ﾎｰﾀｰﾙﾉｰﾋｰｶｰﾘ

Ｐ「あ、ほら。ほたるのひかりが流れ出しましたよ」

楓「おー」

Ｐ「すいません、お会計お願いします」

楓「あーうー」

楓「ふふ。ほたるのひかりが流れ出すと、なんだかさみしくなりますね」

Ｐ「そうですね」

楓「あーうー……今夜もこれで飲み納めですね……」ちびちび

Ｐ「そんな今日でお酒がこの世からなくなるみたいなこと言わなくても」

楓「！？」ｺﾉﾖｶﾗｵｻｹｶﾞ……

楓「……」ｱｰｳｰ

Ｐ（さっきまでと違うあーうーだな）

Ｐ「また明日がありますよ。まずは仕事ですけど」

楓「……」

楓「……そうですね。ふふ」

楓「あ、じゃあ、プロデューサー。明日も私とお酒、飲んでくれるんでしょうか？」

Ｐ「ほどほどなら。付き合いますよ」

楓「わー。わーい」

ﾏｰﾄﾞｰﾉｰﾕｰｷｰ

楓「んくんく」

楓「……はふ。じゃあプロデューサー、私は、明日があるさ、がいいです」

Ｐ「？」

楓「私のエンディングテーマです。ほたるのひかりではなくて、明日があるさ」

Ｐ「はあ……。あしーたがあるーさ」

楓「さけがあるー」ﾌﾝｽ

Ｐ「まず仕事ですけどね」ﾌﾝｽｼﾞｬﾅｸﾃ

楓「さけもあるー♪です」

Ｐ「なるほど」

楓「ふふ」

楓「プロデューサーもいるー♪ですよ」

楓「だから、今日が終わっても、私は明日も頑張ります。明日も幸せです」

Ｐ「……。そうですか」

Ｐ「それは、よかった」

楓「はい。ふふ」

Ｐ「その素敵な言葉は」

Ｐ「居酒屋さんでほたるのひかりを聴きつつ、名残惜しそうにお酒を飲みながらじゃなく聞きたいところでしたが」

楓「そんな水臭いこと言わないでくださいよー」

楓「……」からから……

Ｐ「……？……水割りだけに？」

楓「！」こくこく

Ｐ「ごちそうさまでしたー」

楓「あっ、ひどい。ぷ、プロデューサー。置いていかないでくださいよー」

Ｐ「はいはい。明日があるさー、ですよね」

楓「そうですそうです。ふふふっ♪」

…………


ﾌﾞﾛﾛﾛ……

Ｐ「……」

比奈「…………」

比奈「……はっ」

Ｐ「あ、悪い。起こしたか」

比奈「あ、いえ……すいません、アタシいま寝てたっスか……？」

Ｐ「うん。疲れてるんだろ。寝てていいよ」

Ｐ「今日はまだ朝のうちに出発して、これから仕事だし、しっかり休んでおけばいいよ」

比奈「ン……すいません……ス。……くぅ」

～♪

比奈「……？……あ、この歌……」

Ｐ「と。ボリューム下げるな」

比奈「あ、いえ」

比奈「知ってまス。なつかしいなぁ……」ﾑﾆｬ

Ｐ「ん、よく知ってるな。懐かしいってことは、この、カバーじゃなくてだよな」

比奈「はい。たぶん、お母さんがよく聴いてたんじゃないでスかねえ……あふ」

Ｐ「そっか。いい歌だよな」

比奈「はい」

ｱﾅﾀｦｼｰﾝｼﾞｰﾃｰﾙｰ

比奈「…………」

Ｐ「…………」

比奈「……ふあ」ｱﾌ

比奈「ふふ。プロデューサーもこういう歌、聴くんでスね」

Ｐ「まあな」

比奈「あなたをしーんじーてるー……♪」

比奈「まあ、なんというか、アタシが好きというにはまだ若すぎる気もしまスけど」

Ｐ「そうか？……比奈にはけっこうあってる気もするけど」

比奈「……」ﾑﾆｬ

比奈「寝言っスか？」

Ｐ「俺は別に寝てないよ？」

比奈「え、どこがでス？」

Ｐ「青春を渡って　あなたとここにいる」

Ｐ「……とか。趣味をつなげて、アイドルの自分と今ここにいる、比奈みたいじゃないか」

比奈「わあくさい台詞」

Ｐ「悪かったな」

比奈「……」ﾌﾑ

比奈「そうっスかねえ。私みたいでスかねえ」

Ｐ「うん」

比奈「……そうっスかー」

比奈「それは、まあ、嬉しいでス。けど……」ﾍﾍ……

ﾋﾄﾐｦﾐｰｱｹﾞｰﾃﾙｰ

比奈「…………」

比奈「……」ﾁﾗ

Ｐ「…………」

ｱﾘﾌﾚﾀｰｱｻｰﾃﾞﾓｰ

比奈「…………」ﾑﾆｬ

比奈「へへ」

ﾌﾞﾛﾛﾛ……

比奈「プロデューサーも、この歌、好きなんでスよね？」

Ｐ「ん？うん」

比奈「そっか……」

比奈「この歌って、なんだか聴くたび、あー、いい歌だなー」

比奈「なんだかさみしくなるけど、こんなふうなおしまいの曲っていいなー、とか思うんでスよね」

Ｐ「？なんだ、おしまいの曲って」

比奈「あ、えっと、原稿とか描いてて考えることがあるんでス。この話の終わりにはどんな歌があうだろー、とか」

Ｐ「へえ」

比奈「でも……」

比奈「二人とも好きならさみしくもないっスね」

Ｐ「うん？」

比奈「ほら、歌詞に　あなたをしーんじーてるー、って……だから」

比奈「二人好きな人がいれば、」

比奈「こう、お互い信じてるみたいな……」

ｱﾅﾀｦｼｰﾝｼﾞｰﾃﾙｰ

ｱﾅﾀｦｱｰｲｼｰﾃﾙｰ

Ｐ「…………」

比奈「…………」

Ｐ「…………」

Ｐ「比奈お前、それけっこうくさ」

比奈「寝言っス」

Ｐ「というかけっこうはずかし」

比奈「寝言っス」

Ｐ「はい」

比奈「…………」ﾊｽﾞｶｼｲｺﾄｲｯﾀ…ｱｳｱｳ

ｷｮｳﾉﾋｶﾞｰｷﾈｰﾝﾋﾞｰ

比奈「……。へへ」

比奈「……もうちょっと寝てまス」

Ｐ「うん。あとで起こすよ」

比奈「お願いしまス」

比奈「…………」ﾍﾍ

比奈「おやすみなさい」

Ｐ「おやすみ」

…………


仁奈「…………」ぷしゅー

Ｐ「……」ﾖｯﾄ

仁奈「あう」

仁奈「すまねーですプロデューサー……仁奈は自分で歩くですよ……」

Ｐ「いいよいいよ」

仁奈「あーうー。すまねーです、すまねーです……」ぷしゅー

Ｐ（きぐるみもガス欠のようにぺったんこだ）

ﾊﾞﾀﾝ

Ｐ「家まで送るから、悪いけど、もう少し頑張ってな」

仁奈「はいです……」

仁奈「ぷしゅー……」ﾑﾆｬ

Ｐ（安全運転でいそぐか）

仁奈「…………」ﾑﾆｬﾑﾆｬ……

Ｐ「…………」

仁奈「…………」ﾌﾟｼｭﾓﾌ

仁奈「…………」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

ﾌﾞﾛﾛﾛ……

仁奈「……」

仁奈「…………」ﾓｿﾞｿﾞ

Ｐ「？」

Ｐ「仁奈。助手席が寝辛かったら、後ろで横になるか？」

仁奈「……いえ、その……だ、大丈夫でごぜーます」

Ｐ「そうか？あ、お腹すいてるなら、どこか寄ってなにか買って来ようか」

仁奈「へいきでやがりますよ」

Ｐ「そっか」

仁奈「…………」

Ｐ「欲しいものがあったら言ってな」

仁奈「はい」

仁奈「…………」

仁奈「…………」ﾓｿﾞｿﾞ

仁奈「あ、あの、プロデューサー」

Ｐ「うん？」

仁奈「じゃあ、その……なにか」

仁奈「お、おうたを歌ってくれやがりませんか」

Ｐ「は？」

仁奈「あっ、その、なんでもねーです！」ﾓ……ﾍﾟｯﾀﾝ

仁奈「ぐう……きぐるみがぺったんこでやがります……もふもふがたりねーです……！」

Ｐ「もふもふが」

Ｐ「…………もふもふとおうたはなにか関係があるのか？」

仁奈「い、いやねーですけど……その」

仁奈「もふもふがあればねやがれるんですが、ないので……」

仁奈「代わりに、その、いつも寝るときは、おうたを歌ってもらってたから……それがおちつくんでやがります」

Ｐ「なるほど」

仁奈「あ、でも、仁奈のわがままなので……やっぱりへいきでごぜーます。大丈夫です」

Ｐ「…………」

仁奈「…………」ﾓ……ﾍﾟｯﾀﾝ

仁奈「…………」……ﾓｿﾞﾓｿﾞ

Ｐ「……なにがいいんだ？」

仁奈「！　うたってくれるんでやがりますか！」

Ｐ「仁奈は今日は頑張ったしな。俺にできることなら」ﾊｽﾞｶｼｲｹﾄﾞ

仁奈「ではたきしーどみらーじゅがいいでごぜーます！」ﾆﾊﾟｰ

Ｐ「また仁奈お前すごいチョイスだな」

仁奈「比奈おねーさんとこのまえ観たんでごぜーますよ！」ﾆﾊﾟﾆﾊﾟ

Ｐ「そ、そうか」

Ｐ「まあたしかにあれは寝るとき聴くのにちょうどいいけど……」

Ｐ「…………」ｺﾞﾎﾝ

Ｐ「よーふけーのーまーんとー」

仁奈「わーい」ｷｬｯｷｬｯ

Ｐ（あ、よかった喜んでる……）ﾋﾛｰｹﾞﾚｰﾊﾞｰﾆｼﾞｲｰﾛｰ

仁奈「えへへ！プロデューサーが歌ってくれるおうたなら、仁奈なんでも好きですよ！」ﾆﾊﾟ

Ｐ「あ、そういう……」

Ｐ「むねがーいいっぱいー」

仁奈「♪」ﾌﾝﾌﾝ

仁奈「……」ﾑﾆｬ

仁奈「……えへへ……Ｐの声……とっても、おちつくでごぜーます……」ｽﾔ……

Ｐ「……そっか」

仁奈「はいっ。えへ……むにゃ」

Ｐ「…………ん」

Ｐ「おやすみ、仁奈」

仁奈「はい。おやすみなせー……ありがとーござーます、ぷろでゅーさー……」

Ｐ「うん。どういたしまして」

仁奈「……♪」ｽﾔｽﾔ

…………


Ｐ「柚ー」

柚「はーい」ﾋｮｺ

Ｐ「おお、呼んだらすぐ出てきた」ﾋﾞｸ

柚「ほめられた！」

Ｐ「いや、……。よしよし」

柚「んー♪」ｷｬｯｷｬｯ

柚「ところでなにか用かナ？」

Ｐ「あ、そうそう」

Ｐ「今度、4人で代わりばんこにやるラジオの、自分の日のエンディングテーマをどうするかって。希望があるか聞かれてな」

Ｐ「他のみんなにはもう聞いたんだけど」

柚「わ、ほんと？好きなの選んでいいの？」

Ｐ「まあ」

柚「つめーつめーとか」

Ｐ「それはまあできればやめてください」ｲﾒｰｼﾞｶﾞ

柚「あれー」

柚「じゃあ、うーん。そうだナー」

柚「…………」ｼｬｶｼｬｶ

柚「はい」

Ｐ「？」

柚「これがいいな」

Ｐ「ああ、いま音楽聴いてたのか。って、それでいいのか？」

柚「宿題しながらねー。いいよっ」

Ｐ「本当に？」

柚「うんっ、好きな歌だし！」

Ｐ「いや、宿題やってたって方」

柚「柚の信用！やってたよーほんとだよー」

Ｐ「冗談冗談」

柚「じゃー、それでよろしく♪」

Ｐ「帰るのか？」

柚「うん。宿題おわったところだし」

柚「じゃあねＰサンーまたあしたー」

Ｐ「あ、おいこれ」

柚「あした返してくれたらいいよっばいばーい！」

Ｐ「……」ｼｬｶｼｬｶ

Ｐ「……」ﾄﾘｱｴｽﾞｷｲﾃﾐﾙｶ

～♪

ﾈｰﾌﾜｯﾄｶｵｰﾙｰ

Ｐ（……Perfumeだ）

ﾋﾐﾂｰﾉｺｰｲｰﾆｰ

Ｐ「…………」


「きみーはー気づいてくれーたーかなー？」


Ｐ「…………」

ｶﾞﾀ

Ｐ「……」ｶﾞﾁｬ

柚「？」

柚「あっＰサンだ。へへっどうしたの？」

Ｐ「どうしたのって」

Ｐ「柚こそ、……そこでなにしてたんだ？帰ったんじゃなかったのか」

柚「へへ」ﾆﾊﾟ

Ｐ「……はは」

ぺち

柚「あう」

Ｐ「ほら。これ」

柚「？」

Ｐ「いま返すよ」

柚「……あ」

柚「う、うん」

Ｐ「だから、あとで車で一緒に聴こう。送るよ」

柚「あっ」

柚「……へへ。うんっ」ﾆﾊﾟ

柚「ねぇねぇＰサンっ」

Ｐ「うん？」

柚「ねーふわっとかーおーる、ゆーずーのかーおーりー♪」

柚「ねっ。気付いてくれたかな？」

Ｐ「…………」

Ｐ「……、うん」

柚「へへ。ふふ」

柚「そっか。よかった！」ﾆﾊﾟ

Ｐ「うん」

柚「じゃあ帰ろー」

Ｐ「そうだな」



・・・・おしまい