22xx年4月、東京一夜にして消滅···死者不明···生存者不明···
同時に全国で行方不明者が続出····政府は調査隊を編成し東京の調査開始···
しかし、調査隊帰らず···
俺「···当時の新聞を読み返したが···」
俺「有力な情報はなしか····チィッ」
この数ヶ月間、俺は東京の消滅に関与した人物を追っていた···
だが、そいつは口封じのため殺されちまった。
そいつを殺したのがある組織だということが分かった···
奴らは社会を裏から操っている···全国で行方不明者が続出したのも
東京が消滅したのも···奴らのせいだ。
俺はなんとしてでも、奴らを見つけるつもりだ。
俺「有力な情報は相棒が探してくれるはずだ···」プルルプルル
俺「おっ、相棒だ!」ガチャ
俺「はいもしもし、相棒か」
相棒「例の情報見つかったよ」
俺「流石だな!で場所は····分かった···ありがとな!」ガチャン
文字化けですね。
相棒が探してくれた手がかりはこの場所か···
俺が向かったのはとある廃工場だ。
ここの地下に奴らのもとアジトがあるらしいが···
俺「さて、アジトへの道は····」
あたりを見渡してみると、奥の扉が目についた。
近づいてみるが扉の鍵はかかっていて開けられない····
俺「ん!待てよ···」ガサゴソ
俺「あった!」
この鍵は相棒が探してくれたものだ。
鍵を使い中に入ると···地下に続く階段があった。
俺「ガセじゃねぇみたいだな···いってみるか」タッタッタ
階段を降りるとそこには···おびただしい数のドクロが···
俺「何だ···このドクロは気味悪い···ん?この手記は」
テーブルに手記が放置されていた。殺された研究員のもののようだが···
俺「何が書いてあるかな···」パラッ
22XX年2月10日
例の計画は順調にすすんでいる。
これもすべては来るべき<審判の日>にそなえて····
しかし、犠牲は本当に出ないのだろうか···
私の研究はあとわずかで完成する。そうなれば、晴れて私も自由だ。
俺「手記はこの日付で止まってる···」
俺「この手記は回収しておくとするか」
俺「他に手がかりは···」ジィー
床には生々しい血痕があり壁にはカレンダーが掛けてあり
本棚には研究資料がズラリと並んでいる。
俺「本棚とカレンダーか···怪しいな···」
俺はまず本棚を調べた。
俺「うーんと、研究資料をどけて···あったぜ!」チャリン
俺「何かのメダルみたいだな····」
そのメダルは500円玉ほどの大きさで、色はメタリックブルー
中央にはキマイラらしきものが描かれている。
俺「組織のシンボル···どんな意味があるんだ···」
俺「さぁお次はカレンダーか····」スタスタ
カレンダーをどかすとそこには金庫があった。
俺「このくぼみは何だ······」
金庫には何か丸いものをさしこむくぼみがあった。
俺「鍵穴は···ないな···このくぼみがそれの代わりらしい··」
俺「ん?よく見りゃ青い塗料がくぼみに付着してんな···はっ!」
俺「さっきのメダルが入るのか?」チャリン
俺はメダルを入れようとしたが、一回りサイズが合わなかった。
俺「違うのか···この金庫を開けるものはどこに···」
こういうときこそ、相棒の出番なのだ。
相棒とは十年前のある事件から共に調査を始めている仲間で
その事件も奴らの計画の一部だった。
結局、奴らの尻尾は掴めなかったが。
俺「さぁて、連絡するか」ピポピポピ プルルルプルルル
俺「あーもしもし、相棒か?例のアジトで金庫見つけたんだが····」
相棒「開けられないか···悪いけどいまはバイトで忙しいんだ」
相棒「詳しいことはまた後にしてくれ、じゃ切るから」
俺「おっおいッ!待てよ!」ツーツー
俺「切れちまった·····ハァ···しゃあねぇな···」
俺「とりあえず、研究資料も全部持ち帰るか」
俺はひとまず、アジトの調査を終え事務所に帰った。
???「しつこい連中ね····この私が始末するわ」フッ
その様子を何者かが見ているとも知らずに····
鳥の声が俺を眠りから目覚めさせた
俺「ふぁ~あ、もう朝かよ···」
俺「なんだ···まだ4時か···二度寝しよっと」
俺は眠いので二度寝しようとしたそのとき!
バーン!
俺「うぉっ!?体が浮いてる!?」フワフワ
俺「どうなってるんだ····」フワフワ
そんなことを考えている途中、自室のドアが開き誰かが入ってきた····
ギィーバタン···
俺「誰だ、君は!?」
???「私はガルム、貴方を消しにきた!」ジャキン
目の前にいるのは美少女だっただが、俺を殺しにきたということは恐らく
例の組織の一員なのだろう。全くツキが良いのか、悪いのか
俺「悪いけど、命はやれねぇな!」スチャ
ガルム「フン···その状態でなにができるの?」
俺が手にしたのはライターと爆竹だ····
俺「こうすんだよ!」ボウッ、バチバチバチバチ
ガルム「煙ッ、見えない····」
それもそのはず、大量の爆竹を狭い室内で使ったのだから
俺「(今のうちに····逃げよう····)」サッサッ
ガシッ!
ガルム「待ちなさい····逃がすと思う?」
俺「(この娘、なかなか手強いな!)」
ガルム「悪いけど、私は<人間>より目がいいのよ」
俺「君は人間ではないのか?」
ガルム「私は<魔族>よ···」
この娘、何言ってんだろう····そう思った
ガルム「···信じられないようね、なら····」ピキィン
彼女の目が一瞬青い光をはなつと、風景が変わっていく····
そして·····
俺「これは!」ジュウワァ ブクブク
ガルム「ようこそ、地獄の入り口へ!なんてね」
ガルム「分かったでしょ?人間じゃないって···」
俺「····<空間移植>か···」
ガルム「あれれっ?知ってたの?」
俺「この手記に書いてあったからな····」パラッ
ガルム「ふーん、でもここにきた以上逃げ場はないわよ···」
<空間移植>とは、同じ世界において存在する場所を切り取り
置き換える場所を使用者が選択し発動する時空を歪める異能
手記にはそう書いてあった
これを扱えるのは組織の幹部クラス以上の実力者だけだ
彼女はそう言うとガンホルダーから銃を引き抜いた····
俺「クソッ、どうすりゃいい····」ザッ
ガルム「この火山地帯は年中気温が120℃を超える·····」カチャカチャ
ガルム「もう喉がカラカラじゃない?大丈夫いま楽にしてあげる!」ガチャリ バキューン
俺「危ねぇ!」タッタッタ サッ
俺は咄嗟に岩石の裏に周る
ガルム「無駄な足掻きね·····岩ごと吹き飛ばしてあげる」ガチャリ ピュイン
俺「(この状況を打開するには···)」ギャリン
俺「コレを使うしかないか····」ギャリン
俺の手にあるものは只の鎖に見えるが····
ガルム「自分から殺されにくるなんて···どういうつもり?」ガチャリ ピュウィン
俺「殺される?ハッ····それは違うな!」ギャリン
ガルム「それはまさか!?」
俺は鎖を腕に巻き付け叫ぶ!
俺「鎧よ、騎士に力を!」フゥーンバルン
ガルム「やはり、騎士だったのね····」
俺「····円卓の騎士···<カルディア>····いくぜ!」ジャキン
ガルム「····<カルディア>···聞いたことがあるわ····」
ガルム「···異世界より来たりし騎士、魔を滅し眠りにつく···」
ガルム「····十年前の実験で蘇ったようね····」
俺「·····俺自身も···騎士としての記憶は欠落していたが····」
俺「····鎧を纏うことで記憶は戻った···感謝するぜ」
ガルム「フン、<魔神将>である私に勝てるとでも?」
<魔神将>とは5人の魔族王達で構成される敵の部隊だ
その力は一人で円卓の騎士5人に匹敵する!
俺「勝てるさ····君の動きは見切った···」ジャキン
ガルム「嘘ね···食らいなさい」バキューン
俺「····<蒼炎斬滅>····」ボゥ、フゥン
彼は持っていたライターを大剣に変え戦闘体制をとる
俺「ハァ~!」ザキュンザキュン パラパラ
彼が放った斬撃は銃弾を破壊しガルムの方へと進んでいく···
ガルム「斬撃程度、防いでみせる!」ボゥ ビュウイー
ガルム「まっ間に合わない!··キャアッ!···」ドゴーン
パラパラッ
ガルム「私が騎士風情に負けるなんて···!」
俺「··········」スタスタ
ガルム「···殺すなら早くしたら?··」
俺「···手を貸してやる···立て···」スッ
ガルム「!?何が狙いなの···」バシッ
俺「狙いは只一つ·······」
~同時刻、東京都後地~
グワァンギュン
???(1)「····着いたようね····」
???(2)「任務開始だな···腕がなるぜ!」
???(3)「ここからは···別行動だ」
???(3)「私と???(1)は各地を巡る」
???(2)「俺は人探しだな······」
???(1)「行きましょうか」
???(3)「承知した、じゃお先に」ヒュゥン
???(2)「····行っちまった····俺も急ぐか···」ヒュゥン
異世界から時空を越えて出現した彼らは一体!?
~同時刻、火山地帯~
俺「·······だから君を助ける」スッ
ガルム「·····正気ではないわね····私が言うのも何だけど
アンタはそれでも円卓の騎士なの?」
俺「····円卓の騎士とは各々の正義を掲げ戦うものであり
必ずしも全てが正しいとは言えない····」
ガルム「·······いいわ、その話乗った!」
俺「協力感謝する····」ドサッバタ
ガルム「ちょっと!?大丈夫!?何で倒れんのよ!?」ユサユサ
???(2)「力を使い果たしたからだ」
ガルム「アンタは!」
???(2)「オレは円卓の騎士<バリガウル>」
バリガウル「<カルディア>を迎えにきた!」
~一方、相棒は~
相棒「うおりゃ!」ザシュ
戦闘員「グェン!」バタッ ボカーン
クナイで刺客と死闘を繰り広げていた!
相棒「(····何だコイツら、廃工場で一体何を····)」ザシュ ザシュ タッタッタ
相棒「(完全に包囲されたようだ····ん?アレは····)」ザシュザシュ タッタッタ
彼の目に着いたのは溶接用のガスだ
相棒「·····試してみるか·····」タッタッタ フォッ ギャリリン
相棒「でぃあ!!」ガタッ カランカラン プシュ-
鎖鎌はボンベを倒し、栓が破壊され酸素がもれ出す····
相棒「よしっ、命中だ!」ザシュザシュ ドサッバタンバタン グェ-ン···
相棒「仕上げに特製の爆弾を投げこんで····」ジィッバチバチ ポイッ
相棒「全力ダッシュ!」ピューン!
~一方、事務所~
俺「····zzz····」
バリガウル「まさか、<魔将軍>の一人が見方につくとはな」
ガルム「私はただ、アイツの提案に乗っただけ···見方ではないわ」
ガルム「(····<カルディア>···真実を追い求める騎士か····)」
ガルム「(···東京の消滅····確か、アレはガルーダの姉御が指揮を
執っていたはず···けど···ガルーダの姉御はもういない···)」
ガルム「(····報告によれば···だけどね。····アイツなら真実を掴むかも
そう思って協力するだけ·····)」
ガルム「(···そして、姉御を殺した···騎士をみつける···必ず!」
~一方、組織では~
アルラウネ「足りない···データをもっと···収集するのよ!」バンッ
バジリスク「データなら、東京で十分集めたはずだ···」
麒麟「まったく···相変わらず実験好きですね、アルラウネさん」
メデューサ「却下ね。騎士に気づかれたら厄介よ」
アルラウネ「えぇ~この衝動を抑えられないんだけど···」ガックリ
バジリスク「そうかならば····ちょうど良い
アルラウネ、仕事だ····」
バジリスク「裏切り者ガルムを始末する為に
<オメガポーン>の最新型を作ってほしい」
アルラウネ「おおっ!<オメガポーン>って、俺兄博士君が
研究していたやつじゃない!オーケーやるわ!」
アルラウネ「新型の材料もあることだしね····」チラッ
コポコポシューシュー ???「···········」
麒麟「あの水槽にいる女って·····誰なんですか?」
メデューサ「新入りの貴女は知らないのか·····いいわ
教えてあげるから······」
~一方、相棒は~
相棒「工場は爆破したし、助かった····」ゼェゼェ
相棒「何より手がかりの資料を手に入れた」
相棒「後は俺に渡すだけだ!」
カツカツ
相棒「足音が聞こえる····誰だ」サッサッ···チラリ
???(1)「工場が全焼している····奴らがしたというの」
???(3)「いずれにせよ、此処に用はない」
相棒「(奴ら?組織を知っているのか····)」チラリ
???(1)「······盗み聞きは良くないわよ!」」
相棒「バレてたのか···」
???(3)「貴様、組織の者か?」
相棒「私は<カルディア>に頼まれて調査をしていただけさ」
???(1)「どうやら、敵ではないようね」
相棒「カルディアを知っているのか!?」
???(1)「ええ、仲間だもの。」
~一方、とある町のとある家~
俺(乙4)「イサコにミジヒキスっと!」カキカキ
ピンポーン
俺(乙4)「おっ、兄さんが帰ってきたのか」スタスタ
カチャ バタン
俺兄「ただいま····」
俺(乙4)「背におぶってる女の子は誰だよ?」チラッ
俺兄「ああ、この娘はプロト···人工生命体だ。」
俺(乙4)「この娘が、暴走したのか?」
俺兄「実は····私が暴走させたわけではないんだ。」
???(1)「私の名はルミヤ···」
???(3)「俺は····ヴァリルだ」
ルミヤ「あなたは?」
相棒「俺は相棒、カルディアの助手さ」
ヴァリル「ほう、ならここはお互い協力しよう」
相棒「ああ、よろしく二人とも!!」
相棒「ところで、この工場で組織は何をしているんだ?」
ルミヤ「<オメガポーン>の製造よ」
相棒「<オメガポーン>····聞いたことがある」
ヴァリル「<オメガポーン>を作った博士は現在行方不明だ」
相棒「まさか、組織に?」
ルミヤ「いいえ、少なくとも彼はまだ生きているわ」
ルミヤ「<オメガポーン>のプロトを完全生命体にするためにね」
相棒「そうか、なら私は博士を追うことにする」
相棒「では、また····」スタスタ···
ルミヤ「さて、工場は全焼してるけど····奴らの首領が
誰か手がかりがあるかもしれないわ····」
ヴァリル「···手がかりなら···あるぞ····」チャリン キラーン
ルミヤ「その赤いメダルが?」
このメダルにもまた、キマイラが描かれていた
ヴァリル「この工場が全焼される前にある男に貰ったものだ。」
ヴァリル「名前は確か···江功須と名乗っていた。」
ルミヤ「エクス?何か引っ掛かる名前だわ····」
ヴァリル「どうやら、彼は技巧として組織にこのメダルを作るよう
命じられていたそうだ。」
ルミヤ「··········ん?··あ、ああ··!!··思い出したわ!!」
ヴァリル「何をだ?」
ルミヤ「その、江功須って男は<エクス>様なのよ!」
ヴァリル「バカを言うな···あの男には何のオーラも感じなかったぞ」
ルミヤ「<エクス>様は神出鬼没な人で影から戦いに一石投じるの
が好きなのよ」
ルミヤ「だから、自分がバレるようなへまはしないわ」
ヴァリル「なるほど、だが、<エクス>様が来たということは···」
ルミヤ「ええ、<吼零の騎士>も動いているようね」
ヴァリル「···厄介なことにならねばいいが··」
~一方、事務所~
俺「····ム···ここは」パチリ
バリガウル「目覚めたな、<カルディア>」
ガルム「全く、心配したわよ···」
俺「そうか···俺は力を消費して····ありがとう、二人とも」
バリガウル「昔からの付き合いだろ、当然だ」
ガルム「私はただ、真実を知りたいだけ···そのために協力するだけよ」
俺「ああ、分かってるさ」
~回想~
俺「狙いは只一つ、<戦刃>の力を得る。そして
二つの世界を完璧な真理で動くように作り変えること。」
俺「報酬は君の求める‘真実’を必ず探しあてることでいいだろ?」
俺「君には手伝って貰いたい···だから君を助ける」
ガルム「········正気ではないわね」
~事務所~
俺「さてと、調査再開といくか」
バリガウル「待て、それはできん。」
ガルム「どうしてよ!?」
バリガウル「カルディア·····お前には騎士としての仕事が待っている
組織はいきおいを増している·····戦況は良くない」
バリガウル「調査をするのはそれからでも遅くはない」
俺「確かに、ピンチなのは分かるだが·····
調査を今止めるわけにはいかない」
俺「俺はこの世界では騎士じゃなく、探偵として生きてきた。」
俺「ある日のことだ····ある依頼人が現れた。」
俺「その人は、東京消滅の真実を知りたいと言った。」
俺「そして、消えた人達を探して欲しいと。」
俺「その人と約束したんだ····真実を必ず探しだす。と」
バリガウル「········」
バリガウル「····そうか、なら仕方ないな····」
バリガウル「10日間だけ待ってやる····さっさと真実を見つけろ」
俺「ありがとう、バリガウル····」ペコ
ガルム「···良かったわね···(10日間か、急がなくちゃ!)」
~一方、東京跡地~
ヒュウン スタスタ···
???「····やれやれ、いつまで尾行するきだ?」クルッ ジィー
???「君を始末せねばならんからだ····<アルヴェジス>よ」スタスタ
アルヴェジス「相変わらずだな····<ジャヴェル>」
ジャヴェル「君は報告によると裏切ったようだが、本当か?」
アルヴェジス「くどいな、知っていて···追ってきた筈だ!」
ジャヴェル「我は君が組織に加担しているとは思えんのだ····」
アルヴェジス「·········」
~一方、俺~
プルルルルルル ガチャ
俺「相棒、至急向かって欲しい場所がある」
相棒「(そこに囚われている人がいるのか?)」
俺「ああ、彼女は東京消滅を目撃している」
相棒「(分かったすぐ向かう!)」
俺「よろしく頼むぞ!」ガチャン
ガルム「これで、真実が分かるわね」
俺「いいや、確実ではないんだ」
ガルム「ええええ!?どうすんのよ····」
俺「ガルム、君には相棒の代わりに博士を探してもらいたい」
ガルム「<オメガポーン>の研究者ね···でも、これもダメなら···」
俺「俺はこの手記を回収した廃工場にいってみる···」
ガルム「なるほど、まだ開けてない金庫があるのね」
俺「金庫をあければ恐らくはこの手記に書かれている“資料”があるはずだ」
~2日後、相棒は~
相棒「<マキナ>君を助けに来たんだ!さぁ、この施設から出るぞ!」
マキナ(私)「本当にそうなの?信じられないんだけど····」
~一方、ガルムは~
ガルム「俺兄博士は殺させないわよ!<ペルチェ>!」ガチャン
プロト「私····博士····守る!貴女を倒す!コードOMEGA14!」ニンショウシマシタ、アーマーテンカイ!
ペルチェ「守りきれるかしらね?····コードOMEGA24!」スタンバイ、ゴー!
ペルチェ「裏切り者は死あるのみよ!」ジャキン
~一方、俺は~
俺「さぁて、ここに着くまで色々とあったが····」スタスタ···
俺「資料を手に入れれば、真実に近づける!」ガチャバタン····カツカツ、カツカツ······
俺「うーんと、とくに荒らされてないようだ····金庫を開けるか····」スッ
???「待て、<カルディア>よ····」ポン
俺「お前は····<ジャヴェル>!!」
ジャヴェル「十年ぶりだな」
ジャヴェル「我がここに来たのは····その金庫の鍵を君に渡すためだ」スチャ
ダルガムが届けてくれた····死人になってな」
俺「死んだというのか···ダルガムが····」
ジャヴェル「少なくとも、君は知っていたはずだろ?」
俺「·····そうだな···やはり····気づいていたのか···<ジャヴェル>」
ジャヴェル「···君も二つの世界の支配を狙うとはな···」
俺「······俺も<アルヴェジス>もこうすることでしか、世界を守れない
そう思うほど·····絶望したんだよ·····古文書の予言に書かれていたことに」
ジャヴェル「·····仲間を裏切り、死に追いやって
までなすべき正義があると?·····」
俺「······<彗刃>の復活·····だよ」
ジャヴェル「<彗刃>····バカな!<戦刃>を超える龍が何故!?
待てよ····まさか、封印されし姫の力と関係が·······」
俺「その通り、姫が<彗刃>復活の鍵となるんだ····だから
······<アルヴェジス>はそのことを首領に伝えたのだ」
ジャヴェル「······<彗刃>に勝てないと言うのか····君は」
俺「<彗刃>は<戦刃>が最も純粋な心をもつ人間を取り込み進化した存在···
そして、二つの世界を生み出した原因でもある。」
俺「世界の創造主に人間が勝てると思えるか·····」
ジャヴェル「·····いつからだ、君がそんな弱気な臆病者になったのはッ!」バンッ
ジャヴェル「この十年で君に何があったというんだ····」
俺「俺は···ただ、真実を知り···結末を変えようと····」
ジャヴェル「····勝てないと決めつけて、支配することで世界を救うなど」
ジャヴェル「···もはや、君は騎士としての誇りもないようだなッ!!」
俺「黙れッ!何も知らないからそんなことが言えるんだッ!」
ジャヴェル「···確かに、だが···騎士としてこの命を全うするなら···」
ジャヴェル「····いつも強く誰よりも気高い心持つ···そして、善悪を
問わず、己の誓いを曲げてはならんのだッ!!!」
俺「·····お前の言うことも一理ある····だが·····」
俺「俺の価値観にはそんな立派なもんはない·····」
俺「それが現実なんだよ······!」グッ
ジャヴェル「(···己が何を為すべきか·····迷いがあるようだな····)」
ジャヴェル「<カルディア>···話は一旦終わりにしよう·····」
俺「ああ·····金庫を開けるのが先だったな····」スタスタ···
ガチャ、キューイン···プシュー···
俺「これは···計画書?」パラッ
ジャヴェル「このディスクには···“ブラックホール”と書いてあるぞ」
俺「そうかッ!分かったぞ!」
俺「半年前に東京で何があったのか···」
ジャヴェル「我は途中参加ゆえに少ししか分からんが···
君は誰に依頼されたのだ?」
俺「依頼人は“ガルム”···彼女と約束したんだよ真実を見つけるってな。」
それから五時間後···俺達は合流した。
俺「ガルム、真実を掴んだぞ···」スッ パラッ
ガルム「ありがとう、カルディア···」パシッ
相棒「そのファイルに“真実”が?」
俺「相棒···お前は知っていたんだろ?」
相棒「何をだよ···」
俺「“東京消滅”の真実を!」
ガルム「え!?嘘でしょ!?じゃあ、なんで隠してたのよッ!」
俺「自分が関与したんだ···うしろめたさがあったんだろう?」
相棒「······フッ、流石は十年近く探偵やってるだけはある···」
相棒「ああ、そうだッ!私はあの日···過ちを犯したッ!」バンッ
相棒「そう、あれは半年前のこと···私は独自に博士を調べていた」
相棒「···私は博士を問い詰めた」
相棒「そして、“東京消滅”が2日後に行われることを知った」
相棒「私は計画を阻止すべく、東京へ向かった···」
相棒「そこで“魔神将”の一人である“ガルーダ”と激闘した」
相棒「だが、それこそ···敵の罠だったんだッ!」
相棒「敵の狙いは“ブラックホール”を作り、東京を消滅させること」
相棒「その発生源を作ってしまったのは···私なんだ···」
相棒「戦いで生じた莫大なエネルギーを利用し、奴らは
“ブラックホール”を作り出した···」
相棒「全ては私の浅はかさ故に···私は罪人だ···」
ガルム「そうか、アンタがガルーダを···姉御を殺した騎士なのかッ!」ガチャ、キュイーン···
俺「待てッ!早まるなッ!」ガシッ···
ガルム「離してよッ!···私は姉御の仇を討ちたいのッ!」パチンッ
俺「彼女は死んでないッ!まだ、生きているッ!」
ガルム「う、嘘ッ!そんなのッ!···なら、なんで
私に姉御は何も伝えてくれなかったのよッ!」
俺「彼女は相棒に約束させたんだよ···
死んだことにしておいてくれ···と」
ガルム「じゃあ···姉御は今何処に···」
俺「彼女は今···<カドゥケウス>のメイドとして行動している。」
ガルム「一つ分からないんだけど···姉御はどうして、組織を裏切ったの?」
相棒「······彼女も私同様、自分の過ちに気づいたんだよ····
彼女は言っていた。『“罪なき者”を犠牲にする正義は認めない···』と」
ガルム「(そうだった······姉御は魔神将に
向かないほど優しいんだった···)」ポロポロ···
俺「大丈夫か?」
ガルム「···嬉しくて、姉御が生きてることが···嬉しくて」グスン···
ガルム「私は今···決めたよ···姉御の信じた“正義”を信じるって!」
俺「·····そうか···まっ、頑張れよッ!」ポンッ
相棒「(私は彼女を見ていて、少し気が楽になった気がする···)」
THE END
別スレ·僕「気づいたら異世界で&amp183;&amp183;
&amp183;&amp183;」へ続く。
私が半年前の“東京消滅”で闘った相手“ガルーダ”···
彼女と私は己の罪を嘆き、償いをすることにした。
これは、彼女が<カドゥケウス>を主とする前の物語···
“ガルーダ、その瞳に写る者~Knights of the Round Table~”
_______
____
__
相棒「それにしても···酷い有り様だ」
建物は全て倒壊し···人は誰一人いない···
ガルーダ「···私達は力があったから助かったけど
普通の人間は“ブラックホール”に逆らえない···」
相棒「忘れてはいけない···この景色を」
ガルーダ「せめて、東京の人々を元の場所に
戻せれば少しは償ないができるのに···」
私だって同じだ···出来ることならそうしたい···。
ん、待てよ···
ピィーン
相棒「あああああああッ!」ガタッ
ガルーダ「ど、どうしたのよ····?」
相棒「東京の人々を元に戻せるかもしれない···」
ガルーダ「本当に!?」
相棒「私は昔···<マキナ>に会ったことがある」
相棒「確か···その力を受け継いだ娘がいて組織に囚われているはずだ」
ガルーダ「···初耳よ···新<マキナ>が囚われているなんて」
相棒「彼女は今日、囚われたんだよ···」
ガルーダ「ハァ?なにいってんの···?」
相棒「私はこの時間軸を一度過ごしたからな···」
ガルーダ「未来から来た!?嘘でしょ···証拠はあるの?」
相棒「···この写真を···見てくれ」スッ···
パシッ···
ガルーダ「何よコレ···どうして、私がメイド服を···」ジィ···
ガルーダ「それになんで、“円卓の騎士”二名も一緒に写ってるのよ」
相棒「半年後の未来で君はある騎士のメイドになっている」
相棒「その写真は私が半年後の君に時空の狭間に送られたとき」
相棒「何故か、君が一緒に投げ入れたんだ···」
ガルーダ「ちょっと待ってよ、私がなんでそんなことを?」
相棒「···過去の君を私に協力させるためだろう」
ガルーダ「なんか加工してないわよねぇ···」
ガルーダ「とりあえず、今後の方針だけは聞かせてくれる?」
相棒「私は<カルディア>と組織の研究者を探す」
相棒「君には半年後に目覚める<カドゥケウス>」
相棒「彼のメイドとして過ごして貰いたい···」
ガルーダ「だ・か・ら、何でよッ!」
相棒「それは君の未来を変えるためだ」
ガルーダ「私の未来?」
相棒「もし、君がメイドにならなければ···」
ガルーダ「ならなければ?」
相棒「“ガルム”を救うことはできない···」
相棒「そして、君が彼女にこのことを話した場合も」
相棒「彼女は救えないだろう···」
ガルーダ「一体ガルムはどうなるの···!」
相棒「彼女はピーに取り込まれ···そしてピーピーピーになる」
ガルーダ「だとしたら···救えるのは<カドゥケウス>だけ···」
相棒「そうだ···だからこそ君はメイドにならねばならない」
ガルーダ「···いいわ、メイドになってやるわよッ!」
相棒「では、お互いの健闘を祈ろう···」クルッ、スタスタ···
ガルーダ「ええ···」クルッ、スタスタ···
こうして“ガルーダ”はメイドになることを決めた。
そして、舞台は異世界・ヴェルジャミオガへと移る。
ヒュゥン···スタスタ···
ガルーダ「さて、まずは写真に写ってた騎士二名と会うかな···」スタスタ···
ガルーダ「この写真に写ってる教会は確か···カレル王国にあるはず」スタスタ···
ガルーダ「今いるのがジャムービ王国だから···
着くのは二週間ほどね」スタスタ···
ザワザワ、ヒュゥーズテンッ!
???「イタタタッ···」
目の前に現れたのは、髪が紅い美少女だった。
ガルーダ「大丈夫!?急に飛び出してきて···」
???「ちょっと、イノシシに追いかけられて···大丈夫です」
ガルーダ「そう、なら良かった」クルッ、スタスタ···
???「あの、待ってください···」グイッ···
ガルーダ「ん?今度は何?」
???「地図を落としてしまって···道を教えてもらえませんか?」
ガルーダ「どこへの道?」
???「シィルバ王国までです」
ガルーダ「ついてきな···」クルッ、スタスタ···
???「はいッ!」タッタッタ···
ガルーダ「名前をまだ聞いてなかったけど···」スタスタ···
???「私の名前は紅娘ですッ!」スタスタ···
ガルーダ「私は“ガルーダ”よ」スタスタ···
紅娘「ガ、ガルーダッ!?あの魔神将の!?」ギョッ
ガルーダ「“元”魔神将よ···大声ださないで···」ハァー···
紅娘「すいません···でも、どうして魔神将を抜けたんですか?」スタスタ···
ガルーダ「人に話すような事じゃないわよ···」スタスタ···
ガルーダ「紅娘はシィルバ王国に何の用?」スタスタ···
紅娘「はい、“円卓の騎士”に用があるので」スタスタ···
ガルーダ「···何かあったの?」スタスタ···
紅娘「いえ、天神官様からの手紙を渡しにいくだけです」スタスタ···
ガルーダ「ふーん···大変な仕事ね」スタスタ···
紅娘「ガルーダさんはどこへ···」スタスタ···
ガルーダ「カレルまで少しね···教会を探しに」スタスタ···
紅娘「祈りをささげにいくんですか?
意外と信仰心が····あ、失礼しましたッ···!」スタスタ···
ガルーダ「別にいいわよ···」スタスタ···
ガルーダ「···そう思うのが当然よね···」ボソッ···
紅娘「何か言いました···?」スタスタ···
ガルーダ「大したことじゃないわ···(言えない···メイドになる
ために教会を探しているなんて····)」スタスタ···
ビュゥービュゥー···キィキィキィ···
ガルーダ「話してるうちに橋の前に着いたみたいね」ピタッ···
紅娘「あのぉ···この橋すぐに崩れそうなんですが···」チラッ···
キィキィキィ···ガタガタ、バキィーン···ジャポーン!
紅娘「完全にアウトですッ····!」ガクブル···
ガルーダ「···仕方ないわね···遠回りになるけど、
別の橋に行きましょう」
紅娘「ここからだと···“蛇眼の森”を抜けないと」
ガルーダ「ええ···そうよ」
紅娘「あのぉぉ···ラミアに殺されませんよね···」
ガルーダ「大丈夫よ、私もいることだし」
紅娘「そ、そうですよねッ!」
ガルーダ「先を急ぎましょう···」クルッ、スタスタ···
紅娘「(···何だろう···誰かに見られているような···)」スタスタ···
ギョロギョロ···ジィ···
???(1)「橋を落として正解だったな···」
???(2)「···予定どおりにあの二人を監視するぞ」
ヒュゥンヒュゥン···ヒラヒラ···
~十二時間後~
スタスタ···スタスタ···ピタッ···
ガルーダ「今日はここで野宿ね···」
紅娘「ハァハァ···やっと···休めるッ!」ゼェゼェ···
紅娘「十二時間休みなしで疲れました···」
ガルーダ「よく頑張ったわね···」ナデナデ···
紅娘「···くすぐったいです···」
ガルーダ「夕食の準備をするわよ」
紅娘「じゃあ、火を起こして待ってます」
ガルーダ「私は川で魚釣ってくるわ」クルッ、スタスタ···
紅娘「お気をつけてッ!」
ガルーダ「よっと···」チャポン···
ガルーダ「ハァァァ···セェイッ!」パシッパシッパシッパシッ
ヒュヒュヒュゥーン···ピチピチピチピチ···
ガルーダ「大漁ね···帰るとしましょう」
\キャァァァァァ!/
ガルーダ「!···紅娘に何かッ!」クルッ、タッタッタ···
______
____
__
紅娘「離してよッ!」ジタバタ···
???(1)「おとなしくしろ···」ジャキン
???(2)「奴が戻る前に行くぞ」
紅娘「(ガルーダさん、助けてッ···!)」
紅娘「私に何の用です」ギロッ···
???(2)「君がしる必要はない」
???(1)「一緒に来てもらうぞ···」グイッ···
「嫌がる娘を無理やり連れていこうなんて···」
ガルーダ「最低だねッ!」
紅娘「ガルーダさん···来てくれたんですねッ!」
ガルーダ「一人にしてゴメンね···今助けるわ!」
???(1)「チィッ···」
ガルーダ「悪党は···倒すッ!」ダンッ、タッタッタ···
???(2)「我輩が相手になろう···」ファーサァッ···
ガルーダ「女の子だったの!?」
???(2)「かかってこい···」クイクイッ···
ガルーダ「後悔させてやるッ!」タッタッタ···
ガルーダ「ドリャアアアアッ!」ブゥンブゥンブゥン!
フッフッフッ···
???(2)「·······」ユラッパシパシッ
拳は完全に避けられる···。
ガルーダ「クゥゥゥッ···!」ジャリィ···
???(2)「元“魔神将”がこの程度か···がっかりだ」
???(2)「ここで消えろ···スゥー···ハァァァァ···」
???(2)「···衝・討・蛇・漸ッ!···」フッ···キュイ、バショォゥン!
ガルーダ「グハァァァァ···」ビチャビチャ···ポタポタ···
紅娘「ガルーダさぁぁぁぁんッ!!」
紅娘「やめて···もうやめてッ!」ポロポロ···
???(1)「···おとなしく、我らについてこれば止めるが?」
紅娘「分かりました···ついていきます···」
ガルーダ「ふざけるなッ···!紅娘、私はまだ
負けちゃいないよッ!」ポタポタ···
???(2)「ほう···戦うつもりか···?」スタスタ···
ガルーダ「元“魔神将”の本気をアンタに見せてやるッ!」ダンッ、タッタッタ···バサッ!
彼女は翼を広げ、力を拳に集中させる···。
ガルーダ「ドリャアアアアッ!」バサッ、ギュゥイズドゥ!
???(2)「それが本気か···笑止な···」タッタッタ、ダンッ、ギュゥイズドゥ!
バショォゥン···バチバチ!
二人の拳がぶつかり、火花を散らす!
バチバチバチバチ···ジィジィジィ···
ガルーダ「もう一押しダァァァァッ!」ギュゥイ···
ジャリィジャリィジャリィ···
???(2)「ムッ!···押されている···!?」ジャリィ···
ガルーダ「吹っ飛びなァァァァッ!」ギュォォォン、ズダゴォウン!
ジャリィジャリィ···ヒュゥーン、ドゴーン!
???(2)「グハァァァァァァァァッ!!」
シュタ···スタスタ···ピタッ···
ガルーダ「残りは一人···形成逆転だわ···」
???(1)「良かろう···来るがいい!」
ガルーダ「フッ···後悔なしよッ!」タッタッタ···
ブゥン···ブゥン···ブゥン···
ガルーダ『これが分身よッ!』タッタッタ···
???(1)「円卓の騎士<エクラヴィア>の技か···!」
ガルーダ『····ハァァァァァッ!』ダンッ、ドガァドガァドガァ!
分身したガルーダは敵に一斉に殴りかかるが····。
フッ···ヒュゥン···ヒュゥン···ヒュゥン···
ガルーダ『(コイツ···!なんで当たらないのよッ!)』ドガァドガァドガァ···
???(1)「···どうした?」ヒュゥン···ヒュゥン···ヒュゥン···
ガルーダ『(···おかしい···まるで幽霊ね···!)』ドガァドガァドガァ···
???(1)「フフフッ···何度やっても同じだッ!」
\ガルーダサァァンッ!/
ガルーダ『なによッ!紅娘?』チラッ···
紅娘「多分、敵は霧になれるんだと思いますッ!」
ガルーダ『そうかッ!ありがとう、紅娘ッ!』
ガルーダ『アンタにまだ見せてない技があったわ···
それを避けることができるかしら?』バシュゥゥ···
???(1)「フンッ、通じるかな?」ヒュゥンヒュゥンヒュゥン···
ガルーダ『同じパンチじゃないのよ!』ドガァ···カチコチ···
???(1)「!?···身体が凍りつく!」カチコチ···
ガルーダ『さぁ、これで避けれないはずよッ!』ドガァンドガァンドガァン!
???(1)「グゥッ、ガァッ!!」ポタポタ···ガクッ···
ガルーダ「とどめよッ!ハァァァッ!」ドガァン!
フッ、シュタ、ガシッ···タッタッタ···
ガルーダ「って···いない!?」キョロキョロ
モクモク···フッ···ピョオンピョオン···シュタ···
???(2)「一旦引き上げる···ガルーダ、勝負はこの次に···」フッ···
???(1)「···紅娘よ、次こそ必ず来てもらうぞ···」フッ···
ビュゥゥン···ヒラヒラ···
ガルーダ「何なの···アイツらは···」
紅娘「私も分かりません···でも、この
“手紙”も狙いだとか言ってましたけど···」
ガルーダ「フゥン···(紅娘の“手紙”に何が書かれてるの···)」
ガルーダ「ねぇ、こっそりその手紙の内容は見れないの?」
紅娘「無理ですよ~···そんなことが
出来ないよう魔法がかけられてるんで」
ガルーダ「(···だとしたら何故、奴らは手紙を···)」
紅娘「とりあえず、お腹が空きました···」グゥゥ···
ガルーダ「ハッ!魚を置いてきたままだったわ!
ごめん、すぐ戻るわッ!」クルッ、タッタッタ···
_______
_____
__
~翌朝~
紅娘「ふぁぁぁ····」ムニャ···
ガルーダ「···zzz···」
紅娘「ガルーダさん、起きてッ!」ユサユサ···
ガルーダ「···zzz···ウウーン···」ムニャ···
紅娘「おはよう、ガルーダさんッ!」
ガルーダ「おはよう···紅娘」
紅娘「早速ですけど、朝食の準備をしましょう!」
ガルーダ「···テンション高いわね···」
紅娘「ガルーダさん、元気ないですね···どこか具合が?」
ガルーダ「アンタが元気ありすぎなだけよ···」
紅娘「そうですか、ならよかった···」ホッ···
紅娘「(昨日の戦いで傷ついていたから···)」
ガルーダ「···私はまた魚を獲りにいくわ」
紅娘「あ、今日は私もいきますッ!」
チャポン、ガッガッガ!
ガルーダ「トリャアアアアアッ!」パシッパシッパシッ!
ヒュヒュヒュ-ン、ピチピチピチ···
紅娘「な、なんて早さ···!」ポカン···
ガルーダ「大漁、大漁♪」
紅娘「わ、私も負けませんよッ!」
紅娘「タァッタァッタァッ!」ガッガッガ···
スルスルッ···スルスルッ···
紅娘「あ~もうッ!逃げないでよッ!」ガッガッガッ···
ガルーダ「闇雲にやってもダメよ···
魚の一手先を読まなきゃ···」
紅娘「えっ···魚の一手先?どうやって···」
ガルーダ「ここの魚は泳ぎ速いから、
素手で捕まえようとしても」スチャ···
ガルーダ「難しいわ···だから、一瞬でも
動きを鈍らせることが大事なのよ」スッ···
紅娘「あのこれは···」パシッ···
ガルーダ「“疑似餌”···初心者のアンタに素手はまだ早いから」
紅娘「ありがとうッ!···ええと長い枝は···」クルッ、キョロキョロ···
ガルーダ「(···なんだか、“ガルム”のことを思い出すわね)」
ガルーダ「(紅娘は昔のガルムに似てるわ···
今頃、あの娘はどうしてるんだろ···)」
ガルーダ「(···きっと、泣いてるかもね)」
ナガイエダ···ドコダロ···
ガルーダ「(私は多分···死んだことになってるから)」
アッタ!ヨシコレデ···
ガルーダ「(···ごめんなさい、ガルム···)」ショボン···
紅娘「それッ!」チャポン···
______
____
__
~一方、謎の敵は・・・
???(1)「ただいま···戻りました···」
???(2)「残念ですが、紅娘と手紙は奪えませんでした···」
「そうか・・・ならば、急がねばな・・・」
「シィルバ王国に着くまで、なんとしてでもッ!」
???(1)「はい、分かっております」
???(2)「しかし、“蛇眼の森”に我々が入れば
ラミアと揉め事になりえます」
「問題などない・・・“蛇眼の森”に???(3)を送っておいた。」
???(1)「???(3)をッ!?」
???(2)「“神獣殺し”を野に放つなどッ!」バンッ···
「お前達の反対はよく分かるが・・・
手段を選んでいる時ではないのだ。」
???(1)「···分かりましたが、彼女が暴走したときは
我々は一切、貴方様に手を貸しませんので」
???(2)「いいですよね?」
「良かろう・・・さぁ、任務に戻れ・・・」
~ガルーダ達は・・・
ガルーダ「魚の塩焼き完成よッ!」
紅娘「いただきますッ!」パクッ···
紅娘「オイシィィィィイッ!」キラリン!
ガルーダ「どれどれ·····」パクッ···
ガルーダ「·····」モグモグ···プルプル···
ガルーダ「カカカカカ・・・辛ァァァァァイッ!」バシュバォォォォウ!
紅娘「あ、それハズレですねッ!」ニコッ
ガルーダ「舌が死んだわ···」ヒリヒリ···
ガルーダ「紅娘・・・何入れたの・・・」グッタリ···
紅娘「ハバネロパウダーを少々ですけど?」
ガルーダ「いやいやッ!?おかしいからッ!
舌がすぐ腫れたんだけどッ!?」
ガルーダ「ハバネロパウダーを渡しなさいッ!」スッ···
紅娘「嫌ですッ!これは激レア調味料なんですッ!」ギュ···
ガルーダ「渡しなさいッ!」ダンッ、スッ···
紅娘「簡単には渡しませんからッ!」クルッ、タッタッタ···
グルグルビュゥーン!
ガルーダ「逃がさないわッ!」ダンッ、タッタッタ···
タッタッタ···チラチラ、サッサッ···
紅娘「(勢いで“蛇眼の森”に入っちゃったけど···)」
紅娘「(大丈夫かな···ラミアとか···)」
ガサガサッ···カチカチ···
紅娘「(な、何···草むらに何かいるのかな?)」ジィ···スタスタ···
紅娘「何かな?」バッ···
???(3)「ん?」
紅娘「あの~・・・草むらに何故?」
???(3)「いやぁ・・・この森に“雷鳥”が来る
って聞いたもんだから」
紅娘「バードウォッチング?」
???(3)「そうッ!(ホントは···バードハンティングだけど···)」
紅娘「見れると良いですね、“雷鳥”!」
???(3)「そうね···ありがとう」
紅娘「では···」サッサッ···クルッ、タッタッタ···
???(3)「・・・」
_______
_____
__
ガルーダ「(···ハバネロの匂いが···)」クンクン···
ガルーダ「(こっちねッ!)」タッタッタ···
ガルーダ「(早く捕まえないと···)」
タッタッタ···
???「止まりなさいッ!」
ガルーダ「何よ、突然···」
???「···お前達はこの森に害を及ぼす者ね···!」
ガルーダ「どうしてよッ!?」
???「友人から聞いたのよ···二人組の密猟者が
もうすぐ、この森を荒らしに来るとッ!」
ガルーダ「ハアッ!?私達はただ、王国を目指して···」
???「知ってるわ···密猟した毛皮とかを
市場で売りさばくつもりなんでしょッ!」
???「この外道めッ!」
ガルーダ「だ・か・ら、違うわよッ!」
???「外道は生きて帰さないわ···」シュルシュル···
ガルーダ「(···これも昨日の奴らのせいかしら···
迷惑きわまりないわね···)」
ガルーダ「しょうがないわね···」ザッ···
ガルーダ「森の住人さん、申し訳ないけど・・・」
ガルーダ「私は勝つからッ!」
???「フンッ···外道が頭にのるなよッ!」ダンッ···
________
_____
__
~一方、紅娘は
ガシッ···
紅娘「え?」クルッ···
???(3)「少しだけ···眠ってもらうよ···」プシュー···
紅娘「(しまっt···)」フラフラ···バタリ···
???(3)「これで···“雷鳥”と戦える···」
???(3)「···また、ボクのコレクションが増えるなぁ···」
???(3)「フフフッ・・・」
カラカラ···カラカラ···
???(3)「“雷鳥”のドクロも首飾りに加えて···」
_______
_____
__
バキッ、ズドン···
???「ハァァッ!」バシンッバシンッ!
バキッ、ズドン···バキッ、ズドン···
フッフッフッ···ジャリィ···
ガルーダ「(鞭のリーチは予想以上だし···)」フッフッフッ···
???「まだまだッ!」バシンッバシンッ!
ズドン···ズドン···ズドン···ズドン···
フッフッフッ···タッタッタ···
ガルーダ「(鞭を振るう早さも異常···
隠れながら攻撃は無理そうね···!)」フッフッフッ···
???「逃げ場などないッ!降参しろッ!」バシンッバシンッ···
バキッ、ズドン···バキッ、ズドン···
フッフッフッ···タッタッタ···
ガルーダ「(翼を展開して飛べば、
攻撃も当たらないけど···)」タッタッタ···
ガルーダ「(こちらから攻撃も出来ないわね···)」タッタッタ···
ガルーダ「(···鞭をどうにかしないと)」タッタッタ···
バキバキ···ズドン!
???「ハァァッ!」バシンッバシンッ···
フッフッフッ···タッタッタ···
ガルーダ「(···せめてあの鞭の材質が分かれば···)」ジィ···
グワァァン!ジャラーン···
ガルーダ「(かすかに、金属音がしたわッ!)」フッフッフッ···
ガルーダ「(内部構造は金属でできているみたいね···)」タッタッタ···
ガルーダ「(金属のカバー部分を剥がせれば···
···電気で攻撃できるッ!)」タッタッタ···
???「チィッ、外道がッ!ちょこまかとッ!」バシンッバシンッ···
ガルーダ「(···まずはカバーを燃やすッ!
紅娘が逃げる途中で落とした“コレ”···)」タッタッタ、スッ···
???「ん?何を取り出したのだ?」
ガルーダ「(···怖いわね···)」ゴクリッ···
ガルーダ「(でも、やるしかないッ!)」キュキュ、カパッ···
サラサラッサラサラッ···ゴクンゴクン···プシュー、ゴゴゴ···
ガルーダ「ガァァァァァァァッ!!!!」ジタバタ···
ガルーダ「辛ァァァァァァイイイイイッ!!!」バシュボォォウ!
ヒュゥーヒュゥーヒュゥー···ボォウ···
???「火の粉など鞭で防げるッ!」バシンッバシンッ···
ヒュゥーヒュゥーヒュゥー···ジュゥ、プスプス···
ガルーダ「ハァハァ···かかったわね···」ゲッソリ···
ジュゥ、プスプス···ドロドロ···
???「鞭のコーティングが···!」アセアセ···
ガルーダ「(···さて、次は金属剥き出しの部分から···)」ダンッ···
ガルーダ「(・・・電気を流すッ!)」バチバチ···
ガシッ···バチバチ···ビリビリビリビリ、バチュンバチュン!
???「グワァァァァァァァァァァッ!!!」ビリビリ···
ガルーダ「どうよッ!」バチバチ···パッ···
ジャラン、ズシャン···
???「グッ···!」ジュゥ、プスプス···
ヘナヘナ、バタリ···
???「···ハァハァ···」ジュゥ、プスプス···
カツカツ···ピタッ···
???「···とどめをさすつもりなら、早くしろッ!」ジュゥ、プスプス···
ガルーダ「・・・」グッ···シュゥシュゥ···パァァァ···スゥスゥ···
???「傷が癒えていく・・・」
ガルーダ「···じっとしていなさいよ」シュゥシュゥ···
???「我を何故殺さない・・・
奴隷商にでも売り飛ばすつもりか?」
ガルーダ「違うわよ···私は無益な殺しが嫌いなだけ···」シュゥシュゥ···
ガルーダ「それに私達はアンタのいう外道じゃないし」シュゥシュゥ···
???「(···彼女が嘘を言っている風には見えない
信じてみるのもいいかもしれん···)」
パァァァ···シュゥ···
ガルーダ「はい、治療は終わり···じゃあ···
私は連れの娘を探しにいくわ···」
???「待て・・・そっちの道は行き止まりだ」
ガルーダ「やっと信じてくれた?」
???「治療の礼だ・・・勘違いするなッ!」
ガルーダ「素直じゃないわね~」
???「ウ、ウルサイッ!とっとと探しにいけッ!」
ガルーダ「じゃあね、ありがとう···」クルッ、スタスタ···
________
______
___
パチリ···
紅娘「···ハッ!」
???(3)「おっと、お目覚めかい?」
紅娘「私をどうするつもりですッ···」
???(3)「“雷鳥”を誘き寄せる餌になってもらうよ♪」
紅娘「そんな···餌なんて···」ガクブル···
???(3)「プッ、ハハハハハッ!」
紅娘「何がおかしいんですか···」
???(3)「餌は餌でも“人質”の意味だよ···」クスクス···
紅娘「!!まさか、ガルーダさんをッ!?」
???(3)「ガルーダは獲物に相応しい強敵だからね・・・」
???(3)「ボクは狩ることにしたんだ♪」
紅娘「···そんなことの為にッ!」
???(3)「あ、そうそう···君を捕らえたい奴が
ボクにガルーダの情報を教えたのさ」
紅娘「一体、誰ですッ!私を狙う者はッ!」
???(3)「それはね・・・」
???(3)「とある“秘密結社”だよ・・・」
紅娘「秘密結社?」
???(3)「彼らは雲のように実態がない」
???(3)「ボクへの接触は代理人のゴーレムを通じてだし···」
紅娘「その結社ってまさか・・・!」
???(3)「気づいたようだね···そう、君もよく知っているよ」
???(3)「結社の名は“フリーメイソン”さッ!」
紅娘「(···私が狙われる理由は!)」
???(3)「気づいたようだね?」
紅娘「ええ、なおさら···捕まるわけにはいきませんッ!」ジタバタ···
???(3)「そのロープはほどけないよ~・・・
呪術を仕込んだからね♪」
シュタ···カツカツ···
「ヘェー・・・いいこと聞いたわッ!」グッ、ドガァン!
???(3)「モゲラァァァッ!?」
ガクッ、バタン···
ガルーダ「要は、アンタを攻撃すればいいんでしょ?」
???(3)「・・・いきなり殴るなんて」スゥッ、パッパッ···
ガルーダ「私は敵に容赦しないッ!」グッ···
???(3)「・・・“ガルーダ”やはり、君は骨がありそうだよ♪」
紅娘「(···今のうちに隠れないと)」サッサッ···
ガルーダ「いくわよッ!」ダンッ、タッタッタ···
グッ、ドガァドガァドガァ!
???(3)「グゥゥゥッ···」ジャリィ···ジャリィ···
ガルーダ「ハァァァァッ!」ドガァンドガァン!
パシッパシッ···シュゥ···
???(3)「君のパンチはもう効かないよ・・・」
ガルーダ「トドメの拳を受け止めた!?」
???(3)「ハッ、フゥンッ!」ドガァ···
ガルーダ「クゥッ!」ジャリィ···
ガルーダ「(···なかなか強いわね···)」ズキズキ···
???(3)「ボクの蹴りは効くだろう?」スタスタ···
???(3)「腕はもう使えないはず・・・次は」スタスタ···
???(3)「君の頭を粉砕してあげるよ♪」ザッ···
ガルーダ「やれるもんならやってみなさい・・・」
???(3)「遠慮なく♪」ダンッ、タッタッタ···
ドガァン!ボン、ヒラヒラ···
???(3)「ヘェ~・・・“代わり身”か」クルッ···
バサッバサッ···
ガルーダ「(うまくいったわ···)」バサッバサッ···
???(3)「便利だなぁ・・・忍術は・・・」ハァ···
???(3)「驚いたよ♪」スチャ···
ガルーダ「(接近戦はできない···)」バサッバサッ···
???(3)「距離をおいても・・・勝てないよ♪」ギュゥ···
敵はガルーダに弓を向ける···。
???(3)「それッ♪」ヒュゥヒュゥヒュゥヒュゥ···
ガルーダ「クッ・・・」バサッバサッ···キィンキィン!
ポロポロ···ポロポロ···
???(3)「ハハハッ・・・狩りは愉しいなぁ♪」ピュゥピュゥピュゥ···
ジィ···コソコソ···
紅娘「(···隙を作らないと···ガルーダさんが···)」
紅娘「(よし、紅娘いきますッ!)」ダンッ···
紅娘「ドウリャァァァァァァァッ」ガゴン!
フラッ···
???(3)「ゴハァッ!」ズテン···
紅娘「今ですッ!ガルーダさんッ!」グイッ、ガシッ···
???(3)「離せッ!小娘がッ!」ジタバタ···
バサッバサッ···ヒラリ···ビュゥゥゥーン!
ガルーダ「いくわよッ!ドロップゥゥゥゥ・・・」ヒュゥンヒュゥン···
ガルーダ「キィィィィックッ!」ヒュゥン、ドガシュゥン!
???(3)「グホォォォォォオォッ!!」ビチャァン···
紅娘「グゥゥゥゥゥッ···」ジャリィ···
???(3)「こんな・・・はずじゃあ・・・」バタリ···
紅娘「ハァハァ···ガルーダさん···手加減してくださいよッ!」ゼェゼェ···
シュタ···
ガルーダ「こうしないと倒せなかったから・・・」
紅娘「いやいやッ!?明らかにハバネロの怨みが混じってましたよッ!」
ガルーダ「私はそんなこと根にもたないわよ~」ニコニコッ···バキッ!
紅娘「(絶対、根にもってる···)」
ガルーダ「とりあえず、コイツが目を覚ますまで待ちましょう···」ジィ···
???(3)「・・・」
紅娘「いや既に、彼から話は聞きました···」
ガルーダ「何か分かったの?」
紅娘「はい、私を狙っているのは“フリーメイソン”でした」
ガルーダ「“フリーメイソン”···確か、壊滅したはずよ
数年前に“円卓の騎士”によって···」
紅娘「恐らく、残党が組織を復活させたんでしょう」
ガルーダ「それで・・・アンタとの関係は・・・」
紅娘「・・・私はその組織のメンバーでした・・・」
紅娘「人のために組織は発明をしていましたけど」
紅娘「ある日を境に変わってしまったんです・・・」
ガルーダ「大臣による無差別殺戮ね···」
紅娘「はい・・・大臣は組織が開発した装置を凶器にして
大勢の人を殺したんです・・・」
ガルーダ「(確か、職人達の家族も···)」
紅娘「職人達は憤りを感じました・・・そして・・・」
紅娘「そんな大臣を野放しにした
国家を消しさることを決めたんです・・・」
ガルーダ「でも、計画は失敗したわ···
組織から裏切り者が出たからね」
ガルーダ「察するにアンタはその裏切り者でしょう?」
紅娘「はい···私は“裏切り者”です···」
ガルーダ「これで一つ謎は解けたわね」
紅娘「あの・・・怒ってないんですか?」
ガルーダ「別に迷惑ではないし···むしろ、定期的に奴らと
戦えるのは私にとってプラスだから」
紅娘「(···ありがとう、ガルーダさん···)」
ガルーダ「それじゃ···寝ているコイツを···ッてあれ!?」
ガルーダ「いない!?」
ブゥン、タッタッタ···
???(3)「不覚だったよ・・・彼らは強いなぁ・・・」タッタッタ···
???(3)「・・・出直すとしよう♪」タッタッタ···
キィキィィィ···ザッ···
???(3)「誰かと思ったら、“ラミア”ちゃんかぁ・・・」
ラミア「友人、何故だ···我を騙したのか···」
???(3)「騙す?・・・何のことだい?」
ラミア「とぼけるなッ!森に侵入した二人は密猟者ではないだろう!!」ギロッ···
???(3)「あらぁ···バレたか♪」
ラミア「我を騙した罪は重いぞ・・・」バシン!
???(3)「ゴメンねぇ···戦いは次の機会に···」フッ···
ラミア「逃がすかぁッ!」バシン、グワァン···ジャラン!
スパスパーン!ジャランジャラン···
ラミア「超硬度の鞭が!?」
???(3)「じゃあね♪」フッ、ヒュゥン···
_______
_____
___
ガルーダ「さっ、この森を出るわよ」
紅娘「はいッ!」
「待ってくれッ!」
ガルーダ「うん?」クルッ···
紅娘「?」クルッ···
ラミア「我も同行させてくれないだろうか・・・」
ガルーダ「さっきとは態度がまるで違うわね」
ラミア「奴は友人・・・放っておけんのだッ!」
ラミア「頼むッ!このとおりだッ!」カクッ、ペコリ···
紅娘「ガルーダさん、どうしましょうか···。」
ガルーダ「(···敵は今の私の力だけじゃ···退けるのがやっと···)」
ガルーダ「(彼女を仲間にしたほうがいいのは明白な事実···)」
ガルーダ「・・・分かったわ」
ラミア「ホ、本当かッ!」
ガルーダ「但し、紅娘の護衛をしてよね···」ハァ···
ラミア「了解したッ!宜しく頼むッ!」ペコリ···
紅娘「よ、ヨロシクです・・・」ガクガク···
ガルーダ「(紅娘····よっぽど、蛇が苦手みたいね···)」ジィ-···
紅娘「(···これからどうしよう···)」アセアセ···
紅娘「(···蛇は苦手だけど)」チラッ···
ラミア「?どうかしたか?」
紅娘「あっ、いえ!(仲間になる以上は仲良くしないと···)」アセアセ
ガルーダ「(大丈夫かしら···)」ハァ···
ラミア「ガルーダ、どうかしたか?」
ガルーダ「何でもないわよ・・・」
ラミア「ならいいんだが・・・(二人とも何か悩んでいるのか?)」
ガルーダ・紅娘「(アンタが悩みの原因だなんて言えない···)」
ラミア「?」
______
____
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???(3)「只今、戻りました♪」
???(1)「よくもぬけぬけと・・・!」ギロッ!
???(3)「まぁまぁッ・・・落ち着いてくださいよ・・・」
???(2)「ボスがお許しになっても我らはお前を許さんッ!」
???(3)「イヤだなァ・・・マァーダ、怒ってるんですか?」
???(1)「“神獣”は我らが保護し、国から守っていたそれを・・・」
???(1)「お前が殺した罪は重いのだぞッ!」バンッ!
???(3)「“神獣”は弱すぎた・・・それだけです♪」
???(1)「もういい・・・お前は殺すッ!」ジャキン!
???(2)「“神獣”は我らの仲間・・・愚弄は許さんッ!」ジャキン!
???(3)「いいですよ・・・ケリをつけましょうか・・・」ニヤリ···
そのとき、声が響く・・・
「待て・・・ソイツを殺すな・・・」
???(1)「そんな・・・ボス、邪魔をしないでくださいッ!」
???(2)「コイツだけは生かしておけないのですッ!」
「ソイツにはまだ・・・死んでもらっては困るのだよ」
「今は“紅娘”と“手紙”の確保に集中しろ・・・」
「それが終われば、あとは自由だ・・・分かったか?」
???(1)「チィ···分かりましたよ・・・」シュッ、カチャン···
???(2)「すぐに八つ裂きにしてやりたいが・・・」シュッ、カチャン···
「???(3)・・・キサマも頭にのるなよ・・・」フッ···
???(3)「ハァ···つまらないデスネェー・・・」
_______
____
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ピチュン、ピチュン···
紅娘「ウーン・・・」ムニャ···
トントン···
紅娘「うん?」パチリ···
ラミア「ご飯出来てるぞッ!」ニコッ···
紅娘「ギャアアアアアッ!!!!ヘビィィィィッ!!!」ドガッ!
ラミア「ゴハァッ!?」ヒュゥーン···チャポン···
紅娘「あっ・・・やってしまった・・・」
数分後・・・
ラミア「サブイ、サブイ、サブイ···」ガクガク···
紅娘「ごめんなさいッ!私のせいでッ・・・」
ラミア「気にするな・・・大丈夫だから・・・」ガクガク···
紅娘「(私がラミアさんに慣れないと···!)」
紅娘「お詫びに何かさせてくださいッ!」
ラミア「そうか・・・なら・・・」
ラミア「私の悩みを聞いてくれ・・・」
ラミア「私はガルーダと仲良くしたいと思っているが・・・」
ラミア「どうにもうまくできない・・・。」
ラミア「どうしたらいい?」ジッ
紅娘「えっと・・・そうですね・・・」
紅娘「“プレゼント”ですかね・・・」
ラミア「なるほど・・・他には?」メモメモ···
コソコソ···
ガルーダ「何話てるの二人とも?」
ラミア「た、たいしたことじゃない・・・じゃあ!」クルッ···
ガルーダ「・・・?紅娘、何話t」
紅娘「あ、すいませんッ!ご飯の用意まだでしたね!」クルッ···
タッタッタ···
ガルーダ「・・・嫌われてるのかな・・・」
~昼食~
ガルーダ「頂きますッ!」
ガルーダ「パクッパクッ···」
ガルーダ「(二人とも、何処にいったのよ・・・)」
ガルーダ「寂しいわね・・・」ボソッ···
その頃、二人は?
ザクザクッ···ザクザクッ···キン!
紅娘「遂にッ!」
ラミア「あ、あああああったッ!!」
紅娘「やりましたね、ラミアさんッ!」
ラミア「これで・・・」チラッ···
紅娘「贈り物ができますね・・・」チラッ···
カァカァ···
ガルーダ「(···ハァ···何で帰ってこないのよ···)」ポロポロ···
ガルーダ「(もう夕飯時なのに···)」ポロポロ···
トントン···
ガルーダ「うん?」フキフキ···
紅娘「ただいまです、ガルーダさんッ!」ニコッ···
ラミア「すまない・・・これを君に渡すために遅くなった・・・」
ガルーダ「これは・・・自然薯!?」
ガルーダ「(私の大好物···)」
ガルーダ「あ、ありがとう・・・」
紅娘「はい、もう疲れましたよ~」
ラミア「さ、夕飯を作るぞ自然薯でッ!」
ガルーダ「まって、二人は私のために頑張ったから・・・」
ガルーダ「夕飯は私に任せて欲しい。」
こうして、晩御飯をガルーダさんが調理して30分後・・・
ジュワ···ジュワァ···モクモク···
プワァーン···
ガルーダ「さ、できたわよッ!」ゴトン···
紅娘「ワァッ!スゴい、豪華ですねぇ~」
ラミア「ウム、それに香りもよい・・・」スンスン···
ガルーダ「冷めないうちにどうぞ。」ニコッ
紅娘「それではッ、いただきますッ!」
ラミア「いただきます・・・」
パクッ···パクッ···ゴクン···ゴクン···
紅娘「・・・こ、これはッ!!」プルプル···
ラミア「ああ、まったく・・・!!」プルプル···
ラミア・紅娘「美味い(です)ッ!!」ホワァン···
ガルーダ「そう?・・・ヨシッ···」
ガルーダ「喜んでくれてなにより・・・」ニコッ···
紅娘「まだまだ食べますよ~」パクパクッ···
ラミア「食欲全開だァッ!」ムシャムシャ···
自然薯祭りは朝まで続いたそうな・・・。
ピチチ···ピチチ···
ガルーダ「ふぁぁ・・・」ボサボサ···
ガルーダ「もう、朝か・・・」
組織の一員となり、私は多くの人を殺めた・・・。
ギャァァァッ! バタリ···バタリ···
バケモメェェェェェッ!! ダンッ···ブゥン···
フッ···ザシュ···ピトピト···
化け物?それはお前達のほうだ。
グゥッ···ドサッ···
私は敵を斬っていく。
・・・何のためらいもなく。
私は血に染まり、剣を振るう・・・
魔族のために・・・そして、死んだ両親の仇をとるために。
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ガルーダ「っと・・・昔のことより今は考えることあったわね。」
~アジト~
「配下達よ・・・シィルバ王国へ迎え・・・」
???(1)「ハッ、お任せをッ!」
???(1)「必ず、紅娘をとらえて見せます。」
???(3)「プッ、クククッ···ホントに出来るんですかぁ···?」
???(2)「黙れッ!神獣殺しがッ!」ギロッ···
???(3)「マァマァ・・・そんなに怒らんでくださいよ。」
???(3)「私も協力しますからァ・・・」ニコッ
???(2)「フンッ・・・信用はせんぞ・・・」
両陣営の次なる舞台はシィルバ王国となるようだ。
~シィルバ王国~
「・・・ッたくよォォ・・・」カツカツ···
「神官のジジイどもめ・・・」カツカツ···
「人使いが荒いなぁ・・・」カツカツ···
「・・・今夜の宿はここだな」カツカツ···
ギィ···バタン···
宿主「いらっしゃいませッ!」
「部屋空いてるか?」
宿主「はい、空いておりますよ。」
宿主「少々狭いですが・・・」
「・・・構わねぇよ」
宿主「ではサインを・・・」スッ···
カキカキ···
宿主「はい、確かに・・・ごゆっくり・・・」
「ああ・・・」カツカツ···
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