アルミン「実は僕……」 (40)

書きためてないので即興でちまちま書いていきます
所々稚拙な部分があってもご容赦下さい。

845年

「ねぇエレン、実は僕……」

珍しくミカサ抜きでエレンと二人きりで遊んだある日。
夕日が僕らを見下ろす中、無意識のうちに口が動いていた。

「どうした?アルミン」

エレンは僕の瞳を見つめて、言い掛けた僕の台詞の続きを問う。

「…うーん何を言おうとしてたんだっけなぁ……」

さっきまでは「それ」を記憶していたはずなのだが思い出せない。
モヤモヤした感情が僕の中に芽生える。

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とても大事なことだった気がするが思い出せない。

「なんだそりゃ。アルミンらしくもねぇな」

エレンは笑って場の雰囲気を戻す。

「でさ、俺の親父が言ってたんだけどよ…」

「そういえば昨日ミカサがな…」

いつも通りの淀みない会話を交わす僕ら。
次の日も、その次の日も、ずっとこう居られればいいなあ、なんて考えてしまう。

だけど、そんなのは泡沫の夢に過ぎなかった。



超大型巨人が壁を破壊したのは次の日のことだった。
爆音と共に瓦礫が飛び、僕の願いは儚く散った。

壁が破壊された部分からは遠くに居たのに流れ弾が僕の手に当たった。

「いたっ……」

命には関わりはしないが痛いものは痛い。

でも手の痛みを気にする前にしなくてはいけない事があった。
船に乗って内側へ逃げるより優先すべき事があった。

「エレンは、ミカサは無事なのか……?」

口を動かすよりも早く足が出ていた。

「あっ、君!どこへ行くんだい!止まりなさい!」

近くにいた駐屯兵団の人間が僕を止めようとする。

「エレンを…ミカサを…守らなきゃ……!」

たまたま走る道中に居合わせたハンネスさんに救助を頼む。

「ハンネスさん……はぁ…エレンとミカサの様子を…見てきてもらえませんか……はぁ…」

息切れさせながら頼む僕を見て有無を言う前に飛んでいった。
こんな事をしていたせいで船に乗り遅れたら元も子もない。
急いで戻らなきゃ。
「よし、もうこれ…でェッ!?」

また、轟音が鳴り響く。
今度は僕の近くで。

(あれ?……家屋が僕の下にある…ぞ?)

...もしかして、これは...

アルミン巨人説の...

(体が動かない…!? いや、自由が効かないぞ…)

状況が飲み込めずに居た。
脳が上手く働かない。
目から得られる情報はエレンの家の方向へ向かっている、という事だった。

(くそっ…一体どうなってるんだ…?)

気付くと眼下にはエレンと、その母カルラ、ミカサが居た。
見る限り、カルラ叔母さんが衝撃で崩れた建物の下敷きになっているように見えた。

そして近くで必死に何かするエレン、ミカサ。

エレンside


「ミカサを連れて、逃げて……お願いよ…」

母さんが……なんで……!

「エレン、私たちではこの瓦礫をどかせない。逃げようエレン」

「黙ってろッ!!本気を出せばこんなの…」

三人で論じているとハンネスさんが来た。
もしかして手伝ってくれるのか?

「待ってろみんな、まずはそこの巨人をぶっ殺してみんなで避難するぞ」

ハンネスさんが僕を指さしてエレン達と何か話してる。

……こうやって思考してる間にも僕の歩みは止まらない。

(どうしてこうなってしまったんだろう……)

だんだん興奮してきていて、ものを考えられなくなっていくのが分かった。

(ハンネス…さん?)

目の前の家屋にハンネスさんが来る。
剣を持ち、勇ましい目でこちらを見つめた。

が、たちまち彼の目は曇り、剣を納め僕に背を向けて逃げる。

そうこうしている間も歩みは止まらない。

目前にエレンの家はあった。

ハンネスさんはエレンとミカサだけを抱えて逃げていた。


(あ、あれ……手が…)

僕の管理下から離れた僕の身体は、瓦礫をどけ、カルラさんを掴んでいた。

(何をするつもりなんだ……?)

手はやがて腰、胸、顎という具合に上がっていき口で動きは止まった。

(これは、まずいんじゃないか……?)

そう思うと同時に僕はカルラ叔母さんをーーーー捕食してしまっていた。


ここから先はあまりよく覚えていない。
目覚めたときには診療所のベッドの上にいた。

(イヤな…夢だったなあ……)

僕が目を覚ますとエレンとミカサが目を見開いた様子で僕を見る。

「よかった……ホントに……お前まで失ってたら死ぬ覚悟は出来てたよ…」

「………良かった。」

二人とも目に涙を浮かべて僕に語りかける。

その後はエレンのお父さんの知り合いという人の家で三人で暮らした。

ときたま、寝ているときにエレンが僕に抱きつくときがある。
そのたびに得体の知れない恐怖に襲われた。


その後2年間は同じ様な毎日を過ごし、僕ら三人は訓練兵団に所属することとなった。

訓練兵団にはいろんな人が居たが、所詮は赤の他人。
あまり興味はわかなかった。


ミカサとは寝る寮が違うので会う機会が減ってしまったので少し悲しい気もするが、エレンと相部屋で寝れることが少しだけ喜ばしい。

あの日から2年過ごすうちに芽生えてしまったのだろう。
「恋心」のようなものが。 

エレンと寝る毎日が幸せで幸せでたまらなかった。

エレンにか...

やがて、恋心とは別のもう一つの感情が芽生えた。

エレンに色目を使う女狐共に対する殺意…みたいなものが。
客観的に見たら僕は、同性愛をこじらせた奇人でしかないだろう。

時々、エレンに好意を寄せる女狐の憎悪の視線を感じたが、臆せずに三年耐えた。

ちょっと席外します。
更新は早くて明日の昼くらいになります…

鬱エンドの予感……

じゃあぼちぼちいきますかな

850年 トロスト区

「言ったなトーマス!数をちょろまかすなよ!」

同期のトーマスと士気を高めあい、恐怖を心の奥底へしまい込む。 

「34班前進!」

エレンの掛け声を合図とし、僕たち34班はトロスト区の巨人へ刃を向けた。

こうしている間にも仲間が死んでいる。
誰もが理解しているが誰も口に出そうとはしない。
今、ここで死んでも『巨人に食べられた』とされるだけだろう。

…僕には野望がある。
エレンの周りの女狐を抹[ピーーー]ること。
それはミカサも例外ではない。

仮にここで、死んでしまっても見られてさえ居なければ死因は巨人の仕業、という事になるだろう。

「ふふっ……待ってたよ。この時を」

「ん?アルミンなんか言ったか?」

「う、ううん。なんでもないよ」

喜びのあまり口に出てしまっていたらしい。気をつけなくては

ーーーーーーーーー

立体機動で空を飛んでいたら、トーマスが巨人に捕食されていた。
彼の死自体には興味は無いが、目の前で捕食される姿を見てしまうのはいい気分ではない。

「よくもトーマスを……!許さねえ!」

「あっ、待ってエレン!」

僕たちの言葉も届かずトーマスを食べた奇行種へエレンが飛ぶ。

(もし……トーマスの様にエレンが食べられたら…)

そんなことはさせない。
ミカサやジャンほど立体機動に長けていない僕はガスを異常なまでに吹かし、エレンへ追いつく。

「仇を討ちたい気持ちは分かるけど今は冷静になってよエレン!!」

「離せよアルミン…トーマスが食われたんだぞ……!」

エレンには少し強情なところがある。
体格差で考えれば僕の方が劣っている。
早く納得させないと振り切られて食われてしまうかもしれない。

34班の面々もこちらへ向かってきてはいる……あれ?
みんなはどこへ行ったんだろう。見当たらない。

仲間を捜すことに集中していたらエレンが僕の制止を振り切って飛んでいってしまった。

さっき吹かしすぎたせいでもうガスは使えない。
「くそっ…」

ただ、立ち尽くすことしかできないなんて……
僕はエレンの側に居たいから訓練兵団に入ったんじゃないか…!
それなのに今は…

絶望でその場に跪く。
手を切ってしまった。痛い。 

「くっ……僕はエレンの側に……女狐を……うわああああああ!!」

僕が叫ぶと同時に眩い光と轟音が現れた。

(あれ……下に家がある……小さな家が…?

見覚えがある。
これはエレンのお母さんを食べてしまった夢に酷似している。
(また…夢なの?)

最近知ったのだが夢を夢だと理解して見る夢を「明晰夢」というらしい。
今回はそれなんだろう。

(夢なのだから……楽にしてよう。気にするだけ無駄だしね)

夢の内容は異様なほどリアルだった。
見覚えのある訓練兵団の仲間を次々と食べては、吐く。
この繰り返しだが、誰一人同じ人間を食べることはなかった。

十数人食べ終えた頃、アニが目の前に現れる。

「アンタは……なんか違う感じがするね」

アニ……エレンに纏わりつこうとする女狐だ。
出来ることならグチャグチャに噛み砕いてやりたいね。
夢だし、誰にも咎められないだろうし。

次の瞬間、僕の大きな手は音より早く感じるほどの早さで彼女へ向かっていた。

いくら才能があろうと、早すぎる攻撃から逃げることは出来なかった。

「あがっ……離せこのっ…

言い終えるより早く、僕の口へ運び、噛みに噛んだ。

夢とは言え女狐を消せたことは素直に嬉しい。
まあ、夢だけど。

「な、なんでアニが…うぅっ…」

「泣いてもアニは帰ってこないぞクリスタ。悲しむ前にあいつを[ピーーー]んだよ」

目の前にはクリスタとユミルの姿があった。
ユミルは抹殺の対象じゃないがクリスタは対象だ。

女の子らしい容姿を利用して男子を味方に付けつつもエレンを落とそうとする厄介なタイプ。

(お前も……[ピーーー]!)

あまり戦士として優秀とは言えない彼女達を[ピーーー]のにはあまり苦労しなかった。

(実に清々しい。この夢だけでこれから一生生きていけそうだよ)

>>26  修正

夢とは言え女狐を消せたことは素直に嬉しい。
まあ、夢だけど。

「な、なんでアニが…うぅっ…」

「泣いてもアニは帰ってこないぞクリスタ。悲しむ前にあいつを殺すんだよ」

目の前にはクリスタとユミルの姿があった。
ユミルは抹殺の対象じゃないがクリスタは対象だ。

女の子らしい容姿を利用して男子を味方に付けつつもエレンを落とそうとする厄介なタイプ。

(お前も……死ね!)

あまり戦士として優秀とは言えない彼女達を始末のにはあまり苦労しなかった。

(実に清々しい。この夢だけでこれから一生生きていけそうだよ)

(残るは……ミカサだけだね)

残り一人、目標の完遂は目前だった。
だが、その一人が一番手間取らせてくるだろう。

(現実世界なら不意打ちで始末出来たかもしれないが…)

如何せん図体が大きいせいでそうもいかないことが歯がゆい。

難攻不落の最強の牙城、ミカサ・アッカーマン。


ーーーーーーーのはずだったが。彼女は死んでいた。

ブレードで自殺したようだった。
近くにはエレンの死体……?
夢でもエレンは死んでるみたい。悲しい。

ミカサの死を確認したとたん意識が沈んでいくのを感じた。



目が覚めたら……眼前にいたのは人類の英雄、リヴァイ兵長だった。

「おいカス野郎。貴様のしたことを洗いざらい吐きやがれ」

「……おっしゃってる意味が分かりません」

(寝ぼけているせいで頭が上手く働かない……)

「チッ、おいそこの木偶の坊、お前が聞け」


そう呼ばれてきたのはベルトルトだった。

「…ねぇアルミン質問しても……いいかな?」

「構わないけど…」

「僕も見てたんだけどね、アニやクリスタ達を食べた巨人の中から君が出て来た」

「…ん?」

ベルトルトは「アニ」の部分を強調して僕に問いかける。

「言ってる意味が分からないよベルトル…」

「シラを切らないでくれよ!!君が、アニ達を殺したんだろ!!!」

ベルトルトはさらに続ける。

「君が、何らかの方法で巨人を操って、アニ達を……くっ…」

「……ったく意味が分からないよ。ホントだ」 


「…………ああ、そうか、分かったよ」

どこからか隠していたブレードを手に彼はそう言う。

「おい木偶の坊!テメェ……」

英雄が止めに来るより早くその剣は僕を貫いた。

「がっ……あっ…」

意識が遠のくのを感じた。

実は僕・・・女の子だったんだだと思ったらとんでもない鬱SSだったでござる

その後、人類の宝とまで言われたミカサ・アッカーマンを始めとした104期訓練兵団はほとんど壊滅状態。

たくさんの犠牲だけを生むことになっただけだった。

幾度か超大型巨人、鎧の巨人を始めとした巨人達の攻撃に為す術もないまま

854年、人類は滅んだ。

「アニ……これでよかったのかい?分からないよ…」  

星空の下、男は一人泣く。

「こうするしか、無かっただろ。気に病むなベルトルト」

同郷の友ライナーがベルトルトを励ます。

「アニは…こんな世界を望んでいたのかな?」

「……どうだろうな。この世界に男二人だけ、いくら考えても女心は分からねえよ」


これ以上二人に会話は無かった。

「……くも……さない」

「アルミン!?」

「お、おいどしたんだよいきなり。アルミンならお前が…」

ベルトルトには亡き友であり、憎むべき相手であり、人類が死に絶えた引き金となった男、アルミン・アルレルトの声が聞こえた気がした。

845年

(次こそは…)

「はぁっ……」

久しぶりに夢を見た。覚えているのは一瞬だけど。

「次こそは……?何のことかなあ」

とりあえず歯を磨いて、エレンの家へ向かわなきゃね。
今日は何の話をしようかな?炎の海?砂の大地?
「キリないから向こうで考えよう。」

「いってきまーす!」
お爺ちゃんに軽く挨拶をして家を飛び出す。

「エレーン!」

僕が呼ぶとエレンはすぐに家から飛び出してきた。

「おうアルミン!待ってたぜ!」  

「あっ、そういえば今日は用事があるみたいでミカサは居ないぞ」

良かった……
あれ? なんでミカサの不在が嬉しいんだろ?


「あ、あのさエレン言いたいことがあるんだ」

無意識のうちに口から言葉が出ていた。

「なんだ?」

彼の返答を聞き、僕は口を開く。

「実は僕……」


        完



アルミン女の子なんだ系だと思った

気持ち悪い。
このキチガイ[ピーーー]ばいいのに。

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