リヴァイ「新兵の分際で…。もういい、エルヴィン呼んで来い」

ジャン「だ、団長は今憲兵団と一緒に会議してて…」

リヴァイ「ちっ…つまんねぇな…」

ニック「……」

ジャン「あ、あの…」

リヴァイ「…なんだ？文句があるのか」

ジャン「俺…ｕｎｏ持ってますけど」

リヴァイ「！！」

リヴァイ「そういう事は早く言え…使えねえ野郎だな」

ジャン「（むかつくなぁこの人…）」

リヴァイ「おい司祭。ｕｎｏやるぞ」

ニック「何を馬鹿な事を言っているんだ君は。何故司祭の私がそんな下賤な遊びを…」

リヴァイ「ふんっ！」ﾒｷｨ

ニック「いぎゃああああ！？」

リヴァイ「…このまま指を折られるか、ｕｎｏをやるか、どうする？」

ジャン「へ、兵長！落ち着いてください！（たかがｕｎｏで…！）」

ジャン「司祭！あんたもここは意地張らないでくれよ！」

ニック「わ、わかった…！やる、やるから…！離してくれ…！」

リヴァイ「ふん…」ﾊﾟｯ

ジャン「じ、じゃあ俺カード切りますね…」ｼｬｯｼｬｯｼｬ

リヴァイ「俺は地下街時代、賭けｕｎｏで生計を立てていた…」

ジャン「（なんか語り始めたぞ）」

リヴァイ「俺の読みは脅威的だぞ…これまで誰も俺には敵わなかった」

ジャン「はい、配り終わりました」ﾃｷﾊﾟｷ

リヴァイ「お前ら、俺に挑む覚悟は出来てるんだろうな…？」

ニック・ジャン「（あんたが巻き込んだんだろ）」

ジャン「色変えます。青で」

リヴァイ「読みが甘いな新兵…ｕｎｏだ」

ニック「ドロー４。赤だ」

ジャン「俺もドロー４です」

リヴァイ「は？新兵…何してんだお前？」

ジャン「え！？な、何って…」ﾋﾞｸｯ

リヴァイ「何って？じゃねぇだろ俺８枚も引かなきゃならねぇだろうが後一枚だったのにお前ホントお前」

ジャン「そ、そんなこと言われましても…（今日はよく喋るなぁ兵長）」

リヴァイ「くっ…まあいい…ケツからまくるのが一番いい勝ち方だ…」

リヴァイ「ここからの俺は本気だぞ。見とけよ新兵」

ジャン「は、はぁ…」

ニック「早く引いては貰えんかな。８枚」

ジャン「あがり…です」

司祭「ｕｎｏ。そしてあがりだ」

リヴァイ「………ふぅ～っ！」

ジャン「あ、あの…兵長…」

リヴァイ「お前らさぁ…！何なんだグルなのか？俺にばっかドローさせやがって」

ジャン「い、いや偶然で…」

リヴァイ「俺何回ｕｎｏって言ったよ？あ？実質俺勝ってたろこれお前ら運が良かっただけだからなこれ」

ジャン「は、はい！そりゃもう！実質兵長の勝ちですから！運良かっただけですから俺ら！」

リヴァイ「わかってんのか？本当に分かってんのかお前らそこんとこさぁ」

ニック「……」

リヴァイ「…俺としたことが、少々大人気なかったようだな…」

ジャン「（あ、いつもの感じに戻った）」

リヴァイ「…おい、ところでお前…エレンの馴染みなのか？」

ジャン「は、はぁ…一応、そうなります」

リヴァイ「そうか…そのうちお前にも調査兵団としての仕事が周ってくるだろうが…」

リヴァイ「自分を抑制しろ。しくじるなよ」

ジャン「……はい！（普通にしてるとカッコイイんだよなぁ…）」

ニック「（だが時間の問題だろうな…）」

～～４時間後～～

リヴァイ「…………」

ジャン「（暇だなぁ……指令も何もないしこのままずっと待機かなぁ）」

ニック「（こんなに暇な時間が続くと…嫌な予感がする…）」

リヴァイ「………」ｲﾗｲﾗ

リヴァイ「…おい。新兵」

ジャン「はい？なんですか兵長」

ニック「（そら来た）」

リヴァイ「エルヴィンはまだ戻らねぇのか？」

ジャン「はぁ…もうそろそろじゃないかと」

リヴァイ「暇だ…なんか面白いことないか？ｕｎｏ以外で」

ジャン「えぇ？そう言われましても…」

リヴァイ「こいつ口割らねぇからつまんねぇんだよ。なんならお前が見張り変わるか？」ｹﾞｼｯ

ニック「あいたっ」

ジャン「い、いや、それはちょっと…」

リヴァイ「…だろうがよ。だったら…なんか面白いこと考えろ。退屈だ」

ジャン「（えぇ～）」

～～しりとり～～

リヴァイ「マントヒ『ヒ』！」

ニック「『ヒ』…ヒストリ『エ』！」

ジャン「『エ』…エルヴィ『ン』！あっ！」

ニック「『ン』がついたな少年」

ジャン「あーくっそーやっちまったかー」

リヴァイ「……おい」ｷﾞﾛｯ

ジャン「は、はい？」ﾋﾞｸｯ

リヴァイ「お前接待プレイとは舐めたマネしてくれんじゃねぇか…」ﾋﾞｷﾋﾞｷ

ジャン「い、いえ…決してそのようなことは！（バレてる～！？）」

リヴァイ「もう一度最初からだ。手を抜いたら削ぐぞ」

ジャン「は、はい…（だって絶対面倒くさいことになるじゃんかよぉ…）」

リヴァイ「見くびるなよ…地下街時代は賭けしりとりで生計を立てていた」

ニック「（賭けしりとりってなんだよ）」

～～１時間後～～

ジャン「（漫画のタイトル縛りになってからキツイなぁ…）『し』…『シグルイ』！」

ニック「『い』…『イエスタデイをうたって』！」

リヴァイ「『て』…『鉄鍋のジャン』！…あ」

ニック「あ」

ジャン「あ」

下賤な文化に触れまくってる司祭

リヴァイ「あ～はいはい負け負け！また俺の負けだよど～せ」

ジャン「へ、兵長…勝負は時の運っていいますし…」

リヴァイ「うるせぇよ何新兵が兵士長の俺を慰めてんだ新兵コラ新兵」

ジャン「す、すみません…そんなつもりじゃ…（だから接待プレイしてたのに…）」

リヴァイ「大体なんだお前の名前『ジャン』だと？『ジャン』って何だよ？今その言葉で敗北した俺への当てつけかコラ」

ジャン「いや名前のこと言われても…」

リヴァイ「ていうかお前俺がサブタイトルありのルールにしてなかったら『天～天和通りの快男児～』でお前の負けだったんだぞお前分かってんの？」

ニック「（こいつに見張られてると色々疲れる…喋って楽になっちゃおうかなもう）」ｸﾞｯﾀﾘ

リヴァイ「…俺としたことが少々熱くなりすぎたようだな」

ジャン「（やっと落ち着いてくれた…）」ｸﾞｯﾀﾘ

リヴァイ「しかしようやく女型を捕獲したというのに情報が引き出せんとはな」

ジャン「そうですね…」

リヴァイ「…まったく、骨が折れるぜ」

リヴァイ「ま、どっかの誰かさんが秘密を喋ってくれれば楽なんだがな…」ｷﾞﾛｯ

ジャン「（言ってることはまともなんだけど…）」

ニック「（今更シリアスになられてもなぁ…）」

エルヴィン「ただいま～」

ジャン「団長！お帰りなさい！（ようやく解放される～！）」

エルヴィン「お疲れ様ジャン。リヴァイの機嫌取りご苦労だったね」ﾋｿﾋｿ

ジャン「本当大変でしたよ…では自分はこれで…」ﾋｿﾋｿ

リヴァイ「遅かったなエルヴィン。よし、これで４人いるな。やるか」

ジャン「え…？やるって何を…？」

リヴァイ「決まってんだろ…麻雀だよ」

ニック・ジャン「！？」

エルヴィン「おいおいリヴァイ。私は今会議が終わってヘトヘトなんだ。少し休ませてくれ」

リヴァイ「俺たちだって今の今まで死闘を繰り広げてたんだ。条件は対等だ」

ニック「（死闘って言ってもｕｎｏとしりとりだが…）」

ジャン「へ、兵長！自分もちょっと体調が…」

リヴァイ「てめぇ…勝ち逃げしようってか？」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

ジャン「あいたたた！？（本当に怪我してんのかこの人！？）だ、団長！助けて…！」

エルヴィン「こういう時のリヴァイは誰にも止められない。諦めるんだジャン。」

ジャン「そんなぁ！？」

ニック「（もう喋った方がいい気がしてきた…）」

エルヴィン「發」

リヴァイ「ポン！」

ニック「九萬」

リヴァイ「ポン！」

ジャン「七索」

リヴァイ「ロン！發・対々和！」

ジャン「げげ！？」

リヴァイ「今日の俺はきてる。わざと負け続けて運をとっておいた甲斐があった」

ジャン・ニック「（よく言うわこの人…）」

エルヴィン「相変わらずの全ツッパだなリヴァイ。それではいずれ振り込むぞ」

リヴァイ「負け惜しみか？エルヴィン。今俺トップなんだが？ん？」ﾆﾔﾆﾔ

エルヴィン「聞く耳持たずか…やれやれ」

～東４局～

リヴァイ「俺の親だな。おっ…こいつはいい配牌だ。一萬」ｶﾁｬｯ

エルヴィン「東」

リヴァイ「ポン！」

ニック「八筒」

リヴァイ「チー！」

ジャン「（染め手だな）」

ニック「（また染め手か…）」

エルヴィン「（やれやれ…またか）」

リヴァイ「（テンパった。三筒を辺チャン待ちだ！）」ﾜｸﾜｸ

ジャン「三索」

ニック「五萬」

リヴァイ「（来い…来いッ！）」

エルヴィン「あ、カン（三筒）」ｶﾁｬｯ

リヴァイ「あっ」

リヴァイ「（ちっ…よりによってエルヴィンのやつ俺の待ちを暗槓で…！）」ｱｾｱｾ

リヴァイ「（くっ…まあいい。このまま流局して連荘だ！）」ｶﾁｬｯ

ニック「あっ、それロン。タンヤオ平和三色ドラ１」

リヴァイ「」

エルヴィン「これでリヴァイを抜いて司祭がトップか」

ジャン「麻雀強いってあんた…本当に司祭か？」

ニック「はは…それほどでも」

ジャン「誉めてねぇよ。これで終局ですよね兵長」

リヴァイ「…は？寝ぼけんな。まだ続くに決まってんだろ」

ジャン「え…でも東風戦だって…」

リヴァイ「言ってない。半荘に決まってんだろ東風で実力の全てを発揮できるか」

エルヴィン「止めといた方がいいと思うぞリヴァイ」

リヴァイ「あ？なめんな俺まだ二着だぞお前」

ジャン「そ、そうですよ兵長。怪我の具合もありますし」

リヴァイ「やるったらやる！」

ジャン・ニック「（また面倒なことになりそう…）」

～南一局～

エルヴィン「中」

リヴァイ「ポン！」

ジャン「一萬」

リヴァイ「ポン！」

ニック「（すぐ鳴きたがるなこの男は…）」

リヴァイ「ツモ！中・ホンイツ！」

エルヴィン「（これほど打ち方を変えないやつも珍しい）」

～オーラス～

リヴァイ「ほら見ろ俺がトップじゃねぇか！地下街で賭け麻雀で生計を立ててた俺に敵うか馬鹿め」

エルヴィン「（でた～リヴァイの十八番『なんでも地下街伝説』）」

ジャン「九索」

リヴァイ「ポン！（最後もすぐに終わらせてやるぜ！）」

ジャン「（トップなのに全然慎重にならないなこの人）」

エルヴィン「リーチ。」

ニック「追っかけ」

ジャン「あ、俺もっす」

リヴァイ「……は？」

エルヴィン「どうしたリヴァイ。早く切れよ」

リヴァイ「くっ…落ち着け…このぐらいの窮地は地下街で何度も…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

リヴァイ「（待ちがわからねぇ…ここは、何度もピンチを切り抜けてきた…この五索で勝負だ！）」ﾀﾝｯ

エルヴィン「ロン」ﾊﾟﾀﾝ

ニック「ロン」ﾊﾟﾀﾝ

ジャン「あ、俺もっす」ﾊﾟﾀﾝ

リヴァイ「……」

リヴァイ「…三家和か。流局だな」

エルヴィン「何を言っている。天○のルールでやろうと言ったのはお前だろう」

リヴァイ「言ってない」

ニック「いや言ってた。それもしつこく確認してた」

リヴァイ「……っただろ」

ジャン「え？」

リヴァイ「お前らサマやっただろ！」ｶﾞﾀｯ

ジャン「へ、兵長！いきなり何を言い出すんです！」

リヴァイ「ガン牌したり河から拾ったろ！そうじゃなきゃトリロンなんておかしいだろうが！お前ら俺の時ばっかアガりやがって！」

エルヴィン「往生際が悪いぞリヴァイ！兵士は引き際が肝心なんじゃないのか？」

リヴァイ「うるせぇ！こんなの認められっか！これ俺最下位じゃねぇか！トップから最下位だぞ？認められるかこんなの！」

エルヴィン「だからあんな打ち方はやめろと何度も…」

リヴァイ「うるせぇぇぇぇ！」

ニック「（疲れる…）」

～～翌日～～

伝令「…以上が事の顛末です！」

エルヴィン「よし！我々もエレン達のところへ向かうぞ！ジャン！君も来たまえ！」

ジャン「はい！」

リヴァイ「新兵…いや…ジャン。」

ジャン「なんですか兵長？（今日は落ち着いてるなぁ）」

リヴァイ「俺は行けねぇが…あいつらを…頼むぞ。」

ジャン「……！！はい！任してください！」ﾀﾞｯ

ジャン「（ミカサ…今行くぞ！）」

エルヴィン「それじゃあな。いい子にしてるんだぞリヴァイ！」

リヴァイ「うるせぇよ。さっさと片付けてこい」

エルヴィン「はっ！」ﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯ

リヴァイ「（…行っちまったなぁ）」

ニック「……」

リヴァイ「………」

ニック「………」

リヴァイ「……さて、司祭。」

ニック「な、なにかね？」ﾋﾞｸｯ

リヴァイ「エルヴィンが将棋とオセロと花札を置いていったが…どれがいい？」

ニック「……」


――終わり――