男「10の予言をする」 (25)



男「俺は天才的な予言者だ。これまで一度も外れた事がない」


男「その俺が、お前の未来を予言してやろう。心して聞くんだな」


男「お前は三日後の午後三時に、近所の公園で、『お嬢ちゃん、おじさんと遊ばない?』と言う」


男「その言葉が逮捕の決め手となった」


 

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男「予言する」


 



男「俺は天才的な予言者だ。これまで一度も外れた事がない」


男「その俺が、お前の未来を予言してやろう。心して聞くんだな」


男「お前は八日後の午後十時に、NY行きの飛行機の中で、『ちくしょう! 計画がメチャクチャだ!』と叫ぶ」


男「その言葉が逮捕のきっかけとなった」


 



男「予言する」


 



男「俺は天才的な予言者だ。これまで一度も外れた事がない」


男「その俺が、お前の未来を予言してやろう。心して聞くんだな」


男「お前は六日後の午後九時に、少し洒落たレストランの中で、ワインを片手にウインクして、『君の瞳に乾杯』と言う」


男「それがお前がフラれた理由だ」


 



男「予言する」


 



男「俺は天才的な予言者だ。これまで一度も外れた事がない」


男「その俺が、お前の未来を予言してやろう。心して聞くんだな」


男「お前は二週間後の午後十時に、家の中でテレビを見ながら、『マジウケる』と言う」


男「それが良くなかった」


 



男「予言する」


 



男「俺は天才的な予言者だ。これまで一度も外れた事がない」


男「その俺が、お前の未来を予言してやろう。心して聞くんだな」


男「お前は一ヶ月後、山に六人でキャンプに行き、バーベキューをしながら、『これ、熊とか出たらヤバイよねー』と言う」


男「それが良くなかった」


 



男「予言する」


 



男「俺は天才的な予言者だ。これまで一度も外れた事がない」


男「その俺が、お前の未来を予言してやろう。心して聞くんだな」


男「お前は二ヶ月後、国道138号線を竹馬で走りながら、『ドライブは最高だぜ!』と叫ぶ」


男「それは道路交通法違反だ」


 



男「予言する」


 



男「俺は天才的な予言者だ。これまで一度も外れた事がない」


男「その俺が、お前の未来を予言してやろう。心して聞くんだな」


男「お前は半年後の午前0時に、泥酔して近所の公園で真っ裸になり、通報を受けてかけつけた警察官に向かって、『何で裸になっちゃいけないんだ!』と逆ギレする」


男「そのせいで謝罪会見を開く事になった」


 



男「予言する」


 



男「俺は天才的な予言者だ。これまで一度も外れた事がない」


男「その俺が、お前の未来を予言してやろう。心して聞くんだな」


男「お前は八日後の午後二時に、自宅で鏡に向かって、『鏡よ鏡、世界で一番カッコイイのは誰?』と言う」


男「俺だ」


 



男「予言する」


 



男「俺は天才的な予言者だ。これまで一度も外れた事がない」


男「その俺が、お前の未来を予言してやろう。心して聞くんだな」


男「お前は一年後の今日、二年前に別れた恋人とばったり出会い、『久しぶり。三年ぶりだね』と言う」


男「二年ぶりだ」


 



男「予言する」


 



男「俺は天才的な予言者だ。これまで一度も外れた事がない」


男「その俺が、お前の未来を予言してやろう。心して聞くんだな」


男「お前はこの三日後に、買った宝くじが当たり、最高の恋人が出来て、『人生って薔薇色だ! このスレを見て本当に良かった!』と叫ぶ」


男「ステマだ」


 



男「以上、10の予言だ」


男「俺の予言は絶対だ。なにせ、これまで外れた事がないからな」


男「だから、最後に特別にこれを予言してやろう。心して聞くんだな」


男「お前はこのすぐ後に、一人の男性から声をかけられる」


男「それがお前の運命の相手だ」


男「よお、俺だよ。久しぶり」





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