比奈「何やってるんっスか?」
春菜「…………」(E:大仏マスク)
比奈「黙ってると怖いんでなにか喋ってくださいよ」
春菜「……すいません、必要なことなんです」
比奈「いや、すいませんじゃなくて」
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比奈「とりあえずそのマスク外しませんか?」
春菜「!!?それだけは勘弁してください!!!」
比奈「なに言ってるんっスか!ほら外すっスよ!!」グイグイ
春菜「やめてください!断固死守します!!」
比奈「抵抗はやめるっス!大仏マスクのまま収録に出るつもりっスか!?」グイグイ
春菜「わけが!わけがあるんです!聞いてください!」
春菜「じ、実はですね……」
比奈「実は?」
春菜「いま私……」
比奈「ふむ」
春菜「ノーメガネなんです/////」
比奈「…………」グイグイ
春菜「やめて!無言でマスクを引っ張らないで!!!」
比奈「まったく……眼鏡がないなら貸すっスよ?」
春菜「そんなことしたら比奈ちゃんがノーメガネになるじゃないですか!?」
比奈「いや、私はコンタクトがあるから……」
春菜「いやです!絶対に受け取りません!」
比奈「めんどくさい子っスねぇ……」
比奈「じゃあスタッフに言って眼鏡を借りてきてあげるっス」
比奈「度は入ってないけど我慢するっスよ?」
春菜「すいません。その手段はすでに試したんですけどダメでした」
比奈「ありゃ?小道具でならありそうなもんですけど……」
春菜「どうもPさんが根回しして眼鏡を私に近づけないようにしてるみたいで……」
比奈「ちょっと待て、一体なにがあったんっスか?」
春菜「実は来週遊園地でロケがあるんですよ」
比奈「遊園地かぁ……楽しそうじゃないっスか」
春菜「とんでもない!あんなところ絶対に行きません!!」
比奈「それはまたなんで?」
春菜「だって、ジェットコースターに乗るんですよ!!」
比奈「春菜ちゃん絶叫系が苦手なn…「眼鏡を外すよう言われるじゃないですか!?」
比奈「ああ、なるほど」
言われる所あるんだ
比奈「でもそれならコーヒーカップみたいなゆったりしたやつだけ乗ったらいいんじゃ?」
春菜「私もその譲歩案を出したんですけど……」
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モバP「眼鏡を理由に仕事を選り好みするような悪い子に育てた覚えはありません!」
モバP「反省するまで眼鏡は全部没収します!」
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春菜「という感じで問答無用で奪われまして……」
春菜「だから申し訳ありませんが今回の収録はこのまま出させてもらいますね」
比奈「はいそうですかって納得する訳ないでしょう!ほらノーメガネでもいいから顔を出すっス!」グイグイ
春菜「いや!やめてください!比奈ちゃんのエッチ!HENTAI!!」
比奈「この絵面のどこに変態要素があるっスか!?」グイグイ
ガチャリ
奈緒「比奈さん、遊びに来た……ってなんだよその大仏!?」
比奈「奈緒ちゃん!手伝うっス!」グイグイ
春菜「そんな!二人掛かりなんてズルいですよ!!」
比奈「素顔を隠してる春菜ちゃんの方がずっとずるいですよ!」グイグイ
奈緒「お、おう……なんだよこの状況」
説明しました
奈緒「なるほど、Pさんがねぇ……」
春菜「そうなんです!ひどいと思いませんか!?」
奈緒「ひどいとは思うけどさ……その大仏マスク被ったままで収録でるのはまずいだろ」
比奈「ほら、奈緒ちゃんもこう言ってるじゃないっスか。はやく外すっス」
春菜「……期待のニューカマー!素顔を隠した仮面アイドル!とかでごまかすのはダメですかね?」
比奈「ダメっス!今回は私と春菜ちゃんがオファーを受けた仕事なんですから」
春菜「じゃあせめて顔を隠すために曇りガラスと変声機を用意してください」
奈緒「いや、そんなことしたらインタビューを受ける元犯罪者みたいになっちゃうだろ」
比奈「だいたいなんでノーメガネじゃ嫌なんっスか?」
比奈「眼鏡がなくても春菜ちゃんは十分かわいいってPさんから聞いてますよ?」
奈緒「そういや眼鏡なしの春菜って見たことないな……」ジー
春菜「そんな目で見つめても素顔は見せませんよ」
春菜「アイドル上条春菜はノーメガネフェイスを見られたら死ななければならないという鉄の掟があるんです」
奈緒「キン肉マンかよ」
比奈「だいたいPさんは眼鏡なしの春菜ちゃんを見てるじゃないですか」
春菜「あれはノーカンです!」
奈緒「都合のいい掟だな」
奈緒「しかしそこまで隠されると暴きたくなるのが人の心理!」グイグイ
春菜「やめて!乱暴しないで!」
比奈「私が両手で引っ張ることで100万パワー+100万パワーで200万パワー!」グイグイ
奈緒「二人で引っ張ることで200万×2の400万パワー!!」グイグイ
春菜「や、ダメ!!」
比奈「そしていつもの3倍の回転を加えれば……」
奈緒「400万×3の……」
比奈奈緒「「1200万パワーだーーーーーー!!!!」」ググイー!
スポーーーーン
比奈「そ、そんな!?」
奈緒「まさか……マスクの下には……!!」
比奈奈緒「「まだマスクがあったなんて!!?」」
春菜「そう簡単には素顔はさらしませんから!」(ピエロのマスク)
奈緒「なあ、もうこれでよくないか?適当にSEKAI N◯ OWARIに影響受けたとかいって誤魔化してさ」
比奈「いや、このマスクはまずいっス……」
比奈「このマスク、ホラー映画のItに出てくるピエロと同じデザインっス」
奈緒「あ~言われてみれば確かに怖い。トラウマになりそう」
奈緒「しょうがない、じゃあちゃっちゃと脱がしていくか」
比奈「この調子だとまだ何枚か重ねて被ってそうっスね」
スポーーーン
春菜「なんどやっても無駄です!」(E:鉄仮面)
スポーーーン
春菜「眼鏡なしでテレビに出るくらいなら……」(E:スクリーム)
スポーーーン
春菜「服を脱いだ方がマシです!!」(E:アニノマス)
比奈「ポピーざパフォーマーのケダモノみたいっスね」
奈緒「くそ!こうなったら意地でもノーメガネの素顔を拝んでやる!!!」
スポーーーーン
スポーーーン
スポーーン
スポーン
比奈「まったく、どんだけ顔を見られるのが嫌なんっスか?」
スポーーーン
春菜「だって……」(E:ダースベイダー)
奈緒「別に目からオプッティックブラストが出る訳でもないだろ?」
スポーーーン
春菜「そんなもの出ませんよ!」(E:般若)
比奈「じゃあ死の線が見えるとか?」
スポーーン
春菜「直死の魔眼も持っていません!」(E:Pヘッド)
奈緒「はいはい、その趣味の悪いマスクも外すからな~」
スポーーーン
比奈「どうやら、そのお面が最後の一枚みたいっスね」
春菜「…………」(E:ムジュラの仮面)
奈緒「というかどう考えても物理法則を無視した枚数を被ってると思うんだが……」
比奈「奈緒ちゃん、いいんっスよ細かいことは」
奈緒「お、おう……」
比奈「春菜ちゃん、最後の一枚は自分の手で脱ぐっス」
奈緒「比奈さん!?」
比奈「春菜ちゃんがノーメガネで人前に出たくないという気持ちはわかるっス」
比奈「春菜ちゃんにとって眼鏡は翼なんですよね?」
比奈「伏し目がちで自信がなかった自分を変えるキッカケになったものだから常に身につけていたい」
比奈「違いますか?」
春菜「…………」
比奈「でもそれじゃあダメなんっスよ、きっと」
比奈「眼鏡を理由に困難から逃げるようじゃ眼鏡を利用してるだけっス」
比奈「Pさんはどんな困難も眼鏡と乗り越える春菜ちゃんになってほしいんっス」
春菜「眼鏡と乗り越える……」
比奈「それこそが眼鏡と共にあるってことじゃないんっスか?」
奈緒「…………」
奈緒「いや、いいこと言ってる風だけど何言ってるんだ!?」
春菜「そうですね!きっとあるはずです!眼鏡のままでも絶叫マシンに乗る方法が!!」
春菜「そういえば家にスポーツ用の眼鏡バンドがあったはず……あれを使って顔に固定すれば!!」
春菜「二人ともありがとうございます!おかげで目が覚めました!!」
比奈「それはよかったっス」
奈緒「まあ私は仮面を剥がしてただけだけどな」
春菜「私、Pさんに謝ります!そして眼鏡を取り返します!」
春菜「だから、見ていてください!素顔のアイドル、上条春菜を!!」ペリペリペリ
比奈「は、春菜ちゃんが仮面を……!!」
奈緒「ついにノーメガネの春菜を見れるのか!?」
スポーーーン
春菜「もう、素顔を隠したりなんてしません!」
春菜「これがありのままの私……眼鏡に隠れず、眼鏡と共に進む私の素顔です!」
比奈「…………」
奈緒「…………」
春菜「あれ?なんだか反応が薄いですけど……どうかしました?」
比奈「いや、なんというか……」
奈緒「言いにくいんだけど……」
比奈奈緒「「顔が見えない(っス)」」
春菜「なんでですか!?」
春菜「ほら!よく見てくださいよ!」
春菜「私の貴重なノーメガネフェイスですよ!?」
比奈「いや、なんか輪郭は見えるんっスよ」
比奈「ただ肝心の顔の部分が黒くなってて見えないっス」
比奈「表情も見えないくらいベタ塗りっス」
奈緒「っていうかこれマスクじゃないよな」グイー
春菜「い、いひゃいです!ほほをひっぱりゃないで!!」
奈緒「あ~わかった。これあれだ」
奈緒「765プロとか961プロの社長とかと同じタイプの人間だ」
比奈「言われてみれば確かに……あの人たちも黒いシルエットとしてしか見えないっスからねえ」
奈緒「たまにテレビに映ってもうまいこと顔だけ見切れてるしな」
春菜「ってことは私も社長になるんですか?でも、つかさちゃんは顔見えますよね?」
奈緒「いや、この場合はただ単に……」
比奈奈緒「「映す価値なし」」
春菜「ひどい!?」
比奈「しかし困ったっス。これじゃあせっかくテレビに映っても意味ないっスよ」
奈緒「なんかいい方法は……」
春菜「何とかして存在感を出す方法は……」
奈緒「…………」
春菜「…………」
比奈「…………ひとつだけ方法があるっス」
春菜「?」
比奈「まあまあ、仮面どうぞ」
春菜「」
春菜「決死の覚悟で外した仮面をまたつけろって言うんですか!?」
奈緒「比奈さん正気か!?」
比奈「奈緒ちゃん、昔の人はこんな言葉を残しています」
比奈「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
奈緒「ま、まさか……!?」
比奈「はい」
比奈「自分も仮面をつけるっス!」
春菜「ひ、比奈ちゃん……!」ジーン
奈緒(あ、もうこれダメだ)
比奈「問題は山積みっスけど心配ないっスね」
比奈「今日は私と春菜ちゃんで仮面アイドルっス!」(E:宇宙メダロッターX)
春菜「サイバーグラスならぬサイバーマスク結成ですね!」(E:怪盗レトルト)
比奈「さあ!スタジオ入りっスよ!!」
春菜「彩ましょう、食卓を!」
ガチャリ
バタバタバタ……
奈緒「…………」
ガチャリ
菜々「あ、奈緒ちゃんこんな所にいたんですか?」
奈緒「いや、うん……色々あって」
菜々「色々……そういえば春菜ちゃんはいないんですか?」
奈緒「春菜ならもうスタジオ入りしたけど……」
菜々「あちゃ~遅かったみたいですね」
奈緒「?」
菜々「実はPさんから春菜ちゃんに眼鏡を渡すように言われて持ってきたんですよ」
奈緒「Pさんから?」
菜々「“春菜のために眼鏡バンドを用意した。悪かったと伝えてくれ”と言われたんですけど……喧嘩でもしてたんですか?」
奈緒「いや、なんでもないよ。帰ろうぜ」
菜々「え、でも眼鏡は……」
奈緒「必要なら取りに来るだろ。問題が起きる前に帰ろうぜ」
菜々「あ、待ってくださいよ!」
バタバタバタ
その後、謎の仮面アイドル、サイバーマスクの正体は謎に包まれたまま消えていった。
春菜は絶叫マシンに乗っても眼鏡はズレなかった。
終わりです。
閃乱カグラの叢ちゃんみたいに素顔を見せるのを恥ずかしがる春菜を書こうと思ったのにこんなことになってしまった。
いったいどこで間違えたのだろう?
お風呂用眼鏡もあるのだからジェットコースター用眼鏡もあるさきっと
>>7
大阪のUSJにあるフライングダイナソーは言われる
つか乗る前にポッケの中身まで全部貴重品入れに入れないと乗せてくれない
VRエヴァはメガネはいいけどポケットの中は空にしろって言われた
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