メイド「き、貴族様が御所望された奴隷でございますが…」
貴族「…誰がこんな小娘にしろと言った?」
貴族「(部屋に入ってきたメイドと小綺麗な格好をした奴隷を見る。なぜ、こんな小娘の奴隷を選んだのか…)」
メイド「一番の上物とのご指示でしたので…その…!」
貴族「…ちっ。さしずめ奴隷商人に言われたままのものを買ってきたんだろう。私は肉体労働をさせる奴隷が欲しかったんだ」
メイド「も、申し訳ありません!私はてっきり…!で、ですが見た目が美しく…処女との事です!」
貴族「ーーッ!」ギロッ
メイド「ひいっ!?」ガタガタ
貴族「…もうよい。下がれ」
メイド「は、はい…」
貴族「……」
奴隷「……」
貴族「(歳は12、3といった所か。…なにが見た目が美しく処女だ…くだらん)」
貴族「おい」
貴族「(部屋に入ってきてからメイドが慌てて出て行くまでの間、身動き一つせず私を見つめている奴隷に声をかける)」
奴隷「はい、旦那様」
貴族「…お前は何が出来る?」
奴隷「ご命令があればなんなりと」
貴族「はっ、なんなりとだと?」
貴族「(肉付きは良いみたいだがその細い腕と足で何が出来るというのだ)」
奴隷「はい」
貴族「(少しも考えるそぶりを見せん。…いや、考えていないんだろうな。命じられた事を嫌な顔せずするのが奴隷というものらしいからな。ふん、ならば…)」
貴族「先ほどの話を聞いていたな?」
奴隷「はい」
貴族「お前は私が望んだ奴隷ではない。ならばいらぬ。今すぐ死ね。おっと、舌を噛むなよ?血で部屋を汚されては敵わん」
奴隷「わかりました」グッ
貴族「(ふん、己の首を絞め始めたか…どうせ途中で止めるだろうよ)」
奴隷「ぐっ…うっ…!」
貴族「(さて、この奴隷をどうしたものか…返品が一番だが…)」
奴隷「か…っ!…っ!」
貴族「(…非処女だと疑われるのは癪だな…ったく、奴隷は肉体労働が出来る男だろうが…)」
奴隷「…!…!」バタバタ
貴族「(…わざとらしい。それも演技なんだろ?だから女の奴隷など…いや、顔色が青く……!?)」
奴隷「……!……」ピク…ピク…
貴族「っ!!」バッ
貴族「(急いで床の上で横たわり痙攣し始めた奴隷の手を掴み首から離させる。こいつ、本気で死ぬつもりだったのか!?)」
貴族「おい!!大丈夫か!?」
奴隷「…っは!!ゲホッ!ゴホッ!…うえっ…う゛え゛ぇぇぇぇ!!」
貴族「(首の圧迫がなくなった奴隷は呼吸を開始したと思ったら涙を流しながらほとんど透明な吐瀉物を床に吐き出し咳き込み始めた)」
奴隷「もっ、申し訳…げほっ…おぇぇ…ありま…せん…い、今すぐ死にます…ので…」
貴族「(口を拭おうともせず、私に掴まれた手を弱々しく震わせ引き寄せようとするもそれが叶わないと分かれば口と目を閉じ、苦悶の表情を浮かべながら呼吸を止め始める)」
貴族「っ!?もう良い!!やめよ!!」
奴隷「!…っは!…はぁはぁ…!…わかり…ました…」
貴族「(呼吸を始めた事に安堵して、私はゆっくり手を離す)」
貴族「大丈夫か?」
貴族「(未だ呼吸が荒く、涙を浮かべている奴隷に問うと、涙と吐瀉物でぐちゃぐちゃになった顔で奴隷は頷く。が、急に驚愕の表情を浮かべよろよろ跪き、吐瀉物の上から頭を地面に擦り付ける)」
奴隷「だ、旦那様のお召し物を汚してしまいました…どうか罰を…」
貴族「あ、ああ…」
貴族「(たしかに、飛び散った吐瀉物が膝にかかっていた。…気にするほどではなかったが、許すと言ったところでこいつが納得するとは思えなかった)」
貴族「…ならば、メイドの所に行き床を拭く道具を持ってきて床を掃除しろ。ついでにその顔も洗って吐瀉物に汚れた服も取り替えるように」
奴隷「それが、罰でしょうか?」
貴族「う、うむ」
貴族「(…これで納得する…か?)」
奴隷「わかりました」
貴族「(顔を上げた奴隷は私に確認すると、ゆっくりと立ち上がり私に深く頭を下げて部屋を出て行く)」
貴族「…はぁぁぁ…」
貴族「(奴隷が部屋を出たのを確認し、尻餅をついて深くため息を吐く。…目の前には奴隷の吐瀉物があり、部屋の中はその匂いでいっぱいだった)」
貴族「…奴隷が、絶対服従とは知っていたし、命令された事はなんでもするとも聞いてたけどさ…」
貴族「いくらなんでも、ここまでとは思わねぇよ…」
貴族「(俺は一人部屋の中で頭を抱える。なんて買い物をしてしまったんだ、と)」
更新は以上です。まったり更新になると思いますがご容赦ください
乙
いい買い物だな、鍛えれば強くなるぞその子
乙
ほ
ほ
し
この奴隷結構スペック高そうだぞ
このSSまとめへのコメント
こんなもんまとめんな
面白いとは思うが短すぎる
まとめないでくれる方が嬉しい部類