お久しぶりです。タイトル通りですが、一応キャラ崩壊にご注意下さい
↓過去作
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【艦これ】提督「舞風の踊る姿を見たことがない」 - SSまとめ速報
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【艦これ】提督「梅雨以来祥鳳の肩を見ていない」
【艦これ】提督「梅雨以来祥鳳の肩を見ていない」 - SSまとめ速報
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【艦これ】川内「夜戦だけが好きなわけじゃない」
【艦これ】川内「夜戦だけが好きなわけじゃない」 - SSまとめ速報
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【艦これ】提督「中破した浴衣浦風を襲ってしまった……」
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【艦これ】瑞鶴「提督さんと目を合わせられない」
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【艦これ】提督「那智が好意に気づいてくれない」
【艦これ】提督「那智が好意に気づいてくれない」 - SSまとめ速報
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提督「……早朝から何を言っとるんだ、お前は」
青葉「いやいやいや、今回はマジモンです!」
提督「はぁ……なあ青葉『狼と羊飼い』って話知ってるか?」
青葉「違うんです! 今回は本当なんです! 信じて下さい!」
提督「……それ以上言うと一週間の謹慎だぞ」
青葉「ネタ振りじゃありませんって! ……ああもう、とにかく来て下さい!」グイッ
提督「やれやれ……」
・
・
・
提督「……で?」
青葉「あれです!」ビシッ
提督「……?」
古鷹「――古鷹だ。お前に最高の勝利を与えてやる」ドヤッ
木曾「――木曾です。重雷装巡洋艦のいいところ、たくさん知ってもらえると嬉しいです」モジモジ
青葉「……ね?」
提督「…………」
提督「………………」
提督「……………………えぇ??」
提督「なあ青葉、俺、目か耳がおかしくなったのかな? それともこれは夢……?」
青葉「いえ、しれーかん。しれーかんの目も耳も正常ですし、今の状況は紛う方なき現実です」
提督「…………」
古鷹「よう、提督。どうした、そんなシケた顔して?」
木曾「あ、提督……お早うございます。お顔の色が優れませんが、大丈夫ですか?」
提督「え、あ、うん……」
提督「……えっと、こっちが木曾でこっちが古鷹?」
古鷹「? 何言ってるんだ……俺が『古鷹』で」
木曾「私が『木曾』ですよ?」
提督「…………」
提督「……うーん」フラッ
古鷹「提督!?」
木曾「提督!!」
青葉「し、しれーかん!」
・
・
・
提督(…………)
提督(…………はっ)ガバッ
提督「…………」キョロキョロ
提督「はは……やっぱり夢か。何だよ……」
木曾「(ガチャ)提督、気がつかれましたか?」
提督「?!」
古鷹「ったく、心配させやがって」
提督(夢じゃ……ない……)
青葉「あー、お二人とも、しれーかんはまだ意識が不明瞭なようですから。ここは秘書艦たる青葉にお任せ下さい」
木曾「ん……そうですね。それでは提督、お大事に……」
古鷹「じゃあ頼むぜ、青葉」バタン
提督「…………」
青葉「……信じて頂けましたか、しれーかん」
提督「……ああ」
提督「……青葉、原因に何か心当たりは?」
青葉「サッパリです」
提督「…………」
青葉「……まあ、二、三日すればひょっこり元に戻るんじゃありませんか?」
提督「適当なこと言ってんなぁ……」
青葉「別に、実害があるわけじゃないんですから」
提督「そうなんだけど……違和感がなぁ」
青葉「と言って、対処のしようもありませんし……やっぱりしばらく様子を見るしかないのでは?」
提督「うーん……そうだよなぁ」
青葉「……それに、なかなか面白いネタになりそうですし」
提督「……やっぱそれが本音か」
・
・
・
加古「zzz……んがぁ~」
古鷹「……」パタン
加古「ん……ふぁ~あ」ムクリ
加古「……」ボンヤリ
加古「……あ、古鷹じゃん。おはよ……」
古鷹「……ったく、まだ寝てたのか」
加古「? お、おお……」
加古(……なんか、いつもと雰囲気が違う……)
加古「な、なあ古鷹……もしかしてなんか怒ってる?」
古鷹「……別に、怒っちゃいねえよ。……呆れてるだけだ」
加古「!?」
古鷹「飯を食らっちゃ寝」
加古「うっ!(小破」
古鷹「起きてテレビ見ちゃ寝」
加古「ううっ!(中破」
古鷹「会議をサボっちゃ寝」
加古「うううっ!(大破」
古鷹「それでよく夜寝られるもんだぜ」
加古「ぐはあっ!(撃沈」バタリ
加古「…………」
古鷹「……言ってるそばから二度寝か? ……ったく」
古鷹「……まあいい。俺は朝飯食ってくるからな」パタン
加古「…………」ムク
加古「うぐぐ……仕事もできないあたしだが……」
加古「精一杯頑張ってんだよ……あたしなりに……それなりに……」
加古「…………」バタッ
・
・
・
木曾「……」パタン
球磨「ふぁ……木曾? 昨夜は何してたクマー」ボリボリ
木曾「あ、古鷹さんとちょっと……心配かけてごめんね?」
木曾「――球磨お姉ちゃん」
球磨「!?」
球磨「き、木曾、今なんつったクマ……?」
木曾「? 球磨お姉ちゃん、って」
球磨「…………」
球磨「……も、もう一回呼んでくれクマ」
木曾「……球磨お姉ちゃん?(上目」
球磨(ク、クマーーーーーー!!)
球磨(何だクマ、この可愛い生き物は! これは本当にうちの妹クマか!?)
木曾「どうかしたの、球磨お姉ちゃん?」
球磨「い、いや、大丈夫クマ。問題ないクマ(悶え」
木曾「……? 変なお姉ちゃん」
球磨(多摩! 多摩! 起きるクマ! 木曾が超可愛くなってるクマ!)バシバシ
多摩「ん~……なんにゃ……どうしたにゃ……?」ゴシゴシ
木曾「お早う、多摩お姉ちゃん。今日も一日頑張ろうね」ニコ
多摩「…………」
多摩「……天使にゃ。天使がいるにゃ」ダキッ
木曾「な、何? 急にどうしたの、多摩お姉ちゃん?」
球磨「木曾、一緒に朝飯食いに行くクマ! 今日はねーちゃんが奢ってやるクマ!」ガシガシ
木曾「んん~っ、球磨お姉ちゃん、髪の毛崩れちゃうからやめてよぉ……」
球磨「クマクマ~♪」ナデナデ
多摩「にゃあ……♪」スリスリ
木曾「んうぅ……(照」
・
・
・
提督「――取りあえずメシを食いに来たぞ」
青葉「腹が減っては何とやらですね」
提督「古鷹と木曾は……」キョロキョロ
球磨「ほら木曾、あ~んするクマ」
木曾「じ、自分で食べられるよ……」
多摩「木曾、こっちも食べるにゃ」
木曾「うぅ~、やめてよお姉ちゃんたちぃ~」
球磨「クマぁ……(ほっこり」
多摩「にゃあ……(ほっこり」
提督「……あっちは入り込めそうにないな」
青葉「古鷹さんがお一人みたいですから、そちらに行ってみましょう」
提督「お、そうか」
古鷹「…………」モグモグ
提督「……古鷹、ここいいか?」
古鷹「……提督か。ああ、いいぜ」
青葉「青葉もいますよ」
古鷹「……お前は何も言わなくても勝手に座るだろう」
青葉「…………」
青葉(……もしかして青葉、実はいつも古鷹さんに迷惑がられている……?)
青葉(いや、そんな……でも……いやいや……!)
古鷹「提督、具合はもういいのか?」
提督「……ああ、心配かけてすまんな」
古鷹「俺たちの代わりはいても、お前の代わりはいないんだから……少しは気を付けろよ」
提督「……そうだな」
提督(……外見は古鷹なんだが……言動は完全に木曾だよなぁ)
提督「……今朝は、加古は一緒じゃないのか?」
古鷹「ああ……何だか知らんが、よくそれだけ寝られるな、って話をしたら、布団に蹲<ウズクマ>りやがってな」
青葉(……きっと、普段の言動とのギャップが心にグサグサ刺さったんですよ)
提督(…………)ポンポン
青葉(何で無言で頭撫でるんですか! 別に実体験じゃありませんよ!)
提督「古鷹、今日は出撃してもらう予定だが……身体の不調とかはないか?」
古鷹「いや、別に……むしろ、調子がいいくらいだな」
提督「そ、そうなのか……」
古鷹「ああ、何も心配しなくていいぜ。お前に最高の勝利を与えてやるよ」
提督「…………期待してるよ」
古鷹「ふっ……」
球磨「木曾は今日出撃の予定クマ? 力が出るようたんと食べるクマ!」
多摩「それとも、甘いものが欲しいかにゃ?」
木曾「お姉ちゃんたち、朝からそんなに食べらんないよ……」ケプ
・
・
・
提督「……さて、もうじき出撃の時刻だが」
提督「……本当に大丈夫かなぁ、古鷹と木曾をこのまま出撃させて」
青葉「生活に支障はないようですし、戦闘もきっと大丈夫でしょう」
青葉「戦闘のショックで元に戻ることもあるかもしれませんし……というか、青葉はそれを期待してます」
提督「ん、ネタはもういいのか?」
青葉「……古鷹さんに冷たくされるのが、思った以上に辛いということが解りましたので」
提督「ああ……」
青葉「……大丈夫ですよ。もし不測の事態が起こっても、旗艦の青葉がフォローしますから」
提督「……解った。それじゃあ編成は当初の予定通りとする。……くれぐれも気をつけてな」
青葉「りょーかいです」
・
・
・
青葉「……さ、皆さん準備はよろしいですかー?」
古鷹「ふっ……本当の戦闘ってヤツを教えてやるよ」
吹雪「!?」
木曾「頑張ろうね、北上お姉ちゃん、大井お姉ちゃん! 久しぶりに一緒に出撃できて嬉しいなぁ~」
大北「「!?」」
吹雪「あ、青葉さん! 古鷹さんがグレちゃいました!」
青葉「……吹雪ちゃん、その言い方は木曾さんや天龍ちゃんに失礼ですよ」
古鷹「どうした、吹雪。不安なのか?」
吹雪「え、いや、あの」
古鷹「大丈夫だ、俺を信じろ」
吹雪「いえ、古鷹さんのことは信頼してますけど……」
古鷹「俺がいる限り、誰も沈めさせはしない……この左目の、探照灯に誓ってな」
青葉(んん……慣れてみると、単なる厨二病にも思えますね。加古さんがアクティブになったらこんな感じなんでしょうか)
大井「……ちょっと、木曾。あなた何か悪いものでも食べたんじゃないの?」
木曾「? 別にそんなことないけど……」
木曾「でも心配してくれてありがとう、大井お姉ちゃん」ニコ
大井「う……」
北上「……や~、アタシ、こんな素直な妹が欲しかったんだよね~」ナデナデ
木曾「き、北上お姉ちゃん、くすぐったいよ……」
大井「き、北上さん……」ガーン
木曾「あ、大井お姉ちゃん……その、私……ごめんなさい」シュン
大井「! べ、別にいいのよ木曾。あなたは私たちの妹なんだからぁ」デレ
青葉(……大井さんの珍しい表情が見れたのは重畳ですが……収拾がつきませんね)
青葉「(パンパン)はい皆さ~ん。そろそろ出撃しますよ~。いいですか~」
吹雪「え、あの……」
古鷹「しっかりやれよ、青葉」
北上「木曾っち、アタシらの後ろにいなよ~」
木曾「ううん、大丈夫。私もお姉ちゃんたちと戦うよ」
大井「あら、頼もしいわね……ふふっ」
青葉(……うーん。しれーかんにはああ言いましたが、直前になってやっぱり不安になってきました。大丈夫ですかねぇ……)
・
・
・
古鷹「――当然の結果だ。別に騒ぐほどのこともない」
青葉(……一戦目の前衛艦隊を古鷹さんの砲撃で)
木曾「――私たちの活躍が、たまたま目立っただけなんです。これが、重雷装巡洋艦なんですよ」
青葉(……二戦目の潜水艦隊を木曾さんの爆雷投射で撃破)
青葉(戦闘には全くもって支障がない……どころか、本当に調子がいいみたいですね)
吹雪「……すごい」
大井「……ふぅん」
北上「やるね~」
青葉「…………」
青葉「! ……水上電探に感あり、南西方向……大型艦含む!」
吹雪「こちらでも確認しました! 戦艦1隻と……空母の反応があります!」
青葉「空母ですか……とはいえ、敵はまだこちらに……」
吹雪「! 対空電探に反応! 敵艦載機っ!」
青葉「……気づいていたようです」
古鷹「……やれやれ」
青葉「んぐ……」
木曾「あ、青葉さん、大丈夫っ、ですよ!」グッ
青葉「……ども」
青葉「……各艦、対空警戒を厳に! 敵機を凌ぎつつ距離を詰めます!」
青葉「――敵艦隊、視認! 砲戦、用意!」
青葉(空母二隻は雷巡のお三方の雷撃で無力化してる……こちらも北上さんと吹雪ちゃんが損傷を受けましたが、ここは先手必勝です!)
北上「……悪いんだけど、アタシは気持ち後ろにつかせてもらうよ~」
大井「北上さんを傷つけるなんて……もう怒ったわ!」
木曾「北上お姉ちゃんも皆も……守ってみせる!」
吹雪「すみません! 私も後方からの援護に徹します……」
古鷹「いや、実質一人での対空射撃よく頑張った。……後は俺たちに任せな!」
青葉「……ってー!!」
カン、カン
ル級『……』
青葉「……火力が、ちょこっと足りないのかしら」
古鷹「下がってな、青葉!」
青葉「古鷹さん……!?」
ル級『……』ジロ…
ホ級『……』オォォォン…
ロ級『……』キシャー…
古鷹「へへっ……こっちだ! いいぞぉ!」
青葉「無謀です! 下がって下さい!」
ホ級『……』オォ…ン
ロ級『……』シャーッ…
古鷹「心配すんな、青葉……よっ、と」ヒョイ
古鷹「……そこだッ!」
ロ級『……!?』ギュアァオ…
古鷹「……お前らの指揮官は無能だなぁ!」
ル級『……』ギロ…
シャッ…ドーン
古鷹「……ぐっ!」
青葉「ふ、古鷹さん!」
古鷹「ちっ……ちょっとばかし、涼しくなったぜ……!」
ル級『……』キッ…
古鷹「……随分と頭に血が上ってるみたいだなぁ……だから……」
大井「九三式酸素魚雷……やっちゃってよ!」
木曾「敵艦捕捉……木曾、突撃します!(抜刀」
古鷹「……あいつらの動きに気づかない」
ル級『……!』
――ガン、ゴン
大井「……んなっ!? 不発!?」
ル級『……』ニィ…
大井「木曾、待ちなさ――」
ドオォ…ン
大井「!!」
木曾「っ……まだ、沈まないよ!」
ル級『……』ギリッ…
ガコンガコン…
古鷹「……やらせるかっ」
ホ級『……』オォォ…
ロ級B『……』キュオーッ…
古鷹「! くそっ」
青葉「……ここは、青葉にお任せ!」
カン、カン
ル級『……!』ギリギリ…
青葉(……怒ってる怒ってる!)
古鷹「その一瞬の隙があれば……!」ドンッ
ホ級『……!?』ンオォォォン…
木曾「――せええぇぇいっ!!」
ル級『……!!』
――ズバッ
木曾「…………」
ル級『…………』
――チンッ
ル級『……!?!?』ブシャァッ
ドサッ……ブクブク……
木曾「…………」
木曾「……ふぅ~」ヘナヘナ
大井「木曾! 大丈夫なの!?」
木曾「あ、うん……ちょっと気が抜けちゃって……」
大井「もう……! あんな無茶して……!」
木曾「ご、ごめんなさい、大井お姉ちゃん……」
大井「……ほんとに、もう」ギュッ
北上「大井っち、木曾っち、ごくろうさん。頑張ったね~」ナデナデ
木曾「……えへへ」ハニカミー
青葉(……この状態の木曾さんて、ほんと可愛い……というか、甘え上手ですね)
青葉(古鷹さんも、姉がいたらあんな感じなんでしょうか。……全重巡の姉、か)
青葉「っと、その古鷹さんは……ご無事ですか?」
古鷹「……たいした傷じゃない」
青葉「…………」ジッ
青葉「……今回も、守られちゃいましたね」
古鷹「…………」
古鷹「……いつものことさ」ギュッ、ポンポン
青葉「…………」
青葉(……ああ、やっぱり……古鷹さんですねぇ)
青葉「……吹雪ちゃん、左側支えてもらえますか」
吹雪「あっ、はい!」
古鷹「おいおい……大袈裟だな」
青葉「旗艦命令です……大人しく曳航されて下さい」
古鷹「……」(無言で肩を竦める)
青葉「……では、これより鎮守府に帰投します!」
北上「木曾っち、お姫様だっこしたげよっか~?」
木曾「じ、自分で航行できるから大丈夫だよ……」
大井「……」(姉の情合と女の嫉妬の入り混じった表情)
・
・
・
青葉「――というわけで、こちらは四隻が中破するも、敵旗艦をはじめ三隻を撃沈し、残りも大破・後退させました」
提督「……そうか。……ご苦労」
青葉「いえ……」
提督「……それで」
青葉「はい……」
提督「……古鷹と木曾は?」
青葉「今はドックです。戦闘のことでしたら、特に問題はなく……どころか、大活躍でした」
提督「……みたいだな」
青葉「例の現象がいい刺激になったのか、それとも高い練度の為せる業かは解りませんが……」
青葉「とりあえず、元に戻りそうな様子はありませんね」
提督「……そうかぁ」
青葉「……青葉は、案外このままでもいいんじゃないかと思いますけどね」
提督「なんだ? 出撃前に言ってたことと違うじゃないか」
青葉「ええまあ……月並みな言い方ですが、言動が変われど中身は変わらないと言いますか……」
提督「……ふむぅ」
青葉「……しれーかんは、元に戻ってほしいみたいですね?」
提督「……まあな」ポリポリ
青葉「…………」ジーッ
提督「……何だよ?」
青葉「いえ……」
青葉「……まあ、深く聞くのはやめておきましょうか」
提督「……だから何だよ、その含みのある感じは……」
青葉「ま、ま……何も仰らなくとも、青葉には解ってますよ」
提督「…………」
しれーかん←かわいい
青葉「しれーかんとも長い付き合いですからね……ええ、ええ……この青葉が、一肌脱ごうじゃありませんか」
提督「いや、何一人で話を進めて……」
青葉「そーですねぇ……それじゃあ今晩、執務室でお待ち下さいね♪」
提督「あの……」
青葉「そうと決まれば、っと!」タタタッ
提督「おーい…………」
・
・
・
提督「…………」
提督「まったく青葉のやつ、何を考えてるんだか……」
コン、コン
提督「ん……? 入れ」
提督(……青葉か?)
木曾「失礼します、提督」
提督「ふ……じゃなくて、木曾? どうした?」
木曾「え? いえ、提督がお呼びだと伺いまして……」
提督「え?」
木曾「青葉さんがそう言ってましたけど……」
提督「…………」
コンコン
古鷹「邪魔するぜ……っと」
提督「今度は古鷹か……一応聞くが、どうした?」
古鷹「何言ってんだ。お前が呼んだんだろう?」
提督「…………」
提督「……えーと」
提督(と言われてもな……俺にどうしろってんだ、青葉……)
古鷹「提督?」
木曾「提督……?」
提督(んんん……仕方ない)ゴソゴソ
ドンッ
古鷹「……?」
木曾「お酒……?」
提督「……お前たち、今日の出撃では大活躍だったからな。秘蔵の品だが、特別にご馳走しよう」
提督(……酒飲んで誤魔化そう)
古鷹「……ふっ、そういうことなら、ありがたく貰おうか」
木曾「……はい、ありがたいです♪」
・
・
・
提督「――っか~」プハッ
古鷹「……オッサン臭いぞ」
提督「うっ!? ……せめて、男臭いと言ってくれ」
古鷹「男に男臭いも何もあるか」クイッ
提督「うう……」
木曾「あはは……」クイ
古鷹「しかし、こんないい酒隠してたとはなぁ。……月も出てるし、なかなかいい夜じゃないか」
木曾「そうですね……」
木曾「…………」
木曾「お酒は美味しいし…………つ、月が綺麗です……ね、提督……?」ポッ
古鷹「! ……」チラ
提督「そうだな……いい月夜だ」ニブチーン
木曾「……」ガクッ
古鷹「……」
――スッ
古鷹「……」ピッタリ
木曾「……!」
提督「ごふっ! ……ふ、古鷹?」
古鷹「……正直、お前の指揮での戦闘は……ゾクゾクするよ」
古鷹「こうして触れ合っていると……戦闘よりも、もっと……」ススス
提督「はぅっ……」ビクッ
古鷹「なあ、提督……」
提督「う……あ……」
古鷹「夜戦も……得意なんだが……な?」ボソッ
提督(っそんな……古鷹の声で……耳元で……そんな言い方をされたら……!)
提督「ふ、古……鷹」
木曾「――っダメぇっ!」ドンッ
提督「うごっ!」ゴンッ
古鷹「……っち」
木曾「提督っ! 私、まだ提督のお役に立てていないですか……? 軽巡の……雷巡の……」
木曾「……ううん、私のいい所、提督に知ってほしいです……」ギュ
提督「(クラクラ)う、木曾……ちょ、待……」ズリズリ
木曾「(グイッ)ちゃんと聞いてくらさい! 逃げないで下さいぃ! それで逃げたつもりらんですかぁ!?」ユサユサ
提督「あう……ギブ…………」
――カクン
木曾「……はれ? ……提督?」
提督「…………」
木曾「まったく……仕方、ない…………やつ………………」
木曾「…………」バタリ
古鷹「ん……提督も……木曾……さんも…………」
古鷹「……そのままじゃ…………カゼ、ひい………………」
古鷹「…………」パタリ
・
・
・
青葉「――ふわぁ~あ」
青葉「……さーて、あの三人どうなりましたかねぇ」ニヨニヨ
青葉「(ガチャ)お早うございます、しれーかん! 昨夜はお楽しみで――」
青葉「…………」
三人「…………」zzz…
青葉「……やれやれ、お酒に逃げましたか」
青葉「はいはい、しれーかーん、古鷹さーん、木曾さーん……起きた起きた」ユサユサ
古鷹「…………ん」
古鷹「……ふぁぁ…あ」
古鷹「…………」ボー
青葉「お目覚めですかー?」ヒラヒラ
古鷹「……? ……あー……青葉だ。お早う……」
古鷹「何だか久し振りだね……?」
青葉「ん? もしかして、元に戻りましたか」
古鷹「元……? 戻る……?」
木曾「……ふわぁ~あぁ」ノビー
木曾「……っあぁ~、何だか随分長く寝てた気がするな……」
青葉「……おはよーございます」
木曾「青葉……? ……ん、俺達、何で執務室に……?」
青葉「はい、しれーかんも」グイッ
提督「いでで……って、青葉か」
古鷹「提督……? お早うございます、提督……」
木曾「……よう、提督」
提督「んー…………うん?」
提督「古鷹……?」
古鷹「? はい?」
提督「……と、木曾?」
木曾「おう?」
提督「…………」
提督「……はぁ~、何が何だか……」
木曾「そりゃこっちの台詞だ……何で俺と提督と古鷹が、執務室で雑魚寝してんだ?」
提督「ん? 昨日のこと、覚えてないのか?」
木曾「昨日? 昨日は確か……」
古鷹「いつも通りに一日過ごして……夜中提督に差し入れしようとして木曾さんに会って……」
木曾「ああ、それで……」
提督「いつも通り? ……何言ってるんだ?」
古鷹「え?」
木曾「はぁ?」
青葉「……それではここで、昨日のお二人の様子を撮影したVTRをどうぞ」
提督(なぜ撮ってある……)
――――
古鷹「……えっ? ……ええっ!?」
木曾「…………」(絶句)
木曾「……ちち違う! こんなの俺じゃねぇ!」プルプル
青葉「お二人が何と言おうと、これは現実にあったことですよ?」
『夜戦も……得意なんだが……な?』
古鷹「あ、あ、あああ……///」
『私のいい所、提督に知ってほしいです……』
木曾「っおい、映像止めろぉ!!」
提督「……おい青葉、なぜ執務室内部の映像まであるんだ……?」
青葉「……さてお二人とも、こうなった原因に何か心当たりはありませんか?」
提督「おい、話を逸らすな」
青葉「先ほどのお話ですと、一昨日の夜にお二人がバッタリ出くわしたようですが……?」
提督「アオバワレェ!」
古鷹「あ、うん。提督に差し入れを持って行こうとして……」
木曾「……俺も、提督と一杯やろうと思ってたんだ。それで、執務室の前で古鷹と会って……」
青葉「ふむふむ」
木曾「どっちが先に入るか、軽く言い争いになって……」
古鷹「どっちの方が提督に好かれてるかって話になって……」
青葉「ふむふ……あん?」
提督「……えっ」
古鷹「木曾さんのお酒と私の差し入れで一杯やりながら議論して……」
木曾「酔いが回ってだんだんヒートアップして……それで……」
古鷹「それで……それから?」
木曾「……覚えてねぇ」
古鷹「…………」
木曾「…………」
青葉「……ふぅむ、詰まる所、昨日のお二人の様子がおかしかったのは……」
青葉「酔いと睡眠不足によるもの……ということですかねぇ。更に言うならば」
青葉「直前の話題が話題だけに、互いが互いに嫉妬めいた親近感めいた影響を受けた……と」
提督「な…………なんじゃそりゃ」
青葉「……『なんじゃそりゃ』はないでしょう、しれーかん」
青葉「遡ればそもそも、しれーかんが原因でしょう?」
提督「……俺?」
青葉「そーですよ。しれーかんがお二人を練度99にしたまま、どっちにも気を持たせるようなことしてるからですよ」
提督「…………」
青葉「いー加減、答え出した方がいいんじゃありませんかねぇ」
提督「え、と…………」フイッ
古鷹「…………」ジッ
提督「…………」クルッ
木曾「…………」ジッ
提督「…………(汗」
青葉「……じゃ、青葉はこのへんでしつれーしますね」
青葉「この一件につきましては、後日インタビューの上で記事にさせて頂きます。ではでは」
提督「あ、青葉待っ……」
パタン
提督「…………」
古鷹「……提督?」ズイッ
木曾「……提督」ズズイッ
提督「えと……その……」
古鷹「……青葉の言う通りです」
木曾「……そろそろ、聞かせてもらおうか」
提督「…………」
古鷹「――私と」
木曾「――俺と」
古鷹・木曾「「どっちが好きなのか――?」」
――艦
秘書艦の青葉とは結婚してないんですか!?!?!??
尻切れトンボではありますが、本作は以上で終了です。使い古された手法ですが、読者それぞれに解答があるということで……
当初は百合路線にしようかとも思いましたが、結局はいつものような色恋沙汰になりました
ではまたいつかノシ
ちなみに私は古鷹と木曾だったら……青葉を選びます
乙
面白かった
乙!
性格だけってのは珍しいな
面白かったおつ!
素晴らしいものをありがとう乙
姉に甘えまくる木曽は萌えた
乙
非常に面白かった
おつ
おまけはよ
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