安部菜々「肉じゃが出来たよー」 (25)
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安部菜々「お蕎麦出来たよー」 - SSまとめ速報
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礼子「相変わらず美味しそうね」
志乃「肉じゃがならご飯ね。大盛りで頼むわ」
菜々「はいはい。そう言うと思って多めに炊いてるからしっかり食べてね」クスクス
礼子「菜々もすっかり志乃扱いが手慣れてきたわね」
志乃「人を動物みたいに言わないで頂戴…」
菜々「どちらかと言うと手のかかる子供って感じかなぁ?」
志乃「菜々までそんな事言うの?…ひどいわ」モグモグ
礼子「箸は止めないのね…」
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志乃「でも今日はどうして肉じゃがなのかしら?美味しいからいいけど」
菜々「今日は礼子のリクエストだよね?」
礼子「ええ。たまに無性に食べたくなるのよね、菜々の肉じゃが。…ん。この味この味」
菜々「そんな良いものかなぁ…。ビールで良い?」
礼子「ありがと。この間の志乃じゃないけれど、菜々の肉じゃが食べたら他のは食べられなくなるのよね」
志乃「わかるわ。じゃがいもはほくほくだし、濃すぎない絶妙な味付けだし。十分にお金取れる味よね。私もビール」
菜々「なに?そんな褒めても何もないよ?」
礼子「あら、事実だもの。…私も少しご飯貰えるかしら」
菜々「はーい」
礼子「それと…写真一枚撮っていい?」
菜々「だめ!化粧も衣装も着てないんだから!髪もぼさぼさだし!」
礼子「…肉じゃがの」
菜々「………あ、はい。どうぞ…///」
志乃「ふふっ……ふふふふ」
菜々「ちょっと志乃、笑いすぎ!…もう」
礼子「ふふっ。ごめんなさいね…」パシャ
菜々「はぁ、恥ずかし…。でもそんなの撮ってどうするの?」
礼子「ええ。ブログに載せようと思って。菜々の作った肉じゃが…っと」
菜々「……誰得なの、それ?」
礼子「たまに菜々の料理撮って載せたら意外と好評なのよね」
菜々「いつの間に…」
礼子「何て言うのかしらね、…私のファンって手料理に飢えてるフシがあるみたいなのよ。そうだわ、ついでに…」
志乃「それ、生殺しじゃないのかしら?…菜々、肉じゃがとご飯おかわり」
菜々「…そう言えば、たまに私のブログでも妙に具体的な料理食べたいって書いてる人がいるけど…」
礼子「多分私の方から流れたのね。リンク貼ってるし。私も肉じゃが少しよそって」
菜々「納得。…今日は礼子もよく食べるね」
礼子「ま、たまにはね…」
志乃「ブログね…」
志乃「せっかくだし、私も載せてみようかしら…」
菜々「えっ!?」
礼子「志乃が…?」
志乃「な、なに?そんなに驚いて?」
菜々「だって…ねえ?」
礼子「志乃、最後にブログ更新したのいつか覚えてる?」
志乃「失礼ね。そんなの………」ヒーフーミー…
志乃「………あら?」
菜々「確か半年以上前だよね。しかも酔った勢いで更新したから何書いてるか誰も解らなかったって。その前は…一年くらい前?」
礼子「ええ。志乃がブログを更新した事がネットニュースにもなっていたし」
志乃「初耳よ、それ…」
志乃「何かしら、いっそ更新しないほうが良いの?」
菜々「いや、別にしたければすれば良いとは思うけど…」
礼子「このタイミングで更新したら確実に私達三人居るのわかるけどね」
志乃「ああ…菜々としてはマズイのかしら?」
菜々「え?何で?今更でしょ?」
礼子「…自分で言うのもなんだけど、酒飲み二人と現役JKが一緒って言うのは確かにね…」
菜々「今その話するの!?」
志乃「やっぱり法律的にアレよね。控えるわ」
菜々「うん。好きにすれば良いと思うよ…」
礼子「…あら、ビールなくなったわ」
菜々「ん。ちょっと待ってね。…よいしょっ」
志乃「そうそう。ビールと言えば…」
菜々「えーっと…友紀ちゃん?」
志乃「ええ。あの年でビール党って珍しいわよね」
菜々「そうだねー。私も最初はあんまり好きじゃなかったし」
礼子「菜々、最初はお酒自体余り飲まなかったわよね」
菜々「私まで潰れたら誰が介抱するの?…ビールは特に苦いだけで美味しく感じられなかったもんなぁ…」
礼子「気付いたら普通に飲んでたわよね」
菜々「うん。誰が言ったんだったかな、喉が開くってヤツ。それ以来は美味しくなったけど…」
菜々「礼子は色々試してたよね」
礼子「ええ。徐々にアルコール高いのに行ったけど、一通りは嗜んだわよ」
志乃「私は最初からワインだったわね。初めて飲んだのが美味しかったって言うが大きいわ」
菜々「それもちょっと珍しいよね。私はワインも渋くて苦手だった」
志乃「ワインは特に最初に飲んだのに左右されがちになるものね。そう考えると菜々は何だったかしら?」
菜々「うーん…。と言うか今でも特にコレってのは無いかなぁ。二人のおかげで相当強くはなっちゃったけど…」
礼子「いきなり褒めないでちょうだい」
志乃「不意打ちは照れるわね」
菜々「いや、間違っても褒めてはないよ?むしろ付き合わされたって苦情に近いからね?」
菜々「そう考えると随分長い付き合いだよねー…」
礼子「そうね。まさかこの年までとは思わなかったわね」
志乃「もう10年近くになるかしら…?」
菜々「何度二人に振り回された事か…。特に志乃」
志乃「若気の至りというヤツね。今では良い思い出でしょう?」
礼子「最も志乃はそこまで成長してない気もするけれど…。菜々、一味あるかしら?」
菜々「あるよー。志乃は昔からマイペースだったもんね。少しは大人しくなった気もするけど。少しだけ」
志乃「あら?私だって色々成長したわよ?」ムニッ
菜々「そういう所がね…」
ミミミンミミミンウーサミン!
菜々「ん?……誰だろ?」
礼子「…着信自分の歌にしてたの?」
菜々「良いでしょ、別に。……Pさんからメール……えっ!?」
志乃「どうしたの?結婚でも申し込まれた?」
礼子「メールでなんて無粋ね」
菜々「いやいや、でも……えっ?」
志乃「どうしたのよ?」
菜々「なんか、私の肉じゃが食べたい、って…」
礼子「ああ、直接そっちに行ったのね」
菜々「礼子何かしたの?」
礼子「ブログ更新の時に一緒にプロデューサーにもメールしておいたのよ。菜々の肉じゃがの画像付きで」
菜々「ええっ!?」
志乃「良かったじゃない。胃袋をつかむチャンスよ」
礼子「これ以上落とす必要があるかは別だけど」
菜々「だ、だから私とPさんはまだそういうのじゃ…。て言うかどうしよう、これ…」
志乃「まだ」
礼子「まだ、ね…。いいじゃない、ケチケチせずに食べさせてあげれば」
菜々「いやいや、今いない人にどうやって?」
志乃「愛妻弁当でも作って持っていけば?ご飯と肉じゃが適当に詰めれば良いでしょ。おかわり」
菜々「はいはい。…でももう時間も遅いし…」
礼子「まだ電車動いてるわよ」シレッ
菜々「むぐっ…!」
志乃「いつかの仕返し?」
礼子「さあ、どうかしら」フフッ
菜々「これってもう持っていく流れ…」
礼子「決まっているでしょ」
菜々「ですよねー……」
志乃「観念しなさい」
菜々「うーん。でもどうしよ…。このままだと油固まっちゃうし…」
礼子「プロデューサーの事だし、まだ事務所でしょ。レンジあるから問題ないんじゃない?」
菜々「それはそうなんだけど。……肉じゃが…コロッケにでもしようかな」
志乃「肉じゃがコロッケ。美味しそうね」
礼子「本当、ここでは食欲旺盛になるわよね」
菜々「まあ、作りがいはある…かな」
志乃「やっぱり菜々に養ってもらおうかしら」
菜々「それは勘弁して…」
菜々「油温めて…それだけだと寂しいかな…」フム
志乃「玉子焼き」
菜々「………まあ、定番か」
礼子「塩で味付けしてちょうだい」
菜々「…別に二人に作るわけじゃないんだよ?」
志乃「一人分も三人分も一緒でしょう」
菜々「そうだけど。それ、普通私が言う台詞だよね」
礼子「細かい事気にしてたらハゲるわよ」
菜々「ハゲないよ!?」
志乃「そういえば、プロデューサーってちょっとキテるわよね」
礼子「ああ、前髪が少しね。まあまだ大丈夫な範囲でしょ」
菜々「わ、私は気にしないし…」
菜々「はい、玉子焼き。熱いから気をつけてね」
志乃「ん。いい匂い…あふっ」
礼子「出来たての玉子焼きってあまり食べる機会ないわよね。美味し」
菜々「はぁ…。あともう一品くらい入れようかな。んー……冷奴に野菜の残り、ミンチ…」
礼子「豆腐ハンバーグとかどうかしら」
志乃「それも良いわね」
菜々「だからなんで二人がメニュー決めるの?」
礼子「前にプロデューサー、ハンバーグ好きって言ってたわよ」
菜々「………作る」
志乃「初耳ね」
礼子「まあ、男なんて大体ハンバーグ好きだし、あながち間違いではないでしょ」
菜々「…っと。こんなもん…かな」
志乃「ええ。どれも美味しくてご飯とビールが進むわ」
菜々「…良かったね」
礼子「菜々、それで一番大事なものは入れたかしら?」
菜々「?……なにかあった?」
礼子「愛情」
菜々「はぁっ!?」
志乃「ああ、それは大切よね」
菜々「そ、そういうのは良いの!もう…」
礼子「そうね。ちゃんと初めから入れてるわよね」
志乃「愚問だったかしら」
礼子「それじゃあ、さっさと準備して行きましょうか」
志乃「菜々、メルヘンチェンジしなさい」
菜々「えっ、待って。二人も行くの?」
礼子「当たり前でしょう。こんな時間に未成年を一人で外出なんてさせられないわ」
志乃「そうね。条例に違反しちゃうものね」
菜々「だからなんで要所要所でそういうの入れてくるかなぁ…。あ、ほら志乃。Pさんがノルウェーのお土産にくれたチーズどう?きっとワインに合うよ?」
志乃「美味しそうだけど、私には何もなかったわ」
菜々「え…?」
礼子「私も個人的にはなかったわね。ますます行く理由が出来たかしら」フフッ
菜々「ぼ、墓穴掘った…?」
菜々「うう…。お願いだから二人とも変な事しないでね」
礼子「菜々次第かしら。ほら、早くしないとニンジンの馬車に間に合わないわよ」
菜々「………はい」
志乃「礼子って菜々の設定、意外と覚えてるわよね」
礼子「弄りがいあるのが多いもの」
菜々「私としては気が抜けないから迷惑でしかないんだけど…」
礼子「諦めなさい、有名税と言うやつなのだから」
志乃「そうそう。折角だからチーズも持っていきましょうか。途中でワインも買って」
菜々「事務所で飲むつもり?」
礼子「この時間ならまだ他の面子もいるでしょうし。居なければちひろかプロデューサーでも巻き込めばいいわ」
菜々「………料理の残りも持って行こっか」
おしまい
以上、読んでくださった方ありかとうございました!
ビールはのどごし!ですよね、菜々さん
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