側近「しかしなんというか……」

側近「本当にスライムなんですかね？」

魔王「どういうことだ」

側近「これまでの400年間、ずっと先代魔王様ご夫妻から産まれたスライム様を見てましたが」

魔王「それはまぁ、俺もだな」

側近「スライムの割りに人型なんですよね」

魔王「だな」

側近「なのに、占いオババの姓名診断でまさかのスライム属のスライムですよ」

側近「魔王から産まれてるのに」

魔王「あれは親父が不倫を疑って荒れたもんなぁ……」

スライム「……」ﾌﾟﾙﾝｯ

< ﾋﾗﾋﾗ…

スライム「……」ｼﾞｰｯ


魔王「しかし喋らないな……400年経っても喋らないな」

側近「物静か、というより話せないのではと思いましたものねぇ」

魔王「でも稀に喋ってる気がするんだよなぁ」

側近「それは気のせいですよ」

魔王「蝶と話してたのを幼い頃に見た気がするんだがなー」

側近「魔王様はメルヘンですね」

魔王「本当に見たんだって！！」

スライム「……」ﾌﾟﾙﾝｯ

魔王「む？ スライムはどこだ」

スラ「なんですかぁ？」ﾎﾟﾖﾝ

魔王「お前じゃないわ雑魚め、やくそうでも喰ってろ」

スラ「うわあああああん」

< ﾌﾟﾙﾝｯ

魔王「この音は……」


スライム「……」ﾑｽｯ


魔王「す、スライム……違うぞ？ これはいじめたとかじゃ……」

スライム「……」ﾌﾟﾙﾝｯ

魔王「……ごめんなさい」

スライム「……」ｺｸﾝ

側近「それにしても……」

側近(なんやかんやで、魔王様とスライム様のおかげか城内……いや)

側近(恐らく、国中があの二人の存在で平和になっているのは間違いないですね)

側近(なので)


側近「四天王、いますね？」

炎魔神「は、ここに」ﾎﾞｵｯ


側近「勇者が王国を旅立ったとの報告がありました、我々の出番です」

炎魔神「如何様に？」

側近「半殺しにしてお金を半分くらい奪って王国に送り返してしまいなさいな」

炎魔神「御意」

側近(これでしばらくは平和が続きますね)

理樹・佳奈多「「メル友？」」真人・葉留佳「「おう（うん）」」

理樹・佳奈多「「メル友？」」真人・葉留佳「「おう（うん）」」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410004413/)

理樹(バスの事故から3ヶ月、

もう雪が降る季節だ。

僕らは悪夢のような出来事から目を覚まし、

今をこうして悠々と過ごしている)

日常系リトバスSSです！

亀更新ですがよろしくお願いします。

魔王「スライムー」

スライム「……」ﾌﾟﾙﾝｯ

魔王「最近な、俺は考えてみたんだが」

スライム「……」ﾌﾟﾙﾝｯ

魔王「もしかしたら頭脳戦ならばスライムに勝てるかもしれない」

魔王「……どう思う」

スライム「……」ﾌﾟﾙﾝｯ

魔王「ふ……ならばやってみるしかないか」


魔王「カモーン側近！！」ﾊﾟﾁｨﾝｯ


側近「ここに！」ザッ

魔王「例の物を出せ」

側近「スライム様、これを」ｽｯ

スライム「……」

スライム「…？…」ｺｸﾝ

側近「『なんかバレーボール的なバレーボールっぽいボール』との事です」

側近「こいつは両手を合わせてこのように打つと跳ねます」ﾎﾟｰﾝｯ

魔王「出来るか妹よ」


スライム「……」ﾎﾟｰﾝｯﾎﾟｰﾝｯﾎﾟｰﾝｯ……


魔王「マジかよスッゲェ……俺、相手にトスしたりされないと駄目だわ」

側近「そういう勝負を挑んでたらまた敗北記録が更新されてましたね」

魔王「勝負は簡単だ……このボールっぽいので相手と打ち合うのだ」

側近「なんと高難度で恐ろしい…！」

魔王「さぁ我が妹よ、来るが良い！」


スライム「……」ﾌﾟﾙﾝｯ

< ﾋｭｯ

スライム「……」ﾎﾟｰﾝｯ


魔王(なんと緩やかで読みやすい……フッ、だが油断したなスライムよ)

魔王(俺が挑んだのは頭脳戦だ)

魔王(そう……この勝負にはちょっと頭を使わなければ勝てない事もある)

魔王(それはァッ……！！)ｶｯｯ

────────── そして、魔王はスマッシュを打とうとして散った。



魔王「ちくしょぉおおおおおおおおおお！！！！」ダムッ！！

側近「4753戦全敗……マジですか魔王様」

魔王「緩やか過ぎるんだッよぉぉおおおおおおお！！！」

側近「だからってあの空振りは……」

魔王「ちくしょぉおおおおおおおおおお！！！！」ダムッ！！ダムッ！！


スライム「……」ﾌﾟﾙﾝｯ


スライム「……」ﾆｯｺﾘ