まどか・ほむら「終焉の物語?」(768)
<初めに>
最後まで全て書きだめがありますので、どんどん投下していきます。
書きだめはありますが、ちょくちょくネットに繋がらない事があるのでご了承下さい。
本来はあるSSの一部でしたが、諸事情(あとがきで話します)でこの部分のみ先に投稿します。
あるSSの一部ですが、このSSのみでも完結するように一部書き換えてあります
直接描写は無いと思いますが、一部15禁くらいのシーンもあります。
ワードのページ数で言うと約250ページくらいの量です。
《ほむらによる再改変後・学校の渡り廊下》
まどか「私、何か大切な事を忘れている気が……」ゴゴゴ(目が金色に)
ほむら「!?」ギュー
まどか「えっ!?あっ、暁美さん!?」目が元に戻る
ほむら「鹿目まどか、あなたはこの世界が尊いと思う?自分の欲望より秩序を優先してる?」例のヤバい目つきで
まどか「尊いと……思うよ。それにルールを自分勝手に変えるのっていけないと思うし……」
ほむら「そう。なら私たちはいずれ敵対するかもしれないわね……」
ほむら「でも構わない。私はあなたが幸せになれる世界を望むから。」リボンを取ってまどかの髪に結んでいる
まどか「暁美さん……?」
ほむら「やっぱりこのリボンはあなたの方が似合うわね。」うっすらと涙を流して、その場を去ろうとする
まどか「待って!暁美さん!」
ほむら「!?」ピタッ
ほむら「何かしら、鹿目まどかさん?」
まどか「私このリボンはもらえないよ。」
ほむら「あら、お気に召さなかったかしら?」
まどか「ううん、そうじゃなくて……」
ほむら「?」
まどか「上手くは言えないんだけど、このリボンは暁美さんにとってすごく大切なものな気がするの。」
まどか「だからね、それを私がもらう訳にはいかないかなと思って……」リボン返し
ほむら(まどかも改変前の記憶を部分的に持ち越しているのかしら?)
ほむら「そう、ならまた今度あなたに似合うリボンをプレゼントするわ。」
まどか「ありがとう。でもどうして暁美さんは初対面の私にそんなにも親切にしてくれるの?今日だって校舎を案内してくれたし。」
ほむら「あなたは転校してきたばかりでまだこの学校に慣れていないと思っただけよ。私も転校してきたばかりの頃はクラスの人にいろいろ教えてもらったし。」
まどか「暁美さんも転校生だったんだ!?」
まどか「私ね、転校してきたばかりで友達ができるか不安だったんだけど、暁美さんとなら上手く行けそうな気がする。」ほむらの手を握る
ほむら「!?」
まどか「暁美さん、私と友達になってくれますか?」
ほむら(確かに友人ならまどかを近くで監視する事はできるけど、あまり私が接触し過ぎるとまどかの覚醒を促してしまうのではないかしら?)
まどか「やっぱり私なんかじゃダメかな?」不安げ
ほむら「いえ、そんなことないわ。むしろ私のような無愛想な人があなたのような人の友人にふさわしいのかしら?」
まどか「そんなことないよ。それになんか暁美さんは今日会ったばかりな気がしないんだ。」
ほむら「そう……」
ほむら「なら、私の事はほむらでいいわ。」
まどか「じゃあ、改めて。ほむらちゃん、私と友達になってくれますか?」
ほむら「えぇ、こんな私でよければよろこんで。」
まどか「ウェヒヒ。」
まどか「お友達になったんだから、ほむらちゃんも私の事はまどかって呼んで。」
ほむら「分かったわ、まどか。」
まどか「それじゃあ、これからよろしくね、ほむらちゃん!」ニコッ
ほむら「えぇ、こちらこそよろしく、まどか。」
まどか「実は今日ね、さやかちゃんたちが私の帰国と転校祝いしてくれるんだって。この後さやかちゃんちにお呼ばれしているんだけど、ほむらちゃんも来てくれる?」
ほむら「!?」
ほむら(美樹さやか……)
ほむら(確か彼女の記憶だけはそのままだったわよね。さやかの家に行っても警戒されないかしら?)
まどか「ほむらちゃん……?」
ほむら「何かしら、まどか?」
まどか「今日さやかちゃんちにお呼ばれしてるんだけど、もしかしてほむらちゃん今日は都合悪かった?」
ほむら「いえ、大丈夫よ。でもいきなり私までお邪魔して彼女の迷惑にならないかしら?」
まどか「それなら問題ないんじゃないかな。さやかちゃんには私から連絡しておくし、それにパーティーは多い方が楽しいよ。」
ほむら「ありがとう、まどか。ならせっかくだからお邪魔させてもらうわ。」
まどか「やったぁ~!」ダキッ
ほむら「……」
《放課後・美樹ハウス》
ピンポーン
さやか「いらっしゃいまどか……」
さやか「それにほむら……」ほむらをジー
ほむら「……」さやかをジー
まどか「どうしたの、二人とも?」
ほむら「いえ、何でもないわ。」
さやか「そうそう、さぁ二人とも入って入って。」
まどか・ほむら「お邪魔します。」
~美樹ハウスリビング~
杏子「おっ、二人とも来たな。早く飯にしようぜ。」
さやか「あんたはさっきからそればっかりね。」ハァ~
杏子「だって、パーティーのメインはうまいもんだろ。」
さやか「全く、今日のメインはまどかなんだから。」
杏子「分かってるって。アタシは佐倉杏子だ。よろしくな。」うんまい棒渡し
まどか「ありがとう。私は鹿目まどかって言うの。よろしくね、杏子ちゃん。」
杏子「あぁ。」
杏子「それにしても珍しいな、ほむらがこういうイベントに参加するなんて。いつもは誘っても来やしないのに。」おかずのチキンを食べながら
ほむら「今日まどかに学校を案内していたらたまたま誘われたのよ。」
さやか「ふ~ん、転校して来たばっかりなのに、まどかったらいつの間にほむらと仲良くなったの?ほむらったらいつも人を寄せ付けない雰囲気出してるのに。」
まどか「そんな事ないよ、さやかちゃん。クールな感じだけど、ほむらちゃん本当は優しいんだよ。」
まどか「それになんて言うのかな?ほむらちゃんとは今日会ったばかりなのに、ずっと前から友達だったような気がするんだ。」
さやか「!?」
さやか「……」ほむらをジー
ほむら「……」
まどか・杏子「?」キョトン
杏子「何言ってんだ、まどか?前世の記憶とかマミみたいな事言って。」
まどか「?」キョトン
まどか「杏子ちゃん、マミさんって誰?」
杏子「そっか、まどかは転校してきたばっかだから知らないよな。マミはアタシたちの一個上なんだよ。」
杏子「んで、そのマミってのが必殺技に名前つけたりとか自作ポエムとか、とにかく痛々しい発言ばっかりしてくるんだよ。」
まどか「そうなんだ。先輩なのに呼び捨てでいいの?」
杏子「いいのいいの。マミにさん付けや敬語なんて似合わねぇって。」
さやか「まどかのは多分マミさんのとは違うんじゃない?ねぇ、ほむら?」
ほむら「どうしてそこで私の名前が出て来るのかしら?」
さやか「いや、ただなんとなくだよ。」
杏子「おいおい、さやか、ほむらは確かにミステリアスな雰囲気だけど、マミみたいな残念なセンスはしてねぇじゃん。」
さやか「そう言う意味じゃないんだよ、杏子。」
杏子「?」キョトン
ほむら「……」
さやか「まっ、今日はまどかのパーティーだし、楽しみましょうか。」
杏子「おっ、やっと飯にありつけるぜ!」
さやか「あんたはさっきつまみ食いもしてたでしょうが!」ビシッ
杏子「痛っ!ちょっとは加減しろよな、さやか!」
さやか「待てができないあんこちゃんにはお仕置きだよ。」
杏子「誰があんこだ!誰が!」
まどか「ウェヒヒ。二人とも仲良しさんだね。」
杏子「これのどこが仲良しなんだよ!」
ほむら「杏子も落ち着きなさい。そんなにはしゃいでいたらせっかくの食事が冷めてしまうわよ。」
杏子「そうだった!さやか、早いとこ乾杯しようぜ!」
さやか「全く、あんたはいっつも食欲優先なんだから…」ハァ~
さやか「それじゃ、まどかの帰国と転校祝いに、かんぱ~い!」
まどか・杏子「かんぱ~い!」
ほむら「乾杯……」ボソッ
~食後~
さやか「そういえば、マミさんからまどかのパーティー用にケーキもらってたんだ。」
杏子「マジか?マミのケーキは格別だからなぁ。1ホール位はいけるぞ。」
さやか「あんた、さっきもあんなに食べたのにまだ食べる気?」
杏子「よく言うだろ、『甘いものは別腹』って。」
さやか「はいはい、食べるのはいいけど私たちの分も残しておきなさいよ。」
まどか「マミさんも私の事知ってたんだ!?」
さやか「うん、マミさんたちも誘ったんだけど、今日はなぎさとチーズバイキング行く予約していたから来れないって連絡があったんだ。それで代わりにこれを皆でどうぞって頼まれたの。」
まどか「そうなんだ。今度お礼に行かないとね。」
さやか「そうだね。私はこれからほむらとちょっと話があるから、杏子からマミさんやなぎさの事を教えてもらうといいよ。」
杏子「おう、任せとけ。その代わりさやかのケーキを……」
さやか「食べたらダメだからね!」
杏子「分かってるよ。言ってみただけだって。」ショボーン
ほむら「私はさっき十分食事を頂いたから、一切れだけ残してくれれば後はあなたにあげるわ。」
杏子「マジで!?ほむらはさやかと違って優しいな。これは確かにまどかの言う通りだじゃん。」
さやか「『私と違って』は余計だよ!」
さやか「それじゃあ、そっちはよろしくね。」
杏子「了~解!」
~美樹ハウス別の部屋~
ほむら「それで、私に話って何かしら、美樹さやか?」
さやか「あんた、自分のやった事がどんな事か分かってるの!?」
さやか「あんたは魔法少女の希望だった円環の理を、ううん、全ての魔法少女の希望になろうとしたまどかの意志を、踏みにじったのよ!」
ほむら「まどかは、本心では家族や友人に囲まれた幸せな生活を望んでいたのよ。私はそのためにまどかの一部を抜き取っただけ。円環の理自体は機能しているわ。」
さやか「だからってあんなやり方間違ってる!」
ほむら「それは仕方ないわ。私にできる最善の策はあれしかなかったもの。それともあなたに円環の理だったまどかを、その辛さから解放できる術でもあったのかしら?」
さやか「くっ……」
さやか「それだけじゃない、なんでまどかに近づいた!?」
ほむら「どうして私がまどかに近づいてはいけないのかしら?」
さやか「当たり前でしょう!あんたがまどかを滅茶苦茶にした張本人なんだから!そんな奴がまどかの側にいるなんておかしいでしょ!」
ほむら「私はまどかに危害を加えるつもりはないわ。それにまどかの方から友人になってくれって言われたのよ。」
さやか「まどかがそんなことを……」
さやか「だからって私はあんたのした事を絶対許さないから!」
ほむら「別に許してもらおうなんて思ってないわ。だけど、まどかの前では仲良くしましょう。そうしないとまどかが悲しむわ。」
ほむら「まどかを悲しませるものは私が許さない。たとえそれがまどかの友人だとしてもね……」銃をさやかに向ける
さやか「分かった。まどかの前では普通に接してあげるよ。」
さやか「ただし、まどかに何かしようとしたら私も黙っていないから。」
ほむら「あなたにしては、物わかりのいい方だわ。」
ほむら「さぁ、話も済んだし早いとこまどかたちのところへ戻りましょう。あんまり遅いとまどかが心配するわ。」
さやか「そうだね……」
~美樹ハウスパーティーしてた部屋~
杏子「おっ!二人とも話は済んだか?」
さやか「うん。そっちも?」
杏子「あぁ、一通り説明して暇だったからケーキ食って待ってた。」
まどか「二人は何話してたの?」
さやか「まどかがどうやってほむらと友達になったのか、不思議に思ったから質問していたんだよ。」
杏子「確かにそれは不思議だな。ほむらって取っ付きにくそうな感じだし。」
まどか「二人ともほむらちゃんに失礼だよ!」
ほむら「いいのよまどか。私が人を避けているのは事実なのだし。今回の事だってあなたから言ってくれなければ、友人になっていなかったもの。」
まどか「私はそんなことないと思うんだけどなぁ……」
まどか「じゃあさ、これからはほむらちゃんもみんなと一緒に遊んだりしようよ。そうしたらみんなもほむらちゃんは本当は優しい人だって分かるはずだよ。」
ほむら「まどかが望むなら私は構わないわ。」
杏子「それはいいな。優等生なほむらがいれば、宿題も写し放題じゃん。」
ほむら「杏子、宿題は自分でやりなさい。分からないとこは教えてあげるから。」
杏子「まどか~、ほむら全然優しくないじゃん。」
まどか「杏子ちゃん、それは優しさとはちがうよ。」
杏子「ちぇ~」
さやか「………」
さやか(これはほむらが本当にまどかに害を及ぼさないか見極めるチャンスになりそうだね。)
《数日後・マミホーム》
まどか「マミさん、この前はケーキありがとうございました。」ペコリ
マミ「あれくらいいいのよ。私たちの方こそ、この前は行けなくてごめんなさいね。」
まどか「それと、この前のお礼にこれどうぞ。二人ともチーズが好きと聞いたので、チーズケーキとかどうかなと思って。」
マミ「あらあら、気を遣わせてしまったわね。ありがとう、鹿目さん。」
なぎさ「わーい、チーズケーキなのです!マミさん、早速食べてもいいですか?」
マミ「もう、なぎさちゃんたら本当にチーズが好きね。ちょっと待ってて。皆集まった事だしお茶会にでもしましょうか?」
なぎさ「なら、なぎさもお手伝いするのです。」
マミ「あら、ありがとう。」
ほむら「なら、その間に私たちは宿題を片付けておきましょう。」
さやか・杏子「えぇ~!宿題はんた~い!」ブーブー
まどか「ダメだよ、二人とも。宿題はちゃんとやらないと。」
さやか・杏子「じゃあ、二人が終わるの待ってるから、終わったら……」
まどか「写しちゃダメだよ。」
ほむら「分からない所は教えてあげるから、出来るとこは自分でやりなさい。」
杏子「さすが優等生。真面目過ぎる。」
まどか「二人とも分からない所があったら教えてね。」
さやか「分からない所が……」
杏子「分からない!」さやかと杏子、一緒にドヤ顔
まどか・ほむら「………」呆れてる
ほむら「これは骨が折れそうね……」
まどか「そうだね……」ウェヒヒ(苦笑い)
さやか「仕方ない。やろっか……」
杏子「仕方ない。やるか……」
~数分後~
さやか「まどか、早速なんだけど、この英文をどう訳せばいいのか分かんないんだ……」
宿題「Which do you like better between a virgin woman and a non-virgin woman?」
まどか「ここはね、この文法があるからこう訳すんだよ……」
まどか「『処女か非処女、どっちがいいですか?』」
まどか「……って何この英文!?」
さやか「あぁ~、早乙女先生またダメだったんだ。」
さやか「早乙女先生ったら、彼氏と別れるたびに別れた原因を二択にして私たちに愚痴ってるんだよ。」ハァ~
まどか「それは大変そうだね……」
さやか「まどかは帰国子女だから当てられないように気をつけなよ。中沢なんかしょっちゅうどっちがいいか聞かれて、困ってるみたいだし。」
まどか「そうだね。課題にこれがあるって事は、先生が別れた原因って……」
さやか「まぁ、そういうことだろうねぇ。」
まどか「そっ、そうなんだ……」カァ~
さやか「おやおや、まどかったら顔真っ赤にしてナニ考えてるのかな?」ニヤニヤ
まどか「なっ、なんでもないよっ!」アセアセ
さやか「まどかみたいな可愛いやつは、男共にはもったいないぞ~」抱きつき
まどか「きゃっ!?さやかちゃん、いきなり抱きつくのは反則だよ~」
ほむら「……」まどかとさやかの方を見ている
杏子「ほむら、アタシは数学聞きたいんだけど。」
ほむら「…どれかしら?」
杏子「これなんだけど、さっぱり分かんねぇんだ。」
宿題「cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβを証明せよ。」
ほむら「加法定理の証明ね。これは……」
ほむら「まず、単位円上に点Aを(cos(α+β),sin(α+β))、点Bを(1,0)と取るの。」カキカキ
ほむら「そうするとAB間の距離はAB=√((cos(α+β)-1)^2+(sin(α+β)-0)^2)となるわ。」
ほむら「次に、三角形OABをαだけ時計回りに回転させると、AはA’(cosβ,sinβ)、BはB’(cos(-α),sin(-α))=(cosα,-sinα)に移動するわよね。」
ほむら「そうするとA’B’間の距離はA’B’=√((cosβ-cosα)^2+(sinβ-(-sinα))^2)となるわ。」
ほむら「回転させただけだから、当然三角形OABと三角形OA’B’は合同よね。だから対応する辺の長さも同じで、AB=A’B’、二乗して、AB^2=A’B’^2になるわ。」
ほむら「そこで、さっき求めた値を代入して……」
ほむら「(cos(α+β)-1)^2+(sin(α+β)-0)^2=(cosβ-cosα)^2+(sinβ-(-sinα))^2」
ほむら「式を変形していって……」
ほむら「cos(α+β)^2-2cos(α+β)+1+sin(α+β)^2=cosβ^2-2cosβcosα+cosα^2+sinβ^2+2sinβsinα+sinα^2」
ほむら「(cos(α+β)^2+sin(α+β)^2)-2cos(α+β)+1=(cosβ^2+sinβ^2)+(cosα^2+sinα^2)-2cosβcosα+2sinβsinα」
ほむら「ここでcosθ^2+sinθ^2=1を利用して……」
ほむら「1-2cos(α+β)+1=1+1-2cosαcosβ+2sinαsinβ」
ほむら「2-2cos(α+β)=2-2cosαcosβ+2sinαsinβ」
ほむら「両辺に2があるから消して、-2cos(α+β)=-2cosαcosβ+2sinαsinβ」
ほむら「さらに両辺を-2で割って、cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβ、となって証明完了よ。」
ほむら「分かったかしら、杏……」
杏子「……」Zzz
ほむら「起きなさい、杏子。」頭ポン
杏子「…あっ!ほむら、終わったか?」
ほむら「全く、教えてくれと言ったのはあなたなのに、寝てしまっては意味がないでしょう?」
杏子「悪い悪い、数学の授業って先生の話が眠りの呪文みたいに聞こえんだよな。」
ほむら「その言い方だと授業中も寝ていそうね。それじゃあ分からなくて当然だわ。」
杏子「そう言わずにさ、もう少し付き合ってくれよ。」
ほむら「しょうがないわね。今度は寝ないでよ。」
杏子「分かってるって。」
~数十分後~
さやか・杏子「あぁ~!やっと終わったぁ~!」ぐったり
まどか「二人ともお疲れさま。宿題はこれで全部だね。」
ほむら「帰ったら二人ともきちんと復習しておきなさいよ。」
杏子「さすが優等生。言う事が真面目だな。」
まどか「それにしてもほむらちゃんってすごく頭いいんだね。どの教科もスラスラ解いていたし。何か秘密でもあるの?」
ほむら「秘密なんてないわよ。強いて言えば授業を寝ないでちゃんと聞いて、予復習をしておくくらいかしら。ねぇ、さやか、杏子?」
さやか・杏子「うっ、気をつけます……」
マミ「皆お待たせ、こっちも用意できたわ。」
さやか「待ってました!やっぱり頭を使った後は甘いものに限るね。」
杏子「このケーキはアタシがもらった!」
さやか「あっ!杏子!それ私が狙ってたのに。」
杏子「へへーんっ!こういうのは早い者勝ちなんだよ。」
なぎさ「なぎさのチーズケーキは誰にも渡さないのです!」
マミ「こらこら、ケーキは十分あるんだから喧嘩しちゃダメよ。」
ほむら「まどかはこのケーキが好きだったかしら?」
まどか「うん、よく知ってるね、ほむらちゃん。」
ほむら「なんとなくあなたが好きそうな気がしただけよ。」
マミ「じゃあ、いただきましょうか。」
まどか・さやか・マミ・杏子・なぎさ「いただきま~す。」
ほむら「いただきます……」ボソッ
杏子「本当マミのケーキはいつ食ってもうまいな。」モグモグ
マミ「あら、ありがとう。」ニコッ
なぎさ「まどかの持って来たチーズケーキも絶品なのです。どこで買ってきたのですか?」モグモグ
まどか「駅前のケーキ屋さんだよ。」
なぎさ「あのお店にこんなにおいしいチーズケーキがあったなんて、今まで全然知らなかったのです。これは今度から要チェックなのです!」
まどか「なぎさちゃんは本当にチーズが好きなんだね。」
なぎさ「なぎさにとってチーズは生きる希望なのです。チーズがなければ絶望してしまうくらい大好きなのです。」
まどか「そうなんだ。それじゃあチーズがないと大変だね。」ウェヒヒ
まどか「あれ?…希望…絶望…?」一瞬目が金色に
ほむら「!?」まどかに抱きつき
さやか「!?」
まどか「わっ!?いきなりどうしたの、ほむらちゃん?」
ほむら「いえっ、何でもないのよ。」離れる
杏子「おいおい、どうしたんだほむら。そういうセクハラはさやかの担当だろ。」ケラケラ
さやか「杏子、それどういう意味よ!」
杏子「スキンシップって言ってしょっちゅうセクハラしてるだろ。」
マミ「私も日々の成長の確認って言ってよく胸を触られているわ。」
さやか「うっ…それはですね……」アセアセ
さやか「そっ、それにしてもマミさんのいれた紅茶もおいしいですね。ねっ、まどか?」アセアセ
マミ・杏子(あっ!無理矢理話題をそらせた。)
まどか「うん。それにこのケーキもすっごくおいしいよね。」
まどか「それになんて言うのかな?今日初めて食べたはずなのに、なんか懐かしい感じがするんだ。」
杏子「おいおいまどか、前のほむらの事といい、また前世がどうとかって話じゃないよな?」
まどか「う~ん、よく分からないけど、ただ懐かしいって感じかな?」
マミ「まぁ!それはぜひ詳しく聞かせて欲しいわね。」キラキラ
まどか「えっとですね、転校してきたばかりで初対面のはずなのに、ほむらちゃんとはずっと前から友達だったような気がするんです。」
マミ「それは興味深いわね。もしかしたら鹿目さんと暁美さんは前世でも深い関係で、その記憶の片鱗が今も残っているのかもしれないわね。」
マミ「暁美さんも何か思い当たる事はないかしら?」
ほむら「さぁ?私は思い当たる事はないわね。」
ほむら(本当は片鱗どころか全て知っているのだけどね。)
まどか「マミさん、深い関係って何ですか?」
マミ「そうね。例えば恋人とかかしら?」
まどか「こっ、恋人!?」カァ~
ほむら「マミ、まどかが困っているでしょう。おかしな妄言はやめなさい。」
マミ「ちょっとした冗談よ。ごめんなさい鹿目さん、さっきのは気にしないで。」
まどか「……」上の空
まどか(恋人……ほむらちゃんが私の………)
ほむら「まどか?」
まどか「ひゃい!?」
ほむら「どうしたの?上の空みたいだけど。」
まどか「だっ、大丈夫!大丈夫!」
ほむら「そう?気分が悪いようなら家まで送っていきましょうか?」
まどか「本当に大丈夫。少しボーっとしてただけだから。」
ほむら「そう?ならいいのだけど……」
さやか「……」
さやか(もしかしてまどかの奴……)
~帰宅時~
まどか「マミさん、今日はありがとうございました。」
マミ「またいつでも来てね。」
まどか「はい。」
まどか・さやか「それじゃあ、お邪魔しました。」
ほむら「それじゃあ、お邪魔したわね。」
杏子「それじゃあ、邪魔したな。」
マミ「それじゃあ、またね。」
なぎさ「それじゃあ、またなのです。」
《十数分後・帰り道》
さやか「じゃあ、私たちはこっちだからこの辺で。」
まどか「うん、また明日ね。さやかちゃん、杏子ちゃん。」
ほむら「ええ、また明日ね。さやか、杏子。」
さやか「また明日学校でね。」
杏子「また明日学校でな。」
~さやかと杏子と別れた後~
まどか「そういえばほむらちゃんのお家ってどっちなの?」
ほむら「◯◯の方ね。」
まどか「私の家の方角と同じだね。これならまだ一緒に帰れるね。」ポッ
ほむら「えぇ、そうね。」
まどか「手、繋いでもいい?」手差し出し
ほむら「!?」叛逆の救済シーンを思い出す
ほむら(いや、これはあの時とは違うのよ!)
まどか「ダメ…かな…?」
ほむら「そんなことないわ。」手差し出し
まどか「ウェヒヒ。」
まどか「今日も楽しかったね。」
ほむら「そうね。あなたに誘ってもらって良かったわ。」
まどか「それでね、今度はほむらちゃんと二人でお出かけしたいなって。」モジモジ
ほむら「えぇ、構わないわ。どこに行きたいのかしら?」
まどか「この前新しくショッピングセンターができたみたいだから、そこがいいかな。」
ほむら「なら、今度の週末に行きましょうか。◯時にまどかの家に行けばいいかしら?」
まどか「うん、大丈夫だよ。」
まどか「週末が楽しみだね。」ウェヒヒ
ほむら「えぇ、そうね。」
ほむら(幸せそうね、まどか。やはりあの時まどかの力を奪ったのは間違いじゃなかったのね。)
《週末・ショッピングセンター》
まどか「すごい人だね、ほむらちゃん。」
ほむら「えぇ。まどか、はぐれないように気をつけてね。」
まどか「もうっ、ほむらちゃんたら!私そんなに子供じゃないよ!」プンプン
ほむら「そうだったわね。なら手をつながなくても平気そうね。」ウフフ
まどか「そっ、それは……」モジモジ
ほむら「ウフフ、意地悪してごめんなさい。」手差し出し
まどか「もう、ほむらちゃんの意地悪っ!」手繋ぎ(さりげなくまどかの方から恋人繋ぎ)
ほむら「それで、まどかは何か見たいものはあるかしら?」
まどか「う~ん、私はどんなショッピングセンターか気になっただけで、特に見たいものはないかな。ほむらちゃんは?」
ほむら「私も特にないわね。」
まどか「そっか。」
ほむら「なら、あちこち見て回りましょうか?」
まどか「うん。」
まどか(本当はほむらちゃんと一緒ならどこでもよかったんだけどね。)
~昼時~
ほむら「そろそろお昼ね。まどかは何か食べたいものとかある?」
まどか「ここのクレープ屋さんがすっごくおいしいって話題みたいだから、クレープがいいかな?」
ほむら「けっこう並んでいるから、これは少し待たなければいけなさそうね。」
ほむら「私が並んでおくから、まどかは席を取っておいてくれるかしら?」
まどか「そんな、悪いよ。それにクレープなら座らなくても大丈夫だから、私も一緒に待つよ。」
ほむら「そう?ありがとう、まどか。」
~クレープ購入後~
ほむら「まどかは、いちごのクレープでよかったわよね。」クレープ渡し
まどか「本当におごってもらっちゃってよかったの?私お金なら大丈夫だよ?」
ほむら「気にしないでまどか。私がまどかにおごりたかっただけだから。」
まどか「そう?ありがとう、ほむらちゃん。」
ほむら「どういたしまして。」
まどか・ほむら「いただきます。」
まどか「わっ!やっぱり評判なだけあっておいしいね。」モグモグ
ほむら「えぇ、これは確かに待ってでも欲しくなるわね。」モグモグ
まどか「……」ほむらの口元をジー
ほむら「まどか、もしかしてこっちのチョコの方がよかったかしら?」
まどか「そっ、そんなことないよ。こっちのいちごもおいしいよ!」アセアセ
ほむら「せっかくだから、こっちも一口いかが?」
まどか「えっ!?いいの?」
ほむら「もちろんよ。」
まどか「じゃあ、お言葉に甘えて……」
まどか「いただきます。」モグモグ
まどか(…しちゃった……)
まどか(ほむらちゃんと間接キス……)カァ~
ほむら「まどかったら、そんなにはしゃいじゃって。よっぽどチョコのクレープが食べたかったのね。」ウフフ
まどか「じゃあ、お礼にほむらちゃんもいちご一口どうぞ。」
ほむら「ありがとう。こっちもおいしいわね。」モグモグ
まどか(ほむらちゃんが私の食べたクレープ食べてる……)カァ~
ほむら「?」キョトン
ほむら「まどか、顔が少し赤いみたいだけど大丈夫?」
まどか「なっ、何でもないから大丈夫だよっ!」アセアセ
ほむら「そう?もし体調が優れないようなら、遠慮しないで言ってくれていいのよ。」
まどか「だっ、大丈夫、大丈夫!」
まどか「ほら、クレープだってあっという間に食べれるくらい元気だから!」ぱくぱく(クリームがほっぺに)
ほむら「もうっ、まどかったら食いしん坊さんね。」ウフフ
ほむら「あっ!まどか、ほっぺにクリームがついてるわよ。」指で取ってペロリ
まどか「!?」顔真っ赤
ほむら「どうかしたかしら?」
まどか「なっ、何でもないよっ!」アセアセ
ほむら(まどかったら本当にどうしたのかしら?)
ほむら(さっきから顔が赤いみたいだけど、もしかして本当は体調が悪いのに無理しているんじゃないかしら?)
まどか「そっ、それよりこの後どうしよっか?」
ほむら「そうね……」
ほむら「そういえば、あなたに似合うリボンのプレゼントがまだだったわね。」
まどか「そんな、気にしなくていいよ。私はほむらちゃんとこうして一緒にいられるだけで幸せだから。」
ほむら「まどか、それって……」カァ~
まどか「!」
まどか「ちっ、違う違う、そう言う意味じゃなくて……」しどろもどろ
まどか・ほむら「……」カァ~
ほむら「とっ、とりあえずリボンがないか探してみましょう。」
まどか「そっ、そうだね……」
~数十分後~
まどか「結構探したけど見つからなかったね。」
ほむら「えぇ、また今度一緒に探しましょう。」
占い師「ちょっと、そこのお二人さん!」
まどか・ほむら「!?」クルッ
ほむら「私たちの事かしら?」
占い師「あぁ。お嬢さんたちから妙な気配がするから、少し見させてくれないかい?」
ほむら「占いに使うお金はないわよ。」
占い師「お代はいらないよ。私も個人的に気になって見たいだけだし。」
ほむら「そんな事言っても、占い自体興味ないのだけど……」
まどか「ほむらちゃん、面白そうだから見てもらおうよ。」
ほむら「まどかがそう言うなら……」
~占い中~
まどか「どうですか?」
占い師「う~ん……」
占い師「突拍子もない話だけど、お嬢さんたち前世の記憶とか持ってたりしないよね?」
まどか・ほむら「!?」
まどか「なんでそれを!?」
占い師「おや?って事はピンク髪のお嬢さんの方は持っているのかい?」
まどか「えっと、前世の記憶かどうかは分からないんですけど、ほむらちゃんとは初めて会った時に昔からの友達だったような気がしたんです。」
占い師「もしかしたら前世の記憶の片鱗かもしれないね。黒髪のお嬢さんの方はどうだい?」
ほむら「私?私は特にそういうのは感じないわね。」
占い師「本当かい?」
ほむら「嘘を言って何になるのよ。」
まどか「それで、私たちの前世ってどんな感じだったんですか?」
占い師「そうだね……」
占い師「黒髪のお嬢さんはピンク髪のお嬢さんを過酷な運命から助けるためにかなり苦労したみたいだね。」
占い師「その後、黒髪のお嬢さんはピンク髪のお嬢さんから何かを奪ったみたいだよ。」
まどか「う~ん、よく分かんないや。ほむらちゃんは分かる?」
ほむら「私もよく分からないわね。」
ほむら(もしかして、ループの事とこの前の円環の理の一件の事かしら?)
ほむら(こいつの言ってる事は曖昧とは言え事実ね。)
ほむら(これ以上ここにいたらマズそうな気がするわ。早いとこ出ないと。)
まどか「それと前先輩に話したら、『私に前世の記憶が残ってるかもしれないのは、前世で私たちが恋人のような深い関係だったからじゃないか。』って言われたんですけど、そうなんですか?」
ほむら・占い師「!?」
ほむら「ちょっ、ちょっとまどか!いきなり何言ってるの!?」カァ~
占い師「そうだね……」
占い師「恋人かどうかは分からないけどかなり親密な関係だったのは確かだろうね。でなければ、前世の記憶なんて持ち越したりできないだろうし。」
まどか「そうですか……」しゅん
ほむら「占いは終わりかしら?終わったならもう帰りたいのだけど……」
占い師「あっ!最後に一つ。お嬢さんたち、もし悩み事とかがあったら二人できちんと話し合う方が良さそうだよ。もしすれ違ったままだと後々大変な事になるかもしれないからね。」サッと消えた
まどか・ほむら「!?」
まどか「何だったんだろうね、今の?」
ほむら「えぇ……」
まどか「いきなり消えちゃうなんて魔法みたいだね。」
ほむら「!」
ほむら(魔法……)
ほむら(改変前の記憶の事といい、もしかして今のはさやかなんじゃ……)
ほむら(あの子一体何を……)
まどか「どうしたの、ほむらちゃん?」
ほむら「いえ、世の中には不思議なこともあるんだな、とちょっと驚いていたのよ。」
まどか「そうなの?ほむらちゃんっていつもクールだから、驚いたようには見えなかったよ。」
ほむら「そう?私だって驚く事くらいあるわ。」
ほむら「それよりそろそろ帰らないと、家の方が心配してしまうのではないかしら?」
まどか「わっ!?もうこんな時間!早く帰らないと!」
~まどかとほむらが去った後~
杏子「おい、さやか。アタシに幻惑魔法まで使わせといて何してんだよ?」
さやか(占い師)「あの二人に伝えときたい事や確認したい事があったからね。」
杏子「まさか、また前世がどーのこーのって話か?」
さやか「う~ん、半分正解ってとこかな?」
杏子「わけ分かんねぇ。それより報酬のうまい飯食いに行こうぜ。」
さやか「そうだね。今日はさやかちゃんが大盤振る舞いしちゃいますよ~!」
杏子「よっしゃー!」
さやか(確かにほむらは円環の理だったまどかを穢したけど、まどかを大事に思っているのは変わらないみたいだね。)
さやか(それにしてもまさかあのまどかがほむらに惚れているとはねぇ。マミさんちでの様子見てまさかとは思ってたけど。)
さやか(ほむらも私の真意に気づいてくれたかな?すれ違ったまま戦うなんてもうこりごりだからね……)
杏子「お~い、さやか!突っ立てないで早く来いよ!」
さやか「分かったってば!」
《数十分後・帰り道》
ザザザー(帰る途中で土砂降り)
まどか「天気予報じゃ今日は一日晴れだって言ってたのに……」
ほむら「今更ぼやいてもしょうがないわ。とりあえず私の家までもう少しだから、頑張って、まどか!」まどかの手を握って走ってる
まどか「うん!」
《十数分後・ほむホーム》
まどか「それにしてもひどい雨だね。」フキフキ(タオルで雨水拭いてる)
ほむら「テレビでもこれから明日朝まではこんな調子と言ってたわ。」フキフキ
まどか「どうしよう。ほむらちゃんの家から私の家まではまだしばらくかかりそうだし……」不安そうな表情
ほむら「親御さんも心配しているだろうから、電話した方がいいんじゃないかしら?」
まどか「うん、そうだね。」ピポパッ
~数分後~
まどか「うん、うん、分かった。じゃあ明日ね。」ピッ
ほむら「どうだった?」
まどか「道路が冠水しちゃってて迎えに来れそうにないから、今日はほむらちゃんの所で泊めてもらえないかだって。」
まどか「いきなりで悪いんだけど、今日泊めてもらってもいいかな?」
ほむら「私は構わないわ。それより御家族の方は大丈夫だったの?」
まどか「うん、こっちは大丈夫だから心配しなくていいって。」
ほむら「そう、なら一安心ね。」
まどか「それじゃあ、今日はよろ…クシュン!」
ほむら「大丈夫、まどか?さっきの雨で体が冷えちゃったのかしら?お風呂のお湯入れておいたから入ってきたら?」
まどか「ほむらちゃんもずぶ濡れだったから、ほむらちゃんから先どうぞ。」
ほむら「私はこのくらい平気よ。それよりまどかが風邪でも…クシュン!」
まどか・ほむら「……」
まどか「一緒に入ろっか…?」
ほむら「そうね……」
《数分後・ほむホームお風呂》
まどか「二人で入るとさすがに狭いね。」
ほむら「私は大丈夫だから、まどかはもう少し温まっていた方がいいわ。」浴槽から出る
まどか「ありがとう、ほむらちゃん。」
~少し後~
まどか「ほむらちゃんの髪って長くてきれいだよね。」
ほむら「そうかしら?シャンプーやリンスは特にこだわりとかはないのだけど。」髪とか体を洗ってる
まどか「そうなの?じゃあ何か食事で気を遣ってる事とかってない?」
ほむら「そうね、バランスのよい食事を心がけているくらいかしら。」
まどか「そう言えばほむらちゃんって一人暮らしだったよね。料理も自分で作ってるの?」
ほむら「えぇ。両親とも仕事で会えないわね。」
まどか「寂しくない?」
ほむら「!」花畑のシーンでまどかが『一人ぼっちは寂しい。』と言っていた事を思い出す
ほむら「そうね、寂しくないと言えば嘘になるわね。」
ほむら「でも、今の私にはあなたのような素晴らしい友人がいるから大丈夫よ。」
まどか「ウェヒヒ。」
まどか(友達か…恋人じゃないんだね……)
まどか「私は温まったから、今度はほむらちゃんがどうぞ。」浴槽から出る
ほむら「ありがとう、まどか。」
~少し後~
ほむら「……」ジー
まどか「どうしたの、ほむらちゃん?」
ほむら「まどか、胸ってどうしたら大きくなるのかしら?」
まどか「えっ!?私にそれ聞くの?マミさんやさやかちゃんじゃなくて?」
ほむら「だって、あの二人に相談したら絶対バカにされるもの!」
ほむら「それに聞いた所で、普通にしてたら自然と大きくなったって言われるだけよ……」
まどか「確かに胸の大きい人って、気づいたら大きくなってたってよく言うよね。」
まどか・ほむら「ハァ~」深いため息
ほむら「まどかはいいわよね。」
まどか「私も小ちゃいよ?」
ほむら「それでも私より大きいじゃない。私なんてぺったんこよ……」
ほむら「それにまどかのお母様って胸大きいじゃない?いずれはまどかも私なんかよりずっと大きくなって……」ズーン(なんか負のオーラが出てる)
まどか「そんな落ち込まないで、ほむらちゃん!私の知ってる方法でよければ教えてあげるから。」
ほむら「本当っ!?まどか!?」パァ~
まどか「えっとね、胸を大きくするエクササイズとか、あと◯◯を食べれば大きくなるとか。」
ほむら「それはもう試したわ……」
まどか「う~ん……」
まどか「あとは好きな人に揉んでもらうと大きくなるとか?」
ほむら「それは相手がいないと無理ね。」
まどか「私じゃダメかな?」
ほむら「えっ!?まどか、それって……」カァ~
まどか「ちっ、違う違う!そう言う意味じゃなくて、私が代わりに揉んだら大きくなるかなって。」アセアセ
ほむら「じゃあ、お願いしようかしら?」
まどか「うっ、うん。」
まどか(ほむらちゃんの胸……)ドキドキ
まどか「じゃあ、揉むね。」
ほむら「えぇ。」
まどか「どう、ほむらちゃん?」モミモミ
ほむら「そうね、少しくすぐったいだけで特に変わった感じはないわね。」
まどか「そっか。じゃあ今度はほむらちゃんが私の胸を揉んでみて。」
ほむら「いいの?好きな人に揉んでもらった方がいいのではないかしら?」
まどか「大丈夫。それに私がほむらちゃんを揉んでばっかりじゃ、私の方が小さくなっちゃうもん!」
ほむら「そんなにすぐには効果はないと思うのだけど……」
まどか(ほむらちゃんの好きな人は私じゃないから無理かもしれないけど、私はほむらちゃんが好きだから効果あるかもしれないもん!)
ほむら「じゃあ、揉むわね。」
まどか「うん……」
ほむら「どうかしら、まどか?」モミモミ
まどか「んっ……」
ほむら「まどか?」
まどか「うん、だっ、大丈夫だから続けて。」
ほむら「そう?」モミモミ
まどか「ハァ…ハァ……」
ほむら「まどか、本当に大丈夫?顔は赤いし、息は上がってるみたいだけど……」
まどか「ほむらちゃ~ん……」グッタリしてほむらに倒れかかる
ほむら「えっ!?まどか、しっかりして!」
まどか「……」気絶してる
《数十分後・ほむホーム寝室》
まどか「…んっ……」目を覚ます
ほむら「あっ!まどか、気がついたようね。」心配そうな顔
まどか「あれ?私確か……」
ほむら「いきなりお風呂で倒れてしまったのよ。」
まどか「……」思い出してカァ~
ほむら「まどか、本当は出かけてる時から体調が悪かったのでしょう?」
まどか「えっ!?」
ほむら「体調が悪かったのに、私との約束を守るために無理させてしまってみたいで……」
ほむら「買い物している時も時々顔が赤くなっていたのに、体調が悪い事に気づいてあげられなくてごめんなさい。」ペコリ
まどか「そんな!ほむらちゃんは悪くないよっ!」アセアセ
ほむら「ほら、今もそうやって私のために無理してる。」
ほむら「ちょっと熱計るわね。」おでこ同士で計る
まどか「わわわっ!?」ドキドキ
ほむら「…熱はなさそうね。今日の所はとりあえずゆっくり休んだ方が……」
まどか「……」ギュッ
ほむら「!?」
ほむら「まっ、まどか!?急にどうしたの!?」
まどか「ほむらちゃん、私別に体調悪い訳じゃないの。」
ほむら「まどか、無理しなくてもいいのよ。」
まどか「ううん、そうじゃなくて、私が顔赤くなったのは体調が悪いからじゃなくて……」
まどか「ほむらちゃんが……」
ほむら「?」
まどか「私はね……ほむらちゃんが…好きなの……」
ほむら「えぇ、私もまどかの事は好きよ。」
まどか「そうじゃなくて、私はほむらちゃんの事を恋人のような特別な人として好きなの!」
ほむら「えっ!?」
まどか「ごめんね。女の子同士なんて、わけわかんないよね。気持ち悪いよね。」
まどか「分からなくてもいい。何も伝わらなくてもいい。それでもどうか、お願いだから、あなたを好きでいさせて。」
ほむら「まどか……」
ほむら「大丈夫よ、あなたの思いはちゃんと伝わったわ。」
まどか「ほむらちゃん、無理しなくていいんだよ。」
ほむら「無理なんかしてないわ。」
チュー
まどか「!?」
ほむら「好きでも無い人にキスなんてしないでしょ。私もまどかの事を特別な人として好きよ。」
まどか「ほむらちゃん……」ウルウル
ほむら「まどかったら、泣き虫ね。」ウフフ
まどか「これはうれし涙だよ。」ギュッ
ほむら(まさか、まどかが私の事をこんな風に思ってくれていたなんて……)
ほむら(もしまどかが円環の理のままだったら、こんな風に触れ合う事もできなかったのね。)
《数週間後・学校屋上》
まどか「はい、ほむらちゃん、あ~ん。」
ほむら「まどか、皆もいるのだし恥ずかしいわ……」カァ~
さやか・杏子「………」
杏子「なぁさやか、今日の卵焼き塩と砂糖間違えたんじゃねぇか?やたら甘いぞ。」
さやか「私はちゃんと塩入れたよ。甘いと思うのはそこのバカップルの桃色オーラのせいじゃない?」
杏子「やっぱりか……」ハァ~
さやか「ねぇ、まどか、ほむらと付き合ってたりするの?」
まどか・ほむら「!?」
まどか「えっ!?なんで分かったの!?」
さやか「むしろなんで気づかれてないと思ったの?」ハァ~
ほむら「一体何時から……」
さやか「マミさんちで前世うんぬんの話した時のまどかの反応見て、まどかはほむらに惚れてるなぁとは思ってたけど、まさかこんなバカップルになるとは想像していなかったよ……」
まどか「クラスのみんなには、ない……」
さやか「内緒になってないからね!バレバレだからね!」
まどか・ほむら「嘘っ!?」
杏子「こいつら、マジで自覚無いみたいだな……」ヤレヤレ
さやか「クラスでも話題になってるよ。まどかがどうやってあのほむらをオトしたのかって。」
さやか「ほむらは男子共から羨ましがられてたし、まどかにいたってはなんか一部の女子にも羨ましがられてたよ。」
まどか「ほむらちゃんは私の恋人さんだもん!」ギュッ
ほむら「きゃっ!?」
さやか「はいはい、別に私たちは取らないから心配しなさんな。」
さやか「それじゃあ、二人のカップル成立を祝ってパーティーでもしよっか?」
まどか「ありがとう、さやかちゃん。」
ほむら「まどか、あんまり他人に知られるのは恥ずかしいのだけど……」
まどか「ほむらちゃんは、私が恋人さんなのは恥ずかしいの?」ウルウル
ほむら「いえっ、決してそう言う意味じゃ……」アセアセ
まどか「じゃあいいよね。」
ほむら「まぁ、身近な人になら……」
まどか「なら、決まりだね!」
ほむら「ほむぅ……」
さやか(これじゃあ、どっちが悪魔か分かんないね……)ハァ~
さやか「なら、マミさんとなぎさも呼んでパーっとやりますか。」
まどか「うん。マミさんのおかげでほむらちゃんを好きって気づけたし。」
杏子「まぁ、アタシはうまいもんが食えるんなら何でもいいぜ。」
《後日・マミホーム》
さやか・杏子「まどか、ほむら、おめでとう。」
マミ「鹿目さん、暁美さん、おめでとう。」
なぎさ「まどか、ほむら、おめでとうなのです。」
まどか・ほむら「ありがとう。」テレッ
杏子「いやぁ、しっかしあのほむらがまどかと付き合う事になるとはなぁ。」
さやか「そうだよね。以前のほむらからは想像できないよね。」
まどか「二人とも私が言った通りだったでしょ。ほむらちゃん本当は優しいんだって。」
さやか「まぁ、そうだね。」
杏子「まぁ、そうだな。」
さやか「以前のほむらは実際取っ付きにくかったけど、まどかと過ごすうちに角が取れてきた感じだよね。」
マミ「それでそれで、二人のなれそめはどんな感じなの?」ワクワク
なぎさ「マミさん、はしゃぎ過ぎなのですよ。」
さやか「まぁまぁ、年頃の乙女としては恋バナは気になるもんだって。」
杏子「そういうもんか?」
マミ「で、結局どんな感じだったのかしら?」ワクワク
まどか「えっと……」
まどか「転校初日に学校を案内してもらった時から何となく気になってたんですけど、好きと意識し出したのは、マミさんに『前世で私とほむらちゃんは恋人だったんじゃないか。』って言われた時からですかね。」
マミ「まぁ!じゃあ私が二人の恋のキューピットって訳ね。」キラキラ
ほむら「まぁ、そういうことになるわね。」
まどか「それで、この前ほむらちゃんとショッピングセンターに遊びに行ったんです。」
まどか「ほむらちゃんは私が体調悪いと勘違いしていたんですけど、私ったらずっとドキドキしっぱなしで……」カァ~
さやか「ほむらは普段は鋭いのに、こういう事は鈍感なんだね。」
ほむら「あなたは常時鈍臭いけどね。」
さやか「相変わらずあんたのツッコミは容赦がないね。」
ほむら「それでその日は夕方からひどい雨だったじゃない?私たち帰る時に雨に降られちゃって。」
杏子「そういやそうだったな。」
さやか「あの日は私たちも大変だったよね。」
杏子「あぁ、さやかの手伝いの報酬に飯食ってたら辺りが水浸しになっちまってよ。あの日はショッピングセンターから帰れなっかたんだよな。」
さやか「ちょ、杏子それは……」アセアセ
ほむら(あの占い師はやっぱりさやかだったんじゃないかしら?)
まどか「あの日さやかちゃんたちも来てたんだ!?」
さやか「うっ、うん。大きかったから二人とは出会わなかったみたいだね。」アセアセ
ほむら「そういえばさやか、あの日あなた占……」
さやか「で、あの雨の中まどかたちは帰れたの?」
まどか「私たちは帰る途中で雨に降られちゃって、なんとかほむらちゃんの家までは行けたんだけど、道路が冠水しちゃって迎えに来れなかったから、その日はほむらちゃんの家で泊めてもらったんだ。」
さやか「へぇ~、そうなんだ。」ニヤニヤ
ほむら「なによさやか、ニヤニヤして気味が悪いわね。」
さやか「いいから、いいから、続けて。」ニヤニヤ
まどか「その後いろいろあって、私がドキドキしてたのを体調が悪いからだと思ったほむらちゃんの誤解を解く形で、私の方から告白したんだ。」カァ~
なぎさ「いろいろって何があったのですか?」
まどか・ほむら「……」カァ~
なぎさ「二人ともどうしたのですか?」キョトン
さやか「子供はまだ知らなくていい事だよ。」
なぎさ「なぎさはもう立派なレディーなのです!」
杏子「分かった分かった。チーズやるから言う事聞いてやれ。」
なぎさ「わーい!チーズなのです!」
杏子「チーズであっさり釣れるとは、レディーが聞いてあきれるぜ。」ケラケラ
なぎさ「杏子のバカ~~なのです!」ポカポカ
杏子「痛っ!おいおい、レディーは簡単に人を叩いたりしないぞ。」
なぎさ「むぅぅ~~!」膨れっ面
マミ「まぁまぁ。今日はおめでたい日なんだから、二人とも喧嘩はダメよ。」
杏子「分かったよ。」
なぎさ「はぁ~いなのです……」
さやか「それじゃ、まどかとほむらの恋人記念にかんぱ~い!」
一同「かんぱ~……」
一同「!」
まどか「この気配は魔獣だね。」
さやか「ちょっと!こんな時に出てきますか……」
杏子「全くだ。これからうまいもん食えるって時に。」
マミ「そうね。鹿目さんと暁美さんのためにも、今日という今日は速攻で片付けるわよ!」
なぎさ「なんかマミさんの台詞から死亡フラグがプンプンするのです。」
ほむら「なぎさ、あなたがそれを言うの?」
さやか「まぁ、あの時とは状況が違うから大丈夫だとは思いますが、特にマミさん、油断して首パックンなんて事は勘弁して下さいよ。」
マミ・なぎさ「?」キョトン
まどか「みんな、行こう!」全員変身(ほむらはクーほむの状態に)して魔獣の元へ
《十数分後・魔獣のいる場所》
ほむら「嘘!?そんなはずは……」
さやか「そんな!?まどかはここにいるはずでしょ……」
まどか「二人ともどうしたの?あの魔獣がどうかしたの?」
杏子「確かにいつもの魔獣と姿が違うけどよ、それがどうしたんだ?」
ほむら「あれは魔獣じゃないわ。魔女よ。」
マミ「魔女?以前暁美さんたちが話してくれた、私たち魔法少女の成れの果てと言う?」
なぎさ「でも今は円環の理が機能しているから、私たちは魔女になる事はなく、魔力を使い切ったら消滅するだけなんじゃないんですか?」
ほむら「えぇ、そのはずよ……」
ほむら「でも、もしあの時私が……」ガタガタ
さやか「!」
さやか「ほむら!落ち着きな!例えあんたのイヤな予感が当たっていたとしても、まどかがここにいるのに、アレが同時にいるはずがないでしょう!」
ほむら「!」
まどか・マミ「二人ともあれは一体なんなの?」
杏子「二人ともあれは一体なんなんだ?」
なぎさ「二人ともあれは一体なんなのですか?」
ほむら「アレは魔獣じゃなくて魔女。しかもただの魔女じゃない、まどかが魔女になった姿なのよ!」
さやか「アレは魔獣じゃなくて魔女。しかもただの魔女じゃない、まどかが魔女になった姿なんだよ!」
一同「えっ!?」
まどか「目の前のアレが私の魔女になった姿として、私はここにいるよ?」
ほむら「えぇ、本来ありえるはずの無い事が起こっているわ。」
杏子「とりあえずアイツの正体はおいといて、どんくらいヤバいんだ?」
さやか「ヤバいなんてもんじゃないよ。アレはこの星全ての生命を強制的に吸い上げてしまうんだよ。」
マミ「なんとか倒す方法は無いの?」
ほむら「アレは救済の魔女。性質は慈悲。アレを倒すには世界中の不幸を取り除く以外方法はないわ。」
なぎさ「そんなことしていたら、周りの人たちが死んでしまうのです!」
さやか「うん、このまま手をこまねいていたら10日くらいで地球は滅んじゃうよ。」
まどか「このまま何もしないでいるより、私たちの攻撃が効くか試してみようよ。」
ほむら「そうね。まどかもここにいるのだし、アレが本当に救済の魔女という確証もないのだから、試してみる価値はありそうね。」
クリームヒルト?「ゴゴゴ……」
一同「!」
マミ「どうやらあれこれ考えてる余裕はなさそうね。皆、一気に決めるわよ!」
一同「はい!」
まどか「降り注げ!天上の矢!マジカルスコール!」上空に魔法陣を描き、そこから無数の矢を雨のように放つ
ほむら「この一撃で決める!マジカル対艦ミサイル!」クリームヒルト?目掛けてミサイル(三発)を放つ
さやか「アタシの剣はどこにでも届く!逃げたって無駄なんだから!スプラッシュスティンガー!」クリームヒルト?目掛けて多数の剣を投げつける
杏子「お前らまとめて相手してやる!これでも喰らいな!断罪の磔柱!」地中から複数の巨大な槍を出して攻撃する
マミ「無限の魔弾よ、私に道を開いて!無限の魔弾(パロットラ・マギカ・エドゥ・インフィニータ)!」無数のマスケット銃を召喚し、集中砲火
なぎさ「えっ~と、儚き泡よ、敵を滅して!夢幻の魔泡(スキューマ・マギカ・デラ・フラレッツァ)!」ラッパから一つの大きなシャボン玉を出して、それが破裂し、無数のシャボン玉になり集中砲火
クリームヒルト?「ドッカーン!」消滅
ほむら「嘘!?あの救済の魔女がこんなにもあっけなく倒せるなんて……」
さやか「…どうやら、アレは救済の魔女の姿をしただけの魔獣っぽいね……」グリーフキューブ拾い
ほむら「……グリーフキューブを落とすという事はどうやらそのようね。」
ほむら「でも、どうして魔女の姿を!?」
ほむら「もしかして私があの時……」ブツブツ(不安そうにあれこれ考えてる)
さやか「ほむら……」
まどか「ねぇ、二人ともアレについて何か分かる?」
さやか「私にもさっぱりだよ。ただ言えるのはアレは魔女の姿をしただけの魔獣ってことかな?」
さやか「魔獣だからグリーフキューブも落としたし、何より強さが本物の魔女より大きく劣って、通常の魔獣と大して変わらなかったみたいだしね。」
ほむら「………」ブツブツ
まどか「さやかちゃん、さっきの魔女もどきを見てから、ほむらちゃんの様子がおかしいけど大丈夫かな?」
さやか「姿だけとは言えまどかの成れの果てだったから動揺してるだけだと思うよ。魔女の事は私の方が詳しいからほむらは私に任せて、まどかは皆にアレは倒せたから大丈夫って伝えてきてくれる?」
ほむら「………」ブツブツ
まどか「ほむらちゃん……」
まどか「分かった。さやかちゃん、ほむらちゃんをよろしくね。」
さやか「まっかせなさ~い!」ニコッ(作り笑いでまどかを安心させようとしてる)
《数分後・ほむらとさやかから少し離れたとこ》
まどか「みんな~、アレは倒せたみたいだから心配ないだって。」
マミ「そう、これで一安心ね。」
杏子「全く、アイツらがあんなに言うからもっとヤバいかと思ったけど、取り越し苦労だったみたいだな。」
なぎさ「まどか、アレは一体なんだったのですか?」
まどか「さやかちゃんが言うには、アレは魔女の姿をしただけの魔獣で、強さも普通の魔獣と変わらないみたいなんだって。」
マミ「それにしてもアレを見てから、暁美さんの様子が少しおかしかったわね。」
まどか「それはさやかちゃんが任せてくれって言ってたので大丈夫だと思います。」
杏子「そういや、前世がどーのこーのの事といい、魔女の事といい、アイツら二人はなんかいろいろ知ってそうだよな。」
なぎさ「今度二人にいろいろ聞いてみるのですっ!」
まどか「そうだね……」
杏子「そうそう、さっきは戦ってたから聞きそびれたけどよ、なぎさのあの必殺技は何なんだよ?お前までマミみたいになっちまったのかと思ったぞ。」
なぎさ「うぅ~~」
なぎさ「それについてはあんまり聞いて欲しくないのです。」カァ~
なぎさ「この前マミさんが、『一生懸命考えたから今度是非使って!』って、すごく勧めてきたから断れなかったのです……」シャルーン
杏子「マミのヤツ、なぎさにまで痛々しい事言わせるとは……」ハァ~
杏子「おい、マミ!」
マミ「なにかしら、佐倉さん?」
杏子「さっきのなぎさの必殺技だけどよ……」
マミ「まぁ!佐倉さんもかっこいい必殺技が欲しいのね。」キラキラ
マミ「佐倉さんにぴったりなのは……」どこからともなく自作の必殺技ノート(自分はもちろん他の五人の技名も書かれてる)取り出し
杏子「おっ、おい、マミ……」アセアセ
マミ「え~っと、どれがいいかしら?」ルンルン(周りの声が聞こえてない)
まどか「マミさん、自分の世界に入っちゃったみたいだね……」
なぎさ「なぎさの必殺技を決める時もこんな感じだったのです。」
【回想】
《某日・マミホーム》
マミ「なぎさちゃん、今日はあなたの必殺技を決めるわよ!」キラキラ
なぎさ「えっ!?」
なぎさ「なぎさは別に必殺技なんて無くてもいいのです。」
マミ「ダメよそんなの!魔法少女に必殺技は必須なのよ!」
なぎさ「他の四人も必殺技言ってるとこなんて見た事ないのです。」
マミ「皆言う時はちゃんと言ってるのよ。その時なぎさちゃんだけ必殺技が無くてもいいの?」
なぎさ「うっ、それはちょっとイヤですけど……」
マミ「なら決まりね。」ルンルン
なぎさ(なんだかすごく心配なのです……)
マミ「まず、どんな攻撃がいいかしら?」
なぎさ「そうですね、名前の事はともかく、マミさんみたいにたくさんのマスケット銃から集中砲火するような攻撃があると便利なのです。名前の事はともかく。」
マミ「なんで名前の事を二回も言うのよっ!?」
なぎさ「大事な事なので二回言ったのです。」
マミ「そうよね、やっぱり名前は大事よね!」キラキラ
なぎさ「!」
なぎさ(なんだか、悪い方に盛大に誤解している気がするのです。)
マミ「なぎさちゃんの武器はラッパから出るシャボン玉よね?」
なぎさ「はいなのです。」
マミ「シャボン玉、儚く消えるもの、泡……」
マミ「………」う~ん
マミ「!」
マミ「よしっ!まず初めに大きなシャボン玉を作って、それが破裂する事で無数のシャボン玉になり、敵を集中砲火する攻撃にするといいんじゃないかしら?」キラキラ
なぎさ「そうですね。あっ!名前は無くて……」
マミ「攻撃も決まったし、今度は大事な名前ね!」キラキラ
なぎさ(名前より攻撃内容の方がずっと大事なのです。)シャルーン
マミ「確か儚さを表す言葉が……」グーグル先生に質問
マミ「有ったわ!『夢幻泡影(むげんほうよう)』と『泡沫夢幻(ほうまつむげん)』ね。」
マミ「どちらにも『夢幻』って言う素敵な言葉が有るなんて!」キラキラ
なぎさ(儚く消えるってあんまりいいイメージがしないのです。)シャルーン
マミ「しかも私の『無限の魔弾』の『無限』と同じ読みの『夢幻』だなんて、これはきっと運命なのね!」キラキラ
なぎさ(なぎさの必殺技までマミさんのみたいになっちゃう気がしてきたのです……)
マミ「私の『無限の魔弾』に合わせて『夢幻の◯◯』がいいわね。」キラキラ
マミ「後の二文字は『泡』をつけたいけど、四字熟語で出て来た『泡影』と『泡沫』をそのまま使うのはナンセンスよね。」
なぎさ(なぎさに言わせれば、四字熟語をバラバラにしちゃうマミさんのセンスの方がナンセンスなのです。)
マミ「やっぱり魔法少女なのだから、必殺技に『魔』は入れたいわね。」
マミ「となると『魔泡(まほう)』とするとよさそうね。これなら『魔法』と同じ読みだし、シャボン玉を表す『泡』も出てきて、シャボン玉の魔法の名前にはぴったりね!」キラキラ
なぎさ(実際言う時は漢字なんて伝わらないのですから、100人に聞いても90人くらいは『夢幻』じゃなくて『無限』と勘違いすると思うのです。)
なぎさ(マミさんの造語の『魔泡』に至っては、1000人に聞いても996人くらいは普通の『魔法』の方を想像するに違いないのです。)
マミ「これで『夢幻の魔泡』の名前は決まったわね!」キラキラ
なぎさ「これで終わりですね。」
マミ「何言ってるの!まだ必殺技の前に言う決め台詞も考えなくちゃっ!」
なぎさ「そんな事言ってる間に敵に攻撃されちゃうですよ。」
マミ「大丈夫よ。ヒーローが名乗っている間は敵も攻撃しないっていう暗黙の了解があるんだから!」キラキラ
なぎさ「マミさん、私たちは魔法少女で、ヒーローとは違うのですよ。」
マミ「魔法少女も皆を守るヒーローだから大丈夫よ!」キラキラ
なぎさ「そんな適当な……」
マミ「それで決め台詞だけど、私は『無限の魔弾よ、私に道を開いて!』って台詞だからなぎさちゃんの決め台詞は……」
マミ「攻撃のシャボン玉の『泡』とシャボン玉の持つイメージの『儚さ』を合わせて……」
マミ「初めは『儚き泡よ』にしましょう。これなら私の台詞の『無限』となぎさちゃんの台詞の『儚き』がいい感じに対になっているわね!」キラキラ
なぎさ(なぎさにはマミさんが何を言っているのかさっぱりなのです。)
マミ「私の台詞は『私に道を開いて』だから、それと似たような台詞は……」
マミ「『道を開く』、敵を倒すことだから……」
マミ「………」う~ん
マミ「そうだ!『敵を滅して』なんていいわね!」キラキラ
マミ「なぎさちゃんのような可愛い子が『敵を滅して』とか言ったら、ギャップでインパクトもすごいはずよ!」キラキラ
なぎさ(なぎさがどんどん痛々しいキャラになっていくのです……)シャルーン
マミ「これで決め台詞と合わせて、『儚き泡よ、敵を滅して!夢幻の魔泡!』までできたわね。」キラキラ
なぎさ「マミさん、今度こそ終わりですよね?」
マミ「いいえ、最後に大事な事が残ってるわ!」
なぎさ「必殺技も決め台詞も決まりましたよ?」
マミ「まだ、必殺技の読みが決まってないわよ!」
なぎさ「そのまま、『むげんのまほう』って読めばいいじゃないですか。」
マミ「もうっ!そのまま日本語で読んだらカッコよくないでしょっ!」
マミ「それに日本語のまま言ったら、せっかくの必殺技の名前が違う言葉と勘違いされてしまうわ!」
なぎさ(勘違いされる自覚はあったのですね……)
なぎさ「敵を倒すのにカッコいいも悪いも関係ないのですよ。」
マミ「必殺技はインパクト重視なんだからカッコいい方がいいに決まってるでしょっ!」キラキラ
なぎさ「……」呆れ気味
マミ「やっぱり私の『無限の魔弾』の読みのように『pallottola magica ed infinita(パロットラ・マギカ・エドゥ・インフィニータ)』と同じイタリア語かしら?」
なぎさ(なんでマミさんはメジャーな英語よりイタリア語を選ぶのでしょうか?)
マミ「まず『シャボン玉』や『泡」のイタリア語は……」グーグル先生に質問
マミ「『bolla di sapone(ボッラ・ディ・サポーネ)』や『schiuma(スキューマ)』、『spuma(スプーマ)』ね。」
なぎさ(何個か候補を選んで決めるのですね。)
マミ「次に『夢幻』のイタリア語は……」グーグル先生に質問
マミ「う~ん、どうも『夢幻』だとうまく出てこないわね。」
なぎさ(これで痛々しい名前を付けられずに済みそうですね。)ホッ
マミ「なら『夢幻』の意味の形容詞の『儚い』のイタリア語は……」グーグル先生に質問
なぎさ(えっ!?)
なぎさ(なんで諦めてくれないですか!?)シャルーン
マミ「『effimero(エッフィーメロ)』、『fugace(フガーチェ)』、『transeunte(トランセウンテ)』ね。」
マミ「私の『infinita(インフィニータ)』は名詞だから、出来れば形容詞の『儚い』じゃなくて、名詞の『儚さ』でお揃いにしたいわね。」
なぎさ(なんだかよく分からないですけど、無駄に凝っているのです。)呆れてる
なぎさ(そんな時間があるのなら、もっと違う事に時間を使った方が有意義だと思うのです。)
マミ「名詞の『儚さ』だったら……」グーグル先生に質問
マミ「『fralezza(フラレッツァ)』くらいしか出て来ないわね……」マミーン
なぎさ(むしろ一個も出て来ないで、このまま何も無かった事にして欲しいのです……)シャルーン
マミ「形容詞の『魔法の』のイタリア語は『magico(マギコ)』ね。」
なぎさ(あっ、今度のはグーグル先生に聞かないのですね。)
なぎさ「あれ?マミさん、『魔法の』は『マギカ』じゃないのですか?」
マミ「あっ!いい所に気がついたわね、なぎさちゃん。」
マミ「イタリア語の名詞には性別があって、名詞の性別とか単数複数とかによって形容詞や前置詞とかがころころ変わるのよ。」
マミ「『pallottola(パロットラ)』は女性名詞で単数だから、それを修飾する『magico(マギコ)』は語尾の『o』を『a』に変えるのよ。」
マミ「ついでに言っておくと……」
なぎさ「自分から聞いておいてなんですが、さっぱり分からないのでもういいです。」
マミ「そう……」シュン(すっごく落ち込んでる)
マミ「なぎさちゃんはまだ子供だし、英語も習っていないからしょうがないわよね……」シュン
マミ「そうよ、私の話なんて聞いても全然面白くないのだわ……」ズーン(なんか負のオーラが出てる)
なぎさ(なぎさの方が被害者のはずなのに、なんだかすごい罪悪感を感じるのです……)
なぎさ「マミさん、そんな悲しい顔したらイヤなのです。なぎさは笑ってるマミさんの方が好きなのです。」
マミ「なぎさちゃん……」ポロポロ
なぎさ「そんなふうに泣いてたら、せっかくの美人さんが台無しなのですよ。」
マミ「なぎさちゃ~ん!」ダキッ
なぎさ「よしよしなのです。」マミさんの頭を撫でている
なぎさ(マミさんたら普段はすごく大人っぽいのに、必殺技の事になるととっても子供っぽくなっている気がするのです。)
なぎさ「それじゃあ、なぎさの必殺技の事はまた今度と言う事にして、今日はもう寝てイヤな事は忘れた方がいいと思うのです。」
マミ「それはダメよ!」
マミ「せっかくここまで来たのだから、なぎさちゃんの必殺技が出来るまでは眠ったりなんか出来ないわ!」
なぎさ「えぇ~」
マミ「よしっ!気合いを入れて最後の仕上げを頑張るわよっ!」
なぎさ(あのまま泣かせておいた方がよかった気がするのです……)少し後悔している
マミ「カッコいいのは前提だけど、なるべく正しい文法で作りたいわね。」イタリア語の辞書と文法書を開いている
なぎさ「!?」
なぎさ(すごい使い込んだ痕がありますが、マミさんは一体いつから中二病を患っているのでしょうか?)
なぎさ(というかカッコいい事の方が、正しいイタリア語である事より大事なのですね……)
マミ「語呂的に『bolla di sapone(ボッラ・ディ・サポーネ)』は違うし、せっかくだからお揃いにして名詞の『fralezza(フラレッツァ)』を使いたいわね。」
マミ「そうすれば同じような単語の並びだから、私の『pallottola magica ed infinita(パロットラ・マギカ・エドゥ・インフィニータ)』のように初めに『泡』が来て、その後に『魔法の』、最後に『儚い』が来るはずよね。」文法書で調べている
マミ「カッコいいけど、イタリア語は名詞によって前置詞やら形容詞やらがころころ変わるから厄介よね。」
なぎさ(厄介ならわざわざイタリア語なんて選ばなければいいと思うのです。)
なぎさ(それ以前に文法書で調べているとは言え、この言葉はちゃんとイタリア語として成立してるのかすら怪しそうなのです。)
マミ「………」う~ん
マミ「どれがいいかしら……」辞書や文法書と単語の候補を見比べている
マミ「単語の方はいいとして、前置詞や冠詞とかが大丈夫か心配よね。」
マミ「『ed(エドゥ)』は等位接続詞『e(エ)』が直後の『infinita(インフィニータ)』が母音で始まるから『ed(エドゥ)』になっているのよね……」ブツブツ
マミ「等位接続詞『e(エ)』は『~と~』って意味よね……」ブツブツ
マミ「『ed(エドゥ)』の前後は『pallottola magica(パロットラ・マギカ)』の『魔弾』と『infinita(インフィニータ)』の『無限』よね……」ブツブツ
マミ「この場合、等位接続詞で繋ぐのっておかしくないかしら?」ブツブツ
マミ「それに『pallottola(パロットラ)』も複数形じゃなくて、単数形だし……」ブツブツ
マミ「でも必殺技のような時って、単数形のままなのかしら?それとも場合によって複数形に変えたりするのかしら?」ブツブツ
マミ「この際だから私の『pallottola magica ed infinita(パロットラ・マギカ・エドゥ・インフィニータ)』も正しく直した方がいいんじゃ……」ブツブツ
なぎさ(なんだかこのまま放っておくと、更にややこしくなりそうな気がするのです……)
マミ「………」う~ん
マミ「今はなぎさちゃんの必殺技の方が大事だから、私の必殺技の事はまた今度考えておきましょう。」
なぎさ(なぎさを大切に思ってくれるのはうれしいですが、大切に思っているならむしろ痛々しい名前の必殺技なんて考えて欲しくないのです……)少し複雑な表情をしてる
マミ「『泡』は『schiuma(スキューマ)』にするとして、女性名詞の単数形だから、修飾する『魔法の』の『magico(マギコ)』は『o』を『a』に変えて、『magica(マギカ)』となって、『schiuma magica(スキューマ・マギカ)』でいいわよね。」ブツブツ(文法書を読みながら)
マミ「問題は『儚き』の『fralezza(フラレッツァ)』をどう繋げればいいかしら?」ブツブツ
マミ「………」う~ん
マミ「ここは素直に英語の『of』と同じような働きの『di(ディ)』にしておきましょう。」ブツブツ
なぎさ(やっぱり最初から英語で考えた方が楽だったんじゃないのでしょうか?)
マミ「『fralezza(フラレッツァ)』は抽象名詞だから、単数形と定冠詞を使うわよね。」ブツブツ(文法書を読みながら)
マミ「『fralezza(フラレッツァ)』は女性名詞で単数形で使うから、定冠詞は『la(ラ)』でいいわよね。」ブツブツ(文法書を読みながら)
マミ「前置詞の『di(ディ)』と定冠詞の『la(ラ)』の結合形は『della(デラ)』になって……」ブツブツ(文法書を読みながら)
なぎさ(何を言ってるのかはさっぱりですが、すごい真剣に考えてくれているのです。)少し見直したような表情
なぎさ(でも出来ればその真剣さをもっと違う方向に向けて欲しいのです……)シャルーン
マミ「………」う~ん
マミ「『夢幻の魔泡』の読みは『schiuma magica della fralezza(スキューマ・マギカ・デラ・フラレッツァ)』って所かしら?」
なぎさ(読みを考える所に一番時間が掛かっていた気がするのです……)呆れてる
マミ「よし!なぎさちゃんの必殺技と決め台詞は『儚き泡よ、敵を滅して!夢幻の魔泡(スキューマ・マギカ・デラ・フラレッツァ)!』で完成ね!」キラキラ
マミ「今回はなぎさちゃんのためにすっごく頑張ったから、今度の魔獣退治の時は是非使ってね!」キラキラ(いままでにないくらい純粋な子供のような目で)
なぎさ(ここでなぎさが拒んだら、マミさんは悲しみのあまり死にそうな気がするのです……)
なぎさ「わっ、わーい。なぎさ、とってもうれしいのです……」ニコッ(明日世界が終わるかのような引きつった笑顔で)
【回想終了】
《数十分後・魔獣のいた所》
なぎさ「……ってことがあったのです。」シャルーン
まどか・杏子「うわぁ~」
杏子「マミのヤツ、アタシらに必殺技の名前つけた時より悪化してるじゃねぇか……」ハァ~
まどか「なぎさちゃんも苦労したんだね……」ほろり
なぎさ「ということは皆も同じような事があったのですか?」
杏子「あぁ、アタシは幻惑魔法に『ロッソ・ファンタズマ』ってつけられて…」
まどか「私は弓矢の攻撃魔法に『フェニトラ・フレティア』ってつけられて…」
杏子「さやかに至っては痛覚遮断の暴走状態に『狂想曲(カプリッチオ)』なんてつけられちまったんだよ……」
なぎさ「あれ?ほむらのはどうしたのですか?」
まどか「ほむらちゃんなら、『巴マミのそんなネーミングセンスで技の名前つけられるくらいならソウルジェム噛み砕いて死んでやるっ!』って大暴れして無しになったんだ。」
なぎさ「普段のクールなほむらからは想像もつかないですね。」
杏子「あぁ、あの時はとにかくひどかった。マミのヤツが『暁美さんたら、『マジカル危険物第四類』とか『マジカル対戦車兵器』とか『マジカル対艦ミサイル』とか何にでも『マジカル』をつければいいって訳じゃないのよっ!』って言い出してよ……」
まどか「そしたら、ほむらちゃんの方も『マミの『無限の魔弾(なんたらインフィニータ)』とか『魔弾の舞踏(なんたらマジックブレッド)』とかただでさえ中二病全開な単語に、さらに意味を分かって言ってるのかも怪しい外国語のルビをふるとか頭大丈夫?』って喧嘩売っちゃって……」
なぎさ「マミさんは辞書や文法書を調べて考えていましたよ。」
なぎさ「まぁ、それが本当に正しいのかは分からないですが……」
まどか「マミさんも努力してるみたいだけど、ほむらちゃんは知らないしね。」
杏子「ほむらの事だから、たとえ知っていたとしても喧嘩売りそうだがな。」
杏子「そんで、ほむらに喧嘩売られたマミのヤツも『皆ちゃんと必殺技を考えているのに、暁美さんのようなロマンの欠片も無いネーミングはダメよ!』って言ってよ……」
まどか「そしたら、ほむらちゃんは『マミは知らないでしょうけど、皆あなたに変な必殺技の名前をつけられて、本当は心底困ってるのよ!』ってNGワードを言っちゃって……」
杏子「そしたらマミのヤツ血相変えて『私のネーミングセンスを受け入れられないなら、皆死ぬしかないじゃない!』って今にもマスケット銃ぶっ放しそうな事になっちまってよ……」
まどか「なんとか皆でマミさんをなだめて、時々は必殺技言いながら戦おうって事になったの。」
なぎさ「普段の優しいマミさんからは想像もつかないのです。」
杏子「マミにとっては必殺技を考えるのは生きがいみたいなもんだからな。なぎさ、お前もこれから苦労するだろうけど、マミの事よろしく頼んだぜ。」
まどか「マミさんのネーミングセンスで困ったら私たちも力になるからね。」
なぎさ「なぎさはマミさんのためにも頑張るのです。」
まどか「なぎさちゃんはいい子だね。」ナデナデ
杏子「お前はいい子だな。」ナデナデ
《同じ頃・ほむらとさやかのいるところ》
ほむら「………」ブツブツ
さやか「ほむら。」
ほむら「………」ブツブツ
さやか「ほむらったら!」ポンッ
ほむら「!?」
ほむら「あぁ、さやか。どうしたのかしら?」
さやか「どうしたのはこっちの台詞だよ。あんた、さっきの魔女もどきを見てからずっとおかしいでしょ。」
ほむら「何を言いだすかと思えば、私は至って冷静よ。」
さやか「見え見えの嘘はいいよ。なんなら今あんたが考えてる事当ててあげようか?」
ほむら「……」
さやか「『自分が円環の理だったまどかの力を奪った時に何かこの世界に歪みをもたらしたんじゃないか?だからさっきの魔獣は魔女の姿をしていたんじゃないか?』ってところじゃない?」
ほむら「やはりあなたって鋭いわ。えぇ、図星よ。」
ほむら「私はまどかの幸せな姿が見たいだけ。まどかが悲しむ姿を見たくないだけ。」
ほむら「まどかが世界の歪みの原因の私を拒むなら、どうせ私は死ぬしかない。これ以上、歪んだ世界がまどかを悲しませるくらいなら……」
ほむら「いっそ歪みの原因である私が、今すぐ死ねばいいんじゃないかってね。」
さやか「この大バカっ!」思いっきりビンタ
ほむら「!?」
ほむら「いきなり何するのよ、美樹さやか!」
さやか「あんたは一体何のために円環の理だったまどかから力を奪ったの!?」
さやか「まどかが家族や友人に囲まれた、幸せな生活をできるようにするためでしょう!」
さやか「あんただってまどかの大切な友人、いや、今じゃそれ以上の特別な人でしょう!」
さやか「そんなあんたが、たとえまどかのためだろうと死んだら、まどかがどのくらい悲しむかも分からないの!?」
ほむら「さやか……」
さやか「それに今はまだあの魔女もどきが出て来た原因があんただって証拠は何一つないんだよ。」
ほむら「………」
ほむら「そうね。その通りだわ、さやか。あまりの突然の出来事でどうやら冷静さを欠いていたみたいね。」
さやか「じゃあ……」
ほむら「えぇ、死んだりなんてしないわ。だってまどかが悲しむもの。」
さやか「それは私が言った事でしょう。パクらないでよ。」
ほむら「ウフフ、さぁ、そんな事を聞いた記憶はないわね。」ファサッ
さやか「こらぁ~!悪魔だからって都合良く記憶改ざんすんな!」ポカポカ
ほむら・さやか「……」
ほむら「ウフフフ。」笑い合ってる
さやか「アハハハ。」笑い合ってる
さやか「やっぱ、ほむらはそんくらい挑発的じゃないと面白くないね。」
ほむら「さぁ、皆の所に戻りましょうか?」
さやか「そうだね。」
ほむら(えぇ、死んだりなんかしないわ……)
ほむら(この歪みの原因が私だと確証を得られるまではね……)
~ほむらとさやか合流~
さやか「やっほー、皆お待たせ。」
ほむら「皆、待たせたわね。」
まどか「あっ!二人ともお帰り。さっきは深刻そうな顔してたけど大丈夫、ほむらちゃん?」心配そうな表情
ほむら「えぇ、さやかに相談に乗ってもらったからもう大丈夫よ、まどか。」
まどか「よかった~!」ダキッ
ほむら「もうっ、まどかったら心配性ね。」ナデナデ
さやか「相変わらずの桃色オーラですねぇ……」少し呆れ気味
杏子「相変わらずの桃色オーラだな……」少し呆れ気味
ほむら「ところであっちのアレなオーラ全開な人は何なのかしら?」
マミ「……」キラキラ、ルンルン
なぎさ「マミさんは自作の必殺技ノートを見て、皆にどんな名前の必殺技をつけようか迷ってるのですよ。」
ほむら・さやか「!?」
ほむら「まどか、私急に体調が悪くなったから先に帰らせてもらうわ。」コソコソ
さやか「私も。後の事は頼んだよ。」コソコソ
まどか「二人とも逃げちゃダメだよ!」ほむらの腕を握る
杏子「そうだぞ!マミの魔の手から自分たちだけ逃げようなんて、そんなのアタシが許さない!」さやかの腕を握る
ほむら「私はマミに必殺技をつけられたら死んでしまうのよ!まどか!私の事を愛してるって言ったのは嘘なの!」ジタバタ
まどか「私たちだって恥ずかしいの我慢して言ってるんだよ!ほむらちゃんも少しだけ我慢して!」ギュッ(逃げれないように抱きしめ)
ほむら「イ~ヤ~!離して、まどかぁ~~!」ジタバタ
なぎさ「本当にほむらはマミさんに必殺技をつけられるのがイヤみたいですね。」
杏子「なっ、言った通りだろ。」
さやか「まどかや杏子、なぎさは必殺技使っても恥ずかしいだけだからまだいいじゃん。私なんか、痛覚遮断の暴走状態を技にされたあげく、アレな名前までつけられたんだから。」
さやか「いくら治癒魔法があるからって、頻繁に使ってたら体が持たないよ。」
~数分後~
マミ「今度の必殺技はどんなのがいいかしら?」ルンルン
一同「………」冷や汗かきながらマミさんの方を見ている
杏子「なぎさ、チーズ食べたいとでも言ってマミの注意をそらせてくれねぇか?」
なぎさ「分かったのです!」
マミ「……」キラキラ、ルンルン
なぎさ(これは一歩間違ったら、なぎさまでまたとんでもない必殺技をつけられそうな雰囲気なのです……)
なぎさ「……」
なぎさ(よしっ!作戦開始なのです!)
なぎさ「マミさ~ん、そろそろ帰りましょう。」
マミ「!?」
マミ「あっ!なぎさちゃん。今ね、とってもいい必殺技が思い浮かびそうなの!」
なぎさ(いきなり大ピンチなのです!)
なぎさ「必殺技もいいけど、なぎさはマミさんの作ってくれたおいしいチーズ料理が早く食べたいのです!」
マミ「そう?なら帰って作りましょうか?」
なぎさ(作戦成功なのです!)
一同(よし、これならイケる!)ガッツポーズ
なぎさ「マミさんのお家に確か、モッツァレッラやパルミジャーノ・レッジャーノやマスカルポーネがまだあったから今日はチーズ三昧なのです!」
マミ「!」
なぎさ「どうしたのですか、マミさん?」
マミ「ありがとう、なぎさちゃん!今ので必殺技がひらめいたわ!」
一同「えっ!?」
マミ「今度のなぎさちゃんの必殺技はチーズと絡めて作ってみましょう!」
なぎさ「あの~、マミさん……?」
マミ「そうと決まったら早速家に帰らなきゃ!じゃあ皆また今度ね。」なぎさを抱きかかえて帰っていく
なぎさ「みんな~!助けて~~なのです~!!」マミさんに抱かれたままジタバタして助けを求める
一同「……」ポカーン
さやか「…どうやら恐怖の魔の手は去ったようだね。」
ほむら「えぇ。なぎさ、あなたの尊い犠牲は忘れないわ。」
まどか「なぎさちゃん大丈夫かなぁ?」
杏子「今度見舞いにチーズでも持って行ってやるか?」
さやか「それはやめた方がいいんじゃない?マミさんたらあの調子だと、チーズの名前を付けた痛々しい必殺技ばっかり考えそうだよ?」
ほむら「大好きなチーズが食べられなくなるようなトラウマにならない事を祈るばかりね。」
まどか「二人とも!マミさんを何だと思ってるのっ!」
ほむら・さやか「周りの迷惑を顧みず、中二病全開なネーミングを押し付けて来る残念な人。」
杏子「こんなとこで無駄にハモる必要ねぇだろう……」ハァ~
ほむら「まぁ、当面マミの危険はなぎさが引き受けてくれそうだから安心ね。」
さやか「そうだね。魔獣も倒したし、今日の所は私たちも帰りますか。」
さやか(今回の事は自然発生的なものなのか、それとも何者かの意図的なものなのか、一体何が起こっているんだろう?)
《同日夜・ほむホーム寝室》
ほむら(まどかの力を奪って作り替えたこの世界……)
ほむら(私はまどかの友人になれて、しかもまどかの方から告白までしてくれた。)
ほむら(まどかは家族や友人に囲まれ、私もまどかが側にいてくれている、それも特別な人として。)
ほむら(まどかの望みも私の願いも満たされている……)
ほむら(なのに何故?何かが足りない……)
ほむら「………」
ほむら(…いえ、答えは明白ね。私のせいで円環の理が正常に機能できなくなったのかもしれないのだから。そのせいで今日のように魔獣が魔女の姿に変わったのかもしれない。)
ほむら(もしそうなら、私はあの子の、まどかの叶えたい願いを滅茶苦茶に踏みにじった事になる……)
ほむら「………」
ほむら(ねぇ、まどか。あの時言ってくれた言葉は本心だったの?)
ほむら(あなたは自分が家族にも友人にも忘れられてまで、本当に全ての魔法少女の希望になりたかったの?)
ほむら(私は本当にあなたのために正しい選択をできたの?)
ほむら(ねぇ、答えてよ、まどか……)虚空を見上げる
《ほむらが眠りについてから・ほむらの夢》
ほむら「ここは…?」キョロキョロ
…ど…「ね…、ほ……ちゃ…、な……あん………イ…し……?」
ほむら「まどか!?」
…ど…「ね…、ど………!」
ほむら「私は……私はあなたが本心では『家族や友人に囲まれて平和に暮らしたい。』と言ったから、だから!」
…ど…「…れ…、……らちゃ……結界…………の理……ての………ない……言っ…事……ょ。な……円………の私……何も………くれな……た…!」
ほむら「それは、私は本心を語ってくれたあなたも、円環の理であるあなたと同じ気持ちだと……」
ほむら「だからインキュベーターに支配されないようにすぐにあなたを……」
…ど…「確か………ゥべ……私を支………う…して……は事………ど、だ…………私に…認す……間く…いあ……でし…!」
…ど…「ほむ………ん、イ…ナ……き裂か…………気持…、ほ……ちゃ………分か…?」
ほむら「……」
…ど…「怖……た、…か……、それ………かっ…。」
ほむら「まどか……」
…ど…「最…の友……こん……ドイ事………んて…像も……なか…たし、考………もな……た…。」
…ど…「…む……ゃんは………し…………の?」
ほむら「違う!私はあなたの望む世界を……」
…ど…「……」
《夢から覚める・ほむホーム寝室》
ほむら「まどかっ!」ガバッ
ほむら「……」
ほむら「夢……?」
ほむら(さっきの夢はもしかしてまどかからのメッセージなの?)
ほむら(やっぱり円環の理は正常に機能していないの?)
ほむら(でも魔獣が魔女の姿をしていたのは昨日の一件だけ。)
ほむら(まだあの現象が、円環の理が正常に機能していない事が原因だと結論づけるには情報が少な過ぎる。)
ほむら(それ以前に円環の理が正常に機能しているかを確かめる術さえない。)
ほむら(私は一体どうすれば……)
《朝・ほむホーム》
ほむら(結局あれから一睡もできなかった……)目元に隈
ほむら(もう学校に行く時間ね。)
ほむら(昨日の事もあるから、休んでまどかを心配させる訳にはいかない。)
ほむら「………」
ほむら(…考えていても仕方ないわね。さっさと準備して行きましょう。)
《数十分後・通学路》
ほむら「皆おはよう。」
まどか「おはよう、ほむらちゃん。」
さやか・杏子「おはよう、ほむら。」
杏子「どうした、ほむら?目元に隈できてんぞ。」
ほむら「ちょっと寝不足気味だからかしらね。」
まどか「ほむらちゃん、もしかして昨日の事まだ何か気にしてるんじゃ……」心配そう
ほむら「いえ、それとは関係ないから大丈夫よ、まどか。」ニコッ(作り笑い)
さやか「昨日の事を心配して寝不足じゃないという事は、さては昨夜はお楽しみでしたね。」ニヤニヤ
まどか「さっ、さやかちゃん!なんて事聞くの!」
さやか「おや、まどかは意味分かってるの?もしかしてまどかも昨夜はお楽しみでしたか?」ニヤニヤ
まどか「ちっ、違うよっ!」アセアセ
さやか「本当かな~」ニヤニヤ
ほむら「やめなさい、さやか。まどかが困っているしょう。」頭を叩く
さやか「ちょっとした冗談だよ。叩く事ないじゃん。」
杏子「当たり前のようにセクハラするさやかには妥当な対応じゃねぇの?」
ほむら「それに昨日は考え事していて、気づいたら朝になっていただけよ。」
ほむら「ついでに言っておくと使い方も間違っているわよ、さやか。『昨夜はお楽しみでしたね。』と言うのはあなたや杏子のような場合に使うのよ。」ファサッ
さやか・杏子「!?」ドキッ
まどか「すごいね、ほむらちゃん。何で分かったの?」
ほむら「二人を見れば一目瞭然ね。」ファサッ
まどか「そうなんだ~」
まどか「さやかちゃん、杏子ちゃん、昨夜はお楽しみでしたか?」ニヤニヤ
さやか・杏子「うっ……」
杏子「おいっ、バカさやか!お前のせいでアタシまで被害受けたじゃねぇか!」ヒソヒソ
さやか「ちょっとからかうつもりがまさかこんなことになるとは……」ヒソヒソ
まどか「二人ともコソコソ話してどうしたの?」ニヤニヤ
杏子「いや、なんでもねぇ。」アセアセ
さやか「そうそう、まどかやほむらじゃあるまいし、私たちがそんな事するわけないじゃん。」アセアセ
さやか「それにこんなとこで道草喰ってたら学校に遅れちゃうよ。」
まどか・ほむら(あっ、話をそらした。)
まどか「そうだね、そろそろ行こっか?」
ほむら「そうね。二人とも疲れて授業中に寝るなんてベタな事しないでよ。」ニヤニヤ
杏子「だ~か~らっ!それはお前の勝手な想像だろっ!」アセアセ
ほむら「はいはい、そういう事にしといてあげるわ。」ファサッ
さやか・杏子「むぅぅ~~」
《授業中・学校の教室》
ほむら・さやか・杏子「………」Zzz
まどか(三人とも寝ちゃってるよ。)
まどか(さやかちゃんや杏子ちゃん、これまでもよく授業中寝てたよね。)
まどか(てっきり授業が退屈で寝てるかと思ってたけど、同棲してるし、もしかして二人も私やほむらちゃんみたいな事してるのかな?)カァ~
まどか(ほむらちゃんまで寝てるのは珍しいよね。いつもは真面目に授業聞いてるのに。)
まどか(考え事してたって言ってたけど、何か悩みでもあるのかな?)
先生「……めさん、聞いていますか?」
まどか(悩みがあるなら、何か私にできる事はないのかな?)
先生「鹿目さん!」
まどか「!?」
まどか「はっ、はい!?なんですか?」
先生「もう、授業聞いてなかったわね。それじゃあ、この英文を訳してくれるかしら?」
まどか「分かりました。」
問題「You have had a good night’s sleep I hope.」
まどか「えっ~と……」
まどか「『昨夜はお楽しみでしたね。』……」
まどか「…って、えっ!?」
クラス「ザワザワ」
先生「間違ってはいないけど、某RPGのような意訳はしなくて直訳でいいのよ。」
まどか「すっ、すみません……」カァ~
まどか「えっと、直訳なら『よくお眠りになられたら幸いです。』でしょうか?」
先生「正解です。」
モブ「ねぇ、鹿目さんがあの訳したって事はもしかして……」ヒソヒソ
モブ「うん、暁美さんも寝ちゃってるし、昨日は二人で……」ヒソヒソ
モブ「それでとっさに意訳が出ちゃったって事なのかな?」ヒソヒソ
モブ「鹿目さんがうらやましいわね。暁美さんと恋人らしいじゃない。」ヒソヒソ
モブ「えっ!?あんたってそっちの気があるの?」ちょい後ずさり
モブ「ちょっと誤解よ!」
モブ「そういえば、さやかと杏子も寝てるわね。」ヒソヒソ
モブ「あの二人が寝てるのはいつもの事じゃない?」ヒソヒソ
モブ「いや、聞いた話ではあの二人同棲してるらしいよ。」ヒソヒソ
モブ「マジ!?」
モブ「みたいだよ。それにしょっちゅう喧嘩してるけどなんだかんだで仲いいしね。」ヒソヒソ
モブ「ってことはあの二人は毎日のように…?」ヒソヒソ
クラス「ザワザワ」
先生「はいはい、おしゃべりはこのくらいにして授業を再開し……」
ほむら「まどか!行かないでっ!」ガバッ(立ち上がる)
一同「!?」(ちなみにさやかと杏子は爆睡したまま)
まどか「ほむらちゃん…?」
ほむら「?」まだ寝ぼけてる
先生「暁美さん、どうかしましたか?」
ほむら「……」クラスを見渡す
ほむら「……」カァ~(事態に気づく)
ほむら「いえ、大丈夫です。お騒がせしました。」ペコリ
先生「気分が悪いようなら保健室で休んでいてもいいんですよ。」
先生「暁美さんはそこで爆睡してる二人と違っていつも真面目に授業受けてるから、無理しなくていいんですよ。」
ほむら「いえ、ご心配な……」フラッ(倒れかかる)
まどか「ほむらちゃん!」ほむらに駆け寄る
ほむら「ごめんなさい、まどか。心配かけてしまったようね。」
先生「どうやら体調が優れないようね。確か保健係は鹿目さんだったわね?」
まどか「はい。」
先生「悪いのだけど、暁美さんを保健室まで連れて行ってもらえるかしら?」
まどか「分かりました。それとほむらちゃんが寝るまで付き添っていてもいいですか?ほむらちゃんたら放っといたらまた無茶しそうなので。」
ほむら「大丈夫よまどか。それに保健室も一人で行けるわ。」一人で行こうとする
ほむら「……」フラッ
まどか「ほむらちゃん!」
先生「そうね、このまま放っとくのも心配ね。二人とも普段は真面目だから今日は特別に許可しましょう。」
まどか「ありがとうございます。」ペコリ
まどか「ほら、ほむらちゃん肩につかまって。」
ほむら「ごめんなさいまどか。」
~まどかとほむら退出後~
モブ「ねえねえ、さっきの暁美さんの台詞ってさ……」ヒソヒソ
モブ「おもいっきりアレの最中の事だよね。『イかないでっ!』って言ってたし……」ヒソヒソ
モブ「なら保健室行ったらマズくない?ベッドもあるし……」ヒソヒソ
モブ「だよね。」ヒソヒソ
さやか・杏子「……」Zzz(机によだれがつくくらい爆睡中)
杏子「お……、そこ…やめ…って…」ムニャムニャ
さやか「今……寝か……い……」ムニャムニャ
クラス「……」
モブ「キマシタワー!」
先生「こら!二人とも起きなさい!」頭を叩いて起こす
さやか・杏子「!?」ガバッ
クラス(やっぱりあの二人も……)
先生「はい、それじゃあ授業を再開します。」
さやか(なんだろう?クラスの皆が私たちの方を見てニヤニヤしてるんだけど……)
杏子(なんだ?クラスのやつらがアタシたちの方を見てニヤニヤしてんだけど……)
《数分後・保健室》
まどか・ほむら「失礼します。」ガラッ
まどか「あれっ?誰もいない。」
ほむら「保健の先生も居ないわね。私は大丈夫だから、まどかは授業に戻ってくれていいのよ。」
まどか「そんな事言って、ほむらちゃんたら放っといたら無茶しちゃうでしょ!」
ほむら「そっ、そんな事……」
ほむら(本当はさっきの悪夢のせいで、まどかの顔を見るのが辛いなんて言えないわよね……)
まどか「だから、ほむらちゃんがちゃんと眠れるまで私が側にいるから、ね。」
ほむら(むしろ寝た方が辛いのだけど……)
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら「分かったわ、それじゃあお言葉に甘えようかしら。」
まどか「ウェヒヒ。なら今だけ私はほむらちゃんの看護士さんだね。」ポッ
ほむら「こんな可愛い看護士さんなら、病気もあっという間に治ってしまいそうね。」ニコッ
~数分後~
まどか「それでほむらちゃん、何を悩んでいるの?」
ほむら「えっ!?」
まどか「今朝はなんでもないって言ってたけど、やっぱり昨日の魔女もどきが気になってるんじゃ……」
ほむら「いえ、それとは関係ないから安心して。」
まどか「『それとは』って事は何か違う事で悩んでるの?」
ほむら「悩みなんてないから大丈夫よ。」
まどか「本当?」
ほむら「えぇ。フラっとしたのもただの寝不足だから心配しないで。」
まどか「ほむらちゃんが倒れそうになるくらい寝不足になるなんてただ事じゃないよ。さっき教室で叫んでた事も何か関係あるんじゃないの?」
ほむら「………」
まどか「私にも言えないくらい深刻な悩みでも……」
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃん、私たち恋人同士なんだから悩みがあるなら言って欲しいな。私にできる事なら協力するし。」
ほむら「やっぱりまどかには敵わないわね……」
ほむら「私ね、とても怖い夢を見たの……」
まどか「えっ!?」
ほむら「しかもただの悪夢じゃない。あなたに拒絶される悪夢だったわ。」
まどか「そんな!私はほむらちゃんを拒絶なんかしないよっ!」
ほむら「ありがとう、まどか。確かにあの夢に出てきたのはあなたであってあなたじゃないわ。」
まどか「もしかしてまた前世が、って話?」
ほむら「ある意味そうかもしれないわね。」
まどか「でもっ!前世でも私たちは仲が良かったって、マミさんや占い師の人も言ってたよ!」
ほむら「たとえ仲が良くても、私がした事は拒絶されても仕方のない事だもの……」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「まどか、あなたは知らないだろうけど、私は何度もあなたにヒドイ事をしたのよ。」
ほむら「あなたを助けるためとはいえ、殺した事も有ったわね……」
ほむら「それにこの前なんて……」
ほむら「あなたの覚悟を踏みにじって……」拳を握りしめている
まどか「ほむらちゃん!」ギュッ
ほむら「まどか!?」
まどか「たとえ前世で何があろうと、私はほむらちゃんを拒絶したりなんかしないよ。」
ほむら「まどか……」
まどか「それにね、前世の私もほむらちゃんのした事は分かってくれると思うな。」
まどか「だからね、安心して、ほむらちゃん。」
ほむら「本当?本当に私を拒絶しないでくれる?」肩つかみ(病んだ目つきで)
まどか「当たり前だよ。だって私はほむらちゃんの恋人さんなんだもんっ!」
ほむら「本当に?こんな事しても?」押し倒し
チュー
まどか「!?」
まどか「ちょっ、ほむらちゃんイキナリ何を!?」
ほむら「…やっぱり……あなたも私を拒絶するのね……」病んだ目つきで
まどか「そんな事ないよっ!ただイキナリで驚いただけだから!」
ほむら「嘘よ!こんな事してもまだそんな事が言えるの!?」服引き裂き
まどか「きゃぁぁ~~!?」
まどか「なんで?なんでこんなヒドイ事するの、ほむらちゃん!」
ほむら「……」悪夢の台詞を思い出す
ほむら「ヒッグ…やっぱり……あなたも…ヒッグ…私を…拒絶するのね……」今にも泣きそうな顔で
まどか「!?」
まどか「ほむらちゃん……」
まどか(そうか、ほむらちゃんは私が本当に拒絶しないか不安だったんだ。)
まどか(前世の私はもうほむらちゃんに答える事ができない。だからほむらちゃんは自分のした事が拒絶されないか分からないんだ。)
まどか(なら、答えてあげられる私がほむらちゃんを受け入れてあげなきゃダメだよね。)
ほむら「ごめんなさいまどか、怖い思いをさせてしまって……」
ほむら「今魔法で服を戻すから……」
チュー
ほむら「!?」
まどか「いいよ、続きしてくれても。」
ほむら「まどか、無理しなくていいのよ。私を拒絶したければしてくれて構わないわ。」
まどか「無理なんかしてないよ。それに私はどんなほむらちゃんでも受け入れるから安心して。」両手を開いてほむらを受け入れるように
ほむら「まどか……」ポロポロ
まどか「ほむらちゃん、本当は泣き虫さんだったんだね。」
チュー
《放課後・学校廊下》
杏子「全く今日は災難だったな。」
さやか「そうだよね。ぐっすり眠っていたのを先生に起こされるし、クラスの皆はなんか私たちの事根掘り葉掘り聞いてくるしさ。」
杏子「でも何でバレたんだ?アタシたちが授業中寝てるのはいつもの事なのによ。」
さやか「本当だよねぇ。私たちはあのバカップルみたいにイチャコラしてないのに……」
さやか「それにしてもなんであの二人は放課後まで戻ってこないんだろう?」
杏子「さあな。アタシたちが呼びに行こうとしても、クラスのやつらは『邪魔しちゃダメだよ。』って言って引き止めるしよ。」
さやか「いくらあのバカップルでも、さすがに学校じゃヤらないと思うんだけど……」
《数分後・保健室》
さやか・杏子「失礼しま~す。」ガラッ
さやか「まどか、ほむら、もう帰る時間だよ。」カーテンガラッ
まどか・ほむら「……」Zzz(服が乱れたまま、抱き合って寝てる)
さやか・杏子(何?この状況……)
さやか「おい、そこのバカップル!学校でナニやってるんだ!」二人を起こす
まどか・ほむら「!?」飛び起きる
さやか「おはよう、というかいつまで寝てんのよ。」
まどか・ほむら「これは、その……」アセアセ
杏子「これは確かにクラスの奴らが引き止めるのも納得だな。」
まどか・ほむら「嘘っ!?」
さやか「本当だよ。仲がいいのは結構だけど、学校でヤるのはいくら何でもありえないでしょ……」ハァ~
まどか・ほむら「ごめんなさい……」
杏子「まどかがほむらにベタ惚れなのは知ってるけどよ、普段は冷静なほむらまで何流されてんだよ……」ハァ~
ほむら「違うわ杏子。今日は私のせいなの。」
さやか・杏子「マジで!?」
まどか「ほむらちゃん昨日は考え事してて、寝不足になっちゃったって言ってたよね。」
さやか「そういえばそうだったね。」
まどか「それでね、ほむらちゃん授業中に寝ちゃってたの。」
杏子「優等生のほむらが授業中に居眠りなんて確かに珍しいな。アタシやさやかならともかく。」
ほむら「あなたたちはむしろ起きて授業を受けている方が珍しいわね。」
まどか「その後起きたんだけど、倒れそうなくらい寝不足だったみたいで、私が保健室に付き添って行ったんだ。」
さやか「付き添うだけなのになんで一緒に寝てるのよ……」
まどか「ほむらちゃんたら放っといたら無茶しそうだったから、寝るまで私が側に居る事にしたの。」
杏子「先生もよく許可したな。」
ほむら「私とまどかは、誰かさんたちと違っていつも真面目に授業を聞いているからね。先生が特別に許可してくれたのよ。」
さやか「『誰かさんたちと違って』は余計だよ!」
杏子「『誰かさんたちと違って』は余計だ!」
ほむら「それでまどかは私が何か悩んでるんじゃないかって思ったらしくて……」
ほむら「本当は隠し通すつもりだったけど、まどかの押しの強さに負けてしまって……」
さやか「確かにほむらはなんでもかんでも一人で抱え込む癖があるよね。」
さやか「それにまどかもこう見えて結構頑固なとこもあるしね。」
ほむら「それでまどかに拒絶される悪夢を見たと相談したの。」
さやか「!」
杏子「はぁ?訳わかんねぇ。なんでまどかがほむらを拒絶すんだよ?どう見てもベタ惚れじゃねぇか。」
まどか「なんか前世でいろいろあったみたいで、それで私が拒絶しないか不安だったみたいなんだって。」
杏子「また前世がどーのこーのって話かよ。魔女もどきの事といい、さやかとほむらはなんか知ってんだろ。いい加減教えてくれてもいいんじゃねぇか?」
ほむら「ごめんなさい、今はまだ話せないわね。」
さやか「ほむら、その悪夢ってもしかして昨日の魔女もどきが出てきてから見るようになったりしてない?」
ほむら「相変わらず妙な所で鋭いわね。えぇ、その通りよ。」
さやか「そっか……」
さやか「………」何かを考え中
杏子「どうしたさやか?珍しく真面目な顔して考えてるみたいだけど。」
さやか「いや、少し気になる事があってね。今はまだ確証がないからなんとも言えないけど……」
ほむら「あなたの鳥頭で考えても答えは出てこないわよ。」
さやか「失礼な!私だってあんたの為に無い知恵しぼって考えてあげてるんだから!」プンプン
ほむら「フフッ、冗談よ。期待してるわ、さやか。」
杏子「…ところでさ、さっきからなんで二人とも服乱れたまま話してるんだ?まどかに至っちゃ引き裂かれたような痕もあるしよ。」
まどか・ほむら「!?」慌てて服の乱れを整える
まどか「ちょっと!なんで二人とも教えてくれなかったの!」
さやか「いやぁ~、話すのに夢中ですっかり忘れてた。それに聞かれなかったからね。」テヘペロ
ほむら「あなたがその仕草をすると、無性に撃ち殺したくなるのだけど……」銃ガシッ
さやか「ちょっと!?軽いさやかちゃんジョークだってば!」
杏子「で、その悪夢とやらとまどかの服に引き裂かれたような痕があるのは、何か関係があんのか?」
まどか・ほむら「……」カァ~
さやか「ちょっと杏子。そこは空気読んでスルーしてあげなさいよ。」
杏子「?」キョトン
さやか「まぁ大丈夫だと思うけど、恋人同士だからって合意の無いのは犯罪だからね。」
ほむら「ほむぅ……」
まどか「だっ、大丈夫だよほむらちゃん。確かにちょっとびっくりしたけど、私はどんなほむらちゃんでも受け入れるから。」
ほむら「まどかぁ~!」ダキッ
さやか「はいはいそこまで!私たちも居るのにおっ始めたら、さすがのさやかちゃんも怒りますよ。」
まどか・ほむら「はい……」
《数週間後・ほむホーム》
ほむら(あれからも時々あの悪夢を見るわね。)
ほむら(それでもまどかは変わらず私を受け入れてくれる。)
ほむら(確かに私はあの時まどかを引き裂くヒドイ事をした。)
ほむら(でもまどかはこの世界で友人や家族、それに私に囲まれて幸せに暮らせているはず……)
ほむら(この世界はまどかが望んだ世界のはずよね……)
《数日後・見滝原某所》
ほむら「救済の魔女の次はこの二体まで出てくるなんて……」
さやか「全くだね。胸くそ悪い夢でも見てるみたいだよ。」
杏子「アタシも今日の魔女もどきの片方は知ってるぞ。」
なぎさ「なぎさもなのです。時々さやかが使役しているのを見る事があるのです。」
マミ「いいわよね~、美樹さん。自分専用のスタンドがいるなんて。」キラキラ
まどか・さやか(また何かに影響されたのかなぁ……)
ほむら(また何かに影響されたのかしら?)
杏子(また何かに影響されたのか?)
なぎさ(また何かに影響されたのでしょうか?)
まどか「さやかちゃんのあれって、魔女だったんだ!?」
さやか「う~ん、ちょっと違うけどだいたいそんな感じかな。」
杏子「それで、もう一体の魔女もどきはなんなんだ?」
ほむら「あなたの魔女化した姿よ、杏子。」
杏子「マジか!?」
ほむら「えぇ。確か武旦の魔女だったかしら。」
オクタヴィア?・オフィーリア?「ウゴォォォ~~!!」
一同「!?」
ほむら「さっさと片付けるわよ、さやか。」ゴスほむに変身
さやか「なるほど、魔女もどきには本物の魔女って事だね。」変身
マミ「暁美さんもうらやましいわね。魔法少女のコスチュームにバリエーションがあって。」キラキラ
杏子「マミ、緊張感がなさ過ぎだぞ!」
なぎさ「マミさん、緊張感がなさ過ぎですよ!」
マミ「ごっ、ごめんなさい……」マミーン
まどか「私たちも変身しましょう!」
マミ「えぇ!」四人とも変身
杏子「あぁ!」四人とも変身
なぎさ「はい!」四人とも変身
さやか「さて、パパッと片付けますか。」
マミ「ちょっと待って!この前帰ってから、なぎさちゃんや皆の必殺技をいろいろ考えたから、今日はそのお披露目をしましょう!」キラキラ(例の自作の必殺技ノートを開いてどれにしようか迷ってる)
一同「!?」
杏子「どういうことだ、オイ!マミのヤツ、全員の必殺技考えてるじゃねぇかよ!?」
なぎさ「マミさんはあれからずっと必殺技を考えていたのです……」
まどか「何言ってるのなぎさちゃん!止めてよ、マミさんを暴走させないでっ!」
なぎさ「なぎさも練習だって言われて、たくさん言わされたのです……」げっそり
杏子「マミのヤツ、何て事を!ふざけんじゃねぇ!それじゃアタシたち、痛々しい中二病集団にされるようなもんじゃないか!」
マミ「よしっ!今日はこれにしましょう。まず鹿目さんのは……」
ほむら「その必要は無いわ。」ファサッ
マミ「えっ!?」
ほむら「私はまともな感性を持つ人の味方で、残念なネーミングセンスをさらす馬鹿の敵。」
ほむら「あなたはどっちなの?巴マミ。」
マミ「私は素敵なネーミングセンスを持ってる人よっ!」プンプン
まどか・さやか・なぎさ(ダメだこの人……早くなんとかしないと……)
杏子(ダメだコイツ……早くなんとかしないと……)
さやか「今回は魔女もどき二体が相手ですから、ここは私とほむらに任せて下さい。」オクタヴィア召喚
ほむら「そうね。こいつらを仕留めるのは、私たち。」ホムリリー(彼岸の魔女の方)召喚
マミ「えぇ~、せっかく考えたのに……」マミーン
なぎさ「お披露目はまたの機会にして今日はあの二人に任せましょう、マミさん。」
マミ「むぅぅ~~」非常に残念そう
さやか「行くよっ、ほむら!」
ほむら「えぇ!」
まどか「待ってほむらちゃん!」
ほむら「何かしら?」
まどか「よかったら、私の弓使って。攻撃手段は多い方がいいでしょ。」弓渡し
ほむら「ありがとうまどか。助かるわ。」リボほむの弓を取り出してホムリリーに持たせる
杏子「ならさやか、お前はアタシの槍でも使いな。」槍渡し
さやか「サンキュー杏子。これで向かうとこ敵無しだね。」杏子の槍をオクタヴィアに持たせる
マミ「待って二人とも!合体技ならここにいい必殺技が……」キラキラ
一同(なんで合体技の名前まで……)
ほむら・さやか「……」必殺技ノートを見てる
さやか「まぁ、技としてはアリかな。」
ほむら「そうね。名前の事は置いといて、威力は申し分無いわね。」
マミ「えぇ~!?この名前とか……」モゴモゴ(なぎさに口塞がれている)
なぎさ「マミさんは抑えておくので、さっさとやっつけちゃうのです。」
ほむら「分かったわ!」
さやか「分かった!」
ほむら「行くわよ!さやか!」
さやか「任せなさいっ!」
ほむら「降り注げ!二重(ふたえ)の矢!マジカルダブルスコール!」ほむらとホムリリーがそれぞれ持っている弓から矢を上空に放ち、二重の魔法陣を描いて、そこから無数の矢が降り注ぐ
さやか「皆まとめて吹き飛ばしてやる!疾風迅雷(しっぷうじんらい)の嵐!サンダーストーム!」オクタヴィアが杏子の多節棍を複製し無作為に振り回しながら敵の中で回転切り
マミ「モゴー!モゴー!」ジタバタ(なんかしゃべりたそうだが、なぎさに口塞がれている)
オクタヴィア?・オフィーリア?「ドッカーン!」消滅
まどか「二人ともやったね。」
杏子「二人ともやったな。」
ほむら「えぇ、二人ともありがとう。」武器返し
さやか「うん、二人ともありがとう。」武器返し
なぎさ「やっぱり今日の魔女もどきも魔獣だったのですか?」
さやか「そうみたいだね……」グリーフキューブ拾い
ほむら「まどかに続いて、さやかと杏子の魔女化した姿まで出てくるなんて……」ブツブツ
ほむら「円環の理が正常に機能していない証拠なのかしら?」ブツブツ
ほむら「やっぱりあの夢はまどかからのメッセージだったんじゃ………」ブツブツ
さやか「ほむら……」
マミ「モゴー!モゴー!」ジタバタ(口を塞いでるなぎさの手をどかす)
マミ「もうっ!二人ともなんで私の考えた名前を言ってくれないのよ!」プンプン
杏子「名前くらいいいじゃねぇか。」
まどか「そうですよ。それにさっきのも十分かっこいいじゃないですか。」
マミ「皆分かってないわよ!いい?必殺技っていうのは……」クドクド
~十数分後~
マミ「…って訳だから、合体技をする時は……」
一同「ワイワイガヤガヤ」マミさんスルーして違う話してる
マミ「!?」
マミ「ちょっと!私をスルーしないで~~」
~数分後~
マミ「私の考えた名前を言ってくれなかったのは残念だけど、やっぱり合体技って素敵よね。」キラキラ
なぎさ「マミさんはさっきからそればっかりなのです。」ハァ~
マミ「今度は六人で……」
ほむら「……」バタッ
まどか「ほむらちゃん!」
マミ「もうっ!暁美さんたら私に名前つけられたくないからって、いくらなんでも仮病はないんじゃないかしら。」
ほむら「………」
マミ「暁美さん…?」
杏子「多分マジで倒れてると思うぞ。」
マミ「えっ!?」
まどか「ほむらちゃん、ここ最近例の悪夢にうなされる事があって、あんまり体調が優れないんです。」
マミ・なぎさ「例の悪夢?」キョトン
さやか「そっか。二人にはまだ話してなかったっけ。」
さやか「まぁ、その事は後で説明しますが、ただでさえ精神的に参ってるのに今日私と杏子の魔女もどきまで現れたんで、疲労がピークに達したんだと思います。」
さやか「まどか、後の事は私たちがやっとくからさ、まどかはほむらを介抱してやりな。」
まどか「ありがとう。それじゃあ皆、後はよろしくね。」ほむらを連れてほむホームへ
一同「お大事に。」
~まどかとほむら帰宅後~
さやか「……」物陰など辺りを見渡している
マミ「それで、さっき言ってた悪夢って言うのは?」
さやか「そうですね、例の魔女もどきが初めて出てきてからほむらが時々見るそうなんです。」
なぎさ「どんな夢なのですか?」
さやか「どうやら、まどかに拒絶される悪夢みたいだよ。」
マミ・なぎさ「えっ!?」
杏子「やっぱお前らもそんな反応だよな。」
なぎさ「それはそうなのです。まどかがほむらを嫌うなんて想像もできないのです。」
マミ「もしかして前言ってた前世の事が関係あるのかしら?」
さやか「!」
さやか「さぁ、どうなんでしょう?ただ円環の理が正常に機能していないかもしれないという不安が、悪夢という形で現れたのかもしれないですね。」
なぎさ「なんで円環の理とまどかが関係あるですか?」
さやか「さぁ?ほむらにとっては何か大事な理由でもあるんじゃない?」
マミ「そう言えば、美樹さんや暁美さんは前世の記憶を持っていそうなのよね。」キラキラ
さやか(マミさん、この場でその話はマズいですって!)
マミ「魔女もどきの件といい、詳しく聞かせて欲しいわ。」
さやか「ほむらはどうか知りませんが、私は何故か魔女とかの知識があるくらいで、前世の記憶なんて無いと思いますよ。」
マミ「そうなの……」マミーン
さやか「そう落ち込まないで下さい、マミさん。魔女の事でよかったら、今度日を改めて教えてあげますから。」
マミ「本当っ!?」パァ~
さやか「はい。それに今日はもう遅いからこの辺で帰りましょうか?」
マミ「そうね。」
マミ「それじゃあ今日は帰って、私となぎさちゃんの合体技を考えましょう!」キラキラ
なぎさ「えぇ~!?なぎさはもう必殺技の練習はこりごりなのですよ。」
マミ「好き嫌いしてたら立派なレディーになれないわよ。」
なぎさ「立派なレディーになるのと必殺技の練習は関係ないのですよ。」
杏子「むしろマミの真似していたら、遠ざかりそうだよな。」ケラケラ
なぎさ「ほら、杏子もこう言ってるのです。必殺技の練習は無しなのです。」
マミ「それは残念ね。練習に付き合ってくれたら、おいしいチーズ料理をごちそうしようと思っていたのに。」
なぎさ「えっ!?」
杏子「おいっ、マミ!食べ物で釣るなんて卑怯だぞ!」
マミ「だってだって、暁美さんと鹿目さん、美樹さんと佐倉さんは合体技があるのに私となぎさちゃんの合体技だけ無いなんてイヤよ!」ジタバタ(子供のように駄々こねてる)
さやか・杏子(子供だ……)ハァ~
なぎさ「しょうがないですね。ここはレディーななぎさがマミさんのために我慢してあげるのです。」
マミ「本当っ!?」パァ~
なぎさ「だから、とびきりおいしいチーズ料理を期待しているのです。」
マミ「分かったわ。任せておいて。」
マミ「それじゃあ、また今度ね。」
なぎさ「それじゃあ、また今度なのです。」
~マミとなぎさ帰宅後~
杏子「相変わらずマミは変なとこ子供っぽいよな。あれじゃあどっちが子供か分かんねぇぞ。」
さやか「ホントホント。見た目だけなら、私たちの中でぶっちぎりで大人っぽいのにねぇ。」
杏子「アタシたちもそろそろ帰るか?」
さやか「私はちょっと調べたい事があるから先に帰っててくれる?」
杏子「あの魔女もどきの事か?」
さやか「うん。ほむらはあの調子じゃ冷静に分析できないだろうし、私が調べれば何か分かるかもしれないからね。」
杏子「分かったけど、なるべく早く帰ってこいよ。」
さやか「おや?杏子は私がいなくて寂しいのかな?」ニヤニヤ
杏子「バッ、ちげぇよ!単に飯が冷めちまうのが心配なだけだよ!」アセアセ
さやか「かわいい杏子ちゃんは私が帰って来るまで、ご飯を食べるのを待っててくれるんだ?まるでお嫁さんみたいだねぇ~」ニヤニヤ
杏子「うっさいバカっ!アタシは先に帰ってるからな!」プイッ(顔真っ赤)
さやか「はいはい。」ニヤニヤ
~杏子帰宅後~
さやか「……」魔女もどきが居た辺りを調べてる
さやか(う~ん、やっぱりあの魔女もどきの発生原因はよく分からないね。)
さやか(だからと言って、まどかに続いて私や杏子の魔女化した姿まで出てくるなんて……)
さやか「………」何かを考えている
《同日夜・美樹ハウス》
さやか「ただいま~」
杏子「遅かったじゃねぇか。もう腹ぺこだぜ。」
さやか「あれれ~、さやかちゃんが帰って来るまで夕飯食べないで待っててくれたんだ。」ニヤニヤ
杏子「ちっ、ちげーし!インスタントよりさやかの作った飯の方がうまいから、しょうがなく待ってやってただけだしっ!」カァ~
さやか「さやかちゃんの手作り料理の方がおいしいなんて、可愛い事言ってくれるじゃない。」抱きつき
杏子「だー!どさくさにセクハラすんな、この馬鹿っ!」バシッ
さやか「痛っ!相変わらず杏子はツンデレですなぁ~」ニヤニヤ
杏子「デレた事なんて無いからなっ!」カァ~
さやか「はいはい、そう言う事にしといてあげるよ。」ニヤニヤ
杏子「うぅぅ~~」
~食後~
杏子「さやか、あの後一人で何調べてたんだ?」
さやか「ん?まぁいろいろとね。」
杏子「それで何か分かったのか?」
さやか「一通り調べてみたけど、あの魔女もどきの発生原因はよく分からなかったよ。」
杏子「なんだ。無駄骨だったじゃねぇか。」
さやか「いや、そうでもないよ。」
さやか「実は………」
《同日夜・ほむホーム》
ほむら「う~ん…まどか……私を拒絶しないで……」悪夢にうなされている
まどか「大丈夫だよ、私はどんなほむらちゃんも受け入れるから。」ほむらの手を握る
まどか(あの魔女もどきが現れるようになってから、ほむらちゃんすごく苦しそう。)
まどか(なのに私には不安を和らげるために、ほむらちゃんを受け入れてあげる事しかできない。)
まどか(どうしたらほむらちゃんが悪夢を見ないようにできるの?)
まどか(やっぱりあの魔女もどきが出なくなるまでなの?)
まどか(でもそれっていつまで続くの?)
まどか(私、こんな苦しそうなほむらちゃんなんて見ていられないよ……)涙目
《ほむらが眠りについてから・ほむらの夢》
ほむら「またなの…」
まど…「ねえ、ほむ…ちゃん、なん…あん……ドイ事した…?」
ほむら「まどか……」
まど…「ねえ、ど……て!」
ほむら「私は……私はあなたが本心では『家族や友人に囲まれて平和に暮らしたい。』と言ったから、だから!」
まど…「それ…、…むらちゃん…結界………環の理……ての記……ない私が言った事……ょ。なんで円環……の私……何も言……くれな……たの!」
ほむら「それは、私は本心を語ってくれたあなたも、円環の理であるあなたと同じ気持ちだと……」
ほむら「だからインキュベーターに支配されないようにすぐにあなたを……」
まど…「確か……ュゥべ…が私を支……ようとして…のは事実……ど、だか……て私に確認す…時間くらいあ……でしょう!」
まど…「ほむら……ん、イキナ……き裂かれ……の気持ち、ほ…らちゃんに…分かる?」
ほむら「……」
まど…「怖か…た、痛か…た、それに……かった。」
ほむら「まどか……」
まど…「最高の友……こんな…ドイ事す……んて想像も…てなかったし、考……くもなか……よ。」
まど…「ほむ……ゃんは私……し……たいの?」
ほむら「違う!私はあなたの望む世界を……」
まど…「私は……な世界…んで………いない!」
ほむら「嘘よ!確かに魔獣退治はあるけど、この世界であなたは望み通り、家族や友人に囲まれて平和に暮らせているじゃない!」
まど…「ほむらち……が私の力……って改変し……界は、人間……が覚醒し…ら壊れ……もしれな…とって………定な世界なん…よ。」
まど…「そんな……が本当……和って言え…の!」
ほむら「くっ……」
ほむら「この世界のまどかの覚醒は私が必ず防いでみせる!」
ほむら「だから、この世界を望んでいないなんて言わないで!」
まど…「そんな……えない…!」
ほむら「なら、あなたは円環の理として生きる事を本当に望んでいたの?」
まど…「もち……だよ。私がこの…になれ……ら、全ての魔……女の希…になれたん……ら。」
まど…「ほ……ちゃんのし……は、全て……法少女の希…を、そし……ての魔法少女…希望になろ……した私の願い…、踏みに……たんだよ!」
ほむら「違う……」ボソッ
まど…「違う……何が違う…!ほむ……ゃんのした事……されるよう…事じゃな………よ!」
ほむら「違う!」
まど…「!?」
ほむら「私が聞きたいのはそんな事じゃない!」
ほむら「あなたは帰る場所も無くなって、大好きな人たちとも離ればなれになって、一人ぼっちで永遠に取り残されて、魔女を滅ぼす概念として生きる事を、たくさんの大切な人たちと一緒に暮らす世界より望むというの!?」
まど…「私一…が頑張……、全ての魔法……を救う事…できるん…よ。そん……環の理として……る事と不安……世界、どっち……むかなん……むらちゃんな…考えなくて……ぐ分かるは………ょ!」
ほむら「あなたは、なんであなたは、いつだって、そうやって自分を犠牲にして!」
ほむら「他人のためになるだとか、自分一人が犠牲になればいいとか、勝手に自分を粗末にしないで!」
ほむら「あなたが円環の理になっても、あなたを覚えている私の事も考えて!」
ほむら「何度も何度も!いい加減にしてよ!」
ほむら「あなたが居なくなった世界になったら、それを悲しむ人がいるって、どうしてそれに気づかないの!」
ほむら「あなたに幸せな日々を送って欲しいと願った私の気持ちはどうなるの!」
まど…「私のため……張ってくれ………らちゃんの事…、私に普通……活を送っても…いたい……いう、ほむらちゃ……願いも理解……るよ。」
ほむら「なら……」
まど…「でも…、だからっ…私の……奪って………改変する…んて、それ……むらちゃんのエ……よ。」
まど…「私の好き………らちゃん……んな自分勝……子じゃ…い!」
まど…「……」
《夢から覚める・ほむホーム寝室》
ほむら「まどかっ!」ガバッ
まどか「!?」
ほむら「まどか、私はあなたが『家族や友人と一緒にいたい。』と願ったから世界を作り変えたのにどうしてそんな事言うの!?なんで私のことを拒絶するの!?ねぇ!どうしてよ!?」今にも泣きそうになりながら肩つかみ
まどか「どうしたの、ほむらちゃん?またあの悪夢なの?」
ほむら「……」
ほむら「あなたはあのまどかじゃなくて、いつものまどかなの?」
まどか「うん。私はほむらちゃんが大好きで、ほむらちゃんを拒絶なんかしないまどかだよ。」
ほむら「本当?本当に本当?」病んだ目つきで
まどか「ほむらちゃん……」
まどか「本当だよ。だからそんな悲しい顔しないで。」ギュッ
ほむら「まどか……」
ほむら「まどかはこの世界を望んでいる?」
まどか「もちろんだよ。家族やたくさんの友達、それに大好きなほむらちゃんと一緒に居られる、この世界を私は大好きだよ。」
ほむら「なら、もしあなた一人が犠牲になれば世界中の人が救われるとしたら、その世界と今のこの世界、どっちを選ぶ?」病んだ目つきで
まどか「えっ!?それってどういう……」
ほむら「帰る場所も無くなって、大好きな人たちとも離ればなれになって、一人ぼっちで永遠に取り残されるような世界。しかもあなたが皆のためにその世界を望んでも、私以外の全ての人から忘れ去られてしまう。」
ほむら「そんな世界で生きて行く事と、今の世界のように家族や友人、それにたくさんの大切な人たちと一緒に、平和な生活を送れる世界で生きて行く事、あなたはどっちを選ぶ?」病んだ目つきで
まどか「ごめん、どちらかなんて選べないよ………」
ほむら「……」
まどか「でも、どうしてもどちらかを選ばなきゃいけないのなら……」
ほむら「……」
まどか「…私一人が犠牲になればみんなが救われるのなら……」
まどか「私はその世界を選ぶ、かな……?」
ほむら「なんで!?どうしてあなたまであのニセモノと同じ選択をするのよ!?」肩つかみ(病んだ目つきで)
まどか「ほむらちゃん!?ニセモノって?同じ選択って?一体何の事!?」オドオド
ほむら「あなたは、なんであなたは、いつだって、そうやって自分を犠牲にして!」
ほむら「他人のためになるだとか、自分一人が犠牲になればいいとか、勝手に自分を粗末にしないで!」
ほむら「あなたがその世界を望んでも、私はそんなの望んでいないのよ!」
ほむら「あなたは、後に残された私の気持ちを考えた事があるの!?」
まどか「!」
ほむら「まどかがもう二度と手が届かないほど遠い所へ行っちゃって、なのに世界中の誰もがそのことを忘れちゃって、私だけがまどかを覚えているたった一人の人間として取り残されて……」
ほむら「寂しいのに、悲しいのに、そんな気持ちを誰にも分かってもらえない……」
ほむら「そんな私の気持ちを一度でも考えた事があるの!」泣きそうな顔で肩つかみ
まどか「ごめん、ほむらちゃん。私そこまでちゃんと考えれなかった。」
まどか「世界中の人を救えるなら、私一人の犠牲くらい大丈夫だって思ってた。」
まどか「でも違うんだよね。その世界中の人たちの中にほむらちゃんはいない。それに私一人の犠牲じゃなくて、ほむらちゃんの犠牲まで必要な世界だよね。」
まどか「私が犠牲になって世界中の人を救えたとしても、私の一番大切な人を、ほむらちゃんを私は救えていない。」
まどか「そんなほむらちゃんを犠牲にしてまで世界中の人を救えるような世界を、ほむらちゃんを悲しませるような世界を、私は望まない。」
ほむら「なら、もしそんな世界で生きているあなたを、私が今のような普通の生活に戻そうとしたのなら、あなたは私をどう思う?」
まどか「そんなの考えるまでもないよ。一人ぼっちで寂しい思いをしてる私を救ってくれた、ほむらちゃんに感謝こそしても拒絶する理由なんてどこにも無いよ!」
ほむら「そう…そうよね……」ニコッ(ぎこちないが精一杯の笑顔で)
まどか「私の側にほむらちゃんがいる、そんな当たり前だと思っていた事がこんなにも素敵な事だったなんて……」
まどか「ほむらちゃんが側に居てくれなきゃ、こうして触れ合う事もできなかったんだもんね。」
ほむら「まどか、本当に私の側から居なくならない?」泣きそうになりながら肩つかみ
まどか「うん。私はずっとほむらちゃんの側に居るよ。」ダキッ
ほむら(円環の理からまどかを引き離した事自体は間違いじゃなかった。)
ほむら(あとは円環の理さえ正常に機能していれば何も問題はないわね。)
まどか「……らちゃん。」
ほむら(ならあの魔女もどきの原因は一体なんなの?)
まどか「ほむらちゃんてっば!」
ほむら「!?」
ほむら「どうしたの?まどか?」
まどか「ほむらちゃんたらまだ、あの悪夢に悩んでるの?」
ほむら「いえ、あなたがこの世界を望んでいると分かったから、もう悩んでなんかいないわ。」
まどか「本当?」
ほむら「えぇ、本当よ、まどか。」
まどか「そっか、よかった。」ニコッ
まどか「ならあんな悪夢忘れるくらい、私がほむらちゃんにイイコトしてあげる。」
チュー
ほむら「!?」
まどか「ほむらちゃんの悩みも、不安も、悲しみも、全部私が受け止めてあげる。」
ほむら「まどか……」押し倒し
まどか「いいよ、ほむらちゃん。悪夢に出てくる私なんか忘れるくらい、本物の私をほむらちゃんの愛で一杯にして。」
ほむら「えぇ。」
チュー
《数週間後・ほむホーム》
ほむら(あれからも毎日のようにあの悪夢を見るわね。)目元の隈がヒドくなっていってる
ほむら(私が不安で眠れない時は、まどかが側に居て安心させてくれる。)
ほむら(私が悪夢のまどかを忘れられない時は、まどかがそれを忘れさせてくれるほど激しく私を求めてくれる。)
ほむら(私はまどかを愛してるし、まどかは私を愛してくれている……)
《数日後・見滝原某所》
ほむら「もうっ!いい加減にしてっ!」目元の隈もひどく、見るからに精神がすり減ってるような表情
まどか「ほむらちゃん……」
さやか(やっぱりこの二体まで出てきたか……)
杏子「さやか、こいつらはお前の予測通りの魔女もどきなのか?」
さやか「うん。マミさんの魔女化した姿のおめかしの魔女と、なぎさの魔女化した姿のお菓子の魔女だよ。」
マミ「それ本当!?」
なぎさ「それは本当なのですか!?」
さやか「うん。でもおめかしの魔女は本来もっと小さかったはずだし、お菓子の魔女も人形の姿じゃなくて最初から恵方巻のような姿をしているなんて……」
杏子「魔獣が魔女の姿を真似する時に元の姿のままじゃ不都合でもあったんじゃねぇの?」
さやか「元のままだったら小さい姿だからね。確かにありえそうな理由だよね。」
マミ「なんかなぎさちゃんの魔女化した姿を見てると首が痛くなるのだけど、どうしてかしら?」
さやか「おそらく前世で何かあったんじゃないでしょうか?」
さやか「それとしつこいようですが、マミさん、今日は絶対に油断しないで下さいよ。たとえ魔女もどきだとしても首を喰いちぎられる可能性もあるんですから。」
マミ「わっ、分かったわ。」
ほむら「その必要はないわ。」
一同「!?」
ほむら「これ以上円環の理が正常に機能していない証拠を見るなんてたくさんよ!」
ほむら「こいつらを仕留めるのは、私!」リボほむに変身
ほむら「一気に終わらせる!」矢を引こうとする
ほむら「……」バタン
まどか「ほむらちゃん!」
さやか・杏子・なぎさ「ほむら!」
マミ「暁美さん!」
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃん!ほむらちゃん!」揺すってる
さやか「まどか、落ち着きな。ほむらならおそらく気絶しているだけだから大丈夫だよ。」
まどか「本当!?」
さやか「うん。こうも連続で魔女もどきが出てくると、ほむらにとっては円環の理が正常に機能していないんじゃないかって、不安になっちゃうんだよ。」
杏子「それに出てくるのアタシたちの魔女化した姿のやつだからな。全く胸くそ悪い夢みたいなもんだよ。」
マミ「鹿目さん、ここは私たちに任せて、暁美さんを介抱してあげて。」
なぎさ「マミさん、死亡フラグ建てちゃダメなのですよ。」
マミ「えぇ~?これくらい普通でしょ?」
さやか・なぎさ(大丈夫かな、この人?)
杏子(大丈夫かよ、コイツ?)
キャンデロロ?・シャルロッテ?「ゴゴゴ……」
一同「!?」
さやか「さぁ、まどかは早くほむらを連れて行きな!」
まどか「うん。皆こっちはお願いね。」ほむらを連れてほむホームへ
~まどかとほむら離脱後~
さやか「さてと……」魔女もどきの方を見てる
キャンデロロ?・シャルロッテ?「………」
杏子「今回はどうやってぶっつぶしてやろうか?」
マミ「じゃあ、ここは私となぎさちゃんの合体技のお披露目ね!」キラキラ
一同「うっ!」
マミ「この前皆の必殺技をお披露目できなかったから、今日こそはやらせてもらうわよ。」
杏子「なぎさ、結局あの後は……」
なぎさ「思い出したくもないのです……」げっそり
さやか「なぎさ、あんたも苦労しているんだね。」ほろり
マミ「さぁ、なぎさちゃん!準備して!」
さやか・杏子「準備?」
なぎさ「なぎさ、あんな恥ずかしい台詞言いたくないのです。」
キャンデロロ?・シャルロッテ?「ウゴォォ~~」
一同「!?」
マミ「なぎさちゃん、迷ってる暇なんてないわ!さぁ、早く!」
なぎさ「うぅぅ~~」
マミ「We are the bone of our rifle and bubble.」
なぎさ「体は銃と泡で出来ている。」
マミ「Lead is our body,and water is our blood.」
なぎさ「血潮は鉛で、心は水。」
マミ「We have relieved the future from thousands of enemies.」
なぎさ「幾度の戦いを越えて不敗。」
マミ「Unaware of hope.」
なぎさ「ただの一度の希望もなく、」
マミ「Nor aware of despair.」
なぎさ「ただの一度の絶望もなし。」
マミ「With stood pain to relieve the future,」
なぎさ「担い手はここに二人。」
マミ「fighting against one’s enemy.」
なぎさ「この荒野で敵を滅す。」
マミ「We have no regrets.This is only path.」
なぎさ「ならば我らの生涯に意味は不要ず。」
マミ「Our whole lives were」
なぎさ「この体は、」
マミ「“unlimited bubbly rifle works”.」魔女もどきの四方八方から銃弾と泡による集中攻撃
なぎさ「無限の銃と泡で出来ていた。」魔女もどきの四方八方から銃弾と泡による集中攻撃
キャンデロロ?・シャルロッテ?「ドッカーン!」消滅
さやか・杏子「……」呆然
マミ「どう?カッコ良かったでしょう?」キラキラ
さやか・杏子「……」ジー
なぎさ「二人とも哀れな人を見る目で、なぎさを見るのはやめるのです!」プンプン
杏子「そもそもなんだよ、技出す前の長ったらしい台詞は?」
マミ「何って、詠唱に決まっているじゃない!」
さやか「そんなの言わなくても、最後のアンリミテッドなんちゃらだけでいいじゃないですか……」
マミ「もうっ!分かってないわね。こういう大技にはかっこいい決め台詞が必要なのよ!」
さやか(長ったらしい台詞言ってる間に、敵が攻撃してきたらどうするつもりなんだろう?)ハァ~
杏子(長ったらしい台詞言ってる間に、敵が攻撃してきたらどうするつもりなんだよ……)ハァ~
マミ「二人ともなぎさちゃんを見習いなさい。」
マミ「なぎさちゃんは台詞を覚えるためにすっごく頑張ったんだから!」
なぎさ「一字でも言い間違えたら最初から言い直して、完璧に言えるまでチーズはおあずけと言われたからしょうがなくやっただけなのです……」げっそり
さやか・杏子(ここに鬼が居る……)
マミ「さっ、魔女もどきも倒した事だし、今日は私の家でお茶会でもどうかしら?」
さやか・なぎさ「いいですね。」
杏子「いいな。」
《数十分後・マミホーム》
マミ「さぁ、皆どうぞ。」
一同「いただきま~す。」
マミ「ところでこのあとの予定なんだけど……」ワクワク(自作の必殺技ノートを取り出し)
一同「!」
さやか「マミさん、ちょっ~と待ってもらっていいですか?今日は三人に重要な話があるんです。」
マミ「えぇ~」マミーン
なぎさ「マミさん、わがまま言わずに今日はさやかの話を聞くのですよ。」
杏子「さやか、話ってのは前言ってたやつか?」
さやか「うん。実は………」
~数十分後~
さやか「とりあえず、今日の所の対策としては……」
マミ「必殺技の特訓ね!」キラキラ
一同「えっ!?」
マミ「これから巨悪に立ち向かうのだもの。新しい必殺技も必要よね!」キラキラ(例の必殺技ノート取り出し)
さやか「いや、マミさん。それは必要ないかと……」
杏子「そうだそうだ!そんな暇あるなら違う事に……」
なぎさ「なぎさはもう必殺技の特訓なんてしたくないのです……」
マミ「そんな事言わずに、皆やるわよ!」
一同「い~や~!!」ズルズル(マミさんに引きずられて行く)
《同日・ほむホーム》
ほむら「う~ん……まどか……そんなの嘘よっ!……嘘だ!嘘だっ!嘘だっ!!」悪夢にうなされている
まどか「!?」
まどか(ほむらちゃん、一体どんなひどい悪夢を……)
《ほむらが眠りについてから・ほむらの夢》
ほむら「もうやめてっ!」
まど神「ねえ、ほむらちゃん、なんであんなヒドイ事したの?」
ほむら「まどか……」
まど神「ねえ、どうして!」
ほむら「私は……私はなたが本心では『家族や友人に囲まれて平和に暮らしたい。』と言ったから、だから!」
まど神「それは、ほむらちゃんの結界内で円環の理としての記憶がない私が言った事でしょ。なんで円環の理の私には何も言ってくれなかったの!」
ほむら「それは、私は本心を語ってくれたあなたも、円環の理であるあなたと同じ気持ちだと……」
ほむら「だからインキュベーターに支配されないようにすぐにあなたを……」
まど神「確かにキュゥべえが私を支配しようとしてたのは事実だけど、だからって私に確認する時間くらいあったでしょう!」
まど神「ほむらちゃん、イキナリ引き裂かれた私の気持ち、ほむらちゃんには分かる?」
ほむら「……」
まど神「怖かった、痛かった、それに悲しかった。」
ほむら「まどか……」
まど神「最高の友達がこんなヒドイ事するなんて想像もしてなかったし、考えたくもなかったよ。」
まど神「ほむらちゃんは私を悲しませたいの?」
ほむら「違う!私はあなたの望む世界を……」
まど神「私はこんな世界望んでなんかいない!」
ほむら「嘘よ!確かに魔獣退治はあるけど、この世界であなたは望み通り、家族や友人に囲まれて平和に暮らせているじゃない!」
まど神「ほむらちゃんが私の力を奪って改変した世界は、人間の私が覚醒したら壊れるかもしれないとっても不安定な世界なんだよ。」
まど神「そんな世界が本当に平和って言えるの!」
ほむら「くっ……」
ほむら「この世界のまどかの覚醒は私が必ず防いでみせる!」
ほむら「だから、この世界を望んでいないなんて言わないで!」
まど神「そんな事言えないよ!」
ほむら「なら、あなたは円環の理として生きる事を本当に望んでいたの?」
まど神「もちろんだよ。私がこの姿になれたから、全ての魔法少女の希望になれたんだから。」
まど神「ほむらちゃんのした事は、全ての魔法少女の希望を、そして全ての魔法少女の希望になろうとした私の願いを、踏みにじったんだよ!」
ほむら「違う……」ボソッ
まど神「違うって何が違うの!ほむらちゃんのした事は許されるような事じゃないんだよ!」
ほむら「違う!」
まど神「!?」
ほむら「私が聞きたいのはそんな事じゃない!」
ほむら「あなたは帰る場所も無くなって、大好きな人たちとも離ればなれになって、一人ぼっちで永遠に取り残されて、魔女を滅ぼす概念として生きる事を、たくさんの大切な人たちと一緒に暮らす世界より望むというの!?」
まど神「私一人が頑張れば、全ての魔法少女を救う事ができるんだよ。そんな円環の理として生きる事と不安定な世界、どっちを望むかなんてほむらちゃんなら考えなくてもすぐ分かるはずでしょ!」
ほむら「あなたは、なんであなたは、いつだって、そうやって自分を犠牲にして!」
ほむら「他人のためになるだとか、自分一人が犠牲になればいいとか、勝手に自分を粗末にしないで!」
ほむら「あなたが円環の理になっても、あなたを覚えている私の事も考えて!」
ほむら「何度も何度も!いい加減にしてよ!」
ほむら「あなたが居なくなった世界になったら、それを悲しむ人がいるって、どうしてそれに気づかないの!」
ほむら「あなたに幸せな日々を送って欲しいと願った私の気持ちはどうなるの!」
まど神「私のために頑張ってくれたほむらちゃんの事も、私に普通の生活を送ってもらいたいっていう、ほむらちゃんの願いも理解できるよ。」
ほむら「なら……」
まど神「でもね、だからって私の力を奪って世界を改変するなんて、それはほむらちゃんのエゴだよ。」
まど神「私の好きなほむらちゃんはそんな自分勝手な子じゃない!」
まど神「私そんなほむらちゃんなんて大嫌いだよ!」
ほむら「!?」
ほむら「うっ、嘘よ……」ガタガタ
ほむら「そんなのデタラメに決まってるわ!」
まど神「嘘じゃないよ。もし私がほむらちゃんを嫌いじゃないなら、そもそもこんな事言わないはずでしょ!」
ほむら「くっ……」
ほむら「でっ、でも……」
ほむら「でもっ!この世界でまどかは私に友達になってと言ってくれた!」
ほむら「私の事を優しいと言ってくれた!」
ほむら「私の事を好きだと言ってくれた!」
ほむら「円環の理が正常に機能していないんじゃないかと悩んでる私を心配してくれた!」
ほむら「この悪夢のせいで拒絶されるんじゃないかと不安になって、無理矢理押し倒した時も私を拒絶しないでくれた!」
ほむら「あなたの力を奪って改変したこの世界を好きだと言ってくれた!」
ほむら「円環の理として生きる事とこの世界で生きる事、どちらを選ぶか聞いた時も残された私の気持ちを考えて、この世界で生きる事を選んでくれた!」
ほむら「この世界のまどかは、こんな私を受け入れて、愛してくれている!」
ほむら「はぁ…はぁ……」一気に言って息が上がってる
まど神「……」
まど神「言いたい事はもう終わった?」
ほむら「……」
まど神「たとえこの世界の私がどれだけほむらちゃんを好きだと言っても、それは全てほむらちゃんの幻想、幻覚に過ぎないんだよ。」
ほむら「どういう意味よ!?」
まど神「この世界の私がほむらちゃんを好きな事も、ほむらちゃんを受け入れる事も、全部ほむらちゃんが私の力を奪って世界を改変した時に、ほむらちゃんが自分に都合のいいように私を作り替えたからだよ!」
ほむら「!?」
ほむら「うっ、嘘よ!そんなの嘘に決まってる!」ガタガタ
ほむら「私があなたを引き裂いた時、私はまどかの人間の部分を取り出しただけ。私の意志は関係ないわ!」
まど神「ほむらちゃんは無意識に自分の都合のいいように私を作り替えたんだよ。魔女結界を作った時だって無意識に自分と関係のある人を結界内に取り込んだでしょう?」
ほむら「うっ……」
まど神「だからこの世界の私はニセモノ。ほむらちゃんが作り出したニセモノなんだよ!」
ほむら「黙れ……」ボソッ
まど神「この私がホンモノ。ホンモノの私はほむらちゃんなんか大嫌いだよ!」
ほむら「黙れ!」
ほむら「黙れ!ニセモノ!」デビほむ状態に変身
デビほむ「ホンモノのまどかは私を拒絶なんかしない!」
デビほむ「私を拒絶するお前の方がニセモノだ!」まど神を攻撃しようとする
まど神「スッ」デビほむの攻撃がすり抜ける
デビほむ「!?」
まど神「無駄だよ、ほむらちゃん。私が言いたい事を言い終わって、ほむらちゃんが目を覚まさない限りどんな攻撃も当たらないよ。」分身してデビほむを囲む
まど神「ねえ、ほむらちゃん、なんであんなヒドイ事したの?」
まど神「私はこんな世界望んでなんかいない!」
まど神「私そんなほむらちゃんなんて大嫌いだよ!」
まど神「この世界の私はニセモノ。ほむらちゃんが作り出したニセモノなんだよ!」
デビほむ「黙れ、ニセモノ!黙れ!黙れっ!黙れっ!!」ほとんど錯乱状態で、攻撃してもすり抜けるだけで全く効果無し
《夢から覚める・ほむホーム寝室》
ほむら「……嘘だ!嘘だっ!嘘だっ!!」悪夢にうなされている
まどか「ほむらちゃん!しっかりして!」ほむらを抱きかかえて起こそうとしてる
ほむら「…う~ん……」虚ろな目のまま悪夢から覚める
まどか「ほむらちゃん、大丈夫!?」(まだ完全に起きてないほむらには『……らちゃん、大……!?』と聞こえてる)
ほむら「いやぁぁ~~!!」錯乱状態で暴れだす(『大丈夫』が『大嫌い』に聞こえたため)
まどか「!?」
ほむら「いやっ!私を嫌わないで!」ジタバタ
まどか「ほむらちゃん!」ダキッ
ほむら「!?」
ほむら「ま…ど…か…?」
ほむら「まどかなの?あなたはホンモノのまどかなの?」
まどか「?」
ほむら「あなたは私が都合良く作り替えたニセモノじゃないのよね?」
ほむら「あなたはホンモノのまどかよね?」
まどか「??」
まどか「…うん、私は本物のまどかで、ほむらちゃんを嫌ったりなんかしないよ!」
ほむら「まどかっ!」押し倒し
ほむら「まどか!まどかっ!まどかっ!!」服を引き裂いてキスをして、胸を鷲掴み
まどか「きゃっ!?」驚きで一瞬固まる
ほむら「まどか、私を嫌いにならないで、私の側から居なくならないで!」虚ろな目のまま泣きながらうわ言のようにつぶやいてる
まどか「ほむらちゃん……」
まどか(ほむらちゃんがここまで錯乱するなんて、一体どんなヒドイ悪夢を見たの?)
まどか(ほむらちゃんがどんなヒドイ悪夢を見たとしても、今の私に出来る事は……)
ダキッ
ほむら「!?」
まどか「よっぽど怖い夢だったんだね。でももう大丈夫。悪夢は覚めたから。」頭を撫でてる
ほむら「まどか……」
まどか「私はほむらちゃんの全てを受け入れるから安心して。」
チュー
《数日後・ほむホーム》
まどか(あの日以来ほむらちゃんは、寝ようとすると決まってあの悪夢で目を覚ましちゃうみたい。)
まどか(そのせいでほむらちゃんは寝るのが怖くなって、ほとんど眠れていない。)
まどか(あの日の悪夢以来ほむらちゃんは心が壊れちゃったのか、虚ろな目のまま時間も場所も関係なく私を求めるようになった。)
まどか(時々うわ言のように、『私を嫌わないで!』とか『私の側から離れないで!』とか『あなたはニセモノじゃない!』って繰り返して泣いている……)
まどか(こんなほむらちゃんを放っとけなくて、私はママに頼み込んで、しばらくほむらちゃんの側に付きっきりで面倒を看る事にしたの。)
まどか(ほむらちゃんをこんな風にした悪夢の原因は一体なんなの?)
《同日・学校》
さやか「今日もまどかとほむらは欠席か……」
杏子「この前の魔女もどきの翌日からずっとじゃね?」
さやか「そうだね。放課後マミさんも連れて少し様子見に行こっか?」
《放課後・ほむホーム》
ピンポーン
「……」
さやか「あれ?留守なのかな?」
「……」ドタドタ(家の中から慌てて誰かが出てくる音)
まどか「は~い。」ドアガチャ(服が少し乱れて、いかにも情事の最中に呼ばれて慌てて出てきた感じ)
さやか「!?」
さやか(まどかのこの格好、もしかして……)
まどか「あっ!皆もしかして心配して来てくれたの?」
さやか「うん。やっぱりまどかも一緒だったか。」
マミ「この前の魔女もどきの翌日からずっと休んでるって聞いたけど、二人とも大丈夫?」
まどか「私は大丈夫なんですけど、ほむらちゃんの方が……」
杏子「ああも連続で魔女もどきが出てくると、やっぱり精神的に堪えるのか?」
まどか「魔女もどきもなんだけど、それ以上に例の悪夢がどんどん酷くなっているみたいで……」
ガラッ
ほむら「ねぇまどか…どこに居るの…?」虚ろな目をして、髪もボサボサのまま裸同然で寝室から出てくる(以降ずっと虚ろな目の状態)
一同「!?」
さやか「ちょっ!ほむら!あんたなんて格好で…」
ほむら「まどか…まどか…まどか…まどか……」フラフラしながらまどかの方へ
ほむら「まどか…ここに居たの……ねぇ…私の側から離れないと言ったのは嘘なの……?」
まどか「大丈夫、私はほむらちゃんの側にいるよ。」
ほむら「ねぇ…さっきの続き……しましょう…」まどかを壁に押しあてて、キスしながら左手で胸を右手で下腹部を触る
一同「!?」
まどか「きゃっ!?やめて、ほむらちゃん!みんなも居るんだよ!」
ほむら「皆…?どこに居るの……?ここにはまどかと私以外誰もいないわよ……」
一同「!?」
ほむら「まどか…そんな事言って……また私を拒絶するの……?」泣きそうな顔で
まどか「拒絶しないから!大丈夫だから!落ち着いて、ほむらちゃん!」
ほむら「まどか!まどかっ!まどかっ!!」まどかにキスしたまま、右手を激しく動かす
まどか「っん……うぐぅ……んく…」ほむらにキスされたままでしゃべれない
~少し後~
まどか「っんんんん~~~!」
ほむら「まどか…キモチよかった?」キスしてた口を離し、二人の唾液が糸を引いてる
まどか「はぁ…はぁ……」イって力が抜けて、床に倒れる
一同「………」絶句
ほむら「なら、今度は私をキモチよくして……」まどかに馬乗りになろうとする
ほむら「!?」マミさんの拘束魔法で動けなくなる
ほむら「離せ!離せっ!離せっ!!」ジタバタ
マミ「ごめんなさい暁美さん。しばらくおとなしくしてて。」
ほむら「誰だお前は!私からまどかを奪うつもり!?」
マミ「暁美さん……」
ほむら「私からまどかを奪うやつなんて、私がこの手で殺……」バタッ
杏子「悪いなほむら、少し静かにしてろ。」槍で気絶させる
まどか「ほむらちゃん!」
杏子「安心しな、峰打ちだ。」
さやか「それにしても、まさかここまで追い込まれているとはね……」
マミ「えぇ、私たちの事が分からないくらい衰弱しているとは思わなかったわ。」
まどか「ほむらちゃん、この前の魔女もどきが現れてからろくに眠れないみたいなんです。」
杏子「やっぱり例の悪夢が原因なのか?」
まどか「うん……」
さやか「ほむらが気絶しているうちに、悪夢の事とかこの状況を教えてくれる?」
まどか「分かった。」
《しばらく後・ほむホームリビング》
まどか「ごめんね皆、お待たせしちゃって……」軽くシャワー浴びて来た(ほむらとの情事を見られて少し気まずい)
さやか「うん、気にしないで……」こっちも気まずそう
マミ「えぇ、気にしないで……」こっちも気まずそう
杏子「あぁ、気にすんな……」こっちも気まずそう
まどか「…それで、ほむらちゃんの悪夢の事だったけ?」
杏子「確かまどかに拒絶されるって夢だったよな?」
まどか「うん……」
マミ「それで、それ以外に夢の内容とか分かるかしら?」
まどか「それがほむらちゃん、いくら聞いても頑なに夢の内容は教えてくれないんです。」
さやか「それじゃあさ、断片的にでもいいから何か気づいた事とかないかな?」
まどか「例えば?」
さやか「ほむらが悪夢から覚めて言ってた事とか、なんかふっと言った事とか、どんな些細な事でもいいから、何か覚えてたりしない?」
まどか「う~ん……」思い出し中
まどか「最初の魔女もどきが現れた後、保健室で悩みを話してもらった事は……」
まどか「私は知らないみたいだけど、ほむらちゃんは私に何度もヒドイ事をした、って言ってたかな?」
マミ「どんな事だったのかしら?」
まどか「私を助けるためとはいえ殺した事もあったとか。」
まどか「それにこの前なんか、私の覚悟を踏みにじったとか。」
マミ・杏子「?」
さやか「最初の魔女もどきの時って事は、二回目や三回目の時も何か言ってたの?」
まどか「うん。確か二回目の時は……」
まどか「悪夢から目覚めてすぐ、私の事を悪夢に出てくる私だと勘違いして、私が家族や友人と一緒にいたいと願ったから、ほむらちゃんは世界を作り変えたのに、どうしてそんな事言うの、って泣きそうになりながら聞いてきたんだ。」
杏子「悪夢の中のまどかはほむらに何て言ったんだ?」
まどか「う~ん、それはよく分からないかな。」
まどか「その後、この世界を望んでるかって質問されたの。」
マミ「鹿目さんは何て答えたの?」
まどか「『家族やたくさんの友達、それに大好きなほむらちゃんがいるから、もちろんこの世界が大好き。』って答えました。」
まどか「そしたら今度は、私一人が犠牲になれば世界中の人が救われる世界と、今の世界、どっちを選ぶかって質問されて……」
マミ「なんとも答えづらい質問ね……」
杏子「なんでほむらはそんな答えづらい質問したんだ?」
まどか「それは私も聞きたいくらいだよ。」
まどか「それに、その世界は、私が一人ぼっちで永遠に取り残されちゃって、ほむらちゃん以外の全ての人から私の事が忘れ去られちゃうって条件まで付いてるし。」
さやか「それでまどかはその質問に答えれたの?まさか、自分が犠牲になる世界を選んでなんかいないよね?」
まどか「えぇと…その……」
さやか「そっちを選んじゃったか……」
まどか「うん……」
マミ「鹿目さんのような優しい性格なら、十分考えられる選択じゃないのかしら?」
杏子「あぁ、ほむらもそっちを選ぶと思って聞いたんじゃねぇのか?」
さやか「ほむらはまどかに幸せな生活を送って欲しいと願ってるだろうからね。たぶん今の世界を選んでもらいたかったんじゃないかな?」
まどか「たぶんそうなのかもしれない。」
まどか「私がその世界を望んでも、ほむらちゃんはそんなの望んでないって言ってたし。」
まどか「それに、後に残されて、誰にも私が居ない寂しさを分かってもらえないほむらちゃんの気持ちを考えた事があるのかって言われたんだ。」
杏子「確かに、一人ぼっちは、寂しいもんな……」
まどか「それで私気づいたんだ。その世界は私一人の犠牲だけじゃなくてほむらちゃんの犠牲まで必要な世界なんだって。」
マミ「と言う事は……」
まどか「『ほむらちゃんを犠牲にしてまで世界中の人を救えるような世界を、ほむらちゃんを悲しませるような世界なんか、望まない!』って言いました。」
マミ「そう答えてくれたのなら、暁美さんも一安心ね。」
まどか「はい。」
まどか「その質問の後に、今度は逆に、一人ぼっちで寂しい思いをしてる世界にいる私を、今みたいな普通の生活に戻そうとしたら、どう思うかって聞かれて……」
杏子「どう答えたんだ?」
まどか「もちろん、『感謝こそしても拒絶なんかしないよ!』って答えたよ。」
まどか「そしたらほむらちゃん、ぎこちなかったけど久しぶりに笑ってくれたんだ。」ウェヒヒ
杏子「そっか。それはよかったな。もともと笑ったりしないやつだったけど、魔女もどきが出るようになってからはいつも以上に笑わなくなってたからな。」
マミ「二回目の悪夢でもずいぶん病んでいるような感じがするんだけど、三回目の悪夢はもっと酷いという事よね。あの暁美さんがあそこまで衰弱してるなんてよっぽどの事よ。」
まどか「はい……」
まどか「ほむらちゃん、悪夢から覚めていきなり嫌わないでって言いながら、錯乱状態で暴れちゃって……」
一同「……」
まどか「目も虚ろなまま、私が本物の私なのかとか、ほむらちゃんが都合よく作り替えた偽物じゃないよねって聞いてきて…」
さやか「!」
杏子「偽物とか本物とかどういう事だ?ここにいるまどかはどう考えても本物のまどかだろ?」
まどか「うん。私も『本物の私で、ほむらちゃんを嫌ったりしないよ。』って言ったんだけど、なかなかほむらちゃんを安心させてあげることはできなかったんだ……」
まどか「あの日以来、ほむらちゃんは寝ようとすると決まってあの悪夢で目を覚ましちゃうみたいなの。それで、ほむらちゃんは寝るのが怖くなってほとんど寝れていないみたいなんだ……」
マミ「確かに鹿目さんに拒絶されるような悪夢が続いていたら、暁美さんにとっては寝るのが怖くなっても当然ね……」
杏子「しかも寝れない事で更に精神的に追いつめられちまうから、負の連鎖になっちまうよな……」
まどか「それであの日以来ほむらちゃんは心が壊れちゃったみたいで、何か怖い事を忘れようとしているように、時間も場所も関係なく私を求めて来るようになって……」
マミ・杏子「……」
杏子(だからほむらのやつ、アタシたちの事も分からないで、あんな事していたって事か?)
マミ(なぎさちゃんを連れてこなくて良かったわね。あんな光景さすがに見せられないもの。)
さやか「それでまどかは今……」
まどか「うん。今はほむらちゃんに付きっきりで面倒を看てるよ。」
マミ「御両親にはどうやって説明を?」
まどか「『ほむらちゃんが今すごく精神的に不安定だから、私に看病させて!』って頼み込んで、ほむらちゃんが落ち着くまでは側に居られるようにしてもらったの。」
まどか「ママは、『それならウチに連れてきな。』って言ったんだけど、さすがにそれはマズいかなって……」
杏子「確かにまどかから少し離れるだけであの状態だもんな……」
マミ「あんな光景家族の方には見せられないものね……」
杏子「それに落ち着かせようにも、さっきのマミみたいに、まどか以外の人間を、自分からまどかを引き離そうとする敵としか認識できてないしな……」
さやか「ほむらの方はもちろん心配だけど、まどか、あんたも相当無理してるんじゃない?ほむらが求めてきたら拒絶するわけにはいかないから、時間なんて関係無しだし、まどかもあんまり寝れていないんじゃない?」
まどか「無理していないって言ったら嘘になるけど、私の事は大丈夫。」
まどか「それより、ほむらちゃんを苦しめている悪夢をなんとかしないと!私こんな苦しそうなほむらちゃん見てられないよ……」ポロポロ
さやか・杏子「まどか……」
マミ「鹿目さん……」
さやか「確かほむらの悪夢は、魔女もどきに呼応するように変わってきてるんだよね?」
まどか「うん。魔女もどきが出て来るたびに悪夢も酷くなってるみたいで、ほむらちゃんもどんどん苦しそうになってくの……」
さやか「………」考え中
まどか「さやかちゃん、ほむらちゃんの悪夢をなんとかする方法あるかな?」不安げ
さやか「う~ん……」
さやか「ほむらの悪夢の根本には、円環の理が正常に機能していないかもって言う不安があるはずなんだよね。」
さやか「私たちに円環の理を観測する術はないから、根本から解決する方法は分からないかな……」
まどか「そっか……」
さやか「でも、これ以上は悪夢を悪化させない方法ならあるよ。」
まどか「本当!?」
さやか「うん。あの悪夢は魔女もどきの発生と呼応しているみたいだから、ほむらにこれ以上魔女もどきを見せなければ、これ以上悪化したりはしないはずだよ。」
まどか「でも、それじゃあ、もしまた魔女もどきが現れたらさやかちゃんたちだけで戦わなくちゃいけない事になるよ!」
マミ「そこは大丈夫よ。私たちで魔女もどきは全て倒してみせるから。」
杏子「あぁ、魔女もどきの方はアタシたちに任せて、まどかはしばらくほむらの側にいてやれ。アイツを支えられるのはお前だけなんだから。」
まどか「みんな、無理させちゃってごめんね。」
さやか「いいって事よ。まどかだって大変なんだからお互い様だよ。」
《帰宅時・ほむホーム玄関》
さやか「それじゃあ、私たちはこれで。」
まどか「今日はいろいろ相談に乗ってくれてありがとう。」
マミ「大変だろうけど、暁美さんの事しっかり支えてあげてね。」
まどか「はい。ほむらちゃんの事は任せて下さい。」
杏子「魔女もどきの方はアタシたちが全部ぶっつぶしてやるから安心しな。」
まどか「うん。そっちはお願いね。」
《数十分後・マミホーム》
なぎさ「まどかとほむらの様子はどうだったですか?」
マミ「鹿目さんの方はなんとか大丈夫そうだけど、暁美さんの方はかなり衰弱しきってるわね……」
なぎさ「確かに魔女もどきが現れる度に、ほむらは辛そうにしていたですからね。」
杏子「なぁさやか、アタシたちをここに集めたってことは、ほむらの悪夢について何か分かった事があったのか?」
さやか「うん。実は………」
~数十分後~
マミ「なら今日は……」例の必殺技ノート取り出すような仕草
一同「!?」
さやか「あの~、マミさん?今日は必殺技の件は無しと言う事で……」
マミ「?」キョトン
マミ「いやねぇ、美樹さん。それじゃあまるで私がいつも必殺技の事しか考えてないみたいじゃない。」
さやか(いや、実際そうでしょ……)
杏子(いや、実際そうだろ……)
なぎさ(いえ、実際そればっかりなのです……)
マミ「もしもの時の為に………」
~数十分後~
一同「ワイワイガヤガヤ」
さやか(まどか、ほむら。あんたたちは私たちが必ず守るからね!)
《数週間後・見滝原某所》
魔女もどきの大群「ウゴォォ~~~!!」
杏子「ちっ!キリがねぇな!」槍で魔女もどきを倒してる
なぎさ「最近は前にも増して魔女もどきの数が増えてるですね。」ラッパからシャボン玉を出して攻撃
マミ「数だけじゃなくて、出てくるサイクルも短くなっているわね。」
マミ「聖なる鎖よ、我に仇なす敵を捕らえて!レガーレ・ヴァスタアリア!」魔法で魔女もどきを拘束
さやか(予想通りに進んでいるとはいえ、この量は厄介だね。)剣で魔女もどきを切っている
さやか・なぎさ(そしてこんな状況なのにマミさんはブレない……)ハァ~
杏子(そしてこんな状況なのにマミはブレない……)ハァ~
さやか「とりあえずあらかた片付い……」
魔女もどきの大群「ウゴォォ~~~!!」さらに魔女もどきが現れてくる
一同「!?」
杏子「ちっ!さらに増援かよ!?」
さやか「この量はこれまでで一番多いんじゃないかな?」
なぎさ「さすがにこれだけ一気に出てくると厄介ですね。」
マミ「皆情けないわね!今こそ練習した合体技を使う時よ!」
一同「うっ……」
マミ「さぁ、いくわよ!」
一同「……」ハァ~
一同「鳴り響け!絶え間なき襲撃の旋律!四重遁走射撃(ティロ・カルテット・フーガ)!」それぞれの攻撃が順次魔女もどきを攻撃する
魔女もどきの大群「ドッカーン!」消滅
マミ「やったかしら?」
杏子「オイ、馬鹿!そんな事言ったら……」
なぎさ「マミさん、死亡フラグなのですよ!」
マミ「?」キョトン
魔女もどきの大群「ウゴォォ~~~!!」さらに魔女もどきが現れてきて、その中からマミさん目掛けて攻撃
マミ「!?」
マミ「聖なる盾よ、魔なる襲撃を跳ね返して!アイギスの鏡!」反射バリアで敵の攻撃を跳ね返す
なぎさ「マミさん、ピンチの時くらい長ったらしい決め台詞は無しにしたらどうです?」
マミ「ダメよなぎさちゃん。ピンチの時でも、優雅に、華麗にしなくちゃ!私たち魔法少女ですもの!」マミッ
一同「……」呆れきってる
杏子「長ったらしい決め台詞といい、調子乗るとすぐ死亡フラグ建てる事といい、お前魔法少女なめてるのか!?」
マミ「なめてないわよ!魔法少女はかっこよくなきゃダメなの!」ジタバタ(子供のように駄々こねてる)
杏子(ダメだコイツ、手遅れだ……)ハァ~
なぎさ(ダメだこの人、手遅れなのです……)ハァ~
さやか「ちょっと、三人とも!ボケっとしてないでこっち手伝ってよ!」剣で魔女もどきを牽制してる
一同「!」
マミ「えぇ、分かったわ。今度こそトドメを差しましょう!」
さやか(またあれ言うの……)ハァ~
杏子(またあれ言うのかよ……)ハァ~
なぎさ(またあれ言うのですか……)ハァ~
一同「鎮魂の調べよ、我らに仇なす者に終幕の刻(とき)を!四重葬送射撃(ティロ・カルテット・レクイエム)!」それぞれの技が重なり合って魔女もどきを一斉攻撃
魔女もどきの大群「ドッカーン!」消滅
マミ「やった……」モゴモゴ(杏子となぎさ二人に口塞がれている)
杏子「これ以上面倒増やすな!」
なぎさ「これ以上面倒増やさないで欲しいのですよ!」
さやか「………」新たに魔女もどきが出て来る気配がないか辺りを見回してる
さやか「…どうやらさっきので最後だったみたいだね。」
なぎさ「今日は一段と疲れたのです。いろんな意味で。」
杏子「そうだな。どっかの馬鹿のせいで余計な手間かかったしな。」
さやか・杏子・なぎさ「……」マミさんをジー
マミ「?」キョトン
マミ「皆どうしたの?」
さやか(気づいてないんだ。つくづくおめでたい人だなぁ……)
杏子(気づいていないのかよ。つくづくおめでたいやつだな……)
なぎさ(気づいていないのですね。つくづくおめでたい人なのです……)
杏子「イヤ、何でもねぇ。」
なぎさ「マミさん、今日のは似たような名前の必殺技でしたね。」
マミ「なぎさちゃん、いい所に気づいたわね。」キラキラ
マミ「これは合体技を行う人と、その攻撃形態に合わせて何パターンも作れるような、我ながらナイスアイデアなのよ!」マミッ
杏子「単にあれこれ考えるのが面倒になっただけじゃねぇの?」
さやか「杏子、そういうメタ発言は禁止だよ。」
杏子「?」キョトン
マミ「二人とも何を言っているの?必殺技を考えるのが面倒なんてあるわけないじゃない!それにかっこいい決め台詞は技ごとにあるんだから!」キラキラ
杏子「そういや、やたらめったら『決め台詞覚えなさい!』って言われたな……」げっそり
なぎさ「でもあんなに覚えさせられたのに、結局今日は二つしか言わなかったですね。」
杏子「あんな台詞、本当は一回でも言いたくねぇよ。」
マミ「もうっ、佐倉さんたら照れ隠しなんかしなくていいのよ。」
杏子「照れ隠しじゃねぇよ……」
杏子(ちゃんと言わねぇとマミのヤツキレるしよ。それよりは面倒でも言った方がまだマシだからな。)
マミ「それに今日使ったのは二種類だけだけど、たくさん練習しておけば、もしもの時も安心じゃない。」
なぎさ「そうですね……」
なぎさ(そんな事してる余裕があるなら、それこそもしものために違う準備をしておくべきだと思うのです。)
さやか「ところでマミさん、今回の必殺技ってどうやって思いついたんですか?」
マミ「なんか天啓を受けた気がして、スラスラと思い浮かんできたのよ。」
なぎさ「マミさん、今日はアレな発言がいつにも増して多いのですよ……」
マミ「本当なんだってば!なんとかクインテットって戦隊もので、なんとかデュエットって言って攻撃してた光景が思い浮かんで、そこからヒントを得たんだからっ!」
杏子「はいはい。分かった分かった。マミの中二病は今に始まった事じゃないってのは皆知ってんだから……」
マミ「信じていないでしょう、佐倉さん!本当に本当なんだってばっ!」
杏子・なぎさ「はいはい。」
さやか(マミさんに話すと面倒になりそうだったから、ほむらの魔女結界内のナイトメア戦の事は黙ってたのに、なんでこういうどうでもいい事は覚えてるんだろう?)ハァ~
さやか(まどかとの合体技の事を覚えてるだけじゃなくて、よりいっそう痛々しく変わってるし……)ハァ~
マミ「美樹さんもさっきからため息ばっかりで、私の言ってる事信じてないでしょ!」プンプン
さやか「いや、そうじゃなくて、技の名前の根本的な問題で……」
マミ「?」
さやか「マミさんとまどか、それにほむらは射撃系の技で、なぎさの攻撃も遠距離系だから、百歩譲って射撃系に含めるとしても、私と杏子の技はどう考えても射撃とはかけ離れてないですか?」
マミ「うっ……」
杏子「そうだそうだ!近接攻撃のアタシたちの技があるのに『射撃』はないだろ。せめて『斬撃』を表す言葉にしとけよ。」
マミ「だってぇ……」
マミ「『斬撃』を表すイタリア語が分からなかったし、分かった英語の『スラッシュ』を入れるんなら、私の『射撃』の『ティロ』も入れたかったんだものっ!」
マミ「でもでもっ!両方入れると語呂が悪いから、『射撃』と『斬撃』どっちかしか入れられないなら、『斬撃』を消すしかないじゃない!」皆死ぬしかないじゃないの表情で
さやか(うわぁ、面倒くさっ!)
杏子(うわっ、面倒くせぇ……)
なぎさ「今回は四人の時の必殺技だけだったですけど、これに違う人数の場合まであると思うと気が滅入るのですよ……」
マミ「!」ロクでもない事を思いつく
さやか「ほむら辺りはまた大暴れしそうだよね。」
杏子「確かにな。今はあんな状態だけど、いつも通りに戻ったらまた『ソウルジェム噛み砕いて死んでやる!』って言いそうだな。」
さやか「さて、今日も魔女もどきを倒した事だし、この後はマミさんちでお茶会ですね。」
杏子「そうだな。お~い、マミ……」マミさんの方振り返る
マミ「私と鹿目さん、暁美さんの三人で最初の牽制攻撃の時は……」ブツブツ
マミ「『三重前奏射撃(ティロ・トリオ・プレリュード)』で決め台詞は……」ブツブツ
なぎさ「マミさ~ん、帰りますよ。」
マミ「『開幕の刻(とき)!必中の運命からは逃さない!三重前奏射撃(ティロ・トリオ・プレリュード)!』とかいいわね。」キラキラ
マミ「そうだ!今度二人の快気祝いに必殺技のプレゼントとかどうかしら?」ブツブツ
なぎさ(そんなことしたら、今度はマミさんが病院送りにされちゃうと思うのですよ。)
マミ「暁美さんの魔法少女のバリエーションは弓を使っている時の姿にしましょう。全く暁美さんたら、時間停止の魔法を使うときは、近代武器ばっかり使うんだもの。」ブツブツ
マミ「火薬のにおいだけでも魔法少女のイメージからかけ離れちゃうのに、技の名前に至っては何にでも『マジカル』って付ければいいと思ってるんだから!」プンプン
杏子(確かにほむらのあのネーミングセンスもマミとは違った意味でアレだけど、火薬の事はマミもほむらの事言えねぇじゃん。)
マミ「う~ん、恋人を称えるための楽曲に小夜曲(セレナータ)があったわね……」ブツブツ
さやか(前々から疑問だったけど、何で攻撃形態に楽曲の名前を使っているんだろ?)
さやか(私の痛覚遮断のアレ(狂想曲(カプリッチオ))も楽曲の名前だから、思い出して軽く憂鬱になるんだよね……)
マミ「後は決め台詞と合わせて『思いよ貫け!私たちの絆の旋律!二重小夜射撃(ティロ・デュエット・セレナータ)!』とかいいわね。」キラキラ
マミ「それからそれから……」ウキウキ
一同「……」ハァ~
さやか「…先にマミさんち行って待ってよっか?」
なぎさ「そうですね。マミさんたらまたいつもの癖が出たみたいですし……」
杏子「全く、一人でティロ・ソロでもしてろ!」
~三人が帰宅して数十分後~
マミ「ふぅ、今日はたくさんいいアイデアが浮かんだわね。皆そろそろ……」振り返り
「………」
マミ「えっ!?」ポツーン
マミ「皆私を置いて帰っちゃうなんてヒドイじゃない!」マミーン
《同じ頃・ほむホーム》
まどか「はぁ……はぁ……」ぐったり
ほむら「まどか!まどかっ!」虚ろな目のまま、まどかを求めてる
まどか「ほっ、ほむらちゃん!少し休ませて!」
ほむら「まどかっ!あなたはニセモノなんかじゃない!」まどかの声も聞こえない
ほむら「はぁ……はぁ……」
まどか「そんなにしたら、私また……」
ほむら「……」バタン
まどか(ほむらちゃん……)
まどか(疲れきっちゃったのかな?寝たらまたあの悪夢を見ちゃうよ……)抱きしめ
まどか「!」
まどか(また、魔獣の気配が!)
まどか(しかも今までにないくらい大量の魔獣の気がする。)
まどか(みんな……)グッ(拳を握りしめる)
ほむら「まどかっ!行かないで……」うわ言
まどか「ほむらちゃん……」
まどか(分かってる。魔女もどきはみんなが必ず倒してくれる!)
まどか(今の私がしなきゃいけないのは……)ほむらを見つめる
まどか(ほむらちゃんを支えてあげる事!)
チュー
まどか(私がほむらちゃんを守ってみせる!)
ほむら「まどか……」悪夢にうなされている表情が少しだけ和らぐ
《数日後・マミホーム》
なぎさ「最近曇りの日が多いですね。」
杏子「例のワルプルギスの夜が現れる前兆ってやつなのか?」
さやか「そうかもしれないね。テレビでなんか災害情報とかやってないかな?」テレビのスイッチポチッ
テレビ「…こちら見滝原市です。数日前から局所的、突発的な落雷や竜巻、集中豪雨などの異常気象が多数報告されています。近隣にお住まいの方は厳重に警戒するとともに、危険を感じたら速やかに最寄りの避難場所へ移動を開始して下さい。」
テレビ「…あっ!ここで臨時ニュースです。突発的異常気象に伴い、つい先ほど見滝原市に避難指示が発令されました。」
テレビ「近隣にお住まいの方は、速やかに最寄りの避難場所への移動をお願いします。」
テレビ「繰り返します。先ほど見滝原市に避難指示が発令されました。近隣にお住まいの方は、速やかに最寄りの避難場所への移動をお願いします。」
マミ「いよいよ、最強の魔女との戦いが近いみたいね。」テレビ消し
さやか「皆準備は大丈夫?」
マミ「もちろんよ!」
杏子「当然だ!」
なぎさ「ばっちりなのです!」
《十数分後・見滝原某所》
ゴロゴロゴロ(辺りで雷鳴が鳴り響いている)
マミ「これまでで特に異常気象の報告が多い所に来てみたけど、ワルプルギスの夜はまだ現れていないみたいね。」
杏子「だからと言って、気抜くんじゃねぇぞ!」
マミ「分かってるわよ!」
なぎさ「わっ!急に霧が出てきたのです!?」
さやか「そろそろ来ますよ。」
一同「……」ゴクリ
「5…」
「4…」
さやか(ついに事態が動き出すみたいだね……)
「2…」
「1…」
ワルプルギスの夜「……!」カウント終了と共に出現
マミ「行くわよ、皆!」
一同「はい!」変身
一同「ピュエラ・マギ・ホーリー・カルテット!」例の決めポーズ
マミ「あら?なんか自然と名前と決めポーズが出てきたわ。」キラキラ
杏子「なんか体が勝手に動いたんだけど……」恥ずかしさのあまり赤面
なぎさ「なぎさもなのです。」カァ~
さやか(だから何でマミさんは、こういうどうでもいい事だけはちゃんと覚えているの?)ハァ~
ワルプルギスの夜「………」見ようによっては呆れてるようにも見える仕草をしてる
なぎさ「なんか魔女にまで呆れられている感じがするのです。」
杏子「やっぱお前にもそう見えるか?」
マミ「ほら、決めポーズもかっこよく決まったんだから、こっからは一気に攻撃して行くわよ!」
一同「はい!」
さやか「アタシの剣はどこにでも届く!逃げたって無駄なんだから!スプラッシュスティンガー!」ワルプルギスの夜目掛けて多数の剣を投げつける
杏子「お前らまとめて相手してやる!これでも喰らいな!断罪の磔柱!」地中から複数の巨大な槍を出して攻撃する
マミ「無限の魔弾よ、私に道を開いて!無限の魔弾(パロットラ・マギカ・エドゥ・インフィニータ)!」無数のマスケット銃を召喚して集中砲火
なぎさ「儚き泡よ、敵を滅して!夢幻の魔泡(スキューマ・マギカ・デラ・フラレッツァ)!」ラッパから一つの大きなシャボン玉を出して、それが破裂し無数のシャボン玉になり集中砲火
ワルプルギスの夜「キャハハハハハハ!」攻撃を受けても無傷
なぎさ「そんな!?なぎさたちの必殺技がまるで効いてないのです。」
杏子「どうやらこいつは本物の魔女って事らしいな。」
さやか「予想はしてたけど、とんでもない硬さだね。」
マミ「個別技がダメなら今度は合体技よ!」
一同「鎮魂の調べよ、我らに仇なす者に終幕の刻(とき)を!四重葬送射撃(ティロ・カルテット・レクイエム)!」それぞれの技が重なり合って一斉攻撃
ワルプルギスの夜「キャハハハハハハ!」やはり無傷
マミ「この攻撃でもダメだと言うの!?」
杏子「ならここはアタシとさやかの合体技で……」
マミ「いえ、次の私となぎさちゃんの合体技で決めるわ!」
なぎさ「マミさん、もしかしてアレですか?」
マミ「えぇ!」
なぎさ「仕方ないですね。今日は特別に付き合ってあげるのです。」
なぎさ「さやか、杏子!技を出すまでに少し時間を稼いでいて欲しいのです。」
さやか「了解。行くよ、杏子!」
杏子「あぁ。時間を稼ぐのはいいが、別にあれを倒しちまっても構わねぇんだろ?」
さやか「お馬鹿!そう言う死亡フラグを言うのはマミさんの役目でしょう!」
マミ「私死亡フラグなんて言わないわよ!」プンプン
なぎさ「二人とも遠慮はいらないのです。がつんと痛い目にあわせてしまえなのです!」
さやか・杏子「了解!」二人してワルプルギスの夜に向かって行く
~さやかと杏子サイド~
さやか「まずはこの技で行くよ!」
杏子「まずはこの技で行くぜ!」
さやか・杏子「瞬間響き合い、心交わる!衝破◯文字!」十字に交差し、交差点にいるワルプルギスの夜に斬撃を浴びせる
ワルプルギスの夜「キャハハハハハハ!」やはり無傷
杏子「やっぱ無傷か。とんでもねぇ硬さだな。」
さやか「魔女相手なら魔女の攻撃だよ!」
さやか「あんたの力も私の希望だよ!」オクタヴィア召喚
杏子「さやか、一気に決めてやれ!」オクタヴィアに槍を持たせる
さやか「皆まとめて吹き飛ばしてやる!疾風迅雷(しっぷうじんらい)の嵐!サンダーストーム!」オクタヴィアが杏子の多節棍を複製し無作為に振り回しながらワルプルギスの夜を回転切り
ワルプルギスの夜「キャハハハハハハ!」やはり無傷
さやか(なんて強さなの。できることならあの二人抜きで倒したかったけど、これはちょとキツそうだね……)
~マミとなぎさサイド~
マミ「We are the bone of our rifle and bubble.」
なぎさ「体は銃と泡で出来ている。」
マミ「Lead is our body,and water is our blood.」
なぎさ「血潮は鉛で、心は水。」
マミ「We have relieved the future from thousands of enemies.」
なぎさ「幾度の戦いを越えて不敗。」
マミ「Unaware of hope.」
なぎさ「ただの一度の希望もなく、」
マミ「Nor aware of despair.」
なぎさ「ただの一度の絶望もなし。」
マミ「With stood pain to relieve the future,」
なぎさ「担い手はここに二人。」
マミ「fighting against one’s enemy.」
なぎさ「この荒野で敵を滅す。」
マミ「We have no regrets.This is only path.」
なぎさ「ならば我らの生涯に意味は不要ず。」
マミ「Our whole lives were……」ワルプルギスの夜の攻撃が二人を直撃
なぎさ「この体は、……」ワルプルギスの夜の攻撃が二人を直撃
マミ・なぎさ「きゃっ!」詠唱途中で遮られ、攻撃は不発に終わる
杏子「マミの馬鹿野郎!だからあんな長ったらしい台詞は止めとけって何度も言ってたじゃねぇか!」
さやか「私たちの方には攻撃してこなかったのに、杏子の死亡フラグがマミさんに移ったのかなぁ……」
杏子「二人とも大丈夫か?」
なぎさ「なぎさは平気なのです。」
さやか「あれ?マミさんは?」
マミ「………」無言で立ち上がる
さやか「よかった。無事だったんですね、マミさん。」
マミ「無事…?」ゴゴゴ(なんかヤバいオーラが出てる)
さやか「!?」ビクッ(マミさんの威圧で少しビビる)
マミ「私となぎさちゃんの必殺技が邪魔されたのに、無事なわけないでしょう!」
さやか「えっ!?そっちですか!?」
マミ「私たちの攻撃を邪魔したのはあなたかしら?」ギロッ(キレた目でワルプルギスの夜を睨む)
ワルプルギスの夜「キャハハ……」ビクッ
マミ「正義の味方が名乗ってる間は敵も攻撃しないっていう暗黙の了解があるのに、あなた、魔法少女なめてるの!」
なぎさ「マミさんたら、魔女相手にキレてるですよ……」
杏子「アタシに言わせりゃマミの方が魔法少女なめてるぞ。」
マミ「何か言ったかしら、佐倉さん?」ギロッ(逆らったら殺すぞ的な目で見る)
杏子「!?」ビクッ
杏子「いや、何でもねぇ。うん、お前が正しいよ……」アセアセ
マミ「そうよね。詠唱の途中で邪魔するようなヤツには容赦しないわよ!」
マミ「そんなに詠唱の間を待っていられないなら、お望み通り待たずに逝かせてあげるわ!」プッツン(なんかマズそうな糸がキレる音)
一同(一体何を……)
ワルプルギスの夜「キャハハ……」ビクッ
マミ「さぁ、派手に吹っ飛ばすわよ!」ゴゴゴゴゴゴ(ヤバいオーラが更に大きくなる)
マミ「いっけぇ!フ◯イアボ◯ル!」ワルプルギスの夜目掛けて追尾する火の玉を出す
マミ「出でよ!イラ◯ション!」ワルプルギスの夜目掛けて地面から溶岩を噴出させる
マミ「いっけぇ!スト◯ンブラ◯ト!」ワルプルギスの夜の下から石つぶてを噴出させる
マミ「茨よ!アイ◯ィーラ◯ュ!」地中から茨のツタを延ばしワルプルギスの夜に巻き付かせる
マミ「いっけぇ!シャン◯ーニュ!」水滴を弾けさせてワルプルギスの夜に攻撃する
マミ「いっけぇ!スプ◯ッドゼ◯!」ワルプルギスの夜に闇の力を集中させ、小規模な爆発を起こす
マミ「避けられないわよ!デモ◯ズラ◯ス!」闇の力を結晶化させ、槍のようにワルプルギスの夜を貫く
マミ「せーのぉ!スプラ◯シュ!」ワルプルギスの夜の上空から滝のように水を落とす
マミ「打ち上げろ!ア◯アレイ◯ー!」地面に波紋を発生させ、そこから呼び出した水流でワルプルギスの夜を攻撃する
マミ「鋭く、速く!フリ◯ズラ◯サー!」ワルプルギスの夜目掛けて、無数の氷の刃を撃ち出す
マミ「せーのぉ!ロ◯クブレ◯ク!」地面から巨大な石柱を発生させ、ワルプルギスの夜の足下から突き上げる
マミ「微塵に砕け!ライ◯ットホ◯ン!」鋭利な岩で出来た角が、大地を掘り起こしながら進んで行く
マミ「せーのぉ!トラ◯タービ◯ム!」ワルプルギスの夜を上空に持ち上げ、落下させて攻撃する
マミ「にゃーん!ゴ◯ドカ◯ツ!」ワルプルギスの夜の頭上に金色の招き猫を落とす
マミ「せーのぉ!ネガ◯ィブゲ◯ト!」ワルプルギスの夜を引き込む魔空間を作り出し、その場でのけぞらせる
マミ「以下省略!バ◯ンスト◯イク!」ワルプルギスの夜目掛けて複数の矢のような火の玉を落とし、着弾時に爆風を引き起こす
マミ「せーのぉ!スパ◯ラルフ◯ア!」ワルプルギスの夜目掛けて回転する炎を放つ
マミ「ついでに出て来い!フレ◯ムド◯ゴン!」炎の竜をワルプルギスの夜に向けて解き放つ
マミ「以下省略!タ◯ダルウェ◯ブ!」ワルプルギスの夜を覆う津波を発生させ、回転させながら飲み込む
マミ「以下省略!ヴァ◯オレットペ◯ン!」ワルプルギスの夜の周辺に魔空間を発生させ、そこからワルプルギスの夜を貫く槍を放つ
マミ「黄泉への誘い!ブラ◯ディハウ◯ング!」地面に魔法陣が現れ、そこからワルプルギスの夜に向けて闇の炎柱を出す
マミ「以下省略!ブレ◯ドロー◯!」自身を中心にして光の剣を回転させながら攻撃する
マミ「痺れるんだからね!サ◯ダーブレー◯!」雷の剣をワルプルギスの夜に落とす
マミ「以下省略!グラ◯ドダッシ◯ー!」地面から巨大な岩を噴出させ、ワルプルギスの夜を何度も突き上げる
マミ「以下省略!クリ◯ゾンフレ◯!」ワルプルギスの夜の上空で巨大な爆発を起こし、炎を落として焼き尽くす
マミ「以下省略!メ◯オスウォ◯ム!」ワルプルギスの夜目掛けて、複数の隕石を降らせる
ワルプルギスの夜「……」ボロッ(連続攻撃でさすがにダメージ受けてる)
マミ「そろそろ仕上げよ!」
マミ「燦然たる神秘!ミス◯ィックド◯イブ!」ワルプルギスの夜の周囲に魔法陣を発生させ、魔力を立ち上らせて攻撃する
マミ「激昂せし焔!レイ◯ングドラ◯ブ!」ワルプルギスの夜の周囲に魔法陣を発生させ、立ち上る炎で攻撃する
マミ「破滅への重圧!ル◯イナスドライ◯!」ワルプルギスの夜の頭上に魔法陣を発生させ、周囲の重力を増大させ押さえつける
マミ「駆け抜ける風牙!フリー◯ィングド◯イブ!」ワルプルギスの夜の周囲に魔法陣を発生させ、そこからの突風で巻き上げる
マミ「舞い踊る水魔!ディ◯ュージョナルドラ◯ブ!」ワルプルギスの夜の周囲に魔法陣を発生させ、そこから何度も水流を立ち上らせる
マミ「万象を成し得る根源たる力、太古に刻まれしその記憶。我が呼び声に応え、今、此処に蘇れ!エン◯ェントカタス◯ロフィ!」ワルプルギスの夜の周囲に巨大な四つの球体の魔法陣を発生させ、そこから同時に四種の光の攻撃を与える
マミ「天光満つる処に我はあり、黄泉の門開く処に汝あり。出でよ、神の雷!これで終わりよ!イン◯ィグネイ◯ョン!」ワルプルギスの夜の周囲に巨大な魔法陣を描き、頭上から白い雷を落とす
マミ「いかがかしら?これが私の研究成果よ!」
ワルプルギスの夜「………」ボロッ(結構ダメージ喰らって倒れているように見えるけど、未だに逆さまのまま)
さやか・杏子・なぎさ「………」唖然
杏子「アタシたちの攻撃で無傷だったワルプルギスの夜を、一人でフルボッコにしてるぞ……」
なぎさ「詠唱を邪魔されたのがよっぽど気に触ったのですね。」
なぎさ「それにしても……」
なぎさ「マミさんたら自分の魔法と無関係なのに、なんかいろいろ大暴れしているのですよ……」ハァ~
杏子「マミには言うなよ。お前まで殺されかねねぇぞ。」
杏子「さっきアタシが少し指摘しただけで、逆らったら殺すぞ的な目をしてたからな。」ハァ~
さやか「マミさんの連続攻撃見てると、前にマミさんとやったゲームのキャラもこんな感じに大暴れしてたのを思い出すけど、マミさんたらいつの間に魔法までそっくり再現できるようになったんだろう?」
なぎさ「そういえば、時々夜中に一人でどっかに行っていたのです。」
杏子「って事はそん時こっそり練習してたって事か。」
さやか「マミさんって中二病患ってるけど、それに見合う努力もしてたんだねぇ。」
杏子「努力する方向性は果てしなくズレてるけどな。」呆れてる
さやか「前遊んでいた時は詠唱も完璧に覚えて、その時のリ◯の仕草も嬉々として真似てたけど、まさかオー◯ーリミ◯ツ状態のリ◯無双を使うとはね……」
なぎさ「そう言えばエク◯リアで、登場キャラがマミさんたちの衣装を着ていましたね。」
さやか「マミさんの衣装を着てたのはレ◯アだけど、胸的にはミ◯やミ◯ゼの方に着せた方が見栄えは良さそうだよね。」
杏子「さやかはまた平然とそういうセクハラ発言をするよな……」ハァ~
さやか「そう?」
なぎさ「でもなんでマミさんたちの衣装を着ていたエク◯リアじゃなくて、ヴェ◯ペリアの方にしたのでしょう?」
さやか「なんか完全版がどうとかでエク◯リアの方はまだやってないんだって。」
杏子・なぎさ「?」キョトン
さやか「それに『天才魔導士なんて響きが素敵だし、詠唱の台詞もかっこいいから!』って、ヴェ◯ペリアのリ◯にしたんだってさ。」
なぎさ「やっぱりマミさんはマミさんなんですね。」呆れ気味
さやか「ヴェ◯ペリアで思い出したけど、ゲームしてる時、パ◯ィ見てマミさんたら、ほむらと似てるって言ってたんだよね。」
杏子「そんなに似てんのか?」
さやか「確かに拳銃を使うとこは同じだけど、それ以外これと言って似てるとこなんてないんだけどねぇ。おそらくまどかに聞いても全然違うよって言うくらい、声もまるで別人みたいに違ってたし。」
なぎさ「またマミさんお得意の妄想癖なんじゃないんですか?」
さやか「たぶんそうだろうね。」
~少し後~
マミ「さぁ、ワルプルギスの夜も倒した事だし、美樹さん、今後の事はどうしましょう?」
さやか「そうですね……」
ワルプルギスの夜「ゴゴゴゴゴゴ……」
一同「!?」
マミ「嘘っ!?さっきあれだけの連続攻撃を与えたのに……」
さやか「しかもあの姿は……」
ワルプルギスの夜「ゴゴゴゴゴゴ……」四人目掛けて猛烈な攻撃を仕掛けてくる
一同「!?」寸前の所で回避(以降会話しながらワルプルギスの夜の攻撃を避け続けている)
杏子「どういう事だ!?今までとまるで様子が違うぞ!」
なぎさ「さやか、一体何が起きているのですか!?」
さやか「さっきのマミさんの攻撃で、危険を感じて本気になったんだろうね。その証拠に今まで逆さまだった人形が上になっているでしょう。」
マミ「嘘でしょう!?今までのは全てお遊びだったって事なの!?」
さやか「そう言う事になりますね……」
さやか「本気になったワルプルギスの夜の強さは全く検討もつきません。三人とも覚悟して下さいよ!」
マミ「えぇ!」
杏子「あぁ!」
なぎさ「はい!」
ワルプルギスの夜「ゴゴゴゴゴゴ……」
さやか(さて、とんでもない状態になっちゃったね。)
さやか(このままじゃ四人そろってあの世行きは確定だね。)
さやか(でも、まどかも今までとは違う気配を感じて、こっちに来ようとするはず。)
さやか(あとはあの精神状態のほむらをまどかがどうやって立ち直らせれるかが、私たちの生死の分かれ目だね……)
《少し前・ほむホーム》
ほむら「まどか、愛してるわよ……」未だに目は虚ろなまま、まどかとの快楽に溺れている
チュー
まどか「ほむらちゃん……」四六時中求めてくるほむらを受け入れているうちに、まどかも目が虚ろになりつつある
まどか「!」虚ろな目の状態が戻る
まどか(この気配は魔獣?いや、もっと強くて危険な気がする……)
まどか(この気配、今日だけは私も皆と戦わないといけない気がする……)
ほむら「まどかっ!どこに行くつもりなの……?また私を一人ぼっちにするの……?」離れようとするまどかをつかんで、離さまいとしている
まどか「ほむらちゃん……」
まどか(私はどうしたら……)四人の元に行かなくてはいけないと思う反面、今のほむらを放っておけない気持ちの板挟みに悩む
まどか「………」
まどか「ほむらちゃん、よく聞いて。」ほむらの肩をつかむ
ほむら「何?」イヤな予感がしてまどかにしがみついている
まどか「今、これまでの魔獣の気配とは違う、とても強くて危険な気配を感じたの。」
ほむら「……」
まどか「だから少しの間だけ、待って……」
チュー
まどか「!?」
ほむら「嘘つき!まどかの嘘つき!ずっと私の側に居るって約束してくれたじゃない!」まどかを押し倒す
まどか「!」ズキッ
まどか「ほんのちょっとだけだから……」
ほむら「!」12話の別れのシーンを思い出す
ほむら「イヤだ!イヤだっ!イヤだっ!!」
ほむら「あなた、前もそう言って、二度と手の届かない所へ行ってしまったじゃない!」
まどか「えっ!?」
ほむら「まどかと離れるなんてもうイヤっ!絶対に離さない!」さらに強くしがみつく
まどか「ほむらちゃん……」
まどか「今この世界が危険なの。だから……」
ほむら「イヤだっ!私の側から離れる理由なんて聞きたくないっ!」
ほむら「この世界がどうなろうと、あなたさえ私の側に居てくれればあとは何もいらない!」
まどか「………」
まどか「ほむらちゃんのバカッ!!」泣きそうになりながら、ほむらの顔に思いっきりビンタ
ほむら「!?」
ほむら「ま…ど…か……?」少しだけ正気に戻る
まどか「私たちの友達や家族、守りたいものだって、たくさん、この世界にはあるよね?」
ほむら「……」
まどか「そんな世界で私に生きて欲しいと望んだのは、ほむらちゃんじゃない!」
ほむら「!」二回目の悪夢の時のやり取りを思い出す
まどか「だから、ほむらちゃん……」
ダキッ
まどか「!?」
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら「あなたの言う通り私が間違ってたわ。」完全に虚ろな目が元に戻る
まどか「じゃあ……」
ほむら「えぇ、この世界を、滅ぼさせたりなんかさせない!」
ほむら「この世界を、まどかが望んだ世界を、私が守る!」
まどか「ほむらちゃん!」ダキッ
ほむら「それでまどか、敵は?」
まどか「これまでの魔獣とは違う、とても強い敵の気配がするの。」
ほむら「……」
ほむら「!」
ほむら(この気配はまさか魔女!?しかもこの魔力パターンは、まさか……!)
ほむら「まどか急いで四人の援護に向かうわよ!」表情に焦りの色が見える
まどか「うん。ほむらちゃん、なんかすごく焦っているみたいだけど、どうかしたの?」
ほむら「おそらく気配の正体は本物の魔女よ!しかも四人が戦っているのはおそらく最強の魔女、ワルプルギスの夜よ!」
しえん
まどか「ほむらちゃん、みんな大丈夫だよね?」心配そうな表情
ほむら「……」
ほむら「私の知っている限り、あの魔女を倒せたのは、まどか、あなたただ一人よ……」
まどか「そんな……」
ほむら「私がもっとしっかりしていれば、こんな事には……」拳を握りしめる
まどか「ほむらちゃん……」
まどか「ほむらちゃんが責任を感じないで!」抱きつく
ほむら「まどか……」
まどか「きっとまだ大丈夫!皆絶対無事だよ!」ニコッ(なんとか作り笑いでほむらを安心させようとする)
ほむら「そうよね。あの四人なら必ず私たちが行くまで持ちこたえてくれるわ!」
まどか・ほむら(皆、どうか無事でいて!)変身(ほむらはリボほむの状態)して四人の元へ
《しばらく後・ワルプルギスの夜との戦闘場所》
杏子「さすがに本物の魔女は強さが桁違いだな……」ボロボロ
なぎさ「ここまで強いとは思わなかったのです……」ボロボロ
マミ「美樹さんに聞いていた通り、鹿目さんしか倒した事がないと言う事は証明されたわね……」ボロボロ
さやか「出来れば私たちだけでどうにかしたかったですが、悔しいけどまるで歯が立ちませんね……」ボロボロ
ワルプルギスの夜「ゴゴゴゴゴゴ……」
さやか(ソウルジェムも限界だし、これまでなのかな……)
マミ(ソウルジェムも限界だし、これまでなのかしら……)
杏子(ソウルジェムも限界だし、これまでなのかよ……)
なぎさ(ソウルジェムも限界だし、これまでなのですか……)
ワルプルギスの夜「ゴゴゴゴゴゴ……」四人目掛けて攻撃をする
まどか・ほむら「思いよ貫け!私たちの絆の旋律!二重小夜射撃(ティロ・デュエット・セレナータ)!」二人の矢がワルプルギスの夜の攻撃を全てはじき返す
一同「!?」
まどか「皆遅れてごめん!」
ほむら「これまで耐えてくれてありがとう。」
さやか・杏子・なぎさ「まどか、ほむら……」
マミ「鹿目さん、暁美さん……」
まどか・ほむら「後は私たちが必ず仕留めてみせる!」
なぎさ「主役は遅れて来るものですが、二人ともいくら何でも遅すぎなのですっ!」プンプン
まどか「ごめんごめん。お詫びに今度駅前のあのチーズケーキたくさんあげるから許して。」
なぎさ「もうっ!仕方ないですね。今日は大目に見てあげるのです。」ニコッ
マミ「……」ポロポロ
ほむら「ちょっとマミ!泣く事ないでしょう!?」
マミ「違うの。暁美さんが初めて私の付けた必殺技を言ってくれてすごくうれしいの。」
ほむら「あなたたちには随分迷惑をかけてしまったからね。今回だけは特別に言ってあげただけよ!」プイッ(恥ずかしくてマミさんの方向けない)
マミ「そんな事言わずに今度暁美さんのために考えた……」
ほむら「お断りするわ。」ファサッ
マミ「そんな~」マミーン
一同(こんな状態でも相変わらずブレない……)ハァ~
杏子「それにしても、よくあの状態から立ち直れたな。」
ほむら「まどかに思いっきりビンタされて、目が覚めたのよ。」
ほむら「この世界にはあなたたちや、友人、家族、たくさんの守りたいものがあるって。」
ほむら「そんな世界でまどかに生きて欲しいと望んだのは、この私だもの。」
ほむら「この世界を、まどかが望んだ世界を、魔女なんかに滅ぼさせたりなんかさせないわ!」
杏子「そっか。まぁ、いつものお前が戻ってきて良かったよ。」ニコッ
さやか「二人ともまだ病み上がりでしょ。相手は本気のワルプルギスの夜だよ?」
まどか「大丈夫。ほむらちゃんから聞いたよ。私ならあの魔女をやっつけられるって。」
さやか「でも、そんな事したらまどかが……」
ほむら「大丈夫よ、さやか。今はまどか一人が相手じゃない。私も居るのよ。今の私の強さ、あなたなら分かるでしょ?」
さやか「……分かった。トドメはあんたたちに任せるよ。」
さやか「それと……」
さやか「受け取りな。」自分のソウルジェムを渡す
まどか「さやかちゃん、どういうつもり?」
さやか「見ての通り、今の私に戦えるだけの力は残ってない。だからそれでちょっとは魔力の足しにしな。生半可な威力じゃアイツは倒せないよ。」ニコッ
ほむら「さやか……」
マミ「そういうことなら私たちの魔力も足しにして!」自分たちのソウルジェムを渡す
杏子「そういうことならアタシたちの魔力も足しにしな!」自分たちのソウルジェムを渡す
なぎさ「そういうことならなぎさたちの魔力も足しにするのです!」自分たちのソウルジェムを渡す
まどか「みんな……」
ほむら「あなたたち……」
さやか「受け取って!これが私たちの希望だよっ!」
マミ「受け取って!これが私たちの希望よっ!」
杏子「受け取りな!これがアタシたちの希望だっ!」
なぎさ「受け取るのです!これが私たちの希望ですっ!」
まどか「みんなの希望、確かに受け取ったよ!」ワルプルギスの夜と対峙するように、上空へ上がって行く
ほむら「あなたたちの希望、確かに受け取ったわ!」ワルプルギスの夜と対峙するように、上空へ上がって行く
さやか・マミ・杏子・なぎさ「……」バタン(ソウルジェムが体をコントロールできる範囲から外れるかどうかの微妙なラインにあるため、意識はあるが倒れてる)
ワルプルギスの夜「ゴゴゴゴゴゴ……」二人が今までの四人とは違うと感じ取り、攻撃の隙を狙ってる
まどか・ほむら「………」恋人繋ぎで手を握ってる
ほむら「かつて、あの魔女は私にとって絶望の象徴だった……」
ほむら「でも、今は絶望なんかしない!仲間たちの希望を託されたんだもの!」
まどか「うん。ワルプルギスの夜に見せてあげよう、私たちの希望と言う名の光を!」
ワルプルギスの夜「ゴゴゴゴゴゴ……」二人目掛けて今までで最大の攻撃を仕掛ける
まどか・ほむら「!?」
まどか・ほむら「この世界を、私たちが守る!」二人で腕を伸ばして、自分たちの前に六人のソウルジェムを核にした六つの重なった魔法陣を描き、ワルプルギスの夜の攻撃を跳ね返す
ワルプルギスの夜「ゴゴゴ……」攻撃が跳ね返されてひるむ
まどか・ほむら「どんな絶望の中でも、人の心から、希望が消え去る事は無い!」二人で一つの弓を召喚し、一本の光の矢を弓につがえ、それと同時に二人にアルティメット形態時の翼のようなものが見える
一同「!?」
まどか・ほむら「貫いて!私たちの希望の光!イリュージョニック・シューティングスター!」放たれた一本の矢が、魔法陣を通して無数の実体のある矢に分裂し、ワルプルギスの夜を四方八方から貫いて攻撃する
ワルプルギスの夜「ドッカーン!!」ワルプルギスの夜が消滅すると同時にグリーフシードも砕ける
ほむら・さやか「!?」
まどか「やった!やったよ、ほむらちゃん!」ダキッ
ほむら「えっ、えぇ……」
ほむら(今回の敵は間違いなく本物の魔女だった。)
ほむら(消滅したとは言え、グリーフシードも落とした。)
ほむら(円環の理はやはり正常に機能していないようね。)
ほむら(これで確証が得られたわ……)
ほむら「………」
まどか「どうしたの、ほむらちゃん?」
ほむら「いえ、何でもないわ、まどか。」
チュー
まどか「!?」
まどか「ほっ、ほむらちゃん!?皆も見てるんだよっ!?」カァ~
ほむら「構わないわ。今だけはこうさせて……」抱きついて再びキス
さやか「………」
さやか(ほむらのやつ、いよいよ死ぬつもりだね……)
杏子「おいおい、周りにアタシたちがいるってのに見せつけるねぇ。」
なぎさ「マミさん、見えないのです!手をどけて欲しいのですよ!」ジタバタ(マミさんに目を塞がれている)
マミ「子供は見ちゃいけません!」
なぎさ「むぅぅ~~!なぎさはもう立派なレディーなのです!」プンプン
~しばらく後~
まどか・ほむら「皆、これありがとう。」ソウルジェム返し
一同「どういたしまして。」
杏子「それにしても全員ソウルジェムギリギリみたいだな。」
なぎさ「大丈夫なのです。ソウルジェムが限界になっても円環の理が迎えにきてくれるから、なぎさたちは魔女になんかならないのです。」
ほむら「……」ズキッ
まどか「大丈夫。みんなまだ戦えるよ。」一瞬目が金色になる
ほむら・さやか「!?」
マミ「そうは言っても、さっき倒したワルプルギスの夜は何も落とさなかったわよ?」
まどか「大丈夫、諦めないで!」マミさんのソウルジェムを手で包み込む
マミ「!?」自分のソウルジェムが回復して驚いている
マミ「鹿目さん、これは一体……?」
まどか「えっ!?私一体何を!?」自分がした事を気づいていない
ほむら(まどかが円環の理として覚醒する予兆なのかしら?)
マミ「今鹿目さんが私のソウルジェムを包み込んだら、ソウルジェムの穢れが消えたのよ。」
まどか「嘘っ!?」
なぎさ「まどか、何をしたんですか?」
まどか「私はただ皆を助けたいと無我夢中でやっただけで、何が起きたのか自分でもよく分からないの……」
杏子「理由はよく分かんねぇが、これはラッキーだな。まどか、アタシたちのも頼む。」
まどか「うん。やってみるね。」
~全員のソウルジェム浄化後~
なぎさ「それにしても不思議な事もあるのですね。」
杏子「あぁ。まさかまどかにソウルジェム浄化の力があるなんてな。」
マミ「それに鹿目さんと暁美さんがワルプルギスの夜を攻撃した時、二人に翼のような物も見えたのよ。」
まどか「?」
ほむら「!」
さやか「……」
なぎさ「驚いたですけど、二人とも綺麗だったのですよ。」
まどか「ありがとう。」
ほむら「ありがとう……」
杏子「あの翼みたいなのって……」
ほむら「……」フラッ
まどか「ほむらちゃん!」ほむらを支える
ほむら「ごめんなさい。少し疲れてしまったようだから、私は先に帰らせてもらうわ。」
まどか「なら、私も付いてくよ。」
ほむら「ありがとう、まどか。」
マミ「二人ともまだ病み上がりなのだから、今日はゆっくり休んでね。」
まどか「はい。」ほむらはまどかに支えられるように、二人して帰ってく
ほむら「えぇ。」ほむらはまどかに支えられるように、二人して帰ってく
さやか「……」何かを勘づいたように二人を見ている
~まどかとほむら帰宅後~
杏子「今日の敵は大変だったから、アタシたちは今夜はパァッ~と喰って、気分転換しようぜ!」
さやか「あんたはいっつも食べてばっかりでしょうが。」
杏子「よく言うだろ、『腹が減っては戦はできぬ』って。」
さやか「はいはい。」
なぎさ「なぎさは、おいしいチーズ料理が食べたいのです!」
マミ「なぎさちゃんも相変わらずチーズが大好きね。」
なぎさ「同じチーズでも、マミさんが作った物はどんなものよりおいしいのです!」
マミ「あらあら、うれしい事言ってくれるわね。なら今日はいつも以上に腕を振るわないと!」
なぎさ「ワーイ!マミさん、大好きなのですっ!」ダキッ
さやか「なんだろう。同じ事してるはずなのにあっちのバカップルとは、随分印象が違うよね?」
杏子「マミとなぎさはアイツらと違って親子にしか見えないからだろ。」
さやか「なるほど!元々見た目はすごく大人っぽいから、アレな事言ってないマミさんからは母性があふれてるんだね。」
マミ「二人ともそれは私が老けて見えるって事かしら?」ゴゴゴ
さやか・杏子「!」ビクッ
さやか「いやですね~、マミさん。褒めてるに決まってるじゃないですか。」
マミ「その割には発言に余計な単語が入っていたような気がするのだけど?」
さやか「うっ……」
杏子「まっ、それは置いといて早く飯にしようぜ。もう腹ぺこだぜ。」
なぎさ「なぎさも早くチーズが食べたいのです!」
マミ「そう?なら今日は美樹さんも佐倉さんも、私の家で夕飯一緒にどう?」
さやか「いいですね。是非お邪魔させてもらいます。」
杏子「よっしゃー!今日はうまいもんたらふく喰えるぜ!」
《ワルプルギスの夜撃破後・ほむホーム玄関》
まどか「ほむらちゃん大丈夫?」
ほむら「………」まどかに担がれてぐったりしているように見える
まどか「ほむらちゃん……?」ほむらの様子を見ようとする
ほむら「まどか、これで最後だから……」ボソッ
まどか「えっ!?」
ほむら「……」まどかを玄関に押し付けてキス
まどか「!?」
ほむら「……」キスしてた口を離し、二人の唾液が糸を引いている
まどか「ほむらちゃん、イキナリどう……」
ほむら「……」まどかを強く抱きしめて再びキス
まどか(今度は舌まで!?)
ほむら「……」むさぼるようにまどかの口の中で舌を動かしている
まどか(キスだけなのに、今までよりすごく激しいよ……)目がトロンとしている
ほむら「……」キスしてた口を離す
まどか「はぁ……はぁ……」顔は紅潮し、体の力が抜けてへたり込む
ほむら「……」少し顔が紅潮している
まどか「ねぇ…ほむらちゃん…続き…してくれる……?」
ほむら「……」コクンと小さくうなづく
~ほむホーム寝室~
まどか「ほむらちゃん、今日はどうしたの?またあの悪夢なの?」
ほむら「……」違うと首を振る
まどか「ならいいんだけど……」
ほむら「……」
ほむら「もっとあなたを感じさせて……」ボソッ(まどかを押し倒しキス)
まどか(ほむらちゃん、やっぱり何か様子がおかしいよ……)
まどか(ほとんど喋らないし、何か思い詰めた顔をしてる……)
~数時間後~
まどか・ほむら「はぁ……はぁ……」裸でほむらがまどかに覆い被さるように抱きあってる
ほむら「まどか、キモチいい?」左手でまどかの頭を寄せてキスしながら、右手で下腹部を触ってる
まどか「はぁ…はぁ…うん…とってもキモチいいよ……」
ほむら「うれしい……」更に右手を激しく動かす
まどか「はぁ……はぁ……」
まどか「ダメぇ!私が裂けちゃうっ!」
ほむら「!」まどかを引き裂いた時の事がフラッシュバックする
ほむら「いやあぁぁ~~~!!」錯乱状態に
ほむら「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい………」ポロポロ
ほむら「私はただあなたが笑顔でいられる世界にしたかっただけなの!」
ほむら「だから私を拒絶しないで!私を嫌わないで!私の側からいなくならないで!!」
まどか「ほむらちゃん……?」錯乱状態のほむらに驚いている
ほむら「お願い!私を嫌いにならないで!」うわ言のように言っている
まどか(一体なんで急にこんなに取り乱したりなんか……)
まどか「ほむらちゃん、大丈夫だから!」ほむらを抱きしめる
ほむら「!?」正気に戻る
まどか「私がほむらちゃんを嫌いになるわけないよ。」
ほむら「まどか……」
まどか「今までも、これからだって、私はほむらちゃんが大好きだし、ずっと側に居るよ。」ニコッ
ほむら「……」思い詰めた顔をしてる
ほむら「そう…よね……」ニコッ(作り笑い)
まどか「?」
ほむら(やっぱり私のした事は間違ってたの……?)
ほむら(私の欲しかったのは本当にこの世界だったの……?)
ほむら(まどかを悲しませているのは私なの……?)
ほむら「………」
ほむら「……」
ほむら「…」
ほむら(そうか、そういう事だったのね……)
ほむら「アハハハハ……」自嘲したような笑い
ほむら「私、何て馬鹿な間違いを……」
まどか(ほむらちゃん、あの悪夢以外にも何か悩みがあるのかな?)
まどか「ほむらちゃん、何か悩みがあるなら相談して。」
ほむら「……」
ほむら「大丈夫よまどか。これで全て終わりにするわ。」うっすらと涙
まどか「?」
~数時間後~
ほむら「………」Zzz(思い詰めた表情で寝ている)
まどか「ほむらちゃん……」
まどか(ほむらちゃん、大丈夫かな?)
まどか(『これで全て終わりにする。』って言ってたけど、まさか死んだりなんかしないよね……)うっすらと涙
ほむら「まどか……もう二度と……あなたを…離さない……」寝言
まどか「………」
まどか「うん、私もずっとほむらちゃんの側にいるよ……」ほむらを抱きしめる
《ほむらが眠りについてから・ほむらの夢》
ほむら「まどか……」キョロキョロ
ほむら「どこにいるの?ここはどこなの?」辺りは真っ暗で何も見えない
ほむら「私はどこにいるの?」
ほむら?「見捨てられた。あなたは見捨てられたのよ。」
ほむら「!?」
ほむら「私がもう一人……?」
ほむら?「あなたは見捨てられたの、大好きなまどかに。全ての魔法少女を救うという大義名分の名の下に。」
ほむら「見捨てられた……」
ほむら「………」自分だけがまどかに関する記憶をもったまま、まどかが円環の理となって自分の元を去っていった事を思い出す
ほむら「まどかが全ての魔法少女を……私よりも私以外の人間を選んだ……」
ほむら?「そうよ、あなたより全ての魔法少女を選んだのよ。」
ほむら「私より他の人間を……」
ほむら「私より……」
ほむら「いやよ!いやっ!そんなの認めない!絶対に認めないっ!」
ほむら「まどかは……まどかは、私だけのまどかよっ!」
ほむら「まどかは私のもの。私のものよ!私のもの……」
ほむら?「まどかが欲しい?取り戻したい?」
ほむら「欲しい!まどかを取り戻したいっ!」
ほむら「だってまどかは私だけのものなんだから!」
ほむら「私だけのもの。誰にも渡さない。円環の理なんかに戻したりしない。絶対に!」
ほむら?「なら、皆殺してしまいなさい。」
ほむら「!?」
ほむら「皆を殺す……?」
ほむら「まどかの友達も、仲間も、家族も、皆みんな、まどかと私の邪魔をするものは全て殺す……」
ほむら?「そうよ。まどかを自分の元に取り戻したいのでしょう?」
ほむら「皆を殺せば、まどかを取り戻せるの?私の元に帰ってきてくれるの?私の側から離れなくなるの?」
ほむら?「そうよ。あなたにはその力があるじゃない?まどかがもう二度とあなたから離れなく出来る力が。」
ほむら「私にはある…その力が……まどかを離さない力が……」
ほむら「ウフフフフ、アハハハハ!!」狂気を帯びた笑い声
ほむら「…………」
ほむら「………」
ほむら「……」
ほむら「…」
ほむら「!」
ほむら「……」暗闇の中どこかへ去っていく
ほむら?「あなたが悪いのよ、まどか……」
《翌日・喫茶店》
さやか「それで私に相談ってのは、ほむらの事だね。」
まどか「うん。ほむらちゃん、あの悪夢以外にも何か悩んでいる事があるみたいなの。」
まどか「昨日も帰って、『これで最後だから。』って言っていきなり……」カァ~
さやか「押し倒されたと?」
まどか「ちっ、違うよっ!」アセアセ
さやか「それでナニされたのかなぁ~?」ニヤニヤ
まどか「……」カァ~
まどか「さやかちゃん、ちょっと耳貸して。」
さやか「はいはい。」
まどか「いきなりキスしてきて、その上舌まで入れてきて……」ヒソヒソ
さやか「それで感じちゃったと?」ニヤニヤ
まどか「……」カァ~
さやか「まぁ、いいや。続けて。」
まどか「その後もほとんど喋らなくて、何か思い詰めたような顔で、その……」カァ~
さやか「まどかを求めてきたと?」
まどか「……」顔を赤らめながらうなづく
さやか(まさかこんな形で親友の情事を聞かされるとはね。)
さやか(本来なら思いっきりからかいたい所だけど、状況が状況だからね……)
まどか「それでね、その…シてる時に……ほむらちゃん急に錯乱状態になっちゃたみたいで……」
さやか「えっ!?一体なんで?」
まどか「私にもよく分からないけど、突然泣きながら謝ってたの。」
さやか「!」
さやか「ほむらが錯乱状態になる前、まどかは何か言わなかった?」
まどか「えっと…その……」モジモジ
さやか「言いにくそうだね。また耳貸そうか?」
まどか「ありがとう、さやかちゃん。」
まどか「その…ほむらちゃん…私をキモチよくよくしてくれてたんだけど……」ヒソヒソ(恥ずかしそうに言ってる)
まどか「その……『ダメぇ!私が裂けちゃうっ!』って言ったら、錯乱しながら何度も謝ったの。」ヒソヒソ
まどか「それに『何て馬鹿な間違いを……』って言ってたの。」
さやか「!」
さやか「それで、他には何か気になる事はない?」
まどか「その後、ほむらちゃん何か深刻そうな顔で悩んでて、私が聞いても、『これで全て終わりにする。』って涙ぐんで言うだけで、何も話してくれないの。」
さやか「……」
まどか「さやかちゃんなら、何か知っていそうかなと思ったんだけど、やっぱりほむらちゃんが悩んでる原因は分からないかな……?」不安げ
さやか「う~ん……」
さやか「ほむらはどうあってもまどかに話そうとしないんだよね?」
まどか「うん……」
さやか「なら明日にでも私の方からほむらにいろいろ言ってみるよ。」
まどか「ごめんね、さやかちゃん。本当は恋人の私がやるべき事なのに、さやかちゃんに任せちゃって……」
さやか「まどか……」
まどか「これじゃあ、ほむらちゃんの恋人失格だね……」ウェヒヒ(自嘲気味に笑ってる)
さやか「そんな事ないよ!まどかはこれまでほむらが辛いときにずっと支えてあげてたじゃん!だからあんなに心がボロボロだったほむらも立ち直れたんだよ!」
まどか「さやかちゃん……」
さやか「それに恋人だからこそ言えない事だってあるんだと思うよ。」
まどか「でも私には何も出来ないの?」
さやか「まどかにしか出来ない事だってたくさんあるでしょ!」
さやか「これまでみたいにほむらを受け入れてやったり、アイツが辛いときに側に居てやるだけでも、ほむらにとっては大きな支えになるんだよ。」
まどか「そっか、そうだよね。」
まどか「さやかちゃんに相談して少し気が楽になったよ。ありがとう。」ウェヒヒ
さやか「どういたしまして。」ニコッ
さやか「多分まだしばらくは辛いだろうけど、まどかは最後までほむらを信じてあげなよ。たとえどんな事があってもほむらはまどかを何よりも大事に思っているんだから。」
まどか「うん!」
《翌日・喫茶店》
ほむら「それで、私に話って何かしら、さやか?」
さやか「一昨日の事と言えば分かるんじゃない?」
ほむら「ワルプルギスの夜の事かしら?」
さやか「そういう見え透いたごまかしはいいよ。まどかの事と言えば分かるはずでしょ。」
ほむら「そう……」
ほむら「まどかはやはりあなたに相談したのね。」
さやか「それはそうでしょ。まどかのやつ、あんたがどうあっても悩んでいる事を話してくれないから私に相談に来たんだよ。」
ほむら「まどかにあの事なんて言えるわけないじゃない!」
さやか「確かにまどかが知ったら、この世界はどうなるか分からないもんね……」
さやか「ほむら、あんた本当はまどかの力を奪ったこと後悔してるんじゃない?」
ほむら「!」
ほむら「何を言ってるの、さやか。私は正しい選択をしたのよ。」
さやか「まどかから相談されたんだよ。あんたが錯乱しながら何度も謝ったって。」
さやか「それに前から疑問だったけど、あんたはどうして私の記憶だけ無くさなかったの?今のあんたなら私の記憶を消すくらいわけないでしょ?」
ほむら「それは……」
さやか「まどかが円環の理になって、誰にもまどかのいない苦しみを理解してもらえない辛さをあんたは知ってる。だからたとえ敵になるかもしれなくても、苦しみを理解してくれる人が欲しかったんじゃない?」
ほむら「違う!私は……」
さやか「それに『これで全て終わりにする。』って言ってたみたいだけど、まさか馬鹿なこと考えてやしないよね?」
ほむら「………」
さやか「あんたがやったことは確かに許せないけど、あんたはまどかにとって何よりも大切な存在なんだよ!だから、あの事を後悔したからって死ぬような真似はしないでよ……」
ほむら「当たり前よ!この世界はまどかが望んだ世界なのだから!」
さやか「どうしてかな?ただ何となく分かっちゃうんだよね。あんたが嘘つきだって事。」
ほむら(くっ……)
さやか「あんた、何かを諦めた目をしてる。いつも本当の気持ちを隠した言葉を喋ってる。」
さやか「今だってそう。まどかのためと言いながら、本当は全然別な事を考えてるんでしょ?今の私にはごまかしきれるもんじゃないよ、そういうの。」
さやか「まどかにまで自分の本当の気持ちを隠して、また自分だけの時間に逃げ込むつもり?」
ほむら「そんなわけないじゃない!」
ほむら「まどかを救う。それが私の最初の気持ち。そして今も変わらない、たった一つだけはっきりとしている、道しるべなのよ!」
さやか「本当?あんた昔みたいに無理して強がってるだけじゃない?」
ほむら「黙りなさい……」ボソッ
さやか「今は昔みたいに一人で抱え込む必要なんてないんだよ。」
ほむら「黙りなさい。」
さやか「私でよかったら相談に乗るから……」
ほむら「黙りなさい!美樹さやか!これ以上しゃべるなら一足先にあの世に送るわよ!」銃で威嚇して去っていく
さやか(ほむら、あんたやっぱり死ぬ気ね……)
《数日後・見滝原某所》
ボロボロ(ワルプルギスの夜戦後のように街中が瓦礫だらけになっている)
なぎさ「一体何が起きているのですか!?」
杏子「アタシたち以外人っ子一人いやしねぇぞ!」
マミ「それに見滝原だけじゃない、世界中から人の気配がなくなっているわ!」
まどか「一体誰がこんな事を……」
さやか(まさかほむらのヤツ……)
バサッ(羽が舞う)
一同「!?」
デビほむ「私が答えてあげましょうか?」空から現れて宙に浮いている
まどか「ほむらちゃん……?」
さやか「ほむら……」
マミ「暁美さん……?」
杏子・なぎさ「ほむら……?」
デビほむ「もうこの世界には今ここにいる私たち以外人間はいないわよ。」
一同「えっ!?」
まどか「どういう事なの!説明してよ、ほむらちゃん!」
デビほむ「私が皆、殺したのよ。」
一同「!?」
まどか「うっ、嘘でしょ、ほむらちゃん!優しいほむらちゃんがそんな事するはずないよね?」ガタガタ
デビほむ「本当の事よ。この世界にまどか以外の人間なんて必要ない。だから殺したの。」
杏子「おいっ、さやか!一体どうなってんだ!?」
さやか「私だって分からないよっ!」
マミ「暁美さん、仮に今言った事が本当だとして、何故私たちだけ残しているの?」
デビほむ「あなたたちにはまどかの目の前で死んでもらう必要があるの。だから、最後まで残した、それだけの事よ。」
なぎさ「そんなっ!?言ってる事が滅茶苦茶すぎるのです!」
メガほむ「その通りです。皆キュゥべえに騙されてるんです!」サッ
まどか「えっ!?ほむらちゃんが二人!?」
さやか・杏子・なぎさ「えっ!?ほむらが二人!?」
マミ「えっ!?暁美さんが二人!?」
メガほむ「目の前のあの悪魔は私じゃありません!キュゥべえが作り出した幻影です!」
まどか「なんでそんな事を!?」
メガほむ「キュゥべえは私の姿を模したあの悪魔を使って、皆さんの動揺を誘っているんです。」
さやか「………」怪訝そうな顔でメガほむを見てる
メガほむ「どうしたんですか、美樹さん?」
さやか「いや、何でも……」
メガほむ「とにかく皆さん、あの悪魔を倒せばこの世界の人たちは元に戻ります。」
メガほむ「あの悪魔が私と同じだからといって絶対に油断しないで下さい!」
まどか・さやか「うん!」
マミ「えぇ!」
杏子「あぁ!」
なぎさ「はい!」
デビほむ「お話は終わったかしら?それじゃあまずは……」誰を殺そうか指で品定めしてる
一同「……」ゴクリ(武器を構えて、デビほむの方を向いている)
メガほむ「……」ニヤリ
メガほむ「あなたですよ。百江さん!」
なぎさ「えっ!?」背後から散弾銃で何発も体を貫かれる
一同「!?」
メガほむ「言いましたよね。『私』と同じだからといって絶対に油断しないで下さいって。」なぎさの頭をつかんで持っている
なぎさ「ほむ…ら…なんで……こんな…事を……」血反吐を吐いて今にも死にそうな状態
メガほむ「何度もしつこいですよ。この世界に鹿目さん以外の人間は必要ないんです。」
なぎさ「そ…んな……」再び血反吐を吐いている
メガほむ「まずは一人目……」なぎさを地上に向かって投げ捨て、自身も消える
なぎさ「………」死んでる
デビほむ「まどか、これで分かったでしょう?後の三人もあなたの目の前で殺してあげるわ。」
まどか「やめてっ!もう誰も殺さないでっ!」ポロポロ
デビほむ「それならあなたがこの三人を皆殺しにしてくれるのかしら?」
マミ「ふざけないでっ!なぎさちゃんがあなたに何をしたっていうの!?」
デビほむ「何も。ただ私とまどかだけの世界に邪魔だから消えてもらっただけよ。」ファサッ
マミ「いい加減にしなさい!」デビほむに向かってマスケット銃を向ける
クーほむ「無駄よ。」スッ
マミ「!?」
杏子「また分身かよ!?」
リボほむ「残念だけどまだいるわよ。」スッ
杏子「!?」
さやか「杏子っ!」
ゴスほむ「あなたの相手は私よ。」スッ
さやか「!?」
《さやかたち三人をまどかから引き離してから・まどかとデビほむのいる所》
デビほむ「まどか、目に焼き付けておきなさい。私を残して円環の理に戻るって、どういうことか。」既にまどかの手を拘束して自分の元へ引き寄せている
まどか「やめて…ほむらちゃん……もう誰も殺さないで……」ポロポロ
デビほむ「泣き顔も綺麗よ、まどか。」
デビほむ「私ね、まどかとずっとずっと、永遠に一緒にいたいの。」頬ペロッ
まどか「!?」
まどか「好きよ、まどか。」
チュー
まどか「!?」
デビほむ「まどかは私の事好き?愛してる?」
まどか「私もほむらちゃんの事は好きだよ。愛してるよ。」
デビほむ「まどか、うれしい……」ニコッ(病んだ笑顔で)
まどか「でも、こんなほむらちゃんはイヤだよ……」
デビほむ「!」ギリッ(まどかの髪をつかんで顔をあげさせる)
まどか「痛っ!」
デビほむ「まどかは私より世界中の人間の方が大事なんだ。」
まどか「そうじゃないよ!正気に戻って、ほむらちゃん!」
デビほむ「私は至って正気よ。」
デビほむ「それに正気を疑いたいのはあなたの方よ。」
まどか「えっ!?」
デビほむ「あなたは私だけのものなのに、何故他の人間に優しくするの?」
デビほむ「何故私だけを見てくれないの?」
まどか「みんなもほむらちゃんと同じように、私の大切な人なんだよ!」
まどか「その人たちに優しくするのが何でおかしいの!?」
デビほむ「私の価値は他の人間と同じなのね……」
デビほむ「所詮私はあなたにとってたくさんいる人間の一人に過ぎないのね……」
まどか「そう言う意味じゃないよっ!」
まどか「みんなも大切な人たちだけど、ほむらちゃんは私の特別な人なんだよっ!」
デビほむ「なら、あなたにとって私以外の人間はいなくてもいいわよね?」
まどか「だから!なんでほむらちゃんと他の人たちを比較しなくちゃいけないの!?」
まどか「どっちも私の大切な人なんだよ!」
デビほむ「まどか、あなたは優し過ぎる。」
デビほむ「忘れないでと言ったはずよ。その優しさが、もっと大きな悲しみを呼び寄せる事もあると。」
まどか「ほむらちゃんの言ってる事、ついていけない、全然分からない……」
デビほむ「まどかの優しさこそ、私には理解できないわ。」
デビほむ「なんであなたは誰にでも優しいの!?なんで私だけを愛してくれないの!?」
まどか「私はほむらちゃんの恋人なんだよ!たとえみんなが居ても私が一番好きなのはほむらちゃんなんだよ!なんでそれじゃあダメなの!?」
デビほむ「私にとってあなたは全てなのよ!他の人間なんて私からまどかを奪う邪魔な存在でしかない!」
まどか「そんなっ!?ほむらちゃん、一体どうしちゃったの……」
デビほむ「まどかは私のものなの!私が一番まどかを愛しているんだから!」まどかにキスしながら、胸を揉んでいる
まどか「いやっ!やめて、ほむらちゃん!」抵抗している
デビほむ「キモチいい、まどか?キモチいいでしょ?」
デビほむ「まどかが望めばいつだって私がまどかをキモチよくしてあげるんだから。」
デビほむ「だからあなたが私から離れないようにする事を受け入れてよ、まどか。」
まどか「無理だよ!皆を殺してまで一緒にいようとするなんて、絶対に間違っているよ!」
デビほむ「間違ってなんかいないわ。あなたを二度と離さないようにするにはこうするしかないの!」
デビほむ「こうでもしないといつの日かあなたはまた必ず私の元から離れてしまう。」
デビほむ「そのせいで私がどれだけ寂しい思いをしたのかなんて誰も分かってくれない!」
まどか(まさかまた前世の話!?)
まどか「前世の私が何をしたのかは知らないけど、今の私はずっとほむらちゃんの側にいるって言ったじゃない!」
デビほむ「それはあなたが円環の理として覚醒していないから言えるのよ!」
まどか「えっ!?」
まどか「私が円環の理だって言うの!?」
デビほむ「そうよ。私は円環の理だったあなたを、人間としてのあなたと円環の理としてのあなたに引き裂いたのよ!」
まどか「そんな!?私が円環の理だったなんて………」
まどか「………」ドクン(目が金色になり、背後にまど神の幻影が見える)
デビほむ「………」
まどか「はぁ、はぁ……」目が元に戻り、まど神の幻影も消え去る
デビほむ「………」
まどか「今のは一体……」
デビほむ「今あなたは円環の理として覚醒しようとしたのよ。」
まどか「うっ!」頭を抑える(円環の理としての記憶がフラッシュバックする)
まどか「私の知らない記憶が、私の頭の中に……」
デビほむ「これで分かったでしょう?あなたは円環の理であるって。」
まどか「………」
デビほむ「あなたは円環の理として覚醒したら、私がどんなに願っても、いくら覚醒前に私を残していなくなったりしないと約束しても、全ての魔法少女のために自分を犠牲にして、円環の理として生きていこうとする。」
デビほむ「後に残される私の気持ちだって考えた振りをして、本当は全然考えてくれていない!私の事なんか歯牙にも掛けてくれない!」
まどか「そんな事ないっ!私はずっとほむらちゃんの側に居るって約束したじゃない!」
まどか「それに例え私が円環の理として覚醒しても、絶対にほむらちゃんの側にいるって約束するよ!」
デビほむ「またそうやって口からでまかせをっ!」ギリッ
まどか「嘘じゃないよっ!だからもうこんな事やめてっ!」
デビほむ「やっぱり、あなたは私の事なんか本当は全然考えてくれていないのね。」
デビほむ「今だってそう!私の事を考えている振りをして、本当は他の人間の為にでまかせを言ってる!」
まどか「そんな……」
まどか「なんで私の言ってる事を信じてくれないの……」ポロポロ
まどか「無理だよ。こんなほむらちゃん、受け入れる事なんてできないよ……」
デビほむ「!」キレた目
デビほむ「アイツらのせいね!まどかが私を受け入れてくれないのは!」さやか、マミ、杏子の方を睨んでいる
デビほむ「まどかに必要なのは私だけ!あんな奴ら!あんな奴らなんかにまどかは渡さない!」
クーほむ・リボほむ・ゴスほむ「お前たちが、お前たちさえいなければ!」それぞれ対峙している相手に攻撃
マミ・杏子・さやか「!?」ほむらたちの攻撃を避ける
クーほむ・リボほむ・ゴスほむ「お前たちさえいなければ、まどかはずっと私のものになる!」
クーほむ・リボほむ・ゴスほむ「お前たちなんか、お前たちなんか滅茶苦茶に殺してやる!」逝っちゃってる表情でさらに攻撃を加える
まどか「やめてっ!ほむらちゃん!何してるの!?」
デビほむ「何って、邪魔者を消しているだけよ。」
デビほむ「この世界のあなたはいずれ円環の理として覚醒してしまう。あなたも今体感したはずよ。」
まどか「うっ……」
デビほむ「ならまどか以外の全ての人間を消し去れば、円環の理なんか必要じゃなくなる!そうすればまどかは私から二度と離れることはない!」
まどか「分からない。私ほむらちゃんが何を言っているのか全然分からない!」
デビほむ「分からなくていいわ。全ての邪魔者を消し去った後、私と二人だけの世界で永遠に愛し合いましょう。」
デビほむ「まどか、これから起こる事をしっかり見ておきなさい。」
デビほむ「全部私を一人ぼっちにしたまどかが悪いんだから!」
デビほむ「コイツらが消えれば、まどかにはもう私しかいないんだから!」
まどか「ほむらちゃん……」ポロポロ
以下戦闘シーン(三人の戦闘は同時並行で行われて、まどかも見せつけられている)
~クーほむVSマミサイド~
マミ「暁美さん、なぎさちゃんを殺した言い訳は考えたかしら?」ゴゴゴ
クーほむ「百江なぎさと同じであなたもしつこいわね。」
クーほむ「何度も言わせないで。この世界にまどか以外の人間は必要ない。だから殺した、それだけよ。」
クーほむ「それにあなたもすぐに彼女の元に行くのよ。そんなあなたに理由を言って何になると言うの?」
マミ「そんな理由で殺されるなんて、あきれて物も言えないわね。」
クーほむ「そもそもあなたは百江なぎさの何なの?保護者のつもり?」
マミ「あなたにとっての鹿目さんのような存在よ。」
クーほむ「『まどかと同じ』ですって……」ギロッ
バンッ
マミ「!?」頬に弾丸がかするが、ギリギリかわす
クーほむ「私の前で軽々しく『まどかと同じ』だなんて言わないで欲しいわね。」
クーほむ「あんなゴミとまどかを一緒にしないでもらえるかしら?」
マミ「『ゴミ』ですって……」ギロッ
バンッ
クーほむ「!?」こちらも頬に弾丸がかするが、ギリギリかわす
マミ「今の発言取り消しなさい!」ギロッ
クーほむ「何故?まどか以外の人間なんて等しくゴミよ。」
マミ「そんな事も分からなくなるほど落ちぶれてしまったとはね……」
マミ「今の暁美さんの方がよっぽど人間の屑よ!」
マミ「たとえあなたにとって価値がなくても、なぎさちゃんは私にとって家族のように大切な存在。そんななぎさちゃんを殺された私の気持ち、あなたに分かる?」
クーほむ「そんな気持ち分からないわね。それにまどかを失った私の悲しみはそれ以上よ!」
クーほむ「それにあなた、いつから百江なぎさと関わりがあるか、本当に分かっているのかしら?」ニヤリ
マミ「さぁ?気づいた時には既になぎさちゃんとは一緒にいたわ。」
クーほむ「やはり気づいていないようね。」ニヤリ
マミ「どういう意味かしら?」
クーほむ「どうせあなたもすぐに死ぬのだから教えてあげるわ。」
クーほむ「私が世界を作り替えた時、この世界の人間の記憶は、円環の理の一部だった美樹さやかや百江なぎさが存在していても、不自然に感じないように改ざんされているのよ。」
クーほむ「だからあなたのその記憶も私が改ざんした偽物の記憶よ。」
マミ「………」
クーほむ「どうかしら?今まで信じていた記憶が偽物と分かった感想は?」
マミ「それがどうしたの?」
クーほむ「!?」
マミ「なぎさちゃんが本来円環の理に導かれた魔法少女であることは既に知ってるわ。」
マミ「暁美さんが円環の理であった鹿目さんの力を奪った時、偶然なぎさちゃんや美樹さんも生き返った。だから二人が存在していても不自然に思わないように記憶を改ざんしたのでしょう?」
クーほむ「美樹さやかね。」
マミ「えぇ、彼女からあなたたちの事は聞いているわ。」
クーほむ「やはり、美樹さやかの記憶も消しておくべきだったようね。」
マミ「最後にもう一度だけ聞くわ。暁美さん、あなたの本当の目的は何?」
クーほむ「くどいわよ。まどかと二人だけの世界を作る事よ。」
マミ「そのために皆を、なぎさちゃんを殺したと言う事かしら?」
クーほむ「そうよ。」
マミ「それが本当なら、私は暁美さんは殺さないといけないようね。」マスケット銃をクーほむに向けている
クーほむ「無駄な事はやめなさい。次の瞬間にあなたは死んでいるわ。」時を止めるため、ほむスピナーを回す
クーほむ「これであなたの時間は……」
マミ「止まったと思うかしら?」
クーほむ「!?」
クーほむ「何故!?時間は止まっているはずなのに、どうしてあなたの時間は止まっていないの!?」
マミ「お喋りが過ぎたようね、暁美さん。足下がガラ空きよ。」リボンを握ってる
クーほむ「!?」自分の足下を見る
クーほむ「リボン……」
クーほむ「なるほど。リボンで私とつながっていればあなたの時間も止まらないというわけね。」
マミ「確かにあなたの近代武器による戦法は強力よ。」
マミ「でもそれはその盾の時間停止の能力によるものよね。」
クーほむ「くっ……」
マミ「時間停止が効かない、この同じ条件で私に勝てると思う?」大量のマスケット銃召喚
クーほむ「根比べなら負けないわ。」以降マミさんとの戦闘は叛逆本編同様時間停止の中で行われている
マミ「さぁ、始めましょうか。」無限の魔弾のように一斉に射撃
クーほむ(いつもみたいなふざけた台詞回しが無いとは。どうやら本気のようね、巴マミ……)マミさんの銃弾を避けながら発砲
マミ(まさか暁美さんがこんな凶行に及ぶなんて……)クーほむの銃弾を避ける
マミ(これまであの二人のために頑張ってきた私たちが馬鹿みたいね……)うっすらと涙
マミ(とは言え、暁美さんがなぎさちゃんを殺したのは紛れも無い事実。)
マミ(これ以上の暁美さんの暴走を止めるためにも、ここで彼女を止めないと!)マスケット銃を連続召喚して、逐一射撃する
クーほむ(さすがにあの量の銃弾を相手にするのは厄介ね……)走りながら散弾銃でマミさんを狙撃
クーほむ(何か巴マミの注意を引くような物は……)辺りを見回している
クーほむ「!」なぎさの死体を見つける
クーほむ(アレを使えば……)ニヤリ
マミ「!」
クーほむ(死んでもまだ利用価値がありそうね。)なぎさの死体目掛けて散弾銃を放つ
クーほむ「!?」自分の銃弾がマミさんの銃弾によって軌道を変えられる
マミ「暁美さん、まだなぎさちゃんを傷つけようというのかしら?」ゴゴゴ
クーほむ「もう死んでいるというのに、まだそれを守るつもり?」更になぎさの死体に向かって散弾銃を放つ
マミ「いい加減にしなさい!」再び自分の銃弾でクーほむの銃弾をなぎさの死体からそらす
クーほむ「隙が出来たわね、巴マミ。それは単なるおとりよ。」一旦時間停止を解除する
マミ「しまっ……」
クーほむ「あんなゴミを守ろうとしなければ、自分の身は守れたのに。愚かね、巴マミ。」マミさんが銃弾をそらせた事によって、その銃弾がマミさんを狙い撃つ
クーほむ「………」再び時間停止をして、銃弾による砂埃で見えなくなってるマミさんの方を見ている
クーほむ「!?」
マミ「はぁ…はぁ……」少し被弾してるが、クーほむに付けたリボンは握ったまま
マミ「ギリギリだったけど、どうにか間に合ったようね……」なぎさの死体の周りにお菓子の魔女戦の時のような魔法結界を、自分には反射バリアを使って、なんとか被弾を最小限に抑えた
クーほむ(くっ!おとりを使ってもまだダメのようね……)なぎさの死体目掛けて拳銃を撃つ
マミ「させないっ!」リボンでなぎさの死体を自分の手元に引き寄せる
クーほむ「ちっ……」
マミ「なぎさちゃん、少しの間待っててね。」なぎさの死体の周りに再び魔法結界を張る
マミ「この子を傷つけようだなんて思わない事ね。さもないと、私があなたを殺す事になる。」
クーほむ「どうあってもそれを守るつもり?」
マミ「当然よ!なぎさちゃんは私の大切な家族なのだから。」
クーほむ「そう……」
クーほむ「なら二人仲良くあの世に逝きなさい!」上空からマミさん目掛けて銃口を向け、落ちていく
マミ「死ぬのはあなたよ、暁美さん!」マスケット銃をクーほむに向けている
クーほむ・マミ「!」二人の銃口がぶつかり合う
マミ(さすがに手の内を知ってる者同士じゃ、勝負がつかないわね。)クーほむ目掛けて至近距離からマスケット銃を発砲
クーほむ(同じ状況だから、どうなるか分かっているとは言え、相変わらず本気の巴マミは厄介ね。)マミさんの銃弾を避けながら、拳銃を発砲
ドドドドド(以降互いに相手の攻撃を避けながら、何発か銃弾を放つ)
マミ(キリがないわね……)リボンを使って上空へ
クーほむ(またこのパターンなのね。)
マミ(暁美さんたら、私の行動を熟知しているかのような反応ね……)
ドドドドド(上空から落下しながら、回転しつつ、互いに何発も銃弾を放つ)
マミ(これでもダメなら……)なぎさのラッパを持っている
クーほむ「!?」
マミ「散弾銃で何発も貫かれたあの子の痛み、今度はあなたが知る番よ!」三話でしたようにクーほむを拘束魔法で縛って動けなくする
クーほむ「くっ……」
マミ「あなたがゴミと言ったこの子の力、その身を持って思い知りなさい!」なぎさとの合体技のように、クーほむの四方八方から銃弾と泡による集中攻撃をし、時間停止を解除したら逃げ場が無いくらい全方位を銃弾と泡が覆っている
マミ「これで終わりよっ!」
マミ「ティロ・フィナーレ!!」三話のようにマスケット銃を巨大な砲台にしてクーほむを撃ち抜く
カチッ(クーほむの時間停止が解除され、銃弾や泡が一気に動き出す)
ドドド(クーほむを覆っていた攻撃が全て命中する)
マミ「暁美さんの時間停止が解除されたみたいね……」
マミ「やったのかしら……?」
カチッ
マミ「………」
カチッ
マミ「!?」自分に首輪のような爆弾が付けられている事に気づく
マミ「そんな!?一体いつの間に!?」
マミ「暁美さんは間違いなく仕留めたはず……」クーほむがいた方を見ている
クーほむ「………」体中攻撃を受けて穴だらけで、至る所から出血している
マミ「暁美さんは確かに死んでいるのに、一体どうやって……?」
クーほむ「……」消え去る
マミ「!」
マミ「まさか……」振り返る
クーほむ「……」ニヤリ(マミさんの後ろからリボンを付けられていないクーほむが現れる)
クーほむ「察しがいいわね。あなたが戦っていた私はそもそもあなたに爆弾を付ける為のおとりよ。」
マミ「そんな……」
マミ「一体何時から?」
クーほむ「最初からよ。あなたには一度同じような手を使われて負けたからね。二度も同じ手に引っかかる訳ないじゃない。」ファサッ
マミ「!」
マミ「まさか改変前にも同じような事があったというの!?」
クーほむ「そうよ。美樹さやかに私たちの事を聞いていたなら、この戦闘の事も聞いておくべきだったわね。」
マミ「暁美さんがこんな事をするはず無いから、きっと美樹さんだってわざわざ私を傷つけるような事は言わないでおいてくれたのよ。」
クーほむ「あなたたちが何を考えていたかは知らないけど、私がこんな事をしたから全て水の泡になったようね。」
マミ「ふざけないで!あなたたちを助けるために、私たちがどのくらい頑張っていたのかも知らないで!」
クーほむ「それがどうしたの?私にはまどかさえいてくれれば、あとの人間なんてどうでもいい。いえ、むしろ私とまどかの邪魔をするのだから消した方がいいのよ。」
マミ(暁美さんたら完全にイカれてる。一体何が暁美さんをこんな風にしてしまったの?)
クーほむ「それにいつからこの分身が一人だけだと勘違いしていたのかしら?」
マミ「くっ……」
クーほむ「あなたとの会話の最初から、違う所であなたが私に勝ったと思い込む時を待っていたわ。」
マミ「一体何時これを取り付けたというの?」
マミ「たとえ私との戦闘が以前行われていたものと似ているからって、いつ時間停止が解けるか分からないのに、銃弾がひしめき合う中、私に近づくのは容易じゃないはずよっ!」
クーほむ「さっき私の分身の時間停止が切れた時に、私の時間停止を使ったのよ。」
クーほむ「私はあなたにリボンを付けられていないから、あなたの首に爆弾を仕掛けるのは容易かったわ。」
マミ「くっ……」
クーほむ「さんざん死亡フラグを建てておいて、死なずに済むと思っていたの?」
クーほむ「それとも誰かがそれを阻止してくれるから大丈夫だとでも思っていたのかしら?」
マミ「そんな事……」
クーほむ「そういえば、いつも百江なぎさがあなたの死亡フラグを止めていたわね。」
クーほむ「まぁ、今となってはそこで死んでるから何も言えないでしょうけど。」
マミ「ごめんね、なぎさちゃん。あなたの仇は取れそうにないわ。」ポロポロ
クーほむ「私とまどかだけの世界にあなたも邪魔なの。だから死んで。」マミさんに近づく
マミ「何をするつもりよ!」
クーほむ「…………………………………………………………………………」ボソッ
マミ「えっ!?暁美さん、それどういう……」
クーほむ「さようなら、巴マミ。」散弾銃が何発もマミさんを貫く
マミ「グフッ……」喋る事も動く事も出来ず、今にも死にそうな状態
クーほむ「………」マミさんの頭(首の爆弾はそのまま)を持っている
~リボほむVS杏子サイド~
杏子「おい、ほむら!これはどういう事だ!」
リボほむ「何の事かしら?」
杏子「とぼけるんじゃねぇ!お前『まどかが望んだこの世界を守る!』って言ってたじゃねぇかよ!なんでこんなわけのわかんねぇ事してんだよっ!」
リボほむ「私はこの世界は守っているじゃない?」
リボほむ「私とまどかの邪魔をする全ての人間から。」ファサッ
杏子「テメェは、何様のつもりだ!本気になればこんな世界どうにでも出来るって自慢したいのか?」
杏子「何でそう誰を殺そうとも何も感じないって表情で喋っていられるんだ!アタシたちはお前やまどかの……お前たちの仲間なんだぞ!」
リボほむ「仲間?私たちが?あなたたちの?」
リボほむ「ふざけないでもらえるかしら、杏子?」
リボほむ「まどかの全ては私の物。私の全てはまどかの物。そこに他の人間の入り込む余地なんてないのよ。」
杏子「コイツ、イカれてやがる……」
杏子「テメェそれでも人間かっ!?」
リボほむ「もちろん違うわ。あなたもね。」
リボほむ「私たち魔法少女の本体はこのソウルジェムなのよ。それはあなたも知っているでしょう?」
杏子「そういう意味じゃねぇ!お前いつの間に人間の心まで無くしちまったんだよ!」
杏子「こんな事してもまどかは喜ばない事くらい、お前ならすぐ分かるはずだろう!」
リボほむ「まどかには私だけいればいいの!他の人間なんて一人もいらない!」
リボほむ「それにあなた……」
リボほむ「『魔法は、徹頭徹尾自分だけの望みを叶える為のもの。』」
リボほむ「『他人の為に使った所で、ロクな事にはならない。』」
リボほむ「以前さやかに言ったそうね。」
杏子「何の事だ?」
リボほむ「あぁ、あなたは改変前の記憶を持っていなかったわね。」
杏子「改変前の世界でアタシがそんな事を言ったって事か!?」
リボほむ「そうよ。あの頃はあなたとさやか、殺し合うような関係だったのよ。」
リボほむ「今のあなたたちの関係からは想像もつかないでしょうね。」ファサッ
杏子「別に知らなくて全然構わねぇよ。今のアタシはこの世界が気に入っているんだから。」
リボほむ「本当にそうかしら?」
リボほむ「本当のあなたは私のように利己的な人間なのかもしれないわよ。」
杏子「たとえそうだとしても、自分の欲望の為に世界中の人間を殺すようなお前程じゃねぇだろうよ。」
リボほむ「相変わらず安定したメンタルの強さね。ループしていた頃のマミにも見習って欲しいくらいだわ。」
杏子「?」
リボほむ「まぁ、今のあなたとは関係なくても、そんな世界もあったようなあなたに、私のしている事を咎められるいわれは無いはずなのだけど?」
リボほむ「だってそうでしょう?私はまどかと二人だけの世界を作るという、自分の望みを叶えるために、この力を使っているのだから。」
リボほむ「それに聞いたわよ、杏子。あなた改変前の世界では使い魔に襲われている人を見殺しにして、グリーフシードを持つ魔女になるまで待っていたそうね。」
リボほむ「そんなあなたに私を責める資格があるのかしら?」
リボほむ「対象がこの世界全ての人間になっただけで、私たちのやっている事は同じなのだから。」
杏子「お前の言っている事は全て改変前のアタシの言動だろ。このアタシには関係ない!」
杏子「それにたとえお前の言うように、改変前のアタシがそんな事をしていたからって、今のお前のしている事を見過ごすわけにはいかねぇ!」槍を多節棍にして振り回し、リボほむに当てる
リボほむ「うっ……」杏子の攻撃を受けて後方に飛ばされ、近くの水道管も切れて水が漏れている
リボほむ(さすが杏子、戦闘力はあのマミにも劣らないわね……)立ち上がろうとする
杏子「ふん、バカ野郎が。ちっとは頭冷やせっての。」リボほむに背を向けて立ち去ろうとする
リボほむ「……」立ち上がり弓に矢をつがえようとしている
杏子「おっかしいなぁ。全治三週間ってぐらいにはかましてやったはずなんだけど。」
リボほむ「三週間?三秒の間違いじゃない?」
リボほむ「それとも手を抜いているのかしら?」
杏子「ウゼェ……」振り返る
杏子「超ウゼェ!」
杏子「つうかそもそもお前はまどかをどうしたいんだよ?アイツを悲しませたいのか?」
リボほむ「私が…まどかを…悲しませている……ですって……」動揺している
杏子「あぁ、そうだ。お前にとっちゃまどか以外はどうでもよくても、アイツは『家族や友達、そして大好きなお前がいる、この世界』が好きなんだよ!」
杏子「その世界を壊そうとするのが、そんな世界でまどかが生きる事を望んだお前自身じゃ、まどかのヤツは誰よりも悲しむに決まっているだろう!」
リボほむ「黙れぇっ!」杏子目掛けて矢を放つ
杏子「ふんっ!」槍で矢をさばく
杏子「チャラチャラ踊ってんじゃねぇよ!ウスノロ!」槍を多節棍にして振り回している
リボほむ「くっ!」弓で杏子の槍をガードしているが、勢いに押されて後退していっている
杏子「……」ニヤリ(多節棍をリボほむに巻き付けて放り投げる)
リボほむ「ぐはぁっ!」壁に当たる
杏子「言って聞かせて分からねぇ、殴っても分からねぇバカとなりゃ、後は殺しちゃうしかないよねっ!」多節棍を元の槍に戻し、倒れているリボほむ目掛けて突撃していく
リボほむ「くっ……」杏子の槍先目掛けて矢を放つ
杏子「!?」
リボほむ「まだよ!」さらに同じ箇所目掛けて連続して矢を放つ
杏子「ちっ!」槍を強く押し込む
リボほむ・杏子「くっ…!」自分たちの攻撃が拮抗して先が光っている
リボほむ「貫きなさい!」拮抗が崩れ、矢が貫通していく
杏子「!」矢を避ける
リボほむ「まだ終わらないわっ!」剣で切り裂くように、杏子の足下からななめ上方に向けて矢を連射する
杏子「ふんっ……」多節棍状態にして上空に舞い上がる
リボほむ(いい的ね。)まどかのスプレットアローのように杏子目掛けて広範囲に矢を連射する
杏子(ちっ!なんて量の攻撃だよっ!)多節棍を振り回し、弾いている
杏子(だがっ……)リボほむの矢を全て弾き、多節棍状態から槍状態にして上空高くから、リボほむ目掛けて槍を投げつけようとする
杏子「あの世で殺した奴らに謝りなっ!」
リボほむ「私を殺したらまどかはあなたの事をどう思うかしらね?」
杏子「!」リボほむの言葉で一瞬ためらいが生じ、槍がリボほむから僅かにずれて放たれる
リボほむ「……」ニヤリ(杏子の隙をつき、まどかのマジカルスコールのように上空に魔法陣を描き、そこから無数の矢を雨のように放つ)
杏子「しまっ……」降り注ぐ矢を弾くが、量が多すぎていくらか攻撃を受けて、矢の降り注いだ所は煙がたって見えなくなっている
リボほむ「甘いわね、杏子。」煙で見えなくなっている所を目掛けて更に矢を連射する
杏子「……」矢を弾き、煙を消し去る
リボほむ「!?」
杏子「はぁ……はぁ……」攻撃を受けて少しボロボロ
リボほむ「あら、まだ生きていたとは。結構しぶといわね。」
杏子「アタシもこの世界が気に入ってんだ。こんなとこでやられるわけにはいかねぇんだよ。」
杏子「マミのバカ野郎に付けられたこの技まで使わないといけねぇとはな……」
リボほむ「まさかっ……」
杏子「さぁ、どんどんいくよっ!」ロッソ・ファンタズマで分身
杏子「分身できるのはお前だけじゃねぇんだよ!」
リボほむ「くっ……」
リボほむ「数が増えようが関係ないわ。」再びまどかのマジカルスコールのように矢を放とうと、弓を天上に向ける
杏子「そう何度も同じ手を喰うかよっ!」多節棍で弓を絡めて攻撃を阻止する
リボほむ「ちっ……」
リボほむ(そう簡単には射てそうにないわね……)
リボほむ(ならここは一旦距離をとって……)バックステップで杏子と距離をとろうとする
リボほむ「ぐはぁっ!」後ろから槍で攻撃される
杏子「言っただろう?分身出来んのはお前だけじゃねぇって。」
リボほむ「くっ……」
リボほむ「!?」周りを杏子の束縛結界に覆われる
杏子「もう逃げ場はねぇ!観念しな!」分身した杏子たちがそれぞれ巨大な槍を召喚し、リボほむの周りを取り囲んでいる
リボほむ「………」周りの杏子たちを見ている
リボほむ「!」
杏子「終わりだよ!こいつでトドメをさしてやる!」リボほむ目掛けて一斉に槍を投げつける
リボほむ(マズいっ!)
杏子「……」攻撃の衝撃で結界が解け、煙でリボほむの姿も見えなくなっている
杏子「!?」煙の中から矢が飛んでくる
杏子「うっ……」片足に矢が命中し、分身体も消える
杏子「ほむら、テメェどうやってあの攻撃を……」
杏子「!?」煙が消えてリボほむの姿が見える
杏子「テメェ、その翼は一体……」
リボほむ「とっさにこれを使ってあなたの攻撃を防いだのよ。」12話ラストの黒い翼が出ている
杏子「ちっ……」
杏子「そもそもどうやってアタシが本体だって分かった!?」
リボほむ「そんなの単純よ。あなたにだけさっきの攻撃で受けた傷が有ったわ。」ファサッ
杏子「けっ!腐っても頭の鋭さは相変わらずか。」
リボほむ「今度使うときは傷も再現した分身を作る事をお勧めするわ。」
リボほむ「まぁ、ここで死ぬあなたに『次』なんて無いでしょうけど。」足に攻撃を受けて十分に動けない杏子目掛けて、まどかのスプレットアローのように矢を連射する
杏子(傷ついてるやつにも容赦無しかよ。まさに悪魔だな。)なんとか立ち上がる
杏子「聞き分けがねぇにも、程があるぜ、ほむら!」多節棍を振り回し、矢を弾き飛ばす
リボほむ「いい加減私に殺されたらどう?それとももっと苦しんでから死ぬのがお望みかしら?」再びまどかのマジカルスコールのように上空に矢を放ち、魔法陣を描く
杏子「はっ!?」
リボほむ「死になさい!」上に向けた腕を振り下ろし、それに合わせて無数の矢が杏子目掛けて降り注いでくる
杏子「ふんっ!この程度屁でもねぇ……」息を切らせながら、なんとか多節棍を振り回し矢を弾いている
杏子「うっ!」矢が当たる
杏子(ただ一つだけ、守りたい物を最後まで守り通そうとしたヤツが、何を間違ったらこんな風になるんだよ……)
杏子「あんたがこんな事する理由は分かんねぇけど、怒ってんだろ?まどか以外の何もかもが許せないんだろ?」
リボほむ「黙りなさいっ!」更に無数の矢を放つ
杏子「暴れて気が済んだら、目ぇ覚ましなよ、なぁ。」無数に降ってくる矢を何発も受けてボロボロ
杏子「まどかのヤツ、言ってたじゃねぇか!お前は本当は優しいヤツだって。」
リボほむ「………」
杏子「うがぁっ……」動きが鈍くなり、更に矢を受け倒れ、槍は地面に落ちる
杏子(頼むよ神様、こいつらとんでもなく辛い人生だったんだ。せめて、幸せな未来くらい見させてやれよ……)ソウルジェムを握り、地面から巨大な槍が出てきて、その上に乗っている
杏子「……」ソウルジェムに口づけをして、先が真っ赤に燃えている槍を持って、リボほむに突撃しようとする
リボほむ「!」
リボほむ(マズいっ!)黒い翼をまとって杏子に近づく
杏子「どういうつもりだ?心中する気になったか?」
リボほむ「死ぬのはあなただけよ。私はあなたたちが死んだ後まどかと永遠に二人だけで過ごすのよ。」
リボほむ「…………………………………………………………………………………」ボソッ(杏子とすれ違いざまに何か言ってる)
杏子「おい!ほむら!今のどういう……」振り向く
リボほむ「さようなら、杏子。」杏子が気づくより早くまどかのスプレットアローのように複数の矢を全て杏子に命中させる
杏子「かはっ……」喋る事も動く事も出来ず、今にも死にそうな状態
リボほむ「………」杏子の頭を持っている
~ゴスほむVSさやかサイド~
さやか「………」
ゴスほむ「どうしたのかしら、さやか?他の二人はもう戦っているわよ。」白いフードをかぶってる
さやか「いい加減こんな茶番は止めにしたら?」
ゴスほむ「茶番?何の事かしら?」
さやか「まどかの事を何よりも大切に思っているあんたが、こんな事するとは考えられないんだよ。」
ゴスほむ「えぇ、私にとってまどかは全てなのよ。だからまどかと私を邪魔する全ての人間を排除しているじゃない?」
ゴスほむ「あなただって、目の前で私がなぎさを殺した所を見たでしょう?」
ゴスほむ「その光景を見たのにまだこの殺戮劇を茶番だと言えるのかしら?」
さやか「確かにあんたはなぎさを殺した。それは紛れも無い事実。」
さやか「でも、眼鏡のあんたが言ってたよね?『あの悪魔を倒せばこの世界の人は元に戻る。』って。」
さやか「だから、自分が死ぬ事によって、殺した全ての人を元に戻そうって考えなんでしょう?」
ゴスほむ「たとえ、それが事実だとしても、あなたたちがいくら束になっても今の私を殺す事は出来ないわよ。」
さやか「そうだろうねぇ。悪魔のあんたの力は未知数だし。」
さやか「悪魔のあんたを倒せるとしたら……」デビほむに拘束されているまどかを見ている
さやか「同じく未知数の力を持つ円環の理として覚醒したまどかだけだろうね。」
ゴスほむ「残念ながらまどかはまだ覚醒していないわよ。」
ゴスほむ「それに自分が円環の理だと知っても覚醒しなかったわ。」
さやか「でも、おそらく私たち三人の殺される所を見る事で覚醒するだろうね。予兆なら何度も見たし。」
ゴスほむ「自分が殺されると分かっているのに随分冷静ね。」
さやか「なんでかな?ただ何となく分かっちゃうんだよね。あんたが本気で殺そうだなんて考えていないって事。」
さやか「ほむら、賢いあんたのことだから、私には想像もつかないような考えがあるんでしょ?」
ゴスほむ「私とまどかだけの世界を作る為に全ての邪魔者を排除している、それ以外にどんな考えがあるというの?あなたの鳥頭でもそのくらいは理解できると思うのだけど?」
さやか「あんたとまどかはどちらも自己犠牲の塊だからねぇ。」
さやか「大方、まどかを覚醒させ、まどかに殺される事によって、この世界をあんたが改変する前の世界に戻そうってとこじゃない?」
ゴスほむ「私も随分お人よしに思われたみたいね。」
ゴスほむ「私が欲しいのは、まどかただ一人だけなのよ。」
ゴスほむ「なのになんで邪魔者を消し去った世界を、自分を犠牲にしてまで元に戻す必要があるのかしら?」
さやか「あんたは円環の理としてのまどかを引き裂いた事によって、この世界に歪みをもたらしたと思っている。」
さやか「だから、まどかを覚醒させて、自分が死ぬ事で世界を元に戻そうとしてるんでしょ?」
ゴスほむ「……」
さやか「でも、もし今も円環の理が正常に機能しているとしたら?」
さやか「もしこの一連の騒動が全て誰かに仕組まれた事だとしたら?」
ゴスほむ「!?」
ゴスほむ「もはや、円環の理が正常に機能しているかどうかなんてどうでもいいわ。」
ゴスほむ「魔法少女、それにそうなる可能性のある人間が現れる可能性が僅かでもあるまま、まどかが円環の理として覚醒したら、まどかはまた私から離れてしまう。」
ゴスほむ「だから、そうなる前に全ての邪魔者は排除する。」
ゴスほむ「そうすれば、今後この世界に救済する対象が一人もいなくなるわ。」
ゴスほむ「そうなれば、まどかは永遠に私の側にいてくれる。」
さやか「ワルプルギスの夜の時に立ち直ったと思ったけど、今度はとんでもない方向に病んじゃったみたいだね、ほむら……」
ゴスほむ「なんとでも言いなさい。私に必要なのはまどかだけ。そのためにはさやか、あなたにも死んでもらう必要があるのよ。」フードを捨て去り、ホムリリー(彼岸の魔女)召喚
さやか「ほむら、どうなろうと私は、あんたがまどかを大切に思っている気持ちを信じているから。」オクタヴィア召喚
さやか「それじゃ、バカの目を覚まさせてあげますか。」周りに多数の剣を召喚
オクタヴィア「………」腕を上げ、多数の車輪を召喚
ゴスほむ「なら、あなたには永遠の眠りについてもらいましょうか。」右手を上げ、赤い糸が周りの建物を破壊する
ホムリリー「………」周囲にいくつもの砂時計を召喚
さやか「!?」
さやか(あの魔女、やっぱり時間操作系の能力があるのかな?)
さやか「はぁぁ~~!」無数の剣をゴスほむ目掛けて投げつける
オクタヴィア「………」腕を振り下ろし、ホムリリー目掛けて攻撃
ピタッ(さやかたちには分からないが、砂が落ちるのが止まる)
さやか・オクタヴィア「……」
ピタッ
ゴスほむ・ホムリリー「……」シュンッ
さやか(消えた?)
さやか(…いや違う!)振り向きざまに剣を投げつける
ゴスほむ「!?」剣が頬をかすめる
ゴスほむ「くっ!よく私の場所が分かったわね、さやか。」
さやか「やっぱりその魔女は時間停止が使えるみたいだね。」
さやか「私の攻撃に合わせて時間停止をして、死角から攻撃しようとしたってとこでしょ?」
ゴスほむ「相変わらず鋭いわね。」
ゴスほむ「でも……」
さやか「!?」周りに赤い棒が突き刺さる
ゴスほむ「死になさい!」手を下ろすと同時に、さやかの周りの棒が鋭い槍になり突き刺さる
さやか「グハッ……」吐血する
ゴスほむ「あっけなさ過ぎるわね。さっさと治癒魔法を使ったらどうかしら?」
さやか「言われなくても、そのつもりだよっ!」治癒魔法で回復
さやか(あの砂時計が時間停止の要みたいだね。それなら……)ホムリリーの砂時計目掛けて無数の剣を飛ばす
オクタヴイア「………」ホムリリーの砂時計目掛けて多数の車輪を放ち、剣でも狙う
ゴスほむ「!」地面を赤く染め、足場を不安定にさせると同時に、赤い糸でさやかたちの攻撃を防ぐ
さやか「わっ!?」足場が不安定になった事で攻撃が外れる
オクタヴィア「………」グラッ(足場が不安定になった事で攻撃が外れる)
さやか「攻撃は外れたけど、これではっきりしたね。あの砂時計が時間停止の要だって。」ニヤリ
ゴスほむ「ちっ……」
さやか「それじゃあ、いくよ。」空中あちこちに譜面を書き、道を作る
ゴスほむ(これはマズいわね……)
ゴスほむ「私がそれを黙って見ていると思う?」さやかが作った道を使って追いかけようとする
ゴスほむ「!?」
オクタヴィア「………」車輪を飛ばしたり、剣でゴスほむの行く手を阻んでいる
ゴスほむ「くっ……」オクタヴィアの攻撃を避けている
さやか「いっけぇ~!」ホムリリーの砂時計目掛けて攻撃
ホムリリー「………」シュンッ
さやか「くそっ!また時間停止っ!?」
ゴスほむ「残念ね、さやか。」
さやか「そうでもないよ。」ニヤリ(ゴスほむ目掛けて上空から攻撃)
ゴスほむ「まさかっ!?」オクタヴィアに邪魔されて逃げられない
さやか「これでトドメだぁ~~!」ゴスほむ目掛けて上空から剣を振り下ろす
ゴスほむ「ゴフッ……」さやかの剣がゴスほむを貫く
さやか「悪いね、ほむら。これで……」
ゴスほむ「終わったと思うかしら?」戦闘開始時の場所に両者とも戻ってる
さやか「!?」
さやか「そんな!?今間違いなく倒したはずなのに!?」
さやか「まさか、また分身!?」
ゴスほむ「違うわ。かつての私の能力は時間停止だけじゃないはずよ。」ファサッ
さやか「時間遡行……」
ゴスほむ「えぇ、そうよ。あの砂時計を使って一定の時間を巻き戻したのよ。」
さやか(確かにあの魔女の砂時計が逆さまになってる……)
ゴスほむ「私を倒したいのなら、あの砂時計を全て破壊した上で私を刺す事ね。」
ゴスほむ「まぁ、ゆうに百個はあるから無駄だろうけど。」ニヤリ
さやか「そんなのやってみないと分からないでしょう!」
さやか(とはいえ、普通にやっても攻撃を当てる前に時間停止を使って逃げられるね……)
さやか(ほむらの時間停止は触っていれば無効化できる。それは魔女になっても同じはず。)
さやか(なら、オクタヴィアに押さえつけさせて、そこを私が一気に決めるか。それなら時間停止されても、オクタヴィアの方が攻撃できるし。)
さやか(そうしたらほむらが野放しになって、攻撃してくるだろうね。それでいちいち回復してたんじゃ間に合わない。)
さやか(使いたくはないけど、こうするしか無さそうだね……)痛覚遮断状態に
ホムリリー・オクタヴィア「………」オクタヴィアがホムリリーを押さえつけて動けなくしている
ゴスほむ(どうやら、時間停止を封じようと言う作戦ね。)
ゴスほむ(でもそんな事をしたら、私はあなたを攻撃し放題よ。)さやか目掛けて集中攻撃
さやか「……」体中をゴスほむの攻撃が貫くがおかまい無しにホムリリー目掛けて突撃していく
ゴスほむ「!?」
ゴスほむ(まさか痛覚遮断で私の攻撃を無視して、砂時計を……!?)
ゴスほむ(マズいっ、止めないと!)さやかの身体を貫く攻撃を繰り返す
さやか「………」攻撃を無視して突撃していく
ゴスほむ(くっ……)焦ってさやかの方へ走っていく
さやか「これで終わりだぁ~~!」ホムリリーの中心で回転切りを行い、全ての砂時計を破壊する
ホムリリー・オクタヴィア「………」消える
さやか「はぁ……はぁ……」体中至る所から出血
さやか「これであとはあんただけだよっ、ほむら!」ゴスほむ目掛けて突撃してくる
ゴスほむ「その前にあなたが死ぬわよ。」手を振り下ろしさやかに攻撃を加える
さやか「!?」ゴスほむの攻撃にあらゆる方向から貫かれ、捕らえられる
ゴスほむ「砂時計を破壊した事は褒めてあげるけど、ここまでのようね、さやか?」
さやか「どういう意味よ!」
ゴスほむ「あなた、自分の体を良く見なさい。」ニヤリ
さやか「!」
さやか「ゲホッ……ガッ……」痛覚遮断が解除され、血反吐を吐いて喋れる状態じゃない
ゴスほむ「どうやら痛覚遮断を使いすぎたようね。あなたは放っておいてもそのうち失血死するわ。」さやかに近づく
ゴスほむ「……………………………………………………………」ボソッ
さやか「!」
ゴスほむ「さようなら、さやか。」さやかを四方八方から突き刺す
さやか「ゲホッ………」喋る事も動く事も出来ず、今にも死にそうな状態
ゴスほむ「……」さやかの頭を持っている
《三人を瀕死状態にした後・まどかとデビほむがいるとこ》
クーほむ・リボほむ・ゴスほむ「……」それぞれが対峙した相手の頭を持っている
マミ・杏子・さやか「………」瀕死状態
まどか「ねぇ、みんな起きてよ!死んでなんかいないでしょ!」ポロポロ
デビほむ「まどか、そいつらはもうすぐ死ぬのよ。あなたも見たでしょう、さっきの戦闘を?」
まどか「嘘!こんなの嘘だよっ!」
デビほむ「それにコイツらだけじゃない。世界中の全ての人間は私が殺したのよ。」
デビほむ「私たちのクラスメイト、友人、それに私の家族、そしてあなたの家族もね。」
まどか「何で!どうして!?」
デビほむ「何度も言っているでしょう?あなた以外の人間は必要ないって。」
デビほむ「そうそう、あなたの家族を殺した時の事を話してあげましょうか?」
デビほむ「確か断末魔の叫びは……」
まどか「やめてっ!」目が金色になる
デビほむ「……」ニヤリ
さやか「ま……ど………か……ほ………む……ら…を……信………じ………」瀕死状態だけど、しゃべろうとしている
まどか・デビほむ「!?」
デビほむ(まだしゃべれるだけの力が残っているとは、しぶといわね………)
デビほむ「ゴミがまどかにしゃべりかけるな!」羽を飛ばし、鋭利な刃物となっていくつもさやかの体を貫く
さやか「ゲフッ……」全身から出血して、更に血反吐を吐いている
まどか「止めてっ!もう止めてっ!」
デビほむ「私のまどかに口をきくなんて万死に値するわ。」
まどか「私、もうこれ以上、ほむらちゃんが誰かを傷つける所なんか見たくない!」
デビほむ「なら、このゴミ共には消えてもらいましょうか?」
まどか「えっ……」
デビほむ「消えなさい!」
メガほむ「……」なぎさの死体を持っている
クーほむ「……」マミさんの首に付いている爆弾の起爆スイッチを押す
リボほむ「……」杏子のソウルジェム目掛けて矢を放つ
ゴスほむ「……」さやかが即失血死する程の攻撃で体中を貫く
なぎさ「……」既に死亡
マミ「……」首の爆弾が爆発し、首が無くなり死亡
杏子「……」ソウルジェムを砕かれて死亡
さやか「……」失血多量で死亡
まどか「み…ん…な……」ポロポロ
デビほむ「死んだゴミにもう用はないわ。」分身がそれぞれ殺した相手を異空間に捨て去り、分身体も消える
デビほむ「さぁ、まどか、これで全ての邪魔者は……」
まどか「!」ドクンッ
まどか「いやああぁぁ~~!!!」全身が光に包まれる
デビほむ「いよいよね……」
まど神「はぁ……はぁ……」ついに円環の理として覚醒
デビほむ「まどか、ついに覚醒したみたいね。」
まど神「どうして、ほむらちゃん?なんでこんなヒドイ事するの?」
デビほむ「私の世界に必要なのはまどかだけ!あとの人間なんていらない!だからまどか、私を愛して!私だけを愛して!」まど神のあごをもってキスしようとする
バチンッ(デビほむに思いっきりビンタ)
デビほむ「……」
まど神「こんなヒドイ事するほむらちゃんを愛することなんてできないっ!」
デビほむ「何を言ってるのまどか?あなたは今も私を愛してくれたじゃない?」
まど神「えっ……?」
デビほむ「この痛みもまどかの愛なのね……」ビンタさせた所を触りながら
デビほむ「ウフフフ、アハハハ!今では痛みすらも愛おしいわ。」
まど神「……」ゾクッ
デビほむ「さぁ、円環の理の宿命からも解放されて、私たちを隔てるものはもう何もないわ。この世界で永遠に愛し合い続けましょう。」
まど神「私は世界をこんな滅茶苦茶にしてまで、ほむらちゃんと一緒にいたいなんて思わない!私はこんな世界望んでいない!」
デビほむ「なら私を殺せば?」
まど神「えっ!?」
デビほむ「はじめに言ったでしょう?『私を殺せばこの世界の人間は全て元に戻る。』って?」
デビほむ「でもそんな事をしたら、あなたは私との約束を破る事になる。」
デビほむ「また私を一人ぼっちにする事になる。」
デビほむ「そうしたいなら、私を殺せば?」
まど神「……」ズキッ
デビほむ「さぁ、まどか!私一人と世界中の人間、どっちを選ぶ?」
まど神「私は……」喫茶店でさやかに『最後までほむらを信じる事、どんな事があってもほむらはまどか自身を何よりも大事に思っている。』と言われた事、そしてさっき瀕死状態のさやかが言っていた事を思い出す
まど神(さっきのさやかちゃんの言っていた事、ほむらちゃんはさやかちゃんを殺そうとしていたはずなのに、あんな事言うなんて………)
まど神(間違いなくほむらちゃんは何かを隠している!)
まど神「………」
まど神「……」
まど神「…」
まど神「私は、みんなも戻すし、ほむらちゃんも絶対見捨てたりしない!」
デビほむ「キレイ事ね、まどか。」
デビほむ「世界中の人間が元に戻るなら、どうせ私の事なんかどうでもいいんでしょ?」
まど神「そんな事無い!私はほむらちゃんだって救ってみせる!」
デビほむ「あんな惨劇を見て、まだ私を優しいとでも言うの?」
まど神「何度でも言うよ!私は元の優しいほむらちゃんが大好きなんだから!」
まど神「それにほむらちゃんがなんの理由も無くこんな事するわけない!きっとこうするしか無い理由があったんだよね?」
デビほむ「私はあなたと二人だけの世界を作ろうとしてるだけ。だから邪魔者は全て消した。これ以上理由なんて無いわよ。」
まど神「こんなほむらちゃん、ホンモノのほむらちゃんじゃないよ!ホンモノのほむらちゃんを返して!」
デビほむ「いいえ、これが本当の私よ。あなたが私の側から離れないようにするためなら、邪魔な人間は殺す事だって厭わない。」
まど神「私そんなほむらちゃん大嫌いだよ!」
デビほむ「!」
デビほむ「そう……あなたもなの……」
デビほむ「まどか、あなたもあのニセモノと同じことを言うの!」
デビほむ「ならあなたも殺して、私だけを愛してくれるまどかに作り変えるだけよ!」手を向けて羽を飛ばし、鋭い刃物になってまど神の頬をかすめる
まど神「!?」
まど神「ほむらちゃん、本気なの?」
デビほむ「えぇ、私の世界に必要なのは私だけを愛してくれるまどかただ一人よ!」翼を広げる
まど神「ほむらちゃん……」涙ぐんでいるが翼を広げ、拳を強く握りしめて戦う決意を決めた目をしてる
デビほむ「壊れてしまいなさい!」腕を伸ばしてまど神目掛けてブラックホールの球体を複数飛ばす
まど神「くっ……」腕を伸ばして、自分の前にデビほむの攻撃を防ぐ魔法陣を描く
バッバッバッ(デビほむの攻撃がまど神の魔法陣に弾かれる)
デビほむ「ならこれはどう?」まど神の足場目掛けてブラックホールの球体を飛ばす
まど神「わっ!?」足下が悪くなり、ふらつく
コツン(まど神が地上に降り立つ)
まど神「………」キリッとした表情でデビほむの方を見ている
デビほむ「足が無くなれば動けなくなるわよね。」手を振り上げて黒い鎌のような形状の武器を作り出し、まど神目掛けて突撃してくる
デビほむ「私から離れる邪魔な足なんてなくなってしまえばいいのよ!」まど神の足に攻撃を当てようとする
まど神「!?」上空に飛んで攻撃を避ける
デビほむ(動けなくなれば、なぶり殺しに出来たのに残念ね……)上空のまど神を見ている
まど神「……」上空に上がっていきながらデビほむを見ている
デビほむ「避けられるかしら?」力を込めてさっきより強力な三日月型の斬撃を繰り出す
クルクルクル(斬撃が回転しながらまど神に向かっていく)
まど神「くっ……」自分に向かってくる斬撃を防ぐ為に、攻撃が当たる直前に手を伸ばして魔法陣を描く
ドッカーン(攻撃が当たったのか、まど神のいた所が煙で見えなくなっている)
まど神(上からなら……)上空に逃げる
デビほむ「逃がさないっ!」まど神が逃げた所にすぐさま移動して、腕を振り下ろして追撃する
まど神「!」魔法陣を描き、攻撃を防ぐ
ゴゴゴゴ(デビほむの攻撃とまど神の魔法陣の防御が拮抗している)
デビほむ「……」無表情でまど神を見ている
まど神「なんで、なんでこんな……」
デビほむ「あなたがいなくなって私が感じた苦痛も、痛みも、あなたに分けてあげる。」
デビほむ「まどかをうんとイジメ抜いて、私のものにするのだから。」目つきがヤバく、狂気を孕んだ笑いをしている
まど神「ほむらちゃん……」ポロポロ
デビほむ「……」ニヤリ
デビほむ「約束するわ。絶対にあなたを救ってみせる。何度繰り返す事になっても、必ずあなたを守ってみせる。」メガほむの見た目になって、無表情のまま話す
まど神「!」
デビほむ「あなたを救う。それが最初の気持ち。今となっては、たった一つだけ最後に残った、道しるべ。分からなくてもいい。何も伝わらなくてもいい。それでもどうか、お願いだから、あなたを私に守らせて。」クーほむの見た目になって、無表情のまま話す
まど神「やめて……」ボソッ
デビほむ「悲しみと憎しみばかりを繰り返す、救いようの無い世界だけれど、だとしてもここは、かつて、あの子が守ろうとした場所なんだ。それを、覚えてる。決して、忘れたりしない。だから私は、戦い続ける。」リボほむの見た目になって、無表情のまま話す
まど神「お願い!もうやめてっ!ほむらちゃんの思い出まで穢さないでっ!」魔法陣の力が増して、デビほむの攻撃を退ける
まど神・デビほむ「くっ……」両者とも一旦距離を置いている
まど神「はぁ、はぁ……」デビほむの言葉で悲しんでいるような怒っているような複雑な表情をしている
デビほむ「まどかのこんな顔を見る日が来るなんて、夢見たい。」ニコッ(病んだ目つきで)
デビほむ「そんな顔も、私だけに見せてくれる表情なのね。」
デビほむ「ゾクゾクするわ。」狂気に満ちた高笑い
デビほむ「だからもっともっとイジメてあげる。」
デビほむ「痛みさえも愛おしく感じて!」腕を上に伸ばして、地球全体を結界のようなもので覆う
まど神「!?」
デビほむ「ウフフフフ、これでこの空間で受けた痛みはお互いに共有されるわ。」
まど神「何でそんな事を!?」
まど神「そんな事したら二人ともボロボロになっちゃうよ!」
デビほむ「まどかの全ては私のもの。まどかの痛みも私のもの。」
デビほむ「私の全てはまどかのもの。私の痛みもまどかのもの。」
デビほむ「痛みも共有してこその恋人でしょう?」羽を飛ばし、まど神の腕をかすめる攻撃
まど神「んっ……」攻撃された所に傷跡ができる
デビほむ「ウフフフフ、これがまどかの感じた痛みなのね。」まど神と同じ所に傷跡ができて、うっとりとした表情で傷を触っている
まど神「!」
デビほむ「なら今度はまどかが私の痛みを感じて!」羽を変化させた鋭い刃物で自分の片腕を切り落とす
まど神・デビほむ「!!!(声にならないような悲鳴)」
デビほむ「はぁ、はぁ……まどか、キモチいい?キモチいいわよね?」
まど神「はぁ……はぁ……」
デビほむ「もっと感じて!もっともっと感じて!おかしくなっちゃって!」
デビほむ「まどか好き!大好き!愛してる!身も心も全部!悪魔になる前からずっと!」
デビほむ「だから壊すわね。私があなたを滅茶苦茶に壊してあげる。」さらに自分の身体を傷つけようとする
まど神「ダメっ!」残った片方の腕でデビほむの動きを封じる拘束魔法をかける
デビほむ「あら、まどか、次は私を束縛して愛してくれるのかしら?」
まど神「違うよ。」回復魔法で二人とも腕を元通りに治す
デビほむ「せっかくの愛の証を無くすなんて、やっぱりあなたは私を愛してくないのね。」
まど神「私はほむらちゃんを愛してるよ。だから自分を粗末にしないで!」
デビほむ「……」かつて自分がまどかに言った事を思い出す
デビほむ「あなたはこんな私に対しても相変わらず優しいのね。」ニコッ(いつもの優しい表情で)
まど神「ならもうこんな事……」
デビほむ「あなたの優しさに免じて、自傷行為はやめてあげるわ。」
デビほむ「それに自分で傷つけたら、まどかに傷つけられる痛みを感じられないもの。」
まど神「そんな!もうこんな無益な戦いはやめようよ!話し合いでなんとかできるって事はないの!?」
デビほむ「もうそんな事でどうにかなる状態ではないのはあなたもよく理解しているはずよ?」
デビほむ「私はあなたを壊したい。あなたはこの世界を救いたい。という事は、私たちは自分の命をかけて戦う敵同士という事になる。」
まど神「だから!そういう事を簡単に決めつけない為に、話し合いって必要なんだと思うの!」
デビほむ「話し合うだけじゃ、言葉だけじゃ、きっともうどうしようもない!」まど神の背後に高速移動して、至近距離からの斬撃
まど神「!」振り返り、ワープして回避する
デビほむ「もうどうしようもないの!」魔法陣から無数の矢を撃ち放つ
まど神「でも、だからって!」上空へ回避する
デビほむ「かけて!お互いの命を!」まど神を追って上空へ
まど神「あっ!」いつの間にか自分より上空にいるデビほむに気づき、振り返る
デビほむ「さあ、私と殺し合って!」魔法陣を描き、腕を伸ばして一本の太い光線を放つ
まど神「私はほむらちゃんを殺したりしない!」デビほむ同様に魔法陣を描き、腕を伸ばして一本の太い光線を放つ
ゴゴゴゴゴ(二人の光線が拮抗している)
まど神「ほむらちゃん、お願い!目を覚まして!」光線が太くなり、デビほむの光線を押しのける
デビほむ(マズい!押し切られる!)
ドッカーン(光線の打ち合いにより上空に球体状の攻撃の余波が出る)
まど神「これで……」
デビほむ「終わったらもったいないじゃない。」ワープしてまど神の正面に現れ、まど神ののど元に刃物を突き立てている
まど神「うっ、うぅ……」
デビほむ「今度はどこに傷を付けられたい?」刃物を当てたまま、のど元から胸元のソウルジェム、胸、臍と下におろしていく
まど神「……」目をつぶっておびえている
デビほむ「……」ニヤリ(刃物を捨て去り、まど神にキス)
まど神「!?」ビックリして目を開け、デビほむを突き放そうとする
デビほむ(逃がさない!)両手でまど神を抱きしめて逃げれないようにする
まど神「んん~~~」ジタバタしてデビほむを突き放す
まど神「はぁ、はぁ……」
デビほむ「やっぱり、あなたも私を拒絶するのね……」
まど神「私に受け入れて欲しいなら、もうこんな事やめて!みんなを元に戻して!」
デビほむ「やっぱりあなたは私より他の人間を優先するのね……」
まど神「そうじゃないよ!私はほむらちゃんも救いたいんだよ!」
デビほむ「嘘ばっかり。私がこうなったのは全部まどかのせいなんだから!」
まど神「そんな!私はほむらちゃんの事を思って……」
デビほむ「私を救う事なんて他の人間を救うついでに過ぎない!」
まど神「ひどい!」
デビほむ「酷いのはまどかよ。まどかがそんなんだから、そんなにも優し過ぎるから、私はあなたから離れられないのよ!」辺り一面に魔法陣が現れ、無数の矢とブラックホールの球体がまど神を狙う
まど神(やっぱりほむらちゃんの言動はおかしいよ。)球体の反射バリアを張って、デビほむの攻撃を跳ね返す
まど神(狂気じみた事をするかと思えば、時折いつもの優しさを見せてくれる。)
まど神(本当は何かを隠す為のごまかしなんじゃ……)
まど神(知りたいの!ほむらちゃんの本当の気持ちを!)
デビほむ「………」腕を振り下ろし光弾を連射する
まど神(どうしてそんな悲しい目をしているの……)こっちも光弾で応戦する
ゴゴゴゴゴ(二人の光弾が何度もぶつかり合う)
デビほむ「……」まど神の背後にワープする
まど神「んっ!」さらにデビほむの背後にワープする
まど神「教えて!ほむらちゃんの本当の気持ちを!」デビほむの背後から光弾を放つ
デビほむ「もう話す事はないわ!」振り返り、腕を伸ばして魔法陣を出現させ、まど神の攻撃を防ぎ、一旦距離を取る
まど神「ほむらちゃん!」応戦できる状態ではあるが、デビほむを説得しようとする
デビほむ「はっ!?」まど神の声が反響して聞こえてる
まど神「『話し合うだけじゃ、言葉だけじゃ、きっともうどうしようもない!』って言ってたけど、だけど、話さないと、言葉にしないと伝わらない事もきっとあるはずだよ!」
デビほむ「……」悲しい表情でまど神を見ている
まど神「ちゃんと分かり合った上でどうしようもないのなら、仕方ないかもしれないけど、だけど!何も分からないままぶつかり合うなんて事、私は絶対にイヤだ!」
まど神「ほむらちゃんは円環の理が正常に機能していないんじゃないかって、ずっと不安に思ってたよね?」
まど神「円環の理はちゃんと機能していたんだよ!」
まど神「ほむらちゃんが私を引き裂いた事は、この世界に何も歪みをもたらしてなんかいないんだよ!」
まど神「それにほむらちゃんが私を引き裂いた理由もちゃんと分かってる!」
まど神「ほむらちゃんは私に人間として幸せになってもらいたくて、あんな事をしたんでしょ?」
まど神「ほむらちゃんは円環の理が正常に機能していないんじゃないかって、ずっと不安に思ってたよね?」
まど神「円環の理はちゃんと機能していたんだよ!」
まど神「ほむらちゃんが私を引き裂いた事は、この世界に何も歪みをもたらしてなんかいないんだよ!」
まど神「それにほむらちゃんが私を引き裂いた理由もちゃんと分かってる!」
まど神「ほむらちゃんは私に人間として幸せになってもらいたくて、あんな事をしたんでしょ?」
デビほむ「私は……」
デビほむ「………」
デビほむ「円環の理が正常に機能しているかどうかなんて、もうどうでもいいの!」
デビほむ「ここまで来て今更引き返す事なんて出来ないの!」
デビほむ「私は私だけを愛してくれるまどかが欲しいの!」まど神目掛けて無数の光弾を放つ
まど神(やっぱりおかしい……)デビほむの攻撃を連続ワープで避けている
まど神(円環の理が正常に機能していないんじゃないかって、あれだけ心がボロボロになるまで心配していたのに、どうでもいいだなんて……)
デビほむ「円環の理なんか、円環の理になんか絶対に戻さない!」
まど神「ほむらちゃんも一緒に戻ろう?みんなのいる世界に。」
デビほむ「うるさい!うるさいうるさい!!」
デビほむ「まどかは私だけのまどかなの!他の人間なんて必要ない!」
まど神「そんなことない!私には大好きなほむらちゃんがいて、みんながいる世界が……」
デビほむ「うるさい!もう二度とまどかを離さない!」まど神を拘束して動けなくする
まど神「!?」
まど神「私は今度こそほむらちゃんを一人ぼっちにしない!この力で!」
まど神「ほむらちゃんの目を覚まさせる事、それが私に与えられた使命なんだ!」デビほむの拘束を振りほどく
デビほむ「力とは邪魔者を排除し、自分の目的を達成する為にあるもの。今の私みたいにね。」
デビほむ「それに気づかないあなたが私に勝つ事なんて、まして私を救う事なんて出来るはずがない!」右腕に武器を作り出し、光弾を連射する
まど神「この力は決して希望を捨てない人の為にある。」デビほむの光弾を左手で描いた魔法陣で防いでいる
まど神「それに気づかないほむらちゃんが勝てるはずがない!」両手をクロスさせて、防いだ光弾を増幅して、打ち返す
デビほむ「!?」後ずさりしている
ドッカーン(デビほむに攻撃が命中する)
デビほむ「希望?笑わせないで!」片膝をついている
デビほむ「私は希望も絶望もとっくに凌駕したわ!」
デビほむ「今の私の力の源はまどかへの愛だけよっ!」黒いオーラをまとって空中へ
まど神「私は絶対に救ってみせる!」白いオーラをまとって空中へ
ドドドド(空中で両者が某サーカスのように激しくぶつかり合っている)
デビほむ「喰らいなさい!」まど神へ重力操作の魔法を叩き付ける
まど神「くっ……」攻撃を受けて落下していく
デビほむ「!」視線の先にルミナスしていた場所と叛逆での花畑が映る
デビほむ「……」ニヤリ
デビほむ「さぁ、まどか!守りきれるかしら?」両手を広げて巨大なブラックホールを作り出し、腕を伸ばしてブラックホールを撃ち出す
まど神「!」
まど神「どっちも私にとっても、ほむらちゃんにとっても大事な場所だよ。だからどっちも守る!」デビほむの攻撃先に気づき、分身して高速移動で二カ所に向かう
ババババ(巨大なブラックホールが分裂して、複数の小型のブラックホールとなって、デビほむの攻撃先に向かう)
まど神「大切な場所を壊させたりしない!」両腕に力を込めて、巨大な防御用の魔法陣を描く
ドドドドド(デビほむの攻撃がまど神によって二カ所とも全て防がれる)
まど神「もう誰も、何も傷付けさせない!」地上から次のブラックホールを撃ち出そうとしているデビほむに無数の光弾を放つ
デビほむ「くっ!」まど神の光弾で攻撃が中断される
まど神「……」上空へ
デビほむ「逃がさない!」まど神目掛けて、追尾する三日月型の斬撃を複数放つ
まど神「んっ!」高速移動で回避する
デビほむ「これは避けきれるかしら?」再び巨大ブラックホールを打ち出し、分裂してまど神の四方八方から狙い撃つ
まど神「くっ……」某サーカスのように連続ワープで回避している
まど神「!」避けた先にデビほむが自分に向かって来るのに気づく
デビほむ「当たったら大変よ。」ニヤリ(右手の先を鋭い槍のようにして、右手を高速で動かしてまど神を狙っている)
まど神「……」こちらも高速で避けている
まど神「あっ!」攻撃を受けて地上にたたき落とされる
まど神「うっ……」立ち上がる
まど神「ほむらちゃんもうやめよう?こんな事しても不幸になるばっかりだよ。」
デビほむ「無理よ。どちらかが死ぬまで終わらせない。」
まど神「ほむらちゃんは絶対何かを隠してる。」
まど神「それを知るのにほむらちゃんを倒さないといけないなら……」
まど神「始めよう?最初で最後の本気の勝負を!」某管理局の白い悪魔のような杖を召喚する
デビほむ「ウフフフフ、やっと本気になってくれたみたいね、まどか。」某魔王の嫁のような杖を召喚する
デビほむ「なら、もうこんな結界はいらないみたいね。」感覚共有の結界を消し去る
まど神「いくよ、ほむらちゃん!」
デビほむ「えぇ、まどか。」
まど神・デビほむ「……」上空で杖を振り下ろしてぶつかり合い、一旦距離を取る
デビほむ「避けきれるかしら?」杖を回して、大量の光弾を出現させる
まど神「私だって!」デビほむ同様に杖に魔力を込めて、大量の光弾を出現させる
まど神・デビほむ「……」お互いに相手の出方を見ている
まど神「撃ち抜いて!」杖を振り下ろして、光弾を放つ
デビほむ「切り裂いて!」杖を振り下ろして、光弾を放つ
ドドドド(いくつかの光弾は相殺されている)
まど神「んっ!」連続ワープで攻撃を避けつつ、デビほむに向かっていく
デビほむ(さすがまどかの攻撃ね。)自分を追撃してくる光弾から逃げるように、上空へ
デビほむ「くっ!」追尾してくる光弾を魔法陣を描いて防ぐ
デビほむ「はっ!」まど神が追加攻撃をして来るのに気づく
まど神「まだだよっ!」杖を振り下ろして、矢の攻撃を放つ
デビほむ「撃ち落とすだけよっ!」杖で矢を弾きながら、まど神に向かっていく
デビほむ「裂けちゃえっ!」杖の先を鋭利な光刃にして、両手で力を込めてまど神に攻撃
まど神「くっ!」片手で魔法陣を描いて、デビほむの攻撃を防ぐ
まど神・デビほむ「んっ……」攻撃が拮抗している
まど神「貫いて!」デビほむが弾き損なった矢をコントロールして、背後から狙い撃つ
デビほむ「!」背後からの攻撃に気づく
デビほむ「甘いわよ、まどか!」振り向き、片手で魔法陣を描いて、まど神の攻撃を防ぐ
デビほむ「!?」背後の攻撃を防いだ間にまど神を見失い、辺りを見回している
まど神「目を覚まして!」上空からデビほむ目掛けて急降下しつつ、杖を振り下ろす
デビほむ「はっ!」攻撃が当たる寸前の所でワープしてまど神の攻撃を避ける
まど神(ダメか……)攻撃が空振りに終わる
デビほむ「今度はこっちの番よ!」連続ワープでかく乱しつつ、まど神に近づいていく
デビほむ「今度こそ裂けてしまいなさい!」まど神の正面にワープして、鋭利な光刃にした杖でまど神を切り裂こうとする
まど神「あっ!」寸前の所でワープして避けるが、髪が一部切り裂かれる
デビほむ「まだよ!」まど神がワープした先に魔法陣が描かれていて、そこから無数の光弾が放たれる
まど神「うっ……」魔法陣で攻撃を防ぐ
ドドドド(デビほむの光弾がまど神を攻撃する)
まど神・デビほむ「はぁ、はぁ……」
デビほむ(これで決めないとマズそうね……)
デビほむ「……」杖に魔力を込めて、自分の周囲に巨大な魔法陣を描く
まど神「えっ!?」自分の周りにデビほむの魔法陣がいくつも出ては消えを繰り返し、周りを見回している
デビほむ「……」魔力を込めている
まど神(今なら!)デビほむに向かっていこうとする
デビほむ「させないっ!」
まど神「!?」自分の手足が拘束されて動けなくなる
デビほむ「!」キリッとした目つきでまど神を見つめる
デビほむ「これで終わりよ!壊れてしまえっ!」まど神の四方八方に複数の魔法陣が現れ、そこから無数の光弾やブラックホールの球体を連続でまど神に浴びせ続ける
まど神(マズい!何とかしないと!)杖に魔力を込めてデビほむの攻撃を出来る限り相殺している
ドドドドド(デビほむの連続攻撃がまど神に直撃して、煙で見えなくなっている)
デビほむ「バイバイ、まどか。」
デビほむ「!?」煙の中からまど神の魔法陣が見える
まど神「はぁ、はぁ、はぁ………」かなりダメージを負っている
まど神(やっぱり何かおかしい。今の攻撃で私は死んでもおかしくないはず……)
まど神「ほむらちゃん、本当は私を殺す気なんて最初から無いんじゃないの?」
デビほむ「何を言っているの?あなたも殺して私だけを愛してくれるまどかを手に入れるのよ。」
まど神「私を本気で殺す気なら、今の攻撃にはもっと魔力が込められているはずだよね?」
まど神「ほむらちゃん、隠している事があるなら言ってよ!」
デビほむ「うるさい!うるさいうるさい!!」まど神目掛けて光弾を放つ
まど神「なんで話してくれないの!?」泣きながら、杖の先から太い光線を放つ
デビほむ「!?」光弾がまど神の光線にかき消される
デビほむ(なんて威力なの?でも……)魔法陣を描き、まど神の攻撃を防ぐ
デビほむ「くっ……あっ!」
デビほむ「はぁ……はぁ……」なんとかまど神の攻撃を耐えきるがばてそう
デビほむ「あっ!」上空にピンクの光が見える
まど神「これで勝負は終わりにするよ!」これまでの戦闘で放たれた魔力を回収して、描いた魔法陣に収束させている
デビほむ(マズい!これは避けないと!)ワープで回避しようとする
まど神「逃がさないよ!」デビほむの手足を拘束して逃げれないようにする
デビほむ「くっ……」
まど神「絶対ほむらちゃんを殺さないから、少しだけ我慢して!」泣きながら、超極太の光線を放つ
ドドドドド(まど神の光線がデビほむに直撃する)
まど神「はぁ、はぁ……」攻撃を撃った影響で疲れている
デビほむ「………」攻撃が直撃して、地上に落ちていく
まど神「ほむらちゃん!」急いでデビほむを助けに向かう
まど神「ごめんね……」デビほむを抱きかかえながら、自分に治癒魔法をかけている
デビほむ「うっ……」
まど神「気づいた、ほむらちゃん?ごめんね、大丈夫?」デビほむにも治癒魔法をかけている
まど神「私の勝ち、だよね?」
デビほむ「そうね……」
まど神「ならもうこんな事は……」
デビほむ「………」ニヤリ
デビほむ「甘いわよ、まどか!」自分もろとも描いていた魔法陣からの攻撃を与える
まど神「!?」デビほむを抱いたままワープして攻撃を避ける
デビほむ「言ったでしょう?『どちらかが死ぬまで終わらせない。』って。」ワープしてまど神から離れる
デビほむ「だからまだ終わらない、終わらせない!」黒いオーラをまとっている
まど神「ほむらちゃんのバカっ!」泣きながら白いオーラをまとっている
まど神「ほむらちゃんはそんな意地っ張りじゃない!」
デビほむ「まどかは何も分かってない!私の事、私の気持ちなんてこれっぽっちも!」うっすらと涙
まど神「全部は分からないかもしれない。でもこの世界の誰よりもほむらちゃんの気持ちは分かってるよ!」
まど神「ほむらちゃんの思いはちゃんと届いているよ!」
まど神「私はほむらちゃんが大好き!この気持ちはずっと変わらないよ!」
デビほむ「まどか……」
デビほむ「……」
デビほむ「なら私が今何を考えているか当ててみなさいよ!」
まど神「それは……」言いよどむ
デビほむ「ほら言えない。私の気持ちなんてやっぱり分かってない!」
まど神「そんな事ない!」
まど神「今ほむらちゃんが何を考えているかは分からないけど、ほむらちゃんだって本当はこんな事したくないはず、それだけははっきり分かるよ!」
デビほむ「うるさいっ!黙れっ!嘘つきなまどかなんて大っ嫌いだっ!!」黒いオーラが更に濃くなる
まど神「ほむらちゃんの大バカっ!分からず屋!!」ポロポロ泣きながら白いオーラが更に濃くなる
まど神・デビほむ「!」自分たち自身が光球となって上空で何度も激しくぶつかり合う
まど神・デビほむ「……」オーラが消えて飛行しながら戦っている
まど神「絶対ほむらちゃんの目を覚まさせる!」魔法陣から無数の光弾を放つ
デビほむ「そんな事不可能よ!」シュン(まど神の攻撃が当たる直前にワープする)
まど神「逃がさない!」シュン(デビほむに続いてワープする)
~雨が降っているどこかの惑星~
まど神「どこに……」飛行しながら辺りを見回している
デビほむ「落ちなさいっ!」重力操作の魔法を放つ
まど神「うわっ!?」上空からのデビほむの重力操作の魔法で地面に落とされる
まど神「!」シュン(地面にぶつかる寸前にワープする)
デビほむ(次はどこに消えるつもり?)シュン(まど神に続いてワープする)
~砂漠が広がるどこかの惑星~
デビほむ「逃がさないわよ……」上空で辺りを見回している
デビほむ「えっ!?」上空からのまど神の弓矢の攻撃が直撃する
デビほむ「きゃっ!?」砂漠に落とされる
デビほむ「まだよっ!」すぐに体勢を立て直し、飛行を続ける
まど神「貫いて!」デビほむ目掛けて何本も弓矢の攻撃を放つ
デビほむ「!」シュン(まど神の攻撃を避けてワープする)
まど神(どこまでもついていくよ!)シュン(デビほむに続いてワープする)
~火山が噴火しているどこかの惑星~
デビほむ(まだついて来るみたいね。)先に現れて、飛行している
まど神(絶対に本当の気持ちを教えてもらうんだから!)デビほむに続いて現れる
ボボボボ(火山が噴火して二人の行く手を阻んでいる)
シュンシュン(デビほむを狙うまど神の光線によって溶岩の壁に隙間が出来る)
デビほむ「逃げ場はないわよ!」自分に続いて溶岩の隙間を抜けたまど神目掛けて、溶岩を切り裂くような光線を放つ
まど神「!」シュン(デビほむの攻撃を避けながらワープする)
デビほむ(鬼ごっこはおしまいよ!)シュン(まど神に続いてワープする)
~見滝原上空~
まど神「これでおしまいにするよ!」デビほむに突撃していきながら、全身が白いオーラで包まれ、描いた魔法陣から無数の光の光線を放つ
デビほむ「勝つのは私よ!」まど神に突撃していきながら、全身が黒いオーラで包まれて、描いた魔法陣から無数の闇の光線を放つ
バババババ(両者がゼロ距離でぶつかり合う)
まど神「ほむらちゃん、まだ本当の気持ちを教えてくれないの!?」
デビほむ「本当の気持ちも何も、私は最初からあなたを殺すと言っているでしょう?」
まど神・デビほむ「くっ!」
バンッ(両者の攻撃のぶつかり合いで、二人を中心として空の雲が円状に裂ける)
ドンッ(両者とも地上に落ちる)
まど神・デビほむ「はぁ、はぁ……」
まど神「もう終わりにしよう、ほむらちゃん。ほむらちゃんだってこんな事望んでないはずでしょう!」
デビほむ「そんなに終わらせたいなら早く私を殺しなさいよ!」
まど神「私は絶対ほむらちゃんも救ってみせる!」
デビほむ「甘過ぎよ、まどか!何かを得るには何かを捨てなきゃいけないのよ!」
まど神「私はどっちも絶対見捨てたりしない!守りたいものは全部この手で守り抜く!」
~数時間後~
まど神・デビほむ「はぁ……はぁ……」長時間の戦闘で二人ともかなり疲労している
デビほむ「どうしたの、まどか?そんな攻撃では私は殺せないわよ?」
まど神「私はほむらちゃんを殺したりしない!絶対救ってみせる!」
デビほむ「まだそんな生温い事を言っているの?」
デビほむ「私を殺してでもこの世界を守ろうとは思わないの?」
デビほむ「全ての魔法少女の希望になろうとした、あなたの覚悟はその程度なの!?」
まど神「!」
まど神「………」キリッ(何かを覚悟した目)
まど神「………」涙を浮かべながら、矢を弓につがえている
デビほむ「………」まど神が矢をつがえたのを見て、自分も矢を弓につがえている
まど神「これが!私の!覚悟だよ!!」ポロポロと涙を流しながら、地上から矢を放つ
デビほむ「これが!私の!愛よ!!」上空から矢を放つ
シュンッ(二人同時に最大の魔力を込めた矢を放つ)
デビほむ「さようなら、まどか。あなたと過ごした時間はかけがえのない宝物よ。」ボソッ(うっすらと涙ぐんでいる)
まど神「えっ!?」
グサッ(矢が当たる)
デビほむ「グフッ……!」まど神の矢が直撃して、血反吐を吐いている
まど神(えっ!?ほむらちゃんが射損なった!?)自身から僅かにずれたとこに刺さった矢を見てる
まど神(いや、違う!)デビほむの方を見る
デビほむ「……」矢が急所に当たって、上空から落ちてきて、周りに勿忘草が舞っている
まど神(勿忘草?)
まど神(確か花言葉は……)
まど神(まさか!)デビほむに駆け寄る
まど神「ほむらちゃん!」
デビほむ「ふふっ……まどか…トドメを……刺しにきたのね……」血反吐を吐きながら、目も虚ろになり、瀕死の状態(以降ずっとその状態)
まど神「違うよ!」さっきの戦いで魔力をほとんど使い果たしているが、懸命にデビほむに治癒魔法をかけている(以降ずっと治癒魔法をかけ続けている)
デビほむ(くっ……)
まど神「ごめんね、ほむらちゃんの本心に気づいてあげられなくて……」ポロポロ
デビほむ「本心……?私は……あなたと…二人だけの……世界を…作ろうとした…だけよ……」
まど神「もういい、もういいんだよ、ほむらちゃん。」
ギュッ
デビほむ「まどか……」
まど神「違和感は感じてたのに、こんなになるまで気づけなくてごめん。ごめんね。」ポロポロ
まど神「最後の最後に本音を言ってくれたから、ほむらちゃんの本当の気持ちに気づく事が出来た。私には、こんなにも大切に思ってくれている人がいてくれるんだって。」
まど神「やっぱりあなたは私の、最高の恋人だったんだね。」
デビほむ「今の…私に……あなたの側に…いる…資格は…無いわ……」
まど神「ほむらちゃんは私が円環の理になって、誰にも私がいない悲しみや寂しさを分かってもらえない辛さを知っているのに、私にも同じ辛さを与えるの?」ポロポロ
デビほむ「大丈夫よ…私が……死ねば…全ての……人の記憶…から……私の事は…完全に…消し去られるわ………それはまどか………あなたもよ……」
まど神「そんなのイヤだよ!たとえどんな事があろうと、私はほむらちゃんと過ごした事は絶対に忘れたりしない!」
まど神「それにほむらちゃん、本当は忘れて欲しくなんて無いはずだよ。」
デビほむ「………」
まど神「さっき勿忘草が舞ってたよね?」
まど神「勿忘草の花言葉は、『真実の友情』、『誠の愛』、そして『私を忘れないで』でしょ。」
デビほむ「………」
まど神「本当は忘れてなんか欲しくない、そうでしょ?」
デビほむ「……でもっ!……私は…世界中の………人間を…殺…したのよ……」
まど神「それも嘘。ほむらちゃんの事だもん。殺したように見せかけて本当はどこかに閉じ込めてるだけでしょう?」
デビほむ「だから…って……私が死……ななきゃ…皆戻って………来ない…のよ……」
まど神「大丈夫。きっと大丈夫。信じようよ?私たち二人なら、どんな事もできるって。」
デビほむ「私は…ここで……死ななきゃ………いけない…のよ……」
デビほむ「私が…死…ねば………皆…戻って……くる…し…私に……関する……記憶は………消える…私と…同じ…ような悲………しみを…あなたに……味…合わせたり………しないで……済むのよ…」
まど神「私を悲しませたくないなら、死なないで!ずっと私の隣にいてよ!」ポロポロ
まど神「今度の世界改変は私もほむらちゃんの側に居続けられるように、それに魔法少女の事だってなんとかしてみせるから、お願い!死なないで!」ポロポロ
デビほむ「まどか…に殺…されるの……なら…本望……だわ…」
デビほむ「これで………やっと…以…前…あな……たの…ソウル…ジェムを……撃ち…抜いた…報いを……受け…る事が………できるのね……」
まど神「あの時と今じゃ全然違うよ!」ポロポロ
まど神「ほむらちゃんは私を魔法少女の宿命から救う為に、何度も何度も絶対に諦めずに頑張ったじゃない!なのに自分の命は簡単に諦めちゃうの!?」ポロポロ
まど神「最後まで諦めず、不可能を可能にする、それがほむらちゃんじゃないの!?」ポロポロ
デビほむ「今度…ばか……り…は…どん…なに……頑張っ………ても……不可能………なの…よ………」
デビほむ「それに……この……世界…は……滅ん…だり………しな…いわ…あな…た…が……希望を…持ち……続ける…限り……」
まど神「私は希望を持ち続けるよ!」
まど神「だって『どんな絶望の中でも、人の心から、希望が消え去る事はない!』って教えてくれたのはほむらちゃんなんだもん!」
デビほむ「なら……あな……たの…その希望……で…たくさんの………人を……救って…あげ……て…」
まど神「全然魔力が足りない……」ポロポロ
まど神「私じゃほむらちゃんを救えないの……」ポロポロ
まど神「こんな時さやかちゃんやマミさんがいてくれたら……」ポロポロ
デビほむ「ま…ど…か…無…駄な……事は…やめ……な…さい……さっ…きの……戦…闘で……あな…た…だって……魔…力を……使い…果…たし……て…いる…のよ……」
まど神「私がほむらちゃんを救ってみせる!」
デビほむ「これ以上……使っ…たら……今度は……あな…た…まで……危険…よ…お願い……もう…やめ…て……」
まど神「私は絶対見捨てたりしない!」
デビほむ「分かっ……てる…の…あな…たが……魔…力を…使い……果…たし……たら……円…環…の理……が…どう……な…るのか……を…」
まど神「大切な人一人も守れないで、全ての魔法少女の希望になんてなれないよ!」ポロポロ
デビほむ「あな……た…の……そ…の…気持…ち……だ…け…で……も…う…十…分…よ……」
デビほむ「私……は…もう……すぐ……死…ぬ……わ…だか………ら…最……期…に…あな……た…の…顔……を…よ…く…見…せ……て……」
まど神「こんな所でほむらちゃんは死んだりしない!だからお願い!最期なんて言わないで!」ポロポロ
つまんね
グラッ(空間の歪みから誰かが出てくる)
マミ「お呼びのようね、美樹さん。」さやかと二人で異空間から戻ってくる
さやか「やれやれ、どこまでも手のかかるバカップルだよ。」
まど神・デビほむ「!?」
デビほむ「あな…た……たち……どう……やっ……て……!?」
さやか「説明は後で!今は喋らないで!」デビほむに治癒魔法をかけている
マミ「想像以上に傷が深いわね……」デビほむに治癒魔法をかけている
まど神「私が……私のせいで……」ポロポロ
さやか「まどか!泣いてる暇があったら手を貸して!」
まど神「うんっ!」涙を拭き取り、デビほむに治癒魔法をかけている
~しばらく後~
デビほむ「ごめんなさい、あなたたちまで巻き込んでしまって。」ペコリ(ボロボロで戦う余力はないが、三人のおかげでなんとか命の危機は脱するまで回復できた)
マミ「もうっ!たとえ演技だとしても『ゴミ』は言い過ぎなんじゃない?」プンプン
デビほむ「まどかを覚醒させる為には、私を本気で殺しに来てもらわないとダメだったの……」シュン
マミ「後でなぎさちゃんや佐倉さんにもちゃんと謝るのよ。」
デビほむ「えぇ……」
まど神「でも二人ともどうやってここに?」
さやか「ほむらは世界中の人を殺したように見せかけて、その人たちを地球規模の結界に閉じ込めていたんだよ。」
デビほむ「あの空間からは、私が死なない限り戻って来れないはずなのに、一体どうやって?」
さやか「まぁ、マミさんの中二病のおかげってとこかな……」少し呆れ気味
まど神・デビほむ「?」キョトン
マミ「美樹さん、『中二病』じゃなくて、『素晴らしいアイデア』の間違いでしょ!」プンプン
さやか「はいはい……」ハァ~
まど神「ところで、杏子ちゃんやなぎさちゃんは?」
さやか「あの二人なら今結界内でちょっと準備してるから、しばらくしたら戻ってくるよ。」
マミ「それに暁美さんが結界に閉じ込めた人たちも、順次戻ってくるから安心して。」
デビほむ「そう……」フラッ
まど神「ほむらちゃん!」デビほむを抱きかかえる
デビほむ「ごめんなさい。私が死ななくても、皆を元に戻せると思ったら急に安心してしまって……」ポロポロ
マミ「もうっ、暁美さんたら無茶し過ぎよ。」
さやか「ほむら、私が前言ったでしょう?『もし悩み事とかがあったら二人できちんと話し合う方が良さそうだよ。』って。」
さやか「結局私の言う事聞かないで、とんでもない騒動引き起こしたんだから……」ハァ~
まど神「あのショッピングセンターの占い師ってさやかちゃんだったんだ!?」
さやか「まぁね。」
まど神「それで結局魔女もどきや、ほむらちゃんの悪夢の原因はなんだったの?」
さやか「そうだね。今なら全て話せそうだね。」
さやか「でも、その前に、そろそろ全ての黒幕に出てきてもらおうか?」
さやか「キュゥべえいるんでしょ!いい加減出てきなっ!」
まど神・デビほむ「!?」
「………」
さやか「出てこないみたいだね。マミさんいきますよ。」
マミ「えぇ!」
さやか・マミ「二重即興射撃(ティロ・デュエット・インプロッヴィサッツィオーネ)!」周囲の物陰目掛けて円を描くように攻撃
さやか(言いづらっ!)マミさんはスラスラ言ってる
QB「………」物陰から出てくる
さやか「ようやく現れたわね、全ての黒幕さん?」
デビほむ「インキュベーター!?何故あなたがここにいるの!?母星に逃げ帰ったはずじゃないの!?」
さやか「こいつはあんたにボロ雑巾のように酷使されるのに嫌気がさして、母星に逃げ帰ったように見せかけて、裏で魔女化システム復活のためにあんたたち二人を排除しようと画策していたんだよ。」
QB「美樹さやか、何故円環の理の鞄持ちに過ぎない君ごときが、この一連の状況を全て把握したかのような行動が取れるんだい?」
さやか「あんたの行動が手に取るように分かったからだよ。」
QB「馬鹿なっ!?今回は一切表立って行動しなかったと言うのに、何故僕らの仕業だと分かるんだい?」
さやか「この一連の現象から得をするのはあんたしかいないからだよ。」
QB「一体何時から僕らの仕業だと……?」
さやか「私と杏子の魔女もどきが出た時から怪しいとは思ってたよ。」
まど神・デビほむ「そんな早い段階から……」
さやか「この世界で魔女の事を知っているのは極僅かだけなのに、あんな再現性の高い魔女もどきが出てきてたからね。」
さやか「それに私たちほむらに親しい魔法少女の魔女化した姿ばっかりだったからね。マミさんとなぎさの魔女もどきが出て来た時に疑惑は確信に変わったよ。」
さやか「ほむら、あんたは魔女もどきが出て来るのは、円環の理が正常に機能していないからだと思ってたよね?」
デビほむ「えぇ。私がまどかを引き裂いた時、何かこの世界に歪みをもたらして、その結果、魔獣が魔女の姿をしているものだと思ってたわ。」
さやか「まどか、実際円環の理はどうだったの?」
まど神「確かに人間としての私が抜けてしまっていたから、かなり機械的に救済していたみたいだけど、機能自体はちゃんとしていたよ。」
さやか「やっぱり円環の理自体は正常に機能していたみたいだね。」
さやか「私たちの魔女もどきばかり出したのは、最も効率よくほむらを追いつめれるからでしょ、キュゥべえ?」
QB「訂正するほど間違ってはいないね。」
QB「まさか姿を模すだけであんなにもあっさり追いつめられるとは思わなかったけどね。」きゅっぷい
デビほむ「くっ……」
まど神「ほむらちゃん……」
まど神「キュゥべえ、よくもほむらちゃんを……」ゴゴゴ
さやか「まどか、コイツを殺したい気持ちは分かるけど、まずはコイツに洗いざらい吐かせてからにしな。」
まど神「分かったよ、さやかちゃん……」
さやか「それにしても魔女もどきに加えて、悪夢まで見せるなんてとんでもない外道だよ。」
QB「美樹さやか、一つ訂正があるよ。」
さやか「言ってみな。」
QB「僕らがしたのは魔女もどきと人工グリーフシードの件だけだよ。暁美ほむらの悪夢については関わっていない。」
一同「!?」
マミ「キュゥべえ、嘘を言うのなら風穴が開くわよ。」QBにマスケット銃を突きつける
QB「感情の無い僕らに嘘を言う必要性なんて無いだろう?」
QB「おそらく魔女もどきが現れた事によって、自分のした事に疑問を持った暁美ほむらの深層心理が、悪夢と言う形で現れたんじゃないのかな?」
デビほむ「嘘っ!?そんな……」
デビほむ「私は自分から破滅を早めたと言うの!?」
QB「推測や思い込みだけで先走り、勝手に自滅を早めてくれるとはね。僕らに取っては好都合な誤算だったよ。」きゅっぷい
まど神「………」ギロッ
さやか「まさか、あの悪夢がキュゥべえの仕業じゃなかったとは……」
マミ「それなら私たちの作戦も違ったものになっていたかもしれないわね。」
まど神・デビほむ「作戦って?」
さやか「マミさんとなぎさの魔女もどきが出た後で、私たち四人であれこれ対策を取っていたんだよ。」
さやか「キュゥべえ、あんたの目的は魔女化システムの復活でしょう?」
QB「あぁ、そうだね。魔女化システムが復活したら、エネルギーの回収効率も格段に向上するからね。」
さやか「だから、円環の理であるまどかを支配する為に、まずはほむらを限界まで追いつめて、まどかを覚醒させようとしたんでしょう?」
QB「だいたいそう言う事になるね。」
QB「暁美ほむらを追いつめたのは、鹿目まどかの覚醒以外にも……」
さやか「ほむらに円環の理が正常に機能していないと誤解させ、自殺に追い込む為でしょう?」
QB「!?」
QB「君はそこまで分かっていながら、暁美ほむらに何も言わなかったと言うのかい?」
さやか「ほむらに言ったら、性格上まどかを円環の理として覚醒させまいとするだろうからね。魔女化した時もそうだったよね、ほむら。」
デビほむ「うっ……」
デビほむ「『ぐうの音も出ない』とはまさにこの事ね……」ぐぬぬ
さやか「そこで二人をおとりにして、キュゥべえの企みを潰そうとしたんだよ。」
さやか「キュゥべえ、あんたの企みはこんな感じでしょ?」
さやか「まず、魔女もどきを使って、ほむらに円環の理が正常に機能していないと誤解させる。」
さやか「ほむらは円環の理が正常に機能していないと確証を得た時、自殺しようとしてまどかを円環の理として覚醒させようとする。」
さやか「その時あんたは、円環の理としてのまどかを支配し、弱ったほむらの排除もする。」
さやか「どう?私の推理間違ってる?」
QB「………」
QB「見事としかいいようが無いね。」
まど神「すごいね、さやかちゃん。まるで名探偵みたいだよ!」
さやか「でも魔女もどきだけじゃ確証を得られなかったんでしょう、ほむら?」
デビほむ「まぁ、そうね。」
さやか「私たち五人の魔女もどきが全て出ても、ほむらが自殺しなかったから、これ以上魔女もどきを出しても、ほむらを追いつめる効果は薄いと考えた。」
さやか「そこでキュゥべえは本物の魔女を出して、ほむらに決定的な確証を得させようとした。」
さやか「効率的な考えのあんたが、最初から本物の魔女を出さなかったって事は、あんたも魔女もどきだけでほむらを追いつめるには十分だと考えていたんでしょう?」
QB「まぁ、半分正解って所かな?」
QB「計画に障害は付き物だからね。万一の為に、一連の魔女もどきの件と並行して、本物の魔女の計画も進めていたんだよ。」
さやか「ワルプルギスの夜を出すまでは、私たちだけじゃ手に負えないような数の魔女もどきを出して、ほむらが出て来ざるを得ない状況を作ろうとした。」
さやか「魔女もどきとは言え、ほむらを追いつめる事には変わりないはずだからね。」
QB「結局鹿目まどかも暁美ほむらも一度も出て来なかったけどね。」
さやか「そりゃそうでしょ。私たちも大量の魔女もどきが出てくると予想していたから、その対策だってしてたんだし。」
さやか「で、大量の魔女もどきでもほむらが出て来ないと分かった後だったし、本物の魔女は、私たちだけでは手に負えず、まどかやほむらが出て来ざるを得ない相手のワルプルギスの夜を選んだってわけだ。」
QB「ワルプルギスの夜を選んだのは君の推測通りの理由だけど、一連の魔女もどきと並行して本物の魔女の計画も進めていたからね、選んだのはこの計画が始まる前だよ。」
さやか「ワルプルギスの夜の時、まどかもいつもの魔獣とは違う気配を感じたはずだよね?」
まど神「うん。私が行こうとしたら、初めはほむらちゃん私から離れようとしなかったけど、なんとか説得できて間に合ったんだ。」
さやか「グリーフシードを砕いて、ソウルジェムの回復をさせないとは。キュゥべえ、あんたは外道の極みだね。」
QB「それは言いがかりだね。人工グリーフシードは作るのに膨大なエネルギーがかかる上に、魔女が倒されたら消滅する使い捨てなんだよ。」
QB「本来ならこんなもったいない事はしないけど、今回は君たち二人の排除の為だけにここまで手を回したんだ。」
さやか「この辺りであんたは死ぬ覚悟を決めたってとこでしょ、ほむら?」
デビほむ「そうね。消滅したとは言え、グリーフシードが出てきたから、円環の理が正常に機能していないと確信が持てたわ。」
さやか「ここまではキュゥべえの計画、そして私の推測通りに進んだんだよね。」
QB「訂正するほど間違ってはいないね。」
QB「それにしても何故僕らに気づかれずに行動できたんだい?」
さやか「そんな事言うわけ無いじゃん、バーカ!」
デビほむ「さやかに馬鹿扱いされるとは地に落ちたわね、インキュベーター?」ファサッ
QB「君たち二人も美樹さやかの掌の上で踊らされていたけどね。」きゅっぷい
デビほむ「うっ……」
デビほむ「確かにさやかの掌で踊らされていたと思うと、無性に腹が立つわね……」ぐぬぬ
さやか「まぁ、強いて言うなら、感情の無い効率的な考えしか出来ないあんたには一生かかっても分からないだろうね。」
QB「まさか鹿目まどかと暁美ほむらのみを監視していたのが仇になるとはね。」
さやか「キーパーソンはまどかとほむらだけだと思った?残念、さやかちゃんでした!」
QB「次回からは君たち全てを監視することにするよ。」
さやか「そんな事できるかな?」ニヤリ
QB「?」
さやか「それにしてもあんな方法でまどかを覚醒させるとは、さすがに私も想定外だったよ。それはキュゥべえ、あんたもでしょう?」
QB「確かにね。暁美ほむらの鹿目まどかへの異常とも言える執着心は想定していたけど、まさか世界中の人間を殺すとは思いもよらなかったよ。」
デビほむ「異常じゃないわ!愛よ!」
チュー
まど神「!」
まど神「もうっ、ほむらちゃんったら!」デレデレ
さやか・マミ・QB「………」
マミ「さっきまで本気の殺し合いをしていたとは思えない惚気っぷりね……」呆れてる
QB「女性同士では子を生す事は出来ないのだから、非生産的で全く持って理解できないよ。」
デビほむ「やかましいわよ、インキュベーター!」
デビほむ「それに、奇跡も、魔法も、あるのよ!」
さやか「ほむら、それ私の名言じゃん!パクらないでよ!」
さやか「…まぁ、バカップルの惚気話はこのくらいにして……」
グラッ(空間の歪みから誰かが出てくる)
まど神・デビほむ・QB「!?」
さやか「あっ、ちょうどいいタイミングで来たみたいだね。」
杏子「さやか、頼まれた通り見滝原周辺の魔法少女たちも連れてきたぞ。」
なぎさ「皆にも今回の騒動の経緯は一通り説明しておいたのです。」
さやか「二人ともお疲れさま。」
さやか「それじゃあ、私たち魔法少女全ての敵であるインキュベーターたちには、そろそろ消えてもらおうか。」
さやか「まどか、ほむら、あんたたちを苦しめたインキュベーターに仕返しの時だよ。」
まど神「そうだね。」二人で魔法少女たちの先頭でQBと対峙している
デビほむ「そうね。」二人で魔法少女たちの先頭でQBと対峙している
マミ「それに鹿目さんや暁美さんだけじゃないわ。」
マミ「新生ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット、いいえ、ピュエラ・マギ・ホーリー・アンサンブルが必ずあなたたちインキュベーターの野望を阻止してみせるわ!」
一同「!?」
さやか「………」ハァ~(呆れてる)
まど神「ほむらちゃん、記憶そのままにしておいたのってさやかちゃんとキュゥべえだけだったんじゃないの?」
デビほむ「えぇ、その通りよ。」
さやか「どうもほむらの魔女結界内のナイトメア戦の事だけはおぼろげながら覚えてるみたいなんだよね。」
デビほむ「どうしてそういうどうでもいい事だけは覚えてるのかしら?」
まど神「マミさんは相変わらずだね。」ウェヒヒ(苦笑い)
モブ魔法少女たち「えっ!?まさかこの六人ってそんな中二病の集まりなの?」ヒソヒソ
まど神・デビほむ・さやか・杏子・なぎさ「!?」
杏子「おいっ!アタシたちまでマミと同じと思われているぞ!」
なぎさ「なぎさたちも、マミさんの被害者なのです……」げっそり
モブ魔法少女「巴さんの噂は聞いていたけど……」
モブ魔法少女「まさかこんな小さい子にまで言わせてるなんてね……」
モブ魔法少女たち「………」気の毒そうな顔で五人を見ている
デビほむ「なんだか気遣いが逆に辛いわね……」
まど神「そうだね……」ウェヒヒ(苦笑い)
マミ「皆!何ボーッとしているの!敵は目の前にいるのよっ!」
一同「!?」
さやか(ほんと、マミさんってこういうの好きだなぁ……)
QB「………」一匹でまど神やデビほむ二人を先頭に、その後ろにいるさやかたち四人、そして大勢の魔法少女たちと対峙してる
QB「さてさて、宇宙延命のエネルギーに過ぎない魔法少女たち、僕たちインキュベーターにたてついた事を後悔しながら、終わりの時を待つがいいよ。」
モブ魔法少女「魔女化してたまるもんですか!」
モブ魔法少女「あなたたちの思惑通りになんか誰一人動かないわ!」
モブ魔法少女たち「そうだ、そうだ!」
QB「やれやれ、まさに無駄な抵抗だね。」
QB「魔女化システムの復活はもう時間の問題だよ。」
QB「鹿目まどか、暁美ほむら、そんな傷ついた身体の君たちに、僕たちインキュベーターを絶滅させられる程の力が残っているのかい?」
デビほむ「あなたたちを絶滅させるくらいの力はまだ十分あるわ。」
まど神「もう誰一人あなたたちの犠牲になんかさせない!」
一同「………」キリッ(全員武器を持ってキュゥべえと対峙している)
QB「やれやれ、魔法少女たち、まだくたばり損なっていたとはね。とっとと消えてしまうんだね。」
杏子「うっさい、バーカ!」
なぎさ「消えるのはお前たちなのです!」
マミ「あなたたちの言う事など、聞く耳は無いわ。」
さやか「私たちも、この世界の皆も、お前たちみたいなの大っ嫌いだ!」
モブ魔法少女たち「そうだ、そうだ!大っ嫌いだ!」
QB「君たち正気かい?これまでの僕らの科学力を見ただろう?滅びるのが目に見えているこの世界で、魔法少女ごときが何をしても無駄だよ。」
まど神「無駄な事なんてない!それに、私たちはただの魔法少女じゃない!」
デビほむ「この世界に、守る価値を見つけたからね。」
QB「戯れ言はそこまで。どうせ君たちは死ぬだけだよ。」
まど神「死ぬ気はないよ。でも……」
デビほむ「死ぬ気はないわ。けれど……」
まど神・デビほむ「命をかけてこの世界を守る!それが、魔法少女ってものでしょう!」
まど神「いくよ、ほむらちゃん!」
デビほむ「えぇ、まどか!」
まど神・デビほむ「この世界を、私たちが守る!」二人で矢を弓につがえて、QBの母星に狙いを定めている
一同「!?」自分たちのソウルジェムが光っているのに驚いている
さやか(これって、もしかしてワルプルギスの夜の時みたいに、二人に私たちの魔力を与えられるんじゃ……)
さやか「皆!まどかとほむらに魔力を分けてあげられるよ!」
マミ・モブ魔法少女たち「えぇ!」
杏子・モブ魔法少女たち「あぁ!」
なぎさ・モブ魔法少女たち「はい!」
モブ魔法少女たち「うん!」
さやか「まどか!ほむら!これが、私たちの、希望だよ!」魔法少女たちのソウルジェムからまど神とデビほむの描いた魔法陣に魔力が注がれる
まど神「うん!」複数の魔法陣が幾重にも重なって虹色に輝き、翼を広げて矢を引いている
デビほむ「えぇ!」複数の魔法陣が幾重にも重なって虹色に輝き、翼を広げて矢を引いている
QB(マズいっ!)焦って二人の攻撃を止めに入ろうとする
マミ「!」
マミ「させない!」拘束魔法でQBを動けなくする
QB「!?」
まど神・デビほむ「皆の希望を絶望で終わらせたりしない!貫いて!スペリオル・シューティングスター!」ありったけの魔力を込めた矢を放つ
ゴゴゴ(幾重にも重なった魔法陣を通して更に魔力を増大させつつ、波状の矢の軌跡が幾重にも交差しながら一直線に飛んでいく)
シュンッ(空間が歪んで矢がワープする)
~しばらく後~
QB「これは一体……?」ピカー(光に包まれる)
デビほむ「これであなたたちはおしまいよ、インキュベーター!」
QB「くっ……」
QB「何故僕たちインキュベーターがたかが魔法少女ごときに……」
まど神「あなたに感情と言うものがあればよかったのにね。」
まど神「また会える時があったら、その時は分かるかもしれないよ。」ニコッ
QB「鹿目まどか、君は一体……」
まど神「バイバイ。またね、キュゥべえ。」
QB「………」光に包まれて消滅
~しばらく後~
デビほむ「まどか、インキュベーターや魔法少女システムは……」
まど神「うん、もう大丈夫。円環の理に戻っても、私はずっとほむらちゃんの側にいるよ。」ニコッ
デビほむ「そう、それはよかったわ。」ホッ
デビほむ「なら、後は私が結界に閉じ込めた人たちをこっちの世界に戻すだけね。」
まど神「大丈夫、ほむらちゃん?少し休んでからの方がいいんじゃない?」不安そうな表情
デビほむ「このくらい平気よ。それに私のせいで皆に迷惑をかけてしまったもの。」
デビほむ「さぁ………」バタッ(元々ボロボロの状態だったのに無理をしたせいで、変身が解けて倒れる)
まど神「ほむらちゃ………」バタッ(ほむらに駆け寄ろうとした時、こちらも元々ボロボロの状態だったのに無理をしたせいで、変身が解けて倒れる)
さやか・杏子・なぎさ「まどか!ほむら!」二人に駆け寄る
マミ「鹿目さん!暁美さん!」二人に駆け寄る
さやか「………」二人の様子を見ている
さやか「どうやら二人とも気絶しているだけみたいだね。」ホッ
マミ「全く二人とも無理し過ぎよ。」
杏子「いきなりぶっ倒れるからヒヤヒヤしたじゃねぇか。」
なぎさ「でも二人のこんな穏やかな表情なんて、初めて見る気がするのです。」
さやか「この世界になってから二人ともいろいろ大変だったからね。」
さやか(それにしてもさっきのまどかの言葉は一体……?)
モブ魔法少女たち「あの、私たちはどうすれば……」
さやか「そうだね、おそらくさっきの攻撃でキュゥべえや魔法少女システムの事があれこれ変わったはずだから、この二人が回復するまでは見滝原周辺で待っていてくれるかな?」
モブ魔法少女たち「分かったわ。」それぞれ帰っていく
~しばらく後~
杏子「さやか、アタシたちはどうすんだ?」
さやか「そうだねぇ……」う~ん
さやか「さっきのまどかの言葉が少し気になるから、念のため二人が目を覚ますまでは、三人はほむらの結界内の魔法少女たちをなるべくこっちの世界の見滝原に集めておいてくれるかな?私はこの二人が無茶しないように見張ってるからさ。」
なぎさ「まどかはキュゥべえを絶滅していないような口ぶりでしたものね。」
さやか「うん。おそらくもう悪さは出来ないようになっただろうけど、万一の為にも味方は多い方がいいだろうからね。」
マミ「それじゃあ、まずは二人を家まで運んでからにしましょうか。」
《数日後・ほむホーム》
ほむら「………」ボロボロで、未だに目が覚めない
まどか「ほむらちゃん……」ボロボロだけど、ほむらよりは回復してる
さやか「まどか、大丈夫だよ。あのほむらの事だもん。すぐに目が覚めるって。」
さやか「それに今マミさんたち三人が、世界中の魔法少女を結界からこっちの世界の見滝原に集めてくれてる最中だよ。」
まどか「私たちが回復したらすぐにでもみんなを戻せるのに、何でそんな事を?」
さやか「キュゥべえが消滅する際のまどかの言葉が気になったからだよ。」
まどか「あぁ、あの事。」
さやか「ほむらはキュゥべえを絶滅するつもりだっただろうけど、まどかは違ったんでしょ?」
まどか「そうだね。確かにキュゥべえには随分ひどい事をされたけど、キュゥべえがいなかったらそもそもほむらちゃんと出会えなかったかもしれないからね。」
さやか「あんだけの事をされた相手に対しても、相変わらずあんたは優しいね。」
まどか「ウェヒヒ。」テレッ
まどか「それにしてもそのペンダントすごいよね。マミさんのアイデアなんだっけ?」
さやか「うん。初めはほむらの自殺を寸前で止めれるように、空間移動の機能だけのつもりだったんだけど、例によってマミさんがあれこれ痛々しい機能付けたがったせいで、トンでもスペックなアイテムになっちゃったわけ。」少し呆れ気味
まどか「私がほむらちゃんを好きだと意識するきっかけになったり、今回みたいに私たちのピンチに駆けつけれたり、何かとマミさんの中二病に助けられてるよね。」ウェヒヒ(苦笑い)
さやか「地味に重要な場面で役に立ってるけど、普段はアレなだけに何とも言いづらいんだよね……」ハァ~
まどか「そういえば、ほむらちゃんの結界内ってどうなってるの?」
さやか「そっか、まだその時の事は話してなかったっけ。」
さやか「あの時は……」
【回想】
《ほむらに殺された後・ほむらの結界内》
杏子「アタシ死んだはずじゃなかったのかよ?」
マミ「確か私、暁美さんに首に爆発を付けられて、首を飛ばされたはずなんだけど……」首を触っている
なぎさ「なんか、マミさんが首無くなったって言うと、不思議と懐かしい気分になるのです。」
さやか(ほむらのやつ、まさか狙ってやってるわけじゃないよね……)
マミ「美樹さん、ここは一体どこなの?」
杏子「さやか、ここは一体どこなんだ?」
なぎさ「さやか、ここは一体どこなのですか?」
さやか「う~ん……」辺りを見回している
さやか(見滝原をそっくり再現しているみたいだね。)
さやか(他の人たちも普通にいるし、ほむらが殺した人は皆ここに送られているのかな?)
さやか(世界中の人を殺したって事は、もしかしたら地球規模の魔女結界の中なんじゃ……?)
さやか「おそらくここはほむらが作り出した地球規模の結界の中かな?」
一同「!?」
さやか「たぶんほむらは世界中の人を殺したように見せかけて、この魔女結界に送っていたんだと思うよ。」
杏子「だからアイツ、アタシが自爆技使おうとした時に、先に殺しにきたのか。」
さやか「おそらくほむら自身が殺さないとこの空間に送れなかったからなんだろうね。」
さやか「そして、自分が円環の理として覚醒したまどかに殺される事によって、この結界内の人たちを現実世界に戻そうって考えだったんじゃないかな?」
マミ「規模がありえなさすぎて、さすがに理解が追いつかないわ……」
なぎさ「マミさんがついていけない状況なんて……」
なぎさ「よっぽどほむらの行動が滅茶苦茶だったと言う事ですね。」
マミ「なぎさちゃん、それどういう意味かしら?」ゴゴゴ
なぎさ「特に深い意味はないのです。」
さやか「さすがクレイジーサイコレズと言われるだけの事はあるって事ですかね。」
さやか「私もまさかこんな方法でまどかを覚醒させるなんて思いもよりませんでしたよ。」
さやか「そう言えば、杏子もマミさんも殺される前に、ほむらに何か言われなかった?」
マミ・杏子「!」
マミ「えぇ、私は『マミ、私がいなくなってもまどかの憧れの先輩でいなさいよ。』って言われたわ。」
杏子「アタシは『杏子、常に安定しているあなたなら安心してまどかを任せられるわ。』って言われたぞ。」
さやか「やっぱり……」考え中
杏子「さやかは何て言われたんだ?」
さやか「私?私は『さやか、私の代わりに必ずまどかを守りなさいよ。』って言われたよ。」
なぎさ「なぎさが殺された後に何があったのですか?」
さやか「あの後分身したほむらたちとの戦闘になったんだよ。」
マミ「私は時間停止を使う暁美さんとの銃撃戦を……」
さやか「私は魔女を使役するほむらとの戦闘を……」
杏子「そんで、アタシは弓を使うほむらと戦ったんだよ。」
杏子「さやかとマミの相手は分かるけどよ、なんかアタシだけ残り物を押し付けられた感がハンパないんだけど……」
杏子「それなりに戦えたとは言え、槍の近接攻撃と弓の遠距離攻撃って相性悪くね?」
なぎさ「見せ場があるだけ、杏子はまだマシなのです。」
なぎさ「なぎさなんて不意打ちで瞬殺だったのですよ。」シャルーン
さやか(まぁ、仮に瞬殺じゃなくても、眼鏡のほむらとの戦闘になってただろうけどね。)
杏子「早速戻ってアイツらをどうにかしねぇと!」
さやか「まぁ、待ちなって杏子。今行ってもあの二人の戦闘に巻き込まれるのがオチだって。」
マミ「ここは向こうの様子を見て、頃合いを見計らって出て行きましょう。ちょうどその機能も備わってる事だし。」
なぎさ「マミさんがあれこれ付けたがった事が、まさかこんな所で役に立つとは思わなかったのです。」
マミ「言ったでしょう?もしもの為に準備は万全にしましょうって。」マミッ
一同「………」まど神とデビほむの戦闘を見ている
一同「えっ!?」
なぎさ「なんなのですか、この戦いは!?」
マミ「レベルが違うとかそう言う次元じゃないわよ!」
さやか「あの二人の能力は未知数だから、何が起こっても不思議じゃないとは思ってたけど、これはありえないね……」
杏子「それにほむらの言動がヤバ過ぎるぞ!これも演技だって言うのか!?」
さやか「私たちを元に戻す為に、まどかに自分を本気で殺させようとしているとは言え、この発言はどう見てもヤンデレそのものだね……」
さやか「おそらくほむらは最後にまどかの攻撃をわざと受けるはずだから、それまでに見滝原周辺の魔法少女たちだけでも現実世界に戻す準備をしておく必要があるね。」
さやか「この二人の戦闘が終わったら、キュゥべえが何らかの行動を起こすはずだから、それに対処する為にも味方は多い方がいいからね。」
さやか「おそらく戦闘が終わったらほむらは死にそうな状態だろうから、こっちは私とマミさんに任せて、杏子となぎさは魔法少女たちを集めておいてくれるかな?」
杏子「よし、任せときな。」
なぎさ「はい、分かったのです。」
【回想終了】
《十数分後・ほむホーム寝室》
さやか「……って感じだったんだよ。」
まどか「さやかちゃんってすごく頭が切れるようになったよね。」
さやか「まぁね。ほむらが世界改変の時、私だけ記憶を消さなかった事が随分と役に立ったってとこかな。」
ほむら「うっ…う~ん……」目が覚める
まどか・さやか「!?」
まどか「ほむらちゃん!」ダキッ
ほむら「まどか……」まどかを抱きしめる
さやか「ようやく目が覚めたみたいだね、ほむら。」
ほむら「あなたには随分助けられたみたいね、ありがとう。」
さやか「どういたいしまして。」
ほむら「目が覚めた事だし、今すぐ結界の向こうの皆を……」立ち上がろうとする
ほむら「………」フラッ
まどか「ほむらちゃん!」ほむらを支える
さやか「ほむら!」ほむらを支える
ほむら「ごめんなさい。まだ動けないなんて情けないわね……」
まどか「そんな事ないよっ!今回ほむらちゃんはすっごく無理してたんだからしょうがないよ!」
さやか「そうだよ。完全に回復するまではまだ二人とも安静にしていなって。二人だけにするとまた無茶しかねないから、そうさせない為にも私は残ったんだから。」
ほむら「でもっ……」
?「急ぐ必要なんてないんじゃないかな?」
ほむら「インキュベーター!?何であなたがまだいるのよ!?この前の攻撃で母星ごと全滅したはずじゃなかったの!?」
まどか「それは私から説明するよ。」
まどか「あの攻撃はキュゥべえを絶滅させる為のものじゃない、キュゥべえに感情を知ってもらって、もう二度と犠牲を伴うような宇宙の延命なんてしないようにする為のものだったんだよ。」
ほむら「そんな……」
ほむら「でもっ!まどかが許しても、私はコイツらのしてきた事を許す事なんて出来ないわっ!」
ほむら「まどかだって知っているでしょう!コイツらのしてきた事を!」
まどか「もちろん知っているよ。でもキュゥべえがいなかったら、私たちが出会う事さえなかったかもしれないんだよ。」
ほむら「それは、そうだけど……」
ほむら「インキュベーター!まどかの慈悲で全滅しないで済んだのに、わざわざ殺されに来たのかしら!?」銃ガシッ
まどか「ほむらちゃん、殺しちゃダメだよ!」
QB「今日来たのはこれまでの謝罪と、魔法少女システムの変更の報告をするためだよ。」
QB「君が僕を殺したい気持ちは分かるけど、殺すのはせめて話を聞いてからにしてくれないかな?」
ほむら「まどか……」まどかの方を見ている
まどか「うん。まずはキュゥべえの話を聞いてあげて。」
ほむら「分かったわ……」銃仕舞い
QB「まずは全インキュベーターを代表して、魔法少女たち、特に君たち二人には本当に申し訳ない事をしたと謝罪させてもらいたい。」土下座
ほむら「ふんっ!土下座で許されない事くらい、分かっているでしょう。」
QB「もちろん分かっているさ。だから魔法少女システムだって大幅に変更したのだから。」
QB「あの攻撃の後、僕らにも感情と言うものが芽生えたみたいで、犠牲を伴う宇宙延命なんて間違っていると言う意見が大多数を占めるようになったんだ。」
QB「それに魔法少女にしてしまった少女たちへの償いもするべきだと言う考えの元、ソウルジェムの浄化の方法を新たな方法に変更したんだ。」
まどか「具体的にどう変わったの?」
QB「魔法少女の恋人同士、もしくはそのように見える関係の魔法少女同士なら、ソウルジェムが浄化されるように変更したんだ。」
まどか・さやか「えっ!?」
ほむら「まぁ!」
QB「ちなみに恋人同士でなくとも、普通に仲良くしているだけでも浄化の効果はあるよ。」
QB「ただし、まどかやほむらみたいに、恋人同士のような深い関係がある魔法少女同士の方が浄化の効果は高いよ。」
QB「ソウルジェムが浄化されれば魔女になる心配は無くなるから、まどかが円環の理としての使命を果たさなくて済むようになっただろう?」
QB「それに魔法少女でも戦う必要がないように、魔獣だってもう発生しないようにしたんだよ。」
さやか「なんでそんな浄化の方法を選んだのよ……」ハァ~
QB「さぁ?僕には理解出来ないけど、感情を持ったインキュベーターの中には百合少女を守るべきだって個体がいるみたいなんだ。」
QB「それにまどかやほむらのように、女性同士で恋人になるのも珍しくないと思ったからね。」
さやか「いやいや、まどかとほむらを参考にするのはマズいでしょ……」ハァ~
QB「そうなのかい?」
さやか「確かに同性婚が可能な国もあるけど、日本じゃ同性婚なんて無理じゃん。」
QB「あぁ、それなら心配ないよ。魔法少女システムの変更と共に世界中で同性婚が出来るようにしておいたから。」
QB「ついでに言っておくと、種の保存に問題が無いように魔法少女同士なら娘が出来るようになったよ。」
まどか「えっ!?」
さやか「はい!?」
ほむら「まぁ!」
ほむら「インキュベーター、素晴らしいシステム変更よ!」
ほむら「まどかが私の側にいられるだけじゃなくて、まどかとの娘も出来るようになるなんて、まるで夢のようだわ!」」体がボロボロなのを忘れてはしゃいでる
まどか「ほむらちゃん、うれしい気持ちは分かるけど、まだおとなしくしていないとダメだよ。」
ほむら「そうは言っても、今回のシステム変更がなかったら、◯◯◯(自主規制)に◯◯◯◯◯(自主規制)を◯◯◯(自主規制)て◯◯◯(自主規制)を◯◯◯◯◯(自主規制)つもりだったのよ!」
まどか・QB「わけがわからないよ………」唖然としている
さやか「このド変態!放送禁止用語を連発するんじゃない!」頭にチョップ
ほむら「痛いじゃない、さやか。何するのよっ!」
さやか「こうでもしないとロクな事にならないからだよ……」ハァ~
ほむら「インキュベーター、今後あなたに感謝する事はないだろうけど、今日だけは『感謝』の『か』の字くらい言ってあげてもいいわ!」
QB「感情を持っても、君の発言は相変わらず理解出来ないよ……」
さやか「私は分かるけど、分かりたくないよ……」
ほむら「さあ、まどか!いつまでも寝ている訳にはいかないわ。早くまどかのご両親に挨拶に行かないと!」
まどか「ちょっと、ほむらちゃん!しばらくはゆっくり療養していないとダメだよ。二人とも傷だってまだ癒えてないんだから!」
さやか「というか、今はまだ、まどかの家族もあんたが作った結界内にいるじゃん。」
ほむら「じゃあ、今すぐ連れて来なさい!」
さやか「無茶言わないでよ。本来あんたら二人が回復してから、魔法少女以外の皆はこっちに戻す予定だったんだから。」
ほむら「それじゃあ、まどか、今すぐ皆をこっちに戻しましょう!」
まどか「今の私たちじゃ、ボロボロでそんな事出来ないんだって!」
ほむら「仕方ないわね。ならここは問題が解決したお祝いに久しぶりにほむほむしましょう!」まどかの服脱がし
まどか「だから、まだ二人ともボロボロでそんな事もできないんだってばぁ!」ジタバタ
ほむら「大丈夫よ、まどか。あなたは何もしないで横になっているだけでいいから。」ハァハァ
さやか「はぁ……」呆れてる
QB「………」ポカーン
ほむら「何見てるのよ、さやか、インキュベーター!私は今からまどかとイチャイチャチュッチュッするのよ!」
ほむら「あなたたちは邪魔だからどっか行ってなさい!さもなくば即刻蜂の巣にするわよ!」銃ガシッ
さやか・QB「わけがわからないよ……」
まどか「ちょっと、ほむらちゃん!そんな事しちゃダメだよ!」
ほむら「分かったわ、まどか!そういう事ね!」
まどか「ほむらちゃん、分かってくれたんだね!」パァ~
ほむら「えぇ。まどかは見られてする方が興奮するのね!」
まどか・さやか・QB「………」開いた口が塞がらない
ほむら「全く女神ともあろう者がなんて淫らなのかしら。『ピンクは淫乱』と言うのは本当のようね。」
さやか「淫らなのはお前だ!この淫魔めっ!」
まどか「これまでの凛々しいほむらちゃんのイメージが壊れたよ……」
ほむら「まどかぁぁ~~~!!」ガバッ
まどか「きゃあぁぁ~~!!」
QB「今回のシステム変更は彼女たちの為に考えたんだけど、間違いだったのかな?」
さやか「まぁ、以前のあんたに比べれば遥かにマシな方法だけど、相手が悪かったね……」
QB「どういう事だい?」
さやか「まどかがずっと側にいられるようになっただけじゃなくて、まどかと結婚出来て、更に娘まで出来るようになったとくれば、ほむらにとってはこれ以上ない幸せだからね。」
QB「僕たちインキュベーターは彼女たちに少しでも罪滅ぼし出来たのかな?」
さやか「まぁ、一番の被害者であるほむらには十分すぎる位出来たんじゃない?」
QB「それはよかったよ。」
ほむら「まどかったら、もうここをこんなにして。イヤらしいわね。」ウフフフフ
まどか「ちょ、ほむらちゃん、そこはダメだよぉ~」ジタバタ
さやか「やれやれ……」QBを連れて違う部屋に行こうとする
QB「そうそう、システム変更と共に宇宙延命の方法も変わったから、それも君たちに知らせておかなくてはいけないね。」
ほむら「この腐れ外道小動物は、まだそんな事しようと言うの!?」ゴゴゴ(まどかを押し倒したままで銃をQBに向けている)
QB「もちろんこれまでのように犠牲を伴う方法じゃないから、そんな風に銃を向けるのは止めてもらえるかな?」
QB「ほむらのまどかへの感情を見て気づいたんだけど、人間の愛情と言うものは、希望から絶望への相転移以上に凄まじいエネルギーを秘めていたようだからね。」
ほむら「インキュベーター、あなたまだ人間の感情エネルギーを利用しようと言うのかしら?」ゴゴゴ(相変わらずまどかを押し倒したままで)
QB「あくまでそう言う代替エネルギーが存在すると言うだけさ。もちろん君たちが協力してくれるのなら宇宙延命の手助けにはなるとは言え、僕たちは無理強いはしないよ。あくまで協力してくれるのは同意してくれた魔法少女たちだけで構わない。」
まどか「そのエネルギーの発生や回収方法は?」
QB「まどかやほむらがこれまでしてきたような事をしていれば自然に発生するよ。」
ほむら「つまりこういう事ね!」
チュー
まどか「!?」ほむらにキスされた上に、胸まで揉まれている
シュゥゥ(エネルギーを帯びた結晶体が現れる)
QB「どうやら新システムは正常に作動しているみたいだね。」
さやか「これは?」
QB「そうだね、女性同士の愛でできたものだから『ユリーフシード』とでも言えばいいのかな?」
QB「まぁ、別にここまでしなくても発生したんだけど……」
まどか「先に言ってよ!」
QB「聞かれなかったからね……」
QB「と言いたい所だけど、僕が言う前にほむらが勝手にまどかを抱きしめてしまったからね。」
QB「まどかとほむらが生み出すユリーフシードは、理論上ありえないエネルギーを秘めているけど、さやかや杏子、マミやなぎさのような魔法少女同士でも普通に発生するよ。」
QB「そこでこれはあくまでお願いなんだけど、僕らの宇宙延命に協力してくれるかな?」
ほむら「お断りよ。」未だにまどかを押し倒したまま
QB「まぁ、君はそう言うだろうね。」
ほむら「当然よ!まどかとの愛の営みをインキュベーターなんかに見られたくないもの!」やっぱりまどかを押し倒したまま
まどか・さやか(さっきは『見られた方が興奮する。』とか言ってなかったっけ?)
QB「別に君たちの情事を見ようとは思わないよ。」
QB「ユリーフシードは同意が得られた魔法少女たちからのみ回収するし、発生と同時に自動的に回収されるから、君たちの情事が僕らに見られる事はないよ。」
QB「それに見たとしても、僕にとっては全く持って理解出来ない行為だからね。」
ほむら「ふんっ!貴様ごときに理解出来るはずがないわ。」ファサッ(今にもまどかとの情事をおっ始めそうな状態)
QB「まどか、君は同意してくれるかい?」
まどか「う~ん、もうちょっと考えさせてくれる?」
QB「分かったよ。」
QB「さやか、この事をマミたちにも伝えておいてくれるかな?」
さやか「分かった。あんたはこれからどうするの?」
QB「世界中の魔法少女たちにも謝罪とシステム変更の説明に回らないといけないね。」
さやか「まだ魔法少女を含めてほとんどの人は結界内にいるから、しばらくは暇なんじゃない?」
QB「そうだね。」
さやか「それじゃあ、私とあっちでティータイムでもしながら、もう少し詳しい説明を聞かせてもらおうかな?」
QB「構わないよ。」
さやか「こっちのバカップルの情事はしばらく終わりそうにないからね……」
QB「そのようだね……」
ほむら「さぁ、まどか!今日は寝かさないわよ!」
まどか「だから、それは無茶の範囲なんだよ~」
ほむら「無茶かもしれないけど、無理じゃないわ!」
さやか(無茶させる気まんまんだ……)
さやか「まどか、私はキュゥべえとあっちにいるから、終わったら声かけてね。いつになるかは知らないけど……」
まどか「待って、さやかちゃん!ほむらちゃんを止めてよ!」
さやか「ごめんね、まどか。そこのバカはさやかちゃんにはどうしようもないみたいだよ……」
まどか「そんなぁ~~」
ほむら「まどかぁぁ~~!!」ガバッ
まどか「きゃあぁぁ~~!!」
さやか(まどかのやつ、大丈夫かなぁ……)QBを連れて違う部屋に行く
《しばらく後・ほむホーム違う部屋》
さやか「キュゥべえはホットミルクでいい?」
QB「あぁ、それで構わないよ。」
さやか「はい、どうぞ。」QBにホットミルクを出している
QB「ありがとう、さやか。」ホットミルクを飲んでいる
QB「それで何から説明すればいいのかな?」
さやか「そうだね……」紅茶を飲んでいる
さやか「キュゥべえはまだ魔法少女の契約を続けるの?」
QB「今の所、宇宙延命の方法は魔法少女に頼らなくてはいけないからね。新たな方法が確立するまでは続けさせてもらうつもりだよ。」
さやか「今更だけど、なんでキュゥべえたちは宇宙の延命にこだわっているの?」
QB「さぁ?よく分からないけど、君たちで言う生きる目標のようなものだからかな?」
さやか「魔法少女になるメリットはどうなったの?」
QB「契約の際、何でも一つだけ願い事を叶えられるのは今までと変わらないよ。」
QB「もちろん、潜在能力によって叶えられない場合もあるけどね。」
QB「あと、これは人にもよるけど、魔法少女同士なら娘も出来るね。」
さやか「まぁ、ほむらみたいなのは喜びそうだよね。」
さやか「それじゃあ、デメリットはどうなったの?」
QB「一度魔法少女になったらもう元には戻れなくなる事と、本体であるソウルジェムを体からあんまり離すと仮死状態になってしまう事かな?」
さやか「魔法少女になったらどうなるの?」
QB「願いに応じた魔法少女姿と魔法の力や武器などが手に入るよ。」
さやか「戦う相手がいないんだから、必要ないんじゃない?」
QB「確かにそうだね。でも、これまで魔法少女になった子たちと不公平がないようにする為の対策かな?」
さやか「ソウルジェムの浄化方法はどうなるの?」
QB「他の魔法少女と仲良くしていればソウルジェムが濁る心配はないよ。」
QB「さっきも言ってけど、深い関係の魔法少女同士程、浄化の効果は高いよ。」
さやか「もしソウルジェムが濁りきってしまったらどうなるの?」
QB「その場合は魔女にならない為にも、円環の理であるまどかの救済が必要になってしまうだろうね。」
さやか「なるべくその必要がない事を願いたいね。」
QB「そうだね。まどかの存在はほむらにとって非常に大きいからね。」
さやか「それと宇宙延命の手伝いの事については?」
QB「魔法少女同士の関係が深い程、ソウルジェムの浄化の効果は高いって事はもう説明したよね。」
さやか「うん。」
QB「その関係が一定以上の深さになれば、ユリーフシードが発生してくるよ。」
さやか「一定以上ってのはどの位?」
QB「そうだね……」う~ん
QB「まどかとほむらのような関係かな?」
さやか「それじゃあ、あのバカップル以外ユリーフシードなんて発生しないじゃん。」
QB「すまない、語弊があったようだね。」
QB「まどかやほむらのような、魔法少女の恋人同士の関係かな?」
さやか「それって結構ハードル高いんじゃない?」
QB「そうなのかい?」
さやか「それじゃあ、マミさんとなぎさからは発生しないんじゃない?」
QB「そんな事無いと思うんだけどなぁ……」
さやか「!」
さやか「もしかしてユリーフシードの発生条件って、『百合少女を守るべきだ』って言ってた個体の提案なの?」
QB「相変わらず君は妙な所で鋭いね。その通りだよ。」
さやか「あぁ、なるほど。そう言う事ね……」
QB「何か気づいた事でもあるのかい?」
さやか「おそらく仲良さそうに見えさえすれば、実際恋人同士じゃなくてもユリーフシードは発生するかもしれないね。」
QB「僕にも多少は感情と言うものがあるけど、よく分からないね。」
さやか「まぁ、感情を持っても分からないかもしれないね。」
QB「?」キョトン
QB「ユリーフシードについての説明の続きだけど、深い関係の魔法少女同士程ユリーフシードに蓄えられる愛情のエネルギーは多くなるよ。」
QB「僕らはそれらを同意が得られた魔法少女たちからのみ回収して、宇宙延命の為のエネルギーとして使わせてもらいたい。」
さやか「ユリーフシードの発生や回収による悪影響は存在するの?」
QB「ユリーフシードが発生、回収されても、魔法少女には肉体的にも、精神的にも悪影響は及ぼされないよ。」
さやか「回収されないユリーフシードはどうなるの?」
QB「しばらくしたら再び発生元の魔法少女たちに戻るよ。」
さやか「なるほどね……」
QB「他に聞きたい事はないかな?」
さやか「じゃあ、最後に契約する時どうするか実演してみてくれる?私が魔法少女になる子の役をやるから。」
QB「分かった。」
さやか「それじゃあいくよ。」
~以下契約時の実演シーン~
さやか「魔法少女になるとどうなるの?」
QB「一つだけ君自身の潜在能力に応じた願いを叶える事が出来るよ。」
QB「また願いに応じた魔法少女姿と魔法の力や武器などが手に入るよ。」
さやか「武器って事は何かと戦わないといけないの?」
QB「いや、そんな必要は無いよ。それは魔法少女システムが変わる前から魔法少女だった子たちと不公平がないようにする為の対策だよ。」
QB「それと君の魂は君の体から離れて、ソウルジェムと言う宝石に変わるよ。」
QB「ただし、一度魔法少女になると二度と元には戻れないし、ソウルジェムから離れ過ぎると仮死状態になるから気をつけてね。」
さやか「具体的にはどの位離れると危ないの?」
QB「およそ100メートルと言った所だね。」
さやか「ソウルジェムって?」
QB「魔法少女の証であり、君の魂そのものだよ。」
QB「そのソウルジェムは魔力を使ったり、魔法少女の肉体を維持したり、ソウルジェムの持ち主が絶望などの負の感情を感じると、濁っていってしまうから注意してね。」
さやか「ソウルジェムを浄化するにはどうすればいいの?」
QB「他の魔法少女たちと仲良くしていればソウルジェムは浄化されるよ。」
QB「そして、関係が深い魔法少女同士程、浄化の効果は高いよ。」
さやか「もしソウルジェムが濁りきってしまったらどうなるの?」
QB「その際は、円環の理である鹿目まどかが君を救済してくれるよ。」
QB「ただしその際、君自身も消滅してしまうからね。」
QB「それになるべくソウルジェムが濁りきらないように注意してね。」
さやか「どうして?」
QB「君が消滅すると悲しむ人がいるからね。」
QB「それに円環の理である鹿目まどかにも大切な人がいるから、なるべく彼女が円環の理としての役目をしないで済むように君にも協力してもらいたいんだ。」
さやか(キュゥべえのやつ、魔法少女になる子だけじゃなく、ほむらの事も考えてあげてるんだね……)ちょっと見直している
さやか「他に魔法少女についての説明はあるの?」
QB「魔法少女同士なら、娘が出来るよ。」
QB「また魔法少女同士が仲良くしているとソウルジェムが浄化されるんだけど、その際魔法少女同士の関係が一定以上の深さになると、ユリーフシードが発生するよ。」
さやか「ユリーフシードって?」
QB「一定以上の深さの関係の魔法少女から発生するエネルギーの結晶体で、僕らインキュベーターは同意を得られた魔法少女からのみ回収させてもらって、宇宙の延命の為のエネルギーとして使わせてもらいたい。」
さやか「一定以上の深さの関係ってのはどの位?」
QB「魔法少女の恋人同士、もしくはそのように見える関係の魔法少女同士だよ。」
QB「そして深い関係であればある程、ユリーフシードに蓄えられる愛情のエネルギーは多くなるよ。」
QB「また、ユリーフシードは発生と同時に自動的に回収されるよ。」
さやか「ユリーフシードの発生や回収による悪影響は存在するの?」
QB「ユリーフシードが発生、回収されても、魔法少女には肉体的にも、精神的にも悪影響は出ないよ。」
さやか「回収されないユリーフシードはどうなるの?」
QB「しばらくしたら再び発生元の魔法少女たちに戻るよ。」
QB「以上で魔法少女の説明は終了だよ。」
さやか「なるほどねぇ~」
さやか「本当にどんな願いでも叶うんだね?」
QB「君の潜在能力にもよるけどね。」
QB「さあ、美樹さやか、その魂を代価にして、君は何を願う?」
さやか「万能の神に……」
QB「そんなの不可能に決まっているじゃないか。」
QB「さやか、真面目にやってくれないかな?」
さやか「分かったよ。ちょっとしたさやかちゃんジョークだよ。」
QB「さあ、美樹さやか、その魂を代価にして、君は何を願う?」
さやか「私の願いは◯◯だよ。」
QB「その願いは君にとって、魂を差し出すに足るものかい?」
さやか「うん。」
QB「もう一度確認するよ。」
QB「魔法少女になったらもう元には戻れないし、君の魂は君の肉体を離れソウルジェムに変えられる。」
QB「そんなデメリットを十分理解した上で、その願いは君にとって、魂を差し出すに足るものかい?」
さやか「うん。後悔なんてあるわけないよ。」
QB「契約は成立だ。君の祈りはエントロピーを凌駕した。」
QB「さぁ、解き放ってごらん。その新しい力を。」
~契約時の実演シーン終了~
QB「まぁ、こんな所かな?」
さやか「以前とは比較にならない位時間がかかるようになったね。」
QB「それはしょうがないよ。ちゃんと魔法少女と言うものを知った上で契約しないと、後で後悔する事になるからね。」
さやか「これならまどかも納得してくれると思うよ。」
QB「それはよかったよ。」
さやか「まぁ、ほむらはどうあっても納得しないだろうけどね……」苦笑い
QB「彼女には随分迷惑をかけたからね。それはしょうがないよ。」
QB「それにしても以前は僕らと敵対していたのに、どうしてこんなにも優しくしてくれるんだい?」
さやか「確かに以前のあんたは外道の極みだったからね。」
QB「否定出来ないね……」
さやか「でも今は犠牲を出さない宇宙の延命を頑張ってるから、これでいいんじゃない?」
さやか「それに前まどかやほむらが言ってたんだよ。」
さやか「『優しさを失わないで。弱いものをいたわり、互いに助け合い、誰とでも友達になろうとする気持ちを忘れないで。例え、その気持ちが何百回裏切られようとも。』ってね。」
QB「だからまどかはあれだけの事をした僕らに対しても、全滅しないでくれたんだね。」
さやか「まどかは、まぁ、ほむらには飛びきり優しいけど、本来誰にでも優しいからね。例えそれが自分たちを傷つけたあんたたち相手でもね。」
さやか「残念ながら、ほむらの優しさはほとんどがまどかに注がれてるから、私たちにもあんまり注がれないし、少なくともあんたには全く注がれる事は無いだろうけどね。」
QB「まぁ、原因は僕らにあるとは言え、僕を見るなり挨拶代わりに銃を突きつけて来るくらいだからね。」
さやか「ほむらはループしているうちに私たちやあんた、それにまどかに裏切られ続けて、誰かと助け合う事も、友達になろうとする事も諦めて、全てを一人で抱え込んじゃった。」
さやか「それでも、まどかへの優しさだけは絶対に失わなかったから、『何百回裏切られても優しさを失わないで。』って言ったんだろうね。」
さやか「円環の理の一件も今回の騒動も、やり方は滅茶苦茶だけど、アイツなりにまどかを思ってした優しさの現れなんだろうね。」
QB「そうみたいだね。」
さやか「今のあんたなら、ほむらは置いといて、他の魔法少女たちとも友達のような友好的な関係を築けるんじゃないかな?」
QB「そうなのかい?」
さやか「それにみんなもあんたが宇宙の延命の為に頑張ってるのを知れば、ちゃんとあんたの事も助けてくれると思うよ。」
QB「そうなってくれるとうれしいね。」
さやか「あんたも困ってる魔法少女がいたら助けてあげなよ。」
QB「もちろんだよ。」
~数十分後~
QB「それじゃあ、さやか、他の三人にも魔法少女システムの変更の事を伝えておいてくれるかな?」
さやか「分かった。あんたは一度母星に帰るの?」
QB「今日来たのは彼女たちに謝罪する為と、魔法少女システムの変更を報告するためだからね。」
QB「しばらくは他の魔法少女たちも結界の中だろうからね。彼女たちが戻ってきたら忙しくなるだろうから、その準備に一度戻るよ。」
さやか「それじゃあ、またいつかね。」
QB「あぁ。」
《数年後・教会》
ゴーンゴーン(鐘の鳴る音)
一同「二人ともおめでとう!」
まどか・ほむら「皆ありがとう。」二人ともアルティメット状態の衣装を着ている
ほむら父「まさかあの病弱だったほむらがこんなにも変わるとはね。」
ほむら母「まどかさんを守るために随分苦労したらしいわ。」
まどか父「ほむらさんには、まどかが随分世話になったみたいだよね。」
まどか母「あぁ、あのほむらちゃんならまどかを安心して任せられるよ。」
一同「ワイワイガヤガヤ」
さやか「いやぁ、魔法少女システムの変更だけじゃなくて、まさか本当に日本でも同性婚が出来るようになるとはね。」
杏子「そうだな。あのバカップルときたら、結婚出来る歳になってすぐに結婚してるし……」
なぎさ「それにしても不思議ですよね。なぎさやマミさんのように恋人じゃなくてもユリーフシードが発生するなんて。」
マミ「そうよね。」
まどか「きっと周りから見たら恋人みたいに仲良く見えるからじゃないでしょうか?」
まどか「二人はもうずっと一緒に暮らしていますし、仲のいい姉妹に見えますよ。」
マミ「ありがとう、まどかさん。」
なぎさ「ありがとうなのです、まどか。」
さやか(やっぱり仲良さそうに見えさえすれば、実際恋人同士じゃなくてもユリーフシードは発生するみたいだね……)少し呆れてる
まどか「ソウルジェムの穢れの心配もなくなって、円環の理としての役目もほとんどしないで済むようになったから、こうしてほむらちゃんの側でみんなと一緒に過ごせるようになったんだよね。」ウェヒヒ
ほむら「えぇ、ずっとあなたの側にいるわ。」ニコッ
ほむら「それにしてもやっぱりインキュベーターなんて浄化じゃなくて全滅したかったわ。なんなら私が……」
まどか「ダメだよ、ほむらちゃん。今のキュゥべえは悪い事をしない普通のマスコットになったんだから。」
ほむら「ほむぅ……」心底残念そうな表情で
まどか「それに魔法少女システム変更のおかげで、今こうしてほむらちゃんと結婚できるようになって、それに……」カァ~
ほむら「魔法少女同士なら娘ができるようになったものね。」ニヤニヤ
まどか「もうっ、ほむらちゃんったら!」デレデレ
さやか(相変わらずのバカップルぶりだね……)呆れてる
マミ(相変わらずのバカップルぶりね……)呆れてる
杏子(相変わらずのバカップルぶりだな……)呆れてる
なぎさ(相変わらずのバカップルぶりなのです……)呆れてる
マミ「魔法少女システムの変更で、世界改変もしなくて済んだものね。」
なぎさ「ほむらの結界からこっちの世界に戻す事も、マミさんのあのアイテムとまどかとほむらの力を使ってあっという間に出来てしまったのです。」
ほむら「さすがに世界中の人に、私がループしていた頃からの記憶も持たせるのは疲れたわね。」
マミ「それはしょうがないでしょう。演技とは言え、あれだけの事をしでかしたのだから。」
ほむら「そっ、それは反省しているわよ。」ホムーン
まどか「それに、このくらいの事をしないと、またほむらちゃん一人で抱え込んじゃうんだからっ!」
杏子「そうそう。あん時はお前がさやかの記憶を消さずにおいたから、なんとかなったとはいえ、記憶が有るのと無いのじゃ全然違うからな。」
ほむら「分かってるわよ。だからあれ以降は困った事があったら皆に相談しているじゃない。」
さやか「だからと言って、私たちに『まどかにどんな下着やネグリジェが似合うかしら?』って相談するのはどうかと思うよ……」呆れてる
ほむら「まどかの誕生日プレゼントなのよ!サプライズで祝いたいじゃない!」
杏子「誕生日プレゼントに、ヒラヒラな下着とスケスケのネグリジェを贈ろうとするお前の思考回路はどうかしてるぞ……」呆れてる
ほむら「かつての偉い人は言っていたのよ、『女性に服を贈るのは着せたいからじゃなくて、脱がせたいからだ。』って。」ファサッ
さやか・杏子「やっぱそれ目的かよっ!」ダブルツッコミ
さやか「まどか、それで結局その日は……」
まどか「ノーコメントで……」カァ~
なぎさ「マミさん、聞こえないのです!手をどけて欲しいのです!」ジタバタ(マミさんに耳塞がれている)
マミ「子供にはまだ早い事よ。」
なぎさ「むうぅぅ~~、なぎさはもう立派なレディーなのです!」プンプン
まどか・さやか(相変わらず過保護だなぁ。)
ほむら(相変わらず過保護ね。)
杏子(相変わらず過保護だ。)
なぎさ「ほむら、なぎさも言いたい事があるのです。なんでなぎさだけ瞬殺したのですか?」
ほむら「それはしょうがないじゃない。それともゴルフクラブを持った眼鏡の私と戦いたかったの?」
なぎさ「そう言うわけではないですけど、なぎさだって見せ場が欲しかったのです。」
なぎさ「あの頃は基本空気な上に、時折出番があっても、マミさんのアレなセンスの一番の被害者としてしか役目がなかったのです。」シャルーン
ほむら「まぁ、マミのアレなセンスの被害者と言う点には同情するわね。変わってあげようとは微塵も思わないけど。」ファサッ
なぎさ「むぅぅ~~」
マミ「二人とも黙って聞いていれば、私の事好き放題言ってくれているわね。」ゴゴゴ
ほむら・なぎさ「!?」ビクッ
ほむら「ほら、なぎさ、あなたの出番よ。」ヒソヒソ
なぎさ「えぇ~、なぎさ、もうそんな子供じゃないのです。」ヒソヒソ
マミ「二人ともコソコソと何を話しているのかしら?」ゴゴゴ
ほむら「ほら、いいからやるのよ。」ヒソヒソ
なぎさ「はぁ……」
なぎさ「マミさ~ん、なぎさは怒ってるマミさんより、笑顔の素敵な優しいマミさんが大好きなのですっ!」ダキッ
マミ「もうっ、なぎさちゃんたらいつまでたっても子供ね。」ナデナデ
まどか・さやか(相変わらずチョロいなぁ……)
ほむら(相変わらずチョロいわね……)
杏子(相変わらずチョロい……)
~数十分後~
司会者「では、指輪の交換を。」
まどか・ほむら「はい。」
ほむら「それともう一つ交換したいものがあるのですが、いいですか?」
司会者「?」
司会者「えぇ、どうぞ。」
ほむら「まどか、約束のリボンずいぶん遅くなっちゃったわね。」自分のリボンをほどく
まどか「!」転校初日の約束を思い出す
まどか「なら、私も……」自分のリボンをほどく
ほむら「やっぱり、あなたの方が似合うわね。」ニコッ(自分のしていたリボンをまどかの髪に結び直している)
まどか「普段の凛々しいほむらちゃんもいいけど、三つ編みの可愛いほむらちゃんもいいよね。」ニコッ(自分がしていたリボンをほむらの髪に結び直している)
ほむら「もうっ、その姿はちょっと恥ずかしいわ。」カァ~
~数分後~
司会者「あの……そろそろ……」
まどか・ほむら「イチャイチャ」桃色オーラ全開で聞こえてない
一同(もうやだ、このバカップル……)呆れてる
さやか「いい加減、式を進めなさい!このバカップル!」二人を叩いて我に返らせる
まどか「ちょっと!痛いよ、さやかちゃん!」
ほむら「ちょっと!痛いじゃない、さやか!」
杏子「人目もはばからずイチャイチャするバカップルには当然の対応だろ。」
ほむら「分かってないわね、杏子。人目もはばからずイチャイチャするって言うのはこういう事を言うのよ!」まどかを抱きしめる
チュー(舌まで入れてる)
まどか「!?」
一同「………」唖然としている
まどか「ほむらちゃん、これ以上はちょっと……」目がトロンとしてる
ほむら「構わないわ。」まどかの服に手をかけようとする
さやか「構いなさい!」実力行使で止めに入る
杏子「構えよ!」実力行使で止めに入る
ほむら「残念ね。続きは帰ってからにしましょう。」
まどか「うっ、うん……」カァ~
さやか「全く公衆の面前でナニやろうとしてんのよ!」
ほむら「いざとなったら、記憶操作でどうとでもなるわ。」ファサッ
杏子「そんなふざけた理由で力を使うな、このバカ!」
なぎさ「はうぅ、とんでもないものを見てしまったのです……」顔真っ赤
ほむら「なぎさ、これが本物のレディーと言うものよ。」ファサッ
マミ「本物のレディーはそんなはしたない事しません!」
司会者「あの、そろそろ指輪交換の方を……」
まどか・ほむら「!?」
まどか・ほむら「すっ、すみません……」アセアセ
ほむら「それじゃあ……」
ほむら「まどか、私の愛、受け入れてくれる?」
まどか「もちろんだよ!」ニコッ
ほむら「素敵よ、まどか。」まどかの左手薬指に、自分のソウルジェムの一部を宝石にした指輪をはめる
まどか「今度は私の番だね。」
まどか「ほむらちゃん、ずっと私と一緒にいてくれますか?」
ほむら「当然よ!」ニコッ
まどか「綺麗だよ、ほむらちゃん。」ほむらの左手薬指に自分のソウルジェムの一部を宝石にした指輪をはめる
モブ一同「おめでとう!」盛大な拍手
まどか・ほむら「みんな、ありがとう。」
杏子「今更だけどよ、ソウルジェムってアタシらの本体だよな?」
マミ「えぇ、そうね……」
なぎさ「なのになんであの二人は、自分のソウルジェムの一部を宝石に出来るのですか?」
さやか「考えるだけ時間の無駄だよ。あのバカップルの思考回路は、マミさんのアレな思考回路同様まともな人には理解出来ないからね……」ハァ~
杏子「あぁ~、確かにそれじゃ理解出来ないな。」
なぎさ「あぁ~、確かにそれじゃあ理解出来ませんね。」
マミ「ちょっと!美樹さん!私のネーミングセンスと二人の思考回路を一緒にしないでよ!」プンプン
マミ「それになぎさちゃんと佐倉さんも何納得してるのよっ!?」プンプン
さやか・杏子・なぎさ「えっ?」キョトン
さやか「すごく分かりやすいたとえのつもりだったんですが……」
杏子「あぁ、この上なくいいたとえだったな。」
マミ「えぇ~」マミーン
~数分後~
司会者「では、誓いの口づけを……」
一同「!?」ガヤガヤ(イヤな予感がしてる)
さやか・マミ「しなくて大丈夫です。」
杏子「しなくて大丈夫だ。」
まどか「どうして!?」
ほむら「どうしてよ!?」
さやか「胸に手を当てて考えなさい!」
まどか「こう?」ほむらの胸を触っている
ほむら「こうかしら?」まどかの胸を触っている
一同「!?」
さやか「あんたたち、わざとやってやしないでしょうね?」
まどか・ほむら「?」キョトン
杏子「ダメだな、こりゃ……」
ほむら(まどかの胸の感触が……)目つきと手つきが怪しくなる
さやか「!」
さやか「やめんかい!この変態!」ほむらを叩いて正気に戻す
ほむら「あなたが『胸に手を当てて考えなさい。』と言ったのに、どうして私は叩かれないといけないのよ!?」
さやか「『自分の』胸に手を当てて考えるに決まってるでしょう!」
さやか「何当然のように、二人して相手の胸を触ってるのよ!」
まどか・ほむら「えっ!?自分の胸の方だったの!?」
まどか・ほむら「私たちいつも自分の胸より……」モゴモゴ(さやかと杏子に口を塞がれる)
さやか・杏子「あんたらはもう下手な事をしゃべるな!」
司会者「あの、誓いの口づけはどうしましょう?」
さやか・杏子「しなくて……」
まどか「するに決まってるよ!」口を塞いでたさやかの手をどかす
ほむら「するに決まってるわ!」口を塞いでた杏子の手をどかす
一同「ハァ~~」諦めたような深いため息
司会者「では、誓いの口づけを。」
ほむら「まどか、愛してるわ。この世界の誰よりも。」
まどか「私も大好きだよ。ずっと側にいてね、ほむらちゃん。」
まどか「ほむらちゃん……」目を閉じてほむらを抱きしめる
ほむら「まどか……」目を閉じてまどかを抱きしめる
さやか(もうこの段階でイヤな予感しかしない……)
チュー
~数分後~
まどか・ほむら「………」まだ抱き合ったままキスしてる
さやか(やっぱりロクな事にならなかったよ……)ハァ~
一同「………」ハァ~
司会者「申し訳ありませんが、お二人を止めて頂けますか?」さやかと杏子に頼んでいる
さやか・杏子「分かりました。」
さやか・杏子「おい、そこのバカップル!いつまでしてるつもりだ!」
まどか・ほむら「!?」キスしてた唇を離す
まどか「えっ!?まだ数分しかしてないよ?」キョトン
ほむら「いつもはもっと長いわよ?」キョトン
一同(一体いつもはどんな事しているんだろう……)呆れてる
~数十分後~
司会者「それではお二人から、皆様への感謝のブーケトスをお願いします。」
マミ「ついにこの時ね!」キラキラ
なぎさ「なんでマミさんはこんなにも生き生きとしているのですか?」
杏子「マミなら相手なんてよりどりみどりなんだから、取る必要なんて無いはずなのにな。」
さやか「たぶんそう言う事じゃないと思うよ。」
さやか「二人のウエディングケーキってマミさんが作ってたよね?」
なぎさ「はい。マミさんはまどかとほむらの為にすっごく頑張っていたのですよ。」
杏子「あれは絶品だったな。毎日でも喰いたいくらいだぜ。」
さやか「あんたは年取っても相変わらず食い意地張ってるわね。」
さやか「あのウエディングケーキを作る代わりに、もしかしてマミさんあの二人に何かお願いしたんじゃないかな?」
杏子・なぎさ「お願い?」
さやか「うん。しかもたぶんロクな事じゃないと思うよ。さっきから二人のテンションが地味に下がってるし。」まどかとほむらの方を指差している
まどか・ほむら「ハァ~~」これまでのうれしそうな表情から一変して、なんか憂鬱そうな表情をしてる
なぎさ「まさかそのお願いって……」
杏子「アレじゃないだろうな?」
さやか「………」
司会者「では、お二人ともお願いします。」
まどか・ほむら「分かりました……」二人で弓を召喚する
モブ一同「?」
まどか「それじゃあ、ほむらちゃん……」
ほむら「そうね……」
まどか・ほむら「皆に幸せを!二重祝賀射撃(ティロ・デュエット・フェリーチェ)!」二人で光の矢を弓につがえて、空に向かって祝砲の矢を放ち、上空から来場者全員にブーケを贈る
モブ一同「!?」
ほむら(なんでこんな時まで、マミの考えた台詞を言わなきゃいけないのよ……)
まどか(ウエディングケーキはマミさんが、『二人の為に最高のケーキを作るから任せて!』っていうからお願いしたのに、まさか代わりにこれを言わされるなんて思ってなかったよ……)
マミ「素敵よ、二人とも!」キラキラ
さやか・杏子(やっぱりこういう事か……)ハァ~
なぎさ(やっぱりこういう事だったのですね……)ハァ~
モブ一同「!?」自分たちの手元にブーケが贈られてきて驚いてる
モブ一同「二人ともありがとう!」
モブ「素敵な演出だったよ。」
モブ「最高のブーケトスだったわ。」
モブ「さすがは魔法少女と言われるだけの事はあるね。」
まどか・ほむら・さやか・杏子・なぎさ「えっ!?」
マミ「私の想像通りね。」マミッ
まどか「マミさん、これは一体どういう事なんですか?」
ほむら「普通マミのアレなセンスはドン引かれるはずよ!」
マミ「ほむらさんたら、ヒドイじゃない!二人の為に最高の演出を考えたのに!」プンプン
なぎさ「普段はアレなマミさんのセンスも、時と場合によっては素敵なエッセンスになると言う事なのかもしれないですね。」
杏子「確かにな。まさか来場者全員に、幸せのお裾分けをするなんて思いもよらないだろうからな。」
さやか「というか普通の人は、私たちみたいに日常的に魔法を見ていないから新鮮なだけなんじゃ……」
マミ「そんな事ないわ!やっぱり私のセンスは万人に受け入れられると言う事よ!」
まどか・さやか「いや、それは勘違いだと思いますよ。」
ほむら「いえ、それは勘違いよ。」
杏子「いや、それは勘違いだろ。」
なぎさ「いえ、それは勘違いだと思うのです。」
マミ「えぇ~~」マミーン
~数分後~
司会者「では、最後に記念写真を撮りますね。」
一同「ゾロゾロ」写真を撮る位置に移動している
さやか「いやぁ~、さやかちゃん、今日はなんか無駄にツッコミ疲れちゃいましたよ。」
杏子「確かにな。まどかもほむらも惚気まくっていたからな。ツッコミお疲れさん。」
さやか「ねぇ、杏子……」そっと手を差し出す
杏子「仕方ねぇな。今日だけだぞ。」
まどか「ほむらちゃん、やぱっりあれにする?」
ほむら「当然よ、まどか。」
~数分後~
司会者「では、最後に記念写真を撮りますね。」
一同「ゾロゾロ」写真を撮る位置に移動している
さやか「いやぁ~、さやかちゃん、今日はなんか無駄にツッコミ疲れちゃいましたよ。」
杏子「確かにな。まどかもほむらも惚気まくっていたからな。ツッコミお疲れさん。」
さやか「ねぇ、杏子……」そっと手を差し出す
杏子「仕方ねぇな。今日だけだぞ。」
まどか「ほむらちゃん、やっぱりあれにする?」
ほむら「当然よ、まどか。」
司会者「それじゃあ、撮りますよ。」
司会者「はい、チーズ。」
なぎさ「えっ!?チーズ!?どこにあるのですか!?」辺りをキョロキョロしてる
マミ「あっ!?」なぎさの方を見てる
パシャ(なぎさがチーズを探してキョロキョロして、マミさんはそれにつられて横を向いていて、さやかと杏子はこっそり恋人つなぎをしていて、そして写真の真ん中には満面の笑みでルミナスしているまどかとほむらの写真が撮れる)
《数年後・ほむホーム》
ほむら「今となってはこの時の事も随分懐かしく感じるわね。」写真を見ている
まどか「どうしたの、ほむらちゃん?結婚式の時の写真を眺めたりして。」
ほむら「いえ、随分と遠回りしてしまったけど、ようやくまどかと同じ時を歩めるようになった幸せをかみしめていたのよ。」
まどか「私もずっとほむらちゃんが側にいてくれるようになって、すっごくうれしいよ。」
ほむら「まどかと同じ時を歩めるようになったのだから、これはもう使わないでおきましょう。」ほむスピナーを取り出す
まどか「それをどうするの?」
ほむら「これにはまどかを救う為に何度も助けられたからね。こうしておきましょう。」ほむスピナーを写真と共に飾っている
まどか「改めて言わせて、ほむらちゃん。今まで本当にありがとう。そしてこれからもずっとよろしくね。」
ほむら「えぇ。私の方こそよろしくね。」
まどか「ウェヒヒ。」笑い合ってる
ほむら「ウフフ。」笑い合ってる
?「ママぁ~」
まどか・ほむら「!?」
ほむら「いけない、あの子が呼んでるわ。」
まどか「それじゃ、行こっか?」
ほむら「えぇ。」まどかの手を取って二人で娘の元へ
おしまい
<あとがき>
終焉の物語は一応叛逆本編後の世界と言うイメージで書きましたが、話の都合上さやかやQBの記憶持ちの設定や全員魔法少女、まどかの好感度が若干高め、あと残念な美人のマミさんなど、本編と矛盾点があると思います。ほむらの使い魔はよく分からないのでカットさせてもらいました。まどかとほむらが百合夫婦なのは今更なので何も言いませんが。
元のSSと一体の場合ではQB浄化や魔法少女システムの変更に他作品のキャラが関わっていますが、クロス先のキャラによるQB浄化やシステム変更のシーンを書いてからこのSSを書いたので、このような事になりました(苦笑い)
このSSは元々あるSS内で回想と言う形でサラっと済ますつもりでしたが、ブラックボックスにするのは性に合わないので、せっかくだから終焉の物語も書いとくかってノリで書き始めました。そしたら、叛逆後のまどほむ成立の過程、ほむらが壊れてまどかとの快楽に溺れる過程(同時にシリアスは疲れるからマミさんワールド全開なギャグシーン)、ラストバトルや結婚式のシーンまで書いてたらこっちの方が長くなってしまいました(苦笑い)
仮に元のSSと一緒に投稿すると、あまりにも雰囲気が違う(元のSSはクロス先のキャラによるQB浄化シーン以外はコメディ色が強いので)事と、何よりあるキャラの存在自体がハッピーエンドのネタバレになりそうだったので、いっその事分けて投稿しました。その際、中盤以降のQBの暗躍シーンとさやかの策士シーンなどのネタバレ部分も隠して投稿すればネタバレ知らずに読めるかもと思っていろいろ削ってみました。
分割した際、システム変更のシーンだけにクロスさせたキャラを出したら世界観が壊れそうだったので、こちらはクロスしないでまどマギのみで完結するようなルートで書きました。ちなみにクロスした際のQBは更に外道っぷりに磨きがかかっています。
元のSSの方もほぼ完成していて、後はマミさんワールド全開なシーンのみなので、しばらくしたらそちらも投稿出来ると思います。その際、中盤以降の削ったシーンも一緒に投稿しておきます。またそっちは魔法少女たちとQBの対峙シーン~結婚式の誕生日プレゼントのシーンまでが元のクロスルートで書き直されています。そちらはワードのページ数で言うと約500ページくらいになりそうです。
5、6時間で終わると思っていましたが、倍の12時間くらいかかってしまって眠いのでこれから寝る事にします。
長時間の投下、乙です
乙
お疲れ様。乙。
こういうくっさい後書き書く奴ってまだいるんだな
お疲れ様です
長すぎきめぇ
この長さすごい
一気に投下して一気に完結させたのは尊敬する
乙でした
何日かに分けて投下したら、もっと多くの人に見てもらえると思う
もったいない
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