【デレマス】凛「卯月崩壊」 (31)

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今回のうづりん
よくある酔っ払いもの



救急車のサイレンが鳴っていた。
『進路をゆずってください』
耳慣れた女性の声。
家のすぐそばを通ったようだ。
やけにうるさい。
赤い光をまき散らす。
けれど、すぐに遠ざかっていく。

「呼んだほうがいい?」

「どうだろうね……」

私と未央は、真っ赤になってソファーに寝そべる卯月を見つめていた。
発端は、ジュースと間違えて親の買ってきたお酒を卯月が飲んでしまったのが始まりだった。

「うにゃ……」

気持ちよさそうにしている。

「眠ってるだけみたい」

「なら、いいけどさ……」

「明日休みだし、今日は卯月泊まらせていくよ」

「それがいいかも。何かあったら、連絡してよ。しぶりん」

「わかった」

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「じゃあね」

「送っていくよ」

「あー、しまむー一人にするのはよろしくないと思うので、いいよ」

確かに。

「わかった。気を付けてね」

「はーい」

玄関先で見送ってから、鍵をかけた。
両親は旅行に出掛けていた。
私が家に一人残ることを知った二人が、
遊びに来てくれたのはいい。
けど、卯月には申し訳ないことをしてしまった。

「うづ……」

リビングに戻ると、卯月の姿が見えない。

「あれ」

さっきまで、砂浜に打ち上げられたクラゲみたいだったのに。
一体、どこに。

「卯月? 返事しなよ。うづっ!?」

後ろから、膝かっくんされた。

「ちょ」

振り返ると、廊下を走る音だけが聞こえた。
ガキ大将か何かなのか。

「何してんの……」

卯月を追いかける。
廊下の電気をつけると、
隅っこに卯月が立っていた。

「りーんちゃんっ」

にこにこしている。
無邪気そうに。
酔うと、いたずら好きになるのかな。

にこにこと、逃げたはずが、またこちらに近寄ってくる。
とことこと、腕を後ろに組んで。
何か企んでいるのかもしれない。
私は、やや警戒して後ずさった。

「靴下、片方なくなっちゃいました」

下を見る。
右足が素足だった。
白い足が朱に染まっている。

「どこに落としてきたの」

「わかんないです」

「……で、その後ろに持ってるものは?」

「えーっと、えーっと」

えっと、じゃない。

「出して」

「はい」

靴下を手渡された。

「あるじゃん」

めんどくさい生き物を覚醒させてしまったみたい。

ここまで
続きはまた明日くらい

いいゾ~^これ

朱に染まってると聞いて出血かと思ったがそうか、酔って赤いのか

卯月ウザ可愛くてワロタwwww

靴下はわりとどうでも良かったので、後ろの方に放り投げた。
ぽとん、と空しい音がした。

「ああっ」

卯月が悲しそうにうな垂れた。

「ひどい……凛ちゃん」

それは無視した。

「卯月、いったんリビングに戻りなよ」

「あんな酷いことする人の言うことなんて、聞きません」

「戻りなって」

「いやです」

ふーん。

「そ」

私は彼女と距離をとった。
リビングの入口まで戻り、扉を開けて中に入り鍵をかけた。
テレビをつけて、ソファに寝そべる。
机の上にあった食べかけのポップコーンを口に放り込んだ。

少し湿気ていた。
塩とキャラメルが混ざって美味しい。
明日の天気は雨みたい。
じめっとするので、髪がうねるから憂鬱だ。

カリカリとネズミが壁をかじるような音が聞こえた。

『凛ちゃん、開けて……ください』

「いいけど……」

私はソファから立ち上がって、
扉の前に立った。

「いたずらしないって誓う?」

『誓います』

「そう、なら開ける」

鍵を開けてやる。
ゆっくりとドアノブが回っていく。

「凛ちゃああーん!」

頭からこちらに突撃してくる。
思わず、ポップコーンを吐きだしそうになった。

「ごほっ」

「一人にしないで……ください」

もうスレタイでわかってしまう>>1のうづりん
期待するしかないな

「卯月が勝手に暴れまわってるんでしょ」

そうは言っても、いつも以上に子どもっぽい卯月はやたら可愛い。
すり寄せてくる頭を抱きしめて、私の胸に押し付けてやりたい。
とは思ってもしないけれど。

「凛ちゃん、凛ちゃん」

「なに、そんなに呼ばなくても目の前にいるじゃん」

「お腹、あったかーい……」

わさわさ私の脇腹をまさぐってくる。

「ちょ、こそばゆいっって、ばか……っあ」

「あったかい、きもちい……」

立つのが疲れたのか、ずるずると私の腰の方に巾着のようにぶら下がる。

「歩けないでしょ」

「歩かせないの……」

何が、歩かせないの、なのか。
やめなよ。
襲うよ。
襲えないけど。

「凛ちゃん、未央ちゃんは?」

「卯月に呆れて帰ったよ」

「……え」

こちらを見上げて、口を尖らせている。

「つまらないです」

未央に何するつもりだったんだろう。

酔ったフリして甘えてるんだよ…多分
襲われるの待ってんだから…ねぇ?

卯月は演技がうまいなー

ふひつ

その唇を指で挟んでやった。

「ぷ……変な顔だね」

「ひひょい……」

隙間から空気が漏れ出る。
離してあげると、少し赤くなった。

「私だけじゃ不満なの?」

「はい」

「ふーん」

落ち着いて。
相手は酔っぱらいだから。

「未央ちゃんー……未央ちゃんー」

犬みたいに未央の名前を繰り返す。
帰ったし。
もう、今日は来ないから。
呼んだって無駄だよ。
卯月。

卯月の腕から逃れるように後ろに下がった。

「そんなに未央がいいならさ……」

続く言葉は喉元くらいで、
すとんとまた肺の方に落ちていった。

「なんでもないよ」

情けないね。
未央に嫉妬して。

「……もしかして」

卯月が俯いて、ぼそりと呟く。

「何? 卯月なんて言ったの?」

顔を近づける。
ふっと、卯月の頭部が私のあごにクリーンヒットした。

「いっ……!?」

めちゃくちゃ痛い。
顎先を抑えて、私はうずくまった。

「……っ」

「凛ちゃん!?」

卯月が私の肩を揺さぶる。

「死んじゃやだ! 死なないで! 凛ちゃん」

死なないかな。

でも死ぬほど痛い。

「やだあ……やだよお……凛ちゃあ……」

いや、だから死なないって。
痛すぎて喋れないので、弁解できない。

「凛ちゃんいないと……生きていけないですっ……」

なんか、泣き始めた。
ちょっと面白いので、そのまま演技を続けてみる。

「うっ……ばたり」

横に倒れこむ。
ばたりって言っちゃったけど、さすがに気づくか。

「凛ちゃああん!!」

耳元で絶叫する卯月。

「ごほ……私、もうだめかも」

「そんなこと言わないで……ください!」

頬に暖かい雫が落ちてきた。
泣き顔にそそられてしまった。

「ごめ……ん、卯月」

瞼を閉じて、ついでに息を止めてみた。
卯月の声にならない叫びが聞こえたような。

嗚咽交じりの荒い呼吸。
私の唇に塩辛くて柔らかいものが押し当てられた。

「目を開けて……っ……ひぅっ……く……りんひゃ……っ」

キスされたのだと分かり、
15秒程で私は生き返った。

「お姫様のキスで目覚めたね……」

泣きはらした卯月に、多少心が痛んだ。
良かったですう、と濡れた顔を私の服に押し付ける。
うん、でも普通キスじゃ起きないよ。
楽しいけど、冗談が通じなさ過ぎて怖い。

「死んだと思った?」

「はいっ……っ」

ぐずぐずだ。

「私が死ぬのいや?」

彼女は首をぶんぶん縦に振った。

「そっか。じゃあ、危なくなったらまたキスしてよ」

なんて約束をさせてるんだろう。

「うん……」

小さく頷く。
あー、可愛い。

もう少し、酔わせてみたい。
そうしたら、もっと酷いんだろうね。
見てみたいなあ。
だめか。だめだよね。

「卯月、お水飲める?」

「いらないです」

「飲みなって」

立ちあがって、冷蔵庫から500mlのミネラルウォーターを取り出し、卯月に放り投げる。
キャッチに失敗して顔にペットボトルが嫌な音を立てて当たった。
10回くらい謝って、卯月に水分を摂取してもらえることに。

「けぷ……」

加減を知らないのか、
1分くらいで全部飲みきってしまった。

「お腹壊すよ?」

「だいじょうぶだもん……」

それから数分後。
ぷるぷると卯月が震え始めた。

「トイレ……」

やっぱり。

「あっち、廊下の右手にあるよ」

「ありがとうございます」

あ、ちょっと戻ってきたかな。
お水で薄まったのかな。
リビングを出て、廊下に出て、

「暗いの怖い……」

「さっき、一人で廊下に出たような……」

「凛ちゃん一緒にきて……」

「え……」

と、そんなことを言いながら私の手を引っ張る卯月。

「でも、一人用だし……二人も入れないよ」

潤んだ瞳が、いっそう湿潤になった。

「わ、か……り……ます」

わかりますって、なに?
思わず、吹き出しそうになって、口元を抑えた。
笑ったらだめだって。
卯月は冗談で言ってるわけじゃないんだから。

「なら……っかまわない?」

ツボに入って、卯月をまともに見れない。
卯月は、

「……かまう」

しゅんとしつつも、文句を言っていた。

「廊下の電気つけてるし……」

「なんだか、不気味で……」

「じゃあ、トイレの前までは着いていくからそれでいい?」

「はい……」

ということで、卯月に付き添ってトイレの前まで行ってあげた。

「そこで待っていてくれますか?」

「はいはい」

じっとこちらを見つめてくる。

「なに?」

「そんなこと言って、扉をしめたらあっちのお部屋に行っちゃうんじゃ」

「なんで、ばれたの?」

バカバカ言いながら、背中を叩かれた。

結局、余計な茶々を入れてしまったせいで、
狭い個室に一緒に入る羽目になった。
どうしてこんなことに。

スカートを下ろす卯月をなるべく見ないようにして、
私は耳を両手で塞いだ。
トイレの音姫の音量をMAXにして。
あー、何も聞こえない。

「凛ちゃん……」

聞こえないよ。

「凛ちゃん……」

聞かない。

「凛ちゃん!」

「な、なに?」

「……ど、ど、どどうして一緒のトイレにいるの?」


え。



おわり

短いですが、終わりです。
電車の中とかでさらっと読んでもらえれば嬉しいです。

乙でした
凛はヘタレ可愛い

うづうづした

酔った卯月の行動に不覚にも笑ってしまう
漫才やったりしてたから酒が抜けたのか

うづりん機Pのうづりん最高や!

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