【艦これSS】提督「今日も今日とて海賊稼業」02【安価】 (1000)


・ほどほどに安価・コンマ制

・海賊稼業を行いながらほのぼのと艦娘と交流するギャルゲー

・艦娘人間就役説。それぞれ過去アリ

・人を選ぶ轟沈要素はなるべく最小限に

・解体される前の艦娘を拐っていくスタイル

・エログロ鬱はなるべく控えめで

・他作品のオマージュが含まれます

・基本的に安価は単発IDダメゼッタイ。セプク。雑談でも回避でもいい。備えよう

・アサシオ=サンとサミダレ=サンはこれ以上登場できない。フナムシ。

前スレ
【艦これSS】提督「今日も今日とて海賊稼業」【安価】
【艦これSS】提督「今日も今日とて海賊稼業」【安価】 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430670609


【ステータス説明】

カラテ……戦闘力や鍛練・経験など。環境が悪いほどカラテは高い。(10-環境)+コンマ
知能指数……教養など。環境がいいほど知能指数は高い。環境+コンマ
センス……様々な物事に対する勘。環境+志(10を超えると一周)+コンマ
精神的……精神力や平常心など。志+コンマ/(10-志)+コンマ
ブッダ……運。クリティカル範囲に影響があると言われる。コンマ
体温……高いほど性的に弱い。コンマ


※展開や境遇に影響が出る事もある、程度
※コンマがゾロ目の場合、+10ボーナスが加わる
※コンマが0は10として換算する
※環境・志がゾロ目なら、コンマ以前の値を2倍にする


【理論値】

カラテ:最低2・最高20
知能指数:最低1・最高19
センス:最低2・最高19
精神的:最低1・最高19/最低2・最高20
ブッダ:最低1・最高10
体温:最低1・最高10

※コンマ・環境・志含めてゾロ目抜き


◆ルールだ◆


◆遠征に当たる資材調達とお仕事がある◆

◆お仕事で得られる【資金】は、等量の好きな物資と交換できる◆高速修復剤は『10』だ◆

◆資材調達はローリスク・ローリターンからハイリスク・ハイリターンがある◆艦娘との戦闘も◆

◆お仕事も同じだ◆どちらが得という話だがどちらにも得がある◆

◆他には人身売買を突き止めるというのもある。これは艦娘が増える◆


◆基本的に出撃したときに10面ダイスコンマを取る。それに艦娘の係数をかけたものを消費する◆

◆戦闘にならなければ弾薬は消費しないし、ダメージを負わなければ鋼材は消費しない◆

◆空母はコンマ分ボーキサイトを消費する。とても分かりやすい◆

◆駆逐艦はコンマそのままの値◆

◆軽巡洋艦はコンマ×1.2。端数は切り捨てな◆

◆重雷装巡洋艦はコンマ×1.4。端数は切り捨てな◆

◆重巡洋艦はコンマ×1.5。端数は切り捨てな◆

◆軽空母はコンマ×1.8。端数は切り捨てな◆

◆戦艦・空母はコンマ×2。やっぱり端数は切り捨てな◆

◆潜水艦はコンマ×0.5。オリョールクルーズしよう◆

◆動かす油がなくなったらまた別の事があるぞ。ほのぼのしよう◆


◆それでは戦闘のルールを説明しよう◆重要な◆

◆カラテ+(好感度+コンマの十の位+コンマ一の位)×艦娘係数+提督の指揮◆

◆これを比べるだけ。実際判りやすい◆


◆10差で小破◆15差で中破◆20差で大破◆それ以上で轟沈◆

◆優勢側がゾロ目なら、一段階上昇◆カラダニキヲツケテネ!◆


◆雷巡の雷撃の場合は、(練度(好感度)+カラテ+センス+指揮)-(練度+カラテ+センス)でコンマ範囲を割り出します◆雷撃できるならやり返せる◆

◆潜水艦の雷撃は、先制と終わりに。その時は「練度(好感度)+カラテ+センス+コンマ合計値」な◆やり返せない◆あと潜水艦は隠密する◆

◆隠密はコンマ合計値。つまり実際潜水艦はコワイ!◆


【ここまでのあらすじ】


(▼世界全土をシンカイセイカンが覆いつくし、サイバネティック技術が普遍化した未来。世界平和など稚気じみた夢。

  人々は茶色のバラックシティに棲み、夜な夜なダイバースペースへ逃避する。

  人類よりも力を持つシンカイセイカン群が、海洋を背後から掌握する。ここはネオヨコスカ。鎖国体制を敷かれた日本の鎮守府だ。

  そして、マッポー的なこの時代に伝説化され空想の産物であると考えられていたカンムスが突如現れ始め、暗躍している……


  ケイスケはかつて徴兵された過去を持つサラリマン。船乗りを志す彼はしかし海洋学者の父から反対され、その当て付けとして陸軍に入隊。

  未知の生命体シンカイセイカンとの戦闘で死の恐怖に晒されるもカンムスのおかげで無事に本土へと生存した。

  泊地への資材搬入を行うケイスケは、その泊地で解体される部隊とカンムスがいること、そして泊地司令と共謀し解体されたカンムスを人身売買する暗黒メガ・コーポの存在を知る。

  かつての恩を返すべく彼は、解体寸前のカンムス――ムラクモを連れて脱出を試みるも、海賊の襲撃と重なり、甲板に集合しようとする船員たちに捕らえられてしまう。

  あわやとなったケイスケであったが、海賊は暗黒メガ・コーポの自作自演ではなく本物の海賊であった。

  一縷の望みにかけたケイスケは、行き場をなくしたムラクモを連れて海賊船に乗り込み、そして彼の機転により猟犬めいた追撃を見せる護衛カンムス・シラヌイを振り切る。

  そして、彼は海賊のボスからカイゾクX――テイトクを命じられるのであった。

  ……なお彼の本名はケイスケではない。オメーン・バイカー好きな泊地の警備員から付けられたあだ名である。


  ムラクモは中流サラリマンの家庭からカンムスに志願し、グンカン・ソウルを身に宿した少女。

  彼女は誰かの役に立ちたかった。だがそんな願いも、卑劣な暗黒メガ・コーポと泊地司令によって踏みにじられた。

  それ故に泊地への復讐を誓うムラクモであったが、彼女の行動は泊地の護衛カンムス・シラヌイの手によって偽装され、残虐非道なテロリストに仕立て上げられてしまう。

  失意の内に沈むムラクモであったが、彼女を思いやり海賊として戦う覚悟を決めたケイスケの瞳に、彼女もまた彼と共に事を誓うのであった。  ▼)


◆次スレあったしよしとしましょう◆アサシオ=サンのケジメ案件な◆備えよう◆




  「……この経歴。間違いないか」


                                   「はい」


  「優秀だな。……なるほど、確かに優秀だ」


                                   「事実、身体能力には目を見張るものがあります」


  「他に……君から見てどうだった?」


                                   「普通の人間です。感情的であり、未熟であり、人間的な」


  「……ふむ」


                                   「ただ、肝は据わって居る、と考えても」


  「咄嗟に深海棲艦を目の前にして、戦う事が選択できる……なるほど」


                                   「自棄、のようなものもあるとは思いますがね」


  「それとも勇敢か」


                                   「感情を処理できない……兵士としては欠陥品です」


龍鳳「ありがとうございました! 救援、感謝です!」

叢雲「そちらも、ひとまずは乗り切れたみたいで何よりよ」

龍鳳「あの……大丈夫でしたか? そちらも、任務とか……」

叢雲「あー」


 叢雲は、秘匿回線を通じて伝えられる司令官の言葉を代弁する。

 耳から入る言葉を口から垂れ流す作業というのは、何とも奇妙だ。


叢雲「深海棲艦が座礁した船を食べる、というのは知っているわね?」

龍鳳「はい」

叢雲「現地の漁民からの通報で、座礁した船がある――――それを餌に深海棲艦が集まったら困る、って事で」

龍鳳「処分をしに……と言う事ですか?」

叢雲「ええ。念のために船内に何かないか確かめてから、ね」

龍鳳「なるほど……」

叢雲(……よくここまで口が回るわね、司令官の奴)



龍鳳「……でも、助かりました。おかげで……」

叢雲「ええ。こちらも、こんな時に任務があってよかったわ」

龍鳳「本当に……最後の任務に、思い残す事がなくて」

叢雲(……最後の任務?)

最上「ごめん、龍鳳さん……いいかな」

龍鳳「あ、はい!」

最上「応急手当はしてたから……一応は、浜風も大丈夫そうだけど」

龍鳳「……ぁ」

最上「ゴメン、ボクも少し辛い。……このまま燃料が切れたら」


 艦娘の身体能力は、背部に合成された機関部の艤装を脊椎に接続する事で底上げされる。

 機関部が稼働し生み出す電力が、その装甲を為し、水上航行を可能とし、そして彼女たちの生命力を底上げする。

 ……そう。

 燃料が切れて、機関部が稼働しなくなったとき――そのときは。


叢雲(……)

龍鳳「その、すみません……失礼を承知でお願いしたいのですが」

叢雲「何?」

龍鳳「燃料の補給などを、お願いできませんか?」


叢雲(……どうするの、これ)


 燃料の補給――そう、叢雲たちがあくまでも海軍司令部隷下にある、泊地の艦娘と見込んでの申し出。

 しかし、事実は異なる。

 叢雲たちは正規の兵力どころか、反政府勢力組織に属する身。

 更には、燃料などにも余裕がない。

 加えて問題があるとすれば、海賊泊地の設備が健全でない事である。

 いいとこ、村民が少ない島の診療所程度。

 妖精と呼ばれる支援AIを映したヘッドアップディスプレイを使用する整備兵も居なければ、

 救急救護を行う人員すらいない。

 彼女たち自身、負傷を負ったのならば高速修復剤を用いなければ危険な場所なのだ。

 そしてその、肝心要の高速修復剤は――ただの一つも、泊地に存在しない。


叢雲(連れて行くのも論外だとして……)

叢雲(もし連れて行っても、何も出来ない……少なくとも大破の艦娘には、何も)

叢雲(……)

龍鳳「あの……」

龍鳳「助けていただいた上に、こんなことまでお願いして……申し訳ないと思います」

龍鳳「だけど……お願いします」

龍鳳「私に出来る事があったら、なんでもします!」


 三択――一つだけ選びなさい。


 1:ハンサ……いや、まあ悪くない感じの叢雲の司令官は勿論解決のアイディアを持っている

 2:偶然、彼女たちの泊地の船が通りがかって助けてくれる

 3:助けられない。現実は非情である。

 4:ん、今なんでもするっていったわね?


 ↓3
























叢雲(……っじゃなくて!)

叢雲(司令官、どうするの? なにか考えが――)

提督(……)


1:叢雲「それは不可能よ。こちらの泊地には距離があるから」
2:叢雲「悪いけど……うちの方もかっつかつで、他人に分けている余裕がないの」
3:叢雲「……自分たちの泊地に頼めないの? ここまでの迎えを」
4:提督『……少し話せるか。周波数を指定したい』
5:自由安価


↓5 ※地雷あり ※よさげな自由安価は範囲外でも一部採用する場合アリ

選択肢:4 提督『少し話せるか……周波数を指定したい』


提督『少し話せるか……周波数を指定したい』

龍鳳「えっ」

叢雲「ちょっ」

龍鳳「?」

叢雲「……あはは」


 いきなりの、オープンチャンネルでの言葉。

 元より無線傍受を警戒して秘匿通信を使用していた(それでも完全とは言えない)、叢雲は驚いた。

 怪訝そうに首を傾げる龍鳳を前に、何事も無いように提督が言葉を伝えた。


龍鳳「あの……」

提督『彼女たちの指揮官を務めているものだ。名前は――、あー、シー……シー、ブック。そう、シーブックと呼んでくれ』

龍鳳「……外国の方、何でしょうか?」

提督『渾名だ。彼女たちからはそう呼ばれている』


 勿論真っ赤な嘘。

 実際のところは、提督の目に本棚と砂浜が映ったから。海(シー)と本(ブック)だ。


龍鳳「彼女たちの提督……なんですね」

提督『ああ、そうなる。……損害こそあったが、君たちの危険に間に合ったようで何よりだ』

龍鳳「本当に、ありがとうございます……!」

提督『気にする事はない。艦娘である以上、助けあいだろう?』


 シーブック――と偽名を名乗った提督の言葉を聞きながら、叢雲は「良く言うわね」と眉を吊り上げた。

 事実であるが、そこに正規海軍と海賊という括りがあれば別である。

 また、叢雲はもう一度眉を動かす。

 提督が、艦娘から名前を聞くなり『龍鳳』と呼び捨てにしたからだ。

 許せん。胸の差か。軽空母だというのになんたる了見か。軽空母といったら甲板胸ではないのか。まな板。

 ……無線越しに見える筈がない。

 ……。

 ……ないわよね?


提督『君たちの提案を受けたいところなのだが、こちらも作戦中だ。二三言、質問をいいか?』

龍鳳「はい!」

提督『君たちの任務行動が聞きたい』

龍鳳「えっと……海域の哨戒です」

提督『……なるほど』


提督『海域の哨戒中、あれらの深海棲艦に出くわした……。大破しているのは……』

龍鳳「……レ級に気を取られました。その頃には、布石として潜水艦が……」

提督『出会い頭だったのか……』

龍鳳「……はい」

提督『なるほど、大変だったな。よくそこから、仲間を曳航して逃げ延びた。立派だ』

龍鳳「あ、ありがとうございます!」

提督『そこから、先ほどの状況での援護を感謝する。あれがなければ、こちらもレ級の対処に困っただろう』

龍鳳「そんな……助けて貰っているんだから、当然です! こちらこそ――」

提督『それでも、迅速な判断には助かった。礼を言いたい』

龍鳳「いえ……そんな……!」


叢雲(……どういうつもり?)


 叢雲もまた、秘匿回線を傍受している。

 聞けば、軽空母を褒めたり、持ち上げたり、おだてたり――そんな言動ばかり。

 まさか口説いてるんじゃないのか。半分くらい本気でそう思える。


龍田(ふふ)

叢雲(……なによ)

雲龍(提督のお手並み拝見ね)

叢雲(は?)


提督『……さて、聞きたいのだが』

龍鳳「はい、なんでしょうか!」

提督『泊地への緊急通信は行っているんだな?』

龍鳳「え」

提督『哨戒中に敵と出くわしたんだ。増援の要請をしているんだろう?』


 それほどに手が回るのであれば。優秀なのであれば。

 必然として、そんな基本的な事を行わない筈がない――――そう言いたげな提督の言葉。

 叢雲は思い出した。この、提督の声色。

 これはあの酒場で、叢雲を諌めたときの声色と同じだ。

 つまりは――普段のおおらかさや或いは人当たりの良さではなく、戦闘の素顔が覗いている。

 そういう事だ。


龍鳳「あの……」

提督『哨戒海域だとしたら、君たちが救援信号を出して泊地に頼ればいいと思うんだが……』

龍鳳「あ、えっと……」


提督『すまないが、我々も任務中だ』

提督『我々しか助けがいないなら助けるのもやぶさかではないんだが……』

龍鳳「……ぅ」

提督『泊地の方には頼れないのか? 燃料が心配なら、機関だけ回して航行せずにここで待機していればいい』

龍鳳「あ、え……」

提督『勿論、その間に君たちの護衛が必要ならば努めるが……』

提督『それにしても、我々も任務の最中で泊地に帰投するのは……可能なら避けたい』

龍鳳「あ、あの……距離が……」

提督『距離か……しかし君たちは、我々の泊地への距離を認識しているのか?』

龍鳳「……ぁ」


 聞きながら叢雲は、論にはいくつか穴があると思った。……無論、提督の方の。

 例えば、まさに直後彼が言った泊地への距離。

 これにだって、言い逃れができる。

 叢雲たちが出撃してきたので――そして任務として“現地から廃棄船の処理を依頼されたので”――。

 叢雲たちの泊地は、少なくともこの廃棄船を管轄に置いている。担当海域にしているのだと。

 だから、近いと判断した。そう言える。

 ただ偏に言わせないのは、彼がこれまで話術で龍鳳を盛り上げて、そこから突き落としたからだ。

 その手腕に於いては、強引だが見事である。

 あの不自然なほどに気安そうに龍鳳に接したのも、それが理由か。


提督『……すまないが、どうにも君の言動が疑わしい。要領を得ない』


 そして見事にすり替えた。

 疑わしいのは叢雲たちで、身分の紹介や釈明を求められたら不利であると。

 泊地に案内する事を許諾できず、その説明にも四苦八苦して不信感を抱かれるのであろうと――。

 そんな状況を、すり替えた。

 立場が弱いのは龍鳳たちで、この場で釈明を行わなければならないのは龍鳳たちだと。


提督『失礼かもしれないが……私たちはこう考えている』

龍鳳「あ……」

提督『最近、こんな噂を耳にした。一部の艦娘が、海賊行為を働いている――と』

龍鳳「ぁ、違……」

提督『単刀直入に言おう』

提督『――――君たちは海賊で、我々の泊地に対して何らかの損害を被らせるつもりなんじゃないか?』

龍鳳「――っ」


叢雲(……良く言うわ。真逆なのに)

雲龍(でも、それ抜きでも……少し怪しい)

龍田(ひょっとしたら海賊へスパイを行おうとしている、とかかしら~)



    提督……精神的:17/26

    龍鳳……精神的:18/7


  (26-17)-(7-18)=20


↓3 コンマ20以下で得られる情報クリティカル+??? その後、20刻みで情報量変化


◆“基本的に”駄目ゼッタイ◆あくまでも基本的であって例外はある、いいね?◆

◆日付が変わってすぐの場合は仕方ないとしよう◆1=サンのブッダめいた采配◆

◆ゾロ目ですね◆


龍鳳「……けて」

提督『ん?』

龍鳳「助けて……下さい」

提督『……どういう事だ』

龍鳳「私、私――」


 それからの彼女の話を要約すると、こうなる。

 彼女は、これが最後の任務となり、次には解体処分を受ける事になっていた。

 しかし――偶然にも彼女は知ってしまった。

 件の泊地で行われている、負の一面を。

 彼女は恐怖した。それ以上に、看破してはならぬものであると考えた。

 だが、一艦娘に何ができるというのか。敵は強大過ぎた。

 そして運の悪い事に、解体処分が決定されてしまってからの事であり――――よしんば正規のルートを通じて報告したとしても。

 きっと簡単には泊地の司令は尻尾を出さないだろうし。

 何よりもただ、解体が決定された艦娘による“根も葉も無い意趣返し”として処理されるであろう、と。


提督『……それで、他の泊地への移動を?』

龍鳳「危険だから、二人を巻き込むつもりはありませんでした……何とか他の泊地に向かって、真相を伝えようと」

提督『……』

龍鳳「でも……深海棲艦と戦闘になって」


提督『そこで不信感から、泊地への救援要請を渋って……』

龍鳳「……このまま連れて行って貰えるなら、一番良いと思いました」

提督『……』

龍鳳「だから、お願いします! 二人を、私たちを――助けて下さい!」

提督『……告発の証拠は?』

龍鳳「それは……用意はしてあります。だけど……」


 憲兵たちに提出する証拠としては、弱い。

 龍鳳は、そう続けた。


龍鳳「お願いします……! お願いします……!」

龍鳳「私に出来る事なら、なんでもします……だから……!」

龍鳳「せめて、二人の治療だけでも……お願いします……!」

提督『……』

龍鳳「私の事を信じられなくても、お願い……します」

提督『……悪いが、不可能だ』


龍鳳「そんな……」


 絶望に閉ざされる龍鳳を前に、提督は冷静に続ける。

 まずは一つ、と前置きをして。


提督『我々の泊地は設備が不十分で、彼女たちを曳航しても十分な治療が受けられない』

提督『ただ、海の上で死ぬか……陸の上で死ぬかの違いしかない』

龍鳳「ぁ……」

提督『一つ方法がある事はあるが……賭けになる。命がけの』

龍鳳「それでも……」

提督『そしてもう一つ。憲兵に彼らを告発する、というのは我々には出来ない』

龍鳳「――っ」

提督『……』

龍鳳「私の事が信用できないなら、どんな尋問をして貰ってもいいです!」

龍鳳「どんな事をされても、構いません!」

龍鳳「だから……!」

提督『そう言われても、無理なものは無理なんだ』


◆次に重大な選択肢が入る◆回避重点な◆選択肢はこうなる◆


1:海賊である事を明かし、龍鳳だけを味方に引き入れる。他の者は後日救出に向かう

2:海賊である事を明かし、サルベージを行い資金が20になる事を祈って全員を連れてくる

3:海賊である事を明かし、ひとまず龍鳳たちを泊地に戻らせる。その後、龍鳳を浚いに行く

4:何も伝えず、泊地への救援を行うように指示して任務を達成する

5:自由安価


◆当然一長一短◆誰かが死ぬ事もあり得るのだ◆よく考えよう◆

◆そして、2番で全員が生存した場合、艦娘保有枠は限度になる。鋼鉄の七人までだ◆

◆安価は、25:00に出るぞ。備えよう◆


1:海賊である事を明かし、龍鳳だけを味方に引き入れる。他の者は後日救出に向かう

2:海賊である事を明かし、サルベージを行い資金が20になる事を祈って全員を連れてくる

3:海賊である事を明かし、ひとまず龍鳳たちを泊地に戻らせる。その後、龍鳳を浚いに行く

4:何も伝えず、泊地への救援を行うように指示して任務を達成する

5:自由安価


↓3


提督『悪いけどな、龍鳳さん』

龍鳳「あの、あの――!」

提督『――――海賊なんだよ、俺たちは』

龍鳳「――ぇ」

提督『だから、憲兵に通報なんて出来ない。俺たちが裁かれる側でしかない』

龍鳳「え……」

提督『さっきの分じゃ、君も聞いているな? 泊地に仇為す海賊がいる事を』

龍鳳「まさか……」

提督『君の心は分かった。君がどれだけ仲間を思いやっているのかも、分かったさ』

提督『だから言わせて貰う。――俺たちは、海賊だ』


 そのまま提督は告げた。

 これまでの言葉に嘘はないと。

 現実として、浜風と最上を助ける手段が存在しないのだと。

 海賊泊地にはそれだけの設備がない為、よしんば泊地に曳航したとしても、ベッドの上で死を待つしかないのだと。

 それよりは――。

 それよりは、彼女たちの泊地に戻った方がよほど生存の確率が高いのだという事を。


提督『君が解体されるのが嫌だというだけなら、君を連れて逃げる事は出来る』

提督『君の得た情報は憲兵にとって価値はなくても、俺たちに価値はあるからだ』

提督『ただし――二人の命は保証できない』


提督『……方法はある事にはある。そこの廃棄船だ』

提督『その積荷で使用可能なものを回収して、売り払い資金を得る――その代わりに高速修復剤を手に入れる』

提督『誰が使うのかは判らないが、裏にも出回っている……深海棲艦由来の高速修復酵素は』

提督『だとしても……』

提督『本当に積荷が無事かは判らない。資金も手に入らないかもしれない』

提督『それに俺たちは海賊だ』

提督『君たちも聞いているように――泊地に対して害敵行為を働く海賊だ』

龍鳳「……」


 無論のこと、叢雲の行為には悪意と誤解がある。

 叢雲は最後まで、資源を積んだ貨物船の人員を助けようとしていたし、彼女は雷撃を行っていない。

 だが、泊地でされた風聞がある。

 即ち――――極悪非道、残虐な海賊。


提督『俺たちを信用できるか? 安全に助かる道を捨てて、賭けに乗れるか?』

提督『俺たちが先ほどやった事は、気にしなくていい。君が……君の心が従うとおりに選んでくれていい』

龍鳳「……」



提督『だけど――もしも』


提督『もしも君たちが、何よりも泊地からされる悪意に屈服したくないと言うなら……』


提督『もしも君たちが、自分の命を懸けてまでも自由を求めると言うのなら……』


提督『もしも君たちが、俺たちを信じて……運命に反旗を翻すと言うなら……』


提督『俺は――俺たちは、君の味方だ。全力で君を助ける。最善を尽くして君たちを守る』



提督『俺が君たちを――――悪党から攫いに行く! 海賊らしく、君たちを奪い取る!』



龍鳳「……」


 龍鳳は考えた――。

 ともすれば、シーブックと名乗る彼の言葉は、海賊の内情を知らせるだけであった。

 それは弱点の露呈に他ならない。

 龍鳳をこのまま見捨てて、彼女たちが泊地に戻ったとして――。

 その口から告げられたら、海賊にとっても明らかな不利となる事。

 それでも彼は事実を明かした。


 或いは……。

 龍鳳たちを抱え込む事を厭って、そのような言葉を並べ立てた。

 海賊の泊地についての情報なんてまるで出鱈目で、龍鳳たちをデマの情報源として送り込もうとしている。

 そんな事だって、あり得た。

 だけど。

 だけど――剥き出しの、剥き出しの彼の信念は。彼の憤怒は。彼の情熱は。


龍鳳「……信じます」

龍鳳「貴方を信じます」

龍鳳「だから……」

龍鳳「だから――――」


龍鳳「――――――私を……私を攫ってください!」


 ――――信じるに足るものであると、彼女に決意を差せた。


提督『……いいんだな?』

龍鳳「……はい」

龍鳳「二人がどうするかは、聞いてみないと……ですけど」


 実際に命を懸けるのは、あくまでも浜風と最上の二人だ。

 だから龍鳳の独断では決められない。

 彼女たちが渋るのであれば、泊地への救援を優先する。

 その後に龍鳳は――海賊として、あの泊地との戦いを行うだろう。

 明確なる敵対行為。明らかなる反逆行為。

 解体されてからならともかく、それ以前では龍鳳は御尋ね者となる。自ら生きる道を狭める事になる。

 それでも――


龍鳳「私の……! 私の提督になって下さい……!」

提督『……』

龍鳳「貴方と、貴方と一緒に戦わせて下さい!」

提督『……分かった。今日から俺が君の提督だ。君は、俺の部下だ』


 そうして龍鳳は、最上たちに事情の説明に向かった。

 己が海賊となるということも、全て明かして。


◆今日はここまで◆一体なんたるヒロインオーラか◆ムラクモ=サンは不機嫌です◆

◆当初の予定ではロアナプラ的な海賊稼業だったのに、どうしてクロスボーン・ガンダムになったのか◆

◆アイエッ、何たることか! 少年漫画めいている!◆なにが起きたのかはスタッフにも判りません◆

◆それでは翌日はサルベージを行います◆失敗したら死ぬのだ◆



ついでに

1~20:駆逐艦
21~40:軽巡洋艦・重巡洋艦
41~60:空母・軽空母
61~80:戦艦
81~00:その他の艦種類

直後


◆ということで空母・軽空母です◆

◆ここまで付き合ってくれたボーナスです◆これ以後(ステータス表は除いて)1=サンが書き込むまでが許可◆

◆ステータス表までは回避も可として◆数字とカンムスを書くのだ。ついでに何か一言あると嬉しいが1=サンが喜ぶだけと言われています◆

◆サラバ!◆

┏───────────┓
  燃料:36   鋼材:83   
  弾薬:91   ボーキ:96
┗───────────┛


【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「……むー。私のときにはあんな風に言わなかったのに。……いいけど」
好感度:56(+?)
環境・志:4・7      ★
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「無線に向かって何を熱心に話しとるんかいねぇ?」 
好感度:06(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「あらぁ~。……あれぇ」
好感度:34
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「……軽空母。艦載機。口説き文句。……。いえ、別に……」
好感度:04
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3

【龍鳳】「攫って、くれるって……。……あ、あ。体温今、何度だろう……?」
好感度:00(+?)+(選択肢ゾロ目77分)
環境・志:1・8
カラテ:10    知能指数:10 センス:11
精神的:18/7  ブッダ:8    体温:2


+・浜風:31 +・最上:25



  「……艦娘、か」


                               「何か、ありましたか?」



  「いい時代だ。……艦娘は資源だ」


                               「……」



  「遅かれ早かれ死ぬものを、役に立てている。……彼女たちも死なずに済む」


                               「せめて使い道があるだけいいでしょうね。兵器として不完全なのだから」



  「不完全?」


                               「どうせ改造するなら、脳まで改造すればいい……余計な感情を廃した兵器に」



  「ふ、ふ」


                               「下らん感情に左右される兵器なんて、欠陥品もいいところだ」


  「ふ、ははは、はははははは」


  「なら、試してみるか? 数だけは多い」


                                「いいんですか?」



  「構わない……行き着く先が売春宿か、資産家の私宅か、実験場かの違いだ」



                                 「なら……次は」



  「使えばいい。売春の他に、選べる道がなかった女たちだ」



                                「兵士として欠陥品なら、兵器としては役に立つ程度に近付けてみせましょう」


◆今日はあまりありません◆眠い◆


提督『……さて、その貨物船の中に入って積荷を確かめて貰うが』

提督『……』


 沈黙する彼の思考――――大破状態の浜風/中破状態の最上/必要ならその護衛。

 しかし、ここは浅瀬。深海棲艦は好まない場所。


提督『……今は時間が惜しい。全員での捜索を頼みたい』

叢雲「諒解よ、司令官」

龍田「宝探しだね~」

雲龍「艦載機で偵察できたら……いいんだけど……」

龍鳳「任せてください!」

提督『その……最上、だったか。君には悪いが――』

最上「うん、判ってる。ボクもなるべく燃料は使いたくないし、浜風の事を放ってはおけないから」

提督『ああ、すまないが……。君も大変だと思うが、浜風と二人で待機をしていてくれ』

提督『ただ』

提督『何かあったら、叢雲が駆けつける。安心して欲しい』

叢雲「へ、私?」

提督『叢雲は、探すのは得意なのか?』

叢雲「……」

提督『……決まりだな』



 傾いた船体/取り付く艦娘――――脚部艤装を取り外す必要がある雲龍と龍鳳は手間取りながら/叢雲と龍田は平然と。

 設計した開発区画の違い。作製陣の趣向と意匠が露わになる艤装。


提督『我々は……あとは報告を待つだけ、か』

最上「……」

提督『……おかしな言い方だが、君はこれでよかったのか?』

最上「……まあ、いつ売り払われるか判らないところにはね」

提督『そうだよな……』

最上「うん。それでも……もし、十分な量が見つからないなら、その時は」

最上「ボクは残る。死ぬよりは、残って泊地の助けを呼ぶ」

提督『……』

最上「禁止しないの?」

提督『禁止?』

最上「だってほら……ボクが、自分可愛さに皆の事を売って取り入るとか」

提督『……ああ』 


提督『そうだな……もしもの話、なんだが』

最上「……」

提督『もしも俺が泊地の司令官だとして……敵の情報をそんな風に齎す艦娘が居たとしたら』

提督『簡単には信用しない』

提督『それどころか――逆に相手のスパイじゃないか、とも疑う』

提督『……君と泊地の司令官の関係にもよるだろうけどな』

最上「ああ、だからボクが話す事はないだろう――って?」

提督『念のためだ』

提督『俺も、まだ見た事がない君の事を信用しきれないから、釘を刺すって意味もあるし』

提督『それ以上に……君の事が心配だ』

最上「え?」


 だってそうだろう、と提督は続ける。

 軍人ならば想定して然るべきの事。それも、この状況を鑑みたら。


提督『俺が相手の司令官なら……龍鳳と浜風が沈んだと聞きながらも疑うな』

提督『実は二人は、海賊に下っているんじゃないか――って』


提督『そんな状況で……君には、迂闊な事を言ってほしくない』

提督『俺たちの情報を敵に知られると困るから、というのもあるし……』

最上「あるし……?」

提督『何よりも、君の命が危険に晒される』

提督『俺は――見たくないんだ。単純に、艦娘が死ぬところが』

最上「……お人好しなんだね」

提督『……』

提督『……それだけじゃあ、ないけどな』

最上「?」


 歯切れの悪い提督の言葉に最上は首を捻ったが……さりとて、答えが返る訳でもない。

 兎に角、この海賊の提督――シーブックという男が、なによりも最上の身を案じている――それは確かなのだろう。

 無線越しの罅割れた声色では判りにくいけど。

 少なくともその響きに、嘘は無い風であった。


提督『……兎に角、だから出来るなら君も一緒に連れて行きたい』

最上「……ボクも」

提督『ん?』

最上「ボクも今少し……一緒に生きたいかな、って思った」

提督『ああ、一緒に行こう。……それが一番、いい』


◆サルベージのルールだ◆ベイビー・サブミッション◆

◆知能指数とセンスの合計で、ダイスを振ってそれ以下なら発見◆

◆発見後のコンマ下一桁分、資金を得る。実際判りやすい◆

◆ゾロ目なら特殊判定だ◆ただし今回は特に特殊なものもないので、成功とする◆



叢雲:知能指数(9)+センス(7)=16以下で発見。ブッダ(5)以下でクリティカル

龍田:知能指数(20)+センス(23)=43以下で発見。ブッダ(6)以下でクリティカル

雲龍:知能指数(13)+センス(30)=43以下で発見。ブッダ(6)以下でクリティカル

龍鳳:知能指数(10)+センス(11)=21以下で発見。ブッダ(8)以下でクリティカル


↓1 叢雲
↓2 龍田
↓3 雲龍
↓4 龍鳳

脳筋ムラクモ=サン……


それではサルベージ量



↓1 龍田 下一桁

↓2 雲龍 下一桁+2(ゾロ目ボーナス)

↓3 龍鳳 下一桁


※ゾロ目なら二倍 ※0なら10の位

アイエッ!?


一人で20を取り、一緒に逃げる皆の分を有言実行する龍鳳=サン……

ゴウランガ……おお、ゴウランガ! 何たる良妻の風格か


◆00なら20だ◆そして好感度にもボーナスを加えよう◆なんだこれは……◆


提督『……』

最上「……」


 座して待つ――二人に出来る事は余りにも少ない。

 ただ、祈り――信じるしかない。

 まだ、積荷が無事で残っている事を。

 そして、仲間がそれを見つけ出してくれる事を。


提督『……』

最上「……」

提督『叢雲?』

叢雲「……見つからないわね。本当にあるの、ここ」

最上「……っ」


 返ってきたのは、叢雲のそんな言葉。

 突き離すような物言いだが、当の叢雲の声には荒い吐息が混じる。

 要するに、それほどまでに真剣に探しているのであろう。

 最上と提督、彼と彼女の心には暗澹たる思いが立ち込める――先行きの不安を表しているような。

 ただ、息を殺す。頼むから、見つかってくれ……と。

 果たして――。




龍田「見付けたよぉ~、結構あるかな~」




雲龍「見付けました。……少し、少ないかも知れませんが」




龍鳳「やりました! 見つけました! よかった、これだけの量があれば……!」




叢雲「……」









叢雲「……」


提督『よし……では、泊地に帰投しよう』

提督『ランデブーポイントは2-11-4』

提督『当該海域に近付いたら、指定したコードに応答装置のセットを。迎えに上がる』


 そんな言葉で通信を打ち切って、彼は海賊船リトルグレイへの移動を開始した。

 廊下を歩く靴音が、短いリズムで鳴り上げる。彼としても自覚するほど、足早になっていた。

 自然と拳に込められた力。口元に浮かぶ安堵の笑い。

 一気に大所帯となったが――――三人の艦娘を助ける事が出来た。

 その事が何よりも、誇らしかった。



 ……。

 ……。

 ……。



 ……そして、会合点。


提督「よく、無事に戻った」

龍田「戦艦と撃ち合うなんて……久しぶりに、ドキドキしちゃったぁ~」

提督「ありがとう……龍田」

提督「だが、君なら出来ると信じていた。……ありがとう」

龍田「ふふ……」

龍田(うん……悪い気は、しないな~)


提督「雲龍……君も良くやってくれた」

提督「戦艦二隻の牽制……特にレ級の艦載機を全滅させてくれた事で、我々の作戦は成り立った」

提督「ありがとう、雲龍」

雲龍「いえ……」

雲龍「えっと、あの……はい」

雲龍「ええっと……、……、……提督に雲龍の力を見せられて、よかったです」


提督「叢雲さ、……叢雲。その……」

叢雲「……」

提督「君は戦闘で十分活躍したんだ。だから、気にするものじゃないさ」

叢雲「……」

提督「叢雲?」

叢雲「……別に。気にしてなんかないわよ。そう、気にしてなんか」

叢雲「気にしてなんか」


提督「そして……」


 視線の先には、装甲を焼け落とさせて、機関部から煙を上げる三人の艦娘。

 破損状態で、それでも生命力を維持する為に稼働を行う機関部。それが黒煙を生む。

 誰も彼も、無傷とは行かない。それどころか、重症者の数の方が多い。

 それでも……。


提督「……ここは一応、こういうべきなんだろうな」


 咳払いの後、船の上から――波で揺れる船体から身を乗り出して、三人へと手を伸ばす。

 それは単純に船へと引き上げる、そんな意味だけではない。

 これは決別の証であり、そして新生でもある。

 彼女たちの身上は、今日という日を境に――生まれ変わるのだ。


提督「龍鳳、三隈……俺がこの艦隊の提督だ。よろしく頼む」

提督「それから――」

提督「――――ようこそ、海賊稼業へ」


 そして、ふと思い出したように。

 提督は悪戯っぽく、龍鳳へと笑みを向けた。


提督「――――約束通り、君を攫いに来た。お姫様」


龍鳳「――はいっ!」

















最上「……三隈じゃなくてボクは最上だよ」


叢雲「ふんっ、人の名前を間違えるなんて偉くなったものね!」


雲龍「あと、ずっと言いたかったんだけど……」


龍田「クロスボーンバンガードなら、エックスレイブラボーじゃなくて……エックスレイヴィクターだよ~」


龍鳳「あ、だ、大丈夫です! その、提督は……素敵な人なんで!」




提督「……あ、あれ?」


◆サルベージ数――9+4+20◆報酬――3◆

◆合計35。高速修復剤2つ購入にて、差し引き15◆


好感度上昇


↓1 叢雲

↓2 龍田

↓3 雲龍

↓4 最上

↓5 龍鳳 +7(77ゾロ目)+10(00ゾロ目)


※10D1 ※0なら十の位 ※ゾロ目なら倍

雲龍のゾロ目ボーナスが入るから◆サルベージ数は9+6+20になって、
もう少し違うんじゃないかな


◆叢雲の好感度が2上昇◆おこだよ◆

◆龍田の好感度が3上昇◆普通だよ◆

◆雲龍の好感度が7上昇◆実力を披露できてうれしいよ◆

◆最上の好感度が2上昇◆おこだよ◆

◆龍鳳の好感度が18上昇◆王子様だよ◆



そして審判の時間だ……



↓1 叢雲。十の位:燃料、一の位:弾薬
↓2 龍田。十の位:燃料、一の位:弾薬 ×1.2
↓3 雲龍。十の位:燃料、一の位:弾薬 ×2.0
↓4 最上。十の位:燃料、一の位:弾薬 ×1.5
↓5 龍鳳。十の位:燃料、一の位:弾薬 ×1.8

>>187
アイエッ!?ケ、ケジメします


◆今作でのゾロ目は嬉しい効果しかない。つまり消費は半分だ◆ただし敵が出すと痛い◆

◆0は決めていなかったが、その場合は【どちらかの値と同じ】として処理しよう◆

【出撃リザルト】


 叢雲――燃料消費:1、弾薬消費:1

 龍田――燃料消費:8、弾薬消費:3

 雲龍――燃料消費:6、弾薬消費:14

 最上――燃料消費:4、弾薬消費:4

 龍鳳――燃料消費:10、弾薬消費:10

___________________


 合計――燃料消費:27、弾薬消費:32


◆違います◆燃料消費29◆今回は指摘前に間に合った◆ノーケジメ◆

◆燃料がカツカツなので、サルベージ分は全て燃料に回します◆


◆サルベージ数――9+4+2+20◆報酬――3◆

◆合計38。差し引きで18◆



↓1 最上修理費用 ×1.5(艦娘補正)  ×1.5(中破)

↓2 浜風修理費用 ×1(艦娘補正)    ×2.0(大破)


※下1桁な ※0は十の位な ※ゾロ目は半額な


◆修理費用での必要資源は鋼材だけにしておこう◆めんど……ゲフ、いや、燃料が足りなくなる◆

◆そして雲龍=サンと龍鳳=サンのボーキ消費量は弾薬コンマに準拠する◆ただし係数はいらない◆

◆更に龍鳳=サンの小破分を忘れていた。ケジメ案件が多すぎると思いませんか?◆


↓1 龍鳳  ×1.8(艦娘係数) ×1(小破)


【出撃リザルト】


 叢雲――燃料消費:1、弾薬消費:1

 龍田――燃料消費:8、弾薬消費:3

 雲龍――燃料消費:6、弾薬消費:14          ボーキ消費:7

 最上――燃料消費:4、弾薬消費:4、鋼材消費:20

 龍鳳――燃料消費:10、弾薬消費:10、鋼材消費:3、ボーキ消費:7

 浜風――燃料消費:0、弾薬消費:0、鋼材消費:16

______________________________


 合計――燃料消費:29、弾薬消費:32、鋼材消費:39、ボーキ消費:14


      サルベージ:19



┏───────────┓
  燃料:26   鋼材:54   
  弾薬:59   ボーキ:82
┗───────────┛

サルベージが>>201から1増えてるのはなんでやろ


◆ここからの予定を話そう◆

◆まずは最上のステータスを決める◆重要な◆

◆次にケジメの安価を出す◆誰か一人とのほのぼのラブコメでもいいし燃料や弾薬寄越せでもいい◆

◆最後に次の行動を出す◆いいね?◆

>>213
アイエエエ……


◆ケジメポイント2です◆アサシオ=サンのエンコ◆ピアノが引けなくなります◆

◆ケジメ安価2つ。理解して欲しい◆

【最上】
好感度:02
環境・志:2・5
カラテ:8+    知能指数:2+ センス:7+
精神的:5+/5+ ブッダ:?  体温:?


↓1 カラテ
↓2 知能指数
↓3 センス
↓4 精神的①

※0は10な ※ゾロ目は+10

【最上】
好感度:02
環境・志:2・5
カラテ:12    知能指数:10 センス:22
精神的:14/5+ ブッダ:?  体温:?


↓1 精神的②
↓2 ブッダ
↓3 体温

※0は10な ※ゾロ目は+10


【最上】
好感度:02
環境・志:2・5
カラテ:12    知能指数:10 センス:22
精神的:14/15 ブッダ:5  体温:1


平均より上(提督より下)のカラテ能力と、平均並みの知能指数。そして常人を超えた天性のセンス
情には熱いが冷静さも持つ……しかし揺れ動く。運は平均的。性的な事とかあんまり……

前後未経験な

┏───────────┓
  燃料:25   鋼材:54   
  弾薬:59   ボーキ:82
┗───────────┛


【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「……ふん、目の下が下がるなんていい身分ね。……え、下がるのは鼻の下? うるさいっ!」
好感度:58(+?)
環境・志:4・7      ★
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「え、料理得意……?」 
好感度:06(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「……なんだろう。なんか、胸のあたりが……う~ん」
好感度:37
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「……お祝い、ですか? ふふ、嬉し……――あ、歓迎会。あ、そっち……ですか」
好感度:11
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3
 ◆スキル【探索上手?】:もう一度サルベージゾロ目で……

【龍鳳】「提督、お風呂にしますか? ご飯にしますか? そ、それと……それとも……なんでもないですっ」
好感度:18
環境・志:1・8
カラテ:10    知能指数:10 センス:11
精神的:18/7  ブッダ:8    体温:2
 ◆スキル【収益上手?】:もう一度収益結果ゾロ目で……

【最上】「ああ、ボクは最上だよ? 最上だよ? そう、最上だよ? も・が・み、だよ?」
好感度:02
環境・志:2・5
カラテ:12    知能指数:10 センス:22
精神的:14/15 ブッダ:5  体温:1


+・浜風:31 


◆それでは、ケジメ安価を出すとしよう◆失敗なんてなかった、いいね?◆

◆ケジメ安価の内容は単純です◆


1:艦娘とのラブコメが見たい    (特定艦娘な。次回好感度にボーナスな)
2:おう、資材寄越せよおう      (燃料・弾薬・鋼材・ボーキがコンマの合計値ずつ増えます)
3:おう、資金寄越せよおう      (資金がコンマ合計値増えます)
4:おう、高速修復剤寄越せよおう  (コンマ1桁分/2の分、高速修復剤が得られます)
5:自由安価               (可能な範囲で実現するが、上記全部とかないよ)


◆2つ分ある◆備えよう◆

◆えらべえ、と白いスーツのオールバックの男性が言っていました◆現地の言葉でヤモリ=サン◆


1:艦娘とのラブコメが見たい    (特定艦娘な。次回好感度にボーナスな)
2:おう、資材寄越せよおう      (燃料・弾薬・鋼材・ボーキがコンマの合計値ずつ増えます)
3:おう、資金寄越せよおう      (資金がコンマ合計値増えます)
4:おう、高速修復剤寄越せよおう  (コンマ1桁分/2の分、高速修復剤が得られます)
5:自由安価               (可能な範囲で実現するが、上記全部とかないよ)


↓1 ↓3


◆龍鳳=サンとのラブコメ◆ヒロイン変更のお知らせでしょうか?◆

◆では資材が増えます◆


↓1 燃料
↓2 弾薬
↓3 鋼材
↓4 ボーキ


※合計値 ※ゾロ目の場合は合計値を更に倍 ※0は10


◆燃料が7、弾薬が10、鋼材が7、ボーキサイトが28増えました◆

◆それでは、本編にやや戻り行動安価を出して終了します◆

◆これ以上船は増えない。基本的に◆あるとしたらキソ=サンではないでしょうか◆





  第三話:【クロスボーン・アゲインスト・カンムス】




提督(……最上には本当に申し訳ない事をした)


 あれから、顔を合わせて呼びかけようとするたびに「最上だよ?」と言われてしまうのも無理はない。

 事前に、手元の資料で艦の特性を把握しようとした事が裏目に出た。

 最上、三隈、鈴谷、熊野――最上型重巡洋艦娘。その粗方の諸元。

 どこかで、情報が混ざってしまったのだろうか。何とも申し訳ないほどだ。


提督「……資源は、相変わらず厳しいな」


 それでも大将からの輸送があった分、多少は持ち直した。

 今、彼は何をしているのか。

 ……彼は冗談めかして「一人で嵐の海賊だ」等と言っていたが、どこまでが真実か判らない。


提督(……浜風。彼女は一体、どんな艦娘なのか)

提督(……)

提督(それにしても……龍鳳が来てから、食事のレパートリーが増えたな)

提督(浦風も料理上手なんだが、数の多彩さという意味では龍鳳は優秀だな)



1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価
6:浜風の様子を見に行ってみよう

↓2


◆それでは雲龍との会話が決まったところで今日はここまで◆

◆龍鳳=サンとのラブコメも控えている◆浜風=サンも◆



┏───────────┓
  燃料:32   鋼材:61   
  弾薬:69   ボーキ:100
┗───────────┛


【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「……装甲の大きさなの? むぅ……。……。…………動きやすいからいいのよ!」
好感度:58(+?)
環境・志:4・7      ★
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「わ、和食ならうちじゃ! うちじゃけえ! のう? のう!」 
好感度:06(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「浜風、って子が駄目だったら……そのときは、ねぇ」
好感度:37
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「……最近、ご飯が、おいしい」
好感度:11
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3
 ◆スキル【探索上手?】:もう一度サルベージゾロ目で……

【龍鳳】「攫って行くって……あれはひょっとしてカッコ……いや……でも、その……いえ、もっと親しく……えっと」
好感度:18
環境・志:1・8
カラテ:10    知能指数:10 センス:11
精神的:18/7  ブッダ:8    体温:2
 ◆スキル【収益上手?】:もう一度収益結果ゾロ目で……

【最上】「も・が・み、だよ? も・が・み。りぴーと、あふたー、ボク……も・が・み」
好感度:02
環境・志:2・5
カラテ:12    知能指数:10 センス:22
精神的:14/15 ブッダ:5  体温:1


+・浜風:31 


◆備えよう◆このスレはラノベ風ホノボノだし少年漫画王道です(ガチ)◆


提督「……」


 黙々と、只管芋の皮を剥く。

 どんな地域にあっても育つというのは、なるほどジャガイモの凄まじさだ。

 ……それにしても。

 量が、多い。


提督「……」


 叢雲から、罰だと言いつけられていた。

 艦娘の名前を間違えるなんて何事か――と。

 確かにやってしまった以上、申し開きの出来ない事であり、彼自身反省すべき事だ。

 であるからして、提督はこうして芋を剥いていた。芋の皮を。


提督「……段々と楽しくなってきてる自分が悲しい、な」


 ボウル何個分もの、芋。

 傷を直すと腹が減るからだ、と言われれば是非もない。

 ひたすらに芋。どこまでも芋、だ。


提督「……」


 段々そうしていると、芋の個性が見分けられるようになってきた。

 角張っているもの。丸いもの。細長いもの。小さいもの。歪なもの。均等なもの。……様々だ。

 そう言えば陸軍時代も、よく芋を剥いたものだ。

 得てしてその手のものは兵卒の仕事なのだ。


提督「……この芋は、叢雲さんに似ているな」


 二つほど、突起が目立つ。彼女の艤装のようだ。

 探せば他にも、艦娘に似た形のものがあるかもしれない。

 膨大な芋との戦いの末に、提督は混乱を始めていた。


提督「丁度いいか……この芋を使って、艦隊戦の動きの確認をしよう」

提督「浦風は……これか?」

提督「この芋は……龍田みたいだな」

提督「これは、龍鳳に似ているな。……鯨みたいだが、元は大鯨というらしいしな」

提督「これは……最上か」


 深海棲艦役の芋を振り分けつつ、艦娘の芋を探していく。


提督「雲龍がいないな……」

提督「雲龍……」

提督「雲龍……」

提督「……」

提督「……この、二つぐらい大きな出っ張りがあるのでいいか?」




雲龍「……」



提督「この芋は……敵空母。これが敵戦艦」

提督「……解りにくいな」

提督「ここは、傘型に行ってみるか?」

提督「雲龍と龍鳳は遠ざけるとして……最右翼と最左翼か」

提督「……いや」

提督「これで横合いから敵の潜水艦が来たら……そうだな」

提督「となると菱形……海軍で言うなら輪形陣のようなものか?」

提督「潜水艦哨戒は駆逐艦と、中心左の軽空母の哨戒機が……」


雲龍「……」



提督「叢雲さんは下手に防御に使うよりも、前に向かわせた方がいいな」

提督「敵戦艦や空母の動きを撹乱でも……」

提督「……」

提督「……」

提督「……どっちが敵空母だ?」


雲龍「……」


提督「……」

雲龍「……」

提督「……」

雲龍「……」

提督「……いつからだ?」

雲龍「段々と、楽しくなって来ている……あたりから」

提督「……」


 提督は驚愕した。

 彼とて、幼少の頃から文武両道を至言とする海洋学者の父によって鍛えられて来たのである。

 柔道、空手、剣道――実にそれは多岐に渡り、その実力は一部の艦娘を超えている。

 そんな彼に気付かせることなく雲龍はアンブッシュしていたのである。何たる業前か。


提督「……人が悪いな。俺を笑い者にしてたのか?」

雲龍「えっと……そうじゃなくて」

提督「?」

雲龍「私たちの事を真剣に考えているのね、って……」

提督「……雲龍」

雲龍「……」

提督「そういうことは、目を見てから言ってくれないか?」

1:「……それで、俺に何か用があったのか?」
2:「丁度いい。……少しだけ手伝ってくれないか?」
3:「雲龍は出掛けないのか?」
4:「他の皆は何をしているか、知ってるか」
5:自由安価

↓3

選択肢:2 「丁度いい。……少しだけ手伝ってくれないか?」(好感度ボーナス+1)



提督「丁度いい。……少しだけ手伝ってくれないか?」

雲龍「えぇ、えっと……」

提督「……」

提督「……皮向きの方だからな?」

雲龍「ああ、そっちなのね……」

提督「……君は俺をなんだと思ってるんだ?」


 失態だ。提督は顔を押さえた。

 出る杭は打たれる……じゃなくて、人を呪わば穴二つ……でもなく、壁に耳あり障子に目ありも違う。

 ……。

 ……穴があったら入りたい、だった。彼の精神状態は。


提督「……」

雲龍「……」

提督「……」

雲龍「……」

提督「……雲龍は」

雲龍「?」

提督「芋は、好きなのか?」


雲龍「そうですね……」

提督「……」

雲龍「暖かい食事なら、何でも好きです」

提督「ああ、確かに」


 乾パンとか、戦闘糧食とか……不味い。

 特に陸軍のレーションは、演習においては演習前に缶を纏めて鍋で煮てから携行する。

 食べる頃には冷めていて、冬場ともなると固まっている。お赤飯なんかは、箸が折れる。

 あれに水筒の水をかけて食べるのは、何とも悲しい気持ちになってくる。


雲龍「提督は、お芋はどうなんですか?」

提督「うん、そうだな……」

提督「ハハハ、こうも皮向きが続くと嫌いになりそうだ」

雲龍「ふふ」

提督「まあ、暖かい食事にありつけるなら十分だな」

雲龍「はい」


↓1 雲龍の好感度上昇(+1)


◆雲龍=サンの好感度が4上昇しました◆

◆なおこのあと叢雲=サンに見付かって「手伝ったら罰にならないじゃない」と言われた模様◆胸部装甲◆



提督「……結局あの後、皆で皮剥きか」


 叢雲が何だかんだと言いながら手伝いに加わり、そこに龍田が通りがかり、浦風も来た。

 あの後、大量の芋は一部を磨り潰して粘土状にして餃子のようなものの皮に。

 他には団子にして料理に使っていた。


提督(それにしても……艦娘の食事は基本的に温かいって聞いたんだが)

提督(うーん)

提督(……何でも好き、ってことか?)





1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価
6:浜風の様子を見に行ってみよう

↓2


提督(さて、と)

提督「龍鳳、大丈夫か?」


 部屋の前でノック。

 部屋というよりは、船渠――小さな診療所のような施設。

 言い換えるなら、学校の保健室か。


龍鳳「え、えっと……」

提督「……誰か着替え中なのか?」

龍鳳「はひゃ!? いえ、き、着替え中ではないんですけど!」

提督「体を拭いている……とか」

龍鳳「そうでもないです! でも……」

提督「……」


 取り込み中なら出直すべきか、と提督は首を捻った。

 デリカシーなく踏み込む、というのは女所帯においては鬼門なのだ。


龍鳳「脱げな…………きゃっ!?」

提督「龍鳳――!?」


龍鳳「痛……たた」

提督「……」


 扉を開いたそこに居たのは、ベッドの上に眠る浜風と。

 桜色の着物の上に何故だか白衣(しかも袖をだぶつかせた)を羽織り――。

 そして尻餅を着いて、足を投げ出した龍鳳だ。

 ご丁寧に聴診器を首から下げて。

 どこから持ち出したのか掛けられた眼鏡が、ズレていた。


龍鳳「……ぁ」

提督「……」

龍鳳「あの……」

提督「……」

龍鳳「こ、これはあくまでも衛生的なことを気にしただけでですね」

提督「……」

龍鳳「べ、別にこうしてみると保健室の先生みたいだな――なんて思った訳じゃ……!」

提督「……そうだな」

龍鳳「判って、くれました?」

提督「ああ、龍鳳先生」

龍鳳「~~~~~~~~~~~~っ!?」


龍鳳「ち、違います……! 違いますっ!」

提督「いや、その…………気にしなくてもいい、んじゃないか……? 艦娘の艤装もある意味そんな――」

龍鳳「違いますっっっ」

提督「……」


 当人が違うと言うなら、これ以上は触れるのは止そう。

 恐らくきっと、看病で手透きで軽い気持ちで行っただけ……なんだろう。

 提督は深く考えるのを止めにした。

 誰にでもそんな気持ちになることが偶にはある。

 それに触れないでやるのも、優しさなのかもしれない。

 この話は終わりにしよう。


龍鳳「……あ、でも」

提督「?」

龍鳳「似合って、ました……?」

提督「……」


 ……、……終わりにしないの?

1:「……この泊地には、馴れたみたいだな」
2:「君はもう大丈夫なのか?」
3:「今何か、したいこととか……気がかりなことはないか?」
4:「……好きなのか、その、そういうの」
5:自由安価

↓3

選択肢:2 「君はもう大丈夫なのか」



提督「……」

提督「ええと、君はもう大丈夫なのか?」

龍鳳(……むー)

提督「君の分の修復材は用意されてなかったからな」


 つまり、龍鳳に関しては普通の手当てと修理、という形になった。

 ただしどちらにしても、彼女たちの艤装――そのブラックボックスを破壊する必要があった。

 なので皆の艤装に手を加える、というのは高速修復材に関わりなく行われるので手間としては無駄ではないので良しとしよう。

 艤装も幸いにして機械部分の摘出で、その他生体部分に関しての損害は少なかったのも僥倖だ。


龍鳳「はい! この通り、元気ですっ」

提督「ああ、そうならよかった」

龍鳳「……また、鍛え直しですけどね」


 問題があるとしたら――ブラックボックスの摘出。

 ブラックボックス――戦闘での位置の把握や航跡の把握。轟沈しても関知できるような、そんな装置。

 泊地からの足抜けには破壊が必要だが、これには同時に隣接する火器管制装置も捨てざるを得ず――。

 それにより、武装への慣れや彼女の癖に応じて改修されたソフトウェアはリセットされてしまった。

1:「俺も提督は初めてだから、初めて同士丁度いいさ」
2:「大丈夫だ。君の経験自体が、なくなった訳じゃない」
3:「ここからの、再スタートだと思おう」
4:「ああ、一緒に強くなろう」
5:自由安価

↓3

選択肢:1 「俺も提督は初めてだから、初めて同士丁度いいさ」



龍鳳「ごめんなさい……」

提督「……いや、気にする必要はない」

提督「実を言うと――俺も提督は初めてだから、初めて同士丁度いいさ」

龍鳳「は、初めて同士っ!?」

提督「え」

龍鳳「あ、いや……じゃなくて、あの、初めて……なんですか、提督するの……?」

龍鳳「その……提督のアレ……凄く立派でしたけど……」

提督「そうか……その辺り、話してなかったな」


 思えば海賊とか、泊地と争うとか、そんな話はしていたけれども。

 彼と彼女は、お互いの経歴については話をしていなかったのだ。

 叢雲のように、何故艦娘になったのかの事情はそれぞれ。だからこそ、そこについては詳しく触れられないが。

 それでも、共に戦う仲間として……知っておくべき事の説明ならできるだろう。


提督「じゃあ、少し時間を貰えるか?」

龍鳳「は、はいっ」


◆ラブコメというほどのラブコメを入れそびれた◆どこかで入れ直す◆

◆しかしケジメのボーナスは入る◆


↓2 龍鳳の好感度上昇(ボーナス+5)


◆備えてないのでズレます◆セプク◆

◆好感度14上昇なんですがチョロ過ぎませんか?◆


提督(……少なくとも、龍鳳から見て様にはなってると想うくらいに上手く指揮は出来ていたみたいで何よりだな)

提督(まぁ)

提督(それでも、艦娘に助けられてる意味合いの方が多い……か)


 演習を除けば、実戦指揮はあれが初だろう。

 以前の、泊地への輸送船との邂逅は方針だけ示して戦闘指揮を行っていない。

 それにあれは、戦闘的な意味合いも少なかったのだ。航空機の迎撃を、叢雲が行っただけなのだから。


提督(さて、と……)




1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価
6:浜風の様子を見に行ってみよう

↓2


◆浦風「おどりゃ浜風、名前がベイスファンじゃのう!」◆了解です◆

◆あと一応龍鳳(大鯨)からの改造レベル25なので一部オープンするという話です◆今日はここまで◆



┏───────────┓
  燃料:32   鋼材:61   
  弾薬:69   ボーキ:100
┗───────────┛


【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「……料理? その、龍鳳さんが? ふぅん、そんなの別に――――ンマァァァァァイ!? なにこれおいしいわね!?」
好感度:58(+?)
環境・志:4・7      ★
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「提督さん、ちぃっとええかいねぇ?」 
好感度:06(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「……私は、缶飯でいいかなぁ~」
好感度:37
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「皆と食べるご飯は、美味しいです……皆と、一緒に」
好感度:15
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3
 ◆スキル【探索上手?】:もう一度サルベージゾロ目で……

【龍鳳】「うう……白衣は駄目だったのかしら……?」
好感度:32
環境・志:1・8
カラテ:10    知能指数:10 センス:11
精神的:18/7  ブッダ:8    体温:2
 ◆スキル【収益上手?】:もう一度収益結果ゾロ目で……

【最上】「ヘイ、わん・もあー。も・が・み。ボクはも・が――、……しつこかった? ごめん、でも……うん……」
好感度:02
環境・志:2・5
カラテ:12    知能指数:10 センス:22
精神的:14/15 ブッダ:5  体温:1


+・浜風:31 


◆今夜もある◆備えよう◆今月のパンプキンシザーズも人間讃歌でしたね◆


◆緩やかに◆始めます◆


浦風「提督さん、ちょっとええかいねぇ?」

提督「ん、どうした?」

浦風「浜風の事で……」

提督「……ああ」


 思えば、同じ陽炎型――。

 勿論、姉妹艦が実際に姉妹とは限らない、とは叢雲の談。

 実際に姉妹でなくとも、適性で艦娘が決定する以上、姉妹というのは有り得るのだ。

 尤もまた、適性であるが故に遺伝的に近似な存在が同型艦に選ばれる事もある。


提督「本当の姉妹なのか?」

浦風「まさか。弟分や妹分は多かった……ほいじゃが天涯孤独じゃけえ」

提督「そうか……まあ、確かに似てはないな」

浦風「見た目は宛にならんよ? 艦娘手術や艤装の影響で、髪や目の色は変わるけぇ」

提督「ああ、そうだったな」


 しかし、となれば。

 同じく逃げ出して来た龍鳳や最上が気にするならともかく、浦風が……というと。


提督「昔の知り合い、ってところか?」

浦風「まぁ、うん、ほーじゃね」

提督「知り合いか……」


 それなら気になるのも当然か、と頷く。

 そんな邂逅が多いのかは彼の知るところではないが――ここであったのも何かの巡り合わせだ。

 存分に語り合って貰うのがいいだろうし……。

 何より、


提督「……心配だよな」

浦風「ん?」

提督「え?」

浦風「心配は心配じゃけど、その……」


 浦風の歯切れは、悪かった。


 そうして辿り着いた医務室。

 扉一つで隣するのは艤装の修理場。海水を導ける壕がある。

 合わせて、船渠。

 医務室には――薬が並んだ棚と、押せば展開される無菌ビニールに包まれた診察台。

 あとは簡易なベッドと、それを取り仕切る色褪せた白のカーテンだけ。

 本当に、保健室のようだ。


提督(……龍鳳先生か)


 思い出された、頬を赤らめながら必死に弁明しようとする龍鳳の姿に提督が笑みを溢しそうになったそこ。

 何かの影が提督の背後に滑り込むと同時に、左の膝裏に衝撃。

 片膝を付いたそこ、巻き付く腕と突き付けられた――箸。


浜風「動かないで。……抵抗すると、鼓膜と内耳を破壊するわ」


◆浜風=サンのステータスを決める◆


【浜風】
好感度:00
環境・志:3・1
カラテ:7+    知能指数:1+ センス:4+
精神的:1+/9+ ブッダ:?  体温:?


↓1 カラテ
↓2 知能指数
↓3 センス
↓4 精神的①

※0は10な ※ゾロ目は+10

◆備えてない分は次から備えよう◆


◆浜風=サンのステータスを決める◆


【浜風】
好感度:00
環境・志:3・1
カラテ:16    知能指数:7 センス:11
精神的:16/9+ ブッダ:?  体温:?


↓1 精神的②
↓2 ブッダ
↓3 体温

※0は10な ※ゾロ目は+10


◆今気付いたが、知能指数の初期値は3だった◆

◆ブッダピース◆ギャンブラー浜風の誕生だ◆あとそこはかとなくインビ!◆


【浜風】
好感度:00
環境・志:3・1
カラテ:16    知能指数:10 センス:11
精神的:16/16 ブッダ:18  体温:7

1:「お礼、にしては随分じゃないか?」
2:「……当たってるぞ?」
3:「後遺症は、ないみたいだな」
4:「……何か言ってやってくれないか、浦風」
5:「……情熱的だが、拘束は甘いな」
6:「何が目的なんだ?」
7:自由安価


↓3 ※選択肢によって対決内容に変化が ※例えばカラテ+センスやカラテ+精神的②など ※結果によって好感度変化


◆選択肢2により、カラテ+精神的②+コンマの勝負◆

◆なお選択肢1はカラテ+(精神的②-精神的①)◆選択肢3は精神的①◆選択肢5はカラテ+知能指数+精神的②◆



提督:カラテ(16)+精神的②(26)+コンマ合計 ↓1

浜風:カラテ(16)+精神的②(16)+コンマ合計 ↓2

※0は10 ゾロ目はゴウランガ!


◆61と47◆テイトクが90だった時点で浜風=サンに生きる道はゾロ目しかなかったのだ◆

◆テイトク=サンのジュー・ジツ!◆

◆おお、見よ……あの巧みな話術とカラテを!ゴウランガ!浜風=サンは逆に制圧されてしまった!何たるワザマエか!◆

◆好感度にボーナス入ります◆



提督「……当たってるぞ?」

浜風「当ててるんで――」


 膝を屈された提督の後頭部に、患者服越しに浜風の胸部が押し付けられている。

 首に巻き付いた左腕と、耳に箸を挿入しようとする右手。そして実際豊満な胸部だ。

 だが、提督は冷静だった。

 浜風が侮蔑のように吐き捨てようとするそこ、呼吸を読んだ。

 同時に提督の右手が全ての指で浜風の左小指を握り、一気に手前に巻き込んだ。


浜風「――――っ!?」


 痛みに引き攣り曲がる手首と、左肘。

 それを見逃す提督ではない。

 既に行動開始と同時に、流れるように動いた彼の左手は浜風の左肘を押し上げたのだ。

 間断を置かずに提督は行動を開始している。


浦風「……おぉ」



 浦風もまた、瞠目した。

 彼女の常識からすれば、背後を取られ片膝を着かされた時点で“詰み”――チェックメイトだ。

 だが違う。

 これが、武か。

 提督は浜風の指を咎めて肘と肩――腕関節を苛むと、そのまま肩に担ぐように、体を畳み転がった。

 片膝立ちの提督の回転に巻き込まれた浜風が、左腕に釣られて背中から着地。収まらぬ首に、後頭部を強かに打つ。

 体を開いて仰向けに倒れ込んだ浜風。

 脳と三半規管への衝撃も然ることながら――その左手は、確りと関節を極められていた。

 詰みが、逆転した。


提督「……その箸がナイフだとしても、余計な事はしない方がいい」

提督「俺はこのまま、君の左手を使って痛みで君の動きを止める」

提督「それに二対一だ……余計な事はしないでくれ。病み上がりの君に、手荒な事はしたくない」

浜風「……」


提督「……」

浜風「……」

提督「……頼む」


 優位である提督からの、そんな言葉に――転がる箸。

 浜風は手を獲物を捨てた手をヒラヒラと、溜め息を漏らした。

 観念したらしい。


浜風「……せめて、人権的な待遇をお願いします」

提督「ああ」

浜風「処女なんです」

提督「……、……は?」

浜風「確かめますか?」

提督「……」


 助けを求める風に、提督が浦風を見る。

 そこで漸く浜風も浦風へと目を向けて――


浜風「……浦、風」

浦風「んー、男に掴まってるとこばっかりようけ会うのぅ」

×浜風「……せめて、人権的な待遇をお願いします」

○浜風「……せめて、人道的な待遇をお願いします」


 立ち上がって。

 とりあえず二名とも、深々と頭を下げた。お辞儀だった。


浜風「どうも、浜風です。……先程は失礼を」

提督「どうも浜風さん……提督です」

提督「俺の方こそすまなかった。大丈夫か?」

浜風「その、一つ……」

提督「ん?」

浜風「セク、ハラを……」

提督「……」


 提督はまた浦風を見た。助けを求めているのだ。

 とても先程の、鬼神のごとき業前を披露した青年には見えない。

 どことなく哀愁が漂っている。


浦風「あー、提督さんも弱みを抑えられたのぉ」

提督「……?」

浦風「浜風、昔は違法な賭場に出入りしとったから……」

浜風「勝ってもリンチに遭うのも珍しくなかったけど」

浦風「助けに入ったのが縁じゃねぇ」


 とりあえず、二人とも過去に訳あり――の人間らしい。

 こんな時代だから仕方がないかと、提督も顎を下げた。

 そこからは、彼女が眠っている間の経緯。

 何があったのか。どうなったのか。そしてどうしてここにいるのか。

 理解した浜風は、申し訳なさそうに床に転がった箸を眺めて呟いた。


浜風「てっきり、どこかの国に拉致されたのかと思って……」

提督「……なるほどな。それにしたって、勇敢だが」

浜風「運命の女神は、前を向くものにしか微笑まないんです」


 さらりとそう漏らした彼女に、提督は頭が下がる思いだった。

 見上げたものだ。

 仮に拉致されたとして――それでも高々、箸を武器に単身脱出を図ろうとは。

 同時に彼も理解した。

 あの組合では提督こそ勝利したが、目の前の少女と単純な実力は――伯仲であろうと。

 幼少期から武道を嗜んだ彼と、同程度の腕前。

1:「これからどうするかは……二三日したら聞きたい」
2:「俺たちと一緒に……戦ってくれないか?」
3:「浦風と話でもあるだろう。俺は、その後でいい」
4:自由安価

↓3


提督「単刀直入に言う」

浜風「なんでしょうか?」

提督「俺たちと一緒に――戦ってくれないか?」


 その力は間違いなく、艦隊の助けになる。

 あの泊地と戦う上での、助けに。

 しかし、浜風の顔色は……


浜風「……」

浜風「泊地との戦い……なんて馬鹿げてます。分が悪いと思いませんか?」

提督「……ああ」

浜風「資源も資材も装備も、文字通り桁が違う」

浜風「私たちは司令の意図を知らなかったけど……きっと、知りながら実行する実働部隊もいます。それも高練度の」

提督「……」

浜風「それでも、戦うんですか? 何を理由に?」

1:「……罪なく踏みにじられる人の為に」
2:「自由と尊厳の為、だ」
3:「見過ごせない……理由はそれで十分だ」
4:「何にしたって、こうなってしまったら戦うしかないんだ。俺たちに選べる道は……」
5:自由安価

↓3

選択肢3(好感度ボーナス+2)



提督「見過ごせない……理由はそれで十分だ」

浜風「ふうん、そうですか」

提督「ああ。十分すぎる」


 提督の、彼が正面から向ける瞳と交差する浜風の目線。

 そのまま、暫しの沈黙。

 やがて、顎を背けたのは浜風の方だった。


浜風「……私は、賭けに負けました。ここを抜け出すという賭けに」

提督「……?」

浜風「後ろを取ったときに、決まったと思ったんですけど……駄目でしたね」


 やはり、確定してしまった賭けとは相性が悪い――浜風はそう嘯く。

 先程までの、どこかポーカーフェイスよろしき澄まし顔ではない。

 婀娜めいた、蠱惑的な薄ら笑い。


浜風「――協力します。泊地との戦いに」

提督「分が悪いんじゃなかったのか?」

浜風「分が悪い賭けは嫌いじゃないんです」


 「自分という出目を試されているみたいで」――そう、浜風は付け加えた。


◆正直あそこまで圧倒的に勝利するとは思わなかった◆

◆腕に自信のあったハマカゼ=サンは気に入ったみたいです◆


浦風の好感度

↓1 +勝利分(14/2)


浜風の好感度

↓2 +勝利分(14) +ボーナス(2)


◆浦風の好感度が15上昇しました◆

◆浜風の好感度が22上昇しました◆


提督「これで七人……か」

叢雲「ん?」

提督「うちも大所帯になったな、って」

叢雲「……ってなると名前が必要ね」

提督「名前?」

叢雲「艦隊の名前に決まってるじゃない」

提督「ああ……」


 確かに。

 海賊尖兵でクロスボーンバンガードでいいか、と思っていたが。


提督「叢雲さ――」

叢雲「……」

提督「……、叢雲には何か希望があるのか?」

叢雲「そうね」

叢雲「……うーん、うちには龍が三人いるわね」

提督「龍?」

叢雲「龍田、雲龍、……龍鳳」

提督「ああ、確かに」

叢雲「だから――そう、キングギドラね!」

提督「……」

叢雲「キングギドラ!」

提督「……二度も言わなくていいから」



1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価
6:皆で艦隊の名前を決めようか

↓2


◆しまった皆が備えてないのに安価を出してしまった◆

◆龍田は了解しましたが改めてもう一度安価を出すので備えて下さい◆あとチョロインの過去開示忘れてた◆


◆ハイハイ、揉めない揉めない◆揉んでいいのは瑞鶴さんと大鳳さんの胸、そう思いませんか?◆

◆これも全て24時を跨いだのに忘れてて回避を待てなかった1=サンのケジメな◆

◆備えよう◆


1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価
6:皆で艦隊の名前を決めようか

↓2


※何にしても龍田さんも一緒だぞ
※ひょっとするとラブコメ重点な


◆三人くる◆何たることか!合わせて四人!ラブコメめいたハーレム!◆

◆今日はここまで◆




┏───────────┓
  燃料:32   鋼材:61   
  弾薬:69   ボーキ:100
┗───────────┛


【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「キングギドラの何が悪いのよ、何が!」
好感度:58(+?)
環境・志:4・7      ★
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「ドラゴ……龍を艦隊名にするよか、カー……鯉じゃ。うん、鯉。……え、関係ない?」 
好感度:21(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「龍、龍…………真龍王とか~? 真の意味? ないよ~?」
好感度:37
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「キマイラ、とか。……龍じゃないか」
好感度:15
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3
 ◆スキル【探索上手?】:もう一度サルベージゾロ目で……

【龍鳳】「龍もいいですけど……ありきたりなんでオリジナリティ、ナンバーワン、オンリーワンで……その、鯨とか……」
好感度:32
環境・志:1・8
カラテ:10    知能指数:10 センス:11
精神的:18/7  ブッダ:8    体温:2
 ◆スキル【収益上手?】:もう一度収益結果ゾロ目で……

【最上】「……艦隊の名前を決めるの? 決めても、言い間違わないといいね。……。……なんでもないよ」
好感度:02
環境・志:2・5
カラテ:12    知能指数:10 センス:22
精神的:14/15 ブッダ:5  体温:1

【浜風】「ドラゴ……龍よりここはそう、星ですね。スターがいいと思います。……ヒトデ?」
好感度:22
環境・志:3・1
カラテ:16    知能指数:10 センス:11
精神的:16/16 ブッダ:18  体温:7


◆備えよう◆龍鳳=サンのエピソードをどこに入れるか迷ってます◆


◆補給をしながらですが始めます◆ちょっとSFチックな話が出ますがお気になさらず◆


提督(浜風は……あれほどの重傷だったのに、後遺症もなしか)

提督(鍛えているのもそうだが、運が太いな)

提督(……さて)


 そろそろか、と時計を見る。

 もう一人の戦傷者、最上である。

 あれから何度か食事を運びがてら彼女に与えた居室に顔を出そうとしているが、門前払いだ。

 理由は判っている。判りきっている。

 その事も含めて会いたいのだが――そもそも面会も叶わなければ、それ以前の問題だ。


提督「……怒る、だろうな」


 彼女たちは艦娘となると同時に、本来の名を奪われるのだ。

 それは社会的、書類上の話ではない。

 彼女たちは軍の監視下でなくとも、艦としての名前を使い続ける。無論、それに渾名を付けることはあるが……。


提督「……雲龍、いいか?」

雲龍「どうしたんですか?」

提督「重大な……事件なんだろうな」

雲龍「……? 私でいいなら……」



 かいつまんで、提督は事情を説明する。

 事情というには――それほどの深さを持ってはいないことだが。

 すると雲龍は、


雲龍「ああ、それで……」

提督「そういう訳で、俺一人だとな……話もして貰えないんだ」

雲龍「いいけど……」


 歯切れの悪い雲龍。

 珍しいな、と提督は目線を向ける。

 控え目に言葉を少なくする事はあっても……いつもはこう、口ごもるようなものを見せないのだ。

 ややあって、


雲龍「どうして私に?」

提督「ん?」

1:「君が一番落ち着いてるし……適任だと思ったんだ」
2:「特に理由はないが……」
3:「……迷惑だったか?」
4:自由安価

↓3


◆ゾロ目だ◆備えよう◆

パソコンに替えるので待ちましょう

お待たせしました



提督「君が一番落ち着いてるし……適任だと思ったんだ」


 叢雲は、あの意思の強さとはっきりとものを言うところが美点だ。

 ただそれが、思わぬ衝突を生むかもしれない。

 浦風は懐が深そうであるが、浜風と積もる話があるだろうから除外――浜風は浦風が死んだものだと思っていたらしい――。

 龍鳳は今のところ、家事が得意で、どことなく隙がある風であるという感想。

 となれば残るは龍田か雲龍であり――。


雲龍「私、が……」

提督「ん、雲龍?」

雲龍「嬉しい、です…………うん、嬉しいわ」


 しかしそんな提督の考え以上に、雲龍の声には喜色が滲んだ。


提督(そこまで喜んでくれるようなものなのか?)


 悪い気はしないが、と提督は呟きそうになり――


龍田「あれ~?」


提督「龍田か」

龍田「珍しい感じだけど、どうしたの~?」

提督「珍しい……?」

龍田「雲龍ちゃん、いっつも空を見てるから~」

提督「そうなのか」

雲龍「はい……そうですけど」

龍田「だから、ね」


 なるほど。

 活動的な雲龍が珍しい、という訳か。


提督「そうか……なら、ありがとう。俺一人じゃな」

雲龍「いえ……お役に立てるなら、嬉しいです」

龍田「あはっ」


 小さく笑みを零して。


龍田「それ、一人じゃ不安なの?」


提督「……というより、俺一人じゃどうしようもない」

龍田「何をやっちゃったの~? おさわり?」

提督「名前だ。……君たちにとっての意味を忘れていた」


 深海棲艦を解析した結果――彼らが構成する独自の神経細胞ネットワーク。

 金属内の自由電子が、集団としてある粒子の様に振る舞う“揺らぎ”。

 体内に金属を含有する彼ら深海棲艦は、そんな“揺らぎ”を記録媒体として利用していたのだ。

 “金属の記憶”――などと俗に称されるそれを、人類は深海棲艦との戦いの過程で解析した。


 そして、何とも不思議な事であるが……。

 かつて沈んだ軍艦などを形成していた金属も、戦闘かはたまた別の要員で特定の震動――“揺らぎ”を有しており。

 そんな“記憶”を、戦闘に活用した。

 艦娘の用いる火器や艤装の脳波コントロール装置――ブレイン・マシン・インターフェイスの制御/或いは戦闘行動の円滑化。

 なにが“揺らぎ”への影響を及ぼすのかは判らない。未だ解析に至っていない。

 ただ“揺らぎ”がある。そして、現実に於ける何かが金属への“揺らぎ”を与えている。

 故に艦娘は。

 祈るように。

 常に己がその名の兵器であると、記憶を繰り返し続けるのだ。劣化しないように。自分自身から。周囲から。


提督(本名までも差し出した彼女たちに、名前を間違えるなんて……)


龍田「ああ~、確かに……名前って大事だもんね~」

提督「……ああ、すまない」

龍田「だって私、これ以外に名前がないから~」

龍田「もしあなたが間違えて呼んだら……斬っちゃう、かも」

提督「肝に銘じておくよ」

雲龍「私も……気に入ってるし」

雲龍「間違えて覚えて居られたら、ショック……です」


 龍田の警告に並んで、静かながら強い口調の雲龍。

 まったくもってその通りだと、提督は顎を傾けた。


提督「……そういう訳で、俺一人じゃ碌に話もして貰えないんだ」

龍田「あ、じゃあ~」

提督「ん?」

龍田「私も一緒にいってあげるね~? 一人より、二人って言いますから~」


雲龍「……」

龍田「……」 ニコニコ


 なお、どうでもいい話であるが――。

 その頃、叢雲は「んまぁぁぁあああい!? あなた凄いわね!」と口の周りにソースを付けていたし。

 龍鳳はと言うと、「プッタネスカ……娼婦風スパゲッティです! 倉庫にイワシのオイル漬けがあったので」とにこにこしていた。

 ちなみに浜風と浦風は、野球の話で煽り合いに発展していた。


提督「そうか? 雲龍だけで十分だと思うが……」

雲龍「……!」

龍田「……」

提督「まぁ、面通しって意味なら……丁度いいか」

龍田「……!」

雲龍「……」


1:「呼びかけは……雲龍、いいか?」
2:「龍田。最上を読んでやってくれ」
3:「ここは天の岩戸作戦だ」
4:普通に鉢合わせした。ラブコメ的に  (カラテと精神的②、ブッダで勝負だ)
5:自由安価

↓3


◆ということでラッキーケジメを賭けて勝負だ◆


 提督:カラテ(16)+精神的②(26)+ ↓1コンマ

         VS

 提督:ブッダ(12)  + ↓2コンマ


◆「ブッダが勝つ手段はあったのですか?」「ブッダが本当にブッダなら00を出して勝ちます」◆00ならサービスだ◆

◆ゴウランガ!おお、見よ!これがテイトクだ……!◆

◆何たるカラテか!彼にはラブコメめいたオヤクソク=アティチュードが通用しない!◆ノーカラテ・ノーテイトク◆


龍田「それで、どうするんですか~?」

提督「俺が呼びかけても相手にされないから……そうだな、それとなく誘ってくれればいい」

龍田「じゃあ私かな~、前にも助けてるから~」

雲龍「でも、空間認識能力は……私の方が」

龍田「演技力なら私だよ~?」

雲龍「……」

龍田「……」

提督(……張り合う事なのか? 熱心なのは判るが)


提督「それじゃあ、ここは――」


 そう、顔を向けたその時に。

 曲がり角から進んでくる最上と提督は、見事に激突。

 その勢いのまま、よろけた提督が最上を押し倒そうと――


提督「――すまない、大丈夫か!」


 ――――否ッッッ、これは、三戦立ちッ!!!!


 三戦立ち――という姿勢を諸君はご存じだろうか。

 やり方は簡単だ。

 足首を内に向けて、足全体を内股に。後はそのまま腰を落とす。

 コツがあるとするなら、膝で見えないボールを挟み込むように腹筋を入れる。

 骨盤底筋が引き絞られて安定するこの立ち方は、船の上などの安定性にかける場所や――。

 また或いは、続に言われる“発勁”を放つ際に、効率よく大地からの反動を得る為に使用される。

 幼少期からの父親による特訓。

 彼にとっては苦痛と拒否感しかなかったそれであるが――その体の根底に沁みついていた。

 これが――提督! これが空手である!


提督「悪い、よそ見をしてた……怪我はないか?」

最上「あ、あの……ボクも、よくぶつかっちゃうから……仕方ないよ」

提督「そうか……」

最上「でも……」

提督「?」

最上「そろそろ離してくれると……う、嬉しい、かも……」



龍田「……」

雲龍「……」


提督「この間といい……君には、悪いな」

最上「……本当だよ。倒れてたら、危なかったし……」

提督「……」

最上「でも……これは、ボクの方が悪いかな? 昔から、よくぶつかっちゃってるから」

提督「そうなのか?」

最上「うん。だから……逆にこの事は僕がごめん、って感じで」


 でもさ、と区切って。


最上「ボクたちにとって……ボクにとって名前は大事なんだ」

提督「……ああ」


 そう呟く最上の顔に覗いた陰は。

 ただ、艦娘として元の名を奪われた事に対する複雑な感情と言うには――。

 どことなく、愛しく愛しむべきものを抱えているような、奇妙な愛着が覗いていた。


最上「だから……ちゃんと、呼んでよ」

提督「……?」

最上「最上、って」

最上「ボクの事を……最上、って呼んで」

提督「ああ、最上」

最上「そうそう。そんな感じ」


 間違えちゃ駄目だよ、と笑いながら――突如、無言。

 何か、と提督が視線を向ければ。

 頬を掻いて、若干申し訳なさそうに苦笑する最上。


最上「……ごめん、もう一回いい?」

提督「最上?」

最上「へへ……」

提督「……どうかしたのか?」

最上「うん。……最上のままでいられてよかったな、って」


最上「細かい事は龍鳳さんから聞いてるけど……」

最上「ボクも協力するよ、提督たちに」


 口調は明るく、緊張感もないが。

 その瞳に込められた強い意志に、提督は「いいのか?」と聞き返す事を辞めた。

 彼女にもまた事情があり。

 そして譲れないからこそ――彼女自身が決意したのだ。海賊として戦う道を。

 ならば、言える事は一つ。


提督「これから、一緒に戦おう」


 あの日の船の様に右手を差し出して。

 そして、あの日とは違うように――今度は彼女の名を見失わぬように。


提督「――よろしくな、最上」

最上「――うん、よろしくっ! 提督!」



雲龍「……」

龍田「……」


↓1 雲龍 + 選択肢ボーナス(3)

↓2 龍田

↓3 最上 + カラテ勝利ボーナス(1)


◆心優しい1=サンはゾロ目なので見逃してあげるのです◆ウt……RJ=サンの胸部めいた大盤振る舞い!◆

◆雲龍の好感度が4+3=7上昇した◆

◆龍田の好感度が5上昇した◆

◆ゾロ目二倍! 最上の好感度が6上昇した!◆更にプラス+1な◆


提督「『次に間違えたら忘れないようにもっと強くぶつかる』……か」

提督「……」

提督「子供の頃は、嫌でしかなかったけど……」

提督「親父には……感謝だな」


 とは言っても、それももう口には出来ない。

 既に喪われて……奪われてしまっているから。


提督(それにしても……ここしばらくは籠りっきりだな、ここに)

提督(芋の皮むきか、戦術の研究か)

提督(どことなく肩が凝った気がする)




1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価
6:皆で艦隊の名前を決めようか

↓2

※龍鳳がついでに居たら過去を開示する


提督「……さて、集まって貰ったのは他でもない」


 一応は食堂という事になるだろう。

 茶色の木製のテーブルが並んだ大広間。

 すぐそばにはコンロなどの調理機材が並んだカウンターが見えるし。

 部屋をそのまま奥に進んだ先の白いドアからは、海岸へと出られる。

 一面に並んだ窓の向こうの、南国特有のやけに強い日差しと風景。白い浜と熱帯樹木に、照り返す海。

 対照的に暗い、室内。


叢雲「はい!」

提督「……なんだ、叢雲」

叢雲「皆が集まっている……歓迎会をまだやっていない……」

叢雲「これが意味するところは……」

叢雲「――バイキングね。私には御見通しよ、司令官」


 ……海賊(バイキング)。確かに間違ってはいない。


提督「……」


浦風「ん、これは野球じゃ。うちには分かる」

提督「……1チームも揃わないぞ」

浦風「ようけ考えたら、ほーじゃのぉ」


浜風「テキサスホールデムでいいですか?」

提督「……すまない、ルールを知らない」

浜風「じゃあ、後で部屋に来てください。教えます」


龍田「乱交?」

叢雲「~~~~~~~~~~~~~~~~~っっっっっっ!?」

龍鳳「~~~~~~~~~~~~~~~~~っっっっっっ!?」

提督「……ごほん」


雲龍「はい」

提督「クイズじゃないんだが……雲龍?」

雲龍「越後製菓」

提督「……」

雲龍「十万石饅頭」

提督「……」


提督「……」


 提督は眉間を押さえた。

 なんだこれは。

 ある意味、艦隊指揮よりも悩ましい。どうしてしまったというんだ。

 オンオフの切り替えはいいがその、何があったというんだ。

 これではまるでそれまで邪道一直線の倒錯恋愛嗜好だった作家が王道ラブストーリーを書くようなものではないか。


龍鳳「……は、はい」


 そんな中、着物の袖を押さえながらおずおずと掲げられた手。

 龍鳳。

 彼女ならば大丈夫か。提督は無言で龍鳳に視線をやった。

 すると、


龍鳳「あ、あたっくちゃんすっ!」

提督「……」

龍鳳「……」

提督「……」

龍鳳「……」

提督「龍鳳」 

龍鳳「……はい」

提督「無理をするな」

龍鳳「…………………………はい」


提督「我々は……そう、十分な数が揃った」

提督「泊地一つとやり合うにしては不安かもしれない」

提督「だが……何も知らされずに、騙されている彼女たちとは違う」

                             ムレ
提督「我々は――――感情と目的を共にする、昆だ」



提督「掲げた覚悟を踏みにじられた者もいるだろう」

叢雲「……」


提督「たった一つの誓いを捨てられた者もいるだろう」

龍鳳「……」


提督「自分の生き方を奪われた者もいるかもしれないし」

最上「……」


提督「理不尽に虐げられたもの……」

浦風「……」


提督「居場所を追われたもの……」

雲龍「……」


提督「何かに追い詰められたもの……」

龍田「……」


提督「目標を打ち棄てられたものだっているかもしれない」

浜風「……」


提督「――だけど、俺たちはここにいる。今、ここにいるんだ」


提督「どんな過去があるにしても――」

提督「どんな理由があるにしても――」

提督「どんな決意があるにしても――」


提督「――――俺たちは仲間だ。俺たちは一つの艦隊で、一つの部隊だ」


 ゆっくりと、彼は回想した。

 彼がかつて軍人であった頃。

 如何にして、指揮官が兵たちを鼓舞したか。どんな文句で、自分たちは起ったのか。

 その事を反芻しつつ。


提督「――一人の恐怖には、残る六人で対処しよう」

提督「――一人の怒りには、残る六人も憤怒しよう」

提督「――一人の苦しみには、残る六人で抵抗しよう」


 声は抑えつつ。しかし、熱を込める事を忘れず。


提督「君たち七人は、誰よりも――何よりも硬い、鋼鉄の七人だ」


 場を見回して。

 全員の瞳を、具に正面から見据えて。


提督「そして俺は、その七人の頭脳になろう」

提督「君たちの殺意も、悲哀も、敗北も、罪過も――――全て俺の責任だ」

提督「ただし、勝利は君たち全員――俺たち全員のものだ」

提督「俺たちは――」


最上「――あ、分かった! 艦隊名?」


提督「……」

叢雲「……」

浦風「……」

龍田「……」

龍鳳「……」

浜風「……」

最上「え? え?」


提督「……」


 雲龍だけは、最上に冷たい目線を向けなかった。

 彼女にはそれほど――そんな事も気にしないほど。気にならないほど。

 提督の言葉に、感じ入る事があったのか。


提督「……ごほん」

最上「ご、ごめん」

提督「いや、気にするな。それより艦隊名――」


叢雲「キングギドラ!」

龍田「トリプルドラゴンとか~?」

雲龍「キマイラ、なんて……」

龍鳳「折角だから……私は提督の、鋼鉄の七人で」

最上「ボクはそのままクロスボーンバンガードでいいかなって」

浦風「カープじゃ!」

浜風「ベイスターズです」


浦風「は?」

浜風「は?」


浦風「ベイスが上位に喰いこんどったのっていつやったか……偉いのう、弱小の応援なんて」

浜風「カープ女子とか、おもしろいですね。とても」

浦風「は?」

浜風「は?」


浦風「今世紀、貯金がいくつやったっか教えてくれんか?」

浜風「……」

浦風「そんなので大騒ぎして弱小は違うのぉ。楽しそうで――」

浜風「十六年ぶり貯金十で大騒ぎしてましたね」

浦風「は?」

浜風「何か?」


浦風「じゃけぇ、語るに落ちよったな。ベイスターズに貯金十なんて夢のまた夢――」

浜風「セリーグでのBクラス最長記録」

浦風「は?」

浜風「何か?」


浦風「横浜県」

浜風「は?」

浦風「ん?」

浜風「……広島焼き」

浦風「おどれ、そーがな事ゆーちょったら戦争やろがクソコラァ! 広・島・風、じゃボケコラワレェ!」


提督「……」

叢雲「……広島焼き食べたいわね」

提督「現実を見てくれ、叢雲」


 「どうせ海軍入ったのも岩国に二軍キャンプがあるから――」とか。

 「気色悪いんじゃなんじゃあのクソヒトデのボケコラァ」とか。

 いつのまにか。

 仁義なき戦いが繰り広げられていた。


龍田「あはは、おもしろいな~。高々球遊びなのにね~」

提督「……火に油は注がないでくれよ」

最上「ボクはバレーボール派かな?」

提督「そうだな」

龍鳳「だ、大丈夫です。龍鳳はここにいます」

提督「そうだな」

雲龍「広島焼き食べたい」

提督「そうだな」




 泊地との戦いどころか。

 それどころか、内紛で瓦解しかねない――そんな惨状を前に。

 いよいよ以って提督はどうしようかと考えた。

 ここはいっそ、「野球? ああ、ワールドカップの真似か」と煽るべきだろうか。

 それとも、「俺は頑張っている人たちを応援するのが好きだ」と中立を保つべきか。

 或いは、「仲間内で争っている場合か」と嗜めるべきか。


 そう、思案する矢先に……。


浦風「ほいじゃが、こがな泊地じゃテレビも見れんくて……」

浜風「南方だと……深海棲艦の所為で電波も届かなくても……」

浦風「はぁ……」

浜風「はぁ……」


 勝手に沈下した。


叢雲「いい? こうなると思って黙っていたのよ」

提督「アッハイ」


◆という訳でここまで◆艦隊名は多数決だ◆ベイスとカープは憎しみしか煽らないので除外◆

◆単発駄目ゼッタイ◆次の本編再開までの多数決になる模様です◆


1:キングギドラ
2:トリプルドラゴン
3:キマイラ
4:鋼鉄の七人
5:クロスボーンバンガード


◆からお選びください◆

◆キマイラなら雷と電を出すべきだった◆ジョニ子かわいい◆

┏───────────┓
  燃料:32   鋼材:61   
  弾薬:69   ボーキ:100
┗───────────┛


【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「キングギドラよ。そうよね!」
好感度:58(+?)
環境・志:4・7      ★
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「ベイスじゃなきゃええよ?」 
好感度:21(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「ドラゴンとかかっこいいよぉ~?」
好感度:42
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「……お好み焼き、食べたいわね」
好感度:22
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3
 ◆スキル【探索上手?】:もう一度サルベージゾロ目で……

【龍鳳】「……テレビ、かぁ」
好感度:32
環境・志:1・8
カラテ:10    知能指数:10 センス:11
精神的:18/7  ブッダ:8    体温:2
 ◆スキル【収益上手?】:もう一度収益結果ゾロ目で……

【最上】「助けに来てくれたときの事、大事にしたいかな……って」
好感度:09
環境・志:2・5
カラテ:12    知能指数:10 センス:22
精神的:14/15 ブッダ:5  体温:1

【浜風】「カープでなければいい……です」
好感度:22
環境・志:3・1
カラテ:16    知能指数:10 センス:11
精神的:16/16 ブッダ:18  体温:7


◆備えよう◆それにしても曙ちゃんかわいいですね◆


提督「……そうだな、ならキマイラか」

雲龍「えっ」

提督「キングギドラやトリプルドラゴンじゃ……その三人以外はどうするんだ、って話になるだろう?」

叢雲「あ」

提督「……気付いてなかったのか」

叢雲「し、知ってたに決まってるじゃない」

提督「……」

叢雲「何よその目は、あんた!」


龍田「キマイラかぁ~」

龍田「艦“娘”なら丁度いいかも~」

提督「ん?」

龍田「キマイラって、女性の感情の象徴とも言われるし……」

提督「へえ」

龍田「あと……」

          キマイラ
龍田「――――“合成生物”なんて、私たちにぴったりで素敵かも~」


 実に皮肉が利いていると、龍田は嗤った。酷薄な笑み。


叢雲「……っ」

浦風「……」

雲龍「……ぁ」

龍鳳「……っ」

浜風「……」


提督「……すまん、俺はそんなつもりで言った訳じゃ」

雲龍「……すみません、私が」

龍田「ううん、別に~?」


 培養した深海棲艦の生体組織と機械の合成――艤装。

 そんな艤装との接続をした、人の身でありながら鋼の器官を持ち合わせる少女――――それこそが艦娘。

 体細胞の半分が違う遺伝子をも受け入れる免疫寛容を持つからこそ、女性だけに許される戦闘存在。


龍田「でも、だから丁度いいと思うよ~」

龍田「『そこまでした』女を捨てると、後が怖いんだ……って、判らせてあげなきゃ」

龍田「ね、提督?」

提督「……そこでなんで俺を見るんだ」

パソコンに移ります。お待ちください

◆お待たせしました◆始めます◆


提督(合成生物か……しまったな)


 その辺りに気が向かなかったと、提督は息を零した。

 そうなのだ。

 艤装も艦娘も、生物学的な意味ではキメラである。

 一つの生物の中に、別の個体の遺伝子が混入しているのだから。


提督(皆、特に表情には見せなかったし……龍田の発言で逆に燃え上がってはいたが)

提督(気を使わせた、かもしれないな)


 その後、盃を交わして新しい部隊の結成は済んだ。

 浦風が外国産の、よく判らない浅黒い肌の女性の横顔が映るラベルのビールを持ち寄り。

 龍田が、「大将の秘蔵の~」とウィスキーを持ち出し。

 雲龍が、「面白そうだから買ってみたんだけど」とリキュールを運んでくる。

 ただ提督は、なんとなくの気まずさから……一人浜辺が臨むデッキに場所を映していた。

 そのまま、両肘を手すりに乗せる。軋んで、黒い粉が零れる。


◆さてここで範囲安価◆

◆キマイラ隊のメンバーから一人名前を書いて貰おう◆好きなキャラだ◆そして数字もな◆

◆若干過去が明かされたりするかもしれないししないかもしれない◆

◆ついでに同時にアルコール判定をする事になる◆こちらは単純に順番で割り振るだけだ◆


◆まず最初に酒が好きか嫌いかの判定だけしておこう◆

◆範囲安価自体は25:13あたりから開始されるでしょう◆




↓1 叢雲  一の位 1ほど酒が嫌い 9ほど酒が好き
↓2 浦風  一の位 1ほど酒が嫌い 9ほど酒が好き
↓3 龍田  一の位 1ほど酒が嫌い 9ほど酒が好き
↓4 雲龍  一の位 1ほど酒が嫌い 9ほど酒が好き
↓5 龍鳳  一の位 1ほど酒が嫌い 9ほど酒が好き
↓6 最上  一の位 1ほど酒が嫌い 9ほど酒が好き
↓7 浜風  一の位 1ほど酒が嫌い 9ほど酒が好き


※ゾロ目と0は特殊判定な

◆呑兵衛叢雲◆


◆それでは範囲安価です◆艦娘をかけ◆数字も書け◆


◆ついでに◆



↓1 叢雲  十の位1ほど酒に弱い 9ほど酒に強い  一の位 1ほど酒癖が悪い
↓2 浦風  十の位1ほど酒に弱い 9ほど酒に強い  一の位 1ほど酒癖が悪い
↓3 龍田  十の位1ほど酒に弱い 9ほど酒に強い  一の位 1ほど酒癖が悪い
↓4 雲龍  十の位1ほど酒に弱い 9ほど酒に強い  一の位 1ほど酒癖が悪い
↓5 龍鳳  十の位1ほど酒に弱い 9ほど酒に強い  一の位 1ほど酒癖が悪い
↓6 最上  十の位1ほど酒に弱い 9ほど酒に強い  一の位 1ほど酒癖が悪い
↓7 浜風  十の位1ほど酒に弱い 9ほど酒に強い  一の位 1ほど酒癖が悪い




叢雲……お酒大好き。お酒に中々強い。上品な飲み方が出来る。それがいい駆逐艦って事よ

浦風……お酒嫌い。お酒を飲むと直ぐ真っ赤になってぶっ倒れる。そして寝る

龍田……お酒そこそこ好き。でもあんまり強くない。そして酒に酔うと……

雲龍……勧められたら飲む。いくら飲んでも酔わない。

龍鳳……飲むと豹変する(ゾロ目)

最上……晩酌する。お酒にはめっぽう強いし、陽気になる酔い方

浜風……お酒好き。それなりに強い。態度には余りでない


龍田「ふふふ~」

提督「……龍田か」

龍田「回ってるよぉ~」

提督(……飲み過ぎじゃないか)


 ふらふらと、おぼつかない足取りで。

 グラスを片手にした龍田。

 揺れる波紋。琥珀色の液体が、太陽を引き延ばして波を打つ。


龍田「どうしたの、一人で~」

提督「少し酔っただけだ。緊張が多くてな」

龍田「そ~ぉ? でも、気持ちわかるかな~」


 千鳥足の龍田が、欄干に手を伸ばす。

 危なっかしいその仕草に、手を伸ばすべきか否か窺う提督。


龍田「私も、口からアルコール飲むの……こっちに来てからだし」

龍田「良い気持ちで酔うの、これが初めてかも~」


提督「そうか……」

龍田「うん~、へへへ~」

提督「……ん?」


 口から――という言葉に、引っ掛かりを感じた。

 他の部分からなら、あるというのか。

 そして――いや、どんな状況になれば他の部分から飲む事があるというのだ。


龍田「血管とか直腸とか……そこからだと、すぐに酔っちゃうんだ~」

提督「……血管!?」

龍田「ん? ……何か変な事、言ったかなぁ?」


 顎に人差し指を当てて首を傾げようとした龍田の躰が揺らぐ。

 咄嗟、提督は彼女の肩を押さえていた。

 小さな悲鳴。

 腕を捲り上げられ、腰のあたりの弛みを結ばれた白シャツにグラスの液体が跳ねた。


提督「大丈夫か?」

龍田「貴方は、優しいんだね~」


 下から覗き上げる龍田の目。視線が交錯する。

 すっと、頬目掛けて手を伸ばされた。思わずのけぞりそうになるそこ、逆の手で手首を抑えられる。

 硬直する提督と、意味深な、慈しむような目で頬を撫でる龍田。

 龍田の指が蠢く。

 確かめるように――刻み込むように。

 そして、提督の左目へとにじり上がった。


提督「た、龍田……!?」

龍田「ああ、そうだね~。うん、あの時も私が天龍ちゃんの目を潰しちゃったんだっけ~」

提督「……おい」

龍田「ごめんね、天龍ちゃん……痛かったかなぁ」


 遠くを――ここでないどこかを見る龍田の眼差し。

 提督を彼と認識しているのか。それとも、別の誰かに話しかけているのか。意識が混濁しているのか。

 戸惑う提督に構わず、龍田は言葉を続けた。


龍田「天龍ちゃん、いつまでも慣れなかったよね~。その度に『逆らうなんて馬鹿だな』って思ってたけど」

提督「龍田……」

龍田「でもね……本当に強いのは、きっと天龍ちゃんの方だよぉ~?」


提督「龍田……俺は、天龍じゃ……」

龍田「そういえば……学校をやめて、艦娘になろうって言ってきたのも天龍ちゃんだっけ?」

提督「……」

龍田「あの養護施設も嫌だったし、丁度よかったよね~」

提督「君に……」


 何が、あったんだ――。


龍田「お馬鹿なお馬鹿な天龍ちゃん」

龍田「見捨てればいいのに」

龍田「割り切ればいいのに」

龍田「振り払えばいいのに」

龍田「そういうのをぜ~んぶ抱え込んで、煮え切らない天龍ちゃん」

提督「龍田……」

龍田「一杯殺したから、それだけ生き残れるのに……」

龍田「権利がない人たちの為にわざわざ戦うなんて……天龍ちゃんは、馬鹿だなぁ」


 それきり。

 かくんと首を畳んで、龍田は寝息を立てた。


◆1=サンはIDを見た◆しかし叢雲がみたいというならばそれもまた良い事だと思っています◆

◆なので有情な1=サンは叢雲を書こうと考えているそうです◆

◆だがついでに龍鳳=サンの過去イベも済ませておこうと思う◆ハイクを詠め◆




「……君は、どんなときに世界が終ると思う?」


「えっと……戦争とか、自分が死んでしまったときとか」


「戦争というのは、確かに正しいだろう。私もそう思う。私の考える世界の終りに等しい」


「あの……」


「だけれども、自分が死んだときは世界の終わりではない」


「どういうこと、なんですか……?」


「私が生きた痕跡がこの世からなくなったときが、私の世界の終わりなんだよ」


「痕跡が、なくなったとき……?」


「きっと読む人が居なくなるという事なら……ああ、戦争も世界の終わりなんだろうな」


「……」


「深海棲艦、か……。そういう意味だと、世紀末なんだろうなぁ」



 龍田をチェアーに横たえて。

 椅子と揃いの、隣の白い木製テーブルに水の入ったグラスを置く。


提督「……野外だと、脱水症状にも注意が必要なんだったか?」


 アルコールの分解には水を使う、と彼も聞いた事があった。

 それならこんな南国の炎天下に、日蔭と言っても晒すのは良くないのかも知れない。

 先ほどの龍田の言葉を消化しきれぬまま、手際よく椅子を動かし隣に座り、内輪で仰ぎ始める提督。

 そこへ――。


龍鳳「て・い・と・く♪」

提督「龍鳳か? 丁度良かった。龍田が、飲みすぎてしま――」

龍鳳「――ズルイです! ズルイ!」


 何がだ、と視線を上げる提督。

 足取りがしっかりしている為に気が付かなかったが。

 その顔は朱に染まり、眠たげに眼がとろんと横たわっている。


提督「……君も、なのか」


 天を仰ぎ、助けを求めるように室内を振り返る提督。

 盛り上がっている。

 声からするなら、叢雲と雲龍が飲み比べをしているらしい。


提督「……」


 視線を送ってみる。

 ……気付かない。


提督「……」


 しきりにウィンクをしてアイコンタクト。

 ……グラスを煽った叢雲が、盛大に息を吐いている。


提督「……」


 左右に頭を動かしてジェスチャー。

 ……雲龍が、水か何かのように変わらぬペースで酒を煽る。


龍鳳「もうっ! 二人っきりなんですよ、余所見は駄目です!」

提督「いや、龍田……」

龍鳳「ふ・た・り・っ・き・り!」

提督「アッハイ」



龍鳳「だから、ですね?」

提督「……」

龍鳳「私は別に、白衣が着たかった訳じゃないんです!」

提督「……」

龍鳳「着てみたかっただけなんです!」


 ……それは同じ意味なのではないだろうか。提督は訝しんだ。


龍鳳「だって……保健室とか、憧れるじゃないですか」

龍鳳「保健室の先生と生徒……保健室の先生と科学の先生……」

龍鳳「ロマンです」

提督「……」

龍鳳「提督、聞いてます?」

提督「アッハイ」

                 ムカシ
龍鳳「着物もいいけど……改装前の水兵服も、よかったなぁ」

提督「……」


 ひょっとしてそういう衣装とか好きなのだろうか。提督は再度訝しんだ。



龍鳳「そのままこっちに来たから……あれはもう、着れないのかなぁ」

提督「……あー」

龍鳳「ていとく?」

提督「メイド服とかチャイナドレスとか……そういうのなら、どこかの店で手に入るかもしれない……ぞ?」

龍鳳「むっ」


 ズイ、と身を乗り出す龍鳳。

 椅子の肘かけに乗り上げる二頭の鯨。詰め寄るように、シャツを掴まれた。


龍鳳「だから、私はそういうのじゃないって……言ってるじゃないですか! もう!」

提督「あ、はい」

龍鳳「もう……。私はただ、学生生活に憧れているだけなんですっ」

提督「……憧れ?」

龍鳳「私、家政婦さんみたいな事をしてたから学校に全然行ってないんです」

龍鳳「だから……艦娘になったとき、水兵服を着れるって聞いて……学生になったみたいでよかったなぁ、って」

提督「……そうなのか、すまない」


 龍田の様に、彼女にもまた――事情が。


龍鳳「あ、ごめんなさいっ」


提督「いや、俺の方こそ悪かった。言いにくい話だったなら、なおさら……」

龍鳳「別に……私は大丈夫ですけど」

提督「……」

龍鳳「私を拾ってくれた人、大学の教授さんで……作家さんだったんです」

提督「作家?」

龍鳳「年上の人で……おじいちゃん、みたいな感じでした。静かだけど優しい人で」


 空を眺めて、懐かしむ龍鳳の瞳が遠ざかる。

 彼女もまた、ここではないどこかに思いを馳せている。

 そして、そんな人物に引き取られたのに龍鳳が艦娘として海軍に入隊したという事は。

 彼女の表情と合わせて――つまりはそういうこと、なんだろう。


龍鳳「……私はきっと幸せでした。他に親を亡くした子よりも、ずっと」

提督「……」

龍鳳「でも……恋をしてみたかったなぁ。小説みたいな、素敵な恋を」


 それきり、頭を臥せて。

 横から身を乗り出して肘かけを体で跨いで、龍鳳が静かな呼吸を始める。

 両手で腕の当たり、捲り上げたシャツの袖を掴まれて。

 いよいよどうしたものか――などと提督が視線を彷徨わせれば。


叢雲「……両手に華とか、いい身分ね」


 若干不機嫌そうに、ジョッキを片手に睨め下ろす叢雲。

 頬は仄かに赤く、だがしかし口調は落ち着いている。

 見たところ表情に変化がなければ、立ち振る舞いに難があるとも思えない。

 彼女はどうやら、大丈夫な側らしい。


提督「運ぶのを手伝って欲しいんだが……」

叢雲「ふんっ、しばらくそうしてたら?」

提督「……そう言うと思ったよ」

叢雲「そう? 段々と私の事が分かってきてるみたいね」


 観念した、と開いた右手を上げる提督。

 もう一つ鼻息を漏らして、叢雲は彼に背中を向けた。

 そのまま、デッキの手すりに体を預ける。南方の海風に、散る深雪めいた銀髪。


叢雲「……」

提督「……」


 無言で杯を傾ける叢雲。

 遠くの入道雲をその瞳に映して――日差しに目を細める。


提督「そう言えば……」

叢雲「何?」

提督「飲み比べ、どっちが勝ったんだ?」

叢雲「……見てたの?」

提督「助けを求めたんだが」

叢雲「そう? なら応援の一つでもしなさいな」


 そのまま、苦虫を吐き潰すように呟く叢雲。


叢雲「あれ、ザルよ。多分ガロン単位で飲める」

提督「……そこまで、か」

叢雲「私も自信あったんだけど……流し込むんじゃなくて、平然と飲み続ける相手はアレが最初」


 やってられない、という口調ながらも。

 どことなくその声には、単純な感嘆と驚愕が混じる。

 むしろそんな相手に飲み比べを行い、それでもこうして酔った様子を見せない叢雲も脅威ではあろうが……。


叢雲「……これでも酔ってるわよ」

提督「そうなのか?」

叢雲「だから……ま、ひょっとすると柄にもない事言うかも知れないわ」

提督「……忘れるようにするよ」

叢雲「残念。私、記憶が残るタイプなのよ」


 言ってまた、喉を鳴らす叢雲。

 酔っているという割に、良くぞそこまでまだ飲める。


叢雲「……キマイラ、ね」

提督「……」

叢雲「私たちの事を知ってて皮肉ってるかと思ったけど……あんた、そういうタイプでもないか」

提督「いや……すまない。完全に考えてなかった」

叢雲「ふぅん? まあ、別にいいけど。嫌がらせで言わないって判ってるから」

1:「……叢雲さんは恋とか、興味はないのか?」
2:「叢雲さんは、どうして艦娘になったんだ?」
3:「……後悔はないのか? ここで戦う事に」
4:「随分と買ってくれてるんだな、俺を」
5:自由安価

↓3



提督「叢雲さんは、どうして艦娘になったんだ?」

叢雲「……前に言わなかったっけ」

提督「それ以上の事が聞きたくなったんだ」

叢雲「ふぅん?」


 靡く髪を右手で梳いて。

 どこかさびしげな笑みを浮かべた叢雲が、提督の元まで歩み寄る。

 そのまま伸ばされた右手。

 上体を乗り出して、前かがみになった叢雲と――唇に当てられた人差し指。


叢雲「乙女の秘密が聞きたいなら、もっと私を信用させてからにしなさいな」

提督「……ある程度買われている、とは思ったんだが」

叢雲「まぁ、まあまあね。悪くはないけど」


 再び踵を返して、背を向けた叢雲。


叢雲「……私の場合は、別に深刻な事情なんてないわ」

提督「……」

叢雲「強いていうなら――感傷ってところかしら? どうしても、やれなかった事があったから」

提督「やれなかった事?」

叢雲「詰まらない事だけどね。……後悔っていうのは、ある」


 気にする事ではない――と叢雲は笑うが。

 それでもきっと叢雲には、大きな事だったのだろう。

 だからこそ彼女は、命がけで戦う道を選んだ。深海棲艦と。身体を改造してまで。


叢雲「……ま」

叢雲「それを言うなら、あんたがどうして提督になった……とか」

提督「……」

叢雲「陸軍になんで入ったとか、それまでどうやって生きてたのとか」

叢雲「そういう事の方が――よっぽど気にはなるけど?」


 口の端を歪める叢雲に。

 提督もまた、小さな溜飲で返した。


提督「俺も……色々あるけど、きった感傷だ」

叢雲「へえ?」

提督「どうしてもできなかった事……やり残した事をやろうと思った。それだけだ」

叢雲「酔わせたら口を割るかしら?」

提督「それよりも先に、多分潰れる。……と思う」

叢雲「あら、残念」



 というか――と、叢雲が視線を向け直した。


叢雲「“きった”って何? “きった感傷”って」

提督「……」

叢雲「もしかして、もう酔ってるの?」

提督「……」

叢雲「どうしたの? ねえ、ほら、何か言いなさいな」

提督「……放っておいてくれ」

叢雲「あら、怒ったの? 小さな男ねぇ……」


 胃もたれするような話を聞いた為だ――などと、提督は口が裂けても言えなかった。

 そんな彼の気も知らず叢雲は、なんだか気分がよさそうに笑う。

 どこか得意げ。いつもの彼女だ。


叢雲「司令官、今度予定を空けておきなさい。なんとしてもあんたの過去、聞きだすから」

提督「誘うならもうちょっと色気を出してくれな――」

叢雲「――だーれが色気の欠片も無い甲板胸ですって!?」

提督「言ってないだろう!?」


┏───────────┓
  燃料:32   鋼材:61   
  弾薬:69   ボーキ:100
┗───────────┛

◆キマイラ隊◆

【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「私は日本人として普通! そこの二人と浦風と雲龍さんと浜風がおかしいの!」
好感度:58(+?)
環境・志:4・7      ★
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「え、オレンジジュースじゃ。オレンジジュース。……何か?」 
好感度:21(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「天龍ちゃんは、元気にしてるかなぁ~」
好感度:42
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「……酔わない」
好感度:22
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3
 ◆スキル【探索上手?】:もう一度サルベージゾロ目で……

【龍鳳】「だから、あんな風に言われて……その……えへへ……お話の王子様みたいで……」
好感度:32
環境・志:1・8
カラテ:10    知能指数:10 センス:11
精神的:18/7  ブッダ:8    体温:2
 ◆スキル【収益上手?】:もう一度収益結果ゾロ目で……

【最上】「何か、今ボクだけ馬鹿にされた気がする」
好感度:09
環境・志:2・5
カラテ:12    知能指数:10 センス:22
精神的:14/15 ブッダ:5  体温:1

【浜風】「そういえば、毒杯ロシアンルーレットとか……やったんだっけ」
好感度:22
環境・志:3・1
カラテ:16    知能指数:10 センス:11
精神的:16/16 ブッダ:18  体温:7


◆明日、今回の全員分の好感度を安価します◆備えておこう◆

◆なお、自由安価とかで全員参加になる安価などは難しい◆覚えておいてほしい◆

◆このスレはホノボノラブコメ。実際ヒロインはデレる◆慈悲はない◆

◆サイバーパンク的マッポーな以外は至って普通のギャルゲー。作戦思案書にもそう書かれている◆

◆なおヒロインとしては◆

(玄人向け) (不知火)>龍田≒浦風>浜風>雲龍>龍鳳>最上≒叢雲 (素人向け)

◆と、なっている◆このスレの熱血王道を愛する紳士しょ君には問題ない話だと思うが◆

◆大体志が高いものは救われる◆環境:志の交換レートは1:2です◆目安な◆

◆備えておいて欲しい◆

そういや味方が沈んだらその分他の艦娘を補充するの?

>>681
◆基本はしない方向で進むらしいです◆しかしここからメンバーが増えることもあるのであん心して下さい◆


◆なお心の暖かさや思いやりなどの“動”は◆

1:龍田(19)
2:龍鳳(18)
3:提督(17)

◆であり、心の“静”は◆

1:提督(26)
2:雲龍(19)
3:龍田(17)

◆です。間が離れている分そちら方向へのあん定を表すようです◆メイキョウシスイ!◆


◆ついでにとりあえずコンマだけ出しておきます◆好感度上昇な◆


↓1 叢雲 +ボーナス(1)
↓2 浦風
↓3 龍田 +ボーナス(1)
↓4 雲龍
↓5 龍鳳
↓6 最上
↓7 浜風

※0なら十の位 ※ゾロ目は倍


◆叢雲の好感度が6上昇◆好感度64に変化◆あと6で完全開示◆

◆浦風の好感度が2上昇◆好感度が23に変化◆あと12で一部開示◆

◆龍田の好感度が4上昇◆好感度が46に変化◆

◆雲龍の好感度が7上昇◆好感度が29に変化◆あと21で一部開示◆

◆龍鳳の好感度が5上昇◆好感度が37に変化◆あと13で一部開示◆

◆最上の好感度が9上昇◆好感度が18に変化◆一部開示されます◆

◆浜風の好感度が6上昇◆好感度が28に変化◆あと2で一部開示されます◆

◆改二が存在しない船は60で過去が更に開示されるようです◆


◆今夜もある◆備えよう◆

◆それにしても鈴谷が大破しすぎてゲージが削れない◆


提督「ふー」


提督(浦風が飲んでなくて助かった)

提督(叢雲と浜風は一人で部屋に戻るし、最上は強いようだが酒が入っていたら流石に任せられない)

提督(雲龍は……平然としてたな。叢雲の言うように、恐ろしく強いみたいだ)


 結局そのまま、お開き。

 昼過ぎからの飲酒であったが、龍鳳と龍田は酔い潰れてそのままダウン。

 叢雲と浜風も自室に籠ってしまった為に、結局泊地の動きはそれ以上なかった。

 夕刻になっても四人は表れないし、今さら皆も顔を合わせるという気分ではなかった。

 あとは好き勝手キッチンを使って(或いは缶詰めなどで)腹を満たしたのだ。


提督(……一応親睦会はできたからよかった、か)


1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価

↓3


提督「……そうだな」


 ここでこうしていても始まらない。

 艦隊の構成員の内実を把握する為に不可欠であったとしても、外は外で時が流れてしまう。

 あの泊地と戦うのであれば――用意が必要だ。

 喰らいつく為に。牙を突き立てる為に。


提督「資源の回収に行こうと思う。証拠集めにも」

雲龍「証拠集め、ですか?」

提督「龍鳳が齎してくれた情報――――既に廃棄された資源地帯に」

提督「奴等の行った違法行為の、痕跡が残されているかも知れない」

雲龍「なるほど……」



↓3  1ほどハード 9ほど簡単

※0、ゾロ目で


◆つまり普通◆

◆戦闘や出港のルールは>>3だ◆そしてこれもまたサルベージとなる◆

◆知能指数とセンス重点な◆そして戦闘がある可能性にも備えましょう◆

◆20:50辺りからメンバー安価が出る◆


◆メンバーを選びなさい◆複数可◆

◆あまり多すぎると支出としゅうえきが見会わない可能性があります◆

↓2


提督「……そうだな」

提督「龍田、雲龍、龍鳳……頼めるか?」

龍田「しょ~がないなぁ~」

雲龍「……はい。必ず提督に、勝利を」

龍鳳「は、はい! 空母機動部隊ですね? 任せて下さい!」


 そう提督が決めると、あからさまに難色を示したのは叢雲だった。


叢雲「ちょっと……そんな大喰らいばかり出したら資源回収も何もないんじゃないの?」

提督「それよりも被害が抑えられる。索敵にも、遠距離からの攻撃にも……空母の方が有利だ」

叢雲「う……それは、そうだけど」

提督「駆逐艦の戦い方じゃ接近戦になる以上、いくら実力で勝っていても万が一も有り得る」

提督「それこそこんなところで被害を出す方が、よほど本末転倒だと思わないか?」

叢雲「……」


 これまで必ず出撃には叢雲を伴っていたし、彼女もこの泊地に於ける自らの実力を理解している。

 しかも駆逐艦娘。

 費用対効果でいうなら、間違いなく頂点だ――と。

 だからこそ納得仕切れぬのも、無理はない。


叢雲「……なら、どうして空母二人も?」

提督「今回は龍鳳からの情報だから、彼女を欠かすことができない」

叢雲「まぁ、確かに」


 そして、叢雲には伏せたが。また、彼自身その危惧というのは殆どしてはおらぬが。

 龍鳳が、実はスパイであった――と考えるならば。

 制圧には二人。

 そしてまた、生身での戦闘能力に優れる叢雲は切りがたい札なのだ。

 提督は疑り深い訳でも、龍鳳らの本音の言葉を信じていない訳でもない。

 ただ、兵士というのはそういうもので――

 ――そして何より叢雲らの命を背負っている以上、懸念に対処を打たぬ訳にもいかないなだ。


叢雲「そういうことなら仕方ないわね。……うん、仕方ない」

叢雲「仕方ないから、あんたの手伝いでもしててあげるわ。光栄に思いなさい」

提督「ああ」

叢雲「……で、なんで雲龍さんも?」


 確かに龍鳳が必要なのには合点がいった――と叢雲は頷いたが。

 しかし、二隻を伴う理由にもなっていない。

 ……正直、これを告げるべきか提督は迷った。

 だが、言わぬ訳にもいかないだろう。

 きっと叢雲の態度に油を注ぐことになるだろうが――。


提督「――――今回は、俺も行くからだ」

◆安価な◆


一の位
0~5:なし
4 駆逐イ級・ロ級・ハ級・ニ級
3 軽巡ホ級・ヘ級・ト級
2 雷巡チ級
1 重巡リ級


十の位、敵練度


↓1 ↓2


雲龍「敵影、なし」

提督「……」

龍田「潜水艦も、大丈夫かなぁ~」

提督「上々だな」

龍鳳「大げぃ……じゃなかった……この龍鳳、全力で提督を御守りします!」


 隣で意気込む龍鳳を眺めつつ、提督は魚雷艇改装漁船を操舵する。

 一杯まで上げれば、実に45ノットを超える高速のミサイル艇。

 ただしミサイルは取り外され魚雷が装着されており、機銃やレーダーの類いも殆ど意味をなさない。

 切り分けたケーキのように尖った船首と、紡錘形の後部を切断したようなシルエットが波を切り分けて進む。


提督(……さて)

提督(廃棄された資源地、か)

提督(なんで廃棄を決めたか……だな)


 腰に据えた日本刀の柄を握り締めつつ、提督は油断なく前方を睨んだ。



提督:知能指数(11)+センス(9)=20以下で発見。ブッダ(12)以下でクリティカル

龍田:知能指数(20)+センス(23)=43以下で発見。ブッダ(6)以下でクリティカル

雲龍:知能指数(13)+センス(30)=43以下で発見。ブッダ(6)以下でクリティカル

龍鳳:知能指数(10)+センス(11)=21以下で発見。ブッダ(8)以下でクリティカル


↓1 提督
↓2 龍田
↓3 雲龍
↓4 龍鳳

よって発見は雲龍のみ


↓1 資源残存度合い(補正がかかるぞ)100D1

よって52の係数


↓1 燃料
↓2 弾薬
↓3 鋼材
↓4 ボーキ

※100D1 ※ゾロ目は倍

よって入手資源は


◆燃料……21×係数(52/100)=11◆

◆弾薬……35×係数=18◆

◆鋼材……48×係数=25◆

◆ボーキ……50×係数=26◆


提督「……」


 魚雷艇を波止場に着けて。

 龍田を戦闘に、全員が船着き場に降りる。

 龍田=薙刀/雲龍=錫杖/龍鳳=長弓/提督=アサルトライフル――――ファンタジー世界に殴り込んだ職業軍人の風情。

 そのままつつがなくクリアリングを行い、資源地――その集積所を目指す。

 島から見える位置には海洋プラント。山に向かえば採掘場があるだろう。


 ゴーストタウンめいた、舗装された道を歩く。

 どこか基地を思わせるその場所の、フェンスは破壊されている。

 巻き上がる土煙や、寒暖の差に破壊された木製の事務所。

 人が住まなくなった建物は温度調節がなされず、死に絶えていくというのは本当らしい。


提督(……さて、何故この資源地は廃棄されたか、だ)

提督(深海棲艦が付近を航行する為に、防御が難しくなったか)

提督(単純に資源が枯渇したか)

提督(それとも……)


龍鳳「あ、提督! 前に何か!」

提督「……ドローンだな。もう動いてはないみたいだが、警備用だったらしい」


 途中で電源が切れたのか。道端に転がる深緑色のドローン。

 プロペラを穴に嵌めたドーナッツの上に三脚カメラを乗せたような形状は、中々に独特だ。


龍鳳「かわい…………ううん、いや、私たちは資源を…………でも……」


 ぶつぶつと呟く龍鳳を尻目に、提督は銃口と身体ごとあたりを見回す。

 監視カメラも頭を垂れ下げており、電源が通っていないことが判る。

 ドローンもそうなのだろう。

 大方のドローンが、充電待機場所に戻ったまま沈黙しているに違いない。


龍田「……倉庫とか、ちょっとねぇ~」

雲龍「空が見えないところは……私も……」


 前に進みつつも顔を曇らせる二人。

 龍鳳は廃墟になれないのか、今にも提督の裾を掴まんばかりに密着する。

 そうして四人は、息を殺して道中を進み、管理管制室へと辿り着いた。


提督「どうだ、雲龍?」

雲龍「非常用電源が入れば……」

提督「頼んだ」

雲龍「ぁ……はい、任せて下さい。この雲龍に」


 ガラス張りの管制室の眼下には、集積所。

 それらの壁にはいくつものトンネル。掘削用のレールや運搬用のレールが続く。

 トロッコなどは自動操作で、資源を集積する。

 深海棲艦の解析によって進歩した機械工学テクノロジーと、電子媒体テクノロジーの象徴。

 海外の資源場においては、人的被害を(それも海上輸送における)避ける為、得てしてこんな機械化がなされている。

 人を育てて、或いは人が死んでその補償を行うよりは安上がりだろう――という考え。

 もっともやはり、コストはかかるので恒常的に使用しないなら元の木阿弥だが。


提督「さて……」

雲龍「……少ないわね。あまり資源はありません」

提督「そうか。……まぁ、廃棄場だからな」

龍鳳「……ご、ごめんなさい」

1:「そういうこともあるさ。気にするな」
2:「一応、資源は手に入れられたんだ」
3:「……手掛かりは見付けたよ」 ※それは何?
4:「ここには、何かある」 ※それは何?
5:自由安価


↓3

※3と4はそれっぽい証拠やおかしな点を一緒に ※安価外でも採用するぞ


提督「一応、資源は手に入れられたんだ」


 それに今回は、提督を伴っての魚雷艇での移動だ。

 普通に大勢の艦娘を動かすよりも消費は少ない。幸いながら。

 そして、提督は――具体的に言葉には出来ないが、何となくの違和感を覚えていた。


提督(……資源が完全に枯渇した訳じゃない、か)

提督(それにドローンも残されているわりに……戦闘の痕跡はない。急いで逃げた風にも思えないが)

提督(……ここだけじゃ判らない、か)


 ――何はともあれ、全員が無事でよかった。

 そう笑う提督へ、龍鳳から返されたのは力ない笑みだった。


龍鳳「……」


↓1 龍田の好感度上昇
↓2 雲龍の好感度上昇
↓3 龍鳳の好感度上昇

※ゾロ目は倍 ※0は十の位

↓4 コンマ合計:魚雷艇“リトル・グレイ”の燃料消費


◆龍田の好感度が3上昇◆好感度が49に変化◆

◆雲龍の好感度が8上昇◆好感度が37に変化◆あと13で一部開示◆

◆龍鳳の好感度が4上昇◆好感度が41に変化◆あと9で一部開示◆

◆リトル・グレイが11の燃料消費◆差し引き0◆



浜風「それで……何か手掛かりはあったんですか?」

提督「ああ、まぁ……」

浜風「ふぅん?」


 見透かすような浜風の視線に、内心で肩を竦める提督。

 ギャンブラー。

 心理戦というか、観察眼が優れているらしい。

 それでいて意味深に笑った理由は提督にも判らぬが――。


提督(……そう、落ち着いてみれば不思議だ)

提督(ガジェットやドローンが廃棄同然に放置されているし、資源もまだいくらかは存在した)

提督(それなのに……全くといっていいほど手掛かりがない。これが逆に、変だ)


 無論、資料とドローン。どちらがより嵩張り、重いかなんてのは言うまでもない。

 ドローンやガジェットを積み込む暇なく逃げたなら――。

 果たしてその資源地でしか使用できないような、資源地に関する資料を持ち出すのか?

 ただかき集めただけの可能性も否定できないが。


提督(それにしても、コンソールや運搬システムは起動できるのに……データまでもないなんて)


◆768=サン。ワザマエ!◆

◆このように範囲外の雑談でもカスっていれば採用する場合もあるとの話です◆




1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価

↓3


最上「あ」

提督「ん?」


 思案げな表情を浮かべた提督。

 曲がり角のそこで、足を踏み出そうとすれば――同じく角から飛び出して来ようとしたのは最上。

 再び、となるところだ。

 危なかった――と提督は胸を撫で下ろした。


最上「提督、ご飯は?」

提督「まだだな。最上は……」

最上「そっか。じゃあ、ボクと一緒に食べない?」



 ――むしろ気分転換には丁度いい。


 そう頷いて連れ立って向かったのは、外の屋台だ。

 龍鳳は元気がなく、龍田や雲龍も艦隊戦とは違う“遮蔽物がある場所での警戒”に気疲れしたのか顔を出さない。

 浜風は早々に済ませたようで、叢雲の姿は見えなかった。

 泊地から来た彼女たちに、海賊泊地の周辺環境を案内するには丁度いいか――なんて思っていたら。


最上「あ、ボクあれも食べたいな!」


 思った以上に乗り気で、見る屋台見る屋台に目を光らせる最上。

 初めて祭りに来た子供のようで、南国の青空と相まって考え疲れを忘れさせる。

 結局色々と動き回った末に――決めたのは屋台の汁なし担々麺だ。


提督「よかったのか?」

最上「こういう屋台って初めてだからね。それはそうと、次も来たいなぁ~」


 汁なし担々麺、というのは正確ではない。

 汁らしきものはある。ただし、真っ赤な油――であるが。

 つまりはラー油だ。だがしかし、それにとどまらない。

 豊富な挽き肉をこれでもか、と炒めた肉汁と――それに絡めた豆板醤と甜麺醤が甘辛い香りを立てて食欲を誘う。

 刻んだ青ネギはそのしっかりとした匂いと感触で味を締めるし、これまた添えられたもやしはラー油や肉汁のタレと絡んで滴っている。

 細切りにされた生姜は独特の甘味と、鼻に抜ける清涼な刺激。

 更には小皿料理として頼んだ唐揚げ。

 何とも胡椒と甘酢が香りを齎して、如何にも揚げたてと蒸気と共に香りを脈打たせる。


最上「うん、これだよ。これ」

提督「何がなんだ?」

最上「この、如何にも屋台料理みたいな感じ。ボク、好きなんだ」


 笑いながら、小麦打ちの透明さを感じさせる黄色い麺と具材を絡める最上。

 本当に嬉しそうだ。

 待ちきれないと、喉を鳴らしている。

1:「……初めて、なんじゃないのか?」
2:「なら、買い食いもしてみるか?」
3:「最上は、こういう店が好きなのか?」
4:自由安価

↓2

選択肢:2  (ゴウランガ! おお、最上を見よ! ボーナスだ!)


提督「……なら、買い食いでもしてみるか?」


 何の気なしに呟いた一言に――。


最上「――え」


 最上が、停止した。

 そして頬にはラー油が付いている。それぐらい頬張っていたのだ。


最上「買い、食い……?」

提督「えっ、ああ、いや、思い付きで言ってみただけなんだが!?」

最上「そ、そんな……買い食いだなんて……そんな……」


 そんなお行儀が良くないことを――と、呟き。

 でも、確かにボク……買い食いやったことないから……折角海賊になった今なら――と、続け。

 だ、だけど……そう。そんなの、ダメだよ。うん、ダメ。悪魔の所業だ――と、狼狽し。

 て、提督はボクをそんな道に……いや、だけど…………うん、でも、魅力的かも――と、誘惑され。


最上「……て」

提督「て?」

最上「て、提督がどうしても……って言うなら、ボクが付き合ってあげても、いい……よ?」


 あくまでも。

 あくまでも自分が進んでではなく。

 あくまでも、提督に押しきられたのだ。仕方ないのだ。

 ――なんて風な建前を付けたがる最上に、思わず提督も破顔。腹を抱えた。


最上「何がおかしいのさ!」

提督「屋台や買い食いで、そこまで悩んでくれるなんてな」

最上「行ったことないんだから仕方ないって、もぉ……」

提督「そうなのか?」

最上「……ボクの家、何かと体面だ家柄だって厳しくてさ。そういうとこ、全然行かせて貰えなかったんだ」

提督「そうかぁ」

最上「そぉ。……それでいて家が傾いてるとか、バカみたいだよ。本当」


 吐き捨てるように。嘲るように。蔑むように。

 或いは――恨み言か。それとも、悔やみ言か。

 感情を孕んだ、最上の言葉。

 これは良くないな――と、提督はかぶりを振った。


提督「じゃあ、海賊デビューのついでだ。買い食いデビューも……してみるか」

最上「……かい、しかあってないよ」

提督「駄目かい?」

最上「……もぉ、ばか。ばかだね、提督」


↓1 最上の好感度上昇 +ボーナス(2)


┏───────────┓
  燃料:32   鋼材:86   
  弾薬:87   ボーキ:126
┗───────────┛

◆キマイラ隊◆

【提督】
環境・志:?・?

カラテ:16     知能指数:11 センス:9
精神的:17/26  ブッダ:12    指揮:15

【叢雲】 「司令官ー? 司令官ー? ちょっと……、……。……もう、どこ行ったのよ」
好感度:58(+?)
環境・志:4・7      ★
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1

【浦風】 「……あれ? 今日、ウチが料理当番?」 
好感度:23(+?)
環境・志:0・2
カラテ:14  知能指数:8 センス:10
精神的:8/12 ブッダ:6 体温:10

【龍田】 「天龍ちゃん、どうしてる~? 私~? 私はその~、…………うん、何も変なことはないよぉ? うん、何も」
好感度:49
環境・志:5・5
カラテ:12    知能指数:20 センス:23
精神的:19/17 ブッダ:6    体温:7

【雲龍】 「狭いところは、嫌……ね」
好感度:37
環境・志:5・5
カラテ:18    知能指数:13 センス:30
精神的:14/19 ブッダ:6    体温:3
 ◆スキル【探索上手?】:もう一度サルベージゾロ目で……

【龍鳳】「……お役に立てて、なかったの?」
好感度:41
環境・志:1・8
カラテ:10    知能指数:10 センス:11
精神的:18/7  ブッダ:8    体温:2
 ◆スキル【収益上手?】:もう一度収益結果ゾロ目で……

【最上】「ひゃっ、ほ、頬っぺたの汚れぐらいボクが自分で取れるって! も、もう!」
好感度:21
環境・志:2・5
カラテ:12    知能指数:10 センス:22
精神的:14/15 ブッダ:5  体温:1

【浜風】「……御無礼。また、ですね」
好感度:28
環境・志:3・1
カラテ:16    知能指数:10 センス:11
精神的:16/16 ブッダ:18  体温:7



◆正しくは叢雲サンはこうな◆


【叢雲】 「司令官ー? 司令官ー? ちょっと……、……。……もう、どこ行ったのよ」
好感度:64(+?)
環境・志:4・7      ★
カラテ:26  知能指数:9 センス:7
精神的:9/12 ブッダ:5  体温:1




   「それで、俺に何の用ですかい?」


 「戦いたい……と聞いたが」


   「あァ、上官には申し訳ないですがね……詰まらない戦いは御免ですよ」


 「深海棲艦相手は、詰まらないか?」


   「姫や鬼クラスならともかく……あいつらじゃ歯応えが無さすぎてね。あんなの戦闘じゃあ、ない」


 「それで結構、じゃあないか。駆除には楽でいい」


   「ハ、ハハハハハ……何言ってるんですか? 命懸けなら、愉しくなきゃあ本末転倒だ」


 「……」


   「一番は直接俺が殴り合えたら万々歳なんだけど、それがどうにも上手くいかない……ってことですよ。退屈だァ」


 「……なら、丁度いい話がある。君にも、な」


    「へ、へへへ、へへ……悪どそうな面してらァ」




提督「……からかい過ぎたか?」


 それとも気安すぎたか――、と提督は首を捻る。

 買い食いをした後鎮守府へと戻る最中、最上はどことなく不機嫌そうに腕を酌んでいた。

 まぁ、緊張が解けたとも思えるし悪くはないか。そう彼は結論付けた。


浜風「そういえばここ……カジノとかもあるんですか?」

提督「あるのかも知れないが……どうした?」

浜風「いえ……」

提督「……金を稼ぐ宛にしてるの、か?」

浜風「まさか」


 心底意外だ――と、眉を上げる浜風。


浜風「私は、お金目当てで賭けをやっては……いません、から」



1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価
6:誰かを街に案内しようか

↓3


◆ムラクモ=サンに決まったところでここまでにしよう◆

◆あといい忘れていましたが、大将のように提督以外の男もバンバンでるぞ◆

◆合言葉はサーカス、カトルカール、ソウカイシックスゲイツ、コブラ部隊、GUNG-HO-GUNS、黒塚部隊、最後の四人、ラッキークローバーだ◆

◆オウドウ!ケンゼン!アンシン!◆



1~20:駆逐艦
21~40:軽巡洋艦・重巡洋艦
41~60:空母・軽空母
61~80:戦艦
81~00:その他の艦種類

↓2 コンマ反転な


◆また駆逐艦か……◆

◆だが丁度いいという話もあります◆そう思いませんか?◆

◆24:33に備えよう◆安価が出る◆数字を書く範囲安価だ◆


◆数字を書け◆名前を書け◆




↓1~6


◆あんしんして下さい◆数は多い方がいい。そう思いませんか?そう思う筈です◆その方が実際使いやすい◆

◆舞風はストリートダンサー。それが実際イイ。アーイイ……イイ……ストリートチルドレンでダンサー……イイ……◆

◆それではここまで◆サラバ!◆


 ◆ ◇ ◆



「……どうかね?」


 角張った眼帯めいた機械を右目に装着した男性/青年と呼ぶには些か旬を過ぎた。

 深海棲艦――艦娘の技術を転化して作られた、個人携行用索敵装置/諸問題から未だ配備はされず。

 もう一方の切れ長の眼が――冷酷さを表しながら/巨大な氷塊にも似た狂気を横たえる。


「ヘ、ヘヘヘ……こりゃあいい。こりゃあいいですよ、ヘヘ……楽しみがいがある」


 視線の先――椅子に腰掛け/極上の娼婦との睦事を思い返すように/顎髭を撫で付ける男。

 野性というよりは野卑/方々に伸ばされて留まるところを知らない茶髪/無精髭。

 この男の目にも、笑いながら芯が残る。

 生死の縁に立ったことがあるが故の歪み。

 目に光はあれど。その下端、目の端に力が籠る。過度の緊張により身に付いてしまった表情筋=戦士の証。


「ヘ、ヘ、思った以上だ。……俺も随分とえげつねえ作戦を取りましたがね、一体奴等をどう扱えばこんなものを?」


「……まだ試作品の、副産物だ」

「ヘっ」


 質問には答えていない。

 ただ、その冷酷な目線だけで十分だ――とばかりに男は口許を歪めた。

 彼の興味はもう、別に移ったのだ。


「副産物……いいねえ、いいねえ。製品版が愉しみだ」

「……」


 それまで貴様が生きていられれば――。

 そんな意味の視線を向けられた男は、目尻を下げて、慈しむように左腕を撫でた。

 力なく、肘掛けに預けられたそれ。目立つ外傷はないが、生体と呼ぶには無気味な無機質さを孕む。


「あァ、こいつぁ……悪いですがね、俺の方でもコイツを弄らせて貰いましてね」


 恥じ入るように、頭を掻いて、


「しち面倒くせえ安全装置、外させて貰いました」


 そこで初めて男性が表情を変えた事に、男は心底愉快そうに腹を抱えた。


「まさかあんたのそんな顔が見れるなんてな! へ、ヘヘヘ、コイツは堪らねえ!」

「……」

「あんたが俺の心配をする筈がねえだろうがね」


 無言の――。

 然りとて心中には思うところがあるだろう男性に、そう前置きして。

 男は頬を歪めた。

 先ほどまで男性へと払っていた建前ほどの敬意も捨てて、嘲るように嗤う/三日月めいた道化師の笑み。


「大切なのは……人生で大切なのは、“どれだけ生きるか”より“どう生きるか”さ!」

「……」

「生きてるって素晴らしい! 俺たち皆、心から生きるために生きてるんだ! そう思わないか?」


 大仰に天を仰ぐように手を広げる男/対照的に絶対零度の目線の男性。

 急にまた、興味が失せたように/酔いが冷めたように/曲がおわったように。

 どっかりと腰を落とす男。



「それで、こんなもんを俺に渡して……一体どんな野郎が相手なんで?」


 途端に細まった猛禽類の瞳。

 火力を集約させたバーナーの双眸。否応なく、男の実力を証明する。荒事慣れした雰囲気。

 それでいて愉しげに、顎を撫で付けるのを止めない。


「さぞかしその海賊とやらは優秀な野郎なんでしょうね? そうじゃなきゃ、これの意味も薄い」


 ただ深海棲艦を相手にするなら、今の艦娘で十分に事が足りるのだ。

 そこに新たな要素を持ち込むとしたら――即ち対人。

 深海棲艦は学習能力が高く、一度は海洋を手中に納めたといっても戦い初めて日が浅い。

 有史以前から殺しあってきた人間に、一日の長があるのだ。


「……何故、海賊と?」

「人間ってのは確定として――、ま、後はあんたのところを悩ませてるって聞いてるんで……ね」


「……耳聡いな」

「そうじゃなきゃ、戦争なんてやってられないでしょうよ」


 肩を竦める男を僅かに眺め、男性は口を開く。

 既に身許の割り出しは済んでいる。

 同時期に行方不明となった会社員。そして、目撃証言。

 後は過去を洗って――――それまでだ。


「――“歩兵のお手本”、だよ」

                                                  リボン
「へぇ、生身で深海棲艦と撃ち合ったって――あの、勲章付き」

「……奴は兵卒だから、勲章を貰ってはいないがな」

「そうだったか? ……ま、なるほど。楽しめそうだ――――」


 と、頤を上げ、


「兵士として優秀な命知らずでも、指揮官としちゃあどうなのかね?」

「……自分で確かめてみればいい」

「へ、へへ……確かにそうだ。へへ、へへへ」



 ◇ ◆ ◇



◆備えよう◆また後である◆

◆何故こんなものを書いてたのか判らないがホノボノ艦これです◆あんしんあんぜん◆


◆始めます◆

◆便宜上三話なのですがここで過去が開示されそうなチョロ雲さんとは一体……◆


提督(金目当てではない、か)


 となると何目当てで賭けをやっているのか――なんて言葉が思い浮かぶ。

 スリル欲しさなのか。勝つ事が好きなのか。敗者を生むのが愉しいのか。

 色々と思い付く事を並べてみるが、


提督(……在り来たりな文句しか浮かばないな)


 平凡で/或いは非凡でありながらも陳腐な理由しか考え付かない。

 やがて、提督は。

 考えても仕方がないか――と窓の外を見る。

 今日もまた晴天だ。ただ、些か波が高い。ともすれば天気が荒れかねない。

 なんて予報をしてみれば――


叢雲「し・れ・い・か・ん?」

叢雲「ちょ――っと、いいかしら?」


 ――的中した。


提督(……これは、荒れるな)


 ……それにしても早くないだろうか。



提督「今度はなんだ、叢雲さ――」

叢雲「……」

提督「……叢雲。その、えーっと……用件は?」


 ピクリと片眉が動いた。

 「よぉうけぇんんん~?」とでも言いたげな眼差し。目は口ほどにものを言う。

 叢雲に小言を言われるのは、ある意味恒例行事。彼ももう、ある意味では慣れてしまっていた。

 ただいつもそれは得てして会話の最中でなされ、今回ばかりは、


提督(……俺、何かしたか?)


 彼としても首を捻らざるを得ない。


提督(……まさか叢雲さんに渡した缶詰の賞味期限が切れてたのか?)

提督(いや……味噌汁の味付けが余りにも気に食わなかったとか)

提督(それとも……嫌いな食べ物が出たか?)

提督(いや、もしかしたら叢雲さんが楽しみにしていたプリンを誰かが食べて、俺の所為だと思ったとか――)


 そんな在り来たりな(食べ物に関しての)事しか思い当たる節がない。


叢雲「聞いたわよ、司令官」

提督「え、何を……」

叢雲「最上さんと……外の屋台に食べに行ってきたらしいわね」


 ……やっぱり食べ物だった。

1:「……声、かければよかったか?」
2:「その……お土産はないんだ。すまない」
3:「悪くなかった。……今度行ってみるか?」
4:「……俺、何か忘れてたりするのか?」 ※何を?
5:自由安価

↓3

選択肢:3  (地雷)


提督「悪くなかった。……今度行ってみるか――」


 言葉を言い終わらない内に、彼は気付いた。

 叢雲が膨れ上がった。いや、彼女の威圧感が……だ。

 明らかにこの言葉は不味かった――――何が理由かは知らないが、怒っている彼女に。

 いけしゃあしゃあと、言っていい言葉などではなかった。


提督(不味いっ)


 すぐさま繰り出されるだろう喧々囂々とした罵声に身構えて。

 咄嗟に謝ろうとした彼へ向けられたのは。


叢雲「……ふーん?」


 逆に驚くほど静かな叢雲の反応。


提督「叢、雲……さん?」

叢雲「……邪魔したわね。それだけよ」

提督「え……? いや、叢雲さ――」

叢雲「それだけよ」


 それきり背を見せて、叢雲は部屋を出ていってしまった。

 なんだか判らないが……。


提督(……不味、ったのか?)



↓1 叢雲の好感度上昇/2


※0は10の位 ※ゾロ目は2倍


◆叢雲=サンの好感度が2上昇しました◆

◆現在の好感度66◆あと4で開示されます◆



提督(……まだ、怒ってるか)


 あれから、叢雲は顔を合わせようとしない。

 結局その日はそれとなく避けられて、声を掛けようにも逃げ切られてしまった。

 そうなるとどうにもならないのだ。部屋に押し掛ける訳にも行くまい。


龍鳳「どうしました、提督? お悩み事ですか? 大丈夫?」

提督「ん? ……いや」

龍鳳「私じゃ頼りに、なりませんか?」


 胸の前で手を組んで、覗き上げてくる龍鳳。


提督「俺自身、上手く説明が……うーん」

龍鳳「そう、ですか……?」



1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価
6:誰かを街に案内しようか(浜風・龍鳳)

↓3


提督「もう、体調はいいのか?」

雲龍「……ええ、大丈夫、です」


 いつにも増して気だるげな雲龍。

 あの廃棄資源場での、馴れない警戒が精神的な疲れを生んだのだろうか。

 どうにも気疲れは癒えきらないらしく、動きが緩慢になっていた。


雲龍「……そういう」

提督「ん?」

雲龍「そういう提督は、大丈夫ですか?」

提督「俺は――まぁ、歩兵だったから多少はな」


 散々叩き込まれたものであるし。

 何より深海棲艦という――通常の歩兵では妥当も儘ならない化け物に、泊地襲撃からの壊走。狙われ続けたのだ。

 水上からの砲撃。紡錘形の滑り気ある無人航空機に、深海揚陸艦から現れる怪物。

 常に周囲を警戒し続けた。


雲龍「……そうじゃない、んだけどな」

1:「提督、前は何をしてたんですか?」
2:「提督、何か力になれませんか?」
3:「提督、手合わせしませんか?」
4:「……雲龍、空は好きなのか?」
5:自由安価

↓3

選択肢:2 (ちなみに1は地雷だ)


雲龍「……提督、何か力になれませんか?」


 眠たげな半眼を少し開いて、一直線に雲龍が提督を照準する。

 ある種の強引さ。

 雲龍にしては珍しいものだ――と。彼も観念した。


提督「……実は、叢雲さんを怒らせてしまってな?」

雲龍「叢雲を? 珍しく……」

提督「……」

雲龍「……ない、わね」

提督「確かにそうだが、……それほど多いか?」

雲龍「名前の呼び方で、かなり……だと思います」

提督「……癖になってるんだ」

雲龍「え」

提督「いや、叢雲さんを怒らせることじゃないからな?」

雲龍「……叢雲に怒られることが、ですか」

提督「……それ、同じ意味じゃないのか?」


 似ているが似て非なる――と、雲龍は首を振った。


提督「確かにそうなんだけど……今回は話をする前に怒っていた、というか」

提督「怒り方の質が違った……というか」

提督「呆れてたり、失望していたりした……って感じだな」

雲龍「……珍しいですね」

提督「そうなんだ……」


 叢雲は、“怒る”というほどではなく――口を尖らせるという表現が正しい。

 明確な叢雲の怒りを目にしたのは、以前の泊地への輸送船の襲撃――そのフォローに雲龍を向かわせてしまったとき。

 それだけだ。

 今回はそれとは怒りの質が違っている気がするが、怒っているのは確かである。


提督「雲龍は、どんな時に怒ったりするんだ?」

雲龍「私、ですか?」

雲龍「……」

雲龍「……」

雲龍「……」

提督「……その、無理にじゃなくていい」


雲龍「……艦載機を馬鹿にされたり」

提督「してないな」

雲龍「……焼き鳥定食七面鳥風味って言われたり」

提督「言ってないな」

雲龍「コンビニで何故か、き○この山林しかおいてなかったり」

提督「その議論は駄目だ。戦争が起きる」


 うーん、と首を捻る雲龍。

 穏やかな気性なのか、それとも、いざそうならないと思い浮かばないのか。

 結局結論は出なかった。

 戦闘中はあれほど苛烈だというのに、何とも二面性を感じる。彼女はどうして、そうなったのだろうか。


雲龍「……ごめんなさい、こんなときどんな顔をしらいいのか」

提督「笑われ……たはない、な」

◆すまないでち◆眠気が限度のよです◆

>>908(訂正)



雲龍「……艦載機を馬鹿にされたり」

提督「してないな」

雲龍「……焼き鳥定食七面鳥風味って言われたり」

提督「言ってないな」

雲龍「コンビニで何故か、き○この山林しかおいてなかったり」

提督「その議論は駄目だ。戦争が起きる」


 うーん、と首を捻る雲龍。

 穏やかな気性なのか、それとも、いざそうならないと思い浮かばないのか。

 結局結論は出なかった。

 戦闘中はあれほど苛烈だというのに、何とも二面性を感じる。彼女はどうして、そうなったのだろうか。


雲龍「……ごめんなさい、こんなときどんな顔をしたらいいのか」

提督「笑われ……たくはない、な」

乙です
>雲龍「……ごめんなさい、こんなときどんな顔をしたらいいのか」

>提督「笑われ……たくはない、な」


綾波「!?」ガタッ

一応次スレな

【艦これSS】提督「今日も今日とて海賊稼業」03【安価】
【艦これSS】提督「今日も今日とて海賊稼業」03【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1431402066/)


◆備えよう◆今夜もある◆

◆それにしてもケイスケ=サンだからこうなったけど、タクミ=サンなら一体どうなっていたのだろうか◆

今日中に次スレ移行あるかな?



提督「……」


 雲龍と叢雲は、タイプが違いすぎて参考にはならない。


雲龍「提督は、怒ったりするんですか?」

提督「俺は――」


 言って、視線が宙をさ迷う。

 昨今で怒った覚えというと、二件。

 あの泊地で艦娘を解体し――そして彼女たちを狂言の海賊行為で人身売買の的としていること。

 それから、叢雲にテロリストの汚名を着せる泊地の好意、だ。


提督「……あまり、思い当たる節がないな」

雲龍「……」

提督「……」

雲龍「……私と似ていますね、提督」

提督「そうかもしれないな。言われて、悪い気はしないが」

雲龍「……」

提督「どうかしたのか?」

雲龍「いえ……、少し提督の事が知りたいなって思っただけです」

提督「そうか?」

雲龍「はい」


↓1 雲龍の好感度上昇

※ゾロ目は2倍 ※0なら十の位


◆叢雲=サンの好感度が8上昇しました◆

◆現在の好感度45◆あと5で開示されます◆




提督(……とりあえず謝るか?)

提督(いや、やめておいた方がいいな。理由なく謝っても余計に相手を怒らせるだけ……昔も何度かそれで失敗したよな)

提督(叢雲さんとは全然タイプが違うが……)


 良く良く考えれば。

 十も年下の少女に「さん」付けというのも奇妙なものだ。

 「提督」として頭を切り替えているときはそうでもないのだが――あくまでも素としての彼なら。

 ついつい出会ったその時の様に、他人行儀な呼び方となってしまう。


提督(……この辺りが怒られる理由、かもな)

提督(それにしても……)

提督(叢雲さんは、何を怒ってるんだ? 怒っているというよりは……傷付いている感じだったが)


◆これは(ケジメ)な……◆

◆行動安価の前にケジメ安価を取る◆間違いは実在しない、いいね?◆


◆それでは、ケジメ安価を出すとしよう◆失敗は実在しない、いいね?◆スタッフは2‐4‐11しました◆

◆ケジメ安価の内容は単純です◆


1:艦娘とのラブコメが見たい    (特定艦娘な。次回好感度にボーナスな)
2:おう、資材寄越せよおう      (燃料・弾薬・鋼材・ボーキがコンマの合計値ずつ増えます)
3:おう、資金寄越せよおう      (資金がコンマ合計値増えます)
4:おう、高速修復剤寄越せよおう  (コンマ1桁分/2の分、高速修復剤が得られます)
5:自由安価               (可能な範囲で実現するが、上記全部とかないよ)


◆1つだ◆備えよう◆22:25に安価な◆


◆えらべえ、と紫のオメンの男性が言っていました◆現地の言葉でオウジャ=サン◆



1:艦娘とのラブコメが見たい    (特定艦娘な。次回好感度にボーナスな)
2:おう、資材寄越せよおう      (燃料・弾薬・鋼材・ボーキがコンマの合計値ずつ増えます)
3:おう、資金寄越せよおう      (資金がコンマ合計値増えます)
4:おう、高速修復剤寄越せよおう  (コンマ1桁分/2の分、高速修復剤が得られます)
5:自由安価               (可能な範囲で実現するが、上記全部とかないよ)
6:テイトクと因縁ある艦娘追加


↓2

という訳で高速修復材な


↓3 コンマ一桁/2


◆という訳で4つだ◆だが切り上げで5つにする◆このスレに麻雀は関係ないので五捨六入は必要ない◆

◆次に行動安価を出したら、艦娘範囲安価を出す◆

◆お気付きかもしれないが時間経過に合わせて艦娘安価は増えていくのだ◆


提督(……本人に聞くのは最終手段だ。いくらなんでも不味い)

提督(だけど……そうだな、思い付かない……んだよなぁ)

提督(傷付く……傷付けるような事……)

提督(……)

提督(……どんな事をされたら俺は傷付く?)


 想像してみた――。

 多分、臭いので近付かないでくださいと言われたら傷付く。

 下手くそ過ぎる指揮だから引っ込んでて、と言われてもそうだろう。

 或いは誰かが実は泊地のスパイで、これまでのものは全て嘘――――なんてのもきっとそうだ。

 他には。

 飯が不味いとか。センスがないとか。信頼できないとか。やってられないとか。


提督(……どれも心当たりがない、な)

提督(俺じゃなくて叢雲さんなんだが……うーん……)

提督(……)

提督(……傷付けいている、ってのも俺の勝手な思い込みだしな。間違っているかもな)



1:誰かと会話する (キャラクターも)
2:燃料調達を行う
   A:寂れた資源地から
   B:深海棲艦漂う航路から
   C:裏の輸送任務の報酬として
   D:あの泊地へ向かう船から
3:仕事の依頼が来た
4:泊地の人身売買情報を手に入れた(艦娘追加)
5:自由安価
6:誰かを街に案内しようか(浜風・龍鳳)

↓3


◆ではこちらではこれまで◆

◆そして安価◆あと先に言っておくが1000は出来るかぎり考慮するとの話な◆



1~20:駆逐艦
21~40:軽巡洋艦・重巡洋艦
41~60:空母・軽空母
61~80:戦艦
81~00:その他の艦種類

直後。反転


◆という訳で軽巡洋艦・重巡洋艦だ◆

◆一応言っておくが、敵になるとは限らないのであんしんしてほしい◆

◆それではここから1000まで◆数字も書いてね!◆

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