ヱヴァSS
既存SSの機体交換実験
条件その1
単純入れ替え
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400863380
《ミサトのマンション リビング》
シンジ「綾波ー」
レイ「はい」ポン
シンジ「ありがとう」
レイ「碇くん?」
シンジ「もう終わったよ」
レイ「そう」
ミサト「……」
レイ「碇くん」
シンジ「大丈夫」
レイ「じゃあ、お先に」
シンジ「うん」
ミサト(ああ、お風呂か)
シンジ「……テレビでも見よっと」
ペンペン「くぁ」
シンジ「一緒に見る?」
ペンペン「くぉ!」
ミサト「……」
ミサト「シンちゃぁん」
シンジ「はい?」
ミサト「あれ、欲しいなぁ」
シンジ「あれってなんですか?」
ミサト「……」
シンジ「あれじゃわからないんですけど」
ミサト「……ビール」
シンジ「自分で取ればいいじゃないですか……もう……」スタスタ
ミサト「……」
シンジ「はい。飲みすぎには注意してくださいね」
ミサト「うん」
シンジ「さ、テレビテレビ」
レイ「碇くん」
シンジ「ミネラルウォーターなら、もう冷えてるよ」
レイ「そう」
シンジ「じゃ、次は僕が入ろうかな」
レイ「あの――」
シンジ「石鹸なら僕が出しておくから」
レイ「ええ」
ミサト「……」
レイ「……」コクッ…コクッ…
ミサト「ねえ、レイ。あれ、欲しいんだけど」
レイ「『あれ』?」
ミサト「……」
レイ「何ですか?」
ミサト「……おつまみ」
レイ「わかりました」スタスタ…
ミサト「……」
レイ「どうぞ」コトッ
ミサト「――ありがとう」
レイ「……」ペラッ…
ミサト「……ねえ?」
レイ「はい」
ミサト「最近、シンちゃんとレイ、仲いいわよね?」
レイ「……よく、わかりません」
ミサト「え?」
レイ「……」
ミサト「いや、でも……なんか通じ合ってるっていうか」
レイ「……」
ミサト「……」
レイ「よく、わからない……」
ミサト「そう……」
シンジ「あー、さっぱりした」
レイ「……」
シンジ「綾波?」
レイ「目を通したわ」
シンジ「ならいいんだ」
ミサト「え? シンちゃん、なんのこと?」
シンジ「ああ、学校のプリントですよ。綾波が休んでる間にたまってたやつ、もらってきたんで」
レイ「ごめんなさい」
シンジ「別にそんなつもりじゃないよ」
レイ「碇くん」
シンジ「うん。明日はいつもより早めに起こすから」
レイ「ええ。おやすみなさい」
ミサト「……」
スタスタ……バタン
ミサト「ねえ、シンちゃん? ヤシマ作戦からこっち、レイととんでもなく仲良くなってない?」
シンジ「え? そ……そんなことない……と思いますけど……」
ミサト「……」
《翌日 ネルフ本部》
リツコ「そこの数値なんだけど」
マヤ「はい」
ミサト「ねえ、リツコ?」
リツコ「なに?」
ミサト「あれ、欲しいなー」
リツコ「あれって?」
ミサト「……やっぱダメよね」
リツコ「何を言っているの?」
ミサト「あのさ、ちょっち聞きたいんだけど。『あれとって』とか、『あの』だけで意思の疎通ができると思う?」
リツコ「さぁ。そういう間柄の人はいないから、わからないわ」
マヤ「先輩――」
リツコ「はいはい。熱いわよ」 コポコポ…
マヤ「ありがとうございます」
ミサト「……」
《廊下》
ミサト「はぁ……」
レイ「碇くん」
シンジ「今日は野菜コロッケだから」
レイ「わかった」
ミサト「……」
アスカ「ちょっとナナヒカリ」
シンジ「なに? 式波」
アスカ「お弁当。明日の」
シンジ「明日の?」
アスカ「たまにはハンバーグにしなさいよ。野菜ばっかじゃ物足りないんだから」
シンジ「わ、わかったよ」
ミサト(あれ? アスカは流石に……そういう関係じゃないのね……)
シンジ「何で僕が……」ブツブツ…
ミサト「アスカ、ちょっとちょっと」
アスカ「何よ、ミサト」
ミサト「あのね。シンちゃんにアレとかソレで何かお願いしてみてくれない?」
アスカ「どういうこと?」
ミサト「例えば飲み物が欲しいとき、アレとかソレで通じるか試して欲しいの」
アスカ「……何でアタシがそんなことしなきゃなんないのよ」
ミサト「軽い実験だと思って、ね?」
アスカ「しょうがないわね……」
ミサト(アスカで通じちゃうなら、私が異常ってことになっちゃうし……)
アスカ「ナナヒカリ」スタスタ
シンジ「こ、今度はなに?」
アスカ「アレ」
シンジ「……どれ?」
アスカ「……」
シンジ「え?」
アスカ「……ダメじゃん」クルッ
ミサト「そうよね! ありがとうアスカ!! 感謝するわー!!」
アスカ「どうでもいいけど、説明してよね」
ミサト「ああ。最近、シンジくんとレイがアレとかソレで意思疎通しちゃってて」
アスカ「……」ピクッ
ミサト「でも、通じないのが普通よねー、うんうん」
アスカ「……」
ミサト「ごめんね、付き合ってもらって」
アスカ「ちょっと!――」
ミサト「ふんふふーん♪」
アスカ「……」
アスカ「……」ズカズカ
シンジ「綾波」
レイ「そこに置いたわ」
シンジ「あ、ホントだ」
レイ「ごめんなさい。勝手に――」
シンジ「ううん、構わないよ」
レイ「碇くん」
シンジ「あ、ちょっと待ってて、今買うから」ピッ
レイ「……」
シンジ「はい」
レイ「ありがとう」
アスカ「……」ジーッ
アスカ(ナナヒカリのヤツ、どんな飲み物が欲しいか聞いてないのに、迷わず買ったわね……)
アスカ(なんで……?)
シンジ「綾波」
レイ「もう出来てる」
シンジ「そう」
レイ「そういえば――」
シンジ「アレなら全部洗っておいたよ」
レイ「ありがとう」
シンジ「……」
レイ「……あれは?」
シンジ「冷蔵庫の左奥」
レイ「ごめんなさい。気が付かなかった」
シンジ「あ、ちょっと取り出しにくいかな」
レイ「問題ないわ」
シンジ「今度は手前の方にしとくよ」
アスカ「ちょっと、ナナヒカリ」
シンジ「え? どうしたの、式波」
アスカ「アレが欲しいんだけど」
シンジ「アレ? ご、ごめん、何のこと?」
アスカ「……」
レイ「……あれ?」
アスカ「だから! アレよアレ」
シンジ「あ、アレ?」
アスカ「牛乳よ!」
シンジ「わ、わかったよ。ちょっと待ってて」タタタ……
アスカ「……」
レイ「なぜ、碇くんに取りに行かせるの?」
アスカ「うっさいわね! 実験よ実験!」
レイ「実験?」
アスカ「あんたとナナヒカリ、会話になっていないのに会話してたでしょうが」
レイ「よく、わからない」
アスカ「……ふん!」
シンジ「はい、式波――」
アスカ「あんがと」
レイ「碇くん」
シンジ「ああ、コンビニで買えるんじゃないかな」
レイ「そうね」
アスカ「ちょっと」
シンジ「どうしたの?」
アスカ「ナナヒカリ……何でエコヒイキの考えていることが分かるのよ?」
シンジ「え? ど、どういうこと?」
アスカ「アンタ、何を求められているか訊ねてないのに、答えてるじゃない」
シンジ「そ、そうかな……意識したことないけど」
綾波「碇くん」
シンジ「うん。すぐ行くから」
アスカ「……今のは何よ」
シンジ「う、うん。一緒に帰るって綾波が」
アスカ「アイツ、そんなこと一言も言ってないじゃない!!」
シンジ「え? あー、そ、そうだね……」
アスカ「なんでわかるのよ!!」
シンジ「な、なんでって言われても……」
アスカ「……」イライラ
シンジ「い、一緒に住んでいれば自然とわかるようになるんじゃないかな……」
アスカ「……そうなの?」ピクッ
シンジ「う、うん。じゃあ、式波。また明日」ソソクサ
アスカ「……」
シンジ「綾波ー」タタタッ
レイ「食パンなら一緒に買うわ」
アスカ「……」
アスカ「なに……何なのよ……」
アスカ「何かムカムカする……気持ち悪い……」
《発令所》
アスカ「……」イライラ
マコト「なあ」
シゲル「もう終わったよ」
マコト「サンキュ」
シゲル「それより、あれさ」
マコト「大丈夫だって」
シゲル「いや、しかし」
アスカ「……ねえ」
マコト「ああ、アスカ」
アスカ「アレが欲しいんだけど」
マコト「……アレじゃわかんないよ。何が要るの?」
アスカ「……シャーペンの芯」
マコト「何だ、お安い御用だよ」ゴソゴソ…
アスカ「……」 イライラ
《ミサトのマンション》
ミサト「……シンちゃあん」
シンジ「なんですか?」
ミサト「ビールとおつまみー♪」
シンジ「もう……。――どうぞ」
ミサト「ありがとっ」
レイ「碇くん」
シンジ「アイス、食べ過ぎない方がいいよ。綾波はお腹、強くないんだから」
レイ「気を付ける」
シンジ「いいんだ。はい」ポン
ミサト「シンちゃん、レイがアイスを求めてたのよくわかったわね」
シンジ「え?」
ミサト「やっぱり、もう夫婦の域なわけ?」
レイ「……夫婦?」
シンジ「ななな何言ってるんですか、ミサトさん!!」
レイ「法律では男は18歳、女は――」
シンジ「あああああ綾波!」
レイ「違うの?」
シンジ「い、いや、そうじゃなくて、ミサトさんが言ってるのは――」
レイ「でも、碇くんは――」
シンジ「そんな……綾波こそ――」
レイ「そうかしら」
シンジ「そうだよ、絶対」
ミサト(会話についていけないわ……)
ピリリリ……
ミサト「……ほいほーい。葛城ミサトよーん」
リツコ『もしもし?』
ミサト「リツコ? どうかしたの?」
リツコ『あなた、アスカに何か吹き込んだわね?』
ミサト「はぇ?」
リツコ『アスカが、言葉を使わない意思疎通が必要だって言い出したのよ』
ミサト「なんのこっちゃ?」
リツコ『こっちの台詞よ、それは』
ミサト「で、どうしたいって?」
リツコ『今後の任務においても、会話をすることなくコミュニケーションができればタイムロスがなくなるって』
ミサト「ふんふん」
リツコ『だから、そっちで一緒に住みたいそうよ」
ミサト「だれが?」
リツコ『アスカが』
ミサト「なんで? ここじゃ荷物が半分も入らないって断ったくせに――」
リツコ『コミュニケーションを円滑にするために』
ミサト「ほーん」
リツコ『あなた……事の重大さ、わかってる? エヴァのパイロット全員をあなたが面倒みることになるのよ?』
ミサト「マジ?」
リツコ『はぁ……ありえないわ』
ミサト「なんでまた、そんなことに」
リツコ『ミサトが何か言ったせいじゃないの?』
ミサト「知らない知らない」
リツコ『とにかく。アスカときたらユーロ空軍から手を回したみたいで、もう決定事項みたいになっているから』
ミサト「うそ!?」
リツコ『碇司令もミサトになら、って言ってるわ』
ミサト「そんな、いきなり……」
リツコ『レイに更新カード渡してって頼んだだけなのに、司令に直談判して本人まで引き取ったのは誰だったかしら?』
ミサト「あ、あの幽霊屋敷見たら、あたしじゃなくてもそうするわよ!」
リツコ『アスカの部屋、用意してあげてね』
ミサト「……わかりました」
リツコ『明日、引越しだから』
ミサト「明日!?」
リツコ『よろしく』ブツッ
ミサト「あ、リツコ!? もしもーし!!」
シンジ「どうかしたんですか?」
レイ「?」
:
:
シンジ「式波が!?」
レイ「住む?」
ミサト「よく分からないけど、そういうことになったみたい」ハァ…
シンジ「なんで!?」
レイ「何故ですか」
ミサト「私も詳しくはわからないけど、なんでもアスカが言葉を使わずにコミュニケーションをしたいって言ってるみたいね」
シンジ「言葉を?」
レイ「使わずに?」
ミサト「うん」
シンジ「どうして式波は――」
レイ「急にそんなことを――」
ミサト「まぁ、とにかく。もう決まった話みたいだから、今から部屋を用意しないと」スタスタ
シンジ「……」
レイ「碇くん?」 ジッ…
シンジ「べ、別にいやらしいことなんて考えてないよ!!」
※ミサトのマンションの部屋数は元SS準拠
《翌日》
アスカ「お邪魔しまーす」
ミサト「もうここはアスカの家なんだから。『ただいま』でいいわよ」
アスカ「あっそ。んじゃ、ただいまー」
ミサト「はい。おかえりなさい。――こっちに来て、部屋まで案内するわ」
アスカ「はーい」
シンジ「式波?」
アスカ「ああナナヒカリ、そう言うわけで、よろしく」
シンジ「う、うん」
レイ「碇くん」
シンジ「デレデレなんてしてないよ」
レイ「そう」
アスカ「……フン!」イラッ
ミサト「アスカ、こっちよ」
アスカ「はーい」
ミサト「まぁ、ベッドは置けないから、布団になっちゃうけど、許してね」
アスカ「いいわよ、別に」
ミサト「じゃあ、何かあったら言ってね」
アスカ「わかった」
アスカ「……」ゴソゴソ
トントン
アスカ「はい?」
シンジ「荷物の片付け、手伝おうか?」
アスカ「あら、アンタにしては気が利くわね」
シンジ「でも、そんなに荷物ないね」
アスカ「当たり前でしょ、当座のモノだけよ」
シンジ「こっちは学校の道具かな?」
アスカ「そうよ」
シンジ「じゃあ、こっちのカラーボックスに入れていくよ」
アスカ「頼むわ」
シンジ「よっと……これはどこにしまおうか?」
アスカ「……ソコに」
シンジ「え? どこ?」
アスカ「……上から二段目よ」
シンジ「ここか……」
レイ「碇くん?」
シンジ「ごめん、ご飯はもうちょっと」
レイ「……わかった」
アスカ「……」
レイ「なに?」
アスカ「別に」フン
シンジ「教科書はどうしようか?」
レイ「そこでいいと思う」
シンジ「え? でも、ここだとブックエンドか何かないと――」
アスカ「……」 イラッ
《リビング》
ミサト「シンちゃん、お醤油とって」
シンジ「どうぞ」
レイ「あの――」
シンジ「はい」スッ
レイ「ありがとう」
アスカ「……ナナヒカリ」
シンジ「なに? あ、口に合わなかった?」
アスカ「……お茶のおかわりが欲しいんだけど」
シンジ「ご、ごめん。気が利かなくて」
アスカ「いいわよ、別に」フン
レイ「あ……」
シンジ「うん、綾波にもすぐに注ぐよ」
レイ「ええ」
アスカ「……」
レイ「碇くん?」
シンジ「今、持ってくるから」ガタン
アスカ「……」
シンジ「グレープフルーツジュースはこれで最後だからね、綾波」コトッ
レイ「わかった」
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ「なに?」
アスカ「……」
シンジ「式波? えっと……ど、どうしたの?」
アスカ「いいわよ。自分でやるから」スタスタ
シンジ「え? どうしたんだよ、式波?」
ミサト「シンちゃん、こっちきて」ヒソヒソ
シンジ「なんですか?」ヒソヒソ
ミサト「アスカはね、レイの真似がしたいのよ」
シンジ「ど、どういうことですか?」
ミサト「最小限の言葉でコミュニケーションを取ろうとしているのよ。アスカの目的でもあるし」
シンジ「そ、そうでしたね。でも、どうしてそれが綾波の真似になるんですか?」
ミサト「だって、レイはシンジくんの名前しか声に出してないのよ?」
シンジ「え?」
ミサト「なのに、シンジくんはきちんとグレープフルーツジュースをレイに持っていったでしょ?」
シンジ「あれは綾波が欲しいって言うから――」
ミサト「どこで言ってたのよ、どこで」
シンジ「一昨日の夜、グレープフルーツジュースは置いておいてって」
ミサト「……え? で、さっき渡したの? どうして?」
シンジ「え?」
ミサト(シンジくんもレイもやっぱり、意識なんて欠片も持ってないわけか……)
シンジ「ミサトさん?」
ミサト「とにかく、アスカにも気を配ってあげて。ついでに、あたしにも」
シンジ「な、なるべくやってみます」
ミサト「おねがいねっ」
アスカ「……」
レイ「ごちそうさま」ガタン
シンジ「綾波」
レイ「シャンプーは、詰め替えておくから」
シンジ「うん」
レイ「……」スタスタ
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ「お茶?」
アスカ「違うわよ」
シンジ「ご、ごめん」
アスカ「アイツが立ち上がっただけで、なんでお風呂に行くって分かったのよ」
シンジ「え、えーと……なんとなく」
アスカ「いつもこの時間に入ってんの?」
シンジ「い、いや、バラバラだけど」
アスカ「時間が決まっているわけでも、動作が同じでもないのに?」
:
:
アスカ「……」
レイ「お先にあがりました」
シンジ「……」スタスタ
レイ「碇くん」
シンジ「わかった。トイレットペーパー、新しいの出しておくよ」
レイ「お願いするわ」
アスカ「ねえ」
レイ「なに?」
アスカ「なんでナナヒカリがトイレに行くって分かったのよ」
レイ「……よく、わからない」
アスカ「は?」
レイ「特に意識したことがないわ」
アスカ「意識してないのにナナヒカリの考えていることが分かるの?」
レイ「分からない。……なぜ、そう思うの?」
アスカ「……」
シンジ「式波、お風呂、先に入ってよ」
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ「なに?」
アスカ「……」
シンジ「あ……えーと、お風呂上りに牛乳を出しておくよ――」
アスカ「……あんがと!!」ドスドス……
シンジ「あ、あれ……違うのかな……?」
レイ「碇くん」
シンジ「わかった」
ミサト「なにが?」
シンジ「明日はいつもより10分早く出るって。日直で――」
ミサト「そ、そう……。―――シンちゃーん?」
シンジ「なんですか?」
ミサト「……ビール」
シンジ「わかりました。ちょっと待ってください」
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ「お風呂どうだった? 不便じゃなかった?」
アスカ「問題ないわ。それよりもナナヒカリ」
シンジ「牛乳だね。はい」
アスカ「……あんがと。それから、ナナヒカリ――」
シンジ「うん! 今から僕がお風呂に入るよ!」
アスカ「……っ!」イラッ
シンジ「え……!? し、式波!?」
アスカ「おやすみっ」ズカズカ…バタン
シンジ「式波……」
シンジ「……はぁ……わからないよ式波……名前だけ呼ばれても……」
レイ「碇くん?」
シンジ「あ、アイロンは、まだしまってないから」
レイ「そう」
シンジ「弱ったな……式波……」
《アスカの部屋》
アスカ「……」ゴクゴク
アスカ「ぷはぁ……」
アスカ(まだ1日目だもん……結果はついてこないわよね)
アスカ「……コップ、戻してこないと」
トントン…
アスカ「はい?」
シンジ「式波……あの……」
アスカ「何よ」
シンジ「なんか……ごめん……」
アスカ「なんでアンタが謝んのよ」
シンジ「僕……式波のことまだ良く知らないみたいだから……その……色々と嫌な思いさせちゃってるかもって……」
アスカ「余計なお世話よ」
シンジ「式波……」
アスカ(今日からなんだから……ずぇったい、このままじゃ終わらせないんだから!!)
《数日後 ネルフ本部》
リツコ「で、どうなの?」
ミサト「なにが?」
リツコ「アスカのことよ」
ミサト「ああ、別に問題ないわね。もともと向こうっ気は強いし」
リツコ「ならいいけど」
マコト「あの」
ミサト「あー、あれはあとで見とくわ」
マコト「すみません。あと――」
ミサト「それなら15時に会議室に持ってきて」
マコト「分かりました」
リツコ「……あの子、ああ見えて脆いところがありそうだから気をつけてね」
ミサト「わかってるわよ」
カツカツ…
ミサト「あ、司令――」
ゲンドウ「赤木博士」
リツコ「共有領域002委員会フォルダ直下に保存してあります」
ゲンドウ「……ならいい」
冬月「碇」
ゲンドウ「いかん。まだ早い」
冬月「そうだな」カツカツカツ……
ミサト「……」
マヤ「先輩」
リツコ「わかったわ。じゃあ、模擬戦闘開始にしましょうか。準備はいいかしら? シンジくん、アスカ、レイ」
アスカ『いっつでも!!』
シンジ『はい!!』
レイ『問題、ありません』
リツコ「この作戦は15分以内で終わらせてね」
アスカ『了解!!―――ナナヒカリ!!』
シンジ『な、なに?』
アスカ『……アンタは右から!』
シンジ『わ、わかった』
アスカ『エコヒイキ!』
レイ『何』
アスカ『……零号機は私のバックアップ!!』
レイ『了解』
シンジ『綾波』
レイ『予備ケーブルはそこから西へ2400メートル』
シンジ『ありがとう』
アスカ『……』イラッ
シンジ『なに?』
アスカ『……なんでもないわよっ!』
シンジ『う、うん』
アスカ『作戦開始!!』
使徒「……」ヒョンヒョン
アスカ「ちっ!! ナナヒカリ!!」
シンジ『な、なに!?」
アスカ『……牽制しなさい! 早く!』
シンジ『ご、ごめん!!』ズガガガ
アスカ『このぉ!! 大人しくしてなさいよ!!』ガキィィン
使徒「……」ギィィン
アスカ『きゃっ!!』ズシャ
レイ『碇くん!』
シンジ『了解!!』ジャキイイイイィン
アスカ『くっ……』ムクッ
シンジ『式波! 今だ!』ガシッ
アスカ『うるっさい! アタシに命令しないで!!』ブワッ
アスカ『どぉおりゃあああああ!!』 バキィィン
ドオオオォォン……
シンジ『やった!!』
レイ『お疲れ様』
アスカ『……』
リツコ『お疲れ様。上出来ね。興味深いデータが取れたわ』
アスカ『ふ、ふん! 私一人なら15分以内なんて余裕だったけどね。こんなの訓練にもならないわ!』
《更衣室》
レイ「……」ゴソゴソ…
アスカ「あー、もっとレベル上げてくれないかしらねー」
レイ「……レベル?」
アスカ「そうよ。あんなんじゃ私の腕が鈍っちゃうし」
レイ「でも……あれが適正だって、赤木博士が」
アスカ「アンタ達に合わせておいたら、私のレベルまで下がっちゃうでしょ?」
レイ「でも……あのプログラムの目的はエヴァどうしの連携の確認だわ」
アスカ「わ、わかってるわよ!」
レイ「……」
トントン…
シンジ『綾波?』
レイ「私は、あれでいい」
シンジ『式波はー?』
アスカ「何よ?」イラッ
レイ「飲み物」
アスカ「……ナナヒカリ、アレで」
シンジ『え? アレって?』
アスカ「……」イライラ
シンジ『あ、えっと……牛乳かな?』
アスカ「そうよ」
シンジ『わかったよ。用意しとく』
アスカ「……」
レイ「嬉しそうね」
アスカ「ば……バカ言ってんじゃないわよ!」
レイ「……」ニコ
アスカ(うっ……嬉しくなんかないっ!)ヒクヒク
アスカ(こんなことで……絶対、嬉しくなんかないんだからっ!!)
《休憩所》
シンジ「はい」
綾波「ありがとう」
シンジ「はい、式波」
アスカ「ん、んー……」
シンジ「え?」
アスカ「……あ、えと……あんがと、ナナヒカリ」
シンジ「い、いいよ別に」
アスカ「……」ゴクゴク
レイ「碇くん」
シンジ「今日はアレでいい?」
レイ「問題ないわ」
アスカ「なに? 今日のご、ご飯?」
レイ「?」
シンジ「いや、今日買って帰るアイスの話なんだ」
アスカ「そ、そうよね。そうじゃないかと思ったわよ」
レイ「行きましょう」
シンジ「うん。式波も行かない?」
アスカ「しょ、しょうがないわね」
レイ「今日は、あれがいい」
シンジ「この前も食べたじゃないか」
レイ「でも、あれは何度食べてもおいしいから」
シンジ「まあ、綾波が食べられるようになったのは、よかったかな」
アスカ「……ちょっと」
シンジ「なに?」
アスカ「お邪魔かしらー?」ヒクヒク
シンジ「な、何言ってるんだよ! 式波、アイスは嫌いだった?」
アスカ「嫌いなんて言ってないでしょ」
シンジ「じゃあ、一緒に行こう」
アスカ「わ、わかった……」
《コンビニ》
レイ「私はこれ」
シンジ「式波はどれがいい?」
アスカ「……」キョロキョロ
シンジ「えーと」
レイ「碇くん」
シンジ「ご、ごめん。べつに式波を急かしてるわけじゃないよ」
レイ「ならいい」
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ「なに?」
アスカ「……」ジーッ
シンジ「え……あの……そんなに見つめられても……」
アスカ「……っ」イラッ
シンジ「式波!? ど、どうしたの!?」
アスカ「……このアイスでいいわよ……」スッ
《ミサトのマンション》
レイ「碇くん?」
シンジ「ちゃんと入れとくよ」
レイ「ありがとう」
アスカ「はぁ……」
シンジ「式波は今、食べる?」
アスカ「……いい。アタシもあとで食べるから」
シンジ「そう」
レイ「……」スッ
シンジ「綾波」
レイ「ええ、お風呂掃除、きょうは私」
シンジ「綾波?」
レイ「わかってる。手袋はするから」
アスカ「……ナナヒカリ」
シンジ「牛乳?」
アスカ「違うわよ。ちょっとそこに座りなさいよ」
シンジ「う、うん」
アスカ「……」ジーッ
シンジ「え……な、なに?」
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ「うん?」
アスカ「……はぁ……」イラッ
シンジ「あの……」
アスカ「アンタはいつ頃から最小限の会話でコミュニケーションが出来るようになったのよ?」
シンジ「え? 誰と?」
アスカ「エコヒイキ」
レイ「ごめんなさい、ペンペン。少しどいていてね」
シンジ「綾波と?」
アスカ「そうよ」
シンジ「そ、そう言われても……よくわからないんだけど……」
アスカ「……」
シンジ「前にミサトさんにも言われたけど……僕は……多分、綾波も意識してないから」
アスカ「マジ?」
シンジ「うん。式波は、その……」
アスカ「今日の模擬訓練でアイツは何も言ってないのに、アンタは了解って言ったわ」
シンジ「あ……」
アスカ「何で分かるのよ!」
シンジ「なんでだろう……? うーん……」
アスカ「アタシだって……」
シンジ「え?」
アスカ「な……『ナナヒカリ!』って言ったら、アタシが考えてることが通じて欲しいんだけど」
シンジ「し、式波……」
アスカ「何よ? 文句ある!?」
シンジ「そ、そんなこと……ごめん……」
アスカ「わかればいいのよ」
レイ「碇くん?」
シンジ「洗剤なら棚のところ」
レイ「ありがとう」
アスカ「……」ヒクッ
シンジ「ぼ、僕も努力するよ。式波のこと、もっと知りたいから」
アスカ「……アイツのときは、努力はしたの?」
シンジ「え……」
アスカ「……してないのね」イラッ
シンジ「……ごめん」
レイ「碇くん?」
シンジ「詰め替え用なら棚の奥にあるよ」
レイ「わかった」
アスカ「……っ」イライラ
シンジ「式波!?」
アスカ「おやすみっ」ドスドス…バタン
ミサト「たっだいまー」ガチャ
シンジ「はぁ……」
ミサト「どうしたの? ごはんはー?」
シンジ「それどころじゃないですよ……」
ミサト「え? なんかあったの?」
シンジ「それが……」
レイ「碇くん」
シンジ「ああ、お疲れ様」
レイ「なに?」
シンジ「うん……」
レイ「……無理もないわ」
ミサト「え!?」
シンジ「でも、どうしたらいいか、わかんないよ……」
レイ「碇くんは、気を配りすぎるから」
ミサト「ちょ……え? なにがあったの!? 言いなさい!! シンジくん!! なんでレイは理解したのよ!? ねえ!!」
《アスカの部屋》
アスカ(……何よ、ここに来た意味、ないじゃない!)
トントン
アスカ「うっさいわね!」
ミサト「えっと、ご飯できたわよー?」
アスカ「わかったわよっ!」
ミサト「アスカ……大丈夫?」
アスカ「何よ」
ミサト「……宿舎に戻ってもいいのよ?」
アスカ「……」
ミサト「あ、誤解しないでね! 別にあなたが迷惑だからとか、そういうのじゃ……!!」オロオロ
アスカ「ばっ馬鹿にしないでよ! 気を使われてることくらい、分かるわよっ!」
ミサト「え……」
アスカ「いま行くわよ」
ミサト「そ、そう」
《リビング》
シンジ「式波……」
アスカ「変に気を回すんじゃないわよ。……大丈夫だから」
シンジ「そう……ならいいんだ」
アスカ「フン!」
レイ「碇くん」
シンジ「はい」スッ
レイ「ありがとう」
ミサト「えっ、レイ、唐揚げ食べられるの!?」
レイ「少しなら」
ミサト「いつの間に……」
シンジ「綾波、野菜ばっかりでしたし」
レイ「少しくらい食べた方がいいと言われたから」
ミサト「そうだけど……急に食べるようになったら、太るわよー?」
レイ「問題、ありません」
アスカ「……」
シンジ「式波?」
アスカ「あ、頼むわ」
シンジ「うん」
レイ「おいしい……」
ミサト「よかったわね、シンちゃん」
シンジ「はい、式波。お茶」コトッ
アスカ「ありがと」ズズ…
アスカ(……あれ?)
シンジ「綾波」
綾波「おいしい」
シンジ「でも、食べ過ぎるとお腹こわすよ」
綾波「気を付ける」
シンジ「また作るから」
アスカ(アタシ……ナナヒカリと、ちゃんと会話してなかったわよね……?)
《数十分後》
レイ「……」スック…
シンジ「綾波」
レイ「まだあるわ。無くなりそうなのは……あれ」
シンジ「わかった」
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ「え?」
アスカ「……」ジーッ
シンジ「し、式波……?」
アスカ「……」ズイッ
シンジ「あ、あの……」アセッ
ミサト「あらアスカ、シンちゃんにキス――」
シンジ「え? あっ!」
アスカ「ばっ!……んなわけないでしょうが!!」
ミサト「……」
:
:
ミサト「シンジくーん!!」
シンジ「なんですか?」
ミサト「……ビール」
シンジ「もう……またですか」
ミサト「そろそろ声のトーンで覚えてくれてもいいんじゃない? とか思ってたりするのよね、私」
シンジ「そんなの、わかるわけありませんよ」
ミサト「傷つくわー」
シンジ「はい」
ミサト「ありがと」
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ「なに?」
アスカ「アタシも飲み物!」
シンジ「お風呂上りは牛乳でいい?」
アスカ「わ……わかってきたじゃないの」
シンジ「あ、あはは……式波、牛乳、好きだね」
《数日後 学校》
アスカ(あれからあまり進展がないわね……)
アスカ(アタシとエコヒイキにどんな差があるってのよ……?)
トウジ「おーい、いいんちょー!!」
ヒカリ「鈴原!!」
トウジ「ええやないか、別に」
ヒカリ「だめ!!」
トウジ「なんやねん!! まだなんも言うてへんやろ!!」
ヒカリ「鈴原は単純だから、顔を見れば何を考えてるか分かるから!」
トウジ「ほう? そこまでいうなら―――この顔で何考えてるか当ててみー!!」バッ
ヒカリ「ぶっ……!! ちょっと!! 変な顔しないで!!!」
トウジ「わははは!! いいんちょの負けやな!! じゃ、あとはたのむわー」ダダダッ
ヒカリ「もう!! 鈴原ー!!」
アスカ「ヒカリ」
ヒカリ「え? なに?」
前に、アスカの書いた人?
ワケがわからないよ!それってただのパクリじゃないか!
アスカ「顔を見ただけで、なんでバカジャージの考えていることがわかるのよ?」
ヒカリ「あー……えっと……。鈴原は単純だから」
アスカ「ナナヒカリでも分かる?」
ヒカリ「ええと……どうして?」
アスカ「ごっ……極秘事項よ」
ヒカリ「あ、ああ!! そういうこと!!」
アスカ「え?」
ヒカリ「そっか……アスカって碇くんのことが……」
アスカ「何よ?」
ヒカリ「大丈夫!! きっとその思いは通じてるはずだから!!」
アスカ「??……そう?」
ヒカリ「うん! でも、どうしても伝わらないことってあるから……そのときはちゃんと言葉にしたほうがいいと思うわ」
アスカ「……よくわかんないけど参考にするわ」
ヒカリ「いえいえ」
アスカ(考えてることが通じているなら……一体、何が原因なのよ? やっぱり口で言わないとアタシの考えてることは全部通じない……?)
《ネルフ本部 休憩所》
レイ「碇くん」
シンジ「うん」
レイ「ありがとう」
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ「はい」
アスカ「あんがと」
シンジ「今日は疲れたね」
レイ「大丈夫」
アスカ「ほんとねー。というか、ナナヒカリが変なミスするからでしょ!?」
シンジ「式波が突っ込みすぎなんだよ」
アスカ「なんですってえ!?」
シンジ「ホントのことじゃないか。ミサトさんだって怒ってたし」
アスカ「アンタがモタモタしてるから――」ハッ…
アスカ(あ、あれ?……アタシ、『ナナヒカリ』としか言ってないのに……牛乳を持ってきてくれた……)
シンジ「綾波は、あれで大丈夫だった?」
レイ「ええ。でも、それだとあれは説明がつかないわ」
シンジ「それは関係ないと思うよ」
レイ「ううん、あると思う。実戦では気を付けないと――」
アスカ(でも……こいつらの会話にはまだ追いつけないわね……)
アスカ(今日の訓練でも、ナナヒカリはエコヒイキに対して名前しか呼んでないのに連携がとれてたし……)
アスカ「はぁ……」
シンジ「あ、ごめん! 式波!!」
アスカ「へっ?」
シンジ「ほら、綾波。式波と関係ない話してたら、式波が気を遣うから」
レイ「でも、今のは――」
シンジ「綾波――」
レイ「そうね。ごめんなさい」
シンジ「ごめん、式波」
アスカ「違うわよ」
シンジ「え……?」
アスカ「アンタら二人に気なんて遣ってないわよ」
レイ「……どうしたの?」
アスカ「なんで……なんで分かんないのよ!」
シンジ「し、式波……?」
レイ「……このままでは変わらないと思う」
アスカ「……っ」キッ
シンジ「あ、綾波……」
レイ「あなたは自分から、何が好きで何が嫌いか、一切言わない」
アスカ「そ、それは……」
レイ「それでは自分の気持ちは伝わらないわ」
シンジ「ね、ねえ綾波……」
レイ「……」
アスカ「わ、悪かったわね! ……先に帰る!」
シンジ「式波!」
《ミサトのマンション アスカの部屋》
アスカ「……」
アスカ(そりゃ確かに、ナナヒカリにアタシ自身のこと何も言ってないけど)
アスカ(何よ! エコヒイキの言うとおりだってこと?)
アスカ(まずは言葉にしないと伝わらない……か……)
アスカ(アイツらも最初は言葉に出してたってこと?)
アスカ(出すだけ出したから、今は言葉が要らなくなってるってこと?)
アスカ「……」ゴソゴソ
アスカ「何でアタシがこんなこと……」
アスカ「……」
アスカ(ドイツ語で書くわけにも行かないわよね……)
アスカ「めんどくさい……」イライラ
《リビング》
シンジ「綾波」
レイ「わかってるわ」
シンジ「そう」
レイ「少し、言い過ぎたと思うから」
シンジ「僕も一緒に行こうか?」
レイ「大丈夫」
スタスタ……
アスカ「ねえ」
シンジ「し、式波!?」
レイ「2号機パイロット……」
アスカ「ナナヒカリ……これ」
シンジ「え?」
アスカ「よ、読みなさいよ」スッ
レイ「……」
アスカ「いいわね!?」ダダダッ……バタン
シンジ「なんだろ……これ……手紙?」
レイ「それは……」
シンジ「え? それって?」
レイ「……」
シンジ「え? なに?」
レイ「……何でもない」スタスタスタ…
シンジ「綾波!? どうしたの!?」
:
:
シンジ「……どうしちゃたんだろ、綾波」
ペンペン「くぁー!!」バサバサ
ミサト「たっだいまー!! シンちゃーん!!」
シンジ「ビールなら冷蔵庫ですけど」
ミサト「いや!! 違うけど!?」
シンジ「え? じゃあ、なんで名前を呼んだんですか?」
ミサト「……いや、そこにいるから」
シンジ「……なんか、すいません」
シンジ「そうだ、さっきの式波の……」
シンジ「なんて書いてあるんだろう……?」ペラッ
『好きな食べ物:ハンバーグ… 好きな飲み物:牛乳… 嫌いな食べ物:アスパラガス… 』
ペンペン「くぁー?」
シンジ「すごい……漢字、使ってるじゃないか」
ミサト「何それ?」
シンジ「えっ? あっ……」
ミサト「なになに……ははぁ、作戦を変えてきたのね」
シンジ「作戦って……」
ミサト「いいじゃない。アスカなりに一生懸命やってるのよ」
シンジ「でも……なんて返事しよう。難しいな」
《アスカの部屋》
アスカ「あんなんでよかったのかしらね……」ソワソワ
アスカ「ああもう! ……変な奴だと思われたら逆効果じゃないの!!」イライラ
シンジ『式波ー』
アスカ「な、なによ?」ドキン
シンジ『さっきの返事なんだけど』
アスカ「え……」
シンジ『式波、字がきれいなんだね。漢字も間違ってないし、ちょっとびっくりした』
アスカ「……」
シンジ『そ、それだけ……なんだけど……ごめん……』
アスカ「フ、フン! 当り前じゃないの!」
シンジ『そう? ごめん、そうだよね』
アスカ「で、でも、アンタにしては気の利いたコメントだったわねっ」
シンジ『……ありがとう。……ご飯ができたら呼びにくるよ』
アスカ「わかったわよ」
:
:
シンジ「よっと……できた」
アスカ「……」スタスタ…
シンジ「あ、式波。よくわかったね。今、呼びに行こうと思ったのに」
アスカ「えっ……な、何となくよ、何となく!」
シンジ「そう……あ、そうだ」
アスカ「アタシが呼んでくるわよ」
シンジ「え? いいの?……ありがとう」
アスカ「……フン!」スタスタ
シンジ「さてと盛り付けないと」
:
:
トントン…
アスカ「エコヒイキ」
レイ『なに?』
アスカ「ご飯だって」
レイ『……先に食べていて』
アスカ「はぁ? 冷めちゃうわよ?」
レイ『……自分で温め直すから』
アスカ「レンジであっため直したんじゃ美味しくないって」
レイ『問題ないわ』
アスカ「意味わかんないわ。ちゃんと出来たてのを……」
レイ『……すぐ、行くから』
アスカ「アンタ、何かしてんの?」
レイ『すぐ、終わるから』
アスカ「しょうがないわね……早く来なさいよ!?」
レイ『……ありがとう』
アスカ「あっアンタバカァ!? お礼なんか言われたって、何も出ませんからね!!」
《リビング》
ミサト「あっれー? レイはー?」
アスカ「先に食べててってさ」
シンジ「どうしたんだろ、綾波……。じゃあ、式波、ミサトさん。先に食べましょうか」
ミサト・アスカ「いっただきまぁーす!!」
シンジ「式波?」
アスカ「うん、悪くないわね」
シンジ「そう。よかった」
ミサト「……」
アスカ「ナナヒカリ」スッ
シンジ「あ、ありがとう」
アスカ「アンタ、いつもそれには醤油でしょ」
シンジ「な、なんか恥ずかしいな……」
ミサト(あれ……なんで私、泣きそうになってるのかしら……?)グスッ
《数十分後》
シンジ「ふんふふーん」
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ「うん。お風呂、お先にどうぞ。綾波はまだ部屋みたいだし」
アスカ「あんがと」
シンジ「お礼なんていいよ」
アスカ「そ、そう?」
ミサト「……シンちゃーん」
シンジ「なんですか?」
ミサト「……なんでわかってくれないの?」
シンジ「はい?」
レイ「……碇くん」
シンジ「綾波? ご飯なら、そこに―――」
レイ「これ、読んで」スッ
シンジ「え? なにこれ?」
レイ「きちんと伝えないといけないことも、あると思うから」
シンジ「伝える?」
ミサト「あら、レイも?」
レイ「はい」
ミサト「レイ、それはアレでしょ?」
レイ「あれ?」
ミサト「そう、アレ」
シンジ「――で、この手紙……」
レイ「読んで欲しい。私はお風呂に入ってくるから」スタスタ……
シンジ「あ、綾波。今は―――」
アスカ『きゃぁぁ!!!!なんでアンタが入ってくるのよ!!!」
レイ『なぜ、あなたが入っているの?』
ミサト「ヌホホホ……えーのー、若いもんはぁ」
《浴室》
アスカ「もういいわ。脱いじゃったんなら……入んなさいよ」
レイ「そう……」ブクブク
ペンペン「くぁー……」プカー
レイ「あなたは、あの手紙に何を書いたの?」
アスカ「へ?」
レイ「私は、ああいうの書いたことが無いから……よくわからなくて……」
アスカ「あ、アタシだってわかんないわよ! 好きな物も嫌いな物もいっぱいあるし」
レイ「好きな物?」
アスカ「アンタの言うとおり、何が好きで何が嫌いなのか、一度はナナヒカリに教えとかなきゃ、だめだって思ったからよ」
レイ「……さっき碇くんに渡した手紙の内容は、それだったの?」
アスカ「そ、そうよ」
レイ「そう……」
アスカ「な、何よ……」
ペンペン「くぁー♪」スイスイ
《リビング》
ミサト「で、レイの好物ってなんなの?」グビグビ…
シンジ「えーっと……」 カサカサ…
ミサト「……」プハー
シンジ「……」
ミサト「……」パクッ ポリポリ…
シンジ「……」カアア…
ミサト「?……どしたの? シンちゃん」
シンジ「……」プルプル…
ミサト「シンちゃん?」
シンジ「えっ!? ……な、何ですか!?」
ミサト「だーかーらー。レイの好物ってなに? あたしにも見せて――」
シンジ「いっいえ! あの……そっ、そうだ宿題やらなきゃ!――」ドタドタ……バタン
ミサト「???」
アスカ「はぁ、長湯しちゃったわ……アンタのせいよ!」
レイ「ごめんなさい。――葛城一佐、お風呂、空きました」
ミサト「そう、ありがと」
アスカ「あら? ナナヒカリは?」
ミサト「えー? 部屋に帰ったわよ。宿題やるって」
アスカ「ふーん?」
レイ「……」
ミサト「そういうアスカとレイはいいの?」
レイ「終わりました」
アスカ「えっ? あっ、やばっ」パタパタパタ…バタン
ペンペン「くぉ……」プルプルプル…
スタスタスタ…
シンジ「……」
レイ「碇くん?」
シンジ「! あっ綾波……」
ミサト「あら? シンちゃん、もう終わったの? 先におフロ入るー?」
シンジ「えっ? いえ、ミ、ミサトさん、お先どうぞ」
ミサト「そう? んじゃお先にー」スタスタ……
レイ「……」
シンジ「あの綾波……こ、これ……」スッ
レイ「……何?」スッ
シンジ「返事! その……返事、書かなきゃと……思って」
レイ「……」
シンジ「よっ……読んで……くれたらいいなって……」
レイ「そう……そうする」パタパタ……パタン
シンジ「……」ソワソワ……
ジャーー……キュッ
シンジ「……」ゴクゴクゴク……
アスカ「はぁー、休憩休憩っと」
シンジ「……」プハーッ
アスカ「アンタ、何やってんの?」
シンジ「べ……別に」
ミサト「あー、やっぱ風呂は心の洗濯ねー。 シンちゃん、空いたわよ」
シンジ「あ、はい」スタスタ……
アスカ「ふんふんふーん♪」
ミサト「なんか、嬉しそうね」
アスカ「べ、別に……」
ミサト「……ここに来てよかった?」
アスカ「うーん……そうね……」
ミサト「……」
アスカ「なんかね、イライラしてたのよ。……でも、ここに来てから、そんな気分になることが少なくなったかな」
ミサト「どうして?」
アスカ「ナナヒカリとエコヒイキばっかり、何か通じ合ってるみたいだったから」
ミサト「……」
アスカ「何でそんな気持ちになるのかわからないけど……とにかく、何かこう、胸が締め付けられるような、そんな感じだったから」
ミサト「アスカ、あなた……」
アスカ「だけど、ここに来て、アイツらが何でそんなに親密なのか、ちょっとは分かった気がする」
アスカ「そしたら、前みたいに嫌な気分にならなくなったかなって」
ミサト「そう」
アスカ「まあ、嬉しいって言えば嬉しいかな」
ミサト「そっか」
アスカ「でも……まだ時々、イラっとするけどね」
ミサト「どんなとき?」
アスカ「……ナナヒカリが、アタシの考えてることに気が付かないとき……かな」
ミサト「そう」ニコ
シンジ「ミサトさん、洗濯機かけちゃっていいですか?」
ミサト「あー、お願いするわ」
アスカ「……」ジーッ
シンジ「……お茶?」
アスカ「……そ」
シンジ「そっか。ちょっと待ってて。すぐに用意するから」
レイ「碇くん」スタスタ
シンジ「あっ……綾波」
レイ「……」ニコ
シンジ「そっか」ホッ
レイ「……」
アスカ「エコヒイキ?」
レイ「何」
アスカ「……お茶?」
レイ「ええ。でも、大丈夫――」
アスカ「何よ、アタシの淹れたお茶が飲めないってぇの?」
レイ「……ありがとう」
アスカ「ふん!」
シンジ「♪~」
アスカ「はぁ……宿題めんどくさ……ナナヒカリ?」
シンジ「自分でやりなよ。この前、僕がノート貸して答え間違ってたら怒ったくせに」
アスカ「間違えるほうが悪いんでしょうが」
シンジ「……歯磨きして寝よっと」
レイ「……」
《洗面所》
シンジ「……」ジャー…キュッ
レイ「碇くん」
シンジ「え? あっ……」
レイ「……」チュッ
シンジ「あ、あやっ!……」
レイ「……」ニコ
シンジ「……」チュ…
レイ「!」ドキッ
シンジ「おやすみ」
レイ「おやすみなさい」ポカポカ
《リビング》
シンジ「……」スタスタ
アスカ「おやすみー」
シンジ「おやすみ。式波……」
アスカ「分かってるわよ……」
シンジ「そ、そう」
アスカ「徹夜はしないってば」
シンジ「な……ならいいんだけど」
レイ「……」スタスタ
アスカ「さっさと寝なさいよ」
シンジ「うん……おやすみ」
アスカ「おやすみ。エコヒイキも」
レイ「……おやすみなさい」
《その夜 ミサトの部屋》
ミサト「え?」
アスカ「もう十分だと思うわ」
ミサト「でも……」
アスカ「ま、こんなもんじゃないかしらね、今のところは」
ミサト「そう……いいのね?」
アスカ「うん。ありがと、短い間だったけど」
ミサト「シンちゃんとレイには……言ってないわよね?」
アスカ「ええ」
ミサト「ずっと一緒にいても……」
アスカ「それだと、ナナヒカリに頼っちゃいそうな気がするから……それに……」
ミサト「それに?」
アスカ「今度は一緒に住んでいなくても、最小限の言葉で意思疎通が出来るのか調べてみたいのよ」
ミサト「まぁ……アスカがそういうなら……」
アスカ「決まりね」
《翌日》
アスカ「ナナヒカリ、世話になったわね」
シンジ「なんだか急な話でアレだけど……」
レイ「もう帰ってしまうの?」
ミサト「もう十分だろうってリツコが。それに碇司令も私にだけ負担をかけるわけにも……って」
シンジ「そう……ですか……」
アスカ「何言ってんの、どうぜ本部で一緒になるでしょ」
シンジ「うん。それじゃあ」
レイ「……さよなら」
アスカ「じゃあね」
ミサト「じゃ、アスカを送っていくから」
バタン…
シンジ「はい」
レイ「せっかく、あの人のことが少し分かった気がしたのに……」
シンジ「綾波……」
レイ「わかってる」
《ネルフ本部 アスカの宿舎》
ミサト「それじゃあ、私の家に置いてあるアスカの荷物は明日中に届けさせるから」
アスカ「よろしくー」
ミサト「といっても、そんなにないけどね」
アスカ「まあね」
ミサト「それじゃ――」
アスカ「ミサト?」
ミサト「どうしたの?アスカ」
アスカ「何だか……ミサトと2人で話がしたくってさ」
ミサト「そう……」
アスカ「アタシは特別。アイツらとは違う。だから一人でやらなきゃならない。そう思ってた」
ミサト「……」
アスカ「元々みんなで食事ってのも苦手だし、他人とあわせて楽しいふりをするのも疲れるし、他人の幸せを見るのも嫌だったし」
アスカ「私はエヴァに乗れればよかったんだし、元々一人が好きなんだし、馴れ合いの友達はいらなかったし、私をちゃんと見てくれる人は初めからいないし」
アスカ「成績のトップスコアさえあれば、ネルフで1人でも食べていけるしね」
ミサト「……」
アスカ「でもミサトのとこで過ごしてみて、他人といるのもいいなって思うこともあったんだ。あたしには似合わないけど」
ミサト「そんなことないわよ。アスカは優しいから」
アスカ「ん・・・こんな話ミサトが初めて。なんだか楽になったわ。誰かと話すって心地いいのね。知らなかった」
ミサト「この世界にはあなたの知らない面白いことで満ち満ちているのよ。楽しみなさい」
アスカ「うん。そうね。ありがと、ミサト」
ミサト「じゃあ、またあとで」
アスカ「バイバイ」
アスカ(……さてと。またここに一人、か)
アスカ(でも……今はアイツと少しは通じ合っているから……前とは違う……)
アスカ(一人って……こんなにも寂しかったかな……)
ピリリリ……
アスカ「はい。もしもし?」
シンジ『式波、もう落ち着いた?』
アスカ「なっ……ナナヒカリ!……なんで?」
シンジ『えっと……なんか寂しいって綾波が』
アスカ「え?……エコヒイキが?」
シンジ『うん……』
アスカ「あっそ。アタシもいま……さび……退屈してたとこ」
シンジ『あ、そ、そうなんだ……』
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ『なに?式波』
アスカ「……特別に『アスカ』でいいわよ。アタシもあんたのこと、『バカシンジ』って呼ぶから」
シンジ『あ、そ、そう……』
レイ『碇くんは、ばかじゃないわ』
アスカ「うっさいわね、バカレイ」
レイ『……』
アスカ「バカシンジ?」
シンジ『なに、式……アスカ』
アスカ「アタシ、アンタのこと……き、嫌いじゃないから」
シンジ『え……あ……そ、そうなの?』
アスカ「何よ、文句ある!?」
シンジ『べ……別にそう言うつもりじゃ……』
アスカ「アンタもよ、バカレイ」
レイ『……アスカ?』
シンジ『ま、まあ……僕も……嫌いじゃなくなった……かな……』
アスカ「ななな何よ!」
レイ『……私も、アスカのこと、好きだから』
アスカ「ばっ!バカレイ!……アタシは嫌いじゃないって言っただけで……」
シンジ『はは……じゃあアスカ、またあとで』
レイ『寂しかったら……また、遊びにきてね』
アスカ「しょ、しょうがないわね! 行ってやるわよっ」
ピッ…
アスカ(……アイツと繋がっていることが……今は一番嬉しい……のかな……)
アスカ(バカシンジ……)
《ネルフ本部 廊下》
シンジ「アスカー」
アスカ「バカシンジ」
シンジ「はい。牛乳」
アスカ「あんがと。でも、なんでよ?」
シンジ「アスカが泣いて水分無くなってるだろうからって、綾波が」
アスカ「な、なんですってえ!? ちょっと、バカレイ!」
レイ「……ちがうの?」
アスカ「ふ、ふん! しょうがないから、もらっとくわ!」
レイ「……」ニコ
シンジ「じゃあ、いこっか」
レイ「早く訓練を終わらせて、あれを買いに行きましょう」
アスカ「行く行く! アレを買いに!」
――もう言葉にしなくても大丈夫よね。分かり合えてるから
アスカ(そっか、私、笑えるんだ――)
FIN
■MEMO
・ヱヴァSS
既存SSの機体交換実験
アスカ←→レイ
・元ネタとした既存SS
アスカ「シンジー、あれとってー」シンジ「はい」ミサト「……」
アスカ「シンジー、あれとってー」シンジ「はい」ミサト「……」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1336657938/)
面白かった
懐かしかった
俺もレイと「あれ、それ」で分かりあえる関係になりたい
以下のURLから登録すると、漏れなく500円分のポイントが手に入ります!
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招待側は1500円分のポイントが手に入ります!
計2000円分のポイントが手に入ります!!
乙。
元の書き手さんとは違うの?
第3次実験に期待します。
俺「>>53くん、アレだして」
!
最高だよ
>>56
俺「あ、うん」ボロン
>>59
ナニだしてんだよちげぇよアレだよアレ
>>1です
>>55
>元の書き手さんとは違うの?
違います
>第3次実験に期待します。
面白そうなネタがあれば
第1次実験の結果はこちら↓
シンジ「帰ろう……僕たちの――」
シンジ「帰ろう……僕たちの――」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1392044409/)
■その他 投下済みスレ■
シンジ「綾波!」レイ「…」パシャン…旧劇の終わりの焼き直し(エヴァ旧劇場版 再構成)
シンジ「綾波!」レイ「…」パシャン…旧劇の終わりの焼き直し - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1390630428/)
レイ「・・・碇くんの頬っぺた、プニプニしてみたい・・・///」(ヱヴァ新劇場版「破」再構成1)
レイ「・・・碇くんの頬っぺた、プニプニしてみたい・・・///」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376493346/)
アスカ「乗るなら早くしなさい!」(ヱヴァ新劇場版「破」再構成2)
アスカ「乗るなら早くしなさい!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398870354/)
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アヤナミレイ(仮)「いっかーりくーん、どこー?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1378826143/)
レイ「ここは……どこ?……」(ヱヴァ新劇場版「Q」再構成2)
レイ「ここは……どこ?……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379514608/)
アスカ「今夜はここで寝るわよ」(ヱヴァ新劇場版「Q」後日談1)
アスカ「今夜はここで寝るわよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1378394795/)
シンジ「何ですか? これ」ミサト「教科書よ」(ヱヴァ新劇場版「Q」後日談2)
シンジ「何ですか? これ」ミサト「教科書よ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1380811845/)
シンジ「エヴァ最終号機?」(Bルート)(ヱヴァ新劇場版「Q」後日談2の続き)
シンジ「エヴァ最終号機?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1385772751/)
突然ですが宣伝です!
>>1が謝罪するまで続けます!
文句があればこのスレまで!
加蓮「サイレントヒルで待っているから。」
加蓮「サイレントヒルで待っているから。」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401372101/)
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補足
条件その1 まとめ
・元SSの会話は極力変えないで配役のみ入れ替え
・そのためレイ同居の仮定導入
・元SSでアスカの手紙をミサトとシンジが読むシーンはアスカのリアクションを
レイで置き換え不可能のため別イベントに差し替え
条件その2
・レイ同居の仮定を入れないで原作会話を極力変えない
※同居してないのにツーカーになったシンジとレイに
どうやってアスカを絡めるか、見当がつかないため当面保留
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