ミカサ「一日教官をやらせてください」 (59)
キース「言っている意味が分からん。何だ、一日教官って」
ミカサ「よく一日署長とかあるじゃないですか。それの教官版です」
キース「だめだ! なに訓練兵の分際で教官をやりたいとか言ってるんだ!」
ミカサ「そこをなんとか!」ガシッ
キース「ええい、離せアッカーマン訓練兵! ダメなものはダメだ!」バッ
ミカサ「私の黒髪を分けてあげますから!」
キース「いらん! っていうか失礼だ!」
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ミカサ「……どうしてもだめですか。ではダメな理由をお聞かせ願いますか?」
キース「……いいだろう。兵士にとってはこの過酷な訓練の一日一日が生死を分ける決め手となるのだ。たとえ逸材と言われる貴様の頼みであっても、その貴重な一日をお遊びに費やすわけにはいかんのだ。分かったら訓練に戻れ!」
ミカサ「おっしゃる意味が分かりません」
キース「分かれよ!」
ミカサ「自分には教官の訓練こそ生ぬるい、それこそあくびの出るようなお遊戯です。そんなお遊びにいったいどれほどの価値があるというのでしょうか?」
キース「なんだと!? もういっぺん言ってみろ!」
ミカサ「自分には教官の訓練こそ生ぬるい、それこそあくびの出るようなお遊戯です。そんなお遊びにいったいどれほどの価値があるというのでしょうか?」
キース「いや、確かにもういっぺん言ってみろとは言ったが、全文丸々言わなくても……」
ミカサ「実際に巨人を目の前にしたらあんな甘々の訓練は何の役にも立ちません! ですから自分に一日教官をやらせて下さい! 自分ならもっと有意義な訓練にできます!」
キース「……」
ミカサ「それにお望みならば自分の黒髪も分けて差し上げます!」
キース「しつけえよ! いらないって言ってるだろ!」
ミカサ「必ず一日で鍛え直して見せます! どうか!」
キース「……」
ミカサ「……」ドキドキ
キース「……いいだろう。一日好きにしてみるといい。ただし結果を残せ。怪我人を出すことも許さん」
ミカサ「はっ! ありがとうございますっ!」ビシッ
***
食堂
エレン「へえー、明日は一日お前が教官になるのか」モグモグ
アルミン「よくあの教官が許可したね」
ミカサ「自分でもよくあれだけ頼み込めたものだと思う……」
エレン「だけどたまには新鮮でいいかもな! いつもと違った環境下での訓練ってのも大切だもんな」
アルミン「そうだね。まぁミカサの基準ってのは少し恐ろしいけど」
ミカサ「大丈夫。体を壊すような訓練はしない。明日を楽しみにしていてほしい」
ライナー「何? ミカサが一日教官だって?」
エレン「そうなんだってよ」
ベルトルト「同期生に罵倒されるのはやだなぁ……」
ジャン「いいじゃねえか! あの教官の罵声浴びるよかよっぽどいいぜ!」
コニー「ミカサ! 明日の訓練は楽なのにしてくれ! 頼むぜ!」
サシャ「芋ほりの訓練なんてどうでしょうか!? 掘った芋はみんなでふかしていただきましょう!」
アニ(適当にサボろう……。どうせ点数はつかないだろうし)
クリスタ「乗馬訓練もいれてほしいな!」
ミカサ「皆の意見も参考にさせてもらう。では、今から宿舎で訓練計画を立ててくる」ガタッ
エレン「おう! 楽しみにしてるからな!」
***
翌日
号令係「整列っ! 敬礼っ!」
訓練兵「」バッ
ミカサ「私は今日一日教官を務めるミカサ・アッカーマン。皆と同期だけど容赦はしない。ビシビシいくから覚悟してほしい」
コニー「いよっ! 待ってましたっ!」
ミカサ「」ギロッ
コニー「」ビクッ
ミカサ「スプリンガー訓練兵。その態度は何か説明してほしい」ツカツカ
コニー「な、何って……」
ミカサ「あなたは立場を理解していない。あなたは訓練兵で私は教官。あなたは私に従う義務がある」
コニー「……」
ミカサ「皆も知っておいてほしい。今日私に逆らったものが、どういう目に遭うのかを」
コニー「」ビクビク
ミカサ「スプリンガー訓練兵。服を脱いで」
コニー「じゃ、ジャケットでありますか?」ビクビク
ミカサ「全部。今日は一日、全裸で訓練を受けてもらう。もちろん、立体起動装置はつけておくように」
コニー「」
ミカサ「返事はどうしたの?」
コニー「は、はっ! ///」スルスル
訓練兵「」ビクビク
ミカサ「まずは立体機動訓練をしてもらう。ただし二人一組になり、一方がもう一方を抱えて行うように。これは機動力を失った味方を救出することを想定したもの」
アルミン(割とまともだね……)
ミカサ「ペアは各自適当に組んで。ただしイェーガー訓練兵は私と組むように」
エレン「はっ!」
ミカサ「そしてイェーガー訓練兵は全裸で行うように」
エレン「はっ!?」
ミカサ「いい返事」
エレン「ちげーよ! あ、違います! 何故自分だけ全裸にならねばならないのでしょうか!?」
ミカサ「もしかしたらあなただけ巨人につかまって衣類を引きはがされるかもしれない。そういった最悪のケースに備えることが大切」
エレン「ならば全員、全裸になるべきではないでしょうか!」
ミカサ「口答えをしてはいけない。それに皆が全裸になったら、なんだかありがたみが減る」グイッ
エレン「うわああああ! ///」
アルミン(独裁者かよ!)
***
ジャン「くそっ……なんで俺がこいつを抱えなきゃいけないんだよ」ビュオオオオ
マルコ「僕だって女の子とペアになりたかったさ!」
ライナー「俺はクリスタを抱えたかった……」バシュツ
ベルトルト「なら、僕を抱えながら僕の股間を触るのをやめてくれないか?」
サシャ「コニー、爽快感MAXですね!」ビュオオオオ
コニー「当たってる当たってる! さっきから木の枝が股間に当たってるから!」イタイイタイ
アニ「ミカサのあれ、抱えられてるっていうより完全にエレンにしがみついてるね……」ビュオオオオ
アルミン「見てよ、あの満足そうな顔……」ハァー
ミカサ「うへへへへへへ…… ///」
エレン「教官! 股間に股を押し付けるのをやめてください! ///」バシュッ
***
ミカサ「満足した。次は乗馬訓練を行う。全員、馬小屋に集合するように」
訓練兵「はっ!」
エレン(もう服を着ていいのかな……)フルフル
ミカサ「なお、イェーガー訓練兵はこのまま全裸で訓練を行う」
エレン「はっ! (やっぱダメか……)」トホホ
アルミン(今までの訓練生活でたまった欲望が一気に爆発しちゃったな……)
ミカサ「もういくとこまでいく。昨日の夜、そう決めた」
ジャン(なんて決意に満ちた眼をしてやがる……)
***
ミカサ「今から皆には二人一組になってもらう。一方は馬に乗って走り、走ったまま相方を拾い上げて馬に乗せる」
アルミン(訓練自体はまともなんだよな……)
ミカサ「イェーガー訓練兵は私と組むように」
エレン「はっ!」
ミカサ「まずは私が馬の上に仰向けに寝て……」ヨッコイセ
エレン「」
ミカサ「手を伸ばしたらつかまって。引き上げたら私の上に乗るように。できれば下腹部あたりに乗ってくれると嬉しい」
エレン「……あの、教官、危ないです……」
ミカサ「大丈夫。私を信じて欲しい」
エレン「いや、教官なら出来るでしょうが、わざわざその体勢でやる必要がないと思います……」
ミカサ「簡単に出来ることを何百回やったってスキルアップにはつながらない。ある程度やったら交代するからそのつもりで」
エレン「自分は仰向けで引き上げたりはできません!」
ミカサ「それも大丈夫。こっちが飛び乗る」
エレン「」
***
エレン「せーのっ!」バッ
ミカサ「ふんっ!」ズンッ
エレン「なんとか成功です……」
ミカサ「この下半身にズンとくる衝撃はなかなか…… ///」ハァハァ
エレン「……あの、皆見てるんでそういう発言はちょっと……」
ミカサ「気にしなくても大丈夫。私たちの訓練を邪魔する者は営倉にぶち込む権限を、私は持っている」
エレン「どこまで訓練兵団を私物化する気ですか……」
ミカサ「もう一回やろう。エレンに襲われてる感がたまらない ///」ハァハァ
エレン「変な言い方しないでください……」
***
ライナー「なんかミカサの奴、エレンにまたがって腰振ってんぞ」モミモミ
ベルトルト「あまり見るな。ミカサに殺されるよ」ヒソヒソ
ライナー「まったく……そういうのは人目につかないとこでやれよな……」モミモミ
ベルトルト「それはそうと、さっきから僕の股間を後ろから揉みしだいてんのはなんで? 頭おかしいの?」ヒソヒソ
ライナー「いや、俺は今冷静だ」モミモミ
***
ミカサ「気持ちよかった。午後には座学を行うので、昼食を終え次第講義室に向かうように」
コニー「座学もあるのか!?」
ミカサ「もちろん」
エレン「その……教官殿が教壇に立たれるのでありますか?」
ミカサ「残念ながら私は皆に教えることはできない。ので、アルレルト訓練兵に任せることにしてある」
アルミン「は!? 伺っておりませんが……」ビク
ミカサ「大丈夫。テキストは用意してあるから、この昼休み中に講義内容を考えてほしい」
アルミン「そんな無茶苦茶な……」
***
号令係「起立ッ! 礼ッ!」
訓練兵「お願いします!」
アルミン「お、お願いします……」
ミカサ「アルレルト訓練兵、本日の講義内容は何かを教えてほしい」
アルミン「きょ、今日は巨人が現れる以前の歴史について……」
ミカサ「アルレルト訓練兵、渡したテキストにはそのような内容はなかった」
アルミン「……」
ミカサ「アルレルト訓練兵!」
アルミン「……今日は文学講読の授業を行います。手元のプリントを見てください」
ミカサ「それでいい」
アルミン「ブラウン訓練兵、立って読んでください」
ライナー「ええと……『エレンに身をゆだねて』 M・アッカーマン 著 ……ってなんだこりゃ」
ミカサ「大きな声で読むように言って、アルレルト訓練兵」
アルミン「お、大きな声で読んでください……」
ライナー「お、おう……。第一章『二人のベッド』……」
エレン「すいません、お腹痛いんで救護室行ってきます」ガタッ
ミカサ「お腹が痛くても聞くことはできる」ガシッ
エレン「うう……」シクシク
ライナー「……小さなベッドだった。それはとても小さなベッドだった」
アルミン(官能小説を使った授業なんて聞いたことないよ!)
***
ライナー「……いきりたったエレンのイチモツは高々と天を指し、ミカサにはそれが人類の怒りを体現しているように見えた……」
コニー「言うほどでかくねえよな!」チラ
ミカサ「文学作品には多少の脚色が入るもの」
エレン「うう…… ///」シクシク
マルコ「……ジャン、目から血が……」ビクビク
ジャン「馬鹿言え、これは汗だって」ドクドク
マルコ「……いや、本当に血涙が……」ビクビク
ジャン「うるせぇ、集中できねえだろ!」カリカリ
マルコ「な、何に集中してるんだよ……。いい加減、自分の腕にカッターで『呪い』って掘るのやめろよ……」ビクビク
***
20分後
ライナー「……こうしてエレンは快楽の奴隷となっていくのだった。おわり」
ミカサ「興奮した」
アルミン「で、では読んだ感想を発表してください……」
訓練兵「」シーン
アルミン(そりゃそうだよ……。何を言えばいいのか分かんないよ……)
ミカサ「アルレルト訓練兵、順番に当てていって」
アルミン「で、では出席番号1番、アニ・レオンハート……」
アニ「……はい」
アニ「タイトルが『エレンに身をゆだねて』なのに、始終エレンの肛門をペニバンで虐めるのはおかしいと思います」
ミカサ「レオンハート訓練兵、だれもそんな意見を求めていない」
アルミン「じゃ、じゃあその隣に行ってブラウス訓練兵……」
サシャ「途中に出てきたズッキーニがすごく気になりました!」
ミカサ「あのシーンは何度読んでも良い」
アルミン「えーと、次は……」
ミカサ「アルレルト訓練兵、イェーガー訓練兵にも感想を聞いてほしい」
アルミン「……イェーガー訓練兵」
エレン「」
ミカサ「大丈夫、どこに興奮したかを言えばいいだけ」
エレン「」シクシク
ミカサ「どのシーン? 前戯? それとも事後?」
エレン「」シクシク
***
ミカサ「さて、日も傾いてきたし、次の対人格闘訓練で今日はお終いにする」
エレン(やっと解放される……)
ミカサ「といってもただの格闘じゃない。ライナー!」パチン
ライナー「ようやく俺の出番か……」ザッザッ
ベルトルト「ラ、ライナー! 何で裸なんだ!」ビクッ
ライナー「対人格闘訓練の特別講師だ。点数にならないからこの科目をサボるものが大勢いるそうじゃないか」
アニ「そりゃそうだろ」
ライナー「俺はそんな中途半端なのは大嫌いだ。そこで、俺は相手に倒されたやつのケツを掘る! 男女問わずだ!」
訓練兵「」
ベルトルト「何言ってんだお前! 何の権限でそんなこと!」
ライナー「俺だってこんなことはしたくない! だが、誰かがやんなくちゃなんねえ! いいか! 掘られたくなけりゃ意地でも立ち続けろ!」
訓練兵「」ガクガク
ミカサ「もう分かっているとは思うけど、イェーガー訓練兵だけは私が掘る。格闘の相手も私!」ハァハァ
エレン「何で自分だけなんですか!」
ミカサ「口答えしても掘る。そのつもりでかかってきて」ゴゴゴゴ
エレン「……分かりました。今日こそ教官に打ち勝って見せますよ……」ゴゴゴゴ
***
マルコ「がああああああ! 痛い! 痛いよお!」パンパンパンパン
ライナー「ええい! 情けないぞ、ボット訓練兵!」パンパンパンパン
ジャン「俺と戦ったのがまずかったな、マルコ」
マルコ「痛い痛い! 抜いてくれ!」パンパンパンパン
エレン「痛だだだだだあああああああああ!!!!!!!」ゴリュッ ゴリュッ
ミカサ「まだまだ! こんなことでは巨人に勝てない!」ゴリュッ ゴリュッ
エレン「巨人と格闘なんかしないですよ! あああああ!!!!!」ゴリュッ ゴリュッ
アニ「エレンはともかく、男子は皆馬鹿だね。互いに手を抜いて相手を倒さないようにすりゃいいのに」
ミーナ「女子のなかにもつまづいて転んでる子がいるけど、ライナーは男子しか見てないよ……」
アニ「あ、別に倒れてないのにベルトルトが掘られてる……」
***
翌日
キース(昨日は思わぬ休暇をとれた。たまには家族で映画というのも悪くない……)
キース(それよりもアッカーマンのやつ、大口をたたいていたがちゃんとやったんだろうか……)
号令係「整列っ!」
訓練兵「」ビシッ
キース(な、なんだ? 一昨日までとは気迫がまるで違う! 主に男子!)
キース(ブラウンを除くすべての男子が尻を押さえて鋭い目つきでこちらを見ている……。そしてブラウンは恍惚の表情を浮かべている……)ビクビク
キース「貴様ら、一体何があったんだ……」
エレン「教官っ!」
キース「な、なんだ……?」
エレン「自分は昨日、強くなければ大切なものを守ることなど出来ないことを知りました!」ポロポロ
ベルトルト「人類の存亡云々の話じゃない! ちっぽけな自身の尊厳さえ、弱いものには守れないことを知りました!」ポロポロ
マルコ「教官! どうか我々を強くしてください! これ以上悲劇を繰り返さないためにも!」
ライナー「気持ちよかった!」
ミカサ「右に同じ!」
キース(な、何が彼らの精神をここまで成長させたというのだ! 恐るべし、ミカサ・アッカーマン!)
おしまい
このSSまとめへのコメント
ミカサwwwwすっげえwwwwwwwww
めっちゃおもろい!!!声だして笑った!!!!!(*^^*)
乙!続編もほしい♪
まじでわろた