進撃のこち亀 (106)

~カツシカ区カメアリ公園前駐屯所~

両津「おい、中川、どこか出張にでも行くのか?」

中川「ええ、ちょっと新兵の入団式で。そこの教官が急用で出られないらしいんです。」

両津「だからって、何でお前が行くんだよ。」

麗子「なんでも、教養のある人に色々教えてほしいんですって。」

中川「苦しい訓練に耐えられるように、激励するように言われています。」

両津「はっ、そんなもん、新米どもになめられるだけだろ。ガツンと怒鳴りつけりゃいいんだよ。部長みたいに。」

大原「わしが何だ?」

両津「部長~!?やだな~、居たなら言ってくださいよ~!」

大原「わしは、今来たところだが、何かよからぬことでもしていたのか?」

両津「してませんよ~。なあ、中川。」

中川「ええ、今度の訓練兵の入団式に僕が教官の代わりに出るんです。」

大原「ああ、そうだったな。」

両津「部長!こんな温室育ちに任せていいんですか!」

大原「何を言っとる。彼は訓練兵団を優秀な成績で卒業しとるんだぞ。」

中川「上位10番以内には入れませんでしたけどね。」

麗子「それでもすごいことよ。」

両津「しかし、訓練兵たちには、これから辛い訓練が待っているんです!それなのに、こんな爽やかイケメンが演説したらどうなります!訓練を甘く見てしまいますよ!」

大原「ふむ、それもそうだな。わかった。両津も中川と一緒に言ってこい。」

両津「え!私が行くんですか!?」

大原「そうだ。訓練兵たちに訓練に耐え忍んでいくことを教えてやれ。ただし・・・。」

両津「ただし・・・?」

大原「変なことはするなよ。」

両津「何いってるんですか部長~。当たり前じゃないですか~。」

大原「ならいい。」

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両津「(へへ、こいつは面白いことになりそうだ。日頃の鬱憤を、ここで晴らさせていただきますよ。)」

~第104期訓練兵団入団式~

両津「こほん。ええ~、訓練兵の諸君。入団おめでとう。今日は教官ではなく、私駐屯兵団カツシカ区勤務の両津が式を執り行う」

モブ「え~、イケメンの中川さんだって聞いてたのに~。」

モブ「がっかり~。」

両津「中川君は今朝から体調が悪いので今日一日休んでもらっています。」

モブ「なんだよ、だったら美人の麗子さんが来てくれたらよかのに~。」

モブ「暑苦しいおっさんじゃねえか~。」

両津「てめえらいい加減にしろよ!なんのためにここへ来たんだ!」

エレン「(そうだ、誰が話すかなんて関係ない。俺は巨人をぶっ[ピーーー]ためにここに来たんだ。)」

両津「よ~し、お前らに自己紹介でもしてもらおうか~。」

両津「(まず誰からいこうかな・・・。)」

両津「(びびらせるための見せしめが必要だな。)」

両津「おいお前!名前をなんと言う!」

ジャン「ジャン・キルンシュタインです!」

両津「何しにここへ来た!」

ジャン「・・・憲兵団に入って、内地で暮らすためです。」

両津「ほう、お前は内地に行きたいのか・・・。」

両津「(むかつく野郎だ。憲兵だと・・・生意気な。)」

両津「うるせえ!」パンチ!

ジャン「ぐおっ!」タオレル

両津「何が憲兵だ!ふざけやがって!立て!誰も座っていいなんて言ってねえぞ!」

ジャン「いや、殴ってくるから・・・。」

両津「口答えするな!」キック!

ジャン「ぐおっ!」

両津「お前は今日は晩飯抜きだ!いいな!それと今日は一日中走ってろ!」

ジャン「そ、そんな・・・。」

両津「早く行け!」

ジャン「・・・はい!」

両津「返事が遅い!」パンチ!

両津「お前!名を名乗れ!」

アルミン「アルミン・アルレルトです!」

両津「おかしな名前だな!近所のババアが勝手に付けたのか!」

アルミン「祖父が名づけてくれました!」

両津「そうか!ジジイは大切にしろよ!」

アルミン「祖父はもう亡くなりました!」

両津「じゃあ立派な兵士になって天国のジジイを喜ばせてやれよ!」

アルミン「はい!」

モブ「(ええやつや・・・。)」

両津「お前!名を名乗れ!」

クリスタ「クリスタ・レンズです!」

両津「歌は得意か!」

クリスタ「?・・・いいえ、別に。」

両津「踊りは得意か!」

クリスタ「そんなに・・・。」

両津「なら今日から練習しろ!」

クリスタ「・・・、あっ、はい!」

両津「もっと元気よく、笑顔で返事しろ!」

クリスタ「はい!」

両津「(こいつは将来、金儲けさせてもらえそうだな・・・。)」

両津「お前!名を名乗れ!」

コニー「コニー・スプリンガーです!」

両津「手が逆だ!」パンチ!

コニー「ぐっ、すいません!」

両津「言った筈だろ!これは心臓を捧げる意思を示すものだと!」

コニー「聞いてません!言ってなかったと思います!」

両津「じゃあ今言った!」パンチ!

コニー「ぐはっ!」

両津「(なんか腹減ってきたな・・・。)」

サシャ「・・・。」モグモグ

両津「・・・。」

サシャ「・・・。」モグモグ

両津「おい、お前。なにを食っている。」

サシャ「蒸かした芋です!」

両津「半分分けてくれ。」

サシャ「はい・・・、あっ・・・、半分・・・どうぞ。」

両津「半分・・・、だと・・・?」

サシャ「・・・・・・。」ニタッ

両津「そっちの大きい方を貰おう。」

サシャ「そっ、そんな~。」

両津「よ~し!ではこれから訓練兵団体操を行う!わしが言う通りに踊れ!」

モブ「なんだそれ・・・。」

モブ「しらねえぞ・・・。」

両津「(寝る間も惜しんで考えたんだ・・・。楽しませてもらうぞ・・・。)」

両津「いいか!まずは膝をついて手を頭の後ろにあてて、こう叫べ!」

両津「自分は豚小屋出身家畜以下ってな!」

モブ「は!?なんでそんなこと言わなきゃなんねえんだ!」

両津「口答えするな!やれ!」

サシャ「私は豚小屋出身の家畜以下です!」

コニー「俺は豚小屋出身の家畜以下だ!」

両津「おいキルンシュタイン!お前は走りながら叫べ!」

ジャン「俺は豚小屋出身家畜以下だ!」

ミーナ「私は豚小屋出身家畜以下です!」

アルミン「なんだこれは・・・、まるで命乞いじゃないか・・・。」

エレン「ああ、あいつ、狂ってやがるんだ。」

両津「こらそこ!何をしている早くやれ!」

アルミン「仕方ないエレン、兵士になるにはこれぐらいできないと駄目なんだよ、きっと。」

エレン「・・・そうなのか、仕方ないな。」

ミカサ「エレンがやるなら私もやろう。」

アルミン「僕は豚小屋出身家畜以下だ!」

エレン「俺は豚小屋出身の家畜以下だ!」

ミカサ「私は豚小屋出身家畜以下だ!」

ライナー「俺は豚小屋出身家畜以下だ!」

ベルトルト「(ライナー・・・。)」

アニ「(ライナー・・・。)」

両津「よし、次はブリッジをしながらこう叫べ!」

両津「自分は王の下僕だってな!」

モブ「ブリッジ・・・だと・・・!?」

モブ「なぜブリッジなんだ・・・。」

両津「つべこべ言わずさっさとやれ!」

マルコ「僕は王の下僕だ!」ブリッジ!

両津「おいお前、名をなんと言う!」

マルコ「(え、こんな時に?)マルコ・ボットです!」ブリッジ!

両津「何しにここへ来た!」

マルコ「憲兵団に入って王にこの身を捧げるためです!」ブリッジ!

両津「(こいつも憲兵志望か・・・。)」

両津「もっと腰を上げろ!」

マルコ「はい!」ブリッジ!

モブ教官「ははは、今年もやってるな。」

モブ教官「ブリッジなんてやりましたっけ?」

モブ教官「今年は力強い新人を育てたいようだな。」

アルミン「僕は王の下僕だ!」ブリッジ!

ミカサ「私は・・・、王の下僕!」ブリッジ!

エレン「おい、お前ら・・・。何でこんなみっともないこと出来るんだよ!」

ミカサ「仕方ないじゃない・・・、この世界は・・・、残酷なんだから・・・。」ブリッジ!

エレン「ミカサ・・・。」

両津「こらお前!なぜ何もしない!」

アニ「・・・こんなことしたって、なんの意味もないじゃないですか。」

両津「何だと!貴様わしの命令が聞けねえってか!」

アニ「そうです。」

両津「そうか、わかった。上官の命令が聞けないのなら仕方ない。お前には開拓地に行ってもらう。」

アニ「なっ!」

両津「上官の命令が聞けないのであれば、作戦遂行に支障をきたす。」

アニ「・・・。」

両津「ブリッジと開拓地、どっちがいい?」

アニ「やります・・・。」

両津「さっきの言葉も言えよな。」

アニ「・・・はい。」

アニ「私は王の下僕です!」ブリッジ!

アニ「私は豚小屋出身家畜以下です!」ブリッジ!

両津「それでいい。」

ベルトルト「(アニ・・・。)」ブリッジ!

ライナー「(アニ・・・。)」ブリッジ!

エレン「(そうだ・・・、この世界は・・・、残酷なんだ!)」

エレン「俺は王の下僕だ!」ブリッジ!

ジャン「俺は王の下僕だ!」

クリスタ「私は王の下僕です!」ブリッジ!

両津「最後は手と膝と額を地面につけてこう叫べ!」

両津「生まれてきてごめんなさいってな!」

モブ「土下座じゃねえか!」

エレン「生まれてきてごめんなさい!」ドゲザ!

アルミン「生まれてきてごめんなさい!」ドゲザ!

ミカサ「生まれてきてごめんなさい!」ドゲザ!

クリスタ「生まれてきてごめんなさい!」ドゲザ!

両津「(ん?こいつはなかなか感情がこもってるな・・・。アイドルだけじゃなく女優としても稼げるかもしれん・・・。)」

訓練兵たち「生まれてきてごめんなさい!」ドゲザ!

両津「そうだもっとやれ!」

訓練兵たち「生まれてきてごめんなさい!」ドゲザ!

両津「(フフフ・・・、最高の気分だぜ!)」

大原「両津!!!」

両津「げっ!部長!」

キース「私もいる。」

両津「キースさんまで!どうしたんですか?今日はここに来る予定ではないはずじゃ・・・。」

大原「中川君が急病になったと聞いてな。もしやと思って来てみたんだ。」

両津「ははは、そうですか・・・。」

大原「誰がここまでやれと言った!!!」

両津「いや~、何を言ってるんですか!これは通過儀礼ですよ~。ね?キースさん?」

キース「いや、さすがにブリッジや土下座は無いな。」

キース「貴様ら!もうやめていい!」

両津「あ、ちょっと・・・!」

大原「ばかもの!!!あんなことを兵士にさせるな!!!」

両津「はい~!」

大原「お前には罰を受けてもらう!」

両津「ばっ、罰ですか~!?」

~数日後~

両津「私は豚小屋出身の家畜以下です!」ブリッジ!

ベルトルト「見てよライナー、僕たちにやらせたことを自分でやってるよ。」

ライナー「やっぱりやりすぎだったんだろうな。」

ジャン「俺は走ってたからマシだったのかもな・・・。」

両津「私は市民の皆様の奴隷です!」ブリッジ!

ユミル「見ろよクリスタ!おっさんがブリッジしながら叫んでるぞ!気持ち悪い~!」

クリスタ「うん、そうだね。」

アニ「(巨人化して踏み潰したい・・・。)」

両津「生まれてきて本当にごめんなさい!迷惑かけてごめんなさい!」

キース「もっと気持ちを込めろ!」

両津「はい~!」

アルミン「本当にみっともないね・・・。」

ミカサ「うん、集団心理って怖い・・・。」

エレン「あいつ、マジでクズ野郎だったな。」

アルミン「そうでもないんじゃないかな。」

ミカサ「なぜ?」

アルミン「僕に立派な兵士になれって言ってくれたし。」

エレン「・・・そうだな。本当はそんなに悪い人じゃないのかもしれないな。」

ミカサ「うん。」

両津「ごめんなさい!もうしません!許してください!」



つづく

~数ヵ月後~

キース「さて、今日は訓練兵たちは課外演習だから暇だな。ゆっくり休むか。」

モブ教官「キース教官!大変です!」

キース「どうした!」

モブ教官「訓練兵たちが消息を絶ちました!」

キース「何だと!」

モブ教官「目的地への到達前だということは分かっているのですが・・・。」

キース「早く調査に向かえ!」

モブ教官「探してはいるのですが見つからないのです。それと、消息を絶ったと思われる場所が森なのです。」

キース「何?じゃああいつらは迷ったということか?」

モブ教官「いえ、そんなに広い森でもないので、すぐ抜け出せるはずです。」

キース「それもそうだな・・・。ではなぜ見つからんのだ。」

キース「もしかして・・・。」

モブ教官「何か心当たりでも?」

キース「ああ、あの辺りに盗賊が潜んでいるという情報があってな・・・。」

モブ教官「盗賊?しかしそれぐらい兵士なら簡単に倒せるのでは?」

キース「いや、森は奴らにとって庭も同然。それに相手がどれだけいるのかもわからない。」

モブ教官「では、どうすれば・・・。急がないと訓練兵たちの命が危ない!」

キース「今すぐ集められる人数で、迅速かつ確実に助けられる・・・。そんな者がいるだろうか・・・。」

モブ教官「そんなのいるわけありません・・・。私たちは巨人を倒す訓練はしましたが、対人訓練などほとんどしていません。」

キース「仕方が無い。彼らに頼むしかあるまいな・・・。」

モブ教官「彼ら?」

キース「こんな時ののために組織しておいた、駐屯兵団特別作戦班・・・。」

キース「通称・・・、両津班だ!」

両津「・・・・・・って訳だ。」

ボルボ「何てこった。じゃあ何の情報も無いまま敵地に向かうのか。」

左近寺「しかも俺たち4人だけで。」

両津「仕方ねえだろ!大勢で行くと逃げられちまうんだからよ!」

本田「あくまで調査に来た無能な駐屯兵ってことにするんだよな!」

両津「ああ。何故かは分からんが、あいつらはまだこの森に隠れているらしい。」

左近寺「そいつは変だな。目的を達成すればさっさと逃げるもんだろう。」

ボルボ「いや、もしかしたら訓練兵が多すぎててこずってるのかもしれん。」

両津「考えるのは後だ。もうすぐ森に入る。ここからは二手に分かれよう。俺と本田は馬を降りて森を探索する。ボルボと左近寺はこのまま走り回って、広範囲に探し回ってくれ。」

ボルボ「了解だ。」

左近寺「何か見つけたら、信煙弾で知らせるんだよな。」

両津「ああ。だがくれぐれも無茶はするなよ。」




本田「よし、ここで降りるか。」

両津「じゃあお前ら、頼んだぞ。」

ボルボ「おう。」

左近寺「両津もな。」

本田「せんぱ~い、本当に僕たちだけでやるんですか~?」

両津「当たり前だ!」

本田「でも、なんで僕たちなんですか~?」

両津「どうせ俺たちを力仕事しかできねえゴリラ集団だと思ってるんだろうぜ。」

本田「僕はゴリラじゃありませ~ん!」

両津「うるせえ!馬に乗ったらお前性格変わるだろ!」

両津「ったく、何が両津班だまったく。面倒くさいことを押し付けてるだけだろうが。」

本田「あ~、大丈夫ですかね~。」

両津「訓練兵たちか?大丈夫だろ。こんなところでくたばるような奴らじゃ、訓練についてこれてねえよ。」

本田「なんか先輩、真面目ですねえ~。」

両津「んなことねえよ。ただ、あいつらは生かしてやらなきゃいけないんだ。」

本田「あ~、巨人が壁を破った時に、その恐怖を真近で感じた子たちがいるんですよね~。」

両津「ああ、これは同期のやつから聞いたんだがな、母親を目の前で巨人に食われた奴がいるらしい。」

本田「え~!母親を!?それは・・・、何と・・・。」

両津「悔しそうに話してくれたよ、自分に力があれば、逃げずに済んだ、救えたはずだって。」

本田「先輩・・・。」

両津「だからな、あいつらには立派になって、巨人を倒してほしいんだ。」

本田「彼らにブリッジや土下座をさせた人とは思えないセリフですね。」

両津「うるせえ!ほらあれを見ろ!車輪の跡だ。」

両津「あっちまで続いてるぞ!」

本田「あ~、でも先輩、ここで途切れちゃってます。」

両津「何?おかしいな、雨が降ったわけでもないのに・・・。」

本田「ああ~!先輩!あっちにありました!きっと向こうにあるんですよ!」

両津「む~・・・。」

本田「どうしたんですか?」

両津「なぜここだけ跡が無いんだろうと思ってな・・・。」

本田「いいじゃないですかそんなこと、早くいきましょう!」

両津「いや、ここは真っ直ぐ突っ切る!」

本田「え~?でも道なんてありませんよ~?」

両津「いや、わしの野生の勘がこっちだと言っている!」

両津「ほれ見ろ!道が続いてる!」

本田「こんなの道と言えませんよ・・・。」

両津「わしにとっては道だ。」

本田「先輩は下町暮らしでしたからね~。」

両津「ああ、わしが小さいころは道なんてろくに整備されていなかったからな。」

両津「道なき道を歩き回ったもんさ。」

両津「あった!車輪の跡だ!」

本田「こんなの普通見つかりませんよ・・・。」

両津「行くぞ!きっと近くまで来ているはずだ!」

~盗賊団アジト~

モブ盗賊「いいか、お前らおとなしくしてろよ。」

モブ盗賊「いい子にしてたらいいところに連れてってやるからな。」

エレン「(くそ・・・、手足が縛られていて動けない・・・。)」

アルミン「(数では勝っているのに・・・、情けない・・・。)」

ジャン「(誰か一人だけでも逃げ出せれば、報告に行けるってのに・・・。)」

エレン「仕方ない・・・。一気に騒ぎを起こして、それに乗じてみんなを逃がすしか・・・。」

アルミン「駄目だよエレン。そんなことしたら誰かが必ず捕まる。その人はきっと、その後・・・。」

エレン「でも、誰も助けに来ないじゃないか。きっと見つけ出せないんだ。ならこっちから動かないと・・・。」

ライナー「その役は俺が引き受ける。」

ベルトルト「ライナー、君はいつも危険な役を・・・。」

コニー「そうだぞライナー。」

ライナー「では誰がやるんだ。囮役が務まるほどのやつに、俺以上のやつがいるか?」

ミカサ「私がいる。」

ライナー「お前はだめだ。あいつらは女相手だと何するかわからん。」

ミカサ「しかし・・・。」

ライナー「俺がやる。」

ミカサ「・・・。」

ライナー「さあ、行くぞ。俺が暴れるからおまえらは何とかして外に出ろ。」

アルミン「そんなの、どうやって・・・。」

ライナー「お前ならいい案が思いつくはずだ。」

アルミン「なんで、僕なんか・・・。」

エレン「・・・。」

アニ「・・・よし。」

クリスタ「アニ、どうしたの?」

アニ「縄を切ったんだ。」

クリスタ「本当!?」

アニ「しっ、声が大きい。」

クリスタ「ごめん・・・。」

アニ「私がみんなの縄をほどいていく。暴れるのはそれからでいいね?」

ライナー「アニ・・・、ありがとう。」

アニ「お礼を言うのは帰ってからにしてくれ。」

ライナー「さあ、行くぞ・・・。」

エレン「(ライナー・・・。)」

ライナー「うおおおおおおおおおお!!!!」

モブ盗賊「何だ!?どうした!?」

モブ盗賊「あいつ!どうやって縄を解いたんだ!?」

ライナー「みんな!逃げろ!」

エレン「うおおおおお!!」

ミカサ「はああああああ!!!」

ライナー「エレン!ミカサ!」

コニー「おりゃー!」

サシャ「あちょー!」

ライナー「コニー!サシャ!」

ライナー「お前ら・・・何で・・・。」

コニー「お前にだけいいかっこさせるわけねえだろ!」

エレン「俺たちも戦うぜ!」

ジャン「(俺は逃げるぜ!)」

~数分後~

盗賊頭「全くお前ら、手を焼かせるんじゃねえよ。」

モブ盗賊「全くだ。」

エレン「(ちくしょう・・・、みんな捕まっちまった・・・。)」

ジャン「(だが、アルミンがいない・・・。どうやら逃げられたようだな・・・。)」

盗賊モブ「頭、人数が合いません。」

盗賊頭「へっ、すぐに見つかるだろうよ。この森の中ではな・・・。」

~森~

アルミン「はあ、はあ。」

盗賊モブ「待て!」

アルミン「駄目だ!追いつかれる!」

盗賊モブ「おら!捕まえたぞ!」

アルミン「ああっ!(ごめん・・・。みんな・・・。)」

盗賊モブ「残念だったな。今度はきつく縛ってやるよ。」

アルミン「うう・・・。」

~アジト~

盗賊頭「よし、じゃあこれからお前らのうち何人かを町に連れて行く。」

盗賊頭「連れて行くのは・・・、お前と、お前と、・・・・・・、そしてお前だ。」

盗賊頭「残りはここに置いていき、また後から連れて行く。」

~連れて行く訓練兵~

ライナー、エレン、ミカサ、サシャ、コニー、ベルトルト、アニ(暴動の主犯)

クリスタ(高く売れそうだから)

盗賊頭「よし、じゃあ俺たちは町へいくから、お前たちは見張りを続けてろ。」

モブ盗賊「わかった。」

エレン「(ちくしょう・・・。どうする?)」

アルミン「(エレン・・・、ごめんよ・・・。)」

~十数分後~

本田「先輩!あれ!」

両津「おお!盗賊たちのアジトか!」

本田「やっと見つけましたね!早速知らせましょう!」

両津「ああ?何言ってんだ?このまま突入に決まってんだろ?」

本田「でも、相手はたくさんいますし・・・。」

両津「バカ野郎!事態は一刻を争うんだぞ!増援なんて待ってられっか!」

~アジト内~

モブ盗賊「お前らがおとなしくしてりゃ、こうはならなかったのにな~。」

アルミン「くっ・・・。」

モブ盗賊「まあ、安心しな。すぐに会えるさ。ははははは!」

両津「おらあああああ!」

モブ盗賊「何だ何だ!」

両津「おいお前ら!訓練兵たちはどこだ!」

モブ盗賊「何だお前!?その服装は・・・、駐屯兵団か?どうやってここに・・・?」

両津「質問に答えろ!」

モブ盗賊「お前馬鹿か?そんな大声で入ってきてよ。ここには30人はいるんだぞ。」

両津「ほー、30人か。」

モブ盗賊「ああ。おっと、集まってきたようだぜ。」

モブ盗賊「どうした!?」

モブ盗賊「侵入者か!?」

モブ盗賊「一人で来るとはいい度胸だな。仲間が外に待機してるのか?」

モブ盗賊「そう思って見て回ったが、誰もいなかったぞ。」

モブ盗賊「そうか。じゃあ・・・。こいつを思いっきりぶっ飛ばしても助けは来ないんだな。」

両津「おい、さっきの質問に答えてないぞ。訓練兵たちはどこだ。」

モブ盗賊「ここに全員はいない。何人か町へ連れて行った。」

両津「そうか。どの道を通っていったんだ?」

モブ「教えるわけないだろ。」

両津「そうか・・・、じゃあ力ずくで聞くしかないな。」

モブ盗賊「ははは!やれるもんならやってみろ!」

両津「たかが30人でわしとやり合おうだなんて・・・、後悔させてやるよ・・・。」

モブ盗賊「かかれ~!!」

モブ盗賊「うおおおおお!」

両津「この世の地獄を見せてやるよ~!」

~数分後~

両津「お~い、誰かいるか~?」

アルミン「んん~!(助けが来たのか!?)」

両津「おう、ここにいたのか。」

アルミン「ぷはあ、あ、あなたは、確か入団式の時の・・・。」

両津「両津だ。」

アルミン「両津さん・・・、ありがとう。助けに来てくれて。」

両津「構わん。当然のことをしたまでだ。」

両津「おい、数が足りないぞ!」

ジャン「あんたが来るまでにちょっと暴れてな、その主犯たちはもう連れ去られちまったんだ・・・。」

両津「そうか・・・。ならばあいつらに色々教えてもらわねばならんな。」

アルミン「そういえば、盗賊たちは!?」

両津「おう、あいつらならボコボコにしてやったよ。」

ジャン「は?」

両津「いや、別に俺から仕掛けたわけじゃないんだ、あいつらが襲ってくるからな。返り討ちにしてやったんだ。」

アルミン「あの数を・・・、一人で・・・?」

両津「容易いことだ。」

両津「おい、残りの訓練兵はどこに向かった?」

モブ盗賊「そんなの・・・、教えられるわけないだろ・・・。」

両津「ほう・・・。」

アルミン「なんだこれは!?盗賊たちがまるでボロ雑巾みたいじゃないか!」

ジャン「なにがあったんだ・・・。」

両津「おら、さっさと吐け!」

モブ盗賊「言うかよ・・・。」

両津「・・・・・・おい、アルミン。ちょっとこの部屋から出ていてくれ。」

アルミン「えっ、あ、はい。」

~数秒後~

両津「おい、アルミン、もういいぞ。」

アルミン「え、もう!?」

盗賊たち「ぐっ・・・。」

両津「おい、もう一度だけ聞くぞ。訓練兵たちはどこへやった。」

モブ盗賊「東の町だ。」

両津「わかった。」

アルミン「両津さん・・・、何をしたの?」

ジャン「おい!信煙弾だ!」

両津「む!あの色は!敵発見の合図か!」

両津「悪いな!お前らに聞き出す必要は無かった!」

モブ盗賊「ひどい・・・。」

両津「よし、俺はもう行く。」

アルミン「ねえ!両津さん!」

両津「なんだ。」

アルミン「絶対に助け出して!」

両津「当たり前だ!それと・・・、わしのことは両さんと呼べ。」

アルミン「・・・わかったよ!両さん!」

ジャン「頼んだぜ!両さん!」

本田「先輩!馬を連れてきました!さあ行きましょう!」

両津「おう!」

~エレンサイド~

エレン「(くそ、どうする?どうすればこの状況を打開できる?)」

ミカサ「(こうもきつく縛られては抜け出せない・・・。)」

盗賊頭「もう悪あがきはよすんだな。お前たちはこれから売られるんだ。」

ライナー「(くそ!誰かに知らせることができれば・・・。)」

モブ盗賊「お頭!もうすぐ町です!」

盗賊頭「そうか!これでもうこいつらもおしまいだな!」

モブ盗賊「あれ・・・?おかしいな?」

モブ盗賊「どうした?」

モブ盗賊「さっきの看板ではこっちに町があるって書いてあったなだが、全然町が見えないんだ。」

モブ盗賊「道を間違えたのか?」

モブ盗賊「いや、看板が間違ってるはずはないんだがな・・・。」

盗賊頭「おい!まだか!」

モブ盗賊「すいません!俺にもどうなってんのかわからなくて!」

盗賊頭「まったく・・・。」





ボルボ「これで時間稼ぎができるな・・・。」

左近寺「ああ、後は両津たちが来るのを待つだけだ。」

盗賊頭「おかしいな。こんなに時間がかかるはずはないんだが。」

エレン「(なんだ?こいつら道に迷ってんのか?)」

両津「待たせたな!」

ボルボ「両津!」

両津「作戦の方はどうだ!」

左近寺「うまくひっかかってくれたぜ!」

両津「よし!そうなりゃもうこっちのもんだ!」

モブ盗賊「くそ!何がどうなってるんだ!」

モブ盗賊「おい、なにk聞こえないか?」

モブ盗賊「は?何も聞こえねえよ。」

モブ盗賊「空耳かな?」

ボルボ「ひと~つ、人の世の生き血を啜り・・・。」

モブ盗賊「な!なんだ!?」

左近寺「ふた~つ、不埒な悪行三昧・・・。」

モブ盗賊「ひいっ!」

本田「みっつ、見つけ次第成敗してあげよう・・・。」

モブ盗賊「誰だ!お前ら!急に現れやがって!」

両津「俺たちがするのは逮捕じゃない!処刑だ!」

両津「てめえら!覚悟しろよ!」

モブ盗賊「ひいっ!おい!もっと速く走れ!」

モブ盗賊「あっ、ああ!」

両津「・・・。」

モブ盗賊「なんだったんだ・・・。今のは・・・。」

モブ盗賊「さあな、もう忘れよう・・・。」

モブ盗賊「ああ、俺たちは夢を見てたんだ。疲れてるんだよ。」

モブ「そうだな。」

ボルボ「ひと~つ、人の世の生き血を啜り・・・。」

モブ盗賊「な!なんだ!?」

左近寺「ふた~つ、不埒な悪行三昧・・・。」

モブ盗賊「まっ、また!?」

本田「みっつ、見つけ次第成敗してあげよう・・・。」

モブ盗賊「どういうことだ!さっき振り払ったはずなのに!?」

両津「俺たちがするのは逮捕じゃない!処刑だ!」

モブ盗賊「逃げろ!全速力で!」

モブ盗賊「わかってる!」

両津「・・・無駄なことを・・・。」

モブ盗賊「何が起きてるんだ・・・。」

モブ盗賊「わからん・・・。」

ボルボ「ひと~つ、人の世の・・・。」

モブ盗賊「うわああああああ!」

モブ盗賊「今度は目の前から来やがった!」

両津「(お前たちがこの道に入った時点でもう罠にかかっていたのさ。)」

両津「(嘘の立て看板で誘導し、後戻りできないように道を塞ぐ。)」

両津「(そして同じところぐるぐる周っている状態にしたんだ。)」

両津「(俺たちを振り切ったって、1周すればまた遭遇するってわけだ。)」

両津「そろそろ終わりにしてやろう。」

モブ盗賊「うわあああああ!」

左近寺「おらあ!」パンチ!

モブ盗賊「ぐえっ!」タオレル

両津「よし!一気に鎮圧だ!」パンチ!

モブ盗賊「ぐはっ!」タオレル



盗賊頭「おい!どうした!」

両津「駐屯兵だ!観念しろ!」

盗賊頭「駐屯兵?憲兵じゃなくて?」

モブ盗賊「おいおい、たかが駐屯兵一人で俺たちに敵うと思ってんのかよ。」

モブ盗賊「こっちには人質だっているんだぜ。」

盗賊頭「駐屯兵なんてザコだろ?憲兵へ行けるほどの実力もなく、調査兵ほどの戦力もない。」

盗賊頭「そんな奴が俺たち盗賊と複数人同時にやり合おうってか?」

両津「しゃべってる暇があるのかよ!」キック!

モブ盗賊「こいつ!屋内で立体起動を!」

モブ盗賊「危ねえ!」

両津「お前ら、俺をそこらの駐屯兵と一緒にするなよ!」

両津「特別作戦班専用の武器を見せてやる!やれ!ボルボ!」

ボルボ「おう!いくぞ!」

両津「実戦で使うのは初めてだからな、どうなるか楽しみだぜ。」

盗賊頭「何する気だ!?」

両津「なに、ちょっとガスをな。」

両津「(絵崎の発明品を使う時が来るとはな・・・。)」

睡眠ベルトル無双書いてた人か?

>>95

そうです!読んでくれてありがとうございます!

盗賊頭「うっ!何だこれは!?」

モブ盗賊「なんだか・・・、おかしく・・・、っはははははは!」

盗賊頭「お前何笑って・・・、ぎゃははははは!」

モブ盗賊「お頭だって・・・、ひゃははははは!」

両津「(笑わせるガスだったのか・・・。なんてもの作りやがるんだあいつは。)」

両津「(まあ、これでこいつらは何もできないよな。)」

盗賊頭「ははははっはは!」

両津「(ここまでとはな・・・。マスクしててよかったぜ。)」

エレン「んんんんんん!」

両津「おう、今助けるぞ。」

エレン「ははははははは!」

両津「やべ!こいつらもガス吸っちまってる!」

ミカサ「あはははははは!」

両津「おい!とりあえずここから出るぞ!」

両津「おい!お前ら!運ぶの手伝ってくれ!」

本田「どうした!」

両津「絵崎の野郎!とんでもねえもん渡しやがったんだ!」

アニ「あっはっはっはっはっはっはっは!!」

本田「これはひどい・・・。」

両津「ふう、これで全員か?」

本田「中にはもう訓練兵はいないぜ。」

エレン「まだ・・・、だ・・・。」

両津「ん?何だ?」

エレン「まだ・・・、クリスタが・・・。ははは!」

両津「クリスタ?そいつはどこだ?」

エレン「別の馬車・・・、だと思う・・・。はははは!」

両津「何だと!何で早く言わない!」

エレン「(あんたらのせいでこうなったんだよ・・・。)」

盗賊頭「ははは!こうなったら、こいつだけでも連れて行く!ぎゃはは!」

両津「しまった!馬車が!」

本田「やべえぞ!こいつらの馬車が邪魔で、すぐには追いつけねえ!」

両津「今度見失ったら終わりか・・・。よし!」

左近寺「両津どうするつもりだ!」

両津「俺の立体起動の腕をなめるなよ!」

ボルボ「あいつ!立体起動なんてまともやってないのに!」

エレン「(どんだけサボってんだよ・・・。)」

本田「早く俺たちも行かねえと!」

両津「ちくしょ~、慣れねえから木にぶつかっちまう。」

両津「ぐお~、いけ~!」

クリスタ「(アンカーが・・・、馬車に!)」

盗賊頭「あいつ、しぶといやつだ!振り落としてやる!」

両津「ぐえ~!」セナカヲウツ

両津「ぐあ~!」ハラヲウツ

両津「ぬお~!」アタマヲウツ

両津「どわ~!」カオヲウツ

クリスタ「(すごい・・・。体中打ちつけられてるのに、気絶もしない・・・、頑丈すぎるでしょ!?)」

盗賊頭「なんてやつだ・・・。ひゃははは!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年09月30日 (水) 16:26:08   ID: 1QZ88Ahm

放置は楽しいか?( ☆∀☆)

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