少年エルフ「進路相談?」 (95)
これはハーフエルフの少年と彼に育てられた人間の娘の話
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娘「エルフは私のパパ」
1:娘「エルフは私のパパ」 - SSまとめ速報
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○早朝・宿屋の一室
モソ
床に敷いた毛布が動く 少年エルフが目を覚ました
少年エルフ「ぅん(……おきなきゃ)」
ぎゅう
少年エルフ「?(動けない)」
娘「すーすー」ぎゅうう
娘は少年エルフを抱きしめている
少年エルフ「ちょっ なんで(あっちで寝てたでしょ!?)」カアアア
ぎゅう むにゅ
少年エルフ「…っ(やわらかい……ってそんな場合じゃない)」ドキドキ
少年エルフ「娘! おきて はなして」ぐいぐい
娘「――ん パパ? おはよ」ぎゅう
むにゅう
少年エルフ「(あたたかい……)って ちがう! はなして 起きるの!!」ドキドキドキ
娘「まだ 暗いじゃない もう少し……寝よ」むにゃむにゃ
少年エルフ「ねーなーいーでー おきて!」ジタバタ
娘「ぅん もう 女薬師が起きちゃうでしょ おとなしくしてよ」
少年エルフ「あぅ……(そうだ女薬師も隣で寝てるんだった)」くるり
少年エルフは女薬師が寝てる方を確認する
○
女薬師「……朝からお盛んねぇ」
少年エルフ「えっ!?」
ガバッ
娘「起きてたの いつから!?」カアアアア
女薬師「いや寝てないし…… ていうか今から寝るからお休みぃ」ぐーぐー
少年エルフ「う……(お酒くさい)」
娘「また朝帰り……」
ササッ
少年エルフは娘の懐から抜け出した
娘「あっ パパ もう」
少年エルフ「ちょっとお店の片付けいってくるから 朝ごはんまでには戻るよ」
娘「ちょっと パパ 今日は進路相談よ 覚えてる?」
少年エルフ「進路相談?」
娘「そう三者面談 ……なんだってこんな時にやるのかしらね」
○半壊した学校・進路相談室
進路相談員「こんな時だからこそです」
少年エルフ「ハイ」
娘「……はい」
進路相談員「先日のゾンビ騒動でお店も被害に遭われたそうで…… 今が大変なのはよ~くわかります ですがだからこそ娘さんの今後の進路について考えなければ 休校になってる今こそ考えるよい機会です」
少年エルフ「えーと はい」
娘「私はもう進路は決めてあるわよ」
少年エルフ「え そうなの?」
進路相談員「えぇ 進路志望も伺っております ”ウェイトレス” だそうですね」
少年エルフ「あ そうなんだ」
娘「そうよ パパを手伝うの」ニコニコ
進路相談員「……しかしそのお店も全壊してますよね」
少年エルフ「うっ」
進路相談員「その点はどうするおつもりですか娘さん?」
娘「そんなの建て直すだけよ」
進路相談員「簡単にいいますが すぐに建て直せるのですか それ以前に本当にウェイトレスでいいのですか? 王国大学や騎士団 魔術師協会などからスカウトが来てるのですよ 奨学金も出すそうです」
少年エルフ「そうなの!?」
進路相談員「えぇ 娘さんはたいへん優秀ですから剣術も魔法も座学もトップレベル さらに実戦の経験もありますよね それにあの第七王女からもお声がかかっているとか…… ぜひ進学や入団を考えてみてわ」
少年エルフ「進学……(娘が王都に)」ドキッ
娘「いやよ 私はパパと一緒にいるの」
少年エルフ「……娘」ホッ
進路相談員「……わかりましたとりあえず今日はここまでにしましょう」イライラ
少年エルフ「はい ありがとうございました」ぺこり
娘「やっと終わった」
進路相談員「エルフさん お話しがありますから残っていただけますか」
○
※更新終了 次は来週に
乙
○廊下
面談を終えた娘友が歩いてくる
娘友「やれやれやっと終わった あれが親父とか ……見てるこっちが恥ずかしいわ ん?」
娘「……あの職員 パパと何を……」ぐぬぬ
娘がドアに張り付いている
娘友「ここにもいたーーー!」
○進路相談室
進路相談員「娘さんの進路についてエルフさんの意見は?」
進路相談員「初めて聞いたのですか? 家で相談はしてますか」
進路相談員「進路の話し合いはしていないのですか」
進路相談員「それでいいのですか」
進路相談員「あの子には才能があります 親でしたらその才能を伸ばしてあげるものでは」
進路相談員「仮に天才としても本人に才能を伸ばすきがなければ」
進路相談員「家庭ではどのように?」
進路相談員「そろそろ親離れさせるべきでは」
進路相談員「それともあなたが子離れできてないのでは?」
進路相談員「失礼ですが あなたはそれでも父親ですか」
進路相談員「娘さんから父親としてみられてますか?」
少年エルフ「」あうあう
進路相談員「そんなことでは……」クドクド
○
○校内ラウンジ
娘「だって 密室に二人っきりじゃない 怪しいわ」ダンダン
娘友「とりあえず落ち着け ……本当に 娘はエルフさんのことになるとまわりが見えてないわね」
娘「別に周りのことなんてどうでもいいわ」
娘友「……(この子はまったく) いい? 娘は目立つし先日の事もあって注目されてるの だからあまり変なことしてたらエルフさんも困るでしょ?」
娘「エルフは私のパパよ 私の事を一番よく理解してくれてるわ」
娘友「いやいやいや たとえ親子といっても意外とワカラナイものよ」
娘「そんなことないわ 店が壊れてからは また一緒に寝てるし お互い理解してるわ」
娘友「コラコラコラ 公共の場で『一緒に寝る』とかそういう誤解をまねく発言をしない それに過剰な愛情は心理的な虐待らしいわよ 知ってる?」
娘「なによ 私がエルフを困らせてるようないいかたじゃない」ムムム
娘友「かもよ 少し距離があるからよくわかることもあるのよ」ヤレヤレ
娘「そんな 私はエルフを困らせるような事は絶対にしないわ だって」
娘友「あ エルフさん来たわよ」
少年エルフが階段から降りてきた
シュバッ!
\エルフぅー/ ムギュー
\うわっ なに娘!?/
娘友「……はやい」
\あのオンナにいじめられなかった? 寂しくなかった?/
\いや 大丈夫だよ ってそろそろ離して/
\いやよ 私が寂しかったんだから/ムギュギュー
\ちょ ちょっと/カアア
娘友「……ほら困ってるじゃない まったく」
○
○夜・宿屋 少年エルフ達の部屋
少年エルフ「ねぇ 娘 昼間のことだけど」
娘「なあに? やっぱりなにかイヤな事言われたの」
少年エルフ「いや 別にイヤな事じゃないけど その ちゃんと相談しよ 進路のこと」
娘「え? 言ったでしょ私はウェイトレスになってパパを手伝うのよ」
少年エルフ「それだけど お店も建て直さなきゃいけないしね すぐには無理でしょ」
娘「だったら一緒に働いて建て直そ? どうせ学校もしばらく休校なんだし 一緒なら出来るわ」
少年エルフ「その……本当にウェイトレスでいいの? 前は騎士になりたいっていってなかった?」
娘「っ! そうだったかしら」
少年エルフ「そうだよ よく言ってたじゃない騎士になって世界中を旅するんだって 夢だったでしょ?」
娘「さぁ 忘れたわ 気が変わったのよ」
少年エルフ「だったらなんでウェイトレスなの?」
娘「だからエルフと一緒にいるために……」
少年エルフ「なんで一緒に居たいの?」
娘「それは……」
少年エルフ「……もしかしてオババに言われた?」
娘「いや それは違うわ」
少年エルフ「そうなんだオババに言われたから一緒にいるの? それはおかしいよ」
娘「違うわ 確かに言われたけどそれは関係なくて……」
少年エルフ「いいんだよ 僕のことは気にしなくて 娘は娘のしたいことを……」
娘「ちがうの! 聴いて 私はエルフが好きだから 大好きだから ずっと一緒に居たいの」
少年エルフ「む 娘」ドキドキ
娘「それっておかしいこと?」
少年エルフ「……おかしく ないよ でもね『ずっと』は無理だよ」
娘「どうして」
少年エルフ「だって娘は人間じゃないか……」
○娘友の部屋
娘友は部屋でくつろいでいる
娘友「前年の相場がこれで……今年は……」ペラ
\パパのバカっ!! もう知らない家出してやる!!/
バタン
娘友「今の声 娘?」
ドタドタドタドタ
バタン
娘「友ー 悪いけど今日ここで寝かせてくれない」
娘友「オイオイオイ 家出ってここかい」 <隣部屋
○
娘「はぁ……エルフにヒドイいいかたしちゃった……」ドヨーン
娘友「何があったのよ」
娘「だって エルフが『自分はハーフエルフだから』とか『好きな人を見つけて』とか……私はエルフが好きなの!」ダンダン
娘友「わかってたけど 重症ね」
娘「なによ……人間じゃ一緒にいちゃいけないの? エルフ族じゃないとダメなの」ウジウジ
娘友「……(うわー あの娘がいじけている信じられん) でもまぁ 一理はあるよね」
娘「……わかってるわよ そんなこと 言われなくたって」ぶつぶつ
娘友「そう……」
娘「……(ずっと考えたくなかった事だから)」
○
ジリリリン ジリリリン
娘「!?」
娘友「あ 電話」
ガチャ
娘友「はいアタシ うんいいわ つないで」
娘「自分の部屋に電話ひいてるの?」
娘友「えぇ 色々あってね あ もしもし王女 またケンカ? そっちもか……」
娘「王女と電話してるの!?」
娘友「え うん 今いっしょ あ そうなの」
娘「なによ 変わりなさい なに話してるの」
娘友「だーめ 内密な事だから あ うんうん言ってないから」
娘「むうう わかったわよ 向こうで寝てるわ」
娘はソファーに寝転がった
○
娘友「だったらアタシにいい考えがあるわ」ゴニョゴニョ
娘「……(もう少しかしら)」
娘友「うまくいくわ じゃあね」
ガチャン
娘「おわった?」
娘友「えぇ それよりも 娘に耳よりなお知らせがあるわ」
娘「なによ」
娘友「家出のついでに王都までいって体を動かしてこない?」
娘「なによそれ それにそんなに遠くまで家出するわけには……」
娘友「もしかしたらエルフさんのお店を建て直せるかもしれない」
娘「いくわ」
○
※更新終了 次回は来週に
乙
○2日後 宿屋の台所
少年エルフは台所を借りて料理をしている
少年エルフ「よし……できた」
アップルパイが焼きあがった
少年エルフ「これではやく仲直りしないと……(もう2日も娘と顔を会わせてない)」
○宿屋 娘友の部屋
こんこん
少年エルフは娘友の部屋をノックする
ガチャ
娘友「ん? エルフさん 丁度よかったいま呼びにいくところだったの」
少年エルフ「え? なに 僕に用事?」
娘友「えぇ それよりエルフさんのご用は?」
少年エルフ「あ えっとね ごめんね娘が迷惑かけて これ焼いたんだけど」
娘友「うわぁ 美味しそう ありがとう」
少年エルフ「それでその 娘は?」もじもじ
娘友「はー (カワイイなぁ…… イカンイカン) えっと娘は今いないわよ」
少年エルフ「え!? いないの どこに居るの!?」
娘友「それでエルフさんを呼ぶところだったの」
少年エルフ「うぅ 娘ぇ……そんなに嫌われていたの?」ボロボロ
娘友「まってまって 違うのとりあえず 向かいながら説明するから 一緒に来て」
少年エルフ「どこに?」ウルウル
娘友「王都よ 娘も居るから」
○2日前 王都 王の間
第六王子「概算ですがこれが被害総額です……」
兄王「……ふむ ゾンビじゃ保険はおりないよな 仕方ないわかった おって連絡する 次は……」
ドタドタドタドタ
兄王「またか……」 第六王子「……」
バタン
第七王女「兄上これはどういうことじゃ!!」
第七王女が飛び込んできた
兄王「ハァ…… 今度はなんだ?」
第七王女「『魔王調査隊』の名簿になぜ娘と男子が居ないんじゃ! わらわが推薦したじゃろう」
兄王「それか あたりまえだろう その2人は学生じゃないか認められるか ゾンビの件もあったし正式に調査してもらいたいんだ子供の真似事では困る だいたいお前は一応王族だから護衛もちゃんとして……」クドクド
第七王女「だーかーらー! あれほどの猛者はそうそうおらんといっておろうが」
第六王子「騎士でもない田舎者に任せられるか 現実をみろよ アホ」
第七王女「田舎者じゃと! 見てもおらんのによくもそんな口を!」
兄王「そりゃそうだ見てもおらんからな ほら今は南町の復興の件もあって忙しいんだ わがままいうな」
第六王子「近衛兵なにしてる 部屋に連れて行け」
女騎士「はっ…… ほら王女行きますよ」
\はなすのじゃー/
バタン
○王女の部屋
第七王女「まったくもう あんのバカ六がぁ!」ジタバタ
女騎士「口が悪いですよ王女 しかし兄王様達の言うことももっともです」
第七王女「女騎士までいうか! あの者たちの強さは知っておろう」
女騎士「知ってますよ でもやはりまだ学生です王女の護衛と認めるわけには」
第七王女「お主までそんなことを」ムキー
女騎士「だいたい今はゾンビ騒動の後始末で手一杯なんですよ あまりわがままをいうと『調査隊』自体が取り消されますよ わかりましたか」
バタン
第七王女「まったく腹がたつのう」
うろうろ
第七王女「……こんな時は」
ガチャ
第七王女は電話の受話器を取り上げる
第七王女「……わらわじゃ 友につないでおくれ」
○現在 王城中庭 特設会場
人混みをかき分ける少年エルフと娘友
少年エルフ「それで相談されたの?」
娘友「そ アタシがコレを提案したんだけど ……王女の行動力は流石ね見習わなくっちゃ」
少年エルフ「これ何なの? 娘も居るの?」
娘友「ほらあそこ見て」
少年エルフ「U-19 剣技大会第七王女杯!? 娘はこれに参加してるの?」
娘友「そうよ ほら」
○競技場
娘「ふっ!」ビシッ
*「ま まいりました」
審判「そこまで 娘の勝ち」
\ワアアアア/ \キャームスメサーン/ \ステキ―/
○
娘友「あーらら 学校のファンも来てるわね」
少年エルフ「娘―~~~!」
娘友「無理よここからじゃ聞こえないわ」
少年エルフ「だったら行ってくるよ」
タタタ
娘友「ちょっとエルフさん!?」
○
娘「ハァ……(どうなってるのよコレ)」
\娘さーんサインください/ \握手してくださーい/ \彼氏とかいますかー/
ガヤガヤガヤ
娘はファンに取り囲まれている
娘「ハイハイハイ……通してくださいね」ニッコリ
記者「娘さん なにか一言いいですか」グイグイ
\娘ー/
娘「お答えしたら通してもらえますか?」
記者「えぇ 初戦で優勝候補を破ってここまで完勝 いままでどんな練習を?」
娘「いえ 特になにも しいて言えば幼馴染の練習に昔から付き合っていたので」
\娘ェ/
記者「幼馴染とは男性部門の男子選手ですか? 彼とはどんな関係ですか」
娘「あれは弟みたいなものです」
記者「ホントですか?」
娘「もういいですよね 通してください」イラ
記者「まって 最後にもう一つ ご家族に一言」
娘「家族……(エルフ……心配してるかな) パパ 心配しないでね うまくやるから」
\娘……/
ガヤガヤガヤガヤ
○
少年エルフ「あ 行っちゃった」
娘友「いやはや 新たなファンやらなにやらで近づけないわね」
少年エルフ「うん でも声が聞けたから安心したよ 元気そうでよかった」
娘友「男子君も今からだから観にいきましょ」
少年エルフ「男子君も参加してるの?」
○放送席
アナウンス「若干16歳の娘選手 年上相手でもまったく動じません ここまで圧倒的です」
解説「情報によりますと彼女は幼少の頃に幼馴染の男子君と共に祖父から師事を受けたそうです この祖父というのが王国最強といわれた『剣聖』その人だったそうで」
アナウンス「どうりで 南町出身の両選手の強さに納得がいきますね さて今からはその男子選手と王立学校の貴族剣士選手の試合です」
○競技場
\がんばるのじゃぞ男子―/ \キャーキャー/ \先輩がんばれー/
男子「……(やはり娘が勝ったか 俺も負けてはいられない)」
貴族剣士「お前が男子か 残念だが剣技だけでは私には勝てないぞ そうそうに負けを認めるのをお薦めする」
男子「(俺も俺自身のために……)ん? なにかいったか?」
貴族剣士「聞いてないのかよ お前ふざけてるのか」
男子「スマン 興味がなかった」
貴族剣士「お~の~れ~」
審判「はじめ!」
貴族剣士「ちッ これで終わりだ”風刃”」ビュウン
貴族剣士は魔法を唱えた
男子「む!」ザシュ
貴族剣士「まぁ ここでは結界があるから威力はかなり落ちるているがな」
\卑怯じゃぞー/ \ブーブー/
貴族剣士「うるさいな 最近では騎士でも魔法ぐらい使えて当然だ」
男子「ぐぅ……はぁっ!」ダっ
男子は突進して間合いを詰める
貴族剣士「だろうな”風刃”」ダダッ
ビュウン
貴族剣士は飛びのきながら魔法を放つ
男子「ぐあっ」ザシュ
貴族剣士「力はあるが速さは無い だから近づかなければどうってことはない ”風刃”」
ビュウン
男子「ぐぅ」ザシュ
貴族剣士「さて 勝てないのが理解できたかな 降参は?」
男子「……」ぐぐっ
男子は低く構える
貴族剣士「まったく 飲み込みの悪い奴だ ”風刃”」ビュウン
男子「ハァッ!!」
バシュン
男子は魔法を弾いた
貴族剣士「なに!?」
男子「ハァハァ……よし『見切った』 いざっ」ダッ
男子は突進する
貴族剣士「ぬかせ ”風刃” ”風刃” ”風刃”」ダダッ
男子「フンッ! ハァッ!」ダダダ
バシュンバシュン
男子は魔法を弾きながら間合いを詰める
貴族剣士「ウソだろ ”風…… うわっ」ドタっ
貴族剣士は転んでしまった
男子「ハァ!!」ブン
貴族剣士「うわぁ ちょタンマタンマ 降参だ! 参った」
審判「そこまで 男子の勝ち」
\ワアアアア/ \よくやったそ男子ー/
○選手控え室
男子が競技場から戻ってきた
娘「……」
男子「娘……見てたかどうだった?」
娘「ハァ……60点」
男子「なっ」
娘「魔法弾きは私と練習してたじゃない なんであんなにかかってるの」
男子「いや 娘のは火球だったしタイミングも その……」
娘「それに何最後の 全部はじく必要なかったでしょ 二つは避けれたよね そうすれば10秒は早く終わってたわよ」
男子「う うん……」
娘「男女別でよかったわね~ 私と当たらないだから ほら怪我みせて 治癒魔法すらできないんだから まったく ”治癒”」パアア
男子「スマン…… なぁ 娘」
娘「なに?」
男子「やっぱりお前も騎士になりたいのか? あんなに否定してたのに……」
娘「うるさいわね 騎士になりたいわけじゃないわ」
男子「じゃあ 優勝賞品か?」
○王都 商人の宿屋 食堂
少年エルフ「望みの褒美?」
娘友「そうよ 上位入賞者には騎士相応の位 優勝者には第七王女が望みの褒美をだすそうよ」
少年エルフ「そうなんだ それで娘も……何が望みなのかな?」
娘友「喫茶店の再建でしょ エルフさんの」
少年エルフ「そうなの? もう娘ったら そんな心配しなくていいのに」
娘友「ま 明日で最後だから終わったらお祝いしましょ エルフさんが来てるのしったら驚くわよ」
○王城
女騎士「ごきげんですね王女」
第七王女「あったりまえじゃ これで兄上も男子と娘を認めるじゃろう」
女騎士「まだ優勝したわけじゃないですよ」
第七王女「あの2人が優勝にきまっておろう」
○
第六王子「ったく アホが調子にのりやがって……おい 明日の準備は?」
家来「女性部門はなんとか ですが男性部門は……あまりにも急なお申し付けですので」
第六王子「言い訳は恥だと知れ まったく……俺がなんとかする」
家来「しかし 奴は……」
第六王子「あの程度俺の敵ではない」
○
※更新終了 次回は来週に 王女がでてくると話が長くなります 次で終わりたい
乙
兄上も男子を娘と認めるじゃろう
に見えて男の娘を布教してる妄想が
○翌日 決勝戦
少年エルフ「わぁ 最前列だ 凄い」
娘友「一応親父が協賛って形だしね」
少年エルフ「ありがとう 友ちゃん」ニッコリ
娘友「どういたしまして(かわいい)」
少年エルフ「ここからなら聞こえるかな?」
娘が競技場に出てきた
娘友「出てきたわよ」
少年エルフ「娘ーー!」
\うおおおお/ \娘さーん/ \キャ――――/
\娘! 娘! 娘!/ \ゴー!ゴー!/
娘は観客に手を振ってこたえた
\\ワアアアアアアアア キャアアアアア//
娘友「こりゃ 昨日より増えてるわね……(ファンクラブが作れる数ね)」
少年エルフ「……ふわー(娘の事をこんなに沢山の人が……)
○競技場
娘「……はぁ なんでこんなことしてるんだろ」ボソ
娘「……(ガマンガマン エルフのお店を再建するんだから)」
娘「……(はやく お店を直して また二人で一緒に……)」
――「ずっとは無理でしょ わかるでしょ? 娘」
娘「……(わかってるけど……でも……)」
――「僕に構わず 娘が幸せになってくれるのが 僕の望みだよ」
娘「……(エルフの望み 私の幸せはエルフと一緒にいることなのに)」
――「望み」
娘「……(望み 幸せではない? エルフの本当の気持ちは……)」
\女闘士選手の入場でーす/ \ウワアアアアア/
娘「……(もう試合だわ さっさと終わらせなきゃ)」
○女性部門 決勝戦
審判「はじめ!」
女闘士「その綺麗な顔をボコボコにしてやんよ」ズシャ
ガキン
娘「速っ!?」
女闘士「やるね でもまだまださ」シュッ
ズダダダダダ
女闘士が人並みならぬ速度で突きを繰り出す
ガガガガガ
娘「くっ アナタ ぐぅ!!」バシン
娘は捌き切れずに一発顔面に食らってしまった
女闘士「残念だけど アンタは運がなかったのさ」ニヤリ
女闘士は高速連続攻撃を繰り出す
○観客席
\キャー 娘さーん/
娘友「そんな娘が一方的にやられるなんて なにあの速さ」
少年エルフ「ねぇ あれ エンチャント装備ってしていいの?」
娘友「エンチャント!?」
○王族観覧席
第七王女「なんじゃあ あれは 人間の速さではないぞ!?」
第六王子「ヤレヤレ なにか仕込みでもしてるのですかね 困ったことだ」ニヤニヤ
兄王「不正か? どうする? 決勝戦だが止めるか?」
第七王女「うぬぬ あれくらい娘なら倒せるわ」
○競技場
娘「だったら”炸裂”」ドォン
娘の魔法が女闘士を吹き飛ばす
女闘士「っつぅ このぉ!」シュッ
女闘士は針を投げつけた
チク
娘「いたっ これは……(毒!?)」
女闘士「あぁ びっくりした 魔法まで出来るなんてね でもそれは魔封じさ もう終わりだよ」
女闘士が娘を蹴りあげる
娘「……きゃああ!!」
ドサッ
女闘士「まったく気に食わなかったんだよ田舎娘がチヤホヤされて」
娘は何とか立ち上がる
娘「……毒とか あと”倍速”ねソレ 一体どこでそんな高位エンチャントを」
女闘士「あらら よくわかったね バレなかったら病院送りで許してやろうとおもったのに ……全治2週間コースに変更さ」バッ
女闘士の高速攻撃 複数のフェイントも加わり娘は防げない
バシバシバシン
娘「っつあああ!!」
女闘士「そうそう 降参する暇はあげないよ」ニヤ
娘「……(腕輪? 指輪? エンチャント装備さえ分かれば)」
\娘―~~~/
娘「……この声」
少年エルフ「娘ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
娘「エルフ……友が連れてきたのね まったくもう」
少年エルフはしきりに自分の耳を引っ張っる
娘「あれは……(そう ありがとパパ)」
女闘士「弟さん? 残念なお姉ちゃんね 無様に負けるなんて」
娘「残念だけど そうはいかないわ エルフの前じゃ負けられないから」シュバ
娘は女闘士の耳飾りを突いた
パキン
女闘士「なに!?」
倍速の耳飾りは壊れてしまった
娘「ハァ!!」
女闘士「く くそ!!」
ガガガガガガ
娘の連続攻撃 女闘士は捌きれない
女闘士「ギャアアア」
ドサッ
娘「悪いけど さっさと終わらせてもらうわ エルフが待ってるから」
女闘士「ギギギ だったらこれで」
女闘士は怪しい薬を取り出し飲み干した
○王族観覧席
兄王「なんだあれは!? バケモノじゃないか!! 衛兵」
第六王子「……兄上 まだ試合の途中ですよ そうだよな第七」
第七王女「ぬぅうー 娘― 負けるなあああああああ!」ダンダン
○競技場
女闘士「ぐぅ ぐっはぁ ぐるるる」
女闘士は獣人化している
娘「アナタ そこまでして なんで」
女闘士「ぉ……うじ のため オマエは絶対潰す!」ブオン
ドドォン
娘「強い……(今のケガじゃ 防ぎきれない 魔法は……まだ封じられてる)」
――男子「闘いは機で決まる 爺様が言っていた」
娘「はぁ やるしかないか」スッ
娘は低く構えた
○観客席
娘友「あれって 男子君の構え」
少年エルフ「娘……」
○競技場
女闘士「ぐるあああああああ」
女闘士の攻撃
娘「ふっ!」
ズドン
娘は攻撃を紙一重で躱して喉を突く
女闘士「ッ……!! ッ……ァ!」
ガク
気道をふさがれた女闘士は失神した
娘「ごめんね こんなエゲツナイ事したくなかったわ」
審判「そこまで 娘の勝利!」
\\ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ//
○王族観覧席
第七王女「さすが娘じゃ あっぱれじゃ!」
兄王「ふむ なるほど 王女がいうだけのことはあるな……なぁ王子 ……あれ王子はどこだ?」
第六王子の姿が見当たらない
第七王女「ふふん ないやらコソコソしておったが 万策尽きたのじゃろう さて 最後は男子じゃな 男子も強いのじゃぞ」
○決勝戦 男性部門
選手が入場する
男子「……(やはり 娘が優勝か 流石だ 俺も負けていられない)」
ザッザッザ
覆面選手「……」
男子「……?(この選手 こんなに背が低かったか?)」
○解説席
アナウンサ―「さぁ いよいよ最後の試合になります 男子選手と覆面選手です」
解説「覆面選手って あんな体形でした? 昨日と違うような」
アナウンサー「男の子は成長が早いですからね さぁまもなく開始です」
解説「いやいや 明らかに縮んでますよね?」
○競技場
男子「……(娘の相手といい 何があったもおかしくないな 気を引き締めねば)」
覆面選手「……デケぇ ツラしやがって」ボソ
審判「はじめ!」
ババッ
覆面選手「……ブツブツ」シュッシュッシュッ
カンカンカン
男子「……(スピードタイプ しかしこれぐらいな娘の方が速い)……ぐわッ」
男子の肩につららが刺さっている
男子「これは……(いつの間に!?)」
覆面選手「それはただの氷ではない スタミナを吸い取るぞ」
バサァ
覆面を投げ捨てる
第六王子「男子とかいったな お前は私の華麗なる魔剣技の前に敗れるのだ」
覆面選手は第六王子だった
○王族観覧席
兄王「なっ!? あのバカ いつの間に!? 衛兵だれもしらなかったのか」
衛兵「我々は口止めされておりました 自分にも出場権利はあると……」
第七王女「だしかにバカ六も17じゃからな 参加できるが 墓穴をほったようなものじゃ」
○競技場
\男子ー ぶっとばせーー わらわが許すーー/
第六王子「チッ…… アホがうるさいな」
男子「……第六王子」
第六王子「なんだ 遠慮するな これは試合だぞ 来い!」
男子「……では 参ります」ザッ
ブンブン
王子は回避してから距離をとった
第六王子「こちらも手加減せんぞ ”エクステンドアイスエッジ”」ヒュオオオオ
王子の剣に冷気が宿る
男子「……(氷の刃 長い)」
第六王子「”突” ”突” ”突”」ヒュヒュヒュン
王子が突くたびにつららが飛び出してきた
カンカン……ズブッ
男子「ぐあぁ!」
男子の大腿につららが刺さる
第六王子「どうだ これが魔剣技というものだ お前は武器を弾いてからのカウンターが得意なようだが このアイスエッジは弾いたところでいくらでも代わりがあるのだ お前に勝ち目はないぞ」
\バカ六ー 中二な魔法なんぞつかいおってー 恥をしれーーーー/
第六王子「うっさいな この華麗なセンスがわからないのか まったく」
男子「……(中二 とはいっても魔法でリーチを伸ばされてるのはつらいな……どうすれば)」
第六王子「さて 降参は……する気はなさそうだな」
男子「……」ググ
男子は低く構えている
第六王子「無駄だ ”突” ”突”」ヒュヒュヒュン
ズブッ ズブッ
男子「……(なんとか反撃の糸口を!) ぐぅ」
○選手控え室
娘「なにしてるのよ男子……」イライラ
\このまま針山になる気か?/ \ぐああ/
娘「……あれぐらい普段なら大剣のリーチで男子の勝ちよ あの王子っ」ギリッ
○競技場
第六王子「まったく呆れたヤツだなキミは」
男子「ふーふー」
つららが全身にささりながらも 立ち上がる男子
第六王子「仕方ない これで終わりだ ”突”」ヒュン
男子「……(くそ 動かない)」
ガッツン
男子は眉間をつららで打たれた
ドシン
第六王子「結界があってよかったな 普通なら貫かれていたぞ」フフフ
審判「そこまで 勝者 第六王子!!」
\ワアアアア/ \男子君―/ \ぅおのれバカ六ーー/
○授与式
第七王女「えーーー たいへんよくやった望みの褒美があればーーもうすが良い」ブッス―
第六王子「お前の褒美なんていらない それにしてもあの男子とかいうの 見かけ倒しじゃないか」くくく
第七王女「なんじゃとぉ!! 貴様があんな卑怯な手をせねば男子はお主くらいッ!」シャー
娘「王女」ゴゴゴ
第七王女「おぉ すまぬ 娘はよくやってくれたの 望みの褒美をいうがよい」
娘「なんでもいい? だったらこの王子と試合させてもらおうかしら」ビシ
第六王子「……フフフ なんだ勝てるとでも思うのか田舎者が」
第七王女「……ふふ そうか あいわかった 許す 最終試合じゃ よいな王子」
第六王子「いいでしょう 受けますよ(この娘も俺の手で倒せるならば好都合)」
○最終試合
第六王子「なんだ あの男子とかいう奴は彼氏かなにかか?」フフフ
娘「気持ち悪いこといわないでよ ただ弟分がやられっぱなしじゃ 私の気が収まらないわ」ゴゴゴ
第六王子「まったく どいつもこいつも」
娘「確認するけど 魔法 アリでいいのよね」ニヤ
第六王子「無論だ……(たしかコイツは炸裂魔法を使えたな)」
審判「いいですか はじめ」
ザッ
第六王子「……(たしかに炸裂魔法ならこちらの間合いに入る前に攻撃できるだろうが このマントで熱も冷気も防げる こちらの間合いまで詰めれたら勝ちだ)」ダダダ
娘「……」スッ
娘は右手を掲げる
第六王子「”エクステンドアイスエッジ”……(やはり魔法か計算どうりだ)」
娘「”落雷”」ピカッ
第六王子「へ?」
ドンガラガッシャーン
○解説席
\\わあああああああああああああああああああああああああ//
アナウンサー「なんということでしょう 今のは雷です 雷の魔法です!」
解説「本当に使い手がいるとは 一説では伝説の『賢者』のみ使えたという幻の魔法です」
○競技場
第六王子「ななな 雷撃魔法ぉ!?」
娘「結界があってよかったわね 普通丸コゲだから」
第六王子「き きさまぁ」
娘「結構元気ね 次は手加減いらないわね」バリバリバリ
第六王子「ま まて」
娘「今のは男子の分よ それでコレが私と王女の分 ”重雷撃”」カッ
ドドドドド――――ン
○王族観覧席
第七王女「よくやったぞ 娘― 男子よ仇はとったぞよ」
兄王「お前らもうちょっと仲良くできないのか しかし あんな手練れがいるとは……」
○競技場
\ワアアアアアアアアアアアアアアア/ \娘! 娘! 娘!/
娘「あーあ やっちゃったかなー(これだから使いたくなかったのに 全部男子のせいね まったく)」
\娘ー/
娘「……(そうだエルフが来て……そういえば一応 家出中なんだった どうしよう)」
\怒ってないから戻ってきてー/
娘「……(そういえば望みの報酬もこの試合にしちゃったし お店どうしよう)」
\一緒にいてよー/
娘「……(エルフ ……今の私が出来ることは なに? どんな顔して会えば)」ウーン
\まて王女/
ダダダダ
第七王女が観覧席から飛び出し娘に駈寄る
第七王女「さっすが娘が あっぱれじゃ スカッとしたぞ」ギュウ
娘「あら そう? よかったわ」ウーン
第七王女「娘 重ねて頼む わらわと共に調査隊に加わっておくれ」
娘「またそれ? でもねぇ」ウーン
第七王女「わらわと共に世界中を旅をして魔王を見つけるんじゃ お主でなければダメなんじゃ」
娘「世界中……見つける……私じゃなくても……………… それよ!!」
第七王女「おぉ! やっとわかってくれたのか娘」
娘「魔王調査隊ね 世界中どこでもいくのよね?」
第七王女「もちろんじゃ わらわは二代目勇者として魔王を見つけ出さねばならんのじゃ」
娘「王女 わかったわ ただし一つ条件があるの」
第七王女「なんでもよい 言っておくれ」
○夜 王都 商人の宿屋の一室
娘友「じゃあこの部屋使ってね」
少年エルフ「ありがとう友ちゃん」
娘「ホント ありがとね」
娘友「……ちょっ こっち」くいくい
娘「なに?」
バタン
○廊下
娘友「この部屋は完全防音だから何しても大丈夫よ」ボソボソ
娘「何って何よ」
娘友「そりゃナニですよ 旦那」ゲスマイル
娘「……友 アナタねぇ」
娘友「まぁまぁまぁ 多少のことは父娘のスキンシップということにすれば大丈夫だって 多分」ポンポン
娘「……」スッ
娘のアイアンクロー 友の頭が締め付けられる
\ギエエエエエエエ ギブギブ/
娘「なによ急に どういうつもり」
娘友「っー だって参加するんでしょ調査隊 だったらパパとの最後の夜じゃない?」
娘「相変わらず耳が早いわね でもそうはならないから」
娘友「え?」
娘「だって……」
○部屋
バタン
少年エルフ「娘 友ちゃんと何話してたの?」
娘「くだらないことよ それよりもパパ 話があるの」
少年エルフ「まって その前に謝らせて その……ゴメンね 一方的に言い過ぎたよ」
娘「……パパ 私もヒドイ事いってごめんなさい」ギュウ
娘は少年エルフを抱きしめる
少年エルフ「う うん それはもういいから 怒ってないから」カアア
娘「それより聞いて 私決めたの」
少年エルフ「何?」
娘「私 調査隊に参加するわ」
少年エルフ「!!??」ガーーン
――私 調査隊に参加するわ
\それでねパパの……/
――私 調査隊に参加するわ
\私がんばって見つけるから……/
――私 調査隊に参加するわ
\だからパパも……パパ?/
娘「パパ? どうしたの聞いてる?」
ゆさゆさ
少年エルフ「あ ハイ わかったよ 娘が自分で決めたならそれでイイヨ」ガーンガーンガーン
娘「ありがとうパパ でも大丈夫? 顔色が……」
少年エルフ「ちょっと疲れたかな 先に寝るよ お休みなさい」ガーンガーンガーン
娘「おやすみなさい……(急だったから驚かせちゃったかな?)」
○寝室
スタスタ ぼふっ
少年エルフ「……(泣いちゃダメだ泣いちゃダメだ 僕は……娘ぇ)」ぐすぐす
――エルフ アンタはもっと覚悟を持ちな パパだろう
少年エルフ「がんばるよ オババ…… 僕はパパだから」ボソ
○翌朝 魔王調査隊出発式
演壇の上で第七王女が演説をしている
ガヤガヤガヤ
\近年増加しつつある魔物の具現化はわらわは独自の調査で……/
少年エルフ「すごい 急だね」
娘「急いで調べたいところがあるんだって」
少年エルフ「そうなんだ」
\そして魔王が復活しつつあることと結論にいたった……/
娘「不安? 大丈夫よすぐ戻ってくるから」
少年エルフ「うん……」
\しかし魔王の存在そのものに疑問視するものが多いのも事実……/
娘「それにしても王女と一緒になってしつこく勧誘してたけど そういうことだったの友」
娘友「えぇ アタシも行くの 交渉事なら任せて 販路の拡大や商売の修行にもなるしね」
\なのでわらわはより詳細な実態調査に乗りだすことに……/
娘「で なんでアンタも居るわけ 男子」
男子「俺は……王女から頼まれて それに女騎士さんからも」
娘「これでいいの? 回復魔法一つ使えないのよ」
女騎士「それは分かっている ただ王女は自分が認めた者しかダメなんだ ……旅行先の王女のお守なんて正直 一人じゃ無理だ……君たちにも苦労をかけると思うが頼まれてくれ」
娘「……苦労してるのね それにしてもこの顔ぶれじゃまるで学生の社会見学ね」
女騎士「案ずるな先発隊や現地の協力者もいるんだ 我々は後発なんだよ」
娘「そう やっと終わるみたいね」
\わらわはこの国の姫として そして勇者の末裔として二代目勇者を襲名しこの任に全力をつくす所存である!/
\ワアア/
パチパチパチ……
第七王女「よし 出発じゃ! 皆の衆 乗車」
女騎士「ハイハイ 行きますよー」
女騎士たちが馬車に乗りこむ
少年エルフ「あ……(娘がいっちゃう……)」
娘「パパ? どうしたの」
少年エルフ「ううん ……(ガマンしなくちゃ) なんでもないよ」
娘「そう ほら早く乗って」スッ
娘は少年エルフに手を伸ばす
少年エルフ「え?」
娘「パパ? もしかして行きたくなくなった? 怖い?」
スッ
娘はエルフに顔を近づける
娘「大丈夫よ 昨日言ったでしょ 私が必ずパパの仲間を エルフ族を見つけるって」ボソ
少年エルフ「え 昨日……それに魔王を探すんじゃ」
娘「魔王なんてついでよ 王女もパパの同伴は許可してくれてるわ」
少年エルフ「……ッ そうか そうだったんだぁ」ホ~~ッ
娘「安心した? ほら行きましょ やっぱり外国は怖い?」
少年エルフ「……ううん ちっとも」
ぎゅっ
少年エルフ「怖くないよ 娘が一緒なら 怖くない」
少年エルフは娘の手を強く握り馬車に乗り込んだ
第七王女「よーし 出発じゃーーー!」
ガラガラガラガラ
○馬車の中
――娘は思い起こす
パパは エルフは 世界でただ一人のエルフ族かもしれない
それがエルフを苦しめ続けている
だから私は ずっとエルフと一緒にいたかった エルフを襲うすべての悲しみから守りたかった
たとえそれが私には無理だとしても
私がエルフを独りにはしない それを他の誰かに託すことになっても
それが
それがきっと私がパパに出来る唯一の守り方
――少年エルフは思い起こす
16年前 あの時 娘の手をとったときから
僕の世界はどんどん広がっていった
そしてこれからも
娘と一緒なら 世界でも どこでもきっと大丈夫 魔王だって怖くない
娘は僕にいつでも勇気をくれるから
娘 君は僕の勇者だよ
○
娘「パパ」
少年エルフ「なに?」
ぎゅう
娘「世界で一番パパが好きよ」
むぎゅう
少年エルフ「んむっ ちょっと 苦しいよ娘」カアア
娘「ゴメン ふふふ」
少年エルフ「もう ……ありがと」
―― 少年エルフ「進路相談?」 終わり ――
※ここまでで一区切りとなります 次回は一身上の都合で12月下旬の更新になります
次のスレッドを作成したらこちらにも誘導を記入します
※ここまで読んでいただきありがとうございます
次回更新まで時間がありますのでそれまでに よくわからなかった箇所や質問があればお答えします
批評や感想をいただけると参考にするとともに励みになります
やっとこさ物語が動くのか
乙
ただ一人のエルフ族なら産んで増やそう♪
なんか質問探そうかと思ったが読み耽って、只読み返しただけになってしまった
誘導
少年エルフ「人間の娘を育てたら魔王を探しにいくことになりました」
少年エルフ「人間の娘を育てたら魔王を探しにいくことになりました」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451087487/)
次の話です
>とくにわかりにくいところや表現がなければよかったです
>単純に生んで増やせるようになるにはエルフの発達からみてあと40年は必要ですかね
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