ほむら「まどかとまぎか」 (87)

ほむら「さて…どんな世界に改変してしまおうかしら」

ほむら「…まぁ、まどかさえいてくれたらそれでいいわ」

ほむら(…世界が書き換えられていく)

ほむら(私の初めての友達。そして…私の愛しい人)

ほむら(あの時の約束は果たせなかったけれど…)

ほむら(まどか…)パァァ

ほむら(…終わったみたいね)

ほむら(まどか、待っててね)クスッ

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学校


和子「女子の皆さんはくれぐれも!半熟じゃないと食べれないなんて言う男性とは…」

ほむら(まどかまだかなぁ…)ウズウズ

和子「…あっ、あとそれから」

ほむら(! 来たわねっ)

和子「今日は皆さんに転校生を紹介しまーす」

ほむら(あの時乱暴な真似してごめんねまどかあれは仕方が無かったの別にまどかに危害を加えようだなんて全く思ってなくてそれで)

和子「鹿目さーん」

ほむら(貴方が幸せならそれでよかったのでも貴方が幸せなら私も幸せだから世界を改変してwinwinの関係を…)

ほむら(…って)

まどか「は、初めまして。鹿目まどかです」ペコリ

ほむら(どうして…)

まぎか「そして姉の鹿目まぎかです。宜しくお願いします」ペコリ

ほむら(まどかが二人いるのかしら…)

まどか「マ、…母の海外出張で家族と一緒に三年間アメリカにいたんですけど」

まぎか「先週ようやく見滝原に帰ってこれて、今日からこの学校で皆さんと一緒にお世話になります」

まどか まぎか「よろしくお願いします」ペコリ

ほむら(どういう状況なんだろう…)

ほむら(私が改変した世界のはず…よね)

ほむら(早速の不測の事態。どうするべきか…)

まどか「…」オドオド

まぎか「…」ニコニコ

ほむら(とりあえず様子をみましょう)

ほむら(別に二人のまどかに心を奪われたとかそんな単純な理由じゃないわ、本当よ)

ほむら(…)ジー

ほむら(…)ニヘッ

ほむら(ほ、本当なんだからね)

和子「じゃあまぎかさんはそちらへ、まどかさんはあちらの席に座ってくださいね」

まぎか「はーい」

まどか「は、はい」

ほむら(二人とも髪を下ろしているわね。それにしても本当に瓜二つだわ)

ほむら(…)チラッ

まぎか「~♪」テクテク

ほむら(…まぎか、か)

まどか「ど、どうも…」

ほむら「!?」

まどか「隣の席らしいから…よ、よろしくお願いします」

ほむら(ビックリしたわ…)ドキドキ

ほむら(隣が空席だったことすら気が付かなかったわ…少し気が動転し過ぎているわね)

ほむら「どうも、こちらこそよろしくね鹿目さん」ニッコリ

まどか「う、うん!」ドキッ

まどか(すごい綺麗な子だなぁ…ドキッてしちゃった…)

まぎか「あっ、隣さやかちゃんだったんだね」

さやか「久しぶりだねまぎか。元気そうで何よりだよ」

まぎか「さやかちゃんこそ」ティヒヒ

さやか「そりゃあもうあたしは元気が取り柄ですから」

まぎか「ティヒヒ、ねぇさやかちゃん。まどかの隣の子って友達?」

さやか「ん?あぁ、ほむらね。ちょっと変わったやつだけど…」

まぎか「すごい綺麗な子だねー。まどか顔真っ赤にしてる」

さやか「いやー、まどかも変わって無さそうで何よりですわ」

ほむら(ごく自然に会話しているわね…あの二人)

ほむら(まぎかの存在がイレギュラーだと認識しているのは私だけってことでいいのかしら)

ほむら(そうだとすれば私が二人の動きに気を付けていれば済むのだけれど)

まどか「あ、あの…」

ほむら「あぁ、ごめんなさい。少し考え事をしていて…」

まどか「そ、そうなんだ…。えっと…」

ほむら「そういえば自己紹介がまだだったわね。私は暁美ほむらよ、よろしくね」

ほむら「でもよくよく考えてみたら鹿目さんだと二人一緒に居る時に困るわね」

ほむら「まどか、って呼んでもいいかしら?」

まどか「う、うん!」

ほむら「私の事もほむらでいいわ。じゃあ改めて…よろしくね、まどか」

まどか「こちらこそよろしくね、ほむらちゃん」

まぎか「…」ジー

さやか「なんか随分とあっさり仲良くなったねあの二人」

まぎか「うん。ちょっとびっくりしちゃった」

さやか「知らない子と会話するのも四苦八苦してたよね昔は」

まぎか「今もそんなに変わってないと思ったんだけどなぁ」

さやか「まぁでもいい傾向じゃない?」

まぎか「うん!そうだねっ」

まぎか(ほむら…ちゃん、かぁ…)

「ねぇねぇ、アメリカの学校ってどんな感じだったの?」

「やっぱり英語ペラペラなの?」

「二人ともちっちゃくて可愛いよねー。それに本当にそっくり」

「髪型も一緒でちょっと見分けられないかも…」


まどか「えっと…その…」

まぎか「もー、小さいのは気にしてるんだよっ」

ほむら「みんな、一度に質問されて二人とも困っているわよ」

まどか「あっ!ほむらちゃん!」

まぎか(もう名前で呼べちゃうくらい仲良くなったんだね)

ほむら「大変だったわねまどか。でも転入初日に注目されるのは仕方が無いわ」

ほむら「それと…初めまして。暁美ほむらよ」

まぎか「初めまして。まどかの姉のまぎかだよ。もう名前で呼び合うほど仲良くしてくれてるんだね」

ほむら「貴方達が二人一緒にいると呼び方に困ると思ってね」

まぎか「それもそうだね。わたしのこともまぎかでいいよっ」

ほむら「じゃあ私のこともほむらでいいわ。よろしくねまぎか」

まぎか「うん!こちらこそよろしくねほむらちゃん」

ほむら(素晴らしきこの世界)

まどか「? どうしたのほむらちゃん?」

ほむら「い、いえ!なんでもないわ。…二人がよければ学校を案内しようと思ってるんだけど」

まぎか「お願いしちゃっていいの?」

ほむら「ええ。構わないわ」

まぎか「じゃあ喜んで。まどかもいいよね?」

まどか「うん!」

廊下


まどか「綺麗な学校だねお姉ちゃん」キョロキョロ

まぎか「そうだねー。それに制服も可愛いよね」キョロキョロ

ほむら(振り向けば二人のまどか…。ここは天国ね)

ほむら(でも、この状況を楽しんでいるだけじゃいけないわ)

ほむら「二人とも、久しぶりの故郷はどう?」

まぎか「ええと…なんか懐かしいって感じかな」

まどか「でも何か違うっていうか…ちょっと変な気分」

ほむら「無理も無いわ。三年ぶりだものね」

まどか「でも…結構何も変わってないような気もする…」

まぎか「むしろ変わっちゃったのは…」

まどか まぎか「わたしのような…」ズズッ

ほむら「っ!」

まどか まぎか「もっと違う役目…姿があったような…」

ほむら「ダメっ!」ギュッ

まどか「ふぇっ!?」

まぎか「ほ、ほむらちゃん!?」

ほむら「…」ギュウウウ

ほむら(私の腕の中に二人のまどかが…)ニヘッ

まぎか「あ、あのー」

まどか「ほむらちゃん…?」

ほむら(ハッ…、二人のぬくもりを堪能することに夢中になりすぎてしまった…)

ほむら(…ずっとこうしていたいけど)パッ

ほむら「大丈夫、貴方達は本当の貴方達のままよ」シュル

まどか「えっ?」

ほむら「少し動かないでね」マキマキ

まぎか「それは…」

ほむら「まぎか、貴方も」マキマキ

ほむら「…やっぱり、貴方達のほうが似合っているわ」

まどか「サイドポニー…」

まぎか「わたしとまどか、左右対称だね」

ほむら「ええ。貴方達本当にそっくりだからせめて髪型くらいは、って思って」

まどか「でもこのリボン…」

ほむら「そのまま着けておいていいわ。プレゼントよ」

ほむら(元々貴方に貰ったものだけど)

まぎか「貰っちゃっていいの?」

ほむら「そのリボンも貴方達に着けて貰った方が喜んでくれるわ、きっとね」ニコッ

まどか「あ、ありがとうほむらちゃん!大事にするから!」

まぎか「わたしも!」

ほむら「そう言ってくれると私も嬉しいわ。…そろそろ教室に戻りましょう。授業が始まってしまうわ」

まどか(…)

まぎか(…)

まどかまぎか(ほむらちゃん…)

休み時間


まぎか「まどか、ちょっと付いてきて欲しいんだけど」

まどか「どうしたのお姉ちゃん?」

まぎか「いいから…ちょっと来てっ」グイッ

まどか「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!」

ほむら「…どうしたのかしら」

さやか「いやぁ、モテモテですなぁ」

ほむら「何の事かしら?」

さやか「まぎかが授業中チラチラ二人の事見てたよ」

ほむら(まぁ気が付いていたけど)

ほむら「あら、そうだったの? 随分と妹思いな子なのねまぎかって」

さやか「まぎかが見てたのは本当にまどかだったのかなぁ?」ニヤニヤ

ほむら(あっ、面倒くさいわこの子)

まどか「ど、どうしたのお姉ちゃんトイレなんかに連れてきて」

まぎか「お願い!一時間だけでいいから席を替わって欲しいの!」

まどか「えっ!? せ、先生にばれたら怒られちゃうよ?」

まぎか「見た目じゃ絶対ばれないから大丈夫だよ。…だからお願いっ!」

まどか(こんな必死なお姉ちゃん初めて見た…)

まどか「…本当に一時間だけだからね」

まぎか「! ありがとうまどか!」ギュッ

まどか「うわわっ!お姉ちゃん!?」

まぎか「ちょっと動かないでね…」シュル

まどか「…リボン外しちゃうの?」

まぎか「こうして…っと」マキマキ

まどか「あっ、もしかして」

まぎか「うん。まどか、髪結んでくれる?さっきと逆に」

まどか「ティヒヒ、分かったよお姉ちゃん」シュル

さやか「二人とも遅いね。もう授業始まっちゃうよ」

ほむら「そうね。一体何をしているのかしら」

まどか「ただいまっ」

さやか「あっ、おかえり二人とも」

まぎか「ただいまー」

ほむら「…」

まどか「どうしたのほむらちゃん?」

ほむら「いいえ、なんでもないわ」クスッ

キーンコーン

さやか「あっ、チャイムだ」

まぎか「じゃあまた後でね」

ほむら「ええ」

まどか「ほむらちゃん、次なんの授業だっけ」

ほむら「いけない子ね」

まどか「えっ?」

ほむら「貴方、まぎかでしょう?」


さやか「ここを乗り越えたらお昼、っと」

まぎか「そうだね」

まぎか(まどか)(さやかちゃんは気付いてないっぽい、かな?)

まどか(まぎか)「…どうして気が付いたの?」

ほむら「どうして、って…一目見たら分かるじゃない」

まぎか「今まで見た目だけで見分けられた事無かったのになぁ」

ほむら「あら、そうだったの? ごめんなさい、連勝記録を止めてしまって」

まぎか「ううん。…逆に嬉しかった、かな」

ほむら「どうしてこんなことをしたの?」

まぎか「ほむらちゃんとお喋りしたくって」ティヒヒ

ほむら「もう、授業中ってこと忘れてない?」

まぎか「お喋りできなくても隣にちょっと座ってみたかった、って思ってしまったのでした」

ほむら「転入初日からこんないたずらして…。ばれないようにね」

まぎか「はーい」

ほむら(まぎか…、初めて会ったまどかに似ている…?)

まどか「…」チラチラ

さやか「まぎか、まーた二人の事見てるね」

まどか(また…?)

まどか「う、うん、仲良さそうにしてるなーって」

さやか「それさっきも聞いたよ」アハハ

まどか「そ、そうだったね」

まどか(お姉ちゃんもこんな感じでわたし達のこと見てたのかな…)


まぎか「ほむらちゃん…ここなんだけど」

ほむら「ああ、この問題はね…」


まどか「…」ジー


まぎか「あっ、こう?」

ほむら「よくできました」

まぎか「ティヒヒ」


まどか(楽しそう…)

さやか(この時間はガン見してるねまぎか)

昼休み


杏子「で…右がまどかで左がまぎかだっけ?」

まぎか「もー、逆だよ杏子ちゃん」

杏子「わっかんねーこれ無理だろ見分けるの」

ほむら「私は普通に見分けることができるわよ?」

杏子「お前の目はおかしい」

さやか「いや、頭かもしんない」

ほむら「失礼ね。むしろ見分けられない貴方達のほうが心配だわ」ファサ

杏子「だめだこいつ」

まどか「…」

まぎか「どうしたのまどか? 手が止まってるよ?」

まどか「ち、ちょっと食欲無くて…」

さやか「そういや今日二人ともお弁当じゃないんだね」

まぎか「あ、話して無かったっけ」

さやか「ん? 何が?」

まぎか「パパとママとタツヤはまだ向こうにいるんだ」

さやか「えっ、マジで?」

まぎか「うん。ママの仕事が予定よりも長引いちゃって」

ほむら「じゃあ今は二人で生活しているの?」

まぎか「そうだよっ。まだ荷物もちゃんと整理できてないんだけど」ティヒヒ

ほむら(二人でちゃんと生活できているのか気になるけど…)チラッ

まどか「…」

ほむら(急に元気が無くなったまどかも心配ね。どうしたのかしら)

授業中


ほむら「…」カリカリ

まどか「…」

ほむら「…」チラッ

まどか「…」ハァ…

ほむら(やっぱり元気が無いわね)

ほむら「…」ビリッ

ほむら「…」カリカリ

ほむら「まどか」ボソッ

まどか「! な、何? ほむらちゃん」ボソッ

ほむら「これを…」スッ

まどか(手紙?)ペラッ


[どうしたの?元気が無いみたいだけど]

まどか(…)

まどか「…」ビリッ

まどか「…」カリカリ

まどか「ほむらちゃん」スッ

ほむら「どうも」ペラッ

[大丈夫だよ!気にしないで!]

ほむら(…気にしない訳無いじゃない)カリカリ


[まだ一日も経ってないけどある程度まどかの性格は理解したつもりよ?何かあったのなら教えて欲しいわ]

まどか(…優しいんだね、ほむらちゃん)カリカリ


[ほむらちゃんとお姉ちゃんが楽しそうに喋ってるのが少し、うらやましくて]

ほむら(そういう事ね…)カリカリ


[まどかと喋るのもとても楽しいわ。嘘でも気を使ってる訳でもないからね]

まどか(わたしと喋るのが…楽しい…?)カリカリ

[でもわたしってお姉ちゃんみたいに会話を長続きさせたりできないし上手く伝えられないから]

ほむら(まぎかと自分を比較してしまっているのね…)カリカリ


[大丈夫。伝えようっていう気持ちがあれば必ず伝わるわ。]

まどか(気持ち、かぁ)カリカリ


[ありがとうほむらちゃん。勉強の邪魔しちゃってごめんね]

ほむら(私から始めたのに…)カリカリ


[邪魔なんかじゃない。楽しませてもらっているわよ]

まどか(ほむらちゃん…)カリカリ

[ほむらちゃんが隣で本当によかった♪]

ほむら(まどか…)カリッ

ほむら(…)ケシケシ

ほむら(…)カリカリ


[杏子とさやかの隣じゃなくてよかったわね。毎日宿題見せろって言われていたところよ]

まどか(ティヒヒ。…さっき…何を書いたんだろ)カリカリ


[お姉ちゃんが少し心配になってきちゃった。…最初なんて書いたの?]

ほむら(…ごめんね)カリカリ


[秘密]

まどか(…)ブー

ほむら(睨んでる…つもりなのかしら)

ほむら(可愛い)


まぎか(何か二人で楽しそうなことしてる!)ジロジロ

さやか(三人が気になって授業に集中できない)

さやか(元々真面目に聞く気は無いけどね!)


杏子「zzz」

放課後


まぎか「ねぇほむらちゃん」

ほむら「どうしたの?」

まぎか「授業中まどかと何してたの?」

ほむら「特に変わったことはしていないわよ? 少しお喋りしていただけ」

まぎか「…まどか、本当なの?」

まどか「う、うん。本当だよお姉ちゃん」

まぎか「…」ブー

ほむら(その表情は可愛いだけよ)

さやか「なんだろうこの空気は」

杏子「ってかあの三人の会話に入り込めねぇ」

まぎか「それじゃあわたし達こっちだから」

ほむら「本当に二人で大丈夫なの?」

まぎか「うん!それにまだ家の中片付いてないから…」

まどか「片付いたらちゃんと招待するねっ」

ほむら「…わかったわ」

まどか「じゃあね、みんな」

まぎか「また明日」

ほむら「ええ。気を付けてね」

さやか「ばいばいまどか、まぎか」

杏子「じゃあなー」

まぎか「初日から色んな事があったね」

まどか「そうだねお姉ちゃん」

まぎか「疲れちゃったけど…楽しかったなぁ」

まどか「早く明日にならないかな」

まぎか「まどか、気が早過ぎるよ」ティヒヒ

まどか「ティヒヒ、そうだね」

まぎか「…まどか」

まどか「? どうしたの?」

まぎか「本当にほむらちゃんとはお喋りしてただけだったの?」

まどか「ほ、本当だって!」

まぎか「…怪しい」ジー

まどか「は、早く帰ってお片付けしよう!」ダッ

まぎか「逃げるなんて余計怪しいよまどか!」ダッ

さやか「じゃあなーほむら」

杏子「また明日な」

ほむら「ええ。じゃあね二人とも」

ほむら(まどかが二人。想定外の事態だけれど…)

ほむら(…)

ほむら「…ふふっ」ニンマリ

ほむら「だめだわ…。明日からが楽しみ過ぎて思考がまとまらない」

ほむら「まぁ、今日みたいな事があってもその都度対応していけばいいわね」

ほむら「…」

ほむら「まどか達の家、行きたかったなぁ…」

まどかの部屋


まどか「ふぅ、…大分片付いたなぁ」

まどか「ちょっと休憩」ポフッ

まどか「んー、疲れちゃった」ゴロゴロ

まどか「…ほむらちゃん、何してるかなぁ」

まどか(初めて会ったはずなのに…どうしてだろう、初めて会った気がしなかったんだよね)

まどか(それに…)


ほむら『ダメッ!』ギュッ


まどか(…)シュルッ

まどか(ほむらちゃんにもらったリボン…)

まどか「…ティヒヒ」ニヤニヤ

まぎかの部屋


まぎか「部屋はこんな感じでいいかなぁ」

まぎか「…ちょっと休憩しちゃお」ポフッ

まぎか「うー…んっ」ゴロゴロ

まぎか「学校もいい人ばっかりでよかったなぁ」

まぎか「まどかが馴染めるかちょっとだけ心配だったけど…さやかちゃんも一緒だし大丈夫そう」

まぎか(それに…)

まぎか(ほむらちゃん、かぁ)


ほむら『ダメッ!』ギュッ


まぎか(ちょっと…ドキドキしちゃったな)

まぎか(…)シュルッ

まぎか(ほむらちゃんにもらったリボン…)ジー

まぎか「…ティヒヒ」ニヤニヤ

一週間後


まどか「どうぞ」

まぎか「いらっしゃいほむらちゃん」

ほむら「わざわざ二人で出迎えてくれるなんて大仰ね。お邪魔します」

まどか「だってこっちに帰ってきて初めてのお客さんだもん」

まぎか「それに、ほむらちゃんだしね」

ほむら「なんだか恐縮だわ」

まぎか「そんなこと言わないでよー」

ほむら「ふふっ、冗談よ」

まどか「ゆっくりしていってね」

まどかの部屋


まどか「お、お部屋を見られるのちょっと恥ずかしいね」

まぎか「そんな事言ってるけど昨日気合入れて掃除してたよね」

ほむら(以前も見たことがある部屋ね。あの時と変わっていない…)キョロキョロ

まどか「…」ソワソワ

ほむら「可愛らしくていいお部屋ね」

まどか「…ティヒヒ///」

まぎか「わたしのお部屋はどんな感じだと思う?」

ほむら「そうね…」

ほむら「この部屋と全く同じ、ってところかしら?」

まぎか「…もぅ、なんでわかっちゃうの?」

ほむら「勘よ。まさか当たるとは思っていなかったわ」

ほむら(…いくら双子といっても共通している部分が多すぎるわね)

まぎか「じゃーん」ドサッ

ほむら「これは…アルバムね」

まどか「見、見せちゃうの?」

まぎか「ほむらちゃんにならいいかな、って思って」

ほむら「まどか、まぎか、見せてもらってもいいかしら?」

まぎか「うん、いいよっ」

まどか「う、うん」

ほむら「…」ペラッ

ほむら(一枚の写真に必ず二人写り込んでいるわね)

ほむら(…可愛い)

まどか「…そんなにジロジロ見られると恥ずかしいかも」

ほむら「ふふっ、ごめんなさい。二人とも可愛くてね」

まどか「かっ…///」

まぎか「可愛いだなんて…///」

ほむら「本当のことよ」

ほむら(何も手掛かりは無さそうね)スッ

まぎか「流石に写真を持って帰るのは止めなきゃいけないかな、って思ってしまうのでした」ガシッ

ほむら「ご、ごめんなさい。無意識の内につい…」

まどか「…」

まぎか「…」ジー

まどか「…」チラッ

まぎか「こっちだね」スッ

まどか「あっ…」

まぎか「やっぱりね。まどかはわかりやすいから」

ほむら「そういうまぎかも分かりやすいわよ」

まぎか「ほむらちゃんが鋭すぎるんだよぉ」

まどか「ババ抜きで10連勝もするなんてこんなの絶対おかしいよ…」

ほむら「運も実力の内ってやつね。…はい、上がりよ」パサッ

まぎか「11連勝…」

まどか「うー…勝てないよぉ」

ほむら「二人とも分かりやすいから勝負事には向いていないかもしれないわね」

まぎか「降参です…」

まどか「わたしも…」

ほむら「まどか、ちょっとこれ見ててくれる?」ジュー

まどか「はーい」

ほむら「まぎかはこれを切って頂戴」

まぎか「はーい」トントン

ほむら「次は、っと」テキパキ

まどか(かっこいいなぁ…)

まぎか(かっこいいなぁ…)

ほむら(二人とも道具の扱いも手つきも大丈夫そうね)

まぎか「ほむらちゃん、切り終わったよ」

まどか「ほむらちゃん、もうそろそろいいかな?」

ほむら「ちょっと待ってね」

ほむら(私は今とても幸せです)

まどか まぎか「いただきまーす」

ほむら「いただきます」

まどか「あーん」パクッ

まぎか「あーん」パクッ

まどか まぎか「んー! 美味しー!」

ほむら「じゃあ私も…」パクッ

ほむら「美味しいわね」モグモグ

まぎか「三人で作ったから余計美味しく感じるかも」モグモグ

ほむら「上手にできてよかったわ」

まぎか「ほむらちゃんすごい手慣れてたよね」

まどか「羨ましいなぁ」

ほむら「数をこなせば身につくわ」

まぎか「ほむらちゃん、よかったら今度お料理を教えて欲しいんだけど」

まどか「わ、私も教えて欲しい!」

ほむら「お安い御用よ。この家のキッチンなら三人並んでも窮屈じゃないし教える分には好都合ね」

まぎか「ありがとうほむらちゃん!」

まどか「楽しみだなぁ」

ほむら(三人で一つ屋根の下で並んでお料理…)

ほむら(これはまるで…)

ほむら(ふふっ…)ニコッ

まどか「ほむらちゃん何か楽しそう」

まぎか「本当だ」

ほむら「そう見えるかしら?」

まどか「何か考えてたの?」

まぎか「教えてほむらちゃん」

ほむら「内緒」

まどか「…」ブー

まぎか「…」ブー

ほむら(抱きしめたい! 今すぐ抱きしめたい!)ウズウズ

ほむら「長居してしまったわね」

まどか「と、泊まっていってくれてもいいんだよ」

まぎか「まどかの言う通りだよっ」

ほむら「そうしてもいいのだけど明日も学校があるからね。また週末にゆっくりとお邪魔させてもらうわ」

まどか「…そうだね」

まぎか「…うん!次のお楽しみってことにしてるよ」

ほむら「じゃあまた明日ね。おやすみまどか、まぎか」

まどか「気を付けてねー」

まぎか「また明日ー」

まどか「帰っちゃったね…」

まぎか「うん。楽しかったね」

まどか「そうだね。それにカレーも美味しかったし」

まぎか「明日食べる時にはもっと美味しくなってるかもね」

まどか「ティヒヒ、そうかもねっ」

まどか(でも…)

まぎか(ほむらちゃんと一緒に食べたからあれだけ美味しかったのかも…)


ほむら(…)テクテク

ほむら(こっそり写真を持って帰ろうと思っていたのを忘れていたわ…)

学校屋上


ほむら(まどかとまぎかが転校してきて2週間が経った)

マミ「えーっと…右がまどかさんで左がまぎかさん?」

ほむら「残念、逆よ」

ほむら(あの時以来、覚醒する素振りも見られない)

さやか「だから何でほむらはわかるのよ…」

杏子「毎日見ててもまーったくわかんねぇ」

まぎか「でもこれだけ完璧に見分けてくれるのほむらちゃんだけだよ」

まどか「パパとママも時々間違えちゃうのにね」ティヒヒ

ほむら(変化があったとすれば…)

さやか「でも、この光景も見慣れたもんになっちゃったね」

まぎか「ティヒヒ♪」

ほむら「…」ニンマリ

まどか「ティヒヒ♪」

ほむら(私の両隣にまどかとまぎか。この並びが日常的なものになったことかしら)

マミ「本当に仲がいいわねあなた達」

杏子「ずーっと三人一緒にいるもんなぁ」

さやか「授業中まぎかは寂しそうにしてるもんね」

まぎか「ち、ちょっとさやかちゃん!内緒にしてって言ったのにひどいよ!」

ほむら(まぁ…二人はしょっちゅう席を入れ替わっているんだけど)

まどか「あ、あははは…」

ほむら(…まどか達の方から近寄ってきてくれるのは嬉しいわね)

まどか「ほむらちゃん、どうかした?」

ほむら「いえ、何でもないわ」ナデナデ

まどか「ふぇっ…///」

まぎか「あっ!まどかだけずるい!」

ほむら「ふふっ、ごめんね」ナデナデ

まぎか「ティヒヒ…///」

杏子「まーた始まったよ」

さやか「これを毎日見せられてたんですよ、マミさん」

マミ「…大変だったのね二人とも」

まぎか「今日はね!二人でほむらちゃんにお弁当作ってきたんだ」

ほむら「えっ、私に?」

まどか「うんっ。よかったら食べて欲しいな、って…」

ほむら「あ、ありがとう。喜んで頂くわ」

さやか「これ以上ここに居たらダメな気がする」

杏子「奇遇だな、あたしもそう思ったわ。行くよマミ」

マミ「えっ、えっ?」

さやか「ほら早く早く」ガシッ

杏子「行くぞー」ガシッ

マミ「ちょ、ちょっと二人とも!?」ズルズル

まぎか「じゃあほむらちゃん…あーん」

まどか「お、お姉ちゃんこそずるい!」

ほむら(もう何も怖くないわ…)アーン

放課後


まぎか「さやかちゃん、ちょっと付き合って欲しいんだけどいいかな?」

さやか「んー、別にいいよ。ほむらとまどかは?」

まぎか「…今日はちょっと、二人きりで」

さやか「ふーん。分かった、行こっか」

まぎか「ありがとうさやかちゃん」

まぎか「まどかー」

まどか「どうしたのお姉ちゃん?」

まぎか「今日ちょっと先に帰って欲しいの」

まどか「どこか行くの?」

まぎか「…ちょっと用事があってね」

まどか「分かった。実はわたしも今日用事があって先に帰っててって言おうと思ってたんだ」

まぎか「奇遇だねっ。あんまり遅くなったらダメだよまどか」

まどか「お姉ちゃんもねっ」

通学路


ほむら(一人で帰るのも久しぶりな気がするわ)

ほむら(それにしても…四人とも用事があるなんて珍しいわね)

ほむら(どこかに寄ってみようかな)

マミ「暁美さん?」

ほむら「あら、マミじゃない」

マミ「一人でお帰りなのかしら?」

ほむら「ええ。みんなどうも用事があるらしくて」

マミ「そう。…暁美さん、少し時間もらってもいい?」

ほむら「? 別に構わないわよ?」

マミ「じゃあ決まりね。ちょっと付いてきてちょうだい」

ハンバーガーショップ


杏子「…で、話って何だよ?」モグモグ

まどか「じ、実はね…、ほむらちゃんのことなんだけど…」

杏子「…」ズズッ

まどか「わ、わたしね…ほむらちゃんのことが…好き、になっちゃったの」

杏子「知ってる」

まどか「ふぇっ!?」

杏子「ってか今更かよ」ズズッ

まどか「な、なんでわかったの!?」

杏子「何でって…、説明するのもめんどくせぇんだけど」

まどか「えー…」

裂かれたから二人なったのか、プラナリアみたいな

喫茶店


まぎか「で、さやかちゃんを誘った理由なんだけど…」

さやか「ほむらのことだろ?」

まぎか「…なんでわかっちゃうのかな?」

さやか「なんでわからないと思っていたのかな」

まぎか「…コ、コホン で、でね。わたし…ほむらちゃんがす、好きになっちゃったんだけど…」

さやか「知ってる」ズズー

まぎか「な、なんで!?」

さやか「説明するのが面倒くさいほどわかりやすいって言葉をまぎかに贈りまーす」

まぎか「えー…」

マミの家


マミ「どうぞ」カチャ

ほむら「いただきます」コクッ

ほむら(マミの淹れた紅茶はいつでも美味しいわね)

マミ「お口に合うかしら?」

ほむら「ええ。文句の付けどころが無いくらいにね」

マミ「それはよかったわ」

ほむら「それで? 何か聞きたいことでもあるのかしら?」

マミ「ええと…、あの二人と暁美さんはどういう関係なのかしら?」

ほむら「…はい?」

マミ「その…えっと…、お付き合い…しているのかなって…」

ほむら(マミがこういう話題に踏み込んでくるなんて意外ね…)

ほむら「…いえ、まだそんな関係では無いわ」

マミ「そう…まだ、ね」ニッコリ

ほむら(あっ、面倒くさい事になりそうな笑顔)

ハンバーガーショップ


杏子「で?」

まどか「…どうすればいいのかなぁ、って」

杏子「どうするも何もほむらに告っちまえばいいじゃねーか」

まどか「で、でも女の子同士だし」

杏子「好きになっちまったもんは仕方ねーだろ」

まどか「そう、なのかな…」

杏子「それに…、どうせまぎかに気を遣ってんだろ?」

まどか「…お姉ちゃんがほむらちゃんのことどう思っているかわからないんだけど」

杏子「いや絶対にほむらの事好きだから。まぎかも」

まどか「そ、そうとは限らない…よね?」

杏子(鈍いとかそういうレベルじゃねぇなこれ)ズズッ

杏子「はぁ…、仮にだ、まぎかもほむらの事が好きだ、って言ったらどうするのさ」

まどか「…わかんない」

杏子「へぇ」ニヤッ

まどか「ど、どうしたの?」

杏子「いや、まどかの性格なら『お姉ちゃんの為に引く』とか言うんじゃないか、って思ってたからさ」

まどか「…今回だけはお姉ちゃんにも譲りたくないって思ってるわたしがいて」

まどか「でも、もしお姉ちゃんもほむらちゃんのことが好きなんだったら…お姉ちゃんを悲しませることになっちゃう」

まどか「だから…どうすればいいかわかんなくて…」ジワッ

杏子「おいおい泣くんじゃねーよ。ったく…そんなのまぎかと話し合えばいいじゃねーか」

まどか「お姉ちゃんと…?」

杏子「どうせあいつもまどかの事悲しませたくないって思ってるに違いねーかんな」

まどか「…なんでそう思うの?」

杏子「お前らは根本的な所がそっくり過ぎなんだよ。双子だから、ってのを考慮してもな」

杏子「一人の人間を二人に分けたんじゃねーか、って思うくらいにな」

まどか「で、でもお姉ちゃんはわたしみたいにビクビクしないし…」

杏子「まどかの前だから、ってのもあるんじゃねーのか。一応あっちが姉なんだろ?」

まどか「う、うん」

杏子「姉は妹の前じゃ恰好つけたいもんなんじゃねーの? 知らねーけどよ」

まどか「わたしの前だから…、かぁ」

杏子「とりあえず二人でまず話し合え。それでも悩むんだったらもう一度相談しに来い」

まどか「…ありがとう杏子ちゃん」

杏子「貰うもんもらってるからな。それ相応の働きはしねぇと」モグモグ

まどか「ティヒヒ、まだ足りないのなら遠慮しないで言ってね」

杏子「ほー」ニヤッ

まどか(あっ…やっちゃったかも…)

喫茶店


さやか「で、悩んでるのはほむらの事だけじゃないんでしょ?」

まぎか「…うん」

さやか「大変だね。姉妹で同じ子を好きになっちゃうだなんて」

まぎか「…///」

さやか「どうすんの? まどかがまぎかに相談してきたら」

まぎか「…わかんない。でも…」

まぎか「まどかは…譲る、って言うような気がするの…」

さやか「つまりまぎかもそう考えてるって事なんだね?」

まぎか「ティヒヒ、鋭いときのさやかちゃんには敵わないね…」

さやか「まどかとまぎかはそっくりだからね」

まぎか「やっぱりまどかと話し合った方がいいかな」

さやか「そうだね。まずはそうしたほうがいいと思うよ」ズー

さやか「話し合っても悩むようだったらいつでも相談に乗るからさ」

まぎか「…ありがとう、さやかちゃん」

さやか「ところで…」

まぎか「えっ?」

さやか「ほむらのどこが気に入ったのかなぁ?」ニヤニヤ

まぎか「ふぇっ!?///」

さやか「ほらほらー白状しちゃいなってー」

まぎか(うう…逃げられそうにない…)

マミの家


マミ「それで…これからどうするの?」

ほむら「これから?何のことかしら?」

マミ「あの姉妹とどう付き合っていくのか、ってことよ」

ほむら「…それは」

マミ「私はまだあの二人と顔を合わせて間もないけど…暁美さんに対して好意を抱いているのは分かったわ」

マミ「もし…二人を選べと言われたら暁美さんは選ぶことが出来るの?」

マミ「暁美さんにその気があれば、の話だけどね」

ほむら「…大丈夫よ。私の考えはもう固まっているわ」

マミ「あらそうなの? そんな簡単に答えが出せる問題じゃないと思っていたのだけど」

ほむら「気を遣ってくれてありがとう。でも、もう決めたわ。後悔はしないって」

マミ「その様子だとどうやら余計なお世話だったみたいね」

ほむら「そんな事無いわ。こうして美味しい紅茶も飲めたし」コクッ

マミ「ふふっ、嬉しいこと言ってくれるわね。お代わり、どうかしら?」

ほむら「お言葉に甘えることにするわ」カチャ

まぎかの部屋


まどか「話って何なの?」

まぎか「…わたしね。ほむらちゃんのことが好きになっちゃったの」

まどか「…やっぱりそうなんだね」

まぎか「まどかも…なんだよね?」

まどか「…」コクン

まぎか「まどかはこれからどうしたいの?」

まどか「わたしは…」

まぎか「先に言っておくけど別にあたしに気を遣わないでも…」

まどか「お姉ちゃん」

まぎか「まどか…?」

まどか「今回だけは…お、お姉ちゃんにも譲りたくない」

まぎか「…」

まどか「今日ね、杏子ちゃんに話を聞いてもらったの」

まどか「話を聞いてもらう前まではお姉ちゃんの悲しんでるところを見たくないって思ってて…」

まどか「でもね、杏子ちゃんが『二人は本当にそっくりだ』って言っていたの」

まどか「そう言われて思ったの。…わたしがこう考えてるんだったらお姉ちゃんも同じ風に考えてるかもしれないって」

まどか「わたしがお姉ちゃんの立場だったら…引いて欲しくないな、って言うと思ったから」

まどか「気持ちを伝えないまま終わっちゃったら絶対に後悔しか残らないんじゃないかなって…だから…」

まぎか「…ティヒヒ」

まどか「お姉ちゃん?」

まぎか「ごめんねっ。わたしの考えてる事がバレてて少し恥ずかしくて」

まぎか「あとね…嬉しかったの」

まぎか「真剣にあたしの事を考えてくれて、引っ込み思案だったまどかがこんなにも自分の意志を伝えようとしてくれて」

まぎか「変わってないって思ったけど…随分とまどかも成長してたんだなぁ、って分かって嬉しかった」

まどか「お姉ちゃんもわたしの事を考えてくれてずっと今まで頑張ってくれていたんだよね?」

まぎか「そう言われると恥ずかしいよ…」

まどか「ティヒヒ、ごめんねっ」

まぎか「…明日、ほむらちゃんに伝えようと思うの」

まどか「うん…」

まぎか「勿論まどかも一緒にね」

まどか「分かった。お姉ちゃん…勝負だね」

まぎか「わたしは譲る気は無いよ!ほむらちゃんの事大好きだもん」

まどか「わ、わたしもだよっ!ほむらちゃんが好きっていうのは負けない!」

まぎか「…」ジロッ

まどか「…」ジロッ

まぎか「ティヒヒ♪」

まどか「ティヒヒ♪」

翌日、鹿目家


ほむら(放課後、まどかとまぎかに家に連れてこられたと思ったら…)

まどか「…」

まぎか「…」

ほむら(空気が重いわ)

まぎか「ほ、ほむらちゃん!」

ほむら「な、何かしら?」

まぎか「今日家に来てもらったのはね…、わたし達からほむらちゃんに話があるの」

ほむら「二人から、ね」

まどか「うん。聞いてくれる?」

ほむら「ええいいわよ。どちらが先なのかしら?」

まぎか「まどか…」

まどか「お姉ちゃん…」

「「せーのっ」」

「「わたし、ほむらちゃんの事が好きになっちゃった」」

ほむら(…嬉しすぎて死んでしまいそう)

まぎか「それでね」

まどか「ほむらちゃんは…どう想ってくれてるのかな、って」

ほむら(…私の気持ちはもう固まっているわ)

ほむら「私も二人の事が好きよ。…友達以上にね」

まどか「…」ニヤッ

まぎか「…」ニヤッ

まどか「だ、だからねっ!そ、その…」

まぎか「ほむらちゃんに選んで欲しいの」

まどか「わ、わたしをほむらちゃんの恋人にしてください!」バッ

まぎか「宜しくお願いします!」バッ

ほむら(二人が手を伸ばしてきた…。手を握ったほうが、ってことね)

まどか「…」ドキドキ

まぎか「…」ドキドキ

ほむら(…私の答えはこうよ)ギュッ

まどか「!?」ビクッ

まぎか「!?」ビクッ

まどか まぎか「ほ、ほむらちゃん!ありがと…」

まどか まぎか「…って、えっ?」

まどか(わたしの手と…お姉ちゃんの手も握ってる…)

まぎか(わたしの手と、まどかの手も…)

ほむら「ごめんなさい。私には二人に優劣をつけることなんてできないわ」

ほむら「まどかもまぎかも…私にとっては大切で…愛しい人なの」

まどか「で、でも!」

ほむら「それに…二人は納得できるの?」

まぎか「どういうこと…?」

ほむら「見た目もそっくりで、一見性格が違うように見えるけど実は根っこの部分は同じ」

ほむら「優しく、とても強い心をもっている。そんな二人を比べるなんて私は出来ないの」

ほむら「だから私は二人を選ぶ。絶対に偏らず同じだけの愛情を注ぐ事を約束するわ」

ほむら「まどか…まぎか。二人の事を愛しているわ」

ほむら「これが私の答えよ。納得してもらえないかしら」

まどか(ほむらちゃんが…あ、愛してるって言ってくれた!)

まどか(嬉しい…何かが込み上げてくるような…)

まどか(…違う、気のせいじゃない。こ、これは…)

まぎか「ありがとうほむらちゃん…わたし、とっても嬉しい…」

まどか「…」バンッ!

まぎか「…まどか? どうしたのテーブル叩いたりして…」

まどか「…どいよ」

ほむら「えっ?」

まどか「ひどいよほむらちゃん…」

まぎか「ま、まどか?」

まどか「折角勇気を出して告白したのに!やっと伝えられたと思ったのに!」

ほむら「ちょ、ちょっと待ってまどか私は」

まどか「わたしの為にずっと頑張ってくれたほむらちゃんの事を好きになって…それなのに…」

ほむら(よ、様子がおかしいわ…一体どうして…)

ほむら(…ずっと頑張って?)

ほむら(なぜその事を知っているの?)

まどか「ほむらちゃん…今回だけは本当に怒っちゃったから」ゴゴゴ

ほむら「これはっ!? …ダメッ!」バッ

まどか「ごめんね、もう完全に目覚めちゃったから。もうほむらちゃんの力には負けないよ」

ほむら「そんなっ…!」

まぎか「な、なにが起きてるの…?」

まどか「…一緒に起きよう? お姉ちゃん」カッ

まぎか「これって…」カッ

ほむら「…っ!」

「…ふぅ」

「この姿で会うのも三度目だね」

アルまど「ほむらちゃん」

ほむら「まさか…まどか、貴方は…」

アルまど「ほむらちゃんが思っている通りだよ」

アルまど「わたしが人だったときの記憶をほむらちゃんはもぎ取っていったけど」

アルまど「円環の理でもなく人でもない、魔法少女だったときの記憶だけは残っていたんだ」

アルまど「そして…ほむらちゃんが世界を改変させるときに、魔法少女のわたしに全てを託してこの世界に紛れ込ませたの」

アルまど「ほむらちゃんの記憶の改竄を跳ね返す力が無くてさっきまで記憶を失ってたんだけどね」

アルまど「この世界の鹿目まどかは魔法少女だった頃のわたし。そして…」

アルまぎ「鹿目まぎかはほむらちゃんがわたしの記憶を元に生み出したわたし、ってことになるね」

アルまど「何か変な感じだね。わたしが二人いるって」

アルまぎ「ティヒヒ、そうだね」

ほむら「…」

アルまど「ほむらちゃん、何か言いたいことあるかな?」

ほむら「…私の事が憎いのでしょう? さっさと煮るなり焼くなりすればいいわ」

アルまど「ほむらちゃん、わたしね…実は嬉しかったんだよ」

ほむら「えっ?」

アルまど「二人ともだったけど…選んでくれて嬉しかったの」

アルまど「おかげで気持ちが高鳴っちゃって、ほむらちゃんの力を跳ね返すきっかけになったんだけどね」

ほむら「嬉しかったって…貴方さっき怒っているって…」

アルまど「うん。今は怒ってるよ」

ほむら「…迎えに来てくれた貴方にあんな仕打ちをしたから?」

アルまど「それは…裏切られたような気がして悲しかったけど、そうじゃないんだ」

ほむら「じゃあなぜ…」

アルまど「わたしはこの世界に紛れて、双子の妹ってことにするだけで精一杯だったんだ」

アルまど「つまりね…今わたしの隣にいるお姉ちゃんはほむらちゃんが望んで作り出した鹿目まどかなの」

ほむら「な、何が言いたいの?」

アルまど「簡単にいうと『ほむらちゃんが望んだ鹿目まどかは一周目に出会った鹿目まどかだった』ってことなんだ」

アルまぎ「心当たり、あるよねほむらちゃん」

ほむら(心当たり…)

ほむら(そういえば…世界を改変している最中に初めて会ったまどかの事を考えていたような…)

ほむら「ち、違うの、聞いてまどか。初めて会ったまどかがいたからこそ今の私がいるわけで…」

アルまど「じゃあ何でさっきは二人を選んだのかな?」

ほむら「それは…」

アルまぎ「同じだけ愛してくれているのなら…なんで一周目の鹿目まどかにそっくりな性格にしていたのかな?」

ほむら「…ですから……えっと……」

アルまぎ「それだけ初めて会ったわたしに思い入れがあったんだねー」

アルまど「優劣をつけることなんてできないって言ってたのにね…」

アルまぎ「そうだね…」

ほむら「そんなつもりは無かったわ! それにまどかの事を愛している気持ちに偽りは無いの! 信じて!」

アルまど「それは一周目のわたしに対してなの?それとも今、目の前にいるわたしに対して?」

ほむら「私は……全てのまどかの事が同じ位に…」

アルまど「じゃあなんでこの世界のわたしは一周目のわたしなの?」

ほむら「…うっ……」

ほむら「…」ジワッ

ほむら「…ご、ごめんなさい」グスッ

ほむら「初めて仲良くしてくれた鹿目さんが…どうしても忘れられなくて…」

アルまど(泣いちゃった…)

アルまぎ(しかも性格まで戻っちゃった…)

ほむら「でも…鹿目さんの事が大好きなのは本当で……だけど…少し魔が差してしまって…」グスグス

ほむら「本当に…ごめんなさい…き、嫌いにならないで…くださいぃぃ」ウェェン

アルまど「…もう、ほむらちゃんってば」

アルまぎ「嫌いになんてならないよ」

ほむら「本当…ですか?」

アルまど「だってわたしもほむらちゃんのことが大好きなのは嘘じゃないから」ニコッ

アルまぎ「わたしもだよほむらちゃん」ニコッ

ほむら「ありがとう…まどか…私…私…」

アルまど「でもね、ほむらちゃん」

ほむら「…はい?」

アルまぎ「やっぱり、ルールを自分勝手に捻じ曲げるのはいけないことだと思うんだ」

アルまど「だからね」

アルまぎ「少しだけ」

アルまど アルまぎ「お仕置きさせてもらうねっ」ティヒヒ

ほむら「ま、待ってまどか…一体何をするつもりなの…?」

アルまど アルまぎ「ティヒヒ…秘密っ♪」フワッ

ほむら「ま、待って…笑顔が怖いのだけど…、それに体も動かないし…」

アルまど「怖がらなくてもいいよほむらちゃん。痛いのは最初だけだから」

アルまぎ「いーっぱい愛してあげるからねっ♪」


このあと滅茶苦茶お仕置きした

通学路


さやか「成程ね。急にわたし達の記憶が戻ってきたのも…」

まどか「うん。もう一度わたしが書き換えたの」

さやか「やれやれって感じだねぇ」

杏子「でも双子だったって記憶をみんなから消さなくてもよかったんじゃねぇのか?」

まどか「それなんだけど、円環の理の役目も果たさないといけないから…」

まどか「二人でずっとこの世界に留まり続ける訳にもいかないからね」

まどか「ほむらちゃんがこの世界で作り出したわたしの体を憑代にして魂だけ行き来してるの。一週間交代でねっ」

さやか「二人に分かれたことをフルで活用してるんだね…」

杏子「便利っていうか何でもありっていうか…」

さやか「まぁ一応丸く収まったってことでいいんですかね」

杏子「…で、そこでずっと喋らないで下向いてるのはどうしたのさ」

ほむら「…」ゲッソリ

まどか「昨日ちょっと夜更かししちゃったからかなぁ」

さやか「あっ、これ聞いちゃいけないやつだ」

杏子「やらかした感が半端ねぇ」

まどか「ほむらちゃん?」ニコッ

ほむら「は、はい! 何でしょうか!?」

さやか(何でしょうか?)

杏子(何でしょうか?)

まどか「もー、家の外は普通に接してって言ったのに」ダキッ

ほむら「そ、そうだったわね。ごめんなさい」ビクッ

まどか「…今日もお仕置きした方がいい、かな?」ボソボソッ

ほむら「…っ!」ゾクッ

まどか「学校が終わったらわたしの家で遊ぼうねほむらちゃん」ニコッ

ほむら「は、はいっ…///」

杏子「何だこれ」

さやか「もうやだこの女神と悪魔」

一週間後


まどか「それじゃあね…ほむらちゃん」ギュッ

ほむら「ええ…」

まどか「一週間後を楽しみにして頑張ってくるから」

ほむら「わ、私も楽しみにしているわ」

まどか「…ちゃんと平等に愛してくれるって言ったのはほむらちゃんなんだからね」

ほむら「そうね。一週間頑張って、まどか」

まどか「ティヒヒ、ありがとうほむらちゃん。じゃあね」フラッ

ほむら「…っ、と」ダキッ

まどか「…」

ほむら「また一週間後にね」ナデナデ

「んっ…」パチッ

ほむら「おはよう、まぎか」

まぎか「…一週間ぶりのほむらちゃん」ギュッ

ほむら「ゲフッ、く、苦しい…」

まぎか「あっ、ごめんね…。嬉しくてついつい」

ほむら「だ、大丈夫よ。心配いらないわ」

まぎか「よかった。…会いたかったぁ」ギュウウ

ほむら「一週間お疲れ様」

まぎか「…頭撫でて」

ほむら「はいはい。すっかり甘えん坊になったわね、まぎか」ナデナデ

まぎか「ティヒヒ///」

ほむら(まどかは押しが強くなったというか…、完全にまどかに掌握されたというか…)

まぎか「~♪」スリスリ

ほむら(まぎかは姉の役目から解放されて今まで我慢していたように私に甘えてくるようになった)

まぎか「どうしたの?」ジー

ほむら「いいえ、なんでもないわ」ナデナデ

ほむら(何はともあれ…私の腕の中には愛おしい人がいる)

ほむら(貴方の全てを愛してあげるからね)

ほむら(私のまどかとまぎか)



まぎか「ちなみに一週間でまどかにキスした回数は235回だから同じ回数だけしてもらうからねっ」

ほむら「え、ええ。任せておいて…」


終わる

やりつくされてそうなネタだけどとりあえず書いてみた

ゆるゆるな空気だから色々細かいところは目をつぶって下さい

ぐりとぐら的な


よっしゃまどほむやんけ、私もほむらは一周目強気まどかも好きだったんじゃないかと思います。

まぎかって名前はちょっとどうかと思いました

乙まどほむ

1周目の性格がどうこうって突然怒り出したのがちょっと意味不明だった

素晴らしかったです

だって本編まどかなんてほむらを警戒してたほどで全然仲良くもないじゃん
結局仲良かったのは契約してたまどかだけだろうが、結界内のも契約してたまどかだし
うじうじしてるだけの人間まどかなんて嫌われても仕方ねーよ

人間まどかいいとこないからな

アルティまどかはおれ好きだが人間まどかは嫌い

完結してから荒らしに来るまどほむ絶対許さないマンわろた


面白かった
>>67で丁寧語使い出したほむほむがツボだった

ほむの浮気が見つかってテンパる男みたいな感じが面白い
まどまぎ相手に変な汗かいてるんだろうなと思ったら笑える

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月02日 (土) 01:11:58   ID: y_-_3cf6

ずいぶんほんわかした雰囲気に映るが、後半チラリと見せるアルまどのエロ黒さに、
ああ、例の三部作と同じ人…、っと思ってしまうのでした

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