男「ねぇ後輩」後輩「なんです?」 (20)
男「もし僕が神だったらどうする?」
後輩「……はい?」
男「僕が全知全能の神!アイアムオールクリエイター!そんな感じのヤツだったらどうする!?」
後輩「えっどうするって言われましても……」
後輩「うーん、できるのなら願い事を叶えてほしい、ですかね?」
男「よしきた!」
後輩「よしきたって」
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男「今から僕をその神だと思って願い事を言ってみてよ!聞いてあげるからさ!」
後輩「でも聞くだけですよね?」
男「いいじゃんいいじゃん、言うだけ言ってみなよ」
男「もしかしたらきっと多分恐らくワンチャンスあるかもしれないしさ!」
後輩「要するに無いって事じゃないですか……まぁいいですけど」
男「さーさー言ってみなされ!何でも出来るよ!何せ僕は全知全能の神だからね!」
後輩「はぁ」
男「例えば、鼻から豚骨ラーメンを出したり水道からアップルパイを出したりする事だって朝飯前さ!」
後輩「意味不明ですし気持ち悪いですよそれ……神の風格どこにもないじゃないですか」
男「まぁ何でもできちゃうからね!さーどうする?何をお願いする?」
後輩「そうですね……パッと思いつくものだとー」
男「思いつくものだと?」
後輩「……蚊とゴキブリをこの世から絶滅させてほしいかなって」
男「(ヤケに現実的で怨み辛み満載な願いだな!?)」
男「そんなんでいいのかい?僕は全知全能の神だよ?もっとスゴイ事できちゃうよ?」
後輩「そう言われましても」
男「フニャフニャのキーボード創ったりとか髪の毛を全部いもけんぴに変えたりだってできるんだよ?」
後輩「ですから意味不明かつ気持ち悪いですよそれ……そもそもそんな事望む人なんていないでしょう」
男「そんな事ないよ?2年の田中くんなんかは指からワンタンスープを出せるようにしてほしいって言ってたし」
後輩「(何願ってんだ田中ァ!?)」
男「じゃあこうしよう!願い事を叶えられるのは一度だけって感じ!そうすればもっと本気でスゴイ願い事できるんじゃないかな?」
後輩「あまり変わらないと思いますけど」
男「一度だけ、一度だけだよ?二度目はないんだよ?たった一度だけ、リロードもできないんだよ?本当にいいのかい?」
後輩「ううっ……そう何度も言われるとなんとなく変えたくなるような……」
男「一度だけ」
後輩「一度、だけ……」
男「そう一度だけ!イエスワンチャンス!ノーツーチャンス!」
後輩「んんんー…………」
男「さぁどうするどうする?願いが叶うのは一度だけなんだよ~?」
後輩「……願い事を叶えられる回数を無限に」
男「(よくある禁じ手きた!!)」
男「いやいやいや、それはダメだよ~。一度だけってのが良いんだから」
後輩「ええー……全知全能の神なのにケチですね……じゃあ止めます願い事なんていいです」
男「(断られるのは当然のはずなのに露骨にガッカリされた!?)」
男「分かった、分かったよ!無限はダメだけど3回!3回までなら許可する!」
後輩「まぁいいでしょう」
男「(……なんでこっちがお願い事する立場になってるんだろう?)」
男「よしじゃあ願い事を3つ言ってみてよ」
後輩「まず蚊とゴキブリの絶滅」
男「(それ入るんだ……)」
後輩「次に花粉症という症状の消滅」
男「(またしても妙に現実的な願い事が!?)」
後輩「あと3つ目はそうですね……」
男「(ここまで現実的となると、最後は風邪を引かなくなるとかそんな感じなのかな)」
後輩「無尽蔵の富ですかね」
男「(最後の最後でめっちゃ俗っぽい願い事きた!!?)」
後輩「願うとすればそんな感じです」
男「そ、そっか……」
後輩「因みに先輩は私の立場だったら何を願うつもりだったんですか?」
男「僕?僕はそうだな……世界征服かな」
後輩「(レベル低っ!今時の小学生でも考えないですよそんなの!?)」
男「まぁいくら願ったところで聞いてもらえなきゃ何の意味も無いんだけどね~」
後輩「そうですね、では帰りましょうか」
男「そうだね、僕の無茶振りに付き合ってくれたお礼にカバンは僕が持つよ」
後輩「あ、ありがとうございます」
――後日――
ガガガガガガガ!!!
後輩「……ん」
ガガガガガガガ!!!
後輩「朝ですか…ふわぁぁ…………今日も一日がんばりますかね」
ガガガガガガガ!!!
後輩「……」
ガガガガガガガ!!!
後輩「ってかうるさっ!?さっきから一体何の音ですかこれ!?」
父「おぉ起きたか」
後輩「お父さん、この音は何ですか?工事の音ですか?!」
父「当たってるようなハズってるような」
後輩「どっちでもいいです、それよりも外で何をやってるんですか?」
父「いやぁそれがだな?どうも我が家の庭に規格外の大きさのダイヤモンドがあるらしくてだな?」
後輩「(ダイヤモンドォ!?)」
父「なんでも予測では直径500センチメートルになるんだとか。一体何カラットになるんだろうね?」
後輩「(500センチメートル!?!!?そんな馬鹿な!?小学生でも考えないですよそんなの!?)」
父「もしそれが本当なら僕達秒速で億万長者になっちゃうよ」
後輩「億万長者……ハッ」
父「ん?どうしたんだい?」
後輩「いえ、ちょっと図書館に行ってきます」
父「そうか、気を付けて行くんだぞ」
後輩「分かってます、では」
父「……しかし500センチメートルのダイヤモンドかぁ……うまい棒いくつ買えるんだろう?」
――図書館――
後輩「昆虫図鑑昆虫図鑑昆虫図鑑……あった!」
後輩「えっと、ゴキブリ……ゴキブリのページは……」
後輩「……………………」
後輩「(無い!!!)」
後輩「じゃあカ……カのページは!」
後輩「………………………………」
後輩「(これも無い!!!)」
後輩「まさかあの時の願い事って……」
男「やぁ後輩、カとゴキブリと花粉症の無い億万長者ライフはどうだい?」
後輩「………………………………………………………………」
後輩「(EEEEEEEEEEEEEEEE!!!?!??!?)」
後輩「(そ、そんな馬鹿な……そんな、そんな事が……ハッ」
男『今から僕をその神だと思って願い事を言ってみてよ!聞いてあげるからさ!』
男『まぁ願ったところで聞いてもらえなきゃ意味無いんだけどね~』
後輩「ああ、そういう事だったんだ……そういう……」
男「言ってみて良かったでしょ?やっぱり取り敢えず言ってみるのが一番だよ~」
後輩「はい、本当にそう思います……」
後輩「でもどうして私の願い事なんかを……」
男「衝動だよ」
後輩「衝……動?」
男「なんかねー?時々無性に色んな人の願いを叶えたくなる衝動に駆られるんだよ~」
男「だから叶えてあげた!それだけ!」
後輩「(軽っっ!!神様軽いよ!?!?)」
後輩「色んな願い事を叶えたくなる、ですか」
男「うん!結構な人の望みを叶えたよ!」
後輩「……って事はまさか」
男「?」
後輩「田中先輩の願い事ってあるじゃないですか」
男「あぁあったねあったね」
後輩「もしかしてそれも叶えたんですか?」
男「もちろん抜かりなく叶えてあげたよ!ワンタンスープがいくらでも食べれるなんて羨ましいよね!!」
後輩「あぁ……はい、そう……ですね」
後輩「(田中先輩、後悔してるんだろうな……)」
後輩「(田中先輩はともかく、本当に億万長者になっても庶民の心は忘れないで生きていこう……絶対に)」
終わり
男「あぁでも」
後輩「なんですか?」
男「ギャルのパンティおくれーーー!!!!!って願い事はスルーしたよ」
後輩「なんで!?」
本当に終わり
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