凛「何の音……?」卯月「何でしょうか……」 (49)

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凛「お孫さんを私にください」卯月「凛ちゃん、何言ってるんですかっ」
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凛「……抱きしめるタイミング?」未央「うん」
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うづりん
百合
エロ
何でも来い人向け



目が覚めた時、最初は地震が起きたのかと思った。
けど、すぐに立眩みだと言うことに気が付いた。
起き上がれないでいると、様子を見に来た母親がぎょっとした声をあげていた。

吐き気なんかも最初はあったけど、
病院に連れて行かれて点滴を打ったらだいぶ楽になった。

「って、感じなんだけど……」

「そうですか……」

見舞いに来ていたプロデューサーが不愛想な面持ちの中にも、
心配の色を混じらせて呟いた。私のスケジュールを東西と奔放して調節してくれたのだろうに、
こうしてわざわざお見舞いに来てくれるんだから、この人達は本当にお節介というか。

「良かったあっ……良かったですね、プロデューサーっ」

彼の隣で涙ぐむ卯月。
大したことなかったのに。
おおげさだ。

「ええ」

「医者は貧血って話で終わらせたかったみたい……こんなMRI検査受ける羽目になるなんて」

「異常がなければただの笑い話ですし、あればやっておいて良かったと思われるでしょう」

「仕事、代わりに誰が入るわけ」

「あ、私と未央ちゃんが」

「ということなので、安心して検査に集中してください」

「……ありがと、卯月。未央にも言っておいてくれる?」

「はい。また、夜におやつか何か持ってきますね」

甘やかしてくれるね。
本当に。

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ねむいんでここまで

1です。うづりん好きがこんなにいるのに、現行ssの少なさよ

「おやつって、小学生じゃないんだから」

「えー、じゃあ何にしましょうか」

と、言ってプロデューサーに話を振る。
彼も真剣に考えそうな雰囲気を醸し出したので、

「ケーキとかもいらないから」

先に釘を刺しておく。
ふいに、病室の扉の開く音。

「渋谷さん」

「はい」

「検査の時間になりましたよ」

入ってきた看護師が言った。

「わかりました。じゃ、二人とも忙しいところありがとうね」

「ええ、お大事に」

「凛ちゃん……」

卯月が私の腕を掴んで、
今生の別れのような顔をしていた。

「……卯月さん、行きましょうか」

「はい……」

「あのさぁ、大丈夫だって」

そう言って私は二人に手を振った。

誤 卯月さん→島村さん

部屋から出ると、肌寒かった。一つ目の検査は30分程で終わった。
体を動かさないように固定されて、うつ伏せになった。
その後、鉄工所みたいにうるさくて狭い装置の中に入れられた。
ずっと体を動かさないというのはそこまで苦痛ではなかった。
そのあと、二つ三つ別の検査をして、全てが終わった頃には、太陽が傾きかけていた。

「……はあ」

病室に戻って、ベッドの番をするのが嫌で、検査後は安静にと言われていたが、病院の屋上に来ていた。
日中に体を動かさないというのがこんなにしんどいことだったなんて。
母親に言われて検査を承諾したけれど、正直大げさだったと思う。
検査結果は問題ないということで落着きそうだ。
退院しても良かったのだけど、母親から一日休んでおきなさいと言われたのでその通りにしている。

「さむ……」

今頃、卯月達は今日私がやるべきだったラジオに出たり、取材に協力しているのだろう。
申し訳ないと思う。
自己管理ができていない、とみくなら怒るだろうか。
そういえば、どのビルだろ。
車のクラクションの音。
雑踏を上から見下ろすのは嫌いではない。
方角はこっちかな。
卯月は、あの辺かな。
それともこっちかな。
夜に、卯月が来てくれるんだっけ。
一人が寂しいというわけではないけど、喋る相手がいないのはそれなりに退屈する。
病院って、退屈をお金で買う所なんだと思う。
風邪を引いてしまわないように、体をさすりながら私は屋上を後にした。

部屋に戻ると、奥の方で男女の賑やかな声がした。
同室には同じくらいの年代の子が二人いた。
軽く挨拶を交わしたくらいだ。
互いに昔からの知り合いというよりは、
ここで知り合って仲良くなったろいう印象を受けた。
そういう出会い方もあるんだ。

検査が終わって、ベッドに横になっていると、
先ほどの看護師が様子を見に来た。
笑い方、どこかで見たことがある。
卯月だ。
卯月の笑った時の顔に似ていた。
これって、私が笑顔の卯月を求めてるってことなのかな。
わかんないけど。
やっぱり、寂しいのかな。
あ、あと胸が大きい。
それも似てる。
看護師と少し会話して、
彼女が出て行った後は急に眠気が襲ってきた。
起きていようと思ったのも空しく、私はいつの間にか眠ってしまった。

夕暮れの病室は静かだった。
ゆっくりと目を開け時計を確認。
1時間くらい眠っていたみたいだ。

「ん……」

あくびをかみ殺す。
首が痛い。
枕がずれていた。
同室の話し声もなく、まるで一人部屋のようだと思っていたのも束の間、
ふと、ひそひそと囁き声。

まずいよ――
大丈夫だって――
でも――
寝てたしさ――
あ――
だめ――
ん――

(なに……?)

チャックを引き下げたような音。
そして、わずかな衣擦れ音。

あ――
ちょ――

水が跳ねた。
ような気がした。

聞き耳を立てたいわけじゃなかったのに、
否が応でも聞こえてくる息遣い。
まさかね。
ありえないでしょ。
ここ、三人いるんだけど。
呆れた。
そして、なにより気まずい。
どうして、このタイミングで起きたんだろ。
もう一回寝よう。
枕元の携帯を見る。
SNSにメッセージが届いている。
卯月だ。
もうすぐここへ着くらしい。
まずい。
かなりまずいんじゃないの、これ。
私がまずいわけじゃないけど。
卯月、今、来ないで。

何とか卯月がここへ来るのを阻止しようと、
返信を試みるも、既読にならない。
なかなか、見てくれない。

(どうすんのこれ……)

ベッドが軋み始めた。
耳を済まさないとそれだと分からないくらい小さい軋み音。
と、同時に病室の扉が開かれた。
私は心臓が止まりそうになった。

「あ、間違えちゃった……」

おばさんの声。
扉はすぐに閉められる。
携帯を見ると、卯月から返信があった。
また、明日の朝に来るね、と書かれてある。
間一髪かな。
音もなくため息を吐いた。
どうして、こちらがこんなに焦らなくてはいけないのか。
少しいらつきながら、
私はもう一度布団を頭まで被りなおした。

夢を見た。
きっと、あんな拷問みたいな状況に出くわしたせいだと思う。
そういう言い訳をしておかないと、やってられない。

誰かが、自分の上に乗っていた。
私は病室のベッドでその人物を見上げていた。
私の胸に両手をついて、腰を振っていた。
制服を着ていた。スカートを履いていた。
女子高生だと思う。
でも、その制服はどこかで見覚えがあった。
そう。
卯月の高校の。
互いに何か言って、
時折、乗っている女性が嬌声をあげていた。
顔が近づいてくる。
キスされる。
誰か分かった。
笑顔が素敵な看護師だった。

「ちょっ!」

「きゃっ」

目を開けた。
病室には電気がついていた。
心臓がばくばくと鳴っている。
胸に手を当て、頭を振った。
なんて夢。
最低。

目をつむって、額を抑える。
甘い香りがした。
実家の匂いに似ている。
花が一輪ベッド脇からにょきっと出ている。

「……う、卯月」

しゃがみ込んで小さくまるまった少女が顔を上げた。

「ご、ごめんなさい。お花を置いて帰ろうって思ったんですけど……」

カーテンの隙間から見えた向かい側のベッドはもぬけの殻だった。
何か買いに行ったんだろうか。
一息ついて、卯月に言った。

「いや、いいよ。来てくれてありがと。その花、どうしたの」

「凛ちゃん家で買ったんですよ」

卯月が笑う。
どきりとした。
見覚えがある。
看護師の顔と重なって、思わず目を背けてしまった。

「あ、あの、嫌いなお花でした?」

薄桃の花を遠ざける。

「ち、違う違う」

動揺を悟られないように私は言った。

「おやつじゃないんだと思って」

「だって、おやつはだめって言ったじゃないですか」

「ああ、そうだね」

「だから、お花ですよ」

「お見舞いの花って、いつも渡す側だったから、なんだか新鮮。こういうのもいいもんだね」

「えへへ……あ、でも明日退院しちゃうんですよね……」

「持って帰って、事務所に飾っておこっか」

「ほんとですか? 嬉しいですっ」

卯月がぴょこぴょこと喜びを表す。
こういう風に年上ぶらない時が一番可愛いと思う。

「あれ、凛ちゃん寝癖ついてる」

からかうように、こちらに手を伸ばして髪を梳く。

「しっかりついちゃってますね……くすくす」

「いいでしょ、ほっといてよ」

やや恥ずかしくて、卯月の手を払いのける。

「ふふ……」

また、あの顔。
私、変だ。
目をふせる。
パシャ、と言うシャッター音が頭上から聞こえた。

「え」

「凛ちゃんの寝癖、貴重だなって……未央ちゃんに」

「何言ってんの、卯月……もお」

彼女の腕から携帯を取り上げようと、体を起こす。
いたずら心をくすぐられたのか、
卯月は珍しく携帯を私の手がぎりぎり届かない位置でぐるぐると回していた。

「こら……っ」

身を乗り出して今度こそ、卯月の腕を掴んだ。
バランスを崩した卯月が、ベッドに倒れこむ。
ぼふんと布団が沈んだ。
顎からいったのか、卯月が口を尖らせる。

「自業自得……だよね」

「むー……」

こちらを可愛らしく睨みつける。


ちょっとここまで続きは一時間後くらい

白い掛け布団の間から唸る卯月から携帯を取り上げた。
素早く操作して、画像を消した。

「あー……もったいない」

残念そうな声を出す。

「何がもったいないの……」

私は寝癖を手で抑えて、携帯を卯月に返した。
やっぱり、卯月がいると退屈しない。
卯月はカバンから一輪挿しを取り出して、
部屋に取り付けてある洗面台でお水を汲んで壁際の棚の上に置いた。

「ここで見守ってますね」

「え、それ卯月なの」

「そうですよ」

「へー……」

「あ、ちょっと馬鹿にしませんでしたか?」

「してないしてない」

卯月がこちらを覗き込む。
わざと目線をそらした。

「あー」

と、言って彼女は私の頬っぺたを両手で挟み込んだ。

元々、私が明日の朝に来て欲しいと送っていたのもあり、
卯月は用が済んだらすぐに帰る支度をし始めた。

「急に来てごめんね」

「いいよ」

立ちあがって、カバンを掴んだ。
まだ、同室のバカップルは帰ってきていない。

「凛ちゃん、なんともなさそうだし……安心しました」

「だから、言ったじゃん」

「私より先に死なないでくださいね」

私は噴き出した。

「縁起でもないこと言わないで」

「この間、未央ちゃんが言っていた台詞なんですよ。次のお芝居のクライマックスで使うらしいです」

何の役なんだろうね。
どうでもいいけど。
でも、そういうどうでもいい会話を、まだしておきたい。
まだ、彼女を帰したくない。
わがままだ。
分かってるけど。

「それじゃあ、お邪魔してしまって……」

「うん……」

卯月の鞄の端を掴む。

「凛ちゃん?」

「……やっぱり、一緒にいて」

「え」

「天井のっ、天井のシミがなんか怖くて」

かなりみっともない声で私は言った。
間。
卯月が、天井を見上げていた。

「わあ、黒いシミ、ありますね……」

頷いている。

「あれは、夜怖いですよね」

「そうだよね……」

何、言ってるんだ、私は。

泊まっていきなよ。
なんて、言うこともできない。

「なんてね、ごめん。遅くならないうちに帰りなよ」

彼女はきょとんとしていたが、一瞬だけ壁にかけてあった時計を見た。
その後、鞄を椅子の上に置いた。それから、ベッドの足元へ移動して、
カーテンを軽く引っ張って隙間を塞いだ。

「卯月?」

制服のブレザーを脱いで、椅子にかける。

「ちょ、何やって」

靴を脱いで、

「凛ちゃん、ちょっと寄ってください」

「はあ?」

私は言われるがままに、ベッドの端に移動する。
卯月が掛け布団を捲り上げて、中へ入ってくる。

「わあ、温かいですね」

呑気な台詞。
私は首を横に捻る。
どういう状況。
どんな気遣いで、卯月はこの発想に至ったのだろうか。

「何か悩み事ですか」

布団の中で、卯月が私の手を握ってくれた。
私からは握り返せない。

「お仕事のこととか、もし何かあったらいつでも話してくださいね。で、こうやって寂しんぼになっていっぱい甘えてくれていいんですよ。たくさんお話すると、意外とスッキリするから……」

「うん……」

握られた所から、
熱が高まっていく。
こんな所、ナースに見られたらと思うけれど、
ベッドから出て欲しいのに、それも言えない。

「あのシミ、未央ちゃんの後ろ姿に似てないですか」

「言われてみれば」

「じゃあ、案外、怖くないかも……しれませんよ?」

本当は、怖くはなかった。
夜の病院というフレーズはもちろん苦手な部類だけど。
ただ、怖いふりをして卯月をここに居止めておきたいだけだった。
それだけに、罪悪感もあった。
もやもやと、天井を見上げる。

「卯月……」

「はい」

「キスしたいって言ったら、怒る?」

その時の私は、卯月に嫌われてしまうなんてことをまったく疑うことがなかった。
なぜか、卯月なら受け止めてくれるんじゃないかと思った。
そして、その予想は概ね正しかった。

「……キ、キス?」

「うん」

私は卯月の瞳の奥を見つめた。
戸惑い。
当たり前か。
でも、卯月の手は離れはしなかった。

「怒る? 怒らない?」

「怒りませんよ……?」

卯月は自分の回答に疑問符つけて言った。

「そっか、良かった」

私は手を握り返した。

私は、目を閉じて、今何を言ってしまったかを考え、もう後には引けないと意を決した。

「あの」

「あのねっ、凛ちゃん」

卯月が被せてきた。

「し、したいんですか……?」

言って、すぐに卯月は下を向く。

「……うん」

心臓が痛い。
これだけ脈を打っているんだから、
この顔の火照りも仕方がない。

「でも、ここ病院で……」

「分かってる……」

卯月の体を抱きかかえて、
戸惑う彼女をゆっくりと横に寝かせた。
シャツの一番上のボタンが外れていて、
首筋から胸元のラインが煽情的だった。

「……いや?」

「いやじゃないです……」

上から見降ろした卯月は、
まるで自分の手中に収まった獲物のようで。
自分の思い通りにしてしまいたい。
乱れて壊れるまで、私に狂って欲しいと思った。

「いやじゃなくて……なんでかな……凛ちゃんなら、嫌じゃない」

「そうなんだ」

卯月の唇の隙間に吸い込まれるように、
私は彼女にキスをした。
彼女の膨らみを潰してしまわないように優しく。
すぐに顔を上げる。
卯月はいつの間にか目を閉じていた。
ぎゅっとつぶっている。
胸元で両手を握りしめていた。
震えていた。
そうだ。
彼女いつだって、気持ち通りの言葉を教えてはくれない。

「……無理しなくていいよ」

私は身を起こした。
ベッドの端に足を投げ出し、
卯月に背を向けた。

「疲れてたみたい……ごめん」

柔らかな卯月の腕の感触。
唇の暖かさ。
甘酸っぱい匂い。
私は酔ってたんだ。
そういうのに。

卯月なら、受け止めてくれるって信じたかっただけで。
卯月は、私の特別なんだと私が信じたかっただけなんだよね。

「凛ちゃん、こっち向いてください」

振り向けるわけがない。

「キス、嫌じゃないって言ったじゃないですか……」

「うそじゃん」

「ホントですよ……」

諭すように、彼女は言った。

「だって、震えてた」

「あれは、びっくりして……」

「なら、今度は卯月からしてよ」

「え……」

戸惑っているのがすぐ分かった。
卯月は押し黙った。
私も続く言葉が怖くて、何も言えなくなってしまう。

そうこうしていると、部屋の二人の主が帰ってきてしまった。
買ってきたものを漁りながら、また他愛もない話に花を咲かせていた。

その間の私と卯月といえば、無言。
こんなわがままなこと、卯月に言うつもりなかったのに。
この男女があんなことをするから、
あんな夢を見てしまうし、
でも、それ、全部願望の現れなんでしょ。
最悪。
ほんと。
最悪。
背中に、重み。
卯月が頭を乗せているようだ。

「凛ちゃん……」

何か押し付けられた。
キス、だと悟るのに数秒要した。

「……凛ちゃん、怖がらせてごめんね。凛ちゃん、凛ちゃん……好き」

小声で、風のような囁きだった。
喜びの感情が私の産毛を逆立てた。

卯月は後ろから私を抱きしめる。

「音がします」

「何の音……?」

「何でしょうか……」

知っていた。
それは、私の内側から発していた、
卯月が欲しくて欲しくてたまらないという、渇望だ。
この渇きを早く潤したいんだ。

「凛ちゃんの音です……どきどきしてます?」

「当たり前でしょ……」

「お姉さんに抱きしめられて?」

「……何言わせようとしてんの」

「ふふ……」

また、年上ぶってさ。

「それ聞けるの、卯月だけだから」

そう言って、卯月に二度目の口づけをした。
一分後。
卯月を自分の体の上に跨らせて、
私は彼女を見上げていた。

この格好は?

卯月が囁く。
少し良心が傷んだ。

いいから。

私はほとんど無声で、彼女にキスをせがんだ。
恥ずかしそうに、自分からこちらの唇を啄んでくれる。
そそられて、下腹がきゅっと引きしまった。
水音を出さないように、
緩慢に舌を入れた。
卯月が顔を離そうとするものだから、
抑えつけて、舌を絡めた。
卯月もやや遅れて、私の舌を自分の舌先で舐めてくれた。
にゅるにゅるとして、気持ちがいい。
顔を離してやる。
口元から唾液が線を引いていた。
荒い息遣いを抑える卯月が、
鼻で呼吸をしていて、
それが凄く色っぽい。

卯月が何か言いたそうにしていた。
口を動かそうとして、言い淀む。
すると、私の耳に唇を寄せて、

「エッチなのは……ダメです……」

と言った。
耳元に、鼻息がかかる。
ぞくぞくと反射が起こった。
喉が鳴る。

「凛ちゃん?」

くすぐったい。
耳がこそばゆい。
卯月は何も考えてなんていないんだよね。
それが余計に、エロい。
女の私でさえ思うんだ。
他の男に、絶対見せたくない。
こんな卯月を。

顔をずらして、
卯月の耳たぶを噛んだ。

「ひっ」

「静かに」

卯月の口元を手で覆う。
手のひらが吐息を吸い取って、熱くなっていく。

静かに、なんて言っておいて、
本当はもっと声を聞きたいのに。
呼吸がしずらいせいか、卯月の目じりに涙がたまっていた。
潤んだ瞳が、細められる。
キスだけだと思っていたのに。
そう、思っていそうだ。

もう少し、付き合ってよ。

私は彼女の耳元でそう言った。
シャツの上から、彼女の右胸に触れる。
卯月がぴたりと動きを止めた。
これは、まだ早かったのかな。
彼女はけっこう大きな声で、

「ダメ。ダメです。そういうのは、まだダメですっ」

と早口に言った。

「ご、ごめんっ」

叱られたような気分になった。
そう何度もダメと言わなくても。
拒絶されてるみたいじゃん。

でも、もう捕まえたから。
私は彼女の胸に子犬のように顔を埋めた。
シャツは薄い。
熱はすぐ、私の顔を包む。
柔らかくて、驚く。
卯月は私にないものを沢山持っていた。
女の子らしさってやつ。
だから、惹かれるのかな。

卯月が何も言わないので、
不思議に思い、顔を上げた。
恥ずかしそうに、真っ赤になって、
唇を結んでいた。

もっとそういうの見たかったけど、
今日はもう止めておこう。
私は小さく笑った。

次の日、私は何事もなくめでたく退院した。
学校でも事務所でも、滅多に病欠しないためか、
もみくちゃにされた。
お昼に、卯月の後ろ姿を見かけたので、声をかけた。

「凛ちゃん……っ」

「昨日は、ありがと。おかげで元気出た」

でも、すぐに逃げられてしまった。

「え」

去り際に聞こえた、『凛ちゃんのばか、えっち!』という言葉に、
頭をバットで撃たれたような衝撃を受けて、
はっとなって卯月を追いかけた。

「卯月!」

周囲の人間がざわめき、熱い視線を送り始める。
なんでこんな所で言うかな。
せっかく、気持ちが通じ合ったのに、先が思いやられる。
でも、年上を懐柔するのも悪くないかな。
なんてね。





おわり

おしまいです。
うづりんでエロとか無理だった。

おつおつ
むしろキスより先を照れるしまむーとか非常にすばらだと思います


(あと奔放じゃなくて奔走な希ガス)

>>41
誤字ってるね
すまん

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