上条「ごめん何言ってるかイマイチよくわからない」
アニェーゼ「ぶっ殺しますよ」
上条「なんでだよ!?何でいきなり学園都市に、しかも俺の部屋に来たと思いきや宗教勧誘なんだよ!深夜だろ帰れよ!」
時刻は午前1時を数分ほど回ったころ。
上条宅に押しかけてきたのはいつぞやのチョピン系シスターwith蓮の杖。
アニェーゼ「まだ玄関じゃねぇですか。とっとと私を部屋に入れちまってくださいよ」
上条「あれおかしいな帰れって言ったんだけど」
アニェーゼ「今日からここが私の部屋ですけど?」
上条「インデックスが帰ったと思ったら今度はアニェーゼか…?何考えてんだイギリス正教!!」
キャリーバックを引きずってずかずかと部屋に上がり込もうとするアニェーゼを食い止めることもままならず、ついに侵入を許してしまう事になった。
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アニェーゼ「さて、何で私のようなプリティで高貴なシスター様がこんな狭っ苦しくて汚い部屋に来やがらないといけなかったのかですが」
上条「文句あるなら帰れよ子供はもう帰りなさい」
部屋のベットに座り込んでペラペラと話し出すアニェーゼを前に、恨めしそうな声で土下座する上条。
蓮の杖を花柄のハンカチで磨きながら知らん顔してアニェーゼは話を続ける。
アニェーゼ「今回はあなたを危険な目に合わせる訳じゃねぇですから安心してくれやがってもいいですよ、上条当麻」
上条「そうなのか、だとしてもロクな事じゃなさそうだから帰ってくれ」
アニェーゼ「お腹空きました。何か作ってくださいね」
上条「上条さんはインデックスを送り返してからエンゲル係数は下がりましたけどね、もう1人を養える程お金があるわけじゃな」
アニェーゼ「これ、今回の分のお金です」
土下座のまま動かなかった上条の頭に、小さな手が茶封筒を乗せた。
中には諭吉さんが100人…いや、200人は入ってらっしゃるようである。
上条「な、こ、これは…?」
イギリス清教じゃった…(ボソッ
アニェーゼ「最大主教も後ろめたさ(笑)は感じていたみたいですね。今回私がこっちにいる間の生活費やら食費なんかを支払う事にしたようですよ…ってうわぁ」
言い終わって上条の方を見直すアニェーゼの目にしたのは、本気泣きしている高校生男子だった。
上条「アニェーゼ…来てくれてありがとう…!もうね、インデックスの食費のツケなんかが回って来て上条さん火の車に乗せられた気分だったんですのことよ…」
アニェーゼ「ま、まぁもっと崇め奉りやがってもいいですよ」
感激の涙で頬を濡らす上条にちょっと引いたような顔で戸惑ったが、すぐに得意そうな顔で無い胸をはるアニェーゼ。
上条「ぐすっ…で、上条さんは何をすればよろしいんですか?」
アニェーゼ「超絶簡単な事ってんですよ」
上条「?」
アニェーゼ「イギリス清教に上条当麻という個人が入信するだけ。ね?簡単でしょう?さぁこの書類にサインしやがってください」
上条「…えっ、それだけか?」
アニェーゼ「はいっ」
嘘偽りの一切を感じさせない、太陽のような笑顔と明るい声に、少しも疑う事なく羊皮紙と羽ペンを受け取る。
上条「なんだそんな事なら簡単…だよな、オッケー分かっ」
土御門「待てカミやん!!」
上条「つ、土御門!?ってぁぁぁぁあ扉がぁぁぁぁぁ!!!!?」
玄関の扉をぶち破って部屋に飛び込んで来たのは、数少ない親友であり、デルタフォースの一角を担う土御門 元春だった。
土御門「…アニェーゼ=サンクティス。貴様、カミやんがイギリス清教に入信することの重要さが分かっているのか」
アニェーゼ「…この件に関しては最大主教から一任されています。邪魔するってんなら”部隊”も動かしますよ土御門元春」
上条「え?え?…な、何でこんなシリアスな雰囲気になってるんだ…!?」
突然やって来た学校の同級生とベット上のシスターが何故か険悪な雰囲気になっている。
巻き込まれる事が死ぬほど嫌だったが、自分の部屋の秩序と平和を守る為に、土御門に話しかける事を選んだ。
土御門「カミやん、お前の選択次第では…また戦争が起こるぞ」
既に渦中の人物であった。
唖然とするのも一瞬で、耳に届いた”戦争”という場違いな言葉が直後に背中を凍らせる。
上条「」
かつて、世界を右手一本に命を懸けて救ってみせた上条にとっては、その言葉の重さをよく理解しているつもりである。
しかし、今上条の選択しだいで起こりうるという意味が理解できていない。
上条「…どういうことだ」
土御門「お前がイギリス清教に入信するということは、魔術側にとって最も危険因子である『幻想殺し』もイギリス清教に吸収されるということだ。この意味が分かるな?」
上条「!」
何の変哲もない右手。人も倒せず、テストの点も上がらず、女の子にもてたりすることもない右手。
しかしその右手には、無能力者の烙印を押された上条の唯一ともいえる個性であり力が宿っている。
その名も『幻想殺し』。
才能と能力が全てである学園都市側と、宗教を基準とした魔術側の力を同列に形容する『異能』を打ち消す事のできる最強かつ、再凶で災厄の力。
そんな力が、イギリス清教という一宗教に組み込まれる。
現時点でようやくに落ち着いたばかりの世界中を刺激しないわけが無い。
土御門「そういうことだ。他ん所がイギリス清教を恐れて何をしてくるか分からない。…戦争も考えにくい事じゃ無い」
アニェーゼ「…」
土御門「お前はその事を分かっていたのか!アニェーゼ=サンクティス!!」
上条「待て土御門!」
怒鳴りつけ、アニェーゼに詰め寄ろうとする土御門の手を掴む。
土御門「カミやん…!」
上条「…何か理由があるなら、話せよアニェーゼ。その為に来たんだろ?」
アニェーゼ「…」
ずっと口を一文字に結んだまま、一向に答えようとしないアニェーゼ。目も合わせようとしないその様に溜息混じりに、できるだけ優しく話しかけた。
上条「……分かった。話せるようになったら話してくれ。」
アニェーゼ「…っ」
上条「まだこっちに居る…んだよな?何日かかってもいいから話してくれよ」
アニェーゼ「……すみません、今日は、このベット借ります」
露骨に話を逸らして、毛布を頭から被り、そのまま逃げるように寝息を立て始めた。
毛布からはみ出ている銀の棒に目が行った。
それはおそらく、『蓮の杖』という彼女の武器。それを抱いたまま寝ている。
習慣だろうか、そんなはずはない。
それは、警戒の現れである。
上条「…土御門、こっちで何とかしてみる。心配すんな」
毛布にくるまったアニェーゼを仇でも見るようにを睨みつける土御門に、ちょっとだけ困ったような表情で小声で話しかける。
土御門「しかし…」
上条「また何かあったら俺が幻想を殺してみせる。だから、今は俺を信じてくれ」
土御門「…わかったにゃー。後は頼んだぜぃ」
上条「あぁ」
土御門「………今更、同情なんてするなよ?」
上条「……」
上条の肩を1度だけポンと叩いて、土御門は出て行った。
……無残にも破壊された扉を跨いで。
,
シスターの朝は早い。
祈りを捧げるなどの毎日の習慣を終え、朝食を作りに取り掛かった。
アニェーゼ「おっとと、エプロンとか勝手に借りちまってもいいですかね?…聞いてみますか」
しかしアニェーゼの視界には、どこにも上条の寝ている姿は無かった。
見上げる壁掛け時計の針は午前5時を指しており、上条の方が先に起きたとは考えにくい。
アニェーゼ「…?」
アニェーゼ「……って、何で風呂場なんかで寝てやがるんですかこの人」
上条「zzZ」
寝にくくは無いのかと聞かれれば確かに寝難いのだが、何ヶ月もインデックスのお陰で風呂場で寝るということを強いられた上条にとっては、いまさら屁の河童だった。
アニェーゼ「上条当麻、とっとと起きやがってください」
上条「…zzZ」
アニェーゼ「上条当麻。かーみーじょーうーとーうーまー!」
上条「……zzZ」
全くといって良い程起きる気配がない。
むしろより一層深く寝入ろうとしているような気もする。
アニェーゼ「ふ、ふふ…寝ているとはいえこのアニェーゼ様をシカトかましやがるなんていい度胸してやがりますね…!!!」
額に青筋浮かべて黒い笑顔のまま取り出したのは、言わずもがな蓮の杖。
これからこの部屋の主に理不尽という空間攻撃を加えるためのアニェーゼ愛用のそれである。
アニェーゼ「万物照応。五大の元素のその五!」
アニェーゼが祈りのような言葉を発していくと、杖の上に付いている天使の羽がゆっくり、花が開花する瞬間を思わせるように展開されていく。
アニェーゼ「ふふん…偶像の一。神の子と十字架の法則に従い、異なるものと異なるものを接続せよ」
やがて、彷徨っていた6枚の羽が円を正確に六等分する形で配置されたところで、蓮の杖を両手で持ち上げる。
アニェーゼ「せいっ!!」
ドゴン‼︎と、風呂場の床を杖の底で思い切り突く。
その数秒後。安らかな顔で眠りについていた上条の脇腹に容赦無く重い衝撃がめり込んだ。
上条「っは…!?」
アニェーゼ「あ、おはようございます」
ようやく起きやがりましたか、と肩をすくませてやれやれと首をふるアニェーゼ。
上条「………ふ。」
その視界の端で、脇腹を押さえつつ産まれたての子鹿のように、足を震わせながら立ち上がる上条の頬にも確かに青筋が浮かんでいた。
上条「そこに正座ぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
アニェーゼ「…足が…」
上条「つまりだな、たとえ用事があったとしてもだ!起こし方ってのも考えるもんだろ?それなのにお前はソレ!蓮の杖使ったよな!?やっていいことといけないことが」
アニェーゼ「う、ご、ごめんなさいですよ…」
今度はアニェーゼがぷるぷると全身を震わせていた。1時間にも渡る上条のお説教を頭から浴びせられたことが原因と思われる。
上条「…ふぅ、俺の言いたい事はそれだけだ。分かったな?」
最後に深呼吸を一回してから手を差し出す。
アニェーゼ「…は……いっ」
上条「そんで、何の用だったんだ?飯でも作ってやるから台所行くぞ」
アニェーゼ「あ、ちょっ!」
上条「ん?」
何事もなかったように、アニェーゼの手を引いて立ち上がらせようとする上条の手を払い「今…触らないでください」と静かに拒否した。
上条「ど、どうしたんだよ」
上条の頭は、眼下の少女からは何故か必死さが滲み出ているとしか認識せず、長時間の正座が及ぼす効果の事など思考の片隅にもなかった。
アニェーゼ「いいから!先に行っててくださいって!!」
正座のまま上条の足を突き飛ばす。
それは、上条が倒れかかって来てしまう事態を必然的に招いてしまった。
上条「お?」
アニェーゼ「んなっ」
驚いて足を崩すアニェーゼは、よけようとしてもなかなか上手く動くことがままならず、女の子座りになることで更にまずい状況に陥った。
上条「わわわっ」
そして、異能のものであれば神や悪魔の力ですら打ち消してしまう”災厄の右手”が女の子座りで露見したアニェーゼの右足を、がっしりと鷲掴みにした。
アニェーゼ「ふひゃぁぁぁぁぁんんんっっ!!?」
上条「!?」
アニェーゼ「あぅっ、あっ、なっ」
上条「だ、大丈夫か!」
アニェーゼ「さっさとその手を、んっ!離しやがってくださいっ、くっ!、って!!」
上条「まさか、魔術か…?魔術師の攻撃なのか?アニェーゼお前狙われてるのか!?なら幻想殺しでっ!!」
揉み揉み。ひたすら右手でその小さな脚を揉む。上条の手にはすべすべとした肌の感触が伝わって来た。やはり女の子。肌には気を使ってらっしゃるようだ。
アニェーゼ「くっ、く…ひゃんっ!」
上条「くそっ!インデックスだけじゃなくてアニェーゼまで狙ってんのか魔術師……まさか、イギリス清教に俺を誘ってたのも何か関係してたのか!?」
アニェーゼ「はっ、離っ、!離っっ!」
上条「何て言ってるんだアニェーゼ…!ちくしょう魔術師め!!」
1人は顔を紅潮させ、悶え、暴れた。
もう1人は抗われても、揉む。悶えても、揉む。暴れても、揉んでいた。
段々ヒートアップしていく両者だったが、その拮抗を崩したのはアニェーゼだった。
アニェーゼ「離せっつってんでしょうがこのバ上条が!!!」
藁にもすがる思いで手にした蓮の杖で、上条の頭上めがけて振り下ろす。
上条「うっ!……ごはっ!?」
もちろん蓮の杖と上条は接続されたままである。
よって、頭を殴られた衝撃+αで、顔面に懐かしい空間攻撃が飛んできたのだった。
,
上条「人間誰しも間違いはあると思うんです」
胸の前で、祈るように手を組み縋るような目で赤毛のシスターを見上げる。
アニェーゼ「はい」
上条「わたくし上条当麻が今、シスター・アニェーゼ様に懺悔をさせて頂いて、神はお許しになってくださいますでしょうか」
その問いに、シスターは微笑みながら優しい声で返した。
アニェーゼ「神はお許しになるでしょう。
しかし私が許すことはないでやがりましょうねぇ」
いくら幻想殺しであっても、足の痺れや乙女の怒りは打ち消せないらしい。
上条「ですよねーぇぐぁっ」
学園都市に暮らす(自称)平凡な高校生こと上条当麻は、正座させられた挙句、幼女系シスターに銀色の杖で頬をグリグリされるというプチ非日常に飛び込んでいた。
アニェーゼ「何考えてやがるんですかこのバ上条。もう上条当麻って名前も長いからバカにしちまってくださいよ。私としてもバ上条当麻って呼ぶよりもバ上条って呼ぶよりもバカの方が呼びやすいんで」
吹き荒ぶ嵐のようにシスターの口から飛び出す罵詈雑言の言葉の群れが、上条の心を何度も切り裂いていく。
上条「か、仮にもシスターがそんな風に言うのはどうかと思」
アニェーゼ「あァ?」
上条「何でもございませんアニェーゼ様…」
イギリス清教のシスターや神父に常識は通用しない。それは銀髪の暴飲暴食怪獣インデックスが1番良く教えてくれた事だ。
そのブッ飛びレベルは人格破綻者の集まりと言われる学園都市LEVEL5達とどっこいどっこいと言った所だろうか。
とはいえ、今回の場合は確実に上条自身が悪いのだが。
悶えるアニェーゼ見れて、頬グリグリされるとか羨ましすぎ
それよりこのスレはsage更新なのか?
アニェーゼ「…ハンバーグ」
上条「…ふぁい?」
蓮の杖を上条の顔から離して、呟いた。
アニェーゼ「……ハンバーグを腹いっぱい作ってくれたら、許してやってもいいです」
上条「」
アニェーゼ「な、なんですか優しい目で気安く頭を撫でようとしないでください!子供じゃないんですから!!」
上条(そうだよな…まだこんな小さな女の子だもんな)
少しだけアニェーゼの事が可愛らしく思えた上条は、
上条「よし!ハンバーグいっぱい作ってやるよ!」
アニェーゼ「!」
不機嫌で満たされていた表情が、すぐに歓喜と希望に染まった。
>>24
しまりましたっ!(cv.加藤英美里)
直していきます
上条「ちょっと待ってろよ?」
アニェーゼ「はい!」
意気揚々と右手で台所の冷蔵庫を開けた。
上条「」
ここにきて幻想殺しが働いたのか否か。
保冷機能付きの扉の向こうには、少女の笑顔に応えられるような幻想は何一つとして存在し無かった。
アニェーゼ「何分ぐらいでできやがりますかね?もうお腹ペコペコですよー!」
上条「あ、あはは…アニェーゼ」
アニェーゼ「はい?」
上条「…ごめんちょっと買い出し行ってくる」
アニェーゼ「…材料が、無かったんですか」
上条「ひぃごめんなさい噛まないで!」
アニェーゼから発せられる不機嫌オーラに反応したトラウマが、反射的に頭を守って防御の体勢を取った。
上条「…?」
しかし何秒立ってもガブガブは来ない。
上条「えーっと、アニェーゼさん?」
アニェーゼ「…ぶ、ですよ」
上条「はい?」
アニェーゼ「大丈夫ですよ。勢いとはいえ突然上がり込んだ上に、居させて貰ってる事だけでも幸せな事ですから」
上条「」
アニェーゼ「これでも昔は結構苦労した身でして…ご飯の有り難みは身に染みてやがりますから。あはは…」
上条「」
はにかみながら無理に笑うアニェーゼが、どうしようもない程、いじらしく感じて。
アニェーゼ「場所があるたけでもっわわっ!?か、かかか上条当麻?!」
上条「…」
思いっきり力いっぱい抱きしめた。
一瞬だけ瞳の奥に見せた辛い感情を、まだ成長しきってもいない小さな体で抱えていると思うと、いても立ってもいられなかったのだ。
上条「アニェーゼ…お前、本当にいい子だなぁ…っ」
感涙。
上条は今までに無い程に心を揺さぶられ、泣いた。漢泣きだった。
アニェーゼ「は、はい!?」
上条「お前ならいつまでも居てくれていい。こんないい子なら大歓迎だよ…!」
率直な、しかし心から言える言葉がそれだった。
アニェーゼ「は、はいぃっ!!?そ、それはどどどどういう意味で」
上条「ぃよしっ!今からすぐにスーパーに行くぞ!!ハンバーグだけじゃない、何でも好きなもん作ってやる!!」
アニェーゼ「…あ、あの今更申し訳ねーんですけど、やっぱりハンバーグは遠慮させてください」
上条「!?」
アニェーゼ「私達、急に『学園都市に今から行け、部隊も10人編成して連れて行け』と言われちまって。皆野営してるかもしれなくてですね、私よりも彼女達にご飯を食べさせてやりてーんですけど…駄目ですか?」
不意の一撃。それもクリティカルヒット。
ついに上条の涙腺のタガが決壊した。
上条「…あ」
アニェーゼ「…?」
上条「アニェーゼぇぇぇぇ!!!!」
アニェーゼ「ひゃっ!?な、何…!?」
アニェーゼを抱きしめる腕の力が一層強くなる。それに伴って魂から流す涙の量もどんどん増えていく。
上条(神よ…テメェこんなイイ子に苦労させたのか…!俺の不幸の分、こいつにはこれから幸せをいっぱいあげてやれ!!さもなくば右手で殺す!!!)
アニェーゼ「あ、あの、皆のご飯…」
涙せずには語れぬ少女の優しさが、ここにはあった。銀髪怪獣にも見習って欲しいばかりである。
上条「わかった!心配すんな!宿も飯も俺がなんとかしてやる!!」
アニェーゼ「!あ、ありがとうございますっ!」
上条「というわけで土御門」
土御門「オレはもう…頭が痛いにゃー…」
上条「頼む!この通りだッ!!」
土御門「わかった、わかった!……今すぐホテル手配すればいいんだろにゃー…」
やって来たそばから土下座された土御門としては、ここで断ると寝覚めが悪い。
何より親友の頼みとあっては尚更だ。
上条「ありがとう心の友よ!」
土御門「飯はどうするんだ?一応宿でも取れるようにするか?」
上条「否ッ!断じて否ッッ!!…俺が作る」
土御門「お、おう…」
上条「アニェーゼ~!宿の確保できたぞ!!」
アニェーゼ「よかったです…!」
扉の外でホッと胸を撫で下ろすアニェーゼを見て上条は心の中で一言。
上条(ほんとにええ子や…)
上条「よし、早速スーパーへGoだ!」
アニェーゼ「おー!ほら、さっさと行きますよ!」
キリがいい(?)ので、一応ここまでで離席させていただきやす。
また夕方もしくは夜に俺参上しますので。。。
どうでもいいけどアニェーゼはローマ正教からイギリス清教に改宗してない
>>38
ローマ正教に見切りつけてから→イギリス清教に改宗したって事で(無理矢理)脳内変換お願いします…至らずすみません
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すまんな
やっぱ深夜はアカンね
上条「アニェーゼを入れて、11人でよかったんだよな?」
会計中の買い物カゴをチラ見して、何を買うかあらかじめ書いてきたメモ帳に視線を落としつつ尋ねる。
さすがは11人分の食材。買い物カゴ1つには到底入り切るはずも無く、一つ、また一つと秒単位で増えていき、若いバイトのお姉さんがカゴ4つをせっせと1人で品物を通している姿にとてつもなく申し訳なさを感じていた。
アニェーゼ「…私が言える立場じゃねーのは分かってるんですが、そんなに後ろめたいなら何度かに分けて会計すればよかったんじゃないですか?」
上条「……………あっ」
アニェーゼ「」
上条「…、アニェーゼ。ガム、買うか?」
アニェーゼ「これまた私が言える立場じゃねーですけど。話を逸らすのが露骨すぎやしませんかね。頂きます」
税込480円のガムも追加で買い物カゴに放られた。
数時間後に、見た目普通のガムなのに何故か他のとは確実に値段がおかしい物を買ってしまったことを嘆くことになる。
「あっ!」
上条「ん?」
ハスキーな叫び声の後に何かが落ちるような音。それは手の滑ったバイトのお姉さんが、カゴの一つをひっくり返してしまった事を意味する。
卵や炭酸ジュース等が入った方では無かった事が幸いではあった。
「すっ、すみません!すみません!!」
慌てて床に散らかってしまった野菜や缶詰を集めにかかるバイトのお姉さんの加勢に、と上条も屈み込む。
「今新しいのとお取り返しま…あっ」
上条「いえいえ量的に大変だから大丈夫ですよ…あ」
まさに恋の始まりそうな予感、とでも言わんばかりに上条とバイトのお姉さんの手が触れ合った。
上条「す、すいません!」
「い、いえ…こちらこそ…その…っ」
声が裏返った上条と恋に落ちかけた女性の事を周りは、空気を読んでか読まずかニヤニヤ笑顔で見守っている。
しかしそれをよく思わないのがこのスーパーにおよそ一名。上条の30cm後ろで、身長に合わない杖のような物を既に振り上げていた。
アニェーゼ「煩悩退散っ!」
アニメ声に振り下ろされる蓮の杖は期待通り上条のウニ頭を強めにぶん殴る。数秒だった暁には上条の伸びた鼻の下を正確に撃ち抜くであろうことはほぼ確実。
上条「あだっ!?あ、アニェーゼお前何オウゥフ!!」
しかし誰の予想通りにも動かない男上条当麻。身体ごとアニェーゼの方を向いてしまった事により、蓮の杖にもたらされる空間攻撃はウニ頭の後頭部よりやって来る。
アニェーゼ「何をデレデレしてやがるんで……っ!?」
突き飛ばされる様にアニェーゼを突き飛ばした挙句、上条が飛び込んだのは、過去に脳裏に焼き付けた事のあった懐かしき華の楽園。
上条(こ、ここここここここここここここここコレはぁッ⁉︎)
アニェーゼ「きゃあぁぁっ!?……な、なななんなんですかあなたは本当にぃっ!!」
今までの空気が一変。
ニヤニヤ笑顔から、汚物を見る様な視線が上条に突き刺さる。
上条「ち、違うんだアニェーゼ!」
アニェーゼ「あぅっ、んんっ…!し、喋らないでください…っ!!」
上条「誤解だっ………あ、あれ?」
ガシッ、とだいぶ見た目が優しくないお兄さん達に優しく肩を両方から掴み上げられ、ようやくアニェーゼのスカートの中から抜け出すことができた。
上条「すみませんありがとうござ…あれ?あれれれれ?何で上条さんは事務所的なところにに引きずられてるんでせうかーーーッ!?」
アニェーゼ「うぅ…2度も同じ様に汚されました…もうお嫁に行けません…」
上条「」
ミニスカシスター服の裾で顔を覆うアニェーゼのその言葉が、優しく掴み上げていたお兄さん達の笑顔を般若面に彩る。
上条「は、ハハ…不幸どぅわ!!?」
口癖であったソレは事務所に投げ込まれた事で顔に当たってしまったパイプ椅子によって阻まれた。
頭痛が酷いので今回だけお休みさせてください。。。m(_ _)m
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