少年エルフ「娘は林間学校に行ってるよ」 (47)

※注意、このSSは以下の成分で構成されています

台本形式、ご都合主義、ショタ・ファザコン、残念な描写力、ちょっと長くなりました40分から60分くらいが目安です。

嫌悪感を感じるかたはブラウザの戻るボタンでお戻り下さい。

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○これまでの登場人物

少年エルフ:ハーフエルフ60歳児 喫茶店店主、山で託された人間の娘を育てパパとなる。 怖い話が苦手

娘:16歳 学生。 少年エルフに育てられた人間の娘、才色兼備で男女問わずモテるがファザコン パパに心配されるのが苦手

娘友:16歳 学生。 商人の娘、お調子者で目的のためには手段を選ばなかったりする。 体力がなく運動が苦手

男:36歳 警備兵分隊長で少年エルフとは幼馴染。 周囲から尊敬されるのが苦手

男子:16歳 学生。 男の息子で娘の幼馴染、イケメンでモテるが人の考えを読むのが苦手

○少年エルフの喫茶店

カランカラン

少年エルフ「薬師、いらっしゃい」

女薬師「暑くなってきたわねー、さっぱりしたもの食べたいわ。 あら、娘は? もう夏休みでしょ」

少年エルフ「娘は林間学校に行ってるよ」

○山道

娘友「ああ~~~、もう歩けない」

娘「ちょっと、そのセリフ7回目」

男子生徒B「大丈夫?」

女子生徒1「がんばって」

女子生徒2「もう、アタシ達先行ってるわよ」

娘「私がついてるから先にいってて」

男子生徒C「僕たちも残ろうか?」

娘「それよりも、先にいって救護班がいたら呼んできてくれない? その方が確実だわ」

男子生徒D「よっしゃ、ほんならわしが先に走ってよんできたるわ」

タタタ

娘友「なんでこんな山道を登らないと行けないのよ」

娘「しかたないじゃない、そういう行事なんだから」

娘友「あーあ、どこからか白馬にのったイケメンが助けに来てくれないからしら」

娘「そんな都合よく……」 男子「どうした、娘。 具合が悪いのか」

男子が馬にのってあらわれた。

娘友「キターーーーーー――ッ!!」

娘「なんでアンタが居るのよ、それになんで馬に乗ってるの?」

男子「騎士科は林間学校では騎乗して救護に当たることになっているんだ、これも訓練だ」

娘友「そうなんですね、助かりました。 アタクシは娘友といいます」ベッタリ

娘友は男子の背中に張り付いている。

男子「えっと、どうも……男子といいます」

娘「まぁ、実際来てくれて助かったわ」

男子「そうか、娘は疲れていないのか? お前も馬に乗ればいいのに、俺が歩くから」

娘友(娘、断ってぷりーず)

娘友は娘に念を送った。

娘「……(友そんな顔しなくても) いえ、私はいいわ、それより友が疲れてるから落とさないでね」

男子「あぁ」

娘「後で何かおごりなさいよ」ボソボソ

娘友「承知しました、娘様」ボソ

○古びた教会前

女子生徒1「あ、きたわ」

女子生徒2「意外と早かったわね」

娘「えぇ、救護班がすぐ来たから」

男子「娘友さん、着きました。 もう大丈夫ですか?」

娘友「ハイ、ダイジョウブデス」

娘「ありがとね、アンタも自分の班に戻りなさい」

男子「おう」

パカパカ

男子は去って行った。

女子生徒2「ちょっと、今の騎士科の男子君よね。 どういうこと」

娘「あいつが、救護班だったのよ」

女子生徒2「そういうことじゃなくて。 なに、娘の態度。 知り合いだったの?」

娘友「娘は幼馴染なんですって」

女子生徒2「えぇ、男子君と! ズルいわよ、それ」

娘「ただの腐れ縁よ。 親同士が仲良かったから、それもあってね」

女子生徒2「それであの男子君を『アンタ』呼ばわり。 なんてこと」

娘友「大丈夫よ、最近の幼馴染は『負けフラグ』だから!」

娘「何の話?」

○―夕食時― 古びた教会・大食堂

生徒達が食事をしている

娘友「あー、おいしかったわね」

娘「友、食べるの早いわね」

男子生徒C「聞いた? おかわりできるってさ」

男子生徒D「ホンマか!? よし、いってくる」

娘友「そうなの、アタシも」

女子生徒2「よく食べるわね」

男子生徒D[Cお前はいらんのか?」

男子生徒B「僕はいいよ、お腹いっぱいだよ」

女子生徒1「B君は少食ね」

男子生徒B「1だって残してるじゃないか」

女子生徒1「これ嫌いだから。 食べる?」

女子生徒2「あんたらねぇ」 娘友「そこの夫婦、イチャイチャしない!」

男子生徒B「し、してないよ。 そんな」 女子生徒1「……」ポッ

娘(おいしくない……、やっぱりパパの料理の方が美味しいのよね)

委員長がやってきた。

委員長「この班はリーダー2さんだっけ? このくじ引いて」

女子生徒2「何のくじ」

委員長「なにって、この後の肝試しの順番よ」

娘「へぇ、そんなのあるんだ」

男子生徒B「娘、旅のしおり読んでないの? この後、裏の墓地でやるんだよ」

娘友「毎年毎年、幽霊をみたって目撃談が絶えないいわくつきの場所よ」

おかわり組が戻ってきた。

男子生徒C「そうだよ、ここは戦争の時は砦で多くの犠牲が出たから祟りにならないように教会を建てたんだって」

男子生徒B「ちょっと、怖いこと言わないでよ」

男子生徒D「なんやお前。 ユーレイなんぞ怖いのか?」

男子生徒B「いや、だって、幽霊でしょ! もしいたらどうするの?」

女子生徒2「バカじゃない、そんなモノいるわけないでしょ」

娘友「ところで、委員長。 男子君の班は何番目なの? 知ってるんでしょ」

委員長「え」

女子生徒2「そうよ、教えなさいよ。 友達でしょう」

委員長「ちょっと、その」

娘友「……ただとはいわへんで、ナンボいるねん」

娘「友、女子にあるまじき顔よ……」

女子生徒2「せめて、アタシ達の前か後かだけでもいいから教えなさいよ」

委員長「もう、男子君はどっちでもないって。 騎士科の人はみんなお化け役だから」

○―夜― 墓地のどこか

\ウガァアアアア/ \ウワァ キャーー/

???(……うるさいな)

\ウボァ/ \ヒャー/ \ウワハハハ/ \コッチミンナー/

???(人間か? 大勢いるが、なんだ?)

\ゲロンチョリー/ \イヤーー/

???(人間同士で脅かしあっているのか? 珍妙な だが、この『恐怖』で目覚めれたか)

\アイーン/ \キャー/ \ナンダチミハー/

???(しかし、まだ足りん! もっと、我にもっと『恐怖』を!!」

○墓地・肝試し出発地点

委員長「はい、最後の班そろそろ用意して」

男子生徒D「まさか最後とはな」

女子生徒2「なによ、アタシのせいっていうの」

男子生徒B「まぁまぁ、仕方ないじゃない」

委員長「墓場の奥に石碑があるからそこまでいって戻ってきてね、ろうそくがあるからそれを持って帰ってくること。 それと、行きと帰りで道が違うから気をつけてね」

娘「迷ったらどうするの?」

委員長「その時はお化けの人に聞いて。 そこらに居るから」

娘友「お化けの人、そこに男子君もいるのね」

女子生徒2「そうだったわね。 委員長、どこに配置されてるかは?」

委員長「そこまでは知らないわ。 ほら前の班が出発したからあと2分」

女子生徒2「……男子君と会ったら」ポワワワ

○女子生徒2の想像

女子生徒2「きゃっ」 男子「大丈夫?」

女子生徒2「痛い、こけた時にひねったみたいです」 男子「それは済まない、すぐに医者につれていくよ」

男子は女子生徒2をお姫様だっこした。 女子生徒2「すみません(キャーー)」

娘友「男子君を見つけたら……」ポワワワ

○娘友の想像

娘友「きゃー、こわいーー」

娘友は山に向かって走り出した。

男子「そっちは危ない、待ちたまえ」 娘友「きゃーーーーー」だだだだだだだだだ

一時間後

娘友「ごめんなさい、アタクシったら必死で……」 男子「大丈夫かい? それより迷ってしまったみたいだ」

娘友「本当にごめんなさい、アタクシのせいで」 男子「君は悪くないよ、とりあえず。 どこかで朝まで待とう」

 ――夜の山、若い男女が二人きり。 なにも起こらないワケがない!――



女子生徒2「しゃーんなろー!」

娘友「やったるでーー!!」

男子生徒D「二人ともスゴイやる気やな。 そんなに楽しみやったんか?」

娘「違うと思う(邪念も感じるし)」

男子生徒C「でも、ほんものの幽霊が見れるかもしれないんだよね、ワクワクしない?」

男子生徒B「言わないでよそれ」

女子生徒1「ほら、時間よ。 ライトは誰が持つの?」

娘友「もらったぁーー」

娘友はライトを持って走りだした!

女子生徒2「アンタ、抜け駆けするつもりね。 そうはいかないわ」

女子生徒2も走りだした

男子生徒D「まてや、それ一個だけなんやぞ」 男子生徒C「まってよ」

DとCも走りだした。

娘「……」
男子生徒B「……」
女子生徒1「……”光明”」パアア

女子生徒1の魔法で辺りが照らされる。

娘「アレはほっといて歩いていきましょうか」

女子生徒1「そうね」

男子生徒B「いいのかな?」



ミイラ男「ウガァ」

男子生徒B「うわぁ」

フランケン男「フンガー」

男子生徒B「ひゃああ」

傘女「おどろけーーッ」

男子生徒B「あばば」

女子生徒1「もう、B君驚きすぎ」

男子生徒B「ははは、ごめんよ」

女子生徒1「それにしても、娘さん遅いわね」

男子生徒B「そういえばさっきのお化けの人から告白されてたよね、OKしたのかな?」



娘「まったくこんな時に告白とかなんなの、早く追いつかないと」タッタッタ

ミイラ男「あ、娘さん! これ俺の気持ちです読んでください!」

娘「……本人目の前だったら直にいいなさいよ。 ”火球”」ボッ

手紙が燃える

\ノォオオオオ/

フランケン男「フンガー、娘さん聞いてくださーい」ドーン

フランケン男は娘を壁ドンした。

娘「知ってる? これ暴行罪になるかもしれないのよ。 ”放電”」バリバリ

フランケン男に電流が走る。

\ギャアアア/

娘「まったくなんなのよさっきから」

傘女「お姉さま~、わたしの気持ちを受け止めてくださーい!」

娘「……私はノーマルよ。 ”睡眠”」

\スヤァ……/

娘「はぁ、どいつもこいつもそういうことしか頭にないわけ?」

○墓地・石碑前

娘友「おっしゃああ、折り返し点! ここまで男子君居ず」

女子生徒2「帰り道のどこかいうことね」

娘友「く……よくついてきたわね。 それにそのライトどっからもってきたのよ」

女子生徒2「途中で追い抜いた班に貸してもらったのよ。 これでもう遅れはないわよ」タタタ

娘友「むぅ、体力では2には勝てないわ。 かくなる上は……、その辺のお化けを締め上げて居所を聞き出すまでよ」ガサガサ

○墓地・藪の中

男子生徒D「アカン、おいてかれた」

男子生徒C「そもそもこの道であってるの? 明かりも無いんだし迷ったんじゃ」

男子生徒D「明かりやったらあそこにあるやんけ。 おーい、すんまへん」

男子生徒C「ちょっとまってよ、それ」

火の玉「」メラメラメラ

男子生徒D「なんやコレ。 火だけ浮いとるぞ、ようできとるな?」

男子生徒C「D、後ろ後ろ」ガタガタ

幽霊兵士があらわれた

男子生徒D「うおっ、ビビるやないか。 急に出てくるなや」

幽霊兵士「……」

男子生徒D「すごいな、コレ、頭ザクーーって。 特殊メイクか?」

男子生徒Dは幽霊兵士の頭を触ろうとした。

すかっ

しかしすり抜けてしまった!

男子生徒D「……」ぶんぶん

すかっ すかっ

幽霊兵士「……」

男子生徒C「……D、それ本物だぁあア!」

○墓地・道中

\デタァアアアアア/ \ギャアアアアアアア/ \アカーーン/

娘(……盛り上がってるわね)

タッタッタ

娘(誰か来る……後ろから?」

首なし騎士があらわれた

首なし騎士「あ、娘。 こんなところでどうした?」

娘「その声、男子ね。 なによその黒い覆面、首なし騎士?」

首なし騎士は男子だった。

男子「うん、まぁそうだ。 あ、そうだ!? ウガアアアア!!」

娘「いまさら驚くか、バカ」

男子「むぅ、流石に娘には通じないか」

娘「それ以前の問題だから。 でもアンタどうしたのこんなところで」

男子「いや、おどかしていたら。 驚いて足を挫いてしまったのがいてな、先生の所へ運んでいたんだ」

娘「ふぅん、アレでそこまで驚くとは思えないけど」

男子「仕方ないじゃないか『歩けない』っていうんだから。 それで配置に戻るところだったんだ」

娘「アタシ達で最後なんだから、そのまま居ればよかったのに」

男子「そうはいかん、俺の持ち場だからな」

娘「真面目ねぇ、ホント」

○墓地・石碑前

娘「ここが、石碑ね。 もう、みんな先に行ったわね」

男子「なぁ、娘。 聞いてもいいか?」

娘「なに?」

ゴゴゴ

男子「む!?」

娘「じ、地震!?」

ガラガラ

足元が崩れ落ち娘と男子は転落した。

○少年エルフの喫茶店

女薬師「ふー、ごちそうさま」

少年エルフ「娘が居ないとご飯が余るから助かるよ」

男「エルフ!? 大変だ娘達が事故に会ったらしい!!」

男が飛び込んできた。

少年「え!? なにがあったの」

男「山の教会で落盤があったらしい、古い地下壕が崩れて生徒達が巻き込まれたという話だ」

少年エルフ「そんな娘は!? 無事なの!?」

男「落ち着いて聞けよ、何人かの生徒はまだ見つかっていない。 娘も男子もだ」

少年エルフ「ど、どどどどうしよう」

男「落ち着け、今から俺は馬で行くがお前も来るか?」

少年エルフ「いく! すぐ行こう」

男「わかった支度をしてこい。 馬をもってくるから」

少年エルフ「わかった。 薬師、戸締りお願いできる?」

女薬師「いいわよ」

◯穴の底

男子「いたた、真っ暗だな。 どこだここは?」

娘「やっとお目覚め? ”光明”」

魔法の光が周りを照らす。

娘「一応治癒魔法はしたけど、大丈夫?」

男子「ああ、ありがとう。問題ない」

娘「なにかしらねここ?」

男子「砦跡の地下壕のようだな」

娘「……ここからじゃ出られないし、救助もまだ来ないわね」

男子「この先は教会とかに繋がってるんじゃないのか?」

娘「そうね、行ってみましょうか」

娘達は移動し始めた。

娘(パパが心配してなきゃいいけど、……心配だわ)

○夜の草原

パカラパカラパカラ

男と少年エルフが馬に乗っている。

少年エルフ「ねぇ、どれくらいで着くの?」

男「2時間はかかるな、二人乗りだし仕方がない」

少年エルフ「そんな……」

男「……なにか魔法でも使えたらよかったが、魔法はさっぱりでな。 スマン」

少年エルフ「魔法……移動に使えるのは。すばやさを上げるくらいしか出来ないかな、でも馬に乗ってたら意味ないし」

男「……なぁ、その魔法。 馬にかけたらどうなるんだ」

少年エルフ「そっか!? さすが男。 いくよ”風靴”」ビュルル

風が馬の脚を覆う、馬のすばやさが上がった。

パカッガガガガガガガガガガガガッ!!

少年エルフ「うわわわわわわ」

男「落ちるなよ!」

○墓地・地下壕

地下壕を転落した娘友が歩いている。

娘友「はー、いったいここどこよ?」

幽霊兵士「ウバシャー!!」

幽霊兵士があらわれた。

娘友「ふん!」

幽霊兵士「あべし」

幽霊兵士はかききえた。

娘友「幽霊の分際で人様にメーワクかけるなっての! まったく」

テクテク

娘友「さっきから本物の幽霊ばっかり、他に誰かいないかしら」

<……シスター……ドコニ……

奥の方から話声が響いてきた。

娘友「よかった、誰か居るわ」

騎士「なに敵が…………今度こそ……」

娘友(うわ、イケメン!! 騎士科にあんな方いたっけ? ノーマークだったわ。 男子くんより好みかも、……チャンス!)

娘友は騎士に向かって飛び出した!

騎士「何者だ!? 敵兵か!!」

娘友「きゃー、お化けですわー、助けてください」

娘友は騎士に抱き付いた!

○墓地・地下壕

幽霊兵士があらわれた。

男子「うおわぁあああああああああ!!」

男子は剣を振り回した

幽霊兵士A「!!??」

幽霊兵士B「コワ! コイツヤベェ」

幽霊兵士はかききえた。

娘「アンタまだお化け苦手なの?」

男子「なにをいう、見事に退治したじゃないか」

娘「アンタの剣幕にびびってたように思うけど」

男子「むぅ」

娘「ほら、早く出口をみつけないと」

テクテク

男子「なぁ、娘。 一つ聞くぞ」

娘「さっきも言いかけてたわね、なに?」

男子「なんで、騎士科に入らなかったんだ?」

娘「なによ急に」

男子「いや、昔は世界を駆けまわる仕事をしたいって、騎士を目指していたじゃないか」

娘「そうねー、そんな時もあったかしら」

男子「正直俺より、お前の方が才能はあるじゃないか。 なのになんで騎士科じゃなくて普通科に」

娘「……いいじゃない、別に」

男子「……俺のせいか?」

娘「男子……?」

男子「俺と居るのは迷惑なのか?」

娘「は、何言ってるの? ……アンタが居る居ないで物事を判断したことはないわよ」

男子「それはそれで傷つくぞ。 でも、それじゃあなんで」

娘「っもー、めんどくさいわね。 わかったわ、正直にいうわよ」

男子「本当か」

娘「騎士科って全寮制でしょ」

男子「そりゃそうだ。 でも、寮が嫌って。 ……もしかしてエルフさんと別々になるからか?」

娘「もう、わかったならこの話はここまでよ。 まったく」



???(あ、こんな所に人が! あの女性の体を借りましょう、えい!)

バシン!

しかし弾かれてしまった。

娘「ん? なに、今の?」

男子「いたた、弾かれてしまいましたわ」

娘「だ、男子?」

男子「あら、殿方の方に入ってしまいましたどうしましょう」ナヨナヨ

娘「ちょっとどうしたの気持ち悪いわよ」

男子「あ、あの。聞いてください。」オロオロ

娘「キモッ、近寄るな」

男子「お願いします聞いてくださいィ!?」



娘「はー、貴方は幽霊でここにいたシスターだったと

男子(シスター)「はい」

娘「私に乗り移ろうとして間違えて男子に乗り移ったと」

男子(シスター)「えぇ、どうも、娘様の守護精霊がお強いらしくて

娘「見えるの?」

男子(シスター)「いえ、ハッキリとはわかりません。 すごい光ってるので」

娘「ふーん。 まぁ、わかったから男子から出なさい」

男子(シスター)「いえ、その行きたいところがあるのです」

娘「自分で行きなさいよ」

男子(シスター)「それが自分だけでは動けませんので」

娘「そうなの? じゃあ、何処に行きたいの?」

男子(シスター)「わかりません」

娘「出ろ!」

男子(シスター)「お待ちくださいおやめください、痛いです、言い直します会わければならない方がいるのです」

娘「あなた何年前の人よ? とっくに死んでるわよ」

男子(シスター)「ええ、お亡くなりになった方なんです!」

娘「なら、さっさと往生しなさい」

男子(シスター)「あのかたはまだここに居るんです、この騒動の原因なんです」

娘「なんですって」

男子(シスター)「聞いて下さい、私は隣国のシスターで戦争の時にこの砦を奪取した兵隊の救護班に所属しておりました……」

幽霊シスターが語り始めた。

娘(長くなりそうね)

○古びた教会前

地元の兵隊が駆け付け救出作業にあたっている。

兵士「ケガしたものは教会の中へ! 誰か治療の出来るものは」

ドドドド

兵士「なんだ!?」

男と少年エルフが馬にのって到着した。

男「着いたぞ、大丈夫かエルフ?」

少年エルフ「うぅ、お尻が痛いよ」

男「……誤解を招きそうな発言だから人前でいうなよ」

兵士「あなた達は?」

男「俺は七区警備兵分隊長だ、それと息子が事故に巻き込まれたときいた。 ここの隊長は居るか?」

兵士「ハッ、こちらにどうぞ」



男「久しぶりだな、隊長」

隊長「あなたは!? 近衛兵長!!」

男「……随分と昔の事だ。 それより俺の息子もここの生徒でな、何か手伝えるか?」

隊長「もちろんです。 ぜひ捜索に、お恥ずかしい事ですが、部下どもは 幽霊が出るとかで怯えてしまいまして」

少年エルフ「ゆ、幽霊!!??」

男「はぁ? なにを馬鹿な」

隊長「ここは昔の砦跡なのです、捜索に行ったものが戻ってこないのですが皆祟りだといって怯えてしまいました」

男「よしわかった、現場は?」

隊長「墓地です」

少年エルフ「なんでそんなところで」

隊長「なんでも肝試しの途中だったそうで、残っていた地下壕が崩落して生徒の半数が行方不明になっております」

男「とりあえず準備をしよう、エルフ?」

少年エルフ「う、う……うん」ブルブル

男「そういえばお前はそういうのがダメだったな。 ……わかった、俺が探してくるからお前は待っていろ。 な?」

ガチャガチャ

男は用意を始めた

少年エルフ「あ……」

少年エルフは墓地の方を眺めた。

暗闇からは邪悪な気配が漂ってくる……

少年エルフ(うぅ……気のせいじゃない。 すごくよくないものが確かに居る、でも……娘があそこに……)

少年エルフ「待って、僕も行くよ!」

男「……そりゃ助かるが? ここで救護に当たってくれててもいいんだぞ」

少年エルフ「ぼ、ぼくだってパパなんだ! 娘をッ……探すんだ!」ブルブル

男「……わかった」

隊長「あの、こんな子供を連れていくのですか? 危険です」

男「この耳を見ろ、こいつはハーフエルフなんだ俺より年上だし。 有能だ」

隊長「ですが」

少年エルフ「僕は魔法もできますし、耳もよく聞こえます。夜目もきくんです」

男「捜索にはうってつけだろう?」

隊長「そこまでいうのならお願いします。 あちらから地下壕へ入れます」

○墓地・地下壕

娘「つまり、
 シスターは戦争中にこの砦で敵味方分け隔てなく看護していて、
 看護していた敵の騎士と知り合って恋人になったけど。
 戦闘で二人とも死んだと」

男子(シスター)「やーん、三行にまとめられたー」クネクネ

娘「話が長いのよ、それに気持ち悪い。 男子の体なんだから」

男子(シスター)「ぷー」

娘「可愛くないからキモいから」

娘「それで、今回のコレがその騎士のせいだっていうの?」

男子(シスター)「そうです、あの方は私が死んだ事を知らずに戦い続けて亡くなりました。 そのせいか悪霊になってしまいこのようなことに。 私はあの方を救いたいのです」

娘「ふぅん、迷惑な話ね」

男子(シスター)「とりあえず騎士様に会わせてください。 道も案内できますから」

娘「わかったわよ。もう」

男子(シスター)「ではこちらへ」

娘(とっとと済ませてパパの元へ帰らなくちゃ)

○墓地・地下壕の広間

男子生徒D「うおー、どこだここー」

幽霊兵士「ウケケケケケ」

男子生徒C「うわー幽霊だー! あっち行けー」

生徒達が幽霊兵士に追い回されている。

???「部下たちよ魂だけになっても砦を守るとは大したものだ、思い知るがいい我々は死してもここを守るのだ」

女子生徒2「友、あんた何やってるの? なにその剣と肩の鳥は? マントもどっからもってきたのよ」

娘友があらわれた、しかし悪霊騎士に憑りつかれている。

娘友(騎士)「これは我が団の正装だ。 それを知らぬとは貴様敵国のモノか! モノども捕まえろ」

幽霊兵士が女子生徒2に襲い掛かる。

女子生徒2「ちょっとどうしたの友、ともーッ」

○墓地・教会から続く地下壕

幽霊兵士が現れた。

少年エルフ「うわぁああ!?」

兵士「でたーーー!!」

男「おりゃ」

幽霊兵士「ハフン」

男の攻撃! 幽霊兵士は掻き消えた。

男「幽霊なのに斬れるんだな。 大丈夫か?」

少年エルフ「だ、大丈夫だって。 それよりあっちから声がするよ」

兵士「え、なにも聞こえませんが」

男「なに、行けばわかる」

男たちが地下壕を進むと人影があらわれた。

兵士「あ、本当に居た。 すごく耳がいいのですね」

男「長いのは伊達じゃないってことだ。 おーい、お前たち無事か」

ミイラ男があらわれた。
フランケン男があらわれた。
傘女があらわれた。

少年エルフ「ッーー!!」

少年エルフはおののいている。

男「落ち着け、肝試しの仮装だよ」

兵士「大丈夫か君たち、ケガはないか?」

\シャーーッ/

生徒たちが襲ってきた

兵士「なに!? 落ち着けやめろっ」

男「お前たちどうした!?」

少年エルフ「ひぃい! ”浄光”」パァア

幽霊「アーレー」
幽霊「オレ、キエルノカ……」
幽霊「シュワー」

少年エルフは魔法を唱えた生徒達の憑依が解けた、三人は気を失っている。

兵士「た、助かった。 幽霊に憑りつかれていたのか」

男「それで捜索に行ったものが戻って来なかったんだな。 しかしその魔法、本当に効果あるんだな、おまじないとか言われてるのに」

少年エルフ「本当だね、覚えておいて良かった」

男「君、この子らを任せていいか?」

兵士「はい、この子らが目を覚ましたら後を追いますので」

男「よし、行くか。 どっちに行けばいい?」

少年エルフ「あっち。 ……すごく嫌な気配がするよ」

男「そんな方にいっていいのか?」

少年エルフ「娘は一人だけ逃げることなんてしないから、きっとそこへ向かうよ」

男「そうか、バカ息子も多分一緒だな」

少年エルフ「うん、迎えに行かなくちゃ」

○墓地・地下壕の広間

娘「友?  みんなこんなとこにいたの」

娘は娘友達を見つけた。

娘友(騎士)「まだ、居るのか。 モノども捕まえろ」

男子(シスター)「気をつけて変です」

\うばシャー/

生徒達が襲いかかってきた。

娘「なにすんのよ」

娘が生徒達を蹴り飛ばす、幽霊兵士が娘に憑りつこうとした!

バシンッ

しかし弾かれてしまった。

娘友(騎士)「おう、なんという奴だ」

男子(シスター)「騎士様! 騎士様ですねおやめください」

娘友(騎士)「……誰だ貴様」

男子(シスター)「シスターです」

娘友(騎士)「…………お前のようなマッチョなシスターがおるか」

男子(シスター)「これはその、ちょっと借りてまして」

娘「あんただって友の体を利用してるじゃない、騎士として恥ずかしくないの!」

娘友(騎士)「それはその、無理やりというか、成り行きというか、気が付いたら憑りつかされていたというか。 ……とにかく、邪魔をするな」

わらわら

幽霊に憑りつかれた生徒と兵士たちがあらわれた。

男子(シスター)「あららら、どうしましょう」

娘「貴方、何か魔法つかえないの? 浄化とか退魔とか」

男子(シスター)「この体になってからさっぱり使えません、このひと魔力ゼロですね」

娘「予想以上に役にたたなーい」

???「”浄光”」パァアアア

幽霊「オラハシンジマッタダー」
幽霊「テンゴクヨイトコイチドハオイデー」
幽霊「シュワー」

どさどさどさ

みんなの憑依がとけた。

娘友(騎士)「なんだ!?」

少年エルフ「娘ー」

少年エルフ達があらわれた。

娘「パパ!?」

男子(シスター)「え?」

娘友(騎士)「え?」

男「無事かお前達」

娘「えぇ、おかげで。 パパも大丈夫?」

少年エルフ「よ、よかった無事で、本当に本当に」ウルウル

少年エルフは娘に駈寄った。

娘「大丈夫だから、ゴメンね心配かけて」

少年エルフ「よかった、よかったよ~」ぐすぐす

男子(シスター)「麗しい姉弟愛ですわね、感動ですわ」ウルウル

男「ちょっと違うから。 って……男子?」

娘「今は違うの。 とにかく、アンタのせいでパパに心配かけちゃったじゃないの! どうしてくれるのかしら」ゴゴゴ

娘が娘友を睨み付ける。

娘友(騎士)「な!? そ、それがどうした」

男(あーぁ、怒らしたな)

娘友(騎士)「そいつは邪魔だ”拡散閃熱”」ゴォオオオ

娘「な、閃熱魔法!?」

少年エルフ「”風防波”」ヒュルルル

風の防壁が熱線を防ぐ。

少年エルフ「友ちゃんを返せ! ”浄光”」パァアア

娘友(騎士)「うお、まぶし。 しかしその程度では効かんなぁ」

少年エルフ「そんな」

娘友(騎士)「生き埋めにしてくれる”爆裂”」ドドォン

魔法が炸裂する、天井が崩れてきた。

ドスンドスン

男「危ない」

少年エルフ「うわぁ」

娘「なんて奴」



娘友(騎士)「ははは、どこにいった潰れたか」ドドォンドドォン

娘友は魔法を放っている、岩陰に娘達は隠れていた。

男「まいったな、浄化の魔法が効かないなんてな」

娘「人の体借りてるなんて卑怯よ。 それにあの魔法、友に魔力なんてほとんどないのにどうやって?」

男子(シスター)「そうですね、私なんて今は回復魔法もできませんのに不思議ですね」

娘「男子の体じゃ無理よ、体力しか取り柄ないんだから」

少年エルフ「ねぇ、あれ。 あの肩のカラスからすごい魔力を感じるよ」

娘「なるほどカラスに魔力をためてるのね。 だったらあのカラスだけ狙い撃てば」

男「しかしあの位置じゃ娘友に近すぎる。 危険じゃないか?」

娘「そうね一瞬でも動きを止めれたら確実なんだけど……」

男子(シスター)「だったら私が行きます!」

男子が岩陰から飛び出した。

娘「ちょっと、体は男子なのょ……ならいいか」

少年エルフ「ちょっとぉ!?」

男「男子ならあれくらいでは死にせんよ」

少年エルフ「男まで!?」

ダダダダ

男子(シスター)「騎士様もうやめて下さい」

娘友(騎士)「そこか、食らえ”大火球”」ボオォオン

男子(シスター)「つぅ! 止まりません」

ガッ

男子は娘友に抱き付いた。

娘友(騎士)「ぐっ、なんて力だ!? 離せ」

娘「今だ”電撃”」

カラス「グケゲェ!?」

電撃がカラスをかすめる! カラスは弾き飛ばされた。

娘友(騎士)「ッぁあああ!?」

男子(シスター)「騎士様、もうやめてください戦争は終わってるのです」

娘友(騎士)「お前はシスター!? なぜそんな格好に!?」

男子(シスター)「やっと気づいてくれた。 私はすでに死んでおります、だから」

娘友(騎士)「なに死んで、……そうだ死んで。 ……そんなお前が死んでたら俺が戦う理由は……」

男子(シスター)「もう、いいのです。 全て終っております」

娘「邪気が消えていく? パパ、今なら」

少年エルフ「で、でも」

娘友(騎士)「俺はお前に助けられたのに俺は……」

男子(シスター)「いいのです、もういいのです。 ……エルフさんお願いします、光を」

少年エルフ「わかった、”浄光”」パァアア

 ――ありがとう――

騎士とシスターは消え去った。

○翌朝、古びた教会の一室

娘「――ということよ」

娘友「うっそー、マジで? 全然覚えてないわ」

娘「だと思ったけど」

娘友「男子君の抱擁を忘れるなんて一生の不覚! ガッテム!!」

娘「こだわる所そこ?」

娘友「体がバッキバキに痛いのもそのせいなのね、愛の力なのね」

娘「それはただの筋肉痛よ。 もうちょっと普段から運動をしなさい」

コンコン

娘「どうぞ」

ドアから担任教師があらわれた。

担任教師「どうだ? 友は大丈夫そうか?」

娘「えぇ、もう大丈夫です」

娘友「せんせー、この後どうするんです?」

担任教師「残念だがこの後の予定は中止することに決まった、親御さんが迎えにきたら各自帰ってくれ」

娘「ハイ」 娘友「はーい」

バタン

娘友「だってさ」

娘「あーあ、王都見学も中止か」

娘友「へぇ、以外。 そういうの興味あったの?」

娘「ちょっと用事があったのよ」

娘友「だったら帰る時に寄ればいいじゃない、もう休みなんだから」

娘「そうねー、それもそうか」

バタン!

商人「ウオォー! 無事か!? ケガはないんか」

商人があらわれ娘友を抱きしめる。

娘友「ちょっと父さん、大丈夫だからおちついてって」

娘「大きなケガはありませんよ、お父さん」

商人「おぉ、娘さん! 一度ならず二度までも助けていただいて。 ほんっとうにありがとうありがとう!!」ぶんぶんぶんぶん

商人は娘に握手して激しく振り回す。

娘「べ、べつに友達として当然のことですから」

商人「おぉ、なんと麗しい友情! わしは感激じゃ」

娘友「いいかげんにして! 娘に迷惑でしょうが」ぺしん

娘友が商人を小突いた。

商人「うむ、すまん! すまん。 しかしお礼に……今はこれしか持ち合わせが無いのじゃが、これで」

商人は懐から札束を取り出した。

娘「いえ、そういうのは結構ですから」

商人「しかしそれでは申し訳がない! わしの気持ちがおさまらんのじゃああ!」

娘友「父さん、だったらアタシにいい考えがあるから」

娘「友?」

○古びた教会、屋根の上

カラス「あーたたた、まったく我を狙ってくるとは。 油断したわ」

屋根にカラスがとまり辺りを見下ろした。

カラス「このあたりの死霊もあらかた浄化されてしまったか。 まぁよい、これだけ力を得れたのだからな」

カラスの姿がぼやけて人型に変わる、カラスは死霊使いだった。

死霊使い「フム、我が復活したということはあの方も復活されたたということかの。 いざ参るか」

死霊使いはその場から消えさった。

○商人の馬車

ガラガラ

娘友「ふー、男子くんもこればよかったのに」

娘「あのバカ真面目は帰れって言われたら素直に帰るわよ」

少年エルフ「男も現場の収拾に忙しそうだったし、仕方ないよ」

娘「パパもお店よかったの?」

少年エルフ「うーん、ちょっと気がかりなんだけどね。 飛び出してきちゃったし」

商人「大丈夫じゃ、わしのトコの若いモンを使いに出したし、たまにはお前さんも羽をのばすもいいじゃろ。 ホレあれが王都じゃ」

少年エルフ「わぁ、初めてだ」

娘友「そうなの?」

娘「パパはほとんどあの町から出たことないから、よかったわ」

商人「わしの宿があるからゆっくりしていったらいいぞ」

馬車は王都へ向かっていく。

娘友「これでチャラでいい?」ボソ

娘「もちろんよ。 パパと王都に行けるなんて楽しみだわ、友殿」ボソボソ


――EiMD#40 end――

読了ありがとうございました

話のテンポはサクサクを目指してますが、ダラダラ書いてしまう性分なので削る際に解りづらくなる場面もあるかと思います

ご意見、ご感想がございましたらお気軽にレスを下さい。 ちょっとした暇つぶしになったなら幸いです

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