エルヴィン「へいちょ〜…」リヴァイ「!?」(66)

リヴァイ「エルヴィンよ。へ、変な声を出すな。」

エルヴィン「違います!ペトラです!」

リヴァイ「!!?」

エルヴィン「何故か朝起きたら団長になってたんですよぉ…!」サメザメ

リヴァイ「なんだって?」

リヴァイ「エル…ペトラよ。何か心当たりはあるか?」

エルヴィン「昨晩、兵長と一緒に、団長に報告書届けに行って、それから寝て…。
朝起きたらこれです…。」

リヴァイ「ほう」

リヴァイ(だが俺は何ともなっていない…。)

エルヴィン「あ、ですが一つ思い当たる所があります。」

リヴァイ「…何だ?」

エルヴィン「昨晩……。」

―――――
――
(回想)
コンコンコン

エルヴィン「入れ。」

ペトラ「団長、失礼します。」ガチャ

リヴァイ「この間の壁外調査の報告書を持ってきた。」

エルヴィン「わかった。そこに置いておいてくれ。ご苦労。」

ハンジ「あれ?お客?」

ペトラ「分隊長。」

ハンジ「あちゃー。エルヴィンの分しか紅茶入れてないや。」

リヴァイ「ハンジよ。どうしてお前がこの部屋に?」

ハンジ「私も報告書提出しに来たんだけど、エルヴィンに言われて紅茶を入れてたんだ。本当、酷い上司だよ」

エルヴィン「お前が『紅茶欲しいから、じゃんけんした方がいれに行く』って言い出したんだろう。」

リヴァイ「自業自得だな。」

ペトラ「はは…。」

ハンジ「多分まだお湯が残ってたから、二人の分も入れてくるよ。」

ペトラ「分隊長!お構い無く!」

ハンジ「いーのいーの!ついでだし、好きで入れたいんだし」

~数分後~

ハンジ「はい、リヴァイ。そしてペトラの分。」

リヴァイ「…。」

ペトラ「ありがとうございます。」

ハンジ「あ、あとエルヴィンおかわり入れとくね。」

エルヴィン「すまない。」

ズズッ…

リヴァイ「!」

ペトラ「美味しい…!」

ハンジ「でしょう?」

ハンジ「最近モブリットにさ、紅茶のいれ方のコツを教えて貰ったんだ。
そうしたら、紅茶がうんとおいしく作れるようになって。」

ペトラ「成る程…。」

ハンジ「でもやっぱり、ペトラには負けるよ。」

ペトラ「い、いえ、滅相も無い…!」

エルヴィン「いや、ペトラ。君の紅茶も絶品だ。なあ、リヴァイ?」

リヴァイ「…そうだな。」

ペトラ「あ、有り難き幸せ…!」

ハンジ「何その口調~!」

ペトラ(へ、兵長に誉められた…///!)

リヴァイ「そろそろ帰るぞペトラ」

ペトラ「は、はい兵長!分隊長、ご馳走さまでした。」ペコリ

ハンジ「いえいえ~。おやすみー」

ペトラ「おやすみなさい。団長、失礼しました。」

エルヴィン「ああ、おやすみなさい。」

――
――――

エルヴィン「それから兵長と別れて、寝たんで、多分この紅茶のせいだと…。」

リヴァイ「あの奇行種め…」チッ

エルヴィン「どうしましょうどうしましょう」ワタワタ

リヴァイ「取り敢えず、ハンジの部屋に行くか。」

エルヴィン「……はい~。」

リヴァイ(……しかし。)

エルヴィン「うぅ…。」グスグス
リヴァイ(身長190cm超えの大の男が内股で泣いている姿は
知ってる姿であろうと無かろうとキモいな…。)

リヴァイ「ハンジ!!」バァン

ハンジ「うおう!リヴァイか…。びっくりしたー。ちゃんとノックして入ってよ。私にもプライバシーってものg…」

リヴァイ「お前にプライバシーもプラセボーも何もねぇよ。
それよりハンジ、これどういうつもりだ。」

エルヴィン「…。」ナミダメ

ハンジ「ああ、無事にエルヴィンと入れ替わった?よかったよかったー!」

リヴァイ「やっぱりお前か!!」ゲンコツ

ハンジ「痛い、痛いよリヴァイ!!
ってんん?リヴァイはリヴァイのまま?」

リヴァイ「何言ってんだテメェ。俺はずっとこのままだ。」

ハンジ「えっ、嘘!!……っちゃー、失敗した……。」

リヴァイ「失敗?何が失敗だ。」

ハンジ「いや、リヴァイとエルヴィンが入れ替わったら面白いかなーって昨晩実験してみたんだけど、
入れ替わってないなら失敗かな…」ハァ

リヴァイ「何言ってんだ。ちゃんと入れ替わってんだろ。」

ハンジ「え!?」

リヴァイ「まあ俺じゃないがな。」

エルヴィン「ぺ、ペトラです…。」

ハンジ「」

ハンジ「くっくっ……エルヴィンとペトラが……フフ…。」

エルヴィン「笑ってないで助けてくださいよ!」

ハンジ「いや、悪かったよエルヴィン…じゃなくてペトラ。
どうやら薬の入れた紅茶を君に入れたみたいだ。」

リヴァイ「因みにこの薬はいつまで続く?」

ハンジ「1日。それまで我慢してね。」

エルヴィン「えぇ~!」

ハンジ「うわっ、気持ち悪い!中身はペトラって解ってるんだけど、こんなおっさんの仕草が女性ぽいって何か変!」

エルヴィン「」ガーン

リヴァイ「ハンジよ。それは言い過ぎだ。」

エルヴィン「それよりも兵長、私お腹が空きました…。」

ハンジ「ん?まだ朝ご飯を食べてないの?」

エルヴィン「はい。朝一番に兵長の所へ走って行ったので…。」

リヴァイ「俺は食ったぞ。」

エルヴィン「ですよねー。」

リヴァイ「……。そういえば。」

ハンジ「何なに?なにか思い付いた?」




リヴァイ「今朝の食事当番はペトラだ」

エルハン「「!!?」」

エルヴィン「た、確かに今日は朝ご飯の当番でした。
ですが、なんだか体が重くて中々起きる気になれなくて。」

ハンジ「きっと昨晩遅くまで作業してたんだね。
でも、ペトラはここにいるよ?」

リヴァイ「しかし、俺は今朝ペトラの姿を確認した。」

エルヴィン「ええー!!?
じゃ、じゃあ今朝兵長が見た私って…!」

ハンジ「まさかのエルヴィン!」

リヴァイ「……そんなバカな。」

リヴァイ「よくよく考えてみたら、今朝のペトラはおかしかった。」

ハンジ「ほう」

エルヴィン「兵長!!
私…じゃなくて団長は一体何をやっていらしたのですか…?」チカヨリ

リヴァイ「やめろ!!そんな顔で近寄るな!!気持ち悪い!!」

エルヴィン「」ガーン

ハンジ(ほらね、口につい出ちゃうよ…。)

リヴァイ「」コホン

リヴァイ「今朝――」

――――
――
(回想)

エレン「おはようございます、兵長。」

リヴァイ「ん。」

グンタ「あ、兵長。ペトラを見かけませんでしたか?」

リヴァイ「いや、見掛けてないが…。」

エレン「そういえば今朝はオルオさんと食事当番でしたよ。」

グンタ「成る程、じゃあ厨房にいるのかも知れないな。」

オルオ「おい!!ペトラがおかしいぞ!!」バンッ!

グンタ「どうしたんだ、オルオ。」

オルオ「あっ兵長!!おはようございm(ガフッ

エレン(そこで舌噛んじゃうのか…。)

オルオ「じゃなくて兵長!ペトラの様子がおかしいんです!!」

リヴァイ「……あぁ?」

エレン「おかしいって、どういう風にですか?」

オルオ「取り敢えず、見りゃ分かる。」

エレン「はあ……。」

ペトラ「ちょっとオルオ!なんで逃げ出すの!!
あグンタ、エレン、おはよう。」

エレン「おはようございます。」

グンタ「おはよう、ペトラ。」
グンタ(至って普通じゃないか…)ヒソヒソ

オルオ(いや、おかしいんだよ…。)ヒソヒソ

ペトラ「あっ」

リヴァイ「?」

ペトラ「うわぁああ!!!リヴァイと目線同じだぁあぁああ!!」

エレオルグン「「「!!?」」」

リヴァイ「」

ペトラ「あっ」

ペトラ「ごめんなさい、兵長。」ペコリ

リヴァイ「あああああああ。大丈夫だ。」ガタガタガタ

エレン(うわ、兵長凄く動揺してる…。)

ペトラ「でもこうやって見るとホントに小さいですね~
私と数センチしか変わらない気分はどうですか?」

リヴァイ「」

ペトラ「エレンも見上げなきゃいけないのかあ…。リヴ…兵長凄く可哀想!」

リヴァイ「」ガタガタガタガタ

グンタ「ストーップ!!ペトラ!!その辺にしておくんだ!!」

ペトラ「ぷう…仕方ないなぁ。」ホッペフクラマシ

グンタ(可愛い)

オルオ(結婚しよ)

オルオ「…じゃなくて、おいペトラ。リヴァイ兵長を侮辱すんじゃねえ」

ペトラ「五月蝿い、このエセヴァイ。」

エレン「エセヴァイ…?」

ペトラ「エセなリヴァイの略なんだけど。ずっと前から思ってたけど、それあんまし似てないよ。」

オルオ「」

オルオ「(いや、こんな暴言慣れっこだ…)ペトラよ……。お前は兵長の何者なんだ……。」

ペトラ「私?」

ペトラ「兵長とは一緒にお風呂に入った仲だ!!!!」ズギャアァアアァン

グンタ「!!?」

エレン「ェエエ!!」カオマッカ

オルオ「(ゲフッ」シタカミ

リヴァイ「」


――
――――

リヴァイ「てな事があってだ…。悪い夢を見てたのかと思って再び寝に行ったら、エルヴィンが来たんだ。」

ハンジ「なんじゃそりゃ」ハッハッハッハッ

エルヴィン「あと団長じゃなくてペトラです……。」

リヴァイ「ペトラよ。紛らわしいからペトヴィンとでもしておこう。」

ペトヴィン「は、はあ……。」

ペトヴィン「でもおかしくないですか?いくら団長であれ、そんな暴言吐くなんて……。」

リヴァイ「それもこの奇行種のせいだろう。ハンジよ。」

ハンジ「……。」

ペトヴィン「分隊長?」

ハンジ「実はもう一個隠してた事があったんだ。」

リヴァイ「!?」

ペトヴィン「な、なんですか!」ズイ

ハンジ「実は……



私はエルヴィン・スミスなんだ。」

二人「「」」

ペトヴィン「……え?」

リヴァイ「だったらペトラの中には今ハンジがいるのか。」

ハンジ?「そういう事だな。分かりにくいから私をエルジにしておこう。」

リヴァイ(エルドみたいだな…。)

ペトヴィン「じゃ、じゃあ分隊長…じゃなくて団長。先ほどまでは…。全て…。」

エルジ「演技だ、中々の腕前だっただろう?」

ペトヴィン「は、はあ……。」
エルジ「実は昔劇団に入っててな。演技には少し自信があるんだ。」

ペトヴィン「成る程…。」

リヴァイ(知らなかった…。)

リヴァイ「でもハンジなら、今朝の事は理解できるな。」

エルジ「だな。」

ペトヴィン「あのー…、団長。じゃあ私が団長の体になってたのは知っていたんですか…?」

エルジ「ああ。朝一番にペトラ――ハンジが来たからな。」

リヴァイ「紛らわしいからハンジにも何かつけてやろう」

ペトヴィン「でも今までの調子だとハンラになりますよ。半裸ですよ?」

リヴァイ「まあいいだろう。中身はどうせあの奇行種だしな。」

ペトヴィン(外見は私なんだけどなー…。)

コメントありがとうございます!

確かに涙目な団長は嫌ですね…

少しですが、再開させて頂きます


ドタドタドタ
バァアァアァン!!

ハンラ「ただいま!エルヴィン…じゃなくて私!」

エルジ「ああおかえり、ペトラ…ではなくハンラ」

ハンラ「え?半裸?何それ私?」

ペトヴィン「私の姿をした分隊長ですからね…。」

ハンラ「へぇ。>>1もネーミングセンス無いなぁ。
ってエルヴィンがペトラになっちゃってるのか。」

リヴァイ「ああ。全くややこしい事をしたなハンラよ。」


ハンラ「えぇ~。リヴァイはなんもなってない訳?もとはリヴァイとエルヴィンを交換する為にやったのに、面白くなーい」プエー

エルジ「そんな事を言うなハンジ。」

リヴァイ(第三者の俺から見たら十分面白いがな……。)

エルジ「元はといえはお前のせいなんだからな。」

ペテヴィン「そうですよ~!私も団長の姿は嫌なんですから!!」

エルジ「」ガーン

リヴァイ(えらくはっきり言ったな…。)

ペトヴィン「あ、嫌、そういう意味ではなく、やっぱり異性は嫌だなぁって事で…。
だからせめてハンジ分隊長の体だったら、と…。」

リヴァイ「は?」

ペトヴィン「え?」

リヴァイ「何言ってんだ、ハンジは男だろう。」

ペトヴィン「え?でも見た目は女性らしいですし、あれ、でも先程分隊長と兵長、一緒にお風呂入ったって言ってましたよね…。」

ハンラ「あぁ、リヴァイ、そんな事話したのかぁ。」

ハンラ「確かに一緒に入ったけど、私は研究後で臭かった私を無理矢理風呂に入れて頭を洗っただけだから、服は着たまんまだったからねぇ」

リヴァイ「俺の潔癖症がとうとうハンジを許さなくなる程度に臭ってたからな。」

ハンラ「あんなのは序の口だよ~。」ハハハハハ

ペトヴィン(私の体、大丈夫かな……。)

誤植を見つけてしまった…orz




リヴァイ「……まあ、俺はハンジの裸を見ていない。
だが、あの仕草といい行動と言い男だろうが」

ペトヴィン「え、絶対女性ですよ~!!
あ、団長!!今分隊長の体ですよね?女性ですか?男性ですか?」

エルジ(自分の姿で団長と言われるのも変な気分だな……。)

エルジ「う~ん、言ってもいいか?ハンジ。」

ハンラ「駄目だよ!性別:ハンジが私の美徳なんだから!」

ペトヴィン「えぇ~!!私、気になります!!」

リヴァイ(やはりエルヴィンの姿だと、気持ち悪いな……。)


エルジ「というよりハンジ。」

ハンラ「何?」

エルジ「研究に没頭し過ぎたら風呂も飯も忘れるんだったな。
……因みに最後にいつ飯を食べた?いつ風呂に入った?」

エルジ「だ~いじょうぶだよ、心配しないで。
昨日提出したんだからちゃんと、昨夜のうちにどっちも終わらせたよ」

エルジ「そうか、良かった…」ホッ

ペトヴィン(うわあ、団長凄く安心したような顔してるー。…まあ外見は分隊長だけど。)

リヴァイ(確かに、数日飯も食ってない、風呂も入ってないあいつは最悪だからな。)

エルジ「取り敢えず、元に戻るのは明日なんだろう?
それぞれの予定を確認しておこう。まずはペトラ。」

ペトヴィン「は、はい!私の方は特にありません。ですので、分隊長、いつもの様に訓練して頂ければ。」

リヴァイ「と、掃除があるが。」

ハンラ「えぇ、掃除は苦手なんだけどなぁ……。」

リヴァイ「自分で蒔いた種だ。なんとかしろ。」

ハンラ「へいへい。それよりもエルヴィンの用事はどうなのよ。」

エルジ「私の方は特には無いので、部屋に待機をしておけばいいだろう。」

ペトヴィン「了解しました。」バッ

リヴァイ(エルヴィンの敬礼か。これは珍しい物を見た。)

ハンラ(それに私に敬礼か~。悪い気しないね。)




リヴァイ「ハンジ、てめぇはどうなんだ。」

エルジ「私の方を見るな、リヴァイ。」

リヴァイ「ああ、すまん」チッ

ハンラ「プークスクス」

リヴァイ「」イラッ

ペトヴィン(あああああ!!私が兵長に嫌味を飛ばしてる!!
す、凄く心臓に悪い!!)タキアセダラダラ

ハンラ「私の用事は、いつもと一緒。ソニーとビーンの世話をしてもらうだけでいいから。」

エルジ「了解した。
ただ、君みたいに世話は出来ないかもしれないが、許してくれ。」

ペトヴィン(確かに、よっぽどの事が無い限り、分隊長みたいな世話は不可能でしょうね…。)

ハンラ「解ってるよ。
あ、ついでに私の巨人関係以外の書類も片付けてくれると嬉しいな。」

エルジ「それは無理だな。私は自分の分の資料を持って行くつもりだからな。君もそうしたまえ、ハンジ。」

ハンラ「えぇ~、団長、お・ね・が・い(ハート」ペトラブリッコ

エルジ「」ドウヨウ

エルジ「……コホン、ともかく無理だ。自分のをしろ。」

ハンラ「ぶー。」

ペトヴィン(惜しい、自分)

エルジ「ハンジ、あまりはめをはずすんじゃ無いぞ。体はペトラなんだ。」

ハンラ「はいはい。」

エルジ「ペトラ、あまり無理するな。幸いに客も来ないし、書類の提出も昨日揃った。
今日は部屋に籠っておけ。」

ペトヴィン「了解しました。」

リヴァイ「エルヴィンも、他の奴に勘づかれない様気を付けろよ。」

エルジ「ああ、先程言ったように演技には自信があるからな。」

ハンラ「よーし、お互い、今日1日、頑張ろう!」

ペトヴィン「おー!」

トリップテストです。

~エルジサイド~

エルジ(……さて、一応ハンジからスケジュールを貰ったんだが……。)

9:00 ソニーと会話
9:05 ビーンと会話
9:10 ソニーと……




エルジ(分刻みか……。
しかし、本当に巨人の実験しかしてないな……。)

モブリット「分隊長~!」

エルジ「あぁ、モブリット。」

エルジ(我ながらナイス演技)ウン

モブリット「今日は1日中、巨人の世話をするんですよね?

エルジ(そうなのか?)ヨテイヒョウチラリ

エルジ「……。うん、そうだよ。」

モブリット「するのはいいんですが、あまり冷や冷やさせないでくださいね。
昨日まで書類まとめで触れなかったからって、食べられそうになるのを見ているこっちの身にもなってくださいよ!!」

エルジ「はいはい。心配ありがとね、モブリット。」

エルジ(書類、か……。
もしかすると、今日思いっきり巨人と遊ぶのを楽しみにしていたのかもしれないな…。
すまないな、ハンジ。)


エルジ(……と、よく考えれば自業自得なんだ。
謝る必要なんかないんだな……。)

エルジ「」シアン

モブリット「……分隊長?どうしたんですか、考えこんで。」

エルジ「ハッ。……いや、なんでもないよ!
ただ、今日はソニーとビーンとどういう風に遊ぼうかなって考えてたんだ。」

モブリット「ここ3日、部屋に籠って資料作業やってましたもんね。」

エルジ「だから、きっとソニーもビーンも寂しいかもしれない。
早く会いに行かないと!!」グッ

――――
――

エルジ「会いたかったよお!!ソニーぃ!!」

ア...ア...

エルジ「私がいない間どうだった?寂しかったよね!うんうん!!」

ア...ア...

エルジ「私も寂しかったよお!!」

ヒソヒソ...

エルジ(うん…?)

「なんか、今日の分隊長テンション低くないか?」
「確かに。調子はいつも通りだけど、なんかいまいち勢いさに欠けるな…。」

エルジ(これ以上テンションを上げろ、だと…?
いつもどんな感じで接していたんだ……。
しかし、やむを得ん)コホン

エルジ「今日も楽しく遊ぼうね!!ソニー!!」

エルジ(……ハンジの真似……。大丈夫かと思ったが、意外に疲れるな……)ハァ

エルジ「ビ・ィ・ン!!君にも会いたかったよおぉお!!」

アァ...ア...

エルジ「会いたくて会いたくて震えたんだ!!ビーンもだろう、そうだろう!!?」

ア...ア...

エルジ(喉が……死にそうだ……。)

ヒソヒソ ソヒソヒ

エルジ「」

エルジ(なんだ……またか……今度はなんだ……?)

「そういえばさ、今日、分隊長スキンシップ少ないいよな」
「確かに…。いつもはソニーかビーン、どちらかには触りに行ってるのに」

エルジ(触 れ だ と ?
巨人にか……?)ブルッ

エルジ(いいや、私は今の私ならいける。
任された仕事は完璧にこなす、それがエルヴィン・スミスだろう!)カッ!!

エルジ「そ、そうそう、ビーン!!今日も撫でてあげよう!
愛のスキンシップさ!」サワサワ...

エルジ(よし、出来た……)

ガチン!!!

エルジ「!!?」バッ!

エルジ「」ハァハァ

エルジ(あ、危なかった……!
危うく、腕を巨人に食われかけた……。)ブルブル

モブリット「ぶ、分隊長!!」

エルジ「い、嫌、慣れっこだからね……。もう、ビーンはツンデレ、なんだから……」ガタガタ

モブリット「ツンデレの範疇超えてますし、第一デレてません!
これだから生き急ぎすぎだと!!」

エルジ(咄嗟に避けなかったら、この腕は無くなっていただろう……。
ハンジの体には、巨人との接し方、そして避け方かわし方が身に付いている。
流石だ……ハンジ。)

9:37
ソニーの毛繕い

エルジ「そ、ソニー、毛繕いをしてあげよう。
私は、万全の君でいて欲しいからね。」

ア...アァ...

エルジ「そら、よっ」

サッサッサッスー...

エルジ(手が震えてしまう…。
やはり、先ほどの恐怖のせいだろう。)

エルジ「ほ、ほら、気持ちいいだろう?」サッサッ

エルジ(しかし、巨人の髪は、なんとも言えない手触りだ。
人間に似ているが、少しごわついたような感触がある。)

エルジ「私も君の毛繕いが楽しいよ!」チラッ

ギラリ

エルジ「!!」サッ

エルジ(巨人の目が……。
仲間を見るような目ではなく、獲物を見つけた時の肉食動物のような目だった……。
奴はスキあらば食おうとしている……。
だが、首や腕は固定されてるので、後ろを振りかえる事はないし、私を叩けない。)

エルジ「ははは、はは……ん?」

ヒソヒソ ヒソリ

エルジ(!!? 今度はなんだ!!?)

「今日、分隊長、抱きついてないよな。」
「あー、確かに。」

エルジ「」

エルジ(抱 き つ け と 。
……だが、この巨人は拘束されているんだ、
どうって事は、無いさ……。)

エルジ「はい、完了!!
んー!凄く綺麗だよ!!ソニー!!」ギュー

エルジ(だ、抱きつけた……!)

エルジ「ははは、ははは」カタカタ

エルジ(や、やれば出来る!!)

エルジ「は、ははは。やっぱりソニーは大きいなぁ!!」

エルジ(ソニーは4m級。言うほどそこまで大きくはないが、170cmのハンジと比べると2.5倍弱か……。)

ハッ...ハッ...

エルジ(こいつ……、涎を垂らしてるな……。)

エルジ「もう、私を食べたかったら、た、食べればいいのに!!」

エルジ(冗談だが。)

ハッ...ハッ...

エルジ(しかし、巨人というのも、臭いが強烈だな……。
ハンジも、よく抱きつけれるものだ。)

10:03
ビーンと語り合い

エルジ「ねえビーン。ビーン達巨人はどこからやって来たの?」

アァア...ウ...ア...

エルジ「こんなに杭やら縄やらつけられて痛いよね。
ごめんね。」

ウ...アゥ...

エルジ(『語り合い』というより一方的に話しかけている感じだな。
まあ巨人だし、仕方ないか……。)

エルジ「君は人間以外に好みはあるかい?」

エルジ(しかし、話すネタが無いな……。)

ヒソヒソヒッソリト

エルジ(!!またか!!
今度は何が足りない!?)

「いつもなら、もっと捲し立ててるのにな。」
「なんかおかしいよな……。」

エルジ(なんだ!!?捲し立てるように巨人と語りあわなければないのか!!?)

モブリット「さっきから、こそこそ、こそこそ!!
仕方ないじゃか!分隊長は缶詰め後なんだぞ!!
疲れてるに決まってるじゃないか!!」

エルジ(モブリット、GJ)

ケイジ「でも、モブリット。
分隊長、缶詰め後でも、キスは欠かせなかったぞ。」

エルジ「」

エルジ(キ……ス……?)ゾワリ

エルジ(ははははハンジ、キスなんか巨人にやってたのか……!)

ケイジ「やっぱり今日の分隊長はおかしい。
キスしてない事については何にも思わないのか?」

エルジ(おお、思わないよな、モブリット……)

モブリット「それは……ちょっと思ったけれど……。」

エルジ「」

エルジ(モブリットぉおお……!!!)

ケイジ「見てみろ。いつも一緒にいるモブリットにも違和感あるだろ。」

エルジ「」ビクッ

モブリット「で、でも、あんなによく接する人は分隊長しかいないだろう!?」

ケイジ「そりゃ、そうだが……。」

エルジ(し、仕方ない……!
これもハンジを"演じる"為の必要不可欠な行為なんだ……!)

エルジ「びびびビーン?ケイジにも言われたけど、そういえば、キスをしてなかったね?
だから私を食べようとしたんだね。ごめんね」チュッ

エルジ(すまない、頬にしか出来ない……。
しかし、これでどうだ……!)チラリ

モブリット「ほら、キスしたじゃないか!
巨人にキスをする所まで見て、あれを本当にハンジ分隊長じゃないと言い切れるか!?」

ケイジ「いや……。……すまなかったモブリット。」

モブリット「こっちじゃなくて、ちゃんと分隊長にも謝れ。」

ケイジ「解ったよ……。
隊長じゃないと疑って申し訳ありませんでした……。」ペコリ

エルジ「いや、いいよいいよ~。」

エルジ(よかった、疑いが晴れたようだ……。)ホッ

エルジ(……あとで口をゆすぎに行こう。)

10:47
ソニーと読書

エルジ「ソニー、本を読もう!今日の本は"壁外の景色について"。横に座るね。」

エルジ(ハンジの部屋にあった本を持ってきたが、これ禁帯書じゃないか……。)

アウ...アァア...

エルジ(それにハンジの本棚には、無くしたと思った調査兵団図書室の本がゴロゴロ出てきた……。)

エルジ「壁の外にはね、沢山の、ここには無い、不思議なものがあるんだ。」ペラペラ

エルジ(ハンジは、どういう事を思って、本を読み聞かせしているんだ……?)

エルジ「燃える水、氷の大地、砂の雪原……。
ソニーはこんな景色、見たことあるの?」

ヒッソヒッソヒソソソ

エルジ(!!?モブリットの咎めがあったのにまた話すのか!!?
そ、そういえば、まだソニーと私の間に隙間があるな……。
きつきつに座るか。)

エルジ「ん?見えない??もう少し近づくね。」ヨイショヨイショ

エルジ(よし、これで……)

ガチン!!!

エルジ「!!?」

エルジ(ままままた食べられる所だった……)ガタガタ

モブリット「分隊長!近づき過ぎですってば!!」

エルジ「あはは、ごめんねはははは。」ブルブル

「いつも食べられるからって巨人の横に座らないのにな。」「しかしさっきは真横に座ったぜ。やっぱり缶詰め後でも分隊長は分隊長なのか……。」ヒソヒソ

エルジ「」

エルジ(座る、必要は、無かったのか……)フラッ...

今日はここまでです。
ハンジにケイジ、
エルジと並べたら似すぎ……
もう少し捻ればよかった……。
エルジサイドの次はどうしましょう?
ペトヴィンか、半裸かですが
もしよろしければ意見をください。

このSSまとめへのコメント

1 :  ✨リヴァイ✨   2014年12月24日 (水) 12:58:20   ID: AB3KVoKW

エルジかわいそすぎる・・・読んでるこっちがヒヤヒヤわ・・・でもすっごい面白い!!続き読みたい!!

2 :  SS好きの774さん   2015年02月15日 (日) 04:57:10   ID: vlWn5a5b

エルジ勇気あるなぁ…。すごいよ…。私は巨人にキスはできない…。

3 :  SS好きのエルヴィン   2015年05月15日 (金) 16:30:05   ID: PpKskuY8

なんと言うか、怖いな
ハンジの日常が、毎日危ないな
心臓を捧げよ!

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