上条×レッサーSS
投下は週に1、2回
グレムリンはなんやかんやで解決済みの世界です
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レッサー「気になるでしょう? 気になりますよね? というわけで後ろに回ってぜひどうぞ!」
上条「いきなりどうぞじゃねぇよ! お前こんなところで何してんのっ!?」
レッサー「あぁ、別に後ろに回らなくてもいいですよ? 正面からバサっとやってもらっても構いません」
上条「やらないし! それより俺の質問は完全スルーか、こんちくしょう!」
レッサー「スカートをめくらない……?」
レッサー「っ! まさか脱がして確認するというんですかっ!? なんて大胆な……」
上条「どこをどう解釈したらそんな答えが導かれるんだよっ!? っていうかさっきから会話が全く成立してないんですがっ!」
レッサー「そんな細かいことはどうでもいいんです。今大事なのは直パンかスパッツかということでして…」
上条「そげぶ!」チョップ
レッサー「あうっ」ビシッ
レッサー「いきなりチョップを食らわせるなんて酷くないですか……」サスサス
上条「いきなりパンツだかスパッツだかを見せようとするやつよりマシだ」
レッサー「見せようとしたんじゃなくて、見られようとしたんです!」
上条「どっちも一緒だっ、このバカっ!」
上条「つーかお前ほんとに何やってんの?」
レッサー「あなたと現在進行形でお喋りしてます」
上条「そ・う・じゃ・な・く・て! わざわざ学園都市まで何しに来たのかってこと」
レッサー「ああ、そっちですか。えっーとですね………」
レッサー「観光……? 的な」
上条「的なってなんだよ、的なって……」
レッサー「ですから、細かいことは気にしない気にしない」
上条「……はぁ。まあいいや。じゃあ観光楽しんでな」
レッサー「えっ」
上条「えっ?」
レッサー「えぇ~……」
上条「なんだよ……」
レッサー「いやいや、こうして運命的な再会を果たしたというのにアッサリすぎません?」
上条「運命的な再会って……、たまたま会ったと思ったらわけわからん質問をしてきただけだろうが」
レッサー「まさしく運命的じゃないですか。美少女との出会い頭にパンツかスパッツを見るチャンスがあったんですよ?」
上条「そんなチャンスを与えるって運命の神様はいったい何をやってんの? それと自分で美少女とか付けんな」
レッサー「でも私って可愛いですよね?」
上条「まあ可愛いよな」
レッサー「うぇっ!?」
上条「な、なんだよっ、いきなり大声だして……」ドキドキ
レッサー「い、いえっ。唐突だったものですから……///」
上条「??」
レッサー「と、ともかくっ。せっかくなんですからガイドくらいやってくれてもいいじゃないですかぁ」
上条「だってお前といると疲れるし」
レッサー「酷いっ! 私がいつあなたを疲れさせたと言うんですか!」
上条「出会い頭のアレコレですでにクタクタなんですが…」
レッサー「それくらいで疲れてては夜のアレコレで体力持ちませんよ?」
上条「何を言っているのか上条さんにはサッパリですな」
レッサー「ぶぅぅー」
上条「そういう訳で、これ以上の面倒ごとはゴメンなんですよ。じゃ」
レッサー「………あー、ロシアでは大変だったんですけどねー」
上条「」ピクッ
レッサー「言葉がわからないあなたのために通訳係をかってでたり、ロシア正教の魔術師からあなたを守ったり、ベツレヘムの星にだって登ったりしたっていうのに」
上条「………まぁ、確かにあの時は色々助けてもらったけど…」
レッサー「私の『鋼の手袋・レッサースペシャルカスタム』を使い捨てにもしてくれましたよねー?」
上条「あ、あれは捕まってた人たちを助けるためだったし…」
レッサー「それってつまり、あなたがやりたいことをやるために私の持ち物をぶっ壊したってことですよね?」
上条「うっ……」
レッサー「まったくあなたは私のことをどう思っているんですか? てきとうに使える都合のいい人間ですか?」
レッサー「ちなみに女として都合がいいと思われてるなら逆にオッケーです。都合のいい女……勿論卑猥な意味を含んでもらって構いません」
上条「怒ってるのかふざけてるのかどっちだよ」
レッサー「要するに、私もこの街の地理がよくわからなくて困ってるんです。助けてくれますよね?」
上条「っ………」
レッサー「………」ジーッ
上条「……はぁ。仕方ない。観光案内くらいならやってやるよ」
レッサー「いっえーい! さっすがですねっ。例によって例の如く困ってる女には手を差し伸べる。嫌いじゃないですよ、そういうの」
上条「俺が女たらしみたいな言い方はやめてっ」
上条「それより、ほんとにただの観光なのか?」
レッサー「どういう意味です?」
上条「さっき観光の後に、的な…とかつけてたじゃねえか。まさかとは思うけど魔術云々とかイギリス云々とかじゃねえだろうな?」
レッサー「あっはっはー。そ、そんなわけないじゃないですかー」フイッ
上条「目を逸らすな、目を」
レッサー「と、ともかくっ、今は観光です、案内です。よろしく頼みますよ? ガイドさん」
上条「へいへい。それで、レッサーはどっか行きたいとこがあるのか?」
レッサー「まずはホテルですかね。頭にLOVEのつく」
上条「ばいばーい」スタスタ
レッサー「わぁぁぁ! 嘘ですっ、ごめんなさい! 見捨てないでぇぇ!!」
上条「ちょっ! 街中で誤解されるようなセリフを吐くな! ほら周りの人から変な目で見られてる!」
レッサー「お腹の子はどうすればぁぁ!!」
上条「冗談でもやめてっ!」
ヒソヒソ
ナニアレー
シュラバナノー
上条「ち、違いますからねっ!? 誤解ですからっ!」
レッサー「そんなひどいです……、あんなに激しい夜だったっていうのに……」
上条「レッサーぁぁ!?」
レッサー「初めて出会ったあの日……あんなに長いモノが私を貫いて……血だっていっぱい出て、ものすごく痛かったんですよ…?」
上条「それ俺じゃないし! 騎士派のやつだろ!?」
レッサー「私はあんなにもあなたに尽くしたっていうのに…」グスッ
上条「誤解されるからマジでやめてって…「ジャッジメントですの!」
上条「!?」
黒子「いったい何の騒ぎですの……って類人猿?」
上条「し、白井……」
レッサー「誰です?」
黒子「ジャッジメントですの。なにやら近くで騒ぎが起きていると思って来てみれば……また貴方でしたのね」ハァ
上条「俺がいつも騒ぎを起こしてるみたいな言い方しないでくれます?」
黒子「ともかく、原因はなんですの? 男女のもつれか何かですか?」
上条「ちが…「この人が私を捨てようとするんです!」
上条「レッサーぁぁぁ!!」
黒子「最低ですわね」
上条「違うよっ? 違うからねっ?」
レッサー「お腹の子も認知してくれないって…」グスッ
上条「認知も何も、んなもんいねえだろうが!」
黒子「そういうことなら、いくら極悪非道な類人猿とはいえ男としてキチンと責任はとるべきだと思いませんの?」
上条「そりゃ、そういうことしてたら責任はとるよっ? キチンととらせて頂きますとも!」
上条「でもそんなことしてないもん! あとさりげなく罵倒しないでっ!」グスッ
黒子「わ、わかりましたから泣かないで下さいまし」
レッサー「いやぁ、私も悪ふざけが過ぎましたね。すみません」
上条「もうこの辺歩けないじゃん…」
レッサー「でもあれですか。そういうことしたらキチンと責任とってくれるんですか。これはいいこと聞きましたねぇ」ジュルリ
上条「何考えてるのか知らないけど、お前ほんとに反省してる?」
レッサー「してます、しまくりですよー」
上条「はぁ……」
黒子「解決したのなら構いませんが、あまり街中や公共の場で騒がないようにお願いしますの」
レッサー「わっかりましたー」
黒子「ところで類人猿さん?」
上条「上条です」
黒子「上条類人猿さん」
上条「名前じゃないからっ! 上条当麻ですからっ!」
黒子「上条・ルイジンエン・当麻さん」
上条「ミドルネームでもないっ!」
黒子「失礼ですがこちらの女性は? 外国の方のようですが……」
上条「結局ちゃんと呼ばないのかよ…」
レッサー「自己紹介が遅れましたね。どうも、上条レッサーです」ペコリ
上条「人の苗字を勝手に名乗るな」
黒子「わたくしは白井黒子と申します」ペコリ
上条「白井もサラッと流すなっ」
レッサー「白井…黒子…。白黒ですか。なんかパンダとかオセロとか連想しますね」
黒子「よく言われますの。特に気にしませんが」
上条「パンダねぇ……。レッサーと白井、二人合わせて…」
レッサー「………」
黒子「………」
上条「………ゴメン。やっぱなんでもない。だからその蔑むような見下すような視線はやめて下さい。お願いします」
レッサー「蔑む? 見下す? いったい何のことですか?」ニコニコ
黒子「その通りですわ。ですから早く続きをお話になってくださいまし」ニコニコ
上条「頼むからこれ以上上条さんの心を抉らないで!」
黒子「まあ別にいいですわ。それよりもレッサーさんはこの街の方なのでしょうか?」
上条「いや? レッサーはイギリスから来たんだけど…」
黒子「イギリスですの? それは留学か何かで?」
レッサー「まぁ、そんなとこですね」
上条「あれ? さっきは観光って……」
レッサー「あ、あぁ…えっと…それはですね…」アセアセ
黒子「レッサーさん?」
レッサー「か、観光と留学の両方ですよっ。両方」
上条「なんか様子が変だけど…」
レッサー「き、気の所為じゃないですか?」
黒子「ご本人がそうおっしゃるのなら…」
レッサー「そ、それより今はガイドをお願いしますよっ、ねっ?」グイッ
上条「あ、あぁっ…」
黒子「あらあら、腕を組んで随分と仲が良さそうですわね」
レッサー「あ。やっぱりカップルに見えちゃいます?」
上条「カップルとまでは言ってないだろ」
黒子「お似合いですわよ。おほほほ」
上条「お似合いって……」
黒子(本当に恋仲なのかは知りませんが、少なくともこの類人猿に恋人らしき人物がいるということがお姉様に伝わればショックを受けること間違いなし)
黒子(そして傷心の身であるお姉様をわたくしの優し~く、深~い愛で包んで差し上げれば…)
黒子(そこに残るのはわたくしとお姉様のイチャラブハッピーエンド!)
黒子「ぐふっ、ぐふふふふ」ジュルリ
上条「し、白井さーん?」
黒子「おっと、失礼。それで上条夫妻はこれからどちらへ?」
上条「上条さんはお嫁さんをいただいた記憶はございませんことよ?」
レッサー「どちらかといえば婿養子のほうがしっくりきますね」
黒子「確かに。奥様の尻に敷かれる姿が容易に想像できますの」
上条「俺ってそんなに甲斐性なしに見えんの?」
レッサー「それで、観光の件ですがとりあえずダーリンにてきとうな所を案内してもらおうかと」
上条「ダーリン言うな」
黒子「ホテルなら第三学区の個室サロンがオススメですの。安さを求めるなら他の学区のホテルもありますが」
上条「どうしていきなりホテルの話なの?」
レッサー「それは頭にアレがつくホテルでしょうか?」
黒子「そこはご自分でお確かめくださいな」
レッサー「ふふふふ」
黒子「ほほほほ」
上条「やべぇ、変態チックな子しかいねぇ……。てか白井ってそんなキャラだっけ?」
黒子「いつどこでお姉様と一線を越えてもいいように全学区のホテル、個室サロンは完璧に網羅してますの」フンス
上条「無駄にすげぇ。というか風紀委員がそんなんでいいのかよ…」
レッサー「私もイギリスのホテルは全部把握してます! すごいでしょう」ドヤァ
上条「張り合おうとするな。すごいけども」
レッサー「まぁ頭にアレがつくホテルのみですが」
上条「だと思ったよ」
黒子「冗談はさておき」
上条「どこからどこまで冗談だったのか……。怖いから聞かないけど」
黒子「いくら貴方が節操なしのお猿さんとはいえ、あまり淫猥な行いはよろしくありませんわよ?」
上条「淫猥なのはどっちだよ!」
黒子「以前人気の無い地下街でシスターさんに押し倒されていたのはどちら様でしたっけ?」
上条「あれは転んだだけで…」
黒子「まだ日も高かったというのに。随分とお盛んだったではありませんか」
上条「だから違うってのっ」
レッサー「やーい淫獣ー」
上条「帰るわ」
レッサー「ごめんなさいぃぃぃ!」
黒子「それで、話を戻しますが今からの観光はあまりオススメしませんの」
上条「あー。それもそうだな」
レッサー「? なんでですか?」
上条「完全下校時刻」
黒子「平たく言えば学生がお家に帰る時間ですの」
レッサー「うわっ、そんなのがあるんですか。学園都市めんどくさっ」
上条「まぁ、人口の八割が学生だからな。そのへんのルールが結構厳しいのはしょうがないんだよ」
レッサー「それじゃあ夜遊びとか出来ないじゃないですかー」
黒子「やろうと思えばできますが……、その代わり全ての交通手段は停止。加えて街を徘徊するアンチスキルにスキルアウトとエンカウントの繰り返しになりますわよ」
レッサー「この街独自の警察と不良集団でしたっけ? それくらいから逃げるのはわけないですが交通手段が無いのはめんどうですね……」
上条「ま。そういう訳で今日は諦めろ、レッサー」
レッサー「うぅ…、仕方がありませんね」
黒子「わたくしもそろそろ寮の門限がありますのでこれで失礼いたします」
上条「おう。気をつけて帰れよー」
レッサー「さよならー」
黒子「お二人もこれ以上騒ぎを起こしたりせずに。それでは」ヒュン
レッサー「!?」
上条「やっぱいいなぁ、テレポートって」
レッサー「テレポート……あぁ、超能力ですか」
上条「俺もテレポートが使えれば、特売に遅刻するなんてこと起きないのに」
レッサー「みみっちい考え方ですね」
上条「特売をなめるなよ。ちょっと出遅れただけであっという間に商品が無くなるんだからな」
レッサー「それならそもそも遅刻しなければいいだけの話では?」
上条「……まぁ、そう言われるとそうなんだけどさ」
上条「そんなことよりレッサー。完全下校時刻まで、まだ少しだけ時間あるし今のうちに案内しようか?」
レッサー「どこをです?」
上条「ホテルとか」
レッサー「頭にLOVEのつく」
上条「つきません」
レッサー「チッ」
上条「舌打ちすんな」
レッサー「てへっ☆」ペロッ
上条「………」ビシッ
レッサー「無言チョップはやめてくださいっ!」
レッサー「それよりホテルの件ですが一応当てがあるのでそこに行くことにします」
上条「当て?」
レッサー「はい。当てです」
上条「………」
レッサー「………」
レッサー「あの…」
上条「お断りします!」
レッサー「まだ『あの…』しか言ってません!」
上条「どうせあれだろ! 『当てというのはあなたのお宅なんです! という訳でよろしく☆』とか言い出す気だろっ!」
レッサー「わかってますねぇ。という訳でよろしく☆」
上条「よろしくじゃねぇ! っていうか断ってんじゃん!」
レッサー「私は一度や二度の拒絶で諦めるような女ではありません!」
上条「そういう心持ちは素晴らしいけどっ! 今回ばかりは俺の為に諦めて!」
レッサー「むしろあなたが、私が諦めるのを諦めてくださいっ!」
レッサー「だいたい何が嫌なんですかっ! 美少女と同じ部屋で過ごせるなんて贅沢極まりないですよっ?」
上条「あなた前にうちに(勝手に)泊まった時に風呂場の壁ぶち破ったよね!? そういうことがあったから嫌がってんの!」
レッサー「じゃあ今回は絶対にやりません! これならオッケーですよね?」
上条「うっ……。い、いや、ほらインデックスもいるし…」
レッサー「残念でした。彼女がグレムリン騒動の事後処理に協力して、数日間イギリスに帰っているのは知ってますぅ」
上条「くそっ!」
レッサー「お願いしますぅ。家事なり奉仕なりしますからぁ。勿論奉仕とはアレですよ?」
上条「そういうこと言い出すから嫌なんだよ!」
レッサー「せっかくこの広い街で、たまたま会えたんですからぁ。泊めてくださいよぉ」
上条「たまたまって、どうせ最初からこれ狙ってたんじゃねえのかよ」
レッサー「あー、それは違います。初めはカプセルホテルか漫画喫茶あたりで寝泊まりしようと思ってたんですよ」
上条「じゃあそうすればいいじゃん」
レッサー「財布落としました」
上条「oh……」
レッサー「ですからお願いしますよぉ」ウルウル
上条「うぐっ……」
上条(確かに……ここまで困った状態のレッサーを放置するのは可哀想…だよな)
レッサー「………」ウワメヅカイ
上条(でもなぁ………あっ!)
上条(小萌先生に事情を話して預かってもらえば…)
上条「レッサー、いい考えがある」
レッサー「お断りします!」
上条「早い! さっきの仕返しかっ!」
レッサー「どうせ、『知り合いに頼れる人がいるからそこで預かってもらう』とかでしょう?」
上条「そうだけど…。それの何が嫌なんだよ」
レッサー「私ってとんでもない人見知りなんですよ」
上条「嘘つけ!」
レッサー「いやいやほんとなんですよ。初対面の人とは緊張して一言も喋れないんです」
上条「さっき白井と随分意気投合してたのはどこのどちら様でしたっけぇ!?」
レッサー「……ここまで言ってもダメなんですか」
上条「ダメです」
レッサー「……はぁ、なら仕方ありません……か」
上条(諦めた…のか?)
レッサー「こうなったら路上でダンボールを寝具に生活するしかないですね」
上条「はっ?」
レッサー「多少の寒さは我慢しますか。先ほど言ってたスキルアウトとやらに襲われる危険もありますが……なんとかなるでしょう」
上条「お、おい……」
レッサー「いや、むしろスキルアウトとやらに媚びへつらいますかね。お尻ふってニャンニャン言えば寝床くらい提供してくれるでしょうし」
レッサー「その分私の操を捧げることになるかもしれませが…」
レッサー「あ~ぁ………」ショボン
上条「うぐぐ……」
上条「はぁ…、 わかったっ、わかりましたよ! 泊めてあげますよっ!」
レッサー「やっほぅ! 流石です! この太っ腹ぁ!」
上条「その代わり!」
レッサー「?」
上条「約束があります!」
レッサー「わかりました! あなたにナニをされても、しかるべきところへ報告など絶対にしません!」
上条「違ぁう! 約束ってのは、そういう変な言動をしないこと!」
レッサー「えぇー…」
上条「約束が守れなければ……」
レッサー「守れなければ?」
上条「………アンチスキルに引き渡す。公然猥褻罪で」
レッサー「わたくしレッサー、約束守ります!」
上条「よろしい。じゃ、暗くなる前に帰りますか」
レッサー「はーい!」
上条(はぁ……不幸だ…)
レッサー(これでこの人の家に潜り込むのは成功。あとは私の『せくしぃ』な色気で丸め込めば……)
レッサー「くっくっく…」
上条(こいつ絶対約束守る気ないな…)
ーーー上条宅ーーー
レッサー「おっ邪魔しまーす!」
上条「はいはいどうぞー……ってコタツに入る前に手を洗いなさい!」
レッサー「いちいち細かいですねぇ」
上条「とか言いつつキチンとするんだな」
上条「じゃあ俺は晩飯の支度でもするかな」
レッサー「あ。手伝いましょうか?」
上条「マジで? それは助かる」
レッサー「寝床を提供してもらうんですからこれくらいはしないと」
上条「おぉ……初めてレッサーがマトモに見えた…」
レッサー「前々から思ってましたけど、私に対するあなたの評価ってとんでもなく低いですよね」
上条「でも今のでちょっと上がったかもな。それじゃあこのエプロン使ってくれ」
レッサー「こ、これは裸エプロンのフラグ!?」
上条「上げたと思ったらすぐさま下げに来やがったよこの子! やっぱ、さっきの約束守る気なかったな!」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
上条「……そういやレッサーさ」
レッサー「なんですー?」
上条「お前、荷物とか何もないみたいだけど、どっかに置いてんのか?」
レッサー「ああ、忘れてました。多分届いていたと思うんですけどね…」
上条「届く?」
ピンポーン
上条「こんな時間に誰だ?」
上条「はいはーい」
ガチャ
土御門「やっほー、カミやん」
上条「土御門? どうした?」
土御門「さっきカミやん宛ての荷物が届いてたぜい。留守だったから代わりに受け取っておいたぜよ」
上条「荷物?」
土御門「ほいこれ」
上条「サンキュー……って旅行カバン?」
土御門「第二十三学区からだにゃー」
上条「なんでこんなもんが…」
レッサー「あ。届いてましたか」
上条「お前のか?」
レッサー「はい。こっちに来てからここ宛てに送っておいたんですよ。荷物持って歩き回るのは苦ですから」
上条「ふーん………あれ? なんで俺の部屋宛てに送ったんだ? カプセルホテルとかに泊まる予定だったって……」
レッサー「…………」フイッ
上条「………お前、最初からここに泊まる気だったな」
レッサー「さ、さあーてご飯の支度を続けないとー…」スタスタ
上条「待てコラ!」
土御門「カミやん」グイッ
上条「っと、なんだよ土御門」
土御門「今の女は…」
上条「レッサーだよ。イギリスの『新たなる光』の」
土御門「『新たなる光』って言えば、英国第二王女の私兵みたいな奴らか。その構成員の一人がなんでカミやんの部屋に?」
上条「本人は観光だって言い張ってるけど……若干怪しいんだよな。なんか企んでそうで」
土御門「……そうか」
上条「なんか問題でもあるのか?」
土御門「………グレムリン騒動が終わってから、連合勢力は良好な関係を続けている」
上条「みんな仲良しってのはいいことじゃん。それがなんかあるのか?」
土御門「そいつはあくまで表向きの話だ」
土御門「裏じゃ戦利品の奪い合いにドサクサ紛れの火事場泥棒みたいなことしてる奴らもいる」
土御門「あとは厄介な敵組織を潰そうとしている連中とかな」
上条「! それって……」
土御門「『新たなる光』の……レッサーだったか? そいつが狙われて逃げてきたのかはわからんが、第二王女の後ろ盾が無い以上100%安全というわけじゃないんだろう」
上条「………」
土御門「カミやん。匿うのは勝手だが、それなりのリスクを伴うかもしれんぞ」
上条「……つまりどっかの馬鹿がレッサーを狙ってここまで襲いに来るかもしれない……と」
土御門「可能性はゼロじゃない」
上条「……土御門。頼みがある」
土御門「…………はぁ。どうせ言っても無駄なんだろうにゃー」
上条「お前は黙っててくれるだけでいい」
土御門「はいはい。カミやんの頼みなら仕方ないぜよ」
上条「悪いな」
土御門「別にいいぜい。カミやんには色々借りもあるし、巻き込みまくって迷惑もかけてるからにゃー」
上条「土御門……」
土御門「さて。じゃ、オレはこれで」
上条「おう」
土御門「今から舞夏の愛情たっぷりの手料理を食べなきゃいけないんだにゃー」
上条「はいはい。じゃあな、シスコン軍曹」
土御門「おーう」
ガチャ
上条「あいつ迷惑かけてるって自覚あったのか…」
レッサー「随分と話し込んでましたね」
上条「ちょっと盛り上がっちまってな」
レッサー「ふーん、そうですか」
レッサー「あっ。もうすぐできるんで食器をお願いします」
上条「あいよー」
レッサー「ふんふふんふふん~♪」
上条「………」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
レッサー「さあ、さあっ! 召し上がってください!」
上条「おぉ! なにこれ、すげぇ本格的じゃん!」
レッサー「イギリスの家庭料理の基本。シェーズパイとフィッシュアンドチップスです!」
上条「てっきりオムライスとかチャーハンにイギリスの国旗立てて、イギリス料理でーす、とかいう展開だと思ったけど」
レッサー「はっはっはっ! 私ってやればできる子なんですよ? 見直したでしょう!」
上条「見直した見直した」
レッサー「惚れ直したでしょう!」
上条「それはない」
レッサー「うがぁー!」
上条(………にしてもレッサーのやつ。多分色々大変だったのに無理して元気に振舞って……、ほんとにいい子だったのか)
上条(南の島に行くなんて言ってたけど俺のとこに来たってのは俺のことを頼ってくれてるってことか?)
上条(いや……俺なら巻き込んでもいいや…って考えてんのかも…)
上条(どっちにしろ心細かっただろうな。仕方ない、しばらく住むとこくらい提供してやるか)
レッサー「? なんですか、私の顔ジッと見つめたりして。惚れました?」
上条「惚れてないから安心しろ。さていただきますか」
レッサー「どうぞー」
レッサー「………」
レッサー(さて。この人のことですからきっと『レッサーも大変だったんだろうから優しくしてやろう』とか考えてたんでしょうね)
レッサー(こ れ は 好 都 合 !)
レッサー(さっきの金髪。必要悪の教会の人間みたいですが、的外れな推論立ててくれてグッジョブですよ)
レッサー(別に私は誰かに狙われてませんし、キャーリサ様も療養中ですがその権力は揺らいでいない。つまり私らの後ろ盾は今も健在)
レッサー(まぁ確かに? 首を突っ込みすぎてベイロープにちょっと……いやカナリお叱りを受けてしまいましたが…)
レッサー(ともかく! この人が私に対して多少優しい気持ちでいるのは事実! そこに漬け込み、甘えまくってイギリスの為の尖兵に作り変えてやりますよ!)
レッサー「にしし……」
上条「レッサー? どうかしたか?」
レッサー「いえっ、なんでもありません」
レッサー「それよりお味の方はどうですか?」
上条「メチャクチャ美味いよ」ニコッ
レッサー「それは良かったです」ニコニコ
レッサー(普段ならここで『イギリスの為に働いてくれるなら毎日食べ放題ですよー』…なんて言うところですが)
レッサー(ここは変化球で勝負します!)
レッサー「私をお嫁さんにしてくれれば毎日食べ放題ですよ」ニコッ
上条「こんな美味い料理が毎日食べられるなら是非とも嫁に来て欲しいな」ニコッ
レッサー「ふぇっ!?」
上条「レッサー?」
レッサー「ななな、なんでもないですっ!///」
レッサー(打ち返された! しかも私にダイレクトで向かってきましたし!)
レッサー(さ、流石は幻想殺し…ですがまだまだ諦めたりしませんよ!)
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
上条「……ごちそうさん」
レッサー「ふぅ……」
レッサー(さっきはうまくいきませんでしたが次こそはっ!)
レッサー(と言ってもどうしますかねぇ)
レッサー(とりあえずストレートに攻めますか。今の彼ならよっぽど変なことを言わない限り、大抵のことは怒ったりしなさそうですし)
レッサー(いきすぎず、なおかつ誘惑する言葉を慎重に選んで……)
上条「そうだレッサー。風呂なんだけどさ」
レッサー「一緒に入りますか!」
上条「」ヒキッ
レッサー(はい、ミスった)
レッサー「というのは冗談でぇ……」
上条「だ、だよなぁ…。流石にレッサーもそんなこと言わないよなあ」
レッサー「当然じゃないですかー。それで、お風呂がどうかしました?」
上条「いや、先入るならどうぞー…って。こっちの片付けは俺がやっとくから」
レッサー「いいんですか?」
上条「おう。ゆっくり温まってくれ」
レッサー「ではお言葉に甘えて……」
ーーーーーーーーー
カポーン
レッサー「あぁ~、あったまりますねぇ~」チャプ
レッサー「にしてもどうしましょうか…」
レッサー「勘違いされてるおかげで多少のワガママ、甘えは許されるでしょうが、逆にいきすぎた言動は追われてる人間がするには違和感がありますし…」
レッサー「うーむ…」
レッサー「………」チャプ
レッサー「あったかぁい…」
レッサー「足伸ばして入れるお風呂っていいですねぇ…」
レッサー「どうせならSENTOってのにも入ってみたいですが…」チャプ
レッサー「それにしてもねむい。ねむねむです」
レッサー「あー、今日はもういいや。また明日考えますかね」ジャバッ
レッサー「とりあえず今は上がって……あ。そうだ、ハニートラップでも仕掛けて出ましょうか。下着でも置くとかして」ガチャ
レッサー「うっかり忘れたフリすれば怒られないでしょうし。それであの人が興奮してオオカミさんにでもなってくれれば…」
上条「レッサーぁ、バスタオル渡すの忘れて…」ヒョコ
レッサー「………っ!!?」
上条「………っ! ご、ゴメン」ダッ
レッサー「………み、見られた……?///」
上条「やばいものを見てしまった…」
上条「今のはレッサーの罠とかじゃなくて完全に俺の不手際だよな…」
上条「どうしよう……」
上条「きゃーえっちぃ! ガブッ! なんてことにはならなかったけど…。後が怖いな…」
上条(それにしてもレッサーって案外胸あるんだな……。身長はインデックスと同じくらいなのに…。多分御坂や白井よりもあるよな)
上条(サイズだけなら他にもデカイやつはいっぱいいるけど、あのギャップがあるやつはあんまりいない…」
レッサー「あの……」
上条「っ! れ、レッサー…」
レッサー「とりあえず上がったのでどうぞ…」
上条「お、おう…」イソイソ
レッサー「……やってしまった」
レッサー「くそうっ! メチャクチャチャンスだったのにぃ!!」
レッサー「裸を見られた責任を取ってもらうとか言えば! 言えばよかったのに! 私のばかぁ!」
レッサー「っていうか、私アドリブに弱すぎです!」
レッサー「これはなんとかしないと……」
レッサー「よし! もうすぐ就寝ですからここで勝負を仕掛けましょう!」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
上条「えっとさ、布団なんだけど…」
レッサー「あー、あなたがベッドを使ってください。私はほら、お風呂で寝ますから」
上条「はっ? それはダメだ。女の子を風呂場で寝かせられるわけないだろ」
レッサー「でも……」
上条「上条さんが風呂場で寝ます」
レッサー「家主をそんなとこで寝かせられませんよ!」
上条「でもなぁ……」
レッサー(悩んでます悩んでます。先に選択肢を抑えた甲斐がありました)
レッサー(私が先に遠慮すれば人がいいあなたは絶対に私を優遇しようとしますからね)
レッサー(これぞ、押して駄目なら引いてみろ!)
レッサー(後はうまいこと言いくるめて同じ部屋で寝れるように持って行けば……)
レッサー「ではこういうのはどうですか? 私がこのコタツで寝ますからあなたはベッドを使ってください」
上条「えっ……いや、でもなぁ。男と女が同じ部屋で寝るってのはちょっと…」
レッサー「あなたなことを信じてますから。あなたなら私のことを襲ったりしないでしょう?」
上条「しないよ。ってか俺が襲われそうで怖いんだけど」
レッサー「そんなことしませんってー」
上条「んー……じゃあ」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
レッサー「ほんとに私がベッドでいいんですか?」
上条「こっちは床に毛布と枕を敷いただけだからな。女の子をそんなとこに寝かせらんないよ」
レッサー「気を使ってもらって悪いですね」
上条「気にすんなって。じゃあ電気消すぞー」
レッサー「はぁーい」
パチッ
上条「じゃあおやすみ、レッサー」
レッサー「おやすみなさぁい」
レッサー(……とか言いつつ寝ないんですけど)
レッサー(それよりも、これで同じ部屋で寝れることになりました。ってことは後はやりたい放題!)
レッサー(この人が寝静まったら寝相が悪いふりして潜りこんでやります! そして朝になったら同じ布団で抱き合う二人の図が完成…)
レッサー(そうやって着々と好感度上げて攻略していきますかね)ククク
レッサー(それじゃあまずはこの人が寝るまで頑張って起きてますか!)フンッ
ーーー5分後ーーー
レッサー「」スゥ
上条(寝るの早いな。まあ疲れてただろうし仕方ないか)
上条(ここにいる間くらいはゆっくり休んでくれよ)
レッサー「にへへぇ……正解はぁ…両方履いてませぇん……ムニャムニャ…」
上条「………聞かなかったことにしよう」
今日はここまでです。
のんびりやっていくので応援よろしくお願いします
乙。
乙でございますよー!
>>1殿の過去作はシャットアウラのSSだけですか?
途中のトリミス?や1のみ表記は何かあったん?
>>45~>>57
レスありがとうございます。
>>56
アンジェレネ「とらんぷしましょうよ」 ルチア「はっ?」
アニェーゼ「弟子魔女ってあたしらとキャラかぶってません?」
神裂「彼にふさわしい女性になりたいのです」
【安価】上条「やべぇ…ロリに目覚めた」
【安価】上条「やっぱりロリは最高でした」
【安価】上条「なんかもうロリさえいればいいかもしれない」
シャットアウラ「朝起きたら姿が鳴護アリサになっていたんだが…」
アリサ「奇蹟と秩序と不老不死」
となっております
>>57文字化けと今までの名残りによるミスです
次回は土日辺りの更新を予定してます。
チュンチュン
上条「おはようレッサー。………どうした?」
レッサー「………自分のしでかしたミスを後悔しているところです……」
レッサー「どうして……どうして彼より早く寝て、遅く起きてしまったんですか……」ブツブツ
上条「よくわかんねえけど……。とりあえず四つん這いになって尻をこっちに向けるのはやめなさい」
レッサー「………」フリフリ
上条「尻尾を振るな、尻尾を。見えちゃうぞ」
レッサー「見ても怒りませんからどうぞめくってくださいな」フリフリ
上条「馬鹿なこと言ってんじゃないっての。ほら朝ご飯だぞー」
レッサー「うぁーい」イソイソ
レッサー「ほうほう。パンにソーセージにサラダですか」
上条「はいミルク。それからパンになんか塗るか?」
レッサー「なにがあります?」
上条「バターとイチゴジャムとブルーベリージャム」
レッサー「ふぅむ……、じゃあ今日は赤の日なんでイチゴジャムをお願いします」
上条「はいよ。……ってか赤の日ってなんなの? ラッキーカラー?」
レッサー「今履いてるパンツの色です」
上条「ぶふぉっ!?」
レッサー「見ます?」
上条「見ません!」
レッサー「このヘタレめ」
上条「ヘタレで結構」
上条(それよりちゃんと履いてるのか……、よかった)
上条(にしても赤って……派手過ぎる気が……。いったいどんなの履いてんだよ)
レッサー「あ。今なにかやらしいこと考えたでしょう」
上条「か、考えてません!」
レッサー「ふ~ん。ほ~ん」
上条「な、なんだよ、その顔は…」
レッサー「いいぇ、別にぃ」ニヤニヤ
上条「ふん………」
レッサー「………」ヌリヌリ
上条「………」モシャモシャ
レッサー「スケスケかヒラヒラか」
上条「んぐっ!?」
レッサー「ふふん」ニヤニヤ
上条「ごほっ……ごほっ」
レッサー「おやおやどうしましたぁ?」ニヤニヤ
上条「な、なんでもねぇよ…」
レッサー「へー。ちなみに、スケスケとヒラヒラならどっちが好みですか?」
上条「上条さんはどうでもいいです」シレッ
レッサー「紐もありますよ?」
上条「ひっ!?」
レッサー「新鮮な反応をどうも」ニヤニヤ
上条「くっそ……」
レッサー「それにしても、草食系かなんだか知りませんが男ならガツガツするべきですよ」
レッサー「目の前にエサがぶら下がってて、それに噛みつかないなんて信じられません」
上条「そのエサに罠が仕掛けられてるとわかってるのに噛みつく奴のほうが信じられねえよ」
レッサー「ひょんなほほいっへ、ほんほほはふぁまんひへるはけのくふぇに」
上条「パン咥えながら喋らないの。何言ってるのか全然わかんねえよ」
レッサー「んぐ」ゴクリ
レッサー「そんなこと言って、ほんとは我慢してるだけのくせに」
レッサー「男なら本能に忠実になったらいいじゃないですか。スカートめくって興奮して、そのまま押し倒…むぐっ!?」
上条「やっぱり咥えてろ」グイィッ
レッサー「もがもが…」
レッサー「んっ…んぐ」ゴクッ
レッサー「いきなり『俺のソーセージをくわえてろ』だなんて……///」
上条「んなこと言ってないよね? なんでそこまで自分勝手な解釈ができんの?」
レッサー「お望みとあらば残りのソーセージも艶めかしーく食べてあげますよ? ほら、ほうやっ……ふぇ!?」ズビシッ
上条「食べ物で遊ばないの」
レッサー「い、痛いです……。なんだか回数を重ねる度にチョップのキレが増してるような……」ジンジン
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
レッサー「ごちそうさまでした」
上条「お粗末さんっと」
上条「それで、これからどうすんの?」
レッサー「どうする、とは?」
上条「えっと……ほら、観光…とか」
レッサー「あぁ。それなら行きたいところがあるんですが、いいですか?」
上条「いいぞ。どこだ?」
レッサー「『布面積50%減』」
上条「却下」
レッサー「ではせくしぃ、なランジェリーショップ」
上条「却下!」
レッサー「痴女変態御用達激エロファッションショップ!」
上条「却下ぁぁぁ!!」
レッサー「なんでですか!? きわどい水着に、エロエロな下着! 思春期の男なら大好物でしょうが!」
上条「そりゃあ好きか嫌いで言えば好きですよ!? 俺だって健全な男子高校生ですもん!」
上条「でもそういうとこ行くのはダメなんだよ! 周囲の人の目とか色々あって!」
レッサー「男なら度胸です! そんな周りの目とか気にせずいきましょうよ! 死ぬわけじゃないんですから!」
上条「無理だよ! どうせ不幸な上条さんはそこで知り合いとかに会って社会的に死んじゃうんだから!」
上条「そうでなくてもお前とそんなとこに行くと変なことになりかねないっての!」
レッサー「へ、変なこと!? あなたはエロエロなお店に行って私にナニをする気ですか!?」
上条「ほらっ! 行く前からコレだもん! 行ったら今度は水着かどうか疑わしいレベルの布切れ見せられて究極の選択を迫られるんだろ!?」
レッサー「全裸よりはマシでしょう!」
上条「その考えからしてすでにおかしい!」
上条「観光ってその土地の名物とか独自の慣習とかを見て回るもんじゃねぇのっ!?」
レッサー「この街の名物ってブッとんだ科学兵器に超能力開発でしょうっ? そんなもの見て回ったって面白くありませんよ!」
上条「だからって目的がエロ水着エロ下着になるのはおかしい! なんかもっと興味をひくもんがあっただろ!?」
レッサー「はっはー! 今の私には学園都市製の水着下着以外にひかれるものはありません! 進んだ科学技術による斬新すぎるブツに興味津々なんです!」
上条「最新鋭の科学技術をなんだと思ってるの!? エロ水着エロ下着開発の為にあるわけじゃないんだよ!?」
レッサー「はぁはぁ……」
上条「ぜぃぜぃ……」
レッサー「くそぅ……ここまで言っても考えを変えないんですか…」
上条「変えません」
レッサー「……なら仕方ありません。私のほうが諦めてあげますよ」
上条「? やけにアッサリ下がるな……」
レッサー「その代わり!」
上条「……その代わり?」
レッサー「普通のショッピングなら付きあってくれますか?」
上条「……まぁ、普通のなら…」
レッサー「よし! じゃあ早速支度して行きましょう!」
上条「なんか裏がありそうな……」
レッサー「そんなことありませんよぉ~」
上条「それよりレッサー。お金は?」
レッサー「結構持ってきましたから大丈夫です!」
上条「……いや。お前財布落として宿代すら無いって言ってなかったか?」
レッサー「………やべ」
上条「やっぱりあれも嘘だったのかよ!」
レッサー「てへっ☆」
上条「人の親切心に漬け込みやがって!」
レッサー「ま、まぁ、今更気にしたってしょうがないじゃないですかっ。つべこべ言わずに出かけましょう!」
ーーーーーーーーー
上条「おぉ…結構寒いな…」
レッサー「もう冬ですからねぇ。風も結構吹いてますし」
上条「……レッサーのそれ、暖かそうだな」
レッサー「マフラーですか? あったかいですよー。モフモフしてますし」
上条「触っていいか?」
レッサー「いいですけど、噛みますよ?」
上条「マジでっ!? それ生きてんのっ?」
レッサー「嘘です。100%作り物です」
上条「なんだそれっ」
レッサー「ふふふっ。ちょっとしたジョークですよ。使ってみますか?」スッ
上条「いいのか?」
レッサー「ええ」
上条「じゃあ代わりに俺のマフラー使えよ」スッ
レッサー「おぉ、ぬくぬくですねぇ」マキマキ
上条「こっちもすげぇぬくぬくだな。若干首がくすぐったいけど」
レッサー「すぐ慣れますよ」
レッサー(それにしても…)
レッサー「………」クンクン
レッサー(他人の匂い……というかこの人の匂いがいっぱいしますね)クンクン
レッサー(特別いい匂いってわけじゃありませんが、なんというか癖になるというか、いつまでも嗅いでいたいような……)ポーッ
レッサー「………」クンクン
上条「レッサー?」
レッサー「はいっ!?」
上条「もしかして、なんか臭うか?」
レッサー「い、いえっ、そんなことはっ。……ただ、あなたの匂いがするなぁー…と思いまして」
上条「俺の匂い?」
レッサー「はい。ほら」
上条「どれ」クンクン
レッサー「するでしょう?」
上条「うーん。自分の匂いはわかんねぇな」
レッサー「こんなに香ってくるんですけどねぇ」クンクン
上条「でもこっちのマフラーにもレッサーの匂いがするな」
レッサー「うそっ」
上条「ほんとほんと」クンクン
レッサー「ちょ、ちょっとっ。あんまり嗅がないでくださいよ。恥ずかしいですっ」
上条「えっ。レッサーって羞恥心とかあったのか?」
レッサー「あるに決まってますよ!」
レッサー(昨夜だってお風呂であんなに恥ずかしがりましたし)
上条「普段の言動からは考えられないな」クンクン
レッサー「ですから嗅がないでくださいって!」
上条「なんか他人の匂いって新鮮で嗅いでいたくなるんだよ。それとこの際だからレッサーに人並みの羞恥心を植え付けようと思って」クンクン
レッサー「だから人並みの羞恥心くらい持ってますよ!」
上条「ほんとだ。顔真っ赤になってる」ニヤニヤ
レッサー「くっ……///」
レッサー「こ、このニオイフェチめっ!」
上条「だ、誰がニオイフェチだ! そもそも先に匂いを嗅ぎ出したのはお前だろうが!」
レッサー「女が男のマフラーの匂いを嗅ぐのと男が女のマフラーの匂いを嗅ぐの。どっちが絵面的にマズイかわかってますか?」
上条「な、なに……?」
レッサー「どう考えても後者の方がマズイんですよ?」ニヤニヤ
上条「だ、男女差別反対!」
レッサー「そんなもの知りませーん。やーいニオイフェチのへんたーい」
上条「レッサーに変態呼ばわりされるとか屈辱過ぎる!」
レッサー「屈辱ってなんですか! 屈辱って!」
レッサー「ともかく、私のマフラー返してくださいっ」
上条「はいはい」スッ
レッサー「ふんっ」マキマキ
レッサー(私としたことが、主導権を握れず振り回されるなんて……)
レッサー(……ん?)クンクン
レッサー(少しですがこの人の匂いが付いてる……?)クンクン
レッサー(ってことはあっちのマフラーにも私の匂いが!?)バッ
上条「なんか騒いだら暑くなってきたなぁ。マフラーもういいや」
レッサー「………」
上条「……どうした?」
レッサー「……いえ。フラグを立てては叩き折るとはこういうことなのかと思いまして……」
上条「?」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
ーーーセブンスミストーーー
上条「………レッサーさん? あなた確か普通のショッピングって言いませんでしたっけ?」
レッサー「ええ、言いましたよ。それがなにか?」
上条「それならなんでイキナリ下着売り場直行なんですかねぇ!?」
レッサー「人間なら普通下着くらい買うでしょうし着るでしょう? それともあなたは私に下着を着るなと言うんですか、そうなんですか」
上条「んなこと言ってねぇ! なんで男の俺が居るのにまずは下着なのかと聞いてるんですよ! 気まずくってしょうがねえよ! 周りの人の目とかが!」
レッサー「うーん。やっぱり一般の店だとこの程度ですか。今一つインパクトが足りないような……」
上条「無視か!」
レッサー「もう。そんなに嫌なら離れてても構いませんよ? でもブラの試着する度に、上半身ブラのみの姿であなたのところまで感想を聞きにきますが」
上条「やっぱり羞恥心なんて一欠片も持ってねえだろ、お前!」
レッサー「予定では15着は試すつもりです!」
上条「俺のほうが恥ずかしくなってくるわ!」
上条「頼むよ。頼むから勘弁してくれ」
レッサー「はぁ。わかりました。ここは一人で見てますからあなたはこの店の前のベンチで休んでいてください」
上条「ほっ…」
レッサー「それではまた後で」
上条「おぉ……」
レッサー「~~♪」
上条「………店について五分でクタクタだ」ドカッ
上条「はぁ~」
「ったく、あのクソガキ、一人で先に行きやがってよォ」ドカッ
上条「ん?」
一方通行「あァ?」
ーーーーーーーーー
レッサー「まったくあの人はヘタレというかなんというか」
レッサー「せっかく『彼好みの下着を着て見せてムラムラ籠絡してやるぜ』作戦が…」
レッサー「はぁ……。それはそうとここの下着は微妙なのが多い気がしますね……」
レッサー「この店で飛び抜けてるってやつもイマイチですし……」
「わぁー、すごいヒラヒラってミサカはミサカは派手な下着を見ながら一人で驚いてみたり」
レッサー「?」
打ち止め「こういうのを履けばあの人もミサカの魅力でイチコロなのかなって、ミサカはミサカは真剣に考えてみる」
レッサー(んー? この子、どこかで……?)
レッサー(それに『ミサカ』ってあの人の知り合いの電撃使いと同じ名前…)
打ち止め「わぁお。そっちのあなたが持ってるやつもなかなかのエロエロだぜ」
レッサー「おや、この程度の下着でエロエロとはあまり人生経験が多くは無さそうですね」ニヤッ
打ち止め「下着の評価だけでミサカの製造されてからの期間をザックリ当てられたっ!? ってミサカはミサカは驚愕してみる!」
打ち止め「それよりこのヒラヒラはそんなにエロエロじゃないのかぁ…」
レッサー「本当のエロ下着とはこういうのを言うんですよ!」ピラッ
打ち止め「おぉー! 真っ赤でヒラヒラ!」
レッサー「ふふん」
打ち止め「うーん。でもミサカが前に会った女の人はもっと寒そうでスケスケなエロエロ下着だったかも、ってミサカはミサカは思い出しなが目の前のと比べてみる」
レッサー「な……に…?」
打ち止め「その人曰く、セクシー系担当は苦労するらしい、ってミサカはミサカはその人のセリフを思い出してみる」
レッサー「つ、つまり私のコレではせくしぃ系には及ばないと……?」
打ち止め「ミサカにはよくわかんない、ってミサカはミサカは首を捻ってみる」
レッサー「ま、まぁ今履いてるのは本気ではありませんし? 私の本気はもっと紐でスケスケでエロエロですから!」
打ち止め「こういうのを言い訳がましいって言うのかな、ってミサカはミサカは一人呟いてみる」
レッサー「こうなったら新しいエロ下着を手に入れて私こそが真のせくしぃ系担当だと知らしめてやります!」
レッサー「そしてあの人を私の魅力でコロッと落としてみせますよ!」
打ち止め「おぉー! なんだかよく分からないけどすごいやる気、ってミサカはミサカはあなたの熱意に気圧されてみたり」
レッサー「しかしここの下着だと若干物足りないんですよねぇ…」
打ち止め「ミサカはこれで十分だと思うけど、ってミサカはミサカはスケスケパンツを手にとって呟いてみる」
レッサー「エロ下着初心者にはこれくらいで丁度いいですよ」
打ち止め「なるほどー、ってミサカはミサカは新たな道を踏み出すことに感動を覚えてみる」
打ち止め「あっ! せっかくだからあなたに下着選びを手伝って欲しいな、ってミサカはミサカはお願いしてみる」
レッサー「私にですか?」
打ち止め「さっき魅力で誰かを落とすって言ってたからミサカにもそのやり方を教えて欲しいかなーって」
レッサー「つまりあなたも誰か狙っている人がいると…」
打ち止め「うん! ってミサカはミサカは元気よく答えてみる」
レッサー「なるほど……、いいでしょう。私がエロ下着道についてレクチャーしてあげますよ」
打ち止め「やっほーい! これでミサカもあのお子様や末の妹に負けないアイデンティティを手にできるぜ! ってミサカはミサカはガッツポーズをとってみる」グッ
レッサー「ではまず、紐下着の有用性から……」
打ち止め「ほうほう……」
今日はここまでです。
おやすみなさい
一方「三下か」
上条「よう一方通行。なにやってんだ? こんなところで」
一方「下着屋来て下着買う以外になンかあンのか」
上条「えっ……、ここ女物の店だけど……お前まさか……」
一方「クソガキの付き添いに決まってンだろォが。つまンねェこと考えてンじゃねェよ」
上条「だよなぁ」
一方「そォいうオマエこそなにやってンだ?」
上条「俺も付き添い。今は休憩中っていうか買い物待ち」
一方「どォでもいィ」
上条「聞いてきたのお前のくせに……」
上条「それより今『付き添い』って言ってたけど打ち止めの服ってお前が買ってたのか?」
一方「ちげェよ。普段は黄泉川が買ってンだが、今日はショッピングに行きてェとかぬかしやがってよォ」
一方「誰もいねェから仕方なくついて来てやったらこのザマだ。めンどくせェことこのうえねェよ…」ハァ
上条「ふーん」
上条(なんだかんだ言いつつ付き合ってやってんだなぁ)ニヤニヤ
一方「ンだよ。そのムカつく面は。ニヤニヤニヤニヤしやがってよォ」
上条「失礼な。上条さんは生まれつきこの顔ですっ」
上条(覚えてないけど多分)
一方「そォかい。ならオマエと会ったのが最近でほンとよかったわ」
上条「?」
一方「長年顔合わせ続けるなンてことになってたらイライラしすぎでポックリ逝っちまってたかもなぁ」
上条「俺も幼少期にお前と出会ってたら一生もののトラウマつくってたかも」
一方「どォいう意味だごらァ!」
上条「それはそうと、お前打ち止め一人に買わせてんの?」
一方「なンか問題あンのか?」
上条「いや別に……」
上条(ばったりレッサーと会って変なこと教えられたり…なんてことはないだろうな…)
一方「オマエこそ今度はどこの女引っ掛けたンだよ」
上条「引っ掛けたってなに? なんでどいつもこいつも俺のことを女ったらしみたいな風に言うの?」
一方「ちげェのか?」
上条「ちげぇよっ」
一方(自覚ねェとか……)
上条「だいたい上条さんのどこをどうみたら女ったらしに見えるんですかねぇ?」
上条「俺の周りにいる女の子ってどこかしらぶっ飛んでるやつばっかなんだぞ」
一方「ほォーン」
上条「プロのフードファイターもビックリの大食いシスターに、雷様も尻尾巻いて逃げ出す電撃姫」
一方「へェ」
上条「更にドS系の魔術結社ボスに、変態チックな少女…etc」
一方「ふあァァ…」
上条「そんな変なやつらばっかなのに女たらし扱いされるなんて……」ウゥ
一方「話終わったかァ?」
上条「聞いてねえのかよ」
一方「なげェンだよ。途中で飽きるわ」
上条「長くねえよ。つーか最初のほうから聞いてなかったろ。後半欠伸してたし」
一方「ンなことねェよ。しっかり相槌も打ってただろォが」
上条「どこがしっかり打ってたんだよ。ほォーンなんて相槌のどこが」
一方「いちいちうるせェなァ」
上条「まあともかく、上条さんは女の子に恵まれてないんです」
一方「そォですかァ」
上条「もっとマトモな子と出会いたい……。管理人風なお姉さんとか純真無垢な女の子とか…」
一方「打ち止めに手ェ出したらどォなるかわかってンだろォなァ?」
上条「ロリコンでもお前でもないんだから出すわけねえだろ」
一方「ちょっと待て。なンでオレとソレを同列にしやがった」
上条「え? だってお前ロリコ…」
カチッ
上条「謝るからここで能力使おうとしないでくださいっ」
一方「次はねェぞ」
上条「すんませんしたぁ」
一方「にしても遅ェなァ…」
上条「心配なら見に行けばいいじゃん」
一方「言われてンだよ。買ったモンは後の楽しみにしてやるから絶対見ンな、ってよ」
上条「へえ…」
上条(後の楽しみって……今買ってのって下着じゃ……)
一方「まァどォでもいいけどよォ」
上条「さいですか」
上条(とか言いつつ心配はしてんだな。店の出入り口ガン見してんじゃねえか)
一方「やっぱ見に行くか」スクッ
上条「どうでもいいんじゃなかったのかよ」
一方「打ち止めが変な野郎に絡まれてたらどォすンだ」
上条「女性用の下着売り場だぞ? 変なやつとかいないって」
一方「そォかァ……?」
上条「そうだって………ほら! 出てきたぞ」
一方「!」
打ち止め「あなたぁー! ってミサカはミサカは元気よく手を振ってみる!」フリフリ
レッサー「ヘイっ、あなたぁー! って私はお尻を振ってみます!」フリフリ
一方「誰だアレ?」
上条「ゴメン。変なやつ…っていうか変態がいたわ……」
一方「?」
打ち止め「こんにちはヒーローさん! ってミサカはミサカは元気よく挨拶してみる」
上条「よっす打ち止め」
レッサー「おや、お知り合いでしたか?」
上条「まあな」
レッサー「こちらの白い方は?」
打ち止め「一方通行って言って学園都市第一位だよ、ってミサカはミサカは自己紹介をしないであろうこの人の代わりに紹介してみる」
レッサー「第一位? それはこの街で一番強いということですか?」
打ち止め「いいところに気がつくな師匠、ってミサカはミサカは不敵な笑みを浮かべてみる」ニヤッ
打ち止め「一方通行は学園都市最強なのだ! ってミサカはミサカは大きな声で自慢してみたり!」
レッサー「学園都市…最強……」
一方「Level5のランク付けは強さじゃねェよ。…まあ他のLevel5どもよりは強ェが」
レッサー「なるほど……。私、イギリスの『新たなる光』というサークルに所属しているレッサーと申します」
一方「イギリスだァ?」
レッサー「はい。あなた、イギリスに興味ありません?」
一方「興味ねェよ」
レッサー「そう言わずに」
上条「こらっ。超能力者をそっち側に引き込むな」ビシッ
レッサー「あぅっ」
一方「なンなンだこの女は」
上条「俺の連れ。ちょっと変わってるけど…」
一方「『そっち側』っつーのは…」
上条「お前が考えてる通りだよ」
レッサー「おや? 学園都市の人間なのに知ってるんですか?」
一方「多少はなァ」
打ち止め「なんの話? ってミサカはミサカは首を傾げて尋ねてみる」
一方「オマエには関係ねェ」
打ち止め「むうぅぅ、ってミサカはミサカは冷たいあなたの態度にホッペを膨らまして怒りをあらわにしてみる」プクゥ
一方「なら、その風船みてェな頬を潰せば怒りも一緒に萎むンですかァ」ムギュッ
打ち止め「ぷぎゃっ! 離ひてぇー、ってミヒャカはミヒャカはホッペを掴まれながら暴れへみる!」ジタバタ
一方「おォー、おォー、おもしれェ面しやがってよォ」グニグニ
打ち止め「みにゃー!」
上条(さっきまで心配しまくりだったくせに…)
上条「その辺でやめとけよ、親御さん」
一方「誰が親御だ、誰が」パッ
打ち止め「うぅ……、ミサカの頬っぺた大丈夫? ってミサカはミサカは涙目で心配してみる」
一方「問題ねェだろ」
打ち止め「こっち見て言ってよ! ってミサカはミサカは明後日の方向を向いてるあなたに文句を言ってみる」
一方「あァ……腹減ったなァ…」
打ち止め「完全無視なんだぜ! ってミサカはミサカは食欲>ミサカの構図にショックを受けてみたり!」
一方「なンか食いてェ……。どっか行くか」
上条「なんていうか…お前ってほんと自由だな」
ーーーファミレスーーー
打ち止め「ミサカはお子様ランチ!」
レッサー「私は極太ソーセージグリルにでもしますかね」
上条「じゃあ俺は…」
一方「ちょっとまて。なンでオマエらも当たり前のよォにいるンですかァ?」
上条「俺らも腹減ったし、ちょっと早いけど昼にしようと思ってさ」
一方「だからってなンで同じ店の同じ席についてンですかねェ?」
レッサー「せっかくですし一緒に食べよう、ってこの子が」
打ち止め「ミサカの発案だぜ! ってミサカはミサカはピースしながら威張ってみたり!」
一方「オマエか」
打ち止め「ダメだった? ってミサカはミサカは瞳をウルウルさせながら上目遣いで聞いてみる」
一方「………どォでもいい」
打ち止め「ってことは一緒に食べてもいいんだね、ってミサカはミサカ素直にいいよって言えないあなたの気持ちを汲み取ってみる」
一方「妙なこと言ってンじゃねェよ」
レッサー「この第一位さんとやらはツンデレなんですか?」
上条「ツンデレかな」
打ち止め「ツンデレだよ、ってミサカはミサカは断言してみる」
一方「誰がツンデレだァ!」
打ち止め「じゃあミサカがボタン押していい? ってミサカはミサカは指を伸ばしつつ聞いてみる」
上条「ちょい待ち、俺がまだ決まってない」
レッサー「このとろろハンバーグとか山芋ドリアとかがオススメです」
上条「なにそのネバネバ押し。あとお前オススメって言ってるけど食ったことあんの?」
レッサー「ないですよ? でもオススメです」
上条「なにその自信。どこからくるんだよ」
レッサー「自信といいますか………ねぇ?」
上条「とりあえず値段が手頃なやつにしよう……、えっーと…」
一方「めンどくせェ。金はオレが出すからさっさと決めろ」
上条「まじで!?」
一方「こっちは腹減ってンだよ。いつまでも待たせンな」
上条「一方通行ってば太っ腹!」
レッサー「あなたとは大違いですね!」
上条「うるさいっ」
打ち止め「もう押してもいい? ってミサカはミサカは欲望を抑えきれないかもって」
ピンポーン
一方「抑えきれてねェな」
打ち止め「押しちゃった、ってミサカはミサカは事後報告をしてみたり」
レッサー「………あなたも抑えきれなくなったら是非どうぞ」
上条「お前こそ発言を抑えなさい」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
店員「それではごゆっくりどうぞー」
上条「おおぉぉ……こんな大きなお肉初めてですよ…」
打ち止め「見て見てー! カナミンストラップ! ってミサカはミサカはおまけのおもちゃを自慢してみる!」
レッサー「ほぉ……極太ソーセージ(意味深)……なかなかですね」
一方「(意味深)ってなンだ」ヒョイヒョイ
レッサー「気になります?」
一方「気にならねェ」ヒョイヒョイ
打ち止め「あー! あなたってば人参除けてる! いけないんだー、ってミサカはミサカは指摘してみる!」ヒョイヒョイ
一方「そォいうオマエこそピーマン取り除いてンじゃねェ」
打ち止め「だ、だって苦くて美味しくないんだもん、ってミサカはミサカは言い訳してみたり……」
上条「あんまり好き嫌いばっかりすると大きくなれないぞ、二人とも」モグモグ
一方「なンでオレもなンだよ」
上条「だってヒョロヒョロじゃん、お前」
一方「そォいう体質なンだからしょォがねェだろ」
レッサー「そんなにガッツリしたお肉食べても太らないんですか」アムアム
一方「まァな」
打ち止め「この人ってば食べたり寝たりの繰り返しなのに全然太らないの。羨ましいよね、ってミサカはミサカは師匠に同意を求めてみる」
レッサー「この世の女性全てを敵にまわしかねませんね」
一方「敵にまわしたところでだな」
上条「そういえばさ。さっきも思ったけどその『師匠』ってなんなんだ?」
打ち止め「えっとね。ミサカが買い物してる時に色々アドバイスくれてMNWには無い知識も教えてくれたから師匠って呼んでるの、ってミサカはミサカはザックリと説明してみる」
上条「アドバイスって……お前」
レッサー「別に変なことは教えていませんよ? 主に下着選びのコツとかブラを着ける時の注意点とかを教えただけです」
上条「ほんとだろうな」
レッサー「疑り深いですね」
上条「だってなぁ……」
レッサー「私だってこんな小さな子に変なこと教えたりしません」
上条「それは安心した。けどお前、自分のしてることが変なことだって自覚あったんだな」
レッサー「っ……! 謀りましたね!」
上条「謀ってないから。自爆だから」
一方「……つゥかよォ、オマエ。その背中だか正面だかわかンねェ身体にブラなンてモンがいンのかよ」
打ち止め「なっ! し、失礼な! ちゃんとあるしこれから大きくもなるもん! ってミサカはミサカは成長途中の胸を張って宣言してみる!」
一方「張るほどねェだろ」
打ち止め「ちょ、ちょっとはあるってば! よく見てよ! ってミサカはミサカはバンザイをして胸の存在をアピールしてみる!」
一方「胸だったのか。てっきり肩甲骨だと思ったわ」
打ち止め「背中じゃないし!! ってミサカはミサカはあなたに訴えてみる!」ポカポカ
一方「殴るなうっとォしィ……」
レッサー「……微笑ましいですね」
上条「だな」
レッサー「あなたもこういうのがお望みで?」
上条「うーん、まぁそうかもな」
レッサー「こういうプレイが好み、と…」メモメモ
上条「そういう意味じゃない」
レッサー「では、そろそろ話を戻しますか」
上条「話?」
一方「なンのことだ?」
レッサー「あなた方がイギリスの為に……」
上条「断る」
一方「知るか」
レッサー「まだ言い終わってません!」
一方「話ってそれかよ……。戻しすぎだろォが」
上条「っていうか本気だっのか」
レッサー「強くて貴重な人材が欲しいんですよぉ……」
レッサー「幻想殺しに学園都市最強の超能力者……人材としては完璧じゃないですか!」
打ち止め「そ、それはダメっ! ってミサカはミサカは口を出してみる!」
レッサー「はい?」
打ち止め「この人はミサカのなんだから! 誰にも渡さないんだから、ってミサカはミサカは敵意をあらわにしてみる!」
一方「オマエのでもねェよ」
レッサー「ほほぅ、そういう関係だったんですか。ロリコンなんですか」
一方「なに勘違いしてンだコラ。愉快なオブジェにすンぞ」
レッサー「是非ともイギリスに来てくださいよっ」
打ち止め「だからダメぇ! ってミサカはミサカは絶対に渡さないアピールをしてみる!」ギュッ
一方「ウゼェ…。くっつくな」
打ち止め「それにこの人はいうほど強くないもん! ってミサカはミサカはこの人の評価を下げてみる!」
一方「ハァ? なに言ってンだオマエ」
打ち止め「だってあなたってヒーローさんに何度も負けたって聞いたよ? ってミサカはミサカはMNWの情報と照らし合わせてみたり」
一方「……二回しか負けてねェよ」
レッサー「そうなんですか?」
上条「二回目は別に負かしたわけじゃないけど……。お前も居ただろ?」
レッサー「………あっ! ロシアで黒い翼を出して、この人にボコられてた!」
一方「………」
レッサー「どこかで見たなー、と思ってたら……、こっちの子もあの時見かけたんでした。そうでしたそうでした」
レッサー「やっとモヤモヤが解消されました」
レッサー「あれ? ということは……」
レッサー(『幻想殺し>学園都市最強の超能力者』ということに……)
レッサー「………」
上条「レッサー?」
レッサー「私はあなた一筋です!」ギュッ
上条「なに急に!?」
レッサー「やっぱり超能力者よりも幻想殺しですよねー!」
一方「コイツ……、オレが三下に負けたって聞いた途端手のひら返しやがったな」
レッサー「そんなことありませんよ? 優先順位が決まっただけです」フフン
上条「なんていうか……調子いいよな、ほんと」
レッサー「人間賢く生きませんとね~♪」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
打ち止め「ごちそうさまー、ってミサカはミサカはお腹が苦しくてもう食べられない……」ゲプッ
一方「調子のってパフェなンか頼むからだ。しかも食い切れてねェし」
レッサー「まあいいじゃないですか、残った分は私が食べたんですから」
上条「口の周りを不自然にクリームまみれにしながらな」
打ち止め「ありがとー師匠、ってミサカはミサカは机に突っ伏しながらお礼をいってみる」
レッサー「いいですよー。第一位さんに貸し一つ付けときますんで」
一方「だったらこっちはオマエと三下の飯代付けとくからな。三下に」
上条「俺かよ!?」
一方「オマエの連れなンだからあたりめェだろォが」
レッサー「どんまい」ポンッ
上条「お前のせいでこうなったんですけど!?」
レッサー「じゃあ私の分の借りは私があなたに返します。もちろん身体……でっ!?」ズビシッ
上条「はいはい」
レッサー「うぉぉ……。そ、そんな事務的にチョップを……」
一方「アホなのか、コイツは?」
上条「アホの子だな」
レッサー「アホじゃないです!」
prrrrr!
上条「悪い俺のだ。はい」ピッ
『上条ちゃーん。こんにちはなのですよー』
上条「小萌先生? こんにちはー」
『こんにちはー、じゃないのですよー!』
上条「いや、先に言ったの先生じゃないですか……」
『そうですけど、そんなこと言ってる場合じゃないのですー!』
『上条ちゃんっ。今日が何の日か忘れたのですか!?』
上条「? 先生の誕生日ですか? いったいおいくつに…」
『違うのです! そしてさりげなく先生の歳を探らないでください!』
上条「ばれたか」
『あぁもうっ! 忘れたのなら教えてあげます! 今日は上条ちゃんの補習授業の日なのですっ!』
上条「へ? それって来週じゃ……」
『上条ちゃんの出席日数が大ピンチだから一週間早めて開始するって、先生言いましたよね!?』
上条「……………あ!」
『やっぱり忘れてたのですか……』
上条「す、すみません! 今すぐ行きます!」
『課題もたーっぷりあるのですから早く来ないと最終下校時刻までに終わりませんよ!?』
上条「マジっすか!?」
『マジマジなのです』
『授業開始時刻をすでに1時間も過ぎているのですよー』
上条「いっ…」
『後20分以内に来ないと課題増量に加えて冬休みはすけすけ見る見るもしてもらうのですよー』
上条「ちょっ! それだけは勘弁してください!」
『コロンブスの卵じゃないだけましなのです。それではよーい……どん! なのですよー』
ブツッ
上条「小萌先生っ!」
ツーツー
上条「…………」
上条「助けっ…」
一方「知るかボケ」
上条「早い! 早すぎる! 早すぎるんですのよ!?」
一方「なンのキャラだよ」
上条「急いで補習に行かないと上条さん、すけすけ見る見るの刑に処せられちゃう!」
レッサー「そんなもの私に頼めば何時でもやってあげますよ?」
上条「すけすけ見る見るはお前の考えてるようなもんじゃないの!」
上条「一回帰ってから着替えて荷物用意して学校向かわないとっ! あぁ! 20分じゃ間に合わねぇ!」
一方「忘れてたオマエが悪い」
レッサー「ですね」
上条「そうこう言ってるうちに後18分しかねえ! 悪いけど俺はここで………」
レッサー「どうしました?」
上条「あっ……、いや、レッサーは大丈夫……か?」
レッサー「貸し一つで許します」
上条「いや、そうじゃなくて……」
レッサー(あぁ、私の身を案じてるんですか。自分が大変だってのに……、甘いというか優しいというか)
レッサー「一人でフラフラしてますよ。なにかありましたらあなたの学校に向かいますし」
上条「! そうか。……お前俺の学校知ってんの?」
レッサー「調査済みです!」
上条「さいですか」
レッサー「それよりほら、後15分しかありませんよ」
上条「うぉ! じゃあ俺はこれで! 一方通行ゴチ! 打ち止めもまたな!」
一方「おォ…」
打ち止め「ばいばーい、ってミサカはミサカは眠い目をこすりながら手を振ってみるぅ…」
上条「うぉぉぉぉぉ!!」ダダダッ
レッサー「足速いですねー」
一方「必死だなァ」
レッサー「間に合うと思います?」
一方「多分……いや。ぜってェ無理だな」
レッサー「私もそう思います」
一方「人助けか交通事故で遅れるだろォな」
レッサー「もしくは両方ですね」
打ち止め「うぅん…」
一方「おィ。寝るンじゃねェぞ」
打ち止め「大丈夫ぅ…、ってミサカはミサカはぁ…」
レッサー「寝る寸前ですよ、これ」
一方「チッ。帰るぞ」
打ち止め「うぅん…。わかったぁ、ってミサカはミサカはあなたの腕につかまってみるぅ…」
一方「クソが」カチッ
レッサー「なんですか? それ」
一方「いろいろあンだよ。ほらつかまれ」カチッ
打ち止め「わぁい、抱っこだぁ…」
一方「オレは先に出てンぞ。金は払っておく」
レッサー「ご馳走さまです。………あ。ちょっとお待ちを」サラサラーッ
一方「あン?」
レッサー「私の連絡先です。イギリスの為に働きたくなったら是非どうぞ」スッ
一方「………」クシャ
レッサー「無言で握り潰さないでくださいよ」
一方「いらねェ」
レッサー「そっちの子が私と話したがったらどうするんですか?」
一方「………チッ」スッ
レッサー「そうやって初めからしまっておけばいいのに」
一方「うっせェ」スタスタ
レッサー「さよならー」
レッサー「ふぅ。私はこれからどうしますかねー」
レッサー「………ん?」
レッサー「あの人は……」
今日はここまでです。
1日遅れました。すみません…
次回はレッサーと変態淑女とパソコン部品ですの
黒子「ではこのまま帰らせていただきます」ピッ
黒子「はぁ……、ようやくひと段落つきましたわ」
黒子「あとは支部の方で固法先輩と初春が報告をしてくださいますし」
黒子「思わぬ暇ができてしまいましたわね。これからなにをしましょうか……」
レッサー「どうもー」ヒョコッ
黒子「! 貴女は確か……レッサーさん?」
レッサー「ええ、こんにちは白黒さん」
黒子「白井黒子ですの。今日はお一人で?」
レッサー「はい。あの人ってば学校の補習とかで先ほど走っていっちゃいましてね」
黒子「はぁ……。あの類人猿はいったい何をやっているんだか……」
レッサー「ですよねー。おかげで、今日この街を色々と案内してもらうつもりだったんですがパーになっちゃいましたよ」
黒子「女性との約束を破るとは…………!」
黒子「でしたらわたくしがご案内いたしましょうか?」
レッサー「! いいんですか?」
黒子「ええ。風紀委員として困っている方を助けるのは当然ですから。……それに時間が余ってわたくしも少しばかり退屈しておりましたの」
レッサー「では頼んでも?」
黒子「この白井黒子にお任せくださいましっ」
黒子「……それで、レッサーさんはどこか行きたいところはありますの?」
レッサー「あー、さっき『セブンスミスト』という店に行ってたんですが、気に入ったものが見つからなくて……」
黒子「では洋服店をご案内いたしましょうか」
レッサー「洋服よりも下着のほうが欲しいんですよ」
黒子「下着ですの? あそこは中々大きい下着売り場があったと思いますが……」
レッサー「私的にはもっとこう、スケスケとかエロエロな感じのがいいんですよね。男を誘惑するような」
黒子「なっ………」
レッサー「……あー、引いちゃいました?」
黒子「………いえ、まさかレッサーさんの趣味がわたくしと似通っているとは思わず……」
レッサー「はっ? 似通って……?」
黒子「男を誘惑……という部分は違いますが……。まあわたくしもそういう下着を着用しておりますの、ほら」ピラッ
レッサー「なっ!? 局部以外がほとんどスケスケのエロ下着!! しかもパープルというエロ色だと!?」
レッサー「Tバックに薄っぺらい布を足して通常のパンツと同じ形を作りあげている……。それを履きこなすとは……あなた、できますね」キラーン
黒子「この下着の良さを一目で見抜くとは……貴女こそできますわね」キラーン
レッサー「…………」
黒子「…………」
ギュッ
レッサー「仲良くしましょう」
黒子「こちらこそよろしくお願いしますの」
黒子「では早速、わたくし行きつけのランジェリーショップへ行きましょうか」
レッサー「よろしくお願いします」
黒子「では手を出してくださいまし」スッ
レッサー「手?」スッ
黒子「行きますわよ」ニギッ
レッサー「行くってどこに……」
ヒュン
ヒュン
レッサー「!?」
黒子「どうですの?」
ヒュン
黒子「これがテレポート」
ヒュン
黒子「ですの!」
ヒュン
レッサー「ちょっ! まっ!」
ヒュン
レッサー「吐く吐く!」
黒子「うぇっ!? ちょっと待ってくださいまし!」
ヒュン
レッサー「いやまずは!」
ヒュン
レッサー「これを!」
ヒュン
レッサー「やめてくださいよぉぉぉぉ!!」
レッサー「きっつぅぅ……吐くかと思った……」
黒子「申し訳ありません……。話の合う方と出会えて、ついテンションが上がってしまい……」ショボン
レッサー「あぁ、大丈夫ですよ……。その気持ち、わからないでもないですから」
レッサー「でもあの高さはマジでやめてください。パラシュートとか無しだとほんとに怖いです」
黒子「お姉様と普段からあの高さを経験しているものでしたから……」
レッサー「あなたのお姉さん何者ですか」
黒子「いえ。血は繋がっておりませんの。『お姉様』というのは、愛と尊敬を込めてわたくしが呼ばせていただいている呼び名ですの」
レッサー「へぇ」
黒子「お姉様は常盤台でエースとして君臨されていて、学年問わずあらゆる生徒から尊敬され……いえ、生徒どころか教師陣からも常盤台の顔として……」
レッサー(あ。これ長いパターンだ)
黒子「派閥を作らず、他者をいたわり、贔屓や差別を行わず……」ペラペラ
レッサー(あ。ささくれできてる)
黒子「非公式ではありますが、過去には学園都市のピンチを幾度となく救ってまいり……」ペラペラ
レッサー(やっぱり冬は『尻尾』を肌に直接巻いていると冷えますね……。私もスパッツとか履きましょうか……)
黒子「学園都市のみならず、『学芸都市』、ロシアの『ショッピングモール』など世界に渡りその存在を……」ペラペラ
レッサー(それだとスカートをめくった時にパンツが見えませんし……)
黒子「さらには、宇宙から射出されたミサイルを撃ち落としたり、『宇宙エレベーター』の崩落を食い止めるのに一役買ったりと、お姉様のご活躍はこの地球という惑星から離れてまで……」ペラペラ
レッサー(パンストならその手のフェチに需要がありますし私も寒さをしのげますか……)
黒子「一人で突っ走るところもありますが……、それはわたくし達を巻き込まない為という優しさと、一人でやりたがる子供のような可愛げだと思えば……」ペラペラ
レッサー(あの人的にはどうなんですかねぇ……、今晩あたり試してみましょうか)
黒子「多少お子様趣味はありますが……」
レッサー(ただパンストだとエロ下着の威力が半減するというデメリットも……)
黒子「聞いております?」
レッサー「ええもちろん。『お姉様』って人は素晴らしい人ですね」
黒子「流石はレッサーさん。見る目がありますの」
レッサー「見てはいませんけどね」
黒子「そうでしたわね。機会があればご紹介させていただきますの」
黒子「学園都市七人のLevel5の第三位。最強の『電撃使い』であるお姉様を」
レッサー「Level5第三位……? 最強の『電撃使い』……?」
レッサー(ということは……、さっきの白い方より劣るが、別の分野ではトップということですか……?)
レッサー「…………」
ガシッ
黒子「!?」
レッサー「ぜっっったいに! 紹介してくださいね!」
黒子「も、もちろんですの」
レッサー(これは攻略対象第三候補ってとこですね♪)
黒子(この必死さ……、まさか黒子は強力なライバルを作り上げてしまったのでは!?)
レッサー「しばらく動いていなかったおかげで気分のほうもだいぶ落ち着いてきました」
黒子「それはよかったですの。ではここからは徒歩でまいりましょうか。ゲートまですぐですので」
レッサー「ゲート? そういえばここってどこなんですか? なんだか柵で囲まれた施設みたいですけど」
黒子「ここは『学舎の園』といって、わたくしの通う常盤台中学を含む五つの女子校で共同運営している地域ですの」
黒子「基本的に学舎の園の外部の人間は入場できませんが、わたくしのご友人として招待すればレッサーさんも中に入ることができますの」
レッサー「私、この街のIDとかありませんけど」
黒子「わたくしがその場で招待状を発行すれば問題ありませんわ」
レッサー「厳重なんだかチョロいんだかわかんない警備なんですね」
黒子「実際、一般の学生の侵入を許したこともありますから、そのあたりは否定できませんの……」
レッサー「ふぅん」
黒子「お喋りしているうちにゲートまで来ましたの」
レッサー「自動改札と数人の女性スタッフですか……。これなら強行突破されてもおかしくないですね」
黒子「無理に入ったとしても後が怖いだけですの」
レッサー「?」
黒子「ではわたくしは手続きをしてまいりますので暫しお待ちを」
レッサー「はぁ」
ーーー学舎の園ーーー
レッサー「ほぉ……中は洋風になってるんですか。そして目当てのブツもここに……」
黒子「ええ。この内部は小さいですが一つの街として機能しておりますから、生活に必要な物は大抵揃っておりますの。わたくしの下着も」
レッサー「なるほどなるほど。それでは早速案内してもらえますか」
黒子「お任せあれ」
ーーーランジェリーショップーーー
レッサー「な、なんですかここは!?」
黒子「ふふふ」
レッサー「さ、流石は学園都市……。まさかこんなものまで……」
黒子「一般人からすると異質とも呼べる代物ばかりですが……、学舎の園内にはこういったものを好むお嬢様も少なくはありませんの」
レッサー「お嬢様ぱないですね」
黒子「ぱないですの」
レッサー「にしてもほんとにこれは……もう……、私ですら躊躇するような物まで……」
レッサー「これなんか下着の役割果たさないだろ! って感じですし……」
黒子「こっちには、こんなもの履くくらいなら何も履かない! と言いたくなるような物も……」
レッサー「そもそも『履く』という表現が適しているんですか、これは……」
黒子「『履く』というよりむしろ『貼る』とか『着ける』とかのほうが適していますわね」
レッサー「iバックの進化形って感じですかね」
黒子「こちらのものは挟むタイプではなく、ヌーブラのように肌に張り付くタイプですの」
黒子「あまりの面積の少なさと密着具合の良さで着けていることを忘れるとか……」
レッサー「こんなの着けていてもいなくても同じですよ」
黒子「そうですわね」
レッサー「あっはっはっ」
黒子「おほほほ」
レッサー「でもなー。あんまり買い込み過ぎるのもちょっと……」
黒子「あって困る物ではないと思いますが?」
レッサー「実は私、今居候中なんですよ」
黒子「そういえば留学中……? いえ、観光中でしたか」
レッサー「どっちでもいいです。まあ、そのためあんまり荷物を増やすと色々困るんですよねぇ」
黒子「それは大変ですのね」
レッサー「ですから買うのは2、3着程度に抑えてようかと思って」
黒子「なるほど……、この中から数着ですか……」
レッサー「こっちも捨てがたいし。あっちも捨てがたい……うーむ。悩みます」
黒子「そういう時は直感で、これだっ! …と思った物を選べばいいんですの」
レッサー「直感……」
レッサー「………」
レッサー「よし! 決めました!」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
レッサー「いやぁ~。いい買い物が出来ましたっ」
黒子「それは良かったですの」
黒子(まさか、あのようなモノを選ぶとは……。意外でしたの)
レッサー(コレさえあれば、あの人を私の魅力で落とすのもわけないですね)クックック
黒子「それでレッサーさん。この後、他に行きたいところなどはございますか?」
レッサー「んー……。特には無いですけど……、しいて言うならもう少しこの中を見てみたいです」
黒子「でしたら近くの喫茶店でお茶でもいかがでしょうか? ケーキの美味しいお店があるんですの」
レッサー「お。いいですね。行きましょうよ」
黒子「それでは、徒歩とテレポート。どちらがお好みで?」
レッサー「徒歩でお願いします!」
レッサー「……それにしても。ここってほんとに女の人しかいないんですね」
黒子「女子校の集まりですし」
レッサー「そうじゃなくて……。店員とかガードマンとか……、受付も女性でしたし」
黒子「まぁ、そういう風にできておりますから」
レッサー「男からしてみれば楽園<ハーレム>ですよね~。あの人がここにくると、三歩歩くたびにフラグ立てそう……」
黒子「そんなことはありませんわよ? 先ほども言いかけましたが殿方が侵入しても地獄を見るハメになりますの」
レッサー「なんでですか?」
黒子「男子禁制だからですの」
レッサー「禁制って……、入ったら捕まるんですか?」
黒子「いえ。お嬢様能力者によるフルボッコですの」
レッサー「えっ」
黒子「基本的にここにいる女性は殿方との交流が皆無ですので、男子禁制の学舎の園で殿方を見つけると恐怖以上に敵意の感情を抱きますの」
レッサー「それでフルボッコですか……」
黒子「先日も、荷物に紛れて殿方が一人侵入したとか」
レッサー「荷物に紛れてって……、随分とトリッキーな人物だったんですね。中国雑技団かなにかですか?」
黒子「一般の学生だったらしいですから驚きですの」
レッサー「なんですかその人。ぱないですね」
黒子「ぱないですの」
ーーー パティスリー ーーー
店員「いらっしゃいませっ」ニコッ
レッサー「へぇ。なかなかオシャレなケーキ屋さんですね」
黒子「こちらは学舎の園の外でも有名になっているところですの」
レッサー「ここで食べることも出来るんですか」
黒子「ええ。日替わりのケーキセットがオススメですの」
レッサー「持ち帰りもできますよね?」
黒子「もちろん」
レッサー「じゃあケーキセットと、お土産になにかてきとうに買って帰りますか」
黒子「ではわたくしもケーキセットを」
レッサー「これはなかなか……」モグモグ
レッサー「濃厚なチーズの香りが口いっぱいに広がって……」モグモグ
レッサー「紅茶もいい茶葉を使ってますね……」ズズッ
レッサー「全体的に最高です!」
黒子「お口にあってなによりですの」
レッサー「お土産に買って帰ったらあの人喜びますかね~」
黒子「あの人とは類人猿……ではなく、上条さんですの?」
レッサー「ええ、そうですよ」
黒子「………レッサーさんは上条さんと恋人……という関係なのでしょうか?」
レッサー「んー……。違いますけど、現在攻略中ってとこですかね」アムアム
黒子「ふむ……」
レッサー「まさかとは思いますけど、あなたもあの人狙ってます?」
黒子「はっ。まさか、んなことあるわけねぇですの」
黒子「むしろ毛嫌いしておりますので」
レッサー「それはよかった。ライバルは少ない方がいいですし」アムアム
黒子「それで、つかぬ事をお伺いしますが、あの方との進展具合はどのような……」
レッサー「全然ダメですね。こっちがいくらアプローチしてもてきとうに流されます」ハァ
黒子「やはりあの方の鈍感っぷりは凄まじいまのですのね……」
黒子(お姉様が類人猿になんらかのアクションを起こす前に、お二人にはくっ付いていただきたいですわね……)
黒子(あのお姉様がご自分からなにかするとは思えませんが)
レッサー「なんか手っ取り早く落とす方法とかないですかね。超能力で催眠状態にするとか」
黒子「催眠って……、物騒な。まぁ、精神操作系の高位能力者ならできなくもないでしょうが……」
レッサー「いや、でもあの人の右手だと効かないかも……」ブツブツ
レッサー「催眠以外だと何かないですかね?」
黒子「正攻法では無理なんですの?」
レッサー「できたらエロ下着買って誘惑なんてしませんよ」
黒子「そ、そうですか…」
レッサー「進んだ科学技術で惚れ薬とか作れたりしてないんですか?」
黒子「ありますわよ」
レッサー「ですよね~。そもそも惚れ薬なんて物こっちの領分………、今なんと?」
黒子「ですから。ありますの、惚れ薬」
レッサー「マジですか!?」ガタッ
黒子「ええ。しかし、惚れ薬といっても、飲んだ直後に見た人を好きになる……という鳥の『刷り込み』のようなものではなく、精力増強剤みたいなものですが」
レッサー「なんだ……」シュン
黒子「ただ…」
レッサー「ただ?」
黒子「ただ……、そこは流石の学園都市。一般的な惚れ薬や媚薬なんかとは比べられない効能を持っています」
レッサー「そ、それはいったい……」
黒子「精力増強ならぬ、性欲増強」
レッサー「詳しく聞かせてもらいましょう」
黒子「一般に、性欲の高まりはホルモンの分泌が影響すると言われております」
黒子「学園都市製の媚薬はホルモンの分泌を促進し、特殊な薬効成分の効能により、たぎるような性欲を生み出させますの」
レッサー「たぎるような……、具体的には?」
黒子「一滴で身体中が熱を帯びて頭がポーッとしてきます」
レッサー「一滴でムラムラするんですか」
黒子「二滴で身体に加わる刺激が全て快感に変わります」
レッサー「SMにピッタリですね」
黒子「三滴でそれはもうすごいことに」
レッサー「すごいこと……」ゴクリ
黒子「多少の個人差はあるらしいですが」
レッサー「それで、その媚薬はどこで手に入ります?」
黒子「こちらに」コトッ
レッサー「なんで持ち歩いてるんですか!?」
黒子「いつでもコレを使えるように、と思いまして」
レッサー「いつでもって……」
黒子「よろしければ分けてさしあげますの」
レッサー「い、いいんですか!?」
黒子「まだまだ沢山ありますので」
黒子「なにせ1ダースほど買ってしまったものですから……」
レッサー「1ダース!? いや、これ三滴あれば十分なんじゃ……」
黒子「色々と沢山使う必要があったんですの」
レッサー「ふぅん。まあともかく、ありがたくいただきます」
レッサー「今夜辺りこいつを使ってあの人の理性をぶち壊してあげましょうかねぇ」ニヤニヤ
黒子「使用上の注意として、五滴以上はお控えになったほうがよろしいかと」
レッサー「あー。大丈夫です。適当に理性を失ったところで気絶させて、『そういうコトをした』という状況を作るだけですから」
黒子「レッサーさん……。貴女なかなかの悪女ですわね」
レッサー「媚薬を常備してる人に言われたくないです」
黒子「っと。そろそろ完全下校時刻になりますわね」
レッサー「もうそんな時間ですか」
黒子「早いとこ帰りませんと」
レッサー「その前にお土産用のケーキを買っていいですか?」
黒子「かまいませんの。わたくしもお土産になにか買って帰りますので」
レッサー「二種類ほどてきとうに……」
黒子「わたくしも……」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
黒子「ではわたくしはここで」
レッサー「わざわざ寮の近くまで送ってもらってすみません」
黒子「いえ、お気になさらず」
黒子「それでは色々と頑張ってくださいまし」
レッサー「頑張って飲ませてみせますっ」グッ
黒子「ご使用はほどほどに。では失礼します」シュン
レッサー「さよなら~」
レッサー「……さて。私もあの人の部屋に帰りますかね~」
ーーー上条宅ーーー
レッサー「ただいま帰りましたよ~」
上条「お、おかえり……」クタッ
レッサー「随分と疲れてますね」
上条「結局補習に遅れてコッテリとしごかれたからな……」
レッサー「途中で人助けでもしてたんですか?」
上条「女の子に絡んでた不良と喧嘩して、信号に引っかかって、倒れてる妊婦さんに救急車が来るまで付き添ってた」
レッサー「私らの予想を上回ることがあったんですね……」
上条「まあそれはいいんだけど」
上条「今日は悪かったなレッサー。あんまり付き合ってやれなくて」
レッサー「大丈夫ですよ。なんやかんやで目的以上のことを果たせましたし」
上条「そうなのか?」
レッサー「はい。あ、そうだこれお土産のケーキです」スッ
上条「おぉ。悪いな」
レッサー「いいえ、お気になさらず。お茶を入れますから食べましょうか」
上条「そうだな。食器の用意をするよ」
レッサー「はいっ」
レッサー(チャーンス!)
ーーー常盤台寮ーーー
黒子「おっねぇさまぁー!」ガバッ
美琴「ちょっ! いきなり抱きつくなっ!」ビリッ
黒子「あふんっ」
美琴「たくっ…」
黒子「まったくお姉様の、い・け・ず☆」
美琴「今度はもっとキツくするわよ」
黒子「ただのスキンシップですのに……」
美琴「スキンシップで身体をまさぐるな!」
黒子「もう……。あっ、そうですわ。わたくし、ケーキを買ってきましたのでよろしければいかがです?」
美琴「あんたダイエット中じゃなかったの?」
黒子「本日はおやすみですの」
美琴「そんなんだから失敗ばっかするのよ……」
黒子「明日からまた頑張りますので大丈夫ですの!」
美琴「はいはい。まあいいわ。せっかくだからいただくわね」
黒子「ではわたくしはお紅茶の用意を……」カチャカチャ
黒子(そしてここで媚薬を……)ポタポタポタ
美琴「あ。そうだ」
美琴「このあいだ、部屋のゴミ箱からこんなものを見つけたんだけど」
黒子「なんですの?」
美琴「『パソコン部品×12』 ……愛と漢方の絶倫媚薬って会社から来てるわね」
黒子「」
美琴「この伝票ってなんなのかしら。あんた宛になってるけど」
黒子「そ、それは……風紀委員のほうで少々……」
美琴「へぇ。風紀委員で、ねぇ」
美琴「ってことはその紅茶には何も入ってないわよね?」
黒子「ととと、当然ですの!」
美琴「じゃあ飲んで」
黒子「えっ」
美琴「なにも入ってないなら飲めるわよね」
黒子「そ、それは……」
美琴「まさか飲んだら前みたいに発情する……、なんてことになるわけないわよね? なにも入ってないんだし」
黒子「っ……」
美琴「飲めないの?」
美琴「なんかネットでちょっと調べたんだけど、数滴で効果を発揮するらしいじゃない。 これ」
黒子「………」
美琴「黒子」ニッコリ
黒子「お姉様……」
黒子「………わかりました。白井黒子、今ここでお姉様の信頼に応えてみせますの!」ゴクゴク
美琴「!」
黒子「ゲフッ」
美琴「ちょ……、平気なの……?」
黒子「当然ですの。なにも入っていないのですから」
美琴(………確かに、顔も赤くないし、生体電気にも目立った異常は無い……)ビリッ
美琴「黒子……」
黒子「ふっ……」
黒子(……くっ。流石に三滴入れたものはキツい……)
黒子(しかし! こういった場合に備えて少しずつ媚薬を飲み続け、身体を慣らしたわたくしにこの程度の我慢ができないはずありませんの!)
黒子(表面上はマトモな体裁を取り繕っ……「ゴメンね、黒子」ダキッ
黒子「!?」
美琴「私ったら疑ってかかっちゃってさ。あんたのこと信じないで」
黒子「あっ、お、おね……お姉さ…」
美琴「一緒にケーキ食べよ?」ギュ
黒子「っ!!」
黒子「………ぐふっ」
美琴「………黒子?」
黒子「ぐふふっ。ぐふふふふ!」
黒子「おね、お姉様の香り! 感触! 温もり! 黒子は黒子は………ふぉぉぉぉぉぉ!!!」
美琴「えっ…」
黒子「我慢なりませんのぉぉぉぉ!!」ガバッ
美琴「ちょ! あんたって奴は……」
美琴「やっぱりかぁぁぁぁ!」ビリビリーッ!
黒子「あぁん! エクスタシィィィィ!!!」ビクンビクン
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
黒子「」ブスブス
美琴「やっぱり薬盛ってたんじゃないの」
美琴「ベッドの下にまだまだ残ってるし」
美琴「これは私が処分しておくか……」
美琴「にしても媚薬って……、しかも女性にしか効かない商品だし」
美琴「えーと……『女性ホルモンに作用して性欲をーーー』別にいいや。興味ないし」
美琴「まったくこの変態は………」ハァ
ーーー上条宅ーーー
レッサー「………」
上条「ご馳走様レッサー。美味かったよ」
レッサー「え、あぁ、はい」
レッサー(………おかしい。おかしすぎます。あんなに媚薬を入れたのに変化がないなんて……)
上条「ふぅ」ゴクゴク
レッサー「おかわりどうぞ」スッ
上条「流石に四杯目は……」
レッサー「どうぞ」ズイッ
上条「あ、ありがとう……」ゴク
レッサー(いくら個人差があるといっても、今度は二十滴近く入れたんですからこれで反応がないと……)ジッ
上条「な、なんだよ……?」
レッサー「あの…、なにか身体に違和感とかありませんか?」
上条「違和感……? あぁ……」
レッサー「なにかあります!?」
上条「その……トイレに行きたくなったかな」
レッサー「なんだ……、そうですか」
上条「ちょっと行ってくる」スクッ
レッサー「はいはいどうぞー」
レッサー(不良品だったんですかね?)
レッサー「………」スンスン
レッサー(嗅いでもわかりませんよね)
レッサー(……一口だけ)
レッサー「………」ゴク
レッサー「…………っ!!?」
レッサー(なっ! 身体が…熱っ……///)
レッサー(頭が…グチャグチャして……///)ハァハァ
レッサー(め、めちゃくちゃ効くじゃないですかぁぁ!!)ハァハァ
レッサー(あぁ……、なんだか、頭が真っ白に……///)
ジャアァー
上条「ふぅ…。スッキリスッキリ」
レッサー「はぁはぁ……///」
上条「レッサー? どうした? なんか息が荒いけど……」
レッサー「ふふっ、ふふふっ///」トロン
上条「ちょ、どうした。お前目がなんか……顔も赤いし……」
レッサー「ふふふふ、へへへっ///」ジュルリ
上条「な、なんだ…?」
レッサー「ふふ、ふふふっ///」ジリ
上条「れ、レッサーさん……?」
レッサー「ふふふ………///」ピタ
上条「………?」
レッサー「!」バッ
上条「なっ!? ちょっ、おまっ……そこは………」
上条「いやぁぁぁぁぁ!!」
今日はここまでです。
次回もレッサーと下着キャラの絡みがメインです
レッサー(………目が覚めると私は毛布とロープでぐるぐる巻きにされていましたとさ…)
レッサー(ご丁寧に口には猿ぐつわまでも)
レッサー(どうやら棺桶のような箱の中に入れられているもよう。蓋もしてあって灯りもない)
レッサー(ぶっちゃけ……)
レッサー(メチャクチャ怖いんですけどぉぉぉぉ!!?)
レッサー(何これ!? 何これ!? いったい全体どういう状況ですか!?)
レッサー(全く身に覚えがないんですが!?)
レッサー(何故か記憶もとんでるしぃ!?)
レッサー(何があったんでしたっけぇ!? 頑張って思い出せ! 私っ)
レッサー(と、とりあえず状況整理をしましょうか)
レッサー(まず、誘拐とかされてない限りここはあの人の部屋のはず)
レッサー(あの部屋の中で人間一人を詰め込める箱といえば……)
レッサー(浴槽、ですね)
レッサー(ってことは、立ち上がれば浴槽用の蓋くらい押し退けられるはず)ゴソゴソ
レッサー(っ! 足までガッチリ縛ってあるんですか……。いったいなにがあってこんな目に……)
ガチャ
レッサー「!」
上条「レッサー、目が覚めたのか……?」
レッサー「んーっ! んーっ!」ドンドン
上条「!」
上条「ちょっと待ってくれ。よっと」
レッサー「んーっ!」ガバッ
上条「……えっと、レッサー。意識はハッキリしてるのか?」
レッサー「んっ!」コクコク
レッサー(こ、この状態をなんとかしてくださいっ!)
上条「まずは口につけてるタオルをとるからな? ………噛み付いたり、……舐めたりするなよ」
レッサー(はっ? 舐め……?)
シュルッ
レッサー「ぷはっ」
上条「っ!」サッ
レッサー「ちょっと、これってどういうことですか!?」
上条「どういうって……。お前昨日のこと覚えてないのか?」
レッサー「昨日……?」
レッサー(昨日って……白黒さんと下着を買いにいった日? ってことは、帰ってから一晩たっているんですか……)
レッサー(でもなにがありましたっけ?)
レッサー(確か………そうです! ケーキを食べて、媚薬を貰って、そいつでこの人を落とそうとして……)
レッサー(いや。でもこの人には何故か効かなくて、私が試しに一口飲んで……飲んで……)
レッサー(そこから記憶がないですね)
レッサー「………私、何やりました?」
上条「ほんとに覚えてないのか……」
レッサー「もしかして今縛られてるのとか、さっき舐めるとか言ってたのも関係あります?」
上条「…………」
レッサー「黙らないでくださいよ」
上条「じゃあサラッと説明するけど……」
レッサー「っと。その前にこれほどいてください。流石に痛いですし、キツいです」
上条「…………ほどいたらまた変なことしない?」オソルオソル
レッサー「昨日の私、マジで何したんですか!?」
上条「じゃあちょっと待っててくれ」スタスタ
上条「ほどく前にこれ渡しておくよ」
レッサー「これって私が昨日着ていた服……。なんで持ってるんですか」
上条「お前が昨日、身体が熱いとか言って脱ぎ出したんだよ」
レッサー「あぁ。この毛布はそのために……。ってことはあなた私の下着姿を見たんですか」
上条「…………これはどうしたらいいのかわなくて」
レッサー「えっ。それって私が昨日付けてたブラ……」
上条「まあ、そうだな」
レッサー「………今私ってパンツ一丁で全身緊縛簀巻き状態なんですね。どんだけアブノーマルなんですか」
上条「どういう経緯でそうなったか聞くと、んなこと言ってる余裕は無くなるぞ」
レッサー「………マジでなにしたんですか。私」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
上条「じゃあそこ座って。あと俺の半径1m以内に入らないでくれ」
レッサー「あなたがそこまでひく程のことしたんですか……」
上条「ざっくり説明するとだな……」
~~説明中~~
「熱いとか言って……」
「服の上から人の乳首とか鎖骨を……」
「力づくで抑えても……」
「縛ろうとすると……お前、声が……///」
~~説明終了~~
上条「……で、上条さんの貞操のために後頭部殴って毛布とロープで縛って隔離させてもらった」
レッサー「……………うわぁ」
上条「いや。自分のしたことに引いてんじゃねえよ」
レッサー「あなたさっきからちょっと言葉キツくありません?」
上条「そりゃこんなもの見つけたからな」スッ
レッサー「っ!? そ、それは……」
上条「お前の服から出て来たぞ。『即効性・性欲増強剤』……要はこれ、媚薬だよな?」
レッサー「えぇと……」
上条「………」
レッサー「……はい」
上条「昨日のお前の様子から考えて、こいつを俺に飲ませようとしたけど失敗して自分で飲んじまった……、ってとこか?」
レッサー「……はい」
上条「それで、何か言うことは?」
レッサー「次はうまくやります」グッ
上条「違うだろっ!」チョップ
レッサー「ひゃんっ」ビクッ
上条「今からガチ説教するからちゃんと聞けよ」
レッサー「わ、わかりましたよぅ………あっ。その前にちょっとおトイレに行かせていただいても?」
上条「いいけど……」
レッサー「すみませんね。どうやらまだ少しクスリが抜けきっていないようで」スタスタ
上条「そうか………って、おい。それどういう意味だ」
レッサー「あなたにチョップされたせいか、こう……ムラッときまして///」
上条「おい……おい!」
レッサー「私、声出しちゃうかもしれないので聞かないでくださいね?」
上条「まてコラ。お前人の部屋のトイレで何する気だ」
レッサー「それでは失礼」ガチャ
上条「ちょっ! おいレッサー!!」
上条「えぇ……」
ーーー15分後ーーー
レッサー「お待たせしました」ツヤツヤ
上条「なんかスッキリした顔で戻って来やがったぁぁ!?」
レッサー「ではまず……。この度はご迷惑をおかけして……」
上条「ちょっと待って、何その態度!? いつものふざけた感じはどこいった!?」
レッサー「ご迷惑をおかけしたんですから謝罪するのは当然でしょう?」
上条「当然だけど! お前が当たり前のことしてるとなんか怖い! 何があってそんな真面目モードになってんの!?」
レッサー「ナニって、そりゃあ……ねぇ?」
上条「ねぇ? じゃ、ねえんだよぉ!」
レッサー「そんなことよりお説教の続きをどうぞ」
上条「んなもんできるかぁぁ!!」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
上条「……疲れた。疲れたよう……」
レッサー「大丈夫ですか?」
上条「大丈夫だからもうちょっと離れて」
レッサー「はいはい」
上条「はぁ……もういいや。とりあえず俺は学校行ってくる」
レッサー「学校ですか。お気をつけて」
上条「お前以上の何に気をつけろと」
レッサー「あなたもいちいち根に持ちますね」
上条「クスリ盛られて貞操奪われそうになれば誰だって根に持つわ」
レッサー「私だってあなたに裸見られたんですから。それでおあいこにしましょうよ」
上条「あれはお前が自分で……」
レッサー「ほらほら、いつまでもグチグチ言ってるとまた遅刻しますよ?」
上条「うぉっ! もうこんな時間かよ!」
上条「行ってくる! 帰ったら説教の続きするからな!」
レッサー「へーい」
上条「やっべえぇぇ!」ダダダ
レッサー「……また遅刻する気がしますね。勘ですが」
レッサー「さてと。それじゃあ私は何をしますかね~」
レッサー「媚薬作戦も結局失敗しちゃいましたし、なにか新しい案を考えないと……」
レッサー「ならまずは、あの人の趣味を把握しないといけませんね」
レッサー「一時期つるぺた好きという疑惑が持ち上がりましたし、それが事実かどうか確認しないと……」ゴソゴソ
レッサー「おっ! あったあったありましたーっと」
レッサー「ベッドの下に本を隠すとか……、こういうことは期待を裏切りませんね」
レッサー「それでは、ご開帳ー………ん?」
レッサー「『メイドモノ』『メイドモノ』『妹モノ』」
レッサー「『妹モノ』『外人巨乳モノ』『妹系メイドモノ』『年上モノ』……」
レッサー「………コスプレと妹が好みなんですかね?」
レッサー「この感じだとつるぺたがいいってわけじゃなさそうですし」
レッサー「ふむ……どうしましょう」
レッサー「どこかでメイド服を手に入れましょうか……」
キュルルルゥゥ~
レッサー「お腹減りました……」
レッサー「よく考えたら昨日のケーキ以降なにも食べてないんですよね……」
レッサー「とりあえず朝食にでもしますか」
ーーーJoseph'sーーー
『ですから、超………』
『南南東から………』
『ヌルい。もっかい行ってこい』
『げぇ! これで三回目……』
レッサー(2日続けて、しかも朝っぱらからファミレスなんてどうかと思いますけど)
レッサー(意外と悪くないもんですね~。朝メニューの値段は手頃ですし。客も数人しかいませんから快適ですし)
レッサー(ただちょっと暖房効かせすぎですかね。暑い……)パタパタ
店員「ご注文はお決まりでしょうかぁ?」
レッサー「あ、はい。ドリンクバーと…」
店員「ドリンクバーがお一つぅ」
レッサー「コンソメスープと…」
店員「コンソメスープがお一つぅ」
レッサー「あと、ジューシーサイコロステーキをお願いします」
店員「ジューシーサイコロステーキが……サイコロステーキ!?」
レッサー「なにか?」
店員「い、いえ失礼いたしましたっ。ではご注文を繰り替えさせていただきます」
レッサー「あ。そういうの大丈夫です」
店員「かしこまりました。ドリンクバーはあちらになっておりますのでご自由にどうぞぉ」
レッサー「どーもー」
店員(朝っぱらからステーキって……。あの女の子、体重とか気にならないの!?)
レッサー「ドリンク、ドリンクっと」ピッ
レッサー「やっぱり学園都市製のドリンクバーも氷と水で薄めてカサ増ししてるんですね」
レッサー「さぁて」クルッ
女性「おっと」
レッサー「っ!?」バチャッ
女性「おや……これは」
レッサー「す、すみません! ぼっーとしてて……」
女性「いや、大丈夫だ。幸い冷たい飲み物だったから火傷などの心配はない」
レッサー「でもスカートがビショビショに……。シミになっちゃうかも……」
女性「今すぐ拭き取れば大したことにはならないだろう」ジジッ
レッサー「私ハンカチ持ってるんでそれで……」
シュルッ
パサッ
レッサー「? ……っ!? な、なんでスカートを脱ぎ出してるんですか!?」
女性「? 脱いだほうが拭き取りやすいだろう?」
レッサー「いやいや! だからってこんな所でいきなりストリップを始めます!? 男の人だっていますよ!?」
『ごくり……』
『はまづら……?』
『うわぁ……なに超ガン見してるんですか。超キモいです』
『ぶ・ち・こ・ろ・し・か・く・て・い・だにゃーん』
『ちょ、これは違っ……』
女性「起伏に乏しい私の身体で興奮する男性がいるとは思えないが……」
レッサー「いや、周りをよく見てくださいよ! モロ反応してる野郎がいるでしょうが!」
女性「どちらにせよ私は特に気にしないし……」
レッサー「気にする気にしないじゃなくて……、とにかく履く!」バッ
女性「冷たっ」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
レッサー「……これでだいたい拭き取れましたかね」
女性「すまないね」
レッサー「いえ、元はと言えば私がぶっかけたせいですから」
レッサー「でも腰にスーツの上着巻いちゃったりしてシワになりません?」
女性「安物だから問題ないよ。それにこうしていないと君が怒るだろう?」
レッサー「そりゃそうですよ。女がホイホイと簡単に肌見せちゃダメなんですから」
上条「お前が言うな!」クワッ
青ピ「急にどしたん、カミやん」
上条「いや、ちょっと寝ぼけてたみたいだ……」
土御門「居眠りとは……、さては昨日の夜は何かハッスルしてたのかにゃー?」
青ピ「ナニか!? カミやん、まさかそのナニってのは女の子とのナニのことか!?」
上条「なになにうっせぇよ!」
吹寄「全員うるさい! 授業くらい黙って真面目にうけろ、三バカ!」
小萌「吹寄ちゃんの言うとおりなのですよー。それと居眠りしていた上条ちゃんは放課後居残りなのですー」
上条「小萌先生! それじゃあ特売に間に合わなくなるかもしれません!」
小萌「諦めて欲しいのです」ニコッ
上条「不幸だっ!」
青ピ「自業自得やん」
ーーーーーーーーー
女性「……なるほど。レッサー君はイギリスから……」
レッサー「えぇ。えーっと……」
木山「木山だ」
レッサー「その格好、木山さんはOLかなにかですか?」
木山「いや、研究職についている。専攻は大脳生理学だがほかにはAIM拡散力場にも多少の知識を……、といっても外から来た君にはわからないか」
レッサー「はい、わからないですし興味もないです」
木山「素直だな」
レッサー「よく言われます」
店員「あのぉ~、サイコロステーキのお客様ぁ」
レッサー「おっと。そういえば私の席ってあっちでした」
木山「せっかくだからこっちで一緒にどうだい?」
レッサー「いいんですか?」
木山「君さえよければ」
レッサー「ではお言葉に甘えて。すみません、注文したもの全部こっちのテーブルにお願いします」
店員「かしこまりましたぁ。それではこちらスパイシーカレーでございまぁす」
木山「ありがとう」
店員「ごゆっくりどうぞぉ」
レッサー「朝っぱらからカレーですか」
木山「徹夜明けでね。昨日はキチンとした食事を取らなかったものだから空腹なんだよ」
レッサー「徹夜明けですか。大変ですね~」
木山「慣れっこだから大したことはない………と言いたいが、私も歳だからな。一応疲労回復効果のあるものを選んでいるつもりだ」
レッサー「歳って……ふつうに若いと思いますけど」
木山「君と比べればもう歳だよ。流石に朝からステーキは食べれない」
レッサー「いや、私だって毎朝こんなにガッツリ食べてるわけじゃありませんからね? 今日はお腹減ってたんで特別なだけです」
木山「そうなのか? てっきり今流行りの肉食系女子というものとばかり……」
レッサー「それ、意味間違ってますから。それに流行りってわけでもないですし」
木山「なるほど、それは知らなかった。一つ賢くなったな」
レッサー(……なんだか変わった感じの人ですね)
レッサー(でも第一位さんや白黒さんも若干変わった感じでしたし、学園都市の人間は基本的にこんな感じなんでしょうか?)ウーン
プチ プチ
シュルッ
パサッ
木山「ふぅ」
レッサー「ん? ………はっ!?」
木山「どうかしたかね?」
レッサー「どうかした、じゃありませんよ! なんでまたストリップしてるんですか!?」
木山「カレーを食べたら暑くなってきてね。ここは暖房も効いていて汗ばむし」
レッサー「だからって何故脱ぎます!? さっきホイホイ肌を見せるなって言いましたよね!?」
木山「だって暑かったから……」
レッサー「いや、あなた今の自分の姿わかってます!?」
木山「?」
レッサー「上はブラだけ! 下はストッキングと腰に巻いたスーツ!」
木山「なるほど。客観的な意見を聞くと自分がどういう状態かよくわかる」
レッサー「よくわかったところでどう思います!?」
木山「…………涼しい」
レッサー「なっ………」
木山「正解だろう?」フッ
レッサー(脱衣に関して私をツッコミ役にするとは、なんて恐ろしい人………。というかなんで得意げな顔してるんですか)
木山「あぁ……涼しい……。カレーが美味い……」
今日はここまでです。
遅れてしまって本当に申し訳ないです
皆さんも風邪にはお気をつけて
お久しぶりです。1です
また遅れてしまいましたごめんなさい…
とりあえずバタバタしてたのは落ち着いたので次回から更新ペースを戻せるかと
では投下します
木山「……屋内でもダメなのか」
レッサー「そういうのは自宅だけにしてください」ハァ
木山「善処しよう」
木山「さて、私はそろそろ行くところがあって出るが……君はどうする?」
レッサー「あー、どうしましょう……。もともとメイド(服)を探しに外に出ましたし……」
木山「めいど?」
木山(めいど…メイド…冥土…冥土帰し?)
木山「レッサー君。君は冥土(帰し)に用があるのか?」
レッサー「えぇ。まぁ、メイド(服)に用が……」
木山「そうか。実は私も同じところに用があってこれからそこに向かうつもりなんだが……一緒に来るか?」
レッサー「ほんとですか!? ぜひお願いします!」
レッサー(まさかこんなところで手がかりを掴めるとは! ツいてます!)
木山「よし。それじゃあ会計を済ませて行くとしようか」
レッサー「はいっ………って、スカート履くの忘れてます!」
木山「おっと、ついうっかり」スタスタ
ーーーとある病院ーーー
レッサー(行くところって病院……? ほんとにこんなところにメイド服が……?)
木山「お久しぶりです」
冥土帰し「やぁ」
レッサー(うわっ。カエルそっくりです)
冥土帰し「君の生徒さん。全員とも通院によるリハビリはもう必要ないね?」
木山「そうですか……」ホッ
レッサー(写真撮ってSNSに書き込みたい……)ウズウズ
冥土帰し「嬉しそうだね?」
木山「っ……!」
レッサー(それにしてもこのカエル顔がメイド服を……?)
冥土帰し「顔に出ているよ?」
木山「……あの子達が完全に回復したということ以上に喜ばしいことはありませんから」
冥土帰し「本当に君は生徒思いなんだね?」
レッサー(……はっ! まさか、コスプレマニア!?)
木山「それで今日こそはあの子達の治療費の件で……」
冥土帰し「必要ない………と、散々言ったはずだよ?」
木山「そういうわけには……」
冥土帰し「……彼らはこの街が生み出した被害者だ。僕は医者として、1人の人間としてその被害者である彼らを救いたい。そう思ったから勝手に手を貸したまでだ」
冥土帰し「そのことに関してお礼を言われる筋合いは無いね?」
木山「しかし……」
冥土帰し「……それに、僕は患者が望むものを全て用意する主義だ」
木山「………?」
冥土帰し「僕の患者である君の生徒さん達が今もっとも望んでいるのは君と過ごす時間だよ」
木山「………」
冥土帰し「だからそのお金は彼らと美味しいものを食べるなりどこか出かけるなり、そういうことに使いなさい。いいね?」
木山「………はい。ありがとございます」
冥土帰し「気にしなくていい。それよりも、こちらの女の子はどちら様かな?」
レッサー「どうも初めまして。イギリスから来ましたレッサーです」
木山「どうやら先生に用があるらしくて……」
冥土帰し「僕に用?」
レッサー「はい。実はとあるブツを入手したいんですが」
冥土帰し「ブツ?」
レッサー「えぇ。私の知り合いにある服が好きな少年がいるんです」
レッサー「ここならその服が手に入ると聞きまして」
冥土帰し「ふむ……」
冥土帰し(そんなものはナース服くらいだが…………ん?)
冥土帰し(『ナース服が好きな少年』……? まさか……)
冥土帰し「一つ聞きたいんだけどね?」
レッサー「なんですか?」
冥土帰し「その少年の名前はなんなのかな?」
レッサー「名前ですか? 『上条当麻』です」
冥土帰し(やはり……、彼も目覚めたか。ナース趣味に!)
レッサー「それで……「いや、もう結構だよ」
レッサー「は?」
冥土帰し「事情はわかった。みなまで話す必要はない。彼のことは僕もよく知っている」
レッサー「知っているって……」
冥土帰し「彼はよくここに運び込まれていてね。常時僕の患者みたいなものなんだよ」
レッサー「患者……」
レッサー(この人マジもんの医者だったんですか……。てっきりコスプレマニアかなにかかと……)
冥土帰し「そう。患者だ。そして僕は患者が望む物は全て用意する。それが何であってもだ」キリッ
レッサー「お、おぉ……」
木山(流石は『冥土帰し』。素晴らしい人だ……。なんの話なのかはまったくわからないが)
冥土帰し(初の同好の士ができるかもしれないんだ。全力を持ってこちら側に引きづりこもうじゃないか)キリリッ
レッサー(この場においては常識的な振る舞いをしなきゃいけない気がするのは何故でしょうか……)
冥土帰し「それじゃあその服なんだけどね? 今日の夜にでも彼の部屋に郵送しておくね?」
レッサー「あ、お願いします。それでお金の方は……」
冥土帰し「必要ないんだね? これは僕の善意の行いだと思ってもらえればいいから」
レッサー「おぉ。太っ腹ですねぇ」
冥土帰し「大したことじゃあない」
看護師「先生。そろそろ回診のお時間です」
冥土帰し「もうそんな時間か。それじゃあ僕は失礼するよ」スタスタ
レッサー「ありがとうございました」
木山「ありがとうございました」
冥土帰し「ん」ヒラヒラ
冥土帰し(さて、これからナースとの回診か……ふむふむ………むふふ)
看護師「先生。次そんな目で見たらセクハラで訴えますと申したはずですが?」
冥土帰し「なんのことかな?」キリッ
看護師「はぁ……」
レッサー(結局あの人が何者なのかわからなかった気がします……)
木山「さてと。用事も済んだことだし帰るとするか」
レッサー「あ。わざわざ紹介してもらって、ありがとうございました」
木山「構わないよ。私の用事のついでだったのだから」
木山「それで、君はこれからどうする? 帰るのなら送っていくが……」
レッサー「んー。ありがたい提案ですけど、今帰ってもやることがありませんし、もう少しブラブラすることにします」
木山「そうか。それじゃあ、またどこかで」
レッサー「さよなら~、木山さん。もう人前で脱いじゃダメですからね~」
木山「できるだけ頑張るよ。……できるだけ」スタスタ
レッサー「……そのうち絶対脱ぎますね」ハァ
レッサー「ま。言っても仕方ありませんし、今度見かけたら止めてあげましょう」ウンウン
レッサー「さてと。それじゃあ私はてきとうにブラついて帰りますかね~」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
ーーー夜ーーー
上条「レッサーさん。いくつか話があります」
レッサー「………はい」
上条「まずは今朝の説教の続き……をするつもりでしたが、そっちは後回しにします」
レッサー「………はい」
上条「上条さんが帰宅した時に……その……お宝本が散乱していた件について何か言うことは?」
レッサー「…………中々いいご趣味で?」
上条「違うだろっ!」ビシッ
レッサー「ふぎゃっ!」
上条「違うだろっ! 違うだろっ!!」ビシッビシッ
レッサー「痛いっ、痛いです! 連打やめてくださいっ!」
上条「びっくりしたぞ!? 帰ってきたらベッドの上やテーブルの上に開いたまんま置きっぱなしなんだもん!」
レッサー「読んだあとついウッカリしまうの忘れてまして……」
上条「まずなんで読んだの!?」
レッサー「なんでって……そこにエロ本があるからですよ」キリッ
上条「なにそれカッコイイ……」
上条「じゃねぇ!」
上条「女の子がこういうモノ読んじゃいけません!」
レッサー「怒るポイントそこですか?」
上条「お前がこういうの読むと、妙なことにしかならない気がするんだよ!」
レッサー「あぁ。否定はしません」キッパリ
上条「すげぇ真面目な顔で断言しやがったよこいつ」
レッサー「ところでお兄ちゃん」
上条「ほら早速妙なこと言い出したぁ……」
レッサー「お義兄ちゃんの方がお好みでしたか?」
上条「口頭じゃ違いがわかんねぇよ」
レッサー「読んだ本の中ではこういった呼び方が多かったようですが?」
レッサー「お兄様、兄さん、にぃに……などなど」
上条「……つーか、いっとくけどソレは俺の趣味じゃないからな」
レッサー「な……に……?」
上条「クラスメイトから頼まれて預かってただけなんですぅ」
レッサー「つ、つまりメイド趣味も無いというんですか!?」
上条「無い! 上条さんは年上で寮の管理人さんがタイプだからなっ」
レッサー「なっ……! それじゃあ今日の私の努力はいったい……」ワナワナ
上条「知るかっ」
上条「そして、次」
上条「俺宛にナース服が届いたのはなんで……?」
レッサー「それについては知りませんよっ!」
上条「こんな変なことにお前が関係してないはずないだろっ」
上条「だいたい送り主の『同好の士』って誰だよ!? お前の友達じゃねぇの!?」
レッサー「いや、マジで知りませんからね!?」
上条「なにより1番聞きたいのは……」
上条「このナース服のサイズが俺の服のサイズピッタリだってことだよっ!」
上条「ピッタリなんだけど。ピッタリすぎるんだけど」
レッサー「しかもミニスカですし」
上条「怖ぇよ。なにこれどういうこと」
レッサー「さあ?」
上条「送り主はいったい何が目的でコレを俺に送ってきたんだよ……」
レッサー「うん……まあでもせっかくですし……着ます?」
上条「お前が?」
レッサー「いえ、あなたが」
上条「俺がコレ着て誰か喜ぶの?」
レッサー「写真撮ってネットにでも載せれば喜ぶ人もみつかるんじゃないですか?」
上条「いや、別にみつけたいわけじゃないからね?」
レッサー「じゃあネットには載せませんから写真を1枚撮らせてくださいよ」
上条「嫌に決まってんだろ。だいたい、そんな写真を撮って何になるってんだ」
レッサー「世界を救ったヒーローの弱みを握れる……みたいな?」
上条「最悪だな」
レッサー「そう怖い顔しないで。ともかく1度着てみましょう」グイグイ
上条「だから着ないって。服持って近づいてくんな」
レッサー「そんなこと言わずに。せっかくなんですから」グイグイ
上条「せっかくってなんだよ。つーかなんでお前そんなにグイグイくるの? いったい何があったの? ねぇ?」
レッサー「日中慣れないことをしたせいかストレスが溜まって……」
上条「慣れないこと?」
レッサー「えぇ。色々あったんです。それでやっぱり私はツッコむよりツッコまれる方だと思いまして」
上条「……何の話?」
レッサー「卑猥な話ではありませんよ?」
上条「そ、そうか……」
レッサー「あ。もしかして変なこと考えました? ねぇ、考えましたか?」ニヤニヤ
上条「よし。歯ぁ食いしばれよ。今からちょっと強めのお仕置きするからな」
レッサー「ふん。いくら異能の力を打ち消す右手を持っているからって、肉弾戦で私に勝てるとお思いですか?」
上条「お前こそ喧嘩なれした男子高校生舐めるなよ?」
レッサー「カッコつけた台詞を吐いた幻想殺し。10分後にはナース服に身を包んであられもない姿をそこに晒す!」
上条「そういう台詞の方が死亡フラグだってわかってるか?」
レッサー「………」
上条「………」
「「うらぁぁっ!!」」
ーーー5分後ーーー
上条(ナース服)「……うぅ……うぅっ…」シクシク
レッサー「ざ、座布団で足滑らして転ぶとか……」プププ
上条(ナース服)「人が気絶してる間に着替えさせやがって……」
レッサー「こっち向いてくださいよー」
上条(ナース服)「うっせぇ! カメラこっち向けんな!」
レッサー「シャッターチャーンス!」カショーン
上条(ナース服)「やめろこら!」
レッサー「おぉ、バッチリ撮れてますよ」
上条(ナース服)「今すぐ消せ!」
レッサー「この写真、どうしましょうかね~。一斉メールでも送りましょうか」
上条(ナース服)「この野郎……」ワナワナ
上条(ナース服)「うがぁぁ!」ガバッ
レッサー「よっと」ヒラリッ
上条(ナース服)「そのケータイ寄越せ! 叩き壊してやる!」バッ
レッサー「いやでーす」ヒラッ
ドタバタッ
上条(ナース服)「あっ」ツルッ
レッサー「へっ?」
ドシーン!
ガチャ
土御門「カミやんうっさいぜよ! いったい何時だと……」
上条(ナース服)「痛ってぇ……」
レッサー「お、重いですよぉ……」
上条(ナース服)「悪い。今どくから……。土御門……?」
レッサー「?」
土御門「……すまん。邪魔した」
上条(ナース服)「……ちょっと待て。お前は今盛大な勘違いをしている」
土御門「いや。趣味は人それぞれだと思う……よ?」
上条(ナース服)「そのよそよそしい態度やめろ。そして目を合わせやがれ」
土御門「大丈夫、大丈夫だから。耳栓してるから。じゃ」ガチャ
上条(ナース服)「待て土御門! 土御門ぉぉぉ!!」
上条(ナース服)「……どうしてこうなった」
レッサー「………追い打ちをかけるようなんですが」
上条(ナース服)「嫌な予感しかしないけど一応聞く。なんだ?」
レッサー「一斉メールであなたのコスプレ写真、送っちゃいました☆」テヘッ
上条(ナース服)「NOぉぉぉぉぉ!!」
ーーー常盤台中学学生寮ーーー
pipipi
美琴「黒子ー、ケータイなってるわよ」
黒子「メールですわね」
黒子(レッサーさんから?)
黒子「………ぶふぉ!?」
美琴「なに!? どうしたの!?」
黒子「い…いえ。…なんでもありませんの…」プルプル
黒子(る、類人猿のナースコス……爆笑モノですの……)
美琴「?」
ーーーとある教員用マンションーーー
ブーブー
打ち止め「あー! 師匠からメールだ! ってミサカはミサカはあなたのガラケーを手にとってみる」
一方「人のケータイ勝手に触ってンじゃねェよ。あと、ガラケーバカにすンな」
打ち止め「……っ!?」
一方「あァ? どォした………っ!?」
一方「なンで三下がナース服着た写真が送られてきてンですかァ!?」
打ち止め「ひゃあぁ……。ヒーローさんってこういう趣味があったんだね、ってミサカはミサカは衝撃の事実に愕然としてみたり」
番外個体「なに見てんのー? ミサカにも見せて……って、なにこれ!?」
打ち止め「ヒーローさんのコスプレ写真だよ、ってミサカはミサカは番外個体にケータイの画面を向けてみる」
番外個体「や、やばい……笑いが堪えらんない……」プププッ
番外個体「MNWにアップしてやろーっと」
一方「ったく。くだらねェことすンじゃねェよ」
番外個体「ついでに第一位の顔写真でコラ画像も作っちゃおーっと♪」
一方「やめろコラっ! 番外個体ォォォ!!」
ーーー英国・某所ーーー
「………」
「………」
「………」
「……あの馬鹿はわざわざ日本までこんな写真を撮りに行ったのか?」
「どうするの?」
「どうもこうもないわ。これまでのあの馬鹿の独断行動は目をつぶってきたけど、流石にここらで灸を据えないとね」
「どうやって?」
「ワタシが直接出向いて連れ戻してくる」
「1人で大丈夫なの?」
「科学側の総本山にウチのメンバー全員で潜り込む訳にもいかないしね」
「それもそうね。とりあえずアンタに任せるけど、相手は『あの』レッサーなんだから無理はしないように」
「はいはい」
今日はここまでです。
次回は一週間以内に更新します
それではおやすみなさい
上条(……レッサーがウチに来てからもうすぐ一週間か……)
レッサー「うがぁ……」ガサゴソ
上条(レッサーを狙う魔術師との戦闘とかもなく)
レッサー「ぅうん……よっ」ガサゴソ
上条(ただただ平穏な日々が過ぎていくだけ)
レッサー「んん……」ガサゴソ
上条(……俺のナースコスの写真を見たっていう御坂妹に蔑むような哀れむような目で見られたけど)
レッサー「くっ……あ痛っ!」ゴチン
上条(あとはまぁ……レッサーの馬鹿げたアピールくらいか)
レッサー「ぷはぁっ。よしっ、着替え完了!」
上条「こらっ! コタツの中で着替えるなって言ってるだろっ」
レッサー「だって寒いんですもん。エアコンとか床暖房とかも使いましょうよぉ」
上条「そんなもんまで使ったら電気代が大変なことになるでしょうが」
レッサー「ぶぅぅー」
上条「頬っぺた膨らましてもダメですー」
レッサー「まったく、ケチ臭いったらもう……」ブツブツ
上条「聞こえてるぞ」
レッサー「キャーリサ様に頼めばエアコン床暖房完備。その他諸々好待遇な生活が保障されるというのに」
上条「あの暴君王女様が1人の学生の為だけにそこまでするとは思えないがな」
レッサー「そりゃあ死に物狂いで働かないと無理ですよ。キャーリサ様、結構人使い荒いですし」ケラケラ
上条「そんな話聞くと絶対にイギリスの為に働きたいと思わなくなるな」
レッサー「しまった! イギリスの良いところをアピールするはずが墓穴掘りました!?」
上条「お前って営業とかプレゼンとか向いてなさそうだなぁ」
レッサー「そ、そんなことありません!」
上条「じゃあ何か良いところ、アピールしてみろよ」
レッサー「え、えぇと…………!」
レッサー「私と一緒に働けるっ!」
上条「さぁて、洗濯洗濯」
レッサー「無視はやめてくださいっ!」
上条「ほらほら、お前も脱いだ服よこせ」
レッサー「服よこせって……、私の服でいったいナニするつもりなんですかっ!///」
上条「あー、洗剤もうすぐ無くなりそうだな。今度買っておかないと」
レッサー「連続無視は流石に堪えますからやめてください」
上条「だったら早く持ってくる」
レッサー「はいはい、わかりましたよーっだ。はいどうぞ。私の脱ぎたてホカホカパジャマです」バサッ
上条「それをすかさず洗濯機にドーン!」バスッ
レッサー「うぎゃあぁぁ!!? マジですかあなた!? もうちょっと何かあるでしょう!?」
上条「何かってなんだよ……」
レッサー「私の残り香を堪能するとか、ぬくもりを存分に味わうとか!」
上条「上条さんにそんな趣味ありませーん。さて、洗剤入れてピッピッピっと」
洗濯機『ゴゥンゴゥン』
レッサー「あぁ、あなたの趣味はコスプレですもんね」
上条「あれはお前が無理矢理着せたんだろうがっ」
レッサー「とか言って、内心楽しんでたんじゃないんですかぁ?」ニヤニヤ
上条「んなわけねぇだろ」
レッサー「どうだか」
上条「」イラッ
上条「お前、あんまり調子に乗ってるとお仕置きだぞ」
レッサー「お仕置き? なんですか、お尻ペンペンでもするんですか」
上条「するか馬鹿」
レッサー「そんな回りくどいことしなくてもお尻が触りたいなら好きなだけ触らせてあげますのに」
上条「なんでお前は人の話聞かないでそんな変に受け取るの?」
上条「だいたい俺がお前に欲情したりするわけないだろ。ロリコンじゃあるまいし」
レッサー「だ、誰がロリですか!? 確かに年下ですが、ロリ呼ばわりされるほどじゃありません!」
レッサー「見てくださいよ、このボディー! ナイスでしょう! せくしぃでしょう!」グッ
上条「年齢の割には……な」
レッサー「がーん!」
上条(自分の口で『がーん』って言うやつ初めて見た)
レッサー「くっ……。でしたら嫌でも欲情させてやりますよ!」
上条「っ!」
レッサー「ちょうどすぐそこは風呂場ですし、連れ込んで押し倒してR-18の展開にしやります!」
上条「朝っぱらから何言ってやがる!」
レッサー「浴場で欲情ですよ!」
上条「本気で何言ってんだ! この馬鹿!」
レッサー「せくしぃパンチ!」ブンッ
上条「危ねっ!?」サッ
レッサー「ないすばでぃーキック!」ブンッ
上条「やめなさいっての!」サッ
バキッ
上サー「「!!」」
洗濯機『ガガガ……ギギッ! ゴガガッ!』
レッサー「あらら?」
上条「ちょっ! 壊れた!?」
洗濯機『バフンッバフンッ!………』
上条「………セーフ……か?」
レッサー「こういう時って大抵……」
洗濯機『バゴンッ!!』
上サー「「アウトォォ!!」」
洗濯機『』ドバババァ
レッサー「冷たっ!?」
上条「ぎゃああぁぁ!! 一面水浸しぃ!!」
洗濯機『』ドバババァ
上条「不幸だああぁぁ!!」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
洗濯機『』プシュー
上条「うぅ……洗濯機が……洗濯物が……」
レッサー「そ、その……ごめんなさい……」
上条「はぁ……」
レッサー「ぅ……」
上条「新しいの買わなきゃな。……また出費が……」
レッサー「だ、代金の方は私がっ」
上条「どうせ身体で払うとか言うんだろ」
レッサー「ち、違います! ちゃんと現金で……」
上条「無理しなくていいって。お前もそんなに金持ってないだろうし」
レッサー「で、ですが……」
上条「型落ちしたやつ探したりリサイクルショップとか行けば安く手に入るから大丈夫だよ」
上条「それよりも。お前ビショビショじゃねえか。洗剤の泡もついてるし。一回シャワー浴びて流してこいよ」
上条「俺は後片付けのほうやっておくから」
レッサー「こ、これくらい大丈夫ですっ」
上条「風邪ひいたら大変だろ。早くしろって」
レッサー「は、はい……わかりました……」
上条(………年末だし、売れ残りのやつとかあるよな)
ーーー風呂場ーーー
レッサー「ん……」ヌギヌギ
レッサー「うへぇ……、洗剤でヌルヌルです……」ベチャ
レッサー「下着まで濡れてますし……」
レッサー「………はぁ。どうしましょう」
キュッ
シャアァァー
レッサー「流石に家電を壊すのはやりすぎですよね……」
レッサー「前に壁壊しましたけど」
レッサー「そういえばこの壁。直したんですねー。傷跡も残らず随分見事に」
レッサー「これも私が綺麗に壁をくり抜いたおかげですね」フッフッフ
レッサー「じゃなくて」
レッサー「実際どうしましょう。私がたいしてお金を持って無いのは事実ですし」
レッサー「こっち来てから無駄遣いしすぎましたかね……」
レッサー「こうなったらどうにかして弁償するしかないですね」
レッサー「よし。そうしましょう」
キュッ
レッサー「ふぅ。とりあえず洗い流し終えましたし後は着替えて……」
レッサー「あっ」
上条「……こんなもんか」
上条「洗濯物は洗濯機の中に一旦入れて後で風呂場で手洗いするか」
上条「……洗濯機も壁みたいに浜面に頼んだら直してくんねえかな」
ガチャ
上条「!」
レッサー「すみませ~ん。バスタオルと着替えをお願いしてもいいですか……?」ソローッ
上条「任せろ。ほら、バスタオル」バッ
レッサー「っと。ありがとうございます。着替えはなんでもいいので、カバンからお願いします」
上条「わかった。ちょっと待っててくれ」
上条「えっと……これでいいのか?」ガサゴソ
上条「後は下着か」
上条「洗濯物洗うたびに思ってたけど、あいつの下着、過激すぎだろ……」
上条「赤の紐とか黒のスケスケとかパープルのヒラヒラとか……」
上条「インデックスので慣れてるとはいえ、ああいうのは流石に男子高校生にはちとキツい……」
上条「まあいいや。てきとうに選んで………」ガサゴソ
上条「これでいいか」ヒョイッ
上条「………ぶふぉっ!?」
上条「な、なんだこれ……。紐?」
上条「じゃねえな……まさか下着か? これ」
上条「まるでハイレグから必要な箇所以外を極力削り取ったみたいな……」
上条「いや、どっちかって言うとTバッグを上に伸ばして腕が通るようにした感じか」
上条「それになんだろう……、この肌に張り付くような手触り……。布もめちゃくちゃ薄いし」
上条「こんなの下着としての役割果たすのか……?」ジー
上条「……変なこと考えるのはよしてサッサと持っていこう」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
レッサー「あの……洗濯機壊してすみませんでした」ペコッ
上条「えっと……」
レッサー「今すぐは無理ですけど必ず弁償します」
上条「ちょっ、どうした?」
レッサー「どうしたって……だって」
上条「お前そんな反省とかするキャラだっけっ?」
レッサー「わ、私だって悪いと思ったりしますよ!」
レッサー「貧乏学生のあなたが大切に使ってる家電を壊したりすれば……」
上条「少しカチンとくる言い方だな。……間違っちゃいないが」
レッサー「ですから……「ちょっと待って」
上条「反省してるのはわかった。でもなはっきり言うと、気持ち悪い」
レッサー「…………はい?」
上条「お前がしおらしく謝ったりしてる姿見るとなんか背筋がゾワゾワする」
レッサー「どういう意味ですか!?」
上条「なんて言うかさ……、おとなしくなってるのはいいんだけど、普段の言動と違いすぎて」
レッサー「なっ! し、失礼すぎますよ!」
レッサー「まるで私がまともに謝罪すらできないみたいな言い方……へ………ヘクチッ!」
上条「!」
レッサー「うぅ……」ズビッ
バサッ
レッサー「っ!?」
上条「ほら、風邪ひくって言っただろ。ちゃんと髪の毛拭かないと」
上条「うりゃうりゃあぁ!」ゴシゴシ
レッサー「うがぁ! 雑です、雑すぎます!」
上条「そうやって元気なほうがお前らしいって」ゴシゴシ
上条「だから弁償とか深く考えて落ち込んだりするなよ」
レッサー「……はい。そうですよね……」
レッサー「……そうですよねぇ!」
レッサー「いやぁ、らしくありませんでした! やっぱり小悪魔美少女のレッサーちゃんは元気ハツラぁぁぁ! 痛い痛い!」
上条「だーかーらー調子に乗るなっての」グリグリ
レッサー「こめかみグリグリするのやめてくださいぃぃ!」
上条「ったく」
レッサー「うぉぉぉ……痛ぇ……」ヒリヒリ
上条「自業自得です」
レッサー「あなたの暴力で私の身体はもうボロボロですよ」
上条「俺がいつも暴力ふるってるみたいな言い方すんなよ」
レッサー「違うんですか?」
上条「基本的に上条さんは紳士ですから、女性に暴力をふるったりしません」
レッサー「キャーリサ様ぶん殴ったり、今私にグリグリした人のセリフとは思えませんね」
上条「そこはまぁ……臨機応変にな」
レッサー「うわぁ……」
上条「うわぁ、とか言うなし。それにお前に対してやってるのは暴力じゃなくて躾みたいなもんだ」
レッサー「躾?」
上条「そう。犬とか動物の躾みたいな」
レッサー「ほうほう。つまりあなたは私をドM調教しようと」
上条「してやろうか?」
レッサー「えっ」ドキッ
上条「冗談だっての。そんなに驚くなよ」ニッ
レッサー「っ……///」
上条「さっきも言ったけどお前はそうやって元気にしてる方がいいって」ポンポン
レッサー「くぅぅ……///」
上条「洗濯機のほうは今日の放課後にでも色々まわって探すから」
レッサー「! でしたら私も付き合います!」
上条「そうか? なら放課後どっかで待ち合わせるか」
レッサー「あなたの学校の前で待ってます!」
上条「学校の? まあいいか。だったら今日は昼までだから昼過ぎに来てくれ」
レッサー「わっかりました!」
上条「じゃあ俺はそろそろ行ってくるな」
レッサー「はい! お気をつけて!」フリフリ
上条「はいよー」フリフリ
上条「……あいつも責任感じて落ち込むなんて可愛いとこあったんだな」
上条「……あんまり感じ過ぎて変にならなきゃいいけど……」
上条「でもどうすっかなぁ……ほんと」
上条「コインランドリー通いなんて嫌だし、早いとこ新しいやつ買わないと」
上条「はぁ~……」
ーーーとある高校ーーー
上条「よーっす……」
青ピ「おはよー、カミやん。……? なんや、元気ないなぁ。なんかあったん?」
上条「ちょっとな」
土御門「朝っぱらからあれだけ騒いでたら疲れて当然だにゃー」
上条「あぁ。聞こえてたか」
土御門「オレが家出る時までバッチリと」
青ピ「なになに。なんの話?」
土御門「カミやんが朝っぱらから痴話喧嘩をしてたって話だぜい」
青ピ「はぁ? なんなんそれ。痴話喧嘩とかマジないわー」
上条「いきなり態度悪くなりすぎだろ。あと土御門もテキトーなこと言ってんじゃねぇよ」
土御門「青ピはクリスマス目前にして独り身だからピリピリしてんだにゃー」
青ピ「くっ……。クリスマスなんてなくなってしまえばええんや……」グッ
上条「握りしめたこぶしから血出てんぞ」
上条「そんなことより、お前らさ。家電とか安く売ってる店知らないか?」
青ピ「家電?」
土御門「何か壊したのかにゃー?」
青ピ「持ち前の不幸で?」
上条「うっせぇ。壊れたのは不幸っていうかアクシデントでだよ」
青ピ「そのアクシデントはカミやんの不幸で起きたんやないん?」
上条「……まぁ。そうかも」
上条「ともかく知らないか? 洗濯機が安く買えるとこ」
青ピ「カミやんが欲しいのって洗濯機なん?」
上条「そうだけど」
青ピ「だったらウチにいらん洗濯機あるよ?」
上条「マジで!?」
土御門「青ピのとこってパン屋か?」
青ピ「そうそう。福引で新しいの手に入れてんけど、前のをどうするか困ってんねん」
上条「くれっ! 俺にくれ!」
青ピ「タダで?」
上条「お前友達から金取る気か?」
青ピ「まさか。カミやんの知り合いの女の子をボクに紹介してくれたらええよ」
上条「女の子?」
青ピ「」コクコク!
上条「それで洗濯機が手に入るなら別にいいけど」
青ピ「いよっしゃあぁぁぁ!!」
青ピ「これで今年のクリスマスは独り寂しくクルシミマスなんてことにはならへんでぇ……」クックック
土御門(青ピ……。カミやんの知り合いってことはそれはもうフラグ建築済みだと思うが……)
上条(レッサーでも紹介すればいいか)
上条「じゃあ今日の放課後取りに行っていいか?」
青ピ「ええけど。自力で持って帰るん? 結構重いで?」
上条「頑張る!」
青ピ「頑張るって……、まあカミやんがええなら別にかまへんけど」
青ピ「でも女の子かぁ……むふふ」
土御門「青ピが報われる気がしないのは気のせいかにゃー?」
上条「せんたっき、せんたっき♪」
青ピ「女の子、女の子っ♪」
土御門「……幸せそうだから別にいいか」
ーーー上条宅ーーー
レッサー「さて。あの人はああ言ってましたが……」
レッサー「やっぱり弁償しなきゃですよね……」
レッサー「と、言ってもお金はありませんし」
レッサー「身体で返す……なんてのもダメですし」
レッサー「どうしましょう」
レッサー「働く……のは無理でしょうね。私この街のIDありませんし」
レッサー「じゃあ誰かに借りるとか?」
レッサー「でも誰に……?」
レッサー「この街で私が知り合った人といえばアホ毛のおチビちゃんと、保護者でロリコンっぽい第一位さん」
レッサー「媚薬とエロ下着のプロの白黒さん」
レッサー「すぐ脱ぎ出す木山さんとカエル顔のコスプレマニア」
レッサー「うぅむ。みんないい人そうですが、流石に出会ったばかりの人間に数万円も貸してくれるとは思えません」
レッサー「かと言って以前からの知り合いといっても……」
ピンポーン
レッサー「!」
ピンポーンピンポンピンポンピンポーン
レッサー「おぉう!? いったい何ですか?」
ピンポンピンポーン
レッサー「い、今出ますから待ってください!」
ガチャ
レッサー「いったい何ですか……って、あなた……」
「やっっっと見つけたぞこのバカ!」
レッサー「フロリス!?」
フロリス「ふんっ」
レッサー「フロリス……お金貸してくださいっ!」ガシッ
フロリス「いきなりなんだ!?」
今日はここまでです
新たなる光の為なら多少ブラックでも働けるよね
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
フロリス「………で、お金を貸してくれと」
レッサー「はい! お願いします!」
フロリス「い・や・だ!」
レッサー「はぁぁ? マジですかあなた。友達がこんなに頼んでるっていうのに」
フロリス「頼むっていうなら頭の一つくらい下げてみろ」
フロリス「だいたいワタシにそんな余裕無いっての」
レッサー「なんでですか? サイフでも落としました? このウッカリ屋さんめっ☆」
フロリス「………」グニイィィ
レッサー「みぎゃあぁぁ!? 無言で尻鷲掴みしないでくださいぃ! 割れる割れるっ!」
フロリス「もともと割れてるっての! つーか尻尾邪魔!」
レッサー「尻尾引き千切ったら流石の私も怒りますよ!?」
フロリス「だったら引き千切られる前にしまえ!」バシッ
レッサー「ひゃうっ!」
レッサー「うぅ……、ヒリヒリする……」
フロリス「こっちも手が痛いっての……」
フロリス「とりあえず、そろそろ本題に入るよ」
レッサー「本題? フロリスがこの街に来た理由ってことですか?」
フロリス「そ。ワタシはアンタを連れ戻しに来たの。一緒にイギリスに帰るよ」
レッサー「はっ? いやですよ。だってまだ幻想殺しを手篭めにしてないですもん」
フロリス「手篭めって……、アンタそれ本気で言ってたの? あの日本人をイギリスに引き込むってやつ」
レッサー「本気じゃなきゃロシア行ったり何度もこの街に来たりしませんよ」
フロリス「それもそうか……」
フロリス「だけどさ、うまくいってないんでしょ?」
レッサー「そ、そんなことはありませんっ。結構いい感じです!」
フロリス「いい感じって?」
レッサー「そ、そりゃあ、あと一息というか、もう二・三回プッシュすればいけるような……まあ四・五日様子を見てもらえればわかってもらえると言いますか……」
フロリス「要するに全然ダメなのか」
レッサー「うぐっ」
フロリス「それとさ、一つ気になってたんだけど、なんでそんなにあの日本人にこだわるの?」
レッサー「へ?」
フロリス「『幻想殺し』ってやつは確かに希少かもしんないけど、そこまでこだわるもんなのかって」
レッサー「いやいや、だって魔術側にとっても科学側にとっても重要な存在で、そのうえ世界を救ったヒーローなんですよ? そんな人物が味方につけばどれだけイギリスにとって有益かなんて……」
フロリス「違う違う。そうじゃなくて、なんで『レッサー』がそこまでこだわるのかってこと」
レッサー「??」
フロリス「もともとあの日本人は間接的にだけどイギリス清教の味方なんでしょ?」
フロリス「つまり、新たなる光に引っ張り込まなくてもイギリスにとっては有益なわけじゃん」
フロリス「だからなんでそんなに固執するのかなーって」
レッサー「………」
フロリス「要するにさ、アンタ……」
フロリス「好きなの?」
レッサー「それは無いですね」
フロリス「え? あっ、そうなの……?」
フロリス(即答……)
レッサー「いやまぁ、好きか嫌いかで言えば好きですよ? でも恋愛感情のあるなしで言われると違うんですよねぇ」
フロリス「そうなんだ……、つまんないの」
レッサー「つまんない……?」
レッサー「なんですか、フロリス。あなた『そういう話』を聞きたかったんですか?」
フロリス「いやっ、今のは違っ……」
レッサー「そういえばフロリスって意外と乙女チックなとこありますもんね~。恋愛小説とか雑誌の占いコーナーとか好きだったり」
フロリス「はぁぁ!? 別にそんな趣味ないっての!///」
レッサー「照れない照れない」
フロリス「照れてない!///」
レッサー「……さて、私はそろそろ出かけますが……フロリスはどうします?」
フロリス「どうしますじゃなくて。ワタシはアンタをイギリスに連れて帰らなきゃいけないんだけど」
レッサー「だから嫌だって言ってるじゃないですか」
フロリス「嫌だ嫌だ、って子どもじゃないんだからワガママ言わない。ベイロープだってアンタの好き勝手にそろそろ怒ってんだよ?」
フロリス「この間の変な写メが来てからすぐ連れ戻しの命令出して……」
レッサー「写メってあの人のナースコスですか?」
フロリス「そうだけど?」
レッサー「あの写メ送ったのって何日か前ですよね? それなのにフロリスは今日ここに来たんですか?」
フロリス「!」ピクッ
レッサー「……そういえばあなた、以前アジア観光に行けなくて随分悔しがってましたよね」
フロリス「………」
レッサー「確か先ほどはお金を貸す余裕が無いとかなんとか……」
フロリス「………」
レッサー「あれ? あれあれ? まさか……いやそんなまさかねぇ? そんなことがあるわけないですよねぇ?」
フロリス(うぜぇ)
レッサー「フロリスあなた、『せっかくだし観光してからレッサーを連れ戻そー』とか思ったんじゃありませんよね?」
フロリス「………」
レッサー「ベイロープから貰ったお金も観光費に充てたりしてませんよねぇ?」
フロリス「………」ダラダラ
レッサー「んー? 汗かいてるみたいですけど暑かったですかね?」
フロリス「………よ」
レッサー「なにか言いました?」
フロリス「……そうだよ。そうだよ! 観光ついでに連れ戻そうって思ったんだよ!」
レッサー「ふっふーん。やっぱりですか」
レッサー「……って私がついでになってますけど」
フロリス「どっちもちゃんとこなせば同じことだろっ」
フロリス「それにワタシとアンタの飛行機代には手をつけてないし」
レッサー「つまり他の費用には手をつけたと」
フロリス「……宿泊費とかお土産代くらいには」
レッサー「宿泊費使ったって……寝泊まりはどうしてたんですか?」
フロリス「漫画喫茶とかで安く済ませてた」
レッサー「なるほど」
フロリス「でも別に観光しちゃいけないとは言われなかったし、レッサーを連れて帰ればそれでいいし」
レッサー「ふむ」
フロリス「だからワタシを脅そうとしても……「お土産」
フロリス「っ!」
レッサー「お土産代にも手をつけたんですよね?」
フロリス「………」
レッサー「私を連れて帰って済むならさっきあんなに焦る必要はありませんでしたよね?」
フロリス「………」
レッサー「ほんとはお土産代に手をつけたことを焦ってたんじゃないんですか?」
フロリス「……レッサーってほんと変なとこで鋭いよね」
レッサー「そりゃどーも」
フロリス「……実はさ、キャーリサ様にちょろっと頼まれてたんだけどついつい使いすぎちゃってねー」
レッサー「あー、なるほど」
フロリス「それでレッサーにちょっとお金借りて買い物して帰ろうと思ってたんだけど……」
レッサー「ほうほう」
レッサー「………」ニヤリ
フロリス「それで? レッサーはそのことでワタシを脅して意地でも帰らないつもり?」
レッサー「まっさかぁ。フロリスが困ってるのにそんな酷いことしませんよ」
レッサー「だから取引しましょうよ」
フロリス「取引? お金を貸すから見逃せって?」
レッサー「はいっ。ベイロープとキャーリサ様。どっちの機嫌をとるべきかは言わなくてもわかりますよね?」
フロリス(脅しと何が違うんだろ……)
レッサー「賢く生きましょうよ」
フロリス「………はぁ。仕方ない」
レッサー「!」
フロリス「オッケーオッケー。アンタの言うとおりにする。キャーリサ様の機嫌損ねるほうがマズイしね」
レッサー「ふふん」
フロリス「だけど、いつまでもここにいるわけにはいかないことわかってる?」
レッサー「わかってますって。目的を果たしたらちゃんと帰りますって」
レッサー「じゃあ私は今度こそ出かけますんで」
フロリス「あぁ、じゃあワタシも付き合うよ。ここに居ても暇だし」
ーーーとある高校・校門前ーーー
青ピ「女の子っ、女の子っ♪」
上条「はしゃぐな気持ち悪い」
青ピ「だって女の子やで!? はしゃぐに決まってるやん!」
青ピ「あぁ、これでボクにも春が……」
上条「紹介するだけでその後のことは保証してないけど……って聞いてないな」
青ピ「で。その女の子はいつ来るん? なぁいつ来るん?」
上条「多分そろそろ……あっ。あれだ」
青ピ「どれどれっ!?」キョロキョロ
レッサー「お待たせしましたー!」
フロリス「………」
青ピ「黒髪ロリ巨乳と色白金髪碧眼少女!!」
上条「あいつって確か……」
レッサー「すみません遅れてしまって」
上条「いや、大丈夫だけど、こっちの子ってフロリス……だっけ」
フロリス「あぁ、久しぶり」
上条「あの時以来だな。元気だったか?」
フロリス「当然、元気元気。そっちは?」
上条「こっちも元気だったぜ」
フロリス「そっか。それはよかった」
上リス「「はははっー!」」
フロリス「どっせい!」ブンッ
上条「ひでぶっ!?」バキッ
レッサー「おぉ。見事な右ストレート」
青ピ「えぇなぁ、カミやん」
上条「いきなり何すんだ!?」
フロリス「あの時のお返しっていうか……個人的な復讐?」
上条「まだ川にダイブの件根に持ってたのか?」
フロリス「どっちかっていうとその後の裏切りのほうが頭にきてたんだけど」
上条「裏切り?」
フロリス「自覚ないならいいや。ワタシはスッキリしたし」
上条「理由もよくわかんねぇまま殴られた……。ちくしょう」
青ピ「カミやん、カミやん」
上条「はいはい。ちゃんと紹介するっての」
レッサー「誰ですか?」
上条「俺の友達の青髪ピアス」
青ピ「青ピって呼んでなぁ」
上条「こっちはレッサーとフロリス」
レッサー「どうもー」
フロリス「……どうも」
青ピ「異人さんかぁ。えぇなぁ、えぇなぁ、かわええなぁ」
レッサー「えーっと……?」
上条「予定変更。詳しくは青ピの下宿先に向かいながら話すよ」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
レッサー「……それで青ピさんが洗濯機をくれると。ありがとうございます」
青ピ「ええってええって。おかげでこんな可愛い子と知り合えてんから」
レッサー「可愛いだなんてもー。まあ知ってますけど」フンス
青ピ「レッサーちゃんっておもろいなぁ」
青サー「「はははっ」」
フロリス(あの2人仲良いなぁ)
上条「そういやフロリスはなんでここに?」
フロリス「んー……まぁ、観光ってとこかな」
フロリス(レッサーを連れて帰るって言って引き止められると面倒だし誤魔化しとこ)
上条「観光……ね」
上条(レッサーと同じように逃げて来たってところか……。言葉も少し濁してる感じもするし深く突っ込まないほうがいいか)
上条「じゃあこっちにいる間は色々俺に頼ってくれていいぜ。レッサーみたいにさ」
フロリス「えっ、あ、あぁ。そっちがそう言うならお言葉に甘えるけど……」
上条「あぁ」ニコニコ
フロリス「……?」
レッサー(……あの人はまだ素敵に愉快な勘違いをしてるんですね)
レッサー(ここまで来ると引け目も感じないこともありませんが……、まぁ別にいいでしょう)
レッサー(それより……)
上条「ーーー」ニコニコ
フロリス「ーーー」
上条「ーーー!?」
フロリス「ーーー」フフッ
レッサー(なんだか仲良さげな気が……、出会い頭に喧嘩してたとは思えないですね)
レッサー(新たなる光の印象とかもありますし仲悪くされるよりはいいですけど)
ーーーパン屋ーーー
ドラム式洗濯乾燥機『』
上条「お、おぉ……!」
青ピ「けっこう新しいからなぁ。貰ってくれるんなら助かるわ」
上条「おぉぉー!」マジマジ
青ピ「今台車持ってくるからちょっと待っとてな」
上条「おおぉー! おぉー!」ジロジロ
フロリス「いい加減『おぉ』以外の言葉を話せ」
上条「だってさだってさ!」キラキラ
レッサー「子どもみたいにはしゃいでますね」
上条「俺の部屋にあったやつより凄いんだぜ!?」
フロリス「へー」
上条「結果オーライってやつだなぁ」
レッサー「私が古いやつをぶっ壊したおかげですね」フフン
フロリス(それはちょっと違うんじゃないのか?)
青ピ「ゴメーン、カミやん」
上条「なんだ青髪?」
青ピ「実は……」
上条「えっ? 台車無いのか?」
青ピ「朝小麦粉運んでるときにキャスターが壊れたの忘れとって……」
上条「マジか……」
青ピ「どうする、担いで持って帰る?」
上条「無茶言うなよ……、でもどうすっかな……」
レッサー「!」ピーン
レッサー(役に立つチャンス!)
レッサー「はいはーい! でしたら私が運びます!」
上条「レッサーが?」
青ピ「流石に女の子に運ぶのは無理ちゃう?」
レッサー「問題ありません! それに元はと言えば私が原因ですから」
レッサー「それに『こいつ』を使えば……」ゴソゴソ
レッサー「………」
上青「「??」」
レッサー(………持ってくるの忘れたーっ!)ズーン
フロリス「……たく、何やってんだか」ジャキッ
上条「おっ。鋼の手袋」
青ピ「なにそれ? マジックハンド?」
フロリス「こいつで掴めば……」
ガシッ
フロリス「ほら」ヒョイ
上条「おぉ! 軽々と」
青ピ「それフロリスちゃんの能力なん?」
フロリス「まぁそんなとこ。これなら台車もいらないでしょ」
上条「確かに……ってあれ? それじゃあフロリスが俺の部屋まで運んでくれるってことか?」
フロリス「まぁそれくらいはやってあげるよ」
上条「フロリス……」
フロリス「なにさ」
上条「お前って、いいやつだな」ナデナデ
フロリス「ちょっ! なにやってんの!?」
上条「いい子いい子」ナデナデ
フロリス「手塞がってるから振り払えない! やめろこの野郎!///」
上条「わっしゃわっしゃ」ナデナデ
フロリス「むうぅー!!///」
青ピ「うわぁー、めっちゃぶん殴りたい」
レッサー「なんでしょう……このかませ扱いというかモブ扱いは……」
レッサー「まさか! ヒロイン交代!?」
青ピ(レッサーちゃんって意外とゲーム脳してんねんなぁ)
フロリス「洗濯機叩き落すぞ!」
上条「調子に乗りましたぁ!」
フロリス「ったく……」イライラ
上条「ゴメンゴメン」
上条「じゃあ青髪。これ貰ってくな」
青ピ「はいはい、どうぞー……あっ。ちょい待って」ヒョイ
上条「?」
青ピ「このパンも持ってってえぇよぉ」ヒョコ
上条「おぉ! いいのか?」
青ピ「レッサーちゃんとフロリスちゃんにプレゼント。美味しいから是非どーぞ」
レッサー「ありがとうございますっ」
フロリス「いい匂い」
上条「サンキュー。やっぱ持つべきものは友達だな」
青ピ「ええってええって。ボクもかわい子ちゃんのアドレスもゲットできたし」ムフフ
上条「はいはい。じゃあなー」
レッサー「さよならー」
フロリス「さよならー」
青ピ「はーい。ばいばーい」ブンブン
上条「あのデカさの人間が大きく両手振ってるとちょっと怖いな」
レッサー「三大テノールもビックリしそうな野太い声してますし」
フロリス「言いたい放題か」
ーーー上条宅ーーー
フロリス「よっこいせ」ドサッ
レッサー「おっさん臭いですね」
フロリス「エロオヤジみたいな脳ミソのアンタに言われたくない」
レッサー「誰がオヤジですか!」
フロリス「エロも否定しろよ……」
上条「喧嘩すんなよー。俺は古いほうの洗濯機をベランダにっと」
レッサー「私がやります!」
上条「じゃあ頼む」
レッサー「お任せをっ」
上条「なら朝やり損ねた洗濯物を片付けるか」
フロリス「あっ。じゃあさ、ワタシのも頼んでいい? 替えの服がもう無くて……」
上条「オッケー。一緒に入れてくれ」
フロリス「はいよー」
上条「ふんふふんふーん♪」
上条(今から干しても乾かないだろうし、乾燥かけとこー)
レッサー「運び終わりました!」
上条「よし、じゃあ昼飯にするか」
レッサー「やったー!」
フロリス「……で」
レッサー「さっき貰ったパンがランチですか」
上条「大量に貰ったし幾つかのパンは早めに食べないと傷んじゃうからな」
レッサー「なら仕方ありませんね。あっ、飲み物はホットミルクでお願いします」
フロリス「ワタシは紅茶で」
上条「今用意するからちょっと待っててくれ」
レッサー「今のうちに何食べるか決めときましょーっと。えっと、メロンパンとソーセージのとハムサンドと……」
フロリス「取りすぎだって」
上条「俺はコレとコレと……」
ーーー昼食中ーーー
レッサー「うまうま」モキュモキュ
フロリス「ほんと」アムアム
上条「お前ら頬張りすぎ」
上条「ところで、フロリス。お前さっき替えの服が無いとか言ってたけど昨日今日こっちに来たんじゃないのか?」
フロリス「何日か前に日本には来てたんだけど、色々と転々としててね」
上条「ふーん」
フロリス「色々あってレッサーのいるアンタのとこに来たわけ」
上条「色々……」
フロリス「そう色々(お金とか連れ戻しとか)」
上条「………」
フロリス「? どしたの」
ブーブー
フロリス(レッサーからメール?)
フロリス(…………なるほど。この男もなんていうか……お人好しだね、まったく)
フロリス(まぁ、勝手に勘違いしてるんならわざわざ教えなくてもいいか)
フロリス(それに利用できるっていうなら……)
フロリス「あのさ」
上条「なんだ?」
フロリス「ワタシも何日かここに置いてもらえないかな?」
レッサー「!?」
上条「フロリスも? 俺は構わないけど」
フロリス「ほんと? じゃあよろしく」
上条「あぁ」
フロリス(ラッキー♪)
レッサー「(ちょっとフロリス。あなた何考えてるんですか?)」ヒソヒソ
フロリス「(何って別になにも? まあせっかくだからもうちょっとこの街を観光しようかなぁと思って)」ヒソヒソ
レッサー「(だからって、なにもここに泊まらなくても……)」
フロリス「(ワタシにはベイロープにアンタのこと報告する義務があるしそれに)」
レッサー「(それに?)」
フロリス「(レッサー、アンタが自分で『四・五日様子を見ろ』って言ったんじゃん)」
レッサー「(あっ……)」
フロリス「(というわけでよろしく)」
レッサー「(むぅ……)」
上条「どうした?」
フロサー「「なんでも」」
上条「そうか……? あっ、レッサー。お前が食ってるの美味そうだな。一口くんない?」
レッサー「これですか? いいですよ。では『くぱぁ』とお口を開けてください」
フロリス「ぶふっ!?」
上条「くぱぁとか言うな」
レッサー「では濡れた二枚の唇を開きその粘膜を私に晒し……」
上条「官能小説っぽく言ってんじゃねえよ」ビシッ
レッサー「あいたっ! うぅ……じゃああーん」
上条「あーん」パク
上条「ん。けっこう美味いな」モグモグ
上条「こっちも食う?」
レッサー「じゃあ一口」
上条「ん」
レッサー「あーん」パク
レッサー「ふぉう。こっひもなふぁなふぁ」モキュモキュ
上条「ケチャップ付いてる」フキフキ
レッサー「ん。ありがとうございます」
フロリス「」
レッサー「……フロリス? どうしました?」
フロリス「……へっ? あ、あぁ」
上条「どした、ぼーっとして」
フロリス「えっ、いや、あのさ。アンタ達……そんな関係なの?」
上サー「「関係?」」
フロリス「あ、わかってないならいいや……」
上サー「「??」」
フロリス(マジかよ、こいつら。こんなカップルみたいなことしといて自覚無しかよ……)
フロリス(そういやレッサーって張り切って真面目にやると失敗しまくるくせに無意識に、無自覚に天然でこういうことするところあるからなぁ)
フロリス(こっちはこっちで天然ジゴロだって話を聞くし)
フロリス(まさかとは思うけど、レッサーが自分で思ってるより仲良いんじゃ……)
フロリス(……もうちょっと色々見てみよ)
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
フロリス(……絶対仲良いじゃん!!)
フロリス(ちょっと待ってよ! なんで少しトイレに席外してたらこんなことになってんの!?)
レッサー「そんなとこに突っ立ってどうしました?」
フロリス「アンタ達こそどうした!?」
上サー「「??」」
フロリス「ワタシがちょっと離れてる間に何があった!?」
フロリス「なんでレッサーはそいつの膝の上に座ってんの!?」
レッサー「膝の上じゃなくて胡座かいた脚の間ですよ」
フロリス「どっちでもいいわっ!」
上条「寒いからだってさ」
フロリス「さ、寒いっ?」
レッサー「ほらコタツって脚とかはあったかいですけど背中は冷えるじゃないですか。だからですよ」
フロリス「だからですよ、って……他に何かなかったわけ?」
上条「何かって言われてもレッサーがこれがいいって」
レッサー「背中あったかいんですよ」ダラーン
フロリス「えぇ……」
フロリス「なんか……頭痛い」
上条「大丈夫か?」
フロリス「大丈夫だけどさ……」
フロリス「一つ聞いていい?」
上条「なんだ?」
フロリス「アンタ達ってずっとそんな感じで生活してたの?」
上条「そんな感じって?」
フロリス「その人間背もたれとか」
上条「いや、二・三日前にレッサーが寝ぼけて座ってきてからだな」
フロリス「ふ、ふぅん……じゃあさっきの『あーん』とかは……」
上条「それはたまにかな」
フロリス「たまに……ん? それはたまにって……」
フロリス「じゃあ背もたれは頻繁にしてるの?」
上条「風呂上がりとかだいたい。なぁ?」
レッサー「ええ。落ち着くんですよ、ここ」グデーン
フロリス(えぇー……なにこいつら付き合ってんの? 付き合ってんのねぇ?)
フロリス(完全にバカップルのソレじゃん)
フロリス(そのくせレッサーは恋愛感情がないんでしょ? 意味わかんない、意味わかんないんだけど)
フロリス(それにこれだけ仲良くしてて手篭めにしてないって……)
フロリス(いや、個人的に仲が良いってだけでイギリスの為になんでもしますー、ってわけじゃなのか)
フロリス(……どうしよう、なんだかよくわかんないけどものすごく居づらくなってきた。この他人から見たら甘々な空間から逃げ出したい)
フロリス「………」
上条「フロリース?」
フロリス「……ちょっと外行ってくる」
上条「えっ、あぁ……そうか」
フロリス「すぐ戻るから」スタスタ
ガチャ
上条「どしたんだろ……」
レッサー「さぁ……?」
上条「あぁ、やべっ。脚痺れてきた」
レッサー「お、マジですか。くすぐってやりましょう」
上条「こらっ! やめろバカっ」
レッサー「ほれほれー」グリグリー
上条「ぬわっ! くっ……」
レッサー「うりゃりゃー!」グリグリー
上条「いい加減にしろ!」ビシッ
レッサー「あうっ」
prrrrr
ピッ
ベイロープ『やっと連絡してきたわね、フロリス』
フロリス「………」
ベイロープ『レッサーのほうはどうなってるの?』
フロリス「………」
ベイロープ『……? おーいフロリス? 聞こえてる?』
フロリス「……ねぇ、ベイロープ」
ベイロープ『! どうしたのよ』
フロリス「ワタシも男欲しい」
ベイロープ『はっ?』
フロリス「なんかレッサーが目の前でイチャついててムカつく」
ベイロープ『ちょっ、なんの話?』
フロリス「ゴメンやっぱなんでもない。また連絡するから」
ベイロープ『はっ? フロリーー』ブツ
フロリス「……はぁー」
ブツ
ベイロープ「………」
ランシス「ふ、フロリしゅ…な、なんだっ…て?」プルプル
ベイロープ「よくわかんないけど……レッサーに毒されてたわ」
ランシス「? どう…いう…くく…こと?」プルプル
ベイロープ「さぁ? やっぱりレッサーは一筋縄じゃいかないってことじゃない?」
ランシス「ふ、ふぅ…ん…? こそば…」プルプル
ベイロープ「いや、くすぐったいなら無理して魔翌力練らなくても」
ランシス「ひ……ひゃうんっ…!」プルプル
ベイロープ「……なんでうちには変なのばっかりしかいないのかしら……」ハァ
今日はここまでです。
フロリスは天然小悪魔と鈍感旗男の関係の為のスパイス的な役割です
かませじゃないよ
レッサーのお友達追加
変態淑女
最強のロリコン
脱ぎ女
ナース好き
変態大男←new
ガチャ
フロリス「ただいま……って」
レッサー「にゃはははっ!」ジタバタ
上条「うりゃうりゃうりゃー!」コチョコチョー
フロリス「………なにやってんの」
レッサー「フロっ……フロリ…ス。たひゅけ……ひひっ」
上条「ほらほらー!」コチョコチョー
レッサー「ひゃうっ!」ビクッ
フロリス「やめんか」ゲシッ
上条「うぉっ」
レッサー「はぁー……はぁー……」
フロリス「盛ってんじゃねーよ」
上条「違うから。レッサーが痺れた脚を攻撃してくる仕返しに、脇くすぐってただけだから」
フロリス「ったく、こいつらは
……」
フロリス(イチャついてんじゃねーよ! ばーか!)
上条「まあちょっとやりすぎたかもな。大丈夫か? レッサー」
レッサー「テ…テクニシャン……すぎ…です……」グッタリ
レッサー「あぁー、笑いすぎてお腹痛い」
上条「んーっ、俺も腕疲れた」
フロリス「どれだけハードだったんだよ……」
レッサー「体験してみます?」
フロリス「遠慮しとく」
上条「そろそろ晩飯の食材買いに行くけど、何か食べたいものあるか?」
フロリス「なんでもいい」
レッサー「私もあなたが作ったものならなんでもいいです」
上条「なんでもいいってのが一番困るんだよなぁ」
レッサー「じゃあ何かあったまるもので」
上条「あったまるものねぇ……、じゃあ鍋にするか」
フロリス「鍋って闇鍋とか?」
上条「いや普通の鍋……って、なんで闇鍋知ってんの?」
レッサー「以前キャーリサ様とエリザード様が『鍋パやるぞー』って、適当に人集めてやったことがあるんです」
上条「イギリス王室ってほんと変わってるな」
フロリス「あんなもん考え出す日本人こそ変わってるでしょ」
上条「まあ否定はしないけど」
上条「しかし王室の用意した鍋ってなると、随分高級なんだろうなぁ。羨ましい」
フロリス「そんなことなかったけどね。とても食べれたもんじゃなかったし」
上条「そうなのか? キャーリサのことだからてっきり燕の巣とかトリュフとか珍しいもの入れそうだけど」
レッサー「まぁ、珍しいといえば珍しかったですね。カーテナ=セカンドの欠片とかでしたし」
上条「まって、カーテナの欠片? 何入れてんの、あの王女様」
レッサー「あとは美少女フィギュアとかギターピックとか」
上条「よしわかった。お前たちは闇鍋を完全に勘違いしている」
フロサー「「??」」
上条「イギリス王室式闇鍋の話は置いといて、うちは寄せ鍋にでもするか」
上条「つーわけでスーパー行ってくる」
レッサー「あっ、私も一緒に行きます」
上条「フロリスはどうする?」
フロリス「んー……そうだなぁ……」
フロリス「!」
フロリス「ワタシは留守番してるから2人で行ってきなよ」
上条「わかった。じゃあ行くか、レッサー」
レッサー「はいはーい」
フロリス「………」
ーーーーーーーーー
上条「おぉーさむ」
レッサー「そりゃ冬ですもん」
上条「風も吹いてるしなぁ」
レッサー「吹いてますねぇ」
上条「そういや、前にレッサーと買い物行った時もこんな会話してたなぁ」
レッサー「あー、そう言われれば」
レッサー「確かあの時、あなたがニオイフェチの変態だと発覚したんでしたっけ」
上条「捏造した記憶を語るな。上条さんはそんな趣味持ってませんって」
レッサー「いやいや『俺はレッサーの匂いをいつまでも嗅いでいたいんだ』キリッ……とか言ってたじゃないですかー」
上条「言ってねぇよ。つーか俺のモノマネ似てなさすぎ」
レッサー「私の匂いをクンカクンカして恍惚の表情を浮かべたくせにぃー」
上条「浮かべてませーん。そういうお前こそ顔真っ赤にして照れてたくせにぃー」
レッサー「あ、あれはあなたが……///」ゴニョゴニョ
上条「………勝った」グッ
レッサー「なにガッツポーズしてるんですかっ!」
上条「………」フッ
レッサー「無言のドヤ顔うぜぇ」
フロリス「………」コソッ
フロリス(………出かけてからずっと後をつけてるけど気づかれないもんだね)
フロリス(にしても……)
上条「ーーー」ワーワー
レッサー「ーーー」ギャーギャー
フロリス(仲いいなぁ)
フロリス(レッサーは恋愛感情無いって言ってたけど)
フロリス(あれだけ仲良さげだとなぁ)
フロリス(見てるこっちがむず痒いというか)
フロリス(さっさとくっ付けばいいのに)
フロリス(でもあれは……)
レッサー「くしゅっ」
上条「鼻水出てるぞ。ほらこっち向いて」
レッサー「いいですっ、自分でやりますっ」チーン
フロリス(恋人っていうより兄妹だよなぁ)
フロリス(うーん……)
ーーー スーパー ーーー
上条「さてっ」
レッサー「買いますかっ」
上条「まずは野菜だな」
レッサー「野菜少なめ、肉ガッツリがいいです」
上条「ダメですー。バランスよく食べないと大きくなれないぞ?」
レッサー「胸の話ですか?」
上条「身長の話です」
レッサー「これでも結構大きいほうなんですけどねぇ。これ以上大きくなれだなんてあなたも好きですね、まったく」
上条「身長の話だって」
レッサー「まぁ、あなたがどうしてもと言うのなら……」
上条「白菜安ーい。春菊安ーい」
レッサー「途中で話切らないでくださいよ」
フロリス(……なーんでレッサーのやつはすぐそんな話にもっていくかな)コソコソ
フロリス(そういうこと言わなきゃ結構いい感じなのに……)
フロリス(でもこういうシチュエーションって悪くないよね。新婚夫婦みたいでさ)
フロリス「………げっ。ニンジン買ってるし……最悪」
上条「次は魚介類と肉だな」
レッサー「手分けしましょうか」
上条「じゃあレッサーは肉のほう頼む」
レッサー「わっかりましたー」タタタッ
上条「……レッサーが手伝ってくれると楽でいいなぁ」
上条「飲み物に媚薬仕込んでた時が懐かしいや……」
「上条?」
上条「!」
吹寄「奇遇ね」
上条「よう、吹寄。買い物か?」
吹寄「スーパーに来て買い物する以外に何かある?」
上条「言葉足らずだった。健康食品の買い物か?」
吹寄「言い直すんじゃないわよ!」
上条「大豆飲料、DHCサプリ、スッポンドリンク……それにムサシノ牛乳?」
吹寄「好きなのよ。……って勝手に見るなっ!」
上条「……そういやムサシノ牛乳ってバストアップの都市伝説とかあったよな」
吹寄「そうなの? 私は知らないけど……上条当麻。貴様どこを見て言ってるの」
上条「誤解だ、吹寄。俺はお前の胸など……「ふんっ!」ゴンッ
上条「ごはっ!」
上条「いてて……しかし見事に健康食品ばっかだな」
上条「いや、スッポンドリンクって健康食品なのか……?」
吹寄「スッポンにはアミノ酸、ビタミン、ミネラルと栄養が豊富なのよ」フンッ
上条「ふーん……」
吹寄「………貴様、まさかとは思うけど変なこと考えてないでしょうね」
上条「変なこと?」
吹寄「だってスッポンって……///」
上条「あー、なるほど。精力ざ…「黙りなさいっ!」ゴンッ
上条「理不尽っ!」
吹寄「そういう上条は鍋かしら?」
上条「お前こそ勝手に見てるじゃねーか」ヒリヒリ
吹寄「おあいこでしょ」
吹寄「それより、1人分にしてはやけに多くない?」
上条「3人分だからな」
吹寄「3人分? 3バカで鍋パーティーでもするの?」
上条「土御門と青髪じゃねえけど、鍋パって感じになるかな」
吹寄「ふぅん」
上条「お前も来るか?」
吹寄「遠慮しておくわ。他の2人ってどうせ女の子でしょ? そんな中に入っていけないわよ」
上条「そんなこと気にする必要ないと思うけど……」
吹寄「とにかく私はいいわ」
吹寄「パーティーといえば、上条。貴様クリスマスは何か予定があるのかしら?」
上条「クリスマス? 今のところハッキリした予定はないかな」
上条(多分インデックスとスフィンクスも帰ってくるだろうから、レッサーとフロリスと4人+1匹で過ごすことに……)
吹寄「じゃあクラスでクリスマスパーティーやらない? 今姫神さんと計画してるんだけど」
上条「クリスマスパーティーか。いいなそれ」
吹寄「じゃあ上条も参加でいい?」
上条「何人か連れが来るかもだけどいいか? インデックスとか今言ってた女の子2人とか」
吹寄「いいわよ、それくらい。クラスの人も全員来るわけじゃないから」
上条「そうなのか」
吹寄「ええ。バイトとかナンパとかだって」
上条「ナンパって……」
吹寄「あの青髪でさえも『ボクは女の子と予定ができる予定なんやー』…とかなんとか。わけわかんないわね」
上条「いやぁ、あいつは多分来るぞ」
上条(レッサーもフロリスも多分パーティーに参加するだろうし)
吹寄「そうなの? まあいいわ。なら貴様と連れと青髪は参加ね。詳細が決まったら連絡するから」
上条「おう」
吹寄「じゃあまた」
上条「またなー」
上条「さて買い物の続きするか」
レッサー「そうですね」
上条「………いつからいたんだ?」
レッサー「『よう、吹寄。買い物か?』キリッ……の辺りですかね」
上条「最初の最初だな」
レッサー「最初の最初ですね」
上条「まあ聞いてたんなら話が早いな」
レッサー「やっぱりあなたは大きい方がいいんですか」
上条「なんでそういう結論に至った?」
レッサー「今日の食事にあんな巨大な武器を持つ女性を誘ってたから?」
上条「別に吹寄が巨乳だから誘ったわけでは……」
レッサー「でも大きい方が好きなんでしょう?」
上条「……否定はしない……かな?」
レッサー「うわぁ……」
上条「うわぁ、とか言うなよ。つーかお前さっき自分でそんな話してたじゃねぇか」
レッサー「私の話では反応しなかったくせにあの大きさだと反応するんですか、そうですか」イジイジ
上条「うわぁ。めんどくせえこの子」
レッサー「で。クリスマスパーティーの話でしたっけ」
上条「急に普通になるなよ。っていうか聞いてたなら始めからそっちの話をしろ」
レッサー「ワンクッション挟もうと思いまして」
上条「何を挟んだんだよ」
レッサー「ナニを挟むっ!? いったいナニでナニを挟むとっ!? ///」
上条「………」ビシッ
レッサー「痛いっ」
上条「チョップしたぞ」
レッサー「やってから言わないでください」
上条「事後報告だ」
レッサー「他のコトもヤッてから事後報告を………すみません。グーはやめてください」
上条「で。クリスマスパーティーだけど、来るか?」
レッサー「私としてはクリスマスはあなたと2人きりがいいんですけど」
上条「フロリスはどうすんの」
レッサー「1人で過ごさせましょう」
上条「何気に酷いこと言ってるな」
レッサー「そうですか?」
上条「冗談はさておき」
レッサー「(2人で過ごしたいってのあながち冗談では……)」ブツブツ
上条「?」
レッサー「なんでもないです。いいんじゃないですか、クリスマスパーティー」
上条「じゃあレッサーは確定ってことでいいか。フロリスはどうだろ」
レッサー「あとで聞いてみればいいじゃないですか」
上条「それもそうか。じゃあ買い物の続き……ってお前肉は?」
レッサー「何の肉を買うのか聞いてなかったから戻ってきたんです」
上条「そういや言ってなかったな。豚と鶏の合挽き肉を頼む」
レッサー「はーい。……あ。先ほどの話を聞いてちょっと欲しいものができたんですが……」
上条「………スッポンなら買わないぞ」
レッサー「いやそれではなく……」
レッサー「ムサシノ牛乳のほうを」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
上条「肉買った。野菜買った。魚買った」
レッサー「豆腐にうどんに牛乳に」
上条「無くなりかけてた洗剤もバッチリ」
レッサー「私が覚えてたおかげですね」
上条「そうだな。えらいえらい」
レッサー「………」
上条「なんだよ」
レッサー「袋半分持ちますよ」
上条「? じゃあこっちの頼む」ガサッ
レッサー「お任せを」ガサッ
レッサー「……おほん。いやー私が覚えていたおかげで洗剤を買い忘れずにすみましたねっ」
上条「? おう」
レッサー「……鈍い人ですね」
上条「……? なんか拗ねてる?」
レッサー「別に拗ねてはいませんけど……」
上条「なんか知らないけど機嫌直せよ。帰りにコンビニでスイーツ買ってやるから」ナデナデ
レッサー「っ!」ピクッ
レッサー「し、仕方ありませんねぇ。まったく」ニヨニヨ
上条(機嫌直った。やっぱ甘いものは強力だな。うん)ナデナデ
レッサー「ふふん♪」
フロリス「うえぇ。砂糖吐きそう」
フロリス「アホで甘え下手の天然と鈍感女たらし……」
フロリス「なんだかんだでいい感じだよなぁ」
レッサー「でもあなたがスイーツとか言ってるとちょっと笑えますね」
上条「う~る~さ~い~」ガシィ
レッサー「痛いっ。痛いですっ! 頭が割れるぅっ」
フロリス「……台無しだよ。ばかたれ」
フロリス「まあいいか。ワタシは2人より先に戻ろう」
ーーー上条宅ーーー
上条「ただいまー」
レッサー「ただいま~」
フロリス「おかえりー」
上条「寒かったー」
レッサー「やっぱり部屋の中はあったかいですね」
フロリス「お疲れさん」
上条「早速だけど下ごしらえのほう済ませるか」
フロリス「手伝うよ」
レッサー「私もっ」
ドラム式洗濯乾燥機『終わったでー』
フロリス「!?」
上条「お。終わったみたいだな」
レッサー「ならあっちは私が」
上条「任せた」
フロリス「喋った件についてはノータッチ!?」
上条「学園都市製ならそんなもんだよ」
レッサー「学園都市マジぱないですからね」
フロリス「えぇ……」
ドラム式洗濯乾燥機『終わったでー終わった……』
ピッ
レッサー「喋る家電って珍しくはないですよね。よく考えたら」
レッサー「何故関西弁なのかは知りませんが」
ガチャ
レッサー「おぉ。乾燥かけてたんですね」
レッサー「ぬっくぬく」モフモフ
レッサー「外は寒かったからものすごく気持ちいいです」
レッサー「………」
上条「……で。丸めて冷蔵庫に入れてと」
フロリス「野菜切ったよ」
上条「サンキュー」
上条「それで、クリスマスパーティーだけどどうする?」
フロリス「うーん。レッサーとアンタが行くんならワタシも行こうかな」
上条「りょーかい。じゃあ友達にも言っておくな」
フロリス「はいよ」
レッサー「………あの」
上条「サンキューレッサー。洗濯物は後でたたむからベッドの上にでも置いててくれ」
レッサー「そうではなくてですね……」
フロリス「どしたのさ」
レッサー「乾燥かけたせいかいくつかの服が縮んでたんですけど……」
上条「マジっ?」
レッサー「はい。これとか」
フロリス「真っ赤でヒラヒラとか……。アンタまだそんな変な趣味の下着履いてたの……」
レッサー「むっ。変な趣味とは失礼ですね。せくしぃなんです、これはっ」
上条「見た感じそんな縮んでるように見えないけど……」
フロリス「なんでアンタは恥ずかしがらずにまじまじと見てるんだ」
上条「そりゃあいつも見てるし」
フロリス「えっ」
上条「誤解するなよ? 毎朝の洗濯で見てるってことだからな?」
フロリス「あ、あぁ…。そういうことか。ビックリした……」
上条「それよりも、そんなに縮んでたのか?」
レッサー「はい。さっき履いてみたらカナリ食い込んできたんですよねぇ」
フロリス「ちょっと待て。履いたの? なんで?」
レッサー「いやぁ、乾燥終わったばかりでぬくぬくしていたものですから。外も寒かったですし、あったまろうかと」
フロリス「えっ、じゃあアンタが今持ってるのって……」
レッサー「乾燥したばかりでぬくぬくのうえ脱ぎたてほやほや、ってことですね」エッヘン
フロリス「っ………」
上条「他のも全部縮んでた?」
フロリス「まさかのスルー!?」
上条「こういうのはもう結構慣れたし」
フロリス「凄いな。マジで」
レッサー「私としてはちょっと複雑です……」
レッサー「とりあえずシャツとかタオルは大丈夫っぽかったです」
上条「そうか……。悪いなそのあたり気を使わなくて」
レッサー「私は別にいいですよ。下着はまだ他にもありますから」ニコッ
上条「おぉ……、レッサーがいい子だ。ものすごくいい子に見える」
フロリス「えへへっ」
フロリス「………あれ? ワタシのは?」
レッサー「縮んでました」
フロリス「おぉい! ワタシの着替えほとんど洗濯に出してたんだけどっ!?」
レッサー「私の使います?」
フロリス「レッサーの?」
レッサー「新品がありますから今日の夜はそれを使って、明日あたりまた買いに行けばいいじゃないですか」
フロリス「うーん……そうするか」
上条(レッサーの新品の下着ってハイレグモドキの紐みたいなやつなんじゃ……)
上条(……まあいいか)
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
レッサー「げぷぅ」ゴローン
フロリス「おいしかったー」グデーン
上条「風呂の支度してくるけど、お前らそのまま寝たりするなよ」
レッサー「わかってますよぉ」
フロリス「んー……」
上条「フロリス寝てないか?」
フロリス「へーきへーき……んん……」
上条「半分くらい寝てるじゃねぇか……」
上条「まあ後で起こせばいいか」
ーーー風呂場ーーー
上条「ふんふふんふふーん♪」ゴシゴシ
prrrrr
上条「ん。電話か」
上条「っと」
ピッ
上条「はいもしもし」
『も、もしもし。カミジョーさんですか?』
上条「そうだけど……どちら様?」
『イギリス清教所属、レイチェルと申します』
上条「イギリス清教?」
『インデックスの件でお話が……』
上条「っ! インデックスになにかっ……」
『いやいや、そーじゃなくてですね……。インデックスー! 電話繋がったよー!』
上条「……?」
『もしもーし? とうまー?』
上条「! インデックスっ?」
『いきなりなんだけどしばらくそっちには戻らないんだよ!』
上条「はっ?」
『クリスマスはこっちでみんなと過ごすことにしたんだよ! お正月には戻るからおせち料理よろしくかも!』
上条「えっ、はい?」
『それじゃあとうま。メリークリスマス! それから良いお年をっ!』
上条「ちょっと待って、思考が追いつかない! とりあえずメリクリ! よいお年を!」
『インデックスー、アーン。コッチモコッチモー。ちょっと待って欲ふぃかふぉ。モガモガ』
上条「えぇ……」
『……あ、レイチェルです。電話戻りました』
上条「あ、ども……」
『すみません、いきなりで。実はあたし達が無理言ってインデックスを引き止めたんです』
上条「引き止めた?」
『もともと記憶を失う前のインデックスと遊んでた面々で可愛がってたんですけど、ちょっとヒートアップしちゃいまして』アハハー
『それで、クリスマスはインデックスと過ごすー、ってなって』
上条「正月まで帰らない、ってなったのか」
『そゆことです』
上条「そういうことなら心配ないな。インデックスによろしく言っててもらえるか?」
『わかりましたー』
上条「でもこういう連絡ってステイルあたりがしてきそうなんだけどな」
『あの人インデックスの可愛がりすぎで倒れました』
上条「なんだそれ!? 何があったんだよ!?」
『色々あったんですよー。それでは』
上条「お、おう」
ピッ
上条「ステイルェ……」
上条「まぁ、それなら仕方ないか」ゴシゴシ
上条「インデックスも楽しそうで問題もないっぽい感じだし」ゴシゴシ
上条「吹寄から連絡きたらインデックスの参加は無しって言っておかないと」ゴシゴシ
上条「よし。掃除完了。後は泡を流して……」
レッサー「んにゃー……」ゴロゴロ
フロリス「んあぁー……」ダラダラ
「あっつうぅぅぅ!!」
レッサー「!」ガバッ
フロリス「!」ガバッ
バタバタ
フロリス「どうした!」
上条(半裸)「」
フロリス「」
レッサー「大丈夫ですか! ……ってどういう状況ですか……」
上条(半裸)「い…いやあぁぁ! フロリスのエッチぃぃ!」
フロリス「だ、誰がエッチだこの野郎ぉぉぉ!!」ブンッ
上条(半裸)「びぶるちっ!?」
レッサー「なんと鋭い正拳突き」
レッサー「……泡を流そうとしてシャワーを出したら」
フロリス「ノズルがこっち向いてて熱湯をかぶったと」
上条(半裸)「その通りでごんす」
レッサー「まったく、何事かと思いましたよ」
フロリス「だからってなんでエッチとか言われなくちゃいけないんだ」
上条(半裸)「なんとなく?」
フロリス「なんとなくって……」
レッサー「よかったですね、ラッキースケベですよ」
フロリス「よくないわっ! 誰得だよ!」バンッ
フロリス「アンタもいつまで乳首隠してんだよ! 女子かっ!」バンバンッ
上条(半裸)「いや、一度隠したら引っ込みつかなくなっちゃって」
上条(半裸)「それよりあんまり壁バンバンするのやめてくれ」
フロリス「ん。あぁ」
レッサー「また壁が壊れたりしたら大変ですもんね」
上条(半裸)「あれは壊れたんじゃなくてくり抜かれたんですが」
レッサー「細かいことは気にしない気にしない」
上条(半裸)「細かくはねぇよ……ってフロリス?」
フロリス「……ゴメン。ちょっと剥がれちゃった」
上条(半裸)「!?」
レッサー「あー、でも表面の壁が剥がれただけですよ」
上条(半裸)「ほんと? ほんとに?」
レッサー「ほら」
上条(半裸)「ほんとだ。よかった……」ペタ
パキィーン
ズズッ
グラァー
ゴッシャーン!
上条(半裸)「」
レッサー「」
フロリス「」
ーーーーーーーーー
上条「……未元物質製?」
『そうそう。第二位の能力で抜かれた壁を接合、その表面を俺が普通の材料でコーティングしたんだよ。大将の右手で触れてもいいように』
『そのコーティングを剥がして右手で触るとはなぁ』ハハハッ
上条「笑い事じゃないんだよ……」
『悪い悪い。とりあえず明日第二位と大将の部屋行くからそれまで待っててくれ』
上条「頼むぞー。世紀末帝王」
『頼まれたぞー。じゃあ明日の夕方行くから』
上条「おぉー」
『じゃあなー』
ブチ
上条「………はぁ」
フロリス「えっと……ゴメン」
上条「いや、直接壊したのは俺だから別にいいけど、今晩風呂どうするかな」
レッサー「入れないんですか?」
上条「浴槽も割れちゃったし、水流したら色々詰まりそうだし、使用は避けたほうがいいだろ」
上条「第七学区内に銭湯があったはずだから今日はそこに行くか」
ーーー銭湯ーーー
レッサー「……ここがセントーですか」
フロリス「レトロって感じか?」
上条「ここで料金払って、その後男女別々になってるから」
レッサー「混浴はないんですか?」
上条「あっても男しか入らないだろ」
上条「えっと、学生3人で」
番頭「小学生は半額だよ」
レッサー「中学生です!」
上条「ははっ。じゃあまた後で」
ーーー女性用脱衣所ーーー
レッサー「誰が小学生なんですか……」ヌギヌギ
フロリス「身長で判断されたんじゃないの」ヌギヌギ
レッサー「胸で判断しろって感じです」バーン
フロリス「………」チラッ
レッサー「まったく……」プルンッ
フロリス「………」ペタペタ
フロリス「………」ムニムニ
レッサー「どうかしました?」
フロリス「………チッ」
レッサー「なんで舌打ち!?」
ーーー大浴場ーーー
カポーン
レッサー「おぉ!」
フロリス「広いねぇー」
レッサー「これが銭湯……」
フロリス「あの富士山はなんの意味が……?」
レッサー「知りませんよ。とりあえず入りましょう」
フロリス「そうだね。じゃあ早速……」
「ちょっとそこの2人!」
「湯船に浸かる前に御身体を清めなさいな!」
フロリス「ん?」
美琴「あれ?」
レッサー「おや」
黒子「まあ」
「「「「へっ?」」」」
今日はここまでです。
次回は時期過ぎたけどクリスマス
投下も年越すだろうけど気にしない!
来年もよろしくお願い申し上げます
それではよいお年を
明けましておめでとうございます
三が日は過ぎてしまいましたがとりあえずご挨拶
2014年もレッサーをよろしくお願いします
では投下
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
黒子「お姉様たちがお知り合いだったとは……驚きですの」スリスリ
レッサー「私も件の『お姉様』がこの人だったとは思いませんでしたよ」アワアワー
美琴「アンタは確か……フロリスだっけ? ロシアの『ショッピングセンター』以来ね」ワシャワシャ
フロリス「まさかこんなとこで会うとはねー」シャアァァー
美琴「それで、アンタたちはここで何やってんの?」
レッサー「身体洗ってます」
フロリス「泡流してる」
黒子「お姉様のお背中をお流ししております。もちろん素手で」
美琴「そういう意味じゃない。そして最後のは本気で何やってんのよっ!」ゴッ
黒子「肘打ちっ!」
黒子「んもぅ。人前ですからって恥ずかしがらなくとも」
美琴「2人きりだとするのが当たり前みたいなこと言わないでくれる?」
レッサー「イギリスじゃレズカップルなんてザラですよ?」
フロリス「同性婚も認められてるし恥ずかしがることないって」
美琴「ほら、変な勘違いされてるし」
黒子「お姉様。今すぐイギリスに……」
美琴「行かない」
黒子「わたくしが言い終える前にお返事を……」ワナワナ
黒子「やはり言葉を交わさずともお姉様とわたくしは繋がっていますの!」
美琴「アンタはほんとポジティブだな!」
黒子「そんなに褒めないでくださいまし///」テレッ
美琴「褒めてない!」
美琴「バカはほっといて、アンタたち2人は何しに学園都市に来たのよ」
レッサー「観光ですよ観光」
フロリス「あとはおつかいとか色々」
美琴「ふぅん……」
レッサー「おやおや。何やら勘ぐっているご様子で」
美琴「そりゃあねぇ……」
レッサー「あなたが心配するようなことは何も無いと思いますが」
美琴「ならいいけど」
レッサー「……ところで」
美琴「なに?」
レッサー「先ほどから視線が私の顔より低い位置に感じるのは気のせいでしょうか?」
美琴「っ!? き、気のせいにきまってるじゃないっ!」
レッサー「…………」
美琴「…………」
レッサー「……触ります? 乱暴に扱わないのならいいですよ?」
美琴「………っ」ゴクッ
上条「い~い湯ぅだな♪」
上条「ハハハンっ♪」
美琴「………なによあの質量。私より身長ちっこいくせに胸だけデカいなんて」ズーン
フロリス「そのうち、いつか、きっと、多分アンタのも大きくなるって」
美琴「フォローするならもっと上手く言いなさいよ……。ほとんど希望が無いみたいじゃない……」
黒子「黒子はお姉様のスレンダーで無駄なお肉のない、締まりに締まった御身体を愛しておりますわ」
美琴「アンタはアンタでフォローしてんの?」
黒子「当然ですの! わたくしはグランドキャニオンの切り立った絶壁のようなお姉様のペッタンコを!」
黒子「あのどこまでも続く地平線のようなペッタンコを! あの夕陽が沈む美しき水平線のようなペッタン…コブラクラッチクロスフェイス!?」
美琴「ペッタンコペッタンコってアンタは餅つきでもしてるわけぇっ!?」ギリギリッ
黒子「きまっ、極まってますのっ!」バンバン
黒子「あっ、でもこれはこれで全裸のお姉様と密着できていいですの……」ハァハァ
美琴「ひぃっ!?」バッ
フロリス「この人ほんとすごいね。色々と」
レッサー「息が荒いのも疲れてるからなのか興奮してるからなのかわかりませんね」
黒子「お姉様ぁ~」ズルズル
美琴「這い這いで寄ってくるんじゃないわよ!」
チャプ
レッサー「そういえば白黒さん。前に言ってた完全下校時刻とやらはどうしたんですか? 過ぎちゃってますけど」
黒子「それには海よりも深く、山よりも高い事情が……」
美琴「アンタが私の入浴中に突撃してきたもんだからお風呂が壊れちゃったんでしょ」
美琴「そのせいで寮を抜け出してわざわざここまで……」
黒子「お姉様が素直にわたくしと入浴してくださればよろしかったのに……」
美琴「アンタと2人きりでお風呂とか死んでも御免よ」
黒子「お姉様のい・け・ずぅ☆」
美琴「………」ギシィィ
黒子「無言のアイアンクローはやめてくださいまし」
美琴「アンタたちこそなんで銭湯にいるわけ?」ギシィィ
黒子「あの……お姉様…? そろそろお手を離していただきたいのですが……」
レッサー「私たちもお風呂が使えなくなったものですから仕方なくここへ」
美琴「ふぅん」ギシィィ
黒子「お……さっ…ま」
黒子「申し訳ありませんでしたのぉ!」
美琴「ったく」パッ
黒子「痛いですの……」グスッ
フロリス「指の痕がくっきり……」
レッサー「あの握力で私の胸も揉まれてたんですね……、そう思うとゾッとします」
黒子「……そういえば。お風呂が使えなくなったということは上条さんもこちらに?」
美琴「!?」
レッサー「えぇ。今頃男湯でノンビリしてるんじゃないですか?」
美琴「ちょ、ちょっ! それどういう意味!?」
黒子「こちらのレッサーさん。実は上条さんのお部屋にお世話になっているそうですわよ」
美琴「はあぁぁ!? なにそれうらやまっ……」
フロリス「うらやま?」
美琴「なな、なんでもないわ! それよりそれってどういうことよ!」
レッサー「こっちにいる間の滞在地として転がりこんだんですよ。ちなみにフロリスも今日から世話になってます」
美琴「 」
レッサー「私はかれこれ一週間はあの人と暮らしてますかね」
美琴「一週間も!? 同じ部屋で!? 羨ましっ……」
黒子「あら、羨ましいんですの? お姉様」
美琴「ううう、羨ましいわけないじゃにゃい!」
フロリス「噛んでる噛んでる」
レッサー「」♪
美琴「」ボーッ
黒子「」ニヤニヤ
フロリス(大体関係図が見えてきたかな)
フロリス(御坂美琴はあの男が好きなわけか。……ふむ)
フロリス(こういう修羅場っぽいのって恋愛小説とかで一番盛り上がるよねぇ、やっぱ!)ワクテカ
黒子「それで上条さんとの仲はどのくらい進展なさったんですの?」
美琴「」ピクッ
レッサー「まだまだって感じですね」
黒子「そうなんですの?」
フロリス「人目もはばからずイチャついてたくせに何言ってんだか」
美琴「!」
黒子「そうなんですのっ?」
レッサー「イチャついてはないと思いますけど……」
フロリス「パンの食べさし合い。身体のくすぐり合い。膝の上に座って人間背もたれで密着……。これでイチャついてないとは言えないっての」
黒子「まあまあっ。随分と仲がよろしいではありませんの」
レッサー「そう言われると……」
美琴「食べさし合い……くすぐり合い……密着……」
美琴「うらやまっ……羨ましいっ!!」
黒子「とうとう言い切りましたの」
美琴「羨ましいっ、羨ましいっ、羨ましいぃ!!」バチャバチャ
美琴「私もアイツとそんなことしたいぃー!」
フロリス「お、おぉ……」
レッサー「うわぁ……」
黒子「お姉様。冷静に考えてくださいまし。お姉様があの殿方とそういうことをしているところを」
美琴「 」ピタッ
美琴「………///」カアアァ
黒子「とても冷静にいられるとは……」
美琴「ふにゃああぁ///」バチバチ
黒子「おねっ! お姉様っ、水辺での能力しよ…あばばば!」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
美琴「……ごめん」
黒子「他に利用者がいなくてよかったですの」
フロリス「ワタシらも大したことなかったし」
レッサー「むしろ肩こりが若干ほぐれたような」
黒子「とりあえずそろそろ出ませんこと? また同じようなことになったら大変ですし」
レッサー「そうですね。そろそろあの人も出て待ってるかもしれませんし」
ーーーーーーーーー
上条「おっ。あがったのか」ホカホカ
レッサー「はい。お待たせしました」ホカホカ
上条「あれ、フロリスは?」
レッサー「渡した下着が気に入らなかったようで着るかどうか悩んでます」
上条(あぁ。あの過激なやつ……)
レッサー「それから……」
美琴「や、やっほー」
黒子「こんばんは」
上条「御坂に白井? なんでここに?」
美琴「色々あるのよ。それより」ズイッ
上条「?」
美琴「アンタ。あの2人と同棲してるってほんとなの?」
上条「あぁ、まあそうだな」
美琴「食べさし合いとか色々やってるのも……?」
上条「食べさし合い? ……あぁやってるな」
美琴「ちちち、ちなみに付き合ってるとかじゃあ……」
上条「付き合う? 俺とレッサーが?」
上条「それはない……って、なんのガッツポーズですか? 御坂さん」
美琴「な、なんでもないっ!///」
フロリス「おまたせー」
レッサー「おやフロリス。結局着ることにしたんですか?」
フロリス「あの2人は何やってんの?」
レッサー「無視ですか? 聞かれると困るんですか?」
フロリス「御坂美琴のほうは喜んでるように見えるんだけど?」
レッサー「はっ! まさかあなた! 今ノーパ……」
フロリス「着てるよ! あのこっぱずかしいエロ下着!///」
レッサー「なに声高らかに言ってるんですか。なにかのアピールですか? ん?」
フロリス「うぜぇ……って、白黒はなんでそんなキラキラした目でこっち見てんの?」
黒子「フロリスさん。わたくし達は同好の士ですの」
フロリス「なんかよくわかんないけどこの人勘違いしてない?」
美琴「そ、それでさっ。アンタ、クリスマスもあの2人と過ごす……の?」
上条「クリスマスはクラスのやつらとパーティーする予定だ。あいつらも参加で」
美琴「パーティー?」
上条「あぁ。細かいことは決まってないけど……」
美琴「私も参加しちゃダメ……?」
黒子「!?」
上条「御坂も? 多分大丈夫だと思うけど……」
美琴「!」パアァァ
黒子「おおお、お姉様! クリスマスはわたくしと熱い夜を! 聖夜を性夜として過ごす御予定では!?」
美琴「私その予定知らないから1人で過ごして」
黒子「ジーザス!」
上条「膝から崩れ落ちたぞ」
美琴「ほっといて平気よ」
上条「そうか……あっ」
上条「だったら白井も来るか?」
美琴「!?」
黒子「いいんですの?」
上条「御坂1人じゃ気まずいかもしれないし」
美琴「ちょっ!」
黒子「それもそうですわね。お姉様のた・め・に! わたくしもそのお誘いを受けさせていただきます」
上条「おう」
上条「じゃあまた連絡するから今日はこれで」
美琴「も、もう帰るの?」
上条「湯冷めして風邪でもひいたら大変だしあんまり遅くなるのもまずいだろ」
美琴「まぁ……そうだけど」
上条「御坂も白井も気をつけて帰れよ」
黒子「貴方のほうこそお気をつけて」
レッサー「ではさようなら」
フロリス「また」
黒子「ご機嫌よう」
美琴「……じゃあね」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
ーーー常盤台学生寮ーーー
美琴「まさかあの馬鹿。また女の子はべらかしてるとは思わなかったわ……」カリカリ
美琴「よりにもよってあのチビ巨乳だとは……」カリカリ
美琴「やっぱりアレか! 乳か!? 乳がいいのか!?」
黒子「お姉様……」
美琴「そのうえ同棲って! イチャついてるって! なんだよコンチキショーっ!」
黒子「キャラが崩壊しております、お姉様」
黒子「それに静かにしないと……」
バァンッ!
寮監「うるさいぞ御坂ぁっ!!」
美琴「はいっ!」
寮監「門限過ぎてからの無断外出並びに浴室の破壊。その件について反省文10枚。今日中に提出するように」
寮監「しなかったらどうなるかわかっているだろうなぁ?」ゴゴゴ
美黒「「イエッサー!!」」
ーーー上条宅ーーー
上条「ただいまーっと」
フロリス「寒かったー」
レッサー「結局湯冷めしちゃいましたね」
上条「大丈夫かお前ら」
レッサー「大丈夫で…くしゅっ」
上条「大丈夫じゃねえじゃねえか」
上条「あったかくして早く寝るぞ」
レッサー「では2人で抱き合って寝ましょうか。暖かくするならそれが一番てっとり早いですし」
上条「そうだな」
レッサー「えっ」
ーーーーーーーーー
レッサー「」ムッスゥー
上条「じゃあ電気消すぞ」
フロリス「……うん。おやすみ」
上条「おやすみー」
パチッ
レッサー「ってちょっと!」
上条「なんだよ」
フロリス「うるさいレッサー。耳元で大声出すな」
レッサー「なんでフロリスと抱き合って眠るハメになるんですか!」
フロリス「こうなるって大体読めてただろ。あと抱き合ってない。アンタが一方的に抱きついてるだけだ」
レッサー「だって寒いし狭いんですもん」
上条「とりあえず我慢してくれよ。毛布足りてないんだから」
レッサー「いや我慢しますよ。しますけどね? とりあえず一回電気つけましょうか」
パチッ
フロリス「眠い」
上条「眠い」
レッサー「ホットコーヒー」
上条「寝る気ねぇのな」
レッサー「とか言いながら用意してくれるんですね」
上条「はい」スッ
レッサー「すみません。私苦いのダメでした」
上条「じゃあなんで頼んだ?」
レッサー「なんとなく?」
上条「殴っていい?」ニコッ
レッサー「いやです」ニコッ
上条「………」グニイィ
レッサー「ほっふぇたひっぱらないれ」
上条「………」グニグニ
レッサー「………」
上条「………」グニグニ
レッサー「ちょっと楽しくなってません?」
上条「………うん」
フロリス「そいや!」ドゴッ
上条「んぎゃっ!」
フロリス「眠いんだよ……。目の前でイチャつくな」
上条「え、延髄蹴り……」
上条「……それでなんだよレッサー」イテテ
レッサー「期待させて落とすのはどうかと思います」
上条「なんの話?」
フロリス「自分の胸に聞け」
上条「??」
レッサー「とりあえず寒いです」
上条「コタツは点けないぞ?」
レッサー「そうではなく」
上条「ホットミルク飲むか?」
レッサー「魅力的な誘惑ですがお断りします」
上条「じゃあなにがいいんだ?」
レッサー「ですから寒いんですって」
上条「なにが言いたいのかサッパリわからん」
レッサー「『俺の肌で温めてやんよ』とか言ってみろよ!」
上条「てめぇは俺に何を期待してんだ!?」
レッサー「こうなったら問答無用であなたの腕の中にドーン!」バッ
上条「ごふっ!」
フロリス「鳩尾に入ったんじゃ……」
レッサー「やっべぇなんか落ち着く……」
上条「……っ!」
フロリス「落ち着いてるレッサーとは対照的に悶絶してプルプルしてるんだけど」
レッサー「んにゃぁ……」
上条「な、なんなのこいつ……寝ぼけてんの?」
レッサー「どうやらあまりの眠気と極度の疲れで意識が朦朧としてるみたいです」
上条「朦朧としてる人間の割りに随分冷静な自己分析だな、おい」
レッサー「………」
上条「………?」
レッサー「 」クー
上条「あれっ? もしかしてこいつマジで寝た!?」
レッサー「 」クークー
フロリス「……寝てるな」
上条「フロリスヘルプ!」
フロリス「任せろ」
パチッ
フロリス「電気は消したから電気代は気にするな」
上条「そういうことじゃない!」
フロリス「じゃあおやすみ。ちなみに寝込み襲ったら……」
上条「襲わないからこいつどうにかしろよ!」
フロリス「 」クー
上条「お前も寝たの!? 魔術師って早寝もできるの!?」
レッサー「 」ガシッ
上条「うわぁ、がっしり掴んでやがる。離れねぇ」
レッサー「 」クークー
上条「………どうしよう」
今日はここまでです。
今回クリスマス書くと前回言いましたがちょっと無理だったんで次回に書きます
それではおやすみなさい
レッサー「………」
フロリス「どした?」
レッサー「なんで私あの人の服抱きしめて寝てたんですかね……?」
フロリス(なんだ。服だけ脱いで一緒には寝なかったのか)
レッサー「昨晩あの人の鳩尾にロケット頭突きかましたのは覚えてるんですが……」
フロリス「あ。やっぱあれワザとだったんだ」
レッサー「行き過ぎた愛情表現ってやつですよ」
フロリス「愛情表現……ねぇ」
レッサー「なにニヤニヤしてるんですか。ただの言葉のあやですからね?」
フロリス「つまんね」
レッサー「あなたはどれだけ恋バナにもっていきたいんですか。それだけ興味があるなら自分で恋愛すればいいというのに……」
フロリス「そう言われるとそうかもしれないけど……」
フロリス「他人のを見て、騒いで、はやしたてるから楽しいんじゃん」
レッサー「いい性格してますね」
フロリス「アンタに言われたくはないかな」
フロリス(それにしてもコイツは……)
フロリス(今も寝てる間もずっとあの男の服掴んだままでさー)
フロリス(さっさと自分の気持ち自覚して素直になりゃいいのに)
フロリス(ぐあぁー、悶々する)
レッサー「そういえば、あの人はどこに?」
フロリス「電話がかかってきたから外で話してくるって」
レッサー「寒いのになんでわざわざ外へ?」
フロリス「アンタが寝てたからだよ」
レッサー「なんともまぁ優しい人ですねぇ。私を起こさないように気を使ってもらっちゃって……」
フロリス「いや、アンタの寝言がうるさいからだよ」
レッサー「っ!?」
レッサー「……そんなにうるさかったんですか……?」
フロリス「わりと。……ってアンタ自覚なかったの? 普段から結構色々言ってるけど」
レッサー「マジですか……」
レッサー「! まさかあの人と過ごしてたここ数日も何か言ってたり……」
フロリス「するかもね」
レッサー「変なこと言ってないといいんですけど……」
フロリス「変なことは普段から言ってるでしょ」
レッサー「うるさいです」
ガチャ
上条「起きたのか」
レッサー「は、はい。おはよーございます……」
上条「? なんか元気ない?」
フロリス「寝言のこと気にしてんだって」
レッサー「ちょっ! フロリスっ!」
上条「あぁ。そんなことか」
フロリス「あれ? あんまり興味ない感じ?」
上条「興味ないっていうか……、初日から寝言は色々言ってたし……」
レッサー「えっ」
上条「レッサーの寝言も慣れたからなぁ」
フロリス「順応性高いな」
上条「まあな」
レッサー「えっ、え、えっ…///」アセアセ
上条「こいつはどうしたの?」
フロリス「恥ずかしいんだろ」ニヤニヤ
レッサー「うぅ……///」
上条(今更だと思うけどなぁ…)
フロリス「ところで、随分長く話し込んでたけど」
上条「クリスマスパーティーの件で話してたんだよ」
上条「明日の昼の少し前から第三学区で小さめの会場借りてやるらしい」
レッサー「第三学区ですか」
上条「ここからだと少し遠いけど……、俺も一緒に行くから迷うことはないだろ」
上条「それからプレゼント交換するらしいから1人1つ用意して欲しいって言われたんだが。お前らお金大丈夫か?」
レッサー「私は大丈夫ですっ」
フロリス「うーん。あんまり高いものはちょっと……」
上条「気持ち程度でいいってさ。それに、どうせ他の奴らも大したものは用意しないだろうし」
上条(健康グッズとかメイド服とかな)
フロリス「ふぅん。なら大丈夫かな」
上条「それでそのプレゼント、今日の昼から買いに行こうと思うんだけど。いいか?」
レッサー「オッケーです」
フロリス「わかった」
上条「じゃあ後で用意して行くか」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
ーーーデパートーーー
上条「というわけで。デパートに来たが」
レッサー「どうします?」
フロリス「どうするって?」
上条「一緒に探すか別々に探すか、ってことだろ?」
フロリス「なるほど」
レッサー「どうせなら別々に買いません? プレゼント交換ってことは私たちの選んだものが互いに当たる可能性もあるんですから」
フロリス「そうなったら面白くないもんね」
上条「だったらバラバラに買いに行ってまた後で集まるか」
レッサー「そうしましょうか」
フロリス「でも何買えばいいかな」
上条「変なものじゃなければ何でもいいんじゃないか?」
上条「実用的な物とか自分が貰って嬉しいものとか」
上条「クリスマスだしインパクトのあるものとかでもいいかも」
フロリス「そっか。インパクトか……」
上条「迷ったらまた相談すればいいし」
レッサー「そうですね。じゃあ一度解散しますか」
上条「1時間後に一階の喫茶店で」
ーーー6F・生活用品売り場ーーー
上条「なににしようかな~」
上条「やっぱ貰って嬉しいものっていったら生活用品だよな~」
上条「商品券とかが1番だけど、それじゃあ味気ないし」
上条「とりあえず前から欲しかったシリコンスチーマーか仕切り付きフライパンにしておこう」
上条「プレゼント交換なんてイベント。不幸な上条さんがやるとどうせ自分のが返ってくるだろうからな~」
上条「要は自分へのプレゼントって訳ですよ」
上条「HA・HA・HAー!」
上条「………」
上条「………むなしい」
ーーー4F・アニメグッズ売り場ーーー
フロリス「まさかキャーリサ様に頼まれてたものが見つかるとはね~」
フロリス「クリスマスセールで安く買えたし。ラッキー♪」
フロリス「しっかしあの方も変な物欲しがるなぁ……」ブツブツ
フロリス「まあいいや。せっかくだから交換用のプレゼントもここで買うか」
フロリス「と言っても何買うか決まらないし……」
フロリス「あの男はインパクトがどうとか言ってたけど……」
フロリス「難しいなぁ……」
フロリス「うーん……」
ーーー2F・衣料品売り場ーーー
レッサー「さーて。私は何にしますかねぇ」
レッサー「プレゼント交換ですから男性女性、どちらに当たってもいいようにしないといけませんし」
レッサー「となるとやはり……」
レッサー「実用性のある『ランジェリー』がベスト!」
レッサー「履いてよし。飾ってよし。被ってよしと使い方は多種多様!」
レッサー「我ながらなんて完璧なチョイスっ」
レッサー「笑いが止まりませんよ。ふはははーっ!」
レッサー「………」
レッサー「やはりツッコミ役のあの人がいないとどうも締まりません」
レッサー「別にツッコまれたい訳じゃないんですけどねぇ……」
レッサー「まぁいいです。無難なものにしておきましょう」
ーーー約1時間後・1F喫茶店ーーー
上条「おまたせー」
レッサー「遅いですよぅ」
上条「悪い悪い」
フロリス「そんなに迷ってたの?」
上条「いや、プレゼント自体はすぐに決まったんだけど。そのあと家電とか色々みてたらいつの間にか時間が経っててさ」
フロリス「女2人待たせて家電って……」
レッサー「私たちは家電の魅力に負けたんですか。あー、これはショックですねー」
上条「拗ねるなよ」
上条「そういや2人ともどんなの買ったんだ?」
レッサー「聞いちゃったら別れて買いに行った意味がないでしょう」
上条「いやまぁそうなんだけど」
上条「こういうのってなんとなく聞いてみたりしない?」
フロリス「まぁわからないでもないかな?」
フロリス「教えはしないけど」
レッサー「明日までの楽しみですからね」
上条「そうだな」
レッサー「それよりこの後どうします? 直帰ですか?」
上条「適当にフラフラして……」
prrrrr!
上条「すまん。俺のだ。ちょっと席外すな」ガタ
フロリス「また電話?」
レッサー「明日のことですかね」
フロリス「さあ?」
上条「はいもしもしー」
『よーす大将』
上条「どうした? 浜面」
『風呂の修理の件なんだけどさ。夕方って言ってたけど今からでもいいか?』
上条「今から?」
『まずいか?』
上条「今ちょっと外にいるんだよな」
『あらら。そりゃまいったな』
上条「今からじゃないとダメなのか?」
『いやぁ、実は夕方からちょっと予定が出来ちまってよ』
上条「先に俺のほうの予定があったのにか?」
『滝壺との予定なんだよ。悪いな』
上条「爆ぜろ」
『酷くねっ!?』
上条「あれ? 口に出てたか?」
『思いっきり出してたからな!?』
上条「悪い悪い。彼女との予定なら仕方ないな」
『話がわかるねぇ。流石大将だぜ』
上条「でも爆ぜろ」
『でもって何!?』
上条「それか禿げろ」
『ちょっと語感が似てるからって!』
上条「30直前で徐々に後退。40でスダレ禿げにでもなって奥さんと子供に可哀想なモノを見る目で見られてしまえ」
『具体的すぎてちょっと頭皮に寒気が走ったんだけど』
上条「冗談はこれくらいにして」
『どうするよ。明日にするか?』
上条「いや、今から帰るから頼むよ」
『いいのか?』
上条「あぁ。もともとの目的はもうすんでるから別にいい」
『そうか。じゃあ第二位連れて大将の部屋向かってるな』
上条「俺のほうが遅れるかもしれねえからその時は部屋の前で待っててくれ」
『了解。じゃあな』
上条「おう」
ブツ
フロリス「お。戻ってきた」
上条「悪いんだけど先に帰るよ」
レッサー「何かあったんですか?」
上条「風呂の件でさ。今から部屋に修理にくるらしい」
フロリス「今から?」
上条「あぁ。だから急いで帰らないといけないんだけど……、2人はどうする? 一緒に帰るか2人で適当に時間潰すか」
フロリス「ワタシはちょっとやることあるから」
上条「レッサーは?」
レッサー「ミルクティー頼んじゃったんでそれ飲んだら帰ります」
上条「わかった。じゃあ先帰ってるな」
フロリス「はいよー」
フロリス「とりあえず今晩は風呂入りに外出る必要はなさそうか……」
レッサー「私はセントーでもいいんですけどねぇ。広いですし」
レッサー「それよりフロリス。やることっていったい……?」
フロリス「あぁ、キャーリサ様に頼まれてたものが買えたからさ。それを郵送する手続きをしようと思って」
レッサー「へぇ。学園都市のデパートは国際便での荷物配達もやってくれるんですか」
フロリス「みたいね。ほんと便利だわ」
レッサー「それで、その頼まれてたものって何なんですか?」
フロリス「えっと確か……『超機動少女カナミンコスプレライバル編 ~黒き衣は女を魅せる~ 』ってやつ」
フロリス「あとセットで『魔女狩り十字軍敵兵・でろでろした触手を持つ巨大イカプラモデル』も」
レッサー「………はい?」
フロリス「なんですかそれ……って顔されてもねー。ワタシは頼まれただけだし」
レッサー「いやいやコスプレってあの方はいったい何をやってるんですかっ!?」
フロリス「エリザード様が『カナミン』ってキャラクターのコスプレやったのに対抗してだってさ」
レッサー「一国のトップがコスプレ……」
フロリス「国のトップとか以前に3児の母としてどうなのかな……」
レッサー「親が親なら子も子。蛙の子は蛙。この表現がこれほど適切な親娘はいませんね、きっと」
フロサー「「あははははっ」」
レッサー「笑い事ですか?」
フロリス「笑うしかないでしょ」
レッサー「ですよねー」
ーーー上条宅ーーー
上条「あれ? 浜面たちいないな」
上条「まだ来てなかったのか?」
ガチャ
浜面「おかえりー大将。ご飯にする? お風呂にする? それとも……」
上条「ソ・ゲ・ブ☆」バキィッ
浜面「ごはぁっ!?」
上条「気色悪い……」
上条「いや、それよりなんで部屋の中にいるんだよ」
浜面「ピッキングマスター浜面仕上とは俺のこ……」キリッ
上条「うらぁっ!」バキィッ
浜面「あじゃぱっ!?」
上条「ただの不法侵入じゃねぇか!」
浜面「うぉ……マジで痛い…」プルプル
浜面「あー、ところで風呂の修理だけどよ」
上条「直せそうか?」
浜面「おう。壁はともかく浴槽のほうは大したことなさそうだったからな。あれくらいならすぐに直せる」
浜面「壁も今第二位が直してるから後で俺が仕上げて終わりだ」
上条「サンキュー浜面。助かったよ」
浜面「いいっていいって」
『浜面さーん』
浜面「お。第二位のほう終わったみたいだな」
上条「じゃあ仕上げのほう頼むぜ」
浜面「おう」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
浜面「だぁー、疲れたー」
垣根『お疲れ様です』
上条「おつかれー。助かったよ2人とも。ほいコーヒー」
浜面「サンキュー」
垣根『ありがとうございます』
浜面「あぁーうめぇ」
上条「ただのインスタントだけど」
垣根『人に淹れて貰うというだけで美味しく感じるんですよ』
浜面「働いたあとだしなー」
上条「そんなもんかね」
浜面「話変わるけどさ。大将どっか旅行でも行くのか?」
上条「旅行? 行かないけど……なんで?」
垣根『あちらに旅行カバンがお二つありますが……』
上条「あぁ、あれか。今イギリスから知り合いが2人泊まりにきててさ。そいつらの荷物だよ」
垣根『イギリスからですか』
浜面「……ちなみにその知り合いって女?」
上条「そうだけど。なんでわかったんだ?」
浜面「読心能力」
上条「嘘つけ。Level0」
浜面「大将といえば女だからな」
上条「なんだよそれ」
垣根『女性2人と同棲とは……流石ですね』
上条「お前も何に感心してんの?」
浜面「クリスマスは両手に花で過ごすんですか。あー、羨ましいねぇ」
上条「お前こそどうせ彼女と過ごすくせに」
浜面「……だと思うだろ?」
上条「違うのか?」
浜面「滝壺のやつ……麦野とか絹旗とか黒夜たちと先に予定組んだとか言い出してさ……」
浜面「せっかく恋人と2人っきりでイチャイチャラブラブのクリスマスを、と思ったのによぉ……」
浜面「ちくしょう! 俺が何したっていうんだよ! なんでこんな仕打ちを受けなきゃなんねぇんだ!」
浜面「サンタのコスプレとか色々用意してたのに! 酷いと思わねぇか!?」
上条「へー、垣根は一方通行のとこでパーティーなのか」
浜面「聞けよ。おい」
垣根『正確には打ち止め様からフレメア様、フロイライン様と共にお呼ばれされただけなのですが』
上条「なるほど。あいつら仲良いもんなー」
浜面「おーい……」
垣根『仲がよろしいのはいいんですが、3人で危ないことも色々するため手を焼いてしまうんですよ』ハハッ
上条「お前も大変だな」
垣根『世話係みたいなものですから』
垣根『(そうでもなきゃあのムカつく第一位の所なんか行かねぇよ)』ボソッ
上条「なんか言ったか?」
垣根『いえなにも』ニコッ
浜面「無視すんなよぉ……」
垣根『それではそろそろおいとまさしていただきます』
上条「帰るのか」
垣根『フレメア様たちと約束がありまして』
上条「そっか。気をつけてなー、って第二位だし心配ないか」
浜面「俺もマイスィートハニーの滝壺と約束があるから帰るぜ!」
上条「うるせぇ爆発しやがれ」
浜面「なにお前、俺のこと嫌いなの?」
上条「クリスマスにハーレム作って過ごそうとしてるやつは俺の敵だ」
浜面「あの女どもはそんないいもんじゃねぇよこの野郎。滝壺は除くけど」
上条「惚気んな」
垣根『喧嘩しないでください』
垣根『それでは失礼します』
浜面「じゃあーなー」
上条「おう。サンキューなー」
ガチャ
上条「さてと、俺は晩飯の買い物にでも行くかな。……っとその前に御坂にもパーティーのことメールしておくか」カチカチ
ーーーーーーーーー
ゲコゲコ
美琴「! アイツからメール!?」
美琴「………」カチカチ
美琴「ふむふむ………」
美琴「黒子! クリスマスプレゼント買いに行くわよ!」
黒子「明日のパーティー用ですの?」
美琴「そうよ。それでついでにアイツ個人にプレゼントも買って……」
黒子「それはお姉様のご自由になさいませ」
美琴「へぇ。アンタが邪魔しないとは珍しいわね」
黒子「そんな日もありますの」
美琴「ふーん。まぁいいわ。早速買いに行くわよ!」
黒子「はいですの」
黒子(どうせ恥ずかしがってマトモに渡せるとは思えませんし)
美琴「何買おっかなぁ~♪」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
ーーー夜ーーー
レッサー「明日のパーティー楽しみですねーっ」ウキウキ
フロリス「そうだね…」
レッサー「反応があんまりですね。楽しみじゃないんですか?」
上条「そうなのか? フロリス」
フロリス「そんなことはないけど……」
レッサー「はっはーん。わっかりましたよ。あんまり楽しみにしてるとガキっぽいとか考えて、できるだけ冷静に振る舞うってことでしょう?」
フロリス「………」ピクッ
上条「なんだそういうことか」
フロリス「いやいや納得すんなよ」
レッサー「フロリスは大人ぶるのが好きですからねー」
上条「中2かよ」ハハッ
フロリス「好き勝手言うなっ」
上条「悪い悪い。それよりレッサー。ちゃんと髪の毛拭かないと風邪ひくぞ」
レッサー「拭きましたよ。ほら」
上条「まだ濡れてるだろ。しっかり拭きなさいっての」
レッサー「あなたも細かいですねぇ。そんなに気にしなくても風邪なんかひきませんって」ケラケラ
ーーー翌日ーーー
ピピッ
上条「38度6分……結構あるな」
レッサー「うぅ……」ゲホッ
フロリス「ほんとにひくとはねー」
フロリス「そういやレッサーって小学校の遠足とかでも当日に風邪ひいて欠席……みたいなことがよくあったってランシスが言ってたなぁ」
上条「よく思い返せば、こいつ結構クシャミしてたり洗濯機の冷水頭から被ったりしてたし……」
レッサー「ごほっ……た…たかが風邪ごときで……」フラフラ
上条「こらこら。ちゃんと寝てなさい」
レッサー「でもぉ……パーティー……」
上条「これじゃ無理だろ。それに他のやつに伝染ったら迷惑だし」
レッサー「うぅ……」
上条「欠席するってちゃんと連絡しておくから」
レッサー「いやですっ! 私も行きますっ!」
上条「無茶言うな。じゃあ出かけてくるからおとなしく寝てろよ」
フロリス「アンタの分もワタシが楽しんできてあげるから」
レッサー「えっ、ちょっ……」
ガチャ
レッサー「マジですかあぁぁ!?」
レッサー「びょ…病人置いて遊びに行きますか普通」
レッサー「あんの薄情者どもめぇ……」
レッサー「私だってパーティー行きたかったのに……」
レッサー「なんなんですかもうっ! あの鈍感童貞フラグ建築士!」
レッサー「バーカバーカ! 帰ってきても口聞いてあげませんからねっ!」
レッサー「はぁ…はぁ……」ゲホゲホッ
レッサー「怒ったら……なんだか頭が……」フラッ
レッサー「あ、あれ……? 部屋がぐるぐる回って……」
パタッ
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
レッサー(…………ん)
レッサー(私…何してたんでしたっけ……)
レッサー(あー……思い出しました。風邪ひいてパーティーに行けなくなってそれで……)
ヒヤッ
レッサー(? 冷たい……タオル?)
レッサー「ん……」
上条「悪い。起こしちゃったか?」
レッサー「………幻覚が見えます」
上条「何寝ぼけたこと言ってんだか」
レッサー「………あれ? 本物?」
上条「そうですよー。正真正銘、本物の上条さんですよー」
レッサー「パーティーに行ったんじゃ……」
上条「風邪ひいてるお前残して行けるかよ」
上条「それに俺はパーティーに行くとは言ってないぞ?」
レッサー「じゃあ何処に行ってたんですか……?」
上条「薬とかリンゴとか冷却シートとか色々買ってきたの」
レッサー「そう……だったんですか……」
レッサー「それならそうと先に言ってくださいよ。置いてきぼりにされたと思うじゃないですか」ムスッ
上条「ゴメンゴメン」
上条「それで、リンゴ剥いたんだけど食べれるか?」
レッサー「摩り下ろしたやつがいいです」
上条「わかった。今摩り下ろすからちょっと待ってくれ」
レッサー「はーい」
上条「おろし金どこやったかな……」
レッサー(………置いてかれたわけじゃなかったんですね)
レッサー(なんというか、安心した気持ちになります)
レッサー(風邪で心細くなるほど弱い精神じゃなかったと思ってましたが……)
レッサー(私も脆くなりましたねぇ……)
上条「リンゴ摩り下ろしたぞ」
レッサー「ありがとうございます」ググッ
上条「大丈夫か?」
レッサー「節々が痛む……って感じですかね」
上条「無理するなよ。ここにリンゴ置いておくぞ」
レッサー「ん」チョイチョイ
上条「?」
レッサー「あー」
上条「あー、はいはい」
上条「あーん」スッ
レッサー「あむ」パクッ
レッサー「んむんむ」シャリシャリ
レッサー「ふぅ……」ゴクッ
上条「………」クスッ
レッサー「なんですか?」
上条「いや、なんか小動物に餌付けしてるみたいだなぁーって思ってさ」
レッサー「小動物って、失礼な」
上条「怒るな怒るな。ほら、あーん」
レッサー「あむ」パクッ
レッサー「んむんむ」シャリシャリ
レッサー「ふぅ」ゴクッ
上条(可愛い)
レッサー「そういえばフロリスはどうしたんですか?」
上条「あいつはパーティーに行った。駅に送って行く途中で青髪と会ったから心配いらないと思うぞ」
レッサー「フロリスは友人の体調よりパーティーを優先したんですか、そうですか」
上条「そんな言い方してやるなよ。あいつもお前のこと気にかけてたんだからさ」
レッサー「それくらい言われなくてもわかってますよ。言ってみただけなんですから」
レッサー「それよりも……あなたはよかったんですか? 私につきっきりで。ご友人と楽しく過ごしたかったんじゃ……」
上条「さっきも言っただろ? 風邪ひいてるお前残して行けないって」
上条「レッサーのこと放っておいてパーティーなんか楽しめないよ」
上条「だからそんな風に俺のこと考えてくれるって言うなら、まずはレッサーが元気になってくれ」
レッサー「………はい」
上条「よしよし」ナデナデ
上条「何か欲しいものとか困ったことがあったら言ってくれよ。なんでもするからな」
レッサー「はいっ」
レッサー「…………ん? 今なんでもするって言いました?」
上条「へっ?」
レッサー「言いましたよね?」
上条「…………いやちょっと待て。なんでも、ってのはこの場でのレッサーの看病についての話であってイギリス云々ってことじゃないからな?」
レッサー「私の看病に関してはなんでもしてくれると」ニヤリ
上条「まて……お前何考えてんだ……」
レッサー「何考えてると思います……?」
上条「………っ」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
上条「………確かにさ。なんでもするとは言ったけど。言ったけども」
上条(ナース服)「これは予想外だよ!!」
上条(ナース服)「なんだよ『ナース服着て密着看病』って!? なんかのプレイかっ!?」
上条(ナース服)「忘れかけてたのに! せっかく忘れかけてたのに人の黒歴史ほじくり返しやがってっ!」
レッサー「黒歴史だなんて……、お似合いだというのに」
上条(ナース服)「褒められてもまったく嬉しくねぇんだよ……」
レッサー「だけどぐちぐち文句いいながらもちゃんと看病してくれるんですね」
上条(ナース服)「まあ、そりゃあな」
上条(ナース服)「ちょっとくらいのワガママなら聞いても問題ないだろうし」ナデナデ
レッサー「……ありがとうございます」
レッサー「ではナースキャップ被ってポーズをお願いします。写真撮りますんで」サッ
上条(ナース服)「調子に乗るなってぇのぉぉぉ!!」
今日はここまでです。
新約9巻、随分面白かったですねー
レッサーの出番ほとんどありませんでしたが……
次回予告的な
風邪をひいて倒れた小悪魔系少女。
密室に唯一存在していたのは彼女自身と、そしてもう一人……。
乱れる吐息
はだけた衣服
したたる寝汗
これは上条当麻の心を試す物語
ーーーパーティー会場ーーー
フロリス「へぇ、結構広いんだね」
青ピ「なんでも土御門クンが色々手配したらしいんやけど」
吹寄「あら青髪」
青ピ「やっほー。ふっきー」
フロリス(スーパーであの男と話してた巨乳か)
吹寄「あら、貴女がフロリスさん? はじめまして。上条から話は聞いてるわ。今日は楽しんでいってね」
フロリス「あぁ、ありがと。そうさせてもらうわ」
吹寄「ところで、この変態と一緒に来たみたいだけど……、変なこととかされなかった?」
青ピ「ちょっとふっきー? それどういうこと?」
吹寄「どうもこうも言葉通りよ。貴様も上条と負けず劣らずの変態なんだから」
青ピ「なんと酷いことを言うんや」
青ピ「いやでもその罵倒もなかなか……」
吹寄「うわぁ……」
青ピ「あれ? マジでひいてる? いや冗談やで? ねぇ」
フロリス「ゴメン、あんまり近寄らないで……」
青ピ「フロリスちゃんまで!?」
青ピ(だがその蔑むような目も……)ハァハァ
ーーーーーーーーー
レッサー「 」スゥスゥ
上条(普通の格好)「食べて薬飲んだらすぐ寝ちまったか」
上条「よっぽどしんどかったんだな」
上条「さてと………」
上条「なにすればいいんだろう………」
上条「食事は済んだし薬も飲ませた。暖かくして寝かした」
上条「………こんなもんか?」
上条「風邪ひいて看病された記憶も看病した記憶もないからイマイチわかんねえな」
上条「まぁなにかあったらその時対処すればいいか」
上条「それまでドッシリ構えてよう」
ーーー10分後ーーー
上条「………」
レッサー「……ん」
上条「!」ピクッ
レッサー「……んにゃむにゃ」スゥスゥ
上条「ほっ」
レッサー「……んあぁ」
上条「!」ピクッ
レッサー「うぅん……」スゥスゥ
上条「ふぅ」
上条「ダメだな。いちいち気になってしまう……」
レッサー「……ベイロープぅ」ムニャムニャ
上条「寝言か?」
レッサー「……ランシスぅ」
上条「『新たなる光』の仲間の名前か」
レッサー「誰かぁ……」
上条「フロリスの名前も呼んでやれよ」
レッサー「うぅん……誰かぁ……」スカッ スカッ
上条「はいはい。ここにいるぞ」ニギッ
レッサー「んぅ……」ギュッ
上条(手握ったら落ち着いたっぽいな)
レッサー「 」スゥスゥ
上条(それにしてもこいつ、汗スゴイな)
上条(毛布かけ過ぎたか? でも今毛布とると逆に冷えるよな……)
上条(拭いてやったほうがいいか?)
レッサー「 」スゥスゥ
上条「…………」
上条(いやいやいやいや!)
上条(別にやましいことなんて考えてませんのよ!?)
上条(ただ本人の許可なくそういうことするのは絵面的にもどうなのかなぁー、と思った訳でして……)
上条(って俺はいったい誰に言い訳してんだ?)
上条(というより、そういうこと考えるほうがヤバイだろ……)
上条「………はぁ」
上条(とりあえず腕と顔と首周りだけ拭くことにしよう)
上条(起こさないようにそーっと)フキフキ
レッサー「 」スゥスゥ
上条(片手掴まれてると拭きにくいな)フキフキ
レッサー「んん……」ゴロン
上条(っ!? 寝返りっ……)グイッ
ボフッ
上条「っーーー!」
レッサー「 」スゥスゥ
上条(あっぶね……、もうちょっとでレッサーの顔に左手つくとこだった……)
上条(つーか、この体勢はマズイ。完全に覆い被さってる)
上条(こんな時に目覚まされたら在らぬ誤解が生じてしまう……)
上条(はやいとこ離れないと)
上条(ゆっくり左手を引いて体勢を戻して、と)ジリジリ
上条(なんかこの前の風呂場のこととか、夏の終わりのこととか思い出すな)ジリジリ
上条(柿ピー食べ過ぎて鼻血出して。ティッシュ取りに部屋行ったらつまずいてインデックスの寝てるベッドにドーン……って)
上条(あの時はなんかインデックスの寝顔見たせいで鼻血出したみたいに思われたんだよなぁ)
上条(流石にそんなことで鼻血出すほど純情じゃないっての)
上条(事実、レッサーの寝顔を現在進行形で見ても……)
レッサー「 」スゥスゥ
上条(………なんとも…思わない………うん)
レッサー「 」スゥスゥ
上条(………いや、ちょっとはなんか思うかも)
上条(やっぱ、変なこと言ってないとこいつって可愛いしなぁ)
上条(熱で顔が火照ってるのも色っぽいような……)
上条(なんとも思うなってほうが無理な訳で………ん?)
上条「……」スンスン
上条(……なんだろ。なんかこいついい匂いがするような……)スンスン
上条(汗かいてる割には臭くない感じだし。レッサーの体臭か?)スンスン
上条(でも寝てる女の子の匂い嗅ぐって犯罪臭がするよな)
上条(匂いだけに。なんつっ……)
レッサー「……ん…?」パチッ
上条「 」
レッサー「……? えーっと……」
上条「……オ、オハヨーゴザイマス、レッサーサン」
レッサー「……おはようございます……、というか」
レッサー「近くないですか?」
上条「あはは……」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
レッサー「なんだ、わざわざ汗拭いてくれてたんですか」
上条「ま、まぁな。そしたら転んじゃって、とっさに手をついたらあんな体勢になっちゃったんだよ……」
上条(嘘は言ってない)
レッサー「そうでしたか。ありがとうございます」ニコッ
上条「お、おう……」
上条(罪悪感が……)
レッサー「おや? あなたも結構汗かいてますね」
上条「えっ、そ、そうかな? あっ、部屋の温度が高いからかも」
上条(冷や汗だとは言えん)
レッサー「確かにちょっと暑いですね。私のパジャマも汗でグッショリですし」
レッサー「肌に張り付いて気持ち悪いです」
レッサー「タオル貸して貰えます? できれば大きいやつ」
上条「ちょ、ちょっと待っててくれ」
上条「匂い嗅いでたことはバレてないみたいだけど……」
上条「やばいよなぁ……」
上条「これじゃあまるで変態みたいだし……」
上条「とりあえず、一旦落ち着いて看病に専念しよう」
上条「よしっ」
上条「レッサー、タオル持ってきたぞ。あとお湯も」
レッサー「ありがとうございます」
上条「えっと…見たりしたらまずいから俺はトイレにこもってるよ。拭いて着替えたら呼んでくれるか?」
レッサー「あのっ」
上条「なんだ?」
レッサー「手が届かないので背中だけ拭いて欲しいんですが……」
上条「……俺が?」
レッサー「あなた以外に誰が?」
上条「いや、だって男がそういうやるってまずくないか?」
レッサー「あなたのこと信用してますから大丈夫ですよ」ニコッ
上条「っ……」
レッサー「ダメ……ですか?」ウルウル
上条「~~~っ!」
上条「………えっと、痛くないか?」フキフキ
レッサー「もうちょっと強くお願いします」
上条「あ、あぁ」ゴシゴシ
レッサー「ふひゃあぁ~。いい感じです」
上条「そ、そうか……」ゴシゴシ
レッサー「はぅぅ……」
上条「………」ゴシゴシ
上条(……こいつの肌綺麗だなぁ)
上条(じゃなくてっ)
上条(やばいってこれは)
上条(いくらなんでも無防備すぎだろ!)
上条(とりあえず落ち着くんだ上条当麻。素数を数えよう)
上条(えーっと……1……あれ? 1って素数だっけ? 素数に入らないんだっけ?)
上条(どっちだ?)
上条(………素数は諦めよう。代わりに白ワンピの青髪を思い出して……)
上条「………」ゴシッゴシッ
レッサー「ちょっ、強いですっ」
上条「す、すまん。つい力が入っちまった」
レッサー「もうっ」プクッ
上条「っ!」ドキッ
上条(『ドキッ』? なんだ今の『ドキッ』って……)
レッサー「そろそろサッパリした
ので大丈夫です。ありがとうございました」
上条「そ、そうか……」
レッサー「………」
上条「………」
レッサー「あの……着替えたいので流石に……」
上条「あっ、あぁ! 悪いっ。あっち行ってるな」
レッサー「着替え終わったら呼びますので」
上条「わ、わかった」
上条「………」
上条「………どうしよう」
上条「どうしようっていうか……なんだ?」
上条「レッサーが……可愛く見える」
上条「風邪で弱って変態行為、変態発言をしないとあんなに可愛いとは……」
上条「……『ナイチンゲール症候群』……だっけ」
上条「病気の人間と看病する人間との間に擬似的な恋愛感情が生まれるとかいうやつ……」
上条「いや擬似的な恋愛感情で匂いも嗅ぎたがるもんなのか……?」
上条「ちがうな。それはただの俺の性癖か」
上条「………」
上条「だあぁー! くそっ、よくわかんねぇ!」
上条「うむむ……」
モウイイデスヨー
上条「! あ、あぁわかったっ」
上条「とりあえず、あんまり意識しないようにだけしよう」
上条「………さっきからこんなことばっか言ってるな」
上条「あれ? なんで俺のジャージ?」
レッサー(ジャージ)「いやぁ、ゆったりした感じの服が他に無くて……」エヘヘ
上条「まぁ別にいいんだけどさ……」
上条(ちょーっと、前開けすぎじゃありませんかね)
上条(少し屈んだら見えちゃうじゃねえか)
上条(でもここで注意したら俺が意識してるみたいだし……)
上条(ここは気づかないふりして無関心を装うしかないな)
レッサー「よっと」グッ
上条「!」
レッサー「このパジャマあっち持っていきますね」
上条「そ、それなら俺がやるからレッサーは寝てろよっ」
上条(つーか手を伸ばすな。見える見える)
レッサー「えっ。いいですよ」
上条「病人なんだから寝てろって」
上条(ベッドの上で女豹のポーズみたいなのするのやめてくださいお願いします)
レッサー「いやそうじゃなくてですね……」
レッサー「汗がかなり染み込んじゃってますから……ニオイとかが女子としては気になるわけで……」
上条「大丈夫だって。お前の汗っていい匂いだから」
レッサー「えっ?」
上条「あっ」
レッサー「あ、あの……、いい匂いって…どういう……」
上条「はっ? いい匂い?」
レッサー「今あなたが言ったじゃないですか」
上条「俺が? なんて?」
レッサー「わ、私の汗がいい匂いだとかなんとか……」
上条「? なんのことだ?」
レッサー「あ、あれ? 確かに言ったはず……」
上条「熱のせいで妙な幻聴でも聞いたんじゃないか?」
レッサー「げ、幻聴? そんなはずは……」
上条「疲れてるんだよ。ゆっくり寝てな。これは俺が洗濯機に入れておくから」
レッサー「あれぇ?」
上条「幻聴幻聴」
レッサー「??」
上条「………ふっ」
上条「完璧に誤魔化しきったぜ。流石俺。数々の修羅場をくぐり抜けてきただけはある」
上条「思わずニオイを嗅いだことを口走りそうになった時は本気で焦ったが……」
上条「レッサーが押しに弱い性格で助かった」
上条「さて……」
パジャマ『』
上条「………」
上条「洗濯機に入れて……」
パサッ
上条「? なんか落ち……」
パンティー『』
上条「」
パンティー『』
上条「」
パンティー『』
上条「っ………」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
上条「はぁ……」
レッサー「あれ? なんだか疲れてます?」
上条「心の中で天使と悪魔がとてつもなく激しい戦いを繰り広げてたんだよ……」
レッサー「どういう……」
上条「いや、気にしないでくれ」
レッサー「はあ……?」
上条「それより体調大丈夫か?」
レッサー「えぇ。ちょっと元気出てきました」
上条「そりゃ良かった」
レッサー「あなたが看病してくれたおかげですよ。ありがとうございます」ニッコリ
上条「っ!」
上条「た、たいしたことしてないって」フイッ
レッサー「照れないでくださいよ」
上条「照れてないっ」
レッサー「じゃあなんで目を合わせようとしないんですか?」
上条「……特に意味はありません」
レッサー「顔赤いですよ」
上条「気の所為じゃね」
レッサー「ふぅーん」
上条「………」
レッサー「えいっ」グイッ
上条「っ!?」グキッ
レッサー「やっぱり顔真っ赤じゃないですかー」
上条「っ………///」ドキドキ
レッサー「そんなに照れるなんて意外と可愛いとこありますねえ」ニシシッ
上条「う、うるさいっ。ほっとけ///」
レッサー「はいはい」ニヤニヤ
上条「くっ……///」
上条(レッサーの顔見たら顔が火照って胸も激しく……)
上条(まさか……本気でこいつのこと好きになったんじゃ……)
ーーーパーティー会場ーーー
美琴「…………」ズーン
フロリス「いやぁ、せっかく張り切って来たのに残念だったねぇ」
美琴「べ、別に張り切ってなんかないわよ!」
フロリス「そうなの?」
黒子「昨晩から張り切りまくってましたの」
美琴「黒子!」
フロリス「ぷぷぷっ」
美琴「アンタも笑うなっ」
美琴「それにしてもあのバカ……人のこと誘っておいて自分は来ないとか信じられないわよ」
黒子「誘われたのではなくお姉様から懇願したと記憶しておりますが……」
美琴「細かいことはいいのよ」
美琴「まったく。せっかくオシャレして来たっていうのに……」ブツブツ
フロリス「やっぱ張り切ってたんじゃん」
美琴「うっさい」
黒子「ですけど、レッサーさんの体調も心配ですわね」
フロリス「あの男もついてるから大丈夫だとは思うけど」
美琴「風邪ひいて看病かぁ……」
黒子「………よくあるお話ですわね」
美琴「なにが?」
黒子「男女のどちらかが床に伏せ、相方がそれを看病。そして看病される側は甲斐甲斐しく自分の面倒を見てくださる相方の姿を見てーーー」
美琴「み、見て……どうなるのよ」
フロリス「惚れるんでしょ」
美琴「 」
黒子「また倍率が上がりそうですわねぇ、お姉様」ニヤニヤ
黒子「もしくは、もう手遅れになっていたりして……」ニヤニヤ
フロリス「レッサーって積極的だからねえ。思い立ったらすぐ行動、ってやつだし」ニマニマ
美琴「な……」ワナワナ
黒子「既にくっついていたり……」
フロリス「かもねー」
美琴「………黒子」
黒子「なんですの? お姉様」
美琴「私も風邪ひくわ。そしてアイツに看病して貰う!」
フロリス「惚れさせるなら逆じゃないの?」
黒子「単純に、お姉様は看病して貰うのが羨ましいだけですの」
美琴「てっとり早く風邪ひく方法って何かない!?」
黒子「お風呂上がりに全裸で過ごすのが一番かと」
美琴「今日からそれやることにするわ!」
フロリス「マジで言ってる?」
黒子「お姉様は熱くなると周りが見えなくなるお方ですので」
フロリス「そういうことなの?」
黒子「目的のためなら何でもなさりますし」
フロリス「というより一周回って基本バカってやつなんじゃ……」
フロリス「というか知り合いが風呂上がりに馬鹿げたことしようとしてるけど、アンタは止めなくていいの?」
黒子「わたくしとしては問題ありません」
黒子(むしろお姉様の生まれたままの姿を、その肢体を拝めるというのに止める理由が見つかりませんの)
黒子(あわよくば、風邪をひいたお姉様が甲斐甲斐しくお世話するわたくしの姿にお惚れになるなんてことも……)
黒子「ぐへへ……」
美琴「頑張るぞぉー!」
フロリス「なにこのパーティー。変人しかいないんだけど」
今日はここまでです。
実際のナイチンゲール症候群がそこまで極端かは知らないです。
とりあえず上条さんのほうがレッサーに惚れるっていう
次か次の次くらいにようやくフロリスが活躍してくれそうです。
それではおやすみなさい
レッサー「……暇ですねぇ」
上条「………そーだな」カリカリ
レッサー「……今頃フロリスは楽しんでますかねぇ」
上条「………そーかもな」カリカリ
レッサー「……さっきから何やってるんですか?」ヌッ
上条「!?」ビクッ
上条「か、課題だよ、課題。学校のやつ。時間があるうちにやっておこうと思ってさ」ドキドキ
レッサー「へぇー」ズイッ
上条「っ!」
上条(ち、近い……)
レッサー「日本の高校生はこういう問題をやってるんですか」フムフム
上条(背後から肩越しに見ないでくださいレッサーさん! 当たってますから! なんか柔らかいモノが二つ当たってますから!)
レッサー「日本の学校って、英語はやっぱりアメリカ英語なんですね」フムフム
上条「あ、あぁ……」
上条(やべぇ……すげえ弾力)
上条(女の子の胸ってこんなに柔らかいのか……)ゴクリ
上条(視認できない分、想像力が働いて背中の神経も敏感に……)
上条(まずい……このままでは上条さんの下条さんが鋼の手袋になってしまう!)
上条(だけどこの感触を手放したくないと思ってる自分がいやがる……。情けない)
レッサー「………おや?」
上条(っ!? まさか堪能してるのがバレた!?)
レッサー「んー……」
レッサー「これ、解答欄ズレてません?」
上条「へ? 解答欄? ………あっ、ほんとだ」
レッサー「なにうっかりしてるんですか。ちゃんと集中しないと」
上条「そ、そうだなー」アハハー
上条(集中はしてたんだよ。背中のほうに)
ーーーパーティー会場ーーー
美琴「こうなったら、やけ食いしかないわ!」ガツガツムシャムシャ
黒子「流石お姉様。素晴らしい食べっぷりですの」
フロリス「あの絵面は女として大丈夫なの?」
黒子「お姉様はなにをなさっていてもさまになりますから」
黒子「あぁ……、両手にチキンを掴んで食べるワイルドっぷり……なんて美しいのでしょう……」ウットリ
フロリス「あの姿を美しいって言う人間、多分アンタだけだろうなぁ」
海原「あぁ……なんて美しい立ち居振る舞いなんでしょう……」
土御門「なんでお前がいるんだ?」
海原「ふっ。愚問ですね、土御門さん」
海原「御坂さんいるところに自分ありですからっ!!」
土御門「うわぁ」
ーーーーーーーーー
レッサー「そういえば」
上条「なんだ?」
レッサー「プレゼント。せっかく買ったのに無駄になっちゃいましたよね」
上条「あー、確かにそうだな」
レッサー「どうせなら私たちでプレゼント交換しません?」
上条「それもいいかもな」
レッサー「では早速」
上条「えっと……」ガサゴソ
上条「はいレッサー」
レッサー「……もうちょっと雰囲気作って楽しみましょうよ」
上条「雰囲気ってなんだよ」
レッサー「音楽流してプレゼントを回していくとか」
上条「2人でそれやるのか?」
レッサー「2人でそれやるんです」
上条「まあいいけど。音楽流すってどうすんの。アラームでもセットするか?」
レッサー「それは私が担当します。あなたは音楽に合わせて盛り上げてください」
上条「お、おう」
上条(盛り上げる……? 手拍子でもしろと?)
レッサー「ではミュージック、スッタートッ!」
上条(よくわからないけど、適当に合わせるか)
上条(よしっ)
レッサー「ジングルベ~ル、ジングルベ~ル♪」
上条「いや、お前が歌うのかよ!?」
レッサー「ご安心を。これでも歌には結構自信があります!」
上条「お前の歌唱力がどうとかじゃなくて!」
レッサー「鈴がなーーー、げほっ!」
上条「ほらみろ! お前風邪ひいてんだから!」
レッサー「ごほっ、ごほっ……、うぅ…」
上条「まったく」
レッサー「仕方ないですね。音楽は諦めて普通に交換しますか」
上条「はいはい」
レッサー「ではどうぞ」
上条「サンキュ。じゃあこっちからも」
レッサー「お。ちょっと重いですね」
上条「どっちから開ける?」
レッサー「あなたからどうぞ。楽しみは後にとっておくタイプなものですから」
上条「へぇ、初めて知った」ガサガサ
レッサー「初めて言いましたもん」
上条「じゃあオープンっ……」
上条「おぉ、革の手袋か。すげぇしっかりしてるじゃん。高かったんじゃないのか?」
レッサー「意外に大した値段ではなかったんですよ。セール品だったってのもありますが」
レッサー「とりあえずまぁ、値段については言いっこ無しにしましょうよ。プレゼント交換のものにそんな話野暮ですから」
レッサー「それよりも。すごいんですよ、それ。スマホとかのタッチパネルにも対応してますし耐寒耐熱は勿論、耐圧、衝撃吸収、さらには斬撃電撃翌冷撃炎撃すら効かないとかなんとか」
上条「対能力者用手袋なのこれ?」
レッサー「他にはとある科学者がこの手袋をつけて、なんとか神拳を生み出したらしいです」
上条「武術も使えるようになるの? これ」
レッサー「その話は若干信じ難い感じですけど」
上条「他のも十分信じ難い………いや、学園都市製ならありえるかも……」
レッサー「まぁ、よければ使ってください」
上条「あぁ。大事に使わせてもらうよ」
レッサー「次はこちらを……」ガサガサ
レッサー「おや。ペアのマグカップですか。なかなかいいですね」
レッサー「しかしなぜペアなんです?」
上条「あー、それか。元々自分用に買ったつもりだったんだよ」
レッサー「自分用?」
上条「ほら、俺の不幸っぷりだとプレゼント交換に出したものが自分の元へ返ってくる……、なんてことになると思ってさ」
上条「それで自分用とインデックス用に」
レッサー「ほう? あの女の子用ですと?」
上条「レッサー……?」
レッサー「はぁぁぁぁあ……」
レッサー「やっぱりあなたって人はあの女の子のことばーーっかりなんですねぇ」
上条「え……えっ……?」
レッサー「いったいどれだけ大事にしてるんだか……」
レッサー「私と過ごしていてもあの女の子で頭がいっぱいだなんて」
上条(うっ……、なんかそういうこと言われるとグサっとくる……)
レッサー「私というものがありながら……」オヨヨ
レッサー「私との生活は遊びだったんですねっ!?」
上条「………」
レッサー「………?」
レッサー(変ですね。いつもなら鋭いチョップとツッコミが来るところなのに……)
レッサー「おーい、どうしましたー?」
上条「あ、いや、…なんでも」
レッサー「いつもなら私のおふざけに対して激しい突っ込みをしてくるじゃないですか」
上条「いやいや、体調崩してるやつにそんなことしないってだけだよ」
レッサー「……そうですか」
上条「そうそう。じゃあそれ。一つは誰かにあげるなりして使ってくれ」
レッサー「そうさせてもらいます……」
上条「おう」
レッサー(……やっぱりなんかおかしいですね)
レッサー(今の私の『突っ込み』のイントネーションにも無反応でしたし)
レッサー(ふぅむ……)
レッサー「………」
レッサー(ま、細かいことは気にしないことにしますか)
レッサー(そういう日もあるんでしょう)
レッサー(じゃあ、やることもないですしまだちょっと頭も重いし寝ますかね)ゴソゴソ
上条(……なんつーか、こう、変な感じだ)
上条(意識してる女の子に『別の女の子のことを意識してる』と勘違いされるのがこんなにも心苦しいとは……)
上条(まるで少女漫画のような展開。少女漫画とか詳しくしらないけど)
上条(それか人間関係が複雑なギャルゲー)
上条(別に誤解されてるわけじゃないけど一応説明しておくか?)
上条(『別にインデックスのことを考えてたからペアマグカップを選んだわけじゃない。たまたまだったんだ』……って)
上条(いや、こんな風に言うと逆に強調してるか?)
上条(そもそも説明する必要があるのか……でも説明しないと胸がモヤモヤするし……)
上条(うーん)
ーーー1時間後ーーー
上条(よし! 完璧な説明を考え抜いたぞ!)
上条(くどくなく、違和感なく、さりげない説明を!)
上条(これならレッサーに疑問もなにも抱かせずに済む……)
上条(つーわけでっ! レッ……)
レッサー「 」スゥスゥ
上条(寝てるのかよ!)
上条(…………寝てるのか)ゴクリ
ーーーパーティー会場ーーー
フロリス「アンタたちプレゼントなんだったの?」
美琴「………これ」スッ
『メイド服』
黒子「………これでしたの」スッ
『カナミンコスチューム』
フロリス「あ………」
美琴「高校生っていったいどういう趣味してんのよ……」
黒子「まったくですの……」
フロリス「そ、そうだね……」アハハ
フロリス(カナミンコスはワタシの選んだやつだと口が裂けても言えないな……)
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
吹寄「それじゃあそろそろ解散ということで」
土御門「お疲れさんだにゃー」
ワイワイ
ガヤガヤ
黒子「楽しいパーティーでしたわね」
美琴「まあね」
フロリス「アンタはあの男がいないからつまらなさそうだったけど」
美琴「そ、そんなことないわよ!」
黒子「今更恥ずかしがりますの?」
青ピ「フロリスちゃんたち~」ヒラヒラ
美琴「アイツの友達の……」
青ピ「みんな今から帰るとこやろ? なんやったらボクがお家まで送っていくで?」
青ピ「女の子だけやと色々危ないやろうから……」
モブ1「おい青髪! お前なに抜け駆けしようとしてんだ!」
モブ2「お前は上条と違ってこっち側の人間だろうが!」
モブ3「つーかお前と一緒にいる方が女の子達が危険だわ!」
モブ4「この害悪めっ!」
青ピ「誰が害悪やねん!?」
モブ's「「「青髪を連れ戻せ!!」」」
青ピ「なっ、ちょっ! 自分らっ、やめっ!」
ギャーギャー!
フロリス「……どうすんの…あれ」
美琴「………さぁ」
土御門「おーう。お嬢さん方ー」
美琴「あのバカの友達2号」
フロリス(イギリス清教の奴か)
土御門「土御門ですたい」
土御門「今日は楽しんでもらえたかにゃー?」
黒子「えぇ、それはとても」
土御門「だったらよかったぜよ。約1名、カミやんの欠席で元気なさげだったが……」
美琴「げ、元気だったわよ! ずっと元気でした!」
フロリス「誰もアンタだとは言ってないから」
黒子「墓穴掘りすぎですの」
美琴「くっ……、はかったわね!///」
土御門「自爆だにゃー」
土御門「それよりも、帰りはどうするかにゃー? 青ピじゃないが良ければ送っていくぜよ?」
美琴「別に私たちは大丈夫よ。黒子の瞬間移動もあるし」
黒子「Level5のお姉様と風紀委員のわたくしでしたらスキルアウトに襲われる心配もありませんので」
土御門「それもそうだにゃー。いやー、余計なお世話だったぜい」
黒子「いえいえ。ご心配いただきありがとうございますの」
土御門「じゃあ後片付けはこっちでやっておくから完全に暗くなる前に帰るんだぜい?」
美琴「わかったわ。今日はありがとね」
土御門「誘ったのはカミやんだから、礼はそっちに言って欲しいぜい」
黒子(お姉様が素直に言えてたら苦労してませんの)
土御門「じゃあなー………っと、フロリスは残ってくれるかにゃー? ちょろっと話したいことがあるんだが……」
フロリス「ワタシ?」
土御門「ああ」
フロリス「………まぁ、いいけど」
土御門「時間はとらせんぜよ」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
ーーー帰路ーーー
フロリス「………」テクテク
~~~~~~~~~
フロリス『話って?』
土御門『わざわざあの2人を先に帰したんだ。察しはついてるだろう』
フロリス『………』
土御門『カミやんと……お前ら2人のことについてだが』
フロリス『イギリス清教的にはなんかマズイことでも?』
土御門『いやいや、そうじゃなくてだな』
土御門『レッサーがカミやんのとこに来た日。オレはある話をカミやんにしたんだ』
フロリス『あぁ、ワタシらが敵対勢力に追われてあの男のとこに逃げ込んだって話か』
土御門『知ってたのか』
フロリス『レッサーがアンタらの話を盗み聞きしてたんだって』
土御門『なら話は早いな。オレはその話をカミやんにした翌日。イギリス清教や王室に確認をとった。そして……』
フロリス『そんな事実がないことに気づいた』
土御門『あぁ』
フロリス『ん? 翌日に事実確認がすんでたなら、なんでずっとそのことをあの男に隠してんの?』
土御門『それは……』
土御門『そっちの方が面白そうだったからだにゃー』
フロリス『……あぁ、そう…』
土御門『カミやんってば人がいいからにゃー。困ってる奴はほっとけないって性格だろう?』
土御門『存在しない敵から女の子を守るなんて茶番をいつまでやるかなー、っと思ったんだが……』
土御門『その茶番がいつまでも続いてるのがちょっと気になってな』
フロリス『?』
土御門『てっきりレッサーが早々にネタばらしでもするか、カミやんが気付くかと思ってたんだが……、いつまでたってもそんな気配ないし……』
フロリス『あぁ……、レッサーは自分からそんなことする奴じゃないし、あの男は鈍いとこは徹底して鈍いしねー』
土御門『そうなんだにゃー』
フロリス『まぁ、それで? ワタシに何の用なわけ?』
土御門『だからそのネタばらしのほう。カミやんにやっといてくれ』
フロリス『………は? ネタばらしってワタシらは別に追われてなんかないよー、ってこと?』
土御門『そうそう』
フロリス『なんでワタシが……』
土御門『いやぁ、だって……』
土御門『おどかすみたいに「匿うのはリスクがあるぞ」キリッ なーんて言っちまったのに今更「勘違いでしたー」、って恥ずかしいじゃん?』
フロリス『………まぁ、確かに』
フロリス『でもそれじゃ後でアンタも追及されるから一緒じゃない?』
土御門『オレがカミやんに色々聞かれたら全部とぼけるつもりだぜいっ』グッ
フロリス『うわぁ……』
土御門『土御門さんは天邪鬼ですから』
フロリス『天邪鬼ってそういう意味だっけ?』
土御門『とりあえず頼むぜ……』
モブ1『おい! 今度は土御門の奴が!』
モブ2『金髪碧眼の美少女と仲良さげに談笑してやがる!』
モブ3『あんのシスコン軍曹めぇ…』
モブ4『金髪同士だからって仲良くしやがって…』
青ピ『叩き潰せ!』
モブ's「「「イエッサー!!」」」
土御門『は、はぁっ? ちょ、まっ』
土御門『ってなんで青ピもそっち側に!?』
ギャーギャー!
フロリス『………よし。帰ろ』
~~~~~~~~~
フロリス「………」テクテク
フロリス「まぁ別に言ってもいいんだけどさー」
フロリス「これであの男が怒ったりしたらなー」
フロリス「ちょっと幻滅っていうかさー」
フロリス「いや、騙してたわけだから怒ってもおかしくないんだけど」
フロリス「レッサーとの関係が悪化したら嫌だしなー」
フロリス「どうしよっかなー」
フロリス「っと。悩んでたらいつの間にか寮の前に」
ガチャ
フロリス「たっだいま~」
フロリス「……って」
レッサー「 」スゥスゥ
上条「 」スゥスゥ
上サー「「 」」ギュッ
フロリス「手握り合って(ベッドと床の高低差で)添い寝的なことをっ!?」
今日はここまでです。
次回あたりでもうちょい進展………するといいなぁ
それではおやすみなさい。
上条「いやぁ。寝ちゃったレッサーに手握られて身動きとれなくてさ、やることもないし横になってたらそのままうつらうつらと」
フロリス「ふぅん」
レッサー「すみませんね。床固かったでしょう? 身体痛めてません?」
上条「大丈夫大丈夫。枕代わりにしてた左腕がちょっと痺れただけだし」
フロリス「一緒にベッドで寝ればよかったのに」
上条「ぶっ!? な、なに馬鹿なこと言ってんだっ、フロリスっ」
レッサー「そうですよー。流石にまずいでしょう。特別な仲ってわけでもないのに」ヘラヘラ
フロリス「そんなもんかね。……で、なんでアンタはそんなに慌ててんの?」
上条「べ、別に慌ててなんか……」
上条「それより! パーティーのほうはどうだったんだよ」
フロリス「あー、結構よかったよ。おもしろいモンも見れたし」
上条「へぇー?」
美琴「くしゅっ」
黒子「あら。誰かお姉様のお噂でもしていらっしゃるのでしょうか」
美琴「い、いや。これは……」ワナワナ
美琴「風邪!? アイツに看病してもらえる!?」
美琴「いやっふぉーっ!」
黒子「誰か黒子のお姉様を返してくださいまし」
フロリス「そういえば。レッサー、アンタ体調大丈夫なわけ?」
レッサー「そういえば、って。ふと思い出したように言わないでくださいよ」
フロリス「いや、だってアンタピンピンしてんじゃん。治ったの?」
レッサー「完全復活ですね。いやぁ、学園都市性の薬ぱないです」
上条「元気なったからってあんまりはしゃぐなよ」
レッサー「わかってますよぅ。………ん? フロリス。その袋なんですか?」
フロリス「プレゼント交換で貰ったやつ。焼き菓子みたいだね」ガサゴソ
上条「うわっ、高そう……」
レッサー「ほうほう……、美味しそうじゃないですか」ジュルリ
上条「晩御飯食べてからにしなさい」
レッサー「一つだけっ、一つだけならいいでしょう?」
上条「ダメです」
レッサー「味見ですよ。あ・じ・み」ズイッ
上条「っ!」ドキッ
上条「だ、ダメったらダメですっ///」フイッ
レッサー「けちんぼ」
上条「はいはい。フロリスもそれしまっておく」
フロリス「はいよ」
レッサー「ちぇっ」
上条「じゃあ晩飯にしますよー」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
レッサー「……なんですかこれ」
上条「お粥」
レッサー「2人が食べているのは?」
上条「鶏の唐揚げ」
フロリス「うまうま」モキュモキュ
レッサー「なんですかこの差はっ!?」
レッサー「私もガッツリ肉食べたいです! 肉肉にーく!」
上条「お腹に優しいやつのほうがいいと思ったんだよ」
レッサー「優しさじゃお腹は満たされませんよ」
フロリス「肉おいひーい」モキュモキュ
レッサー「私に対する優しさをまったく持たない人もいますし」
上条「じゃあ俺の唐揚げ半分やるから」
レッサー「マジですか」
上条「マジですよ」
レッサー「すみませんね。駄々こねたみたいで」
上条「みたいじゃないだろ」
レッサー「細かいことは気にしない。ほらほらあーん」
上条「はい、あー……」
レッサー「あー」
上条「………」
上条(やばい。なんか口開けて待ってるレッサー見てると嗜虐心がくすぐられる)
レッサー「あ、あの……いつまで口開けて待ってれば……」
上条「わ、悪い悪い。ほら」
レッサー「んんーっ」モキュモキュ
上条(可愛い)
レッサー「んむ? どうひまひた? わたひの顔じっと見つめて」キョトン
上条「なんでもないです」フルフル
レッサー「?」
上条「じゃあ俺も………っ!」ハッ
上条(よく考えたらこれって、レッサーと間接キス……っ!?)
上条「………っ」ゴクリ
上条(って、そういうの意識するとキモいよな)
上条(無心無心。無心で食べる)パクッ
上条「………」モグモグ
レッサー「そういえば間接キスですね」
上条「ごふっ!?」
レッサー「!?」
上条「ーーーっ!」ドンドン
レッサー「喉詰まったんですかっ!?」
上条「~~~っ」プルプル
レッサー「ぎゃーっ!? 顔が真っ青にっ!?」
フロリス(おいひぃ)ホッコリ
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
上条「……死ぬかと思った」
レッサー「世界救った人間が唐揚げに殺されるとか笑えませんよ」
フロリス「お風呂上がったよー」ホカホカ
レッサー「じゃあさっきのクッキー食べますか」
フロリス「そだね」
上条「別にいいけどさ。夜中だぞ? しかも晩飯食った後に。大丈夫か?」
レッサー「大丈夫……とは?」
上条「体重」
フロリス「どストレートに言いやがるな」
レッサー「こっちのほうにいくんで問題ありませんっ」タユン
上条「そっ、そうすっか……///」
フロリス「同じく」
上条「えっ?」
フロリス「あ”っ?」
上条「なんでもないです……」
レッサー「ではでは」ポフンッ
上条「!?」
フロリス「またソコ座んだ」
レッサー「特等席ですから」
上条「………///」ドキドキ
フロリス「じゃあ食べますか」
レッサー「おぉ、これまた美味しそうな」
フロリス「白黒の選んだやつだったらしいよ」
レッサー「ってことは期待できますねえ。前にあの人にご馳走になったケーキ、随分美味しかったですから」
フロリス「そうなんだ……、ってアンタどしたの? ボーッとして」
上条「えっ。ボーッとしてたか?」
フロリス「ボーッと、っていうより……ニヤニヤ?」
上条「ニヤニヤっ? ニヤニヤしてたのっ? 俺」
フロリス「してたしてた」
レッサー「お菓子を目の前にして喜ぶって、子供ですねえ」
上条「あははー……」
上条(レッサーが座ってきて無意識に喜んでたのか……、本気でやばいな)
フロリス「………」
レッサー「コタツで暖まりながら美味しいお菓子を食べて夜をノンビリ過ごす。なんて贅沢なんでしょうか」
フロリス「ほんとだね~」
レッサー「あぁ……ココア美味しい」ゴクゴク
フロリス「おかわり入れようか」
レッサー「珍しいですね。フロリスが気を利かせるなんて」
フロリス「アンタにそういうこと言われたくない。それでいるの? いらないの?」
レッサー「じゃあお願いします」
フロリス「はいよ。アンタは? コーヒーのおかわりどうする?」
上条「じゃあ頼むよ」
フロリス「りょーかい」スタスタ
レッサー「~♪」モシャモシャ
上条「………」
レッサー「~♪」ヒョイパクッ
上条「………」
レッサー「……? どうかしました?」
上条「えっ? なにが?」
レッサー「全然食べてないみたいですけど」
上条「そうか?」
レッサー「はい、あーんっ」スッ
上条「むっ」パクッ
上条「……うまい」モグモグ
レッサー「ふふふっ」
レッサー「 」ユビサキペロッ
上条「っ!」
レッサー「 」ペロッペロッ
上条(え、エロい……)ゴクッ
フロリス「えいっ」ピトッ
上条「あっついっ!?」ガタッ
レッサー「!?」ビクッ
フロリス「あはははっ。いい反応するじゃん」
上条「お前なぁ……」
フロリス「怒らない怒らない。はい、ココアとコーヒー」スッ
レッサー「どうもー」
上条「サンキュ」
フロリス「相変わらずイチャイチャしやがってさー」
上条「……っ」ギクッ
レッサー「そう見えます?」
フロリス「そりゃもう。イチャイチャ、イチャイチャ」
レッサー「へぇー。ラブラブカップルですって」ヘラヘラ
フロリス「そこまで言ってないし」
上条(イチャイチャ……、ラブラブ……)
フロリス「………」
レッサー「む………」ブルッ
上条「なんだ?」
レッサー「い、いえなにも」モジモジ
上条「なんか震えてないか?」
レッサー「あー……」モジモジ
フロリス「トイレでしょ。さっさと行ってきなって」
レッサー「この野郎、はっきり言わないでくださいよ」モジモジ
上条「あぁ、我慢してたのか。我慢は身体によくないぞ」
レッサー「あなたもっ。もう少しデリカシーとか考えてください」
レッサー「それでは、ちょっとお手洗いに」タタッ
上条「すっかり元気になったなぁ」ズズッ
フロリス「……そうだねぇ」
上条「あー、コーヒーうま。あったまる」ズズッ
フロリス「……一つ聞いていい?」
上条「何をだ?」
フロリス「好きなの?」
上条「ぶっ!」
フロリス「 」ニヤニヤ
上条「な、なんのことかな……?」
フロリス「いやいや、とぼけれると思うなって。バレバレだから」
上条「……ふっ。上条さんのタイプは寮の管理人さん風のお姉さんですことよ? それなのになんでレッサーを……」
フロリス「誰もレッサーのことだなんて言ってないけど?」
上条「 」
フロリス「えー、もしかしてアンタレッサーのこと好きなのーっ? びっくりだなー」
上条「な、なんだその棒読み!? というか図ったな!///」
フロリス「あんまり大きい声出すとレッサーに聞こえちゃうよ?」
上条「………っ」
フロリス「だって、なんか今日のアンタはさぁ。昨日までと違ってレッサーの言動にいちいち反応してるっていうか……」
フロリス「恋する乙女って感じ?」
上条「誰が乙女だ」
フロリス「恋してるのは否定しないんだ」ニヤニヤ
上条「こ、この野郎……///」
フロリス「で。実際どうなの? 好きなの?」
上条「うるさい。ほっとけ。余計なお世話だ」
フロリス「仲を取り持ってあげてもいいけど?」
上条「 」ピクッ
フロリス「どうする?」
上条「……何が目的だよ。弱みでも握る気か?」
フロリス「まっさか。世話になってるお礼のつもり」
フロリス(面白そうってのが本心だけど)
上条「………信用していいのか?」
フロリス「もちろん」
上条「じゃあーーー」
ガチャ
上条「!」
レッサー「すっきりすっきり。………どうしました?」
上条「な、なんでもっ」
レッサー「……?」
上条「(話は明日たのむ)」ヒソッ
フロリス「(はいはい。任せなって)」ヒソヒソ
レッサー「2人してコソコソいったい何をお話で?」
上条「なんでもないったら。ほら今日はもう寝るぞ! はい片付けた片付けた!」
レッサー「……? なんか変じゃありません?」
フロリス「色々あるんでしょ。色々」
レッサー「うぅむ……仲間はずれにされてる気が……」
上条「はい! じゃあ2人ともおやすみっ!」
フロリス「おやすみ」
レッサー「おやすみなさい……」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
ーーー翌日・喫茶店ーーー
上条「えっと……コーヒーで」
フロリス「紅茶とチーズケーキ」
店員「かしこまりました」
上条「それで、レッサーは?」
フロリス「留守番してるはず」
上条「そうか……」
フロリス「しっかし驚いたね。アンタ、レッサーの猛アピール完全スルーだったじゃん。なんで急に惚れたのよ」
上条「別に惚れたわけじゃ……」
上条「ただちょっとレッサーが可愛く見えて、近くにいるとドキドキして、気づいたら目で追ったりしてるだけだ」
フロリス「うわぁ……、アンタそれで惚れてないとか言ってんの。病気だよそれ」
上条「なにがだよ。恋の病とでも言いたいのか?」
フロリス「いや頭の病気」
上条「うるせぇ、殴るぞこの野郎」
フロリス「鈍感なのは知ってたけど、自分の気持ちにまで鈍感とは……」
上条「鈍感って……誰が?」
フロリス「ダメだこれは……。もうアンタ一回死んで生まれ変わった方がいいよ」
上条「なんで仲取り持つって言ってたのに永遠に別れるハメになるようなこと言うんだよ」
フロリス「なんだ。やっぱ仲取り持って欲しいんだ」ニヤニヤ
上条「ぐぬぬ……」
フロリス「やっぱこういうのはちゃんと口に出してはっきりさせた方がいいんだよ」
フロリス「はっきり自分の気持ちを口に出して」
フロリス「ほら」
上条「ほら、って?」
フロリス「『レッサーのことが好きだー』って言うんだよ」
上条「なに言わせようとしてんの? それも人が沢山いる中で」
フロリス「別に大声出せとは言ってないじゃん」
フロリス「それにアンタの気持ちがはっきりしないままだとこっちもちゃんと手伝えないし」
上条「……そうか。なら仕方ないか」
上条「……よし」
上条「あー……ごほん」
上条「俺は……、俺は、レッサーのことが好きだ!」
上条「だから、仲を深めるのに手を貸してくれっ!」
上条「………恥ずかしいな///」
上条「なんか本人いないのに告白みたいになってるし………、ってお前手に持ってんの何」
フロリス「えっ? ケータイだけど?」
上条「何やってんの!?」
フロリス「証拠品の録音」
上条「証拠品って何!? お前やっぱりからかってんだろ!」
フロリス「面白がっちゃいるけどからかってはない」
上条「一緒だよっ!」
フロリス「ってかアンタ声大きすぎ。どんだけ気合い入れてんのさ」
上条「ほっとけ!///」
ーーー同店内・2人から離れた席ーーー
『大丈夫だって! ちゃんと協力してあげるから』
『絶対だからな! 絶対だからな!?』
ワーワー
ギャーギャー
レッサー「………」プルプル
レッサー「ま、マジですか……///」カアァァッ
今日はここまでです。
そろそろ2人にはお互い意識して恥ずかしがってもらいたい。
それではおやすみなさい。
レッサー(おいおい、マジですか……?)
レッサー(これ、私告白されました……? いや、そのうちされるんですか?)
レッサー(あっれぇー?? なんでこんなことになってるんですか?)
レッサー(元々は2人の様子がおかしかったから、あとつけて秘密とか弱みを握ってやろー……と思ってただけなのに……)
レッサー(聞いちゃいけないやつですか? 知っちゃまずいやつですかっ?)
レッサー(でも今更聞かなかったふりとかできませんし……)
店員「あのー……」
レッサー「ひゃいっ!?」
店員「ご注文お決まりでしょうか……?」
レッサー「えっ、あっ、えっと……ア、アイスティーをホットでっ!」
店員「アイスティーのホットですかっ?」
レッサー「ち、ちがっ。ミルクティーのホットをっ」
店員「かしこまりました。少々お待ちください」クスクス
レッサー「あぅ……///」
レッサー(ちくしょう……恥かきました…///)
レッサー(……はっ! 今ので2人にバレたりは……)チラッ
『消せよ!? その録音絶対消せよっ!?』
『はいはい。わかってるって』
レッサー(………大丈夫そうですね)ホッ
店員「お待たせしましたー」スッ
レッサー「あっ。どうも」
店員「ごゆっくりどうぞー」ニコニコ
レッサー「………」
レッサー(せ、せっかく注文したんですからゆっくり飲むことにしましょう)
レッサー(別に話をもっと盗み聞きするために店内にとどまろうとかじゃないですよ、これは)
レッサー(紅茶の味を楽しむのが目的でーーー)ブツブツ
ーーー上条・フロリスサイドーーー
フロリス「……じゃ、そろそろ真面目に話そうか」
上条「そろそろ真面目に、ってことはやっぱさっきまではふざけてたんだな」
フロリス「いちいち細かいなぁ」
フロリス「それよりさ、アンタってレッサーとどうなりたいの?」
上条「どうって……」
フロリス「親友? 恋人? 夫婦? どれよ?」
上条「流石に夫婦ってのは……。恋人くらいになれたらいいなとは思うけど……」
フロリス「よし。なら話は簡単」
フロリス「告れ。それで返事もらって終了。はい解決」
上条「はぁっ?」
フロリス「じゃあ解散。ゴチになりまーす」
上条「待て待て待てっ。なに終わらせようとしてんだ。しかもさらっと奢らせようとしてるし」
上条「真面目に相談にのってくれよ」
フロリス「えー。このアドバイスのどこが不満よ? まさか一国の王女の顔面は殴り飛ばせるくせに、女の子に告白する勇気はないとか言いだすんじゃないだろうね?」
上条「いやいや。その二つを天秤にかけたら、告白のほうが難易度低いに決まってるけどさ」
上条「相手がレッサーじゃ、ちょっとややこしいっていうか……」
フロリス「なにが?」
上条「………俺がレッサーに告白しても、あいつは『イギリスの為に働く人材を確保』としか思わないんじゃないかと思って」
フロリス「あー……」
上条「だってレッサーのこと好きになるってあいつのアプローチにのったってことだろ」
上条「そう考えると安易に告白できなくて……」
フロリス「なるほどねー」
フロリス(ったく、レッサーもめんどくさい真似してくれちゃって)
フロリス(だけどそのアプローチがなかったらコイツがレッサーに惚れることもなかったわけだしなー)
フロリス(それに……)チラッ
『あのアプローチが仇となるとは……』グヌヌ
フロリス(反省……ってか後悔してるみたいだし)
フロリス(つーか、尾行バレバレ……)
フロリス(でもどうしよっかなー)
フロリス(ゴリ押しで告白させてもいいんだけど……)
フロリス(それじゃあつまんないし……)
フロリス(こうなったら少しからかってやるか。コイツも……レッサーも)ニシシッ
上条「フロリスさーん? 聞いてます?」
フロリス「んー? 聞いてる聞いてる」
上条「だからさ。どうすればいいかわからなくなって……」
フロリス「なるほどなるほど」
フロリス「じゃあこうしよう!」
上条「今度はちゃんとした内容なんだろうな……」
フロリス「もっちろん」
フロリス「いい? よく聞いてよ」
上条「おう……」
フロリス「………レッサーを誘惑しろ」
上条「………」
フロリス「無言で拳を振り上げるなって」
上条「ちゃんとした内容じゃなかったんですかぁぁ!?」
フロリス「いやいやちゃんとした内容だってば。最後まで話聞きなよ」
フロリス「アンタが心配してるのは、告白してもレッサーが真剣に相手してくれない、ってことでしょ」
上条「まぁ……そうだけど」
フロリス「だったら否が応でも真剣な気持ちにさせればいいわけじゃん」
上条「うん……」
フロリス「つまりっ、レッサーをアンタに惚れさせるってこと!」ビシッ
上条「えぇー……」
フロリス「なにそのまるで馬鹿みたいって反応は」
上条「実際馬鹿みたいじゃん」
フロリス「恋愛ヘタレに馬鹿呼ばわりされたくないな」
フロリス「まぁ惚れさせるっていうよりも、アンタのことを意識させることが出来れば十分」
フロリス「レッサーだって女の子なんだから気になる異性から告白されて、国の利益云々なんて言わないよ」
上条「そう……かなぁ…」
フロリス「そうだって。それじゃあ色々細かいアドバイスいっとこうか」
上条「細かいアドバイス?」
フロリス「こういうことやればレッサーの気を引ける……みたいな」
フロリス「とりあえず耳かして」
上条「おう」
レッサー「ぐっ。急に声を小さく……」
レッサー「耳を澄ましても聞こえません……」
レッサー「はぁ……」
レッサー(あの人が私にマジ惚れするなんて……)
レッサー(本気なんですかね。2人して私にドッキリを仕掛けようとしてるとか)
レッサー(いやでも2人は私があとつけてるのに気付いてませんし……)
レッサー(ぐわあぁぁ! わかりません! いったい私はどうすればっ)
『じゃあそろそろ帰って、ワタシのアドバイスを実行しますか』
『おう。頑張ってみる』
レッサー「!」
レッサー(わ、私も帰らないとっ)ワタワタッ
上条「じゃあ一応相談にのってもらったお礼にここは奢るよ」
フロリス「サンキュー……あっ、そうだ」
上条「なんだ?」
フロリス「アンタに伝えて欲しいって頼まれてたんだった」
上条「誰から? いったい何を?」
フロリス「イギリス清教の土御門。『新たなる光』の今の立ち位置について」
上条「っ! それって……」
フロリス「そ。敵対勢力がどうのこうのってやつ」
上条「大丈夫……なのか?」
フロリス「うーん、ちょっと言いにくいんだけど……」
上条「言いにくい……」
フロリス「……いやアンタが考えてるほどシリアスじゃないよ? つーか、全部勘違いだし」
上条「……はっ? 勘違い?」
フロリス「うん。まぁめんどくさいからサクッと説明するね」
ーーー説明中ーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
フロリス「……ってわけ。オッケー?」
上条「………えーっと? じゃあつまり、お前らはどっかの組織とかから狙われたりしてなくて、レッサーもフロリスも学園都市には遊びに来ただけみたいな感じで」
フロリス「土御門が間違った情報伝えて、アンタはそれを鵜呑みにして」
上条「土御門はその後それが誤解だって知ったのに俺に伝えず、いつまでも信じてる俺を陰で馬鹿にしてた、と」
フロリス「そうそう」
上条「あんのシスコン軍曹めぇ……」ワナワナ
フロリス(ほんとは黙ってたワタシらも悪いんだけど……)
フロリス(身の安全のために土御門1人に責任を押し付けよう)
上条「……はぁ。まあお前らに危険が迫ってた、ってことがないなら別にいいか」
フロリス「へぇ、怒らないんだ」
上条「こっちが勝手に勘違いしてただけだし。……土御門は後でしばくけど」
フロリス(ドンマイ、土御門)
フロリス(それより、レッサーも店から出たみたいだし足止めはもういいかな)
フロリス「じゃ、言うことは言ったし今度こそ帰ろっか」
フロリス「とりあえず、アンタはそんなこと気にしてないでレッサーのことだけ考えてなって」
上条「そ、そうだなっ。よし」
フロリス(世界を救おうが恋愛ごとになると臆病になるって。そういうとこはやっぱ学生なんだねぇ)
フロリス(だからこそ、からかいがいがある)ニヤニヤ
ーーー上条宅ーーー
上条「た、ただいま~……」
レッサー「お、おかえりなさいっ!」
上条「お、おう……」
上条(ゆ、誘惑か……)
上条(確かフロリスのアドバイスだと……)
~~~~~~~~~
フロリス『帰ったらすぐさま仕掛けること』
フロリス『間髪入れずすぐ』
フロリス『一緒に部屋に戻ると色々勘ぐられるからワタシは外にいるけど』
フロリス『ワタシの言うとおりにすれば絶対レッサーはアンタのことを意識するから』
上条『わかった。それで何をすれば……』
フロリス『よく聞いてよ……』
~~~~~~~~~
上条(えっと……まずはレッサーに対して少し身体を斜めにして立つ)クルッ
レッサー「? あの……」
上条(次は片手を頭の後ろに)
上条(反対の手を腰に持っていく)
上条(そしてウィンク!)パチンッ
上条「………」
レッサー「………」
上条「………」
レッサー「………あの」
上条「レッサー。何も言わないでくれ。どうやら俺はどうかしてたみたいだ」
レッサー「ですよね。いきなりどうしたのかと思いました」
上条「ちょっとお仕置きしなきゃいけないやつがいるから出かけてくる」スタスタ
レッサー「お気をつけて……」
ガチャッ
『フロリィィィスっ!! 騙したなあぁぁぁ!!』
『えっ! マジで実行したのっ!? 爆笑もんじゃんっ!』
『テメェなあぁぁぁ!!』
レッサー「………まさか細かいアドバイスってあれですか」
レッサー「フロリス……完全に遊んでますね」
レッサー「信じるあの人もあの人ですが……」
レッサー「…………ただウィンクはちょっと可愛かったかも」
今日はここまでです。
直パンでググったらほんとに上のほうにこのスレがきて笑ってしまった
次回は
上条で遊ぶフロリスと
色々暴走する上条と
テンパるレッサーの三人でお送りします
それではおやすみなさい
フロリス「痛たたた……」
上条「お前が人のことおちょくった罰だ」
フロリス「だからってチョップはないでしょ。しかも連続って」
フロリス「あ。まさかレッサーにもおんなじように暴力ふるってるんじゃないだろうね」
上条「暴力……?」
上条「……チョップはよくやってるな」
フロリス「それはダメだ」
上条「えっ」
なんか携帯から入れないんで明日投下します
さっき酉付け忘れてました
イー・モバイル連投規制め……
上条「だ、ダメって……、どういう……」
フロリス「よく考えてみなよ。頻繁に暴力をふるう男を好きになると思う?」
フロリス「そういう性癖を持ってるならまだしも、普通はないよ?」
上条「で、でも……、別に暴力ってほどじゃ……」
上条「スキンシップ……、そう。スキンシップみたいなもんだって!」
フロリス「スキンシップねぇ……」
フロリス「仮にチョップがスキンシップだったとしよう」
フロリス「スキンシップの度に攻撃ってどうよ」
フロリス「そんな関係の男女が恋人に発展すると思うの?」
上条「………」
上条「………」
上条「………」
上条「ないな。絶対ないなっ」
フロリス「なんでそんなに鬼気迫る感じなの……」
上条「経験」
フロリス「?」
上条「それはともかく。もしかして俺ってレッサーに嫌われてる可能性高い……?」
フロリス「かもねぇ」
上条「うぅ……」ズーン
フロリス「でも! このフロリス様に任せればっ問題無し!」
フロリス「という訳で、新しいアドバイスをあげようっ」
上条「………」ジトッ
フロリス「……なにさその目は」
上条「なんかまた適当なこと言って遊ばれる気が……」
フロリス「疑うの?」
上条「そりゃなぁ」
フロリス「ふーん。まぁ疑うのは勝手だけどレッサーに嫌われてるかもしれないって事実は変わらないよ?」
上条「そもそもそれも本当か怪しいし……」
フロリス「なら確かめてみようか」ニヤッ
上条「?」
ーーー上条宅ーーー
上条「………」チラチラッ
レッサー「………」ソワソワ
フロリス「~~~♪」
上条(ほんとに嫌われてるか確かめるって……、いったいどうする気なんだろう……)
レッサー(フロリスが何か企んでそうな顔してる気がしますけど、なんなんですかね……)
フロリス(お互い気にしてるねぇ。じゃあそろそろからかい始めますか)
フロリス「あのさ……」
上条「!」
レッサー「な、なんですかっ?」
フロリス「昨日のクッキーでまたティータイムでもしない? 小腹が空いちゃって」
上条「そ、そうだなっ。じゃあ俺が用意するよ」
フロリス「ワタシがやるから座ってていいよー。アンタはコーヒーでレッサーは紅茶でしょ?」
上条「お、おう」
レッサー「お言葉に甘えて……」
上条「………」ソワソワ
レッサー「………」モジモジ
上条(なんかレッサーの様子が変な気が……)
上条(やっぱさっきのセクシーポーズが原因か?)
レッサー「………」チラッ
上条「!」
レッサー「……っ///」プイッ
上条(!? 今……目があった瞬間顔そらされた……?)
上条(マジで嫌われてる……?)
レッサー(どうしましょう……、あの人の顔見れません///)
フロリス「淹れてきたよー。はい」コトッ
上条「……なんで俺の前に紅茶とコーヒーを2つとも置くんだ?」
フロリス「だってレッサーがそこの『特等席』に座るんでしょ?」
上条「!」
レッサー「あっ。いや……そ、その今日は普通にこっち側に座りますから……」
上条「!?」
フロリス「なんで急に?」
レッサー「と、特に理由なんかありませんっ。今日はこっちに座りたい気分だったんですっ」アセアセ
レッサー(あんな話聞いて座れる訳ないですよ///)
フロリス「ふーん。そっか」
フロリス「じゃあさ」
フロリス「ワタシが座ってもいい?」
上条「っ!?」
レッサー「っ!?」
レッサー「は、はいっ? なにを言ってるんですかっ、フロリス!」
フロリス「いやだからアンタが座らないならワタシが座ろっかなー、って」
レッサー「いやいや、いやいやいやいや! なに言ってんですかっ!? マジで!」
フロリス「? そんなに変なこと言ってる?」
フロリス「アンタがいっつも気持ち良さそうに座ってるからワタシも座りたくなって、今回アンタが座らないって言うからワタシが座ろうと思った。ただそれだけじゃん?」
レッサー「そ、そこは私の『特等席』ですよ!?」
フロリス「アンタのじゃないでしょ? だって『特等席』ではあるけど『指定席』じゃないんだから。はい論破」
レッサー「うぐっ」
フロリス「じゃあ座ろーっと」ポフンッ
上条「………」
フロリス「アンタもいつまでぼけっとしてんの」
上条「……ハッ!?」
上条「ツ、ツバメがどうしたって?」
フロリス「 『Swallow』の話は誰もしてない。わかりにくいボケすんな」
上条「っていうかなんでフロリスが俺の脚の間に?」
フロリス「レッサーがここに座りたくないって言ったから代わりに」
レッサー「言ってませんっ!」
フロリス「じゃあ座る?」
レッサー「っ! ……結構です!」プイッ
フロリス「ふふっ。あっそ」
上条「(お、おいフロリス。お前なにやってんだよ)」ヒソヒソ
フロリス「(だからアンタがレッサーに嫌われてるか確かめるって言ったじゃん)」ヒソヒソ
上条「(それがなんでこうなる)」ヒソヒソ
フロリス「(んー、まぁ気にしない。それよりレッサーに嫌われてるかどうかわかった?)」ヒソヒソ
上条「(っ! それは……)」ヒソ
フロリス「(どうなのさ)」ヒソ
上条「(……目があったらそらされた、俺の脚に座りたくないって言った……)」ヒソヒソ
上条「(……これは嫌われてるな)」ヒソヒソ
フロリス(その2つの判断材料で結論だすんだ……)
上条(どうしよう。心折れそう。オティヌスに散々やられても頑張れたのに)
レッサー(さっきから顔近づけてヒソヒソと内緒話なんかして……、なんかムカつきます)モシャモシャ
フロリス「それにしても案外座り心地いいねぇ」グデーン
上条「お、おい。あんまりもたれかかるなよっ」
レッサー「………」モッシャモッシャ
フロリス「いいじゃん別に減るもんじゃないんだし」グデーン
上条「俺の体力が減る」
レッサー「………」モッシャモッシャモッシャモッシャ
フロリス「レッサーが座ってる時はそんな台詞言ったことなかったじゃん」
上条「それは……」
フロリス「やっぱレッサーに座られてるほうがいいわけ?」
レッサー「!」
上条「そ、そんなこと……別に…。どっちも一緒だって」
レッサー「!?」
フロリス(こいつ見事に人のアシスト無視しやがるな)
フロリス(レッサーはレッサーでやけ食いしてるし……)
フロリス「はぁ……」
フロリス「とりあえずこっち来て」
上条「俺?」
フロリス「アンタ以外に誰がいるの」
上条「おぉ……」
レッサー「………むぅ」
ーーーーーーーーー
フロリス「よし。じゃあアンタがレッサーに嫌われてるかもしれないと自覚したところで」
上条「はっきり言わないでくれ。泣きそうになる」
フロリス「メンタル弱すぎでしょ」
上条「ほっとけ」
フロリス「とりあえずアドバイスといこうか」
上条「うす」
フロリス「いつも通り過ごしな」
上条「………え。アドバイスってそれだけ?」
フロリス「それだけ」
上条「もっと具体的な感じを期待してたんですが……」
フロリス「こういうのは下手なことしないほうがいいんだって」
フロリス(それにアンタだったら普通にしてたほうが今のレッサーには効果的だろうし)
上条「そんなもんなのか………、じゃあセクシーポーズさせたのってほんとに意味なかったのか?」
フロリス「むしろ少しでも意味があると思ったアンタにびっくりだわ」
上条「一回殴っといてもいいか?」
フロリス「その時はレッサー連れてイギリス帰るけど」
上条「この卑怯者め」
上条「……まぁサンキューなフロリス」
フロリス「なにが?」
上条「ふざけながらとはいえ俺の相談にのってくれて。こういう時ってどうしたらいいかわかんねぇからほんと助かるよ」
フロリス「どうしたらって……、アンタ恋愛したことないの? 10年以上生きてきて」
上条「えっ。……ほら、国とか魔術側とかの事情みたいなのも含むから……」
フロリス「ああ、なるほど。」
フロリス「でも、急にそんな真面目な感じでお礼言われると……」
上条「?」
フロリス「どうしよう……」
フロリス「すっごい気持ち悪い」
上条「なんでだよ」
フロリス「チキン肌やばい。ゾワゾワする」
上条「チキン肌ってなんだよこの野郎。炒めるぞ」
フロリス「えー」
上条「ったく。とりあえず戻ろうぜ。レッサーを待たせすぎるのも悪いし」
フロリス「はいはい」
ーーーーーーーーー
レッサー「………」モシャモシャ
上条「………」
フロリス「~♪」モシャモシャ
上条(フロリスはいつも通り過ごせって言ってたけど……)チラッ
レッサー「………っ!」プイッ
上条(目もまともに合わせてくれなくなったのにいつも通りもないよな……)
上条(ぐおぉぉ……、いったいどうすればあぁぁ……)
レッサー「熱っ!」
上条「っ!」
フロリス「レッサー? どしたの」
レッサー「い、いえ、紅茶を零しちゃって……」
上条「おいっ、大丈夫かっ?」
レッサー「へっ? だ、大丈夫ですよっ。これくらい……」
上条「火傷してたら大変だ。とりあえず冷やさないと」グイッ
レッサー「えっ! ちょっ」
ジャアァー
上条「冷たいけど我慢してくれ。火傷してたら水で冷やさないといけないから」
レッサー「そ、それよりもっ、手!」
上条「手?」
ギュッ
上条「……! わ、悪いっ///」パッ
レッサー「い、いえっ///」
レッサー「………あ、ありがとうございます///」モジモジ
上条「っ!」
上条(上目遣い+潤んだ瞳とか可愛いすぎんだろぉぉっ!)
レッサー(うぅ、いつもなら軽口の一つでも言えるのに……)
フロリス(おぉおぉ。見せつけてくれるねぇ)ニヤニヤ
上条「ーーーっ!」
上条「ちょ、ちょっと買い物行ってくる!」
レッサー「えっ」
上条「留守番よろしくっ!」ダダダッ
ガチャッ
レッサー「へ……?」
フロリス(逃げたな。アイツ)
フロリス(ま、丁度いいか)
フロリス(そろそろレッサーのほうもからかおうと思ってたところだし)ニヤ
今日はここまでです。
復活してよかったですねー
掛け持ちしてたスレも無事完結したし、こっちも頑張っていきます
それではおやすみなさい
レッサー「えーっと……、どうしましょう?」
フロリス「ほっとけほっとけ。それより火傷は大丈夫なの?」
レッサー「はい。たいしたことはありません」
レッサー「ただ……」
レッサー(手よりも顔の方が火照って……///)
フロリス「ただ、なに?」
レッサー「い、いえ別にっ」
フロリス「ふぅん……」ニヤニヤ
レッサー「それよりもフロリス! さっきのはいったい何のマネですか!?」
フロリス「なにが?」
レッサー「だ、だからっ! あの人の脚に座ったり、ヒソヒソ内緒話したりですよ!」
フロリス「んー? なんか問題でもある?」
レッサー「ありまくりですよ!」
レッサー「だいたいあなたあの人のこと嫌ってたじゃないですか!」
レッサー「そ、それなのに……なんか…こうっ」
フロリス「アンタが言いたいことはよくわかんないけど……」
フロリス「ワタシ、そこまでアイツのこと嫌いじゃないよ?」
レッサー「えっ」
フロリス「むしろ好きかも」
レッサー「えっ?」
レッサー「え…えーっと……?」ワタワタ
フロリス「だってほら。頭悪いけど性格は悪くないし、顔もまぁまぁ? だし」
フロリス「妙な力持ってるし魔術サイドに引きずり込めばイギリスにとっちゃ有益じゃん」
レッサー「そ、それはっ、私がやろうとしてたことじゃないですか!」
フロリス「そうだけど、別にワタシがやっても同じじゃない?」
フロリス「むしろイギリスのためだけにやろうとしてるアンタと、イギリスと自分のためにやろうとしてるワタシだったら、ワタシがやった方が全体的に良くない?」
レッサー「うっ……」
フロリス「イギリスは得をしてワタシは幸せになる。仕事としてやるアンタは自分が幸せになれないじゃん」
レッサー「うむむむむっ……」
フロリス「だからさ、レッサー」
フロリス「応援、してくれるよね?」ニィッ
レッサー「……っ」プルプル
レッサー「誰が……」
フロリス「ん?」
レッサー「誰が応援するもんですか! フロリスのばーかばーか!!」
レッサー「だいたいあなたあの人に相談受けてたじゃないですかっ! それなのに横からかっさらうような真似しようとして!」
レッサー「私より弱っちいくせに! 私よりカップ数ちっさいくせに!」
レッサー「ブリテン・ザ・ハロウィンの時なんかコミカルにやられた出オチのくせにぃぃぃ!!」
フロリス「………」
レッサー「はぁはぁ…」
フロリス「……レッサー」
レッサー「なんですかっ!」キッ
フロリス「ウソだから」
レッサー「……は?」
フロリス「ワタシがアイツのこと好きっていうの、ウソだからね?」
レッサー「……はい?」
フロリス「そんなことあるわけないじゃーん! 本気にしないでよっ」ケラケラ
レッサー「えっ、いや、ちょっと意味わかんないです」
レッサー「ウソだったらなんでそんな……」
フロリス「レッサーの面白い反応が見たかった…っていうのが理由かな?」
レッサー「は……」
レッサー「はあぁぁぁ!?」
レッサー「なんですかっ、なんなんですか!?」
レッサー「そんなくだらない理由で!? こっちがいったいどんな気持ちになったと思ってます!?」
フロリス「てへぺろ☆」
レッサー「そんなんで私の怒りが鎮まるとでも!?」
フロリス「鎮まらないの?」
レッサー「そういうのは女が女にやっても意味ないんですよっ!」
フロリス「ちぇっ」
レッサー「ちぇっ、じゃないっ!」
フロリス「まあまあ。紅茶でも飲んで落ち着きなって」
レッサー「……わかりました」
フロリス「……」ゴクゴク
レッサー「……」ゴクゴク
フロリス「ふぅ……」
レッサー「はぁ……」
フロリス「落ち着いた?」
レッサー「……まぁ」
レッサー「じゃあ説明してもらいましょうか」
フロリス「なにを」
レッサー「だ、だから……あの人のこと本当はどう思っているのとかですよ……」モジモジ
フロリス「本当もなにも、さっき言った通りだけどねー」
フロリス「性格は悪くない、顔もまあまあ、家事とかもできるみたいだし結構いいんじゃない?」
レッサー「それってつまり……」
フロリス「いや別に好きじゃないよ? 恋愛感情有る無しに関わらず」
フロリス「生理的に無理ってやつだね」
レッサー「そ、そうですか……」
フロリス「だからって嫌いってわけでもないけど」
レッサー「そうですか……、そうですか」ホッ
フロリス「……ライバルじゃないとわかって安心した?」
レッサー「ええ、まぁ……」
レッサー「っ!」ハッ
フロリス「へぇ~。安心したんだぁ。そっかそっか」ニヤニヤ
レッサー「フ、フロリス……。あなたハメましたね……」
フロリス「なんのことかな?」
レッサー「今の台詞引き出すためだけに煽ってきたんですかっ!」
フロリス「さぁーねー?」
レッサー「いやらしい真似しやがりますね!」
フロリス「あの男の善意に甘えて転がり込んだアンタが言うか」
レッサー「それはフロリスも同じでしょう!」
フロリス「そうだった」
フロリス「とにかく、アンタがあの男のこと好きだっていうのはわかったからいいや」
レッサー「す、好きだなんて……///」
フロリス「好きじゃないの?」
レッサー「………わかりません」
フロリス「喫茶店でワタシらの話盗み聞きしてアタフタしてたのに?」
レッサー「気付いてたんですか」
フロリス「ワタシはね。アイツは気付いてなかったけど」
フロリス「で。結局どうなのさ」
レッサー「どうって言われても……」
レッサー「好きか嫌いかで言われれば好きですけど……///」モジモジ
レッサー「異性として好きかと聞かれたら……」
フロリス「はいそうです。ってハッキリ言えない、と」
レッサー「………」コクン
フロリス「ふーん」
フロリス「でも異性として好きじゃなかったら、さっきのワタシの言葉に嫉妬したり安心したりしないんじゃないの?」
レッサー「!」
フロリス「それに、アンタはあの男の気持ち知ってるんだからその辺の返事とかはしっかり考えときなよ」
レッサー「………」
フロリス「ま。焦らずじっくり自分の気持ちに向き合えばいいんじゃない?」
レッサー「自分の気持ち……」
フロリス(もう一押しかな?)
フロリス「だからってのらりくらりと逃げたり、自分の気持ち誤魔化したりはできないけど」
フロリス「いつまでもここに居れるわけじゃないんだし」
フロリス「イギリスに帰っちゃったら長いこと会えなくなるだろうからね」
レッサー「っ!」
レッサー「会えなく……なるんですよね……」
フロリス「アイツにとっては遠距離恋愛……じゃなくて遠距離片想いになるからねー。そうなったら普通は諦めるかぁ」
レッサー「うっ」
フロリス「あの男も結構モテるみたいだし、告白とかされて他の人を好きになるかもねー」チラッ
レッサー「うぅ……」
フロリス「例えば禁書目録とか御坂美琴とかと、レッサーのこと忘れて仲睦まじい関係になったりして」
レッサー「………っ」
フロリス(そろそろとどめか)
フロリス「アンタのいう『特等席』も、別の誰か専用になっちゃうんだろうね。きっと」
レッサー「………」
フロリス「………レッサーはそうなっても後悔せずに納得できる?」
レッサー「……そんなの」
レッサー「そんなの納得できるわけないでしょうがあぁぁ!!」
レッサー「ええそうですよ! 私だってあの人のことが好きですよ!」
レッサー「イギリスがどうとか魔術だの科学だの抜きで好きなんですよ!!」
レッサー「モテるとかそんなもん知りません! あの人は私のです! 誰にも渡すもんですかっ!」
レッサー「相手が誰だろうが関係ありません!」
レッサー「レッサーちゃん、一世一代の告白で意思表示してやります!」
レッサー「やってやります! やってやりますとも!!」
レッサー「この気持ちはもう絶対にとまりません!」
レッサー「ふははははっ!!」
レッサー「ふんっ」
フロリス「………ふふっ」
レッサー「なんですかっ」
フロリス「おもしろくなってきたなー、って思って」
レッサー「おもしろがらないでくださいっ!」
レッサー「あの人が帰ってきたらサクッと告ってきゃっきゃうふふしてやりますよ!」
フロリス「……そう上手くいくといいけどね」
レッサー「……なんですか、その言い方」
フロリス「サクッと告白って、今までやってきたアプローチと何か違うわけ?」
レッサー「違うに決まってるじゃないですかっ」
フロリス「でも相手がそう受け取るかはわからないじゃん」
レッサー「で、でもあの人は…ほら……私のこと………なんでしょう…?」ゴニョゴニョ
フロリス「なんて? 聞こえない」
レッサー「ですから……す…き…なんでしょうって……///」
フロリス「はい?」
レッサー「 」イラッ
レッサー「ですから! あの人は私のことが好きだって!」
フロリス「なに自慢? 大声出さなくても聞こえてるって」
レッサー「むきぃーっ!」
フロリス「落ち着け落ち着け。どうどうどう」
レッサー「馬じゃないんですから!」
フロリス「でもあの男、絶賛勘違い中だからなー」
レッサー「なんですか、勘違いって……」
フロリス「アンタに嫌われてるって勘違い」
レッサー「はい? なんでそんな変な勘違いを……あっ」
レッサー「まさかフロリスが変なこと吹き込んだんじゃないでしょうねぇ?」
フロリス「まっさかー」
レッサー「怪しい……」ジトッ
フロリス「いやいや。アンタが素っ気ない態度とったのが原因だからね」
レッサー「素っ気ない……?」
フロリス「照れてるのか、目を逸らしたり脚の間に座ろうとしなかったり」
レッサー「アレっ!? アレだけでそんな勘違いを!?」
フロリス「良くも悪くも思春期の男だからね。色々考えてビビったりするんでしょ」
レッサー「そ、そんな……」
フロリス「まあ、アンタが望むのならワタシが色々手回ししてあげてもいいけど」
フロリス「友達のレッサーが悩んで落ち込んでる姿なんて見たくないし」
レッサー「フロリス……」
レッサー「本音は?」
フロリス「おもしろくなりそうだから引っ掻き回そう」
レッサー「ぶん殴りますよ、この畜生め」
レッサー「でも、協力してくれるんなら別になんでもいいですよ」
レッサー「あなたはあの人から相談受けてるんですから、私に力を貸すのも同じようなものでしょうし」
フロリス「まぁ、そうだけど……」
フロリス「アンタ、ちょっと上からもの言ってない?」
レッサー「………」
フロリス「………」
レッサー「どうか協力してください」ペコリ
フロリス「素直でよろしい」
フロリス「じゃあ引っ掻き回す……もとい、色々お膳立てしてあげますか」
レッサー(……やっぱり不安ですね)
フロリス「でもその前に……」
レッサー「?」
フロリス「レッサー。アンタ、ワタシのことあんな風に思ってたんだね……」
レッサー「あんな風……?」
フロリス「『コミカルにやられた出オチ』」
レッサー「あ、あれは言葉のアヤといいますかなんというか……」
フロリス「そのことに関しては怒っておこうかなぁ」
レッサー「え、えーっと……」
レッサー「てへぺろ☆」
フロリス「………ふ」
フロリス「そんなのは女が女にやっても意味ないってのっ!」
レッサー「ぎゃああぁぁぁ!! 尻! 尻鷲掴みはやめっ!」
フロリス「うっさい!」
レッサー「尻尾引っ張らないでぇぇ!! スカートめくれ上がってますからっ!」
フロリス「しーるーかーっ!」
ギャアギャア!
上条「……思わず買い物を言い訳やな逃げ出してしまった」
上条「だがしかし、財布が無くて手ぶらで帰ってきてしまったんですが……」
上条「まあいいか。1人になったおかげで落ち着いたし」
上条「もう上条さんは多少のことでうろたえたりしませんことよ」フッ
上条「……しかしあいつら何騒いでんだ? 外まで声が響いてるけど」
ガチャ
上条「ただいまー……って」
フロリス「ふはははっ! 抵抗できるもんなやってみやがれ! この赤色Tバックが!」
レッサー「背中に乗っかって尻揉みしだくのをやめてくださいって! なんかもう全体的に雑なんですよ! もっと上手にやりなさいっての!」ジタバタ
フロリス「上手な揉み方なんか知らな……」
レッサー「? なんですか急に黙って。何かありまし……」
上条「………」
バタン
上条「………あ、鼻血が」タラー
今日はここまでです。
上フロ、上琴、上姫、番外幻想と色々期待していただいてるんですが、次やるとしたらレディリーかステイルさんじゅうようさいと弟子魔女メインでなんか書きたいと思ってるんですよね
ただちょっと考えたネタだとレディリーをヒロインにしたいのにいつの間にか悪役ポジになったり、ステイルメインだと弟子魔女を筆頭にテオドシアやパトリシアみたいに知名度低すぎるキャラが出まくりになりそうで悩んでます
まあどっちをやるにしろレッサースレ終わってからになると思います。
それではおやすみなさい
乙
全く、「直パン」禁断衝動出始めてたわ
乙
全く、「直パン」禁断衝動出始めてたわ
誤字
>>641
上条「……思わず買い物を言い訳”やな”逃げ出してしまった」
上条「……思わず買い物を言い訳”に”逃げ出してしまった」
打ちミス。ゴメンなさい
レッサー「……もうダメです、お嫁に行けません」ズーン
フロリス「いまさら下着見られたくらいで何言ってんだか」
レッサー「今までとは状況とか気持ちとか色々違うでしょう……」
ガチャ
上条「ただいま~。いやー財布忘れちゃってさ~」
フロリス「うわぁ、何事もなかったかのように戻ってきやがった……」
レッサー「………見ましたよね」
上条「………ナンノコトデショウ」
レッサー「………」
上条「上条サンナニモミテナイヨー」
フロリス「何色だった?」
上条「赤!」
レッサー「見てるじゃないですかぁーっ!///」
上条「い、一瞬チラッと見えただけだから! 赤っぽい何かが見えただけだから!」
フロリス「どんなやつだった?」
上条「エロい感じのTバック!」
レッサー「ガッツリ見てるじゃないですかぁーっ!///」
上条「ち、違っ!」
上条「フロリスも遊ぶなって!」
フロリス「だって面白いし」
レッサー「………うぅ」
上条「ご、ごめんっ、レッサー。俺もワザと見たわけじゃ……」
フロリス「レッサーお嫁に行けないとか言ってたよ。どうすんの」
上条「どうするって……」
フロリス「こうなったら、せ・き・に・ん。とるしかないんじゃないのかなぁー?」ニヤニヤ
上条「せ、責任!?///」
レッサー「ななな、なに言ってるんですかっ!///」
フロリス「冗談だって。アンタたちほんと反応が面白いわー」
上サー「「面白がるなっ!!」」
フロリス「そういえば、アンタ買い物行かないの?」
上条「お前わかってて言ってるだろ」
フロリス「なんのことかな?」ニコッ
上条「この野郎……」
レッサー「?」
上条「はぁ……、でもほんとに買い物に行かないと食うもん何もなさそうだな」
フロリス「クッキーも無くなっちゃったし」
上条「いつの間に」
フロリス「レッサーがバクバクバクバク食べたからねぇ」
レッサー「ちょっ! 人を食いしん坊みたいに言わないでください!」
フロリス「実際アンタって結構食べるほうじゃん」
レッサー「ぐっ、言い返せない……」
上条「い、いやでも沢山食べる女の子っていいと思うぞっ。俺は」
レッサー「!」
上条「レッサーが食事してる姿とか可愛いし」
レッサー「可愛いっ!?///」
上条「あぁ。可愛かったぞ」
レッサー「そ、そうですか……///」
上条(唐揚げ食べさせてる時とか特に可愛かったしなぁ)
レッサー(可愛い……可愛い……)
レッサー「えへへへぇ……///」
フロリス(なにこの天然女殺し)
上条「あー、それじゃあ食材買うついでにおやつも何か買ってくるよ」
フロリス「ふーん……あっ。じゃあレッサーも一緒について行けば?」
レッサー「えへへへ………へっ?」
フロリス「荷物持ちくらいしてあげなって。ワタシは留守番してるか……」
ガシッ
フロリス「!」
レッサー「そ、それでしたらフロリスも一緒に行きましょうよ!」
上条「そうそう! 買い物なら三人で行こうぜっ!」
フロリス「えっ、ちょっ」
上条「さあ行こうかっ!」
レッサー「そうですね! 行きましょうっ!」
フロリス「えぇ~……」
上条(今レッサーと二人きりにされたら……)
レッサー(死ねます。ってか死にます)
ーーー とあるスーパー ーーー
上条「なんでいきなりアイスコーナー?」
レッサー「コタツにはアイスが付き物だと聞いたことがあるので」
上条「普通はミカンだと思うけど……」
フロリス「おやつにはいいんじゃない?」
上条「まあいっか。じゃあ俺は買い物してるからその間に選んじゃえよ」
フロサー「「はーい」」
上条「一人一個。高いのは無しだからな」
レッサー「どれにしましょうかねえ」
フロリス「………」
レッサー「やっぱり無難なバニラアイスとかチョコミントとかにしときますか」
レッサー「いやでも冒険してみたいところもあるんですよね。このガラナ青汁味とか。いかにもな感じが逆に興味をそそりますし」
フロリス「………」
レッサー「いややっぱり分け合えるもののほうがいいでしょうか。ピノとかアイスの実とか」
レッサー「しかし雪見大福も捨てがたい。いったいどうするべきか……」
レッサー「はっ! わかりました! フロリスが雪見大福を選んでそれを一つ貰えば解決するじゃないですか!」
レッサー「私って頭いいーっ」
フロリス「………アンタふざけてるの?」
レッサー「じょ、冗談ですよ……。流石に雪見大福一つ貰おうだなんて……」
フロリス「そうじゃなくて」
フロリス「なんでこっちが気を利かせてやろうってのにアンタはアイスと睨めっこしてんのかって言ってんのっ」グニグニ
レッサー「いひゃいれふ」
フロリス「ったく」パッ
レッサー「だ、だって! 今あの人と二人きりにされたら私死にますよっ!? フロリスは私に死ねって言うんですかっ!?」ヒリヒリ
フロリス「ごめん意味わかんない」
レッサー「はっ。これだからろくに恋愛したことない女は……」
フロリス「なに自分が恋愛経験豊富みたいな言い方してんだコラ」
レッサー「か、顔が怖いです……」
フロリス「まったくアンタってやつは……」
レッサー「し、仕方ないじゃないですか……」
レッサー「私だってこんな馬鹿な真似してる場合じゃないってのはわかってますよ」
レッサー「でも頭の中がごちゃごちゃして、まともにあの人の顔も見れなくて」
レッサー「言葉の一つ一つにも変に反応しちゃって……」
レッサー「自分でもどうしたらいいのかわからないんですよ……」
フロリス「……レッサー」
フロリス「中学生かよ」フッ
レッサー「年齢的にはそうですよ」ジロッ
フロリス(よくこんなヘタレ根性で任務一つに命投げ出そうとしたなぁ)
フロリス(それともあの男のせいでここまでヘタレになったのか?)
レッサー「どうしましょっかねぇ~……」
レッサー「アイス冷たい……」ヒンヤリ
フロリス「ま、とりあえず」
フロリス「あんまり気にしないで、前みたいに気軽に接してみれば?」
フロリス「そうすればあの男の変な勘違いも解けるだろうし」
レッサー「フロリス……」
レッサー「それができないから悩んでるんでしょうが」
フロリス(逆ギレ……)
上条「選んだか?」
フロサー「「っ!」」ビクッ
上条「そ、そんなに驚かなくても……」
フロリス「ごめんごめん。とりあえずこれにしておく」
上条「雪見大福ね。レッサーは?」
レッサー「じゃあこれで……」
上条「ピノか。なら俺は……お。冷凍みかんとかあるんだ。せっかくだしこれにしておくか」
上条「じゃあ会計してくるな。先に外に行っててくれ」
フロリス「はいはーい」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
上条「待たせたなー」
フロリス「遅い」
上条「すまんすまん。小銭出すのに手間取ってさ」
フロリス「寒空の下で女の子二人待たせるなんて……」
上条「だから悪かったって。……えっと、レッサーも待たせて悪いな」
レッサー「い、いえっ。大丈夫ですっ」
フロリス「そんなやせ我慢して。さっきまで指先にはぁはぁ息かけて温めてたくせに」
上条「まじか。……あ、じゃあ俺の手袋使っていいぞ」
レッサー「い、いいですよっ」
上条「我慢するなって。これ全然寒くないんだ。まぁレッサーに貰ったプレゼントのやつなんだけど」
レッサー「いや、でもそれじゃああなたが寒くなりますし……」
上条「いやいや、俺は大丈夫だから」
レッサー「いやいや……」
上条「いやいや……」
フロリス「 」イライラ
フロリス「あぁもう! なら片方ずつつけて空いた手は繋げば!?」
上サー「「っ!?」」
フロリス「そうすれば解決するでしょうがっ」
レッサー「フ、フロリス! あなた何言って……、だいたいそんなのこの人が嫌がるに決まって……」
上条「お、俺はっ! レッサーがいいなら別に……///」ゴニョゴニョ
レッサー「!?」
フロリス「ほぅ」
上条「レッサーが嫌なら別にいいんだぞっ? 嫌なら手なんか繋がなくて……」
フロリス「嫌なわけないよねぇ? レッサー」ニッコリ
レッサー(フロリスから謎のプレッシャーが……)
上条「レッサー……?」
レッサー「………///」スッ
上条「あの……この手は……?」
レッサー「さ、寒いのでっ、手袋を片方貸していただけたら……///」
上条「っ!」
上条「お、おうっ///」
フロリス(……なんでコイツらは今更手を繋ぐくらいで赤面したりするのかね。散々くっついたりしてたくせに)
上条「じゃ、じゃあ…///」
レッサー「は、はい…///」
ギュッ
上条(うっわぁ、レッサーの手柔らけえ……///)
レッサー(大っきい……、やっぱり男の人なんですね…///)
上条(弾力があってプニプニしてる……、もっと強く握りたい……)
レッサー(ゆ、指とかどうしましょう……、絡ませたほうがいいんですかね……いやでもそういうのって恋人がするものですし……)
上条(俺手汗とか大丈夫かな……、くそっ。ちゃんと拭いてから繋げばよかった……)
レッサー(私の手冷たくありませんかね……、手を繋ぐの後悔とかされてませんよね……)
上条(あぁダメだ、頭の中で色々考えて会話が出来ない)
レッサー(気まずすぎます)
上サー((助けて! フロリース!))チラッ
フロリス「……ん? ……あぁ」
フロリス「オッケーオッケー。アイス持ってあげるよ」
フロリス「二人の熱気で溶けたら大変だからねぇ」ニヤニヤ
上サー「「冷やかすなっ!///」」
今日はここまでです。
おやすみなさい
ーーー上条宅ーーー
レッサー「///」プシューッ
フロリス「いつまで赤くなってんのさ」
レッサー「うへへへへ///」
フロリス「キモいぞー」
レッサー「なんかいいですねえ。こういうの。ものすっごい幸せといいますか」
フロリス「いやいや。手繋いで満足してんなよ」
フロリス「目標は恋人になることでしょうが」
レッサー「恋人……恋人ですか……」
フロリス「? どした?」
レッサー「想像すると……うへへへへ///」
フロリス「アホか……」
上条「おーい。昼飯できたから運んでくれー」
レッサー「はっ、はい!」
フロリス「ワタシが行くからアンタは座ってな。今のアンタなら運んでる時にひっくり返しかねない」
レッサー「失礼な……と言いたいところですが否定できないのでお言葉に甘えることにします」
上条「ほい。よろしく」
フロリス「………何、これは」
上条「何って……オムライス」
フロリス「……オムライス」
上条「そう、オムライス」
フロリス「玉子は?」
上条「………あ」
フロリス「これじゃただのチキンライスなんだけど?」
上条「玉子忘れてた! すぐ焼くから!」
フロリス「こいつも浮かれてんのか……」
上条「あぁやべっ、殻入っちゃった!」
フロリス「テンパってんなぁ……」
上条「よし出来た出来た。はいお前とレッサーの」
フロリス「ケチャップで文字描こうか」
上条「任せるよ」
フロリス「じゃあレッサーのにL・O……」
上条「やめいっ」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
フロリス「ご馳走様」
レッサー「いやぁ、相変わらず美味しかったです」
上条「そりゃよかった」
ポツポツ
上条「ん?」
フロリス「雨降ってきてるじゃん」
レッサー「晴れてるうちに買い物行ってよかったですね」
上条「ほんとだな。珍しくツイてたぜ」
ザァー
フロリス「うわっ。急に本降りにっ」
上条「通り雨だろ」
レッサー「帰るのがもう少し遅かったら私たちも外の洗濯物みたいにビチャビチャになってたでしょうね」
上条「あぁ………って」
三人「「「洗濯物!」」」
洗濯物『 』ビッチョリ
上条「ちくしょう……また洗い直し……不幸だ」
レッサー「ま、まぁ全部ダメになったわけじゃないですし」
フロリス「そうそう。タオルとかは無事だったみたいだし」
レッサー「不幸中の幸いってやつですよ」
上条「その代わり俺たちが濡れちゃったけど」
レッサー「これくらい大したことないですって」ヘラヘラ
フロリス「そんなこと言ってたらまた風邪ぶり返すよ?」
上条「そうだぞ、レッサー。ちゃんと拭かないと」
上条「えっと……この辺のタオルはもう乾いてたみたいだな。ほら」ポイッ
レッサー「おっと」
上条「フロリスも」ポイッ
フロリス「サンキュ」
上条「この辺のハンカチとかも大丈夫そうだな」
レッサー「えっ、ちょっ!」
フロリス「それ……」
上条「ん?」
パンティー『 』ピラーン
上条「……oh」
レッサー「それハンカチじゃなくて私の下着じゃないですかぁっ!///」
上条「待って! ちょっと落ち着いて! ワザとこれで拭こうと思ったんじゃないから! ハンカチと勘違いしちゃっただけだから!」
フロリス「見るだけじゃ飽きたらず、触って匂いまで嗅ごうとするなんて……」
上条「フロリスも変なこと言わないでっ! 匂い嗅ごうとなんてしてないからっ!」
フロリス「ハンカチと勘違いしたって、ちょっと言い訳としては無理があるでしょ」
上条「言い訳じゃないって!」
フロリス「そこまで飢えてんの?」
上条「だぁーかぁーらっ!」
上条「だいたいレッサーの下着なんて毎日触ってるだろ!?」
フロリス「えっ」
レッサー「えっ」
フロリス「アンタ……マジで……」
レッサー「まい……毎日触って……??」
上条「洗濯の時にって意味だぞっ? 変な意味とかないぞっ?」
上条「毎日洗濯して干して畳んでってしてるのに、今更パンツ一つに興奮したり欲情したりするかっ!」
上条「はぁ…はぁ……」
フロリス「でもさっきレッサーの赤T見て鼻血出してたじゃん」
上条「うぐっ」
レッサー「赤Tって、変な略しかたしないでくださいっ」
上条「あれはっ……レッサーが履いてたからであってパンツに興奮したわけではない!」
レッサー「っ!?///」
フロリス「なるほど。パンツそのものじゃなく、レッサーと一体化したパンツに興奮してたと……」
上条「その通りだっ!」
フロリス「……アンタ今すごいこと言ってるけど自覚ある?」
上条「?」
フロリス「ほら」クイッ
レッサー「私と…パンツ…興奮…///」プシューッ
上条「………」
上条「フロリィィィス!」
上条「お前っ、何言わせてんの!? 何言わせてくれちゃってんの!?」
フロリス「今回はワタシのせいじゃないでしょ。自業自得……っていうか自爆?」
上条「いやいや!」
フロリス「おめでとう。パンツフェチの称号を獲得したね」
上条「そんな称号貰っても嬉しくないから!」
フロリス「聞いた話じゃ匂いフェチでもあるらしいじゃん。中々いい趣味してるんじゃない? ワタシには理解できないけど」
上条「それも違うっての! レッサーの汗の匂いとかが好きなわけで匂いフェチとかじゃ…………」ハッ
フロリス「お、おぉ……」
上条「待って引かないで心折れちゃう」
フロリス「引くっていうか……ドン引きだわ」
上条「なあぁぁぁっ!! 忘れて下さいマジでお願いします!」
フロリス「いやまぁワタシは聞かなかったことにしてあげてもいいけどさ……」
レッサー「わた、私の汗の匂い……?? 汗の匂いが好き??」
レッサー「??」
上条「 」
フロリス「とりあえず二人とも正気に……」
レッサー「……ふ」
レッサー「ふぎゃああぁぁぁ///」カアァァ
上条「 」
フロリス「正気に……戻りそうもないなぁ」
フロリス「……まったく。面白かったりめんどくさかったりするなぁ」ハァ
今日はここまでです。
他の考えてたらあんまり書けなくて少なくなってしまった…
ごめんなさい
次はできるだけ早くきます
それではおやすみなさい
レッサー「……うぅ」
フロリス「レッサー、いつまでコタツの中に引きこもってるつもり?」
レッサー「……ほっといてください。こっちは恥ずかしくて顔が見せらんないんですから」
フロリス「いや、ほっとくほっとかないじゃなくて、そこにずっと居られるとワタシが入って暖まれないし」
レッサー「………」
フロリス「黙るなー」バッサバッサ
レッサー「布団をめくらないでくださいっ」
フロリス「なら出てこいよ」
レッサー「………やです」
フロリス「………」ゲシゲシ
レッサー「ちょ、無理矢理足突っ込まないでっ」
レッサー「……そういえば、あの人はいったい何処に?」
フロリス「洗濯物を洗い直した後に風呂場で毛布被って体育座りしてる」
フロリス「ほとんどアンタと同じだね。恥ずかしがって引きこもってる」
レッサー「一つの部屋に二人の引きこもりがいるなんて……」
フロリス「いや、アンタそのうちの一人だから。他人事みたいに言ってるんじゃないから」
レッサー「………」
フロリス「黙るなよ」
レッサー「うるさいです! こちとら変な感じで好きとか言われて、嬉しいやら恥ずかしいやらで頭の中グチャグチャなんですよっ!」
レッサー「少しの間一人にさせてください!」
レッサー「ふんっ」
フロリス「………レッサー」
フロリス「変な感じだろうが好きって言われたんだし同じように言い返せたんじゃないのかなぁ?」ジロッ
レッサー「………」
フロリス「ったく、コイツは……」
フロリス(だけど一応嬉しかったんだ。好きって言われたの)ニヤニヤ
フロリス(ワタシだったらあのカミングアウトは流石に引くけど)
フロリス(まあそれは置いといて。あっちの様子も見ておくか)スタスタ
レッサー「どっか行くならコタツの電源切っていってくださいよー」
フロリス「自分でやれっ」
ーーー風呂場ーーー
上条「………」
フロリス「よーっす」ガチャ
上条「……フロリス」
上条「俺はいったいどうすればいいんだろうか……」
フロリス(うっわ、なんかヤバい顔してる)
上条「さっきの事が全部幻想だったらいいのに……、そしたら俺の右手でぶち殺せるのに……」
上条「ふふふふ……」
上条「はぁ……」
上条「なあフロリス」
フロリス「なに?」
上条「レッサーどうしてる? やっぱり気持ち悪がってたりしてるのか?」
フロリス「えーっと……」
フロリス「顔見せられないとかなんとか」
上条「俺に顔見せたくないのか……」
上条「そこまで嫌われるなんて……」グスン
フロリス「………チッ」
フロリス「あのさぁ。いつまでもウジウジいじけてないで、男ならバシッと決めなよ」
フロリス「そんなにヘタレてるの見てるとこっちがイライラすんの」
フロリス「嫌われてるとか嫌われてないとか、そんなことどうでもよくない?」
上条「どうでもはよくないだろ……」
フロリス「どうでもいいのっ」
上条「押し切ってきたよ……」
フロリス「その自慢の右手でガツーンと当たって砕け!」
上条「砕くの!? いったい何を!?」
フロリス「アンタとレッサーの間の壁的なやつ」
上条「なんかフワッとしてるなぁ」
フロリス「恋愛に関するイザコザなんてフワッとしてるもんだよ」
フロリス「そういうことで、これからどうするのかは自分で考えな」ガチャ
上条「………」
フロリス「さぁて、どうなるのかなーっと」
レッサー「フロリスっ!」
フロリス「どしたのレッサー……って、何その汗」
レッサー「あなたがコタツの電源入れたまま私のこと放置したからですよ!」
レッサー「しかも設定『強』にしやがって! サウナ状態だったじゃないですかっ」
フロリス「アンタがさっさと出てこないからでしょうが」
レッサー「うるさいです。とりあえず汗流すんでそこどいてくださいよ」
フロリス「だから風呂場ならアイツが占拠してるって」
レッサー「ぬあぁぁぁ! そうでしたぁっ!」
フロリス「とりあえずタオルで汗拭けば?」
レッサー「そうしますか……」
ガチャ
上条「レッサー!」
レッサー「っ!」
上条「話があ……」
レッサー「ちょ! ムリムリムリです!」
上条「えっ……、あの……」
レッサー「今はダメです! 離れてください! 近づかないでください!」
レッサー「こっちに来ないでくださいっ!」
フロリス「レ、レッサー……っ」
レッサー「匂いを嗅がないでぇぇぇ!」ダダダッ
フロリス「うっわぁ……」
フロリス「アンタ大丈夫……」
上条「 」
フロリス「あ、ダメだ」
上条「………」
フロリス「おーい」
上条「………」ジワ
フロリス「あっ」
上条「………」バタン
グスグスッ
フロリス「また引きこもっちゃった……」
フロリス「仕方ないなぁ。レッサー連れて来てやるか」
フロリス「おいこらレッサー」
レッサー「っ!」ビクゥッ
フロリス「……何してんの?」
レッサー「何って着替えですよ着替え。汗の匂いが染み付いた服であの人の前に立てますかっ」
フロリス「………はぁ?」
レッサー「とりあえずこれで服についた汗の匂いは大丈夫でしょうけど……、肌とか髪とかは平気ですかね? 自分じゃよくわかりません」クンクン
レッサー「ちょっとフロリス匂い嗅いでみてください……、ってなんで腕掴むんですか?」
フロリス「いいからこっち来な」グイグイ
レッサー「こっちってどっちですか」
フロリス「アイツのとこ」
レッサー「ムリですって! こんな汗かいた後に会えませんって!」
フロリス「着替えたんでしょうが!」グイグイ
レッサー「まだ身体は拭いてないんですよ! 強いっ、強いです! あなたそんなに力強かったんですか!?」
レッサー「せめて消臭スプレーくらい使わせてください!」
フロリス「そんなもんない! 諦めてそのまま会って来い!」
レッサー「ぎゃああぁぁ!」ズリズリ
ーーー風呂場ーーー
『下着! 下着替えてませんでした! それ替えてから!』
『えぇい、知らんわぁ!』
上条「………?」
フロリス「うらぁっ!」ガチャッ!
上条「! な、なんだっ?」
フロリス「ていっ!」ポイッ
レッサー「にょわっ」ドサッ
上条「レッサーっ!?」
フロリス「よしっ」
上条「何っ? なんなの? 何がよしっ?」
フロリス「ほら、アンタは言いたいこと言う。レッサーはちゃんと話聞くこと。それまで出てくるなよ?」
レッサー「ちょ、ちょっとぉ!」
フロリス「じゃっ」バタンッ
レッサー「えぇ……」
上条「………レッサー」
レッサー「は、はいっ!」
上条「話が……あ、ある……」
レッサー「……っ///」
フロリス「………」
フロリス「さて」
フロリス「どうなるかな……」ドキドキ
今日はここまで。
また近いうちに
それではおやすみなさい
>>728やっぱりレッサー可愛い
アニメに出てくれればフレンダみたいにもっとレッサーの絵も増えるだろうに
では投下
上条「………レッサー」
レッサー「……っ///」モジモジ
上条「話がある」
レッサー「オ、オッケーですわかりましたっ、話を聞きます。でもその前に一度外に出て距離をとりましょうよ。流石に密室で二人きりというのはいささか問題が……///」
上条「そんなもん今さら気にすることじゃないだろ」
レッサー「た、確かにそうかもしれませんが……」
レッサー「じゃなくてっ! ほらっ、私今ちょっと汗かいてて臭いかもしれませんしっ」
上条「大丈夫。問題ない」
レッサー「私的には問題なくないです!」
上条「レッサー」ガシッ
レッサー「っ!///」
上条「なんで……俺のこと避けようとするんだ……?」
レッサー「………へ?」
上条「お前のアプローチを邪険に扱ってた俺が言うのものなんだけどさ」
上条「やっぱり露骨に避けられると傷つくっていうか……」
上条「胸が締め付けられるみたいで」
上条「元はと言えばチョップしたり下着見ちゃったりした俺が悪いってことはわかってる」
上条「だからそのことについて謝らせてくれ」
上条「ごめん」
レッサー「え、えーっと……?」
上条「………」
レッサー「ま、まぁいいですけど……」
レッサー「というか、私は別に怒ってませんし……」
上条「マジで?」
レッサー「えぇ」
上条「そっか、よかったぁ」
上条「……あれ? じゃあなんで俺のこと避けてたんだ? 目を逸らしたり脚の間座らなかったり」
レッサー「そ、そりゃあ……その…まぁ色々ありますし……///」モジモジ
レッサー「そんな細かいこといいじゃないですかっ!」
上条「それもそうだな。じゃあもう出るか」
レッサー「えっ」
上条「?」
レッサー「お話は……?」
上条「? 終わったけど」
レッサー「……ちょっとタイム」
上条「どうぞ」
レッサー(まず冷静になって考えましょう)
レッサー(おそらく、フロリスに発破をかけられたこの人が話があると言って、私と浴室に二人きりになった)
レッサー(それで、私に嫌われてると勘違い真っ只中のこの人が謝ってきて、今の私たちの間にあるぎこちなさを無くそうとした)
レッサー(そして話終了。外に出ようとしている……と)
レッサー(告白じゃあ……なかったんですね……)ズーン
レッサー(真剣な顔して迫ってくるからてっきりそうだと思いましたのに……)
レッサー(ものすっっっごい恥ずかしいじゃないですかっ///)カアァァッ
上条「大丈夫か?」
レッサー「あー、はい。大丈夫です。タイム終了」
上条「オッケー」
レッサー「………」
上条「ほんとに大丈夫か?」
レッサー「えぇ……、とりあえず一旦出ましょう」ガチャ
フロリス「………」
上条「うぉ! ……フロリスか、びっくりした。……あ、話聞いてたのか?」
フロリス「聞いてたけどさ……アンタマジか」
上条「何が?」
フロリス「………はぁ」
上条「(よくわからないけど……お前に背中押してもらったおかげだぜ)」ヒソッ
上条「(サンキューな)」オヤユビグッ
フロリス「………」
フロリス「(シ・ネ)」オヤユビグッ
上条「なんでっ!?」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
上条「ふんふふ~ん♪」
フロリス「……随分浮かれちゃって」コタツヌクヌク
レッサー「……そうですね」コタツホクホク
フロリス「鼻歌歌いながら洗濯物畳んでるし……」
レッサー「……そうですねぇ」
フロリス「それに比べてアンタのテンションの低さときたら」
レッサー「話聞いてたんならわかるでしょう? 告白かと思わせてまったく違う話だったというアレ!」
フロリス「あー、はいはい」
レッサー「っていうかフロリス、あなたあの人に発破かけたんじゃないんですか?」
フロリス「説教じみたことはしたんだけどさ」
フロリス「まさかあんな風に捉えるとは……」
レッサー「どんな風に発破かけたんですか?」
フロリス「フワっとした感じ」
レッサー「フワっと?」
フロリス「フワっと」
レッサー「もしかして、フロリスがフワっとした後押ししかしなかったからあんなことになったんじゃ……」
フロリス「ワタシの所為?」
レッサー「そうです。きっとそうですよ! このフワリスのバカ!」
フロリス「おいコラ人の名前を変な風にアレンジするな」
レッサー「なんかフワリスって名前だと強い風で飛んでいっちゃいそうですよね」プププ
フロリス「ぶっ飛ばすぞ」
フロリス「とにかく、一旦ぶっ飛んだ話を戻そうか」
レッサー「話逸らす気ですか」
フロリス「戻すんだって」
フロリス「とりあえずさ。一歩前進したって考えておけばいいんじゃないの」
レッサー「前進っていうよりも後退してたのがスタート地点に戻っただけな気がしますが……」
フロリス「いや、前進であってると思うよ」
レッサー「? 何を根拠にそんなこと」
フロリス「根拠って言われると説明しにくいんだけど……」
レッサー「フワっとしてますね」
フロリス「フワっとしてんのよ」
上条「フワフワって、なんの話してるんだ?」
レッサー「っ!」
フロリス「アンタの頭がフワフワしてるって話」
上条「なんでいきなり罵倒するの? 泣くよ俺」
フロリス「はいはい」
上条「すげえテキトーにあしらわれたんだけど」
レッサー「そ、それよりどうしました?」
上条「二人の洗濯物、畳んだから渡しに。はい」
レッサー「ありがとうございます」
フロリス「………」
上条「どうした? フロリス」
フロリス「いやぁ、アンタはまた合法的にレッサーの下着を手に取って眺めてたんだと思うと」
上条「っ!///」
レッサー「フロリス!///」
フロリス「冗談だって。サンキュ」
上条「冗談でもやめてくれ。結構心にくる」
上条「さてと。じゃあ俺もコタツにあたるとするかな」
フロリス「その前にアレ持ってきて」
上条「アレ?」
フロリス「買ってきたアイス。アレ食べたい」
上条「自分で持ってこいよ」
フロリス「コタツから出ると寒いじゃんか」
上条「でもアイスは食うのか」
フロリス「まあね」
上条「仕方ないな。レッサーもいるか?」
レッサー「お願いします」
上条「はいよっと」
上条「レッサーがピノでフロリスが雪見大福だっけ」
レッサー「はい、それであってます」
フロリス「サンキュー」
上条「よっこいせっと」ドシッ
上条「じゃあいただきまーす」
レッサー「おぉ! ハート型のピノが二つも!」
レッサー「うまうま」モグモグ
上条「へぇ、それって都市伝説じゃなかったんだ」
フロリス「結構あるもんじゃないの?」
上条「……一回も入ってたことない」
フロリス「ふっ」
上条「鼻で笑ってんじゃねえよ」
フロリス「あはははっ」
上条「指差しながら大笑いしろって意味じゃないから!」
レッサー「よかったら一つあげますよ?」
上条「いいのか?」
レッサー「幸せのおすそ分けです」
レッサー「はい、あーん」
上条「あー……ん。うまいうまい」モグモグ
レッサー「ふふっ」ニコニコ
フロリス「やーい、間接キスー」
上サー「「っ!///」」
フロリス「なんでアンタらは言われるまで気づかないの? ワザとなの? それともバカなの? 」
上サー「「ほっとけ!!///」」
上条「ったくフロリスは///」
上条「あー、それじゃあレッサーにもミカンやるよ。お返しな」
レッサー「あ、ありがとうございます///」
フロリス「あーん、ってやんないの?」ニヤニヤ
上条「フロリスっ!///」
フロリス「えー、でもレッサーはやって欲しそうだけど?」
上条「えっ」
レッサー「えっ、えっ?」
上条「えっと……?」
レッサー(フロリスは何言って……)チラッ
フロリス(やっ・て・も・ら・え)クチパクパク
レッサー(目がマジじゃないですか……)
レッサー(ま、まぁ仕方ありませんね)ドキドキ
レッサー「……」スッ
上条「っ!」
レッサー「お願いします……」アー
上条(目つぶって口開けて……可愛い///)
レッサー「は・や・くっ」アー
上条「あ、あー///」
レッサー「っん。んむんむ」
レッサー「初めての食感で……美味しいです///」
上条「そ、そっか///」
レッサー「………///」
上条「………///」
レッサー「……ピノ」
上条「……?」
レッサー「……もう一つ食べます……?」
上条「……! お、おうっ///」
レッサー「あー」
上条「ん」モグモグ
レッサー「美味しいですか?」
上条「ああ。じゃあお返しに」
上条「あー」
レッサー「っん」
上条「美味いか?」
レッサー「はいっ」
上条「……ふふっ」
レッサー「えへへ」
フロリス(……ワタシも分け合えるヤツにすればよかったかな……)モグモグ
今日はここまでです。
おやすみなさい
レッサー「 」スゥスゥ
上条「コタツで寝たら風邪ひくってのに……」
フロリス「それって迷信とかじゃなくて本当の話なの?」
上条「確か上半身と下半身に温度差ができて体温の調節が難しくなるからとかだったかな?」
フロリス「ふーん」
上条「毛布でもかけておくか」
フロリス「どうせならギューッ、って抱きしめて温めてやれば?」ニヤニヤ
上条「っ!?///」
フロリス「冗談だから……っておい」
上条「……///」
フロリス「おーい!」
上条「! な、なんだっ?」
フロリス「なんだじゃなくて、何ボーッとして……」
フロリス「アンタまさか……」
上条「べ、別に寝てるレッサーに抱きついたらとか考えてないからな!///」
フロリス「考えてたのか」
上条「………」
フロリス「考えてたのか」
上条「………はい」
フロリス「……変態か」
上条「ほっとけ!」
フロリス「とりあえず、アンタが寝てる女に抱きつく性癖を持ってるってことはそこらへんに置いといて」
上条「ちょっと待て、そこらへんにそんな大事なこと置いとくんじゃない」
フロリス「大惨事になっちゃうね」
上条「おぉ! ちょっと上手い」
フロリス「ふふん」
上条「変態で大変だな」ハハッ
フロリス「つまんね」
上条「なんでお前、今日こんなにあたり強いの? 俺何かした?」
フロリス「何かしたとかじゃなくてさー」
フロリス「なんで何もしなかったのよ」
上条「何の話だ?」
フロリス「浴室で二人っきりになってた時の話。こっちがせっかく発破かけて焚きつけたっていうのに」
上条「何言ってるんだよバッチリ仲直りしたじゃねえか」
上条「さっきも食べさし合いとかして。あぁダメだ、思い出すと頬が緩む」ニマニマ
フロリス「きっも」
上条「なんとでも言え」
上条「だいたいお前は何に対して怒ってるんだよ。お前のアドバイス通りバッチリ決めただろ」
フロリス「それを本気で言ってるんならもう怒りを通り越して呆れてくるね」
上条「??」
フロリス「あの場面はどう考えても告白するところだったでしょうが、ってこと」
上条「こ、告白はまだ早いだろ///」
上条「もうちょっと距離を縮めてからとか……///」
フロリス「アンタたちにこれ以上縮まる距離があるの?」
フロリス「買い物の時も食事の時もベッタベタ、イッチャイチャしてさぁ」
フロリス「次は抱き合って寝るの? 一緒に風呂でも入るの?」
上条「抱き合って……」チラッ
レッサー「 」スゥスゥ
上条「………」ゴクリ
上条「無理! むりムリ無理!///」ブンブン
フロリス「顔を手で覆うな。身体をゆするな。身体全体で恥ずかしがるな」
フロリス「可愛くともなんともないから」
上条「うるせー///」
上条「だいたいっ、恋人同士でもないのにそんなことできるわけないだろ」
フロリス「食べさし合いも膝の上に座るのも恋人同士でなきゃできないっつーの」
上条「ならこの関係を無理に崩さないで保ち続けてもいいじゃんっ。他人から見たら恋人みたいなもんなんだから」
フロリス「ワタシが言いたいのは自分の気持ちくらいハッキリサッサと伝えろってことだよ。このヘタレ」
上条「だ、だれがヘタレだっ!」
フロリス「あんまり大きな声出すとレッサーが起きるよ」
上条「っ……」
レッサー「 」スゥスゥ
フロリス「で。どうするの」
上条「……わかった。ちゃんと俺の気持ちを伝えるよ」
フロリス「いつ?」
上条「明日か…明後日か…明明後日とか……?」
フロリス「い・つ?」ニッコリ
上条「ーーーっ!」
上条「今日中には……なんとか……」
フロリス「………まあいっか」
上条「なんで借金の取り立てみたいになってんの……?」
フロリス「よし。じゃあ……」
上条「?」
フロリス「おーい! レッサー起きろー! このヘタレが話あるってさー!」ガシッ
上条「おぉいっ!? 何やってんの! 何言ってんの!?」
レッサー「 」ガックンガックン
上条「レッサーの首がメトロノームみたいにリズム刻んでんじゃん!」
フロリス「早く起きろって」
レッサー「 」ガックンガックン
上条「マジでやめたげて! っていうかなんでレッサーも起きないの!?」
レッサー「……ぅう」
レッサー「……何故でしょう。フロリスの運転する車に乗って事故にあってむちうちになる夢を見ました」
フロリス「夢でよかったじゃん」
レッサー「心なしか、実際に首も痛いんですよ」
フロリス「寝違えたんじゃない? コタツで寝たりするから」
レッサー「ですかねぇ?」
フロリス「それよりこのヘタレが話あるって」
レッサー「ヘタレ?」
上条「ちょ、ちょっと待ってフロリス」
上条「俺、今日中って言ったよね? 今すぐとは言ってないよね?」
フロリス「今すぐも今からも今日に変わりはないでしょ」
フロリス「それに半日以上経過してるんだから時間だってもうないよ?」
フロリス「それとも夜に星を見ながらロマンチックにするつもりだったとか?」
上条「そ、そうだよっ。悪いかっ」
フロリス「悪くはないけどさ……」
フロリス「雨降ってるよ。めちゃくちゃ」
ザァーザァー
上条「………」
レッサー「あのー……二人が何の話をしてるのかさっぱりなんですが……」
レッサー「私に話っていうのは結局なんなんですか?」
フロリス「ほらほらレッサーが待ってるぞー」
上条「くっ……」
上条「レッサー」
レッサー「は、はいっ」
上条「す……」
レッサー「す……?」
上条「す、すげぇ……涎垂れてるぞ」
レッサー「 」
フロリス「 」
レッサー「………」
レッサー「……///」カアァァッ
レッサー「……っ///」ゴシゴシ
上条「あ、逆」
レッサー「っ!」ゴシゴシ
レッサー「お、おほんっ。お話は以上でしょうか?///」
上条「あ、はい」
レッサー「そ、そうですか……///」
上条「………」
レッサー「………」
レッサー「で、ではちょっと顔洗ってきますね」
上条「お、おう」
レッサー「 」テトテト
上条(右手と右足一緒に動かしてる……)
上条「……フロリス」
フロリス「死ねヘタレ」
上条「言われると思った」
フロリス「なにあの誤魔化し方。涎って……」
上条「自分でもよくわかんねえ……」
フロリス「ありえない……ほんとありえない」
上条「わかってる……わかってるんだけど……」
フロリス「変態にヘタレに女相手に手を出す……男としてどうとかより人としてどうなのよ」
上条「もうやめてくれぇ……俺のHPは残ってないんだ……」
フロリス「そのままゼロを通り越してマイナスまでいってしまえ」
フロリス「この変態」
上条「ぐはっ……」
フロリス「ヘタレー」
上条「うぐっ……」
フロリス「チキンヤロー、女心のわからない唐変木ー」
上条「ぬわぁぁぁ……」
レッサー「………何をやってるんですか、あなたたち」
フロリス「このバカを言葉の限り罵倒してるとこ」
上条「うぅ……」
レッサー「罵倒って…フロリスあなた……」
上条「いいんだレッサー。元はと言えば俺が悪いんだ。俺がお前に涎垂れてるなんて言ったから……」
レッサー「そ、そんなこと私は気にしてませんからっ。フロリスもやめてくださいっ」
フロリス「へいへーい」
レッサー「大丈夫ですか?」
上条「あ、あぁ……」
レッサー「こんなに疲れた顔して……。いったいどれだけ酷いこと言ったんですか」
フロリス「ソイツがそんな顔してるのは全部ワタシのせいじゃないんだけど」
レッサー「言い訳しないっ」
フロリス「えぇー……」
レッサー「あなたも元気出してください」ナデナデ
レッサー「ねっ?」ニコッ
上条「………」
レッサー「………あの?」
上条「レッサー……レッサーぁぁぁ!!」ガバッ
レッサー「っ!??///」
上条「優しいよぉ…優しさが身にしみるよぉ……」ギューッ
レッサー「っ! ッ!?///」
フロリス「盛るなっ」バコッ
上条「ぶぎゃっ」
フロリス「このバカはまったく……。レッサー大丈夫……」
レッサー「抱きしめられた……ギューって抱きしめられました……///」
レッサー「にへへへへ///」
フロリス(あっ、ダメだ)
今日はここまでです。
それではおやすみなさい
上条「あの……そろそろ正座をといてもよろしいでしょうか……?」プルプル
フロリス「まだ一時間しかしてないけど?」
上条「もう一時間もしてんだよっ。参考書何冊も抱きながら! いったいいつの時代の拷問だ!」
フロリス「この参考書も全然使ってなかったみたいだし丁度いいじゃん。せっかく高いお金出して買ったんなら有効利用しなくちゃ」
上条「有効利用って……」
フロリス「それにアンタ抱きしめるの好きでしょ? いきなり盛ってレッサーに抱きつくぐらいなんだし」
上条「あ、あれは……」
フロリス「あれは? 何か理由でもあって抱きついたの?」
上条「レッサーが可愛かったからつい抱きついた」
フロリス「なんか性犯罪犯した奴が言いそうな台詞なんだけど」
上条「俺を気にかけてくれるレッサーの優しい表情がもう可愛くて可愛くて」
フロリス「うわぁ……うわぁ」
上条「あの頭なでなでと笑顔で瀕死に近かった俺のHPは完全回復した」
フロリス「やばい……やばいよコイツ」
上条「だから抱くにしてもレッサーならいいけど参考書だとせっかく満タンになったまたHPがガリガリ削られるんだよ」
上条「わかるか? フロリス」
フロリス「わからないしわかりたくないしとりあえずもう一冊追加しとくわ」ドサッ
上条「のおぉぉぉぉ!!」
上条「ぐぉぉ……。そ、そういえばレッサーはどこ行ったんだ……? さっきから姿が見えないけど」プルプル
フロリス「アンタがセクハラしたあとすぐにトイレにこもっちゃったよ」
上条「セクハラとか言うな」
上条「……って、それじゃあ一時間もトイレにいるのか?」
フロリス「そういうことになるね」
上条「一時間も……。もしかしてレッサーの奴……」
上条「便秘か!」ピーン
フロリス「アンタはデリカシーを身につけたほうがいいと思うよ。マジで」
上条「わかった、わかったから。デリカシーについてあとでキチンと考えるからこの参考書をどけてくれ。そろそろ本当に脚が限界だ」プルプル
フロリス「えー……」
上条「えー、ってなんだよ。えー、って」
フロリス「今拷問やめたらアンタ、痺れた脚がもつれて転んでタイミングよくやってきたレッサーに抱きつきそうだからなぁ」
上条「不幸な不幸な上条さんにそんな漫画的ラッキースケベが起きるわけないだろうが」
上条「というよりお前今拷問って言ったよな」
フロリス「はいはいそうだねー」
上条「流すな!」
レッサー「ただいま戻りましたー……、ってどういう状況ですかこれ」
上条「助けてレッサー……」プルプル
フロリス「一時間かけて現実に戻ってきたか」
レッサー「いや部屋に戻ったって意味ですけど。なんですか現実って」
フロリス「抱きしめられてふわふわ意識をトリップさせてたじゃん」ニヤニヤ
レッサー「ちょっとフロリス黙ってくださいっ///」
上条「おーい……放置してないで助けてくれぇ……」プルプル
レッサー「そうですよっ。なんですかこれ、どういう状況なんですか」
フロリス「Mに目覚めたんだって」
上条「テキトーなこと言うな!」
レッサー「え、Mですかっ?ま、まぁ私もSMには抵抗ありませんけど……///」ブツブツ
上条「フロリスのでまかせだからね!? 本気にしちゃダメだからね!?」
レッサー「ちょっとボンテージと鞭用意してきますんでそのまま少しお待ちくださいっ」
上条「まずレッサーが待って! 別に俺Mに目覚めてないから!」
レッサー「キャーリサ様って普段どんな感じでしたっけ……」
上条「まさかの女王様プレイ!? そんなハイレベルなの求めてませんことよ!?」
フロリス「 」ケラケラ
上条「フロリスも笑ってないで止めろぉぉ!!」
フロリス「いやぁ、笑った笑った」
上条「満足したならいい加減解放してくれ……」プルプル
フロリス「仕方ないから参考書はどけてあげるか」ドサドサッ
レッサー「手伝います」ドサッ
上条「やっとか……」
フロリス「はいこれで最後」ドサッ
上条「うぉぉ……膝から下の感覚がおかしいことになってやがる」
レッサー「脚の色変ですよ。これ大丈夫なんですか?」
上条「しばらくすれば治るはずだ」
上条「よっと……」スッ
上条「っ!」ピキーン
フロサー「「!!」」
上条(やっべぇな……)
上条(あぁ……景色がスローモーションに流れてるみたいだ……)
上条(まさか痺れた脚がもつれて転ぶなんて……)
上条(フロリスが言ってたみたいに……)
『痺れた脚がもつれて転んでタイミングよくやってきたレッサーに抱きつきそうだからなぁ』
上条(なんてことになるんだろうか……)
上条(………別に悪くないな)
上条(むしろラッキーじゃねえか)
上条(なんて……)
ダキッ
フニッ
上条「………あれ? なんか違和感が……」チラッ
フロリス「………」
上条「……フロリス? あれ? なんでフロリスが? レッサーは?」
フロリス「………そっち」
レッサー「 」
上条「…………マジか」
フロリス「……露骨にがっかりした顔する前に何か言うことがあるんじゃないの?」
上条「………お前レッサーより胸ちっ……」
フロリス「黙れぇぇぇぇい!!」ドガッ!
上条「ぶべらっ!?」
フロリス「人に抱きついておいて言うことがそれ!? まずは謝罪の言葉でしょうがぁぁ!!」
上条「す、すまん! ワザとじゃないんだ!」
フロリス「あたりまえだっ! これでワザとだったらアンタどれだけ節操が無いんだってなるわ!」
フロリス「しかも人が気にしてることさらっと言いやがるし……」
上条「でもお腹周りはレッサーよりフロリスのほうが……」
フロリス「うるさぁぁぁい!!」ドガンッ!
上条「びぶるちっ!?」
フロリス「フォローになってないからっ!」
上条「し、舌ふぁんだ……」ヒリヒリ
フロリス「ワタシ、デリカシーを身につけろって言ったよな!? 言ったよなっ!?」
上条「ひゃい……、言いまひた…」
フロリス「それなのになんでそんな爆弾発言できるかなぁ!?」
上条「ひゅみましぇん……」
フロリス「レッサーからも何か言ってやってよ!」
レッサー「……羨ましい」
フロリス「そうじゃねぇだろぉぉぉ!!」
フロリス「あぁもうっ。大声出しすぎて疲れてきた」
フロリス「少し横になるから」
上条「ふぁい……」
フロリス「……変なことしないように」
上条「しません!」
フロリス「ワタシにじゃなくて……」チラッ
レッサー「?」
上条「………しないよ?」
フロリス「なんで疑問形になってんの」
上条「………しません」
フロリス「間が気になるんだけど……」
上条「大丈夫。信じろ」
フロリス「これほど信用できない信じろは聞いたことないな……」
フロリス「………まぁいいか」
フロリス「じゃあベッド借りるから」ゴソゴソ
上条「はぁ……いてて」
レッサー「大丈夫ですか?」
上条「問題ないよ。なかなか拳の効いたパンチだったけど俺も結構やられ慣れてるからな」
レッサー「そっちじゃなくて脚の痺れのほうです」
上条「あぁ。もう痺れもとれてきたかな……あっ」
上条「言っておくけどさっきのは事故だからな。ワザとフロリスに抱きついたわけじゃないからなっ」
レッサー「わかってますよ。あなたがそういうことを素でやる人ってことくらい」
上条「もしかして、お前らの中で俺はラッキースケベを素でやる人ってことになってんの?」
レッサー「もしかしなくてそうなってますよ」
上条「なにそれ酷い」
上条「っ!」ズキッ
レッサー「? どうしました?」
上条「舌噛んだときに少し切ってたみたいだ……、ちょっと痛い」
レッサー「どれどれ。口を開けてくださいな。ほらあー」
上条「あー」
レッサー「あーーっ」
上条「あーーっ」
レッサー「あーーっ!」
上条「ちょっと待って。レッサーが口開ける必要はあんの?」
レッサー「ないですね。ついやってしまいました」
上条(なにこいつ可愛い)
レッサー「では今度こそ」
上条「あー」
レッサー「あー、ちょっと血が出てますね」
上条「マジかぁ。確か口内用の塗り薬があったはず……」
レッサー「どこですか?」
上条「そこの救急箱の中」
レッサー「あぁ、これですか」
上条「サンキュー」
レッサー「ではもう一度口を開けてください」
上条「えっ」
レッサー「えっ……、って口を開けないと薬塗れませんよ?」
上条「い、いや自分でやるから大丈夫だって」
レッサー「そうですか? 結構奥のほうですから自分でやるのは難しいと思いますが……」
レッサー「まあ他人の指を口に突っ込まれるなんて抵抗ありますもんね」
上条「レッサーの指が俺の口に……?」
上条「………」
上条「や、やっぱりせっかくだから頼もうかなぁ……?」
上条「レッサーさえよければだけど……」
レッサー「いいですよ。是非とも私にお任せあれっ」
レッサー「ではでは」ニュルン
上条(なんでだろう……ちょっと興奮してきた……)ドキドキ
レッサー「あーんしてくださいねー」
上条(薄々思ってたけど、俺ってば本当にアブノーマルな趣味持つ変態だったのだろうか……)
レッサー「いきますよー。舐めないでくださいね」
レッサー「おりゃっ!」ザスッ
上条「ふぎゃっ!?!?」
レッサー「ほれほれほれー、ここがいいんですかー?」グニグニ
上条「ひょ! 待っへ! 塗り込むな! いひゃいいひゃいっ!」
レッサー「まったくもう。だらだら涎も垂らしたりしてっ///」
上条「レッサーお前まさか……っ!」
レッサー「い、痛めつけられて喜ぶなんて…ほんと物好きですねっ///」
上条「SMプレイは求めてないって言っただろうがぁぁぁ!!」
フロリス(うるさいなぁ……)
今日はここまでです。
最近バタバタしてて若干更新が乱れがちです。すいません
それではおやすみなさい
レッサー「はい、おしまいっ」
上条「いってぇ……」
レッサー「お薬舐めとっちゃダメですからね」
上条「わかってる」
レッサー「それからっ」ズイッ
上条「な、なんだよ……」
レッサー「………お口の周り、涎でベットベトですよ」クスッ
上条「っ///」ゴシゴシ
上条「意趣返しのつもりかっ///」
レッサー「ふっふーん」ドヤァァ
上条「くっ……」
レッサー「その歳で涎垂らして恥ずかしいと思わないんですか?」
上条「この場合は仕方ないだろっ」
上条「お前が無理矢理薬を塗りたくったりするんだし」
レッサー「そっちのほうがお好みだったんじゃ?」
上条「だからSMプレイなんかに目覚めてないっつーの」
レッサー「そうだったんですか? 私てっきり……」
上条「まったく……」
レッサー「すみません……」シュンッ
上条「あっ、いやっ、別に怒ってるわけじゃ……」
上条「薬も塗ってもらったし感謝してるんだからな?」
レッサー「でも痛かったでしょう?」
上条「あれくらい大したことは……」
レッサー「涙目でしたよ?」
上条「………」
レッサー「……やっぱり」
上条「そ、そう落ち込むなって。レッサーが悪いわけじゃないんだから」
レッサー「ですけどぉ……」
上条「誤解させた俺にも原因があるんだしお互い様ってことで……」
レッサー「それじゃあ私の気がすまないんですよっ」
上条「ならどうしろと」
レッサー「それは……どうしましょう……」
上条「……じゃあお詫びに何かしてもらおうかな」
レッサー「! いいでしょうっ。なんでもやりますよ!」フンスッ
上条「えっ」
上条「なんでも……?」
レッサー「はいっ」
レッサー「脚のマッサージに雨の中の買い物になんでもござれです! なんなら今日の晩御飯も私が一人で作っちゃいますよー!」
上条「なんでもってそういうこと……」
レッサー「そういうって……?」
上条「レッサーのことだからまた身体で払います的なことかと思って……」
レッサー「………っ!///」カアァァッ
上条「思っただけでそれを望んでるわけじゃないからなっ!?///」
レッサー「で、ですよねーっ! あなたはそういうことにノッてきませんもんねっ!///」
レッサー「ま、まぁっ? あなたがどぉーーしてもと言うのなら、私の身体でできることなんでもやってあげますよっ?///」
上条「っ……!」
レッサー「なんて冗だ……」
上条「本当になんでもしてくれるのか?」
レッサー「へっ……?」
上条「どう……なんだ?」
レッサー「ちょちょちょ、ちょっと待ちましょう。いや待ってください」
レッサー「それはどういう意味の質問でしょうか……?」
上条「どうもこうも言葉通りだけど」
レッサー「えーっと……それはつまり……」
レッサー「あっ! ドッキリ!?」
上条「いや真剣」
レッサー「ほ、ほぅ……」
レッサー(つまりこれって……)
レッサー(よくある『なんでも言うこと聞いてやるぜ!』からのエロい展開ってことですか!?)
レッサー(私とこの人がうっふーんあっはーんなことやらチョメチョメなことをすると!?)
レッサー(いやいやそれはマズイですよっ)
レッサー(言い出したのは私ですけどそういうのはやっぱり早いといいますかなんといいますか……)
レッサー(そもそもそんな愛の無い関係なんてどうなんだって話……)
レッサー(……いや、愛は有るんでしょうか?)
レッサー(この人は私のことが好きで私も好きで……)
レッサー(あれ? あれれ? ということは特に問題ナッシングということですか……?)
レッサー「??」
上条「レッサー……?」
レッサー「……ば」
上条「ば?」
レッサー「ばばばっ、ばっちこいですよっ!///」
ーーーーーーーーー
レッサー「……確かになんでもするとは言いましたが、これは……」
上条「ダメだったか?」ダキッ
レッサー「わ、私は構いませんけど……」
上条「レッサーを抱っこしてると落ち着くんだよ」ギューッ
レッサー「///」
上条「そういうことでしばらく抱き枕にでもなっててもらいます」
レッサー「ま、まあ後ろから抱っこされるのは今までもよくやってましたし別にいいんですが……」
レッサー(これは身体で支払ってることになるんでしょうか……?)
レッサー(変に覚悟決めてかまえてたというのに……)
上条「~♪」
レッサー(まぁでも、この人が満足してるので私もいいんですけど)
レッサー(というかこれはこれで私としても嬉しいですし///)
上条(なんでもするって文句にのってついこんなことをやっちまったけど……)
上条(ほんとにいいんだろうか)
上条(だってセクハラだよなぁ。これ)
上条(やっぱやめたほうがいいかな……)チラッ
レッサー「~♪」
上条(……可愛いな)
上条(もうちょっとだけ抱いておこう)
上条(それにしても……)
上条(レッサーの身体あったけぇ……)
上条(柔らかいしいい匂いするし……)
上条(身体が小さいから腕の中にすっぽり収まるし……)
上条(ほんとにこのまま抱いて寝たくなるな)
上条(流石にそれはできないけど)
上条(どこまでなら大丈夫なんだ?)
上条(………気になるな)
上条(もうちょっと強く抱きしめたら……)ギュウゥー
レッサー「……んっ」
上条「痛かったか?」
レッサー「いえ大丈夫です///」
レッサー(密着感が増して……///)
上条(これはセーフか……なら)
コツッ
レッサー「っ!」ピクッ
レッサー「………///」
上条(頭に顎を乗せるのも大丈夫……)
上条(………お腹触ったら流石に怒るかな……?)
レッサー「………///」ドキドキ
上条(………触りてぇ)ウズウズ
上条(いやいや落ち着け上条当麻。フロリスから変なことするなって釘を刺されただろうが)
上条(抑えろ……抑えるんだ……)
上条(目をつぶって心を静めろ……心頭滅却)
上条(よし……落ち着いてきたぞ……)
『私の身体でできることなんでもやってあげますよ?』
上条「うぉぉいっ!」バシィッ
レッサー「?」
上条(そのセリフを今思い出しちゃダメだろぉぉ!!)ヒリヒリ
上条(我慢できなくなっちゃうからぁぁ!)
レッサー「どうしました?」
上条「な、なんでもない……」
レッサー「なんだか右の頬っぺた赤くありません? 身体もプルプル震えてますし」
上条「右手がちょっと疼いてな……」フッ
レッサー「なんで中二病発症してるんですか」
上条「どっちかっていうと発症してるのは禁断症状かな……、ははは」
レッサー「? まあどうでもいいですけど」
レッサー「も、もうちょっとギュッと腕を回していただけたら……///」
上条「っ!」
レッサー「お願いしても?」
上条「こ、こっちこそいいのか?」
レッサー「………はい///」
上条「じゃあ……///」ギュッ
レッサー「はぅ……///」
上条(あぁ、もう無理我慢できない)
上条「……あのさレッサー。ちょっとだけお腹触ってもいいか?」
レッサー「お腹ですかっ? さ、流石にそれは……」
レッサー「別に嫌だというわけじゃないんですけど最近少しお腹周りにお肉が付いてきた気がして色々と気になっていましてそこを触られるっていうのは……ひゃうっ!?///」
上条「お、おぉ……」フニフニ
レッサー「いいって言ってませんけどっ!?///」
上条「ごめん。我慢できなかった」
レッサー「素直っ!」
上条「も、もうちょっといいか?」
レッサー「………い、いいでしょう。私の身体でできることはなんでもすると言いましたから///」
上条「よっしゃあ!!」
レッサー「喜び過ぎで……ひゃんっ!?///」
上条「ふぉぉぉ……」サワサワ
レッサー「許可貰って即座にって、ほんと容赦しませんねっ!?///」
上条(ヤバい…ヤバい……まさかここまでさせてくれるとは)
上条(あの言葉一つをこんなに守るなんて。こいつどんだけ真面目なんだよ)
上条(……もし最初の条件に、俺と付き合ってくれって言ったらオッケーしてくれたんじゃね?)
上条(……いくらなんでもそれはないか)
上条(それにそんな雰囲気もクソもない告白の仕方とかありえないし)
上条(どうせ告白するなら二人きりでいい雰囲気のところ肩を寄せ合いながらとか……)
上条(ってあれ? 今がその状況じゃね?)
上条(フロリスは寝てていないも同然)
上条(俺の勝手な思い込みかもしれないけど、心なしかいい雰囲気と言えなくもない感じ)
上条(そしてこれでもかというくらい密着してる現状)
上条(何か邪魔が入るような余地もそんなフラグもない……)
上条「完璧すぎる……」
レッサー「何が完璧なんですか?」
上条「俺は今、神がいるならこの状況を創り上げてくれたことを感謝したい」
レッサー「どしたんですか、急に」
上条「具体的には感謝の言葉を並べたあと握手してハイタッチしてハグしたいレベルだ」
レッサー「神様三回ほど消えちゃいますよ」
上条「別に消えても問題ないだろ。レッサーがいればそれでいいし」
レッサー「え? ……えっ、えっ?」
上条「どうした?」
レッサー「あ、いえ。今サラッとすごいことが聞こえた気がして……」
上条「あー、神様が消えてもいいってのは確かにマズいかもな」
レッサー「そっちじゃないんですが……」
上条「?」
レッサー「神様うんぬんのあとに言った言葉が……」
上条「俺なんて言ったっけ? あんまり意識してなかったんだけど」
レッサー「私がいればそれでいい……と」
上条「………」
上条「………///」カアァァッ
レッサー「それは一体全体どういう意味なんですか……?」
上条「ふ、深い意味なんかないぞ!?///」
レッサー「必死に否定するところが怪しいですね」
上条「必死になんかなってないって!///」
レッサー「ですけど顔真っ赤ですよ?」
上条「くっ……///」
レッサー「私としては非常に気になるところなんですが……」
レッサー「ま、まさか特別な意味でも含んでいたり……?///」
上条「特別な意味……」
レッサー「告白……とか?」
上条「ない! ないないないっ!///」
上条「そんな意味含んでなんかない!///」
レッサー「そんなに必死に否定しなくても……」
上条「必死にもなるっての」
上条「こっちは今からどんなふうに告白するか考えまくってるんだからそんな軽い感じで言うかっ」
レッサー「………へっ?」
上条「………あっ」
上条「あぁっ!?」
今日はここまでです。
あと数回で終わる予定
それではおやすみなさい
レッサー「………えーっと、今のは告白……なんでしょうか?」
レッサー「いや、告白するっていう告白なんですかね?」
上条「ち、違っ…いや違わないような……」
上条「と、とりあえず今のは無し!」
上条「忘れてくれっ! いや忘れてくださいお願いします!」ドゲザッ
レッサー「えーっ、今の衝撃的な出来事を忘れろというのはなかなか難しいお願いですね」
上条「ーーーっ!」
レッサー「それにしてもやーっと告白してくれるんですかぁー、そうですかぁー」ニマニマ
上条「だからやめてって……やっと?」
レッサー「はい」
上条「やっとって……ど、どういう意味だよ」
レッサー「えーっとですね、ざっくり言っちゃいますと」
レッサー「私はあなたの気持ちに気付いてましたー……みたいな?///」
上条「………はい?」
レッサー「喫茶店であなたがフロリスに相談してるのを聞いちゃったんですよね……あはは」
上条「それってつまり………」
レッサー「盗み聞きってやつですね。すみません」
上条「いやいやそうじゃなくて」
上条(俺は俺の気持ちがレッサーにバレないよう必死だったのに、レッサーにはバレバレだったってことだよな……?)
上条(………なんだそれ)
上条(恥ずかしいぃぃぃぃ!!///)
上条(それならフロリスがあんなに面白がってた理由もよくわかる)
上条(だって滑稽とかそういうレベルじゃねえもん!)
上条(待てよ……、ってことは俺が無理矢理誤魔化したり先延ばしにしようとしてたこともレッサーにはバレてたんだよな)
上条(………カッコ悪!)
上条(どんだけ恥晒してんだよ俺は!? 女々しすぎるだろ!)
上条(くっそぉ……あの時の俺の頬っぺたをおもいっきり)
上条「……ぶん殴りてぇ」
レッサー「!?」
レッサー(えっ、えっ? ぶん殴るって……私を殴るってことですか?)
レッサー(盗み聞き一つにそこまで怒ります?)
レッサー(……いや、怒りますよね)
レッサー(だってこの人からすれば気持ちを弄ばれてたようなものですし)
レッサー(私が同じ立場でもきっと恥ずかしくなって八つ当たりくらいしてしまうかもしれませんし)
レッサー(これがきっかけで一気に私のこと嫌いになったとか言われたら……)
レッサー(うわぁ……、どうしましょう。泣きそうになってきました)
レッサー(こうなったらこの人の気が済むようにしないといけませんよね……)
レッサー(別に怒られるのも痛いのも結構頻繁にあるから平気なんですけど……)
レッサー(嫌われるのだけは嫌です)
レッサー「………よし」
レッサー「あの……」
上条「な、なんだっ?」
レッサー「……っ」スッ
上条「っ!?」
上条(なにこの頬を紅く染めながら眼をつぶって上向きに顔を突き出すポーズはっ!?)
上条(まさか……キス待ちっ!?)
上条(いやいやそんなわけないだろ上条当麻)
上条(だってこの場面でレッサーが俺にキスを求める理由なんかないじゃないか)
上条(そう、そうだ。だからレッサーのこの行為はきっと何か別の意図が……)
レッサー「あのぅ……」
上条「!」
レッサー「やるならあまり焦らさずにバシッとお願いします……」
上条「バ、バシッと……?」
上条(何を?)
レッサー「はい。あとそれと」
レッサー「で、できれば優しく……あまり痛くないようにしてくださいね……?///」
上条「 」
上条(これは……これはこれはこれは!)
上条(そういうことなのか? そういうことなんですか? そういうことなんだな!?)
上条(男らしくバシッと決めつつ優しくしろってことなんだよな!?)
上条(オッケーオッケー。わかりましたよ)
上条(こうなりゃもう後には引けねえ、いや引くもんか)
上条(やってやんよぉぉ!!)
ガシッ
レッサー「っ!」ビクッ
上条「い、いくぞ///」ドキドキ
レッサー「………」コクコク
上条「ん、んー……」
フロリス「………」ニヤニヤ
上条「………ちょっとタイム」
レッサー「は、はい?」
フロリス「ワタシに気にせず続けて続けて」ニヤニヤ
レッサー「フロリス!? あなた起きてたんですか!?」
上条「いつから聞いてた? どこから見てた?」
フロリス「レッサーがなんでもするって言ったあたりから聞いてて、アンタが土下座してるあたりから見てたかな?」
上条「結構状況把握してやがったなこの野郎!?」
レッサー「あの恥ずかしいやりとりが筒抜けだったなんて……///」
フロリス「そんなことより続きはいいの?」
上条「他人に見られながらやる趣味なんかねえよっ」
フロリス「なんだ。つまんない」
上条「つまんないじゃねえ」
上条「あー、レッサーもいい……よな?」
レッサー「あなたがいいならしなくても……」
上条「そ、そうか」
上条(くそう、おあずけか……、ちょっと残念)
フロリス「へぇ、よかったねレッサー。殴られなくって」
レッサー「えぇ、まぁ……」
上条「殴る? 殴るってレッサーを? 何で?」
レッサー「何でって……、あなたとフロリスの話を盗み聞きしてたことを怒って、私を殴りたいって呟いてたじゃないですか」
上条「………えっ?」
上条「いやいやあれはお前を殴りたいって言ったんじゃなくて……」
上条「あれ? じゃあさっき眼をつぶって上向いてたのって殴られるのに備えてたってことか……?」
レッサー「……? そうですけど。他に何が……?」
上条(………ってことはアレはキス待ちとかじゃなかったってことなのか)
上条(マジかよ……じゃあ俺ってまた恥ずかしいことをしようとしてたのか……)
上条(都合のいいように考えて勝手にキスしようとするとか)
上条(アホすぎる……アホすぎる。穴があったら入りてぇ……)
上条「あぁもうっ!!」
レッサー「ど、どしたんですかっ」
フロリス「一人で舞い上がって盛ってたこと自覚して恥ずかしがってるってとこだろうねー」
レッサー「?」
フロリス「アンタは気にしない気にしない」
レッサー「気にしないって言われても……」
上条「恥ずかしぃ……」カアァァ
フロリス「面白いなぁ」ニヤニヤ
レッサー「……なんなんでしょうか。この当事者なのに蚊帳の外にいる感じは……」
今日はここまでです。
短いし遅いし、待ってた人ゴメンなさい
次回はもうちょっと早くくるように頑張る
それではおやすみなさい
フロリス「とりあえずアンタたちの馬鹿みたいな勘違いは置いといて」
レッサー「なんですか馬鹿みたいな勘違いって」
フロリス「言っていい?」
上条「ダメに決まってんだろ」
フロリス「はいはい」
フロリス「じゃあ話戻すけど」
上条「戻すってどこに」
フロリス「告白」
上条「っ!」
フロリス「返事考えなきゃだね、レッサー」ニヤニヤ
レッサー「えぇ、そうなんですよ」ニマニマ
上条「公開処刑はやめろぉぉ……」
フロリス「ワタシ、告白するって告白する奴初めてみたよ」
レッサー「私も初めてです」
フロリス「いったいどんな風に告白するつもりなんだろうねぇ?」
レッサー「わざわざ前置きするくらいなんですからきっと、予想もできないくらいすんばらしぃ演出を用意してくださると期待してますっ」
フロリス「それは随分見ものだね」
レッサー「ですねー」
上条「2人してハードルをどんどん上げていかないでくれっ」
フロリス「でもはじめにハードルを用意したのはアンタだけど」
上条「うぐっ……、痛いところを……」
フロリス「まあでも安心しなって。ワタシは邪魔したりしないから」ヘラヘラ
上条「今さら邪魔もクソもねえだろ」
レッサー「私は私で返事を考えないといけませんし」
レッサー「あぁ、どうしましょう。なんと返事をすればいいのやら」
上条「ちょ、ちょっと聞きたいんだけどまさかほんとに高いハードルとか求めてないよな……?」
レッサー「………むふふふ」
上条「なにその意味深な笑い!」
レッサー「むっふふーんっ///」
上条「やだ……やだ怖い!」
フロリス(ほんとにこの男は他人の好意とかがわからないんだなぁ)
フロリス(バカなんだろうか)
レッサー「むふふふふーんっ///」
上条「マジでやめてっ! 怖い、怖いからっ!」
フロリス(バカなんだな)
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
上条(……どうすっかなぁ)
上条(そもそもあそこまで言ったんなら、そのまま勢いで告白すればよかったんだよなぁ)
上条(ごまかしたせいで変にハードル上がっちまったし)
上条(俺ってほんとヘタレだな……)
フロリス「だからさっさと気持ち伝えろって言ったのに」
上条「人の心サラッと読むなよ。エスパーかお前は」
フロリス「いや魔術師だけど」
上条「じゃあ読心の魔術でも使ったのかよ」
フロリス「そんなの使わなくても顔見りゃわかるから」
上条「マジかよ……、そんなに顔に出てたのか?」
フロリス「うん。っていうかアンタ結構顔に出るほうだし」
上条「………マジ?」
フロリス「マジ」
上条(じゃあレッサーと顔合わせる時とかヤバいんじゃねえの……?)
上条(顔を向かい合わせないようにするしか……)
フロリス「相手の眼見て話さないと感じ悪いと思うよ?」
上条「だから心読むなって」
フロリス「だから顔に出てるんだって」
上条「うぉぉ……めんどくせぇ……」
フロリス「知るかよ。ポーカーフェイスでも身につけな」
上条「それよりもどうしよう……どうしよう」
フロリス「言っておくけどワタシはこれ以上できることないから」
上条「そんなこと言わないで助けてフロえもん!」
フロリス「タヌキ型ロボット扱いすんな。つーかそれは遠回しにワタシがドラム缶体型だって言ってんのか……?」
上条「なんでそういう風に捉えるの? やっぱレッサーに負けてるって自覚が……」
フロリス「あ?」ジロッ
上条「……なんでもないです」
フロリス「他に言うことは?」
上条「……タヌキ型じゃなくて猫型だぞ」
フロリス「違うだろ」
上条「………すんませんした」
フロリス「よろしい」
フロリス「でも結局ワタシは何もしないんだけどねー」
上条「なにそれ酷いよフロえもん」
フロリス「その呼び方やめろ」
フロリス「だいたいここまできてアンタはワタシに何をしろって言うのさ」
上条「さっき言ってた読心の魔術でレッサーの心を読むとか?」
フロリス「マジで言ってる?」
上条「じょ、冗談だよっ」アセアセ
フロリス(結構本気だったな)
上条「だけどやっぱり他人を頼ってばっかってのはダメだよな」
上条「それにここまできたらもう引き返せないし」
上条「男なら覚悟を決めるべきか!」
上条「こうなったらやってやるぜ!」
フロリス「頑張れ頑張れー。ハードルはめちゃくちゃ高くなってるけど」
上条「なんでそうやる気を削ぐようなこと言うかな」
フロリス「その程度のことでやる気を削がれるなよ、このヘタレ」
上条「だ、誰がヘタレだっ!」
フロリス「アンタ以外いないでしょうが」
上条「ぐぬぬ……」
レッサー「夕御飯出来ましたよー、ってどうしました?」
フロリス「なんでもない、なんでもない」
フロリス「この男がヘタレだって話をしてただけ」
上条「ヘタレじゃ……ない」
フロリス「説得力なさすぎ」
上条「ぐっ……」
レッサー「もう。フロリスもあんまり責めないであげてくださいよ」
レッサー「百戦錬磨のこの人がヘタレな訳ないじゃないですか」
上条「ぐぉっ」
フロリス「あー、そうだねー」
フロリス(まーたハードルが上がっちゃったよ)
レッサー「それよりもご飯食べましょうよ。頑張って日本食を作りましたから」
フロリス「肉じゃがに味噌汁に白米……あとこれ何?」
レッサー「レンコンのキンピラってやつです」
上条「よく作れるな、こんなの」
レッサー「ネットで調べてパパッと作りました。ちょっと自信ないんですけど……」
上条「そうなのか? めちゃくちゃ美味そうだぞ」
レッサー「そ、そうですかっ?」
上条「味も……」ムシャムシャ
上条「うん、美味い。めちゃくちゃ美味い」
上条「やっぱレッサーの作る料理ってお世辞抜きですげぇ美味いよ」
レッサー「ほ、ほんとですかっ!?」
上条「あぁ。味噌汁も出汁がしっかり出てるし」
上条「こんな味噌汁なら毎朝でも飲みたいな」
レッサー「 」
レッサー「(えっ、今のってまさかあれですか。告白よりも一段階上のやつですか?///)」ヒソヒソ
フロリス「(いや、多分何も意識してないただの感想だと思うよ)」ヒソヒソ
レッサー「(や、やっぱりそうですか……そうでしょうね)」
レッサー「はぁ……」
上条「どうした?」
レッサー「いえなんでも……」
上条「?」
フロリス(なんでコイツは意識してそういうセリフを言えないくせに無意識だとサラッと言えるの?)
上条「いやぁ、ほんと美味いなぁ」
フロリス(……やっぱバカだからか)
今日はここまでです。
それではおやすみなさい
ーーー風呂ーーー
チャプッ
上条「かぁ~っ! 五臓六腑に沁みるなぁもう」
上条「やっぱ風呂っていいなぁ……」
上条「なんて言ってる場合じゃねえな」
上条「今日が終わるまで残り3時間弱。どうするべきか」
上条「………ふむ」
上条「『レッサー。俺と付き合ってくれ』」キリッ
上条「……ダメだな。インパクトが弱い」
上条「………なら」
上条「『お前という幻想を俺の右手で守らせてくれ』」キリリッ
上条「……いやいや。俺の右手じゃ幻想は守れないだろ」
上条「そもそも意味わかんねえし。カッコつけようとしてよくわかんなくなるダメなパターンじゃねえか」
上条「………じゃあ」
上条「『毎日俺のパンツを洗ってくれ』」キリッキリリッ
上条「……これは、プロポーズだな」
上条「流石に重いし引かれるよな」
上条「でもなんだろう? この既視感というかどこかで似たようなセリフを聞いた記憶は……」
『こんな味噌汁なら毎朝でも飲みたいな』
上条「そうそう、こんな内容で……」
上条「……って俺のセリフじゃねえぇかぁぁぁ!!」
上条「俺は……俺はまた何の気なしになんてことをぉぉぉ……」
ーーーーーーーーー
>ジャネエェカァァァ
レッサー「何か叫んでますね」
フロリス「大方、またうっかり口を滑らしたことを悔やんでるんじゃない?」
レッサー「いやはや、まさか告白に続いてプロポーズまでされるとは思いませんでしたよ」
フロリス「本人は意識してなかったけどね」
レッサー「ほんとそうです。あの人は無意識に口説くような言葉を言ってくるから困るんですよ」
フロリス「へえー。そーなんだー」
レッサー「なんですか、そのどうでもいい、って反応は」
フロリス「だってアンタ困る困るって言いながらずーっとニマニマしてんだもん」
レッサー「嘘でしょう?」
フロリス「本当。顔に出しすぎ」
レッサー「そんなこと言われましても勝手に顔に出るんですから仕方ないじゃないですか」ムゥ
フロリス「アンタもアイツもポーカーフェイスを覚えればいいのに」
レッサー「無表情のカップルなんて傍から見たら不気味すぎでしょう」
フロリス「ふーん、そっかそっかー」ニヤニヤ
レッサー「なんですか、ニヤニヤして」
フロリス「アンタの中では既にカップルなんだなぁー、って思ってさ」
レッサー「……っ!///」
フロリス「別に恥ずかしがって否定とかしなくていいからね? 今更だし」
フロリス「つーか随分前から互いに好き同士だったくせに何で今までくっつかなかったのかなぁ」
フロリス「面白かったからいいけどさ。……まぁ、もどかしくもあったけど」
レッサー「………っ///」プルプル
レッサー「………はぁ」
フロリス「ん? どうした? 素直に認めたの?」
レッサー「えぇ……、えぇそうですよ、そうですとも、そうなんです!」
レッサー「ぶっちゃけ私の中ではすでに明るい将来設計まで考えちゃってますけど!?」
レッサー「お家は庭付き一戸建て! 子どもはラクロスチームを作れるくらいの人数を!」
レッサー「毎朝みそ汁作りだろうがパンツの洗濯だろうがばっちこいってもんですよ! ふはははっ!」
フロリス「そ、そう……、わかったから落ち着け。ご近所さんに迷惑だしバスルームまで聞こえちゃうから」
レッサー「おっと、これはうっかり」
フロリス「ったく、アンタも結構なメルヘン脳だったのか……」
レッサー「別にメルヘン脳でもいいじゃないですか。むこうだって私にぞっこんラブなんですから」
フロリス「ぞっこんラブ……」
レッサー「私とあの人でイチャイチャラブラブな関係を築くんです」エヘヘ
フロリス(ちょっと前までそんな関係だったと思うけど)
フロリス「っていうか、アンタもそういう気持ちなんだったら受け身の姿勢やめてアンタから行けばいいじゃん」
レッサー「うーん……、それも悪くはない考えなんですけど」
レッサー「ここまできたらむこうから言ってきて欲しいんですよねー」
フロリス「じゃあ誘い出すくらいのことすれば? アイツが言いやすいように」
レッサー「そうですねぇ。やってみましょうか」
レッサー「ではっ!」スクッ
フロリス「では、ってどこ行く気だおい」
レッサー「どこって、バスルームですよっ」
レッサー「二人きりになって、背中をお流しして、『レッサー、こうして毎晩俺の背中を流してくれないか』なんてセリフを引き出してきます!」
フロリス「うっわぁ……なんていう妄想を……。聞いてるこっちが恥ずかしくなってくる……」
レッサー「それでぇ、私のせくしぃなボディに我慢できなくなったあの人が狼となって……キャーっ!///」
フロリス「妄想も大概にしろって。つーか一緒に入る気?」
レッサー「Yes! というわけで行ってきます!」
フロリス「待て待てっ! 服を脱ごうとするなバカ!」
レッサー「むっふふーん」
フロリス「ストップストーップ!」
ーーーーーーーーー
レッサー「殴らなくてもいいじゃないですかぁ……」グスッ
フロリス「言葉で止まらないなら拳で止めるしかないでしょ」
レッサー「なんですかその無駄にかっこいいセリフは……」
フロリス「とりあえず落ち着いたならそのはだけた服を直しなって。いきなりアイツに見られるとまた恥ずかしがるんだから」
レッサー「はじめから見せるつもりならいいんですけど不意打ちだとどうも恥ずかしがっちゃうんですよね」ゴソゴソ
フロリス「痴女の思考はよくわかんないや」
レッサー「別に痴女でも露出狂でもないですから!」
レッサー「……そういえばあの人なかなか戻ってきませんね」
フロリス「言われてみれば随分長いこと風呂に入ってるな……」
レッサー「まあ恥ずかしくなって一人になりたがる気持ちはわかりますけど」
フロリス「アンタもトイレにこもったりコタツに潜ったりしてたもんね」
レッサー「うるさいですよフロリス」
レッサー「でも入浴中に長いこと考え込むのはどうなんでしょう……、頭がボーッとしてくるとおもいますけど」
フロリス「実は考えすぎて倒れてたりして」
レッサー「まっさかー」
フロリス「だよねー」
レッサー「………」
フロリス「………」
レッサー「ちょ、ちょっと見てきます!」バタバタ
フロリス「……まさかとは思うけど」
> ギャー! フロリース! ヘルプヘールプ!
フロリス「マジか……」
ーーーーーーーーー
上条「 」グッタリ
フロリス「まさか本当に倒れてるとはね……」
フロリス「のぼせるまで風呂入ってるとかバカかこの男は」
フロリス「それからアンタもアンタでいつまで照れてんの」
レッサー「だ、だってあんなモノを間近で見ることになるなんて思わなかったんですもん!///」
フロリス「そんなことに照れててよく色仕掛けとか出来てたな……」
レッサー「ほっといてくださいっ」
レッサー「それよりどうしましょう」
フロリス「冷やしたタオルでも頭にのせて、うちわか何かで扇いでおけば?」
レッサー「ではフロリスお願いします」
フロリス「いやレッサーも手伝いなよ」
レッサー「ほら、私はこの人に膝枕しませんと」
フロリス「意味わかんないし……」
レッサー「文句言いつつも用意してくれるフロリスほんとツンデレ!」
フロリス「黙れバカっ!///」
今日はここまでです。
新約10巻発売おめでとー
まだ読み切ってないけどレッサーに出番がありそうでよかった
多分次の投下で終わります
それではおやすみなさい
生存報告兼投下予告
遅れて本当に申し訳ないです
今日の夜に絶対投下します
上条(……っ)
上条(なんだ……? あたまがグワァングワァンする……)
上条(あー……そうだ……風呂で考えごとしてたんだっけ……)
上条(なんて告白したらいいか考えて……それでのぼせて…)
ピチャ
上条(……冷たい)
パタパタ
上条(涼しい……、誰かが世話してくれてるのか……)
レッサー「おかげんはいかがですかー?」
上条「…………レッサー……?」ポケーッ
レッサー「もう、びっくりしましたよ。いつまで経っても出てこないので見に行ったら全身真っ赤にしてバタンキューで」
レッサー「フロリスと二人がかりで引き揚げて、部屋まで運んで……し、下着をはかせて……///」
レッサー「とにかく大変だったんですからねっ」
レッサー「それにしてもあなたはいったい全体、のぼせて倒れるまで何を考えていたっていうんですかねー?」ニヤニヤ
レッサー「ま、あんまりそこんとこは深く突っ込まないでおいてあげますが」
上条「………レッサー」ポケーッ
レッサー「はいはいなんですか?」
上条「………好き…だ」ポケーッ
レッサー「………………パードゥン?」
上条「 」カクッ
レッサー「いやいや、いやいやいやいやっ!?///」
レッサー「待ってくださいっ、起きてくださいっ、もっかい言ってくださいっ! そんな愛の言葉の伝え方がありますかっ!?」
上条「 」クカァー
レッサー「くかぁー、じゃなくてぇぇぇ!!」
フロリス「なに騒いでんの、レッサー」
レッサー「フロリスぅ……」ジワッ
フロリス(あ、なんかめんどくさそう)
レッサー「告白がっ、のぼせてっ、ぽろっとっ、また倒れてっ」
フロリス「ゴメン全然わかんない。とりあえず落ち着こう」
レッサー「あぁもうっ、マジですかぁぁぁ!?」
フロリス「落ち着けって」ペシッ
レッサー「あうっ」
ーーーーーーーーー
フロリス「……つまり、このバカは散々期待させたあげく、のぼせた頭でぽろっと好きでーす、って言ったわけか」
レッサー「 」コクコクッ
フロリス「あれだけ引っ張っておいてムードもへったくれもない……」
フロリス「でもコイツっぽいといえばコイツっぽいけど……」
レッサー「わ、私はもっとロマンチックな雰囲気を味わいたかったというのに……」
フロリス「例えば?」
レッサー「例えば、夜に星を見ながらとか……」
フロリス「それ確かコイツも言ってた」
レッサー「マジですか!?」
フロリス「雨降ってるからできないって話だったけど」
レッサー「ぐぬぬぬぬっ」
レッサー「それよりもこんな告白のされかたって……」
レッサー「しかも、告白した本人は言うことだけ言って寝るなんて……」
レッサー「こんな…こんなことって……」ヨヨヨ
フロリス「………うん、まぁレッサーの言いたいことも十分わかるよ?」
フロリス「好きな男からの告白がそんなテキトーな感じだったなんてショックだろうね」
フロリス「でもさ」
フロリス「アンタぶっちゃけ喜んでるでしょ、顔がにやけっぱなしなんだけど」
レッサー「あ、わかります?」ケロッ
レッサー「そりゃまぁ期待してた愛の言葉がこんなテキトーな感じだったなんてショックですよ?」
レッサー「ショックですけどー……」
レッサー「……うふっ、うふふへへへっ///」
フロリス「キモい」
レッサー「おっと失礼」
レッサー「とにかく、やっぱりそれでも嬉しいものなんですよ」
フロリス「ふぅん」
レッサー「ただ、お返事として私の気持ちを伝えられてないことは残念ですが」
フロリス「あぁ……コイツ寝ちゃったもんね」
フロリス「……あれ? じゃあコイツがアンタの返事聞いてたらアンタどうしてたわけ?」
レッサー「そりゃあ思う存分イチャコラと甘えてやるつもりでしたが?」
フロリス「その間ワタシは?」
レッサー「隣で指を咥えて眺めていてくださ…あぁぁぁっ!!」
フロリス「散々手回ししてやったワタシに対しての仕打ちがそれかっ!?」
レッサー「こめかみグリグリはやめぇぇぇっ!!」ジタバタ
レッサー「おぉぅ……」グッタリ
フロリス「ったく、アンタってやつは……」
レッサー「ほんの冗談だというのにぃ……」
フロリス「いや別に冗談でも本気でもいいんだけどさ」
レッサー「だったらなにゆえそこまで怒りますか」
フロリス「アンタの態度が気に食わなかっただけ」
フロリス「それよりアンタの恋人(仮)はどうすんの? このまま寝かせるの?」
レッサー「恋人………」
レッサー「いい響きです///」
フロリス「トリップするなー」
レッサー「おっとそういえば、このままではこの人風邪をひきかねません」
フロリス「叩き起こすか」
レッサー「それは流石に可哀想ですよ」
フロリス「アンタの告白のされかたほど可哀想なものはないって」
レッサー「うるさいです」
フロリス「まぁとりあえず毛布被せて寝かせておこう」
レッサー「ではでは」ゴソゴソ
フロリス「おい……おい。何やってんのアンタは」
レッサー「何ってそりゃあ……」
レッサー「添・い・寝っ☆」パチコンッ
フロリス「………はぁ」
レッサー「なんですかそのバカを見るような目は」
フロリス「実際バカを見てるんだから仕方ないでしょ」
レッサー「眠ってる人に対して言いたい放題とは感心しませんね」
フロリス「アンタに言ってるんだこのバカ」
レッサー「そんなことよりそろそろ夜も更けてきたことですし寝ましょうよ。マクラとってくださいフロリス」
フロリス「本気で添い寝するつもりなんだ……」
レッサー「フロリスも一緒に寝ます? 私の隣ですけど」
フロリス「お断りだバカたれ」
レッサー「じゃあ電気消してくださーい」
フロリス「まったく……」
パチッ
レッサー「ふんふふっふーん♪」
レッサー「あ、変な声が聞こえてきたらゴメンなさい」
フロリス「いや、マジでやめてよ。そういうの」
レッサー「冗談ですからご心配なく~」
フロリス(浮かれてるなぁ……)
フロリス(幸せそうでよかったけど)
レッサー「それではおやすみなさい」
フロリス「ん、おやすみ」
ーーー翌朝ーーー
チュンチュン
上条「………」
レッサー「 」スゥスゥ
上条「………ふっ」
上条(どういう状況ですかこれはぁぁぁぁ!??)
上条(なんでレッサーが俺の隣で寝てんの!?)
上条(デジャヴ! いつかの風呂場での朝を思い出す!)
上条(いったい何がどうなってこんなことに……)チラッ
レッサー「 」スゥスゥ
上条「………可愛い」
上条(じゃなくてぇぇぇ!!)
上条(本当にどうしてこうなった!?)
上条(思い出せ! 昨日の夜の出来事をしっかり思い出すんだ!)
上条(……そう。確かレッサーに告白しようとして風呂場で考えてたら頭がぼーっとして……)
上条(……レッサーが面倒見てくれてた……ような気がする)
上条(それで……)
レッサー「………んん」
上条「っ!?」
レッサー「……おや、おはようございますぅ」
上条「お、おはよう……」
レッサー「昨晩はどうもぉ」
上条「さ、昨晩……?」
レッサー「………まさかとは思いますけど、覚えてません……?」
上条「いや……うっすらとなんとなーく、おぼろげだけど覚えて……」
レッサー「………」ジトォー
上条「ません。はい、すみません」
レッサー「うっわぁ……うわぁうわぁ」
上条「まって本当に昨日の夜に何があったんだ」
レッサー「………本当に覚えないんですか? これっぽっちも?」
上条「風呂場で倒れて、レッサーがが面倒見てくれてた……ような気がする」
レッサー「その後は?」
上条「その後……?」
上条「………」
レッサー「………」
上条「………てへっ。忘れちゃった」
レッサー「………はぁ。やっぱりですか」
レッサー「あなたって人はうっかり告白予告したり寝ぼけて告白したり……」
上条「………え?」
レッサー「フロリスが言った通り、あなたらしいと言えばあなたらしいんですけど……」
上条「ちょ、ちょ、ちょっ」
レッサー「こっちがどんな気持ちになるか、考えて欲しいもんですよ」
上条「ちょい待ちっ!」
レッサー「はい?」
上条「今……告白したって言った……?」
レッサー「はい」
上条「俺が?」
レッサー「はい」
上条「レッサーに?」
レッサー「はい」
上条「…………」ガンガン
レッサー「誰も記憶操作とかしてませんから右手で頭を殴らない」
上条「ノ、ノーカン! ノーカンにしようっ!///」
上条「やり直しを要求するっ!///」
レッサー「いいですよ」
上条「だってそんな告白じゃ俺もお前も納得できな………え?」
レッサー「やり直し、いいですよ」
上条「いい…のか?」
レッサー「あなたが納得していないのなら仕方ないですし」
上条「そ、そうか?」
レッサー「その分またまたハードルが上がりますけど」
上条「うっ」
レッサー「予告して、先延ばしにして、今度はやり直し……いったいどこまでヘタレっぷりを発揮するんですか」
上条「返す言葉もございません……」
レッサー「でもそんなところも好きなんですけどねぇ」
上条「…………ん?」
レッサー「さぁーて。ではではあなたの言う通りノーカンにして仕切り直しとしましょうかっ///」
上条「お前今なんて……」
レッサー「むっふふー。なんでしょうねぇ? 私のお返事のつもりだったんですけどなかったことになっちゃいましたからわかりませんねぇ?」
上条「返事って……」
上条「ーーーっ///」
レッサー「ふふふっ///」
レッサー「それでは今度こそムードたっぷりの素敵な愛の言葉を期待してますよ」
レッサー「とうまさんっ///」ニコッ
終わりです
長々とお付き合いありがとうございました
次なんか書くときは絶対もっと短くする
絶対
次スレ立てるとしたらエツァリとショチトルかステイルと弟子魔女でやるかもなんで見かけたら是非ともよろしくお願いします
このSSまとめへのコメント
レッサーの変態レベルなんて学園都市の中ではほとんど通用しないなw
更新まだかな?
ここのSSは更新速度が早いからいいな
やっベー、面白い!
おもしろい!
最高ー
おもろい!!
おもしろい!
レッサーかわええ!
可愛さで言えばレッサーは魔神級だな
レッサーかわいいっ!!
レッサーかわいい‼︎
毎回更新楽しみです
毎週更新楽しみにしてます!
レッサーかわいすぎだな
更新はやくしてくれぇぇぇぇぇ
>>14
おss速報vipが鯖落ちしてるから無理なんだろう
茶でも飲みながら待とうぜ。
鯖落ち萎えるわー
レッサーかわええなあ
まだ鯖復帰しねぇのかよ
はよはよ
鯖復帰はよはよ。毎日見に来てる
鯖はよ復帰してけろ
いっぱい書き溜めたまってるんですねわかります(ゲス顔
復帰はよォォォ
復帰せんのう(-_-)
鯖はよはよ
復帰しろォォォォォォ!
まだかっ!?まだなのか!!
VIPの鯖落ちはマジ萎えるわ..いろんなもん見れんくなるし
はよ復帰してくれェェェェェェ‼︎
復帰きたあああああ
復帰きたぁぁぁっ‼︎
やっと続きがよめる(((o(*゚▽゚*)o)))
復帰きたあああああああああああ!!!!!!!!!!
っしゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!!!(
クソ長いけど最高だな
完結まで楽しみにしますわ
このSSは最高です
毎回楽しみしてます
これ見たらレッサー好きになったわ!
レッサーマジ最高~!
最高だっ!!
最っっ高です!毎回楽しみに読ませていただいてます!
楽しみすぐる!!
レッサーかわいい!!!
レッサーかわえええええ
レッサーレッサーレッサーレッサーレッサーレッサーレッサーレッサー
レッサーレッサーレッサーレッサーレッサーレッサーレッサーレッサー
レッサーさんかわいすぎる、とミサかはいたって真顔で褒め称えます
レッサーマジ可愛すぎるよ~はよ続きこ~いっ!!
続きはよはよ(^ω^)
上条しっかりしてください!
レッサーかわいいいいいい
続き待ってます
こーゆーの見るとあったまるなぁ…
頑張ってくださいね‼
まだかなまだかな
レッサーをアニメで是非見たい
3期早よ!
ここで完結なんて…頼む、終わりまで描ききってくれー
毎日見に来てしまう
あと数回か
もうちょっとやってほしいです
あと数回だなんてうそだぁぁぁぁぁ!!!!!
うわあああああああああん
もう終わりかぁ
少しエロ入れてくださいm(__)
>>54エロはいらねえよ
エロもよかったり?
でもいい雰囲気が台無しになりそう
エロは脳内補完でいいと思う
なんで55は自分の意見が一番なの?こわいなぁ
レッサーかわいいねレッサー
>>57
>>56が言ってるようにいい雰囲気が台無しにならない?お前が言ってるようにただの俺の一意見だけど
場違いなこと言ってたらごめん
興奮してきたぜェ
完結まで、頑張ってくださいm(__)m
(* ̄∇ ̄)ノ支援
次で終わる···だと!?
うわあああああああああん
うおー魚ー
本に出来るレベルだなオイ
まだー?
来ねーな…
最後だから時間かかってるのか?
終わった···のか···。
いいssだったな!
本当乙っす!
半年間とちょっと楽しませてもらったわ!
乙です!
長い間楽しませてもらいました
おつおつ!
とても良かったです。お疲れ様でした。
乙です!
おもしろかったー!
お疲れ様でした
とっっても綺麗な終わり方でした
個人的には後日談も欲しいとこですが......
俺も。両想いになってからのイチャラブが欲しかった。
妄想で我慢します
イチャラブ···。←それな
ひさびさに面白かった!
現行でほのぼのssないかな···
おつでした!
おつ
※74
現行のほのぼのなら
上条「風紀委員ですの!」白井「改ですの!」
がおすすめ
ともあれ長い間1乙でした!
素晴らしかった
乙
乙ー!
身悶え(みもだえ)しまくりでしたw
時間かけて読んだけど最後まで面白かったです!
レッサー可愛いー!!
レッサーが可愛くてつらい…
とても楽しめました!
禁書初のPV数3万超えおめでとう
レッサーの為にも禁書3期あくしろよ
終盤に入ってつまらなくなった
が、楽しませてもらった
コメの伸びようすごいな
くそぅ···頭にLOVEが付くホテルorベットにGOは無いのか···
いや~ 良い話だな~ 何か、珍しくレッサーが純情だった?
すまん。3期来ても多分レッサー出ないぞ。
上条vsテッラもあるし、暗部編もあるしな。
しかも暗部は2冊分あるわけだからな。出てくるのは4期と思われる。
まぁ、C文書編は少なくなりそうだからレッサー出るかもな。
個人的に3期が出るとしたらテッラ戦と垣根戦は楽しみ。
レッサー可愛い