少年エルフ「下水道にドラゴン?」 (100)
これはハーフエルフの少年と彼に育てられた人間の娘の話
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前スレッド
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◯王都、地下水道
サブサブサブ……
兵士A「ほんとにこんな所に来てるんですか?」
女騎士「間違いない、王女はやると決めたらやるお方だ。 ここに来ているはずだ」
兵士B「なんで下水道なんかに?」
女騎士「……それは」 兵士A「うおわああああああああああ」
女騎士「なんだ!? うるさいぞ」
兵士B「あ、あの。 なにかが奥で……」
女騎士「なんだまた大カエルでもいるのか?」
???「グ……グルル……」
巨大な影があらわれた。
兵士A・B「「で、でたーーーー!!??」」
兵士A・Bは逃げ出した。
\バケモノ―/ \オタスケー/
女騎士「こら、お前達逃げるな…… これだから内勤の兵士たちは……」
???「グオォン」
女騎士「このバケモノめ、王女が戻らないのはお前のせいか? 返してもらうぞ、ウチのバカ王女を!!」
◯翌日・南の町、街角
娘友「ごめん、まった?」
娘「まったわよ、なにしてたの?」
娘友「ごめんごめん、ちょっと日焼け止めをね」
娘「日焼け止め? そんなの気にしてるの?」
娘友「ちょっと若いからって油断すると後で後悔するわよ、どう一本? 99%カットよ安くしておくわ」
娘「……いや、私は別に」
娘友「あらー、エルフさんが色白好みだったらどうするの?」
娘「そ、そんなの知らないわよ」
娘友「だったら余計、対策しておいた方がいいわよ。 焼くのはかんたんだけど白くするのは大変だからねー」
娘「……お金は後でいい?」
娘友「毎度ありー」
第七王女「ほー、わらわも一本貰えるかの?」
娘「王女!?」
第七王女があらわれた。
娘友「うわー久しぶりー! 元気してた? 何してるのこんなところでって、王女クサ――!?」
娘「どうしたの!? そのカッコどうしたの」
第七王女「実はのう困ったことになっての……とりあえずどこかでシャワーを浴びたいのじゃ」
○少年エルフの喫茶店
娘友「じゃあ男さん読んでくるわねー」
少年エルフ「うん、おねがいー」
カランカラン
少年エルフ「さて、王女の着替え用意しないと、娘のでいいかな?」
○脱衣所
シャーー
\キャーキャー/ \じっとしてて/
ガチャ
少年エルフ「えっと、娘ー、王女ーここに着替え置いておくねー」
\ありがとパパー/ \カタジケナイノウ/
シャーー
少年エルフ「……」ポ―
\どうしたのパパ?/ \エルフも一緒に入らんかー/
少年エルフ「いや!? えっと王女の服洗うから、ゆっくりしてて」カアァ
ドタバタガチャ
少年エルフ「うぅ……(僕はパパ僕はパパ)」
○少年エルフの喫茶店、食堂
第七王女「男ー、久しぶりではないかー息災じゃったか」
男「おぉ王女、大きくなったな」
少年エルフ「知り合いだったの?」
第七王女「男は以前わらわの警護をしておったからの」
娘「そうだったの、意外」
男「意外ってヒドイな。 それにしてもどうして一人でこんな所まで? 警護は? 女騎士はどうした?」
第七王女「そのことでお主らに相談があってのう」
○
少年エルフ「下水道にドラゴン!?」
第七王女「うむ、女騎士は奴に捕まったのじゃ」
男「なんでそんな事に……」
第七王女「ふむ、どこから話せば良いかの」
娘「なんで女騎士は下水道なんかに?」
第七王女「それはいつものように城出したわらわを追いかけてきたのじゃ」
娘友「え? 王女はなんでそんなところに?」
第七王女「うーむ、お主らも知っておろうが山奥の調査を頼んだ事があったの」
男「あぁ、あの時か。 あれは大変だったぞ」
第七王女「その時の報告を受けたわらわは魔王の復活ではないかと兄王に相談したんじゃが……」
◯第七王女の話・王城
第七王女「なぜわからぬのじゃ! 魔王が復活したのかも知れないのじゃぞ世界の危機じゃ!」
兄王「いい加減にしろ、そんなモノがいるわけないだろうが」
第七王女「山村での事態は報告したじゃろ、巨大ワームがおったのじゃ、女騎士が偽りを言うと思うのか?」
兄王「そうでは無い。 ここ最近の異変は全て異常気象のせいだ。 そのデカイ虫もそのせいだ」
第七王女「何が異常気……」 兄王「仮に! お前が言うように大昔にに魔王がいたとしても現代にいるはずなかろう。 まぁ、実際には大昔でもそんなモノはいなかっただろうがな!」
第七王女「だから、わらわが調査団を結成して各地の魔王塚を調べに行くと言うとるじゃろ。 さすれば確固たる証拠を持ってきてやるというとるじゃろ」
兄王「なにが証拠だそんなもの……証拠、そうだ。 よし俺を納得させたいならば我が王家が勇者の末裔である確固たる証拠を持ってこい」
第七王女「……なんと!? 兄上は王家が勇者の末裔では無いと言うのか!?」
兄王「当たり前だろう、数百年も前の事をそのまま鵜呑みに出来るか。 俺としては勇者も魔王も過去のイメージ戦略だ」
第七王女「何がイメージ戦……」 兄王「しかしだ! かわいい末の妹の頼みだからな、俺としても叶えてやりたいが根拠のないモノには税金はつかえん。 わかるだろう? だから魔王が居るなどと言うのならば、まずは勇者の証しとか伝説の武器とかそんな勇者が居たという証拠を持ってこい。 ま、あればの話だがな」
第七王女「ぐぐ……わかったのじゃ、伝説の武器でもなんでも持ってきてやるのじゃ!!」
◯
第七王女「それから半月程、古書や伝聞を調べて王都の地下に伝説の武器らしきものがあるとようやく知ったのじゃ」
娘「なにそれ、埋蔵金みたいね。 ホントなの?」
第七王女「勇者は魔王を倒したのちに武具などを地下深くに封印したらしい」
男「地下? だったら城の地下にあるんじゃないのか?」
第七王女「わらわもそう思って城の地下を調べたがなかったのじゃ、そもそも今の城は築城して30年ほどしか経っておらん。 そこで築城当時の記録を調べたら以前の地下室を地下水道に改築した部分があるということがわかったのじゃ」
少年エルフ「それで下水道に?」
第七王女「そうじゃ、地下水道の奥には使われなくなった地下倉庫があるはずじゃ」
娘友「しかし、よく下水道とか行く気になったわね」
第七王女「まぁ下水道は城を抜けるのによく利用してたしな。 わらわの庭みたいなものじゃ」
男「庭みたいなものか……(一応我が国のお姫様のはずなんだがな……)」
第七王女「で、今まで行ったことのない奥までいった所で女騎士が追いかけてきての、わらわはうまくやり過ごしたのじゃが、女騎士はそのまま進んでドラゴンと鉢合わせしてしまったのじゃ」
少年エルフ「ホントにドラゴンなんて居たの? 異常成長したトカゲとかじゃ」
第七王女「見間違えるはずなかろう、角があったし翼もあった。 それに喋ったのじゃぞ」
娘友「なんて?」
第七王女「『まだ誰かいるのか』と、女騎士を助けようとしてたのじゃが流石にドラゴンではわらわだけでは太刀打ち出来ん。 そこでお主らに助力を願いたいのじゃ」
男「ふむ……しかしそれはいつの話なんだ?」
第七王女「そうじゃな、昨日の深夜ごろじゃな。 下水道から出たのが明け方でそのまま馬車に乗ったからの」
娘友「王女タフね、でもなんでお城の兵士とかに頼まないの?」
第七王女「それは、わらわだけが城にもどっては女騎士のメンツが丸つぶれじゃろう」
男「そうか、やっぱり女騎士にお前を任せたのは間違いじゃなかったな」ナデナデ
第七王女「これ、なんじゃ。 わらわとて女騎士には申し訳ないとは思うからの、その、少しはの」カア
男「そうかそうか」ナデナデ
少年エルフ「でも、女騎士さんはまだ無事なの?」
第七王女「それはきっと大丈夫じゃ、ドラゴンは倒した女騎士を奥の部屋に運んでいたからの」
娘友「女騎士さん『くっ殺状態』なのね、わかりますん」ニヨニヨ
男「それはそれで見て見たいかもって、ぎょわああああああああ」
娘の電撃魔法が娘友と男を襲う!
娘「貴方たちマジメにしなさい」バチバチバチバチ
娘友「ゴメンゴメン、マジゴメン」
娘「まったく」
第七王女「それじゃ! その魔法。 間違いない」ぐいぐい
娘「な、なに?」たじたじ
第七王女「お主こと伝説の勇者の仲間の『賢者』の末裔に違いない。 わらわと一緒にきておくれ」
少年エルフ「娘が『賢者』!?」
第七王女「賢者は剣と魔法を使える魔法剣士だったそうじゃ、今でこそ魔法は一般的になりはしたが、それでもお主のように強力な魔法と剣術を併せ持つ者はそうそうおらん。 お主の故郷はおそろく賢者の隠里だったのじゃ」
娘友「だってさー、カッコいいわねー『賢者様』」
娘「からかわないで、まぁ女騎士さんにはお世話になったし王女の頼みだしね。 わかった一緒にいくわ」
第七王女「ありがとう娘よ」
少年エルフ「だったら僕も行くよ」
娘友「あ、あたしも行く―」
娘「いや、貴方は無理でしょ危ないわ」
娘友「えー、王女が、友達が困ってるのに留守番なんてできないわ」チラッチラッ
第七王女「おう、なんとうれしいことを。 よし一緒に行こうぞ」ガシッ
娘友「もちろんよ(よっしゃ)」ガシッ
娘友「もー、王女ったら」
男「はぁー仕方ない、護衛出来る奴を連れていくか」
○王都、地下水道入口
バシャバシャ
第七王女「うむ、いざ出陣じゃ」
男「馬車で寝ただけなのに元気だな」
娘友「パパ大丈夫? 足元気をつけて」
少年エルフ「うん、大丈……うわぁ!」
男子「……エルフさん危ない」ガシッ
少年エルフ「あ、ありがとう」
娘友「やぁ~ん、アタシもこけそう~」ベタベタ
男子「……」
男「息子よ、エルフと友ちゃんの護衛をまかしたぞ」
男子「……了解です」
少年エルフ「ちょっと僕は大丈夫だって子供扱いしないでっ うわぁ」
娘「危ないって」ガシッ
少年エルフ「うぅ、ごめん」
娘「パパには深すぎるわ、男子おんぶして」
男子「わかった」ひょい
少年エルフ「……うぅ」カアァ
第七王女「もう少し行けば浅くなる、しばしの辛抱じゃ」
男子「……」ムス
娘「……(怒ってる? まさか王女に!?)」
※今回はここまで
期待
◯地下水道
ザブザブ
娘友「うわー、汚いわー何が浮いてるのこれ」
娘「あまりキョロキョロすると危ないわよ」
娘友「それにしてもドラゴンかー、知ってる? ドラゴンの素材は高級品よ。倒したらいい稼ぎになるわよ」
第七王女「他にもドラゴンは宝を守ってるというしの。 もともと伝説の武器を探しに来て奴と遭遇したのは必然かもしれぬ」
男「ドラゴンが伝説の武器を守ってるというわけか?まるでおとき話だな」
男「それにしてもドラゴンなんて本当にいたんだな」
娘「ほんとね、色々いるみたいだけど赤い奴なの?」
第七王女「いや、はっきりとは見ておらんが白かったような」
少年エルフ「へえ、じゃあホワイトドラゴンなの? かっこいいねぇ」
娘友「もしかしたら半腐れゾンビで白っぽかったかもしれないわよ?」
少年エルフ「ま、まさか」ビク
娘友「こんなところにいる奴だし骨も内臓も剥き出しでデロデロなドラゴンゾンビかもよ?」
少年エルフ「ちょっとやめてよ」ビクビク
娘「ちょっと~友、パパを恐がらせないでよ」ギリギリギリ
娘のアイアンクローが娘友を締め上げる
娘友「ギブギブ」
◯
少年エルフ「ねぇ、ドラゴンって火を吹くんだよね」
第七王女「そうじゃなたいていは火を吹くときいておるの」
少年エルフ「ふぅん……舌、やけどしたりしないのかな?」
男「ブフッ、なんだソレ」
少年エルフ「え、だって火を吹いてるんでしょ? 熱くないのかなって」
娘友「エルフさんカワイイー」
娘「そういえばパパもよく舌を火傷するもんね」
少年エルフ「ちょっと、娘」
娘「この前だって」
○娘の話
少年エルフ「むふめぇ。 ひたやいたから、ひゆまほおつっ! うぅ……はへてくれない」うるうる
娘「パパ、舌やけどしたの? 口開けてみて」
少年エルフ「んべー」ぷるぷる
娘「そのままにしてね、”治癒”」パアァ
少年エルフ「ひぅっ ぁう……(うぅ、しみる)」うるうるうるうる
娘「まだよもっと舌出して、魔法が届かないから」
少年エルフ「あぅ いひゃいよぉ」ぷるぷるぷる
娘「……そう、そのままよそのまま」ゾクゾク
○
娘「パパったらドジなんだから」ウフフフフ
第七王女「顔がニヤケておるぞ」
少年エルフ「だって舌をやけどしたら自分で呪文唱えられないから仕方ないじゃない」アセアセ
娘友「あぁ、アタシも見て見たいわ、誰か描いてくれないかしら『舌を怪我した子に治癒魔法をかけてあげる図』」ニヨニヨ
少年エルフ「もー、変な事いわないで。 男もなんか言ってよ」
男「あー、うん。 飲み食いするときに気を付けろ」
少年エルフ「そうじゃなくてー」
男子「……エルフさんはともかく、ドラゴンは火傷なんてしないでしょう」
少年エルフ「あ、うん。 そうかやっぱりそうだよねぇ」
娘「そりゃそうだけど……アンタねぇ」
第七王女「男子はマジメなんじゃのう」
男子「いえ、別に……」ムス
第七王女「ふむ、そうか?」
男「……(なんだか機嫌悪いな、無理やり付き合わせたからか)」
◯
第七王女「さて、この広間にドラゴンがいたのじゃが……」
男「ふぅむ、何もいないが……エルフなにか感じるか?」
少年エルフ「……ここには居ないみたいだけど、奥に何かいる……かな?」
第七王女「この先は昔の倉庫のはずじゃ、わらわも行ったことがないから気を引き締めていくのじゃ」
少年エルフ「じゃあ耐火の薬あるからみんな使って」
男「ほぉ、そんな薬もあるのか」ペタペタ
娘友「これって紫外線とかも防げる?」ペタペタ
少年エルフ「え? どうだろ成分的にはたぶん防ぐけど」ペタペタ
娘「そうなの」ペタペタ
娘友「いいわねーこれ、ドワーフ女さん達に需要ありそう。 溶接焼け気にしてたから」
男「そんなニッチな需要があるのか」
娘友「あるわよ、外に出ないのに黒くなるって。 ねぇエルフさんコレ大量に作れない? いい値段で買い取るわよ」
少年エルフ「えっえっ!?」
娘「いきなりビジネスをはじめないでよ」
娘友「ごめんごめん」
◯
第七王女「では突入じゃ、気を引き締めるのじゃ」
男「なぁ、コレ。 なにか警告じゃないのか?」
男は赤と黒のマークを指し示す。
第七王女「えーと、古い文字じゃな。 『汚染区域』と書いてあるかの」
娘「えっ……」
娘友「マジで……」
男「おいおい、大丈夫かこの先に進んで」
少年エルフ「……変な臭いとかはないけど」
男子「かなり古い警告のようだし気にしなくてもいいのでは」
第七王女「そうじゃな、大丈夫じゃ。 いざ参るぞ」
◯地下倉庫
娘友「あちこちボロボロねぇ」
男「ここはダメだ崩れてる引き返そう」
第七王女「ちょっとした迷宮じゃのう」
娘「魔物まで居たりしないでしょうね」
少年エルフ「残念だけど、何かいるよ」
大カエル「グゲ」
大カエルがあらわれた
男「フン」ザシュ
大カエル「クゲャアー」
娘「やれやれ、やっぱり居るのね」
男子「危ない!」
ベトン
スライム「……」ベトベト
スライムが男子に覆いかぶさった
娘友「きゃあ! 男子君!」
娘「大火球」ゴォン
スライムは蒸発した。
娘友「大胆なことするわね、男子君大丈夫?」
男子「あぁ、問題ない」
少年エルフ「ちょっとヤケドしてるじゃない。 娘、やりすぎだよ ”治癒”」
娘「はいはい、すいませんね」
男「しかし、急に魔物が出だしたな」
第七王女「なに、お主らが居れば敵わぬものなどいないのじゃ、どんどんいくのじゃ」
大ネズミの群れがあらわれた
大ネズミ達「キーキー」
男「おりゃ!」
男子「せい」
娘「もう、多いわね ”双閃熱”」
大ネズミ達「きききー」
大ネズミの群れを倒した
第七王女「う、ひどい匂いじゃ」ゴホゴボ
少年エルフ「”浄風” ダメだよ狭いんだからそんな魔法むやみに使っちゃ」
娘「けほけほ、そうだったわごめんなさい」
娘友「でもこのメンツならドラゴンでもなにが出ようと怖くはないわね。 どーんとこいよ」
大ゴキブリがあらわれた。
カサカサカサカサ
娘「ッきゃああああああああああああ」
娘友「うぎゃあああああああああああああ」
男子「せいッ」ズバァ
大ゴキブリ「ジョウ……ジ」ぶしゅー
大ゴキブリを倒した。
娘「いやあああああ」タタタタタタ
娘は逃げ出した
娘友「うわあああああ、飛び散ったぁああああああああ」どたたたたたたた
娘友は逃げだした
男「まて、落ち着け」
男は娘を追いかけた
少年エルフ「ちょっと友ちゃんそっちは危ないよ」
少年エルフは娘友を追いかけた
男子「父上! 娘!」
男「お前達はここで待て、連れ戻す」
第七王女「男、そっちは斜面では……」
\キャアアア/ \ウオワアア/
第七王女「遅かったか」
男子「エルフさんたちは?」
○
少年エルフ「まって、はぐれたら危ないよ」
娘友「はぁはぁ、エルフさん……そうね、ちょっと休んでから」
娘友は壁にもたれかける。
ゴゴン
娘友「え?」
落とし穴が発動した、娘友が穴に吸い込まれる
娘友「きゃあああ」
少年エルフ「友ちゃん」がしッ
\きゃああああ/ \うわああああ/
バタン
娘友と少年エルフは落とし穴に落ちてしまった
乙!
◯地下倉庫・通路
男子「……」
第七王女「……誰も戻ってこないのう」
男子「そうですね」
第七王女「しかたない探しにいくぞ」スタスタ
男子「しかし父上がここで待て……」
第七王女「緊急時は柔軟に対応せねばなるまいぞ、わらわは行くのじゃ。 男子はここに残るとよい」
男子「そんな御一人だけでは……、お供します」はぁ
◯地下倉庫・階下
しゅるるる、どさっどさっ
娘「いったー、随分落ちたわね」
男「これじゃあ登れそうにないな、あいつら大丈夫かな」
娘「とりあえずパパと合流しましょ」カチ
娘は探知機を取り出した
ピコーンピコーン
娘「こっちね、ずいぶん離れたわ急がなくちゃ」
男「……なんだそれは」
娘「……ただの探知機よ、そんなことより早くいかなきゃ」タタタ
男「おいまて、それどうやって……」バタバタバタ
◯地下倉庫・隠し通路
少年エルフ「う……いたた」
娘友「あ、やっと気が付いた、よかった大丈夫?」
少年エルフ「う……うん大丈夫、友ちゃんもケガはない?」
娘友「全然ないわ、エルフさんもケガがなくてよかった」
少年エルフ「ここどこかな?」
娘友「落とし穴の底かな? カンテラが壊れちゃったから真っ暗で動けないわ」
少年エルフ「そうだったの ……”光明”」パアア
魔法の光が辺りを照らす。
娘友「うおっまぶし、なんてね……魔法ができると便利ねぇ。 さてと、どうする?」
少年エルフ「……んー、なんだかあっちに誰かいるみたいだよ娘達かな?」
娘友「いきましょうか」
○地下倉庫・通路
男子「せいッ!」ズバッ
大カエル「ゲーーー」
第七王女「危ない!」ヒュッ
第七王女はナイフを放った
大ゴキブリ「ジョッ!」ドシャ
魔物たちを倒した
男子「……助かりました」
第七王女「うむ、うまく急所にあたったようじゃ」
男子「……王女はゴキブリとか大丈夫なのですね」
第七王女「うむ? あぁ、わらわは昔から下水道や地下はよく出入りしておったからの」
男子「(お姫様なのに)……そうですか」
第七王女「それにしてもお主は強いのう、やはり男から剣術を習ったのか?」
男子「いえ、俺はお爺……祖父に稽古をつけてもらいました」
第七王女「そうなのか? 男は稽古をつけなかったのか?」
男子「……父上は職務がありましたから」ムス
第七王女「ぁ……そうか、そうだったの……」
男子「ほら、しゃべってないで先に進みましょう」
テクテクテク
第七王女「のぅ、男子よ」
男子「なんですか」
第七王女「その、お主は男と、父上とあまり一緒にいれなかったのか?」
男子「……そうですね」
第七王女「そうか……、寂しくはなかったか?」
男子「……俺には祖父母が居ましたし、これも騎士の家の者としては務めの一つです」ムス
第七王女「そうか……、お主はほんに強いのじゃな」
男子「……いえ。 それよりはやく合流しないと」
第七王女「まて! 止まるのじゃ、トラップじゃ」
男子「え?」
第七王女「ほれ、ここが不自然じゃろう。 踏まないようにいくのじゃ」
男子「…………はい」イラ
第七王女「ふふふ、こうしておると三の兄上と脱走してた頃みたいじゃ」
男子「……脱走って(……この国の王族っていったい?)」
○地下倉庫・階下
男「この階段から上に行けそうだな」
娘「まって、そっちじゃ逆方向よ。 それになんだがイヤな予感がするわ」
男「とりあえに上に戻るのが先決だろう、とりあえず様子をみてくる」タンタンタン
娘「……」カチ
ピコーンピコーン
娘「……(距離が縮んでないわパパ達も動いてるみたいね)あぁ、もう! なんでこんなことに」
ガコーン
/ウワァァァ\
娘「なに?」
しゅーーー
男「うわああッ! ぐほっ」ベチャ
男が階上から滑りおちてきた
男が階上から滑りおちてきた
娘「……何してるの、遊んでるの」イラ
男「罠だ! 階段がなくなったんだよ、チクショウ。 コントみたいな事しやがって……ちくしょう」ドンドン
カチ
男「カチ?」
ゴゴン! ゴロゴロゴロゴロ……
娘「ちょっとウソでしょ」
男「へ?」
階段上から鉄球が転がってきた
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
男「うおおおおおおおおおおおお、古典的なことしやがってーーーー」ダダダダダダダ
娘「何やってるのよホントにーーーーーー」ダダダダダダ
○地下倉庫・隠し通路
てくてく
少年エルフ「みんな何処かな」
娘友「……ねぇエルフさん聞きたいことあるんだけど」
少年エルフ「なに?」
娘友「好きなタイプってどんなの?」
少年エルフ「え!? なに急に」
娘友「だからどんなオンナノコが好きなの? ほら恥ずかしがらずにオネーサンにいってごらん、んー?」ニヤニヤ
少年エルフ「いきなりいわれても」あたふた
娘友「誰にも言わないから、ね。 そういえばこの前の交流会で随分親しくなった方がいるらしいじゃない? ドーターさんだっけ?」
少年エルフ「な、なんで知ってるの!?」ドキッ
娘友「ちょっと知り合いから聞いたのよ~。 で、どんな感じだったの」
少年エルフ「どんな感じってその、なんだか他人じゃないみたいだったんだ」
娘友「へぇ~そうなんだ(そりゃそうよ、娘だし)」
少年エルフ「でもやっぱりエルフ族はエルフ族どうしじゃないとダメだよ」
娘友「どうして? エルフさんだってハーフエルフでしょ? お父さんは人間だったんだし、いいじゃない」
少年エルフ「で、でもそんな」
娘友「そういえば、ドーターさんってどことなく娘に似てるわよねぇ」
少年エルフ「な!? なんでそんなこと」ドキドキッ
娘友「聞いたのよ知り合いからね。 で、失礼かもしれないけどエルフさんと娘は血縁はないわよね」
少年エルフ「そ、そうだよ。 だから」
娘友「エルフさんって娘の事はどう思ってるの?」
少年エルフ「なっむっ、娘は家族だよ家族、うん」ウンウン
娘友「ふーん家族ねぇ……そういえば最近は娘も大人っぽくなったわよねぇ、アタシから見てもいいオンナになった思うわ」グヘヘ
少年エルフ「友ちゃん、オジサンくさいよ」
娘友「で、その娘を見てて何とも思わないの?」
少年エルフ「お、思うもなにも娘は赤子の頃から育ててるんだよ。 そんな思うとかなんて……」
娘友「ほんと? 寝てる時におっぱい触ろうとかキスしようとかしたでしょ?」
少年エルフ「なんで知っ! ちがッ!?」 娘友「ふーー~~ん、エルフさんもおとこのこね~~」ニマニマ
少年エルフ「ちがうって違うよ! してないってなにもしてないんだって」カァアアアアアア
娘友「そうね~違うわよね~、そういうことにしときましょね~一応」
少年エルフ「一応って、もう! 違うっていってるのに。 友ちゃんのばかーー」たたたたたた
少年エルフは走り出した。
娘友「あらー、からかいすぎちゃったかな? ま、いっか。オモシロかったし」
たたたたたた
\まってよ、エルフさーん/ \ばかー、うわーん/
◯地下倉庫・奥の間
少年エルフ「はぁはぁ、疲れた」
娘友「そんなに逃げなくてもいいのに」
少年エルフ「うー」
娘友「大丈夫、娘にも誰にも言わないから」
少年エルフ「ホント?」
娘友「ホントホント」
少年エルフ「よかった」
娘友「で、何をしたの? もんだの? チュー?」ニヨニヨ
少年エルフ「……ッち、だから何もしてないって」カァアア
娘友「耳の先まで真っ赤なのに? 何もないの?」フフフ
少年エルフ「だーかーらー」
???「そこに誰ぞ居るのかえ?」
少年エルフ「!?」
娘友「今の誰?」
ドシン
ドシンドシン
少年エルフ「……もっもしかして」ビクビク
娘友「うわぁあでっかい!?」
ホワイトドラゴンがあらわれた。
白竜「なんぞ、お主らは?」
乙!
◯地下倉庫、龍の部屋
白竜「何者じゃ? 騎士の縁の者か?」
少年エルフ「女騎士さん? はいそうです。 僕はエルフこの子は娘友です」
娘友「話が通じそうね、ねぇねぇ? 女騎士さんはどうなったの? 食べちゃった?」
少年エルフ「ちょっと友ちゃんそんな直球に!?」
白竜「ほほほ、正直じゃなお主。 寝起きに襲われたから寝ぼけて怪我をさせてしもうたが無事じゃ。 食べるわけなかろうわらわはベジタリアンじゃ」
少年エルフ「……ベジタリアンなんだ」
娘友「なんだいい人ね」
白竜「しかしよく女子供だけでここまで来れたの」
少年エルフ「その僕はこれでも61才です、ハーフエルフなので……」
白竜「ハーフエルフじゃと!!」
少年エルフ「え?」
娘友「なに? 怒らせた!?」
白竜「その耳、その髪。 確かにハーフエルフじゃな、よくもぬけぬけとわらわの前に現れおって!」
少年エルフ「えぇ!?」
白竜「成敗してくれるわ!」
ホワイトドラゴンが襲いかかってきた!
少年エルフ「なんでー!」
◯
白竜「まてぃ! 小僧」
ドシンドシン
少年エルフ「ひぃー、どうしよう。そうだ友ちゃん狙いはぼくだから別々に逃げ……」
しかし娘友はすでに逃げていた。
\足手まといだからあっちにいるねー/
少年エルフ「遠っ!? もうあんな所まで」
白竜「逃がさんぞ」ブゥン
白竜の尻尾の一撃
少年エルフ「風守壁」
バキャン
少年エルフ「うわぁ!?」
白竜「その程度で防げるか」
少年エルフ「うぅ」
???「”雷撃”」
ピシャーンビリビリビリ
白竜「ぬわぁ! ビリッとしたぁなんじゃ!?」
娘があらわれた
少年エルフ「娘、よかった無事だったんだね」
白竜「なんじゃお主は、邪魔だてするでない」
娘「あなたエルフにこんなことして、タダじゃ済まさないわよ ”重雷撃”」
ピカッドドドン、バリバリバリバリ!
白竜「グワアア!? この魔法、なぜお主がそんなハーフエルフなんかを守る!? 」
娘「な・ん・か……ですって!! エルフは私のパパよ、パパは私が守る! 」
白竜「パ……パパ?」
第七王女「いたぞドラゴンじゃ、女騎士を返すのじゃ。 さもなくばこの二代目勇者のわらわが成敗するぞよ!」
娘「王女! 下がって危ないわよ」
白竜「王女? 勇者? 二代目?」
女騎士「確保ーーーッ」バサ―
女騎士の不意打ち、第七王女は捕まってしまった。
第七王女「なんじゃッ? ゲェ、女騎士!!」
女騎士「やっぱり来ましたね、さぁ帰りますよ」グイグイ
男「おぉ、女騎士無事だったか」
白竜「あーららららら、なんと素敵なオジサマ!」ドシンドシンドシン
男「ちょっ、まっ、なんだ!?」ギュウウ
白竜「お情けをちょうだいまし」ギュウウウ
\ぐえぇえええええ/
娘「あら、ドラゴンにまで……罪なオトコねぇ」
少年エルフ「えっと、メスだったの?.」
男子「……なんだこれはどうなってる?」
娘友「全員集合ね」
◯
女騎士「つまり勘違いで襲ったにもかかわらずドラゴン殿は私を許してくれたのだ」
白竜「いやねぇ、寝ぼけてたから加減ができなくてのう。 聞けば王女様が来るというから待たせて欲しいというたのだ。 わらわも長い事寝てたので最近の事を聞きたかったのじゃ」
男「俺たちはお前がドラゴンに捕まったと思って来たのに、無駄足だったか」
女騎士「いや、そんなことはないぞ……そのウレシカッタゾ、うんアリガト……」ボソボソ
男「なんだ? 聞こえないぞ」
女騎士「な、なんでもないわッ! おりゃああ」ドコォ
男「ぐぼふぁっ!」
娘友「なんて見事な正拳突き」
娘「いやまったく」
白竜「おや、男は騎士のだったか? それは先ほどは申し訳ないことをしたの」
女騎士「なっ!? まて誤解するな、ちがうぞちがうぞ」
娘友「女騎士さんもタイヘンネー」ニヨニヨ
少年エルフ「大丈夫? 男」
男「さっきから死にそうだぜ……あたた」
娘「そういえば貴方ハーフエルフをどうこう言ってたわね。 説明してくれるかしら?」
白竜「ふむ……うろ覚えじゃが……昔ハーフエルフに嫌なことをされたような……気がする」
娘「はぁ! そんなんでパパを襲うなんて」ガタッ
少年エルフ「娘、落ち着いて。 もう謝ってくれたし、僕はいいから」
娘「でもぉ……」
白竜「いやまことにすまなかった……(あの者とハーフエルフがこんなにも親密に……時代はかわったのだの)」
第七王女「さて、そう思うならお主が守っていた伝説の武器を渡すのじゃ! わらわは14代目王家の末の姫で二代目勇者じゃ。 今世界には危機が迫っており、わらわにはどうしても伝説の武器が必要なのじゃ」
女騎士「な、まだ言ってるんですかそんなこと。 いい加減にしてください」
白竜「ふぅん、王女さまが勇者か……(これも時代の流れかの)」
女騎士「ほらドラゴン殿も困ってるじゃないですか、そんなモノ無いのですから帰りますよ」ぐいぐい
第七王女「い・や・じゃーーー! 伝説の武器を見つけるのじゃ、隠しておるじゃろう」ぐぐぐ
男「そういえば王女の目的はそれだったな」
女騎士「そんなのあるわけないでしょう。 ドラゴン殿も言ってやってください」
白竜「……伝説? まぁここは武器庫だったから古い武具はいくらかは奥に……」
第七王女「そこじゃ!」 シュタタタタタタ
女騎士「あ、逃げた! 待て王女!!」
○
男「あーあ、先にいっちまいやがって。 なぁドラゴン、危険はないのか?」
白竜「そうじゃの……どうだったかのう」
男「覚えてないのか」
白竜「ずいぶんと眠ってたから思い出すのに時間がかかっての」
娘友「本当に奥に伝説の武器があるの?」ワクワク
白竜「まぁ古い武具はいくらでもあるはのじゃ……(しかし何か忘れておるような)」
○
第七王女は床に刺さった古びた両手剣を見つけた。
第七王女「あった立派な剣じゃ、これをもっていくぞよ」
女騎士「ちょっとそんな見るからに普通じゃないものに触らないでください、呪われてるんじゃないですかそれ!?」
古びた両手剣には何かの護符があちこちに張られており怪しい気配が漂っている。
第七王女「それこそ僥倖じゃ、これほどの剣ならば兄上にも納得させれるじゃろう」
第七王女が古びた両手剣に手をのばす。
白竜「ちょっと王女さん、それさわっちゃだめ」
男「なんだって、まて王女!」
第七王女は古びた両手剣を掴んだ。
第七王女「うむむむ……重いのじゃ、ぬけぬ」ぐぐぐ
古びた両手剣はびくともしない。
白竜「あら?」
娘「……よかった何もなかったのね」
第七王女「くぬぅ……、ならば男よこの剣を抜くのじゃ!」
男「やれやれ、やはりそうなるか」
男子「……父上。 俺にやらせてください」ムス
男「……そうか任せた(また怒っている……何に?)」
少年エルフ「……」プルプル
娘「どうしたのパパ?」
少年エルフ「気のせいかな……あの剣はなんだか良くない気がして……」
娘友「でも王女には特になにもなかったけど……」
男は古びた両手剣を掴んだ。
男子「……」がしっ
第七王女「頼んだぞよ、男子よ」
○
シャキーン
男子は古びた両手剣を床から抜きだした。
男「うーむ、サビまみれでボロボロだな」
第七王女「よくやったのじゃ、男子あっぱれじゃ」
男子「……」ドン
第七王女「きゃっ」
男子が第七王女を突き飛ばした。
女騎士「王女!?」
男「男子!? なにしてるんだお前!」
男子「……」ブン
男子は古びた両手剣を振りかざす。
男「な!」
男子は古びた両手剣を男めがけて振り落した。
ゴーン
男「お……ぉお、いってぇえええ、何するんだお前!」
男子「父上の……バカ、アホ! 女ったらしーーッ!!」ブンブンブン
男「おわっ」
男子「なんでいつも居ないんだっ父親なら父親らしくしやがれ!」
第七王女「男子、お主……!?」
男子「それにいつもいつも女の人に迷惑ばかりかけて、女兵士さんや女薬師さんとか女騎士さんとか……ハッキリしろっ! 女の敵かこのスケコマシ親父エロ親父!」
男「ちょ、おま、何言って……結構悲しいぞ俺は」
女騎士「いいぞもっと言ってやれ!」グっ
少年エルフ「アレ……女騎士さん?」
女騎士「いや……今のはそうじゃなくてな」アセアセ
娘友「どうしたの? 急に反抗期?」
娘「……あれは反抗期というか」
白竜「あーーー思い出したぞ。 アレは『失敗作』じゃ!」
乙!
大長編だな
ちょっと頭から読んでくる
大長編かと思ったら短編の連続なんだな
○
白竜「古の王国で造られた、手にした者の恐れ知らぬ勇者にする『勇者の剣』……のハズだったんじゃがの」
娘「失敗したのね」
白竜「いかにも。 『恐怖』を『勇気』に変換するのに『理性』が犠牲になったのじゃな」
女騎士「一種の暴走状態か」
白竜「さらに半自律式で剣にも意識があるでの、使用者の精神力やら魔力やらを食い尽くしては別の使用者へ乗り移り次から次へ人を廃人にしてしまうという魔剣なのじゃ」
娘友「それで封印されてたのね」
第七王女「しかし、それでは早く男子から取り上げなければ男子が……」
男「だったら、剣を壊してやる」ブンッ
男の剣折りを狙った一撃
男子「う……ッ、 っらぁ!」ガキン
男「うおっおおおおおお!? マジか!?」
男の剣が折れてしまった。
女騎士「な!? 今ので負けるなんて」
娘「あの剣……『直って』きている……?」
白竜「まずいな、アレは精神力を糧に硬さと鋭さを増すからの。 はやくなんとかせねば」
男「ふーふー」
第七王女「ならばわらわがっ」タッ
女騎士「王女!?」
男子「王じょ……お前のせいで俺は!」ブン
第七王女「遅いのじゃ」ヒュンヒュン
娘友「早ッ!? なんて身のこなし」
男「まぁ俺が教えたからな。 王女は素早さだけはピカイチだ」
女騎士「そのオカゲで誰が苦労してるとおもってるんだ」
男「げふんげふん」
第七王女は男子の腕に斬りつける!
ザシュ
第七王女「スマンの」
男子「ぐ……腕が……しびれ……」
少年エルフ「痺れ薬? そんなのどうしてもってるの?」
第七王女「護衛用にと男から貰ったのじゃ」
女騎士「アンタ王女に何持たせてるんだぁーー!!」ドギャン
男「グワー―っ! ……バレタ」バタン
娘「まさかの肘ッ!」
娘友「過剰なツッコミが男を襲う」
○
第七王女「これで剣を持てないじゃろう」
男子「うぅ……」ブルブル
男子は腕が痺れて魔剣を取り落しそうになる。
魔剣「ギ……ギア……ムド……ギギ」シュルシュル
魔剣が変形してカニ足が伸びて男子の腕に絡みつく。
男子「うおおお!」ブオンブオン
第七王女「な!? まだ動けるのか」ヒュン
白竜「いかん、魔剣が体を乗っ取りはじめたのじゃ」
男子「フーフー!」
男子は魔剣を王女に向けて振り上げた。
女騎士「王女!」
第七王女「ぬぅ……!」
○
娘「やめなさい! 男子!!」
男子「ぐッ……」ピタ
第七王女「む?」
少年エルフ「あ……」
男子「黙れっ! 命令するな!」
娘「……(まだ言葉が通じるのね、だったら)。 ふぅん、そんな事いうの? 男子、アンタが。 私に?」スタスタ
第七王女「娘、ダメじゃ。 危ないのじゃ」
娘友「娘!」
男子「お前だって昔からいつもいつも姉貴ぶりやがって、ガキ扱いするな!」
男子は娘に向かって魔剣を構える。
娘「……で、その剣をどうするつもり。 私を斬るの? ホントに? できるの?」ツカツカ
男子「だから偉そうにするな!」ブン
娘「わ・た・しに剣を向けるのね」
男子「りゃあ!」ブン
第七王女「危ない!」
○
男子「ぐ……くそ」ブルブル
娘「……よく止めたわね。 でも男子のくせに私に歯向かうなんていい度胸じゃない」ゴゴゴ……
男子「お、弟扱いするな…よ………俺だってオトコだぞ!」ガクガク
第七王女「……男子、おぬし……」
男子「俺を認めてくれよ、俺を頼ってくれよ、俺についてきてくれよぉ!」
娘「前にもいったでしょ、アンタは『弟』としか見れないし、私はそういうガラじゃないって」
男子「ちくしょう、ちくしょう俺だって俺だって」ポロポロ
娘「俺、俺と。 だからいつまでたってもガキなんだって……。 さてと、じゃあこれは没収よ」スッ
娘は魔剣の切っ先を指で挟むと――
娘「”帯電”」バリバリバリ
男子「ギャアアアアア」
魔剣「ギイィイイイイイイイイイイイ」
カランカラン
魔剣は男子の手を離れた。
男子「うぅぅ、チクショウ。 姉ちゃんのバ……」ドサっ
男子は気絶した。
○
少年エルフ「ちょっとやりすぎだって! ”大治癒”」パアア
女騎士「王女無事ですか」
第七王女「あぁ、大事ない」
男「やれやれやっとひと段落か?」
白竜「ふむ、どうなるかと思ったが無事でなによりじゃ。 して魔剣はどこじゃ?」
娘友「え? 剣はあそこに黒焦げになって……ないわね」
魔剣「ギギ」カシャカシャ
男「うげっ歩いてるぞ! 気持ち悪っ」
女騎士「言ってる場合か逃げるぞ!」
白竜「逃がさん! ハァッ」
ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオ
ホワイトドラゴンのファイアブレス!
少年エルフ「うわぁ、あっつい!」
魔剣「ギ……」メラメラメラ
魔剣は燃え尽きた。
男「すげぇ、鉄が溶けたぞ」
第七王女「さすがドラゴンじゃな」
白竜「アツッ……やいぶ弱体化ひておったひゃらの、なんとか燃へたわ……アツツ」
少年エルフ「どうしたの?」
白竜「ひさびさに吹いたはら、ひた(舌)を焼いたようじゃ」
娘友「マジで」
○
少年エルフが白竜の口に体を突っ込んで治癒魔法をしている。
少年エルフ「はい、これで大丈夫」
白竜「うむ、良くなった。 助かったから……この娘をどうにかしてくれぬか? 先ほどから殺気だっておる」
娘「貴方がエルフを食べない保証はないわ」ゴゴゴ
少年エルフ「終わったから、ほら」
娘「ほんとに? 噛まれてない? なめられてない? どこか溶けたりしてない?」ペタペタ
少年エルフ「大丈夫、どこもなんともないから」
白竜「わらわはベジタリアンだと言っておるじゃろう。 しかし本当にお主らは仲がよいのじゃな」
娘「そりゃあ、エルフは私のパパたから」ぎゅうう
少年エルフ「う、うん。 だからちょっと離れてよ暑いよ」カア
娘友「これぐらい親子のスキンシップよ」ぎゅうぎゅう
白竜「……親子のう」
娘友「まぁいつもこんな感じだから。 それにしても、ドラゴンってエルフさんがハーフエルフだとわかったらすごい剣幕になったわね。 なにかあったの?」
白竜「うむ、それは……」
娘「それは?」
少年エルフ「……」ゴク
白竜「……忘れたの」
少年エルフ「えぇぇ」
娘友「何よソレ」
白竜「何しろ長いこと寝てたからの、なんとなーくイヤなことがあった気がするのう。 思い出すには時間がかかりそうじゃ」
少年エルフ「そうなんだ……(でも、やっぱり悪いハーフエルフが居たのかな?)」
娘「ふーん、本当? そういえばなぜ貴方はここに居たの?」
白竜「たしか……、誰だったかに先ほどの魔剣の見張りを頼まれたのでの」
娘友「昔の王様かな?」 白竜「そんなところじゃな」
少年エルフ「寂しくはなかったの?」
白竜「いや、寝てただけじゃからな」
少年エルフ「そうなんだ」
娘「ねぇ。 だったら昔の魔王とか勇者も知ってるの?」
白竜「……ふむ、魔王か。 きいたことはあるような無いような、人の世には関心が薄かったからのう」
娘友「じゃあ勇者は?」
白竜「勇者、ゆうしゃ、ユーシャねぇ。 よくわらわを倒そうとするものはそう名乗っておったが、何人おったかのう」
娘「……そう、本当の勇者はわからないというわけね」
白竜「……そうじゃの」
娘「……そういうことにしておくわね」
白竜「……ふむ」
○地下倉庫、客室
男子「う……」
男子は目を覚ました」
女騎士「気づいたか……具合はどうだ? 大丈夫か?」
第七王女「……」
男子「えぇ……もう大丈夫です」
女騎士「とりあえずエルフ君を呼んできまから、王女見ててください。 余計なことしないでくださいよ」
バタン
女騎士は少年エルフを呼びにいった。
第七王女「まったく、余計な事とはなんじゃ。 わらわを信用せぬか」ぶーぶー
男子「痛たた、俺はいったい……」
第七王女「覚えておらんのか……?」
男子「……」
男子は思い出そうとした。
男子「…………」カアアア
男子「ぅぁあ。 しにたい」ガク
第七王女「覚えておったか」
男子「そ、そうだ王女!!」ガバッ
男子はベットから飛び起き王女にひざまづいた。
男子「この度はとんだ無礼をしてしまいました。 この責任は……」ダラダラ
第七王女「……よい、オモテをあげよ」
男子「しかし! 俺は王女殿下に対し見習いとはいえ騎士としてあるまじき言動を……」
第七王女「よいのじゃ、許すからオモテをあげておくれ」
男子は微動だにしない。
男子「……」
第七王女「……あの時の言葉はおぬしの本音じゃな」
男子「あ、あれは……どうかお忘れください」カアアア
第七王女「おぬしもやはり父君が居なくて寂しかったのじゃな」
男子「それは……」
第七王女「よい、わかるのじゃ。 わらわの父上も多忙だったのでな」
男子「……(そうか、前王が)」
第七王女「末の子ということもあり父上にはなかなか会えなんだ。 そのことでわらわは随分と寂しく思っておってな……」
男子「……そうですか(王女も……)」
第七王女「そんなわらわの相手をしてくれたのが男だったのじゃ、護衛といいながらもわらわの無茶にもつきおうてくれたし、剣術なんぞも教えてくれた。 それ以外にもイロイロじゃ」
男子「……父上が」
第七王女「二人目の父上のようなものじゃった。 男にはずいぶんと救われたのじゃ」
男子「……それはよかったです」
第七王女「しかしそのせいでおぬしに寂しい思いをさせてしまったの」
男子「……過ぎたことです、気にしないでください」
第七王女「ダメじゃ、わらわのわがままが原因じゃからの。 わらわはおぬしに借りがあるのじゃ」
男子「そんな借りなんて、恐れ多いです」
第七王女「ダメじゃ、お返しをせねばわらわの気がすまんのじゃ!」
男子「いやしかし、」 第七王女「するのじゃ!」 男子「はい……」
第七王女「だからお返しにおぬしをわらわの『弟分』とするのじゃ」ウンウン
男子「えっと、その。 王女は俺より年し」 第七王女「わらわがおぬしの『姉』になるのじゃ!」 男子「はい……」
第七王女「わらわは娘と違うて思う存分おぬしを『頼る』からのおぬしも存分に『頼られ』るがよい。 うむ! おぬしに寂しいなどとは二度と思わせんからの! 覚悟するのじゃ、よいな」ビシッ
男子「……はい」
第七王女「よしでは行くぞ、男子よ」タタタ
男子「どこへ? ……ふふ(どう考えても『妹』だな)」
\それではさっそくじゃが/ \え!?/
◯地下倉庫・封印の間
ガラガラガッシャン
女騎士「何してるんですか帰りますよ王女。 男子君まで連れ出して!」
第七王女「絶対に伝説の武具を見つけるのじゃ。 まだどこかにあるじゃろう、ほれ男子あの兜はどうじゃかぶってみい」
男子「これですか?」カポ
男子は呪われた。 頭が締め付けられる
男子「がああああ!!」
白竜「まったく、”破呪”」
呪いの兜は壊れてしまった。
娘「呪文も使えたんだ、それに聞いたことない魔法ね」
白竜「うむ、呪文もいくつか思い出したのでな」
娘友「魔剣の時もその魔法をすれば早かったんじゃ」
白竜「そうかもしれんな。 いやー忘れておったわ」
男子「うぬぅ。 頭がガンガンする」
第七王女「うぬぬ、だったらそこにある……」
女騎士「いい加減にいろバカ王女! ここにあるのは呪物ばっかりでしょうが」
第七王女「それでもいいのじゃ、兄上を説得できるようなモノがあれば」
\ほれ、男子そこの……/ \ちょ、ちょっと/
男「まいったな、ああなったら止まらないぞ。 王女は」
少年エルフ「でもどうするの? 伝説の武器なんてないでしょ」
第七王女「兄上を説得するための物がいるのじゃ、勇者の証が!」
女騎士「たまには諦めて下さい、無い物は無いんです」
第七王女「いーやーじゃー!」
娘友「伝説……勇者の証ねぇ。 無いのなら作ればいいのよ!」
男「え? いやしかし……」
娘友「アタシにいい考えがあるわ」
◯しばらくのち・王城
第六王子「兄上、なんで俺があんなやつを探しに行かなきゃならないんですか。 ほっときゃいいじゃないですか」
兄王「お前も一応兄ならそれくらいしろ。 王女も何処にいったんだ? まったく誰に似たんだか」
第六王子「……父上に決まってるじゃないですか」
兄王「だよな、七番目だし」
第六王子「またそれだ、なんですか七番目七番目って、七番目なら何してもいいんですか」
兄王「そうではない、父上も七番目だったのだ」
第六王子「え、初耳!?」
兄王「七番目の子は特別……その七番目の父の七番目の子なんだ。 まーとにかく普通じゃすまないよな」
第六王子「だったらなおさらほっときましょうよ、七番目なんでしょう。 飽きたら飛んで帰ってきますよ」
兄王「そうだといいが」
兵士が駆け込んできた!
兵士「き、急報! 城の上空にど、ドラゴンが出ました!?」
◯中庭
上空をホワイトドラゴンが輪を描いて飛んでいる。
バッサバッサ
兄王「本物か!? あんなものがいるなんて」
第六王子「隣国の新兵器でしょうか?」
兄王「とにかく魔術師たちを集めろ」
近衛兵長「攻撃するのですか?」
兄王「こちらからはしない……が、念のためだ」
○
白竜が中庭に舞い降りてきた!
近衛兵長「王よおさがり下さい、 防御陣形をとれ! 魔術師はまだか」
兵士「宮廷魔術師殿は『ドラゴンの対応は契約外』とのことで拒否されてます」
近衛兵長「あんの、野郎! 他の魔術師は」
兵士「上に同じだそうです」
近衛兵長「おのれ~、頭でっかちどもが~~」
近衛兵「隊長ドラゴンから誰か降りて……」
シュタ
第七王女「兄上、ただいま戻ったのじゃ!」
○
兄王「王女、お前いったいなにして!?」
女騎士「も、もう二度とのりませんからね」ヨロヨロ
第七王女「なんじゃ、高いところはだめじゃったのか?」
女騎士「高いどころじゃないですか飛ぶなんて」ガクガク
兄王「女騎士まで、いったいなんだこれは!?」
第七王女「兄上、これが証拠じゃ」
兄王「しょ、証拠!?」
白竜「貴殿が王か、私はホワイトドラゴン……エート。 ……再び魔の胎動を感じはじめた。 この勇者を導くために我は甦り馳せ参じた」
第六王子「うそだろ……こんなの」
白竜「……」ギク
第七王女「なにをいうか! こうして『伝説のドラゴン』がわらわを『勇者』として認めたのじゃ。 これ以上の証拠はあるまいて!」
兄王「……どこにいたんだこんなの」
第七王女「王都の地下深くの神殿じゃ」
兄王「誠なのか女騎士」
第七王女「……」じーーーー
女騎士「……ええ、ホントウデス」
兄王「そんな、本当にこんなことが。 『勇者伝説』はおとぎ話ではなかったのか」
第七王女「そうじゃ! 『勇者』はおとぎ話ではないのじゃ、そして『魔王』もまた実在しておるのじゃ」
第六王子「ドラゴンよ! なんでコイツが勇者なんだ! 王族が勇者ならば俺だって資格はあるだろう!」
白竜「……」ジー―
第七王女「ドラゴンっ!? (うぬ、バカ六め余計なことを!)」
白竜「……不合格」
第六王子「はぁあ!?」
第七王女「ふ、ふははは。 あったり前じゃろう! おぬしのような威張りちらしておるだけのモンが勇者になれるワケなかろう! 身の程をわきまえよバカ六!」
第六王子「なんだと! 妹のクセに生意気な!!」
第七王女「なにが妹じゃ! 一つしかかわらんじゃろうが、そんなので兄貴ぶるでない。 みっともない。 恥を知れ!」
兄王「やーーめーーろッ!! お前達立場と場をわきまえろ! 第六は下がれ、部屋に戻っていろ!」
第六王子「なっ……くそ」
第七王女「……フフフ、ざまぁみろじゃ」
兄王「……第七、お前も疲れているだろう部屋で休め。 女騎士もご苦労であった」
女騎士「はっ」
近衛兵長「俺からも言わせてもらおう。 よく王女を無事に連れ帰ったな。 見事だ」
女騎士「はい」
第七王女「……ドラゴン、後は任せたぞい」ボソボソ
白竜「うむ、手筈どおりに……」ボソボソ
兄王「ふむ……(伝説はともかくこのドラゴンは軍事に使えるかもしれんな)……ドラゴンよおぬしも疲れておろう、欲しいモノはあるか出来る限り用意しよう」
白竜「そうか、ならば新商品の『日焼け止め』を所望する」
兄王「……ひ、日焼け止め!? 何に使うんだ?」
白竜「もちろんわらわが使う」
近衛兵長「……いるのか? ドラゴンなのに?」
白竜「あったりまえじゃ、わらわも年だからの。 油断するとシミとかシワとか……あー考えただけで恐ろしい。 はようもってこい。 あぁ紫外線が紫外線がぁ!」
白竜は暴れ出した!
ドンガラガッシャン
兵士A「うぎゃーーー」
兵士B「オタスケー―」
近衛兵長「王よ、なんとか止めないと被害が。 はやく日焼け止めを!」
兄王「そんなこと急に言われても……」
ガラガラガラ
商人の馬車が中庭に入ってきた。
商人「まいどー! 日焼け止め六樽分おもちしましたー」
娘友「第七王女さまからの依頼の品でーす」
どこからともなく第七王女があらわれた。
第七王女「おーやっときたのじゃ。 お、兄上どうしたのじゃ? なんじゃこれが必要かの? だったら……」
兄王「お、王女!! 謀ったなぁ!!」
○後日・少年エルフの喫茶店
娘友「と、いうわけでなんやかんやあって『魔王調査隊』の結成が決まったそうよ」
娘「そう、これで王女も念願の調査に行けるわけね。 よかったじゃない」
娘友「でも、ひとつ問題がのこっていてねー」
娘「何?」
娘友「それは――」
どっおおおん! どすんどすん、どすどすどす……
少年エルフ「な! なに地震!?」
窓からドラゴンが覗きこんできた。
白竜「きちゃった」にゅう
少年エルフ「うわぁ! ドラゴンさん」
カランカラン
第七王女「ドラゴンだとあっという間じゃな。 娘、エルフよ元気じゃったか?」
娘友「王女、やっぱり来たのね」
娘「なっ、なにしてんのよ。 道がボッコボコじゃない!?」
第七王女「なにっておぬしを誘いに来たに決まっておろう。 さぁわらわとともに魔王調査に出発するのじゃ」
娘「断る!」
娘友「はやッ」
第七王女「なんでじゃ~、おぬしも勇者の仲間の子孫じゃろ一緒に旅立つのじゃ~」ぐいぐい
娘「そんなの知らないわよ。 他をあたってよ」ぶんぶん
第七王女「いやじゃ、おぬしが居ないといやなのじゃ」
娘友「さー、どうする? 長期戦になるわよ」
娘「もーー」
白竜「あ、エルフちゃん。 これ塗ってくれない、そろそろ効果が切れるから」
少年エルフ「これって日焼け止め? それにしても性格……というか話し方どうしたの?」
白竜「そうよ~、今風にしてみたの。 あのままじゃ年寄くさいじゃない、ね」
少年エルフ「そういえばドラゴンさんって何歳なの?」
白竜「あら、レディに歳をきくなんて野暮よ~」
少年エルフ「……レディ? だってドラゴンさんオスじゃ」
白竜「や~~~~~。 い~わ~な~い~の~~っ」
少年エルフ「あ、うん」
カランカラン
男「おいおい、ドラゴンの体が道をふさいでるぞ。 苦情が出る前にどけてくれ」
白竜「あ、男ひさしぶりー、げんきだったー」ぎゅるんぎゅるん
男「うおおお巻き付くなー」ぎゅうぎゅう
カランカラン
女騎士「はぁはぁ、やっと追いついた。 王女帰りますよ」
第七王女「ダメじゃ、娘を調査隊に居れるまで帰らんのじゃ」
\いいかげんにしてください/ \いやじゃー/
娘「ちょっと……」
\このままたべちゃいそう/ \グワーオタスケー/
少年エルフ「えっと、どうしよう」オロオロ
娘「……もう、今日は店じまいよ! みんな帰ってーーーーーー!!」
○
―― 少年エルフ『下水道にドラゴン?』 終わり ――
乙
次はどんなスレタイで建てるんだ?
拝読ありです
基本的にスレタイは最後に決めてるのですが、多分”少年エルフ「ゾンビカフェ!?」”ですかね。
ただ4月から生活が変わって書くのが遅くなったので1ヶ月ほど間が空くかもしれません
乙!
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません