≪過去スレ≫
女騎士「いやだ!死にたくない、仲間の居場所でも何でも話すから!」 女騎士「いやだ!死にたくない、仲間の居場所でも何でも話すから!」 - SSまとめ速報
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女騎士「絶対に死んでたまるか!!絶対にだ!!」 女騎士「絶対に死んでたまるか!!絶対にだ!!」 - SSまとめ速報
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≪あらすじ≫
キュートでファンシー、ビビッドなお茶目さが魅力でお馴染みの女騎士ちゃんがめっちゃ活躍した。
女騎士ちゃんは果たして薄汚い魔物どもを一匹残らず根絶やしにする事ができるのか。
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騎士ほ「お姉様、北西諸島の一次攻撃の被害報告が上がりました」
女騎士「ご苦労、さて……どんな塩梅ですかね」
敵兵「(もう俺達連合の情報もスカスカだな……俺がブロックしたところで、取り巻きがどこからか持ってくるんだもん……)」
騎士に「死亡者、行方不明者は東方拠点侵攻時の実に3倍強。一国の防衛勢力を相手取った時よりもひどいですわね」
騎士ほ「予想通り……騎手及びワイバーンは、チェインメイルで武装しているようです……
我々が想定していた武装よりか、若干軽装のように感じられますが……」
エルフ三男「ドラグーンは連合王国にとっての嚆矢です、騎馬や歩兵では出せない圧倒的な機動力を以て前線の戦力に畏怖を抱かせる……
その印象付けが十分な段階に至るまで、恐らくチェインメイル以上の装備を施したドラグーンは現れないでしょう」
女騎士「取り囲んで一騎をフルボッコにしてとっ捕まえるには、今しかないという事か」
エルフ三男「少なくとも、時間をかければ文字通り戦闘民族の師団が魔王軍と連携して攻めてくる事は確かです」
女騎士「てっとり早く連中の戦意を削いで、魔王軍から引き剥がすとするか。魔物に与する奴はみんなぶち[ピーーー]しかない」
敵兵「……」
エルフ三男「捕獲作戦には、ぼくの私兵を出します。連合からはお力添えはできませんか?」
敵兵「え、ええと……その……」
女騎士「いや、今回は少数精鋭で行きたい。連合がドラグーンを捕獲して人質にしたという事実の公表は、間を置いてからの方が良かろう」
騎士ほ「つまり……今回は賊にとっ捕まっちゃった……風の演出という事ですのね……」
女騎士「トリモチなんか採用してる勢力なんかないだろうが、念には念を入れてだ」
エルフ三男「了解しました。全部隊員にフードの着用を義務付けます」
女騎士「あんたらエルフの狙撃の腕にかかってるんだ。トリモチ使うにしても、最初は網を射出して連中をホバリング状態にさせなきゃならん」
エルフ三男「お任せください、騎士様。我々にかかれば、ワイバーンなど小バエも同然でございますよ」
敵兵「(それ任せちゃいけない系の台詞じゃね!?)」
女騎士「まあ、私も行くし。奇襲ではじめる遭遇戦だから何とかなるべ」
敵兵「(戦争なめすぎィ!!!)」
騎手Ⅰ「バイパー1から各騎、今宵も異常なしだ。共和国の民兵の警戒が利いているらしいな」
騎手Ⅱ「静かな夜ですね、隊長。きょうはゆっくり眠れそうですわ」
騎手Ⅲ「おっと、寝かさねえぞバイパー2。おとついの戦果をもっと聞かせやがれってんだ」
騎手Ⅱ「……戦果なんてものではございませんわ」
騎手Ⅰ「バイパー2……」
騎手Ⅱ「我々ドラグーンは、確かに本国では誇り高き兵科……すべての軍人が憧れを抱く選ばれし騎兵です。
しかし、やはり前線でする事と言えば……」
騎手Ⅰ「気に病む事はないぞ、バイパー2。魔王軍とやらの言う夢物語が尾を引いているのか」
騎手Ⅲ「それこそ考えすぎだぜ。人魔共存もいいが、疑う事を忘れっちまったら人間おしまいだ。
人生腹の探り合い、カーストがあるからこそ人間の社会は回っているんだぜ」
騎手Ⅱ「……すみません」
騎手Ⅰ「無理はない、先日の遭遇戦はあまりに一方的過ぎた。バイパー3、必要以上にこの事を蒸し返すな」
騎手Ⅲ「はいよー、了解であります」
騎手Ⅲ「……おい、見えるか、お二人さん」
騎手Ⅰ「む……」
騎手Ⅱ「あれは、人……こんな平野に?」
騎手Ⅰ「襤褸に手枷……行商人でも無さそうだ」
騎手Ⅲ「っかー、遅れすぎだろ帝国ってのはよォ。絵に描いたような時代錯誤の奴隷だぜ、きっと」
騎手Ⅱ「隊長、いかがいたしましょう」
騎手Ⅰ「見捨てる理由も無かろうが……よろしい、向かうぞ」
女騎士「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
ゲン「!!!!」
騎手Ⅰ「うおッ!!」
ケンヂ「!!!!」
騎手Ⅱ「ど、どうしたの、ケンヂ!落ち着いて、どうどう……」
騎手Ⅰ「む……竜どもの様子がおかしいな。バイパー3、貴様の翼竜は大丈夫か」
騎手Ⅲ「少し興奮しただけです、飛行に支障はありません!」
騎手Ⅱ「何に怯えてしまったのでしょうか……」
騎手Ⅰ「付近に魔物がいるのか、あるいはもっと……邪気を携えた存在が隠れているかだな」
騎手Ⅲ「そ、そんな脅かさんでくださいよ、隊長……」
女騎士「(何モタモタしてんだよ、早く降りてこいビチグソども)」
騎手Ⅱ「あ、あれは……」
騎手Ⅰ「どうした、バイパー1」
騎手Ⅱ「……あの女……もしかして、魔王軍からの進軍情報にあった女……では?」
騎手Ⅰ「金髪碧眼、邪智暴虐、豊満巨乳の三拍子揃った大悪党……あれがそうだと言うのか?」
騎手Ⅱ「確証は持てませんが……髪の色と顔つきが……」
騎手Ⅲ「バカ言えよ、エルフどもが買い戻しに来たって事は、それなりの家柄のそれなりの貴族だかだろ?
そんな人間が共和国との国境沿いにフラフラ出てくるなんて事は……」
騎手Ⅱ「考え辛い……ですよね。」
騎手Ⅲ「そうだぜ、それにあんな美人を放置して見殺しにするなんて夢見が悪いなんてもんじゃねぇ」
騎手Ⅰ「私のゲンの背中が空いている、私の後ろに乗せるぞバイパー3」
騎手Ⅲ「この変態ドラグーンが!」
騎手Ⅱ「……」
騎手Ⅲ「おいバイパー2、目の前の事実とうさんくせー魔王軍のどっちを信じるんだ?
そりゃ、女王陛下がじきじきに接触された勢力と言えば聞こえはいいが……」
騎手Ⅱ「……すみません、私やっぱりここで待機してます。嫌な予感、しますから」
女騎士「……あ、あれ?一騎こっち来ねぇぞ……?」
女騎士「……二騎は釣れた、狙撃可能高度まではどのくらいだ?
エルフ三男「だめです、もっとおびき寄せないと……念の為、もう一袋ぶんの血糊を空けてください」
女騎士「……うええ、ヌメヌメして気持ちわりぃ」
騎手Ⅰ「こんな所でどうしたのだ、巡礼の帰りという訳でもあるまい」
女騎士「はい……帝国の軍隊が私の村にいきなり踏み入ってきて……」
騎手Ⅲ「帝国……この前の戦闘で中央に引っ込んで行った連中ですかね」
女騎士「詳しい事は存じ上げませんが……私たちをこうして拘束して、酒池肉林のお祭り騒ぎ……
私の姉などはモルヒネ漬けでアヘ顔ハメハメ、ランチキ騒ぎの完徹ぶっ通しでフィバっておられるのです……」
エルフ三男「(よく初対面の外人を相手にあそこまでデタラメが言えるものですね……)」
女騎士「ああ、お願いでございます兵隊さん!どうか、どうか私の村落を助けてくださいまし!!」
騎手Ⅰ「ふむ……ここからどのくらい離れているのだ?」
女騎士「無我夢中で逃げてきたのでわかりかねますが……ここから東に丘を二つ越えたかと思います……」
騎手Ⅲ「はっ、そんなん任せときな!俺達のワイバーンならひとっ飛びだぜ。帝国のクズどもをまとめて……」
騎手Ⅰ「……」
女騎士「あいっででででで、何しやが……やめてくださいまし兵隊さん……」
騎手Ⅰ「バイパー3、構え!」
騎手Ⅲ「は、はい!?」
騎手Ⅰ「こんな汚れ一つない綺麗な脚をした村娘がいるか、バカにしてるのか! お前のように健康な農民がいるか!」
女騎士「う、うつ伏せは苦しいですわ……て、手を離してくださいまし……」
騎手Ⅰ「必要な事以外は喋るんじゃあない、腕を肩からへし折るぞ!魔女め!!」
女騎士「(えっ誰の事魔女ってマジヤベー勘弁して助けて三男)」
エルフ三男「」
エルフ三男「あぁ……この人……この人ってダメなんだぁ……あぁ……あふぅ……」
女騎士「(いてててて、この中年まじ加減ってもんを知らねえんだよ、早く助けろおい)」
エルフ三男「わざわざ自分から志願してこんなバカみたいな真似を全力でしてるよぉ……ふああ……」
女騎士「(見てねえで早くこいつらブッ殺してくれよ、早くしろオラ)」
エルフ三男「だめぇ……この人を何とかしてあげたいよぉ……ああ、生きてるって素晴らしい、最高だよぉ……」
エルフ三男「狙撃班に伝令。上空に待機している不埒者を叩き落せ、地面とキスさせてやるのだ」
エルフ銃士「了解」
エルフ三男「我々弓士の獲物は、前方70mの……ぼくの愛しの女性に泥の味を噛み締めさせているドラゴンのクソだ。
クソにはクソらしく、クソを塗った矢を突き立ててやろうじゃないか」
エルフ弓士「了解しました」
女騎士「(折れる折れる折れる痛い痛い痛いやだこんなの来なきゃよかった)」
エルフ三男「くたばれクソ野郎!」
騎手Ⅰ「……」
騎手Ⅲ「た、隊長……刺さり……刺さりましたけど……」
騎手Ⅰ「」
女騎士「いてて……ここんとこずっと手枷生活なんだから乱暴すんじゃねーよ、おうこら」
騎手Ⅲ「ひ、ひいい……!」
エルフ三男「ネット射出!狙撃班は上空のもう一匹を近寄らせるな!」
女騎士「(やるじゃん三男、いつもの童貞っぷりはどこへやらじゃん)」
騎手Ⅲ「く、くそ……魔王軍の言ってた事は本当だったのかよ……!!」
女騎士「あらぁ、兵士様ァ!!私をどこかに連れて行って下さるんじゃなかったんですの!!」
騎手Ⅲ「あんな所から弓なんか使って当ててくるなんて、頭イカレってる!人間じゃねェ……!」
女騎士「(今んとこ人間は私くらいしかいないしなあ)」
騎手Ⅲ「……お、おい、飛べ!飛んでくれ、ドドイツ!!どうした、飛べっ!!」
ドドイツ「」
女騎士「うわ、トリモチすげーな。おい、頭にぶち当てちゃダメだろー、息してねーぞこのドラゴン」
ドドイツ「」
騎手Ⅲ「」
女騎士「オッサンの乗ってきた竜も……うわ、初弾当てた時点で羽が付け根からもげちまってるぜ」
騎手Ⅲ「た、助けてくれ……ば、バイパー2……おうい……」
女騎士「あー、上のあれの事か。おー、頑張ってる頑張ってる。なかなか当たらんね」
騎手Ⅲ「……」
女騎士「お、すっげー槍で矢を払いのけたぜ……あ、当たった。さすがに銃弾は無理かあ」
騎手Ⅲ「……」
女騎士「右肩かー、ありゃ無理だなー……あ、落っこった。残念、死んだなありゃー」
騎手Ⅲ「」
女騎士「いやー惜しかったわー、もうちょっとで助かったのになー、お前今から捕虜だわー、私の後輩だわー」
騎手Ⅲ「」
女騎士「おら童貞!!捕虜だ捕虜、思う存分に尋問してやれ!!」
敵兵「うおおっ!!」
女騎士「寝てんじゃねーぞ働け!ちゃんと絞ってやれよ!」
敵兵「(ここ数か月ろくに睡眠がとれてないのは、やっぱりあいつのせいだ……)」
騎手Ⅲ「……」
敵兵「……」
騎手Ⅲ「ドドイツ……」
敵兵「うわ、喋った!!」
騎手Ⅲ「ドドイツは……オレが初めて飛べるようになるまで育てあげた翼竜なんだ……
あいつが……あいつがオレを遺して……オレも、オレももうすぐそっちに……」
敵兵「(あーこれ輸送中にも言葉責めされまくったパターンだわ、あのカスに何か口答えしたんだな……)」
騎手Ⅱ「……」
女騎士「ごきげんよう、気分はいかがでしょう?」
騎手Ⅱ「(体中が痛くて熱い……だるい……)」
女騎士「今現在、あなたの右手骨、左鎖骨が砕け、大腿骨および膝蓋骨もダメージがあるそうです
腰椎にも異常がみられるそうです、御愁傷様ですわ」
騎手Ⅱ「……」
女騎士「ぼーっとしますでしょう?どんな気分です?」
騎手Ⅱ「ねむい……」
女騎士「そうでしょう、のちのち吐き気にも変わりますので覚悟しておいてくださいましね」
騎手Ⅱ「……」
敵兵「何やってんですか……あれ……」
エルフ三男「大脳上皮に直接刺激を与える薬品を投与してみたんですよ」
敵兵「は?」
エルフ三男「麻酔をかけた上で向精神薬を与えてあるんです。
帝国医局と共同で進めていた自白剤の開発の延長なんですが、まさかこんなところで臨床実験ができるとは思いませんでした」
敵兵「(何それ怖い怖い怖い怖い)」
女騎士「はいはーい、おはようございまーす。私の顔わかりますかー?」
騎手Ⅱ「……」
エルフ三男「これは……恐らく寝てませんね、一晩寝られなかったんでしょう」
女騎士「……うえ、気持ちわる。なんかヨダレだらけだし触りたくねぇや」
エルフ三男「まあまあ、そう言わずに続けましょうよ。せっかくあんな重たいものを医局に持ってきたんですから」
騎手Ⅱ「……?」
女騎士「あ、目ぇ動いた。おっきしましたかぁー?骨ぼりぼりに砕けてるけど痛くないでしょー?」
騎手Ⅱ「……」
女騎士「……一晩で人間がブッ壊れるようなクスリ作るなよな、死人みてえでほんときめぇんだけど。オェェェ」
エルフ三男「面目ないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
敵兵「(オレは関与してない、オレは知らない、オレは関係ない……!!)」
女騎士「まだギリギリ喋れると思うんですけどー、色々教えて頂きたい事があるんですよー」
騎手Ⅱ「……な……に」
女騎士「今現在、大陸に展開しつつあるあなた方の勢力の編成、および構成、進行指針、魔王軍との連携状況その他諸々……」
敵兵「(まさか、捕らえた捕虜に毎回こんな事するのか……?オレが……!?)」
女騎士「教えてくれないんじゃ……お友達と一緒にお国に帰すわけにはいかないですよねぇ……」
ケンヂ「……」
騎手Ⅱ「ケ……ンヂ……」
敵兵「(昨日エルフ達が朝方まで何かしてたと思ったら……この女のワイバーンを仕込んでたってわけか……)」
女騎士「ちょっと大人しくなるまで教育してあげたんですよ、暴れるわ噛むわ引っ掻くわでマジウザかったんで。
爪やら牙やら角やら、危ないんでへし折っておいてあげましたよ」
ケンヂ「……」
騎手Ⅱ「ひど……ひどい……」
敵兵「(なんて事を……!)」
女騎士「ほら、ちゃんとペン握って、設問に答えてくださいよぉ。でないと……おらっ!!」
ケンヂ「……!!」
女騎士「大事なドラゴン様がケンカキックでボロボロになっちゃいますよぉ。いくらウロコがあるって言っても、目に刺さったら危ないですよォ」
敵兵「(倫理って何だっけ)」
女騎士「ふむ……所属は王立円卓騎士団直属第3翼竜飛行隊バイパー……氏名に生年月日、部隊遍歴……」
敵兵「(北西諸島のエリート中のエリートじゃないか……不憫な……)」
騎手Ⅱ「……」
女騎士「あれれー?何ですかこれー?家族構成とか原隊の位置とか大事なとこ抜けてますけどどうなってるんスかこれ?」
騎手Ⅱ「それは……それは……」
女騎士「書けよクソアマが!!テメェの相手もぼちぼち飽きてきたんだからスムーズに動きやがれ!!」
エルフ三男「騎士様、グーパンはまずいです。今の状態で脳みそ揺らしたら彼女マジでトんじゃいます。水の泡です」
女騎士「……ったくよぉー」
女騎士「書けっつってんだよボケェ!!」ベリベリベリベリ
ケンヂ「!!!!」
エルフ三男「うわー痛い痛い痛い」
敵兵「(金具でウロコ剥がしてる……ひでぇ……)」
騎手Ⅱ「ひゃめ……てぇ……」
女騎士「あ?」
騎手Ⅱ「けんぢに……ひどいことしないで……」
女騎士「そんな事聞いてんじゃねーんだよドラフェチが!!テメェらクソトカゲでマスかいてるような変態と同じ部屋で同じ空気吸ってるってだけで、
今朝のハムと麦パンとソーセージ吐き散らしそうなんだよ!!ちっと優しくすりゃつけあがりやがって、調子こいてんじゃねぇーぞ!!」
騎手Ⅱ「いや……ゆる、して……」
女騎士「テメーが変な見栄張ると、こいつ空飛ぶ事はおろか……歩く事もできなくなるかもしれないんだぜ?
あー可哀想可哀想、お前ほんとクズだな、他のドラゴンライダーはどう思うかな……大事なドラゴンをこんなひでー目に遭わせるなんて」
敵兵「(クズはお前だよ、もうほんとウロコ剥いだところから鳥肌止まんないよ……)」
騎手Ⅱ「う……あううう……」
女騎士「円卓騎士団っつーと……エリート中のエリートなんだろ?さぞ努力して勉強して、他の奴らを蹴落として、
必死こいて必死こいて今の地位について、この大事な相棒と一緒に頑張ってきたんだろ?」
騎手Ⅱ「……」
女騎士「辛い時も哀しい時も楽しい時も嬉しい時も、ずっとこの相棒が一緒だったんだよなぁ……」
ケンヂ「……」
女騎士「こいつの装備に挟まってたロケットの写真、見たよ。まだ小さいコイツと可愛らしい女の子がじゃれ合ってる写真だ……
いい画だったよ、最高だ、あんまり気に入ったんでロケットごとオーブンにくべてやったぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
騎手Ⅱ「え……?」
女騎士「気持ち悪ィ連中だな、どうせあれだろ?お前らいいとこのボンボンだろ?
いいよなぁ、資本主義が元気な国は。ガリガリに飢えた貧民を踏んづけて、金食い虫のドラゴンといっしょに遊んでられるんだからなぁ」
敵兵「(お前が言うなお前が言うなお前が言うな!!)」
女騎士「お前、お前自身が思ってるほど自分に価値なんかねぇんだからさ……書いちゃえよ、洗いざらいさあ。
そしたらこの糞ドラゴンも辛い目に遭わなくて済むんだ、な?」
敵兵「……部屋、戻りますね」
エルフ三男「はい、お疲れ様でした」
騎手Ⅲ「……ヒッ!!」
敵兵「あ……座っていいぞ」
騎手Ⅲ「お、俺は逃げ出そうなんて思っちゃいない、ドドイツ……オレのワイバーンは、もういないし……」
敵兵「心配するな、俺は……ツメ剥がしたり、目玉潰したりなんかするつもりはない。落ち着け」
騎手Ⅲ「あ、ああ……」
敵兵「(そりゃ怯えるよ……一晩中あのドラゴンと女の喘ぎがどこからか漏れてくるんだから……)」
騎手Ⅲ「……」
敵兵「一応、形式なんでな。とりあえずは聞いた事に応えてくれればいい、暴れたり……
まあ、国際法上での戦犯の疑いがない限りは、今すぐ殺したりはしない」
騎手Ⅲ「あの金髪とは、えらい違いなんだな。助かるぜ……」
敵兵「(あれと一緒にするな、あれと!!!)」
騎手Ⅲ「魔王軍の連中が言ってた事……本当だったんだな……ちくしょう……」
敵兵「……」
騎手Ⅲ「最初は誰も信じやしなかったんだ……円卓のお偉いさんも、実際に前線に出る俺達も……
だってよ、あんなブロンドの美人が魔王軍に単身ケンカ売って、それで生きてフラフラその辺歩いてるなんて……」
敵兵「(そんなん俺だって信じたくないよ……あんなクズの事なんて……)」
騎手Ⅲ「……ああやって魔王軍もダマされたのか、ちくしょう」
敵兵「そろそろ、いいか。お前達と魔王軍の繋がりについて聞きたい。何も、俺達は北西諸島や魔王軍と全面対決する気はないんだ」
騎手Ⅲ「そうなのか?」
敵兵「当たり前だ、当面の相手は帝国だったんだからな」
騎手Ⅲ「……だが、あのブロンドは言ったぜ。『必ずお前ら異教徒と魔族、それに準ずるクズどもは根絶やしにしてやる』って」
敵兵「しないしないしない!しねェよそんな民族浄化!」
敵兵「……互いに話し合う場があれば、こんな事にはならなかっただろうな」
騎手Ⅲ「……」
敵兵「そうだったなら、ドラグーンと事を構えずに……何百人も俺達の仲間は死なずに済んだんだろうな」
騎手Ⅲ「何百人……?」
敵兵「お前らドラグーンがしこたまスコアを稼いでいってくれたおかげでな、多分中央は人手不足だろ」
騎手Ⅲ「何百人も死んだってのか?そんなのあり得ねえ、ウソだろ!?」
敵兵「……は?」
騎手Ⅲ「俺と一緒に居た二人は、最初の遭遇戦に参加してたんだがな。やった事と言えば威嚇程度の牽制だったって言うぜ。
何百人も死ぬような大規模な戦闘、俺達は知らない……」
敵兵「……」
騎手Ⅲ「な、なんか勘違いしてねぇか?」
敵兵「詳しく聞かせろっ!お前が知ってる事、魔王軍の事も全部!」
>>62でざっくりあってるんだけど新規の人達いるから補足な
ここは一月以上>>1の書き込みない以外DAT落ちしないから、それ以外の人がageる必要がない(保守もいらない)
で、>>1さんがageる事で続きが書き込まれたってことで読者が集まるのよ
なので>>1以外の人がageると「お、続きがきたかwktk…って雑談かよ[ピーーー]ごらぁぁぁ!」ってなるから、なるべくメ欄にsage推奨です
大体あってるけど、一ヶ月書き込みが無くて落ちるのは>>1だけじゃなくて誰かが書き込めば回避可能。もっとも上げる必要はないはず。
つまり、どうしても一ヶ月以上>>1が書き込めなくなる場合は誰かに頼んでおくといい。
>>66みたいに勘違いしてる人もいるから二回いった。
竜騎士長「わざわざ港で出迎えとは、配慮に痛み入るな。心構えは天晴だ」
魔王「恐縮だ」
竜騎士長「しかも、魔王軍の首魁がじきじきに。いささかフットワークが軽すぎるな」
魔王「私は自分を首魁とは思ってはおらぬ。我々は、人魔の恒久和平を目指し邁進する同志だ。
私は全体的な指針を提案しているだけに過ぎぬ」
竜騎士長「(ふん、どうだか……魔族風情が生意気な)」
魔王「この混乱の最中、海峡を越えて足労いただいたという事は……
そちらの女王は、我々への理解を少なからず示してくれたものだと受け取ってよろしいのかな?」
竜騎士長「そう取ってもらって……まあ、構わん。東方連合に大きな顔をさせたくないのは、
我々北西諸島全体の総意だ。教皇領の危機に何も行動を起こさぬのも……義理と言うものがあるしな」
魔王「……そなたらに感謝を」
竜騎士長「(顔を突き合せるこの場に、考えもなしに年端も行かぬただのガキを差し向けるとは思えん。本当にこの小娘が魔王軍のカシラか、信じ難いが……)」
魔王「どうかしたかな?」
竜騎士長「(漆黒の角、ワインレッドの上衣……メフィストフェレスでも気取っているのか?)」
魔王「では、すぐに物資の積み下ろしに取り掛かろう。我々の側からも人材を……」
竜騎士長「いや結構。こちらの仕事を奪わんでくれよ、余計な労力を裂かんでいい」
魔王「しかし、我々が呼びつけたようなものなのに……」
竜騎士長「……あ?」
竜騎士長「呼びつけた?我々がホイホイこんなところに吸い寄せられたかのような言い草だな。偉そうにホテルマン気取りか」
魔王「……」
竜騎士長「まさか、貴様ら魔物どもの困窮を救ってやる為にこんな所に来たとでも?
冗談言うなよな、もちろん相応の対価を支払ってもらうぞ。」
魔王「……構わぬ、蓄えに余裕がないわけではない」
竜騎士長「それとだ、我々は貴様らと仲良く並んで行軍するつもりもない。
前線でも我々のワイバーンの弾除けになってくれるだけで結構だ、戦果目当てにしゃしゃり出るなよ」
魔王「弾除けだと……?」
竜騎士長「何か問題でも?」
魔王「……恩をちらつかせる気はないがな。ドラグーンの実用化にこぎつけたのは、我々のヴォーパル鋼の技術あってこそ。
そう邪険にされる謂れはない、そうした発言は控えて頂きたい。士気にも関わる。取り消せ」
竜騎士長「口の利き方がなっておらんな、クソガキ。不愉快だ」
魔王「なに……」
竜騎士長「貴様らバケモノにおめおめ頭を下げるくらいなら、クソの詰まったコエダメに頭突っ込んでおっ死んだ方がマシだ、身の程をわきまえろ豚が!!
何を勘違いしているのか知らんが、貴様らのような無駄に力だけはあるカルトじみた新興勢力と肩を並べる事自体が我々ロイヤルナイトにとって屈辱的な出来事なんだよ!!
もう一度言うぞ、『身の程を知れ』!!女王陛下や円卓騎士の命がなければ、今すぐにでも貴様らなど細切れにしてやっているところだ!
荷の積み下ろし?お断りだ、貴様らに我々が女王陛下から賜ったワイバーンを運ばせるなど愚の骨頂、荷に触れでもしたら問答無用でその首へし折ってくれるわ!」
魔王「ク……」
竜騎士長「ユナイテッド・キングダムをなめるなよ、魔王様。我々にとって欲しい首の優先順位が下なだけだ、日和ってるんじゃないぞ」
魔王「……肝に銘じておく」
魔王「聞いての通りだ、北西諸島の……特に、円卓や女王の息がかかった部隊への接触は最低限度でいい」
将軍甲「島国育ちってのは気難しいもんだな。帝国以上に意識が固まっていやがる」
勇者「全然ましじゃないか、あれに比べれば……あれに……!」
魔王「……」
勇者「……まだ魔術師の行方ははっきりしないのかい」
将軍乙「方々に兵を走らせている、南部方面では有志が捜索を続けてくれているが……」
将軍甲「クソ女とつるんでいやがるエルフどもにかっさらわれたとなると、難しいな」
勇者「……」
魔王「(まずいな……あまりにあの女の遺したダメージが大きい。南部都市以北の啓蒙が捗らぬ原因も、彼奴の影響か。
先々代から聞いてはいたが、帝国の腐敗ぶりは予想を遥に超えている……!)」
魔王「(中央の宮殿を連合から譲り受け、意識改革を徐々に行っていくしかない……
この帝国の貴族主義は限界だ、このままではさらに多くの血が流れる……!)」
アスモデウス「陛下、共和国への対応はいかがいたしましょう」
魔王「……」
ジャヒー「陛下……お気を確かに。共和国への回答は迅速でなければ。
北西諸島ならばまだしも、エルフどもに先を越されては致命的な損失にもなり得ますわ」
魔王「ああ、わかっておる」
クシャスラー「やはりヴォーパル鋼を交渉の材料に用いるのは失敗だったのではないですか?
いたずらに円卓のゲスどもを勢いづけるだけで……ああ、何たることでしょうか」
魔王「嫌ならば、お前達は尻尾を巻いて戻ってもよいのだぞ。私にも信頼のおける部下がいるでな」
ジャヒー「嫌わないでくださいまし、我らが主も魔王様の人魔統一にご期待されておられるのですから」
魔王「(……ふん、異教の悪魔どもめ。そう簡単に貴様らの手駒にはならんぞ)」
魔王「私の腹積もりはすでに決まっておる。お前達の出る幕は当分ないぞ」
ジャヒー「つれないですわね……」
アスモデウス「良いではないか、現当主殿の手並み拝見だ」
魔王「虐めてくれるなよ」
クシャスラー「そうでございます、彼女なりに努力を惜しまなかった結果……先代を帝国からお救いする事が出来たのですから」
ジャヒー「んふふ、お疲れなのでございますね、魔王様は」
魔王「(クシャスラー……教皇領に与していたはずの天使がぬけぬけとよく言う)」
クシャスラー「……」
騎手Ⅲ「先行して海峡を渡った俺達の役割は、あくまで連合の牽制だったんだ……共和国以西への進行を留める為のさあ」
敵兵「中隊規模でケンカを売って殲滅戦なんかするつもりは無かったわけだな」
騎手Ⅲ「それこそ……俺達の上官からの命令が無きゃしねえよ、ドラグーン運用は未だ手探りな部分もあるくらいだ。実用化したとは言えさ……」
敵兵「(こいつの言ってる事が本当なら……あの連中、先遣隊にとんでもないウソついてたって事じゃねぇか……!)」
騎手Ⅲ「こんな筈じゃなかったんだ、本国ではこんな事になるなんて……」
敵兵「(……あれは、確か……)」
『ほ、北西諸島が……攻めてきたんだろ……』
『はい。ぶっちゃけた話、勝算はありません。マジもんの魔術師や魔人、聖人が降臨してくれない限り負けます」』
『……負けたってさ』
『は?』
『なんかオレ宛に封書が来ててさ……『ドラゴンマジつえーほんと無理、中央拠点まで帰還されたし』だってさ……』
『いやぁ、的中ですねぇ。勝ち目が無さすぎて笑えて来ます。あっはっは』
敵兵「(戦地への架線が分断されたのはわかるとして……オレ宛の封書って……あんな状況でわざわざ……)」
敵兵「(当然あの後すぐにオレは上へ裏付けをとった……いや、すぐにってほどすぐにじゃあない、最低でも三日以上は経っていた筈だ。
北方共同体から帝国を経由して、その先は鉄道も使えず馬を走らせた……)」
騎手Ⅲ「……?」
敵兵「(……エルフ達の国土に戻ってきたのは更に後……くそ、何もかも遅すぎた……)」
『(もう俺達連合の情報もスカスカだな……俺がブロックしたところで、取り巻きがどこからか持ってくるんだもん……)』
『死亡者、行方不明者は東方拠点侵攻時の実に3倍強。一国の防衛勢力を相手取った時よりもひどいですわね』
敵兵「(完全に情報系統を掌握されている……!エルフ達の方も、俺達先遣隊への指令にも介入されている!!
何故だ、どこであの騎士どもがそんな権限を得たんだ!?どこで……!!)」
敵兵「(……宮殿陥落後、先遣隊に少なからずあった厭戦ムードを消し飛ばすほどの恣意的な報道でも仕組んでたのか)」
騎手Ⅲ「(この人すげー顔色変わるな……ウンコ我慢してんのかな……)」
敵兵「(うう……ああ、もうかんべんしてくれ……もう……もういやだ……)」
騎手Ⅲ「(泣いてる……泣きたいのはこっちだよ……)」
敵兵「おい、お前ッ!!」
騎手Ⅲ「お、おう……」
敵兵「北西諸島は、大陸のどこに拠点を築くつもりなんだ!?」
騎手Ⅲ「きょ、共和国に……魔王軍の一部を引き連れて、恐らく一週間以内には……」
敵兵「お前は戻れ、それで伝えるんだ」
騎手Ⅲ「戻……は!?」
敵兵「俺達の腹の中にいる爆弾の存在をだ!!さっさと取り除いてくれるように言ってくれ、頼む!!」
騎手Ⅲ「えっ……え!?」
騎手Ⅲ「何だよ、意味わかんねぇよ……」
敵兵「お願いだ!!助けてくれ!!オレを助けてくれよォ!!」
騎手Ⅲ「(大の大人が何泣いてんだよ……怖ぇよぉ……)」
敵兵「嫌だァ、嫌だ嫌だ、捕まって銃殺は嫌だァ、オレが悪かった、悪かった、反省するから許してくれ頼むよぉ」
騎手Ⅲ「(連合軍って病みすぎだろ……俺にそんな事言われても……)」
敵兵「最初のうちはそりゃ命令だったしやったさ……でも、でも違うんだ、あの女が来てから……」
騎手Ⅲ「そ、そういうのは牧師様とかを相手にやってくれよぉ」
敵兵「たのむよぉ……オレを、オレを助けてくれぇ……」
騎手Ⅲ「(助けてくれぇ……)」
敵兵「クソッ……本当にすまねぇ、あの女のドラゴンだけは何とかしてやりたかったんだが……」
騎手Ⅲ「あ、あんた、本当に大丈夫なのかよ。便宜を図ってくれんのはいいんだけどよ、あんた……」
敵兵「俺は戦争でメシを食ってるが、必要じゃない殺しなんか見たかないんだよ!!」
騎手Ⅲ「……かたじけねぇ……かたじけねぇ!」
敵兵「この国は周囲を森林と山脈に囲まれている天然の城塞だ、だからと言って森には逃げ込むなよ」
騎手Ⅲ「ど、どうしてだ?」
敵兵「エルフを相手に森で逃げのびる自信があるなら別だ、奴らの夜目はフクロウ並みだからな。
さあ行け、拓けた道を進むんだ!街道に出ればお前は自由だ、逃げろ!行け!」
騎手Ⅲ「すまねぇ!!あんたの事は忘れねえ!!」
敵兵「(……これで共和国の内情もある程度は掴む事は出来た……あと一息、一息だ!)」
騎士ほ「……フクク」
騎手Ⅲ「」
騎士ほ「ごきげんよう……どちらへ……?」
騎手Ⅲ「(ひ、拓けた道を行った結果が……これだよ……)」
騎士ほ「どちらへ……?」
騎手Ⅲ「(あんなでけえ刃物かついで……馬に追いついてきやがったってのか……?変態だろ……)」
騎士ほ「これ……連合本国より……さらに東で使われてる……斬馬太刀……」
騎手Ⅲ「(押しとおっても振り切れねえ……馬をやられたら森を抜けられねえ……!)」
騎士ほ「すれ違いざまに……馬の脚を斬り飛ばすのに……使うんですって……」
騎手Ⅲ「(やばい、やばいやばいやばい……せっかく、せっかく生きて出られたってのに……!)」
騎士ほ「……うふ、ふふふ……」
騎士ほ「……降りて」
騎手Ⅲ「は、はい」
騎士ほ「……あなた、独り身?」
騎手Ⅲ「えっ……」
騎士ほ「童貞……?」
騎手Ⅲ「あ……あ……」
騎士ほ「死にたくない……?」
騎手Ⅲ「……」
騎士ほ「聞いてるのよ……この……グズッ!!」ドスッ
騎手Ⅲ「オェェェッ!!」
騎士ほ「んもう……」
騎手Ⅲ「(みぞおちが……潰れっちまうよ……痛て、いてて……)」
騎士ほ「見たわ……あなたの産まれも育ちも……どこの病院でいつ産まれたか……フクク……」
騎手Ⅲ「や、やめてくれ……痛くしないでくれ……」
騎士ほ「異性と付き合った事は……?」
騎手Ⅲ「あ、あるっ、グラマースクールに居た時と、士官学校に入った時……」
騎士ほ「ふんっ」ズボォ
騎手Ⅲ「がふぅ」
騎士ほ「この……種馬……!大した遺伝子持ち合わせてないくせに……繁殖してどうするって言うの……クズ……?」
騎手Ⅲ「(痛くしないでくれって……言ったじゃねえか……)」
騎士ほ「気持ち悪い……人間の男って……ほんと糞虫みたいな存在だわ……」
騎手Ⅲ「お願いだ……け、蹴らないでくれ……お願いします……」
騎士ほ「ふひひ……」
騎手Ⅲ「(オレにはMの気はないんだよォ……ただ痛いだけだよォ……)」
騎士ほ「それで……経験は……?」
騎手Ⅲ「け、経験……?」
騎士ほ「……」
騎手Ⅲ「ひっ、蹴るな、蹴るな……ある、あるよ……風俗行くくらい、普通だろ……」
騎士ほ「うわ……キッモ……」
騎手Ⅲ「(ひでぇ……)」
騎士ほ「……それじゃあ……まだ……子供はいないのね」
騎手Ⅲ「い、いねえよ、隠し子だっていねぇ。避妊だけはシッカリしてきたし……」
騎士ほ「……あなた、長男……よね?いいとこの……」
騎手Ⅲ「あ、ああ…・・・でなきゃドラグーンになんかなれねぇ……」
騎士ほ「そう……なら……ぎりぎり採用だわ……!!」
騎手Ⅲ「う、うわッ、何するんだ!やめろ、やめてくれ!やめ、いやだ!うわああああああ」
騎士ほ「産んであげるわ、あなたの子ども……王国の瓦解の為に……お姉様の為に……いっぱい働いてもらう為に……!!」
騎手Ⅲ「(す、すげー力……やだ、やめて……いやだあああああ!助けてくれ、か、母さぁぁん!!!)」
騎士ほ「フクク……先に……そこの泉で……水浴びしてきていいわよ……」
騎手Ⅲ「うっ……うっ……」
騎士ほ「なにメソメソしてるの……?そんなに心配しなくても……絶対産んであげるわ……」
騎手Ⅲ「(汚された……俺、汚されちゃったよう……)」
騎士ほ「メンタルと同じで……とんだ粗チンだったわ……つまんない男……」
騎手Ⅲ「(……バキバキの腹筋が視界に焼き付いて離れねぇ……これ敵わねェや……)」
騎士ほ「……あら……それ……綺麗な指輪ねえ……」
騎手Ⅲ「こ、これだけは……これだけはやめてくれよォ……これは……母上から頂いた代々伝わる……」
騎手ほ「どのくらい大事なのかしら……?」
騎手Ⅲ「そ、それはもう……」
騎手ほ「命と……どっちが大事……?」
騎手Ⅲ「う……」
騎手ほ「指……いえ……手首ごと叩き斬ってあげても……いいのだけど」
騎手Ⅲ「ふぇぇ」
騎士ほ「どうしましょう……それでは手綱が握れませんでしょう……?痛い痛い、森の中で片腕抱えて……
魔物のみならず、クマや狼もいるであろうこんな真夜中の森で……血のにおいを振りまきながら、陣地に帰るといいですわ……」
騎手Ⅲ「ひ……」
騎士ほ「あら……痛いのは嫌ですか……それじゃあ……私、犯され損じゃないですか……ひどい……
帝都の路地の売女だって……こんな仕打ちは受けないのに……」
騎手Ⅲ「(お、お前が……お前が、お、襲……)」
騎士ほ「ひどいですわ……気分を害します……ああ、もどかしさに身を任せて……
馬の両の前足を叩き斬ったら、きっと晴れやかになるでしょう……」
騎手Ⅲ「や、やる……やるよお、チクショウ!!持ってけよぉ!!だから、だから助けてくれぇ!!」
騎士ほ「まあ……!まあまあまあ……!!」
騎手Ⅲ「(死にたくねえ……死にたくねえよぉ……)」
騎士ほ「まるで……プロポーズですわねぇ、旦那様……!フククク……!!」
騎手Ⅲ「うっ……うっ……」
騎士ほ「……フクク……ああ……あの大尉殿には感謝しなければいけませんわねぇ……フククク……」
騎手Ⅲ「……」
騎士ほ「あら、何でございますか……独り言にございます、とっとと行ってくださいまし……?」
騎手Ⅲ「う……」
騎士ほ「……大尉殿が、このステキな指輪を売ってくれたと言っても……過言ではありませんわ……ああ、世の中うまくいくものですわね……」
騎手Ⅲ「ウソ……だろ……?」
騎士ほ「連合兵というのは……よほど私たち帝国の人間と懇意になりたいとみえる……ゲスの所業ですわねぇ……」
騎手Ⅲ「う、う、うおおおおおお!!」
騎手Ⅲ「あいつ!!あの連合兵、ハメやがったのか!!グルだったのか!!!ちくしょう、ちくしょうがぁぁー!!!
許さねぇ、絶対に皆殺しにしてやる!!二人の為にも、絶対に……絶対まとめてぶっ殺すからな!!」
女騎士「捕虜が逃げただあ!?」
敵兵「(……う、バレるか?)」
女騎士「エルフの包囲網から逃げ出すなんて、並大抵の手段じゃ無理だ。となりゃ、どこぞの誰かが……」
騎士に「お姉様ァ!!『ほ』が!!ほの字が……!」
騎士ろ「森に続く街道の……納屋に……!」
女騎士「……」
騎士ろ「目立った外傷はないでしょうが……辱められた痕跡が……」
敵兵「(……どういう、事だ?何が起こってる……)」
女騎士「生きてんだったら心配するこたねえ、それより捕虜だよ捕虜!女の方はもう痙攣するだけで使い物にならねぇんだぞ!」
敵兵「(く……あいつは逃げのびる事ができただろうか……)」
女騎士「……何か言いたい事は?」
騎士ほ「ごめんなさい……お姉様……ああ、ごめんなさい……」
女騎士「おらっ!」
騎士ほ「げえっ!!」
敵兵「グ、グーはよせグーは!」
騎士ほ「ふぁ、あああ……申し訳ございません、お姉様ァァ……卑劣で、卑劣で狡猾なドラグーンにィィ……乗られてしまいましたァァ」
女騎士「貴女……もう少し役に立つと思っていたのだけれど……」
敵兵「(あ、敬語だ……キレてるか楽しんでるかだな……)」
女騎士「ダボが!!ヘラヘラしてんじゃねぇ!!ケツ振って雄とまぐわうしか能がねぇのか!!」
騎士ほ「ふぁっく……ふぁっくみー……!!」
敵兵「(怖いなー、でも俺もう辞めるしなー、こいつらと関係ないしなー……)」
くぅ疲
ここのwikiはどう使えばいいんですかね、速報利用すんの初めてやで
女騎士「(……状況だけを見れば、逃げた捕虜がこのビッチを犯してトンズラこいたと考えられる。
だが、丸腰の筈の捕虜がコイツを組み伏せられるものか?そもそも危険を冒してまでする事とは到底思えん……)」
騎士ほ「あうっ、お姉様ァ、もっと……次は脇腹をォ……」
女騎士「(となれば、この変態が手引きして……いや、メリットが考え付かん。
そこらには性欲で頭が膿んでるエルフ共で溢れてるんだ、わざわざ捕虜を襲う必要など無かろう。
それでは、完全にそれぞれが独立した案件なのか?逃走した捕虜と、この変態を犯した強姦魔はイコールではないのか……?」
敵兵「(状況がまったく掴めねぇ……何がどうなってる……?
あの時逃がしたあいつが、こんなリスクを冒すものか……それほどまでに、俺達連合やエルフが憎かったのか……)」
女騎士「あーもう、飽きたわバカタレ!肝心な時にもし産気づいてみやがれ、戦場で出産してもらうからな!!戻って寝なおすわ!」
騎士ほ「ああ……それもそれで魅力的ですわぁ……」
敵兵「(……あークソ、また胃が痛んできやがった)」
騎士ほ「……」
敵兵「な、何だ。どうした、具合は良いのか……?」
騎士ほ『本当にすまねぇ、あの女のドラゴンだけは何とかしてやりたかったんだが……』
敵兵「」
敵兵「お前ッ……?」
騎士ほ『すまねぇ!!あんたの事は忘れねえ!』
敵兵「ウソ……だろ……?」
騎士ほ「フクク……フクククク……」
敵兵「……ちっ!」
騎士ほ「おやめなさいおやめなさい……無駄な抵抗はおやめなさい……」
敵兵「……!」
騎士ほ「あなたは今、最初の語りかけで咄嗟に腰のパーカッションに手をかけた。
素晴らしい反応です……軍人の鑑です……私に警戒して、直後に後退したのも素晴らしい……」
敵兵「何が目的なんだよ……お前は……!」
騎士ほ「フクク……あなたにとってはどうでもいい事でしょう……?」
敵兵「……」
騎士ほ「あなたは今、必死こいて考えを巡らせている……この距離で女の額に風穴を開けられるか、だとか。
このドアとの距離で無事に部屋から出る事ができるか、だとか。この女は本当に丸腰なのか、だとか」
敵兵「……」
騎士ほ「北西諸島……もしくは共和国に亡命したら、どの程度の措置で済むかどうか、だとか……」
敵兵「お見通しかよ……!!」
騎士ほ「勘違いしないでくださいましね……私、あなたをいたぶる気なんて毛頭ございません事よ……」
敵兵「(……信じられねえ)」
騎士ほ「あなたのその魂胆、少しだけお手伝いができるやもしれないのですから……」
敵兵「なっ……?」
騎士ほ「私の目的は……北西諸島へパイプを構築する事。連合とエルフ達との間でできる事は、もうありません」
敵兵「う、裏切るってのか。あの糞騎士も、帝国も……」
騎士ほ「あら、その程度の反応と言う事は……あなた、やはり今のポストに居る事の危険性が重々分かっているようですわね……」
敵兵「(くそ……コイツ、あのゲスとは違う意味で相手したくねえタイプだ……)」
騎士ほ「破竹の勢いで帝国を攻め落とした東方連合……口約束とは言え、教皇領を押さえた上に北西諸島まで抱き込んだ魔王軍……
今は若干、ドラグーンと魔物どもの軍勢の存在で後者の方が有利と言えば有利です。しかし……」
敵兵「北方共同体と、国防意識の高さが強みの共和国……各々がどこにつくかでも、勝敗は左右される……!」
騎士ほ「……このまま連合が無策に魔王軍を煽っていれば、一体どうなるか。想像がつきましょう?」
敵兵「西部平原かどこかで正面から衝突したら、双方ともに甚大な被害が出る。最悪の世界戦争になっちまうぞ……!」
騎士ほ「フククク……ですから、そうなる前に戦後の身の振り分けをしておきたいと言っているのですよ」
敵兵「全部、全部あのクソ女のせいだ!!あいつ、いつの間にか中佐にまで取り入って、好き勝手しやがって!!
ざっけんじゃねぇ、俺達連合……いや、大陸の人間は、あんな奴のオモチャじゃねぇ!!もうやってられるか、こんな仕事!!」
騎士ほ「……」
敵兵「(う……ヤバい……げ、逆鱗に触れちまったか……?)」
騎士ほ「……最悪の事態が起こったとしても、どうにかなる手段を、今のうちから用意しておけば済む事ですのよ」
敵兵「……」
騎士ほ「フククク……私にとって、いっちばん大切なのは『命』ですから……」
敵兵「命……!?」
騎士ほ「当然じゃありません?そんなに驚かれる事かしら……替えの利かない大事なものじゃありませんか」
敵兵「(コイツ……!!もしかしてマジで、マジで裏切る気か!?あの女から……そういう事か……?)」
騎士ほ「どうかいたしまして?」
敵兵「いや……続けてくれ」
騎士ほ「フクク……いいでしょう。ところであなた、共和国への魔王軍の行軍情報……切り札かのように思ってらっしゃるでしょうが……
申し訳ありませんが、正直なところ私とあなたでは情報量に圧倒的な差がございましてよ?ここの出来が違います……」
敵兵「(な、何とでも言え……!)」
騎士ほ「とは言え……同じ穴のムジナではないですか。共和国への行脚を手伝ってやらんでもない、と思っておりましてね……」
敵兵「お前が……俺を?」
騎士ほ「共和国に入りでもしない限り……あなた、連合軍情報部のマークは解けやしませんよ。
まがいなりにも……大尉なんて位を持ってしまったのですから……エルフとの提携の立役者としての名は……あなたの思う以上に広まっています……」
敵兵「あ、あれは……あの女が全部仕組んで……」
騎士ほ「それを連合の対外情報庁の人間にも言うつもりですか?帝国の捕虜が全部勝手にやった事です、と……」
敵兵「う……」
騎士ほ「身柄拘束……運が良くとも一生軟禁でしょう。あなたの身内や周囲の人間も丸裸にされますよ……」
敵兵「そんなの……ごめんだ……」
騎士ほ「だから……全部かなぐり捨てて、逃げちゃいましょうよ……共和国だって……命までは取りゃあしませんわ……
よっく考えてみてくださいな……どうせ泥沼になるのは時間の問題ですのよ?それともあなた、自分が戦争の流れを変えてやるとでも思っておられました?」
敵兵「俺は……俺は……」
騎士ほ「はい?」
敵兵「いやだ……死にたくない、生きたいんだ……ちくしょう!」
騎士ほ「……フクク、フクククク……」
敵兵「そういえば、結局のところ……昨日は一体何があったんだ、お前……」
騎士ほ「男と女の情事に首を突っ込む気ですか……?」
敵兵「本当に、ただそれだけなのかよ」
騎士ほ「……下ごしらえ、ですわ。生き残るための準備段階……あなたに関係あるかどうかは……後程わかりましょう」
敵兵「(うう、また胃が……)」
騎士ほ「それにしても……臆病者かと思っておりましたが、本当に亡命を決意するとは思いませんでしたわ……」
敵兵「ふん……俺はただ、もう殺したり殺されたりが嫌になっただけだ」
騎士ほ「まあ……それじゃベジタリアンになるほかありませんわね……
ああ、他の生き物を殺すのが嫌と言う事なら自分の身体の免疫にも文句を言わねばなりませんわ……めんどくさいお方……」
敵兵「(お前の方がめんどくせぇよ!!)」
騎士ほ「フクク……それでは、順次手筈をお知らせしていきます。楽しみに待っていてくださいましね……」
敵兵「(生き延びてやる、生きて……生きて絶対に、いつか本国に帰ってやるんだからな!)」
騎士ほ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
魔王「……」
クシャスラー「美しい街並みにございますな、教皇領の中央広場も素晴らしいものですが、これは……」
勇者「うん……」
魔王「(共和国……我らとは因縁深い国だな、ここは……)」
クシャスラー「勇者どの、せっかく故郷へ戻って来られたというのに……浮かない顔ですな」
勇者「そ、そうかな。どうすればいいんだろ」
クシャスラー「この天使めが、何か甘いものでも献上して差し上げましょうか」
魔王「(……そうだ、この国は勇者の……彼の血筋が連綿と続いてきた土地でもある。
数世紀前、先々代の魔王と抗争を続けていた共和国……当時の西方帝国は、ついに戦況の打開に成功した……
『勇者』の誕生だ。少数精鋭のメンバーを率いた勇者の部隊は、虚飾と悪意を払う刃を用い……
ついに、魔王軍の中枢へと潜り込んだ。そして、犠牲を払いつつも……勇者は、魔王軍に降伏勧告を下した……)」
クシャスラー「勇者どの!ご覧ください、このおぞましいゲリ色の物体を!!」
勇者「ひどい事言わないでよ!!それちゃんとしたお菓子だよ!!」
魔王「(その当時用いられた刀剣は……我ら魔族に貴き理性を目覚めさせた『叡智の教義』として、
共和国と教皇領が聖装として保管する事となった……どこからどこまでが事実か、定かではないがな)」
将軍丙「あ、甘い!このゲリ甘いわ勇者くん!」
勇者「ぼくの国の市場はスカトロ需要に支えられてるって言うの!?」
魔王「(手近な帝国南部から続き、勇者信仰の根強い共和国……進行の手順としては、間違ってはいない筈だ。
対外戦争で疲弊した挙句、幾度の帝政と共和制の行き来を繰り返したこの国における勇者観は、他国とは一線を画す。
ブルジョワジーを中心とした王政復古主義者は、現に勇者の血筋を利用して第二帝政を実現したが……)」
将軍乙「共和国の人間は、こうして飢えを凌いでいたというのか……先々代も手を焼くわけだ」
勇者「君たちのモノの見方にはほとほと手を焼くよ!誰が永久機関だよ!」
魔王「(結局のところ、その帝政は帝国軍情報部の謀略によってもろくも瓦解……
現在では東部国境沿いの土地を奪われ、再び共和制国家としての道を歩む事となった……
主権が労働者……平民にあるとなれば、好都合とは言えよう。元貴族には、勇者よりも王権を支持する層が未だに多く見受けられる)」
将軍甲「甘い匂いがするゲ……」
魔王「うるさいぞっ、ド低能ども!!少しは高尚に語らう事ができぬのかっ、バカ者!!
そんなだから北西諸島のヒス女にさんざっぱらバカにされるのだっ!!」
将軍甲「ふぇぇ」
魔王「今一度の人権宣言をさせていただく。それが、連合との融和への道だ」
竜騎兵長「……ほお、何が狙いだ」
魔王「下世話な企みなどは持ち合わせていないよ。我々はただ純粋に、大陸の戦乱を終わらせたいと思っている」
竜騎兵長「有史から人間に仇なす中心的存在がよく言うわ。片腹痛い」
魔王「勇者の存在を見ても、まだそう言えるのか?」
竜騎兵長「知った事かよ。我々にすれば、真に勇者という称号を持つべきは我らが円卓の長だけだ。
……もっとも、共和国近辺の文化圏に限っての話ならば、分からんでもない。そこまで私は愚かではない」
魔王「……」
竜騎兵長「暫定政府に対しては、勇者の末裔を人質にとっている事を提示すれば容易にたらしこめるってわけだ。
いかにも魔物らしい考え方だな、合理的過ぎて吐き気がするわ」
魔王「無理強いはしておらぬ。先々代に誓って、それだけはしておらぬぞ」
竜騎兵長「ものは言いようだな……いいだろう、成功する見込みがある以上、けちをつけるのは可哀想だ。ドラグーンを貸してやる」
魔王「……有難い。そなたに感謝を」
竜騎兵長「(翼竜と騎兵が一体になったドラグーン……それを人魔共存を掲げる主張の一環に用いる魂胆か。
その為に我々に『叡智の教義』……ヴォーパル鋼の精錬技術を譲渡した、そういう事だな。
我々の翼竜をこいつらおぞましいクソカスどもと同一視されるのは屈辱的だが……まあ、いい。
ドラグーンの有用性を本国の反女王派に見せつける事ができたのは大きい。利用のし甲斐はあるわけだ)」
エルフ三男「騎士様、気球の用意ができました」
女騎士「よっし、それじゃあー……おい、コレ生きてんのか?おらっ、寝てんじゃねーぞクソトカゲ!」
ケンヂ「……」
女騎士「死んだ魚の眼をしてやがる。くせえくせえ」
敵兵「……」
女騎士「おい童貞!なに目ぇ泳がせてんだよ、共和国の状況はどうなってんだよ!」
敵兵「あ、ああ……共和国は……」
騎士ほ「予想通り、ドラグーンを中心に据えた北西諸島の先発兵団と魔王軍を受け入れたようですわ」
女騎士「ふむ……コイツ生け捕りにする時、変態エルフが頑張りすぎて、滞空してた女まで撃墜しなけりゃ
あちらさんにもう少し圧をかけられた筈なんだけどなぁ……」
エルフ三男「は、はひぃ」
女騎士「やはり、北西諸島の後続部隊が来るまでが勝負だな。それより先に共和国の落とさにゃならんだろ」
敵兵「(完全に連合の戦力を共和国にぶつける気でいやがる……!)」
女騎士「(妙な横槍でおじゃんになりかけた、教皇領と共同体の潰し合いの下地も……ようやく日の目を浴びる事になるな。
共同体はまだ戦力にはならないにしろ、連合との協調派が力を付けてきているのは明白……東方教会が勢いに乗れば、共同体は意のままだ。
教皇領はその後でじっくり料理してやる、あの連中の集める信仰ってのは何かと役に立つからな……)」
敵兵「(……もう、こんなヤツのそばでなんか働けねえ……!)」
エルフ三男「気球底部にはバリスタイトを仕込ませてあります、地上からの発砲で着火させれば接近してきた騎兵ごと吹き飛ばせましょう」
女騎士「バスケットにはあの騎手でも詰めとけ、せっかく用意したのにおびき寄せられねえんじゃしょうがねぇや」
敵兵「(どこまでも腐ってやがる……)」
女騎士「さてと……おおよその仕込みは終わった事だし」
敵兵「(お前との付き合いも今日かぎりでおしまいだ、あばよ糞騎士!俺の知らない所で苦しんで死ね!)」
女騎士「ようしお前ら、共和国に行くぞ!もたもたすんなよ!」
敵兵「」
騎士ほ「了解ですわ、お姉様」
騎士ろ「今すぐご用意いたしますわ」
敵兵「」
女騎士「おい童貞、何してんだよ。聞こえなかったのかよ」
敵兵「」
エルフ三男「馬の手配をしておきますねー」
敵兵「なん……だと……」
魔王「私は……あなた方がかつて、魔王軍と呼び、そして勇者の存在によって革新をもたらされた魔族の長、その孫であります。
我らが一族が成した業を胸に刻み、こんにちまで陽の当たらぬ暗闇……地の底の牢で、こうして生きてまいりました」
竜騎士長「(……わざわざ教皇領べったりの騎士にも聞こえるように計らった上で、首魁みずから演説か。
命知らずなのか、バカなのか。それともやはり、この小娘は影武者か……)」
魔王「私は連合の兵たちの手によって、実に数世紀ぶりに……太陽の光をこの身に浴びる事が出来ました。
さりとて……私は、帝国の人間に対し怨恨などは抱いておりません。それは実に自然な事、人間と言う種族の持ちうる根幹の意識によるものなのですから。
理性あるもの、常に本能と背中を合わせて生きていく事は宿命であります。生存を促す本能がもたらす恐怖もまた、非難されるべきものではないと考えています。
女騎士「何だありゃ、うるせぇな。人だかり作ってんじゃねえってんだ、ストリップでもやってんのか」
騎士ほ「フクク……」
魔王「翼のあるものは云います。きゃつらの弾丸は我らの居場所のみならず、この高き蒼穹までも奪い去る。
鱗あるものは云います、きゃつらの欲望は我らの居場所のみならず、流麗なる水の流れまでも奪い去る。
御存知の方はおられる筈です、産業革命のもたらした益、それに伴う功罪を――――」
女騎士「ああいう事言う奴みんな死なねーかな、だらだら例え話する奴大嫌いだわ」
敵兵「あれ……魔王軍……だよな?」
女騎士「まじで?覚えてねーや」
敵兵「(あれだけケンカ売っておいて覚えてないのかよァ!?)」
魔王「我々は、私の意に賛同してくれた同志たちは泣き、憎み、やがてはそれを受け入れました。
受け入れる、赦す……免罪と言う概念は、中世期以前より連綿と語られてきたものでありますが、
現行の法を以てしても尚、憎悪の連鎖は引き継がれてまいりました……」
女騎士「ああ、はいはい。そうでございますか」
魔王「改めて我々は、声を大にして主張したい!望みを諦めてはなりませぬ、求め続けなければなりません。
語りえぬものには、語りつづけなければなりません。人は隣人の全てを把握する事はできません、私は不可能であると思っております。
形あるものにいくら言葉を重ねても、目に見えるものにこちらの考えをいくらぶつけても、わからないものはわかりません。
しかし、だからこそ、私たちは理性で不可視の恐怖を抑さねばならないのです――――」
女騎士「誰に向かって話してんだろーな、意味わかんねーや」
騎士ほ「壁に向かって話してるようなものですわ、共和国の成金に言葉なんか通じません……
イヌネコに芸を仕込む方がまだ容易ですわ、お姉様……」
敵兵「(……我慢だ……あとちょっとだ……)」
騎士ろ「お姉様、どういたしましょう。目的地へは……」
敵兵「そ、そういや、お前何しに来たんだよ。ドラグーンを突破して共和国の首を取る気なんだろ……」
女騎士「先立つもんが必要だろーが」
敵兵「どこからか湯水のように使ってたじゃねーか!」
女騎士「エルフどものカネは国防省にジャブジャブぶちこんでるから余裕がねぇんだよ、ポケットマネーも確保したくなってさ。
今までお前らの方に貢がせてた麻薬栽培の業者からお小遣い頂きに来た。北西諸島の連中が来て今頃焦ってんだろwwwwww」
女騎士「」
騎士ろ「うわあああああああ、ああああああああああ」
騎士は「すごい甘いニオイ……」
騎士に「ぎゃあああああー、ウソよおおおおー」
騎士ほ「……」
騎士ち「うぎゃあああああああああ、うぉああああああゲホッ、ゴェホッwwwwwwww」
敵兵「あー……スゲェな……」
騎士ろ「ぎじざま゛ぁぁぁぁぁう゛ぞでずわ゛ぁぁぁぁぁ」
騎士に「も゛、も゛え゛でる゛ぅぅぅぅ」
騎士は「き、騎士様……」
女騎士「小遣いが……私の……私の……一般文官の……数百年分の……資産が……」
騎士ほ「質の悪い放火魔がいたものですわ……ケシ畑に火を放つなんて……」
騎士ろ「消すのよォォ!!お姉様のお花をッ、身を呈してェェェ!!!」
騎士に「ぎゃああああああー、熱ッ、熱いィィィ!!」
騎士ち「身を呈しすぎよッ!!!!」
敵兵「(騒いでんのは常習者か……)」
騎士ろ「どぼじでごんなごどずるのぉぉぉぉぉ」
女騎士「」
敵兵「お、おい……お前も……か?」
女騎士「許さねぇ……どこのどいつがこんなくっだらねぇ事を……暇つぶしなら他のところにケンカ売りやがれってんだ……」
敵兵「(すげー怒ってる……お前が元は悪いんだろ……)」
女騎士「使いもんになるのはほの字にはの字に……」
騎士ろ「オエッ、オェェェェッ」
騎士に「ぎゃああああー、髪がぁぁぁー」
騎士ほ「……」
敵兵「おい、離れろ離れろ!!焼け死ぬぞ!」
騎士に「おぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃwwwwwwwwww」
女騎士「ゴミどもが!!」
騎士ほ「……これがあなたのやりたかった事なんですのね……つまんない男」
敵兵「バッ、バカヤロ、こんなとこで……」
騎士ほ「お姉様を謀るようで本当に心苦しいですわね……平時なら、貴方の首なんか叩き斬って差し上げてましたのに」
敵兵「……」
騎士ほ「……あわよくば事実を暫定政府に密告して、麻薬取締の立役者になる気だったのでしょう?」
敵兵「お、お前が唆したんじゃねーか……」
騎士ほ「フクククク……これで……貴方はもう戻って来られない……お姉様に優しく抱かれる事もない……フックククク……」
敵兵「(絶対お断りだ!!)」
女騎士「(チンカスが……共和国のシンジケートの連中が自らばらしたとは考え辛い……
付近の警察機関も、私の先代が買収済み、だとしたらどこから漏れた……?)」
騎士は「騎士様、この付近は高低差が激しく、主要街道からも外れております。
ふらりと訪れて発見できるようなところではございません、近隣のブドウ農家を買収した上でカムフラージュしておりましたし……」
女騎士「十中八九、関係者がやったと……」
騎士ほ「不埒者がいたものですわ……死ぬべきですわねぇ……」
敵兵「(う……いててて……胃が……)」
騎士は「ここからですと、北が高台になっておりますわね。切り立った大きな崖、帝国北部に続く河川を望む断崖絶壁にございます」
女騎士「そっから逃げやがったと?」
騎士「捜索する価値はありますわ」
敵兵「そうだ!!そんなカスはとっとと捕まえるべきだ!!!行ってみようぜ☆!」
女騎士「」
敵兵「」
騎士ほ「フクク……それでは、私はドラグーン隊との交戦状況を確認してまいりますわ
犯人探しについても、エルフ分隊に報告いたします」
女騎士「糞が……このままここで油売ってもしょうがねえか……」
騎士ろ「……ひいい……」
騎士に「……」
女騎士「オラッ、出直しだゴミども!!あっコラ、雑草食ってんじゃねえ!!」
騎士ろ「あぺぺぺwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
騎士に「おぎゃぎゃぎゃぎゃwwwwwwwwwwwwww」
女騎士「うるせえ!!!!」
敵兵「(よくこんな連中と半年近く普通に会話してたよな、俺……)」
女騎士「」
エルフ三男「ああ騎士様。まずいですよこれ、ちょっと旗色悪いですよ」
女騎士「すげー、連合が手も足も出てねえじゃん。何だコレ」
エルフ三男「騎士様の仰ったドラゴンの人質なんですけれども……
まあ、一騎は爆殺する事はできましたよ、一騎は。それだけ、ただのそれだけでした。はっはっは」
女騎士「連合軍終わってるぅー!」
敵兵「(こうやって共和国の土地から高みの見物ってのも相当ゲスだよな……)」
エルフ三男「イヤハヤ、北西諸島の竜騎士長がじきじきに先陣を切って突撃してくるものですから敵いませんよ。
いくらぼく達エルフが撃墜して行っても、さすが戦力比15対1は凄いです、落とせやしませんねあれは」
女騎士「マジかよ……クソだな連合軍、なあ!」
敵兵「お前それを俺に振る!?」
女騎士「これ完全に動かし方ミスったなあ!なあ!?」
敵兵「お前なんでそんなに……そんなにクズなんだよ!!」
敵兵「(大体、人質って考え方からしてダメなんだろ……北西諸島相手には逆撫でするだけだったわけか……)」
女騎士「あーあ、連合どーすんだよ。ちゃんと勝ってくれるんだろうなおい、捕虜にもちゃんと責任取れよ」
敵兵「お前ほどフリーダムにチョコマカ動けてた人間は連合にいなかったからね!?お前のせいだからね!?」
女騎士「ピーピー女みてぇにうるせえな童貞!!お前大尉様だろォ!?なんとかしやがれよ!!
フグ毒でも井戸に撒くだとか、やれや!!」
敵兵「おま、お前……!」
女騎士「それよかほの字はどこ行きやがったんだ、交戦状況の確認とか言って戻ってきてねぇぞ!」
敵兵「!!!」
女騎士「ったくよー、ガキじゃねぇんだからチョロチョロ動き回るんじゃねぇよ、使えねぇわ!!」
敵兵「(すげー、心臓バックンバックン言ってる……)」
エルフ三男「騎士様、ご希望の物資も国内に搬入しておきましたが、いかがいたしましょう」
女騎士「ンな事よりほの字だよ、おい大尉殿。知らねえか」
敵兵「しっ、知らない知らない知らない!!」
女騎士「使えねぇな……」
エルフ弓士「少将、お話が……展開している北西諸島の軍勢についてです」
エルフ三男「何事か」
敵兵「(しょう……しょう……?え、何それ、このおじいちゃんそんなに偉かったの!?)」
エルフ弓士「共和国東側で連合軍を迎撃している部隊の駐屯地が……何者かによって爆破された模様です」
敵兵「」
エルフ三男「賊か、戦闘の混乱に乗じた、帝政派のクーデターか。何にせよ好都合だが……戦局をひっくり返すまでには行くまいに」
女騎士「おい、どうした。口が半開きだぞ」
敵兵「(ままままだ慌てるようなじじじじ時間じゃない)」
エルフ弓士「被害状況は間借りしている木造建屋二棟程度……そこまで大きな被害は周囲には出ていません、ただ……」
エルフ三男「ただ?」
エルフ弓士「北西諸島は建屋をワイバーンに宛がっていたらしく、二十頭強のワイバーンが爆死……
前線にこの事実が知れ渡れば、連合の被る被害は少しばかり抑えられるのではないでしょうか」
敵兵「」
女騎士「どこの誰だか知らねえが、やるじゃねぇか。害獣はみんな焼き殺しちまえばいいんだよ」
敵兵「(……えっ、ちょっと待ってあいつ何やってんの?これ絶対あの、あいつの仕業だよね?
共和国にケンカ売ってどうすんの?北西諸島カンカンにブチ切れるよねこれ、ちょっと待ってタンマ)」
魔王「な、何だ!?何の騒ぎだ、あの煙は……!」
勇者「魔王、下がるんだ!」
将軍甲「まだ状況が把握できてねぇ、一度下がるぞ!」
魔王「や、やめよ!まだ、まだ全てを伝えきれておらぬ……!我々の、我々の真意を!」
騎士ほ「散るな、共和国の民よ!!私の声を聴いてほしい!!」
魔王「ドラグーン……!北西諸島の者か!?」
勇者「何のつもりだ……!」
騎士ほ「共和国議会、ならびにお集まりの国民の皆々様方には、突然の無礼を許して頂きたい。
我々北西諸島は、あまねく民を束ねる女王陛下の名の元に、主より授けられし翼竜とともに、常に試練と戦ってきた!
かつては我々も、狭きたったひとつの島の中、何世紀にもわたる戦乱という過ちを侵してしまったが……
それは愚行だ!神から与えられた人間の理性に影さすのが、隣人という名の強者への虚栄心なのだ!」
魔王「あの者……何が目的だ……!」
騎士ほ「人は誰しも、虚栄心に抗う事はできぬ……愚行を自ら律する事など、今の時代では不可能!
法であろうが力であろうが、人が隣人を害する行為を押し留める事は出来ぬ!
見るがよい、あの惨状を!!あれこそが恐怖の産んだ虚栄の実像!悪意の体現よ!!
ああ、何たることだ!!いたずらに戦禍を煽る事を善しとする、薄汚い魔物どもの所業よ!!」
勇者「デタラメを!!」
将軍甲「こ、こんなところでデッチ上げしやがった……北西諸島が、どうしてだ!」
騎士ほ「魔王軍を名乗る者達は、聖人を気取って帝国南部の平民たちを甘言で巧みに謀り、
その上次はあなた方共和国の民にまでその魔手を伸ばしてきた!
共存共栄、人魔一体……この戯言に、恥ずべき事ながら……我々も載せられてしまった!」
魔王「何を……何を言っている、貴様は……」
騎士ほ「その結果がこれだ!!家族とも呼べる関係のワイバーン達が、奴らの腹の中に納まってしまった!!
私はこの目で見たのだ!同僚のワイバーンが爆風と共に数個の肉片と成り果て、焼け焦げていく様を!!
かれらのウロコを磨いていた待機メンバーが、炎にまかれて苦痛の中に果てていく様を!!」
魔王「……」
勇者「ふざけるなあーッ、お前ッ……お前だろ、あの金髪だろ!!降りてこい、降りてぼくと戦え!!」
騎士ほ「個人の権利さえもうやむやにされるこの大陸で、かりそめの新世界を掲げて啓蒙を続ける連中は、
まさしく全人類が断罪すべき共通の存在である!語りえぬものには、沈黙するほかに手段はないのだ!!」
現に魔王軍は、共和国へ手を差し伸べた我々が、連合の攻勢を命を賭して食いとめているこのような時にテロを敢行した!
これが魔王軍の、人間の歴史を数世紀にもわたって暗雲に塗り込めた悪鬼どもの所業だ!」
勇者「ちくしょう……」
魔王「……ち、ちくしょお……ちくしょお……」
エルフ三男「いやー、魔王軍というのはどうしようもないゲス集団ですね、恥を知るべきですまったく」
女騎士「バカだねー、北西諸島なんかカネ持ちなんだから告発なんかしなきゃいいのに」
敵兵「」
女騎士「どうし……うわっ、お前ビッチョビチョ!尿漏れってレベルじゃねーぞ!!」
敵兵「汗だよ」
女騎士「それもあるだろうけどお前ほんっと気持ち悪い風貌になってんぞ!」
敵兵「汗だよう!!!汗だってばよう!!!!!」
女騎士「」
騎士ほ「フクク……フククク……」
騎手Ⅲ「……」
騎士ほ「ただいま……楽しかったわ……ドラゴンライダーっていうのも、悪くないわぁ……」
騎手Ⅲ「……」
騎手ほ「ほんと……ヒトの形したゴミが…・小さく見えたわ……世の中、人間って多すぎよね……」
騎手Ⅲ「……」
騎手ほ「ああ……このカブトってほんと実用性ないのね……重いし暑いし……これしか残ってなかったんだけど……」
騎手Ⅲ「……」
騎手ほ「……そうね……これは強いわね……大陸でも翼竜を増やしましょう……
この子……雌みたいだから都合がいいわ……色々交配して試してみましょう……ね、旦那様……」
騎手Ⅲ「」
騎士ほ「……あら、くさい。もう臭ってきてますわね……私、自害する人って嫌いです……
貴女とは一緒に居られません、さようなら知らない人……魚の餌になってくださいまし……」
どっぼーん
自転車操業で話書いてるから誤字は勘弁して(´;ω;`)
女騎士「……エルフの分隊メンバーはどのくらいいる?」
エルフ三男「総勢32人。全員、前装式から連合の自動拳銃までの扱いは一通りこなせます」
女騎士「上出来だ、目にもの見せてやろーぜwwwwwwwwwwww」
敵兵「オ、オートマチック……だと……?」
エルフ三男「おや、大尉殿は御存じないのですか?」
敵兵「知らない知らない!そんなもん噂でしか知らないよ!」
エルフ三男「これは失礼!特に思い入れがないなら、こちらも便利ですよ。装弾数もリボルバーとはけた違いですし」
敵兵「(はいwwwwww連合終わったーwwwwwwwエルフに情報だだ漏れーwwwwww俺より情報把握早いーwwwww)」
女騎士「魔物が出たぞォー!!殺せ殺せぇー!!」
エルフ密偵「女子供は避難しろ、早く逃げろぉー!!」
敵兵「」
女騎士「ほら、お前も働け!『うあー、井戸水に魔物が毒を混ぜたァー!!』」
敵兵「(……あのドラグーン……ほの字のおかげでこんな事に……)」
魔王「ちくしょう……ちくしょおおおー!!」
勇者「……」
魔王「なんでだ!!どうしてだあ!!どうして皆して、私の邪魔ばっかりするんだあ……!どうしてえ……」
将軍丙「走りなさい、勇者くん!!陛下をお守りして!!」
勇者「はい……!」
将軍乙「ち……この状況では、ドラグーンどもも敵に回るか……どこかで悪質なデマを流している者もいる、留意しろ!」
勇者「手を出しちゃダメだ!あいつらの言った通りになってしまう、絶対に殺しちゃダメだ!!」
将軍乙「し、しかしだな……」
勇者「お願いだ……!魔王の、彼女のいう事を守ってやってください!」
女騎士「どこへwwwww行こうとwwwwwwww言うのかねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
将軍乙「貴様ァァァ!!」
勇者「……やっぱり、やっぱりな、お前の仕業か!!」
女騎士「いやwwww知んねwwwwwwwwお前らが嫌われてるだけだろwwwww人のせいにすんなってバカどもwwwwww」
勇者「黙れッ!!喋るなあ!!」
女騎士「wwwwwwwwwwwwwwwww」
勇者「魔王は……この子はお前の事だって信じてたんだぞ、だからあの時……」
女騎士「あの時なんだってんだァ?何の事だか覚えてまちぇーんwwwwwwwwwwwwww」
勇者「彼女の気持ちをなぜわかってやれない!?なぜ人を思いやってやれないんだ!!」
女騎士「うっせぇーな、魔術師でもねえのに他人の気持ちなんか分かってたまるかよ。
あれですか?毛も生え揃ってないようなおガキ様は脳みそが低能でいらっしゃいますか?wwwwwwwwwwwww」
勇者「何でそこまで……」
女騎士「皮かむりの糞ガキがこの私に意見すんじゃねーぞ、な?帰ってオナニーして寝ろ、な?」
将軍乙「……やはり殺しておくべきだったか」
勇者「乙……さん……」
将軍乙「けじめは着ける。こいつのどす黒い命は、俺が持って行く……!」
女騎士「(えっウソちょっと待てよ殺さないって言っただろ)」
将軍乙「この外道が……冥府に叩き返してやる……!」
女騎士「うひゃあー死んじゃうー助けてぇ犯されちゃうー」
将軍乙「……」
女騎士「あーあ、物騒な人だわ、怖いわー。おい、エルフ君。その箱こっちよこせ」
女騎士「さて、問題です。私がこの状況でお前ら相手に突きつけるものと言ったら何でしょう」
将軍乙「……」
勇者「……そんな」
女騎士「一つしかねぇよなぁー、お前らが共和国に集まってるって知った私がここに持ってこさせるもんっつったらさぁー」
勇者「魔術師……!!」
女騎士「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
将軍乙「ク……」
魔術師「……」
女騎士「ホゥラwwwww私の言いたい事わかったろwwwん?wwwwwん?wwwwwwwwww」
勇者「う……ぐぐ……」
将軍乙「この……畜生めが……」
女騎士「頭ワリィなぁwwwwwwwwwwwとっとと武装解除しろっつってんだよダボwwwwwww
豚ビッチの頭が畑の畝で腐ったスイカみてぇになるぜwwwwwwwwwwwww」
勇者「卑怯者っ、卑怯者め!!」
女騎士「卑怯もwwwwwwラッキョウもwwwww大好物だぜえwwwwwwwwwwwww」
勇者「お前……何が楽しくてこんな事をするんだ……何で!!」
女騎士「てめぇら薄汚い魔物が嫌いだからに決まってんだろォ!?魔物を殺すのに理由がいんのかボケ!!
税金は払わねぇ、他人に迷惑かける、パッと見クソキモい、生かしとく価値がねぇから私が殺してやってんだろォが!」
魔王「うっ……うっ……」
女騎士「ちょりっす魔王様wwww目ェ合っちまったなwww後で消毒しねぇとwwwwwwww
あんたの言ってた事思い出したわwwwwwww豊穣な精神がどーたらほざいてたよなwwwwwwwww」
魔王「……」
女騎士「私の豊穣な精神にテメーらが土足で踏み込んで来たら土壌が腐っちまうんだよwwwww死にやがれカスどもwwwww
そうだなぁー……そんじゃ、そこのロリコンのテメーから行ってみよっか。腰に提げてるでけー刀抜けよ、それだよそれwwww」
将軍乙「……」
女騎士「今からその刀でテメーの腹、かっさばけ。オラ早くしろよオラ」
勇者「」
将軍乙「こ……の……!!」
女騎士「早くしろよぉ、はーやーくー。勇者様の幼馴染が、豚肉詰めの次にミンチになっちゃうよ?」
勇者「やめて、やめてくれぇー!!やめてえー!!」
女騎士「テメーがギャーピー騒ぐ事じゃねぇーだろうがクソガキ!テメーが代わりにやってくれてもいいんだぜ!?
それともそこの魔王様(笑)でも差し出して命乞いでもすっか?まあ全員殺すけどさあwwwwwwwwwww」
将軍乙「……やめろ、勇者。お前は……出しゃばるな」
勇者「でも……でも……乙さん……」
将軍乙「……」
女騎士「せーっぷくwwwwwぶっちまっけろwwwwww」
勇者「やめてくれ……」
将軍乙「グッ……」
女騎士「うわwwwww痛そーwwwwwwねえねえ今どんな気持ち?wwww今どんな気持ち?wwwwwww」
女騎士「あー、魔物野郎のイキんでる顔なんか見たくねーや。死ね、バーン」
勇者「乙……さん……」
魔王「乙ぅぅぅぅぅ!!うああああああ!」
女騎士「wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
勇者「うっうう……うう……」
女騎士「なんだよォー、恨みがましい目で見ンなよ、痛そうだし辛そうだからラクにしてやったんだろォ?」
勇者「し……死ね、お前なんか死じまえ……死ねえ!!」
魔王「やめ、やめろ勇者……お前がそんな事を言っては……!」
女騎士「年上に向かって死ねはねぇだろガキ、立場わきまえろや」
勇者「お前なんかがいなけりゃ……お前なんかが……」
女騎士「私一人いなけりゃなんだって!?すぐさま餓死者が消えて魔物と人間が仲良しこよし、経済もクソうまい事回って
大陸で戦争が無くなって理不尽な死がなくなって平和になんのか!?誇大妄想狂のガキは早めに駆除した方がいいなあこりゃこりゃ!」
魔王「……やめてくれ……勇者……」
女騎士「ったく……あんまり怒鳴らせんなよな、私のこの美声が掠れでもしたら一大事じゃねえか」
勇者「……」
女騎士「てなわけでさ、三十秒待ってやるよ。どっちが先に死ぬか決めなwwwwwwwwwwwww」
魔王「な……!?」
女騎士「いーちwwwwwwwにーいwwwwwwさーんwwwwwwwしーいwwwww」
勇者「このやろぉぉぉぉ!!」
女騎士「逃げようたってwwwww無駄ですんでwwwwwwwwwこの広場に通じる通路も路地もwwwww10人近くで掌握してますんでwwwwww
ねえしってる?wwwwwお前ら私以外からも狙われてるんだよwwwwwwwじゅーいちwwwwじゅーにwwwwwwwww」
勇者「やめろ、ふざけろなあ!!やめろおお!!」
女騎士「うるっせー聞こえねーwwwwwwwwwにじゅーいちwwwwwにじゅーにwwwwwwww」
魔王「やめよ……な、勇者……私が先に、先に逝くから……」
女騎士「にじゅーごwwwwwにじゅーろくwwwwwwwwwwwwはやくきーめーろーよーwwwwww」
勇者「そんな……そんなぁ……!!」
女騎士「(楽しすぎwwwwwwwやっべwwww気持ち良すぎて排卵しちゃうわwwwwwwwうへへぇwwwww)
魔王「……」
女騎士「ンだよォー、もっと叫んだりしろよ魔王様ァ。イヤーwwwwwってバカみてぇに叫べばボーンって何とかなるかもしんねぇのにwwwww」
魔王「いやだ……死にたくない……」
女騎士「聞こえねーよwwwwwwwwwにーじゅくwwwww」
女騎士「さーんじゅwwwwwwwwwwwばーんwwwwwwwww」
魔王「……う」
勇者「……」
女騎士「う、う……」
女騎士「ど、ど、童貞がぁぁぁ!!童貞野郎、てめえ!!!誰を撃ってるぅぅぅ、ふざけるなぁぁぁ!!!!」
敵兵「やかましい……このクズ女!!」
女騎士「テメーが出てきてどぉすんだよォ……なあおい!!言ったよなァ、路地で狙撃用意ってよお!!!」
敵兵「うるせえ!!声がでけぇんだよ!!」
女騎士「アアアアアアアッ、痛ぇぇぇッ、血!血だ、すっげー血ィ出てんじゃねぇかよォォ!!
こっ、これ、腿、私の腿ッ、どうしようっ、さ、触んない方がいいかな、なあ!?」
敵兵「逃げろ!早く、早く行けえ!!」
魔王「あ……」
勇者「魔王……魔王、行くんだ!立って!!」
女騎士「ああああ痛ぇえ、血、血ィ止まらねぇ!!」
敵兵「出会った時に、こうしときゃあ良かったんだ……チクショウが!」
女騎士「あたしが何したってんだよ糞がァ!!こんな事されるイワレはねぇーぞ!!!狂ってる!!!世の中オカシイぞお!!!」
女騎士「テメー、自分がァ、自分が何したか分かってんのかゴミ野郎がよォー!!
あのウジムシ二匹逃がしたらどうなると思ってる!?ざけた事してんじゃねぇぇぇぞぉぉぉぉ!!」
敵兵「お前をのさばらせるよりマシだろ……どう考えても」
女騎士「来るな、来んじゃねぇーーーー!!テメェー、わかったぜ!!このあたしを犯して……
メッタメタにレイプするつもりなんだろ!?なあ、そうだろ!?」
敵兵「一時の間違いでお前の遺伝子なんか遺したら、子孫に申し訳が立たねえわ」
女騎士「ふざけるな、ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるんじゃねぇーぞ!!!
誰の指示で動いてんだ、言いやがれ!!早くしろ痛ぇぇんだよ!!!」
敵兵「さあな……」
女騎士「あのハゲ中佐か!?あのクソハゲ、帰ったら不倫の事を大陸全土に言いふらしてやる……
その後に、テメーとお揃いの穴に仲良く埋めてやる……!!テメーら覚悟しやがれよ、こんな事して故郷の土を踏めると……」
敵兵「声がでけえって言ってんだろクソアマッ!!」
女騎士「がふっ!!!」
敵兵「お前はもう、帰れる場所なんかねえんだよ。ここで死ね、クズ騎士!!」
騎士ほ「フククク……死ぬのは……死ぬのはお前だよ、クソ童貞のクズ兵士……!!」
騎士ほ「お姉様ァァァ!!不肖このワタクシ、崩れゆく牙城に残されしお姉様を、助けに参りましたァァ」
敵兵「(ドラグーン……!いや、この声……ほの字か!?)」
騎士ほ「お乗りくださいお姉様!!ああ、おいたわしや……白雪のように美しいお姉様の腿が……こんな、こんな……」
女騎士「い、いてて……いてぇーんだよ、もっと優しくしろ豚が!!来んなら撃たれる前に来やがれ!!使えねえ!!」
敵兵「ま、待て……」
騎士ほ「フクク……それでは、ごきげんよう。国家反逆者さんwwwwwwwwwwwwwwwww」
敵兵「え……」
女騎士「待てって言われたってなぁーwwwwwwwww痛くてちょっと今の聞こえなかったしなぁーwwwwww
バイビー戦犯wwwwww死にくされwwwwバーカwwwwwwwwwwwいてててwwwwwwwwwwww」
敵兵「」
女騎士「痛ってぇぇ……これすっげー痛ぇ……シャレになんねぇよ……糞がァ……」
騎士ほ「ああ、お姉様……待っていてくださいまし、すぐに陣地へ戻りますわ」
女騎士「あんま高く飛ぶんじゃねぇよ……クソ寒ぃぞ……」
騎士ほ「ああ、ああ……申し訳ございません……」
エルフ銃士「大将、確認いたしました。負傷しているようです」
エルフ長兄「よろしい。それでは……」
エルフ銃士「……」
エルフ長兄「ぜっ」
エルフ次男「絶対に叩き落せ!!エルフの威光をかけて、あのカス女二人を何としてもぶち殺すのだ!!」
エルフ長兄「……」
エルフ次男「兄者!!!!これで我々の夜の安息が訪れるぞ!!」
エルフ長兄「お、おう」
エルフ三男「やってくれましたね、あなたは」
敵兵「」
エルフ三男「いったいどういう魂胆ですか?身の程知らずが彼女に纏わりついて……」
敵兵「す、すいませ」
エルフ三男「謝罪なんか聞いちゃいねェーんだよビチグソ野郎、どういう魂胆でしゃしゃり出てったか聞いてんだブタ公」
敵兵「(おじいちゃん怖いおじいちゃん)」
エルフ三男「どぉすんだよ……これじゃ、兄貴二人ぶち殺さなきゃなんなくなったじゃねぇか。国を挙げての国葬だ、盛大な奴をやるぜ。
……おいタマナシ、テメェがやった事で……どんだけのカネを動かさなきゃならなくなったかわかるか?」
敵兵「わかり、ません……」
エルフ三男「だよな、今の今までのハエのクソみてぇな二十年ぽっちの人生じゃ、分かる筈ねぇよな……」
エルフ銃士「少将、再編成の指示を」
エルフ三男「了解した。必ず首を取れ、同族だとて温情を持つなと伝えろ」
敵兵「あ、あの……俺……」
エルフ三男「ああ、そこにいていいですよ。ぼく達についてくる必要はありません、どうぞ自由を謳歌してくださいまし」
敵兵「」
騎士ほ「フクク……もうじき、もうじきですわお姉様……フククク」
女騎士「(……どういう事だ……内陸じゃねぇ……さっきケシ畑を通ったって事は……海岸沿いに向かってやがるのか……)」
騎士ほ「あら……お早いお出迎えですわね」
竜騎士長「やあ、ごきげんよう……無事で何よりだ」
騎士ほ「フクク……お元気そうで何より……どうでしたか……連合兵狩りは……」
竜騎士長「そこまで楽しいものではないな……姑息なマネと聞けば、ちんけな人質なんぞを取りおって……」
騎士ほ「人質……やはり連合というのは野蛮ですわね……我々の手で断罪してさしあげなければ……」
竜騎士長「フフ……お前は強い女だな、夫を喪っても尚、陛下の為に戦う意思を見せてくれると言うのか」
騎士ほ「当然ですわ……フククク……彼の為にも、一日も早く連合や魔物どもを絶滅いたします……」
女騎士「(何の事だ……痛ぇよ……何してんだよ早く治せよ……)」
竜騎士長「……む、あの勢力は……連合ではない、エルフ!?」
騎士ほ「ちぃ……」
竜騎士長「あの数……かなり高いポストからの指示で動いているか。我々を狙う理由がどこに……」
騎士ほ「騎士長殿……あの長耳どもの狙いは彼女……お姉様にございます。
彼奴ら、かつて帝国で重役を仰せつかっていたお姉様を使って、魔王軍や連合へのパイプを汚い手段で構築していたのです」
竜騎士長「魔物どもが言っていた、ブロンドの悪魔か?」
騎士ほ「強いられた行為とはいえ、罪は罪……しかし、お姉様を裁くと言うなら私も裁いてくださいまし、お姉様は……」
竜騎士長「ふん、お前は人の同情を引くのが上手い。心配せずとも、お姉様とやらは我々が……」
女騎士「痛つつ……(ダラダラ喋ってんじゃねーーーーぞ!!!撃たれてんだよ早く逃げろボケが!!)」
エルフ長兄「糞が!まだ生きてるぞ!」
エルフ次男「北西諸島にはケンカを売りたくない、クソアマ二人だけを狙え!!殺すんだ!!」
エルフ銃士「中将!!後方から新手の敵が!」
エルフ次男「うるせえ!!話しかけんじゃねぇ、空のバカ二匹の方を優先しろ!!」
エルフ銃士「し、しかし……!」
エルフ長兄「弟者の言う通りだ!!キサマも早く奴に一発ぶちこむのだ!!」
帝国標準時午前三時二十二分
湾岸沿いでドラグーン隊竜騎士部隊、謎のエルフ勢力と交戦。
双方ともに大きな被害は発生しなかったものの、未だに戦闘が勃発した理由は不明。
連合王国外務省からの報告が待たれる。
尚、今回の戦闘で、臨時部隊員が保護した帝国人女性一名が行方不明となった。
戦闘の最中に翼竜の背から誤って落下したしたと思われ、現在でも連合王国、共和国共同で河川を中心に捜索が続けられている。
エルフ長兄…共和国中央地域のブドウ畑で変死体で発見
エルフ次男…共和国東部の納屋にて変死体で発見
敵兵…北西諸島より重要参考人への傷害容疑で指名手配。行方不明
中佐…部隊の私的利用などが上層部に発覚、非人道的行為が表沙汰になり処刑
騎士い…帝国内のオーク居住地での放火、殺人で起訴、刑死
騎士ろ…エルフ勢力国内にて療養中
騎士は…共和国テロに参加、デマを扇動するもその後の行方は不明
騎士に…エルフ勢力国内にて療養中
騎士ほ…北西諸島連合王国竜騎士のポストを獲得
騎士へ…『い』と同罪、刑死
騎士と…北方共同体にて政党党首として活動中
騎士ち…共和国テロに参加、デマを扇動するもその後の行方は不明
騎士り…『い』と同罪。刑死
勇者…共和国テロに巻き込まれるも生存
魔術師…消息不明。魔王軍側でも捜索打ち切りが決定
魔王…共和国テロに巻き込まれるも生存
将軍甲…同上
将軍丙…同上
将軍乙…共和国テロ発生時、変死
女騎士「……いてぇ……死ぬほどいてぇ……死ぬ……」
女騎士「(……と思ったけど……あんま痛くねぇな……誰かモルヒネでも打ってくれたのか、あったけー)」
女騎士「……」
女騎士「(どこだここは!!何だここは!!ベッド!?
おいおいおいおいウソだろ、まさか酒のせいでヤっちまったとかか!?)」
ハイエルフ医師「……」
女騎士「……おはよう、ございます」
ハイエルフ医師「……ああ、どうも」
女騎士「(愛想のねぇエルフだな、って事はエルフの勢力国家か、ここは……?)」
ハイエルフ医師「……席を空ける、少し待て」
女騎士「……」
女騎士「ははははははっwwwwwwwwwww勝ったwwwwwwwwwww奴らに勝ったぞwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
女騎士「生きてるって事ァ、あたしの勝ちに違いねぇwwwwwwwwwwwwwwボロ勝ちだぜwwwwwwwwwwwwwはははははwwwwww」
ハイエルフ医師「失礼する。重要な案件なんでな、彼も同席する」
女騎士「は、はあ……」
ハイエルフ医師「窓からな」
リンドヴルム「……」
女騎士「」
リンドヴルム「やぶ医者め……だからわたしが姿を現すのは良くないと言っただろ」
ハイエルフ医師「ふん、知った事か」
女騎士「」
女騎士「(え?何これ、今どんな状況なん?ここエルフの国じゃねぇの?)」
女騎士「(なんか起きたら、エルフ……を更に色白にして、耳デカくして、背ェ高いきめえのがいて……
そいつの知り合いに、なんか犬みてえに長い毛を生やかしたドラゴンみてえなのがいて……)」
リンドヴルム「……起きて大丈夫なのか、彼女は」
ハイエルフ医師「弾丸は貫通していた。それに、もう丸五日だ。歩けこそせんだろうが、起きて話すくらいはできる」
リンドヴルム「ふむ……痛くはないかね、お嬢さん」
女騎士「え、ええ……こんなに良くしていただいて、何だか申し訳ないですわ……」
リンドヴルム「良かった……」
女騎士「(魔王軍……じゃねぇな、あいつら私の顔を知ってる筈だ)」
ハイエルフ医師「傷が治癒するのを待て。ここ一帯の水は、帝国の重金属汚染を受けていない。
北西諸島の聖剣の泉と同じような性質を持っている。安心しろ、感染症で死ぬ事はまずない」
女騎士「……」
リンドヴルム「感謝するよ、やぶ医者」
ハイエルフ医師「……毛むしるぞ糞ドラゴン」
女騎士「(なんだそりゃ、聞いた事ねぇな……御利益のある聖水ってんだったらちゃんと私らにみかじめ払えよな)」
女騎士「えっと……私、一体どうなっていたんですか?まったく覚えが無くて……」
リンドヴルム「……流れ着いてきたんだよ、わたし達のもとに」
女騎士「流れ着いた……?」
リンドヴルム「脚に風穴を開けられてね。撃たれた事は覚えていないかい」
女騎士「(ヤベッ……バレるか!?)」
リンドヴルム「大丈夫だ、私たちはほとんど人間の顔を区別できない。
もう、何年も人間とは会ってないし……外の魔族とも関わりがない」
女騎士「関わりがない……?(あざーすwwwwwwwwwwww)」
リンドヴルム「仮に君が世紀の大悪党だとしても、そもそも私は君が誰かわからない。
安心してくれていい、さっきのハイエルフも同じだ。医者の癖にすぐ他人の顔を忘れやがる」
女騎士「……あなたが、私を?」
リンドヴルム「ああ……驚いたよ、人間を見たのは……帝国の剣士に追い払われてからだから、軽く五百年ぶりかなあ。
このトシで人食いってのも恰好がつかないしね。そうさ、人が死ぬのは嫌だ」
女騎士「(ちょれぇドラゴンだな……)」
リンドヴルム「やあ、歩けるようになったのかい」
女騎士「ええ、おかげさまで。空気がすごくおいしいですし、生まれ変わったような気分ですわ」
リンドヴルム「それは良かった」
女騎士「(……並んで見ると、コイツそんなデカくねぇのな……サイズがトチ狂った犬だか狐だかみてえだ)」
リンドヴルム「ここは本当にいい所だ。いい風が吹く、いい水が流れる……」
女騎士「(確かに、土地は枯れてねえみたいだが……こんな所が帝国にあったのか?)」
リンドヴルム「どうかしたかい?」
女騎士「いえ……その、ここが一体どこなのか……って」
リンドヴルム「やぶ医者から聞いてないのか?」
女騎士「いいえ、何も」
リンドヴルム「……そうか」
女騎士「(しかし、私以外の人間はいねぇのか?明らかに生活に不便な……森林の奥地を少し切り拓いた程度じゃねえか)」
リンドヴルム「この土地には、名前がない。誰も知らないし、興味も持たなければ認識もしない、だから名前が必要ないんだ。
それで完結している、ここには私たちがいて、私たちだけでサイクルが完成している。外には何一つ出て行かない。そんな場所だ」
女騎士「へえ、外には……」
女騎士「(出て行かない……?)」
女騎士「あの……それって……」
リンドヴルム「……ははは、単なる比喩だよ。誰もここから出て行かない、しかし入ってくるものは受け入れる。それだけだ」
女騎士「(脅かしやがって……調子こいてんじゃねェぞ魔物が)」
リンドヴルム「む……風が出てきたか。君もまだ本調子じゃないだろう。そろそろ戻ろうか」
女騎士「ええ、ありがとう……」
リンドヴルム「……今夜はゆっくりと休むんだ、いいね」
女騎士「ふふ、そうさせていただきますわ」
女騎士「(糞が……肝心のこの場所の位置を教えやがれってんだ。今んとこ、あのドラゴンと医者にしか会ってねえし……
何なんだここは、キの字が隔離されてできたスチャラカ集落か?ナメやがって。今度来たら燃やして更地にしてやる)」
ハイエルフ医師「……起きたか。朝食を済ませたらすぐについて来い。急ぎの案件だ」
女騎士「……はあ?」
女騎士「(ふん、メシはクソ薄味でまじいし、このクソ医者はやたらめったら早起きでうぜーし……最悪だわ)」
ハイエルフ医師「……」
ハイエルフ医師「よう、糞ドラゴン。元気そうで何より」
リンドヴルム「……」
女騎士「(何だぁ?こんな森の奥まで連れてきやがって……)」
ハイエルフ医師「何だ、一丁前に罪悪感でも抱いているのか?」
リンドヴルム「茶化すな……やめてくれ」
ハイエルフ医師「ふん、だから言ったんだ。あの時……そのままくたばっちまえば、お前は苦しまずに済むってな」
リンドヴルム「……」
女騎士「(あ、こいつらもポエム族か。死ねよ、意味わかんね)」
ハイエルフ医師「端的に問う。人間、お前はこのまま生きたいか?それとも死にたいか?」
女騎士「え……?」
ハイエルフ医師「死にたいならば、ここでいますぐ楽になれる薬を処方してやる。少し胸が痛んだと思えば、すぐに昇天だ」
女騎士「な、何を……」
リンドヴルム「……」
女騎士「(黙ってねぇでヒント出せよ糞ドラゴン、状況がよくわかんねーよ)」
ハイエルフ医師「……どっちだ、早くしろ。時間がない、お前の為に言っているんだ」
女騎士「し、死にたくありません!」
ハイエルフ医師「……そうか」
リンドヴルム「く……」
女騎士「(え、ちょっと何でお前が反応すんの?死んでほしかったの?死んでたまるかぶっ殺すぞ)」
ハイエルフ医師「それなら……こっちの薬だ。飲め」
女騎士「……」
ハイエルフ医師「死にゃあしない。お前を殺してメリットになる事なんてないだろ、早く飲め」
女騎士「(何だよ、偉そうに言いやがって。何様だよ)」
女騎士「(うわ……何じゃこりゃ、甘いし苦いし……クソまじい……)」
ハイエルフ医師「……意思確認は取ったぞ。まだオレは良心的な方だ、違うか?」
リンドヴルム「そうさ……そうだ、お前は……まだ良心的だ」
女騎士「(何言ってんのかわかんねって言ってんだろいい加減にしろ)」
ハイエルフ医師「そいつから聞いたか?ここが、どういうところかってのは」
女騎士「はあ……すべてを受け入れた上で、何も出て行かない場所だと」
ハイエルフ医師「……肝心な事は言ってないのか、この腰抜けめ。人間みたいなセンチメンタリズムを持ちおって」
リンドヴルム「すまない……すまない……」
ハイエルフ医師「そうだな、間違っちゃいない。この土地はすべて受け入れるさ。流れ着いたやつが、すべてを差し出す気があるならな」
女騎士「はあ?」
ハイエルフ医師「何も出て行かないというのは、そういう事だ。すべて受け入れて……そこから先がない。
生活していくだけの環境はすでにここにある。元々は、オレ達のような爪はじき者だけが暮らしていたんだが……
たまに、お前のような人間やエルフ……ケンタウリが迷い込む。そして、この土地は決断を迫る」
女騎士「生きたいか、死にたいか……って?」
ハイエルフ医師「お前は前者を……この土地に受け入れられる事を善しとした」
女騎士「……ちょっと待て、待て待て待て。意味がわからんぞこのクソポエマー、つまりどういう事だ?
ワケわかんねー問答ぶつけてきやがって、頭にまったく入ってこねぇよ。そういうのどうでもいいから、早く出口を教えやがれ。
治ったら勝手に出てくし、カネが欲しいんだったらいくらでもくれてやる。いいか、早くここがどこか……」
ハイエルフ医師「お前はもう、ここの土地の人間なんだよ。選んじまったからな。
だが……生きてられるかどうかはオレの管轄外だ。オレはかなり良心的だぞ、以前は問答無用で……だったからな」
女騎士「(腹立つな、田舎で暮らすとこんな残念な脳みそになるのか?死にくされボケが)」
リンドヴルム「……」
女騎士「何だよデカブツ、近寄んじゃねぇよ」
リンドヴルム「ごめん……ごめんなあ……私が、私があそこで君を見つけさえしなけりゃ……」
女騎士「(……え、泣いてんの?こええ、マジでイカレてやがるぜここの住人)」
リンドヴルム「……すまない……本当に……すまない……」
女騎士「う、うあっ!!」
女騎士「テッ、テメェ!!何のつもりだ、来るんじゃねぇ!!」
リンドヴルム「……」
女騎士「おいこのクソ医者!!どういう事だ、あたしをハメやがったってのか!?」
ハイエルフ医師「心外だな。生き死にを選ばせてやったってのに」
女騎士「はあ!?」
ハイエルフ医師「お前の怪我が完治するまで……ここの祖霊は、それまでおさえていられない。
治る頃には、お前は『土地』にとり殺される。今までで例外はなかった」
女騎士「だから何だってんだよ」
ハイエルフ医師「祖霊の殺害対象から外れたい……『生きたい』、『土地で暮らしたい』と言ったのはお前だぞ?」
女騎士「ざけんじゃねぇクソボケ、魔王の仇討でも考えてんのか?」
ハイエルフ医師「……オレ達は外の事など知らん。故に、お前にそこまで興味は持てんのだ。そこのお人よしと違ってな」
リンドヴルム「……」
女騎士「笑わせんな、こんなレイプ魔ドラゴンなんかがお人よし?死ねボケが!」
ハイエルフ医師「……さっさと伽を済ませろ。祖霊もそろそろ……今晩には暴れ出すぞ」
リンドヴルム「わかってる……ごめんな……」
女騎士「……来るな、来るな、やめろ……やめろ!!」
ハイエルフ医師「土地に受け入れられる……つまりは土地と家族になるって事だ」
女騎士「ふざけんな……あ、あたしは……勝ったはずだ、あたしが勝者だ……それが、それがこんな」
ハイエルフ医師「……土地のために子を為して繁栄に貢献しない者を、祖霊は決して許さない。つまり……」
女騎士「う、ううう……」
リンドヴルム「……ごめん……許してくれ、赦してくれ!」
ハイエルフ医師「お前は、今晩じゅうにそいつの子を孕まないと殺される。お気の毒だがな」
女騎士「やめろ……やめろやめろやめろォォォ!!やだやだやだやだ!!ぅあたしのそばに近寄るなぁぁぁぁーッ!!!」
第4部 女騎士決戦編
┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
ー- 、 ー-、``/
_, ' ._, ' \
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制作・著作 NHK
正直続きなんか微塵も考えてないです
出産までの流れは考えてたけどそれだけや
なんか絵師様で最初はクッソ荒れたけど、最初に投下された騎士とほの字は好きやで
wikiか何かに残せればいいんだけど。色々調べてみるわー
そのまま此処使うのか、次スレ立てるのかね?
>なんか絵師様で最初はクッソ荒れたけど、最初に投下された騎士とほの字
・・・(゚Д゚≡゚Д゚)ドコドコ?
設定考察の流れ…だと…
いいぞもっとやれ
18で少佐待遇のクズちゃん
22の子持ちで部門責任者のお姉ちゃん
帝国やべえよやべえよ…
バカなまんまの女子高生そのまま役職ついてんよ…
帝国…皇帝中心の封建主義、中央議会が存在
北方共同体…ケンタウリ、オーガ陣営中心地、たぶんスカンジナビア
共和国…革命が起きたばかり。勇者発祥の地
北西諸島…海運国家。たぶんイギリス
教皇領…イタリア?
魔王軍…よくわからん
東方連合…東欧?
なんかファンタジーぽくないな…
帝国…ドイツ・プロイセン
北方共同体…スカンジナビアorベネルクス
共和国…おフランス
北西諸島…大☆英☆帝☆国
教皇領…イタリア?
魔王軍…イスラム勢力? あるいはオリジナルかな?
東方連合…東欧か恐ロシア
エルフ…スイス? あるいはこっちがベネルクスかも?
……と考えてみた
ドイツのクズといえば…………
はよ
お母さんになる前の描写をオナシャス
サーナイトのSSかな?
>>513
ドラゴンさんがたっぷり種付けしてくれたからからきっと豊作だよ(ニッコリ
>>515
当てられてスゲーびっくりした。そんなにふいんき変わってねーかな、SS形態で文書くの一年ぶりなのにヘコむわ
こんな出産ネタ子供ネタを書いてしまったのも、FE覚醒とドラクエⅤってやつの仕業なんだ……
ところで>>493の絵って載せてもいいもんなのか?ログ自体は持ってるけどあかん気がするで
>>527
投下と思ったら設定考察だった×2で苛ついて居たスマン
>>528
投下っつかまとまった時間とれるのは多分土日以降やから苛つかんといてオナシャス
まったり運用でオナシャス
>>486あたりで新スレ言及されてるけど、即興でずっと進めてるからこのままこのスレ使うわ
wikiいじりおもしれー、設定厨捗るわ皆で書こうぜ
設定厨wwwwwwwwwwww
騎士団の欄の「帝国の闇を体現した存在」でワロタ
新ジャンル:女騎士「学園都市だァ?」という電波を受信した
女騎士「ゼロのルイズだァ?」
女騎士「お前の妹…ナナリーって言うんだってなァ?」
女騎士「IS学園だァ?」
尚、どこに出しても恥ずかしいクズの模様
女騎士「魔王がマッグでバイトしてるだァ?」
女騎士「アイドルをプロデュースして欲しいだァ?」
女騎士「聖杯戦争だァ?」
サーヴァントが女騎士とか罰ゲームだろ
女騎士「探偵役だ?ふざけん――ややややります、やりますから命だけは!」
女騎士「おいQB、私の部下達を魔法少女にしろ」
女騎士「ゼーレぶっ潰して世界掌握する」
こいつ何でも出来るな
●帝国軍北部地方兵団所属・曹長それがしの戦果(1)
まどろみから覚醒したわたしは、何度かのまばたきの後に遅れて思考を開始した。
数か月ぶりかの、ふわふわのベッドシーツの感触。ぬくもりを抱くその純白に、わたしはすっかり包まれていた。
身に纏っているのは、血と汗と泥と硝煙にまみれた野戦服ではない。しみひとつない清潔なパジャマだった。
辺りを見回すと、野戦病院とは到底思えないような内装の部屋が広がっている。暖かみのある木造建築だ。
ベッドの横の窓からは、朱い陽の光が差していた。そういえば、今は黎明なのか。それとも薄暮なのか。
薄手の掛け布団をめくると、そこには見るのも憚られる銃創が……無かった。
右わき腹に2発、右腿に3発。連合の兵が放った9ミリが、私の肉を貫いていった筈なのだ。
被弾してからは必死に身を隠し、歯を食いしばりながら連中が過ぎ去るのを待った。その時の寒さも、熱さも、痛みも鮮明に覚えている。
……ああ、そこまでだ。そこから先はまさしく五里霧中、恥も見聞も小銃も投げ捨て、一心不乱に駆けだした。
死にたくない一心で、どれだけ走ったか。樹の根につまずき額をしこたま打ち、獣の遠吠えに怯えるあまり吐き下し、
それでも走って走って……気が付けば、いささか質素ではあるが、これまでの状況と比べれば天国もかくやと言うべき環境にある。
試しに右脚を大きく曲げ、そして伸ばしてみる。目を凝らせば、若干の痕が残っているのが見える程度である。
適切な治療を受けたにせよ、施術後の自然治癒でここまで回復するとは。それとも、予想するよりも遥か長期間を寝て過ごしていたのか。
ベッドの傍らに置かれている小さな丸テーブルの上には、古びた室内灯。そして、鮮やかな紫を携えたスミレが活けられた花瓶。
誰かが私を看病してくれた。それだけで、胸がいっぱいだ。ここに来て人間扱いされた事が、胸を突くほどに嬉しかった。
最新鋭の武装に身を包んだ連合の兵たちとの泥沼の塹壕戦、そんな環境では性差など二の次である。
女のわたしが叩き返されなかったのは、それほどまでに地方戦力が枯渇しかかっていたからだろう。
一部では、共同体との国境沿いの現地民による反東方パルチザンが各地で決起するまでに逼迫していたと聞く。
そうまでして守るものが、あんな北部の辺境にあったのだろうか。わたしにはわからなかった。
窓の外からの木洩れ陽の中で生の実感を噛み締めていると、部屋に来客が訪れた。
「おはよう、のどは乾いていないかしら」
ナイチンゲールのさえずり。ふと、わたしはそんな単語を想起した。
アクセントひとつをとっても、溢れんばかりの慈愛や哀憐の情を孕ませたる美声の持ち主は、
まばゆいブロンドの三つ編みを揺らして、私のそばへ歩み寄った。
手にしている盆の上には、たっぷりと水が注がれたガラスの水差し。そして、大粒の葡萄の実が積まれた皿。
「おひとついかが?」
ブドウの実の一粒をつまむと、淑女はにこりと微笑んだ。
清楚な雰囲気を醸す彼女の白いエプロンドレスの下から、こんもりとした弧を描く腹部、
その上に鎮座する豊満な乳房が、それぞれその存在を誇示していた。
来月には新たな命を産み落とす事になるであろう彼女は、続いてブドウの実を口に放り込んだ。
咀嚼の為の舌や顎、歯を噛みあわせる動きが、わたしにはやたらと艶めかしく、熱っぽく見えた。
そしてまた、見る者みな安堵に包まれるであろう笑顔を、わたしに向けた。
私の心臓が、ばくんと高鳴った。
え、地の文かよ……
●帝国軍北部地方兵団所属・曹長それがしの戦果(2)
彼女の来訪に心躍らせるわたしは、もはや餌付けされた犬だ。
行き倒れていた私を救われたる救世主は、その身に子を宿した淑女であった。
彼女の懐の広さにも驚いたが、発見されてからわずかに七日しか経っていない事にも吃驚した。
聞けば、この周囲を流れる河川は帝国の用水路と繋がっておらず、清らかなまま。
それが関係しているらしいと彼女は言うのだが、専門ではないらしく、申し訳なさげに目をしばたかせていた。
彼女には、感謝のことばも見つからない。
起きて話せるようになってからも、彼女は一日もかかさずに食事の用意をしてくれる。
節々が凝ったと言えば、マッサージもしてくれた。見かけによらぬ力強い指圧に、わたしは至福を味わった。
今日も彼女は太陽が真上にさしかかるころには、大きな乳房とお腹を抱えてわたしの部屋へやってきた。
魅力の虜。そんなものになるのは、男だけだと思っていた。しかし今のわたしを表現するには、その単語以外に存在しまい。
ドアがノックされる音を聞くだけで、動悸が激しくなる。髪を手櫛で撫ぜられるだけで、わたしの肌は汗を帯びる。
わたし自身は中背ほどの体格だが、彼女の背丈はわたしよりも頭ひとつぶんほど高い。
そのせいもあってか、わたしは彼女を前にすると、いつも包み込まれるような錯覚を感じていた。
ふわふわとした、柔らかな感情に揉まれる、ここちよい抱擁をおぼえる錯覚である。
この建屋は彼女の所有物らしく、別荘として使用しているのだという。今は一時的に滞在しているだけに過ぎないとの事で、
私が一命を取り留めたのは、まさしく神の思し召しと言ったところであろう。ちなみに、彼女の部屋は私の間借りしている部屋の隣にある。
夫はどこにいるのか聞くと、ここから少し離れた集落にいるという。彼女だけが、臨月に備えて養生しているというわけだ。
稚児に童話を語り聞かせるような、慈しみに満ちた声色。そんな美声が夫の存在を示唆したとき、わたしは恐らく嫉妬した。
なぜ? 誰に? どうして? そもそも、嫉妬するのも初めてであった。
こんなに美しい彼女を娶る事ができただなんて、なんて幸せなのだろう。ああ、羨ましい。
同性の私ですらこうなのだ。この淑女の伴侶が彼女を射止めた時の悦びたるや、尋常ではなかったであろう。
「どうかしたの? 気分でも悪い?」
つまらないやきもちで俯いていると、いつの間にか彼女はベッドへ上り込み、横たわるわたしの上に四つん這いで被さっていた。
こんなに間近で彼女の顔を見た事はない。長い睫毛に彩られたサファイアのような碧眼がわたしをまっすぐ見据え、
こぼれた髪が黄金のカアテンのように私を包んだ。石鹸の香りが、半開きになっていた小窓からの風とともに流れてきた。
なんか外伝くさくね?
●帝国軍北部地方兵団所属・曹長それがしの戦果(3)
我慢ができない。
一晩だけのつもりだったのに、気が付けば私は足を引きずりながらも彼女の部屋の前にいる。
もう、いつものベッドで自分を慰めるだけでは済まない。
あの、わたしの両手でも掴みきれないくらい大きな乳房。ふかふか、もちもちした感触が忘れられない。
あの、わたしの頭よりも大きなお腹。ともすれば痛ましく見えてしまうほど、ぱんぱんに張り詰めた肌の感触が忘れられない。
あの、わたしの浅黒く日焼けした肌を、優しく揉み解し愛撫する彼女の愛が忘れられない。
鏡の向こうには、そこには軍属の頃に比べ劇的に変化した私の顔があった。
張り艶の出た健康的な肌に包まれた頬を始め、ほのかな生気の色味が見てとれた。
しかし、その真っ当な外面の内側でくすぶる劣情が、わたしを常に苛んでいる。
彼女と一緒にいたい、身重な彼女の為に何かがしたい、庇護されるだけじゃ物足りない、もっともっと彼女に愛されたい、抱かれたい!!
出会った時には感じられなかった、母性の持つ暗部のようなものを持つ彼女に、わたしはすっかり惹かれてしまっていた。
ずっと彼女に甘えていたい。頭にあるのはただそれだけだった。原隊への帰還などクソっくらえだ。
親指をしゃぶりながら、片方の手で陰部をいじくりつづける。あの晩に見た彼女のじっとりとした視線を思い出すと、
腰が跳ねるほどの快感がわたしを襲う。彼女は罵倒なんかしない。空想の彼女は、あの甘美なる声で優しく愛の言葉を囁いてくれるのだ。
何度目かの彼女による愛撫を楽しんだ後、部屋に戻るととある違和感に気づいた。
家具に異常などない、なんの変化もないはずだ。部屋を一回りしても、ちりちりした焦燥感は拭えないままだ
まるで、そこで認識できて然るべきはずの異常になぜか気づけない、そんなもどかしさ――――
何度か部屋をふたたび見回すと、やがてわたしはその異常に気付いた。いいや、魅入られたと言うべきか。
その異常……怪異は、ほんの一瞬だけわたしの視界に飛び込んだ。次の瞬間、まばたきした直後には、そいつは姿をくらましていた。
顔がなく、真っ白な肌をした、異様なまでに手足が長いその怪異。そいつは、窓から数百メートル離れた木の陰で佇んでいた。
遠近が狂っていると錯覚するほど、そいつのフォルムはおかしかった。言い知れぬ不安と恐怖が、わたしの背筋を這いまわった。
姿を見たのはほんの一瞬。しかし、やつのひょろ長い姿は、未だにわたしの脳裏に焼き付いている……!!
●帝国軍北部地方兵団所属・曹長それがしの戦果(4)
祖霊、と彼女は言った。
この土地で代々祀られるカミの一柱、という事だった。
土地の繁栄を脅かすもの……あるいは停滞させる者の前に現れ、罰を与えるというのだ。
彼女は祖霊とやらの説明を一通り終えると、さめざめ泣き始めた。
「黙っていて本当にごめんなさい、赦して、赦して……」
無論、彼女を責める気など毛頭なかった。そもそもカミの一柱が何だと言うのだ。
こちとらは唯一神より王権を賜った皇帝に仕える兵士なのだ、そんなものは土着信仰のまやかしに過ぎん。
――――そう、彼女には嘯いた。
「ひょろ長」を一目見てから、わたしは彼女の部屋に行かなくなった。
夜が更ける前に、ベッドへと潜るようになった。日課となっていた、彼女を想っての自慰の回数も少なくなっていった。
ある夜。窓を見ると「ひょろ長」がいた。
ある夜。窓を見ると「ひょろ長」がいた。違う木の陰に隠れている。
ある夜。窓を見ると「ひょろ長」がいた。
ある夜。窓を見ると「ひょろ長」がいた。納屋の裏手に立っていた。
ある夜。窓を見ると「ひょろ長」がいた。納屋の裏手から少し動いていた。
ある夜。「ひょろ長」の姿が見えなくなった。私は震えながら、数日ぶりに彼女の部屋へ向かう事にした。
もう、限界だ。あれだけ健康的だった顔は、塹壕戦に参加していた頃に戻ってしまっていた。
「ひょろ長」、「ひょろ長」、「ひょろ長」。勘弁してくれ、お願いだから……やめてくれ……!!
●帝国軍北部地方兵団所属・曹長それがしの戦果(5)
部屋に彼女はいなかった。
わたしをいつも抱いてくれたベッドに、彼女はいなかった。
静寂の中に、わたしの荒い呼吸音と心臓の鼓動が響き渡る。聴覚が麻痺してしまったかのようだ。
窓には施錠がされている事から、私用で集落にでも戻ったのだろう。
彼女が使っていたバスケットが部屋にない事を確認し、安堵の息を吐いた。
そして、顔を上げると、心臓を握りつぶされたような感覚に陥った。
「ひょろ長」がいた。建屋のすぐそばの、木陰に。
わたしはすぐさま建屋から飛び出した。
支給されていた護身拳銃でもあれば心強かったのだが、ないものは仕方がない。
月が出ていた事は、幸か不幸かわたしには判断できなかった。
月明かりに照らされた「ひょろ長」の姿を正面から目にし、わたしはついに泣きだした。
許して、許して、出て行くから許してください、お願いします、赦して下さい神様。
息絶え絶えに周囲を見回すと、「ひょろ長」
樹の根につまずいて、顔を上げると木陰に「ひょろ長」
あんな、場所から場所へ移動できるなんて、考えられない。人間じゃない。
人間じゃなけりゃ神様しかいない。わたしに怒っているんだ、わたしを……
がちがち歯の根を震わせながら、半べそをかきながら、わたしは走った。
あいつの姿を見ないように目をつむって、とにかく走った。
やがて限界が訪れ、酸素を求めて立ち止まると、わたしの肩が誰かに叩かれた。
「お姉……様……たすけて……」
振り向いたそこにはお姉様の顔はなく、卵のように白い頭の「ひょろ長」が、わたしを見下すように佇んでいた。
「なるほどなあ、『こうなる』って事か。こりゃ、今の私の知識じゃ解明は無理だわ。あーあ、グチャボロじゃねぇか。
ともあれ、『実験』は成功だ。お前の戦果は忘れないよ。恨むなら事実を黙ってた私の旦那様を恨むんだなあ。
あのやぶ医者もすぐにそっちに叩き込んでやる、あの世で復讐するがいいさ。私は……当分この世を離れる気なんか毛頭ないがね」
スレンダーマンネタしか思い浮かばなかった。反省はしていない
女騎士ちゃん本人の時はSSの方がいいな
ゲス妊婦って怖くね?
ただでさえ見た目は最高に美人なのに巨乳妊婦属性付与とか
子供が流れたらどうなるんだろう
またターゲットにされるのかな
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4369440.png
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4369443.png
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4369441.png
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4369445.png
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4369446.png
寝る前に上の方で言ってた1スレ目の画像貼っておくで
ほの字のイメージはマジでこんな感じだったんでびっくりしたで
女騎士の貞操観念ってどうなってたんかな
誰にも体許さない系女子?
>>637
絵描いた人だけど不用意に絵を上げてスレの荒れを助長してしまって本当に申し訳ない
絵は好きに使ってください
>>640
処女信仰にあぐらがかける環境があったんじゃね
行政が腐敗してるからこそ清らかなあたしカッケェェェェ
女騎士の何がすげえって、やっぱり鋼のメンタルやな
レイプされようが孕まされようがぶれねぇwwwwwwwwwwww
妊婦の「彼女」が女騎士で
曹長が騎士ほ……なのか?
んで女騎士はレイプされたのか……
わかんねぇ……曹長って誰や?
いま始めて出てきたんだよね……?
>>671
そうだよ
出落ち気味に死ぬキャラなんてこのスレじゃ珍しくもないのです
>>673
なるほど、ありがとう
ハイエルフ死んじゃうのか(´・ω・`)
>>644
あざすー
絵に関しては別に何も言及する気はないで
騎士メンバーなり何なりにも期待するで。あれなら別スレでも何でも立てりゃええ
女騎士ちゃんの血管張ったボテ腹ペロペロしたい
女騎士ちゃんの自己愛やばそう
毎朝鏡の前で「やっぱこの美しさは問題だわ…私可愛すぎだわ…」とか言って一発抜いてから出勤する系女子
これパッショーネにいる感じのゲスですわ
にちゃん
女騎士の部下で唯一プロフィールに卑罵語が書かれてない薬漬け
サブリーダーっぽい印象
uproda11.2ch-library.com/394896Hw9/11394896.png
女騎士ゲスくない表情
uproda11.2ch-library.com/394895ZH0/11394895.png
>>716
にの字は貧しい平民の産まれでお姉さんだから一生懸命工場で時計の組立してたんだよ多分
部下になってからは男と薬の味を覚えちゃって家に仕送りもせずに怠惰に溺れているよ。多分家族は今頃コレラで全滅してるよ
本編まとめて書けるような時間できそうなのはもうちょい先になるんでオナシャス。
それまではwikiに軽いネタ並べたりするんでオナシャス。wikiに画像載せてもいいもんかね?
(正直パシリ騎士の連中の設定なんか出した当初はモブ同然だった件)
正直ほの字がここまで動くとはオレも驚きやで
それ以外がクソ空気というか何というか。やっぱり即興劇は書くの楽しいわ、後先考えなくていいんだもん
敵兵「というわけで、間接的ではあるが、6年前に中央広場で起こったテロがきっかけで、東西戦争は一応の幕引きとなったって事だ」
ガキE「……?」
敵兵「テロ首謀者も、その目的もうやむやのまま。当事者の魔王軍側も無実を訴え続けている。
加えて、西側勢力と連合の争いも膠着状態。北方共同体は東へ、教皇領は西へ……このまま続けてもメリットは薄いから、いったんやめにしようぜってね」
ガキA「まだ終わってないの?もう連合の兵隊さんも見なくなったけど」
敵兵「まだまだ帝国の東側には駐留してる部隊がいるはずさ。あくまで帝国領を折半したに過ぎないからね」
ガキB「せっ……ぱん……?」
敵兵「西側は共和国や北西諸島、東側は連合のものっていう風に、分けっこしたんだよ」
ガキA「へえ……」
ガキC「慰謝料分配みたーい」
敵兵「やめてァ!!先生そんな事言う子に育てた事ないァ!!」
ガキD「(たまにこの先生、変な訛り出るんだよな……)」
ガキE「ねー、せんせーには子供いないのー?折半しないのー?」
敵兵「なんておぞましい事を!!そういう事言うのやめろァ!!きみ達は共和国の優しい子なんだからァ!!」
司祭「おお、これは先生。もう授業は終わりですかな?」
敵兵「一通りの重要案件はおしまいです……そちらの方は?」
おかっぱ「今日もお疲れ様デス、センセイ」
敵兵「……なんか、アクセントがおかしいような。東洋の人……ですよね」
司祭「ええ、極東列島からいらした方で。しばらくはこの街に滞在するらしく、うちで部屋をお貸ししようと思いましてね」
敵兵「はあ。オレと同じパターンですねえ。まだ、大陸に来て日は浅いでしょうに」
おかっぱ「まだ、一週間デス。船旅の感覚、まだ抜けてないデス」
敵兵「(鼻ぺっちゃんこだし丸顔だし……これ、その辺の子どもに混じってたらわかんねえな。東洋人の顔の区別つかねえ)」
おかっぱ「大きな戦争、終わってほんとに良かったデス。これでわたし達、大陸の事、いっぱい勉強できマス」
敵兵「なんと勤勉な。学生さんなのですか」
司祭「実を言えばわたしのセフレなのです。軽かったんで持って帰ってきたんです」
敵兵「」
司祭「冗談です」
敵兵「冗談を信じられないオレに向かってなんて事を」
おかっぱ「ああ、わたしも授業、聞いておけば良かったデス」
敵兵「あなたが?」
おかっぱ「わたし達、現代の大陸の情勢、とても疎いデス。わたし達の国、近くに北西諸島の植民地、ないデスから」
司祭「それは……その筈ですなあ。位置関係的にも、極東列島というのは……その、植民地化するメリットは薄いと言いますか」
おかっぱ「イナカだからこそ、強い国に、イジメられずに済んだのデス」
敵兵「そういう事ならいいですよ。オレの授業ノート、お貸ししますんで。教科書と合わせれば、大体わかります」
おかっぱ「よ、よろしいんデス?」
敵兵「ええ。開戦から休戦条約の締結まで、大まかには。各国都市の需要も、箇条書きですけど書いてありますんで」
司祭「さすが、心が広いですな。最近色気づいたせいもあるんでしょうが……」
敵兵「(いちいち俗っぽいのがめんどくせえんだよな……この人)」
おかっぱ「色気づいた。誰かに恋してるデスカ」
司祭「実は男子生徒の一人に……彼、授業中は四六時中勃起してるんです」
敵兵「根も葉もないデマァ!!」
司祭「そんなチェリボの先生がありがたく貸してくださったのです、良かったですね」
おかっぱ「ありがとうございマス!筆下ろし、頑張ってくだサイ!!」
敵兵「言いふらさないでくださいよ!!この学校つぶれますよ!!」
司祭「君のせいだな……とんだロリ……いや、ガチぺド疫病神だ」
おかっぱ「センセイは男色家でもいらっしゃるのデス?」
司祭「神職を前にしてそこまで教義にケンカを売るのは楽しいかね」
敵兵「(どこに行ってもオレはオモチャなのかな……生活できてるからいいけど)」
敵兵「ほら、あそこが6年前の演説の舞台になった広場です」
おかっぱ「石造りで立派ではないデスカ。この近くでテロが発生したと?」
敵兵「ここから西だから……あっちの方ですね。北西諸島の待機地点が爆破されたんです」
おかっぱ「それで犯人は不明……直後に魔王軍のトップが姿を消したとなると、かなり魔王軍側は怪しいデスヨネ」
敵兵「普通に考えれば、そうですよね。でも、今じゃなんの手掛かりも残っちゃいない。困ったもんです」
おかっぱ「連合側がこの件について魔王軍に対して言及していないのも不自然……妙デス」
敵兵「ま、一般市民のオレ達にとっては、日々の暮らしが安定すれば何でもいいんですがね」
おかっぱ「その通りデス」
敵兵「(本当に、気味が悪いぜ。連合側が手のひらを返したように、帝国の領地折半に応じて……
あのドラグーン……ほの字の対抗演説があった事実がどこにも公表されてない事を見れば、意図的な改竄があったのは明白だな……)」
おかっぱ「センセイ?顔が苔生した色になってマス」
敵兵「(更に気持ち悪ィのは……停戦協定を結んでからというものの、あの悪魔の情報をまったくと言っていいほど見なくなった事だ……
人知れずどこかで死んだのならまだいいが、奴がもし生きていたするなら……もし……)」
おかっぱ「センセイ?」
敵兵「オェェェェッ!!!ヴェッ、ヴェェェェッ!!」
おかっぱ「センセイィー!!センセイィィー!!」
敵兵「い、いやっ、ゴメン。何でもないんだ、ちょっと6年前から日常的に嘔吐反応が襲い来る症状に罹患してるだけなんだ」
おかっぱ「まあ……お大事にしてくだサイ」
敵兵「くそ……胃潰瘍は完治したと思ってたのに……また再発か……」
おかっぱ「……」
敵兵「……」
おかっぱ「……」
敵兵「(苦痛だ。ただでさえ珍しい東洋人を連れてる上に服が吐瀉物まみれとは。まじで通報される、早く水道探さなきゃ)」
おかっぱ「大陸の人は、公衆の往来でモドすのは一般的なのデス?」
敵兵「違います……オレだけがおかしいだけです……」
街娘「あら先生!おかえりなさい、今日は早いのね」
敵兵「あ、ああ。ただいま……あの子たちは?」
街娘「今日はちょっと二人でお出かけ。街道沿いで遊んでるんだと思いますわ」
敵兵「は、ははは……」
街娘「……そちらの方は……東の人?」
おかっぱ「ハイ。貴重な経験をさせていただきマシタ、日常的に嘔吐反応が襲……」
敵兵「つ、つい最近大陸に来たばっかりだって言うからさ。軽く案内してあげてたんだ」
街娘「まあ。初めまして、この国はどう?」
おかっぱ「ハイ、見た事ないものたくさんありマス。人も建物も、スゴク大きいです」
敵兵「そりゃあなあ……基準がキミくらいだとすると、オレ達から見た極東列島の街並みはミニチュアみたいだろうし」
おかっぱ「嘔吐物の内容もずいぶんと異……」
敵兵「見んといて!!変な事覚えて帰らんといて!!あと汚いからそれ!!」
おかっぱ「……センセイ。わたし、感づきマシタ」
敵兵「な、何を?」
おかっぱ「センセイが恋い焦がれているのは……あの女性デス。きっとそうデス」
敵兵「……ふ、ふふふ」
おかっぱ「やはりセンセイは、ぺドフィリアでもウロフィリアでもコプロフィリアでもなかったのデスネ……」
敵兵「オレそんなヤバい人間じゃないからァ!!」
おかっぱ「先ほどの嘔吐で……若干エメトフィリアの気を連想したのデスガ……」
敵兵「やめて!!嘔吐の流れ引っ張んないでよ!!オレ日常的に公衆の面前でゲロぶちまいてる変態みたいじゃん!!」
おかっぱ「センセイさっきそうおっしゃいマシタ!」
敵兵「そんな事言っ……たか?」
おかっぱ「おっしゃいマシタ!」
敵兵「言ってねえ!!言ってないもん!!」
おかっぱ「にしても、子連れのお方デスカ。連れ子が一辺に二人、四人家族とは賑やかになりそうデス」
敵兵「さ、察しがいいな……まったく」
おかっぱ「彼女の旦那様は?」
敵兵「……大きな戦争の後だからな。そういう事は詮索してない」
おかっぱ「賢明な判断デス」
敵兵「(世の中、妊婦さんに腹パンするクソ野郎がいるからな……お子さんのいる女性は労わってやらんと……)」
おかっぱ「して、いつ告白なさるのデス?文は当然、毎月送っていらっしゃるのデショウ?」
敵兵「ふ、文……?あ、ああ……手紙ね。そんなん送ってないけど……」
おかっぱ「まあ……大陸にも恋文の慣習はありましょうに……かの醜き鼻の剣士の名筆ぶりは、共和国のお方なら御存知デハ?」
敵兵「(オレ、もともと共和国民じゃないしなぁ……)」
おかっぱ「文のやりとりというのは重要なものデス、ロクサアヌも剣士のしたためた一文で気を失ってしまうほどですカラ」
敵兵「(……文……文字のやりとり……文字を書く……そういえば……名前を書けないほどのバカが……)」
おかっぱ「センセイ?」
敵兵「ヴェッ!!ヴェェェェッ!!ヴェェェ!!」
おかっぱ「センセイィー!!センセイィー!!」
敵兵「ゴメンッ、本当にゴメン!ちゃんと掃除するから許してくれ!!」
街娘「いいのよ、気にしないで、大丈夫よ!気分が悪くなることくらい誰にでもあるわ!」
敵兵「でもこれじゃあキミの住んでるアパートメントの前の通りが嘔吐物腐臭ストリートとかいう汚名を被ってしまう!」
街娘「そんな公害みたいなレベルには行かないわよ!考えすぎよ!」
敵兵「しかし!物事は常に最悪の状況を想定して動かねばならない……!」
おかっぱ「センセイはこの通り非常に真面目デス、過失でやった事ですので、許してあげてクダサイ……」
街娘「そんなに私の心は狭くないわ!」
敵兵「もう吐かないから!!ここでは吐かないから!!」
街娘「ここ以外では吐き散らかすつもりなの!?それだったらもう会う事考えるけど!」
敵兵「ああ違うんだ、そういう事じゃないんだ!!」
おかっぱ「大陸の皆さんはアグレッシブでいらっしゃいマス……」
敵兵「すまない……キミの案内がこんな酸っぱいニオイを振りまいての行脚になってしまって……」
おかっぱ「そんな、笑い話で済む事デス。通報されなかっただけ御の字デス」
敵兵「(ああ……まともだ……いや……これまでがヒドすぎただけか……連合の戸籍、ポイして良かった……)」
おかっぱ「さて……服も一新したところで、百貨店にでも向かいマショウ。共和国の百貨店、わたしの国にも資料来るほどデス」
敵兵「ひゃ、百貨店?」
おかっぱ「時代は徐々に、市民による大量消費の思想へと移り変わっていってイマス。まさしく、共和国の百貨店(デパート)はその体現と言えますカラ」
敵兵「あ、ああ……オレにはあんまり縁のない所だけどな。近所のモールやアーケードで十分だし」
おかっぱ「何を言いマス……これから所帯を持たんとする男(おのこ)がそんなではいけまセン!きちんとした身なりできちんとした贈り物を用意するべきデス!」
敵兵「ま、まじか……」
久々に覗いたらファイルのリンク切れだったでござる(^q^)
仕方ないね・・・
おかっぱ「お子さんへのプレゼントも忘れてはイケマセン!息子さん?それとも娘さんデスカ?」
敵兵「む、娘が二人だよ。顔つきがそっくりだったから、双子なんだと思う」
おかっぱ「となれば……同じものを贈るのがいいでしょうネ……何がいいデショウ……」
敵兵「と、とりあえず花束は確定だな。それに簡単な菓子折も……」
おかっぱ「洒落てきたではありまセンカ。その調子デス」
敵兵「(……ああ、楽しい……)」
おかっぱ「それでは、私は一足先に部屋に戻りマス。ちゃんと結果聞かせてくださいネ!」
敵兵「あ、ああ!付き合ってもらってしまってすまなかったな」
おかっぱ「イエ、色々見て回れただけでスゴク勉強になりマシタ。ありがとうゴザイマス!」
敵兵「こちらこそ。じゃあ、また明日……」
敵兵「……よし、よし、よし!決行は明日!彼女が仕事から戻ってくるであろう時間から2時間後!よし!!」
敵兵「……ふむ、すこし早く来すぎてしまったか。彼女は……」
敵兵「まだ帰っていない……のか?部屋の灯りが点いてないな」
敵兵「……もう7時を回るのに、どうかしたのか……?」
敵兵「フフフ……6年前を思い出すぜ、単独でのスニーキングミッションだな」
敵兵「……」
敵兵「……遅すぎやしないか?」
敵兵「……」
敵兵「……直接行ってみるか」
おお、リアルタイム更新乙ですぅ。
敵兵「(人の気配はするな……しかし灯りは……小さな室内灯だけ点いているのか?だとすれば、中に……)」
敵兵「おうい、誰か!誰かいるか?」
敵兵「……反応なし……いや、これは……施錠されていない?ノブが回る……!」
息子「……」
敵兵「や、やあ……久しぶり、ごきげんよう……」
息子「……」
敵兵「な、何週間ぶりかな……キミ達とはなかなか会えなくて……」
息子「……」
敵兵「そ、そうだ……今日はキミらにプレゼントがあるんだ、だから……」
息子「……」
敵兵「……お願いだから、その銃をしまってくれ……死にたくない……」
娘「……何してるの、お兄ちゃん」
息子「いつもの人。たぶん、この人がお母様のお知り合いだよ」
娘「この人が?」
敵兵「(お……お兄ちゃん?娘二人じゃなかったのか!?どう見ても女の子にしか……!)」
娘「ふうん……じゃあ、コイツがそのクソ童貞のクソ野郎ってわけね」
敵兵「ひ……や、やめてくれ……撃つな、撃つな……!」
息子「何が目的だ、言え。ここにはあなたにくれてやるカネもなければ権利書もないぞ」
敵兵「き、キミ達の……お母さんに用があって来ただけだ……!」
娘「お母様に……あなたが?」
敵兵「あ、ああ……ほら、見てくれよ!花束と贈り物!これしか持ってない!」
息子「あなたがお母様に……?」
娘「人間の雄が考える事は……わからないわね……」
敵兵「(何、何これ、これどんな状況なん?嘔吐はおろかお小水までしそう怖い怖い怖い)」
息子「……ちょっと、待ってて」
敵兵「(『いつもの人。たぶん、この人がお母様のお知り合いだよ』って……意味がわからん……なんかこの台詞、オカシイぞ……!?)」
敵兵「(それに、妹の方が言ってた『じゃあ、コイツが』って……そもそもオレの事、どう思われてたんだ……!?この子達……!)」
娘「なんだァ?オトナの癖に情けねェツラしやがって……タマついてんかよ、おい」
敵兵「……」
娘「シカト決めこんでんじゃねェ、ぞッ!!」バキ グジュ
敵兵「!!!!」
娘「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
敵兵「(おにんにんが!!!!お、お、おれのムスコと精巣が!!!!つ、潰っ……!!!)」
娘「そんなに痛がんじゃねェよwwwwwwwww腹いてえwwwwwwwwww」
敵兵「腹が捻じれる……痛てえええええ……!!!」
娘「いいじゃねェか、生きてたってどうせ使わねェだろ?それ以前に、生きてこっから出れるかわかんねェしよォ」
敵兵「(この子の薄汚い口調……なんだ……既視感……オレは……この口調を知ってる……なぜだ……!?)」
娘「あー、それとも何か?オナニー猿の連合兵は、タマ袋に脳みそが詰まってたってか?そりゃ失礼したわwwwwwww」
敵兵「(い、いやだ……思い出したくない……やだ、やだやだやだ……オレは、共和国のいち教師なんだ……ただの善良な……)」
息子「……奥に来い。妹に妙な事、しなかっただろうな」
娘「お兄ちゃん、聞いて……こいつったら……」
敵兵「」
娘「おら、立てよボケ。グズグズしてんじゃ……」
敵兵「ヴェエエエエエエエエッ、エッ、エッ、ェエエエエエエッ!」
???????('ω')???????うわああああああ
街娘「あら……あなただったの……?部屋の前でウロウロしてたの……」
敵兵「」
娘「つっ立ってンじゃねェ!!床でも舐めてやがれ!」
敵兵「」
息子「下手なマネはするなよ。簡潔に、目的を言え」
敵兵「」
娘「夜這いにでも来たかァ?残念だったなァ、このベッドはもう満員でェす」
街娘「ん……それで、何の御用……?わたし……今……手が離せなくて……」
敵兵「な……ん……だと……」
娘「なンだァ?マジに脳ミソ潰れっちまったかァ?ネジくれたカエルみてェな声出しやがって」
街娘「騎士様に……愛していただくのに……忙しくて……」
敵兵「何でお前がここにいる……何で……」
女騎士「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
敵兵「何で、何でだァ!!彼女から離れろォ!!消えろ、死ねェェ!!」
娘「るせェンだよッ、この三下がッ!!」
息子「口を慎め。静かにしろ」
敵兵「何で……どこから……お前……」
女騎士「おやぁ?おやおやおやァ?何か床の方でゲリの音みてぇな声が聞こえるなァ……なあ、何だろうなァ」
街娘「さあ……存じません……」
敵兵「……な……何を……」
女騎士「あーあーあー、思い出した。6年前にこの私を裏切りやがったクソ童貞のクソ野郎だ。
しばらく見ねェ間にずいぶんショボくれたもんだなァ、死にゃあ良かったのに」
息子「お母様、それではこの男が?」
女騎士「そうよ、コイツがそう。あなた達も知ってる男なの」
娘「ハァーン……身の程知らずここに極まれりだなァ、ホント何しに来たンですかねェ……」
敵兵「この……子達……彼女の子じゃ……」
街娘「……え、私?まさか……何言ってるの?」
敵兵「え……」
女騎士「お前はホンットにフシアナ野郎だなぁ。この二人の美貌、どっからどう見ても私譲りだろーがよォ」
敵兵「お前が……こ、こ、子どもを……!?」
女騎士「ナリは十二、三だが、頭ン中は六歳に毛が生えた程度だ。楯突くと何するかわかんねーぜwwwwwwwwwwwww」
女騎士「で?何の用だ?マジに夜這いに来たのか?」
敵兵「……」
女騎士「花束?プレゼント?って事ァ何だ?上着の内ポケットには指輪かァ!?」
敵兵「……うう」
娘「先ェェェェン生ェェェェイよォォォォォ!!!メソメソしてンじゃねェ、懐にあるもん出せッつってンだよォ!!」
息子「いや、いい。ボクが調べる」
敵兵「や、いやだ、やめろ!!やめて、やめてくれえ!!」
息子「……お母様の言った通りだ」
娘「何か仕込まれている可能性は?」
息子「ない。いたって普通の……そこらの百貨店で売られているガラクタだ」
娘「だってサァ。良かったなァ、何か企んでやがったら、この場でペーストにしてやってたところだァ」
敵兵「……」
女騎士「そうすっと何か、お前はまんまと……この私のコマした開発済みの女に貢ぎに来たってわけかァ」
敵兵「ウソだ……こんな偶然……夢だ……」
女騎士「偶然じゃねーよタコwwwwwwお前がコイツ狙ってるの確認してから開発したんだからよォwwwwwwwwwwww」
敵兵「」
敵兵「ほ……本当……なのか……?」
街娘「何が……?」
敵兵「本当に……キミは……こんなゴミ野郎に……」
街娘「ゴミ野郎……人に向かってその呼び方は何!?あなた何様なの!?」
敵兵「」
街娘「他人の事をよく知りもしないで、よくもまあゴミ野郎ですって!?
育ちを疑うわ、少しは良識のある男性だと思っていたのに。あなたが一番のゴミ野郎だわ!!」
敵兵「」
女騎士「ああ……もう傷ついちゃったわ……ゴミ野郎だって……ひどいわ……」
街娘「騎士様……お気になさらないで、彼は少しおかしいんです。この前の通りでいきなり吐き戻すし……
昼間からお酒でもあおっていたのかしら……ひどい人です」
敵兵「」
娘「おゥい、聞いたかァ!?クソ童貞のゲロ野郎だってよォ!!」
息子「下劣な……品性を疑うな、ゲスが」
敵兵「(一体どういう事……だってばよ……)」
でも敵兵が町娘とあった時から子供はいたんじゃないのか?
仲良くなってから子持ち発覚、みたいな感じか
敵兵「……何でだよォ……何で……何でオレなんかにここまで……」
女騎士「あー!?あんだってー!?耳が遠くて聞こえねェよォー!?」
敵兵「もう放っておいてくれよォ……お願いだァ……」
娘「寝言ブッこいてンじゃあねェェェぞ!?テメェ、忘れたのかァ!?お母様の腿をぶち抜いたテメェ自身の大罪をよォ!?」
敵兵「……そ、それ……だけ……!?」
息子「それだけ……だと?」
娘「どこまでもザケた野郎だなァ、あァ!?」
息子「……あなたの元連合兵としてのポストを利用したいが為に、こうして罠をしかけた」
敵兵「……」
息子「とでも言えば満足か!?どうなんだよクズ野郎ォが!!!」
敵兵「ひ……」
息子「いいか低能、お母様の悲願が成就されんとする場所で、キサマがいらん邪魔をしなければだ!!下賤な魔族の王と、
それに与する勇者とやらの息の根を止める事ができたんだよ!!キサマのせいで!キサマのせいで大陸は未だ混乱の渦の中にあるんだよ!!」
女騎士「まあ……親想いの良い子に育ってくれて嬉しいわ」
敵兵「(怖いよォ……恫喝で言えばコイツ本人より怖い……)」
息子「……とはいえ、あなたのポストは今となっては役に立たない。というより、存在しない」
敵兵「は……?」
息子「不自然には思っていただろう?お母様の偉業が、何一つ明るみになっていない事について」
敵兵「い、偉業……だと……!?」
娘「おンやァ?口答えする気ならもうちょい我慢してからにして頂けませンかねェ!?」
敵兵「は、はい……」
息子「あなたの上官……禿頭の中佐があの後どのような末路を辿ったか、御存知ですか?」
敵兵「し……知ら、ない……」
息子「本国で銃殺されたそうです。『ありもしない虐殺事件』や『ありもしない歴史的大敗』によってね」
敵兵「ありもしない……!?」
娘「有体に言やァ、停戦条約を交わした際に揉み消されたンだよォ!!お母様の努力の全てが灰燼に帰したワケだ!!
連合の連中が北西諸島や共和国とのくだらねェ融和を実現したがったからなァ!!」
息子「要は、だ。お母様の付近に存在するポストそのものが抹消されたと言っていい。あなたは、連合では『存在しない人間』なんだよ」
敵兵「」
女騎士「いやはや。にしても一応の目付け役……連合の捨て石であるテメェがあんな事しでかすとはなぁ。
ちょいと警戒が足りなかったわ。反省してるわ、ホント」
敵兵「おい……じょ、冗談……だろ、オレが存在しないって……」
竜田揚げ喰ってきたらでたでござるwwwwwwww
娘「一度で話理解しろよなァ、このキンタマ脳がよォ!!テメェは!親玉に!ポイされたンだよォ!!」
敵兵「」
息子「本国に戻ったところで戸籍がない。名前もない。福祉サービスも受けられない。ご理解いただけましたか?」
敵兵「う、う、ウソだァ!!名前はあるぞ!!家だってある、親父やおふくろだっている!!」
娘「果たしてどうなッてンのかなァ……テメェと関わりを持ったが為に不幸な目に遭うバカども、どう思ってッかなァ……」
敵兵「」
女騎士「いやーwwwww身から出たサビだなァwwwwwwwwwwどーすんのお前wwwwwwwこれからどーすんのwwwwwwwwww」
敵兵「」
街娘「ここで自殺とかしないでね、借家汚されたら困るし……」
敵兵「……オレ……どうしたら……いいの……どうしてオレ……こんな目に……」
娘「どうしてこんな目にィ?あァ?ンなもん決まってンじゃあねェかよ、テメェが敗者だから悪ィんだよスッタコがァ!!
テメェは何か努力をしたのかァ!?いつか誰かが何とかしてくれるとか思ってたんじゃあねェのかァ!?
甘ったれてンじゃあねェぞクソッタレ野郎がよォ!!テメェ、どの口が『こんな目に』とか言ってやがンだよォ!?」
敵兵「……」
娘「テメェは少しでも敗けねえ為の努力をしたのかッて聞いてンだよォ!!」
敵兵「(六歳児に脅されてる……三十路なのに……オレ……)」
将来有望すぎんだろwwwwww女騎士より長生きすんのかなこいつら・・・
敵兵「……もう、もういいだろォ……じゃあ、もうほっといてくれぇ……」
女騎士「は?何を?」
敵兵「こんな、こんなゴミみたいなオレなんか相手にするだけ無駄だろ……何でこんな…・・・6年越しでこんな事を……」
女騎士「決まってんじゃねーか、落とし前だボケ」
敵兵「おとしまえ……」
娘「どこのどいつがお母様に盛大にケンカ売ったかってンだよボケが!!
その足りねえ股間の脳ミソフル回転させてよっく考えンだなァ!!」
敵兵「そんな……し、仕返しってんじゃ……ないだろうな……」
女騎士「……」
敵兵「おい……おいぃ、どうなんだよォ!!」
女騎士「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
娘「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
息子「……」
女騎士「御wwwwww名wwwwwww答wwwwwwテメェにはwwwww私の夢が叶うのをwwwww特等席で見せてやるwwwwwww」
娘「その椅子もちろんwwwwwwww電気椅子wwwwwwセレモニーと同時にwwwwwwwテメェは瞬間加熱wwwwwローストビーフだぜェwwwwwwww」
敵兵「」
娘「やーいww兄ちゃんの母ちゃん竜田揚げーwww」
敵兵「はっ……」
敵兵「……夢……か……」
敵兵「……いやー。いやいやいやいや」
敵兵「まさかこんな悪夢あるわけないよなー、いやいや疲れてんのかな、オレちょっと働きすぎかなー……」
敵兵「……」
敵兵「寝よう……寝ちまおう……酒飲む気にもならねえ……」
敵兵「……目が覚めたら新しい一日が始まるんだ……」
敵兵「子ども達に囲まれて……昼ごはんは駅前のパン屋のサンドイッチ……礼拝の終わった司祭様や……
ああ、そうだ……あのおかっぱの子と一緒にティータイムだ……」
敵兵「はははは……あはははは」
敵兵「死にたくない……死ぬのは嫌だ……」
敵兵「……」
教員「……」
敵兵「オレの机……その……机がないんですけど……」
教員「……」
敵兵「あの……」
教員「ヒッ!?」
敵兵「……」
敵兵「クビ……ですか……?」
司祭「あー……その、ですね。何も、事実だとは私も思いたくはないんですが……その……」
敵兵「……」
司祭「……公共施設に……連合の人間がいるなんていう噂がこれ以上流れたら……どうなるかお分かりでしょう?」
敵兵「……」
司祭「いや、何もあなたが連合の人間だと決めつけているわけではなくですね……お子さんを預ける親御さんの目もありますし……」
敵兵「……」
気を失ったのか?
敵兵「」
おかっぱ「元気出してくだサイ、働き口なんか……そう、コネ!司祭様から斡旋先の住所、貰ったんですヨネ!」
敵兵「……どこも雇っちゃくれないよ……たぶん……」
おかっぱ「あーうー……」
敵兵「……」
おかっぱ「あれ、ここは……あっ、そうだ!昨日、結局プロポーズ行かれたんデスカ!?」
敵兵「……ああ?ああ……」
おかっぱ「どうでシタ!?うまく行きマシタ!?」
敵兵「……」
敵兵「いかん吐く」
おかっぱ「えっ」
おかっぱ、まだ五体満足な所が余計この後の悲壮感を匂わせる
時計の針がもう少し狂ってたら無事だったろうに
>>909 既に豚煮込みかもしれんぞ。
敵兵「…はっ!夢か…戦局はどうなったか」
モブ兵「おーい!捕虜を捉えたぞ!」
敵兵「ん?」
モブ兵「なかなかの上玉だ」
女騎士「くっ…離せ!」
敵兵「」
ってオチを始めは予想してたがどんどん進展してくなww
即興ってレベルじゃねーぞ!
おかっぱ「そうでスカ……だめだったデスカ……残念デス」
敵兵「……」
おかっぱ「……」
おかっぱ「シテ、あなたはホントに、連合の人間なのデスカ?」
敵兵「……え?」
おかっぱ「イエス、カ、ノー、で、答えてクダサイ」
敵兵「……」
おかっぱ「……単なる風説。そう考えるには不自然なくらい、真実らしい噂が流れてイマスから……」
敵兵「な、何だ、それ……」
おかっぱ「さ、どうなんデスカ?心配せずとも、わたしは……」
おかっぱ「お前ら大陸のノータリンどもに比べりゃあ、ずっとずっとずっとずっと理知的で良心的で誠実だからなァ」
縺医▲
敵兵「なッ……!?」
おかっぱ「ククク……技術先進と聞いて来てみりゃあ……素晴らしい民度だな、共和国というのは……
やはり大陸で人殺しを生業にマラこすってるクソザルどもに理性を期待するのが大間違いってんだ」
敵兵「何……言ってんだよォ……」
おかっぱ「何か間違った事……言ってるかねェ……?それとも、文法間違ってて伝わってねェか?
テメェらが使ってる屁みてぇな言語なんか、口にしたくもねェんだ。勘弁しろよなァ」
敵兵「キ、キミ……が、が、学生じゃ……ないのか……!?」
おかっぱ「頭ン中の推察だけで事実を組み立てるのも、お前らクソ大陸人の特徴だなァ。自己が未発達のポンコツがよォ。
いつアタシ自身がバカ学生だって名乗ったァ?遊び半分で学びに……いや、ほとんど物見遊山で来たのァ合ってるけどよォ」
敵兵「じゃあ……じゃあ、一体……」
おかっぱ「アンタから名乗ったら教えてやらんでもないなあ……」
敵兵「……うう、れ……連合だよ、元連合の……兵隊だ」
おかっぱ「クク……言葉が通じねえってわけでもなさそうか」
敵兵「……」
おかっぱ「極東列島幕府陸軍……そこの小間使いとでも思ってくれればいい」
敵兵「ば、幕府……陸軍?」
おかっぱ「声がでけぇなプータローさんよォ。もっとも、未開のアホ大陸人にゃあ何のこっちゃだろうが……」
敵兵「(え、何!?スパイ!?何が起きてんの!?)」
おかっぱ「……周りのカスども、ホントウゼーな。そんなに東洋人が珍しいのかねェ」
敵兵「極東列島の文化はそれだけ一目を集めるんだよ……百貨店でも特設会場が組まれてたし……」
おかっぱ「クソが……茶屋に入りゃあ出てくるのはこの泥水だ。イカレてんなァ」
敵兵「(他人にカネ出させといてなんて奴だ……)」
おかっぱ「……なあ無職クン。話の続きだ。何でアタシ、わざわざアンタに近づいたと思うね」
敵兵「なぜって……オレが分かるわけ、ないだろ」
おかっぱ「出た出た、これだけは雄ってだけで万国共通なのかァ?都合が悪くなると思考を放棄する。うぜえうぜえ」
敵兵「……」
おかっぱ「ククク……機嫌悪くすんなよ……まあ、あれだ。6年前の東西戦争、あれについて調べてんだよ」
敵兵「わざわざ極東列島がか?何の為に……」
おかっぱ「そうさなぁ……お前らの言葉を借りんなら、啓蒙だよ。魔王軍とかいう連中が今も続けてるアレだ。
帝国法をある程度原型にした法律を使ってる私らが、ちょいと頭を貸してやろうと思ってなあ」
敵兵「……」
おかっぱ「脳が処理し切れてねェか?ならパープリンなテメーの為に簡単に言ってやるよ」
敵兵「ひどい」
おかっぱ「せっかく法をもてあましてるテメーら殺人サルどもの為に、アタシ達が教育し直してやるってこったよ。
いつまでもいつまでも戦争!戦争!戦争!よく飽きねェなあ、早く絶滅してくれよテメェら、マジで鬱陶しいんだわ」
敵兵「こわい」
おかっぱ「列島幕府は世界最強の無血政治形態だ。成立以降四世紀、大規模な戦争を許しちゃいない」
敵兵「それは……」
おかっぱ「国土の狭さだとか言うつもりか?違うな、テメェら大陸人の小きたねえ小便みてぇな血のせいだ。
現に見てみやがれ、アタシ達が使っている現行法はほとんど帝国法をイジくっちゃいない。罪刑法定主義を始めとした近代刑法を実装している。
だが、見てみろよ。帝国(笑)、前に一度資料で目にしたが……ヒデェなぁ、まるでクソが発酵して煮立ってるって有様だ」
敵兵「……否定できない」
おかっぱ「そんなクソ煮込み帝国を中心に……テメェらは何十年も何百年もぶっ殺し合い。
ああ、宗教戦争も度々やってたよなァ。そんなアタシら、何百年も前に克服してんぜ?」
敵兵「そんなの……やりたくてやってる訳じゃねぇよ」
おかっぱ「ハイ出たー、責任転嫁ー。あーあ、これだから大陸は……」
敵兵「(誰か……オレに優しくしてよう…… )」
第5部 女騎士おかっぱ編 序
┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
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制作・著作 NHK
これ、次スレは1の都合がつき次第ってかんじかな?
これほど面白いとは思わなかった
こういう斬新なの作れるなら本出せばいいのに(´・ω・`)
女騎士のクズっぷり大好きです
個人的には女騎士ハッピーエンドがいいね
ヘイヘイ次スレと投下カマン
>>985
女騎士「私が死ぬと思ってるの? バカなの? 死ぬの?」 - SSまとめ速報
(ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1375200813/)
なんかwikiの表記ダブっちまってカッコ悪いでござるよ薫殿
≪幕間≫
――撮影を終えての感想をお聞かせください
女騎士「騎士ちゃん。きったない子だなぁー、って(笑)。いや、口調がね、その辺の男の人……よりずっと汚いの」
敵兵「なんか男子高校生みたいだよね(笑)。友達にクソッタレ!って言って、そのまま家でちょっとブルーになっちゃう」
エルフ三男「あったあった。でも、こいつの場合は素でそういう台詞出てくるからホンット質悪いんだよ(笑)」
女騎士「このビチグソ野郎ォがァ!!」
(一同爆笑)
騎士は「ほとんど怒鳴ってますよね(笑)」
女騎士「喉がね、おうち帰るといつもガラガラなの」
敵兵「あー、なんつーか怒鳴り合戦だからなぁ。僕もそうなんですけど」
勇者「リハやってる時とかすっごいヨダレ飛んでくるんですよ、やばいやばい」
魔王「眉間に皺寄らせて、怒鳴りまくって、高笑いして……もうすごい悪者(笑)」
騎士ほ「私ら全然なのに、彼女だけしょっちゅうメイク直す羽目になるんですよ。怒鳴りまくって汗だくになるから(笑)」
女騎士「あなたはそもそも怒鳴ったりしないじゃん(笑)」
魔王「その割には通しでやると噛んでたりするっていう」
騎士ほ「申し訳ない(笑)」
エルフ三男「NGと言ったら演説でしょ。あのへんはマジでやばかった」
魔王「申し訳ない(笑)」
糸冬
>>1000なら
魔王ちゃん奴隷デビューするの巻
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