男「ハーレム?」友「おう」 (9)
友
「最近のラノベやアニメはそんなんばっかでよー。嫌な訳じゃないけど、そんなんで惚れるかフツー? みたいな感じな訳よ」
男
「そうか。悪い、私はあまりそちらの趣味に理解が深くない」
友
「男にそっちは期待してないからいーって」
男
「ふむ……例えば、どんなものがあるんだ?」
友
「例えばな……そうだ、男がその主人公だと思って聞いてくれ」
男
「分かった」
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~妄想~
男
「ここが、○×高校か……」
女
「ちょっとあなた! 部外者は立ち入り禁止ですわよ!」
男
「む、私は部外者ではない。今日からこちらの学校の世話になる者だ。名を男と言う。よろしく頼む」
女
「え? あ、あぁ……あなたが……私は女ですわ」
男
「うむ。良い名だ」
女
「……え?」
男
「そうだ、私はこちらの学校が初めてで右も左も分からない。よければ案内を頼みたいんだが、時間は大丈夫だろうか?」
女
「えぇ……大丈夫ですわ」
男
「ありがたい。それでは、職員室の場所を教えてほしい」
~妄想終了~
男
「うーむ……」
友
「お前がやると、まぁそうなるよな……いやそうじゃないんだって。邪険にされまくるんだよ、とにかく。そうだ、その女は男が大嫌いってことにしよう」
男
「男嫌いか……さぞ、生きにくいだろうな……」
友
「理由! 理由はあれだ、男はみんなどうしようもなく無能とか考えてるんだよ!」
男
「なるほど……それは一度じっくりと話し合いたいものだ」
友
「うーんなんか違うんだよなぁ……。お前がいると正統派にしかならん。ちょっと話進めるぞ」
友
「まぁとにかく、女は男といがみ合うんだよ。んで、テストの話になるんだ」
男
「テストか」
友
「そこで、まぁズタボロに言われる訳だよ。「男なんかが私に勝てる訳ありませんわ!」とかなんとか」
男
「なるほど」
友
「で、お前はなんだかんだあって勝っちゃうんだ」
男
「ふむ……」
友
「そしたら「好き! あなたが好きなの!」ってなっちゃうんだ」
男
「……能力の有無で判断されると、どうにも嫌な気持ちになるな」
友
「だろ? ちょっと妄想してみろよ」
~妄想~
女
「あなたに勝負を挑みますわ!」
男
「勝負?」
女
「ええ。あなたがもし私に勝てたら、あなたの言うことをなんでも聞いてあげましょう! ですが……私が勝てば、あなたはこの学校から出ていってもらいますわ!」
男
「……それは、悲しい話だ……。私は、そこまで君に嫌われていたのだな……。すまない、汲んでやれなくて……」
女
「え、いや……」
男
「なるべく君の目に触れぬように生活をしよう……すまなかった……」
女
「え、あ……」
~妄想終了~
友
「まて、引き下がるな、なんだかんだあって勝てよ」
男
「すまない……私にはこの選択をするしかなかった……」
友
「説明しただろ! その通りに動いてくれよ!」
男
「争いは、無益だ……こと個人の争いは特に……」
友
「悟るな。はー……じゃあ、もういいや、勝ったあとの妄想をしてくれよ」
男
「事が終わった後だな……分かった」
~妄想~
女
「こんな……私が負けるなんて……!」
女
「……男! 男はどこですの!?」
男
「私はここにいるよ。どうかしたのかな?」
女
「……~~ッ! さぁ、勝ったのはあなたですわ! なんでも好きなことを命令しなさい!」
男
「む……すまない、なにも考えていなかったな……」
女
「なんですって!?」
男
「……そうだ、女さん。よければ私と仲良くしてはもらえないだろうか。私は、君が嫌いではない」
女
「……え?」
男
「少し周りが見えない所もあるが、素直で一直線で、行動的だ。私にはどうにも、君は眩しい。だからこそ、君のような人と友人になりたいんだ。どうだろう、これは命令ではなくお願いで、勿論強制する気はないんだ」
男
「そうだな……ではこうしよう。私と友人になってくれないか? そして命令権を使う、「この私の申し出に承諾か拒絶で今答えてくれ」」
女
「…………………………ふふ……。あなたって、本当に……」
女
「良いですわ。あなたと友達になりましょう。好きですわ、あなたの事が」
男
「……良かった」
~妄想終了~
男
「良かった……」
友
「話は大団円かもしんねーけど、もうそんなこと言われたら惚れるに決まってるじゃねーか」
男
「む……? よく分からないが、仲良くなれたぞ」
友
「ふぁー。だからね? 意味不明な状況なのに好感抱かれる状況なんだよ、俺が言ってるのは」
男
「うーむ……仲良くできたのなら良いと思うんだが……」
友
「いいこちゃんか。……いいこちゃんか……」
おやすみ
寝るにはまだ早いぞ
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