橘ありす「スターライト学園……?」(54)

アイカツ×モバマスのSSです
……が、モバマス側は基本的にありすしか出ません

久々にSSを書いたもので、稚拙な部分はあるかと思います
それでも楽しんでいただければ幸いです

P「ん? どうかしたか?」

ありす「どうやらスターライト学園というところには星宮いちごというアイドルがいるそうです」

P「ああ、知ってるよ。向こうではかなり人気のあるアイドルだからな」

ありす「当然です。『いちご』はどの世界でも素晴らしいですから」

P「はは。ほんとありすは苺が好きだなあ」

ありす「もう、何度言えば分かるんですか! 名前で呼ばないでください!!」

P「おーすまんすまん。で、そのいちごちゃんがどうかしたのか?」

ありす「ええ。この星宮いちごという人はお弁当屋さんの娘だそうで、料理も上手らしくて」

ありす「私は以前料理番組に出させてもらいましたが、今思えばまだまだ力不足だったと……」

ありす「なのでもっと料理の勉強をしたいんです」

P「それで、いちごちゃんに教えてもらいたいってか?」

ありす「はい。確か以前プロデューサーの知り合いにスターライト学園の関係者がいるとかなんとかって」

P「ああ、いるよ」

ありす「どういうつながりなんですか?」

P「んーと、それがスターライト学園の学園長がな、昔はアイドルをやっててさ」

P「当時彼女の振り付けをしてた振付師の人なんだよ。俺もこの業界の仕事してるし。ライブの振り付け云々でな」

ありす「なるほど。……その、ワガママなのはわかってるんですが」

P「それくらいいいって。じゃあ俺の方から打診してみるよ」

ありす「ホントですか! えへへ、ありがとうございます!」

P「ということで、ここがスターライト学園だ」

ありす「ここが……スターライト学園……!」

P「ああ。アイドル養成学校であり、生徒の中にはトップアイドルも多数在籍してる名門だぞ」

ありす「ここに星宮いちごさんが……」

P「今日は一応、一日スターライト学園体験入学という形になってるんだ」

P「学年は違うが、お前も希望してたしってことで、いちごちゃんと同じクラスだぞ」

ありす「そうなんですね。なおさらちゃんとしなきゃ……」

P「お前にとってはプライベートなことだったのかもしれないが、まあ相手が学校の生徒なもんでな」

P「ちょっと硬い感じになるかもしれないが、そこは妥協してくれ」

ありす「いえ、プロデューサーのおかげでここに来れたんですから」

P「……っていうことでだな、ちょっとこれに着替えて来てくれるか?」

ありす「これは……?」

P「スターライト学園の制服だ。今日はお前はここの生徒ということだ。それに着替えて、学園長室に来てくれ」

ありす「はい、分かりました」

ありす「し、失礼します。CGプロから来ました、橘ありすです」

織姫「どうぞ、入って」

P「こちらが、スターライト学園の学園長、光石織姫さんだ」

ありす「はじめまして、よろしくお願いします」

織姫「ええ、こちらこそよろしくお願いするわね」

P「それにしても、制服もなかなか似合うじゃないか」

ありす「そうですか?」

織姫「ええ、とっても似合っているわよ」

P「可愛いぞありす」

ありす「っ! ……な、名前で呼ばないでくださいって言ってるじゃないですか!」

P「そう照れるなって」

ありす「照れてません!」

織姫「ふふ、仲がいいのね。さすがは敏腕プロデューサー」

P「ヒメさんにそう言われるなんて光栄ですよ」

織姫「私がアイドルをしていた頃にあなたがプロデューサーだったら、きっともっとすごいことが出来たかもしれないわね」

P「そんな大げさな……でも、ありがとうございます」

ありす「あの……?」

P「ああ、さすがにありすは知らないか。こちらの織姫学園長はな、昔アイドルだったんだよ」

P「それもトップのトップ、伝説のユニット『Masquerade』の1人なんだぞ」

ありす「Masquerade……聞いたことが有ります」

織姫「よく知ってるわね。橘さんが生まれる前の話よ」

P「いやー、俺もヒメさんたちのステージに憧れてこの業界を志したところもありますからね」

P「ありすにも今度映像とか見せてやるよ。楽しみにしとけ」

ありす「はい!」

ジョニー「学園マザー、お呼びの二人を連れてきました」

織姫「あら、ジョニー先生。早かったですね」

ジョニー「お? そちらはCGプロの……久しぶりだなイェア!」

P「はは、久しぶり」

ありす「こちらは?」

ジョニー「俺はジョニー別府、スターライト学園のティーチャーだイェア!」

ジョニー「橘ハニー、はじめましてだ! ナイストゥーミートゥー」

ありす「ええと……はい、はじめまして」

織姫「それで二人は?」

ジョニー「おおっと、そうでした。さ、ハニーたち、入った入った」

いちご「失礼しまーす」

あおい「失礼します」

P「おお、いちごちゃんにあおいちゃん」

あおい「ええと、確かCGプロの……?」

P「ああ。CGプロのプロデューサーのPと、こっちがうちのアイドルの橘ありすだ」

ありす「た、橘です」

あおい「橘って、もしかしてあの橘ありすちゃん!?」

いちご「あおい、知ってるの?」

あおい「当然。橘ありすちゃん、12歳。7月31日生まれの獅子座でA型」

あおい「ありす、という名前があまり好きじゃなくて、橘って呼ばれたがることで有名!」

いちご「へえ、そうなんだ、ありすちゃん、よろしくね!」

ありす「名前で呼ばないでください!」

あおい「きゃー! 本物! 穏やかじゃない!」

いちご「ええと、ごめんごめん、ありすちゃん。つい、ついね」

ありす「だから名前で呼ばないでください!」

P「全く……」

織姫「ふふ、すぐに打ち解けられそうで安心ね」

あおい「ええと、それでどうしてCGプロの橘ありすちゃんがスターライト学園に?」

織姫「そうね、そのことで二人を呼んだの」

織姫「星宮と霧矢、二人を呼んだのは他でもない頼みがあるのよ」

いちご「なんですか?」

織姫「橘さんは、今日一日、スターライト学園に体験入学ということになっていてね」

織姫「そこで二人には、今日一日、橘さんにスターライト学園での生活をサポートしてあげてほしいの」

いちご「わあ! 楽しそう! ね、あおい!」

あおい「穏やかじゃないけど確かに楽しそう!」

ありす「ええと……その、よろしくお願いします」

いちご「こちらこそ! よろしくね、ありすちゃん!」

ありす「だから名前で呼ばないでください!」

ジョニー「それじゃあそろそろクラスに戻るぜ、ハニーたち」

いちご「はーい!」

織姫「それじゃあ、よろしくね」

あおい「分かりました! 失礼します」

ありす「あの、Pさんは?」

P「俺は少し織姫学園長と話してるよ」

ありす「そうですか……」

ジョニー「さあ行くぜハニーたち! 橘ハニーも、カムトゥギャザーだぜイェア!」

いちご「かむとぎょうざー♪」

織姫「全く……お客様の前なんだからもう少し落ち着いて欲しいわね」

P「はは、うちのありすがどう馴染むか楽しみですよ」

織姫「そうね。星宮と霧矢なら、きっとすぐ仲良くなるでしょうね」

P「だといいです。っと、改めて、今回はお話を受けて頂いてありがとうございます」

織姫「他のアイドルとの交流はうちの子たちにとっても刺激になるわ」

織姫「こちらとしてもありがたい申し出だったわよ」

P「そう言っていただけると助かります」

織姫「アイドル活動が活発になることになら助力は惜しまないつもりよ」

P「ありがとうございます。これからもアイドル界がいい方向に行けばいいですね」

織姫「ええ、とても楽しみよ。それをしていくのが、私やあなたの仕事だものね」

P「精進します」

ジョニー「ということで、今日はこちらの橘ハニーがこのクラスで一日過ごすことになった」

ジョニー「みんな仲良くしてやってくれイェア!」

ありす「橘ありすです。今日はよろしくお願いします!」

キャーキャー
   カワイー!アリスチャーン!

ありす「ええと……その……名前じゃなくて、橘って呼んでください……」

いちご「ありすちゃん、すごい人気だね」

あおい「ええ。さすがはCGプロの人気アイドル」

ジョニー「さっそくだが、今日はハニーたちにいい知らせを持ってきた!」

ジョニー「なんと、あの『ひな祭り お雛様グランプリ』のオーディションだイェア!」

ジョニー「グッジョブ、俺!」

エェーーーー!  オヒナサマグランプリ!?
  スゴーイ!

いちご「お雛様グランプリ?」

ありす「なんなんですか?」

あおい「『ひな祭り お雛様グランプリ』。3月3日のひな祭りといえば、女の子にとっては大切な日」

あおい「そんなひな祭りの主役、つまりお雛様ね」

あおい「一番お雛様にふさわしいアイドルを決める大会よ!」

いちご「なんだかすごそう!」

ありす「そんなイベントがあるんですか……」

いちご「私出たい!」

あおい「当然。私も出たい!」

ジョニー「ちなみに、このオーディションは4人一組のチームオーディションだ」

ジョニー「お雛様と三人官女役で4人ってことだ。チームワークも肝心なオーディションだ!」

いちご「どうする? あおい?」

あおい「そうねえ……ここはやっぱり……?」

いちご「だよね!」

ありす「……?」

蘭「で、この4人か」

ありす「私が一緒でいいんでしょうか……?」

いちご「うん!」

あおい「せっかくだから、一緒にアイカツしてみたくって」

蘭「いいのか? 体験入学なんだろ……?」

ありす「プロデューサーさんは大丈夫だと言っていました」

ありす「むしろこれに出ることが条件だったみたいで」

蘭「なるほどなあ……」

蘭「じゃなくて、挨拶がまだだったな。私は紫吹蘭。よろしく」

ありす「橘です。よろしくお願いします」

いちご「そういえば、どうしてありすちゃんはスターライト学園に来たかったの?」

ありす「名前で呼ばないで……はぁ……」

ありす「それは、その、星宮さんに料理を教えて欲しくて」

いちご「私に料理?」

ありす「はい。私、料理が上手になりたいんです」

ありす「もっと料理が上手になって、美味しい苺料理を作ってみたいんです!」

いちご「そうなんだ! でもなんで苺料理? スイーツ?」

ありす「私が苺が好きだからです!」

いちご「えへへ、なんだか分かっててもちょっと照れちゃう」

蘭「どっちもいちごだからな」

あおい「口で言ってると分かりにくいわね」

いちご「でもありすちゃん苺好きなんだね! 私と一緒だ!」

ありす「星宮さんも苺が好きなんですか!」

いちご「うん! 苺パフェとか大好き!」

あおい「いちごはいつも苺のパフェだよね」

蘭「お祝いごとの時はいつも食堂で作ってもらうよな」

ありす「私も食べてみたいです、食堂の苺パフェ」

いちご「それじゃあ行ってみよう!」

蘭「オーディションに向けての話し合いをしながら」

あおい「パフェをつつけばいいよね」

蘭「だな」

あおい「はい、こっちがいちごの分で」

いちご「パフェパフェー♪」

蘭「ほら、ありすの分な」

ありす「あ、ありがとうございます」

あおい「あれ、蘭には『名前で呼ばないで』ーって言わないの?」

ありす「へっ?」

蘭「確かに」

ありす「それは……ええと、なんだか紫吹さんは私の事務所の先輩に似てるから……?」

あおい「事務所の先輩……もしかして、渋谷凛ちゃん?」

ありす「はい、なんだか雰囲気が似てます

いちご「渋谷凛ちゃん?」

あおい「そ。実家がお花屋さんをしてるの。すごくクールでカッコいいアイドルね」

あおい「言われてみれば、確かにどっちもキレイ系だし髪も長いしスタイルいいし」

ありす「凛さんにはすごくお世話になっているのでつい……」

蘭「はは、いい先輩なんだな」

ありす「はい!」

いちご「私達にとっての美月さんみたいな感じなのかな?」

あおい「そうかもね。素敵な先輩がいると頑張れるのはどこでもいっしょなんだね」

いちご「だね! んー! パフェ美味しい!」

蘭「ほら、ありすもパフェ食べな」

ありす「はい。頂きます」

ありす「ん、美味しい……!」

蘭「そりゃ良かった」

あおい「それじゃあオーディションの話もしよっか」

ありす「お雛様グランプリ……でしたっけ?」

蘭「ああ。毎年恒例のイベントだな」

あおい「このオーディションでは、ひな祭りをテーマに、いろんなことにチャレンジするの」

いちご「へえ、どんなことをするの?」

あおい「まずは料理。ひな祭りといえば、ちらし寿司とか雛あられ、菱餅とかを食べるよね」

ありす「そうですね。それを作るんですか?」

あおい「正解。それぞれのチームが自由に、自分たちらしいひな祭りの料理を一品作るの」

蘭「ありすは料理を習いに来たんだし、この練習も兼ねれていいんじゃないか?」

いちご「そうだね!」

ありす「頑張ります!」

あおい「それじゃあ次ね。次はモデルオーディション」

あおい「それぞれ配役通りの衣装を来て、ひな壇で写真を撮ってもらうの」

蘭「ポージングとかはないのか?」

あおい「そうみたい。ぶっちゃけ記念撮影みたいなものなんじゃないかな?」

蘭「ほんとぶっちゃけたな……」

ありす「それなら気が楽そうで良かったです。モデルのお仕事はまだまだなので……」

いちご「でも嬉しいね! ありすちゃんと一緒に記念撮影なんて!」

あおい「確かに! 超レアかも!」

ありす「そうですか……?」

蘭「まあ希少価値は高そうだな。違う事務所で滅多に一緒に仕事出来ないし」

いちご「それでそれで、他には?」

あおい「うん、次が最後ね」

あおい「最後はやっぱりステージ!」

ありす「ステージですか……?」

いちご「やった!」

蘭「ステージか……何を歌うんだ?」

あおい「選曲は自由みたい。うーん、どうしよっか?」

蘭「ありすが分かる曲のほうがいいよな?」

いちご「そうだよね。ありすちゃんは何か歌いたい曲はある?」

ありす「私ですか? うーん……それだとうちの事務所の曲になるんですが……」

ありす「輝く世界の魔法……とかでしょうか?」

あおい「それって確か渋谷凛ちゃんも歌ってるよね?」

ありす「知ってるんですか?」

あおい「当然」

いちご「さすがあおい!」

あおい「えへへ。すごく素敵ないい曲だよね!」

蘭「私も聞いたことあるな。確かCGプロの人気5人でユニットの……だっけ?」

あおい「そう! 5人ユニットで、その中には第2回シンデレラガールに輝いた神崎蘭子ちゃんもいるの!」

いちご「うちでいうスターライトクイーンみたいな?」

あおい「そんな感じ!」

蘭「じゃあ曲はそれに決定だな」

いちご「そうだね! よーし、それじゃあイロイロ決まったことだし、特訓特訓!」

あおい「いちご、ストップ」

いちご「?」

蘭「ありすがまだパフェ食べてるから」

いちご「そっか、ごめんごめん」

ありす「すいません、食べるの遅くて……」

蘭「気にするな。いちごが食べるの早過ぎるだけだから」

いちご「えへへ、美味しいからどんどん食べちゃうんだよね」

あおい「食べ過ぎて太ったりしないようにね」

いちご「は~い。でもその分一杯特訓するから大丈夫! じゃあありすちゃんが食べ終わるまで私走ってくるね!」

いちご「アイカツ! アイカツ! アイカツ…………」

あおい「ちょっといちごっ」

蘭「行っちゃったな」

あおい「はぁ……相変わらず落ち着きが無いんだから」

ありす「星宮さんって……すごいですね……」

蘭「はは、確かに。あたし達はもう慣れっこだけど」

あおい「初めてだと面食らっちゃうよね」

ありす「はい……それに、走ってくるって?」

蘭「いちごなりの特訓だな。アイドルはなにより体力、体が資本だから」

ありす「なるほど……ええと、メモメモ……」

あおい「あ、それがありすちゃん愛用のタブレット?」

ありす「え? あ、はい」

あおい「うーん、生で見れるなんて……感激!」

ありす「そうなんですか?」

蘭「まあ、あおいはアイドル大好きだからな」

ありす「そうなんですか……」

蘭「個性的なやつばっかりだから、面食らったか?」

ありす「ええと……えへへ、でもうちの事務所もかなり個性的な人ばかりですから」

蘭「そうなんだ。そっちも楽しそうだな」

ありす「はい。みなさんにも紹介してみたいです」

蘭「そういう機会があるといいな」

あおい「ホント! 話題のCGプロ……うーん! ぜひ一度行ってみたい!」

蘭「今回の共演をきっかけに仲良くやっていけるといいな」

ありす「……はい!」

いちご「それじゃあ、まずは料理の練習をしよっか!」

ありす「はい! よろしくお願いします!」

いちご「えへへ、なんだか先生になったみたい」

ありす「私が教えてもらうんですから、星宮さんは先生で間違いないです」

あおい「それじゃあいちご先生、今日は何を作るんですか?」

蘭「だな。まずは何を作るかが重要だな」

ありす「ひな祭りに関係するものを作るんですよね」

いちご「そうだね。うーん、どうしよっか? 苺料理がいいんだっけ?」

ありす「はい。でもひな祭りだとどちらかと言うと桃でしょうか……?」

あおい「桃の節句、っていうくらいだしね」

いちご「うーん、大丈夫!」

ありす「えっ?」

いちご「私に任せて!」

いちご「まずはご飯を硬めに炊いて……」

いちご「人参とかんぴょうと干ししいたけと……あと海老も入れちゃえ!」

いちご「卵は薄く焼いて……いんげんも切って……」

いちご「苺も散らして盛りつけて……っと!」

いちご「完成! 苺のちらし寿司!」

あおい「おおー!」

蘭「すごい早業だな」

いちご「どうかな、ありすちゃん?」

ありす「すごい……美味しそう……!」

いちご「食べてみて!」

ありす「はい! 頂きます……」

ありす「!!」

ありす「美味しい……!」

いちご「良かったー♪」

あおい「私も一口……んー、すし飯の塩っぽさと苺の甘さが絶妙!」

蘭「ほんとだな。意外とイケる」

ありす「苺のちらし寿司……こんな料理もあるんですね……」

ありす「ぜひレシピを教えて下さい!」

いちご「うん! それじゃあ初めから教えていくね!」

ありす「はい! お願いします!」

いちご「まずはすし飯の作り方ね!」

あおい「蘭もこの前教わってたよね」

蘭「ああ。恵方巻きの時な」

いちご「あの時の同じだから、蘭ももう上手に出来るよね!」

蘭「まあ……いちごほどうまくはまだ出来ないけど」

ありす「へえ……紫吹さんの料理も食べてみたいです」

蘭「そ、そういうのは事務所の先輩にでも言ってくれ……」

あおい「ふふ、レア顔、照れてる蘭いただきましたー!」パシャリ

蘭「あ、あおいなあ……!」

ありす「えへへ。みなさん仲がいいんですね」

いちご「うん! 大親友だよ!」

あおい「そして私はいちごのファン第一号!」

蘭「それ付け加える必要あるか?」

あおい「ついなんとなくね」

ありす「いいなあ……」

いちご「ありすちゃんは事務所のみんなとはどうなの?」

ありす「ええ、みなさんよくしてくれます。いつも賑やかですよ」

あおい「CGプロは百人超えるもんね」

蘭「ほんと大所帯だな」

ありす「いつ事務所に行っても誰かいますから、一人になることは滅多にないです」

ありす「一人になるのはこういう単独のお仕事とかの時くらいです」

いちご「そうなんだ。学園もたくさん人がいて賑やかで楽しいよ!」

あおい「ドリームアカデミーっていう別の学校も出来て、ますます人が増えた感じだもんね」

ありす「でも、星宮さんたちみたいに大親友、って感じに仲良くしてる人がいなくて……」

蘭「まあCGプロさんなら年齢の幅が広い分、同年代って意外と少ないかもな」

あおい「ありすちゃんと同い年になると結構少ないもんね。そこが学園と違うところかも」

ありす「そうですね……」

ありす「それに、私が普段あんまり素直じゃないから……」

いちご「そうなの?」

ありす「つい大人ぶろうとしたりとかして、いい子でいようって」

ありす「だからみなさんがちょっと羨ましいです」

いちご「ありすちゃん……」

ありす「すいません、変なこと言っちゃって。次はええと……」

いちご「ふふっ。ありすちゃんならきっと大丈夫だよ!」

ありす「へっ?」

蘭「ああ。今の素直なありすはすごく可愛かったからな」

ありす「っ!」

あおい「うんうん、超超超レア! 穏やかじゃない可愛さだったよ!」

ありす「えっと、その」

いちご「会って間もない私達に素直になれたんだもん。きっと事務所のみんなとももっと仲良くなれるよ!」

ありす「みなさん……」

ありす「ありがとうございます……」

いちご「ふふっ。それじゃあ、続きしよっか!」

ありす「……はい!」

P「心配で覗きに来てみたけど……」

織姫「大丈夫そうね」

P「ええ。いちごちゃんたち、本当に良い子たちですね」

織姫「それを言うなら橘さんだってすごく魅力的で可愛らしい女の子じゃない」

P「ええ。俺も改めてそう思いました」

織姫「ふふ。今回の共演は成功みたいね」

P「そうみたいですね。でも」

織姫「……そうね、まだオーディションの本番があるものね」

P「はい。けどきっとあの子たちなら、最高のパフォーマンスを見せてくれると思います」

織姫「期待、しちゃうわね」

P「楽しみです」

いちご「用意は出来た?」

ありす「はい……まだ1人だと不安ですが……」

ありす「みなさんとならきっと上手に出来ると思います!」

あおい「私達頼られちゃってるね」

蘭「ああ。任せときな」

いちご「それじゃあ、頑張ろうね!」

ありす「はいっ!」

「「「「アーイカーツ!」」」」

アナウンサー「まずはひな祭り料理対決です!」

アナウンサー「それぞれ、ひな祭りに関する料理を作って披露してください!」

いちご「よーし、頑張ろうね!」

ありす「はい! まずはご飯を……」

あおい「じゃあ私は具材の準備をするね」

蘭「ああ、あたしも」

ありす「はい、お願いします!」

いちご「お米は少し硬めに炊いてね。お水は少なめで」

ありす「はい、大丈夫です」

いちご「合わせ酢は甘さ控えめにね」

ありす「それは……ええと……あ、苺の甘さを引き立てるんですね!」

いちご「その通り! 甘いご飯に甘い苺だとちょっとくどくなっちゃうからね」

ありす「なるほど……メインを目立たせるために合わせていく……」

ありす「苺の良さを一番楽しんでもらえるように考えるんですね!」

いちご「主役と脇役、ドラマと一緒だね!」

あおい「ちなみに今回の主役はありすちゃん、脇役は私達!」

蘭「そうだな。ありすがおもいっきり楽しめるようにしっかりサポートしないとな」

ありす「あの……私が主役なんですか……?」

いちご「うん! だって、ありすちゃんがしたかったことだもんね!」

ありす「……そうですね! 主役が失敗したらカッコ悪いですから、頑張ります!」

あおい「その意気!」

いちご「それじゃあ、ご飯が暖かいうちにお酢を合わせて……」

ありす「はい!」

蘭「確か扇ぐのはツヤを出すため、だっけ? アタシも教わったなあ」

ありす「そうなんですか」

いちご「ベチャってせずに、一粒一粒美味しいごはんになるんだよ!」

ありす「でも……ずっと扇ぐのって結構体力いるんですね……ふぅ」

いちご「アイドルは体力が命! だよ!」

ありす「そうですね……私に足りないのは体力、かもしれないです……」

蘭「それなら今度一緒に特訓するか?」

あおい「せっかく仲良くなれたんだもん、ありすちゃんともっとアイカツしたいよね」

ありす「そうですね……えへへ、プロデューサーさんに相談してみます!」

いちご「楽しみだね!」

ありす「はいっ!」

蘭「よし、それじゃあ盛り付けよう」

ありす「では酢飯と……」

あおい「具材を散らして……」

いちご「最後に苺で飾り付けをして!」

ありす「完成です……!」

いちご「うん、バッチリだね!」

あおい「見た目も春らしくて可愛い!」

ありす「自分で作って言うのも変ですが……すごく美味しそう!」

P「苺のちらし寿司と聞いてどんな感じかと思ったら……」

織姫「すごく美味しそうに出来てるじゃない」

P「いやー、ほっとしましたよ。先日の苺パスタみたいになったら……と」

織姫「そんなにひどかったの?」

P「ひどいわけじゃないんですけどね。主張が激しすぎて、って感じですかね」

織姫「ふふ、料理だって失敗から学んでいくものよ。きちんと習えば上手になれるわよ」

P「いちごちゃんにご指導いただけてよかったですよ。俺じゃ先生にはとても」

織姫「事務所の他のアイドルはどうなの?」

P「まあ料理が上手なアイドルは多いですけどね」

P「ありす自身があまり頼りたがらないんですよ」

織姫「へえ。親しい人には弱いところを見せたくないのかもしれないわね」

P「そうだと思います。周りからもしっかりしてる子、ってイメージを持たれてますからね」

P「そういう意味でも、今回は本当にありすにとっていい経験になったみたいで良かったですよ」

織姫「うちのアイドルたちもすごく楽しそうよ」

織姫「お互い、いい時間が過ごせたようね」

P「後は記念撮影とライブステージだけですし、もっとこの子たちを見ていたい気持ちもありますけどね」

織姫「何も今回だけというわけじゃないわよ。こちらからも共演をお願いしたいもの」

P「今度は是非うちの事務所にいらしてください」

織姫「ええ、詳しくはまたこれから決めていきましょう」

蘭「いよいよラストステージだな」

ありす「そうですね……緊張してきました……」

いちご「ありすちゃんはアイカツシステムを使うのは初めてなんだっけ」

ありす「はい。ほんとにこれで衣装に変わってステージに立てるんですか……すごいです」

いちご「私も初めての時はすっごく緊張したなあ」

あおい「編入試験だったから余計にね」

あおい「芸能人はカードが命! はい、ありすちゃんにも、アイカツカードをプレゼントするね!」

ありす「え? いいんですか?」

あおい「うん! といっても、織姫学園長からなんだけど」

蘭「今日の私達のステージ衣装ってことだろうな。アタシも貰った」

いちご「ふふっ。じゃあお揃いなんだね!」

ありす「私……嬉しいです……!」

いちご「それじゃあ……ステージ、楽しもうね!」

蘭「ああ!」

あおい「うん!」

ありす「はい!!」

P「今日は一日お世話になりました」

ありす「お世話になりました」

織姫「こちらこそ、今日は来てくれてとても良かったわ。ありがとう」

P「おかげでとてもいい一日になりました」

織姫「そうね。アイカツの新しい世界が開けたように感じるわ」

織姫「まさかスペシャルアピールまで成功させるなんて、驚いたわよ」

P「そうですね。すごく良かったぞ、ありす」

ありす「えへへ……きっと、みなさんと一緒だったから……」

織姫「橘さんにとってもきっといい経験になったでしょうね」

ありす「はい! 今日一日、たくさん勉強することが出来ました」

ありす「料理のこともそうですけど……それ以上に、アイドルとして大切なことをいっぱい」

ありす「私のワガママを聞いていただいて、本当にありがとうございました!」

織姫「若いうちはどんどん挑戦していいのよ。新しいことには積極的になっていいわ」

織姫「そうすればきっと……いいえ、必ずあなたの糧になるでしょうね」

P「そういうことだ。今回に限らず、ありすはもっとやりたいことをやっていいんだからな」

ありす「はい。もっといろんなことに挑戦してみたいと思えましたから!」

P「そうか。それは良かったよ」

ありす「プロデューサーさんにはたくさんワガママを言いますから、覚悟しておいてくださいね」

P「はは、どんとこいさ。プロデューサー冥利に尽きるってもんだよ」

織姫「ふふ、その通りね。私にできることがあれば協力するから、なんでも言ってちょうだいね」

P「頼りにさせてもらいます」

P「それでは、そろそろ失礼させていただきますね」

織姫「またいつでも来てちょうだい。スターライト学園はあなたたちを歓迎するわ」

ありす「はい! ありがとうございました!」

ありす「♪」

P「随分嬉しそうじゃないか」

ありす「ええ、今日は本当に楽しかったですから」

P「そうか。なら良かったよ」

P「そのカードは……?」

ありす「これですか? これはステージで着た衣装のカードです」

P「へえ」

ありす「学園長さんが、皆さんとお揃いの衣装のこれをプレゼントしてくれたんです」

ありす「このカードを使ってステージに立ったことはきっと一生忘れない……」

P「俺も忘れないよ。ありすにとって特別なステージだからなあ」

ありす「いちごさんたちとまた一緒にステージに立ちたいなあ……」

P「大丈夫さ。きっとすぐにまた会えるよ」

ありす「はい。プロデューサーさんがきっとお仕事を取ってきてくれますから」

P「はは、任されたよ」

ありす「頼りにしてます」

P「といっても、実は織姫さんとは既に次の話も軽く出てるんだけどな」

ありす「本当ですか!」

P「ああ。きっと遠くないうちにまたいちごちゃんたちと共演する機会を作れると思うぞ」

ありす「えへへ、楽しみです!」

ありす「でも……それまでに、もっと輝けるアイドルになりたいです」

ありす「今日は楽しかったけど、まだまだだなって思いましたから」

ありす「あの三人にも負けないくらい、素敵なアイドルになりたい……」

P「ありすがなりたいと思い続けるなら、絶対なれる。俺が保証する」

ありす「……そうでしょうか?」

P「ああ。なんたって、俺が見込んだアイドルだからな」

P「ありすなら必ずトップアイドルになれる。俺は信じてるよ」

ありす「……ありがとうございます。よーし、帰ったらトレーニングももっと頑張ります」

ありす「プロデューサーさんの自慢のアイドルだって、胸を張れるまで」

P「その気持ち……だけど、トレーニングは明日からかな」

ありす「えへへ、そうですね……さすがに慣れないこと続きで疲れちゃいました……」

P「仕方ないさ。今日は帰ってしっかり体を休めてくれ」

ありす「はい…………ふぁぁ……」

P「眠たかったら寝とけ。着いたら起こすから」

ありす「すいません……それじゃあ少しだけ……」

P「お疲れ様、ありす」

ありす「はい……おつかれさまでした…………すぅ……」

……おしまい。

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