1ゆゆゆ日常SSが思ったより全然供給されないのでもっと自分で書こう
2本当に頭空っぽなゆるい日常SSを、隙間時間とかに「時間かけず超気軽に」生産していきたい
3しかし、自分で話考えたら、なんらかの中身を持たせて、これなら書きたいって自分にとって意味あるSSにしてしまう
というわけで、いただいたお題で、大体1レス(気分によって数レスにするかも)ゆゆゆSSを気分が乗ったときに書きます
基本台本形式ですが地の文もお題によっては気分で使うかもしれません
読んでお題をくれる方は、お題レスとその他のレスを区別するために
お題.~(~にお題の中身を)
とお題レスの場合表記してください
お題レスはもらった順番通りでなるべく頑張って拾っていくつもりですが、その内容によってはこちらの判断でスキップさせていただきます
お題.~の後、空白入れるか改行して
どのキャラを出すかとかこういうのがいいとか希望を述べていただくとその通りにするかもしれません
でも結局気分なので、お題スキップ以上にスルーされる可能性があるのをご了承ください
まず、試しに朝起きたらお題レスいくつか拾ってみますので、なんかください
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1422383634
お題〜巨大化する少女〜
お題 勇者部一同でお墓参り
勇者部には一応園子も含みます
お題 友奈川柳・美森俳句
お題 蕎麦
お題 どっちの料理ショー(うどん)
お題 友奈 美森 ちょっとした幸せ
お題 聖霊達の日常
お題 ずがーんだよ
園子様がずがーんする話
お題 結城友奈はタラシである
ゆうにぼゆうぼたはよくあるんで風樹姉妹をおとす友奈ちゃんで
お題 友奈と園子がだらだら
お題 勇者部全員で怖い話大会
>>2 「巨大化する少女」
~☆
夏凜「ねえ、友奈。最近結構太ったわよね?」
友奈「えっ」
風「うん。太ったでしょ、間違いなく」
樹「顔がふっくらしてきたというか……」
友奈「え、ええ……?」
友奈「でも、毎日のご飯の量は特に変わってないはずだけど……」
東郷「ごめんなさい、それ、私のせいなんです」
友奈s「「「「え?」」」」
東郷「味覚が戻ってから友奈ちゃん、あんまりにも美味しそうに食べるから、
それが可愛すぎて、ほぼ毎日お菓子いっぱい作って、私の目の前で食べてもらっちゃって……」
友奈(言われてみると、確かにお腹にお肉ついちゃってるなぁ)ムニムニ
夏凜「……とりあえず、明日ダイエットサプリ持ってくるわね」
友奈「うん」
友奈「私、頑張るよ、明日から」
>>3 「勇者部一同でお墓参り」
~☆
風「私たちもついてきちゃって、本当に良かったの?」
園子「全然OKだよ~」
園子「ミノさんなら、ダチのダチはアタシのダチでもある、だからみんな歓迎しマンモス~」
園子「とかなんとか言ってくれると思うな~」
東郷「……歓迎しマンモス、はいくらあの子でも、言わないんじゃないかしら……」
樹「友奈さん、お墓参りのときはまず掃除をしてですね」
友奈「ふむふむ」
風(はじめてお父さんとお母さんのお墓参りした時のテンパり具合と比べたら、
樹、見違えたわね……。人に自分の知識、堂々教えられるなんて、成長してるわ、すごく)
夏凜(三ノ輪銀さん。あなたのおかげで、私は戦えた、らしい)
夏凜(あなたの端末を引き継いで、代わりに戦えたから、私は勇者部のみんなと出会えた)
夏凜(……それでも、本物の勇者だった、って園子と東郷が太鼓判を押すあなたにも、私は会ってみたかったわ)
夏凜(私たちの世界を、その両手で守ってくれてありがとう)
夏凜(こんな祈りの言葉じゃ、月並みすぎるのかな……?)
>>4 「友奈川柳・美森俳句」
~☆
友奈「美森ちゃん 今日もとっても 可愛いな」
東郷「それじゃ季語が入ってないから、俳句になってないよ、友奈ちゃん」
友奈「あー、そっか」
友奈「どうやったら今のって、ちゃんとした俳句になるのかな?」
東郷「……うーん、私自身でそのままやるのは難しいから、友奈ちゃんに対しての句を詠んでいい?」
東郷「友奈ちゃん、今日もとっても、可愛いな」
東郷「これをどうにか変えてみる」
友奈「いいよー、バッチこーい」
ワイワイ ガヤガヤ
風(さっきからずっと空気が心なしか甘く感じるわ)
夏凜(この二人、私の知らない内に、一線を越えてカップルになってるんじゃないの?)
樹(俳句って難しいなぁ……)
>>5 「蕎麦」
~☆
風「年越しうどんに、友奈の家だと何入れる?」
友奈「……えーっと、卵とかまぼことほうれん草とー、あとは――」
夏凜(結構色々入れるのね)
東郷「私の家も、友奈ちゃん家と一緒です」
風「あなたたち、そんなところまで仲がいいのね」
友奈「仲がいいと言うか、東郷さんから教わったレシピが、我が家にそのまま定着して」
風「ふ~ん」
風「じゃあ夏凜は?」
夏凜「え゛っ」
風「?」
風「何、その反応」
夏凜「な、なんでもないわよ」
風「……はは~ん、もしや夏凜、年越しに何も食べてないな~」
夏凜「た、食べたわよっ! 帰省したし!」
夏凜「兄貴が作ったやつ、食べたわよ!」
夏凜(……ただ、我が家は年越しはそばって決まってるから、話に加わりづらいだけよ)
>>6 「どっちの料理ショー(うどん)」
~☆
春信「負けないよ。何しろ僕は、小さいころから、夏凜の舌の好みを知り尽くしてきてるんだから」
友奈「私たちだって、負けない!」
東郷「時間は短くとも、重ね合わせた想いの深さによって、私たちの絆は、お兄さんと戦えるものに仕上がってるはずです」
風「こっちだって、コンビニ弁当ばっかりの夏凜に料理振る舞って、今の味の好みならわかってるんだから」
風「昔は昔、今は今。だから絶対勝つ」
樹「わ、私も手伝えることは精一杯、頑張ります!」
夏凜「…………」
夏凜(私の舌を喜ばせた方が勝ち、うどん一発勝負料理対決)
夏凜(勇者部vs三好春信)
夏凜(どうしてこうなった)
お題.勇者部+園子でイネスのジェラートを食べに行く
お題 2年生カルテットによる勉強会&それを眺める樹
>>7 「友奈 美森 ちょっとした幸せ」
~☆
友奈「あっ、見て東郷さん!」
東郷「どうしたの?」
友奈「私のお茶に、茶柱が立ってるよ!」
東郷「あら、本当」
東郷「……でも、私にそれを言ったのは、良くなかったかもしれないわね」
友奈「どうして?」
東郷「茶柱が立ったときに、それを他の人に知られたら、幸運が入ってこないって俗説があるの」
東郷「茶柱が立つことそのものも、俗説の一種ではあるけど」
友奈「へー、そうなんだ」
友奈「でも、なんにせよ大丈夫だよ」
東郷「どうして?」
友奈「だって、茶柱が立って、嬉しいって思った私の気持ちは、間違いなく残るから」
友奈「そういう幸運は、人に話したからってなくならないでしょ?」
東郷「確かに。それはそうね」
東郷「流石友奈ちゃん、そのポジティブさを、私も見習わないと」
東郷「幸せなこと……。幸運なこと……」
東郷「友奈ちゃんが茶柱を喜んだのを知って、私も嬉しい」
東郷「つまり私も、友奈ちゃんほどじゃないにせよ、茶柱のおかげで幸せになったのかも」
友奈「えへへ。そうだとすると、毎日毎日楽しいことで一杯になっちゃうね」
>>8 「聖霊達の日常」
~☆
牛鬼「…………」バリバリムシャムシャ
牛鬼「…………」バリバリムシャムシャ
牛鬼「…………」バリバリムシャムシャ
義輝「ショギョームジョー」(牛鬼の暴食を止めに来た)
牛鬼「…………」
義輝「ショギョームジョー」
牛鬼「…………」カプッ
義輝「ッ!」ジタバタ
牛鬼「…………」モグモグ
義輝「…………」ビクビク
義輝「ゲドーメ」
牛鬼「…………」モグモグ
義輝「」
夏凜(しばらくが経ち、部室に足を踏み入れた私が見たのは、
無残に食い散らかされた部室のお菓子、兵糧たち)
夏凜(そして、牛鬼の口からぶら下がり気絶した、
明白な悪に対して勇猛果敢に挑んだ果ての義輝の姿でした……)
夏凜(牛鬼の唾液は臭かった)
夏凜(しかし義輝は、この事件にめげることなく、牛鬼の暴食を止めるため度々立ち塞がり、そしてその都度――)
>>9 「ずがーんだよ」
~☆
ヒュルルルルル
ドーン!
園子「たまや~!」
東郷「かぎやー!」
園子「やっぱり、花火はこう、お腹にズガーンってくる音がいいよね~」
東郷「そうね」
ヒュルルルルル
ドーン!
園子「ほらまた、ズガーン!」スガーン!
東郷「ふふ、そのっちったら、子供みたい」
園子「私たちまだ、高校生にもなってない子供だよ~」
東郷「それにしても、実年齢よりもっと子供っぽいってことよ」
東郷「まるで、六年生のころと、何も変わってないみたい」
園子「……」
園子「みもっしー。前もこうやって、屋台通りの途中で二人、花火を見たの覚えてる?」
東郷「うん」
東郷「あのときのことは、もう思い出したから」
園子「そっか……」
ヒュルルルルル
ドーン!
園子「あれからさ~、花火また二人で見るの、思ってたより、ずっと久しぶりになっちゃったね」
東郷「そうね。あれから、だいぶ遠くまで来ちゃった気がする」
東郷 園子「…………」
園子「さ~て、そろそろ行こっか~、みんな待ってるよ~」
東郷「ええ」
東郷「……友奈ちゃんたちがいるのはどこだったかしら」
園子「えっとね~、ここからまっすぐ、右手に進んで――」
園子(覚めるような闇色の空と、それとはまったく相反するようにキラキラした、花火の鮮やかな色あい)
園子(ズガーンとお腹を揺らす大音量の実感。お祭りの人混み。屋台から漂ってくる食べ物の匂い)
園子(この景色、この時間を、ミノさんにも一緒に感じさせてあげたかったな……)
(――大丈夫さ)
園子(え?)
東郷「そのっち?」
園子「……ううん」
園子「なんでもない」
園子(そういえば、今日はお盆の真っただ中だもんね)
園子(うっかりしてたよミノさん)
園子「はやく、行こう~」
東郷「え、ええ」
スタスタ スタスタ
(…………)
(――頑張りな、須美、園子)
(また、来年、逢おうな)
ヒュルルルルル
ドーン!
東郷「!」
東郷(……銀?)
ヒュルルルルル
ドーン!
東郷(……また、来年もここに、来たいな)
東郷(来られたらいいな、みんなと一緒に)
ヒュルルルルル
ドーン!
お題 空飛ぶウドンモンスター
お題 大巨人三森現る!
お題 アイデンティティー
お題 勇者部+園子による血液型と性格の話
お題 バーンテクスがサンレッドのフロシャイム派遣されてたら
>>10 「結城友奈はタラシである」
~☆
風「嘘つきィっ! 私のことだけを、愛してるって前言ってくれたのに!」
友奈「いやはや、記憶にございませんなぁ」
樹「友奈さん、好き。友奈さん、友奈さん、友奈さん……」
友奈「よしよし、可愛いよ、樹ちゃん、良い子だね」ヨシヨシ
風「私とのあの毎日は……囁いてくれた愛の言葉は……嘘だったの……?」
友奈「あのときは、嘘じゃなかったつもりだよ」
友奈「結果として、今、嘘になっちゃったことは否定しないけどね」
友奈「さあ、樹ちゃん、行こうか」
友奈「じゃあね、風先輩」
風「……」ギリッ
風「ゆうううきィ、ゆうううなあア、ああアアあああッッ!」
風「――って筋書きの、ドロドロ恋愛ドラマが、次の劇の予定なんだけど、どうよ」
夏凜「とりあえずね、いくらなんでも人たらし役の人選は間違ってると思う」
風「やっぱり?」
>>11 「友奈と園子がだらだら」
~☆
園子「ポカポカだね~」
友奈「そうだねー」
園子「これだけ日差しが気持ちいいと、眠くなる~」
友奈「そうだねー」
園子「う~……。眠る~……」
友奈「…………ねー」
園子「…………zzz」
友奈「…………」
友奈 園子「zzzzzzz」
~☆
友奈「…………」
友奈(日中、園子ちゃんと一緒に寝てたから、夜、家で全然眠くなっちゃった……)
友奈「…………」
友奈(眠れない……)
~☆
園子「zzzzzzz」
>>12 「勇者部全員で怖い話大会」
~☆
樹「――男は、それきり二度と帰って来られなかったと言う」
樹「…………」
友奈「す、すごい迫力だったよ樹ちゃん……」
友奈「ね? 東郷さん」
東郷「ええ、友奈ちゃんの言う通り、凄かったわ、樹ちゃん」
東郷(声を掠れさせて、低くゆっくりとした声でムードを演出、よどみない語り)
東郷(樹ちゃんにこんな怪談の才能があったなんて……)
東郷(樹ちゃんは、育てればなんでも伸びる逸材なのが、また実証されてしまった)
東郷(それにしてもこの語りのクオリティ、私も負けずに、これからもっと腕を磨かなければいけないわね)
樹「…………」
風「あら~、夏凜~、さっきから黙ってどうしたの~? もしかして怖いの~?」
夏凜「そういうあんたは、ちょっと声が震えてるじゃない、風。怖いんでしょ」
風「こ、こわくなんかないわよ!」
樹「…………」
友奈「次は私――」
樹「これは、旧世紀のお話です。信じられないかもしれませんが、本当のお話です」
友奈「樹ちゃん?」
風「はは、樹、怪談は、一人一つずつ順番に交代して話していくってさっき――」
樹「とあるサラリーマンの男が、交通事故に遭って、ある大きな病院に入院することになりました」
風「樹?」
友奈「樹ちゃん?」
樹「入院してから数日は、何もなかったんです。でも――」
友奈「樹ちゃん、樹ちゃん」ユサユサ
樹「……」コテン
友奈「あれ?」
東郷「友奈ちゃん? どうしたの?」
友奈「樹ちゃん、寝てる」
東郷 風「え?」
樹「zzzzzzzz」スー スー
風「でも、今までずっと喋ってたじゃない、怪談を」
友奈「だけど――」
樹「その日、男は、夜中トイレに行きたくなって、ベッドの上で目を覚ましました」
友奈 風「!」
風「ほら、起きてた――」
樹「トイレに行くため、男は病室を出て、暗い廊下を歩きます」
友奈「っ!」
友奈「ふ、風先輩……。みんな……」ガタガタ
風「友奈?」 東郷「友奈ちゃん?」
樹「ペタン、ペタン。患者として履かされたスリッパが、男の足取りにつれて、床と触れて、音を立てます」
友奈「樹ちゃん、口を動かしてない……。喋ってる間ずっと口を閉じてるの……」ガタガタ
風 東郷「!?」
樹「………………」
シーン
友奈 風 東郷「…………」ゴクリ
夏凜「男は、トイレの前に立ちました。すると中から何やら物音が――」
お題 友奈パパ
お題 勇者部に夏凜の兄、春信が来た
お題 未来からやってきた結城美森の娘
お題 大人になった勇者部+園子がお酒を飲みに行く
お題 友奈のストーカー出現
お題 小6になった銀弟と東郷さんと園子
>>18 「勇者部+園子でイネスのジェラートを食べに行く」
~☆
園子「どうかな~、しょうゆ味のジェラート~」
東郷「……だいぶ大人な味なのね」
友奈「う、うーん」
風「食べ比べの結果、メロン味とかの方が好き」
樹「お姉ちゃん、そんなに一度にいくつも食べたら、お腹壊しちゃうかもよ?」
風「へーき、へーき」
夏凜「……」モグモグ
風「夏凜はどう?」
夏凜「おいしいわよ、凄く」
夏凜「うどんの次くらいに好きかもしれない味ね」
風「……え? そんなに?」
園子「あ~」ニコニコ
園子「夏凜ちゃんは、やっぱりミノさんの後継者なんだね~」ヨシヨシ
夏凜「ふぁ!」ビクッ
夏凜「な、なんでいきなり撫ではじめるのよ……っ! な、なんでっ!」ビクビクッ
風「……へぇー」
風「夏凜は、撫でられるのに弱い、なるほど」
夏凜「なっ!」
夏凜「今のはちょっと、油断しただけだから!」
園子「いい子いい子~」ヨシヨシ
>>19 「2年生カルテットによる勉強会&それを眺める樹」
~☆
園子「…………」カリカリ
夏凜「…………」カリカリ
東郷「友奈ちゃん、そこ違うわ」
友奈「え? ……あれー?」
樹(お姉ちゃんの高校に無事入学するための、入試に向けた勉強会)
樹(傍から見てて、私が来年こんな問題を解けるようになってる気がしないよー……)
友奈「…………」カリカリ
夏凜「…………」ポリポリ
園子「はい、みもっしー。できたよ~」
東郷「どれどれ……」パラパラ
東郷「うん、そのっちは満点ね。あの休学期間があって、この結果」
東郷「勉強のスペックは、間違いなく私以上だわ」
園子「えへへ~」
友奈「はえー」
夏凜「東郷以上って、雲の上過ぎてまったく実感わかないわね」
友奈「それ、わかる」
樹(うっ、うっ、見てると来年が思いやられて、気が重いよぉ……)キリキリ
樹(今日、勉強道具は持ってきたけど、自分でやっても全然頭に入らないし……)キリキリ
樹(いっそこうしてみんなが頑張ってる姿を見てるだけが一番気楽――)
友奈「樹ちゃん」
樹「ふぇ?」
友奈「がんばろ! あとちょっと、その積み重ねが大事なんだって! 東郷さん言ってた」
樹「は、はい」
友奈「勇者部ファイトー! おー!」オー!
樹「お、おー!」オー…
夏凜「……こういうとき、入試試験の先輩なんだから、風も勉強やテストのコツとか、教えてくれればいいのに」
園子「先輩、今日はお腹壊しちゃってるからね~。仕方ないよ~」
>>24 「空飛ぶウドンモンスター」
~☆
風「昨日樹と見た映画、無茶苦茶面白かったから、みんなも行った方が良いわよ絶対」
風「ね? 樹」
樹「うん」
友奈「なんて名前の映画なんですか?」
風「空飛ぶウドンモンスター」
夏凜「どんな映画よ、それ」
風「えっとね、主人公は女の子。舞台は旧世紀の日本にあった、とある田舎の村落って設定なの」
風「ある日村の近隣、よく見知った山麓で遊んでた主人公の子は、
可愛らしい見た目の、ちょうど肩に乗るくらいの大きさをした怪獣を拾うんだけどね」
風「その怪獣は、大変な大飯食らいで、だけどうどんの麺しか食べられないの」
東郷「うどんですか」
風「ええ、うどん」
風「あんまりにも一杯食べるから、最初は悪い顔をしなかった田舎の人たちに、
次第に邪険に扱われるようになって……」
友奈「その子って、どういう姿の怪獣なんです?」
風「姿……そうね。空を飛ぶから羽が背中からピョコって生えてるわね」
風「角が頭から二本チョコンと伸びて、全身の大半は白い」
風「頭でっかちで面長な印象ね、それでも絶妙に可愛いけど」
友奈「それって――」
牛鬼「?」フヨフヨ
>>25 「大巨人三森現る!」
~☆
風「聞いて聞いて。劇場公開されてからのあまりの評判の良さに、
最近、空飛ぶウドンモンスターの続編企画が持ち上がってるらしいの」
友奈「へー、そうなんですか」
夏凜「具体的には?」
風「タイトルは、『空飛ぶウドンモンスター2 大巨人三森現る!』だって」
東郷「三森……」
風「巨人の名前の由来は、森三個分くらい大きい巨人ってことみたい」
夏凜「なんで巨人の大きさの比較単位が森なのよ」
夏凜「森って一口に言っても範囲が抽象的すぎるでしょ」
風「なんでも旧世紀時代の神話にその存在が示唆されるくらい古いのと、
単純に横に広いから、比較対象が森になったんだって。サイトに書いてあった」
東郷「設定が既に、結構な量公開されてるんですね」
東郷「やっぱり戦うんですか?」
風「みたいね」
夏凜「前作の、水を吸収すると巨大化するって設定が、また役に立つってことかしら?」
風「多分そうだと思う」
風「前作のときみたいに雨と川だけじゃいくらなんでも足らないだろうから、
今度は海に進出するんじゃない? ……塩水吸って大丈夫なのかな、あの子」
友奈「牛鬼は、水分吸収しても巨大化しないですよね」
風「明らかに容量オーバーな量のご飯食べても、
お腹をたらふく膨らませるだけで済むの、それはそれで不思議だけどねー」
牛鬼「……」バリバリ ムシャムシャ
>>26 「アイデンティティー」
~☆
友奈「東郷さん。最近なにか悩んでるでしょ?」
東郷「…………うん」
東郷「大したことじゃないんだけど、ちょっとね、考え事が長引いちゃって」
友奈「なら、ここは私に話してみたらどうかな。勇者部五箇条、悩んだら相談、だよ」
東郷「……わかったわ」
東郷「ねえ、友奈ちゃん」
東郷「――私が私である、ってどういうことだと思う?」
友奈「え?」
東郷「私は私。……今の私、過去の私、未来の私。どれも同じ、私」
東郷「じゃあ、私をいつも同じ私だって言わせてる、私の要素はなんなんだろう?」
東郷「例えば、私が鷲尾須美って名前だった頃の私と、
東郷美森としての私は、どっちも同じ『私』ではあるわよね」
友奈「う、うん」
東郷「そうすると、名前は『私が私である』ために、絶対同じである必要のないものってこと」
東郷「私である理由の補強はしてくれても、その本質じゃない」
東郷「他の例を挙げるわ。そのっちは何度も散華して、
多くの身体機能と肉体の一部そのものを一時期失っていた」
東郷「でも、そのっちはずっとそのっちだった。そうよね?」
友奈「うん、そうだね」
東郷「私を私だと言わせている物は、身体の機能や肉体の一部、腕、足、じゃない。名前でもない」
東郷「それなら私や友奈ちゃんは、どうして自分が自分だってことがわかるの?」
友奈「……え、ええ?」アセアセ
友奈「でも、理由はよくわからなくても、私は私だってわかってるから今更そんな――」
東郷「そう、私たちはこの今という瞬間も、わかってるのよ」
友奈「え?」
東郷「私を私だと考える、その考えている私が、ここにいなくちゃ、話は何もかもおかくなる」
東郷「だとすると、私を私だと言える今のこの私という意識、本質の一部はそれかもしれない」
東郷「でも、仮に今考えていること、その意識が私の本質だとすると、眠っている間はどうなるの?」
東郷「それに、私を私だと考えていない、他の何かを考えてるときの私を、私だって言える理由は何?」
友奈「う、うーん……」
東郷「あれこれ考えた末に、過去の私と今の私が同じだって、
少なくとも今の私が言えるのは、過去の私に関する記憶が私にあるから」
東郷「……って言ってしまうと、鷲尾須美の記憶を失くしていた頃の私が、私ではなくなってしまう」
東郷「最低限、お母さんやお父さんから見た時、私はずっと私のままだったはずなのに」
東郷「だって、私の身体はずっと同じ身体のままなんだもの」
東郷「それに、問題はまだ他にもあるわ」
東郷「例えば、これは突拍子もない発想だけど、神樹様が私の知らないところで、
私とまったく同じ記憶と身体を持った偽物の私を作ったとするの」
東郷「だけど、過去の私に関する記憶があるから、ってさっきの考えがもし正しかったら、
二人の私に本物偽物の明確な優劣はつけられないはずよ。だって両方同じ記憶を持ってるんだから」
東郷「しかももっと悪いことに、偽物の私が生み出されたまさにその瞬間、私が消失したような場合を考えると、
偽物だったはずの私はこの世で唯一の私になる。それってつまり偽物の私じゃなくて、本物の私ってことじゃ――」
友奈「あ、あわわわわわ……」
友奈(東郷さんが何を言ってるのか、どんどんこんがらがってきて、あ、頭が沸騰しそうだよぉ……?)
お題 鋼のシスコン部長
どれも面白いです 頑張ってください
お題 謎の懐中電灯
※ 本日よりこのスレでの乃木園子や未来関係のネタは、『その後の園子』参照のものとなりますので、未読の方はご注意ください
このスレいつ畳むかは未定ですが、とりあえずここ一週間は
園子が出る場合タイトル右横に「・園子」と書きますので、そのレスを読まずにスキップ可能です
話が二レス以上に跨る場合もありますが、次のお題が始まるときの安価と~☆を目印にすれば、読まずに済むと思われます
お題 園子と春信
お題 友奈「希望は前に進むんだ!」
>>27 「勇者部+園子による血液型と性格の話」・園子
~☆
樹「……えい」
樹「う、うーん。……微妙な運勢かも」
園子「イッつんは、タロット占いが本当に好きなんだね~」
樹「意外と皆さんが思ってるより、知れば知るほど奥が深いんですよ、占いって」
樹「その歴史について調べてみるのも楽しいですし」
夏凜「占いの歴史……ちょっと面白そう」
夏凜「勇者部歴史顧問の東郷先生、占い絡みで何か面白い歴史ネタないの?」
東郷「占い……についてはいくらなんでも門外漢だけど、例えば血液型でその人の性格を判断する」
東郷「って風習が、旧世紀の日本にはあったみたいよ、夏凜ちゃん」
樹「あっ、それ知ってます!」
夏凜「血液型??????」
夏凜「血液型で性格って、何がわかるってのよ」
東郷「例えばA型なら、真面目、几帳面、誠実……」
風「うんうん」(A型)
東郷「B型なら好奇心旺盛、独創的、社交的……」
夏凜(私、どう考えても社交的ではないと思うんだけど)(B型)
東郷「AB型なら感受性が強い、クール、独創的……」(AB型)
風(どっちかというと東郷って自分から型にはまるタイプよね)
風(一部の方向性に限って、凄まじく感受性が強いのは認めるけど)
園子「わっしーはクールでかっこいいからぴったりだよ~」
東郷「あ、ありがとうそのっち」
東郷「あと、O型が、行動力がある、裏表がない、大らか」
友奈 樹 園子「へー」(O型)
夏凜「……血液型占いって、O型の説明聞く限りだと、
結構当たってるところもあるのかもね。知らないけど」
>>28 「バーンテクスがサンレッドのフロシャイム派遣されてたら」
~☆
東郷「……風先輩ー」
風「なにー?」
東郷「何やら『バーンテクスがサンレッドのフロシャイム派遣されてたら』って件名のメールが、勇者部宛てに」
東郷「中身を読んでみても、正直よくわからないです」
風「依頼?」
東郷「ではなさそうかな、と」
風「じゃあ、よくわからないけど、削除でしょ」
東郷「ですよね」
>>33 「友奈パパ」
~☆
友奈「よしよし夏凜~、今日も友奈パパ帰ったぞ~」
夏凜「ぱぁぷぁ」
友奈「う~、今日も夏凜は可愛いでちゅね~」ヨシヨシ ナデナデ
夏凜「/////」
友奈「美森ママのいうことを聞いて、良い子にしてましたか~?」チュッ
夏凜「だーっ」キャッキャ
夏凜「いやいやいやいや、配役おかしいでしょ、風。あんたどんだけふざけてるの?」
風「だってあなた以上に赤ん坊役のできる子、勇者部にいないし……」
夏凜「幼稚園でやる劇なんだから、園児の助け借りなさいよ!?」
>>34 「勇者部に夏凜の兄、春信が来た」
~☆
春信「どうも、いつも妹がお世話になってます。三好夏凜の兄、春信です」
春信「今日は夏凜の授業参観があったので、そのついでに勇者部に立ち寄らせていただきました」
東郷「はじめまして、東郷美森です」
東郷「こちらこそいつも妹さんには――」
春信「いやいやそんな、こちらはいつもお世話されてばかりなのは、この本人の口から聞いてますので」
春信「勇者部の部長さんに、コンビニ弁当ばかりだと身体に悪いから、と週に数回晩御飯にお呼ばれしたり」
春信「東郷さんに、ぼたもちなどのおいしい和菓子を食べさせてもらった話をする時も、とても楽しそうでした」
春信「友奈さんには、度々極上のマッサージを施していただいたとか」
春信「樹さんには、兄妹関係をどうしたらいいか相談を受けてもらい――」
夏凜「/////」
風(夏凜、最近お兄さんと仲直りできたのがいくら嬉しいからといっても、
ちょっとあれこれお兄さんにペラペラしゃべり過ぎじゃない……?)
>>35 「未来からやってきた結城美森の娘」
~☆
?「私は、未来からやってきた、結城美森の娘です」
友奈「結城美森……?」
東郷「それって、どういうことなんですか?」
?「はい、説明します」
?「私は、勇者システムの改良につぐ改良を経た、まさに完成形とも呼ばれるべき存在」
?「勇者適格補正強化型ヒューマノイドYu-Naです。気安くYu-Naとお呼び下さい」
Yu-Na「Young lady has evolved the ultimate New android」
Yu-Na「とかなんとか適当な由来をこじつけとけ、と母二人はお酒の席で、
私に向けてひどいへべれけの状態ではありますが言っておりました」
Yu-Na「私は、あなた方お二人それぞれの大体76代先の子孫にあたる優奈女史、美森女史の共同作品です」
Yu-Na「彼女達の作品であること。それを私は、あなたたちヒューマンの言語使用感覚に照らし合わせて、
結城美森の娘と呼称しています」
Yu-Na「私は、自己紹介における印象の混乱をできるかぎり緩和すべく、
Yu-Naと音の被る、優奈女史の娘をほとんどの場合自称しません」
Yu-Na「しかし、必要とあらば東郷優奈の娘、と自称することももちろん可能です」
Yu-Na「私が、あなたたち二人の元へ時間流を逆行してまで、今回はるばる伺うことになった理由ですが、
歴代最強の勇者適性を持つと謳われる結城友奈様の友奈因子を直接採集し、それを私の内部構造に組み込むことで――」
友奈「あの、とりあえず、Yu-Na、さん」
Yu-Na「なんでしょう? 何かご質問ですか?」
友奈「お茶は、飲みますか?」
友奈「東郷さんのぼたもちもありますけど、食べます?」
Yu-Na「はい、両方いただきます。適度のエネルギー補給は、重要です」
>>36 「大人になった勇者部+園子がお酒を飲みに行く」・園子
~☆
東郷「われら~ここんむそぉ~」フラフラ
東郷「んみ゛ぐにをぉぉお~、ま゛もるだめにぃいぃい~」フラフラ
樹「東郷先輩が、もう千鳥足だ……」
園子「仕方ないよ~」
園子「みもりん、昨日友奈ちゃんと喧嘩して、ちょっと不安定になってるから~」
樹「二人、なにで喧嘩したんですか?」
園子「えっとね~、ゆーゆがそろそろ結婚の相手を探そうとしてるところに」
園子「みもりんがしつこくそれはダメ、あれもダメ、って横やりを入れるの~」
園子「それでゆーゆも、もう私子どもじゃないんだよ! って怒っちゃって~」
樹「あー……なるほど」
夏凜「まーたそんなつまんない争いやってるのかあの二人」
樹「また、ってどういうことですか? 夏凜さん」
夏凜「前、似たような喧嘩してた時に、東郷と友奈の間を仲裁してやったことがあるのよ」
夏凜「まったく、進歩してないんだからあの二人は……」
園子「そういうのもいいことじゃないかな~。変わらない関係ってやつだよ~」
夏凜「まー。そうよねー」
夏凜「……で、今日風がいないのは、どうして?」
樹「お姉ちゃんはダメです。今、禁酒中ですから」
樹「みんなと会いたいのに殺生な、と泣いてたけど、置いてきました」
夏凜「置いてかれたことに不貞腐れて、ヤケ酒してないといいけど……」
樹「大丈夫です。絶対できないようにしてありますから」
夏凜「……樹、あんた強くなったわね」
園子「次はどのお店に入ろうかな~」
東郷「とも゛よぉ~っ!」フラフラ
東郷「きみがぁ~、まもりぃ、 だいち、ふぅみしぃめ、いぎ~」フラフラ
>>37 「友奈のストーカー出現」
~☆
東郷「…………はぁ」
風「どうしたの、東郷。ため息ばっかついちゃって」
東郷「ああ、その……」
東郷「友奈ちゃんに、ストーカーが最近つきまとっていて、それで……」
風「ええっ?!」
風「だ、大問題じゃないっ! どうして今まで相談――」アワアワ
東郷「相手の個人情報は、もう住所含めてある程度突き止めて、
警察に突き出せそうな映像証拠等も十分に揃えてあるんですけど」
東郷「警察に突き出したからといって、別にその人の存在自体はなくならないわけで、
それで不当な恨みを買って後々復讐なんてされたらたまったものじゃない」
東郷「と、いうわけで、人道的と言える範疇に収まった程度の、精神的ないし肉体的苦痛を、
どうやって与えればそんな復讐の意志すら完全に削ぐことができるのか、って考えてるんですが」
東郷「でも、なかなかいい案が浮かばなくて……。
友奈ちゃんはまだ事態に気付いていないようなので、実際まだそこまで焦る話でも――」
風「東郷、一応言っとくけど、何があっても、犯罪者に対処するために、
あんたが犯罪者になるとか、そういうのはやめてよね」
風(これ以上一人で抱え込ませないように、東郷を説き伏せて、この問題を勇者部全体の問題にする)
風(とかも大事だけど、何より東郷を本気で怒らせないようにしよう、絶対に)
風(うん、だってこんなのと敵対しても、まず間違いなく勝てないもん)
お題
きのこタケノコ
お題 ポッキーゲーム
お題 神樹ワールドで銀と夏凛が仲良く稽古
お題 弓道部に助っ人に行く東郷さん
お題 魔法少女にぼっしー
お題 めっさ変な馬お手上げ
お題 進撃の園子
お題・聖霊擬人化アプリ
お題 友奈のゴッドハンドを受ける園子
お題 東郷さんが友奈に催眠術
お題 夏凜の地元に勇者部6人で行く
>>38 「小6になった銀弟と東郷さんと園子」・園子
~☆
銀弟「園子お姉ちゃーん! 美森お姉ちゃーん! またねー!」テッテッテッ
東郷「またねー」
園子「またね~」
東郷「……あの子、本当に銀の弟なのかって疑問持つくらい、礼儀正しい子よね」
園子「ふふっ、みもりん、あの子と会う度にそればっかり言ってるよ~」
東郷「だって……」
園子「喋り方はともかく、最近見た目がますます私たちの知ってるミノさんに似てきてるし、
ミノさんの弟なのは疑いようないと思うな~」
東郷「でもそれは、一時的なことじゃない? 声変わりもそろそろでしょう」
園子「まあそうだね~」
園子「あの子に園子お姉ちゃんって呼ばれるの、
ミノさんにお姉ちゃんって呼ばれてるみたいで素敵なんだけどな~」
東郷「物事は移ろいゆくもの、諸行無常……」
園子「これから、ミノさんが経験しなかった成長の日々を、
あの子が歩んでいくんだと思うと感慨深い~」
東郷「ええ、そうね」
東郷「……でも、近頃あの子を見れば見るほど、できたら銀本人がもっと大きくなった姿、
写真でもいいから、この世界に残したかったって気持ちも正直湧くわ、私」
東郷「私たちの持ってる写真のデータは、私たちが失くさない限りいつまでも変わらない。
二人にある銀の面影の記憶が、たとえどんどん薄くなっていったとしても」
園子「それじゃあ、もうちょっと大きくなったあの子に、
私たちの前で女の子の格好してもらったらどうかな~」
東郷「え?」
園子「私の家に、中三の頃と高校生の頃、私が着てたフリフリの服、まだ残って――」
東郷「それは、下手をすると、あの子の特殊な扉を開いてしまいかねないから、やめましょう」
園子「でも――」
東郷「やめましょう、そのっち。断固として」
>>47 「鋼のシスコン部長」・園子
~☆
園子「これは、いったい何かな~?」
園子「私の目には、私たちの部長の彫像に見えるけど~」
大赦の人「ええ。これは、園子様が今おっしゃった通りの物です」
大赦の人「我々が重要な情報を秘匿したことを大きな要因として、
部長様は実の妹の幸せを願う心と己の復讐心の板挟みになりました」
大赦の人「そして、しまいには罪悪感と絶望に我を失い、あわや大赦を襲撃する鬼人となりかけた彼女の、
現実のお姿をそっくりそのまま再現した像でございます」
大赦の人「結城友奈様の精霊が目視し、その内部に記憶していた映像を元に、
彼女の一番鬼気迫る瞬間の表情を再現しました」
大赦の人「私たちは、我々の失敗を詳細な書類の記録と共に、目に見えるわかりやすい形で残すために、
この像を作ったのです。人は、失敗を、恐怖を、容易く忘れてしまう生き物ですから」
大赦の人「つまり、後世への戒めです」
大赦の人「都合の悪い情報を秘匿し、その上でとある誰かに皆を護るための力を委ねるという」
大赦の人「一見簡単でかつ多利益的な選択をするのは、
その扱いへの仕返しを容易に生んでしまう、実に忌むべき問題の一時的な先送りなのだ、と」
大赦の人「これは、なるべく長持ちするよう、特殊な鋼を使用しております」
園子「……」
風の像「――――ッッ!!!!!!!」クワッ
園子「たとえ戒めなのだとしても、これはフェアじゃない」
園子「私は、乃木園子という名と体に与えられた権限のもとで、この像の隣に、
勇者部部長の聖母像とでもいうべき、そういう慈愛に満ちた彼女の像を置くことを命じます」
園子「本当に、後世に正しい事実を残すつもりなら、そうするべきです」
園子「自分たちが、あんなにも優しい人に、どれだけの精神的苦痛を背負わせ、
こんなにも恐ろしい表情をさせてしまったのか」
園子「その比較ができるものが、ここには必要です」
大赦の人「…………御意」
>>48 「謎の懐中電灯」(※さすがに許容範囲超えてキャラ変かもしれないので注意)
~☆
友奈「そう言えば、東郷さんの家に、変な懐中電灯があったんだけどね」
夏凜「変な懐中電灯?」
友奈「うん、置いてあった場所がこれまた変でさ」
友奈「ベッドの中に入ってたんだ」
友奈「しかもこう、マツタケみたいな形してるの」
夏凜「マツタケ?」
風(ベッド。マツタケ。東郷。……まさか、バイブかな?)
樹(マツタケ?)
友奈「それで、豪華に七色に光るんだけど、これで暗いところを照らすのは無理があるなーって」
夏凜「七色……ねえ」
風(バイブかな)
樹(七色に光る……懐中電灯というより、何かのパーティーグッズじゃないのかなぁ、それ)
友奈「で、ブブブブブブブ、って動くんだけど――」
夏凜「動くの!?」
風(バイブだ、絶対バイブだ)
樹(ほら、パーティーグッズだ)
東郷「東郷美森、遅れましたー」ガラガラガラ
友奈「あっ、東郷さん」
東郷「そのっちはもうちょっと後から来るみたいです」
風「ん゛ん、そっか、お疲れ~東郷~」ニヤニヤ
樹「お姉ちゃん、なんでそんな変な顔してるの?」
>>51 「園子と春信」
~☆
園子「今日、春信さんに来てもらったのはね、三好夏凜さんについて聞きたいからなんだ~」
春信「夏凜について、ですか」
園子「私の友達、ミノさんの端末を受け継いで、彼女は戦ってるって聞いたから、ちょっと興味が湧いたの~」
園子「だから色々、知ってることを教えてくれないかな~?」
春信「……ええっと、その、園子様のご希望にお応えしたいのは山々なんですが」
春信「僕たち、生憎そんなに仲がいい兄妹じゃないので、面白いエピソードとか、
あの子がどんな子とか、あまり大したこと言えそうにないんでよね……」
春信「むしろ僕の方が、勇者部の子たちに夏凜のことを教えてもらいたいというか……」
春信「いや、あの子に満開のことを何も言えず、大赦の内部で言いなりになってるしかなかった僕に、
もちろんそんな資格なんて――」
春信「!」
春信「す、すいません、失言でしたっ!」ペコリ
園子「ううん~、大丈夫だよ~」
園子「……そっか~。そうなんだ~」
園子 春信「…………」
園子「せっかくだから、私と一緒にこれから、あそこに浮かんでる雲でも見ませんか~?」
春信「え?」
園子「いやですか~?」
春信「い、いえいえとんでもない! そうさせていただきます!」
園子「そんなに堅苦しくならなくて大丈夫ですよ~。だって、春信さんの方が年上なのに~」
>>52 「友奈「希望は前に進むんだ!」」
~☆
友奈「希望は前に進むんだ!」
友奈「でも、前ってどっちなんだ!」
友奈「希望が進む方が前なんだ!」
友奈「じゃあ希望はどこへ進むんだ!」
友奈「前だ!」
友奈「どっちだ!」
夏凜「……友奈、何してるの、あれ?」
東郷「ノリ突込みの練習だ、って友奈ちゃん言ってた」
夏凜(仮に鍛えられたとして、いったい何に役立つのよそのスキル……)
>>60 「きのこタケノコ」
~☆
友奈「見て見て! 夏凜ちゃん!」
夏凜「急にどうしたのよ、そんな大きな声出して」
友奈「ほら、きのこみたいなタケノコが生えてる!」
夏凜「……うわっ、ホントだっ!」ビクッ
夏凜「しかも樹海化の産物だから、カラフルに光ってるし――」
友奈「でしょでしょ。すっごいねー。神樹様の神秘だよねー!」ニコニコ
夏凜(……友奈は喜んでるみたいだから、妙に気持ち悪いって感想は言わないでおこう)
夏凜「でも、これってむしろタケノコっぽいきのこじゃないかしら?」
友奈「え?」
夏凜「だから、きのこみたいなタケノコ、じゃなくて、タケノコっぽいきのこでしょって言ったの」
友奈「いやいやいや、この形は、きのこみたいなタケノコ――」
風「あんたたち、バーテックスがあともうちょっとで壁を越えてくるってのに、どエライ呑気よね」
風「肝が据わり過ぎて、同じ部員ながら空恐ろしいと言うかなんというか」
友奈「あ、あはははははは……」
夏凜「私は話してても気は抜いてないわよ、友奈とは違ってね」
友奈「あ! 夏凜ちゃんそれズルい!」
お題 冷やしうどん、はじめました
お題・各勇者の武器や満開の追加パーツを合体させて巨大勇者ロボに!?
お題 旧世紀の百合アニメ鑑賞会in乃木家
>>61 「ポッキーゲーム」
~☆
風「そう言えばみんな、ポッキーゲームって知ってる?」
樹「っ!」
夏凜「?」
友奈「ポッキーゲーム?」
東郷「なんですか? それ」
風「えっとね、まずは二人一組になって、片方がポッキーを一本持ちます」
友奈「ふむ」ヒョイッ
友奈「持ちましたよ」
風「そうしたら、そのポッキーを持った片方が、ポッキーの先っちょのどっちかを咥えます」
友奈「む」パクッ
友奈「くはえはしたおー」(咥えましたよー)
風「次に、手持ち無沙汰のペアが、咥えられてない方のポッキーの先っちょを咥える」
東郷「ん」パクッ
友奈 東郷(これ、結構顔が近づくなぁ……)
風「で、合図と同時に食べ始めて、先に口を離した方が負け。オッケー?」
友奈「!?」(そ、それって……)
東郷「//////」
夏凜(変なゲームねぇ)
友奈 東郷「…………」ジー
樹「どっちから先に口を離したらいいのかわからなくて、二人固まっちゃったよ?」
風「飽きたらいずれ離れるんじゃない?」
風「……なんにせよ勇者部の中で夏凜とだけは、この勝負、やりたくないわね」
夏凜「なんでよ」
風「だってあなた、凄い負けず嫌いだから、最後まで食べきって、ブチュゥってするでしょ」
夏凜「し、しないわよっ!」
夏凜「でも負けないけど」
風(ほんと、この子の負けん気はいったいどこから……?)
友奈「……ぷはぁ」
友奈「な、なんだかゲームしてないのにすっごい照れたよね、東郷さん」
東郷「そ、そうね/////」
風「うーん、このゲーム、勇者部で一番強いのって誰なのかしら?」
風「いや、ルール無用ってところあるし、誰だって決められるような話じゃ――」
友奈「多分、牛鬼じゃないかな?」
牛鬼「?」フワフワ
>>62 「神樹ワールドで銀と夏凛が仲良く稽古」・園子
~☆
夏凜「せいや! せいや! せいせいせい!」ブンブンブン!
銀「ていていていていていていてい!」ブンブンブン!
銀「……ぜえぜえぜえ」
夏凜「はあはあはあはあ」
銀「いい戦いだった!」
夏凜「そうね!」
夏凜「煮干し食べる?」
銀「しょうゆ味のジェラートもいいぞ!」
園子(互いの身体から滴る汗、そして芽生える、勇者として認め合う形での友情……)
<えー、ですからこの公式はー
園子「………………」ポケー
友奈(これで東郷さん以上の成績を叩きだすんだから、園ちゃんおかしいよー)
東郷(どうやら今日は銀×夏のようね)
夏凜(なんだか熱視線を感じるような……?)
>>63 「弓道部に助っ人に行く東郷さん」
~☆
風「えー、今日勇者部に来た依頼に、大きいので運動系が一つ入ってます」
風「依頼の指定日は今日じゃないけど、もうすぐそこまで迫ってる」
夏凜「よしっ! スポーツ! なら、私の出番ね!」
友奈「二人必要な場合は、私もだねー」
風「……うーん、そうしたいのは山々なんだけど、今回のはちょっといつもと一味違うのよね」
夏凜「と、いうと?」
風「弓道部からの依頼なのよ」
夏凜「弓道部……ねぇ」
友奈「ゆ、弓は一度も触ったことないなー」
樹「お姉ちゃん、うちの学校に弓道部ってないよね? なのになんでそんな依頼が?」
風「それがね、話せば長くなるんだけど、かいつまんで話すとだね」
風「他校の弓道部が、部員が的に弓を射る姿を一般披露することになったんだけど、
なんやかんやあって、誰もその日射ることができなくなったから、ダメ元で助けての要請が来たの」
樹「ひぇー……」
夏凜「でも、さすがに無理じゃない?」
夏凜「だって人前で射るんでしょ? 素人の私たちがいきなりやるにはいくらなんでも――」
風「それはもちそうなんだけど、本当に困りきって勇者部、って感じで依頼が来たってことは、
勇者部がそれだけ信頼を置かれる活動になったってことしょ?」
風「だから、依頼はできる限りオールマイティーにこなしていけたら、って思ったんだけど、やっぱり無理かぁ」
お題:樹の一日部長
~☆
東郷「……」
東郷「っ!」ビュォッ!
ヒュウウウウウウ…
ボシュ!
<うおおおおおおおおおっ!
友奈「東郷さぁん、すっごーい!」
樹「わー! 東郷せんぱぁーい!」
夏凜「はぁ、本当に成功させたんだ……。東郷の奴」
夏凜「にしても、中々のものね、あの弓道の所作」
夏凜「勇者であるにふさわしい美麗な立ち居振る舞いだわ」
風「いや、ーあの技能の数々、あの子いつどこで磨いたのよ。真面目にミステリーだわ……」
東郷「…………」
東郷(なんだろう、弓を射ったときの、この不思議な感じ)
東郷(胸が高鳴って、だけどどこか苦しくなるような――)
>>64 「魔法少女にぼっしー」
~☆
夏凜「…………」ブン! ブン!
夏凜「……っ……」ブン! ブン! ブン!
夏凜「…っ……っ…」ブン! ブン!
夏凜「……ふぅ」ドサッ
風「うーん」
夏凜「なによ」
風「なーんか華が足りないのよねぇ」
夏凜「は?」
風「動きは文句のつけようなしに綺麗なんだけど、こう、女子力が足りないというか」
夏凜「いや、無駄口叩いてないで訓練しなさいよ」
風「ふふん、腹筋、腕立て、ランニング、夏凜にやれって言われたのはもう全部終わりましたよーだ」
夏凜「ぐぬぬ……」
夏凜「なら黙って身体を休めてなさい。疲れたでしょ、初日だし」
風「だから、うーん、まで黙って今まで夏凜の剣さばき見てたんじゃなーい」
夏凜「う゛っ」
夏凜(ああ言えばこう言う……)
夏凜(でも、待ちなさい、夏凜。冷静になるのよ)
夏凜(もしかすると、わざわざ風が私の剣さばきに口出してきたってことは、
私の動きに、何か私自身では気付けない欠陥があることを見抜いたからなのかもしれないわ)
夏凜(戦闘スタイルはパワーとスピードで違えど、戦闘時の風がそれなりに剣を振えているのは、
一緒に戦って命を預けてるから充分にわかってる)
夏凜(タイプの違う者の意見を素直に聞いてこそ、その人間に本当の成長が訪れる)
夏凜(だからこれは、私の更なる成長のためのいい機会に違いない、きっとそうよ)
風「夏凜? 突然ぼうっとして、どうかした?」
夏凜「ねえ、風」
夏凜「私が、その『華』とかいうのを身に付けるためには、何が必要なの?」
風「え?」
夏凜「あんたが言い出したことなんだから、その落とし前はちゃんとつけなさいよ?」
風「そうねえ……。女子力上げるには、剣じゃなくて、魔法少女ステッキ持つとか?」
夏凜「…………」
風「そして、大体こんな感じよっ!」バッ
風『マジカル・ミラクル・ムーブメント!』キラキラ~☆
風『高鳴る潮騒、轟く渦潮、波濤の残響その身に纏わせ』キラキラ~☆
風『この世の悪は、私が轟沈! 見よ! 魔法少女にぼしーちゃん、ここに推参!』キラキラ~☆
風『だぞっ☆』\キャバーン!/
夏凜「…………」
東郷「…………」●REC
風「と、東郷……?」
東郷「大丈夫です、風先輩。マジカルの前から撮り始めましたから」
風「それ変身の最初からじゃない!?」
夏凜「ナイス東郷、ナイスプレイ東郷」
>>65 「めっさ変な馬お手上げ」
~☆
東郷(件名:『めっさ変な馬お手上げ』)
東郷(何かしら、これ)
東郷(めっさ変な馬……とりあえず、お手上げってことは勇者部への依頼よね……?)
東郷(となると牧場からの依頼?)
東郷(牧場の人のために、勇者部にできることって何かしら……?)
東郷(そういえば、馬の鳴き声ってなんだっけ……?)
東郷(ああ、ヒヒーンだわ)
東郷(ヒヒーン、ヒヒーン)
東郷(馬……)
東郷(唐突に、馬刺しが食べたくなってきたわ)グー
>>55
そうきたかー……いや、まんざらでもなさそうな夏凜ちゃんが見えたりしてよかったんだけど……
お題 結城家父
>>67 「進撃の園子」・園子
~☆
園子「…………」
園子(高い壁、防御結界……)
園子(あの壁を越えて侵攻してくるのは、バーテックス)
園子(人類の天敵、神樹様とはまた違う、神様たちに遣わされた存在)
園子(そう考えると、神樹様の下にある人間たちと、やってることは大差ないんだね)
園子(バーテックスはさしずめ巨人、と言ったところかな)
園子(また、いつかあの壁を越えて、バーテックスは現れる)
園子(そのとき、私の手に即座に戦う力はない)
園子(スマホを大赦に取り上げられているから)
園子(しかも、ろくに動くこともできない)
園子(こんな体で、ベッドに横たわっていることしかできない)
園子(きっと、誰かが戦っている間、私はずっと待ってるんだ、止まった時間ここに一人で)
園子(……何もできず、何も知らされず)
園子「…………」ギリッ
園子(ミノさん)
園子(私、悪い子だよ)
園子(ミノさんの守ったみんなが、一人残らず生き残って欲しいって思うのと同じくらい)
園子(全部、滅茶苦茶になってしまえ、とも思うんだ)
園子(だって、わっしーが、来てくれないの)
園子(どうして? 私、何か悪いことした、わっしー?)
園子(もうあれから一年だよ、わっしー)
園子(ねえ、逢いたいよ、わっしー。わっしは、私に逢いたくないの?)
園子(わっしーは、あれから大丈夫なの? それとも大丈夫じゃないの?)
園子(大丈夫なのに、来てくれないの)
園子(わからないよ、わっしー。だから、辛いの)
園子(私の身体が動けば、自分から会いに行くのに)
園子(でも、わっしーは、満開の回数からして、きっと逢いに来られるんだよね?)
園子(ああ、本当に大好きなんだよ、わっしー。でも、わっしーは、違うの?)
園子(どこにいるの、わっしー。どうしてなの)
園子「…………」
園子(わっしー)
園子(いつか、絶対、何が何でも、再会してみせるよ)
園子(そして、知ってやる。どうして、私の元に来てくれなかったのかを)
園子(それまでは、生きることを諦めない)
園子(何も見つからなくても、何もできなくても、空や、前を向いて、待ち続ける)
園子(だって、そうしないと、死ぬに死にきれないから……)
園子(ねえ、わっしー)
園子(また逢えたら、せめて前みたいに名前を呼んでくれるよね)
園子(そのっち、って)
園子(私はちゃんと、わっし―、って言うよ)
園子(そうしたら、きっと、また一緒に――)
園子「…………ぅ」
園子「……ぅ……う……うっ」ポロポロ
園子「あ……ああ……あ……ッ」グスッ グスッ
お題 勇者部6人で文系と理系どちらに進むかのお話
>>68 「聖霊擬人化アプリ」
(※お話中のキリスト教の説明は、ゆゆゆの世界観を考慮して、意図的に適当にしてあります)
~☆
風「見て見て、昨日珍しいアプリ見つけたんだけどー」
夏凜「え~……」
風「ほらほら、見てよー、いいじゃんちょっとくらい~」
夏凜「……わかったわよ、で、何?」
風「えっとね、夏凜はキリスト教って知ってる?」
夏凜「名前くらいはね。歴史でちょっと習ったもの」
夏凜「それが、どうかしたの?」
風「あー、私も細かいところは詳しくないんだけど、三位一体説ってのがキリスト教にはあってさ」
風「そんなかで、聖なる霊って書いて、聖霊って呼ばれる奴らがいるのよ」
風「俗に言う天使様ね」
風「こいつは神様と人間の間の橋渡しをしてくれるんだけど、
絵画とかでは羽が生えてて、頭の上に輪っかの乗った人間っぽく描かれることが多いのよ」
風「で、そういう異国情緒溢れる旧世紀文化の貴重な貴重な資料が、
このアプリとしてまとめて配信されてるの」
風「アニメ、漫画、絵画、映像、書物、彫刻、などなど、
古今東西天使を擬人化して描いたあらゆる人工物が、ここに収録……される予定らしいわ」
風「お値段は今のところ、試作品として、機能制限されてるけど、なんとタダ!」
夏凜「そんな貴重な歴史的資料が、どうしてアプリで配信なんてされるわけ?」
風「それがさ、アプリって形で、これくらい庶民たちに自分から近づいて行かないと、昨今の神道一強の世の中じゃ、
歴史的な資料としての貴重さすら全然認知されない程度の興味しか、ほとんど誰も持ってくれないんだって」
夏凜「ああ、なるほど……」
風「例えば、これがその絵画」
夏凜「…………綺麗ね」
夏凜「でも、私たちの精霊とは全然見た目が違うわ」
風「はは、そりゃそうよ」
夏凜「辛うじて似てなくもないかもしれないの、牛鬼くらい?」
風「……そう言われると、似てなくも……ない、のか?」
牛鬼「?」フワフワ
>>69 「友奈のゴッドハンドを受ける園子」・園子
~☆
友奈「それじゃマッサージするねー、園ちゃん」
園子「ゆーゆ、お願い~」
友奈「…………」グッ グッ グッ
友奈「お客さーん、お加減どうですかー?」グッ グッ
園子「zzzzz」
友奈(寝るのむっちゃはやい!?)
お題 さすがねそのっち
P4やダンロンネタがあったのに気付かなかったか
お題 にぼし禁止
お題 もっと甘えて東郷さん
お題 夏凜、犬吠埼家にお泊り
お題 武士道について語る東郷さんと夏凜ちゃん
お題 四国安全宣言をした『あの』戦士が登場
お題 2年生カルテットがイネスでバイト
お題 勇者部+園子の血で血を洗う言い争い「○○うどんが一番美味しい」
>>70 「東郷さんが友奈に催眠術」
~☆
東郷「友奈ちゃん……あなたはだんだん眠くなる……」
友奈「…………」
東郷「意識がすうっと軽くなる……軽くなる……どんどん軽くなっていく……」
東郷「自分のことも、何もかも、考えない……考えない……」
東郷「私の声しか聞こえない……ほら、すうっと意識が……」
友奈「…………」
東郷「軽い……何も感じないくらい……だけど私の声だけは聞こえる……」
東郷「だんだん、だんだん、眠くなっていく……」
東郷「だんだん……だんだん……」
友奈「…………」
東郷「友奈ちゃん……あなたは今眠りました……」
東郷「眠った友奈ちゃんには、もう私の声しか届きません……」
東郷「なにも自分では考えません……」
東郷「次、目覚めた友奈ちゃんは、何もかも私の言う通りに、感じ、考え、動くようになっています……」
東郷「からっぽ……からっぽ……」
東郷「友奈ちゃんは私の思い通り、なんでも命令を聞く……」
友奈「…………」
東郷「さあ、それじゃあ友奈ちゃん、目を覚ましてください」
友奈「…………」パチッ
東郷「友奈ちゃん、一つ目の命令です」
東郷「友奈ちゃんは、私のことが他の何よりも大好きでたまらなくなって――」
友奈「私、命令されなくても、東郷さんのことは滅茶苦茶大好きだよ?」
東郷「//////」
東郷「も、もうっ、それじゃ催眠にならないよ! 友奈ちゃん!」
>>71 「夏凜の地元に勇者部6人で行く」
~☆
友奈「夏凜ちゃーん」
友奈「駅どっちだったっけー?」
夏凜「駅? 駅って言った?」
夏凜「それなら、あのお店を右に曲がって、道なりに進んだら車屋さんがあるから――」エッヘン
風(夏凜、自分に土地勘があるところだからって、はりきってるわねー)
東郷(夏凜ちゃんかわいい)
樹(夏凜さんかわいい)
>>80 「冷やしうどん、はじめました」
~☆
樹「見て見て、お姉ちゃん」
風「なに?」
樹「『冷やしうどん、はじめました』」
樹「だって」
風「……冷やしうどんって、わざわざ宣伝するようなものなの?」
樹「ひょっとすると、今まで温かいうどん一筋でやってきたお店が、
このたびようやく冷やしうどんを始めてみました」
樹「ってことなのかも」
風「なるほど。温かいうどんにこだわりがあるからこその、
冷たいうどんアピールの可能性か……」
風「じゃあ、お昼ここにしてみる?」
樹「朝うどん、食べたし、お昼は別にしない?」
風「えー、うどんは一日三食はともかく二食なら大丈夫でしょ」
風「それよりここのうどんの味を確かめたいって気持ちを今の大事にしないと」
樹「そっか。お姉ちゃんが入りたいなら私もいいよ」
樹「一日うどん二食なら、時々あっても私、全然大丈夫だもん」
樹「……お姉ちゃんみたいに一食何杯も食べるのは、絶対無理だけど」
風「樹は小食ねー」
>>81 「各勇者の武器や満開の追加パーツを合体させて巨大勇者ロボに!?」
~☆
風「…………」
樹「お姉ちゃん、難しい顔して、どうしたの?」
風「それがねー」
風「勇者って、満開終えて散華した後遺症によっては、追加パーツついたりするじゃない」
樹「そうなんだ」
風「そうなのよ。東郷が、一番見ててわかりやすかったわね」
樹「あー」
風「で、そういう追加パーツが、もし次戦うときにも繰り越されるのだとしたら、
あと、私たちの意思によってそのパーツ自由に弄れるなら、と仮定して」
風「私たち、今健やかな普通の状態だからパーツ余っちゃうなーって考えると、
その余ったパーツを組み合わせ、巨大勇者ロボ作って戦わせたら、私たち誰も直接戦わずにすんで最強なんじゃない?」
風「……ってちょっと思ったんだけど、よくよくもうちょっと考えてみると、
普通に変身した状態で得られてる追加パーツでロボット作るのは常識的に考えて量足らないし」
風「ロボット作成、満開したときのことだとしたら、どうせ戦闘後散華は確定なんだから、特に意味ないなって気付いて」
風「私、どうしてこんな突拍子もないことを考え始めちゃったんだろ……って一人反省会してるの」
樹「お姉ちゃん……」
>>83 「お題 旧世紀の百合アニメ鑑賞会in乃木家」・園子
~☆
園子「みんな、どうだった~?」
東郷「……一話の時点で、ずいぶんと難解ね」
夏凜「これ、先の展開、ぜんっぜん読めない」
夏凜「二話、三話、って見続けたらわかるようになるの?」
園子「さて~、どうかな~。続きは二話、三話を実際に見てのお楽しみだよ~」
風「このアニメ、なんだかよくわからないけど、女子力は高そうね」
風「あと、ちくわの磯辺揚げと塩辛はどっちも美味しい」
樹「ちくわと塩辛については、別にこのアニメの感想じゃないよね、お姉ちゃん」
東郷「一つだけ確信を持って言えるのは、友奈ちゃんなら絶対に自分の好きを諦めないわね」
東郷「たとえ、どんな災厄に見舞われたとしても」
友奈「なるべくは頑張るだろうけど、どんな災厄に見舞われたとしても、
はいくらなんでも買いかぶりすぎだよー、東郷さん」
東郷「そのっちが、みんながこれを見てどう思うか聞きたくなるのも納得だわ」
園子「旧世紀のアニメだからね~」
園子「私たちと常識が違うところ数多くあるだろうってこと考慮しても、
謎はやっぱり謎だったから、他の誰かの意見も聞いてみたかったんだ~」
園子「実は私も、これから先を見るのははじめてだから、これからが楽しみだよ~」
風「それが、セクシィー……」
風「キラキラーン! ~☆」
樹「お姉ちゃん似てるー」
友奈「熊って、いったいどういう存在なんだろうね?」
夏凜「なんだか哲学めいた疑問に聞こえてくるわね……」
風「とりあえず、断絶の壁の中って環境が、なんか今の四国と似てて、親近感湧く」
夏凜「ちょっとわかるかも、それ」
>>88 「樹の一日部長」
~☆
樹「…………」
樹(みんな、卒業しちゃったから、勇者部の部室も静かだな……)
樹(高校まであと一年、すっごく長いよ)
樹(もう、讃州中学勇者部は、今日で終わり)
樹(また、来年、私がみんなと同じ高校に入学して、もう一度勇者部に入り直すんだ)
樹(……どうせ放課後にはみんなに会えるのに、こう考えるのってなんか変かも)
樹(まあ、いいや)
樹(最後に、今後の勇者部の運勢を占って、今日は帰ろう)
樹「…………」
樹(運勢は――)
樹「…………」ペラッ
樹(よし、じゃあ行こっか)
樹(晩御飯、今日は何かな?)
樹(うどんかな? 違うかな?)
樹「……」ガラガラ
樹「えー、あー」
樹「讃州中学勇者部の一日部長として、卒業していったみんなを代表し、感謝の気持ちを述べさせていただきます」
樹「今日まで、勇者部の部室としてここを使わせていただいて、本当にありがとうございました」ペコリ
樹(ここにもきっと、神樹様は、いらっしゃるに違いない)
樹(だからこの気持ちを、感謝を、受け取ってもらえるはず)
樹(……これからもよろしくお願いします、は、私が高校の勇者部の部室前に立った時、言えばいいかな)
樹「……」ピシャリ
樹「…………」テクテク
樹(勇者部は、ずっと、ずっと続いていくんだ)
お題 ネット版CMで宣伝してくれた勇者王降臨
>>88だけどこんな風になるとは思ってなかった…ww
お題 讃州中学体育祭で夏凛&園子VS勇者部
お題 予想外に際立つ力
お題 そうでもない園子
お題 スーパーの半額弁当
お題 コントロールできなくなる東郷モードと鷲尾モード
>>94 「結城家父」
~☆
友奈「あんよ、あんよ、あんよが上手」
夏凜「う、うう゛っ、うう゛ーっ!」ヨロッ
友奈「っ!」
友奈「美森パパっ! 夏凜ちゃんが歩いた! 夏凜ちゃんが歩いたよ!」
東郷「なんだって!? それは大変にめでたいな!?」
東郷「これで、結城家の将来は安泰だ……」
夏凜「ダぁー!」デデーン!
夏凜「ねえ、風、喧嘩売ってるでしょ?」
風「どうして?」
夏凜「だって配役、また配役おかしい」
風「配役は……文句あるみたいだから、一番適切な配役を再検討した結果、
結城家(仮)の父を友奈から東郷に変えるっていう大胆な変更を今回……」
夏凜「そこ!? そこじゃないでしょ!?」
夏凜「変えるべきところは赤ん坊の配役じゃないの!?」
夏凜「なんでパパとママを変えて、それで満足しちゃうのよ!?」
風「え……?」
風「夏凜は、東郷に赤ちゃんやらせようとしてるの?
それはちょっと、艶めかしい東郷の肢体のことを考えると難しいというか……」
風「ずいぶんと、マニアックというか……」
夏凜「いやいやいやいや、幼稚園児とか、とにかく子供の助っ人呼びなさいよ!?」
風「夏凜だって子供じゃない」
夏凜「これ、そういう話じゃないからッ!」
>>98 「勇者部6人で文系と理系どちらに進むかのお話」・園子
~☆
東郷「私は、文系に進んで、日本の歴史のことをもっと深く勉強するわ」
園子「そう言えば、前に似たようなこと言ってたね~」
友奈「東郷さんがそっちに行くなら、私もそっちに……う~ん」
東郷「友奈ちゃん、学業の進路は、友達と一緒に、じゃなくて、
自分が何を学びたいのかを考えなきゃダメだよ」
友奈「う゛っ……。き、気を付ける」
樹「お姉ちゃんはどうするの?」
風「ねえ、樹」
樹「?」
風「文系と理系、この文章から系の文字を全部抜いてみて」
樹「え?」
風「いいから」
樹「……文と理?」
風「そう」
風「そして、文系の文は『あや』とも読む」
風「『あや』と理、あやとり」
風「私は今、あやとりがやりたい」
風「絡みあった糸が紡ぐ幾何、そこから読み取られるのは雅の心……」
樹「ようするに、全然どっちがやりたいとか、決まってないんだね」
お題 東郷と友奈の交換日記
>>101 「さすがねそのっち」・園子
~☆
園子「小テスト、満点だったよ~」
東郷「さすがねそのっち」
園子「美術の時間に作った作品が、学校代表として選ばれたよ~」
東郷「さすがねそのっち」
園子「土曜日の夜九時に寝て、起きたら、月曜の朝七時だったよ~」
東郷「さすがねそのっち」
東郷「……家族の人たちは、いったいどうしてたの?」
友奈「……夏凜ちゃん」
夏凜「なに」
友奈「私も東郷さんに、さすがね友奈ちゃん、っていっぱい言われてみたい」
夏凜「なんというか、その発想自体が、さすが友奈と東郷って感じだわ」
>>102 「にぼし禁止」
~☆
樹「こんちはー」
夏凜「ん」
樹「今日はなますかー?」
夏凜「ん?」
樹「今日はなするんですかー?」
夏凜「……ああ、ねこ探よ」
樹「ねこ探ー。街これから?」
夏凜「うん、東郷と友奈がぶ……つ来たらね」
樹「わかりまたー」
樹「お姉ちゃーん!」
樹「やっぱりこれ、すごくゃべりづらいよー!」
風「我慢しなさい。二人の罰ゲームでしょ、一日にぼし禁止」
風「にぼしの大切さを、とくと思い知るがいいわ」
夏凜「日ょう会話でそこまで大切ゃないひらがなってあるの?」
風「……ぬ、とか?」
夏凜「それだと、犬……うざき風、犬うざき樹が正確言えなくなるけど、いいわけ?」
風「確かに、それなかなか困るわ」
お題 東郷さんに押し倒される夏凜
>>103 「もっと甘えて東郷さん」
~☆
友奈「東郷さんは、もっと誰かに甘えるべきだよ!」
東郷「え、ええっ?」
友奈「東郷さんしっかりしてるけど、でも、一人で抱えこんじゃうところがあるから」
友奈「東郷さんは、一度思い切り甘えてみないと、ダメだと思う」
東郷「誰か……って、友奈ちゃんに……?」
友奈「え?」
友奈「……私には、こう、包容力というものが足らないような?」
風「包容力と言えば、女子力。女子力と言えば、私よね」
友奈「風先輩っ!」
風「私は樹のお姉ちゃんである。お姉ちゃんである=甘えられ慣れている」
風「と、いうことで近こうよれ、東郷。特別に膝枕を貸してやろうぞ」
樹(お姉ちゃん、さらっと話の中に飛び出していったなぁ)
東郷「ひ、膝枕?」
東郷「……」
東郷「だ、大丈夫です/////」
東郷「してもらわなくて、本当に大丈夫ですから/////」
風「自ら想像して照れるとは、初々しい奴め」
風「だが、遠慮はいらぬ。部長命令じゃ、はよ参れ」
友奈「東郷さん、頑張って!」
東郷「…………」
東郷「ゆ、友奈ちゃん、後で一つ、何でもいうこと聞いてくれる?」
東郷「それなら私も、恥ずかしいけど、頑張れると思う」
友奈「わかった。あとで一つ、いうこと聞くよ」
友奈「だから頑張って!」
東郷「……ええ、頑張る」
東郷「…………風先輩////」テクテク
風「ん?」
東郷「し、失礼します////」
風「どうぞどうぞ」
東郷「…………/////」
風「お客さーん、ご加減はどうですかー?」
東郷「あ、あったかいです////」
東郷「加減は、あったかいから、良いです/////」
友奈「うんうん、それならよかった」
夏凜(余計なこと喋ると、私が妹だからって理由で、
もっと甘えるべきだの矛先絶対飛んでくるから、気配を殺して、無になりきって……)
友奈「――ねえ、夏凜ちゃん」
夏凜「っ!」
夏凜(マ、マズい……っ!?)
お題 ボタモチはどこだ?(ビースト風)
お題 勇者部6人が希望と絶望について語る
お題 結婚の相手
お題 節分
なお特例として他のお題よりも優先して先に書かれます(今日終わるまでに書いときたい)
神世紀で4日になってる可能性は面倒なので考えません(描写もしない)
お題 口よりも指は喋る
お題 二人の休日 友奈、東郷
お題 園子「やはり私の青春ラブコメはまちがっている」
>>134 「節分」
~☆
風「鬼は外~!」
風「福は内~!」
樹「お姉ちゃん、はりきってるね」
風「それはそうよ、一家の主人として、豆まきは大事なお仕事だもの」
樹「……鬼、ずっと外にいてくれるといいね」
風「そうね」
風「もしかして、大赦の人たちも今日は、あの壁の辺りで豆まきしてるのかしら?」
樹「え?」
風「だって、バーテックスが来ないようにしたいじゃない?」
風「壁から外に向かって鬼は外~って炒り豆を投げる」
風「あとは内側で豆を投げて、福は内~ってやる」
風「一人じゃなくて、どんと神官百人規模とかさ」
樹「それ、お豆がもったいないよ、お姉ちゃん」
風「まあ、冗談はともかく、節分って毎年楽しみな行事よねー」
樹「どうして?」
風「だって楽しみじゃない? 食べる豆が一粒一粒段々増えてくのって」
樹「あはは、お姉ちゃんらしいや」
風「ん? 何よー、その言いぐさはー」
>>104 「夏凜、犬吠埼家にお泊り」
~☆
夏凜「zzzzzz」
風「夏凜、夏凜起きなさい」ユサユサ
夏凜「……ん゛-、ん゛っ!」
風(寝起き悪いわね)
風(昨日、遅くまで私が付き合わせたんだから当然か)
風「夏凜、朝よ、朝。カンカンカーン! ほら、あっさでぇーすっ!」
夏凜「…………う、うう」ビクッ
風(お? 起きた?)
夏凜「…………あ、おはよ、ママ」zzz…
風「ん?」
夏凜「でも、まだ眠いよ……」
夏凜「ママ、抱っこして連れてって……」ギュゥ
風「ちょ、ちょっと夏凜ったら……」アワワ
風(あー、これはまだ寝てますわ)
風(はやく樹の方を起こしに行きたいんだけど)
風(……私は朝ごはん作る途中だし、目覚めた夏凜にそれはやってもらえばいっか)
夏凜「ママ……。ママ……」
夏凜「本当に、子どもは兄貴だけじゃないって、やっとわかってくれたんだね……」グスッ
風「…………」
風(いきなり朝からドラマが重すぎよ)
風(食事前なのにもう胃にもたれるっての)
風(……夏凜なら、抱っこしてあっちまで連れていける?)
風(いや、無理だわ)
風「ねえ夏凜、朝、何が食べたい」ヨシヨシ
夏凜「んっとね……。タコさんウインナ……」グシグシ
風 夏凜「……」
風「おはよ夏凜。良い夢見れたみたいね」
風「我が家の布団は、寝心地良かったみたいで、こっちも嬉しいわ」
風「朝は無理だけど、お昼タコさんウインナー用意するから、我慢してくれる?」
夏凜「……ごめん、もうちょっとだけ待って、頭まったく働いてない」
風「いいわよ」
風 夏凜「…………」
夏凜「風。お願い、忘れて」
風「忘れろと言われても……ねえ」
夏凜「風に、ママって言おうとしたわけじゃないの」
夏凜「ただ、夢の中でお母さんが、ママって呼んでみてって言ってくれて、それから」
夏凜「私、今まで、お母さんのこと、ママって呼んでみたくて、それで――」
夏凜「っ! 違うわよ!? 風のことをママって呼びたかったってことじゃないからね!?」
風「わかってるわよ。なにわけわかんないこと言ってんの」
風「落ち着けー、はい、深呼吸ー」
風「スー」
夏凜「すー」
風「ハー」
夏凜「はー」
風「オッケー?」
夏凜「お、おっけー」
風「私は朝ごはんの支度の続きがあるから、夏凜は樹を起こして来て」
夏凜「わ、わかった。頑張る」
風「ちゃんとできたらお昼のタコさんウイン――」
夏凜「忘れるよう善処してっ!」
夏凜「――樹、樹、起きなさい」ユサユサ ユサユサ
樹「…………ん、ママ?」
夏凜「樹、ママじゃないから。違うから」
夏凜「それにそれ、さっき私がもうやったから」
樹「…………」ハッ!
樹「……ち、違うの。夏凜さんをママって呼ぼうとしたんじゃなくて――」
夏凜「それもさっき、私がもうやったから」
風(いやー、二人の子持ち美人若妻って風格が、そこはかとなく私に備わりつつあるわねー)ジュー ジュー
風(……夏凜って目玉焼き、半熟が好きなのかしら? それとも固め?)ジュー ジュー
風(パンの焼き加減の好みも聞いとくんだったわ……)
風(うーん、朝からお米にしておけば良かったか)
>>105 「武士道について語る東郷さんと夏凜ちゃん」
~☆
東郷「……夏凜ちゃん、武士道ってどう思う?」
夏凜「いきなり何」
東郷「夏凜ちゃん、旧世紀の武将とかに詳しいでしょ」
東郷「だから、こういう話をしても大丈夫かなって」
夏凜「別に旧世紀の武将に詳しいわけじゃないわよ」
夏凜「ただ、刀を扱うって決まってから、刀についての書籍を読み漁っただけ」
夏凜「……旧世紀の武将どうこうって言ったら、風の方が、そういう歴史自体は好きでしょ」
東郷「そうかもね」
東郷「でも、風先輩は、武士道、日本人の魂、愛国とかそういうことについて、
私とは多分だいぶ違う感性を抱いてるだろうから、こういう話を向けづらくって」
夏凜「つまり私は、風よりは東郷に感性が近いってこと?」
東郷「多分、ただの印象だけど」
夏凜「……そうねぇ」
夏凜「以前の、勇者部に入って、あんたたちと毎日一緒に過ごす前の私なら、
間違いなく風よりはあんた寄りだったわね」
夏凜「風は、その根底にある精神とは、とか感じずに、大雑把にぐいぐいノリで行くところあるから」
夏凜「それでいて、大胆な割に結構繊細だしね」
夏凜(まあ、繊細な面があるのは、東郷も一緒だけど)
夏凜「でも、今の私は違うわ」
夏凜「忠義とか、御国とか、諸々そういうの、
大事じゃないとは言わないけど、勇者部五箇条の方がよっぽど大事」
夏凜「私は勇者部の、三好夏凜なんだから」
東郷「…………」
夏凜「東郷?」
東郷「……私は、勇者部の中でずっと、御国を愛する心が大事だと信じ、実際それを実践してきたつもり」
東郷「だけど、あの壁を、この手で壊してしまったこと、その時のことが、忘れられない」
東郷「震えそうになる指で、引き金を引いたあの一瞬、
あの、すべてが壊れてしまうって感じた、虚無の時間」
夏凜「東郷……」
東郷「…………」
東郷「……神樹様に供物を返していただいても、私のしたことが、消えてなくなるわけじゃない」
東郷「今の私に、国を愛する資格はあるのか、ってよく考えるの」
東郷「私が好きだった、武士道とか、大和魂って、なんなんだろうと思ったりもする」
東郷「夏凜ちゃん、これから何をしたら、私は私を、赦すことができるのかな……」
夏凜「…………」
夏凜「知らないわよ、そんなこと。どうしたら許せるか、なんて東郷自身が決めることでしょ」
東郷「…………」
夏凜「でもね、これだけは言えるわ」
東郷「……?」
夏凜「あの事件で、取り返しのつかない傷を受けた人は誰もいなかった。一般人含めてね」
夏凜「そして、あの事件がなかったら連続で満開なんてせずに済んだ私は、
あんたのことをなんの後腐れもなく赦してる」
夏凜「もっとも、最初から怒ったり恨んだりしたことなんて、ないけどね」
夏凜「あれは、私自身が自分で選んだことだったんだし」
夏凜「他にあの戦いで満開した、樹や、風や、友奈もあんたを責めてない」
夏凜「それは、わかってるんでしょ?」
東郷「…………うん」
夏凜「友奈があんたを止めてくれた。友奈と私たちで、戦いに一時期だけどピリオドを打った」
夏凜「それだけで、この国のことを、武士道のことを、大和魂のことを、
また愛するためには、十分すぎると思わない?」
夏凜「どうしたらいいか悩むってことは、少なくとも好きなんでしょ、今でも」
東郷「……そう、かな」
夏凜「きっとそうよ」
夏凜「そう思えるように、なれたらいいわね」
夏凜「……手が震えちゃうときは、友奈に握ってもらえば、少しはマシになるかもよ」
夏凜「必要なら、私も手、貸してあげるから。多分、風も樹も、あと、園子も」
東郷「………………うん。夏凜ちゃん」
>>106 「四国安全宣言をした『あの』戦士が登場」
~☆
『四国安全宣言をしたあの戦士が登場』
風(四国安全宣言……?)
風(ああ、交通安全のポスターね)
風(……四国を安全だって保障してくれるヒーロー、か)
風(ちっちゃい頃、テレビで見た戦隊ヒーロー物とかに、憧れたりしたっけ)
風(変身っ! なんて鏡の前、家でやったりしちゃって)
風(それがまさか現実で、勇者になれちゃうだなんて、思ってもみなかったわ)
風(だけど結局届かなかったな、ヒーローには)
風(――何よりも、樹を、守りたい)
風(――お父さんと、お母さんを奪っていったあいつらに、仕返ししてやりたい)
風(この思いは、ヒーローとしては、きっと間違ってる)
風(誰もかれもを護る、正義の為に。そんな綺麗なものじゃない)
風(それでも、この思いから、目を背けるわけにはいかない)
風(私には力がある。守り、壊すための力が)
風(この世界は、私が守る。仲間と、樹と。そう決めたんだ)
風(ヒーローにはなれなくても、これ以上、私と樹の手から、普通を奪わせはしない)
風(勇者部のみんなと一緒なら、きっとできる。だから、やるんだ)
風(……樹の、普通)
風(学校、先生、クラスメイト、勇者部、みんな、私)
風(そうね、私は、勇者部も、守りたいんだろうな、きっと)
『四国安全宣言をしたあの戦士が登場』
風(あの戦士……)
風(このポスターみたいに、私一人で、大切な物を全部背負えるくらい、強くなれたらよかったのにな)
>>107 「2年生カルテットがイネスでバイト」・園子
~☆
園子「イネスでアルバイト、してみたいよ~」
東郷「ダメよそのっち。讃州中学は、許可がとれないとアルバイトは禁止なんだから」
園子「したいよ~ !アルバイト~!」ジタバタ
東郷「そんなこと言われても、許可を申請して下りなかったって結果があるのだけれど……」
東郷(駄々をこねるそのっちって、なかなかにレアね)
友奈「うどんのため、だったらあっさり許可が下りること間違いなしなんだけどねー」
夏凜「現に下りた前例があるものね」
友奈「今回も、かめやさんで働かせてもらえばいいんじゃないかな?」
園子「やだ~! イネスでのアルバイトじゃなきゃやだ~」
夏凜「園子はイネスのどこで働きたいの?」
園子「イネスの中だったら、職種は特に選ばないよ~」
夏凜「頑固なくせに、そこはずいぶんとアバウトなのね……」
東郷「バイトを可能にするため必要なのは、
風先輩みたいにバイトできる高校に進学するとか、大学生になるまで待つとか――」
園子「うう~……」
園子(それじゃ、ミノさんのこと、どんどん忘れちゃうよ)
園子(勇者として、戦うことがなくなって以来ときが刻々と過ぎて)
園子(あのイネスって場所を守ろうとする、あそこでの何かに役に立とうとすることくらいしか、
ミノさんが、私とわっしーと一緒にいた証を残すためにできること、もう思いつかない)
園子(……本当は、ミノさんのすべきだったこととだし、私たちと親しい関係があったわけじゃないから、
他にできることを探したかったけど、ミノさんの弟さんの何かを助けるくらいが、現実的なのかな)
園子「……わかったよ~」
園子「私、ベビーシッター的なお仕事ができる、そういう勇者部の活動をこれから頑張るよ~」
友奈 東郷 夏凜「「「……え、ええ?」」」
>>108 「勇者部+園子の血で血を洗う言い争い「○○うどんが一番美味しい」」・園子
~☆
『「○○うどんが一番美味しい」』
夏凜「これは?」
風「今日の議題よ」
風「これは、勇者部結成以来前代未聞の、血で血を洗う言い争いに必ず発展するわ……」
夏凜「……と、言われてもねえ」
友奈「ね」
風「あら? 思ったより不穏な空気が流れていかないわね」
樹「だってお姉ちゃん」
風「なに」
樹「お姉ちゃんは、どのうどんが一番おいしいと思う?」
風「……そんなの――」
樹「うどんは全部おいしいに決まってる、ってなるんじゃない?」
風「う゛っ」
友奈「○○うどんはおいしくない、なら、血で血を洗う言い争いになるかもしれないねー」
園子「でも、うどんはみんなおいしいよ~」
友奈「ねー」
東郷「かめやのうどんで、どのうどんが一番勇者部一押しか、とかならひょっとすると決められるかも」
夏凜「けど、結局それって味の好みをほのぼの言い合うだけだし、
血で血を洗う言い争いにはどのみち発展しなさそうね」
風「……ぐぬぬ、議題の練りが甘かったか」
夏凜「なんでそんなに戦わせたがるのよ」
樹「お姉ちゃん昨日、面白い任侠映画見ちゃったから……」
>>116 「ネット版CMで宣伝してくれた勇者王降臨」
~☆
東郷「…………」カチカチ
東郷「あら?」
『「ネット版CMで宣伝してくれた勇者王降臨――」』
東郷(つい勇者って文字につられて、スパムメールのタイトルをわざわざ読んでしまったわ)
東郷(勇者王……)
東郷(一番それにふさわしい存在といったら、友奈ちゃんかしら?)
東郷(ふふっ、ずいぶん可愛らしい王様ね)
東郷(……とと、メール削除の続き続きっと)カチカチ
お題 カレー猫の逆襲
お題 園子と樹によるライトノベル品評会
お題 東郷と友奈が入れ代わった
お題 友奈にヤンデレな東郷さんと夏凜ちゃん
お題 風と少年漫画
>>117 「讃州中学体育祭で夏凛&園子VS勇者部」
~☆
夏凜「……体育祭では、尋常に勝負よ、友奈っ!」
友奈「うーん、同じクラスで勝負は、難しいんじゃないかな?」
友奈「50mのタイムで競うとか?」
夏凜「ふっふっふ、それじゃ一緒に走らないから勝、負って感じがしないじゃない」
夏凜「私たちが勝負するのは、一緒にスタートできる、この競技よ!」ビシッ
『借り物競争』
~☆
「癒し系(複数可)」
夏凜(癒し系……)
夏凜(園子ね)ダッダッダッ
夏凜(……複数可って何よ)ダッダッダッ
「あなたがとっても尊敬してる人(複数可)」
友奈「え、ええっ……!?」
友奈「う、うーん……」アセアセ
~☆
友奈「負けた―!」ガックシ
東郷「なんだかんだ言って、僅差だったね、友奈ちゃん」
夏凜「今回は、私の勝ち!」エッヘン
夏凜「……で、あんたのお題はなんだったの?」
友奈「『貴女がとっても尊敬してる人(複数可)』だよ」
夏凜(あっ、これも複数可なんだ)
友奈「ううー、お父さんとお母さんと、東郷さんと風先輩と樹ちゃんは確保できたのにーっ!」
友奈「あと、夏凜ちゃんと園ちゃん確保できれば、私の勝ちだったのにーっ!」
東郷「友奈ちゃん、よく頑張りました」ヨシヨシ
友奈「東郷さーん!」ギュッ
夏凜「……」
夏凜(なんだろう、この、勝負には勝ったけど、全体的には負けてるって後味)
夏凜(どうやって、あの短時間でその人数確保できるのよ……)
夏凜(て、ていうか尊敬してる人の中に、私が入ってるってどういうことよ////)
>>118 「予想外に際立つ力」
~☆
バス「……」ブロロロロロロロ…
夏凜(実家に帰るの、いつぶりだっけ)
夏凜(真っ暗な夜道、黒々と聳え並ぶ木々が、単調に窓の先で移ろう)
夏凜(山も、そろそろ終わりかな)
夏凜(家まで、こんな道のりだったっけ)
夏凜(本当に、この景色って、現実のものなのかしら?)
夏凜(ふふっ、バカみたいな顔して窓眺めてるわね、私……)
バス「……」ブロロロロロロロ…
夏凜「……」ゴクッ
夏凜(水、温いわ……)
夏凜(……はぁー)
夏凜(まるで、私みたい)
バス「……」ブロロロロロロロ…
夏凜(次帰るときは、思う存分褒めてもらうときって、つもりだったのにな)
夏凜(今は、褒めてもらっても逆に辛いわ)
夏凜(私は特別な勇者だなんだって気張ってたのに、
いざ最後の戦いになれば、満開してあれこれ片付けたのは友奈たちだけ……)
夏凜(中途半端ね、ほんと)
バス「……」ブロロロロロロロ…
夏凜(友奈の味覚が、治らない)
夏凜(風の目も、樹の声も)
東郷(東郷も、片耳が悪いって言うし……)
夏凜(もしも、満開の後遺症が、治らないものなのだとしたら?)
夏凜(だったら、私が、あのとき何もできなかったことを悔いてるのって、
酷いことなんじゃないのかしら)
夏凜(むしろ幸運に思うべきよ。みんなのおかげで、とかなんとか)
夏凜(それが私に、できる最善)
夏凜(……ふん、幸運に思うべきだなんて、それこそ――)
バス「……」ブロロロロロロロ…
夏凜(満開に、何かしらの、晴れやかな可能性を期待してるのかな、私は)
夏凜(何もできなかった、って今のじめじめした心境から逃げるために)
夏凜(一人だけ、勇者部の中で一人だけ、みんなと違う位置にいることが、胸につっかえて)
夏凜(普通発揮できない、満開したときの凄まじい力)
夏凜(……素面じゃ兄貴に追いつけないから、勇者の力に頼ろうとするのと同じね)
夏凜(私って、そういう打算で、勇者になろうとしたんだっけ)
夏凜(もう、わかんないな、忘れちゃった)
バス「……」ブロロロロロロロ…
夏凜(友奈のように、強い人間になれたらいいのに)
夏凜(みんなは私に与えてくれるから、私もみんなに、同じ何かを返せるようになりたいのに……)
>>119 「そうでもない園子」・園子
~☆
大赦の人たち「園子様ぁー!」ハハーッ!
園子「…………」
大赦の人「そ、園子様……?」
園子「…………」
大赦の人「どうやら、園子様のご機嫌が、かなり芳しくないご様子だ……」ヒソヒソ
園子「…………」←ぼうっとしてるだけ
大赦の人「園子様、何かご入用のものはありますでしょうかっ!」
園子「……なに~?」
大赦の人「園子様、何かご入用のものはありますでしょうかっ!」
園子「……んー、車かな~」
大赦の人「車、ですか」
園子「うん」
園子「わっしーと友奈ちゃんにまずサプライズをするのに、必要だから~」←ワゴン車とかをイメージ
園子「明日中学校に行くの、本当に楽しみだよ~」
大赦の人「そ、そうですか」
大赦の人「わかりました。明日の朝、リムジンを手配させていただきます」
園子「…………」←話し終えてまたぼうっとしてる
大赦の人たち「車……。我々が用意できる代物の中でトップクラスに高額なものを所望されるとは、
予想以上に何かに気分を害されている可能性があるぞ……」ヒソヒソ
園子「…………ふわぁ」←癖で欠伸が出た
大赦の人たち「っ!」
大赦の人「園子様、もしかしてお眠りになりたいのですか?」
園子「……ん~?」←どちらかというと、周囲から人がいなくなって欲しい
大赦の人「……わかりました。それでは私たちはこれでしばらく退散させていただきます」
大赦の人「良いお眠りを、園子様」
テクテク
大赦の人たち「あのお方は、本当に良くお眠りになられる」ヒソヒソ
大赦の人たち「太古の生物、コアラといい勝負ができるやもしれぬ」ヒソヒソ
大赦の人たち「それはいくらなんでも言い過ぎでは?」ヒソヒソ
大赦の人たち「しかし、あの年頃の娘では、ありうべからざる無趣味っぷりであることだけは確か」ヒソヒソ
大赦の人たち「世俗の事象に対して、大きな関心をもはや失ってしまわれたのやもしれぬ」ヒソヒソ
大赦の人たち「おいたわしや……。おいたわしや……」ヒソヒソ
大赦の人たち「しっ! 滅多なことを言うな! 壁に耳あり障子に目ありだ!」ヒソッ!
大赦の人たち「迂闊な発言が、上位神官の方々に聞きとがめられれば、園子様の傍仕えの任を解かれてしまうぞ」ヒソヒソ
大赦の人たち「あなや、そのようなことが真になれば、私はこの先何を希望に生きてゆけば良いのか……」ヒソヒソ
園子「…………」←ぼうっとしてる
園子「…………」ニコニコ ←明日が楽しみ
園子「……本読も~」←わっしーに貸してもらった恋愛小説を、掛布団の中から取り出す
園子(明日は、久しぶりに串カツが食べたいよ~)ジュルリ
>>120 「スーパーの半額弁当」
~☆
風(ぬぬ、このお弁当ただでさえ安いのに、半額だわ)
風(これを買って帰った方が、調理にかかる手間、材料費、光熱費、
とか考えたとき安くつく……?)
風(いいえ、ダメよ風。こういうところで培った怠け癖が、
自炊の出来ない女を産み出す、きっとそう)
風(半額弁当は、女子力の敵なのだわ)
風(……でも、このお弁当、栄養バランスも結構よく考えてあるし、一日くらいなら……)
夏凜「…………」
風(あら、夏凜じゃない。鉢合わせるなんて珍しい)
風(夏凜もここ、使ってたんだ)
風(それともいつもは、別の場所で買い物してるのかな?)
夏凜「…………」
風(何買うのかしら?)
風(お弁当コーナー……でお弁当を買うのよね)
風(夏凜ー、こっちに来たら栄養バランスのしっかりした、格安弁当が――)
夏凜「…………」スッ
風「っ!」
風(あ、あれはハンバーグ弁当!?)
風(よりにもよって、このお店で、栄養バランスが一番悪いお弁当じゃない!?)
風(しかも、半額シール貼ってなくて、高い……)
風(ハンバーグ弁当を買うくらいなら、私が作った方がおいしくて暖かいハンバーグを――)
風「夏凜」
夏凜「ふ、風っ!?」ビクッ
夏凜「び、びっくりした……。いきなり後ろから話しかけるのはやめ――」
風「そのハンバーグ弁当を、棚に戻しなさい」
夏凜「え?」
風「私が、本当のハンバーグ、手作りデミグラスハンバーグを、今日あなたに晩、ご馳走してあげるわ」
風「盛り合わせの野菜増し増しで」
>>121 「コントロールできなくなる東郷モードと鷲尾モード」
~☆
東郷「だからね、友奈ちゃん、私たちは日本人として――」
友奈「わー! わっしーモードの東郷さんだー!」
~☆
東郷「うう、パンダの赤ちゃんがカワイイ……」
園子「あ~、東郷さんモードのわっしーだ~」
~☆
東郷(東郷さんモードと、わっしーモードって、何……?)
東郷(いったいどういう言動が、その二つをわけると言うの……?)
東郷(基準が、基準がよくわからないわ……)
?『個別経験に溢れたこの世界で、東郷美森という一存在者の主観と客観を、
モードという不明確かつ煩雑な概念で、精確に定義するのは難しいね」
東郷『あ、あなたは……?』
?『僕は、情報イルカさ』
東郷『情報、イルカ……?』
?『より精確に定義するなら、東郷美森主観イルカ、とするべきかもしれない』
?『砕けた言い方をするなら、精神イルカがもっともらしいね』
東郷『精神イルカ……』
精神イルカ『僕は、君に巣食う無意味な悩みを解消するために、
君の無意識が遣わしたドクターなんだ』
精神イルカ『君の内奥が、君を決定する。逆に、君の表層が、君を決定する』
精神イルカ『ここは現在、そういう揺らぎの境界上にある』
精神イルカ『ここで、君の全てが決定されるんだ』
精神イルカ『だから僕も、初めてこの僕という、精神イルカ足りうることができている』
東郷『……でも、私、イルカを、見たことがないわ』
精神イルカ『だから言っただろう? 僕は精神イルカだ』
精神イルカ『精神イルカは物質イルカとイコールではないし、ましてや概念イルカとイコールでもない』
精神イルカ『もっと言ってしまえば、東郷美森とすらイコールではない。
そういう意味で、僕はどこにも存在していない』
精神イルカ『君の悩みを解決するための、所謂ゲストってやつだね』
東郷「?????」
精神イルカ『頭で考えてわからないなら、別にわからないままで放置してもらって構わない』
精神イルカ『ここが君の中である以上、僕の言葉が、君の全体にとってわからないということは、
原理上ありえないんだから』
東郷(……確かに、考えるだけ無駄のような気がするわね)
東郷『…………それで、私は、どうしたらいいのかしら?』
東郷『その、あなたが出てくる羽目になった、悩みを解消するために、ドクターさん?』
精神イルカ『簡単だよ、エゴを信じるんだ』
東郷『エゴ……?』
精神イルカ『そう、君を君たらしめているのは、過去や記憶でもなければ、
他者から君に向けられる君とは何かという認識でもない』
精神イルカ『君が君だと思えば、君は君だし、君が君じゃないと思っても、君は君だ』
精神イルカ『誰も、君を君ではないと証明することはできない』
精神イルカ『君の肉体と精神の織りなすゲシュタルトこそが――』
~☆
チュンチュン チュンチュン
東郷「……」
東郷(酷い夢だった)
東郷(どう考えても、疲れてるわね……)
東郷(うん、みんなに、疲れをどう解消したらいいのかとか、相談しよう。そうしよう)
>>124 「東郷と友奈の交換日記」
~☆
友奈「今日はー、東郷さんとの交換日記初日ー!」ウキウキ
友奈「何を書こうっかなー!」ウキウキ
友奈(学校のこと……は、ずっと東郷さんと一緒にいたからなしで)
友奈(勇者部……も東郷さんとずっと一緒にいたからなし)
友奈(家に帰ってから……も東郷さんの家に遊びに行ったから、
わざわざ日記に書くイベントが起こるはずない)
友奈(ていうか話せることはさっき全部話してきた)
友奈「…………」
友奈(もしかして、日記にして、交換するエピソードがない……!?)
~☆
東郷(友奈ちゃんとの交換日記、何を返そうかしら)
東郷(こういうの初めてだから難しいわね……)
東郷(ううん、あれこれ悩む前に、友奈ちゃんが何を書いたのか読まなくちゃ)ペラッ
東郷「…………うーん」
東郷(朝昼晩、食事の内容と、おやつ)
東郷(そして、明日もよろしくね東郷さん! という文章)
東郷(こ、これはいったい何を返せば正解なの……!?)
お題 ラッパー園子
お題 イメチェン
お題 四国八十八ヶ所
>>127 「東郷さんに押し倒される夏凜」
~☆
その日、私の家には、私と東郷だけがいた。
寝室の証明は全て消されており、窓から差し込んでくる月明かり、街明かりだけが、私たち二人の存在をお互いに浮き彫りにしている。
「承知してくれて、ありがとう」
東郷が言った。
「いいわよ、お礼なんて」
ぶっきらぼうに、私は応えた。応えて、じっとそのまま棒立ちしていた。最後の最後で、決心しかねていたからだ。
東郷が嫌なんじゃない。触られたくない、と拒否感が内心あったわけでもない。
そうではなくて、私の家の寝室で、誰かに自分の身体すべてを預けるというこれからの時間に、まだどうしようもなく戸惑いがあった。
別に軽く越えてしまって構わないはずなのだが、実際そこをあっさり越えていいのかどうか、悩む一線というものが私にはある。
何か、照れくささや気恥ずかしさのようなものが、私の中でわだかまっていた。
東郷のこと自体が嫌だったならば、そもそも最初から寝室に入らせはしない。
「夏凜ちゃん」
焦れた東郷が、私の名前を呼びながら、無言で立ち尽くす私の肩を掴み、ぐっと押した。
そのまま私は押されるままに、よろよろと後ずさりして、ベッドへ腰を下ろす。
「……わかったわよ」
私は不承不承言った。
ここまで来たら致し方ない。私はおもむろに、それまで着ていた上着を脱いで、ベッドの上に身体を雑に投げ出した。
いま上着を脱いだ私が身に付けているのは、足とお尻にピッチリ吸い付くきつきつのホットパンツと、薄いピンクのキャミソール。
仰向けで横たわった私は、足や、腕、首元、そういった肌の多くを、東郷の目に晒している。
とはいえ、この薄暗闇の中では、そんな格好であったとしても、厚着でいるのと大した違いはなかった。
「やるならはやくすませて」
「ええ」
東郷が、ベッドの上にのしかかる。ベッドの一部が、ずしりと沈みこんだのが、こちらに伝わってくる。
東郷が、私の隣にいる。気配がある。私は、小さく身じろぎした。とっさに身体が強張る。
その次の瞬間、東郷の手が、私の服の上、背中に乗り、おずおずと、身体を触り始めた。
それは、何か壊れ物を扱うような手つきで、彼女の指先がすこしこそばゆかった。
「初めてなんだから、まずは優しくやってよね、東郷」
「もちろん。わかってるわ」
私の念押しの甲斐があったのかどうか定かではないが、東郷は慎重だった。
まず、腕や足を、品定めするように、指が通過していく。親指と、人差し指で、優しく挟まれる感触が続く。
そして、身体に戻る。
しばらくして、服の上からでは効果が薄いと判断したらしい東郷の手が、私の服のすそをめくり始めた。
「ちょ、ちょっと……!」
「大丈夫よ、女の子同士でしょ」
抗議した途端、耳元で、低い落ち着いた囁き声が聞こえてきて、びっくりする。
とても中学生の女の子が出す声とは思えない色っぽさで、何かにひどく負けた気分になった。
私がびっくりしている間に、東郷は、とうに私の服の中へ手を入れ終えている。
少しまくり上げられた私の服の先、背中に直接東郷の手が触れる。
なるほど、先ほどまでとはちょっと触られている感じが違う。
ぐだぐだ言うのも、雰囲気を壊すだけ。これ以上抗議するよりも、東郷がやりたいようにさせてあげよう。
私は、大人らしさを東郷と張りあうみたいな気分で、それから成り行きに身を任せ、ただ黙って待っていた。
大人らしさがどうこう、そういう発想が浮かぶこと自体、東郷と違ってガキっぽいのだ、という自覚が少なからずあるのが癪だった。
そんな私のもやもやなんて露知らず、ゆっくり、ゆっくり、身体の上で東郷の指が動く。
親指と、人差し指と、中指がよく働いている気がする。
時々手の腹で、軽くぎゅうっとされるのが、なかなか良い気持ちになってきた。
それから、そろそろだいぶほぐれてきたんじゃないか、と私がちょうど思い始めた頃だった。
東郷が、私の背中にそっと体重をかけて、指を押し込んでくる。
手に力は入っていなくて、単純に東郷の体重が、彼女の指を背中にうずめさせてくる。
「…………んっ」
私の口から、思わず声が出た。意図しない刺激からの、意図しない声。
薄暗闇の中で、その声はとてもはっきり私自身の耳に聞こえた。
声を出してしまったことが恥ずかしくなって、少し身体を動かす。
「夏凜ちゃん、動かないで」
耳元で、また東郷が囁いた。耳元で囁く必要はないのに。
それ、癖か何かなの? 指摘してもよかったけれど、些細なことだと思ったから、黙っていた。
東郷の指圧が、次第に強さを適度に増していく。同時に、動きのバリエーションも増えていく。
首のマッサージ、肩のマッサージ、腕のマッサージ、足のマッサージが、私は背中に施されるものより気に入った。
でも、東郷は背中のマッサージの方が練習し甲斐があるらしく、そちらを重点的に練習しているようだ。
私としても、気持ちいいことに変わりはないから、文句はない。
東郷に身体を委ねる照れくささも、いざやってもらってみれば、思った以上に簡単に雲散霧消してしまった。
思えば、友奈にマッサージしてもらった経験があるのだから、当たり前の話ではある。
時々、うつらうつらし始める。
一昨日から今日まで、家と外どちらも使って、かなりハードなトレーニングを自分に課していたからだ。
そんなこんなで、東郷が私のマッサージを始めてから、結構な時間がかれこれ経過した気がしてきた。
東郷はかなり頑張っている。まるで指先から、一所懸命さが一触り一触り伝わってくるようなマッサージだ。
慣れない人間に、この運動は中々疲れるんじゃないか? と思ったが、東郷が根をあげるそぶりはない。
多分、自らの体重をうまく使っているのだろう。
目を閉じて、ずっと力を抜いていると、眠気は激しくなるばかりだ。
あと、もうちょっとで、すやすや寝られそうですらある。
そのとき、突然、東郷が私の背中に全身を乗っけてきた。豊満な彼女の胸が、私の背中にあたる。
正直、東郷の服の上からであっても、生き物としてはおよそ未知の感触、という形容がふさわしいと思った。
びっくりして、ちょっと大きな声が、私の口から飛び出した。
「ひゃっ!」
「……ドキドキした?」
東郷が悪戯っぽく言った。
ひょっとすると最初から、私が油断する瞬間を待ち、身体を密着させてくる腹積もりだったのかもしれない。
人がうとうとし始めたところを狙うとは、私の知る東郷らしからぬ茶目っ気だが、それにしても意地が悪い。
背中に東郷が乗っかっているが、重いという実感はほとんどなかった。
膝立ちをして、体重をかけないよう彼女がとりはからっているのだろう。
東郷の両手が、私の両腕にそれぞれ伸びて、依然マッサージを続けている。
だいぶ無茶な形である気がするので、続けるつもりなら、普通の体勢に戻ってやって欲しい。
背中に東郷がくっついていると、どうしても身体が緊張してしまって、マッサージが十分楽しめないというのも理由としてある。
私の気持ちを知ってか知らずか、東郷が、またまた、私の耳元で囁いた。
「ねえ、夏凜ちゃん」
「なに」
「友奈ちゃんと、どっちが気持ちいい?」
「友奈の方が、気持ちよかったわね」
「そう…………。先は長いわ」
「はじめてなんだから、仕方ないわよ。友奈は、相当慣れてたみたいだし」
こうやって東郷が身体をくっつけてくるのは、友奈直伝のコミュニケーションなのだと思う。
友奈は普段から、親しい他人、親しくなりたい他人との距離が、異様に近い。
私も何度、それにびっくりさせられたことか。
限度や相手を選ぶ必要はもちろんあるが、確かに身体と身体のコミュニケーションは、仲良くなるのに効果的らしい。
だから、東郷は彼女を真似て、ここが暗闇であることをにかこつけて、私に今こんなことをしている。多分。
しかし、今日の目的は、マッサージをしたことがない東郷のために、私がマッサージの練習相手になる。
ひいては、東郷が友奈に最高のマッサージを施せるようになる、という特訓なのだから、そういう寄り道はいらないんじゃないだろうか。
東郷が、なかなか背中から離れようとしない。むしろ身体をぐいぐい押し付けてくる。
いよいよ私も黙っていられなくなって、東郷に言った。
「マッサージするのに、ひっつく必要はないんじゃない」
「それはそうね」
「じゃあ、離れなさいよ」
「でも、どうしたらいいのか困ってる夏凜ちゃんの様子が可愛くて、つい」
「…………離れなさいっ!」
それからしばらくの間、マッサージの練習というよりむしろ、柔道やレスリングの寝技大会のような有様になってしまった。
だがとにかく、それからも東郷のマッサージ特訓の夜は、私の身体をほどほどにほぐしつつ、順調に続いていったのであった。
終わり
>>131 「ボタモチはどこだ?(ビースト風)」
~☆
夏凜「ボタモチは、どこだ~?」
風「感情がこもってない、もう一回」
夏凜「ボタモチは、どこだ~?」クワッ!
風「迫力が足らないわ、はいもう一度」
夏凜「…………」
夏凜「ボタモチはッ! どこダァ~ッ?」ダァァァァッ!
風「惜しい。もっと汚らしい感じで」
夏凜「…………」
夏凜「ボタモチは、どこだ~?」ゲッヘッヘッ
風「……うーん、なんか遠ざかったわね」
風「なんというか、こう、獣っぽいって感じさせる演技をお願い」
夏凜「そこまで色々言うなら、まず風がやってみせなさいよ、手本を」
風「あー。それもそうね」
風「……ゴホン」
風「…………」
風「――ボおぉオおぉオぉォた、モぉッおォォぉちぃ、ィぃィイっッっ……」グルルルルル…
夏凜「!?」ビクッ
風「――ハ、どォオオおオコおオオォお、ダあアァァアあああア、あっっっっ!!!!」ガォォォォォッッッ!!!
風「……」ゴホン
風「こんな感じ?」
夏凜「それ、私には絶対無理だから、その役は風自身がやってよ。頼むから」
お題 結城友奈は忍者である
>>132 「勇者部6人が希望と絶望について語る」・園子
~☆
Q『あなたにとって希望とはなんですか?』
A 園子「わっしーが帰ってきてくれたことかな~」
Q『あなたにとって絶望とはなんですか?』
A 園子「二年間、わっしーが何をしてるのか、さっぱりわからなかったことかな~」
園子「もしくは、乃木さんを喪ったときかもしれないね~」
園子「他は、絶望って言葉が似合うような辛さじゃなかったよ~」
園子「色々辛かったのは確かだけどね~」
友奈s(一人だけ闇が深すぎて、この後に自分の話を続けられる気がしない……)
>>133 「結婚の相手」
~☆
ふう「いつきー」
いつき「なにー?」
ふう「おとなになったら、いつきは、どんなひととけっこんしたいー?」
いつき「んーとね……おねーちゃん」
ふう「あたしー?」
いつき「ん! おねえちゃんみたいに、やさしくてかっこいいひとがいい!」
ふう「ほー? かっこいい、とは?」
いつき「だって、わたしをいっつもまもってくれるもん! ひーろーだよ!」
いつき「わたし、おねえちゃんが、すき!」
ふう「そーか、そーか」
ふう「いつきはいいおとこのことがよくわかってるなー」ヨシヨシ
いつき「えへへ」ニコニコ
~☆
風「樹ー」
樹「なにー?」
風「大人になったら、樹は、どんな人と結婚したい?」
樹「どうしたのー急にー」
風「別に、なんとなく」
風「答えたくないなら、答えなくていいけど」
樹「んー、結婚かー……」
樹「とりあえず、お姉ちゃんみたいに、一緒にいて安心できる人かなー」
風「それってかっこいい人ってこと?」
樹「かっこいい……とはまたちょっと違うかなー」
樹「一緒にいたいと思えるっていうか、優しい人、っていうか――」
樹(あれ? なんかこれ、知らず知らずのうちにお姉ちゃんをべた褒めする話になってない?)
樹「……////」
風「ふーんそうなんだ」
風(……まあ、これはこれで、悪くない答えなの、かな?)
お題 勇者部+園子がテスト勉強
突然ですが>>200まででお題募集は終了しようと考えています
このスレ、普通のSSに費やす時間を明らかに食い潰してる節があるというか
(まさか一つ一つ大体一レスって制限しといたのにここまで時間かかるとは)
しかも自分でお題消化してる中で、そろそろお題の対応の仕方がマンネリかなー……?
という気がだいぶしてきたのが終了の理由です
思った以上に飽き性というか続かなかったけど、勇者部のみんなを喋らせる練習にはかなりなったので、立ててよかった
元から一本書こうと思ってたSSネタを一部ボロボロ放出してしまったけど、そこは引き出しの乏しさ故に致し方なかった
お題 モフって総受けにぼっしー
>>179
乙。一本書く予定もありそうなので期待してる。
>>180
乙です。
お題:レイパー友奈
お題 友奈と園子でお泊り会
お題 みもりんと呼び方を変えた園子と東郷さん
お題 鳴門うどん
お題 にぼっしー危機一髪
訂正 (一文字抜けとかざらだったけど、読んでて一応二度見せずに済みそうなのはスルー)
>>30 11行目
× 友奈(日中、園子ちゃんと一緒に寝てたから、夜、家で全然眠くなっちゃった……)
○ 友奈(日中、園子ちゃんと一緒に寝てたから、夜、家で全然眠くなくなっちゃった……)
>>111 14行目
× 風「それよりここのうどんの味を確かめたいって気持ちを今の大事にしないと」
○ 風「それよりここのうどんの味を確かめたいって今の気持ちを大事にしないと」
>>176 5行目
× 園子「もしくは、乃木さんを喪ったときかもしれないね~」
○ 園子「もしくは、ミノさんを喪ったときかもしれないね~」
>>135 「口よりも指は喋る」
~☆
風「樹―」
樹「……」ピクッ
風「樹?」
樹「……あ、ごめん、声が出なかったときの習慣で、喋るよりまず何かについ書こうとしちゃって」
風「あー、わからないではないわ、それ」
風「私も、片目見えなかったときの身体の動かし方とか立ち位置、未だにやっちゃうことあるもん」
樹「なんだろ、時間としては生きてる中でそんなに長くなかったはずなのに、
いろいろと染みついちゃった気がするよね」
風「うんうん、あるある」
樹「ほんと大変だったよー。ペンで毎回、伝えたいこと書いてくの」
風「……でも、あの経験、少なくとも樹にとっては、今から考えれば良かったところあるんじゃないかな」
樹「え? どうして?」
風「だって、樹、何か言いたいことがあるときは、ペンで書かないといけないって制約あったから、
こういうことが伝えたいんです、って相手に頑張って自己主張してたじゃん?」
風「あれは、話せなくなる前の樹には、かなり少なかった態度だと思うよ」
風「言えなかったら、まっ、いいかでやめちゃうこと多かったでしょ?」
風「……まあ、あくまでも、口からペンになって、自己主張が強くなったとはっきり言えるのは、
勇者部の中に限っての話かもしれないけどね」
風「でも、どちらにせよ、今の樹は前と比べて、
積極的に他の人に話しかけられる子になってると思う」
樹「そ、そうかなー?」
風「お姉ちゃんの、観察眼を信じなさいな」
風「こういうこと喋ろう、こういうこと話そう、
ってのを書く訓練が、今の樹に繋がっていったんだろうねー」ウンウン
樹「へー」
樹(……そう言われてみても、なんだかあまりピンとこないや)
乙
お題 インテグリティ
>>136 「二人の休日 友奈、東郷」
~☆
東郷「友奈ちゃーん」
友奈「ん……んう」
友奈「……おはよう、東郷さん」
東郷「起きて、今日の勇者部は、朝十時に商店街で集合だよ」
友奈「……そうだった、ね」
東郷「朝ごはんできてるって、友奈ちゃんのお母さん言ってた」
友奈「よーし」ガバッ
友奈「まず顔洗ってくる!」ダッ!
東郷「……ふふ、毎朝忙しいなぁ、友奈ちゃんは」
~☆
友奈「ねえ、東郷さん」テクテク
東郷「なに」テクテク
友奈「東郷さんって、普段私が思ってるより背が高いんだね」
東郷「え? そう」
友奈「うん」
東郷「風先輩の方が、背は高いと思うけど」
友奈「うん、だろうね。でも……」
東郷「でも?」
友奈「前までは、こうして二人で歩くことなかったでしょ?」
友奈「私が東郷さんを押すか、東郷さんが私を押すか、どっちか」
友奈「変身してた時も、上げ底の靴みたいなので宙に浮いてたしー」
東郷「上げ底の靴……」
友奈「だから、東郷さんの身長のしっかりしたイメージがないんだよね」
友奈「どちらかというと、車椅子押してた時のイメージがそのままぼんやり残ってるというか」
東郷「そうなんだ」
友奈「うぅー……。私ももうちょっと、大きくなりたいなぁー」
東郷「どうして?」
友奈「だって、東郷さんと同じ身長でいられたら、それだけ同じ目線で隣を歩けるんだ、って気がしない?」
東郷「そ、そうかな?」
友奈「あれ? しない? ……しないかぁ、そっかー」
東郷「友奈ちゃんは、身長が高かろうが低かろうが、ずっと私の傍にいてくれるんだよね?」
友奈「え? それはもちろんだよ!」
東郷「そっか」
東郷「別に私は、友奈ちゃんと同じくらいまで身長が縮んでもいいよ?」
友奈「えー、それはちょっと現実的じゃないような……?」
>>137 「園子「やはり私の青春ラブコメはまちがっている」」・園子
~☆
園子(う、うう~! 書けない~!)
園子(ゆーゆと、わっしーの絡み、インスピレーションは湧いてくるんだけど、
いざキーボードの前に向かうと、全然文字の形になって出てこないよ~!)
園子(これが、ブランクなのかな~?)
園子(……というか、ミノさんとわっしーの小説が未完結放置の状態で、
他の小説に浮気をするってのが、よくないのかも~)
園子(う~ん、私の中の脳内わっしーは、ミノさんと固い絆で結ばれてるんだね~)
園子(いきなりゆーゆとわっしーが仲良くする小説を書こうとしても、
唐突すぎて別の物語って体裁をとっても難しいんだ~)
園子(……はっ!?)
園子(突如転校してきた天真爛漫なクラスメイトゆーゆ)
園子(ほとんど時を同じくして、わっしーは不幸な交通事故にあって、記憶を消失してしまう)
園子(折よくそこに通りかかったゆーゆはわっしーを助け、二人は友情を育み始める)
園子(しかし、度々見舞いに来てくれたミノさんのことが、気になってしょうがない記憶喪失わっしー)
園子(揺れ動く、ゆーゆとミノさんに対する想い、そんな中でわっしーは……)
園子(この路線で行けば、未完で終わらせずに済むだけじゃなくて、ゆーゆもお話に加えられるよ~)
友奈「園ちゃんの、あれは寝てるの?」
東郷「いえ、あれは妄想をして固まってるだけね」
東郷「半スリープ状態そのっちだわ」
>>149 「カレー猫の逆襲」
~☆
風「ついに空飛ぶウドンモンスターコミカライズ企画が来たわ……」
夏凜「しかも、友奈が応募したカレーネコが、新キャラ当選っていうね」
風「ああっ! それ私が言いたかったのにっ!」
東郷「タイトルとかは、もう決まってるんですか?」
夏凜「ええ。タイトルは――」
風「空飛ぶウドンモンスター カレーネコの逆襲、よ!」
東郷「……逆襲って、カレーネコは初登場ですよね?」
風「登場と敗北、逆襲を一緒にやるんじゃない?」
夏凜「また、牛鬼(仮)が巨大化するんでしょうねー」
友奈「そして、多分カレーネコと戦うのかぁ……。なんだか複雑な気分」
東郷「友奈ちゃんは、誰にも戦ってもらいたくないもんね」
風「カレーうどんオチが始まる前から見えるわ」
樹「カレーうどんオチってなんなの、お姉ちゃん」
>>150 「園子と樹によるライトノベル品評会」・園子
~☆
園子「イッつんは、活字読むの好き~?」
樹「え、ど、どうでしょう? 人並み、かな……と」
園子「私は好きだよ~。寝たきりの時とかモリモリ読んだよ~」
園子「私、あの頃それくらいしかできることなかったんだよね~。あはは~」
樹「あ、あはは……」
風「きついブラックジョークね」
東郷「私が鷲尾だった頃より、そういう毒のある発言増えました」
東郷「大人になったんだね、そのっち」
風「それって、大人になったってことなの……?」
園子「でも、ライトノベルって、どこからどこまでを指すのかな~?」
樹「う、うーん……」
園子「ハードなのは、どんな奴のことなんだろう、長さは関係ないだろうから、文体~?」
園子「でも、これこそがラノベの文体だ、っていうの仮に見つけたとしても、そう言い切っていいのかな~」
園子「ラノベがなんなのかわからないところから出発したはずなのに~」
樹「う、う~ん……」
風(あっ、始まる前から企画頓挫の予感がするわ)
>>151 「東郷と友奈が入れ代わった」
~☆
東郷「こっちが東郷さん」
友奈「今、東郷さんって言ったのが、友奈ちゃん」
夏凜「見た目はいつものままだから、傍から見てるとよくわからないわね……」
風「大赦が、現在原因と解決策を調査中だって」
夏凜「……しっかしこれだと、仮に元に戻っても、戻ったかどうか本人たち以外おそらくわかんないわ」
夏凜「仲がいいのはいつも通りだし」
風「東郷の中にいた友奈が、自分の身体に戻ったと思ったんだけど、
東郷の中にはそのまま友奈の意識が変わらず居座ってて、両方どちらにも友奈しかいなくなった、とか?」
夏凜「怖いこと言わないでよ……」
東郷(私は今、自分を東郷さんじゃなくて私だって思ってるけど、
もしかしたら私の記憶が挿入された私である可能性も……)
友奈(あんまり難しいこと考えちゃだめだよ、友奈ちゃん)
東郷(と、東郷さんの声が、直接脳内に……!?)
>>152 「お題 友奈にヤンデレな東郷さんと夏凜ちゃん」
~☆
東郷「私、友奈ちゃんに一日メール千件送る女になるわ」
夏凜「待て待て。メールしなくても、いっつも顔合わせてるじゃない」
東郷「私、友奈ちゃんにお菓子を作って、その中に私の……」
夏凜「東郷のぼたもち、おいしいわよね」
東郷「私、結城美森になりたい」
夏凜「東郷美森って名前、中々かっこいいからそのままでいいと思うけど」
東郷「私、友奈ちゃんのことならなんでも知ってる。だって、友奈ちゃんは、ふふふ……」
夏凜「なんでもは知らないでしょ。知ってることだけ」
樹「……なに、あれ?」
風「即席結成、超内輪向けお笑いコンビ、『プリンセス東郷と愉快な仲間たち』よ」
風「文化祭で局所的にお披露目予定なんだけど」
風「…………東郷が作ったネタ、友奈のクラスメイトとかごく内輪に披露するにしても、
ちょーちドぎつい気がするわね」
風「あと、そういうの抜きにしても反応しづらい」
>>153 「風と少年漫画」
~☆
ヒュゥゥウウウウウウッ!
夏凜「っ!」
夏凜(うー……寒い)
夏凜(手……は手袋でガードできてるけど、顔が寒いのよね……)
夏凜(何か風よけになるものは……)
少年漫画「」
夏凜「…………」
ヒュゥゥウウウウウウッ!
夏凜(……うん、ないよりはましな気がするわ、鼻の辺りが)
夏凜(あくまでましな気がするレベルであるにせよ)
風「あら? 夏凜じゃない」
夏凜「っ! 風?!」
風「その手に持ってるの……あんたもそれの単行本買ってるの」
風「面白いわよね、それ。私もさっき買って来たわ、ほらこれ」
夏凜「なっ! たまたま! たまたまよ! これは!」
夏凜「いっつもこれ買ってるわけじゃ、ないんだからねっ!」
風「たまたまなら一巻でしょ……。なんで二十三巻最新刊を発売日の今日たまたま買うのよ……」
>>166 「ラッパー園子」
~☆
園子「ゆーゆ、昨日ね~」
友奈「どうしたの?」
夏凜「思うんだけど」
風「どしたの?」
夏凜「園子って、もっと早口になったら、あの語尾の抜け方、ラップ似合そうじゃない?」
風「……そう?」
友奈「――そうなんだー!」
園子「でねでね~!」
風「あー、そうかもね」
風「それよりさ」
夏凜「?」
風「ラップをする人ラッパーって言うじゃない?」
風「じゃあラッパを吹く人はなんていうの?」
風「ラッパーはラッパ吹いてる人にその名前を譲って、ラップ―とか呼ばれるべきじゃないかしら?」
夏凜「ずいぶんと間抜けな響きね……ラップ―」
>>167 「イメチェン」
~☆
東郷「そ、そのっち、その髪型は……」
園子「イメチェンだよ~」
夏凜「髪型……というか」
友奈「髪がないよね」
園子「えへへ~、こうしておくて頭を洗うの凄く簡単なんだよ~」
園子「毎日ツルツルに保つのは大変だけどね~」
風「以外と似合ってるのが凄いわね」
樹「ね」
>>168 「四国八十八ヶ所」
~☆
東郷「そのっちは、夏休み始まってからの勇者部の活動――」
園子「あ~、ごめ~ん。夏休みはしばらく用事があってダメなんだよ~」
東郷「用事? いったい何をするの?」
園子「えっとね~。大赦の人たちと、四国八十八か所を祈祷しながら巡るの~」
園子「最近頭を丸めたのも、そういう目的があってのことだったんだ~」
東郷「あ、そ、そうなんだ」
東郷(今までてっきり、そのっちの新しい趣味かと思ってたわ……)
>>175 「結城友奈は忍者である」
~☆
友奈「ドーモ、カリン=サン。ユーキユウナです」
夏凜「え?」
友奈「ダメだよ。カリン=サン。アイサツはキチンと」
夏凜「ド、ドーモ……」
友奈父「それでは、始め!」
友奈「イヤー!」
友奈父による試合開始の合図とともに、友奈が先制のカラテパンチを放つ!
しかし、夏凜はワン・インチ距離で上半身を逸らし、それを回避!
夏凜「うわっ、ちょっ!」
友奈「イヤー!」
逃げ腰の夏凜を友奈の執拗なカラテが追いかける!
夏凜は回避!友奈が追う!夏凜は回避!
友奈「イヤー!」
夏凜「グワー!」
友奈のタツジンめいたツキが夏凜の腹部をクリーンヒット!
ゴウランガ! 日頃鍛えに鍛えている夏凜に膝をつかせるその威力!
たまらずゴホゴホと咳き込み、下を向いて、お腹の奥から酸素を吐きだす夏凜。
この間、友奈は夏凜に最低三度は渾身のカラテを浴びせられたであろう。
友奈「夏凜ちゃん、仕切り直しだよ」
夏凜「く、くっそぉ……」
猶予をもらい、夏凜が立ち上がる。
友奈「イヤー!」
夏凜「イ、イヤー!」
友奈が軽快なフットワークで距離を詰めてくる。
けれど今度は、夏凜も準備ができている。左のジャブ、ジャブ、右ストレート!
友奈はバック転で回避!
夏凜「え、ええっ!?」
友奈「今度はこっちの番だね。イヤー!」
流れるようなステップで踏み込んできた友奈の、ボン・パンチが――
~☆
夏凜「…………」
夏凜「夢」
夏凜「……何も、明日はじめて友奈の家に行くからって、
こんなヘンテコな夢見なくてもいいでしょ」ハァ…
夏凜「………………」
夏凜「夢の中の友奈のお父さん、完全にニンジャだったな……あれ」
>>178 「勇者部+園子がテスト勉強」・園子
~☆
樹「…………」カリカリ
友奈「……」カリカリ
夏凜「……」カリン
東郷「………………」カリカリ
園子「zzzzzzz」
友奈(これでどうにかなるんだから、園ちゃんってズルいよねー)
東郷「友奈ちゃん、集中集中」
友奈「あっ、うん」
>>180 「モフって総受けにぼっしー」
~☆
夏凜「ちょ、やめなさいよっ!」
羊s「メー、メー」グイグイ
夏凜「こいつら目、目が意外と怖いっ!」
羊s「メー、メー」グイグイ
友奈「わー、夏凜ちゃん大人気だー」
風「私もなんだか、羊の方じゃなくて、にぼっしーをギュってしたくなってきたわ」
東郷「夏凜ちゃんを中心に、おしくらまんじゅうですか?」
樹「わー、それ楽しそうー」
>>182 「友奈と園子でお泊り会」。園子
~☆
友奈「思えば園ちゃんとお泊り会するの、はじめてだねー!」
園子「ね~」
友奈「お泊り会するのもそうだし、こうして二人っきりで話すのも、初めてかも」
園子「ね~……」
友奈「うーん、ワクワクしてきた」
友奈「今日は園ちゃんのこと、寝かさ――」
園子「zzzzzzzz」
友奈(寝るのはやすぎっ?!)
>>183 「みもりんと呼び方を変えた園子と東郷さん」
~☆
園子「みっもり~ん!」
東郷「…………」
園子「みもりん? どうしたの?」
東郷「どうもその呼ばれ方、中々慣れなくて」
東郷「こう、わっしーと比べて、言葉の響きが柔らかすぎるというか……」
園子「え~、そう? 可愛くていいと思うんだけどな~」
東郷「そのっちがいつも呼ぶだけなら、まだこれから慣れていけそうかな、って思うんだけど」
東郷「最近、風先輩からもそう呼ばれることあって」
園子「嫌なの?」
東郷「嫌、じゃないわ」
東郷「ただ、なんだろう、自分が呼ばれてる感じがしないのよね」
東郷「みもりん、って言われると、ムズムズするの」
東郷「私は、わっしーか、東郷なのに、みたいに」
東郷「誰かに美森、って呼ばれるの、記憶を失くしちゃってから、あまり好きじゃないのかも」
東郷「須美って呼んでくれた大切な子がいたから、なのかな」
東郷「変な気持ちだよね」
園子「……」
園子「だとしたら、私が、もっともっと、みもりんのこと、みもりんって呼んで、
そんなこと考えないで済むようにしてあげるよ~」
園子「きっと、あの子が今の私たちの傍にいたら、須美じゃなくて美森って呼んだはずだから」
東郷「…………」
園子「みっもりーん、みっもりーん、みっもりーん」
東郷「……はいはい、なーに、そのっち」
園子「えっとね――」
園子「……あれ? 何を言おうとしてたんだっけ~?」
園子「ごめ~ん、みもりんについて話してたら、
さっきまで何を言おうとしたのか忘れちゃった~」
園子「何か大事な用事だった気がするんだけどな~」
東郷「ちょっと、もう……そのっちったら」
東郷「これは、教育が必要ですね」
園子「えへへ~、面目ない」
>>184 「鳴門うどん」
~☆
風「この世界には、三箇所、俗に旧世紀うどんと呼ばれるものを提供する、うどん屋さんが存在する」
風「一つ、しまなみうどん、二つ、鳴門うどん、三つ、瀬戸うどん」
風「どれも、旧世紀時代には本土と陸路で繋がっていた要所付近のうどん屋さんであり」
風「正直なところ、深い味わいよりは、その歴史的な立地と知名度で売っていそうな気配がある」
風「しかし、自ら食べる前にそのような偏見で舌を曇らせることは、まことによくない」
風「うどんを嗜む者、まずこの三大メジャーを直に味わってこそ――」
<ツマンナソウナホッペ ツカマエテ‐
風(……あ、樹から電話だ)
風「もしもし」
樹「お姉ちゃーん、受験勉強ほっぽりだしてどこほっつき歩い――」
ピッ ツー ツー
風「…………」
風「うおおおおおお!」
風「うどんが私のことを呼んでいるぞおおおおおおおっ!」
>>185 「にぼっしー危機一髪」
~☆
友奈「えい」ツンツン
夏凜「…………」
友奈「よしっ」
東郷「え、えい」ツン
夏凜「…………」
東郷「あっ、良かった……」
樹「か、夏凜さん、失礼します」ソワッ
夏凜「……」ビクッ
樹「ひゃっ!?」
夏凜(にぼっしー危機一髪)
夏凜(私が何度ほっぺたを指でツンツンされたら怒るか?)
夏凜(そういうゲームらしい)
夏凜(提案者は当然、風)
夏凜(どーしようもなくバカらしいので、こっちも怒らないでいようと思った)
風(うーん、これは夏凜が意地になっちゃったパターンね)
風(他の三人も、どうしたらいいのか方向性完全に見失ってるっぽい)
風(よし、こんなのずっと続けてもしょうがないし、仕方ない、私がこの場を収めよう)
風「えい」プニッ
夏凜「ゃ!?」ビクンッ
友奈 樹 東郷「っ!」
夏凜「……ふ、風、あんたどこ触ってんのよ」アワアワ
風「どこというか、夏凜のビーチクだけど」
樹(言い回しが古い……)
夏凜「このっ、変態っ!?」
風「なによー、服の上からだし、ちょっとだし、女の子同士だからいいじゃなーい!」
風「別に触られて減るもんでもないでしょ」
夏凜「だ、だからってこんな――」
風「だいたい夏凜が悪いのよ! ほっぺたみんなにツンツンされても反応悪いんだもん!」
夏凜「この期に及んで逆切れっ?!」
友奈(うーん、今日も勇者部は平和だなぁ……)
>>188 「インテグリティ」・園子
~☆
友奈「ん~! 東郷さんのぼたもち、やっぱりおいしい~!」
園子「おいしいね~」
風「園子は、東郷のぼたもち食べるのこれで何回目なんだっけ?」
園子「えっと~? ちょっと覚えてないですね~」
園子「でも、ゆーゆが勇者部入ってすぐのころ、いっぱい勧めてくれたのは覚えてます~」
友奈「だって、本当においしいから、園ちゃんにははやいこと食べてもらいたくて」
友奈「戦いが終わって、足がまた動くようになったことも嬉しかったけど、
やっぱり一番感動したのは、こうやっておいしいもの食べて、味を感じられるようになったことだったから」
園子「なるほどね~」
園子「わっしーは? 何が返ってきて、嬉しかった~?」
東郷「え? そうね、記憶が戻ってきてくれたのが、一番、良かった、って思えたかな」
園子「私は~、う~ん、わっしーと生きて再会できたことが、一番嬉しかったな~」
園子「あれれ~? 散華と関係ないかも~?」
風「……まあ、何はともあれ、みんなこうして、また五体満足になって、東郷のぼたもちを食べられてる!」
風「食よ! ばんざい! そういうことね!」
樹「もう、お姉ちゃんは、なんでもすぐご飯のことに繋げたがるんだからー」
風「んんー? だって大事じゃないのよー、ご飯はさー、神樹様の御恵みでさー」
東郷「…………」
東郷(銀……、私、すべてを思い出したわ)
東郷(あなたと一緒に行ったイネスでのことも、あなたが、私たち二人と世界を守ってくれたときの、あの背中も)
東郷(もし今、あなたが中学二年生になって、私たちの隣にいてくれたなら)
銀『アタシたち、まさに今、インテグリティな感じなんだから、今ある幸せだけ見とけば良くないか?』
東郷(とかなんとか、ひょっとすると言ったかもしれないわね)
東郷(だけど、あなたは実際ここにはいない)
東郷(ここにいたらなんて言ったのかなんて、本当はわからない)
東郷(だから、どんなに頑張っても、みんながインテグリティにはならない)
東郷(風先輩の両親のことも例えばそうだけど、きっと、もっともっとたくさん、
私たちが生まれる前とかに、人類は、かけがえのないものをバーテックスのせいで喪ってきた)
東郷(私は、あなたを喪って、本当に辛い。あの頃も、そして今も)
東郷(……だけど、だからこそ、私たちが守り切ったものの尊さが、
本当の意味で最近骨身に染みる気がするの)
東郷(街を歩いていて、三人子供が歩いていたり、公園で、おじさんが新聞を読んでいたり)
東郷(そういうなんでもないことを見るだけで、この世界は完璧なんだって気がしてくる)
東郷(これが、あなたが守ろうとしたもの、私たちが守り切ったものなんだって、それだけで意味があると思える)
東郷(……私は、あなたの代わりに、あなたのぶんも生きてやるだなんて、思えない)
東郷(あなたの生を生きられるのは、あなただけの特権だったから)
東郷(私たちは、私たちとして、ここにいるわ)
東郷(銀が守ろうとした、私たちとして、ここに)
東郷(ぼたもちは、あの頃も、今も、おいしい)
東郷(私がそう思えるのは、あなたがいてくれたから)
東郷(あなたが根性で、あのとき奴らを止めてくれたから)
東郷(そして、私たち勇者が、全力で戦い尽くしたから)
東郷(……私、今が凄く楽しくて、幸せなの)
東郷(そのっちがいて、それで勇者部として一つになって)
東郷(この世界は私にとって、決して完璧じゃないけど、
それでも、私はこの世界の今が大好きなんだ)
東郷(ありがとう、銀)
東郷(私、世界だけじゃなくて、あなたのことも、心の底から――)
友奈「東郷さん? どうしたの?」
東郷「……なんでもないわ」
友奈「ぼたもち、今日もおいしいね」
東郷「ええ、そうね」
友奈「東郷さんは、ぼたもち職人に将来きっとなれると思うの」
東郷「ふふっ、友奈ちゃんったら褒め言葉が大げさなんだから」
東郷「大げさじゃないよー、だって――」
東郷(友奈ちゃんと、勇者部のみんなと、一緒に毎日を過ごす)
東郷(銀と私たちが守った世界)
東郷(こんな時間が、ずっと、ずっと、続いてくれたらいいのにな)
お題消化終了 最初から、スレ終盤くらいの安価さばきでの肩の力の入れようなら、もう少し続いたやも知れぬ
残念ながら、最後のお題は力不足感が いや、一レスで綺麗に締めたかったけど、どうしても銀のことが脳裏から離れず……
一応普段から識別用の酉つけてるわけだけど、なんか要望があったので速報で書いたゆゆゆSS貼っとくと
【結城友奈は勇者であるSS】友奈「山桜色の夢」(地の文)
結城友奈「あっ、これ東郷さんのパンツだ」
夏凜「三好夏凜の勇者御記」(地の文)
風「樹ー! あけましておめでとうー!」 樹「……こと……よろ」
友奈「にぼっしーちゃんおいしい」
【ゆゆゆSS】銀「やっほー、園子。ゾンビになって帰って来たよー」 園子「……え?」
友奈「消えたぼたもち事件」
で、これ
ピクシブで書いたの入れると10個超えるのでまずまずの量書いたと言える
最後に感想乞食に等しくてしょっぱいけど、
一番面白かったと思った奴とかに安価飛ばしてもらえたりすると
今後の参考にもなってとても喜ぶ
HTML化依頼してきます
よく見たらリンクと言っていたな……
【結城友奈は勇者であるSS】友奈「山桜色の夢」
【結城友奈は勇者であるSS】友奈「山桜色の夢」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418174055/)
結城友奈「あっ、これ東郷さんのパンツだ」
結城友奈「あっ、これ東郷さんのパンツだ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418829550/)
友奈「にぼっしーちゃんおいしい」
友奈「にぼっしーちゃんおいしい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420213850/)
風「樹ー! あけましておめでとうー!」 樹「……こと……よろ」
風「樹ー! あけましておめでとうー!」 樹「……こと……よろ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420038776/)
夏凜「三好夏凜の勇者御記」
夏凜「三好夏凜の勇者御記」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1419326930/)
【ゆゆゆSS】銀「やっほー、園子。ゾンビになって帰って来たよー」 園子「……え?」
【ゆゆゆSS】銀「やっほー、園子。ゾンビになって帰って来たよー」 園子「……え?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1419664554/)
友奈「消えたぼたもち事件」
友奈「消えたぼたもち事件」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422933557/)
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