絵里「つよくてにゅーげーむ」 (1000)
絵里「……もう秋かぁ。早いなぁ」
絵里「今思えば、あんなに意地にならずに最初から素直になってればよかったのかもね……」
希「なになに? 珍しく後悔してるん?」
絵里「そうかも」
希「ふふ、それだけ楽しいってことやん。まだ秋やし、そんなに思い詰めんでも大丈夫やって」
絵里「だってー、私がしたことって……あんまりない気がして」
希「えりちは十分頑張ってるよ。ウチの分まで生徒会の仕事やってくれてるし」
絵里「それはμ'sのためではないでしょ。ていうか仕事しなさい」
希「はいはい」
希「そうやえりち、話変わるんやけど……」
絵里「何?」
希「過去に戻れるおまじない、って知ってる?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405000363
絵里「おまじない、か……」
絵里「希ってよくこんなの知ってるわよね」
希「そうやろ? 海未ちゃんに教えたら眉唾物やって言われたんやけどね」
絵里「海未にも教えたの?」
希「うん。もう秋ですね、って感傷的になってたから」
絵里「そんなにほいほい教えていいものなの?」
希「大丈夫大丈夫。それができるのは選ばれし人のみやもん」
絵里「選ばれし人?」
希「そう。本当に後悔している人だけ」
絵里「……にわかに信じがたいとはこの事ね」
希「まあウチは後悔なんてないからできないしー」
絵里「むぅ……」
希「なぁなぁえりち、ウチ今日はちょっと用事あるから、一旦ここで抜けてもいいかな?」
絵里「いいわよ」
希「ありがと。終わったら戻ってくるで」
絵里「あんまり慌てなくてもいいからね」
希「はーい」
凛「あー、絵里ちゃんはっけーん!」
絵里「あら凛、どうしたの?」
凛「今日は希ちゃん、先に帰らなきゃいけなくなったみたい、って伝言だよー」
絵里「ありがとう凛。……汗かいてるけど、もしかして走ってきたの?」
凛「うん。なんだか希ちゃん、慌ててたみたいだから」
絵里「そう……って廊下は危ないから走っちゃダメです」
凛「はーい。絵里ちゃんはこの後の練習すぐ来られそう?」
絵里「もう少しかかりそう。でもすぐだから先に行ってて」
凛「わかった!」
絵里「走ったら危ないって……あらら、行っちゃった」
絵里「……よし。すぐ終わるって言っちゃったし、さっさと終わらせないとね」
絵里「……や、やっと終わった」
絵里「うわ、もうこんな時間じゃない! 下校時刻まであと30分かぁ……」
花陽「あ、絵里ちゃん。やっぱりお仕事時間かかったみたいだね……手伝った方がよかったよね」
絵里「いいのよ、これは生徒会のだから。まあ練習には間に合わなかったけど……」
真姫「私たちにも少しくらい手伝わせなさいよ」
絵里「ううん、気持ちだけでもうれしいわ」
真姫「そう言って毎回断るんだから……」
絵里「学院の生徒募集がまた始まるんだから、忙しくなって当然よ」
絵里「それにスクールアイドルの活躍の場は広がるわけだし、そっちもちゃんとやってもらわないとね」
花陽「ありがとう絵里ちゃん」
絵里「ううん、他の楽しいからいいの」
真姫「あんまり無理しないでよ? 絵里も大切なμ'sの一員なんだから」
絵里「うふふ、ありがと」
絵里「はー……ちょっと冷え込んできたかも」
絵里「1人で帰ると寂しいかな……」
絵里「いつもは希とかにことか、みんながいたわよね」
絵里「……」
絵里「さびしくないさびしくない」
絵里「ただほんのちょっと、時間が足りないだけだから……」
絵里「うん、全然寂しくなんてない」
絵里「今は楽しいもの……」
絵里「おまじない……やってみようかな」
絵里「まずは……えーと、自分の好きなものを1つ用意します、よね?」
絵里「μ'sのCDにしようかしら」
絵里「そして次に……過去に戻ったとわかるものを身に着けます」
絵里「えーと、これ! 時計でいいわよね。日付もついてるし」
絵里「それで最後に……お供え物?」
絵里「チョコしかないんだけどいいかしら」
絵里「それで部屋の明かりを消して寝る、と」
絵里「ふぅ、メモとっといてよかった……」
絵里「じゃあ、おやすみなさい――――――――
――――――――……! ……ち!――――――――
んん? 誰?
今日は土曜日のはずでしょ?
なんで起こそうとするの?
――――――――えり……! えりち!――――――――
あれ? 希がいるの?
私部屋で寝てたのに……?
希「えりち!」
絵里「は、はいっ!」
希「だ、大丈夫? いきなり気絶したみたいに倒れたけど……」
絵里「気絶……ってここ生徒会室? あれ?」
希「えりち、保健室行く? 救急車呼んだ方が……」
絵里「ま、待って待って! 大丈夫!」
希「大丈夫やないって! もっと自分の身を大切に……」
希「……えりち、憑き物が落ちたみたいにすっきりした顔してる」
絵里「え?」
希「ん? なんで?」
絵里「いや、私に聞かれても困るわよ」
絵里「えー、あ、そうだ! 今日って……」
絵里(何年何月何日、なんて聞いたら今度こそ病院に連行されかねないわよね)
絵里「このあと何かあったっけ?」
希「記憶にズレとか……」
絵里「ち、違うってば! 単に忘れちゃっただけよ」
絵里(希ったら過保護なんだから……)
希「今日はこの後、穂乃果ちゃんたちが部の申請に来るって言ってたよ?」
絵里(部の申請……部の申請!?)
絵里「えーっと、じゃあアイドル研究部の部員の数は?」
希「1人だけ」
絵里(ま、まさかこれって……成功してる!?)
絵里「部の申請ね、うん。ほの……じゃなかった」
絵里(あれ? 私この時穂乃果たちのこと名前では呼んでなかったわよね?)
絵里「高坂さんたちが申請に来るのね?」
希「そうやで」
絵里(……ってことはにこがまだくすぶってる時期、か)
絵里(……なんとかしてあげたい)
絵里(でもでもタイプパラドックスとか……)
絵里(でもこれって夢みたいなものよね)
絵里「希」
希「どうしたん?」
絵里「希の仕事をとっちゃうかもしれないけど許してね」
希「?」
穂乃果「失礼します」
絵里「はい、どうぞ」
絵里(……このころの私ってどんな表情だっけ?)
穂乃果「部の申請に……」
絵里「いらっしゃい」
穂乃果「え……」
海未「生徒会長……?」
ことり「か、かわいい」
絵里「え?」
絵里(へ、変な顔になってたかしら……手鏡は……あった)
絵里(……うわああああ!? すごく笑顔になってる!?)
絵里(エリチカ、難しいことを考えるのよ……三角関数因数分解政治問題参勤交代……)
絵里「よし」
絵里「待っていたわ」
穂乃果「……は、はい!」
絵里(よし、これでよし。希の視線が気になるけど振り向いたら負けよ)
穂乃果「今日は私たちの部としての活動を認めてほしくて来ました」
海未「ちゃんと5人以上部員を集めてきたので部として認めてほしいです」
ことり「お願いします!」
絵里「……そう」
絵里(よく頑張ったわね、って褒めてあげたい……すごい、って言ってあげたい)
絵里「その調子で頑張ってちょうだい」
ことり「……え?」
海未「……?」
希「えりち」
絵里「って希が言ってたわ」
穂乃果「ああ……」
絵里(ありがとう希……)
穂乃果「それで、部として認めてもらえますか?」
絵里「え? ああ、それはね……アイドル研究部って部があるからちょっと厳しいかもしれないわ」
穂乃果「アイドル研究部?」
絵里「そう、この学校にはアイドル研究部って部がもうすでに1つあるの」
絵里「だから廃校になってしまうかもしれないこの学院で、同じような活動内容の部活を増やすわけにはいかないの」
穂乃果「そんなぁ……」
絵里「ごめんね。こればっかりはどうしても譲れないのよ」
ことり「……会長さん、今日はなんだか優しい気がするよ?」
海未「……何故でしょうね」
絵里(まずい! 希、パス!)
希「……仕方ないなぁ」
希「でもアイドル研究部の人と話をつけてきてくれたら、統合という形で部として認めることはできるよ」
穂乃果「本当ですか!?」
希「うん」
穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん。そのアイドル研究部に行ってみよう!」
海未「そうですね」
ことり「うんっ」
絵里「待って」
穂乃果「は、はいっ!」
絵里(そんなにびっくりしなくても……そっか、私はこの時まだ威圧的だったからね)
絵里「何の情報も持たずに行くつもり?」
穂乃果「それは……」
海未「そのくらいは私たちで調べます」
ことり「はい。生徒会の手を借りなくてもちゃんとやってみせます」
希「やって、えりち」
絵里「うーん……じゃあこれだけでも聞いていって」
絵里(にこの情報は3年生にしか伝わってないからね。少しでも教えないと)
絵里「まずアイドル研究部の部員は1人なの」
穂乃果「1人!? でもこの前、部活には5人以上って……」
希「設立する時は5人必要やけど、そのあとは何人になってもいい決まりやから」
ことり「そうなんですか……」
絵里「それでね、その部員は矢澤にこって言う子なの。黒髪のツインテールで……こんな感じのね」
海未「わざわざ髪を下ろしてまでやっていただかなくても……」
絵里「あ、ごめんなさい……」
絵里(どうにも加減がわからないのよね)
海未「い、いえ、そんな、違うんです!」
希「まあまあいいやん? じゃあまた話付けたらおいでな」
穂乃果「はい! ありがとうございました!」
ことり「ありがとうございましたっ」
海未「ありがとうございました」
絵里「……よかった」
希「ウチは何もよくない」
絵里「えっ」
希「どうしたんよえりち。急に丸くなって」
絵里(や、やばい……気付かれる)
希「むむむ……えりちからあやしいオーラがぷんぷんするでー」
絵里「くらえエア虫よけスプレー! ぷしゅー! 消臭効果つき!」
希「ぎゃー、やられたー」
絵里「ふっふっふ。生徒会室に置いてて正解だったわね」
希「……やっぱりおかしい。えりちノリよすぎ」
絵里(しまった)
絵里「ほら、あれよ。昨日見たテレビが面白くて」
希「ちがーう。そんな表面上の楽しさと違う」
絵里「……思った以上に勉強が捗って」
希「えりちはかしこいもん」
絵里「ジュース買ったらもう1本出てきたの!」
希「それはうれしいなぁ」
絵里「でしょ?」
希「でも違う。えりちはもっと追い詰められてた」
絵里(て、てごわい)
絵里(でもいずれバレそうね……ならいっそここで……)
絵里「希には全部話すわ」
絵里(というかこのおまじない教えてくれたの希だし)
希「え? いいん?」
絵里「いいわよ。全部教えてあげる」
希「なんかえりち、すごく楽しそう」
絵里「……まあ眉唾物が実際に起こったからね」
希「?」
希「えりち、ちょっと病院いこか?」
絵里「……」
希「だって未来から来た、なんてそんなほいほいと信じられるわけないやろ?」
絵里(頭がおかしい人だと思われた……ぐすん)
希「やっぱり頭の病気になっちゃったんよ」
絵里「ひどい……信じてたのに!」
希「はいはい」
絵里(こ、このままじゃスクールアイドルライフどころか学院ライフも終わりを告げてしまう……)
希「……なんて、他の人ならそう言ってたんやろな」
絵里「え?」
希「だってえりちのそんな真剣な顔、初めて見たもん」
希「軽々と冗談やめてやー、なんて言えるわけないやん?」
絵里「希……」
希「それにそのおまじないも気になるし……誰が考えたんやろ」
絵里(まあさすがに希から教えてもらったおまじないとは言えなかったけどね)
希「まあともかく、えりちが幸せそうならウチもうれしいよ」
絵里「ありがとう希。それでこそ私の親友だわ」
希「どういたしまして」
希「そしたら、これからどうやってμ'sを成長させていくかやな」
絵里「そうね。次は順番で言うとにこが仲間になる番だから……」
希「ってことは7人……」
希「……」
絵里「どうしたの希」
絵里(なんか汗すごい)
希「……えりち、μ'sの名前の由来って……もう聞いた?」
絵里「うん。9人の女神でμ'sでしょ? 残りは希と私って」
希「うわああああああ……それ言う前にバレてたらちょー恥ずかしい……」
絵里(希もこんな顔するのね……)
希「で、えりちは早くみんなと仲良くなりたいと」
絵里「そういうこと。私が意地っ張りだったせいで時間がかかっちゃったしね」
希「ふーん……やっぱり意地っ張りやったんや」
絵里(ああ、希は最初から気付いてたものね)
絵里「まあ今私たちにできることは待つことよ。待って待って……」
希「にこっちが仲間になった隙を狙う、と」
絵里「そういうこと」
希「……えりち、生き生きしてる」
絵里「だって生きてるもの」
希「そういうとこ変わってないなぁ……これから穂乃果ちゃんたちに隠していけるんやろか」
絵里「そのあたりは希、任せたわよ」
希「ウチに丸投げなん!?」
今日はここまで
えりまきずっとやってたせいでつい真姫ちゃんを出したくなる
おつ
よかったらそのえりまきのURLくだちい
>>28-36
こんなに感想ついたの初めてだ うれしい
今日の夜も更新します
>>37
真姫「最高の舞台にしましょう」
→真姫「最高の舞台にしましょう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397999948/)
絵里「真姫っていつも髪の毛くるくるしてるわね」
→絵里「真姫っていつも髪の毛くるくるしてるわね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404576637/)
絵里「かしこさが足りない」
→絵里「かしこさが足りない」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404620661/)
のぞえりのこの信頼関係すごく好き、期待
真姫ちゃんも好きだし出したければどんどん出してもいいのよ
待機完了
酉抜けた
――――――――――――――――
絵里「……すぅ」
希「ああ、えりち。おまじないやっちゃったんや」
絵里「……ん」
希「えりち本当に……後悔してたんやね」
絵里「……」
希「気付けなかったウチも悪いんよ」
希「大丈夫やで、えりち」
希「えりちならきっと、目を覚ましてくれる」
――――――――――――――――
絵里「今、穂乃果たちはにこを捕まえるために追いかけっこしてるのよ」
希「そうなん? 確かに一悶着あるってカードが告げてるけど……」
絵里「そうよ。穂乃果たちから聞いたもん。仲間にするのは私とにこが一番難しかったって」
希「ふふ、今では一番簡単なえりち」
絵里「そうなのよねぇ……」
希「どうするん? 助太刀しに行く?」
絵里「そうしたいのはやまやまなんだけど、今は生徒会の仕事があるでしょ?」
希「うん」
絵里「だからあの子たちに任せてて大丈夫なの」
希「……えりちが任せる、かぁ」
絵里「あれ? 私何か変なこと言った?」
希「そうやで、えりちが人に何か任せるなんて変やん」
絵里「……そうかしら?」
希「うんうん」
絵里「へぇ……気にしてなかったけど、私ってそんな感じだったんだ」
希「ふーん、未来では頼れる人がいっぱいなんや」
希「……それでもウチを頼ってくれたらうれしいけどなぁ」
絵里「そうねぇ、最初に頼るのは希かも」
希「ふふっ、それはうれしい」
絵里「……でも心配ね」
希「どうしたん?」
絵里「あの子たち、にこを追いかけるのに必死で怪我とかしないといいんだけど」
希「そっちでは怪我してた?」
絵里「してない。でも私が変わったからもしかするとってことも……」
希「うーん……ちょっと待っててな」
絵里「カードね」
希「カードや」
絵里「……どんな感じ?」
希「うーん、怪我とかはなさそうやけど、身近な人にちょっとした悪いことが起こるんやって」
絵里「悪いこと……ううぅ」
希「あ、ウチいいこと考えた!」
絵里「え?」
凛「待つにゃー!」
花陽「ま、待ってください!」
真姫「待ちなさい!」
にこ「ふん、捕まるもんですか!」
絵里「コラー! そこの1年生!」
真姫「わ!?」
凛「にゃにゃっ!?」
花陽「せ、生徒会長!」
にこ「誰が1年生ですって……げっ」
絵里「廊下を走るとは何事ですか」
真姫「そ、それは」
凛「ふかーい事情があって……」
絵里「ええい、問答無用! 4人とも生徒会室に来なさい! あと残りのメンバーも呼びなさい」
花陽「ええっ!?」
にこ「ここで捕まったら……ふんっ!」
絵里「あ! 待ちなさい!」
絵里(よし、にこが逃げた……作戦通りね)
凛「あー! 部長が!」
絵里「走らない」
凛「にゃー……」
絵里「あなたたちの身柄は確保しました」
絵里「小泉さん、2年生の3人を生徒会室に呼んできてください」
花陽「わ、わかりました……」
真姫「もー……嘘でしょ」
凛「どうしよう真姫ちゃん……凛たちμ's解散させられちゃうのかなぁ」
絵里(そんなことしないわよ、って言いたい)
真姫「私に聞かないでよ……」
絵里(ああ、真姫がしょんぼりしてる! ごめんね! ごめんね2人とも!)
絵里「はい、着いたわよ。中に入って」
真姫「……はい」
凛「もう2度とシャバの空気は吸えないかもしれないよ……」
絵里(大げさすぎよ……)
絵里「見なさい。もう外では雨が降りそうです」
穂乃果「……はい」
絵里「なのに渡り廊下を走ろうとしたり、校庭で駆け回ったりして……」
絵里「怪我したら危ないでしょ!」
海未「?」
ことり「え?」
希「えりち」
絵里「それでも高校生ですか!」
絵里(しまった、つい本音が)
花陽「会長さん、優しくなったって聞いてたけど……」
ことり「うん、違ったのかもしれない……」
絵里「……」
絵里(そう言われると悲しいわ……しかも花陽とことりっていうチョイスが……)
希「まあまあ。誰も怪我しなくてよかったってことで」
絵里「そうね……今度から気を付けてください」
凛「はーい」
真姫「はい……」
絵里「アイドルグループなんだから、ひざをすりむいただけでも衣装が着られなくなるでしょう?」
穂乃果「……?」
希「えりち」
絵里「って希が心配してたわよ」
絵里「今日のところはもう帰っていいわ」
穂乃果「すみませんでした」
海未「すみませんでした」
絵里「今日の練習は控えた方がいいわよ」
絵里(……そう、あの時の穂乃果みたいに倒れられたりなんかしたら)
穂乃果「あ、あのっ!」
絵里「え? どうしたの、ほ……」
ことり「ほ?」
絵里「ほ……ほら、もう雨が降ってきたし!」
真姫「え? あ……」
花陽「本当だ」
絵里(穂乃果って呼ぶところだった。危ない危ない)
希「えりち、しっかりせんと……」
絵里「わかってる、わかってるんだけどね……」
絵里「で、どうしたんですか高坂さん」
穂乃果「あ、はい。その、もしかしたらなんですけど……」
絵里「はい」
穂乃果「生徒会長は私たちのこと……心配してくれてるんですか?」
絵里(希! どうしようバレちゃった!)
希「……」
絵里(首を横に振らないで! こ、この状況じゃなんて言えばいいか……)
絵里(あ、そうだ)
絵里「あなたは私に心配してほしいんですか?」
穂乃果「……え?」
絵里「私に心配をかけて、どうするんですか?」
穂乃果「そ、それは……」
絵里「そんな風に誰かを心配させるかもしれないと思うのなら、まずその行動を慎みなさい」
穂乃果「……そう、ですね」
絵里(……言いすぎちゃったかな)
穂乃果「ありがとうございました!」
海未「ほ、穂乃果?」
花陽「穂乃果先輩?」
穂乃果「生徒会長の言う通りだよ! 誰かに心配をかけてるようじゃ、部として活動することなんて認められない」
穂乃果「私たち、もっとしっかりしなくちゃ!」
穂乃果「生徒会長だって学校の為に頑張ってるんだから、私たちがそのお荷物になっちゃいけないの」
穂乃果「もっと……ちゃんと学校の名前を背負って恥ずかしくないスクールアイドルにならなくちゃ」
穂乃果「だからっ、ありがとうございました!」
海未「……そうですね。ありがとうございました」
ことり「うん、もっと頑張らなきゃ……ありがとうございました!」
花陽「ありがとうございました!」
凛「ありがとうございました!」
真姫「ありがとうございました」
絵里(どうしよう。泣きそう)
希「えりちの熱い思い、みんなに伝わったみたいやね」
希「……えりち?」
絵里「うぅっ……ひっく」
希「え、えりち!?」
絵里「あの子たち……本当に……成長したわっ、くっ」
希「えりちって涙もろいんやなぁ……はい、ハンカチ」
絵里「ありがと……はぁ、落ち着いた」
絵里「まさか卒業式の前に泣かされることになるなんて……」
絵里(……あとはにこね)
絵里「よーしここは生徒会の権力を使うわ」
希「予定通り準備しといたで」
絵里「さすが希ね。チョコあげる」
希「ありがと、未来のえりちも持ち歩いてるんや」
絵里「もちろん。じゃあ放送室に行くわよー!」
――――――――矢澤にこさん、矢澤にこさん、至急生徒会室まで来てください――――――――
にこ「……しまった」
にこ「や、矢澤にこです……」
絵里「いらっしゃーい」
希「待ってたでー」
にこ「……」
絵里(あらまあ、見事におびえちゃって)
絵里「座って。別に部活を廃部にしてやるーなんて言わないから」
にこ「ほんと!?」
絵里(わかりやすい子)
希「ウチは東條希、よろしくね」
にこ「知ってる。よく部の様子、見に来てくれてたでしょ」
希「うん、だって心配やったから」
にこ「ふーん」
絵里「そして私が生徒会長の絢瀬絵里です」
にこ「それも知ってる」
絵里(まだ警戒してるわね……よし、こうなったら)
絵里「矢澤さん。あなたのアレが見たいわ」
にこ「えっ、アレって……」
絵里「とぼけても無駄よ! あの……こうしてこうやるやつよ!」
にこ「な、なんでそれを生徒会長が……」
絵里「ほら早く!」
にこ「は、はいっ!」
にこ「にっこにっこにー!」
にこ「あなたのハートににこにこにー」
にこ「笑顔を届ける矢澤にこにこっ」
にこ「にこにーって覚えてラブにこっ!」
絵里「……にこがゲシュタルト崩壊してきた」
希「ウチも」
にこ「やれって言ったのあんたたちでしょうが!」
絵里「ふふふ、そうね」
絵里(このテンションの落差を見ると、やっぱり安心するわね)
にこ「ふんっ、で、話って何」
希「オンオフはっきりしてるんやなぁ」
にこ「アイドルってのはいかにキャラを作れるかなのよ。当然じゃない」
絵里(やっぱりにこは希と打ち解けやすい、か)
絵里「話って言うのはね、にこにーさん」
にこ「……真顔でそれ言うのやめて」
絵里「じゃあにこさん」
希「それやと2個か3個かわからなくなりそうやで?」
絵里「じゃあにこ」
にこ「もうそれでいいわ」
絵里(希、ナイスフォロー!)
希「ふふん」
絵里「私のことも絵里って呼んでちょうだい」
にこ「……やけに馴れ馴れしいというか、うわさに聞いてた生徒会長像とは全然違うんだけど」
絵里「へぇ、その噂ってどんな感じなの?」
にこ「厳しくて、鬼で、怖くて、近寄りがたくて、とって食われそうだって聞いてた」
絵里(……ひ、ひどすぎる)
希「まあ実際、えりちはそんな感じやったもんなぁ」
絵里「う、うるさーい!」
にこ「?」
絵里「それで、話って言うのはね……」
にこ「はぁ? 未来から来たとかふざけてるんじゃないの?」
絵里(やっぱり……)
希「まあそう思ってしまうよなぁ……」
にこ「だいたいそんな簡単に信じられるわけないじゃない。今日話したばかりの生徒会長なのに」
絵里「そうよね……」
希「えりち、にこっちのことで知ってることないん?」
にこ「ちょ、にこっちって何よ」
絵里「そうねぇ……」
にこ「話聞きなさいよ!」
絵里(にこの秘密、にこの秘密……あ)
絵里「にこはラブライブに出たがってる」
にこ「!」
希「当たり?」
にこ「……どこで聞いたのよ、それ」
絵里「だから未来よ」
にこ「ふざけたこと言ってんじゃ……!」
絵里「ふざけてない。これは真剣な話よ」
にこ「……ふん、話くらいなら聞いてあげてもいいわ」
絵里(よかった……)
希「えりちが真面目なキャラでよかったわぁ」
絵里「本当にそうね」
絵里「えーと、どこから話せばいいのかしら……」
希「まずにこっちが入った後のμ'sについて話してみたら?」
絵里「そうするわ」
にこ「μ's? ああ、あの1,2年生のグループね」
絵里「まずにこがμ'sに入ったら、泣くわ」
にこ「泣くの!?」
絵里「だ、だって穂乃果たちがそう言ってたもの! あ、うれし泣きだそうだから大丈夫……」
にこ「何ルール勝手に決めてるのよ!」
絵里(うぅ……おこられた)
希「えりち、ファイト!」
絵里「うん……」
絵里「で、みんなで練習したりカラオケで歌唱力対決したり……あとダンスの対決もしたって言ってた」
絵里「それでチラシ配りで、誰がオーラを持ってるか調べようとした、とも言ってたわね」
希「それって何かのイベントで?」
絵里「ううん、センターは誰がいいかってなって」
希「やって、にこっち」
にこ「……確かに私の言いそうなことばっかり」
絵里(やった! 好感触ね)
にこ「信じてあげてもいいわ」
絵里「ほんと!?」
にこ「……でも不信感が拭えない」
絵里「……そうよね」
希「えりち……にこっち」
絵里(でもこのままにこがμ'sに入らなかったら……)
絵里(……よし!)
絵里「お願い、μ'sのみんなと話だけでもしてあげて! みんないい子なの!」
にこ「……どうしてそこまで言えるの?」
絵里「それは……」
絵里(……うん、決まってる)
絵里「μ'sが、みんなが大好きだから」
今日はここまで
かしこいえりちは天然記念物らしいですね
脱線して宣伝
うみえりたてたよー かしこいよー
絵里「見て海未、花火が綺麗」
→絵里「見て海未、花火が綺麗」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405092682/)
絵里「あー、にこはちゃんとμ'sのみんなと話してくれたかなぁ……」
絵里(にこもμ'sのメンバーなんだけど……)
希「えりち、心配してても埒があかんよ? はい、飲み物でもどうぞ」
絵里「ありがとう希」
希「えっ、ちょ」
絵里「ふー、おいしかったわ」
希「それウチのやのにー」
絵里「あ、ごめん。私のはどっちなの?」
希「こっちやで」
絵里「あはは、ごめんね」
希「えりちー! それウチのって言ってるやろー!」
絵里(希って案外からかいやすいのね)
にこ「生徒会長さーん」
絵里「!」
希「にこっちやね……開いてるよー」
にこ「はいはい」
絵里(……どっちだろう)
絵里「で、結局μ'sのみんなとは話してくれた?」
にこ「……」
絵里(無言……じゃあやっぱり)
にこ「……はなした」
絵里「本当!?」
希「おお、にこっち素直やん?」
にこ「別にあんたたちの為じゃないわよ」
絵里「それでそれで?」
にこ「近い!」
絵里「……ここかしら」
希「えりち、まず座ってからやで」
絵里「そうね。そう……」
絵里(うう、早く答えが聞きたいわ)
希「で、にこっちはどうやったん? μ'sはどんな感じやった?」
にこ「ええ、スクールアイドルとしてはまだまだ未熟……それどころか遊び半分でやってる子もいた――――――――
絵里「そっ、そんなわけ……!」
にこ「って言えたらあんたたちの言うこと聞かないで済んだわよ」
絵里「……え?」
希「ってことは……」
にこ「入ったわよ! μ'sに!」
にこ「何よ! 悪い!?」
にこ「あんたたちの口車に乗せられて話してみれば……何なのよ!」
にこ「あんな風に真面目に私の子と慕ってくれて……誰もバカにしないで……」
にこ「……誰も諦めるようなことは言わなかった」
希「にこっち……」
絵里「当たり前でしょ。私の大切な仲間なんですから」
にこ「……むかつく」
絵里「もちろんあなたも、私の大切な仲間の1人になるわけよ」
にこ「なんかやだ」
絵里「ひどい」
希「でもこれで、あとはウチとえりちがμ'sに入るだけやんな?」
絵里「……そうね!」
にこ「いつもそんな顔してればいいのに」
絵里「え?」
にこ「あんたの笑顔、むかつくけどとっても綺麗だから」
絵里(……ほめられた)
希「あー、えりち顔あかーい」
絵里「そ、そんなのじゃないってばぁ!」
にこ「ま、これからはあんたたちにμ'sの情報を提供すればいいのね?」
絵里「え? いいの?」
にこ「え、その気じゃなかったの?」
絵里「ぜんぜん」
希「あらら」
にこ「別に私は構わないわよ」
絵里(……そうね、にこを通じてμ'sの情報が入るってことは、それだけ干渉しやすくなる)
絵里(私と希の早期加入も夢じゃなくなるってわけね)
絵里「じゃあ頼むわよ、にこ」
希「ウチからもお願いやで、にこっち」
にこ「うん、それはいいんだけど……」
絵里「?」
希「?」
にこ「……あのさ、私たち……その」
にこ「……」
希「……あぁ。ウチはわかったで」
絵里「え? なになに?」
絵里(全然わかんない。教えて希)
希「ほら、アレやんアレ。仲良しになった時の関係のこと……」
絵里(……あ)
絵里「ええ! にこ、私たちは友達よ!」
にこ「うぅっ……」
希「えりち、せっかくウチが言わんようにしてたのに」
絵里「あ、ごめん」
にこ「……もういいわよ」
絵里「ふふ、にこってば可愛いところあるんだから」
にこ「うるさい」
希「うんうん、にこっちかわいいで」
にこ「もー! 怒るわよ!」
絵里「あはは、もう怒ってる」
にこ「何よ、絵里だって全然生徒会長らしくないし」
絵里「ぐはっ」
にこ「希って全然スピリチュアルじゃないし」
希「うっ」
にこ「でも……友達だから気にしないでいてあげる」
絵里「……にこ」
希「……にこっち」
にこ「スーパーアイドルの矢澤にこ様と友達になれる人なんてめったにいないんだから……ありがたいと思いなさいよ!」
絵里「うふふ、ありがたーい」
希「うんうん、ありがたーい」
にこ「ぐぬぬ……もう練習あるから行くわ」
絵里「うん、いってらっしゃい」
希「もうすぐウチらも練習に参加するでー」
にこ「はいはい。じゃあ……」
にこ「また明日ね」
絵里「また明日だって……ふふ」
希「えりちうれしそうやね」
絵里「だって、最初はにこが一番敵対心丸出しだったもの。仲良くなれるかどうか心配だったのよ」
希「えりちって友達と作るの得意そうやけどなぁ」
絵里(うーん、どうだろう……3年生になってからは周りが見えてなくて、クラスのみんなともちゃんと打ち解けてなかったし)
絵里(……昨日家に帰ったら亜里沙に驚かれて、学校について笑顔を見せただけでクラス全体が驚くし……)
絵里「希がいなかったらダメだったかもね」
希「もー、ちゃんと希ちゃん離れせな」
絵里「やだー」
希「しょーがないなぁ」
――――――――――――――――
絵里「ふふ……」
希「えりち、うれしそうで何よりやで」
希「まだ5分しか経ってないのに、表情がころころ変わるんやから……」
絵里「のぞみ……」
希「はいはい、ウチはここにおるよ」
絵里「……うん」
希「……」
希「なぁえりち、このおまじないを教えてくれたのは――――――――
――――――――えりちやったって言ったらびっくりしてくれるかな?」
――――――――――――――――
絵里「今日も楽しい生徒会日和よー!」
にこ「いちいち騒がしいわね」
希「えりちは今、毎日が楽しいんよ」
にこ「ふーん」
絵里「にこもμ'sに入ってくれたし、あとは私たちが合流するだけ……」
にこ「それ、穂乃果も同じこと言ってたわよ」
希「穂乃果ちゃんが?」
にこ「ええ、あんたたちをメンバーに入れたい、って」
絵里「ハラショー……」
絵里(そんなことを言ってくれるなんて……)
希「えりち、よかったね」
絵里「うんっ」
にこ「でも私は反対したけどね」
絵里「ええっ!?」
希「にこっちの裏切り……?」
にこ「違うわよ。だって急に私が賛成するのもおかしな話じゃない」
にこ「仮にもあんたたちに捕まらないように逃げたりしたんだから」
希「へー、にこっちってよく考えてるんやね」
にこ「あったりまえでしょー? この頭脳明晰にこにーちゃんにできないことはないわ!」
絵里「でも今日は朝から教室で話したりしてたけど……」
にこ「それはいいのよ、それは」
希「でもその光景を穂乃果ちゃんたちに見られたりしたら……」
にこ「なんとか言ってごまかすわ」
絵里「うーん……」
絵里(どうしよう。確かにバレてしまうとどうなるかわからない……でもにこと友達でいるのも大切……)
希「あ、わかった」
にこ「え」
希「えりち、耳貸して」
絵里「はいはい」
希「……にこっちはきっと、ウチらと話すのをやめたくないんよ」
絵里「なーるほど」
にこ「ちょ、希、何言ったのよ」
希「何にも言ってませーん」
絵里「そうよ、希は何も言ってないわ」
にこ「騙されるもんですか」
絵里「にっこにっこにー」
にこ「流されるもんですか!」
絵里(くっ、効かない……)
希「まあ言ってしまうと、バレたときはバレた時や、っていう話をしてたんよ」
にこ「……ほんとかしら」
絵里「本当よ! 私の目が嘘を吐いているように見える!?」
にこ「わかった! わかったから近い!」
絵里「よーし、信じてくれたみたいね」
希「えrちもえりちで強引やなぁ」
にこ「で、私がμ'sに入ったあと、あんたたちは何するの?」
絵里「え?」
希「ウチら?」
にこ「そうよ。未来では何してたの?」
絵里(そっか、もう私たちが動かないといけない……)
絵里「えーっと、センターは誰かって揉めたあと……」
絵里「あ、そうだ! 理事長にラブライブに出たいってμ'sのみんなが直談判だーって突撃するの」
希「ああ、生徒会を通さず直接理事長に許可してもらうことで、面倒なえりちの目をかいくぐろうってわけやね」
絵里「……面倒」
希「ご、ごめんやって!」
にこ「ほんとめんどくさいわね」
絵里「……ん? でも希がその前に、どこかへ行ってたような気もする……」
希「ウチが?」
絵里「ええ。私にバレないように、こっそり何かしてたんだわ」
希「うーん、ウチがえりちにバレずにしそうなことって……なんやろ?」
にこ「前の絵里は強情だったんでしょ?」
絵里「お恥ずかしながら……」
にこ「じゃあ希も前の穂乃果たちと同じように、絵里の目をかいくぐってμ'sを宣伝しようとした、とか?」
絵里「宣伝……宣伝……」
絵里「そうだ!」
希「?」
絵里「希! μ'sのPVを撮ってないわ!」
希「PV?」
絵里「そう、希は前にビデオカメラで、μ'sの1日なるものを録画してたの」
絵里「私も結局μ'sに入ってから見たんだけど……あの時のものだったとは」
希「え? それっていつやってたん?」
絵里「えーっと……希が言ってたのは……」
絵里「……たしかセンター争いの……前」
にこ「……それはもうやったんだけど」
希「……」
絵里「……」
絵里(どうしよう)
絵里「私、大変なことを……」
希「ちょ、ちょっとくらい順番が前後したって大丈夫やって!」
にこ「そうよ! 早期加入しようっていうんだから、そんなところ気にしてどうするの!」
絵里「でもぉ……」
希「あー! こんなところにビデオカメラがあった!」
絵里「それ、生徒会の仕事で使うやつ……」
にこ「大丈夫よそのくらい」
希「じゃあにこっち行くで!」
にこ「ええ!」
絵里「ま、待って2人とも!」
希「どうしたんえりち」
にこ「何?」
絵里「あの……」
絵里「完成したら、見せて?」
絵里「ふぅ……満足したわ」
希「それはよかった」
絵里「希がカメラを向けることで、みんないい笑顔になるのね」
希「そんな、今やったらえりちでも笑ってくれると思うで?」
絵里「うーん、そうかしら」
にこ「ねぇ、私のとこはどうだった?」
絵里「……可もなく不可もなく」
希「そやね」
にこ「どういう意味よ」
絵里「いつも通りかわいいってことよ」
にこ「ふんっ、何よ今更」
にこ「……ありがと」
希「きゃー! にこっち照れてるー!」
にこ「うるさーい!」
絵里「あとは理事長のところへ話に言ってくれればいいんだけどねぇ」
希「……えりち、今思ったんやけど」
絵里「何?」
希「たぶんこのままやと、えりちのところに来るで?」
絵里「……え」
絵里「わ、私のところに? 何でよ? こわーい生徒会長のところにわざわざ?」
にこ「あんた、自分の顔見てみなさい。ほら、鏡」
絵里「……あ」
にこ「そんな笑顔を振りまいてる生徒会長のどこが怖いのよ」
絵里(し、しまった……)
希「でもそんなに悩まなくてもいいんと違う?」
にこ「なんで?」
絵里「……そうか、私がうまい具合に話を誘導すれば」
希「うん、早期加入が近づくで!」
穂乃果「生徒会長! お話があってきました!」
絵里「はいどうぞ」
穂乃果「失礼します」
海未「失礼します」
絵里「あら今日は2人だけなのね」
穂乃果「はい、みんな練習で忙しいので」
絵里(頑張ってるのね。えらいえらい)
希「まあまあ、そこに座ってやー」
穂乃果「はい」
海未「はい」
絵里「それで、話とは?」
穂乃果「……海未ちゃん」
海未「……はい。わかっています」
海未「ラブライブへの出場を認めていただきたいのです」
絵里(来たわね……)
希「ラブライブ? ラブライブって何?」
絵里(の、希……さすがの演技力ね。本当に知らないみたい)
海未「はい、私たちはスクールアイドルとして、この音乃木坂学院をアピールしようと思っています」
穂乃果「ラブライブというのは、そのスクールアイドルの頂点を決める祭典なんです」
絵里「なるほどね」
絵里「それで優勝して、この音乃木坂学院の知名度を広めようってこと?」
穂乃果「はい!」
海未「それを許可していただきたいのです」
希「……えりち、本気みたいやで」
絵里「そうみたいね」
絵里(よし、ここでどうするかよね)
絵里(今の穂乃果たちのダンスは、一般人より少しうまい程度)
絵里(贔屓目で見ても、優勝は狙えない)
絵里(だったら答えは1つ……)
絵里(焦らずゆっくりと、手順を踏んでいくべきね)
絵里「認めましょう」
穂乃果「本当ですか!?」
海未「ありがとうございます!」
絵里「しかし、1つだけ条件があります」
海未「条件……?」
絵里「はい、それをクリアできれば、ラブライブへのエントリーを認めます」
穂乃果「はいっ! やります!」
海未「穂乃果、内容はまだ……」
穂乃果「海未ちゃん、私たちに断るなんて選択肢はないよ!」
海未「……そうですね。生徒会長、内容を教えてください」
絵里(ああ、この目。この目が私を導いてくれたのね)
絵里(穂乃果や海未だけじゃなく、みんなが同じ決意を持ってる)
絵里(だから……目を離せない)
絵里「条件は簡単です。努力すれば必ずクリアできます」
穂乃果「はい!」
海未「はい!」
絵里「今度の期末テストで、μ'sのメンバーが1人も赤点をとらないことです」
穂乃果「……」
海未「穂乃果!?」
ことり「穂乃果ちゃん!?」
真姫「あ、凛も!」
花陽「に、にこ先輩!?」
希「あらあら、みんな廊下で聞いてたんや」
絵里(ふふ、予想通りの反応ね)
絵里「えー、ほの……じゃなくて、高坂さんは話を聞ける状態ではなさそうだから、園田さん、続きを聞いてください」
海未「わかりました」
絵里「他のみんなも入ってきていいわ」
真姫「失礼します……凛、しっかりしなさい」
花陽「凛ちゃん大丈夫?」
凛「な、なんとか……」
ことり「にこ先輩も、中に入ってください」
にこ「う、うらぎりものぉ……」
絵里(怒られちゃった)
希「そうみたいやね」
絵里「学生として、部活と学業の両立は当たり前のことです」
絵里「ですから、スクールアイドルとして努力するのは構いませんが、そのせいで学業がおろそかになっては本末転倒です」
海未「はい……」
絵里「おバカアイドルで売り出す気がないのなら、しっかり勉強してテストに臨んでください」
にこ「そんな気はないわよぉ」
凛「凛もないよ……でもぉ」
真姫「でももだってもないわ。やらなきゃ仕方ないでしょ」
花陽「そうだよ、きっとできるよ!」
希「それでえりち、どうするん?」
絵里「ああ、それで私は……」
絵里「あなたたちの勉強を見ます」
穂乃果「せ、生徒会長が!?」
海未「そんな、いいんですか?」
絵里「ええ。仕事はちゃんと片づけてあるし、ここ数日は暇になるの」
希「昨日一緒に頑張ったもんなぁ」
絵里「ねー」
絵里「じゃなかった。コホン、なので早速今日の放課後から勉強を見ますよ」
凛「きょ、今日から!?」
にこ「せ、せめて明日からでも……」
希「ダーメ。明日から始める―って言ってるとテストはすぐ迫ってくるで?」
穂乃果「教科書! 教科書がありません!」
絵里「知ってる? この学校では教科書の貸し出しは自由なのよ。図書室に置いてあるわ」
穂乃果「うぅ……」
絵里「じゃあ部室へ行くわよ」
希「ちょちょ、えりち待って」
絵里「え?」
希「……なんでえりちが先に行ってしまうんよ」
絵里「あ、そっか」
絵里「では希、案内お願いね?」
希「はーい」
穂乃果「うー……生徒会長が優しくなったと思ったのにぃ」
海未「内容は易しいものではありませんか」
にこ「どこがよ!」
凛「そうだよ!」
真姫「はいはい、早くしなさい」
絵里(これでみんなと一緒に勉強できるわね)
絵里「ふふふ」
希「えーりち、笑い声が漏れてる」
絵里「ごめんね。でも後ろのみんなには見えないでしょ?」
希「ウチからも見えてないけど、笑い声でわかってしまうんよ」
絵里「それは大変だわ」
希「うん」
絵里「突然真顔になるのも難しいわね」
希「ぷっ……」
絵里「え?」
希「えりちが真顔になろうと頑張ってるの想像したら……ぷぷ、笑えてきた……」
絵里「ぐぬぬ」
今日はここまで
皆と勉強したいエリーチカ
縺吶?繧韻
縺輔>縺薙?
再び宣伝 ほのえり
穂乃果「穂乃果はいつになったらホノーチカになれるんだろう」
→穂乃果「穂乃果はいつになったらホノーチカになれるんだろう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405177093/)
邯壹″縺九¢
おこられたので続き書きます
絵里「さて、ここが部室ね」
絵里(うんうん、変わってない変わってない)
希「じゃあさっそく勉強始めよか」
真姫「まずこの中で赤点とりそうな教科を並べていきましょう」
にこ「な、何でにこを見るのよ!」
希「μ'sの心配要素その1、矢澤にこ」
にこ「やめなさいよ!」
凛「り、凛はもうダメかもしれないにゃ……ぐふ」
花陽「ダメだよ凛ちゃん。せっかく生徒会長さんが手伝ってくれるんだから」
絵里(……やっぱりまだゲスト待遇って感じね)
海未「ではまず穂乃果の勉強は、いつも通り私とことりで見ます」
ことり「頑張ろうねっ」
穂乃果「がんばります……」
真姫「凛のは私と花陽ね」
花陽「うん」
凛「2人の犠牲は無駄にしないよ」
真姫「なんで初めから諦めてるのよ!」
希「賑やかやね」
絵里(この空気……まだ数日しか経ってないのに懐かしく感じるわ)
希「じゃあウチとえりちで、にこっちの勉強を見るんやね?」
絵里「そういうことね」
にこ「せ、生徒会コンビ……」
希「ウチはそんなに賢くはないよ?」
にこ「えー、でも絵里が……」
絵里「え?」
にこ「学年1位でしょ?」
穂乃果「学年!?」
凛「1位!?」
絵里(……ああ、そうだっけ。順位とかあんまり気にしてないから忘れてた)
希「えりち、忘れてたって顔してる」
絵里「ぎくっ」
希「まあそういうわけやから、困ったらえりちにも聞いてあげてな」
絵里(え、そこまでしなくても……)
希「いいやろ?」
絵里「……わかったわ。何か質問があれば私に聞いてもいいわよ」
花陽「こ、心強すぎます……!」
海未「1位……」
真姫「へぇ……」
穂乃果「さすが生徒会長ですね!」
絵里(……とっても恥ずかしい)
ことり「3年生の1学期中間の成績で1位ってことは、それまでの学年でも全部1位だったりするんですか?」
絵里「あまり覚えてないけれど……どうだったかしら」
希「ウチが知ってる限りでは、えりちが1位以外をとったところは見たことないよ」
ことり「きゃー!」
花陽「すごいです!」
海未「なるほど、だから生徒会長に選ばれたんですね」
絵里(普通に会話できてる……うれしい)
絵里(でもやっぱりメリハリは必要よね)
絵里「はい、おしゃべりはここまでよ。各グループで勉強すること、いいわね?」
穂乃果「はい!」
凛「はーい」
にこ「はいはい」
希「にこっち、教科書逆さまやで」
にこ「……じ、実は矢澤家に伝わる秘伝の暗記方法があってね」
別の気分転換に書いたssも好きやで
>>136-137
ありがたい
今日はリクエスト受けたのでにこえり
――――――――――――――――
希「ふぅ、そろそろあっちの準備できたんと違うかな」
絵里「……んー」
希「うんうん、大丈夫。まだ10分しか経ってないよ」
絵里「……ふふ」
希「いい夢見てるんやろうなぁ」
絵里「……」
希「なぁえりち、昔のえりちは怒りっぽかったやんな?」
希「……でも、やっぱり思い浮かぶのは笑顔のえりちやで」
――――――――――――――――
絵里(みんな勉強するのはいいけど……やっぱり誰も質問しに来てくれないわね)
絵里(うーん、穂乃果あたりなら来てくれると思ったんだけどなぁ)
にこ「絵里」
希「えりちー」
絵里「あ、何?」
にこ「ここがわかんないのよ」
絵里「うんうん、教えてあげる」
絵里「ここの文法はね? この単語から最後までが主語になってるの」
にこ「ええっ、長すぎない?」
希「でも英語ってそんなんばっかりやで」
にこ「むむ」
絵里「ということは、どうなるかわかるわよね?」
にこ「この単語がわかんない」
絵里「それは……素直な、って意味よ」
にこ「じゃあここは『彼女は素直だ』になるわけね」
希「なんかえりちみたい」
絵里「え? どういうこと?」
にこ「あんた素直でしょ」
絵里「ああ、そういうこと」
絵里(前は希に素直になるんやーとか言われてたのにね)
穂乃果「あ、あのっ!」
希「お、穂乃果ちゃんどうしたん?」
絵里(なーんだ、希に質問かぁ。私かと思ったのに)
穂乃果「せ、生徒会長に質問したくて」
絵里「!?」
希「えりち、出番やでー」
絵里(も、もう!? そんな早くに!?)
絵里「な、何かしら?」
にこ「声が上擦ってるわよ」
絵里「にこは静かに勉強してなさい」
にこ「はーい」
絵里「コホン……それで、質問とはなんですか?」
穂乃果「この、数学の問題がわからなくて」
海未「……」
ことり「……」
凛「……」
真姫「……」
花陽「……」
絵里(う、うわー! みんなこっち見てる!)
絵里(ど、どうしよう希、にこ……)
希「にこっち、それでこの続きはこうや」
にこ「希ちゃんありがとう! よぉーくわかったにこっ」
絵里(ぐっ……勉強してろなんて言っちゃったから本当に勉強してるし……)
絵里「この問題ね、うん。わかったわ」
絵里(ってここまでできてるなら、あと一息で解けるじゃない)
絵里(……まさか試されてる!?)
絵里(いや、そうだとしたら……でもでも、穂乃果がそんなことする子だとは思えないし……)
絵里(よし)
絵里「高坂さん」
穂乃果「はいっ!」
絵里「もう1度一緒に問題を読んでみましょうか」
絵里(何も考えなくていい。私はサポートするだけだから……)
絵里「ここでこの点がぐるぐると回転しています」
穂乃果「はい」
絵里「そしてもう1つ、ここに点が加わるわけです」
穂乃果「はい!」
希「……えりちもμ'sに加わりたいです」
絵里「はい、私も……希」
希「おしい」
絵里「おしくない」
絵里「じゃあ続きを読むわね?」
穂乃果「はい!」
絵里「楽しかった!」
希「えりち、うれしそうで何よりやで」
にこ「ほーんと、単純なんだから」
希「にこっちもうれしそうやん?」
にこ「別にそんなんじゃないし」
絵里(まだぎこちなさは残るけど、それでもみんなと一緒に勉強できるなんてだいぶ進歩したわよね……)
絵里「この調子で明日もがんばりましょう」
希「うん」
にこ「そっか……明日も続くんだっけ」
絵里「でも今日、にこは頑張ってたのでごほうびをあげます」
にこ「えー、成績がいい」
希「いくら生徒会でも成績を上げるのは無理やなぁ」
にこ「じゃあ何をくれるの?」
絵里「このチョコです」
にこ「ふーん、ありがとう」
絵里「……普通のチョコと思ったら大間違いよ? これはガーナ直輸入の新鮮なブラックチョコレートなんだから」
にこ「ええっ!?」
絵里「なんちゃって」
にこ「にこにーチョップ」
絵里「いたい!」
希「生徒会室で起こるバイオレンス、その実態やいかに!」
にこ「撮るんじゃないわよ!」
絵里「あ、2人とも。今日はちょっと用事があるから先に帰るわね」
希「うん、わかったー」
にこ「車に気を付けなさいよ」
絵里「もう、子どもじゃないんだから……」
絵里「……あれ? 何の用事だっけ」
希「迷子センターに連れて行かな」
にこ「ほーら、チョコがあるわよー」
絵里「ううう」
にこ「こどもこどもー」
希「こどもえりちー」
絵里「ぐぬぬ」
絵里「あ、思い出した。亜里沙と一緒に帰るんだった」
にこ「ありさ? 誰よそれ」
希「えりちの妹さんやで」
にこ「へー、あんた妹いたの」
絵里「いるわよ」
にこ「その亜里沙さんは大変でしょうね」
絵里「もー、バカにして」
にこ「こんな楽しそうに笑う姉がいたら、何で悩んでても忘れちゃうでしょ?」
絵里「……チョコもう1枚あげる」
にこ「はいはい」
希「にこっちも素直にそういうこと言うようになったんやね」
にこ「にこに弱点はないにこっ」
絵里(えーっと……校門前に集合だったわよね)
絵里「ちゃんと迷わず来れてるといいんだけど……」
絵里(あ、いたいた)
絵里「亜里沙ー!」
亜里沙「お姉ちゃん!」
海未「……お姉ちゃん?」
絵里「あ」
絵里(あー……忘れてた。そうだわ、海未が一緒にいたんだっけ)
絵里「えーと、その……これは……」
海未「生徒会長、妹さんが見ていたこの動画は一体……」
絵里(そうそう、見られてたのよね……)
亜里沙「お姉ちゃん、μ'sのメンバーの園田海未さんと知り合いだったの!?」
絵里(うああ……なんて言えばいいかわからない、一緒に勉強しただけだもの……)
海未「はい、私はあなたのお姉さんと知り合いですよ」
絵里(……あれ?)
亜里沙「ハラショー! お姉ちゃん、どうして言ってくれなかったの?」
絵里「それはねー……そう、サプライズよ。驚かせたかったの」
亜里沙「うん、亜里沙すっごく驚いたよ!」
海未「それは光栄です」
絵里(……海未が意外にも親しげだわ。なんでかしら)
絵里「はい、お金よ」
亜里沙「うん、飲み物買ってくるね!」
絵里「おでんやおしるこはダメよ?」
亜里沙「わかった!」
絵里(前はおでん買ってきたものね……あれは海未も驚いてたし)
海未「生徒会長」
絵里「ひゃ、はいっ!」
絵里(……な、何だろう。海未の目がいつになく真剣で怖い)
海未「率直に言います」
海未「μ'sに入ってください」
絵里「……」
海未「……」
絵里「…………」
海未「…………」
絵里「ちょっと待ってて、電話がかかってきたみたい」
海未「わかりました」
絵里(とりあえずこの場を離れて、と)
絵里「……」
絵里(希に電話をかけよう)
希「もしもーし、ウチやでー」
絵里「どどっ、どどどどどどうしよう、希」
希「……どうしたんえりち、声震えてるけど」
絵里「μ'sに入れって言われた……」
希「えっ」
絵里「……海未に」
希「なんでそんな急に?」
絵里「わからない、わからないのよ……」
希「でもえりち、ここで加入すればいいんと違う? せっかくのお誘いやし」
絵里「……そうなんだけど」
にこ「何よーどうしたの?」
希「えりちがμ'sに誘われたんやって」
にこ「えっ!? 誰に?」
絵里「海未によ」
にこ「はー、あの海未がね……」
希「えりち、もう入ってしまったらいいやん」
絵里「ダメよ、ダメなの」
希「なんで?」
絵里「私がここで加入したら……」
絵里「期末試験そっちのけで遊んでしまいそうになるから……」
にこ「……あんたらしい」
希「うん、えりちらしい」
絵里「でも入りたくないわけじゃないの」
希「それをうまく伝えたいんやね?」
絵里「そういうこと」
にこ「じゃあ期末で誰も赤点とらなかったら加入する、って言えばいいんじゃないの?」
絵里「そ、そうね……あ、でも希はどうなるの?」
希「ウチ? ウチは……どうしよっか」
にこ「私が後でどうにか誘うから気にしなくていいわよ」
絵里「ホント? 信じていい?」
にこ「ええ、嘘ついたらあんたたちの電話番号とメアドを消してやってもいいわ」
希「うふふ、本気みたいやで」
絵里「わかった、わかったわ……うん、そうする」
絵里「ありがとう2人とも」
希「ううん、いいよー」
にこ「ちゃんと一言一句間違えず伝えるのよ」
絵里「うん、もう切るわね」
希「はいはーい」
絵里「……うん」
絵里(海未にちゃんと伝えましょう)
絵里(希と一緒じゃないのはちょっと嫌だけど……この機会を逃す手はないわ!)
絵里「ごめんなさい園田さん、待たせちゃって」
海未「いえ、構いませんよ」
絵里「それであの……答えだけど……」
海未「はい」
絵里「私はμ'sに……」
海未「うっ……」
絵里(ん? 海未の顔色が悪くなってる?)
絵里「あの、園田さん」
海未「……」
絵里「園田さん? 園田さん!」
海未「……」
絵里(返事をしない……それに今にも倒れそう!)
絵里「園田さん……ねぇ! しっかりして!」
絵里「海未っ!」
海未「……ん? ……えり?」
絵里「え?」
絵里(い、今確かに、私のことを名前で……)
海未「あれ? 私、さっきまで家にいたはずですが……」
絵里「あ、あの」
海未「絵里?」
絵里(また呼んだ)
海未「……す、すみません! もたれかかってしまって……」
絵里「いや、いいのよ」
絵里(まさか……もしかしたら)
絵里「あの……海未?」
海未「はい、何ですか? 絵里」
絵里(やっぱり……未来の海未だ)
絵里「海未、ここがどこだかわかる?」
海未「はい、ここではよく遊びましたから」
絵里「じゃあ今、いつだかわかる?」
海未「え? 今は秋でしょう? 何を言っているんですか絵里――――――――」
海未「葉桜……?」
絵里「そうよ海未。今はまだ1学期。期末試験も終わってない時期なの」
海未「そんな……嘘でしょう?」
絵里(なぜ海未がこっちに……)
絵里(……そういえば)
『海未ちゃんに教えたら眉唾物やって言われたんやけどね』
絵里「あなた……希に教えられたおまじないをやったのね」
海未「おまじない……?」
海未「ま、まさかあれ、本当に……!」
絵里(やっぱり……)
絵里「海未、落ち着いて。ここは夢の世界よ」
絵里「大丈夫、大丈夫だから」
海未「……ありがとうございます。少し取り乱してしまいました」
亜里沙「飲み物買ってきましたー!」
絵里「あら、早かったわね」
海未「ありがとうございます、亜里沙」
亜里沙「えっ!? あ、ありがとうございます!」
海未「?」
絵里「海未、ここは過去だから急に名前で呼んだら……」
海未「あっ、すみません。亜里沙さん」
亜里沙「……さっきのままでよかったのに」
絵里「亜里沙、悪いけどもう1本何か買ってきてくれない?」
亜里沙「え?」
絵里「今日は亜里沙、ちゃんと学院まで来られたからご褒美よ」
亜里沙「もう、お姉ちゃんってば……私、子どもじゃないんだからねっ!」
海未「それでも買いに行きましたね」
絵里「うん、そういう子だもの」
絵里(そろそろ本題に入らないといけないわね)
絵里「海未、詳しい話はまた今度、と言いたいところだけど、今日はうちに泊まりなさい」
海未「……わかりました。聞かせてください」
絵里(想定外だわ。まさか海未もこっちに来るなんて……)
今日はここまで
満を持して海未ちゃん降臨
先読みはやめるんや! 当たったらやだ
今日はリクエスト通りにこえり
にこ「絵里は黙ってれば賢く見える」
海未「お邪魔します」
絵里「はい、いらっしゃい」
海未「……あら? ご両親はいらっしゃらないのですか?」
絵里「ふふふ、なんと都合のいいことに2人とも今日は旅行でいないのよ」
絵里(ペアチケットだったし、たまにはゆっくりしてもらうのも悪くないわよね)
海未「それで亜里沙は……」
絵里「穂乃果のところに泊まるんだって。雪穂ちゃんと約束してたって言っててね」
絵里「せっかく海未が来たのに私はなんて間の悪い子なのー! って嘆いてたわ」
海未「ふふ、そうですか」
絵里(海未を連れてきたからちょっと過去とは展開が違ったけど、大丈夫よね?)
絵里「さて、何から話そうかしら」
海未「そうですね……じゃあここに来た経緯を教えてもらえますか?」
絵里「うん」
絵里(えーっと、最初はどこから話そうかしら)
絵里「まず初めに、私はにこがμ'sに加入するちょうど前の頃に来たの」
海未「……結構時間が経っていますね」
絵里「そうなのよ。早期加入したいけど、なかなか糸口がつかめなくて」
海未「私が来たのはいつごろなんでしょうか」
絵里「海未が、何で私たちの活動を邪魔するんですかー! キーッ! って言ってた頃ね」
海未「そ、そんなことは一言も……!」
絵里「あはは、冗談よ冗談」
海未「はぁ……そう考えると絵里もずいぶん丸くなりましたね」
絵里「うん、自分でもそう思うわ」
絵里(やっぱり話せる人がいるのっていいわね)
海未「絵里、携帯電話が光ってますよ」
絵里「あ、マナーモードにしてたんだった。ありがとう海未」
絵里(……希から? こんな時間にどうしたのかしら)
絵里「ちょっと出るけどいいかしら」
海未「構いませんよ」
絵里「ありがと」
絵里(まあ何の用事であれ、ついでに海未のことも話しちゃいましょう)
絵里「はい、もしもし」
希「えりちこんばんは」
絵里「こんばんは。どうしたの? 勉強でわからないところでもあった?」
希「まあそんなところかなー」
希「単刀直入に聞くで、えりち」
絵里「うん」
希「えりちってさ、未来から来たんやろ?」
絵里「そうよ」
絵里(ってなんだかこの返し、漫画かアニメの主人公みたいなセリフね)
希「それで思ったんやけど……」
希「期末試験の問題、わかるやんな?」
絵里「!?」
絵里(そ、そうだった! 私は問題を知ってるんだ!)
海未「ど、どうしたんですか絵里! 汗がすごいですよ!」
希「あれれ? 海未ちゃんの声聞こえたけど……」
絵里「ダメよ! 絶対にダメ! カンニングなんてぜーったいダメなんだから!」
絵里(あああああ、でも私は問題を知ってるのよね……ものすごくずるいわ。生徒会長なのにこんなずるいこと……)
絵里「うわああああああ」
海未「え、絵里! 気を確かに!」
希「ご、ごめんえりち! 真面目なえりちにそんなこと言ってごめん!」
絵里「うう、私どうすればいいの……」
希「あの、にこっちにヤマだけでも教えてあげて?」
絵里「え? ヤマ?」
絵里「でも私、問題知ってるからヤマじゃなくて……」
希「そこはヤマっていう体でお願い」
絵里「……にこ、そんなに大変なの?」
希「うん、もうジョーズに襲われるタイタニックくらい」
絵里(それはもう死が確定していると言っても過言ではないわね)
絵里「特にどの教科が?」
希「国数英社理」
絵里「全部……」
絵里「わかった、わかったわ……」
希「カードもな、にこっちが爆死する未来を告げてて」
絵里「うん、電話して教えるわ。教えてくれてありがとう希」
希「いいっていいって、それより海未ちゃんの声は……」
絵里「あ、そうそう。海未も未来の海未になったのよ」
希「……?」
海未「呼びましたか?」
絵里「……海未の口から教えてあげた方がいいかも」
海未「?」
希「へぇ、海未ちゃんはウチのこと名前で呼んでくれるんや」
海未「あ、すみません。いつもの癖で……」
希「いーのいーの。それの方がなんか親しげな感じするし」
海未「ではこのままで」
希「みんなの前ではのんちゃんって呼んでな」
海未「えぇっ、希先輩ではなくですか!?」
希「あはは、海未ちゃん思った通りからかいやすいなぁ」
絵里(希ってば、やってること未来と一緒)
海未「はぁ……良くも悪くもあなたは今も昔も変わりませんね」
希「海未ちゃんそれあと10年くらいたってから言うセリフやで」
海未「それで、どうするんですか?」
絵里「何が?」
希「何のこと?」
海未「いや、期末試験の後のことですよ」
絵里「え? 大丈夫なんじゃないの? このままの調子でいけば……」
希「うんうん」
海未「未来では、絵里がダンスを教えてくれましたよね」
絵里「そうね」
海未「ダンスを教えてもらうきっかけはどう作るんですか?」
絵里(どう作ろう)
絵里「で、でも私はさっき、海未にμ'sに勧誘されたし……」
海未「ですが過去は、私たちをふるいにかけるという名分があったじゃないですか」
絵里「そうね」
希「そうなん?」
絵里「そうなの」
海未「しかし希から話を聞いた限りでは、今のあなたを恐るるに足らない存在です!」
絵里「ひぇぇ」
希「確かに今のえりちにはそういう威厳がないもんなぁ」
絵里「の、希まで……」
海未「そしてあの時のように、穂乃果たちが喰らいつくようにあなたの特訓についていかなければ……」
絵里「ついていかなければ……?」
海未「あんな風な急激なスキルアップは望めません!」
絵里「そ、そんなぁ!」
希「つまり、海未ちゃんが言うには、えりちが一度μ'sのみんなを突き放す必要があるってことやね」
海未「ええ、そういうことです」
絵里「つ、突き放す……」
絵里(そ、そんなこと……みんなを突き放す?)
絵里「……できるわけないでしょぉ」
海未「ま、待ってください、今のはたとえですから! 泣かないでください!」
希「あらら、海未ちゃん悪い子ー」
海未「やめてください!」
海未「ですからみんなには緊張感を持ってダンスレッスンをしてもらいたいわけです」
絵里「……じゃあ私、どうすればいいの?」
希「緊張感なぁ」
海未「私にいい考えがあります」
絵里「ほんと?」
海未「ええ、ですがこれは絵里に聞かれては意味がありません。希と話したいので携帯電話を貸してもらえますか?」
絵里「いいわよ。希は?」
希「おっけー」
絵里「はい海未」
海未「ありがとうございます。少し席を外しますね」
絵里「うん」
絵里(何で教えてくれないのかしら)
絵里(……もしかしたら私も緊張感を持たなきゃいけないのかも)
絵里「緊張感緊張感……うーん、どんな感じかしら」
絵里「やっぱりつり目?」
絵里(でも私、たれ目なのよねぇ……上げたらそれらしいかも)
絵里「びよーん」
海未「絵里、終わりまし……ぶふっ」
絵里「うわぁ!?」
希「んー、どうしたん?」
――――――――――――――――
希「ん、電話……ああ」
希「もー、みんな後悔しすぎやんなぁ。えりちもそう思うやろ?」
絵里「んー……」
希「ちょっとだけ待っててな、えりち」
絵里「海未……ノック……」
希「あれ、海未ちゃんもそっち行ってるん?」
絵里「……ぅ」
希「……まあいっか」
希「ウチはみんなができるだけ幸せになってほしいんよ」
――――――――――――――――
にこ「ほぁぁ……」
希「どうしたんにこっち、期末そんなに悪かったん?」
にこ「ち、違うの……その逆で……」
希「んー?」
希「……」
希「んー!?」
絵里「どうしたの?」
希「にこっちが! にこっちやけど、にこっちやないんよ!」
絵里「え、何? トトロ?」
希「ほら、えりちにも見せてあげて」
にこ「……あんたに教えられたヤマ、全部当たったんだけど……ほかに自分で張ってたヤマも当たって」
絵里「えええ!? なにこれ!?」
海未「どうしました?」
絵里「う、海未! 見て!」
海未「ふむふむ、平均点91点……絵里のテストですか?」
希「にこっちのや……」
海未「え?」
希「にこっちのテスト結果……」
海未「またまたご冗談を」
にこ「……」
海未「え、本当に……?」
穂乃果「生徒会長生徒会長生徒会長!」
絵里「ほの……どうしました高坂さん」
穂乃果「μ'sの1年生、2年生は全員赤点回避できました! あとはにこ先輩だけで……」
にこ「……」
希「穂乃果ちゃん……」
穂乃果「ま、まさか……!」
海未「これを見てください」
穂乃果「……88、95、90、89、93……す、すごい、希先輩か生徒会長のテストですか?」
海未「それは……」
希「にこっちのなんよ」
穂乃果「にこっ……!?」
にこ「……」
穂乃果「」
海未「ほ、穂乃果! しっかりしてください!」
海未「というわけで期末も終えたので、作戦会議を始めます」
絵里「おー!」
希「おーっ」
にこ「……なんで海未がいるの?」
絵里「海未も未来から来たのと入れ替わったの」
にこ「なんかその超理論で納得しちゃう自分が嫌になってきたわ」
海未「そこ、私語は慎んでください。今から大事な話をするんですから」
絵里「ごめんなさい」
にこ「はいはい」
希「海未ちゃんの方が生徒会長っぽいなぁ……」
海未「まず私たちの今の実力では、ラブライブしつじょ……」
海未「出場など到底不可能です」
にこ「ごめんもう1回言って」
絵里(鬼だわ)
希「鬼やでにこっち」
にこ「え、何て言ったかわかんなかったもの」
海未「私たちのじゅつりょ」
希「ほら、μ'sの現在の実力は、海未ちゃんが身を持って証明してくれたやろ?」
絵里(希もなかなかの鬼だわ)
海未「と、とにかく! 絵里のダンスレッスンが必要となるのです」
にこ「なんで? 私たちってそんなに下手かしら」
海未「過去の絵里はお遊びにしか見えないって言ってました」
にこ「……あんた、本当にそういうキャラだったのね」
絵里「だ、だって! あのころは本当に大変だったんだもん!」
希「まあまあ、にこっちも実際、実力不足は感じてるわけやろ?」
にこ「まあね」
絵里「ここで私の出番ってわけよ」
にこ「それも何で?」
海未「絵里はバレエをやっていましたから」
にこ「……?」
絵里「たぶんにこの考えてるバレエはバレーだと思うわ」
希「でもな、今のえりちが特訓するって言って出て行ってもみんな緊張感なんてないやろ?」
にこ「確かにね。今の絵里が怒っても全然怖くないもの」
絵里「そう?」
海未「ええ、今の絵里は牙の抜かれた獅子です」
絵里「がおー」
希「かわいい」
にこ「かわいい」
絵里(……ほんとだわ)
海未「なので絵里にはこれを付けてもらいます」
にこ「なにこれ……メガネ?」
希「それにウィッグ?」
絵里「……何このラインナップ」
海未「変装です」
絵里「えっ」
海未「あなたには変装して、ダンスレッスンをしてもらいます!」
絵里(え、そんな簡単なことじゃバレる……)
絵里「私がダンスコーチを務めるエリーと申します」
凛「初めまして!」
花陽「よ、よろしくお願いします」
真姫「本当に大丈夫なの?」
絵里(騙せた)
今日はここまで
のんたんの暗躍は一体どうなる
感想ありがたいです サンタ西木野ネタも考え中
今日はことえり
ことり「見て見て絵里ちゃん手錠だよ」
→ことり「見て見て絵里ちゃん手錠だよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405345463/)
絵里(まあこの調子で、行けるところまで行っちゃいましょう)
絵里「まず初めに、あなたたちの柔軟性のチェックをします」
海未「ではことり、前に出てきてください」
ことり「はいっ!」
絵里(わー、素直ねみんな)
穂乃果「みんな! ちょっと待って!」
花陽「え?」
凛「どうしたんですか穂乃果先輩」
真姫「?」
穂乃果「おかしいよ、何かがおかしい……」
絵里(ま、まさか穂乃果……)
海未「……」
穂乃果「だってさ、急にダンスコーチが来るなんて変だよ」
凛「……それはそうかも」
真姫「そうかしら? コーチが来るなんて普通のことじゃない」
穂乃果「でもでも! 生徒会長が許してくれるのかな? そんなにお金かかること……」
ことり「前の生徒会長だったら認めてくれなかったかもしれないけど、今なら大丈夫だよ!」
花陽「わ、私もそう思います」
絵里(うん、私も認めるわ)
海未「ど、どうしたんですか穂乃果。急にそんなことを言い出して」
絵里(声が震えてる……海未って演技下手なのね)
穂乃果「だって……いないんだもん」
海未「いない?」
ことり「いないって……」
絵里(ま、まさか生徒会室!?)
絵里(いや、万が一のために希をポニーテールにしてカーテンの影からうっすら見えるようには細工したはず……)
絵里(私の変装姿が見たいって騒いで大変だったけど)
真姫「誰かがいないのと何の関係があるっていうの?」
穂乃果「……その人が変装してる」
花陽「そ、そんな……」
海未「」
絵里「」
凛「じゃあその人は……」
穂乃果「うん、そうだよ凛ちゃん」
海未「……」
絵里(あぁ、海未が固まっちゃった)
絵里(……いっそのことここでバレた方がいいのかもね)
絵里(緊張感の話は仕方ないけど、こればっかりはどうしようもないか)
絵里(それに、私のことを見抜いてくれたのがちょっとだけうれしいし……)
絵里「よく見抜いたわね。そうよ、実は私は――――――――」
穂乃果「にこ先輩ですよね!」
凛「にこ先輩にゃー!」
海未「ことり、前に出てきてください」
ことり「はーい」
真姫「でも、にこ先輩がいないのはどうして?」
穂乃果「えっ、にこ先輩ならここに」
海未「穂乃果は黙っていてください」
凛「あれ、スルーなの? 凛たちの名推理は……」
ことり「凛ちゃん、向こうでことりと一緒に遊ぼっか」
絵里(そういえばにこは用事で今日は抜けるって……でも何の用事なんだろ)
絵里「あら、もう1人メンバーがいるのね」
花陽「はい、先輩が今日は来てなくて」
絵里(みんなには話してないのかしら)
絵里「……海未、あなたは聞いたわよね」
海未「はい。にこはただの用事だと言っていましたよ」
穂乃果「用事なの?」
海未「はい」
ことり「それなら今日は私たちだけで特訓だねっ」
凛「最初は柔軟性? 凛は瞬発力なら自信あるよー」
真姫「私は別に、信用してるわけじゃないし……」
花陽「ど、どうしよう……緊張してきちゃったぁ」
絵里(みんな全然緊張してない……というか逆にフレンドリーよね)
海未「はて? 私だったら相当緊張するんですが……」
絵里(なぁーるほど)
絵里「ではことりさん、地面に座って、足を広げて上体を倒してみてください」
ことり「はーい」
ことり「……よいしょっと、これでいいですか?」
絵里「うん、ありがとう」
絵里(やっぱりことりは大丈夫そうね)
穂乃果「わぁ……やっぱりことりちゃん柔らかいね!」
ことり「えへへ、ありがと」
凛「凛もそのくらいぺったりついてみたいにゃー」
花陽「うん、そうだよね」
絵里(この時はみんな、どのくらい柔軟できたかしら……)
海未「では次は真姫、来てください」
真姫「え、私もやるの」
海未「当然でしょう」
真姫「うぅ……苦手じゃないけど知らない人の前でやるのって変な気分」
絵里(一通り見終わったけど……海未以外のみんな実力は未来の半分もついてない)
絵里(当たり前だけど、みんなこれからどんどん成長していくのよね)
絵里「ふふ」
海未「どうしました?」
絵里「なんでもないわ」
絵里「それじゃ、バランスをとる練習よ。こうやって両手を伸ばして……こうやるの」
凛「わー、それくらいなら凛もできそ……」
絵里「これを左右の足、交互に5分を3セットよ」
凛「……30分耐久フラミンゴ対決?」
花陽「り、凛ちゃん落ち着いて!」
絵里(あの時の私はムキになってたのもあって、少し時間を長くとりすぎちゃったのよね)
絵里(でもこのくらいならみんな……)
真姫「う……」
花陽「ふぬぬ……」
凛「こ、これはつらいにゃ……」
絵里「……」
絵里「やっぱり10分を3セット」
凛「お、鬼がいる!」
穂乃果「ま、まだまだー!」
絵里「ど、どうしてそんなに体力がないの?」
海未「……ああ、そういえば今朝、なっていなかったのでトレーニングの内容を増やしたんです」
絵里(今のみんなに海未式トレーニングはハードね)
絵里「じゃあ今日は簡単なものから始めましょう」
穂乃果「そ、そんな! 私たちまだやれます!」
凛「凛も……こんなところで諦めたくない!」
絵里(ふふ、そういうところは変わってないんだから)
絵里「でもね、みんなが体を壊したら大変でしょ? だから今日はちょっとした有酸素運動を中心にするわ」
絵里(海未式は確か腕立てや腹筋なんかのウェイトトレーニングよね。なら柔軟はここで軽めにして……)
海未「そうですね。今の実力を失念していました……すみません」
ことり「い……いいんだよ、海未ちゃん」
真姫「なんで……そんなにしゃべれるのよ……」
希「もー、えりち、ウチを置いてって……」
絵里「ごめんごめん。でもこの格好で生徒会室に入ったらバレちゃうから」
希「ウチも見たいー。えりちの変装見たいー」
絵里「じゃあ……少しだけね?」
希「やった!」
絵里「私は絢瀬絵里ではなく、さすらいのダンサーエリーよ!」
希「……」
絵里(あ、あれ? 反応がない……)
希「えりちはライトブラウンやなくて金髪が似合うよ」
絵里「あ、うん」
希「メガネだけでいいんよ。ウチ、えりちの髪の毛好きやし」
絵里(知らなかった)
絵里「じゃあもう1回……」
絵里「賢さの象徴であるメガネ!」
希「今はドジっ子のアイテムでもあるみたいやで」
絵里「えっ」
希「うんうん、黒縁似合うやん。海未ちゃんもよくこんなの持ってたなぁ」
海未「ただのパーティーグッズですよ」
絵里「あら海未、おかえり」
海未「はい、ただいま戻りました。絵里……」
海未「……のんちゃん」
希「……今ウチにはえりちとにこっちというものがありながら浮気しかけるところやった」
絵里(それでも2人いるんだ)
海未「これからどうしますか?」
絵里「ああ、ダンスレッスンについてよね」
海未「はい。それです」
絵里「たぶんペースはこのままでいいと思うわ。学校説明会にもまだ時間がある時期から始めてるし……」
海未「そうですよね」
絵里「あと海未、あんな過度なトレーニングはもう少し先までお預けよ?」
海未「そうですね……私もなかなかこちらの感覚がつかめずにいるんですよ」
希「何をやらせたん?」
海未「腕立て20回を5セットと……」
希「ウチはマネージャーがいいなぁ」
絵里(正しい反応よね)
海未「希! そんなことを言っていてはラブライブ出場は夢のまた夢ですよ!」
希「のんちゃん」
海未「のっ……私がどれだけ恥ずかしい思いをしてその言葉を言わなければならないか考えたことがありますか?」
希「ちょっと背伸びするだけでいいんやってー、な?」
絵里「そうねのんちゃん」
海未「絵里まで!」
絵里「ぷぷぷ」
絵里(海未もちょっとはこっちに慣れてきたみたいね)
にこ「おはよう絵里、希」
絵里「んー、おはよう」
希「あ、にこっち何その袋。もしかしてウチらにプレゼント?」
にこ「そうよ」
希「なーんて、知ってるよ。にこっちがプレゼントなんて……え?」
にこ「あんたたちには世話になったからお礼。とくに絵里はヤマを当ててくれたし」
絵里(あれは知っていた打明けだから、あんまり気にしないでほしんだけど……まあいいか。受け取らないわけにはいかないしね)
希「わぁー、うれしい! これ開けてもいい?」
にこ「いいわよ」
絵里「私も開けていい?」
にこ「絵里はダメ」
絵里「なんで!?」
にこ「嘘よ。開けてみて」
絵里「わーい」
希「……こ、これは」
絵里(こ、これは!?)
希「焼肉の……タレ?」
絵里「チョコ!」
希「に、にこっち……これは」
にこ「あんた焼肉が好きだって言ってたから」
希「それは違うやろー! こんなかわいらしいラッピングの中からこんな香ばしい……じゅるり」
にこ「それは冗談でクッキー渡そうと思ったんだけど満足してるみたいだからいらないわね」
希「いるいる。それとこれとは別腹やで」
絵里(チョコレート……手作り……)
絵里「バレンタインにはまだ早いわよね?」
にこ「違う。そういう意味じゃないから」
絵里「今日は練習来るのよね?」
希「……っていうかこれ作ってたから昨日休んだんと違う?」
にこ「……べ、別にあんたたちの為じゃないんだから!」
絵里「あ、にげた」
希「ツンデレ……にこっちかわいい!」
絵里(なんだか未来のにこより照れ屋さんというか……なんでかしら?)
絵里「今日は生徒会の仕事は特にないし、私だと勘違いされる理由も少ないだろうから……練習見に来る?」
希「10秒に1回はウチの方見てくれるならいいよ」
絵里「ええっ!?」
希「えりち、そろそろ冗談に気付かな」
絵里「さあ、今日も練習を始めましょう」
花陽「はいっ!」
ことり「はい!」
絵里(……あれ? 花陽のおでこ、に……絆創膏?)
真姫「花陽、おでこどうしたの?」
花陽「えっ? あ、こ、これはね……」
凛「かよちんが朝からお寝坊さんで、急いで着替えてたら足がもつれて転んじゃったの」
花陽「り、凛ちゃん! 言わない約束だったのにぃ……」
凛「あ、ごめんかよちん」
絵里(なんだ、大したケガじゃないならよかったんだけど)
絵里「初めは昨日みたいに各自ストレッチからよ」
穂乃果「はい!」
にこ「し、しんどい……」
絵里「……にこ先輩は昨日休みましたからね、なんちゃって」
にこ「ちょ、耳元で囁くのやめなさいよ」
絵里「あ、チョコおいしかったわよ」
にこ「いきなりプライベートな話をするんじゃない!」
穂乃果「どうしたの? エリーさんとにこ先輩、親しげですけど……」
にこ「あ、あぁ。姿勢がずれてるって注意されただけよ」
絵里(穂乃果ってこういう時だと鋭いのよね……あのラブライブの時はもっと切羽詰った感じで――――――――)
絵里(あれ? もしかしたら、私ならその未来を変えられるんじゃ……)
絵里(ラブライブに出場できる――――――――?)
絵里「……」
にこ「絵里、どうしたのよ」
絵里「え? いや、なんでもないわ」
絵里(そうか、私なら止められる)
絵里(未来を変えることが……できる)
絵里「みんな、ラスト5分頑張って!」
ことり「はい!」
真姫「はい」
花陽「はいっ!」
海未「花陽、少しバランスが良くなったのではありませんか?」
花陽「本当……ですか? それだとうれしいなぁ……」
にこ「朝は転んだ分、今はバランスよくなったんじゃないの」
花陽「ええっ!?」
希「やー、みんながんばってるなぁ」
穂乃果「の、希……先輩!」
海未「どうしたんですか?」
希「みんなにスポーツドリンクの差し入れやでー」
凛「やったにゃー! っとと、転ぶとこだった」
真姫「あと4分……くっ」
絵里(昨日は疲労もあったせいでふらふらだったけど、今はだいぶしっかりしてるわね)
絵里(これなら本当にラブライブに……ううん、今は学校説明会のことだけ考えなくちゃ)
希「ふーん、そんな風に練習するんやね……」
絵里「よし、今日の練習はここまでよ! みんなお疲れさま!」
穂乃果「ありがとうございました!」
ことり「ありがとうございましたっ!」
凛「あ、ありがとうございましたぁ……」
真姫「はぁ、はぁ……ました……」
海未「ありがとうございました」
花陽「ありがとうございました!」
にこ「」
希「にこっちー、生きてるー?」
にこ「……かろうじて」
絵里(まずは生徒会室に戻って……結局仕事が出てきたし、あれを片付けないと)
絵里「じゃあまた明日ね。あそれと、今日は早めに寝なさい」
凛「凛は言われなくても早く寝るにゃー……」
真姫「そうね……はぁ」
絵里(ふふ、みんないい感じに疲れてるわね。睡眠もばっちりとれそうでいいじゃない)
希「エリーさん、ドアを開けておきました」
絵里「ありがと」
希「……えりち、ドア閉めたよ」
絵里「うん。希、戻るわよ」
希「はいはーい」
絵里「まずはあの資料を適当にまとめないと」
希「うん、ウチも気が向いたら手伝う」
絵里「気が向かずとも手伝うの」
希「えへへー、わかってるって」
絵里「うーん、運動した後は結構気持ちいわいね」
希「あれ? えりちも動いてたん?」
絵里「まあみんなのサポートをしてたらそれなりに、ね」
希「そうなんや」
絵里「あー、生徒会室は涼しいわね」
希「風通しがいいんやろうね。風水的にも」
絵里「あら、希は風水もできるの?」
希「なんとなくかなー」
絵里「あはは、それじゃダメなんじゃないの?」
希「たぶん四方八方に招き猫を置けば金運上がると思うで」
絵里「それはそれで怖いわよ」
花陽「あのっ、すみません! 小泉花陽です!」
絵里(花陽? どうしたのかしら)
花陽「せ、生徒会長さんいますか?」
絵里「はいはい。開いてるから入ってちょうだい」
花陽「失礼します」
希「そんなに声出さんでも聞こえるよー」
花陽「すみません……」
希「あ、怒ったわけやないんよ」
絵里「それでどうしたの? 何か落し物かな?」
絵里(落し物……花陽の落し物っぽいものは届いてないけど)
花陽「私、生徒会の仕事をお手伝いしたくて!」
絵里「え?」
絵里(仕事を……?)
花陽「生徒会長さんがμ'sに入ってくれないのは、きっと仕事が忙しいからだと思って……」
絵里(あ、そっか。海未が全然音沙汰なしだったからそういうことに……)
希「なあえりち、そういうことにしてた方が加入しやすいんと違う?」
絵里「そうね。うん、それがいいわ」
絵里「ありがとう小泉さん、人手不足で困ってたのよ。是非とも手伝ってほしいわ」
花陽「あ、ありがとうございます! がんばります!」
今日はここまで
かよちんがなかまになった!
かよちんはいいこ
今日はえりりん
絵里「凛って髪の毛ふわふわ」
→絵里「凛って髪の毛ふわふわ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405430326/)
絵里(最近は順調ね。うんうん)
絵里(ダンスレッスンもうまくいってるし、花陽のおかげで仕事も捗るし)
絵里(これで後はさりげなくメンバーに入れたら……)
絵里「希、にこ。おはよう」
にこ「おはよ」
希「おはようえりち。今日もいい笑顔やね」
絵里「あ、また笑ってた?」
にこ「幸せを振りまいてどうするのよってくらいね」
絵里(き、気を付けなきゃ)
絵里「今日は1時間目何だっけ」
希「数学やったよ」
にこ「あー、期末終わったのになんで授業があるのかしらね」
絵里「夏休みの課題を出す期間がいるのよ、きっと」
にこ「うわー、いらなーい」
絵里「じゃあみんなで宿題を早く片付けてしまう会、みたいなのする?」
にこ「……する」
希「やっぱりみんなと一緒なら何でもいいんやねー。にこっちかわいい」
にこ「うるさい」
希「でもえりち、結局学校説明会はμ'sのみんなにやってもらうんやろ? 理事長とかに言った?」
絵里「ああ、それはもう済ませたわよ」
絵里(海未の指摘で思い出したんだけどね)
にこ「え? 私何も聞いてないけど」
絵里「たぶん今日くらいに海未と花陽から伝えられると思うわ」
にこ「なんで花陽も?」
希「最近生徒会の仕事手伝ってくれるんよ」
にこ「へー……あの子もそんな体力ついたんだ」
絵里「え?」
にこ「だってあんたたちの仕事を手伝うのって、練習が始まる前か後のどっちかでしょ?」
絵里「あ」
希「……本当や。ウチそんなこと全然……」
にこ「凛や海未はともかくとして、花陽は結構いっぱいいっぱいなんじゃないの?」
絵里(そうか、このころの花陽はすごく体力が低かったわよね……)
絵里「うん……でも花陽が生徒会を手伝いたいって言ってくれるのを退けるのは、ちょっと気が引けるかも」
にこ「そこはアレよ。なんか言いくるめればいいのよ」
希「そんな、にこっちやあるまいし」
にこ「どういう意味よ!」
花陽「この表はここで……こうして……」
絵里(また花陽は練習の後に仕事に付き合ってくれてる)
絵里(うーん、やっぱり心配ね……何て切り出そうかしら)
絵里「……」
絵里(にこにはああ言われたけど、やっぱり私には直球しか投げられないわね)
絵里「ねぇ小泉さん。つらくはないの?」
花陽「え?」
絵里「あ、変なこと聞くようでごめんなさいね。ただ練習の後にこうして仕事を手伝ってくれるのは……」
花陽「え? あ、大丈夫ですよ。最近はエリーさんのダンスレッスンのおかげで体力が付きましたから!」
絵里(うわぁ、すごくうれしい)
絵里「そう? あまり無理しないでね。学校説明会にはあなたも出てもらうんだから」
絵里(……よく考えたら私、この手前くらいにはμ'sに加入してたわよね)
絵里(うう、これってとっても不味い気がするわ)
花陽「生徒会長? どうしたんですか?」
絵里「あ、ううん、なんでもないの」
絵里(うーん、何かいい策は……うーん)
花陽「あの……」
絵里「え? 何?」
花陽「生徒会長がμ'sに入ってくれないのは、やっぱりお仕事が忙しいからですか?」
絵里(……いいえ、そんなことない。なんて言ったら入れるんでしょうね)
絵里(でもそれをするとエリーとしてダンスコーチができなくなる)
絵里「まあそんなところかもね。廃校を阻止するためには生徒会としての活動も重要だから」
絵里(ああああ、ここで仲間に入れてほしい、なんて言えたらどれだけ楽かしら)
花陽「そう……ですよね」
絵里「あ、いや。いつもはそんなことないのよ。でも最近は希がこの時間になったら用事でいなくなっちゃうから……」
絵里(しまった。これじゃ花陽にもっと無理させちゃうことになる……)
花陽「私、なるべく早く生徒会長にμ'sとして活動してもらいたいんです」
絵里「……それはどうしてかしら」
絵里(花陽、何でそんなに深刻そうな顔を……?)
花陽「それは――――――――生徒会長がやりたいことをできないんじゃないのかもしれない、と思ったので」
絵里(鋭い)
絵里「その私のやりたいことって言うのが、μ'sに入って活動したいということだと思っているわけね?」
花陽「え、あ……はい。今の生徒会長は何かと私たちを気にかけてくれているみたいなので、もしかしたら、と」
絵里(……花陽にしては強気な意見だわ。確信させるほど私の本心ってわかりやすかったかしら?)
絵里(まあ隠していてもどうしようもないし、少しだけ教えるのもいいかもね)
絵里「そうよ。私はμ'sに入りたいわ」
花陽「やっぱり――――――――」
絵里「でもできない理由は、生徒会の仕事が忙しいからじゃないの」
絵里(ダンスコーチとしてみんなに緊張感を持ってもらうこと)
絵里(それに海未と私の秘密がバレにくくするために)
花陽「それはっ、生徒会の仕事が片付けばすぐに終わることでしょうか」
絵里「ううん、そういうものじゃないの」
花陽「……そうですか」
絵里(花陽は本当に優しいのね)
花陽「でも私は生徒会の仕事を手伝うことをやめたりはしません」
花陽「生徒会長のお役にたちたいんです。私たちのために手を尽くしてくれる生徒会のために」
絵里「ありがとう。本当に助かっているわ」
絵里(私も今はなお湯がいなくなったら困るからねぇ……)
花陽「やっぱり――――――――」
絵里「でもできない理由は、生徒会の仕事が忙しいからじゃないの」
絵里(ダンスコーチとしてみんなに緊張感を持ってもらうこと)
絵里(それに海未と私の秘密がバレにくくするために)
花陽「それはっ、生徒会の仕事が片付けばすぐに終わることでしょうか」
絵里「ううん、そういうものじゃないの」
花陽「……そうですか」
絵里(花陽は本当に優しいのね)
花陽「でも私は生徒会の仕事を手伝うことをやめたりはしません」
花陽「生徒会長のお役にたちたいんです。私たちのために手を尽くしてくれる生徒会のために」
絵里「ありがとう。本当に助かっているわ」
絵里(私も今、花陽がいなくなったら困るからねぇ……)
花陽「あ、あと、生徒会のこととは関係ないんですけど……」
絵里「何?」
花陽「生徒会長のこと……え、絵里先輩、と呼んでもいいでしょうか?」
花陽「あっ、ダメならダメで構わないんです!」
絵里(……かわいい。心の底から癒されたわ)
絵里「もちろん大丈夫よ。好きに呼んでくれていいわ」
花陽「ありがとうございます!」
絵里「じゃあその代わり、私もあなたのことを花陽、と呼んでもいいかしら?」
花陽「はいっ、絵里先輩!」
絵里(あぁ、今日はかなり仲が進展したと見て間違いないわね)
絵里(これで気兼ねなく花陽って呼べる……ふふふ)
絵里「あ、そうだ。希はこのあたりでバイトしてるんだっけ。行ってみようかしら」
絵里(巫女さんだったわよね。あんな美人ならすぐ見つかるはず……)
絵里「えーと、確かこっちのはず……」
希「いーち、にー、さーん……」
絵里(巫女姿で片足立ちしてる)
絵里「……希?」
希「うひゃあ!?」
希「ってえりち、驚かさんといてよぉ」
絵里「何してたの?」
希「え? 見てわかるやろ?」
絵里(さっきまでしてた片足立ちのことかしら? でもあれって……)
絵里「もしかして、私の特訓のメニュー?」
希「ぴんぽんぴんぽん! 大正解!」
希「ウチもダンスは得意なんやけど、こういう柔軟ってあんまりしたことなくて」
絵里「だから見よう見まねでやってたわけね」
希「うん、だってえりちがμ'sで活躍することになったら、ウチが足引っ張ってられないやろ?」
絵里「もう、希ったら……」
絵里(もしかしたら未来の希も、こうして練習してたのかも)
希「みんなには内緒やで?」
絵里「仕方ないわね」
絵里(……でも)
絵里「角度が甘いわ。もっとこうよ、こう!」
希「え、そんなに傾くん?」
絵里「そうそう。そんな感じ」
希「ちょ、ちょっとつらい……」
絵里「そのくらいでちょうどいいの。終わるまで掃除は私が代わってあげる」
希「そ、それはそれで嫌やー!」
――――――――――――――――
希「えりち、ただいま」
絵里「希……角度」
希「角度?」
絵里「角度……かく……」
希「うーん、なんのことやら」
希「まああっちもあっちで無事にできたみたいやし、これで大丈夫やね」
希「そうや、えりちに昔話をしてあげましょう」
絵里「……くぅ」
希「まあ寝てるし、ウチの自己満足みたいなものやからいいよね?」
希「えりち、昔はウチがμ'sにつけてた名前はμ'sやなかったんよ」
希「それに、ウチが名前を付けてなかった頃もあった」
希「μ'sが9人っていうのは、ウチが思いついただけの――――――――そう、偶然の産物なんよ」
――――――――――――――――
絵里「うー、眠い」
希「ウチもー」
海未「朝からどうしたんですか。話があると言うから生徒会室まで来たんですよ?」
絵里「だって希の角度が」
希「えりちがスパルタやって」
海未「?」
絵里「まあそれはいいとして、昨日花陽と仲良くなれたのよ」
海未「花陽と? 生徒会の仕事の手伝いの延長で、ですか?」
絵里「違う違う。そんなに事務的なものじゃなくて」
希「そういえば昨日のえりち、はしゃいでたもんなぁ」
絵里(まあ嬉しかったからね……実際花陽とは一番距離があると感じてたし)
海未「具体的にはどのような感じで仲良くなったんですか?」
絵里「名前で呼び合うくらいにね!」
希「ああ、言ってたなぁ」
絵里「希半分寝てたじゃない」
希「だってハードやったもん」
海未「それはだいぶ現代、というか未来に近づいてきましたね」
絵里「ええ、あとは先輩っていうのを外してもらえれば……完璧よ」
希「えりち先輩?」
絵里「ダメダメ、ちゃんと呼びなさい」
希「ち先輩」
絵里「本体消えたわよ!」
海未「ふふ、絵里は生き生きしていていいですね」
絵里(希にもそんなこと言われた気がする)
海未「今日もコーチ役をやってくれるんでしょう? 楽しみにしていますよ」
絵里「あらあら、そんなこと言って実は海未もつらくなってきたんじゃない?」
海未「いえ、きちんと個別にトレーニングは行っていますから」
希「真面目やね」
絵里「真面目だわ」
海未「こ、これくらい普通ですよ!」
絵里「真面目だわ」
希「真面目やね」
海未「だから当たり前だと……まさか絵里、個別のトレーニングをしていないわけではないでしょうね?」
絵里「し、してます!」
絵里(ちょっと軽くしてるけど……)
絵里「あ、そうだ海未。学校説明会についての注意事項はみんなに説明した?」
海未「はい。というか1度やりましたし」
絵里「そうね。だけどステージの位置が少しずれるからその説明を放課後にするわ。今日大丈夫?」
海未「はい、もちろんです。練習終わりにまた会いましょう」
絵里「うん、ありがと」
希「ウチらも教室戻ろっか。きっとにこっちが涙目で探してるで」
絵里「あはは」
にこ「や、やっと見つけた……!」
海未「うわぁ!?」
絵里「に、にこ?」
にこ「私も呼びなさいよ!」
希「あらら、にこっち本当に涙目や」
にこ「うるさい!」
絵里「ごめんねにこ、1人にしちゃって」
にこ「違うわよ! まだ来ないから遅刻するんじゃないかと……」
希「にこっちが来るの遅かったから先に行ってたんよ。今度から待つで」
にこ「だーかーら」
海未「にこ」
にこ「海未からも何とか言って……」
海未「すみません、私も気が利かずに」
にこ「うがー! 違うって言ってるでしょ!」
絵里「チョコあげる」
にこ「そんなもので釣られるか!」
絵里(これが反抗期なのね……)
今日はここまで
反抗期にこにー
さ、先読みはやめるんや!(´Д⊂
今日はえりぱなです
花陽「絵里ちゃんとお買い物って初めてだよね?」
→花陽「絵里ちゃんとお買い物って初めてだよね?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405520689/)
>>287
気になる予想があっても反応せん方がええんやで・・・
絵里「海未、お待たせ」
海未「わざわざ練習を休みにしなくてもよかったのですが……」
絵里「ダメよ。今日は休養日なんだから」
海未「誰が決めたんですか?」
絵里「わたしです」
海未「ふふ、μ'sにまだ入ってないのに」
絵里「い、痛いところを」
海未「それでステージの位置の変更はどのあたりですか?」
絵里「うん、少し手前に動くのよ。7人だとステージが小さくていいからね……」
絵里「……小さくて」
海未「自分で言っておいて落ち込まないでください」
絵里「でも……」
絵里(だってまだ加入できてないもん……)
海未「考えてることはわかりますよ。だからと言って焦っていても仕方がないでしょう?」
絵里「そうね。そうよね……」
海未「私も何とか学校説明会に間に合うように、加入を催促したりしてみますから。うまく渋ったり……とりあえず演技を頑張ってください」
絵里「演技って」
海未「すんなり加入したらそれはそれで変でしょう」
絵里(まあそうなんだけどねぇ)
海未「それと少し、話は変わりますが構いませんか?」
絵里「いいわよ」
海未「……今日は花陽は来ませんか?」
絵里(えーっと、練習は休みだ、って言ったらもともと用事で来られないとか言ってたっけ……)
絵里「用事でもともと練習に出る気はなかったらしいし、おそらく来ないわ」
海未「そうですか。では……」
海未「花陽はもしかすると、おまじないを実行しているのかもしれません」
絵里「え? 花陽が?」
絵里(花陽が後悔? でもそんなの言ってなかったわよね?)
海未「はい、花陽の動きは格段に良くなっています」
海未「それに何より、生徒会の仕事を手伝い始めたのが疑問です」
絵里「でもそんな――――――――」
『やっぱりお仕事時間かかったみたいだね……手伝った方がよかったよね』
絵里「……あ」
海未「思い当たるフシがありましたか」
絵里「で、でも花陽は倒れたりしなかったわよ?」
海未「何も私たちの前で起こっているとは限らないでしょう」
絵里(そういえばそうね。確かにいつ起こってもおかしくはないはず)
絵里(でも人が倒れるなんて重大なこと、誰かが見逃すはずがない)
絵里「なら誰かがきっと目撃して――――――――」
『かよちんが朝からお寝坊さんで、急いで着替えてたら足がもつれて転んじゃったの』
絵里「まさか……」
海未「……クロ、確定ではないのですか?」
絵里「く、クロって、何も犯罪者じゃあるまいし」
海未「言ってみたかっただけですよ」
絵里「でも仮にそうだとして、どうやって確かめればいいのかしら」
海未「ここはもうストレートに言ってしまっていいのではないでしょうか」
絵里「なんで?」
海未「こちらからおまじないの話を切り出せば、花陽の警戒心は解けるはずです。おそらく彼女は私たちがこちらにいることを知りません」
絵里(……そうかもね)
絵里「じゃあ明日、生徒会の仕事に付き合ってもらう時に聞いて見るわ」
海未「はい、お願いします」
絵里(でも花陽の後悔って何なのかしら。生徒会の仕事を手伝いたいだけとは思えないんだけど)
絵里「あ、そうだ海未」
海未「なんですか?」
絵里「海未の後悔って……何?」
絵里「あ、もちろん話したくなかったら話さなくて……」
海未「いいえ、特に話してしまって問題はありません」
絵里「そうなの?」
海未「きっとあなたにもわかるはずですよ。絵里」
絵里(私にわかるはず?)
海未「はい」
絵里「何だろう……あ」
絵里「ことりの留学関連、だったりする?」
海未「それで正解です」
絵里(やっぱり)
>絵里(私にわかるはず?)
ここ発言してるのかな?
海未「ただ、それだけではないんです」
絵里「?」
海未「私がもっとしっかりしていればよかった、と」
海未「私は穂乃果を混乱させ、ことりの思いをいたずらに揺らして……」
海未「結局は適当な理由をつけて、ことりを助けてもらうのに穂乃果を利用したんですよ」
>>301
してる
「」と間違えてます すまぬ
絵里「ち、違う! 海未だってあの時は追い詰められていたでしょ!?」
海未「だとしても結果は同じです。穂乃果に任せてしまったんです」
絵里(ああ、なんて言えばいいのかしら……こういう時は――――――――)
絵里「違う、海未は……海未だけのせいじゃない」
絵里「それなら気付かなかった私だって同罪よ!」
海未「……絵里」
絵里「だから自分だけを責めないで。海未、お願いだから……」
海未「すみません、そうですね……少し滅入っていたようです」
絵里(うん、これでいいのよね。海未たちだけの問題じゃないもの)
海未「ですがやはり、私の後悔はそれなんです」
海未「自分はあの時何もできなかった。そんな風に思えるんですよ」
絵里「……私も海未を手伝うわ」
海未「え?」
絵里「2人ならきっと、なんとかできるはずよ」
海未「……ありがとうございます」
絵里「ううん、困ったときはお互い様でしょ?」
海未「はい、そうですね。私も絵里がμ'sに入れるよう協力しますから」
絵里「ありがと」
花陽「あのぉ……誰かいますか?」
絵里「!」
海未「花陽が来ましたよ……!?」
絵里(な、なんで? 今日は用事って言ってたのに……)
海未「……でもこれは、おまじないを行ったかどうか調べるいい機会ではありませんか?」
絵里「そっか……うん、じゃあ海未、ここにいてね」
海未「はい」
絵里「……花陽、どうしたの?」
花陽「あ、絵里先輩! 入ってもいいでしょうか。昨日忘れ物をしちゃってて」
絵里「いいわよ、入ってちょうだい」
花陽「ありがとうございます」
花陽「あれ? 海未先輩?」
海未「はい。絵里に用事があったので」
花陽「……絵里先輩を呼び捨て? あれ? そんなに仲が良かったんですか?」
絵里(海未はもう聞く気満々みたいね。私も乗らなきゃ!)
絵里「そうよ、先輩禁止って言ったじゃない」
花陽「先輩……禁止」
海未「……」
絵里(さあ、花陽はどう出るのかしら)
花陽「で、でも! 先輩を呼び捨てにするのは……」
海未「えっ」
絵里「あ、あれ?」
絵里(思ってた反応と違う……)
絵里(いや、海未の見立ては間違ってないはず。このまま疑問をぶつけてみれば……)
絵里「は、花陽。最近体力がついてきたみたいだけど、どうしてかしら?」
花陽「それは……」
海未「それは?」
花陽「……朝ごはんを我慢せずに、おかわりするようにしたんです」
海未「お、おかわり?」
花陽「太っちゃうのが嫌だったんですけど、やっぱりちゃんと食べなきゃ、と思って……」
花陽「でもそのおかげでダンスレッスンについて行けるようになったんです」
絵里(なん……だと)
海未「じゃあ生徒会の仕事を手伝っていたのは?」
花陽「だってエリーさんって、絵里先輩ですよね?」
絵里(バレてた!?)
海未「」
絵里(海未が放心状態だわ)
絵里「そんなにショック受けなくても」
海未「……絶対にバレない自信があったのに」
絵里「じゃあ花陽はそのレッスンをつける代わりに、仕事を手伝ってくれてたの?」
花陽「はい、お世話になっているからそれくらいは」
絵里「……ってことは花陽は」
海未「こちらの世界の人……」
花陽「?」
絵里「希……」
希「わ、どうしたんえりち。がっかりって顔してるけど」
絵里「軸がブレたわよ」
希「うう、厳しいなぁ」
希「で、何かあったん?」
絵里「花陽に正体がバレてた」
希「ええ!? 未来から来てたって?」
絵里「違う。エリーさんの方」
希「ああ、なら納得やね」
絵里「な、なんで!?」
希「あんなメガネとウィッグだけで、えりちの可愛さがごまかせるわけないやろー?」
絵里「……そうだったのね」
希「えっ、ツッコミは……」
絵里「何だか自信なくしたのよ」
希「変装の?」
絵里「変装の」
希「それ、いる?」
絵里「いるわよ! だってスクールアイドルだってバレたら大変なのよ?」
希「なんかにこっちみたいなこと言うなぁ。仲良しさんなんやね」
絵里(大変なことになったことはないけど、きっとこれからなるはずなのよね。たぶん)
希「それでえりち。明日からどうするん?」
絵里「え? 明日って?」
希「いや、あと3日で学校説明会やろ? 練習メニュー強化したりするんかなぁって」
絵里(そうね、土日を挟んで学校説明会だし気が抜けないわよね。ダンスも完璧になってきたし後は……)
絵里「……3日?」
希「うん」
絵里「……私まだ、μ'sに入ってない」
希「あ」
絵里「説明会だから月曜日は午前中だけよね? ね?」
希「え、えりち落ち着いて! ウチ転ぶ! 転ぶから!」
絵里(どうしよう……土日で加入? それとも月曜の午前……違うわ、私が加入したのはもっと前だった気が……)
絵里「めちゃくちゃ出遅れてるじゃない!」
希「えりち待って、深呼吸や!」
絵里「人工呼吸!?」
希「ちがーう!」
絵里「……今日は学校説明会よ。みんながんばってね」
希「えりちはこんなやから、みんながんばってな?」
穂乃果「せ、生徒会長、大丈夫なんですか?」
凛「なんだかぐったりしてるにゃー……」
真姫「私たちの出番の前に倒れちゃいそうで怖いわ」
ことり「生徒会長、あんまり無理しないでくださいね?」
絵里「うん、大丈夫よ……」
絵里(結局穂乃果たちの完璧な7人版ダンスポジションを急に変えるわけにもいかないし、私はμ'sの加入に失敗してしまった)
海未「すみません……」
絵里「ううん、いいのよ」
にこ「もうちょっとしゃきっとしなさいよ」
絵里「しゃきしゃき」
にこ「このもやしっ子!」
希「にこっちも怒り方が雑になってきてるで」
花陽「絵里先輩! 私たち、絵里先輩の分も頑張ります。だから見ててくださいね」
絵里(うぅ……花陽がかわいい)
希「ほらえりち、みんな見に来てるよ」
絵里(……そうね)
絵里「うん、もう大丈夫よ」
ことり「わ、すごい! 普段の表情に戻った!」
凛「生徒会長パワー?」
希「えりちは強がりやからね。こういうの得意なんよ」
絵里「希、余計なこと言わない」
希「はーい」
絵里「この度、音乃木坂学院は廃校の危機を――――――――」
絵里「希! 見て見て、穂乃果たちのステージがこんなに近いわ!」
希「うん、えりち。スピーチの時と変わりすぎ」
絵里(そういえばこのライブをここで見るのは初めてね。私はこのころからμ'sのステージに立ってたんだっけ)
絵里(……この視点も悪くないわね)
絵里「……あとはいつ入るかなんだけど」
希「カードは言うてるよ、もうすぐやって」
絵里「希が言うならそうよね」
希「おお、ついにえりちもウチの占いを信じてくれるように……ってそっか。えりちもう素直やもんね」
絵里「ていうか希、屋外でもカード使えるのね」
希「大事なのは何を占いたいか想像してめくることなんよ?」
絵里「そうなんだ」
希「うん」
絵里「あれ? でももうすぐって何かイベントあったかしら」
希「えりち、覚えはないん? 何か大きな出来事の途中で入れる、って出てるで」
絵里(大きなイベント? イベント……)
絵里「……合宿?」
今日はここまで
誤字脱字やらすんまへん
あと花陽は入れ替わってないことが判明しましたね
>>291
反応したのは作戦の1つなんやで……
>>320
話面白いけどちょっと寒い
>>322
ごめんよ えりぱなで暖まってください
花陽「絵里ちゃんの笑う顔が見たい」
→花陽「絵里ちゃんの笑う顔が見たい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405607675/)
絵里「……」
希「え、えりちどうしたん? なんていうか悪い気が漂ってる感じやけど……」
絵里「これからね、みんなは合宿に行くのよ」
希「そうなん?」
絵里「うん」
絵里「うぅぅ……」
希「ちょ、ちょっとえりち!? なんで泣くん!?」
絵里「だって私μ'sのメンバーじゃないもの……一緒に行く理由がないじゃない」
絵里(お留守番なんて……お留守番)
希「で、でも学校説明会はいい感じやったやん?」
絵里「そうね。廃校は阻止できそう」
希「うん、そうやろ?」
絵里「でも合宿行けない」
希「うう……それは……そうや、みんなにどうにか掛け合ってみたら?」
絵里「なんていえばいいのかしら……みんな聞いてくれるかしら」
希「よしよし。えりちはみんなのために頑張ってるやろ? みんなもちゃんと気付いてくれるって」
絵里「そうかなぁ……」
絵里(そうだといいんだけど……でもどうやってついて行けばいいのかしら)
希「えりち、何の前触れもなくウチに抱き着いてるけど、これを見られたら色々誤解されるで?」
絵里「だって心配で……」
希「大丈夫やって。カードもそう告げてるし」
絵里「なんて?」
希「いいことあるよーって」
絵里(……なんか抽象的)
希「抽象的やと思ったやろ?」
絵里「ぎくっ」
希「でも占いってそんなものやで」
穂乃果「生徒会長、副会長! お話があります!」
希「ほら、ウワサをすれば……」
絵里「え? 何の話かしら」
希「えりち、鈍感すぎる」
絵里「?」
希「とりあえず入れてあげよう」
絵里「あ、そうね。はーい、どうぞー」
花陽「こんにちは」
絵里「こんにちは」
希「こんにちはー、って今日は珍しいメンバーやね」
真姫「……」
穂乃果「ほら、真姫ちゃんから言っちゃってよぉ」
真姫「わ、わかってるわよ……」
絵里(真姫? どうしたのかしら、顔が赤いけど……)
真姫「合宿の許可をいただきに来ました」
絵里「ああ、そのことね」
絵里(やっぱり誘われないかぁ……)
希「えりち、顔に出てる」
絵里「きりっ」
希「うん、それで大丈夫」
絵里「許可ね。許可を出すからこの申請用紙に……」
真姫「……この度は生徒会長と副会長のお世話になりました」
絵里「え?」
絵里(どうしたのかしら急に)
真姫「…………」
穂乃果「真姫ちゃん頑張って」
花陽「頑張ってぇ」
真姫「わ、わかったってば」
希「ふむ、なるほど……」
絵里(希は何かわかったみたいね)
真姫「だから……その……」
真姫「合宿に同伴してもらえませんか」
絵里「ど……同伴!?」
絵里(同伴……ってことは)
絵里「合宿について行っていいの?」
花陽「はい、真姫ちゃんが成長した姿を見てほしいって」
真姫「は、花陽!」
穂乃果「真姫ちゃん、最初は生徒会はμ'sの敵なのよ! なんて言ってたのに丸くなっちゃってぇ、このこのー」
真姫「穂乃果先輩まで!」
希「どうする、えりち?」
絵里(でででででも、ここで即答したらあれよね、格好がつかないっていうか……)
絵里「μ'sのみんなは納得してるのかしら」
穂乃果「はい!」
絵里(……平常心平常心……でも顔が緩んでしまう)
絵里「希はどう?」
希「ウチは大丈夫やで」
絵里「……じゃあ、行こうかしら?」
穂乃果「やったぁ!」
花陽「ありがとうございます!」
真姫「ま、まあ私の誘いを断るなんてありえないわよね」
希「よかったなぁえりち」
絵里「ふふ、そうね」
穂乃果「じゃあみんなに伝えてきます!」
絵里「あ、申請書、忘れないでよ?」
花陽「はいっ!」
希「……えりち、みんな出て行ったで」
絵里「うわあああ! どうしよう希、誘われちゃった! 誘われちゃったわ!」
希「えりち散歩に行く前の犬みたい」
絵里「ひどい」
希「えりちはどういうキャラでいたいん?」
絵里「クールな……生徒会長?」
希「クールかぁ……それは無理そうやなぁ」
絵里「どういう意味?」
にこ「ちょっとあんたたち!」
絵里「うわぁ!?」
希「にこっち、ノックノック」
にこ「今しといた」
絵里「遅いわよ」
にこ「今聞いたんだけど、あんたたち合宿についてくるのよね?」
絵里「そうだけど……どうしたの? そんなに慌てて」
希「あ、もしかしてにこっち、嬉しすぎて遊びに来てくれたん?」
にこ「そうじゃなくて、これなら合宿中に加入すればいいんじゃないかと思って」
絵里「合宿中に?」
希「なるほど……カードが示してたのはそれやったんやね」
絵里「あ、そういうことだったんだ」
絵里(確かに時期外れるけど……それならどうにかなるかも)
にこ「……正直3年生が私1人だったから寂しかったのよ」
希「お、にこっちの本音が」
にこ「そうよ。私だってそう思うことはあるわ」
希「うーん、やっぱりにこっちかわいいなぁ。えりちとは違うタイプで」
絵里「だからクールで……」
にこ「ま、私はかわいいところが取り柄だからねっ!」
希「はいはい」
にこ「軽っ」
絵里「だから私はかわいくしてるわけじゃ……」
にこ「じゃあ一応具体的なスケジュールを教えるわよ」
希「うん」
絵里「聞いてよぉ!」
短いですが今日はここまで
明日は朝から更新ですよ
絵里「たっだいまー」
亜里沙「おかえり……ってお姉ちゃんどうしたの? ずいぶん嬉しそうだけど」
絵里「今日は学校でいいことがあったのよ」
亜里沙「私当ててみるね!」
絵里「どうぞどうぞ」
亜里沙「えーっとねぇ……わかった! 今日でラブレターが300通目!」
絵里「残念、ハズレです。そりゃあ最近はめちゃくちゃ増えたけど……」
亜里沙「そうだね、たしか今は670通目だったね。ごめんなさい」
絵里「え? そんなにあったっけ?」
亜里沙「だってお姉ちゃん、前はラブレターなんて見向きもしなかったのに、今じゃずーっとお返事書いてるでしょ?」
絵里「それで数えてたの?」
亜里沙「うん、だいたい1通に3分使ってたから数えてた」
絵里「私が部屋から出て来ない時間を?」
亜里沙「うん」
絵里「その間、亜里沙はずっと何してたの?」
亜里沙「あんぱんと牛乳を持ってハリコミ!」
絵里「ハリコミ……」
亜里沙「じゃあラブレターじゃないとしたら……プレゼント?」
絵里「亜里沙はどうして自分の姉がそんなにモテモテだと思っちゃうの……?」
亜里沙「だってお姉ちゃん、かわいいもん」
絵里(実の妹にまで!)
絵里「ど、どうして可愛いのかしら」
亜里沙「え? えー……うーん」
亜里沙「……お姉ちゃんのメインパーツの1つ、って感じだからかな?」
絵里(言語化しづらい本質的なものなの……?)
亜里沙「……あー! わかった!」
絵里「次は当たるかしら」
亜里沙「μ'sのメンバーに……」
絵里(お、これは近いかも――――――――)
亜里沙「告白されたの?」
絵里「亜里沙、少女漫画没収」
亜里沙「ひどい!」
絵里(この子はどうしてそんなに色恋沙汰が好きなのかしら……むむむ、私の育て方のせい?)
亜里沙「よよよ……セチガライヨノナカデス」
絵里「はいはい」
亜里沙「くぅぅ……もう3回間違えたから亜里沙に解答チャンスは残ってません」
絵里(そんなに悔しがらなくてもいいのに)
絵里「じゃあ答えを言っちゃおうかなー?」
亜里沙「あ、お姉ちゃん。冷蔵庫にチョコレートあるよ」
絵里「てろりろりん! 解答権が1つ増えました!」
亜里沙「やったぁ!」
亜里沙「じゃあね……もうすぐ夏休みだから……うーん」
絵里(夏休みって単語を入れてきたわね。やっと気づきそうだけど……)
亜里沙「たぶんお姉ちゃんのことだしμ'sかチョコか生徒会のことで……」
絵里(おお、鋭い。っていうか亜里沙から見たら、私の世界にはμ'sとチョコと生徒会しかないの?)
亜里沙「みんなで合宿?」
絵里「えええぇ!? 急に当てて来るの!?」
亜里沙「え? だって雪穂がメールで、μ'sが合宿するって送ってくれたの思い出して」
絵里(思わぬ伏兵が)
亜里沙「亜里沙も合宿行きたいなぁ」
絵里(たぶんみんなならオッケーしそうだけど……)
亜里沙「密着! μ's24時! みたいなの撮るの」
絵里「良い子は早く寝なさい!」
亜里沙「あっ、でも宿題まだ終わってないの……」
絵里(我が妹ながら良い子過ぎる。まだ夕方だというのに寝る気満々じゃないの)
絵里「宿題なら私も手伝ってあげるから、ね?」
亜里沙「チョコはいいの?」
絵里「ちょっと食べてくる」
希「えーりち、おはよ」
絵里「ええ、待っていたわこの時を」
希「忘れ物ない?」
絵里「大丈夫、ばっちり準備したもの」
希「……えらい大きい旅行かばん用意したんやなぁ。2つも持っていくん?」
絵里(ん? あれ? こんなかばん用意した覚えが……)
絵里「……まさか。ちょっと開けてみるわ」
希「どうしたん? 中身のチェック?」
亜里沙「ハリコミ!」
絵里(やっぱり入ってた)
希「亜里沙ちゃんおはよ」
亜里沙「おはようございます希さん。亜里沙は今ハリコミをしてるのです」
絵里「亜里沙、見つかってるから」
亜里沙「……こういう時は煙を出してドロンだよね?」
絵里「ドロンしなくていいから。出てきなさい」
亜里沙「はーい」
希「亜里沙ちゃんもついてくるん?」
亜里沙「いいえ、私はお姉ちゃんにカメラを持って行ってもらいたくて」
絵里「え?」
亜里沙「えーっと……そう、ニョッキ!」
絵里「チェキね、ていうかインスタントカメラでいいのに」
亜里沙「はい、ちゃんと写真撮ってきてね」
絵里「うん」
亜里沙「まずは1枚、希さん寄ってくださーい」
希「はーい」
絵里「え? ここで撮るの?」
亜里沙「はい、ペリメニ」
絵里「……普通でチーズでいいでしょ?」
亜里沙「ハラショー! それは思いつかなかった!」
希「ロシア風やね」
絵里「ロシアに怒られちゃうわ」
亜里沙「行ってらっしゃい! 亜里沙は自宅警備員になっておうちを守るからね!」
絵里「そのセリフはなんか違うわよ」
希「まあまあ、亜里沙ちゃんなりにえりちのこと応援してるんやって」
絵里(そっか、前の私は亜里沙にも心配かけたものね)
絵里「行ってきます」
希「いってきまーす」
亜里沙「旅の恥は道連れだよ!」
絵里「混ざってる混ざってる」
穂乃果「あ、生徒会長! 副会長! こっちです!」
絵里「あら、私たちが1番最後?」
希「ごめんなぁ、えりちが夜眠れんかったみたいで」
絵里「ちょっと希!」
絵里(そんなことは……あったけど!)
希「うふふ、これは内緒やったね」
絵里「ちがーう!」
絵里(ぐぬぬ、突然の裏切り……)
にこ「あんたたち朝から元気ねー」
凛「にこ先輩、若さが足りないにゃー」
にこ「足りてるわよ」
穂乃果「見た目は1番若いのに」
にこ「なっ」
絵里(あはは、穂乃果ナイスツッコミ)
海未「では、私から1つ提案があるのですが……」
ことり「なになに?」
花陽「提案?」
海未「はい、この合宿をよりよいものにするために必要なことです」
希「へぇ、何やろ?」
海未「ずばり、先輩を禁止したいと思います」
穂乃果「先輩……」
ことり「禁止?」
にこ「……あー」
絵里(なるほどね、私の代わりに、ってわけね)
希「よかったやんえりち」
絵里「うん」
海未「先輩後輩を気にするのはいい心がけですが、それがライブ中に出てしまうのはあまり良いとは言えません」
花陽「つまり、先輩を意識しすぎてギクシャクしちゃうってことですか?」
海未「その通りです」
凛「そうだね、凛たちまだ生徒会長のこと名前で呼んだことないもんね」
絵里「あら、花陽は呼んでくれてるわ。ね?」
花陽「はい、絵里先輩」
穂乃果「そ、そんなところに思わぬ伏兵が!」
絵里(あなたの妹もよ、穂乃果)
希「ウチのこともほとんどみんな副会長やし……のんちゃんって呼んでくれたん海未ちゃんだけやもんね?」
海未「そ、その話は……!」
にこ「にこのことをにこにーって呼んでくれたのは絵里だけよね」
絵里「そうね」
凛「凛たちの知らないところで思わぬコミュニティが……」
ことり「ってあれ? 真姫ちゃん、全然しゃべってないけどどうしたの?」
真姫「……ぇ?」
絵里(そういえば、何でサングラスかけて壁に寄りかかってるの?)
花陽「真姫ちゃんどこか調子悪い?」
真姫「あ、いや。そうじゃなくて」
穂乃果「穂乃果みたいに元気出していこう!」
海未「穂乃果はうるさすぎます」
穂乃果「明るいって言ってよ海未ちゃん!」
絵里(でもどうしたのかしら。前はこんなことなかったのに……)
希「さては真姫ちゃん、1番楽しみで眠れなかったんは真姫ちゃんやないん?」
真姫「……」
にこ「……?」
ことり「真姫ちゃん?」
凛「……寝てるにゃー!?」
絵里「ええっ!?」
海未「……」
ことり「海未ちゃん、飛行機初めて?」
海未「い、いえ。初めてではありませんよ。この状況も1度経験していますし……ですが緊張してきて……」
真姫「……」
にこ「本当に楽しみにしてたのね」
絵里「うん、歩いてるときもフラフラだったし」
希「それはそれで嬉しいんやけど、別荘までちゃんと案内してくれるんかなぁ?」
絵里「私が知ってるから大丈夫よ」
にこ「ああ、そうだったわね」
凛「何を知ってるんですかー? 絵里先輩」
絵里(ふぉぉ! 凛が私のことを名前で!)
希「凛ちゃん、先輩禁止、やろ?」
凛「あ、そうだった……すぅ……絵里ちゃん!」
絵里「……ありがとう、凛」
凛「わー! 名前で呼んでもらえたにゃー!」
花陽「よかったね、凛ちゃん」
絵里(うう、久しぶりだわ……この喜びだけで5年は生きられるわ)
希「あ、そろそろ離陸するみたい。みんな荷物上に入れた?」
穂乃果「はーい」
朝はここまで!
亜里沙を動かしてみると思いのほかかわいい
先輩禁止ってμ'sのメンバーじゃない絵里と希も呼び捨てになるのか
穂乃果「ふふふ、これで生徒会長と副会長をうまくこっちのペースに乗せて……」
ことり「自然とμ'sに加入させるんだよねっ!」
海未「……素直に言えばきっと入ってくれますよ?」
花陽「ううん、生徒会は仕事があるーとか言うからダメだよ」
凛「外堀から埋めるの」
絵里(何話してるんだろう。タイヤの音で聞こえないわね)
>>366
助かった
なんか忘れてるなとは思ってたんだ
真姫「意外。私って尽くすタイプだったのね」
→真姫「意外。私って尽くすタイプだったのね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405755481/)
地の文ありののぞまきだべ!
更新は夜から
真姫「ここが別荘よ」
穂乃果「で、でっかい……」
凛「すごいにゃー……」
真姫「え? そんなに驚く?」
にこ「ぐぬぬ」
絵里「にこは専属の料理人がいることになってるのよね」
にこ「え、何の話よ」
海未「ぷっ……」
にこ「え、だから何?」
希「ウチ一番乗りー!」
ことり「あー、希先輩ずるいです!」
海未「ことり、先輩は禁止ですよ」
ことり「あ、そうだった……コホン、希ちゃん!」
希「はーい」
ことり「……」
絵里(……私を見てる? ってことは私を呼ぼうとしてるの?)
穂乃果「ことりちゃん頑張って!」
ことり「……会長ちゃん?」
絵里「惜しい」
短くてすまない急用だ
明日の朝から更新
乙
このスレ終わったら他のスレの大量更新もなくなってしまうのだろうか
>>375
今はとても時間があるのだ
だから思いついたネタをばんばん投下しても完結させられる時間がある
書くのはやめないけど、何か用事ができたり忙しくなったりしたら時間が空くことはあるかも
>>376
ネタ尽きたらリクエストするから問題ない
穂乃果「うわー! ベッド大きい!」
凛「大きいにゃー!」
海未「穂乃果、凛。まずは練習メニューを伝えるのでこちらに集まってくれますか?」
穂乃果「う、海未ちゃんはこのベッドを見て何とも思わないの?」
凛「海未先輩は……」
海未「凛?」
凛「う、海未ちゃん!」
絵里(私は呼んでくれるかしら?)
凛「あ、絵里ちゃん」
絵里「ありがとうございます!」
海未「だいぶ自然になりましたね」
希「えりち、どうしたんドアに向かって謝ったりして」
絵里「凛が私を自然に呼んでくれるようになったの」
凛「絵里ちゃんは凛のこと、何のためらいもなく呼べるのって何で?」
絵里(しまった)
希「えりちはこっそり呼ぶ練習してたんよ」
絵里「え、希……」
海未「はい、みんなと仲良くなれるように、ですね」
絵里(ちょ、ちょっとそれは恥ずかしいんじゃ……)
凛「か、感激にゃ……」
穂乃果「絵里ちゃん……」
絵里(あ、距離は縮まったかも)
穂乃果「穂乃果のことも名前で呼んでください!」
絵里「穂乃果」
穂乃果「ぅやったー!」
凛「凛のことも!」
絵里「凛」
凛「やったにゃー!」
絵里(……た、楽しいわ。楽しすぎてたまらない!)
海未「では一度ロビーに……」
絵里「」
希「えりち、まだまだ時間はあるやろ? そんな絶望に満ちた顔せんでも」
絵里「わかったわ……」
海未「これが、合宿での練習メニューになります!」
希「おぉー」
ことり「すごい、こんなにびっしり……」
穂乃果「むー……」
海未「――――――――と言いたいところですが、最初は海で遊ぶのいいでしょう」
穂乃果「あ、あれ? てっきり海未ちゃんなら初日から練習だー! って言うと思ったんだけど……」
ことり「うん、意外……」
海未「はいはい。それでは海を満喫しましょう」
絵里「海未は私ですが」
花陽「ふふ。何ですか、それ?」
絵里「海未のモノマネよ」
海未「こ、今回はやっていませんよ!」
穂乃果「うふふふふー!」
凛「あははははー!」
花陽「す、すごい……踊りながら走り回ってる」
にこ「満喫してるわね」
海未「ええ、にこも行ってみてはどうですか?」
にこ「私はまだいいの。日焼け止め塗らなきゃ」
希「ウチが手伝おっか」
にこ「え、遠慮します」
絵里「じゃあ私がやる?」
にこ「……絵里ならいいか」
絵里(何その反応)
海未「私は遠泳でもしましょうかね……」
絵里「お、やる気満々じゃない」
海未「ええ、せっかく海に来たんですから」
絵里「海未は私ですが」
海未「や、やめてください……」
希「んー? 今から何するん?」
絵里「遠泳よ」
真姫「……」
絵里(真姫がこっち見てる)
絵里「真姫も来る?」
真姫「いや、いい」
絵里(やっぱりしんどいのは嫌よね)
にこ「ちょっとー、にこに日焼け止め塗りなさいよぉ」
絵里「あ、ごめんごめん」
海未「では私は行ってきますね」
穂乃果「あれ? 海未ちゃん何かするの?」
海未「遠泳です。あの岩まで一緒に来ますか?」
穂乃果「海未ちゃん、もっと楽しいことしようよぉ」
海未「え? 別に楽しくないわけでは……」
ことり「やー!」
凛「わっぷぶぶ」
穂乃果「ほら、ことりちゃんみたいに水鉄砲持ってさ!」
海未「私はそんなもの、持ってきていませんよ?」
花陽「わ、私が持ってきました!」
絵里「ええ!?」
花陽「凛ちゃんが一緒に持っていこうって言って……」
凛「ことりちゃんには負けないにゃー! 凛は……これとこれ!」
希「お、2丁拳銃ってやつやね」
ことり「ふふふ、私に勝てるかなぁ?」
凛「ふっ、小学校から愛用するこのマグナムで、ことりちゃんをこてんぱんにするよ!」
海未「始まってしまいましたね」
絵里「そうね……にこお肌すべすべ」
にこ「いつまで撫でてんのよ」
絵里「だって……ねぇ、真姫」
真姫「え、私に話振られても困るんだけど……」
ことり「みんなのハートを撃ち抜くぞっ」
海未「」
希「あ、あれ? 海未ちゃんどうしたん?」
海未「どうやら知られてしまったようですね……もっと過去に来ていれば隠蔽できたものを」
絵里「え、海未どうしたの」
にこ「絵里、ちょっと抱き寄せないで。私のことぬいぐるみかなんかと勘違いしてない?」
絵里「あ、ごめん。ジャストフィットで」
にこ「何よそれ」
海未「この場にいる全員を粛清します! ええい、すべてを忘却の彼方へと送ってあげます!」
希「海未ちゃんそれパラソルやで!?」
真姫「うわっ、まぶし……」
穂乃果「絵里ちゃん、にこちゃん。お腹すいてきちゃった」
絵里「自由人ね……穂乃果は」
穂乃果「買い出し?」
ことり「うんっ、スーパーが結構遠いらしくて」
海未「負けてしまいました……やはり銃器の扱いを学ぶべきでしょうか……くすん」
にこ「あんた何目指してんのよ。バトルマスター?」
絵里(そうか、前は真姫と希が買い出しに行ったのよね……)
穂乃果「じゃあ穂乃果が行くよ!」
絵里(って言ったら真姫が……)
真姫「そうね。誰かついてきてくれるとうれしいわ」
絵里「あれ」
希「?」
海未「真姫の台詞が……違う?」
真姫「で、誰か一緒に来てくれる?」
穂乃果「穂乃果が! 穂乃果が行くよ!」
凛「凛も行きたいにゃー」
花陽「わ、私も……」
希「ウチも!」
ことり「私も行きたぁい!」
真姫「みんな来るの?」
海未「ちょっと待ってください」
穂乃果「どうしたの?」
海未「買い出しに行く人は私についてきてください」
真姫「え、でも場所……わかるの?」
海未「はい、途中で見てきましたから」
絵里(海未……?)
真姫「……」
絵里(まさか真姫と、別荘で2人きりになるとは)
真姫「絵里、少し聞きたいことがあるの。いい?」
絵里「え? いいわよ?」
絵里(何だか親しげだけど――――――――まさか真姫もおまじないの!?)
真姫「……私、ちゃんとできてるかしら」
絵里「え?」
真姫「だ、だから。みんなに変な風に思われてないかしら、って」
絵里「……真姫、顔真っ赤よ」
真姫「ううう、うるさいわね!」
絵里(真姫かわいい……)
真姫「……絵里、よくよく考えてみたら、ダンスのレッスンをしてたのはあなたでしょ?」
絵里(真姫にもバレた)
真姫「エリーっていうダンスコーチが来る初日、落し物を拾って生徒会室に顔を出した時、ポニーテールにしてる希がいたの。それで気が付いたわ」
絵里「今まで気が付いてなかったのに?」
真姫「あ、あれは演技に決まってるでしょ!」
絵里(かわいい)
真姫「思い出してから変だと思ったのよ。よく見たらウィッグ動く度にズレてたし、メガネも度が入ってなかったし」
絵里(今思えばよく騙せたわよね)
真姫「って、そんな話をしたかったわけじゃないの」
真姫「私が言いたいのは……そう、絵里と希にとても世話になったってこと」
絵里「それで?」
真姫「絵里なんか特に……その、私たちを目の敵にするように見てたじゃない?」
絵里(そうだったわね。そんな時期もあった)
真姫「でも変わった。自分がしたいようにするっていうスタンスにね」
真姫「不思議なくらい……私たちに優しくしてくれた」
真姫「だ、だからね……笑わないでよ?」
絵里「笑わないわ」
真姫「い、今にやにやしてるじゃない!」
絵里(真姫かわいいんだもん)
真姫「と、とにかく! そんな絵里を見て私は……」
絵里「?」
真姫「……私は、ね」
真姫「変わりたかった。変わりたかったの……」
絵里(あ、あれ? 急にムードが……)
真姫「すごいなぁ、って、絵里は」
真姫「私もそんな風に、できたら」
真姫「……だから、私は今、ちゃんとできてる?」
絵里(そうか。真姫は変わろうと必死になってるのね……自分の殻を壊そうとしてる)
絵里(なら私にできるアドバイスはたった1つね)
絵里「真姫、正直に言うわ」
真姫「……わかった、覚悟した」
絵里「今の真姫はとーっても――――――――」
真姫「……」
絵里「かわいい」
真姫「かわいい!?」
絵里「うん、もっと自信持っていいわよ」
真姫「ち、ちがっ。私が聞きたいのはそういう……」
絵里「変わった変わってないなんて、誰かに言われて決めるものじゃないでしょ?」
真姫「……あ」
絵里「自分が変わろうとして前を向いた。それだけで真姫は今までよりもずーっと変わった!」
真姫「……」
絵里「これが私の意見です。おしまい!」
絵里(……ちゃんと先輩っぽくできたかな?)
真姫「ありがとう、絵里」
絵里「ふふ、どういたしまして」
真姫「自信ついた」
絵里「これからも精進するように」
真姫「……はい」
絵里「よろしい」
真姫「絵里はなんか、話しやすいのよね。すごく」
絵里「そう? そう言われるとうれしいわ」
真姫「花陽の言ってた通りね。いい先輩だわ」
絵里(……先輩できてた!)
絵里「じゃあ今、記念写真を撮りましょ」
真姫「え? なんで急に?」
絵里「妹から頼まれてるのよ。ほらほら、近くに寄って寄って」
真姫「えぇ? ……仕方ないわね」
絵里「はい、ペリメニ!」
真姫「ちょ、何よそれ」
絵里「ふふふ、これぞロシア流なのよ」
真姫「何それ、意味わかんない」
絵里「細かいことは気にしない。ね?」
真姫「はいはい。じゃあこのことは……」
絵里「私と真姫だけの秘密にしておくわ」
真姫「……ありがと」
絵里(なんか秘密ばっかり増えていくわね……ま、それも悪くないか)
希「ただいまー!」
ことり「いっぱい買ってきたよっ!」
凛「あー! 絵里ちゃんと真姫ちゃんがくっついてるにゃー!」
穂乃果「あららー? 2人で何かしてたのかなぁ?」
真姫「し、してないわよ! 何も!」
絵里「そうよ。秘密なんだから」
真姫「ちょ、ちょっと絵里!」
花陽「わぁ、自然に呼び合ってるね!」
海未「もう慣れてしまったようですね」
真姫「だから……違うんだってば!」
にこ「ちょっとぉ! みんないないと思ったらどこ行ってたのよ!」
絵里「あれ? にこ?」
穂乃果「にこちゃん?」
にこ「あんたたち……水鉄砲で撃ちまくった挙句、ビーチバレーのボールぶつけて遠泳させて……」
にこ「人が疲れて寝てる隙に買い物まで行って……!」
凛「に、にこちゃん怒らないで!」
花陽「ごめんなさい……」
にこ「むむむ……!」
希「要するに、今からにこっちに構えばいいわけやんな?」
にこ「え」
絵里「そうね。相手してあげられなかった分、にこを目いっぱい愛でなきゃ」
にこ「ちょ、そ、そういう意味じゃ」
穂乃果「皆の者! 突撃ー!」
ことり「わー!」
希「わしわし!」
にこ「ぎゃー!」
海未「絵里、どうでしたか?」
絵里「ううん、真姫も違ったわ」
海未「そうですか」
絵里(希はやっぱり、私たち以外の人に教えてないのかしら?)
海未「みんなそれくらいにしてくださいね。夕食はにこが作ってくれるそうですから」
にこ「ちょっとぉ! この状況を見て何言ってんのよ!」
真姫「素直になればいいのに」
にこ「あんたには言われたくな……ぎゃー!? 今服に顔突っ込んだの誰よ!?」
穂乃果「穂乃果だよっ」
にこ「出てけ!」
ここまで
愛されにこにー
くらえことぱな!(ことりちゃんが豆腐になる話です)
花陽「あなたのお悩み解決します」
→花陽「あなたのお悩み解決します」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405839763/)
合コンネタ(プランタンvsリリホワ)
穂乃果「お持ち帰りします」
→穂乃果「お持ち帰りします」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405861580/)
こっちの更新は明日のよるになります
希「にこっちまだー?」
にこ「もう少し待ってなさい」
穂乃果「にこちゃん、おなかすいたよぉ」
にこ「だーかーらーまーだーでーすー」
絵里「にこってエプロン似合うわね」
にこ「急に何よ」
絵里「私たちなんかヒモみたいだなぁって……」
凛「確かに、にこちゃん1人でキッチンに立ってるとそれっぽいかも」
ことり「花陽ちゃんはごはん炊いてるけどね」
海未「にこ、本当に私たちは休んでいていいんですか?」
にこ「別にいいわよ。私は寝てたんだから」
絵里「抱き着いていい?」
にこ「真私、包丁持ってるけどいい?」
絵里「ヨクナイ!」
ことり「あはは、絵里ちゃんって意外とユーモアあるんだね」
絵里(……はっ、つい素が)
希「ふふ、みんなが先輩禁止に慣れてきたみたいに、えりちも緊張がほぐれてきたんよ」
絵里「そういうことです」
真姫「ふーん」
穂乃果「……何で真姫ちゃんそんなに絵里ちゃんにべったりなの?」
真姫「え」
真姫「べ、別にそんなべったりってわけじゃないでしょ!」
海未「あら、先ほどにこのところへ行こうとして、絵里が少し動いただけで反応したように見えましたが」
真姫「そ、それは違って……」
凛「2人きりの間に、やっぱり何かあったんだね」
希「気になるなぁ」
真姫「え、絵里!」
絵里(真姫に頼られた!)
絵里(……こんな機会滅多にないし、ちょっとからかっちゃおうかしら)
絵里「ふふふ、知りたい?」
穂乃果「知りたい!」
真姫「絵里!」
絵里「なーんちゃって。真姫に口止めされてるからこれは秘密よ」
ことり「うー、残念」
真姫「……」
絵里(真姫真っ赤になってる。かわいい)
真姫「むー……」
絵里「ふふ、ごめんね。みんなには言わないから」
真姫「……別にいいけど」
絵里(……撫でたい)
凛「凛も、絵里ちゃんと秘密作りたいにゃー」
希「ウチもウチも」
絵里(希はいっぱいあるでしょ)
希「んふふ」
にこ「そろそろできるからお皿の用意お願い」
海未「わかりました。みんな、動きますよ」
穂乃果「海未ちゃん、穂乃果の分も頑張って動いてね」
海未「外に出されたいですか?」
穂乃果「はい、働きます」
花陽「ごはん炊けたよー!」
ことり「おお、ぴったりだねっ」
海未「花陽の炊くごはんはおいしいですからね」
凛「あれ? 海未ちゃん、かよちんのご飯食べたことあったっけ?」
海未「えっ、あ」
絵里(海未って案外脆いわよね……)
絵里「ほら、花陽の作るごはんはおいしいって凛が言ってたんでしょ?」
凛「うん、言ったよ」
絵里「それを海未が聞いてただけよ」
海未「そ、そういうことです」
凛「なーんだ」
ことり「花陽ちゃんの分は……」
絵里「あ、待って。花陽はご飯とカレーのお皿別にしてあげて」
花陽「え、絵里ちゃん!? なぜそれを……」
絵里(しまった)
絵里「えーっと……これはね」
花陽「私がご飯を分けて食べるタイプだって覚えててくれたんですね!」
絵里「え」
花陽「生徒会のお手伝いで1度しか言ったことがなかったのに……すごい」
ことり「へぇ、そうなんだぁ」
にこ「記憶力いいのね、絵里って」
絵里「あはは。ありがとう」
絵里(あぶなーい!)
にこ「サラダも作ったから、残さず食べなさいよ」
ことり「にこちゃん、お母さんみたい」
にこ「そんな年じゃないっての」
穂乃果「花陽ちゃん、どうしてご飯とカレーを分けるの?」
花陽「気にしないでください」
凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃー」
海未「ではいただきましょうか」
希「そうやね」
絵里「ごちそうさまでした!」
にこ「はい。お粗末様」
花陽「おいしかったねぇ」
にこ「どう? 私の料理はおいしかった?」
穂乃果「うんうん!」
希「なかなか簡単に作れるものやないよ。おいしかったで、にこっち」
真姫「ええ、おいしかったわ」
凛「真姫ちゃん、サラダいっぱい食べてたけどそんなに好きなの?」
絵里「真姫はトマトが好きなのよね」
真姫「え? それ、言ったっけ?」
絵里(ぎゃー!)
希「見てたらわかるって、なぁえりち」
絵里「そ、そうね!」
絵里(いつもみたいになってきたから気が緩んでるわね。しっかりしないと……)
凛「次は何する?」
花陽「お風呂がいいかなぁ。食器を片づけてからね」
穂乃果「うん、今日はもう疲れちゃったし……」
ことり「うん」
海未「……何故みんな、私を見るんですか?」
真姫「海未は練習しようって言いそうだからよ」
海未「ほう……そんなに練習がしたいのですか」
にこ「ひぃっ!」
凛「い、嫌にゃあ!」
海未「しませんよ。私も鬼ではありません」
ことり「う、海未ちゃんが海未ちゃんらしくない……!」
希「じゃあそれぞれ食器片づけよか」
穂乃果「……絵里ちゃんお願い!」
絵里(あら。穂乃果が海未じゃなくて私に……)
絵里「ダメよ。みんな片付けるんだから穂乃果も一緒にやりましょう。ね?」
穂乃果「……絵里ちゃんの柔らかい反応の方が穂乃果は好きかも」
凛「凛も」
海未「私、そこまで厳しくしていましたか?」
にこ「絵里は特別優しいからね。それにみんな甘えたことなかったんだしいいんじゃない?」
真姫「まるで甘えたことがあるような口ぶりね」
にこ「ま、まだないわよ!」
希「まだ」
花陽「まだ?」
にこ「うっ」
絵里「お風呂どうする? みんなで入る?」
希「真姫ちゃんはそれでいい?」
真姫「別にいいわよ。ていうか何で私に聞くの」
希「みんな、真姫ちゃんの意見を聞きたそうやったから」
ことり「よかったぁ」
花陽「うんっ」
真姫「断られると思ってたの?」
凛「真姫ちゃんはイミワカンナイ! って言うと思って……」
真姫「はぁ……私ももうちょっと頑張らなきゃいけないみたいね」
海未「頑張る?」
絵里「こっちの話よ」
絵里(真姫もだいぶ素直になってる……これなら大丈夫そうね)
凛「お風呂広いにゃー……」
穂乃果「ごくらくごくらく」
にこ「……でかい」
希「もー、にこっち。どこ見てるん?」
絵里(このお風呂はいつ入ってもいいわね……すごく落ち着く)
真姫「ちょっと絵里」
絵里「ん、何?」
真姫「相談、したいんだけど」
絵里「いいわよ。あっち行く?」
真姫「うん」
ことり「あったかいねぇ」
海未「寝たりしないでくださいよ?」
花陽「……ぇ?」
ことり「は、花陽ちゃん寝てたよね?」
花陽「あ、え……ね、寝てないよっ!」
真姫「やっぱり私、向いてないのかしら」
絵里「落ち込んでるの?」
真姫「やっぱりすぐには変われないと思って」
絵里(うーん、本当は今くらいだともっとツンツンしてたって言ってあげたいわね)
真姫「そういえば絵里は、μ'sに入らないの?」
絵里「……誘ってくれれば入ろうと思ってるわ」
真姫「え?」
絵里「ふふっ、楽しみにしてるわ」
真姫「え、ちょ、ちょっと……」
絵里(真姫はどうするのかしら。ふふ、ちょっといじわるだけど、これも真姫のせい直具合を確かめるためのチェックなのよ?)
真姫「やっぱり私、向いてないのかしら」
絵里「落ち込んでるの?」
真姫「やっぱりすぐには変われないと思って」
絵里(うーん、本当は今くらいだともっとツンツンしてたって言ってあげたいわね)
真姫「そういえば絵里は、μ'sに入らないの?」
絵里「……誘ってくれれば入ろうと思ってるわ」
真姫「え?」
絵里「ふふっ、楽しみにしてるわ」
真姫「え、ちょ、ちょっと……」
絵里(真姫はどうするのかしら。ふふ、ちょっといじわるだけど、これも真姫の成長具合を確かめるためのチェックなのよ?)
希「えーりち、何話してたん?」
絵里「真姫との秘密のお話、かしら」
希「なら聞かないでおこうかな」
絵里「ありがとう」
にこ「ちょっと絵里、あんたもでかすぎるのよ」
絵里「え? 何が?」
絵里「……ていうかにこ、ちゃんと足ついてる?」
にこ「バカにするんじゃないわよ! もー!」
絵里「ふふふ」
絵里(……にこもなかなか怒るとかわいいかも)
穂乃果「そろそろあがる?」
花陽「うん、もうのぼせちゃうかもしれないし……」
凛「えー、凛まだ泳ぎ足りないよぉ」
海未「ここは泳ぐところではありませんよ」
ことり「でも本当に、泳げそうなほど広いよね」
穂乃果「ここから飛び出して海に落ちたら泳げるよ?」
凛「そ、そこまではしたくないにゃ」
にこ「明日に備えて早く寝なきゃいけないし、もうあがってもいいんじゃない?」
海未「そうですね。練習は明日の早朝から行いますから、きちんと寝なければなりませんよ」
凛「あ、朝から……」
希「ウチ低血圧で……」
海未「ふふふ、未来のあなたはそんなことを言っていませんでしたよ……」
希「ぐぬぬ」
絵里(希もやっぱり子どもっぽいところあるのね)
今日はここまで
まくら投げはデスマッチの予定です
今日は別スレなし?
>>437-438
すまん にこにースレ建てようと思ってネタ考えてたら寝た
今日はのぞまき続編のえりうみ
絵里「やっぱり、私って面倒な子ね」
→絵里「やっぱり、私って面倒な子ね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406024422/)
ほんのすこしだけ更新
明日は昼空くからそのときやるよ
穂乃果「お布団ひろーい!」
凛「ごろごろー!」
にこ「これ1回やってみたかったのよねー」
絵里(混ざりたい)
希「えりち、ウチも一緒に行ってあげよか?」
絵里「希!」
海未「ほら、枕を持ってきましたからもう寝なさい」
真姫「そうね。明日も早いんだし」
絵里「……」
希「……」
真姫「えっ、何その反応」
ことり「?」
花陽「でもみんなで寝るのって、なんだか楽しいね」
ことり「うんっ、合宿みたいで……」
海未「これは合宿ですよ?」
ことり「そういえばそうだったね」
絵里(そっか、今日は特に何も練習してないからね)
にこ「んー、お肌のお手入れしないと」
絵里「手伝う?」
にこ「別にいいわよ」
凛「……ごろごろし飽きたにゃー」
穂乃果「うん、今ので体力の半分くらいなくなったよ」
希「穂乃果ちゃん、そんなこと言ってたらえりちと腕相撲したら負けるんと違う?」
穂乃果「なんですと!?」
絵里「なんで急に腕相撲?」
希「えりち、みんなと触れ合えるよ」
絵里「よーし、私と腕相撲したい人は来なさい!」
穂乃果「やるやるー!」
凛「わーい!」
ことり「まずは私から行きます」
絵里(ことりは確か……かなり弱いはず。手加減してやりましょう)
穂乃果「レディー……ファイッ!」
ことり「ふぬぬ……!」
絵里(よわっ)
絵里「……わー、つよーい」
海未「接待じゃないんですから。というか布団敷くの手伝ってくださいよ」
花陽「まあまあ、きっとみんな絵里ちゃんと遊んでみたいんだよぉ」
海未「はぁ、わかりました。仕方ありませんね」
ことり「も、もうダメぇ……!」
絵里(あ、このことりの頑張ってる表情いいわね。かわいい)
絵里「えいっ」
ことり「あう」
希「えりちの勝ちー」
絵里(まだまだ余裕ね。ちゃんと鍛えててよかったわ)
絵里「ふふふ、どんどんかかって来なさい!」
海未「では、次の相手は私です」
絵里(あ、これは勝てない)
穂乃果「ファイッ!」
海未「ていっ」
絵里「あー」
希「海未ちゃんの勝ち」
穂乃果「海未ちゃんなら仕方ないね」
凛「うん」
ことり「負け戦だよね」
海未「修行が足りませんよ」
絵里「海未式トレーニングを3セットから6セットにしようかしら……」
にこ「どんだけ勝ちたいのよ」
穂乃果「穂乃果も腕相撲したーい」
凛「じゃあトーナメント戦にすればみんな楽しめるにゃ」
真姫「え、寝るんじゃ……」
希「よーし、ウチがペンと紙とってくるで」
ことり「賞品を決めなきゃね」
海未「私はどこにいればいいんですか?」
花陽「優勝者と対決するポジションかなぁ?」
絵里(ん? こんなの合宿でした覚えないんだけど……まあいいか)
凛「凛は真姫ちゃんと戦いたい!」
真姫「そういうシステムじゃないでしょ」
希「1回戦は凛ちゃんと真姫ちゃんにけってーい」
凛「わーい! きっと真姫ちゃんはピアノ弾いてるから強いはずにゃ」
真姫「別にそんなことないんだけど……」
絵里(ピアノって腕で弾くものじゃないわよね)
ここまで
ピアノって腕鍛えられるのかな
凛「真姫ちゃん……ここで会ったが100年目、決着を付けるよ!」
真姫「はいはい」
絵里(真姫、結構余裕そうね。強いのかしら)
ことり「審判は誰やる?」
にこ「んー、じゃあ私やるわ」
凛「真姫ちゃん、ほら、手を出さないと」
真姫「わかってるわ。わかってるから」
真姫「……」
海未「真姫? どうしました?」
真姫「いや、大丈夫だから」
穂乃果「本当に? 顔赤いけど……」
花陽「ま、真姫ちゃん……もしかして」
希「なるほどなぁ」
絵里(ああ、手を握るだけで緊張するってわけね)
絵里「真姫、ここで距離を縮めるのよ!」
凛「?」
真姫「……わかった。よし、やるわよ」
にこ「レディー……」
凛「ちょちょ、ちょっと待って!」
にこ「え、あ……真姫ちゃんちょっと大丈夫なの?」
ことり「真姫ちゃん。顔上げなくていいの?」
真姫「いいのよ」
海未「汗が出ていますが」
真姫「気のせいよ」
絵里(なるほど、顔が近いと)
凛「んー真姫ちゃんがいいならいいけど……」
穂乃果「それじゃにこちゃん、張り切ってどうぞ!」
にこ「レディー、ファイッ!」
凛「うにゃあああ!」
真姫「ぐ……」
希「お、真姫ちゃん耐えてる」
穂乃果「盛り上がってまいりました!」
にこ「まだ始まったばっかりじゃない。それに膠着状態だし」
絵里「に、にこがそんな難しい言葉を言うなんて……!」
にこ「にこにーチョップ」
絵里「げふ」
絵里「……後ろにいたのに当たった」
凛「負けないにゃー!」
穂乃果「負けた方には買い出しで私が間違えて買ってきた青汁をプレゼントします」
凛「」
真姫「ふっ……」
凛「あっ」
真姫「青汁は嫌よ」
花陽「瞬殺……」
海未「やりますね」
真姫「……もうやだ、やりたくない」
絵里「あら、結構強かったのに」
真姫「緊張するから」
希「凛ちゃんの手の触り心地はどうやった?」
真姫「……ぷにぷにしてた」
真姫「って何言わせるのよ!」
希「きゃー!」
凛「あ、青汁……」
穂乃果「ぐふふ、凛ちゃんどうぞ」
凛「うっ」
花陽「り、凛ちゃん大丈夫?」
凛「……思ったよりおいしくてコメントに困るよ」
絵里(芸人殺し……って芸人じゃないか。アイドルだしそれくらいは……)
凛「にゃあああああああ!? にがあああああい!」
絵里「」
穂乃果「あ、粉を入れる量間違えちゃった」
海未「底に溜まっていたというわけですね……」
絵里(穂乃果に任せたのが運の尽き、かぁ……)
希「次は誰と誰やる?」
ことり「じゃあ私やりたいっ」
絵里(これだと後に長引けば長引くほど怖い……なら)
絵里「じゃあ私がやるわ」
希「おー、リベンジマッチ?」
にこ「凛、いつまで寝てるのよ」
凛「うにゃああ……かよちんお水ちょうだい……」
花陽「はい」
凛「ありがと。うう、喉が……こうなったら真姫ちゃんに責任とってもらう」
真姫「せ、責任って何よ」
凛「……何にしよう」
真姫「考えてから言いなさいよ」
希「ファイッ!」
絵里(まずは様子見ね)
ことり「くぅぅぅ……」
絵里(かわいい)
穂乃果「じゃあ10秒以上決着がつかなかったら2人とも負け!」
絵里「えっ」
ことり「あうっ」
絵里(しまった。つい勢いで……)
花陽「絵里ちゃん強いね」
ことり「次は負けないもん!」
絵里「ふふ、次戦う時を楽しみにしてるわ」
穂乃果「今度はちゃんと入れたから大丈夫だよ! さあことりちゃん」
ことり「……」
絵里(ああ、ことりの顔が一瞬にして真っ青に!)
穂乃果「さあ、一気にぐいっと!」
ことり「うん、すぐに終わらせよう……えいっ!」
海未「ほ、穂乃果!」
穂乃果「え?」
海未「水に溶かす場合は専用スプーンを使えって書いてあるじゃないですか!」
希「え、穂乃果ちゃん何使ってたん……?」
穂乃果「……おたま」
ことり「」
絵里「おたま!?」
絵里(ことりが音もなく倒れた!)
真姫「犠牲者がまた1人……」
花陽「お、恐ろしいゲームに手を出しちゃったよぉ……」
穂乃果「凛ちゃん、ことりちゃん……私のせいでこんな……」
ことり「」
凛「凛はまだ生きてるよー」
穂乃果「私が責任をとって……飲みます!」
絵里(穂乃果の悪い癖が)
穂乃果「うわああああ!」
希「お、おたま3杯!?」
真姫「全然溶け切ってないじゃない!」
海未「やめてください死んでしまいます!」
穂乃果「みんな、ありがとう……」
穂乃果「ぐはっ……」
海未「穂乃果あああああ!」
花陽「穂乃果ちゃん!」
希「3人も犠牲に……」
絵里(こんなバイオレンスな合宿……私知らない!)
何の前触れもなく止めてすまぬ
用事終わったから再開
にこ「……どうする?」
真姫「私に聞かれても……ねぇ絵里。どうするの?」
花陽「絵里ちゃん……」
絵里「え? 私?」
希「おお、いつのまにかえりち、みんなの中心やね」
絵里(……嬉しい)
絵里「そうね。まず穂乃果とことりを寝かせましょう」
海未「わかりました……ことりは私が運びますから、穂乃果はお願いします。まあ言っても数歩動かすだけでいいのですが」
絵里「え? 私たち7人でやるの?」
海未「はい、穂乃果は寝相が悪いので。それに、ことりの枕を取ってこなければなりませんから……よいしょ」
凛「わぁー! 海未ちゃんすごいにゃー!」
希「おー、うらやましいなぁ」
花陽「お姫様抱っこ……」
海未「え? 変でしたか?」
絵里「ううん、ことりをお願いね」
ことり「枕が……うーん」
海未「はいはい、今から取りに行きますから」
穂乃果「……」
絵里(さて、穂乃果をどうしましょう。転がすわけにもいかないし……)
希「えりちもお姫様抱っこできるんと違う?」
絵里「え? 私が?」
凛「うんうん、絵里ちゃんならできるよ」
絵里(やってみたことないけど……できるのかしら?)
絵里「そうね、じゃあにこあたりからやってみましょう」
にこ「何よ。私が練習台ってわけ?」
絵里「誰だって本命よ」
にこ「……」
希「えりち……罪作りな生徒会長や」
絵里「?」
絵里「いくわよ」
にこ「いつでもいいわ」
絵里「よっと、わっ、軽っ!」
にこ「み、見たらわかるでしょ、このプリティーなボディーのどこに無駄なお肉がついてるっていうの」
真姫「急に饒舌になり始めたわね」
にこ「な、何言ってるのよ。そんなわけないじゃない。私はいつだって饒舌だって言うのに」
凛「にこちゃん。顔赤くなってきたよ」
希「ははーん。もしかして予想以上に居心地良かったん?」
にこ「ば、バカ! そんなわけないでしょ!」
絵里「あら、高いところ怖かった? すぐに下ろすわね」
にこ「バカ」
絵里「えっ、何で」
花陽「あはは、にこちゃんももっと素直に甘えたらいいのに」
にこ「ぐぬぬ」
希「あ、そうや。その前に……これ!」
花陽「インスタントカメラ?」
希「そうそう、えりちの妹さんから預かってきたんよ。じゃあ撮るでー」
にこ「え、何それ聞いてないわよ! 写真は事務所を通してから……」
凛「事務所なんかないにゃー」
希「はい、ペリメニー」
絵里「ペニメリー」
にこ「何よそれ!」
穂乃果「うぅん……」
真姫「あ」
凛「穂乃果ちゃんのこと忘れてたにゃ」
希「あ、そうや。その前に……これ!」
花陽「インスタントカメラ?」
希「そうそう、えりちの妹さんから預かってきたんよ。じゃあ撮るでー」
にこ「え、何それ聞いてないわよ! 写真は事務所を通してから……」
凛「事務所なんかないにゃー」
希「はい、ペリメニー」
絵里「ペリメニー」
にこ「何よそれ!」
穂乃果「うぅん……」
真姫「あ」
凛「穂乃果ちゃんのこと忘れてたにゃ」
凛「じゃあ凛は足を持ちます」
希「ウチは背中を」
花陽「私は腰ね」
真姫「頭」
絵里「あら、私たち余っちゃった」
にこ「……そうね」
希「いくで、せーのっ……」
凛「おお、みんなで持つとかるーい」
絵里(なんか謎の民族に連れ去られる光景っぽい)
にこ「なんか眠くなってきたわ」
絵里「お肌のお手入れしないと」
にこ「そうだった……あっちにあるから移動して」
絵里「はーい」
希「お布団とうちゃーく」
真姫「ゆっくり下ろしていくわよ」
花陽「うん」
凛「ゆっくりね」
穂乃果「うぅ……」
花陽「あ、起きちゃった?」
穂乃果「……そらから……おんなのこが」
凛「ぶふっ」
花陽「ほ、穂乃果ちゃん……」
真姫「ちょ、みんな笑い出してどうしたのよ、危ないでしょ」
希「絶対起きてるやろ!」
絵里「なんだかおもしろいことになってるわね」
にこ「そうね」
絵里「じゃあもう電気消すわよ」
希「うん」
凛「えー、まだ凛眠くないよぉ」
にこ「大人しくしなさい」
真姫「わっ!?」
凛「にゃっ!? にこちゃんが怖い!?」
海未「ああ、あれですね」
絵里「ええ」
にこ「パックよパック」
花陽「へぇ、そうなんだぁ」
絵里(あれ? 花陽は意外と驚かないのね)
希「今日は色々遊んで疲れたし、ぐっすり眠れそう」
海未「それに、明日は早いですからね」
凛「そ、そうだった……」
絵里「もう消していい?」
花陽「うん」
絵里「アラームセットしておくからね」
真姫「はいはい」
絵里(あー……今日は楽しかったわ)
絵里「おやすみなさい……」
絵里(ん? 何か忘れてる気が……まあいいか)
――――――――……て、え……ちゃん――――――――
……誰? まだ夜でしょ?
――――――――……きて、絵里ちゃん――――――――
んー、まだ寝ていたいんだけど……。
――――――――起きて、絵里ちゃん――――――――
はなよ……?
一旦ここまで
夜の更新もお楽しみに
花陽「ごめんね絵里ちゃん、ちょっといい?」
絵里「いいけど……今何時?」
花陽「夜の10時だよ。みんな疲れてて早く寝ちゃったから」
絵里(そっか、結局最後に時計見たのって8時くらいだったわね)
絵里「外に出る?」
花陽「うん、その方がいいかな」
絵里「わかったわ。ちょっと待って」
絵里(でもどうしたのかしら。こんな時間に……)
絵里「うん、大丈夫よ。行きましょう」
花陽「わかったよぉ」
絵里「うーん、潮風が気持ちいいわね」
花陽「そうだね。ちょっと暗すぎる気もするけど」
絵里「このあたりは周りに建物が少ないからかも」
花陽「うん」
絵里(……そろそろ話を聞こうかしら)
絵里「で、花陽。何の話かしら」
花陽「それなんだけど……真姫ちゃん」
真姫「ん」
絵里「あら、真姫もいたの?」
真姫「……大事な話だからね」
絵里(何のことかしら)
花陽「真姫ちゃん。話した通りにお願いね」
真姫「……わかってる」
絵里「大事な話って何? 楽しい事だといいんだけど」
花陽「絵里ちゃんにとっては楽しいことだと思うよ。みんなも喜んでくれる」
絵里「……それってやっぱりμ'sの――――――――」
真姫「ダメ、言わないで」
絵里「え?」
真姫「私が、言いたいの」
絵里(……なるほどね)
真姫「絵里、率直に言うわ」
真姫「μ'sに入って」
絵里「それ、希にも言った?」
真姫「ええ、聞いたわ」
花陽「希ちゃんも、絵里ちゃんには聞いたのかって言ってたよ」
絵里(あはは、やっぱりそっか)
絵里「答えは?」
真姫「もちろん了承してくれた。だから――――――――」
絵里「最後は私、ってわけね」
花陽「うん。そういうこと」
絵里(結局遅れはしたけど、加入順は変わらなかったかぁ……)
絵里「私も答えは決まってるわ。こっちからお願いしたいくらいだったもの」
真姫「ってことは……」
絵里「うん。私、絢瀬絵里はμ'sに入ります」
真姫「……よかった」
花陽「うんっ!」
絵里(ふふ、私もうれしいわ。ちょっと予定とは違ったけど)
花陽「生徒会の仕事はどう?」
絵里「え? どうしたの急に」
花陽「生徒会の仕事。忙しくないかってこと」
絵里「ああ、それなら大丈夫よ。花陽が手伝ってくれたおかげで楽になったし」
絵里(まあどんな仕事が出るかわかってるからね。前は溜めちゃってた仕事もすぐ終わったもの)
花陽「嘘じゃない……よね?」
絵里「ええ。嘘なんてつかないわ」
花陽「そっか。よかったぁ……」
真姫「花陽? あなた……」
花陽「なに?」
真姫「あなた、何で泣いてるのよ」
花陽「あ、あれれ? 本当だ……」
絵里「は、花陽? 大丈夫?」
花陽「うん、そういうことじゃないの。大丈夫。大丈夫だから」
花陽「あは、泣くつもりなんて……なかったんだけどなぁ」
絵里(どういうこと? 花陽はどうして……)
花陽「真姫ちゃん、最後のお願い、聞いてくれる?」
真姫「……いいわよ」
花陽「ありがとう」
絵里(最後? 最後って何?)
真姫「で、何? まあわかってるけど」
花陽「……さすが真姫ちゃんだね」
花陽「うん、少しだけ絵里ちゃんと2人きりにしてほしいの」
絵里(花陽……あなた一体……)
真姫「じゃ、ちゃんと戻って来なさいよ」
花陽「うん。ありがとう」
真姫「絵里、花陽を頼んだわ」
絵里「え、あ……ええ。わかった」
真姫「……じゃあね」
花陽「……それじゃ絵里ちゃん、本題に入ろっか」
絵里「どういうこと? 花陽、あなたどうしたの?」
花陽「ふふ、絵里ちゃん、そんなに焦らないで」
絵里(まさか、まさか花陽は――――――――)
花陽「そう。思ってる通り、私は未来の人間だよ」
絵里「で、でも! 花陽は私が聞いてた時、何も知らなくて……」
花陽「だって絵里ちゃん、未来から来た私が生徒会の手伝いをしたい、って言っても聞いてくれないでしょ?」
絵里「それは……」
花陽「絵里ちゃんは優しいから。気を遣わせないように、なんでも1人でやってくれるもん」
花陽「それに頼ってばかりの私たちのままじゃ……ダメなの」
絵里「花陽……」
花陽「希ちゃんが教えてくれたおまじない、本当に効くんだね。びっくりしちゃった」
絵里「……花陽は私の為にここへ来たって言うの?」
花陽「うん」
絵里「花陽の後悔って、やっぱり……」
『やっぱりお仕事時間かかったみたいだね……手伝った方がよかったよね』
花陽「うん、絵里ちゃんがみんなとの時間をもっととれるようにするため」
絵里(私の為に……花陽は私のことでそんなにも……)
花陽「私は絵里ちゃん1人で何でも抱え込んでほしくなかったの。希ちゃんみたいに、私にも打ち明けてほしかった」
絵里「ごめん……ごめんなさい」
花陽「私たちをもっと頼ってくれてもよかったのに」
絵里(私は結局、花陽をこんなにも追い詰めてた)
絵里(気を遣わせてた……)
絵里「花陽、ごめんなさい……本当に……」
花陽「ううん、私は怒ってないの。むしろ嬉しいくらい」
絵里「え?」
花陽「だって今は、私のことを頼りにしてくれたんだから、ね?」
絵里「ええ、でもそれとこれとは……」
花陽「一緒だよぉ。頼ってほしかったっていう私のエゴなの」
絵里「そんな、違うわ! 花陽はそんな……エゴなんかじゃ……」
花陽「ううん、これは自分の為でもあったの。絵里ちゃんが頼ってくれる自分になりたいっていうね」
花陽「だから……絵里ちゃんに明かせなかったんだ。私が来たって」
花陽「後ろめたかったのかもしれない。純粋に絵里ちゃんのために来たわけじゃないから」
絵里「花陽……」
花陽「ありがとう。私に幸せな夢を見せてくれて」
花陽「私はここで、先に戻ってるね」
花陽「もう、満たされたから――――――――」
花陽「うっ……」
絵里(倒れる!)
絵里「花陽!」
花陽「……あれ? ここは……絵里ちゃん?」
絵里(先輩が……ついてない)
絵里「花陽?」
花陽「あ、あれ? 何でこんなところに……んー? 私、寝てたよね?」
絵里(どういうこと? 花陽の記憶は今どうなってるの?)
絵里「花陽、今皆はどこで何してるかわかる?」
花陽「え? 今は合宿でしょ? みんな同じ部屋で寝てたし……まくら投げをして……」
花陽「あれ? まくら投げ、してたっけ?」
絵里(戻ってる……? ここまで未来の花陽がいたのがすっかり消えてしまったみたいに――――――――)
花陽「絵里ちゃん、私どうしちゃったのかなぁ……」
絵里「ううん、大丈夫。戻りましょ」
花陽「んー、絵里ちゃんってμ'sに入ってるよね? なんだか今まで絵里ちゃんがメンバーにいなかったような気がして……」
絵里「花陽は疲れてるのよ。もう寝ましょう」
花陽「うん……変なこと言ってごめんね」
絵里「いいえ、構わないわ」
絵里(過去の花陽の記憶は、私が介在していないものに切り替わってる……ってことはもう、未来の花陽はいないのね)
真姫「花陽、絵里」
絵里「あら、待っててくれたの?」
花陽「真姫ちゃんも起きてたの?」
絵里「あ」
絵里(そうか、真姫は前、こんな時間に起きてないから記憶が食い違ってるんだわ……)
絵里「ま、真姫、これはね……」
真姫「花陽、そういうことだったのね……最後って言うのは」
絵里(……ああ、全部話してたんだ)
真姫「そうよ、少し眠れなくて起きてたの。花陽たちを待ってたわけじゃないわ」
花陽「そうなんだぁ」
絵里「じゃあ花陽、ここから戻れるかしら」
花陽「うん、ありがとう絵里ちゃん。戻れるよ」
絵里「気を付けてね」
花陽「うん」
絵里「……真姫、どこまで聞いたの?」
真姫「今日で変わってしまうってことだけよ。それと3つのお願いだけ」
真姫「希と絵里にμ'sに入ってもらうことを頼むこと。それとさっきの2人きりにしてってことだけ」
絵里(ほとんど何も話してないってことね)
真姫「絵里に持ちかけられた、誘ってくれたらμ'sに入るってやつ。それを花陽に話したら、任せてって言われて……」
絵里「凛には?」
真姫「すぐ寝ちゃったから、話せなくて」
絵里(私たちが寝た後に話したってことか)
真姫「深くは聞かないけど、花陽は何で泣いてたのかだけ教えてくれる?」
絵里「それは……私のせいよ」
真姫「絵里の?」
絵里「そう、彼女に気を遣わせてたせい」
絵里(私が悪かったのよ……うん、それは違いない――――――――)
真姫「それは違うんじゃない?」
絵里「……どうしてそう思うの?」
真姫「あの子はほとんど何も教えてくれなかったけど、絵里のことを悪く言うようなことは言わなかった」
真姫「頼ってくれて、うれしかったって」
絵里「本当?」
真姫「私はそんな気を遣えるほど器用じゃないもの」
絵里「あはは、ありがと……」
絵里(……それがせめてもの救いね)
真姫「やだ、絵里にまで泣かれたら困るじゃない」
絵里「泣いてないってば」
真姫「ほら、ハンカチ」
絵里「ありがと……ありがとぉ」
真姫「もう……綺麗な顔が台無しよ」
――――――――――――――――
希「おかえり、花陽ちゃん。どうやった?」
花陽「うん。ちゃんと言えたよ」
希「それはよかった」
絵里「……すぅ」
花陽「絵里ちゃん、まだ寝てるね」
希「うん。幸せそうで何よりって感じかな」
花陽「ごめんね、急におまじない教えてほしいなんて頼んで」
希「いいよ。ウチも海未ちゃんに教えたときに聞かれてたんは知ってたし」
花陽「ふふ、希ちゃんは何でもお見通しだね」
希「それがウチやもん」
花陽「希ちゃんは……その……」
希「ああ、ウチが何でおまじない使わないか、って?」
花陽「……うん」
希「ウチはね。もう滅多なことがない限り使わんでいいんよ」
花陽「それって、前は使ってたってこと?」
希「そうやで。それはもう――――――――」
希「100や200なんて軽く超えるくらいに、ね」
――――――――――――――――
今日はここまで
かよちん入れ替わりは後付なのです
入れ替わってないって言ってすまぬな
絵里「……真姫は何も聞かないの?」
真姫「話したくないならいい」
絵里「うん、ありがと」
絵里(……真姫はちょっとだけ、未来の真姫に似てるかも)
花陽「だ、誰か助けてぇぇ!」
絵里「え? 花陽?」
真姫「どうしたのよ、そんなに慌てて」
花陽「せ、戦争が……戦争があああああ!」
絵里「戦争……?」
真姫「穏やかじゃないわね」
花陽「もうみんな……やられちゃってて」
絵里(いったい何が起こったっていうの……?)
花陽「お、お願い2人とも。にこちゃんと穂乃果ちゃんを助けて!」
真姫「はぁ……絵里、行くわよ」
絵里「うん」
海未「明日は練習だと言いましたよねぇ……ふふふ」
にこ「に、にこは何もしてないってばぁ!」
穂乃果「ごごご、ごめんなさい海未ちゃん! まくら投げなんか始めた穂乃果が悪かったからぁ!」
希「」
ことり「」
凛「」
真姫「何よこの状況!」
海未「えぇ? 2人もどこかへ遊びに行ってたんですかぁ……!?」
絵里「わっ」
花陽「きゃあ!?」
真姫「は、速い……まくら?」
海未「次は仕留めますよ……ふふふ」
絵里(あー、なんとなく状況がわかった)
花陽「みんなが花陽のこと庇ってくれて……」
真姫「庇うって……枕から?」
花陽「うん」
絵里「で、この有様と」
絵里(死屍累々って感じね)
にこ「え、絵里! 助かったわ!」
穂乃果「真姫ちゃん! 花陽ちゃん!」
海未「あなたたちにはまだ、眠ってもらわないといけませんね……」
にこ「やばっ」
穂乃果「ひいっ!」
絵里(何か忘れてると思ったらこれかぁ)
絵里「海未ー、パンツ見えてる」
海未「……」
海未「えっ!?」
絵里「とりゃあああ!」
海未「ぶっ……む、ねん……」
絵里「ふっふっふ、あなたの敗因は相手がこのエリーチカだったってことよ!」
絵里(まあ1回経験してるしね)
真姫「何よこれ。これがまくら投げだっていうの?」
花陽「た、たぶん……」
海未「すぅ……」
穂乃果「え、絵里ちゃん」
にこ「あの海未を一撃で……」
絵里「はいはい。それで、2人とも何してたのよ」
穂乃果「あ、うん。最初に穂乃果が目を覚ましたんだ。そしたら絵里ちゃんと花陽ちゃん、それに真姫ちゃんがいなくって」
絵里(事件は私たちが出てる間に起きたってわけね)
にこ「そうよ、それでみんな起こして探そうとしたら、希がふざけて幽霊にさらわれたーとか言うから……」
穂乃果「凛ちゃんもふざけて枕を投げたんだ……そう――――――――」
穂乃果「なかなか起きない海未ちゃんに向かって、ね」
絵里(何このシリアスムード)
ちょっと停止
しばしお待ちを
絵里「で、邪魔されるのが嫌いな海未が怒った、ってわけね」
穂乃果「うん。真っ先に凛ちゃんがお星さまに……うう」
絵里「あー……よしよし」
絵里(でも前はにこが最初だったっけ)
絵里「にこ、成長したわね」
にこ「え、何が」
穂乃果「それに海未ちゃん、なんだか今までより強い気がして……」
絵里(未来から来てるデメリットがここで出て来るとは)
花陽「みんな大丈夫なのかなぁ?」
ことり「うぅ……」
真姫「ことりがうなされてるくらいじゃない? どうするのよ、これ」
穂乃果「あ、それはこの……」
絵里「この枕を敷いてあげて」
花陽「うんっ」
ことり「……くぅ」
真姫「本当ね。良い表情になった」
穂乃果「……絵里ちゃん、穂乃果の誕生日っていつだっけ?」
絵里「自分の誕生日も覚えてないの? 8月3日でしょ?」
穂乃果「すごい、もう覚えてくれたんだ……」
絵里「……あ」
絵里(しまった、これを知るのってもっと後だった……)
穂乃果「ことりちゃんのことも海未ちゃんのこともよく知ってるし、なんだかずっと一緒にいたみたいな感じがするよぉ」
絵里(鋭い)
花陽「そうだねぇ」
真姫「ま、そうね。私がトマト好きって見ただけで判断したみたいだし」
絵里(し、史上最大のピンチ!)
絵里(希は……寝てる)
にこ「……やれやれね」
にこ「私が絵里にいろいろ教えてたのよ」
穂乃果「え?」
花陽「にこちゃんが?」
にこ「ええ、μ'sに入りたい入りたいって絵里がうるさくて」
絵里「ちょ、にこったら!」
絵里(そうだけどもっと言い方が……)
にこ「でも、その願いは叶ったんでしょ? ね、真姫ちゃん」
真姫「えっ、何でそれを……」
にこ「にこにーはすべてをお見通しなのよ」
絵里(……なんだかんだ言っても、私はにこにも敵わないわね)
穂乃果「え? ってことは……」
花陽「絵里ちゃんがついに……」
絵里「そうよ。この度、絢瀬絵里は音乃木坂学院のスクールアイドルユニット、μ'sのメンバーとなりました」
穂乃果「ええええええええええ!?」
花陽「え、絵里ちゃんが!?」
にこ「えええええええ!?」
絵里「えっ、にこ。知ってたんじゃ……」
にこ「ししし、知ってたに決まってるでしょ!」
絵里(あー、いつものにこだわ。安心する)
絵里「ほらみんな、静かに。次に眠れる海未を起こしたら、みんなの意識の保証はできないわ」
穂乃果「……!」
花陽「……!」
真姫「だからって口をふさぐ必要はないと思うけど」
絵里「ふふっ、詳しいことはまた明日ね。それと――――――――」
絵里「みんな、よろしくね」
絵里(……とまあクールに言ってみたけど)
絵里「眠れないわ……」
絵里(みんな寝るの早いわね)
絵里(私は念願のμ'sに加入、って目的を果たせたせいで頭が冴えちゃってるから……)
絵里「はぁ……」
花陽「うぅん……たきたて」
絵里(花陽も帰っちゃったし、残るは海未と私だけ……)
絵里「あれ?」
絵里(何で私、μ'sに加入できたのに帰れないのかしら)
絵里「……あ」
絵里(そっか、早期加入はしてないものね。それに海未との留学を止める約束もあるし)
絵里(なら私はもう少し頑張らなきゃ……)
希「えーりち、おはよ」
絵里「……おはよう」
希「あらら? まだ眠いん?」
絵里「昨日あんまり眠れなくて」
希「もうちょっと寝とく?」
絵里「ううん、起きる。示しがつかないから」
希「うん、じゃあみんなに新メンバーですって言わなきゃね」
絵里「……そうね」
絵里「みんなは?」
希「外で待ってる。えりちが入ったって聞いてみんな喜んでたで」
絵里「あら、もうみんな聞いてるんじゃない」
希「ウチがバラしてしもた」
絵里「おばか」
希「えへへ、褒め言葉として受け取っとく」
絵里「はいはい……よし、用意終わりっと」
絵里「行くわよ希、新メンバーは雑用から始めなきゃ」
希「えー、球拾い?」
絵里「ふふ、そうかもね」
――――――――みんな、今日からよろしくお願いします――――――――
――――――――私、絢瀬絵里は、スクールアイドルとして頑張ります!――――――――
――――――――ってこらぁ! 抱き着いてこないの!――――――――
――――――――はいはい、練習ね、練習。わかってるわよ――――――――
――――――――大丈夫よ。時間はまだまだあるんだから――――――――
海未「ではまずはランニングから……」
穂乃果「ええっ!? 絵里ちゃんと希ちゃんの歓迎は!?」
海未「これを歓迎にします」
ことり「えぇぇ……スパルタだよぉ」
真姫「これについて来れないようじゃ、μ'sにはついて行けないってわけね」
凛「あれ? 真姫ちゃんなんだかうれしそうじゃなーい?」
花陽「ふふ、本当だね」
真姫「べ、別にそんなことないわよ」
にこ「やっと3年生が仲間になってくれてうれしいわー。にこにー1人じゃ大変だったしぃ」
希「みんなの方が大変やったやんなぁ?」
にこ「どういう意味よ!」
絵里(やっと、追いつけたってわけね)
絵里(ここからが私のスタート……頑張らなきゃ!)
今日はここまで―
明日はわんだーぞーん
海未「今日はこのあたりにしておきましょう」
絵里「あー、いい運動になったわ」
希「……そ、そんな……一応特訓してたのに」
穂乃果「」
ことり「穂乃果ちゃん! 目を覚まして!」
凛「凛ももうだめだよぉ……」
花陽「り、凛ちゃんしっかり!」
真姫「はぁ……はぁ……」
にこ「白いおひげのおじいさんがにこを呼んでる……」
海未「……あ、あれ? どうしたんでしょう、今日は普通の運動量に設定したつもりでしたが……」
絵里(海未はおそらく今が夏だということを忘れてる)
にこ「おひげ……川も見える」
ことり「にこちゃん! 渡っちゃダメっ!」
真姫「え、絵里たちはどうしてそんなに……はぁ、はぁ……余裕そうなのよ」
海未「鍛えてますから」
絵里「そういうこと」
花陽「すごいなぁ……」
絵里「花陽もだいぶついて来れるようになったじゃない。上出来よ」
花陽「えへへ、そうかな?」
絵里(まあ未来と比べるとまだまだ伸びるけどね)
海未「では絵里、私たちは追加でもう1本、行きましょうか」
絵里「ええ」
希「頑張ってぇ……うぅ」
真姫「穂乃果、凛、にこちゃん。行くわよ」
凛「ラーメン……」
真姫「あー、冷蔵庫にケーキとラーメンがあったわね」
凛「なんでラーメンを冷蔵庫に入れてるの! 凛とってくる!」
穂乃果「ケーキ!」
真姫「……フ」
絵里(真姫が何気に扱いが上手くなってきてる)
海未「どのくらい走りますか?」
絵里「んー、みんなを待たせても行けないし、100メートルのダッシュ10本くらいでどう?」
海未「そうですね」
ことり「あ、にこちゃんなら私持てるよっ」
にこ「にこぉ……」
花陽「じゃあ真姫ちゃん、肩貸すね」
真姫「ありがと」
希「ウチも肩貸すー」
真姫「ありが……ちょっと! どこ触ってんのよ!」
希「ありがとうございます!」
絵里「お姫様抱っこされたりおんぶされたり、にこはよく持ち上げられるわね」
海未「絵里は私が持ち上げてみましょうか?」
絵里「あはは、遠慮しとく」
絵里(だって今までダンスレッスン以外激しい運動してなかったから絶対太ったもの……)
絵里(持ち上げられませんとか言われたら……私……)
絵里「うわーん!」
海未「は、速いっ……! 私も負けませんよ!」
絵里「うわああ!」
絵里(丸々太ったエリーチカはきっとみんなに丸焼きにされて食べられるんだわ……)
海未「あ、絵里! 足元見てください!」
絵里「へ? うわぁ!? ヤドカリ……」
絵里(しまった! 姿勢が崩れ……)
海未「絵里!」
絵里「わ」
海未「うわっぷ」
絵里「……ごめんなさい」
海未「いえ、尻餅をついただけで済んでよかったです」
海未「……海の中にですけど」
絵里(ずぶぬれ……海未、絶対怒ってるわ)
絵里「ご、ごめんなさい海未……」
海未「大丈夫ですよ。私は怒ってませんから」
絵里「でも海未は私を庇って背中から……」
海未「いいんですよ。服には替えがありますから」
絵里「……海未、背中にわかめついてる」
海未「ええっ!?」
絵里(なんでこんなところにわかめが)
海未「なぜこんなところにわかめが……」
絵里「ぷふ」
海未「え、私、何か変なこと言いましたか?」
絵里「いや、同じときに同じこと考えてたから」
海未「そうでしたか……」
海未「これって食べられるんでしょうか」
絵里「くっ……ふふ」
海未「えっ、な、何ですか!」
絵里(わ、ワイルドすぎて……)
絵里「一旦戻りましょうか」
海未「そうですね。濡れたままでは風邪をひくかもしれませんし」
絵里「あ、でもこの陽射しなら乾くんじゃない?」
海未「どうでしょう……脱いでどこかにかけておけばそうかもしれません」
絵里「……下着でいいの?」
海未「……戻りましょう」
絵里「うん、それがいい」
海未「しかしこのわかめ、大きいですね。どこからか流れてきたんでしょうか」
絵里「食べるの?」
海未「いえ、海に還しておきます」
絵里「……ボトルレター流す人みたい」
海未「何か文字を刻んでおきますか?」
絵里「ふふっ、いらなーい」
海未「そうですね。ふふふ」
続きは夜です
わかめレター
海未ちゃんがかわいいだけのお話
海未「本音を言うと誤解を招く」
→海未「本音を言うと誤解を招く」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406283127/)
またせたな
海未「さて、服を着替えましょうか」
絵里「穂乃果と凛に怒られちゃったわね。2人だけ遊んできてずるーい、って」
海未「遊んでいるわけではなかったんですがね」
絵里「そうね」
海未「……で、絵里。ここにいるんですか?」
絵里「え? ダメ?」
海未「いや、ダメというか……その……」
絵里(どうしたのかしらモジモジして)
海未「いや、着替えるので……」
絵里「あ、海未ってこんなにたくさん着替え持ってきてたの?」
海未「え? あぁ、そうですね。予備にと」
絵里「何の予備なの?」
海未「穂乃果やことりが服を忘れたときなどに、ですよ」
絵里「なるほどね。だからこんなにたくさん……っていくらなんでも多すぎない?」
海未「はい、これはちょっと古いものが多いですから」
絵里「そうなの?」
絵里(って言われてみれば確かにそう見えるかも……新しくはなさそうだし)
海未「だから今来ているこの服も、実はこのまま捨ててしまおうかと思っていまして」
海未「この服が一番古いですから」
絵里(なるほど。帰りに荷物を減らそうってわけね)
海未「それに、この服はいずれ捨てることになるんですよ」
絵里「そうなの?」
海未「はい、帰ってすぐ服の整理をして捨てたんです。未来ではですけど」
絵里(そっか、そういう風に未来がわかるんだ)
海未「ですから……その……」
絵里「え?」
絵里(海未が部屋の隅に逃げるように……)
海未「着替えるので……」
絵里「あ、そういうことね」
絵里「カメラに収めてほしいと」
海未「そ、そういうわけではなく……!」
絵里「えー? 亜里沙喜ぶと思うんだけどなぁ」
海未「ですが……」
絵里(海未をいじるのが楽しいだけなんだけどね)
絵里「ほら、ポーズ決めて」
海未「そ、そんなにすぐには決められません!」
絵里(あ、意外とノリノリだわこの子)
絵里「……なんかもう、すぐだったわね」
希「そうやね」
にこ「本当よね。楽しい時間はあっという間に過ぎるって言うか」
絵里「合宿があんなに早く終わるとは……」
希「まあえりちも満喫してたやん」
絵里「そうだけど……なんだか気付いたら一瞬で終わったような気がして」
にこ「まあいろいろインパクトはあったけどね。2人がμ'sに入ったりしたし」
希「うん、そうやね」
絵里「うーん……もっと楽しみたかったかも」
にこ「欲張り言わないの」
絵里「はーい」
希「それに、亜里沙ちゃんも喜んでくれてたし」
絵里「そうね」
絵里「何かやり残したことってあるかしら」
希「スイカ割り……は、したやんな?」
にこ「花火もビーチバレーもしたわ」
絵里「いや、そうじゃなくて……何か別のことを忘れてるような……」
絵里(なんだっけ? 私が加入してすぐにやったことをやってない気が……)
海未「絵里!」
希「あ、海未ちゃん」
にこ「そんなに慌ててどうしたのよ。珍しい」
海未「いえ、それが……大事なことを忘れていたんです」
希「大事なこと?」
にこ「何よそれ」
絵里「……そうだ!」
絵里(思い出した。思い出したわ!)
海未「わかりましたか、絵里」
絵里「ええ、わかったわ」
希「なになに? 何するん?」
にこ「教えなさいよー」
海未「ええ、私たちは……」
絵里「アキバでまだ路上ライブをやってないのよ!」
にこ「へっ」
希「え?」
にこ「あああっ、アキバで!? あのA-RISEがいるアキバよ!?」
絵里「そうよ」
海未「はい」
希「へぇ、それは何でやるん?」
絵里「ラブライブ出場枠は上位20位まででしょ? 今は確か50位くらいだから……」
にこ「え、今のμ'sはランキング19位よ」
絵里「えっ」
海未「ほ、本当ですか!?」
にこ「穂乃果たちにも……もちろん海未には言ったでしょ? 私と花陽しか自体を飲み込めてなかったみたいだけど」
海未「あ、あれ? そんなことは聞いた覚えが……」
海未「……すみません、あります」
絵里(あるんだ)
海未「ですが何気ない会話だと思って……だってその頃のμ'sは50位にも入っていませんでしたから」
にこ「そうだったのよ。つい最近までμ'sは全然ダメダメだった」
にこ「でも! 学校説明会で撮られたPVの出来がよくて、それがものすごく評価されたのよ!」
にこ「撮ったのは?」
絵里「あ、私だ」
希「あー、えりちそういうの撮るん上手やもんなぁ」
絵里(……私の撮影でランキングの順位が上がった?)
絵里「ハラショー……」
にこ「で、順位が急激に上がってて……こっちに戻ってきてパソコンつけたら19位、ってわけよ」
にこ「海未たちには今朝集まってもらって話したけど、絵里と希にはまだだったわね」
絵里「あれ? 何で私たちには内緒に?」
にこ「それは……ほら、陰で支えてくれたんだし、サプライズーみたいなー……」
絵里(かわいい)
希「ふふっ」
にこ「まあともかく結果オーライよ! ラブライブ出場はほぼ確定……」
希「でも19位やと抜かれたりしそうやなぁ」
にこ「」
絵里「あ、そうね。意外とライバルグループが出てくるのも時間の問題かもしれないわ」
にこ「」
海未「それは心配ですね……」
にこ「……アキバでライブ、したほうがいいわよね」
絵里「部長のお好きなように」
にこ「じゃあやるわ」
希「おーっ! それに、ウチらにとったら初ライブになるんやし頑張らな」
絵里「私はもうやってる」
希「あ、そうか」
ここまで
( ゚Д゚)ネムヒー
絵里「というわけで、よ」
海未「どうしたんですか。私だけ残して」
絵里「ほら、ことりよことり。ミナリンスキーの」
海未「それがどうかしたんですか?」
絵里「……今の時期も、ことりはメイドをやってるのかしら?」
海未「……え」
絵里「夏休みに入る前だったからこそ、あのイベントは起こった……つまり」
海未「ま、まさか……!」
絵里「そうよ。もしかするとことりはもう……あの写真を買い取ってるかもしれない!」
海未「なんですって!?」
絵里「何の前触れもなくことりをメイドだと指摘するのは少し無理がありすぎる」
絵里「だから何としてもことりのメイド姿をゲットするのよ!」
海未「はいっ!」
絵里(……あるといいんだけど)
海未「ですがことりの写真っていくらくらいなんでしょう」
絵里「うーん……でも写真だし高くて1000円くらいかしら?」
海未「なるほど。そのくらいですか……ううむ、難しいですね」
絵里(確かに海未はそういうのに無頓着そうよね)
海未「どうしました?」
絵里「え、あぁ。海未はそういうアイドルの写真とか持ってなさそうだなって」
海未「私もそれくらい持っていますよ。ほら」
絵里「……えっ」
海未「え?」
絵里(な、何で私と海未のツーショット写真を――――――――)
海未「あ、これは希からもらったんでした。せっかくなので記念に、と」
絵里「……ちょっとドキッとした」
海未「そ、そんな犯罪的な要素がありましたか!? た、たしかに私が持っているのは変ですが……」
絵里「ちがーう!」
絵里「……海未隊員、そっちは?」
海未「オーケーです。いつでも行けます」
にこ「よーし。用意できたわね」
絵里「って何でにこが一番乗り気なのよ」
にこ「私たちはスクールアイドルなのよ? 外に出るとき迂闊に見つかるような真似は慎みなさい」
絵里(結局この展開は変わらないのね)
にこ「そう、まずアイドルと言えば変装。変装と言えば……」
海未「ルパンですか?」
にこ「いやいや」
絵里(海未は「またつまらぬものを斬ってしまいました」とか言いそうよね)
海未「でもこんな時期にコートとマスクとサングラスというのは……逆に目立ちませんか?」
にこ「……」
絵里「それに暑いし」
にこ「……じゃあやめとく」
絵里「ふふ、そうしましょう」
にこ「あ、でもサングラスは似合ってるわよ」
絵里「あら、そう? にこもかわいいわよ」
にこ「ありがと」
海未「……」
絵里(私はまだですか、って顔してる)
絵里「海未も似合ってるわよ」
海未「本当ですか!?」
絵里「……制服が」
海未「……」
にこ「なんかもっとなかったの?」
絵里「いや、そういえば海未は装飾品を何も身に着けてなかったと思って」
海未「じゃ、じゃあこういうのはどうですか? 髪型を変えて変装とか――――――――」
にこ「採用!」
絵里「決定!」
絵里(なんか遊びたいだけになってきたわね。まあいいけど)
にこ「じゃあ今から時計回りに隣の人の髪型を真似すること!」
絵里「ええ。わかったわ」
海未「はい」
海未「……って、私がツインテールですか?」
にこ「そうよ、それでにこがポニーテール」
絵里「私はそのまま下ろすだけね」
海未「つ、ツイン……」
にこ「何よ。にこにーの髪型に文句あるって言うの?」
海未「……やったことがなくて」
にこ「なるほど」
絵里「にこ、やってあげて。私はにこの髪整えるから」
にこ「……なんかこうして並ぶと毛づくろいみたい」
海未「そんな野生に帰ったみたいな……」
絵里「野生のにこ」
にこ「鳴き声はにこにーでお願い」
海未「新種の生物みたいですね」
絵里「UMAね」
にこ「手を動かしなさい」
絵里「はーい」
絵里「よし、ついにアイドルショップに来たわ……」
海未「ごくり……」
にこ「ていうかあんたたち何しに来たの?」
絵里「え」
海未「あ、教えていませんでしたね」
絵里(でも教えると後々面倒ね。今は隠しておきたいし……)
絵里「にこのグッズが置いてあるわよ」
にこ「嘘っ!?」
絵里「ほらほらー、写真撮らなくていいのー?」
にこ「撮る撮る!」
絵里(計画通り……)
絵里「さ、海未。ことりの写真を……」
海未「わ、綿sのグッズもありますよね……ふふふ」
絵里(……私1人で探しましょうか)
絵里「よし、ついにアイドルショップに来たわ……」
海未「ごくり……」
にこ「ていうかあんたたち何しに来たの?」
絵里「え」
海未「あ、教えていませんでしたね」
絵里(でも教えると後々面倒ね。今は隠しておきたいし……)
絵里「にこのグッズが置いてあるわよ」
にこ「嘘っ!?」
絵里「ほらほらー、写真撮らなくていいのー?」
にこ「撮る撮る!」
絵里(計画通り……)
絵里「さ、海未。ことりの写真を……」
海未「わ、私のグッズもありますよね……ふふふ」
絵里(……私1人で探しましょうか)
絵里(えーと……たしかこのあたりで穂乃果が見つけたのよね……)
絵里「うーん。これじゃないし、これでもない」
絵里(メイドって言っても結構な人の数あるわね……)
絵里「あ、この髪型はもしかして……」
絵里「……あった」
絵里(あった! これをひとまず買収しておけば……)
絵里「」
絵里(3890円……うぅ、高いわ)
絵里「……経費で落ちないかしら」
海未「あ、絵里。見つけたんですか?」
にこ「んー。何の話よ」
絵里「ううん、なんでもない」
絵里(これでことりの正体を掴んだことになるのよね……よし)
絵里「じゃあこれで解散しましょうか」
海未「そうですね」
にこ「そうね。グッズがあるのわかったし、みんなにも教えないと」
絵里「あら、部長さん優しいのね」
にこ「ええ、きっと花陽なんか泣いて喜ぶと思うわ」
絵里(確かにそうだったわね)
絵里(ま、今日のところはこれで……)
ことり「すみません!」
絵里「」
ことり「あの、ここに写真が……私の生写真があるって聞いて……」
絵里(し、しまった! まさかこんなところで……)
ことり「あれはダメなんです! 今すぐなくしてください!」
にこ「……え? こと――――――――」
ことり「ひゃあっ!?」
海未「えっ、今の声は……」
絵里(しまった……これじゃ早すぎる!)
にこ「ことり……よね?」
ことり「こ、ことり? What? ドーナタディスカー?」
にこ「いや、あんた……」
ことり「チガイマース!」
絵里「にこ、どいて! 今捕まえないと確実に……」
にこ「え?」
ことり「ソレデハ、ゴーキゲンヨーゥ……ヨキニハカラエ、ミナノシュー……」
海未「にこ、そこをどいてください!」
にこ「え? だから何って……」
ことり「サラバッ」
にこ「あ、逃げた」
絵里「あー……」
絵里(3人じゃ確実に捕まえられない……でもここで逃せば……)
海未「絵里、逃げるルートはわかっていますよね」
絵里「でも今からじゃ間に合わないわ。希が待ち伏せしてないから……」
にこ「な、何の話をしてるのよ……?」
海未「一応行ってみましょうか」
絵里「そうね。たぶん逃げ切られたと思うんだけど……」
にこ「だ、だから何の……」
絵里「もー、にこが入口でもたもたしてるからー」
にこ「えっ、わ、私のせい?」
絵里(あ、あれ? 反応がなんか違う)
にこ「……ごめん」
絵里「だ、大丈夫よ! ごめんね、にこのせいなんかじゃないわ!」
にこ「……うん」
絵里(うぐっ……なんか本当にちっちゃい子いじめてるみたいで罪悪感が……)
絵里(でもここで逃げられた後、どうすればいいかなんてわからないし……)
海未「あれ? あそこにいるのはことりではありませんか?」
絵里「え?」
ことり「」
希「お、みんな遅かったなぁ」
絵里(の、希がことりを捕まえてる!?)
にこ「い、いるじゃないの! 大丈夫だったじゃない!」
絵里「そうね、結果オーライだわ。うん……」
絵里「でも希、どうして?」
希「え? なんかカードで占ってたら、捕まえるべき幸運のメイドさんがいるって出たからうろうろしてたんよ。そしたら……」
海未「う、占いってすごいんですね……」
絵里「うん」
にこ「それで……ことりは何でぐったりしてるの?」
希「あぁ、ついメイドさんやったからわしわししたくなって、つい」
ことり「」
海未「つい、で済むレベルなんですか……? かなりぐったりしていますけど……」
希「そこはほら、疲れがたまってたとかで」
絵里「何言ってるのよ希」
希「えへへ」
希「……よかった。えりち楽しそうやん」
絵里「え?」
希「ううん、なんでもなーい。じゃあウチはこれから用事あるから、それじゃっ!」
海未「え、ちょっと希! わ、ことり! しっかりしてください!」
絵里「何だか希の様子、変だったわね」
にこ「そう? あれがいつも通りなんじゃない?」
絵里「?」
――――――――
希「うん、えりち楽しそうやったよ」
花陽「よかったぁ……でもすごいね希ちゃん。ちょっと横になっただけでできるなんて」
希「ウチはもう慣れてるからなぁ。それに向こうに行っても倒れなくなったし」
希「あ、でもことりちゃんを捕まえられたのは偶然やったけどね」
花陽「え?」
希「ウチも細かな時間指定まではできないってこと」
花陽「そうなんだぁ」
希「まあこれなら心配ないで」
花陽「うん、わざわざお願い聞いてくれてありがとう」
希「ううん、いいっていいって」
――――――――
今日はここまで
なかなかわんだーぞん行かん
ことり「うぅ……ここは……」
海未「あ、ことり。目を覚ましましたか」
ことり「海未ちゃん……?」
海未「はい」
ことり「……ああああ!?」
海未「わわ、急に立つと危ないですよ」
ことり「わ、私バイトの休憩時間中で……あれ? ここ、お店の休憩室……?」
海未「安心してください。みんなには伝えていません」
ことり「え? ど、どうしてここが……」
絵里(うーん、何で私には気づいてくれないのかしら。位置取りが悪いの?)
ことり「……あ、あれ!? 絵里ちゃんどうしてメイド服に!?」
絵里(やっと気づいた。服だったのね)
絵里「ことりが休憩中に寝不足で倒れた、って言ったら店長さんが、今日はもう大丈夫だから早めに上がっていいって言ってたわ」
ことり「そ、それより何でここを……」
海未「それはですね……絵里」
絵里「……」
絵里(……言い訳考えてなかった)
海未「」
絵里(あ、そうだ!)
絵里「この写真の後ろの壁を見て推測したのよ!」
海未「どこのエージェントですか」
絵里「えっ」
絵里(まずかったかしら)
ことり「へぇ……すごいね絵里ちゃん。探偵さんみたい」
絵里(セーフ)
にこ「勤務終わりよー……ってことり、起きたのね。大丈夫?」
ことり「に、にこちゃんまでメイド服に……」
海未「まあこれは少し話さなければなりませんね」
絵里「そうね」
にこ「ここのメイド服いいわねー。すごくかわいい」
ことり「だよねっ!」
にこ「うおお、すごい食いつき」
絵里(そういえばことりは、ここの制服を気に入ったって言ってたっけ)
絵里「ことり、今からどうしてこうなったかを話すわ」
ことり「あ、うん」
絵里「まずことりは、あのアイドルショップにあった自分の写真を回収しに来たでしょ?」
ことり「うん、みんなにバレちゃうから……もうバレちゃったけど」
海未「このことは他のみんなには話していませんよ。大丈夫です」
ことり「……そっか」
絵里「で、偶然あそこにいた私たちはそれを発見した」
絵里(まあ元々ことりを捜しに来たわけじゃなかったし……あれはハプニングよね?)
ことり「あっ! それで私が逃げて……あれ? 思い出せない」
にこ「希のスピリチュアルパワーにあてられたのね」
ことり「え?」
にこ「ううん、なんでもない」
海未「そしてことりはとりあえず私たちに捕まりました」
ことり「うん」
海未「それで写真の背景からこのお店を見つけ出して、店内に入りました」
にこ「あの時大変だったわよね。海未がお姫様抱っこして入店したから王子様が来たって騒がれて」
ことり「えっ!?」
海未「だからフロアに出られなかったんですよ……」
絵里(海未って意外と周り見えてないのよね)
絵里「それで、ことりが休憩時間に来てたことがわかったから、代わりに残りの時間私たちでバイトしようって話になったのよ」
ことり「そ、そんな……ごめんねみんな。迷惑かけちゃって」
にこ「別にいいのよ。追いかけたのは私たちなんだし」
絵里「それに、案外楽しかったから」
ことり「ありがとう。そう言ってもらえるとうれしいかな」
海未「私はここでことりを見ていました。先ほど言った通りフロアに顔を出すことはできなかったので」
ことり「……海未ちゃん、出られたら出てたの?」
海未「はい。そうですよ?」
ことり「メイド服なんて恥ずかしい! とか言いそうなのに……」
海未「そ、それは……あれです! このスカートの丈が長かったので!」
絵里(あー、海未も最初は恥ずかしがってたわね)
にこ「まあにこは短い方が好きなんだけどね。かわいいし動きやすいし」
ことり「じゃ、じゃあ次の衣装はメイド服にしちゃう……?」
絵里「いいわよ」
ことり「やったぁ! ついにねんがんの……」
絵里「その前に、少しだけお願いがあるの」
ことり「ぇ?」
絵里「もうすぐ私たちは、このアキバでライブをしようと思ってるの。ラブライブ出場を確実にするために、ね」
ことり「そうなの?」
海未「そうです。今日絵里とにこと3人で話していたんですよ」
ことり「へぇ……楽しそうだねっ」
にこ「絵里」
絵里「まあまあ、そんなに急かしたって仕方ないでしょ?」
にこ「そうじゃなくて。ほら、先にやることあるでしょ」
絵里(……なんだっけ)
にこ「写真、写真あるんでしょ?」
絵里「あ、そうだった」
ことり「え? 写真?」
絵里「そうそう、ことりに似てたから買っておいたのよ。だからあげる」
絵里(本当は持っておくつもりだったけど、ことりの正体を掴んだ以上は仕方ないものね)
ことり「……3980円!? も、もらえないよっ!」
絵里(うわあああ……間違えてレシートも一緒に渡しちゃった)
にこ「格好つかないわねー」
海未「絵里らしいというかなんというか……」
絵里「まあ写真は置いといて、ともかくライブをやりたいの」
ことり「うん」
絵里「それでね、アキバでバイトしてたことりに曲の歌詞を書いてもらいたいの」
ことり「……ええっ!? わ、私が書くの!?」
絵里「うん」
海未「はい。きっと私より、こちらのことをよく知っていることりの方がうまく書けると思いますから」
にこ「まだ時間はたっぷりあるのよ。ていうかステージの予約もしてないし」
ことり「私に書けるのかなぁ……」
海未「大丈夫ですよ。私はもちろん、穂乃果も手伝ってくれると思いますから」
ことり「そっか……うん、がんばってみる!」
絵里(うんうん、いい調子ね)
にこ「それで絵里、どうするの?」
絵里「ああ、そうね……」
ことり「?」
絵里「あのね。ことりがここでライブするにあたって……正体がバレちゃう可能性があるでしょ?」
ことり「……あ、そうだね。確かにあるかも……」
絵里「だからことり、みんなに話すか話さないか、どっちか決めておいてほしいの」
海未「えっ」
ことり「え……?」
絵里「ことりが話してもいいっていうなら、ことりの口から直接言ってもらうことになるわ」
絵里「でも話したくないって言ったのなら、私たちは他言はしない。絶対によ」
ことり「……絵里ちゃん」
にこ「絵里、いいのね?」
絵里「うん。こればっかりは強要できないもの」
絵里(それに、これでことりが本当に1人で抱え込んでしまわないかどうかがわかるもの)
海未「……」
絵里「それじゃ、ことり。私たちはお先に失礼するけど大丈夫?」
ことり「うんっ、今日はありがとうね!」
絵里「ううん、じゃあまた明日ね」
ことり「はーい」
海未「絵里、あれでよかったんですか?」
絵里「うん」
海未「私は……その……」
絵里「ことりがね、話す方を選んでくれたら、きっと留学の話も打ち明けやすくなると思うの」
海未「あ……」
にこ「また未来の話? 私はそういうのパス」
絵里「にこは私が勝手に決めたのに異論はないの?」
にこ「別に。だって私はあんたを信用してるから」
絵里(……うれしい)
絵里「ありがと」
にこ「はいはい。気持ちだけ受け取っておくわ」
絵里「海未はどう? やっぱり納得いかない?」
海未「いえ……でも1つだけ――――――――」
海未「ことりが話さないと決めたら、どうなるんでしょう……」
絵里「……その時はその時!」
海未「ずいぶん割り切りましたね……」
絵里「うーん、その時は私たち、というかμ's全体の信頼が薄いってことになるわ」
にこ「あー、嫌ね。それ」
絵里「まあ別の意味でそういうこともあると思うわ。変に意識されたら嫌だとか、そういうの」
絵里(伝説のメイド、ってなったら変に意識し合ってぎこちなくなるって考えるかもしれないし)
絵里「そういうことを打ち明けられて、相手のことも……いい意味で気にしなくなるようなら……」
絵里(……未来のμ'sに似てる、と思う)
海未「そうですね。私たちがもっとどっしり構えていれば、ことりも気兼ねなく話してくれるはずです」
にこ「んー、なんかことりにはずいぶん慎重ね。何かあるわけ?」
絵里「まあちょっとね」
にこ「その顔はちょっとって顔じゃないわよ」
絵里(しまった。顔に出てた)
にこ「でもあんたたちはそれを乗り越えた未来から来てるんでしょ? なら大丈夫よ」
海未「……にこ、いくつですか?」
にこ「何よ、ちっちゃいからってバカにしないでほしいんだけど」
海未「いえ、その逆で……あまりにも大人びた意見だったので……」
絵里「そうね。にこじゃないみたいだった」
にこ「どういう意味よ!」
ことり「3人とも! 待って!」
海未「ことり?」
絵里「あれ? バイト終わったの?」
ことり「ううん、もう少しだけあるよ。だけどこれだけは言っておきたくて」
にこ「ふーん、何?」
ことり「私、みんなに自分のこと話すことに決めたよ」
絵里「!」
海未「……それはどうしてですか?」
ことり「みんなに、ことりのこと知ってもらいたいと思って」
にこ「隠してきたのに?」
ことり「うん。いつかは話さなきゃって思ってたんだ。隠し通せるはずもないし、隠し続けるのもなんだか嫌だったから」
絵里(……私たちが経験した未来のことりも、そんな風に考えてたのかしら)
ことり「だから、みんなに話すね」
ことり「……明日くらいに」
絵里(やっぱり恥ずかしいんだ)
ここまで
ほのりんまきが全然出てないから次あたりで頑張ってもらいます
にこ「よーし。今から練習、始めるわよー!」
穂乃果「おーっ!」
凛「やるにゃー!」
絵里「あー、今日も学校暑いわね……」
真姫「今日も?」
花陽「昨日も練習してたっけ?」
絵里(しまった! 昨日はアキバライブの作戦の為に学校に集まってただけだった!)
絵里(な、内緒にしないと……ことりの正体が!)
希「えりちは生徒会の仕事で学校来たんよ、ね?」
絵里「あ、うんそれそれ」
穂乃果「なーんだ、みんなで遊んだりしたのかと思ったぁ」
にこ「……っそ、そんなわけないでしょ!」
海未「い、いや、あれは遊びでは……」
凛「?」
絵里(2人とも焦りすぎでしょ……人のこと言えないけど)
希「あれ? そういえばことりちゃん遅くない?」
花陽「本当だ。どうしたのかなぁ?」
凛「もしかしたら夏休みの練習の日程間違えちゃったのかも」
海未「穂乃果じゃあるまいし、間違えませんよ」
穂乃果「海未ちゃんひどい! 助けて真姫ちゃん!」
真姫「え、私? ていうか穂乃果たちはことりと一緒に来なかったの?」
海未「はい。ことりには先に行っててくれと頼まれまして」
花陽「忘れてるってことはないのかなぁ」
希「じゃあどうしたんやろ」
絵里(……まさか今日、自分の正体をバラす気じゃ……でも何を用意するのかしら)
にこ「心配ね。ちょっと捜しに行ってみる?」
ことり「その必要はないよっ!」
希「わ、ことり……ちゃん?」
にこ「あっ」
海未「えっ」
絵里「」
凛「かわいい!」
ことり「……え、えへへ」
絵里(まさかメイド服着てくるなんて……)
真姫「何よその服……こんな暑い中そんなの着てきたわけ?」
ことり「そうだよっ!」
にこ「……すごいわね」
穂乃果「お水飲む?」
ことり「うん、ありがと」
花陽「その服どうしたの?」
ことり「……うん、みんなにはちゃんと話しておきたくて」
絵里(じゃあことりはそのために……って、やりすぎな気もするけど)
希「ちょっと日陰に入ろか」
ことり「うん……そうする」
海未「絵里、まさかこれって……」
絵里「そのまさかでしょうね」
絵里(でも進歩よね、きっと……)
ことり「あ、暑いよぉ……」
絵里(でもやっぱり夏の昼間にロングスカートはやり過ぎだと思うわ)
一旦ここまで
逆立ちして寝てたせいか頭回らん
昼か夕方あたりにまた更新します
どういう経緯でそうなったんだ・・・
乙
希は何度もループしてたんだろうな
数えきれない後悔抱えて、絵里やみんなと悲惨な別れ方をする未来も味わったかもしれない…
確実に頭痛くなるからみんなやってみ
頭回らんなりに ほのにこ
にこ「抱き着き禁止令」
→にこ「抱き着き禁止令」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406596349/)
ごめんよ
普通に夕方すぎたけどこのssの中の時間はまだ昼だから許して
ことり「ふぅ、生き返ったぁ」
穂乃果「それでことりちゃん、何でメイド服なの?」
ことり「えっ、あ……」
絵里(穂乃果がいきなり核心を突いた)
ことり「これは……その……」
希「ウチも聞いてないけど、どういうこと?」
にこ「ことりの口から聞きなさい。きっと驚くわよ」
凛「ことりちゃん?」
ことり「えーと……」
絵里(まだ迷ってるみたいね……でもメイド服で来るって決意はあるみたいだし……)
ことり「わ、私……!」
海未「言いますか」
花陽「?」
ことり「昔々あるところに、ことりという少女がおりました」
穂乃果「わーっ! なになに? 昔話?」
絵里(なるほど)
ことり「ことりはとてもかわいい服が好きです。服を作るのも好きです」
凛「ことりちゃんそっくりだね」
花陽「え、これってことりちゃんの話じゃ……」
絵里「花陽、それはタブーよ」
真姫「続きは?」
絵里(わお、真姫が催促してる)
ことり「そんなことりの高校2年生の春、とある誘いが来たのです……」
穂乃果「ごくり」
希「ふむふむ」
ことり「メイド喫茶で働いてみないか、と!」
凛「昔にメイド喫茶ってあったの?」
海未「喫茶ならありましたよ」
穂乃果「メイド重要なのに」
海未「……冥土は古来から存在します」
穂乃果「へぇ、それなら大丈夫だね」
にこ「海未、あんた意味……」
海未「話を進めるにはこれしかないんです」
ことり「そこで私……じゃなかった。ことりは快くそれを引き受けようとして――――――――」
真姫「して?」
ことり「やめました!」
凛「ええっ!?」
花陽「やめちゃったの?」
ことり「うん」
にこ「そうなのね」
絵里(そっか、海未と私は知ってたけど、にこは知らないんだ)
ことり「しかしことりの意見は無視されてしまい、逸材だと言われ半ば強引に連れ去られてしまうのでした……」
希「事件の香りが」
にこ「ぷんぷんするわね」
海未「え、そういう話では……」
ことり「つづく!」
絵里「つづかない!」
ことり「ごめんなさい」
絵里(なぜ2部構成にしようと……)
ことり「そしてことりは悪の研究所へ連れ去られ、改造人間に――――――――」
穂乃果「ええっ!?」
希「ライダーさんみたいやん」
ことり「ならずに」
真姫「ならないのね」
絵里(なんか視聴者一体型クイズみたいになってる)
海未「ことり、きちんと話してはどうですか?」
ことり「う、まだ心の準備が……」
にこ「体の準備はできてるじゃないの」
海未「に、にこ、それでは語弊が」
絵里「うん、いかがわしい意味に聞こえる」
にこ「……ちょっ、バカ! そんなつもりで言ったんじゃ……服よ服! この服がいけないのよ!」
ことり「えぇー? メイド服はいわゆるメイドさんの戦闘服だよ?」
にこ「あんたのせいでしょうが! さっさと続き話しなさいよっ」
真姫「にこちゃんも続き気になるのね」
絵里(にこちゃん『も』って……真姫も意外とそういうとこあるわよね)
ことり「えーっと、どこまで話したっけ」
穂乃果「ことりちゃんが改造人間になるとこ」
ことり「あ、そうそう」
にこ「ちがーう!」
ことり「ではここでクエスチョン! 悪の秘密結社にさらわれたことりはどうなったでしょうかっ!」
絵里(あ、クイズだわ、これ)
穂乃果「はいはい!」
ことり「はい穂乃果ちゃん」
穂乃果「桃太郎!」
ことり「惜しいっ!」
海未「惜しい!?」
凛「はーい!」
ことり「じゃあ凛ちゃん」
凛「ラーメン!」
ことり「あー、遠くなったかな」
凛「ざんねーん」
にこ「ていうかもはや生物じゃないわよね……」
希「ウチもウチも」
ことり「はい希ちゃん」
希「おうどんさん」
ことり「ちょっと近くなったね」
絵里「ど、どこが……?」
真姫「はい」
ことり「真姫ちゃん」
絵里(よかった……真姫ならまともな意見を――――――――)
真姫「シェフ」
ことり「いいね、その調子だよっ」
絵里(あー……まともすぎて外した)
花陽「あ、あのぉ……」
ことり「はい花陽ちゃん」
絵里(で、でも花陽なら――――――――)
花陽「悪の秘密結社ってどこにあるの?」
ことり「アキバかな」
絵里(ダメだった)
にこ「ねぇ、私たちが答え言ってもいいんじゃないの?」
絵里「あ、そっか。それもアリね」
海未「では私が言いますよ」
にこ「ん」
絵里「頼んだわ」
海未「ことり」
ことり「はい海未ちゃん」
海未「メイド、ですよね?」
ことり「……」
海未「……」
ことり「ファイナルアンサー?」
海未「え、なんですかそれ」
穂乃果「ええっ!?」
凛「海未ちゃん知らないの?」
海未「え? な、何かの必殺技ですか?」
絵里(……意外と強そう)
真姫「要するにそれが答えでいいかどうか聞いてるんでしょ? はいでもイエスでもいいんじゃない?」
希「真姫ちゃん、そこはファイナルアンサーって言わな」
真姫「そうなの?」
にこ「そうよ。絵里にチョコあげれば何でも言うこと聞いてくれるってくらい常識よ」
絵里「ちょっと待って初耳なんだけどそれ」
希「あ、それウチが流したウワサや」
絵里(灯台下暗しじゃない!)
希「でもえりち、考えて? たとえば花陽ちゃんが……」
花陽「私?」
希「あ、じゃあウチが今から言うことやって」
花陽「うん」
希「……で……して……する」
花陽「うん、やってみるね」
絵里「?」
花陽「……こほん」
花陽「絵里ちゃん、花陽のお願い……聞いてくれますか?」
絵里「ええもちろん」
絵里「……しまった!」
にこ「チョコなしでもいけるのね」
真姫「へぇ」
絵里(ウワサが!)
穂乃果「穂乃果お腹すいてきちゃった」
絵里「ほら、パンあげるから」
穂乃果「わーい!」
にこ「……誘拐犯?」
絵里「なんてことを!」
ことり「あ、あれー? 昔話はー?」
海未「みんな今を生きていますから忙しいんだと思いますよ」
ことり「海未ちゃん……」
海未「だからことりも、勇気を出して言ってみませんか?」
ことり「……うんっ!」
ことり「み、みんな聞いて! あのね、私は――――――――」
ことり「ミナリンスキーなんです!」
凛「……こ、ことりちゃん外国人だったの!?」
真姫「えっ」
花陽「え、えぇ!?」
ことり「あ、いや……」
絵里(あ、そっか。みんなミナリンスキーって単語自体知らないんだ)
穂乃果「りゅ、留学しちゃったりするの!?」
海未「」
ことり「え?」
絵里(この子は妙に鋭いんだから……)
絵里「ねぇ、にこからも説明してあげて――――――――」
にこ「え、ちょ……こ、ことりがミナリンスキーだったの!? でも絵里の見せてくれた写真には……」
にこ「サイン……あった」
にこ「嘘……でしょ? こ、ことりが伝説のメイドだったなんて……」
絵里(私が説明した方がいいわね)
希「ミナリンスキーって今、アキバで有名な伝説のメイドさんやろ?」
絵里「え、希が知ってるの?」
希「うん、この前ちょっとアキバに寄った時に小耳にはさんで」
穂乃果「伝説の?」
希「そうそう。伝説の」
凛「へぇ……ことりちゃんが伝説の……」
凛「ええっ!?」
絵里「みんないったん落ち着いて」
真姫「何の話をしてるのよ」
花陽「ことりちゃんが伝説だったって話を……」
真姫「で、伝説!?」
絵里「だーかーらー!」
ことり「――――――――というわけです」
凛「なるほど、ことりちゃんは伝説のメイドさんだったんだね」
真姫「花陽はミナリンスキーって知ってたの?」
花陽「うん、名前は聞いたことあって……その知名度はまさにアイドルと並ぶレベルで有名なメイドさんなんだよぉ」
穂乃果「ひどいよことりちゃん! そういうことなら教えてよ!」
穂乃果「言ってくれれば遊びに来て、ジュースとかごちそうになったのに!」
花陽「そこ!?」
絵里(わー、みんな面白いくらい同じ反応ね)
希「えりちは知ってたん?」
絵里「ええ、この前ことりを捕まえて……」
絵里(でもあれは普通の希じゃなかったから覚えてないのね)
絵里「まあいろいろあってね」
希「?」
真姫「でも何でメイドなの?」
ことり「それは……自分を、変えたいなって思って」
ことり「私、穂乃果ちゃんや海未ちゃんと違って、何もないから……」
穂乃果「何もない?」
ことり「穂乃果ちゃんみたいにみんなを引っ張っていくこともできないし、海未ちゃんみたいにしっかりもしてない……」
海未「……」
ことり「それに、絵里ちゃんみたいにみんなを支えられないから」
絵里「えっ」
絵里(……このころ、私のことは言ってなかったわよね)
絵里(…………)
希「えりち、なんで嬉しそうなん?」
絵里「ちょ、ちょっとね」
希「へんなえりち」
穂乃果「そんなことないよ。ことりちゃんは歌もダンスも上手だよ!」
にこ「衣装もことりが作ってくれてるしね」
真姫「少なくとも、2年の中では1番まともね」
海未「!?」
絵里(海未は真姫の中でまともではない、というわけね)
海未「……ラブアローシュートでしょうか。しかしあれは私の持ち味を生かした特技で……」
絵里「自覚あるのね……」
ことり「……」
絵里「で、ことりはその結果、何か変われたと思う?」
ことり「えっ?」
凛「うんうん、変わるためにメイドさんになったんでしょ? なら何か変わってるはずだにゃー」
ことり「私が……変わって?」
穂乃果「うん!」
海未「はい」
ことり「……ううん、あんまり思いつかないかも」
穂乃果「じゃあ穂乃果が見てあげる!」
ことり「えっ?」
海未「成長とは自分では実感しにくいものですからね」
希「ウチもカードで……むむむ」
にこ「にこもにこにー占いで」
凛「凛もチェックするにゃー!」
花陽「ま、真姫ちゃんどうしよう……私たちだけ何もないよぉ!」
真姫「べ、別にやらなくてもいいでしょ!」
絵里「みんな、ちょっといいかしら」
穂乃果「え? なに?」
真姫「?」
凛「なになに?」
絵里(……この際だし、みんなに言っておこうかしら)
絵里「週末、アキバでライブするわよ!」
花陽「ライブ!?」
凛「ライブ……」
穂乃果「そ、それって……ゲリラ?」
絵里「いや、普通のだけど」
穂乃果「なーんだぁ」
絵里(ゲリラって穂乃果の中では結構レベル高いのかしら……)
真姫「アキバでやるの? 私は別にいいけど……新しい曲は、まだ終わりの方ができてないわ」
絵里「うん、だから週末」
真姫「……頑張ってみる」
絵里「真姫ならできるわ」
真姫「ええ、ありがと」
絵里(いざとなればアドバイスのフリして教えるんだけど……それは作る真姫に失礼な気がするから、最終手段としてとっておきましょう)
にこ「ラブライブ出場枠に入ったからって油断はできないの。だからこれで上位10位以内とかに入って……」
海未「入って?」
希「入って?」
にこ「……なんかすごいインパクトを与えるのよ!」
絵里(抽象的ね……)
絵里「とにかく、変わったかどうかは、簡単に1つわかると思うんだけど……」
穂乃果「え? そうなの?」
絵里「うん、だってことりはアキバで歌う曲の歌詞を書いてくれるって言ってくれたから」
花陽「そ、そうなの!?」
ことり「あ、うん。がんばってみようかなーって」
穂乃果「こ、ことりちゃん、そんな積極的なタイプじゃなかったのに……」
海未「これも成長じゃないですか?」
凛「ことりちゃん頑張ってね!」
ことり「うんっ!」
希「アキバのことだからことりちゃんに、かぁ。なるほど……じゃあ関西でライブするときは作詞はウチ?」
絵里「何でよ。希は関西出身じゃないでしょ?」
希「えへへ」
穂乃果「すごいなぁことりちゃん……穂乃果も応援してる!」
ことり「ありがとう」
絵里(まあこれでひとまずは安心ね。ことりとみんなの仲も深まったみたいだし……)
絵里「あ、衣装はメイド服ね」
凛「め、メイド……!? 凛はそんなの……ぐふっ」
花陽「り、凛ちゃん!?」
絵里(あー。凛は手ごわかったわねぇ……海未もだけど)
海未「何ですか?」
絵里「なんでもなーい」
ここまでー
順調に9話ネタ消化中
残りは11~13話ネタ
絵里「じゃあことりは作曲を、穂乃果と海未はそれのサポートをお願いね」
穂乃果「了解です!」
海未「わかりました」
ことり「2人ともよろしくねっ」
絵里(……でもいつもこの3人って言うのも考え物ね)
絵里「じゃあ花陽と希もサポートしてあげて」
花陽「え?」
希「ウチらも?」
絵里「ええ。お願いね」
絵里(ことりが作曲のヒントをつかむには穂乃果の助言が必要……だけどそれは、みんなで考えることで早く見つけることができるんじゃないかしら)
絵里「で、私たちは……」
凛「り、凛はそれ……やだよ?」
にこ「何よ、まだこれはことりが着てきたやつなんだからいいじゃない」
真姫「ライブで使うのはもっと丈短いわよ」
凛「いやにゃあああ!」
絵里(凛の相手をしなくちゃね)
凛「か、かよちん助けて!」
花陽「凛ちゃん、似合うと思うよ?」
凛「ほ、穂乃果ちゃん!」
穂乃果「大丈夫だよ。凛ちゃんなら頑張れる! ファイトだよっ!」
凛「……え、絵里ちゃんはそんなひどいこと……しないよね?」
絵里「しないしない」
真姫「絵里」
絵里(しまった、つい反射的に)
絵里「凛、残念だけどこれは必要なことなの……お願い、協力して!」
凛「にこちゃん」
にこ「にこはメイド服は可愛くて好きだなぁっ」
凛「真姫……ちゃん」
真姫「諦めなさい」
凛「……うぇぇ」
海未「凛」
凛「う、海未ちゃんなら……!」
海未「成長できますよ」
凛「て、敵だらけにゃー!」
ことり「じゃあ私たちは教室で作詞を頑張って来るね」
絵里「ええ、行ってらっしゃい」
穂乃果「よーし、がんばるぞー」
海未「穂乃果、私たちはあくまでもサポートですよ」
花陽「さ、作詞なんてすごいなぁ……」
希「大丈夫やって。ウチらは今できることをやろう?」
花陽「うん、そうだね」
絵里「じゃあ凛、一旦部室へ戻りましょうか」
凛「……」
にこ「別に取って食うわけじゃあるまいし、そんなに怯えなくても」
真姫「そうよ。そんなに怖がらないで」
絵里(凛ってやっぱり、こういう女の子っぽい服装は苦手なのね……)
絵里「凛。どうしても嫌だっていうならやめてもいいわ」
凛「えっ?」
にこ「……まあ無理強いはできないわね」
真姫「それはそうだけど……」
凛「ほ、本当?」
絵里「うん。だから、少しだけ私たちと話し合ってみない?」
凛「それなら……うん、凛も頑張る」
絵里(よし……これでちゃんと話す機会はできた)
にこ「じゃあ凛の要望は何?」
凛「スカートなし!」
真姫「ダメでしょそれは」
凛「えー」
絵里(まさかここまでとは……)
真姫「ていうか部室、暑くない?」
絵里「あれ? 冷房ついてない?」
にこ「え、ついてるわよ」
真姫「ふーん……でもちょっと暑い」
凛「ま、真姫ちゃん!?」
真姫「何?」
凛「そ、そんな……ボタンを開けすぎじゃない……?」
真姫「そう? 4人しかいないしいいじゃない」
にこ「わーお、真姫ちゃん色っぽーい」
絵里「にこ、その言い方全然色っぽくない」
にこ「わ、私は健全な可愛さをウリにしてるからいいの!」
真姫「私が不健全みたいな言い方やめなさいよ」
凛「……」
絵里(あれ? 凛の元気が急になくなったような……)
絵里「凛、どうしたの?」
凛「やっぱり凛は子どもっぽいのかなーって……」
絵里「子どもっぽい?」
真姫「……」
にこ「なんでこっち見るのよ」
真姫「他意はないわ」
絵里「ええ」
絵里「で、凛。それはどういう意味なの?」
凛「だから、凛はそういう真姫ちゃんみたいな色っぽさがないから……その、女の子らしくないじゃないかなぁって」
絵里「……」
にこ「……」
真姫「……」
凛「ね? だからスカートも似合わない――――――――」
真姫「凛って女の子らしいわよね?」
にこ「うん」
絵里「そうよね」
凛「えっ!?」
にこ「凛、あんた心配しなくてもかわいいわよ」
凛「え、そ、そんなこと……」
にこ「私の言葉が信じられない?」
凛「ち、違うよ! そうじゃなくて……」
真姫「私にボタン開けすぎだって指摘したじゃない」
凛「うん」
真姫「女の子らしくない、って指摘したのよね?」
凛「……それは」
絵里「凛はねぇ……自分で思ってるよりも女の子らしくしようとしてるわよ?」
凛「そう……なの?」
絵里「ええ、本当に女の子らしくないなら、髪にだって気を遣ったりしないし、お肌だってどうでもよく思ってるはずだわ」
絵里「身だしなみなんて関係ないし、可愛いものにも興味を示さない……そんな感じだと思うの」
凛「そう? でもそれは身だしなみだから……」
絵里「ことりがメイド服を着てきたときに、凛は最初になんて言った?」
凛「……あっ」
絵里「そうよ。かわいい、って反応したわ」
絵里「それってきちんと女の子らしく反応したってことよね?」
凛「あ……うぅ……」
にこ「気にしすぎなのよ、凛は。女の子らしさを」
凛「そうなの? でも普通そんなこと、凛は考えたりしないから……」
真姫「だから何? 女の子らしさなんて意識して生きてる人なんてそうそういないわよ?」
絵里「うんうん。意識してるぶんだけ、凛は女の子らしいわ」
凛「で、でも! それとこれとは話が別だよ! 凛にはスカートなんて似合わないもん!」
にこ「へぇ……本当にそうかしら?」
凛「にゃっ!?」
真姫「それこそ、話は別よね?」
凛「え、み、みんな目が怖いよ……?」
絵里「前から凛にはいろんな可愛い服を着させたいと思ってたのよね」
絵里(この部室なら結構衣装揃ってるし……)
凛「ま、待って……にゃあああああ!」
また用事だ
時間かかるから続きは明日の朝
絵里「じゃあ今日の線か報告です」
穂乃果「……」
ことり「……」
絵里(な、なんか落ち込んでる? それに海未たちもいないし……)
にこ「どうしたのよ、残りの3人は?」
ことり「負けちゃったの……」
穂乃果「穂乃果たちは敗北したのです……」
真姫「何の話?」
ことり「負けちゃったんだよぉっ!」
絵里「わわ、どうしたのことり」
絵里(何があったって言うの……?)
にこ「穂乃果、どういうこと?」
穂乃果「あまりにも歌詞が浮かばなかったから、言ったん寝てみようって希ちゃんが言ったの」
絵里(斬新な)
真姫「それで?」
穂乃果「そしたらね、誰がことりちゃんを最初に眠らせることができるかって言って――――――――」
絵里(あ、展開が読めた)
穂乃果「――――――――膝枕選手権が始まったんだ」
絵里「やっぱり」
にこ「何やってるのよ」
真姫「遊びじゃないのよ?」
凛「2人だって凛を着せ替え人形にして遊んでたにゃ……」
にこ「うっ」
真姫「ぬ」
ことり「わぁ! 凛ちゃんそのリボンかわいい!」
絵里(復活早いわね)
凛「あっ、つけたままだった……もー! ちゃんと全部取ってって言ったのにー!」
にこ「えーしょうがないでしょー、似合ってたんだから」
ことり「凛ちゃんの衣装にはリボンをつける、っと」
凛「こーとーりーちゃーん!」
ことり「うふふ」
穂乃果「……楽しそう」
絵里(お、温度差がすごい)
絵里「それで? 海未たちはどうなったの?」
穂乃果「それでね、ことりちゃんに膝枕してる間は他の人が暇だから、希ちゃんが1人ずつ膝枕をしてあげるってことになったの」
絵里「うんうん」
穂乃果「そしたら……海未ちゃんが眠たくなってきちゃったみたいで……」
絵里「……うん」
穂乃果「次に花陽ちゃんが海未ちゃんを膝枕したら……完全に……もう……」
穂乃果「幼馴染の膝は弱かったの……ぐすん」
絵里(ああ、目的からそれていくさまがありありと浮かんでくるわ……ことりを寝かせなきゃいけないのに)
絵里「海未もきっと疲れてたのよ」
穂乃果「で、でも! 海未ちゃんは私たちの番になっても全然眠そうになかったもん!」
絵里「それはあれよ、もう少し続けてたらきっと穂乃果たちの番で……」
穂乃果「違うよ……きっと穂乃果たちの膝には魅力がないんだよ……」
絵里(ひ、膝枕ってこんなに奥深いものだったかしら)
絵里(でもμ'sのリーダーである穂乃果をこのままにしておくわけには……)
穂乃果「……」
絵里「よし、わかったわ。私を寝かせてくれるかしら?」
穂乃果「絵里ちゃんを?」
絵里「そうよ。たとえ幼馴染じゃなくたって、私を寝かせることができたら魅力があるってことじゃない?」
絵里(我ながら超理論だけど)
穂乃果「そ、そうか……そうだよね! わかった!」
絵里「うん、じゃあお願いします」
穂乃果「頑張るよ!」
ことり「あ、そうだ! この衣装とこの衣装を組み合わせて……」
凛「ま、まだ着替えるの!?」
真姫「……そういえばやっぱり暑い気がするんだけど、この部室」
にこ「もう温度下げちゃいなさい。1度くらい怒られないわよ」
真姫「そうよね」
ことり「これは……尻尾がいるよっ」
凛「尻尾!?」
穂乃果「穂乃果のお膝はどうですか?」
絵里「うん、えっと……そうね、ベストコンディションよ!」
絵里(寝たふりでもいいかしら……)
絵里(あれ? そういえば海未たちは今どこに……)
真姫「海未たちは今どこにいるの?」
絵里(おお、真姫がナイスフォローを)
ことり「えー……あ、そうだ。教室で寝てるよ」
絵里(異様な光景ね……)
にこ「とりあえず連れてくるわよ」
真姫「そうね」
凛「り、凛も行く! これ以上かわいい服ばーっかり着てたら凛じゃなくなっちゃう!」
ことり「そっかぁ……じゃあ私も行こうっと」
凛「……ことりちゃん衣装下ろして」
ことり「あ、つい」
真姫「え、まだ暑いの?」
にこ「今のは違うでしょ」
ことり「じゃあ穂乃果ちゃん、ここはお願いねっ」
穂乃果「うん!」
絵里(ねたふりねたふり)
にこ「ふふ、よく雪山では寝たら死ぬぞーって言うわよね」
穂乃果「」
穂乃果「……」
絵里(行ったわね……よし、これで寝たふりを続ければ……でもさっきにこが何か言ったような気がするけど何だったのかしら)
穂乃果「え、絵里ちゃん、起きてる……?」
絵里「……」
絵里(穂乃果の自信のためにも返事はしちゃダメよね)
穂乃果「ねぇ、絵里ちゃん……本当に寝ちゃったの?」
絵里「……」
絵里(なんだか声に影があるような気が……)
穂乃果「ど、どうしよう……ほ、穂乃果……」
穂乃果「絵里ちゃんを殺しちゃった――――――――」
絵里(えっ、何の話!?)
穂乃果「絵里ちゃん! 起きて!」
絵里(で、でもここで起きたら穂乃果の自信が……)
穂乃果「絵里ちゃん! 目を覚まして!」
絵里(うわああ揺らされるうう)
絵里(な、何なの急に……どうして起こしたいの?)
絵里(……あ、これだけ揺らしても起きなければ、自分の膝枕は完璧だって証明できるものね)
絵里(ここは心を鬼にして……起きない!)
穂乃果「絵里ちゃん……おきてよぉ……」
絵里(……なんで泣き声みたいなのが)
絵里(ちょっと薄眼で見てみようかしら)
穂乃果「うえぇん……」
絵里「!?」
絵里「ど、どうしたの穂乃果!?」
穂乃果「や、やった! 絵里ちゃんが生き返った!」
絵里「え? 何? 何なの?」
穂乃果「よかったぁ……」
絵里「どういうことなの?」
穂乃果「だって体温が下がると死んじゃうから……」
絵里「……冷房のこと?」
穂乃果「うん。よくお母さんもクーラーつけたまま寝ると風邪ひくっていうし……絵里ちゃんはお布団も被ってなかったから……」
絵里(ここでこんなかわいいイベントが起きるとは……起きて良かった)
絵里「大丈夫よ、私の故郷はロシアなんだし、寒いのには慣れてるわ」
絵里(たぶん)
穂乃果「本当に?」
絵里「そうよ」
穂乃果「……ロシアってどのくらい寒いの?」
絵里(あんまり覚えてない)
絵里「鼻水が出たら凍るくらいよ」
穂乃果「ええっ!? じゃあお外でジュースも飲めないよ!?」
絵里「ふふ、そうなるわね」
海未「……おはようございます」
ことり「連れてきたよっ!」
穂乃果「あ、おかえりー」
絵里「おかえりなさい」
希「あ、えりち何してたん?」
絵里「内緒よ」
にこ「また遊んでたんじゃないの?」
絵里「またとは何よまたとは」
真姫「あー、外は暑かったわ……」
花陽「教室は結構涼しかったよ?」
真姫「あんなの涼しいうちに入らないわ」
凛「……ちょっと寒くないかにゃー」
にこ「うわっ!? 何よその格好!」
ことり「衣装をアレンジしてみました。ずばりヘソ出し!」
花陽「お、お腹が冷えちゃうよぉ」
ことり「そうだねぇ……じゃあ下に何を着よっか」
凛「制服がいいにゃああああ!」
希「作詞の完成度は……まあはっきり言って0かな」
絵里「こっちの方は大丈夫よ。凛はちゃんと可愛い服着てくれたし」
凛「不本意ながら」
穂乃果「海未ちゃんの浮気は今回大目に見ます」
海未「う、浮気と言うわけでは……というか私は少しぼーっとしていただけですよ」
花陽「ふふっ、でもうとうとしてたよね」
海未「花陽! それは言わない約束で……」
にこ「珍しいこともあるのね。花陽が主導権を握るなんて」
絵里(まあ作詞が全然できてないのは予想通りだからいいとして……)
ことり「うーん……何で浮かばないんだろう」
絵里(ことりが滅入ってしまわないか心配ね)
絵里「じゃあ今日は早いけど解散にしましょうか。各自ストレッチはやっておくこと。いいわね?」
花陽「はーい」
真姫「はいはい」
にこ「んー、そうさせてもらうわ」
絵里「あとことり、こっちに来て」
ことり「え? 私?」
絵里「うん」
絵里「……よし、みんな出て行ったわね」
ことり「何か話するの?」
絵里「そう、ちょっとだけね」
絵里(少しヒントをあげるくらいならいいでしょう……それに時期が違うから本当にうまく詞が完成するとは限らないし)
絵里「ことりは、歌詞を作るとき何を考えてる?」
ことり「うーん……お菓子とか衣装とか……可愛いもののことばっかりかなぁ?」
絵里「アキバのことは考えてる?」
ことり「うんっ! 最近話題のマカロンのこととか、メイド服のこととか!」
絵里「じゃあ、自分のことは?」
ことり「自分の……こと?」
絵里「ええ、ことりが歌詞を書くんだから、ことりの目線になって書いてもいいってことよ」
ことり「……」
絵里「今はわからないかもしれないわね。ほら、穂乃果たちを待たせてるから帰りましょうか」
ことり「……うんっ!」
絵里(これで何かつかめるといいんだけど……)
ことり「……うふふ、歌詞、できちゃったかも」
絵里「えっ、もう!?」
夜また更新できたら更新します
曖昧でごめんよ
専ブラがなにかわかってなかったので半年ROMってます
と言うのは嘘で更新は8時かくらいからです
絵里「もしもし、希」
希「はーい、ウチですよー」
絵里「ちょっと相談があるんだけど」
希「なんでもいいよ、ウチでよければ」
絵里「ありがと」
希「ううん、前のえりちはいっつも1人で頑張ろうとしてたもん。これくらいいいよ」
絵里(ふふ、頼もしいわね)
希「それで、相談って?」
絵里「ことりのこと」
希「ああ、歌詞のこと? ウチ、怒られちゃう?」
絵里「怒らないわよ。むしろ感謝してる」
希「え?」
絵里「希はあんまりμ'sに馴染んでないのに、みんなとうまく仲良くしてくれて」
希「ううん、ウチはそんな……それに前から穂乃果ちゃんたちとは話したりしてたし」
絵里「それがすんなりできるから、私は楽できるのよ」
絵里「ありがと」
希「……もしかしてウチ、口説かれてる?」
絵里「?」
絵里「それで話って言うのは、お察しの通り歌詞のことよ」
希「わかった。それでどう相談なん?」
絵里「いや、ね? ことりにヒントを出そうと思ってちょっと助言したのよ」
希「うんうん」
絵里「そしたら……閃いちゃったみたいで」
希「え? それって悪いこと?」
絵里「いや、未来では穂乃果の助言で閃いたらしいのよ」
希「あー、えりちやからタイムパラドックスが起こるかもって?」
絵里「そういうこと」
希「……でもなんとなく、ことりちゃんに助言するのはえりちやと思ってたよ」
絵里「え?」
希「まあそんな風に思えたってだけで、深い意味はないんよ」
絵里「ふーん……そうなんだ」
一旦停止
しばしおまちを
希「あんまり気に病んでも仕方ないし、今日はもう寝たら?」
絵里「え、もうそんな時間?」
希「今ちょうど10時半」
絵里「あ、ごめん、長話しすぎたわね」
希「ううん、楽しかったで」
絵里「じゃあおやすみ」
希「おやすみー」
絵里「そうよね、私が気にしても仕方ない、かぁ」
絵里「うん……」
亜里沙「お姉ちゃん、ちょっといいかな?」
絵里(亜里沙? こんな時間まで起きてるのは珍しいわね)
絵里「いいわよ」
亜里沙「お邪魔しまーす」
絵里「どうしたの?」
亜里沙「えへへ、誰と話してたの?」
絵里「希よ」
亜里沙「希さんかぁ……うん、お似合いだね!」
絵里「え? お似合いって?」
亜里沙「だって、夜に電話をかける相手って言えば恋人なんじゃないの?」
絵里(少女漫画恐るべし)
絵里「あの、亜里沙。どうして私がそんなにモテモテだと思ってるの?」
亜里沙「μ'sはお姉ちゃんがモテモテだからできたんじゃないの?」
絵里「そんなわけないでしょ……ていうか情報源はどこよ」
亜里沙「だって雪穂が、お姉さんがいつもお姉ちゃんの話ばっかりしてるって言ってたから」
絵里(それは結構うれしい)
亜里沙「犬みたいだって」
絵里「えっ」
亜里沙「μ'sのみんなをしっかり導いてくれて、楽しいときや悲しい時がすぐに顔に出るみたいだよ」
絵里「うっ」
絵里(それは……自覚あるけど、導くなら犬じゃなくても……)
亜里沙「ぼーっとしてたら置いて行かれそうになるくらいすごい勢いで前に走ってて、でもちゃんと待っててくれるのがお姉ちゃんだって言ってたみたい」
絵里(それは犬だわ)
亜里沙「そんなお姉ちゃんが亜里沙は大好きです」
絵里「ふふ、ありがとう」
亜里沙「……だから今日は、一緒に寝ていいかな」
絵里「え、急にどうしたの?」
亜里沙「夏終盤! 心も冷えるホラー特集っていうので見たんだ……日本には、首が長い冷気をまとった壁のように大きい猫のヨーカイがいるんだって……」
絵里(なんかいろいろ混ざってる)
絵里(そしてなんか怖くなってきた)
絵里「いいわよ。じゃあ今日は冷房つけちゃおっか」
亜里沙「いいの?」
絵里「ええ、地球にやさしい生活をしてる絢瀬家だもの。たまには涼んだって怒られないわ」
亜里沙「ハラショー……」
絵里「枕は持ってきてね」
亜里沙「わかった!」
絵里(そういえば、最近は亜里沙と一緒に寝るなんてことはなかったわね)
絵里(……結構久しぶりなんじゃないかしら)
絵里「ちょっと旅行みたいな気分ね」
亜里沙「持ってきたよ!」
絵里「うん、わかっ……」
絵里(YES/NO枕!? それは枕だけど枕じゃない!)
絵里「そ、それをどこから……」
亜里沙「雪穂と一緒にFOキャッチャーにやったらとれたの! 1回でだよ! 1回で!」
亜里沙「でも雪穂は、これは使わない方がいいって言うの。何でかなぁ?」
絵里(穂乃果の妹さんって穂乃果に似てなくてよかったわね)
亜里沙「じゃあ寝よっか」
絵里「う、うん……」
絵里(お姉ちゃんなんだか動揺を隠せません)
亜里沙「あ、お姉ちゃん見て見て、裏もカラフルでかわいいの!」
絵里(ああ、さっきのはピンクのハートマークにYESだったから、裏はNOで……)
亜里沙「青いハートなの」
絵里(裏もYESだった)
亜里沙「今日はどっちにして寝ようかなぁ」
絵里(発言の意味があってるだけに怖い……)
絵里「亜里沙、今日は私と同じ枕で寝ましょう」
亜里沙「え?」
絵里「それは……あの、観賞用にしたほうがいいわ」
亜里沙「あ、それいいね!」
絵里(まあ鑑賞してても問題だけど……)
絵里「じゃあ電気消すから、こっちおいで」
亜里沙「はーい」
絵里「いいわよ。じゃあ今日は冷房つけちゃおっか」
亜里沙「いいの?」
絵里「ええ、地球にやさしい生活をしてる絢瀬家だもの。たまには涼んだって怒られないわ」
亜里沙「ハラショー……」
絵里「枕は持ってきてね」
亜里沙「わかった!」
絵里(そういえば、最近は亜里沙と一緒に寝るなんてことはなかったわね)
絵里(……結構久しぶりなんじゃないかしら)
絵里「ちょっと旅行みたいな気分ね」
亜里沙「持ってきたよ!」
絵里「うん、わかっ……」
絵里(YES/NO枕!? それは枕だけど枕じゃない!)
絵里「そ、それをどこから……」
亜里沙「雪穂と一緒にUFOキャッチャーやったらとれたの! 1回でだよ! 1回で!」
亜里沙「でも雪穂は、これは使わない方がいいって言うの。何でかなぁ?」
絵里(穂乃果の妹さんって穂乃果に似てなくてよかったわね)
亜里沙「……ねぇお姉ちゃん」
絵里「なに?」
亜里沙「……近いね」
絵里「え、暗くてよく見えないんだけど」
亜里沙「お姉ちゃんの匂いがするもん」
絵里「そんなのわかるの?」
亜里沙「うん、すぐわかるよ」
絵里(……ますます犬みたいね)
亜里沙「チョコの匂いがする」
絵里「ええ!? そんなに匂いつくほど食べてないわよ?」
絵里(勉強する前に食べたけど、ちゃんと歯磨きしたし)
亜里沙「ううん、これはね、亜里沙のとっても好きな匂いだから……」
絵里「……亜里沙?」
亜里沙「くぅ……」
絵里「ふふ、寝ちゃったのね。暗いとすぐ寝ちゃうんだから」
絵里「……」
絵里(……匂わないわよね?)
ここまで
実は亜里沙が入れ替わってるネタにしようと思ったけどやめたのは内緒
亜里沙「お姉ちゃん、起きてよぉ」
絵里「ん……」
絵里(あれ、何で亜里沙がここに……そっか、私たち昨日一緒に寝て――――――――)
亜里沙「もう8時だよ? お姉ちゃんってば」
絵里(8時……でも今は夏休みだから……)
絵里「……はちじ?」
亜里沙「8時だよ。もう、お姉ちゃんずっと起きないんだから」
絵里「……うわあああああ! 朝練、遅刻じゃないの!」
亜里沙「ふふ、大丈夫だよお姉ちゃん」
絵里「え? なんで?」
亜里沙「亜里沙がすでに遅れるって連絡を入れておいたからね!」
絵里「あ、亜里沙……」
亜里沙「えっへん。泥船に乗った気でいてね」
絵里(沈む沈む)
絵里「で、みんなはなんて?」
亜里沙「お姉ちゃんの為に朝練は11時からにするって言ってくれたよ」
絵里(あー……みんなには迷惑かけたわね)
絵里「ありがとう、亜里沙」
亜里沙「どういたしまして」
亜里沙「あ、お姉ちゃん。ことりさんからメールが届いてたよ」
絵里「そうなの?」
亜里沙「うん」
絵里「……えーっと」
絵里(歌詞ができました、かぁ……)
絵里「えっ」
絵里「た、タイトルが違ったりは――――――――」
絵里(Wonder zone、よね……よかった)
亜里沙「お姉ちゃんラブレター?」
絵里「亜里沙、お姉ちゃんはそんなにモテません」
亜里沙「うそだー」
絵里(……まあ確かにラブレターは増えたけどね)
亜里沙「お姉ちゃんって本当によく寝るよね」
絵里「どうしたの急に」
亜里沙「いやー、7時から起こしても起きなかったから」
絵里「……そんなに寝てたの?」
亜里沙「うん、だから電話したの」
絵里(そんなに疲れてたっけ……? でもなんだかんだ言って最近はしゃいでるところもあるわね)
亜里沙「だから、寝てるお姉ちゃんにはいたずらし放題だなぁって心配になって」
絵里「うーん、そうかしら」
亜里沙「そうだよ。身の毛もよだつくらいに警戒しないと」
絵里「毛を逆立てて?」
亜里沙「あ、そっちだ」
絵里(それでも意味はちょっと違うけどね)
絵里「でも亜里沙はいたずらしないでしょ?」
亜里沙「どうかなー?」
絵里「えー? 何したのよぉ」
亜里沙「お姉ちゃんの寝顔を撮って送信したの」
絵里「」
絵里(そ、それは……)
絵里「誰に!?」
亜里沙「μ'sのみなさんに」
絵里「」
亜里沙「うそです」
絵里「亜里沙、今日晩ご飯抜き」
亜里沙「し、死んでしまいます!」
絵里「許しません」
亜里沙「じゃ、じゃあお姉ちゃんのとって置いたチョコ食べちゃうもん!」
絵里「ごめんなさい」
亜里沙「お姉ちゃん泣かないで」
絵里「だ、だってぇ……あれは並ばないと買えない……」
亜里沙「食べないから!」
絵里「今度は本当?」
亜里沙「本当だよ! 牛に二言はないよ!」
絵里(それ牛じゃなくて武士よ)
絵里「ごめんね、みんな……」
絵里(間違えて部室に行っちゃってさらに遅れちゃったわ……今日は音楽室だったの忘れてた)
ことり「ううん、大丈夫だよっ」
希「えりちは最近何かと頑張ってたから疲れが出たんやろうね」
にこ「あんたに倒れられたら困るんだから、しっかりしなさいよ?」
絵里「うん、ありがとう」
海未「それではことり、歌詞の方を」
ことり「はーい。真姫ちゃん、ピアノお願いっ」
真姫「ん」
花陽「絵里ちゃん、ここに座って」
凛「凛が温めておきました!」
絵里「夏なのに」
穂乃果「あはは、じゃあ2人とも、よろしくね」
ことり「うんっ」
真姫「ええ」
――――――――――――――――
絵里「わんだー……」
希「えりち、歌ってるなぁ」
花陽「うん、楽しそうだね」
希「そうやね……花陽ちゃん、ちょっと外出てくる?」
花陽「え?」
希「お腹すいたやろ? ご飯食べに行こ?」
花陽「うん、そうしよっか」
希「どこにする?」
花陽「あ、花陽、オススメのお店知ってるんだぁ」
希「じゃあえりち、また後で」
花陽「絵里ちゃん、ちょっと待っててね」
絵里「……うん」
希「ふふ、返事した」
花陽「うん」
――――――――――――――――
ことり「……どうかな?」
穂乃果「……」
凛「……」
真姫「え、ちょ、ちょっとみんな、どうしたのよ」
花陽「いい……」
ことり「え?」
花陽「すごくいいよ! これ、すっごくいい!」
絵里(花陽の語彙が少なくなるほどの高評価)
穂乃果「ことりちゃんらしいというかなんというか……いいよ!」
絵里(穂乃果の語彙は……もともとそんなになかったわね)
海未「なんというか、ことりっぽい感じがします。ふわふわしていてかわいらしい曲ですね」
絵里(海未は知ってるものね。でも歌詞もまったく一緒でよかったわ)
ことり「え、絵里ちゃんはどう思う?」
絵里「え、私?」
ことり「絵里ちゃんのアドバイスがあったから作れたんだよっ! だから……」
にこ「何よ、あんた作詞の手伝いもできるの?」
凛「凛に可愛い服を着せつつことりちゃんをフォロー……さすが絵里ちゃん!」
絵里「や、やめてよ」
穂乃果「さすが生徒会長!」
希「よっ、生徒会長!」
絵里「は、恥ずかしいじゃない……」
絵里(あー……こんな風に褒められるの、慣れてないのよね)
真姫「ほら絵里。感想、言ってあげたら?」
絵里「うん、そうね……」
絵里「ことり」
ことり「は、はいっ!」
絵里「良くできてるわ。自分のことを題材にして、そこにアキバをテーマとして入れる」
絵里「それが上手くまとまっていて、伝えたいこともちゃんと表現できてる」
絵里「ばっちりよ!」
ことり「……ありがとう絵里ちゃん、大好きっ!」
絵里「わ、ことり!?」
希「わー! ことりちゃん大胆!」
にこ「ふふふ、ちょっとこの部屋暑くない?」
凛「お暑いにゃー」
絵里「や、やめてってば!」
ことり「ふふっ」
絵里「ことりも離れて、ほら」
ことり「やだー」
穂乃果「ことりちゃんばっかりずるーい! 穂乃果も後ろから……えーい!」
絵里「わっ、穂乃果まで……もー!」
希「ウチは右からー」
凛「じゃあ凛は左から」
絵里「つ、捕まった……」
にこ「……」
真姫「……」
花陽「……」
海未「……」
絵里(第2波の準備ができてる気がする)
絵里「と、とにかく! この曲はアキバライブの曲に決定します!」
ことり「はーい」
穂乃果「楽しみだねっ!」
絵里「あとは……そう、ダンス! ダンスをみんなで考えて、それからライブよ!」
海未「絵里にはもういい案があるのでは?」
絵里「え? あ……」
絵里(そっか、未来で使ってる振りつけを使えばいいんだ)
絵里「じゃあダンスは今できたから、今日から早速特訓よ」
凛「は、速すぎるにゃ!」
絵里(あ、しまった)
花陽「きっと絵里ちゃんは前から考えてくれてたんじゃないかな?」
希「まあえりちのことやし、それで寝坊したんやない?」
絵里「ち、違うってば!」
にこ「じゃあまず踊ってみなさいよ」
絵里「えー、じゃあ海未も」
海未「わ、私もですか!?」
穂乃果「絵里ちゃんひどい! 海未ちゃんには教えて穂乃果たちには教えてくれないなんて!」
絵里「それはあれよ、海未に考えるの手伝ってもらったりしてて……」
海未「そ、そうですよ。ことりが変な催促をされていると勘違いしないよう秘密裏に……」
にこ「……あんたたちごまかすのヘタすぎるでしょ」
絵里「うっ」
海未「」
絵里「とにかく! 次のライブに向けて練習よ!」
絵里「これでμ'sのラブライブ出場を決定的なものにするんだから!」
穂乃果「おー!」
花陽「お、おーっ!」
凛「頑張るにゃー!」
真姫「そうね」
にこ「ラストスパートよ!」
ことり「おーっ!」
希「ウチも頑張るよ!」
海未「はい、頑張りましょう」
絵里「ではまずダンスから……真姫、ことり、お願いね」
真姫「いつでもどうぞ」
ことり「うん!」
絵里「じゃあ……ワン、ツー、スリー、フォー、ワン、ツー――――――――」
ここまでー
アリーチカの活躍が目まぐるしい
穂乃果「というわけで、今日は待ちに待ったアキバライブの日です」
凛「お、お客さんいっぱい集まってる……」
花陽「緊張してきたぁ……」
真姫「十分練習はしたんだから大丈夫よ」
海未「はい、そうですよ」
凛「海未ちゃんはともかく、なんで真姫ちゃんはそんなに落ち着いてるの?」
真姫「1人なら心細いかもしれないけど、みんなとならやれる気がするもの」
希「真姫ちゃんも丸くなったなぁ」
真姫「べ、別にいいでしょ」
絵里(このままずっと見ていたい)
ことり「みんな、もうすぐ本番だよっ。メイドさんの気持ちになり切ってね!」
にこ「かなり難しいこと言われたわね」
絵里「にこならできるわよ」
にこ「そう?」
絵里「うん、なんかメイドっぽいもん」
にこ「ふっふっふ、そうよね。アイドルとして魅力的なにこは当然――――――――」
絵里「ちっちゃいし」
にこ「なんですってぇ!?」
絵里(怒った)
希「えりち、そんなに笑顔やと、にこっちまた怒るよ?」
絵里「しまった」
にこ「むむむ……」
穂乃果「まあまあ、にこちゃんそんなに怒らないで」
真姫「そうよ。にこちゃんがちっちゃいのは周知の事実だし」
ことり「かわいいから構いません」
にこ「ぐぬぬ」
花陽「ふふっ、みんな相変わらずだねぇ」
凛「うんうん」
絵里「あら、2人とも緊張は?」
花陽「あっ……」
凛「なくなったにゃー!」
絵里「そうそう、その調子でいいのよ。ちゃんと成果は出てくれるわ」
絵里(だって前より確実に、私たちはうまくなってるから)
穂乃果「絵里ちゃんに言われるとそんな気がしてくるよ」
絵里「あら、私は事実を言ったまでよ?」
海未「そうですね」
ことり「じゃあラブライブ出場に向けて、ラストスパートのこのライブ……絶対成功させようねっ!」
真姫「それよりことり、センターだけど大丈夫?」
ことり「えっ」
希「ほら、服とかちゃんとチェックして……」
ことり「は、はい!」
にこ「一番輝くポジションなんだから、しっかりしなさいよね」
ことり「頑張りますっ……」
絵里(あああああ……ことりが見る見るうちに緊張してきてる)
海未「ことり、今回のライブが成功したらチーズケーキを買って、みんなで食べましょう」
穂乃果「ホールでね!」
ことり「ほんと!?」
海未「はい、みんなはそれでいいですか?」
凛「ケーキ!」
花陽「うんっ」
絵里(ふふ、さすが幼馴染ね)
ことり「よーし……成功あるのみだよっ!」
絵里(こ、ことりの目が本気だわ……!)
海未「その勢いで頑張りましょう」
希「そろそろ出る?」
絵里「そうね。もういい頃合いかも」
にこ「穂乃果、リボン緩んでる」
穂乃果「え、どっち?」
花陽「あ、エプロンの方だよぉ」
にこ「他にどこがあるの?」
穂乃果「髪の毛のところ」
絵里「ん? こうして見ると、ちょっとそっちのリボンにも違和感が……」
穂乃果「ええっ!?」
絵里「冗談よ」
穂乃果「もー、ひどいよ絵里ちゃん!」
絵里「あはは、今日は亜里沙も雪穂ちゃんも見に来てくれるんだから頑張らないとね」
穂乃果「うんっ!」
真姫「希、寝ぐせ」
希「えー!? 何で今!?」
真姫「冗談よ」
絵里(あら、真姫も余裕出来ちゃって)
ことり「じゃあ……今日は最高のライブにしようねっ――――――――」
穂乃果「……疲れた」
凛「め、メイド服がこんなに動きにくいなんて」
真姫「予想外ね……」
花陽「わ、私もギリギリ……」
希「えりちー、おんぶー」
絵里「はいどうぞ」
希「え、や、やっぱり恥ずかしいから遠慮しとく……」
絵里「?」
海未「それにしてもみんな、よく動けていましたね」
穂乃果「わーい、褒められたぁ……でももう動けません」
にこ「今日は暑かったのもあるからねぇ……あっつい」
ことり「みんな、今日は打ち上げをしようと思うんだ」
凛「あ、明らかにことりちゃんの体力が有り余ってるにゃ!?」
絵里(チーズケーキパワー恐るべし)
ことり「このあたりでオススメのお店を知ってるんだぁ……みんなはどう?」
真姫「……別に私はいいけど」
絵里(真姫がすごい勢いで着替え始めた)
絵里(なるほど、みんなと一緒に打ち上げしたいってわけね)
凛「真姫ちゃん、素直に一緒に行きたいって言えばいいのに」
真姫「あっ、暑いから早く行きたいだけよ! ここの更衣室狭いもの」
花陽「ば、ばっさりだね……」
にこ「どれくらいおいしいか、このにこが見極めてやろうじゃないの!」
希「ウチは大丈夫やでー」
穂乃果「穂乃果もケーキは食べたいです……でももう立ち上がれません」
絵里「仕方ないわねぇ。ほら穂乃果、ばんざーい」
穂乃果「ばんざーい」
絵里(あっ、妹みたい)
真姫「……絵里って何かとみんなに甘いわよね」
絵里「えっ」
希「それがえりちやからね」
海未「そうですね」
絵里(そんなに甘いかしら……うーん)
花陽「絵里ちゃんも着替えないと……花陽が手伝うね」
絵里「ありがとう」
凛「じゃあかよちんは凛が」
花陽「ありがとう凛ちゃん」
ことり「凛ちゃんは私が」
凛「助かるにゃー」
にこ「毛づくろいみたい」
真姫「そうね」
希「花陽ちゃん、ちょっと横通るよ」
花陽「うん」
絵里「わひゃぅ!?」
花陽「え、絵里ちゃん!?」
凛「どうしたの?」
ことり「なになに?」
絵里「……花陽がくすぐってきたの」
花陽「え? 私なにもしてないよ?」
希「ふっふっふ、今のはウチや」
絵里「ぐぬぬ」
絵里(油断してたわ……)
絵里「よくもやってくれたわね希!」
希「わ、え、えりち許してー!」
穂乃果「ま、前が見えない……」
花陽「わわっ、絵里ちゃん急に動いたら……」
凛「か、かよちん! 結び目がぁ……」
ことり「凛ちゃん動いちゃダメぇ!」
海未「あー……」
真姫「先に着替えててよかったわね」
にこ「うん」
絵里「喰らいなさい……くすぐったいツボ!」
希「あははは……や、やめっ、あははは!」
にこ「うるさいわよ、もー……」
にこ「にこも混ぜなさいよっ!」
真姫「えっ」
海未「そ、そっちですか!?」
絵里「いやー、まさかみんなで温泉に行くことになるとは」
希「汗かいちゃったもんなぁ」
にこ「主に3年生のせいって言うのがシャクよね」
穂乃果「いきかえるー」
海未「そういえば穂乃果の立ち位置は日影がなかったですもんね」
ことり「ケーキ、おいしかったぁ……」
凛「うんうん、あんなケーキは初めて食べたよ」
花陽「でもでも、あそこのプリンもおいしかったよぉ」
真姫「……何でここは富士山の絵があるの?」
絵里「えーっと……そういうデザインよ!」
希「スピリチュアルパワーが出るんよ!」
にこ「にっこにっこにー」
穂乃果「にこちゃん、最後のは関係ないよ」
にこ「希のも関係ないでしょうが」
絵里(あ、よかった。合ってたんだ)
穂乃果「近くの銭湯でもよかったんだけどね。なんとカバンの中からクーポンが出てきちゃったから」
海未「ちゃんと整理していないことがこんな時にで役に立つとは思いませんでしたね」
穂乃果「うんうん」
凛「かよちん、凛あのサウナに行きたいにゃ」
花陽「うん、いいよぉ」
絵里(こんな近くに温泉ができてたなんて……これもタイムパラドックスってやつかしら。みんな行ったことなかったものね)
希「えりちはここ来たことあるん?」
絵里「ううん、初めてよ」
希「そうやんな、この辺ってあんまり来たことないし」
穂乃果「穂乃果もね、学校帰りにおいしそうな匂いに誘われてこっちに来たんだ」
絵里「あはは、結局何の食べ物だったの?」
穂乃果「お好み焼きだった」
絵里(あ、スイーツとかじゃないんだ)
穂乃果「その時にね、いい食べっぷりだーって店主の人がくれたんだぁ」
希「今日のケーキの食べっぷりもすごかったなぁ」
にこ「お皿まで食べそうだったものね」
穂乃果「ぎくっ」
にこ「えっ」
海未「そういえば珍しいですね。銭湯ではないのに富士山の絵と言うのは」
ことり「うん」
真姫「……そういう決まりがあるの? 富士山の絵を置いていい場所とか」
海未「ああいや、別にそう言うわけでは……」
希「実はこの富士山の絵を飾っているところは、世界の温泉研究家が星3つをつけたところだけなのだー!」
真姫「ええっ、そうなの……?」
にこ「常識よ、常識」
絵里(こういう時、2人は息ぴったりよね)
ことり「真姫ちゃんって結構素直だね」
海未「そうですね、なんでも鵜呑みにしますし」
真姫「え? 何のこと?」
穂乃果「眠くなってきちゃった」
絵里「寝たら沈むわよ」
穂乃果「それは困るね」
凛「暑いにゃああ……」
花陽「あ、暑い……」
海未「わ、2人とも大丈夫ですか?」
ことり「顔真っ赤だよ?」
凛「ちょっと油断してたの……」
花陽「もうダメぇ……」
希「水風呂に入ったら?」
凛「そうするにゃ」
海未「足からゆっくり浸かるんですよ」
花陽「うん」
真姫「何? そっちのお風呂は何か違うの?」
にこ「手を突っ込んでみたらわかるわ」
真姫「……」
真姫「こ、壊れてる……!?」
にこ「ぶふっ」
希「よ、予想通りの反応過ぎて……ぷくく」
絵里(私も最初はそう思ったわ)
穂乃果「夜風が涼しい!」
海未「そうですね」
絵里「忘れ物、ないわよね?」
希「うん」
凛「ここのフルーツ牛乳おいしかったね」
にこ「ええ、まさかあれほどとは……」
真姫「あの瓶のキャップってあんな風に開けるのね」
花陽「真姫ちゃんは何飲んだんだっけ」
真姫「コーヒー牛乳よ。花陽は?」
花陽「テイクアウトコーナーでおにぎりを……えへへ」
真姫「本当にご飯好きなのね」
花陽「うんっ」
ことり「おにぎり、おいしかった?」
花陽「うーんと……すごく惜しいというか、炊き加減はよかったんだけど水の量が多いみたいで、ちょっと柔らかい感じだったかなぁ?」
花陽「それを海苔でカバーしようとしてるんだけど、海苔も湿っちゃっててかなりべたべたなイメージが強くて……」
花陽「あれだともう少し固めにして、海苔ももう少し薄いので……」
にこ「なんかお腹すいてきたんだけど」
希「ウチも」
絵里「コンビニでも寄っちゃう?」
海未「そうしましょうか」
海未「買いすぎちゃいましたね……」
絵里「安いって罪よね……」
真姫「穂乃果のそれ、何?」
穂乃果「アメリカンドッグだよ、食べてみる?」
真姫「いいの?」
穂乃果「うん、はい、あーん」
真姫「え」
絵里「ほら真姫、穂乃果が待ってるわよ」
真姫「う、うん。わかってるけど……」
希「もう遅いし誰もいないよー」
真姫「わ、わかってるわよ!」
絵里(ふふふ、緊張してる緊張してる)
凛「真姫ちゃんファイトだよ!」
穂乃果「凛ちゃん、それ穂乃果の台詞なのにぃ」
凛「えへへ。ちょっとだけ貸して」
穂乃果「それならいいよっ! 真姫ちゃんも、早く食べてくれないと穂乃果も食べられないよぉ」
真姫「ま、待って。まだ心の準備が……」
にこ「ことりのそれ、何?」
ことり「ビスケットだよぉ、食べる?」
にこ「んー1つちょうだい」
ことり「はい、あーん」
にこ「ん……まあまあね」
ことり「サクサクしてておいしくない?」
にこ「でもパサパサしてる」
ことり「あ、花陽ちゃんも1つ食べる?」
花陽「ありがとう。もらうね」
真姫「……」
絵里(信じられないという目が)
穂乃果「真姫ちゃん、ことりちゃんを見習って、さあどうぞ!」
真姫「はむっ」
希「おお!」
凛「食べた!」
真姫「……」
穂乃果「お味のほどはいかがですかな?」
真姫「……いたい」
穂乃果「……え?」
真姫「舌噛んだ……」
穂乃果「ええっ!? だ、大丈夫!?」
絵里(かわいい)
希「こうやってみんなで食べながら帰るのって、ちょっと行儀悪いけど楽しいなぁ」
花陽「うん、そうだねぇ」
凛「かよちん。凛たちはもうここで……」
花陽「あ、うん。じゃあみんな、また明日ね」
穂乃果「また明日ー!」
海未「明日は9時からですよ」
凛「わかってるにゃー」
ことり「気を付けてねっ」
絵里「早めに寝るのよー」
にこ「あんたに言われたら説得力あるわね」
絵里「うっ」
花陽「うふふ、じゃあね」
真姫「ん」
絵里(そっか、ここからだと2人は一番近いのかぁ……)
絵里(……こういうのっていつでも寂しいわよね)
にこ「私もここでお別れね」
希「ウチもかなー」
穂乃果「にこちゃんも希ちゃんも、また明日!」
にこ「はいはい」
希「また明日ー」
真姫「じゃあ、私もこのあたりで」
ことり「真姫ちゃんも、さよなら」
真姫「ええ、さよなら」
海未「舌は大丈夫ですか?」
真姫「もう大丈夫。軽いものだったし」
絵里「またね、3人とも」
にこ「明日は寝坊するんじゃないわよー」
希「それウチの台詞やのにー」
真姫「絵里は特に気を付けてね」
絵里「あ、あれ?」
絵里(なんか子ども扱いされてる気分……)
穂乃果「絵里ちゃんはおうちどっちだっけ?」
海未「もう少し先ですよ。ね?」
絵里「そうよ」
ことり「あれ? なんで海未ちゃん知ってるの?」
海未「そ、それは……」
絵里(あはは、この子はやっぱりそういうとこ緩いわね)
絵里「1度来たことがあるのよ」
穂乃果「えっ! いいなぁ……」
ことり「私たちも行ってみたいよぉ」
絵里「また今度、それなら構わないわ」
穂乃果「約束だよ!」
ことり「お願いねっ」
絵里「うん、約束ね」
海未「すみません絵里……」
絵里「いいのいいの。隠しておくことでもないから」
絵里(穂乃果とことりが来てくれるきっかけにもなったし)
穂乃果「あ、じゃあ穂乃果たちはこの辺で」
絵里「あら、もうこんなところまで来てたのね」
ことり「絵里ちゃん、ばいばい」
絵里「バイバイ」
海未「また明日、ですね」
絵里「ええ」
穂乃果「またねー!」
絵里「はいはい」
絵里(1人ぼっちになっちゃった)
絵里「はー……」
絵里(1人の夜って結構心細いのよね)
絵里(そういえば最近、帰りに1人で歩くことなんてなかったわね)
絵里(帰りはほとんどみんな一緒で……)
絵里「……あれ?」
絵里(私、1人で家に帰ったことなんてあったっけ?)
ここまでー
なんか流れで温泉に行ったけど、当初そんな予定はなかった
乙です
…他のも書いてええんやで?(小声)
>>758
ええんか よっしゃりんりんや
凛「凛が2人でふたりんりん」
→凛「凛が2人でふたりんりん」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407054405/)
穂乃果誕スレ ほのえり
絵里「愛をこめて贈りましょう」
→絵里「愛をこめて贈りましょう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407074862/)
こっちの更新は明日の朝とかになる
乙乙
にこえりも出来たら書いてくれると嬉しい
お疲れ様です
先生、たまにはのぞにこが見たいとです…
>>762
にこえり
にこ「鈍感な彼女」
→にこ「鈍感な彼女」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407119187/)
>>763
それは明日にする
希「えりち! ランキングが! ランキングー!」
絵里「どうしたのよ希、まるでランキングの妖精みたいよ?」
希「何のその妖精さん」
絵里「いや、自分でもよくわかんない」
希「あはは……じゃなくて! μ'sのアイドルランキングが……」
絵里(そういえばアキバでライブやった後、ちゃんと見てなかったわね)
絵里(結局打ち上げとか言って……買いすぎたわね)
希「携帯でも見られるはずやから……これで……これ!」
絵里「んー? どれどれ?」
絵里(……あれ? 少し桁が足りないような……)
絵里「これってμ'sの順位よね? A-RISEじゃなくて」
希「うん、ウチもびっくりしてたんやけど……にこっちなんか今朝、興奮して鼻血出してた」
絵里「ああ、もうみんな来てるんだ……ってことは全員知ってるわけね」
希「うん。今日の練習は祝杯からやね! えりちも生徒会の仕事は置いといて早く行こ」
絵里「ええ」
絵里(……まさか1位までのし上がるとは)
絵里「まさに快進撃って感じね」
海未「はい、予想以上の結果になりましたから」
絵里(前はどのくらいだったかしら……確か2ケタはあったわね)
花陽「ゆ、夢みたいだよぉ……」
にこ「こんなところじゃまだまだ終わらないわ! むしろこれからが始まりなのよ!」
にこ「気合入れて行くわよ!」
穂乃果「にこちゃん鼻にティッシュ詰めたまま言っても格好良くないよぉ」
にこ「うっさい」
ことり「でもにこちゃんの言う通りだね」
真姫「そうね。20位以内だからって優勝が決まったわけでもないし」
凛「うんうん、凛たちはもっと頑張らなきゃね!」
希「でも今日は、ひとまずお祝いかな」
花陽「……えええええ!?」
凛「どうしたのかよちん!?」
真姫「何よ、何かあったの?」
花陽「こ、これ見て! A-RISEが……!」
にこ「んー?」
海未「なんですか?」
穂乃果「……7日間連続ライブ?」
凛「そんなに?」
希「ラブライブ出場チームは、2週間後の時点で20位以内に入ったグループ」
希「どのスクールアイドルも最後の追い込みに必死なん」
絵里「20位以下に落ちたところだってまだあきらめてないだろうし、今から追い上げてなんとか出場を勝ち取ろうとしているスクールアイドルもたくさんいる」
真姫「つまり、これからが本番ってわけね」
にこ「それ、今にこが言ったでしょー」
ことり「喜んでる暇はないってことだね……」
穂乃果「よぉし……もっと頑張らないと!」
花陽「で、でも今から何をすれば……」
海未「私たちは1位だからと言ってのんびりしているわけにもいきませんし……」
絵里(……あ、そうだ)
絵里「学園祭でアピールするのはどう?」
絵里(一応屋上になるはずだから、部費とかは全部そっちに回すようにしてあるし……大丈夫よね)
にこ「よし、そうとなったらまずはこの部長に仕事をちょうだい!」
絵里「ふふ、うってつけの仕事があるわ」
にこ「?」
海未「ああ、あれですね」
絵里「そう、あれよ」
にこ「え?」
にこ「……なんで講堂がくじ引きなわけ」
絵里「昔から伝統なのよ」
にこ「むぅ……」
穂乃果「にこちゃん」
にこ「ま、任せてなさい!」
絵里(あら、頼もしくなっちゃって)
にこ「絵里、希、私に運を分けて」
絵里「はいはい」
希「んー……ぷしゅっ! これで大丈夫やで」
にこ「よーし……」
絵里(結果は予想出来てるんだけど……)
希「……えりち。カードがあんまりよくなかったんやけど、大丈夫かなぁ」
絵里(本当によく当たるのね……)
にこ「見てなさい……」
海未「どんな結果であれ、私たちはにこを恨みませんからね」
凛「うんうん」
花陽「にこちゃんがんばってね!」
穂乃果「ファイトだよっ」
にこ「ラブライブ出場、学校存続のためにも負けるわけにはいかないわ! 行くわよ……」
にこ「そりゃああああああ――――――――」
にこ「あああああ……」
穂乃果「……」
ことり「……」
希「……」
凛「……」
花陽「講堂……」
真姫「……使えないのね」
絵里「み、みんな、気を落とさないで」
海未「そうですよ、何も終わったわけじゃないんですから」
絵里(まあこうなるのは予想出来てたけど)
にこ「でもどうすれば……せっかくの出場が……ううぅ」
絵里「大丈夫よ、にこのせいじゃないわ」
にこ「わかってるけど……でも引いたのはにこじゃない」
にこ「絵里、どうしたらいいの?」
絵里(くっ、こっちのにこは私を頼ってくれててめちゃくちゃかわいい……)
絵里(じゃなくて)
絵里「屋上でやりましょう!」
穂乃果「屋上って……ここで!?」
希「お、屋外ライブ?」
花陽「……それはアリかも」
凛「で、でも屋上じゃなくたって、グラウンドとか体育館とか……」
海未「どちらも運動部が使っています」
真姫「なら……ここしかないんじゃない?」
ことり「そうだね、とってもμ'sらしいし!」
絵里「ふふっ、決まりね」
にこ「でもどうするの? 簡易ステージでも作る気?」
絵里「こんなこともあろうかと、設置の準備は万端です!」
凛「ええっ!?」
真姫「先見の明ってやつね……」
穂乃果「すごいよ絵里ちゃん!」
絵里「えへへ……」
絵里(まあ知ってたからね)
絵里「じゃあステージについては私が……」
海未「私も手伝いますよ」
絵里「うん、私と海未で準備するから、今は安心して練習するわよ!」
花陽「おーっ!」
ことり「がんばろう!」
絵里「……海未」
海未「はい、わかってます」
絵里「留学の手紙は来てるみたいなの?」
海未「いえ、どうやらまだのようで……そんなそぶりも全く見せないのです」
絵里(来てない……そんなこともありえるのかしら?)
絵里「でもしばらくは様子見ね」
海未「はい」
穂乃果「2人とも、練習始まるよー」
絵里「はいはい」
海未「はい」
ここまで
アライズ7日間ライブは原作通りなんだぜ……(; ・`д・´)
乙です
最初はどうなるかわからなかったがほんとに強くてにゅーげーむになってるな
なんとなくラジアントヒストリアを思い出した
あっちはガチでタイムスリップだけど
海未「凛、動きすぎ!」
凛「はいっ!」
希「わわっ」
花陽「あ、ごめん希ちゃんっ」
海未「希、花陽、ポジションが近い!」
希「はい!」
花陽「あ、あれぇ……?」
絵里(……みんなの動きが変ね)
絵里「一旦練習ストップ!」
穂乃果「へ?」
ことり「どうしたの?」
絵里「あのね、みんな」
海未「動きがおかしいですね……」
絵里(やっぱり海未は気付いてたみたいね)
海未「どうしたんですか?」
にこ「どうしたって言われてもねぇ……」
凛「凛が動きすぎたせい?」
海未「それは違いますよ」
凛「よかったぁ」
希「なーんかこのダンス、今までやったら結構しんどかったのに、余力が有り余ってる感じがあるなぁ……ウチの気のせい?」
花陽「あ、花陽もそう思うよ」
真姫「1位だったから舞い上がってるんじゃない?」
穂乃果「真姫ちゃんうれしそう」
真姫「ち、違うわよ」
絵里(んー……? 前はこれで結構大変だったはずなのに)
海未「あの、絵里。まさかとは思いますが……」
絵里「え? なに?」
海未「……みんなの実力が、未来よりも上がっている可能性があります」
絵里「ええっ!?」
穂乃果「どうしたの2人とも」
絵里「な、なんでもないわ……」
絵里「……ってそれ、ちょっとまずくない?」
海未「はい、実力に合ったダンスではないせいで、ちょっと空回り気味な部分があるようです」
絵里(そうか、1位になれたのは運でも何でもなく、ただμ'sの実力が上がってしまったせい……)
絵里(私たちのトレーニングでここまで鍛え上げられたってわけね)
海未「絵里、どうします? ダンスを変えた方がいいんでしょうか」
絵里「ダンスを丸々変えてしまうのは、学園祭に間に合うかどうかのプレッシャーになりかねないわ。穂乃果のこともあるし」
海未「そうですね……では付け足しということで、ダンスのボリュームを増やしてみましょうか」
絵里「そうね」
絵里「みんな聞いて、ちょっとだけダンスを変えるわ」
ことり「どんな風に?」
にこ「まさか丸々変えるとか言わないでしょうね」
絵里「安心して。そんなこと言わないわよ」
海未「はい、ただ単純に所々ダンスの動きを追加しようかと思いまして」
凛「追加?」
希「ポーズとか増やすってこと?」
海未「はい、今のままでは不完全燃焼で終わりそうなので……」
穂乃果「できることなら何でもやらないとねっ! みんなはそれでいい?」
ことり「いいよぉ」
花陽「頑張ります!」
真姫「そうね。早く取り掛かりましょう」
絵里(もはや従来のダンスじゃ対応できない……なんだかカッコイイわね)
海未「まずはここのあまり動かない部分から説明しましょう」
絵里(海未もノリノリね)
理事長「失礼していいかしら」
絵里「わっ、理事長!?」
希「あ、こんにちは」
理事長「こんにちは」
理事長「ふふ、そんなに驚かなくてもいいのに」
絵里「すみません……」
絵里(……屋上までの階段で、上ってくる音が全然聞こえなかった)
絵里(私がドアの真横に立ってたのに……恐ろしい)
穂乃果「理事長もお祝いに来てくれたんですか?」
にこ「こ、こら穂乃果……」
理事長「お祝いに来ました」
にこ「えっ」
真姫「?」
理事長「あなたたちのおかげで、この音乃木坂学院の廃校はなくなりました」
絵里「」
希「それって……」
ことり「わ、私たちの夢が……」
花陽「……叶った?」
穂乃果「……」
海未「り、理事長! 本当ですか!?」
理事長「ええ。スクールアイドルグループのμ'sが活躍する音乃木坂学院なんですから」
にこ「で、でもまだラブライブに出場すると決まったわけでは……」
理事長「いいえ、評価されたのはその過程ですよ」
真姫「過程?」
理事長「はい」
理事長「できたばかりのスクールアイドルグループが、ランキング外から一気に1位まで上り詰めた」
理事長「それはこの学院の知名度を大幅に上げたのです」
理事長「だからそれを、お祝いに来ました」
凛「凛たちが……何だか実感がわかないにゃ!」
真姫「信じられないけど……理事長が言うんだから本当のことよね」
花陽「穂乃果ちゃん、やったね!」
穂乃果「……」
希「あれ? 穂乃果ちゃんどうしたん?」
穂乃果「……」
海未「穂乃果?」
ことり「穂乃果ちゃん?」
穂乃果「や……」
にこ「や?」
穂乃果「やったああああああああああ! 」
穂乃果「これで音乃木坂に後輩も入ってくる……廃校がなくなる」
穂乃果「学院が存続できた……ランキングも1位になった……」
穂乃果「も、もう嬉しいことがありすぎて倒れるかも……ぐふっ」
真姫「わ、穂乃果?」
海未「ちょ、ほ、穂乃果ぁ!」
ことり「穂乃果ちゃん!?」
理事長「あらあら。本当に倒れちゃったのね……保健室に連れて行きましょう」
理事長「絢瀬さん、頼める?」
絵里「……あっ、はい!」
希「息もしてるし心臓も動いてる……気絶?」
にこ「はぁ……心臓に悪いわね。絵里、頼んだわよ」
絵里「うん」
理事長「あ、それと南さん。こちらへ」
ことり「はい」
絵里(これは嬉しい誤算……これで穂乃果が思いつめてしまう原因の1つがなくなった)
絵里(穂乃果が落ち込んだ理由はライブの失敗、ことりの留学の2つだった……)
絵里(でも留学については廃校阻止の跡、すぐに上げて落とされたせいもあるのよね)
絵里(だったらこれってすごくいいことじゃない!)
絵里(後はライブを成功させて、ことりの留学のことを早く知らせるだけ)
絵里(完璧ね)
絵里「ふふふ……」
穂乃果「」
絵里(穂乃果がちょっと重いけど)
絵里「失礼しまー……あれ?」
絵里(保健の先生がいない……ああ、出張中なんだっけ)
絵里「ベッド借りますよー」
絵里「……よいしょ」
穂乃果「うーん……」
絵里「うふふ、幸せそうな寝顔」
絵里「……私もちょっと、寝ちゃおうかしら」
絵里「穂乃果が起きる前に……アラームをセットしておきましょう」
絵里「……おやすみなさい」
――――――――これで夢が叶ったわ。よかったじゃない――――――――
そうね。すごくよかった。
――――――――あとは元の世界に帰るだけよ――――――――
元の世界?
ちょっと待って。私が今ここを離れるわけにはいかないわ。
――――――――それはどうしてかしら?――――――――
だってこっちでは、まだ私がサポートしなきゃいけないことがたくさん残ってる。
――――――――ここで戻ったら後悔するってことね――――――――
そう。後悔する。
だから私はもう少しだけ、μ'sを導く必要があるの。
――――――――そう……ならくれぐれも元いた場所を忘れないでね――――――――
―――――――――私はここにいるんだから――――――――
え? 私?
どういうこと? あなたも私なの?
あなたも絢瀬絵里なの?
それと――――――――
――――――――もう1つ
元いた場所って――――――――
――――――――どこ?
ここまでー
ついに帰り道を忘れてしまったエリーチカ
次スレ立つかもしれんなぁ
でも立てても100行かなさそう
それでもいいかな?
>>802
かまへんかまへん
面白くなって参りました
3スレ目目指してもええんやで
2期まで行ってもええんやで
>>763
約束通り立てたよー
のんたんのブラが大変なのぞにこ にこ「希はテンパってる時がかわいい」
→にこ「希はテンパってる時がかわいい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407242510/)
>>804
わーい次スレやー……って名倉やないかい!
>>806 >>809
たぶん多くても2スレで終わると思う
2期までやるのは無理や
だっておれまだ12話13話見てないもん(∀`*ゞ)
こっちはやっぱり明日の朝更新
>>810
リクエストに応えてくれてありがとうございます
のぞにこ、とても良かったです
ことえり続編 ことり「絵里ちゃん見て見てまた手錠だよ」
→ことり「絵里ちゃん見て見てまた手錠だよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407246880/)
>>813
そう言われるとうれしい
昨日は時間あったはずなのに用事入ったから止まったけど今日こそはやり切りたい
絵里「……あれ? ここは……保健室?」
絵里(私、さっきまで何してたんだっけ?)
穂乃果「んー……」
絵里(あ、そうか。穂乃果を運んできて……)
絵里(アラームもまだ鳴ってなかったのね……早く起きすぎたかも)
海未「失礼します」
絵里「あ、はーい」
海未「おや。保健の先生はいらっしゃらないんですね」
絵里「出張中みたいで」
海未「そうでしたか」
絵里「それで、どうしたの?」
海未「……ここではなんですし、一旦部室へ戻りましょうか」
絵里(ああ、ことりの話ね)
絵里「わかったわ」
海未「はい、みんなはまだ屋上で練習していますから」
絵里「穂乃果は……そうね、ちょっとメモを置いておきましょう」
海未「はい」
絵里「で、どんな感じだった?」
海未「はい。理事長がことりを呼んだ時点でだいたいの察しはついたんですが……やはりことりは見るからに不安げでした」
絵里「そうよね……」
絵里「たぶん今日あたり、海未に相談を持ちかけて来るんじゃない?」
海未「はい、おそらくはそうなりますね」
絵里「今回は穂乃果の様子も落ち着いてるし、まだ幾分ましになるとは思うけど……早めに話しておいた方がいいのは確かね」
海未「そこで相談なんですが……」
絵里「何かしら?」
海未「今日、一緒に帰ってくれませんか? 私とことりと一緒に」
絵里(なるほど、話しやすい空気を作ろうってわけね)
絵里「もちろんよ」
海未「ありがとうございます」
絵里「……でも何で私も一緒に?」
海未「え? だってそれは――――――――」
絵里「それは?」
海未「今、私たちを引っ張ってくれているのは、他の誰でもない絵里だからですよ」
絵里「……そっか」
絵里(うれしいなぁ……)
絵里(……でも犬みたいとか言われてたのよね)
絵里「それじゃ、穂乃果はどうする? あのままにしておくのは心配だし……」
海未「そうですね……」
海未「あ! いいことを思いつきましたよ」
絵里「?」
絵里「こ、ことりー?」
ことり「あ、絵里ちゃん……」
絵里(み、見るからに暗い……私たちは何でこんなこと気付かなかったんだろう)
絵里「練習頑張りましょうね」
ことり「うん……穂乃果ちゃんと海未ちゃんは?」
絵里「穂乃果の付き添いで先に帰ることになったの。だから帰りは2人きりね」
ことり「うん、そうだね……」
絵里(暗い)
希「あれー、2人とも今日は早退?」
にこ「早退って何よ。まだ夏休みなんだから」
真姫「そういえば宿題やったの?」
にこ「」
希「」
凛「」
絵里(あ、こっちも大変なんだ)
希「え、えりち手伝ってぇ!」
にこ「助けてにこーっ!」
絵里「わわっ、抱き着かなくてもちゃんと手伝うから、ね?」
希「わーい」
にこ「さっすがー」
凛「凛も教えてほしいにゃー……」
花陽「わ、私も絵里ちゃんに教えてほしいところあるなぁ……」
真姫「……私も」
絵里(あらら、結局みんな教えてほしいのね)
ことり「……」
絵里(それよりことりを早く何とかしないと……)
希「あ、えりち。ちょっといい?」
絵里「え? いいけど……」
にこ「あんたたちはちゃんと練習してなさいよ」
凛「どこか行くのー?」
にこ「手伝ってもらう日を決めるのよ。後で教えるから」
希「で、ことりちゃんどうしたん?」
にこ「急にテンション下がったわよね」
絵里「あ、2人とも気付いてたんだ」
にこ「当然じゃない」
希「うん、あの時はえりちも海未ちゃんも穂乃果ちゃんもいなかったから、変化にはすぐ気付けたんよ」
絵里「え? どういう意味?」
にこ「目立つ3人がいなかったから、ことりの様子が浮き彫りになってたってこと」
絵里「なるほど……」
希「えりち、何か知ってる?」
にこ「そうよ。あんた最近私たちに未来の話しないじゃない」
絵里「え、あ……」
絵里(そうだ。2人には教えてたんじゃない……何で忘れてたんだろう)
希「教えられる範囲でいいから何かない? ことりちゃんすごくつらそうで……」
絵里「そうね……」
絵里(留学はことりが隠しておきたいことよね……)
絵里「あのね、これは私も経験したわ」
にこ「じゃあ……」
絵里「でもね。これはことりの許可なしには言えないの。ごめんなさい」
希「そっかぁ……」
にこ「ま、あんたに任せてれば間違いはないでしょうね」
絵里「え?」
にこ「信頼してるのよ。絵里」
希「うんっ、えりちに任せてれば安心やね」
絵里「2人とも……ありがとう」
にこ「それで、また海未と何か話してたんでしょ? それは話せる?」
絵里「ええ、それは大丈夫よ」
希「聞かせて聞かせて」
絵里「海未がね、いい考えがあるって言って……」
希「あ、それでことりちゃんと2人にしようとしてたん?」
絵里「あら、バレてたの?」
にこ「バレバレよ。だから穂乃果と一緒に帰ったのね」
絵里「正解」
絵里(……2人に頼れたらもう少し楽になるのかしら)
絵里(でも、これは海未にとってもことりにとっても……穂乃果にとっても大切なこと)
絵里(私がやらなきゃね……!)
にこ「じゃあ戻るわよ」
希「えりち、応援してるで」
絵里「うん」
花陽「あ、日程決まったの?」
希「ううん、えりちの予定次第ってことになって」
絵里「ごめんね」
真姫「いいのよ。それじゃ、始めましょ。ダンスの付け足しはある程度海未がやってくれたから」
凛「今日もいっぱいおどるにゃー!」
にこ「あんたなんかバカっぽいわよ」
凛「ええっ」
ことり「……うん」
花陽「ことりちゃん、どうしたの?」
ことり「ううん、なんでもないよ」
絵里「……」
希「はー……今日はこのくらいにしとく?」
にこ「そうね」
凛「あれ? もう終わり?」
花陽「まだ余力は残ってるよ?」
絵里「あえて残してるのよ。夏バテだってあるし、みんなが穂乃果みたいに倒れられたら困るからね」
真姫「ふーん……ならもう解散?」
絵里「ええ。もう解散」
凛「そっかぁ。じゃあ真姫ちゃん、かよちん、帰ろっ」
花陽「うん」
真姫「そうね」
希「じゃあウチら帰ろっか」
にこ「うん」
絵里「ことりもほら、帰ろう?」
ことり「うん、そうするよ」
絵里「……」
希「ウチらは先に出とくでー」
絵里「はーい」
絵里(希には気を遣ってもらってばっかりね……ふふ)
ことり「……」
絵里「ことり?」
ことり「……絵里ちゃん」
絵里「なぁに? 私はここにいるわよ?」
ことり「うぅっ……絵里ちゃん……っ」
絵里「え、ど、どうしたの? ことり、泣かないで」
ことり「絵里ちゃん、ごめんねっ……ごめんね……」
絵里(何で泣くの……? 留学の相談じゃないのかしら)
ことり「絵里ちゃん、ことりね……」
絵里「うん、聞いてるわ」
ことり「お母さんから……手紙が届いたって言われて……」
絵里「うん」
ことり「私が……今すぐ留学しないか、って」
絵里(今すぐ……ちょっと急ね)
ことり「残りの夏休みと2学期の最初の方までの間……短期留学をしないか、って」
絵里「短期……留学?」
絵里(そんな……いくらなんでも急な……)
絵里(それに未来と違う)
絵里「服飾関連の話……よね?」
ことり「……よくわかったね、絵里ちゃん」
絵里「うん、だってことり、衣装作るの上手だもの」
ことり「えへへ、ありがと……」
絵里「ことりは留学したいの?」
ことり「うん、したいよ……でも……」
絵里「でも?」
ことり「もし、ラブライブに出場しちゃったら、私はそれまでに帰って来れないの」
ことり「だから、私はどうすればいいかわからなくって……」
絵里「そう、なんだ……」
ことり「絶対に間に合わないってわけじゃないの。すぐに帰って来れることもあるっていうんだけど、そのところが曖昧で……」
絵里(ことりが帰って来る可能性に賭けて、ラブライブ出場を決めるか)
絵里(ことりが帰って来る可能性を捨てて、ラブライブ出場を逃すか)
絵里(ことりに留学をあきらめてもらって、ラブライブ出場を決めるか)
絵里(……私1人には、到底選べない)
絵里「……私以外にはもう話した?」
ことり「ううん、まだだよ。海未ちゃんと穂乃果ちゃんにも聞いてほしいんだけど……」
絵里(やっぱりそう来るわよね……)
絵里「それっていつまでに決めなきゃいけないの?」
ことり「1週間後までだよ」
絵里「1週間後……」
絵里(1週間ってことは、ラブライブ出場が決まるかどうかの前日よね)
絵里(どちらにせよ、決まってからの判断はできない……それに学園祭もある)
絵里「……」
絵里「まずは海未たちに話しましょうか」
ことり「ま、待って絵里ちゃん!」
絵里「え?」
ことり「まだ、私……自分で結論を出してから、2人に話したくて」
絵里「ことり……」
ことり「だから今は、2人には話さないでほしいの」
絵里「うん、わかった」
絵里(結論……かぁ)
ここまでー
音ノ木ですよっと
なんかネタ潰しになりそうでいいたくないんだが
穂乃果中心じゃなくなってるよな
絵里(私は、どうするべきかしら)
絵里(ことりの意志は尊重したい……でも穂乃果たちに早く教えたいって言うのもある)
絵里「ううー……海未はこの重圧に耐えてたのね」
絵里「……よし、部屋でごろごろしてても仕方ない」
絵里(誰かに相談してみようかしら)
亜里沙「お姉ちゃん、起きてるー?」
絵里(妹に頼るのも……いいわよね?)
絵里「ええ、起きてるわ。入っていいわよ」
亜里沙「ん、ありがとう」
亜里沙「明日ね、雪穂と遊ぶから、お昼に亜里沙は家にいないんだ」
絵里「うん、わかった」
亜里沙「伝えたかったのはそれだけなの」
絵里「……じゃあ私からもお話があるんだけど」
亜里沙「恋文?」
絵里「日本語にしただけで、聞いてることは前と変わらないじゃない……」
亜里沙「でも恋文の方がかっこいいよ! 矢に結んで下駄箱に撃つんだよねっ!」
絵里「それは矢文よ。そんなバイオレンスな現代は恐ろしいわ」
亜里沙「だったら……なんだろう?」
絵里「ちょっとね、相談よ」
亜里沙「そ、相談!?」
絵里(何でこんなに驚くのかしら)
亜里沙「物は相談ってやつだよね!」
絵里「おお、その使い方は間違ってないわね」
亜里沙「うん、今日授業で習ったもん!」
絵里(なるほど、だからテンション高かったんだ)
亜里沙「何かなぁ……恋愛相談かなぁ」
絵里(でも考えは変わってない、と)
絵里「あのね、私の友達でKさんって子がいるの」
亜里沙「Kさんね、うん」
絵里「別にメモは取らなくてもいいんだけど……」
亜里沙「ううん、お姉ちゃんからの相談だもん。ちゃんと解決したいから」
絵里(亜里沙……)
亜里沙「それで、誰に告白するの?」
絵里「亜里沙、もう寝なさい」
亜里沙「ごめんなさい」
絵里「Kさんはね、幼馴染の2人に大切なことを隠してます」
亜里沙「大切なこと?」
絵里「そう、大切なこと」
亜里沙「お姉ちゃんは何で知ってるの?」
絵里「Kさんに相談されたのよ。どうしたらいいか、って」
亜里沙「そうなんだぁ……でもお姉ちゃんなら相談したいって思えるなぁ」
絵里「どうして?」
亜里沙「お姉ちゃんは優しいから」
絵里「……そう?」
亜里沙「うん。過保護」
絵里「えっ」
亜里沙「あ、違う。面倒見がいいっていうやつ」
絵里(びっくりした)
亜里沙「じゃあお姉ちゃんは、Kさんがどんなことを隠してるかも知ってるんだ」
絵里「そうね。うん、とっても大切なことなの」
絵里「Kさんはその幼馴染とちょっとした……そうね、約束めいたものをしてるの。日時が決まった約束を、ね」
亜里沙「うんうん」
絵里「でもちょうど、Kさんの夢を叶えられるチャンスが来たのよ」
絵里「だけどそのチャンスをつかむと、幼馴染2人との約束が守れないかもしれないの」
絵里「だから私に、どうしたらいいか、って」
亜里沙「なるほどぉ……」
絵里(ちょっと難しかったかしら)
亜里沙「Kさんはどうしたいって言ってるの?」
絵里「チャンスをつかみたいんだって。でも約束を破るのも嫌なのよ」
亜里沙「なら話は簡単じゃないかな?」
絵里「え?」
亜里沙「お姉ちゃんに相談してきたってことは、それはお姉ちゃんに何とかしてほしいってことだよね?」
絵里「うん、まあ……そうなるわね」
亜里沙「でしょ? だったらお姉ちゃんがそれを手伝ってあげればいいんじゃないかな?」
絵里「手伝う?」
亜里沙「うん。1人ならできなくても、2人ならできるかもしれないよ」
絵里(1人ではできなくて2人ならできる……)
亜里沙「オールフォアワン、ワンフォアワンだよ!」
絵里「亜里沙、それって……お前のものはおれのもの、おれのものもおれのもの、って風になってるわよ」
亜里沙「あれ?」
絵里(ふふ、でも亜里沙に相談してよかった)
絵里「ありがとう。ちょっと解決できるかもしれないわ」
亜里沙「どういたしまして。三角関係ってやつのお話でしょ? 亜里沙も聞けて、また1つ大人になったよ」
絵里(この子、本当にブレないわね……尊敬するわ)
絵里「じゃあ亜里沙、おやすみ」
亜里沙「うん、おやすみなさい」
絵里「明日は暑いから、飲み物とタオル、忘れないようにね」
亜里沙「はーい」
絵里「……」
絵里(1人より2人、かぁ……)
絵里(いい言葉ね)
絵里「ことりが結論を出すまで焦っても仕方ないわよね」
絵里「だったら私は、ことりの意見を受け止められるよう、どっしり構えておかないと」
絵里(ちょっと気が楽になったかも)
絵里(明日も練習あるし、早く寝ましょう)
絵里「……雨、かぁ」
絵里(穂乃果からの練習中止の電話で起きたけど、確かにこの雨じゃ練習は無理そうね)
絵里(ちょっとでも降ると屋上は使えないし、部室じゃできることも限られるし……なら休養日ってことにした方がいいわよね)
絵里「亜里沙、遊びに行くのは大丈夫なの?」
亜里沙「うん、おうちに入れてもらうから大丈夫だよ」
絵里「何かお菓子でも持っていく?」
亜里沙「ちゃんと買っておきました」
絵里「なるほど、なら安心ね。じゃあ気をつけていってらっしゃい」
亜里沙「いってきまーす」
絵里「……」
絵里(暇だわ)
絵里(私、練習がない日って何してたかしら)
絵里「あ、電話だ。誰からだろう……」
絵里「……ことりから?」
絵里「もしもし」
ことり「絵里ちゃん?」
絵里「そうよ。どうしたのことり? 相談の続き?」
ことり「ううん、私、決めたの」
絵里「決めたって……もしかして」
ことり「私、留学しないことにする」
絵里「えっ……」
絵里(嘘……てっきりことりは留学するものだとばかり……)
ことり「あのね、昨日一晩中考えて決めたんだ」
ことり「今は私、絵里ちゃんたちとまだ一緒にいたいの」
ことり「みんなに迷惑をかけたくないし、これが1番いいと思って」
絵里「ことり……」
ことり「だから今日、穂乃果ちゃんと海未ちゃんにも話そうと思って……でもやっぱり、絵里ちゃんがいてくれた方が心強くて」
絵里「そう、なのね……」
絵里(私が口出しできることじゃないわよね……でも……)
絵里「穂乃果たちを呼ぶなら、私の家に来たら?」
ことり「え?」
絵里「今日は亜里沙がいなくてさびしかったの。私もいるし、それじゃダメかしら?」
ことり「ううん、そんなことない……そうさせてもらうね」
絵里「ええ、じゃあ待ってるわ」
絵里「……」
絵里(ことりが考えて決めたのよね……なら私が口出しできる余地は……)
絵里「なら何で、自分の家に呼んだのよ……」
絵里(ことりに話を聞きたかったから? 違うわよね)
絵里(ことりに意見を変えてほしかったから……よね)
絵里「……」
絵里(私ができることはなかった、それが嫌だから)
絵里「……私ってば嫌な子」
絵里「でも……」
絵里(あれは絶対、ことりの本心じゃない――――――――)
ことり「お邪魔します」
絵里「いらっしゃい。どうぞ、あがって」
ことり「はーい」
絵里(クマができてる……相当悩んでたみたいね)
絵里「お茶とオレンジジュース、どっちがいい?」
ことり「ジュースがいいかな」
絵里「わかったわ」
ことり「……」
絵里「……」
絵里(雨って、結構雰囲気を重くするものなのね)
絵里「穂乃果たちは?」
ことり「遅れて来るよ。あと30分くらい後に来るって言ってたから」
絵里(30分、かぁ……)
絵里「なら少しお話でもしましょうか」
ことり「うん、そうしよっか」
絵里「はい、ジュース」
ことり「ありがとう」
絵里「……」
ことり「何のお話する?」
絵里「それは――――――――」
絵里(うん、迷ってちゃダメ。ことりの本心を聞かなきゃ)
絵里「ことりが留学をやめた理由について」
ことり「!」
ことり「そ、それは電話でも話したよね?」
絵里「そうね。ことりの顔はちゃんと見てないからわからないけど」
ことり「……私が嘘ついてると思ってる?」
絵里「ええ」
ことり「嘘なんてついてないよぉ。だってあれは心からそう思ってて……」
絵里(それが本心なら……本心ならどうして……)
絵里「ことり、どうしてそんな悲しそうな顔をするの?」
ことり「そっ……そんな顔、してない!」
絵里「してるわよ」
ことり「してないもん……悲しくないもん」
絵里「ことり」
ことり「だからもう、この話はおしまいで――――――――」
絵里「留学なんてしたくないって、笑って言える?」
ことり「……」
ことり「……そんなの」
絵里「うん」
ことり「そんなのっ……言えないよぉ……!」
ことり「したいよ、留学……」
絵里(やっぱりね。ことりは2人に気を遣ってる)
絵里(心配させないように、隠そうとしてる)
絵里「ごめんね、こんなこと言って」
ことり「……ううん、嘘ついてごめんね」
絵里「いいのよ。本心が聞けたから」
ことり「……」
絵里「穂乃果たちには、留学はしないって言うつもり?」
ことり「うん……ラブライブはみんなの夢で、穂乃果ちゃんやにこちゃんはきっと叶えたい夢だから」
絵里「でも本当は行きたいのよね?」
ことり「そうだよ……でも迷ってたら何もかも、間に合わなくなっちゃうから」
絵里(間に合わない、か)
絵里(留学が始まってから帰って来る日程が、ラブライブ以前だったらことりは留学できる)
絵里(それさえどうにかできれば……)
絵里「ん? ちょっと待って」
ことり「どうしたの?」
絵里「ことり、修学期間は決まってるわよね?」
ことり「うん、もちろんだよ。それは決まってるけど……手続きがいろいろあって」
絵里「手続きって言うと……留学先での事務みたいな?」
ことり「そういうこと」
絵里「……」
絵里(1人より2人、よね)
絵里「ことり、留学しなさい」
ことり「えっ!? で、でも絵里ちゃん、それじゃラブライブに……!」
絵里「決めた、決めたわ私」
ことり「決めたって何を……」
絵里「私、絢瀬絵里は、あなたの留学の付添人になります」
絵里「事務も手続きも何もかも、全部私が引き受けてあげる」
ことり「ええっ!?」
絵里「そうと決まれば話は早いわ。早速理事長に電話して」
ことり「で、でも」
絵里「ほら早く!」
ことり「は、はいっ!」
絵里「私、一応生徒会長だからきっと大丈夫よ」
絵里(ちょっと自信ないけど……)
ことり「絵里ちゃん……」
ことり「あ、もしもしお母さん? 留学の話なんだけど……うん」
ことり「うん、それでね、絵里ちゃんが付き添ってくれるって言うんだけど……うん、そう。手続きとか……」
ことり「……わかった」
絵里「どうだって?」
ことり「絵里ちゃんに代わってほしい、って」
絵里(ここが正念場ね……)
絵里「うん、わかったわ」
絵里「もしもし、お電話代わりました」
理事長「絢瀬さん、ことりから話は聞きました。その件についてですが……」
絵里(……神様、お願いします)
理事長「もちろん許可します」
絵里「……」
理事長「あのー、聞こえましたか?」
絵里「え、あっ、はい!」
絵里(喜びの余り、つい意識が……)
絵里「ありがとうございます!」
理事長「いいえ、感謝するのは私の方です。娘の背中を押してくれてどうもありがとう」
絵里「理事長……」
理事長「2学期の最初の出席は公欠扱いにしておきます」
絵里「はいっ!」
理事長「本当はダメなんですよ? 私の独断で決めてしまうのは……」
理事長「ですがあなたなら、誰も文句は言いませんよ。学院の存続に貢献してくれているあなたなら、成績も優秀ですし。全教科満点ですからね」
絵里(テストの問題を知ってた効果がここに出てくるとは)
理事長「非の打ちどころがないんですから、これは成績優秀者の……いえ、生徒会長としての付き添いを許可します」
絵里「ありがとうございます」
理事長「ですが条件があります」
絵里「何でしょうか」
理事長「私や教員のみなさまに、お土産を買ってきてくださいねっ」
絵里「もちろんです!」
理事長「ではこの話は終わりです。向こうの学校にも話しておきますね」
絵里「ありがとうございました」
ことり「え、絵里ちゃん、どうだった?」
絵里「ふふふ……」
ことり「え、絵里ちゃん……?」
絵里「許可が下りたわ!」
ことり「ってことは……」
絵里「ええ、そういうことよ。修学期間は?」
ことり「5日間だけ!」
絵里(ラブライブ出場が決まれば、そのちょうど1週間後にラブライブ本戦が始まる……ってことは完璧ね)
絵里「私が手続きを済ませれば、ラブライブに絶対出場できるわよ」
ことり「やったぁ!」
ことり「絵里ちゃん、ありがとう……本当にありがとうっ!」
絵里「いいのよ。だってことりは大切な仲間なんだから」
ことり「うんっ! ありがとう!」
絵里「今日はちょっとお高いチョコでも食べちゃう?」
ことり「え、いいの?」
絵里「お祝いだからね。まあ穂乃果たちが来てからだけど」
ことり「うん、そうだねっ」
絵里(あの時、亜里沙に食べられてなくて本当によかった……)
絵里(私もわざわざ残してて、本当によかった)
絵里「じゃあ後は学園祭よ!」
ことり「私も衣装作り、もっと頑張るね!」
絵里「ええ、頼んだわよ」
絵里(よかった……本当に……)
絵里「……あれ? 外、晴れてるわね」
ことり「本当だ……私たちをお祝いしてくれてるのかも」
絵里「ふふっ、そうかもね」
ここまでー
ことりちゃんってどこに留学するんだっけ
フランスのロンドンに渡米するチカ
>>877
全然かしこくないチカ
じゃあパリにしよう
一瞬ロシアって選択肢も思いついたけど、ロシア帰ってもすることないからパリ
海未「お邪魔します」
穂乃果「おじゃましまーす……わぁー! 絵里ちゃんのおうち、絵里ちゃんの匂いがする!」
絵里「え? そう?」
穂乃果「うん、なんというか……チョコかな」
絵里(やっぱり)
絵里「2人ともあがって。ことりがリビングで待ってるから」
穂乃果「はーい」
絵里「……で、海未。話があるんだけど、いい?」
海未「ええ。私もそう来るとは思っていました」
絵里「察しがいいのね」
海未「はい。1度経験していますからね」
絵里「まあ、ことりの留学についての話よ」
海未「……絵里には話したのに、私には教えてくれませんでした」
絵里(海未がしょんぼりしてる……かわいい)
絵里「海未、心配しないで。ことりにとって2人は大切な人だから、言うのを躊躇っちゃったのよ」
海未「そうだといいんですが……」
絵里「今はラブライブ出場の大事な時期だから、2人に心配かけたくなかったのかもね」
海未「ううむ……私も穂乃果のように周りが見えていなかった、と思われていたのでしょうか」
絵里(……確かに今の海未は、ラブライブに対して結構乗り気に見えるかも。練習量とか、穂乃果たちから見たらかなり気合入ってるように見えるし)
絵里「まあそれは置いといて」
海未「むむ、なんだか誤魔化された気分です」
絵里「ご、誤魔化してなんかないってば」
絵里「それでね、本題に入ろうと思うんだけど……」
海未「はい」
絵里「……ごめんなさい!」
海未「え? どうしたんですか?」
絵里「あの、私……海未の意見を聞く前に、結論出しちゃって……」
海未「結論……? 結論とは?」
絵里「それは――――――――」
穂乃果「海未ちゃん、絵里ちゃん。何してるのー?」
絵里「あ、今行くわ!」
絵里「海未、ことりの話を聞いてくれればわかると思う」
絵里「今回は許してください……」
海未「え、絵里。顔を上げてください」
絵里「でも……」
海未「私は、μ'sのみんなと一緒で絵里を信頼しているんですよ?」
絵里「うん、それはわかってるんだけど……」
海未「いいえ、わかっていません」
絵里「え?」
海未「私が全幅の信頼を寄せているんです。それはつまり、あなたの結論に異論を挟まないということです」
絵里「海未……」
海未「それに、悪い結果ではないことは、絵里の顔を見ればわかります」
絵里「ありがとう、海未」
海未「いえ、こちらこそ」
穂乃果「絵里ちゃーん、早く来ないとこの高そうなチョコ、ことりちゃんと食べちゃうよー?」
絵里「ま、待って! ほら海未、早く早く!」
海未「わわっ」
ことり「ふふ、2人で何してたの?」
絵里「ちょっとあれよ。内緒のお話」
ことり「そうなんだ」
穂乃果「えー、2人だけの内緒?」
海未「大したことではありません」
穂乃果「なんかずるい……そうだ、ことりちゃん。穂乃果と内緒のお話をしよう」
ことり「何を話すの?」
穂乃果「絵里ちゃんの癖について……どうかな?」
ことり「あ、それは気になる!」
絵里「私の癖?」
絵里(何かあったかしら……って、気付かないから癖になってるのよね)
穂乃果「絵里ちゃんはね……して……時に……なの」
絵里「?」
ことり「へぇ……そうなんだ」
海未「絵里の癖とは何なんでしょうね」
絵里「何かしら…というか、穂乃果はよく気付いたわね」
穂乃果「だってわかりやすいんだもーん」
ことり「言われてみれば確かにそうかも……」
絵里「えー? 何? 教えてよぉ」
穂乃果「えへへ、内緒だよー」
ことり「うん、内緒っ」
絵里(な、何だか気になって来るんだけど……)
海未「それよりことり、何か話があると言っていませんでしたか?」
ことり「あ、そうだった」
ことり「2人にはね、大事なお話があるの」
ことり「ね、絵里ちゃん」
絵里「ええ」
穂乃果「なになに?」
海未「穂乃果、ひとまず座りましょう」
穂乃果「うん」
絵里「いや、椅子に座っていいのよ?」
穂乃果「……床の方がなんだか落ち着く」
絵里「あっちにソファあるけど……」
穂乃果「じゃあそっち!」
絵里(は、速い……穂乃果の方が犬っぽい気がするわ)
穂乃果「それで、大事な話って……」
ことり「うん、2人には結論が出てから話そうと思ってて、絵里ちゃんに相談に乗ってもらってたの」
穂乃果「絵里ちゃんに?」
絵里「そうよ」
穂乃果「なら安心だね」
海未「そうですね」
絵里「ほ、穂乃果もそう言うの?」
穂乃果「うん、だって絵里ちゃんなら大丈夫だもん。頼りになるから」
絵里「……そっか」
絵里(こういう風に、ちゃんと信頼されてるってわかるのはうれしいわね)
絵里「えへへ……」
ことり「あ、穂乃果ちゃんの言った通りだ」
穂乃果「でしょー?」
絵里「え?」
ことり「絵里ちゃんの癖が出てるんだよっ」
絵里「……どこだろう」
絵里「海未、わかる?」
海未「……あ、今のでわかりました」
穂乃果「だよねだよねっ? 絵里ちゃんの癖、すぐわかるもん!」
ことり「ふふっ」
絵里(わ、わからない……自分のことって全然わからないのね)
ことり「じゃあ本題に入ります」
海未「はい」
穂乃果「うん」
ことり「私は、絵里ちゃんと一緒にパリに行くことになりました」
海未「絵里と一緒に……?」
絵里(うふふ、驚いてる驚いてる)
穂乃果「は、は……」
ことり「?」
穂乃果「ハネムーン!?」
絵里「え」
ことり「ち、違うよぉ!」
穂乃果「なるほどー……って、ええっ!? 留学!?」
ことり「短期だから、ちゃんとラブライブ前には帰ってこられるようにしておいたよ」
穂乃果「え、ラブライブのこと気にしてくれてたの?」
ことり「あ、うん。だって出場できるかできないかは重要だから……」
穂乃果「そっかぁ……うれしいなぁ」
絵里「え? 穂乃果、ラブライブのこと、気にしてないの?」
穂乃果「ううん、そんなことないよ。ラブライブの出場は、今のみんなの目標だから……すっごく大事」
穂乃果「でも、穂乃果がことりちゃんの立場だったら、絶対そんな風に決断できないなぁと思って……」
穂乃果「ラブライブのことを考えて動けないと思ったから、うれしかったの」
海未「そうですね。穂乃果は目の前のことにしか集中できませんから」
穂乃果「うっ」
絵里(自分のミスがないから冷静に考えられる……だけじゃなくて、穂乃果はもともとこんな子よね)
絵里(なら、私や海未が余計な気を回さなくてもよかったかも)
海未「ことりも納得しているようですし……私も自分のことのようにうれしいです」
絵里(そうね。海未はそれを1番望んでたし)
ことり「ありがとう、海未ちゃん」
海未「いえいえ、親友のことですから」
穂乃果「出発はいつぐらいになるの?」
ことり「あと6日後だよ。そこから5日間パリへ行って……それから帰って来るの」
海未「ということは、ラブライブ出場が決まる日の前の日に出るんですか?」
絵里「そうなるわ。それで、ラブライブ開催の2日前に帰って来るの」
穂乃果「わー……ハードスケジュールだね」
ことり「うん、だから絵里ちゃんと一緒に、向こうでもきちんと練習するつもりだよっ」
絵里「だからこっちの心配はしなくていいわ」
穂乃果「はーい」
絵里「それと、そっちのダンスコーチは海未に任せるから、サボらないようにね?」
海未「もちろん、私がいる限りサボらせませんよ」
穂乃果「お、鬼教官……」
海未「まだまだ甘い方ですよ?」
穂乃果「ええっ!?」
絵里(確かに、みんながちゃんとついてきている分、ダンスレッスンやトレーニングは軽くなってるわよね)
絵里(前よりも成長してるから、一気に詰め込む必要がないってことだし……)
絵里(それに私と海未が残るから、ダンスもちゃんと練習できる)
絵里(……あれ? これ、思ったより完璧じゃない?)
>>892
>絵里(それに私と海未が残るから、ダンスもちゃんと練習できる)
えりちポンコツが漏れてきとるよ
絵里「それと、そっちのダンスコーチは海未に任せるから、サボらないようにね?」
海未「もちろん、私がいる限りサボらせませんよ」
穂乃果「お、鬼教官……」
海未「まだまだ甘い方ですよ?」
穂乃果「ええっ!?」
絵里(確かに、みんながちゃんとついてきている分、ダンスレッスンやトレーニングは軽くなってるわよね)
絵里(前よりも成長してるから、一気に詰め込む必要がないってことだし……)
絵里(それに海未が残って私がことりと一緒に行くから、ダンスもちゃんと練習できる)
絵里(……あれ? これ、思ったより完璧じゃない?)
ことり「じゃあ後は、学園祭に向けてラストスパートだねっ!」
海未「はい」
絵里「そうね」
穂乃果「……ねぇ、学園祭って……3日後だよね?」
絵里「ええ、そうだけど……」
絵里(どうしたのかしら。穂乃果の声音がずいぶん暗いような……)
穂乃果「……練習、しなくていいのかな」
絵里「!」
海未「!」
穂乃果「あ、雨でも少しくらいは……」
絵里「ダメよ!」
海未「許しません!」
穂乃果「ひぃっ!? こ、怖いよ2人とも!」
海未「体調を崩しでもしたらどうするんですか!」
絵里「そうよ! 穂乃果の代わりはいないんだから!」
穂乃果「ご、ごめんなさい、もう言いません……」
海未「もう……許すのは今回だけですからね?」
絵里「自分を大切にするのよ、穂乃果」
穂乃果「はーい……」
絵里(まさかここで来るとは……油断ならないわ)
★ss内時間を基準に、わからなくなった人用に日程表みたいなの
前日→ことりがエアメール受け取る
今日→ことりが結論出して絵里のところへ&絵里と留学決定
3日後→学園祭
6日後→ことえり出発
7日後→ラブライブ本戦出場グループ決定
11日後→ことえり帰還
13日後→ラブライブ本戦
穂乃果「うん、雨が止んでるって言ってもまだ地面はぬかるんでるし、転んじゃうかもしれないよね」
絵里(んー、ちょっと違うけど)
絵里「まあそういうことよ」
絵里「とにかく、穂乃果は無茶しないように気を付けるように」
海未「あなたが倒れてしまっては元も子もありませんからね」
穂乃果「ごめんなさい」
海未「わかればいいんですよ」
絵里「ええ」
ことり「穂乃果ちゃん、私も無理せず頑張って来るからね」
穂乃果「うん、穂乃果も無理しないようにする」
穂乃果「よーし、じゃあ明日からは練習がんばろう!」
ことり「おーっ!」
穂乃果「じゃあまた明日ね、絵里ちゃん」
絵里「ええ。雨が降らないようにてるてるぼうずを頼んだわよ」
穂乃果「うん! 雪穂にも手伝ってもらうね」
絵里(あー……雪穂ちゃんに悪いことしたかも)
ことり「今日はありがとう……絵里ちゃんには感謝してもしきれないよ」
絵里「ううん、私はことりの夢を叶えてほしかったから、自分のためにやったのよ。感謝はいらないわ」
ことり「えへへ。絵里ちゃん、大好きだよっ」
絵里「ふふ、私もよ」
海未「……絵里、この後時間、いいですか?」
絵里「構わないわ」
ことり「また内緒のお話?」
絵里「そうよ、大事なお話をするの。主にダンスについて、ね」
穂乃果「んー……それなら穂乃果たちが聞いても仕方ないかも」
海未「少し時間がかかると思うので、2人は先に帰っていてくれますか?」
ことり「うん、わかった!」
穂乃果「海未ちゃんも、遅くならないようにね」
海未「はい」
絵里「2人とも、気を付けてね」
穂乃果「はーい」
ことり「はい」
絵里(まあまだ5時だし明るいから大丈夫だろうけどね)
海未「……絵里、あなたには感謝してもしきれませんね」
絵里「えへへ、そう?」
海未「はい。私もまさか喜んで見送ることになるとは思いませんでしたよ」
絵里「私もよ。まさか見送られる側になるなんて、夢にも思わなかった」
海未「そうですね……」
絵里「……」
海未「……」
海未「絵里」
絵里「なに?」
海未「私はおそらく、学園祭を終えたら戻ってしまうと思います」
絵里「あら、寂しくなっちゃうわね」
海未「いえ、これが普通のことなんですから」
絵里(普通のこと、ね……ん? 普通……?)
海未「絵里はまだ、戻らないのですか?」
絵里「私はまだ、やることが残ってるもの」
海未「そうですか……」
海未「あなたも無茶しないでくださいね」
絵里「ええ、穂乃果に言った手前、そんな無茶はしないわ」
海未「それを聞けて良かったです。ではまた明日」
絵里「ええ、また明日ね」
海未「……絵里!」
絵里「んー?」
海未「絵里、本当にありがとうございます」
海未「私もあなたのことが、大好きですよ」
ここまでー
着々と形成されるえりハー
>>960くらいで次スレ立てると思う
絵里「ん……朝、か」
絵里(まだ6時ね、よし。今日は早く起きれた)
絵里(学園祭まであと2日……ステージの設置も終わったって理事長から連絡あったし、今日はリハやって衣装合わせ……)
絵里(明日は休みにしてもいいかな。予報はやっぱり、午後から雨みたいだし)
絵里「……」
絵里(なんだか体がだるいかも)
絵里「熱……はなさそうね」
亜里沙「お姉ちゃん、おはよう」
絵里「ああ、亜里沙。おはよう」
亜里沙「ねむーい……」
絵里「あはは、なら何で早く起きたのよ」
亜里沙「お姉ちゃんが練習行くの、見送ろうと思って」
絵里「そっか、ありがと」
絵里「……亜里沙、体温計とって」
亜里沙「うん……どうしたの? 風邪?」
絵里「いいえ、念のためよ」
亜里沙「はーい」
絵里「ん、ありがと」
絵里「……」
絵里(穂乃果にああ言った手前、自分が風邪ひいてたら示しがつかないわよね)
絵里「あ、出た」
絵里「……35℃、かぁ」
亜里沙「お姉ちゃん、大丈夫だった?」
絵里「うん、全然たいしたことなかったわ」
亜里沙「よかったぁ」
絵里「朝ごはん、何にする? 昨日の残りでいい?」
亜里沙「うんっ!」
絵里(心配しすぎかしら。やっぱりあんなことがあったから、必要以上に気にしちゃうのね)
絵里「じゃあ亜里沙、行ってきます」
亜里沙「うん、行ってらっしゃい」
穂乃果「おはよう、絵里ちゃん!」
絵里「えっ」
海未「あ、やっぱりこの時間帯でしたね」
ことり「海未ちゃん、絵里ちゃんのことよく見てるんだねぇ」
海未「絵里は目立ちますからね」
絵里「ど、どうしたの? 家はこっちの方じゃないわよね?」
ことり「今日は何でかみんな、早起きしすぎちゃったの」
穂乃果「だから絵里ちゃんを誘って一緒に行こうって」
絵里(なんだ、そういうことかぁ……びっくりしちゃった)
亜里沙「あぁっ! 穂乃果さん! 海未さん! ことりさん!」
穂乃果「亜里沙ちゃん? おはよー。いつも雪穂と遊んでくれてありがとうね」
亜里沙「お、おはようございます!」
ことり「あ、それパジャマ? かわいいねっ」
海未「ふふふ、そうですね」
亜里沙「はっ……お、お見苦しい姿を!」
絵里「亜里沙、落ち着いて」
亜里沙「今すぐ第一礼装を!」
絵里(なんかそれだけ聞くと強そうね)
穂乃果「なにそれ? 何だか強そうだね」
海未「学生ならば制服のことですよ」
穂乃果「へー」
絵里(穂乃果と同じ考えしてた……)
ことり「絵里ちゃん、どうしたの? うなだれちゃって……」
絵里「ううん、何でもない……」
絵里「亜里沙、何もそこまでしなくていいわよ」
亜里沙「で、でもパジャマじゃ……はっ! いっそ脱げば――――――――」
絵里「落ち着きなさい」
亜里沙「はい」
海未「私たちはそんなに偉い人たちではありません。友達感覚で接してくれていいんですよ?」
亜里沙「わ、わかりました……じゃあ……」
亜里沙「サインください!」
海未「ええっ!?」
絵里(この子は友達にサインを要求する子なのね)
絵里「ていうか亜里沙、第一礼装なんて難しい言葉、よく覚えてたわね」
亜里沙「えへへ、かっこよくて……」
絵里(くっ、さすが我が妹……)
ことり「みんな、そろそろ時間だよ」
穂乃果「あ、本当だ……それじゃ、亜里沙ちゃん。またね」
海未「また学園祭で会いましょう」
亜里沙「はい!」
絵里「亜里沙。お留守番、よろしくね」
亜里沙「自宅警備員だね」
絵里「それは違う」
亜里沙「えっ!?」
絵里(あれ、これって前にも言ったわよね……?)
亜里沙「あ、そっか。前にも違うって言われたよね。ついうれしくて記憶が……」
絵里(本当に大丈夫なのかしらこの子)
希「わぁ……すごいなぁ」
凛「おっきいにゃー!」
にこ「屋外ステージってこんなに出来良いのね。屋根もあるし」
凛「ちっちゃいにゃー」
にこ「あんた今どこ見て言った!?」
凛「きゃー!」
絵里「みんなー、おはよう」
花陽「あ、絵里ちゃん、おはよう」
真姫「おはよう。ステージ、できてるわよ」
穂乃果「わー! 本当だ! でっかい!」
海未「屋根ですか……ふふ、さすが絵里ですね」
ことり「結構広いね」
絵里(おお、確かに結構いい感じね)
にこ「はぁ……にこたち、ここで踊るのね」
絵里「気に入ってくれたかしら」
にこ「もちろんよ! スーパーアイドルにこちゃんはステージを選ばないわ!」
にこ「でもこのステージは選択肢にあったら選びたくなるくらい素敵ね……このハートマークあたりがかわいいし」
絵里(あれ? こんな装飾頼んだっけ……)
絵里「……まさか」
理事長「そのまさかです!」
希「り、理事長!?」
花陽「ええっ!? ステージの裏から……」
凛「気配がなかったのに……」
絵里(理事長がどんどん謎なキャラに)
絵里「この装飾、理事長が取り計らって……」
理事長「はい、そうですよ。とびきり可愛くしてもらえるように頼みましたからね」
絵里「ありがとうございます」
絵里(理事長……こんなことまで……)
理事長「ほらここ、光るんですよ!」
希「わ! すごい!」
穂乃果「楽しそう!」
絵里(……本当に私たちのため、よね?)
ことり「じゃあ先に衣装合わせしちゃおっか」
海未「ことり、それより先に……」
ことり「あ、そうだった」
穂乃果「……なんだっけ?」
絵里「ああ、あれよ。あれ」
穂乃果「あー、あれね!」
にこ「?」
真姫「何の話?」
花陽「何だろう……」
ことり「みんなに伝えたいことがあります」
希「どうしたん? 急にそんな改まって」
にこ「何か隠し事してたの?」
絵里「まあ……そんなところかしら」
凛「なになにー?」
理事長「ふふ、すぐにわかりますよ」
穂乃果「どうせだからステージに立ってやらない?」
ことり「えっ」
にこ「それいいわね。ほら、上がって上がって」
絵里「わ、べ、別にそこまでしなくても……」
海未「まあいいんじゃないですか? これくらいなら」
絵里(海未までー……まあいいか)
絵里「ことり」
ことり「うんっ」
ことり「私と絵里ちゃんは、学園祭が終わった3日後に、5日間だけパリへ行ってきます」
真姫「なっ……」
花陽「ええっ!?」
凛「そ、それ……」
希「……完全に」
にこ「ハネムーン……じゃないの」
理事長「ほほう……そういう体にしてもよさそうですね」
ことり「違うよぉ!」
絵里「だ、ダメですから!」
絵里(な、何なの!? ハネムーン、流行ってるの!?)
穂乃果「やっぱりそう思っちゃうよねぇ」
海未「普通は思いませんよ」
にこ「なーんだ、短期留学……って、短期留学ぅ!?」
真姫「ラブライブには間に合うんでしょ? なら心配する必要はないわ」
凛「ふっふっふ、真姫ちゃんがそう言いながら泣きそうになったの、凛は知ってるよー?」
真姫「凛、あとでステージの裏に来なさい」
凛「い、今怒ってほしいにゃ……」
希「えりちも一緒に行くん?」
絵里「ええ。事務とか1人だと時間がかかりそうなものを手っ取り早く終わらせるためにね」
花陽「ことりちゃんも絵里ちゃん、すごいなぁ……」
ことり「えへへ、ありがとう」
絵里「ことりは選ばれたからともかくとして、私は別にすごくないわよ?」
花陽「そ、そんなことないよぉ!」
海未「そうですよ。絵里のその決断は素晴らしいと思います」
真姫「そうね。そんな発想、普通じゃ出てこないわ」
穂乃果「絵里ちゃんも十分すごいよ! 私たちじゃ絶対、思いつかなかったもん」
凛「かっこいいにゃ」
絵里「ふふ、大袈裟ね」
理事長「いいえ、発想と行動力はとても評価できるものです」
絵里「あ、ありがとうございます……」
絵里(なんだかくすぐったいわね)
にこ「ぷぷ、照れてる照れてる」
希「えりちかわいー!」
絵里「う、うるさい!」
希「でもことりちゃん、5日間も1人占めできるなんていいなぁ」
穂乃果「本当だ……!」
ことり「えへへ、やったぁ」
にこ「……」
真姫「……」
海未「どうしました2人とも、急に黙り込んで」
真姫「べ、別に」
にこ「うらやましいとか思ってないし……」
花陽「わ、わかりやすい……」
理事長「私も学生なら……いや、ここは理事長という権限を利用して……」
絵里(何の話?)
希「いやでも、パリでもきっとモテモテなはず……」
にこ「それは困るわね」
花陽「でもありえそう……」
海未「まあ、そうですね」
穂乃果「うぅ……ことりちゃん、よろしくね!」
ことり「うん、頑張るよっ」
絵里「ねぇ凛、みんな何の話してるの?」
凛「んー? 絵里ちゃんはモテモテだねって話」
絵里(凛も亜里沙みたいなこと言うのね)
海未「ではもう1度、通してやってみましょうか」
花陽「うんっ!」
凛「なんだかうまくできた気がするにゃー!」
真姫「そうね。凛の動き、よかったわよ」
凛「そう? そう言われるとうれしいなぁ」
希「真姫ちゃんの動きもなかなかよかったで」
真姫「そうだった? だといいんだけど……」
にこ「確かに今日はみんな、ダンスのキレがあるわよね。何かしたの?」
絵里「たぶんみんな、いい感じに緊張感を持ってるんだと思うわ」
穂乃果「緊張感?」
絵里「そうよ。1人で抱え込まずに、みんなで責任を背負ってるっていう緊張感があるの」
絵里(前とは違う、みんながみんなのために頑張ってる雰囲気が、ね)
希「理事長も見てくれたらよかったのになぁ」
海未「仕事が残っていると言っていましたし、仕方ないでしょう」
ことり「そうだね」
にこ「何だか癖になりそうね。学園祭だけで終わらせたくないって言うか……」
穂乃果「何言ってるのにこちゃん」
にこ「え?」
海未「そうですよ。これからが始まるんです、私たちは」
にこ「……っはは、そうよね。なんか弱気になってたのかも」
にこ「よーし……学園祭まで気合入れていくわよ!」
絵里「あー、それなんだけど……」
にこ「え? なに?」
絵里「明日はね、休みにしようかと思って」
花陽「休み? どうして?」
絵里「ほら、明日は午後から雨だって予報が出てるでしょ?」
凛「なら、午前中だけでも……」
絵里「ダメよ。本番を控えて風邪でも引いたら大変だもの」
海未「ふふ、そういうことですか」
絵里「うん、そういうこと」
穂乃果「?」
絵里(変わってない保証はないからね。もし雨が降って、誰かが体調を崩したりしたら……)
希「確かにリハーサルはちゃんとできてたなぁ」
真姫「ま、わざわざリスクを冒してまでやる必要はないわね」
にこ「そうね」
花陽「だったら今日で完璧にしなきゃ……って、もうダメなところはないか」
凛「不思議だね、今までだったら本番まで必死になってやらなきゃ間に合わなかったのに」
穂乃果「海未ちゃんと絵里ちゃんのおかげだね! きっと、練習メニューがしっかりしてるからだよ」
絵里(あら、鋭い。ちょっと意地悪してみようかしら)
絵里「私たちが加入する前は海未がメニュー組んでたんじゃないの?」
穂乃果「それはそうなんだけど……なんだか突然別のスイッチが入ったみたいに、メニューが大幅に変わったんだよぉ」
絵里(お、さすが幼馴染ってところかしら)
ことり「あー……あれはハードだったねぇ」
海未「う」
にこ「まあいろいろあったのよ」
希「そうやで。海未ちゃんにもいろいろあるんよ」
真姫「?」
海未「そ、そうですよ。色々あるんですよ」
絵里(そっか、2人は知ってるものね)
絵里(まああの海未式トレーニングは相当ハードだし……そっか、そうよね。変なスイッチ入ったみたいに見えるのは当然か)
絵里「それじゃ、もう1回通しでやるわよ」
凛「おー!」
花陽「がんばろうっ」
穂乃果「……疲れたぁ」
ことり「はぁ……はぁ……」
希「こ、この後衣装合わせやるん?」
にこ「ちょっと汗が……」
海未「……絵里」
絵里「うん、そうよね。そうなるわよね」
絵里(やりすぎたわ……リハーサルとか言いながら結局10回も連続でやればこうなるわよね)
花陽「も、もう立てないよぉ……」
凛「す、スタミナが足りないにゃ……」
真姫「私はまだ踊れるけど」
絵里「真姫、足震えてる」
真姫「そ、それだけ元気が有り余ってるのよ」
絵里(でも気力だけでも立てるってすごいわね……真姫もだいぶ成長してるのかぁ)
絵里「そうねぇ……衣装はどうしましょうか」
ことり「あ、私の家に持って行ってからする?」
希「ことりちゃんの家に?」
ことり「うんっ、シャワーもあるし、すぐに手直しもできるから」
絵里「そうね。なら、お邪魔しようかしら」
海未「みんなはそれでいいですか?」
穂乃果「穂乃果はそれでいいよ」
真姫「着替えは……そっか、制服があるわね」
凛「凛、今日は練習着で学校来ちゃおうとか思わなくてよかったぁ」
花陽「そうだね」
にこ「じゃあ決定ね。ことり、案内よろしく」
ことり「はーい。でも、あと5分くらい休憩させてからにして……」
穂乃果「そうだね……」
絵里(これは雨が降っても降らなくても、結局休みにしなきゃいけなかったわね)
ちょっと中断
ぱんだ
希「おじゃましまーす」
ことり「はーい、いらっしゃい」
凛「ことりちゃんの家、結構広いんだね」
花陽「そうだねぇ」
ことり「そんなことないよぉ」
真姫「シャワー、誰から行く?」
穂乃果「よーし、ここはじゃんけんで……」
絵里「そうね。終わった人から衣装合わせするから……ことりからがいいんじゃない?」
ことり「あ、うん。じゃあお先に失礼します」
海未「はい」
穂乃果「落ち着くねー」
海未「私たちは何度も来ていますからね」
凛「そっか、穂乃果ちゃんたちは幼馴染だもんね」
にこ「自分の家と一緒みたいな感覚なの?」
穂乃果「そんな感じかな」
海未「幼馴染ですから」
にこ「ふーん」
絵里(幼馴染、ね。それだけ大切な関係で、壊さないように大切にしなきゃいけない)
絵里(そう考えると窮屈なところもあるわよね)
絵里(でもうらやましいかも)
穂乃果「絵里ちゃん?」
絵里「え?」
凛「今の絵里ちゃん、すごく大人っぽい顔してたよ」
絵里「まるでいつもは子どもみたいな言い方ね」
真姫「えっ」
にこ「あんたいつもすぐ顔に出るじゃないの」
絵里「えっ」
花陽「そ、それだけ表情豊かってことだよぉ」
絵里(花陽の気遣いがつらい)
海未「絵里はすぐ表情に出ますからね」
希「え、海未ちゃんがそれ言う?」
海未「」
ことり「みんなー! バスタオルは新品の、置いておくよー!」
絵里「あ、はーい!」
希「次は誰行く?」
穂乃果「ことりちゃんのお家のシャワー、ちょっと使い方わかりにくいから、穂乃果たちが教えてあげないと」
海未「ああ、確かにそうですね」
穂乃果「じゃあ穂乃果と一緒に行きたい人ー」
にこ「ええっ!? 一緒なわけ!?」
穂乃果「?」
海未「まあ合宿でもお風呂、一緒でしたから大丈夫ですよ」
絵里「なら誰が行く?」
凛「じゃあ凛が行く! 汗でべたべただから先に入りたいにゃ」
穂乃果「それなら凛ちゃんでけってーい! 早く行こう!」
凛「ラジャー!」
希「ふ、2人一緒かぁ……」
海未「?」
絵里「?」
真姫「……その、何か問題でも? みたいな顔やめなさいよ」
海未「え、ですが……」
花陽「あの露天風呂と違って、シャワーだとほら、近く……」
絵里(何が?)
にこ「花陽、やめなさい。何を言っても無駄よ」
希「そうやね。きっと2人は何にも考えてないよ」
海未「どういう意味ですか?」
絵里「そうよそうよ」
真姫「言葉通りの意味よ」
ことり「はー、さっぱりしたぁ……ってどうしたの?」
にこ「いや、使い方教えるために2人で入る、とか言い出したから」
ことり「……」
真姫「ことりからも何か言って……」
ことり「ナイスアイディアだよっ! 私もそうすればよかったなぁ……」
にこ「」
真姫「」
海未「そうでしょう?」
絵里(うんうん、やっぱりその反応よね)
希「う、ウチ、えりちと一緒がいいなぁ」
花陽「わ、私も……」
にこ「私もそれがいいわよ」
真姫「……私も」
絵里(あれー? 何でみんな私を指名するの?)
海未「ふふ、絵里は人気ですね」
ことり「そうだねぇ」
絵里「えー? なんで?」
希「えりちとやったら落ち着くんよ」
にこ「付き合い長いしね」
花陽「お姉ちゃんみたいな感じで……」
真姫「話したいこともあるし」
絵里(なんだ、そういうことね。うれしいなぁ)
にこ「あ、そうだ。穂乃果と凛は今、一緒にいるんでしょ?」
ことり「そうだよ」
希「なら、2人の様子を聞けばどれだけ恥ずかしいかがえりちたちにもわかるはず!」
絵里「?」
ことり「このあたりが聞こえやすいんじゃないかな。ドア1枚だけだし」
にこ「よし、じゃあ耳をすませてみて」
絵里「ん」
海未「はい」
凛「ひゃっ!?」
穂乃果「え? どうしたの?」
凛「つ、冷たいにゃ!」
穂乃果「わ、本当だ。ごめんね凛ちゃん」
凛「いいよぉ……でもびっくりしたよ」
穂乃果「えへへ、凛ちゃんもあんな可愛い声出すんだね」
凛「ほ、穂乃果ちゃんのせいだよぉ! もー……仕返しー!」
穂乃果「きゃあっ、冷たいよ凛ちゃんっ!」
凛「あはは」
穂乃果「ははは」
海未「……楽しそうですね」
絵里「うん」
真姫「これは人選ミスすぎるわ……」
花陽「うん……」
ことり「?」
絵里(恥ずかしい……何のことかしら)
にこ「ああもう……にこはもうパス! この2人は恥じらいがないもの」
希「ウチも」
花陽「私も……」
真姫「考えるだけ無駄ね」
絵里(い、言われたい放題な気が……)
ことり「2人と一緒に入りたい人は……そうだ! このサイコロで決めよう」
にこ「どうやって決めるの?」
ことり「1の目がでたらにこちゃんが、2で希ちゃん、3で真姫ちゃん、4で花陽ちゃん。そして5で海未ちゃんで6が私!」
花陽「な、何か変な気が……」
真姫「なんでことりが入ってるのよ!」
ことり「サプライズだよぉ」
絵里「でも、海未と一緒じゃないと私、使い方わからないわよ?」
にこ「……」
希「……」
真姫「勘で何とかして」
絵里「えっ」
ことり「じゃあいくよ……ダイスロール!」
にこ「1……ナンバーワン!」
希「2番……にー!」
真姫「さんさんさんさん……」
花陽「4がいいなぁ……」
絵里(花陽以外からの執念が凄まじい)
ことり「あ、5だね」
海未「私ですか」
真姫「」
にこ「」
希「」
絵里「ええっ!? 何その反応!?」
真姫「……ちょっと残念だったってだけよ」
にこ「うん、私もそうよ」
希「できるならえりちとがよかったなぁ……」
花陽「そうだねぇ」
絵里(何でそんなに人気なのかしら。子どもっぽいから?)
絵里「じゃあほら、海未から使い方教わった後に、みんなに教える役をやるわ。それでいいでしょ?」
にこ「んー、じゃあそれで」
希「うん」
真姫「それならいいわ」
花陽「そうだね」
海未「ふふ」
絵里「海未、どうしたの?」
海未「いえ、どうもしていませんよ」
絵里(何だろう)
穂乃果「あがったよー」
凛「ふー、いい運動になった……ってあれ? 何でみんなこっちに来てるの?」
ことり「気にしないで」
希「うんうん」
にこ「深く考えると頭がパンクするわよ」
凛「じゃあやめとく」
穂乃果「うん」
凛「あ、そうだ。次は誰?」
海未「私と絵里です」
穂乃果「そっかー、絵里ちゃんは海未ちゃんがゲットしたんだぁ」
絵里「ゲットって?」
凛「貴重なチャンスだからね」
絵里(貴重?)
海未「ほら、絵里。入りましょう」
絵里「あ、うん」
絵里「海未」
海未「はい」
絵里「使い方、教えてくれる?」
海未「わかりました」
海未「まずここをこう回して、ここを押すんです」
絵里「うん」
海未「で、ここを押してからこれで温度調節をして……」
絵里「なるほど」
海未「これで出ます」
絵里「……ぬるい」
海未「ふふ、すぐに音頭を上げますよ」
絵里「海未」
海未「はい」
絵里「使い方、教えてくれる?」
海未「わかりました」
海未「まずここをこう回して、ここを押すんです」
絵里「うん」
海未「で、ここを押してからこれで温度調節をして……」
絵里「なるほど」
海未「これで出ます」
絵里「……ぬるい」
海未「ふふ、すぐに温度を上げますよ」
絵里「ねぇ海未」
海未「なんですか?」
絵里「私、何であんなにみんなに好かれてるのかしら」
海未「好かれてる……ですか」
絵里「あ、ごめん。自惚れてるみたよね……」
海未「いえ、それで合っていますよ」
絵里「え?」
海未「絵里は確かにみんなに好かれています」
絵里「あら、海未ならその理由、わかるのかしら」
海未「はい。もちろんです」
絵里「え? そうなの?」
海未「だってもうすぐ、絵里はパリに行ってしまうんでしょう?」
絵里「うん、でもたった5日よ?」
海未「絵里は今、μ'sの中心ですからね。その中心がいなくなってしまうのはとても寂しいんですよ」
海未「だからああやって、出発の前に話しておきたいんです」
絵里「中心……そんな自覚、全然なかったわ」
海未「それはそうですよ。自分の立ち位置なんて、そう簡単にわかりません」
海未「前に私が、穂乃果とことりの仲介役だと思い込んでいたように……」
絵里「思い込んでいた?」
海未「はい。本当はもっと自由に動けたはずなんです」
海未「穂乃果を鼓舞して、ことりを連れ戻して……その2つは私がやるべきだったんですよ」
絵里「でも、海未はあの重圧の中を耐えてきたんでしょ?」
絵里(ことりに秘密を隠してほしいと言われることと、穂乃果に伝えてしまいたいと思う間で……)
絵里(悩むことりに何も言えない重圧と、隠せば隠すほどこじれていくのが手に取るようにわかる、ことりの穂乃果への思いと……)
絵里「私だって結構つらかったのに、海未なんてもっとつらかったでしょう?」
海未「ですが、1番つらかったのは、穂乃果とことりなんですよ」
絵里「海未……」
海未「結局その役目は、絵里にとられてしまいましたけどね」
海未「私は何もできなかったようです」
絵里「海未、そんな風に自分を責めないで」
海未「ええ、ですが……」
絵里「私は海未が協力してくれるのが、とても心強かったわ」
海未「……そうですか」
海未「そう言われると、少し楽になりました」
絵里「それに、ここまで私をサポートしてくれたのは海未じゃない」
海未「そうですね。絵里は危なっかしいですから」
絵里「そ、それはいいの!」
絵里「……ねぇ海未」
海未「はい」
絵里「私がパリに行っちゃうの、海未は寂しい?」
海未「さて、どうでしょう」
絵里「?」
海未「その頃には、私はここにまだ残っているかどうかわかりませんからね――――――――」
絵里(残る?)
絵里(残るって、何だっけ?)
絵里「海未、残るって……」
海未「そろそろあがりましょうか。後がつかえています」
絵里「いや、そうじゃなくて……」
海未「ほら、あなたはまだ、役目が残っているでしょう?」
絵里「役目って……」
絵里(希たちに使い方を教えること? それとも――――――――)
海未「学園祭、頑張りましょうね」
絵里「ええ。うん、そうね……だから海未……ってもう着替えたの!?」
海未「はい。絵里がゆっくりしてたんですよ? 何か考え事ですか?」
絵里「まあ、そうだけど……」
海未「ふふ、希やにこたちと、また一緒に入りますか?」
絵里「ええっ!? それはしないわよ、2度手間じゃない」
海未「そうですか。なら早めに着替えた方がいいですよ」
絵里「あ、うん……」
絵里(……あ、聞きそびれちゃった)
次スレ 絵里「つよくてにゅーげーむ」 part2
→絵里「つよくてにゅーげーむ」 part2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407601747/)
ここまで
ほのりんかわいい
そして海未ちゃん音頭の登場
一応>>980まで書く予定です
明日の朝に更新するよ
希「えりちおそーい!」
にこ「海未が出てきたのに何であんたは出てこないのよ」
絵里「え、あ、ごめん」
にこ「なんだ、着替え中だったの」
絵里「うん」
希「……なんでそんな平然としてるんよ、2人は」
絵里「え? まだ私、下着姿だし……」
にこ「別にどうってことないでしょ?」
希「し、下着の方が……ごめんなんでもない」
絵里(どうしたんだろう。希らしくないけど)
絵里「あーでも、やっぱりブラはいいや。ずっとここにいるわけだし」
にこ「!?」
希「えりち!?」
絵里「えっ」
にこ「あんた、今……ブラウスから引っこ抜いたわね」
絵里「うん」
希「えりち、それは女子としてどうなん?」
絵里「そうね、おしとやかに脱ぐべきだったわ」
にこ「そういう意味じゃないわよ!」
絵里「えー、でも暑いし」
にこ「うっさい。早くやり方教えなさいよ」
絵里「理不尽!」
絵里「えっと……まずここを押して、こうしてこう」
希「うんうん」
絵里「で、ここを回すと……」
にこ「ちょ、あんたそこ……!」
絵里「え……ああああああ!」
絵里(シャワーの真下にいたから濡れた……ああ……)
希「えりち、止めるで!」
にこ「希! そっち温度……」
絵里「あったかくなってきた……」
にこ「あんたは早くどきなさいよ!」
絵里「うぇぇん」
絵里「うう、スカートとパンツは無事だけど……」
にこ「ことりに服借りてきなさい」
絵里「そうする」
希「はい、バスタオルやで」
絵里「ありがとう……」
絵里(髪の毛もせっかくまとめたのに……)
絵里「また戻ってくるから!」
にこ「いいから行きなさい。使い方覚えたから」
絵里(私は……不要……)
希「えりち、ショック受けてるとこ悪いけど、ウチらそんなこと思ってないよ」
絵里(よかった)
にこ「本当に顔に出るわね……」
絵里「ことり」
ことり「あ、絵里ちゃん……絵里ちゃん?」
穂乃果「あー、絵里ちゃん髪おろしてる」
凛「ていうか……濡れてる?」
絵里「うん、ことり、服貸して」
ことり「え、ちょ、ちょっと待っててね」
真姫「何したのよ……ほら、タオル貸して。拭いてあげるから」
絵里「ありがとう」
花陽「服も脱いだ方がいいよ。スカートは……濡れてないから大丈夫そうだね」
絵里「んー」
海未「……絵里、なぜ下着を手に持っているんですか?」
絵里「外したから」
花陽「!?」
ことり「ごめん絵里ちゃん! 絵里ちゃんのサイズに合うの、これしかなくて……」
絵里「メイド服?」
絵里(でも学校説明会の時に着た衣装があるはず……)
絵里(あ、そうか。私、学校説明会の時は撮影役だったっけ)
絵里「ありがとう。じゃあ早速着替えてくるわ」
ことり「うん、ブラウスは洗濯する?」
絵里「いいの?」
ことり「みんなのバスタオルと一緒でよければだけど。今日はすごく天気がいいからね」
ことり「あ、じゃあ穂乃果ちゃんたちの練習着もお洗濯する?」
真姫「え、いいの?」
ことり「うんっ!」
希「次は真姫ちゃんと花陽ちゃんやね」
にこ「……揉まれた」
絵里(何だろう。人生の荒波にかしら)
海未「おかえりなさい」
穂乃果「練習着、みんなの洗っていい?」
希「いいよぉ」
にこ「いいの? そこまでしてもらって……って……絵里、あんた何してるのよ」
希「……えりち、何でメイド服?」
絵里「ああ、服がなくてね」
ことり「私の服はサイズが合わないから」
希「まあいいか……えりちが変なのはいつものことやし」
絵里「えっ」
真姫「ほら、行くわよ花陽」
花陽「うん」
絵里「私も教えに行くわ」
凛「凛もいきたーい」
真姫「凛、まだ衣装合わせがあるでしょ」
凛「あっ」
穂乃果「あ」
海未「……ああ」
絵里「……」
花陽「みんな、忘れてたんだぁ……」
絵里(返す言葉もございません)
穂乃果「じゃ、じゃあことりちゃん。衣装合わせしよう!」
希「そうやね」
ことり「うん。みんな、着替えてみて」
絵里「私もー」
にこ「絵里、あんた教えなさいよ」
絵里「あ、そうだった」
穂乃果「もうちょっとメイドらしくしてみたら?」
絵里「何なりとご命令を!」
凛「軍隊みたい」
絵里「ええっ!?」
花陽「絵里ちゃん隊長?」
絵里「イエッサー!」
真姫「それ、おかしいわよ」
――――――――
希「んー。おいしかったなぁ」
花陽「そうだねぇ」
希「えりちはあと……30分ってところかな」
花陽「時間制限とかあるの?」
希「うん、あっちの時間で長いことうろうろしてると、だんだんあっちが自然やと感じるようになるんよ」
花陽「そ、そうなんだぁ……」
希「でもそれは、現実より大きく逸れた行動とかをしてないと起きないんよ。だから普通は大丈夫」
花陽「そっか」
希「でもあっちの居心地がよすぎると――――――――
――――――――離れたくなくなってしまうかも、ね
つづく
今日はここまで
こっからリクエスト募集
シチュとカプを書いてね
コンマがゾロ目と51以上のリクエストを採用 連投はなしで頼むぜ( ー`дー´)
乙
のぞまき
体育倉庫に閉じ込められるあれ
ことりに振り回される真姫ちゃんお願いします
絵里メインなのにチョイスされてないのあるけどええんかね?
絵里と残留組(海未以外)、部室で目にごみが入った→見てあげるなシチュで
顔近づけた所を他がキスしてるように見えて一悶着とかよくあるパターンのアレ
のぞにこクッキング
海未姉が、風邪で倒れた海未ちゃんの代わりに学校行って大活躍するのをお願いします
まきこころあ
まきちゃんのが一日義姉ちゃん
えりりんで
凛の告白→絵里OK
と誤解されるような会話を他メンバーに聞かれて
誤解から生まれたあれやこれ
>>996も回収
みんなコンマひろうのうめぇ
このSSまとめへのコメント
春夏秋冬の秋冬は現在執筆中
アニメのネタと丸被りしたから再考に時間がかかってるって
長くて読めんかった(;_;)最後どうなったん?途中までだが面白かったです。なんか自分が悲しい…ながくて