フレデリカ「君を見失う……」 (29)
※一応百合注意
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ありす「おはようござ――」ガチャ
フレデリカ「~♪」
ありす「――あ」
フレデリカ「~♪……あっ」
フレデリカ「ありすちゃんおっはよー!」
ありす「おはようございます、フレデリカさん」
ありす「……今歌ってたのって――」
フレデリカ「およ、ありすちゃんしってる?」
ありす「はい、『Alice or Guilty』ですよね?」
ありす「……サビしか知りませんけど」
フレデリカ「わお、ありすちゃん博識~♪」
ありす「ゆ、有名な曲ですから、そんなに褒めることじゃありません!」
ありす「……それで、なんで歌ってたんですか?」
フレデリカ「何かを歌うのに理由はいるかーい?」
ありす「……まあ、そうですね」
ありす「ちょっと口ずさんじゃっただけ――」
フレデリカ「――まあ理由はあるんだけどねー」
ありす「……」
ありす「……どうして歌ってたんですか?」
フレデリカ「聞きたい~?」
ありす「いえ、別に」
フレデリカ「そっかー……」
ありす「……」
フレデリカ「……しゅーん」
ありす「……」
フレデリカ「しゅーん……しゅーん」
ありす「……なんですかそれ」
フレデリカ「フレちゃんの鳴き声だよー……しゅーん」
ありす「……」
フレデリカ「しゅーん……しゅーん」
フレデリカ「しゅーん……しゅーん……しゅーん」
ありす「……ああもうっ!」
ありす「わかりましたよ、気になる、気になりますっ!」
フレデリカ「!」
フレデリカ「そっかー、気になっちゃうかー」
フレデリカ「じゃあ教えてあげよう!」
ありす「……フレデリカさんって面倒な性格してますね」
フレデリカ「ありすちゃんほどじゃないけどねー♪」
ありす「どういう意味ですか!」
フレデリカ「うふふっ」
フレデリカ「それでー、歌ってた理由なんだけどねー?」
ありす「はい」
フレデリカ「たまにはカッコイイフレちゃんになりたいなーって思って」
フレデリカ「で、カッコイイ曲を歌ったらクール・フレちゃんになれるんじゃないかなーって」
ありす「……なるほど」
ありす「……でも、それだったらカラオケとかに行って歌ったほうがいいんじゃないですか?」
ありす「事務所で適当に歌うよりは練習になると思いますけど」
フレデリカ「うーん……一人で行くのってちょっと寂しかったり?」
ありす「子供ですか」
フレデリカ「子供だよー、まだフレちゃんお酒も飲めないしー」
ありす「……」
フレデリカ「それに、フレちゃん寂しいと死んじゃうからねー」
フレデリカ「ウサギみたいにねー、ぴょんぴょん♪」
フレデリカ「だから、ちょっと前の公演でもアリス役だったんだし?」
ありす「今の流れからだったらウサギ役をやるべきじゃないんですか?」
フレデリカ「ウサギは菜々ちゃんがやってたしねー」
フレデリカ「だから私は次点のアリス役だったのだ!」
ありす「主役なんですけど」
フレデリカ「そうそう、主役しゅやく~」
フレデリカ「大変だったよー、アリス役」
フレデリカ「特にあの台詞は大変だったなー」
ありす「あの台詞?」
フレデリカ「『橘です!』」
ありす「私じゃないですか!」
フレデリカ「それで、何の話だっけ?」
ありす「フレデリカさんが子供って話です」
フレデリカ「そうそう、カラオケに一人で行かないって話だったねー」
ありす「……私に聞く必要あったんですか?」
フレデリカ「一を聞いて十を知る……それがわたくし、宮本です」
ありす「……」
フレデリカ「それでねー、ありすちゃん」
フレデリカ「アタシ、実はカラオケに一人で行けない病なの!」
ありす「はぁ」
フレデリカ「だから、今度よかったら一緒にカラオケ行かない?」
ありす「……まあ、別にかまいませんけど」
フレデリカ「やったー!」
ありす「……ふふっ」
フレデリカ「……」
フレデリカ「……!」
フレデリカ「そうだ、ありすちゃん!」
ありす「今度は何ですか?」
フレデリカ「ふっふっふー……聞いて驚け!」
フレデリカ「この宮本、魔法を使えるようになったのだ!」
ありす「……は?」
フレデリカ「この宮本、魔法を使えるようになったのだ!」
ありす「いえ、内容は理解してるので大丈夫です」
フレデリカ「のだ……のだ……のだ……」
ありす「セルフエコーも結構です」
フレデリカ「……ありすちゃん冷たい」
ありす「……フレデリカさんが急に変なこと言い始めますから」
フレデリカ「変だなんてひどい!」
ありす「いや魔法が使えるなんて……ありえないじゃないですか」
フレデリカ「そんなことないよー」
フレデリカ「実はフレちゃんのママも魔女でねー」
フレデリカ「昨日、はじめて魔法を教えてもらったの!」
ありす「……」
フレデリカ「あれ、信じてない?」
ありす「信じれると思いますか?」
フレデリカ「信じてくれると思ってるよー♪」
ありす「……」
ありす「……信じるには証拠がありません」
ありす「なので、見せてください」
フレデリカ「……アタシの魔法?」
ありす「はい」
ありす「本当に魔法が使えたら、フレデリカさんが魔法使いだって信じます」
フレデリカ「……ん、わかった!」
ありす「ちなみに、どんな魔法なんですか?」
フレデリカ「ありすちゃんを透明人間にする魔法!」
ありす「なんで私限定なんですか!?」
フレデリカ「……んーっと」
フレデリカ「実はありすちゃんって、数百年昔から透明人間になれるってことで有名で――」
ありす「私はそんなに生きてません!」
ありす「設定するにしてももう少し練ってください!」
フレデリカ「それじゃ、魔法を使うねー」
ありす「はぁ……」
フレデリカ「すぅ……」
フレデリカ「君を見失う……」
フレデリカ「ありす……」
ありす「……」
ありす「……は?」
フレデリカ「ふぅ……」
ありす「え、終わりですか?」
フレデリカ「……」キョロキョロ
ありす「……フレデリカさん?」
フレデリカ「……」キョロキョロ
ありす「あのー……フレデリカさん?」
フレデリカ「……うん、ありすちゃんは見えないっ!」
フレデリカ「成功だー、やったー!」
ありす「!?」
フレデリカ「ありすちゃーん、聞こえるー?」
ありす「え、いや、聞こえますけど……目の前にいるんですから……」
フレデリカ「まあ私には何を言われても聞こえないんだけどねー」
ありす「……」
フレデリカ「今ねー、ありすちゃん透明になってるんだよー?」
フレデリカ「なんと、ありすちゃんが何をしても誰も気づかないのだ!」
フレデリカ「だから、どんなに大きな声で喋ってもアタシは気づかないしー」
フレデリカ「アタシにどんなに触ってもアタシはそれに気づかないんだー」
ありす「……」
フレデリカ「……うーん、これくらい説明すればいいかな?」
フレデリカ「じゃ、そういうことで、ありすちゃん……アデュー♪」
ありす「……」
ありす「……」
ありす「信じられるか!?」
ありす「ちょっとフレデリカさん!」
フレデリカ「さーって、アタシはなにしよっかなー?」
ありす「フレデリカさん!」
フレデリカ「んー……」
ありす「ふーれーでーりーかーさーんーっ!」
フレデリカ「……んー」
ありす「……フレちゃん!」
フレデリカ「……」
フレデリカ「ありすちゃんいないと寂しいなー……」
ありす「えっ……!」
ありす「……じゃなくて、目の前にいるんですけど!」
ありす「というか、透明にしたのはフレデリカさんじゃないですか」
ありす「なってませんけど!」
フレデリカ「とりあえず携帯でも見よっかなー」
ありす「フレデリカさん!」
フレデリカ「フンフンフフーン♪」
フレデリカ「フンフフー♪」
フレデリカ「フレデリカー♪」
ありす「フレデリカ!」
ありす「……あ、ハモった」
ありす「……じゃなくて!」
ありす「フレデリカさん!」
ありす「フレちゃん!」
ありす「フレ姉さま!」
ありす「宮本殿!」
フレデリカ「~♪」
ありす「……反応しませんね」
ありす「……」
ありす「……ばーか」ボソッ
フレデリカ「~♪」
ありす「……」
ありす「……嘘です、そんなこと思ってませんから」
ありす「……」
ありす「……これは心が痛いからやめましょう」
ありす「しかし……ここまで反応しないとなると……」
ありす「もしかして、私本当に透明になってるとか……?」
フレデリカ「~♪」
ありす「……いやいやいや!」
ありす「そんなオカルトありえません!」
ありす「……」
ありす「……そういえば、触れても反応しないって言ってましたね」
フレデリカ「~♪」
ありす「……」
ありす「……」
ありす「とりえあずほっぺから……」
ありす「えい……」プニ
フレデリカ「~♪」
ありす「……わ、本当に反応してない」
ありす「……」
ありす「……両ほっぺをつまんで」
ありす「ぐいっ」
フレデリカ「~♪」
ありす「……ふふっ」
ありす「変な顔……ふふ、ふふふっ!」
フレデリカ「……ふぁ!」
フレデリカ「ほうふぁ、ふぁふぉへーむふぃよ」
ありす「――!」
ありす「ふふ……ふふっ!」
ありす「……っ!」
ありす「どうしよ……面白っ……ふふっ……!」
フレデリカ「~♪」
ありす「……折角だから写真撮っておきたいけど」
ありす「これじゃ両手ふさがってるから……」
ありす「……目に焼き付けておくだけにしよ」
フレデリカ「ふぇっふぉ……ふぉふぇふぉふぇ」
ありす「――っ!」
ありす「はぁ……面白かった……」
ありす「……」
ありす「……はっ、こんな楽しんでる場合じゃない!」
フレデリカ「確かこれありすちゃんもやってるんだよねー」
ありす「……?」
ありす「……」チラッ
ありす「あ……これ……」
ありす「確かに私もやってるけど……」
フレデリカ「早くがんばってありすちゃんと対戦できるようにならないとなー」
ありす「!」
ありす「……もう」
ありす「……」
ありす「……ふふ」
フレデリカ「……」
ありす「……集中してますね」
ありす「……あ」
ありす「……」
ありす「おー……」
ありす「……」
ありす「……違う違う、見て楽しんでる場合じゃないっ!」
ありす「フレデリカさん、フーレーデーリーカーさーんーっ!」
フレデリカ「……」
ありす「……本当に反応しませんね」
ありす「フレデリカさーん」
フレデリカ「……」
ありす「……」
ありす「……へ、返事してくれないと」
ありす「……」
ありす「……き、き……」
ありす「……きす、しますよ?」
フレデリカ「……」ピクッ
ありす「……」
フレデリカ「……」
ありす「……」スッ
フレデリカ「……」ビクッ
ありす「……」
ふれでりか「……」
ありす「……」
ふれでりか「……」
ありす「……こっ、これ以上は近づくのは無理ですね」
フレデリカ「……ふぅ」
ありす「?」
ありす「……あ、ため息ついただけですか」
ありす「はぁ……」
ありす「……これなら、反応すると思ったんですけど」
ありす「やっぱり、奏さんみたいな大人っぽさがないとこういうのは駄目ですね」
ありす「私は……まだ……」
ありす「……」
フレデリカ「……」
ありす「……」
フレデリカ「……」
ありす「……一発芸『買ったアイスをすぐ落とすフレデリカさん』」
フレデリカ「……」
ありす「んー♪」
ありす「すごいよこのアイスタワー、エッフェル塔よりすごーい♪」
ありす「~♪」
ありす「……あっ!」
ありす「……」
ありす「……しゅーん」
フレデリカ「――っ」プルプル
ありす「!」
フレデリカ「――」
フレデリカ「……」
フレデリカ「……」
フレデリカ「危なかったー……なんとか勝ててよかったー♪」
ありす「……なんだ、ゲームに反応してただけですか」
ありす「私の一発芸の面白さに笑ってくれたと思ったんですけど……」
ありす「……本当に、私透明になっちゃったんでしょうか?」
ありす「……」
フレデリカ「……」
ありす「……こうなったら、最後の手段ですね」
フレデリカ「……」
ありす「……どうせ、私に触れられてもフレデリカさんは何も気づきませんから」
ありす「くすぐったっていいですよね」
フレデリカ「……」
ありす「……」
フレデリカ「……」
ありす「……わき腹を」スッ
フレデリカ「……」
ありす「……」コショコショ
フレデリカ「――っ!」
ありす「……ふふ」
ありす「……これなら我慢できないはず」
ありす「えいっ……えいっ♪」
フレデリカ「っ――っ――!」
ありす「あれ、苦しそうですね、フレデリカさん」
ありす「私に触れられても何にもないはずなのに」
フレデリカ「――ぁ」
フレデリカ「あははははははっ!」
ありす「!」
フレデリカ「ちょっ、も、もう、もう無理っ、あははははははっ!」
ありす「やった!」
ありす「やっと反応した!」
ありす「やっぱり私が透明になったって嘘だったんですね!」
フレデリカ「うん、嘘っ、嘘だからやめっ、ふふ、ふふふっ!」
ありす「……」ピタッ
フレデリカ「はぁ……はぁ……っ」
ありす「……なんでこんなことしたんですか?」
フレデリカ「はぁ……っ……ほ、ほら、フレちゃん、魔法使いだから」
フレデリカ「でもっ、し、失敗しちゃった、みたいだねー……」
ありす「……」
ありす「……もう一回くすぐりますよ」
フレデリカ「……」
フレデリカ「……本当だよー?」
ありす「……そうですか」
ありす「じゃあ、もう一回……」
ありす「えいっ!」コショコショ
フレデリカ「――っ!」
フレデリカ「わっ、わかっ、わかっ、言う、言うからっ、ああははははっ!」
ありす「……」ピタッ
フレデリカ「はぁ……はぁ……」
フレデリカ「あ、ありすちゃんがたくましくなって何より……」
ありす「何目線ですか」
フレデリカ「……本当はね」
ありす「はい」
フレデリカ「ありすちゃんがはしゃいでるところを見たかったの」
ありす「……私が?」
フレデリカ「うん……アタシに見られてないからーって」
フレデリカ「ちょっと羽目をはずしてウサミンの真似したりー」
フレデリカ「フレちゃんに日ごろ言えないことを言ったりー、とかそうやってはしゃぐありすちゃんが見たかった!」
フレデリカ「で、でも元に戻る方法がわからなくて、涙目になったありすちゃんにネタバラシ!」
ありす「……それが、想定してた筋書きですか?」
フレデリカ「だいぶずれちゃったけどねー」
ありす「そうですか」
フレデリカ「……あれー?」
フレデリカ「ありすちゃん、なんでフレちゃんに手を伸ばしてるのかなー?」
フレデリカ「フレちゃん本当のこと言ったよー?」
ありす「はい……何をしたかったのかわかってよかったです」
フレデリカ「……ここで、突発的フレちゃん情報!」
フレデリカ「実はフレちゃんくすぐりに弱いのだ!」
ありす「……」
フレデリカ「だから、ね?」
ありす「……」
フレデリカ「……」
ありす「……」
フレデリカ「……」
ありす「……えいっ!」コショコショ
フレデリカ「――っ!」
フレデリカ「あは、あははははっ!」
ありす「仕返しですっ!」コショコショ
フレデリカ「まっ、まだ、してない、してないのにっ!」
ありす「それでもですっ!」
ありす「そんな変なことを考えるフレデリカさんにはお仕置きですっ!」
フレデリカ「――っ!」
フレデリカ「ほっ、ほん、ほんと、いき、いきできなっ、やっ、やめっ!」
ありす「……えっ」ピタッ
フレデリカ「はぁーっ……はぁーっ……はぁーっ……」
ありす「あ……ご、ごめんなさい」
ありす「やりすぎちゃいましたか……?」
フレデリカ「アタシ、本当にくすぐりって苦手なの……」
ありす「あうぅ……」
ありす「ご、ごめんなさい……ちょっと、お仕置きの――」
フレデリカ「――だーかーらー」
フレデリカ「仕返しーっ!」コショコショ
ありす「っ!」
ありす「あっ、ちょ、やっ、やめっ!」
フレデリカ「こちょこちょこちょこちょー♪」
ありす「あはははははっ!」
ありす「ああっ、もうっ、わっ、私もっ、えいっ!」コショコショ
フレデリカ「――――っ!」
ありす「しかっ、しかえしのっ、しかえしっ、あははははっ!」
フレデリカ「ふふふふふっ!」
フレデリカ「くすっ、くすぐったっ、あははははははっ!」
ありす「あははははははっ!」
おしまい
ありすちゃんとフレちゃんがイチャイチャしてるのが好きという気持ちと勢いだけです
誤字脱字、コレジャナイ感などはすいません。読んでくださった方ありがとうございました
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