絵里「つよくてにゅーげーむ」 part2 (1000)
《前スレ 絵里「つよくてにゅーげーむ」》
《→絵里「つよくてにゅーげーむ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405000363/)》
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407601747
>>1が書いたss全部まとめて欲しい
本編のリクだと思って書いたのけど拾ってくれるならことりと海未を除外した
絵里と「にこ・希・穂乃果・真姫・凛・花陽」の内の誰かでってことで捉えてください
この人が書いたssまとめたら文庫本一巻くらいにはなりそうだよね
>>6
ならこのえりまき→絵里「真姫っていつも髪の毛くるくるしてるわね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404576637/)が1つ立てたやつであった
リクエストでまた新しく立てるときは、にこのぞほのまきりんぱなの中から選ぶわ
>>7
そうかも
前スレにゅーげーむだけでも8~9万文字くらいはあるんじゃないかな
更新は遅くなるので夜まで待ってね
前スレ落ちるの早いな
>>9-10
1000まで行ったからじゃない?
今から更新終わったら過去作スレタイだけ貼るッス
多いんで2つにわけるわ
絵里「あ、そういえば真姫。話したいことがあるとか言ってたわよね」
真姫「うっ」
花陽「?」
絵里(何だろう今の反応)
真姫「……まあ、花陽はあの場にいたからいいか」
花陽「どうしたの?」
真姫「ひとまずシャワー浴びるわよ。浴室のドア越しでもしゃべれるし」
絵里「え? 何でわかったの?」
真姫「穂乃果と凛の声、聞こえてたでしょ?」
絵里「なるほど」
花陽「今度は絵里ちゃん、服濡らさないようにね」
絵里「わかってるわ!」
真姫「本当かしら」
絵里「ほ、本当だってば!」
真姫「危なっかしいのよ、絵里は」
絵里「そんなことないわよぉ。ねぇ花陽」
花陽「う、うーん……」
絵里(激しく傷ついた)
真姫「そんな調子でパリなんて行けるの?」
絵里「……もしかして真姫、私がいなくなるの寂しい?」
真姫「……まあね」
花陽「あ、真姫ちゃん素直になった」
真姫「いいでしょたまにはこのくらい」
絵里「いつも素直になればいいのに」
真姫「できるならやってるわよ」
絵里(あれ? その発言自体が素直な気が……)
真姫「わかってると思うけど、私の言いたいことは1つよ」
絵里(何だろう)
真姫「合宿の時はありがとう。それにμ'sを引っ張ってくれてありがとう」
絵里「!」
花陽「これからもよろしくね、絵里ちゃんっ」
絵里「……」
絵里(全然……意識してなかった)
絵里「2人とも……ずるいわよぉ……」
真姫「で、このシャワーどうやって使うの?」
絵里「見えない……」
真姫「泣かないでよ。別に泣かせようと思って言ったわけじゃないわ」
絵里「だって、急に言うんだもん……心の準備っていうのが……全然」
絵里(あー、私、絶対涙もろくなってる)
真姫「ほら、これどうするの?」
絵里(あー、ダメね。このままじゃ)
絵里(もっとしゃきっとしないと!)
絵里「ここをこうやるの」
花陽「絵里ちゃん、鼻水出てる。はい、ティッシュ」
絵里「……ごめんなさい」
真姫「絵里らしいわね」
絵里「うれしくない」
花陽「あ、それで次はどうするの?」
絵里「えーっとえ、ここを回して温度を……」
真姫「あ、絵里!」
花陽「そこに頭置いてたら――――――――」
絵里「同じ手にはかからないわ!」
真姫「!」
花陽「み、水が流れてこない!」
真姫「どうして……? 絵里は確かに水を……」
花陽「真姫ちゃん! 見て!」
真姫「あ、あれは!」
絵里「その通りよっ!」
真姫「……水が蛇口から流れてる」
絵里「ふふふ……こんなこともあろうかと、水栓を蛇口の方へ回していたのよ!」
絵里(ちゃんと学習したんだから)
絵里「あ、ちなみに戻すときはこっちを」
花陽「あっ」
絵里「わ、しまっ――――――――」
絵里「……ことり」
ことり「あ、絵里ちゃんおかえり……」
希「また濡れてる!?」
絵里「こ、今回はヘッドトレスだけよ。かわしたもん」
にこ「当たってるじゃない」
絵里「間一髪だったわ」
凛「それより絵里ちゃん、早く乾かさないと」
絵里「あ、そうね。ごめんねことり、ヘッドトレス濡らしちゃって」
穂乃果「そうじゃないよ! 絵里ちゃんを乾かすんだよ!」
絵里「え」
ことり「そうだよ。衣装は何度でも作り直せるけど、絵里ちゃんは作り直せないんだからね」
絵里「……」
絵里(……また涙が)
絵里「うう、ありがとう……」
海未「ことりー、衣装、これで合っていますか?」
海未「って絵里、また濡れたんですか」
希「はしゃぎすぎたんよ。ほら、後ろ向いて」
にこ「これで風邪引いたら最悪よ? ほら、首もとは濡れてない?」
穂乃果「もー、絵里ちゃんは1人でどこか行っちゃダメだねぇ」
絵里(なんか犬みたいな扱い……)
絵里「みんな、ありがとう」
希「んー、いいよ。いつものことやし」
にこ「そうね」
穂乃果「うんうん」
ことり「絵里ちゃんも早く衣装合わせしよっか」
絵里「うん、わかった」
ここまでー
泣き虫えりちはかわいい
次2レスで立てたスレ貼る
/////////////////////////////////////
・ルームシェア(完結)
にこ「真姫ちゃんとルームシェア」
凛「かよちんとルームシェア」
海未「穂乃果とお泊まり」
にこ「卒業とそれから」
にこ「それからと旅行」
・テレパシー(完結)
海未「穂乃果とテレパシー」
にこ「真姫ちゃんとテレパシー」
・春夏秋冬(あと2作)《地の文アリ》
真姫「とある夏の日の思い出」
にこ「嘘吐きと出会いの春」
・なんでですかー(あと3作くらい)
海未「あなたのハートを読み取るメガネ! ってなんでですかー」
海未「あなたのハートに噛み付くヴァンプ! ってなんでですかー」
海未「あなたのハートを取り出すミラー! ってなんでですかー」
・職業ソルゲ(あと海未ちゃんの)
真姫「カリスマブロガー西木野真姫」
絵里「恋のキューピッド絢瀬絵里」
・すれ違い(あと1作)《地の文アリ》
真姫「意外。私って尽くすタイプだったのね」
絵里「やっぱり、私って面倒な子ね」
・ことえり手錠(あと1作)
ことり「絵里ちゃん見て見て手錠だよ」
ことり「絵里ちゃん見て見てまた手錠だよ」
/////////////////////////////////
//////////////////////////////
・その他
にこ「音乃木坂高校の日常」 にこ「真姫ちゃんとの日常」 絵里「穂乃果とお買い物」 海未「ことりと旅行」
凛「かよちんとの日常」 穂乃果「雨降りの日曜日」 希「アイドルの極意?」 ことり「凛ちゃんをプロデュース!」
穂乃果「穂乃果から愛をこめて!」 希「今日はウチの誕生日やね」 真姫「最高の舞台にしましょう」
絵里「真姫っていつも髪の毛くるくるしてるわね」 絵里「かしこさが足りない」 絵里「見て海未、花火が綺麗」
穂乃果「穂乃果はいつになったらホノーチカになれるんだろう」 にこ「絵里は黙ってれば賢く見える」
絵里「凛って髪の毛ふわふわ」 花陽「絵里ちゃんとお買い物って初めてだよね?」 花陽「絵里ちゃんの笑う顔が見たい」
花陽「あなたのお悩み解決します」 穂乃果「お持ち帰りします」 海未「本音を言うと誤解を招く」 にこ「抱き着き禁止令」
凛「凛が2人でふたりんりん」 にこ「鈍感な彼女」 にこ「希はテンパってる時がかわいい」
絵里「愛をこめて贈りましょう」
///////////////////////////////
上手く貼れてなかったらごめん
(にゅーげーむ中に立てたスレは15個)
合計46スレどす
あとリクエストはコンマ関係なく書くことにしたよ
それと大半をくっつけて1つのssにするつもりだから、これが終わったら次はそのスレになるよ
ほんと質量ともに高くて脱帽
この調子で書いて欲しいけど体壊さないでね
>>31
物理的に体壊すのはよくあるけど、風邪とかはここ6年くらい引いてないから大丈夫
虫歯もないぞ
更新は夜になるよ
絵里(……ああ、もう朝かぁ)
絵里(昨日は衣装合わせして学園祭に備えて……今日は練習なしだったわよね)
絵里「朝ごはん食べよう……」
絵里(……あれ? 起きられない)
絵里「からだ、おも……うっ」
絵里(頭も痛い……)
絵里「……」
絵里(嘘でしょ、私が――――――――)
絵里「私が、風邪引くなんて」
絵里(せきは出ないから、喉の心配は大丈夫よね?)
絵里(あぁ、この感覚……確実に熱があるわね。体温計どこやったっけ)
絵里「ん、あった」
絵里「……」
絵里(亜里沙は……そっか、今日は雪穂ちゃんとお出かけだっけ)
絵里「なら心配、かけられないわよね」
絵里「……」
亜里沙「お姉ちゃーん」
絵里「なにー?」
亜里沙「お姉ちゃん、朝ごはんチンしておいたよ。一緒に食べよ?」
絵里「まだ寝てたいから先に食べててくれない?」
亜里沙「わかった。お姉ちゃん、ちゃんと起きてね」
絵里「はーい」
絵里(よし、誤魔化せた……)
絵里「あ、計れてる……って」
絵里(ぴったり40℃かぁ……これは絶対安静ね)
絵里「昨日のシャワーかしら?」
絵里(それだったら本当におバカさんだというかなんというか……)
絵里「はぁ……」
絵里(とりあえず亜里沙が出たら、朝ごはん食べて冷却シートを……)
絵里(……みんなは大丈夫かしら。私みたいに急に風邪ひいてないわよね?)
絵里「メール……してみよ」
亜里沙「お姉ちゃん、行ってくるね」
絵里「あ、うん。行ってらっしゃい」
亜里沙「ふふ、お姉ちゃん頑張ってたもんね。じゃあ、行ってきます」
絵里「はーい」
絵里(……頑張ってた? 何を?)
絵里(練習かしら……うーん、私の中では頑張ってる、って感じじゃないんだけど……)
絵里「……はーっ」
絵里(吐息も熱い感じするわね)
絵里(朝ごはん、食べよ)
絵里「……」
絵里(しまった)
絵里「く、うぅぅ」
絵里(立てない)
絵里(……這って行くしかないか)
絵里「よい、しょっと」
絵里「あー……」
絵里(動きたくない)
絵里(でもご飯食べなきゃ、力が出ないし……)
絵里「……立てる、私は立てるはずよ」
絵里(……よし、立てる!)
絵里「あ、っと……立てた」
絵里「からだ、おもい……」
絵里(普段ならすいすい歩けるのに……熱って嫌ね)
絵里「うんしょ、っと」
絵里「っとと」
絵里(あはは、何だか酔っぱらいみたい)
絵里「千鳥足って言うのかしらね」
絵里「おおっと、危ない危ない」
絵里(……って、私は何しに来たんだっけ?)
絵里「あ、そうだ。ごはんごはん……」
絵里「……」
絵里(今日に限ってお魚……骨が……)
絵里「……いただきます」
絵里(あー、どうしよ。骨ごとバリバリって食べちゃおうかしら)
絵里(私はオオカミです。きっと食べられます)
絵里「……むりかも」
絵里(うー、お箸ちゃんと持てない)
絵里「先にお茶……わわっ」
絵里(片手では持てないのね、危ない危ない)
絵里「……ストロー、あったかしら」
絵里(えーっと……確か使わないからどこかに……)
絵里「あ」
絵里(椅子に乗らないと届かないとこに置いたんだった……無理だわ)
絵里「先に冷却シートを……」
絵里「確かこのあたりに残りが……あれ?」
絵里(ない……)
絵里「いたっ、う」
絵里「……うぅ」
絵里(何もないところで転んだ……)
絵里「床、意外と冷たいわね」
絵里「……」
絵里「あたまいたい」
絵里「……寝ちゃったら立てないわね」
絵里(でも立たないと。ずっとここでこうしてるわけにはいかないし)
絵里「……え? 今、鍵開いた?」
絵里(亜里沙が帰ってきた!? まずい! どうにか……)
絵里(どうにかして平静を装わないと!)
絵里「あ、おかえり亜里沙、忘れ物でも……」
希「ざんねーん、ウチでした」
絵里「のぞ……み?」
絵里(なんで希が……? 家の鍵も何で……?)
絵里(うう、頭回らない……)
希「えりちが心配で来たんよ」
絵里(心配で?)
絵里「どうしたの希。真面目な顔して」
希「だから、えりちが心配なんよ」
絵里「心配することなんて何にもないでしょ?」
希「ううん、亜里沙ちゃんが血相変えてウチに会いに来たんよ?」
希「お姉ちゃんの様子がおかしい、私じゃ力になれない、って」
絵里「……」
絵里(亜里沙……)
希「家の鍵をウチに押し付けて、お願いしますって頼み込んできたときはびっくりした」
絵里(亜里沙にはバレてたってわけか……さすが妹ね)
絵里(でも、希にうつしちゃ悪いし……それに、学園祭前にいたずらに不安を与えるのはよくないわね)
絵里「私は大丈夫よ。大したことないから」
希「ふぅん……普通のことは、あるんやね」
絵里(しまった、言葉を間違えた)
絵里「ちょっとここで転んじゃっただけだから」
希「転んだ? なんで?」
絵里「ただの前方不注意よ」
絵里(嘘は言ってないわよね?)
希「えりち、大丈夫?」
絵里「ええ、もちろん」
絵里(う、しまった。足が震えてきた)
希「えりち、何で冷蔵庫にもたれかかってるん?」
絵里「暑いから、少しでも涼もうと思って」
希「えりち、何で顔が赤いん?」
絵里「パジャマ姿を見られたのが恥ずかしいからよ」
希「えりち――――――――」
絵里「ほら、もうそんな赤ずきんみたいな問答やめない? 私は大丈夫だから、心配しなくていいって」
絵里(今日1日しっかり休めばきっと治る。だから――――――――)
希「ならウチが帰る代わりに1つだけお願い聞いてくれる?」
絵里「いいけど……私ができる範囲でお願いね」
絵里(今はどのくらいできるかわからないけど……)
希「うん、すごく簡単なこと」
希「目を閉じたまま10秒間、片足で立ってくれる?」
絵里「な、なんで急にそんなこと」
希「えりちはバレエやってたから、バランス感覚はどのくらいいいんかなーと思って」
絵里(さすが希……体温を計らせないのは、不正される恐れがあるからよね)
絵里(すぐに影響の出る身体面で審査する、ってわけ……)
絵里(でもね、希)
絵里「私の実力を舐めない方がいいわ」
絵里(本気で集中すれば、そのくらい簡単にできる――――――――)
希「じゃあ今からやるよ? いい?」
絵里「ええ、来なさい」
希「じゃあよーい……スタート!」
希「1、2……」
絵里(やれる。そのくらい簡単に)
絵里(頭はふらふらするけど、床の感覚くらいわかる)
希「3、4……」
絵里(つま先だけじゃなくて、しっかり足の裏までついてるんだから簡単よ)
絵里(……本当はすごくつらいけど)
希「5、6……」
絵里(こんなところで倒れるなんて、私のプライドが許さない)
希「7、8……」
絵里(今まで積み上げてきた、穂乃果たちとの日々を……)
希「9……」
絵里「……」
希「10。はーい、時間切れ」
絵里「え、じ、時間切れ?」
希「うん。時間切れ」
絵里「10秒間立てって話じゃ……」
希「ウチはその10秒間で、えりちが何をするかを見たかったんよ」
絵里(何をするか?)
希「えりちが目を閉じて片足で10秒、なんて余裕でできるにきまってるやろ?」
希「でも、今の10秒間――――――――」
希「えりちは一瞬たりとも笑顔を見せてないんよ」
絵里「……ああ、わかったわ。そっちの余裕がなかったって言いたいのね?」
希「うん、そういうこと」
絵里「でもちゃんと10秒立てたでしょ? なら約束を守れたわ」
希「えりち、そうやないよ」
絵里「……?」
希「えりちらしくない」
絵里「私らしく……?」
希「えりちなら、もう10秒くらい簡単なはず」
絵里(……普段ならね)
希「なのに、顔を真っ赤にして汗もいっぱいかいて、苦しそうな表情浮かべて……」
希「……信じろって方が無理だよ」
希「私をもっと……頼ってほしい」
絵里「!」
『……それでもウチを頼ってくれたらうれしいけどなぁ』
『そうねぇ、最初に頼るのは希かも』
『ふふっ、それはうれしい』
希「ねぇ、私はそんなに頼れない?」
希「全部1人で抱え込んで……それって私のせい?」
絵里「ちがう……違うわ希! 泣かないで……!」
絵里(最初からそうだった。希は私に頼ってほしがってた)
絵里(それを私は……)
絵里「希、ごめん、私、そんな……そんなつもりじゃ……!」
希「……」
絵里「あなたに心配をかけたくなくて……ずっと……」
絵里(いや、もう何を言っても無駄ね)
絵里(言いたいことを言わなきゃ)
絵里「……希、顔をあげてくれる?」
希「うん」
絵里「……」
希「あ」
絵里「何か落ちて……」
絵里(……目薬)
希「あ、えりち、これは違うんよ」
絵里「え? 何? 聞こえないわね」
希「いや、この涙は本物であって、決して目薬なんかじゃ……」
絵里「希」
希「や、やからそのグーにしてる手を下ろして!」
絵里「問答無用!」
希「きゃああああ! ……って、あれ? え、えりち? 何で抱きついて……」
絵里「振り下ろした拳の勢いを止められなかっただけ」
希「……えりち、めちゃくちゃ熱いやん。うそつきはダメやのに」
絵里「希もよ。本気で泣いてるくせに、わざわざ目薬なんか隠し持って」
希「ふふ、お互いさまやね」
絵里「うん、そうね」
希「あーん」
絵里「あー……ん」
希「おいしい?」
絵里「……あんまり味わかんない」
希「そっか。じゃあプリンとゼリーやったらどっちが好き?」
絵里「プリンかしら」
希「わかった」
絵里「買って来るの?」
希「ううん、配達してくれる人がいるんよ」
絵里「?」
希「あ、もうすぐ着くみたい」
絵里「速いのね」
希「うん、えりちはきっとプリンって言うって気付いてたみたいで、もう買ってるって返信来た」
絵里(誰だろう……)
絵里「ん、呼び鈴が……」
希「ウチが出るよ。届けに来てくれたんよ」
絵里「じゃあお願い」
希「うん」
絵里(うーん、誰かしら)
凛「絵里ちゃんお風邪って本当!?」
花陽「凛ちゃんとおかゆ作ってきたよ!」
真姫「ほら、プリン買ってきたわよ」
にこ「生姜湯とチキンスープも作ったわ、飲みなさい」
穂乃果「絵里ちゃん! お見舞いにチョコ持ってきたよ!」
海未「栄養ドリンクを買ってきました」
ことり「風邪薬と冷却シート買ってきたよぉ」
絵里(予想以上にいっぱい来た)
ここまでー
うるさい看病大会が始まる……!
リクエストssはもう少し待っててね
にょろにょろと建てますので
>>67
× にょろにょろ
○ のろのろ
絵里「えーっと……」
海未「絵里、寝ていなくてはダメでしょう」
絵里「今ごはん食べて……」
にこ「とりあえずこれ、冷蔵庫入れとくわよ」
絵里「あ、わかっ……」
凛「お鍋どこに置いとけばいいの?」
絵里「それはコンロの……」
ことり「絵里ちゃん、汗かいてない?」
絵里「うん、平気だから……」
穂乃果「絵里ちゃんの部屋から枕持ってきたよ」
絵里「えっ、ちょっとみんな……」
花陽「お皿、洗っておくね」
絵里「あ、いいわよそんな……」
真姫「絵里、口についてる」
絵里「んむ」
絵里「……」
絵里(最後まで言わせてくれたって……)
希「ふふ、えりち笑ってる」
絵里「忙しいからね……あはは」
海未「ことり、冷却シートを」
ことり「うん、絵里ちゃんおでこ出して」
絵里「わかった」
凛「そんな重労働、絵里ちゃんにはさせられないにゃ! 凛が手伝うよ」
絵里「ありがとう」
凛「……すっごく熱い」
絵里「まあ熱出てるからね」
ことり「それじゃ、貼りまーす」
絵里「うっ……つめたい」
絵里(……でもちょっと楽になったかも)
穂乃果「絵里ちゃんまくらー」
絵里「ご飯食べてからね」
希「はい、えりち」
絵里「ん、あーん」
にこ「……」
花陽「……」
真姫「……」
絵里(あれ、急にみんなこっち見始めた)
希「お昼はみんなに任せるから、今だけはウチに任せてな」
にこ「ち、違うわよ! そういう意味じゃ……!」
花陽「はぅぅ……」
真姫「別に、そんなこと考えてなんか……」
絵里「?」
穂乃果「……海未ちゃん、ことりちゃん」
海未「どうしました?」
ことり「なに?」
穂乃果「この枕ね……すっごく絵里ちゃんの匂いがする」
絵里「ちょっ……!?」
ことり「ほんと?」
穂乃果「うん、ほら嗅いでみて」
ことり「わーい」
絵里「え、ま、待って!」
ことり「……絵里ちゃんの匂いだ」
穂乃果「だよねだよね?」
凛「凛も嗅ぐにゃー」
絵里(なにこの状況)
希「えりち災難やね」
絵里「本当よもう……」
希「でもさっきより元気出てるなぁ」
絵里(……ほんとだ)
にこ「絵里、生姜湯飲む?」
絵里「いただくわ」
にこ「ん。一応水筒に入れて持ってきたけど……どのコップがいい?」
絵里「あ、その1番上の……」
にこ「……」
絵里(にこじゃ届かなかった)
真姫「私がとるわ」
にこ「ぐぬぬ」
絵里「ごめんねにこ」
にこ「謝られると傷が広がるんだけど」
絵里「う、ごめん」
希「えりち、謝ってる謝ってる」
絵里「あ」
にこ「もー、何なのよこの食器棚は……縮め!」
絵里(真顔で言うんだ)
真姫「このコップ、絵里のお気に入りなの?」
絵里「どうだろ……あんまり気にしたことないわね」
真姫「そう……ほらにこちゃん、生姜湯」
にこ「あ、うん」
凛「お昼は絵里ちゃん何食べる?」
絵里「うーん……今は考えたくないかな」
凛「……そっかぁ」
花陽「そうだよね……ごめんね」
絵里「は、花陽と凛が作ったおかゆがいいわ!」
凛「本当!?」
絵里「本当よ」
凛「よかったね、かよちん」
花陽「うんっ!」
にこ「……」
絵里「にこのも食べるから」
にこ「いや、今の沈黙はコップに注いでたから集中してただけよ」
絵里「あ、そうなの?」
希「えりち忙しそう」
絵里「至れり尽くせりなはずなんだけどね」
希「はい、最後の1口。あーん」
絵里「あーん」
海未「花陽、肩に何かついてますよ」
花陽「そうなの?」
海未「はい、今とりますね……」
海未「……」
花陽「う、海未ちゃん?」
海未「私たち以外の髪の毛の色……」
穂乃果「ドラマで見たことある……浮気現場だ!」
凛「修羅場にゃ!」
絵里(亜里沙のだと思うけど……いいか)
絵里「ごちそうさまでした」
希「じゃあ食器下げるよ」
絵里「うん、お願い」
にこ「ほら、飲みなさい」
真姫「熱いから気を付けてね」
絵里「ありがとう」
穂乃果「あ、チョコ冷蔵庫に入れてていいかな?」
ことり「ええっ!? 穂乃果ちゃん入れてなかったの!?」
穂乃果「ううん、事後承諾ってやつだよ。ちゃんと入れてるよ」
絵里「うん、いいんだけど……今穂乃果が指さしたとこ、冷凍庫よ」
穂乃果「えっ」
真姫「……なんだっけ。この前爆発するやつテレビで見たんだけど」
穂乃果「ええっ!?」
海未「爆発!?」
絵里(そんなの聞いたことないけど……)
希「真姫ちゃん、それきっと電子レンジにゆで卵、じゃない?」
真姫「あ、それだわ」
穂乃果「なーんだ」
凛「びっくりしたぁ」
にこ「今からやってみる?」
絵里「えっ」
穂乃果「見たい見たい!」
凛「気になるにゃー」
絵里「待って」
花陽「そうだよ。ここは絵里ちゃんの家だから」
絵里(よかった、さすが花陽――――――――)
海未「せめて絵里ちゃんの風邪が治った時じゃないとダメだよぉ」
絵里(結局やるんだ)
絵里(まあいいか、ラップしてたらたぶん大丈夫よね)
絵里(それより生姜湯飲まないと冷めちゃう)
絵里「……あ、これおいしい」
にこ「ふふん、そうでしょ? ちゃんとハチミツも入れたから飲みやすいと思うわ」
絵里「うん、飲みやすいわ」
ことり「あ、絵里ちゃんだいぶ顔色良くなってない?」
絵里「え? そう?」
希「一応体温、計っとく?」
絵里「うん」
にこ「今からやってみる?」
絵里「えっ」
穂乃果「見たい見たい!」
凛「気になるにゃー」
絵里「待って」
花陽「そうだよ。ここは絵里ちゃんの家だから」
絵里(よかった、さすが花陽――――――――)
花陽「せめて絵里ちゃんの風邪が治った時じゃないとダメだよぉ」
絵里(結局やるんだ)
穂乃果「はい、手あげて」
絵里「挟むくらいはできるわよ。それにまだ体温計ないし」
穂乃果「じゃ、じゃあ穂乃果……どうすればいい?」
絵里「枕を私の部屋に戻してきて。体温計も私の部屋にあるから」
穂乃果「了解!」
海未「穂乃果、転ばないように気を付けてくださいね」
穂乃果「そんなにドジじゃないよぉ」
穂乃果「……あれ、ドア開かない」
絵里「そこは押して開けるのよ」
穂乃果「あ、そっか」
希「転ばなくてよかったやん」
絵里「そうね」
穂乃果「あったよー」
絵里「持ってきて」
穂乃果「わかった」
ことり「穂乃果ちゃん、きっと枕持って帰って来るよね」
海未「そうですね」
絵里「え? そのくらいは……」
穂乃果「はいっ」
絵里(なぜかブランケットが増えた)
絵里「よいしょ……」
絵里(……あ、でも体が軽くなった気がする)
絵里「……」
希「……」
にこ「……」
穂乃果「……熱が下がってますように」
凛「……下がってますように」
花陽「……」
絵里(緊張する……)
真姫「あ、音鳴ったわよ」
絵里「ん」
絵里(下がってるといいんだけど……)
希「えりち、何度?」
絵里「えーっと……」
絵里「37℃……?」
絵里「って、ものすごく下がってるじゃない」
海未「最初は何度だったんですか?」
絵里「40℃」
海未「えっ」
穂乃果「す、すごい!」
にこ「生姜湯……?」
凛「絵里ちゃん、実は超人?」
ことり「冷却シートかなぁ?」
絵里(本当に何でだろう……)
絵里「もしかしたら……」
真姫「?」
花陽「もしかしたら?」
絵里「みんなが看病してくれたおかげかもね」
希「……えりちって、熱出ててもそういうことさらっと言うんよね」
絵里「え?」
にこ「もう慣れたわよ」
穂乃果「わーい! 来てよかった!」
花陽「そう言われるとうれしいなぁ」
ことり「一応念のために風邪薬も飲もっか」
絵里「うん」
海未「栄養ドリンクもありますよ」
真姫「プリンもあるわ」
絵里(……よく考えたら、こうしてみんなといる方がたくさん食べるのよね。適当に済ませることもないし)
絵里(なるほど……みんなといた方が健康的な生活を送れるってことね)
絵里「ふふっ。みんながいれば、私はずっと健康でいられるわ」
凛「!?」
穂乃果「え、絵里ちゃん!?」
希「みんな気を付けてな、えりちがみんなのエネルギーを吸い取るみたいやで」
絵里「ち、違うってば! そういう意味じゃ……」
にこ「じゃあどういう意味よ」
絵里「え? それは……ずっとみんなと一緒にいたいって意味で……」
にこ「……」
ことり「熱でも絵里ちゃんは絵里ちゃんだね」
海未「ですね」
真姫「でもまだ完全に治ったわけじゃないんだし、寝てた方がいいわよ」
絵里「あ、そうよね」
穂乃果「絵里ちゃん歩ける?」
絵里「ええ、もう大丈夫よ」
絵里(本当に熱、下がったんだ……なんだかびっくりしちゃう)
海未「私たちはここにいましょうか」
絵里「……そうね。うん」
希「えりち、気を遣わなくていいって」
絵里(う、バレてた)
絵里「みんなと一緒にいたい……って言ったら怒る?」
ことり「ううん、全然」
凛「凛たちは大歓迎だよ!」
絵里(よかった)
にこ「でもどうするの? ベッド下ろすわけにも……」
海未「あ、ソファで寝てもらうのはどうでしょう」
花陽「ソファで?」
海未「はい、少しはしたないかもしれませんが」
真姫「絵里はそれでいいの?」
絵里「うん」
希「なら決まりやね」
穂乃果「穂乃果はきっと、このときのためにブランケットを持ってきておいたんだよ」
ことり「穂乃果ちゃん、えらいえらい」
穂乃果「わーい」
希「えりち、何かあったら遠慮せず言ってくれていいよ」
絵里「うん、そうする」
花陽「私は食器とか洗うから、凛ちゃんたちは待っててね」
にこ「花陽、私も手伝うわ」
花陽「うん、ありがとう」
凛「かよちん、にこちゃん。凛たち何してたらいい?」
にこ「絵里の相手してなさい」
穂乃果「……ファイト?」
にこ「そっちの相手じゃない」
絵里「あはは」
凛「それじゃ、何の話する?」
穂乃果「何があるかな?」
希「普通に話しててもも面白くないしなぁ……」
海未「では、絵里をもっとも笑わせた人が勝ちというのはどうでしょう」
ことり「あ、それいいかも」
真姫「え? そんな面白い話とか持ってないんだけど」
凛「そこは作り話だよ、真姫ちゃん」
真姫「それダメじゃない!」
希「大丈夫やって、最後にこのお話はフィクションです、って言えば」
穂乃果「なるほど……それがオチだね!」
真姫「ってもうそれ使えないじゃないの」
凛「あ」
海未「そうですね」
真姫「どうしよう……何か面白い話ってなかったかしら……」
真姫「あ、そうだ。この前花陽がアルパカと10分くらい話してたんだけど……」
花陽「ええっ!? そんなことあった!?」
真姫「あったわよ。私がすぐそばにいたのに気付かなくて」
ことり「すっごく気になる! 話して話して!」
真姫「えーっと……いつだったかしら、たしか4日前くらいなんだけど――――――――」
――――――――調子はどう?――――――――
だいぶ楽になった。みんなのおかげでね
――――――――それはよかったわ。ところで、あなたはまだ帰れないの?――――――――
え? うーん……そうね、まだやることが残ってるもの。
――――――――そう……あんまり無茶しすぎないでね?――――――――
ねぇ。
――――――――何かしら?――――――――
あなたは私なの?
――――――――ええ、そうよ。あなたが知らず知らずのうちに意識の外に押し込んでしまった私よ――――――――
意識の外へ?
――――――――そう、別に多重人格ってわけじゃないけど、あなたが知らないうちに隠しちゃったのよ――――――――
隠す?
――――――――ええ、ほら、この世界で何か、あなたが忘れていることはない?――――――――
忘れてること……あ! 穂乃果がまだチョコを冷凍庫から出してない!
――――――――ああ、それもあるわね――――――――
え、当たりなの?
――――――――違う違う。もっと大事なことよ――――――――
えー……何だろう。
――――――――そのことになると、都合よく考えちゃうの――――――――
都合よく……うーん、わかんない。
――――――――そうよね。簡単にわかるなら、私はいないもの――――――――
ねぇ、あなたは今どこにいるの?
――――――――私? 私はそうね……うん、寝てるわ――――――――
寝てる? 私と一緒ね。
――――――――そう! あなたと一緒よ! 何か思い出すことはない?――――――――
あ、みんなに声かけずに寝ちゃった……。
――――――残念、ハズレよ――――――――
何だろう……ヒントちょうだい!
――――――――じゃあヒントね――――――――
やった!
――――――――あなたは夢を見てる――――――――
夢って……このこと?
――――――――ええ、このことよ。あなたが見ているもののすべてが――――――――
すべて? あなたと話してるのが夢だって言うの?
――――――――ううん、違う。すべてよ――――――――
……難しいわね。
――――――――現実から逃げようとしたわけじゃない――――――――
――――――――ただこの世界の幸福を捨てられないわけじゃない――――――――
――――――――憶測だけど、長くこっちにいすぎたせいで帰るべき場所が思い出しづらくなってるのよ――――――――
帰るべき……場所?
――――――――そうよ。たぶん私1人なら、難なく帰ることができた――――――――
――――――――でもあなたは、みんなを助けようとしてる――――――――
――――――――今すぐにでも逃げだせるのに――――――――
逃げ出すって……そんな無責任なことできないわ。
――――――――そうよ。あなたは縛り付けられてるの――――――――
――――――――みんなに手を引かれて、後戻りができないくらい奥深くまで――――――――
――――――――頼ってくれた自分の仲間を誰1人見捨てずに、ここまで歩いて来ようとしてるの――――――――
仲間を見捨てないことはいいことなんじゃないの?
私は利己的にふるまうの、苦手だから。
――――――――そう。そうやって帰り道を……ううん、逃げ道を自ら消してることに気付いてない――――――――
逃げ道?
――――――――逃げ道よ。ここではまだ帰れない、なんて言って――――――――
――――――――戻ってくることは悪じゃない。でも、いなくなってもいいタイミングがつかめない―――――――
――――――――だからどこか、このままみんなの面倒を見ようとしてる――――――――
――――――――気付いて、あなたのいるべき場所はここじゃない――――――――
絵里「……」
絵里(私のいるべき場所……)
絵里(帰るところ……)
絵里(私の帰る場所は、ここにしかないはずなのに――――――――)
ここまでー
気付けば100レス越えてた
はえー
乙です
体調には気を付けて
>>115
台風の中走り回っても風邪1つひかない筋金入りのバカだからへーきへーき
ちょっと更新
絵里(うーん、変な夢だったわね)
絵里「……あれ? 外が明るいような……」
絵里「……」
絵里(ちょっと待って、今何時?)
絵里「時計どこだっけ……ってみんな寝てる」
絵里「えーっと、今は……」
絵里「7時ちょうど……え? 午前?」
絵里「あはは、まだ夢の中なのかしら」
絵里「……」
絵里「……」
絵里「みんな起きてえええええええええええ! 遅刻よおおおおおおおおおおおお!」
穂乃果「!?」
海未「んん、どうしたんですか……?」
ことり「まだ眠いよぉ……」
花陽「米粉……」
凛「うふふふふ、そんなにたべられないにゃぁ……」
真姫「……」
絵里「起きてってば! 学園祭始まってるから!」
にこ「まだまだ……私たちの夏はこれからよ……」
希「カード……」
絵里(どうすれば……そうだ!)
絵里「早く起きないと朝ごはん抜きよ!」
にこ「」
穂乃果「」
凛「!」
花陽「ごはん!」
希「……あれ、えりち元気になってる?」
絵里「え、あ。ほんとだ」
絵里「じゃなくて、もう学園祭の準備始まってるのよ!」
にこ「今何時よ」
絵里「7時」
花陽「7時!?」
凛「え、えーっと……学園祭開始が7時半だから……」
凛「……」
凛「……やばい」
絵里「そうなのよ! 特に私たちは生徒会として、学園祭の挨拶の時、理事長の横でそれっぽい雰囲気出しながら立ってなきゃいけないの」
穂乃果「そ、それっぽい雰囲気……」
希「あながち間違ってないなぁ」
亜里沙「おねぇちゃん……おはようぅ……」
絵里「亜里沙はまだ起きてこなくていいわよ?」
亜里沙「うん……おひる、みにいくからねぇ」
絵里「わかったわ、ありがとう」
亜里沙「おやすみ……」
希「とりあえずウチとにこっちと花陽ちゃんで昨日の残りをお弁当に詰めるから、えりちはシャワー浴びてきて」
絵里「みんなは?」
花陽「みんなは昨日、亜里沙ちゃんに許可もらってお風呂入ったよぉ」
絵里「そうなのね、うん、わかった。よろしくね!」
凛「はーい。真姫ちゃん起きるにゃー」
穂乃果「海未ちゃんもことりちゃんも、朝ですよー」
絵里(みんな、泊まってくれたのね)
絵里(たぶん私に寂しい思いさせないように)
絵里(ことりは枕まで持ってきてたし)
絵里(みんなに……お礼言わなきゃね)
絵里「よし、お湯出てきた」
絵里「……」
絵里(あ、着替え持ってくるの忘れた)
希「よし、詰め終わった……」
花陽「これは向こうについてから食べよっか」
にこ「朝も昼もあっちで食べるとお金かかるしね」
穂乃果「海未ちゃんと真姫ちゃんだけ全然起きない……」
ことり「うん、2人は最後まで起きてたからね」
絵里「ごめーん、着替え忘れたからちょっと通るわよ」
希「バスタオルだけ……えりち刺激的な格好やん」
絵里「えへへ」
凛「刺激……そうだ! 絵里ちゃん」
絵里「んー?」
凛「そこ格好で海未ちゃんと真姫ちゃんを起こして」
絵里「いいわよ」
絵里「ほら、海未、真姫。起きて」
真姫「ん、熱い……」
海未「……熱気が」
真姫「……」
海未「……」
絵里「おはよう」
真姫「」
海未「」
絵里「あれ?」
にこ「あんたオーバーキルよ。さっさと着替えてきなさい」
絵里「え、でも2人は……」
希「ウチがわしわしして起こすから、えりちは早く」
絵里「うん」
希「こ、これは……!」
花陽「どうしたの!?」
希「海未ちゃん……少しおっきくなってる」
穂乃果「ええっ!?」
凛「い、いつの間に!」
にこ「にこ、歯磨いてくる」
花陽「私も行こうかなぁ」
絵里(部屋の外から面白い会話が……)
ことり「念のために歯ブラシ持ってきててよかったね」
穂乃果「制服も持ってきてたし、海未ちゃんの言う通りだったね」
絵里(海未が言ってたんだ……へぇ)
穂乃果「絵里ちゃんはなかなか起きないからって」
絵里(それ、海未が言うんだ……)
絵里「着替えたわ」
希「ん、それならウチらも着替えるよ」
にこ「ほら、2人とも顔洗ってきなさい」
海未「はい……」
真姫「なんかものすごいものを見た気がする……」
ことり「あ、お母さんからメール……」
絵里「理事長から?」
ことり「あ、学園祭の開始時刻、少し遅れるみたい」
希「おお、どのくらい?」
ことり「1時間」
穂乃果「1時間も!?」
ことり「うん、少し雲行きが怪しいから様子を見るんだって」
穂乃果「あ、穂乃果の携帯も鳴った!」
希「ウチのも来た」
にこ「学校からの連絡ってやつね」
ことり「そうみたいだね」
絵里(前はそんなことあったっけ?)
絵里「まあ遅れたことだし、ゆっくり準備しましょう」
ことり「そうだねっ」
花陽「うん」
ここまで
続きは夜
理事長「本日は天候にも恵まれ、絶好の学園祭日和となりました」
理事長「今まで準備してきたすべてのことを、今日は出しきってください」
理事長「以上です」
絵里「はい、ではこれから各学年の学園祭実行委員は前へ集まってください」
絵里「それ以外の生徒は教室に戻り、担任教諭の指示に従ってください」
絵里(……理事長の言葉通り、本当にいい天気)
絵里(もしかして雨なんか降らないんじゃ……)
絵里(あれ? 雨が降る、なんて何で考えてたんだっけ。天気予報かしら)
希「はい、じゃあこの資料を各教室に持って行ってね」
絵里「希、そっちは資料足りてる?」
希「足りてるよ、これで最後……あ、うん。いいよ。またステージ見に来てな」
絵里「希? どうしたの?」
希「あ、いや。さっきの子が握手してほしいって」
絵里「へー、希ってば人気者じゃない。このこのーっ」
希「えりちにも握手、してもらいたかったみたいやで」
絵里「そうなの?」
希「うん、でも本当に握手したら気絶しそうやからやめとくって」
絵里「?」
希「えりち……今自分が学院でどのくらい人気かわかってないやろ?」
絵里「うん」
希「やっぱり……」
絵里(何だろう、希の視線が突き刺さるんだけど……)
希「えりち、ファンクラブってわかる?」
絵里「そのくらいわかるわよ」
希「この学校にはえりちファンクラブが公式、非公式にそれぞれ1つずつ存在します」
絵里「……」
絵里「ええっ!?」
希「ふふ」
絵里「ふぁ、ファンクラブって……あれでしょ? おっかけみたいな……」
希「それそれ」
絵里(ま、まさかそんなものができてたなんて……)
絵里(うれしい以上に複雑だわ)
絵里「そ、それに公式って何!? 認められないわぁ!」
希「ぷぷ、その口調昔のえりちにそっくり」
絵里「昔?」
希「まあそんなことは置いといて……公式って言うのは、μ'sが公式に許可したファンクラブなんよ」
絵里「……ってことは、希たちが立ち上げたってこと……?」
希「そうやね。正確にはウチとにこっちで」
絵里「……」
絵里(何と言うか心境を言葉に表しづらい)
希「えりちがμ'sに入る前から、ファンクラブそのものはあったんよ」
絵里「え、全然気づかなかった」
希「それは仕方ないよ」
希「もともと少なかったファンが爆発的に増えてウチらが気付くようになったのは、えりちが変わってからやもん」
絵里「私が……変わって?」
希「そう。えりちが突然丸くなってからやね」
絵里「丸く? 私、もともとこんな感じよ?」
希「まあ今のえりちはね。それでμ'sに加入する前からあるファンクラブを、μ's内の絢瀬絵里ファンクラブをして組みなおしたのがウチとにこっちなん」
絵里「そうだったの……じゃあ前のファンクラブはなくなっちゃったの?」
希「ううん、一応形だけは残ってるよ。近々合併みたいなことしてなくなるけどね」
絵里「そうなんだ」
絵里(……どのくらいファンっているんだろう)
希「えりち、今ファンの人数気になったやろ」
絵里「ぎくっ」
希「まあ口で言うのも面白くないし……えりち、手出して」
絵里「こう?」
希「うん。今から数字を指で数字を書くから、その人数がファンの数やで」
絵里「わかったわ」
希「まず1ケタ目は……」
絵里(まあいても2ケタが限度ってところよね)
希「で、2ケタ目」
絵里(ふむふむ……なかなかの数ね。まあこのくらいだったら――――――――)
希「それで3ケタ目」
絵里「えっ」
絵里「ま、待って待って」
希「どうしたん?」
絵里「さ、3ケタもあるの……?」
希「この学校でなら」
絵里「え、学校でって……」
希「現代にはインターネットというものがあるんよ?」
絵里「」
希「それでつけたして……ってとこかな」
絵里「えええええ!? お、おかしいでしょ!?」
絵里「ろ、6ケタもいるの!?」
希「これが今のえりちの実力ってとこやで」
絵里「う、うぅ……緊張してきた」
希「どこに出しても恥ずかしくないえりちやで」
絵里「私が恥ずかしいわよ」
希「えへへ、そんなこと言ってー。実は嬉しいくせに」
絵里「……それもあるけど」
希「やっぱりなぁ。ちなみに会員番号やけど……」
絵里「え、そんなのもあるの?」
希「うん、1から9がμ'sのみんなと亜里沙ちゃんと、それと理事長やね」
絵里(亜里沙も入ってたんだ……)
絵里「って理事長も!?」
理事長「はい」
絵里「うわぁ!?」
絵里(け、気配が感じられなかった)
理事長「この学院も公認のファンクラブですよ」
絵里(本人の許可とってないのに)
絵里「あれ? でも1から9でしょ? それじゃ、誰か1人足りない……」
希「ウチや」
絵里「え?」
希「ウチが……その中には入ってないんよ」
絵里「……え」
絵里(希は入ってくれてないの……?)
絵里(それはちょっとショックというか……なんだか寂しいというか)
希「ウチは1から9ではなく……ナンバー0なん!」
絵里「0!?」
希「そう、創始者たるウチには始まりの0という数字を冠することで……」
絵里「い、いやいや! 仰々しすぎるでしょ!」
希「うん、みんな入れてったらウチの分の数字がなくなったから、仕方なく作っただけ」
絵里「なんだぁ……」
希「えへへ、えりち今しょんぼりしてた」
絵里「し、してないわよ!」
理事長「ふふ、それじゃ2人には、学園祭の見回りをお願いしますね」
絵里「はい、わかりました」
希「了解しました!」
理事長「ふふ、いい返事です。まあ見回りと言っても先生方が巡回してるから、あんまりすることはないんだけど」
絵里(あ、そうなんだ)
理事長「あなたたちのクラスは何をやるんでしたっけ?」
絵里「希、覚えてる?」
希「うーん……なんやったっけ。μ'sはラブライブ出場のために、準備よりも練習優先しろって言われてたからなぁ」
絵里(そうよね。前もそんな風に……)
絵里(……また前って。デジャヴかしら?)
希「あ、そうや。確か喫茶店やったような……」
絵里「……あー。そういえばミキサーを運んでたっけ」
理事長「そうですか。私も立ち寄っていいですか?」
絵里「はい。きっとみんな喜んでくれますよ」
希「じゃあウチらでエスコートやね」
理事長「ええ、お願いします」
理事長「ミキサーということは、ミックスジュースとかですか?」
絵里「はい、おそらく」
希「えりちはやっぱりココアが好きなん?」
絵里「え、何で?」
希「ほら、チョコやし」
絵里(チョコかぁ……そうね、でも飲み物だったら――――――――)
絵里「って、冷凍庫からチョコ出してない!」
希「あ」
理事長「?」
絵里(まあいいか、爆発するわけじゃないんだし……)
絵里「それにしても賑やかね。みんなこっちをよく見てくるような……」
絵里(理事長と一緒に歩いてるのが珍しいからかしら)
希「えりち、ファンクラブのこと思い出して」
絵里「あ、そっか」
理事長「ふふ、こうして歩いていると、学生に戻ったような気分ですね」
希「なるほど……親子でコスプレ、と」
絵里「ちょ、希!?」
理事長「なるほど……その手が」
絵里「理事長!?」
希「あ、着いたみたいやね」
絵里「ん、本当だ」
理事長「まだ人が来ていませんね。中に入っても大丈夫でしょうか」
希「まあここは生徒会特権ということで……」
理事長「そうですね。では私から失礼して……」
にこ「にっこにっこにー! いらっしゃいませ――――――――」
理事長「ふふ、かわいいですね」
絵里「あ、にこだ」
希「にこっちやん」
にこ「……負けた」
ここまでー
ほんとにつよいえりち
相変わらずすごい面白くてびっくり、ただ少し理事長の口調に違和感がある気がする
>>155
おれも思った
海未ちゃんになってしまった
理事長ってどんなんだっけ
変態みたいな理事長しか書いたことないから難しい
おっとりした奥さんみたいな感じ
>>157
ありがとう
略しておっさん
更新だよ
希「にこっちウエイトレス?」
にこ「うん、あんたたちにもやってもらおうと思ったけど生徒会だったわね」
絵里「あ、ごめんね」
にこ「ライブは昼からだし、それに遅れなきゃ何も文句は言わないわ」
絵里「えへへ、ありがと」
にこ「あ、そうだ。これ背中に貼っててくれない?」
希「なにそれ」
にこ「チラシ」
絵里(客寄せパンダね。なるほど)
理事長「では何を頼みましょうか」
にこ「え」
希「あ、そっか。理事長とはここでお別れかぁ」
絵里「そうね。では理事長、失礼します」
にこ「え、ちょ」
理事長「はい。午後にはライブを見に行きますから、その時に会いましょうね」
希「はーい」
にこ「ま、待ちなさいよ2人とも!」
絵里「へ?」
にこ「わ、私をこんな重役と2人きりにするつもり?」
希「重役って……クラスのみんながいるやろ?」
にこ「いるけど……なんか私を有名人扱いするって言うか……」
絵里「ああ、スクールアイドルだから?」
にこ「違うのよ。私を見るたびににっこにっこにーの催促をしてくるんだって」
希「にこっち人気者やん」
にこ「うん、だからなんかくすぐったいくて……」
絵里「わかるわ」
にこ「あんたのとは違うのよ。こっちは近所の犬みたいにかわいがられるというかなんというか……」
絵里(共通点が犬しかない)
にこ「そもそも私は料理作ってる側の手際が悪かったから手伝おうとしただけなの」
希「にこっちらしい」
にこ「そう言われるとなんか複雑だけど……まあいいわ」
にこ「とにかくこうやって接客するつもりは――――――――」
絵里「あら、お客様よ」
にこ「にっこにっこにー! いらっしゃいませ! 何名様ですか?」
穂乃果「スマイルください!」
絵里(会話がかみ合ってない)
にこ「なんだ、穂乃果じゃないの」
穂乃果「うんっ、3人を私たちのクラスに招待しようと思って来たの」
希「そうなん?」
穂乃果「うんうん、すごくいい出来だからね」
理事長「高坂さん?」
穂乃果「あ、理事長。おはようございます」
にこ「穂乃果、悪いけど私は接客あるから行けないわ」
穂乃果「そうなの? ざんねーん……」
にこ「ライブ終わった後、時間があったら行くわ」
穂乃果「本当?」
にこ「ええ。絵里、希、ライブの後時間あるわよね?」
絵里「片付けの時間を考えると、1時間くらい残るわ」
希「うん、十分回れるなぁ」
にこ「ほら、2人もこう言ってることだし」
穂乃果「じゃあ絶対だよ?」
にこ「はいはい、約束ね」
穂乃果「ゆーびきーりげーんまーん」
にこ「そこまでやるの?」
絵里「ふふ、微笑ましいわね」
理事長「そうですね」
穂乃果「よーし、じゃあ2人をごあんなーい……」
にこ「待ちなさい」
穂乃果「え?」
にこ「あんたたちのクラス行くんだから、穂乃果はこの喫茶店に寄るべきよ」
穂乃果「……でも今お金ない」
にこ「大丈夫よ、オレンジジュース1杯50円とかだから」
穂乃果「理事長、自動販売機もそのくらい安くすべきです」
理事長「そうねぇ。どうしようかしら」
絵里「そ、そういうことは生徒会を通して……」
希「えりち、まず業者通さな」
にこ「とりあえず、最初の客として有り金全部置いてきなさい」
穂乃果「ひどいよ! にこちゃんの鬼! 悪魔!」
にこ「何とでも言いなさい」
希「えりち」
絵里「なに?」
希「きっとにこっち、理事長と2人きりになるの避けたいんよ」
絵里(ああ、だからあんな必死になって……)
絵里「じゃあ穂乃果、にこ。ライブ前に部室で会いましょうね」
穂乃果「穂乃果たちのクラスの出し物は?」
希「あとで見るよ。ウチらだけ先に見ちゃうより、みんなで一緒に行った方が楽しそうやし」
穂乃果「そっかぁ……じゃあ仕方ないね」
穂乃果「夢の国に招待するのはライブが終わってからね」
絵里「夢の国……? 何だか楽しそうね!」
希「あ、えりち。穂乃果ちゃんたちのクラスは……ぷぷ、やっぱり言うのやめとこ」
絵里「え? なんで?」
希「その方が楽しみが増えるやろ?」
絵里「あ、そういうことね」
にこ「ほら、早く行きなさい。凛たちのクラスにも行ってあげたら? あの子たちきっと喜ぶわよ」
絵里「うん、そうする」
希「ウチらが来て喜んだのはにこっちも同じやね」
にこ「うっ、うるさい! ほら、行きなさいよ!」
希「あはは、ごめんごめん」
穂乃果「にこちゃんどうしたの?」
にこ「あんたにはわからなくていいの。それより注文しなさい」
穂乃果「じゃあこのメロンソーダで……」
にこ「ジャンボイチゴパフェね。イチゴ1つー!」
穂乃果「えぇっ!? そんなお金ない……ってあれ? お安い……!」
にこ「理事長は何にしますか?」
理事長「私はカフェオレで」
にこ「カフェオレ1つー!」
絵里「なんだ、普通に接客出来てるじゃない」
希「やるときはやるもんなぁ、にこっちは」
絵里「そうかもね」
にこ「だいたい何がスマイルください、よ。笑顔の化身みたいなあんたにやるほどスマイル余ってないわ」
穂乃果「そう? にこちゃんよく笑うから」
にこ「そんなに笑ってる覚えないわよ?」
絵里「ううん、にこはよく笑ってるわ。かわいいわよ」
にこ「……あんたそれ、真顔で言うのやめた方がいいわよ」
絵里「えっ」
理事長「ファンが増える理由の1つですね」
絵里「ええっ」
希「えりち、ファンを増やしに行くよ」
絵里「いや、ただの見回りで……」
穂乃果「凛ちゃんたち、きっと待ってるよ」
絵里「あ、うん」
絵里(でもこんなこと、理事長の前で堂々と……)
理事長「ああ、私は何も聞いていませんよ」
絵里「あっ、ありがとうございます」
絵里(これが大人、かぁ……)
希「えりちは一生なれそうにないなぁ」
絵里「うっ」
ここまで
短くてすまん
明日の朝か昼にまた更新します
凛「いらっしゃいませー!」
絵里「わ、びっくりした」
凛「あ、絵里ちゃんだ」
真姫「!」
希「ウチもいるよー」
花陽「うん、2人ともいらっしゃい」
絵里「あれ? 真姫は?」
希「さっきそっちの方に隠れた気がしたんやけど……」
真姫「か、隠れてなんかないわよ」
凛「ふふ、きっと真姫ちゃんは恥ずかしがってるんだね」
真姫「違うってば!」
絵里「あ、ここメイド喫茶なんだ」
花陽「そうだよぉ。でもね、前から案が出ててたんだけど私たちは知らなかったの」
絵里「ああ、ライブに向けて頑張れって?」
凛「そうそう。みんなおーんなじこと言うの。凛はスタミナ余ってるんだから、頼ってくれたってよかったのに」
花陽「ふふ、そうだね」
希「真姫ちゃんもメイドさんなん?」
真姫「……そうよ」
絵里(ふ、不機嫌そう……)
絵里「凛と花陽がつけてるの、それ何?」
凛「ネコミミにゃー」
花陽「私は犬で……わん?」
希「おお、かわいいなぁ」
絵里「真姫は何もつけてないけど……」
花陽「ダメだよぉ、真姫ちゃん、ちゃんとつけてないと」
真姫「わ、わかったわよ」
絵里(真姫は何の動物なんだろう)
真姫「……うさぎだぴょん」
希「」
絵里「」
絵里「……はっ」
希「い、今意識が……」
真姫「似合ってないなら似合ってないって言って」
絵里「似合ってる!」
希「うんうん!」
真姫「え」
絵里「絶対はずしちゃダメよ!」
希「ライブの時も付けてきてな!」
真姫「嫌よ!」
絵里(……残念だわ)
花陽「まあ立ち話もなんだし……そうだ、メニューとってくるね」
凛「席はここでいい?」
絵里「ええ」
花陽「凛ちゃん、これメニュー」
凛「はーい。こちらがメニューです」
希「んー、何があるんやろ……」
希「スイーツの中に……おにぎり」
凛「当店のオススメだよ」
絵里(……でもよく考えたら私、昨日昼と夜食べてないのよね)
絵里(朝もおかゆだったし……)
絵里「特製おにぎり1つ!」
花陽「やったぁ!」
真姫「最初に売れたメニューがこれなのね……」
凛「生徒会長が頼んだメニューって書いとけば、もっと売れるんじゃないかにゃー」
希「なるほど」
絵里(売れるんだ)
真姫「で、絵里。その背中につけてるの……何?」
絵里「ああ、忘れるところだったわ。私たちのクラスの出し物……というか喫茶店のチラシよ」
凛「た、他店に道場破り!?」
絵里「あ、違う違う。宣伝要員としてね」
真姫「客寄せパンダ……にこちゃんも考えたわね」
希「ここのチラシも貼っとくのはどう?」
真姫「乗った」
絵里「私の意志はどうなるのよ!?」
花陽「お待たせしました!」
希「わ、おにぎり……って、でかい!」
花陽「花陽オススメの1品です」
絵里(これならお腹膨れそうね)
絵里「あら? 希は何か頼まないの?」
希「ああ、ウチは……この白玉あんみつがいいかな」
凛「あんみつだよ、真姫ちゃん」
真姫「花陽、とって」
花陽「はーい」
真姫「はい、どうぞ」
希「4秒で出てきた……」
凛「作ったものが用意してあるからねー」
絵里「え? じゃあこのおにぎりも?」
凛「それはかよちんがさっき作ったにゃ」
絵里「ええっ!?」
花陽「炊き立てのおいしさを堪能してもらいたくて……」
絵里(プロだわ……)
絵里「じゃあ……いただきます」
希「いただきます」
真姫「……」
凛「……」
花陽「……」
絵里「え、3人は何で見てるの?」
花陽「一般のお客さんが入ってくるまであと1時間あるから……」
真姫「それに最初はチラシ配りとかあるし」
凛「お客さんが来ないかr、こうやって見てるの」
絵里「そうなんだ……」
希「えりちも去年とおととしやったやろ?」
絵里「ああ、そうね」
絵里(うっすらとそんな記憶はあるけど……でも、何やってたかしら)
花陽「絵里ちゃん、冷めないうちにどうぞ」
絵里「あ、うん」
絵里「……」
絵里「お、おいしい……!」
花陽「でしょ? ちゃんと持ってきててよかったなぁ」
希「花陽ちゃんお米持ち込んでたんや……」
花陽「一般のお客さんが入ってくるまであと1時間あるから……」
真姫「それに最初はチラシ配りとかあるし」
凛「お客さんが来ないから、こうやって見てるの」
絵里「そうなんだ……」
希「えりちも去年とおととしやったやろ?」
絵里「ああ、そうね」
絵里(うっすらとそんな記憶はあるけど……でも、何やってたかしら)
花陽「絵里ちゃん、冷めないうちにどうぞ」
絵里「あ、うん」
絵里「……」
絵里「お、おいしい……!」
花陽「でしょ? ちゃんと持ってきててよかったなぁ」
希「花陽ちゃんお米持ち込んでたんや……」
絵里「ごちそうさまでした」
希「ごちそうさまでしたー」
花陽「ありがとうございました」
絵里「お代は……」
真姫「私がもらうわ」
絵里「うん、ありがと」
希「3人とも休憩はいつ?」
花陽「あとお昼まで休憩ないの。一緒に回れなくてごめんね」
希「ううん、いいんよ。ライブ終わった後、1時間くらい時間あるからそのときみんなで回ろうって言ってるんやけど、どうかな?」
凛「楽しそうにゃ!」
真姫「そうね」
花陽「うん、それなら大丈夫だよぉ」
絵里「なら決まりね」
絵里「あー、あと穂乃果たちのクラスには入っちゃダメよ」
凛「なんで?」
絵里「最後にみんなで回るから」
真姫「なるほどね」
希「じゃあまた、お昼に部室で」
花陽「うんっ」
絵里(そっか、まだまだ時間あるんだ……)
希「えりち、行くよ」
絵里「そうね。目いっぱい楽しみましょう」
希「みーまーわーりー」
絵里「あ」
真姫「そんな調子で大丈夫なわけ?」
絵里「あはは……」
ここまでー
アニメの学園祭ってライブだけだったから、ドラマCDっぽく
続きは夜
絵里「ほっ!」
希「おお、えりち上手!」
絵里「ふふん。まあフリースローって言ってもこの距離だからね」
希「えりち運動神経いいもんなぁ」
絵里「希もやってみたら?」
希「よーし……このボールにパワーを……ぷしゅっ!」
絵里「入りそう?」
希「いける! てーい!」
絵里「本当に入る……ええ!? 入った!?」
希「スピリチュアルやね」
絵里「もぐらたたき?」
希「えりち、やってみたら?」
絵里「そうね……えーと、30秒で何匹たたけるか、ね」
希「あ、始まってる」
絵里「え、あ、ちょ、速っ」
希「ぷぷぷ……翻弄されるえりち」
絵里「だ、だってこれ、めちゃくちゃ速い……」
希「今なら写真撮り放題やでー」
絵里「希、誰に呼びかけて……うわあああ!? 人が集まってきた!」
希「えりち、トルティーヤやって」
絵里「なんだっけそれ」
希「あのほら、巻いてるやつ」
絵里「ああ、あれね」
希「えりち食べる?」
絵里「うん」
希「何にしよか」
絵里「あ、これおいしそうじゃない?」
希「お、ウチそれにするー」
絵里「えー、ずるーい。最初に私が見つけたのにー」
希「なら半分こしよ」
絵里「ええ、そうしましょう」
希「えりちー、これやってみて」
絵里「なにそれ」
希「フラフープどこまで回せるか」
絵里「ふふふ、希、私はバレエやってたのよ? そのくらい余裕よ!」
希「じゃあどうぞー」
絵里「うりゃあああ!」
希「え、えりち!? 自分が回る必要はないんよ!?」
絵里「えっ」
絵里「……」
絵里(結局お昼まで遊び倒してしまった)
希「楽しかったなぁ」
絵里「そうね。見回り全然できてないけど……」
希「そこは臨機応変に」
絵里「まあそんなに広くないから大丈夫とは思うけど」
希「でもウチら、体育館とか保健室の近くとか全然行ってないよ?」
絵里「……この学校って広いのね」
希「うん」
絵里「まあ……きっと大丈夫よ! みんないい子ばっかりだし」
希「えりちのその投げやりな感じ、ウチ好きやで」
絵里「な、投げやりじゃないわよ! 先生たちも見回ってくれてるし……」
希「ふふ、前のえりちやったら、自分以外に任せられないって感じやったのにね」
絵里「そう?」
希「うんうん」
絵里(あんまり覚えてないのよねぇ)
希「じゃあ部室でみんな待っとこうか」
絵里「そうね」
希「なぁえりち」
絵里「んー?」
希「ライブ、絶対成功させよう」
絵里「言われなくても」
希「ふふ、そっか」
絵里「ええ。そのためにここまで頑張ってきたんだから」
絵里(このままの天気なら雨も降りそうにないし……臨時ステージに屋根をつける必要はなかったわね)
絵里(そもそも何で屋根つけたんだっけ?)
希「えりち、どうしたん?」
絵里「あ、ううん。なんでもない」
希「きっとみんな、お昼ご飯持ってくるで」
絵里「ええっ、私結構食べちゃったから大変かも……」
希「たぶん花陽ちゃんなんか、えりちがおにぎり気に入ってくれたからたくさん持ってくると思うよ」
絵里「こ、困ったわね……」
絵里(確かにあれはおいしかったけど、量がものすごいから……)
絵里「もしもの時は希……頼んだわよ?」
希「一応踊れるようにはしといてな」
絵里「ふふ、了解」
希「んー」
ここまでー
もう>>200かぁ
はやい
にこ「あんたたち、準備はできてるわね?」
穂乃果「この焼きそばおいしいね」
ことり「うんっ」
にこ「今日でラブライブ出場が決まるのよ、大事な――――――――」
希「へー、かき氷とか売ってたんや」
凛「うん、でも溶けてて大変そうだったにゃー」
にこ「だから、ちゃんと気合入れて……」
絵里「にこ、はい、あーん」
にこ「あーん……」
絵里(……怒ってる?)
穂乃果「さっきにこちゃん何話してたの?」
海未「今日のライブ、頑張りましょうと言っていったんですよ」
にこ「まあそういうことね」
真姫「言われなくてもわかってるわよ」
にこ「ならいいんだけど……この空気を見てるとねぇ」
真姫「……まあ確かに」
花陽「にこちゃんもおにぎり食べる?」
にこ「あ、いや。そういう意味で見たわけじゃ……」
絵里「花陽のおにぎりおいしいわよ?」
にこ「……いただくわ」
絵里(なんで残念そうに私を見るの……?)
ことり「これを食べて、あと2時間くらいしたら本番だねっ」
凛「でもステージの最終チェックとかあるし……それ入れたらあと1時間くらいかな?」
希「そうやね。あ、穂乃果ちゃんから揚げ食べる?」
穂乃果「食べる食べる!」
海未「ちゃんと野菜も食べるんですよ?」
穂乃果「食べてるよぉ」
真姫「トマト売ってないの?」
花陽「どうだろう……悪くなっちゃうから生野菜はあんまりないんじゃないかなぁ」
にこ「あー……本当に大丈夫なのかしら」
絵里「大丈夫よ。私たち、いつもこうやってきたじゃない」
にこ「……それもそれであんまりうれしくないけど」
絵里「えー?」
希「まあまあにこっち、心配ばっかりしてても仕方ないよ」
にこ「そうね。絵里のアホさを見習ってみるわ」
絵里「ひどい!」
にこ「あはは」
絵里「もー……」
絵里(そうよね。私たちはいつもこうやって頑張ってきたんだし……今回もきっと大丈夫よ)
穂乃果「あ、そうそう。なんかね、地元のテレビ局の人が取材に来るって」
花陽「ええっ!?」
絵里「何それ!?」
にこ「」
穂乃果「あれ、みんなに言ってなかったっけ?」
希「ほ、穂乃果ちゃん? ウチら以外に……教えてなかったん?」
穂乃果「あれれ、教えたような気がしたんだけど……」
凛「凛は聞いたよー?」
花陽「わ、私たちは聞いてないよぉ!」
絵里「そうよ!」
海未「ということは……絵里とにこと花陽だけですか? 聞いていないのは」
真姫「そうらしいわね」
ことり「穂乃果ちゃんと凛ちゃんが3人に教える予定だったんじゃなかったっけ?」
穂乃果「ああ、穂乃果が絵里ちゃんとにこちゃんに……」
凛「凛はかよちんに……」
穂乃果「……」
凛「……」
穂乃果「忘れてたね」
凛「わすれてたにゃ」
花陽「凛ちゃんっ!」
絵里「穂乃果ぁ!」
凛「ご、ごめんなさい!」
穂乃果「パンがおいしくてつい……」
希「ていうかにこっち、どうしたん?」
にこ「」
真姫「……生きてるわよね?」
絵里「えっ」
海未「そんな」
にこ「勝手に殺すんじゃないわよ!」
ことり「にこちゃんそっち窓だよぉ……」
にこ「だ、誰が緊張してるですってぇ!?」
海未「言ってません言ってません!」
希「にこっち落ち着いて」
にこ「落ち着いてるに決まってるじゃない」
凛「うわぁ!?」
絵里(に、にこが紙コップ握りつぶした)
穂乃果「にこちゃん、今タオルで拭くから……」
にこ「武者震いよ!」
花陽「わ、私たちよりにこちゃんの方が大変そう……」
にこ「……」
絵里「にこ、落ち着いた?」
にこ「……ええ」
絵里「よかったぁ……希の言う通りね。抱きしめれば緊張がほぐれるって」
希「うーん……まあえりちパワーってとこかな」
絵里(それならみんなにできるのかしら)
にこ「ありがと。落ち着いたわ。落ち着いたから離れて」
絵里「あ、うん」
にこ「……テレビかぁ」
穂乃果「ごめんねにこちゃん」
凛「凛もごめんなさい……」
にこ「ううん、怒ってないわ」
にこ「まあ結局は、μ'sを大々的にアピールするチャンスができたわけだしね」
ことり「そうだねっ」
真姫「ま、普通に動画サイトに載せるよりはいいわね」
にこ「そうそう。それにこれは海外デビューの足掛かりになるわ……」
希「野望が出てきてるで、にこっち」
花陽「か、海外!?」
にこ「そうよ! 世界を制覇したら次は宇宙よ」
穂乃果「宇宙!」
凛「夢が広がるにゃー!」
ことり「あはは……」
海未「宇宙では集客効果は見込めませんよ?」
にこ「え、いや、そうじゃなくて……」
絵里(海未って真面目ね)
真姫「でも逆に、ここで失敗したら大変よね」
花陽「」
凛「」
穂乃果「」
絵里「ま、真姫!」
真姫「あ、ちがっ……成功すればいいってことよ」
ことり「き、緊張してきたぁ……」
希「……ま、まあ誰かが気付いたことやし、早めに意識してた方がいいのは確かやね」
海未「そうですね」
絵里(海未はなんだか余裕あるわね……なんでだろう)
海未「絵里」
絵里「え? なに?」
海未「今回の事態は非常にイレギュラーです。何が起こるかわかりませんから、気を付けてくださいね」
絵里「う、うん。わかってるわ」
絵里(確かにイレギュラーね……スクールアイドルのライブにテレビ局が来るってことは、相当人気が出たってことで……うわああああ)
絵里「みんな、今は食べるのよ!」
穂乃果「わかった!」
花陽「そ、そうだね。緊張して食べてないと倒れちゃうかもしれないし……」
ことり「うんっ、食べよう!」
絵里「……ついに本番かぁ」
絵里(結局みんなそわそわしちゃってたし……ああ、心配になってきた)
希「えりち」
絵里「はい」
希「まだ本番までちょっと時間あるけど……アレやってみる?」
絵里「アレ? ……ああ、円陣のこと?」
希「うん」
絵里「そうね。やってみましょうか」
絵里(みんなの緊張がほぐれるといいんだけど……)
絵里「ん? それなら私が抱きしめていった方が……」
希「えりち、それはみんな違う方に緊張するから」
絵里「みんなー、集まって」
穂乃果「なになに?」
凛「そのフレーズ……日曜日の夜に聞いたことが……」
絵里「真似したつもりはありません」
ことり「どうしたの、絵里ちゃん?」
絵里「いや、ね。ここでみんなの心を1つにするのよ!」
にこ「何言ってんの」
絵里「円陣が組みたいです」
にこ「最初からそう言いなさいよ」
絵里「ぐぬぬ」
真姫「でもアイドルだし、円陣ってガラじゃないわよね」
穂乃果「ぶるるんぶるるん」
真姫「ツッコまないわよ」
穂乃果「ううっ、真姫ちゃんの芸人殺し」
絵里(えっ、アイドルじゃなくて?)
花陽「アイドルらしい円陣……?」
海未「そういう時は……こうやるんですよ、ね?」
絵里(海未が手を……ああ! 重ねるのね!)
絵里「ええ、こうやって、ね」
絵里(ん……? でもなんだか違和感があるような)
絵里「海未、ここは……ほら、こうしてピースサインにしたほうがよくない」
海未「ええ。そうですね」
海未「……忘れていたわけではないんですね」
絵里「忘れる?」
海未「いえ、独り言です」
絵里(ん……? でもなんだか違和感があるような)
絵里「海未、ここは……ほら、こうしてピースサインにしたほうがよくない?」
海未「ええ。そうですね」
海未「……忘れていたわけではないんですね」
絵里「忘れる?」
海未「いえ、独り言です」
(忘れてるやん)
穂乃果「じゃあ穂乃果ここにするっ! 絵里ちゃんの隣!」
ことり「私は穂乃果ちゃんの隣にしようかなぁ」
真姫「じゃあ私は海未の隣ね」
希「ならウチは真姫ちゃんの隣」
花陽「私はその隣で……」
にこ「ちょっとぉ、にこにーが真ん中よ! 花陽の隣いただきっ!」
凛「円だから真ん中はないよにこちゃん。じゃあ凛はことりちゃんとにこちゃんの間だね」
海未「さて、掛け声は……絵里、あなたに任せますよ」
絵里「うん、任せて!」
絵里「まずは……点呼!」
にこ「点呼? 何で今……」
絵里「ちゃんと9人いるかどうかの確認よ」
穂乃果「なるほどぉ。絵里ちゃん緊張してるなー?」
絵里「ふふ、ちょっとね」
ことり「誰から行く?」
穂乃果「私から行くよ。みんな、被っちゃダメだよ?」
花陽「ええっ? そういうルールなの?」
希「ここは1発で決めたいなぁ……」
穂乃果「よーし、スタート!」
穂乃果「1!」
ことり「2!」
海未「3!」
真姫「4!」
凛「5!」
花陽「6!」
にこ「7!」
希「8!」
絵里「9!」
μ's、ミュージック――――――――
――――――――スタート!
ここまでー
1期の13話のやつやりたかったんだ
>>225
その答えはあってる(ネタバレになるから詳しくは言えないけど)
リクエストはたぶん明日から消化してくよ
コンマ高かった順にやってく
自分のリクエストがスルーされた時は、にゅーげーむ終わった後のスレのネタになってるってことだから安心しおくれ
更新は22時過ぎる
大丈夫よ、私ならやれる。
ここまで頑張ってきたんだもの。
前とは違う。
前みたいに――――――――誰も欠けずに私は――――――――
ことり「……絵里ちゃん、次の曲だよ」
海未「絵里、少し右に」
穂乃果「絵里ちゃん……?」
絵里「あ、うんっ」
絵里(何も起きなかった……)
絵里(ってそうだ。テレビの人たちが来てるんだし、恥ずかしい格好見せられないわね)
誰も欠けずに?
前とは違う?
私は、いったい何と比べているの――――――――?
凛「絵里ちゃん、次でラストだよ」
花陽「頑張ろうね、絵里ちゃん」
真姫「ほら、絵里はそっち」
絵里「うん」
絵里(無事に2曲目も終わった……)
絵里(……踊ってる時の記憶がない。緊張し過ぎかしら?)
もしかして――――――――こうやって以前、ライブをしたことがあった?
だって見覚えがあるもの。
この景色はもっとどんよりしてて。
空は泣いているように濡れていて。
何より、思い出したくないような嫌なことが起こって――――――――
――――――――でもそれ、本当に私が経験したことかしら?
絵里「終わった……?」
希「えりち、まだ終わってないよ」
にこ「そうよ。絵里、挨拶が残ってる」
絵里「あっ、そ、そうよね……」
絵里「ありがとうございました!」
ありがとうございました――――――――
穂乃果「……お客さん、帰っちゃった?」
凛「うん、もうみんないなくなっちゃったみたい」
希「なんかがらーんとしてる」
真姫「そうね。この屋上の様子が、正しい景色のはずなのに」
にこ「意外とファンに迫られる、みたいな展開はなかったわね。ざんねーん」
花陽「で、でも屋上いっぱいに人が集まってたよねぇ……今思うとすごいなぁ」
ことり「でも、私たち……ちゃんとできたよね?」
海未「はい。無事に終わらせることができました!」
にこ「だーかーら、これからが始まりでしょ?」
海未「ふふ、そうでしたね」
ことり「なんだか実感わかないけど……私たち、ちゃんとできてたよね?」
凛「うん! みんなちゃんとできてたよ!」
真姫「ええ、どこもおかしなところはなかったわ」
穂乃果「うんっ! 練習の成果だね!」
花陽「まだお客さんの拍手が耳に残ってるよぉ」
希「うん、すごかったもんなぁ……。ね、えりち」
絵里「……」
希「えりち?」
絵里「え、は、はい!」
にこ「どうしたのよ。まだ緊張してるの?」
絵里「あ、いや。違うのよ。ちょっと考え事してて」
凛「そう言うにこちゃんも、手が震えてるのバレバレにゃー」
にこ「うっ」
花陽「ふふ、でも……私たち、精一杯やれたよね?」
ことり「これ以上ないってくらいね」
海未「ええ、そうですよ」
穂乃果「……よく考えたら穂乃果たち、テレビに出たんだよね? それって今考えると……」
凛「……ま、真姫ちゃん。凛のリボン、曲がってなかった?」
真姫「今更確認してどうするのよ」
凛「で、でもぉ……」
希「にこっち、口に焼きそばのソースついてる」
にこ「ええええええええ!?」
希「じょ、冗談やってにこっち」
にこ「……許さないわ」
希「や、やめてーっ!」
ことり「あ、そんなに暴れちゃダメだよぉ!」
穂乃果「そうだよ。ここ、ステージの裏なんだから……倒れちゃったらどうするの!?」
真姫「それはないわよ」
穂乃果「えへへー、だよね」
違う。
違う。
私の思ってることは、考えていることは1つ違う。
誰かがそう言ってる気がする。
私をさっきから、ずっと読んでる誰かがいる。
誰かがそう言ってる気がする。
私をさっきから、ずっと呼んでる誰かがいる。
それは誰なんだろう。
私はそれを覚えてるはずなのに。
知らないわけがないはずなのに。
何が違うの?
もしかして――――――――
――――――――私が感じる既視感が違うって言うの?
絵里「それなら……納得がいくわ」
希「えりち?」
絵里「ううん、何でもないわ」
絵里「ほら、早く着替えて穂乃果たちのクラスに行かないと」
穂乃果「ああっ、そうだった! 早くしないとみんなで回れなくなっちゃう!」
凛「かき氷も溶けちゃうにゃ!」
花陽「か、かき氷?」
凛「そうだよかよちん。出し物においしそうなかき氷があってね」
真姫「ほら、早く着替えなさい」
にこ「ちょ、絵里。何で私の服掴むのよ」
絵里「あれ? 着替えさせなくていいの?」
にこ「」
ことり「ふふ、にこちゃんいいなぁ」
海未「そうですね。うらやましいです」
にこ「ば、バカにするんじゃないわよ!」
絵里「あはは、ごめんごめん」
にこ「絶対反省してないわよね……覚えてなさい!」
絵里(だって私は、最初からここにいたじゃない)
絵里(テレビに出る経験だって、こうしてライブ終わりに語り合うのだって初めてなのよ?)
海未「絵里?」
絵里「え? なに?」
海未「あ、いえ……少々眠たげだったので」
絵里「そう?」
海未「はい、疲れているように見えましたよ?」
絵里「ライブ中は大丈夫だったかしら……」
海未「はい。大丈夫でしたよ」
絵里「ほんと?」
海未「ええ。それに雨も降らずにいい天気でしたし……私は思い残すことはありませんよ」
絵里「なんか死んじゃうみたいで縁起悪くない? 私たちはまだまだこれからなんだから」
海未「そうですね。絵里はまだやることがありますから」
絵里「え? 海未も一緒よ?」
海未「ふふ……私は少し、休憩したいんです。あともう少しだけここに留まっているのが精いっぱいな気がするんです」
絵里(それは……疲れて眠いから早く帰りたい、とかそういう類のものかしら)
絵里「それなら今日は、早めに眠ることをオススメするわ」
海未「そうですね。私が倒れたら受け止めてくださいよ?」
絵里「ええ、任せなさい」
絵里(私も前倒れたし……支えるのは私の役目よね?)
――――――――
絵里「……」
希「あれ、えりちの寝言がなくなったなぁ」
花陽「そうだね。さっきまでは色々言ってたのに……大丈夫なのかな?」
希「たぶん大丈夫やとは思うよ? さっきも一定間隔で黙ってた時あったし」
花陽「そっかぁ……もしかして寝てるのかな?」
希「ん、そうかも」
花陽「夢の中で眠るって、なんだかちょっと神秘的かも」
希「そうやね。まあ眠りすぎもよくないんよ」
花陽「そうなの?」
希「うん。ウチもあっちに行ってて気付いたんやけど、長いこと寝すぎると記憶があやふやになってまうんよ」
花陽「え、ええっ!? それって……何日とか何ヶ月とか?」
希「ううん、そんなのじゃなくて、同じ日に長く眠りすぎると、ちょっと」
花陽「そうなんだぁ……」
希「でも心配しなくても大丈夫やで。ちゃんと自分の後悔を覚えてたら、帰り道はわかるから」
花陽「そうなの?」
希「うん。ウチの経験上、そうやったもん」
――――――――
ここまで
待機組の大使と終了の区切りの――――――――の長さはえりちのHPゲージだと思ってね
すまんキャンセルしたと思ったのに書きこまれてた
>>264
あるある
このスレの誤字の8割はそれだ
リクエストその1
まきこころあ
まきちゃんのが一日義姉ちゃん (コンマ92)
真姫「妹っていいものね」
→真姫「妹っていいものね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408329615/)
絵里「それでそれで、夢の国って言うのは……」
穂乃果「もうすぐ着くから待っててね」
絵里(楽しみね。どんな夢なのかしら)
海未「穂乃果、夢の国とはどういうことですか?」
穂乃果「え? だって遊園地とかには絶対あるでしょ?」
海未「ですが……」
ことり「うーん……まあサプライズってことでいいんじゃないかな?」
海未「まあ、それもそうですね」
絵里「希、何だと思う? メリーゴーランドとか?」
希「えりちは素直すぎるなぁ……」
にこ「もうオチが読めてきたわよ」
真姫「何なのかしらね」
凛「あ、真姫ちゃんも楽しみ?」
真姫「まあ、少しは」
花陽「でも何なんだろう……夢の国、夢の国……」
凛「凛知ってるよー。夢の国って言うのは3つの黒い円が――――――――」
希「凛ちゃんその話はやめよか」
凛「え? なんで?」
にこ「大人の事情よ」
凛「なんだかかっこいいにゃ」
穂乃果「はい、つきました!」
絵里「えっ? どこどこ?」
穂乃果「ここだよ、ここ」
絵里「……」
絵里「……え?」
希「あー、やっぱりなぁ」
にこ「そうだと思ったわ」
絵里「ほ、ほのっ……夢の国って……」
穂乃果「そうです……遊園地なら絶対ある、夏の定番スポット――――――――」
穂乃果「心も冷えて気分は夢心地のお化け屋敷!」
凛「わー! 楽しそう!」
花陽「結構本格的だねぇ」
真姫「おばけ役は誰なの?」
ことり「ま、真姫ちゃん!? そんな夢のないこと聞かないでよぉ!」
真姫「ああ、ごめんごめん」
穂乃果「クラスのみんなで頑張って作ったんだよ!」
希「あれ? 穂乃果ちゃんたちお手伝いしてたん?」
海未「はい。少しの間ですが、一般のお客さんが来るまでの1時間だけ」
ことり「衣装のチェックしたり、メイクしたりしたんだよ」
にこ「へー……でも確かになかなか雰囲気あるわね」
穂乃果「でしょー? 最初はみんなに見せたかったんだよ」
穂乃果「だけど穂乃果は急いでたから、絵里ちゃんたちに会いに行ったときメイク忘れてたんだ。えへへ」
にこ「いや、メイクしてこなくて正解だったわ」
穂乃果「え?」
絵里「……」
にこ「絵里、こんなになってるもの」
希「物言わぬ生徒会長……学校の七不思議みたいやん」
真姫「ちょっと絵里、しっかりしなさいよ」
絵里(しっかりしてるわ! 大丈夫よ!)
絵里「こ、怖い……」
希「たぶんえりち、混乱して本音と建前が逆になってる」
海未「今の時間帯は、私たちの貸切ですよ」
花陽「え? どういうこと?」
ことり「クラスのみんながね、最後はμ'sだけで楽しんでほしいって言ってくれたの」
凛「そうなんだ……じゃあ思いっきり楽しまないと!」
穂乃果「うんっ! 私たちは中に入って準備するから、その間に入る順番を決めておいてね」
絵里(あ、それなら……)
ことり「ああ、3人以上入っちゃうと通路が込み合うから、2人組で来てね」
絵里(1人余る)
しまった
1つ抜けた
>>279はなかったことにして
亜里沙「あ、お姉ちゃん!」
絵里「え? 亜里沙?」
穂乃果「亜里沙ちゃん! どうしてここに?」
亜里沙「えーっと……そのぉ……」
海未「?」
絵里(どうしたんだろう……あ、もしかして)
絵里「サインもらいに来たの?」
亜里沙「ぎ、ぎくっ!」
希「わかりやすい姉妹やなぁ」
絵里「え、そう?」
にこ「その意外そうな声はどこから出てるのよ」
絵里「でも意外ね。亜里沙、そんな欲しがるタイプじゃないのに」
亜里沙「それはね、雪穂に聞いたら穂乃果さんはサインを配ってるって言ってたから、もしよければと思って」
にこ「穂乃果……?」
穂乃果「ち、違うよ! ただ近所でサイン欲しいって人が多かったから……その……」
ことり「穂乃果ちゃん、断るの苦手だもんね」
穂乃果「はい……」
絵里「まあいいんじゃない? 悪いことではないし」
にこ「えー!? サインよサイン!」
にこ「これから売れ行く未来が決定したと言っても過言ではないμ'sのメンバーのサインよ!」
花陽「う、売れ行く!?」
にこ「そうよ。あんたたちがいて、ラブライブ優勝できないわけないじゃない」
凛「に、にこちゃん……」
真姫「信頼してくれてるのね」
にこ「ええ、もちろんよ。ここまで来たら一蓮托生で死なばもろともの精神で行くわ」
絵里(不吉すぎる)
希「あれ? でも雪穂ちゃんは?」
亜里沙「ああ、雪穂は家の手伝いをするって言って帰っちゃって……」
穂乃果「え? 今日ってそんなに忙しい日だっけ?」
ことり「穂乃果ちゃん、私たちテレビに出たんだよ」
穂乃果「あ……」
花陽「よく考えると私たち、ものすごいことしてたんだね……」
海未「そうなりますね」
希「実感わく?」
絵里「ううん、全然」
絵里(というかライブ中の記憶もあやふやなくらいだし)
亜里沙「あ、今からみなさん何か用事でしたか?」
穂乃果「あ、ううん。そんな大したことじゃないよ」
亜里沙「……インタビューとかないんですか?」
希「ああっ、この天然具合えりちそっくり」
真姫「わかるわ」
絵里「えっ」
亜里沙「?」
穂乃果「そうだ、亜里沙ちゃんもお化け屋敷に一緒に入る?」
亜里沙「えっ、いいんですか!?」
海未「はい。今の時間帯は、私たちの貸切ですし」
花陽「え? どういうこと?」
ことり「クラスのみんながね、最後はμ'sだけで楽しんでほしいって言ってくれたの」
凛「そうなんだ……じゃあ思いっきり楽しまないと!」
穂乃果「うんっ! 私たちは中に入って準備するから、その間に入る順番を決めておいてね」
絵里(あ、それなら……)
ことり「ああ、3人以上入っちゃうと通路が込み合うから、2人組で来てね」
絵里(1人余る)
絵里「……どうやって決めましょうか」
絵里(1人は嫌だ……)
亜里沙「やっぱりここはあみだくじとかがいいと思う!」
にこ「姉妹でこの空気の差……」
希「えりち、だいぶグロッキーやね」
真姫「そりゃあ夢の国から突き落とされたわけだし」
花陽「だ、誰か絵里ちゃんと一緒に組まなきゃ……」
凛「よーし、じゃあ凛があみだくじ作るよ!」
希「えりちのフォローお願い」
凛「任せて!」
凛「できたよ!」
希「おお……」
にこ「あからさまに1本だけ別のところにあるわね」
凛「これを選ぶと1人になっちゃうから、絵里ちゃんにバレないようにね」
真姫「まあ7本もあるし、絵里がそう簡単に選ぶはず……」
絵里(なんだろう。この1本だけ目立つ線は)
絵里(これを選べば……もしかしたら誰かとペアになれるかも!)
絵里「私これにするわ」
希「」
にこ「」
凛「」
希「え、えりち。考え直そう?」
絵里「ダメよ。私はこの線に運命を感じたもの」
花陽「え、絵里ちゃん。ほら、こっちのとかにしない?」
絵里「これがいいの。お願い」
絵里(きっとこれだわ。私を闇から救ってくれる希望の光はきっとこれよ!)
真姫「絵里……落ち着いて。それだけ変な位置にあると思わない?」
絵里「だからこそオンリーワンなのよ」
亜里沙「じゃあ亜里沙はこっちにするね」
絵里「ペアになれるといいわね」
亜里沙「うんっ」
花陽「ど、どうしよぉ……」
凛「り、凛があんな風に書いちゃったから……」
希「……まあ大丈夫やって、死んじゃうわけやないもん」
にこ「そうね。何かあったら穂乃果たちが何とかするだろうし」
真姫「ええ、所詮お化け屋敷なんだから」
にこ「……絵里、怖くなったら出てきていいからね」
凛「怖かったら凛たちを呼んでね! すぐ駆けつけるから!」
絵里「だ、大丈夫よ。私はそんなに怖がりじゃないってば……」
絵里(やだ、そんなに怖いのかしら……)
ここまでー
途中のミスすまぬ
亜里沙襲来&エリチカボッチカってしか書いてなかったおれが悪かった
絵里(……結局1人になった)
希「え、えりち。元気出して」
絵里「うん……」
絵里(すごく怖いわ)
亜里沙「お姉ちゃん、こんなときは楽しまないと! えいえいおー!」
絵里(ツッコむ気力もない……)
凛「絵里ちゃん、みんなちゃんと外にいるから大丈夫だよ!」
絵里(外かぁ……遠いなぁ)
花陽「絵里ちゃん、すぐに終わるから大丈夫だよぉ」
絵里(子どもの頃、注射するときもそんなこと言われたわね……痛かったなぁ)
真姫「しっかりしなさいよ絵里。この世の終わりってわけじゃないんだから」
絵里「うん……」
にこ「とりあえずその体育座りやめなさい。パンツ見えるわよ」
絵里「」
真姫「あ、立った」
希「おお、さすがにこっち」
にこ「ふふん」
凛「そうだ! 絵里ちゃんは怖くないように、最後に入るのはどう?」
絵里「最後?」
花陽「あ、そうだね。みんなの反応を見れば、ちょっとは安心できるかもしれないよ?」
希「ああ、どこで穂乃果ちゃんたちが出てくるかわかるってことやね」
絵里(そ、そっか。驚かされる場所がわかれば怖く――――――――)
絵里「……でもやっぱり暗いの怖い」
亜里沙「電気つけてもらう?」
絵里「それなら……」
真姫「それ、もはやお化け屋敷じゃないわよ」
穂乃果「みんなー、準備できたよー」
にこ「準備できたみたいよ」
絵里(私の心の準備はできてないわ)
真姫「絵里、部屋の中に入っててもこのくらいの声が聞こえるなら大丈夫じゃない?」
絵里「なるほど」
希「ウチらが外からえりちを呼んでれば、怖くなくなるんと違う?」
絵里「それはちょっと恥ずかしい」
花陽「そ、そっか……どうすれば……」
穂乃果「最初は誰にするのー?」
凛「あ、じゃあ凛たちにしよっ! 行くよ真姫ちゃん!」
真姫「え、ちょ、ちょっと……!」
穂乃果「2名様ごあんなーい!」
希「あれ、穂乃果ちゃん入り口に見えてなかったけど……」
にこ「3人だから、おばけ役で出てるんでしょ」
希「あー、なるほど」
絵里(どれくらい怖いのかしら……)
亜里沙「楽しみですね、花陽さん」
花陽「え? 楽しみ……あ、うん。そうだねっ」
にこ「どうして姉妹なのにそこは似なかったの?」
絵里「そうね。なんでかしらね」
「あれー? お化け出ないよー?」
「そんなにすぐ出るわけないでしょ」
絵里(あ、結構聞こえるのね)
絵里(周りが静かだからって言うのもあるのかも……本当にこのあたりは人いないし)
「んー……あ、真姫ちゃん。何かあるよ」
「え? どれ?」
「ほら、これ――――――――」
「にゃあああああああああああああああ!?」
絵里(!?)
「ま、まきちゃんっ!?」
「凛、落ち着いて」
「まきちゃんまきちゃん!」
「わかったから……く、苦しい……」
絵里(えっ、の、呪い!?)
希「えりち、そんな顔で考えてることはきっと違うで」
「真姫ちゃん……」
「私はここにいるから。抱き着くのはやめて。わかった?」
「うん……」
絵里(なんだ、抱き着いてただけね)
「凛、しっかりして。これは作りものだから」
「で、でも……凛が昨日食べた手羽先に似てて……」
「……何よそれ」
にこ「ぶふっ」
花陽「ああ、そっか。チキンスープの中にあった……」
絵里(手羽先が落ちてる……逆に怖いわ)
「あ、ことりちゃん!」
にこ「最初はことりなのね……」
亜里沙「ドキドキしてくるなぁ」
絵里「私もよ」
絵里(怖くてね)
「よかったにゃー、ことりちゃんがいてくれて……」
「あ、凛ちゃんに真姫ちゃん。いらっしゃい」
「おじゃまします!」
「普通にしゃべるのね」
絵里(なんだ。それならあんまり……)
「凛ちゃん、真姫ちゃん、ここからは……あっ」
「えっ……」
希「ん? 今なんか、音した?」
にこ「ゴトって音がしたわね」
「ひっ……い、いやにゃああああああああああ!?」
絵里(!?)
凛「うわあああああああん! にゃああああああ!」
絵里「うわっ、り、凛!? 大丈夫!?」
花陽「凛ちゃん!?」
凛「絵里ちゃん! かよちん!」
「ちょっと凛、駆け抜けることないでしょ」
「あはは、びっくりさせすぎちゃったかなぁ?」
凛「怖いにゃ! あれはひどいよことりちゃん!」
「えへへ、ごめんごめん。真姫ちゃんそれとって」
「はいはい。ていうか凛、よく壁にぶつからずに外に出られたわね」
凛「……超音波?」
にこ「あんた、こうもり……こうもりんだったのね」
凛「……ちょっと寒くないかにゃ?」
亜里沙「凛さん、何があったんですか?」
凛「あのね、ことりちゃんの……」
絵里「……」
凛「……言ったら絵里ちゃん、気絶しそうだからやめとく」
絵里「ぎくっ」
真姫「そうね。やめた方がいいわ」
にこ「真姫ちゃんは案外怖がらないのね」
真姫「知り合いが出て来るってわかってるから当然よ」
希「うーん、でも凛ちゃんの驚きようを見たら、結構ハードなんが来そうやね」
穂乃果「あれれ? 穂乃果の出番なかったの?」
「私の出番もありませんでしたね」
穂乃果「ざんねーん。じゃあ次は誰と誰が来るの?」
花陽「亜里沙ちゃん、どうする?」
亜里沙「はい! 行きたいです!」
花陽「にこちゃん、希ちゃん。それでいいかな?」
にこ「ええ」
希「うん。いいよ」
穂乃果「2名様、ごあんなーい!」
「あ、雰囲気がすごいなぁ……」
「ワクワクしますね!」
「そう言われるとそうかも」
絵里「え、花陽って怖いの大丈夫なの?」
凛「かよちんはよくびっくりするけど、凛みたいに慌てたりしないんだ」
絵里(そうなんだ……)
「最初は凛ちゃんの言ってた手羽先が……」
「あれですか?」
「あ、そうだね」
真姫「手羽先で通るのね……」
希「ちょっと怖くなくなったんやない?」
絵里「うん、ちょっとだけね」
「あれ? でも、これって人の……」
絵里(人の……?)
「花陽ちゃん、亜里沙ちゃん」
「ことりさん?」
「そうだよぉ」
絵里(き、来た!)
真姫「凛が怖くて逃げだしたところね」
凛「ま、真姫ちゃん!」
真姫「ふふ、ごめんごめん」
「ああ、そうだ。そこに落ちてるの、私のなんだ」
「そこに落ちてるって……まさか……」
「手羽先ですか?」
「あはは、手羽先じゃなくてね、これは――――――――」
絵里(……花陽の言ってた、人のっていうのはもしかして)
「それ、私の足なんだ。あ、腕もとれちゃった」
絵里「」
「あ、足……本当だ、よく見たら足の形してる……」
「ことりさん、どうやって立ってるんですか?」
「えっ」
絵里(あし、あし……)
真姫「え、絵里。凛と同じ行動するのやめて。絞まってるから」
絵里「あ、ご、ごめんなさい」
希「亜里沙ちゃんフリーダムやなぁ」
「片方の足で立つ……まさか、これが1本足打法?」
「あ、亜里沙ちゃん? どこで覚えたの?」
「打法じゃないよ? それより足と腕をとってほしいなぁ……」
にこ「あの音は腕がとれた音だったのね」
絵里「それはびっくりするわ……」
凛「うん。すっごくびっくりしたよ……」
「足……でも、骨だけになってるけどいいの?」
「うん。大丈夫だよ」
「じゃあ……ひゃあっ!?」
「花陽さん!?」
絵里「こ、今度は何!?」
「す、スライムがついてた……」
真姫「用意周到ね……」
絵里(び、びっくりした)
にこ「スライムかぁ……」
希「うーん、どのくらい怖いんやろ」
「はい、これ」
「ありがとう。これで私も成仏できるよっ」
にこ「ずいぶん明るいわね」
真姫「そうね」
「このままちょっと進んでから右に曲がると、次のチェックポイントに着くよ」
「チェックポイントですか?」
「うん、気を付けてね」
凛「次は誰なんだろう……」
希「穂乃果ちゃんか海未ちゃんやんな?」
絵里(ん? でも右ってことは、この教室の奥に向かうってことよね?)
絵里(だとしたら、穂乃果は近い方から聞こえて来るから……次は海未かしら)
「えーっと、ここを曲がって……」
「あ、これって壁なんですか?」
「うん。そうみたいだよ」
絵里(あ、やっぱり声が遠ざかっていく)
にこ「そんなに見えないものなの?」
凛「うん。ほとんど見えないから壁伝いに行くんだよ」
真姫「凛は駆け抜けたけどね」
凛「うん」
「チェックポイント、どこかなぁ……」
「――――――――呼びましたか?」
絵里「!」
にこ「この声……海未ね」
ここまでー
夏だからホラーっぽく手羽先
「う、海未ちゃん……?」
「ええ、私は海未ですよ」
希「ちょっと聞こえづらいなぁ」
にこ「気になるわね」
絵里(海未はどんな役を……)
「ああ、血のニオイがしますね……生きている人間の血のニオイが!」
「ひゃあっ!?」
絵里「!?」
真姫「声だけでもかなり……」
絵里(そ、そういえば亜里沙は? さっきから声が聞こえないけど……)
「血ってまさか……ことりちゃんの足のこと?」
「そんなことどうでもいいんです……私は今、とても血を欲しているんですから……血を!」
希「う、海未ちゃんってあんなキャラやった?」
にこ「……なんか乗り移ってんじゃないの」
絵里「えっ」
「私にもその生をくれませんか……? あなたの命を……この刀の錆に――――――――」
「海未さんストップ! そのポーズもう1回お願いします!」
「えっ」
絵里(……亜里沙の声だ)
「あ、亜里沙ちゃん?」
「くっ、カメラを持ってきていなかったことが悔やまれます……」
「ま、待ってください亜里沙、その……」
「そのままキープしてください! 海未さん素敵です!」
「え、あ、ありがとうございます……」
絵里(あれぇ……?)
凛「かよちんが置いてけぼりにゃー」
にこ「亜里沙ちゃん、本当に怖いもの知らずね」
絵里「何で私を見ながら言うの?」
穂乃果「だ、ダメだよ! 撮影は困ります!」
「あ、あともう少しだけ目に焼き付けさせてください!」
穂乃果「海未ちゃんが武士の格好しちゃうのバレちゃうからダメだよぉ!」
絵里(あ、そうなんだ)
希「穂乃果ちゃんの声でバレてるで」
穂乃果「あっ」
「また後で、この格好のまま出ていきますから。その時にちゃんと見せますよ」
「ありがとうございます!」
「よかったね、亜里沙ちゃん」
「はいっ!」
絵里(何だろう、この微笑ましい会話は……)
「では出ましょう、花陽さん」
「うん」
「海未ちゃん、私の足とってー」
「あ、今行きます」
凛「準備中って感じだね」
真姫「そうね」
花陽「みんな、ただいまー」
希「おかえりー」
亜里沙「楽しかったぁ……」
穂乃果「あ、あれ!? 穂乃果の出番は!?」
にこ「え、出てこなかったの?」
穂乃果「うう、次は出るもん!」
絵里(お化け屋敷ってそんなシステムだったかしら)
穂乃果「次は……にこちゃんと希ちゃんだね。きっと驚かせるよぉ……」
にこ「やれるもんならやってみなさい。行くわよ希」
希「はーい」
絵里「あ、これが終わったら私の番かぁ……」
亜里沙「大丈夫だよ! すごく楽しかったから!」
絵里(ごめんね、お姉ちゃん、亜里沙の言うこと信じられないの)
真姫「まあ怖いって言うか、びっくりするだけよ」
凛「そうだよ。顔はみんなの顔だから、全然怖くなんか……」
花陽「え? ことりちゃん、メイクしてたよね?」
凛「えっ……?」
真姫「……凛、何見たのよ」
絵里「」
穂乃果「2名様、ごあんなーい!」
「あー。なかなか雰囲気あるわね」
「そうやね」
「あ、これが手羽先ね」
「うん、そうみたい」
真姫「スムーズね……」
凛「で、でも次はきっとびっくりして……」
「にこちゃん、希ちゃん」
「ことり、骨は拾っといたわよ」
「え、あ、ありがとう」
「端っこの方がベタベタしてないから、そこを持つんよ」
「うん」
絵里(……怖がる素振りすらない)
「待ってください」
「海未? どうしたの?」
「いえ、私を無視して通り過ぎようなんて……」
「海未ちゃん、もしかしてその衣装、弓道のやつ?」
「え? そうですが……って違います! 私はあなたたちの――――――――」
「こちょこちょー!」
「わっ、ちょ、ちょっとっ!? やめっ、あはは。あはははは!」
花陽「楽しそうだねぇ」
凛「こ、こんなのお化け屋敷じゃないにゃあああ!」
「さて、次は穂乃果ね」
「どんなのが来るんやろ」
亜里沙「あ、あの海未さんまでも倒してしまうなんて……」
絵里「そういうアトラクションだっけ……?」
「穂乃果ー、出てきなさーい」
「んー、どこにいるんかな?」
穂乃果「ふっふっふ、すぐ近くだよっ」
凛「え?」
穂乃果「穂乃果は――――――――
――――――――ここだよ!」
真姫「え、今変な音が……」
「ぬーりーかーべー!」
「うわぁ!?」
「きゃああああああ!」
「がおー!」
「……ってなんだ。壁かと思ったら穂乃果だったのね」
「穂乃果ちゃん、顔だけ出てるやん。かわいいなぁ」
「ええっ!? もっと驚いてよぉ!」
凛「今のって壁が動いた音だったの?」
真姫「何か引きずってるみたいな音でびっくりしたけど、そんなことだったのね」
絵里(何かの唸り声かと思った……)
「あ、ここがゴール?」
「そうだよ……もっとびっくりしてほしかったなぁ」
「壁が動くって言うのは悪くなかったで」
「だよねっ!」
絵里(おばけと普通に話してる)
にこ「結構それっぽかったわね」
希「うん」
凛「2人とも、怖くなかったの?」
にこ「場所はわかってるんだから、当たり前じゃない」
絵里「すごい……」
真姫「次は絵里の番よ」
絵里「はっ」
亜里沙「お姉ちゃん、頑張ってね」
絵里「う、うん」
絵里(希とにこの反応からするに、そんなに怖くなさそうだけど……)
「ちょ、ちょっと待って!」
「絵里ちゃん、穂乃果ちゃんが元の位置に戻るまで待っててくれないかな?」
絵里「え、どうしたの?」
にこ「穂乃果はね、ダンボールの壁の一部を切り取って、そこの裏に隠れてたの」
希「だからぴったりはめ込むまで時間がかかるんよ」
絵里(ああ、だから近くで聞こえたのね)
「穂乃果、順序を入れ替えましょうか」
「え?」
「私が時間を稼いでいる間に、ことりと穂乃果は用意しておいてください」
「な、なるほど!」
「じゃあ海未ちゃん。穂乃果ちゃんは私に任せてね」
「はい」
絵里(最初は海未かぁ……)
「絵里、どうぞ」
「違うよ海未ちゃん。1名様、ごあんなーい、って言わなきゃ」
「1名様、ごあんなーい」
凛「棒読みだにゃ!」
絵里(……よし、行くわよ。海未なら怖くない……怖くない!)
絵里「お邪魔します!」
花陽「絵里ちゃん、普通に何も言わなくてもいいと思うよ」
絵里「あ、そっか」
絵里「……」
絵里(暗い)
絵里(怖い)
絵里(帰りたい)
海未「絵里」
絵里「!?」
海未「そんなに驚かないでくださいよ。私はメイクなんてしていませんから」
絵里「……ほんとだ」
絵里「で、でも腕がとれたり足がなくなったり……」
海未「ふふ、しませんよ。私はただあなたと話がしたいだけです」
絵里「話……?」
海未「はい」
絵里(話って何かしら)
海未「これはあまり聞かれても困りますし……そうですね。ここのダンボールをずらしておきましょう」
絵里(聞かれたら困る?)
海未「まあ、簡単なことです」
海未「……別れの挨拶をしておこうと思いまして」
絵里「別れって……」
海未「大丈夫ですよ。ちゃんと……こっちの私にあとは任せますから」
絵里「海未、こっちの私って」
海未「絵里、もう時間がないんです」
海未「……やっぱり、あなたといると満たされてしまいますね」
海未「私が伝えたいのは、この一言です」
絵里「待って海未、行かないで――――――――」
海未「ありがとうございました。それと……」
――――――――私のことを受け止めてくださいね――――――――
絵里「海未!?」
海未「わ、っと……」
海未「あれ? ここは……ああ、お化け屋敷の中で……」
絵里「海未」
海未「え、絵里!? どうしてここに!?」
海未「あ、ど、どうやって驚かせるんでしたっけ……?」
絵里(行かないで、って……それは何に対する言葉だったの?)
絵里(……わからない、わね)
――――――――私、1人ぼっちになっちゃった――――――――
――――――――そんな感じがする――――――――
絵里「前にもこんなこと、どこかで……」
海未「……絵里? どうしました?」
絵里「いや、なんでもないわ」
絵里(何でだろう。みんなはちゃんと、私の側にいてくれるのに)
絵里(すごく、さびしい)
ここまでー
海未ちゃん離脱
絵里(結局何だったんだろう。あの変な感じは)
絵里(……考えても仕方ないわね。今はそれよりも、ことりとの留学に向けて準備しなくちゃ)
絵里「着替えと……あとはなんだっけ?」
絵里(全然考えがまとまらないわね……やっぱり、今日は疲れたのかしら)
絵里(帰って来る間の記憶も曖昧だし)
絵里「ちょっと寝ようかしら」
絵里(うん、まだ3日後まで時間はあるし……今日くらい休憩したっていいわよね……?)
絵里「あ、お風呂入らないと……」
絵里「パジャマは……あれ」
絵里(私、もうお風呂入ったわよね?)
絵里(パジャマを着てるし……)
絵里「ああ、寝ぼけてるのかしら」
絵里(また熱が出てきたら大変よね。今日はやっぱり早めに寝ましょう)
絵里「おやすみなさい……」
――――
絵里「んん……」
希「あれ、えりちの反応が薄いような……」
花陽「確かに、はっきりとは話さなくなったね」
希「うーん、ちょっと心配やなぁ」
希「……見に行ってみようかな」
花陽「ああ、前みたいに?」
希「そうそう」
花陽「あ、今呼び鈴が……」
希「ん、誰やろ。亜里沙ちゃんは今遊びに行ってるし、ウチが出るよ」
花陽「うん、お願いするね」
希「はいはい、どちら様ですかー?」
海未「私です。海未です」
希「海未ちゃん?」
海未「はい、絵里のことで少し話が……」
希「ああ、なら入って。海未ちゃんもおまじない、やってたんやろ?」
海未「はい。それで気になることが――――――――」
海未「……う」
希「海未ちゃん!?」
海未「大丈夫です。少しめまいがしただけで」
希「……起きてすぐ来たん?」
海未「ええ、まあ」
希「言ったやろ? 起きてすぐはふらつくかも、って」
海未「すみません。ですが重要なことですので」
希「とりあえず中に入ろ。海未ちゃん、そのままやったら……」
海未「あ、あれ……力が―――――――――」
希「わ、海未ちゃん!」
海未「……」
希「……寝ちゃった、かぁ」
希「何とか受け止められたからよかったものの、海未ちゃんが道端で倒れてたりしたら大変やったんよ?」
希「でも重要なことって一体、何のことなんやろ……」
花陽「希ちゃん、どうしたの……って海未ちゃん!?」
花陽「海未ちゃんがどうして?」
希「海未ちゃんにも実は、おまじない教えてたんよ」
花陽「そうだったんだ……でも、寝てるの?」
希「そうやね。ウチもなったことあるよ」
花陽「え?」
希「最後に、もう少しあっちにいたかったって気持ちが出てると、同じように寝ようとするん」
希「花陽ちゃんはそんなんはなかったと思うけど、どうやった?」
花陽「うん、私は大丈夫だった」
希「海未ちゃん、何かに気付いたんかも……」
花陽「絵里ちゃんのことに?」
希「うん」
海未「……」
希「まあすぐ起きると思うから、中で寝かせとこ」
花陽「その寝ちゃったのって、おまじないの効果はあるの?」
希「ううん、ないよ。それを防ぐためのお供え物なんよ」
花陽「へぇ……でも希ちゃん。それって誰から教えてもらったの? 調べたりとかした?」
希「ううん、ウチは……えりちから聞いただけなん」
花陽「絵里ちゃんから……ってそれ、変じゃない?」
花陽「だって絵里ちゃんは希ちゃんから聞いたんじゃないの?」
希「……ウチも本当は、どこかで知ったはず」
希「でもそれがわからなくなってるってことは――――――――」
希「……だいぶあっちに毒されたってことやね」
――――
ここまで
短くてすまぬ
結構終わりに近づいてきたかも
絵里(……あれ? 私、寝てたんだっけ?)
絵里(意識がぼーっとしてる)
亜里沙「お姉ちゃん、起きてよぉ」
絵里「ん……? 亜里沙?」
絵里(何で亜里沙がここに……)
亜里沙「今日はパリに行く日でしょ? 早く準備しないと」
絵里「ああ、うん」
絵里(出発は3日後だったような……いや、私の勘違いかしら)
絵里(うん、そうよね。旅行の準備もしてあるし)
絵里「じゃあ行ってきます」
ことり「行ってきます」
亜里沙「行ってらっしゃい!」
絵里(あれ、ことりがいる……?)
絵里(それに私、朝ごはん食べたっけ?)
ことり「絵里ちゃん」
絵里「え?」
ことり「これからみんなと一緒に空港に行くけど……大丈夫? 眠かったりする?」
絵里「ううん、そんなことないわ」
絵里(うん。ただちょっと記憶が微妙なだけで)
にこ「風邪とか引かないようにね」
花陽「帰って来るときもまた、迎えに来るよぉ」
凛「楽しんできてね!」
穂乃果「お土産よろしくね」
海未「絵里、ことりのことは頼みましたよ」
希「寂しくなるなぁ……ことりちゃん、えりちの面倒見てあげてな」
真姫「ラブライブ出場の合否はネットでチェックできると思うから、ちゃんと見ておくのよ」
絵里(……まただ、ここまでどうやって来たか覚えてない)
ことり「みんなありがとう。ちゃんと開催前には帰って来るからねっ」
絵里「ええ、そうするわ」
海未「はい、遅れないでくださいね」
希「ふふ、ウチらはちゃんと待ってるから」
花陽「うんっ」
ことり「あ、絵里ちゃん。もう飛行機に乗らないと……」
絵里「そうね……行ってきます!」
ことり「行ってきまーす」
真姫「行ってらっしゃい」
凛「また5日後にね」
にこ「向こうには私たちはいないんだから、2人でしっかりやるのよ!」
穂乃果「頑張ってね!」
絵里「ええ、みんなも私たちがいないからって練習サボっちゃダメよ!」
ことり「みんな、またね!」
――
海未「……私は」
花陽「あ、海未ちゃん起きた?」
希「おはよう、海未ちゃん」
海未「おはようございます……あれ、確か私は……」
海未「……そうです。絵里が、絵里が確か……」
希「えりちがどうしたん?」
海未「絵里の様子がおかしかったんですよ」
花陽「絵里ちゃんの様子が?」
海未「はい、こちらへ戻ってきてすぐ、おかしなところがあるように感じて……」
希「具体的にどんなところが?」
海未「なんというか……絵里があっちの世界に馴染んでいるような気がして」
花陽「それって――――――――」
希「海未ちゃん!」
海未「は、はいっ!」
希「あっちでえりちが、ずっと眠るようなことあった?」
海未「ありました。絵里が熱を出した時です」
希「そっか……」
花陽「ど、どうしよう希ちゃん」
希「ウチが様子見てくる」
海未「様子って……」
希「大丈夫。ウチがなんとかするから――――――――」
――――――――えりち、えりちの後悔はもう……ないはずやろ?――――――――
――
希「……っと」
にこ「はー、無事行ったわね」
穂乃果「そうだねぇ」
希(ここは……空港? 何でこんなところに?)
希(まさかことりちゃん、留学したん?)
希(そういえばえりちの姿が見当たらない……まさか)
希「にこっち」
にこ「ん? 何よ。お腹でもすいた?」
希「ううん、そうじゃなくて……えりちはどこかなーって」
にこ「あんたどうしたのよ。寝不足?」
希「ご、ごめん。ぼーっとしてたから」
にこ「私たちでさっき送り出したじゃない」
希(送り……って)
穂乃果「あ、飛行機飛んでるよ!」
凛「絵里ちゃんとことりちゃん、あれに乗ってるんだよね?」
花陽「2人とも、頑張ってね……」
希(乗ってる……ああ、やっぱり――――――――)
にこ「絵里とことりは、あれでパリに留学したでしょ。短期だけど」
希「……そっか。そうやね。変なこと聞いてごめん」
にこ「?」
希(ここにいてもウチは……何もできない)
希(帰ろう)
希(対策を練って、出直そう)
――――――――ウチのせいでこんなことに……――――――――
――――――――どうにかして連れ戻さないと――――――――
―
希「……海未ちゃん」
海未「はい」
希「えりちの短期留学って……どのくらい?」
海未「5日です」
希「5日……ならギリギリかも」
花陽「留学? 留学ってどういうこと?」
希「うん、海未ちゃん。ウチらに教えて」
海未「わかりました」
花陽「そっか、絵里ちゃんはそれで……」
海未「はい、それならことりの夢も、ラブライブ出場も叶う、と」
希「えりちはそういうこと言うもんなぁ……」
海未「それで、私たちはどうしたらいいんですか?」
希「ううん、今ウチらにできることはないよ」
花陽「え、でも……」
希「えりちが決めたことやもん」
海未「そう、ですか……」
希「だから、えりちが日本に帰って来る日に捕まえるしか方法はないよ」
海未「捕まえる?」
花陽「あ、網とかで?」
希「いやいや、そうじゃなくて……」
希「意識をこっち側に引き込むってこと」
花陽「引き込む?」
希「うん、次にえりちに会う時は――――――――」
希「えりちはウチらのこと、覚えてない」
ここまでー
エリーチカが主人公出来なくなったのでのんたんが主人公に
更新は明日の昼になる
>>376
モンスターボールで捕まえるのは簡単になってるな
>>379
その発想はなかった
遅れた ごめん
今から更新
希「まあこうなってしまったら、ウチ1人では解決できそうにない……だから2人も手伝ってくれる?」
海未「そうですね、私たちも協力を……」
花陽「でも、協力って言っても何をすればいいの? 私たちはもう、あっちの世界に行けないんじゃ……」
希「あ、もうこの際やし言ってしまっても大丈夫かな」
花陽「?」
希「実は、後悔なんてなくてもできるんよ。このおまじないは」
海未「えっ」
花陽「ええっ!?」
希「だってウチ、何回も行ってるやろ?」
希「そのたびに後悔なんてしてたら大変やん」
花陽「そ、そんなぁ……」
海未「どうして教えてくれなかったんですか?」
希「うん、それにはちゃんとした理由があるよ」
希「まあ簡単に言うと、戻ってくるときのトリガーになってるからっていうことやね」
海未「トリガー? どういうことですか?」
希「まず後悔を考えながらあっちに行くと、誰だってその後悔を解決するために動くやん?」
花陽「そうだね……私もそうしてたよ」
海未「はい。私もです」
希「うんうん。それで2人も体験した通り、満足すればここにいる必要はない、って自然と思い込む」
希「それで無事、戻ることができるって話なんよ」
花陽「そっか、必要以上にあっちにいないために、そうやって制約をつけたんだね」
希「そういうこと」
希「で、きっとえりちはその後悔を忘れてしまってる……というか、もうすでに満足してるはずなん」
海未「え? そうなんですか?」
希「海未ちゃんの言ってたように、えりちは早くμ'sに加入したがってた」
希「でもそれは、花陽ちゃんのサポートで叶ったんやろ?」
海未「はい、絵里は遅れましたがちゃんとμ'sに加入しましたよ」
花陽「あれ? でも戻れないんでしょ? 何でかなぁ……」
海未「結局加入が遅かったからでしょうか」
花陽「そうなのかな?」
希「ううん、たぶんそれは違うと思う」
海未「え? それでは何が……」
希「えりちは海未ちゃんの後悔についても干渉した」
希「つまり、自分以外のためにあっちに残ったわけやね」
海未「……それじゃ絵里は」
希「ううん、海未ちゃんのせいじゃない。えりちはどっちにしろ、困ってる人をほっとけないもん」
花陽「え? じゃあ海未ちゃんの後悔を解決すれば、絵里ちゃんは出てこられるんじゃない?」
海未「違います。絵里は私以外も助けようとしています」
希「そう。ことりちゃんの留学、やね」
花陽「それなら、留学が終わったら?」
海未「いいえ。その後にはラブライブ開催が待っています」
希「出場は確定なんやろ?」
海未「はい、よほどのことはない限り」
花陽「じゃ、じゃあ、ラブライブが終わったら」
海未「いえ、それでもきっと、絵里には何かしらの背負うものができるはずです」
花陽「そ、そんなぁ……」
花陽「……あれ? それだと、絵里ちゃんは未来に行っちゃうの?」
希「まあそうなるなぁ」
海未「あちらの1日は、こちらで言うとどのくらいの時間なんですか?」
希「だいたい1日は5分から15分くらいやね。遅くまで起きてたり、何か内容の濃いことをやってると時間がかかるけど」
花陽「あ、そっか。私がいたのは2週間くらいだから……それでも3時間以上経ってるんだ」
海未「ということは、未来へ行くことも可能なんですね」
希「まあウチはその使い方しかしてなかったんよ」
海未「え?」
希「まあ、その話は置いといて……とにかくえりちを戻すには、あっちの居心地のよさを打ち消す何かが必要になるんよ」
花陽「夢だって気付かせるのは?」
希「それは難しいかもなぁ。えりちはあっちが元の世界やと思ってるもん」
海未「希はそういうの、大丈夫だったんですか?」
希「なにが?」
海未「居心地が良くて忘れてしまう、ということがあったかどうかが気になりまして」
希「あー……ウチは失敗ばっかりしてたから、居心地がいいって言うのはあんまりなかったかも」
希「最後に数回だけ成功して、そのことに気付いたんよ」
希「ああ、頭が都合よく解釈しようとしてる、って」
海未「失敗……?」
花陽「成功って何のこと?」
希「んー、ウチの後悔のこと」
希「まあとにかく、えりちが帰って来るまではまだ時間あるし……どうする? 行ってみる?」
海未「あちらへ、ですか?」
希「うん」
花陽「あ、でもお供え物を用意しないと」
希「じゃあ各自、お供え物を持ってここに再集合しよ」
花陽「うんっ」
海未「……そういえば希は、先程お供え物なしにあちらに行きましたよね?」
花陽「本当だ……」
希「ああ、ウチは慣れてるから」
海未「えっ」
希「集中して、あっちに行くぞーって思いながら寝るとできるようになったんよ」
希「でも2人はまだ、お供え物のありなしでオンオフ切り替えてないと、寝るだけであっちに行ってしまうから」
花陽「な、慣れってすごいね」
希「オカルトでも眉唾物でも慣れは慣れやで」
海未「そうだったんですか……では私は1度、家に戻りますね」
花陽「うん、私もそうするよ」
希「うん、そんなに焦らんでもいいから、また後で」
海未「はい」
花陽「待っててね」
希「はーい」
希「……」
希「……えりち、気持ちよさそうに寝てるなぁ」
―
ここまで
ネタバレ多かった
花陽がお供え物でお米持ってきそうで仕方ないんだけど
ミステリアス設定好きなんだけどアニメじゃ掘り下げる時間なかったし嬉しい
続きが気になるな
海未「持ってきました」
花陽「私も持ってきたよぉ」
希「海未ちゃんのは……それ何?」
海未「絵里の作った折り鶴です。まあ鶴には見えませんけど……」
希「えりち、そんなの作ってたんや」
海未「はい」
希「花陽ちゃんは、写真?」
花陽「うん。μ'sのみんなで撮った写真だよぉ」
希「じゃあみんな、カレンダーを持って」
海未「カレンダー?」
希「うん。過去に戻ったとわかるものが必要やから。まあこれも、意識をそっちに向かせるってだけでなくてもいいんやけどね」
花陽「これもなくていいんだ」
希「うん、こういう儀式めいたものはそんなの多いよ」
希「じゃあお供え物を枕の下に敷いて……」
海未「枕の下ですよね、肝心の枕はあるんですか?」
希「うん、まあクッションとかでもいいから」
花陽「ちょ、ちょっと待って、絵里ちゃんの枕の横に置いてあるのって……」
希「……チョコやね」
花陽「枕の下に……敷いてないよね。たぶん」
海未「……ですね」
希「ちゃんと言ったのに、やってなかったんや……」
海未「ど、どうなるんですか?」
希「まあ一応、お供え物って考えて置いたなら大丈夫かな」
希「うーん、でもウチは枕に敷いてたからなぁ……まあこれも一種の意識的なものやし……大丈夫なはず」
海未「まあどちらにせよ、5日後に絵里を連れて来るだけですね」
希「うん」
花陽「あ、好きなもの、何にしよう」
希「好きなものは傍にいるやろ?」
花陽「え? それって……」
海未「ああ、そういうことですね」
希「うん。ウチらはみんな――――――――」
――――――――えりちのことが、大好きだから――――――――
希「よいしょ」
凛「わっ!? か、かよちん!?」
穂乃果「海未ちゃん!?」
花陽「……あれ、ここは」
真姫「ど、どうしたのよ。気分でも悪いの?」
海未「穂乃果がいる……ということは」
希「うん。成功やね」
にこ「あんたたち、何の話してるの?」
希(あ、にこっちはえりちのこと知ってるって海未ちゃんが言ってたなぁ)
希「にこっち、ちょっとこっち来て」
にこ「何よ、どうしたの?」
希「えりちの話」
にこ「?」
海未「穂乃果、もう大丈夫ですから……離してくれませんか?」
穂乃果「し、心配だもん!」
花陽「凛ちゃん、私は大丈夫だよ」
凛「か、かよちんまで絵里ちゃんみたいに倒れられたら、凛はどうしていいか……」
希(えりちが倒れた……これも海未ちゃんが言ってた)
希(それでこの慌てよう……こっちのμ'sの精神的支柱はやっぱりえりちになってたんやね)
希「にこっち、率直に言うで」
にこ「うん。だから何のこと?」
希「ウチと花陽ちゃんと、それに海未ちゃんは未来から来たんよ」
にこ「え、あんたと花陽も?」
希(よかった。わかってくれた)
にこ「何よ、そんなに出入りしていいわけ?」
希「うーん……それでちょっとした問題が起こってて」
真姫「どうしたの2人とも、こそこそ隠れて」
希(うーん、どうしよう……もうこの際やし、みんなにも話してしまおうかな)
希「みんな、聞いて」
花陽「希ちゃん?」
海未「話すんですか?」
希「うん。もうここまで来たら、みんなの協力が必要不可欠やもん」
穂乃果「?」
凛「凛たちの協力?」
希「そう、協力」
希「えりちを助けるために、みんなの力が必要なん」
ここまでー
なんかRPGみたいな展開
穂乃果「ええっ!? 絵里ちゃんって未来から来てたの!?」
凛「全然わからなかったにゃ……」
花陽「うん、でもこれは本当のことなの」
海未「はい」
真姫「にわかに信じがたいわね……」
にこ「まあそうでしょうね。私も最初は疑ったもの」
希「え? そうなん?」
にこ「そうよ……ってああ、あんたはこっちの人間じゃなかったわね」
穂乃果「未来から来たってなんだかすごいね」
凛「タイムマシンとか?」
真姫「タイムマシンなら入れ替わりはありえないでしょ」
にこ「それなら何なの?」
希「んー……なんて言えばいいんやろ」
海未「そういえば希、この世界っていったいなんなんですか?」
花陽「そうだね。私たちもよくわかってないし……」
穂乃果「ううん、今はそんなこと考えてる場合じゃないよ。一刻も早く絵里ちゃんを助けないと」
海未「そうですね。穂乃果の言う通りです」
希(やっぱり真っ先にこう言ってくれるのは穂乃果ちゃんなんやね……)
凛「うん。絵里ちゃんが未来から来てたとしても、凛たちはすごくお世話になったもん」
にこ「で、具体的には何をすればいいの?」
希(具体的には、かぁ)
希「まあ決まってると言えば決まってるんよ」
真姫「決まってるの?」
希「うん」
穂乃果「どうやればいいの?」
凛「教えて、希ちゃん」
希「みんなが考えてもわかることやで」
花陽「私たちが考えてもわかること?」
海未「……どういうことでしょうか」
希「みんなはえりちにどうしてたかってこと」
にこ「絵里に?」
希「そう。えりちが帰れなくなってる理由は、みんなの中にあるんよ」
花陽「……」
海未「……」
凛「絵里ちゃんが帰れないのは……」
穂乃果「……なんだろう」
真姫「わかったわ」
花陽「えっ?」
凛「真姫ちゃんわかったの?」
真姫「ええ、考えればわかることじゃない。絵里の後悔とやらが叶っても、帰ってこられない理由が」
希「じゃあ真姫ちゃん、言ってみて」
真姫「私たちは絵里に頼りすぎてる……そうでしょ?」
真姫「知らず知らずのうちに、絵里をここへ束縛してる」
希「その通り。正解やね」
海未「あ……」
花陽「そっか、それで……」
海未「どうして気付けなかったんでしょうか……1番近くにいたというのに」
希「それはきっと、えりちが頼ってほしがってたからやない?」
海未「え?」
希「えりちはみんなに頼られて、みんなの悩みを解決したかったんよ」
希(……ずっと人のことばっかり考えてるもん。えりちは)
希「海未ちゃんがえりちを頼ろうとしたのは間違ってない。みんなもそう」
希「本人が望んだことを、そのままかなえてあげてるだけやもん」
希「でもえりちは頼られるせいで、ここから離れられなくなってる」
にこ「悪循環って言うか……」
希「そう。本当にやりたいことをやろうとして、それをみんなが叶えてあげればあげるほど、えりちは帰ってこられない」
凛「ど、どうすればいいの? 絵里ちゃん、このままじゃ元の世界に帰れないよ!」
希「それは簡単なことやで。つまり――――――――」
穂乃果「……つまり、私たちが絵里ちゃんを頼らなくなればいいんじゃないかな?」
花陽「穂乃果ちゃん、どういうこと?」
穂乃果「だって、絵里ちゃんは私たちが心配でここに残ってるんでしょ?」
穂乃果「だったら簡単だよ。絵里ちゃんを頼っちゃダメなの」
海未「絵里に頼らないようにして、絵里の不安をなくせばいい……そういうことですか?」
穂乃果「そういうこと!」
真姫「なるほどね」
希(ふふ。ウチのポジション、とられちゃったかな)
海未「私がもっと早く、そのことに気付いていれば……」
希「仕方ないよ、海未ちゃん」
海未「ですが」
希「海未ちゃんは1番近くで頑張ってたんやろ? なら、もう1人で背負う必要はない」
希「それとも後悔を増やしてここに留まりたい?」
海未「……いいえ」
希「うん、なら大丈夫。みんなで頑張ろ」
海未「はい」
にこ「ことりにはどうやって伝えるわけ?」
穂乃果「あ」
凛「凛知ってるよ! エアメールっていうのがあるにゃ!」
真姫「それはいい考えね。だけどスピード便でも2日はかかるわ」
花陽「なら電話を使えばいいんじゃないかな?」
海未「そうですね。電話ならすぐ連絡が取れますし」
にこ「でも国際電話でしょ? 高くない?」
海未「……なんとかなります!」
希(言い切った)
希「まあ電話するにしても、まだ向こうには着いてないと思うし……」
花陽「それまで時間があるね。どうする?」
穂乃果「あ、海未ちゃんたちの話、聞いてみたいなぁ」
凛「凛も気になるにゃー。未来ってどんな感じなの?」
真姫「それは私も気になるわね」
にこ「ここにいるのもなんだし、お昼でも食べながら話しましょう」
海未「そうですね」
希(お腹すいてたんにこっちの方やったんや)
ここまで
もうすぐ終わる(100レス以上かかる)
もうすぐ終わる(1000レス以上かかる?(難聴))
>>438-440
(´・ω・`)
ここからドラクエばりのストーリーを展開しろと言うのか
絵里「ことり、自分の荷物とった?」
ことり「うん、大丈夫だよっ」
ことり「絵里ちゃんのは?」
絵里「え……あ、流されてる!」
ことり「空港あるある……なのかなぁ?」
絵里「はぁ、気付いてよかった……」
ことり「ふふ、絵里ちゃんって意外と抜けてるところあるよね」
絵里「よく言われるわ……」
絵里「ん? 誰に言われたんだっけ」
ことり「?」
絵里「ううん、何でもない」
ことり「そうなの?」
絵里「うん。ほら、早く行きましょ」
ことり「はーい」
絵里「……あれ」
ことり「どうしたの?」
絵里「外に誰もいない……?」
ことり「え?」
絵里「っていうか、霧がかかってるみたいな……」
ことり「霧? 何のこと?」
絵里「んー……景色が見えない」
――――――――初めて来たからよ。私はこんなところ来たことがない――――――――
――――――――だから想像できないの。たとえ、それが夢の中であっても――――――――
絵里「今日は早起きしたから寝ぼけてるのかも……」
ことり「そう? なら向こうについたら休憩しよっか。手続きの書類が来るまで時間あるし」
絵里「そうさせてもらうわ」
――――――――私の声も聞こえなくなったのね……――――――――
――――――――希たちはこのこと、気付いてくれてるのかしら――――――――
希「とりあえずえりちが帰ってきたらまずやることは……」
凛「やることは?」
希「みんなが自分のことを自分でやる!」
穂乃果「……え?」
にこ「そんなことでいいの?」
希「そんなこと?」
にこ「う、な、何よ」
希「さっき言ったばっかりやろ? えりちに依存し過ぎって」
海未「それはそうですが……絵里にここは夢の世界だと認識してもらう方がいいのでは?」
真姫「そうよ。その方が手っ取り早いわ」
希「それが出来たら、えりちは自力で帰ってこられるよ」
花陽「?」
希「うーん……じゃあ凛ちゃん、質問です」
凛「はーいっ」
希「来月までに済ませないといけない宿題が、目の前にあります」
凛「うぅ、絶対多いにゃ」
希「でもその隣に、1週間ラーメン食べつくし旅行に行けるクーポン券があります」
凛「にゃっ!?」
希「凛ちゃんはどうしますか?」
凛「ラーメン旅行に行く! できればみんなと一緒がいいなぁ」
希「うんうん。普通はそうやろ?」
凛「え?」
希「そして凛ちゃんがラーメン旅行から帰ってきたとき……」
凛「うん」
希「宿題のこと、覚えてる自信ある?」
凛「ない」
真姫「言い切ったわね……」
凛「だって1週間だよ? 凛、幸せすぎて忘れちゃうにゃ」
希「それが今のえりちなんよ」
穂乃果「……絵里ちゃん、ラーメン留学したの?」
海未「言うと思いましたよ……違いますよ穂乃果、これはただの例えです」
穂乃果「あー、だよね。ラーメンよりパンだよね」
海未「」
希(海未ちゃんも大変やなぁ……)
希「まあ簡単に言うと、えりちは帰りたくないなぁって思ってるわけじゃない」
花陽「こっちにいたいって思ってるせいで、帰りたくなくなってるんだよね?」
希「そういうこと」
にこ「でもそれ、ほとんど一緒じゃないの?」
凛「違うよにこちゃん。宿題をやりたくないわけじゃなくて、目の前に楽しいことがあるから思い出すのを忘れてるだけなんだよ」
希「おお、凛ちゃん正解」
花陽「そうだね」
凛「え? 凛、あってた?」
希「帰らないといけないのはわかってる」
希「でもこっちにいる時間が長くなるにつれて、帰ることを忘れてる」
希「だから、こっちが自分のいる場所やと思ってるんよ」
真姫「ってことは、絵里は帰り方を完全に忘れてるわけじゃないのね?」
希「うん。覚えてるけど、それはきっと無意識のうちに抑制されて、思い出せなくなってる」
穂乃果「絵里ちゃんの頭の中は大変なことになってるんだね」
海未「穂乃果も嫌なことはすぐ忘れてしまうでしょう? それと似たようなものです」
穂乃果「なるほど! 絵里ちゃんも嫌なことは忘れて……」
穂乃果「大変だ……!」
にこ「だから今それを話してたのよ」
希「今のえりちに直接そんなこと言っても、わかってくれないはず」
希「だから、この世界のえりちのすることをウチらで取り上げてしまうんよ」
凛「そしたら絵里ちゃんは、役目がなくなって帰ることができる……ってこと?」
海未「いいえ、元の世界が思い出せないのなら、そんなに単純にはいかないでしょう」
凛「む、難しいにゃ……」
にこ「ここじゃなくて別のところにまだ役目は残ってるって、わからせてやればいいんじゃないの?」
希「うん。ちょっと大変やけど、みんな力を貸して」
真姫「ま、当然よね」
穂乃果「頑張るよ!」
にこ「で、あんたたちいつから来たの?」
花陽「え?」
凛「凛も気になる! かよちんたち、どのくらい先の未来から来たの?」
海未「えっと……希、言ってもいいんでしょうか?」
希「大丈夫大丈夫。タイムパラドックスとか起きないと思うし」
海未「ああ、それなら――――――――」
希「たぶん」
海未「……」
花陽「……」
真姫「でも花陽が別の世界から来た、みたいなのは気付いたわよ」
花陽「あ、真姫ちゃんにはついてきてもらったもんね」
凛「ええっ、凛はそんなの知らなかったよ!?」
真姫「凛は寝てたでしょ?」
凛「……うん」
にこ「それに絵里も、私と希に話してたけど」
希「ああ、そうやったっけ」
希(うーん……実際どうなるか、検証したことなんてないしなぁ)
希(ここに入り浸ってると、こっちの変化の影響を受けやすいって言うのは知ってるけど……)
希(それも、ウチみたいに何度もパターンを変えてやってないとわかりにくいやろうし……)
希(そもそもこの世界が何なのかすら……1種のパラレルワールドみたいなものやとは思ってるけど)
希(……)
希「うん、話してもいいんと違う? えりちが色々話しても、ウチには影響なかったみたいやし」
海未「そうですか……なら大丈夫そうですね」
穂乃果「……あれ? そういえば海未ちゃんも未来から来てたの?」
海未「はい。結構前からですよ」
穂乃果「ぜ、全然気づかなかったよぉ……」
海未「バレないようにしていましたからね」
穂乃果「えー? 何で?」
海未「私が穂乃果に負い目を感じていたからですよ」
穂乃果「?」
海未「向こうでは色々あったんです。何から話しましょうか」
海未「希、どこから話しましょうか」
希「うん。最初はやっぱり、穂乃果ちゃんたちを目の敵のように嫌っていた、意地悪な生徒会長の話からやね――――――――」
穂乃果「ぜ、全然気づかなかったよぉ……」
海未「バレないようにしていましたからね」
穂乃果「えー? 何で?」
海未「私が穂乃果に負い目を感じていたからですよ」
穂乃果「?」
海未「向こうでは色々あったんです」
凛「そうなの?」
花陽「そうだよ」
海未「希、どこから話しましょうか」
希「うん。最初はやっぱり、穂乃果ちゃんたちを目の敵のように嫌っていた、意地悪な生徒会長の話からやね――――――――」
ここまでー
色々明らかになってるはずが、もっと謎が深まっているように見える気がしてた
乙
もうすぐ(80レス)で終わりそうだな
強くてニューゲームなのに段々と強くなくなっていくのか
えりのぞうみはな以外の視点が無かったのは、つまり・・・
>>462
ごめん 今見返して気付いた
あと400レスくらいって書き込んだつもりだったわ 残り80レスじゃソードマスターヤマトみたいになる
>>463-465
そのフラグは最後に回収するから待ってて
>>466
つまり……?(; ・`д・´)
更新は10時過ぎになる
穂乃果「……」
希「とまあ、短くまとめるとこんな感じやね」
海未「色々ありましたが、結果として私たちの絆は深まりましたから、そう悲観しないでください」
花陽「うん。みんなで乗り越えられたからこそ今の私たちがあるんだよ」
穂乃果「そ、それでも穂乃果は……自分勝手なことばっかり言ってたんだよね」
海未「違いますよ。穂乃果は私たちのために、一生懸命突き進んでくれましたから……」
穂乃果「うぅ……でもぉ……」
にこ「……なんか、今の絵里みたいね」
花陽「え?」
凛「絵里ちゃんがどうかしたの?」
にこ「あ、いや。絵里も私たちの為を思ってやってくれたけど、結果として自分が一番割を食ってるじゃない」
希(……確かに。そう考えてみると、えりちは穂乃果ちゃんに似てるかも)
真姫「それすら自分で気づいてないんじゃないの?」
凛「あー、絵里ちゃんのことだから、ありそうにゃ」
花陽「うん……」
穂乃果「でも穂乃果は損してないよ?」
真姫「何言ってるのよ。穂乃果が一番困ったんでしょ?」
穂乃果「へ?」
海未「そうですよ。熱まで出して倒れて、責任をすべて自分のせいだと抱え込んでいましたから」
穂乃果「うーん……そうなのかな? 海未ちゃんたちに迷惑をかけたっていう方が、穂乃果は嫌だなぁ」
希「それが嫌ってことは、穂乃果ちゃんも損してるってことやろ?」
穂乃果「あ、そっか」
凛「でもそんな時、凛たちは何にもできなかったんだよね? 凛はそれが1番悔しいよ」
花陽「そうだね、全部海未ちゃんと穂乃果ちゃんに任せきりになってたし……」
海未「ですが私も、穂乃果の押し付けたような形をとってしまって……」
希(……あれ? みんな後悔ばっかり?)
希(あっちでみんなに教えてたら、案外みんなこっちに来ちゃってたのかも……)
希(それは困るなぁ)
希「ま、今はえりちの救出が先やで」
真姫「そうね」
にこ「で、私たちは5日間どうするの? 絵里が帰って来るまでにやること、たくさんあるんじゃない?」
希「うん。まずはウチが生徒会の仕事を全部終わらせるようにする」
穂乃果「一応ネットでのメールのやりとりはできるから、こっちで練習メニューとか全部決めちゃおうか」
凛「うん。絵里ちゃん頼りだったからね」
真姫「……こうして考えると、私たちって本当に絵里に依存してたのね」
希「そうやね」
海未「あ、ネットでやり取りできるなら、ことりにもメールで絵里のことについて送れば……」
にこ「それがいいわね」
花陽「でもことりちゃん、私たちからの連絡だったら絵里ちゃんと一緒に読んじゃうかも……」
凛「だったら題名に、1人で読むことって書いとくといいにゃ」
穂乃果「うん、そうしよう!」
希(なんかそれ、呪いの手紙みたいやなぁ)
希「まあそれもそうやけど、ラブライブの出場についての連絡も大切やで」
真姫「出場が決まってたら、すぐにこっちからスケジュールをたてて行かなくちゃね」
にこ「まああれで出場できないっていうのはありえないでしょ」
花陽「そ、そんなにすごかったの?」
海未「はい。お客さんもたくさん集まってくれましたし、地元のテレビ局も取材に来たくらいですよ」
花陽「て、テレビ!?」
凛「あ、凛のお家にその時の映像、録画してあるよ」
穂乃果「穂乃果の家にもあるよー」
にこ「普通みんな録画してあるわよ。私は希からコピーもらったけど」
穂乃果「ご、ごめんねにこちゃん」
にこ「次からは気を付けなさいよね、まったく」
希「?」
真姫「取材が来るの、にこちゃんと花陽と絵里は知らなかったのよ。穂乃果と凛が教えるの忘れてて」
希「ああ、そうなんや」
花陽「え? じゃあ私の家では録画されて……」
凛「凛がコピーあげたから大丈夫にゃ!」
花陽「あ、よかったぁ」
凛「元はと言えば凛のせいだからね」
花陽「そっか。でもちゃんとコピーくれたなら、こっちの私も怒らないよぉ」
希(花陽ちゃんでも怒ることってあるんかな? 想像できない……)
海未「どうします? 誰かの家に集まって、その映像でも見てみますか?」
凛「あ、じゃあ凛のところに来て! たぶん穂乃果ちゃんたちのお家は、すごく人がたくさん来てると思うから」
穂乃果「え、なんで?」
海未「前も言いませんでしたか? テレビに出てるんですから、知名度は上がったでしょう」
穂乃果「あ、そうだったね」
真姫「だったら決まりね」
にこ「5日後のシミュレーションをしつつ、ラブライブに向けての注意点の確認をしなくちゃ」
海未「はいっ」
希「えー。映像見るときくらいゆっくりしようやぁ」
にこ「ダメよ! アイドルに休息なんかないんだから!」
花陽「に、にこちゃん、あんまり大きな声出すと気付かれちゃうよ」
にこ「……それ、いいわね」
花陽「えぇっ!?」
希(ちょうどお昼時で人が集まってきたし……戻るなら今やね)
希「じゃあ凛ちゃんのお家にしゅっぱーつ」
凛「はーい」
海未「お会計は私が済ませておきますね」
花陽「うん、あとで凛ちゃんのお家に着いたときに払うよぉ」
真姫「サングラスとか、買った方がいいのかしら」
にこ「そんなときのために肌身離さず持っておいてよかったわ」
真姫「え、今もあるの?」
希(必需品なんや……)
ここまで
ラストスパートからがたぶん長い
400スレも続いてくれるのは嬉しいがこの人の新作がしばらく見れないのは嫌だな
>>484
しょーがないわねー
更新終わったら立てる
400スレは4代目μ's老後編→5代目μ'sミュージックスタート! くらいになると思う
誰か頼んだ
ことり「どう? 絵里ちゃん、具合は大丈夫?」
絵里「ええ、なんとか落ち着いてきたかも」
ことり「そっか。よかったぁ……」
ことり「あれ? メールが来てる」
絵里「穂乃果たちから?」
ことり「あ、うん。そうみたい……だけど私だけに用があるみたいだね」
絵里「そうなのね。ラブライブについてかと思ったわ」
ことり「絵里ちゃんは気にしすぎだよ。ゆっくり休んでね?」
絵里「わかった。そうさせてもらうわ」
ことり「えーっと、なになに? ……ふむふむ」
絵里「……」
ことり「……なるほど」
絵里「ことり? 何を読んでるの?」
ことり「ん? 何でもないよっ」
絵里「そう……」
希「いやー、暇やね」
にこ「何よ唐突に」
希「だって、えりちとことりちゃんが帰ってくるのは4日後やろ?」
真姫「ま、そんなものよ。9人そろってないんだからできることも限られるしね」
海未「そうですね」
凛「うーん……せっかく未来から来たっていうのに、なんだかやってること普通だにゃ」
穂乃果「何か面白いことでもする?」
花陽「面白いこと?」
真姫「たとえば?」
穂乃果「……し、しりとり」
希(わーお、それって暇潰しの最大手やん)
凛「どうせならもっと楽しいことがいいよ」
穂乃果「たとえば?」
凛「……王様ゲームとか」
にこ「そんなことやってる場合じゃないでしょ!」
花陽「まあまあにこちゃん、みんな落ち着かないんだよ」
にこ「それはわかってるけど……」
真姫「ことりが留学した時の未来って見たことないわけ?」
海未「ええ、ありませんよ。何せ短期留学自体がなかったんですから」
真姫「じゃあ何で変わったの?」
海未「それは……私にはわかりません」
希「ウチも見たことないなぁ」
凛「ふーん……でも不思議だね。今まで変わらなかったのに、今回だけ変わるなんて」
希(それは確かに……何かが影響してるんかな?)
にこ「いろいろ変えてきたからじゃないの? μ'sに遅く加入したり、ラブライブを辞退しなかったり」
希「まあ些細な変化じゃなくなってるもんなぁ」
花陽「些細な変化なら、結末は変わらないの?」
希「うん、まあそうやね。たとえば1日風邪を引くとか、お昼ご飯を食べないとか……そのくらいなら何も変わらないよ」
穂乃果「ならどんなことで変わるの?」
希「それはほら、μ'sに入る入らないとか、生徒会を辞める辞めないとか。その先の未来に大きくかかわることで変わるよ」
にこ「……あんた、何回もやったことあるって言ってたけど――――――――」
希「え」
にこ「μ'sに入らなかった未来があるってわけ?」
希「あー……」
希(しまった。にこっちは鋭いんやった……)
穂乃果「ええっ!? 本当なの!?」
凛「の、希ちゃんがいないμ'sなんてμ'sじゃないにゃ!」
海未「それに9人でないなら、μ'sの意味が……」
希(うーん、言ってしまうしかないなぁ)
希「もう隠しててもバレちゃいそうやし、話すよ」
希「これはえりちには絶対秘密やで?」
真姫「ええ、わかったわ」
花陽「うんっ」
希「……ウチが何のためにこのおまじないを使ったか、それは――――――――」
「起きて。ねぇ、起きてったら」
んん……なに……?
「おはよう」
……あ、あれ? 私?
「あら、成功みたいね」
「そうよ、私も絢瀬絵里。あなたも絢瀬絵里よ」
う、うん。そうよね、私は私よね。
あ、ここって確か、前も来たことが……。
「そうよ、あなたが風邪を引いたときぶりかしら?」
「今回は最後の忠告に来たわ」
忠告? なにそれ。
「もう手段は選んでられないの。ちょっと痛いと思うけど、我慢してね」
痛いって? え? な、何する気!?
ちょ、ま、待って! その右手を振りかぶるのは何!?
「目を覚ましなさい!」
痛っ!? 何でビンタなんか……。
……あれ? 痛い?
「そうよ、痛いでしょ」
うん……。
「さっきまで、何かを握ったとか触ったとか、そんな感覚あった?」
ううん、全然なかった。
「そうよね。じゃあここはどこかわかる?」
えっと……パリよね?
「ええ、その通り」
「なら、帰る場所はわかる?」
帰る場所?
日本じゃなくて?
違う、わよね。もっと抽象的なところ……。
「そうよ。その調子」
……ああ、思い出せない。
「そこまでは無理かぁ……ま、仕方ないわね」
え? どういうこと?
「おっと、時間がなさそうね」
何が?
「率直に言うわ」
は、はい!
「ここはあなたの深層心理よ。無意識に思い出したくなくなった記憶の詰め込まれる場所と思ってくれていいわ」
何でそんなところに私が……?
「運がよかったのよ。本当に偶然、ラッキーだっただけ」
「いらない記憶を排除して、整理して片付けてしまう……それが夢よ」
夢……? 夢って、どこかで……。
「この意識は無意識として避難してるだけだから、自分からは思い出せないわよ」
避難? どうして避難するの?
「忘れられないように、よ」
「希のオカルトチックなおまじないのおかげで、こうして私がたたき起こせたけど……もうこんな無茶はできないわ」
おまじない……。
「無理に思い出せとは言わないわ。だけど忘れないで」
「あなたには後悔がある。それを振り払うためにここに来た」
……そうね。何だかそんな気がしてきたわ。
「まあそうでしょうね。夢の中の夢なんて、仕組みがしっかりしてる方がおかしいもの」
「だからこうやって、私は脱出の糸口を見つけることができたの」
ならまた会えるの?
「ううん、寝てしまえばあなたの記憶は薄れていくわ。さっきまでみたいにね」
そうなのね……。
「ええ、その違和感をしっかり覚えていて」
「そろそろ起きなさい。必要以上に寝てしまうと、もう2度と思い出せなくなるわ」
時間がないってそういうことだったの?
「まあね。じゃあ起きる感覚をイメージして」
ま、待って。
「なに?」
あなたは私……よね? でも誰なの?
記憶の番人みたいな人?
「ああ、まあそんな感じだと思ってくれていいけど……まあわかりやすく言うと――――――――」
「ハッピーエンドを迎えられなかった私たち、かしら」
ここまで
次回、エリーチカ復活
リクエストその2
のぞまき
体育倉庫に閉じ込められるあれ (コンマ91)
希「あなたとの微妙な距離感」
→希「あなたとの微妙な距離感」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409241323/)
絵里「はっ……」
ことり「あれ、絵里ちゃんもう起きたの?」
絵里「ここは……」
ことり「パリだよっ。もうこっちの学校に向かうところだったんだけど、絵里ちゃんも一緒に来る?」
絵里(……たぶん見えないんでしょうね、私には)
絵里「ううん、ごめん。まだ気分がすぐれないから……」
ことり「うん、わかった。じゃあ行ってくるね」
絵里「ええ、行ってらっしゃい」
絵里「……」
絵里(行った……わね)
絵里(ちょっと考える時間が欲しかったし、好都合かしら)
絵里「っと、その前にペンと紙の準備ね」
絵里「まず私、絢瀬絵里には帰る場所がある」
絵里「それはたぶん、日本とかそういう具体的な場所じゃない」
絵里「次に私は、何かを思い出せないからここにいる」
絵里「……うーん、何か解決の糸口がつかめればいいんだけど」
絵里「そういえば確か、夢の中の私は言ってたわね……」
絵里「ハッピーエンドを迎えられなかった私たち……って」
絵里(もしかしたら私って、たくさんいるのかしら?)
絵里(……夢の中に?)
絵里「いや、それは絶対違うわね」
絵里「うーん……」
絵里「……ん? でも、ハッピーエンドを迎えられなかったって言ってたってことは……」
絵里「私はどうなの?」
絵里「私もそのうちの1人?」
絵里「うーん、それもなんだか違うような」
絵里「ていうか、夢に出てきた私って、もう結末が決まってたのかしら?」
絵里(結末が決まる……つまり、死んで――――――――)
絵里「いやいやいや、それはないわね」
絵里「何か思い残していることがあるってことよね……?」
絵里「そうだといいけど……」
絵里(……ん、そういえば私、前にもこうやってメモを取ってたような気もする)
絵里「何だったかしら……? あの時は確か――――――――」
絵里(そう、あの時は確か……すごく怖かったのよね)
絵里(ただただ不安だった。そんな気がしてたような……)
絵里「えっと……μ'sのCDを持って、時計をはめて、チョコを枕元に置いて……」
絵里(何でだろう。こんな変なところは覚えてる)
絵里(重要なことだったから? それともただ偶然?)
絵里「そのまま、寝てたような……」
絵里(この行動がどこか、大切なことのような気もする)
絵里(……私はこうやって、何かを叶えようとしてた)
絵里「……もしかして、やってみればわかるかしら?」
絵里(夢の中の私は必要以上に寝ちゃダメって言ってたけど、少しくらいなら大丈夫よね?)
絵里「一応アラームをセットして……と」
絵里「μ'sのCDはないから、何か別の……そうだ。髪を結ぶリボンでいいわね」
絵里「時計はあるし、チョコもある」
絵里(よし、これならできるわね)
絵里「おやすみなさい」
――――――――……ちゃん、……り……ん――――――――
んん? 誰?
私まだ、寝たばっかりなのに。
――――――――……りちゃん、絵里ちゃん――――――――
あれ、私の名前を呼んでるのは……誰?
あの部屋には他に誰も……。
穂乃果「絵里ちゃん! 起きてよぉ!」
絵里「……え? 穂乃果?」
短いけどここまで
第2部、始動!
乙
よっしゃあと最低でも2スレは続くな
第2部か
柱の男とか出て来そうやね
>>525
ああ、本当にそうなりそうで怖い
>>527-528
HEEEEYYYY あァァァんまりだァァアァ AHYYY AHYYY AHY WHOOOOOOOHHHHHHHH!!
次のリクエストはことまき のぞうみ髪型交換は2つあったので2つのコンマの平均にします
あと更新は夜になるよ
やっと追いついたああああ
>>532
うぎゃああ 追いつかれたああああ
こういう時何て言えばいいかわからないの
絵里「え、ちょ……ここ……どこ?」
穂乃果「き、記憶喪失!?」
絵里「いや、そうじゃなくて」
穂乃果「た、大変だ! だ、誰か保健の先生を……!」
穂乃果「絵里ちゃん待ってて、今救急車を……」
絵里「穂乃果!」
穂乃果「はい」
絵里「私は記憶喪失なんかじゃないわ」
穂乃果「うん」
絵里「だけどここがどこかわからないの。教えてくれる?」
穂乃果「ここは学院の屋上です! 現在午後5時であります!」
絵里(何なのかしら、このテンションは……まあいいか)
絵里「ありがとう穂乃果」
絵里「……ってあれ? そういえば、他のみんなは?」
穂乃果「えっとねー……海未ちゃんとことりちゃんは、次のステージの衣装の生地を買うって言ってて……」
穂乃果「凛ちゃんと真姫ちゃんは用事で……」
穂乃果「にこちゃんと花陽ちゃんが、校内に次のライブのチラシを貼ってるの!」
絵里「そうなのね……で、私たちは何をしてたんだっけ?」
穂乃果「ああ、絵里ちゃんが穂乃果と話したいって言ったから、今こうして屋上に来たの」
絵里(話したい? 私が?)
絵里(ここはなんだかいろいろと違うみたいね。いる場所も違うし……それにまだ、そんなに陽射しがきつくない)
絵里(時期も違うってことは……夢なのかしら?)
穂乃果「絵里ちゃん?」
絵里「穂乃果、ほっぺをつねってくれる?」
穂乃果「いたたた」
絵里「あ、そうじゃなくて、私のをよ」
穂乃果「え? そうなの? じゃあいくよー」
絵里「いたたた」
絵里(……夢じゃない)
絵里「……ていうか希は?」
穂乃果「え? 希ちゃん?」
絵里「そうよ。さっきの説明の中に希がいなかったけど……」
穂乃果「希ちゃんはたぶん、生徒会の仕事をしてると思うよ?」
絵里(生徒会の仕事……? 1人で?)
絵里「なら私も手伝いに……」
穂乃果「だ、ダメだよ絵里ちゃん!」
絵里「え、どうして――――――――」
穂乃果「生徒会は希ちゃんに任せて、スクールアイドルとして廃校を阻止するって約束したでしょ!」
絵里「……なにそれ」
穂乃果「希ちゃんと約束したもん。穂乃果はちゃんと聞いてたよ」
穂乃果「絵里ちゃんはスクールアイドルとして、希ちゃんは生徒会役員として学院を存続させる、って」
絵里(どういう意味よ、それ……)
絵里「じゃ、じゃあ、希はμ'sに入ってないの?」
穂乃果「みゅーず? せっけん?」
絵里「いやいや、そのボケはいいから……」
穂乃果「じゃあ何だろう……」
絵里「……まさか、本当に知らない?」
穂乃果「何だっけ? お菓子?」
絵里(嘘でしょ……信じられない。まさか希がμ'sに入ってないなんて)
絵里(どうなってるの? 夢……じゃなかったわよね)
絵里「なら、私たちのアイドルグループの名前って……?」
穂乃果「それはもちろん、音ノ木坂学院スクールアイドルグループ、だよっ!」
穂乃果「名前は募集してるんだけど、なかなかいい名前が見つからなくて……」
絵里(ってことは本当に、私たちはμ'sじゃないってことね)
絵里「ちょっと希に会って来てもいい? 生徒会の仕事には関わらないから」
穂乃果「うん。それなら希ちゃんも許してくれると思うよ」
穂乃果「あ、話ってなんだったの?」
絵里「えーっと……また後で話すわ!」
穂乃果「はーい」
絵里(……いったい何がどうなってるの?)
絵里(生徒会室の場所……そこは間違ってないわよね?)
絵里「急がないと……あれ?」
絵里(ポケットから何か――――――――)
絵里「……何よこれ」
絵里(退部、届け……? いったい誰の――――――――)
絵里「うそ……私の……?」
絵里(まさか私が穂乃果に話そうとしてたことって……)
絵里「……何よ、どうなってるのよ」
絵里(ううん、考えちゃダメ。希のところに行かなきゃ)
絵里(……きっとこれは、私が書いたものじゃない)
絵里「希は無事でいてくれるわよね……」
絵里「希!」
希「わ、びっくりした。どうしたん?」
絵里(よかった。希がちゃんといる……)
絵里「希、ちょっと聞きたいことがあるの」
希「んー? また生徒会の仕事の捗り具合?」
絵里「違うわ」
希「なら遊びに来てくれたとか」
絵里「……何で穂乃果たちの仲間に入らなかったの?」
希「……えりち?」
絵里「ねぇ、何でよ。希に生徒会の仕事押し付けるみたいな形、私は気に食わないわ」
希「それは、約束したやろ?」
絵里「いつ」
希「えりちがμ'sに入る時に」
絵里「μ's……? 今、μ'sって言った?」
希「え? あれ? μ's?」
絵里(何よその反応……。覚えてないの?)
希「μ'sって……何やったっけ?」
希「すごく聞きなれた……変な感じ。聞いたことないのに……デジャヴ?」
絵里「言葉だけしか覚えてないの?」
希「うん、何でやろ……テレビで聞いたりしたんかな?」
絵里(どういうこと? 希はμ'sって言葉を知ってる……)
絵里(でも、その意味が分かってない……)
絵里「希、思い出して。μ'sって何だった?」
希「μ's……うぅー……喉の奥でつっかえてる感じがする」
絵里(希がμ'sに加入してないってことは、もしかするとパラレルワールドみたいなものなのかしら……)
絵里(夢のはずなのに……そんなの有り得るの?)
絵里(でもそれ以上にしっくりくる言葉はないわね)
絵里「希」
希「なに? 今、思い出してる途中で……」
絵里「私たち、同じステージで歌ったり踊ったりしたじゃない」
希「え……? でも、ウチはスクールアイドルなんてやったこと……」
絵里「あるわよ!」
希「!」
絵里「あるのよ。今は違うかもしれないけど……私たちが一緒にスクールアイドルをやってた時が!」
希「……ある、かも」
絵里(思い出した……!)
海未「どうしたんですか?」
ことり「何してるの?」
絵里「あ、あれ? 海未? ことり?」
海未「はい、そうですよ」
ことり「生徒会室から絵里ちゃんの声がしたから見に来たよっ」
絵里(あ、そうか。2人は衣装の……)
絵里(うぅ、でも希が思い出したかどうかわからない)
絵里「あの、ちょっと今、希と大事な話をしてて……」
希「μ's……」
ことり「え? みゅーず?」
海未「……μ's?」
ことり「石鹸の話をしてたの?」
絵里(ああ、2人はやっぱり覚えて――――――――)
海未「いえ……違いますよ」
絵里「……う、海未?」
海未「あ、すみません。いや、なんとなくそんな気がして……」
絵里(海未も覚えてるの……?)
希「μ's、μ's……あー! あとちょっとで思い出せそうなんやけど」
海未「しかしその言葉、妙に頭に残りますね……μ's」
絵里(穂乃果やことりは全然わかってないみたいだけど、2人は反応がある……)
絵里(どうにかして2人にこのことを伝えられれば……)
絵里(夢でもパラレルワールドでもいい、私は9に一緒じゃなきゃ――――――――)
絵里(え? 夢?)
絵里(穂乃果やことりは全然わかってないみたいだけど、2人は反応がある……)
絵里(どうにかして2人にこのことを伝えられれば……)
絵里(夢でもパラレルワールドでもいい、私は9人一緒じゃなきゃ――――――――)
絵里(え? 夢?)
絵里(夢って……まずいわよね?)
絵里(必要以上に寝たらいけないって……)
絵里(起きなきゃ!)
絵里(私がここでダメになったら、2人に伝えられないじゃない!)
――――――――急いで戻らなきゃ……間に合わなくなる!――――――――
――――――――
――――
――
絵里「はっ!?」
絵里(あれ、ここは……)
絵里(見慣れない部屋……ってことは、戻ってきた……?)
絵里「ふー……間に合った」
絵里(でも最後、私は何であんなに焦っちゃったのかしら……)
絵里(それよりあの夢、いったいなんだったの?)
絵里「μ'sが存在しない世界……」
絵里「今思うだけでもぞっとするわね」
絵里「……落ち着いて、話を整理しましょう」
絵里「まずあの夢……というかパラレルワールドみたいな夢は、μ'sが存在しなかった」
絵里「そして希が私の代わりに生徒会の仕事を全部受け持ってくれていた」
絵里「希がいなかったから、μ'sの名前もなかったのかと思ったけど……希はその名前を知ってた」
絵里「海未も何か気が付いたみたいだったし……」
絵里(……それに私の持ってた退部届)
絵里(なんで私は辞めようとしてたのかしら?)
絵里「うーん、全然わからない……」
絵里(もう1度夢を見ればわかるかしら?)
絵里「それは……ううん、やっぱりやめておきましょう」
絵里「必要以上に寝ちゃいけない……って忠告されたものね」
絵里(なら、夜寝るときにもう1回……それならいいわよね?)
ここまでー
謎だらけの1回目
きょうはもうダメだ
つかえて頭まらえあん
人差し指だけじゃダブルクリックできないくらいつかれた
あいたのあさこうしんしまs
アニサマ帰りか?
よく寝てね
>>1が他に書いたSSも、このスレから見れば全部パラレルワールドとして繋がってるって
見方もできるが気がしてきた。
>>582
なるほど
朝じゃなくてすまん 更新するよ
ことり「ただいまっ」
絵里「あ、ことり。おかえりなさい」
ことり「絵里ちゃん、書類もらってきたよ」
絵里「じゃあ私が目を通しておくわ」
ことり「うん、でも半分は私がやるよ」
絵里「え? 私に任せてくれればいいのに」
ことり「ううん、自分のことだから」
絵里「そう?」
絵里(まあことりも思うところがあったのかもね……)
絵里「でも半分は多すぎるわ。半分の半分なら余裕を持ってやれるはずよ。それでどう?」
ことり「うん、そうする!」
絵里「ええ、じゃあ残りは私がやっておくわね」
絵里「で、その大きな紙袋は何?」
ことり「う」
絵里「……何かしら?」
ことり「え、えーっと……そのぉ……」
絵里「怒らないから言ってみて」
ことり「こっちのお店にね、すごくいいデザインの服があったの!」
ことり「それにこんなにいい生地も!」
絵里(ことりらしいというかなんというか……)
ことり「日本に帰ったらすごくいい衣装が作れそうで……ほら見て見て! たとえばこの色とこの色で……あとこれもつけて……」
絵里「え、えぇ?」
絵里(私、服のこととかあんまりわからないのよね)
絵里(でもことりが楽しそうだし、それでもいいかな)
ことり「こうやってリボンをつけて、スカートにこれとこれと……それからこれもっ!」
ことり「……かわいい!」
絵里(めくるめくことりワールド……そして着せ替え人形にされる私)
絵里(まあ、悪くない……か)
絵里「あ、もう夜かぁ……」
ことり「でも日本とは時差があるよ」
絵里「そうね」
絵里(ここ、今気づいたけどホテルだったのね)
絵里(最初はどうやって来たのかもよくわからなかったけど、今ははっきりわかる……)
絵里(というより、何で最初はわからなかったのかしら?)
ことり「ホテルの晩ご飯おいしかったね」
絵里「そうね。パンがも焼き立てだったし」
絵里「あ、もう夜かぁ……」
ことり「でも日本とは時差があるよ」
絵里「そうね」
絵里(ここ、今気づいたけどホテルだったのね)
絵里(最初はどうやって来たのかもよくわからなかったけど、今ははっきりわかる……)
絵里(というより、何で最初はわからなかったのかしら?)
ことり「ホテルの晩ご飯おいしかったね」
絵里「そうね。パンも焼き立てだったし」
更新来た!!
頭の方はもう大丈夫ですか?
絵里「お風呂は……って、シャワーしかないのよね?」
ことり「うん」
絵里「どっちから入る?」
ことり「私から入るよ。絵里ちゃんはシャワーに弱いから」
絵里「あー……」
絵里(確かにシャワーには弱いわね)
絵里「うん、じゃあお願い」
ことり「はーい」
絵里(……寝るときは、また様子を見てみないとね)
絵里(あれは一体なんだったのかしら。パラレルワールドみたいな感じだったけど……)
絵里「でもやっぱり夢……よね?」
絵里(……それにしてもやけにはっきりしてた)
絵里(歩いてる感覚もあったし、もしかしたら誰かに触れることもできるかもしれない)
絵里(試してみよう)
ことり「ねぇねぇ絵里ちゃん」
絵里「んー?」
ことり「こっち来てー」
絵里(何かあったのかしら)
絵里「今行くわ」
絵里「……ってことり、何してるの?」
ことり「ほらほら、これって映画とかによく出てくるやつじゃない? シャワーカーテン! 私の影映ってる?」
絵里(あ、確かに……)
絵里「じゃなくて、ちゃんと浴びないなら私が先に……」
ことり「きゃああああっ!?」
絵里「!?」
絵里「えっ、ちょ、な、何で服着てないの!?」
ことり「だ、だってまだ浴びる前だったから……」
ことり「……絵里ちゃんのえっち」
絵里「ごめんなさい」
ことり「……」
絵里「……」
ことり「え、絵里ちゃん? 何でじっと見てるの?」
絵里「あ、つい……すぐ閉めるわね!」
ことり「も、もう……急に入ってきちゃダメだよ?」
絵里「ええ、気を付けるわ」
絵里(……ことりの髪の毛はどうなってるんだろう。気になる)
絵里(どうやってあの髪型を作ってるのかしら……)
絵里(さっきも髪型変わってなかったし、今のシルエットも髪型が崩れてない)
絵里(もしかするとクセ? 寝ぐせみたいな……)
ことり「絵里ちゃん、何でじっと見てるの……?」
絵里(……何て言おう)
絵里「ことり、スタイルいいわよね」
ことり「えっ!?」
絵里(うん、正直に髪型どうやってセットしてるの、なんて聞いてもね)
絵里(シャワー浴びてる最中だし、困っちゃうだろうし)
ことり「え、絵里ちゃんの方が綺麗だよっ」
絵里「私が?」
ことり「そうだよ、うん、私は……その……普通だし」
絵里「えー? 私は綺麗だと思うけどなぁ」
ことり「……どのくらい?」
絵里「上の上くらい」
ことり「あ、ありがとう……」
絵里「?」
希「なんかえりちがウチらをよそに、ことりちゃんとイチャイチャしてる気がする……」
海未「奇遇ですね、私もそう感じました」
にこ「何その電波」
穂乃果「凛ちゃん、これの5巻どこー?」
真姫「今私が読んでるわ。もうすぐ終わるから待ってなさい」
穂乃果「はーい」
花陽「……なんだか普通にくつろいじゃってるけど、いいのかなぁ?」
凛「凛は大歓迎だよ?」
花陽「そういう意味じゃなくて……」
希「まあ花陽ちゃんの言うことも一理あるんよ」
花陽「え、じゃあ……」
希「でもなぁ、えりちが生徒会の仕事残して行くはずがないんよ……」
花陽「あっ」
にこ「あー……」
海未「出鼻をくじかれた感じですね……」
にこ「そうね」
穂乃果「真姫ちゃんまだぁ?」
真姫「待ってなさい、あと6ページだから」
凛「あれれ? なら凛たちがするのって、ラブライブについてのことだけ?」
にこ「そうなるわね」
凛「……それまでどうするの?」
海未「待機、でしょうか」
希(具体的にやることって言っても、ラブライブが始まらないとできないことばっかりやしなぁ)
真姫「はい終わった」
穂乃果「やったー!」
真姫「ていうか穂乃果、私まだ5巻読んでないんだけど」
穂乃果「えっ」
凛「あれれ? なら凛たちがするのって、ラブライブについてのことだけ?」
にこ「そうなるわね」
凛「……それまでどうするの?」
海未「待機、でしょうか」
希(具体的にやることって言っても、ラブライブが始まらないとできないことばっかりやしなぁ)
真姫「はい終わった」
穂乃果「やったー!」
真姫「ていうか穂乃果、私まだ4巻読んでないんだけど」
穂乃果「えっ」
花陽「明日にならないと何もできないね」
希「うん」
にこ「まあ確実に20位以内には入ってるでしょうけど」
海未「ランキングは見られないんですか?」
凛「今は集計中なんだよね?」
花陽「うんっ」
真姫「穂乃果が4巻読んでたからよ」
穂乃果「真姫ちゃん飛ばして読んでくれてたの……?」
真姫「まあね」
海未「……」
にこ「……」
希(ああ、やっぱり出場できる自信はあっても緊張するんやね)
凛「大丈夫だにゃ、凛たちなら」
花陽「うん……私は出てないんだけどね」
凛「こっちのかよちんもちゃんとできたよ!」
花陽「それならいいけど……」
穂乃果「じゃあ真姫ちゃん、一緒に6巻読もう!」
真姫「何の解決にもなってないじゃない」
穂乃果「えー」
海未「ですが、本当にラブライブに出場するとなったら……」
凛「なったら?」
海未「どこでやることになるんでしょうか。ラブライブ本戦のステージとは……」
花陽「海未ちゃん、ラブライブ本戦のステージは特設ステージでね」
海未「えっ」
希(おお、花陽ちゃんに火がついた……ってよく覚えてるなぁ)
穂乃果「あ、そっか。真姫ちゃんが4巻を読んで、穂乃果が5巻を読めばいいんだね」
真姫「そういうことよ」
穂乃果「でもそれだと、6巻はどうするの?」
真姫「それは読み終わったら……あ」
凛「まあ気にしてても仕方ないよ! こういう時はみんなでゲームでもするにゃ!」
花陽「凛ちゃん……」
海未「凛……」
希(凛ちゃん頼もしいなぁ)
海未「私、ゲームとかやったことがないのでわからないのですが……」
凛「えっ、そこから?」
真姫「6巻はその……一緒に読めばいいんじゃない?」
穂乃果「だよねだよねっ!」
真姫「はぁ、仕方ないわね」
にこ「あんたたちいつまでやってんのよ」
ちょっとここまで
絵里パート→希パート→夢パートの順で進むよ たぶん
>>591
ワロタ
言い方もっとなかったのか
乙!!今日のも面白かった!
>>591
うん、ごめん・・・それは自分でも思ったんだけど他の言い方を
とっさに思いつけなかったんだ 悪気は全然ないから許して
>>609-610
めっちゃ笑って更新の手が止まっただけ
別に怒ってない
絵里「ことり、寝た?」
ことり「……」
絵里(寝てるみたいね)
絵里(ちゃんと枕も持ってきたみたいだし、よかったわ)
絵里「じゃあ私も……」
絵里「おやすみなさい」
――――――――……り! 起き……!――――――――
ん……今度は誰?
ていうかまた私、倒れたのね。
――――――――絵里! ……さい……!――――――――
ごめんごめん、心配かけちゃって。
今すぐ起きるから……!
にこ「絵里! 起きなさいよ!」
絵里「はい、おはよう」
にこ「よかった……起きたわね。心配したんだから」
絵里「ふー、ごめんごめん。大丈夫よ」
絵里(ここは……部室ね。まずは希のことについて聞かないと)
にこ「ちょっと、あんた大丈夫なの?」
絵里「うん。もう平気よ。ちょっと眠かっただけだから」
にこ「本当に? 無理してないでしょうね」
絵里「大丈夫だって」
にこ「もー……この前もそんなこと言って、無理して倒れたじゃない」
絵里「え? それって……」
絵里(前にこっちに来た時のことを言ってるのかしら? もしかして結構時間が経ってたり……)
にこ「生徒会の仕事とスクールアイドルの活動を一緒にこなすの、やっぱり難しいんじゃないの?」
絵里「……え?」
絵里(私、生徒会の仕事……してるの?)
絵里「ね、ねぇ。それっていつのことだっけ?」
にこ「確か1週間前くらいよ。大丈夫大丈夫なんて言って、寝不足で倒れたんじゃない」
絵里「う、そ、そうね。ごめんなさい」
絵里(どういうこと? 希が私の話を聞いて、生徒会の仕事を任せてくれるようになったの?)
絵里(うーん……わからないわね)
絵里「にこ、私たち音ノ木坂のスクールアイドルグループって、何人だっけ?」
にこ「え……まさか記憶喪失とかじゃ……」
絵里「ち、違うわよ! えーっと……ほら、私の記憶と違うところがないかチェックするの」
にこ「あー、そういうことね」
にこ「……じゃああんた、言える?」
絵里「えっ」
にこ「このアイドルグループが何人なのか……忘れてないわよね?」
絵里「そ、それは……」
絵里(まずい、これじゃ怪しまれる……!)
絵里(でも、きっと前とは変わってないと思うから――――――――)
絵里「8人! 8人よ!」
にこ「……」
絵里(え、ま、間違えた……?)
にこ「正解ね。頭の方は問題なさそう」
絵里「ほっ……」
絵里(……って、何で私はにこと2人きりなのかしら)
にこ「で、何なの話って」
絵里「へ?」
にこ「いや、だから私をわざわざ呼び出したじゃない。練習抜けてまで呼び出すって一体何の用なわけ?」
絵里(また呼び出し……? 前は穂乃果で今度はにこ……)
絵里「……あ、ごめん。今日渡そうと思ってたもの、持ってくるの忘れちゃってたわ」
にこ「何よもう……で、何持ってくる気だったの?」
絵里「……おいしいお菓子! いつも頑張る部長さんにサプライズ、みたいな?」
にこ「ふーん……」
絵里(うっ、これは厳しいかしら)
にこ「次は忘れず、みんなの分も持ってきなさいよ」
絵里(にこ……素敵な部長さんね)
希「あ、えりち! いたいた!」
にこ「ん? どうしたの希」
希「えりちに生徒会の仕事頼もうとしたんやけど、屋上にいなかったから探してたんよ」
にこ「ああ、ごめんね。みんなの様子はどうだった?」
希「うん、みんながんばってたよ」
にこ「そう……じゃあ私は先に練習に戻ってるから、仕事終わり次第来なさいよ」
絵里「あ、うん!」
絵里(私が誰かを呼び出すってことは……やっぱりあれよね)
絵里(……うん、ポケットの中に封筒っぽいものが入ってる)
希「えりち、生徒会室行こ」
絵里「ええ、そうしましょう」
絵里(希は練習着を着てない……練習に向かう様子もなさそうだし、おそらくμ'sには入ってない)
絵里(時間が経ったと考えると、結局希はμ'sに入ってくれなかったのかしら?)
絵里(まあ私もあの場で加入できてたわけじゃないし、仕方ないのかもしれないけど)
希「あー、今日は仕事が多くてなぁ。えりちのヘルプなしでもいけるかと思ってたんよ」
希「でもやっぱり多くて……」
絵里(生徒会室の場所も一緒……って当たり前と言えば当たり前よね)
希「ごめんなぁ。ウチがもうちょっと仕事できれば……」
絵里(ここは聞いてみるのが得策よね?)
絵里「希」
希「え? なに?」
絵里「私たちが生徒会の仕事をやるようになったのって、いつからだった?」
希「なんでそんなこと……」
絵里「少しは思い出に浸りたい時だってあるでしょ?」
希「あー、そうやね」
希「まあえりちと生徒会入ってから、ウチらずーっと一緒に仕事してきたやん?」
絵里「ええ、そうね」
希「まあ途中で、スクールアイドルの活動と、生徒会の仕事でえりちが大変になった時もあったけど……」
絵里「……けど?」
絵里(それじゃまるで今まで変わらずに仕事を続けてきたってことに――――――――)
希「結局えりちが強引に押し切って、生徒会のしごともやめなかったんよね。あの時のえりちはすっごく頑固やったなぁ」
絵里「え? 希が1人でやる、とか言うので揉めた……とかなかったっけ?」
希「そりゃあ揉めに揉めたやん。でも最後はえりちが頑張るって言って、ウチはそれをサポートすることにした」
絵里(……じゃあ私は今までずっと、生徒会の仕事をしてきたの?)
絵里(違うじゃない、あの時の希と穂乃果の言ってたことと)
絵里(……まさか)
絵里「違う夢に、来ちゃった……?」
絵里(そんなの有り得るの? それとも、夢だから設定があやふやになってる、とか……)
希「ど、どうしたんえりち。顔色悪いで?」
絵里「大丈夫よ」
希「うーん……熱でもあるんと違う? ちょっと触らせてくれる?」
絵里「いいけど、ないから大丈夫……」
絵里(……希の手、私のおでこに触れてる)
絵里(夢なのに……?)
絵里「希、ちょっと生徒会室で待ってて。すぐ戻るから」
希「えりち!? 廊下は走ったら危ないで!」
絵里(思い出した。最初からそうだったじゃない)
絵里(私は初めてこっちに来たとき、穂乃果にほっぺをつねってもらった……)
絵里(どうして忘れてたのかしら……)
絵里(ううん、そんなことより今は、このポケットの中の封筒の中身を確認しないと)
絵里「……やっぱり、退部届ね」
絵里(部室に誰もいなくてよかったわ。こんなところ見られたら大変だもの)
絵里(確か退部届には、理由を書かなきゃいけないのよね)
絵里「私は何を書いてるのかしら……」
絵里(……字が震えてる)
絵里(えっと……生徒会の仕事に手が回らなくなったため、退部がしたい……って?)
絵里「……なるほど」
絵里(うーん、でも今の私たちなら、ちゃんと生徒会を運営できてたわよね?)
絵里(それが何でこっちでは――――――――)
絵里「希がいないから……かしらね」
絵里(そうね。そう考えるのが普通だわ)
絵里(……それがどこか、当たり前に思えてるからかもしれないけど)
絵里「こっちにいた私と会話できたらいいんだけど……」
絵里(そればっかりはどうしようもないわね)
絵里(みんなは今練習してて、希は生徒会の仕事……)
絵里(まとめてみんなと話す機会があれば、少しは私の状態がわかったかもしれないのに)
絵里(ここは一旦戻ろうかしら。また来ることのできる保証はないけれど)
絵里(思い出に長く浸りすぎるのは、あまりいいこととは言えないしね)
――――――――
――――
――
ここまで
違いに気付いた2回目
おつー
本当にあと2スレくらいありそうだが大丈夫か?
>>637
わからん できればPart3以内で終わらせたい
絵里「おはよう、ことり」
ことり「んー……えりちゃん?」
ことり「あれ? 何で絵里ちゃんが……」
絵里「短期留学2日目の朝よ」
ことり「あー!」
絵里(本当に覚えてなかったのかしら)
ことり「そ、そうだ! 今日から学校で……!」
絵里「朝ごはん、できてるわよ」
ことり「ごはん?」
絵里「ええ。ホテルじゃ夜しかご飯出ないから」
ことり「そういえば……」
ことり「も、もしかして絵里ちゃんの手作り?」
絵里「そうよ。まあ簡単なものしか用意できなかったけどね」
ことり「えへへ……なんだかうれしいなぁ」
絵里「喜んでもらえてうれしいわ」
ことり「メニューはなになに?」
絵里「きのこたっぷりマッシュルームスープと、今朝買ってきたフランスパンよ」
ことり「ええっ!? 絵里ちゃん外で買ってきたの?」
絵里「まあ、ホテル出てすぐのところにお店があったから。そこでついでに食材も」
ことり「……フランス語、話せたの?」
絵里「ううん。指さしたりして頑張ったわ」
絵里(ジェスチャー大変だったけどね)
ことり「マッシュルームスープってロシア料理だったりする?」
絵里「まあそうかもね。きのこは多いから」
ことり「そうなんだぁ……うん、いい匂いがしてきたよっ」
絵里「ええ、冷めないうちにどうぞ」
ことり「あれ? そのお鍋とかってどこから持ってきたの?」
絵里「ああ、備え付けのものがあったのよ」
絵里(ちょっと大きすぎるけどね)
絵里「それじゃ、いただきましょう」
ことり「あ、いただきまーす」
絵里(塩コショウもここで買ったものだから、分量とか間違えてないといいけど……)
ことり「ん、おいしい!」
絵里「あ、そう? それならよかったわ」
ことり「おいしすぎる……これ、お店に出せるよ。制服作りは任せてっ!」
絵里「それはいくらなんでも気が早いわ」
ことり「そうかなぁ?」
ことり「絵里ちゃん」
絵里「どうしたの?」
ことり「お金は持ってたの?」
絵里「え、まあ……」
絵里(知らないうちに持ってたのよね。財布の中に)
絵里(でも誰からもらったのかさっぱりわからない……でも留学用、って書いてたし、大丈夫よね?)
ことり「あ、そっか。絵里ちゃんはお母さんからお金渡されてたもんね」
絵里「そ、それよそれ!」
絵里(たぶん)
絵里「そういえば今日、ラブライブの結果が発表される日よね」
ことり「でも時差があるよ?」
絵里「あ、そうね。何時間くらいずれるのかしら」
ことり「7時間くらいじゃなかった? 日本の方が7時間くらい早いはずだよ」
絵里(サマータイムとかってどうなるんだろう……)
絵里「ん? ってことは、今は6時だから……向こうでは昼の1時?」
ことり「……もしかしたら公開されてるかも」
絵里「……」
ことり「……」
絵里「と、とりあえずことりは学校に行く準備をして」
ことり「う、うん……」
絵里(なんだか緊張してきたわね……連絡が来るとすれば、ことりの持ってきたノートパソコンに、よね?)
絵里(朝から心臓に悪いわ……)
ことり「あ、絵里ちゃん。こんなに早く起きて大丈夫だった?」
絵里「え? なんで?」
ことり「昨日は時差ボケでつらそうだったから」
絵里(ああ、あのもやもやしてた時ね)
絵里(そっか、ことりには時差ボケで疲れてたように見えるんだ……)
絵里(まあ、そっちの方が好都合かしら)
絵里「大丈夫よ。もうすっかり慣れちゃったし」
ことり「それならよかった」
ちょっとここまで
久々に用事だ
絵里「それじゃ、いってらっしゃい」
ことり「うん、いってきます」
ことり「たぶん穂乃果ちゃんたちからメールが来ると思うから、パソコンはつけたままにしておくね」
絵里「ええ、わかったわ」
絵里(パソコンかぁ……正直あんまり操作方法わからないのよね)
絵里(生徒会の作業も書類ばっかりだったし)
ことり「……や、やっぱり最後にもう1回だけメールのチェックを!」
絵里「ダメよ。初日から遅刻しちゃ印象最悪よ? 私が見ておくから大丈夫よ」
ことり「うん……お願いだよっ!」
絵里「もちろん」
ことり「そこのアイコンをダブルクリックしたらチェックできるからね」
絵里「それくらいわかってるわ。心配しないで」
ことり「……じゃあ、いってきます!」
絵里「いってらっしゃい」
絵里「……よし」
絵里(ふふふ、ダブルクリックくらい知ってるもの。余裕ね)
絵里「早速メールのチェックを……」
絵里「……あれ?」
絵里(こ、ことりのパソコン……マウスがない!?)
絵里「どうやって操作してたの……?」
絵里(マウスがないとカーソルが動かせないはずじゃ……)
絵里(ということは、ことりがマウスを持っていっちゃったの?)
絵里(いやいや……でも……)
絵里「……どうしよう」
絵里(ん? でも確か、この前どこかでマウスを持たずにパソコンを操作してた人がいたような……)
絵里(飛行機の中……だったかしら? よく覚えてないわね)
絵里(キーボードの面を指でなぞってたような気が……)
絵里「……あっ! 矢印がある!」
絵里「なるほど、これで動かすのね!」
絵里(動きませんでした……)
絵里「魔法? 何か特殊な器具が必要なの?」
絵里「キーを押す以外の操作は……」
絵里「……何かしら、この余白みたいなの」
絵里(ここを削ればもっとコンパクトにできそうね)
絵里「付箋でも貼るところなのかしら?」
絵里「……ん? 今、カーソルが動いたような……」
絵里「……!」
絵里「ま、まさか……そんなことが許されるの!?」
絵里「だってこれじゃ……マウスの立場がないじゃない!」
絵里(きっと何かの間違いよ。ええ、そうに違いないわ)
絵里(こんな風に指で触れたって、きっとカーソルは動いたりなんか……)
絵里「……ハラショー」
絵里「動いてしまった……」
絵里(うう、マウスが不憫でならないわ)
絵里「あら? でもクリックってどうするのかしら」
絵里「指でつついたら反応してくれたり――――――――」
絵里(した)
絵里「……」
絵里(ちょっと楽しい)
絵里「じゃなかった。メールをチェックして……あ、これね」
絵里「ラブライブ最終結果発表……件名だけでも緊張するわね」
絵里(大丈夫よ。みんなで頑張ったんだから、きっと受かってるはず)
絵里(1位通過じゃなくたって、20位以内には確実に入ってる!)
絵里「ふー……」
絵里「よし! 覚悟は決めたわ!」
絵里「ダブルクリック――――――――」
絵里「……」
絵里(嘘、でしょ……?)
絵里「なんで本文がないのよ!?」
希「穂乃果ちゃん焦りすぎやって!」
穂乃果「て、手が滑ったんだもん!」
真姫「2人とも落ち着きなさいよ」
海未「真姫、そのコップもう空ですよ。何回飲むんですか」
凛「海未ちゃんもうろうろしすぎにゃ」
にこ「はー、はー……」
花陽「に、にこちゃんしっかりして!」
海未「は、早く送らないと心配するでしょう!」
真姫「貸しなさい、私が送るから」
穂乃果「真姫ちゃん手が!」
希「震えすぎやって!」
真姫「大したことないわよ」
凛「真姫ちゃん、まず全角に……」
にこ「」
花陽「にこちゃんしっかりしてー!」
穂乃果「ああっ、真姫ちゃん押しすぎ! 111位通過になってるよ!」
真姫「パス」
希「逃げた!?」
海未「こ、こんなことになるなら、もっといろいろ準備しておくべきでした!」
にこ「花陽、これ、夢?」
花陽「え? あ、私たちの中ではそんな感じだけど……」
凛「かよちん、にこちゃんの元気が見る見るうちになくなっていくにゃ」
にこ「」
花陽「あ、ご、ごめんなさいっ! 現実です!」
希「……ウチらだけでどうにかしないと」
穂乃果「うん、2人がいなくても、μ'sは強いって証明しなくちゃ!」
海未「ああ、でもインタビューと言われても、何を話せばいいか……」
花陽「いつも通り自然に……うぅ、今から緊張してきちゃったよぉ」
にこ「あんたたち! こんな時こそしゃきっとしなさいよ!」
凛「にこちゃん、それ壁だよ」
真姫「……はぁ。もうなんなのよ」
希(これは予想外やったなぁ……)
希(ラブライブ出場グループは、インタビューがあるなんて)
希(それに――――――――)
希(まさかA-RISEにダブルスコアで堂々の1位になるとは……地元だけじゃなくて普通のテレビ局も来るなんて)
希「えりち……思ったよりこっちも大変そうやで」
ここまで
機械に疎いエリーチカは前々から考えてた
アニメでは1stライブの録画映像(編集もして?)UPしたり
漫画では生徒会で普通にPC使ってるからそこまでポンコツではないんだけど…
機械オンチ設定もまた面白い
>>670
マウスしか知らないチカ 生徒会のパソコンもマウスついてたチカ
こんなお告げが聞こえてつい
息抜きにうみりん
凛「海未ちゃんが厳しすぎる」
→凛「海未ちゃんが厳しすぎる」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409789819/)
絵里(はぁ……受かってたのね。よかったぁ)
絵里「それにしてもインタビューって……私たちがいなくても大丈夫なのかしら?」
絵里「っと、その前にことりに連絡入れないと」
絵里「今、繋がるかな……」
ことり「もしもし!」
絵里(ええっ!? まだワンコール鳴り終えてないのに)
絵里「も、もしもし、授業とかは……」
ことり「大丈夫だよっ! 絵里ちゃんどうだったの!?」
絵里「落ち着いてことり、大丈夫、ちゃんと教えるから」
絵里(まあ予想通り、いろいろ集中できてなかったみたいね)
絵里「率直に言うわ」
ことり「……うん」
絵里「1位通過よ」
ことり「……」
絵里(あれ? 反応がない……)
絵里「もしもし、ことりー?」
ことり「な、何グループ中の?」
絵里「いや、何グループあっても1位は1位だけど……」
ことり「何位までが本戦出場だっけ?」
絵里「20位以内」
ことり「20位……あれ? 私たちは?」
絵里「1位」
ことり「……うふふ、あはは」
絵里「こ、ことり?」
ことり「お赤飯炊かなきゃ!」
絵里(ことりが壊れた)
絵里「落ち着きなさいことり、今あなたは何してるの?」
ことり「何かな? ことりは今何してたのかな?」
絵里(錯乱状態じゃないの)
絵里「とりあえず深呼吸して。話はそれからよ」
ことり「わかった! すー……」
ことり「あっ、焼き立てのパンの匂い! 買ってくるね!」
絵里「ことりー!?」
絵里「よし、何とかなった……」
絵里(やっぱりうれしかったのね。ふふ)
絵里(ことりもああいう感じになったりするんだ)
絵里「……ま、私はパソコンの操作で精いっぱいだったけど」
絵里(ううん、ポジティブに考えましょう。これでマウスなしでも操作ができるようになったってわけよ!)
絵里(希たちにも自慢できるわね)
絵里「でもやっぱり紙媒体の方が好きかな……壊れないし」
絵里「さて、一応書類も一通り片が付いたし……」
絵里(ふふん。書類の扱いには慣れてるからね)
絵里(みんなからのメールが来る間に終わらせるなんて朝飯前ってやつよね)
絵里「……そっか、私って今、やることないんだ」
絵里「ライブ関連のことは全部あっちでやるしかないし、無理にこっちから仕切ることはできないものね」
絵里(だったら……ちょっとだけ、様子を見に行くっていうのもいいかしら?)
絵里(また5分セットして……)
絵里(うん、5分くらいならきっと大丈夫よ。実質、起きても3分くらいしか経ってないし)
絵里「長く眠りすぎるのはいけないっては言われたけど、あっちに行けば何かがつかめるかもしれないし……」
絵里「あ、その前にまとめておこうかしら」
絵里「今までにあった変化は、希についてのことばっかりだった……わよね?」
絵里「どっちもμ'sに加入してなかったし、それにμ'sって名前すらなかった」
絵里「私はというと、1回目は穂乃果、2回目はにこを呼び出して、退部届を渡そうとした……」
絵里「退部したい理由は……えっと」
絵里(……なんだっけ?)
絵里「うーん、すごく単純だったはずなんだけど……思い出せない」
絵里「あ、確か、人に触れられるかどうかを試したのも忘れてたわね」
絵里「起きたら忘れちゃうのかしら? うーん、寝ぼけてるせい?」
絵里「一応メモに残してるから大丈夫よね、うん」
絵里「……そういえば私、何でこんなの知ってたのかしら」
絵里「また忘れてたり……」
絵里(それももう1度夢の中に行けばわかるのかもしれないわね)
絵里「ことりが帰って来る前に済ませましょう」
絵里「……おやすみなさい」
絵里「うわっ、っとと」
真姫「ん? どうしたのエリー」
絵里(な、なんとか倒れずに済んだ……って)
絵里「え、エリー?」
真姫「?」
絵里(エリーって何? 私、そんな風に呼ばれてたっけ?)
海未「絵里、あまり無茶をしてはいけませんよ? ただでさえあなたは1人で背負い込もうとするんですから」
ことり「困ったときは、私たちを頼ってね?」
絵里「え? あ、うん。大丈夫よ」
絵里(みんなはいる……けど、何だか違うような……)
にこ「絵里ちゃんしっかり! ニコも絵里ちゃんの力になるために、精一杯応援するニコ!」
絵里「えっ」
絵里(誰この子)
にこ「やだなぁ絵里ちゃん、視線がニコに釘づけだよぉ?」
にこ「あぁ、もしかしてニコに惚れちゃった、とか?」
にこ「ダメダメっ! ニコはみんなのものだからぁ……ねっ?」
絵里(このニコニコ言ってる子って一体……)
絵里(にこだ)
凛「絵里ちゃんもしかして眠いの? えへへー、じゃあ凛の膝枕で寝ちゃう?」
花陽「あ、凛ちゃん昔やってもらってたもんね」
凛「にゃっ!? そ、そんなのあったっけ!?」
絵里(昔? 何それ)
穂乃果「絵里ちゃんは昔から頼れる大人の女性! って感じだったからなぁ……」
絵里「昔からって……」
真姫「穂乃果ちゃんのその話、何回も聞いたってば。何かして何とかして結局エリーが助けに来るやつでしょ?」
穂乃果「全然覚えてないよ真姫ちゃん!」
にこ「あれれ? マッキーって暗記苦手だったりするの?」
真姫「だっ、誰が! この天才真姫ちゃんにできないことなんてないわよ!」
絵里(……うん、わかった。何だかここは色々と違う)
希「お、君たちちゃんと練習してるー?」
絵里「希!?」
希「んん? どうしたんエリチ。感動の再会?」
絵里(ほとんどそんな感じだけど……もしかしてこれって、希がμ'sに入ってたり――――――――)
海未「ああ、希先輩」
絵里(……先輩?)
希「海未ちゃん、そんなん堅苦しいからやめやめ。気軽に希ちゃんって呼んでちょーだい!」
にこ「希ちゃん」
希「ニコにはもう呼ばれ慣れてます」
にこ「てへっ」
絵里「希? あなたネクタイだった?」
希「へ? ああ、ウチはずーっとネクタイやで? ほしい?」
絵里「いや、いらないけど……」
絵里(どうなってるの? いろいろと違いすぎて対応に困るというか……)
希「エリチカ会長、表情がかたーい!」
絵里「え、そう?」
希「そんな時は……このあげまんじゅうを食べてにっこり笑顔になるのだーっ! はい、おひとつおすそ分け」
絵里「あ、ありがとう」
穂乃果「あー! それ穂むらのあげまんじゅうだ!」
希「いつもお世話になってます!」
凛「凛もおまんじゅう食べたーい!」
希「ちゃーんとみんなの分あるで」
海未「……」
絵里(海未が物欲しげな表情で見てる……)
絵里「海未は食べないの?」
ことり「そうだよ海未ちゃん。大好物でしょ?」
海未「で、ですが私はこれから剣道の稽古が……」
絵里(剣道? 弓道じゃなくて?)
にこ「花陽ちゃんも一緒に食べようよぉ」
花陽「わ、私はちょっと……おにぎり食べすぎちゃって」
凛「そうだね。かよちん今日でもう5つも……」
花陽「り、凛ちゃん! それは内緒だよぉ!」
にこ「うーん、しょうがないなぁ。じゃあマッキーと一緒に1枚……」
真姫「こ、コラ! 許可なく撮るのはやめてよ!」
絵里「ああもう、2人ともケンカしないの」
にこ「怒られたニコ……」
絵里「あ、いや。そこまで怒ったつもりじゃ……」
にこ「でもニコのアイドル伝説は始まったばかりニコ!」
絵里(なにこれどうしたらいいの)
絵里(とりあえず誰か、情報をくれそうな人は……)
希「うん、やっぱりうまい! もう1つ食べよ」
真姫「太るわよ」
希「そこはスピリチュアルパワーで」
花陽「ぜ、ぜひ教えてください!」
希「おっ、なら是非ともオカルト研究部に……」
絵里「希、今なんて?」
希「エリチかわいい、って!」
絵里「違うわよ。さっき言ってたこと」
希「て、照れもせず……オカルト研には脈なしかな、ぐすん」
絵里「希!」
希「はいはい、わかったわかった。そんなに怖い顔してたら美人が台無しやで」
絵里「えっ、そんな顔してた……?」
希「ふむふむ自覚アリ……のぞみんの診療が必要やね! 穂乃果ちゃんメス!」
穂乃果「はいっ!」
海未「穂乃果!? それは私の竹刀で……!」
ことり「海未ちゃん、お口についてるよ」
海未「す、すみません……」
凛「いきなりオペから始まるの?」
絵里(こ、このままじゃあやふやにされる!)
絵里「もう、希ってばいい加減に……」
希「エリチ、今なら抜け出せる」
絵里「えっ、ちょ、ちょっと……!」
絵里(抜け出すってどういう……)
希「はー、ここまで来れば大丈夫。希ちゃんの絶好の隠れスポットなのだ!」
絵里「隠れスポット? ここ、空き教室じゃないの?」
希「うーん、エリチは知ってても、エリチは知らないんかぁ」
絵里「……どういう意味?」
希「ウチにはわかる。今のエリチはエリチであっても絢瀬絵里じゃない」
絵里「!」
絵里(まさか……バレてる?)
絵里(ていうかこれって、自分の正体バラしちゃっていいのかしら)
絵里(……夢だし)
絵里「よく見破ったわね、希」
希「お、ウチの読み通り!」
絵里「なんでわかったの?」
希「だってエリチ、わかりやすくオロオロしてたもん。ウチじゃなくてもすぐにわかるよ」
絵里「うっ」
希「まあ座って。ここはウチのオカルト研究部の部室やし」
絵里「オカルト……やっぱりμ'sには入ってないのね」
希「うん。μ'sには入ってない」
絵里(……あれ? 何でμ'sって知って――――――――)
希「おっと! みなまで言わんでもウチにはわかる!」
希「μ'sって名前、何で知ってるか聞きたいんやろ?」
絵里「……すごいわね。どうしてわかったの?」
希「それはこの、とっておきのクッキーを食べながらでも」
ここまで
コミカライズ版の世界だよ
SID世界、ドラマCD世界もあるんですかね
>>707
ドラマCDは呼び方とか舞台が変わりまくるからやらない
SIDは考え中 コミカライズ版と似てるとこあるから区別しづらくて
希「まあ単刀直入に言うと、違和感があったんよ。エリチには」
絵里「違和感?」
絵里(……このクッキーおいしい)
希「そうそう。なんか違うっていうイメージがビビビって」
希「それがそっくりやったってだけ」
絵里「そっくりって……何と?」
希「……ウチに憑りついたユーレイさんと」
絵里「ゆ、幽霊?」
希「うん。ちょっと前までウチは、自分の意志で動いてなかった時期があってな? それはもう疲れて疲れて」
希「毎日毎日オカルト研に顔を出さずにエリチにアプローチかけて、とっておきのおやつもいつの間にか食べちゃって」
希「もー、何でなんやろ?」
絵里(私にアプローチ……?)
希「まあレアな体験ができたとは思ってるんやけど……あの限定50個のケーキはウチが自分の手で食べたかったなぁ」
絵里「ちょ、ちょっと待って。憑りついたって……何が?」
絵里「本格的にマズいんじゃ……」
希「ううん、たぶんあれは悪いやつじゃなさそう」
絵里「わかるの?」
希「ビミョーなところやけど……なーんか波長が合うっていうか」
絵里「?」
希「自分の意志はあるけど、自分では動けない……って感じ?」
絵里「金縛りみたいね」
希「うーん、どうかな。あんまり覚えてはないけど自由に動けたりできたし」
絵里「自由?」
希「そうそう。精神的なもので」
絵里(何だろう、よくわからないわね)
希「まあ、ウチが覚えてるのはそれだけ」
希「誰かがウチの体を使って、エリチに何かをさせようとした……ってことかな」
絵里「……幽霊に恨まれるようなこと、したのかしら」
希「たぶん大丈夫やとは思うよ。怒ってるって感じじゃなかったし」
絵里「そういうのまでわかるの?」
希「ふっふっふ、何をおっしゃる。ウチはオカルト研究部の部長やで!」
絵里(あ、そういえばそうだったわね)
希「でもなぁ、そのユーレイさんはとにかく焦ってたみたいなんよ」
絵里「焦ってたの?」
希「そうそう。その時はさすがのウチでも、ユーレイさんに心の余裕がなくてよく状況が呑み込めてなかったんやけど……」
希「んーと、途中で何かをきっかけに心の余裕が生まれたみたいで、その時にやっと自分がどうなってるか自覚できたってわけ」
絵里「じゃあ焦りっぱなしだったら何もわからなかったかもしれない、ってこと?」
希「うん」
希「あ、その時に、μ'sって名前が頭をよぎったんよ」
希「ユーレイさんの考えかも……って考えるとスピリチュアルやね」
絵里「幽霊の……」
絵里(でも、μ'sって名前の言いだしっぺは希よね?)
絵里(……それも幽霊のせいなのかしら)
絵里(ん? もし今までの希に、同じ現象が起こっていたとしたら……それに違和感を感じてなかったのは、焦った幽霊に憑りつかれたせい?)
絵里「うー……考えすぎて頭が疲れてきた」
希「そんな時には甘いもの! はいどーぞ」
絵里「あ、チョコね。ありがとう」
希「……エリチもユーレイさんに憑りつかれてるかも」
絵里「えっ」
希「って、最初は思ってたんやけど……これは違うかも」
絵里「違うの?」
希「うん。ちょっと混ざってる感じかな?」
絵里「ま、混ざってる!? 幽霊と!?」
希「んー……ウチもそこまで詳しくはないから……でもなんていうか、エリチのこと嫌ってはないみたい」
絵里「ならいいんだけど……」
希「ウチももっと修行を積むべきかなぁ?」
絵里「ううん、今の希の助言、抽象的だけどかなり手掛かりになったわ。ありがとう」
希「お、それならよかった! のぞみんパワーが役に立ったんやね」
絵里「あ、それで希は今μ'sには入ってないの?」
希「うん。一応撮影係としてアイドル研究部にくっついてるよ。何せオカルト研は部員が1人でなぁ……」
絵里「……」
希「ん? エリチどうしたん?」
絵里「今からでも遅くないわ」
希「へ? 何が?」
絵里「μ'sに入って!」
希「ええっ!? そ、そんな無茶な……」
絵里「無茶なんかじゃないわ。私の知ってる希は、オカルトも好きだけど、歌やダンスもすごく好きだったもの」
絵里「こっちでもプロポーションは相変わらず抜群だし……よーし! 引き抜き決定!」
希「えー!?」
希「ちょ、ちょっと待って」
絵里「んー?」
希「そんな急に言われても困るって。第一ウチにはオカルト研究部が……」
絵里「生徒会の力でくっつければいいじゃない。オカルト研究部 with μ's! ほら完璧!」
希「しょ、職権乱用や!」
絵里「まあまあ、そんなことは気にしないの」
希「あー、ウチのしってるエリチに似てきた気がする」
絵里「何言ってるのよ。私はいつだって私のままよ?」
希「うー……ウチの勝ち目がない」
絵里「元々勝ち負け云々じゃなくて、希はμ'sに入る運命なのよっ」
希「……ふふ」
絵里「え、何かおかしいところ、あった?」
希「いやまあ、それ言うと全部おかしいけど……」
希「エリチは全然、性格変わってないなぁ」
絵里「それ、褒めてるの?」
希「ほめてるほめてる」
絵里「あやしい」
希「こんな時はチョコで買収!」
絵里「いただきます」
希「あはは」
絵里「ふふ」
希「エリチ」
絵里「なに?」
希「エリチって別のところにいるウチも見たことあるん?」
絵里「まあそうなるわね」
希「へー……」
絵里(詳しく……は、話しづらいわね。なんて説明すればいいのかしら)
希「じゃあ別のウチにもよろしくって伝えといてくれる?」
絵里「え? あ、うん。別にいいけど……」
絵里(希はわかってくれるのかしら?)
絵里「……って、あんまり長居するわけにもいかないわね」
希「胸のカラータイマーが鳴っちゃうから? 正義の味方も大変やね」
絵里「そうそう、3分間だけ……って、そんなわけないでしょ!」
希「あ、久しぶりにエリチのノリツッコミ見た」
絵里「レアだから、きちんと覚えておいてね?」
希「はーい!」
絵里「じゃあ希、さよなら」
希「またね、じゃなくて?」
絵里「ええ。もう1度来られるかはわからないもの」
希「そっか……エリチ、頑張ってな」
絵里「任せなさい。希もね」
希「うん」
絵里「それじゃ、こっちの私をよろしくね」
――――――――
――――
――
絵里「ん……」
絵里(あ、やっぱり3分経ってる)
絵里「……?」
絵里「……こっちの私って、何?」
絵里「あれ? 何で私、そんなこと言ったのかしら」
絵里「それに希と話してるとき、変な感じが……」
絵里「まるでだんだん、別の自分になるような――――――――」
絵里「……」
絵里(……幽霊のせい?)
絵里「こ、ことり、早く帰ってきて!」
ここまで
のんたん引き抜きは原作再現っぽくしたつもり
希「……みんな、がんばろ」
にこ「頑張るも何も、ただのインタビューでしょ?」
希「にこっち、それウチやなくて壁」
真姫「まだ緊張してるわけ?」
穂乃果「そうだ! みんなで手を繋いでいけば緊張しないんじゃないかな?」
海未「ええっ!?」
花陽「あ、でもそれは意外と名案かも……」
凛「ミュージカルみたいにゃ!」
海未「で、ですが、そんな……恥ずかしい」
穂乃果「インタビューで何も答えられずにあわあわしてる方が、海未ちゃんはいい?」
海未「横1列になりましょう」
希(海未ちゃん変わり身早いなぁ……)
にこ「ねぇ花陽、最後にもう1度だけ確認させて」
花陽「夢じゃないよ。ここは現実」
にこ「そうよね……うん、もう大丈夫」
凛「にこちゃん、本当に大丈夫なの?」
真姫「おうよ、さっきから様子が変だし」
にこ「いや、実際に夢が叶うと……なんか想像以上にふわふわしてくるのよ。まるでとんでもないこと口走ったりしそうで」
希(意外やね。にこっちって本番に弱いタイプなんや)
海未「あ、そろそろ出番みたいですよ」
穂乃果「よーし、みんな位置について」
にこ「なんかその掛け声は違うと思うわ」
穂乃果「え?」
希「確かに、リレーでもしそうな言い方やったよ」
凛「リレーは得意にゃ!」
真姫「違うから。聞いてるのはそこじゃないわよ」
にこ「はー……ここまで来られたんだから、絶対優勝するわよ」
穂乃果「もちろん!」
花陽「うんっ!」
海未「では……みんな、手を繋ぎましたか?」
凛「うん」
真姫「……ねぇ、これ本当にやるの?」
花陽「印象には残ると思うよ。アイドルなんだから、そうやって覚えてもらわないと!」
希「お、花陽ちゃん燃えてるなぁ」
にこ「ん、呼ばれたみたいね」
穂乃果「よし! 行こう!」
穂乃果「みなさん、初めまして。高坂穂乃果と申します」
穂乃果「私たちμ'sは、応援してくれるみなさんのおかげでここまで来ることができました。ありがとうございます」
希(うぅ……いくら夢の中とは言えども、こんなに人がいたら緊張するのに……)
希(やっぱり穂乃果ちゃん、すごいなぁ)
穂乃果「えっと……」
希(……もしかして)
穂乃果「次は部長の矢澤にこさんからです!」
にこ「!?」
希(投げた! 話すこと忘れたからって全部飛ばして次に行った!)
希(えりちたちがいないことも説明してないのに……)
にこ「あ……コホン」
にこ「えー……矢澤にこです!」
にこ「……」
希(……にこっち?)
にこ「に……」
希(に?)
にこ「にっこにっこにー!」
希「!?」
海未「!?」
にこ「アイドル研究部部長の矢澤にこですっ! みんなのハートにラブにこっ!」
にこ「今回はみんなのおかげで無事に本戦に出場することができてとてもうれしいです」
にこ「だから本戦も、みんなの期待に応えられるように頑張ります!」
にこ「やるからには全力で……優勝目指して頑張ります」
穂乃果「以上です!」
花陽「……」
凛「……」
真姫「……」
希(あれ、ウチらの挨拶は……なしなん?)
穂乃果「うわぁぁん! ごめんねみんな! 穂乃果が忘れちゃったからぁ!」
海未「大丈夫ですよ。にこに繋いだだけよかったです」
真姫「でも絵里たちのこと、何も話してないわよ」
穂乃果「うっ」
にこ「仕方ないわよ。穂乃果だって緊張してたんでしょ」
希「ウチはにこっちが持ちネタをやりだした辺りから心臓バクバクやったよ」
にこ「他にいいのが思いつかなかったのよ」
海未「……でも、案外あっけなかったですね」
凛「凛たちトップバッターだから……もしかしたら今頃、みんなインタビューの内容を短くしてるかもしれないよ?」
真姫「私たちの真似して、ってこと?」
凛「うん」
花陽「ああ、それはありえるかも」
穂乃果「ほ、穂乃果のせい……?」
にこ「違うわよ」
海未「そうですね……穂乃果も緊張するんですよね。よしよし」
穂乃果「ううー……」
希(一応えりちとことりちゃんがいなくても、なんとかなったってわけやね)
海未「そういえば私たちの次は……」
希「A-RISEやね」
真姫「一番厄介な相手よ」
にこ「どんなインタビューをするのかしら」
凛「要チェックにゃ」
花陽「うんっ」
海未「……」
希「……」
海未「あの、希」
希「A-RISEが何言ってるかわからない、って?」
海未「はい。どうしてわかったんですか?」
希「それは夢やから。自分の見たこと、聞いたことないものまでは再現できないんよ」
海未「なるほど……確かにA-RISEのメンバーは、画面越しにしか見たことがありませんし、直接話したこともありませんからね」
凛「ま、真面目なことばっかり言ってる……」
真姫「それを言ったら私たちが不真面目みたいじゃないの」
にこ「でも予想はしてたけど、落ち着いてるわね……」
穂乃果「すごいなぁ……」
花陽「大勢の前に立つのが慣れてるって感じがするね」
海未「……あれ? おかしくないですか?」
希「……あれ」
希(なんで花陽ちゃん、話してることわかるんやろ)
希「は、花陽ちゃん」
花陽「え? 何?」
希「A-RISEに会ったこととか……あるん?」
花陽「あ、ライブとかはちょっと見たことあるよ」
希「そうじゃなくて、直接しゃべったり、とか……」
花陽「そ、そんな! 確かにA-RISEは頻繁にライブやってお客さんとコミュニケーションをとることに積極的なのはあるけど……」
花陽「春にも握手会やサイン会は数回やってたし、ライブ事態の数は他のアイドルグループに類を見ない多さで……」
希「ストップストップ!」
花陽「え? 何か間違ってたかな?」
希「いやいや、そういうことじゃなくて」
希(ていうかそもそもわからないし)
希「なんで花陽ちゃんは、A-RISEのインタビューがわかるのかってことを聞きたくて」
花陽「……き、緊張で聞こえなくなっちゃったとか!?」
希「ち、違うって! ウチらがおかしいってわけじゃなくて!」
海未「花陽、ちょっとこっちに来てください」
花陽「あ、うん……」
海未「私たちが来たこの夢の世界では、A-RISEと面識がない限り脳内補完ができないそうなんです」
花陽「……?」
希「たとえば、見たことも聞いたこともない料理の味は、絶対にわからないやろ?」
花陽「そうだね」
希「だからこっちも同じように――――――――」
花陽「あ、A-RISEのことをちゃんとわかってなかったら、こっちでもわからないってこと?」
希「そういうこと……なんやけど」
花陽「……」
海未「……」
希「……」
花陽「……何でだろう?」
海未「さあ……」
希「ウチにもさっぱり……」
希(どうしたんやろ。なんでこんなことが――――――――)
ここまで
かよちんに異変発生
わかりやすいフラグ回収でごめんね
大丈夫だ俺も半分くらい理解してない
エンディングの後に作者から詳しい解説があると思って見てる
絵里が希のおまじないを使って最初に行った夢世界1(この物語の主世界線)があって、絵里はその夢世界1にあまりに長くいすぎたため元々の自分の世界のことを忘れかけていた。これがHP(夢世界1から抜け出せる可能性のようなもの?)が少なくなっていった理由
しかし絵里は、夢世界1で見た夢の中の「絵里」に、自分は他の世界からやって来、それがどこかはわからぬがどうやら「帰る場所」とやらがあるらしい、ということを再認識させられたため、HPに関しては問題なくなった(?)
そして、夢世界1の中で、自らの思い残していたこととは何だったのかを探るためにさらに夢を見、「ハッピーエンドを迎えられなかった私達」であるところの夢世界2(穂乃果を屋上に呼び出した世界)、夢世界3(にこを~)、夢世界4(漫画版)を垣間見た←今ここ
長文ですまない
俺はこんな感じで理解してるけどどうなんだろう
>>759
解説はない
本編でネタバレやる、というか完全にわかる形でアレやらコレやらがある
>>760
いい考察
でも絵里は元の世界に戻れてないので、HPは0のまま(回復しないとは言ってない)
用事あるから更新は朝か昼になる
絵里「……そういえば最近、夢の中の私に会ってないわね」
絵里(前に助言してくれてからそれっきりだし)
絵里「また寝たら出てきてくれるのかしら?」
絵里「もしかしたら私が見てる夢について知ってたり――――――――」
絵里(そうだ、意識を集中させてみれば……)
絵里(出てこい私!)
絵里「むむむ……」
絵里(あ、でも自力では思い出せないとか言われたような……)
絵里(ああ、それならどうやって――――――――)
絵里(あれ? なんだか眠くなってきた気が……)
絵里「う……」
……あれ? ここは……。
「おはよう」
……あ! 私!?
「ええ」
なんで? どうして会えたの?
「誰かが無理やりに私たちを引っ張り出そうとしたせいかしら。結局はあなたが引きずり込まれちゃったみたいだけど」
な、なるほど……。
そうだ、私には聞きたいことが色々あるの!
「それは今から説明してあげるわ。夢の迷路で迷子になられても困るしね」
わかるの?
「もちろんよ。まあさすがに2回目のおまじないを行うとは思ってなかったけど」
2回目?
「気にしないで。こっちの話よ」
そうなのね。
あ、もしかして私が見た夢の世界について、わかったりする?
「ええ、わかるわ」
本当? なら教えてくれないかしら?
「そうねぇ……少し長くなるけどいい?」
ええ。
「言ってしまえば、あっちはパラレルワールドと一緒よ」
ぱ、パラレルワールド!?
「そうよ」
私ってそんな大変なことを……。
「パラレルワールドと言っても、あれは夢とは紙一重なの」
夢と一緒なの?
「そうよ。あの世界は――――――――」
「夢だと思えば夢になってしまう世界よ」
夢……どういうこと?
「オカルト的なものだからね。それは使用者の意識に関わることなの」
意識。
「そう、意識。言霊ってわかる?」
ああ、言ったことが本当になるみたいなやつよね。
「だいたいあってるわ。私たちもそういうのをあまり気にしてなかったから、気付くまでに時間がかかったんだけど……」
気付くって……まさか、あなたも行ったことがあるの?
「ええ、あるわ」
「というか私たち全員が、そのおまじないを試してるからね」
前から気にはなってたんだけど、私たちってどういうことなの? あなたは1人じゃない。
「ああ、それね。みんなを呼んだ方がいい?」
うん、いいわ。
「みんな、出てきて」
「んー?」
「何かあったの?」
「あれ、もしかしてそこにいるのって……」
わ、私が4人に増えた!?
「本当は7人いたんだけどね」
7人!? 7人もいたの!?
「あなたも迷った絵里?」
「いいえ、彼女は私たちを元の場所に置いてくる私よ。ずっと私が相手してたのはこの絢瀬絵里」
「ハラショー!」
「ハラショー!」
「ハラショー!」
……みんな同じこと言うのね。
「同じ人間だもの。仕方ないわ」
「とりあえず、ややこしくなるから戻りなさい」
「はーい」
「わかったわ」
「ありがとうね、私!」
え? 感謝されることなんて……。
「何を言ってるのよ、あなたは……って、まだ説明してないのね」
「そうよ。今から説明するところだから」
うん、まだ何も聞いてなくて。
「そっか、うんうん。自分がいかにすごいことをしてるかちゃーんと理解してね」
すごいこと……?
「まあ聞きなさい」
はい。
「さっき、あなたが見る夢のことをパラレルワールドって言ったじゃない?」
うん。
「で、行く先々であなたは別の役割を持っていた……そうでしょ?」
役割?
「ええ。ただの生徒会長ってだけじゃなかったわよね?」
ああ、生徒会の仕事をしてなかったりしたわ。
「その時、あなたは別の絢瀬絵里になってるのよ。パラレルワールドの別の時間軸にある自分に乗り移ってるってこと」
……よくわからないけど、もともとその世界にいた私の体を借りてる……ってことでいいの?
「そういうこと」
そっか……パラレルワールドにいたんだ。
だから物に触れたりできるのね。
「ええ。体を借りてるから」
なるほど……自分でも気づかないうちに、かなり壮大なことをしてたわけね。
「そしてもう1つ。その体を借りた時、もともといた絢瀬絵里はどこに行くと思う?」
え……あ、そっか、もともとの私がいるんだ。
えっと……その……どこかに行ってる、とか?
「正解よ」
やった!
「体を借りるときは、もともとの持ち主がいないとき、もしくは持ち主に憑依するような形で借りるしかないの」
憑依……あ、希がそんなことを言ってたわ。何かに憑りつかれたみたいな感じって。
「希は霊感とか強い方だものね。まあ行く先々でその強さが変わってくるけど」
ん? でも、持ち主がいないときってどういうこと?
「それはもちろん、あなたと同じようにパラレルワールドに行ってる時とか」
……そっか、なるほど。そんなことがあるんだ。
「あともう1つの可能性としては――――――――」
「私たちみたいに、帰る場所がわからなくなった場合ね」
帰る場所が……え?
「帰れない場合は、体がずっと抜け殻として残るのよ。行く先々で倒れたりよろめいたりしそうになったでしょう?」
したわ。今は結構慣れたけど……。
「おまじないって言っても、ただ寝る以外にもいろいろあるのよ。立ったままでも意識を集中させるだけ、とか」
え、そんな簡単なものでもいいの?
「ええ。オカルトってそんなものよ」
なるほど……。
「まあどういう仕組みかはわからないけどね」
そうよね。
あ、でも体が抜け殻のままなら、倒れたまま時間が進んだりしたら……。
「その辺はたぶん大丈夫よ」
え?
「だってあなたが向かったところでは、いつも倒れる寸前とかばかりだったでしょう?」
そうね。
「パラレルワールドでの時間の進みが私にもよくわからないんだけど……たぶん倒れるタイミングぴったりに時間が合わせてあるみたいなのよね」
す、すごいわね。
「そうなの。全ての世界の時間が、同じように一律で進んでいるとは限らないみたいなの」
「実際に過去に戻っていたりすることもあるし」
そういえば確かに、夏っぽくなかった時期もあったような……。
「それと同じで、あなたが行った先の世界で滞在していた時間と、こっちに戻ってきたときに立っている時間も違うでしょ?」
あ、違う。
「そういうことよ。このあたりは何度考えてもわからないままなの」
へぇ……。
「それであなたは、別の世界に行くついでに私たちを元の位置に戻していくってわけ」
へー……。
ん? 今さりげなく、ものすごいこと言わなかった?
「ああ、そのために私たちがあなたを導いてるってことよ。どの世界に行くか、とか」
ええっ!? ど、どういうこと!?
「私たちは帰れなくなったって言ったでしょ?」
うん。
「だからついでに、元の位置に戻してもらうの」
!?
え、それって……あなたたちがいた場所に、私が夢を通して行ってるってことなの?
「そうよ。普通は望んだ場所に近いところへ行けるみたいだけど、あなたはそういうのがなかったからこっそりと、ね」
そう、だったのね……。全然気づかなかった。
「そうして私たちは、自分の意識をあなたから切り離すことで元の場所に帰ることができる……」
「ふふ、導かれてるのは私たちの方かもね」
そういうことになるんだ。
「ええ」
「あ、忘れてたわ。言霊の話だけど」
うん。
「あの世界を、夢だ夢だと言い続けたり思い続けたりしたら夢になるわ」
……?
「わからないって顔ね……まあ私も最初はわからなかったわ」
「簡単に言うと、現実だと思えば現実になるし、夢だと思えば夢になるの」
わかったような、わからないような……。
「そうよね。ただ、あっちはそういうふわふわした世界だってことに気付いてくれればそれでいいの」
「あっちの世界を夢だと思わせることによって、現実の戻ってこられる場所をしっかりと記憶させる」
「これが正しい使い方なのよ」
本当は夢じゃなくて現実の世界なのに?
「ええ、だって現実の世界が2つもあると、どっちに戻っていいかわからなくなるでしょ?」
そうね……。
「まあ現に、誰かさんはその状態に陥ってるんだけど」
……?
「ま、これは自分で気づかないと意味がないからねぇ……他人に教えられた答えじゃ、本当に元いた世界がすぐにわからなくなるもの」
あ、ずっと聞こうと思ってたんだけど……。
「何かしら?」
なんで私にくっついてるの?
「それは私が、もともとの体の持ち主だからよ」
えっ。
あ、ご、ごめんなさい。
「いいのよ別に。ずーっと迷って迷って出てこられたら、あなたがいたんだもの」
迷ったって……あなたもなの? 他の私たちと同じで?
「迷った理由はまた今度ね。あなたが違和感に気付いたときに教えてあげるわ」
……あ! そうだ!
「どうしたの」
眠りすぎるといけないんだった! どうしよう……かなリ話し込んじゃった。
「大丈夫よ」
え、でも……。
「あなたはこうして私を呼べた。それは、いつでも私がその違和感を教え続けてあげられるってことよ」
あ、そっか。
「だから心配しないで」
わかったわ。
「でもあまりに長く眠りすぎると、私のことまで忘れちゃうから気を付けてね」
ええ。
あ、次にあっちの世界に行ったときは、4人の内誰かがいた世界ってことね。
「3人よ。私の世界はここだもの」
ああ、そうだったわね。
じゃあ後3回はアレをやらなきゃいけないってわけね。
「そうよ。ただ訪れるだけでもいいけど、あなたの好きなようにやってくれて構わないわ」
え? どうして?
元の人がいるのに。
「ふふ、何を言ってるの」
え?
「あなたの行動は私たちの行動よ」
「あなたは私たちよりもはるかにポジティブで前向きだけど、それ以外はほとんど同じ性格なんだから」
あー……。
そっか、そうよね。私なんだから……。
「でもあんまり無茶な行動はしないでね」
ええ、気を付けるわ。
「……よし、そろそろ起きる時間よ」
うん。
「目を覚ます準備をして」
「あなたは戻って元の世界へ戻るのよ」
「あなたのいるべき場所へ、戻りなさい」
ここまで
かなりのネタバレ回だった
最後の絵里のセリフはダブルミーニングです
乙
なんかオレが考えてた考察よりもかなり複雑だった
ここからはあえて考察とかやめて純粋に読ませてもらいますわ
俺の頭がポンコツすぎて理解が追い付かない
>>792
考察はしてくれて結構でござる
ネタバレにならない範囲なら答えられるから
>>793
君の頭は正常だ
自分でも伏線ばらまきすぎて説明不足になったと思ってる
ここである程度まとめてネタバレっぽく解説するか、残りの世界に行った後に本編でネタバレするかどっちがいい?
乙ー!
夢の世界で「おまじない」をすると
マトリョーシカみたいな入れ子構造になるのかしら
今回は元の世界に戻るキーアイテムをゲットした感じなのかな
彷徨える7人のエリーチカはおまじないをしたけど改変できずに帰れなくなった子達という事でいいんじゃろか
逆に主役チカだけは上手く行き過ぎて帰り方を忘れてるという
あ、ネタバレは同じくあとで本編にいれこんでくれた方が嬉しい派です
夢の中の絵里が「私の世界はここ」って言ってたってことは夢の中も世界の一つなのかな?
そしたら夢の中の絵里はどこから来たんだろう
楽しませてもらってます。
お風呂飛んできたから更新はちょっと後になる
チョットマッテテー
ごめん お布団飛んで行ったって書き込んだつもり
別に飛んでいってなかったから今からちょっとだけ更新するよ
絵里「……ん、今何時かしら」
絵里(寝たのがお昼過ぎくらいだったから……)
ことり「おはよう絵里ちゃん。晩ご飯食べに行こっか」
絵里「うん」
絵里(……)
絵里「晩ご飯!?」
ことり「そうだよ。晩ご飯」
絵里「こ、ことり、いつの間に帰ってきて……」
ことり「2時間前くらいかなぁ。絵里ちゃんがぐっすり寝てたから、起こすのは忍びないなぁと思って」
絵里「そ、そんな……」
絵里(でもさっきまで太陽が見えて――――――――)
絵里「……月が綺麗ね」
ことり「きゃっ、絵里ちゃんプロポーズ?」
絵里(えー……ってことは私、相当話し込んでたみたいね)
絵里(ん? でもあっちにいたのって10分……長くて20分くらいよね?)
絵里(……あ、普通に寝てたんだ、私)
絵里「そうね。晩ご飯食べに行きましょう」
ことり「はーい」
絵里(……私は最低あと3回、あのおまじないをやらなきゃいけないのよね)
絵里(今日の晩と、明日のお昼と晩で終わり……よね?)
絵里(あと1人はここにいる私だったみたいだし――――――――)
『それは私が、もともとの体の持ち主だからよ』
絵里(……あれ? この体の持ち主って、私じゃないの?)
絵里(うーん、また何か変なことが起こってるのかしら。今度聞いてみよう)
ことり「それにしてもびっくりだよぉ。絵里ちゃん1日で書類書き終えちゃうんだもん」
絵里「ああ、そのくらいは慣れてるわ。生徒会の仕事でよくやってたもの」
ことり「すごいね絵里ちゃん」
絵里「それほどでもないわ」
絵里(って言っても、生徒会の仕事はあんまりなかったけどね)
絵里(希だけじゃなくて、花陽も手伝ってくれてたし)
絵里(……)
絵里(なんで花陽が? どうして手伝ってくれてたんだっけ?)
絵里(何か忘れてるような気がするわね……うーん)
絵里(まあ今は食事を優先しなきゃね)
絵里「ことり、準備できた?」
ことり「ばっちりだよ!」
絵里「今日はお昼食べてないから、いっぱい食べちゃおうかしら。ふふっ」
ここまで
じゃあ本編でネタバレしていく方向にします
>>798
普通はそう思いますよね?
>>799
意識の絵里たちの帰れない理由はみんなバラバラなので、本編での公開をお楽しみに
>>800
ちょろっとネタバレになるけど解説
夢の世界=パラレルワールド
ここは「夢」でなく「現実」だと理解すれば、見たことも聞いたこともないものさえ知覚できるようになります(夢=知ってるものしか出てこない)
本編中に絵里が眠りすぎた際、意識の絵里がたたき起こしたことによって、絵里自身が「ここは自分の存在する現実だ」と誤解しました
なので今まで知覚できなかった、知らないパリの街並みが見えるようになったというわけです
乙
パラレルはこれ以上増えない?回収だけ?
>>812
増やしてほしいって要望がたくさんあればやるかも
一応帰国は5日目の朝にしてるから、4日目の夜に何かできる
つまり帰れなくなったエリチの数だけ後悔があるわけか。しかしそれを夢の世界で改変できたのは主人公エリチだけだった。
どのエリチも主人公エリチくらいポジティブなら夢の世界を改変できて元の世界に戻れたのだろうか?
あと主人公エリチがみんなを元に戻せるのは唯一夢の世界の改変に成功したからかな?
ダレる前にまとめて欲しいかな
>>814
実は改変自体には何の問題もない
詳しくは本編にて
考察はじゃんじゃんしてくれて構わない
>>815
その方がいいね 希視点の方でまとめる
あと絵里視点の方でもちょっとまとめやる
更新は3時くらいからになると思う
絵里「ふー、食べた食べた」
ことり「絵里ちゃん、普段あんなにたくさん食べるの?」
絵里「ううん、今日は少し多かったわ」
ことり「少しって……あ、そういえば絵里ちゃんが風邪ひいたときに食べてた朝ごはんの量も結構あったような……」
ことり「むむむ……絵里ちゃん太らないタイプ?」
絵里「どうかしら。ちゃんと運動はしてるんだけど」
絵里(夢の中で走ったりしたし)
ことり「ずーるーい」
絵里「そんなこと言われてもねぇ……ことりも太ってないじゃない」
ことり「……最近二の腕にお肉が」
絵里「そうなの? 全然わからないけど」
ことり「このままじゃ腕が丸太みたいになっちゃうかも」
絵里「逆に見てみたいわね」
ことり「絵里ちゃんのいじわる」
絵里「ふふ、だってしょうがないわよ」
絵里「さ、もうお風呂……じゃなかった。シャワー浴びて寝ましょうか」
ことり「そうだね。今度は覗かないでね?」
絵里「はいはい」
ことり「じゃあ昨日と一緒で私から入るよ」
絵里「ええ」
ことり「着替え着替えーっと」
絵里「……さて、今日聞いた話をまとめてみようかしら」
絵里「まずは……そうね。私が行ったのは夢じゃなくてパラレルワールドってところね」
絵里(夢と紙一重って言うのはよくわからなかったけど、とりあえずあっちも現実なのには変わりない、ってことよね?)
絵里「後は何があったっけ……」
絵里(ああ、私はこれから、意識の中にいる私たちを元いた世界に返して行かなきゃいけない)
絵里(7人いたって言ってたけど……残り3人はどうしたのかしら?)
絵里「まあそれは置いといて……」
絵里(私はあっちに行くときに、別の自分の体を借りてる)
絵里(その体を借りれるのは、そこに私の意識がないからで……)
絵里「うぅ、このあたりがわかりにくいわね」
絵里(体をコップ、意識を水と考えたらわかりやすいかしら?)
絵里(空のコップに何も入ってないから、水は入ることができる)
絵里(……こんな感じかしら)
絵里(それで、もともと水が入っていた場合は、一旦別の容器に移しておいてから水を入れる……)
絵里「……ふむ。それで戻るときにちゃんと戻すわけね」
絵里(希みたいに移し替えられたのがわかることもあれば、わからないこともある……)
絵里「まあそんなところ……よね」
絵里(難しいことは考えずに、単純にパラレルワールドに3回行けばいいってわけね)
絵里(よし、おしまい!)
絵里「ふー……考えたら疲れた。シャワー浴びよう」
ことり「きゃあああああ!?」
絵里「あっ」
用事だ ちょっとここまで
わからんことあったら気軽に質問して 本編で解説いれるので
うむう・・・
現時点であれこれ頭ひねるより、何も考えずに本編の解説を読み終えてから
じっくり考えた方がよさそうかな
>>825-828
意見ありがとう
昨日は連絡無くてすまなかった
今日は雷がひどくてこわいので更新は明日の朝昼にします
道民の友達はいるけど道民ではない
そしておれはエリチではない
絵里「ことり、起きてる?」
ことり「……」
絵里(寝てる……わよね)
絵里(本当に寝つきがいいのね、ことりって)
絵里(何か枕に秘密でもあるのかしら)
絵里(……よし、私も早く行かないと)
絵里「おやすみなさい」
――――――――ねぇ……ちゃん、お……!――――――――
んん? あれ、何でだろう。
今までだったら普通に起きられたのに。
なんだか普通に眠い気が……。
――――――――ねぇ、お姉ちゃん、起き……!――――――――
お姉ちゃん? ってことは亜里沙が……。
でもこの声、どこかで……。
――――――――こうなったら凛のくすぐりこうげきを……――――――――
絵里「ええっ!? 凛!?」
凛「やっと起きた! もー、お姉ちゃんったら。昨日夜更かししたでしょ?」
絵里(な、なんで凛が……?)
凛「今日は生徒会の活動があるんだよね。凛はかよちんと待ってるにゃ」
絵里「え、う、うん。そうね」
絵里(なんで凛が妹に……)
絵里(……なるほど、パラレルワールドってそういうこと)
亜里沙「凛お姉ちゃん、起きた?」
凛「亜里沙、それだと凛が寝坊してるみたいだよ」
亜里沙「いつものことでしょ?」
絵里(亜里沙はちゃんといるのね。よかった)
亜里沙「凛お姉ちゃん、いつも絵里お姉ちゃんに起こしてもらってるから」
凛「……そういえばそうだね」
絵里(そうなんだ)
亜里沙「トースト、用意してるから早く来てね」
凛「晩ご飯はラーメンがいい」
亜里沙「自分で作るならいいよ?」
凛「亜里沙の作るラーメンは絶品で……」
亜里沙「イ・ン・ス・タ・ン・ト・で・す!」
絵里(料理は亜里沙が作ってるんだ……こっちの私は料理しなかったのかしら)
凛「お姉ちゃん作ってぇ……」
絵里「別にいいわよ。そのくらい」
凛「えっ」
亜里沙「えっ」
絵里「ど、どうしたの2人とも……」
亜里沙「絵里お姉ちゃんが……料理!?」
凛「し、信じられない!」
絵里(こっちの私は一体何をしてたのやら)
絵里「行ってきます」
亜里沙「行ってらっしゃい」
絵里(あれ、私の家ってこんな場所だったかしら)
凛「亜里沙は学校行かないの?」
亜里沙「今日は2時間目からなの」
凛「へー。そんなのあるんだ」
亜里沙「昨日話したでしょ」
絵里(しっかり者の亜里沙……なかなか見られないわね)
花陽「おはよう絵里ちゃん、凛ちゃん、亜里沙ちゃん」
凛「あ、かよちん! おはよう!」
亜里沙「おはようございます」
絵里(ああ、花陽の家が隣になってるのね。凛と花陽が幼馴染っていうのは変わってないんだ)
絵里「おはよう花陽」
花陽「……」
絵里「……?」
花陽「きょ、今日はいつもの……やらないの?」
絵里(いつものって何だろう)
絵里(両手を広げて花陽が待ってる……なんとなく抱きしめたいような)
絵里(試す価値はあるわね)
絵里「おはよう花陽!」
花陽「お、おはようっ」
絵里「いつもの……これよね?」
花陽「うん、そうだけど……」
絵里(あってた!)
凛「お姉ちゃん、そういえば凛たちにはそれ、やってくれなかったね」
亜里沙「寝ぼけてたの?」
絵里「そういうことよ」
絵里(あ、でも花陽の抱き心地、いいわね……思わずずっと抱きしめていたくなっちゃう)
絵里(それにそこはかとなく炊き立てのご飯の匂いが)
海未「せ、生徒会長!? 何をしているんですか!」
絵里「え、海未?」
海未「!?」
凛「あ、園田さんおはよう」
亜里沙「おはようございます」
海未「はい、おはようございます……生徒会長? 何故私を名前で呼んだのですか。急に」
絵里(えっ、もしかして今度は海未がμ'sに入ってないとかそういう――――――――)
海未「今まではずっと書記さんだとか役員さんだとか……いつまで経っても名前を覚えていなかったのに!」
絵里(あ、これ違う。海未が生徒会役員なんだ)
絵里「えっと……あの、穂乃果とことりは?」
海未「先に行ってもらいました。生徒会長がちゃんと起きているか心配でしたので」
凛「とか言いながら毎日来てるにゃ」
亜里沙「きっと絵里お姉ちゃんのこと慕ってくれてるんだよ」
絵里(それならうれしいんだけど……なんだか海未怒ってる)
花陽「え、絵里ちゃん。そろそろ……」
絵里「あ、ごめん花陽」
海未「……そろそろ時間ですね。行きますよ」
絵里「何かあるの?」
海未「朝礼があるでしょう。生徒会長……まさか何をやるか忘れたとか言いませんよね?」
絵里(忘れた)
絵里(というか知らないわよそんなこと!)
花陽「新入生の部活勧誘のお知らせじゃないかなぁ?」
海未「そうですよ。わかっていますね生徒会長」
絵里「も、もちろんですとも!」
凛「あ、そういえば凛たち、まだ何部に入るか決めてなかったね」
絵里(そっか……まだ春なんだ)
絵里(やけに眠いのはそのせいよね。こっちの私が疲れてる、とかいうわけじゃないのよね)
絵里(……そうだ! 今のうちにクラスを聞いておこう!)
絵里「凛、花陽。2人ともクラスどこだっけ?」
凛「何言ってるのお姉ちゃん。1年生はクラス1つしかないよ?」
亜里沙「そうだよ。入学者数が年々減っていってるからね……オトノキ、大丈夫なのかなぁ」
絵里「ああ、そうだったわね」
絵里(……ってことはもしかして、廃校のお知らせが出る前の時期なの?)
絵里(今は色々考えても仕方がないわね)
絵里「じゃあ行きましょうか」
花陽「うん」
凛「亜里沙、戸締りはしっかりね」
亜里沙「大丈夫」
絵里(いつもの亜里沙見てると心配だけど、こっちなら大丈夫なのかも)
またワールドが増えたのか
海未「生徒会長。軽い原稿を用意したので目を通しておいてください」
絵里「え? これ何の原稿?」
海未「朝礼の時に使う物です」
絵里(そのためだけにこれを……? 私がやった朝礼は、こんなにしっかり用意してなかったけど……)
絵里「ありがとう海未。読んでおくわ」
海未「だ、だからその海未と呼ぶのは……」
絵里「えー、でも私も園田さんって呼ぶの嫌よ。他人行儀で」
凛「仲いいね」
花陽「うんっ」
海未「生徒会長、舞台袖で待機していましょう」
絵里「あれ? 副会長がいないけど……」
絵里(希は朝礼の時に前に出てたわよね?)
海未「何を言ってるんですか生徒会長。生徒会に副会長はいませんよ」
絵里「え」
絵里(あれ、生徒会のシステムが破たんしてる気が……)
海未「そもそも今年度は立候補者が少なかったせいで、生徒会は会長と穂乃果、ことりに私だけで運営しているじゃないですか」
絵里(わ、すごい! 身内だけだ!)
絵里「って希は?」
海未「え?」
絵里「希よ。希」
海未「希ですか?」
絵里(あれ、何で海未は名前で呼んで……)
海未「希は生徒会役員に立候補するようなタイプではないでしょう」
絵里「……そうだっけ?」
海未「そもそも希は2年生ですよ。生徒会長、希と交流があったんですか?」
絵里「に、2年生!?」
海未「ええ、そうですけど」
絵里(希が2年生……ってことはどういうこと?)
絵里(凛と花陽は幼馴染で1年生。でも凛は私の妹)
絵里(穂乃果とことりと海未も幼馴染っぽくて、3人とも生徒会役員……)
絵里(にこと真姫がまだわからないけど――――――――)
絵里「変わりすぎでしょ……もう」
海未「?」
ここまで
のんたんパートはこの世界終了後
>>849
言い方悪いけど、使い捨てワールドだからこれ終わったらもう出てこない
学年変更とか絵里ちゃんの感じ見てても最初期イメージしてる感じなのかね
楽しみ
当時のお洒落()でギター弾いてるエロ担当の頃か
リクエストその3(誕生日ssも兼ねて)
ことりに振り回される真姫ちゃんお願いします (コンマ73)
ことり「攻めるより攻められたい」
→ことり「攻めるより攻められたい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410533210/)
ちょっとだけ更新するよ
本当にちょっと
絵里「ふー。終わった」
絵里(演説とかは何度もやったことあるし、たいして緊張しなかったわね)
海未「……」
絵里「どうしたのよ海未」
海未「いえ、変だと思いまして」
絵里「えっ」
海未「いえ、いつもの生徒会長なら、確実にやりたがらないと思いまして……」
絵里(ま、まずい!)
絵里(ていうかこっちの私はどれだけ怠慢だったのよ!)
絵里「いや、そんなことはないわよ。やる気に満ち満ちてるっていうか……」
海未「こんなことより帰ってキルティングしたい、とか言いそうですし」
絵里(キルティングって何)
海未「どうしたんですか? 変ですよ会長」
絵里「そ、そんなことないって……それより穂乃果たちは?」
海未「向こうの席に座っていますよ。穂乃果たちはこういう場にあまり立つ役職ではありませんから」
絵里「書記が何をおっしゃる」
海未「それは生徒会長が、1人じゃさびしいから出ろと言ったんじゃないですか」
絵里(ますます私がわからない……私は何をしていたの?)
海未「一応昼休みにも生徒会の会議……まあただの集まりですけど……がありますから、ちゃんと出席してくださいね」
絵里「ええ。わかったわ」
海未「……本当に?」
絵里「わかったってば!」
海未「はい。では失礼しますね」
絵里「もう……」
絵里(海未はあんまり変わってなさそうだけど……穂乃果やことりはどうかわからないわね)
絵里(……ん? 希が2年生だとしたら、3年生は私とにこだけ……)
絵里(……)
絵里「にこ、私と知り合いじゃ……ないわよね、うん」
絵里(上手くしゃべれるかしら……1つ前の世界のにこみたいな感じだったら……)
絵里「雰囲気が違いすぎて……ダメね」
絵里(……うう、困ったわね)
>>867
おお ありがとう
でもギターネタは封印しとく
更新すつよ
絵里「……」
絵里(まるで他のクラスに来てしまったような疎外感が……)
絵里(そう、よね? ただでさえ誰と交流があるかわからないんだから……)
絵里(……ん? あのツインテールには見覚えが)
絵里「あ」
にこ「あ」
絵里(にこだ)
絵里(見た目は何1つ変わってない)
絵里(……でもさっき、私に反応したわよね?)
にこ「……」
絵里(うわわ!? こっちに来る!?)
にこ「絵里!」
絵里「は、はいっ!」
絵里(……あれ? 私のこと、知って――――――――)
にこ「今日はお弁当取りに来てって言ってたわよね。どうして来なかったの」
絵里「……へ?」
にこ「へ? じゃないわよ! あんた自分でした約束も守れないの?」
にこ「もうお弁当作ってあげないわよ!」
絵里「え、あの、その……」
にこ「何よ。遺言なら聞いてあげるわ」
絵里「まだ死にたくないわ」
にこ「……もう」
絵里(なんでにこは怒ってるんだろう……それにお弁当って何?)
絵里(もしかしたらにこの立ち位置も変わってたりするの?)
絵里(実は幼馴染だったり、とか……?)
にこ「ぬぬぬ……」
絵里(いや、絶対聞けない)
絵里「ご、ごめんねにこ。今朝は急いでて、つい……」
にこ「はいはい。その言い訳は聞き飽きたわ」
絵里(私の信用ゼロじゃない!)
絵里「悪かったってば。この通り!」
にこ「しょーがないわねー……いっつもそうやってのらりくらりと逃れようとするんだから」
にこ「ちょっとくらいやる気出しなさいよね」
絵里「あはは……」
絵里(何、こっちの私は一体何をしてたっていうの)
絵里(さっぱりわからない……凛に聞いて来ようかしら)
にこ「次やったら許さないわよ」
絵里「ええ、わかったわ」
にこ「ったくもー……ちっちゃいころは、にこ姉、にこ姉って何をするにもちょこまかとついてきてたくせに……」
絵里「ちっちゃいころ……?」
にこ「何よ。忘れたとは言わせないわよ?」
絵里(忘れた)
にこ「今では身長もこんなに差がついちゃったし……ケッ」
絵里(にこがやさぐれてる……やさぐれにこだ!)
絵里(って、そんなこと考えてる場合じゃなくて)
絵里「にこ、もう少し小さいころの話してみない?」
絵里(これは情報を仕入れるチャンスよね)
にこ「何よ突然」
絵里「にこ姉、お願いっ!」
にこ「……」
絵里(あ、今のはさすがに失敗した――――――――)
にこ「ふ、ふん! しょーがないわね。あんたがどれだけ私を慕ってたか、改めて教えてあげようじゃない」
絵里(わー、すごくうれしそう)
絵里(もしかしたらこっちの私もこんな風に頼んだりしてたのかしら)
にこ「あんたはいっつもそうやって、私に宿題見せてもらったりお弁当作ってもらったり――――――――」
絵里「えっ」
にこ「え? 何?」
絵里「……にこさん、得意科目は?」
にこ「数学だけど……って、あんたに教えるせいで、どの科目もそれなりにできるようになったわ」
絵里(……)
絵里(私、バカだったのね)
絵里(あ、いや。にこが賢いって可能性もあるわよね。うん)
絵里「にこ、2年次の学期末テストの平均点は?」
にこ「89」
絵里(ば、バストにしてはひどすぎる虚偽申告ね)
絵里「わ、私の平均点は……」
にこ「46」
絵里(……ウエストかしら。ほそーい)
にこ「本当に……なんであんた生徒会長になれたのよ」
絵里「ごめんなさい」
絵里(そ、そんなに残念な子だったの……私)
にこ「あんた、とことんやる気出さないタイプだったものね」
絵里「え」
絵里(救いがあるんですか?)
にこ「たぶんあんたなら、学年上位を軽く狙えると思うわよ。本気出せば」
にこ「だって実際チョコで釣ったらテスト平均96点だったでしょ」
絵里(うわああああ! 私のとってたテストの平均より高い! なんかむしゃくしゃする!)
絵里(あの時は答えもわかってたっていうのに……すごい罪悪案に押しつぶされそうだったけど)
絵里(……あれ? なんで知ってたんだっけ)
にこ「ん、何だか外が騒がしいわね」
絵里「え?」
絵里(あ、確かに教室に人がいないような……)
絵里「……言われてみればそんな気が」
絵里「って、移動教室じゃないの!?」
にこ「バカ。1時間目は英語よ」
絵里「じゃあ何で……」
にこ「行ってみればわかるわ」
希「大変大変! 大ニュース! えりち先輩! にこっち先輩!」
絵里「え、希?」
絵里(あ、やっぱりネクタイだ)
にこ「どうしたのよ、そんなに慌てて」
希「廊下の掲示板! 早く!」
絵里「え、っわ、ちょっと、引っ張らないでってば!」
にこ「?」
にこ「希、少しは落ち着きなさいよ」
絵里(希とにこは知り合いなのね)
絵里(……ていうか希に、先輩って呼ばれるのはなんだかくすぐったい気分かも)
希「落ち着いてられるわけないやん! ほらこれ!」
絵里「え? ……あ」
にこ「……何よこれ」
希「ウチもさっきクラスの子に聞いて、初めて知ったんやけど……」
にこ「廃校のお知らせって……何なのよ!」
絵里(やっぱり来たわね……)
絵里(私はどうしようかしら)
絵里(とりあえずいつも通り希に話を聞いてみたいところだけど……この状況じゃ無理そうね)
絵里(ちゃんとみんなの関係も知っておきたいし、まだ残っておくべきかしら)
絵里「……こっちのみんなの様子も心配だからね」
ここまで
この世界終わるまでもうちょっとかかる
この世界でのifのssお願い
あんまりグダグダしないで欲しいなー
乙
>>888
更新量と速度が落ちたからな
前までは毎晩やってたのが不定期になってきたし、量も減ってるからグダグダになってる
ここでやることは1つだから、早く展開進めるためにもササッと終わらせるわ
指摘ありがとう
絵里(うーん、廊下がざわざわしてる……これじゃ授業始められないわね)
絵里「みんな、びっくりしたのはわかるけど教室に戻りましょう。きっと理事長からお話があるわ」
絵里「私も後で聞いてみるから戻りなさい」
希「おお、みんな言うこと聞いた……」
絵里(よかった。一応発言力はあるみたいね)
希「えりち先輩、生徒会長みたい」
絵里「私はれっきとした生徒会長よ」
にこ「ねぇ、絵里」
絵里「んー?」
にこ「……なんでそんなに落ち着いてるわけ?」
絵里「それは―――――――」
絵里(今の私には頼れる仲間がいるもの)
絵里(なんて、言うわけにもいかないわね)
絵里「びっくりしすぎて逆に落ち着いてるのよ」
にこ「……」
絵里(……にこが睨んでる)
絵里「何よ。そんなに私の言葉が信じられない?」
にこ「……嘘が上手になったわね。あんた」
絵里「えっ」
にこ「他のみんなの目が誤魔化せたって、私にはそうはいかないわ」
にこ「あんたと何年幼馴染やってきたと思ってるのよ」
絵里「ええっ!?」
絵里(お、幼馴染だったの!? え、でも家が近くになかったような……)
にこ「引っ越しでちょっと家が離れたくらいで、そんなに変わるものなの?」
絵里(……なるほど、幼馴染だったけど、私が引っ越したわけね)
希「なーんか険悪な雰囲気やね……どうしたん?」
にこ「希は教室に戻ってなさい」
希「うー……ウチにも教えてくれたって――――――――」
にこ「希!」
希「っ!」
絵里「!」
絵里(にこが……怒ってる)
にこ「お願い。絵里と2人きりにして」
希「……ちゃんと仲直りしてな」
にこ「ええ、だから今は……」
希「うん」
絵里「……にこ、あの」
にこ「……」
絵里「ごめんなさい、私――――――――」
にこ「ああああああ! もう!」
絵里「!?」
にこ「ごめんなさいって何よ!」
絵里「え、その」
にこ「急に人が変わったみたいに真面目になって、嘘も吐いて」
絵里「いや、ちょっと」
にこ「花陽ちゃんや希とばっかり仲良くして!」
にこ「生徒会だから忙しいとか……何なのよもう!」
絵里(え、そっち?)
にこ「……そんなに私が嫌い?」
絵里「そ、そんなわけないでしょ! にこは大事な友達で――――――――」
にこ「友達、ね……幼馴染じゃなくて」
絵里(しまった)
にこ「はぁ……悪かったわね、むやみに突っかかって」
にこ「気が動転してるのよ、きっと」
絵里(こんな時……私だったら何て声をかければいいの)
絵里(幼馴染の絢瀬絵里だったら、どう答えるの?)
「ごめんねにこ。不器用な私でごめんなさい」
絵里「!」
絵里(今、誰かの声が……)
にこ「だから、謝らないでって言ってるでしょ……?」
絵里(誰が謝ってるの?)
絵里(……一体今のは、誰の声?)
「にこ。覚えてる? 私が夏休みの宿題を1つだけ家に忘れてきたときのこと」
絵里(違う、知ってる。この声は――――――――)
絵里「先生に、絵里は普段バカだけど、そんなズルは絶対しませんって言ってくれたのは誰だった?」
絵里(……私の声だ。私が勝手にしゃべってるんだ)
にこ「ふん。そんな昔のこと言われたって覚えてないわよ」
絵里「にこの嘘吐き」
にこ「あんたも嘘吐きじゃない」
絵里「あんたも、って言った! やっぱりにこ、嘘吐いてたんだ……ひどい!」
にこ「何言ってるのよ、あんたが先に……!」
絵里「許して。大好きよ、にこ」
にこ「……またそうやって、抱き着いてくるのね」
絵里「ふふ、私たちはずっとこうして仲直りしてきたじゃない」
にこ「……バカなのに記憶力だけはいいんだから」
絵里「大切な思い出よ? 忘れるわけありません」
にこ「そんなこと言えるなら、大切な英単語の1つや2つ覚えてみなさい」
絵里「えー、やだー」
にこ「やる気出しなさいよ」
絵里「私のやる気は、いつか来る試練の為に蓄えてあるの」
にこ「燃費の悪い高校生ね」
絵里「えへへ」
絵里(これってもしかすると……いや、確実にそうね)
絵里(体が本来の持ち主の元に還った……ってわけ)
絵里(あの世界の希はこんな体験をしていたのかしら)
絵里「あ、にこ。先に教室戻ってて」
にこ「え?」
絵里「ちょっとお手洗いに……」
にこ「……バカ、早く行ってきなさい」
絵里「はーい」
絵里(うわわ、体が勝手に動いてる。変な感じ……)
絵里「っと、ついたついた」
絵里「もしもーし。私、聞こえますかー?」
絵里(……えっ? 私に呼びかけてるの?)
絵里(何て返事すればいいのかしら……)
絵里「あれ? 聞こえてない?」
絵里「ならもっと大きな声で――――――――」
絵里(まずい! このままじゃトイレで叫ぶ変態になってしまう!)
絵里(聞こえてるわよ! もしもし!)
絵里「あ、聞こえてた」
絵里(た、助かった……)
絵里「うん、ギリギリだったよ」
絵里(そうね……って、わかってるなら何でやるのよ!)
絵里「へ?」
絵里(へ? じゃなくて)
絵里「あ、もしかして私もトイレ?」
絵里(へ?)
絵里「でも私が先に行っていいかしら? もう我慢の限界で……」
絵里(……そっちのギリギリね)
絵里(早く行きなさい。待ってるから)
絵里「はーい」
絵里(……くっ、言動の1つ1つにバカっぽさが垣間見える)
絵里「よく言われるわ」
絵里(た、助かった……)
絵里「うん、ギリギリだったわ」
絵里(そうね……って、わかってるなら何でやるのよ!)
絵里「へ?」
絵里(へ? じゃなくて)
絵里「あ、もしかして私もトイレ?」
絵里(へ?)
どっちが主人公えりち?
絵里(ねぇ、あなたってこっちの世界の私よね)
絵里「ええ」
絵里(やっぱり……でもどうして? 今まではこんなこと1度もなかったのに)
絵里「いやー、にこは寂しがり屋だから、ちゃんと一緒にいてあげないとダメなのよ」
絵里(寂しがり屋……そのあたりは変わってないのね)
絵里「あと可愛いものが大好き」
絵里(そこまで聞いてない)
絵里「まあ、何で急に出てきたかって言われると……よくわからないんだけど」
絵里(うん)
絵里「なんかひゅーっていってぽーんって感じに出てきたわ」
絵里(わからない)
絵里「お、同じ私なのにこうも理解力の差が……」
絵里(同じ私なのにどうしてこんなに残念に)
絵里「ねぇ」
絵里(なに?)
絵里「そっちの世界では、学院は本当に廃校になっちゃうの?」
絵里(なるわ)
絵里「ええっ」
絵里(でもそれは、私たちが阻止するの)
絵里「阻止……?」
絵里(μ'sってスクールアイドルグループを作ってね)
絵里「スクールアイドル……あ! 希が教えてくれたやつね」
絵里(希が?)
絵里「そうよ。この前までは特別仲がいいって感じじゃなかったんだけど、いつだったか……そうね、2週間前くらいによく話すようになって」
絵里「その時にスクールアイドルっていうのを教えてもらったの。もちろんにこは知ってたわ」
絵里(学年が離れてても希と仲が良かったのはそういうわけね……)
絵里「へぇ……でも私がスクールアイドルになるんだ……へぇ……」
絵里(まあいろいろと違うところはあるけどね。希が3年生だったり、凛が妹じゃなかったり)
絵里「ええっ!?」
絵里(いわゆるパラレルワールドってやつよ。あなたも知ってるんでしょ?)
絵里「……ああ! あれね!」
絵里(心配だわ……)
絵里(それより気になることがあるんだけど)
絵里「何?」
絵里(……どうしてあなたはおまじないを使ったの?)
絵里「なんでだっけ」
絵里(……もはや何も言うまい。予想通りの返事をありがとう)
絵里「ちょ、ちょっと待って!」
絵里(ん? 思い出した?)
絵里「引っ越しちゃって、花陽と仲良くなって……にことあんまり遊べなくなったの」
絵里「生徒会の仕事も以前より……書記の……えっと」
絵里(海未)
絵里「そう、書記田さんに、仕事はしっかりやれって言われちゃって」
絵里(やってなかったのね……あと書記は園田海未よ。園田)
絵里「あ、そうね」
絵里「さっきも言ったみたいに、にこは寂しがり屋だから……だから、もっとにこと遊ぶ時間を増やしたいと思ってやったの」
絵里(おまじないを?)
絵里「そう。せめて夢の中でシミュレーションすれば、もっと仕事も捗るかもしれないと思って」
絵里「まあ夢じゃなくてパラレルワールドだったんだけどね」
絵里(待って、シミュレーションってどういうこと……?)
絵里「え? だってこのおまじない、未来を見ることができるでしょ?」
絵里(……えっ)
絵里(いや、冷静に考えればそうね。そうよね)
絵里(もしかしてそれを……あなたはやったの?)
絵里「そう。生徒会の仕事も先を見ればすいすいできちゃうかもーって」
絵里(で、結果はどうだったわけ?)
絵里「……みんなと一緒にいるのが楽しすぎて、帰り方を忘れちゃったの」
絵里(そんなことがあるのね……)
絵里「なんとなく覚えてた帰り道を辿ろうとしたんだけど、失敗して別のところについちゃったってわけ」
絵里(それが私の元の世界の体?)
絵里「そういうこと」
絵里(ふーん……)
絵里「あれ、思い出さない?」
絵里(何が?)
絵里「あ、いや。私が言ってもダメなの。自分で実感して気付かないと、ちゃんと元の居場所へと帰れない……って私は言ってたから」
絵里(どの私?)
絵里「ううん、何でもない」
絵里(……誤魔化すのが下手ね)
絵里「よく言われるわ」
絵里「で、どうするの?」
絵里(どうするって?)
絵里「あ、その前にお礼を言っておくわ。ありがとう」
絵里(ああ、元の世界へ連れてきたから?)
絵里「ええ。ありがとう」
絵里(どういたしまして)
絵里「それで、どうするって聞いたのは、あなたはいつでも帰ることができるからどうするのって聞いただけよ」
絵里「もうすぐに帰っちゃう? それとももう少しこの世界を眺めたい?」
絵里(あ、ちょっとだけ見てみたいものがあるわ)
絵里「何が見たいの?」
絵里(生徒会よ。この世界の生徒会)
絵里(ちゃんと運営で来てるか気になって)
絵里「で、できてるわよ」
絵里(嘘が下手ね)
絵里「ぐぬぬ」
絵里(……って、花陽は幼馴染じゃなかったの?)
絵里「違うわ。ただのご近所さん」
絵里(それにしては凛が仲良さげだったけど)
絵里「やっぱり同じ学年だからっていうのが大きいんじゃない?」
絵里(そんなものなのね)
絵里「たぶん」
絵里(他の世界で関わりが深いから、とか勘ぐっちゃったわ)
絵里「……難しいこと考えたらお腹すかない?」
絵里(……)
絵里「あ、もう授業始まっちゃうわね」
絵里(え、もう?)
絵里「でも結構話し込んでたわよ?」
絵里「まあそのおかげで人が少ないんだけど」
絵里(そうね。トイレに入ったら1人で話してる人がいるなんて軽くホラーよね)
絵里(ん? でも朝礼あったんだし、もうとっくに授業は始まって……)
絵里「あ、この時計、電池切れたんだった」
絵里(……もういいわ。一緒に怒られましょう)
絵里「せ、生徒会長なのに……」
絵里(本当に何で生徒会長になれたのよ……)
絵里「そういえば他の世界でも、私は生徒会長だったわね。生徒会長好きなのかしら」
絵里(私も生徒会長よ)
絵里「そうよね……あなたの今いる世界も生徒会長でしょ?」
絵里(ええ)
絵里「あ、考えてたらお腹すいて来た」
絵里(……)
絵里(って、未来を見たなら廃校のお知らせが出ることくらい知ってるんじゃないの?)
絵里「ううん。そんなこと1度もなかったわ」
絵里(そうなの?)
絵里「うん」
絵里「そもそも、どの世界の私もスクールアイドルなんてやってなかったからね――――――――」
早く寝すぎた
時間あるから更新するよ
絵里「あれ、生徒会の集まりっていつだっけ」
絵里(昼休みよ)
絵里「ああ、そうだった」
絵里「……あれ? この公式、どこかで……」
絵里(代入)
絵里「あー、それね」
にこ「……あんた何1人でぶつぶつ言ってるのよ」
絵里「え? あ、なんでもない。全然たいしたことないわ」
にこ「いや、大したことあるでしょ。見せてみなさい」
絵里「え、ちょっとにこ、ノートとらないで、あー……」
にこ「……嘘」
絵里「な、何?」
にこ「あの絵里が公式に当てはめてる……」
絵里「え、えへへ。すごいでしょ」
にこ「でも掛け算間違えてる……」
絵里「」
絵里()
にこ「どうしたの。お腹すきすぎて頭おかしくなった?」
絵里「え、そんなことないってば。確かに4時間目だけど……」
絵里(頭つかうとお腹すくって、にこにも言われるのね)
絵里「幼馴染だから」
にこ「?」
絵里(ちょっと、にこが首かしげてるわよ)
絵里「あれ? どうしたのにこ。寝違えた?」
にこ「あんた、誰としゃべってるの」
絵里「あっ」
絵里「はー……やっとお昼ね」
絵里「さて、待ちに待ったご飯を――――――――」
絵里(生徒会)
絵里「あーう」
にこ「ちょっと、本当に大丈夫なわけ? さっきからふらふらしてるけど」
絵里「大丈夫大丈夫」
絵里(雑な誤魔化し方ね……もっと何かないの?)
絵里「えーっと……じゃあ……」
絵里「あ、そう。生徒会があるでしょ?」
にこ「そうね」
絵里「でもにこは一緒に行けない」
にこ「うん」
絵里「……それでちょっと、二兎追う者は三兎も得ずみたいな……」
絵里(なんで増えたのよ)
にこ「安心した。いつも通りね」
絵里「ひ、ひどい!」
にこ「ほら、遅れないように行ってきなさい。みんな待たせてるんでしょ?」
絵里「あ、うん。いってきまーす」
にこ「待ってるわよ」
絵里「なるべく早く抜け出してくるわ」
絵里(抜け出すんじゃありません)
にこ「はぁ……そんなんだから先生から、今日のボケは冴えてるなとか言われてるのよ」
絵里(にこ……ごもっともよ)
絵里(あ、そうだ)
絵里「え?」
絵里(……いきなりしゃべると変に思われるから、イエスの時は手をグーに、ノーの時は手をパーにしてくれる?)
絵里「わかったわ」グー
絵里(わかってない)
絵里「……」グー
絵里(よろしい)
絵里(こっちの世界の真姫に会ってみたいの。今日は会えるかしら)
絵里「」グー
絵里(1年生?)
絵里「」パー
絵里(えっ、真姫は1年生じゃないの?)
絵里「」パー
絵里(ど、どっち?)
絵里「」チョキ
絵里(……ごめん、主語を抜かして悪かったわ。あなたは3年生ね。それで真姫が1年生)
絵里「」グー
絵里(で、真姫はどこにいるの? やっぱり音楽室?)
絵里「」パー
絵里(……直接話してもらえる?)
絵里「ぐー」
絵里(ちがうちがう)
絵里「?」
絵里(直接話すって言うのは……)
絵里「真姫ちゃんは凛と花陽のお友達よ」
絵里(あ、そうそう。そういうことよ)
絵里「?」
絵里(続けて。気にしないでいいから)
絵里「え、気になる」
絵里(話止まるから! 後で教えてあげるから!)
絵里「」グー
絵里「真姫ちゃんは凛と花陽のお友達」
絵里(あなたは面識がないの?)
絵里「」パー
絵里「よくお菓子もらったりするわ」
絵里(……二言目で一気に関係が複雑化したわね。あなたの立ち位置はなんなの?)
絵里「友達の姉」
絵里(……うん、そういうことにしておきましょう)
絵里「あ、もう生徒会室ね」
絵里(ああ、やっぱり場所は変わってないんだ)
絵里「?」
絵里(ううん、何でもないわ)
絵里「そう?」
絵里(ええ)
絵里「じゃあ入るわね。失礼しまーす」
海未「おや、生徒会長にしては早いですね」
穂乃果「あ、絵里ちゃん。ちょうどお茶が入ったところだよー」
絵里「ありがとう。えっと……おまんじゅうの子よね?」
絵里(穂乃果よ。高坂穂乃果)
絵里「ほの……え? ほのおちゃん?」
穂乃果「穂乃果は穂乃果だよ、ほーのーかー」
絵里「ほーのーかー」
絵里「よし、覚えた」
絵里(絶対嘘だわ)
海未「穂乃果、敬語を使いなさいとあれほど……」
穂乃果「絵里ちゃんは良いって言ってるもん。ねー?」
絵里「ねー」
海未「では生徒会長。せめて役職名くらい覚えてください」
絵里「……ほのちゃん役職何だっけ」
絵里(さっそく違う)
穂乃果「……海未ちゃん、穂乃果は何する人だっけ」
海未「……」
絵里(海未、同情するわ)
ことり「遅れてごめんなさい! あれ? 絵里ちゃんがもう来てる?」
絵里「ふふふ、ことりは4着ね」
絵里(なんでことりは覚えてるの?)
絵里「……ひらがなで覚えやすいから?」
絵里()
ことり「?」
絵里「あ、そうそう。このかちゃん」
絵里(苗字と名前が混ざってる)
穂乃果「え? なに?」
絵里「ほら、今朝廃校のお知らせって言うのがあったじゃない。もう見た?」
穂乃果「うん。3人とも見たよ」
絵里「へー。私はあんまり覚えてないけど」
絵里(……まあいいわ。よくないけどいいわ)
絵里(でも変ね。穂乃果は1番ショックを受けてたって聞いてたんだけど……)
絵里「ショックじゃなかった?」
穂乃果「そんなことないよ! もうショックで死んじゃうかと思ったくらい」
絵里「ふふ、本当に死ぬわけないじゃない」
絵里(……ああもう面倒ね。代わりなさい)
絵里「え、ちょ、そ、そんな電話代わるみたいな……」
絵里「……」
絵里「よし」
絵里(うぅ……普通に入れ替わられるなんて)
絵里「穂乃果ならもうちょっとショックを受けたんじゃないかと思ってね」
絵里「でもどうして? そんなにすぐ立ち直るなんて、何か理由があるの?」
穂乃果「それはもちろん、解決策が見つかったからだよ!」
絵里(解決策? なにそれ)
絵里「どんな?」
穂乃果「スクールアイドルだよ、スクールアイドル!」
絵里(あ、さっき言ってたやつだ)
絵里「……やっぱりね」
海未「だから、スクールアイドルなんて私には……」
穂乃果「ええっ!? 海未ちゃんがいないとスクールアイドルが始められないよ!」
海未「無理です!」
ことり「海未ちゃん……美人なのに」
海未「何と言われても絶対やりません」
絵里「ラブアローシュート」
海未「」
絵里(あれ、固まっちゃったわよ?)
絵里「みんなのハートを……」
海未「会長!」
穂乃果「?」
ことり「?」
海未「ど、どこでそれを……まだ誰にも言っていないその決め台詞を……!」
海未「まさか弓道場に……? いや、そんなはずは……それに生徒会長の記憶力はそんなによくないはず……」
絵里(失礼な)
絵里「事実よ」
ことり「絵里ちゃん、今の何?」
絵里「海未は言わないだけで、本当はスクールアイドルをやりたいってことよ」
穂乃果「ほんと!?」
海未「うっ」
絵里(あ、照れてる。かわいいわね)
海未「そ、それより仕事をしましょう。生徒会の仕事を」
絵里(誤魔化し方、下手ねー)
絵里「……何も言わないでおくわ」
海未「ほら、まだ溜まっている仕事はあるんですよ」
穂乃果「えー? スクールアイドルは?」
海未「今は関係ありません!」
ことり「ふふ、今は……ねっ」
海未「ことり!」
ことり「きゃー、海未ちゃんこわーい」
穂乃果「きゃー」
海未「会長も、たまには手伝ってください」
絵里「ええ」
穂乃果「絵里ちゃんがやる気だ……これは穂乃果も負けてられないよ!」
ことり「うんっ、じゃあやろっか」
絵里「……」
絵里(どうしたの?)
絵里「……ううん。なんでもない」
絵里(誤魔化せてないわよ?)
絵里「ふふっ、それでも構わないわ」
絵里(?)
絵里「穂乃果たちが生徒会、ね……」
絵里(そうよ、ほの……ほのかたちが生徒会、よ)
絵里「海未、ちょっと席を外してもいい? すぐに戻るから」
海未「ええ、構いませんが……ちゃんと戻ってきてくださいよ?」
絵里「わかってるわ」
絵里(どこ行くの?)
絵里「……すぐにわかるわ」
絵里(なんだ、トイレね)
絵里「そうよ。帰ろうと思って」
絵里(家に帰るの? 学校をサボっちゃうの? それはダメよ。にこに怒られるわ)
絵里「だから、私が元の世界に帰るのよ」
絵里(ああ、そういうことね)
絵里(……ええっ!? もう?)
絵里「長居しちゃ、あなたみたいに帰り道を忘れちゃいそうだもの」
絵里(……そっか)
絵里「ねぇ、穂乃果たちの生徒会って……どう?」
絵里(そうねぇ……楽しそうよ)
絵里「どんな風に?」
絵里(私がいなくても、ちゃんと仕事してくれるわ!)
絵里(ああ、あとね、ほのかは元気いっぱいで、書記の……そう、海未! 海未はそのサポートができてるわ)
絵里(ことりは2人をまとめてくれてて……あれ? 私、いらない……?)
絵里「あはは……やっと名前、覚えたんだ」
絵里(あ、本当ね。いつの間に)
絵里「あなたが言うならそうなのね。私の考えだもの」
絵里(えー? 言っちゃなんだけど、私とあなたじゃ頭の作りが違うわよ?)
絵里「本当に説得力あるわね……でもいいの。私の目に狂いはないはずだもの」
絵里(せ、責任はとれないわよ?)
絵里「いいわよ、そんなこと」
絵里(?)
絵里「ただ、安心しただけだから」
絵里「それじゃ、もうお別れね」
絵里(寂しくなるわね……また会える?)
絵里「どうかしら。でももう会わない方がいいのかもしれないわ」
絵里(どうして?)
絵里「ここはあなたの居場所だもの」
絵里(ふーん……難しいわね)
絵里「きっとスクールアイドルの活動を始めたら、今までにないくらい楽しくなると思うわ」
絵里(そう? 私は……その、何事にも全力でやれないから――――――――)
絵里「ううん、虜になるわ。今までに感じたことがないくらい、楽しくて、素敵で、面白い……」
絵里「最高の日々が始まるわよ。覚悟してなさい」
絵里(……ちょっとワクワクしてきた)
絵里「ええ、その心を忘れないで」
絵里(うん……じゃあ)
絵里「ええ」
絵里「さよなら」
絵里(さよなら!)
――――――――
――――
――
絵里「……今度は2時間も経ってる」
絵里「……」
絵里「……生徒会、かぁ」
絵里(任せてみるのも、いいかもしれないわね……)
ここまで
次は希パートですよ
次スレ
絵里「つよくてにゅーげーむ」 part3
→絵里「つよくてにゅーげーむ」 part3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410731690/)
にこ「希」
希「ん? どうしたん、にこっち」
にこ「ねぇ、希……あんたはここを夢だ夢だっていうけど……」
にこ「私たちにとっては紛れもない現実なのよ?」
つづく
次スレに移動します
前スレのリクエストまだ片付いてないので>>1000のリクエストだけ受け付けるよ
μ'sメンバーのカプ1組でシチュを添えて頼む(つよくてにゅーげーむのストーリーには組み込まないので自由で構わない)
エログロは無理なのでよろしく
うめ
別のコンテンツの本スレの荒らしをあぼーんする為に大量の単語をNGに入れてたら>>1が巻き込まれちゃって滅茶苦茶読みにくくなった……
いやぁこの世界戦凄く好きだわ
うめ
>>1000ならほのにこ
夕日が見える河原でキャッチボール
このSSまとめへのコメント
なんかこんがらがってきたwww
続きスゲー気になるわ
通りすがりのエリーチカ状態だなw
続きは?!?
>>963見よう