シンゲキロンパ CHAPTER 04 (581)

アルミン(その夜、僕は夢を見た)

アルミン(とても不思議な夢だった)

アルミン(夜闇にメラメラと揺らめく焚火…)

アルミン(その焚火を囲んで、僕たちは食事をしていた)

アルミン(僕、ミカサ、コニー、ジャン…)

アルミン(ライナー、アニ…)

アルミン(その他にも何人かいるようだけど、顔はよく見えない)

アルミン(僕たちはただ黙ってシチューを食べていた)

アルミン(僕たちは全てを知っていた)

アルミン(ライナーとアニがマーレ側の人間であることも)

アルミン(彼らが壁に穴を空けたことも)

アルミン(僕たちがパラディ島に逃れたエルディア人の末裔であることも)

アルミン(ライナーとアニがマルコを殺したことも)

アルミン(何もかも知っていた)

アルミン(僕たちは敵同士だった)

アルミン(それにも関わらず、一緒に食事をしている)

アルミン(全ての禍根をシチューと一緒に飲み込んで…)

アルミン(何か大きな目的のために、こうして火を囲んでいる)

アルミン(そして、僕は考えてしまう)

アルミン(揺らめく景色の中で…)

アルミン(まどろみから覚める中で…)

アルミン(とても奇妙な思いが頭に浮かぶ)

アルミン(もし、あの時…)

アルミン(彼女が違う考えを抱いていれば…)

アルミン(彼女が違った選択をしていれば…)

アルミン(僕たちには… こんな未来があったのだろうか)









CHAPTER 04

二千年後の君へ

非日常編







CHAPTER 04 

DAY 14




アルミン(この13日間で、本当に色々な出来事があった)

アルミン(エレンがミーナに殺され…)

アルミン(ミーナがモノクマに処刑され…)

アルミン(ユミルがサシャに殺され…)

アルミン(サシャがモノクマに処刑され…)

アルミン(ライナーとベルトルトがアニに殺され…)

アルミン(アニがモノクマに処刑された)

アルミン(そして…)









モノクマ『50日間の訓練、もう終わりにしない?』







アルミン(モノクマは僕たちに対して、
     急に訓練を終わらせる提案を持ち掛けてきた)

アルミン(訓練の終わり、それは…)

アルミン(“ファイナルデッドルーム”で行われる
     命がけのゲームが始まることを意味する)

アルミン(そして、そのゲームの内容は…)









モノクマ『全ての謎を解き明かすことだよ』







アルミン(全ての謎を解き明かすこと…)

アルミン(すなわち、3つの事件に隠された真実は何か)

アルミン(僕たちの中にいる真の【裏切り者】とは誰か)

アルミン(僕たちの“失われた数年間”に何があったのか)

アルミン(この施設は何なのか)

アルミン(モノクマが何のためにこんな事をしているのか)

アルミン(そして… モノクマは一体誰であるのか)









モノクマ『真実を受け止める覚悟がない限り…』

モノクマ『オマエラは絶対に謎の答えには辿り着けないよ』















モノクマ『たとえその真実が、どんなに残酷で…』

モノクマ『どんなに絶望的なものだったとしても』







アルミン(様々な思惑を抱えつつも…)

アルミン(結局、僕たちはモノクマの提案を受け入れた)

アルミン(そして、まさに今…)

アルミン(全ての謎を解くための捜査が始まろうとしている)

今日はここまで

― 食堂 ―




ミカサ「………………」

ジャン「いよいよだな…」




アルミン(ジャンが誰に言うともなく呟いた)

アルミン(僕たちは今、同じテーブルを囲んで朝食を食べている)

ジャン「モノクマからは何かあったか?」

コニー「いや… いつも通り、起床の
    モノクマアナウンスがあっただけだな」

ヒストリア「…っていうことは、これから
      何かしらの合図があるんだろうね」

アルミン「………………」

アルミン「…みんな、ちょっといいかな?」

コニー「?」

アルミン「多分、これから全ての謎を解き明かすための
     捜査が始まると思うんだけど…」

アルミン「その前に、ちょっと話しておきたいことがあるんだ」

ジャン「…何だよ、改まって」

アルミン「えっと、いくつかあるんだけど…」

アルミン「まずは【1回だけルールを犯す権利】についてだよ」

アルミン「今回、モノクマが50日間のルールを無視したから
     僕らにこういう権利が与えられた訳だけど…」

アルミン「捜査を始める前に、“どのルールを犯すか”を
     決めておいた方がいいと思うんだ」

今日はここまで

コニー「…? どういうことだ?」

アルミン「モノクマが言ってたよね」




モノクマ『ただし、オマエラ全員の中で1回だけ。
     それ以降のルール違反はこれまで通り罰する』




アルミン「ルールを犯していいのは“個人で”1回じゃなくて
     “全員の中で”1回なんだ」

アルミン「だから、何も話し合わないままでいるのは
     まずいと思うんだよ」

ジャン「…なるほど、つまりこういうことか?」

ジャン「何も話し合わないまま各々で勝手にルールを犯しちまったら、
    2回目以降にルールを犯したやつが処刑されちまう…」

ジャン「だから、ここで全員の見解を統一しておく必要がある…
    そういうことか?」

アルミン「うん、もちろんそれもあるんだけど…」

アルミン「それだけじゃないんだ」

ジャン「ん…?」

アルミン「【裏切り者】の存在だよ」

今日はここまで





アルミン『真の【裏切り者】は本当にいる。
     そして、それはライナー、ベルトルト、アニではない…』

アルミン『…それだけわかれば十分だ』




アルミン「モノクマと協力体制にある真の【裏切り者】の存在は
     もはや確定事項と言っていい…」

アルミン「そして、その人物は…
     ライナー、ベルトルト、アニ以外の訓練兵の中にいる」

ミカサ「………………」

アルミン「そんな状況で、【1回だけルールを犯す権利】が
     僕たちに与えられた…」

アルミン「これはかなり危険な状態だと思うんだ」

コニー「…?? す、すまん…
    何が言いたいのかわかんねえんだけど…」

アルミン「つまり、【裏切り者】によって
     モノクマ側に有利なルール違反が為される可能性があるってことだよ」

ヒストリア「…ど、どういうこと?」

アルミン「僕の深読みかもしれないんだけど…」

アルミン「モノクマには“50日間の訓練”以外にも
     犯したいルールがあるんじゃないかって…」

ジャン「…はあ?」

アルミン「モノクマには元々、犯したいルールが2つあった」

アルミン「その1つが、“50日間の訓練”だった…」

アルミン「だけど一度に2回もルールを犯せば、
     さすがに僕らの反発を招きかねない」

アルミン「だから、モノクマはあえて【1回だけルールを犯す権利】を
     僕たちに与えて…」

アルミン「それを【裏切り者】に使わせるつもりなんじゃないかって…
     そう思ったんだ」

ミカサ「…なるほど、その方法なら
    ごく自然に2つのルールを犯すことができる」

ミカサ「まさに、モノクマ側にとっては一石二鳥…」

ジャン「ちょ、ちょっと待てよ… モノクマが
    そこまでして犯したいルールってのは何なんだ?」

アルミン「…それはわからない。そもそも、この推理自体
     はっきりとした根拠がある訳じゃないから」

ジャン「………………」

アルミン「だけど、その可能性を完全に否定することもできない…」

アルミン「だから、僕たちの間で“どのルールを犯すか”を
     予め決めておく必要があると思うんだ」

コニー「…よくわかんねーけど、この場で
    “どのルールを犯すか”を決めようってことだよな?」

アルミン「その通りだよ、コニー」

アルミン「予めみんなで決めておけば、各々が勝手に
     ルール違反をする危険性はなくなるし…」

アルミン「【裏切り者】に対する抑止にもなるからね」

ジャン「…まあ、その方針自体に異論はないぜ」

ジャン「それじゃあ、早速だが… どのルールを犯すんだ?」

■ 兵団規則 ■


1 訓練兵達はこの施設内だけで共同生活を行いましょう。
  共同生活の期限はありません。

2 夜10時から朝7時までを“夜時間”とします。
  夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。

3 就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
  他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。

4 この施設について調べるのは自由です。
  特に行動に制限は課せられません。

5 監督教官ことモノクマへの暴力を禁じます。
 
6 “物体X”の破壊を禁じます。

7 仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、
  自分がクロだと他の訓練兵に知られてはいけません。

8 訓練兵内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、
  訓練兵全員参加が義務付けられる兵団裁判が行われます。

9 兵団裁判で正しいクロを指摘した場合は、
  クロだけが処刑されます。

10 兵団裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、
  クロだけが卒業となり、残りの訓練兵は全員処刑です。

11 訓練兵達は50日間の訓練を行います。
  訓練への参加は強制ではありません。

12 訓練の総合成績が一番優秀だった者には、
  “ファイナルデッドルーム”への挑戦権が与えられます。

13 倉庫から物品を持ち出す際は、
  管理表に必要事項を記入しましょう。返却時も同様です。

14 コロシアイ兵団生活で同一のクロが殺せるのは2人までとします。

15 なお、兵団規則は順次増えていく場合があります。

今日はここまで

ヒストリア「……うーん」

ヒストリア「こうして見ると… 今の状況で、
      違反してメリットのあるルールってあるのかな?」

コニー「こいつなんかどうだ?」




5 監督教官ことモノクマへの暴力を禁じます。




コニー「これが無効になるなら、あいつをやっつけられるんじゃねえか!?」

アルミン「いや、コニー…」

アルミン「それはやめた方が良いと思う」

ジャン「……だよな」

コニー「え!? なんでだよ!?」

アルミン「昨日の裁判でモノクマが言ってたよね」





モノクマ『うぷぷ… そうだよ、ボクはれっきとした人間なんだ』

モノクマ『今更『中の人なんていません!』とか言うつもりはないからね』

モノクマ『ボクはあくまでこの“モノクマ”という器を借りて
     オマエラに接しているだけであって…』

モノクマ『本体はちゃんと他にいるんだよ』



アルミン「モノクマには本体… つまり、それを操っている人間がいる」

アルミン「たとえモノクマに暴力を加えて破壊できたとしても、
     本体である人間には傷一つ付かないよ」

コニー「………………」

アルミン「それに、モノクマはこうも言っていた」





モノクマ『ちょっと暇だった時に、寄宿舎内の通気口内を這って
     スパイごっこをしてたんだ』

モノクマ『そしたら、ちょうどスプリンガーくんの部屋のところで
     動けなくなっちゃって… そのまま乗り捨てたってわけ』




アルミン「あいつは自分の身体を『乗り捨てた』って言ったんだ」

アルミン「つまり… “モノクマ”という器は
     何体ものスペアがある可能性がある」

アルミン「だから、モノクマに1回限りの暴力を振るって
     破壊できたとしても… ほとんど無意味だと思う」

今日はここまで

コニー「そ、それじゃあ… 一体どのルールならいいんだよ?」

ジャン「そこなんだよな…」




2 夜10時から朝7時までを“夜時間”とします。
  夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。

3 就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
  他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。

13 倉庫から物品を持ち出す際は、
  管理表に必要事項を記入しましょう。返却時も同様です。




ジャン「この辺のルールは違反したってどうしようもねえし…」





8 訓練兵内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、
  訓練兵全員参加が義務付けられる兵団裁判が行われます。

9 兵団裁判で正しいクロを指摘した場合は、
  クロだけが処刑されます。

10 兵団裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、
  クロだけが卒業となり、残りの訓練兵は全員処刑です。

14 コロシアイ兵団生活で同一のクロが殺せるのは2人までとします。




ジャン「コロシアイ関連のルール違反は、通常なら考慮してもいいが…」

ジャン「“ファイナルデッドルーム”でのゲーム開始が宣言されてる状態で
    またコロシアイが起きるとは考えにくい…」





11 訓練兵達は50日間の訓練を行います。
  訓練への参加は強制ではありません。

12 訓練の総合成績が一番優秀だった者には、
  “ファイナルデッドルーム”への挑戦権が与えられます。




ジャン「かといって、“ファイナルデッドルーム”関連の
    ルールを無視すれば…」

ジャン「全ての謎を解くチャンスが失われることになる」

アルミン「………………」

ジャン「そう考えると、確かに…」

ジャン「違反してメリットのあるルールはないのかもしれねえな…」

ヒストリア「………………」

ヒストリア「…ねえ、こういうのはどうかな?」

ヒストリア「“ファイナルデッドルーム”でのゲームに勝った場合に
      叶えられる願いを2つ以上に増やす…っていうのは」

アルミン「……えっ?」

ヒストリア「最初の裁判でミーナが言ってたよね」





モノクマ『だけどもし、キミが生きて【巨人に関する重大なヒミツ】を
     持ち帰ったとしたら…どうなると思う?』

ミーナ『…!』

モノクマ『残った人類と力を合わせて、
     【巨人に関する重大なヒミツ】を最大限に活かせば…』

モノクマ『シーナ、ローゼ、マリアの奪還はもちろん…』




モノクマ『巨人そのものを葬り去ることだってできちゃうかもよ?』



ヒストリア「現状の“ファイナルデッドルーム”のルールでは、
      複数の願いを叶えることはできない…」

ヒストリア「だけど、そこを違反対象にすれば…」

ヒストリア「『【巨人に関する重大なヒミツ】を手に入れた上で
      みんなでこの施設を脱出する』っていう2つの願いを選べば…」

ヒストリア「私たちは無事にここから出て、生き残ってる人たちを
      助けられるかもしれないよ!」

ジャン「…お前、正気か?」

ジャン「“ファイナルデッドルーム”のゲームで勝利した場合に
    願いを提示てきるのは成績1位のミカサだけなんだぞ?」

ミカサ「………………」

ジャン「もしミカサが【裏切り者】だったらどうするんだ?
    それこそモノクマ側に有利な状況になっちまうだろうが」

ヒストリア「………………」

ヒストリア「…私は、ミカサが【裏切り者】だなんて思ってないよ」

ジャン「ああ…?」

ヒストリア「というよりも…」

ヒストリア「私は… 本当に【裏切り者】がいるとは思えない」

今日はここまで

ジャン「何を言ってんだ…? モノクマが言ってたじゃねえか」




モノクマ『オマエラの言う真の【裏切り者】とは誰か』




ジャン「“全ての謎”には【裏切り者】の正体も含まれてる」

ジャン「アルミンがカマをかけて、モノクマが――」

ヒストリア「その発言自体がモノクマの罠だとは考えられない?」

ヒストリア「私たちを疑心暗鬼にさせるための…」

ジャン「………………」

ヒストリア「…どうしても信じられないんだ」

ヒストリア「私たちの中にモノクマと通じてる【裏切り者】が
      いるだなんて…」

ミカサ「………………」

ヒストリア「だってそうでしょ?」

ヒストリア「私には、みんなが嘘をついてるようには思えない…」

ヒストリア「みんな必死で… 戦ってるようにしか見えないよ」

今日はここまで

アルミン「……ヒストリア」

アルミン「悪いけど… その意見には賛同できない」

ヒストリア「……え?」

アルミン「僕だって本当は信じたいよ」

アルミン「僕たちの中に【裏切り者】なんかいないって…」

アルミン「みんなが嘘をついてるようには見えない…
     僕も最初はそう思ってた」

アルミン「でも、現実は違った」

アルミン「自らの思惑を隠して僕たちを出し抜こうとした人たちが…
     今まで3人もいたじゃないか」

ヒストリア「…!!」





ミーナ『いい加減にしろよこのもやしが!!』




ユミル『今の私たちに足りないのは信じる心だ』

ユミル『疑うことすら忘れるほどに、バカみたいに信じ抜くこと…
    そうは思わないか?』




アニ『アルミン… みんな…』

アニ『後は任せたからね』



ジャン「…アルミンの言う通りだ」

ジャン「お前の考えは楽観的すぎる…
    事態は常に最悪の方向に捉えるべきだろ」

ヒストリア「………………」

ジャン「『みんなが嘘をついてるようには思えない』とか
    言ってるけどよ…」

ジャン「お前、ユミルとあんなに仲良くしてたのに…
    あいつの嘘を見破れなかったじゃねえか」









ユミル『私がその秘密を明かした時』

ユミル『お前は元の名前を名乗って生きろ』







ヒストリア「……ッ!!」

コニー「…!」ビクッ

ヒストリア「い、今…!!」




ヒストリア「今ユミルは関係ないでしょ!!」



ジャン「…!!」

ヒストリア「あっ……」

ジャン「………………」

ヒストリア「ご、ごめん…」

ジャン「…いや、オレの方こそ」

コニー「え、えーっと…」

コニー「じゃ、じゃあよ… このルールなんてどうだ?」




12 訓練の総合成績が一番優秀だった者には、
  “ファイナルデッドルーム”への挑戦権が与えられます。




コニー「要は【裏切り者】の存在がネックになってるんだろ?」

コニー「だったら、このルールを破っちまって…」

コニー「“一番【裏切り者】じゃなさそうな奴”に
    ゲームの挑戦権を委託するっていうのはどうだ?」

アルミン「……えっ?」

ミカサ「………………」

ジャン「………………」

ヒストリア「………………」

コニー「…あ、あれ?」

コニー「俺、また変なこと言っちまったか…?」

今日はここまで

ジャン「いや… 悪くねえ」

コニー「……え?」

ジャン「お前の言った通り、ここでオレ達の
    大きな足枷になってるのは【裏切り者】の存在だ…」

ジャン「でも、今お前が言った方法なら…」

ジャン「場合によっては、【裏切り者】に対しての
    大きな対抗手段になるかもしれない…」

ヒストリア「……うん」

ヒストリア「確かに… それいいかも」

コニー「え!? マジか!?」

ジャン「ああ、何より…」

ジャン「お前の言う“一番【裏切り者】じゃなさそうな奴”に
    心当たりがあるからな」




アルミン(ジャンの言葉が合図になったかのように、
     みんなの視線が“ある人物”に集中した)

アルミン(……この僕の方に)

今日はここまで

アルミン「……えっ? 僕?」

ジャン「お前が一番可能性低いだろ」

アルミン「ど、どうして…?」

ジャン「【裏切り者】が【裏切り者】の存在を示唆するか、普通?」

ジャン「もし、あの時にお前が言い出さなかったら…」

ジャン「今頃はきっとライナーとベルトルト、
    もしくはアニが【裏切り者】として片付けられてたぞ」

ジャン「それだけじゃない…」

ジャン「オレたちは今までずっと… お前に助けられてきた」

アルミン「……!」

ジャン「オレたちが今こうして生きてるのは、
    お前が真実を言い当て続けてきたからだ」

ジャン「…少なくともオレは、そう思ってる」

アルミン(僕はみんなを見た)

アルミン(そこにあったのは仲間たちの顔だった)

アルミン(今まで共に死線を潜り抜けてきた仲間たちの顔…)

アルミン(その仲間たちが…
     信頼の色を帯びた眼差しで僕を見つめている)

アルミン(そして、その中には… 
     成績1位を勝ち取ったミカサの視線もあった)

アルミン「ミ、ミカサはいいの…?
     ゲームの挑戦権を放棄することになるけど…」

ミカサ「……別に構わない」

アルミン「えっ…」

ミカサ「アルミンには正解を導く力がある」

ミカサ「アルミンなら、もしかしたら…
    私よりも良い答えを出してくれるかもしれない」

今日はここまで

ジャン「…どうやら、満場一致みたいだな」

ミカサ「………………」

ジャン「それなら、オレたちが破るルールはこれで決まりだ」




12 訓練の総合成績が一番優秀だった者には、
  “ファイナルデッドルーム”への挑戦権が与えられます。




ジャン「“ファイナルデッドルーム”での挑戦権を
    成績1位のミカサからアルミンに渡す」

ジャン「…それでいいな?」

ヒストリア「うん…」

コニー「お、おう…」

ミカサ「……わかった」

ジャン「よし、それなら、これから捜査を…」

アルミン「あっ、ちょっと待って」

アルミン「もう1つだけいいかな? 大事な話なんだ」

コニー「…? まだ何かあんのか?」

アルミン「うん、今度は… モノクマの例の発言についてだよ」









モノクマ『この施設には現在、生きた人間が12人います』







ジャン「ああ、あれか…」

ヒストリア「………………」

コニー「あれは… どう考えたって嘘だろ」

アルミン「いや、コニー…」

アルミン「モノクマはあの発言に【嘘偽りは一切ない】と
     言っていたよね?」

コニー「………………」

アルミン「だから、ここはとりあえず…
     あの発言が真実だという前提で話を進めるべきだと思う」

アルミン「…一晩よく考えてみたんだ」

アルミン「あの発言が意味することは何なのか、
     あの発言が真実だという前提なら何が言えるのか…」

アルミン「そして、その前提で考えを進めたら…
     2つの仮説が思い浮かんだんだよ」

コニー「…??」

アルミン「1つ目の仮説だけど…」









アルミン「モノクマの正体である人間は…
     僕たちの中にはいないと思う」







今日はここまで

コニー「…? なんでそうなるんだ?」

アルミン「簡単なことだよ」

アルミン「この監禁生活が始まった初日…」

アルミン「つまり、僕たち12人がまだ誰も死んでいなかった頃…
     モノクマは確かに動いたり喋ったりしていた」

アルミン「モノクマの正体が人間だというなら…
     あの時点で“13人目の人間”が存在したことになる」

ジャン「確かに、そりゃそうか…」

ジャン「つまり、モノクマの正体である人間は
    外部の人間…ってことだよな」

ミカサ「………………」

ヒストリア「その人って… 私たちと関係のある人なのかな?」

アルミン「…それはまだわからない」

アルミン「僕たちが知っている人かもしれないし、
     知らない人かもしれない」

アルミン「あるいは、会ったことはあるけど
     僕たちが忘れてしまっている人なのかも…」

今日はここまで

ミカサ「私たちが忘れてしまっている人間…」

ミカサ「それはつまり…“失われた数年間”で
    会ったことがある人物ということ?」




モノクマ『オマエラの“失われた数年間”に何があったのか?』




アルミン「…可能性の話だよ。断言はできない」

ミカサ「………………」

アルミン「だけど、僕らが記憶喪失だということが
     現実味を帯びてきた今…」

アルミン「その人物は… 多かれ少なかれ
     “失われた数年間”に関わっていると思うんだ」

コニー「…やっぱり俺ら、記憶を無くしてるんだよな?」

ヒストリア「…うん、それは間違いないと思う」

ミカサ「………………」

ヒストリア「時々、知らない光景がフラッシュバックする現象…
      もしかして、みんなも体験してるんじゃない?」

ヒストリア「そして、その現象はどんどん頻度を増している…」





???『おい… 何をする気だ!?』

???『やめろ!!』

???『ごめん… でも…』

???『もう耐えられない…』



ジャン「ああ、間違いねえ…」

ジャン「オレは… マルコを知っている」

アルミン「………………」

ジャン「まだ詳しくは思い出せねえが…
    オレはマルコの死体を見たんだ」

ジャン「顔の半分を喰い千切られたマルコの死体を…」









ジャン『お前…』

ジャン『マルコ……か……?』







今日はここまで

コニー「あれは… 本当にマルコだったのか?」

ジャン「…は?」

コニー「だ、だってよ… おかしくねえか?」

コニー「俺だってマルコのことは知ってる…
    いや、思い出したんだ」

コニー「あいつがもうこの世にいないってことを…」

コニー「なのに、あいつは昨日死んだ」

コニー「俺たちの目の前で… アニと一緒に巨人に喰われただろ?」

ジャン「………………」

コニー「な、なあ… 俺、別に変なこと言ってねえよな?」

コニー「なんで… 既に死んでるはずのマルコが
    昨日また死んだんだよ…?」

今日はここまで

アルミン「……コニー」

アルミン「今はやめよう」

コニー「えっ…」

アルミン「その答えは多分… 
     いくらここで考えても出ないよ」

アルミン「おそらく、それもまた“全ての謎”に
     含まれる内容だと思うから…」

コニー「………………」

アルミン「それよりも、みんなに聞いて欲しいことがあるんだ」

ジャン「何だよ、まだ何かあるのか?」

ミカサ「…そういえば、アルミンは仮説が2つあると言っていた」

ミカサ「1つ目は“モノクマの正体である人間が私たちの中にいない”
    という話だったけど… もう1つは何なの?」

アルミン「うん、あのね…」









アルミン「この施設には… 僕たちの他にも
     囚われている人たちがいると思うんだ」







ミカサ「…!?」

ヒストリア「……え?」

アルミン「理詰めで考えてみたんだ」

アルミン「まず、モノクマの例の発言が真実だとするよ…」









モノクマ『この施設には現在、生きた人間が12人います』







アルミン「この施設には生きた人間が12人いる…」

アルミン「その言葉を額面通りに受け取れば、
     可能性は2つに絞られることになる」

アルミン「つまり、今まで死んだみんなが実は生きているか…」

アルミン「あるいは、僕たちの他にも知らない人間がいるか…」

ミカサ「………………」

ジャン「………………」

アルミン「死んだみんなが生きているっていう可能性も考えてみたけど…
     やっぱりあり得ないと思うんだ」

アルミン「僕たちはこの目で… みんなが死ぬところを見たんだから」









アルミン『エレン!!!!』




ミーナ『イヤだぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁあああ!!』




ユミル『グッ……アァ……』




サシャ『ん゛ん゛ん゛ん゛んんんんんんんん~~~~!!!!』















アニ『ベル…トルト…?』




アニ『あの時は…』

アニ『ごめ…』







今日はここまで

コニー「で、でもよ…」

コニー「この施設の中は散々見て回ったけど…
    俺たちの他には誰もいなかったじゃねえか」

アルミン「全部を見たわけじゃない」

コニー「…え?」

アルミン「鍵がかかって入れなかった建物…
     まだあったよね?」

ヒストリア「う、うん… 確かあと2か所くらい…」

ミカサ「つまり、その中に監禁されているというの?
    私たち以外の人間が…」

アルミン「可能性はあるよね」

アルミン「…というか、考えられる可能性って
     それしかないと思うんだ」

ミカサ「………………」

ヒストリア「だ、だけど… 
      鍵がかかってるんじゃどうしようも――」

今日はここまで









「キーン、コーン… カーン、コーン」




モノクマ『えー、施設内放送でーす』

モノクマ『これより、“ファイナルデッドルーム”における
     命がけのゲームのための捜査開始を宣言します』















モノクマ『なお、このゲームでは公平を期すために
     施設内のドアのロックを全て解除いたしました』

モノクマ『また、繰り返しになりますが…』

モノクマ『施設内に存在する手がかりには【嘘偽りは一切ございません】』

モノクマ『それでは、全ての謎を解き明かせるように
     頑張ってくださーい!』







ミカサ「ドアのロックを全て解除…?」

ミカサ「つまり、今まで入れなかった場所には
    全て入れるようになったということ…?」

ジャン「…ふん、ずいぶんとタイミングがいいな」

アルミン「………………」

ジャン「ちょうどいい… 今のアルミンの説を確かめるために
    鍵のかかってた建物を調べてみようじゃねえか」

ヒストリア「いよいよ、始まるんだね…」

ジャン「ああ、泣いても笑ってもこれが最後の闘いだ」

ミカサ「………………」

ジャン「さあ、始めようじゃねえか…
    全ての謎を解き明かすための捜査を」









―  捜 査 開 始  ―







今日はここまで

― 訓練所 ―




アルミン(朝食を終えた僕たちは、みんなで食堂を出た)




ジャン「さてと… どうするかな」

コニー「は? どうするって、捜査を始めるんだろ?」

ジャン「そうじゃねえ。捜査の人数の割り振りをどうするかって話だ」

ジャン「これから俺たちはたったの5人で
    施設内の全域を捜査することになる」

ジャン「当然、1人ずつ手分けした方が効率がいいだろう」

コニー「そういう事か! だったら早速分担を…」

ジャン「馬鹿、最後まで話を聞け」

ジャン「全員バラバラになったらなったで、
    ある心配事が出てくるだろうが」

アルミン「【裏切り者】の存在だね?」

ジャン「ああ、そうだ」

コニー「…? どういう事だ?」

アルミン「僕たちの中に【裏切り者】がいるっていう話は
     さっきもしたよね?」

アルミン「そして、その状況で1人1人が自由に
     行動できるようにしてしまったら…」

アルミン「【裏切り者】が何かよからぬ行動を取るんじゃないか…
     そういう事だよ」

今日はここまで

コニー「な、なるほど… 
    じゃあ、全員でまとまって行動するのか?」

ジャン「いや、それも微妙だ」

コニー「は…? な、なんでだよ?」

ジャン「全員まとまって行動すれば、当然捜査の効率は落ちる…」

ジャン「制限時間がわからない以上、全ての場所を見終える前に
    タイムアップになる可能性があるからだ」

コニー「な、なんだそりゃ… じゃあどうするんだよ?」

ヒストリア「うーん、それなら真ん中を取ろうか?」

ヒストリア「私たちは今5人だから…
      2人と3人のグループに分かれるとか」

ジャン「ああ、それがいいだろうな。人数のキリは悪くなるが…」

アルミン「いや、今回はバラバラに行動しよう」

ジャン「…は?」

コニー「え? い、いいのか?」

アルミン「うん、僕の考えだけど…」

アルミン「この状況で【裏切り者】がよからぬ行動を
     取る可能性は低いと思うんだ」

今日はここまで

ミカサ「…どうして?」

アルミン「モノクマの意に反するからだよ」

アルミン「どういう理由か知らないけど、モノクマは
     僕たちに全ての謎を解かせたがっている…」




アルミン『お前は… 全ての謎を解かれても構わないと思っているのか?』

モノクマ『…? 妙な質問だね』

モノクマ『その質問に答えるなら、まあ… そういうことになるね。
     そうでなきゃ、こんなこと言わないもんね』



アルミン「そんな状況で、【裏切り者】がよからぬ行動…」

アルミン「例えば、謎を解くための手がかりを隠ぺいするような
     行動を取るとは思えないんだ」

ジャン「………………」

アルミン「それに、ジャンが言うように、僕たちに
     与えられた制限時間がわからないということもある…」

アルミン「だから、ここは全員バラバラに分かれて
     効率的に捜査を進めるべきだと思う」

今日はここまで

ミカサ「………………」

ジャン「…まあ、効率的に捜査できるっていうのには同意するけどよ」

ジャン「本当に大丈夫なのか?【裏切り者】を野放しにしておいて…」

アルミン「うん、だから今は…」

ミカサ「…待って」

ミカサ「私はアルミンと一緒に行動する」

ヒストリア「えっ…?」

ジャン「…おい、今の話を聞いていなかったのか?
    全員バラバラで行動した方がいいって…」

ミカサ「よくない。みんなは大事な可能性を忘れている」









ミカサ「もし、アルミンが【裏切り者】だったらどうするの?」







今日はここまで

ヒストリア「…!?」

アルミン「えっ…」

ジャン「…おい、その話ならさっきもしただろうが。
    アルミンが一番【裏切り者】の可能性が低いって…」

ミカサ「可能性が低いというだけで、ゼロではないはず」

ジャン「あのなあ… 第一、お前だって納得して
    “ファイナルデッドルーム”での挑戦権をアルミンに渡したんだろ?」

ミカサ「それとこれとは話が別。少しでも可能性がある以上は
    しっかりと考慮しなければならない」

ミカサ「それに… みんなは気が付かないの?」

ミカサ「この可能性が最も危険なものであることに」

コニー「…?? ど、どういう意味だ?」

ミカサ「アルミンはこのメンバーの中では一番頭が切れる。
    その上、メンバーからの信頼も厚い」

ミカサ「そんな状態で“ファイナルデッドルーム”での挑戦権が譲渡された」

ミカサ「そして今、アルミンは…
    【裏切り者】が有利に動けるような単独行動を提案している」

アルミン「…!!」

ミカサ「もし、アルミンが【裏切り者】だったら…
    これ以上ないほど危険な状況だとは思わない?」

ヒストリア「そ、それは…」

ジャン「………………」

コニー「………………」

今日はここまで

ミカサ「…だから、みんなに提案がある」

ミカサ「私とアルミンだけ一緒に行動して、あとの3人はバラバラに行動すればいい」

ヒストリア「………………」

ミカサ「こうすれば、【みんなから一番疑われている私】と…」

ミカサ「【みんなから一番疑われていないけど、一番危険性のあるアルミン】の相互監視ができる」

ジャン「…ああ、わかったよ。それでいい」

コニー「えっ… い、いいのか?」

ジャン「ミカサの言う事にも一理ある。確かにその方法なら、
    危険な可能性を潰した上で効率的な捜査ができる」

ジャン「それに… こうやって、いつまでも話してても仕方ねえんだ。
    時間は限られているんだからな」

ミカサ「アルミン、いい?」

アルミン「…わかった、いいよ」

ジャン「よし… それじゃあ、随分と話し込んじまったが…」

ジャン「いい加減に捜査を始めるぞ。まずは担当確認からだ」

今日はここまで

次回以降は毎週日曜日に投稿します

  施設の特徴


・ 地下3メートルに巨大な鉄板?

・ 屋外をそのまま建物で囲った構造




  施設内の場所


・ 訓練所
 
・ 食堂・調理場(食糧が充実)

・ 寄宿舎(大浴場、各々の個室がある)

・ 倉庫(訓練道具、生活用品、薬品類などが充実)

・ 飼育小屋(牛、豚、羊、ニワトリ、馬などを飼育)

・ ライブハウス(演奏用のステージがある)

・ 書庫(鍵のかかった扉がある。1つは解放済み)

・ 溶鉱炉

・ 研究開発所(作りかけの装置などがある)

・ 観測所(天気の予想をしている)

・ 林(死者の名前が記された石碑がある)

・ 赤い扉(裁判場に続く昇降機への入り口)

・ 裁判場

・ その他、鍵のかかっている箇所

ジャン「…これが現在わかっている施設内の建物だな」




・ その他、鍵のかかっている箇所




ジャン「この鍵のかかっている箇所…
    確か、あと2つくらいあるって言ってたな?」

ヒストリア「う、うん…」

ジャン「それなら、調べるのはその2つだ。手分けするぞ」

コニー「鍵のかかっている場所ならもう1つあるんじゃねえか?」




・ 書庫(鍵のかかった扉がある。1つは解放済み)




コニー「前回の探索でジャンが調べた書庫に、
    まだ入れない場所があるって言ってよな?」

ジャン「…ああ、そういえばそうだった。
    それじゃあ、鍵のかかった場所は全部で3つか…」

ヒストリア「それなら、その3か所に1人ずつあてようか?」

ジャン「それがいいだろうな。そこでアルミンの言ってた
    生存者と手がかり探しだ」

コニー「だけど、それだけだと人数余っちまわねえか?
    捜索隊は全部で4グループだろ?」

ジャン「ああ、だが他に場所がねえな。どうするか…」

アルミン「それじゃあ、僕は今までの事件現場を
     もう一度当たってみるよ」

コニー「…え?」

アルミン「モノクマが言ってた“全ての謎”の1つに
     こういうものがあった…」




モノクマ『3つの事件に隠された真実は何か』




アルミン「あれはつまり、今までの3つの事件で
     見逃している部分があるってことだと思うんだ」

アルミン「だから、今までの事件に関係する場所をもう一度回って
     隠された手がかりがないか探してみようと思う」

アルミン「…ミカサもそれでいいかな」

ミカサ「…わかった。ついて行く」

ジャン「よし、それじゃあ決まりだ」

ジャン「オレ、コニー、ヒストリアの3人で鍵のかかった3か所の捜査、
    アルミン、ミカサの2人で今までの事件現場の捜査…」

ジャン「これでいいな?」

ヒストリア「うん」

コニー「おう!」

ジャン「じゃあ行くぞ… 捜査開始だ!」




ダッダッダッ




アルミン(ジャンの掛け声と同時に、僕とミカサ以外の3人は
     それぞれの場所へと駆けて行った)




アルミン「………………」

ミカサ「………………」

ミカサ「…アルミン」

ミカサ「さっきはごめん」

アルミン「…えっ?」

ミカサ「私の発言でアルミンに不用意な疑惑を向けさせてしまった」

アルミン「別にいいよ。ミカサの言う事ももっともだし…」

ミカサ「…あれは本心じゃない」

アルミン「…えっ?」

ミカサ「私は… アルミンを本気で疑ってるわけじゃない」

ミカサ「むしろ、この中の誰よりも信頼している」

アルミン「じゃあ、どうしてあんなことを…?」

ミカサ「…半分は、腹いせ」

アルミン「…?」

ミカサ「私には叶えたい願いがあった」

ミカサ「だけど、その機会をアルミンに奪われた」

ミカサ「…だから、その腹いせ」

アルミン「…もう半分は?」

ミカサ「………………」

ミカサ「…見届けたいと思ったから」

アルミン「えっ…?」

ミカサ「ジャンも言ってたけど、私たちは何度もアルミンに救われた」

ミカサ「その頭脳に、慧眼に… 命を救われてきた」

ミカサ「…私たちの身に何が起こっているのか」

ミカサ「全ての謎を知りたいという気持ちは、私も同じ」

アルミン「………………」

ミカサ「だから、私は見届けたい」

ミカサ「あなたがどうやって今回の大きな謎に立ち向かうのか」

ミカサ「あなたのそばで… 見届けてみたい」

アルミン「…わかったよ、ミカサ」

ミカサ「………………」

アルミン「それじゃあ行こう」

アルミン「まずは、1番目の事件…」

アルミン「エレンが殺された現場だ」

今日はここまで

アルミン(姿勢制御の訓練を行う装置…)

アルミン(そして、その下の地面に埋め込まれた歪な石…)

アルミン(よく見ると、石の吐出部には
     赤黒く固まったエレンの血がそのまま残っていた)

アルミン(エレンの死の痕跡が… 生々しく残されていた)

アルミン「…ん?」




アルミン(そこで僕はあるものに気付く)

アルミン(それは、事件捜査当時にはなかったもの…)

アルミン(白い花の束だった)

ミカサ「その花は私が供えたの」

アルミン「えっ…?」

ミカサ「私がエレンにしてあげられるのは、それくらいしかないから…」




アルミン(そう言ってミカサは目を伏せる)

アルミン(その表情の下にあるのは、怒りか、悲しみか…
     今の僕にはわからなかった)

アルミン「その花はどこから?」

ミカサ「林の一角に花畑がある。アニに教えてもらった」

アルミン「えっ、アニに…?」

ミカサ「元々、ここの花はアニが供えていた。
    それで… 場所を教えてもらった」

アルミン(アニがここに花を…?)




アルミン「………………」

ミカサ「…アルミン、どうしたの?」

アルミン「…ううん、何でもないよ」

アルミン「それよりも今は… この事件の検証をしよう」

今日はここまで

アルミン「この事件が起こったのは、ここでの監禁生活が
     始まってからわずか4日目のことだった」

アルミン「3日目に行われた姿勢制御の訓練が上手くできなかった
     エレンは、成績上位者だったミーナに頼み込んで…」

アルミン「夜中に2人きりで練習する約束をした」




エレン『悪いなミーナ…こんな遅くに付き合わせちまって』

ミーナ『それは言わない約束でしょ。ほら、もっとシャキッとする!』



アルミン「エレンの姿勢制御が上手くできなかった理由は、
     金具の不具合のせいだった」

アルミン「そして、エレンの金具に不具合があったことは
     エレンもミーナも知らなかった…」

ミカサ「………………」

アルミン「そして、そのせいで…」

アルミン「ミーナが装置のクランクを回してエレンを宙に浮かせた途端、
     エレンは体勢を崩して地面に頭を打ってしまったんだ」

アルミン「それを見たミーナは、急いでエレンを助け起こそうとした」

アルミン「だけど、そこにモノクマが現れて…」

アルミン「ミーナを唆し、エレンを殺すように仕向けたんだ」

アルミン「最初はためらっていたミーナだけど、
     生き残っているという家族の話を持ち出されて…」

ミカサ「やめて」

アルミン「………………」

ミカサ「…それ以上、聞きたくない」

今日はここまで

アルミン「…ミカサ」

アルミン「気持ちはわかるけど… これは大事なことなんだ」




モノクマ『3つの事件に隠された真実は何か』




アルミン「さっきも話した通り、今までの事件には
     僕たちの見逃している部分がある…」

アルミン「それを探り出すには、こうやって
     事件を丁寧に振り返る必要があるんだよ」

アルミン「…僕だって辛いよ」

アルミン「エレンとの付き合いは、ミカサよりも長かったから…」

ミカサ「………………」

アルミン「だから、今は我慢してほしい」

アルミン「僕と一緒に… 見逃している部分を見つけてほしいんだ」

ミカサ「………………」

ミカサ「…わかった」

アルミン「…ところで、ミカサは気付いた?」

アルミン「この事件には… 他の事件とは
     決定的に違う点が2つあるんだ」

ミカサ「…決定的に違う点?」

アルミン「1つは、これが【突発的な犯行】だっていう事だよ」

アルミン「他の2つの事件は、どちらも
     【入念な計画を練った犯行】だったけど…」

アルミン「この事件に関してはそうじゃない」





ミーナ『できないよ…私にはできない…!』ポロッ…

ミーナ『私は…人殺しなんかじゃない…!』ポロポロ




アルミン「ミーナには元々、エレンを殺す気がなかった」

アルミン「モノクマに殺人を唆された後も、最後の最後まで躊躇っていた」

ミカサ「………………」

アルミン「そう、それが2つ目の決定的に違う点…」

アルミン「【モノクマの介入】だ」

アルミン「モノクマが自ら介入したのはこの事件だけなんだ」

ミカサ「モノクマの介入なら、前回の事件だって…」

アルミン「あれはアニが“モノクマを利用した”だけだよ。
     自ら介入したわけじゃない」

ミカサ「………………」

アルミン「どうも引っかかるんだ…」

アルミン「この事件にだけ見られる特徴に…」

ミカサ「…引っかかるといえば、ミーナとモノクマの
    証言の違いも気になる」

アルミン「えっ…?」

ミカサ「兵団裁判のとき、ミーナはモノクマに
    殺人を唆されたと証言した」

ミカサ「それに対してモノクマは、
    そんなことはしていないと証言した」

ミカサ「2人の証言はまるで噛み合っていなかった」





モノクマ『それにしてもさ…よくそんな言い訳しようと思ったね。
     そんなのボクがいれば、すぐにウソだってバレるのに』

ミーナ『な…な…何…言ってんのよ…』

ミーナ『あんたが私に言ったんじゃない!
    あんたの話を聞いたから私は!!』







コニー『…なぁ、さっきから…全然訳わかんねえぞ…』

コニー『ウソだって言うのか…? 今の話が全部…?』

ミーナ『ち、違う!それだけは違う!私は本当に…!』

モノクマ『はいはい。狼少年がいくら吠えたところで
     説得力なんかないから』

ミーナ『全部あんたが…!!あんたが…ッ!!』



ミカサ「それだけならまだいい…」

ミカサ「だけどモノクマは、ミーナの証言の一部が
    事実であることを認めた」

ミカサ「つまり、調査兵団が全滅したこと、
    人類の大半が死滅したこと…」

ミカサ「全ての壁が破られたこと、
    私たちが数年間の記憶を失っていること…」

ミカサ「それらに関しては本当のことだと認めた」





モノクマ『ボクがカロライナさんの殺人を促したという事実はありません。
     あれは全て、彼女がでっち上げた苦しい言い訳です』

モノクマ『しかしながら…』




モノクマ『調査兵団が全滅したこと』

モノクマ『人類の大半が死滅したこと』

モノクマ『全ての壁が破られたこと』

モノクマ『そして、オマエラが数年間の記憶を失っていること』








モノクマ『それらは全部、本当のことでーす!!』







ミカサ「2人の噛み合わなさと、一部の証言の奇妙な一致…」

ミカサ「私はそこが引っかかる」

アルミン「それは… モノクマが嘘を吐いていたんだよ」

アルミン「ミーナがモノクマと会っていたのは本当で、
     そこでモノクマが例の話をミーナに聞かせて…」

アルミン「………………」

ミカサ「…? アルミン?」

アルミン「いや、違う…」

アルミン「どうしてモノクマはあんな嘘を吐いたんだ…?」

ミカサ「…えっ?」

アルミン「そうだ… そうだよ、ミカサ…」

アルミン「モノクマにはあんな嘘を吐く必要なんてなかったんだ」




モノクマ『つまりですね、“カロライナさんがボクに唆された”
     っていうのはウソだけど…』

モノクマ『“カロライナさんが話した内容自体”はホンモノなの!!』







アルミン『だったら…だったらどうして、
     ミーナはその事を知っていたんだよ!』

モノクマ『さあね。テキトーに練った設定が
     たまたま当たってたんじゃない?』

アルミン『そんな都合のいい話がある訳ないだろ!!』




アルミン「ミーナが適当に作った話がたまたま本当のことだった…」

アルミン「いくらなんでも、それは無理があり過ぎる。
     嘘にしては出来が悪過ぎる…」

アルミン「何より、そんな見え透いた嘘を
     モノクマがわざわざ吐くメリットがない…」

ミカサ「それなら… モノクマの証言は本当だったというの?
    ミーナの証言が嘘だったと?」

アルミン「いや… それこそおかしいよ」

アルミン「それだと、『ミーナが適当に作った話が
     たまたま本当のことだった』というのが事実になってしまう…」

アルミン「そんなの… どう考えたってあり得ないじゃないか」

ミカサ「…どういう事? どっちの可能性も変だと言うの?」

アルミン「………………」

ミカサ「…アルミン?」

アルミン「…ダメだ、これ以上考えても出てこない」

アルミン「次の事件現場に行ってみよう」

今日はここまで

― ライブハウス(ユミルの殺害現場) ―




アルミン(次に僕たちがやって来たのは、ライブハウスだった)

アルミン(この場所こそが、第2の事件現場…)

アルミン(ユミルが死んだ場所だ)









ユミル『ヒ……スト……リ……』








ユミル『ァ……』







ミカサ「…私はあの場にいなかったから、
    この事件が起きた時の様子は見ていない」

ミカサ「モノクマアナウンスが聞こえて来てみたら、
    みんなが騒然としていた」

アルミン「…そういえば、そうだったね」

アルミン「それじゃあ、あの時の説明も含めて…
     この事件を振り返ってみようか」

今日はここまで









モノクマ『“こんなにも簡単にコロシアイが起きる”…そういう事でしょ?』







アルミン「エレンの事件の後、僕たちの雰囲気は最悪だった…」

アルミン「実際にコロシアイが起きてしまった事が受け入れられず、
     ショックで疑心暗鬼に陥っていた」

アルミン「そんな一触即発の状態から僕たちを救ってくれたのが…」

アルミン「サシャのあの発言だった」









サシャ『パーティーを開きましょう!!』







アルミン「このライブハウスで、全員で役割分担をして
     パーティーを開催する…」

アルミン「それがサシャの提案だった」

アルミン「そうすることで、少しでも
     僕たちの気を紛らわそうとしてくれたんだと思う」

ミカサ「………………」

アルミン「だけど、そのパーティーは…」

アルミン「結果的に悪夢の舞台へと変わってしまった」





ユミル『うぐっ…!?』




ドサッ




サシャ『?』

ベルトルト『…え?』




ユミル『…! …ッ!!』




クリスタ『ユミル…?』







ユミル『……ウ……ァ……』




クリスタ『ユミル!?』




ユミル『グッ……アァ……』




アニ『…!!』

ライナー『な…なんだ!?』



今日はここまで

アルミン「悪夢を企てたのはユミルだった」

アルミン「ユミルは倉庫から持ち出した
     『モノクマ特製魔法の粉(A~C粉)』という薬品を使って…」

アルミン「ヒストリアに自分自身を殺させるという計画を立てていた」

ミカサ「………………」

薬品 NO.22~24

モノクマ特製魔法の粉(A~C粉)


この“魔法の粉”は非常に強力なので、取扱いにはご注意ください。
粉は全部で3種類あり、単体では滋養強壮剤として機能します。

しかし、それぞれに特定の処置を施し、かつ適切に組み合わせることで、
様々な特性を備えた毒物へと変化させることができます。

なお、これらはニンゲンをはじめ、あらゆる生物に作用します。


A粉

純度50%以上のエタノールに溶かすことによって、物質A-2へと変化します。
A-2自体は毒にも薬にもなりませんが、C粉を摂取した状態で服用すれば
強力な毒薬として機能します。

B粉

5分間ビンのまま加熱することによって、B-2粉へと変化します。
B-2粉自体は毒にも薬にもなりませんが、C粉を摂取した状態で服用すれば
強力な毒薬として機能します。

C粉

服用することによって、体内での合成を経て物質C-2へと変化します。
C-2は身体のあらゆる細胞に染み渡り、その機能を活性化させます。

ただし、活性化した状態(服用後1時間~24時間)で
絶対にA-2やB-2粉を摂取しないでください。

摂取した場合、以下のような症状に襲われます。

A-2 を摂取した場合:摂取直後に多臓器不全に陥ります。
B-2粉を摂取した場合:摂取後10~30分で多臓器不全に陥ります。

いずれの場合も、副作用として身体組織の肥大化や変色が生じます。

アルミン「ユミルの計画はこうだ」

アルミン「まず、ユミル自身があらかじめ
     倉庫でC粉を摂取しておく」

アルミン「次に、パーティーの【調理係】だったヒストリアに
     A粉を使った肉のパイ包みのソースを作らせる」

アルミン「実は、A粉は特定の溶媒に溶かすことによって
     調理用のソースを作ることができるんだ」

アルミン「ユミルはそれが毒薬である事を隠したまま、
     ヒストリアにソース作りをさせた…」









薬品 NO.22

モノクマ特製 ソースの素




単体では滋養強壮剤として機能しますが、特定の液体に
溶かすことによって様々なソースを作ることができます。

なお、溶媒とする液体の種類によって作れるソースが変わります。


(Ⅰ)水 … キャラメルソース

(Ⅱ)エタノール(純度50%以上) … ブラウンソース







今日はここまで

アルミン「それによって、ヒストリアがユミルに毒を盛ったことになり、
     結果的にヒストリアをユミルを殺したクロにできる」

アルミン「ヒストリアが気付かないうちにヒストリア自身をクロにする…
     それがユミルの計画だった」

ミカサ「………………」

アルミン「だけど、その計画の途中で…」

アルミン「ユミルにとって予想外のことが起きていた」





ポタッ




コニー『なん…で…だよ…』

コニー『なんで…酒なんて飲んでいられるんだよ…』




ポタポタ




コニー『なんで…この状況で…』

コニー『笑っていられるんだよッ…!』



今日はここまで

アルミン「計画の3日前、このライブハウスで事件が起きていた」

アルミン「メンバーの何人かがこの場所で酒盛りを始めて…」

アルミン「その最中に、コニーが酒瓶でジャンの頭を殴りつけたんだ」

ミカサ「………………」

アルミン「原因は、さっきも言ったけど、
     エレンの事件の後に漂っていた一触即発の雰囲気…」

アルミン「サシャがパーティーの開催を提案したのも、
     その事件がきっかけだった」

アルミン「ユミルにとって予想外だったのは、
     その事件の後にサシャが取った行動だった」

アルミン「事件の原因がお酒にもあると考えたサシャが、
     このライブハウス内の酒をすべて水と入れ替えたんだ」

ミカサ「…私が見つけた手掛かりだね」

アルミン「うん… 実際、裁判中にミカサが提示するまで
     みんな気付いていなかった」

アルミン「そしてそれは、ユミルも同様だった…」

今日はここまで





A粉

純度50%以上のエタノールに溶かすことによって、物質A-2へと変化します。
A-2自体は毒にも薬にもなりませんが、C粉を摂取した状態で服用すれば
強力な毒薬として機能します。




アルミン「ユミルが使おうとしていたのはA粉だ」

アルミン「それを毒薬にするためには、純度50%以上の
     エタノールに溶かす必要がある…」

アルミン「それでユミルが使おうとしていたのが、
     このライブハウスにあるお酒だったんだ」

アルミン「ユミルはここからお酒のボトルを持ち出した」

アルミン「それが、サシャによって入れ替えられた水だとも知らずに…」

ミカサ「………………」

アルミン「結果として、ユミルはヒストリアに
     毒薬を作らせることができなかった」

アルミン「それだけならまだよかった。事件も何も起こらなかったはずだ」

アルミン「だけど、ユミルにとって予想外の出来事はまだ続いていた…」

今日はここまで





ガチャ




クリスタ『…サシャ?』

サシャ『!?』

クリスタ『ちょっ… 何してるの!?』

サシャ『ク、クリスタ…?』

サシャ『あっ… い、いや、これはですね…』

クリスタ『…まさか』

クリスタ『食べちゃったの!? あれ全部!?』

サシャ『え、えーっと… その…』







サシャ『す、すみません! 美味しそうだったのでつい!』

クリスタ『あっきれた… ユミルと一緒に頑張って作ったのに』

サシャ『ひぃぃぃ! ご、ごめんなさああああい!』

クリスタ『…いずれにせよ、このままじゃまずいね』

クリスタ『私はともかく、ユミルが知ったらどんなに怒るか…』







サシャ『ど、どうすれば…』

クリスタ『…仕方ない』

クリスタ『作り直そう』

サシャ『えっ…』

サシャ『で、でも、今は夜中だから調理場には…』

クリスタ『大丈夫。幸い、残った材料も
     悪くならないようにここに運び込んであるから』

クリスタ『あっ、でも砂糖だけ足りないかな…
     …そうだ』







クリスタ『これを使おう』

サシャ『…?? そのビンは…』

クリスタ『『モノクマ特製 砂糖の素』!
     なんとこの粉、火にかけると砂糖になるらしいよ』

サシャ『…!?』

クリスタ『実は今日、ユミルに似たような薬品を使った
     料理用のソース作りをお願いされてさ』

クリスタ『その時に見つけたんだ、これ』







クリスタ『ユミルも使わないって言ってたし、いいよね。
     これ全部使っちゃおう』

サシャ『あ、ありがとうございます!じゃあ早速…』

クリスタ『頑張ってね、サシャ』

サシャ『え!? …ま、まさか、私1人でやれと!?』

クリスタ『当たり前でしょ!
     そもそも悪いのはサシャなんだよ!?』

クリスタ『自分でパーティー開くとか言っておいて、
     料理つまみ食いするとかあり得ないでしょ!』

サシャ『うっ…』







クリスタ『…まあでも、さすがに作り方くらいは教えてあげるよ。
     同じように作らないとユミルにバレちゃうしね』

サシャ『………………』

クリスタ『ほら、朝にならないうちにやるよ!』

サシャ『はぁい…』



アルミン「パーティーの前の夜中… サシャが倉庫にあった
     完成済みのケーキを平らげてしまったんだ」

アルミン「そこへ偶然やってきたヒストリアに見つかり…」

アルミン「サシャはヒストリアに作り方を教わりながら
     一からケーキを作り直した」

アルミン「B粉を加熱して作った砂糖を使って…」









薬品 NO.23

モノクマ特製 砂糖の素




単体では滋養強壮剤として機能しますが、5分間ビンのまま
加熱することによって砂糖のように甘い粉末へと変化します。







今日はここまで

アルミン「毒薬として作用しなかったA粉と、
     毒薬として作用してしまったB粉…」

アルミン「それらは2つとも、サシャの行動に起因するものだった…」

ミカサ「………………」

アルミン「結果的に、ヒストリアをクロにするという
     ユミルの計画は阻害され…」

アルミン「代わりにクロになってしまったのはサシャだった」

ミカサ「…あの結末は、本当に予想外だった」

アルミン「うん… 事件を企てたユミルを含めて、
     誰も予想できない結末になったよね…」

ミカサ「………………」

アルミン「サシャは表向きは加害者だけど…
     一番の被害者でもあったんだ」

アルミン「あんなの本当に… 誰も望んでいなかった」

アルミン「これが2つ目の事件の全貌…」

アルミン「ミカサ… ここまでで何か気になることはない?」

ミカサ「気になること…」

アルミン「………………」

ミカサ「………………」

今日はここまで

ミカサ「…一番気になるのは、やはりユミルの動機」




モノクマ『ところでさあ、裁判は無事に終わったわけだけど、
     まだ最大の謎が残ってるよね』

ライナー『…最大の謎?』

モノクマ『ユミルさんの動機だよ』

モノクマ『だって不思議じゃない?
     たかだか記憶を取り戻した程度で…』











モノクマ『どうしてレンズさん以外の全員を殺そうとしたんだろうね?』







ミカサ「モノクマは、ユミルが記憶を取り戻したせいで
    ヒストリア以外の全員を殺そうとしたと言っていた」

アルミン「………………」

ミカサ「『たかだか記憶を取り戻した程度』…
    モノクマはそう言っていたけど…」

ミカサ「ユミルにそこまでさせた記憶というのは…
    一体何だったの?」

今日はここまで

乙です
冒頭のシーンのような原作の新情報違和感なく入れてたり、ss内にまだ仕掛け入れてたり驚きばかり
主どこか別の場所で本編の考察について話してたりしてませんか?少し考察を聞いてみたいだけなので答えずスルーしてくださって結構です

アルミン「…違うよ、ミカサ」

ミカサ「…え?」

アルミン「ユミルの目的は僕たちを殺すことじゃなかった…
     それはアニも言っていたじゃないか」




アニ『落ち着きなよ』

アルミン『ア、アニ…?』

アニ『わからないの? モノクマは私たちを惑わそうとしているだけ』

アニ『ユミルの目的はクリスタをここから救い出す事…
   それ以上でもそれ以下でもないよ』



ミカサ「だけどモノクマは…」

アルミン「ミカサはアニよりもモノクマを信じるの?」

ミカサ「………………」

アルミン「昨日の裁判でも言ったけど、アニとモノクマは
     協力体制にある関係じゃなかった…」

アルミン「つまり、敵対していたんだ。
     真実を言っていたのは… やっぱりアニの方だよ」

ミカサ「…随分とアニの肩を持つようだけど」

ミカサ「アニだって私たちを裏切った… その事実は変わらない」

アルミン「………………」

ミカサ「それに、その言い方…」

ミカサ「まるでアニが、ユミルの真意を知っていたかのよう…」

アルミン「…多分、知っていたんだろうね」

アルミン「ミカサの言う通り、この事件で一番気になるのは
     ユミルの動機だ」

アルミン「たとえ、ユミルの目的がヒストリアをここから
     救い出す事だったとしても…」

アルミン「ユミルをそこまでさせた記憶が
     事件の重要な鍵になっているのは変わらない」

アルミン「そして、その記憶というのはおそらく…
     僕たちが今探し求めているものだ」




モノクマ『オマエラの“失われた数年間”に何があったのか?』




アルミン「その謎を解くことが…
     この事件の真相に繋がるんだと思う」

ミカサ「………………」

今日はここまで

>>259
考察については特に話していませんが、話は常に追い続けています

ミカサ「…アルミンは何かないの?
    気になることや気付いたことは…」

アルミン「うーん…」

アルミン「僕は… ヒストリアの発言が気になったかな」

ミカサ「…ヒストリアの?」

アルミン「いや… 正確には、ユミルの発言って
     言った方がいいかもしれないけど…」





ガチャ




ユミル『…何だよ、こんな時間に』

クリスタ『何だよって… 約束してたじゃない。
     今晩お泊まり会やろうって』

ユミル『………………』

クリスタ『サシャは来れないらしいから、
     結局2人だけになっちゃうけど…』

クリスタ『…もしかして忘れてた?』

ユミル『…………いや』







クリスタ『あっ、そっか… 今日、ユミルすごく飲んでたもんね。
     調子悪かったのかな?』

ユミル『…お前もかなり飲まされただろ』

クリスタ『私は大丈夫』

クリスタ『あっ、そうだ。ジャンの看病をしたときに、
     ライナーに【救命セット】を持ってきてもらったんだけど…』

クリスタ『その中に酔い止めの薬もあったんだ。結構効きそうなやつ』

クリスタ『よかったら持って来る?
     まだジャンの部屋にあるから…』

ユミル『…ああ、ヒストリア』











ユミル『やっぱりお前も戻っちまったな』







アルミン「ヒストリアの話によると… ユミルはヒストリアのことを
     “戻っちまった”って言ったらしいよね」

ミカサ「…そういえば、裁判中にそんな話をしていた」

アルミン「あの時点のユミルは、すでに記憶が
     戻った状態だっただろうから…」

アルミン「おそらく、その記憶に関連したことだと思うんだけど…」

今日はここまで

ミカサ「ユミルが取り戻した記憶…」

ミカサ「私たちが失った数年間の記憶…」

アルミン「…同じだね」

アルミン「きっと、行きつくところは同じなんだ」

ミカサ「………………」

アルミン「…ん?」




アルミン(その時、僕の視界がある物を捉えた)




ミカサ「…? どうしたの?」

アルミン「ミカサ、あれ…」

アルミン(僕が指差した先にあったのは…)

アルミン(花瓶に入れられた白い花だった)




アルミン「あんなの… この場所にあったっけ?」

ミカサ「さあ…?」

アルミン「綺麗な花だね…
     エレンの現場にあったのとは違うみたいだけど…」

ミカサ「花がどうかしたの?」

アルミン「…いや、ちょっと気になっただけだよ」

ミカサ「………………」

アルミン「…行こうか、ミカサ」

アルミン「次の現場に…」

今日はここまで

― 研究開発所 ―




アルミン(次に僕たちがやって来たのは、研究開発所だった)




アルミン「………………」




アルミン(ほのかに漂う血の匂い…)

アルミン(つい昨日この場所で起きた、あの凄惨な事件…)





アルミン『うわああああああああああああああっ!!』

ミカサ『…ッ!!』

アニ『……な……』








アニ『ベル…トルト…?』



ミカサ「ベルトルトの死体が無くなってる…」

アルミン「うん… わかってはいたけどね」




アルミン(僕は辺りを見回す)

アルミン(死体と無数の剣が消えていること以外は、
     現場に変化はないように思えた)

ミカサ「そういえば、最初にここに踏み込んだのは私たちだった」

アルミン「うん… あとは、アニもいた」

ミカサ「………………」

アルミン「…今思えば、あの時点で疑問を持つべきだったんだ」

アルミン「死体発見のモノクマアナウンスに時間差があったことに…」





ジャン『おい、無事か!?』

コニー『何の悲鳴だ!?』

アルミン『…! みんな…』

ヒストリア『…!!』








ヒストリア『きゃああああああああああああああっ!!』











「ピンポンパンポーン…!」




モノクマ『死体が発見されました!』

モノクマ『一定の自由時間の後、『兵団裁判』を開きまーす!』







今日はここまで

アルミン「死体発見のモノクマアナウンスが発せられるのは、
     【兵団裁判の対象となる死体を発見した者が3名以上となった瞬間】…」

アルミン「これは前回の裁判中に判明したことだ」

ミカサ「………………」

アルミン「その条件に当てはめるなら、僕たち3人が現場に乗り込んだ時に
     モノクマアナウンスが聞こえてくるはず…」

アルミン「だけど、実際に聞こえてきたのは、
     後続のみんなが駆け付けた時だった」

ミカサ「その理由は… その3人に犯人は含まれないから」

アルミン「そう… つまり、僕、ミカサ、アニの中に犯人がいることが
     あの時点で確定していたんだ」

アルミン「今思えばだけど… 答えはほとんど目の前にあったんだよ」

ミカサ「………………」

今日はここまで

アルミン「…この事件の発端は、11日目のとある出来事だった」

アルミン「モノクマが僕たち全員を集めて、こんなカミングアウトをしたんだ」




モノクマ『誰なのですか!? その【裏切り者】とは!?』

モノクマ『お答えしましょう。【裏切り者】の正体は…』











モノクマ『ライナー・ブラウンとベルトルト・フーバーです』







アルミン「僕たちの中にいると言われていた【裏切り者】…」

アルミン「その正体がライナーとベルトルトであると、モノクマは言った」

アルミン「さらに、彼らが超大型巨人と鎧の巨人であると…」

ミカサ「………………」

アルミン「あの出来事をきっかけに、ライナーとベルトルトは
     僕たちから孤立して姿を消してしまったんだ」

アルミン「そして、そのうちの1人は… その夜のうちに殺されてしまった」





アルミン『…ほぼ?』

アニ『ライナー殺害の件… 
   あんたは私がライナーを呼び出したって言ったけど…』

アニ『あれは逆なんだよ』

アルミン『…えっ?』

アニ『あいつの方から私に呼び出しがあったんだ』

アニ『『話があるから夜中に会えないか』ってね…』








アニ『それを受けて私は会う時間と場所を指定したんだ』

アニ『溶鉱炉っていう場所を指定したときも、
   『他の人間が来なさそうな場所だから』って言ったら納得してくれた』

アルミン『………………』

アニ『おかげで色々と手間が省けたよ…』

アニ『色々とね…』



今日はここまで

アルミン「アニは夜中にライナーと溶鉱炉で待ち合わせ、
     そこでライナーを殺した」

アルミン「溶鉱炉に落とすという、死体の残らない方法で…」

ミカサ「………………」

アルミン「通常だと、あの溶鉱炉に近付くと
     床が検知して自動的に炉が閉じてしまう」

アルミン「だけど、アニはある方法を使って
     床に検知されることなくライナーを溶鉱炉に落とした」

⑥拘束トラップ


<概要>

フットスイッチを踏んだ相手を瞬時に拘束できるトラップです。


<使い方>

(1)装置を組み立てます(四脚を立てて下さい)。

(2)フットスイッチを任意の場所にセットします。

(3)四脚の交点から伸びるワイヤーをフットスイッチに繋げます。

(4)相手がフットスイッチを踏むのを待ちます。


<その他機能>

 ・ 折り畳んで持ち運ぶことができます。

 ・ フットスイッチが反応する重量を設定できます。
 
 ・ 四脚にあるスイッチで拘束の解除が可能です。

今日はここまで

ミカサ「研究開発所にあった拘束トラップ…」

アルミン「そう… アニはベルトルトを拘束していた
     あの装置を使ったんだ」

アルミン「まず、ライナーと待ち合わせをしていた溶鉱炉の
     炉の周りに拘束トラップの四脚を立てる」

アルミン「そして、フットスイッチを入り口にセットする」

アルミン「何も知らずに溶鉱炉に入ってきたライナーは、
     フットスイッチに足を踏み入れ…」

アルミン「拘束され、そのまま四脚の交点…
     つまり炉の真上に吊るし上げられた」

アルミン「その様子を見届けたアニは、すかさず
     四脚にあるスイッチを押した」

アルミン「あの装置は、四脚にあるスイッチを押すことで
     拘束されている人物を吊るしているワイヤーを外すことができるんだ」

アルミン「こうして、炉の真上で拘束されたライナーは、
     吊るされているワイヤーを外され…」

アルミン「何もできないまま、炉の中に落ちていった」

アルミン「こうしてライナーを殺したアニは、拘束トラップと
     その後に作られた超硬質ブレードを持って研究開発所に向かった」

アルミン「2人目のターゲット… ベルトルトを殺す準備をするためだ」

アルミン「アニは、ライナーを殺した時と同じ要領で拘束トラップを仕掛け、
     超硬質ブレードを屋内の隅に隠した」

アルミン「そして、次の準備をするために寄宿舎へと戻っていった…」

アルミン「アニは研究開発所を出るときに、あるものを持ち出していた」

アルミン「特殊ガス発生装置だ」

アルミン「アニはそれを持って、寄宿舎に併設された空調室に向かった」

アルミン「あそこには普段鍵がかかっているけど、おそらくモノクマに言って
     開けてもらっていたんだろうね」

③特殊ガス発生装置


<概要>

特殊なガスを発生させることのできる装置です。
用途に応じたガスカプセルをお使い下さい。


<使い方>

(1)ガスカプセルをセットします。

(2)ガス発生の時刻と時間を設定します。

(3)ガス発生のスイッチを押します。


<ガスカプセル>

 ・ 毒カプセル(紫)

   致死性の毒ガスを発生させます。

 ・ 麻痺カプセル(黄)

   身体の自由を奪う麻痺ガスを発生させます。
   効果時間は約5分間です。

 ・ 睡眠カプセル(水色)

   深い眠りへと誘う睡眠ガスを発生させます。
   効果時間は最低18時間です。

 ・ 淫乱カプセル(ピンク)

   エッチな気分にさせるガスを発生させます。

今日はここまで

アルミン「空調室は、寄宿舎の個室内の空気を循環させるための部屋だ」

アルミン「アニはそこで特殊ガス発生装置を置き、水色のカプセル…
     睡眠ガスを発生させるカプセルをセットした」

アルミン「翌日、みんなの身動きを取れなくするために…」

ミカサ「………………」

ミカサ「…どうしてアルミンは眠らなかったの?」

アルミン「…えっ?」

ミカサ「睡眠ガスが各個室に届くなら、アルミンも眠っていなければおかしい」

ミカサ「コニーが眠らなかったのは、コニーの個室の通気口に
    モノクマが挟まっていたからと聞いたけど…」

ミカサ「アルミンの部屋にも同じような細工がしてあったの?」

アルミン「いや… 僕の場合は手紙を受け取っていなかったからだよ」

ミカサ「…手紙?」

アルミン「アニが書いた手紙だよ。ほら、
     『今日の午後は各自、個室で待機するように!』っていう…」

ミカサ「ああ…」

アルミン「僕はあの手紙を受け取っていなかったから、
     ガスが発生した時間に個室にいなかったんだ」

アルミン「そして、それは… アニが僕を証人として利用するためだった」

今日はここまで





アニ『…ここにはいないね』

アルミン『あれ? 2人がいる場所は知らないの?』

アニ『言ったでしょ。避けられてるって』

アニ『モノクマのあの発表以来、
   私とあの2人は行動を別にしているんだよ』

アニ『まったく、どこで何をしているやら…』



アルミン「みんなが睡眠ガスで眠った頃、アニは僕を呼び出して
     自らの正体が巨人であることを明かした」

アルミン「そして、ライナーとベルトルトを探すという名目で
     僕を研究開発所に連れて行ったんだ」

ミカサ「その時にはもう、その中に拘束トラップは仕掛けられていた…」

アルミン「うん。だけど、その時の屋内はうす暗くて、
     部屋全体を覆うように設置された拘束トラップを視認できなかったんだ」

ミカサ「種も仕掛けもありません… アニはそう言いたかった」

アルミン「…そうだね。おかげでまんまと騙されたよ」

ミカサ「………………」

アルミン「…そして、研究開発所を出た僕たちは、すぐに大雨に襲われた」

アルミン「その大雨もまた、アニによって計画されたものだった…」



DAY 01  晴れ

DAY 02  晴れ のち 曇り

DAY 03  曇り

DAY 04  晴れ

DAY 05  晴れ

DAY 06  曇り

DAY 07  曇り のち 晴れ

DAY 08  曇り

DAY 09  晴れ

DAY 10  晴れ

DAY 11  晴れ のち 曇り

DAY 12  曇り のち 大雨 時々 雷

今日はここまで

ミカサ「観測所の黒板…」

アルミン「そう… あの黒板を使うと、この施設内の天気を操作することができるんだ」

アルミン「アニはその機能を利用し、ベルトルトを殺す前の天気を書き換えていた」




DAY 12  曇り のち 大雨 時々 雷




アルミン「大雨を降らせたのは、雨が止んだ後のぬかるんだ地面に
     足跡を付けるためだ」

アルミン「寄宿舎に隠れていたベルトルトが研究開発所に向かう際の足跡を…」

アルミン「寄宿舎から研究開発所に続く足跡を確認したアニは、
     寄宿舎の前で巨人に姿を変えた」

アルミン「例の本によると、人間が巨人化する際には
     雷鳴のような光と大きな音が発せられるらしい」

アルミン「アニが観測所の黒板に『雷』と書き加えていたのは、
     その際の音を誰かに聞かれた場合を想定したものだったんだろうね」

アルミン「巨人になったアニは、寄宿舎前から大股でジャンプして
     研究開発所前に着地した…」

アルミン「研究開発所には、ライナーと同じように拘束されたベルトルトがいた」

アルミン「その姿を確認したアニは、予め用意していた猿ぐつわと手袋をベルトルトにはめた。
     ベルトルトが自傷行為によって巨人化することを防ぐためだ」

ミカサ「自傷行為によって巨人化… それも例の本に書いてあったの?」

アルミン「うん。自傷行為じゃなくても、何かしらの傷があれば
     それがトリガーになって巨人化するって書いてあったよ」

アルミン「巨人化できるアニは、当然その知識も知っていたんだろうね」

アルミン「そして、アニは待った」

アルミン「ベルトルトが睡魔に勝てず眠りにつくのを…」




3 就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
  他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。




アルミン「寄宿舎の個室以外の場所で眠れば、規則違反とみなされ
     モノクマに処刑される…」

アルミン「アニはそれを狙ったんだ」

今日はここまで

アルミン「そして、ベルトルトが処刑された後…」

アルミン「アニは、研究開発所に持ち込んでいた超硬質ブレードを
     ベルトルトとその周辺に突き立てた」

アルミン「その超硬質ブレードは、ライナーの死体が溶け込んで
     精製されたもの…」

アルミン「つまり、こうすることで、ベルトルトの死体が発見されて
     ライナーの兵団裁判が開かれるという倒錯した状況を作り出したんだ」

アルミン「規則違反によって処刑されたベルトルトは、
     兵団裁判の対象にはならないからね」

アルミン「現場での作業を終えたアニは、時限爆弾を2つ持って
     研究開発所の外に出た」

アルミン「そのうちの1つは、研究開発所前の巨人の足跡の
     中央部に仕掛け…」

アルミン「もう1つは、再び巨人化して寄宿舎前に移動した後、
     寄宿舎前の足跡の中央部に仕掛けた」

アルミン「こうすることで、アニは巨人化の痕跡を消し去るだけでなく…」

アルミン「寄宿舎前、研究開発所前の順に爆発させることによって、
     翌朝に僕たちを研究開発所まで誘導しようとしたんだ」

アルミン「そして、翌朝…」

アルミン「寄宿舎前の時限爆弾の爆発音で目を覚ました僕たちは、
     ミカサ、アニ、僕、ジャンの順で爆発痕を発見する」

アルミン「そのすぐ後、研究開発所前に仕掛けられた時限爆弾が爆発し…」

アルミン「その音を聞いた僕たちは、現場に向かう者と
     眠っている人たちを起こす者に分かれて行動を始めた」

アルミン「現場に向かったのは僕、アニ、ミカサの3人…
     眠っている人たちを起こしに行ったのはジャンだ」

アルミン「そして、その後は… もう語る必要はないかな」

ミカサ「…研究開発所に到着した私たち3人が、ベルトルトの死体を発見」

ミカサ「そのすぐ後、残りのメンバーもやってきてベルトルトの死体を発見」

ミカサ「そして、残りのメンバーが死体を発見したタイミングで、
    死体発見のモノクマアナウンスが聞こえた…」

アルミン「うん… 死体発見のモノクマアナウンスが聞こえる条件は
     【兵団裁判の対象となる死体を発見した者が3名以上となった瞬間】で…」

アルミン「その【3名以上】には犯人は含まれない…」

アルミン「アニにとってはそれが誤算だった」

アルミン「例の条件に照らし合わせるなら、僕、ミカサ、アニの3人が発見した時点で
     モノクマアナウンスが聞こえてこなければおかしい」

アルミン「つまり… 僕たち3人の中に犯人がいたということなる。
     最終的にアニを追い詰める決定打になったのもそれだった」

ミカサ「………………」

アルミン「…長くなったけど、これが3つ目の事件の全貌だよ」

アルミン「ミカサ… ここまでで何か気になったことはない?」

今日はここまで

ここから先は不定期投稿になります

ミカサ「………………」

ミカサ「…アニはどうしてアルミンを証人にしたの?」

アルミン「…えっ?」

ミカサ「私がもしアニだったら、絶対にアルミンを証人にはしない」

ミカサ「アルミンは頭が切れるから見破られる可能性がある。
    もっと頭の鈍そうな… コニーとかを選ぶと思う」

アルミン「そんな… 買い被りすぎだよ」

アルミン「僕だって結局、研究開発所の仕掛けは見破れなかったし…」

ミカサ「………………」

アルミン「それに、僕がアニと研究開発所に向かったのはたまたまなんだ」

アルミン「食堂から出て行ったアニを、慌てて僕が追いかけて…」

アルミン「………………」

ミカサ「…? アルミン?」




アルミン『アニ!』

アニ『…アルミン?』

アルミン『はあ……はあ……』

アニ『どうしたの? まだ朝食食べてたでしょ?』

アルミン『…追いかけてきたんだ、アニを』



アルミン「いや…」

アルミン「待てよ…」




アルミン『これからどこに行くの?』

アニ『ライナーとベルトルトのところだよ。
   無茶してないか心配だからね』

アルミン『………………』

アニ『…何? 何か言いたそうな顔だけど』



アルミン「僕がアニを追いかけたのは“たまたま”だった…」

アルミン「アニから僕へのアプローチは一切なかった…」

アルミン「それどころか、アニはどこかへ行こうとしていた…」

アルミン「その間に僕が個室に戻って…
     睡眠ガスを吸っていたとしてもおかしくなかったはずだ…」

今日はここまで

ミカサ「…つまり、どういうこと?」

アルミン「アニは元々、僕を証人に仕立て上げるつもりは
     なかったんじゃないかってことだよ」

アルミン「それを、僕がアニを追いかけて呼び止めたことで、
     計画を変更した…」

ミカサ「…でも、それならどうして、アルミンは
    手紙を受け取っていなかったの?」

ミカサ「アルミンを承認に仕立て上げるつもりがなかったのなら、
    アルミンにも手紙を出して部屋に留めようとしていたはず」

アルミン「…確かに、そこは引っかかるね」

アルミン「証人に仕立て上げるつもりがなかったのなら、
     なぜアニは僕だけに手紙を出さなかったのか…」

ミカサ「用意はしてあったけど、計画が変更になって回収したのかもしれない」

アルミン「いや、僕はアニを呼び止めた後… ガスが発生する前に
     一度部屋に戻ったけど、手紙なんてどこにもなかった」

アルミン「回収する時間なんてなかったはずだ…」

アルミン(なんだろう…)




アルミン「………………」




アルミン(何かを見落としている気がする…)

アルミン(大事な何かを…)





アルミン『…ほぼ?』

アニ『ライナー殺害の件… 
   あんたは私がライナーを呼び出したって言ったけど…』

アニ『あれは逆なんだよ』

アルミン『…えっ?』

アニ『あいつの方から私に呼び出しがあったんだ』

アニ『『話があるから夜中に会えないか』ってね…』








アニ『それを受けて私は会う時間と場所を指定したんだ』

アニ『溶鉱炉っていう場所を指定したときも、
   『他の人間が来なさそうな場所だから』って言ったら納得してくれた』

アルミン『………………』

アニ『おかげで色々と手間が省けたよ…』

アニ『色々とね…』



アルミン「…!!」

ミカサ「…? アルミン?」

アルミン「ミカサ!」

ミカサ「…え?」

アルミン「溶鉱炉に行こう!」

今日はここまで

― 溶鉱炉 ―




ミカサ「アルミン?」




ガタン




アルミン「………………」

ミカサ「…どうしたの? さっきから扉を開けたり閉じたりして…」

アルミン「………………」

ミカサ「アルミン…?」




グツグツグツ…




アルミン「仮に、僕がライナーだとして…」

アルミン「アニに呼び出された僕は、扉を開けて溶鉱炉に足を踏み入れるよね?」

ガタン




アルミン「そして、何も知らない僕は拘束トラップのフットスイッチを踏んで…」

アルミン「炉の真上まで吊り上げられる」




グツグツグツ…

ウィィィィィィィィン

ウィィィィィィィィン




ガタン




アルミン「本来なら、炉に近付きすぎると
     こんな風に床が検知して自動的に炉が閉じられてしまう」

アルミン「だけど、さっき言った方法を使えば、床に検知されることなく
     ターゲットを開いた炉の上まで瞬時に移動させることができる」

アルミン「あとは四脚にあるスイッチを押すだけ…」

アルミン「そうすれば、吊り上げた僕を炉の中に落とすことができる」




グツグツグツ…




アルミン「炉の周辺にあった痕から見て、四脚が立っていたのは
     あそこと、あそこと、あそこと、あそこ…」

アルミン「つまり、スイッチを押すために
     あの4か所のいずれかでアニが待機していた…」

ミカサ「それが… どうしたの?」

ミカサ「全てあなたの推理通り… 辻褄は合っているように思える」




グツグツグツ…




アルミン「………………」

ミカサ「…アルミン?」

アルミン「…いいや」

アルミン「違うよ、ミカサ…」

ミカサ「…えっ?」

アルミン「この推理には大きな穴があるんだ」

ミカサ「穴…?」

ミカサ「さっきも言ったけど、私には辻褄が合っているように思える。
    裁判の時だって誰からも…」

アルミン「そう… 誰からも指摘はなかった」

アルミン「犯人のアニやモノクマからも…」

ミカサ「…?」

アルミン「今の推理… 確かに辻褄は合っているんだ」

アルミン「ある前提を除けば…」




グツグツグツ…




アルミン「ある前提… ライナーが1人でここに来たっていう前提を除けばね」

今日はここまで

ミカサ「…え?」

アルミン「おかしいと思わない?」

アルミン「あの時のライナーはただでさえ孤立してたんだよ?
     ベルトルトと一緒に…」

アルミン「それなのに… アニからの呼び出しの場で
     2人が別行動をするなんて考えられるかな?」




ライナー『今後俺たちは、2人だけで行動する。
     お前たちとの接触も必要最低限に留める』

ライナー『…その方が安心だろう』



ミカサ「それなら… ライナーはベルトルトと一緒に
    ここまで来たということ?」

アルミン「うん… そう考えた方が自然だと思う」

アルミン「そもそもの話、アニに声をかけたのはライナーの方だ。
     マーレの人間同士で話し合いをするつもりだったんじゃないかな」

アルミン「僕が目撃した、あの夜と同じように…」




アニ『…それで、話って?』

ライナー『これからの件だ』

アニ『…これからの件?』

ライナー『これから、この限られた環境下で
     俺たちがどう動いていくか… そういう話だ』



ミカサ「で、でも… それこそおかしいのでは…?」

ミカサ「だって、その話だと… ベルトルトは犯行の一部始終を目撃していたことになる。
    アニの犯行だって止められたんじゃ…」

アルミン「いや、無理だと思うよ」

アルミン「フットスイッチを踏んで、拘束されて炉の中に落ちるまで…
     ほとんど流れるような一連の動作だ」

アルミン「ライナーに巨人化させる隙さえ与えなかった…
     ベルトルトだって、状況を理解するだけで精一杯だったんじゃないかな」

アルミン「ベルトルトがようやく状況を飲み込んだ時にはもう、
     ライナーはすでに炉の中だった…」

ミカサ「ちょ、ちょっと待って…」

ミカサ「仮にそうだとして… ベルトルトがアニの犯行を目撃していたのなら、
    その後の行動に説明がつかない」

ミカサ「ライナーがアニに殺されるのを目の前で見ておきながら、
    ベルトルトは翌日の夜にアニの呼び出しに応じたということ…?」

ミカサ「一体どうして…? 自分の身が危ないことはわかりそうなものなのに…」

今日はここまで

アルミン「そうなんだよね… どう考えたって不自然だ」

アルミン「それに… 何よりわからないのは、
     その点をアニやモノクマが指摘しなかったことだよ」

ミカサ「………………」

アルミン「まあ、モノクマはともかく… アニにとっては
     僕の推理をひっくり返すことができるチャンスだったのに」

アルミン「アニは指摘するんじゃなくて、“それとなく仄めかす”という
     極めて不自然な手段を取ったんだ」





アルミン『…ほぼ?』

アニ『ライナー殺害の件… 
   あんたは私がライナーを呼び出したって言ったけど…』

アニ『あれは逆なんだよ』

アルミン『…えっ?』

アニ『あいつの方から私に呼び出しがあったんだ』

アニ『『話があるから夜中に会えないか』ってね…』








アニ『それを受けて私は会う時間と場所を指定したんだ』

アニ『溶鉱炉っていう場所を指定したときも、
   『他の人間が来なさそうな場所だから』って言ったら納得してくれた』

アルミン『………………』

アニ『おかげで色々と手間が省けたよ…』

アニ『色々とね…』



ミカサ「あの発言はそういう…」

アルミン「…あくまで想像だけどね」

ミカサ「つまり、アニはアルミンの推理の穴に気付いていながら、
    あえてその部分を指摘しなかった…」

ミカサ「それどころか、何故かその部分を
    わかりにくい形で伝えようとしていた…」

ミカサ「一体どうしてアニはそんな真似を…」

今日はここまで

アルミン「もしかしたら、アニは裁判に勝つ気はなかったんじゃないかな」

アルミン「もし本当に勝つ気だったのなら、あの時点で
     僕の推理の穴を指摘していたはずだよ」

ミカサ「確かにそうだけど…
    それなら、アニは何がしたかったの?」

アルミン「………………」

アルミン「…!」




スタスタスタ




アルミン「これは…」

ミカサ「…? どうしたの?」

アルミン「花だよ、ミカサ…」

ミカサ「花…?」

アルミン「うん、花が置いてある…」

アルミン「ほとんど枯れてるけど、これって…」




ミカサ『元々、ここの花はアニが供えていた。
    それで… 場所を教えてもらった』




アルミン『綺麗な花だね…
     エレンの現場にあったのとは違うみたいだけど…』



アルミン「アニだ…」

ミカサ「えっ…?」

アルミン「この花はアニが置いたものだよ」

アルミン「昨日、最後にこの溶鉱炉を捜査したのは僕とアニで、
     僕が調べたときには無かったから…」

アルミン「可能性があるのはアニだ…」

今日はここまで

アルミン「エレンの殺害現場にアニが花を供えていたって言ってたよね?」

ミカサ「う、うん…」

アルミン「ユミルが死んだ場所にも花があった…
     形から考えて、おそらく同じ花だと思う」

アルミン「つまり、ユミルの現場に花を供えていたのもアニだ…」

ミカサ「アニは全ての事件現場に花を供えていたということ?
    私たちの知らないところで…」

アルミン「そうなるね…」

ミカサ「死者への弔い…? 自ら殺したライナーに対しても自責の念があったということ?」

アルミン「………………」

アルミン「…ミカサ、次の場所に行ってみよう」

ミカサ「もう溶鉱炉はいいの? 次の場所って…」

アルミン「書庫だよ」

ミカサ「書庫…?」

アルミン「ちょっと気になることがあるんだ」

今日はここまで

― 書庫 ―




ミカサ「…アルミン、今度は何?」

アルミン「ちょっと探し物…」

ミカサ「さっきからそう言って本を漁ってる。何を探しているの?」

アルミン「それは見ればわかるよ… 多分だけど…」

アルミン「えっと、これでもないなら… これかな…?」

アルミン「…あった、これだ」

ミカサ「…? 他の本と何の違いが…」

アルミン「ここだよ、ミカサ。よく見て」

ミカサ「これは… 落書き?」

アルミン「これはアニが書いたものなんだ」

ミカサ「アニが…?」





アルミン『ア、アニ!?』

アニ『…何をそんなに驚いてるの』

アルミン『い、いや…』

アニ『…私が本を読んでるのがそんなに意外?』

アルミン『そ、そうじゃなくて…
     てっきり誰もいないと思ってたから…』



アルミン「エレンの事件が終わったすぐ後… 僕は本を読みにここに来たんだ」

アルミン「そしてそこで、アニに会った」




アルミン『アニ、それは…?』

アニ『ん? ああ、ペンだけど』

アルミン『まさか本に書き込んでるのっ!?』

アニ『…そうだけど。悪い?』

アルミン『悪いに決まってるって!
     そんなの…本に対する冒涜だよ!』

アニ『…………別にいいじゃない。こんなの誰も読まないだろうし』



アルミン「アニは読んでいる本に何かを書き込んでいたんだ」

ミカサ「…それがその本?」

アルミン「うん、そうだよ。間違いない」

ミカサ「それが… 私たちの探しているものと何か関係があるの?」

アルミン「…多分ね」

アルミン「アニはライナーの裁判のとき… 僕の推理の穴に気づいていながら、
     それを指摘せず、わかりにくい形で伝えようとした」

アルミン「アニは僕たちの知らないところで、今までの事件現場に花を供えていた」

アルミン「そして、おしおきの間際に言ったあの言葉…」




アニ『アルミン… みんな…』

アニ『後は任せたからね』



今日はここまで

アルミン「僕は思うんだ… もしかしたら、アニは
     全ての答えを知っていたんじゃないかって」

ミカサ「全ての答えって…」

アルミン「今僕たちが探し求めている全て謎の答えだよ」

アルミン「3つの事件に隠された真実…」

アルミン「僕たちの中にいる真の【裏切り者】の正体…」

アルミン「僕たちの“失われた数年間”に起こった出来事…」

アルミン「この施設の正体…」

アルミン「モノクマが何のためにこんな事をしているのか…」

アルミン「そして、もしかしたら…」

アルミン「モノクマの正体も…」




アニ『…!!』ゾワッ

モノクマ『それ以上は…』

モノクマ『わかってるよね?』

アニ『………………』



今日はここまで

アルミン「アニは全ての答えを知っていて、
     それを僕たちに伝えようとしていたんじゃないか…」

アルミン「僕にはそう思えるんだよ」

ミカサ「そんな… どうしてアニが?
    アニは真の【裏切り者】ではないのでしょう?」




アルミン『真の【裏切り者】は本当にいる。
     そして、それはライナー、ベルトルト、アニではない…』

アルミン『…それだけわかれば十分だ』




ミカサ「真の【裏切り者】ならまだしも…
    どうしてアニが全ての答えを知っていたの?」

ミカサ「それに、仮にアニが全ての答えを知っていたとして…」

ミカサ「それを私たちに伝えようとしていた素振りはなかったように思えた。
    どうしてそう思ったの?」

アルミン「これだよ、ミカサ」

ミカサ「…?」

アルミン「さっきの落書きの話… あれは落書きなんかじゃなくて、
     本の中の単語に線を引いたものなんだよ」

アルミン「線が引かれた単語は複数あって、どれもありふれたものばかりなんだ」

ミカサ「つまり… 何?」

アルミン「これはアニからの暗号なんじゃないかな。
     アニが何の意味もなくこんな事をするとは思えないよ」

ミカサ「暗号…? どうしてそんなわかりにくい真似を…?」

アルミン「きっと何か事情があったんだよ。
     僕たちに直接言えなかった事情が…」

アルミン「今からこの暗号を解いてみるよ」

ミカサ「…正直、考えすぎだと思う。本当にただの落書きかもしれない」

アルミン「…そうかもね」

ミカサ「………………」

ミカサ「…わかった。私も付き合う」

今日はここまで

アルミン(僕は本を広げた状態で床の上に置いた)

アルミン(そして訓練兵手帳を取り出し、ペンを走らせていく)




ミカサ「何をしているの?」

アルミン「アニが印を付けた文章や単語をメモしているんだ」

ミカサ「印を付けた…?」

アルミン「うん。これ、落書きに見えなくもないけど、よく見ると
     本に書かれている文章の一部や単語に印を付けているようなんだ」

アルミン(印の付いた部分を一文字残さずメモしていく)

アルミン(そうして現れたのは、次のような文字群だった)




誰をこの中に
イヌエンジュ
ヨウシュヤマゴボウ
クサアジサイ
地獄絵図
ヨツバシオガマ
ウミシマワタ
野原の広さ



ミカサ「…これがアニが印を付けたもの?」

アルミン「そうだね、これで全部みたいだ」

ミカサ「パッと見たところ、全く意味を成していないように思えるけど…」

アルミン「パッと見てわかるなら暗号とは呼べないからね。問題はここからだよ」

今日はここまで

アルミン(僕は本を広げた状態で床の上に置いた)

アルミン(そして訓練兵手帳を取り出し、ペンを走らせていく)




アルミン「アニが線を引いた単語はこれで全部かな…」




アルミン(僕はそう呟いて手を止める)

アルミン(そうして手帳に現れたのは、次のような文字群だった)





誰をこの中に
イヌエンジュ
ヨウシュヤマゴボウ
クサアジサイ
地獄絵図
ヨツバシオガマ
ウミシマワタ
野原の広さ



ミカサ「…これがアニが線を引いた単語?」

アルミン「そうだね、これで全部みたいだ」

ミカサ「パッと見たところ、全く意味を成していないように思えるけど…」

アルミン「パッと見てわかるなら暗号とは呼べないからね。問題はここからだよ」

アルミン(僕は現れた文字を見つめながら考え込んだ)

アルミン(ヒントは何もない。ここにある文字だけで、
     アニが伝えようとしたことを見出さなければならない)




ミカサ「このイヌエンジュとかヨウシュヤマゴボウとかいうのは何?」

アルミン「植物の名前だよ。どうやらこの本、植物図鑑のようなんだ」

ミカサ「知らない名前ばかり…」

アルミン「そうかな? 僕には聞き覚えがあるものばかりだけど…」

ミカサ「………………」

アルミン「…? どうしたの、ミカサ」

ミカサ「アルミン、その本をよく見せて」

アルミン「え? いいけど…」

ミカサ「………………」

アルミン「どうしたの? 怖い顔して…」

ミカサ「やっぱり、名前が違う…」

アルミン「えっ…?」

ミカサ「植物図鑑だというから、他の植物のページを見てみた」

ミカサ「そうしたら、この挿絵… 私が知っている植物のものだけど」

ミカサ「私が知っている名前と違う」

ミカサ「この植物だけじゃない。これも、これも…」

ミカサ「私が知っているのとは違う名前で記されている」

アルミン「名前が違う…? これ全部?」

ミカサ「多分そうだと思う」

アルミン「そんなはずは…」









アルミン「うぐっ…!?」















???『これはクサアジサイ』

???『………は、『移り気』』







ミカサ「アルミン?」

アルミン「……ッ!?」

ミカサ「どうしたの、大丈夫?」

アルミン「あ、うん… ちょっと眩暈が」

ミカサ「…少し休む?」

アルミン「そうだね…」









ドドドドドドドッ







アルミン「…!?」

ミカサ「今の音は…?」

アルミン「この奥からみたいだけど…」

ミカサ「誰かいるの…?」

アルミン「………………」

アルミン「そういえば、この奥って…」




ジャン『ああ、書庫ってところだろうな』

ジャン『それと、その中にもう1つ扉があったんだが、
    そっちは閉鎖されてたぜ』




アルミン「鍵のかかった扉があったはず…」





モノクマ『なお、このゲームでは公平を期すために
     施設内のドアのロックを全て解除いたしました』




ミカサ「…つまり、ジャンかコニーかヒストリアが中で捜索を?」

アルミン「そうかもしれないけど、今の音って…」

ミカサ「………………」

アルミン「…行ってみよう、ミカサ」

今日はここまで


>>404-406はミスです

― 書庫(奥の部屋) ―




ジャン「痛っ……」

アルミン「ジャン!? 大丈夫!?」

ジャン「あ、ああ… 床につっかかっちまってよ…
    その時に、積んでた本にぶつかっちまって…」

ミカサ「…とりあえず、何事もなさそうで良かった」

アルミン「ジャンはここの捜索をしていたんだね」

ジャン「ああ、書庫にも鍵のかかった扉があったのは覚えてたからな…
    前々から気になってたから来てみたんだ」

ミカサ「…それで、何か見つかった?」

ジャン「ああ、色々と気になるもんが見つかったぜ。
    まずはこれを見てみろよ」

アルミン(そう言ってジャンが差し出したのは、一冊の冊子だった)

アルミン(表紙には知らない言葉で何かが書かれている)




アルミン「変わった文字だね… どこの言葉だろう?」

ジャン「気になるだろ? ちなみに、この部屋にある本や資料は全部そんな感じだぜ」

ミカサ「全部読めないの?」

ジャン「ああ、何が書いてあるのか全然わからん。
    でもよ、その冊子は中を見ると… 驚くぞ」

アルミン(ジャンに促されて、冊子の適当なページを開いた)

アルミン(そこには…)




アルミン「…!! こ、これ…!」

ミカサ「…!? これは… ジャン?」

ジャン「ああ、どう見たってオレだよな。間抜けな顔してやがる」

ミカサ「一体どういうこと…? これは似顔絵?」

アルミン「いや、似顔絵にしては精巧すぎる…
     表面もなんだかツルツルしてるし…」

アルミン(そこにあったのは、ジャンの似顔絵のような“何か”だった)

アルミン(ジャンは『間抜け顔』と言ったが、冊子のジャンは
     あんぐりと口を開けて眠っているように見える)




ジャン「他のページも見てみろよ」




アルミン(ジャンに言われるがまま、僕はそのまま次のページを開いた)




アルミン「コニー…!!」

ジャン「こいつはオレ以上に間抜け顔だよな…
    とにかく、そのまま全部のページ見てみろよ」

アルミン(僕はそのままページをめくり続けた)

アルミン(どのページにも見知った顔の“何か”があり、
     どの顔も例外なく『間抜け顔』をしていた)




アルミン「これ、僕たち… だよね?」

ジャン「ああ… どういうわけか、この冊子には
    この施設にいるオレ達全員の顔が載ってる」

ジャン「生きてる5人だけじゃなく、殺された奴らの顔もな…」

ミカサ「…エレンの顔も、あった」

アルミン(冊子には全部で12人の顔があった)

アルミン(この施設に閉じ込められた12人の顔だ)




ユミル『わからないのか?今来た2人を含めてもたったの12人なんだぞ?
    他の連中はどこに行ったんだよ』




アルミン(生きている5人と死んでしまった7人…
     そこには明確な違いがあった)

アルミン(死んだ7人の顔には、大きなバッテン印が描かれていたのだ)





ライナー『議論の前に聞いておきたいんだが…あれってどういう意味だ?』




アルミン?ライナーの指差した先には、空いた席に立てられた顔写真があった?

アルミン?エレンの写真だ。大きなバッテン印が描かれている?








アルミン「…写真?」

ミカサ「えっ…?」

アルミン「これ… 写真じゃないかな」

ジャン「…? 何だよ、写真って」

アルミン「何だよって…」

アルミン「…っ」

ミカサ「アルミン…? 大丈夫?」

アルミン「う、うん… ちょっと頭が…」

ジャン「無理しないで休んどけ。ここで見つけたものは
    ミカサにあらかた説明しておくからよ」

アルミン「…ううん、大丈夫。それより…」

アルミン「この冊子… もしかして、僕らが目覚める前の様子を
     記録したものじゃないかな」

ミカサ「目覚める前の様子?」

アルミン「ここでの生活が始まった一番最初の日…
     僕たちは全員、気を失った状態から目覚めたんだよね?」




エレン『気絶?お前らもか?』

アルミン『えっ,じゃあエレンも…!?』

ライナー『エレンだけじゃないぜ。ここにいる全員がそうだ』



ミカサ「…つまりこれは、私達が気を失ってる間に
    モノクマが描いたものということ?」

アルミン「描いたか… あるいは、何らかの手段を使って
     その瞬間の様子を切り取ったのかも」

ジャン「とんだ悪趣味野郎だな… なんでそんな事を?」

アルミン「わからないけど… モノクマはこうも言っていたよね」





モノクマ『オマエラは元々、全ての記憶が無い状態だったんだよ?』

モノクマ『それを心優しいボクが保護して、
     なんとか訓練兵団入団直前の記憶まで戻してあげたってわけ』

モノクマ『つまり、オマエラの記憶を奪ったのは【別の誰か】で、
     ボクはそんなオマエラを助けてあげたの。アンダスタン?』




モノクマ『なにしろ発見当時のオマエラは、
     記憶どころか人格すら無い存在だったんだから』

モノクマ『それを普通の人間に戻してあげたんだから、
     ボクにちゃんと感謝したまえよ?』




モノクマ『見て見て、その時のオマエラの真似』

モノクマ『あー…うあー…』



アルミン「僕たちは元々、【別の誰か】に記憶を奪われて
     廃人同然の状態だった…」

アルミン「その話を踏まえてこの冊子を見ると…
     まさにそんな感じに見えない?」

ジャン「…確かに、みんなしてこれ以上ない間抜け面だもんな。
    そう見えないこともないが…」

ミカサ「………………」

今日はここまで


大変間が空いてしまって申し訳ありません

アルミン「ジャン、他には何を見つけたの?」

ジャン「ああ… 次に見てほしいのはこれだ」




アルミン(ジャンがそう言って差し出したのは、また別の冊子だった)

アルミン(ただ、その冊子は…)




アルミン「ずいぶん古いものみたいだね… かなり色あせてる」

ジャン「違いはそれだけじゃないぜ。表紙をよく見てみろ」









第104期 訓練兵団卒業生 一覧







アルミン「第104期… 訓練兵団卒業生…!?」

ジャン「ああ… そいつだけ何故か“読める”んだ」

ミカサ「…? さっき、この部屋の本や資料は全部読めないって…」

ジャン「そいつだけは例外なんだよ。この部屋の中で唯一のな」

ジャン「状態だってそいつだけが異様にボロボロだし、気になるだろ?」

アルミン「さっきの冊子に比べると、この冊子はかなり分厚いね…」

ジャン「その理由は読めばわかるさ。見てみろよ」




アルミン(ジャンに促され、冊子を開く)

アルミン(そこにあったのは…)




アルミン「…! これは……」




アルミン(そこにあったのは… 大量の顔とバッテン印だった)

今日はここまで

ミカサ「これは一体…!?」

ジャン「『第104期 訓練兵団卒業生』ってやつじゃねえか?
    タイトルを額面通りに受け取るならだが」

アルミン「訓練兵団卒業生…」




ライナー『モノクマの話によると、俺たちは数年間の記憶を失っている』

ライナー『その“数年間”がどれくらいのものかはわからないが…』

ライナー『もし3年以上経っているなら、
     俺たちは訓練兵団を卒業していることになるよな』



アルミン「これ… 僕たちの事だよね?」

ミカサ「えっ…」

アルミン「ほら、見てよ」




アルミン(僕は開いていたページのある人物の顔を指さす)

アルミン(そこにいたのは、僕のよく見知った人だった)

ミカサ「私…!?」

ジャン「…どう見てもそうだよな。顔の下に名前もあるぜ」

アルミン「でも、このミカサには頬の傷がないね」




エレン『それにその頬の傷…怪我してんのはお前じゃねえか』

ミカサ『さっきから何言ってるの。私は髪なんか切って…』



ミカサ「じゃあ、この傷は本物の訓練兵団を
    卒業してから出来たもの…?」

アルミン「そういう事になるんだろうね。それに…」




アルミン(僕は、1つ前の冊子とは
     明らかに異なる点に気づいていた)




アルミン「ここにある顔は全部似顔絵だ…
     さっきの冊子とは違う」

ジャン「でも、かなり上手いよな。どれも特徴をよく捉えてる」

今日はここまで

アルミン(ジャンの言う通り、この冊子にある無数の似顔絵は
     相当な絵心のある人間が描いたもののようだった)

アルミン(そして、その似顔絵を否定するかのように、
     大量のバッテン印が描かれている)




アルミン「ミカサの顔にはバッテン印がないけど、
     他の人達にはみんなバッテン印があるね」

ジャン「いや、ミカサだけじゃねえ。オレも全部見たわけじゃねえが、
    アルミンの顔にもバッテン印はなかったぜ」

アルミン「そっか、やっぱり僕もいたんだね…」

ミカサ「…ねえ、この人」




アルミン(一緒に冊子を覗き込んでいたミカサが息を呑むのがわかった)

アルミン(震える指先が示す似顔絵に、僕も思わず目を見張る)




アルミン「…! この人…」

ジャン「…ああ」









マルコ・ボット(席次7位)







今日はここまで

ジャン「…マルコだ」

ミカサ「…!!」

アルミン「同じ顔だね…」

アルミン「やっぱり、アニのおしおきの時にいたのは…」









マルコ『まだ…』

マルコ『ちゃんと…』

マルコ『話し合ってないじゃないかぁあああ』







ジャン「…マルコだったよな。どう見ても」

アルミン「………………」

ミカサ「ちょ、ちょっと待って…」

ミカサ「それなら、マルコは私たちとは別に捕らえられていたということ?」

ミカサ「元々モノクマに監禁されていて、アニの処刑のときに一緒に殺された…?」

ジャン「それはねえよ」

ミカサ「えっ…?」

ジャン「今朝言ったろ。オレはマルコの死体を見たことがあるって」




ジャン『まだ詳しくは思い出せねえが…
    オレはマルコの死体を見たんだ』

ジャン『顔の半分を喰い千切られたマルコの死体を…』



ジャン「マルコはもっと前に死んでる。あれはマルコじゃねえ」

ミカサ「じゃあ… あれは誰だっていうの?」

ジャン「…さあな」

ミカサ「声もマルコのものに聞こえた」

ジャン「そうだな。でも、あれはマルコじゃねえ」

ジャン「あり得ないんだよ、そんな事…」

今日はここまで

アルミン「ミカサはマルコの死については
     あまり思い出せてないのかな?」

ミカサ「マルコについては思い出したけど、死んだことまでは…」

アルミン「そっか。どうやら、記憶の取り戻し方に
     個人差があるみたいだね…」

アルミン「僕はマルコが死んだことまでは思い出してるんだけど、
     どうやって死んだのかはまだ思い出せてないんだ」

アルミン「他にも、例えばこの人…」




アルミン(僕は冊子に描かれた1つの似顔絵を示した)

アルミン(短髪の男性で、名前は“フランツ・ケフカ”とある)




アルミン「2人は彼のことは思い出してる?」

ジャン「フランツ・ケフカ… 見たことあるような、ないような…」

ミカサ「…私は全く思い出せてない」

ミカサ「アルミンは思い出したの? その人のこと」

アルミン「うん… サシャのパーティーのときにね」




???『ジャン これ以上騒いだら教官が来ちゃうよ!』

ジャン『オイ… フランツ…!!』

ジャン『これは送別会の出し物だろ? 止めんなよ!!』

フランツ『イ…イヤぁ… もう十分堪能したよ』



アルミン「あの記憶の中にはジャンもいた」

アルミン「だから、この冊子にある似顔絵は…
     僕たちがかつて所属していた本物の訓練兵団の同期なんだと思う」

ジャン「マジかよ… じゃあ、オレはこいつら全員と
    顔見知りだったってことか」

ミカサ「でも、ほとんどの似顔絵にバッテン印がある…
    みんな死んだということ?」

アルミン「兵団裁判で見たときと同じように、バッテン印を“死”と捉えるなら、
     そういうことになるだろうね…」

今日はここまで

ジャン「もし、バッテン印のある奴らが全員死んでいるとして…」

ジャン「そいつらはなんで死んだんだろうな? こんなに大量に…」

アルミン「わからないけど… 多分、モノクマの言う
     “失われた数年間”に何かがあったんだろうね」

ミカサ「何かって…」

ミカサ「もしかして、ミーナが言ってた…」





モノクマ『順を追って説明するとね、こういう事なんだ』

モノクマ『845年、突如として現れた超大型巨人と鎧の巨人により、
     人類はウォール・マリアを失いました』

モノクマ『その後しばらくは何事もなく平和でしたが…』

モノクマ『ある日再び、超大型巨人と鎧の巨人が出現し、
     今度はウォール・ローゼとウォール・シーナも破られました』

モノクマ『その結果、人類のほとんどが巨人に喰い殺されましたとさ』



ジャン「けどよ… もしそうなら、どうしてオレ達だけ無事なんだろうな?」

ミカサ「それは、モノクマが私達を保護したから…」




モノクマ『オマエラは元々、全ての記憶が無い状態だったんだよ?』

モノクマ『それを心優しいボクが保護して、
     なんとか訓練兵団入団直前の記憶まで戻してあげたってわけ』

モノクマ『つまり、オマエラの記憶を奪ったのは【別の誰か】で、
     ボクはそんなオマエラを助けてあげたの。アンダスタン?』



ジャン「なんでモノクマはオレ達を保護したんだ?
    こんな一般兵士の卵でしかないオレ達を…」

ミカサ「モノクマが言うには、記憶を奪った
    【別の誰か】から助けたという話だった」

ジャン「オレ達が元は廃人状態だったっていうあれだよな。
    でもよ、その話にしたって妙じゃねえか?」

ジャン「ミーナの話通り、巨人が壁内に押し寄せてきたとして…
    どうしてその【別の誰か】とやらはオレ達の記憶を奪う必要があったんだ?」

ミカサ「…そんなの、私に聞かれてもわからない」

今日はここまで

アルミン(それきり2人は押し黙る)

アルミン(なぜ【別の誰か】は僕たちの記憶を奪ったのか、
     なぜモノクマは記憶を奪われて廃人状態だった僕たちを保護したのか…)

アルミン(それは、今回解かなければならない大きな謎の1つだった)




アルミン「………………」

アルミン(【別の誰か】が僕たちの記憶を奪って、
     モノクマがそんな僕たちを“保護”した…?)

アルミン(あの言い方からすると… もしかして、
     【別の誰か】とモノクマは敵対関係にあるってことか…?)




アルミン「………………」




アルミン(モノクマと敵対関係……それって…)





ライナー『おい… 何をする気だ!?』

ベルトルト『やめろ!!』

???『ごめん… でも…』

???『もう耐えられない…』



今日はここまで

アルミン「…ん?」




アルミン(物思いに耽っていた僕は、視界の端に何かをとらえた)

アルミン(ジャンが崩した無数の本の中に、ページが開いた本が2つある)




アルミン「これは…」




アルミン(僕はそのうちの1つを手に取った)

アルミン(それは本というには薄く、一番最初に見た
     僕たちの“間抜け顔リスト”の冊子に似ていた)

アルミン「これ、ジャンが一番最初に見せてくれた冊子に似てる…」

ジャン「ん? これは初めて見たな…」

ジャン「確かに、オレたちの間抜け面が載ってたやつに似てるが…
    こいつらは誰だ?」




アルミン(その冊子には“間抜け顔リスト”の冊子と同じように、
     似顔絵にしては精巧な人の顔があった)

アルミン(ただ、そこに載っていた人達は見たことのない顔ばかりで、
     いずれも妙な恰好をしている)

アルミン(それだけではない…)

アルミン「みんな“普通の顔”をしてる…
     僕たちみたいな“間抜け顔”じゃない」

ジャン「こいつらにも何人かバッテン印が付いてるな…
    死んでるってことか?」

ミカサ「ちょっと待って」




アルミン(ミカサが僕とジャンの会話を遮る)

アルミン(その声は心なしか恐怖の色を帯びているように聞こえた)

ジャン「…何だよ」

ミカサ「これ… 一体どういうこと…?」




アルミン(ミカサは震える声で、冊子の中にいる1人の人物を指さした)

アルミン(その人物を見た僕とジャンは、思わず声を失う)









アルミン「この人……!!」







今日はここまで

― 訓練所 ―




アルミン(追加で調査するというジャンを残して、僕とミカサは書庫を出た)




アルミン「………………」

ミカサ「………………」




アルミン(さっきからずっとこの調子だ)

アルミン(重苦しい沈黙を抱えて、僕とミカサは歩を進ませる)

アルミン(書庫の一番奥の部屋で見つかった3冊の冊子…)

アルミン(最後の冊子に載っていたとある人物の顔…)

アルミン(僕はそれらを見て、ミカサとジャンに“ある仮説”を話した)




ジャン『なっ…!?』

ミカサ『そんなことって…!!』




アルミン(2人が驚くのも無理はない)

アルミン(何しろ、その仮説を話した僕でさえ
     頭の整理が追い付いていないのだから…)

ミカサ「…ねえ、アルミン」

アルミン「うん?」

ミカサ「さっきの話だけど… やっぱり私は信じられない」




アルミン(ミカサが沈痛な面持ちで僕を見る)

アルミン(ミカサにとって、僕の仮説を支持することは
     とても都合の悪いことだった)

アルミン「何回も言うけど、さっきの話は単なる仮説だよ。
     僕だって確証があるわけじゃない」

ミカサ「…そうだけど、モノクマはこう言ってた」




モノクマ『また、繰り返しになりますが…』

モノクマ『施設内に存在する手がかりには【嘘偽りは一切ございません】』




ミカサ「つまり、あの冊子に載っていたことは事実ということになる」

ミカサ「それに…」

ミカサ「アルミンの話には説得力があった。だから…」

今日はここまで

アルミン「そもそも、あれらの冊子から読み取れたのは
     顔と一部の人の名前だけなんだ」

アルミン「3冊のうち2冊は書いてある言葉がわからないから、
     何の名簿なのかははっきりしてない」

ミカサ「そうだけど…」




アルミン(僕の仮説を信じられないと言いつつ、
     説得力があるとも言っている…)

アルミン(どうやら、彼女の中の混乱は相当なもののようだ)

ミカサ「もし、アルミンの仮説が正しいなら…」

ミカサ「“12人の生きた人間”というのは…」

アルミン「まだそうだと決まったわけじゃないよ」

ミカサ「………………」




アルミン(そうだ… まだそうだと決まったわけじゃない)

アルミン(わからない謎はまだあるんだ。それを解く手がかりを見つけなければ…)

アルミン(僕は手にしていた本のとあるページを見た)

アルミン(書庫から持ち出した、“例の2冊”のうちの1冊…)




アルミン⦅物思いに耽っていた僕は、視界の端に何かをとらえた⦆

アルミン⦅ジャンが崩した無数の本の中に、ページが開いた本が2つある⦆




アルミン(2冊のうちの1冊が“あの人物”の顔が載っていた冊子…)

アルミン(そして、もう片方の本がこれだ)

アルミン(この本も知らない言語で書かれているため、書いてある内容はわからない)

アルミン(それでも僕が気になったのは、このページに描かれた絵のせいだった)




アルミン「………………」




アルミン(それは、箱を被せられた猫の絵だった)

アルミン(一見何の変哲もない絵だが、僕はこの絵に見覚えがある)

アルミン(いや、聞き覚えと言った方が正しいのかもしれない…)









アニ『結局、私たちは箱の中の猫なのさ』

アニ『猫が生きているのか死んでいるのか…
   それは箱を開けてみなければわからない』

アニ『逆に猫にとっては、箱を出なければ外の世界を知ることはできない』







ヒストリア「アルミン!」




アルミン(唐突に名前を呼ばれて、僕は我に返った)




ミカサ「ヒストリア…?」

ヒストリア「ミカサも! よかった…!」

アルミン「どうかしたの?」

ヒストリア「2人に見てもらいたいものがあるの! すぐに来て!」

今日はここまで

― 林(深部) ―




ミカサ「ヒストリア、どこまで行くの?」

ヒストリア「もう少しだよ」

アルミン「この先にあるのって… 例の石碑?」

ヒストリア「う、うん… あそこで大変なことが起こってて」

アルミン「大変なこと?」

ヒストリア「あの石碑って、裁判が終わるたびに
      死んだ人の名前が刻まれてたじゃない?」

ヒストリア「それで、今回も変化があったんじゃないかと思って、
      一応確認しに行ったの」

ヒストリア「そうしたら…」

ミカサ「…?」

ヒストリア「…ううん、やっぱり見てもらった方が早いと思う」

アルミン(ヒストリアはそう言うなり、先へ足を進めていく)

アルミン(僕とミカサは顔を見合わせた後、黙ってその後に従った)

アルミン(そして…)




ヒストリア「着いた… ほら、あれだよ」

アルミン「えっ…」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

            栄誉ある戦士 ここに眠る                

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――


            席次5位 エレン・イェーガー


            席次不明 ミーナ・カロライナ


            席次不明 ユミル


            席次9位 サシャ・ブラウス


            席次2位 ライナー・ブラウン


            席次3位 ベルトルト・フーバー


            席次4位 アニ・レオンハート








            7人の贄により、冥界への扉開かれん








アルミン(その石碑には、新たに3人の名前が刻まれていた)

アルミン(ライナー、ベルトルト、そしてアニ…)

アルミン(それだけではない…)




ミカサ「何、あれ…」




アルミン(“7人の贄により、冥界への扉開かれん”…)

アルミン(そう記された石碑の下の地面に、ぽっかりと黒い穴があいていたのだ)

今日はここまで

ミカサ「“冥界への扉”…?」

ヒストリア「うん… 多分、あの穴のことだと思う」




アルミン(僕たちは恐る恐る黒い穴に近付く)

アルミン(その穴は人1人が通れるほどの幅で、深淵に向かって梯子がおりていた)




アルミン「中から冷たい空気が流れてくる… 暗くて底が見えないね」

ミカサ「ヒストリア、下には降りてみた?」

ヒストリア「う、ううん… まだ… ちょっと怖くて…」

ミカサ「どうする? アルミン」

アルミン「…行くしかないよ。このタイミングで現れたってことは、
     きっとこの中も捜査対象なんだ」

ヒストリア「や、やっぱり、確かめなきゃダメだよね…?」

ミカサ「怖いなら待っていればいい。私とアルミンで行ってくる」

ヒストリア「う、ううん! 私も行く!」

― 林(穴の底) ―




アルミン(梯子を降り始めてそれほど経たないうちに、僕たちは穴の底に着いた)

アルミン(暗闇に目が慣れてくると、僕たちの視界にある物が捉えられる)




アルミン「これは…」




アルミン(扉だ。真っ暗な空間にぼんやりと両開きの扉が浮かんでいる)

アルミン(漆黒の闇と冷気を身にまとったそれは、
     まさに“冥界への扉”にふさわしい佇まいだった)

ミカサ「こんなところに扉があったなんて… どこに通じているの?」

ヒストリア「そもそも開くのかな、これ…」

アルミン「開きはすると思うよ。施設内のドアロックは解除したって、
     モノクマが今朝言ってたからね」




モノクマ『なお、このゲームでは公平を期すために
     施設内のドアのロックを全て解除いたしました』



ヒストリア「…やっぱり、中に入るよね?」

ミカサ「当然。引き返す理由がない」

ヒストリア「だよね… あはは…」

アルミン「…確かに怖いけど、覚悟を決めよう」

アルミン「準備はいい? 開けるよ」

― ??? ―




アルミン(扉の内部は、さっきいた場所よりも真っ暗で何も見えなかった)

アルミン(それだけではない…)




ヒストリア「さ、寒い…!!」

アルミン「これは… 長居できる場所ではなさそうだね…」

アルミン(そこはとてつもなく寒い空間だった)

アルミン(暗くてよく見えないが、きっと吐く息は真っ白になっているだろう)




ミカサ「何なの、ここは…?」

アルミン「せめて明かりがあれば…」




アルミン(僕が周りを手で探り始めたときだった)

ボウッ




アルミン(突然周囲が明るくなった)




ヒストリア「な、なに…!?」

アルミン「どうやら、壁の松明に火がともったみたいだね…」




アルミン(どんな仕組みなのかはわからないが、そういうことらしい)

アルミン(松明の炎によって、僕たちのいる空間の全貌が露わになった)

今日はここまで

ヒストリア「何、この箱…?」




アルミン(まず目に入ったのは、床に置かれた複数の大きな箱だった)

アルミン(細長い六角形をした黒い箱に、大きな十字架模様が描かれている)




アルミン「9、10、11、12… 全部で12個あるね。
     時計みたいに並んでる」

ミカサ「…一応、開けられるようにはなってる。開けてみる?」

アルミン(僕がうなずくと、ミカサは箱の1つに手をかけた)




ガタガタガタ




ミカサ「…ダメ、開かない」

ヒストリア「凍りついてるのかな…」

アルミン「…他の箱も試してみよう」




アルミン(僕はそう言って、2つ目の箱に手をかけた)




ガコッ




アルミン「…! 開いた…!」

ヒストリア「よかった、中には何が…」

アルミン(ヒストリアが箱の中を覗き込んだ瞬間…)




ヒストリア「きゃああああああああああああ!!」

アルミン「…っ!?」

ミカサ「…!!」




アルミン(ヒストリアは絶叫し、僕とミカサは息を呑んだ)

今日はここまで

ミカサ「これは…!?」




アルミン(箱の中にあったのは“人の形をした何か”だった)

アルミン(それは衣服も性別もわからないほどに黒ずみ、微かな異臭を放っている)




ヒストリア「し、死体…!?」

アルミン「そうみたいだね… でも…」

アルミン(この死体には大きな特徴が1つあった)

アルミン(…頭部にモノクマを模した頭巾を被っていたのである)




ミカサ「…頭巾が剥ぎ取れない。頭部にぴったりくっ付いている」

ヒストリア「な、なんでこんな頭巾を被って死んだの…?」

アルミン「いや、この頭巾を被せたのは死後だと思うよ」

アルミン「これ、多分焼死体だけど… 頭巾はきれいなままだ。
     つまり、この人が焼けた後に誰かが頭巾を被せたんだよ」

ミカサ「この人は誰なの…?」

ヒストリア「わからないけど… 多分、女の人じゃないかな」

アルミン「えっ、どうしてわかるの?」

ヒストリア「ほら、この人… 全身黒こげだけど、右手だけ無事みたいだよ」




アルミン(そう言ってヒストリアが持ち上げた死体の右手は、
     確かに黒焦げにはなっていなかった)

ヒストリア「この人の手、すごく華奢だし… 爪に装飾もしてる。
      どちらかというと女性じゃない?」

アルミン「なるほど、確かに…」

ミカサ「手の甲にあるこれは何?」




アルミン(ミカサはそう言って死体の手を覗き込んだ)

アルミン(手の甲に、犬らしきものをかたどった紋様が刻まれている)

アルミン「何だろう、初めて見るね…」

ミカサ「…手がかりはこれだけみたい。頭巾も取れないし、誰なのかがわからない」

ヒストリア「仮に取れたとしても、顔も黒焦げでわからないんじゃないかな…」




アルミン(僕は死体の右手を箱に戻しつつ、部屋を見渡す)

アルミン(部屋の中には、残り11個の箱が横たわっている…)

今日はここまで

アルミン「まさか、ここにある箱は全部…」




アルミン(焼死体が入っていた大きな箱…)

アルミン(もし、ここにある箱全てに同じような死体が入っていたとしたら…)




ミカサ「…他のも見てみる?」

アルミン「…うん、そうだね」

アルミン(僕たちは3つ目の箱に手をかけた)




ガコッ




アルミン「こっちも開いた…」

ヒストリア「ま、待って、心の準備が…」

ミカサ「…四の五の言っていても始まらない。開けるよ」

アルミン(僕たちは慎重に箱を開いた)

アルミン(その中には…)




ヒストリア「…!! ううっ…」

アルミン「これは… 酷いね…」

ミカサ「………………」

アルミン(3つ目の箱の中に入っていたのは、
     モノクマの頭巾を被った女性の死体だった)

アルミン(頭巾を被っているのに、なぜ女性だとわかったのかというと…)




ミカサ「服を着ていない…」




アルミン(ミカサの言う通り、その女性の首から下は全裸の状態だった)

アルミン(そして… その下腹部は激しく損傷し、
     箱の中で臓物をまき散らしている)

ヒストリア「ひ、酷い… どうしてこんな…」

アルミン「誰かに暴行されたのかな… それにしても猟奇的だけど…」

ミカサ「…見た感じだと、腹を切り裂かれたというよりは
    抉り取られているように見える」




アルミン(黒焦げの死体と、腹を抉り取られた死体…)

アルミン(頭巾と性別という共通点はあるものの、
     それらの様相はあまりにも異なっている)

ヒストリア「ひ、酷い… どうしてこんな…」

アルミン「誰かに暴行されたのかな… それにしても猟奇的だけど…」

ミカサ「…見た感じだと、腹を切り裂かれたというよりは
    抉り取られているように見える」




アルミン(黒焦げの死体と、腹を抉り取られた死体…)

アルミン(頭巾と性別という共通点はあるものの、
     それらの様相はあまりにも異なっている)

今日はここまで


>>545はミスです

アルミン「…ん?」




アルミン(そこで僕は、その死体のある特徴に気付いた)




アルミン「この死体… 体中に変な跡があるね」

ミカサ「変な跡?」

アルミン「これだよ。ほら、蛇が這ったみたいな…」

ヒストリア「…もしかして、これで縛られてたのかな?」




アルミン(そう言ってヒストリアが取り出したのは、一本の黒ずんだロープだった)




アルミン「それは…?」

ヒストリア「わからないけど、死体の横に置いてあったよ…」

ミカサ「じゃあこれは、そのロープで縛られていた跡ということ?」

アルミン(死体の全身には蛇が這ったような跡がくっきりと残っている)

アルミン(もし衣服の上から縛られたのなら、
     こんなにはっきりとした跡は残るのだろうか)

アルミン(もしかすると、この人は全裸の状態でロープを縛られ、
     その状態で腹を抉り取られた…?)




アルミン「………………」

ミカサ「…アルミン、どうしたの?」

アルミン「…いや、なんでもないよ。他の箱も見てみよう」

アルミン(僕たちはそのまま、他の箱の中身を確認した)

アルミン(時計のように円状に並んだ箱の位置も確認しながら、
     箱の中身を訓練兵手帳にメモしていく)

アルミン(始めは死体に戸惑っていた僕たちだったけど、
     確認作業を進めるうちに段々と慣れていった)




ヒストリア「…これで11個目が終わりだね」

アルミン「うん、ちょっと今までの箱の中身を振り返ってみようか」

箱の位置と中身


01個目 05時の位置 開かなかったため、中身未確認
02個目 11時の位置 黒焦げの死体(女性?、右手に犬をかたどった模様、爪に装飾)
03個目 08時の位置 腹が抉られた死体(女性、全裸、ロープで縛られた跡があった)
04個目 01時の位置 空っぽ
05個目 02時の位置 超硬質ブレード
06個目 03時の位置 胴体に穴の開いた死体(男性、訓練兵の制服、頭巾が赤黒く汚れていた)
07個目 04時の位置 全身を激しく損傷した死体(女性、訓練兵の制服)
08個目 06時の位置 空っぽ
09個目 07時の位置 空っぽ
10個目 09時の位置 空っぽ
11個目 10時の位置 空っぽ

※死体は全てモノクマの頭巾を被っていた

ヒストリア「…結局、半分くらいは死体が入ってなかったね」

ミカサ「中身が死体じゃないものもあった」

ヒストリア「5個目の箱だね、超硬質ブレード…」

ヒストリア「あれって、溶鉱炉で作られるやつだよね…?」

アルミン「………………」

アルミン(“栄誉ある戦士 ここに眠る”…)

アルミン(“7人の贄”…“冥界への扉”…)

アルミン(そして、12個の箱……)




アルミン「…6個目と7個目の箱の死体は、訓練兵の制服を着てたよね」

アルミン「僕たちと同じ、訓練兵の制服を…」

ミカサ「………………」

ヒストリア「………………」

アルミン(おそらく、2人も薄々気付いているのだろう)

アルミン(この場所と箱の中身が何を意味するのか…)




ヒストリア「…最後の箱、私が開けてもいい?」

ミカサ「………………」

アルミン「…わかった」

アルミン(ヒストリアは12個目の箱にそっと手をかけた)




ガコッ!




アルミン(その箱の蓋は、何かに弾かれるように勢いよく開く)

アルミン(そして、視界に現れたのは…)

ヒストリア「……あぁ」

アルミン「………………」

ヒストリア「あぁぁぁ……」

ヒストリア「ここに、いたんだ…」




アルミン(視界に現れたのは… ぶよぶよに膨張した青黒い死体だった)

今日はここまで

― 林(深部) ―




アルミン(地上に戻ると、光量の多さに少し眩暈がした)




アルミン「…少し休もうか」

ヒストリア「うん…」




アルミン(地下が寒かったせいで、体が気温の変化に追いついていない)

アルミン(心なしか、ミカサとヒストリアの顔にも疲れが表れていた)

ミカサ「………………」




アルミン(特に疲れを見せていたのはミカサだ)

アルミン(ヒストリアが12個目の箱を開けた後…
     ミカサは飛びつくように1個目の開かなかった箱に手をかけた)




ガタガタガタ




ミカサ『な、なんで… なんで開かないの!?』



アルミン(ミカサの行為が理解できた僕とヒストリアは、
     特に止めることはしなかった)

アルミン(ミカサにとって可能性があったのは、あの箱だけだから…)




ミカサ「………………」




アルミン(結局、どうやってもあの箱は開かなかった)

アルミン(それからミカサはがっくりと肩を落とし、
     今は膝を抱えて顔をうずめてしまっている)

今日はここまで

アルミン(ミカサに何と声をかけていいかわからなかった僕は、
     ヒストリアに話題を振ることにした)




アルミン「そういえば、ヒストリアはここに来る前はどこを捜査してたの?」

ヒストリア「えっと、昨日まで鍵のかかってた建物で…」

ヒストリア「なんて言ったらいいんだろう…
      雰囲気は研究開発所に似てたかな」




ヒストリア『うーん、何だろう?
      うまく言えないんだけど…』

ヒストリア『色んな部品や機械が置いてあって…
      作業場…? いや、研究開発所みたいな…』

アルミン『何かを作る場所ってこと?』

ヒストリア『うん、そんな感じかな。
      作りかけの装置なんかも結構あったから』



アルミン「いろんな機械が置いてあったってこと?」

ヒストリア「ううん、機械は大きいのが1つだけ…」

アルミン「1つだけ?」

ヒストリア「うん、それもね、かなり大きいの。
      何の機械かはわからなかったんだけど…」

ヒストリア「その機械以外で気になるものは何もなくて…
      誰かが隠れてるような様子もなかったよ」

アルミン(誰かが隠れている様子はなかった…)

アルミン(ということは、“あの人たち”が隠されているとしたら
     コニーが調べている場所だろうか?)




アルミン「何の機械なんだろうね、それ…」

ヒストリア「私も気になってモノクマに聞こうと思ったんだけど…
      呼んでも全然出てこなくて」

アルミン「いつもなら呼ばれなくてもすぐ出てくるくせに…」

今日はここまで

ミカサ「…アルミン、ヒストリア」




アルミン(顔を上げると、ミカサが僕とヒストリアのところまで来ていた)

アルミン(ミカサの顔にはまだ落胆の色が見えるものの、
     さっきよりは大分マシになったように思える)




ヒストリア「ミカサ、大丈夫?」

ミカサ「うん… もう平気」

ミカサ「それより、次はどうする?」

アルミン「コニーが調べている場所に行ってみようと思う」

アルミン「ヒストリアからさっき聞いたんだけど、ヒストリアが捜査した場所には
     大きな機械が1つあっただけで、他には何もなかったらしいんだよ」

ミカサ「他には何もということは… 生存者も?」

ヒストリア「うん… 誰もいなかった」

アルミン「だから、もし誰かが隠されているとしたら、
     可能性があるのはコニーが捜査している場所だけだと思うんだ」

ミカサ「…なるほど、わかった」

ヒストリア「私は寄宿舎とか倉庫とか、今までの建物を当たってみるよ。
      何か見落としがあるかもしれないし」

アルミン「1人で大丈夫?」

ヒストリア「元々アルミンとミカサ以外は1人で捜査する約束だったでしょ。
      私は大丈夫だから、気になる場所は全部見てきて」

アルミン「…わかった、ありがとう。気を付けてね」

ヒストリア「アルミンもね。それとミカサも」

ミカサ「うん、また後で」

ミカサ「じゃあアルミン、行こう」

今日はここまで

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