俺「もしや、貴様!……『内定者』か!?」(151)
2011年7月
俺「そろそろ夏休みだなあ」
友「そうだな……」
俺「おいおい、浮かない顔してどうしたんだよ?夏休みだぞ、夏休み!」
友「いやさ、夏休みが終わったら、本格的に就活開始なんだよな……」
俺「ああ、就活ねwwwんなもん楽勝でしょwwwwww」
友「そうかな……そうだ!夏休み中にビジネスマナー講座とか就活に役立ちそうなイベントがあるんだけどいかない?」
俺「えー、だっりいよwwww」
友「でもさ……」
俺「面倒くさいし俺はいかねえよ?」
友「そうか……」
2011年8月上旬
俺「よっしゃ、夏休み始まったwwwww」
俺「遊ぶぞwwwwww」
俺「あ、でも金無いな」
俺「そうだ、たまには登録してある派遣のバイトに行くか!」
俺「金稼いだるwwwwwww」
2011年9月
俺「うはwwww金貯まったwwwwww」
俺「これで色んなもの買ったり、遊んだりできるwwwww」
俺「友が就活のイベント行ったらしいけど、気が早すぎるんだよwwwwww」
俺「もっと気楽に考えないとダメだぞ、友wwwwww」
2011年10月
俺「うぃーす、後期始まっちゃったな!マジだるいわー」
友「そうだな」
俺「おっ、何の本読んでるの?」
友「就活関係の……SPIの本だよ」
俺「SPI?え、何々HTTみたいな?wwwwww」
友「そうじゃないよ……、なあ、お前も真面目に就活について考えた方が良いと思うぞ?」
俺「まだ良いって良いって!大体お前が真面目すぎなんだよwwwww」パンパン
友「痛っ!全く……」
2011年11月
友「そう言えば、来月、会社の学内説明会があるらしいぞ!」
俺「へえ、そんなのあんの?」
友「そうそう!学校でやるんだよ!」
俺「へえー」
友「なあ、せっかく学校でやるんだし、お前も出てみようぜ?」
俺「あー、まあ、遠出しなくてもいいし俺も参加しようかねえ」
友「おっ、本当か!ついにやる気が出てきたみたいだな!」
俺「んー、まーね」
2011年12月
俺「起きたと思ったら、もう昼過ぎか~」
俺「ん?留守電が入ってるな……友から?」
俺「ああ、そう言えば今日は学内説明会だったっけか?」
俺「今更行くのも面倒くさいなあ」
俺「いーかないっと!」
俺「でも一応友には『風邪ひいたから行けない』ってメールしーとこ」
2012年1月
就活担当教授「君達、もう合同説明会には行ったよね?」
俺「(あー、あんなの行くだけ無駄っしょ)」
就活担当教授「まあ、就活は大変だと思うけど、頑張ってね」
俺「うぃ」
就活担当教授「まあまあ、そう気負わなくてもいいよ、みんな」
就活担当教授「毎年、卒業するまでにはみんな進路決まってるから!」
俺「(教授も言ってるんだ、全然焦る事ないやwwwwwww)」
2012年2月
友「え!?お前まだ1社もエントリーしてないの!?」
俺「そうだけど」
友「さすがにやばいって!」
俺「そうなん?」
友「今日家帰ったら、早速エントリーした方がいいぞ!」
俺「えー、めんどくさい」
友「いいから!エントリーするんだ!」クワッ
俺「ふ、ふぇ!?」ビクッ
自宅
俺「あんな顔した友、初めて見たよ……」
俺「仕方ない、エントリーするか」
俺「まずは就職サイトに登録して……」
俺「えー、じゃあ……」
――――――――――
―――――
俺「よーし、エントリー完了!」
俺「15社くらいエントリーしてればどこかに入れるっしょ!」
俺「さて、アニメ見ようwwwwwwww」
2012年3月上旬
俺「エントリーした企業からのメール、うっぜええええええええ」
俺「メール着すぎだろ!」
俺「えー何々?説明会?」
俺「まあ、そろそろ行ってみるか」
俺「じゃあ、この企業とこの企業と……」
俺「このくらいでいいか、説明会予約」
俺「やっべ、俺、就活してるwwwwwwww」
2012年3月中旬
俺「あっ、そう言えば明日説明会か」
俺「うわ、履歴書持参かよ!書くのめんどくせえ」
俺「行かなくてもいいや、他の企業がまだあるし」
2012年3月下旬
俺「確か明日説明会だよな?」
俺「うわっ、この会社、行くまでの道のりが面倒くさい!」
俺「どんだけ、僻地にあるんだよ!」
俺「まー、行かなくてもいいや!」
俺「金もかかるしな!」
俺「俺、マジ倹約家wwwwwwww」
2012年4月上旬
俺「へえ、もう面接やってる奴もいるんだ」
男A「ああ、男Bが昨日1次面接受けたって言ってたぞ」
俺「へえ、お早いこった」
男A「俺も今、SPIの結果待ちなんだよな~少し出遅れた感があるなあ」
俺「なーに、まだまだ余裕っしょ!」
俺「たまたま男Bの会社の選考が早かっただけだよwwwww」
男A「うーん」
2012年4月中旬
俺「今日は初説明会!電車に乗ったったwwwwww」
男C「お、俺!久しぶり!」
俺「男Cじゃん!久しぶり、何々?就活?」
男C「うん、今日、2次面接なんだ!そっちは?」
俺「俺?俺は説明会だけど」
男C「え?……へえ、そうなんだ」
俺「俺の学部だけ男Cやその他の学部とキャンパス違うけどさ、男Cの学部の奴らは就活どんな感じ?」
男C「女Aいるじゃん?次、最終面接らしいよ」
俺「マジで!?はっやwwwww」
男C「後は―――」
――――――――――
―――――
男C「―――とまあこんな感じかな」
俺「へ、へえ……」
男C「どうした?」
俺「お前の学部、選考早いなあ」
男C「そうなのかな?」
俺「俺の学部の職種は結構選考時期遅いんだー」
男C「へえ、そんな事もあるのか」
俺「(そうだよな?そうに決まってるよな?)」
2012年4月下旬
俺「久しぶりに就活サイト見たら、エントリーした企業のほとんどが選考締め切ってる!?」
俺「え?何これ?やばいんじゃないの?」
俺「……あ、この会社はまだ大丈夫だ」
俺「……ちょっとエントリーしなおすか」
――――――――――
―――――
俺「何かGW明けから選考始める企業も多いな!」
俺「よーし、GWは遊び呆けるぞwwwwwwwww」
2012年5月上旬
俺「うぇーいwwwwww」
男D「うぇーいwwwwww」
女B「ちょっと、飲みすぎじゃない?」
俺「いいんだよwwww久しぶりの飲み会だしwwwww」
男D「それにしてもお前、就活中だろ?余裕だなwwwwwww」
俺「まーねwwwwwwww」
女B「私と男Dは推薦で院に行くつもりだけど、俺君は院に行くつもりはないの?」
俺「もう勉強したくないっすwwwwwww」
男D「そんな事は気にせず、今日は飲みに飲もうぜwwwwwwww」
俺「そうそう!うぇーいwwwwwwwww」
2012年5月中旬
俺「さーて、エントリーシートでも書くかな!」
俺「こんなのありきたりなこと書けば余裕で通過するっしょ!」
俺「マジヌルゲーすぎwwwwww」
俺「でも1つの項目400文字とかめんどくせえwwwwww」
俺「まあ、適当に書きますかwwwwwwww」
2012年6月上旬
俺「おい!何でだよ!何でなんだよ!」
俺「どうして俺の書いたエントリーシートが通過しないんだよ!」
俺「人事部見る目ないんじゃねーの?」
俺「全くよ、クソが!」ドンッ
俺「いってえ!壁ドンしたら手がいってえ!!」
俺「……痛いよぉ」グスッ
???「君は実に滑稽だね」
俺「誰だ!?」
???「これこそが自分の実力だというのにその現実から目を背けて逃げてばかりだ」
俺「おい、姿を見せろ!」
???「……」スッ
俺「女の子!?」
???「挨拶が遅れたね、こんにちは」
俺「こ、こんにちは(うわ、めちゃくちゃ可愛い)」ニマァ
俺「そ、それでもしかして俺に何か用事?」
俺「(も、もしかしてこれは!やった、ついに彼女いない歴=年齢じゃなくなる!!)」
???「ねえ……」
俺「いいよ!じゃあ、早速遊びに行こうか!」
???「え?そうじゃなくて……」
俺「(何々?テレてるの?こいつぅ~、かわうぃ~!)」
???「君って、友君の知り合いだよね?」
俺「え?あ、うん、そうだけど?」
???「……」
俺「(あれ?)」
友「よお、俺!久しぶり!」
俺「おっ、友!久しぶりじゃん!」
???「あっ、友君!遅いよ!」
友「ごめん、ごめん」
俺「ん?えー、2人は知り合いなの?」
友「あー、そう言えば最近お前と会ってなかったからなあ」
俺「まーな」
友「紹介するよ、俺の彼女だよ」
俺「へえ、その子友の彼女なんだ……ええええええええええ!?」
友「おいおい、驚きすぎだろ」
俺「俺と同じく彼女いない暦=年齢の友に彼女だとおおおおおお!?」
俺「嘘……だろ!?」
友「いや、これが本当なんだよな!」
俺「う、裏切り者おおおお!」
友「彼女も出来たし、内定も貰ったし、今が人生で1番幸せかもな!」
友彼女「ふふっ、これから2人でもっともっと幸せになっていこうよ!」
俺「ちょ、待て……お前、内定もらったのか!?」
友「そうだけど?」
俺「……」ゾワッ
俺「(この感覚、まさか!内定を勝ち得た者だけが放つと言われる……)」ゾクッ
友「ん?萎縮してどうした?」ゴワゴワゴワ
俺「(しかし、友だけで俺がここまで萎縮してしまうくらいのオーラを放っていられるのか?)」
友彼女「……」ニコッ
俺「!!もしや、貴様!!……『内定者』か!?」
俺「2人揃って『内定者』なのか!?」
友彼女「ふふふっ、そうだよ」
友「そうそう、初めて行った企業の説明会であったんだよ」
友彼女「友君はその企業落ちちゃったけどね」
友「おいおい、でもJR東海に内定もらったし俺は結構満足してるんだけどな」
俺「なん……だと!?」
友「友彼女は某メガバンクに受かるなんて、やっぱり凄いや」
俺「!?」
友彼女「ねえねえ、そろそろ見ようって言ってた映画が始まる時間だよ?」
友「そうだな、またな、俺!」
俺「」
俺「」
俺「」
俺「」
俺「うう、うわあああああああああああああああああああああああああああああ」
2012年6月中旬
俺「エントリーシ-ト」
俺「履歴書」
俺「エントリーシート」
俺「履歴書」
俺「エントリーシ-ト」
俺「履歴書」
俺「アニメ視聴」
俺「エントリーシート」
俺「履歴書」
俺「エントリーシート」
俺「履歴書」
俺「エントリーシ-ト」
俺「履歴書」
2012年6月下旬
俺「エントリーシート」
俺「履歴書」
俺「エントリーシート」
俺「履歴書」
俺「WEBテスト」
俺「エントリーシ-ト」
俺「アニメ視聴」
俺「エントリーシート」
俺「履歴書」
俺「エントリーシ-ト」
俺「履歴書」
俺「アニメ視聴」
俺「テストセンター」
2012月7月上旬
俺「やった!やったぞ!ついに1社面接が決まったぞ!」
俺「よーし、内定とったるたるたるwwwwwwww」
2012年7月中旬
面接官「それでは当社を志望した動機をお願いします」
俺「ぴゃ、ぴゃい!」ガタガタ
面接官「緊張しなくても大丈夫ですよ」
俺「……へへへへ弊社を希望したどどど動機はは」
面接官「……」チョンッ
俺「―――でありまする!」
面接官「はーい、分かりました、お疲れさまでした」
2012年7月下旬
「誠に残念ながら、今回は採用を見送らせていただくことになり、 貴意に添えぬ結果となりました。」
「末筆ながら13卒皆様のこれからのご健闘をお祈りいたします。」
俺「クソが!クソが!クソが!クソ企業があああああああああああああああ!」ドンガラガッシャン
俺「うわああああああああああああああああああああああ!!」
俺「……」プツン
2012年8月上旬
俺「よっしゃ、就職先見つかったったwwwww」
職場の子「ねえ、ハニー!ミキ、もっとキラキラしたいの!」
俺「トップアイドルに導いたるwwwwww」
俺「彼女もできたったwwwwww」
彼女「絢辻さんは裏表のない素敵な人です、はい復唱」
俺「絢辻さんは裏表のない素敵な人です!」キリッ
俺「うっはwwww俺マジリア充wwwwwwww」
2012年8月中旬
J( 'ー`)し「アンタ、就職決まったのかい?」
俺「余裕!じゃないと、実家になんて帰って来ないよ!」
J( 'ー`)し「良かった、お母さん安心したわ……」
俺「しかも結構いいところに決まったぜ!」
J( 'ー`)し「まあ!やるわね!」
俺「へへっ!」
土方「よお、俺」
俺「あん?なんだ、中学時代はヤンキーで中卒、今は土方の土方じゃねーか」
土方「お前、今何やってんの?」
俺「あん?結構いいところに就職決まって、来年の春まで自由に遊んでるけど?」
土方「へえ、そうなのか」
俺「中卒なんかじゃ入れない企業に入ってやったぜ!この底辺が!!」ペッ
土方「確かにお前は勉強できたからな」
俺「へっ」
土方「でもこんな肉体労働で辛くて、給料の低い仕事でも俺は幸せさ」
土方「家に帰ると嫁さんと1歳になる娘が俺を出迎えてくれる」
土方「それでまた明日も頑張ろうって気持ちになれるんだよな」
俺「へえ、負け組乙!」ペッ
2012年9月
俺「いやあwwww卒業まで遊んでられるって最高だねえwwwww」
友「俺も内定もらえてよかったよ!おめでとう!」
俺「いやいや!」
友「しかも彼女も出来たんだって?やるなあ!」
俺「お前ほどやり手じゃねえよ!」ベシッ
友「はっ!まだ、手出してねえよwwwwww」
俺「童貞乙wwwwww」
友「いや、アイツのことは大切にしたいからさ」
俺「真面目、いや、チキン乙wwwww」
友「どうやら、彼女も初めて付き合ったのが俺らしくてさ」
俺「処女乙wwwwww」
友「か、彼女の事は馬鹿にするなよ!」
俺「すまんこすまんこwwwww」
2012年10月
俺「今日は電車に乗って遊びに行こう!」
男E「……」ハァ
俺「おっと、そこでため息をしながら歩いているのは同じ学科の男E」
俺「男Eとは俺が消しゴム落とした時に拾ってもらったくらいしか関わりはない」
俺「しかし、今は気分が良い!話しかけてみよう!」
俺「よう、男E!」
男E「えーと……俺くんだっけ?」
俺「ひっどいなあ!同じ学科なんだから名前覚えてくれよぉ!」パンパン
男E「わ、悪いな……」
俺「それでぇ、男Eはなーんでスーツ着てるの?」
男E「!!」
俺「なんでぇ、なんでぇ~?」ニマニマ
男E「そ、それは……」
俺「ああ、そうか!友達や親戚の結婚式か!」ニマニマ
俺「そうかそうか!おめでとう!」ニマニマ
男E「……活」
俺「え?なんだって?」ニマニマ
男E「就活だよ!」
俺「うえぇ!就活ぅ!?」ギョギョツ
男E「そうだよ、まだ内定もらってないんだよ!」
俺「NNTが許されるのは夏休み前だよねえ~」ニマニマ
男E「くっ……」
俺「4年後期になっても内定がないとかwwwww」
男E「……」
俺「俺は結構いいところに内定もらったし、彼女もいるんだ~」
男E「……」
俺「男Eってさ友達あんまいないし、頭も悪いし、もちろん彼女もいないよね~?」
男E「……」
俺「俺と同じ大学の人間とはおもえないwwwwwww」
男E「……」
俺「ねえ、今どんな気持ち?ねえねえ、今どんな気持ち?wwwwww」
男E「うわあああ!」シュッ
俺「うぐっ!」メキッ
男E「うわあああああああああ!」ダダッ
俺「」
俺「クソが!ふざけんなよ!あのNNTが!」
俺「クソがクソがクソがあああああああああああああああ!」
俺「……」
俺「まあ、底辺の人間に怒りを感じたってしょうがない」
俺「さて、出かけるか!」
2012年11月
俺「よお、友!」
友「おっ、来たか俺!」
友彼女「こんにちは、俺君」
俺「ういーっす、友彼女ちゃんおひさ!」
友彼女「ねえ……」コソコソ
友「何?」
俺「あれ?いきなり2人で内緒話?俺、友彼女ちゃんに嫌われちゃってる?wwwww」
友彼女「嫌ってはないよ?」
俺「良かったwwwww」
友彼女「別に好きでもないけど」
俺「おっふ、正直すぎwwwwワロタwwwwww」
友「それじゃあ出かけるか!」
俺「ごめんな、せっかくお前がダブルデートしようって言ったのに」
友「しょうがないさ、お前の彼女、忙しい人なんだろ?」
俺「ああ、来月に一大イベントがあってな、その準備で忙しくしてるよ」
友「でも、今度は会わせてくれよ?お前の彼女、1度も見たことないしさ」
俺「OK!OK!」
友彼女「……」ジー
俺「友彼女ちゃん、さっきから俺の事ずっと見てるけど……」
俺「まさか、俺に惚れた!?」
友彼女「そんな事は……」
俺「ああ!俺がずっと友と話していて俺に嫉妬した?」
友彼女「いや、そうじゃなくて……」
俺「ごめんごめん、彼氏さんちょっと借りちゃった!」
友「ははっ、その言い方へたすりゃ誤解されるからやめろ」
俺「めんごめんご!」
友彼女「……」
2012年12月
俺「はあ、師走だなあ」
俺「……」
俺「仕事も結構順調」
俺「クリスマスも彼女と過ごせる」
俺「何だか俺幸せすぎる!」
俺「まるで夢みたいだ!」
俺「クリスマスと言えば友の奴」
俺「聖夜に頑張ろうかな、って言ってたな」
俺「友もついに卒業する決心がついたかwwwwww」
俺「夜10時から朝4時までの6時間は本当に性なる6時間ですねwwwwww」
2013年1月
友「ようやく彼女を紹介してくれる気になったか!」
俺「早く紹介したかったんだけどさ、彼女忙しくてさ!」
友「それで今からお前の家に行くんだよな?」
俺「おう、彼女俺んちにいるからな」
友「それじゃあ待たせるのも悪いし、急いでいこうぜ!」
俺「それじゃあ、上がってくれ!」
友「おじゃましまーす!……あれ?彼女は?」
俺「ああ、ちょっと待っててくれ」
友「隠れてるの?茶目っ気のある彼女だな!」
俺「茶目っ気……多少はあるかも」
友「?……それとも恥ずかしがり屋なのかな?」
俺「うーん、でも仮面の下の素顔は俺にしか見せないよ」
友「仮面?え?仮面してるの?」
俺「ああ、本当の自分はって意味さ」
友「ああ、そういう意味か」
俺「……よし!」
「あなた、脳腐ってるんじゃないの?」
俺「……」ニヤニヤ
「あなたを私のものにします!」
友「……」
「あたし……ううん。わたし、あなたのことが好き」
俺「デュフッデュフフフフフwwwwww」
友「お、おい……俺」
俺「どう?俺の彼女?」
友「その手に持っているのはPSPじゃないか……」
俺「PSP?違うよ、彼女だよ?」
友「おい、冗談はよせよ……な?」
俺「お前こそ、冗談はよしてくれよ」
友「……」
俺「……」
友「なあ、いくら彼女できないからってさ……」
俺「は?だから何言ってるの?」
友「俺達、この春から社会人だぜ?もっとちゃんと現実みようよ」
俺「いやいや、むしろ現実しか見てないよ」
俺「それと俺、友より先にすでに社会人として仕事もこなしてるんだぞ?」
友「は、はい?俺達はまだ学生だぞ?どういう事だ?」
俺「しょうがない、俺の仕事も見せてやろう」
「じゃあねなんて言わないでー♪」
俺「……」
「またねーって言ってー♪」
友「……」
「私のものーにならなくていい♪」
俺「さすがは俺がプロデュースしたユニットだ!」
友「お、おいおいおい……俺……いや、俺P」
俺P「何?もしかしてプロデュースして欲しいの?」
友「PS3を起動して、君は一体何をやっているんだい?」
俺P「仕事だけど、それが何か問題でも?」
友「お前、内定もらってるんだよな?」
俺「ああ、社長に『ティンときた』と言われてね!」
友「それ以外は?」
俺「え?同時に別の会社でも働くわけにはいかないだろ?」
友「俺……」
俺「何だよ?泣きそうな顔してどしたんだよ?」
友「……」
俺「なあなあ、俺の彼女、可愛いだろ?」
友「……」
俺「なあなあ、俺の仕事、立派なもんだろ?」
友「……」
俺「なあなあ?」
友「……」
俺「なあなあ?」
友「……」
俺「なあなあ?」
友「……」
俺「なあなあ?」
友「……」
俺「なあなあ?」
友「……」
俺「何か答えろよおおおおおおおおおお!!!」
俺「なあなあ!」ガシッ
友「ぐっ……」
俺「なあなあ!俺の彼女はどうだった!?」
友「……俺」
俺「なあなあ!俺の仕事っぷりはどうだった!?」
友「……俺!」
俺「どうだったか、聞いてんだろうがああああああああああああ!!」バゴッ
友「うがっ!」
俺「はあ……はあ……」
友「……俺、目を覚ましてくれよ」
俺「友!」ゲシッ
友「ぐっ!」
俺「友!!」ベキッ
友「ぐあっ!」
俺「友ぉ!!」メキッ
友「ぐはっ!」
俺「友ぉぉぉぉおおおおおお!!!」メキャッ
友「あ……ぐ……」
友彼女「そこまでだよ!!」
友「友彼女!?」
友彼女「今助けるからね!」
俺「友彼女ちゅわ~ん?どうしてここに~?」
友彼女「邪悪なNNTオーラの凄まじい乱れを感じたの」
俺「はぁ?」
友彼女「やはり、君だったんだね、俺君」
友「……」
友彼女「去年の11月、俺君と一緒に遊んだあの日に感じたNNTオーラは気のせいじゃなかったんだね……」
友「!!……だから、あの時にこいつは本当に内定を貰っているのか俺にきてきたのか」
俺「ところで~、どうやって友を助けるんだ~い?」
俺「満身創痍の男とか弱い女の子に俺を止められるとは思わないがなあ!!!」
友「俺は大丈夫だから……こいつには支えがいないとダメだからさ」
友彼女「ダメだよ!友君、顔が腫れ上がっているし、血も出てる!」
友彼女「それに私だって大切な人は守りたいよ!」
友「友彼女……」
友彼女「それにクリスマスだって、あまりに大事にしすぎてキスまでだったし……///」
友「お、おい!今ここで言うことじゃないだろ///」
俺「え?何々?結局君達、まだ童貞と処女なの?」
友「ま、まあな///」
友彼女「///」
俺「ういっひぃ!」スタッ
友彼女「?」
俺「ならばその純潔……」
友「まさか!!」
俺「いただきまああああああああああああす!!」
友彼女「い、いやああああああああああ!!!」
俺「フヒフヒヒヒフヒ!」ガバッ
友彼女「や、やめて!」ジタバタ
俺「フッヒイイイイイイイイイイ!!」
友「動け!動いてくれ!俺の体!」
俺「ぶっひいいいいいいいいいいい!!」
友彼女「やあ……いやああ!!」グスッ
友「うおおおおおおおおおおおおお!!」キュピーン
俺「!?」
友「……」キラキラ
俺「な、なんだ、これは!?」
友「……」シュンッ
俺「消えた!?……マウントポジションで下にいたはずの友彼女ちゃんも消えた!?」
友「後ろだよ」キラキラ
俺「!?」
友彼女「うぅ……」グスッ
友「怖かったね?だけど、安心して、俺がついてるから」ギュッ
友彼女「友君……」ギュウッ
俺「何だよ!何なんだよ!これはよぉ!!」
友「さて、俺は彼を正気に戻してくるよ」キラキラ
友「はぁ!」
俺「あぐっ!(これはSONYの採用試験!?)」
友「ていやっ!」
俺「ぬおっ!(今度はりそな銀行!?)」
友「ふんぬっ!」
俺「ぎやっ!(グ、グーグルだと!?)」
友「さいっ!」
俺「うぐぁ!(ほ、他にも沢山!?)」
友「うおおおおおおおおおお!!」
俺「(こ、こいつ!多種多様な業界の様々な企業の採用試験を受けてやがる!!)」
友彼女「友君、凄い……!!」
就活担当教授「ついにたどり着いたね」
友彼女「あ、あなたは?」
就活担当教授「何、通りすがりの教授だよ」
友彼女「この顔、どこかで……あっ!」
友彼女「就職氷河期時代、108社もの企業の選考試験を受け、その全てに合格したのにも拘らず、全て内定辞退をし博士の道へと進んだ……」
就活担当教授「ああ、そう言えばそんな事もあったね」
友彼女「どうしてあなたがここに!?」
就活担当教授「僕の事はどうでもいいさ、さて、友君をみてごらん?」
友彼女「!!……何という輝くばかり笑顔!!眩しい!!」
就活担当教授「彼はたどり着いたんだよ」
就活担当教授「天衣無縫の内定にね」
就活担当教授「いや、天衣無縫の内定なんて最初からない。強いて言うなら就活を始めたばかりの『就活が楽しくてしょうがない』時期は誰もが天衣無縫を持っていた」
友彼女「ちょっと、訳が分かりませんね」
俺「俺は、俺は……!!」
友「就活って楽しいじゃん!」
俺「あああああああああああ!!!!」
友「そして、内定って喜ばしいじゃん!!!」
俺「うわあああああああああああああああああ!!!」
――――――――――
―――――
2013年2月上旬
俺「心を入れ替えて、就職活動に励もう!」
俺「と言っても既に時遅しかもしれないけど……」
俺「お!あいつは講義でいつも前に座っていたぼっち!」
俺「確か必修を何度も落としたり、コミュ障だったりできっと内定をもらっていないはず!」
俺「よお、ぼっち!就活頑張ろうな!!」
ぼっち「え?僕、去年の4月に内定もらってるんだけど」
俺「」
2013年2月下旬
男E「何やかんやで俺は内定もらったよ」ニマニマ
俺「……」
男E「ねえ、今どんな気持ち?ねえねえ、今どんな気持ち?wwwwww」ニマニマ
俺「ぐぬぬ……」
2013年3月上旬
面接官「うーん、君、何か見込み無いね?」
俺「え!?」
面接官「ダメだね、どうせ不採用だから、さっさと帰っちゃって」
俺「(こんな時期にまで選考、こんなブラック臭しかしない企業に落とされただと!?)」
2013年3月中旬
友「なあ、大丈夫か?」
俺「あ、ああ……大丈夫だよ」
友「そうは見えないけどな……」
友彼女「友君……!!」
俺「あ……」
友彼女「友君!もうこの人に近づいちゃダメって言ったよね!」
友「だけど、俺が支えてやらないと……」
俺「いいさ、行けよ、友……」
友彼女「さあ、行こうよ!」
友「う、うん……」
友彼女「ふふふっ、今日の夜も友君大事にしてくれるんだよね?」
友「お、おい!こんな場所で何言ってるんだ!?」
友彼女「ふふふっ///」
俺「……」
2013年3月下旬
俺「はぁ、卒業式も終わったな……」
俺「でも、内定は未だ無し……ははっ」
後輩「あっ、先輩!お久しぶりっす!」
俺「よ、よお」
後輩「先輩!聞いてくださいよ!俺、内定もらっちゃいましたよ!」
俺「え?」
後輩「いやあ、就活ってちょろいっすねwwwww後1年ちょっとは遊び放題っすwwwwwww」
俺「あ、あ……」
後輩「そう言えば!先輩はどんな企業に内定もらったんですか?」
俺「あ、あ……あうあう」
私だけができるスマイル 面接官さん魅力でしょ♪
私だけのとっておきおじぎ 45度&1秒♪
私だけが持っている動機 届いているのかな♪
私だけの自己PR 感動させられるかな♪
めざせ内定まず1社 がんばるよ♪
ハッキリ愚痴を言わせてもらうと♪
就職活動シンドイです♪
だって毎回お祈りされるし内定未定だし♪
イツイツまでに書類出さないと♪
間に合わないからヨロシクちゃんって♪
履歴書もESもSPIも面接も♪
全然通らないっ♪
でもね 御社がいると私媚りたい♪
「オトナノジジョー」で決まった♪
内定でも乗り越えられるよ ファイト♪
2013年4月
俺「はぁ~、久しぶりにカラオケで歌ったらすっきりした」
俺「1人だけど……」
俺「そう言えば、卒業旅行に行ってなかったな……」
俺「卒業旅行、今から行こうかな?」
俺「どこか、遠いところへ……」
???「13年既卒がやられたようだな」
???「しかし、奴は我々の中でも最弱!」
???「四天王の面汚しよ!」
12年既卒「全く、精神の軟弱な若造だ」
11年既卒「ほう、貴様も言うようになったのう」
10年既卒「ふん、どの道我々についてこれなかっただろう」
09年既卒「まあ、僕から見たら君達もまだまだだけどね!」
09年既卒「だって、君たちは新卒3年以内の期間ないじゃん?」
12年既卒「あー、そこつかれると痛いっすねwwwwww」
11年既卒「もぉ、勘弁してくださいよぉwwwwwww」
10年既卒「積もるあるんでとりあえず飲みに行きませんかwwwwww」
09年既卒「飲みに行く?誰の金で?」
10年既卒「それはもちろん!」
12、11、10年既卒「「「親の金で!!!」」」
09年既卒「だよねwwwww」
09年既卒「親の金で飲む酒は!」
4人「「「「美味い!!!!」」」」
THE END
何とかハッピーエンドで終えることが出来ました
6時間かかりました、6時間あればエントリーシート1枚くらい書けますね
それでは今からPS3をやりたいと思います
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