擬宝珠檸檬(17)「またね、勘吉」 (22)

友人A「ふ~今日の授業も終わったね」

友人B「これから遊びにでも行こっか?檸檬ちゃんもどう?」



檸檬(17歳)「あ、ゴメン私今日用事が…」



友人A「え?もしかして男」

檸檬「えっとその…何て言ったらいいのか…」

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友人B「そういえば私この間の日曜檸檬が40過ぎのオジサンと楽しそうに歩いてるの見たけど、まさか…」

檸檬「いやその人親戚だから!ヤバイお付き合いとかじゃないから!」

友人A「そうなんだ、もしかして今日の用事も?」

檸檬「まぁそういう事…また今度遊びに…それともウチの寿司でも…」


友人達「いや。それは流石に悪い」

~校門前~


電極+(21歳)「やぁレモンさん、これからドライブでも…」

檸檬「ゴメン急いでるから!じゃ!」タタタ…

+「」



友人A「あれスーパー電子の若社長じゃない?」

友人B「檸檬凄い人と知り合いなんだね…真っ白になってるけど」

~葛飾署 所長室~

警官「署長、お客様です」


署長「うむ、入れていいぞ」



ガチャ



檸檬「勘吉!」

両津「おお檸檬、やっぱりお前だったか」

檸檬「今日はウチで食事する約束でしょ?」

両津「ああそうだったな、しかし…」

檸檬「?」


両津「もうのじゃとかは言わないんだな」

檸檬「小4の時その喋り方をからかってきた男の子の家に勘吉が殴り込みに行ってからね」

両津「ああ、そんなこともあったな」

檸檬「そういう勘吉も変わったじゃない、署長なんて」

両津「ああ、部長は定年で、中川と麗子は親の事業本格的に継ぐってんで辞めちまった」

両津「本田やボルボも結婚してからなんとなく距離ができちまってな」

檸檬「纏はマリアさんや早矢さんと武者修行の度に出たしね」

両津「ああ、あれには驚いたな」

両津「そんなこんなで知ってる奴がいなくなってから、妙に覇気がでなくなっちまってな」

両津「無茶な金儲けとかも面倒でやらなくなって、真面目に仕事してたら…」


両津「いつの間にか署長になっちまった」

檸檬「私は昔から知ってたよ、勘吉はやればできる人だって」

両津「ハハハ、そうか」

両津「そうなってわしは気付いたんだよ」

両津「わしがバカやってもみんなが止めてくれるから・・・」

両津「わしはバカでいられたのかもしれん」

両津「そんなみんなの事を、わしは好きだったのかもしれんってな」

檸檬「勘吉・・・」


檸檬(私が勘吉に出会ってからよりももっと、勘吉は皆といたんだよね…)

両津「変わったといえば檸檬も変わったよなぁ」

檸檬「そりゃ10年以上経てば変わるって」

両津「もう味覚の方は…」

檸檬「うん、小学校に上がる頃には人並みになっちゃって…」

両津「店の連中驚いてたよなぁ」

檸檬「まぁ代わりに蜜柑の方が開花したからどうにかはやってるけどね」

両津「そうか…」

檸檬「ばぁちゃんが言うには、「檸檬も自由に生きていいようになったんだよ」だってさ」

両津「夏春都・・・あいつも大往生したよ」

檸檬「あ、もうそろそろ仕事終わりでしょ?一緒に…」


ガチャ


寺井「両さ…大変です署長!」

両津「どうした丸・・・寺井」

寺井「銀行で強盗事件が!」

両津「何だと!?すぐ行く!」



タタタ…



檸檬「あ…」


檸檬「これは食事は無理かな…」


檸檬「じゃあまたね、勘吉」

~病院~


檸檬(27歳)「勘吉!」


両津「おう檸檬、どうした?」

檸檬「どうしたじゃないよ!また倒れたんだって!?」

両津「ちょっと立ち眩みしただけじゃねーか、騒ぎやがって…」

檸檬「でも…」

両津「しかしよく見舞いに来てくれるな檸檬、来てくれるのなんてお前くらいだよ」

両津「いや、この間金次郎が来たっけ?良く覚えてねーな…」

檸檬「勘吉・・・」

両津「おいおい、そんな神妙な顔すんなって」

両津「もう部長も親父達も行っちまった、そろそろわしの番ってだけだ」

両津「神様や閻魔様ももうゆるしてくれるだろうよ」

檸檬「そんな…」


両津「それより檸檬、お前いい人は見つかったのか?」

両津「まだ+にアタックされてんのか?あいつも白鳥麗次みたいになってきたな…」

両津「ま、かくいうアイツももう麗子の立派な旦那だけどな」

両津「つーわけで、半端な男だったらわしがしつけてやるから、安心しとけよ」

檸檬「もう…そんな無茶しないでよ」


檸檬「それにあてがなかったか勘吉とでもいいし…」ボソ

両津「え?」


檸檬「何でもない!それより折角だから今日も私と出会うまでの勘吉の話聞かせてよ」

両津「そうだな…きょうはわしが刑事になった時に話を…ゲホゲホッ」


檸檬「勘吉!」

~墓前~

檸檬(3X歳)「ほら、勘吉おじちゃんにごあいさつして」

子供「こんにちは!カンキチおじちゃん!」



檸檬「勘吉・・・この子も最近ヤンチャになってきて…そのうち眉毛繋がってこないかな…なんてね」


檸檬「そっちの様子はどう?また無茶なことしてない、というかしてるよね?勘吉だもん」

子供「おかーさん!おなかすいた!」

檸檬「はいはい、じゃあ行きましょうか」

子供「うん!」



檸檬「・・・・・」












檸檬「またね、勘吉」










幽霊両津「檸檬…わしはなんて幸せなんだ…」ウルウル



??「バカモーン!」



幽霊大原「また勝手にあの世から抜け出しよって!」

幽霊両津「ぶ、部長おおおおおおおおお!!!!!」



~おわり~

これで終わりです

両さんも晩年は穏やかになったりするんだろうか…


檸檬は成長したら纏似になるのかな

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