【艦これSS】提督「今日も今日とて海賊稼業」【安価】 (1000)


・ほどほどに安価・コンマ制

・海賊稼業を行いながらほのぼのと艦娘と交流するギャルゲー

・艦娘人間就役説。それぞれ過去アリ

・人を選ぶ轟沈要素はなるべく最小限に

・解体される前の艦娘を拐っていくスタイル

・エログロ鬱はなるべく控えめで

・他作品のオマージュが含まれます




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1429876331

【ここまでのあらすじ】


(▼世界全土をシンカイセイカンが覆いつくし、サイバネティック技術が普遍化した未来。世界平和など稚気じみた夢。

  人々は茶色のバラックシティに棲み、夜な夜なダイバースペースへ逃避する。

  人類よりも力を持つシンカイセイカン群が、海洋を背後から掌握する。ここはネオヨコスカ。鎖国体制を敷かれた日本の鎮守府だ。

  そして、マッポー的なこの時代に伝説化され空想の産物であると考えられていたカンムスが突如現れ始め、暗躍している……


  ケイスケはかつて徴兵された過去を持つサラリマン。船乗りを志す彼はしかし海洋学者の父から反対され、その当て付けとして陸軍に入隊。

  未知の生命体シンカイセイカンとの戦闘で死の恐怖に晒されるもカンムスのおかげで無事に本土へと生存した。

  泊地への資材搬入を行うケイスケは、その泊地で解体される部隊とカンムスがいること、そして泊地司令と共謀し解体されたカンムスを人身売買する暗黒メガ・コーポの存在を知る。

  かつての恩を返すべく彼は、解体寸前のカンムス――ムラクモを連れて脱出を試みるも、海賊の襲撃と重なり、甲板に集合しようとする船員たちに捕らえられてしまう。

  あわやとなったケイスケであったが、海賊は暗黒メガ・コーポの自作自演ではなく本物の海賊であった。

  一縷の望みにかけたケイスケは、行き場をなくしたムラクモを連れて海賊船に乗り込み、そして彼の機転により猟犬めいた追撃を見せる護衛カンムス・シラヌイを振り切る。

  そして、彼は海賊のボスからカイゾクX――テイトクを命じられるのであった。

  ……なお彼の本名はケイスケではない。オメーン・バイカー好きな泊地の警備員から付けられたあだ名である。 ▼)

 


提督「提督……?」

提督「俺はもう軍属じゃないし、居たのも陸軍だ……艦娘の指揮経験なんてない」

提督「それに、まだあなた方に協力するとは……」


 提督の言葉はしかし、笑いで応じられた。それが嘲笑に見えたのは、彼の中にある感情が爪を弾いたからか。

 葉巻を咥え、豊かな顎髭を蓄えた男の笑み。

 提督の言葉に応じる気配はなく、ただズイと右手を差し出し、「アイザック・アシモフ」と名乗った。

 無論の事、本名ではないだろう。


提督「……アーサー・C・クラークじゃないのか?」

大将「生憎、名探偵の作者になる気はない。……ま、気軽に大将と呼んでくれ」

提督(それはアーサー・コナン・ドイルだと思うが……)



提督「……悪いが大将、その握手は受けられない」

提督「さっき言ったように、俺に艦隊指揮の経験はないし――」

提督「やむを得ずああしたが……そもそも俺は海賊になるつもりなんて……」

大将「戦いってのはな、ベッドと一緒だ」

提督「は?」

大将「やってる内に上手くなるし、やりもしないでウダウダと考え込んでも何も始まらない」

提督「それは確かに……いや、そうじゃなくて――」

大将「それに、お嬢さんがたの相手をするなら若い方が喜ばれる」


 「上手いことを言ったろう」と笑うアシモフに、「うちはおじさんも好きじゃけど」と彼の連れである艦娘が笑う。

 どことなく、戦場や兵士故の無作法なやり取り。紛れもない鉄火場の作法。

 提督は、毒気を抜かれた気分を覚えたが――我を取り戻す。


提督「いや、それ以前に海賊に協力するつもりは……」

大将「え、あんなに一緒だったのにフラれるの? おじさん大ショック」

提督「いや……だから、あれは緊急だったんだ」


大将「……というのは置いておくとして、おたくら二人ここから行く宛もないだろう?」

提督「……」

大将「帝国海軍に逆らって、そっから解体寸前の艦娘を連れ出したんだ……良くて投獄。悪けりゃ銃殺」

大将「……ってのはオーバーかもしれんが、まぁ、仕事はクビになるだろう」

提督「……」

大将「おたくはいいとしても、そっちのお嬢ちゃんなんか辛いぞ?」

大将「解体されたから退役も除籍も済んで艦娘ですらないし――」

大将「おまけに海賊と一緒に逃げ出してる。前からの関係を疑われて、憲兵に呼び出されるだろうなぁ」

提督「それは……」

大将「帰る場所があるなら結構だが、半端に手をとってあとは知りませんじゃ白雪姫も収まりが悪い」

叢雲「……」

大将「それとも、何か宛があったのか?」



提督「……艦娘を引退したものを受け入れる宛てはあった」

大将「ほう?」

提督「艦娘の頃の経験を活かして、遠洋輸送での航海士を求めているところがあるんだ」

大将「なるほど。艦娘は航海術は学ぶし、深海棲艦を見分けるのもなれたもの……か」

提督「無策だった訳じゃない」


 海賊に拐われた体を取るなら、後々の謗りを受けぬ為に少なくとも書類上の扱いは隙のないものを作るだろう。

 つまりは、理由なき逃亡ではなく正しい処理を行われるのだ。

 あとは――提督が、彼が考えていた筋道はこうだった。


 叢雲を独房から解放する。

 そのまま、彼女を艤装の元まで案内。そして待機。

 あとは狂言海賊の襲撃を待ち、その混乱に乗じて“偶然艤装を手に入れた”という名目で逃走。

 言い訳としては海賊を引き付ける為でもいいし――狙われていると知った――、海賊との交戦から船を護る為でも至近の泊地に救助を求める為でもいい。

 司令部は解体された艦娘(となっていた少女)に対する興味は薄いが、それが艤装を伴っているなら別だ。

 技術的な資源の意味もある艦娘が行方を眩ませたとは、流石に海軍本部も躍起になる。

 あとは、解体された後の叢雲を狂言海賊などに任せて人身売買しようとした泊地ではなく、本部に直接身柄を引き渡せばいい。


 その後の就業先は――アシモフに言った通りだ。



提督「それが……」


 彼の計算違いは二つ。


 一つ目が――目の前の男。

 提督と今、同意なく呼ばれる彼は狂言海賊の襲撃が起こるであろう地点の予測はした。

 まず、泊地からの救援がすぐには来ない場所。これは泊地側が海賊の襲撃は予想外だと逃げる為の建前として。

 第二に、外洋輸送航路を途中から警護し船団の護衛を勤める艦娘のいる泊地の手前。

 流石に護衛なしで外洋を渡る事はどんな船もしない。ある程度から、艦娘が警護に降りてきて本土まで引率する事になっている。

 艦娘の人員に限りがある以上、どこかの泊地で輸送船は留め置かれ、似たような船と合同で帰還する事になっていた。

 その、集積を行う泊地に引き渡しが行われるランデブーポイントよりも前。

 そうして狂言海賊の襲撃時間まで割り出したのだが――――それよりも先に本物の海賊が接触してきたのだ。


 次に、輸送船の中に護衛の艦娘が待機していた事。

 狂言海賊から襲撃される以上、艦娘に護衛を行わせないものだと考えていた。

 事情を説明せずに双方が顔を合わせれば狂言などとは呼べない戦闘に発展し、ならば説明できるかと言われたら――“人身売買”――不可能だ。

 己の仲間が、それも“見目麗しい女”という利益の為に売り飛ばされるのを、同じ艦娘が許す筈がない。

 彼はそう考えており、また、航海中も姿が見えない為に護衛の艦娘は存在しないと考えた。

 だが、いるのだ。犯罪の片棒を担ぐ艦娘もいる。

 会話こそなかったが、あれは“理解している側”だ。最初海賊の襲撃に際し現れず、様子が違うとして現れた艦娘――――。


提督(不知火……か)



大将「いいねえ」

提督「……?」

大将「腹案の保持……いよいよ指揮官向きだ」

提督「……こじつけだ」

大将「ま、暫くでいいだろう? 俺も別件で忙しくてね……その用事が済むまででいい」

提督「いや……」

大将「君たちの世間的な扱いを確かめてからでも遅くないと思うがね」

提督「……」


 言われてみればその通りなのだ。

 鎮守府から処分通達が下されているのか、それともまだ行方不明や海賊被害での捜索の段階なのか。

 そもそも事件自体が発生したことになっているのか――見極める必要があるだろう。


提督「……判った。ただし、犯罪の片棒を担ぐつもりはない……いいな?」

大将「ははっ」

提督「……なんだ?」

大将「今更だ。殺されない為に手を組んだ時点で、一蓮托生じゃないのか?」


 カラカラと笑う大将――アシモフの顔を一瞥ののち、提督は無言で目線を落とした。



提督「それで大将、提督と言っても……俺は何をすればいい?」

大将「ま、うちの艦娘と仲良くしててくれ」

提督「……それだけか?」

大将「不満かい?」

提督「てっきり、民間船を襲ったり人質を取ったり身代金を要求するものかと思っていたが……」

大将「“犯罪の片棒を担ぐことは嫌”なんだろう?」

提督「ああ、だから安心した」

大将「……ま、海賊はついでというか裏の顔――表向きは何でも輸送会社のブラックローだ」

提督「輸送会社?」

大将「輸送だけじゃなくて、沈んだ船のサルベージや廃品回収、廃棄物の処理、リムジン代わりと……何でもござれだ」

提督「深海棲艦が蔓延っている……海上交通網を握っているのは、艦娘を管理する政府」

大将「だからこそ、顧客も多い」

提督「……なるほど」


 売り買いするよりもよほど利益が上がる――という話だ。

 無論の事、リスクも高い。

 艦娘は技術的な資源――それも未だに民間に降りることがなく、そもそも所持すらしていない国もあるほど。

 だからこそ、海軍からも執拗に狙われるだろう。野に放たれた艦娘は、楽園を崩壊させた赤い木の実にすら等しいのだから。


大将「ま、うちにいる艦娘は浦風を含めて三名だ。鎮守府よりは胃に優しい」

提督「浦風……さっきの」

浦風「うちは“二丁拳銃”の浦風じゃ」

提督「……“二丁拳銃”?」

大将「海軍の方にも、浦風がいる。だからそういう分け方が必要になる」

提督「そういうもの、なのか……」


大将「……おっと、我が家に到着だ」

提督(海に面した洞窟……鍾乳洞のようなものか。船で入るのは無理だな)

提督(人が潜れるほどしか……)

提督(いや、なるほど)

大将「艦娘はこっちから俺たちの泊地」

大将「このリトル・グレイは船着き場にな――って」

提督「……大丈夫なのか?」

大将「ん?」

提督「艦娘は隠れられても……この船は目撃情報から、海軍に通報されたりするんじゃないのか?」

大将「ああ、大丈夫だ。ここじゃ問題ない」

提督「……?」

大将「ここは麻薬地帯も近い、法と倫理の通用しない悪徳都市だ」

提督「……」

大将「この街の法を作ってるのはアウトロー。海軍にご丁寧に通報したら街中が厄介ごとだし――」

提督「結局、艦娘が海軍に回収されるだけ」

大将「そう。目を瞑って、そのときそのとき俺たちを使った方がよっほどお徳――ってな」

提督「……」

大将「おっと、迎えがくるみたいだ」

提督「……迎え?」

大将「うちの社員だ」

◆21:46から艦娘募集入るぞ◆

◆範囲安価になります◆艦娘の名前と共に数字を書いて貰います◆

◆コンマ+数字は100(00)を越えると一周する◆

◆なおコンマによって艦娘の境遇が決まります◆


十の位 1ほど悲惨 9ほど裕福
一の位 1ほど個人的な事情 9ほど熱意や決意
0:特殊判定
ゾロ目:???


◆諸事情から朝潮・五月雨は除害しますフナムシ◆


十の位 1ほど悲惨 9ほど裕福
一の位 1ほど個人的な事情 9ほど熱意や決意
0:特殊判定
ゾロ目:???


↓1~5 ※1体 ※艦娘を書け ※数字を書け

ご新規さんもいるし今回は回避重点って言ってないし多少はね

パソコンに移るのでちょいタンマ。またゾロ目か壊れるなぁ……

お待たせ、再開します


龍田「あらぁ~、また拾ってきたんですかぁ~?」

大将「艦娘をそんな犬猫みたいに……」

龍田「大丈夫だよ~、犬はおじさんの方だもん~」

大将「……おじさんショック」

提督「あの……」


 彼女も、艦娘なのだろうか。

 いや、生身で水上を移動している以上、それは決まっているだろうが。


大将「ああ、軽巡洋艦娘……“首切り”龍田だ」

提督「……物騒だな」

提督(軽巡洋艦娘……色々種類があるのか、艦娘にも)

龍田「……あれぇ?」

大将「どうした」

龍田「そっちも艦娘……? 随分男勝りな……」

提督「男勝りというか、俺は男なんだ」

龍田「去勢希望~?」

提督「……。よろしく、名前は――」


 仮にも海賊、法を犯すのに本名を名乗る訳にもいかない。

 となれば、敬介と呼ばせるべきか。

 いや、ここは……


提督「提督、と呼ばれる事になった。暫定的、だが」

龍田「……」

提督「……?」


 握手を求めた手が、宙をさまよう。


龍田「ごめんね~、男の人はちょっと……」

提督「……あ、ああ。そうか」

龍田「見てるとどうしても斬りたくなっちゃうからぁ~、へへへ」

提督「……」


大将「で、龍田。一人なのか?」

龍田「ナンパですかぁ~? 斬られたい、とか……」

大将「おいおい、やめてくれないか。治すのが大変なんだ」

提督(……大変で済むのか? 腕を斬られて)

龍田「じゃあ、潰す……とか?」

提督(……こっちも物騒だな)


 一体どういう連中なのかと、改めて首を傾げる。

 隣を見れば、叢雲も面食らっていた。先ほどから一言も発していない。

 見れば、上目遣いで睨み上げられる。

 連れ出したのだから交渉事も全てやれ。矢面に立て。そう言われているようであった。


龍田「一人じゃないよぉ~?」

龍田「えーっと……」



↓3 コンマで判定も

艦種を書いて貰うつもりだったが、流石に今度は二回目なので回避必然な

という訳で再度安価だ。回避重点な


◆22:40に範囲安価を出す◆回避重点な◆


◆数字もね◆無かったらコンマ値そのまま◆



十の位 1ほど悲惨 9ほど裕福
一の位 1ほど個人的な事情 9ほど熱意や決意
0:特殊判定
ゾロ目:???


↓1~7 ※1体 ※艦娘を書け ※数字を書け

またゾロ目なんですがそれは

今のところの非処女率、80%なんですがそれは


雲龍「大将、お迎えに上がりました……」

大将「おお、ご苦労」

提督(もう一人、艦娘……?)

提督(……なんというか、ぼんやりとしている感じだな)

提督(そうなると、彼女もまた○○艦娘と級が別れているのか)


 姿を見る。

 白い髪が、雲のような癖っ毛と三つ編みを構成している。

 どことなく、中華の甲冑の意匠の艤装を身に付けている。


提督「彼女は……」

大将「ああ、“神槍”雲龍――航空機母艦娘だ」

提督「空母……」


 その他に、駆逐・軽巡・重巡・空母・戦艦・潜水――と言う艦種が存在する、と告げられた。

 なるほどな、と頷く。


提督「叢雲は……駆逐艦、だったな」

叢雲「……ええ」

提督「龍田、だったか? は軽巡だった」

龍田「そうですよ~?」

提督「で、雲龍が空母……」

雲龍「はい」

提督「……浦風は、重巡か?」

浦風「うちは駆逐じゃ」

提督「え」

叢雲「?」

浦風「?」

提督「え」

叢雲「……」


叢雲「あんたねえ……一体、何を根拠に……!」

提督「武装、じゃないのか?」

叢雲「え」

提督「叢雲は槍」

提督「龍田は薙刀」

提督「雲龍は、棒と……飛び道具」

提督「なら、飛び道具しかない浦風は重巡洋艦――――じゃあ」

提督「……ないみたいだな」


 どうにもやはり、艦娘というのは判らない。

 武装から判別する――のはできないらしい。これが陸軍なら、判りやすいところであるが。

 難しい問題だ。


大将「ま、うちに居るのはこの三人だ」

大将「あとはおいおい覚えていくんだな。時間はある……そうだろう?」

提督「……」

雲龍「えっと、そちらの人は……」

大将「ああ、これうちの提督。さっき決めた」

提督「ちょっと、そんな説明は――」

雲龍「判りました。そうですか、よろしくお願いします」

提督(――いいのか、こんな説明で)



 そうして、着任――という事になった。

 元は陸軍出身。それも一時参加していただけ。

 除隊後は、以前より願っていた船員――にはなれなかったが、海外にも移る機会がある仕事に就いた。

 その結果が、以前の南方配備を鑑みての南方への派遣ときて……。

 その末に、泊地から解体され運び出される艦娘・叢雲を連れ出して逃げる事となり、それから巡って海賊の一時的な首魁だ。


提督(……一先ずは、様子見か)

提督(外で……俺と叢雲がどんな扱いをされているのか)

提督(それを確かめないと、戻りようがない……か)


 その間、どの程度海賊として手を染めずに済むか――というところだが。

 やっていく以上はこの泊地……海賊泊地についても知る必要があるだろうし。

 また、艦娘となって戦っていたのに身勝手に解体されて売り飛ばされる――なんて事をされそうになった叢雲のフォローも必要だろう。



1:浦風に街の案内を頼む
2:龍田に泊地の事を聞く
3:雲龍に提督業の説明を受ける
4:叢雲のところへ行く

↓3


提督「……叢雲さん、居るか?」

叢雲「なによ?」


提督(……明らかに機嫌が悪そう、だ)

提督(原因は……判り切ってるか)

提督(……)

提督(それまでの職も奪われて、有無を言わさずに本土への復員船に閉じ込められて)

提督(そこに銃を持った人間が“助けに来た”と乱入して――脱出しようとしたら二人とも捕まって)

提督(そして、海賊の襲撃)

提督(それから――あの艦娘を振り切るために戦って、今度は海賊の一員に)

提督(……)

提督(……不機嫌にならない方がどうかしてるな。これじゃあ)


叢雲「用なら、さっさとしなさい」

提督「ああ……そうだな……」

提督「↓3」


提督「……すまなかった、叢雲」

叢雲「……。なにが?」

提督「俺のした事、殆ど――だ」

提督「君が攫われると分かった時点で、なんとかしてそれを君に伝えておくべきだったし」

提督「泊地で行われている事を憲兵に訴える、という事もできた」

叢雲「……」

提督「それもしないで先走って、結局は君を助け出す事ができなかった」

提督「それから結局こうして――海賊の一味になっている」


 話の裏付けは取った。仲介業者と思われる男たちを締め上げて、行われている事を知った。

 ひとたび船が出港してしまえば、艤装のない少女は狂言海賊によって攫われて売り飛ばされる――というのも確かだ。

 時間がなかった。

 しかしそれにしても、やりようはあったのではないかと思わなくもない。

 あの海賊たちの介入があったが為、サイレンで飛び出してきた船員たちに捕まってしまったと言っても。

 あれらが来なくても、叢雲が無事に生還できる確率は多くはなかった。

 勝算がない訳ではないが、賭けではないと言ったら嘘になる。

 それを――彼女の意思も確認せずに、自分一人で決めてしまった。それも、縁もゆかりもない人間が。


叢雲「……」


提督「だから、謝るしかない」

叢雲「……」

提督「……ただ、なんとかはする。何故だか一応は、仮のリーダーという事になった」

提督「上手くやれば……君一人がここから離れられるだけの燃料だって確保できる筈だ」

提督「道中危険かもしれないが、あの泊地以外に助けを求める事も……できなくはない」

提督「口でどう言っても、ここの連中は海賊だ」

提督「何かあっても、君だけは絶対に逃がしてみせる」

提督「だから……こんな方法しかとれないが、俺は――」


 すっと、叢雲が顔を上げて。

 それから一撃、腹部に衝撃が走った。


提督「っ」

叢雲「痛ったた……あんたどんな腹筋してるのよ!?」

提督「叢、雲……?」

叢雲「私が不機嫌だったのはね、あんたのそんな態度よ」

提督「……俺?」

叢雲「あのねえ、そりゃあ腹立たしいわよ。気が付いたら銃を持った人間が独房をぶち破って、その果てに海賊だなんて」

提督「……」

叢雲「でも、あの時もそうだったけどあんたはどうなるのよ。私を逃がして、それから……」

提督「……一度は君たち艦娘に助けられた命だ。だから」

叢雲「それは私じゃないでしょうが! 私の話をしてるの! 私の!」

提督「いや……」

叢雲「『余所の誰かが助けてくれたから今度は全然関係ないあなたを助けます』」

叢雲「『あなたに知り合ってもないけど、それでも犠牲になっても構いません。貴女以外の誰かに助けられた命ですから』」

叢雲「どれだけ無礼なのよ、あんた!」

提督「無礼……?」


叢雲「なんで私の運命を全っ然関係ない人間が決めてるのよ!」

叢雲「それで今度は謝るぅ? あんた、どれだけ人を馬鹿にすれば気が済むのよ!」

提督「いや……その……」

叢雲「それよりなにより!」

叢雲「私は!」

叢雲「お腹が空いて黙ってたの! 何も食べてないのよ、何も!」

提督「――」

提督「――」

提督「――」


提督「………………え?」

叢雲「それなのに深刻そうな顔して……勝手に話つくってんじゃないのよ、あんた! あーもー、腹立つぅ!」

提督「いや、その……済まなかった」

叢雲「謝る暇があったら夕餉を用意なさいな! 仮にもリーダーなら、なんとかなるわね!」

提督「あ、ああ……」

提督「その……叢雲、さんには……好き嫌いとかは」

叢雲「叢雲!」

提督「え」

叢雲「む・ら・く・も! でいいって言ってるのよ、“司令官”!」

提督「あ、ああ……そうか、叢雲さ――」

叢雲「む・ら・く・も!」

提督「そうか、叢雲……今、何か食べれるものを用意する。待っててくれ!」

叢雲「へ?」


叢雲「……ぁ」

叢雲「……」

叢雲「司令官、って言ってあげたんだから……もっと何か反応しなさいよ」

叢雲「……無礼な奴」



↓3 コンマ1桁分好感度上昇。ゾロ目なら倍

【叢雲】
好感度:08(+?)
環境・志:4・7
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】
好感度:00(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】
好感度:00
環境・志:5・5
カラテ:??   知能指数:? センス:?
精神的:?/?? ブッダ:?  体温:?

【雲龍】
好感度:00
環境・志:5・5
カラテ:??   知能指数:? センス:?
精神的:?/?? ブッダ:?  体温:?


【ステータス説明】

カラテ……戦闘力や鍛練・経験など。環境が悪いほどカラテは高い。(10-環境)+コンマ
知能指数……教養など。環境がいいほど知能指数は高い。環境+コンマ
センス……様々な物事に対する勘。環境+志(10を超えると一周)+コンマ
精神的……精神力や平常心など。志+コンマ/(10-志)+コンマ
ブッダ……運。クリティカル範囲に影響があると言われる。コンマ
体温……高いほど性的に弱い。コンマ

※展開や境遇に影響が出る事もある、程度


【理論値】

カラテ:最低2・最高20
知能指数:最低1・最高19
センス:最低2・最高19
精神的:最低1・最高19/最低2・最高20
ブッダ:最低1・最高10
体温:最低1・最高10

※環境・志含めてゾロ目抜き
※ゾロ目の場合、+10ボーナスが加わる

このスレはほのぼのですからね。安心安全


ちょっと提督のステータスを決めたいのだがよろしいか
とくに何がある訳でもないが、フレーバーとして展開が変わってくるぞ

まあ、新しくスレを立てたならスレで取るべしとヤマモト・イスズも言っている



テイトク=サンのステータス

1+10の位

ゾロ目なら、更に+10


↓1 カラテ
↓2 知能指数
↓3 センス
↓4 精神的①

【提督】
カラテ:6   知能指数:11 センス:9
精神的:7/  ブッダ:     指揮:



↓1 精神的②
↓2 ブッダ
↓3 指揮

提督これ、殺すとなったら容赦なくぶっ殺す男だ

絶対マーキューリーパーマだ……



【提督】

カラテ:6     知能指数:11 センス:9
精神的:7/26  ブッダ:12    指揮:5


ってごめん、ちょっと待って。0の扱いどうしてたっけ

あ、0は10で換算していました

つまりこうなる



【提督】

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15


なんぞこいつ

ステータス

【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】
好感度:08(+?)
環境・志:4・7
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】
好感度:00(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】
好感度:00
環境・志:5・5
カラテ:??   知能指数:? センス:?
精神的:?/?? ブッダ:?  体温:?

【雲龍】
好感度:00
環境・志:5・5
カラテ:??   知能指数:? センス:?
精神的:?/?? ブッダ:?  体温:?


【ステータス説明】

カラテ……戦闘力や鍛練・経験など。環境が悪いほどカラテは高い。(10-環境)+コンマ
知能指数……教養など。環境がいいほど知能指数は高い。環境+コンマ
センス……様々な物事に対する勘。環境+志(10を超えると一周)+コンマ
精神的……精神力や平常心など。志+コンマ/(10-志)+コンマ
ブッダ……運。クリティカル範囲に影響があると言われる。コンマ
体温……高いほど性的に弱い。コンマ

※展開や境遇に影響が出る事もある、程度


【理論値】

カラテ:最低2・最高20
知能指数:最低1・最高19
センス:最低2・最高19
精神的:最低1・最高19/最低2・最高20
ブッダ:最低1・最高10
体温:最低1・最高10

※環境・志含めてゾロ目抜き
※ゾロ目の場合、+10ボーナスが加わる

運とセンスは常人並みだが、通常の人間に比べてかなり鍛え上げた肉体と一般的な教養
何より圧倒的なのはその精神力。慈愛に溢れ、それ以上にいざという時、常人離れした沈着冷静さを持つ
指揮能力も相応に優秀である


という訳でストーリーに

・艦娘とトレーニング
・カジノに行こう
・インタビュー上手
・ハイパー☆ラブコメ ~気になるあの人は朴念仁~

やなんかが追加される


提督(……それにしても)

提督(まだ知らない事が多すぎる。この街についても)

提督(あらゆる不道徳の街――らしいが)


 東南アジアに位置するその街であるが、どうにも港から眺めても人種は多種多様に見える。

 外資企業を誘致した経済特区、のようなものだろうか。

 街に出れば相応に情報の収集も可能かもしれない。


提督(泊地は……殆ど、プライベートビーチだな)

提督(どのような施設があるのかもまだ、未確認だ)



1:叢雲と泊地の中を歩き回る
2:浦風に街の案内を頼む
3:雲龍にこの海賊団の事を聞く
4:龍田に大将の事について聞いてみる
5:自由安価

↓3 ※ゾロ目なら……


叢雲「あ」

提督「叢雲さ――」

叢雲「……」 ジー

提督「……、……叢雲。丁度良かった」

叢雲「あら、この叢雲に何か用かしら?」


 心なしか得意げな叢雲が、顔を澄ませる。


提督「この泊地の中を、見て回ろうと思って……」

叢雲「……面倒そうね」

提督「そうは言わないでくれ」

叢雲「あら、実は一人っきりじゃ心細いとか?」

提督「ああ、そうなんだ」

叢雲「――」

提督「そこで……折角だから、君と一緒に見て回りたいと思ったんだ」

叢雲「ふ、ふーん? へ、へー? ほ、ほー?」

叢雲「わ、私と一緒に居たい……と。なるほどなるほど、な、なるほど」

提督「ああ、君と一緒の方が(戦力的にも)落ち着く」

叢雲「……」

叢雲「うん、いいわ。特別に気分がいいから一緒に付いて行ってあげる。感謝なさいな!」

提督「ああ、ありがとう叢雲」

叢雲「……ぅ」


提督「俺は素人だから、どの施設がどうなっている……というのは判らないんだ」

提督「君に頼りたいんだが……」

叢雲「任せなさい。朝飯前よ、この程度!」

提督「……朝飯はもう済んだぞ」

叢雲「え」

提督「……食べて、なかったのか?」

叢雲「誘え! 誘いなさいよ!? なんで誘わないの!?」

提督「てっきり、そっちの部屋で食べているかと……」

叢雲「自分一人で食べようなんて小さい男ね! そこは仮にその可能性があっても私を誘うとかじゃないの!?」

提督「……悪かった。次からそうする」

叢雲「まったく……」


 ……やはりというか、あまり美味しいものではなかったが。

 どうやら彼女には関係がないらしい。


叢雲「……うーん」

提督「どうした?」

叢雲「キチンとした軍事施設じゃないから、工廠はないわね」

提督「工廠?」

叢雲「艦娘の装備を更新したり、艤装を作ったりする場所」

叢雲「あとは船渠も小さい……これなら、離島の病院の方がマシよ」

      バケツ
叢雲「“高速修復剤”でも積まなきゃ、気休めにしかならない……か」

提督「えーっと……」

叢雲「つまり、迂闊に怪我なんて出来ないって事」


叢雲「鎮痛剤とか、簡単な止血剤とか造血剤はあったけど……」

提督「直ぐに輸血が必要なほどだと、危ない……か」

叢雲「そういう事。怪我はしないように、いいわね?」

提督「ああ」


 元よりただの生身では、そこまで無理もできない。

 表向きにはなっていないが陸軍の一部では、艦娘の技術を流用して人体を改造した機動歩兵などもあったが……。


叢雲「後は燃料弾薬貯蔵庫と、一応は艤装のメンテナンス場所か……うーん」

提督「どうなんだ?」

叢雲「設備としては最悪。人間同士でやり合うなら十分だとしても、深海棲艦や艦娘相手は狂気の沙汰」

提督「……そうか」


 そうなると、案外優秀な指揮官を欲しがる――というのも嘘ではないかも知れない。

 尤も、だからと言っておいそれと協力はできないだろうが。


叢雲「それにしても……本当かも知れないわ」

提督「ん?」

叢雲「司令官になって欲しい、っていうの。……ここまで見回っても、何も言われないなんて」

提督「……」

叢雲「それより、食事にしましょう」

叢雲「貴方が作るのよ、いい?」

提督「簡単なものなら……あぁ」


↓1 コンマ1桁分好感度上昇 0なら十の位を利用 ゾロ目なら倍

ステータス

【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】
好感度:13(+?)
環境・志:4・7
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】
好感度:00(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】
好感度:00
環境・志:5・5
カラテ:??   知能指数:? センス:?
精神的:?/?? ブッダ:?  体温:?

【雲龍】
好感度:00
環境・志:5・5
カラテ:??   知能指数:? センス:?
精神的:?/?? ブッダ:?  体温:?

チュートリアルも終わらない……だと……?


それぞれの改造レベルまで好感度が達したら、境遇が開示されます。頑張って仲良くなりましょう

とりあえずチュートリアルなので、轟沈や大けが・欠損の危険がある海賊業務はまだ起こりません

あと言い忘れたけどこのスレはほのぼのダークサイバーパンク風味艦これなので、まぁ、人体改造とかそういうのが出てきます

それでは

このスレはあくまでほのぼの、王道少年漫画スレですんで

そこらへんはな

◆開始するがチュートリアルを澄ませる◆

◆今後は自由安価なんかも増える。少年漫画ほのぼの◆以後回避重点な◆「回避」じゃなくても既に書き込みがあれば可だと言われています◆

◆ほのぼのしよう◆



 ――幸せになれる筈だった。



 幸せになろうと、願っていた。


 それ以上に、幸せにしたいと。


 だから、艦娘に志願した。それだけだった。


 艦娘に志願すると得られる特典がいくつか存在した。


 任期制なら満了除隊と共に、少なくない報酬(彼女らにとってはそうだ)とキチンとした社会的身分、その後の就職が保障される。


 深海棲艦によるシーレーンへの打撃から早十余年。


 人間は、彼らの躰の持つ特殊な器官を移植する事で――水上での戦闘を可能としたのだ。


 非人道的な兵器だとか、人権を無視しているとか、若年兵の紛争法に違反しているとか、言いたい事は好き勝手あったけど。


 それらは全て当事者じゃない他人事で、どれもが的を外している。



 資源に乏しい海洋国家にとって、シーレーンというのは生命線だ。


 それは社会の血液を回す経済の要訣の輸出となり、生産の為の肝要となる輸入である。


 そんなシーレーンを封じられてしまった海洋国家の行く末など、どうなるかは判り切っている。



 少なくない数の失業者が生まれた。


 そしてまだ、直後は事態が切迫していなかった。未だに経済大国であり、先進国という認識がされていた。


 そうして、被害地域から移民を受け入れた。

 それが大間違いだったのだと気付くのは――早くはないにしろ、そう遅くはない頃。



 政府は効率的な社会の構築を志した。


 企業による大規模な農作物の計画生産と、計画流通。


 多くの農家の土地が国により買い挙げられ(十分な補償とは言えなかったがその時期には金が必要だった)、企業へと払い下げられる。


 利潤を追求する企業は、その労働者として深海棲艦被害移民を使った。


 更には太平洋コースの航路の使用不可能により、貿易は大陸に寄って行く。経済団体と、それを支持母体とする政治家も同じ。



 貧富の拡大が進んだ。


 スラム街が形成され、治安は悪化し、かつての如き安全と水は無料――なんて国ではなくなる。


 反対に国民は右傾化し、双方の兼ね合いから海軍が設立。


 深海棲艦へと対抗する兵器の開発も進み、人類が不満を外へと日がついに来た。



 そして、その兵員として選ばれたのは――少女たちであった。



 人の身に、鋼鉄である船の記憶を背負って。


 たった一つしかない命と引き換えに海へと繰り出し、散っていく。


 ――曰く、子供とは希望である。


 人々はそんな希望を、明日への賃金と支払って――辛うじて食いつないでいた。



 希望と絶望は表裏一体。


 希望が生まれるその場所には、それ以上の絶望に塗れていた。



 ここは海賊泊地。


 艦娘という身分すら艦娘が行き着く、そんな船溜まりだ。



提督(……叢雲の食欲はすごいな)

提督(艦娘ってのは皆ああなんだろうか? まあ、軍人だもんな)

提督(それにしても……軍隊、か)


 突然の邂逅だった。

 濃霧。

 深海棲艦が放つ重粒子による電波の減衰は著しく、それは同じく電波に類する可視光さえも歪める魔の水蒸気。

 これにより、電波ホーミングや赤外線ロックの効能も薄く、挙句にその小ささもあってレーダーによる検出が極めて困難。

 必然的に人々は、海上での有視界戦闘の時代に逆戻りする。


 速力が船と変わらなくても、大きさが人間大なら圧倒的だ。

 ゴキブリは時速に直せば大した事がないが、一秒に体長の何倍進むかというと言うと話が変わる。

 つまりは、奴らはすばしっこいのである。


 対する為に生まれたのが奴らの細胞を解析してできた艦娘であり、そしてその艦娘をコピーして陸軍が生み出した機動装甲歩兵。

 そんな倒れた機動装甲歩兵――二式戦闘鬼・鐘馗の持つ20ミリ機関砲を手に、深海棲艦揚陸艦へと銃撃を放つ。

 凄まじい反動に骨が軋み上げるが、最新鋭の補助強化服の力を以って抑え込み、奴らの再生速度を上回る勢いで破壊を加える。


 それでも、戦線の維持は難しい。

 いくらか敵の攻め手を鈍らせる事は出来たが、泊地は壊滅して、資源地を奴らに奪われた。

 彼らは残る兵員輸送船に乗り込み、他基地への廻航を行う事になる。


 そこで、洋上で出くわしたのは深海棲艦。

 それも、地上への進出を目的とした個体ではなく、海上での戦闘を想定した個体。つまりは装甲や火力が圧倒的すぎるもの。

 手持ちの武器では対抗などできない。船は沈められて、奴らに貪り喰われる。

 あわやという時に助けが入ったのは――海上から行われる艦娘の、艦砲射撃だ。

 それから無事に、本土への帰還を果たした。

 今思っても、こうして生きていられるのが不思議なほどの激戦。


 それが巡り巡って、今度は提督などとは――。


提督(しかも、海賊か)

提督(判らないもんだな、人生というのは)


浦風「あ、提督さん」

提督「君は確か……浦風、だったよな?」

浦風「そうじゃ。よく覚えとるのぉ」

提督「自己紹介をされたからな」


 それきり、会話が止まる。

 改めて顔を合わせてみても、特段話す内容がないのだ。

 聞きたい事は色々とあるが、彼女はこの海賊団の一員であるし、迂闊にも踏み込めない。


提督「……」

浦風「……」


 などと思っていれば、浦風から切り出した。


浦風「提督さん、うちらの事あんまり好きじゃないじゃろ?」

提督「っ」

提督「……いや」

提督(好きか嫌いかで言ったら、嫌いではない……よな。少なくとも)

提督(……)

提督(海賊、というのが引っかかるのは本当だが)

浦風「まぁ」

浦風「少なくともうちは、こうしてまた提督が出来てうれしいよ」

提督「……素人でも、か?」


提督「それに……指揮官なら、大将もいるんじゃないのか?」

浦風「大将は、どっちかと言うとボスって感じじゃけえ……それっぽくないというか」

提督(……海賊としては、この上なくそれっぽいと思うが)


 筋骨隆々として前腕と二の腕がたくましく、それを惜しげもなく晒している強面の男性。

 貧困な想像力かも知れないが、よっぽど海賊団の首魁としてはあちらの方が適切に思える。

 映画や何かにも、出てきそうだ。


浦風「うーん、まぁ、提督さんの方が鎮守府で艦娘してた頃を思い出してねぇ」

提督「鎮守府……」

提督「……」

提督「……艦娘は大変じゃなかったのか?」

浦風「うーん」

浦風「色々あったが……まぁ、少なくともこっちよりは落ち着けよったよ?」

浦風「狙われ続ける事を心配せんでもよかけーね」

提督「……ああ」


提督(それにしても、深海棲艦と戦う……命の遣り取りをする、というのは変わらないと思うが)

提督(やはり……彼女は、浦風は、悪党の一味になるのが嫌なのかもしれないな)

提督(……)

提督(……解体、か)

提督(彼女たちも事情があって艦娘になったのに……突然職を奪われて)

提督(そこから……海賊稼業、か)



浦風「それで、提督さんは提督になる……ってことでええんかな?」

提督「いや……」

提督「……」

提督「……保留、だ」

浦風「保留! ……提督さんは正直モンじゃなあ」

提督「何か、おかしかったか?」

浦風「そこはもっと『前向きに考えとる』とか『ああ、だから案内してくれ』とか言うところじゃないんかな?」

提督「……ああ、確かに」

浦風「うちならここを上手く使おうと思ったらそーゆー風に嘘を吐くところじゃけど、提督さんは正直モンさんじゃな」

提督「う……」


 確かに言われてみるなら、そうした方がよほど“海賊を抜ける事”を考えたのなら効率的だ。

 だが、一時的には船を同じく、命運を共にした身だ。

 どことなく、そういう風に騙す――というのが好きになれそうになかったのだ。


浦風「うん、じゃが……気にいった。提督さんはお人好し、みたいじゃのう」

提督「そうなのか?」

浦風「ここのことで気になる事があったら、うちに気軽に声をかけてな?」


 ……やはりどことなく、心底海賊――犯罪者という気がしない。

 何故ここで海賊をしているのか、不思議なほどに。


1:叢雲と街に出てみる
2:龍田はどうしているだろう
3:雲龍……だったか?
4:浦風と、もう少し話をしてみるか


↓2

◆単発無効◆回避重点な◆

◆それにしても曙かわいいと思いませんかあなた?練度99でケッコン間近だと思ってたら「お前の事昔からウザイと思っていた」と言われる曙アーイイ◆


提督(あとは、龍田と雲龍……だったか)

提督(ここで普段どんな事をしているのか、彼女たちはどうして海賊をしているのか)

提督(あとは……俺に何が求められているのか)

提督(その辺りの事を聞いてみないと……)


 そこまで考えて、かぶりを振るう。

 これではすっかりと、彼女たちの提督としてやっていくことを前向きに考えている風である。

 良く考えろと、彼は眉間を押さえた。

 あくまでも海賊行為に、犯罪行為に手を染めず――叢雲と共に何とか状況を打開する。

 それが、必要なはずだ。


叢雲「あら司令官、こんなところに居たのね」

提督「ん、ああ……君も一緒に」

叢雲「街に行くわよ! 付き合ってあげるわ!」

提督「……?」

叢雲「折角だから、ここの泊地から近くの繁華街……そこに向かいましょう」

提督「……ああ、日用品の買い出しとか?」


 そう言えば、そちらの備蓄を見ては居なかったと、彼は頷いた。

 提督業などというのに気を取られていたから、そちらの機能に顔を向けがちだったが――。

 なるほど、盲点だった。


叢雲「いや、別に」

提督「……じゃあなんで?」

叢雲「退屈だからよ、悪い?」

提督「……」

叢雲「なに? 何か文句あるの?」

提督「……いや」


提督「……危険、って話だったが」

叢雲「悪徳の街、としか言われていないわ」

提督「それは……危険って事じゃないのか?」


 例えば北九州。例えば広島。例えば大阪。

 どこも危険である。これは世の常識だ。東京ではそうなっている。

 北九州は庭先に手榴弾が投げ込まれ。

 広島では「おどりゃクソ森!」と広島風・関西風で抗争が続き――うっかり「広島焼き」と言うと血祭りにあげられる――。

 大阪では、街中でハリセンと食い倒れ人形が振り回され、特に理由なく道頓堀に投げ込まれる。

 悪徳というのはそういう事だ。東京ではそう言われている。


叢雲「甘いわね!」

提督「甘い?」

叢雲「いい、危険というのはサバンナのライオンに水鉄砲で挑む事よ?」

提督「……今は素手だな」

叢雲「だけど、備えていれば問題はない。私を誰だと思っているの?」

提督「叢雲――」

叢雲「そう、この叢雲様が付き合ってあげるから、大船に乗ったつもりで安心しなさいな!」

提督「……大船って、駆逐艦じゃないのか」

叢雲「ん、何か言った?」

提督「……いや、なんでもない」




龍田「……」


提督(……意外と平屋が多いな)

提督(飲み屋……だらけだ。かと思えば、コンクリート立ての建物ばかりの市街地もある)

提督(こちらは……出店が多いな。それに、空が広い)


叢雲「焼きそばよ、焼きそば! 台湾風ですって!」

叢雲「うーん、あれはベトナム風の料理屋」

叢雲「出店がたくさんでお祭りみたいじゃない! なかなか気に入ったわ!」

提督(叢雲は、楽しそうだな)

提督「ここは、あの泊地の周りよりも……栄えているんだな」

提督「探せば、インターネットカフェやカラオケは……」

叢雲「ふぉふぉ?」

提督「……いつの間に、焼き鳥(?)なんて」

叢雲「ふぁっふぃふぇふっふぇふぁふぁひょ?」

提督「ああ、うん」


 一見したところでは、悪徳の街――とは見えない。

 良くある観光地の一つとして、ツアー客なんかが巡りそうでもある。


叢雲「それで、これからどうするの?」

提督「……え?」

叢雲「折角出てきたんだし、ほら、何かあるんじゃないの?」

提督「ああ……そうだな」


 悪徳の街――というのであれば。

 なるほど確かに、人身売買や何かもあるだろうし……。

 或いはマフィアや情報屋なにかも居るだろう。

 そう、情報屋。

 今、外では何が起きているのか――それを知るためにも、或いは艦娘が売られてどこへ行くのかも。

 そこにどんな利害関係があるのか。偽装の海賊とは何か。

 今すぐに必要とは言えないが、ひょっとしたなら掛けられてしまうかも知れない悪名を。

 それを拭って、あの泊地の司令とやりあうためにも、手に入れておいた方がいいものも多い。


 ……そう思って、飲み屋に入った。飲み屋というか、典型的なオープンバーと言うか。

 が。


「ザッケンナコラー!」

「スッゾコラー!」

「イテマウゾコラー!」


 どうしてこうなった。


 事の運びは――こうだ。

 バーというよりはサルーン――酒場に入って、店主に訊いてみた。

 「情報屋にはどこに行ったら会える?」と。

 店主が返したのは、面倒そうな顔だった。厄介事がやってきた、と言いたげな目線。

 それから――直ぐにそれは現実になった。


 『おいおい、情報屋? お前に必要なのはそこのメスガキと盛り上がるためのベッドじゃないか?』とか。

 『平坦な胸で楽しむためにヤクでも買いたいんだろ?』とか。

 『なんだったら挿入れやすいようにもう一つケツアナこさえてやろうか?』とか。

 『そのロリータを売っぱらいたいんじゃないのか?』とか。

 『いいぜ、だったら1ドル貰ったら相手にしてやるよ』とか。

 『その髪よりも真っ白なくらいにデコレーションしてやるよ』とか。

 『俺は平坦な方が好物なんだ』とか。

 『お前、こないだもなんか……こう……少女娼婦に母性を求めてなかったか。ゴメン近付かないで』とか。

 『やんのかコラ』とか。

 『へへ、ならそのガキを三時間貸しな。俺がベッドで情報を教えてやるよ』とか。

 『その胸がメロンになるまで揉んでやる』とか。

 『ガキは酒場になんて来ずに、パパのミルクでも飲んでな』とか。



 ……まぁ。


 つまり、叢雲がキレた。



 男に近付いて。

 それこそキスするほど近く、顔を寄せて。

 僅かに目尻を下げる男をしたから睨め上げて。

 徐に右手で胸倉をつかんで――――思いっきり、投げた。

 ……人はあんなに飛ぶものなのか。


叢雲「……ベッドねえ」

叢雲「御望み通りベッドの上よ? 病院のベッドだけど」


 青筋を浮かべて憮然と吐き捨てる叢雲と、余計に青筋を立てた男たち。

 別のテーブルで酒を飲み交わしていた連中まで交じっている。

 テーブルの料理の上に、男が降ってきたらそりゃ当然だろう。多分。


提督「おい、叢雲……揉め事は」

叢雲「な・に・か・し・ら?」

提督「↓3」


提督「ほどほどにしとけ。本来の目的を忘れるな」

叢雲「本来の目的?」

提督「……」

提督(情報屋を探しにきたんだぞ。ここで揉め事を起こしてどうするんだ) ボソッ

叢雲(あ、そ……そう。そうだったわね)

提督(……)

叢雲(なによその目は!)


 とは言っても、男たちは盛り上がってしまっている。

 深海棲艦に比べれば恐れるほどでもないが、銃を――――銃!?

 ……なるほど、思った以上にこの街は危険であるらしい。提督は頭を押さえた。


提督「あーその、悪いが……しまって貰えないか?」

  「は?」

提督「確かにやり過ぎたところもあるが……元はと言えば、彼女を悪戯に挑発するからだ」

  「ハァ!?」

提督「お互い、これ以上の怪我なんて避けたいところだし……ここは一つ、水に流しては」

  「ハァァァ!?」




叢雲「火に油注いでどうするのよ!」

提督「……え」


叢雲「ブチ切れてる相手に正論ぶつけても余計に怒らせるだけよ!」

提督「確かに……」

叢雲「それに、どう見てもここの連中は頭が悪そうで、小物よ? そんな奴らに正論なんて――」

  「はぁぁぁぁぁ!?」


提督「……火にジェット燃料注いでるぞ」

叢雲「……あ」


 ここは第三者に仲介、と思ってカウンターに目を移すが。

 ひょろりとしたやせぎすの店主は、早々にカウンターの下に隠れてしまった。ご丁寧にヘルメットも込みで。

 となると……。


提督「……やるしかないのか」

提督「銃相手じゃ……加減なんて利きそうもないが」

叢雲「……本来の目的を忘れるな、じゃなかった?」

提督「どうにかしないと、本来の目的を守れそうにもない」


 手近な場所にある武器と言えば、酒瓶。

 何とか一撃喰らわせて、その間にカウンターの下に叢雲を逃げさせる。

 あとは接近して、銃を使えなくするしかない。


龍田「あらぁ~?」





         ニク
龍田「死にたい人はどこかしらぁ~?」





  「く、“首切り”……!?」

  「ひぇ、あ、“首切り”!?」

  「踏んでください! お姉さん!」

  「なに言ってんだコイツ!?」

  「壊れるなぁ……」

  「お前奴隷希望かよぉ……!」


龍田「駄目よぉ~、揉め事なんて起こしちゃ」

龍田「そういういけない人は……イカせちゃうよぉ?」


  「う……」

  「ぐ、こいつ……」

  「うっ」

  「おい何してんだコイツ!?」

  「壊れてるなぁ……」

  「ああ~、いいっすね~」


龍田「それじゃあ、水に流して」

龍田「じゃあねぇ~?」




龍田「あーあ、見付かっちゃった」

提督「……」

叢雲「……」

龍田「危ないって言われてるのに、どうしてあんな場所いくかなぁ」

提督「……」

叢雲「……それは」

提督「俺から言い出した。情報が欲しかったんだ」

叢雲「へ?」

龍田「貴方から?」

提督「あのまま泊地に居ても、やる事が分からない……外がどうなっているのかも」

提督「それよりは何か、と思って」

龍田「ふうん?」


 にこにこと、目を細めて。

 下から覗き込むように顔を寄せる龍田。

 どことなく――彼女が身に纏う気配というのは、不思議だ。

 叢雲のように、血と硝煙の臭い……とまではいかなくても、兵士然としたものがない。

 かといって海賊らしいかと言われたら、あの大将のようなそれもない。

 笑っているのに、その笑いすら薄い。まるで死者の笑みだ。


 


龍田「まぁ、危なくても……次は助けないよ?」

提督「……」




1:訊きたいが一体……この街はどんな街なんだ?
2:君たちは、ここでどんな立ち位置なんだ?
3:次は自力でどうにかする。……ああならないようには。
4:次は……というと、今回は助けてくれるつもりだったんだな。ありがとう。
5:自由安価

↓3

選択肢:2 (好感度ボーナスなし)


提督「君たちは……ここでどんな立ち位置なんだ?」

龍田「私たち?」

龍田「私たちは愉快な運び屋で、何でも屋さんだよぉ~」

龍田「ただ……この街の偉い人たちも使うから、一目置かれてるってところかな」

提督「偉い人?」

龍田「中国系マフィア、ロシア系マフィア、シチリア系にコロンビア系にアルバニアマフィア……」

龍田「あとはなんだっけ……?」

龍田「軍人崩れとか、どこかの宗教のお財布の人とか……その手の人も居たかなぁーって」

叢雲「……」

龍田「兎に角そういう人たちもうちに頼みごとをするから、そうなったら……ねぇ」

提督「……」


 ある意味では、偽装海賊なのだろう。

 あの、叢雲が居る船に襲撃を懸けたのはむしろ本業ではなく、本来は別。

 各国政府が管理する艦娘を、民間で持ちうる――という絶対的な切り札を生かした海上輸送。

 どこか一つのところに組み込まれないのは。

 それを行おうとすれば他から圧力が加わると判っているか、それとも彼女たちを恐れてか。

 いざとなれば、見過ごせなくなったら政府の介入もあり得る。そんな厄介事を見越してか。


龍田「でも、その手の人に気に入られてても……完全に頭に血が上った人とかには、やられちゃうかも知れないから」

龍田「気を付けて欲しいかなぁ……って」



提督(……となると)

提督(ここで海賊を続けていたら、いつか叢雲を売りとばした)

提督(それを買おうとした人間や、泊地の司令に関しての手掛かりが手に入るかもしれない……か)


 とは言っても。

 外でどんな扱いをされているのか、それによる。

 無理に藪を突いて蛇を出す必要なんて、ないのだから。



↓1 コンマ1桁で叢雲の好感度 ※ゾロ目は二倍 ※0は十の位で

↓3 コンマ1桁で龍田の好感度 ※ゾロ目は二倍 ※0は十の位で

叢雲(チョロイ)

20を超えたから叢雲の過去が一部明かされるにしてもこの娘チョロすぎぃ!

◆チュートリアルも終了してないのに過去開示される叢雲=サン◆雲龍は泣いているぞ◆


◆龍田のステータスを決定します◆備えよう◆

ちなみにそれぞれ


カラテ……戦闘力や鍛練・経験など。環境が悪いほどカラテは高い。(10-環境)+コンマ

知能指数……教養など。環境がいいほど知能指数は高い。環境+コンマ

センス……様々な物事に対する勘。環境+志(10を超えると一周)+コンマ

精神的……精神力や平常心など。志+コンマ/(10-志)+コンマ

ブッダ……運。クリティカル範囲に影響があると言われる。コンマ

体温……高いほど性的に弱い。コンマ


※ゾロ目は+10ボーナス

※コンマ1桁。0は10と見做す

※境遇がゾロ目では、コンマ前の数値を倍にする

【龍田】
好感度:08
環境・志:5・5
カラテ:10+    知能指数:10+ センス:20+
精神的:10+/10+ ブッダ:?  体温:?


↓1 カラテ
↓2 知能指数
↓3 センス

【龍田】
好感度:08
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:10+/10+ ブッダ:?  体温:?


腹黒(確信)


↓1 精神的①
↓2 精神的②
↓3 ブッダ
↓4 体温

【龍田】
好感度:08
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7


センスが溢れ、知力も高く計算高い……が意外にも優しさや情の方が強い龍田
こりゃあ、うん、死ぬときは……うん


それにしても艦娘よりカラテが漲る提督とは一体

【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】
好感度:21(+?)
環境・志:4・7
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】
好感度:00(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】
好感度:08
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】
好感度:00
環境・志:5・5
カラテ:??   知能指数:? センス:?
精神的:?/?? ブッダ:?  体温:?


龍田の圧倒的なセンスよ……

ちょっとコンマ判定


1~20:駆逐艦
21~40:軽巡洋艦・重巡洋艦
41~60:空母・軽空母
61~80:戦艦
81~00:その他の艦種類


↓3 反転コンマな

という訳で、空母・軽空母ですね。丁度いいですね



◆23:15に軽空母・空母で募集する◆ただし雲龍は避ける◆備えよう◆

◆いつもの範囲安価です◆数字を書け◆

◆数字もね◆無かったらコンマ値そのまま◆



十の位 1ほど悲惨 9ほど裕福
一の位 1ほど個人的な事情 9ほど熱意や決意
0:特殊判定
ゾロ目:???


↓1~7 ※1体 ※艦娘を書け ※数字を書け


提督「……」

提督(とりあえずこの場所が危険な歓楽街に近い、というのは分かった)

提督(それだけか……。情報屋は不明のまま、と)


 執務室――という名の個室を与えられたそこで、物思いに耽る。

 マットレスの平たいスチール製のベッドと薄い色の机。それと資料棚。

 周辺の海図などには目を通した。

 ……どうやら、色々な泊地を中心として円を書いた、それらの境界上に存在している。

 管轄の違いか。それ故に存続しているのだろうか。


雲龍「提督、いいですか?」

提督「雲龍……だったな」

雲龍「この泊地の運営についてなんだけど……」

提督「教えてくれるのか?」

雲龍「はい、といっても問題が……」

提督「問題?」


雲龍「資源、なんですけど」

提督「ああ……確か艦娘は、艤装の動力源として船と同じようなものが必要なんだったな」

雲龍「はい」

雲龍「だけれども、この泊地は正規の場所じゃないから……」

提督「軍隊並みの備蓄を求めるのは辛い、か」


 言われてみたらその通りだ。

 だからこそ簡単に、民間で艦娘を使う事ができない――というのがあるのだ。


提督「ここでは、どうしてるんだ? まさか買い付けてる、とか……」

雲龍「取ってきて、居ます」

提督「取って……取っ、なに?」

雲龍「私たちは海賊よ。だから……その」


 なるほど、強奪。確かに海賊を名乗るなら必然だろう。


雲龍「どこかの泊地が持つ資源採掘場や、深海棲艦に奪われた資源場」

雲龍「深海棲艦の襲撃で捨てられた船……とか」

雲龍「あとは……油くらいなら、買う事はできなくないので」

提督「なるほど」


雲龍「おおっぴらには言えないけど……」

雲龍「海軍部を通したら高くつく“手間賃”を嫌がって、こっちに密かに頼む会社も」

提督「……なるほど」


 自国の航路を行きかう船を守るのは軍としては、必須事項。

 だが、司令部より配給される分だけでは不足が出る。

 そこで、鎮守府や泊地ごとに輸送の“見返り”として、民間船が搬送する資材の一部を手に入れたりしていた。

 元はといえば、余計に戦果を上げさせるために民間よろしく競争を図ったのであろうが。

 それが故に資源採取の為の遠征を休みなく同じ艦娘に行わせるなど、ブラック企業よろしい事も行われていた。


提督「それで……今のところの備蓄は?」

雲龍「ええ、ちょっと待ってて」



燃料   ↓1 100D1
弾薬   ↓2 100D1
鋼材   ↓3 100D1
ボーキ ↓4 100D1

┏───────────┓
  燃料:38   鋼材:83   
  弾薬:91   ボーキ:96
┗───────────┛


提督「燃料に少し不安あり……か」

雲龍「ええ、そうなの」

提督「数回分の出撃なら、持ちそうな気もするが……」

雲龍「だから――お願いしたいと思いまして」

提督「お願い?」

雲龍「資源の調達……その為の、艦隊指揮を」


 これが軍部なら、とても真っ当な任務の一つだろうが――。

 生憎と、そうはいかないのが海賊稼業だ。

 勿論あまり表立って行えば、鎮守府や泊地、海軍にとっても見過ごせないほどの害となってしまうだろうが。

 そうならない風に奪う事なら、あり得る。

 ……犯罪行為だ。


雲龍「今回は、どこかの泊地で破棄されようとしている資源場に向かって取ってくるから」

雲龍「それなら……問題ないのでは、ないでしょうか」

提督「……」

提督「そう、だな」

◆ルールだ◆


◆基本的に出撃したときに10面ダイスコンマを取る。それに艦娘の係数をかけたものを消費する◆

◆戦闘にならなければ弾薬は消費しないし、ダメージを負わなければ鋼材は消費しない◆

◆空母はコンマ分ボーキサイトを消費する。とても分かりやすい◆

◆駆逐艦はコンマそのままの値◆

◆軽巡洋艦はコンマ×1.2。端数は切り捨てな◆

◆重巡洋艦はコンマ×1.5。端数は切り捨てな◆

◆軽空母はコンマ×1.8。端数は切り捨てな◆

◆戦艦・空母はコンマ×2。やっぱり端数は切り捨てな◆

◆潜水艦はコンマ×0.5。オリョールクルーズしよう◆

◆動かす油がなくなったらまた別の事があるぞ。ほのぼのしよう◆


提督「なるほどな。……今回は判った。俺が指揮を執る」

雲龍「ありがとう……提督」

提督「ついでに、情報が集まればそれが一番うれしいが……その前に」

提督「資源に余りがあるというなら、君たちの戦力も把握したい」

雲龍「……ふふ」

提督「どうした?」

雲龍「思った以上に提督をするつもりがあるようですね」


 確かに――言われたら、そうなるが。

 やるとなったらやる。仮にも一度は軍人としていたのだから、その程度の心構えはあるつもりだった。


提督「メンバーは、二対二」

提督「駆逐艦はそれぞれ分けて、あとは二人を割り当てる……べきだろうか」

提督「よし」




【雲龍】
好感度:00
環境・志:5・5
カラテ:10+    知能指数:10+ センス:20+
精神的:10+/10+ ブッダ:?  体温:?


↓1 カラテ
↓2 知能指数
↓3 センス
↓4 精神的①

※今回は(回避しなくて)いいです


【雲龍】
好感度:00
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/10+ ブッダ:?  体温:?


なんやこのセンス


↓1 精神的②
↓2 ブッダ
↓3 体温

88だった物凄い淫乱だったね(ニッコリ



【雲龍】
好感度:00
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3

┏───────────┓
  燃料:38   鋼材:83   
  弾薬:91   ボーキ:96
┗───────────┛


【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】
好感度:21(+?)
環境・志:4・7
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】
好感度:00(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】
好感度:08
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】
好感度:00
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3


◆それでは戦闘のルールを説明しよう◆重要な◆


◆カラテ+(好感度+コンマの十の位+コンマ一の位)×艦娘係数+提督の指揮◆

◆これを比べるだけ。実際判りやすい◆

◆状況によってはセンスなども求められるかも知れない◆とりあえずこれでやってみよう◆


提督「組み合わせは……」


 眺めてみる。

 叢雲と浦風はそれぞれ別グループに。

 そして、叢雲と艦隊を組むのは龍田。浦風と艦隊を組むのは雲龍。

 用意したのはペイント弾であるために、鋼材は必要なくなる……らしい。


雲龍「それで、提督は今回どちらの指揮を執られるのですか?」

提督「それは……」



1:叢雲・龍田グループ
2:浦風・雲龍グループ
3:いや、今回は見ていようと思う


↓3


提督「そうだな……」


叢雲「……」 チラッ

叢雲「……」 チラッ

叢雲「……」 ジーッ


提督「……叢雲たちに、するか」

雲龍「そう、ですか」

提督「空母はまた運用方法が違いそうだからな。戦った事はあっても、指揮ともなると……」

雲龍「いえ……別に」


 心なしか肩を落とす雲龍に、なんだか罪悪感が生まれる――気がするが。

 そこは、許してもらうしかない。

 まだ直接指揮した事がある分、叢雲の方が気心が知れているのだ。


提督「……という訳で、叢雲。龍田。頼みたいが」

叢雲「仕方ないわね。この叢雲が付き合ってあげるわ。光栄に思いなさい!」 ドヤッ

龍田「うーん、演習だから……首を斬っちゃいけないですよね~?」

提督「勿論だ」

提督「さて……」


提督「――――かかるぞ」



↓1 叢雲:26+(21+コンマ十の位+コンマ一の位)+15

↓2 龍田:12+(8+コンマ十の位+コンマ一の位)×1.2+15

↓3 浦風:14+(0+コンマ合計値)

↓4 雲龍:18+(0+コンマ合計値)×2


※0は10として換算

※ゾロ目は+10ボーナス


叢雲:26+(21+1+7)+15=70

龍田:12+(8+8+5)×1.2+15=52

浦風:14+(2+3)=15

雲龍:18+(9+9+10)×2=74



雲龍とかいう圧倒的すぎる艦


提督「さて……」


 歩兵同士の戦いなら、最も火力が前面に集中するのは横一列。

 縦での進軍は、狭い場所でも移動が容易である為、しばしば迅速さを求められる場面で使われる。

 反面、正面への火力は弱い。

 他に傘型や菱形などが存在するが、それぞれ指揮官からの伝達を容易にしたり、四周への警戒を厳にする意味合いが強い。


提督「艦娘……歩兵とも違う、実際の船とも違う」

提督「いうならば、戦車や戦闘機――のようなものなのか?」

提督「いや、流鏑馬……か」


 最大戦速三十五ノットともなれば、実に秒速十七メートル。

 時速は六十五キロほど。無論ながら戦闘機などと比べると鈍足に等しいが、最大の違いはそのサイズ。

 秒速が十七メートルで、艤装を纏う少女たちの躰の幅が五十センチと仮定するならば――。

 目標がその箇所に留まるのは、実に三十四分の一秒。

 正面同士で擦れ違うとしたら、実に六十八分の一秒。

 つまりは――〇.〇一四秒のタイミングを撃つのだ。


提督「駆逐艦は、機動性に優れる……のか」


 木の葉のように左右に、アルペンスキーヤーの如く警戒にステップを踏みながら砲弾を放つ叢雲。

 至近距離で舞う水飛沫が落ちるよりも早く、影を置き去りにする。

 ただ正面から進んでいるだけなら、反応速度など関係ない。向かってくるところに撃つだけだ。

 となれば、重要なのは機動性――となるのだろうが。


叢雲「別に司令官に好いところを見せる……って意味じゃないけど」

叢雲「さっさと、一番を決めた方が判りやすくていい――わね!」


 主砲の最大射程の短さ、があるだろう。

 どちらにしても人の大きさでは海上の見通し距離が限られる為、相当な至近距離でやり合う事となるが。

 それにしたって、それぞれの見通し距離は五マイル――つまりは九キロほど。

 如何に早いとしても、駆逐艦は短い射程に敵を収めるまで、只管敵の雨に晒され続ける。

 実におおよそ十分ないしは十五分、敵から一方的な砲火を浴びるのだ。

 そのストレスときたら、察して然るべきだろう。


 機動性に優れる分、装甲もまた薄い。

 彼女たちの艤装で生み出された電力が通電する、その衣装。

 特殊な構造を孕んだそれは、強烈な電磁場を発生させて敵の砲撃から身を守る。

 だが、主機が生み出す電力は艦種によって隔たりがあり――。

 馬力で劣る駆逐艦は、その電磁防壁も虚弱である。だからこそ、至近弾の水飛沫によっても摩耗する。


叢雲「そんな攻撃……当たらないわ!」


 牽制とばかりに浦風が放つ主砲の砲撃を、叢雲は砲口から予測して回避する。水飛沫すら受けない。

 なんたる業前か。相当な鍛錬の証だろう。

 形としてはそれぞれが反対に位置して向かい合った反航戦。

 そこから一撃必中一撃離脱を旨とするなら反航戦が続くだろうし。

 或いは相手がそれを許さぬか、それとも叢雲が命中を主眼とするなら同航戦に移行する。

 そんな運びだ――提督は、簡単な艦娘の戦闘資料を眺めながら判断した。


 ……が。

 如何に叢雲が優れているとしても。

 世の中には、上には上が存在するのだ。


雲龍「……提督、か」

雲龍(うん……少し、嬉しいわね)


 やはりあの大将は、アウトローという側面が強い。

 それよりも、僅かに軍属であった気風を感じさせる青年の下で働くという事が雲龍には魅力的に感じられた。

 そう。

 だからこそ、彼に――ここでこそ自分の強さを見せつけて。

 艦娘として十分に、使用して貰おう。雲龍はそう決めていた。


雲龍「雲龍の実力、見せてあげる……!」

叢雲「え……」


 叢雲の四方八方から襲い掛かるのは、数多の攻撃機と爆撃機。

 海面に擦れんばかりに飛ぶ攻撃機は叢雲の航跡目掛けて魚雷を投じ――。

 頭上をすっかりと抑えた爆撃機は、彼女の回避方向を誘導すべく爆撃を行う。

 あらかじめ、敵に空母がいないからと最小限に積んだ戦闘機はしかし、機銃掃射で叢雲の注意をひきつける。

 叢雲は確かに、相当な実力者だ。

 しかし、空間認識センスという意味では――圧倒的なのが雲龍。

 脳波コントロールが通じる限界まで上昇を行う爆撃機の、急降下攻撃。

 己の視界すべてに広がった艦載機全てを同時に操作し、その戦闘機動を制御し、そしてあまつさえ叢雲の回避を誘導する。


 そのセンスはまさに――圧倒的の一言だ。



提督(叢雲も龍田も、決して動きが悪かった……と言う訳じゃない)

提督(特に叢雲は、駆逐艦なのに良く喰らいついた……と言うところだが)

提督(一人で多重攻撃を行い……)

提督(一機たりとも撃墜させる事なく、操作を手放す事もなく操縦し切る雲龍……)

提督(……凄まじいセンスだ)


 艦娘の扱いは不得手であるが……。

 兵士として、実力を見抜ける程度の目は持っている。

 それからしても、何故この船がこうして今、正当な艦隊でなく戦っているのか――。

 それが、不思議でならない。


雲龍「雲龍が殊勲艦……ですか」

雲龍「うん、少し嬉しいわ」


提督(さて……と)

提督(ここは誰かに声をかけるべきだろうが)


叢雲「……」 ムッスー

龍田「……」 ニコニコ

浦風「……複雑じゃ」

雲龍「ふふ……」 チラッ


提督「……」



1:叢雲に声をかける
2:龍田に声をかける
3:浦風に声をかける
4:雲龍に声をかける
5:……そっとしておこう


↓3 コンマ一桁好感度上昇

ゾロ目ボーナスで2倍な


チョロ雲さんが凄まじい事になってる



ついでに


↓1 龍田
↓2 浦風
↓3 雲龍

  ※それぞれ半分な ※0は十の位使用な ※ゾロ目ボーナスあるぞ

浦風ェ……


叢雲「う……」

提督「その、叢雲……惜しかったよ。僅差だった」

提督「駆逐艦なのに、あれほどまでやるなんて……予想以上だった」

提督「だから……」

叢雲「五月蠅いわね!」

提督「……叢雲?」


 歯噛みする彼女は今にも地団駄を繰り出しそうで。

 どことなく褒めてほしそうに視線を向ける雲龍よりも、彼女の方が危ういと感じた。

 だからこそ、こうして話しかけたのだが……。

 応じたのは、怒りの声。


叢雲「艦娘を解体されて、それから海賊だって言うだけでも腹が経ってるのに……」

叢雲「なんなの、あれは!」

提督「……」

叢雲「艦娘になって……」

叢雲「足りない分は、なんとか補おうとしたのに……それなのに……!」

提督「……」


1:「すまない、俺の指揮が悪かった」
2:「……そこまで褒められない内容じゃ、なかったと思う」
3:「次は勝とう。……次は」
4:「実戦じゃなかっただけ、この結果は……まだいい」
5:「……」
6:自由安価


↓3


提督「次は……」

叢雲「は?」

提督「次は勝とう……次は」

叢雲「……もう、次の話?」

提督「今回の件はちゃんと検討する……俺の指揮が甘かった。不慣れだった」

提督「だから、これを踏まえて……」

提督「……次は勝つ。勝ちに行きたい」

叢雲「……」


 判ったのは――そうだ。

 これは、実戦ではない。演習だ。

 だとしても――いや、だからこそ、悔しい。

 初めてだとか、不慣れだとか、艦種が違うとか……そんな事は言い訳でしかない。

 ただ――悔しい。


提督「次は勝つ。俺は素人かも知れないが、このままじゃ終わらない」

叢雲「……実戦じゃ、次なんてないけど?」

提督「ああ。だからこそ、勝つ――もう負けたくはない」

提督「だから、叢雲」

叢雲「なに?」

提督「俺に力を貸してくれ。不慣れな俺だけど……俺に付き合ってくれ」

提督「次は、君と勝ちたい。俺に勝たせてほしい」

提督「俺と君で――――勝ちに行きたい」

叢雲「……」


叢雲「……」

提督「叢雲?」

叢雲「……確かに、あんたが足を引っ張ってたのよね」

叢雲「判断が曖昧だし」

提督「う……」

叢雲「タイミングは遅いし」

提督「う、ぐ……」

叢雲「艦載機相手だってのに、対策とか考えてないし」

提督「……」

叢雲「本当、半人前。いや……それ以下ね」


 そこまでボロボロに言われると、提督としても心に来るものがある。

 どれも正論なだけに、言い返す事が出来ないのだ。

 ましてや叢雲は――十分以上の実力を持っていた。駆逐艦であるとしても。

 偏に生かせなかったのは、彼の経験不足に由来すると言っても過言ではない。


叢雲「だから……その」

提督「え?」

叢雲「そんな半人前なら、まあ、この叢雲サマじゃなきゃ十分な戦いなんてできないわよね?」

提督「……俺と戦ってくれるのか?」

叢雲「い、一応よ……一応!」

叢雲「あんたみたいな奴に指揮を任せてたら危ないってだけだから、成長して貰わないと困るってだけよ!」

叢雲「そう、仕方ない。仕方ないから付き合ってあげる! それだけよ!」

叢雲「そう、それだけ」

叢雲「……」

叢雲「……なによ、その顔」


叢雲「それだけ!」

叢雲「それだけ!!!」

叢雲「それだけ!!!!!!!」

┏───────────┓
  燃料:38   鋼材:83   
  弾薬:91   ボーキ:96
┗───────────┛


【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「な、なに笑ってるのよ! なによ!? なんなの!?」
好感度:39(+?)
環境・志:4・7
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「うち……か、完全に置いてきぼりじゃ……」
好感度:01(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「私の方にはなにも言わないのかなぁ~?」
好感度:11
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「褒めて……くれなかった……。いえ、何でもないですけど……なんでも」
好感度:03
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3



◆という訳で終ります。とりあえずチュートリアル終わりますねと言っている◆

◆このままだと好感度が戦闘で圧倒的すぎるから何らか補正が入るかもしれませんが、げん地では練度的な意味合いがあるそうです◆

◆次からは海賊稼業入ります。瑞鳳は沈む。慈悲はない◆

ちょろ雲さんの好感度イベント入れますね






        【青い空、白い雲】




 船室の一角。ベッドに腰掛けながら。

 なんだか物々しい雰囲気だと――彼女が思ったのは、いつからだろうか。

 所属していた艦隊が取り潰しになった。

 詳しい理屈は知らないが、志願者数の名目上の確保という形で艦娘に選ばれるものは多く。

 そして、艤装の生産を一部外注している為に、艦娘の解体というのがなされていた。それは知っている。

 だが――自分が選ばれる事になろうとは。

 残念とか無念とかよりも、よく判らなかった。何が自分の身に起きたのか。

 あまりに大きすぎるショックを前に、心に蓋がされたのだろうか。


 それから、あれよあれよという間に書類の処理が終わって、彼女からは艤装が取り外された。

 今頃はこの船のどこかに眠っているだろうか。

 次いで、思った。

 最初に保障されていたはずの、社会身分はどうなるのか。社会保障は。満了金は。

 これから、自分はどうなるのだろうか。艦娘としての名を失って――元の名前に戻るにしても、それは。


 そして何より、不穏な事が。


「――、売女――」


 彼女を船室へと連れてきた職員が呟いた一言。

 現地語でされていた為に殆ど聞き取ることが出来なかったが……その一文だけは分かった。

 乱痴気騒ぎが好きな仲間が、酒の席で仕入れてきた現地語のスラング。

 そして、あの意味深な瞳。粘り付くような目線。

 これから自分に何が起こるのかと、彼女は白銀の髪を靡かせて――天井を見やる。

 窓はない。まるで独房に等しい。


 扉の向こうで、言い争う声――。

 次第に声が強くなる。剣呑な気配を孕む。

 何事かと扉に近付いて手をかけ――驚愕した。内側から、開かないのだ。

 これが飛行機なら判る。出航に際して、動き回られたら困るからシートベルトをするというのも。

 だがこれは船だし、しかももう出航している。

 何なのだ、これは。これからどこに連れて行かれるというのだ。

 つい先日まで人類の鉾として戦っていた人間にされるような――そんな処遇ではない。


 扉を、拳の底で叩いた。無論の事開かれる筈がない。逆に、拳が痛む。

 蹴り破ろうとして、出来る訳がない。

 どうしたものかと焦燥に駆られる。身の内から、首元を這い上がるように競り上がってくる痺れ。

 口腔が渇いた。唇が膨れ上がったように、痺れが滲む。呼吸が浅くなる。

 何が起きているのだと、拳を扉の前で握りしめる彼女は、


「――大丈夫か!?」


 唐突に開かれた扉と、木製ストックのライフルを片手にした黒髪の男を前に、絶句した。


 閉じられた右肘。腋を絞って、部屋の内外をクリアリングする青年。

 野外ならば、握把を握りしめ肩に引き付ける右手の、その右肘が張られているというのはある。

 しかし腋を畳むのは室内戦の常識。

 或いは、長らく銃を持つ事に慣れた為に力を最小限にするための姿勢か。

 少なくとも素人ではない。

 只者ではない身の熟しであるが、しかし熟練の域には届かない――そんな動き。


「――よし、逃げるぞ。早く」

「は?」

「このままだと、君は途中で海賊に攫われて――売られる事になるんだ」

「あんた、なに言って……」

「いいから! 兎に角!」

「へ、ちょっ……何よ!? なんなのよ、あんた!?」



 それから、船内を移動しながらの小声での遣り取り。

 多くは渋る彼女を説得する為に彼からなされる説明であり、その言葉のいくつかに思い当たる彼女は、不承不承頷いた。


 どうせもう、解体された身だ。今更逃亡で銃殺刑などにはならないだろう。

 それを言い出したら、船室への監禁はどうなるという話である。

 見咎められて拘束する際に何らかの不利益を被る事はあるだろうが――最早、どうにでもなれという気持ちが強い。

 正確には、このまま捕まったとしてもどうなるかが想像がつかないというところだが。

 それほどまでに、唐突な解体――存在意義を奪われた事と――それからの救出劇は、彼女の思考に混乱を齎したのだ。


 ただ一つ、何故――という疑問を投げかけた。

 青年は到底、銀幕の中の主人公をする風には見えない。

 迫りくる敵をなぎ倒し、最後に生き残るという苛烈さ――と言うほどの華はない。

 見目は悪くはないが、かといってバリバリの特殊部隊や武装工作員には見えないのだ。

 すると彼は、こう答えた。


「昔、兵士だったんだ。とは言ってもまあ、任期制で一時だけだったけど」


 扉の陰で、船員をやり過ごして。


「それで、南方の方に出兵して。泊地の警備要員だったけど……深海棲艦に攻め込まれて潰走した」


 どこか遠い目と共に、斜めになって地面を捉えた銃口。

 そのまま移動する二人。



「何とか本国からの兵員輸送船に乗り込む事は出来たけど……また、洋上で深海棲艦に狙われた」


 挙手するように、肘から上が一直線になった左手。

 背後の彼女を留めて。


「そんなときに、君と同じ風な艦娘に助けられて……生きて本国に帰る事が出来た」


 手が再び、銃に戻る。

 弾倉のやや前に添えられたその手には、汗が滲む。緊張の証。


「だから――あの時の彼女とは違うとしても。今度は俺の番だって、そう思ったんだ」


 なんて笑って。


「――ッ」


 廊下を曲がったところで、たまたま開いた扉から現れた船員――武装した警備兵。

 走り寄る靴音に向けられた顎。見開かれた眼は、彼と少女を視界に収めて反射する。


 対して、彼の判断は早かった。

 踏み込み、銃床をかち上げる。

 咄嗟に標準的なファイティングポーズを取った男にとって、左腕の下は僅かに死角。

 無論のこと、動きで攻撃の察知はできたが――そこで思ってしまった。腕でこの攻撃を止めていいものか、と。

 それこそが致命的な隙。


「――ッ」


 アッパーと同じく振り上げられ、フックよろしい軌道で吸い込まれる木製の銃床は――。

 熟練の立ち技打撃系選手が有する肘と同等の硬度で以って、容易く肋骨を粉砕した。引き攣った男の顔。

 直後、男の喉に押し付けられる銃身。気道を圧迫せんとするバレル。

 もし青年が熟練の兵士ならば、躊躇いなく一歩下がって銃剣の刺突を繰り出していただろうし――。

 或いはm頭部目掛けて木製ストックを振り下ろしていただろう。

 しかしあくまでも元軍人、今は民間人の彼にそこまでの残酷さはなかった。

 結果として、泥沼の揉み合いだ。


「あ、あんた……!」

「クソ、しまったな……っ!」


「逃げろ! 君の艤装は、まだある! 装備すれば逃げられるはずだ」

「……ちょ、あんたは!?」

「いいから、早く! あの時の深海棲艦に比べたら、これぐらい……!」

「判ったけど……でも、あんたは……!」

「ここは俺に任せろ! 先に行け!」


 後ろ髪をひかれる気分になりつつも。彼女は走り出した。

 肋骨を負った兵士と、彼はそれでも対等の押し合いを演じていた。

 ここで騒ぎを聞きつけた別のものが来て――結果として彼女が人質に取られたなら、それで話が終わる。

 だから、逃げる他なかった。


(なんなのよ、この状況……!)


 衝撃は――そこからだ。

 精神的なものではなく、比喩などではなく、文字通り衝撃が襲い掛かったのである。

 船内で、サイレンが鳴る。呼応するような多くの足音。

 何かと考えるまでもない。彼と彼女は結局拘束されて――。

 或いは処刑でもされるかと思っていたら。そんな事はなく。

 額に汗を浮かべた男たちに急かされるように、甲板へと引きずられていった。


 ◇ ◆ ◇


叢雲(……あの時の、夢か)

叢雲(天気がいいからって、砂浜で惰眠をむさぼるなんて)

叢雲(……あ、涎)


 恥ずかしいな、と手の甲で拭って。


叢雲「……あれ?」


 見れば、提督と呼ばれた青年――彼が砂浜で何やらやっている。

 踊り、なのか。非常に珍妙な動きだ。魔力とかあったら、魔力が下がりそう。

 身のこなしはやはり只者ではない。元軍人というのもなるほど頷ける。

 もう少し鍛えたら、特殊部隊にでも入れそうだ。

 艦娘と比べても遜色ない――或いは平均的な艦娘を上回るほどの練度はあるだろう。

 ……が。

 それにしても、なにをやっているのか。


叢雲「なにやってるの、司令官?」

提督「ああ、叢雲か……昼飯はさっき食べたよな?」

叢雲「なによ、人を食いしん坊みたいに言って」

提督「はは、ごめん」

叢雲「……」

提督「……ここは」

叢雲「……」

提督「……いや」

叢雲「……」

提督「……うーん」

叢雲「……何やってるのよ、さっきから」

提督「艦隊運動を、実際に体を動かしてみて……教範の紙面上じゃ判りにくいんだ」

叢雲「この熱いのに? 外で?」

提督「親父が厳しい人でね。昔から色々と、武道を仕込まれたんだ」

叢雲(だから辛さには慣れてる……って、訳ね。ふーん)


提督「……これで」

叢雲「……」

提督「こう! ……か?」

叢雲「……」

提督「……なるほど」

叢雲「……あ、それ間違ってるわよ」

提督「え」

叢雲「実戦向きでやるなら魚雷は、『予め之字を描くように諸元を入力すべし』よ」

叢雲「艦隊戦だとどうしても速いわね?」

提督「ああ、昨日見て判った」

叢雲「撃ちっぱなしの直線だと、相手と激突する機会は一回こっきりで外したら終わり」

叢雲「でも、之字にしてたら何度か会合の機会がある」

叢雲「まあ、初めから相手が逆に回頭したら仕方ないけど……」

叢雲「そいつを外しても別の奴にぶつかる可能性もあるし、戦場に留めて於けるような諸元にしておいた方がお得……よ?」

提督「なるほどなあ」

提督「友軍にぶつからないように直線にする、とあったが……」

叢雲「だから実戦向きのやり方」

叢雲「戦場は教科書通りじゃないし、魚雷の数にも限りがある。直ぐに補給なんて受けられないし、連戦もある」

叢雲「どうしたって深海棲艦の方が……数が多いから」

提督「へえ」


提督「やっぱり、頼りになるな……叢雲は」

叢雲「別に?」

提督「え?」

叢雲「ある程度不利な戦いをしてた駆逐艦は、皆そうしてるわ」

提督「いや、それでも……それだからこそ、凄いと思う」

提督「叢雲も――そんな戦いをしてて、これまで生き残ってきたってことだろう?」

叢雲「……う」

叢雲「ま、まぁ……そうとも言えるわね」

提督「……? どうしたんだ?」

叢雲「……なんでもないわ」


叢雲「さっき、親父さんの話をしてたけど……いいの?」

提督「ん、なにが?」

叢雲「こんなところで海賊やってて」

提督「……ああ」

叢雲「色々不味いんじゃないの、特にあんた会社員だったし」


提督「……いや、構わないさ」

叢雲「?」

提督「親父はもう……、……、……死んだからな」

叢雲「……ぁ」

提督「気にしないでくれ。もう、終わった事だから」


 そうは言いつつも、これ以上は触れてほしくない――。

 そんな風な気配が漂う提督に、叢雲は手を伸ばす事が出来なかった。

 こんな世の中なのだ。

 誰しも、それなりの傷を抱えている。


提督「それより、そういう叢雲さんは大丈夫なのか?」

叢雲「む・ら・く・も」

提督「……叢雲は、大丈夫なのか?」


 バツが悪そうに言葉を正す青年を一瞥。

 叢雲も、至って平素に漏らした。


叢雲「私は勘当されてるから……問題ないの」


提督「……そう、か」

叢雲「別に大した事情じゃないのよ。気にするほどでもない」

提督「……」

叢雲「ただ、戦争とか軍隊とか好きじゃなかったってだけ」

提督「……」

叢雲「だから、娘の私が『海軍に入るんなら自分の子じゃない』――ってね」

提督「……」


 目を閉じても、その日の光景が思い浮かぶ。

 世の中は皆消沈していたし……何よりも叢雲の生家も、活気がなかった。

 艦娘になれば社会保障を受けられる。

 傾きかけの我が家にとっても都合が良ければ、それよりなにより人を助ける事が出来る。

 そう思って志願を言い出したが――結局最後まで、理解されなかった。

 そのまま、だ。


提督「叢雲さん」

叢雲「む・ら・く・も! ……何度言わせる気なの?」

提督「……叢雲。やっぱり君は、日本に還るべきだ――と思う」

叢雲「は?」


提督「そのままだと、悲しすぎる」

提督「死んでからだと……終わってからだと、もう取り返しもつかない」

提督「だから……」

叢雲「……それ、あんたの経験談?」

提督「……」


 口を閉ざした提督に、叢雲また口を閉じた。

 無闇に事情に踏み込んでほしくはない。

 今でこそ――今でこそ平静を装うだけの余裕は出たが、当初は叢雲とてショックが大きかったのだ。

 実家の事に触れる、事情を知ると正論をぶつけてきた奴に――そんな奴を怒鳴りつけたのは一度や二度ではない。

 本来なら、今もそうだ。割り切れない。

 だけど……。


叢雲「……ズルい男ね」

提督「……」

叢雲「あんたの話を聞いてからだと、怒鳴る訳にもいかない」

提督「……すまない」

叢雲「……別に」

提督「……」

叢雲「……」


 そのまま勉強会は、お開きになった。

ちょろ雲さんがヒロインオーラ何馬身もつけてるんですがこれは

とりあえずここまで

◆最終的に何人が仲間になるかと言うと、最大で七人です。七人です◆

◆あれは少年漫画です。アイアンナイトも少年漫画。からくりサーカスも少年漫画◆

◆このスレは熱血少年漫画です◆

◆そなえよう◆


提督「……さて、と。資源確保か」

提督「資源を曳航してくる要員と……後は護衛、か」

提督「最低でも二人は必要」


 欲を言うなら、全員で出撃するのが一番だろうが。

 それだと収支が見合わない――という事にもなりかねない。

 隠密に進める事を主とするのか。それとも、片方は陽動でもう片方が本命なのか。

 それにしても、敵陣の状態はどうなのか。

 指揮官ともなると、考える事は実に多い。


提督「今のところの情報だと……寂れた資源地帯らしいが」

提督「どうした、ものか」




1:深海棲艦の多発する地域へと進撃する
2:航路上で、あの泊地に向かう筈のものを狙う
3:寂れた資源地帯からくすねる
4:仕事として、秘密裏の輸送の護衛を行う

※収入に差がでます


↓3

2:航路上で、あの泊地に向かう筈のものを狙う (危険度・大)


叢雲「ねえ、司令官」

提督「ん、叢雲さ――」

叢雲「……」 ジー

提督「……叢雲」

叢雲「よし」


 ついうっかり、と言おうか。

 どちらかと言えば本音や素で接しようとしてしまうたびに、つい年頃の女性だからかと遠慮してしまう。

 その度に、半眼で咎められる。半ば、好例にもなった遣り取り。


叢雲「どうせ狙うなら……あの泊地のものにしない?」

提督「あの泊地の……?」

叢雲「どこまであいつの悪行が知れ渡ってるか判らないけど……」

叢雲「実際の運営に支障が出て来るなら、大事になる」

叢雲「そうしたら、もしかしたら……」

提督「……」


 どちらにしても奴らには、叢雲の生存は知れているし、海賊との合流も知れている。

 つまり、オープンにしても支障がない手札。

 反面デメリットとしては、叢雲の存在が“事情を知って生きている駆逐艦”から――。

 “事情を知って生きていて”“そして仇を為す駆逐艦”に上昇する事。

 となれば或いは捨て置かずに、本腰を入れてこちらを潰しにかかる可能性もあるが……。

 或いは同時に海軍にまで、それが伝わるかもしれない。

 博打だ。

 それも、分が悪い。


提督(……)


 とは言っても、確かめる事も出来る。

 奴が少数精鋭にて掃討に来るのであれば即ち、大方の艦娘は奴の悪行については知らぬと言う事。

 多数で押し寄せるなら、泊地そのものが黒。

 無論、運よく生存した叢雲による――解体された事への逆恨みと言う名目で、掃討の手が伸びるかも知れない。

 それ以上に、


提督「君は……仲間と戦えるのか? 元居た場所の、仲間と」


叢雲「……」

提督「……」


 叢雲は無言で、唇を固く結んだ。

 これは――どうなのだろうか。不味いかも知れない。よした方が身の為かも。

 しかし別には、見知った相手だからこその説得の余地が残されている――とも言えなくもない。


龍田「あらぁ、大丈夫ですよぉ~」

提督「……大丈夫?」

龍田「今まで何度もあそこの船には襲撃を掛けてるし……」

提督(海賊まで手が回らないか、それとも後ろ暗いからか……)

龍田「いざとなったら、他の誰かがヤればいいもの~」

提督「……」

叢雲「……」


 ……威力偵察。

 そういう意味合いで、行うとするか。


☆出撃するメンバーを選択してください

 叢雲・浦風・龍田・雲龍


※複数可

↓3

叢雲は確定な


では、物資の曳航役は?



浦風・龍田・雲龍


※複数可

↓3


提督「……なら、叢雲。君が向かえ」

叢雲「え」

浦風「ちょ、え!?」

龍田「あれ?」

雲龍「……むー」

提督「今回は物資の強奪……というよりは威力偵察のつもりで行く」

提督「それなら、余計にいない方が説得も拗れなくていい。……徒党をなしたら、意味合いが変わる」

浦風「そ、それはそうじゃが……酷すぎんか?」

提督「……」


 判っている。

 最早博打すらも通り越した自殺に等しい行為だとは。

 正気では行えない。

 これには、不信感があるのだろうか。海賊である、彼女たちへの。


提督「……龍田、君が後詰で行け」

龍田「いいの、殺しちゃうかも……ですけど?」

提督「いや、君はしない。……少なくとも判断能力があるとは思っている」

龍田「……」

提督「今回は、資源の奪取よりも接触。接触よりも生還だ」

提督「それを第一に――考えてくれ」


??? 練度(コンマ合計値)

↓1


??? コンマ及びコンマ合計値

↓2


??? 練度(コンマの合計値)

↓3


 ――ある少女の話をしよう。


 その少女は、実に一般的な家庭に生まれた。

 平和に健やかに――愛を受けて育った。

 父が趣味にしていた模型を勝手に弄っては、少し不機嫌そうな父を宥める母を眺めて。

 弟と一緒に、船や飛行機、乗り物などの絵をかいて過ごした。

 いつか自分も、父や母のような幸せな家庭を作る。そんなお嫁さんになるんだ――。

 なんていうのが、少女の夢。


 ……だが、奪われた。

 彼女が実に不運であったのは、深海棲艦の動きが活性化していた事。

 そして、彼女の実家の傍に、スラム街があった事。

 ある日、彼女が部活から帰宅すると――――家族はみな、死んでいた。

 遺体はまだ温かく、床には、彼女に向けたプレゼントと思しきものが散乱していた。

 家の中は漁られて、金目のものが奪われていた。


 もし、これが少女の誕生日でなかったら。

 少女が部活に努めて居なかったら。

 結果は或いは――変わっていたのかもしれない。


 少女の誕生日だから父は早く帰宅した。

 だからこそ、強盗と接触して――確実に彼らに抵抗したために、これほどの惨事となったのだろう。

 彼女が部活をしていなければ。

 例年通り、家族で外食として……強盗はただの空き巣で、話は終わっただろう。

 彼女が部活に精を出し、友人と談笑しているその頃。

 家族の命は、無慈悲に奪われていたのだ。


 少女を襲ったのは、家族を失った悲しみ――――。

 ――――では、ない。


 “何故”。

 “どうして”。

 どうして自分だけが生き残ったのか。どうして自分だけが何を逃れたのか。

 そんな疑問として、彼女の中に根付いた。


 それから彼女がこだわったのは、有用性の証明だ。

 父が死に、母が死に、弟が死に――――自分だけが生き残った事には何か意味があるのではないか。

 死んだ三人にあって、自分にはなかったものは。

 死んだ三人になくて、自分にはあったものは。

 一体、何なのだろうか。


 そして少女は、答えを見つけた。

 艦娘の適性試験。

 その中でも、特に貴重だとされる多大なる空間認識能力を持つものだけが成れる艦種。

 父と弟が、好きだったもの。自分が好きだったもの。

 それを運用し、使役する力と出会った時――。


 彼女の中で、全ての合点がいった。


 父親と弟は、この為に死んだ。

 彼らを忘れず、彼らの好んだものを忘れず、彼らの犠牲を忘れず――。

 強く強く己に“それ”が沁みついたが故に、彼女は“それ”と出会った。

 彼らの有用性は、少女と“それ”を巡り合わせる事だった。


 なら、少女の有用性は――彼女が持った、生き残った意味とは。


 それを使役して、敵を倒す事。

 大元に“奴ら”が居たからこそ、巡り巡って彼女の家族は死んだ。

 ならば、家族の死は、奴らに誅する為の力として現れるべきだ――それが道理だ。

 だから、彼女は戦わなければならない。家族の犠牲の果てに生き残った意味を、その意味に忠を尽くさなくてはならない。

 そうでなければ、家族の死は報われない。


 ――少女は、啓示を得たのだ。

ENEMY

【瑞鳳】
練度:11
環境・志:5・0
カラテ:12    知能指数:10 センス:12
精神的:15/7  ブッダ:5  体温:7


【不知火】
練度:6(+?)
環境・志:4・4
カラテ:20   知能指数:10 センス:20
精神的:16/20 ブッダ:1 体温:10


叢雲「……」


 一人、海上を航行する。

 後詰めである龍田は遥か後方。叢雲と同時に発見されぬよう、距離を取っている。

 司令官の言うようにこれはあくまでも威力偵察――――という名の接触。

 説得できそうなら説得に掛かるし、そうでないなら逃げ出すだけ。

 何ともバカバカしい。ここまでのリスクを冒してまで、すべき行為ではない。

 無茶だと、叢雲は思った。

 いくら艦娘の指揮経験がないと言っても、仮にも軍人がすべき采配ではない。

 頭の中がお花畑で埋まっている人間のするような、愚劣と愚鈍の命令。

 だけれども……。


叢雲(……未練を断て、って事なの)

叢雲(変にあの鎮守府に拘って、無理を侵してあそこの船を襲わないように)

叢雲(その、戒め?)


 そこまで苛烈でも、衝動的でも、向こう見ずな男にも見えないが……。





 「……やる事は、判っていますね。瑞鳳さん」


                                       「だけど……」



 「あれは、敵です。海賊と共謀して、鎮守府に仇為す敵です」


                                           「……」


 「そうなったら、私たちの居場所がなくなる。……そうまでも慈悲をかける必要がありますか?」


                                            「それは……」

 「なら、闘うしかありません」


                                            「……」

 「幸い、貴女の艦載機なら向こうの射程の外から攻撃できます」


                                           「えっと……」

 「……お願い、します。不知火も、我が家を護りたいんです」


                                          「我が家……」



                                 「やります……やる、から!」

 「ええ。一緒に、私たちの家を守りましょう」















 (……まあ)


 (不知火が本気を出さずに遣れれば、それでいいだけだけれど)


 (余計に手の内を明かしたせいで、激戦区に駆り出されるなんて……ごめんよ)


 (不知火にとっては少なくない満期金を貰う。……それでいい。それ以外は排除するだけ)


↓1  叢雲:26+(39+コンマ十の位+コンマ一の位)+15=

↓2  瑞鳳:12+(11+コンマ十の位+コンマ一の位)×1.8+10=

↓3  不知火:20+(6+コンマ十の位+コンマ一の位)+10=



◆10差で小破◆15差で中破◆20差で大破◆それ以上で轟沈◆

◆なお、優勢側コンマがゾロ目であった場合それぞれ段階が1つ上昇◆


※0は10として換算

※ゾロ目は+10ボーナス



叢雲:26+(39+8+1)+15=99

瑞鳳:12+(11+2+7)×1.8+10=58

不知火:20+(6+2+9)+10=47



◆叢雲=サンのカトン・ワンインチ・ガン! ワザマエ!◆

◆【不知火の本気を見るのです】により、不知火は無条件で生存します◆

◆瑞鳳がオタッシャしました◆


叢雲「艦載機……ッ!」


 恐らくは船団の護衛に付いていたのだろう――軽空母、或いは空母が放った多数の航空機。

 艦娘の肉体に内蔵された、ブレイン・マシーン・インターフェースの下す指令に従う無人航空機。

 補助AI――妖精が、その機動の捕捉を行う。

 単騎にして、多数のキルマーク得られるような存在――それが航空機母艦。

 深海棲艦がコミュニケーション、或いは外敵からの隠蔽に用いる特殊な量子へと脳波を変換した、数多の手。


叢雲「容赦も躊躇も、なし……!」


 常人では対応できない。

 己の操作する艦載機を御し切れず、陸上の上で酔い倒れるか。

 それとも、過負荷に脳が変調を来たすか。

 そんな代物――選ばれた人間だけが持ちいれる、攻撃兵器。

 だが、


叢雲「上等じゃない!」


 ――叢雲は、嗤った。


叢雲(無人誘導兵器? 無人攻撃機? 一人で空間制圧?)


 つい先日も、それに目にものを見せられた。

 叢雲は、努力の人間だ。努力していると匂わせないで努力する人間だ。努力を感じさせずに努力する人間だ。

 そんな――プライドが高く、気高い少女だ。

 今までも、不足を感じたなら己を鍛えた。不備を覚えたなら己を磨いた。不満があるなら己を諌めた。

 だからこそ。

 いつまでも好いようには、やられはしない。


叢雲(それは凄いけど……でも、あいつの方がもっと強かったわ!)


 増設した対空機銃に仰角を付けて、しかし叢雲は発砲せず。

 高角砲も同じく、方針を一定方向に固定してそれで終わり。

 不審を覚えたのか。それでも構わないのか――突撃してくる数多の空行く鮫の群れ。

 叢雲は、頬がひりつく感覚を覚えつつも努めて牙を剥き出しにする。


 対空攻撃がない事をいい事に迫る、航空機の群れ。

 海面に平行に飛ぶのが攻撃機で、頭上を取りに来るのが爆撃機。牽制とばかりに機銃を撃ちかける戦闘機。

 それらの脅威度を判別して――


叢雲「ハッ」


  アシ
 船速を、止めた。


 実在の船ではなく、艦娘であるからこそ行える芸当。

 発電機が行う電力を、両足の舵――推進器――ではなく、防御衣服への電圧に回す。

 必然、彼女は急停止。

 海の上で一人、棒立ちになった。


叢雲「あれから色々考えたんだけど……結局、やり方は艦娘の戦闘ね」

叢雲「どう動くかを考えて、そこに誘導するのか――それとも予測するのか」

叢雲「それだけの違いで、相手の動きを読んで攻撃する」

叢雲「なら――これは読める?」


 航行しているなら、慣性がある。移動方向がある。

 だけれども、まるでフラットに停止しているなら?

 叢雲が次にどちらに動くかの予想は、極めて困難になる。

 或いは熟練しているなら、推進力への対抗として体に込められた重心移動からそれを察するだろうが――。

 それはないと、叢雲の戦闘経験が告げた。

 雲龍ほどの危険さはないと、首の後ろが引きつく感覚は受けないと――彼女は己の感覚に従った。

 これは、天性の直感ではなく、彼女が磨きに磨いた勝負勘。


叢雲「……ま。止まったら動くのに時間がかかる」

叢雲「だから、再始動の隙を突くように集中して狙えばいい――」


 叢雲の言葉通り、彼女の正面から空を埋め尽くして現れた艦載機は。

 停止位置にある彼女に、動き出す前に攻撃を仕掛けんと――。

 これは我慢比べだと――。

 寸前まで引き付けて躱すなら、その起動の速度差が命運を分ける。

 また同じく、恐怖に駆られたのなら先に動きだし、敵の網に飛び込む。

 その差だと――艦載機は襲い来る。

 速度を持てば持つだけ、叢雲の発電機が再び脚部へと通電して再始動するまでのタイミングを僅かなものに潰せる。

 そう判断して、兵は拙速を貴ぶの言葉通り最高速で距離を詰める。


叢雲「――なんて、それはハ・ズ・レ」


 魚雷が稼働。諸元の入力は既に済ませた。

 そして叢雲は――それを、撃った。

 放たれた白い航跡が、歪な半円を描いて、叢雲の元まで戻り来る――。

 そうして今度は、彼女自身の電磁防壁と衝突して――それも速力を殺して限界以上に生み出された電磁防壁に激突して――。

 盛大な、水柱を上げた。



 その飛沫に巻き込まれたのは、海面すれすれを飛ぶ攻撃機。

 下からの圧力に負けて、機体をへしゃげさせ爆裂する。

 そして彼女の攻撃は、それでは終わらない。


叢雲「右舷一杯」


 片方が停止した状態で、片方だけを最大出力。

 結果、独楽の如く回る躰から放たれる――数多の機銃と高角砲の弾丸。

 既に、直線に襲い来る敵の位置と角度は、停止しながら十分に焼き付けた。

 速度を得るという事は、前方への加速と慣性を得るという事。

 その状態で左右への軌道を行おうとすれば、描く円は大きなものとなり――。

 小回りと、無縁になる。


叢雲「……電気分解、だっけ」


 そして、肝は電磁防壁。

 猛烈な奔流と共に電磁防壁に激突した海水は――塩が含まれた水は。

 生まれだす数多の紫電と共に、水素と酸素に分離した。

 そこに、撃墜された爆撃機と戦闘機が生み出す爆炎。

 純水はそれ故に電気による分解が困難であるが、塩という飛び石を得た電撃は容易く水を水素と酸素に分離。

 その比率、二対一――。

 身近に得られる中で、最も苛烈にして瞬息で起きる爆発である。


叢雲「――艦載機は、全滅ね」


 ――これが叢雲。


                                 「な……わ、私の艦載機が」


「……出鱈目、ですね」

(……そんな練度艦を解体なんて、愚かな事を)


                                    「ど、どうするの? このままじゃ……」

「ええ、このままでは護衛は失敗。大損害です」

                                    「投降すれば、燃料だけでいい……って。話をしようって」

「そう、ですね」


                                    「くやしいけど、このままじゃ」


「……せめて不幸中の幸いを拾うとしましょう」

                                            「え?」


「『海賊となった艦娘は』『無慈悲にも』『泊地に関わる船を爆撃した』」


                                            「それって……」


「先に繋げるわ。大義名分も立つ」


                                           「この人たちを、見捨てる……?」


「……何を言ってるの?」






         シラヌイ
 「――――目撃者以外、全滅に決まっているでしょう?」







↓1 叢雲の出撃消費分

↓2 手に入れた燃料

↓3 手に入れた弾薬

◆コンマだから多少はね?◆一応連投分はズラす◆


叢雲の燃料消費:4
叢雲の弾薬消費:8

手に入れた燃料:2
手に入れた弾薬:8


◆次に会話で選択肢が入る。備えよう◆ぬいぬいは攻略できるぞ◆


提督「……」

叢雲「……」


 沈黙が突き通される部屋。

 叢雲の頬は煤けている。火災を浴びたようなそれが、思った以上に広範囲に渡る。

 ただし、その一方で衣服には損傷なし。つまりは戦闘での損害を負ってはいない。

 浦風は腕を組んで。龍田はやはり慈愛を持った笑みを湛えて。雲龍はとらえどころのない目線を漂わせて。

 室内は、無言だ。


龍田「まさか、憎い憎い泊地だからって……それに関わる人間を鏖だなんてぇ~」

叢雲「――っ」

叢雲「ち、違うわよ! 私はそんな事なんて……!」

龍田「でもぉ~、駆けつけたら船が爆発炎上してて~」

龍田「護衛を行ってた、空母と思しき艦娘が死んでる……なんてねぇ……?」

叢雲「っ」

龍田「まあ、零れちゃってる分から拾ってきたけど~、これじゃマイナスかなぁ~」



1:「……龍田。君はそうならない為にも後詰めだったはずだが?」
2:「叢雲、今は休め」
3:「叢雲は……助けようとしたんだな。生存者を」
4:「……この件の失敗は、司令官である俺のものだ」
5:「これで名実ともに海賊か……俺の見通しが甘かった」
6:自由安価

↓3

選択肢:3 「叢雲は……助けようとしたんだな。生存者を」 (好感度ボーナス+3)



提督「叢雲は……」

叢雲「……っ」


 どんな叱責が待っているかと、身を震わせる叢雲。

 そんな彼女を正面から見据えて、その閉じた瞳が開くまで待つ。

 固く瞑られた瞳。

 恐る恐ると、開かれた――罪悪感に塗れた眼差し。

 普段の、深雪の霊峰が如き犯しがたき白い気高さはない。

 ここにいるのは――己が目の当たりにした事実に、押し潰されそうになっている少女だ。


提督「……助けようとしたんだな。生存者を」

叢雲「ぁ」

龍田「あら、どうしてそんな事が言えるのかなぁ?」

提督「服には傷がないのに、顔には煤がある」

提督「万一にも何かに近付いたときに自動的に防壁が作動しないように最小にして……」

提督「それで、火災の中にいた……煤煙の中に居た」

提督「そうすれば、そうなる」

龍田「……」


叢雲「……」

叢雲「……私、助けようとしたのに」

叢雲「助けようとしたけど……もう、みんな、手遅れで」

叢雲「あの、艦娘も……瑞鳳も……」

叢雲「体、半分だけで……」

叢雲「その、中身が……中身が……」

提督「……もういい。分かった」


 深海棲艦と戦う事には慣れていても、或いはその犠牲者をこれまで目にする事はあっても。

 こんな――こんな風に。

 人間による悪意には、彼女は慣れていないのだろう。

 今にも泣きだしそうなのに、涙さえ流せず。嗚咽すら零せず。

 それでも震える視線で、己の両手を見つめる叢雲は――。


叢雲「それで……それで……」

叢雲「家族の名前を……名前を、呼んで……」

叢雲「役に立ちたいって、役に立てたんだって……役に立てたの?って」

叢雲「血を吐きだしながら、ずっと」

提督「叢雲」

叢雲「また会いたいって、ちゃんといい子にしてたから、役に立ったから会えるって……」

提督「叢雲!」



 ――それは、あまりにも痛々しい。


 目を背けたくなるほどに。

 耳を塞ぎたくなるほどに。

 口を閉ざしたくなるほどに。

 だけれども、それはできない。それだけはしてはならない。


提督「……叢雲」

叢雲「……」

提督「今回は――俺の見通しが甘かった。迂闊だった。敵がそこまで仕掛けて来るとは、思わなかった」

提督「……」

提督「その中でも君は十分にやった。出来る事はやった」

叢雲「でも……! 私が、あの泊地の船に拘れなければ……!」

提督「……俺の責任だ」

提督「他に君のような扱いをされている艦娘がいないか。相手の統御はどうなのか。何かしら証拠はないか」

提督「それを……なるべく平和的に解決できないか」

提督「そう考えて、そんな甘い考えで実行に移した俺の責任だ」

提督「命令されるものに責任はない。その責任を持つのはいつだって、命令した側なんだよ」


 そんなのは、艦隊の指揮の経験がなくても知っている。

 兵士であるならの、常識だ。

 己が動かず人を動かす代わりに、その一切の罪咎を、損害を、苦痛を背負う。


提督「叢雲」

叢雲「……なに?」

提督「だから、君の無念も……死者の無情も、敵の非情も……」

提督「後は俺が引き受ける」

提督「この戦いの敵は……俺が倒す。俺の意思で、俺が奴らを許さない」


 それが、司令官――――提督というものなのだろう。


↓1 叢雲の好感度上昇 (+2)

↓2 龍田の好感度上昇

┏───────────┓
  燃料:36   鋼材:83   
  弾薬:91   ボーキ:96
┗───────────┛


【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「責めてくれた方が……いっそ」
好感度:42(+?)
環境・志:4・7
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「童貞捨てたこと、ないんじゃろうなぁ」
好感度:01(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「見るところは見てるんだぁ~」
好感度:17
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「……出撃。艦載機」
好感度:03
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3


提督「……」


 叢雲の憔悴が酷い。

 何とか連れ出して食事だけはとるように勧めているが、いつものような覇気はない。

 無理もない、だろう。

 提督は――彼自身が現場を見てこそいないから落ち着いていられるが。

 直接目撃してしまえば、彼もまた叢雲と同様になっていただろうから。


提督「……親父なら、どうするんだ。こんな時」


 呟いてみても、答えは来ない。

 海洋学者だった父。

 だからこそ、船員になる事を反対した父。

 それに反発して陸軍に入隊して、帰京したその時には。

 彼の命は、失われてしまっていたのだから。



1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価

↓2

◆はい、という訳で雲龍と会話ですね◆今日はここまでとなる◆好感度が戦闘のウェイトヤバイ◆



ちょっとコンマ判定


1~20:駆逐艦
21~40:軽巡洋艦・重巡洋艦
41~60:空母・軽空母
61~80:戦艦
81~00:その他の艦種類


↓3 反転コンマな

◆なるほど駆逐艦◆いつも通りの安価が出ます◆範囲安価だ。数字を書け◆

◆今日はここまでとなる。25:30に備えよう◆

◆なお、別に敵側として出るとは限らない。きっとほのぼのする、いいね?◆

◆数字もね◆無かったらコンマ値そのまま◆

十の位 1ほど悲惨 9ほど裕福
一の位 1ほど個人的な事情 9ほど熱意や決意
0:特殊判定
ゾロ目:???


↓1~5 ※1体 ※艦娘を書け ※数字を書け


◆またパイ風◆しかも1。これは実際悲惨だと古事記にも書いてある◆慈悲はない◆

◆こちらでも劣情の餌食で殆ど違法上下が回避できない運命なのか。何たる無情!◆

◆それではオツカレサマドスエ◆イベントが始まったら控えめになる。注意な◆

あ、少年漫画だからね

アイアンナイトとか大好きだよ

◆備えよう◆今宵の虎徹は血に飢えている◆

おっと、20:30ほどの開始になる模様

アイアンナイトテーマは王道だし、コミックス版のオチも王道だから……

待たせました。始めます


提督「……」


 叢雲のフォローをどう行うべきか。彼の頭を悩ませるのはそこだ。

 彼は元陸軍であり、深海棲艦との戦闘の経験もある。だがあくまで本質は歩兵であり――つまりは対人だ。

 一方の艦娘は違う。

 成り立ちからして対深海棲艦であり、対人は想定されていない。

 演習で他の戦う事はあるため、人型との戦闘行為そのものに陰りはないだろうが――。

 問題は二つ。

 殺意と悪意だ。

 襲いかかる敵対生命体との生存競争的な側面が強い深海棲艦相手とは異なり、人間同士の殺し合いは余りにも泥臭く、そして血腥い。

 如何ほどの傷を叢雲が背負ってしまったかは、彼には計りしれなかった。


提督(……叢雲さんはきっと、人を助けたくて艦娘になったんだろうな)

提督(……)

提督(仲間との殺し合いなんて……堪えるに決まってる)


提督(……とは言っても、俺からじゃ何も言えそうにない)

提督(命令したのは……俺なんだ)

提督(……)

提督(それ以上に……俺がそう口にする度に、彼女は辛そうにしていた)

提督(混乱しているのは無理もないが……罰を欲しがっている、みたいだったな)


 溜め息を一つ。

 これ以上、考えても彼からは答えがでない。

 或いは年の功で勝る大将や、彼自身の父ならどうしたのか――。

 思っても、名案は浮かびそうになかった。


雲龍「提督……?」

提督「雲龍さん、か……どうした?」

雲龍「雲龍でいいわ……。それと、何か悩んでいる風だったけど……何かありましたか?」

提督「……」

1:「……君は、仲間を撃ったことがあるのか?」
2:「君は、どうして艦娘になったんだ?」
3:「叢雲の事を、気晴らしに遊びにでも連れていってやってくれないか?」
4:「それとなく、彼女のフォローをしてやってくれ」
5:「……今回の戦闘の事について、君の見立てはどうなる?」

↓3

選択肢:3 「叢雲の事を、気晴らしに遊びにでも連れていってやってくれないか?」(地雷)


提督「……叢雲の事を、気晴らしに遊びにでも連れていってやってくれないか?」

雲龍「気晴らし?」

提督「……あのまま一人にさせておいたら、悪い方悪い方に考える」

提督「艤装や泊地……それと、俺のように」

提督「戦闘に関することも――彼女を刺激するかもしれない」

雲龍「……私も、戦闘に関する艦娘だけど」

提督「作戦に参加はしていないし……」

提督「……」

提督「……この泊地には、人が少なすぎる。彼女の故郷からも、遠すぎる」

雲龍「……そう」


 まさか叢雲に限って、一人で街に繰り出して憂さ晴らしとはすまい。

 戦闘で負ったストレスは、なるべく溜め込まずに吐き出した方がいい。精神の傷は、抑えれば抑えるほど膿む。

 それは“今”のまま、心の中で瞬間冷凍され続ける。そしていずれ、牙を剥く。

 他人に伝える事で整理して、なんとか過去にしていくのが効果的と――聞いた覚えがある。


提督「……彼女を、頼む」

雲龍「大事なのね」

提督「一緒に逃げ出した中だからな」


 それからすぐさまだった。

 何かが割れる音と、喧騒が聞こえてきたのは。

 一体何か――。

 たまらず彼は、部屋を飛び出した。

 その先に居たのは――髪を逆立てんばかりに怒りを露にした叢雲と、静かな目を向ける雲龍。


提督「どうしたんだ!?」

叢雲「よりにもよって……遊びに!?」

雲龍「えっ、と……」

叢雲「あんなことがあって……そんなときなのに、遊びになんて行けると思うの!」

雲龍「……」

叢雲「それとも、あんたらにとっちゃ人が死のうが艦娘が沈もうが……気にせず遊びに行ける事なの!」

雲龍「……」

叢雲「やっぱりあんたら緒戦、ただの海賊――」

提督「――叢雲っ」



 叢雲と雲龍の間に、身体を割り込ませる。

 困った風の雲龍を庇えば、叢雲の目線が一際鋭くなった気がしたのは――彼の錯覚だろうか。

 提督ごと貫いて雲龍を刺し殺さんばかりの、絶対零度の目線。


叢雲「……なに、司令官」

叢雲「悪いけどあんたには関係ないから、どいてて――」

提督「俺だ」

叢雲「は?」

提督「雲龍にそう頼んだのは、俺だ」

叢雲「……またいつもの、自分の責任?」

叢雲「……」

叢雲「――って訳じゃないみたいね。どうも」

提督「……すまない」

叢雲「別に」


 それきり意気が消沈したと、叢雲は伏し目がちに。

 何事かを口の中で転がして、結局言葉にならずに飲み込んだ。


叢雲「気を使ってくれるのはありがたいけど……」

叢雲「……」

叢雲「……今は、放っといて。そんな気分になれそうもないのよ」


 それきり背を向けて、叢雲はその場を立ち去っていった。



↓1 雲龍の好感度上昇 コンマ10D1 /2

※雲龍の好感度が1上昇しました


提督(……仲間が死んだとき、戦闘があったとき)

提督(そんなことを話したのは、夜や……復員船の中だった)

提督(俺たちは同じ境遇を共有する事で、何とか人間を保っていた)

提督(……)

提督(……そうか。純粋に今の彼女と同じ境遇の人間は、いないのか)


 かといって、悪戯に放っておけば却って傷を深くする事にもなるだろうが。

 さりとて、難しい問題だ。



1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   (D:あの泊地へ向かう船から)
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価

↓2

◆ゾロ目ボーナスだドン!◆


提督(……心的外傷ストレスというよりは、まだそこまで至ってないか)

提督(艦娘のメンタルヘルスマニュアルを読んでみても……ここにある資料は古すぎるし)

提督(殆どが、深海棲艦との戦いに対するものだ)

提督(……)

提督(年端もいかない少女を、戦場に出す……か)

提督(……確かに悪魔の研究だ)


 額を抑えて、長息。

 様々な国に兵器として――兵士として採用されているが。

 それでも未だに艦娘への反対論は中流階級を中心に根強く、当初の反発は凄まじかった事を思い出す。

 あんな叢雲を見れば、そんな人々の指摘も強ち間違いではないと――そう思える。


提督(深海棲艦と人間は遺伝子が近似している……)

提督(それでも、奴等の体細胞に由来する装備を使用できるのは……)
         
提督(自分の体の内に“半分まで”遺伝子の異なる、異物を受け入れても……)

      リジェクション
提督(拒絶反応を起こさない――免疫寛容を持つ、女性だけ……か)


龍田「あらぁ~、どうしました~?」

提督「……龍田さん」

龍田「そんな他人行儀じゃなくていいよぉ~?」

提督「じゃあ……龍田」

龍田「でも、セクハラしたら切り落としちゃうから勘違いはしちゃ駄目だよぉ」

提督「……」


 なんというか……恐ろしい。

 にこやかに微笑んでいて、一見してはそんな危険さを感じさせないが。

 『やる』と言ったら『やる』――或いは既に行った経験があるような、そんな不気味さがある。


龍田「ずーっと難しい顔をして、恋煩いみたいだったよぉ~」

提督「……」

1:「……茶化さないでくれないか?」
2:「ああ……君に恋煩いしてる、なんて」
3:「……叢雲のことだ」
4:「少し、材料が欲しいんだけど……君はどうして艦娘になった?」
5:「……君も叢雲のような経験をしたことが、あるのか?」
6:自由安価

↓3

◆ゾロ目ボーナスだドン!◆二発目◆何が起きるんですか?◆

◆ホノボノする◆


提督「ああ……君に恋煩いしてる、なんて」


 ちょっとした意趣返しのつもりだった。

 真剣に悩んでいるところに茶々を入れられて、調子を崩しそうになったから。

 だから逆手にとって、遣り返しただけだった――――。

 なのに、


龍田「えっ」


 龍田のその顔は――まるで生涯砂漠で暮らしていた人間が、海を見たような。

 南国で生まれ育った人間が、吹雪を目の当たりにしたような。

 窓のない部屋で一生を送ろうとしていた人間が、叢雲を眺めたような。

 そんな、戸惑い。

 己が戸惑っている事にさえ気付けぬような、衝撃。


提督「……え」

龍田「えっと、その、恋って……えっと、あの……えっと……あの」

提督「龍田……?」

龍田「恋って……えっと……あのぉ……えっと」

提督「龍田さん……?」

龍田「恋って……“何”なのかなぁ」


提督「……」


 いつものような余裕の微笑ではなく。

 ころころと、困った風に顔色を変えて。

 なにかを必死に理解しようとして。

 自分にない、自分目掛けて向けられる刃を噛み砕こうとするように。

 龍田の、表情が変わる。


提督(いや、恋煩いなんて言ったのは龍田さんから……なんだが)


 それとも、深くは理解せずに使っていたのだろうか。


龍田「恋って……」

提督「……ああ」

提督「そうだな……その、誰かの事を大切にしたいとか、守りたいとか、一緒にいたいとか」

提督「相手が笑っているのを見ると嬉しくなるとか……泣いているのを見ると何とかしたいと思うとか……」

提督「話せば話すだけ楽しいとか……もっと相手の事を知りたいとか……」

提督「……」

提督「……改めて言葉にしようとすると、難しいな」


龍田「……」


 それでも納得がいかない――というよりは、まるで理解できないという顔の龍田。


龍田「……天龍ちゃん、なのかなぁ」


 一言、龍田はそう呟いた。

 続けて、「でも知りすぎてる」「もっと知るのってあるの?」「今どうしてるかは知りたいかな」などと続く。

 それから――改めて、提督の、彼の方に視線を向ける。

 困惑を内に残したままの、笑い以外の仮面。


龍田「恋って……二人とも同じ相手に同じ事を思わないと、駄目なのかなぁ?」

提督「……いや、その、まあ」

提督「まぁ、片方だけだと……片想いとか。他には、相手が別の誰かに恋をしてたら失恋に……なる」

龍田「ふぅん?」


 やはり、まだ実感が湧かない――そんな風。

 ただ。


龍田「それは……“好き”ってこと?」

提督「ああ……まぁ、そうだな。それだよ。そう、“好き”」


 というか、恋は判らないのに好きは判るのか――。

 なんて言葉を、提督は飲み込んだ。

 何故なら、龍田が……。



 獣が威嚇をするみたいに、一瞬だけ目を見開いて――。

 提督の事を、憎悪と侮蔑と嫌悪と憤懣と恐慌と感傷と拒絶と拒否が綯い混ぜになった目線で、射貫いたから。

 ここまで強烈な視線を向けられるのは、彼としても初めてだった。


龍田「……あなたは」

龍田「私の事を“好きに”したいって事、なのかな?」


 先程までとは違う、酷く落ち着いた声色。

 だが余計に、彼は危うさを感じた。

 答えを間違えば、谷底へと落下するかのごとき薄氷。切り立った氷壁の斜面を転がり落ちるに等しい危険度。


提督「……いや、違う。恋ってのは、そういうだけじゃない」

提督「相手の事を受け入れて……優しくしたり、笑顔を守ったり……」

龍田「……」

提督「……その人の事をもっと判ってあげたいと思うこと、だと思う」

龍田「……そっ、か」


 何かに安心したように。

 龍田の顔から、険が消えた。


龍田「……ごめんねぇ~、ちょっと、難しいかなぁ~」

提督「え」


 それから何だか判らないうちに、フラれた。

 超スピードや催眠術なんてちゃちなモノでは断じてない、何かもっと恐ろしいものの片鱗を味わった気分だ。


↓2 龍田の好感度上昇  10D1 +7 +7


◆龍田の好感度上昇、17◆ゾロ目二発だからサービスしただけで1発ならこうじゃないぞ◆


提督(……あれから、廊下でばったり出くわしてもなんだか余所余所しい)

提督(……)

提督(今更冗談だったなんて言うと、斬られそうだ。そんな予感がする)


 てっきりいつも通り軽く、「斬っちゃうよぉ~?」とばかり返すと思っていたのだが。

 どうにも判らない。

 ……そういう意味ではもっと彼女の事を知りたいと思わなくもないので、提督自身が定義した“恋”なら恋してる事になるのだろうか。


提督「……」


1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   (D:あの泊地へ向かう船から)
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価

↓2

┏───────────┓
  燃料:36   鋼材:83   
  弾薬:91   ボーキ:96
┗───────────┛


【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「……やっちゃった、わね。何やってるのよ、本当」
好感度:42(+?)
環境・志:4・7
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「大将帰ってこんと暇じゃ……」
好感度:01(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「……まだ、判って貰っても困るよねぇ~? ……うん。まだ」
好感度:34
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「……海賊風情、かぁ」
好感度:04
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3


◆ぐうチョロヒロイン龍田◆なおこの泊地に奥ゆかしい前後未経験はムラクモだけ◆死んだづほもいる◆

◆出番がない浦風。泣いているのが判りませんか?◆本当なら第一話に颯爽と登場しているところなのですがげん地では違う◆

◆それじゃあここまで◆サラバ!◆



◆備えよう◆今日もホノボノだ◆

◆一つホノボノを書いたら一つ鬱を書く◆愛鬱相殺だと言われています◆

頑張って新型艦娘とって早くホノボノしたいですね



  【拒絶と許容の間】




「“好きにしていいぜ”」



「これから、“好きになるんだ”」



「“堪らなく好きなんだ”」



「“好きかい?”」



「“君の好きにしたらいい”」



「“好きだろう?”」



「“好きに決まっている”」




 ――恋をする、という事について龍田の知っている事は余りに少ない。

 その僅かな人生を振り返って、提督の言葉と照らし合わせたとき――心当たりは同じく艦娘になった姉に向けるものしかなかった。

 大切にしたい。

 守りたい。

 一緒にいたい。

 泣いているとどうにかしなければと思う。

 これまでの龍田の人生に於いて、姉に対して向ける感情はまさにそれだけであり、逆にそれ以外の感情は持たなかった。

 姉に対しても/姉に対して以外も――。

 だけど、それでも恋をするという事を説明する――彼の言葉と食い違いが出る。

 “好き”。

 そうではなかった。それは違った。それだけは頷けなかった。


 それは龍田の中では忌むべき言葉であった。

◆ちょっとパソコンに移ります◆辿り着いた◆暫し待て◆

お待たせです


 好きというのは痛みであり――。

 好きというのは憎しみであり――。

 好きというのは悲しみであり――。

 好きというのは汚辱であり――。

 好きというのは悪意であり――。

 好きというのは諦観であり――。

 好きというのは殺人であり、破壊であり、選別だった。


 だからこそ、恋が理解できない。

 彼の語った定義というのは多くが矛盾を孕み、龍田の中では判別不可能な存在に変わる。

 天龍を守りたい。天龍を一人にしたくない。天龍を悲しませたくない。

 だが、これ以上彼女の事を知りたいと思った事は一度もない。話せば話すだけ楽しいと思った事もない。

 しかし、大切だと思う。むしろ大切でなければならない。彼女は報われなければならない。

 ――自分と違って。

 だから、好きとは違う。全然別物であるはずだ。


 自分たちの指揮官の語る定義は更に続く。

 相手の事を受け入れて――――これは恋なのか、“好き”なのか。

 優しくしたり――――どちらにも当てはまる事である。

 笑顔にしたり――――これもそうだ。だから恋とは、“好き”という事なのかも知れない。

 でも……。

 その人の事をもっと判ってあげたい――――これは違う。これは“好き”ではない。

 だからきっと、恋とはそういう事なのだろう。

 姉に向けるそれは、恋ではなかった。

 そして、恋とは“好き”と似ているものだ(彼女はそう判断した)が、そうではない。

 なら一体、恋とはなんなのだろうか。


 ……いや、たった一つ、たった一つ分かる事がある。

 自分の指揮官は自分に恋をしていて、という事はつまり、もっと判ってあげたいと思っているという事だ。

 つまり、自分の事を知りたいと思っているという事だ。


龍田(それは……困る、なぁ)


 ――だから、彼と顔を合わせ難かった。

 知られる事が良くない事だとは、周りの反応から知っている。

 きっと、それは他人に知らせてはならない事。秘むべき事。恥ずべき事。

 胸が焦燥に駆られてその場に居てられなくなるのもきっと、それが理由だからだろう。

◆恋煩い。ホノボノ!◆叢雲に行きます◆安価が出ますよ◆


提督(……龍田のあの様子は、少し誤解がある風だけど)

提督(どうしたものか)


 実際、本当に迂闊な事を言ってしまったと思う。

 しかしあれほどの反応をするなんて、彼女は一体どんな環境で育ったのか――と思わなくもない。

 決して醜いとは言えない。それどころか、どことなく儚げで美しいと思える。

 だからこそ高嶺の花として、色恋とは無縁で生きてきたのか……なんて風な想像すら働いてしまう。

 ……ただ。

 それ以上に現実的に、彼を悩ませるのは違う。

 叢雲の事だ。


提督(……下手にしようとしても、この間の二の舞だ)

提督(思えば彼女の周りは、海賊――立場が違う艦娘しかいない)

提督(……)

提督(そうなると、やっぱり俺が……)


 なんていうのはただ理由を付けて、自分が出て行きたいだけなのかもしれないが。


提督(どこにいるだろう、叢雲さんは?)

◆居場所により若干の変化アリ◆

1:海の見える静かな場所
2:街の酒場
3:自室
4:兵器庫
5:医務室
6:リトル・グレイ(小型海賊船)
7:自由安価

↓3


提督「自室には……いない、か」

提督「となると……食堂はいないだろうし、街にも出てる筈がない」

提督「それで今、他の艦娘がいそうに無い場所は……」


 言うならば、ただの直感だった。

 そこに足を運んだのは――彼自身不思議に思うところでもある。

 同じ条件に当てはまる処は他にもあり、逆に可能性としては低い場所であろうから。

 だけれども、彼は其処にいった。

 思うなら――彼と彼女の始まりの場所。

 海賊として一歩を踏み出す事になってしまった、そんな場所。


叢雲「……」

提督(……居た、のか。ここに)

提督(……)

提督(どうするか)

1:「ここに……居たのか」
2:「探したぞ、叢雲さん」
3:「……外には出てくれてるんだな」
4:無言で隣に腰掛ける
5:肩を叩いてみる
6:自由安価

↓2

選択肢:3 「……外には出てくれてるんだな」(好感度ボーナスなし)



提督「……外には出てくれてるんだな」


 そう声を掛けてみれば、首だけで振り向く叢雲。

 それからまた、正面に戻る。現代の海賊船――リトルグレイをじっと眺める。


叢雲「……何よ。監視のつもり?」

提督「俺にそんな権限なんてない」

叢雲「……」

提督「……心配はしている、けどな」

叢雲「……あっそう」


 にべもない。

 また、海賊船に向き合う叢雲。

 やはり話しかけるなと、拒絶の意思が強いが――それでも少なくとも、提督の言葉を考慮には入れてくれているらしい。

 それだけで十分、ありがたい。


叢雲「で、何か用かしら?」

提督「いや……」


 首を捻ってみるが、答えが出ない。

 そもそも彼の中で整理がついていないから。

 ただ、あんな風に憔悴してしまっていた叢雲を放ってはおけない――そんな想いに突き動かされただけ。

 だからこそ、改めてどんな要件があるのかと言われたら……。


提督(……考えてなかったな)


 としか、言いようがない。

 だからこそ彼は、正直に答える事にした。


提督「君の顔が見たかった」

叢雲「…………あっ、そう」

提督「ああ」

叢雲「……」

提督(前よりは落ち着いた風だけど……)

提督(それを言っても、蛇足だな。余計な事だ)

叢雲「……」


叢雲「……これから」

提督「えっ?」

叢雲「これから、全てが始まったのね」

提督「……ああ」


 叢雲を助け出そうと、復員船に乗り込み。

 そして騒動の末、船員に拘束され。

 そのさなかに、このリトル・グレイの襲撃を受け。

 リトル・グレイの浦風と、護衛の不知火が闘うその隙に拘束を解き。

 そして浦風に組する形で、彼と彼女は逃亡を量った。

 彼は初めての戦闘指揮。彼女は初めての同族との実戦。

 海賊生活は――すべてがここから始まったのだ。


叢雲「この間、あんた……『全ては俺が背負う』って言ってたけど」

提督「……」

叢雲「あんたじゃ詰めが甘いし、頼りないから」

提督「……」

叢雲「だから……」

提督「……」

叢雲「だから、私も戦ってあげる」


提督「いいの――」


 いいのか――と、言いかけて。

 その言葉を、突き出された人差し指が遮った。

 先ほどまでの。

 先日までの。

 あの、打ち震えた叢雲はいない。悲しみや痛みに堪える叢雲はいない。

 彼が良く知っている、居丈高で、威圧的で、高飛車な――――高貴な彼女。


叢雲「司令官を放っておいて、自分だけ一抜けだなんて言わないわ」

叢雲「良い駆逐艦というのは、そういうものよ」

提督「……そうか」

叢雲「無理とか無駄とか、そういう言葉は解体されるときに聞き飽きたから……言うんじゃないわよ」

提督「叢雲さんがいいなら、それでいいさ」

叢雲「む・ら・く・も!」

提督「す、すまない……」


叢雲「うー」

叢雲「何度言っても間違えるなんて、あんた基本的なところがなっちゃいないわ!」

叢雲「そう! だから!」

叢雲「だから、教育してあげる! それだけの話よ! 判った!?」



↓2 叢雲の好感度上昇 10D1

◆叢雲の好感度が9上昇しました◆次に安価を出して今日は終わる◆そっちは単発ダメ◆


提督(叢雲さ……叢雲が元通りになったのはよかった)

提督(元通り……ではないかもしれないが、まぁ、整理はついたか)

提督(やっぱり、強いんだな……彼女は)


 そう考えるならば。

 傷付いても人が前に進んでいく事を思えるのならば。

 艦娘というのは――少女を兵器に変えるとしても――厭うほどの、悪しき存在ではないのかもしれない。

 勿論こんなのは、ただの一面でしかなくて……。

 艦娘となる事によって、死ぬ事。闘う事。傷付く事。悪しく扱われる事。

 それ自体は、厳然と存在している。

 そう、今も。

 あの泊地の司令官や、同じように悪に手を染めて少女たちの覚悟を踏みにじるものが――居るだろう。


提督(艦娘……か)

提督(……)

提督(……俺にはまだ、それ本当に正しいのかそうでないのかは分からないけど)

提督(それよりも今は、戦わないとな)



提督「……」



1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価

↓2


◆浦風=サンに決まったところで次回◆忘れられてなかった◆実際この好感度の差はなんなんだろうか◆

◆そしてついでに安価の出番だ◆


1~20:駆逐艦
21~40:軽巡洋艦・重巡洋艦
41~60:空母・軽空母
61~80:戦艦
81~00:その他の艦種類

直後


◆ズレてゾロ目としよう◆把握した◆艦種に関わらず書いてほしい◆

◆最後にステータス表を張ってから、次に1=サンの書き込みがあるまで数字と艦名を書け◆いつものな◆

◆ただし単発は駄目ゼッタイ◆ここまで付き合ってくれた事へのお礼だ◆






┏───────────┓
  燃料:36   鋼材:83   
  弾薬:91   ボーキ:96
┗───────────┛


【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「……叢雲でいい、って言ってるのに。なんなの、もう!」
好感度:51(+?)
環境・志:4・7
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「暇じゃ……」 
好感度:01(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「なんか、顔を合わせづらいよぉ~」
好感度:34
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「……空母。出番。……別にいいけど、はい」
好感度:04
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3


あ、耐性ない人は開かない方が吉です。気を付けてね

顔があんまり苦しんでいないのと出血が少ないのと抵抗痕やその他痣が見受けられないので恐らくは死後の損壊かと思われます

生前の損壊なら、損壊に至るまでに段階的に嗜虐の痕がでるのでもっと痣なんかが凄いことになりますね
抵抗を黙らせる為に殴り付ける、反応を楽しむ為に攻撃するなどの行為が行われますので
基本的に一足飛ばしでいきなり残虐な行為には至りません
大方が先んじて、打撃痕や切創、煙草を焼き当てた痕などが起こります
そしてその場合は、大方の死体の女性器への侮辱的行為が伴います


という訳で、それほど強烈なグロというのにはなりませんが、慣れてる人以外には辛いかなと

まあ、普通に荒らしのものだと思いますので通報等の対処はこちらでしますので触れないようにお願いします

◆今夜はある。備えよう◆イベントの難易度はそれなりにやりやすいですが、それにしても船がいない◆


◆始めよう◆これからの安価コンマは単発回避な◆下にズレます。あとアサシオ=サンがケジメします◆


提督(……それにしても)

提督(何か俺は、叢雲さんを怒らせるような事をしたか?)

提督(……)

提督(……いや、怒らせてばかりだな)


 ほとんどの場合、叢雲は一度は声を荒らげる。

 荒らげるというか大きくするというか、捲くし立てるというか……とにかくそんなだ。

 まあ、何度言われても「叢雲さん」と呼ぶ癖が出てしまうためだろう。

 思えば以前付き合いがあった女性からも、何度も何度も訂正を受けた――気がする。何度言っても治らない、と。


提督(よそよそしくするつもりはないんだけどな……)

提督(ただ、同性でもないのに呼び捨てというのが慣れないん……だ)


浦風「およ、提督さん」

提督「あ、浦風さん」

浦風「浦風でええって、お堅いのぅ」

提督「……う、固いか」

浦風「何度言っても治さんけん……真面目というより強情とも思えるかいねぇ」

提督「すまん。慣れないだけなんだ」

浦風「うん、そーやって謝るところとかもそうじゃねぇ」


1:提督「(治す特訓に)付き合ってくれ!」
2:提督「……やっぱり、変か?」
3:提督「そういう浦風さ……浦風も、“提督さん”じゃないか?」
4:提督「そういえば、大将は今何を?」
5:提督「……叢雲さんもそう考えるだろうか?」
6:自由安価

↓3


提督「……叢雲さんもそう考えるだろうか?」

浦風「へ?」

提督「直そうとしてはいるんだが……何度も間違えてしまって」

浦風「ああ」

提督「この間も、怒られたんだ」

浦風「ん、どんな風にじゃ? 話してみ?」

提督「ええと――」


 叢雲『何度言っても間違えるなんて、あんた基本的なところがなっちゃいないわ!』

 叢雲『そう! だから!』

 叢雲『だから、教育してあげる! それだけの話よ! 判った!?』


提督「こんな風に……怒らせてしまった」

浦風「……」

提督「……浦風?」

浦風「……」

提督「……浦風さん?」


浦風(そりゃどう考えても、照れ隠しじゃけえ)

浦風(気にするだけの意味はなか――と言いたいところじゃがのう)

浦風(うーん)

浦風(別に何とも思わんが、目の前でいきなり別の女の話題出されて嬉しくないけぇ)

浦風(だまっとこ。面白そうじゃ)


 首を捻る彼に、浦風は嘆息。

 どうにも不器用というか、どことなく素朴な感じがする。

 叢雲もあの分じゃ、恋愛経験など碌にないであろうし――何とも微笑ましい二人だ。

 実に普通で。平和に平凡に生まれたのだと思うと、本当に微笑ましく、温かい目を向けたくなる。


提督「う、浦風?」

浦風「……ああ、そうじゃのう」

提督「あの……」

浦風「……」

提督「……」

浦風「……」

提督「……」

浦風「ありゃ、そーとぉーオカンムリじゃな」

提督「なにっ」

浦風「もう、提督さんの事が憎くて憎くて枕を殴りつけよるよ」

提督「そ、そこまでなのか……!?」


浦風「そりゃあ、折角自分の名前を呼び捨てでえーってゆーとるのに」

浦風「何度も距離が感じる他人行儀な呼び方されたらねえ」

提督「……そ、そうだったのか」

浦風「しかも何度ゆーても直さんと来たら……」

提督「う……」

浦風「控えめにゆーても、三歩下がって影を踏みにじってストレス解消、じゃ」

提督「……な、なんだって」


 だから俺は昔フラれたのか、なんて言いたげに眼を白黒させる提督。

 何ともそんな彼の様子を見ていれば、善人然としていて心が和む。

 大将や、自分がこれまで知っているボス連中とはまた違う――面白い人間だ。


提督「これは、どうしたらいいんだ……俺は」

浦風「そこはほら、うちが手伝ってあげようかいねぇ」

提督「……すまん、助かる」


浦風「まずは、今までの怒りの分を帳消しにせんと」

提督「なるほど……帳消しか」

浦風「当然、『叢雲!』と大声で呼ぶ」

提督「大声で、呼ぶ」

浦風「そうしたら……そう、畳みかけるんじゃ。そのまま走り寄る」

提督「畳みかける……走り寄る……」

浦風「今度は、ショックで上書きじゃ。力強く手を握る」

提督「上書き……手を握る……」

浦風「それから、誠意を表すために相手の目をよぉ~~~く見る」

提督「叢雲さんをよーく、見る」


 浦風が何か言うたびに、彼は心の手帳にメモを取るように頷いた。

 所々、動作をイメージしているのか体が動く。なんともおかしい感じだ。


浦風「最後に……」

提督「最後に……。……最後か、早いな」

浦風「思いっきり、叢雲の唇を奪えばそれで終い、じゃ」

提督「叢雲さんの……唇を……奪う……」


提督「……」

提督「……」

提督「……」

提督「……え?」

浦風「ん?」


提督「その…………そこまでしなきゃいけないのか?」

浦風「したら褒めたるけぇ」

提督「いや、褒めるとかじゃなくて……」

提督「……」

提督「……もしかして、俺の事をからかっているのか」

浦風「もしかしなくてもそうじゃのぉ」


 今更気付いたのか、と浦風が笑ってみれば、提督は目をしばたたかせた。

 どうやら本気で、女性相手にはそこまでやらないといけないと思っていたらしい。途中まで。


提督「……恋人じゃないんだ。そういうのは、その、よしてくれ」

浦風「つまり今まで提督さんは、恋人相手にはそういう事をした事がある……と」

提督「……」

浦風「ふむ。提督さんは意外に受け身で、恋人が求めたら仲直りのちゅーもするんじゃな」

提督「……勘弁してくれ」


↓1 浦風の好感度上昇 ※10D1 ※0なら十の位


◆浦風の好感度が5上昇しました◆ムラクモ=サンはクシャミを連発してました◆


提督(……からかわれたのか)

提督(浦風さんは話しやすいな。人当たりもいいし……包容力もある)

提督(弟や妹がいた事があるのだろうか)

提督(……俺の方が年上、なんだけどな)


 浦風、龍田、雲龍――――誰にしても掴みどころがないというのがある。

 しかし龍田は話してみればどこかしらに危うさが覗く。

 同じように、浦風には気軽さというのがある。

 海賊になる以前から会話がある叢雲が、境遇的には一番近しく会話がしやすいのだが……。

 それでもそれを差し引いても、浦風は話しやすいと彼も思わざるを得なかった。


提督「さて……」



1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価

↓2


叢雲「……あ、司令官」

提督「叢雲さ……叢雲、どうした?」

叢雲「むー」 ジー

提督「……な、なんだ?」

叢雲「まぁいいわ。今回は見逃してあげる」

提督「そ、そうか」

叢雲「……で、司令官。あんた――」


 ずい、と叢雲が顔を寄せる。

 彼らは頭一つ分も身長が違うが、それでも人差し指を突きだしながら迫ってくる叢雲に、提督もたじろがざるを得ない。

 異様な迫力があるのだ。

 何となく仰け反って、背中を壁にぶつけた。セルフ壁ドンだ。


叢雲「何か、私の話とかしてなかった?」

提督「は?」

叢雲「噂をしたらくしゃみが出る……と、言うわ。この間、くしゃみが止まらなかったの」

提督「……」

叢雲「何か、私の陰口とか叩いて……ないわよねぇ……!」

1:提督「か、陰口は叩いて……ない……」
2:提督「ああ、浦風とちょっと……」
3:提督「いや、もっと叢雲さんと仲良くなるためには……どうしたらいいかと」
4:提督「心当たりはないな。叢雲さんはどうなんだ?」
5:提督「……ナ、ナンノコトカナー」
6:自由安価

↓3


◆ゾロ目だ◆何が起きるんですか!?◆ホノボノです。慈悲はない◆

選択肢:2 提督「ああ、浦風とちょっと……」 ※選択肢及びゾロ目にて★+1



提督「ああ、浦風とちょっと……」

叢雲「浦風ぇ!?」

提督「え」


 大声を上げた、かと思ったら。

 若干コメカミを引く付かせる叢雲。瞼が小刻みに動いて、これは――。

 流石に彼にも分かる。非情に、叢雲の機嫌が悪くなった……と言う事だ。


叢雲「ねえ、司令官」

提督「なんだ、叢雲さ……ああいや、叢雲」

叢雲「ストップ」

提督「え」

叢雲「あんた、今私の事をなんて呼んだの?」

提督「叢雲さ……叢雲、だが」

叢雲「……! じゃあ、あの駆逐艦は?」

提督「……浦風、がどうかしたのか?」

叢雲「……………………」

提督「え?」


叢雲「ふーん」

提督「え?」

叢雲「へー」

提督「……?」

叢雲「ほー」

提督「む、叢雲さ――」

叢雲「む! ら! く! も!」

提督「――む、叢雲!」


 怒髪天を突く、という言葉があるが。

 その目は今にも額を裂かんばかりの逆三角形。語気は荒く、髪は重力に逆らい始めている。

 明らかに怒らせた。その原因は明白だ。

 また、例によって「叢雲」と呼び捨てにできなかった。しかも三回も間違えたのである。


叢雲「あんた……どうにも本当に、反省の色が感じられないわね……!」

提督「いや……悪かった。本当に、すまない」

叢雲「ふん、言葉だけじゃあ今更不足ね」

提督「申し訳ない……出来る事なら、なんでもする」

叢雲「う……な、なんでも……ハッ」

提督「叢雲さん?」

叢雲「む! ら! く! も! 何度言わせるのよ、あんた!」


叢雲「あんた、本当に反省が足りないみたいね」

提督「すまない、どうにも癖になってて――」

叢雲「ああそう! なら、よぉ~~~~く修正してあげるわ! 修正を!」

提督「う……」

叢雲「もうこれ、生半可なものじゃ足りないわね」

提督「……すまん」

叢雲「だから――」


 もう一歩、ズイ、と距離を詰める叢雲。

 彼の至近距離。およそ胸の高さほどから、人差し指という銃口を顎先に突きつけて、盛大に睨み上げる叢雲。

 なお、これ以上下がれない。既に提督は壁ドンを受けている。


叢雲「――一日。一日でいいわ」

提督「……一日中走れ、と」

叢雲「あのねえ……なんでそうなるのよ」

提督「じゃあ、一日中……腕立てか……?」

叢雲「陸軍基準で考えるのやめなさいな。この、脳筋緑泥まみれ戦闘服」

提督「の、脳筋……緑……泥まみれ、戦闘服……」

叢雲「一日。たっぷり教育してあげるから明けておきなさい。いい?」

提督「あ、ああ……」

叢雲「返事!」

提督「っ、ああ!」


叢雲「――よろしいっ♪」


↓1 叢雲好感度上昇 +1(ゾロ目一つにて加算) ※10D1 ※0なら十の位 

┏───────────┓
  燃料:36   鋼材:83   
  弾薬:91   ボーキ:96
┗───────────┛


【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「たっぷりエスコート……じゃなかった、罰を負わせてあげるから覚悟なさい」
好感度:56(+?)
環境・志:4・7      ★
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「中々見ん感じじゃけえ……うん、よろしい」 
好感度:06(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「……恋? 恋? うーん」
好感度:34
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「……空母。出番。艦載機。出番。……別にいいけど、はい」
好感度:04
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3



◆みなさんも疑問に思うと思いますが、現地では★は七つ揃うと八つ目が輝いて見えるそうです◆オヌシはモータルか?の隠語◆

◆次に範囲安価が出ます◆艦娘安価です◆名前と数字を書いて貰う事になるとの話です◆

◆それではその前に判定な◆



1~20:駆逐艦
21~40:軽巡洋艦・重巡洋艦
41~60:空母・軽空母
61~80:戦艦
81~00:その他の艦種類

直後


◆という訳で、空母・軽空母だ◆今回は方式が少し特殊になるとの事です◆

◆23:03.00.00に近いうちから7つ◆掛かれた数字とコンマの合計が大きいものです◆


◆“絶影”の龍鳳◆トリズナー・カンムスのノミネートだ◆またしても境遇が酷い。どうなっているのだ。おかしいと思いませんか?◆

ここまでのストック


・浜風:31

・最上:25

・龍鳳:18



提督(……殆どの時間を、交流に使っているな)

提督(……)

提督(あれほどの事があって、何かしらあの泊地からアクションがあるかと思っていたが……ない)

提督(……向こうにとっては、それほど捨て置く事なのか?)


 少なくとも周辺海域に、海賊掃討艦が出たという話は聞かない。

 念のために期間を設けたが、敵の動きはない。

 そろそろ、動くべきときだとしても問題はないだろう。


提督(……大将はどこで何をしているんだ?)



1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価

↓2


龍田「提督さん、いいかな~?」

提督「ああ、ちょっと待ってくれ。着替え――」

龍田「え」

提督「――て、る……んだ……」


 遠慮の欠片もなく、扉が開かれた。

 上半身は剥き出し。シャツの形に日焼けした肌のコントラストが何とも物悲しい。

 扉に背を向ける提督は、肩越しに硬直する龍田を眺めた。


提督「……」

龍田「……」

提督「……龍田」

龍田「……どうしたの~?」

提督「その……扉を閉めてくれ」

龍田「中に入れ、ってことかなぁ~?」

提督「……どうしてそうなる」

龍田「えっと、二人きりになりたかった……とか?」

提督「……」



 ……気を取り直して。

 龍田は、マジマジと眺める訳でもなければ顔を背ける訳でもない。

 ただ平然と、にこにこと笑っていた。

 寧ろ提督の方が、男に肌を晒す事になった生娘の如く紅潮した。

 というか、まるで意に介されないというのはそれはそれで傷付くものがある。


提督「……それで、どうしたんだ」

龍田「お仕事の、以来かなって」

提督「……」

龍田「一応、私たちは表向きにはいないから……責任者として、ね」

提督「なるほどな」


 街には繰り出すし、存在も知られている。

 だがそれは雑踏――という建前があるのだろう。

 とりあえず、取次などはしたとしても、龍田たちが表立って商談に入る訳にはいかないらしい。



1~20:深海棲艦の鹵獲
21~40:航行船への海賊行為
41~70:船の破壊
71~99:特定人物の輸送任務

&ゾロ目で、艦娘ゲット


↓3


  「へぇ、随分と今度は色男が現れたもんだな」


 白いスーツにくすんだ茶髪。鳶色の瞳。

 鼻が高い、白人の男。鷹揚な身振り手振りで、来客用の簡素な部屋で肩を竦めた。


提督(……四人か)


 男の周囲には黒服。浅黒い肌と、完全に黒い肌。どちらも巨漢。それと神経質そうな顔立ちの痩身の男。

 内二人のスーツの前のボタンは留められていない。

 重心がやや傾き、脇が閉じ切っていないのは筋肉の為だけではないか。左の腋の下に、おそらく拳銃。


提督「それで、うちに今回はどんな御用ですか?」

 「おいおい、そうも急ぐものじゃないぜ。せっかちは嫌われるぞ?」

提督「……」

 「チャイニーズかジャップかは知らないがね、そうあくせく急いでも思ったほど儲からない」

 「労働が尊い善人ってのは、得てして貧乏な小作人……そうだろう? 聖書にも書いてある」

提督「……すみません。キリスト教には疎くて」

 「ジョークにも?」

提督「はい。ですから申し訳ないので、これ以上話をしていても面白みなんて無いと思います」

提督「どんなご用ですか?」

 「……やれやれ。――おい」



 差し出された封筒。

 受け取って相手に目線を向ければ、無言で促すジェスチャー。

 開いてみれば、写真と海図。どこかのポイントが打たれている。


提督「……これは?」

 「うちの船員がドジっちまってね。そこに船を座礁させちまった」

 「これで1.21ジゴワットの電力があるんだったら、何とかそいつらのケツを蹴り上げて出航を控えさせるんだがね……生憎そんな発電機はない」

 「そういう訳で残念ながら……うちとしても残念だが、その船の廃棄を決定した訳だ」


 座礁――島嶼部や浅瀬を進んでいた、という事か。

 あまり大きな船舶ではそれが行えない。必然、量が必要とされない積荷。

 もう一つ、そんな場所を進んだ理由は――深海棲艦を避ける為、であろう。


提督「それで。我々にはサルベージの依頼を?」

 「いいや? もう、湿気っちまって使い物にはならねえだろう……誰だって塩と区別がつかないアイスは欲しくない。そうだろう?」

 「愉快な夢の国に、鼠じゃなくて魚だらけのところには行けるかもしれないがね」

 「そうなりゃ売りさばいた奴が、それこそ本当に愉快な魚の国行きだ……責任者はもう行ったが」

提督「……」

 「ま、だからって……廃棄された船、掘り起こすものじゃない。ノストロモ号の悲劇はごめんだ。そうだろう?」

 「『証拠を残すな』――小さな頃、ママに言われなかったか? つまりはそういう事だ」


 回りくどい喋り方をすると、提督は眉を顰めたくなった。内心、うんざりしていた。


提督「……つまり、雷撃処分が依頼だ、と」

 「平たく言えばそうなるが、もう少し風情のある言い方はできないもんかね?」

 「魚に家を提供するとか、綺麗な水飛沫を上げるとか」

提督「……」


 黙っていれば、肩を竦める男。

 相当おしゃべりな性格らしい。――或いはそれもアピールなのだろうか。

 自分が優位であると、ゆとりを持って振る舞えると、冗談を飛ばす余裕があると。

 提督はどことなく、彼の以前の体験を回想していた。

 戦闘の恐怖に飲まれないように、しばしば戦場ではジョークが飛び交う。

 内容が面白いか否か、不謹慎かどうかは些細な問題。

 それと同じようなもの、なのだろう。


提督(……賃金は、と)

提督(これを換算しても……燃料が2、弾薬が1艦娘戦術単位ぐらいか)

提督(さて……)




1:そのまま仕事を受ける
2:もう少し吹っかけてみる  (知能指数+精神的②以下のコンマにて達成)
3:船の積荷のいくらかのサルベージと共に、報酬を上げるように提案 (知能指数+精神的①+②以下で達成)
4:自由安価



※3は難易度がやや上昇する


↓3

知能指数(11)+精神的①(17)+精神的②(26)=54 よりコンマ下にて達成


提督「……こんなご時世だから、運ぶのも大変じゃないのか」

 「あん?」

提督「それも、我々に依頼するか……それとも泊地に頼ればよかったのに、それもしない」

 「……」

提督「陸路を使えばいいとしても……それよりも海路の方が都合がいい事がある。特に深海棲艦がいるから」

 「なにが言いたいんだ、てめえ」


 男の口調から、冗長な長台詞が消えた。

 その事を頭の片隅で理解しつつ、提督は至って平然と答えた。


提督「うちも、うちの社員を殺人者にはしたくない」

 「は?」

提督「だから……本当に雷撃していいのか、確かめる必要がある。船内を」

 「てめえ……それは……」

提督「その過程で……まぁ、見たくもないものを見るかもしれないし、拾うかもしれない」

 「恐喝しよう、ってか……一運送屋が、俺たちコルスを」


提督「いや、これは仕事には必要な事だ」


 その言葉は恐喝めいているが、実際のところ提督の本心でもあった。

 叢雲は、ああも憔悴した。

 龍田や浦風、雲龍がどうなるかは判らない。彼女たちは、既に割り切っているのかもしれない。

 だがいくら割り切ろうとも、人間には捨てきれないものがある。

 どれほど忘れようとしても、どれほど考えないようにしても……行いには相応の対価があるし、それには呪いも付き纏う。

 そんなものから彼女たちを守るのは――提督の役目だ。

 命も、心もそうだ。

 だからこの先に必要となる資源を確保する事にも、妥協というのはなるたけ避けるべき事。


提督「うちとしても、生きているものがいるのに焼き払った……なんてショックを社員に負わせたくない」

 「……」

提督「だから確かめざるを得ない。その点については承知して貰いたい」

 「……話にならねえ」

提督「ところで……積荷は、随分と貴重なものだった。そう言う事ですよね?」

 「……」

提督「確かめて、何か拾うかもしれない。……そうなったら勿論、持ち主に返却する」

 「あん?」

提督「まあ、本当に言葉の通りなら何も落ちていないなら……我々は確認する必要もないとしても」

 「……」

提督「何かあるなら、忘れなきゃいけない。代わりに落ちていた財布が届く。そういうものじゃないのか、キリスト教ってのは」

 「……なるほどね」



 ……男と同じく、直接的でない回りくどい言葉を使って。

 何かも知れない積荷が、無事なら彼らの元に届く。――そんな契約をした。

 本当に、積荷とはなんだろうか。

 それを届ける事で、余計に誰かを不幸にする事に成りはしないかと――彼としても思わない訳でもないが。


提督(……俺たちも、何もしないでやられるわけには行かない)


 やはり、備えなくてはならない。

 備える為の、その基盤となるものが――例えば燃料だったり資源であったり――必要だった。


龍田「大丈夫~」

提督「……なれない喋り方を、するもんじゃないな」

龍田「そ~ぉ~?」

提督「俺じゃなくて、君が交渉についた方が……よっぽど上手く行ったんじゃないのか」


 或いはそれも含めて。

 試金石として、試されたのかも知れないが――。


◆判りやすく説明しよう◆

◆今回のお仕事で手に入る【資金】は3だ。最低値で◆

◆賃金は、同等の量の好きな資源と引き換えられるものだと思ってほしい◆10で『高速修復剤』だ◆

◆今回は、出航した艦娘の数だけ判定が行える◆サルベージ判定な◆

◆サルベージしたものによって、【資金】が変動する◆

◆サルベージ判定に必要な能力値は、知能指数とセンスだ◆重点な◆

◆しかし深海棲艦などとの戦闘もあるかもしれない◆注意な◆

◆少ないとサルベージ判定が上手く行かないが、多すぎても今度は収益が見合わなくなる◆

◆なお出撃の係数は>>251を参考にしてほしい。あまり動かすと損しかしない◆

◆ちょっとコンマな◆




1ほどハード 9ほどぬるい

↓3 ※ゾロ目にて……


◆やったぜ◆深海棲艦出現や色々があるのでハードになる◆やったぜ◆

◆25:35から、今回の出撃艦娘を決める安価が入ります◆備えよう◆


◆↓2 出撃する艦娘を選ぶのです◆

◆叢雲・浦風・龍田・雲龍から選択可能です◆複数可能な◆


┏───────────┓
  燃料:36   鋼材:83   
  弾薬:91   ボーキ:96
┗───────────┛


【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「たっぷりエスコート……じゃなかった、罰を負わせてあげるから覚悟なさい」
好感度:56(+?)
環境・志:4・7      ★
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「中々見ん感じじゃけえ……うん、よろしい」 
好感度:06(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「……恋? 恋? うーん」
好感度:34
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「……空母。出番。艦載機。出番。……別にいいけど、はい」
好感度:04
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3



浦風「……」


◆叢雲・龍田・雲龍な◆丁度いい。艦娘が死ぬ。悲しいと思いませんか◆



↓1 ???
↓2 ???
↓3 ???


※コンマ大とコンマ小

はい、ありがとうございます。この通りに生きます


叢雲「さあ、着いてらっしゃい。私が水先案内人になるわ」

龍田「それ、意味違うかな~って」

雲龍「……ついてったら、沈むの」

叢雲「うっ」

叢雲「ちょ、ちょっとぐらい間違えただけよ!」

龍田「……」

雲龍(やった出番。やった)


 前回の反省を踏まえて――という事で。

 制空権の確保のために、雲龍を伴った編成。浦風は、いざというときの為に泊地に残る。

 龍田が同行したのは、単純だ。

 サルベージなどという、神経を使う作業は……叢雲が不得手であるのでは、と思った為。

 あとは、彼女としてはショックの大きいものが見つかるかも知れない。

 そんなときのために、龍田がいた方が心強い為だ。


叢雲「さて、そろそろ海域……って」

叢雲「司令官」

提督『どうした?』

叢雲「いいニュースと悪いニュースと更に悪いニュース、どこから聞きたい?」


提督『……君の聞かせたい事からで頼む』

叢雲「それじゃあ一つ。まずは――目標の船が見つかったわ」

提督『それが、いいニュースか』

叢雲「二つ目。近くに、艦娘がいる」

提督『……』


 サルベージが不可能になったかと、提督は頭を押さえた。

 そもそも任務達成、ともいかない。

 「見られて困る物資」が、よりにもよって艦娘に捕捉されてしまっているのだから。

 彼女たちに見つからぬように雷撃処分を行ったとして――そこから逃げる最中で、戦闘になるのは必至。

 それも撤退戦。分が悪い。


提督『……相手の艦種は?』

叢雲「まあ、待ちなさいな。ここからもう一つニュースよ」

提督『一体、なんだ?』

叢雲「その艦娘、深海棲艦とやり合ってるわ」

提督『……』


 深海棲艦は、人を喰らう。燃料を啜る。弾薬を飲む。鋼材を食む。

 座礁した船というのは得てしてその犠牲になるし、そも奴らが船を襲うのはその為。

 間違いなく生体であるというのに、機械のような機関が備わっている。

 そして、兵器のようなものをエネルギー源として活動する――。

 そんな新種の生命体が――即ち、深海棲艦だ。


叢雲「えっと……見た感じ、駆逐艦が一人。重巡が一人。空母か軽空母が一人」

提督『戦況は?』

叢雲「……艦娘の方が、ちょっと旗色が悪いわね」


 叢雲の眼前では、大破状態の艦娘が一名。

 それから、中破状態の重巡洋艦。

 小破状態の、艦載機を繰り出す艦娘が何とか戦況を押し留めている。


龍田「この分なら、戦闘の余波でほっといても沈むかも~」

雲龍「艦娘が勝ったなら、怪我からして引き返すと思います……深海棲艦が勝ったら獲物は片方」

龍田「奇襲するなら、その方がやりやすいよぉ~」


 勝利に微笑むその横面を、最高のタイミングで殴りつける――。

 龍田が提案するのはつまりはそういう事だ。


叢雲「……司令官、どうするの?」

提督『……』

叢雲「あんたの判断なら、従うわ。……ズルい言い方だけど」

提督『いや……俺が指揮官だ。それは当然だ』

叢雲「でも……あんた一人に決めさせない。ちゃんと、こっちでも伝える事は伝える」

叢雲「引き金を引くのはあんたの意思だとしても……撃つのは私、よ」

叢雲「一人になんてしない。一緒に、背負う」

提督『……』


1:救援に向かう
2:事態を静観し、その後に行動を行う
3:戦闘の混乱中に雷撃を行う
4:二手に割る。捜索チームと、救援チーム
5:自由安価


↓3

選択肢1:救援に向かう (叢雲好感度ボーナス)



提督『……すまん、叢雲』

叢雲「えっ」

提督『この間は……俺の意思で敵を討つと言った。俺が奴らを許さない、と』

叢雲「……ええ」

提督『だけど……ああ、すまない』

叢雲「……何、よ」

提督『例えあの泊地の艦娘だとしても――目の前でそうして、危険にさらされているというなら』

提督『俺には、見捨てられない』

叢雲「――」



 泊地の司令官は敵だ。

 そして状況から考えるなら、あの叢雲が直面した事件に関して。

 あれはあの泊地の艦娘が、おそらくは死亡した艦娘以外に護衛についていた艦娘が。

 そんな破壊工作を行った――そう考えるべきだろう。

 どこまでに泊地の司令の手が及んでいて、どこからは叢雲のように善良なのか。

 それは、神ならぬ彼には気付けない。

 だとしても――。


提督『すまない。……その彼女たちの、救援を頼めるか?』

叢雲「……こっちにも、任務があるのに?」

提督『……ああ』


 努めて平坦な叢雲の声に、司令官は言葉を濁しながら応じた。

 つまりは勝算が低いが。

 念のための案というのも用意している――という事だろうか。

 案にも至らない、ただのふとした思い付きかも知れないが


提督『それについても……一応は、策はある』

叢雲「あら、そう」

提督『結果的に君たちも危険に晒す事になるが……』

叢雲「別に構わないわ。艦娘の資格を奪われたあの日から、危険とかそういうのはもう覚悟できているし……」

提督『……』

叢雲「それに」

提督『叢雲?』

叢雲「司令官が“そう”決めたなら、“それ”に従う――」


 知らず、叢雲の声にも覇気が宿っていた。

 彼女自身気付いてはおらぬが、彼女の司令官が取った行動は――正しく彼女が理想として艦娘になった理念と等しい。

 だからこそ。自分から言わずとも、それを選択してくれた司令官の事が。

 そんな彼の為に戦えるという事が。


叢雲「自分の信じる司令官の作戦を、犠牲も出さずに完遂させる――」


 叢雲には、誇らしかった。


叢雲「――――いい艦娘というのは、そういうものよ?」


◆今日はここまで◆救助が選ばれない場合、龍鳳以外は死にました◆

◆そして龍鳳は責任を取らされて酷い目に遭いました◆まさにマッポー◆


◆次回予告な◆

 なぜ、どうして戦う。
 なぜ銃を向けあう。
 ともに落ちた水の底で、互いの心の中を覗く。
 そこには、荒涼たる荒波の中、
 闇夜に銃を求めて立ち尽くす、孤独な己の姿が在った。

 次回「ブラッド・バス・イン・カレーオーシャン」。
 死が互いを分かつまで。

◆ちょっと安価な◆単発可◆


一の位
0:なし
9 駆逐イ級・ロ級・ハ級・ニ級
8 軽巡ホ級・ヘ級・ト級
7 雷巡チ級
6 重巡リ級
5 軽母ヌ級
4 戦艦ル級
3 空母ヲ級
2 潜水カ級・潜水ヨ級
1 戦艦タ級・戦艦レ級

十の位、敵練度


↓1 ↓2 ↓3


レ級「――来ちゃった♪」


では


提督『それじゃあ、作戦開始――――。無線は2チャンネル。短波・艦娘交信用。中波・指揮官回線』

叢雲「諒解、よっ」

提督『マイク、エコー送れ』

叢雲「えこ……紛らわしいわね。エコー、えーっと」

雲龍「CT、1……BB、2。うち一隻はレ級です……」

龍田「うーん……あの重巡の中破分だと初撃は潜水艦の奇襲、かなぁ~」

提督『潜水艦……判った。ありがとう、タンゴ』

龍田「いえいえ~」

提督『レ級、か……こんなところにお出ましになるなんて』


 冗談めいている。

 浅瀬に逃げ込めば、魚雷などの攻撃を受けなくなる。座礁を恐れて、敵も深追いも避けるだろう。

 だが、レ級は戦艦でありながら航空機も飛ばす。

 寧ろ、逃げ込んだ事で回避行動が取り難くなる。逆に致命的である。

 そう考えながら、同時に司令官は考えた。

 龍田の言うように、おそらくは初撃は潜水艦。それと雷巡。

 潜水艦を躱すために浅瀬へと逃げ込んだ――だが、深海棲艦側の作戦だった。一方的に攻撃を仕掛ける為に。

 ここで、戦闘距離が長大な戦艦であるという事も敵に利するのだ。


叢雲「レ級が次々に艦娘を沈めて行った泊地がある、って都市伝説信じたくもなるわ……近いし」

提督『偶然だ。……それでパッケージは?』

雲龍「パッケージ、インサイト。……動きが悪いわ」

提督『諒解』


 当然だろう。

 負傷者を抱えているというのもそうであれば、座礁を恐れているというのもある。

 艦娘の発する電磁障壁は、基本的に水上分に対して強く働く。

 だが、水面下に出ないという訳ではない。

 水相手では減衰が激しいため常時展開はしないが、緊急時には作動する仕組みだ。

 その、探知用の電波。それが浅瀬の岩陰などに近付くと、航行速度との差で“敵攻撃だ”と誤作動を起こす。

 結果として電磁障壁を多大に展開してしまい、障壁とそれを構成する回路――衣服に組み込まれている――が焼き切れる。

 これがいわゆる、艦娘の座礁だ。


提督『……マイク、泊地に居たときの識別コードは?』

叢雲「まだ持ってるけど……使えるかどうかは、判らないわ。対策されてるかもしれないし」

提督『それでもいい。安心させてやるんだ……不明船影じゃ、あちらも落ち着かないからな』

叢雲「諒解。……どうする? 呼びかける?」

提督『それはいい』


龍田「レ級とタ級は長距離砲撃、かな~」

雲龍「チ級は二隻の周りを哨戒……してます」

提督『諒解』


 さて――と考えた。その後提督は、言葉を達す。


提督『最優先パッケージ、CVLロメオ』

叢雲「……一番軽傷だけど」

提督『恐らく彼女がいるから、レ級の航空攻撃に食い下がっている。ここで沈まれるのは不味い』

叢雲「そうね……確かに」

提督『パッケージ、DDホテルは?』

雲龍「重傷。……意識レベル――20ぐらいに見えます」

提督『諒解。……時間はかけられないな』

龍田「CAマイクは応戦してるから、まだ壊れたりないよぉ~」

提督『諒解』


提督(……同じ場所に居ない、というのは不便だな)

提督(指示が伝えにくい。向こうの状況も、想像の域をでないし……)

提督(それに……彼女たちの戦闘は高速だ)

提督(船として見たら大したことがなくても、生身で出せる速度としては早すぎる)


 人間の全力疾走世界記録の、一.五倍強の速度で移動しつつ、同じように移動する人型の的に攻撃を加える。

 それぞれの艦種によって、単純な戦闘速度とは別に機動性や敏捷性の差が現れるから一概には言えないが……。

 それこそ、言うなら――反応速度は超音速で戦闘する航空機のパイロットにすら比肩する。

 生半可な命令は――設備があるなら兎も角――足枷を付けるのと同義となろう。


提督(航空機を撃滅しつつ散開、遮蔽物に逃れる――)

提督(――駄目だ。戦艦相手に足を止めたら、火力で遮蔽物ごと薙ぎ払われる)

提督(なら……)

提督(パッケージよりも、敵との交戦を優先――)

提督(――駄目だ。パッケージが味方とは限らない。戦闘に乗じて逃げ出されたら、こちらがババを引く)

提督(……)

提督(……どうしたものかな)


1:パッケージ:CVLロメオ(龍鳳)への協力と説得を試みる
2:パッケージとは別方向から、このまま深海棲艦を殴りつける
3:自由安価

↓3

◆という訳で方針が決まりました◆誰か戦闘シーンカットしてくれませんか?長いです◆

◆それでは恒例の艦娘のアレを行います◆


カラテ……戦闘力や鍛練・経験など。環境が悪いほどカラテは高い。(10-環境)+コンマ

知能指数……教養など。環境がいいほど知能指数は高い。環境+コンマ

センス……様々な物事に対する勘。環境+志(10を超えると一周)+コンマ

精神的……精神力や平常心など。志+コンマ/(10-志)+コンマ

ブッダ……運。クリティカル範囲に影響があると言われる。コンマ

体温……高いほど性的に弱い。コンマ


※ゾロ目は+10ボーナス

※コンマ1桁。0は10と見做す

※境遇がゾロ目では、コンマ前の数値を倍にする


【龍鳳】
好感度:00
環境・志:1・8
カラテ:9+    知能指数:1+ センス:9+
精神的:8+/2+ ブッダ:?  体温:?


↓1 カラテ
↓2 知能指数
↓3 センス

【龍鳳】
好感度:00
環境・志:1・8
カラテ:10    知能指数:10 センス:11
精神的:8+/2+ ブッダ:?  体温:?


すごく……普通です……


↓1 精神的①
↓2 精神的②
↓3 ブッダ
↓4 体温

【龍鳳】
好感度:00
環境・志:1・8
カラテ:10    知能指数:10 センス:11
精神的:18/7  ブッダ:8    体温:2


(メンタルが)ちょろい



最後に好感度(というか今回は練度)

↓1 コンマ

ファッ!?

選択肢:3 参上した旨だけ龍鳳に伝えて2  【GOOD!】 (指揮ボーナス+5)



提督『……このまま、掛かるぞ』

提督『パッケージに交信。こちらが敵ではないと通達しろ。救援だと』

叢雲「諒解。……いいの?」

提督『ああ。向こうとしても、悪戯に争いたくはないだろうから』


提督(救援と言っておけば、無闇な交戦や消耗も控えられる)

提督(この状況……向こうとしては、救援は願ったり。少なくとも攻撃はされない)

提督(深海棲艦はそんな事情を知らない)

提督(或いはこちらの不和などが見られたならそうでもないだろうが……)

提督(奴らにとっては、警戒する対象が二つに増えた……そうとしかならない)


 この状況で――生き残ること。まずそれを第一に考える。

 仕えるものは全て使って、なんとしても作戦目的を履行する。

 『叢雲たちを守る』『艦娘を助ける』『任務を遂行する』――両方やらなければならないのが、指揮官の辛いところだ。


提督「覚悟はいいか? ……俺はできてる」


叢雲「誰に行ってるのよ。――マイク、エンゲージ」

龍田「さーて、死にたい船はどこかしらぁ~。――タンゴ、エンゲージ」

雲龍「機動部隊の力、見せてあげる。――ユニフォーム、エンゲージ」


 賽は投げられた。

 航跡記録装置も、航空機による広域監視能力もない。

 その中で提督に出来る事といったら、報告を聞き/情報を統合し/状況を分析し/戦況を判断し/司令を下す事。

 あとは座して、待つしかない。


叢雲「あー、あー」

叢雲《こちらエックスレイブラボー。――そこの艦娘、聞こえる?》

龍鳳《えっ!?》

叢雲《時間がないから手短に伝えるわ。私たちは味方。深海棲艦は敵、いいわね?》

龍鳳《ありがとうございます! 私は、航空母艦娘、龍鳳です》

叢雲《そう。じゃあ、よろしく》

という訳でまた夜に

戦闘シーンは船のそれに陸軍のと空軍のを合わせるデタラメ方式なんで真に受けないでください

自由安価で良さそうなものがあったら指揮にボーナスが掛かります
あとは自由安価で面白いのがあったら安価外でも拾うんでな

まあ、戦闘はゆるりとやっていきましょう。ホノボノ!

CVL=軽(Light)空母(CV)
BB=戦艦(Battleship)
CT=重雷装(Torpedo)巡洋艦(Cruiser)
CA=重(Armored)巡洋艦(Cruiser)
DD=駆逐艦(Destroyer)

マイクだのユニフォームだのは無線識別符号というか、無線だとBとEとDとTとか音割れなんかで聞き間違えるんで
それぞれアルファ(Alpha)だのブラボー(bravo)だの割り当てた奴
片仮名の頭文字のアルファベットで、今回は無線傍受されて身許割れが面倒くさい(が、叢雲たちも慣れてない)のでイニシャルとった

叢雲(Murakumo)ならMで、マイク。龍田(Tatsuta)ならTでタンゴ
金剛(Kongo)なら嫁艦(mai-waifu)でマイクウィスキーという感じ

エンゲージ(交戦)、パッケージ(護衛対象)、インサイト(視認)

意識レベルはお医者さん達が使う奴(数字が増えるほど意識ヤバイし呼び掛けにも答えない)


陸海空ごちゃ混ぜで、何となく雰囲気だけそれっぽく察してくれれば程度だったんだけどそうか、まぁ、そうだわな
なるべく専門用語は控えるか判りやすくいくよ
1=サンも別にミリオタではないからな

あ、大体22時からなので備えよう

すまない、ちょっと話込んでた

ゆるりと始めようか


提督『レ級……か』


 曰く――最強の深海棲艦。

 曰く――人の形をした悪夢。

 曰く――万能兵器存在。

 初陣を飾る相手としては、余りにも大きすぎる首級である。

 緊張感に体を固くし、知らず、彼はその手に汗を滲ませていた。


叢雲「あら、不安かしら?」

提督『正直に言うならそうだが……』

叢雲「なら――」

提督『――期待の方が大きい。君たちに対する、な』

叢雲「へっ」

提督『俺は艦娘というものを良くは知らないが……俺の知っている限りじゃ、君たちは最高の兵士たちだ』

龍田「あらぁ」

雲龍「……」

提督『そんな最高の兵士と共に勝利を手に出来る……その事への期待の方が、大きい』

叢雲「……乗せるの上手いわね。いい口説き文句よ」

提督『正直に言っただけだよ』

FRIEND

【叢雲】 「たっぷりエスコート……じゃなかった、罰を負わせてあげるから覚悟なさい」
好感度:56(+?)
環境・志:4・7      ★
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【龍田】 「……恋? 恋? うーん」
好感度:34
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「……空母。出番。艦載機。出番。……別にいいけど、はい」
好感度:04
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3

ENEMY

【雷巡チ級】
練度:50
環境・志:?・?
カラテ:12    知能指数:?? センス:12

【戦艦タ級】
練度:24
環境・志:?・?
カラテ:18   知能指数:?? センス:18

【戦艦レ級】
練度:24
環境・志:?・?
カラテ:20    知能指数:?? センス:20


※雷巡チ級は中破以上に追い込まないと雷撃ブッパしてきます

※(練度(好感度)+カラテ+センス+指揮)-(練度+カラテ+センス)でコンマ範囲を割り出します。怖いね

※雷巡の係数は1.4。重点な



叢雲:26+(56+↓1の十の位+↓1コンマ一の位)+15+5

龍田:12+(34+↓2の十の位+↓2一の位)×1.2+15+5

雲龍:18+(4+↓3の十の位+↓3の位)×2.0+15+5



※0は10として換算

※ゾロ目は+10ボーナス


叢雲:26+(56+4+8)+15+5=114

龍田:12+(34+2+4)×1.2+15+5=80

雲龍:18+(4+9+10)×2.0+15+5=84




チ級:12+(50+↓1の十の位+↓1の一の位)×1.4=

タ級:18+(24+↓2の十の位+↓2の一の位)×2.0=

レ級:20+(24+↓3の十の位+↓3の一の位)×2.0=


叢雲:26+(56+4+8)+15+5=114

龍田:12+(34+2+4)×1.2+15+5=80

雲龍:18+(4+9+10)×2.0+15+5=84


チ級:12+(50+8+5)×1.4=100

タ級:18+(24+1+10)×2.0=88

レ級:20+(24+3+4)×2.0=82




◆10差で小破◆15差で中破◆20差で大破◆それ以上で轟沈◆


最小限ダメージ行動に移行します


提督(雷撃は……防御の関係から、直撃を受ければ損傷は免れない)

提督(そして損傷になる――自動防御システムの電波覆域は、艦種が大きいほど広い)

提督(なら――)


 基本的に艦娘・深海棲艦の持つ魚雷は、磁気偏差や電波のパッシブ方式(受信方式)で起爆する。

 艦娘は回路を組み込んだ衣服への通電による電磁障壁――、

 およびその、通電を制御する為の“電磁障壁を張るか否かを選択する為”の自動防御システムを持つ。

 その自動防御システムの要が、自機に対して飛来する物体の脅威度を計測する電波覆域。

 これを基に、魚雷は信管を作動させる。

 実在の船と異なり、水上を航行する艦娘や深海棲艦が魚雷被害を受けるのはこの為だ。


提督『マイク! 敵CTには君が当たれ。全弾、君なら回避できる』

叢雲「当然ね。私を誰だと思っているの!」

雲龍「司令部、こちらユニフォーム。CVLから増援を確認よ」

提督『諒解。敵BBレ級の艦載機は二手に分かれる……君も戦力を分割して、タンゴの援護』

雲龍「そう……よし、第一次攻撃隊、発艦始め」

提督『タンゴ、敵BBレ級と交戦――とにかく奴を引き付けろ』

龍田「へへ~、倒しちゃってもいいんだよ~」


提督(戦艦……か。砲撃戦となったら、分が悪い)

提督(こちらの決定力は、それぞれの魚雷と雲龍の艦爆――)

提督(とは言っても、この状況なら確実に魚雷を当てに行くとしたら)


 彼が取った判断は、敵の強いものにこちらの強いものをぶつけるという拮抗。

 孫子なら、こちらの最弱を敵の最強にぶつけて、その後に二戦上げたであろう。

 事実として、たとえば叢雲がレ級に当たっていれば、少なくとも敵を一隻轟沈させられた可能性は高い。

 しかしながらも、同等に彼の艦隊の一隻は甚大な損害を負っただろう。

 これが人を数として見る戦闘面なら彼の判断は間違いであるが――。


提督(こちらの目的はパッケージの護衛)

提督(そして、我々には資材がない……大破などは、今後の戦力の損失)

提督(ならここは、拮抗で十分だ。戦況が変化するまで、引き付ければいい)


 そして果たして――。


叢雲「行くわよ!」


 駆逐艦娘の本分は何よりもその敏捷性。

 動き回る的へと直撃させるのは古来からの艦隊戦でも極めて難しい事であるし。

 何よりもそれが人のサイズともなれば、困難の一言で片付けるのは愚問。

 まずは敵の露払いを押しのけるのが雲龍と龍鳳の艦載機。

 そのまま制空権を脱した無人航空機は、戦艦クラスへのけん制を行う。

 見通し距離5マイル。それぞれが接近する時間にして9分。回避行動を含めればそれ以上。


雲龍「……任せて」


 その間の歯止めを行うのが航空母艦の仕事。

 歯止め、などと生易しいものではない。油断すれば、直撃弾の一つを貰えば轟沈するのだ。

 それを為すのは雲龍――常人では気が狂うほどの、百を優に超える航空機を脳波で制御する。

 卓越した空間認識能力/抜群の情報処理能力/逸脱した並行作業能力――航空母艦が航空母艦たる証。


龍田「どこから落とそうかな~っと」


 明らかにクラスが違いすぎる、火力が違いすぎる戦艦型深海棲艦と会敵するのは龍田。

 駆逐艦より優れた射程距離で、己の射程圏ギリギリで以って戦艦を牽制する。


 


◆雷撃戦◆


叢雲:(56+26+7+20)-(50+12+12)=35以下の場合、叢雲による返り討ち




&???判定


↓1 ??? 隠密補正値(コンマ1桁+コンマ2桁)

↓2 ??? 隠密補正値(コンマ1桁+コンマ2桁)


◆コンマ範囲を間違えた◆これはアサシオ=サンのケジメ案件では?◆

◆叢雲さんのカミナリ・ソニックブーム・ジツ◆雷巡は爆発四散!ワザマエ!◆


【潜水カ級】
練度:30
環境・志:?・?
カラテ:5    知能指数:?? センス:5

【潜水ヨ級】
練度:30
環境・志:?・?
カラテ:8    知能指数:?? センス:8



龍田:(34+12+23)+↓1コンマ合計=

雲龍:(4+18+30)+↓2コンマ合計=


カ級:(30+5+5)+(1+6)+↓3コンマ合計=

ヨ級:(30+8+8)+(6+8)+↓4コンマ合計=

龍田:(34+12+23)+8+8+10=95

雲龍:(4+18+30)+3+1=56


カ級:(30+5+5)+(1+6)+3+9=56

ヨ級:(30+8+8)+(6+8)+6+6+10=76


◆差が20ですね◆ゾロ目ですね◆ニッコリ◆


叢雲「はっ」


 雷巡が放つ雷撃を目にした叢雲の取った行動は実に単純だった。

 正面から迫りくる雷撃、叢雲の軌道を読んで行ったのだろうが――。


叢雲「――信管作動制限解除。3、2、1」


 通常――前にも言ったと思うが。

 艦娘は、自分自身が放つ電波に信管が反応する事を――つまりは。

 己の放つ雷撃で損壊を受けぬように、信管の作動タイミングを余裕を設けている。

 だが、彼女はその信管の設定を変えた。

 即ち、己自身の電波により信管が作動するように。


叢雲「魚雷なんてのはね、見て対処できる距離で撃っても仕方ないのよ」


 直後に、己が切り離した魚雷から距離を取る叢雲。

 魚雷はかつて彼女が提督に話したのと同じく之字運動を行い、滞留。

 そして、彼女の圏境寸前で電波を受信して――爆発。

 無論のこと、ただの自爆ではない。

 これは、相手の雷撃を巻き込み――そして、


叢雲「勉強になった? 来世では、よーく学ぶといいわ」

叢雲「――駆逐艦の勇敢さを、ね」


 巻き上がる水柱に紛れて、敵雷巡に接近する為。

 至近距離近付いた叢雲が、雷巡チ級の仮面を這いで魚雷を食道へと叩き込み――逆の左でアッパー。

 無理やり拳で歯の根を噛み合わされた雷巡は、尋常ならざる膂力に空中へと巻き上げられ――。

 そしてて、頭部で魚雷作動により――爆発四散した。


龍田「えーっと……」

龍田「雲龍ちゃん、ちょーっとそこ危ないかな~」

雲龍「え?」


 龍田には――ある特性があった。

 特性というよりは、経験に由来する“勘”と言おうか。

 彼女は、相手の感情が読める。

 感情と言うよりは、悪意と言うべきだろうか。

 自分に向けられる害意を、彼女は理解できるのだ。

 獣じみた本能に由来する、害敵意思を。


龍田「潜水艦が潜んでる――とは聞いてたけど」

龍田「うん」

龍田「水上打撃力で引き付けて、横合いからかな」


 右舷。言葉通り、横合いから一直線に進み来る白の航跡。


龍田「それで……きっと」

龍田「もう一隻、っと」



 果たしてその言葉通り、


雲龍「……潜水艦ッ!」

龍田「ね?」


 龍田が薙刀で示す先から現れたのは、同じく魚雷の白の航跡。

 回避行動を取った相手を葬るために――射線を百三十五度。

 丁度放たれた魚雷と並走からの回頭を行う、その舷を撃ちぬく為に行われた雷撃。

 一隻は右舷で先んじて雷撃を行い、回避せんと左に首を振ったその船首目掛けて放たれる筈であった攻撃だが……。


龍田「はい、どうぞ」


 深度を見切った龍田が、三本の魚雷を水中に。

 果たして、放たれた弾丸に――しかも途中で弾道を操作する弾丸に――弾丸をぶつけられるのか否か、という話であるが。


雲龍「艦爆……しっかりお願いね」


 ――ぶつける必要はない。

 これはただのマーキングであり、水中を行くデコイに等しい。

 龍田が投じた魚雷と、敵魚雷の邂逅近くで――爆弾投下と機銃掃射を行う艦載機。

 それぞれが誘爆して、派手な水柱を立てて無効化した。

◆一応次スレを立てて来る◆待つのだ◆


◆次スレな◆こちらではあとは戦後処理があるでしょう◆


【艦これSS】提督「今日も今日とて海賊稼業」02【安価】
【艦これSS】提督「今日も今日とて海賊稼業」02【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430670609/)


叢雲「さて……まだ、戦艦と潜水艦がいるけど」

叢雲「潜水艦相手に、夜まで引っ張るのは……」

提督『大丈夫だ、マイク』

叢雲「え?」

提督『タンゴ……パッケージは?』

龍田「司令部、タンゴ……パッケージの退避処理確認。あれなら戦艦からは狙われないわ~」

提督『諒解。ユニフォーム、BBレ級のUAVは?』

雲龍「全滅です。……やり、ました」

提督『さて……ではユニフォームは敵を牽制。マイクとタンゴは潜水艦への警戒行動と共に、ユニフォームの浅瀬への退避を支援』

提督『その後二隻とも、浅瀬への退避を開始しろ』


 呟きながら、提督は敵の出方を予想した。

 肝心要の潜水艦は、伏兵の位置まで露呈した。

 そして、手堅く狙える筈のパッケージ(護衛対象)は砲撃圏内の外。

 加えて、味方側は損害艦が一隻。

 となれば――


提督『追っては来れない、だろう。その気なら、こちらは浅瀬から艦載機だけでアウトレンジ攻撃が出来る』


雲龍「司令部、ユニフォーム。……敵深海棲艦の撤退を確認」

提督『……よし』


 流石に、被害を厭ったか。

 深海棲艦としても、駆逐艦大破に重巡洋艦中破、加えて軽空母が小破。

 引き返すだけの戦果は十分。


提督(……なんとか、ここまでは上手く運んだ)


 調息。

 艦娘と深海棲艦の戦闘は特殊だ。

 平面での戦闘を行うそれは遮蔽物がない歩兵でありながら、戦闘の反応速度は戦闘機。

 それでいて武装や天象気象・地象地物は船と同等と言う、実に特殊な形式を要する。

 指揮官に求められる緊張感もまた、それぞれの職種とは異なる形を露呈する。


提督(さて……泊地の船との交渉か)

提督(任務の完了は可能だろうが、それにしても……)

提督(……)

提督(……どうしたものかな、今回は)


1:とりあえず任務完遂後、さっさと逃げよう
2:……今更だ。接触を試みる
3:捕虜にする……か?
4:自由安価

↓3


雲龍「それで……どうするんでしょうか、提督」

叢雲「ここから連戦、ってのは困る……けど」

龍田「でも向こうには足手まといが二人いるよl~」

提督『……』

提督『……乗りかかった船だ。接触を試みる』

提督『マイク、電文を』

叢雲「ええ、いいわよ。でも……文面は?」

提督『“我、敵ノ撤退兆候ヲ確認。貴艦ノ状況ハ如何ニ”――それでいい』


 通じれば、それでよかった。

 いきなりここで撃ちかけられるというのは避けたい。

 深海棲艦を共通の敵と見做している。龍鳳たちを気遣っている。そして敵は撤退の兆候を見せただけ(再び来る可能性もある)。

 相手が悪意を持って臨んでも、善意を以って望んでも直ぐには攻撃派仕掛けられない。

 そんな風なメッセージを伝えられればよかった。


叢雲「返信。……早いわね」

叢雲「『貴艦ノ援護感謝スル。当方ハ安全圏ヘノ離脱ヲ行ッタ』」

叢雲「だって」

提督『……接触の旨を打文してくれ』


龍鳳の情報量・状態

十の位 1ほど叢雲の悪行 9ほど泊地司令の不審な動き
一の位 1ほど情報量・小  9ほど大
0は特殊判定
ゾロ目にて……

↓3

◆特殊判定◆これは酷い事態が起こる危険性があります◆しかも知ってしまった◆


1~20:提督の悪事を知りながらも……
21~40:実は秘密裏に情報を集めていた
41~70:これが最後の任務。以後解体
71~99:違法前後被害者

ゾロ目:???

↓直後


◆フラグが立ったところでここまで◆

◆なお、龍田がゾロ目を出さない場合は龍鳳か最上が吹き飛ばされた◆そして浜風は余波でサヨナラ!◆

◆見過ごしてサルベージを行った場合、浜風は確実にサヨナラ!◆現在重傷!◆カラダニキヲツケテネ!◆

◆それではまた明日◆

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