妹「……私が兄さんを好き? ありえません。何の冗談ですか」
妹「……あっはっは、私がお兄ちゃんを好き?何それ超笑えないんですけどー」
妹「……キモ、なんなの気でも狂った? 兄さんを好きとかありえないし」
妹「……肉親に対する恋愛、などという感情は今現在一般社会においてタブー、背徳行為とされており……」
妹「……」
妹「なんだか虚しくなってきました……」
妹「……さて困りましたね……」
妹「別に道を外れて生きてきたつもりはないのですが……」
妹「……なにゆえ私は兄を好きになってしまったのでしょうか?……」
※ ※ 回 想 ※ ※
友1「さー、昼だ昼だ昼飯だー」
友2「念願のカツサンドゲットだぜぃ」
友3「あ、ねーねー、妹ちゃん」 モグモグ
妹「はい?」 モグモグ
友3「妹ちゃんって好きな入いないの?」
妹「……唐突ですね」
友3「気にしない気にしない。んでさー、いないの? 好きな人とか」
友1「あー私も聞きたい聞きたい」
友2「妹ちゃんけっこーかわいいのにそっちの話全然ないしねー」
妹「……これといってそういう人は居ないんですけど……」 モグモグ
友1「表情ひとつ変えやがらねえ、なんというクール……」
友2「んじゃc組のaはどうよ。あいつたしか前に妹ちゃんいいよなー、って言ってたよ」
友3「おいまてメガト○ン、どういうことだ。その話kwsk」
友2「誰がサ○パトロンか。てかあんたaのこと好きだったの? ほほう」ニヤリ
友3「ちちちちちちちちちがちがちがちがちが……」
友1「わかりやすい2は置いといて、妹ちゃんはどうなのよ、 aのこと」
妹「……えーっと……a……a……ああ、あの人ですか。微塵もそんな感情はありません」
友2「……即答。クールここに極まれり」
妹「例えばですが……身近な男性……そうですね、兄さんと比べても身長低し、スタイル悪し」
友3「ああ、妹ちゃんお兄さん居るんだっけ」
友1「かっこいい? 彼女いる? 今いくつ?」
妹「容姿:可もなく不可もなく。彼女居ない暦ー年齢。現在1 8歳。大学生。趣味:一人カラオケ、ネットゲーム、映画。
好きな食べ物:卵かけ納豆ご飯。嫌いな食べ物:オクラ。好きなtv番組:クイズ番組」
友1「……結婚相談所かあんたは」
友3「てか詳しいね。仲いいの?」
妹「世間一般的に見て悪くはないと思いますが……さほど交流があるわけでも」
友3「いくら家族とはいえ、それでそんだけの個人情報持ちって……」
友2「ま、まぁ、お兄さんはいいとして、んじゃどうよ、サッカー部のbとか」
妹「b……b……んー、客観的に見て兄よりは容姿が劣りますね」
友1「んじゃ3年のc先輩は? ルックス良しスタイル良しよ」
妹「……確かあの人は女癖が悪いとかいう噂を聞いたことがありますが……誠実、とまでは
言いませんがせめてうちの兄くらい人畜無害な方が」
友1・2・3「……」
友1「これは……あれですかいのう、2さんや」
友2「なんか……そんな感じですのお、3さんや」
友3「だから今まで浮いた話がなかったんかいのお……これは」
妹「?……何の話ですか?」
友1「とぼけてる風じゃ……ないね」
友2「これは……あれか、ぶん殴ってでも目ぇ覚まさせてやらなきゃならない?」
友3「殴る必要は無いけど……ね、妹ちゃん」
妹「はい?」
友1・2・3「「「あんたお兄さんのこと好きなの?」」」
妹「は?」
※ ※ 回 想 終 了 ※ ※
妹「何をバカな事を、と言ったものの……」
妹「それ以上お弁当の味は全くわかりませんでした」
妹「午後の授業も何を聞いたのかさっぱり覚えていません」
妹「晩御飯も食べた記憶すらないままお風呂に入っていましたし……」
妹「……お風呂の中で冷静に兄さんの事を考えていたら…………///……」
妹「……どうやら自覚のないまま随分と時を過ごしていたようです……」
妹「一人芝居で否定しても状況は変わらないようですし……」
妹「困りました……まさか実の兄を好きになる、などと漫画の世界が自分の身の上に降りかかるとは……」
妹「兄さん……」
妹「……」
妹「……」
妹「……///……」
妹「はう、兄さんの事考えてると口元がにやけてしまいます……あぅー、困りました困りました困りました」
ゴロゴロゴロ
妹「……ベッドの上で転がっても事態は解決しませんね……もう少し冷静になりましょう、私」
妹「落ち着いて落ち着いて」
妹「……落ち着いて……」
妹「……落ち……」
妹「……///……」
ゴロゴロゴロー
妹「あう、ダメです。なんなんですかこれは、兄さんの顔が頭から離れません……
今まで気にもしてなかったのに急にこんな……」
ドキドキ……
妹「……そうですか……こういうドキドキするのが好き、ということだったのですね……」
妹「……なんだか……悪い気分じゃないです……というより…………嬉……しい?……///……」
妹「舞い上がる気分、というのはきっとこういうことなんですね……顔、熱いです……」
妹「……」
妹「……でも……」
妹「……そうですよね……妹が何をどう言ったところで肉親の壁は絶対に越えられないんですから……」
妹「……兄さんだって妹から好きだって言われたって困るに決まって……」
脳内兄「妹…………俺……ごめん……実は俺も前からお前のこと……」
妹「っ!? いえ……そんな都合のいい展開……」
妹「……明日の予習でもしておきましょう……勉強してれば変な妄想しなくて済みます……」
妹「えーと、明日は数学と倫理とリーダーと……数学ですね」
妹「……ふむふむ……こうなって、と……こっちの指数が……む、ちょっと難しいですね」
脳内兄「ほら……妹、違うだろ……右の乳首がzで左の乳首がyだろ?」
妹「やっ……兄さん……そこ……おへそ……くすぐった……」
脳内兄「ああ、ごめんごめん、おへそがxだったよね……ということはyは……こっちかな?」
妹「ふあっ! だめっ! ゆっび、入れなっ! ふぁあっ!!」
脳内兄「あれえ? yになにか付いてるなあ? おお、指数かな? これは」クリクリクリ
妹「だ、だめ兄さっ! そこ弱っ! んあぁあっ! !」ビクンビクンッ
妹「……」
妹「……勉強も手が付かないのですね……今の私は……」
妹「……兄さんで……シテ……しまいました……///……」
妹「……気持ち……よかった…………今までで一番……」
妹「……ごめんなさい兄さん……こんな妹……キライですよね……」
兄「いや、むしろ好きだぞ?」
おしまい
今日は酔わずに書きましたw
最後は意を決した妹がaとbのカードを持って……という流れで
今から兄にクイズを出します……の頭に繋げようとしたけど上手くいかなかった、残念
読んでくれた方どーもでしたー
ありゃ、彼女居ない暦=年齢、って書いたつもりが「ー」になってました、ごめんなさい
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