痴漢「今日はあの女にするか」(31)

とある電車内での出来事―――



痴漢(いい身体をしている。それに気も弱そうだ)

痴漢(さあ、お楽しみといこうか・・・)

女「・・・ッ!?」

痴漢(おおっと、驚いたか。気付かないフリをすると思ったが・・・)

痴漢(仕方がない。少し力を入れて黙らせるか)

女「ッ・・・」

痴漢(くくっ、素直で良い女だ。痛い目に合いたくなかったら・・・黙って触られていろ)

女「・・・」

痴漢(とても良い腰をしているな。触っているだけでくびれの形が目に浮かぶようだ)

痴漢(どれ・・・次は尻と行こうか。・・・スカートはやはり尻を触りやすくて良い)

女「・・・んッ・・・」

痴漢(ッ・・・この女・・・!)

痴漢(下着を履いて・・・いない!?)

女「・・・ふっ・・・うぅんッ・・・」

痴漢(感じて・・・いる・・・?)

痴漢(何故だ・・・俺がこれまで痴漢してきた女は全員恐怖に溺れ、身をすくめて耐えていた)

痴漢(それがこの女は痴漢されて喜んでいるだと・・・?)

痴漢(・・・待て。この女は下着を履いていない。そして痴漢されて喜ぶという事は・・・)

痴漢(・・・くそっ!痴女か!!)

痴漢(・・・俺は痴女に興味などない。俺が求めるのは純粋無垢な女が恐怖に溺れる姿だ)

痴漢(しかし、この女の尻・・・肌の質感、弾力、感度全てが俺の手を狂わせるッ!)

痴漢(触り心地が良すぎて、手を離す事ができないッ・・・!!)

痴女「・・・んッ♪」

痴漢(くっ・・・この女、楽しんでいるッ・・・!まさかこの俺が、痴女に奉仕まがいの行為をしているだと・・・?)

痴漢(・・・そうだ。俺は今、望んで痴漢をしている訳ではない・・・)



痴漢(この痴女に、『痴漢させられている』ッッッ!!)

痴女(ふふっ・・・今までは私の秘所を男共に見せて楽しんできたけど)

痴女(まさか触ってくる男がいるなんて・・・光栄だわ)

痴女(それに随分とお気に入りみたい・・・楽しめそうね!)

痴女(掴むのが好きなのかしら?だけど・・・私も気持ちよくなりたいわ)

痴漢(・・・ッッッ!!尻の割れ目が俺の手を挟み込むゥゥゥ!)

痴漢(まるで指を舐められているかのような暖かさと心地よい圧迫・・・!これでは逃げられないッ!!)

痴女(あぁッ・・・この挟んでる感じ・・・イイわッ!!)

痴漢(くっ・・・ならば!!)

―――ツプッ

痴女「あっんぅ!」

乗客「・・・?」



痴漢(・・・よし、成功した)

痴漢(俺個人では痴女の身体から逃れられない。・・・ならば痴女から離してもらえばいいだけの事)

痴漢(今、この女は喘ぎ声を上げた。いくら痴女とはいえ、これだけ隠密に痴態を晒すという事は大衆に見つかるのを恐れている)

痴漢(さあ、尻を離せ!さもなくば貴様は恥をかくぞ・・・!)

痴女(・・・くっ、まさかお尻に指を入れてくるなんて。おかげで皆にバレそうになったじゃない・・・)

痴女(でも・・・積極的で良いわね。このまま逃がす訳にはいかないわ)

痴漢(な・・・に・・・!?こいつ・・・俺の指を更に奥へと入れる気か・・・!?)

痴女「・・・ッ・・・ふぅッ・・・」

痴女(あぁッ・・・もどかしい!この男の手を掴んで強引に入れたい!!)

痴女(でもそんな事をしたら私が痴女だとバレてしまうし・・・もうッ!)

痴女(早く・・・早く入れてよぉ!!)

痴漢(くそっ!!腰を小刻みに振るな!)

痴漢(この汚らわしくも艶めかしい尻が・・・俺の指を喰らう・・・!!)

痴女(くぅッ・・・もっと・・・もっとぉ!)

痴漢(逃げなければ・・・逃げなければ!!)

痴漢(しかしこの肉穴ッ!俺の欲望が!奥へ入れろと騒ぎ立てるッ!!)

痴漢(耐えろ・・・俺はこの女を求めてなどいない・・・耐えろ!!)

痴女(なんで・・・どうして入れてくれないの・・・)

痴女(私の膣(ナカ)に魅力を感じないとでも言いたい訳・・・?)

痴女(・・・さすがは痴漢ね。女を楽しませない、最低な男だわ)

痴女(はぁ・・・なんか、冷めちゃった)

痴女(悪いけど・・・通報させてもらうわ)

痴漢(・・・指を吐き出した・・・?)

痴漢(・・・ッッ!腕を掴んで・・・!まさか、こいつ・・・!)

痴漢(俺を警察に突き出す気か!!)

痴漢(冗談じゃない!楽しむだけ楽しんでおいて、上手くいかなければ切り捨てるだと!?)

痴漢(俺は貴様の玩具になど・・・ならないッ!!)

―――にゅぷっ

痴女「ひっん・・・!」

乗客「・・・大丈夫ですか?」

痴女「・・・え、ええ。しゃっくりが、止まらなくて」

乗客「ああ、なるほど・・・だからそんな声を」

痴女(な、何・・・?急にやる気になって・・・)

痴女(通報されると思っ・・・んッ・・・たから、言いなりになろうっていうの?・・・くだらない)

痴女(お生憎・・・ね・・・ッ!私は一度決めた事は・・・ッあぁっ!)

痴漢(くそっ!俺はこんな女に・・・こんな女を喜ばせている!!)

痴女(何・・・なの・・・ッ!こん、なに・・・上手いなんてッ!)

痴漢(こうなったら・・・俺も本気でやらせてもらうッ!)

痴女「・・・ッ・・・っく・・・」

痴女(まずい、わ・・・指を尻穴から抜かなきゃ・・・ッ!)

痴女(・・・はぁ・・・くっ!!)

痴漢(ッ!!この女ッ・・・!腕を離せ!)

痴女(・・・よし、捕まえたわ・・・もう終わり、ね)

痴女「・・・ッ!」


ッッッゴオオォォォォォ!!!

―――痴女が声を張り上げようとした瞬間。
けたたましい轟音と共に、窓の外が闇に覆われた。

痴女(・・・えっ?)

そう、トンネルに入ったのである。

痴女「・・・ッ」

そして、反射的に窓の外を見かけた痴女の目に映ったものは。

痴女(なん・・・で・・・?)

鏡と化した窓に、映っていた人物は。

痴女(なんて・・・イケメンなの・・・!!)

紛れもない、痴漢の姿である―――

痴漢(・・・どうした、痴女。間抜けな顔をしているな)

痴漢「・・・ふっ」

痴女「ッッッ・・・!」

痴漢(くくっ・・・そうだ。その顔だ)

痴漢(何気ない日常に突如として現れる恐怖。その恐怖に怯え、身をすくめ、『これは現実じゃない』と逃げようとする顔)

痴女「はぁ・・・はぁッ・・・!」



痴漢(お前は、今まさに『獲物』になったッッッ!!)

痴女(駄目・・・駄目よ!濡れちゃ・・・駄目なの!!)

にゅぐっ

痴女(けどッ・・・こんな・・・イケメンにッ!触られたら・・・!)

・・・つぽんっ

痴女(ああッ!抜かないでぇ!愛液が漏れちゃうぅぅぅッ!!)

痴漢(くっ・・・くはははははははははははははははッッッ!!無様な顔だ!)

痴漢(もはや痴女の顔ではないな!貴様は暴君に襲われながらも、それでも感じているただの雌犬だ!!)

痴漢(さあ・・・俺を楽しませろッ!!)

痴女(嫌ッ・・・いやぁぁぁ!こんなのッ・・・私じゃないよぉぉぉ!)

痴漢(・・・なんだ?何を求めているんだ?)

痴漢(撫でられたいのか?くくっ・・・よし、撫でてやろう)

痴女「んッ・・・んふぅ・・・ッ!」

痴女(駄目!違うッ!こいつを・・・通報しなきゃッ!)

痴漢(次はなんだ?揉まれたいのか?仕方がない・・・軽く、だぞ)

痴女(ああぁぁぁッ・・・!もっと・・・もっと激しくぅ!!)

痴漢(楽しい・・・楽しいぞ、『女』ァ!!)

痴漢(貴様は今までのどの女よりも醜悪で、淫靡で、強固で、理想の女だ!!)

痴漢(さあ・・・もっと俺を求めろ!自らの欲望を曝け出せッ!!)

痴女(入れて・・・入れてぇッ!!なんでも・・・するからぁぁぁ!)

―――にぎっ。

痴漢「・・・ッッッ!!?」

痴女(・・・えっ?)

―――女は、我が身を打ち捨てた。男に尽くそうとしたのだ。
しかし皮肉にも・・・男を喜ばせようとしたその手が、女が『女』である事を呼び覚ました。

女が掴んだその手には―――



痴女(・・・なに・・・これ・・・?これが・・・おチ○ポ?)

痴女(凄く・・・凄く小さいわ・・・)

痴女「・・・ふふっ・・・」

乗客「・・・しゃっくり、止まったみたいですね」

痴女「ええ・・・『止まった』わ」

痴漢(この・・・女・・・この女ァァァァァァアアアアアア!!)

痴漢(俺の・・・俺のを笑いやがってェェェ!)

痴漢(許さんッ・・・無事に帰れると思うなよォォォオオオオ!!!)

ずぷぷっ!

痴女(ひッあぁぁぁぁぁぁ!奥ま・・・でぇぇぇ!!)

痴漢(貴様は所詮ただの痴女だった!ここにいる大衆に、貴様の本性を教えてやるッ!!)

痴女(あっあぁっんぅっ!ふふっ・・・良い、イイよぉぉぉ!!)

痴漢(この・・・このッ!!)

痴女(あはっ!んっイイっ!!そこぉっ・・・もっとぉ!)

痴漢(喜びやがってッ・・・!!これからどうなるかも、知らずにッ!!)

痴女(もうっイくっ!!きてっ!ふかくまで・・・きてぇぇぇ)

痴漢(イけ!!イきやがれェェェ!!)

痴女「んぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッッ!!」



真面目「貴方達・・・何をしているのッ!!」

警備員「―――はぁ・・・あのね、君達。やって良い事と悪い事があるでしょ」

痴漢「ええ、すみません・・・つい、『彼女』と盛り上がってしまって」

痴女「はい・・・もう絶対にしません。ねえ、『貴方』?」

警備員「・・・こういう事例は初めてだから、どう対処していいか分からないんだが・・・」

痴漢「俺達は普段この路線を使わないのでこういう事をしたんです。だから・・・」

痴女「しばらく、この路線を利用するのを自粛するわ」

警備員「・・・もう帰りなさい」

―――男は、己の力がどれほど小さいのかを知った。

痴漢「・・・良い、身体だった」

―――女は、男の力がどれほど大きいのかを知った。

痴女「・・・気持ち、良かったわ」

二人は己の過信を認め、異性の強さを知った。同時に、それを乗り越えたいと心に決めた。
これから先、どんな『戦い』にも・・・この二人は勝ちたいと願うだろう。



痴漢「・・・お別れだ」

痴漢「もう会わない事を願う」

痴女「そうね。・・・さようなら」



・・・だから。



痴女「警備員さん!さっきの話は嘘です!あの痴漢に脅されてッ・・・!!」

痴漢「警備員さん!先ほどの女性を捕えてください!あの女性は悪質なストーカーで・・・!」



痴漢・痴女「ッッッ!!」

―――戦いは、終わらない。

以上です。
読んで頂いた方、ありがとうございました。

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