両津「なに?ベイスターズの選手兼監督だと!?」(251)

横浜オーナー「ぜひ、あんたにお願いしたい」

両津「悪いが他を当たってくれ」

オーナー「えっ」

両津「どうせなら金のある球団じゃないとな」

両津「それに、ワシは派出所の仕事で忙しいからパスだ」

オーナー「優勝すればそれ相応の報酬を渡す…!だから頼む…!」

両津「もう1度詳しくその話を聞こうか」

オーナー「申し遅れたが、私は春田というものだ」

両津「春田か」

春田「早速だが君にベイスターズを立て直してもらいたい」

両津「うーむ…やはり割に合わん仕事だな…」

春田「選手として活躍しても無論報酬は出す」

両津(選手としてか…監督の仕事もしなきゃならんし面倒だな…)

春田「投手として1勝するごとに100万を出そう」

両津「なんだと!?」

春田「打者としてホームラン1本ごとに10万、安打1本で3万、打点1ごとに5万だ」

春田「更に監督として優勝してくれれば億単位の報酬を出す」

両津(ワシが選手として活躍してチームを優勝まで持っていけば相当な金が入ってくるぞ…)

春田「しかし…どうやら君は引き受けてくれないようだから他を当たろうと思う」

両津「ちょっと待った!!」

春田「なんだね?」

両津「ぜ、ぜひその仕事を引き受けさせてください!」

春田「さっきまで割りに合わん仕事だと言っていたはずじゃ…」

両津「ワシだってプロ野球を夢見る子供達に希望を与えたいんだ!」

両津「感動と喜びを子供達に…!!」

春田「わ、分かった!分かったからしがみ付くのはやめてくれ!」


中川「先輩、奥で何を話しているんだろ…」

麗子「きっとロクでもない話よ」

寺井「そういえば、あの人ベイスターズのオーナーさんなんだってね」

中川「プロ野球球団の社長が先輩に一体何の用が?」

両津「おら、お前等どいたどいた」

中川「先輩…」

春田「では、明日から早速チームに合流してくれ」

両津「分かった」

スタスタ

麗子「両ちゃん、さっきから何を話してたのよ?」

両津「ワシにチームの選手兼監督を任された」

中川「先輩が!?」

両津「今シーズンは何が何でも優勝、いや日本一を目指す」

両津「大体、最下位が多い横浜とはいえ多村やローズや内川、村田がいるんだし優勝なんて確実だろ!」

両津「あとはワシが連投すれば優勝は…」

中川「…」

両津「な、なんだよ…」

寺井「両さん…内川や村田とかほとんどの選手はもう横浜から出て行ったよ…」

両津「なんだと!?」

両津「し…知らなかった…」

寺井「スポーツニュースなんかで普通に報道されてたよ…」

両津「ええい!それでも何人か良い選手はいるんだろうな!?」

中川「筒香選手や期待する若手選手は多いですからね」

寺井「でも、やっぱり勝てなくてズルズル最下位に落ちることが多いんだ」

両津「中川!今すぐどこかのメジャー球団を買収してこい!」

中川「む、無茶ですよ先輩…!」

両津「ドーピングしてる奴でもいい!とにかく強力な助っ人選手を連れて来るんだ!」

寺井「ドーピングなんて余計にダメじゃないか両さん!」

両津「うるせぇ!勝てばいいんだよ勝てば!」ガシガシッ

寺井「い、痛いよ両さん…!」

中川「ドーピングなんて検査で一発で分かりますよ…」

両津「だったら検査に引っかからないようなドーピングを作ればいいだろ」

両津「ワシの革靴とそこら辺の雑草なんかをミキサーで粉々にして…」

中川「…」

寺井「そもそも、日本のプロ野球には外国人枠ってのがあるからメジャー球団の選手全員を連れて来るなんて無理な話だよ」

両津「外国人の名前を日本語に変えればいいだろ」

両津「ボブなら簿武とかトムなら十夢とか色々できるだろ」

両津「容姿だってチョンマゲとか付ければ日本人にしか見えんぞ」

中川「……」

両津「あとはファンを増やす事も大切だな」

両津「チケットになにか特典をつけて客を捕まえるか」

中川「例えばどんな特典をつけるつもりなんですか?」

両津「アプリゲームの景品かなにかだ」

寺井「そのことで前にニュースで流れてたよね…」

両津「何回も試合を見に来ないとコンプリート出来ないようにしておけばいいな」

部長「おはよう」

中川「おはようございます」

両津「…さ、さーて私はパトロールに行ってきます…」

部長「両津」ズイッ

両津「…」ビクッ

部長「さっき、春田という人に会ったんだが…」

両津「ああ!あいつはワシの小学生の時の友人ですよ!」

部長「本当なのか?」ズイッ

両津「ほ、ホントです!いやぁ!懐かしいなぁ春田!」

寺井「報酬もらえるから選手兼監督を引き受けたんだよね…」

両津「て…寺井!!テメェ!!」

部長「…」ぷるぷるっ

部長「このぶわっかもーーーーーーん!!!!!!」

部長「やっぱりお前という奴の脳内には金のことしかないんだな!」

両津「誤解です部長!ワシはお金のことなんて一切考えてません!」

麗子「だったら無償ですればいいじゃない」

中川「先輩も最初は引き受けるつもりはなかったようですし…」

両津「…」ピクピクッ

部長「なぜ引き受けようと思ったのか言ってみろ」

両津「プロ野球です!プロ野球で選手達の活躍を子供達に見せ夢を与えたいんです!」

両津「ワシも子供の頃はプロ野球選手のプレーを見て夢を与えられたものです…!」

両津「今度はワシが子供達に夢を見せる番なのです!!」

麗子「ホントに都合の良い事言うわね…」

両津「やい!うるせぇぞこのアマァ!!」グイッ

麗子「きゃっ…!」

麗子「髪は引っ張らないで!!」

ボカンッ!

両津「うげぇっ…!!!」

麗子「もう知らないんだから!」スタスタ

両津「あ…あの野郎、人の顔をグーパンチで殴りやがったぞ…」

部長「お前には派出所の仕事があるんだ!今すぐそのオファーを断ってこい!」

両津「分かりましたよ!今から断ってきます!」

両津は自転車に乗り派出所を後にした

中川「本当に断ってくるんでしょうか…」

部長「どのみち、あの男がいても大して困らん」

両津「むぅ…パワプロで一応試合をしてみたがやっぱり中日とかは強いな…」

両津「ペナントみたいに外人枠を消せたら良いんだが」

両津「観戦モードだからワシは一切手出しすることはできん」

カキーンッ

両津「げっ!!ブランコに打たれたぞ!?」

両津「モタモタボール追いかけるんじゃねぇ!!さっさとしろ!」

ワーワー

両津「クソ!!あっさりと逆転されたじゃねぇか!このクソコンピューターめ!」

ドスッボコッ

両津「ふぅ…とりあえず明日に備えて寝るか…」

―次の日―

中畑「という訳で今日で監督を一時的に辞める」

ラミレス「カントク…」

荒波「他に監督になってくれる人がいるんですか?」

ズイッ

両津「うおっす」

ラミレス「なんだこのオッサン?」

中畑「今日から選手兼監督として助っ人にきてくれた両さんだ」

両津「おう、お前が中畑か」

中畑「後の事はよろしくお願いします」ペコッ

両津「ワシが今日からこのチームを請け負う両津勘吉だ」

国吉「…」

両津「今シーズンこそは優勝…いや日本一を狙うぞ」

石川「日本一…」

吉村「そうですね、夢は大きい方が良いですから」

両津「バカもん!!夢ではなく実現するんだ!」

黒羽根「万年最下位ってことを知ってますか?」

荒波「僕達だって必死にプレーしてますけど勝てないんですよ」

両津(ダメだ…コイツ等完全に自信を失くしてやがる…)

森本「じゃあ、練習始めるか」

ラミレス「ハイ」

カァーンッ、キィーンッ

両津「こ、コラ!ワシの話はまだ終わってないぞ!!」

両津「うーむ…このままでは相手にされんままで終わってしまうな」

両津「実力の世界だ、ワシの実力を見せて信頼させるか」

両津「おい、黒羽根!」

黒羽根「はい?」(どうして俺の名前を…)

両津「今からワシの球を受けてくれ」

……

森本「よーし、どんどん打ってこーい」

ズバンッ!

荒波「ん?」

ベンチ前では黒羽根捕手に投げ込みをしている両津の姿があった

両津「うおおおおおお!!」

ズバンッ!!

石川「け、結構良い球投げますね…」

ラミレス「…」

黒羽根(速すぎる…)

両津「いててっ、さすがにウォームアップ無しで投げると肩が痛いな」

ラミレス「両さん」

両津「なんだ?」

ラミレス「私と1打席勝負シテクダサイ」

両津「ワシは構わんぞ」

森本「ラミレスと勝負か…」

荒波「これを見て実力がどうか決めましょうよ」

両津「よーし、行くぞ!」

ラミレス「ドウゾ」

両津「うおらっ!!」

ビシュッ

ラミレス「ど真ん中…!やっぱり素人ですね!」

バキィッ!!

ラミレス「!?」

ボールはバットを折りそのままミットへ収まった

黒羽根「す、すごい…!」

両津「悪い、今の球ちょっと力抜いて投げちまった」

森本「今の球でも本気じゃないのか!?」

黒羽根はふと自分のミットを覗き込んだ

黒羽根「ぐ、グローブが焦げてる!?」

黒羽根(どんな球を投げているんだ…あの人は…)

国吉「ピッチングだけじゃ信用できない!俺が投げます!」

両津「よし、今度はワシがバッターだな」

国吉「食らえ!!」

ビシュッ

両津「ふんっ!!」

カキーーンッ

森本「!?」

両津の打った打球はポールを直撃

その衝撃でポールが少し崩れかける

黒羽根「ぽ、ポールが倒れそうだ!」

両津「ちょっと力を入れすぎたな…急いでポールの修復作業をするぞ!」

荒波(すごい…この人がチームを引っ張ってくれれば本当に…)

―練習後―

両津「まだオーダーとかは詳しく決めてはいない」

両津「だが、必ず勝てるようにオーダーを編成する!」

両津「君達が辛い時はワシの背中を見ろ!そうすれば気が楽になるはずだ!」

荒波「…ゴクリ」

両津「ファン(金)のためにやるぞーーーー!!」

一同「オォォォーーーーーッ!!!」


両津「おはようございます!」

中川「せ、先輩!」

両津「今週に開幕戦が始まるからチケットを渡しにきたんだ」

両津「これがチケットだ」

中川「ありがとうございます…」

両津「部長には紙で作ったチケットを渡しておけ、入場する際に恥をかかせてやる」

麗子「本当に両ちゃんが試合に出るのね」

両津「プレーのことについては楽しみしておいてくれ!ワハハハッ!」

スタスタ

中川「本当にあの人はお金が絡んでくるとすごい…」

寺井「両さんらしいや・・・」

―横浜球場―

ワーワー

中川「ここですね…」

麗子「球場前なのにすごい人の数ね!」

寺井「開幕戦ってこともあるけどこんなに横浜ファン多かったかなぁ?」

両津「はい、応援よろしく!」

ファン「頑張って下さい!」

子供「…」

両津「おっと、子供にはサービスでこのサイン入りカードをプレゼント!」

子供「ありがとう!」

中川「先輩…」

両津「おう、中川達か!」

麗子「こんな所で何してるのよ?」

両津「入場してくれるファンに挨拶しておこうと思ってな」

中川「全員に挨拶していたんですか!?」

両津「ファンにワシのことを知ってもらうためにな」

両津「チケットの入場券特典に選手のサイン入りカードとかボールを子供達に渡したりしてるんだ」

中川「サインって…」

麗子「これ全部両ちゃんの字じゃない」

両津「サインぐらいワシの字でもバレんだろ」

寺井「子供に夢を与える立場の人が…」

両津「ええい!うるさいぞ寺井!!」

中川「今日の相手は巨人ですか…」

寺井「ここ最近も優勝したりしてるから強豪チームだね」

アナウンサー「1番…ピッチャー両津勘吉…」

麗子「見て!両ちゃんよ!」

中川「やはり先輩がピッチャー…」

寺井「1番多く打席が回ってくるようにもしてあるね」

中川「ですが、相手投手はエースの内海選手ですからいくら先輩でも…」

アナウンサー「1回の表、ジャイアンツの攻撃は…長野」

両津「よーーーし!お前等しまっていくぞーーー!!」

一同「オォォーーーッ」

原「ふふっ、あんな素人が選手兼監督なんて横浜も落ちたもんだね」

審判「プレイボール!」

中川「いよいよ始まりましたね…」

両津「おい、長野!ど真ん中にストレート投げるから打てよ!」

長野「なんだと?」

寺井「予告投球!?」

原「予告投球してくれるなんてアンパイ投手じゃないか」

両津「どりゃぁっ!!」

ビシュッ

長野「ホントに投げやがった!」

バキィッ!

長野「うぎゃああああああ!!」

長野のバットは粉砕された

審判「ストライクー」

長野「うっひゃっ!!ほぎゃあああああ!!」

原「長野!」

両津「ワシの投げる球は鉛より重いぞ」

中川「1球目でいきなり165kmですか…」

寺井「しかも、投球練習無しであのスピードだからね」

原「代打、谷」

中川「今の衝撃で長野選手は怪我で交代ですね」

麗子「とんでもない球を投げるのね両ちゃんは」

両津「へへっ、1人目早速退場したか」

原「…両津の奴め~~!!」

原「いいか!あのクソ両津を何としてもマウンドから引きずり降ろせ!」

ボウカー「ハイ!」

谷(恐ろしい投手だな…なるべく打ちたくない…)

スパンッ

審判「ストライクー!バッターアウト!」

谷「しまった…いつの間にか三振に…」

―1回の裏―

中川「1回の表は先輩が完璧に抑えましたね」

寺井「さすがというか…プロ相手にここまで出来るなんてすごいや」

麗子「お金が絡むとホントに変わるわね!」

アナウンサー「1回の裏、ベイスターズの攻撃は…1番ピッチャー両津」

両津(ここでホームラン打てば金が入るし狙っていくか)

原「…」

原監督から投手の内海へデッドボールのサインが送られる

内海「コクリ」

内海は満面の笑みを浮かべサインを確認した

両津「よっしゃーーー!!行くぜ!!!」

内海「…ふっ!!」

ピシュッ

両津「むっ」

中川「危ない!!」

原(さようなら両津…)

両津「でぇいっ!!!!」

カキーンッ

原「エッ」

顔面付近に投げられた球を打ち返した

打球はマウンドの内海を襲う

内海「うっ…うあああああああああああああ!!!」

バキィッ!!!

打球が内海の右足を直撃

バキッボキッ!

内海「うぎゃあッッ!!!!!ほぎゃああああああ!!!」

寺井「内海さんが倒れたよ!」

中川「きっと銃弾を食らったのと同じ痛みでしょうね…」


原「内海!」

内海「か、監督…もう怖くて無理です…交代させてください」

原「このぶわっかもーーーーーん!!!」

内海「!!」

原「右足が折れたぐらいで弱音を吐くな!3回までは投げろ!」

内海「うっ…うぅぅ……」

両津(盗塁は1回につき1万円だったな)

ジリジリッ

阿部(盗塁はないだろ…いくらなんでも…)

荒波「ふんっ」

カキーンッ

寺井「あぁ!打ち上げちゃったね!」

中川「ライトフライですか…」

両津「…」

ライトがボールを取った瞬間両津はタッチアップを試みた

寺井「タッチアップだ!」

両津「うおおおおおおおおおお!!!」

ライトが中継に返球する頃には両津は3塁に到達しようとしていた

中川「は、速い…!」

寺井「1塁からのタッチアップでホームを狙うつもりだよ!」

原「阿部!ブロックだ!」

阿部「はい!」

両津「どけどけどけどけ~~~っ!!!!」

中川「クロスプレーだ!」

ドシィッ!!

両津の体当たりで阿部はベンチ前まで吹き飛ぶ

審判「セーフ!!」

両津のタッチアップで1点を先制する

観客は大盛り上がりだ

両津「よし!!まずは1点先制だぜ!」

回は進み7回の表

これまで、両津を筆頭に点を取り続け5対0としている

両津は5打数5安打うち3ホーマーである

中川「順調に進んでますけど…先輩は一向に疲れを見せませんね…」

麗子「両ちゃん明日も投げるとか言ってたわよ?」

寺井「両さんなら中1日でも大丈夫かもしれないからね…」

中川「敵に回すとここまで恐ろしいとは」


両津「後半だ!気合入れていくぞ!」

黒羽根(左手が痛い…)ズキズキッ

中川「巨人はもう控えの選手がいませんからね」

寺井「両さんの球をバットに当てて怪我した選手がほとんどだよ」

中川「けど、先輩の剛速球を受け続けている黒羽根選手も気になりますね」


両津「この回も直球だけでいくぞ」

黒羽根「…」

両津「おい、どうしたんだ?」

黒羽根「あ、はい!分かりました!」

両津「…黒羽根、左手見せてみろ」グイッ

黒羽根「アッ」

黒羽根の左手の皮膚がずる剥けになっていた

両津「…」

スッ

黒羽根「うぎゃっ!」

両津「折れてるな…」

黒羽根「ぼ、僕は大丈夫です…だから交代は止めてください…」

両津「ダメだ、交代だ」

黒羽根「お願いします!両さんの球を受けるぐらいしか出来る事がないんです!」

黒羽根「今日だってノーヒットですから…」

両津「お前は悪くない、お前の怪我に気付かなかったワシのミスだ」

黒羽根「いいんです…僕なんて怪我しても…!」

グイッ(胸倉を掴む)

黒羽根「うっ」

両津「いい加減にしろ!このチームに不要なんて選手なんていないんだ!」

両津「お前達の仕事はファンに全力プレーを見せることだ!!」

黒羽根「うぅっ…」

両津「しかし、ワシの球を受けれるのはお前ぐらいだからな…」

石川「どうするんですか?」

両津「審判!タイム!」

審判「?」

両津「キャッチャー、ワシ!」

寺井「あれ?両さんがマウンドを降りるよ!」

中川「まかさ、先輩がキャッチャー?」

アナウンサー「守備の交代をお知らせします」

アナウンサー「ピッチャー両津がキャッチャーに」

ドワァァァァ!!

寺井「やっぱり両さんしかいないよね…」

両津「ピッチャーは国吉だ」

国吉「はい」

両津「サインはお前に任せる」

国吉「分かりました」

原「りょ、両津がキャッチャーだと!?」

審判「プレイ!」

原「村田!大きいのはいらん、つないでいけ!」

村田「はい」

スッ

国吉「でぇいっ!」

ビシュッ

村田「ふっ、両津に比べると弱々しい球だな!」

両津「危ない!!蜂だ!!」

バキィッ(村田を座ったまま蹴飛ばす)

村田「ふぎゃぁっ!!!!」

スパンッ

審判「ストライクー」

村田「ちょ、ちょっと!今のコイツ蹴ってきたよ!!」

両津「蜂がお前を刺しそうだったからな…」

寺井「あ!原監督が思わずベンチから飛び出してきたよ!」

原「今のは妨害だ妨害!」

審判「う~ん」

両津「国吉ーナイスボールだ」

原「おい、両津!いい加減にしろ!」

両津「なんのことですか?」

原「とぼけるな!!さっきの村田に対する妨害だ!」

両津「ワシは村田選手の危機を救ったまでですよ」

両津「何ならビデオ判定をしてもらっても構いません」

原「誰がどう見てもお前の反則だろ!!!!」

原「村田」

村田「はい」

原「打席の一番後ろに立って両津の頭をぶっ叩け」ボソッ

村田「ふふふ…やられたら倍にして返さないとね…」

審判「プレイ!」

両津「むっ」

両津(やけに後に下がってきやがったな…)

村田「ニヤニヤ」

国吉「でぇいっ!」ビシュッ

両津「ナイスボールだ!」

村田「あらよっと」

バキィッ!!

村田の振ったバットが両津の頭を直撃した

審判「ストライク!」

ポキッ

村田「げっ!?」

両津「あん?なんかしたか?」

両津の頭部をぶっ放したバットは真っ二つに割れた

原「ど、どんだけ頑丈な身体で出来ているんだあの男は…!」ワナワナッ

両津「狙うんならもっと強めに振れよ…!」ズイッ

村田「ヒッ…ヒィィッ!」

両津の超人ぶりに怖気ついた村田は見逃し三振を喫した

両津「よし、次は4番の小笠原だな」

寺井「小笠原だ!」

中川「今シーズンは開幕1軍ですか」

寺井「昨年はずっとオフの間、極秘練習をしていたみたいだからね」

小笠原「…また俺はこのグラウンドで野球が出来る」

原「小笠原、頼んだぞ」

小笠原「はい」

両津「国吉!来い!」

国吉「えいっ」ビシュッ

カァーーーンッ

原「きたか…!」ガタッ

打球はキャッチャーフライ

小笠原「クッ」

両津「…よーーし!ワシに任せろ!」

巨人ベンチ前にフラフラと上がった打球を両津が追いかける

石川「両さん!危ない!!」

両津「うおおおおお!!ゴールデングラブ賞も欲しいんだよーーー!!!」

パスッ

寺井「捕った!」

しかし、飛びついて捕球した後巨人軍ベンチの中に突っ込んだ

ズシャァッ!!

ガシャンッ!

審判「…!」

両津「あいててっ…ボールは捕ってるよ!」

審判「アウトーーーーーー!!!」

原「クソッ!」

寺井「ファインプレーだね」

中川「このままシーズンを終えたらメジャーからオファーがきそうですね…」


両津「よし、ツーアウトだ!気ィ抜くんじゃねーぞ!」

一同「オォォーーッ!」

しかし、その後のバッターに対して連続フォアボール与え

ツーアウト1、2塁となった

迎えるバッターは今日ノーヒットのボウカーだ

一旦、選手がマウンドに集まる

両津「おい、どうしたんだ」

国吉「すいません…俺の力じゃ…」

両津「しっかりしろ!」

ドスッ

国吉「うっ」

両津「打たれた後の事は考えるな!今はワシのミット目掛けて投げてこい!」

国吉「両さん…」

審判「ハリーアップ」

両津「はいはい、今戻りますよっと」

国吉「うあああああ!!」

ビシュッ

ボウカー「ヒャッ」

カキーーンッ

両津「げっ!!」

ボウカーの打った打球は1、2塁間を抜けライトへ

原「ハハハハハ!!回れ回れ!!」

2塁にいた脇谷はホームを狙う

両津「バックホームだ!急げ!!!」

ライトの吉村がホームに返球する

吉村「レーザービーム…!」

ビュィィィンッ!!!!

両津「よーし!ナイス返球だ!」

しかし、脇谷はそのままホームに突っ込もうとする

脇谷「食らえ~~~両津!」

原「殺人野球の開幕だ!!」

両津「ふてぇ奴だ!ワシが直々に相手をしてやる!」

体当たりしてきた脇谷に対して体当たり仕返す両津

ドスッッ!!

脇谷「ほぎゃあああああああ!!!」

吹っ飛ばされた脇谷はホーム手前からレフト付近まで吹き飛ばされた

原「…クソッ!!!」

両津「ワシを吹っ飛ばそうなんて100世紀早い」

寺井「残すところ、あと2回だね」

中川「開幕戦勝利は間違い無さそうですけど…」

麗子「なんだか嫌な予感がするわね」


両津「この回はワシからだな」

澤村「ふぅ…」

原「澤村」

澤村「はい?」

原「分かっているな?」

澤村「もちろんですよ」

両津(もう1本ぐらホームラン狙っていきてーな)

スッ

キャッチャーの阿部が立ち上がった

両津「なにっ!?」

寺井「敬遠だね…」

中川「相手チームも先輩を抑える事は出来ないと判断したみたいですね」

両津「おい阿部!敬遠なんてやめろ!」

ドスボコッ

阿部「いたたっ…!仕方ないだろ!敬遠も立派な作戦の1つなんだから!」

両津「むぅ…このままでは稼げんな…」

審判「フォアボール」

両津「チッ、まぁいいか」

寺井「良かった…また敬遠されて怒るんじゃないかと思ったよ」

中川「怒りっぽい人ですからね」


荒波「両さんをホームに帰すぞ」

澤村「ニヤッ」

原「我々はある作戦を思いついた」

澤村は大きく振りかぶり

原「両津を潰せないなら他の選手を潰せばいいということにな」

ビシュッ

両津「…あ、危ねぇ!!!」

ゴスッ!!

荒波「ぐぁっ…」

審判「デットボール!」

澤村「へへっ」

原「グッジョブ」

寺井「デットボールなんて危ないね…」

両津「…おい、澤村」

スタスタ

澤村「な、なんだよ?」

両津「今の球わざとだろ」ズイッ

澤村「すっぽ抜けただけだ」

両津「テメェ…」

バキィッ!

澤村を殴り飛ばす

原「よし、行くぞお前等!両津のみ袋叩きにしろ!大勢で行けば勝てるはずだ!!」

巨人ベンチから選手が大量に駆け出してきた

両津「お前達はベンチに戻ってろ!」

荒波「で、でも…!」

石川「監督1人じゃ危険です!!」

両津「ワシの心配はいらん!選手を守るのも監督の役目だ!!」

村田「さっきの妨害の借り返させてもらうぜ」ポキッパキッ

脇谷「よくも吹っ飛ばしてくれたな」

両津「ワシの選手達を潰す事は許さねぇぞ!!」

両津「うおおおおおおおお!!!!!!」

ドスッボコッ

ドコッボスッ

バキィッ!

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