青葉「ひふみ先輩のローテーションがヘビィ過ぎる」 (27)


青葉「この数週間で、私は気づいてしまったのです……ひふみ先輩のローテーションがヘビィ過ぎることに」

はじめ「ローションが蛇? なにそれどういう意味なの?青葉ちゃん」


ゆん「せやのうて、服の着回しがヘビロテやってことやろ? 短い間に同じ服を何度も着てまうっちゅうことやんか」

はじめ「ああ、なんだファッションの話だったのかー、どうりで分かりづらいと思ったよ」

青葉「いえ、すみません……分かりづらくて」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1477468669


ゆん「それで、ヘビー過ぎるってどういうことなんや? 青葉ちゃん」


青葉「はい、実はひふみ先輩は1日目はブラウスにミニスカとニーソックス…」

はじめ「……ふむ」

青葉「2日目はVネックのカットソーにカーディガンと下はガウチョパンツで…」

はじめ「ほうほう」

青葉「3日目はオフショルダーのニットに、フレアスカート……この三通りの組合せを延々繰り返してるんですよ」

はじめ「へー、そうなんだ」


ゆん「……はじめ、今の説明で分かったんか?」

はじめ「とりあえずTシャツじゃないってことは分かったよ!」

ゆん「ああ、せやろなぁ…」


ゆん「けど流石に三着だけを着回しとるんは……少しヘビーやなぁ」

青葉「ですよね、つまり同じ服を洗濯したそばから着てることになりますし……」

ゆん「ひふみ先輩の女子力が、由々しき事態ということに……!」


はじめ「へぇ、やっぱりみんな色々考えてんだなぁ……ファッションとか」

青葉「そんな他人事みたいに」

ゆん「いうてはじめも、毎日同じような服しか着とらへんもんな」

青葉「確かに、組み合わせ自体は同じですよね……短パンに、パーカーかキャミソール」

はじめ「い、いやいや!これでも私なりに気を使ってるつもりだし……それに私は自転車通勤だから」

青葉「そっか、はじめさんは動きやすい服装限定になっちゃうんですね」


はじめ「私からしたら、ゆんの方こそ毎回同じ服装にしか見えないような……なんかフリフリばっかで」

ゆん「なっ!? そんな訳ないやん!ウチはファッションについては人一倍気を使うてんのにそれを……!」


青葉「そういえば、ゆんさんってまだ長袖なんですね、もうすっかり夏日なのに……暑くないんですか?」


ゆん「うぐっ! それは、その……込み入った事情があってやな……」

はじめ「タンスの衣替えが面倒くさいとか?」

ゆん「そんなんちゃうわ!」


コウ「何なに?なんの話で盛り上がってんの?」ヒョコッ


はじめ「あっ、八神さん!いや大した話じゃないですけど、ゆんのヤツが衣替えするのが面倒くさいみたいで」

ゆん「そんな話してないって!してませんからね、衣替えくらいちゃんとしますから!」

コウ「お、おぉ……?」


青葉「その、実はひふみ先輩のローテーションがヘビィだっていう話をしてまして」

コウ「ひふみんが?……」


りん「あら、おかしいわね……スケジュール管理はちゃんとしていたつもりだったんだけど、どこかで配分に偏りがあったのかしら」

青葉「あ、そっちじゃなくて服装の着回し的な方です、すみません」

りん「着回しの……ああ、そういうことね」


コウ「ふぅん……けどまぁ仕方ないんじゃない? こう忙しいと服装に気を配ってもいられないっていうか」

ゆん「確かに忙しいは忙しいですけど、女子としては如何なものかと」

りん「そうねぇ…」


コウ「私もまぁ服とか買うんだけどさ、いざ朝になって着ようとしたらタグが付きっぱなしだったりして……あーもういいや面倒くさーい!ってなっちゃって」

はじめ「分かります、それに正直着古してたほうが着心地がいいっていうか何というか」

青葉「いやいやいや、前もって片付けておきましょうよそれくらい!」


りん「!……あ、そういえばコウちゃん……この前、私があげた洋服だけど」

コウ(ギクッ!……)

りん「あれからずっと、コウちゃんが着てるところを見たことがないような……まさか」

コウ「いや、あはは……はは」

りん「…………コウちゃん?」ゴゴゴ


コウ「ち、違うんだって、別におろすのが面倒とかそういうんじゃなくて……ちょっと私の趣味には合わないかなーって」

りん「そんなことないわよ私が選んだんだから、いいから一度着てみてくれたっていいじゃない!」

コウ「イヤだ!あんなの着るくらいならパンツ丸出しでいたほうがまだマシだー!」シュバッ

りん「あっ! こら待ちなさいってば、コウちゃん!」



はじめ「相変わらずだなぁ、あの2人も」

ゆん「いったいどんな服渡されたんやろ、八神さん……パンツ丸出しより恥ずかしい服って」

青葉「そんな服、存在しないと思いますけど……普通は」


青葉「まぁとにかく、八神さんの件はまったく参考にならないとして……」


ウィーン

ひふみ(……遅くなっちゃった……みんなもう、先に揃ってるのかな)


ゆん「ひふみ先輩についてはもう、直接本人に事情を聞いたほうがええ気がするな」

青葉「そうですね」


ひふみ(?……私の話、してる……みんなで、何を)


青葉「昨日の服装から推測するに……ひふみ先輩、今日はブラウスとミニスカとニーソックスで来るはずですけど」

ひふみ「!」


はじめ「もし、ひふみ先輩が青葉ちゃんの言う通りの服装を着てきたら…」

ゆん「ヘビーなローテーションの着回しをしとるゆう疑いが強うなるいうことに」


ひふみ(!?ど、どどど……どうして青葉ちゃん達が、私の、服装の話なんか……というか)

滝本ひふみ
Eブラウス
Eミニスカート
Eニーソックス

ひふみ(青葉ちゃんが言った通りの、服……着てきちゃってるし……これでみんなの前に、出たら)



青葉『あー、やっぱりまた同じ服着てる……ひふみ先輩ってば単純~♪』プークスクス


ひふみ(い、イジワルなことを言われちゃうかもしれない……青葉ちゃんに)


はじめ「それにしても、ひふみ先輩今日は遅いなぁ、もうすぐ始業時刻なのに」

青葉「そうですね…」


ひふみ(こう、なったら……遅刻してもいいからどうにかして服を……着替えなくちゃ、えっと……えっと)


うみこ「おや、どうかしましたか?滝本さん……そんなところで」

ひふみ「ひゃひっ!?」

青葉「……ん?」


うみこ「もうすぐ始業時刻ですが、トイレですか? それとも何か忘れ物でも……」

ひふみ「い、いえ……あの、その……し、しーっ」

うみこ「………はい?」


青葉「あっ! ひふみ先輩、もう来てたんですか」

ひふみ「あ、あぁ……ぁ」

ゆん「!……あっ、ホンマや! ひふみ先輩、青葉ちゃんの言うた通りの服着とる」

はじめ「そうなの? ふむ……確かに、言われてみれば見覚えるような」


ひふみ「……ぁ、ぁ」

うみこ「貴方達、いったい何の話をして……」


ひふみ「……~~っ!」ダッ

はじめ「あっ、逃げた」

青葉「うぇえっ?!ああ、ち、ちょっと待って、なんで逃げるんですか!ひふみ先輩!」タッ

ゆん「あ、青葉ちゃーん!」


うみこ「…………何なのですか、これはいったい」


青葉「ぜぇ……ぜぇ……」

ひふみ「はぁ……はぁ……」


青葉「……はぁ、もう何で逃げるんですか、ひふみ先輩」

ひふみ「だ、だって……恥ずかしくて……私が同じ服ばっかり、着てること……みんなが噂してた、から」

青葉「それは、だって……」


ひふみ「………っ」

青葉「……事情を話してください、恥ずかしいって思うならどうして……そんなことに」


ひふみ「……じ、実は私……服が、その……買えなくて」

青葉「服が、買えない?……それってお金がないとかそういうことで、ですか?はじめさんみたいに」


ひふみ「そうじゃ……なくて」




ひふみ『……よ、よし……今日こそは』

ウィーン

服屋店員『いらっしゃいませー、お客様どういった洋服をお探してすか?』グイッ

ひふみ『えっ、ぁ……あの、その……えと』


服屋店員『今年の夏は水玉模様が流行りですので、こちらなんてどうでしょうか?お客様スタイルいいですしお似合いだと思うのですが』グイグイッ

ひふみ『あの、あの…………あぅ』

服屋店員『このアイテムでしたら、それとこれを合わせてみるのも良いかと、よろしければ試着室にご案内しても……』グイーッ


ひふみ『ぁ………ま、ま』

服屋店員『……ま?』

ひふみ『~~っ!……ま、また来ます!』ピューン

服屋店員『あっ!ちょっとお客様ー!?』



ひふみ「店員さんが、グイグイくるから……新しい服が、なかなか……買えなくて」

青葉「……あー」


ひふみ「……本当は、いろいろ着てみたいけど……その」

青葉「なるほど、事情は分かりました……それなら」

ひふみ「?」

青葉「今度のお休みの日、ひふみ先輩の欲しい服を買いに行きましょう!私も一緒についていきますから」

ひふみ「……え?」

青葉「それなら、ひふみ先輩も安心してお買い物できると思うので……どう、ですか?」


ひふみ「……青葉ちゃん」


ひふみ「………ありがとう……青葉ちゃん、私……青葉ちゃんと一緒にいきたい」

青葉「はい、それじゃあ今度の休みの日に……約束です!」

ひふみ「……うんっ」


終わり



りん「着なさい!」

コウ「ヤダ!」

りん「いいから着てよ!」

コウ「絶対にイヤだ!」

りん「どうして……コウちゃん、もしかして私のこと嫌いになったの?」

コウ「そ、そういうわけじゃ……ないけど」


りん「じゃあ……好き?」

コウ「……ま、まぁ……それなりに、というか」

りん「だったら着てくれたっていいじゃない!」グイグイ

コウ「それとこれとは話が別なの!」

りん「いいから!」

コウ「イヤだぁ!」

ループ


~後日

ひふみ「っ、うぅ……」キョロキョロ

青葉「そんなに緊張しなくても、大丈夫ですよひふみ先輩」

ひふみ「で、でも……」


服屋店員「いらっしゃいませお客様!本日はどういった物をお探しでしょうか?」グイッ

ひふみ「!……あ、青葉ちゃん」

青葉「とりあえずゆっくり見てみたいので、試着したいときにはこちらから声かけますから」

ひふみ「?!」


服屋店員「分かりました、それではごゆっくり」ススス


ひふみ「!」

青葉「さて、じゃあお店の中を見て回りましょうか、ひふみ先輩」

ひふみ「……すごい、青葉ちゃん……まるでモンスターを退ける、騎士様みたい……」

青葉「ただ一言断っただけですよ!?そんな大げさな」

ひふみ「……そう、かな」


青葉「そうですよ、まぁでも……ひふみ先輩の助けになったのなら何よりです」

ひふみ「!……うん」


ひふみ「青葉、ちゃん……このジーンズなんて、どうかな?」

青葉「え、これ……ですか?」


青葉(どうしよう、あまり言っちゃダメだろうけど……正直ダサい)

青葉「これは、その……あまりイイとはいえないような、むしろ悪いような」


ひふみ「ん?……まあ、でもマックミランだから、ね……」ドヤッ

青葉「は?」


ひふみ「あと、このポロシャツも……買う」

青葉「はぁ……って、このポロシャツ一万円もしますよ!? いいんですか?」

ひふみ「ん?……まぁ、手頃だね」


青葉「お、大人だ……」

いらいだす

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom