【艦これ】 提督「よろしく頼む」 その3 (1000)



・艦隊コレクションのSSです。
・シリアスや鬱な表現あり
・一部轟沈(死)します
・基本平日、週1~3のペースで投下
・オリジナルな設定が多くあります


・1は結構レスします
艦これに関するものであれば雑談OKです。ご了承ください


よろしくどうぞ



前スレ

その1
提督「よろしく頼む」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1390967195/)

その2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397078127




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407251063



こっから色々紹介 ※前スレまでのネタバレあり注意


~西鎮守府~
新しく設立された鎮守府であり、実戦経験の少ない艦娘達が所属している。
近々大規模な作戦に参加する予定


・提督
西鎮守府の最高責任者、司令官。
真面目で責任感は強いが、融通が利かなかったり、変にプライドが高い部分がある。
婚約相手を戦いで失い、一度は軍から離れたものの再度、西鎮守府へと着任した

・金剛
イギリス艦隊に所属していた戦艦型の艦娘。
深海棲艦の猛攻が激しいヨーロッパから日本へ避難してきた。
提督に一目ぼれの様な形で好意を持っているが、
軍人であり戦時中という状況により踏み出せないでいる。


・長門
戦艦型の艦娘。代々軍の上層部に籍を持つ家系に生まれ、
小さい頃より英才教育を受けていた。
提督も唸らせるパワフルな攻撃力と高い耐久力を持つハイスペックなヤツ。
育ちのせいか少々ヌケている所がある模様。

・不知火
口調が堅く笑顔も硬い駆逐艦型の艦娘。
小さな頃住んでいた漁村が襲われ仲間を失った事が
トラウマとなっている。深海棲艦を憎み、率先して前線にでたがる。

・電
慌てん坊/妹系な駆逐艦型の艦娘。
何らかの事情で親族がいなく、孤児院で育つ。
四人姉妹の末っ子であり、いつか四人で生活する為の資金を貯めている。

・龍驤
エセ関西弁が特徴な軽空母型の艦娘。
西鎮守府のムードメーカーでありお調子者。
食べる事が好きで、好物はアイス。


・愛宕
ナイスバディな重巡洋型の艦娘。
西鎮守府ではお姉さんの様な存在であり、
電や龍驤の様な幼い艦娘をフォローする包容力あふれる人物。
姉の高雄に憧れ艦娘になった。高雄が殉職し心にわだかまりを持ちながら
日々を過ごしていたが演習の際それを払拭し、改めて自分を見つめなおす。




~東鎮守府~
こちらも設立若い鎮守府。
実際は性格などに問題がある艦娘(提督も)を
詰め込む厄介払い用の場所。


・女提督
アホ。
提督と同級生だが3年遅く卒業(留年)
提督の事好き
ある秘密を持ってたりする
そしてアホ

・赤城
数々の重要拠点を攻め落とした経験がある正規空母型の艦娘。
個の殲滅力は間違いなくトップクラスとも言われ一時は軍部にもてはやされていたが。
独特な艦載機運用方法による資材の浪費と自身の食い意地が問題となり東鎮守府に所属する事となる。

・鳳翔
保護者系軽空母型の艦娘
東鎮守府にはある人物の命により、監視目的で所属している。
非常にできた性格で執務業が得意であったり
母のような包容力を発揮し多くの鎮守府で秘書艦として活躍していた。
キレるとやばい。

・天龍
回避能力に長け白兵戦も行う軽巡洋艦型の艦娘。
前鎮守府で司令官と喧嘩してしまった事から東鎮守府に所属する事になった。
男っぽい言葉遣いやたまに見せるナルシストな一面から、距離を置かれる事が多い。
実は過去の事件のせいで彼女の口調や性格が変わった……?

・青葉
盗撮好きな重巡洋艦型の艦娘。
卑猥な写真を本人に見せつけその様子を見て楽しむという愚行を
繰り返していたら東鎮守府に異動となった。
観察能力や索敵能力に長け偵察任務を得意とする。
写真に固執するのは青葉の親が影響であるとか……。

・扶桑
なぜか体が弱い戦艦型の艦娘。
前鎮守府であまりにも体調不良による出撃不可が多く
問題となり東鎮守府に所属する事になる。
身体が弱い理由は……。

・大井
軽巡洋艦型のレズ

・那珂
自称アイドルの軽巡洋艦型の艦娘。
艦娘でありながらアイドルを目指している。
空気を読めないウザッたらしさを持つが、なぜか憎めない。
アイドルを目指す理由は……。


~北鎮守府~
長く稼働している歴史ある鎮守府
数年前はエリート父が司令官として運用していた


・エリート提督
人を見下しつつ偉そうな態度が目立つ北鎮守府の司令官
敵味方問わず「雑魚共」と呼び捨てるのが口癖
しかし実際は生真面目でまっすぐな青年で
過去の事件がきっかけで自分にも相手にも厳しく接するようになった
得意な戦術は空母を起点としたもので、翔鶴姉妹と相性が良いようである

・翔鶴
正規空母型の艦娘。普段はものしずかで冷静沈着な性格
表にはあまりださないが妹の瑞鶴を溺愛しており
艦載機も瑞鶴を守る為にぴったりと護衛するかのように操作する

・瑞鶴
正規空母型の艦娘。割とよくしゃべるおてんば娘
姉の翔鶴と一緒にいないと落ちつかないほどシスコン
艦載機による爆撃を得意とし、翔鶴との連携を発揮した時の制空力はすさまじいものである

・最上
重巡洋型の艦娘。見た目のとおりボーイッシュな性格と僕という一人称から
よく男に間違えられる。本人は特に男を意識していない様であるが、たまにそっちの方面の
女子に好かれる様で困る時がある
足が早く砲撃と雷撃をバランス良く使う

・時雨
駆逐艦型の艦娘

・夕立
駆逐艦型の艦娘


・瑞鳳
軽空母の艦娘



~中央鎮守府~
日本国最強最大の鎮守府
敷地の大きさもさることながら、最先端のテクノロジーも併せ持ち他の鎮守府とは一線を画している
もちろん所属する艦娘や指揮官、更に妖精のレベルまで高く
重要な作戦は全てこの鎮守府を中心に行われる


~中央鎮守府 第1艦隊~


・爺提督
中央鎮守府第1艦隊 総司令官。階級は大将
現状、海軍で最も発言力が高い高齢の男
知識・経験共に他の追随を許さない程に成熟しており上層部からの信頼も厚い
表向きはひょうきんなジジイだが、実際は目的の為なら手段を選ばない冷酷な面ももっている
中央の第2艦隊を自身の手駒として扱い、今まで多くの無理難題な任務の指示をだして死においやっている

・武蔵
戦艦型の艦娘
圧倒的なパワーと耐久力を持ち、深海棲艦の撃破スコア上位を常に維持している
軍人気質でプライドが高い
爺督とは長く付き合いがある理解者

・あきつ丸
特殊船丙型の艦娘
独特な口調を喋る色白で真面目な娘
艦娘の中でもかなり変わった艦種で、戦闘力は低いがサポート能力が高く
爺督にはその真面目すぎる性格も相成って信頼を得ている

・島風
駆逐艦型の艦娘
恐ろしい程早い移動速度を自慢とする成人にも満たない若い娘
最高速度もさることながら、それ以上に加速の速さが異常であり
停止からわずか数秒で最高速度に達する事ができる
その速さを自慢する故、重装備を全てはずしているので火力不足である

・隼鷹
軽空母。
飲みます、騒ぎます

・ビスマルク
戦艦型の艦娘

・木曾
軽巡洋艦の艦娘






~中央鎮守府 第2艦隊~

・提督(西鎮守府と同一人物)
優秀な成績で士官学校を卒業し、中央鎮守府に着任した若き司令官
妖精を見る事ができるようになってから、その指揮官としての才能を開花させ目覚ましい成長を遂げている
大和に恋心を抱き中

・大和
戦艦型の艦娘
提督とは幼馴染
誰にでも優しく、正義感に溢れ、リーダーシップもある黒髪ロングの娘
親が軍の武器開発関係者であり艤装や艦娘の知識が豊富
長い有効射程と駆逐艦の攻撃程度ではビクともしない耐久力が長所
基本艤装の重さから回避運動が苦手である

・加賀
正規空母型の艦娘
普段はものしずかであまり自分から発言はしないが、食の事になると
性格が変わったように食いついてくる
大量の艦載機を同時に扱う事に長け、戦場の隅々まで冷静に分析する力を持つ
あまり喋らない事から仲間との連携が苦手

・日向
航空戦艦型の艦娘
落ち着いた雰囲気を持つ読書好きおかっぱ娘
運動音痴のコンプレックスを抱え、艦娘になっても苦労している
読書好きが高じて様々な知識を蓄え、戦闘に役立てている
特殊な射撃「弾着修正射撃」を習得し苦手な砲撃を克服している
とはいえ、反動制御が相変わらず不得意で動きながらの砲撃の制度は恐ろしく低い


・伊58
珍しく貴重な潜水艦型の艦娘
ある特殊な任務を淡々とこなす為、中央に所属している
「~でち」という変わった語尾をつける

・雪風
駆逐艦型の艦娘
一部の人間に「不幸艦」「死神」などと呼ばれている
カワウソみたい

・北上
重雷装巡洋型の艦娘
強力な雷撃を得意とし、機雷を使わずとも潜水艦をたやすく撃破できる程
気だるそうな態度と我関せずといった性格で割と変人
艦載機の攻撃を避けるのが苦手




~その他~


・妖精さん
都合の良い能力を発揮してくれる規格外な存在。
言動が不明。ある程度のコミュニケーションは可能。
特定の人間のみ目視できる。見える人間に対しても姿を隠す事可能である
不思議な力で人間達をサポートし、テクノロジーを発達させてきた
この物語の本質かも


~世界観~

・現代とほぼ一緒だが妖精達の関わる分野においてオーバーテクノロジー
・一部の国は深海棲艦の侵攻が進み壊滅している。


艦娘とは

・適性検査を通過した女性のみ成る事ができる人間型兵器の総称。
・通常の人間より何倍も身体能力に優れ、不老である
・解体手術をすれば人間に戻る事が可能
・基本艤装と付け替え艤装とがある
基本艤装はその艦娘特有のもので必須装備、そうじゃないものは付け替え艤装である



深海棲艦
・数百年前に突如現れた謎の敵
・あまり内陸部に攻め込んでこない
・艦娘と同じく艦種に分ける事ができる



あらすじ


─「提督、着任」─
西鎮守府へと着任した提督は初日から資源調査任務を受ける。
提督は所属する人間兵器「艦娘」の
金剛、長門、不知火、龍驤、愛宕、電を引き連れ任務へとでる。
不運にも深海棲艦の群れと遭遇し、戦闘になるが難なく倒し帰還する。
長門があまりにも実戦慣れした指揮力と急な着任事情を
不思議に思い提督の過去をさぐるがはぐらかされる。

─「触れ合い」─
共に過ごし訓練をしたり、艦娘達一人一人の過去に触れた事で
次第に仲が打ち解けていく提督達。

─「女提督との艦隊戦」─
そして、久しぶりに会った提督の友人「女提督」が指揮する東鎮守府との演習対決が始まる。
最初は劣勢だったものの、艦娘達の頭脳プレーや我が身を犠牲にした攻撃により
赤城と1対1の状況を作る事に成功する。あと少しでという所でなぜか7人目の那珂が演習に紛れ込み
金剛を倒すが、これは反則なので西鎮守府の勝利で終わる。

─「飲み会」─
艦隊戦の勝利祝いにパーティを決行。お酒もふるまわれるが
艦娘全員の酒癖が悪く、提督は2度と酒を飲ませまいと心に誓うのであった

─「姉妹」─
鎮守府に来訪してきた金剛の妹、榛名や電の姉の暁・響・雷達の家族の絆を感じ
司令官である立場として複雑な気持ちになる提督。

─「提督の部屋」─
資源用の遠征任務を本部から指示され、不知火・愛宕・電の3人に説明の為ついていく提督。
残った長門・金剛・龍驤の3人はいつもの訓練をさぼり、提督の部屋へと侵入する。
提督の部屋は生活感が無く物もあまりおいていない
かろうじて提督の過去を知る為に手がかりとなりそうだったものは、日誌と前鎮守府の集合写真
集合写真には只の同僚とは思えない程に手をしっかり握っている提督と女性
日誌には過去の権力を使い、西鎮守府に危険な任務がこないように根回しをする記述

─「3人の艦娘と過去」─
龍驤達が訓練に戻ると、普段はあまり使われない玄関門の呼び鈴が鳴る。
向かうとそこには、加賀・日向・伊58の3人が提督の所在を確認しに来ていた
鎮守府に迎え入れ、もてなしていた所に提督が帰還する
感動の再開をする中、提督の対応に不満を持った長門が荒々しくなり始める
それを見た提督は覚悟を決めたかのように自分の過去を語り始める


  ~提督の過去 回想~

決意編

─「大和との出会い」─
提督がまだ幼少期、隣の家に大和という幼なじみがいた
素直で人なつこく元気な大和へ子供ながらに、惹かれていった提督
しかし、艦娘の適性検査に受かり嬉しさを伝えてきた大和へと辛く当たった事で喧嘩してしまう

─「妖精」─
中学に入り、大和とは一切関わらない生活を送る提督
ある時から自身の体に異変が生じ始める
自分以外には見えない小人の様な生物が見えるようになり、オカルト好きだという教師に相談する
教師は軍の関係者を呼ぶと、筋骨隆々なホモっぽい軍服の男が妖精の力について説明し始める

─「仲直りと決意」─
あまりに突然かつ信じがたい内容に狼狽する提督は、放心状態のまま昔大和とよく遊んだ公園と行き着く
そこで考え事をしていると大和が現れ昔の事を話し、仲直りする
大和に妖精の事について相談すると、提督をある場所へ行くように促す
そこは街と海を見下ろす事ができる景観をもつ山の頂上
大和は自分の力で化け物たちからこの美しい世界を守りたいという強い願いを提督に伝える
提督はその思いに賛同すると共に自身の大和への恋心にも気づき、自分も軍人になる事を決意する


士官学校編

─「士官学校 入学」─
提督と大和は問題なく士官学校へと入学する
学生気分ではいられない程に厳しい訓練と規律に戸惑いながらも那智教官の下で厳しい指導を受ける事になる

─「加賀との出会い」─
提督が大和以外で最初に仲が良くなったのは加賀という正規空母型の艦娘
朝ごはんを食べているとそれをもの欲しそうに見る加賀を察知し
作りすぎたおにぎりを与えた事で仲良くなる

─「日向との出会い」─
次に仲良くなったのは日向という戦艦型の艦娘
書個室への道を案内してくれた事から知り合い
世話好きおせっかいの提督が彼女の苦手としていた砲撃訓練に助言した事から仲良くなる


─「チーム演習」─
ある時期からチーム演習という3人組の艦隊を編成して競い合う訓練が始まる
そして提督は大和・日向・加賀をチームに誘い演習へと挑む

「エリート」
態度の悪いエリート提督と演習するものの、完膚なきまでにボコボコにされ一時的に
自信を失う提督であったが、改めて自分を見直し大和にリベンジの意思を伝える

─「リベンジ」─
2回目のエリート提督との対決で、改造し航空戦艦になった日向、艦載機操縦の練度が著しく成長した加賀という二人の
艦娘の活躍によりエリート提督を叩きのめし勝利する
勝利をした提督は負けたエリートの様子がおかしい事に気づき、様子を聞きに翔鶴達と接触する
負けて以来学校を休んでる事を聞いた提督はおせっかいにもエリートの家を訪ねる

─「ライバル」─
執事からエリートが昔戦場で、艦娘達の浅はかな判断により艦隊が崩壊した事を聞く
提督はエリートに拳で語り合い、自身の想いを吐露しエリートを説得する
エリートは改めて自分を取り戻し、提督をライバルと認め復活する

─「中央鎮守府の闇」─
中央鎮守府の第2艦隊。表向きは最高権力の次に位置する華やかな艦隊だが
実際はある人物の下で酷使させられる使い捨ての艦隊
那智は去年送り出した生徒が無残な姿で帰ってきた事を悔やんでおり
もう2度とさせまいと提督の成績データをねつ造する事を決意していた

─「女提督との因縁と恋」─
補修でだらけていた女提督を得意のお節介により好意があると勘違いさせる提督
そして鈍感なせいで女提督のプライドを傷つけ、以来目を付けられるようになる

─「老人の正体」─
提督が軍の関係者と思われる老人に声をかけられたが、なんとその老人は
海軍でも最高権力を持つといわれる中央鎮守府の総司令官「爺督」大将
爺督は自分の手駒となる優秀な人物を探しに士官学校に来訪していた
提督の類まれなる才能を見抜いていた那智はわざと報告書をねつ造しごまかしていたが
それも全てお見通しである爺督は提督を自分の下に着任させるよう指示をだす

─「卒業」─
ついに提督達の卒業の日
卒業と共に各生徒は着任先や役職を与えられ鎮守府に送り出される
エリートは父が昔配属されていた北鎮守府に着任
提督は爺督の思惑通りに中央鎮守府の第2艦隊へと着任
女提督は留年

─「中央鎮守府 着任」─
士官学校を卒業し中央鎮守府へと着任する提督達
専属の運転手やメイド、豪華な寮を目の当たりにし
中央鎮守府が特別だという事を改めて知る
提督は爺督から新たに3人の艦娘を選び、6人の艦隊を組めという指示を受ける



長ったらしく失礼いたしました


無事3スレッドを目立てる事ができました


ここまで読んでくれている方、応援や感想コメントしてくる方、本当にありがとうございます


引き続きマイペースにがんばっていきたいと思います


よろしくお願いいたします

キャラ建てって大事なんだなって思った

スレ建て乙ー

いいねぇ、キャラも設定も増えてきたねぇ
今後が楽しみだ

運が高いのが加わるのか


乙コメありがとうございます

>>12
ですねー。キャラの設定って考えるの楽しいです

>>13
大分賑やかになってまいりました。ちょっとキャラ出しすぎたかなと若干後悔しております(白目)

>>20
言われて初めてきづいた。なんか運たかいのが多い


ちょっとだけ投下しますー


よろしくどうぞ



─────────────────────


   ─寮内 提督の部屋─


提督「この娘とこの娘で……」ウーン

提督「だけどこっちは砲撃精度がなぁ……こっちはこっちで足が遅いし」

提督「うーん……」


 コンコン


提督「んー、開いてるぞ」


 ガチャ


大和「提督ー何してるの?」

提督「大和か……例のあれを考えてたんだよ」

大和「艦娘を3人の件?」

提督「ああ」

大和「ふーん……メイドさんが入れてくれた美味しいコーヒー、ここ置いとくわね」コトッ

提督「お、助かるよ」スッ



大和「まぁ難しいわよねぇ。こう人数が多いと……」

提督「うむ。能力も似たりよったりだし……」

提督「下手に優秀な艦娘がそろってるから比較が難しいんだよ」

提督「もう正直……実際みないとわからん」パサッ



大和「そうねぇ……」

提督「……はぁ。こういう時はじっとしてたらダメだ」

提督「少ししたら、中央鎮守府内を見回ってみる。訓練風景でも見学して参考にしてくるよ」

大和「分かったわ。私達は基本艤装の整備をしてるから何かあったら声かけて頂戴」

提督「うむ。了解した」





────────────────────────────

  ─訓練海場─
  


ドガァァァァン サッパァァァン

シュゴォオオオオオ  ヒューーーーン ドォォン

ドガァァァァン サッパァァァン


提督(…………)

提督(これが中央鎮守府に所属する……)

提督(前線で戦う艦隊の実力)



提督(すごいな。砲撃一つ見てもレベルが違うのが分かる)

提督(単純に練度の高さもそうだけど……)

提督(高度な戦術に陣形の切り替え)

提督(扱いの難しい艤装まで難なく使いこなしている)

提督(相当訓練を積まなければこの領域にたどり着くのは不可能だろう)


ガラガラガラ


???「よいしょ!よいしょ!」



提督「ん?」

ガランコロンガラン

???「あわわわ」イソイソ

提督「大丈夫か?」サッ

???「す、すいません。燃料のケースを運んでる途中でして……」

提督「ふむ、怪我はないか?」

???「はい……」

提督(これだけの燃料を一人で……今見ている訓練で使うのかな……)

提督「…………」



提督「あっちまで運ぶみたいだな。手伝うよ……よいしょっと」グググ

???「そ、そんな!大丈夫です!結構重いですよ!私は艦娘だから平気なだけで」オロオロ

提督「大丈夫だ。こう見えて結構鍛えてる」

???「……気を使っていただいてすみません」

提督「気にしなくていいさ。好きでやっている」


???「……じゃ、じゃあ私はこちらを持ちますので……えっと」

提督「うむ、俺の名前は提督だ。気軽に読んでくれ。んっとじゃあ俺はこっち持つ」

???「提督……さん。ありがとうございます。私は駆逐艦型の雪風と申します」ペコリ

提督(予想はしてたけど艦娘か……島風と同じくらいの年齢かな……これまた子供だ)

提督「うむ、よろしく。じゃあ雪風、あっちまで運べばいいのかな?」

雪風「はい。お願いします」





────────────────────────

ガラガラ ドスン


提督「よし、こんなもんかな」

雪風「助かりました。ありがとうございます!」

提督「どういたしまして。……いやぁ良い運動になった。お陰で少しスッキリしたよ」

雪風「……何かお悩みだったのでしょうか?」

提督「うん……ちょっとね」

雪風「そうですか……あの……一つお聞きしたいのですが」

提督「ん?」


雪風「その軍服……真っ黒ってことはもしかして第2艦隊の方でしょうか……?」

提督「ああ、そうだよ。やっぱりこの黒い軍服ってなんか目立つよなぁ。なんか俺だけみたいだし……」

雪風「…………」

提督「どうかしたか?」

雪風「いえ、なんでもないです……」



────「お、いたいた。探したぞ雪風」


整備軍人「全くこんな所でなーに油売ってんだ。まだまだ運ぶもんあるんだからしっかり働いてくれよ」

雪風「す、すいません」シュン

整備軍人「ったく……不幸艦が……」ボソッ

提督(不幸艦……?)

提督「許してやってください。遅くなったのは私が話しかけていたせいなんですよ」

整備軍人「んっ?あー勘弁してくださいよ。忙しい時期なん……」クルッ


整備軍人「えっ……黒軍服……喪服組の……」

提督「は?」

整備軍人「いえっ!失礼しました!司令官殿がいらっしゃるとは知らずにご無礼な態度を!」ビシッ

提督「いや、いいんですがそれより今、喪服組とかなんとかいってませんでした?」

整備軍人「……っ」タラー

整備軍人「あっ!申し訳ございません!急ぎで整備しなければいけない物がありまして!失礼いたします!」ササッ

提督「あ!おい!ちょっと!」

タッタッタッ


提督「ったくなんなんだ……」

提督「ごめんな雪風。俺のせいで怒られてしまって」

雪風「……気にしないでください。良くあることなので」

提督「……ふむ」

雪風「わ、私はまだ担当の作業があるので失礼いたします。お手伝いいただきありがとうございました」

提督「うん。無理しない程度にがんばれ。またな」

雪風「失礼します」サッ




提督(────ふむ、喪服組とやらもそうだが、整備軍人の雪風への態度も気になるな)

提督(本来立場的に、艦娘がただの整備軍人にいびられるような事はない筈なのに……)

提督(中央鎮守府……か)

提督(爺督も言っていたが……色々面倒事がありそうだな……)




今日は以上ですー

見てくれてる方ありがとうございます

夏イベント、頑張りましょう!




あと前スレ埋めてくれた方々、ありがとうございます
お手間おかけしました


艦これのPv……いい感じでしたね、たぶん


やっぱり水上移動で色々意見があるみたいだね

追い付いた
面白いから期待してるよー
黒服ってことは艦隊によって制服の色が違うってことか

遅くなったけど立て乙

ここまで細かい設定は尊敬に値するわ……これくらい作り込んで物語が書けるようになりたいぞ

提督「夜戦は嫌だ 夜戦は嫌だ 夜戦は嫌だ」

深海棲艦「ワンパン大破ァァァァァァーーッ!!!」



乙コメありがとうございます




>>39
水上移動……スィーーッなるのはいいんだけどできれば走るという行為も入れてほしい……


>>44
ご期待ありがとうございます
色は階級によって違うのですが、色というよりは服そのものが違う?イメージで考えたりしてます

>>45
長編を書こうとすると誰でもきっと頭にでてくると思います
ただ私の場合、あらすじやキャラ設定をこのスレに長々と明記してしまったせいで、細かく見えてしまうのかもしれません




イベントきましたね。現在、本艦隊は全力でAL作戦/MI作戦に取り組んでおります

どうやら今までの作戦とは、一味違うようでSS投下の停滞が予想されます


…………予想されます

把握
今回のイベント中堅にキツ過ぎ

http://imgur.com/bg1mLuT
中堅ってどのくらいか分からんが
春イベに参加していて烈風改持ってるくらいに進めているならこんな感じでどうだ
大淀入手がギリギリになりそうなら正規空母や戦艦投入してもいいのよ?

乙ありがとうございます


>>49
ですね。特定の艦種を育てないと攻略が・・・

>>50-51
詳細の画像ありがとうございます

私の方は、日向・伊勢・龍驤・隼鷹・羽黒・那智でE1いってました


期間空きましたが投下します

よろしくどうぞ




────────────────────────


   翌朝
   

大和「艦娘の一人と会う?」

提督「うむ。色々データを見て理想な子がいたから昨日連絡をとったのだが」

提督「今日が都合良いとの返答を貰ったので会って話をしてくるよ」

大和「あら、そう。私も付いて……行きたい所だけど基本艤装の整備をする予定だからいけないわね」

提督「気にするな……まぁ性格等が問題なければそのまま誘って返答を待つだけだ」

提督「あまり選考に時間もかけていられないからな……どんどん声をかけて決めていきたい所だ」

大和「そうね……何かあったら整備室の方に連絡ちょうだい」

提督「了解した。さあいってくる」スッ


─────────────────────

訓練海上  待機場


提督(んーとここら辺で待ち合わせしてる筈なんだが……)

北上「やっほー司令官さん」スッ

提督「君が北上か。電話でもいったが第2艦隊の司令官、提督だ。よろしく」

北上「うん。よろしくねー提督さん」ジロジロ

提督「うむ」

北上「ふーん」ジロジロ

提督「……なんだ人の顔をジロジロ見て」

北上「いやーこれまたどうして、中々容姿は整っているなぁと」

提督「はぁ……?」

北上「ふんふふーん、別になんでもないよ」

提督「ふむ?」


北上「で、どうするのー?なんか話聞かせてもらうとかなんとか」

提督「ああ、すまん。話もしたいが……よければ先に腕前を見せてもらいたい」

提督「急で申し訳ないのだが頼めるか?」

北上「別にいいよー」

提督「準備運動とかは?」

北上「だいじょぶしょー問題ない問題ないー」

提督「分かった。訓練内容はこの後で説明する」

北上「了解ー艤装してくるよ」


─────────────────────────────────

シュゴォォォォォォ ドカァァxン

タタタタタタタタ

ドォンドォンドォン



提督(ほう、気だるそうな態度とは裏腹に丁寧な動きをするものだ)

提督(特に雷撃の精度は素晴らしい)

提督(魚雷の性能をよく熟知しているようだ)

提督(改めて思うが……このレベルで予備戦力か、恐ろしいな中央は)

提督『あー、もう大丈夫だ。ありがとう北上』無線

北上『ういーじゃあ戻りまーす』


─────────────────────────


北上「ふぃー、いい汗掻いた」フキフキ

提督「ご苦労様。ほら、スポーツドリンクだ。飲むか?」スッ

北上「おー、気が利くぅー。いただいちゃおう」ゴクゴク

提督「……」

提督「北上はずっと予備艦隊所属だったのか?」

北上「んー?なんで?」

提督「いや……随分と練度が高く実戦慣れしているようだし」

提督「中央の本艦隊と実力を比較してもそこまで変わらない様に見える」

提督「なんでずっと予備艦隊にいるかと思ってな……」



北上「……ふーん」

北上「提督さんには私がどう見える?」

提督「ん、どうって中々実力のある……

北上「違う違う。私の性格というか第一印象だよ」

提督「ああ……なんというか気だるそうというかやる気なさそうというか……」

提督「少しばかり馴れ馴れしさも感じるかな」

北上「そーそー。そういう事だよ」

提督「む?」


北上「要はそういうのが私の評価を低くしてるの」

北上「私言葉づかいとかもタメ語とかになっちゃうしさ」

北上「あと言いたい事もスパスパ言っちゃうんだよねー」

北上「一度第4艦隊に所属してたんだけど、上官への態度がなっとらんとか言われて外されちゃったんだ」

提督「……ふむ」

北上「人によってコロコロ態度かえるの苦手でさぁ」

北上「だからまぁそういう意味で仲間と馴染めなかったりするんだよねぇ~」

提督「なるほど」


北上「うんうん。どう?今の話聞いて」

提督「何が?」

北上「えーだって私を艦隊に誘いに来たんでしょ?」

北上「こんな私みたいなのがいたら艦隊の士気も下がっちゃったりする危険があるしさ」

北上「誘う気なくしたんじゃないかな?」

提督「ふむ。まぁそういう考えもあるかもな」

北上「うんうんー。という訳で私はまだしばらく予備艦隊でまったりするよーじゃぁねー」


提督「待て待て」

北上「んー?」

提督「なんでそうなる」

北上「いや……だからさ。私に用はないでしょ?」

提督「む……入ってくれないのか?」

北上「へ?」

提督「よければ俺の艦隊にぜひ来てほしいのだが……ダメなのか?」

北上「え、いや、別にいいけど……」

提督「おおそうか。じゃあ決まりだな。書類の方はこちらで用意するからそれまでは予備艦隊の方に」


北上「ちょっとちょっと」

提督「なんだ?」

北上「聞いてた?私の話」

提督「うむ」

北上「私なんて言っちゃえば問題児みたいなものだよ?」

提督「そうか?まぁ確かに態度はいいとは言えんがそれだけの話だ」

提督「訓練をみたかぎり実力は申し分ないし」

提督「自分の性格をしっかり理解し俺へ正直に話してくれたお前に」

提督「俺個人の考えでは問題があるように思えん」

北上「なっ……うっ……」

北上「なんてこったい」



提督「で、ホントにいいのか?」

北上「…………」

北上「……ずっとしょぼい訓練してるのも飽きてきたし」

北上「そろそろこの北上様の力を活躍させる時がきたという事だねぇ、うん」

提督「やる気ありだな。歓迎するぞ」



提督「まぁ、もし気が変わりそうならいってくれ。急に誘ってしまったからな」

北上「んー……平気。そっちこそやめるなら今の内だよ」

提督「大丈夫さ……あ、そうだ。気軽に呼び捨てで読んでくれていい」

提督「お堅いのは苦手なんだろ?」

北上「え、いや……まぁ……そだね」

提督「うむ。さて、ちょっと本部の方に連絡してくるから少しばかり外すよ」

北上「う、うん。いってらー」


スタスタスタ


北上「……」

北上(調子狂うなぁ)

北上(あんな風に言われるのは初めてだし……)

北上(……)

北上(気軽に呼び捨てでいい……か)

北上「提督……うんっ、提督」

北上「よしっ!軽巡用艦北上、いっちょ頑張っちゃいましょうか」グッ


──────────────────────────────────

     数日後



提督「──────てわけで今日からウチに所属する事になった北上だ。みんな仲良くしてやってくれ」

北上「どもどもーよろしくでーす」

大和「よろしくね、北上ちゃん」

日向「よろしくお願いする」

加賀「……よろしく」

提督「さぁて、今日は北上歓迎会と称してメイドさんに少しばかり豪華な食事を用意してもらった」

メイド「はい♪皆様、今日は提督さんのポケットマネーからもお助けいただいて高級食材を使った料理もありますよ!」

メイド「たっぷり食べてくださいね!」



加賀「食べます!」ガタタタ

北上「うわっ!加賀っち、気合はいってるねぇ……」

日向「加賀は食事の事になると性格が変わるからな……」

大和「普段は静かなのに……」

北上「まぁ空母型の人って大食いの人多いからわからなくもないけどねー」

メイド「ささ、食事処へご移動ください」


────────────────────────────


ガツガツ ムシャムシャ ムシャァ モグモグ モグシャァ


加賀「これもいけますね。こっちも中々……」ガツムシャァ

日向「加賀……両手で食べ物を持つな!誰もとらんから落ちつけ!」

北上「いやー加賀っちすごいねー。私が見た中でも相当食べる方だよ」

大和「あはは……やっぱりそうなんだ」

日向「そういえば北上って名前で思い出した。私がよく利用するスーパーと同じ名前だな」

大和「ああ、スーパー北上でしょ?全国チェーンのお店よね。安くて種類豊富でいいわよねぇ」



北上「あーそれウチの店だ。私ん所の親父が経営してる」

日向「へぇ……そうなのか」

北上「うん」

日向「……冗談?」

北上「マジだよー」

大和「ええ!ってことは社長の娘さんて事なの?」

北上「うーんそうだね。たしか携帯電話に写真が……」ガサゴソ

北上「これだ。ほら、私の隣にいるのがうちの親父とおかんだよ」

大和「あら、この人確かにTVでてた気がするわ」

日向「ホントに冗談じゃないのか……まさかあの有名なスーパーの娘が艦娘とは……」



提督「……何か訳ありで艦娘に?」

北上「んー別に大したことじゃないよ。割と何不自由なく暮らしていたけどそれに飽きただけ」

北上「艦娘なんて一握りの人間にしかなれないものだし、なれるならなるしかないと思ってさ」

北上「親には私が艦娘になって活躍すれば広告塔にもなるからって言って説得したりしてねぇー」

提督(理由が軽いなぁー)

加賀「すびばせん、おひゃわりくだひゃい」

日向「加賀……口に物をいれて喋るんじゃない……」

メイド「はいはい、おかわりですね。まだまだいっぱいありますからどんどんしてください」






────────────────────────────────


提督「はーもう食えん。お腹いっぱいだ」

加賀「……満足です」ウットリ

日向「かつてない程の満足顔だな……加賀」

メイド「喜んでもらえてうれしいです♪」

提督「うむ、ありがとうメイドさん」

提督「さて、今日はこれで解散とするか」

大和「はーい。お風呂入って寝ましょう」


日向「そういえば北上もこの寮に住むのか?」

北上「んーどうしようかな。引っ越した方がいいの?提督」

提督「そうだな。同じ寮の方が何かと連絡も取りやすいし利点はある筈だ」

北上「ほーい」

提督「ふむ。じゃあそこら辺の話や異動書類の手続き等するから」

提督「北上はちょっとここに残って、他3人は好きにしていいぞ」

大和「分かったわー、じゃあ先に戻るわね」

日向「うむ。また明日だ」

加賀「……おやすみなさい」

提督「ああ、おやすみ」


スタスタスタ


ガチャ


提督「てわけで北上。所属変更の書類を用意したからサインをしていってくれ」

北上「いっぱいあるね。めんどくさー」

提督「そういわず我慢してくれ」

北上「仕方ないなー」カキカキ

北上「…………」カキカキ

提督「…………」

提督「……なぁ」

北上「んー?」カキカキ

提督「書いている所悪いんだが聞いていいか?」

北上「いいよー」


提督「雪風という艦娘を知ってるか?」

北上「うん」カキカキ

提督「ほう。どんな奴だ?」

北上「どんな奴って……全然知らないの?」カキカキ

提督「うむ。顔を合わせた程度だ」

北上「ふーん」カキカキ

提督「で、どうなんだ。性格とかさ」

北上「実際に関わった事はないから性格とかは知らないけど……ただまぁ色々噂は聞いた事あるよ」

提督「噂?」




北上「うん」

北上「詳しくは艦娘のデータベースから調べればわかると思うけど」

北上「失敗した任務で何度もその子だけが生き残って帰還してる事から」

北上「死神とか不幸艦って呼ばれてるらしいよー」




以上です。今日投下するかは未定です
スーパー北上店は「その1」スレ>>35にでてたりします


定例な感じですが早くも資材が枯渇しそうです

夏の暑さに負けずがんばりましょ

艦娘が大破したとき、日焼け後が見えたら素晴らしいと思いませんか?

以上です






乙。今回のイベは艦種の偏りがアカンことはよくわかった。
終わったら、重巡、とねちく、軽巡はちゃんと育てねば。

更新攻略乙
エリ潜「E1をクリアーした提督を待っていたのはまた地獄だった……

次回も大破撤退に付き合ってもらう」


乙ありがとうございます

>>78
そうですね。私は割と万遍なくそだててたおかげで艦種には困りませんでした
ただ資材が……w

>>79
アウアウアウアー


更新頻度がお盆とイベントにより下がっておりますが引き続きマイペースに
投下していきます

よろしくお願いします


──────────────────────────────

 資材倉庫
 

ガランコロンガラン

雪風「うんしょ、うんしょ」グググ


整備軍人A「おーい、死神……間違えた、雪風!こっちも運んでくれ!」

整備軍人B「お前さ、わざとだろぉ……そんな呼び方したら可哀想だからやめとけよ」

整備軍人A「ああ、すまんすまんつい」

整備軍人B「一応あれでも艦娘だぞ。キレられて殴り合いの喧嘩なんてされたら殺されちまうぞ」

整備軍人A「そうだったな。気を付けないと」

整備軍人B「あ、この燃料も運んでもらお……すみません、不幸艦さん!こっちもお願いします!」

整備軍人A「ははは、お前も言ってるじゃねーか!」





雪風「はい……今いきます」

雪風(………いいんです。どう呼ばれようが…)

雪風(彼らの言ってる事は本当です……)

雪風(私は不幸を呼ぶ不幸艦……死に追いやる死神……)

雪風(………………ずっとこうやってどこにも所属せず雑用をしていれば)

雪風(もう悲しい思いをしないで済むんです……)


───────────────────────────────


寮内 執務室



提督「………………」カタカタカタ

提督「任務履歴のデータベースはこれだな」カチッ


───任務で何度もその子だけが生き残って帰還してる事から


    死神とか不幸艦って呼ばれてるらしいよ───────



提督(…………あんまりな話だな)

提督(例えそうだとしても……命を張って戦ってくれるんだ)

提督(そんな彼女達にどうしてそんな事がいえようか……)

提督(っと……あったぞ。雪風の任務履歴一覧)

提督(なになに……○○年××月△△日 鎮守府近海への殲滅作戦)

提督(構成は雪風を含む駆逐艦4人と軽空母2人)


提督(敵は……)

提督(…………!)

提督(なんだこれは……)

提督(…………)

提督(……他の任務はどうだ?)

提督(…………おいおい)

提督(なんでこんな無茶な……)

提督(これではまるで……)

提督(いや……もしかして……)

提督(…………)

提督「……死神、不幸艦か」

提督「これが本当だとしたら皮肉にもならんな……」



─────────────────────────────



──
───
────
─────
──────


   別の日 


─────「雪風ちゃん!貴方は逃げて!ここは私達が……あっ……」


─────「私はもう足が動かない…いいんだ……君だけでも生きてくれ……雪風」


─────「……雪風……お前の言う事を……聞いておけば……な……すまない……ここまで……みたいだ……」


─────「バカな!こんな任務とは聞いていないぞ!全艦退却!たいきゃくぅううう!」




ドガアアアアアアアアアアアッァ



雪風「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ駄目ぇえええ!」ガバッ

雪風「……ハァッ……ハァッ」

雪風「夢……」

雪風「…………」

雪風「起きよう……」


プルルル プルルル


雪風「……電話、誰からでしょう」ピッ


─────────────────────────────────────


   本部  数時間前
   

本部軍人「急にこちらへいらっしゃって……どうしました?提督殿」

提督「すいません。少々お聞きしたい事があります」

本部軍人「はい、分かる事であればなんなりとお答えしましょう」

提督「ありがとうございます」



提督「過去に特殊任務を主に遂行する艦隊があったと思うのですが……」

本部軍人「ほうほう、ありましたな。随分前の話ですが……特艦隊という略称で呼ばれていましたな」

提督「ええ。その特艦隊は一体どんな任務を?」

本部軍人「そうですねぇ。特殊なんて聞こえはいいですが実は只の雑用でして」

本部軍人「中央の本艦隊が対応しなくても良い程度の任務を遂行する為に編成されたのです」



提督「なるほど。今はその特艦隊はなくなったのでしょうか?」

本部軍人「そうですね。色々と問題がありまして……廃止になりました」

提督「色々と……?」

本部軍人「…………任務の失敗及び艦隊の全滅が続きましてな」

本部軍人「そもそも特艦隊は中央艦隊に選考されないあぶれた艦娘達によって編成されたもので」

本部軍人「戦闘能力はさして高くなかったですからね」

提督「…………その特艦隊に事実上任務を割りふっていた方は分かりますか?」



本部軍人「ええ、勿論───────────」




────────────────────────────────────────────


    鎮守府内 待機場



提督「やぁ、雪風。朝から電話をかけてすまなかったな」

雪風「いいえ、お気にしないでください」

雪風「それで……何か御用でしょうか?」

提督「ああ、ちょっとお願いしたい事があってな」

雪風「はい?お願いとは?」

提督「訓練データを取らせてほしいんだ」

雪風「はぁ……?」


      ~数十分後~


雪風「提督さぁん!準備OKですぅー!」」

提督「よし。分かった。じゃあ自動操縦の目標物を射出するぞ」

提督「採点基準は制限時間内にどれだけそれを仕留め攻撃を回避できるかだ」

雪風「了解です!把握しました!」

提督「うむ、始めるぞ!」

雪風「はい!!」



ビーーーーーーーー ガシャンッ



ビシュウゥウウウ ビシュゥウウウウウウウウウウウ ビシュゥウウウウウウウウウウウ ビシュゥウウウウウウウウウウウ ビシュゥウウウウウウウウウウウ 



雪風(提督さん……急に私の訓練データを取りたいなんて……どうしたんでしょうか?)

雪風(よく分かりませんが、やれるだけやりましょう)スッ


シュタタタタタタタ


雪風(前方2、後方2、右方1、左方1、上方1)キョロキョロ

雪風(万遍なく配置……常に位置把握していないと難しいことになりそうです)

雪風(目標の足はそれほど速くないですね……一つずつやっていきましょう)スッ


シュタタタタタタタタタ





提督(ほう……)

提督(これは中々……速度数値を計ってみるか)

提督(!)

提督(速いっ!)

提督(いつも日向や大和ばかり見ていたから余計に感じるのかもしれないが……)

提督(それでも駆逐艦の平均速度より約1.5倍は速いな)

提督(過去の訓練データを見た時は目を疑ったが……)

提督(これは本物だ。足の速さは中央にいる艦娘の中でもトップクラス)

提督(……しかしその速さを生かしきれるかどうかが重要なわけだが、はたして……)




雪風(……っ、後ろをとられましたか)

雪風(前方にも………挟まれましたね……)


ドォン ドォン ドォン ドォン


雪風(前と後ろから同時に砲撃!)


雪風(なら……ここです!)ググッ


シュタタタタタ

シュタッ


提督(急加速!……速い……そしてジャンプっ!なんて身軽な……!)


サッパーン サッパーン


雪風(よしっ……一難さりました!ここから反撃です!)


提督(咄嗟の判断力と自身のスピードを生かした回避力……素晴らしい)




─────────────────────────────


提督「いやぁ見事だったよ雪風。採点はAランク、上々じゃないか」

雪風「ありがとうございます。久しぶりの訓練だったので少し緊張しました」

提督「やはり中央にいるだけあるな。練度の高さがうかがえる」

提督「特に足の速さとそれから生まれるであろう回避力及び旋回力……相当なものだと感じた」

雪風「えへへ……そこまで褒めてくれると嬉しいです」

雪風「むしろそれだけが取り柄ですから」ニコニコ



提督「ふむ……」

提督「…………」

提督「雪風」

雪風「……はい、なんでしょうか?」


提督「俺の艦隊に入って欲しい」



雪風「……え」

提督「ちょうど足の速い駆逐艦が欲しくてな。どうだ?」

雪風「嫌です」

提督「何故だ?」

雪風「…………」

提督「自分がいると……不幸を呼ぶからか?」

雪風「っ!」


雪風「……聞いたんですか……その事」

提督「ああ……掘り返すようですまない、ただな」

提督「俺の艦隊はそんな簡単に沈みはしない……いや、沈ませない」

雪風「……みんな最初はそんな風にいいます」

雪風「自分達は簡単に死なない、強いから……と」

雪風「でも……皆死にました。私だけを除いて」

雪風「仲が良かった司令官さんも艦娘の子達も全員目の前で……沈んでいきました」


雪風「……初めて任務を失敗した時………みんなの死を確認して……逃げるように鎮守府に帰還しました」

雪風「………鎮守府に戻ってから……最初は……よく生きていた、無事で何よりだ、と」

雪風「すごく皆に心配されました」

雪風「でもそれが2度3度続くと……」



───お前だけがまた生き残ったのか……
   
───逃げてばっかりいたんじゃないのか?……最悪だな……
   
───どうしてお前がいる任務はそんなに失敗するんだ?



雪風「段々と私への態度は変わっていき」

雪風「そして5度目の任務失敗で……」




───────またかよ……死神みたいなやつだな……

───────不幸がうつる……俺の艦隊に近づかないでくれ
       
───────なんでそんな平気でいられるんだよ……疫病神が……
       

雪風「……生き残り逃げ帰る私は強い批判をあびるようになりました」

提督「…………」

雪風「私と一緒にいては駄目なんです……」

雪風「いつか必ず所属している艦隊の皆に……不幸をよびます……」

雪風「……私がいるだけでです」


雪風「だから……」

提督「だからなんだ?」

提督「俺達は軍人だ。死ぬ為に戦うわけではない。が、死と常に隣合わせなのは百も承知」

雪風「でも私は!」

提督「それにな。お前一人だけの力で死を左右されるなど……愚弄に等しい」

雪風「だって……」


提督「お前がなにをした?お前はそんなに酷い失敗をしたのか?お前のせいでホントに艦隊一つが壊滅したのか?」

提督「これを見ろ雪風」パサッ

雪風「これは……」

提督「過去にお前が関わった任務のデータだ」

雪風「なんでそんなものを……!」

提督「落ち着け。何もお前を貶めようとして見せたわけではない」

提督「いいか……お前が出撃して壊滅した時の任務」

提督「それは明らかにキャパシティを超えたものだ」

雪風「……?」


提督「まず最初の任務。鎮守府近海の殲滅という内容だが……」

提督「一見、この海域は敵の数も少なく難易度の低い任務だ」

提督「しかし」

提督「それは正規ルートを通った話」

提督「お前らが通ったルートは当時、まだあまり開拓されていなかったものだ」

提督「そして今の情報では危険度は上から2番目に高いAランクの海域」



提督「つまりどういう事かというと」

提督「その時のお前らの艦隊ではそのルートを通った作戦……攻略は難しいものだった……いや」

提督「壊滅は至極当然の結果という事だ」

雪風「……っ」


提督「他の任務もそうだ。どれもまだ開拓されていない海域ルートを通った為に」

提督「本来対応出来る筈の戦力キャパシティを超え」

提督「お前は任務の失敗を何度も経験した」

雪風「…………」

雪風「……私の……せいでは……ない?」

提督「当たり前だろ。たかが艦娘一人のよく分からん風評で1艦隊が全滅など」

提督「こっちとしては、たまったものではないよ」



提督「むしろ生き残った俺はお前をこう呼びたい」

提督「どんな過酷な任務でも生き残る事ができる」


提督「 幸運艦 とな」



雪風「……幸運艦……私が……」

提督「まぁ……その幸運艦に俺もあやかりたいと思ってな」

提督「どうだ?俺についてこいないか?共に戦って欲しいんだ」

雪風「……う」

雪風「……ひぐっ……ひぐっ……」ポロポロ

雪風「ほんと……に……ひぐっ……ゆきかぜ……のせい…ふぐっ……じゃない?」

提督「ああ、お前のせいではない。安心しろ」

雪風「……ひぐっ……よかった……うっ……」

提督「…………辛かったろう。自分の事を責めて」ダキッ

雪風「うぐっ……うわぁぁぁぁん」ギュー

提督「よしよし」ナデナデ



───────────────────────


提督「落ち着いたか?」

雪風「はい……みっともない所をお見せして申し訳ございません!」ペコッ

提督「気にするな。色々あったんだ」

提督「すぐに心の傷が癒えるとは思えんが……これを機に自分を卑下するような」

提督「死神や不幸艦などとくだらん事を考えるのはやめるんだぞ」

雪風「……はい!」ビシッ

提督「うむ。いい返事だ」



雪風「……しれぇ」

提督「しれぇ?」

雪風「はい。雪風の司令官なのでしれぇとお呼びしました」

提督「(ああ、司令っていったのか。舌足らずで可愛い奴)ふむ。という事は俺の艦隊に?」

雪風「はい!この雪風!しれぇの為に、命をかけて共に戦う事を決意しました!」

雪風「よろしくお願いします!しれぇ!」

提督「……うむ。よろしく頼むぞ、雪風」


提督(しかし……過去に雪風が出撃したという任務……)

提督(どれもまるで、実験というかまるで捨て駒の様な扱いだったな……)

提督(まだあまり調査が進んでいなルートにわざと進軍させて……)

提督(それによって情報収集を行う……)

提督(戦力や資材に関しては最低限のもので対応させてたようだし……)

提督(…………)

提督(…………本部軍事が言っていたが……)

提督(その実質の指揮を執っていたのは)




─────本部軍人「ええ、勿論……総司令官殿ですな」



今日は以上です

雪風好きな方には不快にさせてしまったかもしれません。申し訳ない……

イベント残りわずかですが頑張ります


雪風ちょろすぎ問題


限りがある艦娘を低練度少数で無限湧き状態の深海棲艦のいる海域調査とか
上層部末期だな

乙でしたー
ここまで屑な中央&総司令も珍しいわ

作者のヘイトコントロールぱない!(鬼怒感

そんな上司でも信頼している艦娘がいるんだから、有能であることは間違いないんだろう
下手に逆らわないほうが良いと悟っているだけなのかもしれんが

乙 >>1の情報の開示の仕方に脱帽

うまく爺督が危ないという情報を手に入れる提督こそ一番の幸運かもしれん

でも大和は……

泣いてる雪風かわいい

乙です
爺督のラスボス感ぱねぇ
ただラスボス前ラスボスになる可能性もあるか

毎週の楽しみにしとるですよ、乙であります

期待さげ
E1から開幕雷撃潜水艦
夜戦からのフラヌ三隻
1はどこまでいけたんだろうか
毛髪と筆を喪ってなければいいが

なんというかこう、アニメを毎週毎週待つのが我慢できないのと同じで、SSでも追い付いてしまうとやってしまったってなるな。


乙こめありがとうございます

いつものレスしていきます


>>117
ちょっと駆け足に書いてしまった……雪風にはこれから頑張ってもらいます

>>118
上層部の闇……しかしそれには理由があるとかないとか

>>119
ヘイトコントロール!なんか難しい言葉!ありがとうございます!

>>121
爺督は今しばらくゲスいキャラでいてもらいます

>>122
ありがとうございます
大和のシーン書くのがつらくなってきました(おい

>>123
泣いてる雪風は可愛い。泣いてない雪風は可愛い
可愛いは雪風……あれ?


>>124
ラスボス……だったらいいんですが(意味深)


>>126-127
ありがとうございます!励みになります!

>>128
E3まで行きましたorz
資材が尽きた

>>135
怒涛の連投、了解です。読んでいただいてありがとうございます


ただいま戻りました。投下しなかった言い訳ですが


夏のイベントで燃え尽きて投下せず



リアル生活の方がお盆の余波で忙しくなり投下せず



久しぶりに投下しようと思って書き溜めてたものになんか納得できず投下せず



修正し書き溜めようと思ったらなんか筆が進まんで投下せず



いろんなSS読んでやっと書き溜め始める(今ここ)


って感じでした

今現在書き溜めていまして、順次投下できればと思っております

とりあえず生存報告させていただきました

改めて応援・保守してくれた方々、ありがとうございました






ご心配をおかけしました



言い訳はいっぱいありますが……



投下します!






───────────────────────────────────────────



   執務室



雪風「しれぇ!艤装及び燃料弾薬の確認を終了しました!」

提督「おお、早いじゃないか。良く頑張ったな」ナデナデ

雪風「えへへ、なんかくすぐったいです」ニパァ

提督「そ、そうか。すまん」

雪風「あ……いえ、嫌な訳じゃないです。むしろすごく落ち着きます……」

提督「ふ、ふむ……」





大和「雪風ちゃん、まだここにきて数日しかたってないのに随分なついてるわね」

日向「朝から晩まで提督と一緒にいるみたいだぞ」

加賀「……まるで父と娘ですね」

北上「精神年齢でいえば中学生ぐらいかんねーまだまだガキんちょ」

大和「甘えたい時に甘えれなかった分……反動がきてるのかも知れないわ」

日向「ふむ。しかし、あんな無邪気で小さな娘までもが艦娘となり戦場にでているとはな……」

加賀「知ってはいましたが……実際みると悲しいものですね」

大和「しかも経験は私達より豊富だっていう……」

日向「……なんともいえないな」





雪風「しれぇ!何か他に雪風が手伝える事はありませんか?」

提督「いやぁーもう大丈夫だ。あとは俺しかできない書類作業くらいでな」

雪風「……そうですかぁ……雪風はいらないですか……」シュン

提督「お、落ち込まんでくれ。ほらほら、今日は皆休みなんだ。どこかへ遊びにいってきても構わんのだぞ」

雪風「雪風は……しれぇと一緒にいたいです」ジー

提督「うっ……そんな目をしないでくれ」オロオロ




大和「提督、すごい困ってるわね」

日向「あんな顔初めて見たな」

加賀「子供に慣れていないのでしょうか。ちょっと笑えますね」


北上「あーあーあれじゃ仕事ができなそうだねー……しょうがないなぁ」ハァ



北上「ほらー雪風」

雪風「?」

北上「いいからこっちきなー」

雪風「え、はい……なんでしょうか」


トテトテトテトテ




雪風「北上さん。雪風にご用でしょうか?」

北上「えいっ」プニッ

雪風「あうっ」

雪風「な、なんでほっぺたをつつくのでしょうか……」

北上「楽しいから。えいっえいっ」プニッ プニッ

雪風「やめて……あうっ…くださいあうっ」

北上「どーだどーだー北上様の連装波状砲撃だぞー」プニッ プニッ

雪風「あうっ、もう。北上さんっ、やめてくださいっ」プンスカ



ドーダー
ヤメテクダサイ




提督(北上、ありがとな)ウィンク

北上(まったく世話が焼けるなー)ジトー




提督「ふぅっ……」

大和「お疲れ様、提督」

提督「ん、ああ。慣れない事はするもんじゃないな」

大和「子供苦手なの?」

提督「苦手という訳ではないが……ああ純心にまっすぐ行動や気持ちを伝えられるとそれに答えねばと思ってな」

提督「色々と考えてしまうのだ」ハァ



大和「真面目よねぇ。もっと気楽でいいのに」

提督「うむ……まぁ指揮官としてお前らの命をあずかる身だ」

提督「常日頃から一つ一つの行動をかんが」

大和「はいはい、ありがたいお話はいらないから執務室に戻って作業してください」

提督「うっ……ったく、まだ話してたのに……まぁいいや」

提督「しばらく部屋にいるから何かあったら言ってくれ」スッ

大和「はーい」

大和「…………」

大和(顔色が悪そうだけど……大丈夫かしら)






─────────────────────────────────

      提督の部屋


提督(……母艦の設備点検はこの日で……っと)

提督(む……資源使用の報告書。これがまた……なんとまぁ手間だ……)

提督「…………ハァ」

提督「っといかんいかん。最近疲れているようだな。すぐにため息がでてしまう」





プルル プルル



提督「ん、電話か」


ガチャ



提督「はい」

本部軍人「もしもし、提督殿。今よろしいでしょうかな?」

提督「本部軍人さん、お疲れ様です。ええ構いませんよ」

本部軍人「実は近々遠征任務へ艦隊を派遣する予定なのですが」

本部軍人「提督殿もよければご同行されないかなと思いまして」

提督「遠征……ですか」





本部銀人「ええ。今回は資材……主にボーキサイト等が眠る海域へと向かうもので」

本部軍人「戦闘は恐らく発生しないものだとおもっていただいて結構ですよ」

提督「なるほど」

本部軍人「まだ経験少ない提督殿に色々と慣れていただければと思い声をかけたのですが」

本部軍人「いかがですか?」

提督「分かりました。ぜひ参加させていただきます」

本部軍人「了解です。遠征艦隊には私の方から声をかけておきますので当日までお待ちください」

提督「はい。お気遣いありがとうございます」

本部軍人「それでは失礼致しました」


 ツーツー


提督(遠征か……)

提督(こっちに来て母艦に乗るのは初めてだし、丁度いい機会だな)







──────────────────────────────



~遠征当日~



遠征軍人「今日はよろしくお願いします、司令官」

提督(司令官……なんか呼ばれ慣れない)

提督「え、ええ。こちらこそ……今日はお世話になります」

遠征軍人「本部軍人殿より資材調達任務は初めてだとお聞きしております」

遠征軍人「まぁ、さほど難しい工程はありません。気軽にやりましょう」

提督「はいっ」

遠征軍人「あちらの艤装庫に今回の任務についてくる艦娘達がいるので、よければご挨拶をしていただいても?」

提督「了解しました。ではちょっといってきます」



おぉおかえりー待ってた甲斐あったぜ
忙しいのは理解してるからこれからもちょくちょく暇みつけて更新してくらはい楽しみにしてるから



────────────────────────────────


艤装庫




提督「色々迷惑かけると思うがよろしくお願いする」ペコ

艦娘A「よろしくー!大した任務でもないし楽しくやりましょー♪」

提督「うむ」

艦娘B「そんな事よりさぁ、提督さんて最近ここに着任したんですよねー?」

提督「ああ、そうだが」

艦娘B「しかも司令官なんでしょー?すごいわぁ」

提督「運が良かった……と言うと回りに失礼か。そうだな、努力の成果……だと思っている」




艦娘A「真面目~なんか可愛いわね」

艦娘B「よくみると結構男前だし」ジー

艦娘A「この後遠征終わったら遊びにいかないー?」

艦娘B「いいわねぇ~、せっかく知り合ったんだし!いきましょー?」

提督「いや……今日は用事が……」

艦娘A「ねね、そんな事いわずに」ズイッ

艦娘B「そうよー。もっと楽しい事……できるかもよ?」ギュー

提督「え、いや……あの……」アセアセ

提督「失礼する!」サッ


タッタッタッタッ


艦娘A「あーんどこいっちゃうのー?」



────────────────────────

    母艦が定着している港


スタスタスタ



提督(………ああいった女性の対応は正直苦手だ)

提督(馴れ馴れしいのが好きじゃないし……それに)

提督「俺は大和一筋だ」キリッ





提督「…………何言ってんだ俺……」カァ




提督(しかし、中央といっても管轄で大分違うもんだな)

提督(前線にでる本艦隊は規律厳しくピリピリした雰囲気だけど……)

提督(この遠征任務担当の艦隊は割とゆるい感じがするし)

提督(中央鎮守府といっても全てを統制できている訳ではなさそうだ)

提督(…………)

提督(艦娘への挨拶も終わったしもどろう)





ザバァァン



提督「?!」

伊58「……ハァ……ハァ……疲れた……」フラフラ

提督(な、なんだ。急に海の中から勢いよく飛び出してきたこの娘は……艦娘か?)

伊58「…………もどってまた……いかなきゃ…………」フラフラ

提督「お、おい。そこの君、大丈夫か?」

伊58「……だ……いじょうぶで……ち」フラッ


バタッ



提督「おい、君!しっかりしろ!おい!」





今日は以上です


なんか久しぶりだと緊張しますね……







>>176
ありがとうございます
今後ともよろしくお願いします



期待 & 乙コメ ありがとうございます



ここから回想シーン多めで読みづらいかもしれません


ご年頭いただければと思います


投下します


───────────────────────────────────────


      入渠室


チャポーン


伊58「ん……んうっ……」モゾモゾ

伊58「…………ん」ムク

伊58「……ここは?入渠室?」

伊58「私……オリョールから帰ってきてそれで……」

伊58「うーん……覚えてない」

伊58「……とりあえず起きよう」スクッ


スタスタ


ガチャッ


伊58「やっぱり……鎮守府の入渠室でち」キョロキョロ

女医軍人「ゴーヤちゃん!」

伊58「女医さん、こんにちは」

提督「む、起きたようだな。体調は平気か」

伊58「……どなた、ですか?」

提督「ああ覚えていないんだな」

提督「港で歩いていたら急に君が海から飛び出してきてね」

提督「そのまま気絶した君をここまで連れてきた者だ」

伊58「そうでちたか……ありがとうございます」ペコリ

提督「無事だったようで何よりだ」

伊58「えへへ」



女医軍人「えへへじゃないわよ!」

伊58「女医さん……」

女医軍人「何度言ったら分かるの!!ゴーヤちゃん!」グワッ

伊58「あうっ」

女医軍人「あなたの疲労はとっくに限界なのよ。このままだとまたしばらく入院しないといけなくなるわ」

伊58「……大丈夫、ちょっと疲れてただけみたい」

女医軍人「そんな事いって前も倒れた事忘れたの?いい加減身体をもっと大事にしなさい」

伊58「……寝たから元気いっぱいなの!ゴーヤはまだまだ働けるの!」

女医軍人「駄目!いくら艦娘とはいえ元は人間なのよ?同じように疲れはたまるしそれによって弊害はでるの!」

女医軍人「今のまま貴方が動きつづけたらいずれ動けなくなる程の疲れが溜まってそれで……」




伊58「…………だいじょうぶったら大丈夫!女医さんは心配しすぎ!」スッ


タッタッタッタッ



女医軍人「ゴーヤちゃん!」

提督「行ってしまったようですね」

女医軍人「まったく……あの子は。頑張りすぎよ……」

提督「……何か訳ありですか」

女医軍人「……ええ」



───────────────────────────────────


    回想



伊168「女医さーん!」

女医軍人「あらどうしたの?」

伊19「入渠室借りにきたのね~」

女医軍人「あらそう。じゃあ今から準備するから、もう少し待ってね」

伊58「わーい。早くさっぱりしたいでち」

女医軍人「毎日毎日大変ね貴方たちも」

伊19「しょうがないのね。潜水艦型の資材調達部隊は少ないからフル稼働なのね」

伊168「総司令官の意向だからこればかりはしょうがないわよ」ハァ

女医軍人「……辛かったらちゃんというのよ」

伊58「大丈夫だよぉ。みんなで協力してやってるし」

伊19「優秀な女医さんもいるのね」

伊168「そういうこと」

女医軍人「褒めても何もでないわよ。さぁ準備できたからさっさと入って頂戴」

3人「「はーい」」



    回想 終



提督「ふむ。伊58と同じ潜水艦型の友人が?」

女医軍人「はい……ゴーヤちゃんの他にも伊19ちゃん、それと伊168ちゃん」

女医軍人「前まではその3人が主にオリョール海で資材調達の任務をしていたわ」

提督「オリョール海……教科書で見た事がある」

提督「海底に沈む資材が豊富で敵の数もさほど多くはない……資材調達にピッタリな場所だと」

女医軍人「ええそうなのよ。しかもそこは潜水艦型だと優位に資材回収できるのだけど」

提督「なるほど」

女医軍人「その3人は資材調達部隊のエキスパート、」

女医軍人「一時期は中央の資材20%近くを3人だけでカバーしていた事もあったらしいわ」

提督「たった3人で……この規模の資材をか」

女医軍人「でも……少し前に伊168ちゃんと伊19ちゃんが別の鎮守府へ異動になってね」

提督「それで今は伊58だけでオリョール海にいってるのか」

女医軍人「ええ、きっとゴーヤちゃん寂しいと思うの。だからあんなにがむしゃらに……」



提督「……ふむ。異動ねぇ」





っとすいません。少ないですが今日は以上です


眠いorz







──────────────────────────────────

    港 


トボトホドボ


伊58(分かってるでち……自分の限界なんて自分が一番)

伊58(それでも……ゴーヤは)

伊58(オリョーるに行かなきゃ)

クラァ

伊58(っとと、危ない!)ザッ

伊58(……足が一瞬上がらなかった)

伊58(ひ、疲労のせい?)

伊58(いやいや、まだ平気でち。ちょっと立ちくらみしただけ!)

伊58(さぁ、さっさと遠征の準備しなきゃ!)





──────────────────────────────────


         ~数時間後~



     とある海域 遠征任務 遂行中




遠征軍人「この状態で、ボタンを押すと……」


ゥィイイイイイイイイン



遠征軍人「あとは自動で資材を調達してくれます」

提督「なるほど。便利なものですね」

遠征軍人「妖精達の技術の賜物ですよ」

提督「……あの、一つお聞きしたいのですが」

遠征軍人「はい。なんでしょう?」



遠征軍人「ほう、オリョールですか。そうですね……非常に効率的だと個人的には思います」

提督「ふむ」

遠征軍人「オリョール海での敵は潜水艦への対策を持っているものが少ないという統計がでているという点」

遠征軍人「また特殊な海流があるせいで海上は波が荒く、深い潜水からのルートを通った方が時間効率を高める事ができます」

遠視軍人「あとは資材を回収できるポイントが海底にあるので尚更ですね」

提督「なるほど」

遠征軍人「私共も前まではオリョールでの資材調達が大半を占めていましたし」

提督「前までは?」

遠征軍人「ええ……実は……」




────────────────────────────────────


     ─次の日─


      艤装庫
    



伊58(……よしっ!)

伊58(艤装OK!燃料OK!弾薬OK!……準備万端でち)

伊58(……あと一回だけいけば今日のノルマは終わり)

伊58(少し……疲れてはいるけど平気だよね、うん)








─────「ゴーヤ、髪留めが取れそうよ。ほら、動かないで……っと。よしっ!もう、今度からはしっかりしなさいよ」

─────「イムヤはゴーヤのお姉さんみたいなのね。とんだ世話焼きなのね」




伊58「髪留めも……よしっ」


ガチャッ



提督「伊58、もうでるのか?」スッ

伊58「ん、貴方はこの前の……えっと」

提督「そういえば自己紹介していなかったな。第2艦隊の司令官 提督だ」

伊58「ええっ!司令官でちたか!人は見かけによらないですねぇ」

提督「一言余計だろ」

伊58「わ、悪い意味ではないです。ただ、ちょっと若いなぁと思って……」

提督「ふむ。お前に言われたくないな」




伊58「えへへ……提督さんはこんな所にどうしたんでちか?」

提督「ああ、ちょっと様子を見にきた」

伊58「誰の?」

提督「お前の」

伊58「へ?ゴーヤの?」

提督「うむ」

伊58「な、なんで?」

提督「この前倒れたばかりだろ?今日は止めてしばらく休め」

伊58「……なんでそんな事いわれなきゃいけないんですか」

提督「何かあったら困るからだ」

伊58「意味がわからないです」プイッ



提督「理由はまぁ複数あるが……一つはお前を俺の艦隊に誘いたいという事」

伊58「……誘う?どういうこと?」

提督「俺はここ最近着任したばかりだ。まだ艦隊の編成を終えていない」

提督「現在編成中により共に戦う仲間を探している……そこで色々考えた結果、潜水艦型の艦娘を一人仲間にしたいと思ってな」

提督「どうだ?俺の艦隊に入ってくれないか?」

伊58「……お断りさせていただきます」

提督「なぜだ?」

伊58「ゴーヤは資材調達部隊を離れたくないです。オリョール海でビシバシ任務を遂行する事に誇りを持っています」

提督「……そうか。残念だ」

伊58「ごめんなさい……では任務へ行ってくるので失礼するでち」スッ



提督「待て」

伊58「……」ピタッ

提督「今週はお前のノルマはもう終わってる筈。これ以上の資材収集は必要ないだろう」

伊58「そんな事ないです。必要あります。まだまだ二人の分まで足りない……でち」

提督「お前、ホントはあの二人の事……」


伊58「……失礼します」スッ


スタスタスタ



提督(…………)






─────────────────


    その後


  ─遠征管理局─



提督「……はぁ」

遠征軍人「駄目でしたか」

提督「ええ。介入する余地もなく」

遠征軍人「彼女達は本当に働き者でしたからね」

遠征軍人「寝る間も惜しまず朝から晩まで働いていたのを覚えています」

提督「……」

遠征軍人「それがあんな不幸に……残念で仕方ありません」

提督「ですね……ん?」



ワイワイ ガヤガヤ



遠征軍人「昨日とは別の遠征部隊が戻ってきたようですね」チラッ



艦娘C「あーびっくりした。なんでオリョールにあんな奴らがいるのよ」

艦娘D「良かったわー。早めに気づけたから戦闘を避けれたけど……」

艦娘D「ほんのちょこっと資材とりにいこうと思ってだけなのに」

艦娘C「まさかあんな深海棲艦に出会うなんてねぇ」

艦娘D「おかげで収穫ゼロ……」

艦娘C「オリョールはもう駄目ね……敵の数も質も以前とは比較できないわ」



提督「……君達、その話って今日の話?」スッ

艦娘C「ええ、今さっきいったばっかりよ」

艦娘D「びっくりしたわ。雷巡チ級なんてあの海域で見たの初めてよ」

艦娘C「久しぶりにのオリョールだからって気楽にいったのにさー」

艦娘D「遠征用の艦隊だし全速力で逃げてもどってきわたよ……もうヘトヘト」

艦娘C「一回り強い深海棲艦が出るようになったって噂本当だったのねー……って提督さん?どこいったのかしら……」


─────────────────────────────

     その頃

    
   オリョール海 周辺

    
    
伊58(まったく余計なお世話でちたね)


伊58(わざわざ止めろと言いに来るなんて……)

伊58(でも……悪い人ではなさそう)

伊58(心配してくれるのは嬉しいけどそれでもゴーヤは……)




──────どうだ?俺の艦隊に入ってくれないか?



伊58(…………)

伊58(……っと、ここから深海棲艦がではじめる海域でち。集中しなきゃ!)ブンブン




───────────────────────────────────────────


  ───中央鎮守府 母港───


タッタッタッタッ


提督「ハァッ……ハァッ……」ゴソゴソ


ピッ

大和『はい、こちら第2艦隊 大和がお受けいたします』※電話

提督『もしもし、大和か!急で悪いが聞いてくれ!』

大和『ど、どうしたの?慌てた様子で』

提督『今すぐみんなに出撃できるよう声をかけてくれないか!』

大和『ちょ、急にどうしたのよ』

提督『頼む!一人の艦娘を救いたいんだ!母艦で待ってる!』ピッ


プツ ツーツー


大和「え、ま……って切れてる」

大和「あああ、もうなんなのよ!勝手に!」




提督「はぁっ……はぁっ……」

提督(昨日遠征軍人が言っていたこと……)

提督(……嫌な予感がしたから声をかけたのに……)

提督(やはり全力で止めるべきだった……!)

提督(無事でいてくれよ……伊58!)


───────────────────────────────────

    ~ 回 想 ~


       前日



遠征軍人「ええ……実はですね」

遠征軍人「最近は事情が変わりました」

提督「……事情?」

遠征軍人「はい。練度の高い深海棲艦及び潜水艦への攻撃手段を持つ深海棲艦も増加傾向にあるのです」

遠征軍人「結果、オリョール海への資材調達を自粛する艦隊が多いのが現状ですね。私の艦隊も最近は控えてますし」

提督「なるほど、実害はあったのでしょうか?」

遠征軍人「……つい最近、潜水艦隊の二人が犠牲になっています」

提督「二人、ですか……」

提督「……良ければ名前を教えていただいても?」

遠征軍人「ええ構いませんが……」



遠征軍人「伊19と伊168……という艦娘の2名です」




   ~ 回想 終 ~





──────────────────────────────────────




オリョール海  海底



伊58(……あとちょっとで回収ポイント……)スィー

伊58(…………)


伊58(イムヤ、イク……ゴーヤは二人の分もここで任務を遂行するでち……)

伊58(こんな事をしても二人は帰ってこないけど……)

伊58(それでも……)



────────────────────────────


      ~回 想~


伊168「ねぇ……一生遊べるくらいお金稼いだら人間に戻って皆で学校に通わない?」

伊19「それはいい考えなのね!しかも同じ学校、同じ学年、同じクラスで!最高なのね!」

伊58「絶対楽しいでち!」

伊168「でしょ!こんな暗い海底を何度も何度も往復する作業をずっとやるのも……さ。嫌でしょ?」

伊58「そう?ゴーヤは3人でいればすごく楽しいよ?」

伊19「そうなのね。こんな暗い所でも明るい気分になれるのね!」

伊168「ふ、ふーん……まぁ……あたしもあんた達がいればもうちょっとこうしててもいいわね」


伊58「えへへ……ならみんなずっと一緒でち!」




    ~回 想 終~



─────────────────────



伊58(……ずっと一緒………か)

伊58(もう……その願いは叶わないよ……)

伊58(なんでこんな事に……ん?)




ピッ ピッ ピッ





伊58(……何の音だろ)


伊58(四角いシルエット……上から落ちてきてる……)


伊58(え……ば、爆雷!?)



ドカァァァァン




────────────────────────


    ~ オリョール海 海上 ~



軽巡ヘ級1「ミー……ツケ……タ……」

軽巡ヘ級2「ネズミガ……イッピキ……」

戦艦ル級1「フカイ……ナ……」

雷巡チ級1「……アタッタ……カナ」

雷巡チ級2「グチャァ……」

空母ヲ級elite「……ヲ……マダダ……コロセ……」


────────────────────────


      オリョール海  海底



伊58(危なかった……もう少しで当たる所だったでち)

伊58(ボーっとしていて敵艦隊に気づかないなんて……ゴーヤのバカ!)

伊58(……それにしても)

伊58(爆雷装備の敵をオリョクルで見るなんて初めて……)

伊58(しかもこんな深い場所へ高精度に……)




伊58(空母1と戦艦1軽巡2雷巡2……あんな構成みたこないでち)

伊58(見た所対潜装備もある程度積まれてる……)

伊58(これは……今までの適当にあしらってきた奴らと違うでち)ゴクリ

伊58(真正面で戦うのは無謀……もっと深い位置を潜って……逃げ切るしかない)スッ





 スイーーーッ…………ピタッ






伊58(あれ…?……力が…………)グググ

伊58(……入らない……でち……)






────女医軍人「今のまま貴方が動きつづけたらいずれ動けなくなる程の疲れが溜まってそれで……」



伊58(……そういえば……女医さんがいってたでちね……)

伊58(さっきの攻撃で……気がぬけたのかな……)





軽巡ヘ級1「……ウゴカナク……ナッタ……」カチャ

軽巡ヘ級2「コロソウ……」カチャ

雷巡チ級1「ヤロウ……」カチャ



シュボッ ポチャン

シュボッ ポチャン

シュゴォオオオォォ






伊58(…………避けれない)

伊58(ここまでかぁ……)

伊58(…………)



伊58(イムヤ、イク……)



伊58「深海は……やっぱり……」



伊58「暗いでち……」





ドカァァアアアン






伊58「…………」


伊58「あれ……無事……?」






日向「やるな北上!爆雷に魚雷を当てるとはっ」

北上「へへーん、どんなもんだーい!これが北上様の実力だよー」

提督「自慢してる場合か!大和!敵艦隊の様子はどうだ?」

大和「戦艦がこちらへ来るわ、空母が艦載機を発進した模様!」

提督「よし!加賀、艦載機で迎撃だ!」

加賀「もうやってます!」

雪風「しれぇ!敵の攪乱はおまかせください!」

提督「うむ、無理はするなよ!」

大和「もうっ!提督のバカ!初出撃がこんな慌ただしいなんて!」



提督『おい!伊58!聞こえるか!』無線

伊58(この声……提督さんでち)

提督『聞こえるなら返事をしろ!』

伊58『……なんでちか?』

提督『なんでちか?じゃない!さっさと海上へあがってこい!』

伊58『身体が………動かないの』

提督『何いってるんだ!こっちはあまり余裕がない!早くあがってこい!』

伊58『……提督さん。ゴーヤの事はほっといてくだち……』

提督『バカ野郎!何のためにここまで来たと思ってるんだ!しっかりしろ!』




伊58『…………』

提督『………伊168と伊19の思いを無駄にする気か』

伊58『……………』

提督『やっぱりか……知ってたんだな。二人が亡くなった事』

伊58『…………うん』





─────────────────────────
 
  ~ 回想 ~

   
   
    病院




女医軍人「うーん……しばらくはお休みね」

伊58「出撃だめなの?」

女医軍人「ええ。疲労が完全に取り除かれるまで」

女医軍人「1週間くらい安静にしとくといいわ」

伊58「そんなに?」

女医軍人「何言ってるのよ。今までの貴方の働きぶりで考えたら足りないくらいよ」



伊19「ゴーヤ。女医さんのいう事はちゃんと聞くのね」

伊168「そうよ。たまにはゆっくり休みなさい」

伊58「でも……ゴーヤがいないと任務が……」

伊19「何言ってるの。ゴーヤがいなくても二人で余裕なのね。私達をなめないでほしいのね」

伊168「イクのいう通りよ。なんならゴーヤの分まで資材ノルマをクリアしとくわ」

伊58「二人共酷い……ゴーヤはいらない子なんだ」

伊168「ふふ、冗談よ。真に受けないで」

伊19「ゴーヤはとにかく気にしないでしっかり休養をとるのね!」

伊58「……ごめんでち」





──────────────────────────


   ~数日後~


    病院

   
伊58(二人共まだかなぁ……そろそろ会いに来てくれてもいいのに)


コンコン


伊58(あ、きた!)

伊58「いいよー!」


ガチャ


女医軍人「体調はどうかしら?」

伊58「なんだ、女医さんでちか……」

女医軍人「なんだとは何よ……せっかく心配して見に来たのに」

伊58「ご、ごめんなさい」アセアセ

女医軍人「ふふ、冗談よ。それより貴方に伝えないといけない事があるの」














伊58「異動……でちか?」

女医軍人「そうなのよ、また帰ってくるみたいだけどね。だからしばらくは連絡とれないみたい」

伊58「そう、ですか……わかったでち」

女医軍人「………じゃあ私は失礼するわね」スッ


ガチャ パタン


伊58(女医さんは嘘をついてる)

伊58(あの二人がそんな事をゴーヤに言わないはずがない!)

伊58(きっと連絡を取れないくらい忙しいとか……そういう理由でち。なんで女医さんが嘘ついてるかは分からないけど)

伊58(………早く二人の様子を見に行きたいなぁ)

伊58(…………)

伊58(こっそり抜け出して遠征軍人さんの所にいって聞いてこよう!)




──────────────────────────

    ─遠征管理局─



伊58「こんにちは、遠征軍人さん」

遠征軍人「おお、ゴーヤ君。体調の方は平気なのかい?」

伊58「お陰様で大分よくなったでち」

遠征軍人「そうか。それは良かった」

伊58「ところで……」

伊58「伊19と伊168はどこいますか?きっとゴーヤいなくて二人共大変な思いしてるでち」

遠征軍人「………」

伊58「どうしたんですか?」





遠征軍人「可笑しいな。君に伝えるよう担当の女医さんに伝えといたはずなんだが」


伊58「……何を?」






遠征軍人「……彼女達はオリョール海での任務中、敵との戦闘により」
  
遠征軍人「殉職した」






伊58「……え?」
  
遠征軍人「つい先日遺体が搬送されたばかり……」

遠征軍人「私も変だとは思ったんだ。いつもとは違うポイントで収集を行っていたようで……」
  
遠征軍人「結果、予期せぬ敵と交戦したみたいでね………」
  
遠征軍人「残念だとは思うが……ってゴーヤ君!どこへいくんだい!」




タッタッタッ


伊58「…………」

伊58(ウソウソウソ!)

伊58(二人がオリョールでやられる筈……!)



───伊19「何言ってるの。ゴーヤがいなくても二人で余裕なの」

───伊168「イクのいう通りよ。なんならゴーヤの分まで資材ノルマをクリアしとくわ」




伊58「ゴーヤのせい……?)

伊58(ゴーヤの為にいつもより深くへ進んだから……)

伊58(ゴーヤが……私が……)






────────────────────────────────────




伊58「あの時ゴーヤも付いて行ってれば……こんなことには……」

提督「……お前のせいじゃない」

伊58「寂しいよ………ゴーヤは一人ぼっち……イクとイムヤがいないと……」

伊58「それならもういっそ……ここで……」


「バカやろぉおおおお!」


伊58「……?」

提督「生きる事を諦めるんじゃない!」

提督「お前の友人はそんな事を望んじゃいない!」

伊58「…………」

提督「思い出せ!友人との日々を!したかった事!しなければならない事を」



────────────────────────────────────


オリョール海 海上



大和「提督!母艦をもっと後退して頂戴!巻き込まれるわよ!」

提督「くっ……了解した」

北上「敵さんがっつり攻めてくるねぇ」

提督「加賀!上はどうなってる!?」

加賀「厳しいです。相手の艦載機が非常に硬く落とすのが容易ではありません」

提督「爆撃機の数は?」

加賀「約20近く確認しています」

提督「20か……全艦、爆撃に備えろ!対空艤装のある者は加賀と連携して爆撃機を優先に落とせ!」

日向「了解だ」

提督「雪風!なんとか戦艦は近づかせないでくれ!戦艦の狙いが加賀にくると非常にまずい!」

雪風「了解です!前線にて引き続き目標を引きつけます!」

提督「頼んだぞ!」





提督(まずいな……数が不利というのもあるが)

提督(……大和、日向、加賀の動きが鈍い)

提督(そりゃそうだよな……初の実戦……しかも慌ただしく準備したもんだから……)

提督(このまま戦闘を続けるより伊58を回収し早期に戦闘離脱した方が良いな)

提督(……とりあえず何とか伊58が回復するまで時間を稼がないと……)







──────────────────────────



    海底



伊58「……したかった事……しなければならない事……か」



伊58「…………」




伊58(イクとイムヤとしたかった事……)

伊58(お金いっぱいたまったら……)

伊58(軍を辞めて普通の人間に戻りたかった……)

伊58(でもそれは叶わない……)

伊58(二人共……もういない)

伊58(だから……しなければならない事なんて…………ない)


パチン



伊58「……ん……」

伊58「イムヤとイクにもらった髪留め……」

伊58(さっきの攻撃のせいかな……切れちゃった……)

伊58(二人に……誕生日にもらったんだっけか)





───────「誕生日おめでとうゴーヤ!これイクと選んだプレゼントよ!」

───────「おめでとうなのね」

───────「うわー可愛い。ありがとうでち!」

───────「喜んでもらえて良かったぁ。遠くまで探しにいった甲斐があったわ」

───────「イムヤちゃんずっーと悩んでたもんね」

───────「当たり前じゃない。ほらゴーヤ、私のしてる髪留め見て」スッ

───────「わあ、私のこれと似てるでち」

───────「うふふ。いいでしょ?お揃いみたいで」

───────「イクも同じのがあるのね!」

───────「3人お揃い……なんか嬉しいね」

───────「でしょ?あんたならそういってくれると思ったわ♪」

───────「ふふふ、さぁケーキも買ってきたし3人で分けて食べようなのね」













───────「そういえばイムヤ、昨日喪服に着替えてどこか行ってたみたいだけどどうしたんでち?」

───────「知り合いの子が亡くなったからお葬式にいってきたのよ」

───────「そっか。悲しいね……」

───────「まァ……しょうがないわ。そういう任務なんだから」

───────「そうなのね。……私達だってそうなる可能性あるのね」

───────「そ、そんな事祝わないでほしいでち!ゴーヤたちは平気でち!」

───────「「………………」」




───────「覚悟は……しておくべきよ」

───────「うん……でも、いなくなったら寂しい……でち」

───────「……ゴーヤ」

───────「もし私達に何かあっても……貴方一人になっても」

───────「この髪留めが私達の代わり……私達はすぐそばにいるから……」

───────「寂しい思いなんかさせないわよ」ニコッ

───────「でも……でも……ほんとにいなくなったら……それでも寂しいでち……」

───────「……その時は、新しい仲間を見つけるのね。生きていればいろんな人にであえるのね」

───────「きっとゴーヤに寂しい思いをさせない……そんな人達がいるのね」

───────「そうかなぁ。私はやっぱり2人じゃないと嫌だよ……」

───────「…………」

───────「なぁんてしんみりしたりして!そう簡単に私達が死ぬわけないでしょ!」

───────「もしもの話なのね!そこまで考えないでほしいのね!」

───────「ほらほら、暗い話は終わり!今日はゴーヤの誕生日なんだから!!」

───────「そうなのね!美味しいものいっぱい食べてまた明日から一緒にがんばろうなのね!」







伊58(…………)

伊58(そっか……しなければらならない事……)

伊58(…………生きないと……二人の分まで……)

伊58(私の事を……最後まで……大切にしてくれた……親友の為にも……)グググ

伊58(……くっ)

伊58(け、けど……やっぱり身体が……思うように…………)




提督『聞こえるか!伊58!』

伊58「……提督……さん」

提督『お前は一人じゃない。俺達がいる……その……なんだ。仲の良い友人を亡くしたのは辛いかもしれんが……』

提督『代わりになるかは分からん……だが!』

提督『俺達が寂しい思いはさせん!生きるんだ!伊58!』



伊58「…………」

伊58「…………一つだけお願いがあるの」

提督「なんだ?」

伊58「ゴーヤって……読んでほしいでち」

提督「……ゴーヤ、今から碇を下ろす!それにつかまって戻ってこい!」

伊58「了解でち!」スッ


─────────────────────────────────────


           オリョール 海上



日向「なっ……なんて硬さだあの戦艦。私の砲撃を当ててもビクともせん!」

大和「加賀!戦艦だけ爆撃で落とせない!?」

加賀「無理です!敵艦載機への対応で手いっぱいです!」



ヒューーーン ザッパーン



北上「わわわ!あぶな!」

雪風「北上さん!大丈夫ですか!」

北上「う、うん。なんとかね……あたし艦載機の爆撃よけるの苦手なんだよねぇ…」

雪風「わかりました!一度後ろに下がってください!」

雪風「大和さん!雪風がもう少し前にでて敵をひきつけます!」

大和「雪風ちゃん!無理はしちゃだめよ!」

雪風「大丈夫です!雪風は沈みません!」

雪風(……とはいったものの)

雪風(ここの海面はかなり荒れてます。気を抜けばすぐに転倒して的に……)

雪風(波が荒い海域だとは聞いていましたが……潜水艦が有利というのも理解できますね)




──────────────────────────



提督『掴めたか?』

伊58「大丈夫……しっかり掴んだでち」

提督『よし、今引き上げる』


ビー


伊58(敵が大分近づいてる……)

伊58(一番近いのは……戦艦)

伊58(あの距離だと上の皆が狙い打ちされる……危険でち)

伊58(……打つだけなら……いけるかな……うん、やれるだけやるでち)



伊58『提督さん。碇あげるの一度とめてもらっていい?』

提督「ああ、かまわんが……なるべく早くしろよ」

伊58『うん』

伊58『……オリョールの事はゴーヤが一番詳しいでち』

伊58『この荒い海でも………ゴーヤなら魚雷を上手にあつかえるよ』

提督「ふむ?」

伊588『たしかまだ……よし。あと3発撃てる』

提督8『やるつもりか……無理するなよ」

伊588『ううん大丈夫。提督さんにゴーヤの力、見せてあげる』




伊588『狙いはもちろん……戦艦』

カチャ

伊58「目標補足……距離確認、角度、射出速度、調整完了」

伊58「……」

伊58「発射でち!」


シュゴォオオオオ


──────────────────────────────────────


    オリョール 海上



大和「くっ、まずいわ!敵戦艦の有効射程にはいったわ!このままだと……」

日向「加賀!全速で後退だ!」

加賀「無理です!波が荒く移動がままなりません!」




戦艦ル級1「クヒヒヒ……コロス……ゼンブ」カチャ


シュゴォォx


戦艦ル級1「……コノオトハ……?」


ドガァアアアアン


戦艦ル級1「バカ……ナ…………」グッタリ






伊58「何度も何度もこの海は往復したよ。嵐で荒れてる時も晴天で穏やかな時も」

伊58「だから分かるよ。水中から魚雷をどこに打てばどういう動きをするか……どこに打てば効果的なのか……」

伊58「海のスナイパー……」

伊58「それが私達の異名でち」





─────────────────────────────




大和「戦艦の動きがとまったわ!今よ!」カチャ

日向「よし!」ガチャ


ドォン ドォン



軽巡ヘ級1「クソ……」ドカァン

軽巡ヘ級2「アガ……グアア……」ドカァン

空母ヲ級「……クッ……テッタイダ……」スー






提督「お……敵が退いていった」

大和「ええ……」ヘナヘナ

日向「助かった……」ペタン

加賀「…………」グギュルルルル

北上「はぁ……一時はどうなるかと思った~」ヘナァ

雪風「しれぇ!雪風は無事任務を遂行しました!」シャキーン

伊58「みんな、助けてくれてありがとうでち……」

提督「うむ……よし。みんなよくやったぞ」

提督「ゴーヤも無事で何よりだ。さぁ、まだ油断するな!各自母艦に戻り一時休息を取り次第、弾薬補給を行い速やかに帰還するぞ!」


艦娘達「「了解ー!」」







───────────────────────────────────────────────

      ~帰還後~


    中央鎮守府 入渠室


女医軍人「ホントは気づいていたんですか?イクちゃんとイムヤちゃんの事」

提督「気づいていたというよりはおかしいな……と」

提督「資材を確保できる、かつ貴重な潜水艦型を中央が簡単に異動させる筈がない、と思ったので」

提督「もしかしたらと思い遠征軍人さんに聞いたら……ですね」

女医軍人「そうですか……」

伊58「…………」



女医軍人「ごめんなさい……ゴーヤちゃん」

女医軍人「すぐに伝えたら責任を感じてどうかなっちゃうと思って……嘘をついたの……勿論落ち着いたら言うつもりだったわ」

伊58「謝らないで女医さん。ゴーヤの為に考えてくれた事でしょ?」

伊58「むしろ……いつもゴーヤが無茶ばっかして迷惑かけてる事を謝らなきゃ」

伊58「ごめんなさい、そしてありがとうでち」スッ

ダキッ

女医軍人「……ええ」ギュー

伊58「これからはイクとイムヤと共に過ごしてきたこの海を守るために、提督さんの元で頑張るでち」ギュゥ

女医軍人「……無理しちゃだめよ」

伊58「うん……」

女医軍人「提督さん。ゴーヤちゃんの事、よろしくお願いしますね」



提督「…………」コクリ

提督「お任せください」






以上です


読みにくすぎますねこれ……読んでいただいてる方ホントすみません


秋イベントもがんばります(白目)



乙です
なんかゴーヤの名前が一部間違ってたけど大丈夫か?

乙コメありがとうございます


>>259
なんかゴーヤがすごいでかい数字に……ご指摘ありがとうございます


さてさて……余裕がある内にどんどん投下していきます


またその内忙しくなるその日まで……





──────────────────────────────────────


     ~ その夜 ~
     
        寮


メイド「はーーーい、皆さん!恒例のごちそうタイムですよーーー」

加賀「気分が高翌揚します!やりましたぁあぁああ!」ダン!ダン!

北上「……なんか加賀っち。食事の時キャラ違うのは知ってるけど、いつもより更にテンション壊れてるけど大丈夫なん……」ドンビキ

大和「今日は初出撃もしたし頑張ってたもの……かなりお腹減ってたんじゃないかしら」

日向「加賀、誰も取らんから落ち着いて食べろよ」

加賀「ここからここまで私のです!」ドーン

日向「聞けよ」スビシッ


あああ、saga入れ忘れたぁぁ



メイド「ゴーヤちゃん加入、そして6人編成おめでとうございます!これで第2艦隊として本格的に始動できますね!」

提督「やっと……って感じですよ。まぁこれから更にメイドさんにはご迷惑かけるとは思いますが……今後共よろしくお願いします」ペコリ

メイド「いいんです!迷惑かけていいんです!その為のメイドさんですから!どーんとこい超常現象!」

日向「メイドさんもテンション高いな……って酒くさ!」

メイド「こんなめでたい時ですからね。ぱっーとやりましょう!ぱーーっと!ほら日向ちゃんも!ぐいっと!」ズイッ

日向「わ、私は酒を飲んだ事がっ、ウプっ!」ゴキュゴキュ

提督「メ、メイドさん!俺達成人になったばかりなのでお手柔らかにお願いします」アセアセ

メイド「善処します」ニッコリ


大和「ちょっと日向。大丈夫?」

日向「……ウプッ……酒というのを初めて飲んだが……あまり美味しいものではないのだな」

メイド「その内慣れますよ!ささっ、大和ちゃんもどうぞー」スッ


トクトクトク


大和「ええっ!私もですか!?じゃあ……少しだけ」

グイッ

大和「プハーっ……あら。結構おいしいですね」

メイド「おおお!いい飲みっぷりですね!さすが戦艦!ささ、まだまだお酒はありますから」

大和「え、あ。まぁ……もう少しいただこうかしら」


トクトクトク



──────────────────────────────────────


雪風「しれぇ、お料理取っておきました!」スッ

提督「お、雪風。気が利くじゃないか。ありがとな」ナデナデ

雪風「えへへ」

伊58「てーとくさん、これも美味しいよ」スッ

提督「おお、ゴーヤもありがとう。しかも俺の好きな卵焼きじゃないか」ナデナデ

伊58「ゴーヤはできる女でち!」ニコニコ



雪風「むむむ……」ムスッ

雪風「!」ピコーン

雪風「しれぇ!肩をお揉みします!」グッ

提督「えっ、急にどうしたんだ」

雪風「いつも執務業お疲れ様です!」モミモミ

提督「あ、うん。ありがとう。すごく気持ちいいよ」

雪風「ふふっ」チラッ

伊58「……!」

伊58「でチィッ……」イラッ

伊58「てーとくさん!足をお揉みするよぉ!」

提督「ご、ゴーヤまでどうした!そんなに気を遣わなくても」

伊58「いいんでち!ゴーヤがしたいからするでち!」ギュウ

提督「そ、そうか。ああ……いい感じだ」

伊58「でしょ?ゴーヤはマッサージもできるんだよ」チラッ



雪風「ぐぬぬ……」プルプル


雪風「雪風の方が上手にできます!」グイグイ

伊58「どうだか!ゴーヤの方が気持ちいいでしょ?てーとくさん」ググググ

提督「ちょ、いたっ。二人共、艦娘の力でそんな強くやったら……」

雪風「どっちが!」ググググッ

伊58「気持ちいいの!」ググググッ



ウギャァァァァァ










提督「いててて」ズキンズキン

北上「もー、調子のらせるからこうなるんだよー」

提督「そんな事いわれてもな……」

北上「はいはい、動かないで。今シップ張るから」パシン

提督「いてぇ!や、優しくしてくれ!」

北上「自業自得」

提督「とほほ……」



雪風「…………しれぇ」

伊58「てーとくさん……」

雪風&伊58「「ごめんなさい」」

提督「いや……気にするな。二人共俺に良かれと思ってやってくれたんだ」

提督「気持ちは嬉しいよ」ナデナデ

雪風&伊58「「…………」」シュン

提督「ただお願いだ。二人とも仲良くしてくれ」

提督「俺たちはこれから同じ釜の飯を食べる仲間なんだ。共に笑い共に泣き共に戦う仲間」

提督「仲良くしてくれないと俺は悲しいよ」

雪風「……」

伊58「……」

雪風「ゴーヤさん……ごめんなさい」

伊58「ううん。こっちも悪いでち。後、さんはつけないでいいよ」

雪風「じゃああっちでお話ししないですか?ゴーヤちゃん」

伊58「そうだね。色々お話聞かせてくだち」スッ


スタスタスサ


提督「ふぅ。良かった良かった」

北上「……安心してる所悪いけどさぁ。あっちも見てね」

提督「え?」



ゴキュッゴキュッ


大和 & メイド「「プハッーーーーーー」」


メイド「やりまぅあすねぇ大和ちゃあん」

大和「メイドさぁんもいーい飲みっぷぅりですねぇ」

メイド「そうでしょそうでしょぉ、まぁだまぁだお酒ありゃますから……どんどんいっひゃいましょぉ」

大和「はあぃ。どっちかが倒れるまで今日は飲みあかぁしましょぉう」

メイド「おぉぉぉ勝負ですかぁ?いいでぇすねっぇぇやりまぁしょう」

大和「じゃあわたぁしから……ングッ……ングッ……プハーーーーこれのためぇにいきてるぅう」

メイド「イヨッ!!!日本一!戦艦大和ぉお!」



提督「……」ポカーン

北上「あっちは助けないからね」

提督「そ、そんな事言わずに……な?」

北上「久しぶりの出撃で疲れたし……先に部屋に戻るねーバイバイキーン」フリフリ

提督「き、北上!おいーー!」

提督「くそっ……行ってしまった」

提督「俺が止めるしかないか……」

提督「とはいえ、絡んだら絶対めんどくさいんだろうなぁ……大和はなんかおっさん化してるし」

提督「あれ……そういえば日向は」


日向「…………」ゴローン


提督「あんな所に……酔いつぶれたのか」

提督「……仕方ない。起こして手伝ってもらうか」スッ



提督「日向、起きろ」ユサユサ

日向「ん……むぐぅ……」

提督「頼む。大和とメイドさんを止めるの手伝ってくれ」ユサユサ

日向「……んー」ムクリ

提督「お、起きたか。二人が飲み比べしちゃって大変なんだよ」

提督「明日に差支えそうだから止めるのを手伝ってくれ」

日向「…………」ボーッ

日向「……提督」

提督「ん?」

日向「こっちきてくれ」

提督「え?構わんが」ススス

日向「……いいぞ。もっと近くだ」グイッ

提督「ひ、日向。ちょっと近すぎないか」


日向「……」ジー

提督「日向?」

日向「せいっ!」ガバァ

提督「うわ!急に抱きつくんじゃない……って首に顔をうずめて何するつもりだ!」

日向「クンクン……スーハースーハー」

提督「お、おい……アハハちょっとくすぐったアハハ」

日向「実は……私はな……クンクン……匂いフェチでな……」

日向「特に男性の濃い汗のにおい……一度嗅いで……クンクン……みたかった……たまらんなこれは……スーハースーハー」

提督「お、お前!まだ酔ってんのか……ちょっ、そんなところを……止めてくれぇぇぇぇぇ」

日向「もっとだ!もっと嗅がせろ!!!」

提督「ひぃぃぃぃぃ」ジタバタ




ドンッ


提督「ん?何かにあたったような……?」

大和「…………」ジトー

提督「あ……」

大和「ナニ不埒な事してるの?テートク?」ギロッ

提督「え、いや、あの、その」

大和「人がぁせぇっかく気持ちよぉくお酒のんでれるっていうろに……」

大和「罰として……最後までお酌してちょうらい」

提督「……や、大和。俺は別に自分から変なことを……したわけじゃ」

大和「いいからしなさい」ギロ

提督「はい」チーン

日向「てーとくの匂い……最高だ……」クンクン

提督「……もうどうにでもしてください」シクシク




──────────────────────────────



      ~次の朝~

      
     
       チュン チュン 

      
      
大和「ん……うぅう」グググ


大和「あたま……痛ぁ……」

大和「ちょっと飲み過ぎたかしら……すごい二日酔い」

大和「昨日……メイドさんと飲んでそれで……うーん」

大和「思い出せないわね……」

メイド「大和ちゃん。おはようございます」

大和「おはようございます……ってメイドさん。あれだけ飲んだのに平気なんですか?」

メイド「もちろんです。お酒の飲み方は知ってるつもりですから。はい、コーヒーどうぞ」

大和「ありがとうございます……あ、すごく美味しい」

メイド「うふふ。しっかり水分とって身体の調子を整えてください」


大和「はい……そういえば他の皆はどこでしょうか?」

メイド「北上ちゃんとゴーヤちゃん、雪風ちゃんは自分の部屋で寝てますね」

メイド「残りの3人は、あちらに」チラッ

大和「あらほんとだわ……ってなによこれ……」


大和「加賀は………両手にしゃもじ持って寝てるし……」

大和「日向は提督のシャツに顔つっこんでぐったりしてるし……」

大和「提督は……」



提督「うぅ……もうお婿にいけない……」シクシク

大和「上半身裸で泣いてるし……一体何があったのかしら?」



メイド「……まぁよーするにです」

メイド「酒は飲んでも呑まれるな」

メイド「そういう事でしょう♪」

提督「」ガクッ





────────────────────────────────────


     ~第一艦隊 執務室~


あきつ丸「爺督殿。第2艦隊が6人の編成を完了したようです」

爺督「ほー思ったより早かったのぉ。どれ……編成表を見してくれい」

あきつ丸「こちらに」スッ

爺督「ふむ……」パシ

爺督「潜水艦に軽巡、駆逐艦を新たに追加……か」

爺督「バランスよくって感じだの。空母をもう一人揃えると思っていたが予想は外れたわい」

あきつ丸「………新たに追加された艦娘達はあまり名を知らぬ者が多いであります」

爺督「ふむ。たしかにどの艦娘も実力はあるものの、中央の中では評価が低いようだのぉ」


あきつ丸「第2の司令官ともなればその権力は相当なものであります」

あきつ丸「その権力を使い中央の実力名高い他艦隊の艦娘を引き抜く方が効率的、と思うのでありますが……」

爺督「その通りだのぉ。まぁしかしだ……こと艦娘の戦闘において一概にはいえんよ」

あきつ丸「……というと?」

爺督「いくら実力があろうが、個の力だけで打開できる場面は少ない」

爺督「多対多の戦いにおいては何よりも協力……艦娘同士の相性も重要じゃ」

あきつ「……そうでありますか」

爺督「あきつ丸よ、お主だって一番よく分かってる筈だ」

あきつ丸「…………最低限の実力は必要であります」

爺督「ふぉっふぉっ……そうじゃな」

爺督「まぁこれからどうなるか」

爺督「お楽しみじゃぞい」ニヤリ





以上です


最近艦これSSの新規が減ってきたのは気のせいだろうか……うん気のせいですね


読んでいただいてる方、ありがとうございます


飲酒後にコーヒー飲んだらカフェインであんまり意味無いような


乙ありがとうございます


>>282
ほんとだ……しかもコーヒーだと利尿作用もあって大変なことに……
ご指摘ありがとうございます

お漏らしかな?(ゲス顔)


新規のSS書き手はアニメと秋のプチ?イベ後に期待だね
自分は書けないし描けないから読み専だけど


>>284
カフェイン……利尿作用……お漏らし……閃いた!



>>285
やはり夏休みと比較するとSSが少ないなーって感じたんですよね
読んでいただけるだけで光栄です



投下します、よろしくどうぞ





───────────────────────────────



     提督の執務室



   カリカリ 


提督「えっと……伊58の書類はこっち……っと」パサッ

提督「この前緊急出撃した報告書も……これで……完成」パササッ

提督「よし……あとは武器弾薬の補充申請も出して……」パサササッ

提督「……はぁ」

提督(さすがに睡眠時間を削って作業するのはまずかったかな……)






コンコン


提督「ん?誰だ?」

大和「私よ。訓練メニューを貰いにきたわ」

提督「む……もうそんな時間か。待っててくれ、すぐ印刷する」



 ガチャッ



大和「大丈夫?手伝うわよ?」

提督「ん、ああ。平気だ。気にしなくていい」

大和「……なんか顔に疲れてるって書いてあるけど……」

提督「俺を甘く見るなよ。第2艦隊の司令官、提督様だぞ」

大和「はいはい、そんな事いえるならまだまだ平気みたいね」

提督「うむ。ほら出来たからみんなに配っといてくれ」パサッ

大和「ん、ありがと」パシッ

提督「さーて……仕事仕事っと」


大和(……ホントに大丈夫かしら)



───────────────────────────────



    訓練海上


ドォン ドォン ドォン



北上「日向っち~、今の所砲撃で合わせてよ」

日向「す、すまん」アセアセ



雪風「大和さん、今の動きは軽率だと思います!」

大和「ごめんなさい雪風ちゃん……」シュン


伊58「もっと詳細に情報をください!艦載機の数くらい正確に教えてくだち!」

加賀「……すみません」シュン




提督(うむ……予想はしていたが……実戦経験の豊富な3人組みと)

提督(士官学校をでたばかりで経験不足の3人組みではな)

提督(ある程度の差がでる事はわかっていたが……)ジー





北上「そんな動きじゃはっきりいって邪魔になるだけだよ」

雪風「雪風の動きをよくみていてください!」

伊58「戦場を甘くみすぎでち!」


提督「まぁ、言われてしまうよな」











   ~休憩室~



大和「はぁ……なんか自信なくしちゃうわ」

日向「これでも成績上位で卒業したんだがな……」

加賀「手厳しいですね……皆さん」

提督「仕方ないさ。あいつらの言ってる事は正直間違ってないし」

提督「実力的にもお前らはまだ追いついていない」

提督「元予備艦隊所属とはいえ……中央鎮守府に選ばれている艦娘だ。到底及ばないのは仕方ないさ」

大和「そうよね……私達がもっとついていかなきゃ」

日向「悔しいが認めねばな」

加賀「……ですね」


提督(…………)



───────────────────────────────



    ─次の日─


    訓練海上





北上「何度言ったらわかるかなーそうじゃないんだよねぇ」

日向「し、しかし今のは私の得意な射撃で……」

北上「そんな風に止まられたら陣形が崩れて困るからさ」イライラ

北上「タイミング考えてよね。ちょっとノロマすぎ」ハァ

日向「……くっ」



大和「北上さん、それは言い過ぎじゃないかしら。日向も自分なりに考えて頑張ってるのよ」

北上「頑張ってるのはみんな一緒だよ。だからといって足手まといになられても困るし」

大和「それが言い過ぎって……」

雪風「北上さんの言いかたは厳しいけど雪風もその意見に賛成です!」

雪風「戦場では命をかけて戦うんです。あまり勝手な事をされると困ります」

大和「だけど……やり方はそれぞれあるじゃない?」

雪風「戦場での動きはどれだけ迅速にかつ正確に動くかが大事なんです」

雪風「それと……申し訳ないですが大和さんの動きに関しても正直、不安をかかえずにはいられません」

大和「……っ」



伊58「そうだよ。戦艦型だからって悠長に構えてられないでち」

伊58「ただそれ以上に空母は頑張ってほしいでち」チラッ

加賀「……っ」ビク

伊58「空母こそ艦隊戦の連携で最も重要な要素と知っている筈」

伊58「加賀さんはハキハキしっかり皆に情報を伝えて欲しいでち!」

加賀「……う」

大和「しょうがないじゃない。加賀はそういう性格なんだから」

雪風「しょうがないじゃすまされないです!」

北上「うんうん。もっとしっかりしてくれないと困る」

大和「あ、貴方たちだって中央で予備艦隊だったんでしょ!」

北上「それが何か関係あるの?」

大和「本艦隊に比べたら……大した事ないんじゃない?」

北上「む……実戦もろくにしたことない人達にいわれたくないなー」ピキ

大和「あらそう?ごめんなさいね」ピキキ



提督「はーい。やめやめ」

提督「お前ら、話し合いは分かるが喧嘩するんじゃない」

提督「北上達の言い分は分かるし、大和達だってまだ着任したばかりだ」

提督「連携とれないのは仕方ないし、まだできない事をしろといわれても無理がある」

北上「…………」ムスッ

提督「それを補う為の訓練だ。それなのに今後訓練に差し支えるような仲違いは勘弁してくれ」

提督「誰が良いとか悪いで責める前に……もっとする事があるだろ?」

大和「…………」ムスッ

提督「さて、今日の訓練はこれで終わりにしよう。解散」










   夕食

   
   
   
加賀「…………」パクパク


大和「…………」モグモグ

日向「…………」バクバク

伊58「…………」パクパク

北上「…………」モグモグ

雪風「…………」カジカジ



メイド「あらー…………」タラーン

メイド(な、なんか雰囲気悪いわね。喧嘩でもしたのかしら)




メイド「加賀さん、今日のご飯どうでしょう?久しぶりに肉じゃがなんて作ってみたけど」

加賀「…………美味しいですね」

メイド(あらら……やっぱり元気ないみたい……でもちゃんとご飯おかわりしてるのはさすがね)


メイド「雪風ちゃん。リンゴジュースいる?」

雪風「……いりません」

メイド(雪風ちゃんも機嫌悪いみたいね……それでもパンを前歯でカジカジしてる姿がキュート♪)



メイド(にしても割とマジな喧嘩みたいねぇ。こういう雰囲気は早めに解決しないと後々支障になるわよ)

メイド(……というか提督さんがいないのよね。後から来るっていってたのに……)

メイド「提督さん遅いですね」

大和「本当ですね。自分でご飯は皆で食べようって言って癖に」

メイド「私の方でお声かけにいってきますね」

大和「あ、私がいきますよ」

メイド「いいんです。このメイドにお任せください。ドーンと!」

メイド(この空気に耐えるのも辛いし)

大和「……分かりました。お願いします」










    提督 執務室


コンコン


メイド「提督さーん」

シーン


メイド(反応ないわね……)

メイド「提督さーーーん!」


シーン


メイド(これだけ大きい声でも駄目か)スッ



ガチャッ




メイド「あれ……空いてる」

メイド「まぁいっか。ちょっと覗くだけ……」


メイド「失礼しまーす。提督さーんいらっしゃいますかー?」

メイド「おかしいわね……どこにも」キョロキョロ

メイド「ん……なんか床に」

提督「…………」

メイド「て、提督さん!倒れてる!?」タタタタ

メイド「どうしたんですか!」ガバッ

メイド「息はある……で、でも……すごい熱」

メイド「急いでお医者さん呼ばなきゃ!!!」




───────────────────────────────



    中央鎮守府内 病院



女医軍人「風邪……みたいね」

メイド「風邪?」

女医軍人「ええ……ただ根本の原因は疲労のせいね」

女医軍人「精密に調べた所、大分体が弱まってたみたい」

女医軍人「そのせいで風邪をひいて抵抗力もないまま熱だけ上がったって感じだわ」

大和「そんな……」



女医軍人「話によると報告書類も深夜の3時とかに提出されてる事から」

女医軍人「ほとんど寝てなかったみたいね」

日向「深夜3時……起きる時間は6時なのに……」

女医軍人「恐らくずっとそんな生活を送ってたのね。そりゃぁ倒れるわよ」

加賀「…………」

女医軍人「さ、後は私に任せなさい。命に別状はないし点滴打ってしばらく休めばすぐ良くなるわよ」

大和「……分かりました。提督の事、よろしくお願いします」

女医軍人「ええ」













寮 談話室



大和「なんとなく気付いてたのに……もっと配慮すべきだったわ」

日向「自分だけで変に抱え込みすぎるからな……提督は」

加賀「……ほんとですね。私達が初めて演習で負けた時もそうでした」

大和「ええ……しかも見てよこれ」



パサッ


雪風「……これはなんですか?」

大和「提督の机に束ねてあったわ」

伊58「えっと、一人一人の訓練方法が書いてあるでち。すごい詳細に」

北上「どこが苦手とかどこが得意とか……それに併せてどんな訓練をすればいいかとか……うひゃーすごい量」

日向「みんなでの連携方法も書いてるな。きっと最近の訓練を見て書いたのだろう」

大和「バカよね。これを書きながら自分の書類作業もして……徹夜して身体壊して……」

雪風「……しれぇ、無理してたんですね」

伊58「ばかでち……人には頑張りすぎるなとかいう癖に……」

大和「…………」



大和「北上さん、雪風ちゃん、ゴーヤちゃん」

大和「ごめんなさい!」ペコリ

北上 & 雪風 & 伊58「「……!」」

大和「訓練で……貴方達のアドバイスを素直に受け入れず変に言い返してしまって……」

雪風「……きゅ、急にどうしたんですか」アセアセ

大和「きっと私……中央に選ばれたからって浮かれてたわ」

大和「自分達はできる方なんだっていう慢心がきっとあったの」

大和「けど提督はここにきても変わらず努力してる…………」

大和「私達がそれに応えなきゃいけないもの!これからの戦いの為に!」

日向「………私もだ」

日向「すまなかった。これからもビシビシいって欲しい」ペコリ

加賀「……よろしくお願いします」ペコリ



北上「……っ」

北上「ちょ、調子くるうなぁ」ガリガリ

北上「いや……えっと。こっちもちょっと言い方きつすぎたりしたし」

北上「ご……ごめん」ゴニョゴニョ

雪風「……雪風も生意気な事言いました……すみませんでした」

伊58「言い過ぎた感あったでち……ごめんなさい」

大和「ううん……ありがとう、みんな」

大和(……提督も)


───────────────────────────────


   数日後



  ─病院─
   


女医軍人「もういいわよ。退院して」

提督「お、やっとですか!」

女医軍人「やっとってたった3日間よ。医者としてはもっと休ませたい所よ。それなのに上のやつが……」ブツブツ

提督「はは……何はともあれ良かったです」

女医軍人「よくないわよ。艦娘の子達に心配かけて……」

提督「耳に痛いですね……」アセアセ

女医軍人「はぁ……まぁいいわ。手続きはもうすんでるから着替えて好きな時にでていっていいわよ」

提督「あ、はい。了解です。色々ありがとうございました」
















    ─寮─


    
提督「ただいま戻りました」

メイド「おかえりなさいませ!ご主人様!」

提督「ご、ご主人様?」

メイド「うふふ、たまに言ってみたくなるんですよ」

提督「そうですか……ハハ」

メイド「ちょっとひかないでくださいよ!冗談なんですから」ガーン

提督「すみません。……皆はどこですか?」

メイド「訓練中だと思いますよ」

提督「そうですか。じゃあ覗きにいきたいのですが……」」

メイド「わかりました。今車出しますね」

提督「助かります」

提督(みんなちょっと険悪になってたからすごい心配だったけど)

提督(大丈夫かなぁ?)





───────────────────────────────


     訓練海上


北上「だーかーらー、今のもできれば迂回した方が早いって」

日向「了解だ!すまなかった。逆にこう動くという考えもあったが難しいか?」

北上「んー、ありっちゃありだけど……んじゃ次それやってみる?」

日向「うむ、頼んだ!」




大和「雪風ちゃん、ごめんなさい!今の邪魔しちゃったでしょ?」

雪風「いえ、大丈夫です!前より全然いいと思います!」

大和「そう?ありがとう!」

雪風「雪風の動きはどうですか?」

大和「無駄が少なくて素晴らしいわよ。私もそれくらい動けるようになりたいわ」

雪風「そうですか……そこまで褒められると嬉しいです」テヘヘ



加賀「ぜ、前方に敵艦載機20……いや30」

伊58「お、落ち着くでち。ゆっくり慌てずで平気だよ」

加賀「はい……」

伊58「敵艦載機を食べ物だと思えばいいでち。例えば七面鳥とか」

加賀「七面鳥……なるほど。数を数えたくなりますね」

伊58(冗談のつもりだったんだけどなぁ……)

伊58「あ、後方からまたくるでち!」

加賀「はい!敵艦載機50!」

伊58「はやっ!」ガビーン






提督「…………心配無用だったみたいだな」ニコッ





以上です


読んでいただいてる方ありがとうございます


書き溜めの方が少なくなりましたので又後ほど投下させていただきます


お目汚し失礼致しました


コメントありがとうございます


七面鳥の由来はアメリカ軍が艦載機を落とす時にいってたとかいってないとか

全体的にキャラクターの口調が統一されていない感ありますが、1の技量と確認不足によるものです
申し訳ございません

投下します

よろしくどうぞ



───────────────────────────


    提督の執務室


大和「もう……心配したのよホントに」

提督「すまなかった。疲れてるなー程度には思ってたがまさか倒れるとはな」

伊58「ゴーヤにあんな事言っておきながら……しっかりしてほしいでち」

北上「相手の心配より自分の心配、ってねー」

日向「君はそういう所を直してくれないと……」クドクド

加賀「反省してください」

提督「……返す言葉もない」シュン



雪風(……)

雪風「……しれぇ、一つ提案があります」

提督「なんだ?」

雪風「秘書艦、を利用してはいかがでしょうか?」

提督「ふむ。そういえばそんな制度があったな」


雪風「本来しれぇの様な立場である方は秘書を雇うのが普通です……が」

雪風「重要機密の開示や艦娘との接触を避ける為に秘書という役職を雇う事を避けるのが軍の意向です」

雪風「そこで設けられたのが秘書艦制度です」

雪風「秘書艦とはそのままの意味で、艦娘による秘書……」

雪風「先程挙げた問題は艦娘自身が秘書になる事によりクリアできます」


提督「なるほど。一人では手も回らなくなってきたし、いいかもしれん」

雪風「という訳で!私!ゆきかぜが!秘書艦を務めさせていただきます」ドーン

提督「ゆ、雪風が?」

雪風「……雪風ではご不満ですか?」ウルウル

提督「いや、そんな事はない!是非雪風に頼みたい!」アセアセ

雪風「はい!お任せください!」


──────────────────────


    ~次の日~


    提督の執務室


提督「さて、早速で悪いが雪風。この書類を頼みたい」

雪風「はい!」

提督「えっと、この書類とこっちの書類を比較して合計資材量や金額が合っているか確認して欲しいんだ」

雪風「ふむふむ」

提督「合っていたら問題ないが間違っているようであればどこが違ってるかメモしといてくれ」

雪風「りょーかいです!」

提督「よし、じゃあ頼んだぞ」










雪風 「…………んー……しれぇ……雪風はしず……み」スピー

提督(寝てる……)ガクッ

提督(背伸びして俺の為に一生懸命に頑張ろうとしてくれるが……)

提督(中身はまだまだ子供だ……数字を比較するだけの作業なんて辛抱たまらんだろうな)

提督「さて、起こさない様静かに……」スッ


ピッ


提督「もしもし大和か」

大和「あら、どうしたの?」

提督「雪風を運ぶの手伝ってくれないか?」

大和「え?」









大和「あら……見事に寝てるわね」

提督「書類にヨダレ垂れてるよ、ほら」デローン

大和「うふふ、可愛い」

提督「あどけない顔してまったく」ナデナデ

雪風「……ムニャ……しれぇ……」グースピー

大和「夢の中でも提督にくっついてるわよきっと」

提督「俺のどこがそんなにいいんだか……」

提督「……さて、雪風を部屋に運ぶからついてきてくれ。流石に女子の部屋には入れん」

大和「はいはい」スッ



一旦止めます


今日中にまた投下しますー

書類に付いた雪風のヨダレなめとりながら舞ってる



コメントありがとうございます


>>330
残念でしたね。それは私が舐めとり済みです



投下します













大和「で、どうするの?」

提督「何がだ?」

大和「秘書艦よ。さすがに雪風ちゃんにはもう頼めないでしょ」

提督「そうだな……やっぱり俺一人でいいよ」




大和「駄目駄目。また倒れるわよ」

提督「うーんそう言われても……」

大和「他の子にも頼んでみたら?」

提督「……そうだな。全員に一回ずつ手伝ってもらって一番良いと思った奴に秘書してもらうか」

大和「うん、いいんじゃない?こういう作業って向き不向きあると思うし」

提督「じゃあ明日から一人ずつ交代で手伝ってもらおう」






    ─伊58の場合─
    


伊58「秘書艦ならゴーヤにお任せ!」

提督「意気込みはいいな。じゃあこれを頼んだぞ」

伊58「りょーかいでち!」ビシッ













伊58「むむ……」

提督「どうした?」

伊58「資材の消費量……」

提督「記入が間違えてたか」

伊58「間違ってはないでち……けど」

伊58「使いすぎ……」

提督「へ?」



伊58「なんでこんなに無駄遣いしてるの!」

提督「え、あ、いや。無駄遣いしてるつもりは……」

伊58「最低限の艤装整備の為の資材とか訓練用の弾薬とかは分かるよ」

伊58「だけど……」

伊58「開発資源、この数字はおかしいでち!普通こんなに使わないでしょ!」

提督「そ、それは……だな」アセアセ

提督「ちょっとその、試しに作ってみたい艤装やらなんやらで色々と……な」

伊58「色々と……な、じゃねーーーでち!」ドカーーン

提督「お、落ち着けゴーヤ」

伊58「資材は限りがあるんだよ!こういう扱いするからゴーヤ達が集めた資材が……」ネチネチ クドクド

提督「は、はい」





    
    ─結果─


提督(ゴーヤは普通に執務をこなしてくれるが)

提督(資材関係や費用面の事になると急に口うるさくなる)

提督(過去にそういう部分で苦労してきたせいなのか……)

提督(とは言っても毎回ああ口をだされたらたまったもんじゃないぞ)

提督(……うん。ゴーヤは止めとこう)





    ─日向の場合─
    
提督(日向ならぴったりだと思うんだ、秘書は。うん)

提督「じゃあ、これとこれ。頼んでいいか?」

日向「ふむ……上への報告書の確認か。了解したよ」












日向「提督、この文じゃ詳細が伝わりにくいんじゃないか?」


提督「え……そうかな。大体で伝わればいいだろう」

日向「駄目だね。こういうのはしっかり書かないと」

提督「う、うむ。じゃあ修正頼んだ」

日向「あとこれなんだが……」

提督「ふむ」

日向「この漢字はしっかり繋いで書かないと正しくないぞ」

提督「いや……ここは走り書きでもどうせ誰も見ないから……」

日向「君はいい加減だなぁ。まったく……上に立つ者としてそういう」クドクド









   ─結果─


提督「こ ま か い」

提督「いちいちチェックが細かい。完璧主義者かお前は」

提督「しっかり者ってのは分かるけど……俺の髪が全部抜けてしまうぞあれでは」

提督「……日向もダメだな。残りは加賀……大体予想つくけど一応頼むか……)



  ─加賀の場合─

  
  

カキカキ ムシャムシャ カキカキ



提督「…………」カキカキ

加賀「…………」ムシャムシャ

提督「…………」カキカキ

加賀「…………」ムシャムシャ ゴクン

提督「……なぁ」

加賀「なんですか?」

提督「食べながら作業するのはどうかと思うんだが……」

加賀「……分かりました。我慢しましょう」









カキカキ グギュルル カキカキ 


提督「…………」カキカキ

加賀「…………」グギュルル

提督「…………」カキカキ

加賀「…………」グギュルル

提督「……なぁ」

加賀「なんですか?」

提督「俺が悪かった。部屋戻っていいぞ」





  ─結果─


提督「1時間前にご飯食べたばかりなんだけどな……ハハ」






    ─北上の場合─

    
    
    
提督「頼んだぞ、北上」


北上「嫌だ。めんどい」







   ─結果─

   
   
提督「ですよね」
















提督「って感じでな……」

大和「そ、そう。どんまいって感じね……」

提督「いいよもう……一人でやるから」トオイメ

大和「ゴーヤちゃんと日向なら提督が我慢すればちゃんとやってくれるわよ」

提督「駄目だ。俺の胃に穴が空く。それにいちいちあんなんで手を止めてたら時間がいくらあっても足りんぞ」

大和「……それもそうね」

大和「仕方ないわ。いい案がでるまでしばらくは私が手伝うわよ」

提督「……うむ」




──────────────────────────────




   ─次の日─
   

  提督の執務部屋




大和「提督、これ終わったわよ」パサッ

提督「すまんな、助かる。……あれも頼んでいいか?」

大和「そう言われると思って、はいどーぞ」パサッ

提督「おお、やっといてくれたのか。さすがだな」

大和「ふふ。少し余裕でてきたしコーヒー淹れてくるわ。休憩も仕事の内よ」

提督「ありがとう。気が利くじゃないか」

大和「メイドさんに美味しいコーヒーの淹れ方教えてもらったのよね~」カチャカチャ

提督「あの人のコーヒーは美味しいからな」

大和「うんうん♪」コポポポ


提督「…………」










提督「お前が秘書やれよぉおおおおおお!」ズガーーン


大和「ええっ!?」ビクッ





今日は以上です

最近のお気に入り秘書艦は明石さんです

名前読んでくれる機能まだですか?




お読みいただきありがとうございました




最近の風潮か、超駄級じゃない大和ってなんか貴重だよな

加賀さんの乙π
明石さん持ってないけどアイテム屋にいけばいつでも会えるし……
大淀さんにも会えるし

乙コメありがとうございます


>>348
この大和は割とキャラクタ崩壊というか口調をわざとくずしてる(幼馴染っぽいフランクさ)ので違和感を感じるかもしれません。

>>349
アイテム屋の明石さんもいいですね。下ペロリが一番好きですが


ちょっと時間空きましたが投下します


よろしくどうぞ







─────────────────────────────



    ─提督の執務室─


提督「と、いう訳で大和。しばらく秘書艦として頼んだぞ」

大和「分かったわ……というかなんで私だけ選考にはいってなかったのよ」

提督「ん……まぁいいじゃないか」

提督(二人きりになるのが恥ずかしくて無意識に外してたとはいえない)


プルル プルル


大和「電話ね。私がとるわ」


ガチャ


大和「こちら第2艦隊 大和がお受けいたします」

本部軍人「もしもし本部軍人と申しますが……提督殿はおられますかな?」

大和「はい、今お代わりいたします」

大和「提督、本部軍人さんよ」スッ

提督「わかった」スッ

提督「お電話変わりました、提督です」カチャ


本部軍人「もしもし提督殿ですか、編成の件お疲れ様でしたな」

提督「ええ、おかげさまで何とか決める事ができました」

本部軍人「その内お祝いと称してどうですか、一杯」

提督「ははは……お酒はあまり強くないのでお手柔らかにお願い致します」

本部軍人「善処しましょう……さて、ここからが本題ですが」

提督「はい」

本部軍人「初任務が決まりましてな。総司令官直々の任です」

提督「……そうですか」

提督「場所と日程はどのように?」


本部軍人「今から2か月先」

本部軍人「カムラン周辺の敵殲滅及び領海域奪還との事」

提督「カムラン……南部の方ですね」

本部軍人「詳細に関しては後程そちらに書類をお送りいたしましょう」

提督「了解です」

本部軍人「まぁ……初めての任務ですからな。私達の方でも全力でサポート致します」

本部軍人「何かご相談があればこちらへご連絡ください」

提督「ありがとうございます」

本部軍人「では、また後程……失礼いたします」



プツッ


ツーツー



提督「…………」

大和「どうしたの?固まって」

提督「……よし」

提督「明日の昼食後、会議室に集まるよう全員に伝えといてくれないか?」

大和「え?あ、はい」


───────────────────────


    次の日
    

   ─会議室─


提督「─────と、いう訳で俺達第2艦隊の初任務はカムラン半島周辺海域」

提督「そこで遊弋している深海棲艦の殲滅だ」

日向「ついに正規任務……深海棲艦との実戦か」

加賀「気合が入りますね」

大和「ええ……ちょっと緊張もするけど」

提督「まだ2か月先だからな。時間はある、オリョクルへ出撃した時のようでなくゆっくり準備していこう」




北上「カムラン……任務の詳細は?」

提督「ああ、それは今日配る資料を見ながら……」ガサゴソ

提督「えーと資料資料………ん」

提督「これとこれが……あれ?」

大和「何してるの?」

提督「いや資料を配ろうと思ってるんだが……ちょっとバラバラになってしまって……」

提督「昨日今日で急いで用意したせいかな。部数も足りないかもしれん」

大和「あら……手伝うわよ」スッ

大和「これとこれ……あと……これ部数足りないから刷ってくるわ」

提督「む、すまんな。頼むよ」









大和「はい、どーぞ」スッ

提督「手間かけて悪いな」パシッ

大和「提督、こういう時もしっかり秘書艦を頼っていいのよ」

大和「資料とかも刷ったり配るだけならできるし」

大和「事前に内容も教えてくれればある程度サポートできるわ」

提督「……うむ、分かった。今後は会議する時などに秘書艦……大和に手伝ってもらうよ」」

大和「ええ、任せて頂戴」

提督「では早速だがその資料を配ってくれ」

大和「はーい」


伊58(提督さんと大和さんてなんかいいコンビでちね)ヒソヒソ

北上(だね。いい女房になるよあれは)ヒソヒソ

雪風(ええ!あの二人ケッコンしてるんですか!)ヒソヒソ

北上(違う違う。たとえ話)ヒソヒソ



提督「おい、そこの3人。後ろ向かないで資料に目を通してくれ」


雪風 & 北上 & 伊58「「はーい」」




提督「今配ったのは、カムラン半島周辺海域の資料だ」

提督「カムランはベトナムの領海でこの前のオリョール海よりは少し近い位置にあたり」

提督「数か月前に深海棲艦の群れが現れたらしくベトナム海軍及び周辺諸国に多大な損害を与えている」

提督「深海棲艦の数は約100隻、今も尚その海域で遊弋しているという事だ」

提督「現在は南鎮守府によって編成された4艦隊とベトナム周辺国の艦隊が対応中」

提督「だが……戦況はあまりよろしくないらしい」

提督「そこで、俺達中央第2艦隊へ白羽の矢が立つように任務を任せされたという訳だ」


日向「質問していいか?」

提督「うむ」

日向「なぜ日本……私達が出撃するんだ。地理的にみれば他にも距離が近く戦える国はあるだろう」

提督「いや……知ってる奴は知ってると思うがアジアで深海棲艦に対抗できる……つまり艦娘を主力にしている国は少ない」

提督「特に東南アジア諸国の海軍は深海棲艦に大して殆ど無力といってもいい」

日向「なぜだ?」

提督「理由は俺もその目で確認した訳ではないので聞いた話だと……艦娘の数が少ない、艤装技術や練度も低いとの事だ」


日向「中国はどうなんだい?あそこは日本と同程度の戦力を持ってるじゃないか」

提督「ああ、本当であれば中国に動いてもらいたい所だ。地理的にも有利だしな」

提督「しかし内乱や領地主導権の問題で周辺国と仲が悪い等色々とあるらしい」

提督「よってベトナムが日本に救援要請をだした……というのが背景だ」

伊58「日本は東南アジアに評判いいんだよ。オリョール海での遠征も信頼されてるからOKもらってるんでち」

日向「なるほど……質問については納得したよ」


提督「うむ。では続けるがカムランでの戦いは過去に何度か実績があったのだが」

提督「いずれも敵の数と質、共に今回の規模と比較すると見劣るので参考にならない」

提督「まぁ簡単にいうと……かなり苦戦すると予測される」

北上「……ねぇ」

提督「なんだ?」

北上「ウチラだけなの?出撃予定の艦隊」

提督「今の所カムランへの追加出撃は俺達第2艦隊だけと聞いている」

北上「ふーん」ペラッ

雪風「…………」ペラッ

伊58「…………」ペラッ

北上「雪風、ゴーヤ。これさ」

雪風 & 伊58「「……」」コクリ

提督「どうした3人共」

北上「いや……なんでもないよー。こっちの話」


提督「ふむ?まぁいいか。じゃあこの書類を見ながら話を進めてく訳だが────









  数時間後



────という訳で場合によっては長期間滞在になる可能性があるので各自覚悟しているように……っともうこんな時間か」


提督「一旦休憩を入れようか」

伊58「賛成でち!」

北上「ふー久しくこういう話合いみたいなの参加してなかったからなんか疲れるー」トントン

加賀「頭を使うと甘い物が食べたくなりますね」

大和「そうね……あ、そうだ」

大和「良ければ今からお茶と和菓子を用意するけどどうかしら?」


加賀「和菓子ですか!」ガタッ

大和「あ、えっと、量ないからほどほどにね?」

日向「加賀とりすぎは駄目だぞ」

加賀「さ、さすがにそこまでしませんよ」

伊58「目が泳いでるのが気になる……」

提督「ふむ。休憩には丁度いいかもな。頼めるか?」

大和「ええ、今用意してくるわ」









大和「持ってきたわよー。好きなのとってね」カチャン

北上「おー湯呑まで凝ってるねー。しかもこれ、抹茶?」

大和「ええそうよ。茶道をやってたからその影響でね」

雪風「雪風はそういうの分からないんですが、何かルールがあるんでしょうか?」

大和「気にしなくていいのよ。いつもの様に飲んでもらえれば」


雪風「そうですか……では」ズズズ

大和「どう?」

雪風「……ちょっと苦いです」

大和「うふふ、雪風ちゃんのお口には合わないみたいね」

北上「まったく雪風はお子ちゃまだねー」

雪風「むむむ。そういう北上さんはどうなんですか」ムス

北上「私は大人だもーん。お茶ってのはこうやって口に含んで」ズズ

北上「香りをの楽しみつつ……からの甘ーい和菓子を放り込んで調和を楽しむのだよ。おいしー」

雪風「そ、それなら雪風だっていけますよ!ほらほら、美味しいです!」ゴクゴク パクパク

日向「君達、張り合うもんじゃないからね……」


加賀「結構な御手前で」ペロリ

日向「はや!食べるの早いよ加賀!」ガーン

提督「ふむ……コーヒーばかり飲んでいたがたまには緑茶もいいものだな」

大和「でしょ?日本人といえばこれよね」

伊58「それにしても茶道をやってたなんてなんかすごいでち」

北上「うんうん、溢れる女子力だね大和っちは」

大和「大した事じゃないのよ。やろうと思えば誰でもできるし」

北上「そんな訳ないでしょー……あ、そうだ。大和っちと提督の事で聞きたい事があったんだけど」

提督「ん?」

北上「大和っちとどこまでしたの?」

提督「ぶーーーーーー」ブシャーー


提督「おおお、お前は急にナニをいってるんだ。何を!」ガタン

北上「え?何ってナニしたかどうかだけど……付き合ってるんじゃないの?」

提督「俺と大和が?」

北上「うん」

提督「ないよ!ない!」

大和「そうよ。提督とはただの幼なじみだもの」

北上「へー大和っちはそんな感じなんだねー」

北上「でも提督はー?」ジー

提督「な、なんだよ。どういう意味だ」アセアセ


大和「もうあんまりからかっちゃ駄目よ。提督はそういう話しても顔真っ赤にして困るだけだし」

大和「私も幾度か好きな子いないの?って聞いてもすぐはぐらかすんだから」

北上「そりゃ当事者だからでしょ」ボソ

大和「え?」

北上「いやなんでも」

大和「……?」

大和「さて、私はちょっとお片付けするから席外すわね」スッ


スタスタスタ

ガチャ バタン


北上「で……どうなのさ提督」

提督「だからなんなんだよ」

北上「告白とかさ」

提督「なんでそうなるんだよ」

北上「好きでしょ?大和っちの事」

提督「……嫌いではない」

北上「もーーー素直じゃないなぁ。回りにバレバレなんだからいいじゃんよー」


提督「え?バレバレ?」

北上「ねっ?日向っち」

日向「うむ。いつ言うんだと思っていたけれど……まさか士官学校卒業しても告白してないとはな」

提督「日向……お前」

加賀「男らしくないですね」

提督「うがっ……加賀まで」

北上「あのね。付き合いの短い私まで気づいてるんだから当たり前でしょ」

雪風「ついでにいうと雪風もなんとなく気づいてます」

伊58「ゴーヤも」

提督「」チーン

提督「………うぅ」


提督「だぁああああああそうだよ!俺はあいつが好きだよ!」

提督「小さい頃から好きだ!艦娘の指揮官になったのも半分あいつの為だ!」

提督「というか何もアプローチしてこなかった訳じゃないぞ!」

提督「何度かデート誘っても、普通の友人ぽくなっちゃうし!」

提督「しまいには仲の良い子もつれてきたーーって二人きりじゃなかった時もあるんだぞ!」

北上「うわぁ……急にキレた上に口調まで変わってるし」ドンビキ

提督「うるさい!あいつは俺の事を男として見てないんだよ!」

提督「だから別にこのままでいいんだ!フラれて仕事しづらくなったら嫌だし!」


北上「わーかったから、落ち着いてよ」

提督「……ハァッハァッ…………すまんちょっと取り乱した」

雪風「しれぇ……お気持ちは分かりました」

伊58「てーとくさんも男なんだねー」

日向「士官学校から色々見てきたが……大和も恋愛方面は鈍感だからな。仕方ないさ」

加賀「他はしっかりしてるんですけどね」


提督「いや……えっと……お前ら」

提督「今言った事忘れてくれないか?」

艦娘達「「嫌です」

提督「…………」ガクッ


北上「これはその内、大和っちのハート轟沈大作戦の会議を行わないと駄目だねー」

雪風「しれぇがお困りなら雪風達がなんとかしましょう!」

伊58「そうだね!提督さんはちょっと女性の扱いが下手糞そうだしゴーヤ達が手伝うでち!」

提督「余計な事はしなくていいぞ?な?」

北上「という訳で大和っちの事をよく知ってる二人には色々と協力してもらう必要がある。頼むよ加賀っち」」


加賀「…………」ボー

北上「加賀っち?」

加賀「え、あ、はい。そうですね。私が協力できる事ならしましょう」

日向(…………)












   その夜



加賀「どうしたんですか?話があるって」

日向「いや……ちょっとね。少し外で歩かないか?」

加賀「構いませんけど……」


───────────────────


   ~中央鎮守府 港~


日向「さすがに夜の海は冷えるな」

加賀「そうですね」

日向「加賀、これ」ポイ

加賀「……はい?ホットココア?」パシッ

日向「うん。さっき買っておいた」

加賀「……いただきます」カポッ

日向「…………」

加賀「美味しいです、甘くて」

日向「そっか。良かった」


加賀「………そろそろ話してください。何かあるんでしょう?」

日向「うん……その、まぁあれだ」

日向「士官学校で知り合って約3年……の付き合いだよな私達」

加賀「……はい」

日向「正規の軍人になってもまさか4人一緒にいられるとは思わなかったよ」

加賀「そうですね。卒業したら別れてしまうものだと思っていましたから」

日向「うん……だからすごくうれしかったよ。本当に」

加賀「ええ……」

日向「…………」



日向「……提督の事どう思ってる?」


加賀「どうって……」

日向「男として……好きか?」

加賀「……提督には大和さんがいますから」

日向「提督の気持ちじゃない。加賀の気持ちが聞きたいんだ」

加賀「…………」

加賀「私は……」



──────加賀ー、今日も朝ごはん作ってきたぞ


──────ホント美味しそうに食べるよな加賀は。作り甲斐があるよ


──────加賀、お前ならできる……信じてる



──────加賀を艦隊に誘って良かった。これからもよろしく頼む



加賀「…………好きですよ」

日向「そっか」

加賀「日向は?」

日向「ん?」

加賀「好きですか、提督の事」

日向「……んー」


日向「私はな、士官学校入る前は地味で運動音痴で本を読むのが趣味で……」

日向「まぁそのせいかあまり人と関わりを持っていなくてね……男子と話す事はおろか同姓の友人もいなくて」

日向「そんな時私に声をかけて助けてくれたのが提督だ」

日向「ほんと優しくてまっすぐで」

日向「頑固で不器用なやつで……」

日向「私にとって初めてできた異性の友人なんだ……」

加賀「……」

日向「まったくさ……なんであんな人の為に一生懸命になれるかなって……」

日向「朝から晩まで訓練に付き合ってくれた事だってあった」

日向「私の為にと……徹夜で勉強してくれた事さえも」


日向「……そんな彼の事を」



日向「好きに決まってるじゃないか」ポロポロ


加賀「日向……」

日向「でも……いいんだ」グスッ

日向「今日、改めて提督の気持ちを聞いて決心がついた」

日向「大和と提督は……すごくお似合いだからな」

日向「私は応援したいと思う」

日向「二人が幸せになってくれればそれでいいと、私は思ってる」

加賀「…………」


日向「加賀はどうする?」

加賀「私は……」

加賀「私も日向と同じ気持ちです」

日向「……わかった」

日向「すまなかったな。こんな事聞く為に呼び出してしまって」

加賀「いえ……」

日向「さぁ、戻ろう」

加賀「日向」

日向「ん?」

加賀「美味しい食事処を近くに見つけたんです、良かったら行きませんか?」

日向「ええ、こんな時間にか……提督に許可をとらないと」

加賀「こっそりですよ」

日向「こっそり……そうだな、たまにはいいか」

加賀「ふふ、そうです。たまにはです」

日向「なんかあったら提督のせいにしよう」

加賀「それは名案ですね」



  ~その頃 提督の部屋~


提督「はぁっくしょい!」

提督「……風邪かな?」


今日は以上です

お読みいただきありがとうございました

微妙にタブーなこと聞きたい
時代背景がうまく読めない(もしくは俺が見落としてるだけ)のでよければチョロっと説明欲しい
現代じゃないのかな?

乙コメありがとうございます


>>395
時代背景はご指摘の通り現代です。ただ、国力などの部分でこちらのご都合主義と
この話の真相に実はかかる所があったりして説明しきれておらず、今の段階では分かりにくいと思います

軍事力だけでいえば、現代とほぼ同じで艦娘を運用していない国(できない)は旧式の軍艦を使用しています

とまぁ書いたりしましたが割と矛盾してたり設定し忘れも多く、中々にお粗末な部分もあるのでご了承いただければ……という感じです






レスありがと
俺の場合過去編の話の重みが大きすぎるから混乱しているのかも
見直してくるよ

再会時と比べると加賀が一番成長した感じだな

イベント開始乙
昔の女なんて外装も中身も重たいだけでち
提督には強くて可愛いごーやちゃんがお似合いでち


乙コメありがとうございます

>>397
よく読んでいただき嬉しいかぎりです
これからもっと重くなるのでよろしくどうぞ

>>398
成長していく過程が上手く伝わるか不安でしたが、そういってもらえると幸いです

>>400
たしかに可愛い!可愛いさを磨く為にオリョクル100往復よろしく!



というわけで投下します

よろしくどうぞ



──────────────────────────────

      別の日


     ─開発室─

     
     
     
提督「─────という訳で、これが妖精さん達だ。仲良くしてやってくれ」


大和「話に聞いた事あるけど……本物を見るのは初めてだわ」

日向「小さくて可愛いじゃないか」チョンチョン

加賀「ですね」



妖精A「舐めんなオラー」

妖精B「オラー」

妖精C「ラー」



ガチャ 


北上「提督ー、開発室に集まれってどうしたのー?」

提督「来たか3人共。適当にそこらへんに座ってくれ」

北上「お、妖精達じゃん。見せる事にしたんだねー」

雪風「可愛いです!」

伊58「久しぶりに見たでち」

提督「ああ、北上達は見た事があるから驚かないか」

北上「まぁねー。うん、相変わらずちっこい」



北上「でもいいのかなー?」

提督「ん、何がだ」

北上「昔いた鎮守府でさ。妖精と艦娘が結託したせいでめんどくさい事件に巻き込まれてね」

提督「ほう……どんな?」

北上「許可を取らず大量に艤装を開発……そんで資材を使いすぎて問題になったんだよねぇ」

北上「私は全く関係ないのに……何日も事情聴取うけたりで大変でさ」

北上「一人の艦娘が妖精をそそのかしただけだってのにね。めんどくさかったなぁ」」

提督「なるほど……まぁ基本的に妖精さんは俺以外の命令は聞かないが……一応注意しとかないとな」


大和「この子達ってて士官学校の時からいたの?」

提督「うむ。入学して何か月してから出会って、ずっと世話してたよ」

大和「そっか。だからたまに語りかける様な独り言いってたのね」

提督「気づいてたのか?」

大和「ええ。あまり気にしないでいたけど」

提督「まさか……そのせいで俺は一部の奴に変人て言われてたのか」

大和「安心して。それは元からだから」

提督「おい」ビシッ


大和「冗談よ。でも急にどうしたの?妖精達を見せたのに理由があるんでしょ?」

提督「うむ。今後の作戦では妖精達との密なコミュニケーションが必須と考えている」

提督「お前らの艤装は妖精さん達が開発及び調整しているからな」

加賀「この子達が?」ジー

提督「そうだ。超常的な力を持っている彼女達妖精さんがだ」

提督「なので、新しい艤装や整備など今後妖精さん達を含め話合っていく事になると思う」


日向「丁度砲身を取り換えて欲しいと思っていた所だ。頼んでみよう」

伊58「ゴーヤも新しい潜水服が欲しいでち!」

雪風「ゆ、雪風は水上靴が!」

提督「待て待て。今すぐにとは言ってないだろ」

提督「というかお前らが直接妖精さんにお願いしてもほとんど聞いてくれないから一旦俺に言わなきゃダメだぞ」


提督「ん……」

伊58「提督さん?」

提督「いや、分からない。そういうものだと思うしかない」

提督「ある程度仲良くなれば艤装の整備くらいはしてもらえるとは思う」

伊58「むぅ」

提督「まぁ、北上が言うには艤装の開発まで行った例もあるようだけど……とかく妖精さん達の事に関しては謎が多いんだよ」

提督「とりあえず俺が知っている事に関しては話した。あとはお前らがどう接しようが任せる」

提督「ただくれぐれも妖精さん達の機嫌を損ねるような真似はするなよ」


艦娘達「「はーい」」


提督(なんで妖精さん達は俺の命令しか聞かないのか……)

提督(なんでだろうな。たしかに妖精さん達は変な所があるけど)

提督(俺はこの数年一緒にいて問題なくコミュニケーションをとれている……)

提督(妖精さん達が特殊な力を持った人間の命令しか聞かない理由)

提督(いや……もしかしたら聞けないのか?)

提督(何らかの理由があるのか?)



提督(そもそも妖精さん達の謎なんて他にいくらでも……彼女達と艦娘の関係やどこから生まれたのか)

提督(未だ明らかになっていない事が多すぎる……)

提督(それと……)

提督(なぜ妖精達がいるのにこの世界は……)


ズキッ


提督(…………)ボーッ

提督(……っと何だ。俺は今何を考えていたんだ)

提督(早く部屋に戻って書類作業しなければ)




妖精A「…………」ジー




──────
─────
────
───
──




──
───
────
─────
──────



   ─提督の執務室─
   

提督「んー……」

大和「どうしたの?しかめ面で」

提督「いやぁなこれ見てくれ」パサッ

大和「はい……母艦の出力係数?」

提督「うん。今度の任務を万全にとチェックをしてたら気づいてね。基準値を大きく下回ってるんだ」



大和「私も詳しい事は知らないけど……基準に半分も満たないのは問題ありそうね」

提督「整備軍人さんに先月点検してもらったばかりなんだけどなぁ」

大和「ミスじゃないかしら?」

提督「だといいんだが。念には念を、もう一度点検してもらおう。ちょっと行ってくる」

大和「ええ」


────────────────────────────────


整備軍人「母艦の点検ですか?」

提督「はい。ぜひ頼みたいのです」

整備軍人「うーん、この前定期点検をおこなったばかりでして……」

提督「確認しています。しかし、この数値がどうしても気になりまして」

整備軍人「ああこれですか。たしかに通常より低いようですね」

整備軍人「ただこれはあまりあてになりませんよ。計測の環境で毎回変わりますから」

整備軍人「実際の所異常なさそうだったのと万が一何かあっても妖精達がカバーできたりしますから問題ないと判断していますが」


提督「なるほど……」



提督「面倒を承知でお願いします。やはりもう一度、点検をお願いします。何かあったら遅いですから」

整備軍人「……」

提督「今度私の初任務でして、万全の状態で望みたいのです」

整備軍人「……はぁ。分かりました。今対応している仕事が終わり次第に……でよければ」

提督「すみません、ありがとうございます!」











提督(整備軍人さん、ちょっと嫌そうな顔してたな……)

提督(まぁそうか。一度チェックしたものを再度素人の様な俺がお願いしてるんだから)

提督(……うーん)

提督(問題があった箇所だけでいいと声をかけておくか)クルッ


──────────────────


整備軍人「チッ……めんどくさ」

軍人「どうかしたのか?」

整備軍人「ああ……例の喪服に母艦の点検をもう一回やれと頼まれてさ」

軍人「この前やったばかりじゃないのか」

整備軍人「そう言ったんだけどしつこくてな」

軍人「ふーん……」

整備軍人「めんどくせぇなぁ」


軍人「どうでもいいが喪服ってのは中々皮肉めいた言い方だよな」

整備軍人「そりゃそうさ。あんな真っ黒な軍服、第2の司令官ぐらいしか着てないんだ」

軍人「可哀想だよな。またどうせ爺さんに無茶言われるんだから」

整備軍人「死地へと向かう、喪服組ね」

軍人「戦場という自分の葬式に参加する……ってか」

整備軍人「……なんかそう考えたら可哀想になってきたな。精々長く生きてもらう為にしっかり母艦の整備してやるかぁ」

軍人「だな。手伝いがあれば言ってくれ。人事に要請しとく」

整備軍人「了解ー残業代さえもらえれば俺はそれでいいよ」


ハハハハ、ソレナラテツダイはヨケイダナ
チゲェネェ





提督(ふむ、隠れて聞いていたが)



提督(喪服組……そういう意味だったのか)

提督(無茶な任務、死地……ね)

提督(…………)

提督(雪風やゴーヤに任務を与えていたのも総司令官だったな……)

提督(……調べてみるか)










  ─情報管理室─


提督(総司令官の過去を調べた)

提督(輝かしい実績だ。沖ノ島初の奪還、新陣形の提案、鎮守府基本運用のマニュアル化)

提督(自身の艦隊を中心に任務を遂行し、無謀とも言える作戦もほぼ全て完遂)

提督(総司令官という地位についているのも頷けるな)


提督(ただ気になるのはある時期からほとんど任務へ参加しなくなっている)

提督(数十年前の南方海域……ソロモン諸島での戦い、この作戦以降からだな)

提督(この頃に何かあった……のか?)

提督(…………)

提督(まぁそれはどうでもいいか)


提督(…………とりあえず総司令官の黒い噂)

提督(過去第2艦隊のほぼ全てが任務中の殉職になっているのを確認できた)

提督(大よそ遂行は難しい任務ばかり……整備軍人達の言っていた通りだな)

提督(士官学校卒業したばかりの若輩者が大出世する理由……)


提督(……今思えば那智教官も気づいていたのかもしれない)

提督(俺達が中央に決まった時、様子がおかしかったし……)

提督(だけど……それなら、那智教官の性格上俺達に伝えてくる筈)

提督(もしかして、なんらかの理由で口止めされていたとしたら……)

提督(……まずいな。このままでは)

提督「とりあえず、皆に伝えてどうするかを」スッ


ガンッ


提督「」パタッ


あきつ丸「…………」スッ



>>408のあと抜けてない?


>>424
ほんとだ!ご指摘ありがとうございます



伊58「ずるいでち!提督さんばっかり妖精ちゃん達にお願いできて!ゴーヤ達は何でお願いできないの!」


これが入る予定でした!
しかも割と重要なシーンなのに!あばばばばば








  鎮守府 拘束室



提督「……うっ……痛っつ……」ズキッ

提督「……ここは……牢屋?」キョロキョロ


ジャラララ


提督「くそ、手首に鎖をつけられている。一体誰がこんなことを……」


キィーーー

ガチャン


あきつ丸「お目覚めでありますか」

提督「君は……」

あきつ丸「第一艦隊所属 あきつ丸、と申します」

提督「あきつ丸……さん。ここはどこなんだ。俺はいったい」

あきつ丸「………色々と爺督殿について調べたようでありますね」

提督「……!」

あきつ丸「理解しましたか」


提督「君か……俺をここに連れてきたのは」


あきつ丸「あまり余計な事をされると後始末が面倒であります」

あきつ丸「この方達のように」スッ


ドサッ


整備軍人「……うっ……」ボロッ

軍人「……あがっ……」ボロッ


提督「ち、血だらけ……彼らに何をしたんだ!」

あきつ丸「全く、この事について口に出すなと重々にお伝えしている筈なのですが……少々反省してもらったであります」

提督「こんな事………許されないぞ!ばれたらどうするんだ!」

あきつ丸「提督殿、ご存じとはおもいますが」

あきつ丸「艦娘は非常に強い力を持ってるであります」

あきつ丸「艤装していない時でも……握力だけでいえば100kgは優に超えるであります」

あきつ丸「艤装をすればその何倍も」

提督「……何が言いたい」


あきつ丸「腕をお借りしましょう」スッ

提督「……」ギロッ

あきつ丸「……自分は今、艤装してるであります」

あきつ丸「ですから、このようにちょっと力をいれれば」グググググ


ボキッ


提督「っっ!」

あきつ丸「腕を折る……たやすいであります」


提督「うぐっ……俺を……どうする……つもりだ」

あきつ丸「返答次第……」

あきつ丸「で、ありますよね?爺督殿」


キィーー


ガチャン




爺督「色々と嗅ぎまわったようだのう提督君」


提督「総司令官……!説明してください」ジャラララ

爺督「ふぉっふぉっ。元気だの」

提督「俺達第2艦隊は……本当にただの使い捨てなんですか!」

爺督「おいおい、言葉に気を付けてほしいのぉ」

爺督「わしが君達のような才能あふれる若者を存外にあつかう筈がないじゃろう」

爺督「ただ少し……獅子が崖から子を落とすように」

爺督「厳しい試練を与えてるだけじゃよ」ニヤリ


提督「そうやって今まで多くの人間を…」

爺督「……そうじゃな」

爺督「賄賂、暗殺、捏造……我ながら汚い事をしてきたものじゃよ」

提督「なぜですかっ!」

爺督「世界の真実を知る為……」

提督「真実……?」


爺督「さて、君はこれからどうするつもりだね?」

提督「この事を本部に伝え……いや…グルか」

提督「ならしかるべき団体へ報告して、かつ多くの艦娘に周知させる」

爺督「ふむ、こんな状況でも冷静じゃな。優秀だのぉ」

爺督「しかし……どうかな。生きて帰れるとはかぎらんじゃろ」

提督「いえ、あなたは先程優秀なものを存外に扱わないといっていた」

提督「俺を優秀と思っているなら殺す事はしない」

爺督「ほう」


提督「それに……俺が多分この事を外に漏らしても上手く隠ぺいされる可能性の方が高い」

爺督「ふむふむ」

提督「俺を殺すメリットはあまりない。逆に俺は……家族や友人を人質にとられれば言う事を聞くしかない」

爺督「うむ」

提督「結果的に……このまま黙って鎮守府に戻り……」

提督「俺は通常通り第2の司令官として従事する……しかない」


爺督「素晴らしい考察じゃ」

爺督「その通り……君たちの親族や友人の場所は分かっておるからの」

爺督「もし、抗うようであればすぐにこちらが配置している作業員に指示を出す事ができるぞい」

提督「…………ゲスめ」

爺督「なんとでもいうがいい」

爺督「……まぁよい、今回は君が生きて帰る事はその通り。もとよりそのつもりじゃ」


爺督「ただし」ジロッ

あきつ丸「……」コクッ

爺督「わしも心配症での。このまま普通に返すのはちょいと納得いかん」

爺督「そこにいるあきつ丸君は元陸軍の諜報部……スパイの様な活動をしていたんじゃが」

爺督「海上ではそうでもないが陸上での活動は彼女より優れた艦娘はおらんよ」

あきつ丸「……ほめ過ぎであります」


爺督「そんな彼女から」

爺督「陸軍仕込みの調教を受けるんじゃ。喜べ」ニヤリ

あきつ丸「………これから余計な事を考えれないよう」

あきつ丸「しっかりとその身に刻むであります」スッ

爺督「うむ。わしは先に部屋に戻るとしよう」

爺督「ゆっくり楽しむといい、提督君」ニヤリ



ガチャァン





バキィ

ドカッ

ザシュッ










   提督の執務室


大和「遅いわね……提督」



プルル プルル


大和「こちら第2艦隊 大和がお受けいたします」

大和「はい、提督が……えっ」

大和「大けがを!?」

大和「病院ですか!すぐ行きます!」


    ─中央鎮守府 病院─
    

提督「…………」スピー

女医軍人「全身に重度の打撲、右腕骨折、背中と胸に裂傷」

女医軍人「急所は上手く避けているみたいだから命に別状はないけど……」

女医軍人「重症よ。しばらくは安静にしないと」

大和「提督……なんで……」


女医軍人「階段から転げ落ちたらしいわ。結構な高い所からね」

大和「もうっ……ばか」グスッ

女医軍人「さぁ、包帯を変えるからはずしてもらっていいかしら。貴方も軍人としてやる事があるでしょ?」

大和「うぅ……はい。提督の事、よろしくお願いします」グスッ


スタスタスタ ガチャ


女医軍人「ふぅ……行ったわよ」

提督「そうですか」パチクリ

女医軍人「階段から落ちた……ね」

女医軍人「どうみても人為的な傷だわ。腕なんて普通こんな綺麗に折れないわよ」

提督「…………」

女医軍人「まったく……私また嘘つき女よ」

提督「女性は嘘が得意と聞いていますけど」

女医軍人「あのね」


パシン


提督「痛ぁああああ!」

女医軍人「そんな減らず口たたけるなら平気ね」

女医軍人「何があったかは知らないけど、入院してる間は私のいう事は聞いてもらうわ」

提督「……はい」

女医軍人「艦娘の子達も心配してるわよ……きっと」



──────
─────
────
───
──




──
───
────
─────
──────



  ─数日後─


   訓練海上


ドォン ドォン ドォン


提督「いたた。砲音が体に響くな」サスサス

雪風「しれぇ、雪風につかまってください」

提督「ああ、すまんな。助かる」

日向「大丈夫なのか?本当に」

提督「体中痛いけど動けない程じゃない」

日向「ふむ」

提督「それに2か月後には初任務があるんだ。休んでなんかいられない」

日向「……そうだな」

北上「立派な事言ってるけど、階段から落ちた怪我ってのがねー」

伊58「ドジでち」

提督「ほっとけ」



大和「提督ー」

提督「ん、どうした?」


大和「総司令官が見学に来てるみたいよ」

提督「……そうか」グッ

提督「お前らは引き続き訓練を続行だ。俺は総司令官に挨拶してくる」

艦娘達「「はーい」」





───────────────────


爺督「やぁ提督君。元気にやってるかね」

提督「ええ、おかげさまで」ジッ

あきつ丸「…………」ギロッ

爺督「逃げる準備をしていないかと確認しにきてみたのじゃが」

爺督「その気はないようじゃな」

提督「ええ、もちろんです」

提督「俺は絶対逃げませんよ」

爺督「うむ。意気込みや良し」

爺督「まぁそれだけじゃ。邪魔したのぉ」

提督「いえ……」


スタスタ


提督「……総司令官っ!」

爺督「?」クルッ

提督「一つ目標ができました」

爺督「なんじゃ」

提督「貴方を……総司令官の座から引きずり下ろす事です」

爺督「……ほう」

爺督「せいぜい頑張るがよいぞ」ヒラヒラ


スタスタスタ


あきつ丸「まだあの様な事がいえる気力があるとは……」

あきつ丸「調教が足りなかったでありますかね」

爺督「……ふぉっふぉっ。ああいう若造はどんなに痛めつけても駄目じゃよ。逆効果じゃ」

あきつ丸「そうでありますか」

爺督「今度のは中々根性があるようじゃ。まぁ根性があるだけではこの世界は生き残れんがな」

あきつ丸「そう……でありますね」

あきつ丸「…………」

あきつ丸「……昔の爺督殿に、少し似てるであります」ボソッ

爺督「ん?何かいったかの?」

あきつ丸「……何でもないであります」



──────
─────
────
───
──



──
───
────
─────
──────



   ~2か月後~
    


  港 第2艦隊母艦

 
本部軍人「それでは提督殿、ご武運を」

提督「ありがとうございます。必ずやカムランでの任を全うし、帰還いたします」

大和「提督、準備できたわよ」

提督「ん、分かった」

提督「それでは中央第2艦隊、これよりカムラン半島 向けて出発進行!」











    母艦  ブリーフィングルーム


提督「中継地点の沖縄港までは発艦しなくていい」

提督「そこから目的地までは準警戒体制として昼間は大和と加賀、伊58が」

提督「夜間は日向、雪風、北上が母艦を囲むように進行だ」

北上「あーウチラが夜間組みか。生活リズム崩れるー」

雪風「雪風は昼間だろうと夜だろうと全力を尽くします!」

提督「まぁ目的地までは何もなければ2日くらいかな。それまではリラックスして生活してくれ」

日向「それにしてもこんだけ大きい母艦に乗組員が私だちだけって……大丈夫なのかい?」

提督「ああ、大丈夫。母艦の操作はほぼ自動だし、何かあれば妖精さんの不思議能力が何とかしてくれる」

日向「妖精達には苦労かけるな」


妖精ABC「「えっへん」」


提督「さぁ、各自部屋に戻って待機だ。俺は執務室にいるから用があるものは直接くるといい」

艦娘達「「はーい」」


一旦止めです

ごはーん



そう言えば過去編だったね…

整備員どもはなんでしょっぴかれたんだ?
微妙な整備不良にするようにあらかじめ言われていたのか、提督に喪服の意味を聞かれたからなのか…


>>450
そうなんですよ……過去編終わってもまだありますからね……構想通りなんですけどこんなに長くなるとは
やっと50%程度終わったところです

>>451
喪服の意味を聞かれたからとなっております
ついでにいうと、その時点で監視されてる事に気づいた提督は内心かなり焦っている
というのが地の文あれば描写される予定だったりします
分かりづらく申し訳ないorz

てわけで投下します

よろしくどうぞ









  母艦 執務室


コンコン


提督「うむ、入っていいぞ」


ガチャ



北上「お疲れさんでーす」

雪風「しれぇ、お疲れ様です」

伊58「失礼するでちー」

提督「ん、どうした3人揃って」


北上「いやぁ言おう言おうと思っていうタイミングを逃したんだけどさー」

提督「うむ」

雪風「今回の任務でお聞きしたい事があるんです」

提督「ほう」

伊58「明らかに……戦力不足、な気がするんだけど気のせい?」

提督「気のせいではない」

北上「だよねー。相手は100隻以上の大編成。こっちはかたや新米司令官の新米艦隊」

雪風「南鎮守府の艦娘は全部で24隻。私達と併せても30隻」

伊58「周辺国の戦力はきっと自陣を守るのみで戦力に数えれないでち」

北上「追加出撃の連絡いつくるかなと思って待ってたけど一向にこないしさ」

雪風「……しれぇなら何か理由を知っているかと思いまして聞きにきたんです」


提督「……知らない。とにかく現段階では私達第2艦隊と南鎮守府の艦隊のみでの対応となっている」

北上「淡白な返答だねー。これじゃやられにいく様なもんでしょ」

提督「そうとも限らんさ」

北上「なんで?」

提督「南鎮守府がたった4艦隊で耐えている、という事実だ」


提督「実際にその目で現状を見なければ分からんが艦娘の轟沈報告も挙がっていない事から」

提督「均衡した戦いになっているかもしれんぞ」

北上「どうかなぁ……」

雪風「南鎮守府の司令官さんとは連絡がとれるんですか?」

提督「いや……先週から一度も取れていない。少し前から連絡がつかなくなったそうだ」

北上「ちょ、それもうやばいんじゃないの?」

提督「わからんさ。とりあえずカムランの港で一旦状況を確認するまでが最初の目標だ」

伊58「ものすごい不安になってきたでち」

提督「だからこそお前らベテラン3人を頼りにしている。頼んだぞ」

北上「なんだなかなー。まぁ……やるしかないってね」

雪風「大丈夫ですよ、きっと」

伊58「仕方ない提督さんだねー。まぁ協力してがんばろうでち」


提督「うむ……心配かけてすまんな」



提督(やはりあいつらは気づいていたか)

提督(今回の任務の異常さに……)

提督(とはいえ総司令官との事を素直に言える筈もないし……)

提督(いや、もしかしたら噂で多少は知っているかもしれんな)

提督(…………はぁ)

提督(問題は山積みだ)








   ~夜~


  母艦 甲板上
   

提督(ふー、ずっと机に向かってるのも疲れたから風に当たりに来てみたが……)

提督(中々気持ちいいもんだな)

提督(かなりのスピードでも進んでいても、妖精さんが開発した防御シールドのおかげで丁度いい風心地……)

提督(どんな技術使ってるんだが分からんが殆ど揺れも感じないしな)

提督(ほんと妖精さん様々だ……ん、だれかいるな)




大和「…………」

提督「大和」

大和「あ、提督。夜遅くにどうしたの?」

提督「ちょっと気分転換だ。大和こそ何してるんだ?」

大和「海を眺めてたのよ。ほら、月がでて綺麗じゃない?」

提督「ふむ、確かに」

大和「……この海を見てると今から戦争に行くなんて忘れちゃうわ」

提督「そうだな」


大和「覚えてる?一緒に山へ登った時の事」

提督「ああ、お前に無理やり自転車で2ケツさせられたな」

大和「そうそう。提督はへばっちゃってだらしなかったわ」クスクス

提督「お前な、坂がきつくて大変だったんだぞ」

大和「あの時から数年、正式な軍人になって初任務」

提督「……早いもんだ」

大和「ええ」

提督「……」


大和「後悔してない?」

提督「え?」

大和「軍人になったこと」

提督「ん……そうだな」

提督「別の生き方もあったのかなと思う事はあるけど」

提督「軍人に……艦娘を指揮する司令官になった事は後悔してないよ」

大和「そう」

大和「私は……少し後悔してるわ」

提督「……」

大和「この前、ゴーヤちゃん助けにいった時、初めて深海棲艦と対峙したじゃない?」

大和「写真でみるよりずっと恐ろしかった。大きくて強くて……」

大和「禍々しかったわ」

提督「……うん」

大和「だから内心結構、震えてたの。多分日向や加賀も同じだったと思う」

大和「提督が昔、私に怒ったのも……今なら理解できる」


提督「……なぁ」

提督「今なら引き返せるぞ?」

大和「……ううん大丈夫」

大和「今引き返したらもっと後悔するもの」

提督「……」

大和「ごめんね。矛盾してるみたいで。ちょっと弱音を吐いてみただけ」

提督「……そういう時もある」

大和「これからも一緒に頑張りましょうね。提督」ニコッ

提督「う、うむ」ドキッ


提督(大和、俺はそんなお前を守りたくて軍人になったんだ)ドキドキ

提督(…………)ドキドキ

提督(そいや今は二人きり……)ゴクリ

提督(……今のこの雰囲気なら、言える……か?)

提督「大和、あのさ」

大和「はい?」

提督「俺さ、えっーとさ」

大和「どうしたのよ。はっきり言いなさい」

提督「俺とつ……」ドキドキ

提督「つつ……」ドキドキ

提督「つ」ドキドキ




提督「月が綺麗ですね!」



大和「え?そうね。さっきもいったと思うけど今日は一段と綺麗よね」

提督「…………」

大和「さぁちょっと体も冷えてきたし先に部屋に戻るわ。提督もあまり風にあたりすぎないようにね」

提督「お……おう」

大和「おやすみなさい」


スタスタスタ


提督「うぁぁあぁ!言えるチャンスだったのに……」

提督「いや、月が綺麗ですねだって立派な告白の筈……くそ……大和じゃ気づかないか」


ガタッ


提督「だ、誰だ?」

北上「あ」

提督「北上……お前、今までそこにいたのか?」

北上「え、何のこと?」

提督「良かった聞いてなかったか」ホッ

北上「それにしても今日は月が綺麗だねー。て・い・と・く」

提督「や、やっぱり聞いてたな!た、頼む!他の奴には絶対言わないでくれ!」

北上「どうだかねー。さぁ寝るからおやすみー」ササササ

提督「お、おい!北上!いや、北上さん!北上様!おーい!」


──────────────────────────


    ─次の日─



     朝


日向「おはよう、提督。月が綺麗だな」ニヤニヤ

加賀「提督、おはようございます。月が綺麗なようですね」ニヤニヤ

雪風「しれぇ!月が綺麗です!」ニコニコ

伊58「てーとくさん、月が綺麗みたいでち」ニヤニヤ




タッタッタッタッタッタッ


提督「北上!おい!待てこら!」

北上「ぷぷぷ、嫌だねー」



以上です

艦これのPvみたんですけど……かなり可愛いかったです

読んでいただいてる方ありがとうございます





色々なご意見ありがとうございます
ご指摘いただいた事はまさにその通りだなと感じています
過去編に関しては元より現代編とは別でガッツリ書く気であったのですが
現代メンバーの描写も入れつつ語らせた方が色々と良いのではなかったか、と思い直している次第です

擁護してくださった方もありがとうございます。1さんの好きな様にしたらいいという意見も嬉しいかぎりです

私自身は皆さんのどんな意見や感想も聞いて、今後書いてく中での参考にしたいと思っております

前にも一度、「那珂ちゃんいらねぇから赤城と決着つけて欲しかった」といった意見もいただいており
たしかにそうすりゃ良かったな、なんで那珂ちゃんだしたねん……などと私自信思ったりもして
読んでいただいてる方に指摘され始めて気づいたりする点も多くありました

ドMな事もあり厳しい言い方をされても問題ないので、今後もVipSS板のノリでコメントいただけたらと思います

長々と失礼致しましした

過去編に関してはもう一しきりできあがっているので今から変更は難しいのですが
あらすじなどを書いたり、現代編を多めに書いたりで取り戻せたらと思っています

今後共よろしくお願い致します


応援、乙コメありがとうございます

色々とありますが私自身、読んでいただけるだけでこの上なく嬉しい限りです

という訳で、まずは何より投下!いたします

よろしくどうぞ






─────────────────────────



    ─ 沖縄港 ─    


提督「食料や生活用品は運んだか?」

雪風「全部運び終わりました!」

提督「よし。それではしばし自由時間とするか」



北上「お、いいね-。お土産でも買ってこうかな」

伊58「沖縄といえば何が有名なの?」

日向「ちんすこう、ソーキソバ、シーサーとかだな」

伊58「ちんすこう……なんかやらしいでち」

日向「君、変な意味に捉えないでくれ」ビシッ

大和「皆でソーキソバ食べに行きましょう」

加賀「賛成です」ズイッ

日向「加賀、お店を困らせるなよ」

雪風「雪風は大きい水族館に行きたいです!」

伊58「ゴーヤも!」


ワイワイ


提督(良かった。楽しそうだな)ジー

提督(艦娘達のコンディションを維持するのも俺の役目)

提督(今の内にゆっくりしてもらってカムランでの戦いに備える)

提督(そういう意味じゃ、沖縄は最適な場所じゃないか)

提督(気候も暖かいし風土も穏やか)

提督(日本という国のなかではまた特殊な文化を持ってるし観光地としても優秀だ)


北上「提督がなんかブツブツいってるけど……なんかあったの?」

大和「ああ、あれは気にしなくていいわよ。癖みたいなもんだから」









   ~数時間後~
    


伊58「ふぅー、お土産いっぱい買ったでち」

雪風「雪風もです!」

加賀「ソーキソバ、美味しかったですね」

日向「うむ。お店の人にもう勘弁してくださいって言われなきゃもっと美味しく食べれたんだけどな」




大和「いい所ね沖縄は。これから任務じゃなきゃもっと楽しめた気はするけど」

日向「たしかにな。頭の片隅でそれが残ってて素直に楽しめなかった感はある」

雪風「しょうがないです。雪風達は艦娘ですから」

北上「だねー」


北上「そいや……大和っち3人は書いたの?」

大和「え?何を?」

北上「遺書」

大和「……書いてないわ」

日向「私もだ」

加賀「私も」

雪風「初任務が決まった時に渡されるやつですよね?」

北上「そうそう。いつ死んでもいいようにって。最初渡された時は何の冗談かと思ったけどねー」

伊58「ゴーヤも初めてオリョール行く前に渡されたでち」

大和「北上ちゃん達は書いたの?」

北上「書いてないよ」

雪風「雪風もです」

伊58「ゴーヤも」

大和「そうよね……みんな気持ちは一緒」

日向「うむ」

加賀「……そうですね」

伊58「遺書なんていらないでち」

雪風「はい!」

北上「うんうん」


艦娘達((必ず生きて帰るんだから))グッ



─────────────────────────


   ─その頃─
   
    執務室


提督「遺書……か」ピラッ

提督「こんなもの書く訳ない」

提督「生きて帰るに決まってるんだ」

提督「…………」

提督「でもまぁ……一応書いとくか。せっかく用意されてるならしっかり書くべきだ。うん」




妖精A「真面目すぎるってのも」

妖精B「問題だよねー」

妖精C「ねー」



──────
─────
────
───
──





──
───
────
─────
──────



   ─カムラン半島 周辺海域─
   

  母艦 操舵室

  
  
提督「ここから先は危険海域だ。準警戒態勢から戦闘態勢へと切り替える」(無線)


提督「各自、所定の位置についてくれ」

艦娘達「「了解」」



提督(沖縄港をでて十数時間)

提督(カムランまであと少しか)

提督(今の所、安全とされる航路を通ったので深海棲艦との接触はなく問題なかったが)

提督(ここからはどこを通っても安全な道はない)

提督(……なんとか頑張ってくれよ。みんな)


─────────────────────────


    ~海上~

北上「ここらへん、波は穏やかだね」

雪風「これなら全力疾走しても問題ないかもしれません」

伊58「海中も視界良好でち」

加賀「……これは」

大和「どうしたの加賀」

加賀「数km先から霧が発生している様で……かなり視界が悪いです」

日向「霧だと?」


加賀「はい。艦載機により確認しましたが……敵の目視が難しい程に濃いですね」

大和「そう……提督、照明灯は使う?」

提督「いや、止めとこう。光により敵から見えやすい状況になるかもしれん」

提督「しばらくは加賀の艦載機を多めに発艦して周囲を警戒」

提督「ゴーヤも先行して海中からの目視に努めてくれ」

加賀 & 伊58「「了解(でち)」」



提督(さて……この霧が吉とでるか凶とでるか……)










  一時間後



 ザザーン ザザーン

      
      
      
提督「加賀」


加賀「今の所、艦載機のレーダー及び周辺目視に問題ありません。霧が濃い為自信ないですが」

提督「了解。ゴーヤ、そっちはどうだ?」

伊58「こちらも目視による異常なし、レーダーにも反応ないでち」

提督「よし……進行しよう」

提督「ゆっくりでいいからな。いつ敵が襲ってくるか分からん」




雪風「…………」クンクン

雪風「油くさいですね……」

北上「んだね」

北上(……この匂い、この雰囲気)

伊58(間違いなく近くにいるでち)

雪風(深海棲艦が……)


ザザーン  ザザーン



提督(静かだな。ただひたすらに波の音のみ。陸地よりそこまで離れていないのに漁船の一つも見当たらないのは)

提督(安全ではない証拠)

提督(カムラン港へ着く前に深海棲艦とやりあうのは勘弁願いたい所だが……)




ピッピッ ピーーーーー



加賀「……敵、確認しました!数4、距離50000、艦種不明」

加賀「こちらに気づいていないようです!」

提督(そう上手くはいかないよな)


提督「敵方向射撃展開、用意!」

大和「……」カチャ

雪風「……」カチャ

日向「……」カチャ

加賀「……」スッ

北上「……」ジャキッ

伊58「……」ゴボボ


提督「……もう少しひきつけろ」


ザザーン

ザザーン



提督「…………」


提督(……霧が少し晴れてきた!先手必勝!)


提督「てぇぇぇい!」ビシッ



ドォン ドォン ドォン シュゴォォォ シュゴォォォ ブゥゥゥン



駆逐イ級1「コノ……音、アッチカ」

駆逐イ級2「敵ハッケン…7匹……」

駆逐イ級3「グァァ」ドカァン

軽巡ホ級1「チッ……殺セ」



加賀「敵艦種判明。駆逐3、軽巡1です」

加賀「駆逐……イ級と思われる敵に着弾を確認」

提督「よし、陣形は変えずそのまま押し切れ!」

雪風「雪風、前にでます!」サササ

北上「おっと、一人だけいい所取りはさせないよー」サササ

大和「前の二人は私と日向でフォローするわ。ゴーヤちゃんは母艦の護衛をお願い!」

伊58「了解でち!」


駆逐イ級1「……」ススススス

北上「オリョールの時は準備してなかったから微妙だったけど」

北上「このスーパー北上様の実力を」

北上「見せてやるってね!」チャキキ


シュゴォッォ


駆逐イ級1「ハッ……速イ」

駆逐イ級1「ギャアァァ」ドカァン

北上「まずは一隻!」

雪風「さすがですね!雪風も負けてられません!」タタタタタタタ


駆逐イ級2「ソンナ近ヅイテ……消シ炭ニシテヤル」カチャ 

ドォン ドォン

雪風「ここまで近距離でも!」

雪風「砲撃の角度とあなた達深海棲艦の癖のある動き」

雪風「それをある程度把握していれば砲撃の回避なんて余裕です!」ニコォ


駆逐イ級2「ナ……ナニィ!」

雪風「これだけ距離が近ければ、雪風の砲撃でもどうにかなります!」ドォン

駆逐イ級2「グァァァ」ドォン




軽巡ホ級1「コ、コイツラ……強イ」

軽巡ホ級1「仲間ヲ……呼ぶ!」スーーーー

北上「あ、一隻逃げた!」

雪風「む!雪風が追います!」



軽巡ホ級1「フン……コレダケ離レテイレバ追イツケマイ」


シュゴォォォ


軽巡ホ級1「ナンダコノ音……」

軽巡ホ級1「ギョ、魚雷!?」


ドカァアァン



伊58「海のスナイパーがいる事を忘れないで欲しいでち」ニヤリ


大和「すごいわ……私達が手を出す暇もなく一掃したわ」ポカーン

日向「ああ、心強い」

加賀「……敵の殲滅を確認しました。引き続き警戒を行います」

提督「了解。一時、進行停止。北上と雪風、伊58は弾薬と燃料の補給の為、母艦に帰還。他3人は周囲警戒だ」

艦娘達「「了解です」」


提督(さすがベテラン3人組み……)

提督(これなら戦艦型が多数いても難なく処理できる筈)

提督(……とはいえ安心できんか)

提督(数の暴力で来られたらひとたまりもない………)

提督(事前情報では敵は100隻近い数が集まっていると聞くし)

提督(先ず、カムラン港で南鎮守府艦隊との合流をしなければ)グッ



ドォォォォンン



提督「?!」

提督「なんだ!どうした!」

加賀「ぜ、前方より、敵艦隊が接近中です」

加賀「か、数は……」アセアセ

加賀「そんな……」

提督「加賀、落ち着け。敵の数がどうした!」

加賀「や、約30隻。戦艦も複数確認……」

提督「ば……バカな……30隻だと!」



北上「さ、さっきのはこいつらの周辺警護みたいなもんて訳ね」

雪風「やられたのを確認してこちらに来たって事ですか……」

伊58「やけに数が少ないとおもったでち……ど、どうするの?」

提督(くっ……絶望的だな)

提督(こちらがいくら練度高くても数がこれだけ違っては……)

提督(このまま交戦しても……殺られるだけ……なら)

提督「各艦、全力で弾幕展開しつつ5時方向に進行!」



提督「とにかく」


提督「逃げ切れ!!!」


艦娘達「「りょ、了解」」



ドォン ドォン ドォン ドォン 


 

  
  


──
───
────
─────
──────



  深海棲艦の容赦ない攻撃が降り注ぐ中
  
  俺達は、全速力で逃げた
  
  しかし完全に逃げ切るには距離が足りなかったようで……
  
  敵の攻撃により邪魔され思うように逃げ切れず
  
  応戦として北上や雪風の攻撃が複数の敵を轟沈させる事を確認できたが
  
  ……焼石に水
  
  数による戦力差を超えられる筈もなく

  
  俺達、第2艦隊は…… 
  
  


──────
─────
────
───
──





日向「すまない……私はもう……」ボロッ

大和「私も……足が動かないわ」ボロッ

加賀「…………こんな所で……」ボロッ

北上「ハァっ……ハァッ……これがピンチってやつねー……」ボロッ

伊58「オリョール10往復より……きついでち……」ボロッ

雪風「ゆ……雪風は……しずみま……せん」ボロッ

提督(母艦も被弾が激しい。これ以上は……)


提督「……ここまでか」

提督「くそっ……こんな所で……簡単に……」プルプル

大和「遺書……やっぱり書いとく……べきだったかしら……」

日向「そう……かもな…………」

北上「今からでも……書いて……遅くないんじゃないかね……?」

大和「ふふ……」




加賀「…………」

加賀「あれは……」

大和「どうしたの……加賀?」

加賀「敵の後方に……」

大和「え……?」



─────────────────────

  ~深海棲艦 艦隊~


戦艦タ級「フン……虫ケラガ……ニゲヤガッテ」

軽巡ヘ級「手間ヲトラセナイデホシイ」

空母ヲ級「ヲ……サッサト殺ロウ」

戦艦タ級「…………死ネ」カチャ


ドォンドォン



戦艦タ級「グハッ……」ドカァン

軽巡ヘ級「グヘッ……」ドカァン

空母ヲ級「ヲ……ナンダ!こ、後方カラ、敵!?」



────────────────────────────────────


    ─敵後方にて─



卯月「あーーほらほら!うーぴょんの攻撃が当たったピョン!さすがうーピョンだピョン!」

弥生「いや……今のは弥生のが当たってた」

卯月「違うもん!うーピョンだピョン!プップクプー!」

利根「こらこら二人共、敵さん目の前にいるんじゃから集中せい!」

卯月「うるさいぴょん!ロリババアは黙っててほしいぴょん」

利根「バ、ババアとは何じゃ!ババアとは!」

鈴谷「まぁでも実際、利根って言葉づかいがあれだよね」

熊野「いいじゃないですか。古風で素敵だと思いますわ」

川内「そんな事よりこの戦い早く終わらせて、夜戦したい!や・せ・ん」

明石「この前作った夜戦用のシミュレーションゲーム……お気に召しませんでしたか?」

川内「あれも面白かったけど……実戦じゃなきゃ嫌なの!」

???「あんた達!戦闘中は私語禁止って言ってるじゃない!これだから女子は嫌なのよ!女子は!」




────────────────────────────────────

    母艦 操舵室


提督「なんだあいつらは……」

加賀「艦娘が約20隻……あと、母艦と思われる艦が1隻」

提督「……て事は」


???「聞こえるかしらぁん?そちらの司令官さん!」(無線)

提督「はい……こちら中央第2艦隊……提督です」

提督(野太い声。あれ……でもなんか聞いた事ある様な)

???「やっぱり!提督くんね!おひさしぶりぃいいん!」

提督「えっと……あなたは……?」

???「あら、自己紹介が遅れたわねぇん」




ホモ提督「南鎮守府 司令官を務めるホモ提督よ!中学校以来かしら、提督くん?」(以下、ホモと記す)


提督「あ……」



   ────軍人「その力をこの国を守る為に使ってくれないかしら?」───



提督(俺を軍に誘ったカマっぽい軍人か!)

※前スレ>>354を参照)




提督「まさか南鎮守府の司令官だったとは……」


ホモ「ウフフ、ビックリしたわよね?」


ホモ「とりあえずこの深海棲艦共」

ホモ「可愛い後輩を苛めた仕返しに」

ホモ「ぶちのめしてあげるから……待っててねん♪」ニッコリ


以上です


構想上の鎮守府はこれにて出揃いました(北・西・東・南・中央)

深海棲艦の喋り方は漢字と全角カタカナに変更しています(半角カナだと見づらかったので……)


読んでいただいてる方、ありがとうございます




もうちょっとこう…手心というか…オカマとかオネエとかオブラートに包めるだろ!?

ガチなひとかよ
一発キャラだと思ってたわ


>>538
ごもっともな意見で笑えました。よく考えたら安直すぎる

>>543
口調が変なのは割と重要キャラに設定していたりします


すみません、ホモだと不快に思う方もいるかもしれませんがとりあえずこのままいきます
なんか響きがいいので

投下します

よろしくどうぞ






    前回のあらすじ


沖縄港で一時休息をとり、カムラン港へと向かう第2艦隊
カムラン海域へ進むと霧が発生する中、深海棲艦との戦闘を余儀なくされる
一時は圧倒したものの、敵の本艦隊に見つかってしまう
数による戦力差を見せつけられ懸命に逃げるが失敗
全滅かと思われたその時、敵後方から「南鎮守府艦隊」が助けに来る
南鎮守府艦隊の司令官はなんと、過去に提督を軍人へと誘った「ホモ提督」であった


────────────────────────


    カムラン海域 海上



ホモ「さーて、アンタ達。さっさとこいつら片付けなさい」

卯月「はーい。うーピョンにお任せピョン!」

弥生「あんまり調子のらない方がいいよ、卯月」

利根「皆の者、吾輩を見習ってどんと構えるのじゃ」

鈴谷「はぁ……さっさと帰ってお風呂はいりたーい。髪がヌメヌメするー」

熊野「鈴谷、髪をいじるのは後にするべきですわ」」

川内「霧が少し濃くなってきたね。ちょっと夜戦ぽいかも」

明石「霧の中でも敵を確認できるようなスコープ……次の発明はそれがいいかもしれないですね」



ワイワイ



提督(あれ……なんか陣形がバラバラだけど……大丈夫か?)


────────────────────────



空母ヲ級「ヲ……爆撃機、発艦」

戦艦タ級「了解、コチラモ砲撃ヲ展開スル」

駆逐イ級「仇……討ツ!」カチャ

軽巡ヘ級「殺ス……」カチャ



ドォン ドォン ブゥゥゥン ブゥゥゥン




ヒュゥゥゥゥン  チュドーーン

ザッパァァァン


卯月「わわわ!敵が攻撃してきたよ!危ないピョン」

弥生「敵なんだから攻撃してくるの当たり前……」

鈴谷「あーーー髪がちょっと焦げた!キューティクルが!」

熊野「もうっ、だから前を見ろっていったんですの!」プンプン






────────────────────────


    母艦 操舵室


提督(……あの艦娘達、全然統率がとれていないじゃないか)

提督(砲撃も雷撃も全くしないし……ふざけているのか)

提督「失礼ですが……司令官。艦娘達は真面目にやっているのですか!」

ホモ「提督ちゃん、心配なの?」

提督「彼女達はどうみても本気で対応していない様に見えますが」

ホモ「そうねー。まぁそういう風に見えるよう指示をだしているもの」

提督「……え?」

ホモ「まぁ落ち着いて頂戴。せっかちな人は嫌いじゃないけど……これも戦術の内よ♪」



────────────────────────



空母ヲ級(相手……動キ……バラバラ……)

空母ヲ級(今ノウチ……コロス)

空母ヲ級(霧ノセイデ……命中精度ガ低イ戦艦隊……近ヅカセル)

空母ヲ級「戦艦隊……目標ニ前進……敵、油断シテル」



深海棲艦 戦艦隊「「了解」」ズズズ



────────────────────────


利根「……」ピクッ


利根「川内、明石、釣れた様じゃ」

川内「ん……オッケー」サッ

明石「分かりました。いつでも大丈夫です。合図はお願いします」




────────────────────────



戦艦タ級1「……ココマデ近ヅケバ……アトハ……外サナイ」ニヤリ

戦艦タ級2「沈メテヤルゼ……ククク」カチャ

戦艦タ級3「……ン。ナンダコノ……浮イテル丸イ物体ハ」

戦艦タ級4「ホントダ……サッキマデ無カッタ」



利根「フンっ、何も知らずノコノコと近づいてきおって……うつけが」

利根「さぁ、明石!今じゃ!」

明石「はい!」ポチッ


ピカッ



戦艦タ級1「ナッ……」



ドカァァァァァアアン


利根「よし、成功じゃ!後は砲撃あるのみ!うてぇええええい!」

卯月「やってやるピョン!」カチャ

弥生「負けない……」カチャ

鈴谷「やっと思う存分、ぶっ放せるわ!」カチャ

熊野「我慢するのも体に毒ですわね!」カチャ


ドォン ドォン ドォン ドォン



────────────────────────────

   操舵室


提督「…………」ポカーン

提督「今のは……機雷ですか?」

ホモ「ええそうよ」

ホモ「わざと前線部隊には攻撃の手を休めて油断している様に見せたの」

ホモ「そうする事で敵艦隊の主力で厄介な戦艦が前にでる事を期待してねぇん」

ホモ「後は事前にばらまいてた機雷を爆破」

ホモ「霧が濃く視界が悪いおかげで機雷も確認しづらいって事も幸いだったわね」



提督「……なるほど」

提督(後ろからの奇襲にも関わらず更に策を重ねる周到さ……この司令官、只者じゃない)

提督「気づかず余計な事を……失礼しました)

ホモ「いいのよ。知らなければ誰でも同じ事思うわぁん」

ホモ「さて……あとは」



────────────────────────


    ─深海棲艦 艦隊─


空母ヲ級「ク……ドウナッテイル。戦艦隊ニ何ガ起コッタ」

川内「失礼しまーす」スッ

空母ヲ級「?!」ビクッ

川内「指揮を執っているのは貴方みたいね。安全な所でキョロキョロ見回してるから分かったわ」

空母ヲ級「イツノマニコンナ近クニ……」

川内「隠密行動は得意なの。夜だったらもっとすごいんだから」

川内「てわけで、私からプレゼント。上にある気持ち悪い帽子さんの口に挟んどいたよ」

空母ヲ級「ワ、ワタシノ頭ニ……魚雷ガ……」

川内「明石が時間立てば爆発してくれるようにしてくれたんだよねー。バイバイ」ササササ

空母ヲ級「ク…取レナイ………ヤメッ」



ドカァァァン



川内「忍法魚雷爆散の術……って言ってみたりして」




利根「作戦通りじゃな」

利根「川内が敵の旗艦を落とした!一気に叩き込め!」

艦娘達「「了解!」」



ドォン ドォン パパパパパ ザッパーン


駆逐イ級「クソ……テ、撤退ダ!」スーーー

軽巡ヘ級「ニゲロ!」スーーー




卯月「あーー逃げちゃったピョン」

鈴谷「えーまだ打ちたりないよー」


利根「ホモ提督よ、追うかの?」

ホモ「追わなくていいわ。近くに敵の大艦隊がいないとも限らないし……」

ホモ「それに第2艦隊の救助が先よ。さっさと入渠室で手当てしてあげなさい」

利根「了解じゃ」



ホモ「と、いう訳でそんな感じだから艦娘の子達は任せて頂戴」

提督「……ありがとうございます」

ホモ「提督ちゃんの母艦は動く?」

提督「はい。損傷ありますが動力部に異常はありません」

ホモ「分かったわ。ここでのんびりするのは怖いし早々にカムラン港に戻りましょう」










   ─カムラン港─
   

提督「本当に助かりました。あと少しで全滅という所でお助けいただいて……」

ホモ「全く……増援が先にやられるなんて冗談にもならないわ」

提督「……申し訳ございません」シュン

ホモ「ウフフ、でも無事で良かった……」

ホモ「改めてお久しぶりね、提督ちゃん」スッ

提督「はい。お久しぶりです」グッ



ホモ「初めて会った時は舐め舐めしたいくらい青いオケツだったけど」

ホモ「成長してこうみると軍人らしくぺろぺろクンカクンカしたいくらい立派になっちゃって」ジー

ホモ「嬉しいわぁ」ニンマリ

提督「え……ええ(どこみてんだこいつ)」ゾッ


ホモ「それにしても増援といった割には艦娘の数が少ないようね」

ホモ「相手は100隻近くいるってお上に伝えた筈だけど……」

提督「…………」

ホモ「6隻だけなの?」

提督「……はい」

ホモ「ふーん」

ホモ「ま……その様子みる限り訳ありって事ね」

提督「察していただき助かります」


ホモ「私も元は中央にいた身だし」

提督「中央に?」

ホモ「ええ、ちょっと色々あって南に異動したけど」

ホモ「だからあそこの事情は色々知ってるわ。もちろん第2艦隊の事もね」

提督「……」

ホモ「まぁいいわ。一人でも多ければ心強いもの」

ホモ「明日辺りブリーフィングルームで現状を詳しく説明するから」

ホモ「今日はゆっくり休んで頂戴」

提督「はい……色々と、ありがとうございました」ペコッ




短いですが、以上です

ちょっと駆け足ですがこのペースで進めていきたいと思います





コメントありがとうございます

提督はホモじゃないです(半ギレ)

投下させていただきます

よろしくどうぞ

前回のあらすじ

第2艦隊を救う為、南鎮守府艦隊は深海棲艦と戦闘を開始するが
戦いの最中だというのに大した反撃もせずふざけあう南鎮守府艦隊の艦娘に提督はイライラを募らせる

その様子を見た深海棲艦は主力ともいえる戦艦を前線にだして勝負をしかける

だが、油断している様に見えたのは事前にばら撒いていた機雷の場所まで誘導する為であり
見事に深海棲艦を撃退した南鎮守府艦隊は大破している艦娘達を回収し入渠室で手当てをする

提督はホモと合流し、現在の戦況を聞く為ブリーフィングルームへ訪れる



   ─次の日─


  南鎮守府母艦 ブリーフィングルーム
 

提督「おはようございます」

ホモ「おはよう提督ちゃん。気分はどう?」

提督「お陰様で良好です」

ホモ「そう、なら良かった」

提督「自分より艦娘……彼女達の方が心配です」

ホモ「それについては安心なさい。ちゃんとウチの入渠室で手当てしてるからねぇん」

提督「はい……」シュン



ホモ「ま、明日辺りには全員と顔合わせできるわよ……っと、それよりも」

ホモ「昨日も言ったけど今の戦況、説明するわね」

提督「……はい」

ホモ「この港から南へ結構進んだ所に奴ら深海棲艦の本艦隊がいるの」

提督「昨日の敵艦隊と同一のものですか?」

ホモ「そうね。奴らはその本艦隊の一部。恐らく周辺偵察みたいなものだと思ってるわ」

提督「あれだけいて一部……という事はやはり」

ホモ「ええ。敵艦隊の総数が100隻程いるっていうのは本当の事。昨日20隻以上倒したから今はもうちょい少ないとは思うけど……」

提督「残りでも約80隻、しかも固まってるとなると……手がだせませんね」


提督「やはりベトナム海軍や周辺国の支援艦隊と協力して」

ホモ「いないわ」

提督「え?」

ホモ「ベトナム海軍は北にある首都周辺の海域に、周辺国は自分達の海域でも守ってるんじゃないかしら」

提督「まさか」

ホモ「そうよ。ここは見捨てられたのとほぼ同意よ」



提督「そんな……あれだけの大艦隊、俺達だけでは!」

ホモ「仕方ないのよ。相手が強敵だからこそ……彼らは本当に守るべき所へ戦力を集中させてるのよ」

ホモ「深海棲艦がもし矛先を別へ向けたら……困るでしょ?対応に」

提督「…………」


提督「俺達は……ここに居る意味がないじゃないですか」

ホモ「意味はあるわ」

ホモ「私達がいれば深海棲艦を引きつけていられるし」

ホモ「それに……」

ホモ「ここを守れるじゃない」

提督「…………」


ホモ「まぁでも厳しい戦況なのはたしかだし」

ホモ「のんびりここの港を守りながら本部からの援軍を待っていたんだけど……」

ホモ「来たのはたったの艦娘6隻と軍艦1隻。こんなんどうしろってのよ」ハァ

提督「……す、すみません」シュン

ホモ「提督ちゃんを責めてる訳じゃないわ。ある程度予想はしていたしね……」

提督「予想、ですか?」


ホモ「援軍要請だしたのはかなり前よ?その時からずっと連絡こないし……」

ホモ「そもそもこの任務って大して重要じゃないのよ。上からすればね」

ホモ「友好国から要請があったとはいえ、この任務を遂行した上で利になる点が少ないのよ」

ホモ「資材収穫の海域でもないし、今後の侵攻作戦にも影響ないしね」

提督「だから本部も援軍を出し渋っているのですか……」


ホモ「ええ……とまぁこちらの事情はともかく」

ホモ「これも見て頂戴」パラッ

提督「これは?」

ホモ「敵の詳細資料よ」

提督「おお……艦種もこと細かに」

ホモ「貴方達がくる前に必死に調査して作ったの。褒めて頂戴」ウフン

提督「……戦艦が約20隻、駆逐、軽巡、重巡併せて60隻、空母5隻」

ホモ「まぁ大体だから完全に合ってる訳ではないけど……ざっとそんな感じね」


提督「この資料の戦艦に丸がついてるのは何ですか?」

ホモ「いい所に気が付いたわね。特に気をつけなきゃいけない奴よ」

提督「何をですか?」

ホモ「ええ……そいつらは艦娘の艤装で表現すると41cm連装砲を搭載しているの」

提督「41cm連装砲……長い有効射程を持つ戦艦の主砲ですね」

ホモ「それがまた厄介でねぇ。こちらの射程外から撃ってくるもんだから近づくのも大変」

ホモ「ましてや数も倍以上違うのってのに……なんとか敵艦隊の中枢に潜り込めればやりようがあるんだけど……お手上げね」

提督「これまた厳しい情報ですね……」


ホモ「てわけで貴方達には悪いけどしばらくは現状維持」

ホモ「下手に動いてもあれだし、もう一度本部に援軍を送ってもらうよう頼んでみるわ」

提督「……はい」

ホモ「説明はこれで終わり。他詳しい事は報告書類にまとめてあるから目を通してちょうだい」

提督「了解しました」

ホモ「何か質問あるかしら?」

提督「……あ」

ホモ「どうしたの?」

提督「そういえばなぜ、私達を助けた時あの場所にいたのですか?」

提督「本部からも一週間程連絡がとれなかったという事も聞いておりますが……」

ホモ「えーと」

ホモ「わ、私やらなきゃいけない作業があるんだったわ!今日はこれで解散!じゃね!」ササササ


タッタッタッタッタッタッ


提督「なんだ?」キョトン










   南鎮守府母艦 入渠室前
   

提督(さて、大和達の様子が気になって入渠室に来てみたが)

提督(さすがに中には入れん。殆どの場合、入渠中は全裸に近い状態だからな)ウンウン

提督(まぁ……命に別状はないと聞いているし、部屋で待っているか)



スタスタスタ


鈴谷「あ、第2の司令官さんじゃーん」

熊野「お疲れ様ですわ」

提督「君達は、えっと」

鈴谷「南鎮守府艦隊の鈴谷だよ。よろしくねー」

熊野「同じく熊野と申します。よろしくお願いしますわ」

提督「うむ。中央第2艦隊所属の提督だ。気軽に呼び捨てで呼んでくれて構わない」


鈴谷「はーい。で、その提督は入渠室の前で何してるの?」

提督「怪我の様子が気になってな。中に入る訳にもいかんので部屋に戻ろうと思っていた所だ」

熊野「あら、お優しいですわね」

鈴谷「だねーウチのホモ提督なんて私達が着替えてても用があれば気にせずズカズカ入ってきて」

鈴谷「『アンタ達の裸なんて興味ないのよ!アタシが興味あるのは男の黒光りする主砲だけよ!』とか言ってさ。キショいよねー」

提督「はは……」


ガチャ


利根「む……なんじゃお主ら。こんな所でつっ立って」

熊野「あ、利根さん。今提督さんとお話ししてた所ですわ」

利根「ほう第2の司令官じゃな。話はホモ提督の方から聞いておる」

利根「吾輩は南鎮守府艦隊の旗艦を務める利根じゃ。よろしく頼むぞ!」

提督「ああ、よろしく」

鈴谷「そいや利根が入渠室で第2艦隊の看病してたんだっけ?」

利根「うむ」

提督「大和達の様子はどうだ?」

利根「ああ、それじゃな。大分よ」

鈴谷「ストップストップ。ここで話すのもいいけど、あっちでお茶でも飲みながら話そうよ。他にも色々聞きたい事あるし」

利根「それもそうじゃな。提督よ、案内するぞ。こっちじゃ」








   ─談話室─
   


提督「─────そうか。みんなもう起き上がって食事もしてるんだな」

利根「まだ入渠室にいる必要はあるがもう少ししたらいつもの状態に戻るじゃろ」

提督「良かった。敵の砲弾をもろに受けてたりもしてたから……ずっと心配だったんだ」

利根「なぁに、艦娘は艤装をしていれば鋼鉄並みに堅いからの。簡単には死なないのじゃ」

提督「ふむ。とりあえず安心だ」ホッ



鈴谷「……」ジー

提督(何やら視線を感じる)

鈴谷「ねぇ」

提督「なんだ?」

鈴谷「提督は彼女いるの?」

提督「ブハッ」

熊野「こ、こら鈴谷。急になんて事聞いてるんですの!」

鈴谷「えー、恋バナの一つや二ついいじゃーん」

熊野「今聞く事じゃありませんの!」

鈴谷「で、どうなのさー?艦娘と付き合ってたりするの?」

提督「……ない」アセ

鈴谷「えっ!ほんとに!」


提督「だが、好きな……奴はいる」モジモジ

鈴谷「なーんだ、残念」

熊野「いなかったらどうするつもりですの……」

鈴谷「えーそりゃアタックしようかなってさ。提督ってイケメンじゃん?」

熊野「そ、そんな、はしたないですよ」

鈴谷「え?熊野的には微妙なんだ?」

熊野「いえ……まぁたしかにお顔立ちはいいと思いますけどそういう問題じゃ……」

鈴谷「じゃあいいじゃーん。まぁ好きな子いるみたいだし諦めるけど」

熊野「まったく鈴谷ったら……」

利根「ハッハッハッ、そういう年頃じゃからの。男日照りのせいもあって積極的になるのもわからんでもないぞ」


利根「しかしまぁ残念がるのは鈴谷だけじゃないだろうが……」

提督「?」

利根「いやぁ吾輩らの司令官、ホモ提督の事じゃよ」

利根「奴は……よーするに同性愛者じゃ。特にお主の様な軍人は大好物」

提督「えっ」ゾクッ

利根「安心せい。襲ったりする事はない」

提督「ほっ」ホッ

利根「と思う」

提督「!?」ビクッ


利根「まぁ何せ今回お主らを助けにいく事ができた理由なんじゃが……ホモ提督の奴が」


──『増援でいい男が来る!こんな港でちんたらしてる場合じゃないわ!通ると思われる航路を巡回して守らなきゃ!』


利根「などとぬかしおって、本部に連絡も入れず出撃したんじゃよ」

提督「だから、連絡ない上にあんな所で……」

利根「それが不幸中の幸い……というとちとあれじゃがお主らを助ける事ができて本当に良かったのじゃ」

提督「ははは……」


利根「だがのぉ、ホモ提督の奴はあんなじゃが……司令官としての腕はたしかじゃよ」

利根「あれが来てから吾輩らの練度はみるみる上がっておる」

鈴谷「たしかに私達強くなったよねー」

熊野「そうですわね。ホモ提督さんが来てから大きな任務も来るようになりましたし」

利根「うむ。今これだけ戦力的に劣勢でも何とか立ち回れてるいるのは間違いなくあの男のおかげじゃ」

利根「その事だけは信じてよいぞ」

提督「……分かった」

利根「ただし」

利根「尻の穴はしっかり守っとくとよいのぉ」

提督「……」キュッ








  南鎮守府母艦 甲板上
  

  ビューー
  

提督(利根達との話も終わったし気分転換にちょっと外の風に当たりに来たのだが……)

提督「ふー、冷たい風が心地いい……ん?」

北上「…………」ボー

提督「北上」

北上「……お、提督じゃん。お疲れー」

提督「まだ入渠室にいるんじゃなかったのか?」

北上「ううん。私は傷が浅かったし早めにでてきたんだー」

提督「なるほどな」



北上「…………」

提督「どうした?元気がないじゃないか」

北上「んー……」

提督「何かあるなら言ってみろ」

北上「いやぁさ……怖かったなぁって」

提督「昨日の事か」

北上「うん」

提督「助けが無かったら……死んでたよな、俺達」

北上「……深海棲艦とやりあってピンチなんていくらでもあったけど」

北上「あそこまで死を覚悟したのは初めてだよ」

提督「……戦意喪失したか?」

北上「そんな訳ないじゃん」


北上「ただやっぱり……もっと力が欲しいよ」

北上「あんな奴らコテンパにできる力がさ」

提督「……うむ」

北上「提督、もっと私を強くしてよ。強い装備に戦術に……提督にやってもらう事はいっぱいある!」グワッ

提督「急に熱くなって……らしくないじゃないか」

北上「……別に」プイッ

提督「大丈夫。北上は強くなるよ。なんせスーパー北上様だからな」

北上「なにそれ、バカにしてんの?」

提督「冗談だよ。……まぁ任せろ。言われなくともそうするさ」ニコッ

北上「頼りにしてるからね……ほんとに」

北上「……んで、提督はなにしてたの?」

提督「まぁ色々だ。今から艦内をグルグル回ろうと思っているが」」

北上「へー、私もついていっていい?」

提督「別に構わんけど……少ししたら開発室へ行くぞ」

北上「ほーい」









   南鎮守府母艦 開発室
   

提督「おーすごいな。見た事ないような艤装や道具がいっぱいだ」

北上「ウチと随分違うね。なんか本格的というか。あ、なにあれおもしろそう」タッタッタッ

提督「おーい、あんまり弄るなよ………ん?」


トンテンカン トンテンカン


提督「誰かいるみたいだな」



明石「ふー……こんなものでしょうか」

提督「何を作ってるんだ?」

明石「きゃっ!どなた……って第2の司令官さんですか」

提督「びっくりさせてすまん。ちょっと興味があって声をかけさせてもらった」

明石「はぁ……今は機銃の整備及び改造をしています。こんな風に」ジジジジ

提督「ほう、見事なもんだ。よくやるのか?」

明石「はい。ここら辺の艤装全て私が手を加えていますから」






北上「提督ー誰と話してんのー?」スタスタスタ

提督「ああ、えっと……名前まだ聞いてなかったな」

明石「あ、失礼いたしました。わたくし、明石と申しまして……」

北上「明石じゃん!何してんの?!」

明石「え……北上さん!?」




──────────────────────────────


提督「───なるほど。この前いってた資材を大量に使って問題起こしたっていうのが」

北上「そそ、この明石なんだよね」

明石「その節はほんとにご迷惑をお掛けしました」ペコペコ

北上「もう別に気にしてないから謝らないでよ。それより元気だった?」

明石「はい。色々ありましたが……こちらに来てから皆さんによくしてもらっているので」

北上「そかそか。それなら良かったー」


提督「しかし艦娘が艤装の改造か……整備までするのは良く見るが初めて見たな」

北上「明石はすごいよ。妖精達の作った艤装を自分なりにアレンジしたりするからね」

明石「いえいえ……私の技術なんて妖精さんと比べたらおまけみたいなものですから……」

提督「ふむ。今度時間ある時に色々とご教授願いたいものだな」

明石「提督さんもそういうのに興味があるのですか?」

提督「まぁ艤装の開発で知識があると便利でな。妖精達とも連携しやすいし」

明石「なるほどですね。この明石にできる事があればいつでもお声がけください」

提督「うむ。頼んだよ……さて、俺はちょっと外を回ってこようかな」

北上「りょーかい。私はもうちょい明石と喋ってるわー」







    カムラン港

  
    
提督(母艦の外に来てみたが……)


提督(やはり海軍らしき部隊がいない。軍の関係者なんて港へ定着した時にいた通訳ぐらいか)

提督(ホモ提督もいっていたが……軍部に見限られているというのは本当のようだな)

提督(こと深海棲艦に対して艦娘を持たない海軍は、旧軍艦を並べて砲撃弾幕を張る戦術しかとれない)

提督(それにはかなりの数の軍艦を配置しなければならないからな)

提督(重要な首都周辺だけを守るという理由は分かる……)

提督(とはいえ日本に要請をだしておいて、任せきりにされるというのはいかがなものだろうか)

提督(俺達はここを放棄して日本に帰還してもいいくらいの理由じゃないか)

提督(…………はぁ)

提督(あとでまた考えよう……)




キャッキャ キャッキャ アハハ


提督(砂浜で遊んでいる……ここら辺に住む子供たちかな)

提督(近くに化け物が侵攻してきているという事を知ってか知らぬか……無邪気に遊ぶ姿はうらやましく思えるな)

卯月「何してるピョン」ダキッ

提督「おおっ!」ビクッ

卯月「ぷっぷくぷー!ビックリしすぎー」クスクス

弥生「卯月……いきなり後ろから覆いかぶさったら危ない」

川内「卯月は怖い者しらずだね。夜戦でそんな事したらやられちゃうよ?」


提督「君達はたしか……」

卯月「卯月だよー!うーちゃんて呼んでピョン!」スタッ

弥生「やよい、駆逐艦の弥生」

川内「軽巡用艦の川内、夜戦はお任せ!」

提督「卯月と弥生と川内か……うむ、覚えたよ」

卯月「何してるのー?」

提督「ああ、ちょっと周辺を眺めてたんだ。周辺住民の様子や地形などを知っておくのも大事だからな」

卯月「ふーん、じゃあ暇人だね」

提督「いや、暇じゃないからな……聞いてたか?」

卯月「あっちで子供たちと遊ぶピョン。提督さんも来てよー」グイッ

提督「え、いや、あのちょっと」ズズズズズ


─────────────────────────────


    ─砂浜─

    
    

ベトナム幼女「○△□×○△□×○」

卯月「この子と遊んでみるピョン。遊んでほしそうな顔してるピョン」

提督「いやいや、何話してるかわからんのだが」

卯月「フィーリングで分かるピョン」

弥生「なんとなくで察する」

提督「……俺はやっぱり部屋に戻る」クルッ

卯月「駄目ピョン!」グイッ

提督「俺はお前らと違って忙しいんだよ!」グググググ



川内「提督さん、観念して少し付き合ってよ。卯月は言いだすと止められないよ?」

提督「そ、そういわれてもなぁ」

卯月「周辺住民の様子を知るのも大事って言ってたぴょん。この子も周辺住民だピョン!」

提督「聞いてたんかい!」

卯月「だから一緒に遊ぶピョン!」

提督「……分かったよ。ちょっとだけだぞ」ハァ

卯月「さすが話が分かる男は違うピョン。うーぴょんが見込んだ男」

提督「いつ見込まれたんだ俺は……で、何して遊ぶんだ?」

卯月「ここは砂浜だし、砂遊びするピョン」


提督「ふむ……何か作るのか?」

卯月「丁度向かいにうーぴょん達の母艦があるからあれ作るピョン」

提督「ほう、難易度がまた高いものを」

ベトナム幼女「○△□×○△□×○」

提督「なんて言ってるんだ?」

卯月「そんなの分かる訳ないピョン。とりあえず一緒に作れば仲良くなれるピョン」

提督「さっき分かるっていったじゃないか!フィーリングはどうした!」ビシッ

川内「あはは、提督さんおもしろいなー」ケラケラ

弥生「卯月の言うなんて事なんか無視すればいいのに」

提督「う、うるさいな。少しはお前らもフォローしろ」



卯月「ほらほら、女の子も喜んでるピョン」

ベトナム幼女「○△□×○△□×○」キャッキャッ

提督「まぁ、何いってるかわからんが嬉しそうではあるな」

卯月「提督さん連れてきて良かったピョン。うーぴょんも楽しい」ニコニコ

提督「そうかい。それなら良かったよ」ハァ









   ─数時間後─


ベトナム幼女「○△□×○△□×○」キャッ キャッ

卯月「暗くなってきたし終わりにするピョン」

提督「大分遊んだな」

川内「提督さん何気楽しんでたよね。途中から卯月と本気で張り合ってたし」

提督「あ、遊びにも本気で取り組むのは大事だ」アセ

弥生「大人げないです」ジー



弥生「卯月の言うなんて事なんか無視すればいいのに」

↓訂正

弥生「卯月の言う事なんか無視すればいいのに」


卯月「楽しかったぁ、満足だピョン」

ベトナム幼女「○△□×○△□×○」チョンチョン

卯月「どうしたの……え?うーぴょんにくれるの?」

ベトナム幼女「……」コクコク

卯月「わーありがたく頂戴するピョン!提督にもおすそ分けする!ハイ!」サッ

提督「あ、ああ。ありがとう……これは膨らませる前の風船か」

卯月「いいものを貰ったピョン!」


ベトナム幼女「○△□×○△□×○」フリフリ

卯月「あ、もう帰るんだぁー。分かったピョン!楽しかったよーまたねー」フリフリ

提督「ふぅ……戻るとするか」

弥生「少ししたらご飯の時間」

川内「そうだね。お腹空いてきたかも」

卯月「じゃあ一旦部屋に戻るピョン!提督はオンブして連れてって!」ピョン

提督「お、おい!急に背中につかまるな!」ダキッ

卯月「出発進行ー!」

提督「ええっ……ったく、仕方ないな……よいしょっと」スッ


卯月「むふ……背中あったかいピョン…………」

卯月「ふぁあ……なんか眠くな……て……」グタァ

提督「う、卯月。おい、部屋なんてすぐ着くんだから寝るんじゃない!」

卯月「……」スピー

川内「あらら、完全に寝たね」

提督「まったく……すまんがお前らも付き合ってくれよ部屋まで」

川内「それは別にいいけど、大丈夫?」

提督「まぁ……艤装してなきゃ普通の女の子と変わらん。これくらいだったら余裕だ」

川内「さすが軍人さん。鍛えてるだけあるね」


川内「それにしても卯月が初体面の人にこんなに懐くなんて初めてみたなぁ」

弥生「私も」

提督「こいつは誰にでも慣れ慣れしいんじゃないのか?」

弥生「そんな事ない。むしろ知らない人には隠れるくらい人見知り」

提督「へぇ、意外だな」

川内「ホモ提督に最初会ったときも怖いピョン……とかいってずっと逃げ回ってたしね」

弥生「あの人は見た目が怖い。でもしゃべったらもっと怖い」

提督「……そこらへんはノーコメントだ」








     中央第2艦隊母艦 執務室
     

提督(さぁ卯月たちを部屋に送り届けて時間もとれたし)

提督(ブリーフィングルームで貰った資料やらをまた見直すとするか)


提督(…………)ペラッ ペラッ


提督(敵はこちらの戦力の倍以上)

提督(中には長距離砲撃をもつ戦艦もいる)

提督(……事前に聞いていたベトナム海軍や周辺諸国の支援艦隊はアテにならず)

提督(俺達は民間漁港に定着させられている始末)

提督「どうしろってんだ」パサッ



提督「しばらくはここで待っていてもいいが」

提督「もしここへ……深海棲艦が一気に攻め込んで来たらどうする……」

提督「大量の機雷を用意して迎撃?いや、同じ様な手が通じるとは思えんし周囲には民間漁船もある」

提督「本部からの支援を待つ、とホモ提督は言っていたが……それこそアテにならんのは俺が十分知っているはずだ」

提督「……くそっ!あの狸じじい!やっぱり俺達を見殺しにする気かよ!」ダンッ



提督「…………」

提督「……戻るか」

提督「任務の遂行は無理だと判断して……」

提督「しかし、ただ逃げ戻ったらあの爺さんに何をされるか……」

提督「……でも……死ぬよりはマシ……」

提督「……うむ。ホモ提督を説得して……日本に帰還しよう」グッ


コン コン


提督「ん……誰だ?」


ガチャ



北上「やっぱりここにいたんだ」

提督「北上か。どうした?」

北上「夕ご飯の時間だよん。母艦の食堂で食べようってあっちの司令官から伝言」

提督「……そういえばそんな時間だったな。了解した。すぐいくよ」








   ─南鎮守府艦隊 食堂 ─

   
   
卯月「あっ!そのおにぎり!うーぴょんが狙ってたのに!」


加賀「残念でしたね。早い者勝ちです」モグモグ

日向「加賀、子供と張り合うんじゃない」ハァ

鈴谷「ん~美味しい。やっぱりカレーはいいよねぇ」パァァ

熊野「鈴谷、お鼻についてますわよ。拭きますからこっち向いてください」

伊58「ゴーヤにはこのカレーちょっと辛いでち」グムム

雪風「雪風も苦手です……」



利根「二人共、このフクジン漬けと併せて食べてみるのじゃ」

伊58「この赤いやつでちか……どれどれ」パクッ

伊58「わわ、甘くなった!これならゴーヤでも食べれる!」

雪風「ホントです!丁度良い甘さになって美味しいです!」

利根「そうじゃろそうじゃろ!吾輩もお気に入りのフクジン漬けじゃからな」

弥生「…………」モクモク

利根「弥生、しかめ面してどうしたのじゃ。お主も辛いなら使うといいぞ」

弥生「別に辛くないです。美味しいので味わってだけ」

利根「そ、そうか。相変わらず分かりづらい表情じゃな」


 ワイワイ ガヤガヤ



提督「あれ?随分騒がしいと思ったら……皆いるじゃないか。まだ入渠室いるんじゃなかったのか」

大和「提督、カレーここに置いとくわよ」

提督「ああ、すまん。ありがとう」

大和「ホントは明日まで大人しくしてるつもりだったけど、中でずっと待つのもあれだし」

大和「夕食くらいみんなで食べたいと思ってでてきたのよ」

提督「なるほど」


ホモ「提督ちゃん達との交流会も兼ねてるのよ」ヌッ

提督「し、司令官。お気遣いありがとうございます(いきなりでてきてビックリした)」ドキドキ

明石「おかわりならいくらでもありますので御気軽に申し付けください。良ければお酒もあるのでいかかですか?」

提督「いやいや、職務中だから結構」

ホモ「あらーん。真面目ねぇ。ちょっとくらい良いじゃない」

提督「敵がいつ襲ってくるかも分かりませんから……」


ホモ「そういえば提督ちゃん。中央のジジイ、元気だった?」

提督「……総司令官の事ですか?」

ホモ「そそ」

提督「元気……したね。はい」

ホモ「あら残念。そろそろくたばるんじゃないかと期待してたのに」

提督「いいんですか、そんな事言って」

ホモ「いいのよ。あたしアイツ嫌いだし」

ホモ「中央に所属していた時はほんとアホみたいな任務ばっかやらされたものよ」

ホモ「現に今こんな状況なのもどうせあいつのせいだし……男は好きだけどジジイは範囲外だってのよ!」ガチャァン

提督「はは……」

提督(司令官もじーさんを良く思っていないようだな……これなら話やすいかも)


提督「……司令官、大事な話があるんです」

ホモ「え?」

提督「できれば二人きりで」ヒソヒソ

ホモ「二人きりで!?」ドキーン

提督「はい、あちらへ」グイッ

ホモ「ちょっと、ああん」ズズズ



一旦止めます


乙コメありがとうございます

ホモの見た目は男塾にいそうな感じで思ってます

投下します


────────────────────


   ─ 食堂前 廊下 ─

   
提督「よし、ここなら誰もいませんね」

ホモ「て、提督ちゃん。急にどうしたのよ」ドキドキ

提督(よし、日本へ帰還する提案をして……きっと司令官なら分かってくれるはずだ)

ホモ(まさか……私への愛の告白!ついに私にも春が!ホモやっててよかったぁ!)ドキドキ


提督「実はですね……」

ホモ「ええ」ドキドキ




 タッタッタッタッタッタッタッタッタッ


艦娘A「司令官!司令官はどこですか!」

ホモ「……んー何よ。いい時に」

艦娘A「司令官!ここにいましたか!」

ホモ「大きな声で確認しなくてもいいわよ。で、どうしたの?」

艦娘A「それが……えっと」アセアセ

ホモ「落ち着きなさい、ゆっくりでいいわ」

艦娘A「はい……」



艦娘A「深海棲艦が……ここから北部にある町を襲ったようで」

艦娘A「多くの被害がでていると現地の住民から報告がありました」


提督 & ホモ「「!?」」


艦娘A「いかがいたしましょう?」

ホモ「……」

ホモ「第1艦隊と第2艦隊は戦闘準備でき次第、現場へ向かうわ。第3と第4は港周辺に敵がいない事を確認次第、追いかけなさい」

艦娘A「了解しました!利根さんにもお伝えします!」

ホモ「ええ、頼んだわよ」

提督「司令官、私の艦隊も向かいます」

ホモ「いえ、貴方の艦娘は残りなさい。まだ体調は万全じゃない筈。もしもの時は出撃してもらうけどね」

提督「……了解です」

ホモ「その代わり提督ちゃんは私の母艦に乗って頂戴。現場での指揮は私だけじゃ無理かもしれないわ」

提督「はっ」ビシッ











    


  ─カムラン海域 北部─

    
    
     母艦 操舵実


ホモ「まったく……せっかく提督ちゃん達と交流会してる時にくるなんて……空気の読めない深海棲艦だわ」

提督「司令官、母艦レーダーより報告のあった周辺に敵反応ありません」

ホモ「そう。利根、そっちはどうなの?」

利根『水上偵察機でかなり遠くまで見ているんじゃが……こちらも敵は見当たらんのじゃ』※無線

ホモ「了解したわ。敵は攻撃するだけして引いたみたいね……なら」

ホモ『各艦へ、被害のあった町の近くに定着して、状況を確認するわよ』

ホモ『被害状況を確認次第、救助活動を行うわ』




────────────────────────

  ─ カムラン北部の町 ─


  ボォォ  ガシャーン ゴォォォォォ 

    ビェェェン  キャァァァ


提督「な、なんてことだ……」

ホモ「…………派手にやってくれたわね」

利根「爆撃と砲撃の嵐をくらったようじゃの……建物が全壊して……所々火事になっておる……」

川内「……人間がいっぱい横たわってるけど……あれって……」

鈴谷「ほとんど死んでる……のかな……半身ないっぽい人もいるし……」

明石「むごいです……」


提督「……この臭いはなんだ」クンクン

熊野「鼻にこびりつく……醜悪な臭いですわ」

川内「すごい臭いだね……」

卯月「くさい……ぴょん」

弥生「…………」

ホモ「火災で色々な物が燃えた臭いよ」

ホモ「……人間とかね」

提督「……っ」


ホモ「今の所死者の数は1000人程と聞いているけど、これからもっと増える可能性があるわ」

ホモ「各艦娘は現地の住民と協力して救助活動を手伝いなさい」

ホモ「瓦礫等が邪魔であれば艤装使用も許可するわ、とにかく多くの命を救うのよ」

艦娘達「「……了解」」


提督「…………」

ホモ「提督ちゃん、私は通訳と一緒にこの町の責任者に会いに行ってくるわ、貴方もくる?」

提督「……いえ……ここで、救助活動を手伝います」

ホモ「……わかったわ。じゃあいってくるわね」

スタスタスタ





提督(…………)ボー

提督(……っと駄目だ駄目だ。こんな所で放心状態になっては)パチン

提督(俺は軍人だぞ……これくらい……この先いくらでも遭遇する可能性はある)

提督(悲しみに暮れる暇があるなら……一人でも助けなきゃ……)キョロキョロ


提督(ん……あそこの瓦礫の隙間から手が見えるな)

提督(もしかしたら生きているかも……)スッ


タッタッタッ


提督「おい!大丈夫か!」


シーン


提督(返事はない…脈は…………駄目か)


提督(…………)

提督(細く小さい手だ……まだ子供だろうな)

提督(……このままでは可哀想だし……瓦礫をどかすか)

提督「よし、落ちてたこの棒で……テコの原理を利用して……」

提督「んぐぐぐぐ……」


ガラララララ


提督「よし……ちょっと動いたぞ」

提督「これで引っ張りだせそうだ」

提督「んしょっと……」


ズサァ


提督「え……」

提督「……こ、この子は……」

卯月「提督……そんな所で何してるピョン……」

提督「う、卯月!来るな!来るんじゃない!」

卯月「何言ってるの……せっかくこのうーぴょんが手伝おうとして……」



ベトナム幼女「…………」



卯月「あ………」

提督「……」


卯月「……また、会ったピョン」

卯月「起きるピョン……こんな所で寝てたらいけないピョン」ユサユサ

ベトナム幼女「…………」

卯月「なんで何も言わないピョン」ユサユサ

ベトナム幼女「…………」

卯月「そんな意地悪したらもう遊んであげないよ」

ベトナム幼女「…………」

卯月「……お願いだから……返事して……」ユサユサ

提督「卯月……もういい。やめるんだ」

卯月「なんで……よ……なんで……」ポロポロ

提督「…………」ダキッ

卯月「ひぐっ……うっ……」ポロポロ


提督(…………)

提督(これが戦争……)

提督(俺は少し勘違いしてた……)

提督(戦争は俺達、軍人と深海棲艦の戦いじゃない)

提督(人類との戦いなんだ)

提督(深海棲艦は容赦なく攻撃してくる。例えこちらに抵抗できる力が無くても徹底的に)



─────ホモ「私達がいれば深海棲艦を引きつけていられるし」

─────ホモ「それに……」

─────ホモ「ここを守れるじゃない」



提督(そうか……あの時、司令官がここから撤退しない理由を言っていた)

提督(カムランに住む人達を守る為……だったんだ)

提督(それなのに俺は自分達だけの事を考えて日本に帰ろうと……)

提督(…………馬鹿だな、俺は)グスッ



──────
─────
────
───
──



以上です


少し多めに書き溜めるかもしれないので、次の投下に時間かかるかもです


お読みいただきありがとうございました


乙ありがとうございます

たっぷり……と思ったのですが少量の投下になります

よろしくどうぞ


前回のあらすじ

個性豊かな南鎮守府の艦娘と触れ合う提督達
異国の幼女と遊んだり、交流会と称して共に食事をする事で仲が深まっていく

一方で、厳しい戦況から「任務を放棄し日本へ撤退」という答えをだす提督

しかしそんな思いとは裏腹に、北部にある小さな町が深海棲艦の攻撃を受ける

幼女は死に、町は町ではなく、ただの瓦礫の山と化す

提督はその惨状を見て、自身の戦争観を見つめなおす事となる



──
───
────
─────
──────


       次の日


  ─母艦 ブリーフィングルーム─



ホモ「町の被害原因は艦載機による爆撃と戦艦級による砲撃」

ホモ「とくに戦艦による被害が主な様ね。あいつらの砲撃は簡単なビルなら一撃で倒壊させる程の威力だもの」

提督「敵艦載機の数が少なかったおかげで……戦艦の射程外は被害も少ないかったという感じでしょうか」

ホモ「ええ……ま、報告書はこんなもんでいいでしょう。どうせこんな物を書いた所で上のやつらは見ないし」


提督「…………」

ホモ「……どうしたのよ?元気ないようだけど」

提督「いえ……あの様な惨状を見るのは初めてでして」

ホモ「ああ、そういう事」

ホモ「あれはまだ町の原型が残ってるからいい方よ」

ホモ「空母型がもっといたら悲惨だったわよ~、爆撃で平地の様にまっさらになるんだから」

提督「……そうですか」

提督「…………」

提督「私達はここで待ち続けてもよいのでしょうか?」


ホモ「……どういう事かしら?」

提督「司令官は昨日、援軍がくるまでこの港を守りながら待つといっていましたが」

提督「はたしてそれは安全策といえるかどうかです」

ホモ「……気づいちゃったのね」

提督「確証は得てませんが」

ホモ「今まではそれで良かったんだけど……ちょっと事情は変わってきたわ」


提督「やはり最近の敵の動き……」

ホモ「ええそうね。察しの通り敵は攻勢をかけ始めてるの」

ホモ「提督ちゃんが通ってきたルートあるでしょ?私達が助けに来た場所」

ホモ「あのルートは陸地に近いし、少し前までは安全だったんだけど……」

ホモ「いつのまにかあの場所まであいつらが巡回するようになってね」

ホモ「そして、昨日の襲撃事件」

ホモ「……確信したわ」

ホモ「恐らくだけど敵はこちらの戦力に気づき始めている」

提督「それで、徐々に敵の動きが活発になっているのですね」

ホモ「ええ……近々あいつらが全艦隊で攻めてくる可能性もでてきたわね」

提督「約80隻の深海棲艦が一気に攻めてきたら……そうなったら今の俺達では太刀打ちできませんね……」


ホモ「……提督ちゃん、ごめんね」

提督「……?」

ホモ「提督ちゃんにはもう少ししたら言おうと思ってたのだけど」

ホモ「こちらに来たばかりで心配をかけるのも悪いと思ってアタシの心の中に留めてたわ、ごめんなさい」

提督「いえ、お気遣いありがとうございます」

提督(ほんとゴツイ見た目とは違って優しい人だよなこの人は……ホモだけど)


ホモ「ったくどうしようかしらねぇ。結局あいつらとこの戦力でやり合うしかないのかもしれないわぁ」ハァ

提督「……なら」

提督「こちらから攻めましょう」

ホモ「え?」

提督「ここで守っていてもやられるだけです」

提督「相手が数の有利に気づき浮き足だっているならこちらから攻めるべきです」

ホモ「それは無理よ。同じ事……いえ迎撃するより悲惨な結果になるわ」

提督「はい、普通にやっては駄目でしょう」

ホモ「……何か策があるの?」

提督「ないです」

ホモ「あらっ……」ズルッ

ホモ「て、提督ちゃん。自身満々に言うからなんかあるのかと思っちゃったじゃない」

提督「これから考えます。きっと何かある筈です」

ホモ「そ、そうねぇ……まぁ考えるだけはタダだし……私も何かできる事がないか模索してみるわ」」

提督「……はい」








    ─第2艦隊母艦  甲板上─


   ザザーン ザザーン   


提督「はぁ……とはいったものの何も考え付かん」ブツブツ

提督「やはり敵の数がネック……艤装や練度だけでカバーするには到底及ばないしな」ブツブツ

提督「どうしたらいいやら……」ブツブツ

日向「しかめ面で独り言、どうしたんだい?」

提督「……日向」

日向「随分疲れた顔をしているな」



北上「昨日は色々大変だって聞いたけど大丈夫ー?」

雪風「しれぇ!元気だしてください!」

伊58「ゴーヤが癒してあげるでち」

加賀「甘い物でも食べれば良くなります」

提督「皆、身体はもう大丈夫なんだな」

大和「ええ、平気よ。昨日一日休ませてもらったおかげで」


提督「そうか、なら現在の状況を説明しないといけないな」

日向「いや、それは大丈夫だ。あらかた利根さんから聞いている。入渠室にいるに時にね」

加賀「敵の戦力はこちらより数という部分で有利、戦況は厳しいと聞きました」

大和「それをどうにかしようと一人で顔を歪めながら考えていた……ってのが今じゃない?」

提督「……お見通しか」


雪風「しれぇ、一人で悩まず雪風達も頼ってください」

伊58「そうでち。3人寄ればもんじゃ焼きっていうでしょ?」

日向「いやいや、もんじゅの知恵、だ」

加賀「もんじゃ焼き!どこですか!」

日向「加賀、少し黙っててくれないか?」

大和「とにかくあまり考えすぎちゃ駄目よ。また疲れがたまって倒られたら困るもの」

提督「……分かったよ。たしかに頭も煮詰まってきたし」

提督「コーヒーでも飲んで休憩してくるとするよ」スッ




スタスタスタ


日向「…………」

日向「提督」

提督「ん?」クルッ

日向「”思いもよらない物が意外な効果を発揮する。案外そういった物は身近にあったりする”」

日向「昔好きだった本の言葉だ。主人公が色々な小道具を使って逆境を乗り越えていく物語」

日向「もしかしたら今、そういう戦い方が求められているのかもしれない」

提督「……ふむ」

日向「……すまない。抽象的すぎた。忘れてくれていい」

提督「いや、ありがとう。参考にするよ」





提督(思いもよらない物……か)

提督(増援や必要以上の物資の支給が見込めない以上、幅広い視野を持ち考える必要があるのかもしれんな)

提督(身近な物……か)

提督(……色々置いてある開発室をのぞいてみるか)





>>664 の後半部分こちらと差し替え。古いの載せてもうた




提督(思いもよらない物……か)

提督(増援や必要以上の物資の支給が見込めない以上、幅広い視野を持ち考える必要があるのかもしれんな)

提督(ふむ……)

提督(……そいや昨日、明石にいつでも訪ねてもらっていいっていわれてたな)

提督(あそこには色々面白い物もおいてありそうだし……覗いてみるか)



─────────────────────────


   ─南鎮守府艦隊母艦 開発室─
   

提督(明石はどこかな……)キョロキョロ

明石「提督さん、お疲れ様です」スッ

提督「おお、お疲れ様。今日も艤装弄りか?」」

明石「ええ、といってもこの前の戦いで使った艤装のメンテナンスですが」

提督「そうか。ご苦労様」


明石「ありがとうございます。提督さんはどうしたのですか?」

提督「ん……ああ。何か面白い物はないかなと思ってな」

明石「面白い物……よく分からないですが、そうですねぇ」

明石「ここらへんの壁にかけてある艤装は実戦で使える様明石が手を入れました。良ければ見ていってください」

提督「了解した」


提督「…………」キョロキョロ

提督「ん……随分大きな……連装砲か?」

明石「はい。それは41cm連装砲です」

明石「敵戦艦が同じ様な艤装を持っているので司令官から作るよう頼まれたのですが」

提督「ですが?」


明石「艤装できる艦娘の方がいなくて……」シュン

明石「何せ、威力と射程は申し分ないのですが反動が強すぎるのと戦艦しか艤装できない代物でして」

明石「結局、こうやってインテリアの様になっています……」

提督「ふむ……」

明石「普通の41cmより更に射程を延ばす為に砲身を延ばしたり火薬の量を増やしたりと私なりの改造を施した自信作なのですが」

明石「しょうがないですよね……使える方がいなくては……」シュン

提督「………」


提督「明石、うちの艦娘ならいけるかもしれん」

明石「え?」

提督「この連装砲が小さく見える様な土台を持ち、35.6cmを涼しげに打ちまくる艦娘が一人いるんだ」

提督「試してみよう」ニコッ








    ─海上─


   ドォォン

   
   
大和「ふぅ……これくらいなら大丈夫よ。もう一つ積んでも問題ないわ」


明石「……」ポカーン

提督(大和なら扱える……思った通りだ)

提督(自身の身体能力の高さと重装備を可能とする基本艤装……それが可能としているんだろう)
※基本艤装……その艦娘特有の艤装。飛行甲板などの事を指す




明石「……す、すごい」

明石「すごいですよ大和さん!!」ガバァ

大和「きゃっ!あ、明石ちゃん?」

明石「この明石……艦娘の方を多く見てきましたが……これ程まで……41cmを軽々と扱える方をみた事がありません」

大和「い、言い過ぎじゃないかしら……」

明石「そんな事はございません!!!!凄いんですよ!」グワァ

大和「ひぃ!」ビクッ


明石「しかもまだ余力があるなんて……これはたっぷり時間をかけて検証及び調整する必要がありますね」ニヤァ

大和「て、提督。なんかよろしくない展開の気がするわ、助けて頂戴!」

提督「……すまん大和。今回の任務で重要な戦力になるんだ……という訳でここは見逃させてもらう」

大和「ひ、酷い!」

明石「さあ……大和さん。身体を少し触らせていただきますので……どうぞこの明石に身をお任せください!」

大和「明石ちゃん……目が危ないけど……大丈夫かしら?」

明石「はい、明石は大丈夫です!」


キャァァァソコハダメェェ
ウゴカナイデクダサイ!



提督(………よ、よし。これでこちらも敵と同等の遠距離砲撃が可能となる……一歩前進だな)

提督(しかし、まだだ。まだ敵を叩く為の要素が足りない)

提督(あの数に対抗できる手段……何も強力な艤装や兵器じゃなくていいんだ)

提督(こちらが敵艦隊に近づくまで、攻撃を引きつける様な何かがあれば……)


少ないですが以上です

お読みいただきありがとうございました

良いクリスマスをお過ごしください


明けましておめでとうございます


繁忙期の為、投下が送れておりますが
SSの書き溜めはできておりますので時間が取れ次第、投下しようと思います


特に明記していなかったのですが、こちらのSSは

・着任編

・過去編

・戦争編

・真相編


の4部に大体分けておりまして、現在は過去編が7割程進んでいる感じです

今年中には終わればと考えておりますがリアル事情もある為、何卒ご理解の程いただければと思います

次回はカムラン攻略編をいっきに投下すると思います


今後ともよろしくお願いいたします



長々と失礼いたしました

気になったけどスーパー北上様は雷巡にしないの?
日向より練度高いよね?




コメントありがとうございます



>>689
北上さんですが改造してるかしてないかという設定は特に考えておりません
ただ一つ言えるのはこのSSだと極めて高い練度であり、今後もかなり強い雰囲気で書くかもです
日向を改造描写したのは、航空戦艦という特殊な艦種である事、ゲーム内でもかなり低レベルで
改造できるという2点から考えました



というわけでお久しぶりです
かなり期間空いてしまい応援してくださってる方にはご心配をおかけしました
申し訳ございません


ってわけで投下します!


今まで一番多い投下量かも?です


よろしくどうぞ







   前回のあらすじ


ホモ提督に改めて任務遂行の意思を伝える提督

数という戦力差をどうにかする為悩んでいると日向から

”思いもよらない物が意外な効果を発揮する。案外そういった物は身近にあったりする”という助言を貰う

様々な物を取りそろえる明石専用ともいえる南鎮守府の開発室。そこへ訪ねた提督は戦艦の主砲の一つ、41cm連装砲を見つける

敵戦艦の遠距離砲撃に対抗しうる武器になると考えた提督は明石に使用できないかどうか尋ねる

明石によると強い反動に耐える事ができる大きな艤装を持った戦艦でないと扱いは難しい、南鎮守府艦隊に扱える者はいないと答える

提督は同艦種である大和ならばどうかと試した所、難なく運用できる事が分かる

カムラン攻略に向けて一つ強みができたと喜ぶ提督だが、肝心の敵の数をどうにかする糸口が見つからない



そして考え疲れたのか知恵熱を感じた提督が頭を冷やす為に港へ訪れると……


──────────────────────────────



    ─港─


川内「そろそろ行こうよ」

卯月「了解っぴょん!早くいくぴょん!」サッ

弥生「卯月、あんまり暴れると花が駄目になる」


提督「何やってるんだ、お前ら」スッ


川内「お、提督さん。こんにちは」

卯月「あーーいい所にいたピョン!」

弥生「こんにちは」

提督「うむ、こんにちは」



卯月「今から北部の町へ手伝いにいくピョン。提督もいっしょにきてよぉ」

提督「ほう。まだ瓦礫は残っているもんな……お前らの力があればきっと町の人も喜ぶだろう」

提督「だが司令官には許可をとっているのか?」

川内「うん。私達3人は貰ってるよ」

弥生「そこは抜かりない」



提督「ならいい。所で気になったんだがなぜ戦闘服じゃなくて軍服なんだ?その花たばもどうしたんだ?」

卯月「……死んじゃった子達に贈る花ピョン」

川内「あのヒラヒラした戦闘服だとちょっと明るすぎるし、軍服なら少しはまともかなって」

提督「……なるほど」

弥生「昨日今日の話だからちゃんとしたお墓はできていないみたいだけど」

弥生「それでも精一杯弔いたいと思って……」


提督「ふむ、それなら俺も行こうかな。司令官には今から言っておくよ」

川内「さすが提督さん」グッ

卯月「うーぴょんが見込んだ男」

提督「ああ、見込まれてるからにはいかないとな」ニコッ

弥生「…………」ジー

提督「ん、どうした弥生。俺の顔になんかついてるか?」

弥生「卯月が気に入った理由、分かった気がする」ボソッ

提督「ん?」

弥生「……何でもない。さっさといこう」


スタスタスタ


提督「お、俺、弥生になんかしたか?怒っている様に見えるのだが」

卯月「大丈夫!弥生のあの顔は照れ隠しピョン。提督も罪な男ピョン」

提督「そうか。よく分からんが怒ってないならいい」












    ─カムラン 北部の町─ 


提督「これがあの子のお墓か?」

川内「うん。通訳の人に聞いたらここだってさ。親御さんと一緒に埋葬されてるみたい」

提督「親御さんも亡くなったのか?」

川内「……うん」

提督「……そうか」

卯月「…………」ジー

卯月「仇は取るよ」

提督「ん?」

卯月「絶対許さないもん、あいつら」

卯月「絶対に」グッ

提督「卯月……」


弥生「………お花、添える」スッ

提督「あ、ああ」スッ

川内「…………」スッ

卯月「…………」スッ



提督達「「…………」」



提督(もし天国があるなら……せめてそこで幸せになってくれ)





卯月「……っよし!黙祷終わりぴょん!いつのもの元気なうーぴょんに戻るピョーーーン!」サッ

提督「っておい、急に抱きつくなっていっただろ!ていうか切り替え早いな!」ダキッ

卯月「いつまでもメソメソはよくないもん。悲しいけど、うーぴょん達は軍人ぴょん」

卯月「ずっと下を向くより前を向いて、そんで主砲をぶっ放して深海棲艦を一隻でも多く倒す!それがうーぴょん達、艦娘だぴょん!」

川内「うんうん。卯月のいう通りだね。私もバンバン夜戦であいつらを倒さなきゃ!」

弥生「深海棲艦なんかに負けないよ、弥生達は」

提督(こ、こいつら……)ジーン




提督「むぅ」グスッ

弥生「わー、なんで涙ぐんでるぴょん!提督の泣き虫ー!」

提督「う、うるさい……ったく……お前らが変な事いうから……ちくしょう」ゴシゴシ

川内「ぷっ、あははは。何それ!」ケラケラ

弥生「……」クスッ

卯月「やーい!いい大人が泣くなんて恥ずかしいぴょん!」キャッキャッ

提督「くそ!来なきゃよかったよ!」グシグシ

川内「あははっ……はぁ、笑い過ぎてお腹いたい。私も提督さん気に入ったわー」クスクス

卯月「でしょ?うーぴょんは人を見る目があるピョン」


提督「はぁ……なんか一気に疲れた。さぁ瓦礫除去の手伝いにさっさといくぞ!」スッ

卯月「あ、待ってピョン」スッ

提督「どうした?」

卯月「これに……ふーーーーーー」


プクーーーー


提督「もしかしてあの時……この子にもらった風船か?」
>>611参照

卯月「うん、一緒にお供えするの。できたピョン」

卯月「これを紐で結んでここに……」

卯月「あれ、おかしいピョン」

提督「どうした?」


卯月「浮かないピョン。風船は浮くはずピョン」

提督「そりゃそうだ。普通の空気を入れてるんだから」

卯月「どういう事ピョン?」

提督「空気中に浮く風船ていうのは水素やヘリウムを入れる必要があるからな」

卯月「うー、よく分からないけど口で空気いれたら駄目?」

提督「駄目だな。機械かなんかでいれないと」

卯月「残念ぴょん」シュン


川内「ふっふっふっ……残念がるのは早いよ卯月、これを見て」バッ

卯月「そのスプレー缶はなにピョン?」

川内「ヘリウムガス缶だよ。これを使って細い管でガスをいれればきっと平気だよ!」

卯月「おおお!さすが川内ぴょん!」

提督「なんでそんなもの持ってるんだ?」ジトー

川内「任務で使ったりするからねーこういう小道具は持ち歩いてるんだ」

提督「なんだ任務って……忍者かお前は」

卯月「さっそくいれるピョン」シューーーー


プクーーーーー


卯月「おおお!浮いてるピョン!」

提督「あんまり入れすぎるなよ。割れたら元もこもない」

卯月「大丈夫ピョン……あっ」

フワッ

提督「お、お前!離したら駄目じゃないか!」

卯月「あうっ……やってしまったピョン……あそこまで飛んだら取れないピョン……」シュン

提督「ドジだな」

卯月「ピョン……」シュン



提督「あ、そうだ。風船がたしか……ほらこれ」ガサゴソ

卯月「!」

提督「卯月が分けてくれたやつだ。使うといい!」

卯月「やったピョン!提督はやっぱりできる男!」ササッ

提督「もう離すなよ」

卯月「大ジョブぴょん……っとよし。これをお墓に結び付けて……完成ぴょん」

弥生「いい感じ」

川内「ゆらゆら揺れてなんか可愛いじゃん」

卯月「満足ピョン!」

提督「よかった……ん?」チラッ

提督「卯月の離した風船、もうあんな所までいってるな」

卯月「すごい高くまでいくピョン。宇宙までいくの?」

提督「その前に割れるよ。気圧とか温度の関係でな」

川内「ふーん。風があるから結構の早さで動くね」

提督「海沿いだからなぁ……」





───”思いもよらない物が意外な効果を発揮する。案外そういった物は身近にあったりする”──




提督「…………!」

提督「これ……いや……いけるか?……」

川内「提督さん、急に険しい表情でどうしたの?」

提督「そうか、材質的にも……うん」ブツブツ

卯月「ブツブツ言い始めてなんか提督の様子が変ピョン」

提督「しかし問題が……だけど、俺が覚悟を決めて……」

弥生「……何も聞こえてないみたい」

提督「よし!!!」ダンッ

川内「わっ!きゅ、急に大きな声ださないでよ」

提督「お前らすまん!俺は用事を思い出した!先に戻るよ!」スッ

タッタッタッタッタッタッ



川内「急にどうしたんだろ?」

卯月「またあとで遊ぼうピョーーン!」フリフリ

弥生「卯月はなんで誇らしげに見送ってるの?」

卯月「きっとあの様子、提督はすごい事してくれるピョン」

川内「ええ……なにそれ?」

卯月「うーぴょんが見込んだ男は、ただの優しい男じゃないって事ぴょん」


───────────────────────────




   ─南鎮守府母艦 開発室─
   

明石「ふんふふーん♪大和さんにはもっとお礼をいっておけば良かったですね。まさか41cm連装砲をあんなに軽々と扱える方に出会えるなんて……」

明石「久しぶりにやりがいがありました!」グッ

明石「なんかこう気分が上がっちゃいますねぇ……今日は踊りながら作業しちゃおうかしら、らんららーん♪」クルクル


ガチャァン


提督「明石!!!!」

明石「キャッ!て、提督さん!急に入ってこないでください!」///


提督「すまない!それよりある物を早急に作りたいんだ!協力してくれ!」

明石「はぁ……?一体なんですか」

提督「これだ!」

明石「えっと……これは」

明石「風船です?」

提督「飛ばす!」

明石「と、飛ばす?」

提督「囮!」

明石「お、囮?」

提督「爆発!」

明石「ば、爆発?」

提督「さぁ、取り掛かるぞ!」

明石「て、提督さん!!一旦落ち着いてしっかり話してください!」











明石「─────なるほどですね。風船を囮にするという作戦の為に必要、と」

提督「ああ、すまんな。気持ちが先走ってて意味わからない事をいってしまって」

明石「いえ……それより、そんな作戦上手くいくのでしょうか?」

提督「難しいと思うか?」

明石「そうですねぇ。風船をどうやって深海棲艦の所まで飛ばすという物理的な話より」

明石「そもそも深海棲艦が風船に対して反応するかどうかですね」

提督「ふむ」

明石「風船がただの浮くだけの代物だとしっていたら意味がないですよね」


提督「たしかに……だが、恐らく平気と思っている」

明石「根拠はあるのですか?」

提督「機雷だ」

明石「機雷?もしかして提督さん達を救った時の事ですか?」

提督「ああ」

明石「うーん……あれは霧が濃くてよく見えなかったおかげで成功しただけだと思いますが」

提督「そうだな。あそこまで敵を誘導できたのはそのおかげだ」

提督「しかし、どうだ。あいつらが機雷に囲まれている事に気付いた時の反応」

提督「まるで何か分からない物を見たような反応で機雷にむしろ近づくような行動だった」

明石「たしかにそんな感じはしましたが……機雷を知らなかっただけでは?」


提督「それだ。そういう事なんだよ」

提督「あいつらはこちらの文明にあるものを多く理解していないと俺は思っている」

提督「機雷しかり……恐らく風船を見てもなんなのかわからんだろう」

提督「それを利用して威力のない見せかけの爆発をする様にしたり」

提督「目を引く為わざと色合いを強くしたり色々細工をしようとは思う」

明石「そういうことですか」ウーン

提督「とはいえ、これはあくまで仮説……信用するかしないかは任せるよ」


明石「ホモ提督にはお話になりましたか?」

提督「まだだ」

明石「……分かりました」

明石「技術的には恐らく問題ない成果物ができると思っていただいて結構です」

明石「ただそれをどうするか……ホモ提督にどう説明されるかはお任せします」

提督「そうか。ありがとう明石、ではちょっと司令官の所へいってくる」

提督「許可をもらったらすぐ手伝いにいくよ。恐らく妖精の技術がないとできない事もあるだろう」

明石「はい、お待ちしております」














提督「────以上が、本作戦の内容です」

ホモ「……貴方、正気?」

提督「正気です」

ホモ「…………」ハァ

ホモ「死ぬかもしれないのよ?」

提督「覚悟はできております」

ホモ「そう」

ホモ「分かったわぁ。これでいきましょう」



提督「了解しました。こちらの艦娘達には私の方から上手く伝えておきます」

ホモ「そうね、それがいいわ。この作戦は人を選んで伝える事にしましょう」

提督「はい……早速、詳細の資料を作成するのでしばらく席を外します。でき次第ご報告いたします」

ホモ「ええ」

提督「失礼します」スッ

ホモ「……待ちなさい」

提督「?」ピタ

ホモ「なぜそこまでするのよ」


ホモ「提督ちゃんは気づいてると思うけど……今回の作戦、無理に遂行する必要はないわ」

ホモ「爺の命令だから仕方ないとはいえ、ここを放棄した所で大きな実害はないっていった筈よ」

ホモ「なんで撤退をしようと考えないのよ」

提督「……お言葉ですが」

提督「それは司令官、貴方だって同じです」

ホモ「え?」

提督「ここを放棄せず今まで守り続けているじゃないですか」

ホモ「そ、それは……」


提督「私は……最初撤退しようと考えていました」

提督「だけど、司令官がここを守れるといった言葉」

提督「ここに住む人々を救う為の物だと気づいたのです」

提督「恥ずかしい話ですが、それを言われるまで自分達軍人と深海棲艦だけの戦いだと思っていました」

提督「けれど、私達がここを離れる事で多くの人間が死ぬ事になる」

提督「こんな大事な事にも気づかず……」

提督「人間として情けないです」

ホモ「提督ちゃん……」

提督「私は……いえ、俺は軍人になった理由が好きな女性の為でした」

提督「こんなはしたない理由で軍人になった……ですが、それでも一人の人間として一人でも多く守る為に戦う所存です」

ホモ「……全然はしたない理由じゃないじゃない。とっても素敵だと思うわ」


ホモ「あたしが軍人になった理由なんて、好みのたくましい男共がいるからなのよぉ」

ホモ「笑っちゃうでしょ?でもあたしにはそれぐらいしか魅力がなかったのよ、軍人なんてね」

ホモ「軍に入りたての頃は嫌な事ばっかりだったわ」

ホモ「あんな化け物と対峙しなきゃいけないし、艦娘とかいう女子共に囲まれる生活」

ホモ「最初はすぐやめようと思ったのよぉん?」

ホモ「でもね」

ホモ「ある時、任務で深海棲艦から襲われてた町を救った事があるのよ」

ホモ「そしたらすごい感謝されたわ」

ホモ「貴方こそヒーローだ、ありがとう!とかもうホントおだてられちゃってね」

ホモ「良い男共も泣きながら握手しにくるのよ。最高だったわ」

ホモ「今まで疎まれる事はあっても、こんなに求められる事なんて無かったもの」



───「同性を好きになるなんて気持ち悪いなぁ」───

───「友人だと思っていたのに……もう近づかないでくれ」───

───「同性愛者?ああ、すまんが普通の人を雇いたいんだ。今回の内定は無かった事に」───



ホモ「ホモセクシャルってだけで冷たい待遇だった今までの人生が華やかになった気がしたわ」

ホモ「救ってたつもりが逆に救われたわよ。自分にもいて良い居場所があるんだってね」

ホモ「だから私はここを放棄するつもりはないわ。もしそんな事したら……私は居場所がなくなっちゃうもの」

提督「……」

ホモ「提督ちゃん。今回は貴方に棄権な役目を背負ってもらうかもしれないけど」

ホモ「やるからにはアタシも覚悟ができてるわぁん」

ホモ「一緒に深海棲艦のアナルに主砲をぶちこんでやろうじゃない!」

提督「……分かりました。共にがんばりましょう!」スッ

ホモ「ウフフ、さぁ私も今回の作戦の為に色々準備しないとね」ガシッ



シカシ、シレイカン。イチイチシモネタヲツカウノヤメテクレマセンカ?
イイジャナイ。ヘルモンジャナイシ



──────
─────
────
───
──





──そうして二人の司令官はとある作戦を決行する為に、数日間ではあるが合同訓練を開始する





ホモ「なにやってるのよ卯月!あんた発情期のウサギじゃないんだから落ち着いて行動しなさい!」

卯月「う、うるさいピョン!ちょっと足を滑らせただけ!」




提督「加賀、今回は航空戦で必ず有利にたたねばならない。厳しくいくが我慢してくれ」ジッ

加賀「……承知しました」




利根「ホモ提督のやつ、随分気合はいっとるのぉ」

伊58「でち……ウチのてーとくさんもいつもより怖い感じがするもん」




ホモ(何時あいつらが襲ってくるか分からないわ……とにかく少ない日数で練度を高めないとだめねぇ……)

提督(弾薬や燃料も限りがあるんだ。時間はかけれないぞ……)






── 時間も資材も余裕が無い事を気にかけながら、全力で訓練に取り組む二人の指揮官

   ホモ提督はベテランとして培ってきた経験を
  
   提督は経験不足ながらも士官学校を首席として卒業した実力と自身のカリスマ性を
  
   それぞれ違う要素を持った指揮官が艦娘を効率よく訓練していく




利根「中々くたびれるのぉ……」グッタリ

大和「そうですね……今敵にこられたらやられちゃいますね」グッタリ

利根「じゃの……そういえば大和よ。お主、今回も旗艦かの?」

大和「はい。利根さんもですか?」

利根「うむ、ホモ提督が言うには旗艦は感情的にならず理論的に物事を考える事ができる奴が向いていると言っておってのう」

利根「それが吾輩じゃからと旗艦を外された事ないんじゃよ」

大和「そうですか。たしかにそんな感じしますよね」

利根「今回聞いている作戦、かなり無茶をすると聞いておる」

利根「だからこそどんな事がおきても平常心でいなければいけないのじゃ」

大和「平常心……ですか」

利根「そうじゃ。慌てていたりすればそれだけで正常な判断はできなくなる」

利根「人間なんて感情でいきる生き物じゃ。それを制御する事は大変な事じゃが」

利根「命を削り合うこの戦争では最も重要な事じゃて」

大和「……」

大和(平常心……か)

大和(私は結構感情を表にだすタイプだし、難しいかしら?)






────────────────────────


日向「今だ!」


ドォン

ドカァン


川内「わーーあの距離を一発で当てた!」

日向「弾着修正射撃という技術だ。艦載機を利用して敵の位置を空間的に把握する事で弾着座標を管理する事ができる」

川内「何言ってるかさっぱりわかんないけど、すごいんだねー」

日向「まぁ私の場合、静止状態を維持しないと使えないというデメリットもあるがな」

川内「それでもすごいよ!私はこれくらいしかできないし」サッ


サササササササッ


日向(なんだあれは?!……かなり早い動きにも関わらず海上での水着音がまったくしない)

日向(海上をまるで滑るようにして走っている……どうやったらあんな動きが……)

川内「これに私専用のレーダー遮断マフラーがあれば相手に気づかれずに敵に近づけたりするんだよねぇ」

日向「……」ジー

川内「どうしたの?」

日向「いや、世の中広い……と思ってね」

日向(中央の艦娘達を見ても驚いたが……こんな所にもすごい技術を持った者がいるとは)

日向(……私も負けてられないな)







──二人の指揮官の熱に感化されたか艦娘達にも気合がはいる

  互いに技術を見せ合う事で競争心と一体感を生み出し

  少ない期間で質の高い訓練に成功。みるみると練度があがっていく

  そして──





ホモ「そろそろ……ね」

提督「……はい」

提督「今週は天候や風向きも作戦に最適と明石より報告がきています」

ホモ「わかったわ。じゃあ今日のヒトフタマルマル」

ホモ「甲板に集合するよう声をかけて頂戴」

提督「了解です」









  ─母艦 甲板上─

  
  
ホモ「みんな集まったかしらぁ?」


利根「全員揃っておる」

ホモ「ならいいわ。じゃあ……」コホン

ホモ「あんた達をここに集めた理由、各々感づいてると思うけど」

ホモ「いよいよ作戦決行する日が来たの」


艦娘達「「……!」」ザワッ




ホモ「短い期間ではあったけどこの為に必死に訓練したわ」

ホモ「正直まだまだ足りないくらいだけど……」

ホモ「時間をあまりかけていられない」

ホモ「という訳で明日の朝、深海棲艦共を叩きに行くわよ!」

利根「ついにやるのじゃな」

ホモ「ええ」

卯月「うーちゃん達が本気を出す時がきたぴょん!」

弥生「……頑張る」

鈴谷「うわー明日か。カレーでも食べて調子を整えてこ!」

熊野「今日は早めに寝るとしますわ」

川内「夜戦じゃないのが悔やまれるねー」

雪風「雪風!必ずお役に立ってみせます!」

伊58「潜水艦の凄さを見せてやるでち!」

北上「ちゃっちゃと終わらせて日本帰ろー」

日向「念入りに瑞雲の整備をしておくか」

加賀「今日はいつもより多めに食べ貯めしておきましょう」



ホモ「という訳で連絡は以上。さぁ、今日は明日の為に各自備えなさい」

艦娘達「「了解です!」」


ヘヤニモドルノジャ
デチ
デスワー
ヤセン!

ワイワイ ガヤガヤ





大和(ふぅ……いよいよね)

大和(明日の作戦書、もう一度見直しておこうかしら)

提督「大和」

大和「はい?提督じゃない、どうしたの?」

提督「今日の夜、ちょっと話があるんだ」

提督「前、ここで話た時と同じくらいの時間に来て欲しい」

大和「今話せばいいじゃない」

提督「駄目だ!今日の夜!一人できてくれ、頼むぞ!」スッ

大和「あ、ちょっと!……っていっちゃったわね」

大和「もう……」











   ─その夜─


大和「話って何?」

提督「…………」

大和「提督?」

提督「小さい頃の事、覚えてるか?」

大和「え、う、うん。急にどうしたのよ」


提督「俺がお前ん家の近くに引っ越してきて知り合って……大和はあの時から変わらないよな」

大和「そうかしら?まぁでも提督は変わったわよね。昔はもっと口調が柔らかかったし、素直で良い子だったわ」

提督「まるで今は素直じゃないみたいだな」

大和「あら、そういう意味だけど」クスクス

提督「ったく……そんでさ、艦娘の適性受かった事で喧嘩したよな」

大和「そうね。提督ったらすごい嫌な言い方するんだもの。あの時は怒りっていうか悲しくてしょうがなかったわ」

提督「はは……お互い子供だったという事で許してくれ」



大和「別に気にしてないわよ。提督の言う事は今身に染みてるしそれに……」

提督「それに?」

大和「提督だって今同じ場所にいるじゃない、私と」ニコッ

提督「………ああ」

大和「それで結局なんでここに呼んだのよ?何か用があったんでんしょ?」

提督「うん。そうなんだ」

提督「ええと」

提督「どうしてもお前に伝えたい事があってな」

大和「もう、もったいぶらずに言いなさい」



提督「お、俺は!」

提督「お前の事が好きだ!子供の頃から……ずっと好きだった!」

提督「も、勿論、女性としてだ」



大和「……」

大和「……へ?」


提督「返答はいらない。只、この気持ちをお前に伝えたかった」

提督「いきなりこんな事いわれて訳わからんと思うが」

提督「今まで通り一緒にいてくれれば俺はそれでいい」

提督「それだけだ」

大和「…………」ポカーン

提督「俺は先に部屋に戻る。明日の戦い、頑張ろうな」

大和「え……ええ」

提督「おやすみ」


提督(これでもう、悔いは無い)


スタスタスタ ガチャン


大和「……」

大和「私……今」

大和「告白された?」



──────
─────
────
───
──



──
───
────
─────



   ─次の日─


ホモ「提督ちゃん、そっちはどう?」

提督「こちら第2艦隊も問題ありません」

ホモ「了解よ」

ホモ「それではこれよりカムラン海域に遊弋する深海棲艦の殲滅及び海域奪還に向けて出発するわ!」

ホモ「各艦娘は指定の配置につきなさい!」

艦娘達「「了解!」」



ホモ(とりあえず艦娘達は問題なさそうねぇ)

ホモ(あとは)チラッ

提督「司令官、私は予定通り後ろから母艦で付いていきます」

ホモ「え、ええ。そうね」

ホモ「……今からでも止めれるわよ、提督ちゃん」

提督「大丈夫です」

提督「では準備しますので失礼します」


スタスタスタ


ホモ(酷なものを背負わせちゃったわね)ハァ






───────────────────────────────


      ─海上─
      


利根「うむ。周辺異常なしじゃな。大和、そっちはどうじゃ?」

大和(結局……提督は朝会った時もいつも通りだったし)

大和(なんだったのかしら……ほんとに)

利根「大和!聞こえておるのか!」

大和「はいっ!あ、えと……」ビクッ

利根「何をぼーっとしてるのじゃ。戦(いくさ)前だというのに」

利根「お主は旗艦なのじゃからしっかりしてくれないと困るぞ」

大和「はい……すみません」

利根「とにかくじゃ。あと少しで敵の群れと遭遇する筈」

利根「昨日も言ったがの。何があっても平常心じゃぞ、平常心」

大和「平常心……そうですね。旗艦の私がしっかりしないと駄目ですよね」

利根「うむ、その意気じゃ」

大和(そうよ大和……今はそんな事を考えてる場合じゃない)グッ










   ─数時間後─


利根「大分進んだのぉ」

大和「そうですね」

加賀「……」

加賀「……っ」ピクッ

日向「加賀」

加賀「はい……ここから先に敵艦隊を発見しました」

加賀「数は予測通り約80隻。こちらにはまだ気づいてないようです」

大和「了解よ。作戦通り私達第2艦隊は敵右方から回り込むわ」

利根「了解じゃ。ではこちらもは反対側へ回り込む準備をするのじゃ」


──────────────────────────


    ─深海棲艦の群れ─


空母ヲ級1「…………」

空母ヲ級1「……ヲ?」

戦艦ル級FlagShip「ドウシタ?」

空母ヲ級「アチラカラオカシナ物体ガ……フワフワト浮イテル」

戦艦ル級FS「ン……タシカニミエルナ。ナンダアレハ……?」」

空母ヲ級1「カラフルデ……ヲヲッ?!」

戦艦ル級FS「ム?」

空母ヲ級「バ、爆発シタ!アノフワフワシタ奴!敵ノ新型兵器カモシレナイ!」

戦艦ル級FS「爆発ダト?ナラバ……遠距離射撃班、砲撃ジュンビ」


深海棲艦 戦艦達「「…………」」ズズズズズ


戦艦ル級FS「フンッ……アチラカラワザワザ来ルトハイイ度胸ダ」


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    ─中央第2艦隊─


加賀「っ!あれは一体……」

日向「どうしたんだ加賀」

加賀「深海棲艦の群れから更に奥の方からですが」

加賀「風船の様な物が深海棲艦に向かって流れ浮いています」

大和「風船?!」

加賀「数は200、いえ……300程はあるかと」

加賀「深海棲艦達が風船に向けて攻撃を開始しました。見てる限り少々爆発する程度で敵へダメージとなる様には見えません」

日向「ふむ……囮か?」

大和「あちらの司令官が何か用意したのかしら?」

日向「かもしれないな。敵を陽動する為に何らかのアクションをすると言っていたし」


加賀「……もう一つ情報なのですが」

加賀「私達の母艦から風船が出ている様に思われます」


艦娘達「「ええ?!」」


雪風「しれぇの母艦はもしもの時の為、後方に配置してるはずです!」

日向「いや、今瑞雲で確認したがいつのまにか提督の母艦が消えてるぞ!」

北上「ははーん、そういう事ねー」

伊58「どういう事でちか?」

北上「最近提督の様子がどうもおかしいと思ったんだよね。一人で何かしてる事が多いし」

北上「明石と一緒に開発室こもってたしさ」

大和「もしかして……」

北上「多分提督があの風船を母艦から飛ばしてるんでしょ?」

伊58「そ、そんな訳ないでち!危険すぎるよ!」

北上「大方、危険な任務だから心配させない為に私達に言わなかったんだね。まったく困った提督だぁ」ハァ

日向「まさか、そんな事!」

加賀「する筈が……」

大和「……あるわね」

雪風「しれぇ」ウルウル



北上「バカだねー、いくら母艦が固いからってあの数相手じゃどうにもなんないでしょ」

日向「……っ」スッ

北上「ちょっとちょっと。どこいくのー日向っち」ガシッ

日向「決まってるじゃないか。助けに行く」

北上「駄目だよ。作戦に背く事になるし、それに一人で行ったってやられるだけ」

日向「ならどうするというんだ!このままでは提督が!」


大和(提督……もしかして自分が危険な目にあうからって……それで私に……あんな事……)

大和(…………)

日向「離せ北上!早くいかないと!」

大和「日向!」

日向「……っ」キーン

日向「み、耳元で急に叫ぶんじゃない」

大和「落ちついて日向。作戦通りに動きましょう」

日向「や、大和!提督が危険なんだぞ!いいのか!」

大和「危険なのは私達が助けにいっても変わらないわ」

大和「下手に動いてこちらがやられたら全滅するかもしれない」

大和「風船を囮にしている今、深海棲艦に近づきつつ攻撃。少しでも多くの深海棲艦を倒して戦況を有利にするのが先よ」

日向「うっ……」

大和「日向」ジッ


日向「……分かった。すまない……取り乱してしまった」シュン

大和「分かってくれて良かったわ」



大和(旗艦はどんな時でも正常心)

大和(利根さんはこれが分かってたから言ってくれてたのね)

大和(……ありがとう、利根さん)

大和(それと……提督)

大和(私達が行くまで無事でいて頂戴)グッ



大和「皆、準備はいい?」

雪風「はい!敵を倒して早くしれぇを助けに行きましょう!」

伊58「バッチこいでち!」

北上「はいはーいこっちもいーよー」

加賀「全艦載機、発艦準備完了です」

日向「いつでも行ける」グッ

大和「了解よ!第2艦隊全速前進!敵の気が散っている間に一気に詰めるわ!」

艦娘達「「了解!」」






──────────────────────────


     ─南鎮守府艦隊─


利根「よし!作戦通りじゃな」

卯月「あ、あの風船は何ぴょん?なんであんなにあるの?」

利根「囮用の風船じゃ。提督が母艦から排出しておる」

弥生「聞いてない。そんな作戦」

利根「そりゃそうじゃ。一部の奴にしか言ってないからのぉ」

卯月「て、提督が危ないピョン!」オロオロ

利根「そうやって心配するから言わなかったのじゃ」

弥生「酷い。あれじゃ敵の的になる可能性がある」ムスッ

利根「……分かっておる。あんな役目を奴に任せてしまったのは苦渋の決断」

利根「今回の戦い、お主達が思っている以上に状況は悪かった。だから仕方ないのじゃ」


卯月「け、けど……」

弥生「……」ムスッ

川内「……」ジー

川内「弥生、卯月」スッ ダキッ

川内「提督はあたし達が見込んだ男でしょ?簡単に死ぬわけない」

川内「だから信じて戦おうよ。深海棲艦を一隻でも多く倒して、提督に自慢してやんないと!」

卯月「そ、そうだったピョン。提督が簡単にやられる訳ないピョン」

弥生「……いつもどおりやるだけです」

川内「うんうん。その意気その意気」

利根(すまんのぉ川内)ボソッ

川内(はいはい)

利根「ホモ提督よ。吾輩らも本格的に動くぞ」

ホモ『ええ頼んだわよぉん』





ホモ「ほんっと……あたしもバカよね」



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    ─>>720の回想─

    
    
提督「風船を素材にしたデコイの様な物を用意して相手の気を逸らします」


提督「その間にこちらの得意な射程内へと入り込み、敵を一気に殲滅」

提督「あちらの数は多いですが、恐らく練度からすればこちらの方が上」

提督「上手く撹乱した状態であればきっと優位に戦えるはず」

提督「簡単にいうとそういった作戦です」

ホモ「風船を……ねぇ」

ホモ「たしかに資材の限られてる今、安価で大量に生産できる」

ホモ「敵の空母が少ないのもあって有効性も増すでしょうね……」

ホモ「肝心の風船の性能がどうなのかしら」

ホモ「風船自身が方向を変えたり、高度を変える様な事をさせるのはできないでしょ?」

ホモ「ましてや大量の風船をどうやって相手の所まで運ぶのよ。母艦で運んでも上手く流すのは至難の業よ」




提督「それに関してですが、方向に関しては風の向きを把握すればある程度操作は可能です」

提督「高度に関してもこちらの技術である一定以上の高度には上がらない様に対応できます」

提督「更に攻撃されると威力はありませんが爆発して目を引かせる様に細工する予定です」

提督「そして、どこから風船を出すか……ですが」



提督「私の母艦からです」

ホモ「え?」

提督「具体的な作戦ですが、まず事前に風船を載せた母艦で敵の背後に回り込みます」

提督「そして大量の風船を特定の位置から出します」

提督「敵が風船へと目を向けている間に二つの艦隊が更に横から挟み打ち、敵はほぼ囲まれるような形になりこちらの有利な状況を作り上げる事ができる」

提督「以上が本作戦の内容です」





    ───回想終了────





────────────────────────────




ホモ(こんな無茶な作戦、なんで通しちゃったのかしら)

ホモ(今更ながら少し後悔ね。……でも不思議なのは)

ホモ(提督ちゃんなら成功させてくれる、よく分からないけど彼から確信めいた強さを感じたわ)

ホモ(これは私の一種の賭けだったのかもしれない)

ホモ(……彼ならやってくれると)


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     ─提督 母艦─
     


提督「妖精さん、次も出すよ!」


妖精A「あい」ササササ

妖精B「あいいー」ササササ

妖精C「どっこいしょー」サササ

提督「……んしょ!それっ!どんどん深海棲艦の方向にいくんだぞ!」バッ


フワ フワ フワ

フワ フワ フワ





提督(よし、あと少しで全部か)

提督(はぁ……我ながらなんて作戦考えたんだか……」

提督(敵の真っただ中に裸で突っ込む様なものだよなこんなの)

提督(まぁでもこの作戦が成功して敵を殲滅さえできれば)

提督(俺はそれで……)


ブゥゥゥゥッゥン ブゥゥゥゥッゥン ブゥゥゥゥッゥン ブゥゥゥゥッゥン


提督(っと敵のおでましか)


提督「妖精さん、シールドの展開を頼む」




──────────────────────────────



    ─深海棲艦側─
    


空母ヲ級1「謎ノ物体ヲ出シテイタ艦ヲ発見」

戦艦ル級FS「ヨシ……直チニ全艦載機デ攻撃ダ」

空母ヲ級1「了解、全機発艦及ビ謎ノ物体トソレヲ排出シテイルト思ワレル艦ヘ攻撃スル」

戦艦ル級FS「他ノ敵モ恐ラク近クニ来テルハズダ。油断スルナヨ」




─────────────────────────


   ─第2艦隊─


日向「ふぅ、あと少しで敵戦艦の射程範囲に入るな。皆気を付けてくれ」

雪風「大和さん?立ち止まってどうしたんですか?」

大和「遠い……でも」

大和「今こそこれを試す時が来たわね」ジャキ

北上「41cm……大和っち、実はさっきから気になってたんだけど使えるのそれ?」

大和「ええ、明石ちゃんに散々いじられ仕込まれ大変だったけど」

大和「あの敵の塊に撃ちこむくらいだったら」

大和「造作もないわ」スッ


ドォン  ドォン  ドォン








────────────────────────────


   ─深海棲艦 側─


空母ヲ級2「敵艦隊、前方ヨリ確認シマシタ」

戦艦ル級FS「ヤハリ……ハサマレタ様ダナ。シカシコノ距離ナラコチラノ戦艦ノ遠距離砲撃デ牽制ガ可能」

戦艦ル級FS「偵察部隊ニヨレバヤツラノ艦隊ニハアノ距離カラノ攻撃手段ハナイ筈」

戦艦ル級FS「陣形ガ整イ次第、駆逐及び軽巡艦隊ヲ前ニダシテ殺シツクセ」

空母ヲ級2「ワカリマ……ア!危ナイ!」


戦艦ル級1「グァ……」ドカァァァン



空母ヲ級2「テ、敵戦艦級カラノ砲撃ヲ確認。味方ガヤラレマシタ」

戦艦ル級FS「バカナ!戦艦ヲ一撃デ……ヤツラモアノ距離カラ撃テル主砲ヲ有シテイルトイウノカ?!」

空母ヲ級2「ソレドコロカ敵ノ攻撃ノ方ガホンノ少シデスガ射程ガ長イ様ニ思ワレマス」

戦艦ル級FS「ト、トニカクコンナ密集シテイテハ駄目ダ。広ガッテ回避シロ!」



────────────────────────────


   ─第2艦隊─
   

加賀「1隻に命中、轟沈を確認」

日向「この距離から届いて、更に戦艦級を一撃。すごい主砲だな」

大和「私もビックリしてるわ。こんなに威力があるなんて……明石ちゃんにお礼いっとかないと駄目ね」

加賀「報告です。敵の動きが慌ただしくかなり崩れてきています。大和さんの砲撃効果でしょうか」

日向「上からは風船、海上では私達から挟まれ、そして本来有利としていた遠距離からの砲撃戦」

日向「敵が動揺するのも分かるな」

北上「しかもあそこまで密集してるから動きづらそう。しばらくは大和っちの砲撃で撹乱できそうだね」

大和「そうね、ここが勝負時。あとゴーヤちゃん、そろそろいける?」

伊58「任せてよ。上ばっかりみてたら足元をすくわれるって事、教えてやるでち」



──────────────────────────────


    ─深海棲艦側─
    


戦艦ル級FS「落チツケ、オマエラ!」

駆逐イ級1「敵ガアッチカラキテル!早ク雷撃ヲ!」

空母ヲ級1「マテ!上空ニアル謎ノ物体ニ対空射撃ガ先ダ!」

戦艦ル級2「オイ!艦載機デアノ砲撃ヲトメロ!コッチハ動キナガラジャマトモニ打テナインダヨ!」

戦艦ル級FS「ワタシノイウ事ヲキケ!!一旦陣形ヲクズシテ広ガラント砲撃ヲヨケラレナイダロウガ!」



駆逐イ級2「グァァ」ドカァン

重巡級1「ガハッ」ドカァァン




戦艦ル級FS「クソッ……ヤッテクレル!」ギリッ



──────────────────────────────


    南鎮守府艦隊


利根「ふむ。良い感じじゃのぉ。敵さんかなり焦っている様じゃ」

利根「このままこちらの有効射程まで近づき一気に攻撃にでるとしようかの」

鈴谷「やっと!ウチラの出番!」

熊野「一気に片をつけてあげますわ!」

卯月「ウーピョン達の実力見せてやるピョン!」

弥生「砲雷撃戦は任せて」

利根「気合十分じゃな」

利根「だが相手はまだ吾輩らより数は多い。敵の一斉攻撃に気をつけて、決して油断するんじゃないぞ」


艦娘達「「了解!」」



利根「うむ……さて川内、いつもの頼めるかの」

川内「了解。旗艦の位置を調べればいいんだね。とりま、いってくるー」

利根「頼んだぞ。分かり次第座標を送るのじゃ」

川内「はーい!」スッ


─────────────────────────────────────


    ─深海棲艦側─



空母ヲ級3「敵艦隊、敵有効射程ニハイリコミマシタ」

戦艦ル級FS「クッ……コチラガマトモニ牽制デキズ近ヅカレタカ……」

戦艦ル級FS「マァイイ!ココデ沈メテシマエバイイダケノ事!数ハコチラノ有利ダ!」


駆逐イ級1「グアァァ!」ドガァァァンン

軽巡ホ級1「ギャァァァ!」ドガァアァン


戦艦ル級FS「コ、コンドハナンダ?!

駆逐イ級3「潜水艦型ニヨル雷撃デス!」

戦艦「潜水艦カ……索敵班ハ何ヲシテイル!」

軽巡ホ級2「謎ノ物体ヘノ対空射撃ニマワシテイマス!」

戦艦ル級FS「チッ、サッサト戻ラセテ潜水艦ヲ探シダセ!」

軽巡ホ級2「了解!」

戦艦ル級FS「ドイツモコイツモ……」ギリギリ


───────────────────────


    ─第2艦隊─


大和「加賀、状況は?」

加賀「南鎮守府艦隊が射程内に入り込み激しく交戦中です」

加賀「敵が右往左往している様で南鎮守府艦隊が大分押しているように見えます」

大和「そう、ゴーヤちゃんの奇襲雷撃も成功したみたいだし私達も攻め時ね」

大和「みんな!いくわよ!」

艦娘達「「了解!」」





───────────────────────


   ─提督 母艦─


ドォン ドカァアァン


提督「熱っ!」

提督(もう持たないな。この艦は)

提督(シールドバリアも壊れたし、動力部も破損して動く事すらできない)

提督(けどこれで……)スッ


フワッ

フワッ


提督(風船は全部だ)

提督(敵が風船に釣られて来てるのを見るかぎり恐らく成功……しているようだ)

提督(…………)

提督「さて、どうやってここから逃げるかな」

提督「艦にいたら爆撃の的になるだろうし……海にでて深海棲艦に見つかったら……」

提督(……仕方ないか)

提督「ええいままよ!」サッ


ブゥゥゥゥン

ブゥゥゥゥン

ドカァアァァン









──────────────────────────────



  ─南艦隊 & 第2艦隊 VS 深海棲艦─



利根「打って打って打ちまくるのじゃー!!!」

ドォン ドォン

鈴谷「ヌメヌメしてるやつなんて!!さっさと沈んで!」

ドォン  ドォン

卯月「ウーピョンに勝てると思うなぴょぉぉっぉぉん!!」

ドォン ドォン

日向「計算完了!ここだ!」

ドォン ドォン

北上「あらよっと!」

シュゴォォォ

伊58「でちぃいいい!」

シュゴォォォォ






駆逐イ級3「ダ……ダメデス。駆逐艦隊、ほぼ全滅デス」

戦艦ル級FS「……」

軽巡ホ級2「コチラ軽巡重巡艦隊、被害甚大。一旦、退避シマス!」

戦艦ル級FS「……クッ」

空母ヲ級3「艦載機ヲ一旦サゲル!ソノ間援護ヲ頼ム!」

戦艦ル級FS「ソンナ余裕ハナイ!」

戦艦ル級FS「ナゼダ!敵ハ我々ヨリモ圧倒的ニ数が少ナイトイウノニコノザマ!」

戦艦ル級FS「半分以上ガ殺ラレ形勢ハ逆転……」

戦艦ル級FS「結局アノ上空ノ謎ノ物体ハ威力ノナイ只ノ囮ダト分カッタガ」

戦艦ル級FS「気付クノガ遅カッタ……クソ」






川内(よし、上手く敵の近くまで近づけた……)

川内(旗艦はどれだろう……)キョロキョロ

川内(ん、あの中心にいる奴っぽいね。回りにぴったり護衛みたいのがいるし)

川内(そうとわかったら報告報告)



──────────────────────────────────



利根「────────ふむ、了解。ご苦労様じゃ。そのまま戻ってきてこい」

ピッ

利根「大和、聞こえるか!」

大和「はい、こちら大和です」

利根「敵の旗艦の場所が分かった。座標をおくるから攻撃してくれ」

大和「了解です!」

大和「ええっとこのポイントだと」キョロキョロ

大和「あれね。護衛が何隻かいるみたいだし近づいて砲撃するのは危険、か」

大和「とはいっても今はもう敵もばらけてきているから……この距離じゃ当てるのは難しいわね」


日向「大和、どうしたんだ?」

日向「旗艦へ砲撃したいのだけど当てる自信がないのよ。弾を無駄うちするのもあれだし……こうなったら加賀に頼もうかしら」

日向「加賀は風船を追っていた艦載機を対応するので手一杯だぞ」

大和「じゃあ駄目ね」

日向「……一つ試したい事があるのだがいいか?」

大和「何?」











日向「もう少し右だ、ちょっと身体を触るぞ」

大和「ええ」

日向「まだこっちだな」ググ

大和「まさか日向に調整されながら打つとはおもわなかったわ」

日向「私が砲撃してもいいのだが戦艦相手ではいささか威力がたらなそうだ」

日向「自分以外に弾着修正の技術を利用し砲撃を手助けする……難しいとは思うが試す価値はある」

大和「うまくいくのかしら?」

日向「やってみなきゃ分からない。とりあえずしばらく、弾着修正射撃の準備が終わるまで待っててくれ」

大和「うん」



日向「……先程の件、改めて礼を言う。ありがとう」

大和「え?」

日向「いや、取り乱してしまった件でね。あのまま突っ込んでいたら恐らく殺られていただろうな」

大和「ふふ。いいのよ。旗艦として当たり前の事。それに……」

大和「日向にああは言ったけど、私だってホントはすごい動揺してたのよ」

日向「そうだったのか?」

大和「……提督が死んじゃうなんて考えられないもの」

日向「ふむ」

日向「大和、今聞くべき事じゃないかもしれんが」

日向「提督の事、好きか?」

大和「…………」




───どうしてもお前に伝えたい事があるんだ

───お、俺は!

───お前の事が好きだ!子供の頃から……ずっと好きだった!



大和「そうね。そうなのかもしれないわ」

日向「…………そっか」

日向「よし、弾着修正射撃の準備がととのったぞ。ここからは私と息を併せて砲撃をしてくれ」

大和「了解よ」



  ─深海棲艦 VS 南艦隊 


戦艦ル級FS「シネ!」カチャ

ドォン

ザッパーン

鈴谷「キャッ!」

熊野「鈴谷!大丈夫ですの?!」

鈴谷「う、うん。あいつ装甲分厚くて攻撃利かないし護衛がついてて超ウザイ!」

熊野「利根さんの報告によるとあれが敵の旗艦みたいですわ」

鈴谷「こいつらのリーダー……強いわけね」ハァ

卯月「他の敵も風船がなくなったからこっちに戻ってきてるピョン」

鈴谷「……このままだとちょっと面倒ね」

熊野「完全にあちらが立て直す前に旗艦を倒したい所ですわ」




利根「無事かお主ら!」スッ

川内「やっほー!」スッ

鈴谷「遅いよ二人共」

利根「すまんすまん。ちょっと川内と野暮用を済ませてきたのじゃ」

鈴谷「ふーん。それよりあいつらなんとか何ないの?」

利根「ああ、敵の旗艦じゃな。第2の奴らに任せたから大ジョブじゃて」

鈴谷「ええっ!?平気なの?」

利根「うむ。吾輩らは他の奴らをやりにいくぞ」スッ

鈴谷「え、ちょっと!利根ー!」


────────────────────


    ─深海棲艦 側─

    
    

空母ヲ級1「ナンダアイツラ、攻撃シテキタカト思ッタラ他ノ場所ニ行ッタゾ」

戦艦ル級FS「キニスルナ。コチラモ後少シデ足並ミヲ揃エ状況ヲ取リ戻ス事ガデキソウダ」

戦艦ル級FS「ソウナッタラ奴ラヲ徹底的ニ……殺ル」

空母ヲ級1「アア」




ドォン

ザッパァァン


戦艦ル級FS「ドコカラダ!今ノ砲撃ハ!」

空母ヲ級1「前方ヨリ2隻。恐ラク片方ハ先程遠距離カラ強力ナ砲撃ヲシテキタ奴カト」

戦艦ル級FS(クソ、アンナ遠クカラ……私ノ主砲デハトテモジャナイガ狙エン)

戦艦ル級FS「艦載機デ迎撃シロ!」


空母ヲ級1「了解!」


────────────────────



     ─第2艦隊─
     


日向「惜しいな。あと少しで当たっていた」

大和「やっぱり難しいのかしら」

日向「……たしかに微妙な調整ができない分ズレはでてしまう」

日向「だが今の砲撃を見る限り全く意味がないという訳ではない」

日向「もう少し時間があれば細かい調整もできそうなんだが」

大和「そうはいっても相手が何もしてこない訳じゃ」



ブゥゥゥゥゥゥン

 ブゥゥゥゥゥゥン


大和「言ってる傍からね」ハァ

日向「敵艦載機か。クソ……あと少しだというのに」

大和「仕方ないわね、上のをやってからにしましょう」カチャ






パパパパパ パパパパパ パパパパパ

ドカァァンン ドカァァンン ドカァァンン


日向「なんだ、敵艦載機が落ちていくぞ?」

大和「あれは……もしかして」

加賀「無事ですか、二人共」スッ

日向「加賀!お前、別の場所で空母とやりあってたんじゃ」

加賀「はい。ですが、南鎮守府艦隊の方達が応援に来てくれましたので」

加賀「利根さんにこちらを支援する様に言われましたし」

大和「利根さんが?」

加賀「はい」

大和(さすが利根さん。こうなる事まで危惧して……旗艦の鑑だわ)

大和「……じゃあ、日向。上は加賀に任せましょう」

日向「そうだな。頼んだぞ加賀」

加賀「お任せください、あなた値の上空は誰にも譲りません」



────────────────────



    ─深海棲艦─

    
空母ヲ級1「ヲ……」

戦艦ル級FS「ヲ級!マダ落トセナイノカ!」

空母ヲ級1「ソンナコトイワレテモ……敵艦載機ヲアイテニスルノデ手一杯」

戦艦ル級FS「役立タズメ……仕方ガナイ。私ハ一旦後ロニ退避スル。オ前ラハ敵ヲヒキツケテオケ」

軽巡ホ級1「オ、置イテイカナイデクダサイ!」

戦艦ル級FS「ウルサイ!」





─────────────────────

   ─第2艦隊─
   

大和「日向!」

日向「分かっている!敵が背を向けたこの瞬間がチャンス!」

日向「…………」ジッ

日向「距離、角度調整完了」

日向「姿勢制御、風向き問題なし」

日向「敵予測移動ポイントまで3秒、合図で打つんだ」

大和「了解」


日向「3」

日向「2」

日向「1」

日向「0!」



大和「あたってぇぇええええええ!」


ドォン





────────────────────


    ─深海棲艦 側─
    


戦艦ル級FS(私ダケデモ撤退シ更ニ仲間ヲツレテクル……ソノ手モアリカ)

戦艦ル級FS(今度ハモット数ツレテクレバ……ククク)


空母ヲ級1「ル級!危ナイ!」

戦艦ル級FS「話カケルナ。私ハ今カラ撤退」


ドカァァァン


戦艦ル級FS「ス……ルン」プスプス

戦艦ル級FS「ダ…………」


バチャン


空母ヲ級1「ル、ル級がやられた」

軽巡ホ級1「マサカ……ドウスレバイイノダ私達ハ」







────────────────


   ─第2艦隊─

   
   
   
大和「やったわ!あたった!」ガシッ


日向「ああ!」ガシッ

加賀「さすがです。さぁどうしましょうか」

大和「まずは北上ちゃん達と合流して残っている敵の殲滅をしましょう!」







 
北上「邪魔邪魔!北上様のお通りだってね!」

伊58「これで7隻目でち!」

北上「やるじゃんゴーヤ!まぁあたしは8隻やったけどねー」

伊58「ムムム!負けられないでち!」

北上「それにしても急に敵の動きが緩くなったけどどうしたんだろ」

伊58「でち……なんていうかさっきより更に統率がとれてない感じにみえるでち」



大和「北上ちゃーん」

北上「おっ、3人共。無事みたいだね」

大和「ええ。敵の旗艦を倒したから後は残ってる敵を倒すだけよ」

北上「旗艦を?道理で動きが鈍ってる訳だぁね」

日向「雪風の姿が見えないが」

伊58「ゆっきーなら奥の敵を倒しにいくっていって一人でいっちゃったでち」

日向「一人で大丈夫なのか?」

北上「平気平気。ウチで一番すばしっこいしね。それより南艦隊は大丈夫かな?」

加賀「はい。先程、全員無事を確認しました」



北上「そっか、じゃあ後は……」

大和「……提督」

北上「うん……きっと平気だよ。とりあえず敵も残り少なくなってきたし殲滅してから捜索しよう」

伊58「じゃあ倒してくるでち!北上さんには負けないでち!」

北上「あ、こら!抜け駆け駄目!」

日向「ったく、戦闘中だってのに呑気なもんだな」

加賀「そうですね」クスクス


大和(…………)

















空母ヲ級1「グァッ……」ドガァァン

空母ヲ級1「ココ……マデ…カ……」

空母ヲ級1「……ミ……ンナ……ゴメ……ン」

バチャァン




利根「ふぅ……これで全部の様じゃな」

川内「周辺索敵Okだよー。敵はもういないみたい」

利根「了解じゃ。さて、ホモに連絡とるかのぉ」

ピッ

利根「こちら利根、敵殲滅を確認したのじゃ」


ホモ『お疲れ様よぉん。早速で悪いんだけど第2艦隊と合流次第、提督ちゃんの捜索を手伝って頂戴」

利根「分かっておる。卯月達は早速いってるのじゃ」

ホモ『よっぽど心配なのねぇん』

利根「……骨くらいは拾ってやりたいのぉ」

ホモ『……』

利根「冗談じゃよ。きっと生きておる」

ホモ「ええ、そう願ってるわ」






─────────────────────


   ─ 提督の母艦 周辺 ─


卯月「どこにもいないぴょん」

弥生「こっちも」

川内「しっかし酷く攻撃されたみたいだね。沈んでないのが不思議なくらい」

伊58「艦載機の爆撃で甲板が根こそぎ焼かれてるでち」

北上「こりゃ無傷ってのは無理だぁね」

日向「とりあえず中を探索したが……いなそうだな」

利根「恐らく海に飛び込んだんじゃろう。艦載機で周辺を探すといいのじゃ。泳ぎ疲れて浮いてるやもしれん」

加賀「今、全艦載機で探しています」


大和(提督、お願い……無事でいて……)ギュッ







   ─数時間後─

    
  南鎮守府 母艦 甲板上


利根「…………」

利根「大和」

大和「…………」ビクッ

利根「そろそろ戻るのじゃ。もう夜になる。捜索は明日にしよう」

大和「嫌です」

利根「しかし……ぬしの気持ちも分かるがのぉ」

大和「嫌です!」



利根「……大和よ」

大和「うっ……うっ……」ポロポロ

利根「敵がまたでてこないとは限らん。一度休息を取り万全の状態で明日探そう」

大和「……はい」グスッ

日向「提督……」ツー

加賀「……」グスッ

伊58「……てーとくさん」グスッ

北上「……ふんっ」プイッ

卯月「ピョン……」シュン

弥生「…………」

川内「…………」ギリッ



大和「提督の……バカァァァァ!」





   「誰がバカだ、誰が」



提督「まったくどうしたんだ。暗い雰囲気で」

大和「え……」

提督「ふーいてて。背中の火傷がまだヒリヒリする」

提督「雪風、もう一回包帯の替えたのんでいいか?」

雪風「了解です!すぐお持ちします!」

提督「悪いな」



日向「お、おい……提督」

提督「どうした日向……ってお前、泣いてるのか?というか全員泣いてるじゃないかどうしたんだ?!」

加賀「ほ、ほんとに提督ですか?」

提督「ん、ああ。どんな質問なんだそれは」

伊58「ほんとにほんと?」

提督「そうだよ。変な奴らだなぁ。作戦成功なんだからもっと喜んだりする所じゃないのか?」

北上「こういう空気を見てきづかないあたり、提督だろうね。うん」


提督「空気……?」

提督「……あ」

提督「も、もしかして……俺が戻ってた事知らなくてそれで?」

利根「のじゃ」コクリ

提督「あーーー」ポンッ

提督「えっと……まぁそのなんだ。無事だったよ。ただいま」



大和 & 日向 & 加賀 & 伊58 「「提督!!」」ガバァ


提督「お、落ち着けお前ら!いたた、あんまり強く抱きつくな。火傷が痛い」

日向「無事なら無事と何故早く伝えなかった!!」

加賀「そうですよ!心配してたんですよ!」

伊58「ゴーヤなんて海底の方まで沈んでないかっててビクビクしながら見に行ったでち!」

提督「えええ……雪風が司令官に伝えてくれてたと思うのだが」

雪風「無線でたしかにお伝えしました。しれぇは無事です!っと」

利根「誰にじゃ?」

雪風「ホモ提督さんにです」

利根「といっておるがどうじゃ?」

ホモ「えぇ?!アタシ?」

ホモ「えっと、そんな報告……」




─雪風「しれー……ザザ……見つけまし……一旦……戻ります」

─ホモ(しれーって何かしら……滑舌が悪いのと無線の調子が悪いのかききとりづらいわね)

─ホモ(まぁ一旦戻るっていってるし、その時確認すればいいわね)

─ホモ「了解よ。気を付けて戻ってきてらっしゃい」



ホモ(あれだったのねぇん。すっかり忘れてたわ)ッポン



ホモ「しらないわね」

利根「おい今、あの事かーみたいな顔してたじゃろ」ビシッ


雪風「雪風が敵を追っていたら偶然、艦の破片に隠れながら泳いでるしれぇを見つけたのです」

雪風「それからしれぇをかついで母艦に上がり、怪我の手当をしてました。背中にかなり火傷を負っていたようでして」

提督「海に飛び込む時、爆風が少し掠ったみたいでなぁ。治療に時間かかってずっと艦内いたんだよ」

雪風「とにかくしれぇが無事で良かったです」

提督「うんうん。ありがとうな雪風。さすが幸運艦だ」

雪風「えへへ」ナデナデ




大和「提督」ギロッ

提督「や、大和……」

大和「私が言いたい事わかるわよね?」

提督「……ああ」

提督「すまなかった。わざとお前らに黙ってたのはホントに悪いと思ってる」

提督「だが言ったら絶対止められると思った」

提督「俺が覚悟して決めた事だ。もし失敗して死んでも……仕方ない、と思って」

大和「っ!」


パチンッ


提督「……っ」ヒリヒリ


大和「なんでいつもそうなのよ!一人で背負うなっていってるじゃない!」

大和「勝手に納得して勝手に危険な目に合って勝手に……」

大和「私に告白して……」

大和「提督が良くても私が!私が悔いしか残らないじゃない!」

提督「す、すまん」

大和「……もうっ」グスッ

大和「返事くらい……いわせてよ」

提督「……え?」




大和「好き。私も好き。わたし、大和は提督の事が好き」

大和「今まで気づかなかったけど、私もあなたの事がずっと好きだった」

大和「失いそうになって初めてきづいたの。今なら何度でもいえる」

大和「好きよ、提督」

提督「……うん」

提督「俺もだ、大和」




鈴谷「うわっ、うわーーー」//

熊野「素敵ですわ、これが大人の恋愛という奴ですのね」ウットリ

利根「まったく見てられんのじゃ」ハァ

卯月「うらやましいピョン……うーぴょんも提督の事好きピョン」

川内「あんたのは違う好きでしょうに」

弥生「……ハレンチ」

日向「心配させた上、こんな甘い劇をみせられるとはな。大した指揮官だ」ハァ

加賀「まったくですね」ハァ

伊58「何はともあれ無事でよかったでち」

北上「ふぁ~、茶番だね茶番。さっさと部屋戻って寝よー」


ホモ「ふふ、良かったわね提督ちゃん」

ホモ「任務も恋も大成功。大した男だわぁん」

ホモ「さて、あたしは部屋に戻って報告書でもまとめようかしら」


スタスタスタ


ホモ「…………」ピタッ

ホモ「……なぁんか忘れてる気がするのよねぇ」

ホモ「うーん、なんだったかしらぁん」

ホモ「まっ気のせいね」


スタスタスタ




   ─その頃 開発室─


  トンテン カーン


明石「いいですよいいですよ。確かに私は戦闘が苦手ですから」

明石「だからって一人だけ……艦内に残れなんて……酷い話ですっ!」トンテン

明石「戦闘以外に手伝える事を任してくれたっていいじゃないですか!」カーン

明石「大和さんの主砲だって風船の細工だって私が手伝ったんですよう!」トンテン

明石「それなのに皆さん、私の事を忘れて……」

明石「誰か一人くらい私の事きにかけてくださっても……いいじゃないですか!」カーン



トンテン


カーンコレ


──────
─────
───
──




ね、、、、ねむいです

色々崩壊してたらすいません


風船ですが「風船爆弾」という実際にあった兵器を元に考えています



というわけで本日の投下おわりです


ほんとはもう少し早めに投下できたんですが、実はスレ立てて今日が1年目という事で
記念にどっかりやりました


お読みいただき誠にありがとうございました



おつおつ!
結局提督はどうやって助かったのだろうか
あと一周年おめーこれからも楽しみにしてるで



でもちょっとまったこれ辛すぎる
大和沈まないでくれ…
無理な願いだとわかってはいるが…


コメントいただきありがとうございます

>>811
助かった理由ですが>>802-803にあります
ただかなり分かりづらい表現してたので反省しております。申し訳ない


>>817
ごめんなさい、ホントに


投下します

よろしくどうぞ


   前回のあらすじ


死者を弔う為、北部の町へ訪れる提督達

卯月が供え物として風船を用意すると提督はそれを見てある作戦を思いつく

「風船囮作戦」、低コストで大量に製造できる点を利用して深海棲艦の周辺に細工した風船をばら撒く
敵がそれに気が向いている間に叩こうという作戦である

しかしその為には風船をばら撒く媒体が必要であり、時間も資材も限られてる事から
提督自身が母艦に乗り対応する事を決断する

それははすなわち攻撃の的になると同意であり、とても危険な選択であった

提督は覚悟を決めると悔いの無いよう大和へ思いを伝え、自身の艦娘達には詳しい作戦の内容をしらせず戦地へと趣く

無事作戦は成功、提督も運よく生き延び大和とも想いを遂げ、一件落着となる




    ─中央鎮守府 本部─

    
    

本部軍人「────はい、はい。了解いたしました。帰りもどうぞお気をつけてくだされ」

ピッ


本部軍人「……まさか」

本部軍人「本当にカムランでの任務を遂行するとは……」

本部軍人「あの戦力差を一体どうやって埋めたというのだろう」

本部軍人「……っと驚いてる場合ではないか。爺督殿に報告しなければ」












   ─母艦 ブリーフィングルーム─

   
   
ホモ「じゃあこのまま中央に送り届けるわね、提督ちゃん」


提督「はい。お手数おかけして申し訳ございません」

ホモ「仕方ないわよ。作戦の為に提督ちゃんの母艦は壊れちゃったんだもの」

提督「……本部に怒られそうですね」



ホモ「何言ってんのよ。むしろ艦の一隻で済んだのがすごい事じゃない」

ホモ「というか今頃中央の奴らは驚いてるでしょうね、撤退すると思ってた筈だし」

ホモ「あたしも中央に着いたら驚いてるクソジジイの顔でも拝みに行こうかしら?」

提督「そういえば一つ聞きたい事があるんですが……爺督とはどういった関係なんですか?」

ホモ「え?ああーそいえば言ってなかったわね」


ホモ「何言ってんのよ。むしろ艦の一隻で済んだのがすごい事じゃない」

ホモ「というか今頃中央の奴らは驚いてるでしょうね、撤退すると思ってた筈だし」

ホモ「あたしも中央に着いたら驚いてるクソジジイの顔でも拝みに行こうかしら?」

提督「そういえば一つ聞きたい事があるんですが……爺督とはどういった関係なんですか?」

ホモ「え?ああーそいえば言ってなかったわね」


ホモ「あたしは元中央第3艦隊の司令官だったのよ。大分前の話だけど」

提督「ええっ!?」

ホモ「あたしも割と無茶な任務やらされたわよー。さすがに今回程のはなかったけど」

ホモ「だからジジイが大嫌いっていうわけ」

提督「な、なるほど」

ホモ「まぁ所属してたのはそんなに長くなかったけどねぇん。ちょっとやらかしちゃったせいで異動になったわ」

提督「そうですか……」タラーン


ホモ「まぁそんな事よりも……今回の作戦、誰も死なずに終えてホント良かったわね」

提督「実際、あそこまで効果があるとは思いませんでした」

ホモ「女子共の練度が高かったおかげもあると思うわ。敵は数が多かっただけで個々で見れば大した事なかったし」

提督「厳しい訓練にも耐えてくれた彼女達には感謝しなければいけませんね」

ホモ「ええ。帰ったら休暇を大目にとれるよう申請しといてあげましょう」

提督「はい、いいお考えだと思います」

ホモ「さて、とりあえず今日はこれで終わりにしましょう。提督ちゃんは戻っていいわよ。私はちょっとやる事あるからしばらくここにいるわ」

提督「了解しました。あまりご無理なさらずに」

ホモ「ええありがとう。それじゃまたあとでねん」フリフリ

提督「では失礼致します」ペコ


スタスタスタ

パタン


ホモ「…………」

ホモ「……艦娘のおかげだけじゃないわよ提督ちゃん」

ホモ「作戦の組み立て方や常識に囚われない戦術、妖精との連携、艦娘達からの信頼や艤装知識」

ホモ「半年そこらの指揮官が得ている能力としてはあまりにもできすぎね」

ホモ「たぬきじじい……あの子一体何者なのよ」











    ─母艦 甲板上─



提督(さて、一旦部屋に戻って休憩でもとるかな)スッ

卯月「あ、提督ぴょん!」

川内「提督さーん。やっほー」

弥生「お疲れ様です」

提督「お前ら3人仲良しだなぁ。何してるんだ?」


川内「そろそろ港をでるからさ。ちょと挨拶に」

提督「挨拶?」

弥生「あそこ」



バイバーイ サヨナラー



提督「ああ、現地の子達か」

弥生「提督がくる前に遊んで知り合った子達だピョン」

提督「なるほど。良かったな、見送ってもらって」

卯月「うーちゃんは大人気ピョン!」

弥生「すぐ調子にのる」

川内「ほんとだね」


卯月「でも……」

卯月「あの幼女も生きて見送ってくれてれば、もっと嬉しかった……ピョン」シュン

提督「……そうだな」

卯月「提督にはお礼をいわなきゃいけないピョン。おかげで仇討ち、できたピョン」

提督「いや、俺の力じゃないさ」

提督「きっかけはあの幼女が持っていた風船だ」

提督「それがなければ俺達だってやられてたかもしれないんだ」

提督「あの子の命の灯が、きっと風船になって奴らをやっつけてくれたんだよ」

川内「うわっなんか臭いセリフいうなぁ」ゾゾゾ

卯月「たしかにちょっと今のは体が痒くなったピョン」

弥生「…………」ポリポリ

提督「お前らさ、俺一応上官だからな?」


卯月「でも、提督はホントすごいピョン」

卯月「自分の体を張って戦ってくれたし……カッコ良かったピョン」

提督「ま、まぁ、あれはなんというか慣れ行きというかそのなんだろう」

卯月「……提督、こっちきてピョン」グイッ

提督「ん?ああ」ササ


チュッ


卯月「ありがとうピョン」ニコッ


川内「あらら、大和さんとラブラブしたばっかだってのにもう浮気かー」

弥生「……最低」

提督「ええっ!?いや、えと……その」

卯月「あの女に飽きたらうーちゃんの所にくると良いピョン。きっと飽きないピョン」

提督「あ、アホか!そんな事いわれて」


トントン


提督「ん?なん……」クルッ

大和「こんにちは。提督」ニッコリ


提督「あ……えっとどこから見てました?」

大和「卯月ちゃんからホッペにキスされてる所かしら」

川内「さぁてめんどくさい事になりそうだしおやつでも食べに行こうか弥生」

弥生「うん」

卯月「あ、うーちゃんもいくーー」

提督「お、おい!お前ら!誤解を解いてからに」スッ

大和「提督、どこいくの?」ググググ

提督「あ、痛い!肩が!つぶれる!」ミシッ

大和「とりあえずお話は部屋で聞こうかしら。しっかりね」ニコォ

提督「ヒィィィィ」

ズルズルズル




川内「ああいう所があるから憎めないよねぇ提督さんは」

弥生「同意」

卯月「ピョン」










    ─提督の部屋 個室─
    

提督「だからさ、あれは誤解だ」

提督「急に卯月がしてきたんだよ。今回がんばったからってさ。本人はお礼のつもり以外ないんだって」

大和「………ふんっ」ムスッ



提督「なぁ大和。相手は子供だぞ。そんなにムキになる事もないだろ」

大和「あるの!私だってまだキスの一つもしてないのに」

大和「作戦も終わってお互い気持ちも言い合ってやっとゆっくりできると思ったら……」

大和「提督のバカバカ!おばか!」

提督「わ、悪かったって。許してくれ」アセアセ

大和「フンだ」ムスッ


提督「ったく……」

提督「……じゃあさ」

提督「してみないか?」

大和「え?」



提督はそういうと大和の瞳をじっと見つめる

そしてその透き通る様な琥珀色をした瞳へ引き込まれるように顔を近づけ、大和に囁く

提督「ずっと好きだった……こういう事もしたくてたまらなかった」

大和「……う、うん」

互いの吐息がぶつかる

薄暗く決して大きいとは言えない部屋に両想いの二人

少しでも動けば唇が触れ合ってしまうんではなかろうかという距離で、互いの熱を感じ合う

提督「いくぞ?」

大和「……」コクリ

提督は腰にそっと手を回す

大和「ん……」

緊張からなのか大和の体が一瞬だけ震える

提督「くすぐったいか?」

大和「ううん。平気……」

少し恥じらう様子で答えるのを見て、たまらなく愛しく感じた提督は腰に回した手を使って強引に自分の元へ身体を引き寄せる

提督「大和……」

絞りだすように出した声。やっと思い人が自分の所にきたという達成感なのか優越感なのか。提督の中で何かがこみ上げてくる

大和「提督……」


大和が大きな瞳を閉じるのを確認した提督はその顎をそっと上向け、そして




ガチャァアン


雪風「しれぇええええ!お食事の用意ができました!」



提督「あ、あれー?口に何か挟まったと聞いたが何もないぞーー?」アセアセ

大和「えええ?ほんとーかしらー?ちゃんとみてよー?」アセアセ

雪風「そんなに近づいて何してらっしゃるんですか二人共」ジー

提督「あ、ああ。大和の奴が歯になんか挟まったいうから見てたんだーーハハ」

大和「そ、そうなのよーおほほほほ」

雪風「雪風もお手伝いしましょうか?」


提督&大和「「大丈夫!」」グワッ


雪風「は、はい?」ビクッ




──────
─────
────
───
──

っとすいません。用事が……

またその内投下します

お読みいただきありがとうございました

やっっっと前々作からここまで追いついたェ………
ここまで>>1乙!!次回も楽しみにしてる!!

放置期間一ヶ月過ぎてるしいい加減html化の催促が来るな

コメントありがとうございます

>>845
長い落書きですが……喜んでいただき光栄です

>>852
ご指摘ありがとうございます


ちょっとの用事から色々してたら1ッか月空けてしまった……

投下が遅くなり申し訳ございませんでした

少しずつ余裕でてきたので更新頻度を取り戻せればと思っている次第です

今後ともよろしくお願いいたします

※イベントSSは忙しくなる前に平行してかいた物であります


結局、書く期間がまた空いてしまった事を心からお詫びいたします

年度末は忙しいですねやはりorz


というわけでつべこべいわず投下します

よろしくどうぞ





─ 前回のあらすじ ─


無事にカムランでの任務を成功させた提督とホモはブリーフィングルームで談笑する
その中でホモ提督は中央の元第3司令官というかなりの実力者だった事が判明する

談笑を終えて一息つく為、甲板上へ向かう提督
すると卯月達3人が現地の子供たちと別れの挨拶をしている所へとでくわす
卯月が深海棲艦に殺された幼女や町民の仇をとれた事へのお礼として提督の頬にキスをする

そしてその様子は間が悪く大和に見られてしまう
嫉妬する大和の様子を見て、なんとか機嫌を直してもらおうと彼女へ口づけしようとすると
幸運艦の雪風が邪魔によりお預けとなる

それから時間が過ぎ、中央鎮守府へと帰還した提督達

第2艦隊と南鎮守府艦隊はここで別れの挨拶をする事となる


────────────────────────────────



    ─中央鎮守府 艦着場─



提督「ふぅ、やっと到着しましたね」

ホモ「お疲れ様よぉん」

提督「司令官はこれからどうされますか?」

ホモ「そうねぇ。とりあえずジジイん所に行こうと思ってるわ」

提督「了解です。なら私もお供します」

ホモ「あ、いいのよ気を遣わなくて。ちょっと軽く挨拶に行くだけだし」

ホモ「提督ちゃんはあの子達を早めに休ませてあげなさい」チラッ





日向「世話になったな」スッ

川内「へへーこちらこそ」ガシッ

熊野「また機会があればよろしくですわ」

雪風「はい!皆さんとまた会える事を楽しみにしてます!」

鈴谷「うんうん。暇な時こっちに遊びにきなよ。美味しいカレー作って待ってるから」

熊野「それはいい考えですの。しっかりおもてなしさせていただきますわ」

卯月「待ってるピョン!」

伊58「分かったでち!休暇もらったら遊びにいくよー」



利根「うむうむ。仲良き事は素晴らしいのじゃ」

利根「さーて吾輩ら南鎮守府艦隊は、中央から支給される資材や燃料を運ぶ為、あっちに集合じゃぞ」


南鎮守府艦娘「「はーい」」


利根「良い返事じゃ。さて吾輩も……」スッ


大和「利根さん!」ザッ


利根「ん?なんじゃ?」

大和「ホントに……色々ありがとうございました」ペコリ

利根「こちらこそじゃ。といっても吾輩は大した事しておらんが」

大和「そんな事はありません。旗艦としての心構えや作戦中に喝を入れていただいたり……それに」

大和「敵旗艦との戦闘……私達を信頼して任せてくれました」

利根「ふむ」


大和「きっと私達に経験を積ませる為、ですよね?」

利根「それは買いかぶりすぎじゃ。ただ相手が少々堅い類だったからの。攻撃力の高いお主達に任せただけじゃて」

大和「けど……」

利根「もっと自信をもて大和。お主は強い」

利根「吾輩の見立てだと将来お主は艦娘界を代表する様な存在になる」

利根「ただそれまで、一所懸命に精進し戦い抜けば良い」

利根「吾輩は応援しているぞ、大和よ」

大和「利根さん……」

大和「ありがとうございました」ペコリ

利根「うむ。達者での」フリフリ





提督「……あちらは別れの挨拶が終えた様ですね」

ホモ「じゃあアタシ達もそろそろ」

提督「はい。色々とご迷惑をお掛けしました」

提督「命を救っていただいたご恩、一生忘れません」

ホモ「いいのよ。提督ちゃんが頑張ってくれたおかげであたし達も助かったしね」

提督「いずれまた、共に戦える日がくる事を楽しみにしています」

ホモ「ええ。それまで元気でいてね、提督ちゃん」スッ












    ─中央鎮守府  食堂─  



メイド「お帰りなさいませ皆さん!全員、無事生きて帰ってこれた様で良かったです」グスッ

大和「ご心配をお掛けしました。しかも帰って早々こんな豪華な食事の用意までしてくださって……ありがとうございます」

メイド「お気になさらなず。メイドができる事なんてこのくらいですから」

日向「しかしなんというか、我が家に帰ってきた様で安心するな」

伊58「同意でち」

提督「まぁ今の俺たちにとっては一番安心する場所かもしれんな」



メイド「そうですよ皆さん。ここを自分たちのお家だと思ってくださっていいんですから」

大和「じゃあメイドさんはお母さんみたいなものですね」

メイド「ええそうです!お母さんだと思っていっぱい甘えてください」ニコッ

雪風「分かりました!雪風、全力で甘えさせていただきます!」

メイド「来なさい雪風ちゃん!いっぱいナデナデしてあげましょう!」

雪風「はい!」ガバッ

メイド「っとと……よしよし」ナデナデ

雪風「えへへ」

提督「さて、せっかくメイドさんが俺たちの任務遂行祝いという事で素敵な食事を用意してくれたんだ」

提督「冷めない内にいただこう」

加賀「そうですね。気合いが入ります」グッ

日向「気合いはいらんぞ気合いは」ビシッ

伊58「なんかそのやりとり見るといつものって感じでホッとするでち……」

メイド「ふふっ、たんと召し上がってくださいね♪」


─────────────────────────────



    ─爺督の執務室─




ホモ「お久しぶりねぇ、総司令官」

爺督「うむ。元気そうじゃの」

ホモ「ええもう元気ビンビンで困っちゃうくらいよぉん。良ければ夜戦で試してみてもいいのよぉん?」

爺督「結構じゃ」

ホモ「フンっ。冗談よ、あたしもあんたみたいな老人は範囲外なんだから」



爺督「……して、なんの用じゃ。任務を終えてもう帰るだけじゃろお主らは」

ホモ「あらあら冷たいわねぇー。あんなアホみたいな任務を無事成功させたっていうのに」

ホモ「もっと何かこうあるでしょう?労を労う言葉が」

爺督「見あう成功報酬を用意しておる。長期休暇の受理も問題ないぞい」

ホモ「はぁ、もういいわ。いけ好かないジジーね相変わらず。……ま、別に正直そんなのどうでもいいし」


ホモ「それより」

ホモ「提督ちゃんの事なんだけど」

爺督「……」

ホモ「まだ若い子で遊んでるのね」

爺督「なんの事じゃ?」

ホモ「とぼけんじゃないわよ!まだ経験も積んでない若い男をあんな危険な任務に差し出しておいて!」ガンッ

あきつ丸「ホモ提督殿、お静かに」

ホモ「……失礼したわぁん。とにかくもう少し控えめにしてくれないとさすがに見てらんないわよ」

ホモ「昔の貴方を知ってる身として、悲しいわ」ジッ

爺督「…………」


ホモ「ごめんなさい、余計な事言ってしまったわね。そろそろアタシはお暇するわ」

爺督「うむ。気を付けて帰還するのじゃぞ」

ホモ「ええ」スッ


スタスタスタ


ホモ「そうそう」ピタッ

ホモ「もう一つだけ」

爺督「なんじゃ?」

ホモ「あの提督ちゃんって子、とんでもない才能を持ってるわよ」

ホモ「あたしなんか到底及ばない、もしかしたら貴方もね」

爺督「そうか」

ホモ「じゃね、お元気で」


スタスタスタ バタン


あきつ丸「ホモ提督殿は、少しご立腹なようですね」

爺督「あいも変わらず気持ちの悪い男じゃの」



爺督(悲しい……か)

爺督(……もうあと戻りはできんのじゃ)

爺督(なぁ、祥鳳よ)













  ──数日後──



チュン  チュン 




提督「ん……んん」

提督「…………」ガバっ

提督「朝、か……」

提督「顔洗い行くかな」スッ




   ─洗面場─


 ジャーーー パシャァ 
 

提督(今はカムランでの任務を終えて数週間の休暇をもらっている最中)

提督(なのでここ数日間は好きな時に起きて、好きな時に好きな事をして、好きなだけ寝たりしている)

提督(……あんなに壮絶だった戦場を経験してしまうと)

提督(今のこの生活が嘘や幻に思えてしまう……それくらい最近はのんびりしている)





カチャ パタン


大和「提督、おはよう」スッ

提督「おはよう、大和」

大和「もう朝ご飯食べたの?」

提督「いや、今起きたかばかりだ」

大和「そう。私も今からだし一緒に食べましょう」

提督「わかった」ニコッ

大和「ふふ」ニコッ




提督(あの告白以来、大和とはそれなりに仲良くやっている)

提督(恋人同士の様に……とまではいかないが、俺となるべく一緒にいようと努力してくれたり)

提督(前と比較すると大分距離が近く感じる。精神的にも物理的にもだ)

大和「早く行きましょう」グイ

提督「あ、ああ」

提督(今だってこうやって手を握って引っ張ってくれたり)

提督(なんていうか……いいもんだな)



北上「何にやけてるのさー提督」スッ

伊58「なんか気持ち悪いでち」スッ

雪風「しれぇ!大和さん!おはようございます!」シュッ

大和「おはよう、皆」

北上「まったく朝からイチャついてお熱いですねー」

伊58「胸焼けするでち」

提督「ほっとけ」



大和「雪風ちゃん達は今起きたの?」

雪風「はい。昨日3人でゲームしたりお話したりして遊んでそのまま一緒に寝てですね」

伊58「ゆっきーから休暇中でも規則正しく起きるのは必要っていわれて叩き起こされたでち」

北上「雪風はしっかりしてるよねぇ。でもお休みくらいはゆっくりさせてよー」

雪風「だめです!普段からしっかりしてないといざという時にできないです!」

提督「雪風らしいなぁ」

大和「うふふ」



雪風「話は変わりますがお二方にお渡ししたいものがあります」

提督「渡したい物?」

雪風「これです」スッ

提督「ん、何かのチケットみたいだが」パシッ

雪風「遊園地のチケットです」

北上「うちの会社がスポンサーしてる所でね。無料券を結構貰ったからおすそ分けって訳」



伊58「せっかくの長いお休み、二人で言ってくるといいでち」

提督「遊園地か。あまり俺の柄じゃないような気もするが」

北上「いいじゃんそういうのもたまには」

伊58「息抜きになると思うでち」

雪風「しれぇ!お土産お願いします!」

提督「……分かった。俺はいいけど、大和はどうする?」

大和「そ、そうね。そういうのはあまり行った事がないから行ってみたいかも」」

提督(……二人きりで外出か。付き合ってからは初めてだよな)

大和(今まで何度か二人で出かけた事はあるけど……こういう関係になってからは初めてね)


提督&大和「「…………」」ゴクリ


提督&大和((……初めてのデート))




──────────────────────────


    ─日向の部屋─


雪風「ってわけでお二人は遊園地デートにいくと思いますよ」

日向「二人で遊園地とはまた初々しいじゃないか」

北上「まぁ付き合ってからまともにデートしてないみたいだし、これで少し進展あるかなってね」」

伊58「ちょっとおせっかいだったかもしれないでちね」

日向「いや、いいと思う」

日向「あの二人の事だから手つないだり一緒にいるだけで満足とかおもってるに違いない」

加賀「そうですね。友人の期間も長いですから壁を超えるのが大変そうです」

北上「おお、二人も賛同なんだ。良かったぁ。これで心おきなくついていけるね」ニヤリ

日向「ん?ついていく?」









  
  ─ デート当日 待ち合わせ場所 ─





提督(…………)ドキドキ


タッタッタッ


大和「お待たせ提督。待った?」

提督「いや、全然。というかまだ1時間前だぞ。なんでもうきてるんだ?」

大和「え?うーん……提督なら早く来るだろうと思って」

提督「そ、そうか。なんかすまん」

大和「いいのよ。さ、行きましょう」






北上「ひぇーまさか本当に二人共、待ち合わせ時間の1時間前にくるなんて……」コソコソ

伊58「すごいでち。これが幼馴染パワーって奴なの?」コソコソ

北上「日向っちが教えてくれなかったら置いてかれる所だったよ」

日向「まぁあいつらとは長い付き合いだからな。なんとなく分かったさ。……ってそんな事より」

日向「ほんとに私達もこのまま尾行してくのか?!」

北上「うん」

日向「なんの為だ?」

北上「面白そうだから」

伊58「でち」

雪風「しれぇと大和さんの身に何かあったら心配ですから」

日向「……雪風はともかく北上とゴーヤは考えを改める必要がある」ハァ


北上「まぁまぁそんなに肩を落とさないでよ。ウチらなりに考えがあるんだから」

北上「てか日向っちと加賀っちは帰ってもいいんだよ?」

日向「いや、ついていく。お前らが良からぬ事をしないか見張る」

日向「加賀、一緒についてきてくれるな?」

加賀「いえ、私は別に…」

日向「間宮本舗の限定アイス」

加賀「行きましょう。無事に添い遂げるまで見守る覚悟です」

日向「うむ。頼んだぞ」



───────────────────────────────



提督「遊園地へ行く前に軽めに食事でもどうだ?」

大和「早めに合流したおかげで時間も大分あるしそうしましょう」

提督「うむ。あっちにいい店があるんだ。そこへいこう」スッ















北上「お、二人共異動するみたいだよ。さぁ皆これつけて」スッ

日向「な、なんだこれは?サングラス?」

北上「ばれない様にだよ」

加賀「この人数で全員サングラスして行動というのはどうなんでしょうか」

北上「だいじょぶだいじょうぶ。要はあっちにばれなきゃいいんだから」

日向「怪しすぎるだろう……」




─────────────────────


    ─喫茶店─


大和「随分しゃれてるわねー提督がこういう所知ってるなんて意外」キョロキョロ

提督「まぁな。さぁ好きなものを頼んでくれ。おすすめはっと……」

大和「色々あって迷っちゃうわねぇ」











伊58「雰囲気いい店でちね。周りカップルだらけだよ」

北上「こんな店よく知ってたね」

日向「たしかに提督の性格上こういう場所には疎いと思ったが」

雪風「さすがしれぇです。夜遅くまで頑張っていた成果がでていますね」

伊58「ゆっきーは何か知ってるの?」

雪風「はい。雪風はしれぇの命令で女性向けの雑誌を買いに行ったのですが」

雪風「しれぇはそれを使ってデート前日まで入念にここらへんのお店を調べていましたから!」

伊58「……ちなみにそれ、ゴーヤ達に言っていいんでちか?」

雪風「あ、そういえば口止めされていました」

伊58「ゆっきーはそういう所直した方がいいでち……」




大和「うん、美味しいこのデザート。口の中でとろけるわぁ~」ニコニコ

提督「噂に恥じない味だ。雑誌を参考にして正解だったな」

大和「雑誌?」

提督「い、いやなんでもない」














北上「いい感じだね。さすが幼馴染だけあって会話も弾んでるし自然な感じ」

伊58「最初は二人とも緊張してる感じがしたけど大丈夫みたいだね」

北上「じゃあそろそろ」

伊58「でち」コクリ

日向「?」



   スタスタスタスタ

   
   
メイド「失礼いたします」スッ


店員「カップル専用のよくラブコメとかで見かけるストローつながってる飲み物のヤツです」

提督「え?頼んでないですが」

メイド「実は記念すべき1万人組目のカップルという事で当店から特別にプレゼントとさせていただきました。勿論御代は気にしないでいただいて結構です」

提督「記念?1万組目?」キョトン


ゴトッ


店員「ごゆっくりお楽しみください」ニコニコ


スタスタスタスタ


提督 & 大和 「「…………」」


カップル専用のよくラブコメとかで見かけるストローつながってる飲み物のヤツ


すんません、上記のとこはあとで修正しようと思ってまして、メモがそんまま残ってました

カップル専用ジュースとでも脳内変換お願いします



提督 & 大和「「…………」」

大和「お、大きいわね」

提督「しかもこれストローがハートの形なんだが」

大和「なんか回りに見られててちょっと恥ずかしい」

提督「急にこんなの……下げてもらうか?」

大和「うーん、それも勿体ないし……飲んじゃいましょうか」

提督「正気か?」

大和「ええ。提督も一緒に飲んでね?」スッ

提督「わ、分かった」スッ


ゴクッ

ゴクッ


提督「甘いな」

大和「そうね」


ゴクッ

ゴクッ


大和「…………///」

提督「…………///」













北上&伊58「「いえーーい!」」パチン

日向「いえーい!じゃない。ハイタッチするな!というかお前らの仕業だろあれ!」



北上「ここらへん一帯のお店はスーパー北上がスポンサーしてる所だからねぇ。顔が利くんだよねー」

日向「な、なんていう無駄な権力の使い方だ。というかお前らこんな茶々いれる為についてきたのか」

北上「だからいったじゃーん。楽しそうだからって」

伊58「いい雰囲気になったから結果オーライでち」

日向「たしかにちょっといい感じにはなったが……しかしだな」

日向「加賀、お前からも何かいってやってくれ」クルッ



メイド「お待たせしました。ジャンボ戦艦パフェ5人前です」


加賀「おおこれが……やりました」グッ

北上「加賀っち、ここまで来てしっかり食べていくとはさすがだね」

伊58「お見それしたでち」

日向「……」ガクッ




カランコロン


アリガトウゴザイマシター



提督「ま、まぁなんか妙な事はあったが……とりあえ遊園地に向かうとするか」

大和「え、ええ」








カランコロン


アリガトウゴザイマシター




北上「さてウチらも遊園地に向かうとしますか」

伊58「了解でち」

雪風「はい!」

日向「まだついていく気なのか?」

北上「あたぼうよー。はい、チケット」

日向「チケットまでしっかり用意とは……」

日向「仕方ない、毒を食らわば皿までというし、ついていくか」

日向(……待てよ。遊園地も北上がスポンサーとかいっていたよな)

日向「嫌な予感が……」










     ─遊園地 ─



  ワイワイ ガヤガヤ




提督「随分とまた大きい遊園地だな」

大和「アトラクションもいっぱいだわ。どれにしよう迷うわねぇ」

提督「うむ。まぁ時間はあるしゆっくりと……」

???「提……そこのお客さーん」

提督「ん?」

???「貴方達はこの遊園地に訪れた100万組目のカップルです」

???「なので記念に特別なプランをご用意しましたでち」

???「ゆきか……私達が考えたデートに最高なアトラクションをご案内しますのでついてきてください」


提督「こ、今度は100万組目?」

???「ささこちらへー」

???「どーぞどーぞでち」

???「こちらです!」

提督(なんか聞いたことのある声だな)

提督「大和、いいのか?この人達に任せて」

大和「いいんじゃないかしら?こんな事滅多にないでしょう」

提督「ふむ。ならいいか」












加賀「サングラスとマスクだけでも案外ばれないものですね」コソコソ

日向「やっぱりか.。あいつら、また提督達にイタズラしようとしてるな。雪風もいつのまにかノリノリだし」ガクッ

日向「仕方がない。バレてもいいから止めに」

加賀「待ってください。もう少し様子を見ましょう」

日向「いや、止めないと提督達のデートが台無しにだな」

加賀「様子を見ましょう」ジッ

日向「うっ、なんだ?何かあるのか」

加賀「……」コクリ














  ─数時間後─




提督「やっと終わった……」ゲッソリ

大和「て、提督。大丈夫?」

提督「あ、ああ……しかし、遊園地というのはこんなに恐ろしい所だったのか……」

提督「やけに回るのが早いメリーゴーランドと映画レベルの特殊メイクを使った本物そっくりなお化け屋敷に風でやたらグラグラ揺れる観覧車……他にも色々えげつないアトラクションがあったというのに」

提督「……大和は良く平気だな」

大和「うーん、ちょっと怖かったけどどれもスリルがあって面白かったわね」

提督「女性は絶叫系に対して耐性があると雑誌に書いてあったが、本当だったんだな……」グッタリ

大和「やっぱり顔色悪いわよ?ちょっとあそこのベンチで休みましょう」

提督「ああ、すまん……」






─────────────────────



    ─休憩室─



北上「あー笑えたね。お化け屋敷でのあの顔」ケラケラ

伊58「提督さん、結構びびってたでち」

雪風「しれぇにも苦手なものがあるんですね」

北上「驚いて大和っちに抱きついてたもんね」

伊58「メリーゴーランドで目を回してたのはちょっと可哀想だったかもだけど」

北上「あはは、大和っちは全然平気っぽかたけどねぇ」

加賀「艦娘にはあの程度の速度であれば日常茶飯事ですよ」





日向「……っ」ワナワナ

日向「なんなんだ!お前らは!」ダンッ

北上「ど、どうしたの急に大きな声だして日向っち」ビクッ

日向「どうしたのじゃない!結局、提督達の邪魔するばかりで……」

日向「加賀に止められていたから何も言わなかったが……ひどすぎるぞ」

雪風「日向さん……」



日向「あの二人はお前らだって知ってると思うが!」

日向「軍人になってやっと互いの想いを打ち明ける事ができたんだ」

日向「ここから先また命を懸けた戦いがある。今は長い休暇を貰ってゆったり過ごせているが」

日向「いつまた任務で危険な目にあうかわからんだろう!」

日向「だから少しでも多く二人の時間を……幸せに過ごしてほしい。私はそう思って提督達を応援しているんだ」

日向「それなのにお前らときたら」


北上「……分かってるよ。そんな事」

伊58「日向さん、ゴーヤ達も同じ気持ちだよ」

日向「ならなんで!」

北上「うーん……簡単にいうと嫉妬というかなんというか」

日向「え?」

雪風「ごめんなさい。本当は雪風も見守るつもりだったのですが、ちょっと羨ましくなりました」

伊58「大和さんも提督さんの事も大好きだけど……二人だけで楽しむのはちょっとばかし勿体ないなって思ったんでち」

北上「そーそー、そういう事。せっかく私達仲良くなれたからね。だから今後も二人だけの時間が多くなるって思うと悲しいじゃん?」

日向「………し、しかし」


北上「大丈夫。今日だけだよ、こんな事するの」

北上「あんなにお似合いの様見せられたら、諦めもついたし……ね?二人とも」

伊58 & 雪風 「はい(でち)」

日向「諦め?……ってお前らもしかして」

北上「いやいや、そんな大それたもんじゃないよ」

伊58「ちょっとした憧れみたいなもんでち。提督さんにこの艦隊へ誘われた時から尊敬してるから」

雪風「雪風はそういう感情よくわからないですが……しれぇとホントはもっと一緒にいたいとは思います」

北上「ま、普段は堅物だけど何事にも一生懸命だし責任感強いしなんだかんだ優しいし、見た目も中々いいじゃん」

北上「異性として見てしまったという結果は致し方ないかもねぇ~」

北上「そこらへんは日向っちと加賀っちのが分かるんじゃない?」

日向「ど、どういう意味だ」アセッ

北上「ふふ」

北上「て訳でそろそろ帰ろうか。これ以上の邪魔はさすがにあれだしね」

伊58「了解でち!」

雪風「はい!」


日向「……加賀」

加賀「はい」

日向「あの三人の意図に気づいていたから止めたのか?」

加賀「…………」

日向「だとしたら、私は考えが足りなかったようだな。あの三人だって一人の女性だという事に目を向けず……」

加賀「いじわるを」

日向「え?」

加賀「私もあの二人をイジワルして邪魔したかったのかもしれません」

日向「加賀、お前」

加賀「……冗談です。さぁ、日が暮れる前に帰りましょう」

日向「あ、ああ」





───────────────────────





   ─ 夕方 ─



提督「さぁそろそろ帰るか」

大和「ええ」

提督「それにしても楽しかったな。色々大変な事はあったが」

大和「そうね。こんなに遊んだの何年ぶりかしら」

提督「士官学校入ってから今まで遊ぶ時間なんて無かったもんなぁ」

大和「休みの日は訓練後の疲れをとる為に寝てばかりいたものね」

提督「ああ」

大和「これからどうするの?鎮守府に帰るの?」

提督「いや、ちょっと寄りたい所があるんだ。タクシー拾うから少し待っててくれ」

大和「寄りたい所?」













    ─海を見渡せる山─ (前スレ>>365の場所)

                


大和「この場所は……」

提督「久しぶりか?ここへくるの」

大和「提督、まだ覚えてたのね」

提督「うむ。忘れたことなんて一度もないよ」

提督「大和と仲直りして、軍人になるって決めた場所だから」

大和「……そう」


提督「大和」

大和「はい?」

提督「左手だしてくれ」

大和「左手?」

提督「ああ」

大和「何よ急に」

提督「いいから」

大和「?」スッ

提督「サイズ合うかどうかわかんないけど」スッ

大和「こ、これって……」

提督「一応、3か月分てやつだ」

大和「結婚指輪……」


大和「結婚指輪……」

提督「急にごめん。でもどうしても渡したかった」

提督「早いかもしれないけどさ。前も言ったけど軍人としてこれから生きていけばいつ死ぬかわからない。だけど悔いは残したくない」

大和「……私なんかでいいの?」

提督「お前じゃなきゃ嫌だ」

大和「そっか……ありがとう。すごくうれしい」

大和「だけど受け取れない。結婚はできないわ」

提督「え?」


大和「提督の事は大好きだし、長い付き合いだし本当なら結婚だって全然問題ないわ」

大和「だけど提督が今言った様にいつ死ぬかわからないから……私達は」

大和「艦娘として前線に出る以上、死という現実から目を背けられないの」

大和「だから受け取らない。私は戦いが終えるまで……結婚しない」

大和「もし私が先に死んだら……提督、気にしちゃうじゃない?」

提督「大和……」

大和「ごめんなさい」

提督「いいんだ。俺の勝手な想いだから」


提督「でもやっぱり受け取ってくれ。折角買ったんだ。結婚て捉えなくてもいいからさ」

提督「ただのアクセサリーだと思ってくれ」

大和「もう、頑固ね……」

大和「分かったわ。じゃあ……嵌めて頂戴」

提督「……うん」



スッ

スススッ



大和「ぴったりだわ……綺麗」

提督「良かった。すごい心配だったんだよサイズ」

大和「…………」

大和「……仮の結婚なら、いいわ」

提督「ん?」


大和「さっきも言ったけど本当の結婚はこの戦争が終わったらにしましょう」

大和「だからそれまではえっと……結婚の仮、ケッコンカッコカリなの」

提督「なんだよそれ。別に無理やりそうやってこじつけなくても」

大和「いいのそれで!乙女心なの!」

提督「お、怒るなよ。……分かった」

提督「ケッコンカッコカリ、か」

提督「……カッコつける必要あったか?」

大和「なんか言葉のリズムがいいじゃないそっちの方が」

提督「そうかな。まあたしかにケッコンカリよりはいいかもな」

大和「ええ」

大和「だからこの指輪をしてる時は私と提督はケッコンカッコカリ」


大和「いつか平和な時代が訪れるその時まで」






「ケッコンカッコカリ、よ」






───────────
──────────
─────────
────────
───────
──────
─────
────
───
──













以上です


展開はやくて意味不明かもしれないorz




お読みいただきありがとうございました

おつ

幸せになって欲しかったな…

指輪か

引き出しに入ってた写真を撮ったの、もうそろそろなのかな

ケッコンカッコカリのところいいな。
少しロマンチックだった。

この後の結末がわかっている分悲しいね

>>901
あったよ海を見渡せる崖の参考画像がhttp://i.imgur.com/yu0XC0z.jpg

大和…涙が出てきちまう…


乙ありがとうございます
ここまで根気よく見てくれた方も感謝です


>>909
>>913
>>921
ごめんよごめんよ


>>911
すごい、そこ覚えてくれてたんですね

>>912
ロマンチックとか、嬉しい事いってくれるじゃないの

>>914
あれ……なんか見たことが……うっ……頭が




という訳でもうここで終わらせて「俺達の戦いはこれからだ」という流れでもいいのかもしれませんが
まだまだ、続きます。いえ、つづかせてください



投下します。よろしくどうぞ




  ─前回のあらすじ─

中央鎮守府に到着した提督たちは、南鎮守府艦隊と別れ寮へと帰還する

カムランでの任務に成功した報酬として、第2艦隊全員が長期の休暇をとる事になる
休暇中、提督は雪風達から遊園地のチケットを貰い大和とデートへいく

北上たちはデートを尾行し、喫茶店と遊園地にて「付き合いの後押し」とは口だけに、提督達にいたずらをしかけていく

怒った日向は北上達に説教を始める

それに対して北上達が嫉妬心から悪戯をしてしまったと吐露し、今後は素直に応援すると約束する
日向は自身も提督へ好意を持っていた事や加賀も同じように嫉妬していた様子を見て
やるせない気持ちで鎮守府へと帰る


提督達は遊園地でのデートを終えると、町と海を見渡せる山へと向かう
そこは提督と大和にとって思い出深い場所。提督はそこで大和に結婚指輪を渡そうとする

しかし大和はそれを拒む。艦娘である自分はいつ死が訪れるかわからない、自身がもし死ねば提督を縛ってしまうのではないか
という思いから提督に指輪を返そうとする

提督は大和の言う事を理解したものの、結婚はしなくとも指輪は受け取って欲しいと伝える
承諾した大和は指輪を受け取り、この行為に結婚(仮)、もといケッコンカッコカリと名づける



かくして二人は男女としての絆を深めていきながらも、互いに軍人として命を賭けて生きていく



そして、月日は流れる



─── 数年後



──
───
────
─────
──────
───────

─ 中央鎮守府 一般寮 ─



先輩軍人「おい、新人。鯱組が演習やるから見てこいって上からのお達しだ」

後輩軍人「鯱(シャチ)組……ですか?」

先輩軍人「ああ」

後輩軍人「すみません。鯱組とはなんの事でしょうか?」

先輩軍人「そいやこっちに来てばかりだから知らないのか。ウチ(中央)の第2艦隊の事だ」

後輩軍人(鯱組って……なんかダサい)



後輩軍人「あはは、中央鎮守府の主力ともいえる第2艦隊が随分と面白い呼ばれ方してるんですね」

先輩軍人「まぁな。隠語というか俗称というか、うん。そんなもんだよ」

後輩軍人「そうですか。なぜ鯱なんて呼ばれてるんでしょう?」

先輩軍人「見にいけば分かる」

後輩軍人「はぁ」

先輩軍人「っと、俺はそろそろ行かなきゃいけないから離れるぜ」

先輩軍人「お前は準備でき次第、演習場に行ってしっかりトップクラスの艦娘戦を目に焼き付けておけ」

後輩軍人「は、はい。了解です」ビシッ










  ─数時間後 演習場─


ビィイイイイイイイイ



演習軍人「演習終了!第2艦隊の勝利です」





後輩軍人「すごい」ポカーン

後輩軍人(第2艦隊……なんとなくは聞いていたけど噂に違わぬ実力集団だ)

後輩軍人(足が速く回避に優れた駆逐艦。通常では考えられない潜水深度から魚雷を放つ潜水艦)

後輩軍人(射程距離と威力は優秀だけど扱いの難しい甲標的を難なく操作する重雷装巡洋艦)

後輩軍人(高度な技術である弾着修正射撃を完ぺきに扱う戦艦に、尋常とは思えない程の艦載機を運用する正規空母)

後輩軍人「そしてあの長身の美しい戦艦……見たことがある」

後輩軍人「第2艦隊の旗艦にして最高の攻撃力と防御力を持つといわれる艦娘」

後輩軍人「艦娘関係の資料に代々的に載っていた……たしか名前は──」


先輩軍人「戦艦 大和。今、海軍に所属している者ならば知らない者はいないだろう」スッ


後輩軍人「先輩、来てらっしゃったんですか?」

先輩軍人「用事が終わったからな。ちょっとだけ顔だしにきた」

先輩軍人「それよりどうだった?演習の方は」

後輩軍人「すごかったですよ。こんなにレベルの高い演習は初めてみました」

後輩軍人「特に第2艦隊は別格でした。ここ中央へ配属される前から救世主ともいえる艦隊がいると
     噂には聞いていたのですが……まさかこれ程とは」

先輩軍人「そうだろう。現在こちらが深海棲艦に対して優勢であるのは彼らのおかげといっても過言ではない」


後輩軍人「なるほどです。所で鯱(シャチ)組の由来、見ても結局わからなかったのですが」

先輩軍人「ああそれはなほら、あそこにいるじゃないか」

後輩軍人「えっと……」

後輩軍人「真っ黒な軍服を着た男がいまずが、あれですか?」

先輩軍人「そうだ」

先輩軍人「危険度Aランク以上の任務を小数艦隊で遂行し」

先輩軍人「深海棲艦の行動と艦種パターンを数十種類に分類。対応策を記した全鎮守府にあるマニュアルを制作して」

先輩軍人「艦娘達の基本育成カリキュラムを提言して広く支持され」

先輩軍人「様々な名誉勲章を取得した第2艦隊の司令官だ」

後輩軍人「あれが第2艦隊の司令官……」

先輩軍人「ああ、そしてその司令官の黒い軍服と艦娘達の白い軍服」

先輩軍人「黒と白のコントラストが海の生物で最強と呼ばれている「鯱」をなぞらえてるのが由来」

後輩軍人「それで鯱組、なんですね」



先輩軍人「まぁ、昔は「喪服組」などと呼ばれ不遇だったそうだが……「鯱組」と呼ばれてるのもその名残だろう」





─────────────────────────────────


   ─中央鎮守府 演習場─


提督「ふぅ」

第3艦隊司令官「相変わらずの無双ともいえる強さですな」

提督「無双なんてそんな、まだまだです」

第3「ご謙遜を。しかし悔しいですな。我々の方が何年も先輩だというのに手も足もでないとは」

提督「そんな事はないと思いますが……」アセアセ

第3「いつか私の艦娘達にもご指導いただきたいですな」

提督「ええと、私から司令官の艦娘に教えられる事などありませんよ」

提督「それに自身の艦娘達を見るのに手一杯でして……」

第3「そうですか。それは残念です」


大和「提督ー準備ができましたよー!」



提督「わかった!今いく」

第3「第2艦隊旗艦戦艦 大和、いつ見ても美しい婦人ですな。羨ましい限りです」

提督「いえいえ、外面は良いですが、尻にしかれてばかりです」

第3「そうなんですか?艦娘を妻に迎える指揮官は多くいますが……皆、亭主関白気味ではあるが上手くいってるとお聞きしますが」

提督「亭主関白だなんてとんでもないですよ。私の場合は幼馴染が相手ですからね。なかなかどうして……それにまだしっかりと籍をいれていませんし」

第3「ほう?それはまた何か理由が?」

提督「まぁ色々ありまして」



大和「提督ーまだですかー?」



提督「すみません、というわけで私は怒鳴られる前に戻らせていただきます」ペコ

第3「はは、了解しました。またよろしくお願いします」ペコ




タッタッタッタッ

提督「すまん。待たせたな」スッ

大和「構いませんよ。それより寮に戻って食事にしましょう。皆さん提督の事を待ってますよ」

提督「む?演習で受けた傷はもう大丈夫なのか?」

大和「ええ。全員ほぼ無傷で勝利しましたから」

提督「そうか……第3司令官には聞かせたくないな」

大和「うふふ、第2艦隊の名に恥じない戦いをしたまでです」

提督「……なぁ」

大和「はい?」

提督「二人でいる時くらいその気持ち悪い口調止めたらどうだ?」

大和「嫌です。常に変えてないとどこかでボロがでてしまうので」

提督「なんだかなぁ。指輪を渡してからというものの」

提督「将来第2艦隊司令官の妻になる身として正しい言葉づかいや振る舞いに正すとか言いだし始めてからむず痒くてたまらん」

大和「いいじゃないですか。結果的に第2艦隊は中央の模範となる存在になったんですから」

大和「注目される以上、留意すべき点だったと思いますよ」

提督「本当に籍を入れてからでもいいじゃないか?」

大和「それじゃ遅いですし、私も今後多くの人に見られる側としてキチンとしていたいというのもあります」

提督「……わかったよ。もう好きにしてくれ」ハァ



───────────────────────────


   ─爺督の執務室─



あきつ丸「今回の調査の結果、アジア周辺海域において、人類側の占拠率が70%を超えたであります」

爺督「ふむ。素晴らしいのぉ」

武蔵「……あのひよっ子が立派になったおかげだな」

島風「それって第2の司令官さんの事?」

武蔵「ああ。今我々海軍の士気は最高潮」

武蔵「その理由の根端として、第2艦隊が関わっているのは誰が見ても明白だろう」

島風「ふーん」


あきつ丸「爺督殿。今後の展開はどうされるおつもりでありますか?予定としては次の段階へ行くべきところでありますが……」

爺督「そうじゃなぁ」

爺督「武蔵ちゃん」

武蔵「なんだ?」

爺督「第一艦隊全員が最後に出撃したのはいつじゃ?」

武蔵「半年前に近海の敵を掃除したくらいだな」

爺督「半年前か……随分と前のようじゃな」

武蔵「ああ。おかげで腕がなまってしょうがない」

爺督「なるほどのう」

爺督「久方ぶりに模擬訓練から始めるかのう」

武蔵「!」

爺督「ビスマルク、木曾、隼鷹にも声をかけといてくれるか?」

武蔵「……ふむ」

武蔵「了解だ」ニヤリ










─数日後



   ─南鎮守府 執務室─


利根「ホモ提督よ、中央から書類が届いておるぞ」

ホモ「珍しいわねこの時期に、しかも機密のやつじゃない」パサッ

ホモ「んー、ふんふん」

ホモ「…………」

ホモ「えらいこっちゃだわぁん」

利根「どうしたんじゃ?なにかあったのかの?」

ホモ「ちょっと中央にお呼ばれされたみたいなの。悪いけどしばらく鎮守府の事お願いするわねぇん」

利根「ふむ?了解じゃ」キョトン




──────────────────────────


   ─北鎮守府 執務室─


翔鶴「エリートさん。中央から書類が届いています」

エリート「中央だと?やっとこのエリートの功績を称える用意ができ……」パサッ

エリート「……へぇ」

エリート「おもしろい事が始まるじゃないかぁ」

翔鶴「どうしたんですか?随分嬉しそうな顔をして」

エリート「ああ、中央から呼ばれた様でね。今から向かうとするよぉ」

翔鶴「今からですか?急ですね」

エリート「しばらく鎮守府の事は君の一存に任せる。頼んだよぉ」スッ

翔鶴「承知しました。お気を付けて」




──────────────────────────


   ─中央鎮守府 第2艦隊寮 執務室─



提督「───ええ、分かりました。ええ、はい。ではまた後程」



ガチャ ツーツー


提督「…………ふぅ」

大和「どうしたのですか?」

提督「本部から連絡があった」

提督「ついに深海棲艦の本拠地と思われる場所の一つに」

提督「全観隊の総力をあげ打って出るとの事だ」

大和「ほんとですか!?」

提督「うむ。その為に一度全国の鎮守府の責任者を中央鎮守府に呼び出し会合をするとの事だ」

提督「もちろん俺も出席する。会合は今週末に行われるそうだから準備を手伝って欲しいとさ」

大和「本拠地って……今まで一度も話にでてなかったですよね?急すぎないかしら」

提督「いや、そうでもないさ。最近は深海棲艦の勢力も弱まってきていると聞くしな」

提督「こちらとしても連戦連勝している良い雰囲気の中で戦いに望みたいという意向だろう」


提督「タイミング的には丁度いいのかもしれん」



ちょと休憩

叢雲の改二可愛い。槍なくなったのがちょっと悲しい


乙ありがとうございます

投下させていただきます

よろしくどうぞ












─数日後




    ─中央鎮守府 大広場 会合中─



爺督「えー、ゴホン」


爺督「数百年」


爺督「数百年という長い年月だ」


爺督「我々人類が深海棲艦という突如現れた謎の敵と戦い争っていた時間」


爺督「広大な地球の一部、つまり海を奪われ」


爺督「奴らの存在におびえながら過ごしてきた」


爺督「海岸線を持つ国はやつらの攻撃で領地を削られ、巻き込まれた多くの人間が命を落とした」


爺督「かつて我々日本海軍も旧式の軍艦で立ち向むかったが、ガラクタ同然に蹴散らされる程、戦力に差があった」


爺督「我々は、無力だった」


爺督「しかし」


爺督「ある時、人類は艦娘という深海棲艦に対抗しえる技術を手に入れた」


爺督「それからだ」


爺督「艦娘を主軸とした艦隊で深海棲艦に立ち向かった……結果」


爺督「攻勢は逆転した」


爺督「我々は深海棲艦に奪われていた領海を徐々に取り返していった」


爺督「深海棲艦は我々を恐れたのか最近では遊弋する海域を狭めている」


爺督「なぜなのか?」


爺督「我々が強者に、奴らを圧倒したからだ」


爺督「ならばどうあるべきか?」


爺督「答えは決まっている」


爺督「全ての深海棲艦を駆逐し、我々人類が勝利し、そして」


爺督「海を奴らから解放する」


爺督「母なる地球の一部を、何者にも侵されていなかった昔の様に」


爺督「取り戻すのだ」


爺督「そのために」


爺督「諸君の力が必要だ」


爺督「人類の代表として戦う誇り高き戦士達よ」


爺督「今一度その力を人類の為に奮ってほしい」


爺督「以上だ」




パチパチパチパチパチパチパチパチパチ





提督(…………)

爺督「どうじゃったかね?ワシの演説は」スッ

提督「素晴らしいものでした。聞き入ったすべての者に希望と勇気を与えた事でしょう」

爺督「そうかの。それならよいのじゃ」

爺督「お主もいつかワシの座に就きたいのなら戦前(いくさまえ)の士気上げ話くらいは用意しとくといいぞい」

提督「はい」

爺督「ふぉっふぉっふぉっ」スッ


スタスタスタ



提督(嫌味なじーさんだなまったく)ハァ


提督(──さて、この後は各艦隊別のブリーフィングか)

提督(日本全国の艦隊を集めて編成した大規模な戦い)

提督(艦娘に関していえば千に近い数が集まっている)

提督(深海棲艦がどれだけいるか分からないが

提督(これだけの戦力を整えればきっと……)グッ


  「間抜面で何考え込んでるんだキミはぁ」


提督「ん?その声は──」

エリート「久しぶりだねぇ」

提督「エリート……癪に障る喋り方だったからすぐわかったよ」

エリート「いってくれるねぇ。少し偉くなったからチョーシのってんじゃないかと心配したけどドンピシャだったようだぁ」

提督「ああ、お前より随分偉くなっちまった。サインしてやろうか?」

エリート「キミは、ほんっっとムカつくよぉ」ギロッ

提督「そりゃすいませんね」ジロッ


提督&エリート「「…………」」バチバチ


提督「ふふ」

エリート「くく」



提督「変わらないなお前も」

エリート「君もねぇ」

提督「噂は聞いてるよ。北部の海域で大戦果をあげたそうじゃないか。さすがだな」

エリート「海軍の間で救世主ともはやされている君と比べたら恐れ多いねぇ」

提督「救世主か、誇張された表現だ。実際大した事はしていない」

エリート「大した事はしてない……か」

エリート「君の制作した艦娘訓練マニュアルを見た。……悔しいが目から鱗だった」

エリート「正直、張り合っていた自分が少しばかりしょぼく思える程に素晴らしい物だったよ、あれは」

提督「…………」ポカーン

エリート「なんだその金魚が呼吸している様に口をパクパクさせて」

提督「いや……エリートが俺を褒めるなんて……丸くなったなぁ」

エリート「あ、お、何を言うんだ君は//」

エリート「僕はちょっとそう思っただけで実際は君なんかに負けないくらいだなぁ───」


「いいわよねぇん。男の子同士の会話って。股間が熱くなってきたわぁん」ヌッ


エリート&提督「「ひっ」」ビクッ

ホモ「なにバケモノを見た様な顔をしてるのよぉん。ひどいわねぇん」


提督「ホ、ホモ司令官。いつのまに……」

ホモ「いい男の匂いがすると思って来てみたら提督ちゃんともう一人知らない可愛い坊やがいるじゃない?」

ホモ「これはもうお声掛けするしかないと思ってねぇん」


エリート「て、提督、この気色の悪いでかいおっさんは何者だ?」

提督「南鎮守府の司令官、ホモ提督さんだ」」

ホモ「よろしくねぇん♪」キャピーン

エリート「よ、よろしく(オエエエエ)」

提督「司令官もやはり呼ばれましたか」

ホモ「ジジイに言われて仕方なくねぇん。まぁでも、全国から集められた選りすぐりのいい男達がきてるみたいだしラッキーだわぁん♪」

提督「そうですか」タラー

ホモ「そ・ん・な・こ・と・よ・り」

ホモ「そこの可愛い男の子、紹介してよ提督ちゃん」

エリート「!」ギョッ

提督「ああ、こいつですか。どうぞどうぞ。エリートと言いまして優秀な奴ですから十分に相手してやってください」

エリート「あ、おい!なにをいって──」

ホモ「あらそぉん?じゃあ遠慮なく……あっちに良い感じの個室があるからお互い色んな意味でお知り合いましょ?」グイ

エリート「いや、僕はっ(なんて力だ)」グググググ


提督「私はお邪魔な様なので失礼します。エリート、がんばれよ」




マテェ!ボクヲオテイクナ!
エリートチャンハコッチヨ。タノシミマショーネ



提督「さて、明日からまた忙しくなるな」









   ─第2艦隊寮 会議室─



提督「敵の数は未知数、だが今までの実績から考えると千隻以上と推測される」

提督「それに対しこちらは日本から出撃できる艦隊のほぼ全てを有し敵艦隊を殲滅する、簡単にいえばそういう任務だ」

提督「間違いなく史上、最大規模の戦いとなるだろう」

北上「ふーん。周辺国の支援はどうなってるのー?」

提督「話によると中国とアメリカには要請を出したのだが」

提督「どうにもいい返答を貰えなかったとの事だ。まぁ場所的に手を出しづらいのと何か政治的背景があると思われる」

提督「ので今回は、日本単独での任務だ」

大和「まぁ下手に連携が取りにくい相手と組んでもやりづらくなるだけもかもしれませんし、結果的にはいいのかもしれませんね」

提督「そういう考えもあるな」


日向「今回の任務、やけに力が入っている様だが……成功したら何かあるのか?」

提督「うむ。大きく言えば二つだ」

提督「重要海域の奪還という事により苦にしていた欧米諸国へのアクセスが容易になり多大な利益を生むという事がまず一つ」

提督「もう一つはアジア海域に潜む深海棲艦が集結しているという事」

提督「しかもこれがある島を取り囲む様に……一つの地点に集まっている」

提督「つまり、これを叩く事ができれば──」

加賀「敵が集まっているそこを一網打尽。深海棲艦を効率よく倒し、数を一気に減らす事ができる」

提督「そういう事だ。奴らもだんだん余裕がなくなってきたのだろう。今までバラバラに分散していた深海棲艦が集合しているわけだからな」

伊58「一か所にあつまってくれればこっちは四方八方から囲んでボッコボコにできるでち」

北上「たしかに数がいても囲んで叩けば陣形的には有利かもねー」



雪風「しれぇ、雪風達はどんな役割なのですか?」

提督「俺達は第一艦隊と共に敵の旗艦を直接狙いにいく」

大和「第一艦隊とですか?」

提督「ああ」

日向「総司令官のお付という事か。大役だな」

提督「うむ。本任務の要ともいえる」

北上「今回の戦いが終わればまたしばらく休暇がもらえるかな?」

提督「休暇どころじゃないかもしれんぞ。この任務はアジアにおける深海棲艦の勢力を大幅に削る事ができるかもしれないんだ」

提督「結果によっては海軍の縮小もありえる」

伊58「っていうとどういう事でち?」

提督「……艦隊を解散するって事だ」


雪風「ええ?!いやです!まだみんなと居たいです!」

提督「いや、まぁ大げさに言ってだ」

提督「今後深海棲艦の勢力が弱まるとなると今の海軍……つまり艦娘達の規模というのは過ぎたものになるだろう」

提督「更にいえばそれだけ軍事費用もバカにならん」

提督「ならば既存の艦隊などの戦力を解散し費用削減の動きがでるかもしれいないという事だ」

日向「平和になれば、軍隊は不要という事か」

提督「不要とまで言わないが、今ほど必要ではなくなるだろうな」

加賀「平和……ですか。深海棲艦がいなくなれば私達はいらないですものね」


提督「艦娘としてのお前らはな。だけど、解体すればお前らは人間として生きていく事ができる」

提督「その時は第2の人生を歩めばいいさ」

大和「第2の人生……か」

提督「ああ」

日向「中々想像つかないな。私達が元の人間に戻って生活とは」

提督「何言ってるんだ。艦娘になる前はみんなそうだっただろう?」

日向「そうだが……もう10年近くこの生活をしているんだぞ。感覚を取り戻すのは大変じゃないか」

提督「たしかにな。ま、幸いに給与だってたっぷり貰っているんだ。その金で時間をかけて社会復帰すればいい」

日向「……ふむ」ウーン

提督「深く考えすぎるな。まだ任務が成功したわけじゃない」

提督「それに余剰戦力は苦難しているヨーロッパへ回すという話も上がっているから本当に軍が縮小するともかぎらん」

提督「とりあえず後の事はその時に考えよう。───という訳で、今日は解散だ」

提督「各自、しっかり作戦書に目を通しておくようにな」














  ─その夜  提督の部屋─





提督(…………)

大和「提督ー」

提督「ん?」

大和「こんな所で明かりもつけずに何をしているんですか?」

提督「ちょっとな」

大和「……?」

提督「大和」

大和「はい」

提督「今回の任務が終わったら、結婚しないか?」

大和「え……」


提督「分かってる。艦娘である以上……結婚はできないって事は覚えてる」

提督「だけど昼に話していた通り今回の任務が成功すれば深海棲艦の勢力は弱まる」

提督「ならば俺達も危険な任務へ赴く事も少なくなるだろう」

大和「……」

提督「最近では艦娘と司令官のケッコンというのも中々どうして多いようだし」

提督「駄目か?」

大和「……いいですよ」

提督「おお、なら──」

大和「ただし条件があります」



提督「……」

大和「どうですか?」

提督「いや、問題ない。けど……いいのか?大和は艦娘として生きていくと決めていたのに……」

大和「私の目的は元々深海棲艦の脅威を拭い去る事でしたから……それに」

大和「ここ数年過ごしてきてもう一つ、夢ができて……その」

大和「提督と……夫婦として生きていきたいのよ」

提督「大和……」

大和「な、なんかすごい恥ずかしい//」カァ

提督「……」ダキッ

大和「ちょ、ちょっと、急に抱きしめないでよ」ギュウ

提督「口調が元に戻ってるぞ」

大和「あ……も、もういいじゃない。こういう時は//」

提督「都合がいいなまったく」クスクス

大和「フンッ//」

大和「提督だって「後の事はその時考えよう」なんか言ってた癖に……」

提督「あれはまぁその指揮官として無責任に煽りたくなかっただけだ」アセアセ

大和「そんなの知らないわ」プイッ

提督「拗ねるなよ。まったく……」

提督「…………」

提督「一緒にその夢、叶えような」

大和「……うん」コクリ

提督「この戦いが終わって平和になったら……本当に」




「ケッコンしよう」




──────
─────
────
───
──



──
───
────
─────
──────



─大規模任務 当日 ─



メイド「ゴーヤちゃんはもっと左寄って~」

伊58「ここらへんでち?」サッ

メイド「おっけーです!北上ちゃん、制服の襟が裏返ってるから直してー」

北上「あーはいはい……どうかな?」スッ

メイド「大丈夫!じゃあちょっと皆そのままですよー」

雪風「はいです!」


提督「急に皆で集合写真を撮りたいだなんて……なんかあったのか?」

大和「もしかしたら今日で皆さんと一緒の任務が最後になるかもしれませんから、記念にと思いまして」

提督「……なるほど」



メイド「んーまぁこんなもんでしょうか」

メイド「なんかこう足りないような……んー」

メイド「そうだ、提督さんと大和さん」

提督&大和「「はい?」」

メイド「手をつないで寄り添ってください」

提督&大和「「へ?」」


メイド「手をつないで寄り添ってくださいー、せっかくですから」

提督「せ、せっかくってどういう事ですか」

大和「そ、そうですよ、恥ずかしいです」

伊58「今更なにいってるんでち。ほらほらテートクさんと大和さんは手をつないでください」

北上「いつもラブラブしてるんだからいいじゃん」

雪風「しれぇ!男なら積極的にいきましょう!」

日向「いいんじゃないか?記念の集合写真、ちょっとくらい惚気た所で誰も怒らん」

加賀「良い写真の為、お願いします」

提督「わ、わかったよ。手をつなげばいいんだろ!」ガシッ

大和「…………//」ギュ

メイド「お、いい感じですねー、よし。では撮りますよ」


メイド「3、2、1」


メイド「0!」





パシャッ





メイド「綺麗に撮れましたよ!」サッ

提督「おお、いいですね。なんか俺と大和だけ浮いてるようにみえますけど」

メイド「とっても素敵じゃないですか。その写真、提督さんにあげますよ」
※前スレ>>216の写真

提督「くれるんですか?」

メイド「はい、ネガはありますからどうぞ」

提督「そうですか。じゃあお言葉に甘えて」

提督「…………」ジー

提督「……宝物にします、これ」ギュゥ












   ─任務開始前 海上待機中─



日向「この艦娘の数……壮観だな」

伊58「ひーふーみー、えっと……何隻いるでち?」

雪風「艦娘と軍艦全部併せて、約千隻です!」

北上「作戦会議で聞いてはいたけど、こうみるとすごい数だね~」

加賀「戦いは数……だけとは思いませんが、これだけいると心強いです」

日向「うむ。それにしても大和の奴遅いな。何か用事ができたといっていたが」

提督「ああ、艤装の件で色々あってな。少し時間かかるといっていたからしばらくこないだろう」

日向「まったく……作戦当日に何をしているというのだ」


ブゥウウウウウウウウウウウウ



提督「作戦開始の合図だ。各艦指定の配置についてくれ」



艦娘達「了解」」



────────────────────────────



   ─中央鎮守府第一艦隊─



ビスマルク「久しぶりじゃない?第一艦隊全員があつまって任務にでるのって」

木曾「たしかにな。半年ぶりって所か」

隼鷹「ヒャッハー!なんかちょっと盛り上がってきたんじゃないのぉこれ?!んぐっんぐっ」グビッグビッ

島風「うわぁ、酒くさーーい」

あきつ丸「相変わらずでありますね隼鷹殿は」

武蔵「ふんっ。任務中に飲酒など……本来であれば許さないのだがな」


武蔵「それより爺督、今日は本気で暴れていいのだろうな?」

爺督「もちろんじゃ。弾薬も燃料の事も気にせず好きにせい」

武蔵「そうか」ニヤリ

隼鷹「へー、じゃあさ。誰が一番やれるか競争てのはどうだい?」

木曾「面白そうだな。悪いが手加減しないぜ」

ビスマルク「随分な自信ね」

島風「えーー誰が一番速いかのがいいなぁ。ねー連装砲ちゃん」

連装砲ちゃん「きゅー!」

武蔵「よかろう、そろそろ貴様らに実力の差を見せつけてやりたかった所だ」

あきつ丸「自分は遠慮させていただくであります」

爺督「うむうむ。仲良くやるんじゃぞー」


─────────────────────


  ─ 北鎮守府艦隊 ─


エリート(天候良好、風向き追い風、波も穏やか)

エリート(素晴らしい。艦載機による攻撃がメインである僕の艦隊としては好都合だ)

エリート「翔鶴、今日は最初から全力でいけぇ。他のやつらに獲物をとられんよう、敵座標の確認がとれたら艦載機を寄せていい」

翔鶴「珍しいですね。いつも慎重に事を運びますのに」

エリート「アホめぇ。こういう時に戦果をあげんでどうする。このエリート様の名を轟かせるナイスチャンスだというんだ」


瑞鶴「翔鶴姉にアホとかいうんじゃないわよ!」

翔鶴「瑞鶴、いいんです。確かに敵の数も多いと聞いていますしできるだけ多く倒すという意識をもつのは大事な事ですから」

エリート「そういう事だぁ。それにはお前ら正規空母がガリガリやっつけてもらわんと困るのだよぉ」

夕立「ちょっとちょっと、夕立達もがんばるっぽい!」

時雨「僕たちだってやる時はやるんだよ」

瑞鳳「そうですよ!軽空母だからってないがしろにしないでください!」

最上「エリートはもう少し言葉に気を付けてほしいな」

エリート「うるさいっ。貴様らはあくまでサポートだ。訓練通りに動いてくれさえすればそれでいい、くれぐれも邪魔だけはするなよぉ」

夕立「なんか言い方がむかつくっぽい!ぽいぽいぽーーーい!」




───────────────────────────────────


   ─南鎮守府艦隊─


利根「いやぁ周りにこれだけ味方がいると心強いのぉ」

鈴谷「うじゃうじゃいすぎて逆にキモーイ」

熊野「鈴谷、もう少し言い方はないんですか」

卯月「こんだけいればうーちゃん達は何もしなくていいぴょん?」

弥生「なんでそうなる」ビシッ

川内「あははたしかにちょっとサボっててもばれなそうだよね」

利根「ホモよ、そういえば明石のやつが見えんのだがどうしたのじゃ?」

ホモ「あの娘なら大和ちゃんと一緒にまだ中央鎮守府の工廠にいるわよぉん」

利根「工廠?何をしとるんじゃ?」

ホモ「んー良く知らないけど新艤装の調整に手間取ってるらしいわぁん」

利根「新艤装か……あいつも好きじゃのぉ















   ─ ある海域 ─




ザザーン





ザザーン





ザザーン







ズズズズ






北方棲姫 「オカーサン、キタ、敵」

港湾棲姫「……仕方無イデスネ。皆、準備シテクダサイ」

北方棲姫 「ウン」

離島棲鬼「コッチハイツデモ、ヤレマスワ」

戦艦水鬼「…………」

港湾棲姫「水鬼?」

戦艦水鬼「ダイジョウブヨ、ネーサン」

戦艦水鬼「アンナ奴ラ」



戦艦水鬼「スグニ、ガラクタニスルカラ」





以上です。お読みいただきありがとうございました


次スレも過去編がまだ続きそうだ

追い詰められた深海棲艦が何をするか、見せてやれ!

港湾=長女(一児の母)娘=ほっぽ
離島=次女
戦艦=三女

ひっそり平和に暮らしていた母子家庭を襲う悪の集団にしか見えないww

乙ありがとうございます


>>974
過去編がやけに長くなってしまったのです
あと1~3回の投下で過去編は恐らく終わるかと思います



>>975
ほっぽちゃんと港湾さんはどうしてもだしたかったのです
渋で見てから偉い気に入ってしまって。ほんと可愛いんですよねぇ

とはいえこちらのSSでは深海棲艦側にも重めの設定持たせてるのでなんともですが……




スレも残りわずかとなりました

まだ新スレ立てておらず現在、準備中です

こちらのスレはここの仕様として1000埋まれば勝手に落ちるのでお好きな様にして構いません

そこそこ残っているようであれば、いつもの様に不知火で埋める予定であります

よろしくお願いいたします


次スレです

【艦これ】提督「よろしく頼む」 その4
【艦これ】提督「よろしく頼む」 その4 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429790117/)



乙ありがとうございます


大和の変わりに陸奥さんが……うっ……頭が


すみません、期間あきましたが埋めネタ投下します


よろしくどうぞ


番外編「不知火と犬」 その3

中途半端に残ったスレを埋める為のSS

ほのぼのギャグ、西鎮守府の日常です


─箇条書きあらすじ─

・鎮守府に突如現れた迷子犬

・電と不知火は飼い主を一生懸命に探すが一向に見つからない

・急に名前を付けようと提案した不知火

・夕ご飯時にメンバーから意見をだしあう

・不知火が圧倒的ネーミングセンスで「ボッチ丸」と提案する

・鎮守府メンバー凍りつく

・愛宕、電、金剛、犬はフォローに必死

・貧乳空母が茶化すも電の当身によって轟沈

・鋭い眼光を持つ不知火は3人と1匹の必至フォローを怪しく思い問い詰めようとする

・しかし、そこへながも……長門がボッチ丸というネーミングセンスを褒め称える。ガチで

・不知火、長門の称賛に感動する

・龍驤気絶オチ←今ここ



  ─食堂─



不知火「貴方は今日からボッチ丸です。良かったですね」ナデナデ

ボッチ丸「ワオン」

金剛「無事決まって良かったのデース」

愛宕「そうね。ワンちゃんも嬉しそう」

電「なのです」

長門「さすが不知火だな。この私でもこれ程のセンスを感じる名前を付けるのは無理だろう」

金剛&愛宕&電「…………」


提督「ふむ。所でボッチ丸の飼い主はみつかりそうか?」

不知火「いえ、それがまったくといって手がかりが見つかりません」

電「付近の住民の方々にもお聞きしたのですが、見た事がない犬だとおっしゃってたのです」

提督「そうか、となると、後はネットと張り紙便りという事だな」

電「なのです………」ションボリ

ボッチ丸「クゥ~ン」

不知火「…………」ナデナデ

提督「んー」ジー

提督「よしっ。じゃあ作ってやるかな」ポンッ

電「何をなのです?」

提督「犬小屋だ。いつまでも自分の寝床がないのは可愛そうだろう」

不知火「それは司令、あれですか」

不知火「正式に飼っていいという事ですか」

提督「うむ。飼い主が見つかる可能性が低い以上、責任もって飼育せねばならんだろう」

不知火「……っ!」ガタッ

不知火「ボッチ丸!これからも一緒にいれますよ!やったぁぁ!」ダキッ

ボッチ丸「ワフッ!?」ギユゥゥ

不知火「えへへ」ニコニコ

提督「し、不知火?」

不知火「!」バッ

不知火「……失礼しました。司令の心の広さに感謝いたします」

提督「あ、ああ」




愛宕(不知火ちゃん可愛いわねぇ)

金剛(キュートですネー)

電(可愛いのです)

長門(ペロペロしたい)



提督「とはいえ……散歩、食事、しつけ、諸々やってもらうが平気か?」

不知火「はい。問題ありません」

提督「ペットを飼うという事は命を預かるという事だ。それはとても大変なんだぞ」クドクド

提督「もちろん、艦娘としての訓練や任務もこなしながらだからな。疎かにしたら容赦なく俺は怒るし」

提督「場合によって、ボッチ丸には悪いが、他に飼い主を捜して飼ってもらう事になる」


不知火「分かっています。不知火が責任を持ってボッチ丸の世話をしますから安心してください」

提督「了解した。他の者も今言った事を忘れるなよ。この件に関しては連帯責任とするからな」

愛宕「大丈夫よ~」

金剛「まっかせてくだサーーイ!」

電「お世話するのです!」

長門「毎日クンカクンカしてやる!(この長門がいれば何の心配もいらない!)」


提督「一人本音と建て前が逆の奴もいる様だが大丈夫か……?」タラー

提督「とりあえず明日、俺が休みだから犬小屋の方はなんとか用意しよう」

提督「首輪や散歩用のロープも用意しとく。お前らは散歩や餌やりの当番をしっかり決めとけよ」


艦娘達「はーい」


提督「あと龍驤、いつまで寝てるんだ。早く起きろ」

龍驤「……メタ発言して悪いんやけど、ウチのSSでの扱いが全体的にひどくない?」


───────────────────────


   ─次の日─


トンテン カン

   トンテン カン



提督「……ふぅ、こんなもんかな」

ボッチ丸「ワォン!」

提督「そうかそうか、良い感じか」ワシャワシャ



不知火「司令、ボッチ丸の家の小屋はできましたか?」スッ



提督「ああ、丁度今できた所だよ」

不知火「これですか?」

提督「どうだ?すごいだろう」

不知火「はい、2階建ての犬小屋なんて初めてみました」

提督「ふふ、普段からお前らの艤装なども作るのを手伝ってたおかげかこういうのが得意になってしまったようだ」

提督「今なら2階建てどころか10階建てでもつくれそうだ」

不知火「司令、そこまではさすがに……」

提督「冗談だよ。んで不知火、ここに来たという事は何か用があるんだろう?」


不知火「はい、約束していた当番制のリストを作成してきました、どうぞ」

提督「おっ早いじゃないかどれどれ」

提督「ん~?ほとんど不知火が当番じゃないか」

不知火「はい」

提督「大丈夫なのか?」

不知火「問題ありません。もとより一人で飼うくらいの覚悟はありましたから」

提督「ふむ、そこまでいうならいいのだが」

提督「何度も言うが訓練や任務に支障がでたら考えさせてもうらからな」

不知火「分かっています」












─数日後



      ─朝 食堂─



提督「皆、おはよう」

電「おはようなのです」

愛宕「うふふ、おはようございます」

龍驤「おはよーさん」

長門「おはよう」

金剛「グッモーニンです!提督ゥ!」

提督「ん、不知火の姿が見えないが」

電「不知火さんならボッチ丸の散歩の為、海の方に行っているのです」

提督「そうか。朝からご苦労だな」

愛宕「うふふ、最近不知火ちゃん、明るくなったわよねぇ~」

長門「うむ。笑顔でいる事もよく見かけるようになった」

愛宕「これもワンちゃんのおかげかしら?」

龍驤「せやろなぁ。あいつ随分、ワンコロにお熱みたいやで」

電「不知火さんは元々、大の動物好きなのです。最近じゃ朝起きてすぐボッチ丸の様子を見にいくのが日課になっているのです」

提督「なるほど。あまり感情を表に出さない不知火がそこまで楽しそうにしていると聞くと……ウチで飼って良かったと感じるな」

愛宕「ええ、不知火ちゃんの為にも、ワンちゃんにはずっとここにいてほしいわ」




───────────────────


    ─海沿いの道─ 


不知火「今日の海はいいですね。快晴の上、風の強さも丁度良くて気持ちがいいです」

ボッチ丸「ワウ」

不知火「でも、こんなに穏やかで、綺麗な海に……やつら深海棲艦がいるんです」

不知火「不知火の幼い頃に全てを奪った奴らです」

ボッチ丸「クゥン……」

不知火「あの時から私は一人ぼっちでした。そういう意味ではボッチ丸、貴方と私は似た者同士かもしれません」

不知火「……両親も友人もいない。一人だけの世界、悲しいです」

ボッチ丸「……」シュン

不知火「そんな顔をしないでください。今はもう平気です。鎮守府の仲間がいますから」

不知火「そしてボッチ丸には不知火がついていますから、安心してください」

ボッチ丸「ワン!」スッ

不知火「ふふ、くすぐったいですよ」ペロペロ

不知火「……ずっと一緒ですからね」














────数日後



   ─西鎮守府 執務室─




提督「さて今日は書類を片付けるか」

提督「うーん、資源の消費が増えてきたなぁ。艦娘達の成長によるものだと思えばいいのかもしれんが……」ポリポリ

提督「最近上から注意されたばかりだし、調整をしないと────」



プルル プルル


提督「ん、電話か……まさかまた資源について小言をいわれたりして」


ガチャ


提督「はい、こちら西鎮守府ですが───」


???「もしもし、すみません。少しお尋ねしたい事が」


提督(お、軍関係ってわけじゃなさそうだな。良かった)

提督「ええ、どうかしましたか?」

女性「実は張り紙を見てお電話しましてそれで」

提督「張り紙?」

女性「はい、犬を探しているという内容なのですが」

提督(ボッチ丸の事か。不知火達が張ったやつかな)

提督「ああ、そういえば張り出していますね」

女性「それを見てここへ連絡すればいいと書いてあったのでお電話させていただきました」

提督「なるほど……もしかしてあの犬は───」

女性「はい、あの写真の犬は」

女性「私の大切な家族です」


以上です

お読みいただきありがとうございました


お手数ではございますが1000埋めしていただけると幸いです

よろしくお願いいたします

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月16日 (土) 17:57:45   ID: iQ82NmFD

頑張って下さい
 \ /  
  ∧_∧    
 (´ ∀`)ドウゾ
 ( つ旦つ ∬ 
 と_)_) 旦 

2 :  SS好きの774さん   2014年08月28日 (木) 15:27:14   ID: c6jC2H4f

更新待ってます!

3 :  SS好きの774さん   2014年09月08日 (月) 22:13:08   ID: G-DJ03tI

全然出てねーw

4 :  SS好きの774さん   2014年09月28日 (日) 23:20:58   ID: bmLwaTWG

おっそーい!

5 :  SS好きの774さん   2014年09月30日 (火) 21:17:00   ID: nH3w06w2

待ってます

6 :  SS好きの774さん   2014年10月17日 (金) 17:42:45   ID: iI6qWgHW

待ってます ずっと

7 :  SS好きの774さん   2014年10月20日 (月) 08:14:38   ID: XgIUSW7Q

ktkr!

8 :  SS好きの774さん   2014年10月23日 (木) 05:01:18   ID: _g_IHxFU

ちょっと大和の口が汚くて違和感だけど、楽しみにしてます。

9 :  SS好きの774さん   2014年11月23日 (日) 14:47:45   ID: 6pJOGxL7

楽しみにしてます!

10 :  SS好きの774さん   2014年11月24日 (月) 19:13:51   ID: JRi0M-f_

待ってるze

11 :  SS好きの774さん   2014年11月29日 (土) 19:54:15   ID: _QthgC2Y

やっぱ大和の口調に違和感感じるなぁ。他の艦娘がある程度原作に忠実な人柄や口調だから余計に。
基本敬語で二人きりの時に急に砕けて親近感を出すとかでも良かったんじゃ

12 :  SS好きの774さん   2014年12月10日 (水) 16:29:48   ID: wuSiK_MR

次の投下楽しみにしてます!

13 :  SS好きの774さん   2014年12月19日 (金) 18:58:08   ID: -DvsaPFm

これは良作

14 :  SS好きの774さん   2015年01月03日 (土) 13:09:22   ID: -MiKPfPs

更新ktkrかと思ったら報告オンリーだったw
今年も頑張って下さい!

15 :  SS好きの774さん   2015年01月05日 (月) 23:03:44   ID: 7Ju8xiBW

【朗報】このボリュームでまだストーリーが半分も進んでない

16 :  SS好きの774さん   2015年02月05日 (木) 20:09:49   ID: w5UoXBef

久々の更新、待ってましたー!

17 :  SS好きの774さん   2015年02月28日 (土) 23:46:04   ID: OXMbbM9c

ホントこれ、凄くいいけど展開といい長さといいどうなるやら…目が離せませんな

18 :  SS好きの774さん   2015年04月05日 (日) 00:38:43   ID: xHX5aeD0

終わりじゃないよね?

19 :  SS好きの774さん   2015年04月07日 (火) 00:52:38   ID: Uuxw9bjP

ワックワクが止められない!
だいぶ前に数パート前のこの作品を拝見させてもらい、とてもいい作品だと思いましたが、まだ続いていたとは...。ゆっくり更新でもいいので、続けてください。応援してます(`_´)>ビシッ!

20 :  SS好きの774さん   2015年06月01日 (月) 02:55:38   ID: WJdIP_Sh

面白い!続きが待ち遠しい!!

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