俺「グハァ!」 友「どうした!」 (58)

味方「右半身が吹っ飛んでやがる・・・」

俺は敵の高熱線ビームを食らった。

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味方「おい!敵さん撤退していくぞ!」

友「早く俺を連れてけよ!」

味方「分かった!」

医療テント 

俺「生命維持装置がいい具合に機能してやがる・・・」

俺「だが意識がやばい、吐き気がしてくる・・・」

上官「おい!」


上官「この中で一番傷が深い者を先端の治療をすると言っていたが、誰にする?」

味方1「俺がいいかもな・・・俺は軽い火傷だしな・・・」

味方2「ハアハア・・・」

味方3「腕が痛い・・・」

俺「ああ俺だ、俺が行きたい・・・行かせて下さい・・・」

研究所

上官「連れてきました。」

研究者「ああ、いい具合の傷だ」

上官「やはりあのパワードスーツですか?」

研究者「ああ、この男に着せるよ」

パワードスーツの着付けが始まった

俺の内蔵は交換されて、飯を食べなくても有害な空気を吸っても大丈夫になった。

全身に黒いアーマーを付けられた。

目も交換され敵の情報もすぐに分かるらしい。

頭もいじられたと思う。

研究者「おい、今から装備の説明をするから聞きなさい」

研究者「両腕には熱線を発射する装置を内蔵した。」

研究者「目からも熱線が出る。」

研究者「背中には大型熱線発射装置だ」

研究者「腰には最新型の爆弾。」

研究者「後は拳銃だ」

俺「拳銃だけは扱えると思いますが他の装備は・・・」

研究者「それは安心しろ。従来のライフルも持たせてやるし次の戦いの中で装備の説明もするから」



そして次の戦いに俺は行った。

戦火はいい出来だった

撃たれても痛くない骨折もしない息苦しくもない

だがやはり感情が支配されていると思う。

自分の思った事が言えないのは痛かった

傷ついた味方に声をかけれない

声帯が機械ぽくなったのは少し可笑しかった。

拠点

友「おい、俺はどうなったんだ?」

味方「ああ上官に聞いてみたよ・・・噂のパワードスーツがあいつだってよ」

友「ああそうか・・・」

友は胸が苦しくなった心臓に嫌な血が入ったいような気がした吐き気もしてきた。

パワードスーツを着たものはもう心がないと聞いたから


俺とは訓練生時代に知り合った。

友の父や兄は学者だった

最初は自分も学者になるだろうと思っていたが違った

友は勉学があまり得意ではなかった

しようとすればするのだが、続かなかった。

親には申し訳なかった

だがレベルは少し低いが学者になれる大学に行った

その大学で友は自分も学者になれると思った

だが違った、学者になるためにはそこからまた努力しなければいけなかった。



友は少しだけ絶望した

大学に入ったら絶対に学者になれると思ったから、もうなると思ったから

親父は立派な学者で今度レベルの高い大学で講演をするらしい

それが友に大きな劣等感を抱かせた

何になるか分からない自分に不安になった。

親父は自分に期待している

だが自分は勉強が得意じゃない学者も向いてないと分かった

全然期待はずれな自分が嫌になった

たとえ学者になってもレベルが低い学者で親父を失望させたくなかった。

友はゆっくりと考えてみた

国の仕事をしてみたら良いだろうかと、ふと思った

国の仕事だったら立派だ

国の仕事だったら親父は絶対に失望しない

友はそう思った



友は国の仕事について調べる事にした

まずは事務系の仕事から調べ始めた

だが何やら大きな試験があるやら、難しいやら色々出てきた

何よりも競争率が高かった

みんながそれになりたいと思うものを自分はなれないと思った。

友はある資料に目を落とした

そこには軍の戦闘服を着て銃を持ち勇ましい顔つきの兵がいた

「国を守る正義の仕事」そこにはそう書かれていた




友は心臓が震えだした

友の頭ではもう軍の戦闘服を身に付け格好良い銃を持ち国のために

正義の仕事をする自分がいた。

友はまた頭で考えだした

そこには困っている人や老人や子供を助けみんなから感謝されている自分がいた

そこには国民全員が自分を賞賛し政治家達が自分を褒め称えていた

そこには自分の家族がいた

祖父が立派だと言う

兄が賞賛の眼差しを送る

母が満足した顔つきで褒め称える

そして父も立派だと言う

友は急いで募集要項を見た

それ程難しい内容じゃなかった

次にこの大学から軍に入った者を調べ始めた

そこそこ入隊している・・・

友は意思を決意した。

友は体を鍛えた

鍛える本を読み漁り、飯の量も増やし体を鍛えた

ひ弱な自分の体がたくましくなっていくのが本当に嬉しかった

意思が固まった事で勉学のやる気も出てきた

定期試験では良い成績を取ることが出来た

その事で教授や家族に褒められた

そして教授に入隊したい事を言った

教授は賛同してくれた

やる気もあるし国の仕事をする事はいい事だと言ってくれた

そして家族にもその事を言った

家族は第一に心配した

やはり生死に関わることだった

友は戦地には赴かない所もあると説明した

家族は少し納得した

生死が関わるのは戦場にいる兵士だし

息子は自衛部隊に入りたいと言っていたし、息子が戦死するとは思はなかった

そして家族は嬉しかった

息子が軍の制服を着て困っている人を助け

人々に賞賛されて立派になった息子を想像してみたら本当に嬉しかった

家族は息子を深く抱きしめ、軍の入隊を許可した



友は見事に試験を突破した

面接では熱く意思を伝え、筆記の試験も頑張ったため余裕だった

そして友は入隊した。

友は訓練兵になった

やはり訓練は厳しいと友は肌で感じたが

投げ出してしまうような厳しさではなかった

それより友は上官が嫌いだった

何かにつけて威張り散らしていた

時には友を名指しして怒った

その度に友は内心で怒り狂っていた

すいませんご飯食べます

食べました

友は飯の時間も嫌いだった

米がパサパサとして好きになれなかった

そのことで友は食事中、飯に対して毒ずいた

訓練兵「おい飯に文句言うやつは食う資格ねえぞこら」

友の心は一瞬嫌に震えた

その訓練兵の目は睨んでいた

友はその目が敵に向けるような目で気分が悪くなった

気分が悪くなった理由はそいつの自分に対する嫌悪と

下らない事をいった自分に対してである

俺「ああ訓練兵、いやーまーでも米はうまい方が良いよな!」

険悪の空気の中で誰かがそう言った

訓練兵2「ああ!そうだそうだ!」

訓練兵3「確かに」

友はこの険悪の雰囲気を良くしてくれる気遣いに感謝したが

同時に自分のせいでこの雰囲気になった事と

自分に気を遣わせてしまったことが恥ずかしかった。

ある日休暇が訓練兵に与えられた

周りの奴らは軍の学校から上がってきた奴が多くそいつらで固まっていた

友は休憩室で漫画を読んでいた

隣には同じ漫画を読んでる奴がいた

話かけようと思ったが割に合わないのでやめた

が、隣に座っていた奴がこっちの読んでる本を少しだけ覗いてきた

友が読んでいた漫画は丁度濡れ場のシーンだった

これには両者はニヤけた

段々と可笑しくなっていき声を出して笑った

俺との出会いであった。

それから俺と漫画の事を色々と喋った

お互いに好きな漫画だったので興奮した

飯の時間も一緒に食べ、笑い話や下らない話は続いた

俺とは周りから「あの二人組」と呼ばれるくらいに仲良くなった。

そして月日は流れた

最初は苦手だった銃の訓練も狙ったとこには当たるぐらいになった

上官の叱責にも耐性が付いたような気がした


そろそろ配属先を決める時がきた。

友「なあお前はどこにするんだ?」

友はいつもの馬鹿な話をする口調ではなく真剣な声で言った

俺はそんな友の口調を感じ取った。これは大事な事だと

俺「ああ俺は戦闘地区の民間人防衛隊に行く」

友はそれを聞いてまず最初に不安になった

第一に俺と離れることと、第二にそこは戦地だからだ。



別に俺と離れる事はよかった

二人とも大人だし兵隊だ。友達と離れたくないという甘い感情はなかった。

第二の不安が厄介だった

俺が行く所は戦地だ、死ぬかも知れない。

もう二度と会えないかも知れない。

手足がなくなるかも知れない。

目が見えなくなるかも知れない。

友「なんでそこにするんだ?」

友の声は震えていた

俺は親友が考えている事を理解した

俺「ああ俺も安全地区希望だったよ。でも安全内だけじゃ駄目なんだ。」

友は親友が言っている事を真剣に聞いた。

俺「俺は温室育ちのガキだったよ。親には大切に育てられて欲しい物は買ってくれた。」

俺「ギターも買ってくれたし、欲しかった服も買ってくれた。」

俺「だがなある時新聞を見たんだ。ただ何気なく見たんだよ。」

俺「それは戦場の写真だったよ。子供がガリガリに痩せてたんだよ。銃槍を負った子供もいた」

俺「ただ嫌だったんだよ。俺は安全地帯で呑気に昼寝してゲームしてる時に戦闘地帯では殺し合いしてる事にな」

俺「だから助けたいんだ」

友は真剣にそれを聞いていた

そして友は言った

友「俺もそこに希望してるよ。勘違いするなよ俺も同じ所に希望してたんだ」

友は笑いながら言った。

俺も笑った。

拠点



友は血と汗と精液の付いた戦闘服を脱ぎながらふと思った

戦場でも民間人は二の次だという事も戦争にはルールはないという事も

味方の誤射は当たり前だったという事も。実際に友は撃ったことがある。


上官「パワードスーツ護衛隊に希望する者はいるか?」

友はそれを聞いた時、微かに胸が高鳴った

俺に会える。いや死にたかったのかもしれない。

人を撃った時からそう思っていた。

パワードスーツの護衛は死亡率が高いから。

戦場


友は俺と会った。でもなにも喋らなかった。

俺が制御されているでも。でもお互い嬉しかった。

俺「N-1偵察しろ」

俺の機械チックな声に両者は笑った。声に出して笑ったのは友だけだった。

友は狙撃された。

それによって敵の位置が分かった。

今日もパワードスーツの戦果は良かった。



終わり

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