お嬢さん「俺さんと……デート?」 (5)

先生「そうじゃ」

お嬢さん「なんだってそんなことを……嫌ですよ、みっともない」

先生「そうはいってものう、ほれ、お前と俺くんがくっついてくれるといろいろワシも都合がいいじゃろう」

俺「先生、今は自由主義の時代ですよ、前近代的なことを言ってちゃいけません」

先生「なんだい、君はこれとくっつくのが嫌なのかい」

俺「い、いえ決してそんなことはありませんが……」

先生「じゃあ問題ないじゃないか、ほれ、行ってきなさい。活動写真でも見てくるといい」
――――
――
俺「……参ったな、先生は強情なんだから……」

お嬢さん「あなたは、私とでかけるのがそんなに困るのですか?」

俺「僕はそりゃあ嬉しいですよ、お嬢さんのような器量の方と出歩ける機会なんてそうはありませんから」

お嬢さん「…それは、あなたが女性を男性を飾り立てるための装飾と同じに考えていると取ってよろしいでしょうか?」

俺「そ、そうじゃありませんよ、僕は純粋にお嬢さんのような方と時間を共有できるのが嬉しいだけです」

お嬢さん「まあ、どうだか」

俺「…あ、お嬢さん、馬車が来ましたよ、先にお乗りください」

お嬢さん「……馬車よりもより、私はあれにのりたいのです」

これは期待

続けたまえ

はよ

俺「あれって……人力車じゃないですか」

お嬢さん「ええそうよ、ご不満があって?」

俺「だいたい車夫がいないじゃありませんか、車だけあったってしょうがない」

お嬢さん「車夫ならここにあるじゃないですか」

俺「あるって……どこですか?」

お嬢さん「これ、ここにです」

俺「……?」

お嬢さん「鈍い方ですね……付いてきてください」
――
お嬢さん「まず私がここに乗るでしょう?」

俺「はい」

お嬢さん「あなたがそこの棒を掴むでしょう?」

俺「はい」

お嬢さん「そしてあなたが走れば車は動きます、簡単なことじゃありませんか」

俺「……はい?」

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