こち亀「おげれつ大合戦!」の巻 (16)



-公園前派出所-

本庁のお偉いさん
「今回はこの派出所だな」

部長「この度はこの派出所を選んでいただき光栄です!」

部長「この派出所には中川巡査や秋本巡査など優秀な部下がたくさんいます。
バカが約1名いますが‥」ハハハ

部長「さあどうぞ!」ガラッ

(両津の机の上に大量のAV)

お偉いさん「なっ?!なんだねこれは!?」

部長「こっ、これは違うんです!さっき言っていたバカの私物です!気にしないでください!」
「くそ~両津め‥覚えていろ!」


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-翌日-

両津「うおっす!」

中川「おはようございます!あれ?なんですかその袋は?」

両津「これか?男のロマンがたっぷり詰まった袋よ!」

麗子「どうせエッチなビデオでしょう!」

ブッ
両津「ど、どうしてそれを‥」ゴホゴホ

麗子「だいたい予想がつくわ」

中川「しかしこんなにレンタルして‥期限内に見終わるんですか?」

両津「普通なら見終わらん」
「だからわしは派出所のテレビでも観る!」

中川「えーっ!」

両津「夜勤ならヒマだからな!これが本当の時間有効活用だ」ハハハ

中川「本当は暇じゃないんですが‥」

両津「おっと!部長には内緒にしとけよ!」シーっ

中川「‥その部長が後ろにいるんですが‥」

両津「えっ」

部長「こら!!!」ガッ

両津「ギェピ!!」

部長「何考えているんだお前は‥!」

両津「六法全書の角で殴ることないでしょう!」ジィィィン

部長「お前など消えて無くなれ!!」ドカッバキッ

麗子「部長さん荒れているわねぇ」
中川「何かあったのかな?」

両津「どうしたんです、今日はいつもより愛のムチが激しいですよ」

部長「本庁のお偉いさんにお前のおげれつなビデオが見られたんだ」

部長「神聖な派出所にこんなもの持ち込んで‥お前には警察官という自覚がないのか!」

両津「申し訳ありません!これからは派出所には持ってきません!」ペコッ

部長「派出所だけじゃない」

両津「へ?」

部長「プライベートでも禁止だ、今後一切AVは観るな!」

両津「そんな殺生なぁ~!」

中川「かわいそうですよ、部長」

両津「おっ中川‥おまえ‥」

中川「先輩からエロを取ったら何も残りませんよ」

両津「フォローになってねぇよ、てめぇ!!」

部長「この袋もAVだな!お前の大好きな駅前のビデオ屋のやつか」

部長「中川!すまんが、これを返却してきてくれんか」

両津「そ、そんなぁ~!」

中川「ぼ、僕がですか?」

部長「そうだ、このバカ(両津)は目を離すとすぐエロに走るからな。そしてレンタルビデオ屋への立ち入りも禁止する!」

両津「それはひどすぎます!部長の鬼~っ!」

部長「だまれ!本庁の人に言われるわしの身にもなってみろ!」

麗子「両ちゃんも部長さんも大変ねぇ」

中川「水と油みたいなものだからね」


-勤務後-

両津「ちくしょう部長め!」

「有能な部下が欲求不満で性犯罪でもすればそっちの方が問題だろ!」

「まてよ‥?こっそりレンタルすればバレないんじゃないのか?」うーむ

-ビデオ屋-

両津「来た来た!やっぱり勤務終わりにはここに来んと落ち着かんよ」ガラっ

店員「あっ、ダメだよ両さんは!」

両津「なんでだよ!わしが何かしたか?」ズイッ

店員「部長さんからこの顔写真ポスターが届いて‥
両さんが来たことがバレたらこっちも怒られちゃうんだよ」

(この男、立ち入り禁止!入ったのを目撃した方は交番前派出所まで)

両津「くそっ部長め!行動が早い!」
「なぁ頼むよ、今日無理矢理返却させられたやつだけでもレンタルさせてくれ」

店員「ダ・メ・です!」


-帰り道-

両津「くそっ頭の固い店員め!」

「わしがあのビデオ屋にいくらつぎこんでると思っているんだ!わしのおかげで経営が成り立っているようなもんだぞ」

「ま、ここらへんはわしの庭のようなもんだ」

「隣町に同じ系列のビデオ屋があるからそっちに行ってみるか!」

-隣町のビデオ屋-

店員「ダメだよおたくは」

両津「くそっ!ここにも手が回っていたか!」

-帰り道-

両津「ちくしょう!まるで指名手配みたいな扱いじゃねえか!」

「駅前のビデオ屋に戻ってきたものの‥目の前にエロがあるのに手に入らない悔しさ‥くそっ!」

「なんとか方法はないものか、うーむ‥」



両津「ん?」

青年A「今月遊びまくって‥全然お金がないよ!」

青年B「僕も‥なんかいいバイトないかなあ?」

両津「これだ!」ポン

「君たち!お金に困っているのかね?」

青年達「は?まあ‥」

両津「バイトしないか?そこのビデオ屋で会員になってわしの代わりにビデオを借りてきてくれるだけでいいんだ」

青年達「それだけでいいんですか?!」

両津「おう!レンタル代と手間賃含めて‥」

ナレーション「青年たちを身代わりにしてこっそりレンタルしていた両さんであった」


-1ヶ月後-
派出所

部長「なに!両津があれからビデオ屋に現れていないだと?」

中川「はい、僕も信じられないんですが‥」

部長「あれだけ食い下がった奴なのに信じられん‥ついにあいつも改心してくれたのか!?」

店員「ところがそうでもないみたいなんですよ‥」

麗子「あなたは‥?」
中川「ビデオ屋の店員さん!」

部長「あいつは来ていないんですよね?」

店員「"両さん"は来ていないんですが‥これを見てください」ペラっ

部長「何ですかこれは?」

店員「これはウチの店の売上表と新規カード発行客数のデータなんですが‥両さんが来なくなった日から気の弱そうな青年達が次々に会員になり、売上が上がっているんです。さらにこの青年が借りていったもの‥」

部長「あっ!!」
中川「先輩の好きそうなジャンルだ!」
麗子「きゃあ!」

部長「両津め、身代わりを使うとは‥」わなわな

両津「おはようございます!遅刻してすいません!私は起きるつもりだったんですがこの目覚ましが鳴らなくてですね‥」

部長「おい!!お前青年に身代わりでレンタルをさせているだろう!」ガッ

両津「な、なんのことでしょう‥?」ハハハ

部長「とぼけたって無駄だ!」
「見ろこのデータを!お前に禁止令を出した日の夜から気の弱そうな青年達が次々と会員になっているんだぞ!」

両津「濡れ衣着せやがってちくしょう!」ガンッ

部長「?!」

両津「私が行かせたという証拠はあるんですか!その青年達がたまたま駅前でビデオ屋を見つけて入った可能性もあるでしょうが!」

部長「そ、それならお前あれから一度もビデオ屋に‥?」

両津「初日は行きましたよ」
「しかし誰かさんの厳重な警戒によって行けなくなったんです!」

「この1ヶ月、大変でしたよ、好きなものを禁止される辛さを思い知りました」

「部長!あなたは盆栽を1ヶ月禁止しろと言われて出来ますか?!」

部長「い、いや‥出来ん!」

両津「でしょう」
「私も最初はかなりイライラしていました」
「しかし、ある日からなんであんなものを見ていたんだろうと思うようになったんです」

部長「?!」

両津「いち警察官としての自覚を持ち、心を入れ替えました!あんなものは時間とお金の無駄!日本の未来を背負う青年達があんなものに夢中になっているなんてなんと嘆かわしい!」ウウウ
「これに気づかせてくれたのも全て部長のお陰です、ありがとうございます」

部長「両津、お前というやつは‥やっとわかってくれたか‥」じぃぃいん

青年「あのぅ‥ビデオのレンタル料金を‥」

両津(ドキッ!)

両津「こっ!こら!派出所に来るな!」

部長「君達ビデオってなんだ?」

青年「この人に頼まれて代わりにレンタルしていたんです、それも1週間ごとに10本以上!そして先週のレンタル料金をまだ貰っていなくて‥」

両津「さ、さぁて!僕用事を思い出しちゃったなぁ!」


部長「こら!逃げるな!やはりお前は身代わりを使ってレンタルしていたじゃないか!!」ドカッボカッ

両津「ご、誤解ですよ部長!私が青年達に頼んでいたのは罪と罰です!!」

部長「0.1秒で見破れるウソをつくんじゃない!」
「こんな真面目な青年達をお前の世界に連れていきやがって!この悪魔め!!」ボカッボカッ

両津「いたた!部長!暴力はいけませんよ、話し合いましょう!ねっ?」

麗子「さっきまであんなに熱く語っていたのに!」
中川「先輩は人を騙すためなら何でも言うからな‥」

-深夜、警察寮-

両津「くそ~部長め」
「可愛い部下をポカポカひっぱたきやがって、わしゃ木魚か!」
「ただで済むと思うなよ‥」


-後日、駅-

部長「ふう‥慣れてきたといっても最果てからの通勤は大変だな」

女子高生A「ねぇ‥あの人じゃない‥?」ヒソヒソ
女子高生B 「絶対そうよ!何かされる前に逃げましょ!」
タタタター

部長「ん?」
「今わしを見て逃げていったような‥」

鉄道警察「あいつだ!捕まえろ!」

部長「な、なんだ?!」

ガシっ

鉄道警察「おとなしくしろ、この痴漢男め!」

部長「ちょっ!ちょっと待て!なぜわしが痴漢なんだ?!」

鉄道警察「とぼけるな!駅のいたるところにこの顔写真ポスターが貼ってあったんだぞ」バッ

(痴漢、のぞき、盗撮の常習犯!大原大次郎!
この顔にピンと来たら110番!)

部長(がーん!)

部長「こんな細かい芸当ができるのは1人しかいない‥あいつめ‥」わなわな



-派出所-

キッ

部長「両津のバカはどこだ!!どこにいる!!?」

麗子「きゃあ!」

中川「全国おげれつビデオ発掘の旅に出かけました!」

おわり

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