね。
次のキャラは決まってますが、要望が多いようなら考えます。
しかし、艦娘名に深海棲艦を落としてくる方とかいるかな、と思ってましたがいらっしゃいませんね。
さて、では安価を。
>>+3 婚約者艦娘
>>+7 提督の故郷で起きるイベント
よろしくお願いいたします。
大和さん了解です。我が鎮守府にはいない子ですよッ!
イベントは……ズレてしまっているので、直近としましょう。
それでは、また。
……ちょっとした冗句だったんですが。
ええと、深海棲艦も捌けそうならやらせていただきます。
人型以外はご勘弁ください。
さて、本日はよにんめ導入だけ投下して切り上げとさせていただきたく。
投下いたします。
■よにんめ
提督「あら。本当? 何かお祝いを考えなくっちゃ。こっちの名物を見繕って送るわ。ええ。それじゃ、ね」
妖精さん「てーとくさーん」
提督「あの朴念仁が、ねえ。世の中、何がどうなるかわかんないわねぇ」
妖精さん「てーとくさーん、どーしたのー?」
提督「んー、大したことじゃないんだけどね。友達が結婚したらしいのよ、秘書艦と」
妖精さん「かっこかりー?」
提督「それがカッコガチみたいなのよねえ。色恋とか全然だと思ってたんだけど……ところで、なに持ってるのかしら?」
妖精さん「わすれてたー、おてがみなのよー」
提督「参謀部から? ……あら。あらあらあら」
妖精さん「どうしましたのよー」
提督「アタシのとこにも来るのねぇ。……まあ、いつか来るとは思ってたけど」
妖精さん「きせいめいれいなのねー?」
提督「そーよ。でも、そうするとどうしても、ね。面倒ねえ……」
妖精さん「どーするのー」
提督「命令だし、帰省はしないとよね。んー……そうね、大和ちゃん呼んでもらえる?」
妖精さん「あいさー」
大和「お呼びですか、提督。戦艦大和、参りました」
提督「忙しいところごめんね、大和ちゃん。もっとも、アタシたち以外はこれから一週間忙しくもなくなるんだけど」
大和「はい?」
提督「ちょっと厄介なお願いしたくてね。断ってくれてもいいんだけど、なるべく受けてくれると助かるわ」
大和「あの、どのような……」
提督「そう、そうよね。……あのね、アタシ、命令で帰省しないとなんだけど」
大和「はい」
提督「大和ちゃん、アタシの婚約者ってことで着いてきてくれないかしら」
大和「あの……質問よろしいですか」
提督「なあに?」
大和「なぜ、私なのでしょう」
提督「そうねえ。端的に言うなら、大和ちゃんが完璧だからかしら」
大和「完璧、ですか」
提督「そうよ。男ならだれもが振り返る、大和撫子の見本みたいな美貌に楚々とした佇まい。それに料理も上手だし、なにより、その強さ!」
大和「そ、そんなに褒められると照れてしまいます……」
提督「……はぁ、アタシも大和ちゃんみたいに生まれたかったわ……」
大和「……あの、大和としては提督は提督でいて頂いた方が……」
提督「と、それはいいのよ。もし一緒に来てくれるなら、ちょっと詳しいことを話すけど、最初に言っとくわ」
大和「あ、はい」
提督「さっきも言ったけど、面倒な話になるから、無理にとは言わないわ。それでも、アタシは大和ちゃんに来てもらえると助かる。どうかしら」
大和「……提督、その言い方は卑怯です。提督がお望みなら、大和は提督のお側におります」
提督「……ごめんね」
大和「いえ。あの、出発は」
提督「明朝よ。……もういい時間ね。夜更かしはお肌の敵よ。今日はもう寝ましょ」
大和「はい、提督。おやすみなさい」
提督「ええ、お休み。よろしくね、大和ちゃん」
短いですが、本日はこれにて。
では、またのお付き合いをよろしくお願いいたします。
遅くなりました。
投下します。
...
......
.........
ガタンゴトン ガタンゴトン プァーッ
提督「こっちの方に来るのも久しぶりねぇ」
大和「そういえば、提督のご家族はどのような方なのでしょう」
提督「そうねぇ。そんな変わったところないわよ。どうしてアタシみたいな変なのが育ったのか不思議なくらい」
大和「そう、なのですか?」
提督「うふふ、大和ちゃん。それ、アタシに対して? それともアタシの家族に対してかしら?」
大和「あ、いえ、すみません。あの、面倒な話、と仰っていたもので」
提督「ああ。ごめんね、そっちがあったわね。……アタシのね、幼馴染の話なんだけれど」
大和「幼馴染、ですか」
提督「ええ。この子がね、多分アタシのこと好きなんだ、と思うんだけど」
大和「はい……はい!? あ、あの、その方は……」
提督「小さい頃からアタシと結婚する、って言ってたんだけど……どうにも本気らしいのよねぇ」
大和「あ、あのあのあの、てい、提督、その方は女性ですか、男性ですか!?」
提督「え? ああ、残念だけど女の子なのよ。ま、アタシみたいなのでも男女の組み合わせにはなるものねえ」
大和「はあ……はあ。大和も残念です……(競争率、低いと思ってたのに……)」
提督「あら、大和ちゃんも残念がってくれるのね。ありがと」
大和「いえ……」
大和「しかし、それならなぜ私を婚約者、などと?」
提督「それなんだけど、お嬢さまの小父様が帝國議会の議員さんでね。町の有力者なワケ」
大和「はい」
提督「で、アタシに軍を辞めて婿入りして、跡継ぎになる気はないか、って言うのね」
大和「……お辞めに、なってしまうのですか?」
提督「うちの両親も小父様には意見を言い辛いみたいなのよね。そりゃま、そうなんだけど」
大和「そうですか。そう、そうなれば、大和は……」
提督「ちょっと大和ちゃん、ハイライト消えかけてるわよ! 辞めやしないわよ、アタシの居場所は鎮守府なんだから」
大和「ですが……」
提督「そこで大和ちゃんの出番よ。家では婚約者がいるなら連れて来い、そうでないなら婿入りしろ、って話になっててね」
大和「そこまで進んでいたのですか! 少し話が早すぎるのでは」
提督「向こうからすれば、あたしが将官になるまで待ってたって言いたいくらいだと思うわ。有力者が近くにいると面倒よねぇ」
大和「ところで提督。幼馴染の方は、どのような……」
提督「そうねぇ。もう暫く会ってないけど、小さい頃から美人だったわ。素直だし。昔はお弁当作ってくれたりもしたわね」
大和「……こう言ってしまっていいかはわかりませんが、よいお話であるような気がします」
提督「そうね。いい話だとは思うわ。でもほら、アタシがこんなんじゃない」
大和「提督は素晴らしい方だと思いますが……」
提督「ふふふ、ありがと。けど、褒めてもなんにもでないし、大和ちゃんほどじゃないわよ」
大和「いえ、私は提督あっての大和ですし」
提督「大和ちゃんには感謝してるわ。本当に面倒な話に巻き込んじゃったんだもの。お礼、しないとよね」
大和「よろしい、のですか?」
提督「当然じゃない。なんでもいいわ、考えておいてね。あ、でも、他の子には秘密よ?」
大和「はい! 大和、感謝です♪」
...
......
.........
提督「ん、んー。着いた着いた。やっぱ長旅は疲れるわねぇ。背中バッキバキよ」
大和「提督の故郷は賑やかな街なのですね」
提督「この辺じゃ一番大きいかしらね。さて、それじゃタクシーでも捕まえましょ」
大和「あの車は迎えではないのですか? こちらを気にしているようですが」
提督「ああ、あれはいいのよ。ほら、例の子。アタシが本当に帰ってくるのか見張ってたんじゃない?」
大和「……そこまで、なのですか」
幼馴染「……待っていたよ、僕の旦那様」
運転手「御嬢様、出迎えなくて宜しいのですか?」
幼馴染「今はいいさ。僕というものがありながら、女連れのようだしね」
運転手「はっ」
...
......
.........
父「済まなかったな、わざわざ」
提督「いいのよ。どうせ向こうの小父様の謀でしょう?」
父「先生も娘さんには甘いからなあ。いっそお前とお嬢さんが結婚してくれればいい、とも思っていたが」
提督「ちょっと、彼女の前よ?」
父「ああ。しかし、こんな立派な方を婚約者として連れてきた、というならもう俺からはなにも言うまい」
提督「そういうわけで、小父様にはアタシから断っておくわよ」
父「ああ。しかし、大和さん。変わった息子でしたが、身を固める気になったのが意外でね。まだ信じらません」
大和「いえ。提督は素晴らしい方です。それは、確かに、少し変わってはいますけれど」
提督「ふふ、最初に会った時は目を白黒させてたものね」
大和「ふふふ、はい。ですが今は、提督が私を選んでくださったのが、私も嬉しいのです」
父「……ああ。いい、お嬢さんだな」
提督「……そりゃそうよ。アタシの、自慢だもの」
提督(これでうちと小父様はいいとして。問題はお嬢さまよねぇ……)
大和(これが本当だったら……良かったなあ……)
...
......
.........
提督「別に、買い物にまで付き合わなくたってよかったのよ?」
大和「いえ、お気遣いなく。私がしたくてしていることですし」
提督「……そう、ならいいんだけど。でも、腕組む必要はなくないかしら?」
大和「いいえ。折角ですし、提督と私が、その、な、仲睦まじいことを街中に知らせておく必要があると思います」
提督「……ああ、そうねえ。そのほうがいいわね……ねぇ?」
大和「はい?」
提督「ああ、大和ちゃんじゃないのよ。着いてきてるんでしょ?」
幼馴染「……気付いてたんだね、旦那様」
提督「そりゃ気付くわよ。長い付き合いだもの、お嬢さま」
大和「あ、あの、え、どこから、いらっしゃったのですか……恥ずかしい……」
幼馴染「お嬢さまなんて水臭い。僕と旦那様との仲じゃないか、名前で呼んでくれていいのに」
提督「昔のアタシたちならそれも良かったけれどね。今のお嬢さまが求めてるのは、そうじゃないでしょ?」
幼馴染「……まあ、いいよ。ところで、僕というものがありながら、婚約者だって?」
提督「ああ、紹介しないとね。アタシの婚約者の大和ちゃん。大和ちゃん、彼女が例のお嬢さま」
大和「あ、はい。大和です。……ケッコンのお約束をさせていただいております。よろしくおねがいしますね」
大和(これなら、嘘ではないですし……)
幼馴染「ケッコン、ね」
大和「改めて言われると照れますが……はい、そうです」
幼馴染「でも、キミは艦娘だ。大和型一番艦、大和。カッコカリの方だろう? だから、僕が彼と結婚しても問題はないよね」
大和「……!!」
提督「あらまあ、呆れた。よく調べてるのね」
幼馴染「それはそうだよ。愛しの旦那様のことだもの」
大和「あの、提督……」
提督「でも、別にケッコンした子と結婚したっていいのよ?」
幼馴染「旦那様が普通ならね。でも、そうじゃないだろう?」
大和「そ、そんなことありません! 提督は……」
幼馴染「……本当は、女の子に興味なんてないくせに」
大和「……っ!!」
提督「あーあ。折角の芝居だったけど、無駄になっちゃったわねえ。ゴメンね、大和ちゃん」
幼馴染「……聞かせてくれるかな。どうして、そこまで嫌がるんだい?」
提督「お嬢さまねぇ。しつこい女は嫌われるわよ? 理由なんてないわ。そう生まれついただけ」
幼馴染「……仕方ないじゃないか。昔から好きで。旦那様に、キミに好かれるよう、男の子っぽくもしてみた。言葉だって変えてみた」
提督「……やっぱり、そういうことだったのね」
幼馴染「なのに、そんな女を連れてきて! 女らしさを見せ付けるみたいにして!」
大和「そういう、わけでは……」
幼馴染「言ってくれれば、僕だってそのくらいできるのに! 昔から、ずっと傍にいたのに! なんで! この……」
提督「ちょっと、お嬢さま? ダメよ、ダメ!」
大和(あ、あの! 提督、私なら大丈夫ですから。艦娘には平手打ちくらい……)
幼馴染「この、泥棒猫!」
大和「……っ!」
バチィンッ!
幼馴染「……」
大和「……痛く、ない……?」
提督「……まったく。あー、痛。ジンジンするわ」
大和「提、督……?」
幼馴染「……なんで……?」
提督「なんでもなにも。女の子が、簡単に手ぇ挙げんじゃないわよ。はしたない」
幼馴染「なんで、庇うの!」
提督「そりゃ庇うわよ。確かに大和は艦娘だけど、同時に女の子なのよ。お嬢さまと同じ、ね」
幼馴染「……! でも、人を殺す力を持ってるじゃないか! きみを、死地に連れて行ってしまうじゃないか!」
提督「そりゃそうよ。でも、それは大和のせいじゃない。アタシが軍人だから」
幼馴染「だから、僕と結婚すれば……!」
提督「そうね。そうすればアタシは助かるかもしれない。でもね、もうアタシは、昔のアタシじゃない」
大和「提督……」
提督「アタシが逃げれば、困る人がいる。戦えなくなる子たちがいる。だったら、アタシひとりが助かるなんてゴメンだわ」
幼馴染「……それでも、いやだ」
提督「なぁに?」
幼馴染「死んじゃいやだ!」
提督「……そう簡単には死んだりしないわよ。アタシみたいのはしぶといの」
幼馴染「でも、それなら、そうだ、前みたいにお父様にお願いして、後方に……」
提督「……ああもう。一度後方勤務命令が出たの、やっぱお嬢さまのせいだったのね」
大和「そんな、ことが?」
提督「断ったけどね。丁度、去年の大規模作戦の前だったし」
大和「それは、大和を救ってくださった時の、ですか?」
提督「そうよ。それで大和ちゃんが助かったんだから、間違いじゃなかったわよね」
幼馴染「だから? そのときも無事だったから、死なない、って言うの?」
提督「そーよ。アタシは死なない、大和ちゃんとは結婚しないけど、お嬢さまと結婚もしない。それでこの話はおしまい」
幼馴染「そんなの、勝手じゃないか!」
提督「そう。アタシは勝手なの。だから、お嬢さんはもっとちゃんとした男見つけて幸せになんなさい。それじゃ、ね」
幼馴染「……まだ、だよ」
提督「なによぉ」
幼馴染「まだだよ! まだ、なんで僕じゃダメなのか、聞いてない!」
大和「提督……その……」
提督「……大和ちゃんまで? あ~もうッ!!」
提督「……仕ッ方ないわねぇ!」(壁ドン
幼馴染「……なっ!?」
大和「……提督ッ!?」
提督「ホントはね、これはあんまり言いたくなかったんだけど」
幼馴染「……あ……ぅ……?」
大和「……ああああ、あああ、あの」
提督「アタシね、お嬢さま。アンタのこと……」
幼馴染「……ぅ……うん」
提督「……昔ッから、大ッ嫌いだったのよ」
幼馴染「……ぇ……!!」
大和「……!!」
幼馴染「……ぅ……う……ひぐっ……」
提督「……はぁ。行きましょ、大和ちゃん」
大和「あ、あの。提督……?」
提督「……行きましょ」
大和「は……はい」
幼馴染「……ふえぇぇぇぇぇぇぇぇん……」
...
......
.........
ガタンゴトン ガタンゴトン プァーッ
提督「もうすぐ鎮守府ねぇ」
大和「はい。あっという間の一週間でした」
提督「……ねえ、大和ちゃん」
大和「はい」
提督「あの子、幸せになれるかしら」
大和「……ええ、きっと」
提督「……そうよね。なれる、わよね」
大和「……あの。もしかして、提督もあの方のことを」
提督「ダァメ、それ以上は言いっこなしよ」
大和「ですが……!」
提督「あの子なら、もっと立派な男が見つかるわよ。アタシみたいな半端者はね、戦場で散るのがお似合いなの」
大和「そんな。提督はご立派です」
提督「あはん、無理に褒めなくていいわよ。……あのね、大和ちゃん。アタシ思うのよ」
大和「はい?」
提督「女の子はね、絶対に幸せにならなくちゃいけないって。そりゃ、アタシの勝手だって承知はしてるけど」
大和「……」
提督「もちろん、大和ちゃんもよ。今回婚約者になったからって、最期までアタシに付き合うなんて言わないでね?」
大和「……大和は、提督に水底から救われたのです。もし提督が水底に沈むと仰るなら……」
提督「ダァメ。アタシがどうなっても、大和ちゃんは生きて終戦を迎えるのよ。“今度こそ”、ね」
大和「……」
提督「……大和ちゃん」
大和「……あの」
提督「なぁに?」
大和「……戦いの間に、最期が……最期が、なければ。提督も、この戦いを生きて終えられるなら……」
提督「そうねぇ。そうしたら……ふふ、大和ちゃんとふたりで、ホテルを開く、なんてのもいいわね」
大和「……っ! はい、お手伝いします。約束ですよ、提督?」
提督「あら、元気ねぇ。ええ、約束よ」
大和「はいっ! いつか、平和な日を共に過ごすために――」
――大和は、ずっと提督の……あなたの側で、頑張ります。それが大和の、幸せですから。
(よにんめ 大和編 おしまい)
大和は正統派美少女だけど油断するとヤンデレ可愛い。わかります。
ところで自分で書いていてなんですが、幼馴染が途中から時雨にしか思えなくなりました。大惨事です。
言葉が足りてない部分は、皆さんでご想像いただけますと幸いです。
あ、想像といえば、提督の見た目も皆さんのご想像にお任せしますね。
次の安価はフタヒトマルマルくらいに。投下は恐らく日曜日以降となります。
お付き合いいただければ幸いです。
>>1はE1がクリアできません。
フタヒトマルヨン。安価です。
前回は一緒に安価取ったところ重なってしまったので、今回は別々に取ってみようと思います。
というわけで、ごにんめの艦娘安価。
>>238
潮
駆逐艦有数の胸部装甲を持つ潮ちゃんとなりました。
憲兵さんの気配がします。
それでは、次に帰省先で起こるイベント安価を。
>>247
一緒に夏祭りに
潮ちゃんと夏祭り! 青春の気配がしますね!
それでは本日最後の安価。できるかどうか、一度試してみようと思います。
提督の特徴(性格など)
>>256
オープンなロリコン
憲兵さん!
……しかしロリコン提督にとって、潮ちゃんの胸部装甲はガッカリポイントでは。
ではまた、次回のお付き合いをよろしくお願いいたします。
1です。今日も暑いですね。
お待たせしておりますが、本日は潮ちゃん編、導入部だけ投下させていただきます。
ロリコンというか変態になったな……。
■ごにんめ
提督「たっだいま~、といいながらの午前様~。この時間出迎えてくれる少女もいない~」
「おかえりなさい」
提督「って、ぬぅわっ!?」
「ひゃぁ!」
提督「だだだだ誰だこここここんな夜中に……って、うん? 潮、か?」
潮「あ、はい、潮です。お帰りなさい、提督」
提督「あ~よかった。危うく漏らすとこだった。また伝説を作っちゃうとこだったぜ」
潮「え、ええと、胸を撫で下ろしながらそんなことを言わないでください……」
提督「で、潮っぱいはどうしてこんな時間まで? 俺仕事片付けてったよね?」
潮「潮っぱいって呼ばないで下さいぃ……。あの、これを」
提督「これは?」
潮「たぶん……提督へのお手紙かなって……」
提督「……ひょっとして、これを俺に渡すために待っててくれたのか?」
潮「は、はい。至急の命令かもしれませんので。……もう下がってよろしいでしょうか」
提督「ああ、いいよいいよ! 疲れたろ、もうお休み。悪かったな」
潮「はい。それでは、おやすみなさい」
提督「……しかし、なんだろうな。月例の報酬でも……っと」
提督「やっと、来たかぁ」
...
......
.........
コン、コン
提督「合言葉! イエス! ロリータ!」
『ひあああっ!? の、ノータッチ……』
提督「よかろう。入りたまえ!」
潮「し、失礼します……。提督、この合言葉止めませんかぁ」
提督「止めない! っと、ごめんよ朝から。よく眠れたかい」
潮「あ、はい、あのあとすぐ寝ましたので」
提督「……すぐ? ええと、昨夜、制服だったよな?」
潮「え? あ、はい。それで、すぐに着替えて……」
提督「……ちょっと脇舐めさせてもらっていい?」
潮「な、なななな、なんでですかぁっ!?」
提督「だって! 昨夜! あのまま寝たってことは! お風呂! 入ってないってことだろ! 少女の! 汗!」
潮「ひあああああっ!? も、もうやめてくださいぃ……ううっ……こ、心の準備がぁ……」
おっぱい「ぷるんっ」
提督「……あー、ごめん。落ち着いた」
潮「あ、はい……? それなら、よかったです」
提督「秘書艦が潮っぱいでよかった……おっぱいで目が覚めた……。ほかの駆逐艦娘なら襲っていた……」
潮「…………うぅ……複雑です……」
提督「いや、自分で言うのもなんだけど、うちの子たち、よく俺についてきてくれるよね」
潮「それは、その、駆逐艦多いですけど、艦娘は提督を選べませんし……満潮ちゃんとかは本気で嫌がってますけど……」
提督「……」
潮「……」
提督「……」
潮「……あ、でも、提督はその、今みたいなのさえなければいい方ですし! 私はお慕い……いえ、あの、尊敬しています!」
提督「……うん。この話やめよっか」
潮「……はい」
提督「ところで、この流れで頼むのすっごい申し訳ないんだけど」
潮「ええと、はい」
提督「実は昼の汽車で帰省しなくちゃいけなくてね。潮、俺の婚約者ってことでついてきてくれない?」
潮「ひあああっ!?」
提督「そーだよなー、やっぱそういう反応になるよなー。……ごめん、やっぱいいわ。大丈夫」
潮「あ、いえ、あの。なぜ、また?」
提督「あー、そうだよね。……いや、この間の大規模作戦で頑張った褒賞なのか、一週間の帰省休暇が与えられてなー」
潮「帰省、休暇、ですか?」
提督「俺がいなくなっちゃうから、鎮守府も一週間休みだし。まあ、みんなにも自由に休んでもらおうと思うんだけど」
潮「そうすると、私は……」
提督「俺もいないし、みんなはいるし。ゆっくり休んで骨休めしてくれたらいいよ」
潮「……あ、あの、行きます!」
提督「へ?」
潮「提督の帰省に、ご一緒いたします。放っておいたら、どこで憲兵さんに捕まるかわかりませんし……」
提督「あ、うん。ありがとう。優しさが身に染みるわ」
潮「ところで、あの、出発って……」
提督「ああ。お昼の汽車。あと2時間くらいかな」
潮「あの、それなら」
提督「うん?」
潮「お風呂、入ってきていいでしょうか……」
提督「……そこでダメって言ったら俺、本当の変態になっちゃうなぁ。それとも、誘ってる?」
潮「さ、さささ、誘ってませぇんっ!」
提督「だよね。ま、俺もおっきいおっぱいはちょっとなあ……」
潮「……ううっ……行ってきます……」
提督「……さぁて、護りきらないとなあ……」
本日はここまでに願います。
また明日以降におつきあいのほどを。
潮ちゃん編、続きを投下します。
今夜もお付き合いをお願いいたします。
...
......
.........
ガタンゴトン ガタンゴトン
提督「んー、久しぶりに食べたけど駅弁旨い」
潮「あの、提督、ご飯粒ついてます」
提督「お? え? ここ?」
潮「あ、そこじゃなくて……ちょっと待ってくださいね……取れました」
提督「おお、ありがとう。潮、奥さんみたいだなー」
潮「ひぅっ!? お、奥って、だ、ダメですよそんなの」
提督「そこまで嫌がられるか……。なんか、ごめん」
潮「い、いえ、あの」
提督「あー、そうだ。潮、浴衣持ってないよね」
潮「……はい。制服以外は、その、あまり」
提督「んじゃ、これ。サイズは合ってると思うから」
潮「……え?」
提督「夏祭り。一度行ってみたい、って言ってたでしょ。丁度祭りの季節だから、それ来て明日の夜にでも行っておいでよ」
潮「い、いいんでしょうか……おいで? あの、提督は」
提督「俺はちょっとね。ああ、でも心配しなくていい。兄さんが案内するよ」
潮「お兄さん、ですか……提督の……」
提督「そんな顔しないでも、兄さんは俺と違ってまともだから。憲兵だしね」
潮「ひあっ!?」
提督「憲兵の弟が憲兵に捕まりそうな評判立てられるな、ってよく怒られるけどね。潮もそう思うでしょ」
潮「い、いえ! ……そういえば、婚約者、というのはどういう」
提督「ああ、まあ……知り合いがね。妙なことを言い出したから、ちょっと。もちろん、婚約者のフリでいいんだけど」
潮「? あの、ですが、フリにしても、もっと相応しい人がいるのではないでしょうか。翔鶴さんとか」
提督「ダメだ!」
潮「ひぅっ」
提督「ああ、ごめん。今回はね、潮じゃないとダメなんだ」
潮「……」
提督「とは言え、潮はいてくれるだけでいい。お祭り、楽しいよ」
潮「……はい」
...
......
.........
提督「いやあ、久しぶりだなあここも」
潮「涼しい……提督の御家は避暑地だったんですね」
提督「んー、まあ、こっちはね。……えーと」
兄「来たか、大佐殿」
潮「ひあっ!?」
提督「おおう。やあ、兄さん。いつも通りでいいのに」
兄「そうはいかん。公休で来ている以上、貴官は海軍大佐殿、小官は憲兵大尉だからな」
提督「兄さんらしいなぁ」
兄「ところで、そちらが?」
提督「ああ。彼女が潮。俺の、婚約者。潮、このいかつい顔の人が兄さん」
兄「大佐殿から聞いている。潮さん、宜しく頼む」
潮「あ、はい。よろしくお願いします……」
提督「ところで兄さん、用意の方は?」
兄「予定通りだ。明日、揃うことになっている」
提督「父さんには?」
兄「話を通してある。使えない人間ではないが少々目に余る。お前に任せる。とのことだ」
提督「よかった。明日はお願いします」
兄「ああ。潮さん、小官が夏祭りを案内しよう」
潮「……あ、あのっ」
兄「なにか」
潮「提督は、行かないんですか……?」
提督「ああ。俺はちょっと用事があってね」
潮「あの、できれば、その。提督も一緒では……いけませんか」
提督「……あー」
兄「ふ。随分信用されているな」
提督「いやいや、まさか。俺は憲兵さんに捕まりそうな変態だよ」
潮「……あの、その」
兄「まあいい。ならばおまえも用事が済んだら駆けつけろ。花火までには間に合うだろう」
潮「花火が、あるんですか?」
提督「ああ。結構ちゃんとしてるのがね。……了解了解。間に合うように努力するよ」
兄「ならばいい。明日は任せろ。部屋は用意してある。今日はゆっくり休むといい」
提督「ああ。潮の部屋は……」
兄「洋客間だ。鍵はおまえが持っておけ」
提督「助かるよ」
潮「……?」
...
......
.........
陸軍高官「ブヒヒヒヒ。済みませんなあ、わざわざ出向いていただきまして。どうやら、陸軍のあきつ丸はお役にたったようですなあ」
提督「ええ、まあ。こちらが報告書になります」
陸軍高官「聞いておりますよ、あきつ烈風拳、でしたか」
提督「ええ。先の作戦でも大変な活躍をしたようですね」
陸軍高官「フヒッ。では、交換、と言ってはなんですが……陸軍がそちらの艦娘を譲り受ける、という話、進めてよいのですかな」
提督「……」
提督「……ときに閣下」カチッ
陸軍高官「何かね?」
提督「生憎不勉強で、私には陸軍での艦娘の用途がわかりません」
陸軍高官「ブヒヒ。そうだ、あくまで船だな。人間ではない……が、用途、用途なあ……」
提督「ははは、閣下も私の異名はご存知でしょう。陸軍が潮をどのようにお“使い”になるのか、お聞かせいただいても?」
陸軍高官「ああ、“駆逐艦乗り”と名高い貴官なら仲間だ、教えてもいいだろう。慰安さ。将官は気苦労の多い仕事だからね」
提督「……少女の姿をしていても、あくまで船。兵器は兵器として軍人に従うべき、と」
陸軍高官「流石に将軍をお父上にお持ちの方は飲み込みがいい。ブヒヒ、そちらもあきつ丸を“使う”のでしょうしな」
提督「恐れ入ります。ところで、なぜ彼女をお選びに?」
陸軍高官「以前、観艦式に行かせてもらってね。その時に決めたのだよ」
提督「……なるほど」
陸軍高官「ところで、その潮くんだが。貴官が連れてきてくれているのかな?」
提督「……は?」
陸軍高官「なに、鎮守府に迎えをやったがいなかったようなのでね」
提督「迎えに……?」
陸軍高官「貴官の手間を省いてやろうと思ってね。だが、わざわざ連れて来てくれた、というならそれはそれで感心だ。ところで」
提督「……はい」
陸軍高官「彼女は、確かに生娘なのだろうね」
提督「……間違いなく。建造以来、私も手を出しておりませんから」
陸軍高官「それは何より。私は泣き叫ぶ娘が大好物で……うん? どうしたのかね、急に立ち上がって」
提督「……もう十分だ、クズ野郎。修正してやる!」
ドスッ! バキッ!
陸軍高官「ブヒィッ!?」
陸軍高官「き、貴様! 上官に手を挙げて只で済むと……!」
提督「俺は海軍だ、陸軍の階級は知らん! 貴様こそ、俺の婚約者をよくも侮辱してくれたな……!」
陸軍高官「こ、こここ、婚約者だと? 艦娘と? 馬鹿な、海軍、狂ったか!?」
提督「どうだかな。狂ったとしても、お前らクズよりよほどマシだ。あの子たちはな、女の子なんだよ!」
陸軍高官「ヒ、ヒィッ!? そ、そうだ、私に手をあげれば、お、お父上の立場にも響くぞ……!」
提督「生憎だな、昨夜のうちに親父の許可は得てある。それと忘れてるようだから教えてやるがな、俺の兄貴は憲兵だ!」
陸軍高官「……ま、まさか……」
提督「さっきの発言、録音させてもらった。精々、首を洗って待っているんだな!」
陸軍高官「……ぐ、ぐうっ……!! 誰か! 誰かいないか! 殺せッ! この不届き者を生かして返すな!!」
提督「……ったく、面白くなってきたな」
...
......
.........
兄「夏祭りか。客として回るのは久しぶりだな……」
潮「あの、あれは……?」
兄「ん? ああ、林檎飴だな。食べるか」
潮「……いいの、でしょうか」
兄「弟持ちだ、遠慮することはない。……ひとつくれ。ああ。……どうぞ、潮さん」
潮「ありがとうございます……」
兄「浮かない顔だな。夏祭りに来てみたかったのだ、と聞いたが」
潮「いえ、あの……私だけ、こんなによくしてもらってもいいのかと……」
兄「あんな弟だが婚約者だからな。いずれ義妹になるかもしれない人を無碍にはできまい」
潮「あの、そのことは……」
兄「どうあれ、ここにいる間は婚約者ということで通すといい。本来なら、駆逐艦娘に手を出そうとすれば、我々憲兵の出番だがな」
潮「いえ! 提督はそんな……」
兄「ああ。……それとな」
潮「あの!」
潮「あの、お兄さん。もしかして、提督は何かを……」
兄「……ふむ。潮さん。弟のことをどう思う」
潮「ひやう!? あ、ええと、提督ですか。あの……その……立派な方、だとは思います」
兄「遠慮しなくていい。駆逐艦好きの変態だ、と思っているだろう」
潮「いや、あの、いえ! お慕い……尊敬しています! いつも!」
兄「ふふ。兄の立場からすれば、あいつは馬鹿でな。いつも自分ひとりで抱え込んでばかりいる」
潮「……わかります。提督は、いつも一番大変なことは独りで抱えてしまいますから。それが少し、寂しいです……」
兄「そうだな。もし不満なら、一発引っぱたいてやるといい。それとな。先ほど言いそびれたが、もし駆逐艦娘の方から手を出すなら、憲兵はどうにも出来ん」
潮「ひ、ひやいっ!?」
兄「ふふ。さて、そろそろのはずだがな……」
提督「兄さん、待たせちゃったかな」
兄「……ほう。随分苦戦したな」
潮「て、提督……怪我、されて……」
提督「悪い、ちょっと失敗して。追っ手も来るかも」
兄「ふ。なら、後は任せて置け。録音機は?」
提督「ああ、ばっちり録れた。後は陸軍の話だ、任せるよ」
兄「任されよう。もうすぐ花火だ。潮さんを例のところへ連れて行ってやれ」
提督「そうする。……よし、潮、行こう」
潮「あ、あの、なにが……?」
提督「説明はあとでするよ。あ、それと、これ」
潮「これは?」
提督「ケッコンカッコカリ一式」
潮「あ、あううっ……なにがなんだかわかりませんよぉ……」
提督「もうひとつ」
潮「は、はいっ」
提督「浴衣、似合ってるな。よかった」
潮「み、見ないでください……恥ずかしいよぉ……」
...
......
.........
提督「はぁっ、ここまで来れば追っ手も来ないだろ。まあ、兄さんがみんな止めちゃうとは思うけど」
潮「あの、提督。一体、何が……」
提督「なに、ちょっとした悪党退治だよ。どうなるかわからなかったが、潮が無事で何より」
潮「あの!」
提督「あ、うん?」
潮「提督は、独りで抱えすぎだと思います! 今回もそうです! 全部、ご自分でやってしまって!」
提督「あ、いや、これには訳が……」
潮「私では……お役に、立てませんか……?」
提督「……いや、そんなことはない。いつも助けられてるよ」
潮「それなら……もっと、頼ってください」
提督「……あ、ああ……」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
提督「あ」
潮「……?」
提督「花火」
ドォォォォォォォォォン!!
提督「はじまった、なあ」
潮「わあ……!」
提督「どうだった、夏祭り」
潮「……楽しかったです。あの、初めて、でしたし」
提督「ならよかった。今度、鎮守府で縁日でもやろうか。……あー、頼らせてもらえるなら、手伝ってくれるかい」
潮「は、はいっ! みんな、喜ぶと思います!」
提督「はは、よかった」
潮「あの、提督」
提督「なんだい」
潮「何があったかはわかりませんが……提督とお兄さんの態度で、何か大事なことがあった、のはわかりました」
提督「うん?」
潮「そ、それを……きっと、私のためにやってくれたのだ、というのも、なんとなくわかります」
提督「うっ……えぇ……バレてんの……?」
潮「じ、自信を……持っても、いいのでしょうか……?」
提督「い、いいんじゃ、ないかな」
潮「提督は……その、小さい子がお好き、なのですか」
提督「ど、どうかな」
潮「……あの。大きい子に慣れるのも、いいと思います」
提督「……へ?」
潮「……あの。ここ、誰も、来ませんよね?」
提督「ちょ、ちょっと、潮?」
潮「駆逐艦娘から手を出すなら、憲兵さんも来ないって聞きました……!」
提督「あ、ちょっと、潮? 潮さーん?」
提督「~~~~っ!!」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
兄「ああ、ここにいたか。終わったぞ……と」
ドォォォォォォォォォン!!
兄「……まあ、野暮はすまい。さて、帰って父さんと酒でも飲むとするか。弟の婚約を祝って、な」
(ごにんめ 潮編 おしまい)
潮ちゃんは薄幸可愛い。でも振り切れば大胆。わかります。
オープンロリコンかー、ならクローズだとなんだろなー、とか考えてたらこうなりました。
説明不足のところは……も、妄想してください……!
さて、次の安価は日付が変わる頃にでも。
マルマルマルマル。安価です。
6人目の艦娘。
>>+3
お待たせしております。
6人目、本日は導入部だけ投下させていただきます。
ところで、お蔭さまでやっとE1をクリア致しました。ありがとうございます。
春雨ちゃん、可愛いですね!
■ろくにんめ
提督「……ああ。是非、行かせてもらう。……善いことだ」
コン、コン
あきつ丸「特種船丙型、あきつ丸。入るであります」
提督「……ああ」
あきつ丸「提督殿……と、電話中でありましたか」
提督「……いや、部下だ。……ああ。あきつ丸だ。……ああ。では」
あきつ丸「よろしかったのでありますか?」
提督「……丁度、終わるところだった」
あきつ丸「そうでありますか」
提督「……」
あきつ丸「……」
提督「……」
あきつ丸「……」
提督「……」
あきつ丸「……あの、提督殿。自分は心眼通ではありませんので」
提督「……同郷の友人だ。貴艦も知っている」
あきつ丸「は、電話のお相手でありますか。自分にも面識がある提督殿のご友人と云いますと、以前此方に来られた……」
提督「……憲兵だ」
あきつ丸「あの大尉殿でありましたか。あれ以来間諜の真似事をしなくてよくなりましたし、いずれ御礼をしたいものであります」
提督「……気にするな」
あきつ丸「いえ。自分が今ここにいられるのは大尉殿と提督殿のお陰でありますので」
提督「……俺は何も」
あきつ丸「していない、と仰るでしょうが。自分は提督殿に救われたようなものでありますよ」
提督「……どういう」
あきつ丸「本来ならば、間諜は処刑されてもおかしくありませんから。提督殿が無口だったからこそ、自分が諜報活動を行なうのは無理だと判断されたのでありますよ」
提督「……成程」
あきつ丸「はい。提督殿に救われたこの命であります。提督殿のために散らす覚悟は……」
提督「許さん」
あきつ丸「……は?」
提督「……命を、惜しめ」
あきつ丸「それは、自分がいずれ陸軍に戻るからでありますか?」
提督「……いや」
あきつ丸「それでは、自分たち艦娘が海軍にとって重要な存在であるからでありますか?」
提督「……いや」
あきつ丸「……では、その……自分は、自惚れても……」
提督「……いずれ、話す」
あきつ丸「……あ、はい! そうでありますね! 了解であります!」
提督「……」
あきつ丸「……」
提督「……」
あきつ丸「……あの、提督殿」
提督「……行くか」
あきつ丸「は?」
提督「……今の、電話でな」
あきつ丸「提督がご友人とされていた電話でありますか?」
提督「……奴の、弟が」
あきつ丸「はい」
提督「……結婚するそうだ」
あきつ丸「はあ」
提督「……来週、式でな。招待があった」
あきつ丸「提督殿は出席されるのでありますね? しかし、自分は艦娘であります。直接の……陸軍からの命令がない限り、鎮守府から離れる訳には」
提督「……問題ない」
あきつ丸「は?」
提督「……これを」
あきつ丸「……指輪、でありますか? 自分は、ケッコンカッコカリには練度が足りておりませんが」
提督「……本物だ。俺の婚約者になれ」
あきつ丸「は……は!?」
提督「……指揮官の身内なら多くは言われん」
あきつ丸「提督殿? それはそうかもしれませんが、しかし、自分は……そ、それに、憲兵大尉殿にはまたこちらに来ていただいても……」
提督「……陸が、懐かしくはないか」
あきつ丸「は。それは、自分は陸軍でありますから、その……」
提督「……ならば、今夜の汽車で出る」
あきつ丸「り、了解であります!」
提督「……ところで」
あきつ丸「は?」
提督「……用事では、なかったか」
あきつ丸「は、忘れておりました! 昼食ができたそうであります!」
提督「……先に、言え」
あきつ丸「申し訳ないであります……」
本日はここまでで願います。
近日中には6人目を終了したいところ。
次の安価も楽しみです。それでは、またのお付き合いを。
間が空いてしまいました。
イベント終了しましたが、みなさまはいかがでありましたでしょう。
当鎮守府は結局AL1しかクリアできず、しかも戦いの過程で大事な艦娘をひとり失ってしまいました。
反省しつつ、本日の投下と参ります。
暫しの間おつきあいください。
...
......
.........
ガタンゴトン ガタンゴトン
提督「……」
あきつ丸「提督殿」
提督「……?」
あきつ丸「いえ。先程からずっと微笑んでおられましたので。なにかよい景色でもあるのでありますか」
提督「……すまん。……貴艦が、面白いと思ってな」
あきつ丸「自分が、面白い……で、ありますか」
提督「……輸送能力ならば他の追随を許さない貴艦が、このような電車に揺られているのが、な」
あきつ丸「……! 提督殿!」
提督「……?」
あきつ丸「提督殿のそのように長い言葉を、自分は初めて聞いたように思うであります」
提督「……そう、だったか」
あきつ丸「なるほど、やはり帰省というものはよいものなのでありますな。寡黙な提督殿がこのように饒舌になるのですから」
提督「……そう、か?」
あきつ丸「そうであります。それと、先程の話は自分も不思議に感じていたところでありますよ。提督殿と同じでありますね」
提督「……貴艦も、頬が緩んでいる」
あきつ丸「そ、そうでありますか? だらしない顔をお見せしてしまったでありますか? しかし、自分は、いつもそうであるわけでは」
提督「……判っている。珍しい物を見られた」
あきつ丸「は。ならば、よかったでありますが」
提督「……偶には、するといい」
あきつ丸「……提督殿がそう仰るのならば……はっ! ま、また頬が緩むところでありました!」
提督「……そう、か」
あきつ丸「ところで提督殿。なぜ自分を、その、婚約者、などと偽装してまで連れて行ってくださるのでありますか」
提督「……気になるか」
あきつ丸「もちろんであります。ご友人の結婚式であれば提督殿だけで足りるはず。自分が随伴する理由がないであります」
提督「……友人の、頼みだ」
あきつ丸「は? それはその、憲兵大尉殿でありますか」
提督「……渡すものが、あるらしい」
あきつ丸「はあ。自分は憲兵大尉殿から頂くようなものはないと思いますが。それに、それこそ憲兵大尉殿が鎮守府へこられた時でも」
提督「……面倒な話、かも知れん」
あきつ丸「提督殿も、詳しい話はご存じないのでありますか?」
提督「……ああ」
あきつ丸「そうでありましたか。しかし、少し残念であります」
提督「……?」
あきつ丸「自分はその、旅行など出来ると思っておりませんでしたし。……提督殿とならば……あ、いえ! 大したことではないのでありますが!」
提督「……俺も、帰省などめったに出来ん」
あきつ丸「仕方ないであります。鎮守府は国土防衛の最前線でありますから」
提督「……故に、俺はこの旅を楽しむ。……貴艦も、付き合え」
あきつ丸「は……はっ! 了解であります!」
...
......
.........
提督「……待たせたか」
憲兵大尉「そうでもない」
提督「……肩の雪を掃ってから言え」
あきつ丸「お久しぶりであります、憲兵大尉殿。特種船丙型、あきつ丸であります」
憲兵大尉「ああ、久しぶりだな。一瞥以来か。……態々、すまんな」
提督「……いや。……おまえが呼ぶなら、よほどの理由だろう」
憲兵大尉「道端ではし難い話だ。雪も降っている。後で聞かせよう。あきつ丸」
あきつ丸「はっ!」
憲兵大尉「こいつとの旅は退屈ではなかったか」
あきつ丸「いえ、そんなことは。心地よい一時でありました」
提督「……おまえ」
憲兵大尉「ふ。海軍の男は本当に艦に好かれるな。……まあいい。車を用意してある。家まで送ろう」
提督「……善いのか」
憲兵大尉「悪ければこんなところまでは来ん。気にするな」
あきつ丸「電車といい車といい、自分は運ばれてばかりでありますね」
憲兵大尉「ふ、確かに丙型の貴艦にとっては妙な感覚だろうな。……おい」
提督「……ああ」
憲兵大尉「式が済んだ後、そうだな、大晦日の夜でどうだ。うちに来い」
提督「……ああ。呑るか」
憲兵大尉「呑ろう」
あきつ丸(……なんだか、羨ましいであります)
憲兵大尉「あきつ丸。よければ貴艦も来るといい。綺麗どころがいたほうが酒も進もう」
あきつ丸「はっ! ……は!?」
提督「……おい」
憲兵大尉「ふ。そう怒るな。あの男ではあるまいし。手を出す心算はない」
提督「……まあ、よいが」
...
......
.........
提督「……」
憲兵大尉「……」
提督「……」
憲兵大尉「……」
提督「……いい式、だったな」
憲兵大尉「……ふ。まさか弟が艦娘と結婚するとは思わなかったがな」
提督「……」
憲兵大尉「……」
提督「……」
憲兵大尉「……ふ」
あきつ丸「……あの」
提督「……?」
憲兵大尉「うん?」
あきつ丸「おふたりとも、先ほどからほとんど黙って飲んでおられますが……あの」
提督「……退屈、か」
あきつ丸「いえ、自分は提督殿を眺めているだけでも」
憲兵大尉「ふ。羨ましいやつだ」
あきつ丸「い、いや、その」
提督「……友と飲むのは、それだけで楽しいものだ。……だが、退屈させたなら謝ろう」
憲兵大尉「……ふふ、あの無口が随分喋るようになった」
提督「……放っておけ」
憲兵大尉「だが、確かにあきつ丸には悪いことをしたな。行くか」
提督「……」
あきつ丸「行く、とは?」
憲兵大尉「ああ。そろそろでな……」
ゴォォー……ン ゴォォー……ン
憲兵大尉「……丁度か。除夜の鐘だ。今から歩いて、初詣としゃれ込もう」
提督「……二年参りか」
憲兵大尉「巡視も兼ねるが、な。どうする。そちらはこのまま呑んでいてもいいが」
提督「……付き合おう」
あきつ丸「お、おふたりが行くなら自分もお供するであります!」
提督「……足元に、気をつけろ」
憲兵大尉「ああ、あきつ丸は夜の雪道は初めてか。ならばかんじきが……」
あきつ丸「かんじき、でありますか?」
憲兵大尉「……いや。おまえが支えてやれ」
提督「……なに?」
憲兵大尉「おまえは慣れているからな。構わんだろう」
提督「……構わんが」
憲兵大尉「ならばそうしろ。さて、行くか」
あきつ丸「提督殿、結局自分はどうすれば」
提督「……俺の手に、掴れ」
あきつ丸「……はっ!」
...
......
.........
憲兵大尉「覚悟はしていたが、大変な人出だな」
提督「……ああ」
あきつ丸「鎮守府には決まった人員しかいませんので、このような人出は久しぶりに見るであります」
憲兵大尉「ふ。物珍しがるのはいいが、逸れるなよ」
提督「……あきつ丸」
あきつ丸「は! 尽力するであります!」
憲兵大尉「ふ。どうやら、心配はなさそうだ」
...
......
.........
提督「……あいつめ」
あきつ丸「逸れるな、と言われた憲兵大尉殿ご自身が逸れてしまったは仕方ないでありますね」
提督「……仕方のない奴だ」
あきつ丸「……もしや、気を使ってくださったのでありましょうか」
提督「……?」
あきつ丸「いえ、なんでもないであります。提督殿。列も進んでおりますし、仕方ありません。初詣を済ませてしまいましょう」
提督「……そう、だな」
あきつ丸「ほら、空いたでありますよ。行くであります!」
提督「……ああ」
ガラガラガラ パンッ パンッ
提督「……」
あきつ丸「……」
あきつ丸「提督は、何か願いごとをされたのでありますか」
提督「……貴艦は、どうだ」
あきつ丸「は。自分は、この身が沈むまでご奉公が出来るよう願ったであります」
提督「……その願いは、叶わない」
あきつ丸「は?」
提督「……俺は、貴艦を沈めない」
あきつ丸「しかし、提督殿」
提督「……先に、この戦いを終わらせる。その為に、粉骨砕身する。……改めて、そう誓ってきた」
あきつ丸「誓った、とは?」
提督「……神社は、願い事をする場所では、ない」
あきつ丸「そう、でありましたか。お恥ずかしいことであります」
提督「……だが、日々努力する者の心願くらいは、叶えてくれよう。……別の願いも、考えておけ」
あきつ丸「……ふふっ」
提督「……どうした」
あきつ丸「一年の計は元旦にあり、と云うであります。今日の様子ならば、今年は提督殿とたくさん話ができそうと思ったのであります」
提督「……努力、しよう」
あきつ丸「はい。日々努力していただければ、提督の心願も叶うでありますな」
提督「……意味が、違わないか」
あきつ丸「同じであります!」
憲兵大尉「ああ、ここにいたか」
提督「……ああ」
あきつ丸「憲兵大尉殿」
憲兵大尉「すまんな、言った自分が逸れては仕方ない」
提督「……おまえらしい」
あきつ丸「いえ、ご無事で何よりであります。……自分の為に、ありがとうございました」
憲兵大尉「ふ、礼を言われるようなことはしていないが、な」
あきつ丸「ふふっ」
提督「……どうした」
あきつ丸「提督殿と憲兵大尉殿の仲がいい理由が、なんとなくわかったのであります。おふたりとも、よく似ているのであります」
憲兵大尉「この仏頂面と、か」
提督「……この仏頂面と、か」
あきつ丸「ふふっ、あはははっ! そっくりであります!」
提督・憲兵大尉「「……」」
...
......
.........
ガタンゴトン ガタンゴトン プァー
提督「……」
あきつ丸「……」
提督「……あきつ丸」
あきつ丸「なんでありましょう」
提督「……奴の、用事は」
あきつ丸「は、無事に済んだであります。ほかの艦娘がいるところでは渡し辛い、とのことでありましたので」
提督「……結局、なんだった」
あきつ丸「これでありますよ」
提督「……憲兵徽章、か?」
あきつ丸「はい。特務で憲兵として採用する、とのことでありました」
提督「……なるほど、な」
あきつ丸「憲兵大尉殿によれば、自分が間諜であることを強要されながら軍規を遵守し活動を行なわなかったことを評価されたそうですが……どういうことでありましょう」
提督「……奴なりに、気を使ったな」
あきつ丸「お分かりでありますか?」
提督「……憲兵は、海軍においては海軍大臣の差配を受ける」
あきつ丸「はあ。海軍の憲兵は海軍の命令系統に入る、と言うことでありますね」
提督「……必要であれば、国内を動くことも可能だ」
あきつ丸「……。つまり、それは」
提督「……暫く、俺の下で自由にしろ、と言うことだ」
あきつ丸「例えば今回のような場合、自分は憲兵であるので海軍所属として提督の指示で動け、婚約者などと偽装する必要がなくなる、と言うことでありますか」
提督「……ああ」
あきつ丸「……。なるほどであります。でしたら、こちらの指輪は提督殿にお返しします」
提督「……俺にも、使う宛はない」
あきつ丸「いえ。……提督殿もいずれ、一人の女性を選びましょう。そのとき必要になるはずであります」
提督「……そう、か」
あきつ丸「そうでありますとも!」
提督「……」
あきつ丸「……」
提督「……俺の顔に、何か付いているか」
あきつ丸「いえ。ただ見ていただけであります」
提督「……そう、か」
あきつ丸「……そうであります」
提督「……」
あきつ丸(そうであります。今回は必要に駆られて借り受けたまでのこと。お返しするであります。ですが、いつか)
――いつか、そのときが来たら。
あなたに自分を選んでいただけるよう努力すると。
初詣の時、自分は本当は、そう誓ったのでありますよ、提督殿。
あきつ丸「提督殿」
提督「……ああ」
あきつ丸「これよりこのあきつ丸、本領発揮するでありますよ!」
提督「……ああ。期待、している」
あきつ丸「お任せ下さい、であります!」
(ろくにんめ あきつ丸編 おしまい)
今夜のおつきあい、ありがとうございました。
安価も今夜中に取らせていただきます。
さて、それでは安価をお願いしたい、と思います。
活動限界が近づいておりますので、変則で申し訳なくはありますが、
今回の安価は3つ同時に挙げていただく方式でお願いいたします。
・主役となる艦娘
・シチュエーション
・提督のキャラクター
の3項目を満たした書き込みのみをカウントする方式とさせていただきたく。
よろしければご準備を願います。
さて、どなたかいらっしゃるか不安ですが。
安価の時間とさせていただきます。
>>+4 主役となる艦娘
>>+2 シチュエーション
>>+5 提督のキャラクター
それでは、今夜はこれにて。
またのお付き合いをお願いいたします。
安価ご参加ありがとうございました。
・武蔵
・コンサート開催
・薩摩隼人
面白い組み合わせになったかと思います。暫しのお時間を頂けましたら。
二週間ぶりのご無沙汰です。1です。
これより投下いたします。
■ななにんめ
妖精さん「あぁー」
提督「ないごっじょ」
妖精さん「な、ない……?」
提督「ああ、いや。何事か」
妖精さん「御国言葉かぁー」
提督「オレとキミだけだからいいが、油断すると出てよくないな。それで、なにかあったのか」
妖精さん「いやぁー、久しぶりだなぁー、と思ってぇー」
提督「は?」
妖精さん「こっちの話だよぉー……あ、そうだ」
提督「なよ……いや、何か?」
妖精さん「こんなの来てたよぉー」
提督「命令書か。……んにゃんにゃ」
妖精さん「ん、んにゃ……?」
提督「ああ、いや、少し驚いてな。噂の帰省命令だよ」
妖精さん「だったかぁー」
提督「しかし、随行一名か」
妖精さん「随行ぅー?」
提督「家からの要請だそうだ。そろそろ嫁を連れて来い、という話だな」
妖精さん「それ結構ピンチじゃなぁーい?」
提督「考えても仕方ない。誰かを連れて行……」
武蔵「提督よ! 入るぞ!」
妖精さん「……」
提督「……よし、武蔵。お前でいい」
武蔵「うん? どうした相棒よ。やっとこの武蔵を抱く気になったか」
妖精さん「……おい、どーすんだこれ」
提督「どげんしざっもね」
妖精さん「ど、どげ……?」
提督「……どうしようもない」
武蔵「それで、なんだ」
提督「いや、帰省することになったのでな。随行を命じる」
武蔵「そうか。なんだかわからんが、この武蔵に任せておけ」
妖精さん「え、説明とかぁー」
武蔵「必要ない。提督の決めたことに、この武蔵がついていくのだ。間違いなどなかろう」
提督「わっぜな」
妖精さん「すげぇなぁー」
武蔵「出発は?」
提督「船だからな。明朝になる」
武蔵「よし、準備をしておこう。しかし、鹿児島か。私は長崎生まれのシティガールだからな。鹿児島では浮いてしまうかもしれんな」
提督「……まあ、いい。そうだ武蔵」
武蔵「なんだ?」
提督「鎮守府から出るのでな。サラシで出歩くなよ」
武蔵「なん、だと……!?」
妖精さん「こいつら大丈夫かぁー?」
...
......
.........
ボォーーッ ボォォーーッ
武蔵「戦艦が船に乗る、というのも妙な気分だが」
提督「確かになあ」
武蔵「やはり、服は落ち着かんな」
提督「オレは落ち着くよ」
武蔵「なに?」
提督「艦娘と言え、いい年の娘が素肌を晒して歩いて落ち着く男はいないだろう」
武蔵「ふむ、悪くないな」
提督「いいのか?」
武蔵「貴様に意識させることができている、ということだろう?」
提督「……わっぜな」
武蔵「提督よ。貴様も薩摩隼人なら、不言実行で押し倒してきても構わんのだぞ?」
提督「なにか間違ってないか」
武蔵「なにも間違ってはいないな」
提督「そうか……そうか……?」
武蔵「ところで提督」
提督「ああ」
武蔵「ただの里帰り、というわけではあるまい。なぜこの武蔵を連れて行くのだ」
提督「ああ、多分に安心させるだけの意味だが、婚約者を連れて行かねばならんようでな」
武蔵「……」
提督「どうした?」
武蔵「……うん? い、いや、どうしもしないが? すまないが、先程の言葉をもう一度聞かせてもらえるか?」
提督「安心させるだけの意味だが……」
武蔵「そ、そうではなくて、その次だな」
提督「婚約者を、連れて行かねばならんようでな」
武蔵「ほ、ほう、婚約者! 貴様のな! それで、その女はどこにいるのだ?」
提督「目の前にいるだろう」
武蔵「ほ、ほう、目の前にな! この武蔵のか! 提督しかいないがな!」
提督「オレがオレと婚約するわけがないと思うがなあ」
提督「武蔵」
武蔵「う、うむ?」
提督「オレはキミとケッコンカッコカリしていたと思うが」
武蔵「そ、それはそうだな!」
提督「今更婚約で挙動不審にならなくてもいいんじゃないか」
武蔵「カッコカリは軍務だからな! だ、だが、こここ、婚約は」
提督「……どげんしざっもね」
武蔵「ど、どげ?」
提督「いや」
武蔵「い、言っておくがな。この武蔵、意外と乙女だぜ」
提督「乙女の割には押せ押せだがな」
武蔵「そ、それはな! ……き、貴様が受流すと思えばこそ」
提督「……信頼されていると受け取ろうか」
武蔵「そ、そうしてもらっても……いいかい」
提督「ああ。と、そろそろ着くが……武蔵。出来ればいつもの調子で頼むな」
武蔵「いつもの、調子?」
提督「ああ自信満々ないつものキミで、ということだ」
武蔵「う、うむ。努力、しよう!」
...
......
.........
武蔵「提督」
提督「なよ」
武蔵「凄いご家族だったなあ。それと、戻っているぞ」
提督「おっと、すまん。別に凄くはないと思うが……」
武蔵「いや、私がいうのもなんだが、あの酒量は尋常ではないぞ」
提督「この辺の人間はあれでも少ないくらいでな」
武蔵「隼鷹が喜びそうな話だ。それに、言っていることの半分もわからなかったぞ」
提督「容赦なく薩摩弁だからな……だろうな。だが、助かった」
武蔵「助かった、だと?」
提督「真ん中にいた爺さんがいたろう。可愛がってくれた叔父なんだが、どうも先が長くないらしくてね」
武蔵「なに?」
提督「戦争が終わるまでは生きてないだろう、と言われたらしい」
武蔵「……馬鹿か貴様は。なぜそういうことを先に言わない!」
提督「先に言ってどうなる物でもないからな。本当は誰かこっちの娘を娶って子を残すのがいいんだろうが……」
武蔵「な、なに? ならば、なぜ私を婚約者などと」
提督「ああ、それだと場合によってはいきなり未亡人を作ることになるしな。それもどうかと思うだろ」
武蔵「で、では」
提督「そんなわけで、戦争が終わるまでは結婚する気はないんだが……戦争が終わったら、キミと結婚したい、と思ってな。改めて頼む。婚約者になってくれ」
武蔵「……ふ、フッ。いいだろう! この武蔵に任せておけ!」
提督「……ああ」
武蔵「どうした」
提督「いや、本当に意外と乙女だなキミは。顏、真っ赤だぞ」
武蔵「……そこは黙っているところだろう!」
武蔵「……と、ところで提督よ」
提督「ああ」
武蔵「なぜ私たちはこんなところにいるんだ」
提督「なぜだろうな……ちょうど祭りのときに帰ってきてしまった、というのもあるが」
司会「そいでは、次は郷土のぎら、海軍中将殿と戦艦武蔵がうとばい!」
提督「まさかのど自慢大会があるとは」
武蔵「那珂ではあるまいし、なぜ私が歌わねばならない」
提督「歌は嫌いか」
武蔵「嫌いではないが……」
提督「それなら付き合ってくれ。ほら、いつものキミでな」
武蔵「……チッ、この女たらしめ」
提督「そうそう、それでいい」
司会「よかな?」
提督「よかどー」
武蔵「さあ来い! 婚約祝いだ! この武蔵が何曲でも歌ってやろう!」
武蔵・提督「貴様と俺は 同期の桜――」
...
......
.........
ボォーーッ ボォォーーーッ
武蔵「結局、十曲以上も歌わされたな」
提督「最後は随分楽しそうだったな」
武蔵「貴様と一緒だったからな」
提督「おお」
武蔵「どうした?」
提督「ああ。随分慣れたな、と思って」
武蔵「……他の艦娘に無様な姿は見せられないからな。いつまでも貴様にニヤニヤされるのも癪だ」
提督「そうか。少し残念かな……じゃあ」
武蔵「……んむっ!? ~~!?」
提督「……」
武蔵「……ぷはっ! ば、馬鹿! な、ななな、何を!?」
提督「不言実行が信条でね」
武蔵「ふ、不言実行をそういうところで実行しなくてもいいだろう!」
提督「婚約者なんだ、たまにはいいだろ」
武蔵「……その、なんだ」
提督「うん?」
武蔵「……夜戦は、程々にな」
提督「……」
武蔵「わ、笑うな! ……まあ、その、なんだ」
――この海に散っていった皆の分まで。この武蔵が、貴様の愛を受け止めてやる。
武蔵「だからな。満足、させてもらうぞ?」
提督「せぇたこよ」
武蔵「せ、せぇ……?」
提督「いや。よろしく頼むな、相棒」
武蔵「わ、私の台詞を取るんじゃない! ……こちらこそ。よろしく頼むぜ、相棒?」
(ななにんめ 武蔵編 おしまい)
短めですが、本日はここまで。
おつきあいありがとうございました。
武蔵をですね、デレさせてみたかったんです。
あといつか使いたかった軍歌が使えて満足です。ありがとうございます。
人がいらっしゃるかどうかはわかりませんが、日付変わる頃に安価をお願いしたいところ。
あれか、ヤン-ウェンリー提督かな?
>>488
カミソリ後藤じゃね
名取「私みたいなひんそーでちんちくりんの子はぁ・・・」
RJ「くっ・・・」
こうですか
ご無沙汰しております。1です。
今夜は名取ちゃんの導入部だけ投下させていただきます。
明日か明後日には終わらせて、また安価を取らせていただければなあ、と。
まだ見てくださっている方いらっしゃいましたら、よろしくお付き合いのほどをお願いいたします。
■はちにんめ
提督「どーしたもんか、ねェ」
妖精さん「どーしたもんだ?」
提督「いやあ、家から帰って来いって矢の催促でねェ。こっちはやっとこサボれる時期になったってのに」
妖精さん「どーしたもんだ?」
提督「仕舞いにゃ上まで動かした、のかねェこれは。車券が2枚」
妖精さん「2枚とな?」
提督「そろそろ身を固めろ、ってことと……後は大体わかるけどねェ。俺の周りには艦娘しかいないんだよねェ」
妖精さん「どーしたもんだ?」
提督「ま、あとが煩いのも面倒だしねェ。帰るしかないんじゃないの」
妖精さん「さみしくなるな?」
提督「いやいや、すぐに帰って来るさ。……さァて、誰にしたもんか」
妖精さん「愛宕とかどーだー?」
提督「アイドル艦だけどねェ。個人的には、なるべく目立たず、かつ殊勲艦って娘がいいかなァ……」
妖精さん「なんだそれー?」
提督「なァに、楽をしたいだけさ」
妖精さん「んー?」
提督「ま、お茶飲んでから考えようか。おーい、誰かいるかい?」
名取「あの、私がいますけど……私に呼び出し、って訳じゃないですよね」
提督「あァ、名取ちゃんがいたか。……そうだねェ、ちょっと御菓子買ってきてくれない? 3人分」
妖精さん「たのむよー?」
名取「あ、ええと、構いませんけど」
提督「その間に俺はお茶を入れておくからさァ。たまにはゆっくりした方がいいよ」
名取「あ、あの。提督さんはいつもゆっくりしてる気がします……」
提督「酷いねェ。これでも働いてるつもりなんだけど。ま、頼むよ」
名取「あ、はい。行ってきます」
提督「……名取ちゃんかァ」
妖精さん「どーしたー?」
提督「悪くないかも、と思ってさァ。とは言え、この話をしたら逃げられちゃいそうだからねェ……」
妖精さん「わるいことかんがえてるなー?」
提督「……いやいやァ。みんなで幸せになりたいだけさァ。さて、俺もちょっと野暮用を済ませて来ようかなァ」
妖精さん「おー?」
提督「すぐ戻ってくるよ。すぐねェ」
...
......
.........
名取「戻りました」
妖精さん「おかえりー?」
提督「おかえり、早かったねェ」
名取「いえ、島風さんほどでは。では、私はこれで……」
提督「いやいやァ。折角お茶淹れたんだからさァ、飲んでいきなよ」
名取「ふえぇ? よ、よろしいのですか……?」
提督「よくないなら淹れないよォ。お菓子だって3人分って言ったでしょ。俺と」
妖精さん「おれとー?」
名取「わ、私ですか? あ、あの、ありがとうございます。いただきます」
妖精さん「いただくぜー」
提督「うんうん。妖精さんはこっちね。名取ちゃんはこっち。いやいやァ、たまにはいいよねェ、こうやってのんびりするのもさァ」
名取「提督さんはいつものんびりしていらっしゃるように見えますが……あ、あれ?」
提督「どうしたんだい?」
名取「いえ、なんだか、急に……ふぁ……?」
提督「名取ちゃん? おーい?」
名取「……すぅ……」
提督「……寝たかなァ」
妖精さん「ねたなー?」
提督「うんうん。流石、大和型も6時間はぐっすりって触れ込みなだけはあるねェ」
妖精さん「ぐっすりー?」
提督「睡眠薬さァ。もちろん、後遺症なんかはないヤツだけどねェ」
妖精さん「わるいやつだー」
提督「ははは、兵は詭道だよォ。さて、行くかねェ」
妖精さん「いくのかー?」
提督「行くよォ……よ、っと。やっぱり女の子でも、寝てると結構重いよねェ」
妖精さん「おー。おひめさまだっこー?」
提督「大事な子だからねェ、ぞんざいに運ぶわけにもいかないさァ。荷物はもう送っておいたし、まァ、なんとかなるでしょ」
妖精さん「きをつけてなー?」
提督「なるべくなら、俺の出番はない方がいいんだけどねェ……」
名取「……すぅ……すぅ……」
...
......
.........
ガタンゴトン ガタンゴトン プァー
名取「……すぅ………ん……?」
提督「やァ、おはよう名取ちゃん」
名取「……あ、提督しゃん、おはようござ……ふえぇ!? こ、ここ、どこですかぁ~?」
提督「俺の故郷に行く電車の中だよォ」
名取「な、なんでそんなところに……あ、私、お茶飲んで……」
提督「流石歴戦艦。勘がいいねェ」
名取「ど、どうしてこんなことに……!?」
提督「いやァ、だって名取ちゃん、普通に頼んだら私はこれで……って逃げちゃうじゃない?」
名取「時と場合によりますけど……」
提督「いやァ、大したことじゃないんだけどねェ。ちょっと婚約者になって欲しくてさァ」
名取「……わ、私はこれで……」
提督「電車の中なんだけどなァ」
名取「……ふ、ふえぇ~」
提督「ちょっと面倒な話でねェ。ちょっと前に、俺の親父が死んだのは知ってるよねェ」
名取「あ、はい」
提督「それで、義母が家業を継いだんだよねェ」
名取「おかあさま、ですか?」
提督「俺の母親は子供のころに死んだんで、義理だけどねェ」
名取「はぁ」
提督「その義母から、ちょっと手伝って欲しいって手紙が来てねェ」
名取「お手伝い、ですか?」
提督「まあ、面倒だけどねェ。放っておくわけにもいかなくてさァ」
名取「……えぇと、それで、どうして提督さんに婚約者が必要に?」
提督「そうだねェ。後継ぎってことかなァ。結構長い家業だからさァ」
名取「あの~」
提督「ま、形だけさァ。実際には義母がまだまだ頑張るだろうし、煩い相手を黙らせられればいいのさァ」
名取「それじゃあ」
提督「うん?」
名取「私と結婚して……くれないんですか?」
提督「……へ?」
名取「あ、いえ、なんでもありません!」
提督「……あ、そ、そう……それならいいけどねェ……」
短めですが、今夜はここまでで。
またのお付き合いをよろしくお願いいたします。
日付も変わりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
こっそりと投下を開始いたします。
よろしければ、暫しのお付き合いを。
...
......
.........
提督「さァ、着いたよォ」
名取「……あの、提督さん」
提督「うん?」
名取「ここって……」
提督「俺の家だよォ?」
名取「あの、どう見ても……」
若い衆「「「「「お帰りなさいませ、若!!」」」」」
名取「……極道さんですよね?」
提督「まァ、そうなんだけどねェ」
名取「ふえぇ……」
提督「まァ、入って入って」
名取「か、帰りたいです……」
義母「お帰りですか、若様」
提督「どうも、義母さん。いつも言ってますけど、名前でいいんですよォ」
義母「私はあくまであのひとの代理ですから。今回はわざわざすみません……そちらの方が?」
提督「あァ、名取と言います。俺の、……まァ、婚約者でしてねェ」
名取「ふ、ふえぇ!?」
義母「……」
提督「……えェと」
義母「……成程。これで、組も安泰ですね」
提督「俺も今日明日で辞める訳にはいかないんで、深海棲艦がいなくなるまでは義母さんに支えてもらうことになりますけどねェ」
義母「仕方ありませんね。……そのために、今回は来てもらったわけですし」
提督「親父の仇討ち、でしたよねェ」
義母「ええ」
名取「ふぇっ!? か、仇討ち!?」
提督「ま、再起不能なくらいに叩きのめしておきましょうかねェ。こっちには秘密兵器もいますしねェ」
義母「若様がそう仰るなら安心ですね」
提督「……俺はただの昼行燈ですよ。あんまり買いかぶらないで貰えると嬉しいんですがねェ」
義母「ふふっ。本当の所は、どうですか。名取さん?」
名取「は、はい? 提督さんですか? あ、あの、普段はぼーっとしてますけど、作戦時は凄いと思います……その、怖いくらいです……」
義母「……だ、そうですが?」
提督「……やれやれ。義母さんにはかないませんねェ」
...
......
.........
名取「あ、あの……。提督さん。様子見って出て来ましたけど、結局どういうことなんですか……?」
提督「んー、説明し辛いんだけどねェ。親父が死んだ話はしたでしょ」
名取「はい……」
提督「実は、あれ、殺されたみたいでねェ」
名取「ふえぇ!?」
提督「極道同士のよくある揉め事さァ。……極道のくせに極道嫌いで、俺にはカタギになれって軍に入れた親父だったけどねェ」
名取「……」
提督「それでもひとりしかいない親父だし、義母さんにとっては夫だったんだよねェ」
名取「それで、仇討ち、ですか」
提督「深海棲艦禍の真っ最中だし、人間同士で争ってる場合じゃないんだけどねェ。そもそも俺、争いって好きじゃないんだよ」
名取「……提督さんも、本当は戦いって好きじゃないんですね」
提督「そうだよ。俺は平和主義者でねェ……っと。まあ、この辺かな」
名取「この辺、って……なにもありませんけど」
提督「そりゃねェ。まだ目的地までは何キロかあるし」
名取「……ええと……?」
提督「俺はこれから、相手の事務所に話し会いに行くけど」
名取「ふえぇ!? 夜中ですよ!?」
提督「向こうさんは起きてるだろうさ。でも、多分ダメだろうから、そうだなァ」
名取「えええ……」
提督「今から1時間くらいの間に照明弾を見たら合図だと思って」
ゴトッ
提督「もう1発照明弾上がるまで、コイツをありったけ撃ち込んでくれるかなァ」
名取「あ、あれ……これ、私の14センチ砲ですよね」
提督「そうだねェ」
名取「いつの間に持って来たんですか……」
提督「名取ちゃんがお菓子を買いに行ってる間にちょっとねェ」
名取「あの時……で、でも、提督さんに当たったりしたら」
提督「あァ、それなら大丈夫。女神像を持って来てるし」
名取「……本気、なんですか?」
提督「本気も本気さ。とは言え、俺たちはあくまで下準備だけどねェ。本当に頑張るのは義母さんたちだからさァ」
名取「でも、危ないんじゃ」
提督「かもねェ。でも、この方が余分な血が流れなくて済む、と俺は思うよ」
名取「提督さんがそう言うなら……」
提督「頼むよ、名取ちゃん」
名取「それは、その。命令、ですか?」
提督「……その方がやり易いなら」
名取「……頑張ります」
提督「あァ。ありがとね」
...
......
.........
提督「さて、と。行くかねェ……兄さん、ちょっといいかい?」
チンピラ「お? なんだテメェ?」
提督「組長さんに会えないかねェ。親父のことで話しに来たんだが」
チンピラ「親父のことだぁ? ……テメェ、まさか」
提督「おいおい、殺気立たないでくれるかなァ。荒事は苦手だし、こっちは話しあいに来てるんだ」
組長「いや、その必要はないな」
提督「……あんたが、組長さん?」
組長「ああ。女連れで帰ってきた息子ってのがあんたかね。親父さんのことは残念だったな」
提督「そりゃァ、どうも。……お耳が早いことで。まさか嫁についても知られてるとはねェ」
組長「ハッ、面ぁいいが暗そうな女だな」
提督「……ははァん。それだけですか」
組長「あぁ? ま、そう悲しむことはねえよ。あんたもすぐ親父さんのところへ行ける」
提督「……へェ」
組長「連れてきた女についちゃ心配すんな。こっちで引き取ってやらぁ……おい、全員出せ!」
チンピラ「へへっ、さすが組長! おい、出てこい! 包んで殺せ!」
提督「……まったく。話が早くて助かるねェ……」
チンピラども「囲め囲め!」「逃がすなよ!」「武器持ってこい」「へいっ」「ザッケンナコラー!」「スッゾコラー!」
提督「こりゃ、ちょっとやばいねェ。……ゆっくりしてるとホントに殺されそうだ。恨まないでよ」
チンピラ「お、おい、アイツ銃を……」
バンッ
チンピラ「ぐわぁっ!?」
組長「……なんだっ!?」
チンピラ「目、目が!? テメェ、何しやがった!」
提督「なんてこたァない、照明弾さ。……さて、そろそろかなァ」
組長「そろそろ……?」
ズガァーーーン!!
組長「ッ!?」
チンピラども「なんだなんだ!?」「屋、屋敷が……」「燃えてる!」「まさか、こいつは囮……!?」「ザッケンナコラー!」「スッゾコラー!」
組長「な、何しやがった!」
提督「照明弾って言ったでしょうが。ひとりで話しあいに来ると思ってたなら、おめでたい頭ですねェ」
ズッガァーーーーン!!
組長「もう一発!? う、撃ってるやつを探せ! 近くにいるはずだ!」
提督「無駄無駄ァ。要塞砲にも使われた、14cm単装砲さァ」
組長「なんだと!?」
提督「有効射程約20km……撃ってる方角がわからなきゃ直径40kmの円周だ。この闇夜に、くまなく探すかい?」
組長「テメェ……」
ズッガァーーーーーン!!
提督「ついでに言うと、これ撃ってるの俺の嫁さんでねェ。……ウチを潰すつもりなら相手になるし、俺を殺したら……どうなるかなァ?」
ズッガァーーーーーン!!
組長「……クッ」
提督「物分りがいい方が、これから巧くやってけると思うがねェ」
組長「……あとで俺が改めて挨拶に行く。今夜はお引取りを願えねえか」
提督「……そうそう、みんな仲良く、が一番だよねェ……」
バンッ
提督「これで終わりですかねェ。それじゃ、俺は帰りますよ」
チンピラ「テメェ……」
組長「やめろ!」
チンピラ「……チッ」
提督「……じゃ、また」
...
......
.........
提督「戻ったよォ」
名取「あ、提督さん! ……よかったぁ……」
提督「いやァ、お陰で助かったよ。これでまあ、当分大丈夫なんじゃないかなァ」
名取「……そうですか」
提督「……あれ? 怒ってる?」
名取「怒ってます。だって、提督さんには女神像効果ないじゃないですか! ……気付いたの、撃ったあとでしたけど……」
提督「……あ、気付かれちゃったか」
名取「心配したんですからね!」
提督「ははァ、じゃァ、これでお相子だねェ」
名取「ふぇ?」
提督「名取ちゃんたちが出撃してる間、俺も心配してるってことだよ」
名取「……あ、ええと、あの……」
提督「帰ろうか。一働きして、ちょっと疲れたよ。やっぱ行灯は昼に灯すもんだよねェ」
名取「なんだか、誤魔化された気がします……」
...
......
.........
義母「まさか、一晩で片付けておしまいになるとは」
提督「あんまりゆっくりもしてられない身分でしてねェ。それに、長引くとこっちの身元も割れそうでしたし」
義母「今を時めく海軍将校が極道というのは、やはり……」
提督「いやァ。別にそれは構わないんですが、それで相手が怖気づいちまうとやり辛くなりますから。拙いやり方ではあるんですがねェ」
義母「兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり」
提督「……そういうこと、です」
名取「えぇと……」
提督「だらだらやっても仕方ないし、多少拙くても電撃作戦の方がマシ、ってことさァ」
名取「ふえ~」
提督「さて、それじゃ行きますか」
義母「もう少しゆっくりしていかれたらどうです?」
提督「いやァ、そうも言ってられません。面倒ですが、まだ戦争は続いてますしねェ」
義母「此方は此方の、其方は其方の戦争がある……ということですか」
提督「また来ますよ。……どっちかでも、平和になってるといいですねェ」
義母「ふふ。此方はしばらく大人しそうですが」
提督「名取ちゃんが大分ぶっ壊しましたからねェ」
名取「て、提督さんがやれって言ったんじゃないですか!」
義母「ふふふ。またおいでください。名取さんも」
名取「……は、はい」
...
......
.........
ガタンゴトン ガタンゴトン プァー
提督「いやァ、ご苦労だったねェ」
名取「なんだかいいように使われた感じですけど……提督さん」
提督「なんだい?」
名取「どうして、私を連れて行ったんですか?」
提督「そうだねェ……色々あるんだけどさァ」
名取「色々……」
提督「そそ。見張られてる可能性も考えると、あんまり有名な子も連れてけなかったし。それでいて実力がないとアレはできなかったし」
名取「そ、そうですよね……」
提督「それに、年甲斐もないと思うけど。気になる子の前だとカッコ付けたくなるじゃない?」
名取「……ふえぇ!? い、今、提督さん……!」
提督「さァて、それじゃつくまで寝てくから。起こしてね、名取ちゃん」
名取「え、あの、ちょっと」
提督「……ZZZ」
名取「わ、わざとらしいですよ、提督さんってば! ……もうっ」
提督「……ZZZ」
名取「……でも、自惚れても、いいんですよね? これだけは、私はこれで、なんて言いませんから。だから」
――提督……いえ……ぁ、あなたのために……もっと、がんばります。
(はちにんめ 名取編 おしまい)
今夜のお付き合い、ありがとうございました。
名取ちゃんとは。
昼行燈、難しいですね。
さて、久しぶりですが、安価も今夜のうちに取らせていただきます。
暫しお待ちください。
さて、どなたかいらっしゃいますでしょうか。
安価を取らせていただければな、と思います。
まずは様子見がてら、艦娘安価で。
今日はこの形でも平気でしょうか。誰もいらっしゃらなければまた考えます。
>>527
龍田
おお、安価ありがとうございます……!
龍田ちゃん、いいですよね。かなり好きな艦娘です。
では、次は提督の設定安価を。
>>534
姉好き
妹艦娘に姉好きとはまた酷な気がいたします。
面白くなりそうです。
それでは、最後に帰省イベント安価を。
>>538
宗教大流行
ご参加ありがとうございます。
結果、
龍田
姉好き提督
宗教大流行
の3本となりました。
ではまたいずれ。よろしくお付き合いください。
宗……教……?
期待
残ってた……だと……?
1です。
>>565 さん、ありがとうございます。
ほぼ2か月ぶりに……秋イベが始まって終わってしまいましたが……投下いたします。よければお付き合いください。
■くにんめ
提督「……参ったな」
妖精さん「どしたー?」
提督「ああ、ちと厄介な任務が入ってな」
妖精さん「んー……おうち帰るー?」
提督「他のところは単純にそうだが、今回はそう見せかけた軍務なんだよ。全く、俺だけ貧乏籤じゃないか」
妖精さん「ふむー」
提督「しかし、誰を連れていくかな。そろそろ来るだろうし、秘書艦に頼むのがよかろうな」
妖精さん「よかろうな」
提督「今日の秘書艦は……天龍か。……龍田じゃなければ、まあ……」
コンコン
提督「来たか。ああ、空いてるぞ天龍」
龍田「天龍ちゃんじゃなくて残念でした。龍田だよ~」
妖精さん「ちょっとようじおもいだした! じゃあな!」
提督「……うっ、龍田か……って妖精さん!?」
龍田「あら~? 提督も妖精さんも、そんなに厭そうな顔されると、幾ら私でも傷つきますよ~? やっぱり、妹じゃダメなのかしら~」
提督「……ああ、すまん」
龍田「提督が天龍ちゃん……というか、お姉ちゃん好きなのは知ってますけど~、私だって仮にもケッコン艦なんですから」
提督「俺がケッコン申し込んだとき天龍ちゃんがいるから、って断ったのどこの誰だよ」
龍田「ケッコンと結婚を間違えたんだから仕方ないじゃないですか~。ふふふっ。お互い姉好き、ってことでは仲間なんですけどね~」
提督「姉好き、ねぇ……俺、姉はいないんだけどな」
龍田「でも提督、理想のお姉ちゃんはいるんですよね~?」
提督「……まあ、な。それはそれとして、天龍呼んできてくれないか」
龍田「それがね~。残念なんだけど、天龍ちゃん風邪ひいちゃって~」
提督「風邪ぇ? ……まあ、この間の遠征、帰り凄い雨だったからな、仕方ないか……見舞いに行きたいとこだが」
龍田「熱が下がってからにしてくださいね~。女の子はそういうところ気にしますから~」
提督「そういうもんか。わかった。ちょうど……」
龍田「だから~、私がついていきますよ~?」
提督「何日か外すしな……うん?」
龍田「ふふふっ♪」
提督「……どこから聞いてた?」
龍田「『……参ったな』のあたりかしら~」
提督「全部じゃねーか! 仕方ないな……あんまりおまえ連れて行きたくはなかったんだけどな」
龍田「な~んで天龍ちゃんならよくて、私じゃダメなのかしら?」
提督「……」
龍田「ふふっ♪」
提督「わかった、わかった。じゃあすまんが、ちょっと準備してきてくれ。多分数日泊りになるからな」
龍田「あらあら、お泊り? 大胆~」
提督「おまえなあ……」
...
......
.........
ガタンゴトン ガタンゴトン プァー
龍田「そういえば~、最近お休みにかこつけて婚約者を連れてくのが流行りとか~?」
提督「らしいな。今回も名目上はそうなってる」
龍田「とすると、私が婚約者ってことかしら~?」
提督「……そうなるな」
龍田「ふふっ、ほ~んと、天龍ちゃんじゃなくて残念でした。球磨ちゃんや千歳さんでもよかったのかな~」
提督「……おまえなあ」
龍田「それで、本当のお仕事の方は~?」
提督「……ああ。この状況じゃ仕方ないところだが、ちょっと面倒な集団がいてな」
龍田「面倒?」
提督「深海棲艦を神仏の類だって崇る連中が出始めてな。力及ばないものを畏敬する。判らんじゃないが」
龍田「いい気なものよね~。私たちが苦労してるのに~」
提督「本拠地が偶々俺の故郷でな。帰省、って名目で内偵しろとさ。現地の連中を動かすわけにもいかんしな」
龍田「ふふっ、将官にさせるお仕事じゃないかも」
提督「と言ってもな。艦娘と仕事ができる将官なんて、上から見りゃ結局異端で便利屋なんだろ」
龍田「でも、意外だったな~」
提督「意外?」
龍田「提督が佐世保の出身だったなんて~」
提督「ああ……まあ、な」
龍田「私も佐世保の出身なんですよ~」
提督「……そうだな」
龍田「ふふっ、意外と子供のころに会ってたりして~」
提督「…………かも、な」
龍田「?」
提督「そろそろ着くな。準備はいいか?」
龍田「……? いいですよ~」
...
......
.........
提督「……」
龍田「……あら~」
提督「こりゃ酷いな。まさか駅前から……なんだこれ。深海大明神って……多分深海棲艦だろうが」
龍田「みたいですね~。仏像……なのかしら。大明神だから神像?」
提督「なんにせよ、予想以上に広まってるな。佐世保鎮守府は何してんだ」
龍田「敵襲の多いところですから~」
提督「内地まで手が回らない、か。どっちにしてもやることは同じだけどな」
龍田「とりあえず~、提督のおうちに行きましょうか~」
提督「ちょっと?」
龍田「ほらほら~」
提督「おまえなあ……」
...
......
.........
父「ほう。珍しい奴が顔を出したな」
提督「……ただいま」
父「仕事が忙しい、と寄り付きもせんかったやつが、またどういう風の吹き回しだ」
提督「あー……ちょっとね。しかし、久しぶりに来たけど、駅前のあれ、なんだよ」
父「見たか。少し前から流行り出してな。西の島に出来た宗教みたいなやつだ。元々街に居たもんは見向きもせんが、外からどんどん集まってきよる」
提督「……なるほどな」
父「それで、そっちの御嬢さんは」
龍田「うふふっ。はじめまして、お義父様~。婚約者の龍田です~」
提督「お、おいっ」
父「ほう。そういうことかよ」
龍田「そういうことなんです~」
提督「おい、おいい!」
父「まあ、確かにコイツはうっかりしているからな。年上くらいでちょうどいいだろう」
提督「はあ?」
父「では龍田さん、なんのもてなしも出来んが、ゆっくりしていきなさい」
龍田「はい~」
提督「……いや、まあ、元々そういう予定だったし。宿は……確保できたか」
龍田「ふふふっ。お義父さん、よく私が年上って気づきましたね~?」
父「見ればわかると思うがな」
龍田「ふふふっ」
提督「楽しそうだなあおまえ……」
...
......
.........
龍田「それで、どうするんです~?」
提督「上が危惧してるのは、例の大明神に本物の深海棲艦が関わってないかどうか、だからな。それを調べるさ」
龍田「本物~?」
提督「姫やら鬼やらって呼ばれてる連中にもなると、喋ったりもするからな。そういうのが奥にいないとも限らん」
龍田「なるほど~。でも、それだと私の火力じゃ不安なんじゃ~?」
提督「いや、火力というかな。一応、他の鎮守府の管轄だからな。砲を持ち込むわけにはいかんし」
龍田「な~るほど。斬り落としちゃうんだ」
提督「まあ……そうなる」
龍田「うふふっ。確かに天龍ちゃんか私が適任ね~。提督もちゃんと考えてるのね~?」
提督「いつでも考えてるつもりなんだが……」
龍田「うふふっ。ごめんね~? なんだか、最初のころのイメージがずっと残っているの」
提督「龍田はだいぶ最初期に来たしな。……ま、わかるけど」
龍田「思い出すわ~。天龍ちゃんが来た時、本当に嬉しそうだった提督の姿……」
提督「……いや、そのな?」
龍田「提督ってば、あのころからずっと姉属性だから~」
提督「……確かに、それはそうだがな?」
龍田「そうとわかれば、さっさと済ませて帰っちゃいましょうか~。ほらほら、提督~。置いていきますよ~」
提督「お、おい!?」
...
......
.........
龍田「あはっ、終わりましたね~」
提督「ああ。こんな島に、本当に姫級が潜伏しているとはな。中破してて助かった」
龍田「駆逐棲姫ね~。万全の状況だったら、私じゃ敵わなかったよ~」
提督「言っとくけどな。どうしてもって言うからやらせたが、相手が万全だったら、そもそも交戦を許可しなかったぞ俺は」
龍田「ふふふっ。だって、私の魚雷がうずうずしてたんだもの~」
提督「……結果としてはよかった、けどな」
龍田「うふふっ、提督は心配性なんだから~。私だってケッコン艦なんだから、信じてくれたっていいのに~」
提督「なんにせよ、本体はいなくなったんだ。あとは地元に任せていいだろ」
龍田「そうですね~……あら?」
提督「どうした?」
龍田「なんだか……ここ、知ってるような」
提督「……佐世保出身なんだろ。来たことくらいあるんじゃないか」
龍田「う~ん……? なんでだろ~?」
提督「……」
提督「……昔、な」
龍田「昔?」
提督「まだ子供のころ。俺もこの辺に来たことがある。道に迷って、な」
龍田「……え?」
提督「……その時に、優しいお姉さんに助けられてなー。俺が姉属性になったのって、それが原因なんだよ」
龍田「え? ……え?」
提督「ま、俺にとってはその時のその子はお姉ちゃんだった、ってだけで。実際には妹だったらしいけどな」
龍田「え、あの、それって……」
提督「もっとも、本人は忘れてたみたいだし? こっちは一目見てすぐ分かったんだけどな?」
龍田「え? えええ?」
提督「……だからお前を連れて来たくなかったんだよなあ……」
龍田「え。じゃあ、提督の理想のお姉ちゃんって……」
提督「……帰るか」
龍田「え? え? 天龍ちゃんじゃなくて……?」
提督「……ということを念頭に置いて、あとでもう一回考えてくれると嬉しいんだが」
龍田「考えるって、提督、あの~」
提督「結婚、の方な」
龍田「……うふっ。うふふふふふ」
提督「お、おい?」
龍田「提督~? 私がどれだけ気を使ったかわかってます~?」
提督「いや、それってお互いさまじゃないか……」
龍田「考えておきますね~? うふっ。うふふふふふっ。やたっ♪」
提督「……ま、いいか」
龍田「あ、そうそう。提督?」
提督「なんだ?」
龍田「浮気は禁止ですよ? もししちゃったら――」
――その手、落ちても知らないですよ?
(くにんめ 龍田編 おしまい)
お昼のお付き合い、ありがとうございました。
お待たせいたしました。龍田は大好きな艦娘のひとりなので楽しかったです。
宗教は……危機的状況になると、そういうこともあるかなあ、という。
あ、次の投下がいつになるかはちょっとわかりませんが、それでもお待ちいただける方がいらっしゃいましたら。
本日夜に安価をお願いしたいところ。
よろしくお願いいたします。
お布施は鋼材や燃料なのかな
「コノ壷ヲ買エバ建造モ開発モ好キナ物ガジャンジャン出ルゾ」とか悪徳商法やってたり
>>585
その壺、いくら出せば譲ってもらえるんですか?
武蔵とか伊401とかもOKですか!?
さて。
それでは本日の安価を。
ちょっと変則ですが、タイムスタンプ21:30:00.00基準で。
艦娘安価>>タイムスタンプ後最速
イベント安価>>タイムスタンプ後最速+2
提督性格安価>>タイムスタンプ後最速+4
ということでお願いいたします。
なお1の艦隊、夏イベで沈んだ瑞鳳はまだ戻ってきません……。
今日は何の日? 子日だよ! 1です!
とりあえず記入ないものは下に繰り越しまして、
艦娘:大淀
イベント:男受け
提督:隻腕のスケベ
ということになりますでしょうか。……男受け?
>>605
薄い医療用ゴム手袋をはめた大淀さんが、手袋にワセリンを垂らしつつ
大淀「提督、こんなに期待してたんですね……まずは小指で様子を見てみましょうか?(ニッコリ」
大淀「あらすごい……まさか、いきなりで4本行けるとは思っていませんでした。試しに、手首まで行ってみましょうか?」
大淀「あはっ♪ 提督の顔、蕩けちゃってますよ? こんな顔、他の娘に見せたら大変ですよねぇ~?(クスクス」
みたいな感じで良いのよ?
E-5、抜けた……!
丙ですが。
そして攻略中に瑞鳳が戻ってまいりました。大変に嬉しい。
ご無沙汰しております。1です。俺の正月休みはどれだけ長いんだ。
これだけご無沙汰しておいて大淀さん、前編のみですが、お付き合いいただければ、と思います。
■じゅうにんめ
提督「……マジですかこれ」
妖精さん「マジかー?」
提督「いやー、マジだなー。有難いやら有難くないやら……」
コン、コン
提督「……ん、誰だ? はーい、入っていいですよぉ!」
大淀「失礼します」
提督「おー、大淀か」
妖精さん「おおよどかー」
大淀「大淀です。妖精さんは水偵に戻りましょうね」
妖精さん「おー。じゃーなー」
提督「じゃーなー。それで? 今週の任務更新?」
大淀「いえ、あの……それはまだなんですが。……何かお手伝いすることはないか、と」
提督「あー……手というか、腕が足りないのは見ての通りですけどねえ。なあ大淀」
大淀「ですから、何か」
提督「気にすんなって。言ったろ? 片腕失くしたって、困るのは飯食う時と仕事中におまえの尻を触れなくなったことくらいだって」
大淀「ですが……」
提督「あ、あとひとりで致す時に本のページ抑えるのが大変でなぁ。お陰で最近すっかりDVD派ですよ」
大淀「いや、あの、流石にその」
提督「アノもアンアンもないだろ。おまえのせいじゃないんだから」
大淀「私の艤装を確保する作戦の時ですから……」
提督「そりゃそうですけどねぇ。ほっぽちゃんに食い千切られたのは俺が指揮官の役目も弁えずノコノコ海に出てったせいですし?」
大淀「私のせいで、当艦隊も半年以上まともに作戦参加出来ませんでしたし……」
提督「まあ引退しててもおかしくないもんなコレ。上もよくまだ俺を使おうって思ったもんだ」
大淀「と、当然です! 提督は私……たちにとって、なくてはならない方ですから」
提督「どうかな。猫の手ならぬ傷病兵の手も借りたい、って奴じゃないの? 一本しかないけど。ハハハ」
大淀「笑い事では……!」
提督「もう一年近く前だ。笑うよ。おまえも笑ってりゃいいじゃないの」
大淀「ですが……」
提督「あーもう! あんまりしつこいと仕事やめておっぱい揉みますよぉ!?」
大淀「……ひゃっ!?」
提督「大体、おまえは働きすぎなんですよ。艤装ない時からずっと働きっぱなしで、俺がいない時だって……あ、そうだ」
大淀「提督?」
提督「大淀、おまえ明日から休暇な。いや任務ではあるけど、まあ仕事はしなくていいだろ」
大淀「あの、仰る意味が……」
提督「ちょっと家に呼び出されてな。まあ復帰前も入院してたし、帰ってないんで当然っちゃ当然なんですけど」
大淀「あ、はい」
提督「傷病休暇もまだ残ってるし、もう今度の中規模作戦も終わるし、上からも休めって言われてね」
大淀「はい」
提督「で、まあ帰るのはいいんですけど。俺がいなくなると、その間鎮守府は動けないよね?」
大淀「全く活動できないわけではないですが……戦闘行動はできませんね」
提督「できないわけじゃない、っておまえがこまごま動くことでしょうが」
大淀「……ええと、その」
提督「あー。まあいいや。それで、ご存知の通り俺はソロプレイにもこと欠く有様なわけです」
大淀「ソ、ソロプレイって提督!」
提督「え、おまえしたことないのソロプレイ? ゲームのマルチプレイじゃない方ですよ?」
大淀「えっ」
提督「はっはぁ~ん。いやらしいこと考えましたね? こ~のムッツリ! ムッツリ眼鏡!」
大淀「~~~ッ!!?? て、提督! もうっ!!」
提督「はっはっは。えーと、どこまで話したっけ」
大淀「提督が家に呼び出されて、御一人では諸々大変だ、というところまでです」
提督「おお。それで、ですよ」
大淀「それで、なんでしょう」
提督「そんな諸々の手伝いがてら、大淀、おまえちょっと一緒についてきてくれませんかね」
大淀「……はい?」
提督「あ、とは言え、厠とか風呂はひとりで大丈夫から別に心配しなくても……」
大淀「いえ、その。そこは問題ありませんが」
提督「……え? まさか、混浴したいの? ムッツリ眼鏡なの? そりゃ、俺は歓迎ですけどねえ」
大淀「い、いえ! そうではなくてですね!?」
提督「ではなくてー?」
大淀「私、ですか?」
提督「あ? あー、なんで大淀なのか、ってことですか。そりゃおまえが気にしすぎで、働きすぎだからよ」
大淀「気にしすぎ、はまあ……そうは思いませんが、提督がいつも仰っていることなので認めますけど」
提督「働きすぎとは思わない?」
大淀「はい」
提督「まったく、この娘さんは! ワーカホリックですかよ!」
大淀「私は私にできることをしているまでですし」
提督「俺が働きすぎだと思ってる、ってんですよ」
大淀「しかし……」
提督「はい決定ー大淀は働きすぎー。上司権限ー」
大淀「あっ……もうっ!」
提督「……はっ! これでは話が進まない!」
大淀「進める気がお有りだったんですか」
提督「そりゃありますよ。この夏は長門にビキニ着せようぜ、ってのと同じくらい本気ですよ?」
大淀「それはやめておいた方が……ではなくて」
提督「あ、はい。あー、俺が家に帰る時に、この身体だと何かと面倒だから誰かについてきて欲しいわけだ」
大淀「はい。それで、私に?」
提督「そうそう。流石の大淀も鎮守府にいなければ仕事はできないだろうし、提督の粋な心遣いです」
大淀「御自分で仰らなければ余計にいいんですけど」
提督「ハッハッハ、これがホントの片手落ちってなぁ?」
大淀「……あの、提督?」
提督「あー?」
大淀「私もあまり言わないようにしますから、あまり悲しいことを仰らないで下さい」
提督「……大淀サンのそう言う察しのいいトコ、提督苦手ですよ」
大淀「ところで、出立は」
提督「明日の朝、ですかねー。……あ、そうそう」
大淀「はい?」
提督「大淀は俺の婚約者、ってことにしてもらうから」
大淀「……。は、はひっ!?」
提督「よーし! その顔が見たかった! 下がってよし!」
大淀「ちょ、提督!? お、押し出さないで下さい! 提督!?」
提督「ほらほら、準備準備。まった明日ー」
大淀「提督!? 提督――」
提督「……さーて、勢いで言っちゃったけどどうしますかねコレ」
短いですが本日はここまで。
また次回、大淀後編でお会いできれば。
さほどお待たせしません……と、思います……!
2ヶ月ぶりのご無沙汰です。
サクッと後編、参ります。
ガタンゴトン ガタンゴトン プァーッ
大淀「提督、みかん食べます?」
提督「ん、ああ、貰いましょうかね」
大淀「はい、どうぞ。あーん」
提督「……はい?」
大淀「あーん、ですよ、提督?」
提督「大淀サン?」
大淀「ほら、私も恥ずかしいんですから早くしてください」
提督「いや、渡してくれれば普通に食べますから」
大淀「もう! 駄目です!」
提督「あ、はい……あーん」
大淀「はーい」
提督「……」
大淀「……」
提督「……おおよほふぁん?」
大淀「どうしました?」
提督「ゆひをふいへふれまひぇんは」
大淀「……何を仰ってるかわかりません」
提督「いや、ゆひほへ?」
大淀「そんなことより、早くみかん食べないとですよ?」
提督「ゆひ……」
大淀「……ほら、提督?」
提督「……んむっ……ちゅばっ」
大淀「……指を舐められてしまいましたね。うふふっ」
提督「いや、大淀サンが舐めさせたんでしょ今の。どうしたのおまえ。急に淫魔にでもなったの」
大淀「あ、いえ、そういうわけではないのですが。婚約者、と言うことでしたので」
提督「でしたので?」
大淀「今のうちに慣れておいた方がいいかと思いまして」
提督「いやぁ、慣れもなにも、提督むしろ持ってかれましたよ」
大淀「いえ、提督が本気を出したらこの程度ではないと思います」
提督「厭な方向の過大評価キタコレ」
大淀「ご安心ください。軽巡大淀、立派に婚約者を務めます」
提督「ちょっと予想外の展開です」
大淀「私は計算通りです」
提督「女の子怖ぁっ!」
...
......
.........
母「おーい!」
提督「はーい、母さん。俺ですよ!」
母「ああ、ああ。お帰り。手紙では知ってたけど……すっきり、しちゃったわねえ」
提督「まあ、その、ですね。……ごめん」
母「……生きてるだけで、十分だよ」
提督「……ありがとう。ああ、父さんは?」
母「漁に出てるよ。おまえが帰ってくるからって、張りきっちゃってね」
提督「漁、出られるようになったのか」
母「おまえたちのおかげさ。……ところで、そちらの方は?」
提督「ああ、大淀って言って、俺の部下で」
大淀「婚約者です」
提督「……まあ、そういうことですよ」
母「あらまあ。それならゆっくりして行ってもらわないとねえ」
提督「大仕事も近いんで、そんなにゆっくりはできませんけどね」
母「何日かくらいは泊まってけるんだろ? 大淀さんも」
大淀「ご迷惑ではありませんか?」
母「全然だよ。……ところで、大淀サン?」
大淀「はい?」
母「あの子の相手、大変じゃないかい? スケベの癖にヘタレだからねぇ」
大淀「いえ。ですが……」
母「うんうん」
大淀「提督もこう言うところ、お母様に似たんでしょうか……」
提督「……へっくしゅん!」
「うふふっ、ありがとうございます」
「いえ、それほどでも」
「提督には、大変よくして頂いていますし」
「私の……いえ、私たちの戦いは、提督がいなければはじまりません」
「頼りに、させていただいております」
「こちらこそ、よろしくお願いいたしますね」
「いけません。私はもう売約済みですから。うふふっ」
提督「……ふうっ」
大淀「提督、こんなところにいらっしゃったんですか」
提督「ああ、ちょっとね。居づらかったんですよ」
大淀「提督が主役じゃないですか」
提督「いやー、そうじゃなかったよね」
大淀「ですが……」
提督「大淀サンが主役でしたよ。モテモテだったでしょ」
大淀「艦娘が珍しいものだと……」
提督「それもあるかとは思いますけどね」
大淀「そうではないんですか?」
提督「艦娘ってのは、自分の魅力に無自覚だから困るよね」
大淀「……はい?」
提督「軍で生まれて女の子ばっかりのところで暮らしてるからですかね」
大淀「あの」
提督「俺がスケベなのは認めるけど、それを抜いてもエロいんですよ大淀サン」
大淀「えっ……?」
提督「真面目でエロいんだからそりゃモテるよ。男受けもするよ!」
大淀「そんなつもりは……ありましたけど」
提督「あったの!? それで昼も提督サンに指しゃぶらせたりしたの?」
大淀「あれは、その……チャンスだと思ったので」
提督「……はい?」
大淀「提督はその、触る以上のことはしてくださらないので」
提督「……はい?」
大淀「私、ずっと待ってたんですよ。気づいてました?」
提督「いや、普通、セクハラとか言われるもんじゃない?」
大淀「好意がない相手ならセクハラですね」
提督「流石大淀サン、バッサリ行きますね」
大淀「提督でしたら歓迎ですよ?」
提督「ははあ、頭脳派らしく固めに来ましたね」
提督「……俺、どうしたらいいかね」
大淀「もう婚約者として紹介していただいてますし、覚悟を決めてくださると」
提督「休ませたかったのと、困った顔が見たかっただけだったんですけど」
大淀「これから数日は十分休ませていただきますし、昨日は吃驚しましたから、おあいこです」
提督「いやあ、これ負けだわ、俺の負け」
大淀「うふふっ。これから忙しくなりますね」
提督「いや、休みに来たんだけど」
大淀「提督のご家族を攻略しないといけませんし。それに」
提督「攻略って」
大淀「戦いにも勝たないと、提督がこちらに戻ってこられませんものね」
提督「……ああ、まあ、それはそうかもしれませんねえ」
大淀「だから、忙しくなりますよ」
提督「そう、かな。……うん、それならね。大淀サン」
大淀「はい」
提督「見ての通り、俺にはどうも手が足りなくてね。戦争も、暮らしも。手を貸してくれないかな」
大淀「はい。お任せください。……いつまでも、お任せください」
父「なあ母さん、アイツ魚も食わずにどこ行ったんだ」
母「……しっ! 今からいいとこですから! 明日はお赤飯ですよ!」
父「……どっから持ってきたんだ、その聴音器……」
(じゅうにんめ 大淀編 おしまい)
永のお待たせをいたしまして、とりあえず十人完了となりました。
お付き合い有難うございました。
当初は十人も書いたらもういいかなー、と思っておりましたので、〆でいいかなあ、と思いつつ。
もし見てくださってる方がいらっしゃいましたら、春イベ期間中くらいでもうひとりくらい書ければ、とも考えます。
よければ春イベ開始日にでも安価を取らせていただこうか、と。
よろしくお付き合いいただけましたら幸いです。
大淀サンは根っこがスケベだと思うんですよ。はい。
春イベントも無事始まりましたね。
予告通り、最終回分安価を投下していきます。
とは言え、イベント海域を覗いてきますので、よければ以下の形でお付き合いください。
>主役となる艦娘
タイムスタンプ23:00以降最初のコンマ1の位「5」の書き込み
>提督のキャラクター
タイムスタンプ23:00以降最初のコンマ1の位「8」の書き込み
>イベントなど
タイムスタンプ23:00以降最初のコンマ1の位「0」の書き込み
よろしくお付き合いのほどをお願いいたします。
これだと書き方が悪いですね。
コンマ1の位は「コンマ以下1の位」とお読み替えください。
23:00:AB.CDの「D」でありますね。
よろしくお願いいたします。
1です。たくさんのご参加ありがとうございます。
今回は形式上2連投もありうる形でしたので、
菊月
男やもめ
クマ出没
という形でお送りしようと思います。
それでは、数日のご猶予を頂けましたら。
このSSまとめへのコメント
実に素晴らしい。
ほんと素晴らしい。
素晴らしいなぁ
ありがたい!!
とても素晴らしい