エレン「…猫の声…」(53)
アルミン「あ、猫」の続編です
でもたぶん前作知らなくても問題はない
845年
シガンシナ
ミカサ「猫?」
…ニー…
ミカサ「…あ…本当」
エレン「しー!…どっから聞こえる?…」
ニィ…ニィー…
エレン「…縁の下…か?…」
ミカサ「…いた?」
エレン「んー…真っ暗でわかんね…あ」
トラ猫「ニィ」
エレン「」ガシッ
トラ猫「!?」
エレン「つかまえた!」
ミカサ「トラ猫…」
エレン「ちいせーな。まだ子供か?」
トラ猫 ビクビク
エレン「そんな縮こまんなよ、なんもしねーって」
トラ猫 オドオド
エレン「お、クモの巣ついてる」スッ
トラ猫「……!!」ビックー
エレン「…なんでそんなビビんだよ」
エレン「クモの巣払ってやろうと思っただけのに」プクー
ミカサ「……」
ミカサ「この子から見たら私たちはとても大きい」
ミカサ「急に動いたらびっくりするのは当たり前…」
エレン「そういうもんか?」
ミカサ「……」
エレン「……」
トラ猫 ブルブルブル
エレン「なぁミカサ」
ミカサ「何?」
エレン「こいつちょっとアルミンに似てないか?」
ミカサ「…言われてみれば…小柄で、丸くて…」
エレン「こーやってすみっこで丸まってるとそっくりだよな」
トラ猫 プルプルプル
エレン「怖がってるのに逃げないとこもアルミンぽいっつーか…」
エレン「…アルミン、今日は爺さんと街の本屋に行くって言ってたっけ」
ミカサ「…」ジー
トラ猫 ビクビク
エレン「…」ジー
トラ猫 ブルブル
エレン「…なんかオレらがいじめてるみたいだな」
エレン「もう行こうぜミカサ」
ミカサ「……う…むぅ…」
エレン「…なんだよ」
ミカサ「もう少し…」
エレン「ずっと見てても変わんねーだろ…」
スルリ
エレン「うおっ…なんだ?足の間から…猫っ?」
トラ猫「!」
**猫「な゛ー」
トラ猫「ミィ…!」
**猫 ペロ…
トラ猫「みぅ…」
エレン「…なんだこの猫…すげぇ不細工…」
ミカサ「エレン…」
エレン「だってこんな馬面の猫初めて見たぞ!?」
馬面猫「な゛ぁ」ペロペロ
トラ猫「にー」ゴロゴロ
エレン「お?…なんかちび猫、表情が柔らかくなったな」
エレン「この不細工お前の兄貴か?」
馬面猫 ピク
ミカサ「…エレン」
エレン「だってホントにかわいくないだろ」
エレン「目つき悪ぃし馬面だし…うわっ!?」
馬面猫「…あ゛ぁん?」
エレン「っ…急に飛びかかってくんなよ!ほんっとかわいくねーな!」
馬面猫「」ヌーン
トラ猫「みぃ…」とてとて
ミカサ「!」
トラ猫 スリ…
ミカサ「……」
トラ猫「みー…」スリスリスリ
ミカサ「………」さわ
トラ猫「…にぃ…」
ミカサ(あの猫が来て気持ちが落ち着いたのだろうか…)なでなで
トラ猫「……みー…」
ミカサ(目を細めている…かわいい)
ミカサ(…膝に乗せてみたい…)ソッ
トラ猫「! ……」もふ
ミカサ(ふわふわ…)
トラ猫「にー」
ミカサ(…あ、首輪)もふもふ
ミカサ(毛に埋もれていて気付かなかった)
ミカサ(目つきの鋭い猫も同じ首輪をしている…)
ミカサ(やっぱり同じ家で飼われている兄弟…なのだろうか)
ミカサ「…きれいな空色」
トラ猫「みゅう」
ミカサ「あなたの目と同じ…」なでなで
ミカサ「…あなたはどこから来たの?」
トラ猫「みうー」
ミカサ「……」もふもふ
とりあえずここまで
馬面猫を馬ズラ猫と打ち間違えるたびに
カツラをかぶった猫を連想してしまう
馬面猫「みあ゛ー」カプー
エレン「おまっ…服噛むなよ穴が開いちゃうだろ!」
ミカサ「…あの猫はあなたのお兄さん?」
トラ猫「みぅ」
ミカサ「そう…」
ミカサ「エレンに突っかかっていったのは…」
ミカサ「もしかして、あなたを守るため?」
トラ猫「?」
ミカサ「…素敵なお兄さん…」
エレン「…ミカサ」
ミカサ「なに?」
エレン「……お前猫と会話できるのか?…」
ミカサ「…」
ミカサ「…少しだけ…」
エレン「すげぇ」
エレン「なあこいつなんて言ってる?」
馬面猫「あ゛ぁーお」
ミカサ「……オレの弟に、…近付くな?」
エレン「ミカサはいいのかよ。オレより近付いてんじゃん」
ミカサ「私はいいの」なでなで
トラ猫「みゅぅ」
エレン「むー…」
エレン「なあミカサ、オレもアルミン膝に乗っけたい」ぽんぽん
ミカサ「…乱暴しない?」
エレン「しない!…ってなんだよその言い方!」
トラ猫 ビクッ
ミカサ「しー…大きな声出しちゃ駄目」
エレン「ぐ…わかったよ」
ミカサ「…じゃあ、はい」
トラ猫「!!」
エレン「おー、ちっちぇー」
ミカサ「エレン、優しく…」
エレン「わかってるって」ギュー
トラ猫「!!? み…みぅ…」
馬面猫「みあ゛ーお」グイグイ
エレン「おまっ…引っ張んなっつってるだろ」
エレン「ほら、ミカサと交代!あっち行けって」
馬面猫「みあ゛ー」
ミカサ「…おいで」さわ
馬面猫「!」
馬面猫 …ゴロ…ゴロゴロ
エレン「なんだよこいつ…俺には爪立ててきたくせに」
ミカサ「…」もふもふもふ
馬面猫 ゴロゴロゴロゴロ
エレン「……」
トラ猫 プルプルプル
エレン「…お前もミカサの方がいいのか?…」
エレン「なーアルミン」なでなで
トラ猫「みぅ…」
エレン「…アルミン?」
トラ猫「……」
エレン「なぁ、…」
トラ猫「…みー…」
エレン「…? ちび助?」
トラ猫「……」
エレン「…なー、お前…」
トラ猫「にぁー」
エレン「……」
トラ猫「……」
エレン「…にゃー?」
トラ猫「みゃあ」
エレン「!」
エレン「にゃー?」
トラ猫「みぅ」
エレン「にゃー!」
トラ猫「みぁー」
エレン「…!!」
エレン「ミカサ!今の見てたか!?」
ミカサ「うん、かわいい」
エレン「だよな!すげーかわいいよな!」
トラ猫「みあー」
エレン「へへへ…にゃーっ」ギュー
トラ猫 ペロペロ
エレン「! …っ、は…くすぐってぇ」
トラ猫「みぅー」ペロペロ
エレン「やーめーろーよー」
ミカサ(かわいい…)
短いけど今回はここまで
日付が変わる頃にまた来ます
前にこれのジャンとアルミン版書いてた?
>>1に書いてあんジャン
ホントだ
余計な恥掻いしまった
あなたはもしや猫化シリーズの方でしょうか!?
>>31
いえ、別人です
なんか申し訳ない
ミカサ「…ねぇエレン、ハンカチ持ってる?」
エレン「あるけど…なんで?」
ミカサ「貸してほしい」
エレン「? お前も持ってんじゃねーの?」ホイ
ミカサ「ありがとう」
エレン「何に使うんだ?」
ミカサ「それは…お楽しみ」
エレン「お楽しみ?」
ミカサ「…」ゴソ
エレン(…やっぱミカサもハンカチ持ってんじゃん)
トラ猫 ジー…
ミカサ「これをこうして…」
エレン(オレのハンカチを丸めて…それをミカサのハンカチでくるんで…?)
ミカサ「…両端を結べば…」ギュッ
エレン「ボールか!」
ミカサ「エレン、パス」ヒュッ
トラ猫「!」キラッ
エレン「うお、っと」パシ
ミカサ「……」
エレン「今…ちび助反応したな」
エレン「よーし、とってこい!」ポーン
トラ猫「!!」タタタタタ…
トラ猫 …タタタタタ
エレン「おっ! くわえて戻ってきた!」
トラ猫 タタタタタ
エレン「お前賢いなー!………」
トラ猫 タタタタタ
エレン「………」
エレン「オレ素通り!?」
トラ猫「にー」
ミカサ「ありがとう」なでなで
トラ猫「…」テシテシ
ミカサ「もう一回?」
トラ猫「みあー」
ミカサ「…いくよ」スッ
トラ猫「!!」キラッ
エレン(ミカサに取られた…)
馬面猫「…」
エレン「お前は遊ばねーの?」
馬面猫「……」
エレン(どこ見てんだコイツ…)
エレン(…雑草?…)
エレン「………風で揺れる草…が気になるのか?」
馬面猫「……」
エレン(ミカサに取られた…)
馬面猫「…」
エレン「お前は遊ばねーの?」
馬面猫「……」
エレン(どこ見てんだコイツ…)
エレン(…雑草?…)
エレン「………風で揺れる草…が気になるのか?」
馬面猫「……」
エレン「………」ブチッ
エレン「…」フリフリ
馬面猫「…」
エレン「…」スッ サッ
馬面猫「! ……」
エレン(目で草の動きを追ってる…)シュッ
馬面猫「!」ピクッ
エレン(おっ…体も動きそうだ)
エレン(こいつおもしれー)ス…サッ
馬面猫 パシッ
エレン「残念!」
馬面猫「……」
エレン「ほれほれほれ」
馬面猫 バッ
エレン「うおっ…っぶねーセーフ!」
馬面猫 ムスー
エレン「へっへっへー」
トラ猫「みゃっ」パッ
トラ猫「… ?」
トラ猫「……」
トラ猫 キョロキョロ
トラ猫「???」
トラ猫「……」
トラ猫 ウロウロ
トラ猫「?」
トラ猫「…」
トラ猫「!」
トラ猫 タタタタタ
トラ猫「みあー!」
ミカサ(かわいい…)
エレン「猫って案外間抜けだな」
馬面猫 タシタシ
エレン「…なんだよ」
馬面猫「あ゛ぉー」
エレン「やだ。もう疲れた」ゴロー
ミカサ「エレン、服が汚れる」
エレン「わかってるよ」
馬面猫「な゛ーぁ」
エレン(…夕焼け…)
エレン「そろそろ帰んないとなー」
ミカサ「…うん」
エレン「…猫、うちで飼えないかな」なでなで
馬面猫「み゛あぉー」
ミカサ「この子たちには…もう家族がいるから」
エレン「そうか…そうだな…」
エレン「また遊ぼうぜ」
馬面猫「な゛ぁー」
ミカサ「……」なでなで
トラ猫「みゅう」
エレン「今度はアルミンも一緒に…」
「…!……ター…!」
馬面猫 ピク
エレン「?」
「……ヤーン!…」
馬面猫 タッ
トラ猫「…!」タッ
エレン「!? おい、どこ行…」
「ヤーン!ギュンター!」
馬面猫「な゛ぁー!」タタタタ
「!! ヤン!ギュンター!」
トラ猫「みあー!」
エレン(あいつ…!いつもオレらに絡んでくる…)
ミカサ「エレン…」グイ
エレン「…なんだよ、別に喧嘩しに行ったりなんかしねーって」
ミカサ「……」
「こんなとこで何やってたんだよ」ギュー
トラ猫「みぁー」ゴロゴロ
「探したんだからなー!」スリスリ
エレン「…あいつが飼い主だったんだな」
馬面猫「な゛ーお」ゴロゴロ
「はは、ほら帰ろう」
馬面猫「み゛ゃー」
「もうお前らだけでこんなとこまで来るんじゃねーぞ」
「すっげー心配したんだからな!」もふー
トラ猫 ゴロゴロゴロ
エレン(…こっちには気付いてないのか…)
ミカサ「……」
エレン「…」
エレン「…行っちまった」
ミカサ「うん…」
エレン「聞いたか?ちび助の声」
エレン「あんな甘えた声出すんだな…」
ミカサ「……アルミンに、教える?」
エレン「うーん…いや、やめとく…」
エレン「オレらも帰ろうぜ」ス
ミカサ「…うん」ギュ
ミカサ「そうだ、ボール…」
ミカサ「エレン、ハンカチありがとう」
エレン「ん…」
エレン「ミカサのハンカチすごいことになってるな…母さんに怒られるぞー」
ミカサ「私はエレンと違って普段の行いがいい…ので、問題ない」
エレン「…どういう意味だよ」
ミカサ「そのままの意味」
エレン「なんだよそれ」
エレン「……」
ミカサ「エレン?」
エレン「んー…いや、もういないなと思って」
ミカサ「私たちも早く帰ろう」
エレン「…おう」
おわり
乙
面白かった
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