たったらかきますん。
>>1
代行ありがとうございます!かいていきます
衛宮家、居間にて
TV<ヘヴィマシンガン!!
セイバー「あっ、凛! それは私のヘビーマシンガンです!!」
凛「いいじゃない協力プレイなんでしょ? 堅いこと言わないでよ
あっ、ほらアレとりなさいよ」
TV<ドゥロップショッ!!
セイバー「あっ!! クソ武器ではないですか!! いりませんよこんなもの!!」
ガラッ
士郎「セイバー」
セイバー「あ、士郎。すみません、うるさかったですか」
凛「ほっときなさいよ、ほらほらよそ見してると落とされ……」
士郎「セイバー……好きだ」ギュットダキシメル
セイバー「!?」
凛「えええええええ!!!!!」
TV<ア゙ッ-!!
ちょっとだけ支援
セイバー「えっ、あの、し、士郎!?」
凛「ちょっちょっちょっちょ、アンタなにやってんのよ離れなさいよ!」
セイバー「いや私ではなく士郎が! は、離れてくださ…」
士郎「セイバー……」ギュッ…
セイバー「ふわぁ……」
凛「ふわぁ……じゃないわよ!! えっ、なにどうなってるの!? ちょっと士郎!」
士郎「どうした、遠坂」キリッ
凛「えっ冷静?」
士郎「ああ、夕食か? そろそろ桜が買い物から帰ってくるはずだ」
凛「あ、ああ、そうなの……ところで」
士郎「セイバー、好きだよ」アタマナデナデ
セイバー「あっ……気持ちいいです、士郎……」
凛「あああああ駄目だったあばばばばばば」
凛「ししししし士郎、なななななにがあったのかしら」
士郎「なに慌ててんだよ、別に今日は何も無いよ。
強いて言うならさっき葛木先生と組み手やってきたくらいかな。やっぱ強いな、先生」
凛「そ、そうね……えーっと、士郎」
士郎「うん?」ホッペスリスリ
セイバー「あっ……あっ……」
凛「……とりあえずセイバーから離れない?」
士郎「なんでさ」
凛「えっ」
士郎「えっ」
セイバー「しろぉ…」トロ-ン...
凛「えっ、なになになになんでなんでなんで? なんで疑問に思うの? おかしいわよねその状況?」
士郎「そうかな」
セイバー「ハッ!そ、そうです士郎!離れてください!」
士郎「セイバー……嫌なのか?」シュン
セイバー「あっ、いや……そういうわけでは……」
士郎「そっか!!」パァァ
凛「いや止めなさいよセイバー!」
セイバー「あっ、えと、そもそもいきなりなぜこんな」
士郎「だって好きなんだ、仕方ないだろ」ホッペニチュッ
セイバー「えっ!?」カオマッカ
凛「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
ガラッ
桜「戻りましたー、どうしたんですか姉さん大きな声出して……
ってキャアアアアアアアアアア!!!!」
ガラッ
ライダー「どうしました桜!!ってのおおおおおおおおおお!!!!!!」
ガラッ
藤ねえ「士郎ー!おなかへっ……たあああああああああああ!!!!!」
4人「ぎゃああああああああああああああ!!!!!!!」
しばらくおまちください
再び衛宮家、居間
凛「まずは状況を整理するわよ」
桜「そうですね」
士郎「ふふっ。セイバーの手、柔らかいな」
セイバー「そ、そんなこと……」
凛「なんとかハグはやめさせたものの」
桜「手は離しませんでしたね」
士郎「セイバーと離れるなんて、俺には考えられないよ」
セイバー「士郎‥‥」キュン
凛「キュンじゃないわよしっかりしなさいよ騎士王」
セイバー「い、いやしかし、こういうことには慣れていないもので」アセアセ
士郎「慌ててるセイバーも、かわいいな」テノコウニキス
セイバー「ひゃん!」
凛・桜「あああああああああ!!!!!!!」
しばらくおまちください
凛「はぁ、はぁ……何よコレ」
桜「ストレスで死んでしまいそうですね……」
凛「藤村先生もそりゃ壊れるわ……」
別室
藤ねえ「ねえおねえちゃんさっきのなーにー? えへへへ」
ライダー「幼児退行してしまった……」
凛「状況を整理するわよ」
桜「そうですね」
士郎「なにかあったのか?」
凛「アンタのことでしょうが!!」
士郎「な、なんだよ遠坂……あ、そうか腹減ってるんだな? よし、メシにしよう」
凛「いやいやいや」
士郎「セイバー、何が食べたい?」
凛「おい」
セイバー「し、士郎の作る料理なら……」
凛「止めろよ空腹王」
士郎「ははっ、そういわれると嬉しいな!よーし今日は気合い入れて作るぞ!」
セイバー「はいっ!!」
凛「話聞きなさいよ!!!」
トントントン……ジャージャー
凛「……なんで料理するときまでセイバーの手を離さないのよ」
桜「片手でやってますからなんだかやりづらそうですね」
凛「あっ」
桜「セイバーさんが後ろから抱きつく形に変わりましたね」
凛「セイバーが気を利かせたのね」
桜「そうでしょうね」
凛「よし、殺すわ」
桜「姉さん落ち着きましょう」
凛「じゃあアンタもその果物ナイフ置きなさいよ」
凛「しっかしなんで急にあんなことに……」
桜「積極的になったとかそんなレベルじゃないですからね。明らかに変です」
凛「誰か他のサーヴァントに何かされたのかしら」
桜「あり得ますね。ゴールデンボンバーとか怪しくありませんか?」
凛「それはないわね。アイツが好きなのはセイバーよ、わざわざこんな状況にしないでしょ」
桜「たしかに。むしろこの状況を見たら発狂しそうですね」
凛「フラグね」
桜「ですね」
ガラッ
ギル「セイバー!!我が愛する貴様に逢いにきてやっわああああああああ!!!」
凛「あらら」
ギル「ふわあああああああああ!!!!ふんわあああああああああああ!!!!」
凛「あいつ叫びながら泣いてるわよ」
ギル「うひゃああああああああああああ!!!」
桜「自分のほっぺをつねりはじめましたね」
凛「まあ夢ならよかったのにとは思うわよね」
ギル「うぅおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
桜「くずおれて膝をつきましたね」
凛「現実を知ったのね」
ギル「雑種めがああああああああ!!!!!」ダダダダ…
桜「この現状に耐えきれず帰っちゃいましたね、珍しい。てっきり宝具で先輩が串刺しになるかと」
凛「あいつ童貞くさいし多分こういうのだめなのよ」
桜「童貞王ですものね」
凛「そうね」
桜「そして姉さんは処女」
凛「黙れ」
桜「しかし一体誰が……」
凛「あっ」
桜「なにか?」
凛「そういや葛木先生と組み手したって言ってたわ」
桜「葛木先生と?」
凛「ええ」
桜「うーん、あの人が何かするとは思えないのですが……」
凛「そうよねぇ」
──そのころの柳洞寺では──
ゴソゴソ
キャスター「あらー……? おかしいわね。どこにやったのかしら?」
葛木「ただいま」
キャスター「おかえりなさいませ、宗一郎さま。組み手はどうでした?」
葛木「ああ、やはりあいつは悪くない。中々に楽しい。……なにを探している」
キャスター「ああ、その、昔戯れに作った惚れ薬を……」
葛木「これか」
キャスター「えっ」
キャスター「そ、宗一郎さま?なぜそれを?」
葛木「さきほど衛宮に飲ませた」
キャスター「!?」
葛木「スポーツドリンクに混ぜてな。うまいうまいと飲んでいたぞ」
キャスター「な、なぜそのようなことを……」
葛木「……キャスター。セイバーを監視、いや、盗撮しているな?」
キャスター「あう、そ、それはその……」
葛木「ならば、いつもと違うセイバーも見たくはないか?」
キャスター「……!! まさか、わたしのために……?」
葛木「私にできるのは、これぐらいしかない。すまない」
キャスター「宗一郎さま……嬉しい」
葛木「キャスター、いや、メディア……」
キャスター「宗一郎さまぁ……」
ここからは濃厚な大人の時間なのでカットされます。
続きを読むには「桜さんは純情可憐で素敵な乙女です」と書き込んでください。
ところもどって衛宮家
凛「ちょっと。よく考えたらキャスターがいるじゃない。アイツの仕業ね」
桜「間違いありませんね」
凛「どうせ惚れ薬とか媚薬とかそのへんでしょ」
桜「でしょうね。なんとか解毒しないと……」
凛「そうね、士郎のことだから、その……あ、アレなこと?にはならないと思うのだけど」
桜「でも、さっきはキスしてましたよね?」
凛「……で、でもほっぺと手の甲でしょ?ぎ、ギリギリセーフよ」
桜「セーフですか。じゃあ私も先輩のそこにキスしますね」
凛「今そういう話してるんじゃないわよ!ていうか駄目に決まってるでしょ!!」
桜「それでは姉さんもご一緒に」
凛「えっ……や、ややややらないわよ!!!!」
ガラッ
アーチャー「凛、良い魚が穫れたぞ。刺身にしよう」
凛「アーチャー、いいところに来たわね。緊急事態よ」
アーチャー「ほう、どういうことかな?」
凛「アレよ」
士郎「セイバー、味見してくれ」
セイバー「はい……うん、大変美味です」
士郎「良かった!あ、ほっぺについちゃったな」ペロ
セイバー「ひゃうん!!し、しろぉ……だめですよぅ……」
士郎「ははっ、いいじゃないか。それにセイバーがかわいいのが悪いんだぞ?」オデココツン
セイバー「むぅ……」
アーチャー「……なんだアレは」
凛「なんか薬盛られたらしいのよねー。なんとかならない?」
アーチャー「そうだな……まずは2人ともテーブルから手を離さないか?限界が来ているぞ」
テーブル<メキメキメキャァヤメテェ
桜「あらあらまあまあ」
凛「こいつが貧弱すぎるのよ」
アーチャー「まあいい。しかし薬か……」
ドクンッ
アーチャー「!? んなっ……!!」
凛「アーチャー!?どうしたの!!?」
アーチャー「かはっ……く、くるな、凛……」
凛「何言ってんのよ!? 何よ、どうしたのよ!!」
桜「キャスターの魔術でしょうか!?」
凛「まずいわね……しっかりしなさい、アーチャー!!」
アーチャー「く、来るなっ……ぐああああああ!!!!」
凛「アーチャー!!!」
アーチャー「うわあああああ!!!」リンニダキツキッ
凛「」
桜「」
桜「……姉さん? そういうのは家でやってくれませんか?」
凛「ち、ちがう!!そんなんじゃない!!なにやってんのよあんた!離れなさい!!」
アーチャー「だ、駄目だ!! 抗いきれんっ!! 凛!! 好きだ、凛!!」ギュウウウ
凛「ちょっ、なんであんたまで……」カァァ
桜「……まさか」
凛「なに!? なんかわかったの!?」
桜「アーチャーさんって一応未来の先輩なんですよね?」
アーチャー「まあ……そうだな……。平行世界、ということにはなるが……んぎぎ」メッチャタエテル
桜「だから今の先輩の状態が作用しているんじゃないですか?
もしこのまま先輩が元に戻らなければ、一生このままになっちゃって、好きな人に気持ちを抑えられなくなる、と……」
凛「な、なるほど。ってアーチャーあんた私のこと……」
アーチャー「ち、違う!! これは断じて……違っ! ぬぁっ」アスナロダキッ
凛「きゃっ……うわぁすごくいいこれ……」トローン
桜「……家に帰ろうかなぁ……」
アーチャー「ぬおお……なんとか……はなれ……る!!」ハナレタ!!
凛「あっ……」ショボン
桜「……姉さん?」
凛「あっ、いやその、これはちが」
アーチャー「と、とりあえず私は一度霊体化して、キャスターのところへ行ってみよう」スッ…
凛「えっ……」
桜「そうですね、お願いします」
凛「や、やれやれ!!しょうがない奴ね!!」
桜「姉さん、すごくツヤツヤしてますよ」
凛「……」
そして夕食。
士郎「セイバー、あーん」
セイバー「あーん……うん、美味です! さすが士郎ですね!」
士郎「へへ」
セイバー「し、士郎!」
士郎「ん?」
セイバー「あ、あーん」
士郎「!!あ、あーん……うん、美味い。セイバーが食べさせてくれたから、もっと美味い」
セイバー「そ、そんな……」テレテレ
凛「‥‥」
テーブル<ヤメテーベキバキボキ
桜「あ、もしもし、壁殴り代行さんですか? はい、そうです、冬木の……」
食後。
士郎「セイバー、風呂に入ろう」
セイバー「い、一緒にですか」
士郎「嫌か?」シュン
セイバー「いえ、いきましょう!! お風呂に!! 2人で!!」
スパ-ン!
凛「行きましょうじゃないわよ!! 落ち着け!! あんたそれでも騎士王か!?」
セイバー「はっ!! あまりの快感に夢見心地でした」
桜「セイバーさん……」
セイバー「し、士郎。申し訳ありませんがお風呂は……また今度というこt」スパーン
凛「だから!そうじゃ!ないっ!!!」パーン!パーン!パーン!
セイバー「痛いっ!痛いっ!すみません出来心だったんです!!」
士郎「……だめか……うっ!!」
ドサッ
凛・セイバー「!?」
桜「収拾がつかないので気絶させました」
凛「あ、ありがとう」
セイバー「……で、では今度こそ解決策を……あっ」
凛「何よ……あっ」
桜「……気絶してるのに、セイバーさんの脚を掴んでますね」
凛「どんだけ離れたくないのよ……」ハァ
桜「ここまでくると、微笑ましささえ生まれますね」
凛「この瞬間だけね」
スゥッ
アーチャー「戻ったぞ」
凛「どうだった?」
アーチャー「やはりキャスターのモノだった。しかし今回のことは事故のようなものらしい。すでに解毒剤を用意していたよ」
凛「あらそうなの? 変なこともあるのね。まあいいわ。さっさと終わりにしましょう」
アーチャー「ああ、これが解毒剤だ」マッカナバラ
凛「えっ」
アーチャー「受け取って欲しい。これが私の気持ちだ」
凛「あ、アーチャー……」キュン
慎二「えんだああああああああああああああ!!!!!!いやあああああああああ!!!!」
桜「兄さんは帰って!!!!!姉さんも冷静になってください!!!」
セイバー「ていうかどっからわいたんですかこのワカメ!!」
アーチャー「す、すまん取り乱した。まだ制御しきれていないようだ……」
凛「むしろ悪化してたわよ……」
桜「まんざらでもなかったくせに」
アーチャー「ちなみに先ほどの薔薇は、投影したものではない。君のために、買ってきたものだ」
凛「えっ……?」キュン
アーチャー「まがいものではない、私の……いや。俺の、本当の気持ちだよ、遠坂」
凛「……士郎……」
慎二「えんだあああああああああああああ!!!!!」
セイバー「エクス……カリバァァァァ!!!」ドカーン!!
慎二「僕の出番これだけだよおおおお!!!!」
桜「姉さん……」
で。
桜「落ち着きましたか、お二人とも」
凛「はい……」
アーチャー「面目ない……」
桜「まったく、話が進まないじゃないですか」
アーチャー「これが、本当の解毒薬だ」
桜「ありがとうございます。あとはこれを先輩に飲ませるだけですね」トコトコ
セイバー「……桜」
桜「なんです?」
セイバー「それを飲ませれば、士郎は元に戻るのですか?」
桜「そのはずです。キャスターさんが嘘をついていなければ」
アーチャー「その可能性はないだろうな。奴、やたら満足げな顔をしていた」
セイバー「そうですか……」
凛「ちょっと何よ、惜しくなったの?」
セイバー「そ、そんなことは……」
桜「まあ、仕方ないですよね。朴念仁な先輩があれだけアプローチしてくれれば……」
セイバー「ですよね!!!」
桜「えっ」
セイバー「えっ」
凛「えっ」
セイバー「いや、だって、最高のひとときだったんですよ!?」
アーチャー「これはひどい」
セイバー「私は……私は!! この幸せを手放したくありません!!」
凛「いやいや何を」
ランスロット「血迷ったかアーサー!!」
凛「今の誰よ!?」
セイバー「私は、決めたのです!!もう迷わない、自らの、王としての選択を、信じると!!」
凛「違う、今してる話はそんなスケールの話じゃない」
桜「せ、セイバーさん落ち着いて……」
セイバー「何を言う。私はいたって冷静です。さあ桜、解毒剤をこちらに」
桜「い、嫌です……だ、だって私も先輩が……」
凛「そ、そうよ!! 第一惚れ薬なんてフェアじゃないわ!!」
セイバー「 勝 て ば 官 軍 !!!!」
アーチャー「駄目だな、目がイッている」
セイバー「それに凛、士郎がもしもこのままならばあなたはアーチャー、いえ、大人になった士郎といちゃいちゃし放題です!!」
凛「!!!!」
桜「姉さん『!!!!』じゃないですよ? 刺しますよ?」
セイバー「これが……私たちにとって最善の策だとは思いませんか?」
凛「そうね、確かにそうかもしれないわ」
アーチャー「頼むから落ち着いてくれ、我がマスターよ」
セイバー「さあ、共に戦いましょう!!凛!!」
凛「分かったわ!! 契約成立よ!!さあ、2人で-約束された勝利の剣-エクスカリバーを!!」
セイバー「心得ました!!!凛、手を!!」
凛「ええ!!」
アーチャー「ちょ」
凛・セイバー「エクス……」
桜「ま」
凛・セイバー「カリバァァァァァ!!!!!」
桜・アーチャー「あああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
───この日、衛宮家で大規模な爆発が起きた。
幸い、死傷者はたまたま付近を歩いていた全身青タイツの男だけで済んだらしい。
そして後日、解毒剤が改めて渡され、士郎はようやく元に戻ることが出来た。ついに、再び衛宮家に日常が戻ったのである。
士郎「セイバー」
セイバー「は、はいっ!なんですか、士郎」
士郎「なんかさ、こないだは悪かったな」
セイバー「い、いえ……」
士郎「だからさ、改めて言うよ」
セイバー「えっ?」
士郎「好きだ、セイバー」
セイバー「し、士郎……?」
士郎「抱きしめても、良いか?」
セイバー「……ずっとじゃなきゃ嫌ですよ?」
士郎「セイバー……好きだ」ギュッ
セイバー「……はい!」
おしまい
終った!つたないSSでしたが読んでいただきありがとうございました!
支援も助かりましたです。嬉しいですねこういうの。
5年ぶりに書いたのですが楽しかったのでまた書こうと思います。
次はもう少し早い時間に立てます!ありがとうございました!
藤ねえ「しろー!! しろー!!」
士郎「はいはいここにいますよっと。どうした? メシならさっき食べたろ?」
藤ねえ「食べてないわよ!!」
士郎「嘘……だろ……?」
藤ねえ「何愕然としてるの!?」
士郎「一度やってみたくてさ」
士郎「それでどうしたのさ」
藤ねえ「いやーちょっと確かめたいことがあってさー」
士郎「? なんだよ」
藤ねえ「士郎さ、最近いろんな女の子と仲良くなったわよね」
士郎「そうだなぁ。遠坂にセイバー、イリヤ、ライダー……あれ、なんか多いな」
藤ねえ「そうよ。あんた自覚なかったの?」
士郎「いや、なんとなく女の子多いなぁとは思ってたけど……まさかこんなにとは」
藤ねえ「いやー、まさかあんたがこんなことになるとはねぇ」
士郎「自分でもびっくりだよ」
藤ねえ「うんうん。で、誰にするのかな?」
士郎「えっ?」
藤ねえ「いやだから、恋人」
士郎「なんでさ」
藤ねえ「えっ」
士郎「えっ」
藤ねえ「あんた……誰とも付き合わない気だったの?」
士郎「ええー……藤ねえまでそんなこというのかよ、慎二じゃあるまいし」
藤ねえ「うん? ワカメ君もなんか言ってたの?」
慎二『衛宮はどいつにするんだ? 桜とかどうだ? 桜は純情だしいいぞ!早くもってけ!!頼むから!!』
士郎「……って」
藤ねえ「あら、妹を推すだなんて良いお兄ちゃんじゃないの」
士郎「うーん……なんか目がヤバかった気もするんだけどなぁ」
藤ねえ「で、で、で! どうなの、桜ちゃんは!?」
士郎「うーん……どうって言われてもなぁ」
藤ねえ「何よー、家庭的だし気だても良くって最高じゃない! 何がダメなのよ」
士郎「いや、だって……桜は別に俺のこと好きじゃないだろう?」
藤ねえ「……はぁ?」
士郎「やっぱりそういうのはさ、両思いじゃないとって思うんだ。彼女いたことも無いくせに生意気だとは思うけどさ」
藤ねえ「……そーですねー」
藤ねえ「あー……じゃあ遠坂さんは?」
士郎「遠坂!? ないないもっとないって!! 遠坂とは絶対無理だって!」
士郎「いつも俺につっかかってくるし、アーチャーもやたら俺にきっついし……」
藤ねえ「アーチャーはさておき……それは……ねえ?」
士郎「あれ? でもだったらなんでうちに居座ってるんだ? 家もあるんだし別に出て行ったっておかしくないよな……」
藤ねえ「!! そうよ、そうなのよ!! その理由を考えなさい!!」
士郎「うーん……」
士郎「はっ!! そうか!!」
藤ねえ「おっ! やっとわかったのね!!」
士郎「メシだ!! メシのためだ!!」
藤ねえ「」
士郎「桜のメシは言うまでもなく美味いし、俺の作る料理だって、自分で言うのもなんだけど美味いはずだし」
士郎「セイバーだって美味いっていってくれてるんだ。結構自慢できるはずだよな」
士郎「そんなメシを毎日喰えるんなら、そりゃ居候するよなぁ。うん、なるほど!」
藤ねえ「士郎、さすがねぇ」
士郎「なんだよ藤ねえ。照れるじゃないか」
藤ねえ「褒めてないわよ」
藤ねえ「あー……じゃあそのセイバーさんは?」
士郎「セイバーは……どうだろう」
藤ねえ「ん?」
士郎「ちょっと、自分でもわからないな。なんて言うんだろう……」
藤ねえ「何が?」
士郎「なんか、アイツといると……落ち着く気がする」
藤ねえ「……ふぅん」
士郎「料理も美味い美味いっていっぱい食べてくれるし、剣も強いし」
藤ねえ「そうねぇ、私も歯が立たなかったし……あれは悔しかった……!!」
士郎「はは……しょうがいよ。藤ねえも強いけど、セイバーはもっと強い」
士郎「強く無きゃ、ダメだったんだ。だから出会った頃も、もっと堅くってさ」
藤ねえ「そうね、今みたいに『士郎、おかわりです!!』なんて言うようになるとは思えなかったわね」
士郎「うん、最初はおっかないとこもあった」
士郎「でも今はさ、いっぱい笑うようになった」
士郎「アイツの笑った顔見てるとさ、なんだか嬉しくなるんだ」
士郎「満面の笑みって訳じゃないんだけどさ、嬉しさが伝わってくる感じで」
士郎「……もっといっぱい、アイツのいろんな顔、見たいな」
藤ねえ「……そうね。そっかそっか」
士郎「うん?」
藤ねえ「やっぱりアンタは、セイバーさんが好きか!」
士郎「ええええ、なんでさ!!?」
藤ねえ「もー、士郎は自分のことにまで鈍いわねー!! そんなんじゃ婚期逃しちゃうゾ!!」
士郎「藤ねえに言われたくないよ!!」
藤ねえ「何よー!! 私はまだ20代よ!?」
士郎「わわっ、冗談だってば! でも、そうなのかな」
藤ねえ「ええ、そうよ。誰がどう見てもそうなんです!」
藤ねえ「士郎が気づいてないみたいだから言っちゃうけどさ、セイバーさんもあんたのこと。好きよ」
士郎「……えっ?」
藤ねえ「士郎も気づいてないしセイバーちゃんも自分の気持ちに気づけてないし……」
藤ねえ「このままあんたたち進みそうにないから言っちゃう!あんたたちは両思い!」
士郎「ええええ!!! いやでもそんな!! ……そうだったら、そりゃ嬉しいけどさ」
藤ねえ「でしょでしょ? あんた達さ、もうお似合いよ!」
士郎「そっか……」
藤ねえ「ねっ、だからさ、もうあんた達付き合いなさいな!セイバーちゃんなら私も許す!」
士郎「だけどさ……」
藤ねえ「何よ、もしかして不満なの!? お姉ちゃんはそんなわがままな子に育てた覚えはありません!!」
士郎「いやそうじゃなくって!! ……藤ねえさ、どうして泣いてるのさ」
藤ねえ「……えっ?」
士郎「ほら、涙が……」
藤ねえ「うそうそ、そんな……な、なんでかな? ははは……」
士郎「藤ねえ……」
「藤ねえ、もしかして……」
「言わないで!!」
「お願いだから、言わないで……」
藤ねえはそう言って俺に体を預けてきた。しおらしくなった藤ねえ。
今までこんなことが、なかったわけではない。
なかったわけではないが、その姿は初めて見るものだった。
疲れた、とか。辛い、とか。そういったものではない。
もっと別の何か。
それは、やっぱり。
「私から、言うから」
「……うん」
藤ねえが腕をそっと背中に回す。俺はそれを受け入れた。
自分の腕も、藤ねえの背中に回した。少し、力を込めた。
藤ねえも力を込めてきた。はじめは少し。そのまま少しずつ強く。
「私は、士郎のことが……好き」
そう言って、より力を込めてきた。
強く、強く。それでも、痛くはない。心地が良い。
ぬくもりが強く伝わる。それが、嬉しくて。
「……ありがとう」
口からこぼれたのはそんな言葉だった。素直な言葉。
俺も力をもう一度込めた。
ほんの少しの時間だった。きっと、数秒程度だろう。
でもそれが、長く感じられた。長い長いあいだ、そうしていた気がする。
それを終らせたのは自分の言葉だった。
「でも、ごめん」
それが彼女を傷つけることになるのはわかっていた。
わかっていたけれど、言わなきゃならなかった。
うやむやにしてはいけない。それぐらい、馬鹿な自分でもわかる。
だから、伝えた。彼女がそれに応える。
「……うん、わかってた」
短い言葉。彼女が言ったのはそれだけだった。
そのまましばらく抱き合っていた。お互い、何も言わず。
でもそれで良かった。お互いが交わすぬくもりで、全て伝わった。
──家族だって、思ってるからでしょ?
──うん。
──私は、好きだって言えた。それで満足だから。
──そっか。
──そうなのよ。
──藤ねえのこと、本当の家族だって思ってるよ。とてもとても、大事な人だ。
──うん……うん。ありがとう。私は、幸せだよ。
どれだけの時間そうやって抱き合っていただろうか。
さっきとは違って、実際の時間すらも予想できない。
それぐらい抱き合っていた。とても充実した時間。
少し、彼女から離れた。
「あ……」
残念がる声が唇から漏れる。
俺はその唇に、自分の唇をそっと重ねた。
彼女は目を見開き、かなり驚いたようだった。
仕方が無い。自分だって驚いている。
そっと目を閉じ、彼女は自分に身を委ねてくれた。
そのまま唇を重ね続ける。舌を絡めることも無い、優しいキス。
やがて唇は離れ、再び強く抱きしめ合った。
「こんなこと、するようになったんだ」
藤ねえが少し照れた声で言う
「ふ、藤ねえが初めてだよ」
声がうわずった。恥ずかしい。
ここまでしておきながら今更、という感は拭えないが。
「そっかぁ、士郎の初めては私がもらっちゃったか!」
嬉しそうな顔で、彼女は笑った。
今まで見てきた表情の中でも、とびっきりの笑顔だった。
「ありがとう、士郎。……私、今日は帰るね」
そういって彼女は向こうを向いてしまった。
そのとき見えた最後の表情はとても魅力的だった。
いつか、あの表情をずっと見られる男がいるんだな、と思うとなんだか複雑な気持ちになった。
たった今フっておきながら何を身勝手な。我ながら情けない。
まあ、自分も男だったということか。
「じゃ、また明日。明日の朝ご飯、期待してるわよ! じゃーねー!」
そう言い残し、走り出した彼女を俺は見送った。
少し先の角を曲がって、姿が見えなくなってしまうまで見送った。
胸の中に、切ない気持ちが残った。切ないけれど、あたたかい。
決して嫌な気分ではない、心地よい気分。
明日からも藤ねえとはいつも通りでいられる。そんな気がした。
そして、勇気ももらえた。
帰ったら、自分の気持ちを伝えよう。
きっと今言わなきゃいけない気がする。
そうじゃなきゃ、藤ねえに悪いもんな。
そう心に決めて、俺は強く歩き出した。
──藤ねえ、ありがとう。
終わり。
おわた。なんか冬木の虎が多かったのでそのまま書いてみた。
まだ見てくれてる人がいたので良かったです。
こっちは即興だったので時間かかって申し分けない。
みなさまよい週末になりますように。私は深夜に冷蔵庫を運ぶバイトへ行きます。
こんな時間までお疲れさまでした!ありがとう!
こういう場所で小説のスタイルをやると冗長がられる傾向があるけど、総じて良かったと思う
イリヤ…
このSSまとめへのコメント
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